(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】電力転送コイルを備える外科用器具システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552063
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 IB2022051595
(87)【国際公開番号】W WO2022180543
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリーマー・パトリック・エル
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】コルビー・エドワード・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ウッドハウス・エミリー・アール
(72)【発明者】
【氏名】クラブ・ヘレン・エス
(72)【発明者】
【氏名】アクラム・イスマイル
(72)【発明者】
【氏名】ハニー・ウィリアム・エス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC02
4C160CC07
4C160CC09
4C160CC23
4C160CC40
(57)【要約】
ステープル留め器具と、外科用器具によって給電される複数の独立した回路を含むステープルカートリッジとを備える外科用システムが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者組織を治療するためのステープル留めアセンブリであって、
ステープル留め器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延びるシャフトと、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタと、
電源と、
前記電源と通信する電力回路であって、前記エンドエフェクタ内に電力コイルを備える、電力回路と、を備えるステープル留め器具と、
前記第1のジョーに設置可能なステープルカートリッジであって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体内に着脱可能に格納されているステープルと、
第1の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョー内に設置されているときに前記電力コイルによって給電され、前記ステープルカートリッジに関するデータを含む近距離無線通信タグを備える、第1の電子回路と、
第2の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記ジョー内に設置されているときに前記電力コイルによって給電され、前記ステープルカートリッジと前記第2のジョーとの中間に位置付けられた患者組織のパラメータを監視するように構成されている、第2の電子回路と、を備える、ステープルカートリッジと、を備えるステープル留めアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のジョーが、前記第2のジョーに対して回転可能である、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項3】
前記第2のジョーが、前記第1のジョーに対して回転可能である、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の電子回路が、別個のデータ送信機を備える、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の電子回路が、メモリ回路と、前記メモリ回路に記憶されたデータを断続的に放出するように構成されているデータ伝送回路と、を備える、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項6】
前記ステープル留め器具が、前記第1の電子回路と通信するように構成されている第1のアンテナ回路を備え、前記第1のアンテナ回路が、問い合わせ信号を前記第1の電子回路に供給するように動作可能であり、前記第1の電子回路が、前記問い合わせ信号の受信に応答して前記データを放出するように構成されている、請求項5に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項7】
前記第2の電子回路が、データを連続的に放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項8】
前記第2の電子回路が、前記ステープル留め器具からのプロンプトなしにデータを放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の電子回路が、第1の割合の電力を引き込むように構成されている第1の複数の構成要素を備え、前記第2の電子回路が、第2の割合の電力を引き込むための第2の複数の構成要素を備え、前記第1の割合の電力と前記第2の割合の電力とが異なる、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備えていない、請求項9に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備えていない、請求項9に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングが、ハンドルを備える、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジングが、ロボット外科用器具に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項14】
患者組織を治療するためのステープル留めアセンブリであって、
ステープル留め器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延びるシャフトと、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタと、
電源と、
前記電源と通信する電力回路であって、電力コイルシステムを備える、電力回路と、を備えるステープル留め器具と、
前記第1のジョーに設置可能なステープルカートリッジであって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体内に着脱可能に格納されているステープルと、
第1の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに前記電力コイルシステムによって給電される、第1の電子回路と
第2の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記ジョーに設置されているときに前記電力コイルシステムによって給電される、第2の電子回路と、を備えるステープルカートリッジと、を備えるステープル留めアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の電子回路が、前記ステープルカートリッジに関する少なくとも1つのデータを含む近距離無線通信タグを備え、前記第2の電子回路が、前記ステープルカートリッジと前記第2のジョーとの中間に位置付けられた患者組織のパラメータを監視するように構成されている、請求項14に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の電子回路が、別個のデータ送信機を備える、請求項14に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の電子回路が、メモリ回路と、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに前記メモリ回路に記憶されたデータを断続的に放出するように構成されているデータ伝送回路とを備える、請求項14に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項18】
前記ステープル留め器具が、前記第1の電子回路と通信するように構成されている第1のアンテナ回路を備え、前記第1のアンテナ回路が、問い合わせ信号を前記第1の電子回路に供給するように動作可能であり、前記第1の電子回路が、前記問い合わせ信号の受信に応答して前記データを放出するように構成されている、請求項17に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項19】
前記第2の電子回路が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョー内に設置されているときにデータを連続的に放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、請求項14に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項20】
前記第2の電子回路が、前記ステープル留め器具からのプロンプトなしにデータを放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、請求項14に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項21】
前記第1の電子回路が、第1の割合の電力を引き込むように構成されている第1の複数の構成要素を備え、前記第2の電子回路が、第2の割合の電力を引き込むように構成されている第2の複数の構成要素を備え、前記第1の割合の電力と前記第2の割合の電力とが異なる、請求項14に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項22】
前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備えていない、請求項21に記載のステープル留めアセンブリ。
【請求項23】
前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備えていない、請求項21に記載のステープル留めアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、かつ様々な装置において、組織をステープル留めして切断するよう設計されている、外科用ステープル留め器具及び切断器具、並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の発明を実施するためによって理解することができる。
【
図1】少なくとも1つの実施形態による外科用器具の斜視図である。
【
図2】ロボット外科用システムのコントローラの斜視図である。
【
図3】各々がその上に外科用器具を動作可能に支持する複数のロボット外科用アームを備える、
図2のロボット外科用システムの斜視図である。
【
図4】
図3に示すロボット外科用アームの側面図である。
【
図5】少なくとも1つの実施形態による、ステープルカートリッジの斜視図である。
【
図5A】
図5のステープルカートリッジの分解図である。
【
図5B】
図5のステープルカートリッジの遠位端の斜視図である。
【
図5C】
図5のステープルカートリッジの遠位端の立面図である。
【
図6】少なくとも1つの実施形態による、外科用器具とステープルカートリッジとの間の通信システムの概略図である。
【
図7】少なくとも1つの実施形態による、外科用器具とステープルカートリッジとの間の通信システムの概略図である。
【
図8】少なくとも1つの実施形態による、外科用器具とステープルカートリッジの間の通信システムの概略図である。
【
図8B】いくつかの構成要素を取り除いて示した、
図8の外科用器具の部分斜視図である。
【
図8C】ステープルカートリッジを取り除いて示した、
図8の外科用器具のカートリッジジョーの部分斜視図である。
【
図8D】閉鎖又はクランプ構成で示された
図8の外科用器具の部分斜視図である。
【
図9】少なくとも1つの実施形態による、外科用器具とステープルカートリッジとの間の通信システムの概略図である。
【
図10】少なくとも1つの実施形態による、外科用器具とステープルカートリッジの間の通信システムの概略図である。
【
図11】少なくとも1つの実施形態による、カートリッジジョーに位置付けられたステープルカートリッジの斜視図である。
【
図11B】カートリッジジョーから取り外された
図11のステープルカートリッジの斜視図である。
【
図12】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの斜視図である。
【
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための制御プログラム又は論理構成を図示するアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用システムの様々な機構を示す簡略な概略図である。
【
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの様々な機構を示す簡略な概略図である。
【
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、センサアレイのサンプリング速度(S)と、帯域幅容量(B)、放電速度(D)、及び残存容量(R)の対応する値との間の相関を示す表である。
【
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、無線電力及び/又はデータ信号伝送における信号干渉を監視し対処するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、無線電力伝送における転送効率のための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具1022とステープルカートリッジとの間の電力転送のための無線伝送システムの第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路の実装形態を示す図である。
【
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、調整可能な直列RLC(抵抗、インダクタ、コンデンサ)回路を示す。
【
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、調整可能な並列RLC回路を示す。
【
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、調整可能な直列RLC回路1130の共振状態を示すグラフである。
【
図25】本開示の少なくとも一態様による、ステープルカートリッジによって節電を向上させる、又は電力消費を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図26】本開示の少なくとも一態様による、伝送システム1045にわたる電力及び/又はデータ信号の無線伝送を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1150の論理フロー図である。
【
図27】本開示の少なくとも一態様による、外科用器具のセンサアレイを較正するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図28】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の制御パラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図29】本開示の少なくとも1つの態様による、間に組織がないエンドエフェクタの閉構成における、停止部材によって分離されたステープルカートリッジとアンビルとを含むエンドエフェクタの部分断面図である。
【
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の制御パラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、センサアレイのセンサパラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、センサアレイのセンサパラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズムの論理フロー図である。
【
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの上面概略図である。
【
図34】本開示の少なくとも1つの態様による、カートリッジと器具ハウジング内に位置する制御回路との間で電力及びデータを転送するために、コイルのセットを通じて制御回路に結合される複数のセンサを備えるカートリッジを示す図である。
