(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】眼球の軸方向長さ及び曲率を修正するためのブドウ腫支持デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/14 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
A61F2/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550295
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2022070733
(87)【国際公開番号】W WO2022178539
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523315463
【氏名又は名称】エルエー アイ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アクダマン,レベント
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA24
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD01
4C097DD09
4C097DD10
4C097EE02
4C097EE03
4C097EE13
4C097SA10
(57)【要約】
眼球の軸方向長さ又は曲率を修正することによって視力を改善し、支持し、又は維持するのを助けるための外科用インプラント及び方法が提供される。ブドウ腫支持デバイス又はインプラントは、チタン合金等の単一の基材から一体的に構成することができ、インプラント本体より大きい黄斑圧子プレート及び黄斑圧子プレートより大きいアンカー構造を有することができる。合成凹面強膜接触面は、前方曲率半径で眼球の外面に近似することができ、前方曲率半径より小さくすることができる第2の後方曲率半径で黄斑形状及び軸方向長さを回復させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって患者の視力を改善するための外科用インプラントであって、
眼球の後方部の自然な曲率を回復させるように構成された凹状強膜合わせ面を有するプレートと、
眼球の前方部の自然な曲率に近似するように構成された凹状強膜合わせ面を有するアンカーと、
前記プレートを前記アンカーに接続する連続的で滑らかな凹状強膜合わせ面を有する本体と、
を含む、外科用インプラント。
【請求項2】
前記眼球は、前記自然な軸方向長さを有し、前記インプラントは、前記眼球の前記自然な軸方向長さより小さいインプラント全長を有する、請求項1に記載の外科用インプラント。
【請求項3】
前記本体は、本体幅を有し、
前記プレートは、プレート幅を有し、
前記本体幅は、前記プレートの幅の半分より大きく、
前記本体幅は、前記プレートの幅より小さい、請求項2に記載の外科用インプラント。
【請求項4】
前記アンカーは、アンカー幅を有し、
前記アンカー幅は、前記プレート幅より大きく、
前記アンカー幅は、前記プレート幅の3倍より小さい、請求項3に記載の外科用インプラント。
【請求項5】
前記プレートは、プレート厚さを有し、
前記本体は、本体厚さを有し、
前記アンカーは、アンカー厚さを有し、
前記プレート厚さは、前記本体厚さの50%より大きく、
前記プレート厚さは、前記本体厚さの200%より小さく、
前記アンカー厚さは、前記本体厚さの50%より大きく、
前記アンカー厚さは、前記本体厚さの200%より小さい、請求項4に記載の外科用インプラント。
【請求項6】
前記プレート厚さ、前記本体厚さ、及び前記アンカー厚さは、それぞれ均一かつ等しい、請求項5に記載の外科用インプラント。
【請求項7】
前記アンカーは、
前記本体の中心にある第1のアンカーポイントと、
前記本体の内側(ないそく)であり、前記第1のアンカーポイントの前方か後方のいずれかにある第2のアンカーポイントと、
前記本体の外側(がいそく)であり、前記第1のアンカーポイントの前方か後方のいずれかにある第3のアンカーポイントと
を含む、請求項4に記載の外科用インプラント。
【請求項8】
前記第1のアンカーポイントから前記第2のアンカーポイントまで引かれた線は、前記第1のアンカーポイントから前記第3のアンカーポイントまで引かれた線と、170度より小さく、10度より大きい角度を形成する、請求項7に記載の外科用インプラント。
【請求項9】
前記アンカーは、
前記第2のアンカーポイントを前記本体に接続し、前記本体幅より小さいアーム幅を有する第1のアームと、
前記第3のアンカーポイントを前記本体に接続し、前記本体幅より小さいアーム幅を有する第2のアームと、を含む、請求項8に記載の外科用インプラント。
【請求項10】
前記第1のアームは、前記本体長さより小さい第1のアーム長を有し、
前記第2のアームは、前記本体長さより小さい第2のアーム長を有する、請求項9に記載の外科用インプラント。
【請求項11】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記本体に対してY形状を形成する、請求項10に記載の外科用インプラント。
【請求項12】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記本体に対して対称であるY形状を形成する、請求項11に記載の外科用インプラント。
【請求項13】
前記プレートは、第1の曲率半径(RP)を有し、
前記アンカーは、第2の曲率半径(RA)を有し、
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径より小さい(RP<RA)、請求項7に記載の外科用インプラント。
【請求項14】
前記本体は、前記プレートに近接する第1の曲率半径(RB1)を有し、
前記本体は、前記アンカーに近接する第2の曲率半径(RB2)を有し、
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径より小さい(RB1<RB2)、請求項13に記載の外科用インプラント。
【請求項15】
前記プレートと前記本体との間の接続は、前記凹状強膜合わせ面において連続的かつ平滑であり、
前記本体と前記アンカーとの間の接続は、前記凹状強膜合わせ面において連続的かつ平滑である、請求項14に記載の外科用インプラント。
【請求項16】
前記本体は、前記第1の曲率半径(RB1)と前記第2の曲率半径(RB2)との間の表面接線を維持する段階的な曲率遷移を有する、請求項14に記載の外科用インプラント。
【請求項17】
前記本体は、RB1及びRB2とは異なる第3の曲率半径(RB3)を有する、請求項14に記載の外科用インプラント。
【請求項18】
RB3は、RB2の2倍より大きい、請求項14に記載の外科用インプラント。
【請求項19】
前記本体は、中立曲率領域を有する、請求項14に記載の外科用インプラント。
【請求項20】
眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって患者の視力を改善するための外科用インプラントであって、
前記眼球の後方部の自然な曲率を回復させるように構成された凹状強膜合わせ面を有するプレートと、
前記眼球の前方部の自然な曲率に近似するように構成された凹状強膜合わせ面を有するアンカーと、
前記プレートを前記アンカーに接続する連続的で滑らかな凹状強膜合わせ面を有する本体とを含み、
前記眼球は、自然な軸方向長さを有し、前記インプラントは、前記眼球の前記自然な軸方向長さより小さいインプラント全長を有し、
前記本体は、本体幅を有し、
前記プレートは、プレート幅を有し、
前記本体幅は、前記プレートの幅の半分より大きく、
前記本体幅は、前記プレートの幅より小さく、
前記アンカーは、アンカー幅を有し、
前記アンカー幅は、前記プレート幅より大きく、
前記アンカー幅は、前記プレート幅の3倍より小さく、
前記プレートは、プレート厚さを有し、
前記本体は、本体厚さを有し、
前記アンカーは、アンカー厚さを有し、
前記プレート厚さ、前記本体厚さ、及び前記アンカー厚さは、それぞれ略等しい、外科用インプラント。
【請求項21】
前記アンカーはさらに、
前記本体の中心にある第1のアンカーポイントと、
前記本体の内側で、前記第1のアンカーポイントの前方か後方のいずれかにある第2のアンカーポイントと、
前記本体の外側で、前記第1のアンカーポイントの前方か後方のいずれかにある第3のアンカーポイントであって、前記第1のアンカーポイントから前記第2のアンカーポイントまで引かれた線が、前記第1のアンカーポイントから前記第3のアンカーポイントまで引かれた線と、170度より小さく、10度より大きい角度を形成する、第3のアンカーポイントと、
前記第2のアンカーポイントを前記本体に接続し、前記本体幅より小さいアーム幅を有する、第1のアームと、
前記第3のアンカーポイントを前記本体に接続し、前記本体幅より小さいアーム幅を有する、第2のアームと、を含み、
前記第1のアームは、前記本体長さより小さい第1のアーム長を有し、
前記第2のアームは、前記本体長さより小さい第2のアーム長を有し、
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記本体に対して対称なY字形状を形成する、請求項20に記載の外科用インプラント。
【請求項22】
前記プレートは、第1の曲率半径(RP)を有し、
前記アンカーは、第2の曲率半径(RA)を有し、
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径より小さく(RP<RA)、
前記本体は、前記プレートに近接する第1の曲率半径(RB1)を有し、
前記本体は、前記アンカーに近接する第2の曲率半径(RB2)を有し、
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径より小さく(RB1<RB2)、
前記プレートと前記本体との間の接続は、前記凹状強膜合わせ面において連続的かつ平滑であり、
前記本体と前記アンカーとの間の接続は、前記凹状強膜合わせ面において連続的かつ平滑であり、
前記本体は、前記第1の曲率半径(RB1)と前記第2の曲率半径(RB2)との間の表面接線を維持する段階的な曲率遷移を有する、請求項20に記載の外科用インプラント。
【請求項23】
眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって、患者の視力を改善し、支持し、又は維持するのを助けるための方法であって、前記眼球は、結膜及び強膜を有し、
1)請求項1~22又は31~49のいずれか一項に記載の外科用インプラントを提供するステップと、
2)前記眼球の象限を選択するステップと、
3)前記選択された象限の前記強膜を露出させるために、結膜を切開するステップと、
4)前記インプラント、プレートをまず挿入するステップであって、前記凹状強膜合わせ面が、前記選択された象限の前記結膜下の前記強膜面と密着するようにする、ステップと、
5)前記アンカーが輪部の後ろになるまで前記インプラントを前進させるステップと、
6)前記インプラントの本体を前記強膜に固定するステップと、
7)前記眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させるために、前記インプラントの所望の位置を決定するステップと、
8)前記眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させるために、前記アンカーを、少なくとも2つのアンカーポイントの所望の位置で前記強膜にアンカー固定するステップとを含む、方法。
【請求項24】
前記選択された象限は、下側頭象限である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記インプラントを配置する前か、配置した後のいずれかに、自家移植片、同種移植片、異種移植片、又は合成強膜移植片を、前記インプラントの下の前記強膜に取り付けるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記インプラントの所望の位置を決定する前記ステップが、前記補正されたAP長を測定するステップと、前記インプラントの前記位置を手術中に調整するステップとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記インプラントの所望の位置を決定する前記ステップが、ノモグラム又は手術前測定を参照するステップと、前記インプラントの位置を手術中に調整するステップとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記インプラント上で前記結膜を閉じるステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記インプラントの下又は上に、自家移植片、同種移植片、異種移植片、又は合成強膜移植片を取り付けるステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記結膜を切開するステップが、前記結膜と前記強膜との間の前記インプラントのための入れ子状ポケットを開く鈍的後方切開を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって、患者の視力を改善するための外科用インプラントであって、
前記眼球の後方部の自然な曲率を回復させるように構成された凹状強膜合わせ面を有するプレートと、
前記眼球の前方部の自然な曲率に近似するように構成された凹状強膜合わせ面を有するアンカーと
を含む、外科用インプラント。
【請求項32】
前記眼球が、自然な軸方向長さを有し、前記インプラントは、前記眼球の前記自然な軸方向長さより小さいインプラント全長を有する、請求項31に記載の外科用インプラント。
【請求項33】
前記アンカーは、最小アンカー幅を有し、
前記アンカーは、最大アンカー幅を有し、
前記プレートは、プレート幅を有し、
前記最小アンカー幅は、前記プレート幅の半分より大きく、
前記最大アンカー幅は、プレート幅の3倍より小さい、請求項32に記載の外科用インプラント。
【請求項34】
前記アンカーは、平均アンカー幅を有し、
前記平均アンカー幅は、プレート幅より大きく、
前記平均アンカー幅は、プレート幅の3倍より小さい、請求項33に記載の外科用インプラント。
【請求項35】
前記プレートは、プレート厚さを有し、
前記アンカーは、アンカー厚さを有し、
前記プレート厚は、アンカー厚さの50%より大きく、
前記プレート厚さは、アンカー厚さの200%より小さい、請求項34に記載の外科用インプラント。
【請求項36】
前記プレート厚さ及び前記アンカー厚さは、それぞれ均一かつ等しい、請求項35に記載の外科用インプラント。
【請求項37】
前記アンカーは、
前記インプラントの中心にある第1のアンカーポイントと、
前記インプラントの内側であり、前記第1のアンカーポイントの前方か後方のいずれかである第2のアンカーポイントと、
前記インプラントの外側であり、前記第1のアンカーポイントの前方か後方のいずれかである第3のアンカーポイントとを含む、請求項34に記載の外科用インプラント。
【請求項38】
前記第1のアンカーポイントから前記第2のアンカーポイントまで引かれた線は、前記第1のアンカーポイントから前記第3のアンカーポイントまで引かれた線と、170度より小さく、10度より大きい角度を形成する、請求項37に記載の外科用インプラント。
【請求項39】
前記アンカーは、
前記第2のアンカーポイントを前記プレートに接続し、前記プレート幅より小さいアーム幅を有する第1のアームと、
前記第3のアンカーポイントを前記プレートに接続し、前記プレート幅より小さいアーム幅を有する、第2のアームとを含む、請求項38に記載の外科用インプラント。
【請求項40】
前記第1のアームは、前記インプラント長さの3/4より小さい第1のアーム長を有し、
前記第2のアームは、前記インプラント長さの3/4より小さい第2のアーム長を有する、請求項39に記載の外科用インプラント。
【請求項41】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記プレートに対してY形状を形成する、請求項40に記載の外科用インプラント。
【請求項42】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記プレートに対して対称であるY形状を形成する、請求項41に記載の外科用インプラント。
【請求項43】
前記プレートは、第1の曲率半径(RP)を有し、
前記アンカーは、第2の曲率半径(RA)を有し、
前記第1の曲率半径は、第2の曲率半径より小さい(RP<RA)、請求項37に記載の外科用インプラント。
【請求項44】
前記インプラントは、前記プレートに近接する第1の曲率半径(RB1)を有し、
前記インプラントは、前記アンカーに近接する第2の曲率半径(RB2)を有し、
前記第1の曲率半径は、第2の曲率半径より小さい(RB1<RB2)、請求項43に記載の外科用インプラント。
【請求項45】
前記プレートと前記アンカーとの間の接続は、前記凹状強膜合わせ面において連続的かつ平滑である、請求項44に記載の外科用インプラント。
【請求項46】
前記インプラントは、前記第1の曲率半径(RB1)と前記第2の曲率半径(RB2)との間の表面接線を維持する段階的な曲率遷移を有する、請求項44に記載の外科用インプラント。
