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特表2024-508785アクセスをガードするための安全スイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】アクセスをガードするための安全スイッチ
(51)【国際特許分類】
   F16P 3/10 20060101AFI20240220BHJP
   G05B 9/02 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
F16P3/10
G05B9/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550190
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 IB2022051943
(87)【国際公開番号】W WO2022185279
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021000005243
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515332229
【氏名又は名称】ピザト エレットリカ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】PIZZATO ELETTRICA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピザト,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ゾンタ,シモーネ
【テーマコード(参考)】
5H209
【Fターム(参考)】
5H209AA01
5H209EE03
5H209JJ01
(57)【要約】
安全スイッチは、内部に切換手段を収容する切換デバイス(2)と、アクセスの開閉時に前記切換手段と相互作用するようになされた駆動デバイス(3)と、を備え、前記切換デバイスは、前記アクセスの不正な開放を防止するための駆動デバイス(3)の係止/解放手段(23)を収容する。前記駆動デバイス(3)は、前記切換デバイス(2)のスロット(20)に嵌り込んで前記係止/解放手段(23)と相互作用するようになされた相互作用要素(17)を備え、前記係止/解放手段(23)には、非動作係止解除位置と動作係止位置との間を移動可能な係止ピン(24)が設けられており、前記相互作用要素(17)には、前記係止ピン(24)の一端を挿入するための座部(25)が設けられている。前記係止/解放手段(23)は、前記相互作用要素(17)が前記切換デバイス(2)に係止される係止位置と、前記相互作用要素(17)を取り外し可能である保持位置と、にある前記相互作用要素(17)を並進させるようになされた係止要素(40)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業機械およびプラントへのアクセスを監視するための安全スイッチであって、
監視すべきアクセスの固定部分に据え付けられるようになされ、機械またはプラントの1つまたは複数のコマンド回路および/またはサービス回路を制御するための切換手段を内部に収容する、切換デバイス(2)と、
前記アクセスの可動部分に据え付けられるようになされ、前記アクセスの開閉において前記切換手段と相互作用して1つまたは複数の回路を開閉するようになされた、駆動デバイス(3)と、
前記切換デバイス(2)に対して前記駆動デバイス(3)を係止して前記アクセスの不正な開放を防止するように設計された、前記駆動デバイス(3)の係止/解放手段(23)と、を備え、
前記駆動デバイス(3)は、前記切換デバイス(2)の少なくとも1つのスロット(20)に嵌り込んで前記係止/解放手段(23)と相互作用するようになされた、少なくとも1つの相互作用要素(17)を備え、
前記係止/解放手段(23)には、前記相互作用要素(17)に係合するように、前記切換デバイス(2)において所定の軸(A)に沿って、少なくとも前記相互作用要素(17)が前記切換デバイス(2)に係止される係止位置と、前記相互作用要素(17)を前記切換デバイス(2)から取り外し可能な保持位置と、に並進するようになされた、係止要素(40)が設けられ、
前記係止要素(40)は、相互に締結され前記軸(A)に沿って相関して並進可能な少なくとも1対の要素を備え、前記要素の少なくとも1つは、少なくとも前記遮断位置において前記相互作用要素(17)を係合するようになされた係止ピン(24)である、スイッチ。
【請求項2】
前記係止/解放手段(23)は、前記係止ピン(24)を、前記係止要素(40)が前記相互作用要素(17)を係合していない第1非動作解放終了位置と、前記相互作用要素(17)のとの間で移動させるように設計されている、請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記係止/解放手段(23)は、前記係止ピン(24)を、前記終了位置の中間の動作保持位置に移動させるように設計されており、前記係止ピン(24)は、部分的に突出して前記相互作用要素(17)の座部(25)に挿入される上端を有する、請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記係止要素(40)は、前記係止ピン(24)に締結され、前記並進している前記係止ピン(24)を前記終了位置の間にガイドして前記第2係止動作終了位置に向かう最大ストロークを制限するのに適したガイド手段(38,39)が設けられた押動要素(37)を備え、前記押動要素(37)には、前記係止ピン(24)にこれを前記保持位置に向けて押し動かす推力を及ぼすようになされた(36)が設けられている、請求項3に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記係止要素(40)は、相関して並進可能な様式で前記係止ピン(24)に締結された補助保持ピン(33)を備え、前記補助保持ピン(33)は、前記切換デバイス(2)において移動可能であって、前記係止ピン(24)が前記第1非動作解放終了位置にあるときに前記相互作用要素(17)の前記座部(25)に挿入されてこれを係合するように設計されている、請求項1から請求項4の何れか一項に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記補助保持ピン(33)は、前記切換デバイス(2)において前記軸(A)に平行な方向に沿って移動可能である、請求項5に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記補助保持ピン(33)は、前記切換デバイス(2)において前記解放ピン(24)に対して独立した動きで移動可能であって、前記解放ピン(24)が前記第1非動作解放終了位置にある場合にのみ前記係止相互作用要素(17)と相互作用し、前記補助保持ピン(33)はまた、その下端において、前記補助保持ピン(33)に前記相互作用要素(17)の前記座部(25)に向かう推力を及ぼすようになされた弾性コントラスト要素(34)と関連付けられている、請求項5または請求項6に記載のスイッチ。
【請求項8】
前記補助保持ピン(33)は、前記係止ピン(24)の内部に、これと同軸に配置されている、請求項5から請求項7の何れか一項に記載のスイッチ。
【請求項9】
前記係止/解放手段(23)は、使用中に視認性を維持するようになされた前記切換デバイス(2)の前面(10~12)の少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの補助解放制御部を備える、請求項1から請求項8の何れか一項に記載のスイッチ。
【請求項10】
前記切換デバイス(2)は、各々にそれぞれのスロット(20)が設けられた少なくとも3つの前面(10~12)を有する筐体(4)を備え、前記係止/解放手段(23)は、前記前面(10~12)の各々関連付けられた少なくとも1つの補助解除コマンドを備える、請求項9に記載のスイッチ。
【請求項11】
前記駆動デバイス(3)は、前記アクセスの可動部分への据付体(14)と、前記相互作用要素を画定し、前記切換デバイス(2)の前記少なくとも1つのスロット(20)に挿入されるようになされたアクチュエータ(17)と、を備え、前記アクチュエータ(17)は、前記据付体(14)に締結された第1端(18)と、前記据付体(14)から横方向に突出する第2端(19)と、を有し、存在信号を送受信することによって前記切換手段と遠隔的に相互作用するようになされた送信型または受信型の少なくとも1つの第1遠隔通信要素(21)を収容している、請求項1から請求項10の何れか一項に記載のスイッチ。
【請求項12】
前記切換デバイス(2)は、前記存在信号の交換を通じて前記第1遠隔通信要素(21)と通信するようになされた受信型または送信型の少なくとも1つの第2遠隔通信要素(22)を内部に収容し、前記切換デバイス(2)にはまた、内部に前記アクチュエータ(17)を挿入し、前記第2遠隔通信要素(22)に対して前記第1遠隔通信要素(21)を接近可能にするのに好適な、少なくとも1つのスロット(20)が設けられている、請求項11に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用電気デバイスの分野に用途を見出すものであり、特に、産業用機械またはプラントの安全境界またはバリアへのアクセスをガードするように設計された安全スイッチを目的とする。
【背景技術】
【0002】
知られているように、保護パネル、バリア、安全柵のような機械または産業プラントへのアクセスをガードするように設計されたスイッチは、アクセスの固定部分に据え付けられるように設計された切換デバイスと、可動部分に据え付けられるように設計された駆動デバイスと、を備える。
【0003】
既知の方法では、可動部分が閉じられると、切換デバイスと駆動デバイスとの間の相互作用が動作して、作業員の特定の介入を必要とする状態がない限り、機械またはプラントの始動が可能になる。
【0004】
対照的に、アクセスの開放またはその開放の要求は、結果として切換デバイスからの駆動デバイスの取り外しを伴って機械またはプラントを停止させ、そこへの安全な状態でのアクセスを可能にする。
【0005】
切換デバイスにはまた、全ての安全条件が満たされているかを検証し、1つまたは複数の安全条件が尊重されていない場合には機械またはプラントを停止するようになされた、電子制御手段が設けられている。
【0006】
加えて、スイッチを機械またはプラントの更なるサービス回路にも接続して、実際の状態に基づく報告を送信させてもよい。
【0007】
作業員がシステムステータスを即座に確認できるよう、スイッチに、様々なシステムステータスによって点灯したり、スイッチに接続された様々な回路のステータスを通知したりする、一般にLED型の1つまたは複数の信号灯が設けられていてもよい。
【0008】
通常、信号灯は、固定切換デバイスのハウジングの前面に配置されており、制御回路の状態によってオン/オフし、場合によっては異なる色も呈するようになされた、小さなインジケータ灯によって画定される。
