(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】医療業務におけるヘテロジニアスコンピューティングネットワークにおいて使用するための血糖データを表示および分析するための医療ソフトウェア
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20240220BHJP
G16H 40/40 20180101ALI20240220BHJP
【FI】
G06F8/65
G16H40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551229
(86)(22)【出願日】2022-02-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2022054182
(87)【国際公開番号】W WO2022179962
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】パスカル バウマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンネス シェーラー
【テーマコード(参考)】
5B376
5L099
【Fターム(参考)】
5B376CA14
5L099AA00
(57)【要約】
本発明は、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上で血糖データを表示および分析するための少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するための方法(100)であって、複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置によって、少なくとも1つの医療ソフトウェアのどのバージョンが複数のコンピューティング装置のうちのコンピューティング装置上にインストールされているかを決定すること(101)と、複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置において、少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信すること(102)であって、ソフトウェアパッチが、複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置にインストールされた医療ソフトウェアのバージョンに対する少なくとも1つの更新を含む、少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信すること(102)と、第1のコンピューティング装置によって、複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置のうちのどれが、少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つのソフトウェアのバージョンをインストールしているかを識別すること(103)と、第1のコンピューティング装置によって、少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているとして識別された複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に、少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを送信すること(104)と、第1のコンピューティング装置によって識別された少なくとも1つのコンピューティング装置上で医療業務ソフトウェアを更新するために、ソフトウェアパッチから少なくとも1つの更新をインストールすること(105)と、を含む、方法(100)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上で血糖データまたは他の医療データを表示および分析するための少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するための方法(100)であって、
前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置によって、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンが前記複数のコンピューティング装置のうちの前記コンピューティング装置にインストールされているかを判定すること(101)と、
前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置において、少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信すること(102)であって、前記ソフトウェアパッチが、前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上にインストールされた前記医療業務ソフトウェアのバージョンに対する少なくとも1つの更新を含む、少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信すること(102)と、
前記第1のコンピューティング装置によって、前記複数のコンピューティング装置のうちの前記少なくとも1つのコンピューティング装置のうちのどれが、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているかを識別すること(103)と、
前記第1のコンピューティング装置によって、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているとして識別された前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを送信すること(104)と、
前記第1のコンピューティング装置によって識別された少なくとも1つのコンピューティング装置上で前記医療業務ソフトウェアを更新するために、前記ソフトウェアパッチから前記少なくとも1つの更新をインストールすること(105)と
を含む、方法(100)。
【請求項2】
前記第1のコンピューティング装置のみが外部ネットワークに接続されているか、または前記ローカルネットワークの前記コンピューティング装置のいずれも外部ネットワークに接続されていないか、または前記ローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置のサブセットが外部ネットワークに接続されていない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のコンピューティング装置が、外部ネットワークからサーバに接続され、前記第1のコンピューティング装置が、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンが前記複数のコンピューティング装置のうちの前記コンピューティング装置にインストールされているかを判定した後で、
前記第1のコンピューティング装置によって、前記複数のコンピューティング装置のうちの前記少なくとも1つのコンピューティング装置に利用可能な新たなソフトウェアパッチがあるかどうかをチェックするために、前記外部ネットワークから前記サーバに照会することであって、前記照会することが、前記第1のコンピューティング装置によって、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンにソフトウェアパッチが利用可能であるかに関する情報を含むファイルを前記サーバからダウンロードすることを含む、前記外部ネットワークから前記サーバに照会することを行い、
