(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ロボットアーム導波管を用いたマイクロ波ベースの採掘システム及び方法
(51)【国際特許分類】
E21C 37/20 20060101AFI20240220BHJP
E21B 7/15 20060101ALI20240220BHJP
E21B 43/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
E21C37/20
E21B7/15
E21B43/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550279
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 US2022016934
(87)【国際公開番号】W WO2022178222
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522154342
【氏名又は名称】オフワールド,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーレイ,ジェームズ ジェーソン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ プレシス,ジャンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ベズイデンハウト,ペトロン ヘスター
(72)【発明者】
【氏名】ビーチ,ライアン デニス
(72)【発明者】
【氏名】デルポート,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ヤズダニ,モーセン
(72)【発明者】
【氏名】ピエイガ,スリー,セルジオ
【テーマコード(参考)】
2D065
2D129
【Fターム(参考)】
2D065AA30
2D065AB11
2D065BA12
2D065BA23
2D065EA26
2D065GA01
2D129AA04
2D129AB26
2D129CA02
2D129CA04
(57)【要約】
マイクロ波を使用して岩石面を掘削する方法。システムは、マイクロ波発生器と、複数の回転可能に接続された剛性導波管セグメントを有する関節運動可能なロボットアームと、ロボットアームの遠位端に取り付けられたアプリケータと、ロボット制御システムとを含むことができる。システムは、マイクロ波発生器でマイクロ波を生成し、マイクロ波がアプリケータを出るときにアプリケータが岩石面に沿って移動して岩石面を掘削のために前処理するように、ロボットアームを動かす。様々なパターンのマイクロ波処理、及びセンサフィードバックに基づく制御を実施することができる。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を用いて岩石面を掘削するシステムであって、
マイクロ波発生器と、
複数の回転可能に接続された導波管セグメントを含む関節運動可能なロボットアームであって、前記導波管セグメントは剛性である、関節運動可能なロボットアームと、
前記ロボットアームの遠位端に取り付けられたアプリケータと、
制御システムであって、
前記導波管セグメントを通って前記アプリケータへと進むマイクロ波を前記発生器を用いて生成し、
前記マイクロ波が前記アプリケータを出るときに前記アプリケータが前記岩石面に沿って移動するように前記ロボットアームを動かす、
ように構成された、制御システムと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記アプリケータは、前記マイクロ波を集束させて前記岩石面にマイクロ波ビームを生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アプリケータは、出口ポートまで幅が減少するテーパ状内部チャネルを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御システムは、前記アプリケータが前記岩石面に沿って走査速度で移動するように前記ロボットアームを動かすように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御システムは、垂直に向けられた平面内で前記アプリケータを移動させるように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御システムは、前記アプリケータが前記岩石面に沿った特定の方向に移動するように前記ロボットアームを動かすように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御システムは、前記アプリケータが前記岩石面の輪郭に対して特定の向きで移動するように前記ロボットアームを動かすように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御システムは、前記マイクロ波のエネルギー量に基づいて前記ロボットアームを動かすように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項9】
マイクロ波採掘パラメータを検出するように構成されたセンサを更に備え、前記制御システムは、前記マイクロ波採掘パラメータに基づいて前記マイクロ波の生成及び前記ロボットアームの動きを制御するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項10】
前記マイクロ波採掘パラメータは、前記発生器によって生成されるマイクロ波エネルギーの量、前記アプリケータを出るマイクロ波エネルギーの量、前記回転可能に接続された導波管セグメントの1つ以上のジョイントにおけるマイクロ波エネルギーの量、前記岩石面内の岩石の種類、前記岩石面の温度、及び前記岩石面の劣化のうちの1つ以上を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御システムは、前記採掘パラメータに基づいて、前記岩石面に対する前記アプリケータの向き、前記岩石面に沿った前記アプリケータの移動方向、及び前記岩石面に沿った前記アプリケータの移動速度のうちの1つ以上を制御するように更に構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の回転可能に接続された導波管セグメントは、内部アンテナを含む回転可能なジョイントで接続されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項13】
前記内部アンテナは円筒形状を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記内部アンテナはT字形である、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
マイクロ波を用いて岩石面を掘削する方法であって、
マイクロ波源からマイクロ波を生成することと、
前記マイクロ波を導波管に沿って1つ以上の関節運動可能な導波管セグメントを含む関節運動可能なロボットアームへと案内することと、
アプリケータを前記岩石面に対して前記ロボットアーム上に位置決めするように、前記関節運動可能な導波管セグメントのうちの1つ以上を調整することと、
前記マイクロ波を前記アプリケータを介して前記岩石面に向けることと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記マイクロ波が前記アプリケータを出るときに前記アプリケータが前記岩石面に沿って移動するように前記ロボットアームを動かす、
ことを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記マイクロ波を集束させて前記岩石面にマイクロ波ビームを生成する、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記アプリケータは、出口ポートまで幅が減少するテーパ状内部チャネルを含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項19】
前記アプリケータを前記岩石面に沿って特定の速度で移動させる、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項20】
前記アプリケータを前記岩石面に沿った特定の方向に移動させる、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項21】
前記アプリケータを前記岩石面の輪郭に対して配向する、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項22】
前記マイクロ波のエネルギー量に基づいて前記ロボットアームを移動させる、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項23】
マイクロ波採掘パラメータを検出し、前記マイクロ波採掘パラメータに基づいて前記マイクロ波の生成及び前記アプリケータの動きを調整する、
ことを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項24】
前記マイクロ波採掘パラメータは、前記発生器によって生成されるマイクロ波エネルギーの量、前記アプリケータを出るマイクロ波エネルギーの量、前記1つ以上の導波管セグメントの1つ以上のジョイントにおけるマイクロ波エネルギーの量、前記岩石面内の岩石の種類、前記岩石面の温度、及び前記岩石面の劣化のうちの1つ以上を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記採掘パラメータに基づいて、前記岩石面に対する前記アプリケータの向き、前記岩石面に沿った前記アプリケータの移動方向、及び前記岩石面に沿った前記アプリケータの移動速度のうちの1つ以上を調整することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上の関節運動可能な導波管セグメントは、内部アンテナを含む複数の回転可能に接続された導波管セグメントを含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項27】
前記内部アンテナはT字形である、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、「APPLICATION OF MICROWAVE ENERGY DIRECTLY TO A ROCK FACE UNDERGROUND」と題され、2021年2月22日に出願された米国仮特許出願第63/152,294号、「ARTICULATED WAVEGUIDE」と題され、2021年2月22日に出願された米国仮特許出願第63/152,248号、及び「MICROWAVE ENERGY APPLICATOR」と題され、2021年2月22日に出願された米国仮特許出願第63/152,253号の利益を主張し、これらの各々の全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【0002】
本開示は、一般に、採掘に関し、特に、関節運動可能なロボットアーム導波管を使用してマイクロ波加熱を適用することによって岩石又は他の材料を弱化させるか又は掘削するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
岩石へのマイクロ波の適用は、掘削及び採掘中に頻繁に遭遇するものを含む特定の種類の岩石を、岩石内に破壊を誘発することによって弱化させるのに役立ち得る。これらの破壊は、岩石の示差熱膨張によって生成される非常に大きな応力及び歪みに基づいて形成され、そのような応力及び歪みに対する岩石の抵抗は一般に非常に弱い。このような熱破壊された岩石は、未処理の岩石よりも容易に破砕又は掘削され、(例えば、ドリル又はたがねなどの機械的工具を使用した)更なる掘削に必要なエネルギー及び/又は時間が少ない。岩石のマイクロ波熱処理に関する研究は数十年にわたって行われてきたが、既存の解決策の複雑さ及びコストのために、商業的に実現可能な活用には至っていない。したがって、これらの及び他の欠点を克服する、岩石のマイクロ波前処理のための改善されたシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示された実施形態はそれぞれいくつかの態様を有し、そのうちの1つだけが本開示の望ましい属性を単独で担うものではない。本開示の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴をここで簡単に説明する。この説明、特に「発明を実施するための形態」と題されたセクションを斟酌することにより、本明細書に記載の実施形態の特徴が、岩石の前処理及び/又は掘削のためのマイクロ波の使用に関する既存のシステム、装置、及び方法を超える利点をどのように提供するかが理解されるであろう。
【0005】
以下の開示は、いくつかの実施形態の非限定的な例を説明する。例えば、本開示の装置、システム、及び方法の他の実施形態は、本明細書に記載の特徴を含んでも含まなくてもよい。さらに、本開示の利点及び利益は、本発明の特定の実施形態にのみ適用することができ、本開示を限定するために使用すべきではない。
【0006】
マイクロ波を使用して岩石面を掘削するためのシステムのためのシステム、装置、及び方法が記載されている。システムは、マイクロ波発生器と、複数の回転可能に接続された剛性導波管セグメントを有する関節運動可能なロボットアームと、ロボットアームの遠位端に取り付けられたアプリケータと、ロボット制御システムとを含むことができる。システムは、マイクロ波発生器でマイクロ波を生成し、マイクロ波がアプリケータを出るときにアプリケータが岩石面に沿って移動して岩石面を掘削のために前処理するように、ロボットアームを動かす。様々なパターンのマイクロ波処理、及びセンサフィードバックに基づく制御を実施することができる。
【0007】
本開示の第1の態様が、マイクロ波を使用して岩石面を掘削するためのシステムを含む。システムは、マイクロ波を生成するためのマイクロ波発生器を含むことができる。関節運動可能なロボットアームが、回転可能に接続された複数の導波管セグメントを含み、導波管セグメントは剛性である。アプリケータがロボットアームの遠位端に取り付けられている。制御システムが、導波管セグメントを通ってアプリケータへと進むマイクロ波を発生器を用いて生成する。制御システムは、マイクロ波がアプリケータを出るときにアプリケータが岩石面に沿って移動するようにロボットアームを動かすことができる。
【0008】