【0009】
これらの解決策の例は、米国特許2019178014号明細書または欧州特許第3078048号明細書にも開示されており、後者は同じ出願人名のものである。
【0010】
この解決策の最初の欠点は、信号灯としての小さなインジケータ灯の使用およびそれらの前面位置が、光の読み取りとその意味の解釈を常に即時かつ紛れもないものにするとは限らず、作業員をスイッチの近くに位置させて眼が光そのものに正対するように位置させる必要がある、という事実にある。
【0011】
他の解決策は、米国特許第2016064163号明細書および米国特許第4990730号明細書に開示されているように、ボタン全体が光ってシステムのステータスを示す、押ボタン安全スイッチを示している。
【0012】
しかしながら、これらの解決策も、ボタンの点灯がアクティブ化または非アクティブ化ステータスを示すことを唯一の目的としているため、作業員に提供できる情報の数と種類が限られている。
【0013】
更なる一態様によれば、上記で引用した安全スイッチにはまた、事前の許可なしにアクセスが開かれるのを防止するように設計された駆動デバイスの係止手段が設けられていてもよい。
【0014】
係止作用は、一般に、切換デバイス内部の係止機構と、切換デバイス内部に挿入されて係止機構の係止ピンに係合されるようになされた駆動デバイスの対応要素と、の間の相互作用の効果によって得られる。
【0015】
この最後の要素は、例えば、可能なセンタリング機能を有する特別な保持要素、または電気機械的に動作するスイッチの場合には駆動デバイスの同様のアクチュエータであり得る。
【0016】
典型的には、係止ピンと駆動デバイスの保持要素またはアクチュエータは、係止ピンが、係止位置において一端を駆動デバイスの要素の適切な座部に嵌め込んで引き抜きを防止するような形状とされる。
【0017】
一方、係止ピンが係止解除位置にあるときは、係止ピンは駆動デバイスの要素に係合しないため、それを引き抜いてアクセスを開放することができるであろう。
【0018】
欧州特許第3657063号明細書はドア用の安全スイッチを開示しているが、ここで、係止ピンには、係止ピンが係止位置にあるときに介入してこれをこの動作位置に係止するようになされた、制御可能な内部機構が設けられている。
【0019】
特に、この解決策は、特に複雑な構造を備えた係止ピンについて記載しているが、これは、2つの位置、すなわち上昇係止位置と下降解放位置で排他的に動作し、アクチュエータと直接相互作用するピンの一部の相関した動き(relative movement)を伴わない。
【0020】
この解決策は、上記した他の解決策と同じく、係止ピンが外れた状態であっても駆動デバイスの保持要素またはアクチュエータに保持力を与え得るものではない。
【0021】
この状況は、係止ピンが係止解除位置にあるがアクセスを開放する必要がまだないとき、例えば振動、衝撃、突風またはそれに伝達される他の応力のために、アクセスが誤って開放される可能性があるという欠点を伴う。
【0022】
欧州特許第2994928号明細書は、係止ピンを有する安全スイッチを開示しているが、これは、フリーアクチュエータの完全に格納された位置と完全に引き抜かれた係止位置の間の他に、部分的に引き抜かれた中間の位置にも移動できる。
【0023】
ピンは、互いに固く接続された要素で構成されており、相互移動し得るものではない。
【発明の概要】
【0024】
本発明の目的は、効率および相対的な費用対効果が高いという特徴を有する、産業機械およびプラント用の安全バリアまたは柵へのアクセスをガードするための安全スイッチを実現することによって、上記の欠点を克服することである。
【0025】
特定の一目的は、アクセスが係止解除された状態であってもアクセスが誤って開放されることに対する安全性を保証すると同時にスイッチ自体またはアクセスに有害であり得るような過度の力を加えることなく係止解除されたアクセスの開放を可能にする係止機構が設けられた、安全スイッチを提供することである。
【0026】
更に別の目的は、それに関連する電源回路および/または信号回路の様々な動作状態に関連する発光信号の迅速かつ安全な読み取りを可能にする、安全スイッチを提供することである。
【0027】
更に別の目的は、スイッチの正面にいない作業員によっても信号灯の読み取りが行われ得る、安全スイッチを提供することである。
【0028】
更に別の目的は、ユーザが信号灯の数および/または色が互いに異なる複数の組み合わせを設定可能にして、スイッチ信号機能の高度なカスタマイズ性を有するようにした、安全スイッチを提供することである。
【0029】
更なる目的は、特に軽量でコンパクトなスイッチを提供することである。
【0030】
これらの目的は、以下でより明らかになる他の目的と同様に、産業機械またはプラントへの安全アクセスをガードするための安全スイッチによって満たされるが、これは、請求項1により、ガードすべきアクセスの固定部分に据え付けられるようになされ、機械またはプラントの1つまたは複数の制御回路および/またはサービス回路を制御するための切換手段を内部に収容する、切換デバイスと、前記アクセスの可動部分に据え付けられるようになされ、前記アクセスの開閉において前記切換手段と相互作用して1つまたは複数の回路を開閉するようになされた、駆動デバイスと、前記切換デバイスに対して前記駆動デバイスを係止して前記アクセスの不正な開放を防止するように設計された、前記駆動デバイスの係止/解放手段と、を備え、前記駆動デバイスは、前記切換デバイスの少なくとも1つのスロットに嵌り込んで前記係止/解放手段と相互作用するようになされた、少なくとも1つの相互作用要素を備える。
