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特表2024-508824ミトコンドリアグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤による肝疾患の治療
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ミトコンドリアグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤による肝疾患の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240220BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240220BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240220BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240220BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20240220BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20240220BHJP
   A61K 38/46 20060101ALI20240220BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240220BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240220BHJP
   A61P 19/04 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20240220BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20240220BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALN20240220BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALN20240220BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALN20240220BHJP
   C12Q 1/6883 20180101ALN20240220BHJP
   C12N 15/10 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P1/16 ZNA
A61P43/00 111
A61K31/7088
A61K31/713
A61K31/7105
A61K38/46
A61K48/00
A61P35/00
A61P19/04
C12N15/113 130Z
C12N15/09 110
C12Q1/68
C12Q1/6876 Z
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6883 Z
C12N15/10 110Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551999
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 US2022017899
(87)【国際公開番号】W WO2022182985
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/154,693
(32)【優先日】2021-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ロッタ、ルカ アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】フェルヴァイ、ニーク
(72)【発明者】
【氏名】オダシュレイン、コルム
(72)【発明者】
【氏名】マルキーニ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】バラス、アリス
【テーマコード(参考)】
4B063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ42
4B063QQ53
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR56
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS34
4B063QX02
4C084AA02
4C084AA13
4C084AA17
4C084BA44
4C084DC22
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA59
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA75
4C084ZA96
4C084ZB26
4C084ZC02
4C084ZC20
4C084ZC41
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA59
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZA96
4C086ZB26
4C086ZC02
4C086ZC20
4C086ZC41
(57)【要約】
本開示は、肝疾患を有する対象を治療する方法、及び肝疾患を発症する増加したリスクを有する対象を特定する方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肝疾患を有するまたは肝疾患を有するリスクがある対象を治療する方法であって、前記方法は、グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
脂肪肝疾患を有するまたは脂肪肝疾患を有するリスクがある対象を治療する方法であって、前記方法は、グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項3】
前記脂肪肝疾患は、アルコール性脂肪肝疾患(AFLD)または非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
肝細胞癌を有するまたは肝細胞癌を有するリスクがある対象を治療する方法であって、前記方法は、グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
肝硬変を有するまたは肝硬変を有するリスクがある対象を治療する方法であって、前記方法は、グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項6】
肝線維症を有するまたは肝線維症を有するリスクがある対象を治療する方法であって、前記方法は、グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項7】
単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、もしくは非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を有するまたは単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、もしくはNASHを有するリスクがある対象を治療する方法であって、前記方法は、グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項8】
前記GPAM阻害剤は、GPAM mRNAにハイブリダイズするアンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、または短ヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記GPAM阻害剤は、Casタンパク質と、GPAMゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列にハイブリダイズするgRNAと、を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記Casタンパク質は、Cas9またはCpf1である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記gRNA認識配列は、配列番号1に従う3,195位に対応する位置を含むか、またはそれに近接している、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記gRNA認識配列は、配列番号1に従う3,195位に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れて所在する、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項13】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列は、前記gRNA認識配列の約2~約6ヌクレオチド下流である、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記gRNAは、約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記gRNA認識配列は、配列番号31~44のうちのいずれか1つに従うヌクレオチド配列を含む、請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記GPAM阻害剤は、小分子を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記対象からの生物学的サンプル中のヒトGPAMポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の存在または非存在を検出することをさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記対象がGPAM参照である場合、前記対象はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量で投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記対象がGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、前記対象はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量と同じまたはそれ未満の投薬量で投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、GPAM Ile43Valをコードする核酸分子である、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、
配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、
配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、もしくは配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、または
前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成されたcDNA分子であって、前記cDNA分子は、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、もしくは配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有する、前記cDNA分子である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記検出ステップは、インビトロで実行される、請求項17~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記検出ステップは、前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置またはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子の前記配列決定された部分が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子である、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記検出ステップは、前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントmRNA分子である、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記検出ステップは、前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAM cDNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成された前記GPAM cDNA分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントcDNA分子である、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記検出ステップは、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号2に従う3,195位に対応する位置に近接する前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号2に従う3,195位に対応する前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記検出ステップは、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置に近接する前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記検出ステップは、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置に近接する前記GPAM cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する前記GPAM cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記検出ステップは、前記核酸分子の全体を配列決定することを含む、請求項23~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記検出ステップは、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記ゲノム核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記検出ステップは、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記mRNA分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記検出ステップは、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記cDNA分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記サンプル中の前記核酸分子はmRNAであり、前記mRNAは前記増幅ステップの前にcDNAへと逆転写される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記検出ステップは、
前記生物学的サンプル中の前記ゲノム核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニン、またはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記検出ステップは、
前記生物学的サンプル中の前記mRNA分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記検出ステップは、
前記生物学的サンプル中の前記cDNA分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
肝疾患を治療または阻害する治療剤で対象を治療する方法であって、前記対象は肝疾患に罹患しており、前記方法は、
前記対象から生物学的サンプルを得ることまたは得たこと、及び
前記対象がグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)で予測される機能喪失バリアント核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために前記生物学的サンプルについて配列分析を実施することまたは実施したことによって、前記対象が、ヒトGPAMポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するかどうかを決定するステップと、
前記対象がGPAM参照である場合、肝疾患を治療または阻害する前記治療剤を標準投薬量で前記対象に投与するか、または継続して投与し、かつGPAM阻害剤を前記対象に投与するステップと、
前記対象が、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、肝疾患を治療または阻害する前記治療剤を、標準投薬量と同じまたはそれ未満の量で前記対象に投与するか、または継続して投与し、かつGPAM阻害剤を前記対象に投与するステップと、を含み、
前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有する遺伝子型の存在は、前記対象が肝疾患を発症する低下したリスクを有することを示す、前記方法。
【請求項38】
前記対象は、GPAM参照であり、前記対象は、肝疾患を治療または阻害する前記治療剤を標準投薬量で投与されるか、または継続して投与され、かつGPAM阻害剤を投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記対象はGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性であり、前記対象は、肝疾患を治療または阻害する前記治療剤を標準投薬量と同じまたはそれ未満の量で投与されるか、または継続して投与され、かつGPAM阻害剤を投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、GPAM Ile43Valをコードする核酸分子である、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、
配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、
配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、もしくは配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、または
前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成されたcDNA分子であって、前記cDNA分子は、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、もしくは配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有する、前記cDNA分子である、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記配列分析は、前記生物学的サンプル中のGPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置またはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子の前記配列決定された部分が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子である、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記配列分析は、前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントmRNA分子である、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記配列分析は、前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAM cDNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成された前記GPAM cDNA分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントcDNA分子である、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記配列分析は、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号2に従う3,195位に対応する位置に近接する前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号2に従う3,195位に対応する前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記配列分析は、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置に近接する前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記配列分析は、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置に近接する前記GPAM cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する前記GPAM cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記配列分析は、前記核酸分子の全体を配列決定することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記配列分析は、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記ゲノム核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記配列分析は、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記mRNA分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記配列分析は、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記cDNA分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記サンプル中の前記核酸分子はmRNAであり、前記mRNAは前記増幅ステップの前にcDNAへと逆転写される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記配列分析は、
前記生物学的サンプル中の前記ゲノム核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニン、またはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記配列分析は、
前記生物学的サンプル中の前記mRNA分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記配列分析は、
前記生物学的サンプル中の前記cDNA分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記核酸分子は、前記対象から得られた細胞内に存在する、請求項37~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記GPAM阻害剤は、GPAM mRNAにハイブリダイズするアンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、または短ヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項37~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記GPAM阻害剤は、Casタンパク質と、GPAMゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列にハイブリダイズするgRNAと、を含む、請求項37~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記Casタンパク質は、Cas9またはCpf1である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記gRNA認識配列は、配列番号1に従う3,195位に対応する位置を含むか、またはそれに近接している、請求項58または請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記gRNA認識配列は、配列番号1に従う3,195位に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れて所在する、請求項58または請求項59に記載の方法。
【請求項62】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列は、前記gRNA認識配列の約2~6ヌクレオチド下流である、請求項58または請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記gRNAは、約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項58~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記gRNA認識配列は、配列番号31~44のうちのいずれか1つに従うヌクレオチド配列を含む、請求項58~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記GPAM阻害剤は、小分子を含む、請求項37~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
肝疾患を発症する増加したリスクを有する対象を特定する方法であって、
前記対象から得られる生物学的サンプル中のヒトグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)ポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の存在または非存在を決定すること、または決定したことを含み、
前記対象がGPAM参照である場合、前記対象は、肝疾患を発症する増加したリスクを有し、
前記対象がGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性またはホモ接合性である場合、前記対象は、肝疾患を発症する低下したリスクを有する、前記方法。
【請求項67】
前記GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、GPAM Ile43Valをコードする核酸分子である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、
配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、
配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、もしくは配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、または
前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成されたcDNA分子であって、前記cDNA分子は、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、もしくは配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むヌクレオチド配列を有する、前記cDNA分子である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記決定ステップは、インビトロで実行される、請求項66~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記決定ステップは、前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置またはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子の前記配列決定された部分が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中の前記GPAMゲノム核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子である、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記決定ステップは、前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中の前記GPAM mRNA分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントmRNA分子である、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記決定ステップは、前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含み、
前記生物学的サンプル中の前記GPAM cDNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、前記生物学的サンプル中のmRNA分子から生成された前記GPAM cDNA分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアントcDNA分子である、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記決定ステップは、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号2に従う3,195位に対応する位置に近接する前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号2に従う3,195位に対応する前記GPAMゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記決定ステップは、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置に近接する前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する前記GPAM mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記決定ステップは、
a)前記生物学的サンプルを、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置に近接する前記GPAM cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、