【
図35】本開示の少なくとも1つの態様による、変位部材の遠位並進を制御するように構成又はプログラムされた外科用器具のブロック図を示す。
【
図36】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め及び切断用器具のエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図37】本開示の少なくとも1つの態様による例示的な組織圧縮センサシステムを示す。
【
図38A】本開示の少なくとも1つの態様による、一対の離間された接触プレートと組織との接触時の回路の完成を示す、組織接触回路の概略図である。
【
図38B】本開示の少なくとも1つの態様による、一対の離間された接触プレートと組織との接触時の回路の完成を示す、組織接触回路の概略図である。
【
図39】本開示の少なくとも1つの態様による、センサ監視及び処理回路を備える外科用器具の概略図である。
【
図40】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルと、センサアレイを含むステープルカートリッジとを備えるエンドエフェクタの一部分の概略図である。
【
図41】本開示の少なくとも1つの態様による、複数の独立してアドレス指定可能なセンサを備える、
図40のカートリッジの部分切欠図である。
【
図42】本開示の少なくとも1つの態様による複数のセンサの監視方法のフロー図を示す。
【
図43】本開示の少なくとも1つの態様による複数のセンサの監視方法のフロー図を示す。
【
図44】本開示の少なくとも1つの態様による複数のセンサの監視方法のフロー図を示す。
【
図45】本開示の少なくとも1つの態様による複数のセンサの監視方法のフロー図を示す。
【
図46】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のセンサアレイを備えるエンドエフェクタの分解図である。
【
図47】本開示の少なくとも1つの態様による、カートリッジ基部のパン又はリテーナ内に位置付けられた第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイの概略図であり、第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイは、電子回路に結合されて示される。
【
図48】本開示の1つ以上の態様による、導電性回路要素を含むアンビルのステープル形成ポケットの斜視図である。
【
図49】本開示の1つ以上の態様による、ステープル脚部の適切な形成中に導電性回路要素がステープル脚部によって切断された後の、
図48のステープル形成ポケットの斜視図を示す。
【
図50】本開示の少なくとも1つの態様による、第1のセンサアレイ及び第2のセンサアレイからの信号を監視及び処理するように構成されている電子回路を備える、遠位側センサプラグを示す。
【
図51】本開示の少なくとも1つの態様による、カートリッジ構成要素の運動状態を検出及び追跡するためにステープルカートリッジの内部システムを監視する方法である。
【0003】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本出願の出願人はまた、本出願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの個々の全体が参照により本明細書に組み込まれる:
-米国特許出願、発明の名称「METHOD OF POWERING AND COMMUNICATING WITH A STAPLE CARTRIDGE」、代理人整理番号END9295USNP1/200837-1M、
-米国特許出願、発明の名称「METHOD OF POWERING AND COMMUNICATING WITH A STAPLE CARTRIDGE」、代理人整理番号END9295USNP2/200837-2M、
-米国特許出願、発明の名称「ADJUSTABLE COMMUNICATION BASED ON AVAILABLE BANDWIDTH AND POWER CAPACITY」、代理人整理番号END9295USNP3/200837-3、
-米国特許出願、発明の名称「ADJUSTMENT TO TRANSFER PARAMETERS TO IMPROVE AVAILABLE POWER」、代理人整理番号END9295USNP4/200837-4、
-米国特許出願、発明の名称「MONITORING OF MANUFACTURING LIFE-CYCLE」、代理人整理番号END9295USNP5/200837-5、
-米国特許出願、発明の名称「MONITORING OF MULTIPLE SENSORS OVER TIME TO DETECT MOVING CHARACTERISTICS OF TISSUE」、代理人整理番号END9295USNP6/200837-6、
-米国特許出願、発明の名称「MONITORING OF INTERNAL SYSTEMS TO DETECT AND TRACK CARTRIDGE MOTION STATUS」、代理人整理番号END9295USNP7/200837-7、
-米国特許出願、発明の名称「DISTAL COMMUNICATION ARRAY TO TUNE FREQUENCY OF RF SYSTEMS」、代理人整理番号END9295USNP8/200837-8、
-米国特許出願、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A SENSOR ARRAY」、代理人整理番号END9295USNP9/200837-9、
-米国特許出願、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A SENSING ARRAY AND A TEMPERATURE CONTROL SYSTEM」、代理人整理番号END9295USNP10/200837-10、
-米国特許出願、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING AN INFORMATION ACCESS CONTROL SYSTEM」、代理人整理番号END9295USNP11/200837-11、
-米国特許出願、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A POWER MANAGEMENT CIRCUIT」、代理人整理番号END9295USNP12/200837-12、
-米国特許出願、発明の名称「STAPLING INSTRUMENT COMPRISING A SEPARATE POWER ANTENNA AND A DATA TRANSFER ANTENNA」、代理人整理番号END9295USNP13/200837-13、及び
-米国特許出願、発明の名称「STAPLING INSTRUMENT COMPRISING A SIGNAL ANTENNA」、代理人整理番号END9295USNP15/200837-15。
【0005】
本願の出願人はまた、2020年10月29日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第17/084,179号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A RELEASABLE CLOSURE DRIVE LOCK」、
-米国特許出願第17/084,190号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A STOWED CLOSURE ACTUATOR STOP」、
-米国特許出願第17/084,198号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN INDICATOR WHICH INDICATES THAT AN ARTICULATION DRIVE IS ACTUATABLE」、
-米国特許出願第17/084,205号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION INDICATOR」、
-米国特許出願第17/084,258号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」、
-米国特許出願第17/084,206号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、
-米国特許出願第17/084,215号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A JAW ALIGNMENT SYSTEM」、
-米国特許出願第17/084,229号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING SEALABLE INTERFACE」、
-米国特許出願第17/084,180号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A LIMITED TRAVEL SWITCH」、
-米国意匠特許出願第29/756,615号、発明の名称「SURGICAL STAPLING ASSEMBLY」、
-米国意匠特許出願第29/756,620号、発明の名称「SURGICAL STAPLING ASSEMBLY」、
-米国特許出願第17/084,188号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A STAGED VOLTAGE REGULATION START-UP SYSTEM」、
-米国特許出願第17/084,193号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR CONFIGURED TO SENSE WHETHER AN ARTICULATION DRIVE OF THE SURGICAL INSTRUMENT IS ACTUATABLE」。
【0006】
本願の出願人はまた、2020年4月11日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/846,303号、発明の名称「METHODS FOR STAPLING TISSUE USING A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345353号)。
-米国特許出願第16/846,304号、発明の名称「ARTICULATION ACTUATORS FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345354号)、
-米国特許出願第16/846,305号、発明の名称「ARTICULATION DIRECTIONAL LIGHTS ON A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345446号)、
-米国特許出願第16/846,307号、発明の名称「SHAFT ROTATION ACTUATOR ON A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/03453549号)、
-米国特許出願第16/846,308号、発明の名称「ARTICULATION CONTROL MAPPING FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345355号)、
-米国特許出願第16/846,309号、発明の名称「INTELLIGENT FIRING ASSOCIATED WITH A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345356号)、
-米国特許出願第16/846,310号、発明の名称「INTELLIGENT FIRING ASSOCIATED WITH A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345357号)、
-米国特許出願第16/846,311号、発明の名称「ROTATABLE JAW TIP FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345358号)、
-米国特許出願第16/846,312号、発明の名称「TISSUE STOP FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345359号)、
-米国特許出願第16/846,313号、発明の名称「ARTICULATION PIN FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0345360号)。
【0007】
2019年4月30日に出願された米国仮特許出願第62/840,715号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ADAPTIVE CONTROL SYSTEM」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
本願の出願人は、2019年2月21日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/281,658号、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298350号)、
米国特許出願第16/281,670号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A LOCKOUT KEY CONFIGURED TO LIFT A FIRING MEMBER」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298340号)、
-米国特許出願第16/281,675号、発明の名称「surgical staplers with arrangements for maintaining a firing member thereof in a locked configuration unless a compatible cartridge has been installed therein」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298354号)、
-米国特許出願第16/281,685号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING CO-OPERATING LOCKOUT FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298341号)、
-米国特許出願第16/281,693号、発明の名称「SURGICAL STAPLING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT AND AN EXTERIOR ACCESS ORIFICE TO PERMIT ARTIFICIAL UNLOCKING OF THE LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298342号)、
-米国特許出願第16/281,704号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH FEATURES FOR BLOCKING ADVANCEMENT OF A CAMMING ASSEMBLY OF AN INCOMPATIBLE CARTRIDGE INSTALLED THEREIN」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298356号)、
-米国特許出願第16/281,707号、発明の名称「STAPLING INSTRUMENT COMPRISING A DEACTIVATABLE LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298347号)、
-米国特許出願第16/281,741号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298357号)、
-米国特許出願第16/281,762号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH CARTRIDGE COMPATIBLE CLOSURE AND FIRING LOCKOUT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298343号)、