【0031】
前記係止/解放手段には、前記切換デバイスにおいて所定の軸に沿って、前記相互作用要素に係合するように、少なくとも前記相互作用要素が前記切換デバイスに係止される係止位置と、前記相互作用要素を前記切換デバイスから取り外し可能な保持位置と、に並進するようになされた、係止要素が設けられている。
【0032】
前記係止要素は、相互に締結され前記軸に沿って相関して並進可能な少なくとも1対の要素を備え、前記要素の少なくとも1つは、少なくとも前記遮断位置において前記相互作用要素を係合するようになされた係止ピンである。
【0033】
この特徴の組み合わせのおかげで、係止ピンは、アクチュエータデバイスの2つの異なる保持作用、すなわち、アクセスを開放できないアクセス係止状態に対応し、係止ピンの第2終了位置に対応する強力な保持力と、開放のためにアクセスは係止解除されるが係止ピンは如何なる場合でも例えば振動、衝撃、突風、またはアクセスに伝達される他の応力に起因する偶発的なアクセス開放を防止するような保持力を発揮する、係止ピンの中間位置に対応する弱い保持力と、を及ぼすことが可能になるであろう。
【0034】
更なる一態様によれば、切換デバイスは、透明または半透明の材料からなる少なくとも1つの部分またはキャップを備えていてもよく、少なくとも1つの部分またはキャップは、その中に信号手段の少なくとも一部、特に1つまたは複数のインジケータ灯または光信号源を含み、従って少なくとも給電状態で、これらは部分またはキャップを介して視認可能であろう。
【0035】
このようにすれば、本スイッチにより、作業員は、様々な回路のステータスを、これがスイッチのすぐ近くに配されていなくても、彼/彼女がその正面にいなくても、明確かつ即座に確認可能となるであろう。
【0036】
更に、信号灯の位置決めに利用できる表面が大きいほど、より多くの光を並べて配置することが可能になり、その結果、組み合わせの可能性が高まるため、より大きな光信号のカスタマイズが可能になるであろう。
【0037】
更に特に有利な一態様によれば、必ずしも上記の部分またはキャップの存在にはつながらないが、切換デバイスには、筐体のヘッドに排他的に配置された第1据付手段が設けられ、第1据付手段は、それぞれの締結部材を挿入するために前記ヘッドの前面の少なくとも1つに作られた少なくとも1対の貫通孔を備えるであろう。
【0038】
この特定の実施形態は、切換デバイスが特にコンパクトな構造を有することを可能にし、軽いアクセスに対応してさえより容易に設置されるとともに安価であり、従って特定の安全機能が必要とされない状況にとって好ましいであろう。
【0039】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項によって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の更なる特徴と利点は、添付の図面表の助けを借りて非限定的な例として示される、好ましいが排他的ではない本発明による安全スイッチの実施形態の詳細な説明に照らして、より明白になるであろう。
図1図1は、本発明によるスイッチの、第1の好ましい実施形態の第1動作状態における斜視図である。
図2図2は、図1のスイッチの、第2動作状態における斜視図である。
図3図3は、図1のスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける3つの断面図の1つである。
図4図4は、図1のスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける3つの断面図の1つである。
図5図5は、図1のスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける3つの断面図の1つである。
図6図6は、第2の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
図7図7は、第2の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
図8図8は、第2の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
図9図9は、第2の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
図10図10は、第3の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
図11図11は、第3の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
図12図12は、第3の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
図13図13は、第3の好ましい実施形態におけるスイッチの、アクセスの閉止と遮断の動作シーケンスにおける4つの部分断面図の1つである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
添付の図を参照すると、本発明による安全スイッチの好ましいが排他的ではない実施形態が示されており、総じて、産業機械またはプラントへのアクセスをガードするように設計されている。
【0042】
図1からわかるように、全体が1で示されるスイッチは、排他的ではないが好ましくは、それ自体既知であるため図示しないバリアまたは可動パネルとして設計された保護に適用されるように設計されており、セキュリティ境界へ、または機械もしくは産業プラントが動作している他の動作領域への安全でないアクセスを防止するのに適している。