b)少なくとも、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する前記GPAM cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長産物が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記決定ステップは、前記核酸分子の全体を配列決定することを含む、請求項70~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記決定ステップは、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記ゲノム核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記決定ステップは、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記mRNA分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記決定ステップは、
a)前記ヒトGPAMポリペプチドをコードする前記cDNA分子の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記増幅することと、
b)前記増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、
c)前記標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
d)前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記サンプル中の前記核酸分子はmRNAであり、前記mRNAは前記増幅ステップの前にcDNAへと逆転写される、請求項792に記載の方法。
【請求項81】
前記決定ステップは、
前記生物学的サンプル中の前記ゲノム核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニン、またはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記決定ステップは、
前記生物学的サンプル中の前記mRNA分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記決定ステップは、
前記生物学的サンプル中の前記cDNA分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、前記変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む前記増幅された核酸分子の前記ヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することと、を含む、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記対象は、GPAM参照であり、前記対象は、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量で投与され、かつGPAM阻害剤を投与される、請求項66~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記対象は、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性であり、前記対象は、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量と同じまたはそれ未満の量で投与され、かつGPAM阻害剤を投与される、請求項66~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
対象における肝疾患の治療に使用するための、肝疾患を治療または阻害する治療剤であって、前記対象は、
ヒトグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、前記ゲノム核酸分子、
ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記mRNA分子、あるいは
ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記cDNA分子、を有する、前記治療剤。
【請求項87】
対象における肝疾患の治療に使用するためのグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)阻害剤であって、前記対象は、
ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、前記ゲノム核酸分子、
ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記mRNA分子、あるいは
ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、前記cDNA分子、を有する、前記GPAM阻害剤。
【請求項88】
前記GPAM阻害剤は、GPAM mRNAにハイブリダイズするアンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、または短ヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記GPAM阻害剤は、Casタンパク質と、GPAMゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列にハイブリダイズするgRNAと、を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記Casタンパク質は、Cas9またはCpf1である、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記gRNA認識配列は、配列番号1に従う3,195位に対応する位置を含むか、またはそれに近接している、請求項89または請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記gRNA認識配列は、配列番号1に従う3,195位に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れて所在する、請求項89または請求項90に記載の方法。
【請求項93】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列は、前記gRNA認識配列の約2~約6ヌクレオチド下流である、請求項89または請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記gRNAは、約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項89~93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記gRNA認識配列は、配列番号31~44のうちのいずれか1つに従うヌクレオチド配列を含む、請求項89~93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記GPAM阻害剤は、小分子を含む、請求項87に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の参照
本出願は、2022年2月22日に作製された、18923805802SEQという名称で269キロバイトのサイズのテキストファイルとして電子提出された配列表を含む。この配列表は、参照により、本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、ミトコンドリアグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(Mitochondrial Glycerol-3-Phosphate Acyltransferase、GPAM)阻害剤による肝疾患を有する対象の治療、及び肝疾患を発症する増加したリスクを有する対象を特定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
慢性肝疾患及び硬変は、米国において主要な罹患原因及び死因であり、2014年における死亡数は38,170件に及んでいる(総死亡数の1.5%)(非特許文献1)。米国において、肝硬変の病因として特に多いのは、アルコール性肝疾患、慢性C型肝炎及び非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease、NAFLD)であり、2004~2013年では、肝移植を待っている対象の約80%をこれらの3つが占めていた(非特許文献2)。米国におけるNAFLDの推定存在率は19~46パーセントであり(非特許文献3、非特許文献4、及び非特許文献5)、おそらくは、NAFLDの主な危険因子である肥満率の上昇と連動して(非特許文献6)、時間の経過とともに上昇している(非特許文献7)。C型肝炎の治療は有意に進歩しているのに対し、アルコール性または非アルコール性肝疾患及び硬変のための証拠に基づく治療は現在存在しない。
【0004】
ミトコンドリアグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)は、外側のミトコンドリア膜に所在するグリセロ脂質アシルトランスフェラーゼのタンパク質ファミリー(pfam)01553ファミリーのメンバーである。GPAMは、グリセロ脂質の合成のための基質として飽和脂肪酸を使用する。GPAMは、アシル-ACPからグリセロール-3-リン酸のsn-1位へとアシル基をエステル化する。これは、グリセロール脂質生合成における不可欠なステップであり、トリアシルグリセロール(triacylglycerol、TAG)合成における最初の不可欠なステップである。この代謝経路の最初のステップは、コードされた酵素によって触媒される。GPAMは、肝臓及び脂肪組織で最も高く発現されるが、脳、腎臓、心臓、及び副腎を含む他の多くの組織にも存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Kochanek et al.,Nat’l.Vital Stat.Rep.,2016,65,1-122
【非特許文献2】Wong et al.,Gastroenterology,2015,148,547-555
【非特許文献3】Browning et al.,Hepatology,2004,40,1387-1395
【非特許文献4】Lazo et al.,Am.J.Epidemiol.,2013,178,38-45
【非特許文献5】Williams et al.,Gastroenterology,2011,140,124-131
【非特許文献6】Cohen et al.,Science,2011,332,1519-1523
【非特許文献7】Younossi et al.,Clin.Gastroenterol.Hepatol.,2011,9,524-530
【発明の概要】
【0006】
本開示は、肝疾患を有するまたは肝疾患を発症するリスクを有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本開示は、脂肪肝疾患もしくは肝脂肪を有するまたは脂肪肝疾患もしくは肝脂肪を発症するリスクを有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
本開示は、肝細胞癌を有するまたは肝細胞癌を発症するリスクを有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本開示は、肝硬変を有するまたは肝硬変を発症するリスクを有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0008】
本開示は、肝線維症を有するまたは肝線維症を発症するリスクを有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、もしくは非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis、NASH)を有するまたは単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、もしくはNASHを発症するリスクを有する対象を治療する方法であって、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0009】
本開示はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤で対象を治療する方法であって、対象は肝疾患に罹患しており、方法は、対象から生物学的サンプルを得ることまたは得たこと、及び対象がGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために生物学的サンプルについて配列分析を実施することまたは実施したことによって、対象が、ヒトGPAMポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するかどうかを決定するステップと、対象がGPAM参照である場合、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量で対象に投与するか、または継続して投与し、かつGPAM阻害剤を対象に投与するステップと、対象が、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、肝疾患を治療または阻害する治療剤を、標準投薬量と同じまたはそれ未満の量で対象に投与するか、または継続して投与し、かつGPAM阻害剤を対象に投与するステップと、を含み、ヒトGPAMポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有する遺伝子型の存在は、対象が肝疾患を発症する低下したリスクを有することを示す、方法を提供する。
【0010】
本開示はまた、肝疾患を発症する増加したリスクを有する対象を特定する方法であって、方法は、対象から得られる生物学的サンプル中のヒトグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)ポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の存在または非存在を決定すること、または決定したことを含み、対象がGPAM参照である場合、対象は、肝疾患を発症する増加したリスクを有し、対象がGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性またはホモ接合性である場合、対象は、肝疾患を発症する低下したリスクを有する、方法を提供する。
【0011】
本開示はまた、対象における肝疾患の治療に使用するための、肝疾患を治療または阻害する治療剤であって、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、ゲノム核酸分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;あるいはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子、を有する、治療剤を提供する。
【0012】
本開示はまた、対象における肝疾患の治療に使用するためのGPAM阻害剤であって、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、ゲノム核酸分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;あるいはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子、を有する、GPAM阻害剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の態様に関連する様々な用語は、本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される。別段に示されていない限り、このような用語には、当該技術分野における通常の意味を付与するものとする。他の具体的に定義される用語は、本明細書において提供される定義と合致した様式で解釈されるものとする。
【0014】
別段明確に述べられない限り、本明細書において説明される任意の方法または態様は、そのステップが特定の順序で遂行されることを要求するものとして解釈されるようには一切意図されない。したがって、ステップを特定の順序に限定すべきことが、請求項または説明において、方法クレームによって具体的に定められていない場合には、いかなる点においても、順序を定めるようには意図されていない。このことは、ステップもしくは作業フローの手筈に関する論理事項、文法構成もしくは句読法に由来する一般的意味、または本明細書に記載されている態様の数もしくは種類を含め、あらゆる考え得る非明示的な解釈基準についても同様である。
【0015】
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段文脈による明瞭な定めがない限り、複数の指示物を包含する。
本明細書において使用される場合、「約」という用語は、列挙された数値が近似値であり、小さな変動が、開示される実施形態の実践に有意に影響しないであろうことを意味する。数値が使用される場合、文脈によって別段の指示がない限り、「約」という用語は、数値が±10%変動し、開示された実施形態の範囲内に留まることができることを意味する。
【0016】
本明細書において使用される場合、「含むこと」という用語は、特定の実施形態において、所望に応じて、「~からなること」または「~から本質的になること」と置き換えられ得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、核酸分子またはポリペプチドに関して、核酸分子またはポリペプチドが、例えば血液及び/または動物組織とは別の、その天然環境以外の状態にあることを意味する。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子またはポリペプチドは、他の核酸分子または他のポリペプチド、特に動物起源の他の核酸分子またはポリペプチドを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、核酸分子またはポリペプチドは、高度に精製された形態、すなわち、95%を超える純度または99%を超える純度であり得る。この文脈で使用される場合、「単離された」という用語は、二量体または代替的にリン酸化もしくは誘導体化された形態等の代替的な物理的形態の同じ核酸分子またはポリペプチドの存在を排除しない。
【0018】
本明細書において使用される場合、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、または「オリゴヌクレオチド」という用語は、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含み得、DNA及び/またはRNAを含み得、一本鎖、二本鎖、または多重鎖であり得る。核酸の一方の鎖は、その相補物ともいう。
【0019】
本明細書において使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物を含む任意の動物を包含する。哺乳動物としては、家畜(例えばウマ、ウシ、ブタ等)、愛玩動物(例えばイヌ、ネコ等)、実験用動物(例えばマウス、ラット、ウサギ等)、及び非ヒト霊長動物が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態において、ヒトは、医師のケア下の患者である。
【0020】
ヒト対象における肝疾患を発症するリスクの低下に関連するGPAM遺伝子の一般的なミスセンスバリアントが、本開示に従って特定されている。例えば、ヒトGPAM参照(配列番号1を参照)における3,195位のアデニンヌクレオチドをグアニンに変化させる遺伝子変異は、そのような変異を有するヒトが肝疾患を発症する低下したリスクを有し得ることを示すことが観察されている。全体として、本明細書に記載の遺伝子分析は、驚くべきことに、GPAM遺伝子、特にGPAM遺伝子のバリアントが肝疾患を発症するリスクの低下と関連することを示す。したがって、肝疾患(例えば、脂肪肝疾患(アルコール性脂肪肝疾患(alcoholic fatty liver disease、AFLD)及びNAFLDを含む)、肝細胞癌、肝硬変、肝線維症、単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び肝実質性疾患)を発症する増加したリスクを有するGPAM参照である対象は、肝疾患が予防され、その症状が軽減され、及び/または症状の発症が抑制されるように治療され得る。したがって、本開示は、リスクがある対象または活動性疾患を有する対象がそれに応じて治療され得るように、対象におけるそのようなバリアントの特定を利用して、肝疾患を発症するそのような対象におけるリスクを特定もしくは層別化するか、または対象が肝疾患を発症する増加したリスクを有すると診断する、方法を提供する。
【0021】
特定のGPAMバリアントの総負荷が、肝疾患(例えば、脂肪肝疾患(AFLD及びNAFLDを含む)、肝細胞癌、肝硬変、肝線維症、単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び肝実質性疾患等)を発症するリスクの低下と関連することが、本開示に従ってさらに観察されている。したがって、肝疾患を有するヒトは、GPAMを阻害する分子で治療され得ると考えられる。したがって、本開示は、リスクがある対象または活動性疾患を有する対象が治療され得るように、対象におけるそのようなバリアントの特定及びそのようなバリアントを有する総負荷を利用して、肝疾患を発症するそのような対象におけるリスクを特定もしくは層別化するか、または対象が肝疾患を有すると診断するための方法を提供する。
【0022】
本開示の目的のため、任意の特定のヒトは、3つのGPAM遺伝子型:i)GPAM参照、ii)GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性、及びiii)GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してホモ接合性のうちの1つを有するものとしてカテゴリー化され得る。ヒトがGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子のコピーを有しない場合、ヒトは、GPAM参照である。ヒトが、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピーを有する場合、ヒトは、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子に対してヘテロ接合性である。GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するGPAMポリペプチドをコードする任意のGPAM核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)である。部分的な機能喪失(または予測される部分的な機能喪失)を有するGPAMポリペプチドを有するヒトは、GPAMについて低次形態である。GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、GPAM Ile43Valをコードする任意の核酸分子であり得る。GPAM Ile43Valは、少なくとも部分的に予測される機能喪失バリアントであると考えられる。ヒトが、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の2つのコピーを有する場合、ヒトは、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子に対してホモ接合性である。
【0023】
GPAM参照であると遺伝子型決定または決定される対象について、そのような対象は、肝疾患(例えば、脂肪肝疾患(AFLD及びNAFLDを含む)、肝細胞癌、肝硬変、肝線維症、単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び肝実質性疾患)を発症する増加したリスクを有する。GPAM参照であることが遺伝子型決定もしくは決定されているか、またはGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である対象の場合、そのような対象は、GPAM阻害剤で治療され得る。
【0024】
本明細書に記載されている実施形態のうちのいずれかでは、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するGPAMポリペプチドをコードする任意のGPAM核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)であり得る。例えば、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子は、GPAM Ile43Valをコードする任意の核酸分子であり得る。本明細書に記載される実施形態のうちのいずれかでは、GPAMバリアント核酸分子は、ミスセンスバリアント核酸分子である任意のGPAM核酸分子であり得る。
【0025】
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかでは、GPAMで予測される機能喪失ポリペプチドは、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有する任意のGPAMポリペプチドであり得る。本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおいて、GPAMで予測される機能喪失ポリペプチドは、例えば、GPAM Ile43Valを含む、本明細書に記載のGPAMポリペプチドのうちのいずれかであり得る。
【0026】
本明細書に記載される実施形態のうちのいずれかにおいて、肝疾患は、AFLD及びNAFLD、肝細胞癌、肝硬変、肝線維症、単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、NASH、または肝実質性疾患を含む脂肪肝疾患である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、脂肪肝疾患である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、AFLDである。いくつかの実施形態において、肝疾患は、NAFLDである。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝細胞癌である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝硬変である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝線維症である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、単純性脂肪肝である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、脂肪性肝炎である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、NASHである。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝実質性疾患である。
【0027】
いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝障害、肝脂肪の沈着、肝炎症、中毒性肝疾患、免疫性肝疾患、またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase、ALT)の上昇である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝障害である。いくつかの実施形態において、肝障害は、肝臓酵素の上昇によって測定される。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝脂肪の沈着である。いくつかの実施形態において、肝脂肪の沈着は、画像診断、生検、または他の手順によって特定される。いくつかの実施形態において、肝疾患は、肝炎症である。いくつかの実施形態において、肝炎症は、生検、画像診断、または他の手順によって特定される。いくつかの実施形態において、肝疾患は、中毒性肝疾患である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、免疫性肝疾患である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、ALTの上昇である。いくつかの実施形態において、肝疾患は、金属、タンパク質性物質、胆汁酸、または他の刺激性もしくは炎症促進性物質の蓄積に起因する。いくつかの実施形態において、肝疾患は、鉄等の金属の蓄積に起因する。いくつかの実施形態において、肝疾患は、アルファ1抗トリプシン欠乏症等のタンパク質性物質の蓄積に起因する。いくつかの実施形態において、肝疾患は、胆汁酸の蓄積に起因する。いくつかの実施形態において、肝疾患は、刺激性物質の蓄積に起因する。いくつかの実施形態において、肝疾患は炎症促進性物質の蓄積によるものである。
【0028】
肝疾患の症状としては、肝臓肥大、疲労感、右上腹部の痛み、腹部膨満(腹水症)、表皮直ぐ下の血管の拡大、男性における胸部拡大、脾臓の拡大、手掌紅斑、ならびに皮膚及び目の黄変(黄疸)、掻痒、暗色尿、浅色便、吐き気または嘔吐、食欲喪失、及び容易にあざができる傾向が挙げられるがこれらに限定されない。肝疾患のための検査は、血液検査、肝臓の画像化、及び肝臓の生検を伴い得る。対象が、既知の危険因子(例えば、病原性変異のような遺伝子因子)を少なくとも1つ有する場合には、その個体は、肝疾患のリスクが向上しており、その危険因子を有する個体は、危険因子のない個体よりも、その疾患を発症するリスクが統計的に有意な形で高い者と位置付けられる。肝疾患の危険因子も周知であり、例えば、アルコールの過剰摂取、肥満症、高コレステロール、高レベルの血中トリグリセリド、多嚢胞性卵巣症候群、睡眠時無呼吸、2型糖尿病、甲状腺機能低下(甲状腺機能低下症)、下垂体機能低下(下垂体機能低下症)及びメタボリックシンドローム(血中脂質の増大を含む)を挙げることができる。
【0029】
本開示は、肝疾患を有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、脂肪肝疾患(AFLDまたはNAFLD等)を有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0030】
本開示はまた、肝細胞癌を有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、肝硬変を有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0031】