【請求項47】
前記インプラントは、RB1及びRB2とは異なる第3の曲率半径(RB3)を有する、請求項44に記載の外科用インプラント。
【請求項48】
RB3は、RB2の2倍より大きい、請求項44に記載の外科用インプラント。
【請求項49】
前記インプラントは、中立曲率領域を有する、請求項44に記載の外科用インプラント。
【請求項50】
前記アンカーが前記輪部の後ろになるまで前記インプラントを前進させるステップは、前記インプラントを、前記輪部の後ろに3mm~10mm前進させることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願を相互参照
本出願は、2021年2月19日出願の米国仮出願第63/200,189号の優先権を主張するものであり、図面、表、核酸配列、アミノ酸配列又は描画を含む全ての内容を参照することにより援用される。
【背景技術】
【0002】
近視(近眼)では、眼球(eye)の前後(前後方向(anteroposterior)AP)の長さが増加する。眼球のAP長は、通常、22mm~24mm(平均23mm)である。1mm長くなると、眼球の屈折異常は、3ディオプトリとなる。屈折異常に加えて、AP長が通常より長い場合、眼の球(eyeball)内容物は、内部に(inside)形成されたより大きな空間に適合するように広がる。最終的に広がって適合する眼球の内部の1つの構造は、網膜である。網膜は、画像を作成して脳に送る、内部の神経層である。網膜は、家の内部の壁を覆う壁紙のように、眼球の後部の内部を覆う。眼球の壁が後部に膨らんでいる場合、網膜内部は、黄斑とも呼ばれる、網膜の中央(middle)、中心部(central part)において、広がって孔(近視性黄斑円孔)を形成するか、又はその層で分裂する可能性がある(近視性黄斑分裂)。黄斑円孔は、正常な長さの眼球にも生じ得る。黄斑円孔に対する外科的処置は、孔を閉じるために硝子体切除術と呼ばれる手術を伴う眼球内ガスの配置を含む。高度近視の場合、網膜は非常に広がって、孔が容易に閉じない。眼球外インプラントは、眼球の外部(outside)から押し込むように設計されてきたが、その嵩と複雑さによって、有用性が制限されてきた。手術手技やインプラントを用いて眼球を外部から押すことは、近視黄斑分裂や近視黄斑円孔を直すのに役立つ。
【0003】
正常な眼球は、事実上、円形及び/又は球形である。ヒト集団の大部分は、眼球のサイズとして、22mm~24mmの範囲の直径を有する球状ボールを有する。眼球の前部では、角膜及び天然水晶体が、網膜上に画像を合焦させる。眼球が長すぎる(例えば、24mmより長い)場合、前部構造は、黄斑の前に画像を合焦させる可能性があり、網膜にうつる画像は、ぼやける可能性がある。眼球の前に眼鏡を配置するか、又はレーザー(例えば、レーザーインサイチュ角膜曲率形成術、LASIK(レーシック))を用いて角膜を切断し、再形成すると、眼球の前部の屈折力が変化し、画像が黄斑上に配置される。診断試験で、眼球の屈折異常及び直径(例えば、眼球の前後方向長さ又は軸方向長さ)を測定することができる。眼鏡又は自動屈折計での単純な屈折で、屈折異常が測定される。
【0004】
高度近視は、米国の一般集団において1.7~2%の有病率を有すると言われており、アジアにおいては特に一般的である。日本では、高度近視は、近視集団の6~18%、一般集団の1~2%に上ると報告されている。
【0005】
近視は、世界中で最も一般的な眼球の障害として報告されており、小児における視覚障害の主要な原因であり、その発生率は急速に増加している。2010年には、推定19億人(世界人口の27%)が近視であり、そのうち7000万人(2.8%)が高度近視であった。これらの数字は、2050年までにそれぞれ52%と10%に上昇すると予測されている。
【0006】
近視は、多くの東アジア諸国において、公衆衛生上の大きな懸念であり、高校卒業者の80%~90%に上っている。これらの個体のうち、10%~20%が、失明の恐れがある病的近視である。
【0007】
近視に関連する視力障害は、患者の身体的、感情的、及び社会的機能に関して、大きな経済的影響及び生活の質に対する大きな影響がある。科学者らは、2004年の未補正近視屈折異常によって引き起こされた世界生産性の損失は2688億国際ドルであり、この課題に対処するコストは280億米ドルであると推定している。
【0008】
病的近視(有病率0.9%~3.1%)は特に破壊的である。白内障発症、網膜剥離、緑内障、さらには失明のリスクの増加をもたらす。罹患者における脈絡膜血管新生の有病率は5.2%~11.3%であると報告されており、黄斑円孔は、患者の6人%~8%に起こり得る。乳頭周囲領域は、軸方向長さが増加した患者において、球体(globe)の機械的広がり伸張によって歪み、これは、緑内障及び視野喪失をもたらし得る。近視の発生率が急速に増加し、その著しい社会的・経済的負担と相まって、原因因子、可能性のある処置、及び防止の努力に関する研究が促進されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本発明は、眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって、患者の視力を改善するための単一の剛体眼球科手術用インプラント又はブドウ膜支持デバイスを提供する。眼球は、ボールと同様に、凸状の外面の(outer)強膜面(その中央又は側部の領域は、眼球の赤道と呼ぶことができる)と凹状の内表面(inner surface)とを有する。インプラントは、眼球の後方部(posterior portion)の自然な曲率を回復させるように構成された凹状強膜合わせ面を有するプレートと、眼球のより前方部(anterior portion)の自然な曲率に近似するように構成された凹状強膜合わせ面を有するアンカーと、プレートをアンカーに接続する連続的で滑らかな凹状強膜合わせ面を有する本体とを有することができる。インプラントは、眼球の自然な軸方向長さより小さい長さのインプラント全長を有することができる。本体の幅は、プレートの幅より小さい、そして、アンカーの幅より小さくすることができる。アンカーの幅は、プレートの幅及び本体の幅より大きくすることができる。いくつかの実施形態において、プレート厚さ、本体厚さ、及びアンカー厚さは、それぞれ均一であり、略等しい。
【0010】
他の態様において、本発明は、本体の中心にある第1のアンカーポイントと、本体の側方で第1のアンカーポイントの前方にある第2のアンカーポイントと、本体の側方で第1のアンカーポイントの前方にある第3のアンカーポイントとを有し、1本の直線が、第1のアンカーポイント、第2のアンカーポイント、及び第3のアンカーポイントの間を通過できないようになっている、アンカーを提供する。アンカーはまた、第2のアンカーポイントを本体に接続し、本体幅より小さい第1のアーム幅と、本体長さより小さい第1のアーム長とを有する第1のアームと、第3のアンカーポイントを本体に接続し、本体幅より小さい第2のアーム幅と、本体長さより小さい第2のアーム長とを有する第2のアームとを含むことができる。第1のアーム及び第2のアームは、本体に対して対称のY形状を形成することができる。
【0011】
あるいは、本発明は、本体の中心にある第1のアンカーポイントと、本体の側方で第1のアンカーポイントの後方にある第2のアンカーポイントと、本体の側方で第1のアンカーポイントの後方にある第3のアンカーポイントとを有し、1本の直線が、第1のアンカーポイント、第2のアンカーポイント、及び第3のアンカーポイントの間を通過できないようになっている、アンカーを提供する。アンカーはまた、第2のアンカーポイントを本体に接続し、本体幅より小さい第1のアーム幅と、本体長さより小さい第1のアーム長とを有する第1のアームと、第3のアンカーポイントを本体に接続し、本体幅より小さい第2のアーム幅と、本体長さより小さい第2のアーム長とを有する第2のアームとを含むことができる。第1のアーム及び第2のアームは、本体に対して対称のY形状を形成することができる。
【0012】
あるいは、アンカーは、1つ以上の円形、環形、弓形、多角形、三角形、長方形、正方形、五角形、六角形、非対称、対称、ローブ状、又は不規則な形状のアーム、又は1つ以上のアンカーポイントを本体に接続するアームを含むことができる。特定の実施形態において、アンカーアームの幅は、本体の幅と同じ、本体の幅より小さい、又は本体の幅より大きくすることができる。
【0013】
特定の実施形態において、本体の側方の第2のアンカーポイント、及び本体の側方の第3のアンカーポイントは、本体の反対の側面側にある。特定の実施形態において、本体の側方の第2のアンカーポイント、及び本体の側方の第3のアンカーポイントは、本体の同じ側面側にある。特定の実施形態において、本体の中心にある第2のアンカーポイント、及び本体の側方の第3のアンカーポイントが設けられる。特定の実施形態において、本体の中心にある第2のアンカーポイント、及び本体の中心にある第3のアンカーポイントが設けられる。特定の実施形態は、第1のアンカーポイントなしで、又は本体の中心ではない第1のアンカーポイントを用いて提供することができ、そのような実施形態において、本明細書の第1のアンカーポイントに対する特定の参照は、代わりに、本体の外側(がいそく、lateral)、内側(ないそく、medial)、又は他の特定のポイント(例えば、2つのアンカーアームの中線の交点、又は2つのそれぞれのアンカーアームの各々からの外表面の交点によって形成されるポイント、又はアンカーアームとインプラント本体との交点によって形成されるポイント)に適用することができる。
【0014】
上記の実施形態のいずれにおいても、1本の直線が、第1のアンカーポイント、第2のアンカーポイント及び第3のアンカーポイントの間を通過できないように、アンカーポイントを、定義、配置、要求、又は測定することができる。あるいは、1本の直線が、第1のアンカーポイント、第2のアンカーポイント、及び第3のアンカーポイントの間を通過できるように、アンカーポイントを、定義、配置、要求、又は測定することができる。特定の実施形態において、上記の参照線が、各アンカーポイントの直径、長さ、又は幅(適宜)の任意の部分を通過するか、又は通過しないように、定義、配置、要求、又は測定することができる。あるいは、上記の参照線が、各アンカーポイントの中心、原点、又は基部(適宜)を通過するか又は通過しないように、定義、配置、必要、又は測定することができる。
【0015】
さらに他の態様において、本発明は、後方黄斑圧子に沿った第1の曲率半径から、前方強膜アンカーにおける有利には大きい第2の曲率半径まで、それらの間の接線方向に円滑な遷移(transition)を伴って進む凹状強膜接触面を有する、一定の又は可変の厚さの剛体単一インプラントを提供し、第1の半径は、眼球の自然な長さ及び/又は形状を回復させるための滑らかでより積極的な補正を提供し、第2の半径は、眼球の前方表面への改善された合わせを提供し、接線方向に円滑な遷移は、2つの曲率の間の眼球の外面のより自然な位置合わせを提供する。
【0016】
あるいは、前方強膜アンカーにおける第2の曲率半径は、利点を挙げると、後方黄斑圧子に沿った第1の曲率半径より小さくすることができ、第1の半径は、眼球の自然な長さ及び/又は形状を回復させるためにより穏やかな補正を提供し、第2の半径は、眼球の前方表面への改善された合わせ(mating)を提供し、接線方向の円滑な遷移は、2つの曲率間の眼球の外表面(an outer surface)のより自然な位置合わせ(alignment)を提供する。
【0017】
接線方向の円滑な遷移は、インプラントの本体に沿った任意の点(例えば、プレートの近位、プレートからアンカーに向かう弓形距離の1/3、プレートからアンカーに向かう弓形距離の1/2、プレートからアンカーに向かう弓形距離の2/3、アンカーの近位、又はそれらの間の任意の分割した量;例えば、強膜固定点の前方であって、本体が強膜組織に予め取り付けされ得るところ、一方で、インプラントのAP調整が眼球を回復させることを可能にする、強膜固定点の後方、又は強膜固定点の近位)で起こり得る。
【0018】
あるいは、前方強膜アンカーにおける第2の曲率半径は、後方黄斑圧子に沿った第1の曲率半径に等しくすることができ、等しい半径は、利点を挙げると、強膜の外表面(the exterior surface)に沿ってより自然な適合を提供し、外科的移植を単純化し、製造の容易さを向上させる。
【0019】
さらに他の態様において、本発明は、眼球のより自然な曲率及びより自然な軸方向長さを回復させるために、所望の位置で、眼球の下側頭象限又は上側頭象限において、結膜の下の眼球の強膜面と密着するインプラントの凹状強膜合わせ面を有する、輪部(limbus)の3mm~10mm後方の剛体の湾曲した眼科ブドウ腫支持デバイスの外科的固定方法を提供する。
【0020】
高度近視眼における黄斑円孔閉鎖の成功率を増加させる目的で、本発明の教示に従ってインプラントを配置することは、多くの利点を有する。本発明は、眼球を短縮し、屈折異常を補正する。近視性黄斑分裂の場合、特定の実施形態で、既存の層の分裂を減少させることができ、また、新たな分裂の形成を阻害することもできる。黄斑円孔及び黄斑分裂は、比較的まれな状態(近視眼又は正常眼のいずれにおいても)であるが、近視は非常に一般的である。米国では、-6.00ディオプトリ以上の近視(高度近視と呼ばれる)を有する人々がおよそ2400万人々いると推定される。
【0021】
本発明のインプラントは、眼球のAP長を短縮することができ、-6.00ディオプトリ以上を略通常まで低下させる。AP長が30mmかそれ以上であっても、高度近視眼の患者がいる。インプラントを高度近視眼に配置する手術の1つの目標は、軸方向長さを修正することである。眼鏡の必要性に対処する(例えば、手術後に眼鏡を着用しない、又はより薄い眼鏡を着用する)ことは、患者を、残留屈折異常のためのレーシック手術に適格なものとすることができる(レーシックを用いて除去される角膜組織が許容できない場合があるので、視度補正の必要性が高すぎる場合、一部の患者はレーシック手術に適格ではない)。
【0022】
また、網膜新生血管膜及び網膜剥離傾向の増加を含む、眼球の内部の網膜の極端な広がりに起因して、高度近視患者に起こり得る黄斑円孔及び黄斑分裂以外の合併症も存在する。これらは重篤な合併症であり、法的盲又は全盲をもたらす可能性がある。眼球の伸長を停止又は低下させるために本発明のインプラントを配置することは、多数の有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明による単一の剛体眼科手術用インプラントの一実施形態の3次元図を示す。
【
図2】本発明による、眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させるインプラントの一実施形態で処置された眼球の3次元図を示す。
【
図3A-B】本発明によるインプラントの一実施形態の上面図及び側面図を示す。
【
図4】正常な形状及び正常な屈折を有する眼球、及び本発明のインプラント及び方法によって処置可能な眼球の軸方向の伸長による近視を表す細長い眼球を示す。
【
図5】本発明によるインプラントの一実施形態の上面斜視図を示す。
【
図6A-E】本発明によるインプラントの一実施形態の上面図、端面図、及び4つの断面図を示す。
【
図7】本発明によるインプラントの一実施形態の斜視線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態は、患者の視力を改善するための(例えば、眼球の自然な曲率及び/又は自然な軸方向長さを回復させることによって)インプラント(例えば、単一の剛体眼科ブドウ腫支持デバイス手術用インプラント)を提供する。インプラントは、凹状強膜合わせ面(例えば、眼球の後方部分の自然な曲率を回復させるように構成された面)を有するプレートと、凹状強膜合わせ面(例えば、眼球の前方部分の自然な曲率に近似するように構成された面)を有するアンカーと、プレートをアンカーに接続する面(例えば、連続的で滑らかな凹状強膜合わせ面)を有する本体とを含むことができる。
【0025】
回復される眼球は、自然な直線状の軸方向長さ(例えば、22mm~24mmの間の眼球の自然な軸方向長さ)を有することができ、インプラントは、眼球の自然な軸方向長さより小さい(例えば、26mmより小さい、又は25.5mmより小さい、又は25mmより小さい、又は24.5mmより小さい、又は24mmより小さい、又は23.5mmより小さい、又は23mmより小さい、又は22.5mmより小さい、又は22mmより小さい、又は21.5mmより小さい、又は21mmより小さい、又は20.5mmより小さい、又は20mmより小さい、又は19.5mmより小さい、又は19mmより小さい、又は18.5mmより小さい、18mmより小さい、又は前述のいずれかの増分)であるインプラント直線全長(例えば、インプラントの後端からインプラントの前端までの直線で測定される)を有することができる。
【0026】
手術前は、回復される眼球は、変形され、測定され、手術前の軸方向長さを有し得る(そして、インプラントは、眼球の変形された軸方向長さより小さいインプラント直線全長を有し得る)。手術後は、回復される眼球は、回復された軸方向長さを有し得る(そして、インプラントは、眼球の回復された軸方向長さより小さいインプラント直線全長を有し得る、あるいは、眼球の手術前又は手術後の測定された軸方向長さより小さいである)。
