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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】クリーニングバー
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/04 20060101AFI20240220BHJP
   C11D 3/382 20060101ALI20240220BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20240220BHJP
   C08L 1/26 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C11D1/04
C11D3/382
C11D17/06
C08L1/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550067
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2022017185
(87)【国際公開番号】W WO2022182613
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202141007970
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナド、サウガタ
(72)【発明者】
【氏名】クロイツ、セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ダンデカール、ディーパック
【テーマコード(参考)】
4H003
4J002
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003BA01
4H003CA06
4H003CA08
4H003CA15
4H003DA01
4H003EA15
4H003EA19
4H003EA25
4H003EB42
4H003ED02
4H003FA12
4H003FA26
4J002AB031
4J002CD012
4J002FD142
4J002GC00
(57)【要約】
クリーニング界面活性剤と、水と、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルと、を含む、クリーニングバーが提供され、クリーニングバーは、固体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニングバーであって、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、5~<78.99重量%のクリーニング界面活性剤と、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、>21~50重量%の水と、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%の架橋セルロースエーテルであって、前記架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルと、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%の加工助剤と、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%の、芳香剤、着色剤/染料、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される任意選択の成分と、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0~15重量%の充填剤と、を含み、
前記クリーニングバーが、固体である、クリーニングバー。
【請求項2】
前記架橋セルロースエーテルが、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである、請求項1に記載のクリーニングバー。
【請求項3】
前記不可逆的に架橋されたセルロースエーテル中の前記ポリエーテル基が、2~100個のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基である、請求項2に記載のクリーニングバー。
【請求項4】
前記ポリオキシアルキレン基が、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載のクリーニングバー。
【請求項5】
前記不可逆的に架橋されたセルロースエーテルが、塩基セルロースエーテル及び架橋結合を含み、前記架橋結合が、前記ポリエーテル基を含有し、前記塩基セルロースエーテルが、ヒドロキシアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を含有する、請求項4に記載のクリーニングバー。
【請求項6】
前記塩基セルロースエーテルが、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載のクリーニングバー。
【請求項7】
前記クリーニング界面活性剤が、ソープであり、前記クリーニングバーが、前記クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%の前記ソープを含み、前記クリーニングバーが、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%の加工助剤と、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%の、芳香剤及び染料のうちの少なくとも1つからなる群から選択される任意選択の成分と、を更に含み、
前記クリーニングバーが、洗濯クリーニングバーである、請求項1に記載のクリーニングバー。
【請求項8】
前記クリーニング界面活性剤が、ソープであり、前記クリーニングバーが、前記クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%の前記ソープを含み、前記クリーニングバーが、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%の加工助剤と、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%の、芳香剤及び染料のうちの少なくとも1つからなる群から選択される任意選択の成分と、
前記クリーニングバーの重量に基づいて、0.1~5重量%の保湿剤と、を更に含み、
前記クリーニングバーが、パーソナルケアクレンジングバーである、請求項1に記載のクリーニングバー。
【請求項9】
クリーニングバーを作製する方法であって、
クリーニング界面活性剤を提供することと、
水を提供することと、