本開示はまた、肝線維症を有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、またはNASHを有する対象を治療する方法であって、方法は、GPAM阻害剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、阻害性核酸分子を含む。いくつかの実施形態において、阻害性核酸分子は、アンチセンス分子である。いくつかの実施形態において、阻害性核酸分子は、低分子干渉RNA(siRNA)分子を含む。いくつかの実施形態において、阻害性核酸分子は、短ヘアピンRNA(shRNA)分子を含む。かかる阻害性核酸分子は、GPAM mRNAの任意の領域を標的とするように設計され得る。いくつかの実施形態において、阻害性核酸分子は、GPAMゲノム核酸分子またはmRNA分子内の配列にハイブリダイズし、対象における細胞中のGPAMポリペプチドの発現を減少させる。いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、GPAMゲノム核酸分子またはmRNA分子にハイブリダイズするアンチセンスRNAを含み、対象における細胞中のGPAMポリペプチドの発現を減少させる。いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、GPAMゲノム核酸分子またはmRNA分子にハイブリダイズするsiRNAを含み、対象における細胞中のGPAMポリペプチドの発現を減少させる。いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、GPAMゲノム核酸分子またはmRNA分子にハイブリダイズするshRNAを含み、対象における細胞中のGPAMポリペプチドの発現を減少させる。いくつかの実施形態において、阻害性核酸分子は、siRNA分子ではない。
【0033】
いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、認識配列(複数可)における1つ以上のニックもしくは二本鎖切断を誘導するヌクレアーゼ剤、またはGPAMゲノム核酸分子内の認識配列に結合するDNA結合タンパク質を含む。認識配列は、GPAM遺伝子のコード領域内、または遺伝子の発現に影響を及ぼす制御領域内に所在し得る。DNA結合タンパク質またはヌクレアーゼ剤の認識配列は、イントロン、エクソン、プロモーター、エンハンサー、調節領域、または任意の非タンパク質コード領域内に所在し得る。認識配列は、認識配列は、GPAM遺伝子の開始コドンを含み得るかまたはそれに近接し得る。例えば、認識配列は、開始コドンから約10、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチドに配置することができる。別の例として、各々が開始コドンを含むかまたは当該コドンに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的化する、2つ以上のヌクレアーゼ剤が使用され得る。別の例として、1つが開始コドンを含むかまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とし、もう1つが終止コドンを含むかまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とする2つのヌクレアーゼ剤を使用することができ、これらのヌクレアーゼ剤による切断により、2つのヌクレアーゼ認識配列間のコード領域を欠失させることができる。所望される認識配列の中へのニックまたは二本鎖切断を誘導する任意のヌクレアーゼ剤は、本明細書において開示される方法及び組成物において使用され得る。所望される認識配列へ結合する任意のDNA結合タンパク質は、本明細書において開示される方法及び組成物において使用され得る。
【0034】
本明細書における使用に好適なヌクレアーゼ剤及びDNA結合タンパク質としては、ジンクフィンガータンパク質もしくはジンクフィンガーヌクレアーゼ(zinc finger nuclease、ZFN)ペア、転写活性化因子様エフェクター(Transcription Activator-Like Effector、TALE)タンパク質もしくは転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(Transcription Activator-Like Effector Nuclease、TALEN)、またはクラスター化規則的散在型短パリンドローム反復(Clustered Regularly Interspersed Short Palindromic Repeat、CRISPR)/CRISPR関連(Cas)系が挙げられるがこれらに限定されない。認識配列の長さは異なることができるが、例えば、ジンクフィンガータンパク質またはZFN対については約30~約36bp、各ZFNについては約15~約18bp、TALEタンパク質またはTALENについては約36bp、及びCRISPR/CasガイドRNAについては約20bpである認識配列が挙げられる。
【0035】
いくつかの実施形態において、CRISPR/Cas系を使用して、細胞内のGPAMゲノム核酸分子を修飾することができる。本明細書で開示される方法及び組成物は、GPAM核酸分子の部位特異的切断のためにCRISPR複合体(Casタンパク質と複合体化したガイドRNA(gRNA)を含む)を利用することによってCRISPR-Cas系を用いることができる。
【0036】
Casタンパク質は、概して、gRNAと相互作用し得る少なくとも1つのRNA認識または結合ドメインを含む。Casタンパク質は、ヌクレアーゼドメイン(例えばDNaseドメインまたはRNaseドメイン等)、DNA結合ドメイン、ヘリカーゼドメイン、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン、二量体化ドメイン、及び他のドメインも含み得る。好適なCasタンパク質には、例えば、野生型Cas9タンパク質及び野生型Cpf1タンパク質(例えば、FnCpf1等)が挙げられる。Casタンパク質は、GPAMゲノム核酸分子中で二本鎖切断を生成するように完全な切断活性を有し得るか、またはGPAMゲノム核酸分子中で一本鎖切断を生成するニッカーゼであり得る。Casタンパク質の追加の例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas5e(CasD)、Cas6、Cas6e、Cas6f、Cas7、Cas8a1、Cas8a2、Cas8b、Cas8c、Cas9(Csn1またはCsx12)、Cas10、Cas10d、CasF、CasG、CasH、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1(CasA)、Cse2(CasB)、Cse3(CasE)、Cse4(CasC)、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、及びCu1966、ならびにそれらのホモログまたは修飾バージョンが挙げられるがこれらに限定されない。Casタンパク質はまた、融合タンパク質として異種ポリペプチドに作動可能に連結され得る。例えば、Casタンパク質を、切断ドメイン、エピジェネティック修飾ドメイン、転写活性化ドメイン、または転写抑制因子ドメインに融合させることができる。Casタンパク質は、任意の形態で提供することができる。例えば、Casタンパク質を、タンパク質、例えば、gRNAと複合体化したCasタンパク質の形態で提供することができる。代替的に、Casタンパク質は、Casタンパク質をコードする核酸分子の形態(RNAまたはDNA等)で提供され得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、GPAMゲノム核酸分子の標的とする遺伝子修飾は、細胞を、Casタンパク質及びGPAMゲノム核酸分子における標的ゲノム遺伝子座内の1つ以上のgRNA認識配列にハイブリダイズする1つ以上のgRNAと接触させることによって生成され得る。例えば、gRNA認識配列は、配列番号1の領域内に所在し得る。gRNA認識配列はまた、配列番号1に従う3,195位に対応する位置を含み得るかまたはそれに近接し得る。例えば、gRNA認識配列は、配列番号1に従う位置3,195に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れて所在することができる。gRNA認識配列は、GPAMゲノム核酸分子の開始コドンもしくはGPAMゲノム核酸分子の終止コドンを含み得るかまたはそれに近接し得る。例えば、gRNA認識配列は開始コドンまたは終止コドンから約10、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れて所在することができる。
【0038】
GPAMゲノム核酸分子の標的ゲノム遺伝子座内のgRNA認識配列は、Cas9ヌクレアーゼが標的とするDNA配列の直後にある2~6塩基対のDNA配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列の近傍に所在する。カノニカルなPAMは、配列5’-NGG-3’(配列中、「N」は任意の核酸塩基であり、2つのグアニン(「G」)核酸塩基が後続する)である。gRNAは、遺伝子編集のためにCas9をゲノム中のどんな場所へも輸送し得るが、Cas9がPAMを認識する部位以外の任意の部位で編集は起こり得ない。加えて、5’-NGA-3’は、ヒト細胞について高度に効率的な非カノニカルなPAMであり得る。概して、PAMは、gRNAによって標的化されるDNA配列の約2~6ヌクレオチド下流である。PAMは、gRNA認識配列に隣接し得る。いくつかの実施形態において、gRNA認識配列は、3’端上でPAMが隣接し得る。いくつかの実施形態において、gRNA認識配列は、5’端上でPAMが隣接し得る。例えば、Casタンパク質の切断部位は、PAM配列の上流または下流の、約1~約10の塩基対、約2~約5の塩基対、または3つの塩基対であり得る。いくつかの実施形態において(S.pyogenesからのCas9または密接に関連するCas9が使用された場合等)、非相補鎖のPAM配列は、5’-NGG-3’(式中、Nは任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの非相補鎖のgRNA認識配列の直ぐ3’である)であり得る。したがって、相補鎖のPAM配列は5’-CCN-3’となり、式中、Nは、任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの相補鎖のgRNA認識配列の5’に隣接する。
【0039】
gRNAは、Casタンパク質に結合し、Casタンパク質をGPAMゲノム核酸分子内の特定の位置に標的化するRNA分子である。例示的なgRNAは、GPAMゲノム核酸分子に結合またはそれを切断するようにCas酵素を誘導するのに有効なgRNAであり、gRNAは、配列番号1に従う3,195位に対応する位置を含むかまたはそれに近接する、GPAMゲノム核酸分子内のgRNA認識配列にハイブリダイズするDNA標的セグメントを含む。例えば、gRNAは、配列番号1に従う3,195位に対応する位置から約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れて所在するgRNA認識配列にハイブリダイズするように選択することができる。他の例示的なgRNAは、開始コドンまたは終止コドンを含む、またはそれに近接するGPAMゲノム核酸分子内に存在するgRNA認識配列にハイブリダイズするDNA標的化セグメントを含む。例えば、gRNAは、開始コドンから約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、もしくは約1,000ヌクレオチド離れて所在するgRNA認識配列、または終止コドンから約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、もしくは約1,000ヌクレオチド離れて所在するgRNA認識配列にハイブリダイズするように選択することができる。好適なgRNAは、約17~約25ヌクレオチド、約17~約23ヌクレオチド、約18~約22ヌクレオチド、または約19~約21ヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態において、gRNAは、20ヌクレオチドを含み得る。
【0040】
ヒトGPAM参照遺伝子内に所在する好適なgRNA認識配列の例は、配列番号31~44として表1に示される。
【0041】
【表1】
【0042】
Casタンパク質及びgRNAは、複合体を形成し、Casタンパク質は、標的GPAMゲノム核酸分子を切断する。Casタンパク質は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的GPAMゲノム核酸分子に存在する核酸配列の内部または外部の部位で核酸分子を切断することができる。例えば、CRISPR複合体の形成(gRNA認識配列にハイブリダイズされ、Casタンパク質と複合体化されるgRNAを含む)は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合するであろうGPAMゲノム核酸分子中に存在する核酸配列中または当該配列の近傍(例えば当該配列から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、またはそれ以上の塩基対内等)で、1つまたは両方の鎖の切断をもたらし得る。
【0043】
かかる方法は、例えば、配列番号1の領域が破壊されている、開始コドンが破壊されている、終止コドンが破壊されている、またはコード配列が破壊されているもしくは欠失している、GPAMゲノム核酸分子をもたらし得る。任意選択で、細胞は、GPAMゲノム核酸分子中の標的ゲノム遺伝子座内の追加のgRNA認識配列にハイブリダイズする1つまたは複数の追加のgRNAsと、さらに接触させられ得る。細胞を1以上の追加のgRNA(例えば、第2のgRNA認識配列にハイブリダイズする第2のgRNA)と接触させることによって、Casタンパク質による切断は、2以上の二本鎖切断または2以上の一本鎖切断を作り出すことができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、小分子を含む。いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、FSG67である。いくつかの実施形態において、GPAM阻害剤は、置換もしくは非置換の安息香酸誘導体(例えば、4-([1,1’-ビフェニル]-4-カルボニル)-2-(オクタンスルホンアミド)安息香酸等の2-(アルカンスルホンアミド)安息香酸等))(Outlaw et al.,Med.Chem.Comm.,2014,5,826-830);置換もしくは非置換の7-アミノインドール誘導体(例えば、7-アミノ-5-シアノインドール等)(Outlaw et al.,Org.Lett.,2014,16,6334-6337);置換もしくは非置換の安息香酸誘導体(例えば、2-(ノニルスルホンアミド)安息香酸)(Wydysh et al.,J.Med.Chem.,2011,52,3317-3327);置換もしくは非置換のチオフェン及びチオラクトン、置換もしくは非置換のホスホネート、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換の安息香酸、置換もしくは非置換の2-、3-、もしくは4-(アルカンスルホンアミド)安息香酸、置換もしくは非置換の2-、3-、もしくは4-(アルカンスルホンアミド)安息香酸、または2-、3-、もしくは4-(アルカンスルホンアミド)安息香酸(米国特許第9,149,445号を参照)、ならびに置換もしくは非置換の2-(アルカンスルホンアミド)安息香酸(PCT公報第WO2019/165232号を参照されたい)を含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、治療の方法はさらに、対象からの生物学的サンプルにおいて、ヒトGPAMポリペプチドをコードする、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の存在または非存在を検出することを含む。本明細書に記載されている実施形態のうちのいずれかでは、「GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子」は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するGPAMポリペプチドをコードする任意のGPAM核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)である。
【0046】
本開示はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤で対象を治療する方法であって、対象は肝疾患に罹患している、方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、患者から生物学的サンプルを得ることまたは得たこと、及び患者がGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために生物学的サンプルについて遺伝子型決定アッセイを実施することまたは実施したことによって、患者がヒトGPAMポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するかどうかを決定することを含む。対象がGPAM参照である場合、肝疾患を治療または阻害する治療剤が、標準投薬量で対象に投与されるか、または継続して投与され、かつGPAM阻害剤が、対象に投与される。対象がGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、肝疾患を治療または阻害する治療剤は、標準投薬量と同じまたはそれ未満の量で対象に投与されるか、または継続して投与され、かつGPAM阻害剤が、対象に投与される。ヒトGPAMポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有する遺伝子型の存在は、対象が肝疾患を発症する低下したリスクを有することを示す。いくつかの実施形態において、対象は、GPAM参照である。いくつかの実施形態において、対象は、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である。
【0047】
いくつかの実施形態において、方法は、複数のGPAMで予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子、GPAMで予測される機能喪失バリアントmRNA分子、及び/またはmRNA分子から生成されるGPAMで予測される機能喪失バリアントcDNA分子を有する対象の総負荷を、対象から得られた生物学的サンプルについて配列分析を実施するか、または実施して対象の総負荷を決定することによって決定することを含む。対象がより低い総負荷を有する場合、対象は肝疾患を発症するリスクがより高く、対象は、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量で投与されるか、または継続して投与される。対象がより大きな総負荷を有する場合、対象は肝疾患を発症するリスクがより低く、対象は、標準投薬量と同じまたはそれ未満の量で肝疾患を治療または阻害する治療剤を投与されるか、または継続して投与される。総負荷が高いほど、肝疾患を発症するリスクは低くなる。
【0048】
GPAM参照であることが遺伝子型決定もしくは決定されているか、またはGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である対象の場合、そのような対象は、本明細書で先に記載したように、GPAM阻害剤で治療され得る。
【0049】
対象からの生体サンプル内のGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の存在もしくは非存在を検出すること、及び/または対象がGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するか否かを決定することは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかによって実行することができる。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インビトロで実行され得る。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インサイチュで実行され得る。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インビボで実行され得る。これらの実施形態のうちのいずれかにおいて、核酸分子は、対象から得られた細胞内に存在し得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、対象がGPAM参照である場合、対象はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量で投与される。いくつかの実施形態において、対象がGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、対象はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤を、標準投薬量と同じまたはそれ未満の投薬量で投与される。
【0051】
いくつかの実施形態において、治療方法は、対象からの生物学的サンプル中のGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドの存在または非存在を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、対象がGPAMで予測される機能喪失またはポリペプチドを有しない場合、対象はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤を標準投薬量で投与される。いくつかの実施形態において、対象がGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有する場合、対象はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤を、標準投薬量と同じまたはそれ未満の投薬量で投与される。
【0052】
本開示はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤で対象を治療する方法であって、対象は肝疾患に罹患している、方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、対象がGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有するかどうかを、対象から生物学的サンプルを得ることまたは得たこと、及び生物学的サンプルでアッセイを実施してまたは実施しておいて、対象がGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有するかどうかを決定することによって、決定することを含む。対象がGPAMの予測される機能喪失ポリペプチドを有しない場合、肝疾患を治療または阻害する治療剤が、標準投薬量で対象に投与されるか、または継続して投与され、かつGPAM阻害剤が対象に投与される。対象がGPAMの予測される機能喪失ポリペプチドを有する場合、肝疾患を治療または阻害する治療剤は、標準投薬量と同じまたはそれ未満の量で対象に投与されるか、または継続して投与され、かつGPAM阻害剤が対象に投与される。GPAMで予測される機能喪失ポリペプチドの存在は、対象が肝疾患を発症する低下したリスクを有することを示す。いくつかの実施形態において、対象は、GPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有する。いくつかの実施形態において、対象は、GPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有しない。
【0053】
対象からの生体サンプル内のGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドの存在もしくは非存在を検出すること、及び/または対象がGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有するか否かを決定することは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかによって実行することができる。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インビトロで実行され得る。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インサイチュで実行され得る。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インビボで実行され得る。これらの実施形態のうちのいずれかにおいて、ポリペプチドは、対象から得られた細胞内に存在し得る。
【0054】
肝疾患を治療または阻害する治療剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ジスルフィラム、ナルトレキソン、アカンプロサート、プレドニゾン、プレドニゾン、アザチオプリン、ペニシラミン、トリエンティン、デフェロキサミン、シプロフロキサシン、ノロフロキサシン、セフトリアキソン、オフロキサシン、アモキシシリン-クラブラン酸塩、フィトナジオン、ブメタニド、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、アミロリド、トリアムテレン、スピロノラクトン、オクトレオチド、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、チモロール、及びカルベジロール。
【0055】
(例えば、慢性C型肝炎治療において使用するための)肝疾患治療剤の追加の例としては、リバビリン、パリタプレビル、シメプレビル(Olysio)、グラゾプレビル、レジパスビル、オムビタスビル、エルバスビル、ダクラタスビル(Daklinza)、ダサブビル、リトナビル、ソホスブビル、ベルパタスビル、ボキシラプレビル、グレカプレビル、ピブレンタスビル、ペギンテルフェロンアルファ-2a、ペギンテルフェロンアルファ-2b、及びインターフェロンアルファ-2bが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
(例えば、非アルコール性脂肪肝疾患において使用するための)肝疾患治療剤の追加の例としては、体重減少誘導剤、例えば、オルリスタットまたはシブトラミン;インスリン感受化剤、例えば、チアゾリジンジオン(TZD)、メトホルミン、及びメグリチニド;脂質低下剤、例えば、スタチン類、フィブラート、及びオメガ-3脂肪酸;抗酸化剤、例えば、ビタミンE、ベタイン、N-アセチル-システイン、レシチン、シリマリン、及びベータ-カロテン;抗TNF剤、例えば、ペントキシフィリン;プロバイオティクス、例えば、VSL#3;及び細胞保護剤、例えば、ウルソデオキシコール酸(UDCA)が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な治療としては、ACE阻害剤/ARB、オリゴフルクトース、及びインクレチン類似体が挙げられる。
【0057】
(例えば、NASHにおいて使用するための)肝疾患治療剤の追加の例としては、OCALIVA(登録商標)(オベチコール酸)、セロンセルチブ、エラフィブラノル、セニクリビロク、GR_MD_02、MGL_3196、IMM124E、アラキジルアミドコラノイン酸(ARAMCHOL(商標))、GS0976、エムリカサン、ボリキシバット、NGM282、GS9674、トロピフェキソル、MN_001、LMB763、BI_1467335、MSDC_0602、PF_05221304、DF102、サログリタザル、BMS986036、ラニフィブラノル、セマグルチド、ニタゾキサニド、GRI_0621、EYP001、VK2809、ナルメフェン、LIK066、MT_3995、エロビキシバット、ナモデノソン、フォラルマブ、SAR425899、ソタグリフロジン、EDP_305、イソサブテート、ゲムカベン、TERN_101、KBP_042、PF_06865571、DUR928、PF_06835919、NGM313、BMS_986171、ナマシズマブ、CER_209、ND_L02_s0201、RTU_1096、DRX_065、IONIS_DGAT2Rx、INT_767、NC_001、セラデパル、PXL770、TERN_201、NV556、AZD2693、SP_1373、VK0214、ヘパステム、TGFTX4、RLBN1127、GKT_137831、RYI_018、CB4209-CB4211、及びJH_0920が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
いくつかの実施形態において、肝疾患を治療または阻害する治療剤の用量は、GPAM参照である(標準投薬量を受けてもよい)対象と比較して、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性またはホモ接合性である対象については、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%減らすことができる(すなわち、標準投薬量よりも少ない)。いくつかの実施形態において、肝疾患を治療または阻害する治療剤の用量は約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%減らすことができる。加えて、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である対象における肝疾患を治療または阻害する治療剤の用量は、GPAM参照である対象と比較して、低い頻度で投与することができる。
【0059】
肝疾患を治療もしくは阻害する治療剤及び/またはGPAM阻害剤の投与は、例えば、1日後、2日後、3日後、5日後、1週間後、2週間後、3週間後、1か月後、5週間後、6週間後、7週間後、8週間後、2か月後、または3か月後に反復することができる。反復投与は、同じ用量または異なる用量であることができる。投与は、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれ以上反復することができる。例えば、ある特定の投与量レジメンに従って、対象は、例えば、6か月、1年、またはそれ以上等の長期間にわたって療法を受けることができる。
【0060】
肝疾患を治療もしくは阻害する治療剤及び/またはGPAM阻害剤の投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、腹腔内、局所、鼻腔内、または筋肉内が含まれるがこれらに限定されない任意の好適な経路で行うことができる。投与のための薬学的組成物は、望ましくは滅菌済みで実質的に等張であり、GMP条件下で製造される。薬学的組成物は、単位投薬形態(すなわち単回投与のための投薬量)で提供することができる。医薬組成物は、1つ以上の生理学的及び薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または補助剤を使用して製剤化することができる。製剤は、選択した投与経路に依存する。「薬学的に許容される」という用語は、担体、希釈剤、賦形剤または補助剤が、製剤の他の成分と適合性があり、かつそれらのレシピエントに実質的に有害でないことを意味する。
【0061】
本明細書に記載される実施形態のうちのいずれかにおいて、本明細書に記載される治療用化合物のいずれも、薬学的組成物に製剤化することができる。標準的な薬学的製剤技術、例えばRemington’s The Science and Practice of Pharmacy,21st Ed.,Lippincott Williams & Wilkins(2005)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるものが使用される。したがって、薬学的組成物は、a)安全かつ治療有効量の本明細書に記載の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、及び/またはb)薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、もしくはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0062】
本明細書に記載される実施形態のうちのいずれかにおいて、本明細書に記載される治療用化合物のいずれも、単一の薬学的組成物に製剤化することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の治療用化合物のうちのいずれかは、1つ以上の第2の薬剤、または1つ以上の第2の薬剤を含む薬学的組成物と組み合わせて投与することができる。