【0027】
特定の実施形態において、眼球の変形された軸方向長さは、手術前及び/又は手術中に測定することができ、インプラントは、眼球の変形された軸方向長さの99%より小さい、又は眼球の変形された軸方向長さの95%より小さい、又は眼球の変形された軸方向長さの90%より小さい、又は眼球の変形された軸方向長さの85%より小さい、又は眼球の変形された軸方向長さの80%より小さい、又は眼球の変形された軸方向長さの75%より小さい、又は眼球の変形された軸方向長さの70%より小さい、又は前述のいずれかの増分を有する、インプラント直線全長を有するように選択することができる。
【0028】
特定の実施形態において、眼球の変形された軸方向長さは、手術前及び/又は手術中に測定することができ、眼球の所望の補正された軸方向長さを求めることができ、インプラントは、眼球の所望の軸方向長さの99%より小さい、又は眼球の所望の軸方向長さの95%より小さい、又は眼球の所望の軸方向長さの90%より小さい、又は眼球の所望の軸方向長さの85%より小さい、又は眼球の所望の軸方向長さの80%より小さい、又は眼球の所望の軸方向長さの75%より小さい、又は眼球の所望の軸方向長さの70%より小さい、又は前述のいずれかの増分を有する、インプラント直線全長を有するように選択することができる。
【0029】
任意の適切な生体適合性インプラント材料を使用して、本発明の特定の実施形態を形成することができる。これらに限定されるものではないが、超高分子量ポリエチレン(UHMWP)、高密度ポリエチレン(HDP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又は他のメタクリレート、シリコーン(ポリシロキサン)、又はVICRYL(登録商標)(ポリグラクチン910)を含むポリマーを、本発明の特定の実施形態に従って、一次材料、コーティング、カバー、クッション、メッシュ、バッグ、又はライナーとして使用することができる。インプラントが金属材料を含む場合、適切な金属は、外科グレードのステンレス鋼(例えば、316L)、コバルト-クロム(Co-Cr)合金、純粋な商用又は外科グレードのチタン(Ti)、ニッケル-チタン合金(ニチノール)、又は他のチタン合金を含むことができる。金、白金、銀、イリジウム、タンタル、及びタングステン等の他の金属を使用することができる。金属は、本発明の特定の実施形態に従って、一次材料、コーティング、カバー、又はライナーとして使用することができる。インプラントは、完全に、又は部分的に、金属、バイメタル(例えば、2つの異なる金属から構成される)、又は非金属であり得る。酸化チタン又は陽極酸化仕上げ等の表面コーティングを有利に使用することができる。酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、及び酸化ケイ素(シリカ)を含むセラミックスを使用することができる。セラミックスは、本発明の特定の実施形態に従って、一次材料、コーティング、カバー、又はライナーとして使用することができる。自家移植片、同種移植片、異種移植片、合成組織代替物、及び培養又は操作された組織又は組織代替物を含む天然又は合成の生物学的材料は、本発明の特定の実施形態に従って、一次材料、コーティング、カバー、クッション、メッシュ、バッグ、又はライナーとして有利に使用することができる。生物学的材料はまた、本発明の特定の実施形態と併せて使用することもでき、例えば、生体組織又は組織置換移植片(例えば、Tutoplast Sclera、Pericardium、又はFascia Lata;AMBIO2(登録商標)Amniotic Membrane;又はTARSYS(商標)生物工学的眼球瞼スペーサー移植片、全てKatena、Parsippany、New Jerseyから入手可能)は、天然組織を増強又は保護するために、インプラントと眼球の強膜との間に配置することができ、又は、隣接組織間の障壁及び/又はインプラントの上、それを越える、もしくはそれに隣接する誘導再生のための経路を提供する。
【0030】
いくつかの実施形態において、材料の組み合わせを有利に使用することができる(例えば、柔らかい外面の(outer)保護コーティング又は生体適合性コーティングを有する強力な内部部材)。単一の材料又は単一の設計は、コスト、副作用のリスクの低減、製造可能性、堅牢性、製造し易さ、及び使い易さにおいて利点を提供することができる。生体親和性、強度対サイズ比、強度対重量比、寿命、耐破壊性、コスト、入手可能性、及び製造可能性は全て、特定の実施形態における所与の材料の有用性に影響を及ぼし得る。
【0031】
本発明の特定の実施形態の単純化された設計及び機能にとって、インプラントが複雑な挿入又は固定手順、複雑な機構、又はインプラント自体内の過度の張力又は変形に頼ることなく、眼球の自然な曲率及び/又は軸方向長さを補正し、回復させるのに十分な構造的剛性を有することが重要である。本発明の特定の実施形態における適用に適した材料の一例は、生体適合性について長い歴史を有し、外科用インプラントにおいて使用され、高い強度対重量比、高いサイズ対重量比、及び構造的剛性をもつチタンである。
【0032】
剛性又は高強度材料(例えば、チタン又はチタン合金、ステンレス鋼、又は他の金属又はセラミック材料)は、高弾性率(例えば、特定のチタン合金について105ギガパスカル(GPa)~120GPa、Ti-6Al-4V ELI(グレード23)、アニールチタン合金、について113.8Gpa、又は316ステンレス鋼、アニールバーについて193GPa、これらの例示的な値より上、又は下の弾性率を有する特定の他の剛性又は高強度材料)を有することができ、半剛性又は中強度材料(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又は他の適切なメタクリレート又は生体適合性ポリマー等のポリマーは、2.4GPa~3.4GPaの範囲の弾性率を有することができ、特定の他の半剛性又は中強度材料は、これらの例示的な値の上、間、又は下の弾性率を有する)と比較して、又は、可撓性、軟質、又はより低い弾性率の材料(例えば、シリコーンゴムは、0.00000500GPa~1.90GPaの範囲の弾性率を有することができ、特定の他の可撓性、軟質、又はより低い強度の材料は、これらの例示的な値の上、間、又は下の弾性率を有する)と比較して、薄く、軽量で、眼球の自然な曲率及び軸方向長さを回復させるための強度及び剛性要件を満たすという利点を与えることができる。
【0033】
特定の実施形態において、105GPaより大きい、あるいは、1.9GPaより大きい、2GPaより大きい、2.4GPaより大きい、3.4GPaより大きい、4GPaより大きい、5GPaより大きい、10GPaより大きい、20GPaより大きい、30GPaより大きい、40GPaより大きい、50GPaより大きい、60GPaより大きい、70GPaより大きい、80GPaより大きい、90GPaより大きい、100GPaより大きい、110GPaより大きい、120GPaより大きい、130GPaより大きい、140GPaより大きい、150GPaより大きい、200GPaより大きい、250GPaより大きい、300GPaより大きい、400GPaより大きい、又は500GPaより大きい弾性率を有する1つ以上の材料(例えば、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、他の適切な金属、PMMA、又は他の生体適合性ポリマー)で、有利にインプラント全体を作製することができる。
【0034】
特定の実施形態において、105GPa以下、あるいは、1.9GPaより小さい、2GPaより小さい、2.4GPaより小さい、3.4GPaより小さい、4GPaより小さい、5GPaより小さい、10GPaより小さい、20GPaより小さい、30GPaより小さい、40GPaより小さい、50GPaより小さい、60GPaより小さい、70GPaより小さい、80GPaより小さい、90GPaより小さい、100GPaより小さい、110GPaより小さい、120GPaより小さい、130GPaより小さい、140GPaより小さい、150GPaより小さい、200GPaより小さい、250GPaより小さい、300GPaより小さい、400GPaより小さい、又は500GPaより小さい弾性率を有する1つ以上の材料(例えば、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、他の適切な金属、PMMA、シロキサン、シリコーン、又は他の生体適合性ポリマー)で、有利にインプラント全体を作製することができる。
【0035】
特定の実施形態において、2つ以上の材料(例えば、一次材料とコーティングを含む)(例えば、一次材料としてチタン合金及び二次材料としてシリコーン)で、有利にインプラントを作製することができ、2つの材料の弾性率の差は、1GPaより大きい、2GPaより大きい、3GPaより大きい、4GPaより大きい、5GPaより大きい、6GPaより大きい、7GPaより大きい、8GPaより大きい、9GPaより大きい、10GPaより大きい、20GPaより大きい、30GPaより大きい、40GPaより大きい、50GPaより大きい、60GPaより大きい、70GPaより大きい、80GPaより大きい、90GPaより大きい、100GPaより大きい、200GPaより大きい、300GPaより大きい、400GPaより大きい、又は500GPaより大きい(例えば、一次材料はチタン合金、二次材料はシリコーン)。使用される場合、チタンは、純チタン又はチタン合金とすることができ、自然状態で、酸化チタンでコーティングされて、陽極酸化、めっき、その他コーティングされて用いることができる。特定の実施形態において、基材は、二次材料で覆われ、コーティングされ、めっきされ、外被され、又は覆われ得る。特定の実施形態における使用に適した二次材料及び処理としては、シリコーン樹脂、セラミックコーティング、及びポリマーコーティングを挙げることができる。二次材料及び表面仕上げは、厚さが1マイクロメートル未満から、仕上げられ、又はコーティングされたインプラントの厚さの大部分を提供するまでの範囲とすることができ、また、インプラントの全部又は一部の上又は周囲に配置されるバッグ、メッシュ、又は他の被覆を含むことができる。自然の、ベアの、陽極酸化された、酸化物の、又は薄くコーティングされたインプラントは、特定の実施形態において、製造の容易さ、単純さ、毒性のリスクの低減、及び失敗のリスクの低減を含む利点を提供することができる。コーティングされたインプラントは、改善された生体親和性、クッション性、組織損傷の可能性の低減、及び基材上の改善された表面テクスチャを含む、特定の実施形態に利点を提供することができる。
【0036】
特定の実施形態において、本体は、本体幅を有することができ、プレートは、プレート幅を有することができ、本体幅は、プレート幅の半分より大きく、本体幅は、プレート幅より小さい。特定の実施形態において、本体幅は、プレート幅の3分の1より大きく、あるいは、プレート幅の3分の2より大きく、あるいは、プレート幅の4分の3より大きく、あるいは、プレート幅の40%より大きく、あるいは、プレート幅の50%より大きく、あるいは、プレート幅の60%より大きく、あるいは、プレート幅の70%より大きく、あるいは、プレート幅の80%より大きく、あるいは、プレート幅の90%より大きく、あるいは、プレート幅の95%より大きく、あるいは、プレート幅より大きく、あるいは、前述のいずれかの増分であってもよい。特定の実施形態において、本体幅は、プレート幅より小さい、あるいは、プレート幅の150%より小さい、あるいは、プレート幅の150%より小さい、あるいは、プレート幅の120%より小さい、あるいは、プレート幅の110%より小さい、あるいは、プレート幅の99%より小さい、あるいは、プレート幅の95%より小さい、あるいは、プレート幅の90%より小さい、あるいは、プレート幅の80%より小さい、あるいは、プレート幅の70%より小さい、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0037】
特定の実施形態において、アンカーは、アンカー幅を有することができ、アンカー幅はプレート幅より大きく、あるいは、プレート幅の90%より大きく、あるいは、プレート幅の110%より大きく、あるいは、プレート幅の120%より大きく、あるいは、プレート幅の150%より大きく、あるいは、プレート幅の200%より大きく、あるいは、プレート幅の250%より大きく、あるいは、プレート幅の300%より大きく、あるいは、プレート幅の400%より大きく、又は前述のいずれかの増分とすることができる。特定の実施形態において、アンカー幅は、プレート幅の5倍より小さい、あるいは、プレート幅の4倍より小さい、あるいは、プレート幅の3倍より小さい、あるいは、プレート幅の2倍より小さい、あるいは、プレート幅の450%より小さい、あるいは、プレート幅の350%より小さい、あるいは、プレート幅の250%より小さい、あるいは、プレート幅の150%より小さい、あるいは、プレート幅の120%より小さい、あるいは、プレート幅の110%より小さい、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0038】
特定の実施形態において、プレートは、プレート厚さを有することができ、本体は、本体厚さを有することができ、アンカーは、アンカー厚さを有することができ、プレート厚さは、本体厚さの50%より大きく、プレート厚さは、本体厚さの200%より小さく、アンカー厚さは、本体厚さの50%より大きく、アンカー厚さは、本体厚さの200%より小さいか、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0039】
あるいは、プレート厚さは、本体厚さの60%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの70%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの80%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの90%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの100%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの110%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの120%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの150%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの175%より大きくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの200%より大きくすることができ、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0040】
あるいは、プレート厚さは、本体厚さの30%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの40%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの50%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの60%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの70%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの80%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの90%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの100%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの110%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの120%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの150%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの175%より小さくすることができ、プレート厚さは、本体厚さの200%より小さくすることができ、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0041】