架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する前記架橋セルロースエーテルを提供することと、
前記クリーニング界面活性剤、前記架橋セルロースエーテル、及び前記水を混合して、組み合わせ物を形成することと、
前記組み合わせ物を機械練りすることと、
前記機械練りされた組み合わせ物を押出成形することと、
前記押出成形された材料を打抜き加工して、前記クリーニングバーを提供することと、を含む、方法。
【請求項10】
芳香剤を提供することと、
加工助剤を提供することと、を更に含み、
前記芳香剤及び前記加工助剤が、前記クリーニング界面活性剤、前記架橋セルロースエーテル、及び前記水とともに混合されて、前記組み合わせ物を形成する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニングバーに関する。具体的には、本発明は、クリーニング界面活性剤と、水と、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースと、を含むクリーニングバーに関し、クリーニングバーは、固体である。
【0002】
クリーニングバーは、洗濯物、硬質表面、皮膚、及び毛髪を洗うために消費者に依然として人気がある。
【0003】
仕上げ機械練りされたクリーニングバーは、従来、70重量%超の総脂肪分(total fatty matter、TFM)含有量と、10~14重量%の水と、他の成分(例えば、二酸化チタン、界面活性剤、及び芳香剤)と、を有する、非ソープ界面活性剤又はソープヌードルから調製される。現在、機械練りされたバーは、約8~15重量%の典型的な含水量を有し、機械練りされていないバーは、20~25重量%の含水量を有する。
【0004】
様々な組成のクリーニングバーが知られている。従来のクリーニングバーは、クリーニングバープ本来の利点を与えるように、様々な添加剤と一緒に配合されている。従来のクリーニングバーは、クリーニングバーの浄化特性及びコンディショニング特性を増強させるために、少なくとも1つの界面活性剤(例えば、一価カルボン酸脂肪酸の、一価のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルカノールアンモニウム塩)、及び任意選択で、保湿クリーム、保湿剤、抗菌剤、水、充填剤、ポリマー、加工助剤、染料、芳香剤などの1つ以上のアジュバントを含有する。
【0005】
配合及びプロセス効率を容易にするために、高い含水量を有するクリーニングバーを作り出すことが望ましい。それにもかかわらず、完成したクリーニングバーを形成するための加工後に配合物の高い含水量を維持することは、困難であった。
【0006】
したがって、摩耗率などの他の望ましいクリーニングバー特性を保持しながら、完成したクリーニングバーにおいて高い含水量を可能にする新しいクリーニングバー配合物に対する必要性が依然として存在する。
【0007】
本発明は、クリーニングバーの重量に基づいて、5~<78.99重量%のクリーニング界面活性剤と、クリーニングバーの重量に基づいて、>21~50重量%の水と、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%の架橋セルロースエーテルと、クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%の加工助剤と、クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%の、芳香剤、着色剤/染料、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される任意選択の成分と、クリーニングバーの重量に基づいて、0~15重量%の充填剤と、を含むクリーニングバーを提供し、クリーニングバーは、固体である。
【0008】
本発明は、クリーニングバーの重量に基づいて、5~<78.99重量%のクリーニング界面活性剤と、クリーニングバーの重量に基づいて、>21~50重量%の水と、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%の不可逆的に架橋されたセルロースエーテルと、クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%の加工助剤と、クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%の、芳香剤、着色剤/染料、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される任意選択の成分と、クリーニングバーの重量に基づいて、0~15重量%の充填剤と、を含むクリーニングバーを提供し、クリーニングバーは、固体である。
【0009】
本発明は、クリーニング界面活性剤を提供することと、水を提供することと、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを提供することと、クリーニング界面活性剤、架橋セルロースエーテル、及び水を混合して、組み合わせ物を形成することと、組み合わせ物を機械練りすることと、機械練りされた組み合わせ物を押出成形することと、押出成形された材料を打抜き加工して、クリーニングバーを提供することと、を含む、クリーニングバーを作製する方法を提供する。
【0010】
本発明は、クリーニング界面活性剤を提供することと、水を提供することと、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを提供することと、芳香剤を提供することと、加工助剤を提供することと、を含み、クリーニング界面活性剤、架橋セルロースエーテル、芳香剤、加工助剤、及び水を混合して、組み合わせ物を形成することと、組み合わせ物を機械練りすることと、機械練りされた組み合わせ物を押出成形することと、押出成形された材料を打抜き加工して、クリーニングバーを提供することと、を含む、クリーニングバーを作製する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
驚くべきことに、架橋剤中にポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテル(好ましくは、アルキルエーテル基及びヒドロキシアルキルエーテル基を含有するセルロースエーテル)を含有するクリーニングバーが、許容可能な耐摩耗性を維持しながら、完成したクリーニングバー中の高い含水量(>21重量%)を容易にすることが見出された。
【0012】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「DS」という用語は、Zeisel法によって決定される、セルロースエーテル中の無水グルコース単位当たりのアルキル置換OH基の数を意味する。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「DS(メチル)」又は「DS(M)」という用語は、Zeisel法によって決定される、セルロースエーテル中の無水グルコース単位当たりのメチル置換OH基の数を意味する。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「MS」という用語は、Zeisel法によって決定される、セルロースエーテル中のヒドロキシアルキル置換基としての無水グルコース単位1モル当たりのエーテルとして結合しているエーテル化試薬のモル数を意味する。