-米国特許出願第16/281,666号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298352号)、
-米国特許出願第16/281,672号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH ASYMMETRIC CLOSURE FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298353号)、
-米国特許出願第16/281,678号、発明の名称「ROTARY DRIVEN FIRING MEMBERS WITH DIFFERENT ANVIL AND CHANNEL ENGAGEMENT FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298355号)、及び
-米国特許出願第16/281,682号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH SEPARATE ROTARY DRIVEN CLOSURE AND FIRING SYSTEMS AND FIRING MEMBER THAT ENGAGES BOTH JAWS WHILE FIRING」(現在は、米国特許出願公開第2019/0298346号)。
【0009】
本願の出願人は、2019年2月19日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/807,310号、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/807,319号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED LOCKOUT SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/807,309号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」。
【0010】
本願の出願人は、2018年3月28日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/649,302号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH encrypted COMMUNICATION CAPABILITIES」、
-米国仮特許出願第62/649,294号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」、
-米国仮特許出願第62/649,300号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」、
-米国仮特許出願第62/649,309号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」、
-米国仮特許出願第62/649,310号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/649,291号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」、
-米国仮特許出願第62/649,296号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,333号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」、
-米国仮特許出願第62/649,327号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」、
-米国仮特許出願第62/649,315号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」、
-米国仮特許出願第62/649,313号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,320号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国仮特許出願第62/649,307号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、及び
-米国仮特許出願第62/649,323号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」。
【0011】
本願の出願人は、2018年3月30日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、この全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/650,887号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」。
【0012】
本願の出願人は、2018年12月4日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、この全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/209,423号、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0200981号)。
【0013】
本願の出願人は、2018年8月20日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/105,101号、発明の名称「METHOD FOR FAbricating SURGICAL STAPLER ANVILS」(現在は、米国特許出願公開第2020/0054323号)、
-米国特許出願第16/105,183号、発明の名称「REINFORCED DEFORMABLE ANVIL TIP FOR SURGICAL STAPLER ANVIL」(現在は、米国特許第10,912,559号)、
-米国特許出願第16/105,150号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS WITH STAPLE DIRECTING PROTRUSIONS AND TISSUE STABILITY FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2020/0054326号)、
-米国特許出願第16/105,098号、発明の名称「FABRICATING TECHNIQUES FOR SURGICAL STAPLER ANVILS」(現在は、米国特許出願公開第2020/0054322号)、
-米国特許出願第16/105,140号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS WITH TISSUE STOP FEATURES CONFIGURED TO AVOID TISSUE PINCH」(現在は、米国特許第10,779,821号)、
-米国特許出願第16/105,081号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2020/0054320号)、
-米国特許出願第16/105,094号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH PROGRESSIVE JAW CLOSURE ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2020/0054321号)、
-米国特許出願第16/105,097号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS TO CONVERT LINEAR DRIVE MOTIONS TO ROTARY DRIVE MOTIONS」現在は、米国特許出願公開第2020/0054328号)、
-米国特許出願第16/105,104号、発明の名称「POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING AND LOCKING ARRANGEMENTS FOR LINKING AN ARTICULATION DRIVE SYSTEM TO A FIRING DRIVE SYSTEM」(現在は、米国特許第10,842,492号)、
-米国特許出願第16/105,119号、発明の名称「ARTICULATABLE MOTOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH DEDICATED ARTICULATION MOTOR ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2020/0054330号)、
-米国特許出願第16/105,160号、発明の名称「SWITCHING ARRANGEMENTS FOR MOTOR POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,856,870号)、及び
-米国意匠特許出願第29/660,252号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS」。
【0014】
本願の出願人は、以下の米国特許出願及び米国特許を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/386,185号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES THEREOF」(現在は、米国特許第10,639,035号)、
-米国特許出願第15/386,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168649号)、
-米国特許出願第15/386,221号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS」(現在は、米国特許第10,835,247号)、
-米国特許出願第15/386,209号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND FIRING MEMBERS THEREOF」(現在は、米国特許第10,588,632号)、
-米国特許出願第15/386,198号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES」(現在は、米国特許第10,610,224号)、
-米国特許出願第15/386,240号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND ADAPTABLE FIRING MEMBERS THEREFOR」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168651号)、
-米国特許出願第15/385,939号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(現在は、米国特許第10,835,246号)、
-米国特許出願第15/385,941号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS FOR SHIFTING BETWEEN CLOSURE SYSTEMS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES AND ARTICULATION AND FIRING SYSTEMS」(現在は、米国特許第10,736,629号)、
-米国特許出願第15/385,943号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(現在は、米国特許第10,667,811号)、
-米国特許出願第15/385,950号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES」(現在は、米国特許第10,588,630号)、
-米国特許出願第15/385,945号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(現在は、米国特許第10,893,864号)、
-米国特許出願第15/385,946号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168633号)、
-米国特許出願第15/385,951号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH JAW OPENING FEATURES FOR INCREASING A JAW OPENING DISTANCE」(現在は、米国特許第10,568,626号)、
-米国特許出願第15/385,953号、発明の名称「METHODS OF STAPLING TISSUE」(現在は、米国特許第10,675,026号)、
-米国特許出願第15/385,954号、発明の名称「FIRING MEMBERS WITH NON-PARALLEL JAW ENGAGEMENT FEATURES FOR SURGICAL END EFFECTORS」(現在は、米国特許第10,624,635号)、
-米国特許出願第15/385,955号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH EXPANDABLE TISSUE STOP ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,813,638号)、
-米国特許出願第15/385,948号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168584号)、
-米国特許出願第15/385,956号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES」(現在は、米国特許第10,588,631号)、
-米国特許出願第15/385,958号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR PREVENTING FIRING SYSTEM ACTUATION UNLESS AN UNSPENT STAPLE CARTRIDGE IS PRESENT」(現在は、米国特許第10,639,034号)、
-米国特許出願第15/385,947号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(現在は、米国特許第10,568,625号)、
-米国特許出願第15/385,896号、発明の名称「METHOD FOR RESETTING A FUSE OF A SURGICAL INSTRUMENT SHAFT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168597号)、
-米国特許出願第15/385,898号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENT TO ACCOMMODATE DIFFERENT TYPES OF STAPLES」(現在は、米国特許第10,537,325号)、
-米国特許出願第15/385,899号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING IMPROVED JAW CONTROL」(現在は、米国特許第10,758,229号)、
-米国特許出願第15/385,901号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE AND STAPLE CARTRIDGE CHANNEL COMPRISING WINDOWS DEFINED THEREIN」(現在は、米国特許第10,667,809号)、
-米国特許出願第15/385,902号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CUTTING MEMBER」(現在は、米国特許第10,888,322号)。
-米国特許出願第15/385,904号、発明の名称「STAPLE FIRING MEMBER COMPRISING A MISSING CARTRIDGE AND/OR SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,881,401号)、