前記複数のコンピューティング装置のうちの前記第1のコンピューティング装置において、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信するステップが、前記ローカルネットワークの外部にある前記サーバから前記少なくとも1つのソフトウェアパッチをダウンロードすることを含み、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチをダウンロードすることが、前記第1のコンピューティング装置によってダウンロードされた前記ファイルに提供されたサーバダウンロードリンクを利用することに基づくことができる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のコンピューティング装置のうちの前記第1のコンピューティング装置において、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信するステップが、前記第1のコンピューティング装置に接続された物理的な外部コンピュータ記憶媒体、例えばハードドライブまたはメモリスティックまたはデジタル光ディスクデータストレージから前記ソフトウェアパッチをロードすることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のコンピューティング装置によって、少なくとも2つのコンピューティング装置上に、更新を必要とする前記医療業務ソフトウェアの異なるバージョンがインストールされていると判定され、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチが、前記医療業務ソフトウェアの前記異なるバージョンに対する更新を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のコンピューティング装置が、ハッシュアルゴリズムを使用して、受信した前記少なくとも1つのソフトウェアパッチの完全性および有効性を検証する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のコンピューティング装置が、前記複数のコンピューティング装置のうちの前記コンピューティング装置を互いに通信可能に接続して、前記複数のコンピューティング装置間でデータ、ファイル、および/または命令を交換する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記医療業務ソフトウェアのバージョンに対する少なくとも1つの更新を含む前記少なくとも1つのソフトウェアパッチが、完全自動プロセスにおいて生成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのソフトウェアパッチが、前記医療業務ソフトウェアの最新バージョンと前記医療業務ソフトウェアの所定数の先行バージョンとの間の全ての差異を決定し(201)、決定された前記差異をソフトウェアパッチとして保存することによって生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のコンピューティング装置によって、前記複数のコンピューティング装置のうちの前記少なくとも1つのコンピューティング装置のうちのどれが、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているかを識別するステップが、前記ローカルネットワークのいくつか/特定のコンピューティング装置が更新を実行することができないかまたは前記ソフトウェアパッチに含まれる更新と互換性がないと決定することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のコンピューティング装置によって識別された前記少なくとも1つのコンピューティング装置上で前記医療業務ソフトウェアを更新するために前記ソフトウェアパッチから前記少なくとも1つの更新をインストールする前に、前記少なくとも1つのコンピューティング装置上にインストールされた前記医療業務ソフトウェアの現在のバージョンのバックアップが行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンピューティング装置上で前記医療業務ソフトウェアを更新するために前記ソフトウェアパッチから前記少なくとも1つの更新をインストールした後で、ハッシュアルゴリズムを使用して前記インストールの成功および有効性がチェックされる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコンピューティング装置上で前記医療業務ソフトウェアを更新するために前記ソフトウェアパッチから前記少なくとも1つの更新をインストールすることが、外部ネットワークからのサーバからの命令に応答して開始される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
コンピューティングシステムであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
コンピュータ実行可能命令を含む、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、少なくとも1つのコンピューティング装置上で少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法(100)を実行させる、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と
を含む、コンピューティングシステム。
【請求項15】
コンピュータ実行可能命令を記憶する、1つまたは複数のコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、コンピュータシステムによって実行されると、少なくとも1つのコンピューティング装置上で少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法(100)を実行する、1つまたは複数のコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術の記載
本発明は、医療ソフトウェア、特に、例えば、患者データ、例えば血糖データを監視する医療装置から、または医療薬、例えばインスリンポンプを投与する医療装置からなどの医療装置からの医療生理学的データを表示および分析するための医療業務ソフトウェアを管理、維持および更新する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
患者、例えば、糖尿病に罹患している患者の診断、治療および文書化のために医療装置からの医療生理学的データを処理することができるようにするために、医療現場または検査室では、医療データ、例えば血糖値の変化を抽出、処理、表示、分析、監視および文書化するための専用ソフトウェアが必要である。
【0003】
医療装置に接続して医療装置からデータを抽出し、特に医療装置の全てのバージョンについて、すなわち医療装置のレガシーバージョンと最新の装置バージョンとの双方を含むデータを処理することができるように、前記専用医療ソフトウェアが十分に維持され、定期的に更新されることが不可欠である。
【0004】
しかしながら、医療業務ソフトウェアを安全に維持および更新することは、現在、多くの場合、特に医療業務または検査室に存在する一般的なヘテロジニアスコンピューティング環境において、多くの場合、異なるオペレーティングシステム上および/または異なるオペレーティングシステムバージョン上で医療業務ソフトウェアの異なるバージョンを実行する異なるコンピューティングハードウェアを備える、長時間の複雑なユーザ-マシン相互作用を必要とする厄介で間違いやすいタスクである。
【0005】
ソフトウェアの更新パッチがネットワーク内のピアマシンの1つによって受信され、次いでピアマシン間で共有されるソフトウェアIの更新バージョンが受信される、ピアツーピアソフトウェア更新スキームが、欧州特許第2 946 290号明細書から知られている。
【0006】
米国特許第6,493,871号明細書は、単一のクライアントコンピュータに改訂されたソフトウェア製品をインストールするためのソフトウェア更新データをダウンロードするための方法およびシステムを記載している。
【0007】
米国特許出願公開第2012/0182939号明細書は、電子医療装置または健康装置へのリモートアクセスを可能にする無線通信ハブ装置を提供する方法および装置であって、医療装置のためのドライバソフトウェアの更新が、通信ハブを介してサービスプラットフォームサーバによって実行される、方法および装置を開示している。
【発明の概要】
【0008】
課題
したがって、本発明の目的は、医療業務ソフトウェア、特に医療装置からの医療生理学的データを表示および分析するための医療業務ソフトウェアの管理、維持および更新を容易にし、改善するための手段を提供することである。
【0009】
特に、本発明の目的は、分散ローカルヘテロジニアスコンピューティングネットワーク内の医療業務ソフトウェアが維持され、最新の状態に保たれ得る効率性および堅牢性を改善することである。
【0010】
さらに、本発明の目的は、医療業務または検査室のコンピューティングネットワークにおいて処理される医療データの安全性およびセキュリティを改善することである。
【0011】
解決策
本発明によれば、この目的は、独立請求項に記載のコンピュータ実装方法、コンピュータシステム、およびコンピュータ記憶媒体によって達成される。有利な実施形態およびさらなる発展形態は、従属請求項の主題である。
【0012】
例えば、少なくとも1つの医療ソフトウェア、特に、医療業務におけるローカルネットワークの複数のコンピューティング装置、例えばローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上で、例えば血糖データまたは他の医療データなどの医療生理学的データを表示および分析するための医療業務ソフトウェアを更新するための方法は、以下の例示的な可能なステップのうちの1つ、いくつか、または全てを含み得る。