【0016】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「MS(ヒドロキシエチル)」又は「MS(HE)」という用語は、Zeisel法によって決定される、セルロースエーテル中のヒドロキシエチル置換基としての無水グルコース単位1モル当たりのエーテルとして結合しているエーテル化試薬のモル数を意味する。
【0017】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「MS(ヒドロキシプロピル)」又は「MS(HP)」という用語は、Zeisel法によって決定される、セルロースエーテル中のヒドロキシプロピル置換基としての無水グルコース単位1モル当たりのエーテルとして結合しているエーテル化試薬のモル数を意味する。
【0018】
「Zeisel法」という用語は、MS及びDSを決定するためのZeisel切断手順を指す。G.Bartelmus and R.Ketterer,Zeitschrift fuer Analytische Chemie,Vol.286(1977,Springer,Berline,DE),pages161-190を参照されたい。
【0019】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、洗濯洗剤バー、パーソナルケアクレンジングバー、シャンプーバー、硬質表面クリーニングバー、トイレブロック、及び食器洗浄バーからなる群から選択される。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、洗濯洗剤バー、パーソナルケアクレンジングバー、及びシャンプーバーからなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、洗濯洗剤バーである。
【0020】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~<78.99重量%(好ましくは、7~70重量%、より好ましくは、8~60重量%、最も好ましくは、10~55重量%)のクリーニング界面活性剤と、クリーニングバーの重量に基づいて、>21~50重量%(好ましくは、>23~45重量%、より好ましくは、25~40重量%、最も好ましくは、30~37.5重量%)の水と、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテル(好ましくは、架橋セルロースエーテルは、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである)と、クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%(好ましくは、0.01~3重量%)の加工助剤と、クリーニングバーの重量に基づいて、0~3重量%(好ましくは、0.01~3重量%)の芳香剤、着色剤/染料、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される任意選択の成分と、クリーニングバーの重量に基づいて、0~70重量%(好ましくは、2~65重量%、より好ましくは、2.5~60重量%、最も好ましくは、3~55重量%)の充填剤と、を含み、クリーニングバーは、固体である(すなわち、クリーニングバーは、剛性表面上に置かれ、室温22℃及び圧力101.4kPaで24時間静置された場合に、形状を知覚できるほど変化しない)。
【0021】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~<78.99重量%(好ましくは、7~70重量%、より好ましくは、8~60重量%、最も好ましくは、10~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~<78.99重量%(好ましくは、7~70重量%、より好ましくは、8~60重量%、最も好ましくは、10~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含み、クリーニング界面活性剤は、非ソープ界面活性剤、ソープ、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%(好ましくは、37~70重量%、より好ましくは、40~60重量%、最も好ましくは、45~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含み、クリーニング界面活性剤は、ソープを含む。
【0022】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~30重量%(好ましくは、7~25重量%、より好ましくは、8~20重量%、最も好ましくは、10~15重量%)の非ソープ界面活性剤。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~30重量%(好ましくは、7~25重量%、より好ましくは、8~20重量%、最も好ましくは、10~15重量%)の非ソープ界面活性剤、非ソープ界面活性剤は、アルキルスルホン酸、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエーテルスルホン酸、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルスルホネート、パラフィンスルホン酸、パラフィンサルフェート、パラフィンスルホネート、オレフィンスルホン酸、オレフィンサルフェート、オレフィンスルホネート、アルファ-スルホカルボキシレート、アルファ-スルホカルボキシレートのエステル、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸、アルキルグリセリルエーテルサルフェート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、脂肪酸のサルフェート、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、アルキルフェノールポリエトキシエーテルサルフェート、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホン酸、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホネート、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホン酸、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホネート、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~30重量%(好ましくは、7~25重量%、より好ましくは、8~20重量%、最も好ましくは、10~15重量%)の非ソープ界面活性剤を含み、非ソープ界面活性剤は、C8~20アルキルベンゼンスルホン酸、C8~20アルキルベンゼンサルフェート、C8~20アルキルベンゼンスルホネート、C8~20アルキルエーテルスルホン酸、C8~20アルキルエーテルサルフェート、C8~20アルキルエーテルスルホネート、パラフィンスルホン酸、パラフィンサルフェート、パラフィンスルホネート、アルファ-オレフィンスルホン酸、アルファ-オレフィンサルフェート、アルファ-オレフィンスルホネート、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。更になおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~<30重量%(好ましくは、7~25重量%、より好ましくは、8~20重量%、最も好ましくは、10~15重量%)の非ソープ界面活性剤を含み、非ソープ界面活性剤は、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸、C10~16アルキルベンゼンスルホネート、C10~16アルキルポリエトキシスルホン酸、C10~16アルキルポリエトキシサルフェート、C10~16アルキルポリエトキシスルホネート、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~30重量%(好ましくは、7~25重量%、より好ましくは、8~20重量%、最も好ましくは、10~15重量%)の非ソープ界面活性剤を含み、非ソープ界面活性剤は、C11~14アルキルベンゼンスルホン酸、C11~14アルキルベンゼンスルホネート、C11~14アルキルポリエトキシスルホン酸、C11~14アルキルポリエトキシサルフェート、C11~14アルキルポリエトキシスルホネート、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、5~30重量%(好ましくは、7~25重量%、より好ましくは、8~20重量%、最も好ましくは、10~15重量%)の非ソープ界面活性剤を含み、非ソープ界面活性剤は、C11~14アルキルベンゼンスルホン酸を含む(好ましくは、C11~14アルキルベンゼンスルホン酸である)。
【0023】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%(好ましくは、37~70重量%、より好ましくは、40~60重量%、最も好ましくは、45~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%(好ましくは、37~70重量%、より好ましくは、40~60重量%、最も好ましくは、45~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含み、クリーニング界面活性剤は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルカノールアンモニウムイオンからなる群から選択される、対イオンを有するモノカルボン酸脂肪酸の一価塩からなる群から選択されるソープである。なおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%(好ましくは、37~70重量%、より好ましくは、40~60重量%、最も好ましくは、45~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含み、クリーニング界面活性剤は、ソープであり、ソープは、動物性脂肪及び植物油のうちの少なくとも1つからの脂肪酸のアルカリ(好ましくは、ナトリウム)塩である。更により好ましくは、本発明のクリーニングバー組成は、クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%(好ましくは、37~70重量%、より好ましくは、40~60重量%、最も好ましくは、45~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含み、クリーニング界面活性剤は、ソープであり、ソープは、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、米糠油、ヒマワリ油、ヤシ油、大豆油、落花生油、獣脂、ラード、魚油、及びそれらのブレンドのうちの少なくとも1つからの脂肪酸のアルカリ(好ましくは、ナトリウム)塩である。更になおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%(好ましくは、37~70重量%、より好ましくは、40~60重量%、最も好ましくは、45~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含み、クリーニング界面活性剤は、ソープであり、ソープは、油と脂肪との40:60~97:3のブレンドからの脂肪酸のアルカリ(好ましくは、ナトリウム)塩である(好ましくは、油と脂肪とのブレンドは、パームとパーム核油とのブレンド、及びパームとココナッツ核油とのブレンドから選択される)。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、35~<78.99重量%(好ましくは、37~70重量%、より好ましくは、40~60重量%、最も好ましくは、45~55重量%)のクリーニング界面活性剤を含み、クリーニング界面活性剤は、ソープであり、ソープは、パーム油とパーム核油との50:50、60:40、70:30、80:20、又は90:10(好ましくは80:20)のブレンドからの脂肪酸のアルカリ(好ましくはナトリウム)塩である。
【0024】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、>21~50重量%(好ましくは、>23~45重量%、より好ましくは、25~40重量%、最も好ましくは、30~37.5重量%)の水を含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、>21~50重量%(好ましくは、>23~45重量%、より好ましくは、25~40重量%、最も好ましくは、30~37.5重量%)の水を含み、水は、蒸留水及び脱イオン水のうちの少なくとも1つである。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、>21~50重量%(好ましくは、>23~45重量%、より好ましくは、25~40重量%、最も好ましくは、30~37.5重量%)の水を含み、水は、脱イオン水である。