-米国特許出願第15/385,905号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,695,055号)、
-米国特許出願第15/385,907号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN END EFFECTOR LOCKOUT AND A FIRING ASSEMBLY LOCKOUT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168608号)、
-米国特許出願第15/385,908号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A FUSE」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168609号)、
-米国特許出願第15/385,909号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A MULTIPLE FAILED-STATE FUSE」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168610号)、
-米国特許出願第15/385,920号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,499,914号)、
-米国特許出願第15/385,913号、発明の名称「ANVIL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168614号)、
-米国特許出願第15/385,914号、発明の名称「METHOD OF DEFORMING STAPLES FROM TWO DIFFERENT TYPES OF STAPLE CARTRIDGES WITH THE SAME SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168615号)、
-米国特許出願第15/385,893号、発明の名称「BILATERALLY ASYMMETRIC STAPLE-FORMING POCKET PAIRS」(現在は、米国特許第10,682,138号)、
-米国特許出願第15/385,929号、発明の名称「CLOSURE MEMBERS WITH CAM SURFACE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」(現在は、米国特許第10,667,810号)、
-米国特許出願第15/385,911号、発明の名称「SURGICAL STAPLERS WITH INDEPENDENTLY ACTUATABLE CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(現在は、米国特許第10,448,950号)、
-米国特許出願第15/385,927号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SMART STAPLE CARTRIDGES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168625号)、
-米国特許出願第15/385,917号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES WITH DIFFERENT CLAMPING BREADTHS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168617号)、
-米国特許出願第15/385,900号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING PRIMARY SIDEWALLS AND POCKET SIDEWALLS」(現在は、米国特許第10,898,186号)、
-米国特許出願第15/385,931号、発明の名称「NO-CARTRIDGE AND SPENT CARTRIDGE LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168627号)、
-米国特許出願第15/385,915号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN ANGLE」(現在は、米国特許第10,779,823号)、
-米国特許出願第15/385,897号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING ZONED FORMING SURFACE GROOVES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168598号)、
-米国特許出願第15/385,922号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FAILURE RESPONSE MODES」(現在は、米国特許第10,426,471号)、
-米国特許出願第15/385,924号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH PRIMARY AND SAFETY PROCESSORS」(現在は、米国特許第10,758,230号)、
-米国特許出願第15/385,910号、発明の名称「ANVIL HAVING A KNIFE SLOT WIDTH」(現在は、米国特許第10,485,543号)、
-米国特許出願第15/385,903号、発明の名称「CLOSURE MEMBER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,617,414号)、
-米国特許出願第15/385,906号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN CONFIGURATIONS」(現在は、米国特許第10,856,868号)、
-米国特許出願第15/386,188号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH ASYMMETRICAL STAPLES」(現在は、米国特許第10,537,324号)、
-米国特許出願第15/386,192号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH TISSUE RETENTION AND GAP SETTING FEATURES」(現在は、米国特許第10,687,810号)、
-米国特許出願第15/386,206号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE WITH DEFORMABLE DRIVER RETENTION FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168586号)、
-米国特許出願第15/386,226号、発明の名称「DURABILITY FEATURES FOR END EFFECTORS AND FIRING ASSEMBLIES OF SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168648号)、
-米国特許出願第15/386,222号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS HAVING END EFFECTORS WITH POSITIVE OPENING FEATURES」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168647号)、
-米国特許出願第15/386,236号、発明の名称「CONNECTION PORTIONS FOR DEPOSABLE LOADING UNITS FOR SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168650号)、
-米国特許出願第15/385,887号、発明の名称「METHOD FOR ATTACHING A SHAFT ASSEMBLY TO A SURGICAL INSTRUMENT AND,ALTERNATIVELY,TO A SURGICAL ROBOT」(現在は、米国特許第10,835,245号)、
-米国特許出願第15/385,889号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A MANUALLY-OPERABLE RETRACTION SYSTEM FOR USE WITH A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168590号)、
-米国特許出願第15/385,890号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING SEPARATELY ACTUATABLE AND RETRACTABLE SYSTEMS」(現在は、米国特許第10,675,025号)、
-米国特許出願第15/385,891号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A CLUTCH CONFIGURED TO ADAPT THE OUTPUT OF A ROTARY FIRING MEMBER TO TWO DIFFERENT SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168592号)、
-米国特許出願第15/385,892号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A FIRING MEMBER ROTATABLE INTO AN ARTICULATION STATE TO ARTICULATE AN END EFFECTOR OF THE SURGICAL SYSTEM」(現在は、米国特許第10,918,385号)、
-米国特許出願第15/385,894号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,492,785号)、
-米国特許出願第15/385,895号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING FIRST AND SECOND ARTICULATION LOCKOUTS」(現在は、米国特許第10,542,982号)、
-米国特許出願第15/385,916号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168575号)、
-米国特許出願第15/385,918号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168618号)、
-米国特許出願第15/385,919号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168619号)、
-米国特許出願第15/385,921号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH MOVABLE CAMMING MEMBER CONFIGURED TO DISENGAGE FIRING MEMBER LOCKOUT FEATURES」(現在は、米国特許第10,687,809号)、
-米国特許出願第15/385,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168623号)、
-米国特許出願第15/385,925号、発明の名称「JAW ACTUATED LOCK ARRANGEMENTS FOR PREVENTING ADVANCEMENT OF A FIRING MEMBER IN A SURGICAL END EFFECTOR UNLESS AN UNFIRED CARTRIDGE IS INSTALLED IN THE END EFFECTOR」(現在は、米国特許第10,517,595号)、
-米国特許出願第15/385,926号、発明の名称「AXIALLY MOVABLE CLOSURE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR APPLYING CLOSURE MOTIONS TO JAWS OF SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168577号)、
-米国特許出願第15/385,928号、発明の名称「PROTECTIVE COVER ARRANGEMENTS FOR A JOINT INTERFACE BETWEEN A MOVABLE JAW AND ACTUATOR SHAFT OF A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168578号)、
-米国特許出願第15/385,930号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTOR WITH TWO SEPARATE COOPERATING OPENING FEATURES FOR OPENING AND CLOSING END EFFECTOR JAWS」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168579号)、
-米国特許出願第15/385,932号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTOR WITH ASYMMETRIC SHAFT ARRANGEMENT」(現在は、米国特許出願公開第2018/0168628号)、
-米国特許出願第15/385,933号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT WITH INDEPENDENT PIVOTABLE LINKAGE DISTAL OF AN ARTICULATION LOCK」(現在は、米国特許第10,603,036号)、
-米国特許出願第15/385,934号、発明の名称「ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR IN AN ARTICULATED POSITION IN RESPONSE TO ACTUATION OF A JAW CLOSURE SYSTEM」(現在は、米国特許第10,582,928号)、
-米国特許出願第15/385,935号、発明の名称「LATERALLY ACTUATABLE ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR OF A SURGICAL INSTRUMENT IN AN ARTICULATED CONFIGURATION」(現在は、米国特許第10,524,789号)、
-米国特許出願第15/385,936号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATION STROKE AMPLIFICATION FEATURES」(現在は、米国特許第10,517,596号)、
-米国特許出願第14/318,996号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGES INCLUDING EXTENSIONS HAVING DIFFERENT CONFIGURATIONS」(現在は、米国特許出願公開第2015/0297228号)、
-米国特許出願第14/319,006号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING FASTENER CAVITIES INCLUDING FASTENER CONTROL FEATURES」(現在は、米国特許第10,010,324号)、
-米国特許出願第14/318,991号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGES WITH DRIVER STABILIZING ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,833,241号)、
-米国特許出願第14/319,004号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH FIRING ELEMENT MONITORING ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,844,369号)、