【0043】
既知の様式でも、スイッチ1は、アクセスにおける保護に適用されるように設計され、アクセスの開放時またはアクセスを開放する要求の存在下でのみ、機械もしくはプラントの動作、または機械もしくはプラントの1つまたは複数の選択部分の動作を即時または時限方式で中断させるであろう。
【0044】
アクセスは、特に制限なく、任意の型式、例えばヒンジ式またはスライド式、右型または左型の何れであってもよい。
【0045】
例示した実施形態では、スイッチ1は、以下により明確に説明するように、電子操作型式であって、すなわち切換部分と駆動部分との間に遠隔通信システムが備えられている。
【0046】
しかしながら、図示しない代替実施形態によれば、スイッチ1は、キーアクチュエータを用いて機械的または電気機械的に操作されてもよい。
【0047】
最も基本的な形態において、スイッチ1は、ガードすべきアクセスの固定部分に据え付けられるようになされた切換デバイス2と、アクセスの可動部分に据え付けられるようになされた駆動デバイス3と、を備える。
【0048】
切換デバイス2および駆動デバイス3をアクセスのそれぞれの部分に据え付ける方法は既知の型式のものであって、本発明の一部ではない。好ましいが排他的ではない構成を、以下に説明する。
【0049】
切換デバイス2は、図面には見えないがそれ自体既知の構成を備えた切換手段を内部に収容する筐体4を備えており、切換手段は、常に既知の方法で、機械またはプラントの主回路に電力供給および/または制御するための1つまたは複数の電気および/または電子回路に、および/またはサービス回路および非常用回路に、操作可能に接続されるのに適している。
【0050】
切換手段は、本技術分野において通常用いられるものから選択すればよく、スイッチ1の機能によっても変わってもよく、特に限定されない。
【0051】
切換手段の接続方法は、この種の製品に典型的なものから選択されるであろうが、これらについても以下で詳細に説明することはない。
【0052】
筐体4はまた、制御手段、例えば、それぞれの通信チャネルを介して制御回路および/またはサービス回路から入力信号を受信し、それらの正しい動作を検証するのに適した、図示しないマイクロプロセッサまたはCPUを収容していてもよい。
【0053】
このように、制御手段は、通信チャネルの1つからの通信信号がない場合、または不適合検出の場合に、エラー信号を送信し、および/またはプラントを停止するように、切換手段を制御してもよい。
【0054】
制御手段はまた、例えば、アクセスの開閉ステータスや、まだ閉じている状態での係止解除や、エラー状況もしくは作業員の注意を必要とするその他の状態に関する情報を提供するために、スイッチ1が毎回接続されている1つまたは複数の回路の状態を表す1つまたは複数の光および/または可視信号、および場合によっては音信号も発するようになされた、信号手段に接続される。
【0055】
筐体4はまた、トップヘッド5を備え、トップヘッド5は、以下に説明する方法によって駆動デバイス3と相互作用し、駆動デバイス3と切換手段との相互作用を可能にするように設計されるであろう。
【0056】
ヘッド5は、透明または半透明の材料からなる少なくとも1つの部分またはキャップ6を備えており、少なくとも1つの部分またはキャップ6は、その中に信号手段の少なくとも一部、特に1つまたは複数のインジケータ灯または光信号源を囲み、従って少なくとも給電状態で、これらを部分またはキャップ6を通して視認できる。
【0057】
例示的ではあるが非限定的な図の実施形態によれば、キャップ6は、固定または例えば警告灯に介入したい場合には取り外し可能な方法で、実質的にその表面全体を発色させるために、好ましくはヘッド5の上面7に適用される。
【0058】
キャップ6を上面7に位置させれば、切換デバイス2に対して作業員が非前面位置にいる場合であっても、信号灯の視認が可能になるであろう。
【0059】
しかしながら、キャップ6を、筐体4の他の部分、例えば筐体4の下方の面もしくは一部に、またはヘッド5の端面間の一部に位置させてもよいことが理解される。
【0060】
都合が良いのは、筐体4および/またはヘッド5上の位置にかかわらず、部分またはキャップ6が、筐体4および/またはヘッド5の少なくとも2つの面、好ましくは少なくとも3つの面にわたって少なくとも部分的に延び、前面からだけでなく少なくとも2つ、好ましくは3つの側面から見えることであろう。
【0061】
キャップ6を、場合によっては、拡大効果を創出して光の視認性を向上させるように設計してもよい。
【0062】
更に、キャップ6に、これも透明または半透明の前縁8を設ければ、筐体4の正面でも光信号の可視化が可能になるであろう。
【0063】
一変形例によれば、キャップ6に、前面位置からも信号灯の視認を可能にするのに適した丸みを帯びた縁または前面キャンバーが設けられてもよい。
【0064】
図示しない更なる変形例によれば、キャップ6は、筐体4および/またはヘッド5の任意の部分に配置されるか、またはその透明部分を構成してもよい。
【0065】
部分またはキャップ6の内部に位置し得る信号灯または光源の数、並びにそれらの相互位置は、少なくとも理論的な観点からは特に制限されることなく、部分またはキャップ6自体における空間の利用可能性とニーズとによって変化し得る。
【0066】
例えば、光源は、各々が2つ以上の信号光源を含む1つまたは複数の列に配置されてもよい。
【0067】