【0063】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、任意の及びすべての溶媒、希釈剤、乳化剤、結合剤、緩衝剤、分散媒体、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等、または薬学的製剤の調製に有用な任意の他のそのような化合物を含む。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分と不適合である限りを除き、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分もまた、組成物に組み入れることができる。加えて、当該技術分野で一般的に使用される様々なアジュバントが含まれ得る。これら及び他のそのような化合物は、文献、例えば、Merck Index,Merck & Company,Rahway,NJ.Considerations for the inclusion of various components in pharmaceutical compositions are described,e.g.,in Gilman et al.(Eds.)(1990);Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Press.に記載されている。
【0064】
いくつかの実施形態において、薬学的に許容される担体またはその成分として機能し得る物質としては、限定されないが、糖、例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及びメチルセルロース;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;固体潤滑剤、例えば、ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;植物油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブオイル、コムオイル(com oil)、及びTheobromaの油;ポリオール、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール;アルギン酸;乳化剤、例えば、TWEENS(登録商標);湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム;着色剤;香味剤;錠剤化剤(tableting agent)、安定剤;酸化防止剤;保存剤;パイロジェンフリー水;等張食塩水;ならびにリン酸緩衝液。対象の化合物と併せて使用される薬学的に許容される担体の選択は、化合物の投与方法に応じて決定され得る。
【0065】
本明細書に記載される薬学的組成物は、単位剤形で提供することができる。本明細書で使用される場合、「単位剤形」は、良好な医療行為に従って、単回用量で対象に投与するのに好適な量の化合物を含有する組成物である。しかしながら、単一または単位剤形の調製は、剤形が1日に1回または療法過程毎に1回投与されることを意味するものではない。単位剤形は、単一の1日用量または部分的なサブ用量を含み得、いくつかの単位剤形は、1日の経過にわたって投与され、1日用量を完了する。いくつかの実施形態において、単位剤形は、1日1回よりも多いまたは少ない頻度で投与されてもよく、療法過程中に2回以上投与されてもよい。そのような剤形は、経口、非経口を含むそれらの製剤と一致する任意の方法で投与されてもよく、一定期間(例えば、約30分から約2~6時間まで)にわたって注入として投与することができる。単回投与が具体的に企図されるが、本明細書に記載の方法に従って投与される組成物はまた、連続注入として、または植込み型注入ポンプを介して投与してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、錠剤、カプセル、顆粒及びバルク粉末等の固体形態を含む様々な経口剤形を使用することができる。錠剤は、圧縮、錠剤粉砕、腸溶性コーティング、砂糖コーティング、フィルムコーティング、または複数回圧縮することができ、好適な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘導剤、及び融解剤を含有する。液体経口剤形としては、非発泡性顆粒から再構成された水溶液、エマルジョン、懸濁液、溶液及び/または懸濁液、ならびに発泡性顆粒から再構成された発泡性調製物が挙げられ、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味料、融解剤、着色剤及び香味剤を含有する。
【0067】
錠剤は、典型的には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース、及びセルロース等の不活性希釈剤、デンプン、ゼラチン、及びスクロース等の結合剤、デンプン、アルギン酸、及びクロスカルメロース等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、及びタルク等の潤滑剤として、従来の薬学的に適合性のあるアジュバントを含む。錠剤はまた、可溶化剤または乳化剤、例えば、ポロキサマー、cremophor/Kolliphor(登録商標)/Lutrol(登録商標)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、または当該技術分野で既知の他のものを含み得る。二酸化ケイ素等の流動促進剤を使用して、粉末混合物の流動特性を改善することができる。FD&C染料等の着色剤は、外観のために添加することができる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、及びフルーツフレーバー等の甘味料及び香味剤は、チュアブル錠剤のための有用なアジュバントである。カプセルは、典型的には、先に開示される1つ以上の固体希釈剤を含む。担体成分の選択は、必要に応じて、味、コスト、及び貯蔵安定性等の二次的な考慮事項に依存する。
【0068】
経口(Peroral、PO)組成物はまた、液体溶液、エマルジョン、懸濁液等を含む。シロップ、エリキシル、エマルジョン、及び懸濁液の担体の典型的な成分には、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール、及び水が含まれる。懸濁液に関して、典型的な懸濁剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガカント、及びアルギン酸ナトリウムが挙げられ、典型的な湿潤剤としては、レシチン及びポリソルベート80が挙げられ、典型的な保存剤としては、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが挙げられる。経口液体組成物はまた、甘味料、香味剤、及び着色料等の1つ以上の成分を含有し得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、組成物はまた、典型的にはpHまたは時間依存性コーティングを有する従来の方法によってコーティングされてもよく、その結果、化合物は所望の局所塗布の近傍にある消化管内に放出されるか、または所望の作用を拡張するために様々なときに放出される。かかる剤形としては、典型的には、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース、エウドラギットコーティング、ワックス、及びシェラックのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
いくつかの実施形態において、主題の化合物の全身送達を達成するのに有用な組成物としては、舌下剤形、口腔剤形及び鼻剤形が挙げられる。そのような組成物は、典型的には、スクロース、ソルビトール、及びマンニトール等の可溶性充填剤、ならびにアカシア、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤のうちの1つ以上を含む。流動促進剤、潤滑剤、甘味料、着色料、抗酸化剤、及び香味剤も含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される薬学的組成物において使用することができる保存剤には、限定されないが、塩化ベンザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀酸、酢酸塩、及び硝酸フェニル水銀が含まれる。有用な界面活性剤は、例えば、Tween80である。同様に、限定されないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び精製水を含む様々な有用なビヒクルを使用することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、張度調整剤は、必要に応じてまたは便利に追加することができる。それらには、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、及びグリセリン、または任意の他の好適な張度調節剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
いくつかの実施形態において、様々な緩衝剤及びpHを調節するための手段を使用することができる。いくつかの実施形態において、pHは4~9であろう。好適な緩衝剤には、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、及びホウ酸緩衝剤が含まれるが、これらに限定されない。必要に応じて、酸または塩基を使用してこれらの製剤のpHを調節してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、組成物は、限定されないが、メタ二亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びブチル化ヒドロキシトルエンを含む酸化防止剤を含むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、組成物は、キレート剤等の他の賦形剤成分を含むことができる。有用なキレート剤は、エデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート剤も使用することができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、組成物は、経皮投与、クリーム、軟膏、ゲル、溶液または懸濁液等を含む局所使用のためのものである。局所製剤は、概して、薬学的担体、共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、保存剤系、及び軟化剤からなることができる。
【0077】
静脈内投与の場合、本明細書に記載の化合物及び組成物は、生理食塩水またはデキストロース溶液等の薬学的に許容される希釈剤に溶解または分散させることができる。NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HCl、及びクエン酸を含むがこれらに限定されない、所望のpHを達成するために好適な賦形剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、最終組成物のpHは、2~8または4~7の範囲である。酸化防止剤賦形剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、アセトン亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウム、スルホキシレート、チオ尿素、及びEDTAを挙げることができる。最終静脈内組成物中に見出される好適な賦形剤の他の非限定的な例としては、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、ならびにデキストロース、マンニトール、及びデキストラン等の炭水化物を挙げることができる。追加の許容される賦形剤は、Powell et al.,PDA J.Pharm.Sci.and Tech.,1998,52 238-311及びNema et al.,PDA J.Pharm.Sci.Tech.,2011,65 287-332に記載される。抗菌剤もまた、限定されないが、硝酸フェニル水銀、チメロサール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール、及びクロロブタノールを含む、静菌または静菌溶液を達成するために含まれ得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、静脈内投与のための組成物は、投与の直前に水中の滅菌水、生理食塩水またはデキストロースなどの好適な希釈剤で再構成される1つ以上の固体の形態で介護者に提供することができる。いくつかの実施形態において、組成物は、非経口投与の準備ができている溶液中に提供される。いくつかの実施形態において、組成物は、投与前にさらに希釈される溶液中で提供される。本明細書に記載の化合物と別の薬剤との組み合わせを投与することを含む実施形態において、組み合わせは、混合物として介護者に提供することができ、または介護者は、投与前に2つの薬剤を混合することができ、または2つの薬剤は、別個に投与することができる。
【0079】
本明細書に記載の化合物及び/または本明細書に記載の第2の薬剤の実際の単位用量は、特定の化合物、及び治療される条件に依存する。いくつかの実施形態において、用量は、約0.01mg/kg~約120mg/kg体重以上、約0.05mg/kg以下~約70mg/kg、約0.1mg/kg~約50mg/kg体重、約1.0mg/kg~約10mg/kg体重、約5.0mg/kg~約10mg/kg体重、または約10.0mg/kg~約20.0mg/kg体重とすることができる。いくつかの実施形態において、用量は、約100mg/kg未満、約90mg/kg未満、約80mg/kg未満、約70mg/kg未満、約60mg/kg未満、約50mg/kg未満、約40mg/kg未満、約30mg/kg未満、約25mg/kg未満、約20mg/kg未満、約10mg/kg未満、約7.5mg/kg未満、約6mg/kg未満、約5mg/kg未満、約4mg/kg未満、約3mg/kg未満、約2.5mg/kg未満、約1mg/kg未満、約0.5mg/kg未満、約0.1mg/kg未満、約0.05mg/kg未満、または約0.005mg/kg体重未満とすることができる。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は、0.05mg/kg体重、0.07mg/kg体重、0.1mg/kg体重、0.3mg/kg体重、1.0mg/kg体重、3.0mg/kg体重、5.0mg/kg体重、10.0mg/kg体重、または25.0mg/kg体重である。したがって、70kgの人に投与する場合、投薬量範囲は、約0.1mg~70mg、約1mg~約50mg、約0.5mg~約10mg、約1mg~約10mg、約2.5mg~約30mg、約35mg以下~約700mg以上、約7mg~約600mg、約10mg~約500mg、または約20mg~約300mg、または約200mg~約2000mgであろう。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約0.1mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約0.5mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約1mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約1.5mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約2mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約2.5mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約3mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約3.5mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約4mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約4.5mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約5mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約10mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約25mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約250mg以下である。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約100mg以下である。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は約70mg以下である。
【0080】
いくつかの実施形態において、化合物用量は、約0.1mg~約100mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約20mg、約0.1mg~約10mg、約0.5mg~約100mg、約0.5mg~約50mg、約0.5mg~約20mg、約0.5mg~約10mg、約1mg~約100mg、約1mg~約50mg、約1mg~約20mg、約1mg~約10mg、約2.5mg~約50mg、約2.5mg~約20mg、約2.5mg~約10mg、または約2.5mg~約5mgであり得る。いくつかの実施形態において、化合物用量は、約5mg~約300mg、約5mg~約200mg、約7.5mg~約200mg、約10mg~約100mg、約15mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約10mg~約80mg、約15mg~約80mg、約20mg~約80mg、約30mg~約80mg、約40mg~約80mg、約10mg~約60mg、約15mg~約60mg、約20mg~約60mg、約30mg~約60mg、または約40mg~約60mgである。いくつかの実施形態において、投与される化合物は、約20mg~約60mg、約27mg~約60mg、約20mg~約45mg、または約27mg~約45mgである。
【0081】
いくつかの実施形態において、投与される化合物は、約5mg~約7.5mg、約5mg~約9mg、約5mg~約10mg、約5mg~約12mg、約5mg~約14mg、約5mg~約15mg、約5mg~約16mg、約5mg~約18mg、約5mg~約20mg、約5mg~約22mg、約5mg~約24mg、約5mg~約26mg、約5mg~約28mg、約5mg~約30mg、約5mg~約32mg、約5mg~約34mg、約5mg~約36mg、約5mg~約38mg、約5mg~約40mg、約5mg~約42mg、約5mg~約44mg、約5mg~約46mg、約5mg~約48mg、約5mg~約50mg、約5mg~約52mg、約5mg~約54mg、約5mg~約56mg、約5mg~約58mg、約5mg~約60mg、約10mg~約12mg、約10mg~約14mg、約10mg~約15mg、約10mg~約16mg、約10mg~約18mg、約10mg~約20mg、約10mg~約22mg、約10mg~約24mg、約10mg~約26mg、約10mg~約28mg、約10mg~約30mg、約10mg~約32mg、約10mg~約34mg、約10mg~約36mg、約10mg~約38mg、約10mg~約40mg、約10mg~約42mg、約10mg~約44mg、約10mg~約46mg、約10mg~約48mg、約10mg~約50mg、約10mg~約52mg、約10mg~約54mg、約10mg~約56mg、約10mg~約58mg、約10mg~約60mg、約15mg~約16mg、約15mg~約18mg、約15mg~約20mg、約15mg~約22mg、約15mg~約24mg、約15mg~約26mg、約15mg~約28mg、約15mg~約30mg、約15mg~約32mg、約15mg~約34mg、約15mg~約36mg、約15mg~約38mg、約15mg~約40mg、約15mg~約42mg、約15mg~約44mg、約15mg~約46mg、約15mg~約48mg、約15mg~約50mg、約15mg~約52mg、約15mg~約54mg、約15mg~約56mg、約15mg~約58mg、約15mg~約60mg、約20mg~約22mg、約20mg~約24mg、約20mg~約26mg、約20mg~約28mg、約20mg~約30mg、約20mg~約32mg、約20mg~約34mg、約20mg~約36mg、約20mg~約38mg、約20mg~約40mg、約20mg~約42mg、約20mg~約44mg、約20mg~約46mg、約20mg~約48mg、約20mg~約50mg、約20mg~約52mg、約20mg~約54mg、約20mg~約56mg、約20mg~約58mg、約20mg~約60mg、約25mg~約26mg、約25mg~約28mg、約25mg~約30mg、約25mg~約32mg、約25mg~約34mg、約25mg~約36mg、約25mg~約38mg、約25mg~約40mg、約25mg~約42mg、約25mg~約44mg、約25mg~約46mg、約25mg~約48mg、約25mg~約50mg、約25mg~約52mg、約25mg~約54mg、約25mg~約56mg、約25mg~約58mg、約25mg~約60mg、約30mg~約32mg、約30mg~約34mg、約30mg~約36mg、約30mg~約38mg、約30mg~約40mg、約30mg~約42mg、約30mg~約44mg、約30mg~約46mg、約30mg~約48mg、約30mg~約50mg、約30mg~約52mg、約30mg~約54mg、約30mg~約56mg、約30mg~約58mg、約30mg~約60mg、約40mg~約42mg、約40mg~約44mg、約40mg~約46mg、約40mg~約48mg、約40mg~約50mg、約40mg~約52mg、約40mg~約54mg、約40mg~約56mg、約40mg~約58mg、約40mg~約60mg、約45mg~約48mg、約45mg~約50mg、約45mg~約52mg、約45mg~約54mg、約45mg~約56mg、約45mg~約58mg、約45mg~約60mg、約50mg~約52mg、約50mg~約54mg、約50mg~約56mg、約50mg~約58mg、または約50mg~約60mgである。
【0082】
いくつかの実施形態において、化合物用量は、約5mg超、約10mg超、約12.5mg超、約13.5mg超、約15mg超、約17.5mg超、約20mg超、約22.5mg超、約25mg超、約27mg超、約30mg超、約40mg超、約50mg超、約60mg超、約70mg超、約80mg超、約90mg超、約100mg超、約125mg超、約150mg超、または約200mg超である。いくつかの実施形態において、化合物用量は、約5mg未満、約10mg未満、約12.5mg未満、約13.5mg未満、約15mg未満、約17.5mg未満、約20mg未満、約22.5mg未満、約25mg未満、約27mg未満、約30mg未満、約40mg未満、約50mg未満、約60mg未満、約70mg未満、約80mg未満、約90mg未満、約100mg未満、約125mg未満、約150mg未満、または約200mg未満である。いくつかの実施形態において、化合物用量は、約5mg、約10mg、約12.5mg、約13.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、または約300mgである。
【0083】
「治療する」、「治療すること」及び「治療」、ならびに「予防する」、「予防すること」及び「予防」という用語は、本明細書において使用される場合、所望される生物学的応答(それぞれ治療効果及び予防効果等)を惹起することを指す。いくつかの実施形態において、治療効果は、薬剤または薬剤を含む組成物の投与後の、肝疾患の減少/低減、肝疾患の重症度低下/低減(例えば、肝疾患の発症の低減または抑制等)、症状及び肝疾患に関連する影響の減少/低減、症状及び肝疾患に関連する影響の発症遅延、肝疾患に関連する影響の症状の重症度低減、急性エピソードの重症度低減、症状及び肝疾患に関連する影響の数の低減、症状及び肝疾患に関連する影響の潜伏期短縮、症状及び肝疾患に関連する影響の改善、二次的症状の低減、二次感染の低減、肝疾患の再発予防、再発エピソードの回数もしくは頻度の減少、症候性エピソード間の潜伏期延長、持続的進行までの時間の延長、寛解の促進、寛解の誘導、寛解の増大、回復の加速、または代替的治療法の有効性の増大もしくはそれに対する抵抗性の低下、及び/または罹患宿主動物の生存期間の延長のうちの1つ以上を含む。予防効果は、治療プロトコルの投与後の、肝疾患の発生/進行の完全または部分的な回避/阻害、または遅延(例えば、完全または部分的な回避/阻害または遅延等)、及び罹患宿主動物の生存期間延長を含み得る。肝疾患の治療は、任意の臨床ステージまたは症状で任意の形態の肝疾患を有するものとしてすでに診断された対象の治療、肝疾患の症状もしくは徴候の発症または進展または増悪または悪化の遅延、及び/または肝疾患の重症度の予防及び/または低減を包含する。
【0084】
本開示はまた、肝疾患を発症する増加したリスクを有する対象を特定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、対象から得られた生物学的サンプルにて、ヒトGPAMポリペプチドをコードするGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子及び/またはcDNA分子)の存在または非存在を決定すること、または決定したことを含む。対象がGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を欠く(すなわち、対象が遺伝子型的にGPAM参照としてカテゴリー化される)場合、対象は、肝疾患を発症する増加したリスクを有する。対象がGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有する(すなわち、対象が、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性またはホモ接合性である)場合、対象は、肝疾患を発症する低下したリスクを有する。
【0085】
GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピーを有することは、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子のコピーを有しないことよりも、肝疾患を発症することからヒト対象をさらに保護する。特定の理論または作用機序に限定されることを意図しないで、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピー(すなわち、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性)は肝疾患を発症することから対象を保護すると考えられており、かつ、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の2つのコピー(すなわち、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してホモ接合性)を有することは、単一コピーを持つ対象と比べて肝疾患を発症することから対象をさらに保護してもよいとも考えられている。したがって、いくつかの実施形態において、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピーは肝疾患を発症することから対象を完全に保護しなくてもよいが、代わりに、部分的または不完全に保護してもよい。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むわけではないが、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピーを有する対象に依然として存在する、肝疾患の発症に関与する追加の因子または分子があり、そのために、肝疾患の発症の完全な保護に及ばない可能性がある。
【0086】
対象が患者由来の生物学的サンプルにてGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するかどうかを決定すること、及び/または対象がGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するかどうかを決定することは、本明細書に記載されている方法のいずれかによって実施することができる。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インビトロで実行され得る。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インサイチュで実行され得る。いくつかの実施形態において、これらの方法は、インビボで実行され得る。これらの実施形態のうちのいずれかにおいて、核酸分子は、対象から得られた細胞内に存在し得る。
【0087】
本開示はまた、肝疾患を発症する増加したリスクを有する対象を特定する方法であって、方法は、本明細書に記載の1つ以上のGPAMで予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子、及び/または本明細書に記載の1つ以上のGPAMで予測される機能喪失バリアントポリペプチドを有する対象の総負荷を決定すること、または決定したことを含む、方法を提供する。対象が有する総負荷が高いほど、肝疾患を発症するリスクは低くなる。対象が有する総負荷が低いほど、肝疾患を発症するリスクは高くなる。
【0088】
いくつかの実施形態において、方法は、肝疾患のリスクの低下に関連する、予測される機能喪失バリアントGPAMゲノム核酸分子、mRNA分子、またはmRNA分子から生成されるcDNA分子、及び/または予測される機能喪失バリアントGPAMポリペプチドを有する対象の総負荷を決定することをさらに含むことができる。総負荷は、GPAM遺伝子内のすべてのバリアントの合計であり、これは、肝疾患との関連分析で実行され得る。いくつかの実施形態において、対象は、肝疾患を発症するリスクの低下に関連する1つ以上の予測される機能喪失バリアントGPAM核酸分子に対してホモ接合性である。いくつかの実施形態において、対象は、肝疾患を発症するリスクの低下に関連する1つ以上の予測される機能喪失バリアントGPAM核酸分子に対してヘテロ接合性である。関連分析の結果は、GPAMの機能喪失及びミスセンスバリアントが、肝疾患のリスクの低下と関連していることを示唆している。いくつかの実施形態において、それらの総負荷に基づいて、対象が肝疾患を発症する増加したリスクを有するものとして特定された場合、対象は、本明細書に記載されるように、肝疾患を治療もしくは阻害する治療剤及び/またはGPAM阻害剤でさらに治療される。
【0089】
いくつかの実施形態において、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子のうちのいずれか1つ以上を有する対象の総負荷は、予測される機能喪失バリアント核酸分子のうちのいずれかの複数の重み付けされた合計を表す。いくつかの実施形態において、総負荷は、肝疾患に関連する少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約100、少なくとも約120、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、または少なくとも約1,000個の遺伝的バリアントを使用して計算される。いくつかの実施形態において、対象が所望の閾値スコアよりも高い総負荷を有する場合、対象は、肝疾患を発症する低いまたは低下したリスクを有する。いくつかの実施形態において、対象が所望の閾値スコアよりも低い総負荷を有する場合、対象は、肝疾患を発症する高いまたは増加したリスクを有する。
【0090】
