(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】人工合成皮革のための不死化細胞株
(51)【国際特許分類】
C12N 5/16 20060101AFI20240220BHJP
D06N 3/00 20060101ALI20240220BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20240220BHJP
C12N 5/077 20100101ALN20240220BHJP
【FI】
C12N5/16
D06N3/00
C12N15/12
C12N5/077
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550582
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 US2022017355
(87)【国際公開番号】W WO2022178441
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518372693
【氏名又は名称】ヴィトロラブズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ハルバーシュタット,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】シー,イン・シュアン
【テーマコード(参考)】
4B065
4F055
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BC42
4B065BD50
4B065CA24
4B065CA60
4F055AA01
4F055BA01
4F055FA29
(57)【要約】
本明細書で開示される方法、組成物、キットおよび系は、合成皮革を生産するための改変細胞、人工表皮層、人工真皮層、層状構造、それから生産される製品およびその同じものを生産する方法に向けられている可能性がある。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を培地と接触させ、ここで、該トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、外因性ポリヌクレオチドを含み、ここで:
a.該外因性ポリヌクレオチドは、以下をコードし:
(i)腫瘍抑制タンパク質またはその断片と相互作用し、該腫瘍抑制タンパク質またはその断片の活性を変化させるポリペプチド、ここで、該腫瘍抑制タンパク質またはその断片の活性は、インビトロアッセイによって測定されることができる;または
(ii)該腫瘍抑制タンパク質またはその断片と相互作用するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
b.該トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、該培地と接触した際に以下を有する:
(i)該培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して増大したコラーゲン産生、
(ii)該培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して少なくとも部分的に増大した分化、または
(iii)(i)および(ii)のあらゆる組み合わせ;
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、該人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を形成することをさらに含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、該少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめして合成皮革を形成することをさらに含む方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、該外因性ポリヌクレオチドが、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)ポリペプチド、テロメラーゼ(TERT)タンパク質、Bmi-1タンパク質、サイクリンD1タンパク質、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、該外因性ポリヌクレオチドが、SV40-TAg遺伝子、TERT遺伝子、BMI1遺伝子、CCND1遺伝子、これらのいずれかの転写産物、これらのいずれかのエキソンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、該外因性ポリヌクレオチドが、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法であって、該外因性ポリヌクレオチドが、TERTタンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【請求項8】
請求項4に記載の方法であって、該外因性ポリヌクレオチドが、Bmi-1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【請求項9】
請求項4に記載の方法であって、該外因性ポリヌクレオチドが、サイクリンD1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、該腫瘍抑制タンパク質またはその生物学的に活性な断片が、サイクリン依存性キナーゼ4、網膜芽細胞腫、p53、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせである方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入の後、トランスフェクションまたは形質導入された単離された細胞の細胞増殖サイクルが少なくとも部分的に阻害されない方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入の後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、約50細胞分裂、約70細胞分裂、約90細胞分裂または約100細胞分裂を過ぎて増殖させることができる方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法であって、該培地が、増殖培地、組織形成培地またはそれらの組み合わせを含む方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、該外因性ポリヌクレオチドによるトランスフェクションまたは形質導入の後、該トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、増殖培地中に存在する場合、(a)増殖し、(b)老化を回避し、または(c)両方である方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、該播種の前に、該トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、該増殖培地中で拡張して、複数のトランスフェクションまたは形質導入された細胞を形成する方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、該播種の前に、該トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、細胞接着を少なくとも部分的に阻害する容器中で拡張させる方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、該播種後、該トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を組織形成培地と接触させる方法。
【請求項18】
該増殖培地を含む請求項14に記載の方法または請求項13に記載の方法であって、該増殖培地が、成長因子、緩衝剤、塩、糖、アミノ酸、脂質、ビタミン、ECMタンパク質、これらのいずれかの断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【請求項19】
外因性分子を含む単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、該外因性分子が、pRBまたはP53の活性を少なくとも部分的に変化させ、該単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、単離された不死化ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞である単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞。
【請求項20】
請求項19に記載の単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、該細胞が、スキャフォールドと接触している単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞。
【請求項21】
請求項20に記載の改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、該スキャフォールドが、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらの組み合わせを含む改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞。
【請求項22】
(i)トランスフェクションまたは形質導入後に、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞において少なくとも部分的に変化している、外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞、(ii)スキャフォールド、および(iii)培地を含む組成物であって、該トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、該スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有されている組成物。
【請求項23】
請求項22に記載のトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、細胞が、スキャフォールドと接触しているトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞。
【請求項24】
請求項23に記載のトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、該スキャフォールドが、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらのあらゆる組み合わせを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞。
【請求項25】
(i)外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞および(ii)スキャフォールドを含む人工真皮層であって、トランスフェクションまたは形質導入後に、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞において少なくとも部分的に変化させられ、かつトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有される人工真皮層。
【請求項26】
請求項25に記載の人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を作製することを含む方法。
【請求項27】
合成皮革を形成するために、請求項26に記載の少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめすことを含む方法。
【請求項28】
請求項25に記載の人工真皮層であって、該スキャフォールドが、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらのあらゆる組合せを含む人工真皮層。
【請求項29】
単離された不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞および有効量のFBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)もしくはその塩、形質転換成長因子ベータ1(TGFB1)もしくはその生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含む培地を含む組成物であって、該有効量が、トランスフェクションまたは形質導入されたポリヌクレオチドを含むレポーター細胞を以下:
(a)(i)コラーゲンの産生;(ii)コラーゲンの分泌;または(iii)両方を増大させ、そして
(b)以下によって決定されるように、レポーター細胞が、該培地中に存在する場合、有効量のFBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)もしくはその塩、形質転換成長因子ベータ1(TGFB1)もしくはその生物学的に活性な断片またはその組み合わせを欠く他の点では比較可能な培地と比較して、レポーター細胞における細胞増殖を停止させ、
(c)SV40ラージT抗原、その生物学的に活性な断片、TERT、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードするポリヌクレオチドを細胞にトランスフェクションまたは形質導入し;
(d)細胞を該培地および該他の点では比較可能な培地中で増殖させ;
(e)該他の点では比較可能な培地と比較して該培地中で増殖させた該細胞の増殖速度を比較し;そして
(f)該他の点では比較可能な培地と比較して該培地中で産生されたコラーゲンの産生を比較する;
のように誘導するために十分である組成物。
【請求項30】
請求項29に記載の組成物であって、該細胞が、スキャフォールドと接触している組成物。
【請求項31】
請求項30に記載のトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、該スキャフォールドが、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらのあらゆる組合せを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞。
【請求項32】
以下の工程:
1)単離された不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し;
2)該人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を形成し;そして
3)該少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめし、合成皮革を形成する;
を含む方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、播種する前に、該単離された不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を、培養物中で拡張して、複数の単離された不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を形成する方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、該複数の単離された不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、ヘイフリック限界を超えて増殖させられ得る方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、該複数の単離された不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させられ得る方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、該拡張の後、該複数の単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、0℃未満の温度で保管される方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、該保管の後、該複数の単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を、該播種の前に培養物中で増殖させる方法。
【請求項38】
請求項32に記載の方法であって、該スキャフォールドが、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらのあらゆる組合せを含む方法。
【請求項39】
請求項32~38のいずれか1項に記載の方法であって、該なめしが、該人工真皮層中のコラーゲンの架橋を含む方法。
【請求項40】
請求項32~39のいずれか1項に記載の方法であって、該スキャフォールド上への該単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞の播種後、該方法が、該スキャフォールド上で該単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を培養して、該人工真皮層を形成することをさらに含む方法。
【請求項41】
請求項32に記載の方法であって、該少なくとも部分的に脱細胞化することが、該人工真皮層を、塩溶液、結晶塩またはそれらの組み合わせと接触させることを含む方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法であって、該接触させることが、該塩溶液中に該人工真皮層を浸漬することを含む方法。
【請求項43】
請求項41または42に記載の方法であって、該塩溶液が、塩化ナトリウムを含む方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法であって、該塩化ナトリウムの濃度が、約30~40%の塩化ナトリウムを含む方法。
【請求項45】
請求項32~44のいずれか1項に記載の方法であって、該動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含む方法。
【請求項46】
請求項32~45のいずれか1項に記載の方法であって、該なめしが、植物なめし、クロムなめし、アルデヒドなめし、シンタンなめし、細菌染色またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【請求項47】
以下の工程:
1)単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し、
2)前記の人工真皮層から細胞層の少なくとも一部を除去し;そして
3)該人工真皮層をなめし、合成皮革を形成する;
を含む方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法であって、播種の前に、該単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を、培養物中で拡張させて、複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を形成する方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法であって、該複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、ヘイフリック限界を超えて増殖させられ得る方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、該複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させられ得る方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、該複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、0℃未満の温度で保管される方法。
【請求項52】
請求項51に記載の方法であって、該保管後、該複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、該スキャフォールド上に播種する前に培養物中で増殖させられる方法。
【請求項53】
請求項52に記載の方法であって、該単離された不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を培養することが、該不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を拡張させることを含む方法。
【請求項54】
請求項47~53のいずれか1項に記載の方法であって、該なめしが、該人工真皮層中のコラーゲンの架橋を含む方法。
【請求項55】
請求項47~54のいずれか1項に記載の方法であって、該動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含む方法。
【請求項56】
以下の工程:スキャフォールド上に単離された細胞を播種し、ここで、該単離された細胞は、外因性分子を含み;ここで、該外因性分子は、直接的または間接的刺激に基づいて固定に依存しない増殖または少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こすことができる;を含む方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、該細胞が、不死化細胞を含む方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法であって、該不死化細胞が、不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含む方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であって、該不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、不死化ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含む方法。
【請求項60】
請求項56~59のいずれか1項に記載の方法であって、該分子が、RNA、DNAまたはタンパク質を含む方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法であって、DNAを含み、該DNAが、タンパク質をコードする方法。
【請求項62】
以下の工程:
単離された細胞をスキャフォールド上に播種し、ここで、該細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含む;
を含む方法。
【請求項63】
請求項62に記載の方法であって、該単離された細胞が、単離された不死化細胞である方法。
【請求項64】
以下の工程:
a.単離された線維芽細胞を形質転換して単離された不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞にし;
b.該単離された不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞中に、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を導入し、ここで、該少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドのそれぞれまたは両方は、不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を、直接的または間接的な刺激に基づいて、少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に増殖させ;そして
c.該不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を固定に依存せず増殖させる;
を含む方法。
【請求項65】
少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞であって、該少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、直接的または間接的な刺激に基づいて該改変細胞を少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる、該改変細胞。
【請求項66】
以下:インビトロで培養された不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含む単離された人工真皮層およびスキャフォールドを含む組成物であって、該不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、該スキャフォールドと少なくとも部分的に接触している組成物。
【請求項67】
請求項66に記載の組成物であって、該単離された人工真皮層の細胞層の少なくとも一部が、除去されている組成物。
【請求項68】
請求項66に記載の組成物であって、該スキャフォールドが、天然スキャフォールド、合成スキャフォールドまたはそれらの組み合わせを含む組成物。
【請求項69】
請求項68に記載の組成物であって、該合成スキャフォールドを含む組成物。
【請求項70】
請求項68に記載の組成物であって、該天然スキャフォールドを含む組成物。
【請求項71】
請求項66に記載の組成物であって、該スキャフォールドが、少なくとも部分的に中空の構造を含む組成物。
【請求項72】
請求項66に記載の組成物であって、該スキャフォールドが、コラーゲン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻、アルギネート、フィブロネクチン、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、カラギーナン、アガロース、フィブリン、ガラス、シリカ、アラミド、炭素、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、キトサン、ポリウレタン、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリエチレンフタレート、キチン、エラスチン、ケラチン、ポリヒドロキシアルカノエート、デキストラン、プラン(pullane)、ポリヒアルロン酸、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシ脂肪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(パラ-ジオキサノン)、ラミニン、ゼイン、カゼイン、ゼラチン、グルテン、アルブミン、ポリL-乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)またはそれらのあらゆる組合せを含む組成物。
【請求項73】
請求項66に記載の組成物であって、該不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が、CD10、CD73、CD44、CD90、I型コラーゲン、III型コラーゲン、プロリル-4-ヒドロキシラーゼベータまたはそれらの組み合わせを発現する組成物。
【請求項74】
請求項66に記載の組成物であって、該人工真皮層が、コラーゲンを含む組成物。
【請求項75】
請求項74に記載の組成物であって、該コラーゲンが、コラーゲン産生細胞によって少なくとも部分的に産生されるか、別々に添加されるか、またはそれらのあらゆる組み合わせである組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2021年2月22日に出願された米国仮出願第63/152,256号の利益を主張し、その出願は、参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0002】
[0002] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が開示される:トランスフェクションされた(transfected)または形質導入された(transduced)単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド(足場、scaffold)上に播種して人工真皮層を形成することおよびトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を培地と接触させること、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、外因性ポリヌクレオチドを含むことができ、ここで:外因性ポリヌクレオチドは、以下をコードする:(i)腫瘍抑制タンパク質またはその断片と相互作用し、腫瘍抑制タンパク質またはその断片の活性を変化させるポリペプチド、ここで、腫瘍抑制タンパク質またはその断片の活性は、インビトロアッセイによって測定されることができる、または(ii)腫瘍抑制タンパク質またはその断片と相互作用するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、培地と接触する際、以下を有する:(i)培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して増大したコラーゲン産生、(ii)培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して少なくとも部分的に増大した分化、または(iii)(i)および(ii)のあらゆる組み合わせ。ある態様において、方法は、人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を形成することをさらに含むことができる。ある態様において、方法は、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめし、合成皮革を形成することを含み得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)ポリペプチド、テロメラーゼ(TERT)タンパク質、Bmi-1タンパク質、サイクリンD1タンパク質、これらのいずれかの生物学的に活性な断片、またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、SV40-TAg遺伝子、TERT遺伝子、BMI1遺伝子、CCND1遺伝子、これらのいずれかの転写産物、これらのいずれかのエキソンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、TERTタンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、Bmi-1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、サイクリンD1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、腫瘍抑制タンパク質またはその生物学的に活性な断片は、サイクリン依存性キナーゼ4、レチノブラストーマ、p53、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはこれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞の細胞増殖サイクルは、少なくとも部分的に阻害され得ない。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、トランスフェクションされたまたは形質導入された単離細胞は、約50細胞分裂、約70細胞分裂、約90細胞分裂または約100細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、培地は、増殖培地、組織形成培地またはそれらの組合せを含むことができる。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドによるトランスフェクションまたは形質導入後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、増殖培地中に存在する場合、(a)増殖するか、(b)老化を回避するか、または(c)両方である。ある態様において、播種の前に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、増殖培地中で拡張されて複数のトランスフェクションまたは形質導入された細胞を形成することができる。ある態様において、播種の前に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、細胞接着を少なくとも部分的に阻害する容器中で拡張させることができる。ある態様において、播種の後に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、組織形成培地と接触させることができる。ある態様において、増殖培地は、成長因子、緩衝剤、塩、糖、アミノ酸、脂質、ビタミン、ECMタンパク質、これらのいずれかの断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。本明細書において、ある態様において、外因性分子を含む単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞が開示され、ここで、外因性分子は、pRBまたはP53の活性を少なくとも部分的に変化させ、ここで、単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、本明細書で開示されるような単離不死化ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含み得る。ある態様において、単離された改変線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、ここで、細胞はスキャフォールドと接触し得る。ある態様において、スキャフォールドは、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0003】
[0003] 本明細書において、ある態様において、以下を含む組成物が開示される:(i)外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、トランスフェクションまたは形質導入後、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性がトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞において少なくとも部分的に変化し得る、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞、(ii)スキャフォールドおよび(iii)培地、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有され得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、スキャフォールドと接触していることができる。ある態様において、スキャフォールドは、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻、またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。
【0004】
[0004] 本明細書において、ある態様において、以下を含む人工真皮層が開示される:(i)外因性ポリヌクレオチドを含む、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞および(ii)スキャフォールド、ここで、トランスフェクションまたは形質導入後、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞において少なくとも部分的に変化し得、かつここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有され得る。本明細書において、ある態様において、本明細書で開示されるような人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を作製することを含む方法が開示される。本明細書において、ある態様において、本明細書で開示されるような少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめして合成皮革を形成することを含む方法が開示される。本明細書において、ある態様において、スキャフォールドが絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る人工真皮層が開示される。
【0005】
[0005] 本明細書において、ある態様において、単離不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞および有効量の以下のものを含む培地を含む組成物が、開示され:FBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)もしくはその塩、トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGFB1)もしくはその生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせ、ここで、有効量は、トランスフェクションまたは形質導入されたポリヌクレオチドを含むレポーター細胞を以下のように誘導するのに十分であり得る:有効量のFBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)またはその塩、トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGFB1)、その生物学的に活性な断片、または組み合わせを欠く他の点では比較可能な培地と比較して、(i)コラーゲンの産生;(ii)コラーゲンの分泌;または(iii)両方を増加させ、レポーター細胞が培地中に存在し得る場合、レポーター細胞において細胞増殖を停止させ;それは、以下によって決定される:SV40ラージT抗原、その生物学的に活性な断片、TERT、その生物学的に活性な断片、またはそれらのあらゆる組合せをコードするポリヌクレオチドで細胞をトランスフェクションまたは形質導入し;細胞を培地および他の点では比較可能な培地中で増殖させ;培地中で増殖した細胞の増殖速度を他の点では比較可能な培地に対して比較し;培地中で産生されるコラーゲンの産生を他の点では比較可能な培地に対して比較する。ある態様において、細胞は、スキャフォールドと接触していることができる。ある態様において、本明細書で開示されるトランスフェクションまたは形質導入された単離線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であって、ここで、スキャフォールドは、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0006】
[0006] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が開示される:1)単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し;2)人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を形成し;そして3)少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめして合成皮革を形成する。ある態様において、播種の前に、単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を培養において拡張して、複数の単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を形成することができる。ある態様において、複数の単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、ヘイフリック限界を超えて増殖させることができる。ある態様において、複数の単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、拡張後、複数の単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、0℃未満の温度で保管されることができる。ある態様において、保管後、複数の単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を、播種前に培養において増殖させることができる。ある態様において、スキャフォールドは、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、なめしは、人工真皮層におけるコラーゲンの架橋を含み得る。ある態様において、単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド上に播種すること、方法は、さらに単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド上で培養して人工真皮層を形成することを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に脱細胞化することは、人工真皮層を塩溶液、結晶塩またはそれらの組み合わせと接触させることを含み得る。ある態様において、接触は、人工真皮層を塩溶液に浸漬することを含み得る。ある態様において、塩溶液は、塩化ナトリウムを含み得る。ある態様において、塩化ナトリウム溶液は、約30~40%の塩化ナトリウムを含み得る。ある態様において、動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含み得る。ある態様において、なめしは、植物性なめし、クロムなめし、アルデヒドなめし、シンタンなめし、細菌染色、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0007】
[0007] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が開示される:1)単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し;2)前記人工真皮層から細胞層の少なくとも一部を除去し;そして3)人工真皮層をなめして合成皮革を形成する。ある態様において、播種の前に、単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を培養物中で拡張して、複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を形成することができる。ある態様において、複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、ヘイフリック限界を超えて増殖させることができる。ある態様において、複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、約40細胞分裂、約50細胞分裂、または約60細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、拡張後、複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、0℃未満の温度で保管されることができる。ある態様において、保管後、複数の不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を、スキャフォールド上に播種する前に培養物中で増殖させることができる。ある態様において、単離不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を培養することは、不死化動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を拡張させることを含み得る。ある態様において、なめしは、人工真皮層におけるコラーゲンの架橋を含み得る。ある態様において、動物線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含み得る。
【0008】
[0008] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が開示される:単離細胞をスキャフォールド上に播種し、ここで、単離細胞は外因性分子を含み得;ここで、外因性分子は、直接的または間接的な刺激に基づいて、固定に依存しない増殖または少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、細胞は、不死化細胞を含むことができる。ある態様において、不死化細胞は、不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含み得る。ある態様において、不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、不死化ウシ線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含み得る。ある態様において、分子は、RNA、DNAまたはタンパク質を含み得る。ある態様において、DNAは、タンパク質をコードしている。
【0009】
[0009] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が開示される:単離細胞をスキャフォールド上に播種し、ここで、細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含み得る。ある態様において、単離細胞は、単離不死化細胞を含み得る。
【0010】
[0010] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が開示される:単離線維芽細胞を単離不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞に形質転換し;単離不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞に、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を導入し、ここで、少なくとも部分的に可逆的な外来性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外来性分子スイッチをコードする外来性ポリヌクレオチドの各々または両方が、不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を、少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定に依存して直接的または間接的な刺激に基づいて増殖させ;そして不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を固定に依存せず増殖させる。
【0011】
[0011] 本明細書において、ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞が開示され、ここで、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、改変細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずまたは少なくとも部分的に固定に依存して直接的または間接的な刺激に基づいて増殖させる。
【0012】
[0012] 本明細書において、ある態様において、以下のものを含む組成物が開示される:インビトロで培養された不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞を含む単離人工真皮層およびスキャフォールド、ここで、不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、少なくとも部分的にスキャフォールドと接触していることができる。ある態様において、単離人工真皮層の細胞層の少なくとも一部は除去されている。ある態様において、スキャフォールドは、天然スキャフォールド、合成スキャフォールドまたはそれらの組合せを含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、天然スキャフォールドを含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、合成スキャフォールドを含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、少なくとも部分的に中空な構造を含み得る。ある態様において、スキャフォールドは、コラーゲン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻、アルギネート、フィブロネクチン、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、カラギーナン、アガロース、フィブリン、ガラス、シリカ、アラミド、カーボン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、キトサン、ポリウレタン、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリエチレンフタレート、キチン、エラスチン、ケラチン、ポリヒドロキシアルカノエート、デキストラン、プルラン、ポリヒアルロン酸、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシ脂肪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(パラ-ジオキサノン)、ラミニン、ゼイン、カゼイン、ゼラチン、グルテン、アルブミン、ポリL-乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、不死化線維芽細胞または線維芽細胞様細胞は、CD10、CD73、CD44、CD90、I型コラーゲン、III型コラーゲン、プロリル-4-ヒドロキシラーゼベータまたはそれらの組み合わせを発現する。ある態様において、人工真皮層は、コラーゲンを含み得る。ある態様において、コラーゲンは、少なくとも部分的にコラーゲン産生細胞によって産生され得るか、別個に添加され得るか、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。
【0013】
[0013] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が開示される:トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成する。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、外因性ポリヌクレオチドを含み得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、以下のものをコードし得る:(i)腫瘍抑制タンパク質もしくはその断片と相互作用し、腫瘍抑制タンパク質もしくはその断片の活性を変化させるポリペプチド、ここで、腫瘍抑制タンパク質もしくはその断片の活性は、インビトロアッセイによって測定され得る、または(ii)腫瘍抑制タンパク質もしくはその断片と相互作用するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された細胞を培地と接触させることができる。ある態様において、トランスフェクションされた細胞または形質導入された細胞は、培地と接触している場合、以下のものを有し得る:(i)培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して増大したコラーゲン産生、(ii)培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して少なくとも部分的に増大した分化または(iii)(i)および(ii)のあらゆる組み合わせ。ある態様において、方法は、さらに人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して少なくとも部分的に脱細胞化された真皮層を形成すること含むことができる。ある態様において、方法は、さらに少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめし、合成皮革を形成することを含むことができる。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)ポリペプチド、テロメラーゼ(TERT)タンパク質、Bmi-1タンパク質、サイクリンD1タンパク質、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、SV40-TAg遺伝子、TERT遺伝子、BMI1遺伝子、CCND1遺伝子、これらのいずれかの転写産物、これらのいずれかのエキソンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、hTERTタンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、Bmi-1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、サイクリンD1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、腫瘍抑制タンパク質またはその生物学的に活性な断片は、サイクリン依存性キナーゼ4、網膜芽細胞腫、p53、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、単離細胞の細胞増殖サイクルは、少なくとも部分的に阻害され得ない。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、単離細胞は、約50細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、単離細胞は、約70細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、単離細胞は、約90細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、単離細胞は、約100細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドでのトランスフェクションまたは形質導入後、単離細胞は、単離細胞が増殖培地中に存在し得る場合、(a)増殖し得るか、(b)老化を回避し得るか、または(c)両方である。ある態様において、播種の前に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を増殖培地中で拡張させて、複数のトランスフェクションまたは形質導入された細胞を形成することができる。ある態様において、播種の前に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、細胞接着を少なくとも部分的に阻害する容器中で拡張させることができる。ある態様において、培地は、増殖培地、組織形成培地またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、組織形成培地と接触させられることができる。ある態様において、増殖培地は、成長因子、緩衝剤、塩、糖、アミノ酸、脂質、鉱質、ECMタンパク質またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、塩は、無機塩を含み得る。ある態様において、無機塩は、約0.2g/Lの塩化カルシウム、約0.0001g/Lの硝酸第二鉄・9H2O、約0.09767g/Lの硫酸マグネシウム(無水)、約0.4g/Lの塩化カリウム、約3.7g/Lの重炭酸ナトリウム、約6.4g/Lの塩化ナトリウム、約0.109g/Lの一塩基性リン酸ナトリウム(無水)またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、アミノ酸は、約0.084g/LのL-アルギニン・HCl、約0.0626g/LのL-シスチン・2HCl、約0.03g/Lのグリシン、約0.042g/LのL-ヒスチジン・HCl・H2O、約0.105g/LのL-イソロイシン、約0.105g/LのL-ロイシン、約1.46g/LのL-リジン・HCl、約0.03g/LのL-メチオニン、約0.066g/LのL-フェニルアラニン、約0.042g/LのL-セリン、約0.095g/LのL-トレオニン、約0.016g/LのL-トリプトファン、約0.12037g/LのL-チロシン・2Na・2H2O、約0.094g/LのL-バリン、約0.584g/LのL-グルタミン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、ビタミンは、約0.004g/L塩化コリン、約0.004g/L葉酸、約0.0072g/Lミオ-イノシトール、約0.004g/Lナイアシンアミド、約0.004g/L D-パントテン酸(ヘミカルシウム)、約0g/Lピリドキサール・HCl、約0.004g/Lピリドキシン・HCl、約0.0004g/Lリボフラビン、約0.004g/Lチアミン・HCl、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、糖は、D-グルコース、その立体異性体、その塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、pH指示薬は、約0.0159g/Lフェノールレッド・Na、約0.11g/Lピルビン酸・Na、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組合せを含み得る。ある態様において、増殖培地は、アミノ酸、ビタミン、無機塩、ウシ胎児血清、抗生物質、抗真菌薬またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、組織形成培地は、成長因子、緩衝剤、塩、糖、アミノ酸、脂質、鉱質、ECMタンパク質、ヒト血小板溶解物、酸性クエン酸デキストロース、ヘパリン、アスコルビン酸、TGF-β1、normocin、血清、血清代替物、非必須アミノ酸、抗生物質、抗真菌薬またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、組織形成培地は、さらに約0.1%~約40%の血清、血清代替物、またはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、アミノ酸は、グリシン、アラニン、L-アルギニン塩酸塩、L-アスパラギン-H2O、L-アスパラギン酸、L-システイン塩酸塩-H2O、L-シスチン2HCl、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-ヒスチジン塩酸塩-H2O、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン塩酸塩、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン二ナトリウム塩二水和物、L-バリン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、ビタミンは、ビオチン、塩化コリン、D-パントテン酸カルシウム、葉酸、ナイアシンアミド、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、チアミン塩酸塩、ビタミンB12、i-イノシトール、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、無機塩は、塩化カルシウム、硫酸銅、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、培地は、さらにD-グルコース(デキストロース)、ヒポキサンチンNa、リノール酸、リポ酸、フェノールレッド、プトレシン2HCl、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、血清代替物は、実質的に動物由来の生成物を含有しないことができ、異種物不含有であることができ、またはそれらの組み合わせであることができる。ある態様において、血清代替物は、成長因子、インスリン、トランスフェリン、サイトカイン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質(ECM)、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、細胞接着ペプチド、RGD、細胞外マトリックス断片、ホルモン、コラーゲン、アルブミン、脂質、糖タンパク質、タンパク質断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、血清は、ウシ胎児血清(FBS)、ウマ血清、ウシ胎仔血清またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、培地はTGFベータを含まない。ある態様において、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を組織形成培地と接触させることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、組織形成培地中に存在する場合、組織形成培地と接触させられていない他の点では比較可能なトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞と比較して、(a)コラーゲンの産生を少なくとも部分的に増大させるか、(b)少なくとも部分的に停止させられた細胞増殖を有するか、または(c)両方である。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、組織形成培地と接触させられた際に、少なくとも部分的に分化することができる。ある態様において、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)、その塩、その生物学的に活性な断片、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む培地と接触させることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、AA2P、その塩、TGFB1、その生物学的に活性な断片または組み合わせを含む培地中に存在する場合、AA2P、その塩、TGFB1、その生物学的に活性な断片または組み合わせを欠く他の点では比較可能な培地と比較して、(a)コラーゲンの産生を少なくとも部分的に増大させるか、(b)少なくとも部分的に停止させられた細胞増殖を有するか、または(c)両方である。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、培地と接触させられた際に、少なくとも部分的に分化し得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、単離された不死化細胞、単離された再プログラム化細胞、単離された前駆細胞、単離された間葉系幹細胞、またはそれらのあらゆる組合せを含み得る。トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は