好ましくは、信号灯または信号源は、特定のユーザのニーズに応じて、色および/またはオン/オフ周波数切換によって区別され得るそれぞれの発光信号を発するようになされたLED灯であろう。
【0068】
更に別の変形例によれば、報告されるステータスに応じて異なる色に変わるようになされた、単一のRGB型LED灯、または複数のRGB型LED灯があってもよい。
【0069】
好ましいが排他的ではない図の実施形態によれば、切換デバイス2は、ヘッド5に排他的に配置されるであろうフレームの可動部分に据え付けるための第1据付手段9を備えており、第1据付手段9は、図示された例示的な実施形態では、ヘッド5の互いに対向する1対の前面10,13に作られた、例えば図示しないネジやピン等それぞれの締結部材を挿入するための1対の貫通孔によって画定される。
【0070】
図示しない一変形例によれば、第1据付手段は、互いに対向する前面10,13;11,12のそれぞれの対に各々作られた2対の貫通孔によって画定され得る。
【0071】
次に、駆動デバイス3は、アクセスの可動部分に据え付けるための第2据付手段15が設けられた据付体14を備え、据付体14は、据付体14に固定された第1端18と、据付体14から横方向に突出する第2端19と、を有して切換手段と相互作用するアクチュエータ17に関連付けられるであろう。
【0072】
この目的のために、ヘッド5には、その前面10~13の少なくとも1つに作られた1つまたは複数のスロット20が設けられ、その内部にアクチュエータ17を挿入し続いて切換手段と相互作用させることが可能になるであろう。
【0073】
好ましいが排他的ではない図の実施形態によれば、ヘッド5には、対応する前面10~12に作られた少なくとも3つのスロット20が設けられており、切換デバイス2を常に同じ向きで据え付け得るが、駆動デバイス3との相互作用は、むしろアクセス閉止型式に依存するであろう駆動デバイス3のアプローチの方向に関係なく、可能であり続ける。
【0074】
図1は、開放アクセス状態のスイッチ1を示しており、ここではアクチュエータ17がヘッド5から引き出されている一方、図2は、閉止アクセス状態のスイッチ1を示し、ここではアクチュエータ17がスロット20の1つを通してヘッド5に挿入されているが係止されている必要はない。
【0075】
この実施形態では、ヘッド5は、筐体4に統合され一体化していてもよいし、または着脱可能であるが単一の可能な連結方法によって筐体4に据え付けられていてもよい。
【0076】
しかしながら、図示しない一代替変形例によれば、ヘッド5は、筐体4に対し、例えば、各々が互いに対して90°回転された少なくとも3つの、好ましくは4つの異なる配向方向に従って方向付け可能であってよく、この場合、ヘッド5に、少数のスロット20、場合によっては1つだけスロットを設けてもよい。
【0077】
図の好ましい実施形態では、スイッチ1は電子操作型であり得、すなわち、駆動デバイス3と切換手段との間の相互作用は、駆動デバイス3が切換デバイス2から最小の所定の距離にあるときにアクセスを閉止された安全な状態に保持するように、駆動デバイス3が切換手段に送信する遠隔電子信号によって制御されるであろう。
【0078】
この目的のため、アクチュエータ17は、ヘッド5に収容された受信型の第2通信要素22と遠隔的に相互作用するようになされた送信型の第1通信要素21を収容しており、第2通信要素22は、一旦第1通信要素21がヘッド5に入ると、スロット20の1つへのアクチュエータ17挿入の効果により前記存在信号によって第1通信要素21と通信するようになされている。
【0079】
一代替変形例によれば、第1遠隔通信要素21は、第2遠隔通信要素22が送信した存在信号を受信する受信型のものであってもよく、従って第2遠隔通信要素22は送信型のものとなるであろう。
【0080】
第1実施形態によれば、受信要素は、送信要素から送信された遠隔制御信号を受信するように設計されたRFID(無線周波数識別)型のアンテナとすることができ、送信要素がアンテナから最小検出可能距離にあるときには、代わりにトランスポンダとすることができる。
【0081】
特に、トランスポンダには、識別コードを有するRFIDタグが設けられていてもよく、機械またはシステムの起動を可能にするためには、受信要素が識別コードを受信し、CPUを適切に搭載した制御手段によって認識されなければならないであろう。
【0082】
コードの認識は、スイッチを高レベルにコード化したいか低レベルでコード化したいかに応じて、一意的にも包括的にもできる。
【0083】
有利には、RFIDタグは、受信要素によって一意的に認識され得るようにコード化され、駆動デバイス3に接続されたアクチュエータ以外のアクチュエータの使用を防止することで、安全でないアクセス開放のリスクが回避されるであろう。
【0084】
しかしながら、送信要素は、例えば、キーアクチュエータのような電気機械的作用を有するもの、或いは、磁気的もしくは電磁気的、光学的、機械的、誘導的、圧力または他の型式のセンサによって動作する別のタイプのものであってもよく、その結果、受信要素は、送信要素の性質に適合するものになるであろうことが理解される。
【0085】
図3から図5の断面からわかるように、筐体4は、アクチュエータ17の係止要素40が設けられたアクチュエータ17の係止/係止解除手段23を収容し、係止要素40は、少なくとも、切換デバイス2からアクチュエータ17を引き抜き不能な係止位置と、アクチュエータ17の衝撃や振動による偶発的な抜出を防止する保持力をアクチュエータ17に及ぼすが如何なる場合も引き抜き可能であるようになされた保持位置と、においてアクチュエータ17と相互作用するように設計される。