いくつかの実施形態において、総負荷は、例えば、上位五分位、中間五分位、及び下位五分位等の五分位に分けることができ、総負荷の上位五分位は最低リスク群に対応し、総負荷の下位五分位は最高リスク群に対応する。いくつかの実施形態において、より大きな総負荷を有する対象は、対象集団からの総負荷の上位10%、上位20%、上位30%、上位40%、または上位50%を含むがこれらに限定されない、最も重み付けされた総負荷を含む。いくつかの実施形態において、遺伝的バリアントは、関連についてのp値範囲の上位10%、上位20%、上位30%、上位40%、または上位50%において肝疾患との関連を有する遺伝的バリアントを含む。いくつかの実施形態において、特定された遺伝的バリアントの各々は、約10-2以下、約10-3以下、約10-4以下、約10-5以下、約10-6以下、約10-7以下、約10-8以下、約10-9以下、約10-10以下、約10-11以下、約10-12以下、約10-13以下、約10-14以下、または約10-15以下のp値を有する肝疾患との関連を有する遺伝的バリアントを含む。いくつかの実施形態において、特定された遺伝的バリアントは、5×10-8未満のp値を有する肝疾患との関連を有する遺伝的バリアントを含む。いくつかの実施形態において、特定された遺伝的バリアントは、分布の上位20%について約1.5以上、約1.75以上、約2.0以上、もしくは約2.25以上、または約1.5以上、約1.75以上、約2.0以上、約2.25以上、約2.5以上、もしくは約2.75以上のオッズ比(odds ratio、OR)を有する参照集団の残りの部分と比較して、高リスク対象における肝疾患との関連を有する遺伝的バリアントを含む。いくつかの実施形態において、オッズ比(OR)は、約1.0~約1.5、約1.5~約2.0、約2.0~約2.5、約2.5~約3.0、約3.0~約3.5、約3.5~約4.0、約4.0~約4.5、約4.5~約5.0、約5.0~約5.5、約5.5~約6.0、約6.0~約6.5、または約6.5~約7.0の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、高リスクの対象は、参照集団における下位十分位、五分位、または三分位の総負荷を有する対象を含む。
【0091】
いくつかの実施形態において、対象が肝疾患を発症する増加したリスクを有するものとして特定された場合、対象は、本明細書に記載されるように、肝疾患を治療もしくは阻害する治療剤及び/またはGPAM阻害剤でさらに治療される。例えば、対象がGPAM参照であり、そのために、肝疾患を発症する増加したリスクを有する場合、対象は、GPAM阻害剤を投与され得る。いくつかの実施形態において、かかる対象はまた、肝疾患を治療または阻害する治療剤を投与される。いくつかの実施形態において、対象がGPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、対象は、肝疾患を治療または阻害する治療剤を、標準投薬量と同じまたはそれ未満の投薬量で投与され、また、GPAM阻害剤も投与される。いくつかの実施形態において、対象は、GPAM参照である。いくつかの実施形態において、対象は、GPAMで予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である。さらに、対象が、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するためのより低い総負荷を有し、したがって肝疾患の増加したリスクを有する場合、対象は、肝疾患を治療または阻害する治療剤を投与される。いくつかの実施形態において、対象が、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するためのより低い総負荷を有する場合、対象は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子を有するためのより高い総負荷を有する対象に投与される標準投薬量と同じまたはそれを超える投薬量で肝疾患を治療または阻害する治療剤を投与される。
【0092】
本開示はまた、対象からの生物学的サンプル中のGPAMで予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子、及び/または対象からの生物学的サンプル中のGPAMで予測される機能喪失バリアントmRNA分子、及び/または対象からの生物学的サンプル中のmRNA分子から生成されるGPAMで予測される機能喪失バリアントcDNA分子の存在または非存在を検出する方法を提供する。集団内の遺伝子配列、及びそのような遺伝子によってコードされるmRNA分子は、一塩基多型のような多型のために異なり得ることが理解される。GPAMバリアントゲノム核酸分子、GPAMバリアントmRNA分子、及びGPAMバリアントcDNA分子について本明細書で提供する配列は、例示的な配列に過ぎない。GPAMバリアントゲノム核酸分子、バリアントmRNA分子、及びバリアントcDNA分子についての他の配列も可能である。
【0093】
生物学的サンプルは、対象からの任意の細胞、組織、または生体液に由来し得る。このサンプルは、骨髄サンプル、腫瘍生検標本、細針吸引生検標本、または体液(血液、歯肉溝滲出液、血漿、血清、リンパ、腹水、嚢胞液もしくは尿等)のサンプルのようないずれかの臨床的に関連する組織を含んでもよい。いくつかの場合では、サンプルには口腔スワブが含まれる。本明細書において開示される方法において使用されるサンプルは、アッセイフォーマット、検出方法の性質、及びサンプルとして使用される組織、細胞、または抽出物に基づいて変動し得る。生物学的サンプルは、用いるアッセイに応じて異なる方法で処理することができる。例えば、任意のGPAMバリアント核酸分子を検出する場合、ゲノムDNAについてサンプルを単離または濃縮するように設計した予備処理を採用することができる。様々な技術を、この目的のために使用し得る。任意のGPAMバリアントmRNAのレベルを検出する場合、様々な技術を使用してmRNAを含む生物学的サンプルを濃縮することができる。mRNAの存在もしくはレベル、または特定のバリアントゲノムDNA遺伝子座の存在を検出するために、様々な方法を使用することができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、対象におけるヒトのGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子の検出は、対象から得られた生物学的サンプルをアッセイまたは分析して、生物学的サンプル中のGPAMゲノム核酸分子、及び/または生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子、及び/または生物学的サンプル中のmRNA33分子から生成されるGPAM cDNA分子が、機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こすか、または機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こすと予測される1つ以上のバリエーションを含むかどうかを決定することを含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、対象におけるGPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはmRNAから生成されたcDNA分子等)の存在または非存在を検出する方法は、対象から得られた生物学的サンプルについてアッセイを実施することを含む。アッセイは、生物学的サンプル中の核酸分子が特定のヌクレオチド配列を含むかどうかを決定する。
【0096】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位(ゲノム核酸分子の場合)、配列番号9に従う327位(mRNA分子の場合)、または配列番号21に従う327位(mRNA分子から得られたcDNA分子の場合)に対応する位置にグアニンを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号10に従う291位(mRNA分子の場合)、または配列番号22に従う291位(mRNA分子から得られたcDNA分子の場合)に対応する位置にグアニンを含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号11に従う323位(mRNA分子の場合)、または配列番号23に従う323位(mRNA分子から得られたcDNA分子の場合)に対応する位置にグアニンを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号12に従う326位(mRNA分子の場合)、または配列番号24に従う326位(mRNA分子から得られたcDNA分子の場合)に対応する位置にグアニンを含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号13に従う305位(mRNA分子の場合)、または配列番号25に従う305位(mRNA分子から得られたcDNA分子の場合)に対応する位置にグアニンを含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号14に従う170位(mRNA分子の場合)、または配列番号26に従う170位(mRNA分子から得られたcDNA分子の場合)に対応する位置にグアニンを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む。
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、細胞または細胞溶解物を含む。そのような方法は、例えば、GPAMゲノム核酸分子またはmRNA分子を含む生体試料を対象から得ること、及びmRNAである場合、任意選択でmRNAをcDNAに逆転写することをさらに含み得る。そのようなアッセイは、例えば、特定のGPAM核酸分子のこれらの位置の同一性を判定することを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、インビトロの方法である。
【0105】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAMゲノム核酸分子、GPAM mRNA分子、またはGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こす、または機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こすと予測される1つ以上のバリエーションを含む。
【0106】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAMゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること;生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること;及び/または生物学的サンプル中のmRNAから生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定することを含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号2に従う3,195位、配列番号9に従う327位、または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0107】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号10に従う291位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること;及び/または生物学的サンプル中のmRNAから生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号22に従う291位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること、を含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号10に従う291位、または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0108】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号11に従う323位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること;及び/または生物学的サンプル中のmRNAから生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号23に従う323位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること、を含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号11に従う323位、または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0109】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号12に従う326位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること;及び/または生物学的サンプル中のmRNAから生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号24に従う326位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること、を含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号12に従う326位、または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0110】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号13に従う305位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること;及び/または生物学的サンプル中のmRNAから生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号25に従う305位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること、を含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号13に従う305位、または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0111】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号14に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること;及び/または生物学的サンプル中のmRNAから生成されたGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することであって、配列決定された部分は、配列番号26に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含む、配列決定すること、を含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号14に従う170位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0112】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAMゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置またはその相補物を含み、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0113】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0114】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中のGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置もしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置もしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置もしくはその相補物を含む。生物学的サンプル中のGPAM核酸分子の配列決定された部分が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含む場合、生物学的サンプル中のGPAM核酸分子は、GPAMで予測される機能喪失バリアント核酸分子である。
【0115】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号2に従う3,195位に対応する位置に近接するゲノム核酸分子、配列番号9に従う327位に対応する位置に近接するmRNA分子、及び/または配列番号21に従う327位に対応する位置に近接するcDNA分子、にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号2に従う3,195位に対応するゲノム核酸分子、配列番号9に従う327位に対応するmRNA分子、及び/または配列番号21に従う327位に対応するcDNA分子、を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号2に従う3,195位、配列番号9に従う327位、及び/または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号10に従う291位に対応する位置に近接するmRNA分子、及び/または配列番号22に従う291位に対応する位置に近接するcDNA分子、にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号10に従う291位に対応するmRNA分子、及び/または配列番号22に従う291位に対応するcDNA分子、を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号10に従う291位及び/または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号11に従う323位に対応する位置に近接するmRNA分子、及び/または配列番号23に従う323位に対応する位置に近接するcDNA分子、にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号11に従う323位に対応するmRNA分子、及び/または配列番号23に従う323位に対応するcDNA分子、を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号11に従う323位及び/または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号12に従う326位に対応する位置に近接するmRNA分子、及び/または配列番号24に従う326位に対応する位置に近接するcDNA分子、にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号12に従う326位に対応するmRNA分子、及び/または配列番号24に従う326位に対応するcDNA分子、を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号12に従う326位及び/または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0119】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号13に従う305位に対応する位置に近接するmRNA分子、及び/または配列番号25に従う305位に対応する位置に近接するcDNA分子、にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号13に従う305位に対応するmRNA分子、及び/または配列番号25に従う305位に対応するcDNA分子、を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号13に従う305位及び/または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号14に従う170位に対応する位置に近接するmRNA分子、及び/または配列番号26に従う170位に対応する位置に近接するcDNA分子、にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、GPAMのヌクレオチド配列の一部分:配列番号14に従う170位に対応するmRNA分子、及び/または配列番号26に従う170位に対応するcDNA分子、を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号14に従う170位及び/または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、配列番号2に従う3,195位に対応する位置に近接するGPAMゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、配列番号2に従う3,195位に対応するGPAMゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の一部分を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置に近接するGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応するGPAM mRNA分子のヌクレオチド配列の位置を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号9に従う327位、配列番号10に従う291位、配列番号11に従う323位、配列番号12に従う326位、配列番号13に従う305位、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)生物学的サンプルを、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置に近接するGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイズするプライマーと接触させることと、b)少なくとも、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応するGPAM cDNA分子のヌクレオチド配列の位置を介してプライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長産物が、配列番号21に従う327位、配列番号22に従う291位、配列番号23に従う323位、配列番号24に従う326位、配列番号25に従う305位、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含むかどうかを決定することと、を含む。
【0124】
いくつかの実施形態において、アッセイは、核酸分子の全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態において、GPAMゲノム核酸分子のみが分析される。いくつかの実施形態において、GPAM mRNAのみが分析される。いくつかの実施形態において、GPAM mRNAから得られたGPAM cDNAのみが分析される。
【0125】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0130】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンまたはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0133】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、a)ヒトGPAMポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅された部分は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、増幅された核酸分子の核酸配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、核酸分子はmRNAであり、決定ステップは、増幅ステップの前にmRNAをcDNAへと逆転写することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0137】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0138】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0139】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、及び/または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0140】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、決定ステップ、検出ステップ、または配列分析は、生物学的サンプル中の核酸分子を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブと接触させることであって、変異特異的プローブは、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列へストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、検出可能な標識を検出することと、を含む。
【0143】
変異特異的ポリメラーゼ連鎖反応技術を使用して、突然変異(核酸配列中のSNP等)を検出することができる。鋳型とのミスマッチが存在するとDNAポリメラーゼは伸長しないため、変化特異的プライマーを使用することができる。
【0144】
いくつかの実施形態において、サンプル中の核酸分子はmRNAであり、mRNAは増幅ステップの前にcDNAへと逆転写される。いくつかの実施形態において、核酸分子は、対象から得られた細胞内に存在する。
【0145】
いくつかの実施形態において、アッセイは、生物学的サンプルを、ストリンジェントな条件下で、GPAMバリアントゲノム配列、バリアントmRNA配列、またはバリアントcDNA配列に特異的にハイブリダイズし、対応するGPAM参照配列にはそうではない変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブ等のプライマーまたはプローブと接触させること、及びハイブリダイゼーションが生じたかどうかを決定することを含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、アッセイは、RNA配列決定(RNA-Seq)を含む。いくつかの実施形態において、アッセイは、例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse transcriptase polymerase chain reaction、RT-PCR)によってmRNAをcDNAへと逆転写することも含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、方法は、標的ヌクレオチド配列に結合し、GPAMバリアントゲノム核酸分子、バリアントmRNA分子、もしくはバリアントcDNA分子を含むポリヌクレオチドを特異的に検出及び/または特定するのに十分なヌクレオチド長のプローブ及びプライマーを利用する。ハイブリダイゼーション条件または反応条件は、この結果を達成するために作業者が決定することができる。ヌクレオチド長は、本明細書において記載または例示される任意のアッセイを含めた選択した検出方法における使用のために十分な任意の長さであり得る。そのようなプローブ及びプライマーは、高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で標的ヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズすることができる。プローブ及びプライマーは、標的ヌクレオチド配列内の連続したヌクレオチドの完全なヌクレオチド配列同一性を有し得るが、プローブは、標的ヌクレオチド配列とは異なり、かつ、標的ヌクレオチド配列を特異的に検出及び/または特定する能力を保持しているものを従来の方法で設計することができる。プローブ及びプライマーは、標的核酸分子のヌクレオチド配列と約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%の配列同一性または相補性を有することができる。
【0148】
いくつかの実施形態において、生物学的サンプル内のGPAM核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、もしくはcDNA分子)、もしくはその相補物が、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニン(ゲノム核酸分子)、または配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニン(mRNA分子)、または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニン(cDNA分子)を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを決定するために、生物学的サンプルは、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号9に従う327位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号21に従う327位に対応する位置にあるグアニンに隣接する5’隣接配列に由来する第1プライマーと、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号9に従う327位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号21に従う327位に対応する位置にあるグアニンに隣接する3’隣接配列に由来する第2プライマーと、を含むプライマー対を用いた増幅方法に供して、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号9に従う327位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号21に従う327位に対応する位置にあるグアニンをコードする位置にあるSNPの存在を示すアンプリコンを生成することができる。いくつかの実施形態において、アンプリコンは、プライマー対+1つのヌクレオチド塩基対の組み合わせた長さからDNA増幅プロトコルによって産生され得る任意の長さのアンプリコンまでの長さの範囲であってもよい。この距離は、1つのヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界まで、または約2万のヌクレオチド塩基対の範囲であり得る。任意選択で、プライマー対は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニン、または配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニン、または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンを含む位置と、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニン、または配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニン、または配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンを含む位置の各側に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くのヌクレオチドと、を含む領域に隣接する。