あるいは、アンカー厚さは、本体厚さの60%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの70%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの80%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの90%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの100%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの110%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの120%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの150%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの175%より大きくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの200%より大きくすることができ、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0042】
あるいは、アンカー厚さは、本体厚さの30%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの40%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの50%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの60%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの70%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの80%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの90%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの100%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの110%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの120%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの150%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの175%より小さくすることができ、アンカー厚さは、本体厚さの200%より小さくすることができ、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0043】
特定の実施形態において、プレート厚さ、本体厚さ、及びアンカー厚さは、それぞれ、均一であり、略等しいものとすることができる。あるいは、インプラントの厚さは、プレートから、本体を通して、アンカーまで変えることができる。厚さは、プレートでより小さく、本体を通って増加し、アンカーでより大きくすることができる。厚さは、プレートでより大きく、本体を通って減少し、アンカーでより小さくすることができる。
【0044】
あるいは、プレート及びアンカーを均一な厚さとすることができ、一方、本体は、プレート又はアンカーのいずれかより厚い。あるいは、プレート及びアンカーを均一な厚さとすることができ、本体は、プレート又はアンカーのいずれかより薄い。
【0045】
あるいは、プレート及び本体を均一な厚さとすることができ、一方、アンカーは、プレート又は本体のいずれかより厚い。あるいは、プレート及び本体を均一な厚さとすることができ、一方、アンカーは、プレート又は本体のいずれかより薄い。
【0046】
あるいは、本体及びアンカーを均一な厚さとすることができ、一方、プレートは、本体又はアンカーのいずれかより厚い。あるいは、本体及びアンカーを均一な厚さとすることができ、一方、プレートは、本体又はアンカーのいずれかより薄い。
【0047】
特定の実施形態において、プレート幅は、本体幅より大きくすることができ、アンカー幅は、プレート幅より大きくすることができる。あるいは、プレート幅、本体幅、及びアンカー幅は、それぞれ均一であり、略等しいものとすることができる。あるいは、インプラントの幅は、プレートから、本体を通って、アンカーまで変えることができる。幅は、プレートでより小さく、本体を通して増加し、アンカーでより大きくすることができる。幅は、プレートでより大きく、本体を通って減少し、アンカーでより小さくすることができる。
【0048】
あるいは、プレート及びアンカーを均一な幅とすることができ、一方、本体は、プレート又はアンカーのいずれかより大きい幅である。あるいは、プレート及びアンカーを均一な幅とすることができ、一方、本体は、プレート又はアンカーのいずれかより小さい幅である。
【0049】
あるいは、プレート及び本体を均一な幅とすることができ、一方、アンカーは、プレート又は本体のいずれかより大きい幅である。あるいは、プレート及び本体を均一な幅であってもよく、一方、アンカーは、プレート又は本体のいずれかより小さい幅である。
【0050】
あるいは、本体及びアンカーを均一な幅とすることができ、一方、プレートは、本体又はアンカーのいずれかより大きい幅である。あるいは、本体及びアンカーを均一な幅とすることができ、一方、プレートは本体又はアンカーのいずれかより小さい幅である。
【0051】
特定の実施形態において、アンカーは、本体の中央にある第1のアンカーポイントと、本体の内側(ないそく)であって、第1のアンカーポイントの前方又は後方のいずれかにある第2のアンカーポイントと、本体の外側(がいそく)であって第1のアンカーポイントの前方又は後方のいずれかにある第3のアンカーポイントとを含むことができる。
【0052】
特定の実施形態において、本体は、本体の中央にある第1のアンカーポイントを含むことができ、アンカーは、本体の内側(ないそく)であって、第1のアンカーポイントの前方又は後方のいずれかにある第2のアンカーポイントと、本体の外側(がいそく)であって第1のアンカーポイントの前方又は後方のいずれかにある第3のアンカーポイントとを含むことができる。
【0053】
特定の実施形態において、第1のアンカーポイントから第2のアンカーポイントまで引かれた線は、第1のアンカーポイントから第3のアンカーポイントまで引かれた線と、170度より小さく、10度より大きい角度を形成する。
【0054】
あるいは、第1のアンカーポイントから第2のアンカーポイントまで引かれた線は、第1のアンカーポイントから第3のアンカーポイントまで引かれた線と、160度より小さい角度を形成することができ、あるいは、150度より小さい、あるいは、140度より小さい、あるいは、130度より小さい、あるいは、120度より小さい、あるいは、110度より小さい、あるいは、150度より小さい、あるいは、150度より小さい、あるいは、100度より小さい、あるいは、90度より小さい、あるいは、80度より小さい、あるいは、70度より小さい、あるいは、60度より小さい、あるいは、50度より小さい、あるいは、40度より小さい、あるいは、30度より小さい、あるいは、20度より小さい、又は前述のいずれかの増分の角度を形成することができる。
【0055】
あるいは、第1のアンカーポイントから第2のアンカーポイントに引かれた線は、第1のアンカーポイントから第3のアンカーポイントに引かれた線と、160度より大きい角度を形成することができ、あるいは、150度より大きい、あるいは、140度より大きい、あるいは、130度より大きい、あるいは、120度より大きい、あるいは、110度より大きい、あるいは、150度より大きい、あるいは、150度より大きい、あるいは、100度より大きい、あるいは、90度より大きい、あるいは、80度より大きい、あるいは、70度より大きい、あるいは、60度より大きい、あるいは、50度より大きい、あるいは、40度より大きい、あるいは、30度より大きい、あるいは、20度より大きい、又は前述のいずれかの増分の角度を形成することができる。
【0056】
あるいは、前述の線のいずれかを、上述の第1のアンカーポイントの代わりに、本体又はアンカーの中心の特徴又はポイント(例えば、インプラントの本体又はアンカー部分の中心線のポイント又は中央点、本体及びアンカーに沿った、又はそれらの間の縁部(edge)又は境界の近位、又は第1のアームが本体又は第2のアームのいずれかに接合するポイント等の幾何学的特徴)の間に引くことができる。
【0057】
特定の実施形態において、アンカーは、第2のアンカーポイントを本体に接続する第1のアームを有することができ、第1のアームは、本体幅より小さいアーム幅を有することができ、また、アンカーは、第3のアンカーポイント本体に接続する第2のアームを有することができ、第2のアームは、本体幅より小さいアーム幅を有することができる。加えて、又は、あるいは、第1のアームは、本体長さより小さい第1のアーム長を有することができ、第2のアームは、本体長さより小さい第2のアーム長を有することができる。
【0058】
特定の実施形態において、第1のアーム及び第2のアームは、本体に対してY形状を形成する。あるいは、第1のアーム及び第2のアームは、本体に対してT形状を形成することができる。あるいは、第1のアーム及び第2のアームは、本体に対してU形状を形成することができる。あるいは、第1のアーム及び第2のアームは、本体に対して逆Y、逆U、「アーチ」形状、又は「矢印」形状を形成することができる。あるいは、第1のアーム及び第2のアームは、本体に対して対称なY形状又は矢印形状を形成することができる。あるいは、第1のアーム及び第2のアームは、本体に対して非対称であるY形状又は矢印形状を形成することができる。あるいは、第1のアーム及び第2のアームは、本体に対して不規則なY形状又は矢印形状を形成することができる。
【0059】
特定の実施形態において、プレートは、第1の曲率半径(RP)を有することができ、アンカーは、第2の曲率半径(RA)を有することができ、第1の曲率半径は、第2の曲率半径より小さい(RP<RA)。あるいは、第1の曲率半径は、第2の曲率半径より大きくすることができる(RP>RA)。
【0060】
特定の実施形態において、本体は、プレートに近接する第1の曲率半径(RB1)を有することができ、本体は、アンカーに近接する第2の曲率半径(RB2)を有することができ、第1の曲率半径は、第2の曲率半径より小さい(RB1<RB2)。あるいは、第1の曲率半径は、第2の曲率半径より大きくすることができる(RB1>RB2)。RB1をRB2に接続する表面は、接線、連続であるが、不一致、又は不連続とすることができる。RB1は、RPと等しくすることができ、あるいは、RB1は、RPより大きくすることができ、あるいは、RB1は、RPより小さくすることができる。RB1をRPに接続する表面は、接線、連続であるが、不一致、又は不連続とすることができる。RB2は、RAに等しくすることができ、あるいは、RB2は、RAより大きくすることができ、あるいは、RB2は、RAより小さくすることができる。RB2をRAに接続する表面は、接線、連続であるが、不一致、又は不連続とすることができる。
【0061】
上記の関係の各々は、コスト、製造可能性、又は臨床的有効性において利益を提供するように選択することができる(例えば、RB1をRB2に接続する不一致な表面は、製造するのにコストをより低くすることができ、又はRB1をRPに接続する接線表面は、自然曲率の回復において改善された臨床転帰をもたらすことができる)。
【0062】
特定の実施形態において、プレートと本体との間の接続は、凹状強膜合わせ面において、連続的かつ平滑であり得る。加えて、又は、あるいは、本体とアンカーとの間の接続は、凹状強膜合わせ面において、連続的かつ平滑であり得る。加えて、又は、あるいは、本体は、第1の曲率半径(RB1)と第2の曲率半径(RB2)との間の表面接線を維持する段階的な曲率遷移を有することができる。加えて、又は、あるいは、本体は、RB1及びRB2とは異なる第3の曲率半径(RB3)を有することができ(例えば、RB3は、RB2の2倍より大きくすることができる)。加えて、又は、あるいは、本体は、中立(凹面又は凸面のいずれでもない)曲率領域、平坦領域、区分的線形領域、又は凹状領域を有することができる。
【0063】
本発明の一実施形態は、眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって、患者の視力を改善するための単一の剛体眼科手術用インプラントを提供し、インプラントは、眼球の後方部の自然な曲率を回復させるように構成された凹状強膜合わせ面を有するプレートと、眼球の前方部の自然な曲率に近似するように構成された凹状強膜合わせ面を有するアンカーと、プレートをアンカーに接続する連続的で滑らかな凹状強膜合わせ面を有する本体とを有する。自然な軸方向長さを有する眼球及びインプラントは、眼球の自然な軸方向長さより小さいインプラント全長を有することができる。本体は、本体幅を有することができ、プレートは、プレート幅を有することができ、本体幅は、プレート幅より小さい。アンカーは、プレート幅より大きいアンカー幅を有することができる。プレートは、プレート厚さを有し、本体は、本体厚さを有し、アンカーは、アンカー厚さを有し、プレート厚さ、本体厚さ、及びアンカー厚さは、それぞれ略等しい。
【0064】
特定の実施形態はさらに、本体の中心にある第1のアンカーポイントと、本体の内側(ないそく)又は外側(がいそく)であって、第1のアンカーポイントの前方又は後方のいずれかにある第2のアンカーポイントと、本体の外側であって、第1のアンカーポイントの前方又は後方のいずれかにある第3のアンカーポイントとを提供することができ、第1のアンカーポイントから第2のアンカーポイントまで引かれた線は、第1のアンカーポイントから第3のアンカーポイントまで引かれた線と、170度より小さく、10度より大きい角度を形成する。
【0065】
特定の実施形態は、第2のアンカーポイントを本体に接続する第1のアームをさらに提供することができ、第1のアームは、本体幅より小さいアーム幅を有することができ、また、第3のアンカーポイントを本体に接続する第2のアームをさらに提供することができ、第2のアームは、本体幅より小さいアーム幅を有することができる。第1のアームは、本体の長さより小さい第1のアーム長を有することができ、第2のアームは、本体長さより小さい第2のアーム長を有することができる。第1のアーム及び第2のアームは、本体に対して対称であるY形状を形成することができる。
【0066】
特定の実施形態において、プレートは、一定の曲率半径(R)(例えば、プレートから、本体を通して、アンカーまでの曲率半径についての単一の値)を有することができる。ミリメートル(mm)でのRの値は、mmでのアンカー幅(AW)の値に等しくすることができ(例えば、R=AW)、あるいは、Rは、AWの99%より小さい、AWの95%より小さい、AWの90%より小さい、AWの85%より小さい、AWの80%より小さい、AWの75%より小さい、AWの70%より小さい、AWの65%より小さい、AWの60%より小さい、AWの55%より小さい、AWの50%より小さい、AWの45%より小さい、AWの40%より小さい、又は前述の任意の割合とすることができる。あるいは、Rは、AWより大きい、AWの105%より大きい、AWの110%より大きい、AWの115%より大きい、AWの120%より大きい、AWの125%より大きい、AWの130%より大きい、AWの135%より大きい、AWの140%より大きい、AWの145%より大きい、AWの150%より大きい、AWの175%より大きい、AWの200%より大きい、又は前述の任意の割合とすることができる。
【0067】
特定の実施形態において、ミリメートル(mm)でのRの値は、mmでの本体幅(BW)の値に等しくすることができ(例えば、R=BW)、あるいは、Rは、BWの99%より小さい、BWの95%より小さい、BWの90%より小さい、BWの85%より小さい、BWの80%より小さい、BWの75%より小さい、BWの70%より小さい、BWの65%より小さい、BWの60%より小さい、BWの55%より小さい、BWの50%より小さい、BWの45%より小さい、BWの40%より小さい、又は前述の任意の割合とすることができる。あるいは、Rは、BWより大きい、BWの105%より大きい、BWの110%より大きい、BWの115%より大きい、BWの120%より大きい、BWの125%より大きい、BWの130%より大きい、BWの135%より大きい、BWの140%より大きい、BWの145%より大きい、BWの150%より大きい、BWの175%より大きい、BWの200%より大きい、又は前述の任意の割合とすることができる。
【0068】
特定の実施形態において、ミリメートル(mm)でのRの値は、mmでのプレート幅(PW)の値に等しくすることができ(例えば、R=PW)、あるいは、RはPWの99%より小さい、PWの95%より小さい、PWの90%より小さい、PWの85%より小さい、PWの80%より小さい、PWの75%より小さい、PWの70%より小さい、PWの65%より小さい、PWの60%より小さい、PWの55%より小さい、PWの50%より小さい、PWの45%より小さい、PWの40%より小さい、又は前述の任意の割合とすることができる。あるいは、Rは、PWより大きくすることができ、PWの105%より大きく、PWの110%より大きく、PWの115%より大きく、PWの120%より大きく、PWの125%より大きく、PWの130%より大きく、PWの135%より大きく、PWの140%より大きく、PWの145%より大きく、PWの150%より大きく、PWの175%より大きく、PWの200%より大きく、又は前述の任意の割合とすることができる。
【0069】