・前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置によって、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンが前記複数のコンピューティング装置のうちのコンピューティング装置にインストールされているかを判定するステップ、
・前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置において、少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信するステップであって、前記ソフトウェアパッチが、前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上にインストールされた医療業務ソフトウェアのバージョンに対する少なくとも1つの更新を含む、受信するステップ、
・第1のコンピューティング装置によって、前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置のうちのどれが、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているかを識別するステップ、
・第1のコンピューティング装置によって、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているとして識別された前記複数のコンピューティング装置のうちの(前記)少なくとも1つのコンピューティング装置に、少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを送信するステップ、
・および、第1のコンピューティング装置によって識別された(前記)少なくとも1つのコンピューティング装置上で医療業務ソフトウェアを更新するために、ソフトウェアパッチから少なくとも1つの更新をインストールするステップ。
【0013】
本明細書では、例示的な医療生理学的データ、例えば血糖データは、とりわけ、患者データ、例えば血糖データを監視する医療装置から、または医療薬剤を投与する医療装置、例えばインスリンポンプまたは同様の装置から生じ得る。
【0014】
本明細書では、前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置によって、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンが前記複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置にインストールされているかを判定するステップ、および/または前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置のうちのどれが、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているかを第1のコンピューティング装置によって識別するステップは、とりわけ、例えば第1のコンピューティング装置の記憶媒体に記憶された、ローカルネットワークに記憶されたローカルデータベースまたはローカルファイルに照会することに基づくことができる。前記ローカルデータベースまたはローカルファイルは、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置にインストールされているかに関する全ての情報を記憶し得て、第1のコンピューティング装置は、前記ローカルデータベースまたはローカルファイルを最新の状態に保つために、前記ローカルデータベースまたはローカルファイルを管理および維持し得る。
【0015】
本明細書では、ソフトウェアパッチまたはソフトウェアパッチファイルは、とりわけ、医療業務ソフトウェアのより古いバージョンと医療業務ソフトウェアの最新バージョンとの間の更新および/または変更を含む、医療業務ソフトウェアについてのバイナリパッチ/実行可能パッチまたはソースコードパッチとして理解され得る。
【0016】
例えば、ソフトウェアパッチがソースコードパッチである場合、ソフトウェアパッチのコピー、すなわち実行可能パッチのコピーが前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に送信される前に、実行可能パッチへのソースコードパッチのコンパイルが第1のコンピューティング装置によって実行され得、または、ソースコードパッチは、第1のコンピューティング装置によって前記少なくとも1つのコンピューティング装置に送信された後、第1のコンピューティング装置ではない、前記複数のコンピューティング装置のうちの前記少なくとも1つのコンピューティング装置上でコンパイルされ得る。
【0017】
さらにまた、ソフトウェアパッチは、いかなる増分更新ステップなしで医療業務ソフトウェアのより古いバージョンまたは期限切れバージョンを最新バージョンに更新することを可能にすることができ、すなわち、医療業務ソフトウェアのより古いバージョンは、最新バージョンの直接の先行バージョンである必要はない。
【0018】
換言すれば、ソフトウェアパッチは、より古いバージョンを最新バージョンに直接更新し、前記より古いバージョンと最新バージョンとの間の医療業務ソフトウェアの任意の可能な他のバージョンをスキップすることを可能にすることができる。
【0019】
本明細書では、医療業務ソフトウェアに対する/医療業務ソフトウェアにおける更新または変更は、とりわけ、
医療業務ソフトウェアが、
・医療装置のより新たなモデル/バージョン、例えば、患者の血糖値を監視するための新たな医療装置からデータを通信することができ/読み取ることができることを保証するためのデータ通信プロトコルの更新/変更、
・医療業務ソフトウェアにおけるバグ/エラーに対する修正、
・医療業務ソフトウェアの性能向上、
・医療業務ソフトウェアの改善された機能、例えば、医療データを表示または分析または管理するための新たなツールまたは新たなオプション、
・ユーザマニュアルへの更新、を含むことができる。
【0020】
さらにまた、ソフトウェアパッチは、本明細書では、ゼロから、すなわち、コンピューティング装置が医療業務ソフトウェアの任意の以前のバージョンをインストールすることなく、コンピューティング装置上に医療業務ソフトウェアの完全な新たなインストールを可能にするソフトウェアパッチとしても理解され得る。換言すれば、医療業務ソフトウェアを更新するという用語は、とりわけ、コンピューティング装置上の医療業務ソフトウェアの完全な新たな/最初のインストールとしても理解され得る。
【0021】
ソフトウェアパッチは、単一のファイルの形態であるとさらに理解され得る。
【0022】
本明細書では、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置という用語または表現は、前記複数のコンピューティング装置/コンピューティングシステムが互いに物理的/地理的に近いローカルネットワークまたはローカルエリアネットワークとして理解され得、例えば、前記複数のコンピューティング装置は、同じ医院内、同じ検査室内、または同じ建物内に配置される。しかしながら、本明細書では、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置は、ネットワークを備えるものとしてさらに理解されることもでき、1つまたは複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置は、異なる地理的位置にわたって分散される。いくつかの異なる地理的位置、例えば、異なる都市または国に支店またはオフィスを有する医療業務または医療会社に分散されたそのようなネットワーク内の安全で機密性の高い通信を保証するために、コンピューティング装置は、とりわけ、例えば、仮想プライベートネットワーク(VPN)トンネルを介して接続されてもよい。別の言い方をすれば、本明細書におけるローカルネットワークという用語は、前記ローカルネットワークのコンピューティング装置が互いに物理的に近接して配置されているか否かにかかわらず、同じエンティティ、すなわち同じ医療業務または同じ医療会社のコンピューティングネットワークを指すものとして一般に理解され得る。したがって、本明細書に記載の例示的な手段は、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置が同じ地理的位置にない場合であっても、医療業務ソフトウェアを更新する改善されたより効率的な方法を提供する。
【0023】