【0149】
いくつかの実施形態において、生物学的サンプル内のGPAM核酸分子(mRNA分子もしくはcDNA分子)、もしくはその相補物が、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニン(mRNA分子)、または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニン(cDNA分子)を含むかどうかを決定するために、生物学的サンプルは、配列番号10に従う291位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号22に従う291位に対応する位置にあるグアニンに隣接する5’隣接配列に由来する第1プライマーと、配列番号10に従う291位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号22に従う291位に対応する位置にあるグアニンに隣接する3’隣接配列に由来する第2プライマーと、を含むプライマー対を用いた増幅方法に供して、配列番号10に従う291位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号22に従う291位に対応する位置にあるグアニンをコードする位置にあるSNPの存在を示すアンプリコンを生成することができる。いくつかの実施形態において、アンプリコンは、プライマー対+1つのヌクレオチド塩基対の組み合わせた長さからDNA増幅プロトコルによって産生され得る任意の長さのアンプリコンまでの長さの範囲であってもよい。この距離は、1つのヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界まで、または約2万のヌクレオチド塩基対の範囲であり得る。任意選択で、プライマー対は、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニン、または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンを含む位置と、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニン、または配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンを含む位置の各側に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くのヌクレオチドと、を含む領域に隣接する。
【0150】
いくつかの実施形態において、生物学的サンプル内のGPAM核酸分子(mRNA分子もしくはcDNA分子)、もしくはその相補物が、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニン(mRNA分子)、または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニン(cDNA分子)を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを決定するために、生物学的サンプルは、配列番号11に従う323位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号23に従う323位に対応する位置にあるグアニンに隣接する5’隣接配列に由来する第1プライマーと、配列番号23に従う323位に対応する位置にあるグアニンに隣接する3’隣接配列に由来する第2プライマーと、を含むプライマー対を用いた増幅方法に供して、配列番号11に従う323位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号23に従う323位に対応する位置にあるグアニンをコードする位置にあるSNPの存在を示すアンプリコンを生成することができる。いくつかの実施形態において、アンプリコンは、プライマー対+1つのヌクレオチド塩基対の組み合わせた長さからDNA増幅プロトコルによって産生され得る任意の長さのアンプリコンまでの長さの範囲であってもよい。この距離は、1つのヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界まで、または約2万のヌクレオチド塩基対の範囲であり得る。任意選択で、プライマー対は、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニン、または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンを含む位置と、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニン、または配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンを含む位置の各側に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くのヌクレオチドと、を含む領域に隣接する。
【0151】
いくつかの実施形態において、生物学的サンプル内のGPAM核酸分子(mRNA分子もしくはcDNA分子)、もしくはその相補物が、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニン(mRNA分子)、または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニン(cDNA分子)を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを決定するために、生物学的サンプルは、配列番号12に従う326位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号24に従う326位に対応する位置にあるグアニンに隣接する5’隣接配列に由来する第1プライマーと、配列番号12に従う326位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号24に従う326位に対応する位置にあるグアニンに隣接する3’隣接配列に由来する第2プライマーと、を含むプライマー対を用いた増幅方法に供して、配列番号12に従う326位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号24に従う326位に対応する位置にあるグアニンをコードする位置にあるSNPの存在を示すアンプリコンを生成することができる。いくつかの実施形態において、アンプリコンは、プライマー対+1つのヌクレオチド塩基対の組み合わせた長さからDNA増幅プロトコルによって産生され得る任意の長さのアンプリコンまでの長さの範囲であってもよい。この距離は、1つのヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界まで、または約2万のヌクレオチド塩基対の範囲であり得る。任意選択で、プライマー対は、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニン、または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンを含む位置と、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニン、または配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンを含む位置の各側に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くのヌクレオチドと、を含む領域に隣接する。
【0152】
いくつかの実施形態において、生物学的サンプル内のGPAM核酸分子(mRNA分子もしくはcDNA分子)、もしくはその相補物が、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニン(mRNA分子)、または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニン(cDNA分子)を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを決定するために、生物学的サンプルは、配列番号13に従う305位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号25に従う305位に対応する位置にあるグアニンに隣接する5’隣接配列に由来する第1プライマーと、配列番号13に従う305位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号25に従う305位に対応する位置にあるグアニンに隣接する3’隣接配列に由来する第2プライマーと、を含むプライマー対を用いた増幅方法に供して、配列番号13に従う305位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号25に従う305位に対応する位置にあるグアニンをコードする位置にあるSNPの存在を示すアンプリコンを生成することができる。いくつかの実施形態において、アンプリコンは、プライマー対+1つのヌクレオチド塩基対の組み合わせた長さからDNA増幅プロトコルによって産生され得る任意の長さのアンプリコンまでの長さの範囲であってもよい。この距離は、1つのヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界まで、または約2万のヌクレオチド塩基対の範囲であり得る。任意選択で、プライマー対は、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニン、または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンを含む位置と、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニン、または配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンを含む位置の各側に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くのヌクレオチドと、を含む領域に隣接する。
【0153】
いくつかの実施形態において、生物学的サンプル内のGPAM核酸分子(mRNA分子もしくはcDNA分子)、もしくはその相補物が、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニン(mRNA分子)、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニン(cDNA分子)を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを決定するために、生物学的サンプルは、配列番号14に従う170位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号26に従う170位に対応する位置にあるグアニンに隣接する5’隣接配列に由来する第1プライマーと、配列番号14に従う170位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号26に従う170位に対応する位置にあるグアニンに隣接する3’隣接配列に由来する第2プライマーと、を含むプライマー対を用いた増幅方法に供して、配列番号14に従う170位に対応する位置にあるグアニン、または配列番号26に従う170位に対応する位置にあるグアニンをコードする位置にあるSNPの存在を示すアンプリコンを生成することができる。いくつかの実施形態において、アンプリコンは、プライマー対+1つのヌクレオチド塩基対の組み合わせた長さからDNA増幅プロトコルによって産生され得る任意の長さのアンプリコンまでの長さの範囲であってもよい。この距離は、1つのヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界まで、または約2万のヌクレオチド塩基対の範囲であり得る。任意選択で、プライマー対は、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニン、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含む位置と、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニン、または配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンを含む位置の各側に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くのヌクレオチドと、を含む領域に隣接する。
【0154】
同様のアンプリコンは、mRNA及び/またはcDNA配列から生成することができる。PCRプライマー対は、例えば、Vector NTIバージョン10(Informax Inc.,Bethesda Md.)、PrimerSelect(DNASTAR Inc.,Madison,Wis.)、及びPrimer3(Version 0.4.0.COPYRGT.,1991,Whitehead Institute for Biomedical Research,Cambridge,Mass.)におけるPCRプライマー解析ツール等、その目的を意図したコンピュータープログラムを使用することにより、既知の配列から得ることができる。さらに、配列を視覚的に走査し、既知のガイドラインを使用してプライマーを手動で特定することができる。
【0155】
例示的な核酸配列決定技術の例としては、鎖ターミネーター(サンガー)配列決定及びダイターミネーター配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法は、精製されたDNA、増幅されたDNA、及び固定された細胞調製物(蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(fluorescence in situ hybridization、FISH))に対する、標識されたプライマーまたはプローブを使用することを含む、配列決定以外の核酸ハイブリダイゼーション法を包含する。いくつかの方法において、標的核酸分子は、検出の前にまたは検出と同時に増幅され得る。核酸増幅技術の用例として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換型増幅法(SDA)、及び核酸配列ベースの増幅法(NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法としては、リガーゼ連鎖反応、鎖置換型増幅法、及び好熱性SDA(tSDA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
ハイブリダイゼーション技法において、プローブまたはプライマーがその標的へ特異的にハイブリダイズするように、ストリンジェントな条件が用いられ得る。いくつかの実施形態において、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、その標的配列に、他の非標的配列よりも検出可能に高い程度(バックグラウンドの少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、またはそれ以上等、バックグラウンドの10倍超を含む)でハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態において、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、その標的ヌクレオチド配列に、他のヌクレオチド配列よりも検知可能に高い程度(少なくとも2倍)でハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態において、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、その標的ヌクレオチド配列に、他のヌクレオチド配列よりも検知可能に高い程度(少なくとも3倍)でハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態において、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、その標的ヌクレオチド配列に、他のヌクレオチド配列よりも検知可能に高い程度(少なくとも4倍)でハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態において、ストリンジェント条件下でのポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、その標的ヌクレオチド配列に、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度(バックグラウンドの10倍超)でハイブリダイズするであろう。ストリンジェントな条件は、配列によって決まり、環境によって異なることになる。
【0157】
DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件(例えば約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、続いて50℃での2×SSCの洗浄)は、既知であるか、またはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6中で見出され得る。典型的には、ハイブリダイゼーション及び検出のためのストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0~8.3で約1.5M未満のNaイオン、典型的には約0.01~1.0MのNaイオン濃度(または他の塩)であり、温度が、短いプローブ(例えば10~50ヌクレオチド等)について少なくとも約30℃及びより長プローブ(例えば50ヌクレオチド超等)について少なくとも約60℃である条件であるだろう。ストリンジェントな条件は、ホルムアミド等の不安定化剤の添加により実現してもよい。任意選択で、洗浄緩衝剤は、約0.1%~約1%のSDSを含み得る。ハイブリダイゼーションの継続時間は、概して約24時間未満、通常約4~約12時間である。洗浄時間の期間は、少なくとも平衡に達するのに十分な時間である。
【0158】
本開示はまた、ヒトGPAM予測機能喪失ポリペプチドの存在を検出する方法であって、対象から得られたサンプルについてアッセイを実施して、対象におけるGPAMポリペプチドが、ポリペプチドが機能喪失(部分的もしくは完全)または予測される機能喪失(部分的もしくは完全)を有する原因となる1つ以上のバリエーションを含むかどうかを決定することを含む、方法を提供する。GPAMで予測される機能喪失ポリペプチドは、本明細書に記載のGPAM切断型バリアントポリペプチドのうちのいずれかであり得る。いくつかの実施形態において、方法は、GPAM Ile43Valの存在を検出する。
【0159】
いくつかの実施形態において、方法は、対象から得られたサンプルについてアッセイを実施して、サンプル中のGPAMポリペプチドが、配列番号29に従う43位に対応する位置にバリンを含むかどうかを決定することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、対象から得られたサンプルについてアッセイを実施して、サンプル中のGPAMポリペプチドが、配列番号30に従う43位に対応する位置にバリンを含むかどうかを決定することを含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、検出ステップは、配列番号29、配列番号27、または配列番号28に従う43位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態において、検出ステップは、配列番号30、配列番号27、または配列番号28に従う43位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。
【0161】
いくつかの実施形態において、検出ステップは、配列番号29、配列番号27、または配列番号28に従う43位に対応する位置を含むポリペプチドの存在を検出するためのイムノアッセイを含む。いくつかの実施形態において、検出ステップは、配列番号30、配列番号27、または配列番号28に従う43位に対応する位置を含むポリペプチドの存在を検出するためのイムノアッセイを含む。
【0162】
いくつかの実施形態において、対象がGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有しない場合、対象は、肝疾患を発症する増加したリスクを有する。いくつかの実施形態において、対象がGPAMで予測される機能喪失ポリペプチドを有する場合、対象は、肝疾患を発症する低下したリスクを有する。
【0163】
本開示はまた、GPAMバリアントゲノム核酸分子、GPAMバリアントmRNA分子、及び/またはGPAMバリアントcDNA分子(本明細書に開示されるゲノムバリアント核酸分子、mRNAバリアント分子、及びcDNAバリアント分子のうちのいずれか等)にハイブリダイズする単離された核酸分子を提供する。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号2に従う3,195位、配列番号9に従う327位、または配列番号21に従う327位に対応する位置を含むGPAM核酸分子の一部分にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号10に従う291位、または配列番号22に従う291位に対応する位置を含むGPAM核酸分子の一部分にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号11に従う323位、または配列番号23に従う323位に対応する位置を含むGPAM核酸分子の一部分にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号12に従う326位、または配列番号24に従う326位に対応する位置を含むGPAM核酸分子の一部分にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号13に従う305位、または配列番号25に従う305位に対応する位置を含むGPAM核酸分子の一部分にハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号14に従う170位、または配列番号26に従う170位に対応する位置を含むGPAM核酸分子の一部分にハイブリダイズする。
【0164】
いくつかの実施形態において、そのような単離された核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約3000、少なくとも約4000、もしくは少なくとも約5000ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、そのような単離された核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、もしくは少なくとも約25ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、少なくとも約18ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、約15ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、約10~約35、約10~約30、約10~約25、約12~約30、約12~約28、約12~約24、約15~約30、約15~約25、約18~約30、約18~約25、約18~約24、または約18~約22ヌクレオチドからなるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、約18~約30のヌクレオチドからなるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、約15~約35ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。
【0165】
いくつかの実施形態において、そのような単離された核酸分子は、ストリンジェントな条件下でGPAMバリアント核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子及び/またはcDNA分子)にハイブリダイズする。そのような核酸分子は、例えば、本明細書に記載されているまたは例示されているようなプローブ、プライマー、変異特異的プローブ、または変異特異的プライマーとして使用することができ、プライマー、プローブ、アンチセンスRNA、shRNA、及びsiRNAを含むが、これらに限定されず、それらの各々が本明細書の他の場所でさらに詳細に記載されており、本明細書に記載されている方法のうちのいずれかで使用することができる。
【0166】
いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、GPAMバリアントゲノム核酸分子、GPAMバリアントmRNA分子、及び/またはGPAMバリアントcDNA分子と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一である核酸分子の少なくとも約15個の連続ヌクレオチドにハイブリダイズする。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、約15~約100のヌクレオチド、もしくは約15~約35のヌクレオチドからなるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、約15~約100のヌクレオチドからなるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、単離された核酸分子は、約15~約35のヌクレオチドからなるか、またはそれを含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、単離された変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、少なくとも約15ヌクレオチドを含み、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、その部分は、配列番号2に従う3,195位もしくはその相補物、配列番号9に従う327位もしくはその相補物、または配列番号21に従う327位もしくはその相補物に対応する位置を含む。いくつかの実施形態において、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号2に従う3,195~3,197位もしくはその相補物、配列番号9に従う327~329位もしくはその相補物、及び/または配列番号21に従う327~329位もしくはその相補物に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0168】
いくつかの実施形態において、単離された変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、少なくとも約15ヌクレオチドを含み、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、その部分は、配列番号10に従う291位もしくはその相補物、または配列番号22に従う291位もしくはその相補物に対応する位置を含む。いくつかの実施形態において、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号10に従う291~293位もしくはその相補物、及び/または配列番号22に従う291~293位もしくはその相補物に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0169】
いくつかの実施形態において、単離された変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、少なくとも約15ヌクレオチドを含み、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、その部分は、配列番号11に従う323位もしくはその相補物、または配列番号23に従う323位もしくはその相補物に対応する位置を含む。いくつかの実施形態において、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号11に従う323~325位もしくはその相補物、及び/または配列番号23に従う323~325位もしくはその相補物に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0170】
いくつかの実施形態において、単離された変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、少なくとも約15ヌクレオチドを含み、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、その部分は、配列番号12に従う326位もしくはその相補物、または配列番号24に従う326位もしくはその相補物に対応する位置を含む。いくつかの実施形態において、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号12に従う326~328位もしくはその相補物、及び/または配列番号24に従う326~328位もしくはその相補物に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0171】
いくつかの実施形態において、単離された変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、少なくとも約15ヌクレオチドを含み、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、その部分は、配列番号13に従う305位もしくはその相補物、または配列番号25に従う305位もしくはその相補物に対応する位置を含む。いくつかの実施形態において、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号13に従う305~307位もしくはその相補物、及び/または配列番号25に従う305~307位もしくはその相補物に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、単離された変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、少なくとも約15ヌクレオチドを含み、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、その部分は、配列番号14に従う170位もしくはその相補物、または配列番号26に従う170位もしくはその相補物に対応する位置を含む。いくつかの実施形態において、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、配列番号14に従う170~172位もしくはその相補物、及び/または配列番号26に従う170~172位もしくはその相補物に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーは、DNAを含む。いくつかの実施形態において、変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーは、RNAを含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載されるプローブ及びプライマー(変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーを包含する)は、本明細書に開示される核酸分子のうちのいずれか、またはその相補物へ特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態において、プローブ及びプライマーは、で本明細書において開示される核酸分子のうちの任意のものへストリンジェントな条件下特異的にハイブリダイズする。