様々な態様の様々な実施形態を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態によれば、アプリケータは、マイクロ波を集束させてマイクロ波ビームを岩石面に生成することができる。いくつかの実施形態によれば、アプリケータは、出口ポートまで幅が減少するテーパ状内部チャネルを含む。いくつかの実施形態によれば、制御システムは、アプリケータが岩石面に沿って走査速度で移動するようにロボットアームを動かす。いくつかの実施形態によれば、制御システムは、垂直に向けられた平面内でアプリケータを移動させる。いくつかの実施形態によれば、制御システムは、アプリケータが岩石面に沿った特定の方向に移動するようにロボットアームを動かす。いくつかの実施形態によれば、制御システムは、アプリケータが岩石面の輪郭に対して特定の向きで移動するようにロボットアームを動かす。いくつかの実施形態によれば、制御システムは、マイクロ波のエネルギー量に基づいてロボットアームを動かす。いくつかの実施形態によれば、センサがマイクロ波採掘パラメータを検出し、制御システムが、マイクロ波採掘パラメータに基づいてマイクロ波の生成及び/又はロボットアームの動きを調整する。いくつかの実施形態によれば、マイクロ波採掘パラメータは、発生器によって生成されるマイクロ波エネルギーの量、アプリケータを出るマイクロ波エネルギーの量、回転可能に接続された導波管セグメントの1つ以上のジョイントにおけるマイクロ波エネルギーの量、岩石面内の岩石の種類、岩石面の温度、及び/又は岩石面の劣化を含む。いくつかの実施形態によれば、制御システムは、採掘パラメータに基づいて、岩石面に対するアプリケータの向き、岩石面に沿ったアプリケータの移動方向、及び/又は岩石面に沿ったアプリケータの移動速度のいずれかを制御する。いくつかの実施形態によれば、複数の回転可能に接続された導波管セグメントは、内部アンテナを含む回転可能なジョイントで接続され、いくつかの実施形態によれば、内部アンテナは、円筒形状を含み、かつ/又は、いくつかの実施形態によれば、内部アンテナはT字形である。
【0009】
第2の態様によれば、マイクロ波を使用して岩石面を掘削する方法が、マイクロ波源からマイクロ波を生成することを含む。マイクロ波は、導波管に沿って、1つ以上の関節運動可能な導波管セグメントを含む関節運動可能なロボットアームに導かれる。関節運動可能な導波管セグメントのうちの1つ以上が、アプリケータを岩石面に対してロボットアーム上に位置決めするように調整される。マイクロ波は、アプリケータを介して岩石面に向けられる。
【0010】
様々な態様の様々な実施形態を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態によれば、ロボットアームは、マイクロ波がアプリケータを出るときにアプリケータが岩石面に沿って移動するように動かされる。いくつかの実施形態によれば、マイクロ波領域は、マイクロ波ビームを岩石面に生成するように集束される。いくつかの実施形態によれば、アプリケータは、出口ポートまで幅が減少するテーパ状内部チャネルを含む。いくつかの実施形態によれば、アプリケータは、岩石面に沿って特定の速度で移動される。いくつかの実施形態によれば、アプリケータは、岩石面に沿った特定の方向に移動される。いくつかの実施形態によれば、アプリケータは、岩石面の輪郭に対して配向される。いくつかの実施形態によれば、ロボットアームは、マイクロ波のエネルギー量に基づいて動かされる。いくつかの実施形態によれば、マイクロ波採掘パラメータが検出され、マイクロ波の生成及び/又はアプリケータの移動は、マイクロ波採掘パラメータに基づいて調整することができる。いくつかの実施形態によれば、マイクロ波採掘パラメータは、発生器によって生成されるマイクロ波エネルギーの量、アプリケータを出るマイクロ波エネルギーの量、1つ以上の導波管セグメントの1つ以上のジョイントにおけるマイクロ波エネルギーの量、岩石面内の岩石の種類、岩石面の温度、及び岩石面の劣化のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態によれば、岩石面に対するアプリケータの向き、岩石面に沿ったアプリケータの移動方向、及び/又は岩石面に沿ったアプリケータの移動速度は、採掘パラメータに基づいて調整される。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の関節運動可能な導波管セグメントは、内部アンテナを有する回転可能に接続された導波管セグメントを含み、かつ/又はいくつかの実施形態によれば、内部アンテナはT字形である。
【0011】
前述の概要は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。本出願に記載のシステム、装置、及び方法の他の態様、特徴、及び利点、並びに/又は他の主題は、以下に記載された教示において明らかになるであろう。概要は、本開示の概念のいくつかの選択を紹介するために提供される。概要は、本明細書に記載の主題の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
様々な例が、例示を目的として添付の図面に示されており、決して例の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。異なる開示された例の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加の例を形成することができる。
【0013】
【
図1】マイクロ波発生器と、ロボットアームを形成する関節運動可能な導波管と、アプリケータと、マイクロ波を岩石に導くためのロボット制御システムとを含むマイクロ波前処理システムの実施形態のブロック図である。
【0014】
【
図2】それぞれが独自の独立したモビリティシステムを有するアプリケータモジュール及び電力モジュールを含むマイクロ波前処理システムの別の実施形態のブロック図である。電力モジュールは、各電力モジュールがアプリケータモジュールと接続可能及び/又はアプリケータモジュールから分離可能な、複数の電力モジュールのうちの1つであってもよい。
【0015】
【
図3】それぞれが独自の独立したモビリティシステムを有するアプリケータモジュール、発生器モジュール及び電力モジュールを含むマイクロ波前処理システムの別の実施形態のブロック図である。
図1のマイクロ波発生器、関節運動可能な導波管、アプリケータ、ロボット制御システム、又はマイクロ波前処理システムの他の動作可能な構成要素は、アプリケータモジュール、発生器モジュール、及び電力モジュール(及び/又は他のシステムモジュール)の間に分散されてもよい。
【0016】
【
図4A】マイクロ波発生器モジュールと、関節運動可能な導波管から形成されたロボットアームを有するマイクロ波アプリケータモジュールとを含むマイクロ波前処理システムの別の実施形態の斜視図である。
【0017】
【
図4B】
図4Aのマイクロ波前処理システムの背面斜視図である。
【0018】
【0019】
【
図5】関節運動可能な導波管、アプリケータ、及びロボット制御システムを含む、
図4A~
図4Bのマイクロ波前処理システムのマイクロ波アプリケータユニットの背面斜視図である。
【0020】
【
図6】
図4A~
図4Bのマイクロ波前処理システムのマイクロ波アプリケータユニットの上面斜視図である。
【0021】
【
図7A】導波管セグメントを回転可能に接続するための
図4A~
図4Bのマイクロ波前処理システムの導波管ジョイントの斜視図である。
【0022】
【0023】
【
図8】ロボット制御システムのアプリケータ及びセンサを含む、
図4A~
図4Bのマイクロ波前処理システムの関節運動可能な導波管の遠位端の背面図である。
【0024】
【
図9】
図4A~
図4Bのマイクロ波前処理システムのロボット制御システムのアプリケータ及びセンサの正面斜視図である。
【0025】
【
図10A】誘電体インサートを有するアプリケータの別の実施形態の断面図である。
【
図10B】誘電体インサートを有するアプリケータの別の実施形態の断面図である。
【0026】
【
図10C】内部リッジを有するアプリケータの別の実施形態の断面図である。
【0027】
【
図11A】マイクロ波発生器、電力変圧器、冷却モジュール、オペレータファラデーケージ、及びユーザ制御システムを含む、
図4A~
図4Bのマイクロ波前処理システムの発生器モジュールの斜視図である。
【0028】
【0029】
【
図12A】各々がモビリティシステムを有する3つのロボットモジュールを含むマイクロ波前処理システムの別の実施形態の正面斜視図である。ロボットモジュールは、アプリケータモジュール、発生器モジュール、及び電力モジュールをそれぞれ含むことができる。
【0030】
【0031】
【
図13A】マグネトロンマイクロ波発生器を含むマイクロ波前処理システムの可動ロボットアプリケータモジュールの別の実施形態の斜視図である。
【0032】
【0033】
【
図14A】固体マイクロ波発生器を含むマイクロ波前処理システムの可動ロボットアプリケータモジュールの別の実施形態の斜視図である。
【0034】
【0035】
【
図15A】クライストロンマイクロ波発生器を含むマイクロ波前処理システムの可動ロボットアプリケータモジュールの別の実施形態の斜視図である。
【0036】
【0037】
【
図16】マイクロ波前処理システムを使用して岩石を前処理する方法を示す。
【0038】
【
図17】1つ以上の採掘パラメータに基づいてマイクロ波の印加を調整することを含むロボット制御システムを有するマイクロ波前処理システムを使用して岩石を前処理するための方法を示す。
【0039】
【
図18】マイクロ波前処理システムを組み立てる方法を示す。
【0040】
【
図19】関節運動可能な導波管、湾曲したアプリケータ、モビリティシステム、及びロボット制御システムを含む可動マイクロ波アプリケータユニットの第1の斜視図である。
【0041】
【
図20】
図19の可動マイクロ波アプリケータユニットの第2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書に記載された技術のシステム、装置、及び方法の様々な特徴及び利点は、図に示された例の以下の説明からより完全に明らかになるであろう。これらの例は、本開示の原理を例示することを意図しており、本開示は例示された例のみに限定されるべきではない。図示された例の特徴は、本明細書に開示された原理を考慮すると当業者には明らかであるように、修正、組み合わせ、除去、及び/又は置換することができる。
マイクロ波ベースの掘削
【0043】
岩石又は他の材料(本明細書では集合的に「岩石」)内にエネルギーを投入して、衝撃波として伝播する岩石内の物理的運動を作り出すことによって、岩石又は他の材料を掘削及び破壊する様々な方法がある。歴史的な方法の中には、化学化合物を使用する爆発性ブラストがある。ブラストは(メガワットからギガワットの範囲の)大量のエネルギーを放出するが、岩石内に投入される総エネルギーはほとんどない。岩石内に埋め込まれた小さな爆発性電荷を爆発させると、エネルギーの観点から、より効率的に損傷が生じる。したがって、爆発性化合物を使用する際の最大の問題は、化学化合物を調達し、それらを岩石内に配置して所望の掘削効果を生み出すことである。したがって、岩石内に高い総出力を投入するより単純でより効果的な方法が必要とされている。
【0044】
この必要性を満たすために、本明細書に記載のシステム及び装置は、岩石のマイクロ波加熱又はマイクロ波掘削に関し、これは、岩石を加熱して、示差加熱によるミクロ亀裂及びマクロ亀裂を生成することに依存する。岩石がマイクロ波に対して感受性であるためには、岩石は、少なくとも1つの感受性鉱物成分を有する必要がある。鉱物が塊状岩石の大部分に均一に分布している場合、岩石は透明性が低くなり、より多くのエネルギーが吸収され、より速く加熱される。鉱物が少ししか存在しない場合、粒子は局所的には加熱され得るが、それらの影響が亀裂を伝播するのに十分に大きくなる可能性は低い。
【0045】
加熱という形のエネルギー吸収によって引き起こされる岩石の熱膨張は、本質的に剪断性又は引張性の応力及び歪みを生成し、そのような応力及び歪みに対して岩石は一般に非常に弱い。熱膨張によって生じる破壊損傷は、岩石の全体的な硬度を低下させ、岩石の完全性を低下させ、岩石をより容易に破砕可能にし、そのような岩石を掘削するのに必要なエネルギー量を低下させる。
【0046】
岩石のマイクロ波掘削又は前処理の研究は、一般に、マイクロ波調整された密閉容器の内部に岩石又は試料を配置する実験室研究に限定されてきた。マイクロ波はキャビティ内に投射され、それらが岩石の材料によって吸収されるまでキャビティ内部で跳ね返る。したがって、マイクロ波によって投射されたエネルギーが、直ちに、又はマイクロ波が岩石内を最初に通過することによって吸収される必要はない。岩石のマイクロ波前処理を実際の採掘現場で商業的に実行可能かつ機能的とするためには、岩石にエネルギーを十分な出力レベルで効率的に放出して、粒界に沿ったミクロ破壊及び岩石表面でのマクロ破壊を生じさせる示差熱膨張を生成する方法が必要である。このシステムでは、マイクロ波のエネルギーが、他のシステム構成要素又は採掘シャフト内の領域などの他の場所に失われる前に岩石内を最初に通過している間に直ちに吸収される方法を創出する必要がある。本明細書に記載のシステム及び方法は、とりわけそのような利点を提供する。
【0047】
更に、マイクロ波システムによって岩壁に送達されるエネルギーの効率もインピーダンス整合に依存する。モノポールアンテナをマグネトロン又は他のマイクロ波発生器と接続しただけの場合、マイクロ波ビームを著しく回折させるインピーダンス不整合が生じる。この結果、電力効率が甚だしく低下し、また岩石へのエネルギーの大部分の吸収が妨げられるおそれがある。したがって、インピーダンスチューナが、岩石に送達されているマイクロ波の出力インピーダンスを調整することができる。本明細書に記載のシステム及び方法は、とりわけそのような利点を提供することができる。
【0048】
岩石へのエネルギーの効率的な送達における別の要因は、アンテナ又はアプリケータの設計である。正しく設計されたアプリケータは、マイクロ波ビームを狭い場所に集束させることができる。アプリケータとインピーダンスチューナとの組み合わせを使用してインピーダンスを整合させることができ、マイクロ波のエネルギーの大部分を岩石の中へと一直線に集中させることができる。
【0049】
マクロ破壊のためには、マイクロ波の吸収の深度も重要である。マクロ破壊では、岩石は、周囲の冷たい岩石と比較して比較的高い温度で望ましい深度まで加熱される。十分な深度まで加熱することにより、熱示差が岩石のマクロ亀裂を生じさせることができる。マイクロ波周波数及びアプリケータの焦点領域は、マイクロ波エネルギーの吸収深度を制御するために使用される少なくとも2つの因子である。
【0050】
一技術によれば、浅い深度で表面ディスクを加熱するより広いマイクロ波ビームを使用することができる。表面ディスクは、表面ディスクの下に形成される剪断亀裂によって剥落し得る。あるいは、別の技術によれば、ナロービームを使用して、ナロービームの周囲の冷たい岩との高い熱示差を生成することができる。