、単離された線維芽細胞、単離された間葉系細胞、単離された幹細胞由来細胞、単離された臍帯幹細胞、単離された羊膜組織細胞、単離された瘢痕組織細胞またはそれらのあらゆる組合せを含み得る。ある態様において、細胞はコラーゲン産生のマーカーを示すことができる。ある態様において、細胞は、フローサイトメトリーによって単離されることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、ウシ、非ヒト哺乳動物、爬虫類、鳥類、サメ、カンガルー、魚類またはウナギから単離されることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、ウシから単離されることができ、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、ウシ線維芽細胞を含み得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、爬虫類から単離されることができ、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、カメ細胞、ヘビ細胞、トカゲ細胞、両生類細胞、ワニ細胞またはアリゲーター細胞を含み得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、非ヒト哺乳動物から単離されることができ、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、レイヨウ細胞、クマ細胞、ビーバー細胞、バイソン細胞、イノシシ細胞、ラクダ細胞、カリブー細胞、ネコ細胞、ウシ細胞、シカ細胞、イヌ細胞、ゾウ細胞、ヘラジカ細胞、キツネ細胞、キリン細胞、ヤギ細胞、ウサギ細胞、ウマ細胞、アイベックス細胞、ライオン細胞、ラマ細胞、オオヤマネコ細胞、ミンク細胞、アメリカヘラジカ細胞、雄ウシ細胞、ペッカリー細胞、ブタ細胞、ウサギ細胞、サイ細胞、アザラシ細胞、ヒツジ細胞、リス細胞、トラ細胞、クジラ細胞、オオカミ細胞、ヤク細胞またはシマウマ細胞を含むことができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、鳥類から単離されることができ、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、ニワトリ細胞、アヒル細胞、エミュー細胞、ガチョウ細胞、ライチョウ細胞、ダチョウ細胞、キジ細胞、ハト細胞、ウズラ細胞、またはシチメンチョウ細胞を含み得る。ある態様において、細胞は、動物細胞を含むことができる。ある態様において、動物細胞は、アンセリン細胞、ワシ細胞、アシニン(assinine)細胞、ウシ細胞、カニ(cancrine)細胞、イヌ細胞、シカ細胞、カラス細胞、ウマ細胞、エラピン(elapine)細胞、エラフィン(elaphine)細胞、ネコ細胞、ヤギ細胞、ライオン細胞、ウサギ細胞、オオカミ細胞、ネズミ細胞、パヴォナイン(pavonine)細胞、魚細胞、ブタ細胞、ルシン(rusine)細胞、ヘビ細胞、クマ細胞、キツネ細胞、霊長類細胞、ヒツジ細胞、鳥類細胞、有袋類細胞、爬虫類細胞、ウサギ類細胞またはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、細胞は、瘢痕組織、臍帯またはそれらの組み合わせに由来し得る。ある態様において、播種の前に、トランスフェクションまたは形質導入された細胞は、外因性ポリヌクレオチドの存在に関して選択されることができる。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドの存在に関する選択は、抗生物質選択を含み得る。ある態様において、抗生物質は、ピューロマイシンを含み得る。ある態様において、スキャフォールドは、多孔性材料を含み得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、スキャフォールドに生着させることができる。ある態様において、スキャフォールドは、合成材料、非合成材料またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、天然材料は、絹、天然組織接着剤、フィブリン糊、コラーゲン、基底膜タンパク質、細胞外マトリックスまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、スキャフォールドは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド6,6(PA6,6)、ポリアミド11(PA11)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリウレタン(PU)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、アルギネート、コポリマーPEG化フィブリン(P-フィブリン)、ポリ(グリセロールセバケート)(PGS)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(乳酸-コグリコール酸)(PLGA)、ポリ-D,L-乳酸/ポリエチレングリコール/ポリ-D,L-乳酸(PDLLA-PEG)、ヒアルロン酸(HA)、カーボンナノチューブ、熱可塑性デンプン、リヨセル/テンセル(セルロース)、綿、靱皮繊維、ビスコース竹、TiO2ナノファイバー、セルロース材料、ハイドロゲル材料、アルギネート、ゼラチン、ナイロン、ポリエステル、絹、細胞接着ペプチドと架橋された材料、成長因子と架橋された材料またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。
【0014】
[0014] 本明細書において、ある態様において、外因性分子を含む改変細胞が、開示される。ある態様において、外因性分子は、pRBまたはP53の活性を少なくとも部分的に変化させる。ある態様において、改変細胞は、不死化動物細胞を含み得る。ある態様において、動物細胞は、非ヒト動物細胞を含み得る。ある態様において、非ヒト動物細胞は、ウシ細胞を含み得る。ある態様において、分子は、RNA、DNA、小分子、その塩、ポリペプチド、ホルモンまたはそれらの生物学的に活性な断片を含み得る。ある態様において、分子は、DNAを含むことができ、ここで、DNAは、ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードし得る。ある態様において、分子はRNAを含むことができ、ここで、RNAは、mRNA、siRNAまたはmiRNAを含むことができる。
【0015】
[0015] 本明細書において、ある態様において、以下の工程を含む方法が、開示される:外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を約2%~約40%のFBSを含む培地と接触させ、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された細胞は、FBSを含む培地中に存在する場合、(a)コラーゲンを産生するか、(b)少なくとも部分的に停止した細胞増殖を有するか、または(c)両方であり、かつここで、トランスフェクションまたは形質導入後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞において、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が少なくとも部分的に変化し得る。ある態様において、培地は、約20%のFBSを含み得る。ある態様において、培地は、さらにL-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)、その塩、トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGFB1)、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、SV40ラージT抗原、hTERT、Bmi-1、サイクリンD1、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードし得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、線維芽細胞であり得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、ウシ、非ヒト哺乳動物、爬虫類、鳥類、サメ、カンガルー、魚、またはウナギから単離され得る。ある態様において、合成皮革は、バッグ、ベルト、時計ストラップ、パッケージ、靴、ブーツ、履物、手袋、衣類、ベスト、上着、ズボン、帽子、シャツ、下着、旅行かばん、クラッチバッグ、財布、ボール、バックパック、札入れ、鞍、馬具、チャップ(chap)、鞭、家具、家具付属品、室内装飾材料、自動車のカーシート、自動車の内装およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるあらゆる物品の形に作られることができる。
【0016】
[0016] 本明細書において、ある態様において、以下を含む組成物が開示される:(i)トランスフェクションまたは形質導入後に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞においてpRBまたはP53の少なくとも一方の活性が少なくとも部分的に変化し得る、外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞、(ii)スキャフォールドおよび(iii)培地。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有され得る。
【0017】
[0017] 本明細書において、ある態様において、以下を含む人工真皮層が開示される:(i)外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞および(ii)スキャフォールド。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞において、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が少なくとも部分的に変化し得る。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有され得る。ある態様において、組織の少なくとも一部が少なくとも部分的に脱細胞化されることができる。ある態様において、少なくとも部分的に脱細胞化された組織の少なくとも一部は、なめされて合成皮革を形成することができる。
【0018】
[0018] 本明細書において、ある態様において、不死化線維芽細胞および有効量の以下のものを含む培地を含む組成物が、開示される:FBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)もしくはその塩、トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGFB1)もしくはその生物学的に活性な断片、またはそれらのあらゆる組み合わせ、ここで、有効量は、有効量のFBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)もしくはその塩、トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGFB1)もしくはその生物学的に活性な断片または組合せを欠く他の点では比較可能な培地と比較して、トランスフェクションまたは形質導入されたポリヌクレオチドを含むレポーター細胞を以下のように誘導するのに十分であり得る:レポーター細胞が培地中に存在し得る場合、レポーター細胞において、(i)コラーゲンの産生;(ii)コラーゲンの分泌;または(iii)両方を増大させ、細胞増殖を停止させる;それは、以下の工程により決定される:SV40ラージT抗原、その生物学的に活性な断片、hTERT、その生物学的に活性な断片、またはそれらのあらゆる組合せをコードするポリヌクレオチドで細胞をトランスフェクションまたは形質導入し;細胞を培地および他の点では比較可能な培地中で増殖させ;培地中で増殖した細胞の増殖速度を他の点では比較可能な培地に対して比較し;そして培地中で産生されるコラーゲンの産生を他の点では比較可能な培地に対して比較する。本明細書において、ある態様において、以下のものを含む組成物が開示される:(i)トランスフェクションまたは形質導入後に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞においてpRBまたはP53の少なくとも一方の活性が少なくとも部分的に変化し得る、外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞、および(ii)本明細書で開示される培地。本明細書において、ある態様において、以下のものを含む組成物が開示される:(i)トランスフェクションまたは形質導入後に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞においてpRBまたはP53の少なくとも一方の活性が少なくとも部分的に変化し得る、外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞および(ii)本明細書で開示されるような培地。
【0019】
[0019] 本明細書において、ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成することを含む方法が、開示される。ある態様において、方法は、さらに人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された真皮層を形成することを含み得る。ある態様において、方法は、さらに少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめし、合成皮革を形成することを含み得る。ある態様において、播種の前に、不死化ウシ線維芽細胞を培養において拡張して複数の不死化ウシ線維芽細胞を形成することができる。ある態様において、複数の不死化ウシ線維芽細胞をヘイフリック限界を超えて増殖させることができる。ある態様において、複数の不死化ウシ線維芽細胞は、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、拡張後、複数の不死化ウシ線維芽細胞を0℃未満の温度で保管することができる。ある態様において、保管後、複数の不死化ウシ線維芽細胞を、スキャフォールド上に播種する前に培養物中で増殖させることができる。ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞の培養は、不死化ウシ線維芽細胞を拡張することを含み得る。ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞をスキャフォールド上に播種した後、方法は、さらにスキャフォールド上で不死化ウシ線維芽細胞を培養して人工真皮層を形成することを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に脱細胞化することは、人工真皮層を塩溶液と接触させることを含み得る。ある態様において、塩溶液との接触は、人工真皮層を塩溶液に浸漬することを含み得る。ある態様において、塩は、塩化ナトリウムを含み得る。ある態様において、塩化ナトリウムの濃度は、約30%~約40%を含み得る。ある態様において、なめしは、人工真皮層中のコラーゲンの架橋を含み得る。ある態様において、なめしは、革を製造するために単離された人工真皮層を処理することを含み得る。ある態様において、なめしは、天然皮革に類似した合成皮革を製造することができる。ある態様において、なめしは、植物性なめし、クロムなめし、アルデヒドなめし、シンタンなめし、細菌染色またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、植物性なめしは、タンニンを使用することを含むことができる。ある態様において、クロムなめしは、クロム塩を使用することを含むことができる。ある態様において、クロム塩は、硫酸クロムを含み得る。ある態様において、アルデヒドは、グルタルアルデヒド化合物、オキサゾリジン化合物またはそれらのあらゆる組合せを含み得る。ある態様において、シンタンは、合成タンニン、芳香族ポリマーまたはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、なめしは、人工真皮層中のタンパク質を腐敗しないであろう安定な材料に変換する一方で、材料が柔軟性を維持できるようにするために実施されることができる。ある態様において、細胞層または層状構造のpHが調整されることができる。ある態様において、pHを下げることは、約6、約5、約4、約3、約2または約1に下げることを含むことができる。ある態様において、pHを下げることは、約2.8~3.2に下げることを含むことができる。ある態様において、pHを下げた後、次いでpHを上げることができる。ある態様において、pHを上げることは、約3.8~4.2まで上げることを含み得る。
【0020】
[0020] 本明細書において、ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成することを含む方法が、開示される。ある態様において、方法は、さらに人工真皮層をなめして合成皮革を形成することを含み得る。ある態様において、播種の前に、不死化ウシ線維芽細胞を培養において拡張して、複数の不死化ウシ線維芽細胞を形成することができる。ある態様において、複数の不死化ウシ線維芽細胞を、ヘイフリック限界を超えて増殖させることができる。ある態様において、複数の不死化ウシ線維芽細胞は、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、拡張後、複数の不死化ウシ線維芽細胞は、0℃未満の温度で保管されることができる。ある態様において、保管後、複数の不死化ウシ線維芽細胞を、スキャフォールド上に播種する前に培養において増殖させることができる。ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞の培養は、不死化ウシ線維芽細胞を拡張することを含み得る。ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞をスキャフォールド上に播種した後、方法は、さらにスキャフォールド上で不死化ウシ線維芽細胞を培養して人工真皮層を形成することを含み得る。ある態様において、なめしは、人工真皮層におけるコラーゲンの架橋を含み得る。ある態様において、なめしは、人工真皮層におけるコラーゲンの架橋を含み得る。ある態様において、なめしは、単離された人工真皮層を処理して皮革を生成することを含み得る。ある態様において、なめしは、天然皮革に類似した合成皮革を生成することができる。ある態様において、なめしは、植物性なめし、クロムなめし、アルデヒドなめし、シンタンなめし、細菌染色またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、植物性なめしは、タンニンを使用することを含み得る。ある態様において、クロムなめしは、クロム塩を使用することを含むことができる。ある態様において、クロム塩は、硫酸クロムを含み得る。ある態様において、アルデヒドは、グルタルアルデヒド化合物、オキサゾリジン化合物またはそれらのあらゆる組合せを含み得る。ある態様において、シンタンは、合成タンニン、芳香族ポリマーまたはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、なめしは、人工真皮層中のタンパク質を腐敗しないであろう安定な材料に変換する一方で、材料が柔軟性を維持できるようにするために実施されることができる。ある態様において、細胞層または層状構造のpHを調整することができる。ある態様において、pHを下げることは、約6、約5、約4、約3、約2または約1に下げることを含むことができる。ある態様において、pHを下げることは、約2.8~3.2に下げることを含むことができる。ある態様において、pHを下げた後、次いでpHを上げることができる。ある態様において、pHを上げることは、約3.8~4.2まで上げることを含むことができる。
【0021】
[0021] 本明細書において、ある態様において、細胞をスキャフォールド上に播種することを含む方法が開示される。ある態様において、細胞は、外因性分子を含み得る。ある態様において、外因性分子は、直接的または間接的な刺激に基づいて、固定に依存しない増殖または少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こすことができる。ある態様において、細胞は、不死化細胞を含み得る。ある態様において、不死化細胞は、不死化線維芽細胞を含み得る。ある態様において、不死化線維芽細胞は、不死化ウシ線維芽細胞を含み得る。ある態様において、分子は、RNA、DNAまたはタンパク質を含み得る。
【0022】
[0022] 本明細書において、ある態様において、細胞をスキャフォールド上に播種することを含む方法が、開示される。ある態様において、細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含み得る。ある態様において、細胞は、不死化細胞であり得る。ある態様において、方法は、さらに播種の前に1つ以上の環境、例えば第1の環境において細胞を増殖させることを含み得る。ある態様において、細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含むことができる。ある態様において、細胞は、複数の細胞であり得る。ある態様において、複数の細胞は、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含み得る。ある態様において、方法は、複数の細胞を含み得る。ある態様において、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方は、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフであり得る。ある態様において、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方は、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフであり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、個々に、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフであり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、個々に、増殖の間少なくとも部分的にオフであり、播種の間少なくとも部分的にオンであり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、増殖の間少なくとも部分的にオンであり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、増殖の間少なくとも部分的にオフであり得る。ある態様において、細胞は、真核細胞であり得る。ある態様において、細胞は、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類、爬虫類およびウサギ類動物細胞からなる群から選択され得る。ある態様において、第1の環境は懸濁液中であり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、直接的または間接的な刺激に基づいて、少なくとも部分的に固定に依存しない、または少なくとも部分的に固定に依存する増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に以下の発現の増加の結果であり得る:インテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6 N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)5(ST6GALNAC5)またはそれらの組み合わせ。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフであり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、増殖の間少なくとも部分的にオフであり、播種の間少なくとも部分的にオンであり得る。ある態様において、刺激の存在は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドの発現の増加または発現の減少を引き起こし得る。ある態様において、刺激の非存在は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドの発現の増加または発現の減少を引き起こし得る。ある態様において、増殖は、刺激の存在下であり得る。ある態様において、増殖は、刺激の非存在下であり得る。ある態様において、刺激は、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択され得る。ある態様において、刺激は、温度の変化を含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、温度に基づいて可逆的であり得る。ある態様において、細胞は、増殖の間約28℃~約34℃の温度に曝され得る。ある態様において、細胞は、播種の間または後に約37℃~約41℃の温度に曝され得る。ある態様において、スキャフォールドは、少なくとも部分的に天然または合成であり得る。ある態様において、スキャフォールドは、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルおよびそれらの組み合わせからなる群の少なくとも1つを含むことができる。ある態様において、細胞は、細胞外マトリックスタンパク質を産生することができる。ある態様において、細胞外マトリックスタンパク質は、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。ある態様において、細胞外マトリックスタンパク質は、コラージュ(collage)を含み得る。ある態様において、方法は、さらに細胞またはそれから発達した組織の一部を含む合成皮革の少なくとも一部を生成することを含み得る。ある態様において、合成皮革は、組織の少なくとも一部を含み得る。ある態様において、組織は、I型コラーゲンを含むことができる。ある態様において、方法は、播種の前に第1の環境において細胞を増殖させ、次いで増殖している細胞に少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチを直接的または間接的に添加することをさらに含むことができる。ある態様において、細胞は、約50,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2の密度で播種されることができる。ある態様において、スキャフォールド上に細胞を播種することは、スキャフォールドの片側を播種することを含み得る。ある態様において、スキャフォールドを裏返すことなくスキャフォールドの第2の側が播種されることができる。ある態様において、細胞をスキャフォールド上に播種することは、スキャフォールドの1つより多くの側に播種することを含み得る。ある態様において、播種は連続的であることも同時であることもできる。ある態様において、播種は、スキャフォールドの片側に播種し、次いでスキャフォールドを裏返してスキャフォールドの別の側に播種することを含み得る。ある態様において、細胞または不死化細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み得ない他の点では比較可能な野生型細胞と比較して増進された細胞外マトリックス産生を有するように改変され得る。ある態様において、細胞外マトリックスは、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、方法は、さらに細胞または不死化細胞を含む組織を設計することを含み得る。ある態様において、方法は、さらに組織をなめすことを含み得る。ある態様において、細胞外マトリックスは、I型コラーゲンを含み得る。
【0023】
[0023] 本明細書において、細胞を不死化細胞に形質転換することを含む方法も、開示される。ある態様において、方法は、少なくとも部分的に可逆的な分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を不死化細胞中に導入することを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外来性分子スイッチをコードする外来性ポリヌクレオチドの各々または両方は、直接的または間接的な刺激に基づいて、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に増殖させ得る。ある態様において、方法は、不死化細胞を固定に依存せずに増殖させることを含むことができる。ある態様において、細胞は、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類、爬虫類、およびウサギ類動物細胞からなる群から選択され得る。ある態様において、細胞は、ウシ細胞であり得る。ある態様において、細胞は、幹細胞であり得る。ある態様において、幹細胞は、間葉系幹細胞、多能性幹細胞、誘導多能性幹細胞および胚性幹細胞からなる群から選択され得る。ある態様において、細胞は、線維芽細胞、動物脂肪組織由来細胞、臍帯由来細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。ある態様において、細胞は、線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であり得る。ある態様において、形質転換は、がん遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子の発現を増加または減少させることを含み得る。ある態様において、細胞は、以下によってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現し得る:TERT、Bmi1またはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、不死化細胞は、以下によってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現し得る:TERT、CcnD1、Cdk4またはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、方法は、さらに不死化細胞を刺激に曝すことを含み得る。ある態様において、刺激は、以下における変化からなる群から選択され得る:pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、培地組成の変化およびそれらのあらゆる組合せ。ある態様において、刺激は、温度の変化を含み得る。ある態様において、温度は約28℃~約34℃であり得る。ある態様において、刺激は、不死化細胞に少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こすことができる。ある態様において、固定に依存しないことは、懸濁液中での増殖を含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的にインテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6 N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)5(ST6GALNAC5)またはそれらの組み合わせの発現における増大の結果で有り得る。ある態様において、刺激の除去は、不死化細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させることができる。ある態様において、方法は、さらに不死化細胞を第2の刺激に曝すことを含み得る。ある態様において、第2の刺激は、以下における変化からなる群から選択され得る:pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、培地組成の変化およびそれらのあらゆる組合せ。ある態様において、第2の刺激は、温度の変化を含み得る。ある態様において、温度は、約37℃~約41℃であり得る。ある態様において、第2の刺激は、不死化細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させ得る。ある態様において、第2の刺激の除去は、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずに増殖させ得る。ある態様において、固定依存性は、支持体上での増殖を含み得る。ある態様において、方法は、支持体上に不死化細胞を播種することをさらに含み得る。ある態様において、不死化細胞は、約50,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2の密度で播種されることができる。ある態様において、支持体上に不死化細胞を播種することは、支持体の片側を播種することを含み得る。ある態様において、支持体を裏返すことなく支持体の第2の側が播種されることができる。ある態様において、不死化細胞を支持体上に播種することは、支持体の1つより多くの側に播種することを含み得る。ある態様において、播種は連続的であることも同時であることもできる。ある態様において、播種は、支持体の片側に播種し、次いで支持体を裏返して支持体の別の側に播種することを含み得る。ある態様において、固定に依存する増殖は、少なくとも部分的に支持体の上、中または周囲においてであることができる。ある態様において、支持体はスキャフォールドを含み得る。ある態様において、スキャフォールドは少なくとも部分的に天然または合成であり得る。ある態様において、スキャフォールドは、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、細胞または不死化細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み得ない他の点では比較可能な野生型細胞と比較して増進された細胞外マトリックス産生を有するように改変され得る。ある態様において、細胞外マトリックスは、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、細胞外マトリックスタンパク質は、コラーゲンを含み得る。ある態様において、方法は、さらに本明細書で開示される細胞または不死化細胞を含む組織を設計することを含み得る。ある態様において、方法は、さらに本明細書で開示される不死化細胞を含む組織をなめすことを含み得る。ある態様において、細胞外マトリックスはI型コラーゲンを含み得る。
【0024】
[0024] 本明細書において、改変細胞も開示される。ある態様において、改変細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、改変細胞は、不死化ウシ細胞であり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、直接的または間接的な刺激に基づいて、改変細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずに増殖させるか、または少なくとも部分的に固定に依存して増殖させることができる。ある態様において、改変細胞の増殖は、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定され得る。ある態様において、改変細胞は、線維芽細胞、動物脂肪組織由来細胞、臍帯由来細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。ある態様において、改変細胞は、線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、多能性幹細胞、間葉系幹細胞、誘導多能性幹細胞および胚性幹細胞からなる群に由来することができる。ある態様において、改変細胞は、複数の細胞を含む細胞株由来の細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、外因性の癌遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子を発現することができる。ある態様において、改変細胞は、以下によってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現し得る:TERT、Bmi1またはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、改変細胞は、以下によってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現し得る:TERT、CcnD1、Cdk4またはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、改変細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含まない、他の点では比較可能な野生型細胞と比較して、増進された細胞外マトリックス産生を有するように改変され得る。ある態様において、細胞外マトリックスは、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、細胞外マトリックスタンパク質は、コラーゲンを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、刺激に応答して発現を少なくとも部分的に増加または減少させるように構成され得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加は、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加は、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少は、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少は、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的な固定依存性の増殖は、固定に依存しない増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素または成長因子を消費し得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に固定依存性の増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素または成長因子を消費し得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に、インテグリン結合型キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6 N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)5(ST6GALNAC5)またはそれらの組み合わせの発現の増加の結果であり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、単一のスイッチまたは複数のスイッチであり得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、選択可能なマーカーをコードし得る。ある態様において、選択可能マーカーは、蛍光タンパク質を含み得る。ある態様において、改変細胞は、組換え選択可能マーカーを含み得る。ある態様において、選択可能マーカーは、抗生物質耐性遺伝子、蛍光タンパク質をコードする遺伝子および栄養要求性マーカーを発現する遺伝子からなる群から選択され得る。ある態様において、改変細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性スイッチをコードするポリヌクレオチドは、ゲノム中に位置し得るか、染色体外であり得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、刺激は、環境刺激であり得る。ある態様において、刺激は、以下における変化からなる群から選択され得る:pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、機械的刺激、1以上のイオン型の存在、培養培地組成の変化、およびそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、刺激は、温度の変化を含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖のための温度は、約28℃~約34℃であり得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定依存性の増殖のための温度は、約37℃~約41℃であり得る。ある態様において、刺激の存在は、固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激の非存在は、固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激の存在は、固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激の非存在は、固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激は、抗生物質、タンパク質、化学化合物、これらのいずれか1つの塩およびそれらのあらゆる組み合わせの存在、非存在、またはレベルの変化からなる群から選択され得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に以下の発現の増加の結果であり得る:インテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6 N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)5(ST6GALNAC5)またはそれらの組み合わせ。ある態様において、改変細胞は、バイオリアクター中で増殖させることができる。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に懸濁液中であり得る。ある態様において、固定依存性の増殖は、少なくとも部分的にスキャフォールドの上、中または周囲であることができる。ある態様において、スキャフォールドは、少なくとも部分的に天然または合成であり得る。ある態様において、スキャフォールドは、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、改変細胞は、c-MycER系、Tet-on系、Tet-off系およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、改変細胞は、Cre-LoxP系、TALENS、ジンクフィンガー、CRISPR系またはそれらの構成要素およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、DNA、RNAまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、DNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、cDNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、RNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、mRNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、誘導性プロモーターまたはオペレーターを含み得、ここで、プロモーターまたはオペレーターは、遺伝子の発現を抑制または活性化するように構成され得る。ある態様において、プロモーターまたはオペレーターは、テトラサイクリン制御転写単位、デキサメタゾン制御転写単位、ドキシサイクリン制御転写単位、C-mycR転写制御単位およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、コドン最適化され得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、後成的に修飾された塩基を含み得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、ピリミジンを含み得る。ある態様において、ピリミジンは、シトシンまたはチミンであり得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、メチル化塩基、ヒドロキシメチル化塩基、ホルミル化塩基およびカルボン酸含有塩基からなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、ヒドロキシメチル化塩基を含み得る。ある態様において、ヒドロキシメチル化塩基は、5-ヒドロキシメチル化塩基を含み得る。ある態様において、5-ヒドロキシメチル化塩基は、5-ヒドロキシメチルシトシンを含み得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、メチル化塩基を含み得る。ある態様において、メチル化塩基は、5-メチル化塩基を含み得る。ある態様において、5-メチル化塩基は、5-メチルシトシンを含み得る。ある態様において、単離された組織は、本明細書で記載される改変細胞を含み得る。ある態様において、組織は、複数のポリエステル繊維を含み得る。ある態様において、組織の少なくとも一部は、なめされることができる。ある態様において、組織の少なくとも一部は、以下を含むなめし剤でなめされることができる:クロム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、鉄、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、オキサゾリジン、イソシアネート、カルボジイミド、ポリカルバモイルサルフェート、テトラキス、ヒドロキシホスホニウム硫酸塩、p-[(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ピロガロール、カテコール、シンタンまたはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、組織の少なくとも一部は、細胞外マトリックスをさらに含み得る。ある態様において、革は、改変細胞、その誘導体、その子孫または単離された組織の少なくとも一部を含むことができる。ある態様において、革は、バッグ、ベルト、時計ストラップ、パッケージ、靴、ブーツ、履物、手袋、衣類、ベスト、上着、ズボン、帽子、シャツ、下着、旅行かばん、クラッチバッグ、財布、ボール、バックパック、札入れ、鞍、馬具、チャップ、鞭、家具、家具付属品、室内装飾材料、自動車のカーシート、自動車の内装およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群か
ら選択されるいずれか1つの形態で有り得る。ある態様において、革は、バイオファブリケートされた(biofabricated)材料を含み得る。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、ゾーン特性を含み得る。ある態様において、方法は、本明細書で開示される改変細胞を刺激と接触させることを含み得る。ある態様において、刺激は、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、機械的刺激の変化、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在およびそれらのあらゆる組み合わせにおける変化からなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、刺激は、温度の変化を含み得る。ある態様において、改変細胞は、約28℃~約34℃の少なくとも部分的に固定に依存しない増殖のための温度で増殖させることができる。ある態様において、刺激の除去は、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を弱めることができる。ある態様において、改変細胞は、約37℃~約41℃の少なくとも部分的に固定依存性の増殖のための温度で増殖させることができる。ある態様において、刺激の除去は、少なくとも部分的に固定依存性の増殖を弱めることができる。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、トランスフェクション、エレクトロポレーションまたは形質導入によって、改変細胞中に導入され得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、ベクターからなる群から選択されるいずれか1つによって導入されることができ、ここで、ベクターは、ウイルス、ウイルス様粒子、アデノ随伴ウイルスベクター、リポソーム、ナノ粒子、プラスミド、線状dsDNAおよびそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、ベクターは、プラスミドを含み得る。ある態様において、改変細胞の増殖は、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定され得る。ある態様において、改変細胞の増殖は、計数チャンバー、コロニー形成単位計数、電気抵抗、フローサイトメトリー、画像解析、立体細胞計数、分光光度法およびインピーダンス微生物学からなる群から選択される方法の使用によって決定され得る。ある態様において、方法は、本明細書で開示される改変細胞をなめすことを含み得る。ある態様において、なめしは、組織の少なくとも一部を含むことができる。ある態様において、組織は、層状構造を含み得る。ある態様において、層状構造は、真皮層、表皮層、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むことができる。ある態様において、組織は、線維芽細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むことができる。ある態様において、方法は、改変細胞の選択またはスクリーニングを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、改変細胞を含み得る。ある態様において、なめし前の合成皮革は、組織の一部を含むことができる。ある態様において、組織は、少なくとも部分的にさらなる処理を受けることができる。ある態様において、さらなる処理は、なめし、保存、浸漬、ベーティング(bating)、酸洗、脱塩、菲薄化、再なめし、潤滑、クラスト形成、湿潤、サミング(sammying)、シェービング、再色素化(rechroming)、中和、染色、加脂、充填、剥離、詰め、白化、定着、据え付け、乾燥、コンディショニング、製粉、ステーキング、バフ仕上げ、最後の仕上げ、注油、ブラッシング、パディング(padding)、含浸、スプレー、ローラーコーティング、カーテンコーティング、研磨、メッキ、エンボス、アイロン、施釉、タンブリングおよびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択され得る。ある態様において、合成皮革は、バイオファブリケートされた材料を含むことができる。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、ゾーン特性を含み得る。ある態様において、培養容器は、本明細書で開示される改変細胞を含むことができる。ある態様において、培養容器は、プラスチック、金属、ガラスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むことができる。ある態様において、培養容器は、改変細胞を培養容器の少なくとも一部に接着させる薬剤を含み得る。ある態様において、薬剤は、ポリ-L-リジンを含み得る。ある態様において、製造施設は、改変細胞を含み得る。ある態様において、キットは、本明細書で開示される改変細胞を含むことができる。ある態様において、キットは、増殖培地をさらに含み得る。ある態様において、キットは、使用説明書をさらに含み得る。
【0025】
[0025] 本明細書において、改変細胞も開示される。ある態様において、改変細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチは、直接的または間接的な刺激に基づいて、改変細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずに増殖させるか、または少なくとも部分的に固定に依存して増殖させることができる。ある態様において、改変細胞の増殖は、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定され得る。ある態様において、改変細胞は、原核細胞または真核細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、動物細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、単離された細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、非ヒト細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、ヒト細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞およびウサギ類動物細胞からなる群から選択され得る。ある態様において、改変細胞は、ウシ細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、不死化細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、線維芽細胞、動物脂肪組織由来細胞、臍帯由来細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。ある態様において、改変細胞は線維芽細胞または線維芽細胞様細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、多能性幹細胞、間葉系幹細胞、誘導多能性幹細胞および胚性幹細胞からなる群に由来し得る。ある態様において、改変細胞は、複数の細胞を含む細胞株由来の細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、外因性の癌遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子を発現することができる。ある態様において、改変細胞は、以下によってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現し得る:TERT、Bmi1またはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、改変細胞は、以下によってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現し得る:TERT、CcnD1、Cdk4またはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、改変細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含まない、他の点では比較可能な野生型細胞と比較して、増進された細胞外マトリックス産生を有するように改変され得る。ある態様において、細胞外マトリックスは、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニン、またはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、細胞外マトリックスは、コラーゲンを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、刺激に応答して発現を少なくとも部分的に増加または減少させるように構成され得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加は、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加は、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少は、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少は、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、少なくとも部分的な固定依存性の増殖は、固定に依存しない増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素または成長因子を消費し得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に固定依存性の増殖と比較して、より多くの、同じ、またはより少ない栄養素または成長因子を消費し得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、単一のスイッチまたは複数のスイッチであることができる。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、選択可能マーカーをコードし得る。ある態様において、選択可能マーカーは、蛍光タンパク質を含み得る。ある態様において、改変細胞は、組換え選択可能マーカーを含み得る。ある態様において、選択可能マーカーは、抗生物質耐性遺伝子、蛍光タンパク質をコードする遺伝子および栄養要求性マーカーを発現する遺伝子からなる群から選択され得る。ある態様において、改変細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、ゲノム中に位置し得るか、染色体外にあり得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、刺激は、環境刺激であり得る。ある態様において、刺激は、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、機械的刺激、1以上のイオン型の存在、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択され得る。ある態様において、刺激は、温度の変化を含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖のための温度は、約28℃~約34℃であり得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定依存性の増殖のための温度は、約37℃~約41℃であり得る。ある態様において、刺激の存在は、固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激の非存在は、固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激の存在は、固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激の非存在は、固定に依存しない増殖を引き起こし得る。ある態様において、刺激は、抗生物質、タンパク質、化学化合物、これらのいずれか1つの塩およびそれらのあらゆる組み合わせの存在、非存在、またはレベルの変化からなる群から選択され得る。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に以下の発現の増加の結果であり得る:インテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6 N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)5(ST6GALNAC5)またはそれらの組み合わせ。ある態様において、改変細胞は、バイオリアクター中で増殖させることができる。ある態様において、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖は、少なくとも部分的に懸濁液中であり得る。ある態様において、固定依存性の増殖は、少なくとも部分的にスキャフォールドの上、中または周囲であることができる。ある態様において、スキャフォールドは少なくとも部分的に天然または合成であり得る。ある態様において、スキャフォールドは、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、改変細胞は、c-MycER系、Tet-on系、Tet-off系およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、改変細胞は、Cre-LoxP系、TALENS、ジンクフィンガー、CRISPR系またはそれらの構成要素およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、DNA、RNAまたはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、DNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、cDNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、RNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、mRNAを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、誘導性プロモーターまたはオペレーターを含み得、ここで、プロモーターまたはオペレーターは、遺伝子の発現を抑制または活性化するように構成され得る。ある態様において、プロモーターまたはオペレーターは、テトラサイクリン制御転写単位、デキサメタゾン制御転写単位、ドキシサイクリン制御転写単位、C-mycR転写制御単位およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、コドン最適化され得る。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、後成的に修飾された塩基を含み得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、ピリミジンを含み得る。ある態様において、ピリミジンは、シトシンまたはチミンであり得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、メチル化塩基、ヒドロキシメチル化塩基、ホルミル化塩基およびカルボン酸含有塩基からなる群から選択されるいずれか1つを含み得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、ヒドロキシメチル化塩基を含み得る。ある態様において、ヒドロキシメチル化塩基は、5-ヒドロキシメチル化塩基を含み得る。ある態様において、5-ヒドロキシメチル化塩基は、5-ヒドロキシメチルシトシンを含み得る。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、メチル化塩基を含み得る。ある態様において、メチル化塩基は、5-メチル化塩基を含み得る。ある態様において、5-メチル化塩基は、5-メチルシトシンを含み得る。ある態様において、単離された組織は、本明細書で開示される改変細胞を含み得る。ある態様において、組織は、複数のポリエステル繊維を含み得る。ある態様において、組織の少なくとも一部がなめされることができる。ある態様において、組織の少なくとも一部は、以下を含むなめし剤でなめされ得る:クロム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、鉄、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、オキサゾリジン、イソシアネート、カルボジイミド、ポリカルバモイルサルフェート、テトラキスヒドロキシホスホニウムサルフェート、p-[(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ピロガロール、カテコール、シンタン、またはそれらのあらゆる組み合わせ。ある態様において、組織の少なくとも一部は、さらに細胞外マトリックスを含むことができる。ある態様において、皮革は、本明細書で開示される改変細胞、その誘導体、その子孫または単離された組織の少なくとも一部を含むことができる。ある態様において、皮革は、バッグ、ベルト、時計ストラップ、パッケージ、靴、ブーツ、履物、手袋、衣類、ベスト、上着、ズボン、帽子、シャツ、下着、旅行かばん、クラッチバッグ、財布、ボール、バック