【0175】
いくつかの実施形態において、プライマー(変異特異的プライマーを包含する)は、第二世代配列決定またはハイスループット配列決定において使用され得る。いくつかの実例において、プライマー(変異特異的プライマーを包含する)は、修飾され得る。特に、プライマーは、例えば超並列シグネチャ配列決定(Massive Parallel Signature Sequencing、MPSS)、ポロニー配列決定(Polony sequencing)、及び454パイロシーケンシング(Pyrosequencing)の異なるステップで使用される、様々な修飾を含み得る。修飾プライマーはプロセスの複数のステップで使用され得、クローニングステップにおけるビオチン化プライマー、ならびにビーズローディングステップ及び検出ステップで使用される蛍光標識プライマーが挙げられる。ポロニー配列決定は、一般的に、DNAテンプレートの各分子の長さが約135bpであるペアエンドタグライブラリを使用して実施される。ビオチン化プライマーは、ビーズ負荷ステップ及びエマルジョンPCRにおいて使用される。蛍光標識された縮重ノナマーオリゴヌクレオチドは、検出ステップで使用される。アダプターは、ストレプトアビジンコートビーズの上へのDNAライブラリの固定化のために、5’-ビオチンタグを含有し得る。
【0176】
本明細書に記載のプローブ及びプライマーは、本明細書において開示されるGPAMバリアントゲノム核酸分子、GPAMバリアントmRNA分子、及び/またはGPAMバリアントcDNA分子のうちのいずれかにおけるヌクレオチドバリエーションを検出するために使用され得る。本明細書に記載のプライマーは、GPAMバリアントゲノム核酸分子、GPAMバリアントmRNA分子、もしくはGPAMバリアントcDNA分子、またはその断片を増幅するために使用され得る。
【0177】
本開示はまた、上記のプライマーのうちのいずれかを含むプライマーの対を提供する。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号1に従う3,195位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照ゲノム核酸分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号2に従う3,195位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントゲノム核酸分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号2に従う3,195位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号3に従う327位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM mRNA分子内の配列番号9に従う327位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号9に従う327位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号15に従う327位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM cDNA分子内の配列番号21に従う327位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号21に従う327位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。
【0178】
例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号4に従う291位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM mRNA分子内の配列番号10に従う291位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号10に従う291位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号16に従う291位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM cDNA分子内の配列番号22に従う291位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号22に従う291位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。
【0179】
例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号5に従う323位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM mRNA分子内の配列番号11に従う323位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号11に従う323位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号17に従う323位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM cDNA分子内の配列番号23に従う323位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号23に従う323位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。
【0180】
例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号6に従う326位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM mRNA分子内の配列番号12に従う326位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号12に従う326位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号18に従う326位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM cDNA分子内の配列番号24に従う326位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号24に従う326位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。
【0181】
例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号7に従う305位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM mRNA分子内の配列番号13に従う305位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号13に従う305位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号19に従う305位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM cDNA分子内の配列番号25に従う305位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号25に従う305位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。
【0182】
例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号8に従う170位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM mRNA分子内の配列番号14に従う170位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号14に従う170位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。例えば、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM核酸分子内の配列番号20に従う170位に対応する位置で(グアニンではなく)アデニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAM参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’端のうちの1つが、特定のGPAM cDNA分子内の配列番号26に従う170位に対応する位置で(アデニンではなく)グアニンにハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在は、GPAMバリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態において、配列番号26に従う170位に対応する位置におけるグアニンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’端にあることができる。
【0183】
本開示の文脈において、「特異的にハイブリダイズする」とは、プローブまたはプライマー(例えば、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマー等)が、GPAM参照ゲノム核酸分子、GPAM参照mRNA分子、及び/またはGPAM参照cDNA分子をコードする核酸配列にハイブリダイズしないことを意味する。
【0184】
いくつかの実施形態において、プローブ(例えば変異特異的プローブ等)は、標識を含む。いくつかの実施形態において、標識は、蛍光標識、放射標識、またはビオチンである。
【0185】
本開示は、本明細書において開示されるプローブのうちのいずれか1つ以上が結合される基質を含む支持体も提供する。固体支持体は、分子(本明細書に開示されているプローブのうちのいずれか等)が会合できる固体状態の基質または支持体である。固体支持体の形態は、アレイである。固体支持体の別の形態は、アレイ検出器である。アレイ検出器は、複数の種類のプローブがアレイ状、グリッド状またはその他の組織化されたパターンでカップリングしてある固体支持体である。固体状態の基質の形態は、標準的な96ウェルタイプのようなマイクロタイターディッシュである。いくつかの実施形態において、通常1ウェル当たり1つのアレイを含有するマルチウェルスライドグラスを用いることができる。
【0186】
GPAM参照ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列は、配列番号1に示されている。配列番号1を参照すると、3,195位はアデニンである。
GPAMのバリアントゲノム核酸分子が存在し、3,195位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントゲノム核酸分子のヌクレオチド配列は、配列番号2に示されている。
【0187】
GPAM参照mRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号3に示されている。配列番号3を参照すると、327位はアデニンである。別のGPAM参照mRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号4に示されている。配列番号4を参照すると、291位はアデニンである。別のGPAM参照mRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号5に示されている。配列番号5を参照すると、323位はアデニンである。別のGPAM参照mRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号6に示されている。配列番号6を参照すると、326位はアデニンである。別のGPAM参照mRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号7に示されている。配列番号7を参照すると、305位はアデニンである。別のGPAM参照mRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号8に示されている。配列番号8を参照すると、170位はアデニンである。
【0188】
GPAMのバリアントmRNA分子が存在し、327位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントmRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号9に示されている。
【0189】
GPAMの別のバリアントmRNA分子が存在し、291位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントmRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号10に示されている。
【0190】
GPAMの別のバリアントmRNA分子が存在し、323位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントmRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号11に示されている。
【0191】
GPAMの別のバリアントmRNA分子が存在し、326位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントmRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号12に示されている。
【0192】
GPAMの別のバリアントmRNA分子が存在し、305位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントmRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号13に示されている。
【0193】
GPAMの別のバリアントmRNA分子が存在し、170位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントmRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号14に示されている。
【0194】
GPAM参照cDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号15に示されている。配列番号15を参照すると、327位はアデニンである。別のGPAM参照cDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号16に示されている。配列番号16を参照すると、291位はアデニンである。別のGPAM参照cDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号17に示されている。配列番号17を参照すると、323位はアデニンである。別のGPAM参照cDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号18に示されている。配列番号18を参照すると、326位はアデニンである。別のGPAM参照cDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号19に示されている。配列番号19を参照すると、305位はアデニンである。別のGPAM参照cDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号20に示されている。配列番号20を参照すると、170位はアデニンである。
【0195】
GPAMのバリアントcDNA分子が存在し、327位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントcDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号21に示されている。
【0196】
GPAMの別のバリアントcDNA分子が存在し、291位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントcDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号22に示されている。
【0197】
GPAMの別のバリアントcDNA分子が存在し、323位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントcDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号23に示されている。
【0198】
GPAMの別のバリアントcDNA分子が存在し、326位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントcDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号24に示されている。
【0199】
GPAMの別のバリアントcDNA分子が存在し、305位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントcDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号25に示されている。
【0200】
GPAMの別のバリアントcDNA分子が存在し、170位のアデニンがグアニンと置き換えられる。このGPAMバリアントcDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号26に示されている。
【0201】
ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、任意の生物由来であり得る。例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、ヒト、または別の生物(例えば、非ヒト哺乳動物、げっ歯類、マウス、もしくはラット)からのオーソログであり得る。集団内の遺伝子配列は、一塩基多型のような多型に起因して異なり得ることが理解される。本明細書で提供される実施例は、単なる例示的な配列である。他の配列もまた可能である。
【0202】
本明細書では、開示された核酸分子と相互作用することができる機能的ポリヌクレオチドも提供される。機能的ポリヌクレオチドの例としては、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、三本鎖形成分子、及び外部ガイド配列が含まれるが、これらに限定されない。機能的ポリヌクレオチドは、標的分子が有する特定の活性のエフェクター、阻害剤、調節剤、及び刺激剤として機能することができ、または機能的ポリヌクレオチドは、任意の他の分子から独立した新規活性を有することができる。
【0203】
本明細書に開示される単離された核酸分子は、RNA、DNA、またはRNA及びDNAの両方を含み得る。単離された核酸分子を、ベクターまたは異種標識等の異種核酸配列に連結または融合することもできる。例えば、本明細書に開示される単離された核酸分子は、ベクター内部にあるか、または単離された核酸分子と異種核酸配列とを含む外因性ドナー配列であり得る。単離された核酸分子は、異種標識へ連結または融合もされ得る。標識は、直接検出可能である(例えば、フルオロフォア等)か、または間接的に検出可能である(例えば、ハプテン、酵素、またはフルオロフォアクエンチャー等)。そのような標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段により検出可能であり得る。かかる標識としては、例えば放射性同位体標識、色素、染料、クロモゲン、スピン標識、及び蛍光標識が挙げられる。標識はまた、例えば、化学発光物質、金属含有物質、またはシグナルの酵素依存性二次生成が生じる酵素であり得る。「標識」という用語はまた、コンジュゲートされた分子が、基質とともに続いて添加されたときに、検出可能なシグナルを生成するために使用されるように、コンジュゲートされた分子に選択的に結合することができる「タグ」またはハプテンを指し得る。例えば、ビオチンは、タグに結合するための西洋ワサビペルオキシデート(horseradish peroxidate、HRP)のアビジンまたはストレプトアビジンコンジュゲートとともにタグとして使用することができ、HRPの存在を検出するために、熱量測定基質(例えば、テトラメチルベンジジン(tetramethylbenzidine、TMB)等)または蛍光発生基質を使用して検査することができる。精製を促進するためのタグとして使用することができる例示的な標識として、myc、HA、FLAGもしくは3×FLAG、6×Hisもしくはポリヒスチジン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、エピトープタグ、または免疫グロブリンのFc部分が挙げられるが、これらに限定されない。多数の標識としては、例えば粒子、フルオロフォア、ハプテン、酵素、及びそれらの比色基質、蛍光発生基質、及び化学発光基質、ならびに他の標識が挙げられる。
【0204】
開示される核酸分子は、例えばヌクレオチド、または非天然ヌクレオチドもしくは修飾ヌクレオチド(ヌクレオチド類似体またはヌクレオチド代替物等)を含み得る。このようなヌクレオチドとしては、改変された塩基、糖もしくはホスフェート基を含むか、またはその構造に非天然部分が導入されているヌクレオチドが挙げられる。非天然ヌクレオチドの例としては、ジデオキシヌクレオチド、ビオチン化ヌクレオチド、アミノ化ヌクレオチド、脱アミノ化ヌクレオチド、アルキル化ヌクレオチド、ベンジル化ヌクレオチド及びフルオロフォア標識ヌクレオチドが挙げられるが、これらに限らない。
【0205】
本明細書に開示された核酸分子は、1つ以上のヌクレオチド類似体またはヌクレオチド置換を含むこともできる。ヌクレオチド類似体は、塩基、糖、またはリン酸部分のいずれかへの修飾を含むヌクレオチドである。塩基部分への修飾として、A、C、G、及びT/Uの天然及び合成修飾、ならびに例えばプソイドウリジン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、及び2-アミノアデニン-9-イル等の異なるプリンまたはピリミジン塩基が挙げられるが、これらに限定されない。修飾塩基としては、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(偽ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ(例えば、5-ブロモ等)、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、及び3-デアザアデニンが含まれるがこれらに限定されない。
【0206】
ヌクレオチド類似体にはまた、糖部分の修飾も含まれ得る。糖部分への修飾には、リボース及びデオキシリボースの天然修飾、ならびに合成修飾が含まれるが、これらに限定されない。糖修飾としては、2’位での以下の修飾:OH;F;O-、S-、もしくはN-アルキル;O-、S-、もしくはN-アルケニル;O-、S-、もしくはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキル(式中、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは、置換または非置換のC1-10アルキルまたはC2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルであり得る)が挙げられるがこれらに限定されない。また、例示的な2’糖修飾としては、-O[(CHO]CH、-O(CHOCH、-O(CHNH、-O(CHCH、-O(CH-ONH、及び-O(CHON[(CHCH)](式中、n及びmは1~約10である)が挙げられるが、これらに限定されない。2’位での他の修飾としては、C1-10アルキル、置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールまたはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性の改善のための基、またはオリゴヌクレオチドの薬物動力学的特性の改善のための基、及び類似する特性を有する他の置換基が挙げられるが、これらに限定されない。糖の他の位置で、特に、3’末端ヌクレオチドまたは2’-5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位と、5’末端ヌクレオチドの5’位で同様の修飾が行われていてもよい。修飾された糖としては、架橋環酸素(CH及びS等)で修飾を含有するものも挙げられ得る。ヌクレオチド糖類似体は、ペントフラノシル糖の代わりに糖模倣体(シクロブチル部分等)も有し得る。
【0207】
ヌクレオチド類似体は、リン酸部分でも修飾され得る。修飾されたリン酸塩部分としては、2つのヌクレオチド間のリンケージが、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含むメチル及び他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホラミデート及びアミノアルキルホスホラミデートを含むホスホラミデート、チオノホスホラミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエート、ならびにボラノホスフェートを含むように修飾することができるものが挙げられるが、これらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこれらのリン酸リンケージまたは修飾されたリン酸リンケージは、3’-5’リンケージまたは2’-5’リンケージを介することができ、リンケージは逆向きの極性(3’-5’から5’-3’へまたは2’-5’から5’-2’へ等)を含有し得る。様々な塩、混合塩、及び遊離酸形態も含まれる。ヌクレオチド置換体には、ペプチド核酸(peptide nucleic acid、PNA)も含まれる。
【0208】
本開示はまた、本明細書に開示される核酸分子のうちのいずれか1つ以上を含むベクターを提供する。いくつかの実施形態において、本開示のベクターは、本明細書に開示される核酸分子のうちのいずれか1つ以上と、異種核酸と、を含む。ベクターは、核酸分子を輸送できるウイルスベクターまたは非ウイルスベクターであることができる。いくつかの実施形態において、ベクターは、プラスミドまたはコスミド(例えば追加のDNAセグメントがライゲーションされ得る環状二本鎖DNA等)である。いくつかの実施形態において、本開示のベクターは、ウイルスベクターであって、追加のDNAセグメントをそのウイルスゲノムにライゲーションできるウイルスベクターである。発現ベクターとしては、プラスミド、コスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、植物ウイルス(カリフラワーモザイクウイルス及びタバコモザイクウイルス等)、酵母人工染色体(YAC)、エプスタイン-バー(EBV)由来エピソーム、及び当該技術分野において既知の他の発現ベクターが挙げられるがこれらに限定されない。
【0209】
哺乳類宿主細胞発現のための所望の調節配列は、例えば、哺乳類細胞における高レベルのポリペプチド発現を指示するウイルス要素、例えば、レトロウイルスLTRに由来するプロモーター及び/またはエンハンサー、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)(例えば、CMVプロモーター/エンハンサー等)、シミアンウイルス40(SV40)(例えば、SV40プロモーター/エンハンサー等)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(adenovirus major late promoter、AdMLP)等)、ポリオーマ、ならびに天然免疫グロブリン及びアクチンプロモーター等の強力な哺乳類プロモーターを含むことができる。また、細菌細胞または真菌細胞(例えば、酵母細胞等)中でポリペプチドを発現させる方法も周知である。プロモーターは、例えば、構成的に活性なプロモーター、条件的プロモーター、誘導性プロモーター、時間的に制限されたプロモーター(例えば、発生学的に調節されたプロモーター等)、または空間的に制限されたプロモーター(例えば、細胞特異的もしくは組織特異的プロモーター等)であり得る。
【0210】
核酸分子内のヌクレオチド配列またはポリペプチド内のアミノ酸配列の特定のストレッチ間のパーセント同一性(またはパーセント相補性)は、BLASTプログラム(基本的な局所アラインメントサーチツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403-410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649-656)またはGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)を使用して、Smith and Watermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482-489)を使用するデフォルト設定を使用して、常套的に求めることができる。本明細書において、パーセント配列同一性について言及する場合、配列同一性の高いパーセンテージが低いものよりも好ましい。
【0211】
本開示はまた、本明細書に開示される単離された核酸分子、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはcDNA分子のうちのいずれか1つ以上を含む組成物も提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、薬学的組成物である。いくつかの実施形態において、組成物は、担体及び/または賦形剤を含む。担体の例としては、ポリ(乳酸)(poly(lactic acid)、PLA)マイクロスフィア、ポリ(D,L-乳酸-コグリコール酸)(poly(D,L-lactic-coglycolic-acid)、PLGA)マイクロスフィア、リポソーム、ミセル、逆ミセル、脂質コクリエート(cochleate)、及び脂質微小管が挙げられるが、これらに限らない。担体は、PBS、HBSS等のような緩衝化塩溶液を含んでよい。
【0212】
本明細書で使用される場合、「に対応する」という語句またはその文法的変形は、特定のヌクレオチドまたはヌクレオチドの配列または位置の番号付けの文脈で使用される場合、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列を参照配列(例えば、配列番号1、配列番号3、または配列番号15等)と比較したときの指定された参照配列の番号付けを指す。言い換えれば、特定のポリマーの残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の番号または残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の位置は、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列の範囲内でのその残基の実際の位置番号によってではなく、参照配列を基準として指定される。例えば、特定のヌクレオチド配列は、ギャップを導入して2つの配列間の残基の一致を最適化することによって参照配列へアラインメントさせることができる。これらの場合では、ギャップは存在するが、特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列における残基の番号付けは、それがアラインメントしている参照配列を基準として行われる。