-米国特許出願第14/319,008号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING NON-UNIFORM FASTENERS」(米国特許第10,299,792号)、
-米国特許出願第14/318,997号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING DEPLOYABLE TISSUE ENGAGING MEMBERS」(現在は、米国特許出願公開第10,561,422号)、
-米国特許出願第14/319,002号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING TISSUE CONTROL FEATURES」(現在は、米国特許第9,877,721号)、
-米国特許出願第14/319,013号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE ASSEMBLIES AND STAPLE RETAINER COVER ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2015/0297233号)、及び
-米国特許出願第14/319,016号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE INCLUDING A LAYER ATTACHED THERETO」(現在は、米国特許第10,470,768号)。
【0015】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/191,775号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」(現在は、米国特許出願公開第2017/0367695号)、
-米国特許出願第15/191,807号、発明の名称「STAPLING SYSTEM FOR USE WITH WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」(現在は、米国特許第10,702,270号)、
-米国特許出願第15/191,834号、発明の名称「STAMPED STAPLES AND STAPLE CARTRIDGES USING THE SAME」(現在は米国特許第10,542,979号)、
-米国特許出願第15/191,788号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OVERDRIVEN STAPLES」(現在は、米国特許第10,675,024号)、及び
-米国特許出願第15/191,818号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OFFSET LONGITUDINAL STAPLE ROWS」(現在は、米国特許第10,893,863号)。
【0016】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国意匠特許出願第29/569,218号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」(現在は、米国意匠特許第D826,405号)、
-米国意匠特許出願第29/569,227号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」(現在は、米国意匠特許第D822,206号)、
-米国意匠特許出願第29/569,259号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」(現在は、米国意匠特許第D847,989号)、
-米国意匠特許出願第29/569,264号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」(現在は、米国意匠特許第D850,617号)。
【0017】
本願の出願人は、2016年4月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/089,325号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A SURGICAL STAPLING SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2017/0281171号)、
-米国特許出願第15/089,321号、発明の名称「MODULAR SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY」(現在は、米国特許第10,271,851号)、
-米国特許出願第15/089,326号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY INCLUDING A RE-ORIENTABLE DISPLAY FIELD」、(現在は、米国特許第10,433,849号)、
-米国特許出願第15/089,263号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE ASSEMBLY WITH RECONFIGURABLE GRIP PORTION」(現在は、米国特許第10,307,159号)、
-米国特許出願第15/089,262号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUALLY ACTUATABLE BAILOUT SYSTEM」(現在は、米国特許第10,357,246号)、
-米国特許出願第15/089,277号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING END EFFECTOR WITH ANVIL CONCENTRIC DRIVE MEMBER」(現在は、米国特許第10,531,874号)、
-米国特許出願第15/089,296号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SURGICAL TOOL ASSEMBLY WITH A SURGICAL END EFFECTOR THAT IS SELECTIVELY ROTATABLE ABOUT A SHAFT AXIS」(現在は、米国特許第10,413,293号)、
-米国特許出願第15/089,258号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SHIFTABLE TRANSMISSION」(現在は、米国特許第10,342,543号)、
-米国特許出願第15/089,278号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO PROVIDE SELECTIVE CUTTING OF TISSUE」(現在は、米国特許第10,420,552号)、
-米国特許出願第15/089,284号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A CONTOURABLE SHAFT」(現在は、米国特許出願公開第2017/0281186号)、
-米国特許出願第15/089,295号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A TISSUE COMPRESSION LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,856,867号)、
-米国特許出願第15/089,300号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING AN UNCLAMPING LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,456,140号)、
-米国特許出願第15/089,196号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,568,632号)、
-米国特許出願第15/089,203号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW ATTACHMENT LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,542,991号)、
-米国特許出願第15/089,210号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(現在は、米国特許第10,478,190号)、
-米国特許出願第15/089,324号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」(現在は、米国特許第10,314,582号)。
-米国特許出願第15/089,335号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT COMPRISING MULTIPLE LOCKOUTS」(現在は、米国特許第10,485,542号)、
-米国特許出願第15/089,339号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」(現在は、米国特許出願公開第2017/0281173号)、
-米国特許出願第15/089,253号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO APPLY ANNULAR ROWS OF STAPLES HAVING DIFFERENT HEIGHTS」(現在は、米国特許第10,413,297号)、
-米国特許出願第15/089,304号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A GROOVED FORMING POCKET」(現在は、米国特許第10,285,705号)、
-米国特許出願第15/089,331号、発明の名称「ANVIL MODIFICATION MEMBERS FOR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許第10,376,263号)、
-米国特許出願第15/089,336号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES WITH ATRAUMATIC FEATURES」(現在は、米国特許第10,709,446号)、
-米国特許出願第15/089,312号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING AN INCISABLE TISSUE SUPPORT」(現在は、米国特許出願公開第2017/0281189号)、
-米国特許出願第15/089,309号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING ROTARY FIRING SYSTEM」(現在は、米国特許第10,675,021号)、及び
-米国特許出願第15/089,349号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING LOAD CONTROL」(現在は、米国特許第10,682,136号)。
【0018】
本願の出願人はまた、2015年12月30日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/984,488号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR BATTERY PACK FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,292,704号)、
-米国特許出願第14/984,525号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,368,865号)、
-米国特許出願第14/984,552号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARABLE MOTORS AND MOTOR CONTROL CIRCUITS」(現在は、米国特許第10,265,068号)。
【0019】
本願の出願人はまた、2016年2月9日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/019,220号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ARTICULATING AND AXIALLY TRANSLATABLE END EFFECTOR」(現在は、米国特許第10,245,029号)、
-米国特許出願第15/019,228号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE LINK ARTICULATION ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,433,837号)、
-米国特許出願第15/019,196号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ARTICULATION MECHANISM WITH SLOTTED SECONDARY CONSTRAINT」(現在は、米国特許第10,413,291号)、
-米国特許出願第15/019,206号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH AN END EFFECTOR THAT IS HIGHLY ARTICULATABLE RELATIVE TO AN ELONGATE SHAFT ASSEMBLY」(現在は、米国特許第10,653,413号)、
-米国特許出願第15/019,215号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH NON-SYMMETRICAL ARTICULATION ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0224332号)、
-米国特許出願第15/019,227号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH SINGLE ARTICULATION LINK ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0224334号)、
-米国特許出願第15/019,235号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH TENSIONING ARRANGEMENTS FOR CABLE DRIVEN ARTICULATION SYSTEMS」(現在は、米国特許第10,245,030号)、
-米国特許出願第15/019,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH OFF-AXIS FIRING BEAM ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,588,625号)、及び
-米国特許出願第15/019,245号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,470,764号)。
【0020】
本願の出願人はまた、2016年2月12日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/043,254号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,258,331号)、
-米国特許出願第15/043,259号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,448,948号)、
-米国特許出願第15/043,275号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0231627号)、及び
-米国特許出願第15/043,289号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2017/0231628号)。
【0021】