パック、札入れ、鞍、馬具、チャップ、鞭、家具、家具付属品、室内装飾材料、自動車のカーシート、自動車の内装およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つの形態であり得る。ある態様において、皮革は、バイオファブリケートされた材料を含むことができる。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、ゾーン特性を含むことができる。ある態様において、方法は、本明細書で開示される改変細胞を刺激と接触させることを含むことができる。ある態様において、刺激は、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、機械的刺激の変化、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在およびそれらのあらゆる組合せにおける変化からなる群から選択されるいずれか1つを含むことができる。ある態様において、刺激は、温度の変化を含むことができる。ある態様において、改変細胞は、約28℃~約34℃で少なくとも部分的に固定に依存しない増殖のための温度で増殖させることができる。ある態様において、刺激の除去は、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を弱めることができる。ある態様において、改変細胞は、約37℃~約41℃で少なくとも部分的に固定依存性の増殖のための温度で増殖させることができる。ある態様において、刺激の除去は、少なくとも部分的に固定依存性の増殖を弱めることができる。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、トランスフェクション、エレクトロポレーションまたは形質導入によって改変細胞中に導入されることができる。ある態様において、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、ベクターからなる群から選択されるいずれか1つによって導入されることができ、ここで、ベクターは、ウイルス、ウイルス様粒子、アデノ随伴ウイルスベクター、リポソーム、ナノ粒子、プラスミド、線状dsDNA、およびそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、ベクターは、プラスミドを含むことができる。ある態様において、改変細胞の増殖は、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定されることができる。ある態様において、改変細胞の増殖は、計数チャンバー、コロニー形成単位計数、電気抵抗、フローサイトメトリー、画像分析、立体細胞計数、分光光度法およびインピーダンス微生物学からなる群から選択される方法の使用によって決定されることができる。ある態様において、方法は、本明細書で開示される改変細胞をなめすことを含むことができる。ある態様において、なめしは組織の少なくとも一部を含むことができる。ある態様において、組織は、層状構造または本明細書で記載される改変細胞を含む構造を含むことができる。ある態様において、層状構造は、真皮層、表皮層、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むことができる。ある態様において、組織は、線維芽細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むことができる。ある態様において、方法は、本明細書で開示される改変細胞を選択またはスクリーニングすることを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、本明細書で開示される改変細胞を含むことができる。ある態様において、なめしの前に組織の一部を含むことができる合成皮革。ある態様において、組織は、少なくとも部分的にさらなる処理を受けることができる。ある態様において、さらなる処理は、なめし、保存、浸漬、ベーティング、酸洗、脱塩、菲薄化、再なめし、潤滑、クラスト形成、湿潤、サミング、シェービング、再色素化、中和、染色、加脂、充填、剥離、詰め、白化、定着、据え付け、乾燥、コンディショニング、製粉、ステーキング、バフ仕上げ、最後の仕上げ、注油、ブラッシング、パディング、含浸、スプレー、ローラーコーティング、カーテンコーティング、研磨、メッキ、エンボス、アイロン、施釉、タンブリングおよびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択され得る。ある態様において、合成皮革は、バイオファブリケートされた材料を含むことができる。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、ゾーン特性を含むことができる。ある態様において、培養容器は、本明細書で開示される改変細胞を含むことができる。ある態様において、培養容器は、プラスチック、金属、ガラスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むことができる。ある態様において、培養容器は、改変細胞を培養容器の少なくとも一部に接着させる薬剤を含むことができる。ある態様において、薬剤は、ポリ-L-リジンを含むことができる。ある態様において、製造施設は、本明細書で開示される改変細胞を含むことができる。ある態様において、キットは、本明細書で開示される改変細胞を含むことができる。ある態様において、キットは、増殖培地をさらに含むことができる。ある態様において、キットは、使用説明書をさらに含むことができる。
【0026】
参照による援用
[0026] 本明細書において言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許または特許出願が参照により援用されることが具体的かつ個々に示されたのと同程度まで、参照により本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1-1】[0027]
図1Aは、継代数に対する集団倍加時間を時間(hours)で示す。未改変のウシ皮膚線維芽細胞(BDF)は、35.5時間の平均集団倍加時間(PDT)で、約40集団倍加(PD)の間、インビトロで拡張されることができる。初代BDFは、21.6時間の最小PDTおよび0継代から11継代までの51.5時間の最大PDTで、複数の継代にわたってそのPDTを変化させる。
図1Bは、対照的に、VL-001(SV40-TAg形質導入細胞)細胞は、継代25で100の累積PDに達するように、ピューロマイシン選択後少なくとも20以上の継代の間拡張され得ることを示す。この数は老化を示すものではなく、むしろ、これは拡張実験が停止された時である。VL-001細胞株の平均PDT(21.2時間)は、未改変の初代BDFよりも40%短い。VL-001細胞株はまた、連続継代の間でより一貫したPDTを示した。VL-001細胞株は、
図1Aに示されるように、継代6から継代25までの19.1時間の最小PDTおよび23.7時間の最大PDTを有する。
【
図1-2】
図1Cおよび
図1Dは、継代9未改変ウシ皮膚線維芽細胞(BDF)および継代24VL-001(SV40-TAg形質導入)細胞の位相差顕微鏡画像を示す。老化細胞は、広範に継代されたVL-001細胞株では観察されていないが、老化形態は、後に継代された未改変初代BDFで同定されることができる。
【
図2】[0028]
図2Aは、野生型ウシ真皮線維芽細胞由来の組織のトリクロムブルー(trichome blue)染色断面を示す。
図2Bは、VL-001(SV40-TAg形質導入)細胞由来の組織のトリクロムブルー(trichome blue)染色断面を示す。
図2Aおよび
図2Bの比較は、VL-001細胞がPETスキャフォールド上の野生型真皮線維芽細胞(BDF)と同様の組織を形成し得ることを示す。画像は、組織中のコラーゲンを強調したトリクロムブルー染色による組織の断面であった。野生型ウシ真皮線維芽細胞およびVL-001(SV40-TAg形質導入細胞)を、500,000細胞/cm2でPETスキャフォールド上に播種した。野生型ウシ皮膚線維芽細胞を、ヒト血小板溶解物(HPL)ベースの培地(DMEM+10%HPL+アスコルビン酸-2-リン酸(AA2P)+TGFB1+ACD+Normocin)中で4週間培養した。VL-001をウシ胎児血清(FBS)ベースの培地(DMEM+20%FBS+NEAA+抗生物質/抗真菌薬)中で2週間培養し、その後AA2PをFBSベースの培地にさらに2週間添加した。
【
図3】[0029]
図3は、ピューロマイシンレポーター(Puro
r)を用いたSV40-T抗原(SV40-Tag)を用いた細胞の切断(transection)に使用されるコンストラクトおよび緑色蛍光蛋白質(GFP)発現に使用されるコンストラクトの概略図を示す。
【
図4】[0030]
図4Aは、-LV -Puro細胞を示す。
図4Bは、-LV +Puro細胞を示す。
図4Cは、SV40 TAg +Puro細胞を示す。
図4Dは、SV40 TAg +Puro細胞を示す。
【
図5】[0031]
図5は、組織形成培地および組織形成培地+TGFb1+AA2P中で増殖させたBDFおよびVL-001細胞に関する培養培地中のコラーゲンの量(ug/ml)を示す。
【
図6】[0032]
図6Aは、HPL培地中で増殖させたBDF細胞の組織走査画像を示す。
図6Bは、HPL培地10X中で増殖させたBDF細胞の10x倍率の組織走査画像を示す。
図6Cは、HPL培地中で増殖させたVL-001細胞の組織走査および画像を示す。
図6Dは、HPL培地中で増殖させたVL-001細胞の10X倍率の組織走査画像を示す。
図6Eは、20% FBS培地中で増殖させたVL-001細胞の組織走査画像を示す。
図6Fは、20% FBS培地中で増殖させたVL-001細胞の10x倍率の組織走査画像を示す。
【
図7】[0033]
図7は、培養中の週数にわたる、培養培地中で増殖させたBDFおよびVL-001細胞に関する培養培地中のコラーゲンの量(ug/ml)を示す。
【
図8】[0034]
図8は、BDFおよびVL-001細胞に関する湿重量によって正規化されたコラーゲンの量(ug/g)を示す。
【
図9】[0035]
図9Aは、培養物中の0週間の増殖でのVL-001細胞株を示す。
図9Bは、培養物中の1週間の増殖におけるVL-001を示す。1週間の懸濁培養後、明らかな凝集体形成が観察された。
図9Cは、培養物中の2週間の増殖におけるVL-001を示す。
図9Dは、培養物中の4週間の増殖におけるVL-001を示す。
【
図10】[0036]
図10は、TGFB1およびAA2P処理時のCOL1遺伝子の発現の増加を示す。COL1A1およびCOL1A2遺伝子の発現レベルは形質転換成長因子ベータ1(TGFB1)およびアスコルビン酸-2-リン酸(AA2P)への曝露により、初代ウシ皮膚線維芽細胞(BDF)および不死化細胞株(VL-001)の両方において上方制御された。
【
図11】[0037]
図11Aおよび
図11Bはそれぞれ、PLAスキャフォールド上の不死化ウシ線維芽細胞株から成長させた人工皮膚層を示す。
【
図12】[0038]
図12は、VL-001細胞によって生成された組織が初代ウシ真皮線維芽細胞由来組織と同様の総コラーゲンタンパク質レベルを有することを示す。VL-001 S1およびVL-001 S2の測定は、
図11Aおよび
図11Bに示される組織の生検から得られた。
【
図13】[0039]
図13は、PLAスキャフォールド上の不死化ウシ線維芽細胞株からの組織生検のピクロシリウスレッド(PSR)染色切片を示す。組織生検をプラスチック樹脂で固定し、5um切片を作製し、ピクロシリウスレッド(PSR)を用いて染色した。染色は、VL-001細胞がPLAスキャフォールド全体にわたってコラーゲンタンパク質を沈着させ得ることを示す。
【
図14】[0040]
図14は、クラスト相(過剰な水を除去するための乾燥後)におけるVL-001組織の画像を示す。VL-001細胞をウシ血清(BCS)被覆ポリ-L-乳酸(PLA)三次元不織スキャフォールド上に播種し、5% hPL(ヒト血小板溶解物)、ヘパリン(2mg/L)、非必須アミノ酸(1x濃度)、アスコルビン酸(82ug/L)、抗生物質-抗真菌薬(1x濃度;100単位/mLのペニシリン、100ug/mLのストレプトマイシン、および250ng/mLのGibcoアムホテリシンB)からなる細胞培養培地中で4週間増殖させた。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0041] いくつかの側面が、例示のための例示的な適用を参照して以下に記載される。本明細書に記載される特徴の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、および方法が記載されることは、理解されるべきである。本明細書で記載される特徴は、1以上の特定の詳細なしで、または他の方法を用いて実施されることができる。本明細書に記載される特徴は、いくつかの行為が異なる順序で、および/または他の行為または事象と同時に起こり得るので、行為または事象の例示される順序によって限定されない。さらに、本明細書で記載される特徴に従って方法を実施するために、すべての図示された行為または事象が必要とされ得るわけではない。
【0029】
[0042] 本明細書で使用される用語法は特定の場合を記載することのみを目的とすることができ、限定を意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形“a”、“an”および“the”は、文脈が明らかにそうではないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、用語“含むこと(including)”、“含む(includes)”、“有すること(having)”、“有する(has)”、“有する(with)”、またはそれらの変形が詳細な記載および/または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される程度まで、そのような用語は、用語“含むこと(comprising)”に類似した様式で包括的であることが意図されている。
【0030】
[0043] 本開示において、“約”または“おおよそ”という用語は、所与の値の10%までの範囲を意味することができる。本開示では、用語“実質的に”は、かなりの程度または度合いまで行われることができるものを指す。
【0031】
[0044] 本明細書で使用される場合、用語“線維芽細胞”は、身体の皮膚および腱に見出される結合組織細胞を含み得る。線維芽細胞は、皮膚または腱の生検から得ることができる。線維芽細胞はまた、皮膚および腱以外の多くの組織および器官に広く存在する。線維芽細胞は、細胞外マトリックスおよびコラーゲンを合成する生物学的細胞の一種であり得る。線維芽細胞は、動物組織のための構造フレームワーク(間質)を産生し、創傷治癒において重要な役割を果たす生物学的細胞の一種であり得る。線維芽細胞は、動物における結合組織の最も一般的な細胞であり得る。線維芽細胞は、培養物中で成長させた組織層の大部分を含むことができ、それは、なめされて皮革になることができる。
【0032】
[0045] 本明細書で使用される場合、“線維芽細胞様細胞”という用語は、培養物中で増殖した、不死化された、またはそれらの組み合わせの線維芽細胞を指すことができる。線維芽細胞様細胞は、線維芽細胞に実質的に類似する形態、表現型、またはそれらの組み合わせを有するように分化した細胞を含むことができる。線維芽細胞様細胞は、線維芽細胞と実質的に類似の遺伝子発現を依然として発現しながら、線維芽細胞からの遺伝的または表現型の変化を含むことができる。線維芽細胞様細胞は、コラーゲン、細胞外マトリックス、動物組織の構造マトリックス(間質)またはそれらのあらゆる組み合わせを合成する能力のような、線維芽細胞と同様の特徴を有することができる。線維芽細胞様細胞は、線維芽細胞と比較して実質的に同様のレベルのコラーゲンを産生することができる。
【0033】
[0046] 本明細書で使用される場合、“多能性幹細胞”という用語は、胎盤以外のあらゆる成体細胞を形成する能力を有するあらゆる前駆細胞を指すことができる。
[0047] 本明細書で使用される場合、“胚性幹細胞”または“ES細胞”または“ESC”という用語は、あらゆる成体細胞を形成する能力を有する前駆細胞を指すことができる。
【0034】
[0048] 本明細書で使用される場合、“誘導多能性幹細胞”または“iPS細胞”または”iPSC”という用語は、非多能性細胞(例えば成体体細胞)に人工的に由来する多能性幹細胞のタイプを指すことができる。誘導多能性幹細胞はあらゆる成体細胞を形成する能力において胚性幹細胞と同一であり得るが、胚に由来し得ない。
【0035】
[0049] 本明細書で使用される場合、“単離された”という用語は、動物または人の体から取り出された細胞を指し得る。単離された細胞は、培養物中またはインビトロで増殖させられることができる。単離された細胞は、他の単離された細胞、スキャフォールド、培地、またはそれらの組み合わせと接触させられることができる。
【0036】
[0050] 本明細書で使用される場合、用語“固定依存性の”および“固定に依存しない”増殖は、あらゆる培地、あらゆる状態、あらゆる装置またはそれらのあらゆる組み合わせにおける細胞増殖を指し得る。固定に依存しない増殖は、支持体に接着していない間の細胞増殖を指し得る。固定依存性の増殖は、少なくとも部分的に支持体(例えばスキャフォールド)に接着している間の細胞増殖を指し得る。固定に依存しない増殖は、非接着性増殖または懸濁液中での増殖とも呼ばれ得る。ある態様において、固定に依存しない増殖および固定依存性の増殖は、培地によって囲まれた細胞を含み得る。ある態様において、固定に依存しない増殖は、別の細胞または表面(例えばスキャフォールド)に接触しない細胞を含み得る。ある態様において、固定に依存しない増殖において、表面は別の細胞であり得る。ある態様において、固定に依存しない増殖は、培養物中の単一細胞としての増殖であり得る。ある態様において、固定依存性の増殖は、培養物中の複数の細胞に接触する細胞の増殖であり得る(例えばスキャフォールド上)。
【0037】
[0051] 本明細書で使用される場合、“脱細胞化する”または“脱細胞化された”という用語は、細胞層からの細胞の除去を指すことができる。“少なくとも部分的に脱細胞化された”という用語は、細胞層からの少なくとも一部の細胞の除去を指すことができる。“脱細胞化”は、脱細胞化された細胞層を作製するために細胞を除去するプロセスを指すことができ、塩漬のような方法または界面活性剤の使用によって達成されることができる。
【0038】
[0052] 本明細書で使用される場合、“合成皮革”という用語は、本明細書で記載される皮膚均等物があらゆる哺乳動物または非哺乳動物に関する皮膚均等物として役立ち得ることを意味し得る。開示は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物、例えば非ヒト霊長類およびウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌおよびネコ種ならびにげっ歯類、例えばマウス、ラットおよびモルモットのメンバー、ウサギを含むウサギ類の科のメンバー、サメおよびアカエイを含む魚類、ダチョウを含む鳥類、ならびにトカゲ、ヘビおよびワニを含む爬虫類で実施されることができる。ある態様において、合成皮革は人工皮革を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、残酷さを含まない皮革、環境に優しい皮革、プラスチックを含まない皮革またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、なめされた人工細胞層、なめされた少なくとも部分的に脱細胞化された細胞層またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、細胞層または少なくとも部分的に脱細胞化された細胞層は、真皮層、表皮層、少なくとも部分的に脱細胞化された真皮層、少なくとも部分的に脱細胞化された表皮層またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、形成され得る哺乳動物合成皮革は、本明細書で記載される発明において使用される細胞の供給源、例えば、ケラチノサイトおよび線維芽細胞に依存し得、例えば、ウシケラチノサイトおよび線維芽細胞が皮膚均等物を形成するために使用され得る場合、ウシ合成皮革が形成され得る。
【0039】
[0053] 本明細書で開示される方法、組成物、キットおよびシステムは、合成皮革を生産するための改変細胞、人工表皮層、人工真皮層、層状構造、それらから生産される製品およびその同じものを生産する方法に向けられることができる。ある態様において、改変細胞は、動物細胞、例えば、ウシ細胞であり得る。ある態様において、改変細胞は、不死化され得る。ある態様において、改変細胞は分子スイッチを含むことができ、ここで、分子スイッチは、ポリヌクレオチドであり得る。ある態様において、改変細胞は、合成皮革に含まれ得る。ある態様において、合成皮革は、1つまたは複数の層を含むことができる。ある態様において、1つまたは複数の層は細胞を含むことができ、ここで、細胞は、インビトロで培養されることができる。ある態様において、本明細書で記載される方法は、合成皮革の生産を商業レベルまで確実に、正確にかつ再現可能にスケールアップするハイスループットな方法を提供することができる。合成皮革、人工表皮均等物、人工全層皮膚均等物および本明細書で開示される同じものを作製する方法の利点は、再現性があり、高スループットであり、魅力的な外観、質感、厚さ、耐久性またはそれらのあらゆる組み合わせを有する容易にスケーラブルな様式でのカスタマイズされた組織の生産を含むことができる。ある態様において、全層皮膚均等物は、少なくとも1つの真皮層および少なくとも1つの表皮層を含むことができる。ある態様において、全層皮膚均等物および完全皮膚均等物は、互換的に使用されることができる。ある態様において、皮膚層は、本明細書で記載される改変細胞を含むことができる。
【0040】
[0054] ある態様において、本明細書で開示される合成皮革は、線維芽細胞を含む人工真真皮層、ケラチノサイトを含む人工表皮層またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、真皮層および表皮層は、層状構造を形成することができる。ある態様において、合成皮革は、1以上の層状構造を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、なめされ、さらに加工されることができる。ある態様において、合成層を形成する細胞は、不死化ウシ線維芽細胞を含むことができる。ある態様において、真皮層は、天然皮革の厚さおよび質感を達成するために、スキャフォールド、例えば絹の上に配置されることができる。ある態様において、合成皮革は、本明細書で記載される改変細胞を含む人工真皮層を含むことができる。
【0041】
[0055] ある態様において、合成皮革を作製する方法は、人工真皮層を含む構造を形成することおよび構造をなめすことを含むことができる。ある態様において、方法は、例えば、天然皮革の厚さおよび質感を達成するために、人工構造をさらに加工することを含むことができる。
【0042】
[0056] ある態様において、合成皮革は、細胞層を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、複数の細胞層を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも部分的に脱細胞化された細胞層を含むことができる。ある態様において、細胞層は、真皮層、表皮層、組織層、基底膜、基底膜代替物またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、皮下組織、鱗屑、薄板、皮骨板またはそれらの組み合わせをさらに含むことができる。ある態様において、合成層は、全層皮膚均等物を含むことができる。ある態様において、全層皮膚均等物は、本明細書で開示される層のあらゆる1つまたは組み合わせを含むことができる。ある態様において、合成皮革中の1以上の細胞層の一部が除去されることができる。ある態様において、1以上の細胞層の少なくとも一部を除去することは、少なくとも部分的に脱細胞化すること、剃毛することまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、少なくとも部分的に脱細胞化することは、細胞層を塩溶液と接触させることを含むことができる。ある態様において、塩溶液との接触は、塩溶液に浸漬することを含むことができる。ある態様において、塩溶液は、塩化ナトリウム、粗塩結晶、ブライン溶液またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、ブライン溶液は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約12%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%の塩を含むことができる。ある態様において、細胞層または少なくとも部分的に脱細胞化された細胞層は、なめされることができる。ある態様において、なめしは、1以上の細胞層または層状構造の形成後に実施されることができる。ある態様において、細胞層または層状構造は、改変細胞を含むことができる。ある態様において、なめしは、細胞層の少なくとも部分的な脱細胞化の後に実施されることができる。ある態様において、合成皮革は、さらに処理されることができる。ある態様において、細胞層は、毛包細胞、メラニン形成細胞またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0043】
[0057] ある態様において、合成皮革は、真皮層またはその少なくとも部分的に脱細胞化された部分を含むことができる。ある態様において、真皮層は、人工真皮均等物、例えば、インビトロで形成された人工真皮層であり得る。
【0044】
[0058] ある態様において、真皮層は、結合組織の細胞を含むことができる。ある態様において、真皮層は、線維芽細胞を含むことができる。ある態様において、真皮層中の線維芽細胞は、分化抗原群10(CD10)、分化抗原群73(CD73)、分化抗原群44(CD44)、分化抗原群90(CD90)、分化抗原群105(CD105)、I型コラーゲン、III型コラーゲン、プロリル-4-ヒドロキシラーゼベータ線維芽細胞またはそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない1以上のマーカーを発現することができる。ある態様において、真皮層は、他のタイプの細胞、例えば免疫細胞、マクロファージ、脂肪細胞またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、真皮層は、改変細胞を含むことができる。ある態様において、細胞層は、不死化細胞、ウシ細胞、線維芽細胞またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、細胞層は、不死化ウシ線維芽細胞を含むことができる。
【0045】
[0059] ある態様において、真皮層は、細胞に加えてマトリックス構成要素を含むことができる。ある態様において、マトリックス構成要素は、コラーゲン、エラスチン、線維外(extrafibrillar)マトリックス、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、糖タンパク質またはそれらのあらゆる組み合わせから主に構成される細胞外ゲル様物質のいずれか1つ以上を含むことができる。ある態様において、グリコサミノグリカンから主に構成される細胞外ゲル様物質は、ヒアルロナンを含むことができる。
【0046】
[0060] ある態様において、真皮層は、マトリックス支持体を含むことができる。ある態様において、マトリックス支持体は、スキャフォールドであり得る。ある態様において、マトリックス支持体は、収縮コラーゲンゲルを含むことができる。ある態様において、純粋なコラーゲンマトリックスは、シラスチン膜(silastic membrane)(C-GAG)、バイオポリマーまたはそれらのあらゆる組合せで覆われたポリグリコール酸(polyglygolic acid)メッシュまたはコラーゲンおよびグリコサミノグリカンマトリックスであり得る。ある態様において、バイオポリマーはキトサンを含むことができる。ある態様において、マトリックスは、線維芽細胞を播種されることができる。ある態様において、線維芽細胞を播種することは、器官型モデルを生じさせることができる。ある態様において、細胞層は、天然由来の真皮、ケラチノサイトまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、天然由来の真皮は、同種異系の死体皮膚から得られ得る。ある態様において、ケラチノサイトは、ケラチノサイトのシートを形成することができる。ある態様において、細胞層は、ケラチノサイトシートを支持するために、死体皮膚からの凍結乾燥失活真皮を含むことができる。
【0047】
[0061] ある態様において、皮革単位の厚さは、ミリメートル、オンスまたはアイアンで報告されることができる。ある態様において、1オンスは、1/64インチまたは0.0156インチまたは0.396ミリメートルに等しいことができる。ある態様において、1アイアンは、1/48インチまたは0.0208インチまたは0.53ミリメートルに等しいことができる。
【0048】
[0062] ある態様において、真皮層の厚さは、合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。ある態様において、真皮層は、約0.01mm~約50mmの厚さを有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mmまたは約0.1~約0.5mmの厚さを有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.02mm~5mmの厚さを有することができる。例えば、真皮層は、約0.1mm~0.5mmの厚さを有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.2mm~0.5mmの厚さを有することができる。ある態様において、真皮層の厚さは、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mmまたは10mmであり得る。ある態様において、真皮層の厚さは、最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mmまたは0.01mmであり得る。ある態様において、真皮層は、少なくとも約50mmの厚さを有することができる。
【0049】
[0063] ある態様において、真皮層の長さは合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。ある態様において、真皮層は、約0.01mm~約50mの長さを有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mm、または約0.1~約0.5mmの長さを有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.02mm~5mmの長さを有することができる。例えば、真皮層は、約0.1mm~0.5mmの長さを有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.2mm~0.5mmの長さを有することができる。ある態様において、真皮層の長さは、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、または10mmであり得る。ある態様において、真皮層の長さは最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mmまたは0.01mmであり得る。ある態様において、真皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの長さを有することができる。ある態様において、真皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの長さを有することができる。ある態様において、真皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの長さを有することができる。
【0050】
[0064] ある態様において、真皮層の幅は、合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。ある態様において、真皮層は、約0.01mm~約50mの幅を有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mm、または約0.1~約0.5mmの幅を有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.02mm~5mmの幅を有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.1mm~0.5mmの幅を有することができる。ある態様において、真皮層は、約0.2mm~0.5mmの幅を有することができる。ある態様において、真皮層の幅は、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、または10mmであり得る。ある態様において、真皮層の幅は、最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、真皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの幅を有することができる。ある態様において、真皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの幅を有することができる。ある態様において、真皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの幅を有することができる。
【0051】
[0065] ある態様において、合成皮革は、1つ以上の真皮層を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、40、60、80、または100の真皮層を有することができる。ある態様において、合成皮革が1つより多くの真皮層を含むことができる場合、真皮層が別の真皮層上に配置されることができる。ある態様において、合成皮革は、2つの真皮層、例えば、第1の真皮層および第2の真皮層を含むことができる。ある態様において、第1の真皮層は第2の真皮層の上に配置されることができる。
【0052】
[0066] ある態様において、真皮層またはその少なくとも部分的に脱細胞化された部分は、例えば、複数の副層を有するように層化され得る。ある態様において、副層は、異なる組成、例えば、異なる濃度の繊維を有することができる。ある態様において、真皮層の副層またはその少なくとも部分的に脱細胞化された部分は、異なる厚さ、密度またはそれらの組み合わせを有することができる。ある態様において、真皮層またはその少なくとも部分的に脱細胞化された部分は、乳頭状真皮層、網状真皮層、これらのいずれかの少なくとも部分的に脱細胞化された部分またはそれらのあらゆる組合せを有することができる。ある態様において、乳頭状真皮層またはその少なくとも部分的に脱細胞化された部分は、緩い乳輪状結合組織、緩く配置された線維、これらの少なくとも部分的に脱細胞化された部分またはこれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、緩く配置された線維は、コラーゲン線維を含むことができる。ある態様において、網状真皮層は、コラーゲン線維および真皮弾性線維を含む、密な不規則な結合組織を含むことができる。
【0053】
[0067] ある態様において、真皮層またはその少なくとも部分的に脱細胞化された部分は、自由なコラーゲンマトリックスまたは格子を含むことができ、それは、全ての方向に収縮性であり、均質であり得る。ある態様において、線維芽細胞(例えば不死化ウシ線維芽細胞)および適切な場合には真皮の他のタイプの細胞を、連続コラーゲンゲル中に分布させることができる。ある態様において、真皮均等物は、線維芽細胞が分布し得るI型コラーゲンの少なくとも1つのマトリックスを含むことができる。ある態様において、真皮均等物は、他の細胞外マトリックス成分も含有し得る。ある態様において、細胞外マトリックス成分は、コラーゲン、例えば、コラーゲンIV、ラミニン、エンタクチン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカンまたはヒアルロン酸を含むことができる。ある態様において、真皮層は、IV型コラーゲンおよびラミニン、エンタクチンまたはそれらの組み合わせを含有することができる。ある態様において、これらの様々な成分の濃度は、調整されることができる。例えば、ある態様において、ラミニンの濃度は、最終体積の約1%~約15%であり得る。ある態様において、コラーゲンIVの濃度は、最終体積の約0.3%~約4.5%であり得る。ある態様において、エンタクチンの濃度は、最終体積の約0.05%~約1%であり得る。ある態様において、コラーゲンは、ウシ由来、ラット由来、魚由来のコラーゲン、天然コラーゲンのあらゆる他の供給源もしくは線維芽細胞の存在下で収縮を可能にする遺伝子工学によって産生されるコラーゲン、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、コラーゲンは、非天然源由来であり得る。ある態様において、マトリックスは、水平方向および垂直方向の両方の収縮によって得られる、緊張していないことができるコラーゲンのゲルであり得、それは、線維芽細胞の優先的な組織化を課さない。ある態様において、“遊離”とも呼ばれるマトリックスは、支持体に接着することができず、その体積は、それに様々な厚さおよび直径を与えるように、制限なく修正されることができる。ある態様において、真皮均等物の厚さは、少なくとも0.05cm、ある態様においておおよそ0.05~2cmであり得る。ある態様において、厚さは、皮膚均等物または合成皮革の有利な特性を損なうことなく増加させることもできる。ある態様において、厚さは約3mm~約20cm以上であり得る。ある態様において、合成皮革は、真皮層のみを含むことができる。
【0054】
[0068] ある態様において、合成皮革は、表皮層(例えば、人工表皮層)を含むことができる。ある態様において、表皮層は、人工的な表皮均等物、例えば、インビトロで形成された人工表皮層であり得る。
【0055】
[0069] ある態様において、表皮層は、ケラチノサイト、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞および炎症細胞を含む、1タイプ以上の細胞を含むことができる。ある態様において、表皮層はケラチノサイトを含むことができる。ある態様において、表皮層中のケラチノサイトは、上皮ケラチノサイト、基底ケラチノサイト、増殖性基底ケラチノサイト、分化した基底上ケラチノサイトまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0056】
[0070] ある態様において、表皮層は、改変細胞を含み得る。ある態様において、表皮層は、不死化細胞を含み得る。
[0071] ある態様において、表皮層は、少なくとも基底ケラチノサイト、例えば分化できないケラチノサイトを含むことができる。ある態様において、表皮層は、さらに部分的に分化したケラチノサイトならびに完全に分化したケラチノサイトを含むことができる。ある態様において、合成皮革中の1以上の表皮層は、基底ケラチノサイトが局在化され得る真皮-表皮接合部から進行するにつれて、未分化基底ケラチノサイトから完全分化ケラチノサイトへの移行であり得る。
【0057】
[0072] ある態様において、基底ケラチノサイトは、表皮および真皮層を一緒に固定するのを助けるために役立ち得るヘミデスモソームを発現し得る。ある態様において、基底ケラチノサイトは、皮膚を再生するのにも役立ち得る。ある態様において、本明細書の合成皮革中の表皮層は、これらの機能を果たす基底ケラチノサイトを有することができる。ある態様において、そのような基底ケラチノサイトを含む合成皮革は、再生することができる。ある態様において、合成皮革中の1つ以上の表皮層における基底ケラチノサイトおよび分化したケラチノサイトの間の区別は、EおよびPカドヘリンの両方が基底膜帯(BMZ)に沿って表皮ケラチノサイト中に存在し得るが、分化し、BMZから離れて位置し得るケラチノサイトはE-cadherinのみを発現し得ることであり得る。
【0058】
[0073] ある態様において、表皮層の基底ケラチノサイトは、真皮層と直接接触する層に整列させることができ、それは、分化したケラチノサイトおよび線維芽細胞の間の境界として働く。代替的な場合には、基底ケラチノサイトおよび真皮層の間に間隙が存在し得る。さらに、基底ケラチノサイトおよび他の基底ケラチノサイトの間に間隙が存在し得、分化したケラチノサイトおよび真皮層の間に間隙を残す。基底または分化したケラチノサイトおよび真皮層の間に間隙が存在し得るこれらの後者の場合、真皮層および表皮層は互いに均一に接触していない可能性があるが、互いに隣接していることができる。ある態様において、真皮層および表皮層は、概して流体が存在し得るが真皮層および表皮層の間に細胞、コラーゲン、マトリックスまたは他の支持体の層のような他の介在材料は実質的に存在しないという点で、隣接することができる。
【0059】
[0074] ある態様において、表皮層中のケラチノサイトは、1以上のマーカーを発現することができる。ある態様において、マーカーは、ケラチン14(KRT14)、腫瘍タンパク質p63(p63)、デスモグレイン3(DSG3)、インテグリン、ベータ4(ITGB4)、ラミニン、アルファ5(LAMA5)、ケラチン5(KRT5)、腫瘍タンパク質p63のイソ型(例えば、TAp63)、ラミニン、ベータ3(LAMB3)、およびケラチン18(KRT18)を含み得るが、これらに限定されない。
【0060】
[0075] ある態様において、表皮層の厚さは、合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。ある態様において、表皮層は、約0.001mm~約10mmの厚さを有することができる。ある態様において、表皮層は、0.005mm~約10mm、約0.005mm~約5mm、約0.005mm~約2mm、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約5mm、約0.01mm~約2mm、約0.01mm~約1、約0.01mm~約0.8mm、約0.01mm~約0.4mm、約0.01mm~約0.2mm、約0.01mm~約0.1mm、約0.05mm~約0.4mm、約0.05mm~約0.2mm、約0.05mm~約0.1mm、約0.1mm~約0.4mm、約0.1mm~約0.2mm、約0.08mm~約1mm、または約0.05mm~約1.5mmの厚さを有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.01mm~約2mmの厚さを有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.1mm~約0.22mmの厚さを有することができる。ある態様において、表皮層の厚さは、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、または10mmであり得る。ある態様において、真皮層の厚さは、最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、本明細書で記載される厚さの値は、表皮層および基底膜代替物の厚さであり得る。
【0061】
[0076] ある態様において、表皮層の長さは、合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。ある態様において、表皮層は、約0.01mm~約50mの長さを有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mm、または約0.1~約0.5mmの長さを有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.02mm~5mmの長さを有し得る。ある態様において、表皮層は、約0.1mm~0.5mmの長さを有し得る。ある態様において、表皮層は、約0.2mm~0.5mmの長さを有し得る。ある態様において、表皮層の長さは、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mmまたは10mmであり得る。ある態様において、表皮層の長さは最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、表皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの長さを有し得る。ある態様において、表皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの長さを有し得る。ある態様において、表皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの長さを有し得る。
【0062】
[0077] ある態様において、表皮層の幅は、合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。ある態様において、表皮層は、約0.01mm~約50mの幅を有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mmまたは約0.1~約0.5mmの幅を有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.02mm~5mmの幅を有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.1mm~0.5mmの幅を有することができる。ある態様において、表皮層は、約0.2mm~0.5mmの幅を有することができる。ある態様において、表皮層の幅は、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mmまたは10mmであり得る。ある態様において、表皮層の幅は、最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mmまたは0.01mmであり得る。ある態様において、表皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの幅を有し得る。ある態様において、表皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの幅を有し得る。ある態様において、表皮層は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの幅を有し得る。
【0063】
[0078] ある態様において、合成皮革は、1つ以上の表皮層を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、40、60、80、または100の表皮層を有し得る。ある態様において、合成皮革が1つより多くの表皮層を含むことができる場合、1つの表皮層が別の表皮層上に配置されることができる。ある態様において、合成皮革は2つの表皮層、例えば、第1の表皮層および第2の表皮層を含むことができる。ある態様において、第1の表皮層は、第2の表皮層上に配置されることができる。
【0064】
[0079 ある態様において、表皮層は、例えば、複数の副層を有するように層化され得る。ある態様において、副層は、異なる細胞組成、例えば、異なるタイプのケラチノサイトを有することができる。ある態様において、副層は、改変細胞を含むことができる。ある態様において、表皮層の副層は、異なる厚さおよび/または密度を有することができる。ある態様において、表皮層は、角化層(角質層)、透明/半透明層(淡明層)、顆粒層(granular layer)(顆粒層(stratum granulosum))、表皮有棘層(有棘層)、基底層/胚芽層(basal/germinal layer)(基底層/胚芽層(stratum basale/germinativum))、またはそれらのあらゆる組合せの1つ以上を有することができる。ある態様において、表皮層は、機能的表皮透過性バリア(例えば、角質層中の組織化脂質二重層)を含み得る。ある態様において、角質層、淡明層、顆粒層、有棘層または基底層/胚芽層は、約0.0001mm~約5mmの厚さを有することができる。ある態様において、角質層、淡明層、顆粒層、有棘層、または基底層/胚芽層は、少なくとも約0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、または10mmの厚さを有することができる。ある態様において、角質層、淡明層、顆粒層、有棘層、または基底層/胚芽層は、最大で約50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.15mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mmまたは0.01mmの厚さを有することができる。
【0065】
[0080] ある態様において、表皮層は、色素、例えば、メラニンを産生する細胞をさらに含むことができる。ある態様において、そのような色素産生細胞は、メラニン形成細胞であり得る。ある態様において、表皮層中のメラニン形成細胞は、1以上のマーカーを発現することができる。ある態様において、そのようなマーカーは、SRYボックス含有遺伝子10(Sox-10)、小眼球症関連転写因子(MITF-M)、プレメラノソームタンパク質(gp-100)、ドパクロムトートメラーゼ(DCT)、チロシナーゼ(TYR)、およびメラン-A(MLANA)を含むことができるが、それらに限定され得ない。ある態様において、合成皮革は、表皮層を含まない可能性がある。
【0066】
[0081] ある態様において、合成皮革は、本明細書で開示される真皮層および/または表皮層中の細胞によって産生されるコラーゲンおよび細胞外マトリックス構成要素を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、本明細書で開示されるように、少なくとも部分的に脱細胞化された真皮層および/または表皮層を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、表皮層を含まない。ある態様において、合成皮革は、毛包細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、真皮乳頭細胞、免疫系細胞(例えばリンパ球、樹状細胞、肥満細胞、マクロファージまたはランゲルハンス細胞)、脂肪細胞、神経細胞、シュワン細胞およびそれらの混合物の少なくとも一部も含むことができる。ある態様において、合成皮革は、改変細胞(例えば分子スイッチを含む細胞)の少なくとも一部を含むことができる。合成皮革は、不死化細胞を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、単離された細胞を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、細胞株を含むことができる。
【0067】
[0082] 合成皮革は、原核細胞、真核細胞またはそれらの組み合わせの少なくとも一部を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、細菌細胞、例えば、大腸菌の少なくとも一部を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、真核細胞(例えば、ウシ細胞、ブタ細胞、ヒト細胞、出芽酵母)の少なくとも一部を含むことができる。
【0068】
[0083] ある態様において、合成皮革中の1以上の細胞の少なくとも一部は、遺伝子操作された細胞であり得る。“遺伝子操作された”という用語は、細胞の核酸内容物に対する人為的変更を指すことができる。従って、遺伝子操作された細胞は、細胞のゲノムにおける1以上のヌクレオチドの挿入、欠失および/または置換ならびに細胞中に挿入された自己複製染色体外核酸の導入を含む変更を含有する細胞を含むことができる。遺伝子操作された細胞は、1以上の遺伝子の転写が変更された、例えば、増加または低減した細胞も含む。
【0069】
[0084] ある態様において、細胞は分子スイッチを含むことができる。ある態様において、細胞は、分子スイッチを有しない可能性がある。ある態様において、細胞は、真核細胞(例えば動物細胞)または原核細胞であり得る。ある態様において、細胞は、遺伝子操作された細胞であり得る。ある態様において、細胞は、単離された細胞であり得る。ある態様において、細胞は、不死化細胞であり得る。ある態様において、細胞は、ヒト細胞、線維芽細胞、幹細胞、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。細胞は、脂肪組織由来細胞(例えば脂肪細胞)、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、筋線維芽細胞、サテライト細胞、筋芽細胞、筋細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、平滑筋細胞、臍帯細胞、多能性幹細胞、間葉系幹細胞、胚性幹細胞またはそれらのあらゆる組み合わせであることができる。ある態様において、細胞は、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類、爬虫類、およびウサギ類動物細胞からなる群から選択されることができる。ある態様において、細胞は、遺伝子操作された細胞であり得る。細胞は、複数の細胞を有する細胞株を含むことができる。ある態様において、細胞は、細胞外マトリックスタンパク質を産生することができる。ある態様において、細胞は、分子スイッチを含まない他の点では比較可能な野生型細胞と比較して、増進された細胞外マトリックス産生を有することができる。ある態様において、細胞外マトリックスタンパク質は、コラーゲン、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、改変組織は、本明細書で記載される細胞を含むことができる。
【0070】
[0085] ある態様において、細胞は、1以上の分子スイッチを含むことができる。ある態様において、細胞は、分子スイッチを有しない可能性がある。ある態様において、スイッチの活性化または不活性化は、改変細胞内で分子作用のカスケードを生成することができる。ある態様において、カスケードは、遺伝子/タンパク質発現の制御の増加を含むことができる。ある態様において、カスケードは、遺伝子/タンパク質発現の制御の減少を含むことができる。ある態様において、分子スイッチは、可逆的分子スイッチであり得る。ある態様において、分子スイッチは、部分的に活性化されることができる。ある態様において、部分的活性化は、遺伝子の発現を駆動する抗生物質のような低いレベルまたは濃度の刺激から生じ得る。例えば、部分的活性化は、完全活性化と比較して減少したスイッチの発現を含むことができる(例えばTet-on系)。別の例では、部分的活性化は、完全活性化と比較して増加したスイッチの発現を含むことができる(例えばTet-off系)。ある態様において、分子スイッチは、細胞の一部において活性であり得る。ある態様において、細胞の一部は、活性化される細胞の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%より多くを含み得る。ある態様において、細胞の一部は、活性化される細胞の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%未満を含み得る。ある態様において、細胞の一部は、活性化される細胞の約5%~約99%、10%~約30%、20%~約50%、40%~約70%または約50%~約95%を含むことができる。ある態様において、スイッチは、遺伝子、複数の遺伝子、ポリヌクレオチド、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、ポリヌクレオチドは、DNA、RNAまたはそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、分子スイッチは、DNA、cDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。分子スイッチは、刺激との直接的または間接的相互作用の後に遺伝子発現を増加または減少させることができる。分子スイッチはコドン最適化されることができる。ある態様において、分子スイッチは、ゲノムに組み込まれ得るか、染色体外であり得るか、または両方の組み合わせであり得る。ある態様において、遺伝子は、インテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、CDK4、p53媒介アポトーシス経路中の遺伝子、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。遺伝子は、ヒト、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、ウイルス、細菌またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。ある態様において、遺伝子は、1以上の遺伝子を含み得る融合遺伝子であり得る。ある態様において、遺伝子は、温度感受性スイッチ、例えば、tsA58をコードし得る。ある態様において、遺伝子は、Cre-LoxPリコンビナーゼ系、CRISPR系、FLP-FRT系、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガー、メチル化系、またはそれらのあらゆる組み合わせをコードすることができる。ある態様において、スイッチは、テトラサイクリン転写単位、デキサメタゾン制御転写単位、ドキシサイクリン制御転写単位、C-mycR制御転写単位、抗生物質制御転写単位、代謝産物制御転写単位またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、分子スイッチは、Tet-on、Tet-off系またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、分子スイッチは、T-REx系を含むことができる。ある態様において、Tet-on系において、テトラサイクリン、その誘導体、その塩、またはそのあらゆる組み合わせが細胞の環境に導入され得る際、系は遺伝子を発現するように誘導され得る。ある態様において、Tet-off系において、テトラサイクリン、その誘導体、その塩、またはそれらのあらゆる組み合わせが細胞の環境中に導入され得る際、系は遺伝子を抑制するように誘導され得る。ある態様において、分子スイッチは、エストロゲン受容体(ER)系であり得る。ある態様において、分子スイッチは、誘導系、例えば、エストロゲン受容体系およびTet-off系の混合物を含むことができる。ある態様において、スイッチは、プロモーター、オペレーターまたはそれらの組み合わせであり得る。ある場合には、プロモーターまたはオペレーターは、遺伝子の発現を変化させることができる。ある態様において、プロモーター、オペレーターまたはそれらのあらゆる組み合わせは、遺伝子における発現を活性化または抑制するように構成され得る。ある態様において、スイッチは、遺伝子、プロモーター、ポリヌクレオチド配列、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、分子スイッチは、刺激に基づいて、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こし得るか、または少なくとも部分的に固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、分子スイッチの発現の変化(例えば発現の増加または減少)は、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こし得るか、または少なくとも部分的に固定依存性の増殖を引き起こし得る。ある態様において、分子スイッチは、増殖の間少なくとも部分的にオンであり得る。ある態様において、分子スイッチは、増殖の間少なくとも部分的にオフであり得る。