さらにまた、ローカルネットワークの前記例示的な複数のコンピューティング装置は、複数のヘテロジニアスコンピューティング装置とすることができ、複数のヘテロジニアスコンピューティング装置という用語は、とりわけ複数のコンピューティング装置として理解され得、コンピューティング装置は、オペレーティングシステムの異なるバージョンおよび/または医療業務ソフトウェアの異なるバージョンを実行し、および/または異なるハードウェアアーキテクチャ、例えば異なるネットワーク接続もしくは異なるハードウェアモデル、または異なるハードウェア構成を有する。
【0024】
例示的なコンピューティング装置は、とりわけ、デスクトップまたはラップトップまたはタブレットなどのパーソナルコンピュータ(PC)を含み得る。
【0025】
ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上に医療生理学的データ、例えば血糖データを表示および分析するための少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するための上記の例示的なコンピュータ実装方法/例示的な方法ステップは、堅牢で、安全で、高速で、効率的な完全自動化を可能にし、すなわち、ユーザの介入を必要とせずに、医師のオフィス、医療業務、医療検査室または病院内の複数のコンピューティング装置などの複数のヘテロジニアスコンピューティング装置のローカルネットワーク内の医療業務ソフトウェアを更新するための機構を可能にする。
【0026】
1つのソフトウェアパッチのみを使用することによっていくつかの異なるソフトウェアバージョンが同時に更新され得る。上記および本明細書に記載の例示的な方法は、医師のオフィス内で医療業務ソフトウェアの異なるソフトウェアバージョンの更新を可能にする。
【0027】
それにより、とりわけ、例えば、医療業務ソフトウェアの所与のバージョンのそれぞれについて、医療業務ソフトウェアの最新の最新バージョンへの所与の現在インストールされているバージョンの更新、特に直接更新を可能にする単一の個別のソフトウェアパッチまたは単一の個別のソフトウェアパッチファイルが提供されることも可能である。前記ソフトウェアパッチまたはソフトウェアパッチファイルは、例えばZIPファイルなどのアーカイブファイル形式のファイルで提供されてもよい。
【0028】
特に、更新中に新たなソフトウェアをインストールする必要はなく、2つのバージョンの差異のみが更新される。逐次的な更新は必要ないが、例えば、バージョン3.1、3.3、および3.4などを途中でインストールすることなく、例えば、バージョン3.2から3.5への更新が可能である。さらに、更新されるコンピュータ/コンピューティング装置は、インターネット接続を有する必要はない。
【0029】
特に、上述した例示的な方法ステップでは、
・第1のコンピューティング装置のみが外部ネットワーク、例えばインターネットに接続されること、
・または、ローカルネットワークのコンピューティング装置のいずれも外部ネットワーク、例えばインターネットに接続されていないこと、
・または、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のサブセットのみが、外部ネットワーク、例えばインターネットに接続されていないこと、が可能である。
【0030】
本明細書では、外部ネットワークという用語は、とりわけ、複数のコンピューティング装置のローカルネットワークの物理的に外部に位置するネットワークとして理解され得る。前記外部ネットワークは、とりわけ、インターネットなどの広域ネットワークであってもよい。
【0031】
第1のコンピューティング装置は、とりわけ、ローカルネットワークの他のコンピューティング装置のための通信ハブとして機能してもよく、例えば、第1のコンピューティング装置は、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの全ての他のコンピューティング装置に通信可能に接続され得、全ての他のコンピューティング装置は、コンピューティング装置間の通信を管理および分配するために第1のコンピューティング装置を使用することによって互いに接続されてもよく、すなわち、第1のコンピューティング装置は、ローカルネットワークのための通信サーバとして機能してもよい。
【0032】
換言すれば、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置は、ローカルネットワークのための集中型通信サービスを提供してもよく、通信という用語は、とりわけ、ローカルネットワーク内の複数のコンピューティング装置間でデータおよび/またはファイルおよび/またはコマンド/命令を転送および/または受信および/または交換することを含むと理解され得る。
【0033】
しかしながら、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置の全てのコンピューティング装置が互いに直接通信し、データおよびコマンドを交換することも可能である。
【0034】
ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のいずれか、全て、または大部分が外部ネットワークに接続されることを回避または防止することによって、帯域幅使用量および帯域幅要件が最適化され得、ローカルネットワーク内のデータトラフィック輻輳が回避または低減され得る。
【0035】
例えば、例えばローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの中央コンピューティング装置として機能している第1のコンピューティング装置のみが、医療業務ソフトウェアのためのソフトウェアパッチを取得または受信する必要がある。
【0036】
さらにまた、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置の任意の外部ネットワーク、例えばインターネットへのアクセスを制限または完全にブロックすることによって、機密性の高い医療データのセキュリティおよびプライバシーが保証および改善され得る。
【0037】
医療業務ソフトウェアのためのソフトウェアパッチを取得/受信および配信するための本明細書で提案される集中型自動取得および配信機構は、特に、様々な異なるコンピュータハードウェアを有するヘテロジニアスコンピューティング環境において、および医療業務ソフトウェアの様々な異なるバージョンを実行するコンピューティング装置において、現在の解決策よりも高速で、より簡単で、より安全で、より堅牢である。
【0038】
例えば、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置からの第1のコンピューティング装置は、外部ネットワーク、例えばインターネット上のウェブサーバからのサーバに接続され得る。
【0039】
少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンが前記複数のコンピューティング装置のうちのコンピューティング装置にインストールされているかを第1のコンピューティング装置が判定/識別した後で、第1のコンピューティング装置は、外部ネットワーク、例えばインターネット上のウェブサーバから前記サーバに照会して、ローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に利用可能な新たなソフトウェアパッチがあるかどうかをチェックし得る。
【0040】
第1のコンピューティング装置による外部ネットワークからのサーバの前記照会は、第1のコンピューティング装置によって、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンに対してソフトウェアパッチが利用可能であるかに関する情報を含むファイルを前記外部サーバからダウンロード/取得することを含み得る。
【0041】
例えば、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置に現在インストールされているソフトウェアバージョンの更新を伴うソフトウェアパッチが利用可能であると第1のコンピューティング装置によって判定された後、第1のコンピューティング装置は、前記ソフトウェアパッチをダウンロードし得る。
【0042】
前記判定は、とりわけ、外部ネットワークのサーバから取得されたファイル内の情報、例えばメタデータを、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがローカルネットワークのコンピューティング装置にインストールされているかに関する全ての情報を記憶し得るローカルデータベースまたはローカルネットワークに記憶されたローカルファイルに含まれる情報と比較することに基づくことができる。
【0043】