【0051】
マクロ破壊では、可能な限り迅速にある深度範囲内の岩石に多くのエネルギーを投射することが望ましい。実験では、マイクロ波の周波数が高くなるにつれて、透過深度が浅くなることが分かった。同様に、マイクロ波の周波数が高くなるにつれて、透過面積(例えば、半径方向領域)が狭くなることが分かった。1.25ギガヘルツ(GHz)範囲のマイクロ波は、約12センチメートルの幅で30センチメートルの深度まで有意に透過していた。2.45GHz範囲のマイクロ波は、約6センチメートルの半径で10センチメートルの深度まで透過していた。5.8GHz範囲のマイクロ波は、約3センチメートルの半径で5センチメートルの深度まで透過していた。22GHz範囲のマイクロ波は、約1センチメートルの半径で1.5センチメートルの深度まで透過していた。約3~8センチメートル、又は6~8センチメートル、又は6~7センチメートルの深度まで加熱すると、周囲の材料に半径方向の亀裂を誘発する理想的な円筒が形成され得ることが観察された。透過深度はまた、より多くのエネルギーが表面によって吸収される(温度が上昇する)につれて浅くなり得ることも観察された。本開示によるシステム及び方法は、とりわけ、そのような結果の達成を可能にする。
【0052】
本開示による制御システムは、様々な方法でプログラムされてもよく、導波管セグメントで作られた関節運動可能なロボットアームは、所望の結果を達成するために特定の方法で構成されてもよい。アプリケータの位置及び配置は、岩石面の表面の起伏及び向きによって決定され得る。アプリケータの移動方向は、好ましい走査パターンによって決定することができる。アプリケータは、ラスタ走査で移動されてもよく、あるいは規則的なパターン(例えば、格子縞模様、エネルギーを不均一に加えることによって表面を「塗装」することから生じるドット模様、又はランダム模様)を描いてもよい。特定の実施態様では、パターンはインテリジェントパターンであってもよい。インテリジェントパターンでは、材料がどのように応答するかに基づいてエネルギーを印加することができる。ロボットアームは、アームの可動性、したがってアプリケータの位置の最大の柔軟性を有しながら信号損失を最小限に抑えることを可能にする、複数の剛性導波管セグメントから形成されてもよい。
【0053】
岩石面に送達される累積伝達エネルギーは、出力レベル及び印加時間に依存する。一定の印加時間にわたって出力を変化させてもよく、又は同じ累積エネルギーを供給するために一定の出力に対して時間を変化させてもよい。各々を異なる位置で変化させてもよい。結果は、例えば掘削されている岩石の特性に基づいて、より効果があると判断されるエネルギーの不均一な分布又は均一な分布であり得る。送達される累積エネルギーは、予測モデリング(例えば、開ループ制御、反応制御、又はセンサからのフィードバックに基づく閉ループ制御)に基づいてもよい。例えば、赤外線センサを使用して、エネルギーがどのように温度に基づいて吸収されているかを確認することができる。別の例では、音響センサを使用して、材料がエネルギーの印加にどのように応答しているかを追跡することができる。材料は、エネルギーが材料内に送り込まれるのに伴って様々に亀裂を生じ、音を発する。別の例では、レーダリターン信号を使用して、材料がエネルギーの印加にどのように応答しているかを追跡することができる。不均一又は異方性の材料は、同じエネルギーレベルに対する反応が異なる。レーダエコーは、材料が内部でどのように応答しているかを示すことができ、検出された変化に基づいてエネルギーの印加をリアルタイムで変更することができる。ロボットアームの関節運動可能な導波管セグメント及び本明細書に記載の他の特徴は、所望の累積エネルギーを岩石に送達するために、所望の出力レベル及び印加時間を達成することを可能にする。
【0054】
ロボットアームの導波管を伝送されるエネルギー量は、リアルタイムで測定することができる。このエネルギーは、マイクロ波発生器から放出されるエネルギーと、アプリケータを通って岩石に入るエネルギーとを含むことができる。導波管は、導波管を双方向に下っていくエネルギーを測定するための1つ以上のセンサを含むことができる。マイクロ波発生器はまた、導波管とは無関係にそれらの出力を測定及び制御するための内部的な方法を有する。これにより、送信電力及び反射電力の両方、並びに環境に漏れ出す電力を測定することが可能になる。関節運動可能な導波管の各セグメントは、各ノードを通過するエネルギー及び導波管内の環境、例えば、湿度、温度、アーク放電など)を決定するために使用されるセンサを含むことができる。特定の実施態様では、関節運動可能なアームは、100キロワット(kW)のマイクロ波電力を、915メガヘルツ(MHz)で50ワット(W)未満の損失又は0.05%の非効率性で岩石に伝達することができる。より高い電力伝送レベル及びより低い電力伝送レベルの両方が可能である。
マイクロ波前処理システムアーキテクチャ
【0055】
図1は、岩石面140を掘削するためのマイクロ波前処理システム100の一実施形態のブロック図である。岩石面140は、地下(例えば、トンネル内)、地上、又は任意の場所に位置してもよい。一実施態様では、岩石面140は、システム100に対してほぼ垂直に向いていてもよい。あるいは、岩石面140は、システム100に対する任意の向き(例えば、トンネルを含む、システム100の1つ以上の側面上、水平方向上方、下方、又はそれらの間の任意の位置など)に位置してもよい。岩石面140は、滑らかな、粗い、及び/又はギザギザの特徴を含んでもよい。岩石面140は、均質又は不均質な材料を含んでもよい。岩石面140の鉱物成分のうちの1つ以上は、マイクロ波範囲内の放射線の吸収による加熱を受けやすくてもよい。
【0056】
システム100は、電源126からのエネルギーを岩石面140に向けられるマイクロ波に変換することができる。上述のように、岩石面140によって吸収されたエネルギーは、岩石面140の熱破壊をもたらし、その結果、機械的掘削に対する岩石面の脆弱化をもたらし得る。電源126は、グリッド接続、発電機(例えば、化石燃料)、再生可能エネルギー源(例えば、太陽光又は風力)、バッテリ、燃料電池、原子炉、又は他の種類のエネルギー源からの電気エネルギーを含むことができる。電源126は、電池又は原子炉の使用などによって、システム100内に完全に一体化されてもよい。電源126は、グリッド又は発電機接続など、システム100の完全に外部にあってもよい。電源126とシステム100との接続は、エネルギー源の利用可能性に基づいて連続的であってもよい。電源126とシステム100との接続は、枯渇性エネルギー源の利用可能性に基づいて断続的であってもよい。
【0057】
システム100は、(例えば、ファラデーケージ129内の人間によって)内部的に、又は遠隔制御システム128を使用して外部的に完全にユーザ制御され得る。遠隔制御システム128は、有線接続又は無線接続(例えば、RF)を介してシステム100と接続され得る。ユーザ制御システムは、以下で更に説明するように、システム100の1つ以上の自律機能と組み合わせて使用することができる。ユーザ制御システムは、1つ以上のネットワーク化されたコンピュータシステムを含むことができる。
【0058】
システム100は、マイクロ波を生成して岩石面140に送達するために、電源126からのエネルギーを変換するための様々な構成要素を含むことができる。以下の構成要素のいずれか又は全てが、システム100内で使用されてもよい。更に、これらの構成要素の代わりに、又はこれらの構成要素に加えて、本明細書に記載されていない他の構成要素が使用されてもよい。
【0059】
電源126によって供給されたエネルギーは、変圧器124を介して受け取ることができる。変圧器124は、電源からの電気エネルギーを、システム100による使用に適したフォーマット(例えば、電圧、アンペア数、及び/又は波形)に変換することができる。変圧器124は、マグネトロン又は低電圧を必要とする他のタイプのマイクロ波発生器を動作させるのに必要な高電圧を生成することができる。更に、全高調波歪みフィルタなどの1つ以上のフィルタを、変圧器124と組み合わせて使用することができる。変圧器124は、電力計と組み合わせて使用することができる。電力計は、多相電源の電圧、電流、エネルギー値、周波数、力率、及び/又は非対称性などの電気的パラメータを測定することができる。
【0060】
システム100は、電源から供給されたエネルギーからマイクロ波周波数スペクトル(300MHz及び300GHz)内の放射を生成するためのマイクロ波発生器118を含むことができる。マイクロ波発生器118は、変圧器124を介して電源126に接続されてもよい。マイクロ波発生器118は、マグネトロン、固体マイクロ波発生器、クライストロン装置、又は他のタイプの発生器を含むことができる。
【0061】
マイクロ波発生器118は、所望のマイクロ波出力に基づいて選択され得る。所望のマイクロ波出力は、岩石面140の鉱物含有量に基づくことができる。マイクロ波発生器118は、915MHz~22GHzのマイクロ波出力を有することができる。いくつかの例では、マイクロ波発生器118は、915MHz、922MHz、2.45GHz、5.8GHz、又は22GHzのマイクロ波出力を有することができる。
【0062】
マイクロ波発生器118の電力出力は、連続的に測定されてもよいし、パルス(例えば、電力出力最大値)であってもよい。マイクロ波発生器118は、50kW~1MWの連続出力を有することができる。マイクロ波発生器118は、100kW~1GWの最大パルス電力出力を有することができる。マイクロ波発生器118は、それ自体の様々な態様を監視するための複数のセンサを含むことができる。センサは、電圧センサ及び/又は電流センサ、フィラメント監視、温度監視、熱調節システム監視(例えば、水又は空気の温度、循環、圧力、電磁石/アイソレータ水流量モニタなど)、電源監視、ドア又はラッチの開放、EMFの遠隔切り替えなどを含むことができる。
【0063】
マイクロ波発生器118の動作はまた、電力効率損失のために、動作中にかなりの量の熱を生成する可能性がある。効率を維持するために、マイクロ波発生器118は、熱調節システム120と組み合わせて使用されてもよい。熱調節システム120は、マイクロ波発生器の温度を低下させるように動作することができるチラーを備えることができる。熱調節システム120は、放射フィン、水冷(又は他の種類の液体冷却)、ペルチェ冷却、又はマイクロ波発生器118の温度を低下させるための他の技術を含むことができる。
【0064】
マイクロ波発生器118は、チューナ116と組み合わせて使用されてもよい。チューナ116は、マイクロ波前処理システム100の送達導管のインピーダンスを岩石140に整合させるためのインピーダンスチューナであってもよい。インピーダンス調整は、マイクロ波発生器118の負荷インピーダンスを変化させて、岩石面140と一致させることができる。チューナ116は、アクティブ(例えば、自動化)チューナであってもパッシブチューナであってもよい。チューナ116は、マイクロ波発生器118の出力に直接接続されてもよいし、導波管又は同軸ケーブル内に接続されてもよい。
【0065】
マイクロ波発生器118は、導波管を介してマイクロ波を出力してもよい。導波管は、剛性又は可撓性の導波管であってもよい。出力導波管は、システム100のフレームで固定された固定導波管であってもよい。チューナ116は、出力導波管上、出力導波管の前、又は出力導波管の後に配置されてもよい。
【0066】
出力導波管は、関節運動可能な導波管114と接続されてもよい。関節運動可能な導波管114は、1つ以上のジョイントで互いに接続された複数の剛性導波管セグメントを含むことができる。剛性導波管セグメントは、断面が矩形であってもよい。剛性導波管セグメント及びジョイントは、マイクロ波発生器118からのマイクロ波を近位端から遠位端に導くことができる。セグメント及びジョイントを含む関節運動可能な導波管114は、導波管114を通過する間のマイクロ波のエネルギー損失を低減するように設計することができる。関節運動可能な導波管114は、複数の剛性導波管セグメントの代わりに、可撓性導波管又は可撓性導波管構成要素と剛性導波管構成要素との両方を備えてもよい。可撓性導波管は、近位端から遠位端まで延在することができる。あるいは、関節運動可能な導波管114に対して、マイクロ波発生器118は同軸ケーブルを介してマイクロ波を出力してもよい。
【0067】
関節運動可能な導波管114の遠位端はアプリケータ112を含むことができる。アプリケータ112は、関節運動可能な導波管214の遠位端に取り付けられてもよい。アプリケータ112は、手首関節によって遠位端に取り付けられてもよい。手首関節は、制御システム130によって作動可能であり得る。アプリケータ112は、マイクロ波エネルギーを岩石140に集束させるためのアンテナであってもよい。アプリケータ112は、ホーン、逆ホーン、パラボラ、又は他のタイプのアンテナであってもよい。アプリケータ112は、より小さい遠位端(例えば、角錐形又は円錐形の形状)に向かって先細になる近位端を含むことができる。
【0068】
アプリケータ112は、出口ポート(例えば、開口部)まで幅が減少するテーパ状内部チャネルを含むことができる。遠位端及び/又は近位端は、断面が矩形であってもよい。遠位端は、プレートを含むことができる。プレートは開口部を含むことができる。開口部は、矩形であってもよく、及び/又はプレートの中心にあってもよい。開口部は、開放空間であってもよく、又はマイクロ波透過性材料を含んでもよい。開口部のサイズは、マイクロ波をビームに集束させるように選択されてもよい。プレートは、アプリケータ112の遠位端の外周の周りに延びる1つ以上のフランジを含むことができる。アプリケータ112は、岩石面を何らかの方法で前処理するか又は変化させる必要がある正確な位置に大量のエネルギーを非常に迅速に印加することができる。(例えば示差熱破壊を選択的に生成するために)ブランケット照射ではなく精密な適用が望ましい。
【0069】
複数の剛性導波管セグメント及び対応するジョイントは、導波管114及びアプリケータ112の遠位端のある範囲内での移動及び位置決めを可能にすることができる。範囲は、二次元空間(例えば、X方向及びY方向)又は三次元空間(例えば、X、Y、Z方向)であり得る。関節運動可能な導波管114はまた、アプリケータ112の向きを移動及び位置決めすることができる。アプリケータ112の向きは、マイクロ波が向けられる方向を含み得る。アプリケータ112の位置は、X、Y、及び/又はZ位置及び/又は向き(例えば、方位角及び高度角)を含むことができる。
【0070】