【0086】
この実施形態において、係止要素40には、筐体4の主展開方向Lと略平行であってアクチュエータ17のヘッド5の内部への挿入方向Xと直交する所定の軸Aに沿って移動可能な係止ピン24が設けられている。
【0087】
係止ピン24は、アクチュエータ17がピン24を係止せず切換手段が開放されるであろう第1下降終了位置と、係止ピン24がアクチュエータ17に係合してヘッド5の内部に係止するアクセス係止のための上昇第2終了位置と、の間を移動するように設計されるであろう。
【0088】
次に、アクチュエータ17には、係止ピン24の一端を挿入するための座部25が設けられ、この座部25は、アクチュエータ17がヘッド5に完全に挿入されたときに係止ピン24と整列するような位置に配置されるであろう。
【0089】
この文書において、「完全に挿入された」という表現は、アクセスが適切に閉止されているとみなすことを可能にするような、アクチュエータ17のヘッド5の内部における位置をいう。
【0090】
座部25は、適切な入口直径の凹面によって、または穴によっても画定され、アクチュエータ17の第2端19の下面に作られてもよく、可動ピン24の上端部の少なくとも部分的な挿入を可能にして係止/係止解除手段が係止構成にあるときにアクセスが開かれるのを防止する。
【0091】
第1通信要素21が、座部25の周囲に配置され、場合によってはアクチュエータ17の第2端19に組み込まれる一方、第2通信要素22は、アクチュエータ17がヘッド内に完全に挿入されたときに第1通信要素21に近付くように、ヘッド5の内部に配置されるであろう。
【0092】
図3から図5の断面は、アクセスを閉止して係止する動作シーケンスを示しており、ここでアクチュエータ17は、最初、ヘッド5の外部にあって(図3)アクセスが開放されているが、次に、スロット20の1つを通って挿入されて2つの遠隔通信要素21,22間の相互作用が可能になる(図4)。
【0093】
この最後の実施形態は、係止ピン24がまだ下降第1終了位置にあるため、閉止されているが係止されてはいないアクセス状態に対応する。
【0094】
アンテナ22によってタグ21が認識されると、係止/係止解除手段23のアクティブ化が可能になるであろう。
【0095】
例えば、電磁石26または他の電気機械式、電気式、油圧式もしくは空気圧式の筐体4内に収容されたアクチュエータデバイスは、動作型式に応じて、当該分野において既知の、従ってより詳細には説明しない方法によって給電されるかスイッチオフされて係止ピン24を上方または下方に動かし、アクチュエータ17の座部25に嵌め込んでヘッド5の内部に係止するか(図5)、またはその下方への並進を促進してアクセスを係止解除する。
【0096】
据付体14の締結は、上記の第2据付手段を画定する横孔15の第1対に挿入可能な締結部材によって行われてもよい。
【0097】
アクチュエータ17はまた、横軸Yに対して制限された揺動を有して、組立中またはその後の使用中に生じ得る切換デバイス2と駆動デバイス3との間の任意のずれの修正を可能にしてもよい。
【0098】
この目的のため、ハウジング27の内部にアクチュエータ17の第1端18に係合するバネまたは他の弾性要素28が存在していれば、アクチュエータ17はその軸Yに対して繋がれたままとなって常に軸方向に整列した位置に戻ることが可能になるであろう。
【0099】
係止/係止解除手段23はまた、例えば緊急時に、アクセスを係止解除可能にするように設計された補助的な手動解放機構が、適切に設けられるであろう。
【0100】
補助解放機構は、1つまたは複数の補助解放コマンド29、例えばキーを備えた1つまたは複数の解放部を備え、係止ピン24に接続されて、アクチュエータ17がヘッド5に挿入されてアクセスが閉止されたときにも、係止ピン24を例示した構成では下方の解放位置に向かって摺動させる。
【0101】
特に、各補助解放部29にはカム要素30が設けられ、カム要素30は、スライド35上で動作して係止ピン24にスライダ31を接続して押し下げ、アクチュエータ17を解放するであろう。
【0102】
特に有利な一態様によれば、補助解放機構には、筐体4の3つの異なる前面10,11,12上に、すなわち、筐体4の、スロット20が設けられおよび/または使用中は常に外部からアクセス可能な面上に配置された、3つの補助解放制御部29が設けられるであろう。
【0103】
従って、例示した実施形態は1対の据付孔9のみを有し、据付時の切換デバイス2の向きは一義的であるので、補助解放制御部29が設けられない唯一の面は、アクセスの固定部分のフレームに接触して配置されるように設計された面13となるであろう。
【0104】
図6から図9は、第2の好ましい実施形態によって作られた切換デバイス2が設けられたスイッチ1によって操作される、アクセスの閉止および係止のシーケンスを示す。
【0105】
この実施形態は、何よりもキャップ6の形状が先の実施形態とは異なるが、如何なる場合も、この形状は先の実施形態に係る切換デバイス2に一体化されてもよい。
【0106】
加えて、キャップ6は、90°配向光ビームを投射するように設計された1つまたは複数の信号灯、例えば単一のLED灯32を収容し、部分全体またはキャップ6を照らすであろう。
【0107】
しかしながら、この解決策もまた、先の実施形態に係る切換デバイス2において実現されてもよい。
【0108】
一方、更なる違いは、筐体4内に解放ピン24と平行に配置され、解放ピン24に対して独立した動きをする補助保持ピン33の存在によって表される。
【0109】