特定の実施形態において、プレートは、第1の曲率半径(RP)を有することができ、アンカーは、第2の曲率半径(RA)を有することができ、第1の曲率半径は、第2の曲率半径より小さい(RP<RA)。本体は、プレートに近接する第1の曲率半径(RB1)を有することができ、本体は、アンカーに近接する第2の曲率半径(RB2)を有することができ、第1の曲率半径は第2の曲率半径より小さく(RB1<RB2)、プレートと本体との間の接続は、凹状強膜合わせ面において連続的かつ平滑であり、本体とアンカーとの間の接続は、凹状強膜合わせ面において連続的かつ平滑であり、本体は、第1の曲率半径(RB1)と第2の曲率半径(RB2)との間の表面接線を維持する段階的な曲率遷移を有することができる。
【0070】
特定の実施形態において、プレートは、1つ以上の取り付け点を提供することができる(例えば、眼球のより大きな陥凹が所望される場合、外科医は、局所スポンジ(一般的な網膜剥離回復のために容易に利用可能なもの等)を縫合するか、又はプレートへの他の追加の選択肢を有する)。取り付け点は、縫合の保持を促進又は強化するために、1つ以上の孔、スロット、突起、又は当技術分野で公知の他の特徴の形態をとることができる。一実施形態によれば、プレートの中心の近位に対称的に位置する2つの孔が提供され、孔は、縫合糸の通過を容易にするように離間され、サイズ決めされる。
【0071】
本発明の一実施形態は、結膜及び強膜を有する眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復、支持、又は保持するのを助けることによって、患者の視力を改善するための手術方法であって、この手術方法は、本発明に従って単一の剛体眼球科手術用インプラントを提供するステップと、眼球の象限を選択するステップと、選択された象限の強膜を露出させるために、結膜を切開するステップと、インプラント、プレートをまず挿入するステップであって、凹状強膜合わせ面が、選択された象限の結膜下の強膜面と密着するようにする、ステップと、アンカーが輪部の後ろ3mm~10mmになるまでインプラントを前進させるステップと、インプラントの本体を強膜に固定するステップと、眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させるために、インプラントの所望の位置を決定するステップと、眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させるために、アンカーを、少なくとも2つのアンカーポイントの所望の位置で強膜にアンカー固定するステップとを含む。
【0072】
一実施形態において、選択された象限は、下側頭象限又は上側頭象限のいずれかとすることができる。本方法は、加えて、又は、あるいは、インプラントを配置する前又は配置した後のいずれかに、自家移植片、同種移植片、異種移植片、又は合成強膜インプラントを、インプラントの下の強膜に取り付けるステップを含むことができる。
【0073】
インプラントの所望の位置を決定するステップは、補正されたAP長を測定するステップと、手術中にインプラントの位置を調整するステップとを含むことができる。加えて、又は、あるいは、インプラントの所望の位置を決定するステップは、ノモグラム又は手術前測定を参照するステップと、手術中にインプラントの位置を調整するステップとを含むことができる。
【0074】
超音波は、眼球がどれくらい長く、通常の22mmから24mmの長さからどれくらい外れているかを測定することができる。超音波はまた、眼球の後部の変形及び形状も示すことができる。配置されるレンズについて、眼内レンズ度数を計算するために、眼球の長さを、より正確に測定する他の手段(例えば、白内障手術の前に眼球の長さを測定するために一般的に使用されるIOL Master 500(Carl Zeiss Meditec AG、Jena、Germany)又はLenstar LS900(Haag Steit AG、Koeniz、Switzerland)を使用するレーザー光を用いる)もある。本発明の特定の実施形態において、眼球の所望の長さ及び/又は曲率を提供するために、インプラントが確実に正しい位置に固定されるように、手術中にインプラントが眼球内に配置された直後に、眼球の屈折異常を決定するために、手術中収差測定(ORA)又は単純な自動屈折計等の眼内デバイスを使用することができる。所望の長さとは、インプラントが屈折異常を補正するために配置される場合に、配置後に屈折異常を最小限にするか、又は全く生じない長さである。場合によっては、黄斑病変、すなわち、黄斑分裂、近視黄斑円孔、黄斑瘢痕、及び関連する病状を予防、阻害、低減、又は補正するために、インプラントが、眼球の後部の広がりを阻害するように配置される場合、所望の長さは約22~24mmである。
【0075】
特定の実施形態は、加えて、又は、あるいは、インプラントの上で結膜を閉鎖するステップと、インプラントの下、周囲、及び/又は上に自家移植片、同種移植片、異種移植片、又は合成強膜移植片を取り付けるステップとを含むことができる。結膜を切開するステップは、結膜と強膜との間のインプラントのための入れ子状ポケットを開く鈍的後方切開を含むことができる。
【0076】
本発明の一実施形態は、眼球の軸方向長さを変化させるための外科用インプラントを提供し、この外科用インプラントは、眼球の強膜面に対向する下面と上面とを有する本体と、本体の後端から延在する黄斑圧子と、本体の前端から延在し、本体の後端の反対側にある1つ以上のアンカーアームと、アンカーアーム上又は隣接する点で、本体をそれぞれ通過する1つ以上のアンカーポータルとを有し、下面は、本体の後端における第1の曲率半径及び本体の前端における第2の曲率半径によって定義される合成凹面を有し、第1の曲率半径は、第2の曲率半径より小さい。特定の実施形態において、第1の曲率半径は、黄斑圧子を通って下面に沿って延び、第2の曲率半径は、1つ以上のアンカーアームを通って下面に沿って延び、第1の曲率半径は、本体の後端と本体の前端との間の点において、底面に沿った接線で、第2の曲率半径に合致する。特定の実施形態において、黄斑圧子は、本体の下面から本体の上面まで延在し、一般に、円筒形の形状であり、黄斑圧子の重心における下面に垂直な円筒形の中心軸が定義される。特定の実施形態において、本体は、後端部からアンカー端部まで、本体の中央平面に沿って延びる長手方向中心軸を有することができ、等しい長さ及び等しい幅の2つのアンカーアームは、本体の長手方向中心軸及び黄斑圧子の円筒形中心軸を通る平面で対称性を有する対称アンカー構造を形成する。本体は、黄斑端部の間に略一定の本体幅及び本体厚さを有することができ、アンカーアームの少なくとも1つは、本体幅より小さいアーム幅及び本体厚さに略等しいアーム厚さを有することができる。
【0077】
本発明の一実施形態は、プレートと、アンカーと、アンカーとプレートとの間に延在する本体長さを有する細長い本体と、プレートと本体とアンカーとを接続する凹状強膜面と、強膜面と反対側の凸状眼窩表面と、本体長さの少なくとも一部に沿って、眼窩表面と強膜面とを接続する一対の対向する側面とを有する、眼球の軸方向長さを変化させるための外科用インプラントを提供する。プレートは、強膜面でプレート幅を定義する形状を有することができ、細長い本体は、強膜面で対向する側面間の本体幅を定義する形状を有することができ、アンカーは、強膜面から眼窩表面まで延在し、それらの間にアンカー幅を定義する2つの縫合ポータルを有することができ、本体幅は、プレート幅の少なくとも約2/3であり、アンカー幅は、本体幅より大きい。
【0078】
特定の実施形態において、プレートは、質量中心を有し、本体は、質量中心を有し、長さベクトルは、プレート質量中心から質量中心を通って延在するものとして定義され、アンカーは、2つのアンカーアームを備え、第1のアンカーアームは、長さベクトルに対して第1の角度で経路に沿って本体から縫合ポータルまで延在し、第2のアンカーアームは、長さベクトルに対して第2の角度で経路に沿って本体から縫合ポータルまで延在し、2つのアームは、それらの間の空間を定義し、第1の角度及び第2の角度は、長さベクトルの対向する側にあり、第1の角度及び第2の角度は等しい大きさである。
【0079】
特定の実施形態において、第1のアームは、第1の長さを有し、第2のアームは、第2の長さを有し、第2の長さは第1の長さに等しい。
【0080】
本発明の一実施形態は、インプラントの後端部からインプラントの前端部まで延在し、インプラントに沿って前後(AP)方向を定義する凹状強膜対向面を有する、眼球の軸方向長さを変化させるための外科用インプラントを提供し、強膜面は、後端部に近接する領域における後方曲率半径と、前端部に近接する領域における前方曲率半径とを有することができ、後方半径は、前方半径より小さい。この実施形態はさらに、インプラントの後端に、凹状黄斑圧子プレートを提供し、この凹状黄斑圧子プレートは、後方半径と実質的に同じ曲率半径と、強膜面を横断して測定され、AP方向に垂直なプレート幅とを有し、インプラントの前端に凹状アンカーを備え、この凹状アンカーは、前方半径と実質的に同じ曲率半径と、強膜面を横断して測定され、AP方向に垂直なアンカー幅とを有する。この実施形態は、プレートとアンカーとを接続する凹状本体部分をさらに提供し、この凹状本体部分は、プレートに近接する領域の後方半径と実質的に同じ曲率半径から、アンカーに近接する領域の前方半径と実質的に同じ曲率半径に変化する可変曲率半径を有し、本体の可変曲率半径は、プレートに近接する領域からアンカーに近接する領域への曲率の連続性を維持し、本体は、一定曲率半径の2つの領域を備え、2つの領域は、それらの交点において相互に接する。あるいは、本体は、前方半径と後方半径との間の曲率半径の一定の変化率の領域を含む。
【0081】
本発明の一実施形態は、インプラントの後端に位置するプレートと、インプラントの前端に位置するアンカーと、アンカーとプレートとの間に延在する本体長さを有する細長い本体と、インプラントの後端からインプラントの前端まで延在し、プレートと、本体と、アンカーとを接続し、インプラントに沿って前後(AP)方向を定義する凹状強膜面と、強膜面の反対側の凸状眼窩表面と、本体長さの少なくとも一部に沿って眼窩表面と強膜面とを接続する一対の対向する側面とを有する、眼球の軸方向長さを変化させための外科用インプラントを提供し、プレートは、強膜面でプレート幅を定義する形状を有し、細長い本体は、強膜面で対向する側面の間に本体幅を定義する形状を有し、アンカーは、強膜面から眼窩表面まで延在し、それらの間にアンカー幅を定義する2つの縫合ポータルを備え、本体幅は、プレート幅の少なくとも約2/3であり、アンカー幅は、本体幅より大きい。加えて、インプラントは、後端に近接する領域における後方曲率半径と、前端に近接する領域における前方曲率半径とを有し、後方半径は前方半径より小さい、凹状強膜対向面と;後方半径と実質的に同じ曲率半径を有し、強膜面を横断して測定され、AP方向に垂直なプレート幅を有する、インプラントの後端にある凹状黄斑圧子プレートと;前方半径と実質的に同じ曲率半径を有し、強膜面を横断して測定され、AP方向に垂直なアンカー幅を有する、インプラントの前端にある凹状アンカーと;プレートとアンカーとを接続し、プレートに近接する領域における後方半径と実質的に同じ曲率半径から、アンカーに近接する領域における前方半径と実質的に同じ曲率半径に変化する可変曲率半径を有する凹状本体部分とを含むことができる。
【0082】
本発明の一実施形態は、眼球の軸方向長さを変化させるための外科用インプラント(100)を提供し、インプラントの後端に位置するプレート(110)と、インプラントの前端に位置するアンカー(130)と、細長い本体(120)とを有し、本体は、アンカーとプレートとの間に延在する本体長さと、インプラントの後端からインプラントの前端まで延在し、プレートと、本体と、アンカーとを接続する凹状強膜面(140)と、強膜面に対向する凸状眼窩表面(150)と、本体長さの少なくとも一部に沿って眼窩表面と強膜面とを接続する一対の対向する側面(160)とを有し、強膜面は、後端に近接する領域において後方曲率半径(R1)、及び前端に近接する領域において前方曲率半径(R2)を有することができ、後方半径は前方半径より小さく、プレートは、強膜面においてプレート幅(PW)を定義する形状を有することができ、細長い本体は、強膜面において対向する側面の間に本体幅(BW)を定義する形状を有することができ、アンカーは、強膜面から眼窩表面まで延在し、アンカー幅(AW)を定義する2つの縫合ポータル(131A、131B)を有することができ、本体幅は、プレート幅PWの少なくとも約2/3であり、アンカー幅は本体幅より大きい。
【0083】
加えて、特定の実施形態は、インプラントの後端にあって、後方半径と実質的に同じ曲率半径と、強膜面を横断して測定され、AP方向に垂直なプレート幅とを有する凹状黄斑圧子プレートと、インプラントの前端にあって、前方半径と実質的に同じ曲率半径と、強膜面を横断して測定され、AP方向に垂直なアンカー幅とを有する、凹状アンカーと、プレートとアンカーとを接続し、プレートに近接する領域の後方半径と実質的に同じ曲率半径から、アンカーに近接する領域の前方半径と実質的に同じ曲率半径に変化する可変曲率半径を有する、凹状本体部分とを提供することができる。
【0084】
図1は、本発明に従って、眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって、患者の視力を改善するための単一の剛体眼科手術用インプラントを提供する一実施形態の3次元表現である。インプラント100は、インプラントの後端に位置するプレート110と、インプラントの前端に位置するアンカー130と、細長い本体120とを含み、本体は、アンカーとプレートとの間に延在する本体長さを有する。インプラントは、121において、滑らかな接線表面分岐において、2つの異なる曲率、すなわち、大きな前方曲率半径遷移を有する。凹状強膜面140は、インプラントの後端からインプラントの前端まで延在し、プレートと、本体と、アンカーとを接続する。凸状眼窩表面150が、強膜面の反対側に見られ、一対の対向する側面160が、本体長さの少なくとも一部に沿って眼窩表面と強膜面とを接続する。アンカーは、それぞれ2つのアンカーアーム132A及び132Bの端部において、強膜面から眼窩表面まで延在する縫合ポータル131A、131Bの形態の2つのアンカーポイントを有する。縫合ポータル131Cの形態の第3のアンカーポイントは、強膜面から、アンカー内の眼窩表面まで、本体の近位及び中心に延在する。
【0085】
図2は、本発明の一実施形態による、外科的技術によって眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さALを回復させるインプラントの一実施形態で処置された眼球200の3次元表現を示す。眼球の軸方向長さALは、角膜210の前方表面211から、プレート110のすぐ上の網膜220上の点の回復された軸方向位置221まで測定され、プレートは、網膜220及び強膜230を支持する。強膜230のすぐ外部(outside)の結膜は、この図には示されていない。縫合170A、170B、170C、170Dは、インプラントの本体120を保持し、それぞれアンカーポイント131A、131B、及び131Cを強膜に固定する。縫合170Dは、アンカーポイント131A、131B、及び131Cをそれぞれ強膜に固定するために、縫合170A、170B、及び170Cを固定する前に、患者の視力を回復させるためにインプラントの軸方向調節を尚可能にしながら、本体120の周りに緩く巻き付けることによって初期固定を形成する。インプラントは、121において、滑らかな接線表面分岐において、2つの異なる曲率、すなわち、大きな前方曲率半径遷移を有する。
【0086】
図3A及び3Bは、それぞれ、本発明に従って眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって、患者の視力を改善するための単一の剛体眼科手術用インプラントの一実施形態の上面図及び側面図を含む。インプラント100は、インプラントの後端に位置するプレート110と、インプラントの前端に位置するアンカー130と、細長い本体120とを含み、本体は、アンカーとプレートとの間に延在する本体長さを有する。凹状強膜面140は、インプラントの後端からインプラントの前端まで延在し、プレートと、本体と、アンカーとを接続する。凸状眼窩表面150が、強膜面の反対側に見られ、一対の対向する側面160が、本体長さの少なくとも一部に沿って眼窩表面と強膜面とを接続する。強膜面は、後端に近接する領域において、後方曲率半径R1を有し、前端に近接する領域において、前方曲率半径R2を有し、後方半径は前方半径より小さい。プレートは、強膜面において、プレート幅PWを定義する形状を有する。細長い本体は、強膜面で、対向する側面の間に本体幅BWを定義する形状を有する。アンカーは、強膜面から眼窩表面まで延在し、それぞれ2つのアンカーアーム132A及び132Bによって広がるアンカー幅AWを定義する2つのアンカーポイント131A及び131Bをそれぞれ有する。第3のアンカーポイント131Cは、強膜面からアンカー内の眼窩表面まで延在するが、本体の近位及び中心にある。この実施形態において、本体幅BWは、プレート幅PWの少なくとも約2/3であり、アンカー幅AWは、本体幅BWより大きい。
【0087】