導波管114は、ロボット制御されて、遠位端及びアプリケータ112をその範囲内で移動させ、アプリケータ112の向きを調整することができる。導波管114は、制御システム130によってロボット制御されてもよい。制御システム130は、運動学的制御、力センサ、位置センサ、及び/又は他の方法に基づくことができる。制御システム130は、導波管114のそれぞれのジョイントを中心として複数のセグメントを動かすためのジョイントコントローラ134を含むことができる。ジョイントコントローラ134は、サーボ、ステッパモータ、電気機械、油圧、電熱又は他のモータタイプを含む様々な形態をとることができる。ジョイントコントローラ134は、導波管114の位置を追跡するための1つ以上の位置フィードバック装置(例えば、エンコーダ)を含むことができる。制御システム130は、導波管114の遠位端を位置決めし、複数の導波管セグメントを支持するように動作可能とすることができる。望ましくは、ロボット制御システムは導波管の外側にあり、電磁マイクロ波エネルギーは、一方が他方と干渉しないように導波管の内側にある。制御システム130は、衝突検出システムを含むことができる。衝突検出システムは、ロボットアームとシステム100の他の構成要素及び/又は岩壁140などの外部機構との衝突を防止することができる。衝突検出システムは、ロボットアーム、ビデオ監視装置、1つ以上のリミットスイッチ及び/又は他のセンサの運動学的モデルに基づくことができる。リミットスイッチは、何らかのリミットシステムがトリガされた場合にロボットアームをハードストップさせることができる。
【0071】
制御システム130は、複数のセンサ132を含むことができる。センサ132は、関節運動可能な導波管114の位置及び/又はアプリケータ112の向きを含むシステム100の様々な態様を監視することを可能にすることができる。センサ132は、マイクロ波前処理システム100及び岩石140の環境と相互作用して、システム100の動作のためのフィードバックを1つ以上の採掘パラメータに基づいて提供することができる。センサ132によって検出された採掘パラメータは、関節運動可能な導波管114及び/又はアプリケータ112、あるいはマイクロ波発生器118などの前処理システム100の他の態様を制御するために使用することができる。
【0072】
センサ132は、距離センサを含むことができる。センサは、複数の異なる種類のセンサを含むことができる。センサは、関節運動可能な導波管114及び/又はアプリケータ112の周りに間隔を置いて配置されてもよい。一例では、距離センサをアプリケータ112に取り付けることができる。距離センサを使用して、アプリケータを岩壁140から距離を置いて位置決めすることができる。距離センサは、マイクロ波が岩壁140に集束することを可能にすることができる。距離センサは、超音波、赤外線、LIDAR、レーザ、LED、又は他のタイプのセンサを含むことができる。
【0073】
センサ132は、音響センサを含むことができる。音響センサは、マイクロ波の印加中に岩壁140の亀裂を検出することができる。亀裂は、マイクロ波処理の有効性を示し得る。表面及び内部の両方の亀裂の聴覚的及び視覚的表示が可能である。したがって、システムは、これらの指標を探して聴取するアルゴリズムを含むことができる。更に、地中感知レーダを、リアルタイム及び劣化後の判定の両方に使用することができる。
【0074】
センサ132は、熱センサを含むことができる。熱センサは、システム100の様々な構成要素のいずれかの温度を検出することができる。熱センサは、マイクロ波処理中に岩壁140、アプリケータ112、関節運動可能な導波管114、マイクロ波発生器118、熱調節システム120、変圧器124、及び/又は他の構成要素の温度を監視することができる。熱センサは、赤外線センサ、レーザセンサ、熱電対、FLIR熱カメラ、温度プローブ(例えば、岩石面140内)、又は他のタイプのセンサであってもよい。岩石の電磁特性も温度によって変化するため、エネルギー透過測定及び反射測定を使用して温度を測定することができる。制御システム130は、センサ132を用いて1つ以上の位置で岩石面140の温度を監視することができる。制御システム130はまた、岩石の温度をシミュレートすることができる。温度シミュレーションは、岩石面に送達されるマイクロ波エネルギーの量、岩石面内の材料の種類、並びに/あるいは岩石面140に対するアプリケータ112の位置及び/もしくは向き、又はシステム100の他の詳細などに基づくことができる。岩石面の温度(実際又はシミュレート)を使用して、岩石の弱化と相関させることができる。実際の温度とシミュレートされた温度との差を使用して、岩石組成の変動を検出することができる。
【0075】
センサ132は、スチル及び/又はビデオカメラを含むことができる。カメラは、岩壁140を監視することができる。カメラは、マイクロ波での処理による岩壁140の目に見える亀裂又は他の劣化を検出及び/又は測定することができる。ビデオ監視装置は、オペレータから見えない場合にロボットアームを制御するために使用することができる。
【0076】
センサ132は、岩壁140用のトポグラフィマッピング機器を含むことができる。岩壁の輪郭は、センサ132を使用してマッピングすることができる。トポグラフィマッピング機器は、マシンビジョン、LIDAR、レーダ、距離センサ、及び/又は他のセンサを含むことができる。トポグラフィマッピング機器は、システム100の自律動作を容易にすることができる。システム100は、測定された地形に基づいて岩壁140を前処理することができる。システム100は、岩壁140の測定地形の特徴を利用して前処理をスピードアップし、かつ/又はエネルギー効率を改善する動作アルゴリズムを含むことができる。
【0077】
センサ132は、環境センサを含むことができる。センサ132は、メタン検出センサを含むことができる。メタン検出センサは、オペレータ(例えば、ライト、サイレン)に警告し、及び/又はシステム100への発生器マイクロ波エネルギー供給を停止させることができる。センサ132は、火災検出システムを含むことができる。システム100は、防火剤(例えば、ガス又は粉末)を含むことができる。消火剤は、自動又は手動で放出することができる。センサ132は、マイクロ波エネルギー検出器を含むことができる。マイクロ波エネルギー検出器は、岩石面140からシステム100又は他の場所へのマイクロ波の反射を監視するために使用することができる。センサ132は、傾斜センサを含むことができる。傾斜センサは、システム100の1つ以上の構成要素の水平度を測定するように機能することができる。システム100の1つ以上のプラットフォームが、作動可能な足又は車輪を含むことができる。足又は車輪は、システム100を水平にするように調整可能であり得る。
【0078】
システム100は、モビリティシステム122を含むことができる。モビリティシステム122は、自己移動式であってもよい。モビリティシステム122は、車輪付きシステム又は追跡システムを含むことができる。あるいは、モビリティシステム122は、システム100を構成する1つ以上のユニットを持ち上げる別の車両(例えば、トラック、トラクタ又はクレーン)などの外力を必要とし得る。適切なモビリティシステムの例は、その各々の全体が参照により本明細書に組み込まれ、あらゆる目的のために本明細書の一部を形成し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Systems and Methods for Industrial Robotics」と題する2019年4月22日公開の米国特許出願公開第2021/0114219号、及び「Industrial Robotic Platforms」と題する2021年4月22日公開の米国特許出願公開第2021/0116889号に記載されている。
【0079】
マイクロ波前処理システム100は、通信システム136を含むことができる。通信システム136は、システム100から制御サーバ又は遠隔制御装置128などの遠隔サーバにデータを送信することができる。遠隔制御装置128は、人間又はコンピュータ制御システムによって操作されてもよい。通信システム136は、有線接続又は無線接続を介してもよい。通信システム136は、採掘パラメータ、アプリケータ112の位置/向き、関節運動可能な導波管114の位置、センサ132からの他のデータ、マイクロ波発生器118からのデータ、熱調節システム120、モビリティシステム122、又は他のデータを通信することができる。
【0080】
図2は、マイクロ波前処理システム101の一実施形態のブロック図である。マイクロ波前処理システム101は、上述のマイクロ波前処理システム100と組み合わせて使用されてもよく、又はその構成要素のいずれかを含んでもよい。マイクロ波前処理システム101は、構成要素を含む複数のモジュールを含む。システム101は、アプリケータモジュール150を含むことができる。アプリケータモジュール150は、マイクロ波発生器118、熱調節システム120、関節運動可能な導波管114、アプリケータ112、及び制御システム130を含むことができる。
【0081】
マイクロ波前処理システム101は、電力モジュール160を含むことができる。電力モジュール160は、電源126を含むことができる。電源126のエネルギーは、バッテリ又は他の可搬式エネルギー源の形態であってもよい。アプリケータモジュール150は、モビリティシステム122と同様のモビリティシステム152を含むことができる。電力モジュール160は、モビリティシステム122と同様のモビリティシステム162を含むことができる。アプリケータモジュール150は、電力モジュール160から独立して操作可能であってもよい。同様に、電力モジュール160は、アプリケータモジュール150から独立して操作可能であってもよい。使用中、アプリケータモジュール150は、電力接続部を介して電力モジュール160と結合されてもよい。電力接続部は、電源126からアプリケータモジュール150にエネルギーを伝達するためのケーブル又は他のコネクタを含むことができる。
【0082】
電源126からのエネルギーが弱まるか、又は使い果たされると、電力モジュール160はアプリケータモジュール150から切り離されてもよい。モビリティシステム162は、アプリケータモジュール150から離れるように電力モジュール160を輸送することができる。電力モジュール160は、燃料補給又は再充電ステーションに戻ることができる。電力モジュール160の代わりに、二次電力モジュール160aがアプリケータモジュール150と接続してもよい。二次電力モジュール160は、電力モジュール160と同じ構成要素を有してもよい。二次電力モジュール160aは、モビリティシステム162aを含むことができる。モビリティシステム162aは、二次電力モジュール160aをアプリケータモジュール150に対して位置決めすることができ、電力接続部は、二次電力モジュール160aからアプリケータモジュール150に電力を伝送するために結合されてもよい。追加の二次電力モジュール160aを使用して、アプリケータモジュール150にエネルギーを供給することもできる。
【0083】
アプリケータモジュール150及び電力モジュール160は、その各々の全体が参照により本明細書に組み込まれ、あらゆる目的のために本明細書の一部を形成し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Systems and Methods for Industrial Robotics」と題する2019年4月22日公開の米国特許出願公開第2021/0114219号、及び「Industrial Robotic Platforms」と題する2021年4月22日公開の米国特許出願公開第2021/0116889号に記載の群ロボットなどの独立したロボットの形態で実装されてもよい。他の実施態様では、電力モジュール160aのうちの1つ以上が、人間のオペレータによって移動可能及び/又はアプリケータモジュール150と接続可能であってもよい。
【0084】
図3は、マイクロ波前処理システム102の別の一実施形態のブロック図である。マイクロ波前処理システム102は、上述のシステム100、101と組み合わせて使用されてもよく、又はその構成要素のいずれかを含んでもよい。マイクロ波前処理システム102の構成要素は、追加のモジュールにわたって分配されてもよい。システム102は、モビリティシステム152を含むアプリケータモジュール150を含むことができる。アプリケータモジュール150は、関節運動可能な導波管114及びアプリケータ112並びに制御システム130を含むことができる。発生器モジュール170が、モビリティシステム172を含むことができる。発生器モジュール170は、マイクロ波発生器118、熱調節システム120、及び/又は変圧器124を含むことができる。あるいは、マイクロ波発生器118及び熱調節システム120は、アプリケータモジュール150と組み合わされてもよい。発生器モジュール170は、1つ以上のケーブル及び/又は導波管を介してアプリケータモジュール150と接続されてもよい。アプリケータモジュール150は、発生器モジュール170、機械的接続バー、又はリンクと恒久的又は半永久的に接続されてもよい。アプリケータモジュール150及び発生器モジュール170は、互いに連結されたときに単一の動作可能なユニットとして機能することができる。
【0085】
電力モジュール160は、モビリティシステム162を含むことができる。電力モジュール160は、上述のように、電源126を含むことができる。他のモジュール構成も可能である。電力モジュール160は、発生器モジュール170と接続されてもよい。上述のように、電力モジュール160は、(例えば、交換及び/又は再充電のために)発生器モジュール170から切り離されてもよい。
【0086】
この実施形態は、マイクロ波前処理システム100の構成要素を含む3つのモジュールに関して説明されているが、独立したモビリティシステムを含むより少ない又はより多いモジュールにわたるマイクロ波前処理システムの構成要素の他の任意選択の分布も存在する。
ロボットアーム導波管を有するマイクロ波前処理システム
【0087】
図4A~
図4Bは、マイクロ波前処理システム200の様々な実施形態の斜視図である。システム200は、システム100、101又は102において上述した構成要素のいずれか又は全てを含むことができる。システム200は、マイクロ波を岩壁240に送達するためのアプリケータモジュール250を含むことができる。アプリケータモジュール250は、アプリケータ212、関節運動可能な導波管214、ロボット制御システム230、及び/又はプラットフォーム252を含むことができる。アプリケータ212は、関節運動可能な導波管214の遠位端に接続されてもよい。関節運動可能な導波管214は、ロボット制御システム230に取り付けられてもよい。関節運動可能な導波管214の近位端は、静止していてもよい接続導波管280と結合されてもよい。関節運動可能な導波管214は、岩石へのエネルギー吸収、岩石の劣化、エネルギーパターンなどの所望の採掘結果を達成するように制御されるロボットアームを形成するために互いに回転可能に取り付けられた複数の剛性導波管セグメントを含むことができる。関節運動可能な導波管214及びロボット制御システム230は、プラットフォーム252に取り付けられてもよい。プラットフォーム252は、プラットフォーム252をコンパクトな構成で搬送するための折り畳み可能な脚部を含むことができる。アプリケータモジュール250は、ファラデーケージ282によって完全に又は部分的に囲まれてもよい。
【0088】
システム200は、発生器モジュール260を含むことができる。発生器モジュール260は、グリッドなどの電力モジュールと結合されてもよい。発生器モジュール260は、フィルタバンク227、変圧器226、マイクロ波発生器228、冷却モジュール224、制御室229、及び/又はプラットフォーム262を含むことができる。フィルタバンク227、変圧器226、マイクロ波発生器228、冷却モジュール224、及び制御室229は、プラットフォーム262に取り付けられてもよい。接続導波管280は、マイクロ波発生器228と接続されてもよい。インピーダンスチューナが接続導波管280に接続されてもよい。1つ以上のファラデーケージ281が制御室229を遮蔽してもよい。発生器モジュール260及び/又はアプリケータモジュール250は、監視システムを含むことができる。監視システムは、1つ以上のビデオモニタを含むことができる。監視システムは、遠隔地からアクセス可能であり得る。監視システムは、禁止区域内又は禁止された時間枠の間の不正者を検出する周囲検出システムを含むことができる。周囲検出システムは、(例えば、ビームを切断する)光、動き、熱、又は他の方法に基づいてもよい。周囲検出システムは、人が検出されている間はマイクロ波エネルギーの生成を防止することができる。アプリケータモジュール250は、漏れがガイドライン内にあることを保証するためにEMFレベル検出器を含むことができる。
【0089】
図4Cは、接続導波管280のセグメントの断面を示す。導波管280は、アプリケータモジュール250と発生器モジュール260との間に互いに結合された複数のセグメントを含むことができる。セグメントは、直線状、曲線状、又は他の形状の因子であってもよい。複数のセグメントの各々のそれぞれの端部は、近接するセグメントの取り付けフランジと当接して接合するための取り付けフランジを含むことができる。導波管280の本体は、金属又は他の材料を含むことができる。本体は、マイクロ波不透光性材料を含むことができる。導波管280の本体は、実質的に均一な(すなわち、エンドツーエンドの)プロファイルを有することができる。均一なプロファイルは、矩形の形状を有することができる。関節運動可能な導波管214の回転可能な剛性導波管セグメントのうちの1つ以上は、導波管280の断面と同じ又は同様の特性を有することができる。したがって、関節運動可能な導波管214のセグメントは、剛性であってもよく、矩形断面を有してもよく、マイクロ波を案内するための矩形の内側チャネルを形成してもよい。
【0090】
図5~
図6は、アプリケータモジュール250の拡大図である。説明のみの目的で、X-Y-Z直交座標系を
図5に示す。Z方向は一般に岩石に向かっていてもよく、Y方向は一般に重力方向に対向して上方にあってもよい。関節運動可能な導波管214は、剛性導波管セグメント311、312、313、314、及び315を備えることができる。導波管セグメントの各々が、矩形断面を有する導波管を含んでもよい。導波管セグメントによって、例えばセグメントの側壁の内面によって画定される内部チャネルが矩形であってもよい。第1、第2、第4、及び第5の導波管セグメント311~315は、線形であってもよい。第3の導波管セグメントは、例えば、第1の直線部分、角度付きエルボ部分、及び第2の直線部分を用いて、Y方向に上方にセグメント化されてもよい。
【0091】
関節運動可能な導波管214のロボットアームを形成する任意の数の剛性導波管セグメントがあってもよい。回転可能な剛性導波管セグメントのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10以上、及び対応する数の回転可能なジョイントが存在してもよい。いくつかの実施形態では、3つの相互に垂直な方向に沿った回転軸を有する少なくとも3つの回転可能なジョイントが存在する。関節運動可能な導波管214は、少なくとも3つの相互に直交する方向に並進するように構成されてもよい。したがって、導波管システムは6自由度を可能にすることができる。剛性導波管を用いたそのような柔軟性は、本明細書に記載の所望の採掘結果を効率的に達成することを可能にし得る。
【0092】
隣接する導波管セグメントは、それぞれの回転ジョイントで共に回転可能に結合されてもよい。導波管セグメントの各々は、外周フランジを中心として回転可能なジョイントでボルト止めされてもよい。第1の導波管セグメント311は、第1の回転ジョイント301で接続導波管280と接続されてもよい。第1の導波管セグメント311は近位導波管セグメントであり得る。第1の回転ジョイント301の回転軸はY方向を向いていてもよい。第1の導波管セグメント311は、第2の回転ジョイント302で第2の導波管セグメント312と接続されてもよい。第2の回転ジョイント302の回転軸はY方向を向いていてもよい。第2の導波管セグメント312は、第3の回転ジョイント303で第3の導波管セグメント313と接続されてもよい。第3の回転ジョイント303の回転軸はY方向を向いていてもよい。第3の導波管セグメント313は、第4の回転ジョイント304で第4の導波管セグメント314と接続されてもよい。第4の回転ジョイント304の回転軸はX方向を向いていてもよい。第4の導波管セグメント314は、第5の回転ジョイント305で第5の導波管セグメント315と接続されてもよい。第5の回転ジョイント305の回転軸は、(例えば手首関節として)X方向を向いていてもよい。アプリケータ212は、第5の導波管セグメント315の端部に取り付けられてもよい。
【0093】
プラットフォーム252は、折り畳み可能、格納可能又は取り外し可能な脚部352を含むことができる。緊急電源遮断を可能にするために、電源スイッチ361が含まれてもよい。関節運動可能な導波管214の導波管セグメントは、ロボット制御システム230の二対のレール371、372に移動可能に取り付けられてもよい。レール371、372は、プラットフォーム252に取り付けられてもよい。第1のレール対371は、X方向に沿って配向されてもよい。第2のレール対372は、Z方向に沿って配向されてもよい。第2のレール対372は、第1のレール対371に取り付けられてもよい。ステッパモータ及び/又はレール371、372と係合するベルト又はギアを、導波管セグメントをX方向及びZ方向に沿って移動させてもよい。第1の回転ジョイント301は、プラットフォーム252に対して堅固に取り付けられてもよい。第3の導波管セグメント313は、第2のレール対372に取り付けられたベースに取り付けられてもよく、第1及び第2の導波管セグメント311、312は、ベースがレール371、372に沿って移動されるのに伴って(回転ジョイント301、302、303の周りで)伸長可能であってもよい。あるいは、各方向に単一のレールを使用してもよい。
【0094】
関節運動可能な導波管214は、制御ロッド322に接続されたアクチュエータ321を含むことができる。アクチュエータ321は、第3の導波管セグメント313に取り付けられてもよい。制御ロッド322は、第5の導波管セグメント315に接続されてもよい。制御ロッド322は、第5の回転ジョイント305の軸線から離間した位置に取り付けられてもよい。アクチュエータ321による制御ロッド322の作動によって、第5の導波管セグメント315及びアプリケータをY方向に持ち上げることができる。ロボット制御システム230は、アプリケータ212の向き(例えば、方位角及び高度)並びにアプリケータ212の位置(例えば、X、Y、及びZ方向)を調整することができる。ギアボックスが、第4のジョイント304と結合されてもよい。ギアボックスは、第4のジョイント304を中心とした第4のセグメント314の制御を提供することができる。
【0095】
アプリケータ212は、ロボット制御システム230の様々なセンサを含むことができる。センサは、距離センサ332を含むことができる。距離センサをアプリケータ212に取り付けてもよい。距離センサ332を、アプリケータ212の1つ以上の角部(例えば、4つ全ての角部)に取り付けてもよい。距離センサ332は、アプリケータ212と岩石面240との間の距離の連続的な測定を提供することができる。距離センサ332は、岩石面240に対する所望の位置でのマイクロ波の集束を容易にすることができる。距離センサ332は、アプリケータ212と岩石面240との衝突を防止することができる。
【0096】
システム100に関連して上述したように、システム200は様々なセンサを含むことができる。センサは、LIDAR、マシンビジョン、赤外線もしくは可視光カメラ、又はシステム100に記載された任意の他のセンサなどのセンサ331を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ331は、岩石又は材料の表面及び/又は内部の亀裂の可聴及び/又は視覚的指標を追跡するように構成されてもよい。地中感知レーダを、リアルタイム及び/又は劣化後の判定に使用することもできる。
関節運動可能な導波管ジョイント
【0097】
図7A~
図7Bは、関節運動可能な導波管214と組み合わせて使用され得る回転可能なジョイント301の実施形態の様々な斜視図である。回転可能なジョイント301は、明確にするために第1及び第2の導波管セグメント381、391が除去されて示されている。関節運動可能な導波管214の回転可能なジョイントのいずれか又は全ては、回転可能なジョイント301について本明細書に記載された構造的詳細を含むことができる。したがって、ジョイント301は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれ以上存在してもよい。いくつかの実施形態では、回転可能なジョイント301は、「ARTICULATED WAVEGUIDE」と題する2021年2月22日に出願された米国仮出願第63/152,248号、又はその各々の内容全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する「ARTICULATED WAVEGUIDE」と題する本願と同日に出願された米国特許出願第 号(代理人整理番号:OFFW.007A)に記載の回転可能なジョイントの特徴のいずれかを含んでもよい。
【0098】
ジョイント301は、回転コネクタ384を備えることができる。第1の導波管セグメント381及び第2の導波管セグメント391は、回転コネクタ384を介してジョイント301で互いに回転可能に取り付けられるか又は接続されてもよい。回転コネクタ384は、導波管セグメント381、391のそれぞれの端部を回転可能に接続することができる。いくつかの実施形態では、導波管システム200は、3つ以上の導波管セグメントと、対応する数のジョイント301及び回転コネクタ384とを含むことができる。回転コネクタ384は、金属製又は他の適切な材料製であってもよい。回転コネクタ384は、回転可能な部分を含んでもよい。導波管セグメント及び/又は回転可能な回転コネクタ384は、回転コネクタ384のそれぞれの部分が取り付けられた導波管セグメント381、391を回転させるために、制御システム230によって制御され得るアクチュエータによって回転されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転コネクタ384は、他の位置、例えば、ジョイント301の側面、上部、又tは底部にあってもよい。各ジョイント301には、1つ以上の回転コネクタが存在してもよい。
【0099】
回転可能なジョイント301は、アンテナ389を含むことができる。アンテナ389は、回転可能なジョイント301内又はその内部に配置されてもよい。アンテナ389は、回転コネクタ384の回転中心内、又はその近くに配置されてもよい。アンテナ389は、開口387、397よりも導波管セグメント381、391の後壁の近くに配置されてもよい。アンテナ389の配置により、回転コネクタ384及び導波管セグメント381、391の壁などの任意の周囲構造との接触を回避することができる。この「非接触」構成により、アンテナ389及び周囲の構造の摩耗及び破損を防止することができる。接触がないことにより、周囲の構造を薄くて低質量の材料で作ることが更に可能になり得る。更に、関節運動可能な導波管214の構造要素とアンテナ389とが離間していることによって、よりコンパクトな関節運動が可能となり、効率が改善される。更に、本明細書に記載の実施形態は、低い反射損失の利点を提供する。例えば、反射損失は、周波数に応じて-40dBよりも良好であり得る。
【0100】
アンテナ389は、第1のアンテナセグメント389aを含んでもよい。アンテナ389は、第2のアンテナセグメント389bを含んでもよい。第1のアンテナセグメント389a及び第2のアンテナセグメント389bは、細長くてもよい。アンテナセグメント389a、389bは、チューブ状の形状を有してもよい。アンテナセグメント389a、389bは、少なくとも部分的に中空であってもよい。アンテナセグメント389a、389bは、T字形であってもよい。
【0101】
アンテナセグメント389a、389bは、様々な位置及び向きを有することができる。第1のアンテナセグメント389aは、長手方向アンテナ軸A2を画定し、それに沿って延びてもよい。アンテナ軸A2は、導波管チャネルの幾何学的中心に位置してもよい。アンテナ軸A2は、回転軸A1に対して垂直であってもよい。アンテナ軸A2は、回転軸A1と交差してもよい。
【0102】
更に、アンテナセグメント389a、389bは、ジョイントの一方又は他方の側に少なくとも部分的に又は全体的に配置されてもよい。第1のアンテナセグメント389aは全体が片側にあってもよく、第2のアンテナセグメント389bはジョイントを横切ってもよい。第1のアンテナセグメント389aは、第1の導波管セグメント381の側壁の内面まで延在してもよい。第1のアンテナセグメント389aは、側壁、又は金具、ブラケットなどの中間構造体に接触し、かつ/又は側壁によって支持されてもよい。第2のアンテナセグメント389bは、第1のアンテナセグメント389aから延び、他の構造と接触しなくてもよい。したがって、第2のアンテナセグメント389bは、マイクロ波チャネル内で浮遊し、第1のアンテナセグメント389aにのみ接触してもよい。したがって、アンテナ389は、第1の導波管セグメント381に対して静止し、かつ第1の導波管セグメント381と共に回転してもよい。第2のアンテナセグメント389bは、第2の導波管セグメント391に対して回転してもよい。第2のアンテナセグメント389bは、マイクロ波エネルギーが360度伝送されるように全方向性であってもよく、上述のような2つの導波管セグメント381、391の完全な相対回転を可能にする。
【0103】