【0213】
例えば、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンを含む、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子は、GPAMゲノム核酸分子のヌクレオチド配列が配列番号2の配列にアラインメントされている場合、GPAM配列が、配列番号2の3,195位に対応する位置にグアニン残基を有することを意味する。ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNA分子についても同様であり、当該ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンを含み、当該cDNA分子は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、当該ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンを含む。言い換えれば、これらの語句は、GPAMポリペプチドをコードする核酸分子を指し、ゲノム核酸分子は、配列番号2の3,195位のグアニン残基に相同であるグアニン残基を含むヌクレオチド配列を有する(または、mRNA分子は、配列番号9の327位のグアニン残基に相同であるグアニン残基を含むヌクレオチド配列を有する、またはcDNA分子は、配列番号21の327位のグアニン残基に相同であるグアニン残基を含むヌクレオチド配列を有する)。本明細書において、そのような配列は、ゲノム核酸分子に関して「Ile43Val変異を伴うGPAM配列」または「Ile43Valバリエーションを伴うGPAM配列」(またはmRNA分子に関して「A327G変異を伴うGPAM配列」または「A327Gバリエーションを伴うGPAM配列」、及びcDNA分子に関して「A327G変異を伴うGPAM配列」または「A327Gバリエーションを伴うGPAM配列」)とも称される。
【0214】
本明細書に記載されるように、例えば、配列番号2に従う3,195位に対応するGPAMゲノム核酸分子内の位置は、特定のGPAM核酸分子のヌクレオチド配列と配列番号2のヌクレオチド配列との間の配列アラインメントを実施することによって特定することができる。例えば、配列番号2の3,195位に対応するヌクレオチド位置を特定するための配列アラインメントを実施するために使用することができる様々な計算アルゴリズムが存在する。例えば、NCBI BLASTアルゴリズム(Altschul et al.,Nucleic Acids Res.,1997,25,3389-3402)またはCLUSTALWソフトウェア(Sievers and Higgins,Methods Mol.Biol.,2014,1079,105-116)の使用によって、配列アラインメントが実施され得る。しかしながら、配列は、手動でアラインメントすることもできる。
【0215】
GPAM参照ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号27に示されている。配列番号27を参照すると、GPAM参照ポリペプチドは、828アミノ酸長である。配列番号27を参照すると、43位はイソロイシンである。別のGPAM参照ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号28に示されている。配列番号28を参照すると、GPAM参照ポリペプチドは、710アミノ酸長である。配列番号28を参照すると、43位はイソロイシンである。
【0216】
GPAMバリアントポリペプチドが存在し、そのアミノ酸配列は配列番号29に記載されている。配列番号29を参照すると、GPAMバリアントポリペプチドは、828アミノ酸長である。配列番号29を参照すると、43位はバリンである。
【0217】
別のGPAMバリアントポリペプチドが存在し、そのアミノ酸配列は配列番号30に記載されている。配列番号30を参照すると、GPAMバリアントポリペプチドは、710アミノ酸長である。配列番号30を参照すると、43位はバリンである。
【0218】
添付の配列表中でリストされるヌクレオチド配列及びアミノ酸配列は、標準的な文字略称をヌクレオチド塩基について使用し、3文字コードをアミノ酸について使用して示される。ヌクレオチド配列では、配列の5’端から3’端の方に(すなわち、各配列において左から右に)進むという標準的なしきたりに従っている。各々のヌクレオチド配列の1つの鎖のみが示されるが、提示された鎖に対する任意の参照によって、相補鎖が包含されることが理解される。アミノ酸配列は、配列のアミノ末端での開始からカルボキシ末端の方に(すなわち、各配列において左から右に)進む標準的な慣例に従う。
【0219】
本開示はまた、対象における肝疾患の治療に使用するための(または肝疾患を治療するための医薬の調製に使用するための)肝疾患を治療または阻害する治療剤であって、対象は、本明細書に記載のヒトGPAMポリペプチドをコードするゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはcDNA分子のうちのいずれかを有する、治療剤を提供する。肝疾患を治療または阻害する治療剤は、本明細書に記載される肝疾患を治療または阻害する治療剤のうちのいずれかであり得る。
【0220】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、ゲノム核酸分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子;または配列番号29に従う43位に対応する位置にバリンを含むGPAMポリペプチドを含む。
【0221】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子;または配列番号30に従う43位に対応する位置にバリンを含むGPAMポリペプチドを含む。
【0222】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0223】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0224】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0225】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0226】
本開示はまた、対象における肝疾患の治療に使用するための(または肝疾患を治療するための医薬の調製に使用するための)GPAM阻害剤であって、対象は、本明細書に記載のヒトGPAMポリペプチドをコードするゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはcDNA分子のうちのいずれかを有する、GPAM阻害剤を提供する。GPAM阻害剤は、本明細書に記載のGPAM阻害剤のうちのいずれかであり得る。
【0227】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号2に従う3,195位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、ゲノム核酸分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号9に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号21に従う327位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子;または配列番号29に従う43位に対応する位置にバリンを含むGPAMポリペプチドを含む。GPAM阻害剤は、本明細書に記載のGPAM阻害剤のうちのいずれかであり得る。
【0228】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号10に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号22に従う291位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子;または配列番号30に従う43位に対応する位置にバリンを含むGPAMポリペプチドを含む。
【0229】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号11に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号23に従う323位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0230】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号12に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号24に従う326位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0231】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号13に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号25に従う305位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0232】
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号14に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、mRNA分子;またはヒトGPAMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列は、配列番号26に従う170位に対応する位置にグアニンもしくはその相補物を含む、cDNA分子を含む。
【0233】
上または下で引用されるすべての特許文書、ウェブサイト、他の出版物、アクセッション番号、及び同種のものは、あたかも各々の個別の項目が、参照によってそのように援用されることが具体的かつ個別に示されたかのように、同じ程度までそれらの全体がすべての目的のために参照によって援用される。異なるバージョンの配列が異なる時点でアクセッション番号に関連付けられている場合、本出願の有効出願日におけるアクセッション番号に関連付けられているバージョンを意味する。有効出願日とは、実際の出願日または優先出願の出願日のうちの早い方を意味し、該当する場合はアクセッション番号が参照される。同様に、異なるバージョンの刊行物、ウェブサイト等が異なる時点で公開される場合、特に明記しない限り、出願の有効出願日において最後に公開されたバージョンを意味する。本開示の任意の特色、ステップ、要素、実施形態、または態様は、別段具体的に指摘されない限り、他の特色、ステップ、要素、実施形態、または態様と組み合わせて使用され得る。本開示を、明確化及び理解を目的として、例示及び例としてある程度詳細に説明してきたが、特定の変更及び修正を添付の特許請求の範囲内で実施し得ることは明らかであろう。
【0234】
以下の実施例は、実施形態をより詳細に記載するために提供される。これらは、特許請求する実施形態を例示することを意図しており、限定することを意図していない。以下の実施例は、本明細書において記載される化合物、組成物、品物、デバイス及び/または方法が、どのように作製及び評価されるかについての開示及び記載を当業者を提供するものであり、純粋に例示的であることが意図され、任意の特許請求の範囲を限定することは意図されない。数値(例えば量、温度等等)に関して正確性を確実にする取り組みがなされているが、ある程度の誤差及び偏差が考慮され得る。別段に示されていない限り、部は、重量部であり、温度は、℃または周囲温度であり、圧力は、大気圧または大気圧近傍である。
【実施例
【0235】
実施例1:ミトコンドリアグリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAM)をコードする遺伝子の機能喪失は、低肝脂肪、低ALT、及び肝疾患に対する保護に関連している
慢性肝疾患に寄与する遺伝的因子を特定するために、帰属遺伝子型データ、エクソーム配列データ、及び磁気共鳴画像診断(magnetic resonance imaging、MRI)由来の表現型を、UK Biobankコホート(UKB)の40,058人の参加者について分析した。その後、広く使用されている肝障害の尺度であるALTによって測定される肝損傷との関係について、統計的に有意な所見を評価した。代謝表現型、慢性肝疾患の診断、2型糖尿病、及び冠動脈疾患との関連も推定した。この分析には、UK Biobankコホート(UKB)、Geisinger Health System MyCode Community Health Initiativeコホート研究(GHS)、及びMount SinaiのBioMe Personalized Medicine Cohort(SINAI)におけるヨーロッパ系の597,856人の参加者が含まれた。
【0236】
MRI由来表現型のゲノムワイド分析研究(Genome wide analysis study、GWAS)を、UKBに参加する11,914,698人のバリアント及び37,250人のヨーロッパ系個体の帰属データセットを使用して実行した。アウトカム表現型には、プロトン密度脂肪画分(proton density fat fraction、PDFF)、肝脂肪含有量の尺度、細胞外液画分(extracellular fluid fraction、ECF)、肝線維症及び炎症のプロキシ、ならびに鉄補正T1測定値(corrected T1、cT1)が含まれた。PDFFは、脂肪(トリグリセリド)由来の移動性プロトンの密度と移動性トリグリセリド及び移動性水由来のプロトンの全密度の比率として定義され、組織内の脂肪の濃度を反映する。ECF及びcT1は、炎症及び線維症に応答して生じる細胞外組織液の増加を測定する。
【0237】
PDFFのGWASは、統計的有意性のゲノムワイドレベルで19の関連を特定した(p<5×10-8)。1つの遺伝子座は、rs2792751(T→C、代替対立遺伝子頻度:73%)を含み、コードされたGPAMタンパク質(Ile43Val)の43番目のアミノ酸でイソロイシンをバリンに変化させる共通のミスセンスバリエーションをコードする。Ile43Valは、ヨーロッパ集団におけるGPAM遺伝子座におけるPDFFについて、センチネル遺伝的バリアント(すなわち、関連について最も低いp値を有するバリアント)とほぼ完全な連鎖不均衡(r=0.99)にあった。Ile43Valは、表2に示すように、P<6.9×10-16で低いPDFFレベルと有意に関連していた。
【0238】
【表2】
【0239】
エクソーム配列データを使用して、肝臓MRIでPDFFによって測定したときの、GPAM遺伝子における希少な(AAF<1%)予測機能喪失(pLOF)バリアントの負荷と肝脂肪との関連を推定した。この分析では、GPAMにおけるpLOFバリアントは、表2に示されるように、p=0.024でより低いPDFFレベルと関連付けられた。
【0240】
次に、肝障害のバイオマーカーであるALTに関連する遺伝子を特定するために、遺伝子関連研究のメタ分析を実行した。GPAM遺伝子座におけるIle43Valバリアントは、表3に示すように、P<4.20×10-54におけるより低いALTレベルと関連し、この遺伝子座におけるセンチネルバリアントと完全な連鎖不均衡(r2>0.99)にあることが判明した。
【0241】
【表3】
【0242】
エクソーム配列データを使用して、GPAM遺伝子における希少な(AAF<1%)予測機能喪失(pLOF)バリアントの負荷とALTとの関連を推定した。この分析において、GPAMにおけるpLOFバリアントは、表3に示されるように、p=2.5×10-06での循環ALTレベルの低下と強く関連付けられた。Ile43Valの表2及び表3に記載される関連のパターンならびにGPAM pLOF負荷は、Ile43ValがGPAMの機能喪失を引き起こす可能性が高いことを示す。
【0243】
表4は、Ile43Valが、UKBにおけるMRIで測定される肝炎症の尺度の減少に関連することを示す。これらの結果は、表2及び表3の結果とともに、GPAMの機能喪失がより低い肝炎症と関連することを示す。GPAM pLOFバリアントのキャリアは、画像診断時に肝炎症の数値的により低いレベルを有したが、検定力は、Ile43Val及びGPAM pLOFバリアントの低頻度について観察された効果に基づいてGPAM pLOF負荷と肝炎症との間の有意な関連を検出するために限定されている。
【0244】
【表4】
【0245】
表5及び表6は、Ile43Valと、より低いHbA1c、より低いアポリポタンパク質B、より低いLDL-C、より低いウエストヒップ比(BMI調整、WHRadjBMI)、より低い血圧、より高いボディマス指数(body mass index、BMI)、及びより高いトリグリセリドを含む複数の心臓代謝表現型との関連を示す。このバリアントは、2型糖尿病または冠動脈疾患のリスクと関連していなかった。
【0246】
【表5】
【0247】
【表6】
【0248】
表7は、GPAM中のIle43Valが、肝実質性疾患、アルコール性、非アルコール性肝疾患、肝臓線維症、肝硬変、及びウイルス性肝炎を含む肝疾患診断に対する保護とも強力に関連していることを示す。これらの結果は、表2及び表3の結果とともに、GPAMの機能喪失が様々な慢性肝疾患及びウイルス性肝炎から保護することを示す。
【0249】
【表7】
【0250】
機能喪失バリアントの負荷とPDFFまたはALTとの関連は、GPAMにおける複数のミスセンス及び機能喪失バリアントによって駆動された。表8は、関連で使用されたすべての個々のバリアントを含む。
【0251】
【表8-1】
【0252】
【表8-2】
【0253】
【表8-3】
【0254】
【表8-4】
【0255】
【表8-5】
【0256】
【表8-6】
【0257】
【表8-7】
【0258】
【表8-8】
【0259】
【表8-9】
【0260】
参加コホート:
遺伝的関連研究は、英国Biobank(UKB)コホート(Bycroft et al.,2018,doi:10.1038/s41586-018-0579-z;Van Hout et al.,2020,doi:10.1038/s41586-020-2853-0)、Geisinger Health System(GHS)のMyCode Community Health Initiativeコホート(Carey et al.,2016,doi:10.1038/gim.2015.187)及びMount Sinai’s BioMe Personalized Medicine Cohort(SINAI)(Gottesman et al.,2013,doi:10.1038/gim.2013.72)において実施した。
【0261】
UKBは、2006年~2010年に英国の22の検査センターを通じて募集した40歳~69歳の人々を対象とした集団ベースのコホート研究である。利用可能な全エクソーム配列決定及び表現型データを有するUKBからの合計430,998人のヨーロッパ系参加者を含めた。GHS MyCode研究は、2007年~2019年に募集したペンシルベニア州中部及び東部(米国)の患者の医療システムベースのコホートである。利用可能な全エクソーム配列決定及び表現型データを有するGHSからの合計136,239人のヨーロッパ系参加者を含めた。Mount SinaiのBioMe Personalized Medicine Cohort(SINAI)は、30,619人の個体を対象とした電子医療記録にリンクされた臨床ケアコホートである。これらの個体の祖先は多様であり、幅広い生物医学的形質を特徴としている。
【0262】
肝臓MRI表現型:
UKBに参加した40,058人の個体のサブセットは、肝臓磁気共鳴画像診断(MRI)の画像セッションを受けた(Littlejohns et al.,2020,doi:10.1038/s41467-020-15948-9)。肝臓MRIのために選ばれたUK Biobank参加者の大多数は2回の取得(1回は脂肪含有量を推定するため、もう1回は定量的T1マッピング配列のため)を受けた。前者については、約10,000人の対象をDixon勾配echoプロトコルの下で画像診断した;2016年に、脂肪画分の測定のための取得プロトコルをIDEALシーケンス(Echo Asymmetry及び最小二乗推定による水及び脂肪の反復分解)に更新した。この取得からのデータは、対象毎に一連の複素値の2D画像として提供される。平面内ピクセルサイズは2.5×2.5mmで、スライス厚は6mmである。後者のプロトコル「ShMOLLI」(Shortened Modified Look-Locker Inversion recovery)は、研究を通して一貫している。この取得のデータは、対象毎に1つの実値2D事前計算T1マップとして提供される。面内ピクセルサイズは1.15×1.15mm、スライス厚は8mmである。両方のMRIデータセットは、肝門を介することを意図して、対象毎に同じ2D断面で取得した。すべての画像を、Siemens MAGNETOM Aera 1.5T臨床MRIスキャナ上で取得した。
【0263】
PDFF、ECF、T1、及び補正T1の測定値は、肝臓MRI画像で肝臓をセグメント化した後に事前定義された数学モデルを適用することによって得られた(Hernando et al.,2012,doi:10.1002/mrm.23044;Wood et al.,2005,doi:10.1182/blood-2004-10-3982;Tunnicliffe et al.,2017,doi:10.1002/jmri.25392)。3つの異なる表現型は、2つの腹部MRIの取得に由来し、1つは脂肪含有量を推定するためのものであり、もう1つは定量的T1マッピング配列のためのものである:プロトン密度脂肪画分(PDFF)、及び細胞外液分画(ECF、肝線維症及び炎症のためのプロキシ)。PDFFは、総脂肪+水シグナルに対する脂肪シグナルの割合として推定した。ECFは、T1(ShMOLLI MRIから)及び肝臓鉄含有量(IDEAL MRIから)の関数としてECFを記述する非線形数値モデルのグリッド点を含むそれらの公開された表からの補間によって推定し、電界強度を補正した。
【0264】
肝臓に属する画素は、閾値化アプローチ、肝臓組織を特定するためのPDFFマップのLi閾値化、及びより大きな血管を除外するためのT1マップのOtsu閾値化を使用してセグメント化した。対象毎の各形質の要約測定値を得るために、肝臓内のすべてのピクセルをパラメトリックマップ毎に平均化した。
【0265】
すべての形質は、性別、年齢、年齢二乗、祖先の上位20個の主成分、年齢*性別、画像診断センター、画像診断プロトコルの共変量で形質を残差化することによって解明された。追加の共変量(ここでは「余分な」と称される)は、BMI、BMI、7つの二元アルコール変数(毎日、週に1~2回、週に3~4回、月に1~3回、特別な機会、以前、現在)、2つの二元体重増加変数(昨年の体重増加、昨年の体重減少)、及び5つの二元疾患変数(糖尿病、心臓発作、狭心症、脳卒中、高血圧)であった。
【0266】
表現型の定義
ALT、LDL-C、HDL-C、トリグリセリド、BMI、ウエスト、ヒップ、グルコース及びHb1Acの臨床検査測定値を、GHSからの参加者の電子健康記録(electronic health record、EHR)から抽出したか、またはUKB募集センターでの血液から測定した。GHSについては、2つ以上の測定値を有するすべての参加者について中央値を計算した。UKBでは、ALT、LDL-C、HDL-C、トリグリセリド及びグルコースを、研究のベースライン来院時にBeckman Coulter AU5800でのIFCC(国際臨床化学連盟)分析によって測定し、複数の測定の場合には平均した。Hb1Acを、Bio-Rad VARIANT II Turboを使用するHPLCによって測定した。遺伝的関連分析の前に、連続表現型値を逆標準正規関数によって変換し、各祖先群内に適用し、男性及び女性に別々に適用した。
【0267】
GHS、UKB及びSINAIでは、疾患アウトカムは、国際疾病分類、第9及び第10改訂(ICD-9及びICD-10)、ならびにEHRに格納されたReadコードに従って定義し、利用可能な場合には自己申告を使用した;これらのすべてを単一の変数に組み合わせて、個体を症例または対照に分類した。2型糖尿病患者は、前述のアルゴリズムを使用して特定した(Eastwood et al.,2016,doi:10.1371/journal.pone.0162388)。冠動脈疾患または肝疾患を有する個体を、EHR記録、自己申告及びALT測定値を組み合わせて、表9に記載のように特定した。
【0268】
【表9-1】
【0269】
【表9-2】
【0270】
遺伝子型データ:
高カバレッジ全エクソーム配列決定を、前述のように(Science,2016,354:aaf6814、及びNature,2020;586,749-756)実施し、以下にまとめた。NimbleGenプローブ(VCRome、GHSコホートの一部に対して)またはIntegrated DNA Technologiesから入手可能なxGen設計の改変版(IDT、GHSの残り及び他のコホートに対して)を、エクソームの標的配列捕捉に使用した。多重化エクソームの捕捉及び配列決定を容易にするために、ライブラリ調製中に独自の6塩基対(bp)バーコード(VCRome)または10bpバーコード(IDT)を各DNA断片に添加した。等量のサンプルを、エクソーム捕捉前にプールした。Illumina v4 HiSeq 2500機器で(GHSコホートの一部に対して)、またはNovaSeq機器で(GHSの残り及び他のコホートに対して)、75bpのペアエンドリードを使用して配列決定を実施した。配列決定は、VCRomeサンプルの96%において、標的塩基の85%にわたる20倍以上のカバレッジ、及びIDTサンプルの99%において、標的塩基の90%にわたる20倍のカバレッジを提供するのに十分なカバレッジ深さ(すなわち、ゲノムの標的領域内の各ヌクレオチドをカバーする配列リードの数)を有した。データ処理ステップは、Illuminaソフトウェアを使用したサンプル脱多重化、バイナリアラインメント及びマッピングファイル(BAM)の生成を含むGRCh38ヒトゲノム参照配列へのアラインメント、BAMファイルの処理(例えば、重複リードのマーキング及び他のリードマッピング評価)を含む。バリアント呼び出しは、GLNexusシステム(DOI:10.1101/343970)を使用して実施した。バリアントマッピング及びアノテーションは、snpEffソフトウェアを使用してGRCh38ヒトゲノム参照配列及びEnsembl v85遺伝子定義に基づいた。次いで、アノテーション付きの開始及び停止を伴うタンパク質コード転写産物を伴うsnpEff予測を、各遺伝子について最も有害な機能影響クラスを選択することによって単一の機能影響予測に組み合わせた。これらのアノテーションの階層(最も有害性が高いものから最も有害性が低いものまで)は、フレームシフト、ストップゲイン、ストップロス、スプライスアクセプター、スプライスドナー、ストップロス、フレーム内インデル、ミスセンス、その他のアノテーションであった。予測されるLOF遺伝的バリアントは、a)フレームシフトを生じさせる挿入または欠失、b)早期終止コドンの導入または転写開始部位もしくは停止部位の喪失を生じさせる、挿入、欠失、または単一ヌクレオチドバリアント、及びc)ドナーまたはアクセプタースプライス部位におけるバリアントを含んでいた。SIFT(Adzhubei et al.,Nat.Methods,2010,7,248-9)及びPolyphen2_HVAR(Adzhubei et al.,Nat.Methods,2010,7,248-9)、LRT(Chun et al.,Genome Res.,2009,19,1553-61)、及びMutationTaster(Schwarz et al.,Nat.Methods,2010,7,575-6)を使用して有害性を予測したインシリコ予測アルゴリズムの数に従って、ミスセンスバリアントを機能影響の可能性について分類した。各遺伝子について、各バリアントの代替対立遺伝子頻度(AAF)及び機能的アノテーションは、これらの7つの総負荷曝露への包含を決定した:1)AAF<1%を有するpLOFバリアント;2)AAF<1%を有する5/5アルゴリズムによって有害と予測されたpLOFまたはミスセンスバリアント;3)AAF<0.1%を有する5/5アルゴリズムによって有害と予測されたpLOFまたはミスセンスバリアント;4)AAF<1%を有する少なくとも1/5アルゴリズムによって有害と予測されたpLOFまたはミスセンスバリアント;5)AAF<0.1%を有する少なくとも1/5アルゴリズムによって有害と予測されたpLOFまたはミスセンスバリアント;6)AAF<1%を有するpLOFまたは任意のミスセンス;7)AAF<0.1%を有するpLOFまたは任意のミスセンスバリアント。
【0271】
希少な機能喪失バリエーションの遺伝子負荷の関連分析:
所与の遺伝子における希少な予測機能喪失またはミスセンスバリアントの負荷と表現型との間の関連は、REGENIE v1.0(doi:「doi.org/10.1101/2020.06.19.162354」におけるワールドワイドウェブ)を使用してゲノム血縁マトリックスに近似する多遺伝子スコアのために調整された線形(量的形質の場合)またはファースバイアス補正ロジスティック(バイナリ形質の場合)回帰モデルを適合させることによって調べた。分析は、祖先によって層別化され、年齢、年齢、性別、性別毎年齢及び性別毎年齢の相互作用項、実験バッチ関連共変量、10個の一般的なバリアント由来の主成分、及び20個の希少なバリアント由来の主成分について調整した。各バリアント-表現型関連についてのコホートにわたる結果を、固定効果逆分散加重メタ分析を使用して組み合わせた。総負荷試験では、すべての個体は、(頻度及び機能アノテーションに基づいて上述したように)1つ以上の適格な希少なバリアントを有する場合はヘテロ接合体として標識され、ホモ接合体状態で任意の適格なバリアントを有する場合はホモ接合体として標識される。次いで、この「複合遺伝子型」を使用して、関連を試験する。
【0272】
一般的なバリアントのGWAS:
関連する一般的なバリアントは、Haplotype Reference Consortiumパネルを使用して帰属された1,200万を超える一般的~低頻度の遺伝的バリアントを含むゲノムワイド関連研究を実施することによって特定した。GHS研究では、Illumina Human Omni Express Exomeアレイ(OMNIセット)及びGlobal Screeningアレイ(GSAセット)で遺伝子型決定されたサンプルにおいて、帰属を別々に実施した。次いで、インプレーションされたバリアントからの投薬量データを2つのGHSセットにわたってマージして、関連分析のための組み合わせデータセットを取得した。ゲノムワイド関連分析は、REGENIEを使用して全ゲノム回帰モデルを適合させることによって、GHS及びUKBで別々に実施した(Mbatchou et al.,2020,doi:10.1101/2020.06.19.162354)。負荷試験について上述したように、各コホート分析は、祖先によって層別化され、年齢、年齢、性別、性別毎年齢及び性別毎年齢の相互作用項、実験バッチ関連共変量、ならびに10個の一般的なバリアント由来の主成分について調整した。次に、UKB及びGHS分析の結果を、逆分散加重メタ分析によって組み合わせて、発見コホートのヨーロッパサブセットにおけるゲノムワイドメタ分析を得た。
【0273】
本明細書に記載されるものに加えて、記載されている主題の様々な改変形態が、前述の説明から当業者には明らかとなろう。そのような修正はまた、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。本願で引用される各参考文献(学術誌記事、米国及び米国以外の特許、特許出願公報、国際特許出願公報、遺伝子バンクアクセッション番号等を含むが、これらに限定されない)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【配列表】
2024508824000001.app
【国際調査報告】