図4は、正常な眼球の形状231N及び対象201の画像202を網膜220上に合焦させる正常な屈折を有する眼球200と、近視及び網膜220上に画像202を合焦できないことを表す細長い眼球の形状231Eを有する眼球200を示す。いくつかの実施形態において、眼球の正常な軸方向長さALN及び眼球の細長い軸方向長さALEはそれぞれ、角膜210の前方表面211から黄斑221上の焦点まで測定される。視神経は240である。網膜220は、神経組織の内層である。画像が正常な長さの眼球で網膜上に形成されるとき、網膜上に適切に合焦させることができる。画像は、眼球が近視であるとき、網膜の前にうつる可能性がある。
【0088】
図5は、本発明に従って眼球の自然な曲率及び自然な軸方向長さを回復させることによって、患者の視力を改善するための単一の剛体眼科手術用インプラントを製造するのに有用な製造中間体(例えば、曲げる前のシート金属平打ち抜きブランク)の一例示実施形態の上面(やや斜視図で)を定義する工学的スケッチを含む。ブランク500は、インプラントの後端に位置する「スプーン」又はプレート510と、インプラントの前端に位置するアンカー530と、細長い本体520とを含み、本体は、アンカーとプレートとの間に延在する本体長さを有する。プレート、本体、及びアンカーは、プレートの後端からアンカーの前端まで測定される、直線状のインプラント長さL(30.5mm)を有する。凹状強膜面(この図では、インプラントの後ろにあって見えない)を形成するために後に曲げることができる平坦な表面が、インプラントの後端からインプラントの前端まで延在し、プレートと、本体と、アンカーとを接続している。後に凸状眼窩表面を形成するように曲げることができる平坦な表面550が見えており、一対の対向する側面560は、本体長さの少なくとも一部に沿って眼窩表面と強膜面とを接続する。平坦な表面は、後端に近接する領域において、後方曲率半径R1(又は直径=25mm)を有し、前端に近接する領域において、前方曲率半径R2(又は直径=29mm)を有する(後方半径は前方半径より小さい)強膜面を形成するように曲げるために示されている。屈曲軸521は、インプラントの後端から16.50mm、前端から14.00mmに位置する完成したインプラントにおいて、前方半径から後方半径へ意図された遷移を示す。プレートは、それぞれ強膜面及び/又は眼窩表面においてプレート幅PWを定義する形状を有する。細長い本体は、強膜面において対向する側面の間に本体幅BWを定義する形状を有する。アンカーは、強膜面から眼窩表面まで延在し、それぞれ2つのアンカーアーム532A及び532Bによって広がるアンカー幅AWを定義する2つのアンカーポイント531A及び531Bをそれぞれ有する。第3のアンカーポイント531Cは、強膜面からアンカー内の眼窩表面まで延在するが、本体の近位及び中心にある。この実施形態において、本体幅BWは、プレート幅PWの少なくとも約2/3であり、アンカー幅AWは、本体幅BWより大きい。アンカーアームは、それぞれのアンカーポイントの直径より小さく、本体の幅(BW)の半分より小さい幅(例えば、1mm)であり、プレートは、0.5mmの厚さであり、本体、アーム、及びアンカーポイントは、曲率する丸みを帯びた端部を有していて、平坦、あるいは、鋭く、もしくは正方形にすることができることに留意されたい。断面スケッチは、アンカーの本体、スプーン又はプレート、及び短いアームの例示的な幾何学的形状、丸部、及び端部処理の詳細を示している。
【0089】
特定の実施形態において、本体からアンカーへの遷移は、本体の幅又は厚さからアンカーの幅又は厚さへの遷移点で定義される。この遷移点は、インプラントの幅又は厚さの変化によって、又はインプラントの幅又は厚さの漸増の開始によって、又はそのような点から指定された距離(例えば、1mm又は0.5mm)で定義することができる。あるいは、アンカーは、本体から突出する1つ以上のアンカーアームの原点として定義することができる。あるいは、アンカーは、1つ以上のアンカーポイント(例えば、531C)の位置によって、又は指定された方向における1つ以上のアンカーポイントの中心、端部、又は象限から離れた指定された距離、半径、又は直径(例えば、1mm又は0.5mm)で定義することができる。
【0090】
図6A~6Eは、本発明によるインプラントの一実施形態の上面図、端面図、及び断面図を示す。
図6Aは、プレート内に丸みを帯びた上縁部(top edges)、3つのアンカーポイント、及び2つの追加の縫合孔を有するインプラントの実施形態の上面図及び端面図を示す(例えば、スポンジ又は他の品目を取り付けるのに有用である)。
図6Bは、アンカーポイントのうちの1つを通る断面を示す。アンカー孔(例えば、直径1mmの貫通孔)は、丸みを帯びた外端及び上端を有する壁(例えば、厚さ0.5mm)によって孔直径の周りに支持される(例えば、孔の全部又は一部の周りのエッジに丸みを帯びた完全又は部分的な角部)。
図6Cは、丸みを帯びた又は部分的に丸みを帯びた上部プレートプロファイル及び平坦な底面を有するアンカーアームの断面を示す。
図6Dは、丸みを帯びた上部角端部を有する平坦な本体の断面プロファイルを示す。
図6Eは、2つの追加の縫合孔を有するプレートを通る断面を示す。
【0091】
図7は、本発明によるインプラントの一実施形態の斜視線図を示す。この実施形態の曲率及び3次元形状は、3つの取り付け点を有するアンカー部分から、本体を通って、2つの追加の任意の孔又は取り付け点を有するプレート部分まで曲率しているのが見える。
【0092】
本発明の特定の実施形態は、外科的配置後のインプラントの改善された安定性を提供する。取り付け点の量、場所、配向、設計、配置、及び構成は、インプラントの安定性に影響を及ぼす可能性があり、これは患者の転帰に影響を及ぼす可能性がある。縫合は、固定の一形態である。非吸収性縫合糸は、インプラントの確実かつ持続的な固定のために使用することができる。瘢痕組織の十分な治癒及び形成が生じて、縫合糸が吸収される前にインプラントを適所に保持するまで、吸収性縫合糸を用いてインプラントを適所に固定することができる。複数の取り付け点を設けることができる。いくつかの実施形態において、2つの取り付け点が、インプラントの前端に提供され、インプラントの本体を横断して内外側(ないがいそく、mediolateral)方向に測定されるアンカー距離によって分離される。インプラントの前端における取り付け点は、アクセス及び取り付けの容易さにおいて利点を提供することができる。取り付け点は、互いに、及びインプラントの本体から、さらに離れて広がり、及び/又はインプラントの端部又は周辺部に沿って位置し、改善された力点、安定性、及び保持力を提供することができる。インプラントの中央領域又は後方領域における取り付け点は、プレートへの近接による有利な力点又は固定を提供することができる。互いに接近して、本体に接近して、又はプレートに接近して配置された取り付け点は、眼筋、神経、及び血管の付着を回避し、より良好なアクセス及び取り付けのためのより多くの選択肢を提供するという利点を提供することができる(例えば、同じ縫合糸を用いて2つ以上のアンカーポイントを縫合すること、及び/又は1つ以上の取り付け点を通して複数の縫合糸を通すことによって)。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態は、細長い眼球の所望のAP長、短縮、又は再形成を達成するための手段を提供する。外科医の経験(例えば、複数の患者及び/又は複数の手術にわたる結果の追跡による)、改善されたノモグラム、又は眼内AP長測定は、全て、改善された転帰に寄与し得る。本発明は、予期せぬ損傷(例えば、鈍的切開にもかかわらず血管が破損すること)を回避するための手段を提供する。外科的アプローチは、リスクを最小限に抑えるように最適化され、インプラントは、眼球の解剖学的目印の間に適合するように、特異的にサイズ設定される。特定の実施形態において、インプラントへの侵食が、生物学的増強移植片(例えば、TUTOPLAST(登録商標))を、インプラントの近傍に配置することによって最小化される。インプラントの凹状強膜合わせ面は、生物学的増強又は他の移植片の適用の有無にかかわらず、結膜の下の強膜面と密着したままであるように設計することができる。
【0094】
特定の実施形態において、手順は、プレートが設置された眼球の後部の直径約5mmの部分のみを正常化するものである。利点を挙げると、これは眼球の最も重要な5mmの部分とすることができることである。眼球が長すぎると、ここで重篤な合併症が起こり得る。中心を5mm引くことによって、眼球の屈折補正がなされる。極めてまれな条件下では、移植部位が感染し、インプラントの除去が必要となり得る。本発明は、感染又は術後合併症の場合に、容易に除去できる可能性を提供する。後に本体の周囲に形成され、除去の困難性を増大させる瘢痕組織の付着性を最小限にすることによってインプラントを除去する必要がある場合に、本体の幅がプレートのサイズに近いと、容易な回収が可能となる。従って、本体の幅及び/又は高さを、プレートの幅及び/又は高さ近く選択することは、外科医及び患者に利点を提供する。
【0095】
インプラントの配置が、通過又は取り付けることが意図される強膜に既にある瘢痕は、以前の強膜インプラント手術又は以前の眼の重度な外傷により存在し得るものである。本発明のインプラント及び方法は、特定の実施形態において、均一又は先細の厚さ、幅の小さな変化、及び眼球の軸方向長さより小さいインプラント長さを有するインプラントを提供することによって、外科的手術に対する瘢痕組織の影響を最小限にする。本発明は、外科医の嗜好に応じて、手術顕微鏡、拡大ループ、又は裸眼で行うことができる広範囲の外科的アプローチを容易にする。
【0096】
本発明の特定の実施形態の方法によれば、眼の球の軸方向長さを測定することができる(例えば、オフィスにおいて、手術の数日又は数週間前に)。軸方向長さに基づいて、所望のサイズのインプラントを選択することができる。本発明の特定の実施形態は、各患者の固有の状況を考慮するために、インプラントパラメータ及び設計特徴の反復を伴う標準的な手順という利点を提供する。本発明の特定の実施形態によるインプラントは、有利には、様々なインプラントの長さ、幅、厚さ、曲率、アンカー構成、材料、コーティング、及び付属物の組み合わせにおける数多くの選択肢を外科医に与えるキットで提供することができる。例えば、キットは、3つのインプラントを含むことができ、各インプラントは共通の直径5mmの円形プレート、10mmのアンカー幅、4mmの本体幅、及び14.5mmの前方半径を有し、3つのインプラントの各々は、それぞれ、12.0mm、12.5mm、及び13.0mmの固有の後方半径を有する。理解され得るように、他の変数はキット内で、又は異なるキットにわたって、変更する、又は一定に保つことができ、これは、異なるサイズの複数のキット構成をもたらすことができ、各々が、コスト、利用可能性、又は使いやすさの点で外科医に利点を提供する。
【0097】
本発明を実施するために必要とされる外科用器具は、特定の実施形態において、非常に単純である。器具は、必ずしもこれらに限定されないが、結膜を切断するための鋭利なハサミ、インプラント及び結膜及び強膜を保持するための鉗子、手術距離を測定するためのカリパス、2つの針ホルダー、及び縫合糸を含む。特定の実施形態において、本発明は、眼球の長さ及び自然な曲率の所望の回復を達成するために、正確な手術中AP長測定又は手術中屈折力を提供する(例えば、OCULAR RESPONSE ANALYZER(登録商標)(ORA)デバイス、Reichert、IncDepew,NYを使用する)。
【0098】
回復は、患者の視力を回復させるために、必要に応じて、完全又は部分的、伸長又は短縮又は再形成であり得る。軸方向長さは、直線長さ測定値であり、角膜の前方表面又は他の適切な解剖学的ランドマークから、凹状網膜内面上の回復点まで、直線的に、又はベクトルもしくは測定軸に沿って(例えば、超音波又は光学測定機器を使用して)測定することができる(例えば、測定値は、補正されていない実際の手術前の長さ及び/又は曲率;自然な、適切な機能性の、又は所望の長さ及び/又は曲率;及び/又は、補正された実際の、改善された機能性の、又は手術後の状態について取得され得る)。
【0099】
いくつかの実施形態において、インプラント直線全長は、インプラントの後方範囲からインプラントの前方範囲までの直線又はベクトルに沿って測定することができ、特定の実施形態において、これは、プレートの後方端部又は後方範囲からアンカーの前方端部又は前方範囲までのインプラント全長を測定することになる。直線幅、厚さ、又は長さは、最大、最小、又は局所測定値(例えば、インプラントに沿った任意の点、又はインプラントの指定された領域、部分、特徴、又はエリア内で測定可能な最大もしくは最小の長さ、幅、又は高さ;例えば、インプラントの全長、アンカーアームの幅、本体厚さ、又はプレート径)であり得、インプラントのセクション、領域、特徴、又はエリアを横断して、迂回して、それらを通って、又はそれらの上で、一定又は可変、連続又は不連続、区分的、直線、曲線、直線的、実際、又は近似のいずれかとして分類され得る。線形測定は、空間内の2つの点間の最小距離の直線測定を含むことができる。別段の指定がない限り、本明細書で説明する測定は、線形測定を指す。
【0100】
あるいは、いくつかの実施形態において、弓形インプラント長さは、インプラントの後方範囲からインプラントの前方範囲までの曲線、経路、又は円弧に沿って測定することができ、特定の実施形態において、これは、プレートの後方端部又は範囲から、表面(例えば、インプラントの強膜合わせ面)に沿ったアンカーの前方端部又は範囲まで測定される弓形インプラント全長をもたらす。弓形幅、厚さ、又は長さは、最大、最小又は局所測定とすることができ(例えば、インプラントに沿った任意の点で測定可能な最大又は最小の弓形長さ、幅、又は高さ、あるいは、インプラントの指定された領域、部分、特徴又はエリア内で測定可能な最大又は最小の弓形長さ、幅、又は高さ;例えば、インプラント、アンカー、本体又はプレートの1つ以上の表面、曲線、中央平面、又は線の経路に沿って測定される、弓形インプラント全長、アンカーアームの弓形幅、弓形本体厚さ、又は弓形プレート径)、インプラントのセクション、領域、特徴、又はエリアを横断して、迂回して、それらを通って、又はそれらの上で、一定又は可変、連続又は不連続、区分的線形、曲線的、直線的、実際、又は近似のいずれかとして分類され得る。弓形測定は、弓形測定が特定の経路をたどり、曲線体については2点間の絶対最短距離を表さないという点で、線形測定とは異なる。
【0101】
特定の実施形態において、プレート幅は、インプラント全長に垂直な強膜合わせ面でプレートを横断して測定することができる。本体幅は、インプラント全長に垂直な強膜合わせ面において、本体を横断して測定することができる。アンカー幅は、インプラント全長に垂直な強膜合わせ面でアンカーを横断して測定することができる。インプラント、本体、プレート、又はアンカー厚さのそれぞれは、インプラント全長に垂直及び/又は幅に垂直な強膜実装面から測定することができる。
【0102】
本発明の特定の実施形態は、0.6mm~0.7mmの厚さ、あるいは、0.65mm~0.75mmの厚さ、あるいは、0.5mm~0.8mmの厚さ、あるいは、0.4mm~0.9mmの厚さ、あるいは、0.3mm~1.0mmの厚さ、又は前述のいずれかの増分で、剛性、頑健、長持ち、不活性、一体型、耐破壊性、弾性、強靭、又は耐破損性の外科用移植可能グレード材料(例えば、チタン又はチタン合金)を提供し、合併症なしで、眼球に永続的に留まることができるインプラントにおいて、厚み、重み、不快感を最小にして、剛性及び堅牢性にとって十分な厚さを提供する。あるいは、インプラントの厚さ(例えば、チタン、他の金属、生体適合性ポリマー、又はセラミック材料を有する)は、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.45mm、0.55mm、0.65mm、0.75mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.7mm、又は2mm、又は前述のいずれかの増分とすることができる。本発明の教示に従って、各個々の材料の材料特性に応じて異なる厚さで材料を使用することができる。
【0103】
例えば、眼球の周りに巻き付ける、又は調整可能な構造を有するものを含む、より複雑な設計と比較して、本発明のインプラント及び方法は、複雑でない設計かつ外科的技術の利点を提供する。従って、本発明の実施形態は、合併症の発生率を低減し、外科医の信頼性を高め、患者の転帰を改善する一方で、眼球の周囲の組織、神経、及び血管に対する損傷のリスクを低減する。
【0104】
いくつかの実施形態において、本発明は、全てのセクションにおいて凹状で、眼球に対してより自然に適合するインプラントの内表面を提供する。眼球は円形であり、本発明は、眼球の内部の網膜の表面(画像が形成される)が凹面のままとなるように、凹面を有する眼の球に近接して適合するインプラントを提供する。脳は、凹状網膜表面から来る情報を処理することを学んでいるので、本発明の特定の実施形態は、後部で眼の球に面して接触し、眼球の内部の網膜の凹面を逆転させるか、又は平坦として、結果として生じる画像が患者にとって不自然で混乱するパターンで網膜上にうつる、平坦又は凸状プレートを有するインプラントに勝る利点を提供する。プレートの凹面は、眼の球が短縮され、退縮が補正された後、画像が依然として自然な網膜凹面上にうつるという利点を提供する。
【0105】