【0071】
[0086] ある態様において、細胞は、選択可能マーカー(例えばレポーターコンストラクト)を含むことができる。ある態様において、スイッチは、選択可能マーカーを含むことができる。ある態様において、選択可能マーカーは、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、EGFP、青色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、橙色蛍光タンパク質、これらのいずれかをコードする遺伝子、またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、選択可能マーカーは、抗生物質耐性遺伝子(例えば、ブラストサイジン、geneticin、ミコフェノール酸、ピューロマイシン、ゼオシン、ハイグロマイシンb、それらの塩またはそれらのあらゆる組み合わせ)、発蛍光団、生合成遺伝子、栄養要求性マーカーまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、選択可能マーカーはアンチセンスRNAであり得る。ある態様において、選択可能マーカーを使用して、改変細胞を選択またはスクリーニングすることができる。
【0072】
[0087] ある態様において、スイッチは、後成的修飾を含むことができる。ある態様において、後成的修飾は、娘細胞に渡され得る。ある態様において、後成的修飾は、単一世代の間維持され得る。ある態様において、後成的修飾は、ヌクレオチド塩基、糖またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、後成的修飾は、ピリミジン、プリンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、後成的修飾は、リボース、デオキシリボースまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、後成的修飾は、シトシン、アデニン、グアニン、トレオニン、ウラシルまたはそれらのあらゆる組み合わせ上であり得る。後成的に修飾された塩基は、メチル化塩基、ヒドロキシメチル化塩基、ホルミル化塩基、カルボン酸含有塩基またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、後成的に修飾された塩基は、5-メチル化塩基、5-ヒドロキシメチル化塩基、5-ホルミル化塩基、5-カルボキシル化塩基、5-ヒドロキシメチルシトシン、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。
【0073】
[0088] ある態様において、分子スイッチは、トランスフェクション、形質転換、形質導入または注入によって細胞中に導入されることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質転換は、エレクトロポレーション、遺伝子銃(bolistic)粒子送達、ソノポレーション(sonoporation)またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、ゲノムまたは染色体外に位置し得る。ある態様において、分子スイッチは、ベクターによって細胞に送達され得る。ある態様において、ベクターは、プラスミドの形態のポリヌクレオチドであり得る。ある態様において、ベクターは、リポソーム、ナノ粒子またはそれらのあらゆる組み合わせで構成され得る。リポソームは、単層リポソーム、多層状リポソーム、アルカソーム(archaeosome)、ノイソーム(noisome)、ノバソーム(novasome)、クリプトソーム(cryptosome)、エマルソーム(emulsome)、ベソソーム(vesosome)もしくはこれらのいずれかの派生物、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができるが、それらに限定され得ない。ナノ粒子は、バイオポリマー性ナノ粒子、アルギネートナノ粒子、キサンタンガムナノ粒子、セルロースナノ粒子、デンドリマー、ポリマー性ミセル、ポリプレックス、無機ナノ粒子、ナノ結晶、金属ナノ粒子、量子ドット、タンパク質ナノ粒子、多糖ナノ粒子もしくはこれらのいずれかの派生物またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができるが、これらに限定され得ない。ある態様において、ベクターは、レトロウイルス、レンチウイルス、コロナウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、ラブドウイルス、モルビウイルス、ピコルナウイルス、コクサッキーウイルスもしくはピコルナウイルスもしくはこれらのいずれかの部分、もしくはこれらのいずれかの断片、またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得るがそれらに限定され得ないRNAウイルスベクターであり得る。ある態様において、ベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、アデノウイルス、ハイブリッドアデノウイルス系、ヘパドナウイルス、パルボウイルス、パピローマウイルス、ポリオーマウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、これらのいずれかの一部、これらのいずれかの断片、またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得るがそれらに限定され得ないDNAウイルスベクターであり得る。
【0074】
[0089] ある態様において、分子スイッチは、刺激によって制御され得る。ある態様において、刺激は、直接刺激、間接刺激またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、刺激は、勾配で有り得る。勾配刺激は、細胞の混合物において分子スイッチを部分的に活性化させることができる。ある態様において、勾配刺激は、細胞培養物の細胞の画分において分子スイッチを活性化することができない。ある態様において、勾配刺激は、細胞培養物の細胞の画分において分子スイッチを活性化することができる。ある態様において、勾配が増加または減少するにつれて、分子スイッチは多かれ少なかれ活性化され得る。ある態様において、細胞増殖、細胞播種、またはそれらのあらゆる組み合わせは、刺激の存在下であり得る。ある態様において細胞増殖、細胞播種、またはそれらのあらゆる組み合わせは、刺激の非存在下であり得る。ある態様において、細胞(例えばスイッチを有する不死化細胞)は、刺激と接触することができる。ある態様において、刺激は、細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずに増殖させることができる。ある態様において、刺激は、細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させることができる。ある態様において、刺激の非存在は、細胞を少なくとも部分的に固定に依存せず増殖させることができる。ある態様において、刺激の非存在は、細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させることができる。細胞は1つの刺激または複数の刺激(例えば第2の刺激)に曝露され得る。刺激は、環境刺激であり得る。ある態様において、環境刺激は、温度、磁場、pH、光、電流、微小環境、イオン、音、空気圧、湿度、物理的刺激(例えば機械的刺激)またはそれらのあらゆる組合せの存在、非存在またはレベルを含むことができる。ある態様において、刺激は、培地における変化であり得る。ある態様において、培地は、培養培地を含むことができる。ある態様において、培養培地は、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、RPMI-1640、イーグル最少必須培地、ハム栄養混合物、イスコフ変法ダルベッコ培地またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、サプリメントが培養培地に添加されることができる。ある態様において、サプリメントは、塩、緩衝試薬、フェノールレッド、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝剤、アミノ酸、炭水化物、脂質、タンパク質、ペプチド、脂肪酸、ビタミン、元素、抗生物質、血清、細胞培養培地サプリメントまたはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、刺激は、炭水化物、脂質、核酸、タンパク質、抗生物質、有機化学物質、無機化学物質、人工化学物質、代謝産物またはそれらのあらゆる組み合わせの存在、非存在、またはレベルであり得る。ある態様において、細胞(例えば本明細書で記載される改変細胞)は、増殖の間、約15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃または45℃の温度に曝露され得る。ある態様において、細胞(例えば本明細書で記載される改変細胞)は、播種の間に、約15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、または45℃の温度に曝露され得る。ある態様において、増殖および播種の間の温度差は、約1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃または35℃であり得る。ある場合には、温度刺激は、約28℃から約36℃へ、28℃から約37℃へ、28℃から約38℃へ、28℃から約39℃へ、28℃から約40℃へ、28℃から約41℃へ、29℃から約36℃へ、29℃から約37℃へ、29℃から約38℃へ、29℃から約39℃へ、29℃から約40℃へ、29℃から約41℃へ、30℃から約36℃へ、30℃から約37℃へ、30℃から約38℃へ、30℃から約39℃へ、30℃から約40℃へ、30℃から約41℃へ、31℃から約36℃へ、31℃から約37℃へ、31℃から約38℃へ、31℃から約39℃へ、31℃から約40℃へ、31℃から約41℃へ、32℃から約36℃へ、32℃から約37℃へ、32℃から約38℃へ、32℃から約39℃へ、32℃から約40℃へ、32℃から約41℃へ、33℃から約36℃へ、33℃から約37℃へ、33℃から約38℃へ、33℃から約39℃へ、33℃から約40℃へ、33℃から約41℃へ、34℃から約36℃へ、34℃から約37℃へ、34℃から約38℃へ、34℃から約39℃へ、34℃から約40℃へ、34℃から約41℃へ、35℃から約36℃へ、35℃から約37℃へ、35℃から約38℃へ、35℃から約39℃へ、35℃から約40℃へ、または35℃から約41℃への温度変化であり得る。ある場合には、温度刺激は、約41℃から約28℃へ、41℃から約29℃へ、41℃から約30℃へ、41℃から約31℃へ、41℃から約32℃へ、41℃から約33℃へ、41℃から約34℃へ、41℃から約35℃へ、40℃から約28℃へ、40℃から約29℃へ、40℃から約30℃へ、40℃から約31℃へ、40℃から約32℃へ、40℃から約33℃へ、40℃から約34℃へ、40℃から約35℃へ、39℃から約28℃へ、39℃から約29℃へ、39℃から約30℃へ、39℃から約31℃へ、39℃から約32℃へ、39℃から約33℃へ、39℃から約34℃へ、39℃から約35℃へ、38℃から約28℃へ、38℃から約29℃へ、38℃から約30℃へ、38℃から約31℃へ、38℃から約32℃へ、38℃から約33℃へ、38℃から約34℃へ、38℃から約35℃へ、37℃から約28℃へ、37℃から約29℃へ、37℃から約30℃へ、37℃から約31℃へ、37℃から約32℃へ、37℃から約33℃へ、37℃から約34℃へ、37℃から約35℃へ、36℃から約28℃へ、36℃から約29℃へ、36℃から約30℃へ、36℃から約31℃へ、36℃から約32℃へ、36℃から約33℃へ、36℃から約34℃へ、または36℃から約35℃への温度変化であり得る。ある態様において、分子スイッチは、温度刺激に基づいて可逆的であり得る。
【0075】
[0090] ある態様において、遺伝子操作された細胞は、コラーゲン産生のための遺伝子を含むことができる。ある態様において、コラーゲン遺伝子は、P4HA、P4HB、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、コラーゲン遺伝子は、コラーゲン遺伝子の発現を変化させることができる、例えば増加または減少させることができる、変化したプロモーターを有することができる。ある態様において、コラーゲン遺伝子は、ヒト由来であり得る。ある態様において、コラーゲン遺伝子は、動物、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。
【0076】
[0091] ある態様において、合成皮革は、不死化細胞、それから発生した組織またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、外因性ポリヌクレオチドは、(i)腫瘍抑制タンパク質またはその断片と相互作用し、腫瘍抑制タンパク質またはその断片の活性を変化させることができるポリペプチド、(ii)腫瘍抑制タンパク質またはその断片と相互作用するポリペプチドをコードすることができるポリヌクレオチドまたは(iii)(i)および(ii)の組み合わせをコードすることができる。ある態様において、腫瘍抑制タンパク質またはその断片の活性は、インビトロアッセイによって測定されることができる。ある態様において、不死化細胞は、分子スイッチを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、非不死化細胞、それから発生した組織、またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。不死化細胞は、線維芽細胞、脂肪組織由来細胞、臍帯細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞、またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、不死化細胞は、多能性幹細胞、誘導多能性幹細胞、間葉系幹細胞または胚性幹細胞を含むか、またはそれに由来し得る。ある態様において、不死化細胞は、本明細書で記載されるあらゆる細胞型と同様の特徴を有することができる。ある態様において、不死化細胞は、変異を有することができる。ある態様において、不死化細胞は、外因性遺伝子を含み得る。ある態様において、外因性遺伝子または複数の外因性遺伝子は、不死化を引き起こし得る。ある態様において、外因性遺伝子は、hTERT、TERT、Bmi1、CcnD1、Cdk4の変異体、Cdk4、TAg(SV40ラージT)、SV40、c-myc、H-ras、Ela、c-mMycERTAM、E6、E7、HER-2、SRC、EGFR、Abl、Atk02、Aml1、Axl、Bcl、Dbl、EGFR、ERBB、Ets-1、Fms、Fos、Fps、Gli、Gsp、Her2、Hox11、Hst、Il-3、Int-2、Jun、Kit、KS3、K-SAM、Lbc、Lck、L-myc、Lyl-1、Lyt-10、Mas、MDM-2、Mll、Mos、Myb、Neu、N-myc、Ost、Pax-5、Pim-1、PRAD-1、Ras-K、Ras-N、Ret、Ros、Ski、Sis、Set、Src、Tal1、Tan1、Tiam1、Tsc2、Trkまたはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、不死化細胞は、1以上の遺伝子を含むことができる融合遺伝子であり得る外因性遺伝子を有することができる。ある態様において、不死化細胞は、不死化を誘導することができるタンパク質産物またはその生物学的に活性な断片を有することができる。ある態様において、不死化細胞は、細胞分裂後に(例えば、Cre-LoxP系またはCRISPR系によって)外因性遺伝子を除去することができる。ある態様において、外因性遺伝子はヒト由来であり得る。ある態様において、外因性遺伝子は、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、ウイルス、細菌またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。ある態様において、不死化細胞は、ランダム変異または複数の変異を有し得る。ある態様において、変異は、UV変異誘発、化学的変異誘発またはそれらのあらゆる組み合わせによって生成され得る。特定の場合において、不死化細胞は標的化された変異を有し得、例えば、標的化された変異は、CRISPR系によって作製され得る。ある態様において、変異は、細胞周期遺伝子、癌遺伝子、代謝遺伝子、またはそれらのあらゆる組み合わせ中にあり得る。ある態様において、不死化細胞は、遺伝子、プロモーター領域、遺伝子内領域、遺伝子間領域、またはそれらのあらゆる組み合わせに変異を有することができる。ある態様において、遺伝子は、癌遺伝子、細胞周期遺伝子またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、不死化細胞は、癌遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子の増加または減少した発現を有することができる。ある態様において、不死化細胞は分子スイッチを有することができる。ある態様において、不死化細胞は、条件的不死化細胞であり得る。ある態様において、条件的不死化細胞は、特定の環境刺激下で不死化細胞表現型を、または異なる環境刺激下で分化細胞表現型を示すことができる。ある態様において、不死化細胞は、約30回の細胞分裂、約40回の細胞分裂、約50回の細胞分裂、約60回の細胞分裂、約70回の細胞分裂、約80回の細胞分裂、約90回の細胞分裂、約100回の細胞分裂、約150回の細胞分裂、約200回の細胞分裂、約250回の細胞分裂、約300回の細胞分裂、約350回の細胞分裂、約400回の細胞分裂、約450回の細胞分裂、約500回の細胞分裂、約550回の細胞分裂、約600回の細胞分裂、約650回の細胞分裂、約700回の細胞分裂、約750回の細胞分裂、約800回の細胞分裂、約850回の細胞分裂、約900回の細胞分裂、約950回の細胞分裂、約1000回の細胞分裂、約5,000回の細胞分裂、約10,000回の細胞分裂、約50,000回の細胞分裂、または約100,000回の細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。
【0077】
[0092] ある態様において、本明細書で記載される方法は、第1の環境において不死化細胞を増殖させること(ここで、不死化細胞は、刺激の存在または非存在によって少なくとも部分的に活性化または部分的にサイレンシングされ得る、可逆的外因性分子スイッチを含み得る);および不死化細胞をスキャフォールド上に播種することを含み得る。ある態様において、環境は、バイオリアクター、インキュベーター、容器、スキャフォールド、増殖条件(例えば増殖培地、温度、曝気、懸濁液中)またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0078】
[0093] ある態様において、本明細書で記載される細胞は、キットに含まれ得る。ある態様において、キットは、増殖培地、使用説明書、包装またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0079】
[0094] ある態様において、合成皮革は、メラニン形成細胞、毛包、汗腺および神経終末のような天然皮膚の少なくとも1つの構成要素を有することができる。ある場合には、合成皮革は、そのこれらの構成要素の少なくとも1つの欠如によって、正常な天然の皮膚と区別されることができる。ある態様において、異常な表現型を示すか、または変化した遺伝子型を有する少なくとも1つの細胞を有し、合成皮革は、これらの構成要素の全てを含むことができる。
【0080】
[0095] ある態様において、追加の構成要素が合成皮革に添加されることができる。そのような追加の構成要素は、筋上皮細胞、導管細胞、分泌細胞、肺胞細胞、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、接着、乳腺またはそれらのあらゆる混合物を含み得る。ある態様において、合成皮革は、以下の1以上を含むことができる:神経細胞、結合組織(骨、軟骨、骨形成細胞および軟骨細胞に分化する細胞ならびにリンパ組織を含む)、上皮細胞(空洞および血管またはチャネルの裏層を形成する内皮細胞、外分泌上皮細胞、上皮吸収細胞、角質化上皮細胞および細胞外マトリックス分泌細胞を含む)および未分化細胞(例えば胚細胞、幹細胞および他の前駆細胞)。
【0081】
[0096] ある態様において、合成皮革は、毛包を含むことができる。毛包は、乳頭、マトリックス、毛根鞘、隆起、漏斗、立毛筋、皮脂腺、アポクリン汗腺またはそれらのあらゆる組み合わせを含む1以上の構造を含むことができる。毛包は、真皮乳頭細胞、外毛根鞘細胞またはそれらのあらゆる組み合わせを含む、1以上の毛包細胞を含むことができる。ある態様において、毛包は、表皮層中にあり得る。ある態様において、毛包は、真皮層中にあり得る。ある態様において、毛包細胞は、前駆細胞、例えば幹細胞から分化させることができる。ある態様において、毛包細胞の少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%を誘導多能性幹細胞から分化させることができる。
【0082】
[0097] ある態様において、合成皮革は、毛髪、血管、皮脂腺、毛包、油腺、神経またはそれらのあらゆる組み合わせを欠くことができる
[0098] ある態様において、合成皮革は毛髪を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、1以上の層状構造の毛髪を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、毛皮を含むことができる。ある態様において、毛髪(例えば、毛皮)は、天然、合成またはそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、毛髪(例えば、毛皮)は、合成皮革中の細胞から成長させるか、または外因性供給源から合成皮革に添加されることができる。ある態様において、合成皮革は、いかなる毛髪も有し得ない。
【0083】
[0099] ある態様において、合成皮革中の1以上の細胞の少なくとも一部を、前駆細胞、例えば幹細胞から分化させることができる。ある態様において、合成皮革は、改変細胞、または本明細書で開示される改変細胞を含む組織から生成され得る。ある態様において、合成皮革中の線維芽細胞を幹細胞から分化させることができる。ある態様において、合成皮革中のケラチノサイトを幹細胞から分化させることができる。ある態様において、合成皮革中のメラニン形成細胞を幹細胞から分化させることができる。
【0084】
[0100] ある態様において、幹細胞は、胚性幹細胞(ESC)、成体幹細胞、体性幹細胞、組織特異的幹細胞、間葉系幹細胞、誘導多能性幹細胞(iPSC)またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、幹細胞は、全能性、多能性または多分化能であり得る。ある態様において、幹細胞は、成体幹細胞、臍帯血幹細胞、またはそれらの組み合わせを含み得る。胚性幹細胞は、1週齢未満であり得る受精胚に由来し得る。誘導多能性幹細胞は、あらゆる体細胞において、Oct3、Oct4、Sox2、Klf4、TERT、Bmi1、CcnD1、Cdk4、SV40ラージT抗原、c-Myc、これらの遺伝子のいずれかの断片の1つ以上の誘導発現によって得られ得る。ある態様において、体細胞は、成体体細胞を含み得る。ある態様において、体細胞は線維芽細胞を含むことができる。ある態様において、外因性ベクターは、多能性を誘導する遺伝子を含むかまたはコードすることができる。ある態様において、外因性ベクターはプラスミドを含むことができる。ある態様において、誘導多能性幹細胞は、活性タンパク質産物またはその生物学的に活性な断片によって得られ得る。ある態様において、体細胞を誘導多能性幹細胞に再プログラミングするために、1以上の他の遺伝子が誘導されることもできる。ある態様において、多能性を誘導するための遺伝子は、NANOG、UTF1、LIN28、SALL4、NR5A2、TBX3、ESSRB、DPPA4、SV40LT、REM2、MDM2、およびサイクリンD1を含み得る。ある態様において、遺伝子は、ヒト由来であり得る。ある態様において、遺伝子は、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。
【0085】
[0101] ある態様において、体細胞をiPSCに再プログラムするために遺伝子の発現を調節するために、様々な送達方法が使用されることができる。ある態様において、例示的な送達方法は、裸DNA送達、アデノウイルスベクター、電気的送達、化学的送達、機械的送達、ポリマーベースの系、マイクロインジェクション、レトロウイルスベクター(例えば、MMLV由来レトロウイルス)、レンチウイルスベクター(例えば切除可能なレンチウイルス)またはそれらのあらゆる組合せを含み得る。ある態様において、体細胞は、成体体細胞を含むことができる。ある態様において、体細胞は、多能性を誘導する遺伝子の送達のためのベクターでトランスフェクションされ得る。ある態様において、ベクターは、ウイルスベクターを含むことができる。ある態様において、ベクターは、レトロウイルスベクターを含むことができる。ある態様において、多能性を誘導する遺伝子は、Oct3、Oct4、Sox2、Klf4、TERT、Bmi1、CcnD1、Cdk4、SV40ラージT抗原、c-Myc、これらのいずれかの断片、またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、センダイウイルスが送達系として使用されることができる。ある態様において、体細胞は、成体体細胞を含むことができる。ある態様において、体細胞は、染色体外ベクターでトランスフェクションされることができる。ある態様において、染色体外ベクターは、プラスミドを含むことができる。ある態様において、染色体外ベクターは、Oct3、Oct4、Sox2、Klf4、TERT、Bmi1、CcnD1、Cdk4、SV40ラージT抗原、c-Myc、これらのいずれかの断片またはそれらのあらゆる組み合わせを送達することができる。
【0086】
[0102] 本明細書において、ある態様において、細胞を含む方法および組成物が開示される。ある態様において、細胞は、動物に由来する細胞を含むことができる。ある態様において、細胞は、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。ある態様において、細胞は、生検から得られることができる。ある態様において、細胞は、不死化され得る。ある態様において、合成皮革は、本明細書で記載されるあらゆる細胞型由来の改変細胞を含むことができ、分子スイッチを含むことができる。
【0087】
[0103] ある態様において、合成皮革は、動物に由来する細胞を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、哺乳動物に由来する細胞を含むことができる。ある態様において、哺乳動物に由来する細胞は、哺乳動物細胞を含み得る。ある態様において、哺乳動物は、非ヒト哺乳動物を含み得る。ある態様において、非ヒト哺乳動物は、レイヨウ、クマ、ビーバー、バイソン、イノシシ、ラクダ、カリブー、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ゾウ、ヘラジカ、キツネ、キリン、ヤギ、ウサギ、ウマ、アイベックス、カンガルー、ライオン、ラマ、オオヤマネコ、ミンク、アメリカヘラジカ、雄ウシ、ペッカリー、ブタ、ウサギ、サイ、アザラシ、ヒツジ、子羊、リス、トラ、クジラ、オオカミ、ヤクまたはシマウマであり得る。ある態様において、動物は、霊長類、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、げっ歯類、ウサギ類、魚類、鳥類または爬虫類であり得る。ある態様において、動物は爬虫類を含むことができる。ある態様において、爬虫類は、ワニ、アリゲーター、またはヘビを含むことができる。ある態様において、哺乳動物は、ヒトであり得る。ある態様において、ヒトは有名人であり得る。本明細書で使用される際、用語“有名人”は、以前の活動の悪評または一般的名声によってコミュニティの注目を集めた人と定義されることができる。“有名人”は、プロおよびアマチュアのスポーツ、エンターテインメント、音楽、映画、ビジネス、印刷及び電子メディア、政治等を含むがそれらに限定されない産業と関係し得る。
【0088】
[0104] ある態様において、合成皮革は、他の種に由来する細胞を含むことができる。ある態様において、細胞は鳥類に由来し得る。ある態様において、鳥類は、ニワトリ、カモ、エミュー、ガチョウ、ライチョウ、ダチョウ、キジ、ハト、ウズラまたは七面鳥を含み得る。ある態様において、細胞は、爬虫類、例えばカメ、ヘビ、トカゲ、両生類、ワニまたはアリゲーターに由来し得る。ある態様において、細胞は、両生類に由来し得る。ある態様において、両生類は、カエル、ヒキガエル、サンショウウオまたはイモリを含むことができる。ある態様において、細胞は魚類に由来し得る。ある態様において、魚類は、アンチョビー、バス、ナマズ、コイ、タラ、ウナギ、カレイ、フグ、ハタ、ハドック、オヒョウ、ニシン、サバ、マヒマヒ、マンタ、マーリン、オレンジラフィー、パーチ、カワカマス、タラ、サケ、イワシ、サメ、フエダイ、シタビラメ、アカエイ、メカジキ、ティラピア、マス、マグロまたはスケトウダラを含むことができる。
【0089】
[0105] ある態様において、合成皮革中の細胞は、同じ種に由来し得る。ある態様において、合成皮革中の全ての細胞は、ウシ細胞であり得る。ある態様において、合成皮革は、複数の種に由来する細胞を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、ウシ細胞およびアリゲーター細胞を含むことができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、または10種に由来する細胞を含むことができる。
【0090】
[0106] ある態様において、合成皮革中の細胞の前駆体はまた、本明細書で記載される供給源に由来し得る。ある態様において、改変細胞は、分子スイッチ、体細胞、合成細胞で使用される初代細胞、真皮層細胞、表皮層細胞、または合成細胞中のあらゆる細胞を含むことができ、それらの前駆体は、本明細書で記載される供給源に由来することができる。ある態様において、体細胞は、iPSCに再プログラムされることができる。
【0091】
[0107] ある態様において、合成皮革は、1つ以上の層状構造を含むことができる。ある態様において、第1のタイプの層を第2のタイプの層の上に配置することによって、層状構造が形成されることができる。ある態様において、第1のタイプの層および第2のタイプの層は、同じであるかまたは異なることができる。ある態様において、層状構造は、表皮層を真皮層上に配置することによって形成されることができる。ある態様において、層状構造は、表皮層を真皮層上に配置し、その間に基底膜代替物を有することによって形成され得る。ある態様において、層状構造は、真皮の複数の層を含むことができる。
【0092】
[0108] ある態様において、層状構造は、2つ以上の層を含むことができる。ある態様において、層状構造は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500または1000層を含むことができる。ある態様において、層状構造は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500または1000の第1のタイプの層および少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40または50の第2のタイプの層を含むことができる。ある態様において、層状構造は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500または1000の真皮層および少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500または1000の表皮層を含むことができる。
【0093】
[0109] ある態様において、層状構造は、本明細書で記載される1タイプ以上の細胞を含むことができる。ある態様において、層状構造は、線維芽細胞のような真皮層中の細胞、表皮層中の細胞またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、表皮層中の細胞は、ケラチノサイトを含み得る。ある態様において、層状構造は、スイッチを有する改変細胞を含むことができる。ある態様において、層状構造は、外因性分子スイッチを有する不死化細胞を含むことができる。
【0094】
[0110] ある態様において、層状構造は、約0.001mm~約100mmの厚さを有することができる。ある態様において、層状構造は、約0.005mm~約50mm、約0.005~約10、約0.01mm~約10mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、または約0.1~約0.5mmの厚さを有することができる。ある態様において、層状構造の厚さは、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、10mm、20mm、40mm、60mm、80mm、または100mmであり得る。ある態様において、層状構造の厚さは最大で100mm、50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、層状構造は、少なくとも約100、200、300、400、500、600、700、800mmの厚さを有することができる。
【0095】
[0111] ある態様において、層状構造の長さは、合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。ある態様において、層状構造は、約0.01mm~約50mの長さを有することができる。ある態様において、層状構造は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mmまたは約0.1~約0.5mmの長さを有することができる。ある態様において、層状構造は、約0.02mm~5mmの長さを有することができる。ある態様において、層状構造は、約0.1mm~0.5mmの長さを有することができる。ある態様において、層状構造は、約0.2mm~0.5mmの長さを有することができる。ある態様において、層状構造の長さは少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mmまたは10mmであり得る。ある態様において、層状構造の長さは最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、層状構造は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの長さを有することができる。ある態様において、層状構造は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの長さを有することができる。ある態様において、層状構造は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの長さを有することができる。
【0096】
[0112] ある態様において、層状構造の幅は、合成皮革の機能または使用に適合するように設計されることができる。層状構造は、約0.01mm~約50mの幅を有することができる。例えば、層状構造は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mmまたは約0.1~約0.5mmの幅を有することができる。例えば、層状構造は、約0.02mm~5mmの幅を有することができる。例えば、層状構造は、約0.1mm~0.5mmの幅を有することができる。例えば、層状構造は、約0.2mm~0.5mmの幅を有することができる。ある態様において、層状構造の幅は、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、または10mmであり得る。ある態様において、層状構造の幅は、最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、層状構造は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの幅を有することができる。ある態様において、層状構造は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの幅を有することができる。ある態様において、層状構造は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの幅を有することができる。
【0097】
[0113] 層状構造は、少なくとも約50:1、40:1、30:1、29:1、28:1、27:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:10または1:100のあらゆる比率で線維芽細胞およびケラチノサイトを含むことができる。ある態様において、線維芽細胞対ケラチノサイトの比率は、約20:1~約3:1、約20:1~約4:1、約20:1~約5:1、約20:1~約10:1または約20:1~約15:1であり得る。ある態様において、層状構造は、本明細書で開示されるあらゆる細胞を含むことができる。ある態様において、層状構造は、本明細書で開示されるあらゆる改変細胞を含むことができる。
【0098】
[0114] 層状構造は、少なくとも約50:1、40:1、30:1、29:1、28:1、27:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:10または1:100のあらゆる比率で線維芽細胞およびメラニン形成細胞を含むことができる。ある態様において、線維芽細胞対メラニン形成細胞の比は、約20:1~約3:1、約20:1~約4:1、約20:1~約5:1、約20:1~約10:1、または約20:1~約15:1であり得る。
【0099】
[0115] 層状構造は、少なくとも約50:1、40:1、30:1、29:1、28:1、27:1、26:1、25:1、24:1、23:1、22:1、21:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:10または1:100のあらゆる比率でケラチノサイトおよびメラニン形成細胞を含むことができる。ある態様において、ケラチノサイト対メラニン形成細胞の比率は、約20:1~約3:1、約20:1~約4:1、約20:1~約5:1、約20:1~約10:1、または約20:1~約15:1であり得る。
【0100】
[0116] 層状構造中の細胞の1つのタイプは、層状構造中の全細胞集団の最大で99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、10%、5%または1%を含むことができる。層状構造中の細胞の1つのタイプは、層状構造中の全細胞集団の少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%を含むことができる。例えば、層状構造中の線維芽細胞は、層状構造中の全細胞集団の少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%を含むことができる。
【0101】
[0117] 本明細書において、ある態様において、合成皮革が開示される。本明細書において、ある態様において、合成皮革を形成する方法が開示される。ある態様において、合成皮革は、細胞の層の少なくとも一部、細胞の少なくとも部分的に脱細胞化された層、1つ以上の層状構造、1つ以上の少なくとも部分的に脱細胞化された層状構造またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、1つ以上の層状構造、真皮、または表皮によって形成され得る。ある態様において、合成皮革は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100層構造によって形成されることができる。
【0102】
[0118] ある態様において、合成皮革は、様々な厚さのものであることができる。ある態様において、合成皮革は、天然皮革に似た厚さを有することができる。ある態様において、合成皮革は、約0.001mm~約100mmの厚さを有することができる。例えば、層状構造は、約0.005mm~約50mm、約0.005~約10、約0.01mm~約10mm、約0.1~約5mm、約0.5mm~約5mm、約0.5mm~約3mm、約0.8mm~約3mm、約0.8mm~約2mm、約0.8mm~約1.8mm、約0.8mm~約1.6mm、約0.9mm~約1.4mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約1.4mm、または約1mm~約1.3mmの厚さを有することができる。ある態様において、合成皮革の厚さは、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、10mm、20mm、40mm、60mm、80mmまたは100mmであり得る。ある態様において、合成皮革の厚さは、最大で100mm、50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、合成皮革の厚さは約1.2mmであり得る。
【0103】
[0119] 合成皮革は、約0.01mm~約50mの長さを有し得る。例えば、合成皮革は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mm、または約0.1~約0.5mmの長さを有し得る。例えば、合成皮革は、約0.02mm~5mmの長さを有し得る。例えば、合成皮革は、約0.1mm~0.5mmの長さを有し得る。例えば、合成皮革は、約0.2mm~0.5mmの長さを有し得る。ある態様において、合成皮革の長さは、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、または10mmであり得る。ある態様において、合成皮革の長さは最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、合成皮革は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの長さを有することができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの長さを有することができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの長さを有することができる。
【0104】
[0120] 合成皮革は、約0.01mm~約50mの幅を有することができる。例えば、合成皮革は、約0.01mm~約10mm、約0.01mm~約8mm、約0.01~約5mm、約0.02~約5mm、約0.05~約5mm、約0.1~約5mm、約0.1~約2mm、約0.1~約1mm、約0.1~約0.8mm、または約0.1~約0.5mmの幅を有することができる。例えば、合成皮革は、約0.02mm~5mmの幅を有し得る。例えば、合成皮革は、約0.1mm~0.5mmの幅を有し得る。例えば、合成皮革は、約0.2mm~0.5mmの幅を有し得る。ある態様において、合成皮革の幅は、少なくとも0.001mm、0.01mm、0.02mm、0.04mm、0.08mm、0.1mm、0.2mm、0.4mm、0.8mm、1mm、2mm、4mm、8mm、または10mmであり得る。ある態様において、合成皮革の幅は、最大で50mm、40mm、20mm、10mm、8mm、4mm、2mm、1mm、0.8mm、0.4mm、0.2mm、0.1mm、0.08mm、0.04mm、0.02mm、または0.01mmであり得る。ある態様において、合成皮革は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、700、1000mmの幅を有することができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700cmの幅を有することができる。ある態様において、合成皮革は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、200、300、400mの幅を有することができる。
【0105】
[0121] ある態様において、合成皮革は、バイオファブリケートされた材料を含むことができる。ある態様において、皮革は、バイオファブリケートされた材料を含むことができる。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、本明細書で開示される細胞、改変細胞、または組織を含むことができる。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、本明細書で記載される改変細胞を含むことができる。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、ゾーン特性を含むことができる。ゾーン特性は、バイオファブリケートされた材料中のゾーンの1以上を含むことができる。ある態様において、ゾーンは、それに隣接する1以上のゾーンとは異なり得る1以上の特性を有することができる。ある態様において、ゾーンごとに異なり得る特性は、色、通気性、伸縮性、引裂き強度、柔らかさ、剛性、耐摩耗性、加熱または冷却を可能にする熱伝達、電磁気、発光、反射率、抗菌、抗真菌、抗細菌、強度、芳香およびそれらの組み合わせを含む。
【0106】
[0122] 合成皮革は、基底膜代替物をさらに含むことができる。基底膜代替物は、2つの細胞層の間、例えば、真皮層および表皮層の間にあり得る。基底膜代替物は、構造的観点および/または生化学的観点から、インビボで存在するものと同様の真皮-表皮接合部であり得る。生化学的観点から、基底膜代替物は、基底膜の、緻密板の、透明板の、および基底下帯の構成要素、例えば、コラーゲンIV、コラーゲンVII、ラミニン5、エンタクチン、フィブロネクチンまたはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。
【0107】
[0123] 合成皮革における基底膜代替物は、尿基底膜(UBM)、肝臓基底膜(LBM)、羊膜(amnion)、絨毛膜、同種移植心膜、同種移植無細胞真皮、羊膜(amniotic membrane)、ワルトン膠様質またはそれらのあらゆる組合せであり得る。例えば、基盤膜代替物は、乾燥無細胞羊膜であり得る。ある場合において、基礎膜代替物は、ポリマー、例えば、ナノポリマーであり得る。例えば、基盤膜代替物は、Bye et al., Journal of Biomaterials and Tissue Engineering Vol. 4, 1-7, 2014に記載されているように、ナノ繊維状ポリヒドロキシブチレート-コヒドロキシバレレート(PHBV)であり得る。
【0108】
[0124] ある態様において、細胞、細胞層、層状構造、または合成皮革は、スキャフォールド上に播種されることができる。ある態様において、スキャフォールドは支持体を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、特定の硬度(例えば、引裂きに対する抵抗性)、弾性または両方を提供することができる。ある態様において、合成皮革は、スキャフォールドの一部または全体を含むことができる。ある態様において、合成皮革はスキャフォールドを含まない可能性がある。ある態様において、合成皮革における層の形成を補助した後、スキャフォールドは最終合成皮革製品から除去されることができる。ある態様において、合成皮革に含まれるスキャフォールドは、ある期間の後に分解され得る。ある態様において、スキャフォールドは、分解性、生分解性、生体吸収性、再吸収性、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。
【0109】
[0125] ある態様において、スキャフォールドは、天然材料、合成材料、またはそれらのあらゆる組み合わせから作製され得る。ある態様において、スキャフォールドは支持体を含むことができる。ある態様において、支持体は、細胞増殖のための支持体を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、生体吸収性合成ポリマーで作製されたネットを使用して形成されることができる。ある態様において、スキャフォールドは、ナイロンネットをシリコンフィルムに取り付けることによって形成されることができる。ある態様において、スキャフォールドは、コラーゲンスポンジおよびシリコンシートの2層構造を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、アテロコラーゲンスポンジを使用して形成されることができる。ある態様において、スキャフォールドは、シートへと作製されることができる。ある態様において、スキャフォールドは、異なる孔径を有するコラーゲンスポンジを適合させることによって形成されることができる。ある態様において、無細胞真皮マトリックス(ADM)は、少なくとも部分的に脱細胞化されているフィブリン接着剤、同種皮膚、またはそれらの組み合わせを使用して形成されることができる。
【0110】
[0126] ある態様において、スキャフォールドは、天然物質、例えばコラーゲン(例えばコラーゲンマトリックス)、天然接着剤(例えばフィブリン接着剤、冷接着剤、動物接着剤、血液アルブミン接着剤、カゼイン接着剤、または植物接着剤、例えばデンプンおよびデキストリン接着剤)を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ヒドロゲルまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは絹を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、絹から作製され得る。ある態様において、スキャフォールドは、絹フィブロイン、セルロース、綿、アセテート、アクリル、ラテックス繊維、リネン、ナイロン、レーヨン、ビロード、モダクリル、オレフィンポリエステル、サラン、ビニヨン、羊毛、ジュート、麻、竹、亜麻またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは繊維を含むことができる。ある態様において、繊維は、絹、綿、羊毛、リネン、特に木材、植物、藻類から抽出されたセルロース、ポリアミド、変性セルロース、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド、アクリル繊維、例えばポリメチルメタクリレートまたはポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレートのアクリル繊維、ポリオレフィンの繊維、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンの繊維、ガラス、シリカ、アラミド、炭素、例えばグラファイトの一形態、ポリ(テトラフルオロエチレン)、不溶性コラーゲン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、キトサン、ポリウレタン、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリエチレンフタレート、ならびにポリマーのブレンド、例えば上述のポリマーのブレンド、例えばポリアミド/ポリエステル繊維から形成された繊維またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、変性セルロースは、レーヨン、ビスコース、アセテート、レーヨンアセテートまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0111】
[0127] ある態様において、スキャフォールドは、ポリマーを含むことができる。ある態様において、ポリマーは、バイオポリマーを含むことができる。ある態様において、バイオポリマーは、キチン、キトサン、エラスチン、コラーゲン、ケラチンまたはポリヒドロキシアルカノエートを含むことができるが、それらに限定され得ない。ある態様において、ポリマーは、生分解性、生体安定性、またはそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、スキャフォールド中のポリマーは、天然ポリマーであり得る。ある態様において、例示的な天然ポリマーは、多糖類、例えばアルギネート、セルロース、デキストラン、プルラン、ポリヒアルロン酸、キチン、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシ脂肪酸)またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、ポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド6,6(PA6,6)、ポリアミド11(PA11)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリウレタン(PU)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、ポリ(グリコール)酸(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、アルギネート、コポリマーPEG化フィブリン(P-フィブリン)、ポリグリセロールセバケート(PGS)、ポリL-乳酸(PLLA)、ポリ乳酸-コグリコール酸(PLGA)、ポリD,L-乳酸/ポリエチレングリコール/ポリD,L-乳酸(PDLLA-PEG)、ヒアルロン酸(HA)またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、スキャフォールドはまた、天然ポリマーの化学誘導体を含むことができる。ある態様において、化学誘導体は、アルキル、アルキレンのような化学基の置換および/または付加、ヒドロキシル化、酸化、別の化学修飾またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、天然ポリマーは、コラーゲン、ゼイン、カゼイン、ゼラチン、グルテン、および血清アルブミンのようなタンパク質から選択されることもできる。ある態様において、スキャフォールド中のポリマーは、ポリアルファ-ヒドロキシ酸、例えばポリL-乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)またはそのコポリマー(例えば、ポリD,L-乳酸コ-グリコール酸(PLGA))およびヒアルロン酸を含む生分解性合成ポリマーであり得る。
【0112】
[0128] ある態様において、スキャフォールドは生体吸収性であり得る。ある態様において、生体吸収性スキャフォールドは、生細胞を収容または支持し、ある期間それらを所望の構成に保持することが可能であり得る非細胞傷害性構造または物質であり得る。ある態様において、“生体吸収性”という用語は、身体から排泄され得るか、またはその中で代謝され得る非毒性副産物に身体が分解することができるあらゆる材料を指すことができる。ある態様において、スキャフォールドのための例示的な生体吸収性材料は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ジメチルトリメチレンカーボネート)、ポリ(アミノ酸)、チロシン由来ポリ(カーボネート)、ポリ(カーボネート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(パラ-ジオキサノン)、ポリ(エステル)、ポリ(エステル-アミド)、ポリ(無水物)、ポリ(オルトエステル)、コラーゲン、ゼラチン、血清アルブミン、タンパク質、多糖、ムコ多糖、炭水化物、グリコサミノグリカン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(アクリレートエステル)、ポリ(メタクリレートエステル)、ポリ(ビニルアルコール)、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、デルマタン硫酸、バーシカン、コポリマー、ポリマーのブレンド、ポリマーの混合物、生体吸収性結合を含有するオリゴマーまたはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。
【0113】
[0129] ある態様において、スキャフォールドはメッシュであり得る。ある態様において、メッシュは、製織または他の方法によって接続され得る材料(例えば、糸、紐、ストランド、繊維またはそれらのあらゆる組み合わせ)のネットワークであり得る。ある態様において、メッシュは、人工的、生物学的、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る材料を含むことができる。ある態様において、メッシュは、規則的もしくは不規則なサイズ、規則的もしくは不規則な形状、規則的もしくは不規則なパターンまたはそれらのあらゆる組合せであり得る細孔を有することができる。ある態様において、メッシュは、二次元または三次元であり得る。ある態様において、メッシュは、直径、間隔、またはそれらのあらゆる組み合わせにおいて、約10nm~10cmの孔を有することができる。ある態様において、孔径は、一般に約10nm、20nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、12mm、15mm、2cm、2.5cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cmまたは10cmで有り得る。メッシュは、約20nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、12mm、15mm、2cm、2.5cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cmまたは10cmの直径を有することができる。ある態様において、メッシュを形成するストランド(例えば、繊維、糸、ウェブ等)または材料は、直径約50nm~約10mmの直径を有することができる。ある態様において、メッシュはスキャフォールドではない可能性がある。
【0114】
[0130] ある態様において、スキャフォールドは、細胞増殖のための支持構造であり得る。ある態様において、スキャフォールドは、細胞培養培地が細胞層の表面に接触することができるように、流体、栄養素に対して透過性であり得る。
【0115】
[0131] ある態様において、スキャフォールドは三次元構造を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは多孔性であり得る。ある態様において、細胞はスキャフォールド内に播種されることができる。ある態様において、スキャフォールドは、様々な厚さであり得る。ある態様において、スキャフォールドは、細胞層を形成するのに適し得る厚さを有することができる。ある態様において、スキャフォールドは、約0.1mm~約10mm、例えば約0.1mm~約5mm、約0.1mm~約4mm、約0.1mm~約3mm、約0.1mm~約2mm、約0.1mm~約1mm、約0.2mm~約1mm、約0.3mm~約1mm、約0.4mm~約1mm、約0.5mm~約1mm、0.3mm~約1.5mm、約0.4mm~約1.2mm、約0.6mm~約1.2mm、または約0.7mm~約1.5mmの厚さを有し得る。ある態様において、スキャフォールドは、約0.5mm~1mmの厚さを有し得る。ある態様において、スキャフォールドは、少なくとも0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.8mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmの厚さであり得る。ある態様において、スキャフォールドは、最大で0.5mm、0.8mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mmの厚さであり得る。ある態様において、スキャフォールドは、スキャフォールド上に配置および/または成長させる細胞層の長さおよび/または幅を有することができる。ある態様において、スキャフォールドは、本明細書で記載される細胞層の長さおよび/または幅を有することができる。ある態様において、スキャフォールドは、1ナノメートル未満の孔径を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、1ナノメートルより大きい孔径を含むことができる。ある態様において、スキャフォールドは、10μm~900μmの孔径を含むことができる。