第2のアンテナセグメント389bは、第1の導波管セグメント381、回転コネクタ384、及び/又は第2の導波管セグメント391内に少なくとも部分的に配置されてもよい。第2のアンテナセグメント389bは、第1のアンテナセグメント389aから延びてもよい。第2のアンテナセグメント389bは、第1のアンテナセグメント389a上の中央に位置する点から延びてもよい。第2のアンテナセグメント389bは、回転軸A1に平行に向けられてもよい。第2のアンテナセグメント389bは、回転軸A1に沿って配置されてもよい。第1のアンテナセグメント389a及び第2のアンテナセグメント389bは、T字形を形成してもよい。第2のアンテナセグメント389bは、関節運動可能な導波管214内に垂直に配置されてもよく、及び/又は第1のアンテナセグメント389aは、図のように水平に向けられてもよい。第2のアンテナセグメント389bの第1の端部は、第1のアンテナセグメント389aに接続されてもよい。第1のアンテナセグメント389aは、第2のアンテナセグメント389bから離れるように、1つ以上の方向、例えば図示のように2つの方向に延びてもよい。第2のアンテナセグメント389bの第2の端部は、回転コネクタ384内に延びてもよい。第2のアンテナセグメント389bの第2の端部は、第2の導波管セグメント391内に延びてもよい。第2のアンテナセグメント389bの第2の端部は、回転軸A1と横軸A3との交点に位置してもよい。したがって、アンテナ389は、図示のように「T」形状を有することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、アンテナ389は、第1の導波管セグメント381にのみ固定されてもよい。アンテナ389は、第1のアンテナセグメント381aを介して第1の導波管セグメント389に固定されてもよい。第1のアンテナセグメント389aの第1の端部は、第1の導波管セグメント381の第1の壁に接続されてもよい。第1のアンテナセグメント389aの第2の端部は、第1の導波管セグメント381の第2の壁に接続されてもよい。第2のアンテナセグメント389bは、第1のアンテナセグメント389aにのみ結合されてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、第1のアンテナセグメント389a及び/又は第2のアンテナセグメント389bは、他の位置及び/又は向きにあってもよい。例えば、第1のアンテナセグメント389aが第2の導波管セグメント391内に位置し、第2のアンテナセグメント389bが第1の導波管セグメント381内に延在してその中で終端するように、アンテナ389の向きを反転させてもよい。更なる例として、軸A2は、図中に配向されるように垂直に上又は下のいずれかに、導波管チャネルの幾何学的中心からオフセットされてもよい。第2のアンテナセグメント389bの下端は、横軸A3よりも遠くまで延びていてもよいし、横軸A3まで延びていなくてもよい。いくつかの実施形態では、アンテナセグメント389a及び/又は389bは、線形、非線形、湾曲、他の輪郭、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0106】
関節運動可能な導波管214は、マイクロ波発生器228によって生成されたマイクロ波エネルギー又は信号を受信し、それを通して案内することができる。エネルギーは、第1の導波管セグメント381内に受け入れられてその中を通り、アンテナ389を介して第2の導波管セグメント391に伝送され得る。したがって、アンテナ389は、第1の導波管セグメント389aから、回転コネクタ384などの回転可能なジョイント301を通って第2の導波管セグメント389bに至るエネルギーの送信機として機能し得る。第1の導波管セグメント381は入口として機能してもよい。第2の導波管セグメント391は出口として機能してもよい。したがって、アンテナ389は、エネルギーを受信及び送信することができる。アンテナ389は、第1及び第2の導波管セグメント381、391をブリッジ又は接続する。第1のアンテナセグメント389aは電磁波を吸収してもよい。次いで、電磁波は、第2のアンテナセグメント389bを通って伝わるか又は進んでもよい。次いで、第2の導波管セグメント391は、エネルギーを通過させることができる。関節運動可能な導波管214は、回転角度に対応する二方向にエネルギーを放出することができるため、双方向性である。本明細書に記載の関節運動可能な導波管214は、その中を通るエネルギーの分極を維持することができる。
【0107】
関節運動可能な導波管214によって伝送されているエネルギーは、1つ以上のセンサによってリアルタイムで測定することができる。1つ以上のセンサは、関節運動可能な導波管214に取り付けられてもよい。導波管セグメント381、391に、1つ以上のセンサが取り付けられてもよい。マイクロ波発生器228から放出されているエネルギーを測定することができる。アプリケータ212を通って岩石240に伝達されるエネルギーを測定することができる。関節運動可能な導波管214内の両方向でエネルギーを測定することができ、例えば入口エネルギー及び出口エネルギーを測定することができる。送信電力及び/又は反射電力も測定することができる。周囲環境に入る電力を測定してもよい。エネルギー及び/又は電力を追跡及び/又は測定することにより、ユーザは、どのような電力及び/又はエネルギーが実際に岩石及び/又は材料に印加されているかを把握することができる。更に、エネルギー透過測定値及び反射測定値を使用して、温度を判定することができる。これは、岩石の電磁特性が温度と共に変化し得るため、有益であり得る。そのような測定値は、1つ以上のジョイント301が使用中にどれだけ損失性であり得るかを示すことができる。
マイクロ波エネルギーアプリケータ
【0108】
図8~
図9に示すように、アプリケータ212は、遠位方向に減少する断面積を有することができる。アプリケータ212は、近位端413及び遠位端412を含むことができる。近位端413は、本体411(例えば、角錐体)を通って遠位端412まで先細になった矩形断面を有することができる。プレート611が遠位端412に固定されていてもよい。センサ332は、アプリケータ212の両側に取り付けられたフランジ631に取り付けることができる。別のセンサ534を、導波管214の遠位端又はアプリケータ212に取り付けることができる。センサ534は、上述のセンサのいずれか(例えば、マイクロフォン、EMFセンサ、温度センサ、距離センサ、カメラなど)の監視センサであってもよい。
【0109】
プレート611は、矩形のプレートであってもよい。プレート611は開口部612を含むことができる。開口部612は、矩形の形状を有してもよい。開口部612は、高さh及び幅wを含むことができる。プレート611は、後方に曲げられたフランジ613(例えば、4つの側面の各々に1つ)によって囲まれてもよい。
【0110】
図10Aは、アプリケータ212と同様のアプリケータ212aの別の実施形態を示す。アプリケータ212又は212aなどの本明細書に記載のアプリケータのいずれかは、その各々の全内容が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する、2021年2月22日に出願された「MICROWAVE ENERGY APPLICATOR」と題する米国仮特許出願第63/152,253号、及び「MICROWAVE ENERGY APPLICATOR」と題する米国特許出願第
号(代理人整理番号:OFFW.008A)に記載の様々なアプリケータのいずれかの特徴を有してもよい。アプリケータ212aは、関節運動可能な導波管214の残りの部分から隔てて導波管セグメント315に取り付けられてもよい。導波管セグメント315は、矩形又は他の形状の断面を有することができる。したがって、導波管セグメント315によって画定される内部チャネルは、矩形であってもよい。導波管セグメント315は、ロボットアームの端部に配置されてもよく、アプリケータ212aの第2のフランジ637に取り付けられた第1のフランジ636を有してもよい。複数の導波管セグメント315のうちの1つ以上は、導波管セグメント315を互いに及び/又はマイクロ波発生器に取り付けるためにフランジ又は同様の取り付け具を有する関節運動可能な導波管214に含まれてもよい。
【0111】
導波管セグメント315は、その近位端に導波管入口620を、その遠位端に導波管出口621を含むことができる。本明細書で使用される「近位」及び「遠位」は、それらの通常の慣習的な意味を有し、複数の導波管セグメント315に沿ったマイクロ波発生器に向かう方向及びマイクロ波発生器から離れる方向をそれぞれ含むが、これらに限定されない。導波管セグメント315は、矩形、円形、楕円形、多角形などを含むがこれらに限定されない異なる断面プロファイルを有することができる。マイクロ波は、導波管入口620で導波管セグメント315に入り、導波管セグメント315を通って進み、導波管出口621で導波管セグメント315を出て、アプリケータ212aの中へ、又はアプリケータ212aに向かって進むことができる。
【0112】
マイクロ波エネルギーアプリケータ212aは、アプリケータ入口614の近位端413から遠位端412のアプリケータ出口612まで延在するチャネル650を画定する本体411を含むことができる。チャネル650は、ロボットアームを形成する導波管セグメント315の導波管チャネルと電磁的に連通してもよい。導波管チャネル内の空間は、チャネル650内の空間と連続していてもよい。いくつかの実施形態では、導波管チャネルは、アプリケータ212aのインサートと連通してもよい。アプリケータ入口614及びアプリケータ出口612は、矩形、円形、楕円形、及び多角形を含むがこれらに限定されない同じ又は異なる断面プロファイルを有することができる。アプリケータ入口614は、アプリケータ出口612よりも大きい断面積を有することができる。チャネル650の断面積は、アプリケータ入口614からアプリケータ出口612まで狭まっていてもよい。
【0113】
アプリケータ入口614及び導波管出口621は、同じ又は同様の断面積を有することができる。アプリケータ入口614及び導波管出口621は、アプリケータ212aが導波管セグメント315に接続され得るように位置合わせされてもよい。滑らかな側壁内面を有する連続チャネルが、導波管入口620とアプリケータ出口612との間に形成されてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、アプリケータ入口614からアプリケータ出口612までのチャネル650の断面積は、狭まっていてもよい。このような狭小化により、例えば、末端の導波管セグメント315に向かう近位方向へのマイクロ波エネルギーの反射が最小限に抑えられる。いくつかの実施形態では、アプリケータ入口614からアプリケータ出口612へのチャネル650の狭小化の角度は、送信されたマイクロ波ビームの異なるレベルのコリメーションを可能にする狭小化の角度を含むことができる。
【0115】
アプリケータ出口612は、マイクロ波ビームを伝送することができるビーム窓を形成することができる。導波管セグメント315から狭いビーム窓を介して受信されるマイクロ波エネルギーの伝送は、導波管チャネル内のエネルギーに対して最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10倍以上の受信エネルギーの高密度化を可能にし得る。いくつかの実施形態では、ビーム窓の寸法は、送信されるマイクロ波ビームの異なるレベルのコリメーションを可能にする寸法を含むことができる。
【0116】
アプリケータ212aは、フランジを有する遠位端412を有することができる。フランジは、ビーム窓の周囲の周りに延びることができる。フランジは、半径方向外側に延在してもよい。フランジの断面積は、導波管315及び/又は導波管チャネルの断面積より小さくてもよい。フランジは、アプリケータ212aの外側のエネルギー漏れを低減するためのシールドとして作用することができ、総エネルギー伝達を増加させることができる。
【0117】
図10Bは、アプリケータ212と同様のアプリケータ212bの別の実施形態を示す。アプリケータ212bは、チャネル650内に少なくとも部分的に嵌合することができるインサート651を追加したアプリケータ212のようであってもよい。インサート651の端部の表面が、ビーム窓に配置されてもよい。表面は平面であってもよい。表面は、窓612及び/又は遠位端412のフランジと同一平面上にあってもよい。いくつかの実施形態では、インサート651は、アプリケータチャネル650内に嵌合して、チャネル側壁とインサート651との間に空間又は隙間を有さなくてもよい。いくつかの実施形態では、インサート651は、チャネル650の全体積を満たすことができる。
【0118】
インサート651は、マイクロ波透過性材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、インサート651は、異なる誘電率値を有するマイクロ波透過性材料を含むことができる。インサート651の材料の誘電率値は、1~15ファラド/mを含むことができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、インサートは、空気の誘電率値(1ファラド/m)と硬質岩の誘電率値(15ファラド/m)との間の誘電率値を有する材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、インサート651の材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことができる。いくつかの実施形態では、インサートの材料は、高いマイクロ波透過性を有する材料の組み合わせを含むことができる。インサート651は、矩形、円形、楕円形、及び多角形を含むがこれらに限定されない異なる断面プロファイルを有することができる。いくつかの実施形態では、インサート651は、構造がピラミッド状であってもよい。インサート651の断面積は、アプリケータ入口からアプリケータ出口へと出口に向かって遠位方向に増加し、その後減少してもよい。いくつかの実施形態では、インサート651は、2つのnピラミッド状端部を画定してもよい。
【0119】
図10Cは、
図1のシステムと共に使用することができるマイクロ波エネルギーアプリケータ212cの別の実施形態を示す。本明細書で説明するように、アプリケータ212cは、導波管セグメント315に接続することができる。マイクロ波は、導波管入口で導波管セグメント315に入り、導波管セグメントを通って進み、導波管出口で導波管セグメントを出て、アプリケータ212cの中へ、又はアプリケータ212cに向かって進むことができる。
【0120】
アプリケータ入口632及び導波管出口が、同じ又は同様の断面積を有してもよい。アプリケータ入口632及び導波管出口は、アプリケータ212cが導波管セグメント315に接続され得るように位置合わせされてもよい。滑らかな側壁内面を有する連続チャネルが、導波管入口とアプリケータ出口633との間に形成されてもよい。