【0025】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、塩基セルロースエーテル及び架橋結合を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を含有する混合セルロースエーテルである。なおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、塩基セルロースエーテル及び架橋結合を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、塩基セルロースエーテル及び架橋結合を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロースである。
【0026】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、塩基セルロースエーテル及び架橋結合を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基を含有する混合セルロースエーテルであり、架橋セルロースも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。なおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、塩基セルロースエーテル及び架橋結合を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、架橋セルロースも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~5重量%(好ましくは、0.05~3重量%、より好ましくは、0.1~2.5重量%、なおより好ましくは、0.15~2重量%、最も好ましくは、0.2~1.5重量%)の架橋セルロースエーテルを含み、架橋セルロースエーテルは、塩基セルロースエーテル及び架橋結合を含み、架橋結合は、ポリエーテル基を含有し、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロースであり、架橋セルロースも、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。
【0027】
好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%(好ましくは、0.12~0.6重量%、より好ましくは、0.12~0.45重量%、最も好ましくは、0.12~0.29重量%)のポリエーテル基を含有する。より好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%(好ましくは、0.12~0.6重量%、より好ましくは、0.12~0.45重量%、最も好ましくは、0.12~0.29重量%)のポリエーテル基を含有し、ポリエーテル基は、1つの架橋当たり2~100個(好ましくは2~20個、より好ましくは、3~15個)のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基である。最も好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%(好ましくは、0.12~0.6重量%、より好ましくは、0.12~0.45重量%、最も好ましくは、0.12~0.29重量%)のポリエーテル基を含有し、ポリエーテル基は、1つの架橋当たり2~100個(好ましくは、2~20個、より好ましくは、3~15個)のオキシプロピレン基を有するポリオキシプロピレン基である。
【0028】
好ましくは、本発明の架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、架橋結合を有する塩基セルロースエーテルを含む。好ましくは、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、アルキルセルロースエーテル、及びそれらの組み合わせから選択される。塩基セルロースエーテルの例としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、疎水変性エチルヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、及びスルホエチルヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。好ましくは、塩基セルロースエーテルは、アルキルヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシアルキルメチルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、及びエチルヒドロキシエチルセルロース)などの、ヒドロキシアルキルエーテル基及びアルキルエーテル基の両方を含有する混合セルロースエーテルである。
【0029】
好ましくは、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル置換を含有する。より好ましくは、塩基セルロースエーテルは、1.5~4.5(好ましくは、2.0~3.0)のヒドロキシエチルエーテル置換度MS(HE)又はヒドロキシプロピルエーテル置換度MS(HP)を有する。
【0030】
好ましくは、塩基セルロースエーテルは、メチルエーテル置換を含有する。より好ましくは、塩基セルロースエーテルは、1.2~2.1(好ましくは、1.3~1.7、より好ましくは、1.35~1.60)のメチルエーテル置換度DS(M)を有する。
【0031】
好ましくは、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル置換及びアルキルエーテル置換を含有する混合セルロースエーテルである。より好ましくは、塩基セルロースエーテルは、0.05~0.75(好ましくは、0.15~0.45、より好ましくは、0.20~0.40)のヒドロキシエチルエーテル置換度MS(HE)、及び1.2~2.1(好ましくは、1.3~1.7、より好ましくは、1.35~1.60)のメチルエーテル置換度DS(M)を有する混合セルロースエーテルである。
【0032】
好ましくは、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシアルキルエーテル置換及びアルキルエーテル置換を含有する混合セルロースエーテルである。より好ましくは、塩基セルロースエーテルは、0.1~1.5(好ましくは、0.2~1.2)のヒドロキシプロピルエーテル置換度MS(PE)及び1.2~2.1(好ましくは、1.3~2.0)のメチルエーテル置換度DS(M)を有する混合セルロースエーテルである。
【0033】