さらにまた、ダウンロードを容易にするために、第1のコンピューティング装置は、例えば、前記例示的なファイルを再び利用してもよく、前記例示的なファイルは、外部サーバによって提供され、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンに対してどのソフトウェアパッチが利用可能であるかに関する情報を含み、さらに、ソフトウェアパッチがダウンロードされ得る場所、例えばディレクトリ/ユニフォームリソースロケータ(URL)またはウェブアドレスを指定するためのダウンロードリンクも含んでよい。
【0044】
換言すれば、前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置において、少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信するステップは、ローカルネットワークの外部のサーバから少なくとも1つのソフトウェアパッチをダウンロードすることを含むことができ、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアパッチのダウンロードは、第1のコンピューティング装置によってダウンロードされた外部サーバからのファイルに提供されたサーバダウンロードリンクを利用することに基づくことができる。
【0045】
第1のコンピューティング装置によって外部サーバからファイルを照会および/またはダウンロード/取得する上記の例示的なステップであって、ファイルが、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンに対してどのソフトウェアパッチが利用可能であるかに関する情報を含む、ステップは完全に任意であることに留意されたい。
【0046】
第1のコンピューティング装置は、例えば、定期的、不規則的、または所定の時間/時間間隔で、例えば1日に1回、週に1回、外部サーバ上の所定の場所、例えばディレクトリ/ユニフォームリソースロケータ(URL)またはウェブアドレスにおいてソフトウェアパッチの存在を自動的にチェックし、ソフトウェアパッチが前記外部サーバ上に存在する場合には、最初にソフトウェアパッチが意図されているソフトウェアのバージョンをチェックしなくても、いずれの場合にも前記ソフトウェアパッチをダウンロードするように構成され得る。
【0047】
この例示的なシナリオでは、第1のコンピューティング装置は、例えば、ソフトウェアパッチのダウンロード後にのみソフトウェアパッチをチェックして、ソフトウェアパッチがローカルネットワークのコンピューティング装置のうちの少なくとも1つに現在インストールされている任意のソフトウェアバージョンに適しているかどうかを判定し得る。
【0048】
この例示的な判定は、例えば、ダウンロードされたソフトウェアパッチに含まれる、または別個の添付ファイルに含まれる、例えばメタデータなどの情報を、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置のうちのコンピューティング装置にインストールされているかに関する全ての情報を記憶している可能性がある上述した例示的なローカルデータベースまたはローカルファイルに含まれる情報と比較することによって実行され得る。
【0049】
しかしながら、外部サーバ上に存在し得る任意のソフトウェアパッチが、ローカルネットワークのコンピューティング装置上に現在インストールされている少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンを更新するのに適しているか否かの判定を、第1のコンピューティング装置による、外部サーバからの実際のソフトウェアパッチのダウンロード/取得の前に実行することも可能である。
【0050】
例えば、前述したように、第1のコンピューティング装置は、最初に、外部サーバからファイルをダウンロード/取得し得て、ファイルは、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンに対してソフトウェアパッチが利用可能であるかに関する情報を含み、次いで、外部サーバ上に存在する/外部サーバによって提供される任意のソフトウェアパッチをダウンロード/取得するかどうかを判定するために、取得した情報を、上述した例示的なローカルデータベースまたはローカルファイルに含まれる情報と比較する。これは、ローカルネットワークのコンピューティング装置を更新するのに有用な/要求される/必要なソフトウェアパッチのみが第1のコンピューティング装置によって取得されることを有利に保証する。
【0051】
コンピュータ実行可能な機構および方法の上記の例示的なステップは、外部サーバの利用を介して、特に前記ローカルネットワークのコンピューティング装置とのいかなる人間/ユーザ相互作用も必要とせずに、特に前記ローカルネットワークのコンピューティング装置にインストールされた医療業務ソフトウェアのバージョンとのいかなる相互作用も必要とせずに、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置、特にヘテロジニアスコンピューティング装置の環境において血糖データを表示および分析するための医療ソフトウェア、例えば医療業務ソフトウェアの完全自動更新を可能にする。
【0052】
しかしながら、例えば、前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置において、少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信するステップに加えて、またはその代わりに、物理コンピュータ記憶媒体から、特に物理外部コンピュータ記憶媒体から、特に第1のコンピューティング装置に接続されたハードドライブまたはメモリスティック、例えばUSB(ユニバーサル・シリーズ・バス)スティック、またはデジタル光ディスクデータストレージなどの外部不揮発性記憶媒体またはメモリから、ソフトウェアパッチをロード/検索するステップを含むことも可能である。
【0053】
この例示的なシナリオでは、第1のコンピューティング装置も前記ローカルネットワークの他のコンピューティング装置も、外部ネットワーク、例えばインターネットに接続される必要はない。これは、ローカルネットワークによって処理される任意の医療データのセキュリティ、プライバシー、および安全性をさらに向上させることができる。
【0054】
ここで、ソフトウェアパッチを第1のコンピューティング装置に提供するステップは、その後、受信したソフトウェアパッチをローカルネットワークの他のコンピューティング装置に配信することができ、例えば、外部コンピュータ記憶媒体を第1のコンピューティング装置に接続するなど、何らかの人的な相互作用を必要とする場合があり、それによって医療業務ソフトウェアを更新するための半自動機構および方法を提供する。
【0055】
しかしながら、医療業務ソフトウェアを更新するためのこの例示的な半自動機構および方法であっても、特に、ローカルネットワークのコンピューティング環境および/またはローカルネットワークのコンピューティング装置にインストールされた医療業務ソフトウェアのバージョンがヘテロジニアスである場合には、現在の機構よりもさらに高速かつ効率的である。
【0056】
本明細書に記載の医療業務ソフトウェアの更新のための例示的なメカニズムおよび方法では、第1のコンピューティング装置は、例えば、ローカルネットワークの少なくとも2つのコンピューティング装置上に、更新を必要とするソフトウェアの異なるバージョンがインストールされていると判定し、さらに、検索/取得可能なソフトウェアパッチが医療業務ソフトウェアの前記異なるバージョンの更新を含む/含むと判定することができる。
【0057】
第1のコンピューティング装置による前記判定は、特に、ローカルデータベースまたはローカルネットワークに記憶されたローカルファイルに含まれる情報であって、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがローカルネットワークのコンピューティング装置にインストールされているかに関する全ての情報を記憶し得る情報と、利用可能なソフトウェアパッチに関する情報とを比較することに基づいてもよく、利用可能なソフトウェアパッチに関する情報は、特に、ローカルネットワークの外部のサーバまたは外部コンピュータ記憶媒体によって提供/取得された上述のファイルに由来してもよく、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンに対してソフトウェアパッチが利用可能であるかに関する情報を含み、または利用可能なソフトウェアパッチに関する情報は、受信したソフトウェアパッチに含まれる情報、例えばメタデータから抽出される。
【0058】
医療業務ソフトウェアの更新のための本明細書に記載の例示的な機構および方法の安全性、セキュリティ、および堅牢性をさらに容易にするために、第1のコンピューティング装置は、ハッシュアルゴリズムを使用して、受信したソフトウェアパッチの完全性および有効性を検証するように構成することができる。