特定の実施形態において、幅広のインプラント本体は、所望であれば、除去を容易にし、より良好なインプラント安定性を提供し、外科医の取り扱い及び信頼性を高め、初期配置後の脱落のリスクを低減する。
【0106】
特定の実施形態において、本発明は、インプラントが一旦配置されると、右左、又は前後に確実に移動しないようにする、(例えば、孔を通した縫合糸を用いて)3点固定による、広がったフォーク状前方(前部)セクションを提供する。本発明の外科的技術は、より大きい、より複雑な、又はより不安定なインプラントを含む他の技術より、はるかに単純である。
【0107】
本発明の特定の実施形態によって提供される利点としては、眼球の周りに巻き付けたり、眼球(例えば、視神経)の背後の敏感な構造を通過する必要なしに固定されること;インプラント本体又は追加の取り付け点に対する3点固定及び任意の追加の固定を伴う頑丈さ;所望の際の除去の容易さ;所望のAP長に対する容易な手術中調整能力;ならびに初期インプラント後の侵食や曝露を回避するのに役立つインプラント上の凹凸の少ない単純な構造が挙げられる。
【0108】
特定の実施形態において、本体の長さは、インプラントが眼球をどれだけ短縮することができるかを決める。本体の長さ及び本体の曲率半径は、プレートが収まる場所、及びアンカー構造(例えば、フォーク)が眼球の前の着地する場所を決める。いくつかの実施形態において、本体長さ及び/又はインプラント直線全長及び/又はインプラント弓形全長について、2つ又は3つの異なる標準サイズ(あるいは、4つのサイズ、又は5つのサイズ、又は6つのサイズ)を有するキットは、外科医が眼球の最終的な補正されたAP長を決定するために、前方アンカー固定と一緒に手術中調整を有利に活用することによって、大半の患者に役立つのに十分なものとすることができる。特定の実施形態において、プレートのサイズは、眼球の後部のエリアのどれくらいの大きさでインプラントが正常化するかを決める。インプラントは、移植前、移植中、及び/又は移植後に、視神経又は他の構造に触れたり影響を与えたりすることを回避するのに十分に小さいが、眼球の有効面積を正常化するのに十分に大きいと有利である。いくつかの実施形態において、プレートは、略円形又は円筒形の形状であり、5mm、あるいは、4.5mm~5.5mm、あるいは、4mm~6mm、あるいは、3.5mm~6.5mm、あるいは、3mm~7mm、あるいは、2.5mm~7.5mm、あるいは、2mm~8mm、あるいは、1.5mm~8.5mm、あるいは、1mm~9mm、又はこれらのいずれかの増分の直径を有する。あるいは、プレートは、約2mm、又は3mm、又は4mm、又は5mm、又は6mm、又は7mm、又は8mm、又は9mm、又は10mm、又はこれらのいずれかの増分の直径(又はプレートの形状に応じて、長さ、又は幅)を有することができる。あるいは、プレートは、略円形、長楕円形、楕円形、卵形、円錐形、不規則形、又は上記形状の任意の組み合わせとすることができる。あるいは、プレートは、一次形状、及び一次形状に追加、一次形状から引いた二次形状を有することができる(例えば、二次楕円切出しを有する一次円形、又は円錐を追加した一次円筒形状)。一次円又は円筒の直径に関して上述したサイズは、一次と同様に二次形状に適用することができ、補正される眼球のエリアに対するプレートのサイズを記載するために使用される、有効又は局所直径、弦長、幅、又は長さ等の他の測定に適用することができる。
【0109】
本発明の特定の実施形態において、インプラントは、前方(例えば、前部又はアンカー)セクションにおいて、14.5mmの強膜合わせ面に沿った曲率半径(又は曲率の半径)と、後方(例えば、後部又はプレート)セクションにおいて、12.5mmの強膜合わせ面に沿った曲率半径(又は曲率の半径)とを有することができる。あるいは、インプラントの前方、後方、内側、外側、中心、プレート、本体、アンカー、又は遷移セクションにおける曲率半径は、9mm、9.5mm、10mm、10.5mm、11mm、11.5mm、12mm、12.5mm、13mm、13.5mm、14mm、14.5mm、15mm、15.5mm、16mm、16.5mm、17mm、又は17.5mm、又は前述のいずれかの増分とすることができる。半径はまた、17.5mmより大きく、インプラントのいずれかの端部に、又はインプラントの他の2つのセクションを接続する、平坦又は直線のセクションまでとすることもできる。インプラントの任意の2つのセクションに沿った半径は、互いに同じ、又は異なるものとすることができる。インプラントの任意のセクションに沿った半径は、一定又は可変(例えば、セクションに沿って連続的又は不連続的に変化)とすることができ、任意の2つのセクション間の遷移は、滑らか、鋭い、接線的、連続的、又は不連続的とすることができる。2つの異なる曲率半径値は、2つの間を遷移する第3のセクションによってブリッジすることができる。
【0110】
曲率半径に関して、セクションは、インプラントの長さ、幅、又は厚さに沿った多数の特徴によって定義することができ、中に存在する単一の半径(又は複数の半径)によるセクションの定義が含まれる。曲率半径は、本発明のインプラント内の三次元空間内に存在し得、任意の適切な平面又は経路(例えば、前後方向、内外側、下方-上方、前-後、左-右、上-下又は適切に定義された平面もしくは経路の交差又はインプラント形状に対して、又はプラント形状から突出)に沿って測定することができる。インプラントの任意の所定の点又はセクションにおいて、2つ以上の方向の曲率半径が存在し得る(例えば、長手方向の曲率半径14.5mmは、側方方向の曲率半径8mmと一致し得る)。曲率半径は、インプラントの異なる方向及び異なるセクションを横断して変化し得る。より小さい又はより大きい半径値は、インプラントの小さい、狭い、短いセクション、又は大きい、広い、長いセクションのいずれかにおいて生じ得る。
【0111】
インプラントのセクションを横断して遷移することに加えて、曲率半径は、インプラントのセクション、特徴、又は機能的部分の端部又は境界において異なる値又は終了条件を有することができる。例えば、半径は、黄斑圧子プレートを横断して1つの値を有することができ、プレート材料の端部の周囲で異なる値(例えば、より小さい、より大きい、反対の、又は凸状)を有する。
【0112】
いくつかの実施形態において、丸められた端部、及び/又は非常に小さい凸状リムを有する凹状プレートは、周囲組織との外傷又は干渉を低減することができ、及び/又は網膜の補正された曲率、外科医の使用し易さ、及び/又は患者の快適さの向上を提供することができる。特定の終点、端部又は境界条件(例えば、丸められた端部、凸状リップ、丸められた周辺部、又はプレートから本体及び/又はアンカーへの滑らかな及び/又は接線方向の遷移)は、インプラントによる眼球の切断及び/又は損傷及び/又は歪みの激しさ又はその可能性を有益に低減することができる。
【0113】
特定の実施形態において、本発明によるインプラントは、滑らかな、仕上げられた、研磨された、及び酸化されたチタンを含む、外科グレードのチタン又はチタン合金から完全に作製することができる。チタン仕上げは、金属色を周知のチタンブルーに変える酸化を含み得る。あるいは、インプラントは、コーティング、保護層、又は統合設計要素(例えば、オーバーモールド、浸漬、又は噴霧)として適用される二次材料(例えば、シリコーン又は他の生体不活性もしくは生物活性ポリマー)を含むことができる。二次材料は、キット又は組み立てたインプラントの追加成分として、単体、あるいは、製造時に、又は外科医による移植時に適合させることができるキット(例えば、シリコーンバッグ、メッシュ、又はスリーブ等)で用いることができ、あるいは、永久的に固定、除去可能、又は一時的に除去可能とすることができる(例えば、ヒートステーキング、接着剤塗布、リベット止め、又は当技術分野で知られている類似の接続方法で、所定の位置に固定されるまで、インプラントに取り付け、取り外し可能なカバー等)。インプラントは、場合によっては、移植前に表面又は端部を準備するために、機械又は手で加工することができる(例えば、製造時に機械でタンブリング及び/又は手研磨)。例えば、端部は、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、又は1mm、又は前述のいずれかの増分の最小面取り面又は半径まで面取りする、又は丸めることができる。
【0114】
本発明の特定の実施形態は、有利には、滑らかなもしくはテクスチャ加工された表面、表面コーティング、表面特徴、最小厚さ、丸みを帯びたもしくは面取りされた端部、又は低い、中程度の、もしくは高い幅対厚さ比を提供することによって、インプラントの上、周囲、もしくは近くの線維性瘢痕組織の成長を促進する。いくつかの場合において、幅対厚さの比は、7:1、あるいは、20:1、15:1、12:1、10:1、8:1、6:1、4:1、もしくは2:1の厚さ比、又は前述のいずれかの増分である。
【0115】
手術部位における単純化された取扱い及び配置に加えて、本発明の特定の実施形態は、有利には、単純な設計、所望であれば、インプラントの容易な除去、及び単一の設計を有する滑らかなプロファイル(例えば、破損したり、機能不良になる恐れのある機械的接続セクションがない)を提供する。これら及び他の特徴は、単純化された手術中の調節及び眼球の補正されたAP長の確認を含む単純化された手術技術を提供する(例えば、インプラントの本体を強膜に初期固定すると、眼球へのインプラントの最終的な固定及び/又はアンカー固定の前に、所望の眼球の長さ及び曲率を決定するために、依然としてインプラントの軸方向調節を可能にする)。
【0116】
インプラント全長は、特定の実施形態において、20mmとすることができる。特定の実施形態における長さは、線形軸(例えば、アンカーの前方先端部からプレートの後方先端部へ向かう線形軸方向長さ)に沿って、又はインプラントの曲率した経路(例えば、強膜合わせ面の曲線に沿った弓形長さ、又は眼窩表面、インプラントの端部もしくは特徴、又はアンカーの前方先端部からプレートの後方先端部までのインプラントの平面もしくは中央面)に沿って測定又は定義することができる。あるいは、インプラント長さは、45mm、44mm、43mm、42mm、41mm、40mm、39mm、38mm、37mm、36mm、35mm、34mm、33mm、32mm、31mm、30mm、29mm、28mm、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mm、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0117】
特定の実施形態において、アンカーは、2つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ以上)の外科用取り付け点を支持するフォーク構造を含むことができる。いくつかの実施形態において、取り付け点及びアンカーポイントは、交換可能に使用することができる。あるいは、取り付けとは、初期、一次、一時的、及び/又は調節可能な固定(例えば、インプラントの最終配置を決定する前に、本体を強膜に緩く縫合する)、又はインプラントの最終、二次、永久、及び/又は固定された取り付け(例えば、インプラントの最終配置を決定した後に、アンカーポイントを強膜にしっかりと、及び/又は強固に縫合する、及び/又はその他アンカー固定する)のいずれかを指すことができる。
【0118】
フォーク長さ(例えば、フォークの方向に沿って弓形又は直線状に測定される)又はアンカー長さ(インプラント及び/又はアンカー構造の長さに沿って弓形又は直線状に測定される)は、4mm~6mmとすることができ、あるいは、フォーク長さ又はアンカー長さは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、25mm、30mm、40mm、もしくは45mmより小さい、又は前述のいずれかの増分とすることができる。(単一フォークの)フォーク幅又は(担体及び/又は分岐及び/又は分割アンカー構造部材の)アンカー構造幅は、1mm~2mmの間、あるいは、0.25mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0119】
本体長さは、15mm~20mmの間、あるいは、45mm、40mm、35mm、30mm、29mm、28mm、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mm、16mm、15mm、14mm、13mm、12mm、11mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、又は1mmより小さい、又は前述のいずれかの増分であることができる。本体幅は、4mm~5mmの間、あるいは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、もしくは20mm、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0120】
プレート径(又はプレートの形状に応じて、長さ、又は幅)は、4mm~6mmの間、あるいは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、もしくは20mm、又は前述のいずれかの増分とすることができる。
【0121】
アンカーポイントは、0.5mm~1mmの間、あるいは、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、2.5mm、3mm、4mm、4.5mmもしくは5mm、又は前述のいずれかの増分の孔又は開口寸法を有することができる。アンカーポイント(例えば、2つ以上の孔、2つ以上のアームのそれぞれの1つの先端の各孔)は、互いに約8mm~約10mm離れたアンカー距離、あるいは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、もしくは20mm、又は前述のいずれかの増分だけ離れることができる。アンカー距離又はアンカー幅は、任意の2つ以上のアンカー又はファスナーポイントを横切って定義することができる。
【0122】
本明細書で言及される全てのインプラント寸法はまた、具体的に列挙された個々の値の前後及びその間の範囲からとることもできる(例えば、フォーク長さは、約3.5mmより大きく、約7.25mmより小さくすることができる)。
【0123】
特定の実施形態は、インプラントの異なるパラメータについて利用可能な範囲から取得された値を有利に使用することができ、直線的か、又はインプラントの曲率に沿って測定することができる。例えば、長さ5.5mmのプレートは、長さ37.5mmのインプラントを形成するために、2mmの本体及び30mmのアンカーと接合させることができる。場合によっては、アンカー及び/又はアンカーアームがプレート自体から、又はプレート自体の近位に進展するにつれて、本体の長さ(依然として存在する間)は、ゼロ又は1mm未満に近づく可能性がある。いくつかの実施形態において、本体は、アンカー及び/又はアンカーアームの対応するセクションに続くセクションに分岐、又はその他分割することができる。あるいは、長さ5mmのプレートが、30mmの本体及び2mmのアンカーと接合して、長さ37mmのインプラントを形成することができる。場合によっては、アンカー及び/又はアンカーアームが本体自体から、又はその近位に進展するにつれて、アンカー長さ(依然として存在する間)は、ゼロ又は1mm未満に近づく可能性がある。いくつかの実施形態において、アンカーは、モノリシックであってもよいし、単一形状であってもよい。あるいは、アンカーは、本体の対応するセクション及び/又は単一の本体セクションに通じるセクションに分岐、又はその他分割することができる。あるいは、特定の実施形態において、アンカーは、プレートから直接延在する(すなわち、本体が存在し得ない)。特定の実施形態において、インプラントは、アンカーを有さず、アンカーは、本体と比較して同じか、又は小さい幅であり、及び/又はインプラントは、本体から直接、本体を通って、又は本体の周りにアンカー固定される。
【0124】
特定の実施形態において、患者の眼球の壁における薄い組織等の任意の部分での破裂の可能性をもたらすリスクを低減しながら、安定した固定をもたらす、滑らかで複雑でない穏やかな手術を提供するために、軽く、コンパクトで、単純なインプラント設計が有利に適用される。革新的配置と共に、インプラントプレート及び本体の安定した基部を含み、それをアンカー固定する設計は、本体からアンカーポイントへ進み、革新的配置及びアンカー固定のプロセス中に、計画され、制御された手術中調整を可能にする。インプラントを配置する正確な場所の正確な測定(例えば、手術前測定及び手術中測定)は、リスクの低減及び患者の転帰の改善をさらに助ける。
【0125】