好ましくは、架橋セルロースエーテルは、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する、架橋結合を有する塩基セルロースエーテルを含み、塩基セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルメチルセルロースであり、架橋結合は、ポリオキシプロピレンジオキシエチレンエーテル架橋結合、例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロースとポリプロピレングリコール(polypropylene glycol、PPG)グリシジルエーテルとの反応生成物として生成されるものである。
【0034】
塩基セルロースエーテルを架橋して、架橋セルロースエーテルを形成するのに使用される架橋剤としては、ポリオキシアルキレン又はポリアルキレングリコール基、及び2つ以上(好ましくは、2つ)の架橋基、例えば、塩基セルロースエーテルとのエーテル結合を形成して、架橋セルロースエーテルを形成するハロゲン基、グリシジル又はエポキシ基、及びエチレン性不飽和基(例えば、ビニル基)を有する化合物が挙げられる。好ましくは、架橋剤は、1,2-ジクロロ(ポリ)アルコキシエーテル、ジクロロポリオキシエチレン、ジグリシジルポリアルコキシエーテル、ジグリシジルホスホネート、スルホン基を含有するジビニルポリオキシアルキレンからなる群から選択される。2つの異なるタイプの官能基を有する架橋剤が使用され得る。例としては、ジグリシジルポリオキシプロピレン及びグリシジル(ポリ)オキシアルキルメタクリレートが挙げられる。好ましくは、架橋剤は、1分子当たり2~100個(好ましくは、2~20個、より好ましくは、3~15個)のオキシアルキレン基を含有する。
【0035】
好ましくは、架橋セルロースエーテル中に含まれる架橋剤の量は、0.0001~0.05当量(好ましくは、0.0005~0.01当量、より好ましくは、0.001~0.005当量)の範囲であり、1「当量」は、塩基セルロースエーテル中の無水グルコース単位(anhydroglucose unit、AGU)のモル数に対する架橋剤のモル比を表す。
【0036】
好ましくは、架橋セルロースエーテルは、不可逆的に架橋されたセルロースエーテルである。すなわち、架橋セルロースエーテル中の架橋結合は、通常条件下での架橋セルロースエーテルの意図された使用中に分解しない。対照的に、可逆的架橋結合は、通常条件下での架橋セルロースエーテルの意図された使用中に分解する。クリーニングバーにおける使用が意図されるセルロースエーテル中の可逆的架橋結合の例は、アルデヒド系架橋剤(例えば、グリオキサール)を使用して作り出されるものであり、この架橋結合は、架橋された材料が水に溶解すると分解する。
【0037】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、<0.5重量%(好ましくは、<0.01重量%、より好ましくは、<0.001重量%、なおより好ましくは、<0.0001重量%、最も好ましくは、<検出限界)の架橋カルボキシメチルセルロースを含む。
【0038】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、固体である。クリーニングバーに関して本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「固体」という用語は、クリーニングバーを剛性表面上に置き、室温(22℃)及び圧力(101.4kPa)で、24時間剛性表面上に静置したときに、形状が知覚できるほどには変化しないことを意味する。
【0039】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、0.5~11重量%(より好ましくは、1~8重量%、最も好ましくは、1~4重量%)の摩耗率を有し、摩耗率は、実施例に記載されるように、4日間の使用後のクリーニングバーの重量損失である。
【0040】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、任意選択の成分を更に含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、任意選択の成分を更に含み、任意選択の成分は、ビルダー、保湿剤、加工助剤(例えば、二酸化チタン)、防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール)、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン)、粘度調整剤、ポリマー、遊離脂肪酸、泡安定剤、発泡増強剤、充填剤、キレート剤、抗菌剤(例えば、殺生物剤)、pH調整剤、pH緩衝剤、芳香剤/香料、塩、着色剤(例えば、染料)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、加工助剤(例えば、二酸化チタン)、芳香剤、着色剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される任意選択の成分を更に含む。
【0041】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、任意選択で、クリーニングバーの重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは、10.5~15重量%)のビルダーを更に含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、任意選択で、クリーニングバーの重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは、10.5~15重量%)のビルダーを更に含み、ビルダーは、水和性アルカリ金属リン酸塩、アルカリ(炭酸塩及び重炭酸塩を含む)、ゼオライト、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、任意選択で、クリーニングバーの重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは、10.5~15重量%)のビルダーを更に含み、ビルダーは、ゼオライト、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、任意選択で、クリーニングバーの重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは、10.5~15重量%)のビルダーを更に含み、ビルダーは、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0042】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、保湿剤を更に含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.1~5重量%(好ましくは、0.25~2重量%、より好ましくは、0.5~1.5重量%、最も好ましくは、0.75~1.25重量%)の保湿剤を更に含む。なおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.1~5重量%(好ましくは、0.25~2重量%、より好ましくは、0.5~1.5重量%、最も好ましくは、0.75~1.25重量%)の保湿剤を更に含み、保湿剤は、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシ化グルコース、1,2-ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、多価アルコールである。更により好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.1~5重量%(好ましくは、0.25~2重量%、より好ましくは、0.5~1.5重量%、最も好ましくは、0.75~1.25重量%)の保湿剤を更に含み、保湿剤は、グリセリンを含む。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.1~5重量%(好ましくは、0.25~2重量%、より好ましくは、0.5~1.5重量%、最も好ましくは、0.75~1.25重量%)の保湿剤を更に含み、保湿剤は、グリセリンである。
【0043】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、加工助剤を更に含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%(好ましくは、0.1~1.5重量%、より好ましくは、0.25~1.25重量%、最も好ましくは、0.5~1重量%)の加工助剤を更に含む。なおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%(好ましくは、0.1~1.5重量%、より好ましくは、0.25~1.25重量%、最も好ましくは、0.5~1重量%)の加工助剤を更に含み、加工助剤は、タルク、方解石、カオリン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、珪藻土、及びそれらの混合物からなる群から選択される、無機粉末材料である。更により好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%(好ましくは、0.1~1.5重量%、より好ましくは、0.25~1.25重量%、最も好ましくは、0.5~1重量%)の加工助剤を更に含み、加工助剤は、タルク、方解石、二酸化チタン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%(好ましくは、0.1~1.5重量%、より好ましくは、0.25~1.25重量%、最も好ましくは、0.5~1重量%)の加工助剤を更に含み、加工助剤は、二酸化チタンを含む。
【0044】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、キレート剤を更に含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~0.5重量%(好ましくは、0.05~0.3重量%、より好ましくは、0.075~0.25重量%、最も好ましくは、0.1~0.2重量%)のキレート剤を更に含む。なおより好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~0.5重量%(好ましくは、0.05~0.3重量%、より好ましくは、0.075~0.25重量%、最も好ましくは、0.1~0.2重量%)のキレート剤を更に含み、キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~0.5重量%(好ましくは、0.05~0.3重量%、より好ましくは、0.075~0.25重量%、最も好ましくは、0.1~0.2重量%)のキレート剤を更に含み、キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩、1-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸二ナトリウム塩、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetraacetic acid、EDTA)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~0.5重量%(好ましくは、0.05~0.3重量%、より好ましくは、0.075~0.25重量%、最も好ましくは、0.1~0.2重量%)のキレート剤を更に含み、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩を含む。
【0045】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、芳香剤を更に含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%(好ましくは、0.1~2重量%、より好ましくは、0.5~1.75重量%、最も好ましくは、0.75~1.25重量%)の芳香剤を更に含む。
【0046】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、着色剤を更に含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0.01~3重量%(好ましくは、0.1~2重量%、より好ましくは、0.5~1.75重量%、最も好ましくは、0.75~1.25重量%)の着色剤を更に含む。
【0047】
好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0~70重量%(好ましくは、2~65重量%、より好ましくは、2.5~60重量%、最も好ましくは、3~55重量%)の充填剤を含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0~70重量%(好ましくは、2~65重量%、より好ましくは、2.5~60重量%、最も好ましくは、3~55重量%)の充填剤を含み、充填剤は、サルフェート(例えば、硫酸マグネシウム)、塩化物(例えば、塩化ナトリウム)、方解石、シリケート(例えば、ケイ酸ナトリウム、含水ケイ酸アルミニウム)、ドロマイト、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を更に含む。最も好ましくは、本発明のクリーニングバーは、クリーニングバーの重量に基づいて、0~18重量%(好ましくは、2~10重量%、より好ましくは、2.5~7.5重量%、最も好ましくは、3~5重量%)の充填剤を含み、充填剤は、ケイ酸ナトリウムを含む。
【0048】
本発明のクリーニングバーは、溶融鋳造(別名、溶融及び注入)、打抜き加工、押出、機械練り、プロッディング、及びそれらの組み合わせを含む周知の技術を使用して生成され得る。