【0059】
例えば、第1のコンピューティング装置によって、ソフトウェアパッチを取得した後で、第1のコンピューティング装置は、暗号化ハッシュ関数のハッシュ値を計算し、計算されたハッシュ値を参照ハッシュ値と比較してもよく、参照ハッシュ値は、例えば、ローカルネットワークの外部のサーバから提供されてもよく、例えば、参照ハッシュ値は、ローカルネットワークの外部のサーバによって提供/取得された上述したファイルに含まれてもよい。
【0060】
第1のコンピューティング装置によるソフトウェアパッチの取得が成功し、場合により検証された後、第1のコンピューティング装置は、ローカルネットワークのコンピューティング装置に対するソフトウェアパッチのローカル利用可能性に関するローカルに保存された情報を更新し得る。
【0061】
第1のコンピューティング装置によって、前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置のうちのどれが、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているかを識別する例示的なステップは、前述のように、例えば、外部ネットワークのサーバから取得されたファイル内の情報、例えばメタデータ、および/または取得されたソフトウェアパッチから抽出された情報を、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがローカルネットワークのコンピューティング装置にインストールされているかに関する全ての情報を記憶し得るローカルデータベースまたはローカルネットワークに記憶されたローカルファイル内に含まれる情報と比較することに基づくことができる。
【0062】
さらにまた、更新されるコンピューティング装置を識別する前記例示的なステップはまた、いくつかの/特定のコンピューティング装置が更新を実行することができないかまたは更新と互換性がないことを認識または判定する可能性を考慮に入れてもよい。
【0063】
例えば、ローカルネットワークからの特定のコンピューティング装置のハードウェア構成またはオペレーティングシステム構成は、更新を処理または実行することができない、すなわち医療業務ソフトウェアの更新バージョンを実行することができない可能性がある。
【0064】
例えば、特定のコンピューティング装置は、十分なメモリ空間を有していない可能性があり、またはそのオペレーティングシステムは、医療業務ソフトウェアのより新たな更新バージョンと互換性がない。取得されたソフトウェアパッチと互換性がない可能性があるそのようなコンピューティング装置は、第1のコンピューティング装置によって、ローカルデータベースまたはローカルネットワークに記憶されたローカルファイルに問題があるとしてマークされ得て、ローカルネットワークのコンピューティング装置は、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがインストールされているかに関する全ての情報を記憶し得る。
【0065】
例えば、第1のコンピューティング装置は、問題フラグ、例えば整数フラグをローカルデータベースまたはローカルファイルに設定し得る。コンピューティング装置はまた、ユーザによって問題のあるコンピューティング装置として手動で宣言されてもよく、すなわち、例えば、ユーザは、前記例示的な問題フラグをローカルデータベースまたは/前記ローカルファイルに手動で設定することができる。
【0066】
次いで、第1のコンピューティング装置は、例えば、任意に、ローカルネットワークの問題のあるコンピューティング装置に関するこの情報を考慮に入れることができ、例えば、取得されたソフトウェアパッチのコピーを前記問題のあるコンピューティング装置に送信することを回避する(または取得されたソフトウェアパッチのコピーを前記問題のあるコンピューティング装置に利用可能にすることを回避する)ことができ、それにより、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置にわたって取得されたソフトウェアパッチのエラーおよび競合のないインストールの可能性を高める。
【0067】
しかしながら、取得されたソフトウェアパッチのコピーを問題があると宣言されたコンピューティング装置に送信することを回避することは任意であり、第1のコンピューティング装置はまた、少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているとして識別された前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に、識別されたコンピューティング装置が問題があるとマークされているかどうかにかかわらず、すなわち、識別されたコンピューティング装置が医療業務ソフトウェアの更新されたバージョンをサポートすることができるかどうかにかかわらず、送信することができる。
【0068】
第1のコンピューティング装置によって、少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているとして識別された前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に送信する例示的なステップは、第1のコンピューティング装置が、ローカルネットワークを介して前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置による取得のために少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを利用可能にするステップとしても理解され得る。
【0069】
第1のコンピューティング装置からの送信に起因して、またはコンピューティング装置が第1のコンピューティング装置から少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを取得/ダウンロードしたことに起因して、少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーがコンピューティング装置によって受信された後、ソフトウェアパッチのインストール、すなわち、第1のコンピューティング装置によって識別された少なくとも1つのコンピューティング装置上でソフトウェアを更新するためにソフトウェアパッチからの少なくとも1つの更新のインストールが実行され得る。必要に応じて、少なくとも1つのソフトウェアパッチは、インストールが開始される前にコンピューティング装置によってアンパックされてもよい。
【0070】
第1のコンピューティング装置によって識別されたローカルネットワークの少なくとも1つのコンピューティング装置上で医療業務ソフトウェアを更新するためのソフトウェアパッチからの少なくとも1つの更新の前記インストールは、例えば、以下の方法のうちの少なくとも1つにおいて実行され得る:
・完全自動インストール、例えば、少なくとも1つの識別されたコンピューティング装置に送信された第1のコンピューティング装置からのコマンドによって開始され/それによってトリガされ/それに応答して、または外部サーバから取得されたファイルに含まれるか、もしくはソフトウェアパッチに含まれるコマンド/フラグもしくは命令に基づいて、または医療業務ソフトウェアの開始中の医療業務ソフトウェアの自動チェックによってトリガされ/開始され、任意のソフトウェアパッチ/更新がローカルに利用可能であるか、例えば、第1のコンピューティング装置によって利用可能であるか/提供されるか、または識別されたコンピューティング装置のシステム起動/再起動によってトリガされ/開始されるかをチェックし、例えば、ソフトウェアパッチがローカルに利用可能である場合、識別されたコンピューティング装置の自動開始構成は、コンピューティング装置のオペレーティングシステムの起動中にインストールを実行するためのリンク/エントリを有する。
・手動インストール、例えば、ユーザは、例えばスクリプトを実行することによって、またはそうでなければグラフィカルユーザインターフェースを用いてガイド付きインストールを開始することによって、インストールを手動で開始することができる。
【0071】
完全自動または手動のインストールが実行されるかどうかの判定は、とりわけ、例えば、必要なパラメータおよび/または設定および/または構成に関する全ての情報を第1のコンピューティング装置に提供することによって、外部サーバによってリモートで完全に制御され得、第1のコンピューティング装置は、前述のローカルデータベースまたはローカルファイルに前記情報を保存および記憶することができることに留意されたい。
【0072】
完全自動インストールの場合、ソフトウェアパッチのインストールプロセスを開始するために、識別されたコンピューティング装置側においていかなる構成変更も手動で実行する必要はない。
【0073】