特に、保持ピン33は、開放ピン24が下降非動作第1終了位置にある場合にのみアクチュエータ17と相互作用して、アクセスが係止解除されたときに振動、突風、その他の予期しない応力によって引き起こされるアクセスの不要な開放を回避するのに十分な強度を有する僅かな保持力をアクチュエータ17に及ぼす目的を有する。
【0110】
例示した実施形態では、保持ピン33は、係止ピン24と同軸かつ内部にあって、同じく係止ピン24の内部にあるバネ34によって移動するが、係止ピン24が下降非動作第1終了位置にあるときには(図6)、スライド35が更に下方に移動できないよう、バネ34の下部が係止ピン24と一体化しているスライド35の表面に支持される。
【0111】
図示しない変形例によれば、保持ピン33は、係止ピン24の作用の軸Aに平行なそれ自体の軸方向に沿って移動するように、また異なる動きによっても移動するように、係止ピン24の外部に配置されてもよい。
【0112】
保持ピン33は、係止ピン24の上端から突出する大きさとされ、バネ34は、図7および図8のシーケンスに示すように、保持ピン33を常にヘッド5の内部に僅かに突出させて、アクチュエータ17がスロット20の1つに挿入された後にはアクチュエータ17の座部25に嵌め込むように動作するであろう。
【0113】
一方、図9は、上昇アクセス係止位置における係止ピン24の状態を示すが、ここでは保持ピン33はアクチュエータ17と相互作用しないであろう。
【0114】
係止ピン24および補助保持ピン33を備えた係止手段23について上記に例示した実施形態は、非電子的に動作するスイッチ、すなわちキーアクチュエータと切換デバイスの内部の係止/係止解除機構との間の機械的相互作用によって係止/係止解除コマンドが生成される機械的に動作するスイッチにおいても採用され得る。
【0115】
更に、この実施形態を電子的に動作する安全スイッチに採用してもよく、ここで、アクチュエータデバイスは上記したアクチュエータ17に代えて異なる相互作用要素を有し、それが例えば同じ出願人名の国際特許第2015083143号に記載されているようなセンタリング保持ピンであってもよい。
【0116】
最後に、図10から図13は、更なる一変形例を例示しているが、ここで、係止ピン24は、アクセスが係止されているか係止解除されているかに応じて2つの終了位置のうちの1つに完全に移動するように構成され、中間位置では、そこにない保持ピン33によって及ぼされる作用を行使する。
【0117】
この中間位置では、係止ピン24の上端は、相互作用要素17の座部25に部分的に、すなわち第2上昇終了位置のストロークよりも低いストロークで、挿入されるであろう。
【0118】
中間位置では、係止ピン24は、アクセスが係止解除されたときに振動、突風その他の予期せぬ応力によって引き起こされる不要なアクセスの開放を回避するのに十分な僅かな保持力をアクチュエータ17に及ぼすようになされるであろう。
【0119】
係止ピン24は、これを中間位置に保持するために係止ピン24に推力を及ぼすのに適した弾性コントラスト要素36と関連付けられてもよい。
【0120】
このようにすれば、アクチュエータ17がヘッド5内に挿入されると(図10)、係止ピン24は、中間位置から第1下降終了位置(図11)に向かって完全に到達する必要はないが押し込まれ、次に中間位置(図12)に戻り、一旦アクチュエータ17がヘッド5に完全にまたは少なくとも大部分が挿入されると、次にアクセスの係止時には第2上昇終了係止位置(図13)に向かって押し込まれる。
【0121】
都合が良いのは、係止要素40が電磁石26のコアを表し得る駆動要素37を備え、駆動要素37は、係止ピン24に締結され、筐体4内で並進して係止ピン24の2つの終了位置間の並進を促進するようになされる。
【0122】
駆動要素37にはまた、係止ピン24のストロークをガイドするための手段が設けられるであろう;そのような手段は、例えば駆動要素37に作られて係止ピン24に一体化されたピン39(またはその逆のもの)が挿入されるスロット38で構成されてもよい。
【0123】
スロット38は、係止ピン24を下方に駆動して、それをスロット38の軸方向寸法によって正確に定義される最大ストロークで上方に並進可能にする目的を有するであろう。
【0124】
この場合も、この実施形態を電子的に動作する安全スイッチに採用してもよく、ここで、駆動デバイスは上記したアクチュエータ17に代えて異なる相互作用の要素を有し、それが例えば上記で引用した国際特許第2015083143号に記載されているようなセンタリング保持ピンであってもよい。
【0125】
結論として、解放ピン24に採用した特定の構成に関わらず、係止ピン24と保持ピン33との間、または係止ピン24と駆動要素37との間には、バネまたは他の弾性コントラスト要素によって律される相関した軸方向の動きが常に存在し、これにより、係止解除されたアクセスの振動や突風による開放を回避するために必要なアクチュエータ17の「弱い」保持の実行が可能となるであろう。
【0126】
基本的に、係止ピン24は、以下の位置を占めることができる。
ピン24は、完全上昇位置に係止される。
ピン24は、上部に高位バネが作用して係止解除される:ピン24は下がるがアクチュエータ17と係合していなければ完全に下がってはいない。
ピン24は、上部に低位バネが作用して係止解除される:ピン24は下がりアクチュエータ17と係合していれば可能な限り低い位置にある。
【0127】
以上より、本発明によるスイッチが意図された目的を満たすことは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】