本願の出願人は、2015年6月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/742,925号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH POSITIVE JAW OPENING ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,182,818号)、
-米国特許出願第14/742,941号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH DUAL CAM ACTUATED JAW CLOSING FEATURES」(現在は、米国特許第10,052,102号)、
-米国特許出願第14/742,933号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR PREVENTING FIRING SYSTEM ACTUATION WHEN A CARTRIDGE IS SPENT OR MISSING」(現在は、米国特許第10,154,841号)、
-米国特許出願第14/742,914号、発明の名称「MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,405,863号)、
-米国特許出願第14/742,900号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH COMPOSITE FIRING BEAM STRUCTURES WITH CENTER FIRING SUPPORT MEMBER FOR ARTICULATION SUPPORT」(現在は、米国特許第10,335,149号)、
-米国特許出願第14/742,885号、発明の名称「DUAL ARTICULATION DRIVE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,368,861号)、及び
-米国特許出願第14/742,876号、発明の名称「PUSH/PULL ARTICULATION DRIVE SYSTEMS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,178,992号)。
【0022】
本願の出願人は、2015年3月6日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/640,746号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,808,246号)、
-米国特許出願第14/640,795号、発明の名称「MULTIPLE LEVEL THRESHOLDS TO MODIFY OPERATION OF POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,441,279号)、
-米国特許出願第14/640,832号、発明の名称「ADAPTIVE TISSUE COMPRESSION TECHNIQUES TO ADJUST CLOSURE RATES FOR MULTIPLE TISSUE TYPES」、(現在は、米国特許第10,687,806号)、
-米国特許出願第14/640,935号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY(RF)ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」(現在は、米国特許第10,548,504号)、
-米国特許出願第14/640,831号、発明の名称「MONITORING SPEED CONTROL AND PRECISION INCREMENTING OF MOTOR FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,895,148号)、
-米国特許出願第14/640,859号、発明の名称「TIME DEPENDENT EVALUATION OF SENSOR DATA TO DETERMINE STABILITY,CREEP,AND VISCOELASTIC ELEMENTS OF MEASURES」(現在は、米国特許第10,052,044号)、
-米国特許出願第14/640,817号、発明の名称「INTERACTIVE FEEDBACK SYSTEM FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,924,961号)、
-米国特許出願第14/640,844号、発明の名称「CONTROL TECHNIQUES AND SUB-PROCESSOR CONTAINED WITHIN MODULAR SHAFT WITH SELECT CONTROL PROCESSING FROM HANDLE」(現在は、米国特許第10,045,776号)、
-米国特許出願第14/640,837号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」(現在は、米国特許第9,993,248号)、
-米国特許出願第14/640,765号、発明の名称「SYSTEM FOR DETECTING THE MIS-INSERTION OF A STAPLE CARTRIDGE INTO A SURGICAL STAPLER」(現在は、米国特許第10,617,412号)、
-米国特許出願第14/640,799号、発明の名称「SIGNAL AND POWER COMMUNICATION SYSTEM POSITIONED ON A ROTATABLE SHAFT」(現在は、米国特許第9,901,342号)、及び
-米国特許出願第14/640,780号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A LOCKABLE BATTERY HOUSING」(現在は、米国特許第10,245,033号)。
【0023】
本願の出願人は、2015年2月27日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/633,576号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN INSPECTION STATION」(現在は、米国特許第10,045,779号)、
-米国特許出願第14/633,546号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO ASSESS WHETHER A PERFORMANCE PARAMETER OF THE SURGICAL APPARATUS IS WITHIN AN ACCEPTABLE PERFORMANCE BAND」(現在は、米国特許第10,180,463号)、
-米国特許出願第14/633,560号、発明の名称「SURGICAL CHARGING SYSTEM THAT CHARGES AND/OR CONDITIONS ONE OR MORE BATTERIES」(現在は、米国特許出願公開第2016/0249910号)、
-米国特許出願第14/633,566号、発明の名称「CHARGING SYSTEM THAT ENABLES EMERGENCY RESOLUTIONS FOR CHARGING A BATTERY」(現在は、米国特許第10,182,816号)、
-米国特許出願第14/633,555号、発明の名称「SYSTEM FOR MONITORING WHETHER A SURGICAL INSTRUMENT NEEDS TO BE SERVICED」(現在は、米国特許第10,321,907号)、
-米国特許出願第14/633,542号、発明の名称「REINFORCED BATTERY FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,931,118号)、
-米国特許出願第14/633,548号、発明の名称「POWER ADAPTER FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第10,245,028号)、
-米国特許出願第14/633,526号、発明の名称「ADAPTABLE SURGICAL INSTRUMENT HANDLE」(現在は、米国特許第9,993,258号)、
-米国特許出願第14/633,541号、発明の名称「MODULAR STAPLING ASSEMBLY」(現在は、米国特許第10,226,250号)、及び
-米国特許出願第14/633,562号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO TRACK AN END-OF-LIFE PARAMETER」(現在は、米国特許第10,159,483号)。
【0024】
本願の出願人は、2014年12月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/574,478号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING AN ARTICULATABLE END EFFECTOR AND MEANS FOR ADJUSTING THE FIRING STROKE OF A FIRING MEMBER」(現在は米国特許第9,844,374号)、
-米国特許出願第14/574,483号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING LOCKABLE SYSTEMS」(現在は、米国特許第10,188,385号)、
-米国特許出願第14/575,139号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,844,375号)、
-米国特許出願第14/575,148号、発明の名称「LOCKING ARRANGEMENTS FOR DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES WITH ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTORS」(現在は、米国特許第10,085,748号)、
-米国特許出願第14/575,130号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AN ANVIL THAT IS SELECTIVELY MOVABLE ABOUT A DISCRETE NON-MOVABLE AXIS RELATIVE TO A STAPLE CARTRIDGE」(現在は、米国特許第10,245,027号)、
-米国特許出願第14/575,143号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH IMPROVED CLOSURE ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第10,004,501号)、
-米国特許出願第14/575,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,943,309号)、
-米国特許出願第14/575,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND IMPROVED FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,968,355号)、
-米国特許出願第14/574,493号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A FLEXIBLE ARTICULATION SYSTEM」(現在は、米国特許第9,987,000号)、及び
-米国特許出願第14/574,500号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKABLE ARTICULATION SYSTEM」(現在は、米国特許第10,117,649号)。
【0025】
本願の出願人は、2013年3月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/782,295号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CONDUCTIVE PATHWAYS FOR SIGNAL COMMUNICATION」(現在は、米国特許第9,700,309号)、
-米国特許出願第13/782,323号、発明の名称「ROTARY POWERED ARTICULATION JOINTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,782,169号)、
-米国特許出願第13/782,338号、発明の名称「THUMBWHEEL SWITCH ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2014/0249557号)、
-米国特許出願第13/782,499号、発明の名称「ELECTROMECHANICAL SURGICAL DEVICE WITH SIGNAL RELAY ARRANGEMENT」(現在は、米国特許第9,358,003号)、
-米国特許出願第13/782,460号、発明の名称「MULTIPLE PROCESSOR MOTOR CONTROL FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,554,794号)、
-米国特許出願第13/782,358号、発明の名称「JOYSTICK SWITCH ASSEMBLIES FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,326,767号)、
-米国特許出願第13/782,481号、発明の名称「SENSOR STRAIGHTENED END EFFECTOR DURING REMOVAL THROUGH TROCAR」(現在は、米国特許第9,468,438号)、
-米国特許出願第13/782,518号、発明の名称「CONTROL METHODS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH REMOVABLE IMPLEMENT PORTIONS」(現在は、米国特許出願公開第2014/0246475号)、
-米国特許出願第13/782,375号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE DEGREES OF FREEDOM」(現在は、米国特許第9,398,911号)、及び
-米国特許出願第13/782,536号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SOFT STOP」(現在は、米国特許第9,307,986号)。
【0026】
本願の出願人はまた、2013年3月14日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/803,097号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」(現在は、米国特許第9,687,230号)、
-米国特許出願第13/803,193号、発明の名称「CONTROL ARRANGEMENTS FOR A DRIVE MEMBER OF A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,332,987号)、
-米国特許出願第13/803,053号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SHAFT ASSEMBLIES FOR USE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,883,860号)、
-米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」(現在は、米国特許出願公開第2014/0263541号)、
-米国特許出願第13/803,210号、発明の名称「SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,808,244号)、
-米国特許出願第13/803,148号、発明の名称「MULTI-FUNCTION MOTOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第10,470,762号)、
-米国特許出願第13/803,066号、発明の名称「DRIVE SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,629,623号)、