さらに、ソフトウェアパッチのインストール、すなわち、第1のコンピューティング装置によって識別された少なくとも1つのコンピューティング装置上で医療業務ソフトウェアを更新するためのソフトウェアパッチからの少なくとも1つの更新のインストールは、コンピューティング装置上で現在実行されている医療業務ソフトウェアのバージョンがない場合に、コンピューティング装置上でバックグラウンドプロセスとして実行され得ることに留意されたい。
【0074】
医療業務ソフトウェアのバージョンが現在コンピューティング装置上で実行されている場合、医療業務ソフトウェアの実行インスタンスが終了され、更新がインストールされ、ソフトウェアが再起動されることがユーザに通知され得る。
【0075】
医療業務ソフトウェアのインスタンスが識別されたコンピューティング装置上で実行されているかどうかにかかわらず、ソフトウェアパッチ(複数可)を取得および配布および/またはアンパッキングするための上述したステップは、医療業務ソフトウェアの可能な実行インスタンスを中断することなくバックグラウンドプロセスとして実行され得る。
【0076】
ローカルネットワークの少なくとも1つのコンピューティング装置上でソフトウェアを更新するためにソフトウェアパッチからの少なくとも1つの更新のインストールが実行された後、更新の有効性および成功は、例えば、さらなるハッシュアルゴリズムを使用することによってチェックされ得る。
【0077】
例えば、インストール後、コンピューティング装置は、ソフトウェアパッチと共に提供されたハッシュ参照値と比較され得るハッシュ値を計算/評価し得る。
【0078】
この任意のハッシュアルゴリズム機構は、受信したソフトウェアパッチの完全性および有効性を検証するために使用され得る任意のハッシュアルゴリズム機構に加えて実行され得る。この目的のために、ソフトウェアパッチは、少なくとも2つの異なるハッシュ参照値、すなわち、第1のコンピューティング装置によるダウンロード後にソフトウェアパッチの完全性および有効性をチェックするためのものと、更新インストールの成功をチェックするための別のものとを備えてもよい。
【0079】
前記例示的なハッシュ値評価から、インストールが成功しなかったと判定された場合、例えば、ソフトウェアパッチのインストールの開始前に行われたバックアップを使用して、医療業務ソフトウェアを以前にインストールされたバージョンにリセットすることができる。一般に、バックアップが利用可能である場合、更新インストールが失敗した場合に、医療業務ソフトウェアをリセット/以前のバージョン、例えばバックアップバージョンに戻すことができる可能性がある。
【0080】
完全を期すために、第1のコンピューティング装置による取得のために提供される医療業務ソフトウェアのための少なくとも1つの更新を含むソフトウェアパッチ/ソフトウェアパッチの生成もまた、完全に自動とすることができることに留意されたい。
【0081】
例えば、ローカルネットワークの外部の上述したサーバ上の可能なパッケージングまたはパッチ生成プロセスは、例えば、医療業務ソフトウェアの最新バージョンと医療業務ソフトウェアの任意の数のより古い先行バージョン、例えば最後の5つの先行バージョンとの間の任意の/全ての差異を判定し、判定された差異をソフトウェアパッチに書き込むか、または判定された差異をソフトウェアパッチとして/複数のソフトウェアパッチとして保存することによって、医療業務ソフトウェアの最新バージョンの任意の数/任意の数の先行バージョンのソフトウェアパッチを生成することができる。
【0082】
必要に応じて、複数のソフトウェアパッチは、例えば、単一のファイル、例えばアーカイブファイルフォーマットファイル、例えばZIPファイルにバンドルされることもできる。
【0083】
生成されたパッチに関する任意の情報、例えばメタデータ、医療業務ソフトウェアのバージョンに関する情報、またはパッチの有効性をチェックするためのハッシュ値、および/またはパッチが正常にインストールされたかどうかをチェックするためのハッシュ値は、例えば、生成されたパッチ自体に含まれ得、および/または外部サーバによって提供される前述のファイルなどの別個のファイルで提供され得る。
【0084】
さらにまた、ソフトウェアパッチのインストールに必要とされ得る任意の命令または機能も、例えばスクリプトの形態でソフトウェアパッチに含まれ得る。
【0085】
いずれの場合でも、生成されたソフトウェアパッチまたは生成されたソフトウェアパッチおよび/または生成された情報ファイルおよび/またはスクリプトは、第1のコンピューティング装置による取得のために単一のファイルとして提供され/単一のファイルにバンドルされてもよい。
【0086】
さらにまた、前述のように、ソフトウェアパッチはまた、医療業務ソフトウェアのバージョンをコンピューティング装置上にゼロからインストールするための医療業務ソフトウェアの完全なバージョンを含むことも可能である。
【0087】
さらにまた、上記の例示的なパッチ生成プロセスは、特定の医療業務のニーズおよび要件に既に適合したソフトウェアパッチ/ソフトウェアパッチを生成し、それによって、特定の医療業務に関連するパッチのみが特定の医療業務の第1のコンピューティング装置に提供され、特定の医療業務の第1のコンピューティング装置によって取得されることを保証することができるため、配信および更新機構の効率をさらに改善することが考えられる。
【0088】
上記および以下に記載される、医療業務ソフトウェア、特にローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上で血糖データを表示および分析するための医療業務ソフトウェアの更新を配布、維持、およびインストールするための手段は、医療業務における医療ソフトウェアを最新の状態に保ち、医療装置の最新モデルを含む医療装置の全てのバージョンからの医療データが安全に処理、視覚化、および分析され得ることを保証するための効率的で安全で堅牢な半自動または完全自動の方法を提供する。
【0089】
上記および以下に記載されるコンピュータ実行可能方法ステップは、例えば、コンピューティングシステムまたはコンピューティング装置、例えばローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置によって実行されてもよく、コンピューティング装置は、
1つまたは複数のプロセッサ、例えば中央処理装置と、
コンピュータ実行可能命令を含む1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータ実行可能命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、上記および以下に記載される例示的な方法ステップにおける、1つ、一部または全部による、ローカルネットワークの1つまたは複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上で少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するための方法を実行させる、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と、を備える。
【0090】
さらに、上記および以下に記載されるコンピュータ実行可能な方法ステップは、コンピュータ実行可能命令を記憶する1つまたは複数のコンピュータ記憶媒体、例えば不揮発性コンピュータ記憶媒体に記憶されてもよく、コンピュータ実行可能命令は、コンピュータシステムによって実行されると、上記および以下に記載される例示的な方法ステップのうちの1つ、いくつか、または全てのいずれかによる、ローカルネットワークの1つまたは複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上で少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するための方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
以下の図は、以下の技術的態様を例示するためのものにすぎない。
【
図1】医療業務ソフトウェアのためのソフトウェアパッチの取得、配布、およびインストールのための例示的なフロー図
【
図2】ソフトウェアパッチを生成するための例示的なフロー図
【発明を実施するための形態】
【0092】
図1は、ローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置上で血糖データを表示および分析するための少なくとも1つの医療業務ソフトウェアを更新するためのコンピュータ実行可能な方法100の例示的な可能なステップを概略的に示す。
【0093】
その中で、前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピュータは、最初に、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置にインストールされているかを判定し得る(100)。