【0121】
マイクロ波エネルギーアプリケータ212cは、アプリケータ入口632からアプリケータ出口633まで延在するチャネル650を画定する本体634を含むことができる。チャネル650は、ロボットアーム214を形成する導波管セグメント315の導波管チャネルと電磁的に連通してもよい。導波管チャネル内の空間は、チャネル650内の空間と連続していてもよい。アプリケータ入口632及びアプリケータ出口633は、矩形、円形、楕円形、及び多角形を含むがこれらに限定されない同じ又は異なる断面プロファイルを有することができる。アプリケータ入口632は、アプリケータ出口633よりも大きい断面積を有することができる。チャネル650の断面積は、アプリケータ入口632からアプリケータ出口633まで狭まっていてもよい。
【0122】
アプリケータ212cは、チャネル650内に配置された、チャネル650の1つ以上の内壁に当接する1つ以上の隆起部638を含むことができる。いくつかの実施形態では、隆起部638は、アプリケータチャネル650内に突出してもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータ入口632からアプリケータ出口633までの隆起部638の厚さを変えることにより、チャネル650を狭くすることができる。このような狭小化により、例えば、末端の導波管セグメント315に向かう近位方向へのマイクロ波エネルギーの反射が最小限に抑えられる。いくつかの実施形態では、アプリケータ入口632からアプリケータ出口633へのチャネル650の狭小化の角度は、送信されたマイクロ波ビームの異なるレベルのコリメーションを可能にする狭小化の角度を含むことができる。
収納可能モジュール
【0123】
図11Aは、発生器モジュール260を示す。発生器モジュール260は、プラットフォーム262に取り付けられた構成要素を含むことができる。プラットフォーム262は、折り畳み可能、格納可能又は取り外し可能な脚部762を含むことができる。マイクロ波発生器228は、油圧アクチュエータ736によって制御される折り畳み式フレーム735に取り付けることができる。折り畳み式フレーム735及びマイクロ波発生器228は、軸を中心に回転させて
図11Bに示すコンパクトな構成とすることができる。冷却モジュール224は、油圧アクチュエータ726によって制御される折り畳み式フレーム725に取り付けることができる。折り畳み式フレーム725及び冷却モジュール224は、軸を中心に回転させて
図11Bに示すコンパクトな構成とすることができる。制御室229は、ファラデーケージなどの保護バリア727によって囲まれていてもよい。プラットフォーム262は、分解された発生器モジュール260を輸送するための1つ以上の持ち上げブラケット861を含むことができる。発生器モジュール260及び/又はアプリケータモジュール250は、1つ以上の緊急停止スイッチを含むことができる。緊急停止スイッチは、例えば、マイクロ波発生器228、冷却モジュール224、関節運動可能な導波管214又は他の場所に含めることができる。システム200の制御システムは、(例えば、地上位置でアクセス可能な)遠隔停止装置を含むことができる。発生器228が取り付けられるプラットフォーム262(及び/又はプラットフォーム252)は、プラットフォーム及び/又はその上の構成要素を水平にするためのロールセンサ及びピッチセンサを含むことができる。発生器及び冷却モジュールの折り畳み式フレームは、一方が道をあける前に他方が動いてしまわないようにするリミットスイッチを含んでもよい。発生器モジュール260は、ユーザインターフェース及び/又はアプリケータモジュール250のビデオの表示のためのプラグを含むことができる。
【0124】
システム100のセットアップは、発生器モジュール260及びアプリケータモジュール250の岩石面240への輸送を含むことができる。脚部762は、モジュール260を安定させるために所定の位置に移動させることができる。冷却モジュール224及び/又はマイクロ波発生器228は、動作位置へと展開/移動させることができる。(例えば、電気的な)動力源を発生器モジュール260に接続することができる。導波管280の一端を、マイクロ波発生器に取り付けてもよい。導波管の第2の端部をアプリケータモジュール250の関節運動可能な導波管214に取り付けてもよい。発生器モジュール260を収納するために、動作を逆戻りさせてもよい。
ロボットアーム導波管を有する可動システム
【0125】
図12A~
図12Bは、マイクロ波前処理システム1100の一例を示す。システム1100は、システム100において上述した構成要素を含むことができる。システム1100は、マイクロ波を岩壁1140に送達するためのアプリケータモジュール1150を含むことができる。アプリケータモジュール1150は、アプリケータ1112、関節運動可能な導波管1114、冷却モジュール1120、マイクロ波発生器1118、導波管及び/もしくはチューナ、並びに/又はモビリティプラットフォーム1152を含むことができる。アプリケータ1112は、関節運動可能な導波管1114の遠位端に接続されてもよい。関節運動可能な導波管1114は、ロボット制御システムに取り付けられてもよい。関節運動可能な導波管1114の近位端は、導波管1119と結合されてもよい。関節運動可能な導波管1114及びロボット制御システムは、モビリティプラットフォーム1152に取り付けられてもよい。モビリティプラットフォーム1152は、トラック、車輪、又は他の移動機構を含むことができる。
【0126】
システム1100は、発生器モジュール1170を含むことができる。発生器モジュール1170は、フィルタバンク、変圧器1128、及び/又はモビリティプラットフォーム1172を含むことができる。発生器モジュール1170は、1つ以上の電力ケーブルによってアプリケータモジュール1150と接続されてもよい。リンク機構1151が、アプリケータモジュール1150と発生器モジュール1170とを解放可能に互いに結合することができる。アプリケータモジュール1150及び発生器モジュール1170は、共同で動作可能又は独立して動作可能であってもよい。
【0127】
システム1100は、電力モジュール1160を含むことができる。電力モジュール1160は、電源(例えば、バッテリ)1164を含むことができる。電力モジュール1160は、モビリティプラットフォーム1162を含むことができる。電力モジュール1160は、1つ以上の電力ケーブルによって発生器モジュール1170と接続されてもよい。リンク機構1165が、発生器モジュール1170と電力モジュール1160とを解放可能に互いに結合することができる。電力モジュール1160は、アプリケータモジュール1150及び発生器モジュール1170と共同で動作可能であってもよく、又はこれらから独立して動作可能であってもよい。
【0128】
図13A~
図13Bは、導波管1219及びチューナを介してアイソレータ1218に接続されたアプリケータ1212を有する関節運動可能な導波管1214を含むアプリケータモジュール1250の別の例を示す。モジュール1250の構成要素は、モビリティプラットフォーム1262に取り付けられている。アプリケータモジュール1250は、システム100の他の構成要素を含むことができる。
【0129】
図14A~
図14Bは、導波管1319を介して固体マイクロ波発生器1318に接続されたアプリケータ1312を有する関節運動可能な導波管1314を含むアプリケータモジュール1350の別の例を示す。モジュール1350の構成要素は、モビリティプラットフォーム1362に取り付けられている。アプリケータモジュール1350は、システム100の他の構成要素を含むことができる。
【0130】
図15A~
図15Bは、クライストロンマイクロ波発生器1418に接続されたアプリケータ1412を有する関節運動可能な導波管1414を含むアプリケータモジュール1450の別の例を示す。アプリケータ1412は、皿アンテナ又は他のフォームファクタであってもよく、反応性近接場アプリケータよりも遠くのスタンドオフ距離でエネルギーを投射して、集束ホットスポットを形成することができる。モジュール1450の構成要素は、モビリティプラットフォーム1462に取り付けられている。アプリケータモジュール1450は、システム100の他の構成要素を含むことができる。
マイクロ波前処理方法
【0131】
図16は、マイクロ波を使用して岩石面を掘削する方法を示す図である。ステップ1502において、本方法は、マイクロ波源からマイクロ波を生成することを含むことができる。マイクロ波源は、マグネトロン、固体マイクロ波発生器、又はクライストロンなど、上述した源のいずれかであってもよい。マイクロ波は、インピーダンスチューナで同調されてもよい。
【0132】
ステップ1504において、生成されたマイクロ波は、導波管を備え、アプリケータを支持する関節運動可能なロボットアームへと導波管に沿って案内されてもよい。ステップ1506において、関節運動可能なロボットアームは、岩石面に対してアプリケータを位置決めすることができる。関節運動可能なロボットアームは、アプリケータの範囲(例えば、x、y、及びZ方向)並びに/又は向き内で調整可能であってもよい。ステップ1508において、アプリケータは、生成されたマイクロ波を岩石面に向けて導くことができる。
【0133】
図17は、マイクロ波を使用して岩石面を掘削する方法を示す図である。ステップ1602において、本方法は、岩石面を検出することを含むことができる。岩石面を検出することは、1つ以上のセンサ(例えば、距離又は位置センサ)を使用して岩石面の位置を特定することを含むことができる。岩石面を検出することは、(例えば、マシンビジョンを使用して)岩石面の輪郭をマッピングすることを含むことができる。
【0134】
ステップ1604において、関節運動可能なロボットアームは、アプリケータを岩石面に対して位置決めすることができる。位置決めは、岩石面の位置に基づいて自律的であってもよい。位置決めは、アプリケータをある範囲内に配置すること、及び/又はアプリケータの角度を配向することを含むことができる。位置決めは、岩石面におけるマイクロ波ビームの焦点を制御するために、アプリケータを岩石面からある距離だけ離間させることを含むことができる。
【0135】
ステップ1606において、本方法は、マイクロ波源からマイクロ波を生成することを含むことができる。マイクロ波源は、マグネトロン、固体マイクロ波発生器、又はクライストロンなど、上述した源のいずれかであってもよい。マイクロ波は、インピーダンスチューナで同調されてもよい。同調は、(例えば、鉱物の種類又は密度に基づいて)岩壁のインピーダンスを整合させることに基づいてもよい。
【0136】
ステップ1608において、生成されたマイクロ波は、関節運動可能なロボットアームの導波管に沿ってアプリケータへと案内されてもよい。ステップ1610において、マイクロ波は、集束されて岩石面に向けられてもよい。アプリケータは、設定距離でアプリケータから離間されてもよい。距離は、マイクロ波を所望のビームサイズに集束させる。距離は、1つ以上の距離センサからのデータを使用して維持又は設定することができる。
【0137】
ステップ1612において、関節運動可能なロボットアームは、アプリケータを岩石面に対して移動させることができる。アプリケータは、マイクロ波がアプリケータを出るときに関節運動可能なアームによって岩石面に沿って移動されてもよい。アプリケータは、関節運動可能なロボットアームによって特定の速度で岩石面に沿って移動されてもよい。速度は、所望の量のエネルギー又は熱を岩石面に送達するように選択されてもよい。送達されるエネルギーは、熱膨張による岩石面の破壊を引き起こすのに十分であってもよい。アプリケータは、関節運動可能なロボットアームによって、岩石面に沿った特定の方向に岩石面に沿って移動されてもよい。方向は、岩壁の輪郭(例えば、幾何学的形状)に基づいて選択することができる。方向は、岩壁の1つ以上の領域を前処理するために生成された適用パターンに基づいてもよい。アプリケータの向きは、岩壁の輪郭(例えば、幾何学的形状)に基づいて選択されてもよい。適用の動き(例えば、方向又は速度)は、マイクロ波のエネルギー量を岩壁に送達することに基づいてもよい。
【0138】
ステップ1614において、本方法は、採掘パラメータを検出することを含むことができる。採掘パラメータは、システムのセンサのうちの1つ以上を使用して検出及び/又は測定することができる。センサは、目に見える亀裂、岩石温度、送達される総エネルギー、時間、又は他のパラメータを検出することができる。採掘パラメータは、発生器によって生成されたマイクロ波エネルギーの量、アプリケータを出るマイクロ波エネルギーの量、1つ以上の導波管セグメントの1つ以上のジョイントにおけるマイクロ波エネルギーの量、岩石面内の岩石の種類、岩石面の温度、又は岩石面の劣化を含むことができる。
【0139】
ステップ1616において、本方法は、採掘パラメータに基づいてアプリケータの位置、動き、向き、速度、又は他のパラメータを調整することを含んでもよい。いくつかの例では、システムは、アプリケータの焦点を調整するか、アプリケータの走査速度を加速又は減速させるか、アプリケータを異なる場所又は位置に向け直すか、あるいは他の調整を行うことができる。
【0140】
ステップ1618において、方法は、採掘パラメータに基づいてマイクロ波発生器の電力出力を調整することを含んでもよい。システムは、採掘パラメータに基づいて、マイクロ波発生器からより多くの又はより少ないマイクロ波電力を提供することができる。関節運動可能なロボットアーム上のアプリケータの動きは、マイクロ波のエネルギー量に基づいて調整することができる。
【0141】
図18は、マイクロ波前処理システムを組み立てる方法を示す。ステップ1702において、マイクロ波発生器を設けることができる。マイクロ波発生器は、本明細書に記載のシステム(例えば、システム100、101、102、200、1100)のいずれかなどのマイクロ波前処理システムの一部とすることができる。マイクロ波発生器は、電源と接続されてもよい。ステップ1704において、剛性導波管セグメント(例えば、導波管280)の第1の端部をマイクロ波発生器の出力に接続することができる。ステップ1706において、剛性導波管セグメントの第2の端部を第1のジョイント(例えば、ジョイント301)に接続することができる。第1のジョイントは、回転可能な導波管ジョイントであってもよい。ステップ1708において、第2の導波管セグメント(例えば、導波管セグメント311)を第1のジョイントに接続することができる。したがって、第2の導波管セグメントは、ジョイントを中心として第1の導波管セグメント及びマイクロ波発生器に対して関節運動可能であり得る。遠位端を有する関節運動可能な導波管を形成するために、任意の数の追加のジョイント及び/又は導波管セグメントを第1及び第2の導波管セグメント並びに第1のジョイントに取り付けてもよい(あるいは取り付けなくてもよい)。関節運動可能な導波管は、ロボット制御システム(例えば、システム230)を介してロボット制御することができる。ステップ1710において、アプリケータを関節運動可能な導波管の遠位端に接続することができる。アプリケータ(例えば、アプリケータ212)は、関節運動可能な導波管及びロボット制御システムを使用して移動可能であり、マイクロ波発生器で生成されたマイクロ波を送達することができる。