【0049】
好ましくは、本発明のクリーニングバーを作製する方法は、クリーニング界面活性剤を提供する(好ましくは、クリーニング界面活性剤は、ソープであり、より好ましくは、クリーニング界面活性剤は、ソープヌードルとして提供されるソープであり、最も好ましくは、クリーニング界面活性剤は、少なくとも70重量%の総脂肪材料(TFM)と10~15重量%の水との水性混合物を含むソープヌードルとして提供されるソープである)ことと、水を提供することと、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを提供することと、クリーニング界面活性剤、架橋セルロースエーテル、及び水を混合して、組み合わせ物を形成する(好ましくは、混合しながらクリーニング界面活性剤及び架橋セルロースエーテル及び水を加熱して、組み合わせ物を形成する)ことと、組み合わせ物を機械練りすることと、機械練りされた組み合わせ物を押出成形することと、押出成形された材料を打抜き加工して、クリーニングバーを提供することと、を含む。より好ましくは、本発明のクリーニングバーを作製する方法は、クリーニング界面活性剤を提供する(好ましくは、クリーニング界面活性剤は、ソープであり、より好ましくは、クリーニング界面活性剤は、ソープヌードルとして提供されるソープであり、最も好ましくは、クリーニング界面活性剤は、少なくとも70重量%の総脂肪材料(TFM)と10~15重量%の水との水性混合物を含むソープヌードルとして提供されるソープである)ことと、水を提供することと、架橋セルロースエーテルの重量に基づいて、0.1~0.6重量%のポリエーテル基を含有する架橋セルロースエーテルを提供することと、芳香剤を提供することと、加工助剤を提供することと、を更に含み、クリーニング界面活性剤、架橋セルロースエーテル、芳香剤、加工助剤、及び水を混合して、組み合わせ物を形成することと、組み合わせ物を機械練りすることと、機械練りされた組み合わせ物を押出成形することと、押出成形された材料を打抜き加工して、クリーニングバーを提供することと、を含む。
【0050】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0051】
合成1:架橋セルロースエーテル
合成1で使用した架橋剤は、約400ダルトンの分子量を有し、次の式を有するポリプロピレングリコール(polypropylene glycol、PPG)から作製された直鎖ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテルであり、
【0052】
【化1】

式中、nは、5.7~6.7である(EPILOX(商標)M985ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル架橋剤としてLeuna-Harze GmbH,Leuna,DEから入手可能)。
【0053】
粉砕したセルロースのフロック(1.5mol)を5Lのオートクレーブに付加した。オートクレーブを短時間窒素ガスでパージした後、オートクレーブの内容物を40℃に加熱した。次いで、ジメチルエーテル(dimethylether、DME、4.7mol/molの無水グルコース単位(AGU))及び塩化メチル(methyl chloride、MCl、3.2mol/mol AGU)をオートクレーブに注入した。カセイソーダ(NaOH、強度50重量%水性、1.9molのNaOH/mol AGU)を、40℃の温度で2分間、3回に分けてオートクレーブに添加した。反応混合物を、40℃で30分間保持した。次いで、エチレンオキシド(0.45mol/mol AGU)を添加し、反応混合物を40℃で10分間保持した。架橋剤(EPILOX(商標)M985架橋剤、0.0025mol/mol AGU)を20mLのイソプロパノールに溶解し、オートクレーブの内容物に30秒間隔で6回の増分で添加した。次いで、オートクレーブの内容物を、40分以内で80℃に加熱した。80℃で、水溶性一価銅配位子(monovalent copper ligand、MCL2、1.3mol/mol AGU)をオートクレーブに迅速に注入した。その後、NaOH(0.67mol/mol AGU)を30分間にわたって7回に分けて添加し、続いて80℃で70分のクックオフ時間を行った。これに続いて、生成物架橋セルロースエーテルを熱(>95℃)水で洗浄し、ギ酸で中和し、造粒し、乾燥させ、機械練りした。
【0054】
比較例C1及び実施例1~7:クリーニングバー
比較例C1及び実施例1~7の各々について表1に記載されている組成を有するクリーニングバーを調製した。ソープヌードルをシグマミキサで粉砕し、表1に記載されている量の他の成分とともにシグマミキサで混合した。香料を最後に添加した以外は、全ての成分を、具体的な順序ではなく、順次添加した。その後、塊全体をシグマミキサからトリプルロールミルに移して、混合物をすりつぶした。全プロセスともに実験室の周囲条件下で実施した。その後、ロールミルから受け取った塊をスクリュープロッダに入れ、45~65℃の温度で押出成形した。次いで、押出成形された塊を小片に切断し、ソープダイで打ち抜くと、最終生成物クリーニングバーが提供された。
【0055】
【表1】
【0056】
クリーニングバーの含湿量
比較例C1及び実施例1~7に従って調製したクリーニングバーの含水量を、150℃に設定した乾燥温度及びクリーニングバーの断面から選択した0.5gの試料を使用するMettler Toledo HX204 Halogen Moisture Analyzerを使用して測定した。含水量を表2に報告する。
【0057】
【表2】
【0058】
クリーニングバー摩耗率
訓練されたパネリストが、比較例C1及び実施例1~7に従って調製したクリーニングバーの各々を評価して、以下の試験プロトコルを使用して、4日間の使用後のクリーニングバーからの重量損失パーセントとして摩耗率を査定した。水に浸した20cm×15cmのポプリン綿布を取る。クリーニングバーを最初に秤量する(各クリーニングバー組成物を三連で試験する)。バーの上面を布表面上にして、バーを10回擦る。各擦りは、1つの水平ストロークである。次いで、同様の方法を使用して、同じ条件下に保たれた異なる布上で底面を用いてバーを10回擦る。合計で、クリーニングバー当たり20回擦る。クリーニングバーを30分間置いておき、次いでこの手順を繰り返す。このプロセスを、各クリーニングバーについて1日当たり5回繰り返す(すなわち、1日当たりクリーニングバー当たり100回の擦り)。次いで、このクリーニングバーを、湿気を作り出すためだけにパラフィンフィルムで一晩覆って、いくらかの水を含むトレイ中のペトリ皿中に維持する。翌日、このプロセスを繰り返し(すなわち、クリーニングバー当たり100回の擦り)、次いで記載されているようにクリーニングバーを保存する。これを連続4日間継続する。5日目に、クリーニングバーを秤量し、平均摩耗率を表3に報告する。
【0059】
【表3】
【国際調査報告】