【0094】
このステップ100は、とりわけ、ローカルネットワークに記憶された、例えば第1のコンピューティング装置の記憶媒体に記憶されたローカルデータベースまたはローカルファイルを照会することを含んでもよい。前記ローカルデータベースまたはローカルファイルは、少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンがローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置上にインストールされているかに関する全ての情報を記憶し得て、第1のコンピューティング装置は、前記ローカルデータベースまたはローカルファイルを最新の状態に保つために、前記ローカルデータベースまたはローカルファイルを管理および維持し得て、すなわち、第1のコンピューティング装置は、ローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置のコンピューティング装置上に現在インストールされている医療業務ソフトウェアのバージョンに対して行われた任意の変更を記録および追跡し得る。
【0095】
例示的な第2のステップでは、前記複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピューティング装置は、少なくとも1つのソフトウェアパッチ/ソフトウェアパッチファイルを受信し得て(102)、前記ソフトウェアパッチは、前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置にインストールされた医療業務ソフトウェアのバージョンの少なくとも1つの更新を含むことができる。
【0096】
さらに上述した例示的なものとして、第1のコンピューティング装置は、ローカルネットワークの外部のサーバから、例えばウェブサーバから前記少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信または取得してもよい。
【0097】
さらにまた、前記外部サーバから前記少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信または取得する前に、第1のコンピューティング装置は、前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に利用可能な新たなソフトウェアパッチがあるかどうかをチェックするために、外部ネットワークから前記サーバに照会してもよい。
【0098】
外部サーバの前記照会は、例えば、とりわけ、第1のコンピューティング装置によって、前記少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのどのバージョンに対してどのソフトウェアパッチが利用可能であるかに関する情報を含むファイルを前記外部サーバからダウンロードすることを含み得る。
【0099】
利用可能なソフトウェアパッチを記述するこの例示的なファイルは、例えば、外部サーバによって提供および維持され得る。さらに、外部サーバによって提供される前記ファイルは、例えば、とりわけ、ソフトウェアパッチがどこからダウンロードされ得るかを指定するダウンロードリンクを含み得る。
【0100】
第1のコンピューティング装置が少なくとも1つのソフトウェアパッチを受信または取得した後で、第1のコンピューティング装置は、前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置のうちのどれが、前記受信または取得された少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているかを識別し得る(103)。
【0101】
そこでは、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする/更新に適格であるコンピューティング装置の識別は、外部ネットワークのサーバから取得された前記ファイルからの情報、例えばメタデータ、および/または取得されたソフトウェアパッチから抽出された情報を、ローカルデータベースまたはローカルネットワークに記憶されたローカルファイルに含まれる情報と比較することに基づいてもよい。
【0102】
少なくとも1つのソフトウェアパッチが適用されるべき/適用され得るコンピューティング装置を識別した後で、第1のコンピューティング装置は、少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを、前記少なくとも1つのソフトウェアパッチに含まれる更新を必要とする少なくとも1つの医療業務ソフトウェアのバージョンをインストールしているとして識別された前記複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に送信し得る(104)。
【0103】
さらに上述したように、少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを複数のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つのコンピューティング装置に送信するステップ104は、少なくとも1つのコンピューティング装置自体が、ローカルネットワークのためのサーバとして機能する第1のコンピューティング装置から少なくとも1つのソフトウェアパッチのコピーを取得/ダウンロードする場合/可能性を含むとして理解されることもできる。前記取得は、例えば、第1のコンピューティング装置からの通知に応答して、または第1のコンピューティング装置上、例えば第1のコンピューティング装置によって提供されるローカルネットワークドライブ上のソフトウェアパッチの可能な利用可能性をチェックする少なくとも1つのコンピューティング装置の自動照会に応答してもよい。
【0104】
最後に、第1のコンピューティング装置によって識別された少なくとも1つのコンピューティング装置上で医療業務ソフトウェアを更新するためにソフトウェアパッチからの少なくとも1つの更新がインストールされ得る(105)。
【0105】
完全を期すために、少なくとも1つのコンピューティング装置上で医療業務ソフトウェアを更新するためのソフトウェアパッチのインストールは、可能であれば、医療業務ソフトウェアの現在インストールされているバージョンのいかなる以前の特定の構成も保存/維持することができることに留意されたい。
【0106】
換言すれば、例えば、医療業務ソフトウェアを個々の医療業務の特定の要件に適合/構成するようになされた医療業務ソフトウェアの任意の特定の構成は維持/引き継がれ得、その結果、更新バージョンのユーザは、既に構成したツールまたは機能を再構成する必要がない。しかしながら、更新が新たなツールまたは新たな機能を提供する場合、前記新たなツールまたは新たな機能にデフォルト設定が提供され得、前記新たなツール/新たな機能および新たな構成設定についてユーザに通知され得る。
【0107】
上記でさらに示したように、全てのステップ101、102、103、104および105は、完全に自動で、すなわち人間のユーザによる介入なしに実行され得る。
【0108】
図2は、医療業務ソフトウェア用のソフトウェアパッチ/ソフトウェアパッチの生成200のための/生成中の例示的な可能なステップを概略的に示す。
【0109】
前記ステップは、前記ローカルネットワークの前記複数のコンピューティング装置に現在インストールされている医療業務ソフトウェアのバージョン/バージョンを更新するためにソフトウェアパッチが適用される複数のコンピューティング装置によって形成されたローカルネットワークの外部のサーバ、例えばウェブサーバによって実行されてもよい。
【0110】
さらにまた、前記ステップは、医療業務ソフトウェアのためのソフトウェアパッチの取得、配布、およびインストールのための例示的に記載された
図1のステップの前に実行され得る。
【0111】
医療業務ソフトウェアのための例示的なソフトウェアパッチは、例えば、医療業務ソフトウェアの最新バージョンと医療業務ソフトウェアの所定数の先行バージョンとの間の全ての差異を判定し(201)、判定された差異をソフトウェアパッチ/ソフトウェアパッチファイルとして保存することによって生成/生成され得る。
【0112】
生成されたソフトウェアパッチの配布およびインストール/適用中の安全性および堅牢性を向上させるために、ソフトウェアパッチ/ソフトウェアパッチファイルのハッシュ値を計算し(202)、計算されたハッシュをソフトウェアパッチ/ソフトウェアパッチファイルに、またはローカルネットワークの複数のコンピューティング装置のうちの第1のコンピュータ装置に提供することができる別個のファイルに追加することが任意に可能である。
【0113】
【国際調査報告】