【0116】
[0132] ある態様において、細胞層は、スキャフォールド上に形成されない可能性がある。ある態様において、真皮層は、スキャフォールド(例えばコラーゲンマトリックス)上に形成されない可能性がある。ある態様において、合成皮革は、スキャフォールドを含まない。
【0117】
[0133] ある態様において、合成皮革は、1以上の顔料を含むことができる。ある態様において、合成皮革の1以上の層構造は、着色されることができる。ある態様において、合成皮革中の顔料は、合成皮革を形成する細胞中で生成される天然顔料であり得る。ある態様において、顔料は、ユーメラニン(例えば、褐色ユーメラニンおよび黒色ユーメラニン)、フェオメラニン、ニューロメラニンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むメラニンを含むことができる。ある態様において、合成皮革中の顔料は、皮革顔料染料のような外因性顔料であり得る。
【0118】
[0134] ある態様において、合成皮革は、コラーゲンを含むことができる。ある態様において、コラーゲンは、少なくとも28の異なるコラーゲンタイプのファミリーのあらゆるメンバーを指すことができる。ある態様において、コラーゲンは、コラーゲン中のアミノ酸残基のおおよそ3分の1がグリシンであり得るように、アミノ酸の反復する3つ組(-(Gly-X-Y)n-)によって特性付けられることができる。ある態様において、Xは、プロリンであり得、Yは、ヒドロキシプロリンであり得る。ある態様において、コラーゲンの構造は、異なる長さのペプチド鎖の撚り3つ組単位を有することができる。ある態様において、合成皮革は、1以上の種に由来するコラーゲンを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、異なる動物由来のコラーゲンを含むことができる。ある態様において、異なる動物は、異なる特性(および得られる皮革における差異)をもたらし得る、異なるアミノ酸組成のコラーゲンを産生することができる。ある態様において、コラーゲン繊維モノマーは、三重らせんが約1.5nmの直径を有する約300nmの長さのロッドの形態をとるように、約1050アミノ酸長のアルファ鎖から生成されることができる。
【0119】
[0135] ある態様において、合成皮革は、1タイプ以上のコラーゲンを含むことができる。ある態様において、本明細書で記載される改変細胞は、コラーゲンを分泌することができる。ある態様において、合成皮革に含まれるコラーゲンは、原線維性コラーゲン、非原線維性コラーゲンまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、原線維性コラーゲンは、I型、II型、III型、V型、XI型コラーゲン、またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、非原線維コラーゲンは、中断された三重らせんを有する原線維関連コラーゲン、短鎖コラーゲン、基底膜コラーゲン、マルチプレキシン(Multiplexin)(中断を有する多重三重らせんドメイン)、MACITコラーゲン(中断された三重らせんを有する膜関連コラーゲン)、またはそれらのあらゆる組合せを含み得る。ある態様において、中断された三重らせんを有する原線維関連コラーゲンは、IX型、XII型、XIV型、XVI型、XIX型コラーゲンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、短鎖コラーゲンは、VIII型、X型コラーゲンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、基底膜コラーゲンは、IV型コラーゲンを含み得る。ある態様において、マルチプレキシンは、XV型、XVIII型コラーゲンまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、MACITコラーゲンは、XIII型、XVII型コラーゲン、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0120】
[0136] ある態様において、コラーゲンは、合成皮革の1つ以上の部分に含まれ得る。ある態様において、1つ以上の真皮層、1つ以上の表皮層、またはそれらの組み合わせは、本明細書で開示されるコラーゲンを含むことができる。ある態様において、合成皮革中の1つ以上の層状構造は、本明細書で開示されるコラーゲンを含むことができる。ある態様において、プロセスの間に合成皮革の一部が除去される場合、除去された生成物中にコラーゲンも含まれ得る。
【0121】
[0137] ある態様において、合成皮革中のコラーゲンは、1つ以上の供給源に由来し得る。ある態様において、コラーゲンは、合成皮革中のコラーゲン産生細胞によって産生され得る。ある態様において、コラーゲンは皮革に別々に添加されることができる。ある態様において、合成皮革は、コラーゲン産生細胞によって産生されるコラーゲンおよび別々に添加されるコラーゲンを含むことができる。
【0122】
[0138] ある態様において、合成皮革中のコラーゲンの少なくとも一部は、コラーゲン産生細胞によって産生され得る。ある態様において、合成皮革を形成する方法は、コラーゲン産生細胞を使用することを含むことができる。ある態様において、合成皮革は、コラーゲン産生細胞を含むことができる。ある態様において、コラーゲン産生細胞は、改変細胞、不死化細胞、上皮細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、平滑筋細胞またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、上皮細胞は、扁平上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、基底細胞またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、線維芽細胞は、真皮線維芽細胞を含むことができる。ある態様において、ケラチノサイトは、上皮ケラチノサイト、基底ケラチノサイト、増殖性基底ケラチノサイト、分化した基底上ケラチノサイトまたはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、合成皮革中のコラーゲンは、1タイプ以上のコラーゲン産生細胞によって産生され得る。
【0123】
[0139] ある態様において、コラーゲン産生は、約1mM(ミリモル濃度)~約5Mの濃度でアスコルビン酸、アスコルビン酸の類似体、その塩、またはそれらのあらゆる組み合わせを添加することによって、細胞において誘導され得る。ある態様において、コラーゲンフィブリル化は、塩または塩の組み合わせ、例えばNa3PO4、K3PO4、KC1およびNaClを含み得る塩または塩の組み合わせを添加することによって誘導され得る。ある態様において、各塩の塩濃度は、約10mM~約5Mであり得る。
【0124】
[0140] ある態様において、細胞は、コラーゲンに関する遺伝子またはコラーゲンに関する複数の遺伝子を含むように遺伝子操作され得る。ある態様において、遺伝子操作された細胞は、上皮細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、平滑筋細胞、不死化細胞、分子スイッチを有する細胞またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、上皮細胞は、扁平上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、基底細胞またはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、線維芽細胞は、皮膚線維芽細胞を含むことができる。ある態様において、ケラチノサイトは、上皮ケラチノサイト、基底ケラチノサイト、増殖性基底ケラチノサイト、分化した基底上ケラチノサイトまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、コラーゲン遺伝子は、P4HA、P4HB、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1またはそれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ある態様において、コラーゲン遺伝子は、コラーゲン遺伝子の発現を変化させる(例えば増加または減少)ことができる変化したプロモーターを有することができる。ある態様において、コラーゲン遺伝子は、改変発現系の下流に配置されることができる。コラーゲン遺伝子は、ヒト、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。
【0125】
[0141] ある態様において、合成皮革は、1以上の添加剤をさらに含むことができる。そのような添加剤は、商業的魅力(例えば外観、色または匂い)を高めることができる。ある態様において、例示的な添加剤は、鉱質、繊維、脂肪酸、アミノ酸、タンパク質またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、添加剤は、匂い物質、色素、染料、樹脂、ポリマー、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。
【0126】
[0142] ある態様において、添加剤は、マトリックスタンパク質、プロテオグリカン、抗酸化剤、ペルフルオロカーボン、ホルモン、成長因子またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、成長因子は、タンパク質、ポリペプチド、またはサイトカインを含むポリペプチドの複合体(例えばそれは、細胞によって産生され得、それ自体および/または様々な他の隣接細胞もしくは遠く離れた細胞に影響を及ぼし得る)であり得る。ある態様において、成長因子は、発生的にかまたは多数の生理学的または環境的刺激に応答してかのどちらかで、特定のタイプの細胞の成長および/または分化に影響を及ぼすことができる。ある態様において、成長因子は、ホルモンを含むことができる。ある態様において、成長因子は、インスリン、インスリン様成長因子(IGF)、神経成長因子(NGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、塩基性FGF(bFGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、PDGF-AA、PDGF-AB、肝細胞成長因子(HGF)、形質転換成長因子アルファ(TGF-アルファ)、形質転換成長因子ベータ(TGF-β)、TGFpi、TGFP3、上皮成長因子(EGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、インターロイキン-6(IL-6)、IL-8、またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、ポリペプチドまたは分子(例えば治癒剤;酵素、例えばマトリックス分解酵素およびマトリックス分解酵素阻害剤(例えば、TIMP)、抗生物質、および抗真菌薬)が合成皮革に添加されることもできる。
【0127】
[0143] ある態様において、添加剤は、保存剤を含むことができる。ある態様において、保存剤は、抗菌性保存剤、例えばプロピオン酸カルシウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸塩(例えば二酸化硫黄、硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含むことができる。
【0128】
[0144] ある態様において、合成皮革は、細胞外マトリックスまたは結合組織を含み得る。ある態様において、合成皮革は、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、ゼラチン、プロテオグリカン、デルマタン硫酸プロテオグリカン、グリコサミノグリカン(glycosoaminoglycan)、フィブロネクチン、ラミニン、デルマトポンチン、脂質、脂肪酸、炭水化物、またはそれらのあらゆる組み合わせをさらに含むことができる。
【0129】
[0145] ある態様において、合成皮革は、パターン化されることができる。例えば、合成皮革は、レイヨウ、クマ、ビーバー、バイソン、イノシシ、ラクダ、カリブー、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ゾウ、ヘラジカ、キツネ、キリン、ヤギ、ウサギ、ウマ、アイベックス、カンガルー、ライオン、ラマ、オオヤマネコ、ミンク、アメリカヘラジカ、雄ウシ、ペッカリー、ブタ、ウサギ、アザラシ、ヒツジ、リス、トラ、クジラ、オオカミ、ヤク、シマウマ、カメ、ヘビ、ワニ、アリゲーター、恐竜、カエル、ヒキガエル、サンショウウオ、イモリ、ニワトリ、カモ、エミュー、ガチョウ、ライチョウ、ダチョウ、キジ、ハト、ウズラ、七面鳥、アンチョビー、バス、ナマズ、コイ、タラ、ウナギ、カレイ、フグ、ハタ、ハドック、オヒョウ、ニシン、サバ、マヒマヒ、マンタ、マーリン、オレンジラフィー、パーチ、カワカマス、タラ、サケ、イワシ、サメ、フエダイ、シタビラメ、アカエイ、メカジキ、ティラピア、マス、マグロ、スケトウダラおよびそれらの組み合わせから選択される動物の皮膚パターンに従ってパターン化され得る。ある態様において、パターンは、ドラゴン、ユニコーン、グリフィン、セイレーン、フェニックス、スフィンクス、サイクロプス、サテュロス、メデューサ、ペガサス、ケルベロス、ティフォエウス(Typhoeus)、ゴルゴン、カリブディス、エンプーサ、キメラ、ミノタウロス、ケートス、ヒドラ、ケンタウルス、フェアリー、人魚、ネス湖の怪獣、サスクワッチ、サンダーバード、イエティ、チュパカブラおよびそれらの組み合わせから選択されるファンタジー動物の皮膚パターンであり得る。
【0130】
[0146] ある態様において、合成皮革は、伝統的な動物の皮膚、皮、または皮革製品および設計パラメーター(例えば細胞型、添加物、サイズ、形状)に類似するように作製され得る。ある態様において、合成皮革は、伝統的な動物の皮膚、皮、または皮革製品と実質的に同様であり得る組成物によって特性付けられる細胞層を含むことができる。例えば、そのような層は、実質的に約60%~80%の水性流体、約14%~35%のタンパク質、約1%~25%の脂肪であり得る組成物によって特性付けられ得る。ある態様において、細胞層のケラチノサイトを整列させることができる。ある態様において、ケラチノサイトは、電場の印加によって整列させることができる。例えば、ケラチノサイトは、基層の周期的な伸張および弛緩のような機械的刺激の適用によって整列させることができる。ある態様において、整列した(例えば、電気配向および機械的配向させた(mechano-oriented))ケラチノサイトは、多くの動物皮膚組織に見られ得るように、互いに関して実質的に同じ配向を有することができる。
【0131】
[0147] ある態様において、本明細書の合成皮革は、皮革物品の少なくとも一部分であり得る。例えば、合成皮革は、皮革物品中の天然皮革の代替物として使用されることができる。例示的な皮革物品は、腕時計ストラップ、ベルト、サスペンダー、包装、靴、ブーツ、履物、手袋、衣類(例えばトップス、ボトムスおよび上着)、旅行かばん、バッグ(例えばショルダーストラップ付きハンドバッグまたはショルダーストラップなしハンドバッグ)、クラッチバッグ、財布、小銭入れ、札入れ(billfold)、キーポーチ、クレジットカードケース、ペンケース、バックパック、ケース、札入れ(wallet)、鞍、馬具、鞭、旅行用品(例えばトランク、スーツケース、旅行用バッグ、ビューティーケースまたはトイレ用品)、リュックサック、ポートフォリオ、書類バッグ、ブリーフケース、アタッシュケース、ペット用品(例えば革ひもまたは首輪)、狩猟および魚釣り用品(例えば銃ケース、刃物ケースまたは硬い銃器のためのホルスター)、据え置き型(stationary)物品(例えば便箋、ブックカバー、カメラケース、眼鏡ケース、シガレットケース、葉巻ケース、宝石ケースまたは携帯電話ホルスター)またはスポーツ用品(例えばボール、例えばバスケットボール、サッカーボールまたはフットボール)を含む。例えば、皮革物品は、時計ラップ(watch wrap)であり得る。例えば、皮革物品は、ベルトであり得る。例えば、皮革物品は、バッグであり得る。
【0132】
[0148] ある態様において、合成皮革またはその一部はまた、皮膚移植片、例えば対象への移植のための同種移植片または異種移植片として使用され得る。例えば、合成皮革、真皮層、表皮層および/または層状構造は、同種移植または異種移植のための皮膚移植片の供給源であり得る。ある態様において、合成皮革、真皮層、表皮層および/または層状構造は、移植片のレシピエントにおける免疫拒絶を低減するように遺伝子改変された細胞を用いて産生され得る。
【0133】
[0149] 本明細書において、ある態様において、分子スイッチを含む改変細胞を開発するための方法が、開示される。ある態様において、合成皮革を作製することは、人工真皮層を形成すること、人工表皮層を形成すること、組織を形成すること、またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、人工真皮層、人工表皮層、組織、またはそれらの組み合わせは、少なくとも部分的に脱細胞化され得る。ある態様において、少なくとも部分的な脱細胞化は、塩溶液との接触を含むことができる。ある態様において、方法は、さらに人工真皮層、人工表皮層、人工組織またはそれらのあらゆる組み合わせの少なくとも一部をなめすことを含むことができる。ある態様において、合成皮革中の細胞、例えば組織中の細胞は、分子スイッチを有する不死化細胞を含むことができる。ある場合には、方法は、第1の細胞層(例えば表皮層)を第2の細胞層(例えば真皮層)上に配置し、それによって層状構造を形成し、層状構造の少なくとも一部をなめすことを含むことができる。ある態様において、方法は、さらに細胞層(例えば表皮層)の少なくとも一部を除去することを含むことができる。ある態様において、細胞層の少なくとも一部は、なめしの前に除去されることができる。ある態様において、本明細書の方法は、さらに分子スイッチおよび不死化細胞を作製することを含むことができる。
【0134】
[0150] 本明細書において、ある態様において、分子スイッチを作製する方法が、開示される。ある態様において、分子スイッチは、刺激への曝露後に表現型を誘発するようにプログラムされ得る外因性DNAを含有するように細胞を遺伝子操作することによって形成され得る。ある態様において、細胞は、動物細胞、例えばウシ細胞であり得る。ある態様において、細胞は、線維芽細胞または幹細胞であり得る。ある態様において、細胞は、不死化細胞であり得る。ある態様において、分子スイッチは、トランスフェクション、形質導入、エレクトロポレーションまたはそれらのあらゆる組み合わせによって細胞中に導入されることができる。ある態様において、外因性DNAは、エレクトロポレーションによって、またはウイルスベクターによって宿主細胞中に導入されることができる。ある態様において、分子スイッチまたは分子スイッチをコードするポリヌクレオチドは、ベクターによって導入されることができ、ここで、ベクターは、ウイルス、ウイルス様粒子、アデノ随伴ウイルスベクター、リポソーム、ナノ粒子、プラスミド、線状dsDNA、およびそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、分子スイッチはゲノム中にあることができ、または分子スイッチは、染色体外、例えばプラスミドであることができる。
【0135】
[0151] ある態様において、分子スイッチを形成することは、刺激に対する所望の応答を駆動するために、遺伝子、プロモーター、ポリヌクレオチド配列、またはそれらのあらゆる組み合わせを細胞に添加することを含み得る。ある態様において、応答は、増殖表現型改変(例えば不死化)、レポーターシグナル(例えば発蛍光団の発現)、発現の変化、転写変化、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、応答は、遺伝子発現の増加または減少であり得る。ある態様において、刺激は、環境刺激(例えば温度)であり得る。ある態様において、刺激は、抗生物質(例えばテトラサイクリン)であり得る。ある態様において、分子スイッチは、細胞を、固定に依存せず、固定依存性で、またはそれらのあらゆる組合せで増殖させるように構成され得る。ある態様において、固定に依存しない増殖から固定依存性の増殖への変化を誘発するために刺激が加えられることができ、または固定依存性の増殖から固定に依存しない増殖への変化を誘発するために刺激が加えられることができる。ある態様において、刺激は、Cre-Lox系、CRISPR系またはそれらのあらゆる組み合わせによる遺伝子の除去または付加を誘発することができる。ある態様において、固定に依存しない増殖は、インテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6、N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)5(ST6GALNAC5)、またはそれらの組み合わせの発現の変化(例えば増加または減少)の結果であり得る。ある態様において、固定依存性の増殖は、P53媒介アポトーシス経路における遺伝子の発現の変化による結果であり得る。ある態様において、固定に依存しない増殖は、インテグリンシグナル伝達、細胞周期、アポトーシス経路(例えば細胞周期遺伝子を分子スイッチ中にクローニングすること)、またはそれらのあらゆる組み合わせの調節によって成し遂げられ得る。
【0136】
[0152] ある態様において、不死化細胞は、あらゆる細胞を含むことができる。ある態様において、不死化細胞は、線維芽細胞、脂肪組織由来細胞、臍帯細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞、またはそれらのあらゆる組合せから作製されることができる。ある態様において、不死化細胞は、あらゆる細胞から作製されることができる。ある態様において、不死化細胞は、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類、爬虫類、ウサギ類動物細胞またはそれらのあらゆる組み合わせから作製されることができる。ある態様において、不死化細胞は、多能性幹細胞、誘導多能性幹細胞、間葉系幹細胞または胚性幹細胞から作製され得る。ある態様において、不死化細胞は、本明細書で記載されるあらゆる細胞型と同様の特徴を有することができる。ある態様において、不死化細胞は変異を有することができる。ある態様において、不死化細胞は、外因性遺伝子(単数または複数)のトランスフェクション、形質導入、エレクトロポレーションまたはそれらのあらゆる組み合わせによって作製されることができる。ある態様において、ベクターは、外因性遺伝子を担持することができる。ある態様において、ベクターは、ウイルス、ウイルス様粒子、アデノ随伴ウイルスベクター、リポソーム、ナノ粒子、プラスミド、線状dsDNAおよびそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、ベクターはプラスミドを含むことができる。ある態様において、外因性遺伝子は、hTERT、TERT、Bmi1、CcnD1、Cdk4の変異体、Cdk4、TAg (SV40ラージT)、SV40、c-myc、H-ras、Ela、c-mMycERTAM、E6、E7、HER-2、SRC、EGFR、Abl、Atk02、Aml1、Axl、Bcl、Dbl、EGFR、ERBB、Ets-1、Fms、Fos、Fps、Gli、Gsp、Her2、Hox11、Hst、Il-3、Int-2、Jun、Kit、KS3、K-SAM、Lbc、Lck、L-myc、Lyl-1、Lyt-10、Mas、MDM-2、Mll、Mos、Myb、Neu、N-Myc、Ost、Pax-5、Pim-1、PRAD-1、Ras-K、Ras-N、Ret、Ros、Ski、Sis、Set、Src、Tal1、Tan1、Tiam1、Tsc2、Trkまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、不死化は、1以上の遺伝子を含み得る融合遺伝子であり得る外因性遺伝子に由来し得る。外因性遺伝子は、染色体中に組み込まれ得るか、または染色体外であり得る。ある態様において、不死化は、不死化を誘導することができるタンパク質産物またはその生物学的に活性な断片に由来し得る。ある態様において、不死化細胞は、細胞分裂後に(例えば、Cre-LoxP系またはCRISPR系によって)外因性遺伝子を除去することができる。ある態様において、外因性遺伝子はヒト由来であり得る。ある態様において、外因性遺伝子は、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物、ウイルス、細菌、またはそれらのあらゆる組み合わせに由来し得る。ある態様において、不死化は、ランダム変異または複数の変異に由来し得る。ある態様において、変異は、UV変異誘発、化学的変異誘発、またはそれらのあらゆる組み合わせによって生成され得る。ある場合には、不死化は、標的化された変異由来であり得、例えば、標的化された変異は、CRISPR系によって作製され得る。ある態様において、変異は、細胞周期遺伝子、癌遺伝子、代謝遺伝子、またはそれらのあらゆる組み合わせ中にあり得る。ある態様において、不死化は、癌遺伝子、細胞周期遺伝子、遺伝子、プロモーター領域、遺伝子内領域、遺伝子間領域またはそれらのあらゆる組み合わせにおける変異に由来し得る。ある態様において、不死化細胞は、癌遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子の増加または減少した発現を有することができる。ある態様において、不死化細胞は、競合阻害を介して作用するタンパク質を含むことができる。ある態様において、競合阻害は、腫瘍抑制遺伝子、細胞周期遺伝子またはそれらの組み合わせの活性を改変することを含み得る。ある態様において、ヘイフリック限界またはヘイフリック数は、初代細胞を増殖させることができる細胞倍加の有限数を含むことができる。ある態様において、不死化細胞は、ヘイフリック限界を超えて増殖させることができる。ある態様において、不死化細胞は、約40細胞分裂、約50細胞分裂、約60細胞分裂、約70細胞分裂、約80細胞分裂、約90細胞分裂、約100細胞分裂、約200細胞分裂、約300細胞分裂、約400細胞分裂、約500細胞分裂、約600細胞分裂、約700細胞分裂、約800細胞分裂、約900細胞分裂、約1000細胞分裂、約10,000細胞分裂または約100,000細胞分裂を過ぎて増殖させることができる。ある態様において、不死化細胞株は、少なくとも100万平方フィート/年の合成皮革を生成するのに十分に増殖させることができる。ある態様において、不死化細胞は分子スイッチを有することができる。ある態様において、不死化細胞は、条件的不死化細胞であり得る。条件的不死化細胞は、特定の環境刺激下で不死化細胞表現型を、または異なる環境刺激下で分化細胞表現型を示すことができる。
【0137】
[0153] 細胞層は、1タイプ以上の細胞を含む複数の多細胞体を調製し、そのような多細胞体を配置して細胞層を形成することにより形成されることができる。例えば、細胞層は、複数の多細胞体を隣接して配置することによって形成されることができ、ここで、複数の多細胞体を融合させて平面層を形成することができる。ある態様において、細胞を三次元的に増殖させることができる。ある態様において、細胞を懸濁液中で増殖させることができる。
【0138】
[0154] ある態様において、細胞層を形成することは、スキャフォールドを使用することを含むことができる。ある態様において、細胞層は、スキャフォールド上に複数の多細胞体を配置することによって形成されることができる。ある態様において、形成の工程は、多細胞体が融合して層(例えば実質的に平面の層)を形成することを可能にする支持基材上に多細胞体を配置するかまたは置くことを含むことができる。ある態様において、多細胞体または層は、互いに水平および/または垂直に隣接して配置されることができる。ある態様において、細胞層を形成することは、スキャフォールドを必要としない可能性がある。
【0139】
[0155] ある態様において、細胞層は、培地またはゲル中に細胞を埋め込むことによって形成されることができる。ある態様において、真皮層は、コラーゲンIまたはフィブリンゲルに埋め込まれた線維芽細胞を使用して形成されることができる。ある態様において、他のタイプの培地も使用されることができる。ある態様において、培地は、線維芽細胞がコラーゲンゲルを必要とせずに表皮の長期維持を可能にするのに十分な量の細胞外マトリックスを分泌するように促進することができる。
【0140】
[0156] ある態様において、例えば、1以上の本明細書で開示される改変細胞を含む、本明細書で記載される特徴を有する多細胞体を作製するための様々な方法があり得る。ある態様において、多細胞体は、例えば所望の細胞密度および粘度を有する複数の細胞を含有する細胞ペーストから製造することができる。ある態様において、多細胞体は、改変細胞を含むことができる。さらなる場合には、細胞ペーストは所望の形状に成形され、成熟(例えば、インキュベーション)によって多細胞体が形成されることができる。ある態様において、細長い多細胞体は、複数の細胞を含む細胞ペーストを細長い形状(例えば円筒形)に成形することによって生成されることができる。さらなる場合には、細胞ペーストは、制御された環境でインキュベートされて、細胞が互いに接着および/または凝集して細長い多細胞体を形成することを可能にすることができる。ある態様において、多細胞体は、細胞ペーストを三次元形状で保持するデバイスにおいて、複数の生細胞を含む細胞ペーストを成形することによって生成され得る。ある態様において、細胞ペーストは、制御された環境でインキュベートされることができ、一方で、それは、本明細書で記載されるように、平らな表面上でそれ自体を支持するのに十分な凝集力を有する体を生成するのに十分な時間、三次元形状で保持され得る。
【0141】
[0157] ある態様において、細胞ペーストは、(A)細胞または(1以上の細胞型の)細胞凝集体および細胞培養培地を(例えば予め決定された比率で)混合して、結果として細胞懸濁液を得ること、ならびに(B)細胞懸濁液を圧縮して、所望の細胞密度および粘度を有する細胞ペーストを生成することによって提供されることができる。圧縮は、多くの方法によって、例えば細胞培養から得られた特定の細胞懸濁液を濃縮して細胞ペーストに必要な所望の細胞濃度(密度)、粘度、および粘稠度を達成することにより、達成されることができる。ある態様において、細胞培養物からの比較的希釈された細胞懸濁液を、決定された時間遠心分離して、鋳型中での成形を可能にするペレット中の細胞濃度を達成することができる。接線流濾過(“TFF”)は、細胞を濃縮または圧縮する別の適切な方法であり得る。ある態様において、化合物が細胞懸濁液と組み合わせられて、必要とされる押出特性を与えることができる。適切な化合物は、コラーゲン、ヒドロゲル、マトリゲル、ナノファイバー、自己組織化ナノファイバー、ゼラチンおよびフィブリノーゲンを含む。1以上のECM構成要素(またはECM構成要素の誘導体)も、ECM構成要素(またはECM構成要素の誘導体)を含有する1以上の生理学的に許容可能な緩衝液中に細胞ペレットを再懸濁し、得られた細胞懸濁液を再度遠心分離して細胞ペーストを形成することによって、含まれることができる。
【0142】
[0158] ある態様において、細胞ペーストを成形するために様々な方法が使用されることができる。例えば、特定の態様において、細胞ペーストは、所望の形状を達成するために、(例えば濃縮/圧縮後に)手動で形作られる、またはプレスされることができる。さらなる例として、細胞ペーストは、予め形成された器具、例えばマイクロピペット(例えばキャピラリーピペット)に取り込まれ(例えば吸引され)ることができ、それは、細胞ペーストを器具の内部表面に適合するように成形する。ある態様において、マイクロピペット(例えばキャピラリーピペット)の断面形状は、代替的に、円形、正方形、長方形、三角形、または他の非円形断面形状であり得る。ある態様において、細胞ペーストは、それを、予め形成された型、例えばプラスチック型、金属型またはゲル型中に堆積させることによって成形されることができる。ある態様において、細胞ペーストを成形するために遠心鋳造または連続鋳造が使用されることができる。
【0143】
[0159] ある態様において、細胞ペーストをさらに成熟させることができる。ある態様において、接着および/または粘着(coherence)を促進するために、細胞ペーストは約37℃である期間(細胞型依存性であり得る)インキュベートされることができる。あるいは、または加えて、細胞ペーストは、接着および/または粘着を促進するために、因子および/またはイオンを含有する細胞培養培地の存在下で保持されることができる。
【0144】
[0160] 多細胞体は、支持基材上に配置されて、所望の三次元構造(例えば実質的に平面の層)を生成することができる。例えば、多細胞体は、手動で互いに接触させて配置されることができ、ピペット、ノズル、または針からの押し出しによって適所に堆積させることができ、またはバイオファブリケーターのような自動化された機械によって接触して配置されることができる。
【0145】
[0161] 支持基材は、流体、ガス、および栄養素に対して透過性であり得、配置およびその後の融合の間に、細胞培養培地が多細胞体および/または層の全ての表面に接触することを可能にする。ある態様において、支持基材は、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、および他の細胞外マトリックスのような天然生体材料から作製されることができる。ある態様において、支持基材は、ヒドロキシアパタイト、アルギネート、アガロース、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびそれらのコポリマーのような合成生体材料から作製されることができる。ある態様において、支持基材は、固体、半固体、または固体および半固体支持要素の組み合わせであり得る。ある態様において、支持基材は、平面層の製造を容易にするために平面であり得る。ある態様において、支持基材は、非透過性表面、例えば細胞培養環境の一部(例えばペトリ皿、細胞培養フラスコ等)またはバイオリアクターの上方に掲げられる(raised)、または持ち上げられる(elevated)ことができる。透過性の持ち上げられた支持基材は、早期細胞死の予防に寄与することができ、細胞増殖の増強に寄与し、多細胞体が融合して層を形成するのを促進する。
【0146】
[0162] 一度層の組み立てが完了したら、組織培養培地が構築物の上部に注がれることができる。ある態様において、組織培養培地は、多細胞体の間の空間に入り、多細胞体中の細胞を支持することができる。ある態様において、三次元構築物中の多細胞体を互いに融合させて、合成皮革の形成に使用するための層(例えば実質的に平面状)を生成することができる。“融合する”、“融合した”または“融合”により、隣接する多細胞体の細胞が細胞表面タンパク質間の相互作用を介して直接的に、または細胞とECM構成要素もしくはECM構成要素の誘導体の相互作用を介して間接的にのどちらかで、互いに接着および/または凝集することを意味し得る。ある態様において、融合層は完全に融合することができ、多細胞体は実質的に連続的になることができる。あるいは、融合層は、実質的に融合または部分的に融合することができ、多細胞体の細胞は、層を完全に移動および操作することを可能にするのに必要な程度まで接着および/または凝集するようになる。
【0147】
[0163] 多細胞体は、融合して、細胞培養環境(例えば、ペトリ皿、細胞培養フラスコまたはバイオリアクター)において層を形成することができる。ある態様において、多細胞体は、融合して、多細胞体に含まれる細胞型の増殖を促進するのに適した条件を有する環境において層を形成する。ある態様において、融合は、約15、20、25、30、35、40、45、50、55、および60分ならびにその中の増分(increments)にわたって行われる。他の場合において、融合は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、および48時間ならびにその中の増分にわたって行われる。さらに他の場合には、融合は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、および14日間ならびにその中の増分にわたって行われる。さらなる場合において、融合は、約2時間~約24時間にわたって行われる。融合時間に関連する因子は、細胞型、細胞型比、培養条件、および成長因子のような添加物の存在を含み得る。
【0148】
[0164] 一度層の融合が完了すると、層および支持基材は、分離されることができる。ある態様において、層および支持基材は、層の融合が実質的に完了または部分的に完了し得る時に分離されることができるが、層の細胞は、層を破壊することなく、層を移動させ、操作し、および積層することを可能にするのに必要な程度まで、互いに接着、凝集、またはそれらのあらゆる組合せをすることができる。層および支持基材は、支持基材を溶融、溶解、または分解するための標準的な手順によって分離されることができる。ある態様において、支持基材は、例えば、温度変化、光、または層に悪影響を及ぼさない他の刺激によって溶解されることができる。ある場合には、支持基材は、可撓性材料から作製され、層から剥離され得る。分離された層は、さらなる成熟のためにバイオリアクターに移されることができる。ある態様において、分離された層は成熟し、人工的な動物の皮膚、皮、または皮革製品中への組み込み後にさらに融合する。
【0149】
[0165] あるいは、層および支持基材は分離されない可能性がある。支持基材は、組み立てられた人工的な動物の皮膚、皮、または皮革製品の包装、凍結、販売または消費の前に、分解または生分解する。
【0150】
[0166] 細胞層は、ある期間にわたって形成されることができる。ある態様において、細胞層、例えば表皮層または真皮層は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50、60、120、300日以内に形成され得る。ある態様において、真皮層は、約1~15日間、例えば5~10日間または10~12日間で形成され得る。ある態様において、真皮層は、約5~25日間、例えば、14~15日間で形成され得る。
【0151】
[0167] 本開示は、合成皮革の向上したバリア機能を作製するための方法を提供する。ある態様において、方法は、ケラチノサイトならびにアスコルビン酸およびリノール酸を含む培地を提供すること;ならびに向上したバリア機能を有する合成皮革が形成され得るような条件下でケラチノサイトを培養することを含むことができる。ある態様において、培養条件は、約50~95%の湿度、例えば、約75%の湿度での培養を含む。ある態様において、アスコルビン酸は、約10~100マイクログラム/mlの濃度で提供され得る。なおさらなる場合において、リノール酸は、約5~80マイクロモル濃度の濃度で提供され得る。本開示は、ケラチノサイトの特定の供給源から形成される合成皮革に限定され得ない。実際、合成皮革は近二倍体不死化ケラチノサイト(NIKS)細胞を含むがそれに限定されない、様々な初代および不死化ケラチノサイトから形成されることができる。ある態様において、合成皮革は、分子スイッチを含む改変細胞によって形成されることができる。ある態様において、改変細胞は、不死化細胞(例えば、不死化ウシ線維芽細胞)であり得る。なおさらなる場合において、ケラチノサイトは、外因性野生型または変異体クルッペル様因子(GKLF)を発現する。なおさらなる場合において、ケラチノサイトは、2つの異なる供給源に由来し得る。他の場合には、合成皮革は、約40~約240pFの表面静電容量を有する。ある好ましい場合において、皮膚均等物は、約80~約120pFの表面静電容量を有する。他の好ましい場合において、皮膚均等物中のセラミド5、6、および7の含有量は、総セラミド含有量の約20~約50%であり得る。さらに他の好ましい場合において、皮膚均等物中のセラミド2の含有量は、総セラミド含有量の約10~約40%であり得る。なおさらなる場合において、本開示は、直前に記載された方法によって作製された皮膚均等物を提供する。
【0152】
[0168] 複数の細胞層は、層構造を形成するように配置されることができ、そうして本明細書で記載される合成皮革を生成する。ある態様において、真皮層および表皮層は、別々に形成され、真皮層の上に表皮層を配置することによって組み立てられることができる(例えば、表皮層および真皮層の両方が完全に形成され得る場合)。ある態様において、表皮層は、真皮層の上に成長させられることができる。ある場合には、基底膜または基底膜代替物が、真皮層および表皮層の間に配置されることができる。例えば、細胞層は、互いに接触して手動で配置されるか、またはコンピュータスクリプトに従って、バイオファブリケーターのような自動化されたコンピューター支援機械によって、適所に堆積させられることができる。
【0153】
[0169] 複数の細胞層を組み立てる前に、1以上の品質管理工程が実施されることができる。例えば、経上皮電気抵抗(TEER)は、真皮上に配置する前(例えば0日)に表皮上で実施されることができ、その後、組織学分析(例えば、最低3~5日)が実施されることができる。本明細書で提供される方法を使用すると、不適切に形成された層状構造または全層皮膚均等物のリスクが低くなり得る。
【0154】
[0170] 複数の細胞層は、様々な方法で組み立てられることができる。ある態様において、表皮層および真皮層(基底膜代替物を伴うかまたは伴わない)は、例えば天然皮革の厚さおよび引張強度を達成するために、スキャフォールド(例えば、絹)上に配置され得る。ある態様において、表皮層および多数の真皮層(基底膜代替物を伴うかまたは伴わない)は、スキャフォールドを使用せずに組み立てられることができる。そのような組み立ては、天然皮革に似た厚さおよび引張強度を達成することができる。ある態様において、表皮層および多数の真皮層(基底膜代替物を伴うかまたは伴わない)を、スキャフォールド(例えば絹)上に配置して、天然皮革に類似する厚さおよび引張強度を達成することができる。ある態様において、皮革は、少なくとも約10、20、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、または300kgf/cm2の引張強度を有する。ある態様において、皮革は、約50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、または300kgf/cm2未満の引張強度を有する。特定の態様において、引張強度試験は、米国材料試験協会(ASTM)標準に従って実施されることができる。
【0155】
[0171] 複数の細胞層が組み立てられて、合成皮革(例えば全層皮膚均等物)を形成することができる。合成皮革は、上部、中央部、および底部を含むことができる。上部は、表皮層を含むことができる。例えば、上部は、単層表皮層であることができる。中間部分は、基底膜代替物を含むことができる。ある態様において、中間部分は、基部膜代替物を有さない。例えば、中間部分は、無視できる厚さの層を有することができる。底部は、1つ以上の真皮層を有することができる。ある態様において、底部は、スキャフォールド(例えば絹)上に配置された単一の真皮層を有する。ある態様において、底部は、スキャフォールドを一切伴わずに複数の真皮層(例えば最大5層)を有する。ある態様において、底部は、互いの上に積み重ねられ、スキャフォールド(例えば絹)上に配置された複数の真皮層を有する。
【0156】
[0172] 表皮層および真皮層の間の接着性は、層の分裂に抵抗するのに十分な強さであり得る。ある態様において、細胞層は、スキャフォールド上に接着することによって組み立てられることができる。天然または合成接着剤が、組み立てのために使用されることができる。天然接着剤は、フィブリン接着剤、コールドグルー、動物膠(例えば、骨膠、魚類膠、獣皮膠、蹄接着剤、ウサギ皮膚接着剤、肉接着剤)、血液アルブミン接着剤、カゼイン接着剤、植物接着剤(例えばデンプン、デキストリン接着剤、カナダバルサム、松脂ベースの接着剤、コッコニア、アラビアガム、郵便切手ガム、ラテックス、ライブラリーペースト、メチルセルロース、粘液、レゾルシノール樹脂、または尿素-ホルムアルデヒド樹脂)、またはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。合成接着剤は、アクリロニトリル、シアノアクリレート(例えばn-ブチル-2-シアノアクリレート接着剤)、アクリル、レゾルシノール接着剤、エポキシ樹脂、エポキシパテ、エチレン-酢酸ビニル、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルフィド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル(白色接着剤(例えばエルマー接着剤)および黄色大工接着剤(脂肪族樹脂)を含む)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニルエマルジョン(PVCE)、ポリビニルピロリドンゴムセメント、シリコーンおよびスチレンアクリルコポリマーであり得る。例えば、組み立ては、フィブリン接着剤を用いて実施されることができる。例えば、組み立ては、n-ブチル-2-シアノアクリレート接着剤を用いて実施されることができる。
【0157】
[0173] ある態様において、細胞層(例えば、実質的に平面の層)を積み重ねて、合成皮革を形成することができる。細胞層は、多細胞体の配置、パターン、または配向によって定められる配向を有することができる。ある態様において、各層は、支持基材および/または1つ以上の他の層に対して特定の配向で積み重ねられることができる。例えば、1以上の層は、支持基材および/または下の層に対する回転を含む配向で積み重ねられることができ、ここで、回転は、0.1~180度、例えば約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175および180度またはその中の増分であり得る。他の場合には、全ての層が実質的に同様に配向させられることができる。
【0158】
[0174] 一度層の積み重ねが完了したら、三次元構築物中の層を互いに融合させて合成皮革を製造することができる。ある態様において、層は、細胞培養環境(例えばペトリ皿、細胞培養フラスコ、バイオリアクター等)中で融合する。ある態様において、融合は、約15、20、25、30、35、40、45、50、55および60分ならびにその中の増分にわたって行われる。他の場合では、融合は、1~48時間にわたって、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46および48時間ならびにその中の増分にわたって行われる。例えば、融合は、約2時間~約24時間にわたって行われることができる。
【0159】
[0175] ある態様において、細胞または細胞層は、様々な細胞培養条件で培養されることができる。ある態様において、細胞および細胞層は、培地、バイオリアクター、インキュベーター、またはそれらのあらゆる組み合わせ中でインキュベートされることができる。ある態様において、培地(medium)は培地(media)を含むことができる。ある態様において、細胞または細胞層は、インビトロで培養されることができる。例えば、真皮層および/または表皮層は、インビトロで培養されることができる。あるいは、細胞または細胞層は、インビボで培養されることができる。例えば、真皮層および/または表皮層は、インビボで培養されることができる。ある態様において、培地は、本明細書で開示される培養培地を含むことができる。ある態様において、培養培地は、本明細書で開示されるように、増殖培地、組織形成培地またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、細胞、細胞層、それらの一部またはそれらのあらゆる組み合わせが培地中で培養されることができる。ある態様において、培地はサプリメントを含むことができる。ある態様において、サプリメントは、天然サプリメント、合成サプリメントまたはそれらの組み合わせであり得る。ある態様において、サプリメントは、添加剤であり得る。ある態様において、サプリメントの1以上は、改変細胞からの細胞外マトリックスの産生および組み立てを誘導することができ、従って、合成皮革の自然な外観を増強することができる。ある態様において、サプリメントは、ECM構成要素、例えばコラーゲン、フィブリン、成長因子、小分子、高分子、サルフェート、カラギーナンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、小分子はアスコルビン酸を含むことができる。ある態様において、高分子はデキストランを含むことができる。ある態様において、細胞は、細胞培養培地中で増殖させられることができる。ある態様において、細胞培養培地は、増殖培地、組織形成培地またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、培養培地は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、RPMI-1640、イーグル最小必須培地、ハム栄養混合物、イスコフ改変培地、ダルベッコ培地またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、サプリメント、例えば塩、緩衝試薬、フェノールレッド、HEPES、アミノ酸、炭水化物、脂質、タンパク質、ペプチド、脂肪酸、ビタミン、元素、培地サプリメント、抗生物質、血清、血清代替物またはそれらのあらゆる組合せが、培養培地に添加されることができる。ある態様において、培地は、約0%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%の血清、血清代替物またはそれらの組み合わせを含み得る。ある態様において、培地は、約0.1%~約10%、約10%~約20%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約90%~約100%の血清、血清代替物またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0160】
[0176] ある態様において、培地は、増殖培地、組織形成培地またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、組織形成培地と接触させられることができる。ある態様において、増殖培地は、成長因子、緩衝剤、塩、糖、アミノ酸、脂質、鉱質、ECMタンパク質またはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、塩は無機塩を含むことができる。ある態様において、無機塩は、塩化カルシウム、硝酸第二鉄、硫酸マグネシウム(無水物)、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩基性リン酸ナトリウム(無水物)またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、アミノ酸は、L-アルギニン・HCl、L-シスチン・2HCl、グリシン、L-ヒスチジン・HCl・H2O、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン・HCl、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-セリン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン・2Na・2H2O、L-バリン、L-グルタミン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、ビタミンは、塩化コリン、葉酸、ミオイノシトール、ナイアシンアミド、D-パントテン酸(ヘミカルシウム)、ピリドキサール・HCl、ピリドキシン・HCl、リボフラビン、チアミン・HCl、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、糖は、D-グルコース、その立体異性体、その塩またはそのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、pH指示薬は、フェノールレッド・Na、ピルビン酸・Na、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、増殖培地は、アミノ酸、ビタミン、無機塩、ウシ胎児血清、抗生物質、抗真菌薬またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、組織形成培地は、成長因子、緩衝剤、塩、糖、アミノ酸、脂質、ミネラル、ECMタンパク質、ヒト血小板溶解物、クエン酸デキストロース、ヘパリン、アスコルビン酸、TGF-β1、normocin、血清、血清代替物、非必須アミノ酸、抗生物質、抗真菌薬またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、組織形成培地は、血清、血清代替物またはそれらの組み合わせをさらに含むことができる。ある態様において、アミノ酸は、グリシン、アラニン、L-アルギニン塩酸塩、L-アスパラギン-H2O、L-アスパラギン酸、L-システイン塩酸塩-H2O、L-シスチン2HCl、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-ヒスチジン塩酸塩-H2O、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン塩酸塩、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン二ナトリウム塩二水和物、L-バリン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。ある態様において、ビタミンは、ビオチン、塩化コリン、パントテン酸D-カルシウム、葉酸、ナイアシンアミド、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、チアミン塩酸塩、ビタミンB12、i-イノシトール、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、無機塩は、塩化カルシウム、硫酸銅、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、塩基性リン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、培地は、さらにD-グルコース(デキストロース)、ヒポキサンチンNa、リノール酸、リポ酸、フェノールレッド、プトレシン2HCl、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、血清代替物は、動物由来産物を実質的に含有しないことができ、外来物質非含有(xeno-free)であることができ、またはそれらの組み合わせであることができる。ある態様において、血清代替物は、成長因子、インスリン、トランスフェリン、サイトカイン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質(ECM)、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、細胞接着ペプチド、RGD、細胞外マトリックス断片、ホルモン、コラーゲン、アルブミン、脂質、糖タンパク質、タンパク質断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、血清は、ウシ胎児血清(FBS)、ウマ血清、ウシ胎仔血清またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、培地はTGFベータを含まない。ある態様において、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、組織形成培地と接触させられることができる。ある態様において、細胞を組織形成培地と接触させることは、少なくとも部分的に細胞を別の細胞または組織型に分化または形成させることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、組織形成培地中に存在する場合、組織形成培地と接触していない他の点では比較可能なトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞と比較して(a)コラーゲンの産生を少なくとも部分的に増加させ、(b)少なくとも部分的に停止した細胞増殖を有し、または(c)両方である。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、組織形成培地と接触した時に少なくとも部分的に分化させることができる。ある態様において、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)、その塩、その生物学的に活性な断片またはこれらのいずれかの組み合わせを含む培地と接触させられることができる。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、AA2P、その塩、TGFB1、その生物学的に活性な断片または組み合わせを含む培地中に存在する場合、AA2P、その塩、TGFB1、その生物学的に活性な断片またはその組み合わせを欠く他の点では比較可能な培地と比較して、(a)少なくとも部分的にコラーゲンの産生を増加させ、(b)少なくとも部分的に停止した細胞増殖を有し、または(c)両方である。ある態様において、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、培地と接触した際に少なくとも部分的に分化させることができる。
【0161】
[0177] ある態様において、刺激は、炭水化物、脂質、核酸、タンパク質、抗生物質、有機化学物質、無機化学物質、人工化学物質、代謝産物またはそれらのあらゆる組み合わせの存在、非存在またはレベルを含むことができる。ある態様において、細胞、細胞層またはそれらの組み合わせは、1以上の刺激と共に培養され得る。ある態様において、刺激は、増殖前、増殖の間、増殖後またはそれらのあらゆる組み合わせで加えられることができる。
【0162】
[0178] ある態様において、単一細胞の増殖は、振盪機、スピナーフラスコまたはそれらのあらゆる組み合わせで実施されることができる。ある態様において、組織の成長は、振盪を伴うかまたは伴わない成長を含むことができる。ある態様において、組織の成長は、最初に高速で振盪し、その後、ほとんどまたは全く振盪しないで成長させることを含むことができる。ある態様において、組織の成長は、最初にほとんどまたは全く振盪せず、続いて高速で振盪して成長させることを含むことができる。ある態様において、ほとんどまたは全く振盪しないことは、最大で80、70、60、50、40、35、30、25、20、15、10、5、3、2、1または0回転/分(RPM)であることができる。ある態様において、ほとんどまたは全く振盪しないことは、約6時間、12時間、18時間、24時間、48時間、72時間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間または4週間より長い間であることができる。ある態様において、ほとんどまたは全く振盪しないことは、約6時間、12時間、18時間、24時間、48時間、72時間、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間または4週間未満の間であることができる。ある態様において、ほとんどまたは全く振盪しないことは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または20回より多い継代の間であることができる。ある態様において、ほとんどまたは全く振盪しないことは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または20回未満の継代の間であることができる。ある態様において、高速振盪は、少なくとも60、80、100、120、140、160、180、200、220または240RPMであり得る。ある態様において、高速振盪は、180~240、200~240、160~220、60~160、60~140、60~120、60~100、60~90、60~80、80~160、80~140、80~120、80~100または80~90RPMであり得る。ある態様において、高速振盪は、約2、3、4、5、7、10、15または20回より多い継代の間であることができる。ある態様において、高速振盪は、約2、3、4、5、7、10、15または20回未満の継代の間であることができる。ある態様において、振盪は、初期速度で実施され、次いでより高速へと増大させられ得る。ある態様において、振盪は、初期速度で実施され、次いでより低い速度へと低下させられ得る。ある態様において、振盪は、一定の速度であり得る。
【0163】
[0179] ある態様において、改変細胞の増殖は、手動細胞計数、自動細胞計数、間接細胞計数またはそれらのあらゆる組み合わせによって決定されることができる。ある態様において、細胞計数は、計数チャンバー、コロニー形成単位計数、電気抵抗、フローサイトメトリー、画像分析、立体細胞、分光光度法、インピーダンス微生物学、自動細胞計数、顕微鏡法、コールターカウンター、自動画像細胞カウンター、液滴デジタルポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、定量PCR、代謝測定またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0164】