近視では、眼球の前後(前後方向AP)長さが増加する。眼球のAP長は、通常22mm~24mm(平均23mm)である。1mm長くなると、眼球の屈折異常は、3ディオプトリとなる。AP長が26mmである(通常よりもおよそ2mm大きい)場合、患者は(2x3D)-6.00近視である。AP長が通常より大きい場合、眼の球の内容物は、内部(inside)に形成されたより大きな空間に適合するように広がる。最終的に広がって適合する眼球の内部の1つの構造は網膜である。網膜の内部には、画像を作成して脳に送る神経層が含まれている。網膜は、壁を覆う壁紙のように眼球の後部の内部を覆う。眼球の後部で眼球の壁が膨らんでいる場合、内部の壁紙は、中央で広がって裂ける可能性がある。実際の眼球の場合、この裂け目は、中心にある丸い孔、黄斑円孔の形態であり得る。外科医は、この条件を高度近視眼における黄斑円孔と呼ぶ。黄斑円孔はまた、正常な長さの眼球においても起こり得る。黄斑円孔を処置するための1つの手術は、眼球の内部に気泡を入れて、患者に頭を下に保ってもらうようにすることによって、その孔を押して閉じ、浮遊気泡が孔を押して閉じるようにする必要がある。高度近視の場合、網膜は、孔が容易に閉じないように非常に広がっている。本発明に従って眼球の壁が外部(outside)から押されると、患者の成功の可能性がより高まる。本発明に従って眼球の壁を前方に移動させるためにインプラントを配置することで、黄斑円孔を処置するための眼内手術後の黄斑円孔を閉じる機会を増加させる。
【0126】
本発明の利点には、製造の容易さ及びインプラントが含まれるが、簡単に言えば、眼球はより単純な設計を、より良好に取り扱うことができる。機械的構成要素と接続及びエレクトロニクスの削減によって、本発明は、眼球内に数十年間インプラントを配置及び維持するための合併症及びリスクを低減する。より容易で簡単な設計で、より良い結果が促進される。外科的技術は、より単純な一体型設計で、より単純であり、それほど難しいものではない。本発明のインプラント及び方法は、網膜専門家、又は強膜(すなわち、白い部分、眼球の外被)上に縫合糸を通すことのできる、眼科学の分野における他の何らかの認定専門家に、より高いアクセス可能性を提供する。網膜外科医及び斜視外科医は、本発明の外科技術に適応可能な方法で、強膜に縫合糸を通す技術に精通している。
【0127】
本発明の特定の実施形態の1つの用途は、近視(近眼)を補正するために眼球の軸方向長さを短くすることである。特定の実施形態を使用して、遠視(遠方視)及び/又は乱視(眼球は、通常の丸い球ではなく、フットボール又は卵の形状である)を補正することができる。
図1に示す一実施形態は、一端にプレートを有し、他端に「Y」字形フォークを有する「J」字形ステントと説明することができる。特定の実施形態において、ステントの設計された長さは、意図された患者の眼球のサイズに基づいて変化し得る。
【0128】
図2は、手術後に眼球に取り付けた1つの代表的な非限定的実施形態を示す。近視の場合、眼球が通常よりも長いとき、デバイスは、眼球を短縮するために、眼球の後ろを前方に引くことができ、デバイスは、「Y」の2つの端部上の3つの孔を有する眼球の側で、及びYフォークが本体と接触する位置で縫合することができる。デバイスを眼球にさらに縫合するために、デバイスに追加の孔を形成することができる。いくつかの実施形態において、孔は、インプラントのアンカー、本体、又はプレート上に配置され得る。孔に加えて、特定の実施形態は、突起、ノッチ、リッジ、スロット、バンプ、アーム、窪み、溝、又は当技術分野において公知で、使用されるファスナー(例えば、縫合又はステープル)に従って他のアタッチメントを有利に使用することができる。
【0129】
本発明の特定の実施形態は、眼球の軸方向長さを変化させるための外科用インプラント(100)を提供し、プレート(110)はインプラントの後端に配置され、アンカー(130)はインプラントの前端に配置され、細長い本体(120)はアンカーとプレートとの間に延在する本体長さを有し、凹状強膜面(140)はインプラントの後端からインプラントの前端まで延在し、プレートと、本体と、アンカーとを接続する。インプラントはまた、強膜面に対向する凸状眼窩表面(150)と、本体長さの少なくとも一部分に沿って、眼窩表面と強膜面とを接続する一対の対向する側面(160)とを有することもでき、強膜面は、後端に近接する領域に後方曲率半径(R1)を有し、前端に近接する領域に前方曲率半径(R2)を有し、後方半径は前方半径より小さい。プレートは、強膜面においてプレート幅(PW)を定義する形状を有することができる。細長い本体は、強膜面において対向する側面の間に本体幅(BW)を定義する形状を有することができる。アンカーは、強膜面から眼窩表面まで延在し、それらの間にアンカー幅(AW)を定義する2つの縫合ポータル(131A、131B)を有することができ、本体幅はプレート幅の少なくとも約2/3であり、アンカー幅は、本体幅より大きい。
【0130】
特定の実施形態において、外科的適用部位は、
図2に示されるように、眼球の外部(an exterior)とすることができる。前から眼球を見ると、眼球を上下右左に動かす4つの主要な直筋(straight muscles)がある。これらの筋肉の固定は、およそ12時(上直筋)、3時(右眼であれば外側直筋、左眼であれば内側直筋)、6時(下直筋)、及び9時(右眼であれば内側直筋、左眼であれば外側直筋)に位置する。筋肉は眼球の外部(outside)からは見えない。これらの筋肉は、典型的には輪部(すなわち、角膜が強膜と接触する場所、すなわち、眼球を見るときに白色強膜が始まる円形縁)の6~7mm後方から始まる。これらの4つの筋肉の間の眼球のセクションは、象限と称され得る。インプラントは、任意の象限(鼻下、鼻上、側頭下、側頭上)に配置することができるが、側頭下象限(外面底部(outer bottom))及び側頭上(外面上部(outer upper))が、容易なアクセスを提供し、インプラントを配置する間に視神経に接触する潜在的なリスクが少ない。本発明の特定の実施形態は、側頭象限が瘢痕化し過ぎている(例えば、以前の手術又は外傷から)場合、鼻上(内側上)及び鼻下(内側下)象限に配置されるインプラントを部分的に塞ぎ得る視神経を回避するように構成及び適合されたインプラントを提供する。側頭象限におけるインプラントの外科的配置は、本発明の特定の実施形態によれば、重要な構造(例えば、視神経及び/又は静脈)に対するリスクを低減させる。網膜外科医は、結膜下のこれらの象限(すなわち、眼の球の皮膚)にアクセスすることに非常に精通している。網膜外科医は、通常、半分の厚さの縫合糸を強膜に通すことによって、強膜上のこれらの象限において、網膜剥離回復のためにシリコーンインプラントを配置する。これらの象限を鈍的に切開することは、神経及び血管を損傷することなく、眼球の壁へのアクセスを与える。特定の実施形態において、とがってない縁部(blunt edge)を有する本発明のインプラントは、眼科外科医によく知られている外科的アプローチ及び技術に従いながら、重要な構造を損傷することなく容易に配置される。特定の実施形態において、本発明のインプラントは、周囲組織の境界内の眼球の繊細な構造への単純で、コンパクト、かつ安定した取り付けを提供する。
【0131】
特定の実施形態において、インプラントは、患者の眼球の輪部から垂直に(及び後方に)配置される(例えば、輪部の上を眼球の後ろに向かって延びる)。プレートは、眼球の後ろを支持し、それを前方に引くために、後方に(例えば、最初にプレート、次いで、本体、最後に、アンカーを切開部を通して、通過させることによって)挿入される。特定の実施形態において、孔を有するY字形フォークは、輪部のおよそ3~10mm後方で固定され、所望の深さでインプラントを固定及びアンカー固定した後、患者自身の結膜で覆われる。患者自身の強膜が薄すぎる場合、強膜パッチ(例えば、TUTOPLAST(登録商標)等の処理されたドナー強膜)を、結膜の下のインプラント上に配置することができる。インプラントの本体は、非吸収性ステッチ(例えば、J&J Ethicon、Cincinnati、OHから入手可能なMERSILENE(登録商標)ポリエステル繊維縫合糸)を用いて眼の球上に初期配置することができる。
【0132】
特定の実施形態において、最終インプラント位置は、所望の短縮が外科医によって決定された後、アンカーアームを眼の球上にアンカー固定し、(例えば、縫合糸を用いて)眼球上に本体を初期配置し固定した後、インプラントを前方に引っ張って押し戻すことによって決定することができる。眼の球の所望の短縮及び形状変化は、手術中にAP長を測定し、配置中に調整することによって(例えば、OCULAR RESPONSE ANALYZER(登録商標)(ORA)デバイス、Reichert、Inc.,Depew,NYを用いて)、又はノモグラムを参照することによって(例えば、以前に収集されたデータのチャートを参照することによって)決定することができる。
【0133】
本発明は、容易に形成される外科的経路を提供し、網膜専門家又は強膜インプラントを配置するために、縫合糸を強膜上に配置すること、又は網膜剥離回復に精通している外科医(例えば、網膜専門家)及び斜視手術を行う外科医(例えば、眼筋を切断し、強膜上に縫合し直す経験のある外科医)にとって、手術を簡単にするものである。いくつかの実施形態において、手術は、結膜を切断して、所望の象限内の強膜にアクセスすることを必要とする。強膜に対するトンネル擦過のような鈍的後方切開により、インプラントのためのネスト又はインプラント位置が作られる。インプラントは、この位置に配置され、本体は最初に眼の球上に固定される(例えば、縫合糸を使用して)。インプラントを引いたり、押したりして、初期取り付け内で、本体をスライドする可能性が依然としてあるので、外科医は、前後方向の位置決めを調整して、前側アンカーセクションを固定する(例えば、孔を通る追加の縫合糸を用いて)場所を決定することができる。結膜は、インプラントの上に生物学的被覆材(例えば、TUTOPLAST(登録商標))有り又は無しで、インプラントの上に縫合することができる。
【0134】
定義
本開示をより容易に理解することができるように、特定の用語を以下に定義し、詳細な説明全体を通して、本明細書で使用されるそれらの意味に関する指針を提供する。
【0135】
本明細書で使用される場合、本発明の文脈で使用される「1つの(a)(an)」、「その(the)」及び同様の用語は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈するものとする。従って、例えば、「1つのアーム」又は「1つの孔」とした場合、別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単一のアーム又は単一の孔と複数のアーム及び複数の孔の両方をカバー又は包含すると解釈するものとする。
【0136】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、一般に、測定の性質又は精度を考慮して測定された量の許容可能な誤差の程度を意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、そのように結合された特徴、すなわち、ある場合には結合して存在し、他の場合には分離して存在する要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解されるべきである。
【0137】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」及び「から実質的になる(consisting essentially of)」という用語は、それらの標準的な意味で定義される。これらの用語は、各用語に関連する具体的な意味を付加するために、本明細書において互いに置き換えることができる。
【0138】
本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、上で定義した「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、項目のリストを分離するとき、「及び/又は」又は「又は」は、包括的である、すなわち、少なくとも1つだけでなく、2つ以上の項目、数多くの項目、及び任意で、追加の、リストに挙げられていない項目も含むものと解釈されるものとする。逆に、「のうちの1つのみ」又は「のうちの正確に1つ」等、又は請求項で使用される「からなる」等、明確に示される用語のみが、数多くの要素又はリストに挙げられた要素の正確に1つの要素を含むことを指す。概して、本明細書で使用される「又は」という用語は、「のいずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、又は「のうちの正確に1つ」等の排他的な用語が先行する場合、排他的代替(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする
【0139】
本明細書で使用される場合、「患者」及び「対象」という用語は、ヒト又はヒト以外の動物を指すために、本明細書で区別なく使用される。
【0140】
本明細書で使用される場合、「デバイス」及び「インプラント」という用語は、明確に区別されない限り、本明細書では(例えば、眼科手術用インプラント又はブドウ腫支持デバイスに関して)区別なく使用される。
【0141】
本明細書で言及又は引用した全ての特許、特許出願、仮出願、及び刊行物は、それらが本明細書の明白な開示と矛盾しない限り、その図面及び表を含む全体が参照により本明細書に援用される。
【0142】
以下は、本発明を実施するための手順を例示する。これらの実施例は、限定とはみなされない。別段の指定がない限り、パーセンテージは全て重量で表示されており、混合比率は全て体積比である。
【0143】
実施例1-プロスペクティブ外科的症例研究
このプロスペクティブ外科的症例研究では、以前、黄斑円孔手術で失敗した、極度の近眼(近視)の患者を対象とした。この患者では、真ん中に丸い孔、高度近視眼に黄斑円孔の形態の裂け目があった。黄斑円孔のプロスペクティブ手術では、眼球の内部に気泡を入れ、患者に頭を下に保ってもらうようにして、その孔を押して閉じ、浮遊気泡が孔を閉じるようにする必要がある。高度近視の場合、網膜は、孔が容易に閉じないように、非常に広がり得る。患者の以前の手術では、孔は閉じていなかった。眼球の壁が外部(outside)から押されれば、患者の成功の見込みははるかに上がるであろう。眼球の壁を前方に持ってくるようにインプラントを配置すれば、黄斑円孔が閉じる機会が増える。
【0144】
この患者について測定されたAP全長は、約30mmであった。手術前測定に基づいて、本発明によるインプラントは、本発明者によって設計され、製造された(Total Titanium Inc.,Red Bud,IL)。直径6mmの円形プレートが幅5mmの本体に接合され、幅12mmのアンカーは対称Yの形態であり、2つのアームが2つの前方固定点を支持し、第3の中央固定点が本体の近位のYの首にある。全ての固定点は、縫合取り付けのための直径1mmの貫通孔であった。インプラントは、0.7mmの均一な厚さの6AL-4EV-ELIチタンフラットシートストックから製造した。強膜接触面に曲率半径を曲げる前の、インプラントの平坦パターン長は30.5mmであり、アンカーセクションの平坦パターン長は5mmであった。強膜接触面に曲率半径を曲げた後の、インプラントの弓状長さは約30.5mmであり、アンカーセクションの弓状長さは5mmであった。後方曲率半径は12.5mmであり、前方曲率半径は14.5mmであり、2つの曲率は、平面パターンブランクの前縁(the anterior edge)から14mm、及び平面パターンブランクの後縁(the posterior edge)から16.5mmの線に沿った接線表面の状態で一致した。プレートにおける強膜接触面の後方端部からアンカーにおける強膜接触面の前方端部までの直線で測定された、得られたインプラントAP長は、およそ24mmであった。
【0145】
実施例2-実際の手術症例研究
この実際の手術事例研究において、目的は、容易に配置されるチタン製ブドウ腫支持デバイス(黄斑インプラント又はブドウ腫支持インプラントとも呼ばれる)のための新しい設計、及びそれを近視黄斑円孔配置するための外科的技術を導入することであった。
【0146】
症例は、60歳の変性近視患者で、両眼に黄斑円孔が認められた。右眼の黄斑円孔は、初診から5年間にわたる再発性の長立位円孔であった。患者は、よく見える左眼のために手術を拒否した。右眼視力は20/400であった。
【0147】
市販のブドウ腫支持デバイスがないため、この患者のために特注のチタン製インプラントを設計し、製造した(
図7に示す)。標準的な経毛様体扁平部硝子体切除術、内境界膜剥離、及びガスタンポナーデに加えて、黄斑上に陥凹を与えるために、チタン製ブドウ腫支持デバイスを外部から(externally)に配置した。
【0148】
チタン製ブドウ腫支持デバイスは、1mmの陥凹を提供し、軸方向長さを28.88mmから27.94mmに短縮した。手術後、黄斑円孔を閉じた。手術後、最良補正視力は、1か月で20/400であり、チタン製ブドウ腫支持デバイスや手術手技による合併症はなかった。
【0149】
手術前光干渉断層撮影(OCT)と手術後OCTを記録した。インプラントの先端は、黄斑陥凹の直下の手術後OCTで見られた。
【0150】
この外科的事例研究は、本発明によるチタンブドウ腫支持デバイスが、近視黄斑円孔を含む変性近視黄斑病変の外科的回復のために有利に適用できることを実証している。
【0151】
本明細書に記載の実施例及び実施形態は、説明する目的に限られ、それに照らした様々な修正又は変更は、当業者に示唆され、それらも本出願の趣旨及び範囲ならびに添付の請求の範囲の範囲に含まれると理解されるべきである。さらに、本明細書に開示された任意の発明又はその実施形態の任意の要素又は限定は、あらゆる他の要素又は限定(個別に又は任意の組み合わせで)あるいは本明細書に開示された任意の他の発明又はその実施形態と組み合わせることができ、全てのそのような組み合わせは、それに限定されることなく本発明の範囲と考えられる。
【国際調査報告】