湾曲アプリケータ付き可動ユニット
【0142】
図19~
図20は、可動マイクロ波アプリケータモジュール又はユニット1900を含むマイクロ波前処理システムの別の例を示す。ユニット1900は、アプリケータユニット150、1150に上述した構成要素を含むことができる。アプリケータユニット1950は、アプリケータ1912、関節運動可能な導波管1914、及び/又はモビリティプラットフォーム1952を含むことができる。アプリケータユニット1900のロボット制御を提供するために、ロボット制御システムが含まれてもよい。
【0143】
アプリケータ1912は、スロットアンテナであってもよい。アプリケータ1912は、アプリケータ導波管を含むか、又はアプリケータ導波管であり得る。アプリケータ導波管は、矩形断面を有することができる。アプリケータ導波管は、近位端と遠位端との間に1つ以上の曲線を含むことができる。アプリケータ1912は、アプリケータ導波管を形成する単一又は複数の導波管セグメントを含むことができる。アプリケータ1912は、遠位方向に離れるように下方に延び、次いで近位方向に下方に延びるアプリケータ導波管を含むことができる。遠位端は、モビリティプラットフォーム1952に向かって後方に延びるように湾曲していてもよい。遠位端は閉じていてもよい。アプリケータ1912は、アプリケータ導波管内に複数のスロット1912aを含むことができる。スロット1912aは、近位端と遠位端との間のアプリケータ導波管に沿って間隔を置いて配置されてもよい。スロット1912aは、アプリケータ導波管の一方の壁を通る矩形の隙間であってもよい。スロット1912aは、エネルギーを印加するための岩石又は他の構造に面するように、導波管アプリケータの遠位壁に配置されてもよい。アプリケータ1912の近位端は、関節運動可能な導波管1914の遠位端に取り付けられてもよい。
【0144】
関節運動可能な導波管1914は、例えば
図4A~
図6又は
図12A~
図15Bに関して本明細書で説明するように、対応するジョイントによって互いに移動可能に結合された複数の直線導波管セグメントを含むことができる。複数の直線導波管セグメントは、矩形断面を有することができる。関節運動可能な導波管1914は、第1の導波管セグメント1931、第2の導波管セグメント1932、第3の導波管セグメント1933、第4の導波管セグメント1934、第5の導波管セグメント1935、及び/又は第6の導波管セグメント1936を含むことができる。回転ジョイントは、隣接する導波管セグメントの対を接続することができる。回転ジョイントは、第1のジョイント1941、第2のジョイント1942、第3のジョイント1943、第4のジョイント1944、及び/又は第5のジョイント1945を含むことができる。ジョイントの全部又は一部が、例えば
図7A~
図7Bに関して説明したように、ジョイント301に関して上述したアンテナのいずれかなどの内部アンテナを含むことができる。
【0145】
第3の導波管セグメント1933は、トラック1972に取り付けられてもよい。トラック1972は、関節運動可能な導波管1914のロボット制御を提供することができる。トラック1972は、モビリティプラットフォーム1952上の前方-後方線に沿って配向されてもよい。トラック1972は、ユニット1900の両側の2つのトラック(又は車輪の対)の間に位置合わせされてもよい。第6のセグメント1936は、制御棒1922及びアクチュエータ1921と連結されてもよい。アクチュエータ1921は、第5のジョイント1945を中心とした回転の制御を提供することができる。ギアボックス1971は、第5のセグメント1935及び第4のジョイント1944と連結することができる。ギアボックス1971は、第4のジョイント1944を中心とした第5のセグメント1935の制御を提供することができる。関節運動可能な導波管1914は、6自由度を含むことができる。あるいは、より多くの又はより少ない自由度を提供するために、より多くの又はより少ない導波管セグメント及び/又はジョイントを含むことができる。
【0146】
関節運動可能な導波管1914は、モビリティプラットフォーム1952に取り付けられてもよい。モビリティプラットフォーム1952は、軌道システムを含むことができる。あるいは、車輪又は脚などの他の移動機構を含むことができる。
【0147】
関節運動可能な導波管1914の近位端(例えば、第1の導波管セグメント1931)は、マイクロ波発生器(図示せず)と結合されてもよい。関節運動可能な導波管1914は、それを通してマイクロ波をアプリケータ1912に導くように構成することができる。マイクロ波発生器は、システムの別個のユニット(例えば、発生器ユニット260)に取り付けることができる。別個のユニットは、モビリティシステム1952とは独立して動作するモビリティシステムを含んでもよい。関節運動可能な導波管1914の1つ以上の他の部分は、別個のユニットに取り付けることができる。第2のジョイント1942は、関節運動可能な導波管1914の動きを向上させるために、別個のユニットに取り付けられてもよい。
【0148】
ロボット制御システムは、ユニット1900の動作を管理することができる。制御は、自律的であってもよく、及び/又は人間のオペレータによって遠隔制御されてもよい。ロボット制御システムは、例えばシステム100、200、1100について、本明細書に記載の特徴、センサなどのいずれかを含むことができる。
特定の用語
【0149】
「上部」、「底部」、「近位」、「遠位」、「長手方向」、「横方向」、及び「端部」など、本明細書で使用される配向の用語は、図示の例の文脈で使用される。しかしながら、本開示は、図示された配向に限定されるべきではない。実際、他の配向も可能であり、本開示の範囲内である。本明細書で使用される直径又は半径などの円形に関する用語は、完全な円形構造を必要としないと理解されるべきであり、むしろ、左右から測定され得る断面領域を有する任意の適切な構造に適用されるべきである。「円形(circular)」、「円筒形(cylindrical)」、「半円形(semi-circular)」、又は「半円筒形(semi-cylindrical)」などの一般的な形状に関する用語、あるいは任意の関連又は類似の用語は、円又は円筒又は他の構造の数学的定義に厳密に従う必要はないが、適度に近似した構造を包含し得る。
【0150】
「できる(can)」、「得る(could)」、「場合がある(might)」、又は「してもよい(may)」などの条件付き言語は、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の例が特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むか又は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが1つ以上の例に何らかの形で必要とされることを含意するものではない。
【0151】
句「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ、」などの接続詞は、特に明記しない限り、項目、用語などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために一般に使用される文脈で理解される。従って、そのような接続詞は、一般に、特定の例がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つの存在を必要とすることを意味することを意図していない。
【0152】
本明細書で使用される「およそ(approximately)」、「約(about)」、及び「実質的に(substantially)」という用語は、依然として所望の機能を果たすか、又は所望の結果を達成する、記載された量に近い量を表す。例えば、いくつかの例では、文脈が指示し得るように、「およそ(approximately)」、「約(about)」、及び「実質的に(substantially)」という用語は、記載された量の10%以下の量を指し得る。本明細書で使用される「一般に」という用語は、主に特定の値、量、又は特性を含むか、あるいは特定の値、量、又は特性に向かう傾向がある値、量、又は特性を表す。一例として、特定の例では、文脈が指示し得るように、「ほぼ平行」という用語は、正確な平行から20度以下だけ逸脱するものを指すことができる。全ての範囲は、終点を含む。
【0153】
マイクロ波前処理システムのいくつかの例示的な例が開示されている。本開示は、特定の例示的な例及び使用に関して説明されているが、本明細書に記載の特徴及び利点の全てを提供しない例及び使用を含む、他の例及び他の使用も本開示の範囲内である。構成要素、要素、特徴、動作、又はステップは、記載されたものとは異なるように配置又は実行されてもよく、構成要素、要素、特徴、動作、又はステップは、様々な例において組み合わされ、マージされ、追加され、又は省略されてもよい。本明細書に記載の要素及び構成要素の全ての可能な組み合わせ及び部分組み合わせは、本開示に含まれることが意図されている。単一の特徴又は特徴のグループは、必要でも必須でもない。
【0154】
別個の実施態様の文脈で本開示に記載されている特定の特徴は、単一の実施態様において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施態様の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施態様において別々に、又は任意の適切な部分組み合わせで実施することもできる。更に、特徴は特定の組み合わせで作用するものとして上述され得るが、特許請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除することができ、組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形として特許請求され得る。
【0155】
本開示の一例に開示又は図示されたステップ、プロセス、構造、及び/又はデバイスのいずれかの任意の部分は、異なる例又はフローチャートに開示又は図示されたステップ、プロセス、構造、及び/又はデバイスのいずれかの他の部分と(又はその代わりに)組み合わされ、又は使用されてもよい。本明細書に記載の例は、別個であり、互いに分離していることを意図しない。開示された特徴の組み合わせ、変形、及びいくつかの実装形態は、本開示の範囲内である。
【0156】
動作は、特定の順序で図面に示され、又は本明細書に記載され得るが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、又は連続した順序で実行される必要はなく、又は全ての動作が実行される必要はない。図示又は説明されていない他の動作は、例示的な方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、記載された動作のいずれかの前、後、同時に、又は間に、1つ以上の追加の動作を実行することができる。加えて、動作は、いくつかの実施態様では並べ替えられるか又は順序を変更されてもよい。また、上記の実施態様における様々な構成要素の分離は、全ての実施態様においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載された構成要素及びシステムは、一般に、単一の製品に一緒に統合されるか、又は複数の製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、いくつかの実施態様は、本開示の範囲内である。
【0157】
更に、例示的な例を説明したが、同等の要素、修正、省略、及び/又は組み合わせを有する任意の例も本開示の範囲内である。更に、特定の態様、利点、及び新規な特徴が本明細書に記載されているが、必ずしもそのような利点の全てが任意の特定の例に従って達成されるとは限らない。例えば、本開示の範囲内のいくつかの例は、本明細書で教示又は示唆される他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群を達成する。更に、いくつかの例は、本明細書で教示又は示唆されるものとは異なる利点を達成し得る。
【0158】
いくつかの例は、添付の図面に関連して説明されている。図面は縮尺通りに描かれ、及び/又は示されているが、このような縮尺は限定的であるべきではなく、示されているもの以外の寸法及び割合が企図され、開示された発明の範囲内である。距離、角度などは単なる例示であり、必ずしも図示された装置の実際の寸法及びレイアウトと正確な関係を有するとは限らない。構成要素は、追加、除去、及び/又は再配置することができる。更に、様々な例に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、特性、品質、属性、要素などの本明細書の開示は、本明細書に記載の他の全ての例で使用されてもよい。更に、本明細書に記載の任意の方法は、列挙されたステップを実行するのに適した任意の装置を使用して実施することができる。
【0159】
本開示を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点及び特徴が本明細書に記載されている。本明細書に開示される発明の任意の特定の例に従って、全てではない、又は任意のそのような利点が必ずしも達成されるとは限らない。本開示のいかなる態様も、必須又は必須ではない。多くの例では、装置、システム、及び方法は、本明細書の図又は説明に示されているものとは異なるように構成されてもよい。例えば、図示されたモジュールによって提供される様々な機能は、組み合わされ、再配置され、追加され、又は削除されてもよい。いくつかの実装形態では、追加又は異なるプロセッサ又はモジュールは、図に記載の及び図示された例を参照して説明された機能の一部又は全てを実行することができる。多くの実装変形形態が可能である。本明細書で開示される特徴、構造、ステップ、又はプロセスのいずれも、任意の例に含まれ得る。
【0160】
要約すると、マイクロ波前処理システム及び関連する方法の様々な例が開示されている。本開示は、具体的に開示された例を超えて、他の代替例及び/又は例の他の使用、並びにその特定の修正及び等価物に及ぶ。更に、本開示は、開示された例の様々な特徴及び態様を互いに組み合わせてもよく、又は互いに置き換えてもよいことを明確に意図している。したがって、本開示の範囲は、上述の特定の開示された例によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。
【国際調査報告】