[0180] ある態様において、固定に依存しない細胞は、少なくとも1、2、3、4、5、7、10、12、15、17、20、22、25、27、30、32、34、35、37または40回の細胞分裂に関して固定に依存せず増殖することができる。固定に依存しない細胞は、少なくとも1、2、3、4、5、7、10、12、15、17、20、22、25、27、30、32、34、35、37または40回の細胞分裂に関して固定依存性の増殖が可能であり得る。細胞分裂は、本明細書では継代とも呼ばれ得る。ある態様において、固定に依存しない細胞は、無限に固定に依存しない増殖が可能であり得る。ある態様において、固定依存性の細胞は、無限に固定依存性の増殖が可能であり得る。ある態様において、固定に依存しない細胞は、少なくとも1継代、5継代または少なくとも35継代の固定に依存しない増殖が可能であり得る。ある態様において、固定依存性の細胞は、少なくとも1継代、5継代または少なくとも35継代の固定依存性の増殖が可能であり得る。ある態様において、細胞は、設定された量の分裂後に固定に依存しない増殖から定着依存性の増殖に切り替えるようにプログラムされ得る。ある態様において、細胞は、設定された量の分裂後に固定依存性の増殖から固定に依存しない増殖に切り替えるようにプログラムされ得る。ある態様において、刺激は、プログラムされた切り替えを制御することができる。ある態様において、刺激は、プログラムされた切り替えを制御しない可能性がある。例えば、固定に依存しない増殖における細胞は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50ラウンドの分裂を経て、固定依存性の増殖に切り替わることができる。ある態様において、固定依存性の増殖における細胞は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12,13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50ラウンドの分裂を経て、固定に依存しない増殖に切り替わることができる。ある態様において、固定に依存しない細胞は、少なくとも部分的に接着性増殖が不可能であり得る。ある態様において、固定依存性の細胞は、少なくとも部分的に懸濁液中での増殖が不可能であり得る。ある態様において、固定に依存しない細胞の少なくとも30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%または100%は、接着性増殖が不可能であり得る。ある態様において、固定依存性の細胞の少なくとも30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%または100%は、懸濁液中での増殖が不可能であり得る。
【0165】
[0181] ある態様において、細胞は、スキャフォールド上に播種されることができる。ある態様において、細胞は、スキャフォールド上に播種されない可能性がある。ある態様において、細胞は、約100細胞/cm2~約10,000,000細胞/cm2、1,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2、100,000細胞/cm2~約10,000,000細胞/cm2、10,000細胞/cm2~約100,000細胞/cm2、50,000細胞/cm2~約200,000細胞/cm2、100,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2、100,000細胞/cm2~約500,000細胞/cm2または約100,000細胞/cm2~約2,500,000細胞/cm2の密度で播種され得る。ある態様において、細胞は、約10、100、10,000、50,000、75,000、90,000、100,000、125,000、150,000、175,000、200,000、1,000,000または10,000,000細胞/cm2より大きい密度で播種され得る。ある態様において、細胞は、約10、100、10,000、50,000、75,000、90,000、100,000、125,000、150,000、175,000、200,000、1,000,000または10,000,000細胞/cm2未満の密度で播種され得る。ある態様において、細胞は、スキャフォールドの片側に播種されることができる。ある態様において、スキャフォールドは基材であり得る。ある態様において、細胞は、スキャフォールドの1より多くの側に播種されることができ、例えば、スキャフォールドの上部および底部に播種することができる。スキャフォールドは、連続して同時に播種されることができる。ある態様において、スキャフォールドは、スキャフォールドをひっくり返すことなく、スキャフォールドの1より多くの側に播種されることができる。例えば、スキャフォールドの第2の側は、スキャフォールドをひっくり返すことなく播種されることができる。ある態様において、スキャフォールドは一方の側に播種されることができ、次いでスキャフォールドを裏返すことができ、スキャフォールドの別の側に播種されることができる。ある態様において、播種細胞は、バイオファブリケートされた材料を含むことができる。ある態様において、バイオファブリケートされた材料は、本明細書で開示される細胞、改変細胞または組織を含むことができる。
【0166】
[0182] ある態様において、本明細書で記載される細胞および細胞層は、固定に依存しない条件、固定依存性の条件またはそれらのあらゆる組み合わせで培養されることができる。ある態様において、固定に依存しない増殖、固定依存性の増殖または両方は、容器、入れ物またはそれらの組み合わせにおいて起こり得る。ある態様において、固定に依存しない、または固定依存性の増殖は、刺激を受けていない可能性がある細胞、スイッチを含有しない可能性がある細胞、またはそれらのあらゆる組み合わせに対して測定されることができる。ある態様において、固定依存性の増殖または固定に依存しない増殖は、手動細胞計数、自動細胞計数、間接細胞計数またはそれらのあらゆる組合せによって決定されることができる。ある態様において、少なくとも部分的に固定依存性の増殖は、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素を消費し得る。ある態様において、容器または入れ物は、ガラス、金属、プラスチックまたはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、入れ物または容器は、容器または入れ物の少なくとも一部に細胞を接着させるコーティングを含有することができる。ある態様において、コーティングは、ポリ-L-リジン、ポリ-D-リジン、ラミニン、コラーゲン、ウシフィブロネクチン、ゼラチン、細胞外マトリックス、ラミニン、エンタクチン、HSPG、ウシゼラチンまたはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、容器または入れ物は、少なくとも約.5mL、1mL、5mL、25mL、100mL、250mL、500mL、1000mL、2L、5L、10L、100L、1000L、5000Lまたは約10,000Lの総体積を保持することができる。ある態様において、固定に依存しない増殖条件において、細胞は、約1e1細胞/mL、1e2細胞/mL、1e3細胞/mL、1e4細胞/mL、1e5細胞/mL、1e6細胞/mL、1e7細胞/mL、1e8細胞/mL、1e9細胞/mLまたは1e10細胞/mLまで増殖させることができる。ある態様において、固定に依存しない増殖における細胞は、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%未満のコンフルエンスまで増殖させることができる。ある態様において、固定に依存しない増殖における細胞は、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%より大きいコンフルエンスまで増殖させることができる。ある態様において、固定に依存しない増殖中の細胞は、懸濁液中で増殖させることができる。固定依存性の増殖条件において、細胞は、約1e1細胞/mL、1e2細胞/mL、1e3細胞/mL、1e4細胞/mL、1e5細胞/mL、1e6細胞/mL、1e7細胞/mL、1e8細胞/mL、1e9細胞/mLまたは1e10細胞/mLまで増殖させることができる。ある態様において、固定に依存しない増殖中の細胞が約1e5細胞/mL、1e6細胞/mL、1e7細胞/mL、1e8細胞/mL、1e9細胞/mLまたは1e10細胞/mLの密度に達した場合、細胞は、固定依存性の増殖に切り替わることができる。ある態様において、固定依存性の増殖中の細胞が約1e5細胞/mL、1e6細胞/mL、1e7細胞/mL、1e8細胞/mL、1e9細胞/mLまたは1e10細胞/mLの密度に達した場合、細胞は、固定依存性の増殖に切り替わることができる。固定依存性の増殖条件下で、細胞は、約50,000細胞/cm2~約9,000,000細胞/cm2、200,000細胞/cm2~約4,500,000細胞/cm2、250,000細胞/cm2~約4,000,000細胞/cm2、500,000細胞/cm2~約2,000,000細胞/cm2または1,000,000細胞/cm2~約6,000,000細胞/cm2の基材表面積の密度まで増殖させることができる。ある態様において、固定依存性の増殖中の細胞は、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%より大きいコンフルエンスまで増殖させることができる。ある態様において、固定依存性の増殖中の細胞は、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%未満のコンフルエンスまで増殖させることができる。固定依存性の増殖条件における細胞は、少なくとも部分的にスキャフォールド上、スキャフォールド中またはスキャフォールドの周囲で増殖させることができる。ある態様において、固定依存性の増殖中の細胞は、少なくとも部分的にスキャフォールドなしで増殖させることができる。
【0167】
[0183] ある態様において、本明細書で開示される細胞および構造は、特定の空気湿度で培養されることができる。例えば、細胞層(例えば改変細胞、真皮層または表皮層)は、約20%~約100%の湿度で培養されることができる。例えば、湿度は、約40~約100%、約50~約95%、約45~約90%、約55~約95%、約60~約90%、約70~約80%、約71~約79%、約72~約78%、約73~約77%、約74~約76%、約60~約70%、約65~約75%、約70~約80%、約75~約85%、約80~約90%、約85~約95%、または約90~約100%、約40~約60%、約45~約55%、約46~約54%、約47~約53%、約48~約52%、約48~約53%、約49~約54%、または約47~約51%であることができる。
【0168】
[0184] ある態様において、細胞および組織(例えばスイッチを有する不死化細胞)は、生物学的活性環境を支持するバイオリアクターまたはデバイス中で増殖させることができる。デバイスまたはバイオリアクターは、細胞スタック、ローラーボトル、振盪器、フラスコ、撹拌タンク懸濁液バイオリアクター、高細胞密度固定床潅流バイオリアクター、インキュベーターまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、バイオリアクターは、細胞培養物の生産からのスケーラブルなモジュール式システムであり得、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50または50より多くの入れ物を含み得る。ある態様において、バイオリアクターは、スケーラブルなシステム、積み重ね可能なシステム、モジュール式システムまたはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。さらに、ある態様において、バイオリアクターは、容易で迅速なスケールアップを可能にするように構成されることができる。さらに、バイオリアクターは、入れ物を揺動または傾斜させるように構成された運動制御システムを含むことができ、それは、入れ物内の細胞培養の生存率を増大させることができるチャンバー内の動的な流れを作り出すことができる。ある態様において、バイオリアクターは、細胞を増殖させることができる入れ物、温度制御システム、入れ物内のガス濃度を制御するように構成されたガス入口/出口システム、入れ物内の増殖培地を混合するように構成された撹拌器、流体輸送のためのあらゆる数の入口および出口ポートを含むことができる。ある態様において、細胞培養物は、バイオリアクターの入れ物中の増殖培地中に懸濁され得る。ある態様において、バイオリアクターは、コマンドを入力するためのコンピューターシステムを含有する。ある態様において、使用者は、撹拌の速度、所望のpH、温度および/または溶存酸素レベルを指示することができる設定をプログラムすることができる。ある態様において、システムは、使用者によって入力されたパラメーターに基づいてこれらのパラメーターを調整することができる。ある態様において、使用者またはこのシステムは、例えば、チューブまたはパイプを介して入れ物中のポートに動作可能に接続されたポンプを使用して、培地または他の構成要素を手動でまたは自動的にサイホンで吸い上げる/交換することができる。ある態様において、培地は、システムの入れ物の内外に連続的に流れることができる。ある態様において、システムは、静止運動を利用することができる(すなわち、バイオリアクターは典型的には増殖の間は静止したままである)。ある態様において、本明細書で記載されるシステムは、入れ物を揺動、回転または傾斜させるように構成された運動制御システムを含むことができ、それは、入れ物内の細胞培養物の生存率を増大させることができるチャンバー内の動的な流れを作り出すことができる。
【0169】
[0185] ある態様において、本明細書の方法は、合成皮革の少なくとも一部、例えば、組織の少なくとも一部をなめすことを含むことができる。ある態様において、組織は、線維芽細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、改変細胞、不死化細胞またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。本明細書で記載されるあらゆる細胞は、不死化細胞であり得る。ある態様において、組織は、層状構造を含むことができる。ある態様において、組織は、真皮層を含むことができる。ある態様において、組織は、表皮層を含むことができる。なめしは、合成皮革を天然皮革に似たものにすることができ、それは、動物の生皮および皮膚、しばしばウシの皮のなめしによって作り出される、耐久性があり、かつ可撓性の材料であり得る。本明細書におけるなめしは、動物の皮膚を処理して皮革を製造するプロセスを指し得る。なめしは、植物なめし(例えばタンニンを使用する)、クロムなめし(硫酸クロムを含むクロム塩)、アルデヒドなめし(グルタルアルデヒドまたはオキサゾリジン化合物を使用する)、シンタン(合成タンニン、芳香族ポリマーを使用する)、細菌染色等を含む様々な方法で実施されることができる。ある態様において、なめしは金属を含まないことができる。ある態様において、なめしは環境に優しいプロセスであり得る。
【0170】
[0186] ある態様において、なめしは、皮/皮膚中のタンパク質を腐敗しないであろう安定な材料に変換する一方で材料を可撓性のままにするために実施されることができる。クロムは、なめし材料として使用されることができる。ある場合において、なめしは、クロム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、鉄、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、オキサゾリジン、イソシアネート、カルボジイミド、ポリカルバモイルサルフェート、テトラキスヒドロキシホスホニウムサルフェート、ナトリウムp-[(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]ベンゼンスルホネート、ピロガロール、カテコール、シンタンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。ある態様において、なめしは、スキャフォールド中の改変細胞に対して実施されることができる。ある態様において、なめされることができる組織は、繊維または複数の繊維(例えば、ポリエステル繊維、合成繊維、天然繊維)を含むことができる。細胞層または層状構造のpHが調整されて(例えば低下させて;例えば約pH2.8~3.2まで)、なめしを増強することができ;なめし後に、pHを上昇させることができる(わずかに高いレベル、例えば、pH約3.8~4.2まで“塩基性化”)。ある態様において、本明細書で記載されるpHは、少なくとも1であり得る。ある態様において、本明細書で記載されるpHは、14以下であり得る。
【0171】
[0187] ある態様において、なめしは、細胞層、例えば真皮層、表皮層、改変細胞、不死化細胞層、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲンまたはそれらのあらゆる組み合わせに対して実施されることができる。ある態様において、なめしは、組織(例えば改変細胞由来の組織)に対して実施されることができる。なめしはまた、層状構造、例えば少なくとも真皮層を含む層状構造に対して実施されることができる。ある場合には、なめしは合成皮革に対して実施されることもできる。例えば、なめしは、細胞層、例えば、真皮層または表皮層を形成した後に実施されることができる。例えば、なめしは、層状構造を形成した後に実施されることができる。なめしは、スイッチを含む細胞に対して実施されることもできる。例えば、なめしは、固定に依存しない、および固定依存性の増殖のための分子スイッチを含む不死化細胞の層に対して実施されることができる。
【0172】
[0188] ある態様において、なめしは、脱水された細胞または細胞層に対して実施されることができる。脱水後の合成皮革の含水率は、約5%、10%、15%、20%、30%、35%、40%、50%、60%、70%または80%以下であり得る。ある態様において、脱水は、収縮を防止するために細胞を脱細胞化することを含むことができる。ある態様において、脱細胞化は、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、メタン、エタン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、塩酸エーテル、ジクロロメタン、クロロエチレン、DMSO、アセトン、ジエチルエーテル、有機溶媒またはそれらのあらゆる組み合わせを用いて行われることができる。
【0173】
[0189] ある態様において、なめしは、細胞外マトリックス(ECM)材料を改変することによって実施されることができる。なめしは、ECM中のコラーゲンを修飾することによって実施されることができる。なめしは、なめし剤、例えば硫酸クロム(III)([Cr(H2O)6]2(SO4)3)を用いて実施されることができる。硫酸クロム(III)は溶解してヘキサアクアクロム(III)カチオン、[Cr(H2O)6]3+を与えることができ、それは、より高いpHではオレーションと呼ばれるプロセスを経てコラーゲンサブユニットの架橋でなめしにおいて活性であり得るポリクロミウム(III)化合物を与える。一部のリガンドは、硫酸アニオン、コラーゲンのカルボキシル基、アミノ酸の側鎖由来のアミン基、ならびにマスキング剤を含む。マスキング剤は、ポリクロミウム(III)鎖の形成を抑制するために使用される、酢酸のようなカルボン酸であり得る。マスキング剤は、クロム(III)錯体の浸透を阻害することなく、皮なめし業者がpHをさらに増大させてコラーゲンの反応性を増大させることを可能にすることができる。なめしは、コラーゲン中のタンパク質鎖間の間隔を増大させることができ(例えば、10から17Åへ)、それは、オレーションおよびオキソレーションから生じる種類の、ポリクロミウム種による架橋と一致する。クロムは、コラーゲンに架橋され得る。クロムなめし皮革は、約4%~5%のクロムを含有することができる。この効率は、その皮革の水熱安定性の増大、およびその加熱水中での収縮に対する抵抗性によって特性付けられることができる。他のなめし剤を使用して、層状体をなめし、コラーゲンを修飾することができる。
【0174】
[0190] ある態様において、なめしは、他の鉱質を使用して実施されることもできる。ある態様において、なめしは、ミョウバン、ジルコニウム、チタン、鉄塩またはそれらの組み合わせに基づく薬剤を使用して実施されることができる。なめしは、クロムを少なくとも部分的に含まずに実施されることができる。
【0175】
[0191] ある態様において、なめしは、植物性なめしによって実施されることもできる。ある態様において、植物性なめしは、植物ベースの抽出物中に皮を浸漬することを含むことができる。ある態様において、植物ベースの抽出物は、クリの樹皮、オークの樹皮、ドクニンジンの樹皮、マングローブの樹皮、アカシアの樹皮、カシの樹皮、クエブラチョウの樹皮、ミモザの樹皮、オリーブの葉、オークの樹皮またはそれらのあらゆる組合せの抽出物を含むことができる。ある態様において、なめしは湿式白色なめし(例えば、アルデヒド、ポリカルバモイルサルフェートまたはそれらのあらゆる組み合わせによるなめし)によって実施されることができる。ある態様において、なめしは、Granofin(登録商標)Easy F90およびProSpread(商標)を含む鉱質無含有なめし系を用いて実施されることができる。ある態様において、再なめしは、Densotan(登録商標)A、Catalix(登録商標)150、Lipoderm(登録商標)N、Lipoderm(登録商標)LA、Basyntan(登録商標)NL、Relugan(登録商標)Soft Ap、Tanicor(登録商標)VX、Basyntan(登録商標)SW、Granofin(登録商標)TAP、Melioderm(登録商標)HF Brown、ギ酸、Terogtan、Lipsol MSG、Catalix(登録商標)150、Brun色素またはそれらのあらゆる組合せを用いて実施されることができる。
【0176】
[0192] ある態様において、本明細書で作製される改変細胞、不死化細胞、細胞層、層状構造、および合成皮革は、なめし後にさらに処理されることができる。ある態様において、本明細書で提供される方法は、1つ以上の皮革処理工程(例えば、伝統的な皮革形成に使用されるもの)をさらに含む。処理工程の例は、保存、浸漬、ライミング、脱毛、裏打ち、分割、脱灰、リライミング(reliming)、ベーティング、脱脂、フリージング(frizing)、漂白、着色、酸洗い、脱塩、なめし、再なめし、(例えば、処理の間に色が失われ得る場合)、菲薄化、再なめし、潤滑、クラスト形成、湿潤、サミング、剃り、再色素化、中和、染色、加脂、充填、剥がし、詰め、白化、定着、据え付け、乾燥、コンディショニング、製粉(例えば乾式製粉)、ステーキング、バフ研磨、最終仕上げ、注油、ブラッシング、パディング、含浸、噴霧、ローラーコーティング、カーテンコーティング、研磨、めっき、エンボス加工、アイロンかけ、施釉およびタンブリングを含む。ある態様において、潤滑剤は、脂肪、生物油、鉱油、合成油、タラ油、スルホン化油、ポリマー、樹脂、有機官能性シロキサンまたはそれらのあらゆる組み合わせであり得る。ある態様において、潤滑剤は、界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー性界面活性剤、アニオン性ポリマー性界面活性剤、両親媒性ポリマー、脂肪酸、変性脂肪酸、非イオン性親水性ポリマー、非イオン性疎水性ポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル、アクリル、天然ゴム、合成ゴム、樹脂、両親媒性アニオン性ポリマー、両親媒性アニオン性コポリマー、両親媒性カチオン性ポリマー、両親媒性カチオン性コポリマーまたはそれらの組み合わせを含むことができる。ある態様において、潤滑剤のエマルジョンまたは懸濁液は、水、アルコール、ケトンおよび他の溶媒中にあることができる。
【0177】
[0193] ある態様において、合成皮革は、例えば動物の皮膚、皮または皮革を構築するために使用される多細胞体および/または層の数、サイズおよび配置を制御することによって成形されることができる。他の場合には、動物の皮膚、皮または皮革は、例えば切断、プレス、成形またはスタンピングによって成形されることができる。合成皮革の形状は、伝統的な動物の皮膚、皮または皮革製品に似せて作られることができる。
【0178】
[0194] ある態様において、本明細書の方法は、本明細書で製造された合成皮革の一部を除去することを含むことができる。ある態様において、方法は、除去された製品を形成するために、表皮層の少なくとも一部を除去することを含むことができる。例えば、除去はシェービングであることができる。
【0179】
[0195] ある態様において、本明細書の方法は、合成皮革を着色することを含むことができる。ある態様において、着色は、合成皮革中に色素産生細胞(例えばメラニン形成細胞)を導入することによって実施されることができる。ある態様において、合成皮革は、機能性生メラニン形成細胞を含むことができる。メラニン形成細胞は、ヒトの皮膚におけるものと同様の位置を有することができる。ある態様において、メラニンは、メラニン形成細胞によって構成的に産生され得る。ある態様において、メラニンは、ケラチノサイトに移されることができる。ある態様において、メラニン形成細胞は、刺激、例えば、UV照射の際に、またはアルファメラニン形成細胞刺激ホルモン(aMSH)、エンドセリン1(ET1)、幹細胞因子(SCF)、プロスタグランジンE2およびF2α(PGE2、PGF2α)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)または神経成長因子(NGF)のような色素沈着促進(propigmenting)活性剤によって産生され得る。
【0180】
[0196] ある態様において、合成皮革の異なる層中の細胞、例えばケラチノサイト、メラニン形成細胞または線維芽細胞は、前駆細胞、例えば幹細胞に由来し得る、例えばそれから分化し得る。他の場合には、初代細胞または初代細胞に由来する培養細胞を使用して、合成皮革を作製するための細胞層を形成することができる。ある態様において、分子スイッチを含む改変細胞を使用して、合成皮革を作製するための細胞層を形成することができる。ある態様において、細胞を組織形成培地と接触させることによって、細胞を分化させることができる。
【0181】
[0197] ある態様において、本明細書で記載される方法は、合成皮革の生産を商業レベルまで確実に、正確に、かつ再現可能にスケールアップする高スループットな方法を提供する。合成皮革、人工的な表皮均等物、人工的な全層皮膚均等物および本明細書で開示される同じものを作製する方法の利点は、再現性があり、高スループットであり、魅力的な外観、質感、厚さおよび耐久性を有する容易にスケーラブルな様式でのカスタマイズされた組織の製造を含む。ある態様において、本明細書で記載される方法は、表皮層、真皮層、層状構造または合成皮革の1以上の収量の増大をもたらすことができる。ある態様において、収量の増大は、比較可能な方法と比較して、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または約15倍の収量で有り得る。ある態様において、本明細書で開示される方法は、合成皮革、人工表皮層、人工真皮層、層状構造およびそれらから製造される製品の製造のコストを低減することができる。ある態様において、本明細書で開示される方法は、均一な厚さの合成皮革、人工表皮層、人工真皮層、層状構造、およびそれらから製造される製品を製造することができる。ある態様において、合成皮革、人工表皮層、人工真皮層、層状構造、およびそれらから製造される製品は、実質的に均一な厚さ、長さ、および/または幅を有することができる。ある態様において、表皮層、真皮層、層状構造のいずれか1つ以上の中の細胞は、均一に分布することができる。ある態様において、表皮層、真皮層、層状構造のいずれか1つ以上の中の細胞は不均一に分布することができる。
【実施例】
【0182】
実施例1.不死化ウシ線維芽細胞の開発。
[0198] ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞細胞株は、産業規模の皮革生産の需要を支持するために、細胞の一貫した持続可能な供給源を提供することができる。ある態様において、ほとんどの初代細胞は、Hayflick数として知られる細胞倍加の有限数を有することができ、それは、倍加ごとの後の染色体の短縮と相関する。ある態様において、この数に達すると、細胞は死期を経る傾向がある。ある態様において、非不死化または初代細胞株は、少なくとも100万平方フィート/年の皮革に十分な細胞を生成する能力を有することができる。ある態様において、市場の要求を満たすために、より多くの皮が生成される必要があり得る。ある態様において、生産の増加は、初代細胞の不死化によって達成され得る。ある態様において、初代細胞の不死化は、細胞が無限に複製することを可能にし得る。ある態様において、細胞株は、収率を向上させ、コストを低減するようにさらに設計されることができる。ある態様において、細胞は、2Dで増殖することができる。ある態様において、2Dでの増殖は、組織培養プラスチックに付着し、その上で増殖する細胞を含むことができる。ある態様において、改変により、細胞は、生産効率を増大させるために、懸濁培養のような3D環境で増殖させ得る。ある態様において、細胞は、成長因子および細胞付着因子のような高価な構成要素に依存することなく増殖または分化するように設計されることができる。
【0183】
[0199] ある態様において、不死化ウシ線維芽細胞を生成するために、TERTおよびBmi1遺伝子がプラスミドベクター中に挿入されることができる。ある態様において、プラスミドは、線維芽細胞株中にトランスフェクションされることができる。ある態様において、プラスミドは、gfpを含有することができ、従って蛍光選択可能マーカーを使用して成功したトランスフェクションを決定することができる。ある態様において、プラスミドを担持する選択された線維芽細胞株が精製され、拡張されることができる。ある態様において、線維芽細胞株は、不死化表現型を示し得、二倍体のままであり得、正常な細胞外マトリックスを分泌し得、制御された増殖を有し得る。ある態様において、不死化細胞株は、将来の使用のために凍結されることができる。
【0184】
[0200] あるいは、不死化は、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)、テロメラーゼ(TERT)、BMI1、CCND1のような外因性遺伝子を発現させることによって、またはCDK4、網膜芽細胞腫タンパク質(RB)およびp53のような細胞周期制御因子の機能に介入することによって達成されることができる。SV40-TAgは、シミアンウイルス40(SV40)に由来する非構造タンパク質であり得る。SV40-TAgの異所性発現は、RBおよびp53の機能を遮断することによって細胞の形質転換をもたらすことができる。RBおよびp53は、負の細胞周期制御因子として作用することができる。RBは、G1期からS期への細胞周期の進行を抑制することによってDNA複製を制御することができる。SV40-TAgは、RBタンパク質の機能を遮断し、細胞周期の進行をもたらすことができる。p53は、G1期からS期への増殖周期の進行、アポトーシスまたは老化の制御に関与することができる。SV40-TAgおよびp53の間の相互作用は、p53の機能に干渉し得、細胞周期の進行および細胞生存をもたらす。
【0185】
[0201] ある態様において、SV40-TAgの異所性発現は、様々な種および細胞型由来の初代細胞を不死化することができる。ある態様において、SV40-TAgの異所性発現は、ヒト胚性線維芽細胞、ハムスター真皮線維芽細胞、ウシ胎児肝細胞、ウシ腹膜マクロファージ、ウシ歯乳頭細胞、ウシ胚性肺細胞またはそれらのあらゆる組み合わせ由来の初代細胞を不死化することができる。本明細書において、SV40-TAgを使用して皮膚線維芽細胞、前脂肪細胞、羊水細胞、臍帯幹細胞、およびそれらのあらゆる組み合わせのような他のウシ初代細胞を不死化することを含む方法が、開示される。
【0186】
[0202] ある態様において、コラーゲンは、ウシ真皮組織中で最も豊富なタンパク質を含み得る。ある態様において、真皮は、乳頭領域および網状領域に分けられることができる。ある態様において、乳頭領域は、グレインレザーと呼ばれるより高品質の皮革を生成することができる。ある態様において、組織は、弾性線維(エラスチン)と混合された高密度に充填されたコラーゲン線維(主にI型およびIII型)および多糖ゲルに包埋されたフィブロネクチンのような原線維外線維からなり得る。ある態様において、なめしプロセスは、コラーゲンを化学的に架橋しながら多糖ゲルまたは他の組織構成要素を除去するための一連のプロセス工程を含むことができる。ある態様において、次いで、架橋されたコラーゲンをさらに処理して染色し、革の構造的感触を作り出すことができる。ある場合には、SV40-TAgの発現は、コラーゲン産生に影響を有し得る。ある態様において、ヒト肺線維芽細胞株WI38におけるSV40-TAgの形質導入は、コラーゲン産生の減少をもたらし得る。ある態様において、SV40-TAgの形質導入は、ヒト靭帯細胞におけるI型およびIII型コラーゲン産生への限定された影響を有し得る。ある態様において、コラーゲン産生に対するSV40媒介形質転換の役割は、細胞株依存性であり得る。ある態様において、SV40-TAgを使用することによって生成された細胞株は皮革の生産をもたらすコラーゲンを生成することができ得ることを実証することは、重要であり得る。
【0187】
実施例2.安定なウシ真皮線維芽細胞(BDF)細胞株生成
[0203] ある態様において、安定なウシ真皮線維芽細胞(BDF)細胞株を生成するために、CMVプロモーター下でSV40-TAg-T2A-Puror断片(Puror=ピューロマイシン耐性遺伝子)を安定に発現させるために、レンチウイルスベクターを使用して、初代BDFに継代5(P5)において形質導入した。緑色蛍光タンパク質(GFP)を、可視化のために別のCMVプロモーター下で発現させた(
図3)。形質導入後、細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)培地(表1)中で3日間培養し、導入遺伝子発現を可能にした。SV40-TAg-T2A-Puror配列を担持する細胞を選択するために、0.5ug/mlのピューロマイシンを細胞培養物に2日間添加し、次いでピューロマイシン濃度をさらに7日間0.75ug/mlに増加させた。SV40-TAg-T2A-Puror断片で形質導入されたBDF細胞はピューロマイシン選択下で生存し、GFPを発現することができる(
図4A、
図4B、
図4C、および
図4D)。ピューロマイシン選択を生存したSV40-TAg-T2A-Puror形質導入細胞を、続いてVL-001細胞株と命名し、6000細胞/cm
2で繰り返し継代して、それらの増殖能を試験した。
【0188】
[0204]
【0189】
【0190】
[0205] 未改変BDFは、35.5時間の平均集団倍加時間(PDT)で、約40集団倍加(PD)の間、インビトロで拡張させることができる。一次BDFは、0継代から11継代まで21.6時間の最小PDTおよび51.5時間の最大PDTで、複数の継代にわたってそのPDTを変化させることが見出された(
図2A)。対照的に、不死化細胞株(VL-001)細胞は、ピューロマイシン選択後、少なくとも20継代以上拡張させて、継代25で100の累積PDに達した(
図1B)。この数は老化を示すものではなく、むしろ、これは拡張実験が停止された時である。VL-001細胞株の平均PDT(21.2時間)は、未改変の初代BDFよりも40%短かった。VL-001細胞株はまた、連続継代の間でより一貫したPDTを示した。VL-001細胞株は、継代6から継代25まで19.1時間の最小PDTおよび23.7時間の最大PDTを有する(
図1A)。さらに、広範に継代されたVL-001細胞株では、老化細胞は観察されなかったが、後に継代された未改変初代BDFでは老化形態を同定することができる(
図1C-老化細胞を示す白色矢印)。
【0191】
2d培養におけるコラーゲン産生
[0206] 細胞が未改変線維芽細胞よりも多くのPDで増殖できることを実証すると、さらなる実験は、不死化VL-001線維芽細胞株がコラーゲンを産生できるかどうかに焦点を当てた。VL-001細胞は、組織培養プラスチック上で2Dで増殖させた場合、未改変の初代BDFと比較して、同様のレベルのコラーゲンを分泌することができることが実証された(
図5)。ヒト血小板溶解物(HPL)ベースの培地におけるTGFb1およびアスコルビン酸2-リン酸(AA2P)の補充は、VL-001および未改変BDFの両方のコラーゲン産生を有意に増加させることができ、VL-001は、未改変BDFに類似したコラーゲン産生機序を有することを示唆している(
図5)。
【0192】
3Dスキャフォールド上での組織生成およびコラーゲン産生
[0207] 不死化VL-001線維芽細胞株は未改変初代BDFと同様に多孔性ポリエステル不織スキャフォールド上に3D組織を生成できるかどうかを決定するために、実験を行った。ある場合には、未改変BDFは、HPLベースの培地中で培養した場合、4週間で多孔性スキャフォールド上に一貫した組織を形成することができる(表1)。しかし、VL-001細胞株はそれができず;その代わりに、細胞は凝集体を形成し、同じHPLベースの培地中で培養した場合、ポリエステル材料上に広がらなかった(
図6A、
図6B、
図6C、
図6D、
図6Eおよび
図6F)。この観察の後、10%ウシ胎児血清を含むVL-001の2D細胞培養に使用される類似の培地製剤(高グルコースダルベッコ改変イーグル培地-DMEM)は組織の形成に使用され得るかどうかを決定するために、第2の実験を実施した。従って、20%FBS(より高い血清は、成長因子および細胞付着タンパク質に関して富化される)および添加された2X非必須アミノ酸を有するDMEMを使用して、ポリエステルスキャフォールド上でのVL-001の組織形成を支持した。培養培地をHPL培地から20% FBS培地に変更することによって(表1)、VL-001細胞は、スキャフォールド上に3D組織を形成し得ることが見出された。VL-001細胞は、非改変BDFと同様に、支持繊維間で増殖することができる(
図6A、
図6B、
図6C、
図6D、
図6E、および
図6F)。
図6Aは、HPL培地中で増殖させたBDF細胞の組織走査画像を示す。
図6Bは、HPL培地10X中で増殖させたBDF細胞の10倍倍率の組織走査画像を示す。
図6Cは、HPL培地中で増殖させたVL-001細胞の組織走査および画像を示す。
図6Dは、HPL培地中で増殖させたVL-001細胞の10倍倍率の組織走査画像を示す。
図6Eは、20%FBS培地中で増殖させたVL-001細胞の組織走査画像を示す。
図6Fは、20%FBS培地中で増殖させたVL-001細胞の10倍倍率の組織走査画像を示す。さらに、20%FBS培地中で培養されたVL-001細胞は、培養培地中で遊離コラーゲンを産生することができ(
図7)、HPLベースの培地中で培養された未改変BDFと同様に、コラーゲン原線維を組織中に沈着させることができる(
図8)。
【0193】
懸濁培養
[0201] VL-001細胞株を2D培養条件下で迅速に増殖させた。ここで、VL-001細胞株は、凝集体として3D懸濁培養で増殖できることが示された。細胞凝集は、依然として細胞/細胞または細胞/タンパク質接触に依存していた。VL-001細胞を1000細胞/cm2で超低付着プレート上に播種した。1週間の懸濁培養後、明らかな凝集体形成が観察された。凝集体の数およびサイズは3週間で増加した(
図9A、
図9B、
図9Cおよび
図9D)。
【0194】
実施例3.固定に依存しない増殖および固定依存性の増殖のための分子スイッチを有する細胞の開発
[0209] 分子スイッチを開発するために、インテグリン結合キナーゼ(Ilk)を、温度感受性プロモーターの制御下でプラスミドベクターに挿入する。温度感受性プロモーターは、細胞を33℃で増殖させた場合にIlkの発現を可能にし、細胞を37℃~39℃で増殖させた場合に発現を阻害する。そのプラスミドをウシ真皮線維芽細胞中にトランスフェクションする。Ilkが発現される場合、ウシ真皮線維芽細胞は、固定に依存しない増殖表現型を示す。細胞増殖を支持するために、33℃の温度で固定に依存しない増殖条件で細胞を増殖させる。一度細胞が所望の密度(例えば、5e7細胞/mL)に達したら、温度を39℃に変更して、真皮線維芽細胞におけるIlkの発現を弱める。温度変化は、細胞を固定依存性の増殖に変化させ、スキャフォールドに接着し、組織を形成し始める。トランスフェクションされたIlkの発現を依然として低減させながら、正常な細胞増殖を支持するために、温度を37℃に低下させる。組織の生産は、合成皮革の生成に使用される。
【0195】
実施例4.不死化のための分子スイッチを有する細胞の開発
[0210] 分子スイッチを生成するために、hTERTおよびSV40遺伝子を、Cre-LoxP系の制御下でプラスミドベクター中に挿入する。Cre-LoxP系は、Creタンパク質が発現される条件下で細胞を増殖させる場合、hTERTおよびSV40遺伝子の切除を可能にする。そのプラスミドを、ウシ真皮線維芽細胞にトランスフェクションする。非誘導条件下では、hTERTおよびSV40が発現され、ウシ真皮線維芽細胞は不死化細胞表現型を示す。非誘導条件では、細胞を固定に依存しない増殖条件で増殖させる。一度細胞が所望の密度(例えば5e7細胞/mL)に達したら、誘導物質を添加してCreリコンビナーゼタンパク質を発現させ、hTERTおよびSV40遺伝子を真皮線維芽細胞から切除する。hTERTおよびSV40の切除は、細胞をスキャフォールドに接着させ、組織を形成し始めるようにする。組織の生産は、合成皮革の生成に使用される。
【0196】
実施例5.分子スイッチを有する不死化細胞の開発
[0211] 不死化ウシ線維芽細胞を生成するために、TERTおよびCCND1、ならびにCDK4遺伝子の変異型をプラスミドベクター中に挿入し、ウシ線維芽細胞中にトランスフェクションする。プラスミドは、成功したトランスフェクションを決定するためのneo遺伝子(抗生物質選択可能マーカー)を含有する。細胞をジェネティシンに曝露し、生存者を選択する。プラスミドを担持する選択された線維芽細胞株を精製し、拡張させる。線維芽細胞株は不死化表現型を示し、二倍体のままであり、正常な細胞外マトリックスを分泌し、制御された増殖を有する。第2に、不死化細胞が懸濁液中で増殖するための分子スイッチを作製するために、サイクリンD1遺伝子をTet誘導性プロモーターと共にクローニングする。構築物は、組み込みウイルスベクターに含有され、不死化細胞中にトランスフェクションされ、そこでそれは染色体に組み込まれる。分子スイッチを含有する不死化細胞を、テトラサイクリンを含む培養培地中で増殖させ、それはサイクリンD1遺伝子の発現を駆動し、従って固定に依存しない増殖を誘導する。細胞が約5e7細胞/mLの濃度に達した後、細胞を回収し、培地をテトラサイクリンを含有しない培地と交換する。誘導物質が存在しないと、サイクリンD1の発現が減少し、スキャフォールド上での固定依存性の増殖が起こる。細胞は、皮革の生成に使用される組織を形成し始める。
【0197】
実施例6.分子スイッチを担持する不死化ウシ線維芽細胞からの表皮層の調製
[0212] 分子スイッチを担持する不死化ウシ線維芽細胞を、ヒトケラチノサイト増殖サプリメントを補充した0.07mM Ca2+ 154CF培地(Life Technologies)中で増殖させる。製造業者のプロトコルに従って、CnT-07培地(CELLnTEC)またはCnT-Prime培地(CELLnTEC)中でCellstart CTS(Life Technologies)(または他のECM基質)被覆PET、0.4mm挿入物(EMD Millipore)上に、不死化ウシ線維芽細胞の懸濁液(2.21x105/cm2挿入物)を播種する。
【0198】
[0213] 播種後3日目(D3)に、培地をCnT-02-3D(CELLnTEC)またはCnT-3D Barrier(CELLnTEC)に切り替える。4日目に、CnT02-3DまたはCnT-3D Barrierを挿入物の底部に供給することによって、不死化ウシ線維芽細胞を空気曝露する。4日目以降、収穫するまで不死化ウシ線維芽細胞にCnT-02-3DまたはCnT-3D Barrierを毎日与える。不死化ウシ線維芽細胞を、37℃および5% CO2の湿潤(100% RH)または乾燥インキュベーター(50% RH)中で増殖させる。ダイヤル比重計(Fisher Scientific)を用いて、インキュベーターの湿度を測定する。低インキュベーター湿度は、水パンを除去することによって維持される。
【0199】
[0214] モル浸透圧濃度の変化の可能性を制御するために、培地を毎日更新する。Micro Osmometer(Precision Systems)によって測定されるように、モル浸透圧濃度の有意な変化は、このプロトコルを使用して検出されない。経上皮電気抵抗(TEER)測定、光学顕微鏡法および電子顕微鏡法のために12ウェルインサートが使用され、一方、経表皮水分喪失(TEWL)測定およびイムノブロッティングのために6ウェルインサートが使用される。
【0200】
実施例7.表皮層の培養
[0215] 分子スイッチを担持する不死化ウシ線維芽細胞を、CnT-07培地(CELLnTEC)またはCnT-Prime培地(CELLnTEC)中で、0.4μm孔挿入物を有するポリエチレンテレフタレート(PET)膜(EMDミリポア;カタログ番号:MCHT12H48)に2.0~2.5×105細胞/cm2の密度で播種する。
【0201】
[0216] 播種後3日目(D3)に、培地をCnT-02-3D(CELLnTEC)またはCnT-3D Barrier(CELLnTEC)に切り替える。4日目に、CnT-02-3D CnT-3D Barrierを有するインサートの底部に供給することによって、細胞を空気曝露した。4日目以降、表皮層にCnT-02-3DまたはCnT-3D Barrierを毎日与え、14日目に収穫する。
【0202】
実施例8.支持基材の準備
[0217] 2%アガロース溶液を調製するために、2gのUltrapure低融点(LMP)アガロースを100mLの超純水/緩衝溶液(1:1、v/v)に溶解する。緩衝溶液は、場合によりPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水1×)またはHBSS(ハンクス平衡塩溶液1×)であることができる。アガロース溶液を、温水(80℃を超える)を含有するビーカーに入れ、アガロースが完全に溶解するまでホットプレート上に保持することができる。温度は、36℃を超える限り、アガロース溶液は液体のままである。36℃未満では、相転移が起こり、粘度が上昇し、最終的にアガロースは、ゲルを形成する。
【0203】
[0218] アガロース支持基材を調製するために、10mLの液体2%アガロース(温度>40℃)を、直径10cmのペトリ皿に堆積させ、均一に広げて、均一な層を形成することができる。均一に広げて、均一な層を形成することができる。アガロースを、冷蔵庫中で4℃でゲルを形成させる。
【0204】
実施例9.分子スイッチを担持する不死化ウシ線維芽細胞、ケラチノサイト、およびメラニン形成細胞を含む合成皮革の製造
[0219] プロトコルの概要は、以下の通りで有り得る:a)分子スイッチを担持する不死化ウシ線維芽細胞およびコラーゲンの溶液を接触させ、次いで、不死化ウシ線維芽細胞が分布し、真皮均等物を構成する収縮コラーゲンマトリックスを得るのに十分な時間の間インキュベートし、b)a)で得られた真皮均等物にケラチノサイトおよびメラニン形成細胞の混合物を播種し、液体培地中で浸漬培養し、c)b)で得られた全培養物(真皮均等物に播種されたケラチノサイトおよびメラニン形成細胞)を浸漬し、皮膚均等物を構成するコラーゲンマトリックス中に線維芽細胞を含有する真皮均等物上にメラニン形成細胞を含有する多重層化された(pluristratified)表皮均等物が得られるまで、空気-液体界面で培養を継続する。
【0205】
[0220] 工程a)は、I型コラーゲン、特にウシ由来のI型コラーゲンまたは均一懸濁液中のI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンの混合物(格子の最終体積に対しておおよそ30%)を用いて行うことができる。有利には、均質な懸濁液を得るために、ラミニン(特に最終体積に対して1%~15%)、コラーゲンIV(特に最終体積に対して0.3%~4.5%)および/またはエンタクチン(特に最終体積に対して0.05%~1%)のような他の成分が、それに添加される。不死化ウシ線維芽細胞は、本明細書で記載される方法から得られる。それらは、適切な培地中で培養され、次いで、懸濁された後、コラーゲンおよび成長因子の懸濁液と混合される。混合物を、おおよそ37℃、一般に36℃~37.5℃の温度で、1~6日間、例えば4または5日間インキュベートする。有利には、混合物は、その接着を可能にしない支持体上でインキュベートされ、特にそれは、支持体の縁部への混合物の接着を防止する;そのような支持体は特に、その表面の前処理によって、例えば前記表面をウシアルブミンまたは血清でコーティングすることによって得られることができる。栄養培地を排出しながら数方向に自由に収縮するコラーゲンゲルが、こうして得られ、そこに線維芽細胞が包理される。
【0206】
[0221] 工程b)を実施するために、皮膚、例えば成体皮膚に由来するケラチノサイトが利用され得る。ケラチノサイトは、RheinwaldおよびGreen(Cell, vol. 6, 331-344, 1975)の技法に従って、適切な培地中で、成長因子、特にアミノ酸、血清、コレラ毒素、インスリン、トリヨードチロニンおよびpH緩衝液の存在下で、3T3線維芽細胞から構成されるフィーダー支持体上で培養することによって、播種前に増幅される。特に、そのような培養培地は、ケラチノサイトのための少なくとも1つの有糸分裂成長因子(例えば、上皮成長因子(EGF)および/またはケラチノサイト成長因子(KGF)、特にKGF)、インスリン、ヒドロコルチゾン、および場合により抗生物質(例えばゲンタマイシン、アムホテリシンB)を特に含有し得る。
【0207】
[0222] メラニン形成細胞は、若いかまたは成体の動物の皮膚に由来するメラニン形成細胞であり得る。それらは、ホルボールエステルの非存在下で、DMEM/F12またはMCDB153のような基礎培地から構成され、メラニン形成細胞特異的成長因子(例えば、bFGF、SCF、ET-1、ET3またはαMSH等)を補われた適切な培中で、特にM2培地(Promocell)中で、または他の培地、例えばM254(Cascades Biologics(商標))中で増幅させられる。
【0208】
[0223] これらの培養物からメラニン形成細胞およびケラチノサイトの細胞懸濁液を調製し、混合ケラチノサイト/メラニン形成細胞懸濁液を得るように混合する。メラニン形成細胞/ケラチノサイト比は、1:10~2:1であることができ、一般におおよそ1:1である。この混合懸濁液を真皮均等物上に沈着させる。真皮均等物は、有利にはコラーゲンのような生物学的材料を介して支持体に取り付けられる。メラニン形成細胞/ケラチノサイト懸濁液は、範囲を定められた表面部分上にそれを維持するため、環またはあらゆる同等の手段中に沈着されられる。液体栄養培地は、細胞の混合物を覆うように添加される。この培地は、成長因子、特にEGFおよび/またはKGFを含有する。培地は、定期的に交換され、培養は、浸漬として、一般に2~10日間、特に5~8日間、およびおおよそ7日間続けられるであろう。培地は、浸漬の2日目から開始し、理想的には浸漬の4日目から開始するKGFを含有する。
【0209】
[0224] 続いて、皮膚は、それ自体既知の方法で、ケラチノサイトの分化および層状表皮均等物の形成を得るために浸漬される。空気-液体界面での浸漬としての培養物に対応するこの工程c)は、分化した構造が得られるまで、一般におおよそ7日間継続される。しかし、工程c)は、より長い期間、例えばおおよそ28日間続けられることができ、一方で同時に、上記の文章で明記された有利な特徴を有する皮膚均等物を保存する。栄養培地は定期的に更新されるであろう。皮膚均等物は、必要な試験を実施するためにその後取り出される。
【0210】
実施例10.培養皮膚標本における濾胞形成の誘導
[0225] 拡張された真皮乳頭(DP)細胞を培養した外毛根鞘(ORS)細胞と混合し、洗浄し、適切な細胞密度で20mlの滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS、Sigma)に注意深く再懸濁する。各実験で使用される培養DPおよびORS細胞は異なるドナーから得られるが、これはDPおよびORS細胞の培養の期間が異なるため、同じドナーから2つの細胞型を調製することができないからである。培養を確立した1日後、培養した皮膚片の真皮中に細胞懸濁液をゆっくりと注入する。
【0211】
実施例11.毛包細胞集団の培養
[0226] 毛包は後頭部領域から得られる。真皮乳頭(DP)細胞は、Randall et al., A comparison of the culture and growth of dermal papilla cells from hair follicles from non-balding and balding (androgenetic alopecia) scalp. Br J Dermatol 1996: 134: 437-444.に記載されたように調製および培養される。
【0212】
[0227] 簡潔には、毛包のDPを解剖顕微鏡下で単離し、個々に24ウェル組織培養プレート(Sarstedt)に移す。細胞培養は、15%FCS(Sigma)を補ったDMEM中で実施する。細胞増殖の開始後、細胞をコンフルエントになるまで培養し、2継代拡張させる。外毛根鞘(ORS)細胞の単離のために、バルジ領域を含む毛包の中央部分を切除し、穏やかなトリプシン処理を施す。少なくとも10個の毛包の細胞が、各培養に使用される。得られた細胞をRPMI-1640培地(Sigma)中で2回洗浄し、標準ケラチノサイト培地(Epilife, Sigma)中で細胞培養に供する。1週間の培養後に細胞を採取する。
【0213】
実施例12.全層皮膚均等物のなめし
[0228] 全層皮膚均等物は、クロムなめしによってなめされる。第1工程は、氷および硫酸処理である。これは、クロムを受け入れることができるように、組織を開く。次いで、酸化マグネシウムと共にクロムを添加する。
【0214】
[0229] このプロセスは、全層皮膚均等物のpHレベルを約3まで下げる。クロムが全層皮膚均等物を通過した後、次いでなめし液が導入され、それはpHレベルを約4まで上げる。これに続いて温水浴を行い、次いでロールプレスして過剰な液体を除去する。次いで、最終段階は必要に応じて表面処理を適用し、次いで、全層皮膚均等物を引き伸ばしながら乾燥させ、次いで、行われる場合は再プレスする。
【0215】
実施例13.人工皮革のなめし
[0230] 以下のプロトコルに関して、以下の定義が使用される:
・ ドラム-アクリル製または金属製のなめしドラム
・ ローラー-なめしドラムを回転させるために使用されるローラー装置
・ チャンバー-操作の間にローラーおよびドラムが配置されるであろう、25℃~50℃の環境温度を制御する能力を有する加熱チャンバー。
【0216】
・ 皮-なめし変換を受けるであろう採取されたウシの皮膚。
・ 栓:なめしドラムの穴を密閉するゴム栓またはパラフィルムカバー。
・ X%オフ-皮バッチの重量に基づく数パーセント。
【0217】
・ 必要な個人用保護装備(PPE):Chemical splashアイプロテクション、N-95フェイスマスク、ニトリル手袋、および綿または使い捨てラボコート。
プロトコル
[0231] 個人用保護装備を着用する。すべての装備を、70%エタノールスプレーまたは家庭用クリーナーで洗浄する。家庭用クリーナーを使用する場合は、装備を徹底的にすすぐ。なめされようとしている全ての皮は、集められ、実験室用の秤で計量される。この重量は、ワークシートで使用される水、なめし化学物質およびギ酸の量を決定するであろう。一度全ての装備が乾燥し、すぐに使用できる状態になると、なめしプロセスが開始される。
【0218】
[0232] ローラーをインキュベーターチャンバー内に置き、温度を24℃に調節する。1000%オフの水および2%オフのprodegreazeをドラム中に入れる。手作業でドラムを振盪し、Prodegreazeを水中に混合する。溶液のpHを確認する。
【0219】
[0233] 例:
バッチ重量=100g
1000%オフ水=10×100=1000mL
2%オフProdegreaze=0.02×100=2g
[0234] 皮を混合物の内部に配置し、栓を用いてドラムを密封する。ドラムをローラーの上に置き、インキュベーターチャンバーを閉じる。混合物を19RPMで15分回転させる。
【0220】
[0235] 注:IBIローラーはアナログで、ダイヤル上の位置によって決まる。全速(19RPM)ではダイヤルは可能な限り大きく設定され、半速(9.5RPM)ではダイヤルは範囲の半分に設定されるであろう。
【0221】
[0236] 皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。ドラムを水道水ですすぐ。
[0237] インキュベーターチャンバーの温度を24℃に保つ。1000%オフ水および6%オフprosoakをドラム中に添加し、ドラムを手作業で振盪して化学物質を一緒に混合する。皮がドラムに加えられ、ドラムは密封され、インキュベーターチャンバー内部のローラー上に置かれる。ドラムを19回RPMで30分回転させる。皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。1000%オフ水および2%オフprosoakをドラム中に添加し、ドラムを手作業で振盪して化学物質を一緒に混合する。溶液のpHをチェックする。皮をドラムに追加し、ドラムを密封し、チャンバー内のローラー上に配置する。ドラムを19RPMで30分回転させる。皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。ドラムを水道水ですすぐ。
【0222】
[0238] インキュベーターチャンバーの温度を24℃に保つ。1000%オフ水、2%オフprospread、および1mLの水酸化ナトリウム濃縮物をドラム中に添加する。ドラムのpHをチェックし、11~11.2であるべきである。皮をドラム中に配置し、ドラムを栓で密封する。ドラムをインキュベーターチャンバー内のローラー上に配置する。ドラムを19RPMで30分回転させ、次いでドラムを15分間静置する。15分間の休止時間の間、皮は溶液中に浸漬されていなければならない。ドラムは、19RPMでさらに15分間回転し始め、pHをチェックしてそれが10.3以下であることを確認する。そうではない場合、ドラムを19RPMでさらに15分間回転させ、pHを再度チェックする。pHが10.3以下になるまで、15分間の回転を繰り返す。
【0223】
[0239] pHが3~15分の期間後に変化しない場合、皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。ドラムを水道水ですすぐ。1000%オフの水をドラム中に添加し、皮をドラムの内部に配置する。その溶液を24℃で10分、19RPMで混合する。皮を取り出し、10分経過したら水を排出する。1000%オフの水、および2%オフの塩化アンモニウムをドラム中に添加し、溶液を十分に混合されるまで機械的に混合する。pHをチェックする。
【0224】
[0240] 皮をドラムの内部に配置し、ドラムをインキュベーターチャンバーの内部に配置する。ドラムを19RPMで30分間回転させる。皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。ドラムを水道水ですすぐ。1000%オフの水をドラムに添加し、皮を内部に配置する。ドラムを19RPMで10分間回転させる。その間に、8%ギ酸のバルク溶液を、化学ヒュームフード中で調製する。皮をドラムから取り出し、水をドラムから排出させる。1000%オフの水をドラム中に添加し、溶液のpHが4.9に達するまでギ酸をドラム中にゆっくりと添加する。皮をドラムの内部に配置し、ドラムをインキュベーターチャンバーの内部、ローラーの上に配置する。ドラムを19RPMで30分間回転させる。
【0225】
[0241] 皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。ドラムを水道水ですすぐ。500%オフの水、2%オフのprospreadおよび10%オフのGranofin F90をドラム中に添加する。Granofin F90が水中に十分に混合されるまで、溶液を機械的に混合する。溶液のpHをチェックする。グラノフィンF90は濃厚な白色液体であり、厳密な混合を必要とし得る。
【0226】
[0242] 皮をドラムの内部に配置し、インキュベーターチャンバーの内部、ローラー上にドラムを配置する。ドラムを19RPMで2時間30分間回転させる。2時間半後、インキュベーターチャンバーの温度を38℃に上げ、ドラムを19RPMで1時間混合させる。1時間後、インキュベーターチャンバーの温度を45℃に上げ、ドラムを一夜静置する。皮は、一夜のインキュベーションの間、なめし溶液中に浸漬されなければならない。一夜のインキュベーションの後、溶液のpHをチェックする。皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。ドラムを水道水ですすぐ。
【0227】
[0243] インキュベーターチャンバー内の温度を45℃で維持する。1000%オフの水、2%オフのProspreadおよび10%オフのPellastol XOをドラムに添加し、溶液を十分に混合する。皮をドラム中に配置し、ドラムを密封し、チャンバー内のローラー上に配置する。ローラーを19RPMに設定し、15分間回転させる。以下の化学物質を、表2に列挙される順序および時間間隔でドラム中に添加する。
【0228】
[0244]
【0229】
【0230】
[0245] 皮をドラムから取り出し、化学物質溶液を適切な廃棄物容器中にデカントする。ドラムを水道水ですすぐ。1000%オフの水をドラム中に添加し、皮をドラムの内部に配置する。ドラムをローラー上に置き、ドラムを5分全速で回転させる。皮を取り出し、乾燥させる。
【0231】
実施例14.全層皮膚均等物
[0246] I型コラーゲンマトリックス(0.5×106の不死化ウシ線維芽細胞を含有する)をポリエチレンテレフタレート膜(BD Biosciences)上に沈着させ、重合させる。重合したマトリックスを約7日間インキュベートした後、1×106個のケラチノサイトおよび0.1×106個のメラニン形成細胞をマトリックス上に播種し、さらに7日間インキュベートする。複合培養物を空気-液体界面まで上昇させ、下から供給して表皮分化を誘導する。全層皮膚均等物を約14日後に採取し、液体窒素中で急速凍結させるか、またはワックス中に包埋する。メラニン定量は分光光度法によって測定することができ、細胞あたりのメラニン含量または培養物(面積)あたりのメラニン含量のどちらかとして表すことができる。