-米国特許出願第13/803,117号、発明の名称「ARTICULATION CONTROL SYSTEM FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,351,726号)、
-米国特許出願第13/803,130号、発明の名称「DRIVE TRAIN CONTROL ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,351,727号)、及び
-米国特許出願第13/803,159号、発明の名称「METHOD AND SYSTEM FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,888,919号)。
【0027】
本願の出願人はまた、2014年3月7日に出願された以下の特許出願を所有しており、この全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/200,111号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第9,629,629号)。
【0028】
本願の出願人はまた、2014年3月26日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/226,106号、発明の名称「POWER MANAGEMENT CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許出願公開第2015/0272582号)、
-米国特許出願第14/226,099号、発明の名称「STERILIZATION VERIFICATION CIRCUIT」(現在は、米国特許第9,826,977号)、
-米国特許出願第14/226,094号、発明の名称「VERIFICATION OF NUMBER OF BATTERY EXCHANGES/PROCEDURE COUNT」(現在は、米国特許出願公開第2015/0272580号)、
-米国特許出願第14/226,117号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SLEEP OPTIONS OF SEGMENTED CIRCUIT AND WAKE UP CONTROL」(現在は、米国特許第10,013,049号)、
-米国特許出願第14/226,075号、発明の名称「MODULAR POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES」(現在は、米国特許第9,743,929号)、
-米国特許出願第14/226,093号、発明の名称「FEEDBACK ALGORITHMS FOR MANUAL BAILOUT SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,028,761号)、
-米国特許出願第14/226,116号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING SENSOR ADAPTATION」(現在は、米国特許出願公開第2015/0272571号)、
-米国特許出願第14/226,071号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT CONTROL CIRCUIT HAVING A SAFETY PROCESSOR」(現在は、米国特許第9,690,362号)、
-米国特許出願第14/226,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING INTERACTIVE SYSTEMS」(現在は、米国特許第9,820,738号)、
-米国特許出願第14/226,126号、発明の名称「INTERFACE SYSTEMS FOR USE WITH SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許第10,004,497号)、
-米国特許出願第14/226,133号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2015/0272557号)、
-米国特許出願第14/226,081号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SEGMENTED CIRCUIT」(現在は、米国特許第9,804,618号)、
-米国特許出願第14/226,076号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」(現在は、米国特許第9,733,663号)、
-米国特許出願第14/226,111号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT SYSTEM」(現在は、米国特許第9,750,499号)、及び
-米国特許出願第14/226,125号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A ROTATABLE SHAFT」(現在は、米国特許第10,201,364号)。
【0029】
本願の出願人はまた、2014年9月5日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/479,103号、発明の名称「CIRCUITRY AND SENSORS FOR POWERED MEDICAL DEVICE」(現在は、米国特許第10,111,679号)、
-米国特許出願第14/479,119号、発明の名称「ADJUNCT WITH INTEGRATED SENSORS TO QUANTIFY TISSUE COMPRESSION」(現在は、米国特許第9,724,094号)、
-米国特許出願第14/478,908号、発明の名称「MONITORING DEVICE DEGRADATION BASED ON COMPONENT EVALUATION」(現在は、米国特許第9,737,301号)、
-米国特許出願第14/478,895号、発明の名称「MULTIPLE SENSORS WITH ONE SENSOR AFFECTING A SECOND SENSOR’S OUTPUT OR INTERPRETATION」(現在は、米国特許第9,757,128号)、
-米国特許出願第14/479,110号、発明の名称「POLARITY OF HALL MAGNET TO IDENTIFY CARTRIDGE TYPE」(現在は、米国特許第10,016,199号)、
-米国特許出願第14/479,098号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」(現在は、米国特許第10,135,242号)、
-米国特許出願第14/479,115号、発明の名称「MULTIPLE MOTOR CONTROL FOR POWERED MEDICAL DEVICE」(現在は、米国特許第9,788,836号)、及び
-米国特許出願第14/479,108号、発明の名称「LOCAL DISPLAY OF TISSUE PARAMETER STABILIZATION」(現在は、米国特許出願公開第2016/0066913号)。
【0030】
本願の出願人はまた、2014年4月9日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/248,590号、発明の名称「MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKABLE DUAL DRIVE SHAFTS」(現在は、米国特許第9,826,976号)、
-米国特許出願第14/248,581号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CLOSING DRIVE AND A FIRING DRIVE OPERATED FROM THE SAME ROTATABLE OUTPUT」(現在は、米国特許第9,649,110号)、
-米国特許出願第14/248,595号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING FIRST AND SECOND DRIVE SYSTEMS」(現在は、米国特許第9,844,368号)、
-米国特許出願第14/248,588号、発明の名称「POWERED LINEAR SURGICAL STAPLER」(現在は、米国特許第10,405,857号)、
-米国特許出願第14/248,591号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A GAP SETTING SYSTEM」(現在は、米国特許第10,149,680号)、
-米国特許出願第14/248,584号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH ALIGNMENT FEATURES FOR ALIGNING ROTARY DRIVE SHAFTS WITH SURGICAL END EFFECTOR SHAFTS」(現在は、米国特許第9,801,626号)、
-米国特許出願第14/248,587号、発明の名称「POWERED SURGICAL STAPLER」(現在は、米国特許第9867612号)、
-米国特許出願第14/248,586号、発明の名称「DRIVE SYSTEM DECOUPLING ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第10,136,887号)、及び
-米国特許出願第14/248,607号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH STATUS INDICATION ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,814,460号)。
【0031】
本願の出願人はまた、2013年4月16日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第61/812,365号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」、
-米国仮特許出願第61/812,376号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH POWER」、
-米国仮特許出願第61/812,382号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH MOTOR AND PISTOL GRIP」、
-米国仮特許出願第61/812,385号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE WITH MULTIPLE ACTUATION MOTORS AND MOTOR CONTROL」、及び
-米国仮特許出願第61/812,372号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」。
【0032】
本願の出願人は、2017年12月28日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/611,341号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」、
-米国仮特許出願第62/611,340号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」、及び
-米国仮特許出願第62/611,339号、発明の名称「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」。
【0033】
本願の出願人は、2018年3月28日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/649,302号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH encrypted COMMUNICATION CAPABILITIES」、
-米国仮特許出願第62/649,294号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」、
-米国仮特許出願第62/649,300号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」、
-米国仮特許出願第62/649,309号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」、
-米国仮特許出願第62/649,310号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/649,291号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」、
-米国仮特許出願第62/649,296号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,333号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」、
-米国仮特許出願第62/649,327号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」、
-米国仮特許出願第62/649,315号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」、
-米国仮特許出願第62/649,313号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,320号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国仮特許出願第62/649,307号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、及び
-米国仮特許出願第62/649,323号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」。
【0034】
本願の出願人は、2018年3月29日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/940,641号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH encrypted COMMUNICATION CAPABILITIES」(現在は、米国特許出願公開第2019/0207911号)、
-米国特許出願第15/940,648号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」(現在は、米国特許出願公開第2019/0206004号)、
-米国特許出願第15/940,656号、発明の名称「Surgical hub coordination of control and communication of operating room devices」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201141号)、
-米国特許出願第15/940,666号、発明の名称「Spatial awareness of surgical hubs in operating rooms」(現在は、米国特許出願公開第2019/0206551号)、
-米国特許出願第15/940,670号、発明の名称「Cooperative utilization of data derived from secondary sources by intelligent surgical hubs」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201116号)、
-米国特許出願第15/940,677号、発明の名称「Surgical hub control arrangements」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201143号)、
-米国特許出願第15/940,632号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」(現在は、米国特許出願公開第2019/0205566号)、