【0232】
実施例15.固定に依存しない細胞増殖
[0247] 不死化細胞は、懸濁液中でスキャフォールド非依存的に増殖させることができる。細胞拡張は、約33℃で起こり得、次いで、スキャフォールド上に細胞を播種すると、約39℃に切り替えられた。温度は、組織の形成のために37℃に下げることができ、または細胞がこのより高い温度に耐えることができれば39℃で維持することができた。組織はその後、本明細書で開示されるように、改変されるかまたはなめされることができる。
【0233】
実施例16.無血清培地
[0248] ある場合には、本明細書で開示される不死化細胞は、無血清である培地中で増殖させることができる。ある場合には、無血清培地の使用は、細胞のより遅い増殖をもたらし得る。本明細書で開示されるある態様において、無血清培地が使用されることができ、それは、結果としてより遅い細胞の増殖をもたらさない。ある態様において、無血清培地は、ウシ胎児血清(FBS)、ヒト血小板溶解物(HPL)またはそれらのあらゆる組み合わせを完全に含まないことができる。
【0234】
実施例17.単細胞懸濁液
[0249] ある場合において、細胞は、単一細胞としての懸濁液中での細胞の増殖を可能にするように遺伝子改変され得る。ある態様において、懸濁液中で増殖させた細胞は、細胞-細胞または細胞-タンパク質相互作用なしで増殖させることができる。
【0235】
実施例18.不死化ウシ胎児真皮線維芽細胞株の生成
[0250] 実施例4に記載したように、ウシ胎児真皮線維芽細胞にSV40ラージT抗原をトランスフェクションした。生成された細胞株(VL-001)は、23.7時間の倍加速度で連続的に増殖する能力を示しており、>100倍加まで増殖した(この倍加で試験を停止した)。対照的に、親初代ウシ線維芽細胞の倍加速度は35.5時間であり、31倍加により老化するであろう。
【0236】
[0251] 不死化細胞株の発生は、細胞が分化する能力に潜在的に影響を及ぼし得る。具体的には、真皮線維芽細胞に関して、適切な環境に置かれると、それらは結合組織を作り出すために様々な細胞外マトリックス(ECM)タンパク質を産生するであろう。結合組織の発生に重要な主要ECMは、コラーゲンである。これらのタンパク質は、皮革を形成するためのなめしプロセスにおいて架橋されるための重要な構成要素である。
【0237】
[0252] VL-001細胞を分化させて皮革を形成することができるかどうかに取り組むために、以下の研究を実施した。この発見に関する独特の要素は、十分に増殖し、不死化細胞株の特徴を有するが、皮革を生成するためになめさせることができる結合組織を形成するように分化させることができる細胞株を生成することができることであった。
【0238】
[0253] TGFB1およびAA2P処理時のCOL1遺伝子の発現の増加を
図10に示す。I型コラーゲンは、真皮組織において最も豊富なコラーゲンであり、皮革を生成するために必須である。I型コラーゲンは、2つのアルファ1鎖(COL1A1遺伝子によって産生される)および1つのアルファ2鎖(COL1A2遺伝子によって産生される)から構成されるロープ様三本鎖タンパク質である。
図10は、TGFB1およびAA2P処理時のCOL1遺伝子の発現の増加を示す。COL1A1およびCOL1A2遺伝子の発現レベルは、形質転換成長因子ベータ1(TGFB1)およびアスコルビン酸-2-リン酸(AA2P)への曝露の際に、初代ウシ真皮線維芽細胞(BDF)および不死化細胞株(VL-001)の両方において上方制御された。興味深いことに、VL-001は、対照培地におけるBDFと比較して、TGFB1およびAA2P刺激なしの対照培地において、より少ないCOL1A1およびCOL1A2を発現する。この結果は、VL-001細胞はTGFB1およびAA2P処理なしではより低い分化状態にあり得、それはVL-001細胞の増加した増殖能力と相関し得ることを示唆する。TGFB1およびAA2P処理の際、VL-001は、COL1A1およびCOL1A2遺伝子の発現を、BDF細胞と同様のレベルまで増加させることができる。培養培地中のコラーゲンレベルを測定するために、Sircol redアッセイを使用して、同様の結果が観察された(
図5参照)。
【0239】
改変培地配合物を用いて真皮組織を生成するための3Dスキャフォールド上でのVL-001細胞増殖
[0254] 親細胞株との比較可能性に関する次の工程は、VL-001細胞が3D生体材料スキャフォールド上で増殖させた場合に真皮組織の形成に使用できるかどうかを決定することであった。これに取り組むために、VL-001細胞を試験して、ウシ血清(BCS)被覆ポリ乳酸(PLA)3D多孔性スキャフォールド上で増殖させた場合にそれらが真皮組織を生成し得るかどうかを調べた。コーティングのために、PLAスキャフォールドをBCS中に浸漬し、4℃で一夜インキュベートした。細胞を1×106細胞/cm2で播種し、改変培地配合物(下記参照)中で4週間培養した。BDF細胞のために開発された元の組織形成培地は、10%ヒト血小板溶解物(hPL)、TGFB1、およびアスコルビン酸-2-リン酸(AA2P)を含有していた。改変培地配合物は、TGFB1を含まずわずか5%のhPLを含有していた。この新しい改変培地配合物は、VL-001細胞をPLAスキャフォールドに付着させて増殖させ、コストを少なくとも50%低減した。元の培地配合物および改変培地配合物を表3に示す。
【0240】
【0241】
[0255] 4週間の培養後、VL-001細胞はPLAスキャフォールド内に連続組織を形成した。このプロセスは再現性があり、全体的な形態およびコラーゲン含有量によって実証される。この実験では、2つの試料を異なるバイオリアクター中で増殖させ、4週間の培養後に同様の形態を示した(
図11Aおよび
図11Bを参照)。
図11Aおよび
図11Bはそれぞれ、PLAスキャフォールド上の不死化ウシ線維芽細胞株から成長させた人工真皮層を示す。両方の組織から採取された生検試料は、同様の総コラーゲン含有量を有していた(Sircol redアッセイによって測定した)(
図12参照)。
図12は、改変培地を用いたVL-001組織の総コラーゲン含有量は元の培地で培養されたBDF組織に匹敵することを示す。
【0242】
[0256]
図13に示されるように、組織生検をプラスチック樹脂中に固定し、5um切片を生成し、ピクロシリウスレッド(PSR)を用いて染色した。
図13は、VL-001細胞は画像中の染色によって示されるようにPLAスキャフォールド全体にコラーゲンタンパク質を沈着させ得ることを示す。
【0243】
VL-001組織は、伝統的ななめしプロセスを経て皮革を生成することができる
[0257] 組織の増殖が完了したら、人工的な真皮組織を容器から取り出し、次いで、食塩または塩ブライン溶液に浸漬することによって保存し、4℃で保管した。次いで、皮を、皮革に変換するために、なめし革工場に輸送した。プロセスはいくつかの工程からなっていた:1)皮を再水和し、塩、あらゆる残留タンパク質およびヒアルロン酸を除去するための予備浸漬および浸漬;2)硫酸化グリコサミノグリカン(sGAG)および他の外因性組織/細胞を組織から除去するための塩基性pHでの石灰漬け;3)pHを約4.0に低下させるための脱灰;4)組織のコラーゲン束を架橋するためのなめし;5)構造的な感触(柔らかさおよび防水性)を提供し、材料に色を導入するためのなめし後処理;6)過剰な水を除去するが、その柔らかさおよび柔軟性を保持するために材料の適切な湿度を維持した乾燥;および7)粒子、質感、外観等のような最終特性を提供する最終仕上げ。
【0244】
[0258]
図14は、クラスト相(過剰な水を除去するための乾燥後)におけるVL-001組織の画像を示す。VL-001細胞を、ウシ血清(BCS)被覆ポリ-L-乳酸(PLA)三次元不織スキャフォールド上に播種し、5%hPL(ヒト血小板溶解物)、ヘパリン(2mg/L)、非必須アミノ酸(1x濃度)、アスコルビン酸(82ug/L)、抗生物質-抗真菌薬(1x濃度;100単位/mLのペニシリン、100ug/mLのストレプトマイシンおよび250ng/mLのGibco Amphotericin B)からなる細胞培養培地中で4週間増殖させた。
【0245】
態様
[0259] 以下は、本明細書の開示の例示的な態様である:
1.以下の工程を含む方法:
1)不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し;
2)人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された真皮層を形成させ;そして
3)少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめし、合成皮革を形成する。
【0246】
2.態様1の方法であって、播種する前に、不死化動物線維芽細胞を培養物中で拡張して、複数の不死化動物線維芽細胞を形成する方法。
3.態様2の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞が、ヘイフリック限界を超えて増殖させられ得る方法。
【0247】
4.態様3の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞が、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させられ得る方法。
5.態様2の方法であって、拡張後、複数の不死化動物線維芽細胞が、0℃未満の温度で保管される方法。
【0248】
6.態様5の方法であって、保管後、複数の不死化動物線維芽細胞を、スキャフォールド上に播種する前に培養物中で増殖させる方法。
7.態様1または2の方法であって、不死化動物線維芽細胞を培養することが、不死化動物線維芽細胞を拡張させることを含む方法。
【0249】
8.態様1~7のいずれか1項の方法であって、なめしが、人工真皮層中のコラーゲンの架橋を含む方法。
9.態様1~8のいずれか1項の方法であって、不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上に播種した後、方法がさらに不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上で培養して人工真皮層を形成することを含む方法。
【0250】
10.態様1の方法であって、少なくとも部分的に脱細胞化することが、人工真皮層を塩溶液と接触させることを含む方法。
11.態様10の方法であって、接触させることが、人工真皮層を塩溶液中に浸漬することを含む方法。
【0251】
12.態様10または11に記載の方法であって、塩が、塩化ナトリウム、粗塩結晶、ブライン溶液またはそれらの組み合わせを含む方法。
13.態様12の方法であって、塩化ナトリウムの濃度が、約36%~約100%を含む方法。
【0252】
14.態様1~13のいずれか1項の方法であって、なめしが、植物なめし、クロムなめし、アルデヒドなめし、シンタンなめし、細菌染色またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0253】
15.態様1~14のいずれか1項の方法であって、動物細胞がウシ細胞を含む方法。
16.以下の工程を含む方法:
1)不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し
そして
3)人工真皮層をなめし、合成皮革を形成する。
【0254】
17.態様16の方法であって、播種の前に、不死化動物線維芽細胞を培養物中で拡張して複数の不死化動物線維芽細胞を形成する方法。
18.態様17の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞を、ヘイフリック限界を超えて増殖させることができる方法。
【0255】
19.態様18の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞が、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させることができる方法。
20.態様17の方法であって、拡張後に複数の不死化された動物線維芽細胞が0℃未満の温度で保管される方法。
【0256】
21.態様20の方法であって、保管後に、複数の不死化動物線維芽細胞がスキャフォールド上への播種の前に培養物中で増殖させられる方法。
22.態様16または17の方法であって、不死化動物線維芽細胞を培養することが、不死化動物線維芽細胞を拡張させることを含む方法。
【0257】
23.態様16~22のいずれか1項の方法であって、なめしが、人工真皮層中のコラーゲンの架橋を含む方法。
24.態様16~23のいずれか1項の方法であって、動物細胞がウシ細胞を含む方法。
【0258】
25.以下の工程を含む方法:スキャフォールド上に細胞を播種し、ここで、細胞は外因性分子を含み;外因性分子は、直接的または間接的刺激に基づいて、固定に依存しない増殖または少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こすことができる方法。
【0259】
26.態様25の方法であって、細胞が不死化細胞を含む方法。
27.態様26の方法であって、不死化細胞が、不死化線維芽細胞を含む方法。
28.態様27の方法であって、不死化線維芽細胞が、不死化ウシ線維芽細胞を含む方法。
【0260】
29.態様25~28のいずれか1項の方法であって、分子がRNA、DNA、アミノ酸またはタンパク質を含む方法。
30.態様29の方法であって、DNAを含み、DNAがタンパク質をコードしている方法。
【0261】
31.以下の工程を含む方法:
スキャフォールド上に細胞を播種し、ここで、細胞は少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含む。
【0262】
32.態様31の方法であって、細胞が不死化細胞である方法。
33.態様31または32の方法であって、さらに播種の前に細胞を第1の環境において増殖させることを含み、ここで、細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含む方法。
【0263】
34.態様31~33のいずれか1項の方法であって、細胞が、複数の細胞である方法。
35.態様34の方法であって、複数の細胞が、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含む方法。
【0264】
36.態様35の方法であって、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方が、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフである方法。
【0265】
37.態様35の方法であって、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方が、増殖の間少なくとも部分的にオフであり、播種の間少なくとも部分的にオンである方法。
【0266】
38.態様33の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオンである方法。
39.態様33の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオフである方法。
【0267】
40.態様31~39のいずれか1項の方法であって、細胞が真核細胞である方法。
41.態様31~39のいずれか1項の方法であって、細胞が、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類、爬虫類、およびウサギ類動物細胞からなる群から選択される方法。
【0268】
42.態様31~41のいずれか1項の方法であって、第1の環境が懸濁液中である方法。
43.態様31~42のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、直接的または間接的な刺激に基づいて、固定に依存しないかまたは少なくとも部分的に固定依存性の増殖を少なくとも部分的に引き起こす方法。
【0269】
44.態様31~43のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフである方法。
【0270】
45.態様31~43のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオフであり、播種の間少なくとも部分的にオンである方法。
【0271】
46.態様31~45のいずれか1項の方法であって、刺激の存在が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドの発現の増加または発現の減少を引き起こす方法。
【0272】
47.態様31~45のいずれか1項の方法であって、刺激の非存在が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドの発現の増加または発現の減少を引き起こす方法。
【0273】
48.態様31~47のいずれか1項の方法であって、増殖が刺激の存在下である方法。
49.態様31~47のいずれか1項の方法であって、増殖が刺激の非存在下である方法。
【0274】
50.態様31~49のいずれか1項の方法であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択される方法。
【0275】
51.態様50の方法であって、刺激が温度における変化を含む方法。
52.態様31~51のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、温度に基づいて可逆的である方法。
【0276】
53.態様31~52のいずれか1項の方法であって、細胞が、増殖の間約28℃~約34℃の温度に曝露される方法。
54.態様31~53のいずれか1項の方法であって、細胞が、播種後に約37℃~約41℃の温度に曝露される方法。
【0277】
55.態様31~54のいずれか1項の方法であって、スキャフォールドが、少なくとも部分的に天然または合成である方法。
56.態様31~55のいずれか1項の方法であって、スキャフォールドが、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルおよびそれらの組み合わせからなる群の少なくとも1つを含む方法。
【0278】
57.態様31~56のいずれか1項の方法であって、細胞が、細胞外マトリックスタンパク質を産生する方法。
58.態様57の方法であって、細胞外マトリックスタンパク質が、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される方法。
【0279】
59.態様31~58のいずれか1項の方法であって、さらに細胞またはそれから発生した組織の一部を含む合成皮革の少なくとも一部を生成することを含む方法。
60.態様59の方法であって、合成皮革が組織の少なくとも一部を含む方法。
【0280】
61.態様60の方法であって、組織がI型コラーゲンを含む方法。
62.態様31または32の方法であって、さらに、播種の前に、第1の環境において細胞を増殖させ、次いで少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチを増殖している細胞に直接的または間接的に添加することを含む方法。
【0281】
63.態様31~62のいずれか1項の方法であって、細胞が、約50,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2で播種される方法。
64.態様31~62のいずれか1項の方法であって、細胞をスキャフォールド上に播種することが、スキャフォールドの片側を播種することを含む方法。
【0282】
65.態様64の方法であって、スキャフォールドの第2の側が、スキャフォールドをひっくり返すことなく播種される方法。
66.態様31~63のいずれか1項の方法であって、細胞をスキャフォールド上に播種することが、スキャフォールドの1つより多くの側に播種することを含む方法。
【0283】
67.態様66の方法であって、播種が、連続的または同時である方法。
68.態様66の方法であって、播種が、スキャフォールドの一方の側に播種し、次いでスキャフォールドを裏返し、スキャフォールドの他方の側に播種することを含む方法。
【0284】
69.以下の工程を含む方法:
a.細胞を不死化細胞へ形質転換し;
b.少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を不死化細胞中に導入し、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドのそれぞれまたは両方が、直接的または間接的な刺激に基づいて、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に増殖させ;
c.不死化細胞を固定に依存せず増殖させる。
【0285】
70.態様69の方法であって、細胞が、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類、爬虫類、およびウサギ類動物細胞からなる群から選択される方法。
【0286】
71.態様70の方法であって、細胞が、ウシ細胞である方法。
72.態様69~71のいずれか1項の方法であって、細胞が、幹細胞である方法。
73.態様72の方法であって、幹細胞が、間葉系幹細胞、多能性幹細胞、誘導多能性幹細胞および胚性幹細胞からなる群から選択される方法。
【0287】
74.態様69~73のいずれか1項の方法であって、細胞が、線維芽細胞、動物脂肪組織由来細胞、臍帯由来細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される方法。
【0288】
75.態様69~74のいずれか1項の方法であって、細胞が、線維芽細胞または線維芽細胞様細胞である方法。
76.態様69~75のいずれか1項の方法であって、形質転換が、癌遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子の発現を増加または減少させることを含む方法。
【0289】
77.態様69~76のいずれか1項の方法であって、細胞が、TERT、Bmi1またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する方法。
【0290】
78.態様69~77のいずれか1項の方法であって、不死化細胞が、TERT、CcnD1、Cdk4、SV40ラージT抗原またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する方法。
【0291】
79.態様69~78のいずれか1項の方法であって、さらに不死化細胞を刺激に曝露することを含む方法。
80.態様79の方法であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択される方法。
【0292】
81.態様80の方法であって、刺激が、温度の変化を含む方法。
82.態様81の方法であって、温度が、約28℃~約34℃である方法。
83.態様82の方法であって、刺激が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずに増殖させる方法。
【0293】
84.83の方法であって、固定に依存しないことが、懸濁液中での増殖を含む方法。
85.態様83または84のいずれか1項の方法であって、刺激の除去が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる方法。
【0294】
86.態様69~85のいずれか1項の方法であって、さらに不死化細胞を第2の刺激に曝露することを含む方法。
87.態様86の方法であって、第2の刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組合せの変化からなる群から選択される方法。
【0295】
88.態様87の方法であって、第2の刺激が温度の変化を含む方法。
89.態様88の方法であって、温度が、約37℃~約41℃である方法。
90.態様86の方法であって、第2の刺激が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる方法。
【0296】
91.態様90の方法であって、第2の刺激の除去が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せず増殖させる方法。
92.態様91の方法であって、固定に依存することが、基材上での増殖を含む方法。
【0297】
93.態様92の方法であって、不死化細胞を基材上に播種することをさらに含む方法。
94.態様93の方法であって、不死化細胞が、約50,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2で播種される方法。
【0298】
95.態様93の方法であって、不死化細胞を基材上に播種することが、基材の一方の側に播種することを含む方法。
96.態様95の方法であって、基材の第2の側が、基材を裏返すことなく播種される方法。
【0299】
97.態様93の方法であって、不死化細胞を基材上に播種することが、基材の1より多くの側に播種することを含む方法。
98.態様97の方法であって、播種が、連続的または同時である方法。
【0300】
99.態様97の方法であって、播種が、基材の一方の側に播種し、次いで基材を裏返し、基材の他方の側に播種することを含む方法。
100.態様93の方法であって、固定依存性の増殖が、少なくとも部分的に、基材の上、中または周囲である方法。
【0301】
101.態様100の方法であって、基材が、スキャフォールドを含む方法。
102.態様101の方法であって、スキャフォールドが、少なくとも部分的に天然または合成である方法。
【0302】
103.態様101または102の方法であって、スキャフォールドが、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルまたはそれらの組み合わせを含む方法。
【0303】
104.態様31~103のいずれか1項の方法であって、細胞または不死化細胞が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含まない他の点では比較可能な野生型細胞と比較して、増強された細胞外マトリックス産生を有するように改変される方法。
【0304】
105.態様69~104のいずれか1項の方法であって、細胞外マトリックスが、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらの組み合わせを含む方法。
【0305】
106.態様69~105のいずれか1項の方法であって、細胞または不死化細胞を含む組織を設計することをさらに含む方法。
107.態様106の方法であって、組織をなめすことをさらに含む方法。
【0306】
108.態様105の方法であって、細胞外マトリックスが、I型コラーゲンを含む方法。
109.少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞であって、改変細胞が不死化されたウシ細胞である改変細胞。
【0307】
110.態様109の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、直接的または間接的な刺激に基づいて、少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に改変細胞を増殖させる改変細胞。
【0308】
111.態様110の改変細胞であって、改変細胞の増殖が、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定される改変細胞。
【0309】
112.少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、直接的または間接的な刺激に基づいて、改変細胞を少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる、改変細胞。
【0310】
113.態様112の改変細胞であって、改変細胞の増殖が、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定される改変細胞。
【0311】
114.態様112の改変細胞であって、改変細胞が、原核細胞または真核細胞である改変細胞。
115.態様112の改変細胞であって、改変細胞が、動物細胞である改変細胞。
【0312】
116.態様112の改変細胞であって、改変細胞が、単離された細胞である改変細胞。
117.態様112~116のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、非ヒト細胞である改変細胞。
【0313】
118. 態様112~116のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、ヒト細胞である改変細胞。
119. 態様112~117のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、およびウサギ類動物細胞からなる群から選択される改変細胞。
【0314】
120.態様119の改変細胞であって、改変細胞が、ウシ細胞である改変細胞。
121.態様112~120のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、不死化細胞である改変細胞。
【0315】
122.態様119~121のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、線維芽細胞、動物脂肪組織由来細胞、臍帯由来細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択される改変細胞。
【0316】
123.態様122の改変細胞であって、改変細胞が、線維芽細胞または線維芽細胞様細胞である改変細胞。
124.態様109~123のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、多能性幹細胞、間葉系幹細胞、誘導多能性幹細胞、および胚性幹細胞からなる群に由来する改変細胞。
【0317】
125.態様109~123のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、生検に由来する改変細胞。
126.態様109~125のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、複数の細胞を含む細胞株由来の細胞である改変細胞。
【0318】
127.態様109~126のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、外因性癌遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子を発現する改変細胞。
128.態様109~127のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、TERT、Bmi1またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する改変細胞。
【0319】
129.態様109~127のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、TERT、CcnD1、Cdk4またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する改変細胞。
【0320】
130.態様109~129のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含まない他の点では比較可能な野生型細胞と比較して増強された細胞外マトリックス産生を有するように改変されている改変細胞。
【0321】
131.態様130の改変細胞であって、細胞外マトリックスが、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞。
【0322】
132.態様109~131のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、刺激に応答して発現を少なくとも部分的に増加または減少させるように構成されている改変細胞。
【0323】
133.態様132の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加が、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
【0324】
134.態様132の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加が、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
【0325】
135.態様132の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少が、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
【0326】
136.態様132の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少が、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
【0327】
137.態様109~136のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的な固定依存性の増殖が、固定に依存しない増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素または成長因子を消費する改変細胞。
【0328】
138.態様109~136のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖が、少なくとも部分的に固定依存性の増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素または成長因子を消費する改変細胞。
【0329】
139.態様109~138のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、単一のスイッチまたは複数のスイッチである改変細胞。
【0330】
140.態様109~139のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、選択可能マーカーをコードする改変細胞。
【0331】
141.態様140の改変細胞であって、選択可能マーカーが、蛍光タンパク質を含む改変細胞。
142.態様109~141のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、組換え選択可能マーカーを含む改変細胞。
【0332】
143.態様142の改変細胞であって、選択可能マーカーが、抗生物質耐性遺伝子、蛍光タンパク質をコードする遺伝子、および栄養要求性マーカーを発現する遺伝子からなる群から選択される改変細胞。
【0333】
144.態様109~143のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み、ポリヌクレオチドが、ゲノム中に位置する、染色体外にある、またはそれらの組み合わせである改変細胞。
【0334】
145.態様109~144のいずれか1項の改変細胞であって、刺激が、環境刺激である改変細胞。
146.態様109~145のいずれか1項の改変細胞であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、機械的刺激、1以上のイオン型の存在、培養培地組成の変化、およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択される改変細胞。
【0335】
147.態様146の改変細胞であって、刺激が、温度の変化を含む改変細胞。
148.態様147の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖に関する温度が、約28℃~約34℃である改変細胞。
【0336】
149.態様147または148の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定依存性の増殖に関する温度が、約37℃~約41℃である改変細胞。
150.態様109~149のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の存在が、固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
【0337】
151.態様109~149のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の非存在が、固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
152.態様109~149のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の存在が、固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
【0338】
153.態様109~149のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の非存在が、固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
154.態様110~145のいずれか1項の改変細胞であって、刺激が、抗生物質、タンパク質、化合物、これらのいずれか1つの塩およびそれらのあらゆる組み合わせの存在、非存在またはレベルの変化からなる群から選択される改変細胞。
【0339】
155.態様110~154のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖が、少なくとも部分的にインテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6 N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)またはそれらの組み合わせの発現の増大の結果である改変細胞。
【0340】
156.態様109~156のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞がバイオリアクター中で増殖させられる改変細胞。
157.態様109~156のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖が、少なくとも部分的に懸濁液中であり、固定依存性の増殖が、少なくとも部分的にスキャフォールドの上、中または周囲である改変細胞。
【0341】
158.態様157の改変細胞であって、スキャフォールドが、少なくとも部分的に天然または合成である改変細胞。
159.態様157または158の改変細胞であって、スキャフォールドが、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞。
【0342】
160.態様109~159のいずれか1項の改変細胞を含む単離された組織。
161.態様160の単離された組織であって、組織が、複数のポリエステル繊維を含む単離された組織。
【0343】
162.態様160の単離された組織であって、組織の少なくとも一部がなめされる単離された組織。
163.態様162の単離された組織であって、組織の少なくとも一部が、クロム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、鉄、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、オキサゾリジン、イソシアネート、カルボジイミド、ポリカルバモイルサルフェート、テトラキスヒドロキシホスホニウムサルフェート、ナトリウムp-[(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]ベンゼンスルホネート、ピロガロール、カテコール、シンタンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むなめし剤でなめされる単離された組織。
【0344】
164.態様162の単離された組織であって、組織の少なくとも一部が、細胞外マトリックスをさらに含む単離された組織。
165.態様109~159のいずれか1項の改変細胞、その派生物またはその子孫の少なくとも一部または態様160~164の単離された組織を含む皮革。
【0345】
166.態様165の皮革であって、皮革が、バッグ、ベルト、腕時計ストラップ、パッケージ、靴、ブーツ、履物、手袋、衣類、ベスト、上着、ズボン、帽子、シャツ、下着、旅行かばん、クラッチバッグ、財布、ボール、バックパック、札入れ、鞍、馬具、チャップ、鞭、家具、家具付属品、室内装飾材料、自動車のカーシート、自動車の内装、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択されるいずれか1つの形態である皮革。
【0346】
167.態様165の皮革であって、皮革が、バイオファブリケートされた材料を含む皮革。
168.態様167の皮革であって、バイオファブリケートされた材料が、ゾーン特性を含む皮革。
【0347】
169.態様109~159のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、c-MycER系、Tet-on系、Tet-off系およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0348】
170.態様109~159または169のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、Cre-LoxP系、TALENS、ジンクフィンガー、CRISPR系またはそれらの構成要素およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0349】
171.態様109~159または169~170のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、DNA、RNAまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞。
【0350】
172.態様131の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、DNAを含む改変細胞。
173.態様132または171の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、cDNAを含む改変細胞。
174.態様171の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、RNAを含む改変細胞。
175.態様174の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、mRNAを含む改変細胞。
【0351】
176.態様109~159または169~175のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、誘導性プロモーターまたはオペレーターを含み、プロモーターまたはオペレーターが、遺伝子の発現を抑制または活性化するように構成される改変細胞。
【0352】
177.態様176の改変細胞であって、プロモーターまたはオペレーターが、テトラサイクリン制御転写単位、デキサメタゾン制御転写単位、ドキシサイクリン制御転写単位、C-mycR転写制御単位、およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0353】
178.態様109~159または169~177のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、コドン最適化されている改変細胞。
【0354】
179.態様109~159または169~178のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、後生的に修飾された塩基を含む改変細胞。
【0355】
180.態様179の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、ピリミジンを含む改変細胞。
181.態様180の改変細胞であって、ピリミジンが、シトシンまたはチミンである改変細胞。
【0356】
182.態様179~181のいずれか1項の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、メチル化塩基、ヒドロキシメチル化塩基、ホルミル化塩基、およびカルボン酸含有塩基からなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0357】
183.態様182の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、ヒドロキシメチル化塩基を含む改変細胞。
184.態様182~183のいずれか1項の改変細胞であって、ヒドロキシメチル化塩基が、5-ヒドロキシメチル化塩基を含む改変細胞。
【0358】
185.態様184の改変細胞であって、5-ヒドロキシメチル化塩基が、5-ヒドロキシメチルシトシンを含む改変細胞。
186.態様182の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、メチル化塩基を含む改変細胞。
【0359】
187.態様186の改変細胞であって、メチル化塩基が、5-メチル化塩基を含む改変細胞。
188.態様187の改変細胞であって、5-メチル化塩基が、5-メチルシトシンを含む改変細胞。
【0360】
189.態様109~159または169~188のいずれか1項の改変細胞を刺激と接触させることを含む方法。
190.態様189の方法であって、刺激が、環境刺激である方法。
【0361】
191.態様189~190のいずれか1項の方法であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、機械的刺激の変化、イオンのレベル、1つ以上のイオン型の存在、およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択されるいずれか1つを含む方法。
【0362】
192.態様191の方法であって、刺激が、温度の変化を含む方法。
193.態様192の方法であって、改変細胞が、約28℃~約34℃で少なくとも部分的に固定に依存しない増殖のための温度で増殖させられる方法。
【0363】
194.態様193の方法であって、刺激の除去が、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を弱める方法。
195.態様192の方法であって、改変細胞が、約37℃~約41℃で少なくとも部分的に固定依存性の増殖のための温度で増殖させられる方法。
【0364】
196.態様195の方法であって、刺激の除去が、少なくとも部分的に固定依存性の増殖を弱める方法。
197.態様190~196のいずれかの方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、トランスフェクション、エレクトロポレーションまたは形質導入によって改変細胞に導入される方法。
198.態様190~197のいずれかの方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、ベクターからなる群から選択されるいずれか1つによって導入され、ベクターが、ウイルス、ウイルス様粒子、アデノ随伴ウイルスベクター、リポソーム、ナノ粒子、プラスミド、線状dsDNAおよびそれらの組み合わせである方法。
【0365】
199.態様198のいずれか1項の方法であって、ベクターが、プラスミドを含む方法。
200.態様189~199のいずれか1項の方法であって、改変細胞の増殖が、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定される方法。
201.態様200の方法であって、改変細胞の増殖が、計数チャンバー、コロニー形成単位計数、電気抵抗、フローサイトメトリー、画像分析、立体細胞計数、分光光度法、およびインピーダンス微生物学からなる群から選択される方法の使用によって決定される方法。
【0366】
202.組織が、態様109~159または169~188のいずれか1項の改変細胞を含む、組織の少なくとも一部をなめすことを含む方法。
203.態様202の方法であって、組織が、層状構造を含む方法。
【0367】
204.態様203の方法であって、層状構造が、真皮層、表皮層、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む方法。
【0368】
205.態様202~204のいずれか1項の方法であって、組織が、線維芽細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む方法。
【0369】
206.態様109~159または169~188のいずれか1項の改変細胞に関して選択またはスクリーニングする方法。
207.合成皮革であって、なめしの前に組織の一部を含み、組織が態様109~159または169~188のいずれか1項の改変細胞を含む合成皮革。
【0370】
208.態様207の合成皮革であって、組織が、少なくとも部分的にさらなる処理に供される合成皮革。
209.態様208の合成皮革であって、さらなる処理が、なめし、保存、浸漬、ベーティング、酸洗、脱塩、菲薄化、再なめし、潤滑、クラスト形成、湿潤、サミング、シェービング、再色素化、中和、染色、加脂、充填、剥離、詰め、白化、定着、据え付け、乾燥、コンディショニング、製粉、ステーキング、バフ仕上げ、最後の仕上げ、注油、ブラッシング、パディング、含浸、スプレー、ローラーコーティング、カーテンコーティング、研磨、メッキ、エンボス、アイロン、施釉、タンブリングおよびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択される合成皮革。
【0371】
210.態様207の合成皮革であって、合成皮革が、バイオファブリケートされた材料を含み、バイオファブリケートされた材料が、改変細胞を含む合成皮革。
211.態様210の合成皮革であって、バイオファブリケートされた材料が、ゾーン特性を含む合成皮革。
【0372】
212.態様109~159または169~188のいずれか1項の改変細胞を含む培養容器。
213.態様212の培養容器であって、培養容器が、プラスチック、金属、ガラス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む培養容器。
【0373】
214.態様212の培養容器であって、培養容器が、改変細胞を培養容器の少なくとも一部に接着させる薬剤を含む培養容器。
215.態様214の培養容器であって、薬剤が、ポリ-L-リジンを含む培養容器。
【0374】
216.態様109~159または169~188のいずれか1項の改変細胞を含む製造施設。
217.態様109~159または169~188のいずれか1項の改変細胞を含むキット。
【0375】
218.増殖培地をさらに含む、態様217のキット。
219.態様217または218のいずれか1項のキットであって、キットがさらに使用説明書を含むキット。
【0376】
220.以下の工程を含む方法:トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を培地と接触させ、ここで、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、外因性ポリヌクレオチドを含み、ここで:
a.外因性ポリヌクレオチドは、以下をコードし:
(i)腫瘍サプレッサータンパク質またはその断片と相互作用し、腫瘍サプレッサータンパク質またはその断片の活性を変化させるポリペプチドであって、腫瘍サプレッサータンパク質またはその断片の活性をインビトロアッセイによって測定することができるポリペプチド、または
(ii)腫瘍抑制タンパク質またはその断片と相互作用するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
b.トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞は、培地と接触した際に、以下を有する:
(i)培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して増大したコラーゲン産生、
(ii)培地と接触していない他の点では同一の細胞と比較して少なくとも部分的に増大した分化、または
(iii)(i)および(ii)のあらゆる組み合わせ。
【0377】
221.態様220の方法であって、人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を形成することをさらに含む方法。
222.態様221の方法であって、合成皮革を形成するために、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめすことをさらに含む方法。
【0378】
223.態様220の方法であって、外因性ポリヌクレオチドが、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)ポリペプチド、テロメラーゼ(TERT)タンパク質、Bmi-1タンパク質、サイクリンD1タンパク質、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードしている方法。
【0379】
224.態様223の方法であって、外因性ポリヌクレオチドが、SV40-TAg遺伝子、TERT遺伝子、BMI1遺伝子、CCND1遺伝子、これらのいずれかの転写産物、これらのいずれかのエキソンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0380】
225.態様223の方法であって、外因性ポリヌクレオチドが、SV40ラージT抗原(SV40-TAg)タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【0381】
226.態様223の方法であって、外因性ポリヌクレオチドが、TERTタンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
227.態様223の方法であって、外因性ポリヌクレオチドが、Bmi-1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【0382】
228.態様223の方法であって、外因性ポリヌクレオチドが、サイクリンD1タンパク質、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【0383】
229.態様220の方法であって、腫瘍抑制タンパク質またはその生物学的に活性な断片が、サイクリン依存性キナーゼ4、網膜芽細胞腫、p53、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせである方法。
【0384】
230.態様220~229のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入の後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞の細胞増殖サイクルが、少なくとも部分的に阻害されない方法。
【0385】
231.態様230の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入の後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、約50細胞分裂、約70細胞分裂、約90細胞分裂または約100細胞分裂を過ぎて増殖させることができる方法。
【0386】
232.態様220~231のいずれか1項の方法であって、培地が、増殖培地、組織形成培地またはそれらの組み合わせを含む方法。
233.態様232の方法であって、外因性ポリヌクレオチドによるトランスフェクションまたは形質導入の後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、増殖培地中に存在する場合、(a)増殖するか、(b)老化を回避するか、または(c)両方である方法。
【0387】
234.態様232または233のいずれか1項の方法であって、播種前に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を増殖培地中で拡張させて、複数のトランスフェクションまたは形質導入された細胞を形成する方法。
【0388】
235.態様233の方法であって、播種する前に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を細胞接着を少なくとも部分的に阻害する容器中で拡張させる方法。
236.態様232の方法であって、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離された細胞を組織形成培地と接触させる方法。
【0389】
237.態様232の方法であって、増殖培地が、成長因子、緩衝剤、塩、糖、アミノ酸、脂質、ビタミン、ECMタンパク質、これらのいずれかの断片またはこれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0390】
238.態様237の方法であって、塩を含み、塩が、無機塩を含む方法。
239.態様238の方法であって、無機塩が、約0.2g/Lの塩化カルシウム
、約0.0001g/Lの硝酸第二鉄・9H2O、約0.09767g/Lの硫酸マグネシウム(無水物)、約0.4g/Lの塩化カリウム、約3.7g/Lの炭酸水素ナトリウム、約6.4g/Lの塩化ナトリウム、約0.109g/Lの一塩基性リン酸ナトリウム(無水物)またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0391】
240.態様237の方法であって、アミノ酸を含み、アミノ酸が、約0.084g/L L-アルギニン・HCl、約0.0626g/L L-シスチン・2HCl、約0.03g/Lグリシン、約0.042g/L L-ヒスチジン・HCl・H2O、約0.105g/L L-イソロイシン、約0.105g/L L-ロイシン、約1.46g/L L-リジン・HCl、約0.03g/L L-メチオニン、約0.066g/L L-フェニルアラニン、約0.042g/L L-セリン、約0.095g/L L-トレオニン、約0.016g/L L-トリプトファン、約0.12037g/L L-チロシン・2Na・2H2O、約0.094g/L L-バリン、約0.584g/L L-グルタミン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
241.態様237の方法であって、ビタミンを含み、ビタミンが、約0.004g/Lの塩化コリン、約0.004g/Lの葉酸、約0.0072g/Lのmyo-イノシトール、約0.004g/Lのナイアシンアミド、約0.004g/LのD-パントテン酸(ヘミカルシウム)、約0g/Lのピリドキサール・HCl、約0.004g/Lのピリドキシン・HCl、約0.0004g/Lのリボフラビン、約0.004g/Lのチアミン・HCl、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0392】
242.態様237の方法であって、糖を含み、糖が、D-グルコース、その立体異性体、その塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
243.態様237の方法であって、pH指示薬を含み、pH指示薬が、約0.0159g/Lのフェノールレッド・Na、約0.11g/Lのピルビン酸・Na、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0393】
244.態様237の方法であって、増殖培地が、アミノ酸、ビタミン、無機塩、ウシ胎児血清、抗生物質、抗真菌薬またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
245.態様232の方法であって、組織形成培地を含み、組織形成培地が、成長因子、緩衝剤、塩、糖、ビタミン、アミノ酸、脂質、鉱質、無機塩、ECMタンパク質、ヒト血小板溶解物、クエン酸デキストロース、ヘパリン、アスコルビン酸、TGF-β1、normocin、血清、血清代替物、非必須アミノ酸、抗生物質、抗真菌薬またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0394】
246.態様245の方法であって、組織形成培地が、約0.1%~約40%の血清、血清代替物またはそれらの組み合わせをさらに含む方法。
247.態様245の方法であって、アミノ酸を含み、アミノ酸が、グリシン、アラニン、L-アルギニン塩酸塩、L-アスパラギン-H2O、L-アスパラギン酸、L-システイン塩酸塩-H2O、L-シスチン2HCl、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-ヒスチジン塩酸塩-H2O、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン塩酸塩、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン二ナトリウム塩二水和物、L-バリン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組合せを含む方法。
【0395】
248.態様245の方法であって、ビタミンを含み、ビタミンが、ビオチン、塩化コリン、D-パントテン酸カルシウム、葉酸、ナイアシンアミド、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、チアミン塩酸塩、ビタミンB12、i-イノシトール、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0396】
249.実施例245の方法であって、塩を含み、塩が、塩化カルシウム、硫酸銅、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0397】
250.態様245の方法であって、培地が、D-グルコース(デキストロース)、ヒポキサンチンNa、リノール酸、リポ酸、フェノールレッド、プトレシン2HCl、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、これらのいずれかの立体異性体、これらのいずれかの塩またはそれらのいずれかの組み合わせをさらに含む方法。
【0398】
251.態様245の方法であって、血清代替物を含み、血清代替物が、動物由来生成物を実質的に含有しないか、異種非含有であるかまたはそれらの組み合わせである方法。
252.態様251の方法であって、血清代替物が、成長因子、インスリン、トランスフェリン、サイトカイン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、細胞接着ペプチド、RGD、細胞外マトリックス断片、ホルモン、コラーゲン、アルブミン、脂質、糖タンパク質、タンパク質断片またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0399】
253.態様245の方法であって、血清を含み、血清が、ウシ胎児血清(FBS)、ウマ血清、ウシ胎仔血清またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
254.態様232~253のいずれか1項の方法であって、培地が、TGFβを含まない方法。
【0400】
255.態様245~253のいずれか1項の方法であって、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を組織形成培地と接触させる方法。
256.態様236または245~256のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、組織形成培地中に存在する場合、組織形成培地と接触していない他の点では比較可能なトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞と比較して(a)コラーゲンの産生を少なくとも部分的に増加させる、(b)少なくとも部分的に停止した細胞増殖を有する、または(c)両方である方法。
【0401】
257.態様236または245~256のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、組織形成培地と接触した際に少なくとも部分的に分化する方法。
【0402】
258.態様1の方法であって、播種後、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)、TGFB1、その塩、その生物学的に活性な断片またはこれらのいずれかの組み合わせを含む培地と接触させる方法。
【0403】
259.態様258の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、AA2P、TGFB1、それらの塩、それらの生物学的に活性な断片または組み合わせを含む培地中に存在する場合、AA2P、その塩、TGFB1、それらの生物学的に活性な断片または組み合わせを欠く他の点では比較可能な培地と比較して(a)コラーゲンの産生を少なくとも部分的に増加させる、(b)少なくとも部分的に停止した細胞増殖を有する、または(c)両方である方法。
【0404】
260.態様258の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、培地と接触した際に少なくとも部分的に分化する方法。
261.態様220~260のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、単離された不死化細胞、単離された再プログラム化細胞、単離された前駆細胞、単離された間葉系幹細胞またはそれらのあらゆる組み合わせを含む方法。
【0405】
262.態様220~261のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、単離された線維芽細胞、単離された間葉細胞、単離された幹細胞由来の細胞、単離された臍帯幹細胞、単離された羊膜組織細胞、単離された瘢痕組織細胞またはそれらのあらゆる組合せを含む方法。
【0406】
263.態様220~262のいずれか1項の方法であって、細胞が、コラーゲン産生のマーカーを示す方法。
264.態様220~263のいずれか1項の方法であって、細胞が、フローサイトメトリーによって単離され得る方法。
【0407】
265.態様220~264のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入される単離細胞が、ウシ、非ヒト哺乳動物、爬虫類、鳥類、サメ、カンガルー、魚類またはウナギから単離される方法。
【0408】
266.態様265の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、ウシから単離され、かつトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、ウシ線維芽細胞を含む方法。
【0409】
267.態様265の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、爬虫類から単離され、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、カメ細胞、ヘビ細胞、トカゲ細胞、両生類細胞、ワニ細胞またはアリゲーター細胞を含む方法。
【0410】
268.態様265の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、非ヒト哺乳動物から単離され、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、レイヨウ細胞、クマ細胞、ビーバー細胞、バイソン細胞、イノシシ細胞、ラクダ細胞、カリブー細胞、ネコ細胞、ウシ細胞、シカ細胞、イヌ細胞、ゾウ細胞、ヘラジカ細胞、キツネ細胞、キリン細胞、ヤギ細胞、ウサギ細胞、ウマ細胞、アイベックス細胞、ライオン細胞、ラマ細胞、オオヤマネコ細胞、ミンク細胞、アメリカヘラジカ細胞、雄ウシ細胞、ペッカリー細胞、ブタ細胞、ウサギ細胞、サイ細胞、アザラシ細胞、ヒツジ細胞、リス細胞、トラ細胞、クジラ細胞、オオカミ細胞、ヤク細胞またはシマウマ細胞を含む方法。
【0411】
269.態様265の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、鳥から単離され、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、ニワトリ細胞、カモ細胞、エミュー細胞、ガチョウ細胞、ライチョウ細胞、ダチョウ細胞、キジ細胞、ハト細胞、ウズラ細胞または七面鳥細胞を含む方法。
【0412】
270.態様220~267のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、瘢痕組織、臍帯またはそれらの組み合わせに由来する方法。
【0413】
271.態様220の方法であって、播種の前に、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、外因性ポリヌクレオチドの存在に関して選択された方法。
272.態様271の方法であって、外因性ポリヌクレオチドの存在に関する選択が、抗生物質選択を含む方法。
【0414】
273.態様272の方法であって、抗生物質が、ピューロマイシンを含む方法。
274.態様220~273のいずれか1項の方法であって、スキャフォールドが、多孔質材料を含む方法。
【0415】
275.態様274の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、スキャフォールドに移植される方法。
276.態様274または275の方法であって、スキャフォールドが、合成材料、非合成材料またはそれらの組み合わせを含む方法。
【0416】
277.態様276の方法であって、非合成材料を含み、非合成材料が、絹、天然組織接着剤、フィブリン接着剤、コラーゲン、基底膜蛋白質、細胞外マトリックスまたはそれらの組合せを含む方法。
【0417】
278.態様276の方法であって、合成材料を含み、スキャフォールドが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド6,6(PA 6,6)、ポリアミド11(PA 11)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリウレタン(PU)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、アルギネート、コポリマーPEG化フィブリン(P-フィブリン)、ポリ(セバシン酸グリセロール)(PGS)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(乳酸-コグリコール酸)(PLGA)、ポリ-D,L-乳酸/ポリエチレングリコール/ポリ-D,L-乳酸(PDLLA-PEG)、ヒアルロン酸(HA)、カーボンナノチューブ、熱可塑性デンプン、リヨセル/テンセル(セルロース)、綿、靱皮繊維、ビスコース竹、TiO2ナノ繊維、セルロース材料、ヒドロゲル材料、アルギネート、ゼラチン、ナイロン、ポリエステル、絹、細胞接着ペプチドと架橋された材料、成長因子と架橋された材料またはそれらのあらゆる組合せを含む方法。
【0418】
279.外因性分子を含む改変細胞であって、外因性分子が、pRBまたはP53の活性を少なくとも部分的に変化させ、改変細胞が、不死化されたウシ細胞である改変細胞。
280.態様279の改変細胞であって、少なくとも部分的な変化が、阻害を含む改変細胞。
【0419】
281.態様280の改変細胞であって、阻害が、競合阻害を含む改変細胞。
282.態様281の改変細胞であって、競合阻害が、非形質転換細胞に対して機能しない改変細胞。
【0420】
283.態様282の改変細胞であって、競合阻害が、遺伝子改変された細胞に対してのみ機能する改変細胞。
284.態様279の改変細胞であって、分子が、RNA、DNA、小分子、その塩、ポリペプチド、ホルモンまたはその生物学的に活性な断片を含む改変細胞。
【0421】
285.態様284の改変細胞であって、DNAを含み、DNAが、ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする改変細胞。
286.態様284の改変細胞であって、RNAを含み、RNAが、mRNA、siRNAまたはmiRNAを含む改変細胞。
【0422】
287.外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞を、約0.1%~約40%のFBSを含む培地と接触させることを含む方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離された細胞が、FBSを含む培地中に存在する場合、(a)コラーゲンを産生し、(b)少なくとも部分的に停止した細胞増殖を有し、または(c)両方であり、かつトランスフェクションまたは形質導入の後、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞において少なくとも部分的に変化している方法。
【0423】
288.態様287の方法であって、培地が、約20%のFBSを含む方法。
289.態様287の方法であって、培地が、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)、その塩、形質転換成長因子ベータ1(TGFB1)、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをさらに含む方法。
【0424】
290.態様287~289のいずれか1項の方法であって、外因性ポリヌクレオチドが、SV40ラージT抗原、hTERT、Bmi-1、サイクリンD1、これらのいずれかの生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードする方法。
【0425】
291.態様287~290のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、線維芽細胞である方法。
292.態様287~291のいずれか1項の方法であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、ウシ、非ヒト哺乳動物、爬虫類、鳥類、サメ、カンガルー、魚類またはウナギから単離される方法。
【0426】
293.実施形成222の方法であって、合成皮革が、バッグ、ベルト、腕時計ストラップ、パッケージ、靴、ブーツ、履物、手袋、衣類、ベスト、上着、ズボン、帽子、シャツ、下着、旅行かばん、クラッチバッグ、財布、ボール、バックパック、札入れ、鞍、馬具、チャップ、鞭、家具、家具付属品、室内装飾材料、自動車のカーシート、自動車の内装、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択されるあらゆる物品の形態に作製される方法。
【0427】
294.(i)トランスフェクションまたは形質導入後に、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞において少なくとも部分的に変化している、外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞、(ii)スキャフォールド、および(iii)培地を含む組成物であって、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有されている組成物。
【0428】
295.(i)外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞および(ii)スキャフォールドを含む人工真皮層であって、トランスフェクションまたは形質導入後に、pRBまたはP53の少なくとも一方の活性が、トランスフェクションまたは形質導入された単離細胞において少なくとも部分的に変化し、かつトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞が、スキャフォールドの上、中または周囲に少なくとも部分的に含有されている人工真皮層。
【0429】
296.態様295の人工真皮層であって、人工真皮層の少なくとも一部が、少なくとも部分的に脱細胞化されている人工真皮層。
297.態様296の人工真皮層であって、少なくとも部分的に脱細胞化された組織の少なくとも一部が、合成皮革を形成するためになめされる人工真皮層。
【0430】
298.不死化線維芽細胞および有効量のFBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)またはその塩、形質転換成長因子ベータ1(TGFB1)またはその生物学的に活性な断片またはそのあらゆる組み合わせを含む培地を含む組成物であって、有効量が、トランスフェクションまたは形質導入されたポリヌクレオチドを含むレポーター細胞を以下のように誘導するために十分である:
レポーター細胞が、培地中に存在する場合、有効量のFBS、L-アスコルビン酸2-リン酸(AA2P)もしくはその塩、形質転換成長因子ベータ1(TGFB1)もしくはその生物学的に活性な断片またはその組み合わせを欠く他の点では比較可能な培地と比較して、以下:
(a) SV40ラージT抗原、その生物学的に活性な断片、TERT、その生物学的に活性な断片またはそれらのあらゆる組み合わせをコードするポリヌクレオチドを細胞にトランスフェクションまたは形質導入し;
(b) 培地および他の点では比較可能な培地中で細胞を増殖させ;
(c) 他の点では比較可能な培地に対して、培地中で増殖させた細胞の増殖速度を比較し;そして
(d) 他の点では比較可能な培地に対して、培地中で産生されたコラーゲンの産生を比較する;
により決定されるように、
(a)(i)コラーゲンの産生;(ii)コラーゲンの分泌;または(iii)両方を増大させ、
(b) レポーター細胞における細胞増殖を停止させる;
組成物。
【0431】
299.以下:(i)外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞であって、トランスフェクションまたは形質導入後にpRBまたはP53の少なくとも一方の活性がトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞において少なくとも部分的に変化しているトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞および(ii)態様29の培地を含む組成物。
【0432】
300.以下:(i)外因性ポリヌクレオチドを含むトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞であって、トランスフェクションまたは形質導入後にpRBまたはP53の少なくとも一方の活性がトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞において少なくとも部分的に変化しているトランスフェクションまたは形質導入された単離細胞および(ii)態様29の培地を含む組成物。
【0433】
301.以下の工程を含む方法:
1)不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し、
2)人工真皮層を少なくとも部分的に脱細胞化して、少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層を形成し;そして
3)少なくとも部分的に脱細胞化された人工真皮層をなめし、合成皮革を形成する。
【0434】
302.態様301の方法であって、播種する前に、不死化動物線維芽細胞を培養物中で拡張させて、複数の不死化動物線維芽細胞を形成する方法。
303.態様302の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞を、ヘイフリック限界を超えて増殖させることができる方法。
【0435】
304.態様303の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞が、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させられ得る方法。
305.態様302の方法であって、拡張後に、複数の不死化動物線維芽細胞が、0℃未満の温度で保管される方法。
【0436】
306.態様305の方法であって、保管後、複数の不死化動物線維芽細胞を、播種前に培養物中で増殖させる方法。
307.態様301~306のいずれか1項の方法であって、なめしが、人工真皮層中のコラーゲンの架橋を含む方法。
【0437】
308.態様301~307のいずれか1項の方法であって、不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上に播種した後、方法が、不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上で培養して人工真皮層を形成することをさらに含む方法。
【0438】
309.態様301の方法であって、少なくとも部分的に脱細胞化することが、人工真皮層を、塩溶液、結晶塩またはそれらの組み合わせと接触させることを含む方法。
310.態様301~309のいずれか1項の方法であって、動物線維芽細胞が、ウシ線維芽細胞を含む方法。
【0439】
311.態様309の方法であって、接触させることが、塩溶液中に人工真皮層を浸漬することを含む方法。
312.態様309または311の方法であって、塩溶液が、塩化ナトリウムを含む方法。
【0440】
313.態様312の方法であって、塩化ナトリウムの濃度が、約30~40%の塩化ナトリウムを含む方法。
314.態様301~313のいずれか1項の方法であって、なめしが、植物なめし、クロムなめし、アルデヒドなめし、シンタンなめし、細菌染色またはそれらのあらゆる組合せを含む方法。
【0441】
315.以下の工程を含む方法:
1)不死化動物線維芽細胞をスキャフォールド上に播種して人工真皮層を形成し;
そして
2)人工真皮層をなめし、合成皮革を形成する。
【0442】
316.態様315の方法であって、播種する前に、不死化動物線維芽細胞を培養物中で拡張させて複数の不死化動物線維芽細胞を形成する方法。
317.態様316の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞が、ヘイフリック限界を超えて増殖させられ得る方法。
【0443】
318.態様317の方法であって、複数の不死化動物線維芽細胞が、約40細胞分裂、約50細胞分裂または約60細胞分裂を過ぎて増殖させられ得る方法。
319.態様316の方法であって、拡張後、複数の不死化動物線維芽細胞が、0℃未満の温度で保管される方法。
【0444】
320.態様319の方法であって、保管後、複数の不死化動物線維芽細胞を、スキャフォールド上に播種する前に培養物中で増殖させる方法。
321.態様320の方法であって、不死化動物線維芽細胞を培養することが、不死化動物線維芽細胞を拡張することを含む方法。
【0445】
322.態様315~321のいずれか1項の方法であって、なめしが、人工真皮層中のコラーゲンの架橋を含む方法。
323.態様315~322のいずれか1項の方法であって、動物線維芽細胞が、ウシ線維芽細胞を含む方法。
【0446】
324.以下の工程を含む方法:スキャフォールド上に細胞を播種し、ここで、細胞は外因性分子を含み;ここで、外因性分子は、直接的または間接的刺激に基づいて固定に依存しない増殖または少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を引き起こし得る。
【0447】
325.態様324の方法であって、細胞が、不死化細胞を含む方法。
326.態様325の方法であって、不死化細胞が、不死化線維芽細胞を含む方法。
327.態様326の方法であって、不死化線維芽細胞が、不死化ウシ線維芽細胞を含む方法。
【0448】
328.態様324~327のいずれか1項の方法であって、分子が、RNA、DNAまたはタンパク質を含む方法。
329.態様328の方法であって、DNAを含み、DNAが、タンパク質をコードする方法。
【0449】
330.以下の工程を含む方法:
スキャフォールド上に細胞を播種し、ここで、細胞は、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含む。
【0450】
331.態様330の方法であって、細胞が、不死化細胞である方法。
332.態様330または331の方法であって、さらに播種の前に第1の環境において細胞を増殖させることを含む方法。
【0451】
333.態様330~332のいずれか1項の方法であって、細胞が、複数の細胞である方法。
334.態様333の方法であって、複数の細胞が、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を含む方法。
【0452】
335.態様334の方法であって、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方が、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフである方法。
【0453】
336.態様334の方法であって、複数の少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方が、増殖の間少なくとも部分的にオフであり、播種の間少なくとも部分的にオンである方法。
【0454】
337.態様332の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオンである方法。
338.態様332の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオフである方法。
【0455】
339.態様330~338のいずれか1項の方法であって、細胞が、真核細胞である方法。
340.態様330~338のいずれか1項の方法であって、細胞が、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類細胞、爬虫類細胞およびウサギ類動物細胞からなる群から選択される方法。
【0456】
341.態様332~340のいずれか1項の方法であって、第1の環境が、懸濁液中である方法。
342.態様330~341のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、直接的または間接的な刺激に基づいて、固定に依存しないまたは少なくとも部分的に固定依存性の増殖を少なくとも部分的に引き起こす方法。
【0457】
343.態様330~342のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオンであり、播種の間少なくとも部分的にオフである方法。
【0458】
344.態様330~342のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、増殖の間少なくとも部分的にオフであり、播種の間少なくとも部分的にオンである方法。
【0459】
345.態様330~344のいずれか1項の方法であって、刺激の存在が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドの発現の増加または発現の減少を引き起こす方法。
【0460】
346.態様330~344のいずれか1項の方法であって、刺激の非存在が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドの発現の増加または発現の減少を引き起こす方法。
【0461】
347.態様330~346のいずれか1項の方法であって、増殖が、刺激の存在下である方法。
348.態様330~346のいずれか1項の方法であって、増殖が、刺激の非存在下である方法。
【0462】
349.態様330~348のいずれか1項の方法であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、磁荷、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、小分子、抗生物質、ホルモン、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される方法。
【0463】
350.態様349の方法であって、刺激が、温度の変化を含む方法。
351.態様330~350のいずれか1項の方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、温度に基づいて可逆的である方法。
【0464】
352.態様330~351のいずれか1項の方法であって、細胞が、増殖の間に約28℃~約34℃の温度に曝露される方法。
353.態様330~352のいずれか1項の方法であって、細胞が、播種後に約37℃~約41℃の温度に曝露される方法。
【0465】
354.態様330~353のいずれか1項の方法であって、スキャフォールドが、少なくとも部分的に天然または合成である方法。
355.態様330~354のいずれか1項の方法であって、スキャフォールドが、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルおよびそれらのあらゆる組み合わせからなる群の少なくとも1つを含む方法。
【0466】
356.態様330~355のいずれか1項の方法であって、細胞が、細胞外マトリックスタンパク質を産生する方法。
357.態様356の方法であって、細胞外マトリックスタンパク質が、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択される方法。
【0467】
358.態様330~357のいずれか1項の方法であって、細胞を含む合成皮革の少なくとも一部またはそれから発生した組織の一部を生成することをさらに含む方法。
359.態様358の方法であって、合成皮革が、組織の少なくとも一部を含む方法。
【0468】
360.態様369の方法であって、組織が、I型コラーゲンを含む方法。
361.態様330または331の方法であって、播種前に、第1の環境において細胞を増殖させ、次いで、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチを増殖している細胞に直接的または間接的に添加することをさらに含む方法。
【0469】
362.態様330~361のいずれか1項の方法であって、細胞が、約30,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2の密度で播種される方法。
363.態様330~362のいずれか1項の方法であって、細胞をスキャフォールド上に播種することが、スキャフォールドの片側に播種することを含む方法。
【0470】
364.態様363の方法であって、スキャフォールドの第2の側が、スキャフォールドを裏返すことなく播種される方法。
365.態様330~362のいずれか1項の方法であって、細胞をスキャフォールド上に播種することが、スキャフォールドの1より多くの側上に播種することを含む方法。
【0471】
366.態様365の方法であって、播種が、連続的または同時である方法。
367.態様365の方法であって、播種が、スキャフォールドの一方の側に播種し、次いでスキャフォールドを裏返し、スキャフォールドの他方の側に播種することを含む方法。
【0472】
368.以下の工程を含む方法:
a.不死化細胞への細胞の形質転換;
b.少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドまたは両方を不死化細胞中に導入し、ここで、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチ、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードする外因性ポリヌクレオチドのそれぞれまたは両方が、直接的または間接的な刺激に基づいて、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずにまたは少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる;そして
c.不死化細胞を固定に依存せずに増殖させる。
【0473】
369.態様368の方法であって、細胞が、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、有袋類細胞、爬虫類細胞、およびウサギ類動物細胞からなる群から選択される方法。
【0474】
370.態様369の方法であって、細胞が、ウシ細胞である方法。
371.態様368~370のいずれか1項の方法であって、細胞が、幹細胞である方法。
【0475】
372.態様371の方法であって、幹細胞が、間葉系幹細胞、多能性幹細胞、誘導多能性幹細胞および胚性幹細胞からなる群から選択される方法。
373.態様368~372のいずれか1項の方法であって、細胞が、線維芽細胞、動物脂肪組織由来細胞、臍帯由来細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される方法。
【0476】
374.態様368~373のいずれか1項の方法であって、細胞が、線維芽細胞または線維芽細胞様細胞である方法。
375.態様368~374のいずれか1項の方法であって、形質転換が、癌遺伝子または細胞増殖の調節に関与する遺伝子の発現を増加または減少させることを含む方法。
【0477】
376.態様368~375のいずれか1項の方法であって、細胞が、TERT、Bmi1またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する方法。
【0478】
377.態様368~376のいずれか1項の方法であって、不死化細胞が、TERT、CcnD1、Cdk4またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する方法。
【0479】
378.態様368~376のいずれか1項の方法であって、不死化細胞を刺激に曝露することをさらに含む方法。
379.態様378の方法であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、培養培地組成の変化、およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択される方法。
【0480】
380.態様379の方法であって、刺激が、温度の変化を含む方法。
381.態様380の方法であって、温度が、約28℃~約34℃である方法。
382.態様381の方法であって、刺激が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずに増殖させる方法。
【0481】
383.382の方法であって、固定に依存しないことが、懸濁液中の増殖を含む方法。
384.態様382または383のいずれか1項の方法であって、刺激の除去が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる方法。
【0482】
385.態様368~383のいずれか1項の方法であって、不死化細胞を第2の刺激に曝露することをさらに含む方法。
386.態様385の方法であって、第2の刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、磁荷、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、機械的刺激の変化、小分子、抗生物質、ホルモン、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組合せの変化からなる群から選択される方法。
【0483】
387.態様386の方法であって、第2の刺激が、温度の変化を含む方法。
388.態様387の方法であって、温度が、約37℃~約41℃である方法。
389.態様381の方法であって、第2の刺激が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる方法。
【0484】
390.態様389の方法であって、第2の刺激の除去が、不死化細胞を少なくとも部分的に固定に依存せずに増殖させる方法。
391.態様390の方法であって、固定依存性が、基材上の増殖を含む方法。
【0485】
392.態様391の方法であって、不死化細胞を基材上に播種することをさらに含む方法。
393.態様392の方法であって、不死化細胞が、約30,000細胞/cm2~約1,000,000細胞/cm2の密度で播種される方法。
【0486】
394.態様392の方法であって、不死化細胞を基材上に播種することが、基材の一方の側に播種することを含む方法。
395.態様394の方法であって、基材の第2の側が、基材を裏返すことなく播種される方法。
【0487】
396.態様392の方法であって、不死化細胞を基材上に播種することが、基材の1より多くの側上に播種することを含む方法。
397.態様396の方法であって、播種が、連続的または同時である方法。
【0488】
398.態様396の方法であって、播種することが、基材の一方の側に播種し、次いで基材を裏返し、基材の他方の側に播種することを含む方法。
399.態様392の方法であって、固定依存性の増殖が、少なくとも部分的に基材の上、中または周囲である方法。
【0489】
400.態様399の方法であって、基材が、スキャフォールドを含む方法。
401.態様400の方法であって、スキャフォールドが、少なくとも部分的に天然または合成である方法。
【0490】
402.態様400または301の方法であって、スキャフォールドが、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルまたはそれらの組み合わせを含む方法。
【0491】
403.態様390~402のいずれか1項の方法であって、細胞または不死化細胞が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含まない他の点では比較可能な野生型細胞と比較して、増強された細胞外マトリックス産生を有するように改変される方法。
【0492】
404.態様369~403のいずれか1項の方法であって、細胞外マトリックスが、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらの組み合わせを含む方法。
【0493】
405.態様368~304のいずれか1項の方法であって、細胞または不死化細胞を含む組織を設計することをさらに含む方法。
406.態様405の方法であって、組織をなめすことをさらに含む方法。
【0494】
407.態様404の方法であって、細胞外マトリックスが、I型コラーゲンを含む方法。
408.少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞であって、改変細胞が不死化されたウシ細胞である改変細胞。
【0495】
409.態様408の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に、直接的または間接的な刺激に基づいて、改変細胞を増殖させる改変細胞。
410.態様409の改変細胞であって、改変細胞の増殖が、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定される改変細胞。
【0496】
411.少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチが、直接的または間接的な刺激に基づいて、改変細胞を少なくとも部分的に固定に依存せず、または少なくとも部分的に固定依存的に増殖させる改変細胞。
【0497】
412.態様411の改変細胞であって、改変細胞の増殖が、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定される改変細胞。
【0498】
413.態様411の改変細胞であって、改変細胞が、原核細胞または真核細胞である改変細胞。
414.態様411の改変細胞であって、改変細胞が、動物細胞である改変細胞。
【0499】
415.態様411の改変細胞であって、改変細胞が、単離された細胞、富化された細胞集団、精製された集団またはそれらのあらゆる組み合わせである改変細胞。
416.態様411~415のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、非ヒト細胞である改変細胞。
【0500】
417.態様411~415のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、ヒト細胞である改変細胞。
418.態様411~416のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、霊長類細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、鳥類細胞、およびウサギ類動物細胞からなる群から選択される改変細胞。
【0501】
419.態様418の改変細胞であって、改変細胞が、ウシ細胞である改変細胞。
420.態様411~419のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、不死化細胞である改変細胞。
【0502】
421.態様418~420のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、線維芽細胞、動物脂肪組織由来細胞、臍帯由来細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、立方細胞、円柱細胞、コラーゲン産生細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択される改変細胞。
【0503】
422.態様421の改変細胞であって、改変細胞が、線維芽細胞または線維芽細胞様細胞である改変細胞。
423.態様408~422のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、多能性幹細胞、間葉系幹細胞、誘導多能性幹細胞および胚性幹細胞からなる群に由来する改変細胞。
【0504】
424.態様408~422のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、生検に由来する改変細胞。
425.態様408~424のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、複数の細胞を含む細胞株由来の細胞である改変細胞。
【0505】
426.態様408~425のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、外因性癌遺伝子または細胞増殖の制御に関与する遺伝子を発現する改変細胞。
427.態様408~426のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、TERT、Bmi1またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する改変細胞。
【0506】
428.態様408~426のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、TERT、CcnD1、Cdk4またはそれらのあらゆる組み合わせによってコードされるポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片を発現する改変細胞。
【0507】
429.態様408~428のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含まない他の点では比較可能な野生型細胞と比較して、増強された細胞外マトリックス産生を有するように改変される改変細胞。
【0508】
430.態様429の改変細胞であって、細胞外マトリックスが、I型コラーゲン、III型コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞。
【0509】
431.態様408~430のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、刺激に応答して発現を少なくとも部分的に増加または減少させるように構成される改変細胞。
【0510】
432. 態様431の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加が、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
【0511】
433.態様431の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の増加が、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
【0512】
434.態様431の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少が、少なくとも部分的な固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
【0513】
435.態様431の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドの発現の減少が、少なくとも部分的な固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
【0514】
436.態様408~435のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的な固定依存性の増殖が、固定に依存しない増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素または成長因子を消費する改変細胞。
【0515】
437.態様408~435のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖が、少なくとも部分的に固定依存性の増殖と比較して、より多くの、同じまたはより少ない栄養素または成長因子を消費する改変細胞。
【0516】
438.態様408~437のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、単一のスイッチまたは複数のスイッチである改変細胞。
【0517】
439.態様408~438のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、選択可能マーカーをコードする改変細胞。
【0518】
440.態様439の改変細胞であって、選択可能マーカーが、蛍光タンパク質を含む改変細胞。
441.態様408~438のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が組換え選択可能マーカーを含む改変細胞。
【0519】
442.態様441の改変細胞であって、選択可能マーカーが、抗生物質耐性遺伝子、蛍光タンパク質をコードする遺伝子および栄養要求性マーカーを発現する遺伝子からなる群から選択される改変細胞。
【0520】
443.態様408~442のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドを含み、ポリヌクレオチドが、ゲノム中に位置するか、染色体外にあるか、またはそれらの組み合わせである改変細胞。
【0521】
444.態様409~443のいずれか1項の改変細胞であって、刺激が、環境刺激である改変細胞。
445.態様409~444のいずれか1項の改変細胞であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、イオンのレベル、機械的刺激、1以上のイオン型の存在、培養培地組成の変化およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択される改変細胞。
【0522】
446.態様445の改変細胞であって、刺激が、温度の変化を含む改変細胞。
447.態様446の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖に関する温度が、約28℃~約34℃である改変細胞。
【0523】
448.態様446または447の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定依存性の増殖に関する温度が、約37℃~約41℃である改変細胞。
449.態様408~448のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の存在が、固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
【0524】
450.態様408~448のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の非存在が、固定依存性の増殖を引き起こす改変細胞。
451.態様408~448のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の存在が、固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
【0525】
452.態様408~448のいずれか1項の改変細胞であって、刺激の非存在が、固定に依存しない増殖を引き起こす改変細胞。
453.態様409~444のいずれか1項の改変細胞であって、刺激が、抗生物質、タンパク質、化合物、これらのいずれか1つの塩およびそれらのあらゆる組み合わせの存在、非存在またはレベルの変化からなる群から選択される改変細胞。
【0526】
454.態様409~453のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖が、少なくとも部分的にインテグリン結合キナーゼ(ILK)、サイクリンD1、Cdk4、ST6 N-アセチルガラクトサミニドアルファ-2、6-シアリルトランスフェラーゼ(Sialytransferase)5(ST6GALNAC5)またはそれらの組み合わせの発現の増加の結果である改変細胞。
【0527】
455.態様408~454のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、バイオリアクター中で増殖させられる改変細胞。
456.態様409~455のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖が、少なくとも部分的に懸濁液中であり、固定依存性の増殖が、少なくとも部分的にスキャフォールドの上、中または周囲である改変細胞。
【0528】
457.態様456の改変細胞であって、スキャフォールドが、少なくとも部分的に天然または合成である改変細胞。
458.態様456または457の改変細胞であって、スキャフォールドが、絹、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、キトサン、ヒドロゲルまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞。
【0529】
459.態様408~458のいずれか1項の改変細胞を含む単離された組織。
460.態様459の単離された組織であって、組織が、複数のポリエステル繊維を含む単離された組織。
【0530】
461.態様459の単離された組織であって、組織の少なくとも一部がなめされる単離された組織。
462.462の単離された組織であって、組織の少なくとも一部が、クロム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、鉄、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、オキサゾリジン、イソシアネート、カルボジイミド、ポリカルバモイルサルフェート、テトラキスヒドロキシホスホニウムサルフェート、ナトリウムp-[(4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]ベンゼンスルホネート、ピロガロール、カテコール、シンタンまたはそれらのあらゆる組み合わせを含むなめし剤でなめされる単離された組織。
【0531】
463.態様461の単離された組織であって、組織の少なくとも一部が、細胞外マトリックスをさらに含む単離された組織。
464.態様408~458のいずれか1項の改変細胞、その派生物もしくはその子孫の少なくとも一部または態様459~463の単離された組織を含む皮革。
【0532】
465.態様464の皮革であって、皮革が、バッグ、ベルト、時計ストラップ、パッケージ、靴、ブーツ、履物、手袋、衣類、ベスト、上着、ズボン、帽子、シャツ、下着、旅行かばん、クラッチバッグ、財布、ボール、バックパック、札入れ、鞍、馬具、チャップ、鞭、家具、家具付属品、室内装飾材料、自動車のカーシート、自動車の内装およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択されるいずれか1つの形態である皮革。
【0533】
466.態様464の皮革であって、皮革が、バイオファブリケートされた材料を含む皮革。
467.態様466の皮革であって、バイオファブリケートされた材料が、ゾーン特性を含む皮革。
【0534】
468.態様408~458のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、c-MycER系、Tet-on系、Tet-off系およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0535】
469.態様408~458または468のいずれか1項の改変細胞であって、改変細胞が、Cre-LoxP系、TALENS、ジンクフィンガー、CRISPR系またはその構成要素およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0536】
470.態様408~458または468~469のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、DNA、RNAまたはそれらの組み合わせを含む改変細胞。
【0537】
471.態様470の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、DNAを含む改変細胞。
472.態様471または470の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、cDNAを含む改変細胞。
【0538】
473.態様470の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、RNAを含む改変細胞。
474.態様473の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、mRNAを含む改変細胞。
【0539】
475.態様408~458または468~474のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、誘導性プロモーターまたはオペレーターを含み、プロモーターまたはオペレーターが、遺伝子の発現を抑制または活性化するように構成される、改変細胞。
【0540】
476.態様475の改変細胞であって、プロモーターまたはオペレーターが、テトラサイクリン制御転写単位、デキサメタゾン制御転写単位、ドキシサイクリン制御転写単位、C-mycR転写制御単位、およびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0541】
477.態様408~458または468~476のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、コドン最適化されている改変細胞。
【0542】
478.態様408~458または468~476のいずれか1項の改変細胞であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、後生的に修飾された塩基を含む改変細胞。
【0543】
479.態様478の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、ピリミジンを含む改変細胞。
480.態様479の改変細胞であって、ピリミジンが、シトシンまたはチミンである改変細胞。
【0544】
481.態様478~480のいずれか1項の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、メチル化塩基、ヒドロキシメチル化塩基、ホルミル化塩基、およびカルボン酸含有塩基からなる群から選択されるいずれか1つを含む改変細胞。
【0545】
482.態様481の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、ヒドロキシメチル化塩基を含む改変細胞。
483.態様481~482のいずれか1項の改変細胞であって、ヒドロキシメチル化塩基が、5-ヒドロキシメチル化塩基を含む改変細胞。
【0546】
484.態様483の改変細胞であって、5-ヒドロキシメチル化塩基が、5-ヒドロキシメチルシトシンを含む改変細胞。
485.態様481の改変細胞であって、後生的に修飾された塩基が、メチル化塩基を含む改変細胞。
【0547】
486.態様485の改変細胞であって、メチル化塩基が、5-メチル化塩基を含む改変細胞。
487.態様486の改変細胞であって、5-メチル化塩基が、5-メチルシトシンを含む改変細胞。
【0548】
488.態様408~458または468~487のいずれか1項の改変細胞を刺激と接触させることを含む方法。
489.態様488の方法であって、刺激が、環境刺激である方法。
【0549】
490.態様488~489のいずれか1項の方法であって、刺激が、pH、光、温度、電流、微小環境、イオンの存在または非存在、機械的刺激の変化、イオンのレベル、1以上のイオン型の存在、およびそれらのあらゆる組み合わせの変化からなる群から選択されるいずれか1つを含む方法。
【0550】
491.態様490の方法であって、刺激が、温度の変化を含む方法。
492.態様491の方法であって、改変細胞が、約28℃~約34℃で少なくとも部分的に固定に依存しない増殖のための温度で増殖させられる方法。
【0551】
493.態様492の方法であって、刺激の除去が、少なくとも部分的に固定に依存しない増殖を弱める方法。
494.態様491の方法であって、改変細胞が、約37℃~約41℃で少なくとも部分的に固定依存性の増殖のための温度で増殖させられる方法。
【0552】
495.態様494の方法であって、刺激の除去が、少なくとも部分的に固定依存性の増殖を弱める方法。
496.態様489~495のいずれかの方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、トランスフェクション、エレクトロポレーションまたは形質導入によって改変細胞中に導入される方法。
【0553】
497.態様489~496のいずれかの方法であって、少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチまたは少なくとも部分的に可逆的な外因性分子スイッチをコードするポリヌクレオチドが、ベクターからなる群から選択されるいずれか1つによって導入され、ベクターが、ウイルス、ウイルス様粒子、アデノ随伴ウイルスベクター、リポソーム、ナノ粒子、プラスミド、線状dsDNAおよびそれらの組み合わせである方法。
【0554】
498.態様497のいずれか1項の方法であって、ベクターが、プラスミドを含む方法。
499.態様488~498のいずれか1項の方法であって、改変細胞の増殖が、手動細胞計数、自動細胞計数および間接細胞計数からなる群から選択される方法によって少なくとも部分的に決定される方法。
【0555】
500.態様399の方法であって、改変細胞の増殖が、計数チャンバー、コロニー形成単位計数、電気抵抗、フローサイトメトリー、画像分析、立体細胞計数、分光光度法およびインピーダンス微生物学からなる群から選択される方法の使用によって決定される方法。
【0556】
501.組織の少なくとも一部をなめすことを含む方法であって、組織が、態様408~458または468~487のいずれか1項の改変細胞を含む方法。
502.態様401の方法であって、組織が層状構造を含む方法。
【0557】
503.態様402の方法であって、層状構造が、真皮層、表皮層、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む方法。
【0558】
504.態様401~403のいずれか1項の方法であって、組織が、線維芽細胞、ケラチノサイト、角質細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、基底細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、上皮細胞、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む方法。
【0559】
505.態様408~458または468~487のいずれか1項の改変細胞を選択またはスクリーニングする方法。
506.なめしの前に組織の一部を含む合成皮革であって、組織が、態様408~458または468~487のいずれか1項の改変細胞を含む合成皮革。
【0560】
507.態様506の合成皮革であって、組織が、少なくとも部分的にさらなる処理に供される合成皮革。
508.態様507の合成皮革であって、さらなる処理が、なめし、保存、浸漬、ベーティング、酸洗、脱塩、菲薄化、再なめし、潤滑、クラスト形成、湿潤、サミング、シェービング、再色素化、中和、染色、加脂、充填、剥離、詰め、白化、定着、据え付け、乾燥、コンディショニング、製粉、ステーキング、バフ仕上げ、最後の仕上げ、注油、ブラッシング、パディング、含浸、スプレー、ローラーコーティング、カーテンコーティング、研磨、メッキ、エンボス、アイロン、施釉、タンブリングおよびそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択される合成皮革。
【0561】
509.態様506の合成皮革であって、合成皮革がバイオファブリケートされた材料を含み、バイオファブリケートされた材料が改変細胞を含む合成皮革。
510.態様509の合成皮革であって、バイオファブリケートされた材料が、ゾーン特性を含む合成皮革。
【0562】
511.態様109~159、169~188、279~286、408~458または468~487のいずれか1項の改変細胞を含む培養容器。
512.態様511の培養容器であって、培養容器が、プラスチック、金属、ガラスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む培養容器。
【0563】
513.態様511の培養容器であって、培養容器が、改変細胞を培養容器の少なくとも一部に接着させる薬剤を含む培養容器。
514.態様513の培養容器であって、薬剤が、ポリ-L-リジンを含む培養容器。
【0564】
515.態様408~458または468~487のいずれか1項の改変細胞を含む、製造施設。
516.態様408~458または468~487のいずれか1項の改変細胞を含むキット。
【0565】
517.態様516のキットであって、増殖培地をさらに含むキット。
518.態様516または517のいずれか1項のキットであって、使用説明書をさらに含むキット。
【0566】
[0260] 本発明の好ましい態様がここで示され、記載されたが、そのような態様は例として提供されただけであることは、当業者には明らかであろう。数多くのバリエーション、変更および置換が、ここで本発明から逸脱することなく当業者に思い浮かぶであろう。本明細書において記載された本発明の態様の様々な代替物が、本発明の実施において利用され得ることは、理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定め、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物は、それによりカバーされることが意図されている。
【国際調査報告】