-米国特許出願第15/940,640号、発明の名称「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHAREd WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0200863号)、
-米国特許出願第15/940,645号、発明の名称「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」(現在は、米国特許第10,892,899号)、
米国特許出願第15/940,649号、発明の名称「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」(現在は、米国特許出願公開第2019/0205567号)、
-米国特許出願第15/940,654号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201140号)、
-米国特許出願第15/940,663号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201033号)、
-米国特許出願第15/940,668号、発明の名称「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201115号)、
-米国特許出願第15/940,671号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201104号)、
-米国特許出願第15/940,686号、発明の名称「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201105号)、
-米国特許出願第15/940,700号、発明の名称「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0205001号)、
-米国特許出願第15/940,629号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201112号)、
-米国特許出願第15/940,704号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」(現在は、米国特許出願公開第2019/0206050号)、
-米国特許出願第15/940,722号、発明の名称「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」(現在は、米国特許出願第2019/0200905号)、
-米国特許出願第15/940,742号、発明の名称「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」(現在は、米国特許出願公開第2019/0200906号)。
【0035】
本願の出願人は、2018年3月29日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/940,636号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」(現在は、米国特許出願公開第2019/0206003号)。
-米国特許出願第15/940,653号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201114号)。
-米国特許出願第15/940,660号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」(現在は、米国特許出願公開第2019/0206555号)、
-米国特許出願第15/940,679号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201144号)、
-米国特許出願第15/940,694号、発明の名称「Cloud-based Medical Analytics for Medical Facility Segmented Individualization of Instrument Function」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201119号)、
-米国特許出願第15/940,634号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201138号)、
-米国特許出願第15/940,706号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」(現在は、米国特許出願公開第2019/0206561号)、及び
-米国特許出願第15/940,675号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」(現在は、米国特許第10,849,697号)。
【0036】
本願の出願人は、2018年3月29日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/940,627号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMs」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201111号)、
-米国特許出願第15/940,637号、発明の名称「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201139号)、
-米国特許出願第15/940,642号、発明の名称「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201113号)、
-米国特許出願第15/940,676号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201142号)、
-米国特許出願第15/940,680号、発明の名称「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201135号)、
-米国特許出願第15/940,683号、発明の名称「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201145号)、
-米国特許出願第15/940,690号、発明の名称「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201118号)、
-米国特許出願第15/940,711号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR Robot-Assisted Surgical PlatformS」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201120号)。
【0037】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び素子は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため詳細に記載されていない。読者は、本明細書に説明及び図示された実施形態が、非限定的な例であり、したがって本明細書において開示されている特定の構造的及び機能的詳細が、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0038】
「備える、含む(comprise)」(また、「comprises」及び「comprising」などのcompriseの任意の語形)、「有する(have)」(また、「has」及び「having」などのhaveの任意の語形)、「含む(include)」(また、「includes」及び「including」などのincludeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(また、「contains」及び「containing」などのcontainの任意の語形)という用語は、制約のない連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える、含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、又は「含有する(contains)」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える、含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、又は「含有する(contains)」システム、デバイス、又は装置の要素は、それらの1つ以上の特徴を有するが、それらの1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0039】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0040】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、様々な例示的な装置及び方法が提供される。しかし、本明細書に開示される様々な方法及び装置が、例えば切開外科的処置と関連するものを含む、多くの外科的処置及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、元からある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することもでき、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0041】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備えることができる。エンドエフェクタは、第1のジョーと第2のジョーとを備える。第1のジョーは、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1のジョー内に挿入可能であり、かつ第1のジョーから取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1のジョーから取り外し可能でない、又は第1のジョーから少なくとも容易に交換可能ではない、他の実施形態が想到される。第2のジョーは、ステープルカートリッジから射出されたステープルを変形させるように構成されているアンビルを備える。第2のジョーは、閉鎖軸を中心に第1のジョーに対して枢動可能であるが、第1のジョーが第2のジョーに対して枢動可能である、他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成されている関節運動継手を更に備える。エンドエフェクタは、関節運動継手を通って延びる関節運動軸を中心に回転可能である。関節運動継手を含まない他の実施形態も想到される。
【0042】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びるデッキと、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキに対して組織を押し付けてクランプする。続いて、カートリッジ本体内に着脱可能に格納されているステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、内部に規定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の装置も可能であり得る。
【0043】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持されている。ドライバは、ステープルキャビティからステープルを射出するために、第1の、すなわち未発射位置と、第2の、すなわち発射済み位置との間で移動可能である。ドライバは、カートリッジ本体の下部周辺に延びるリテーナによってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、リテーナをカートリッジ本体に対して保持するように構成されている、弾性部材を含む。ドライバは、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射済み位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端部に隣接した近位位置と、遠位端部に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッドは、ドライバの下を摺動し、ドライバを持ち上げるように構成されている複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0044】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端部に向かって押すように構成されている。カートリッジ本体内に規定された長手方向スロットは、発射部材を受容するように構成されている。アンビルは、発射部材を受容するように構成されているスロットも含む。発射部材は、第1のジョーに係合する第1のカムと、第2のジョーに係合する第2のカムと、を更に備える。発射部材を遠位に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキとアンビルとの間の距離、すなわち組織間隙を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されているナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に射出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位に位置付けられることが望ましい。
【0045】
外科用器具10000が
図1に示されている。外科用器具10000は、ハンドルハウジング10120を含むハンドル10100と、ハンドル10100から延びるシャフト10200と、エンドエフェクタ10400と、を備える。エンドエフェクタ10400は、ステープルカートリッジを受容するように構成された第1のジョー10410と、第1のジョー10410に対して移動可能な第2のジョー10420と、を備える。第2のジョー10420は、内部に画定されたステープル形成ポケットを含むアンビルを備える。外科用器具10000は、外科用器具10000の閉鎖システムを駆動し、第2のジョー10420を非クランプ位置とクランプ位置との間で移動させるように構成されている、閉鎖アクチュエータ10140を更に備える。閉鎖アクチュエータ10140は、閉鎖アクチュエータ10140が閉鎖されるときに遠位側に前進される閉鎖管10240と動作可能に結合されている。そのような例において、閉鎖管10240は、第2のジョーと接触し、第2のジョー10420をそのクランプ位置へと下向きにカム駆動させる、かつ/又は押す。
【0046】
上記に加えて、第2のジョー10420は、枢動軸線を中心として第1のジョー10410に枢動可能に結合される。様々な実施形態では、第2のジョーは、そのクランプ位置へと移動される際に並進することも回転することもできる。様々な代替的な実施形態では、外科用器具は、アンビルジョーに対して非クランプ位置とクランプ位置との間で移動可能なステープルカートリッジジョーを備える。いずれにしても、ハンドル10100は、閉鎖アクチュエータ10140をそのクランプ位置に解放可能に保持するように構成されたロックを備える。ハンドル10100は、対向側に解放アクチュエータ10180bを更に備え、作動されると、エンドエフェクタ10400が再開放され得るように閉鎖アクチュエータ10140をロック解除する。様々な代替的な実施形態において、ハンドル10100は、臨床医によって作動されると、閉鎖管10240を近位側及び/又は遠位側に移動させるように構成された電気モータを備える。
【0047】
エンドエフェクタ10400は、関節運動継手10500の周りでシャフト10200に取り付けられ、また関節運動軸線を中心に平面内で回転可能である。シャフト10200は長手方向軸線を画定し、エンドエフェクタ10400は、エンドエフェクタ10400が長手方向軸線と整列される非関節運動位置と、エンドエフェクタ10400が長手方向軸線に対して横方向に角度をなして延びる関節運動位置との間で関節運動可能である。様々な実施形態では、外科用器具10000は、例えば、エンドエフェクタ10400が第1の平面内で関節運動することを可能にする第1の関節運動継手と、エンドエフェクタ10400が第1の平面に直交する第2の平面内で関節運動することを可能にする第2の関節運動継手とを備える。ハンドル10100は、少なくとも1つの電気モータと、関節運動アクチュエータ10160及び10170に応答して電気モータの動作を制御するように構成されている制御システムとを備える。電気モータはブラシレスDCモータを含むが、しかしながら、電気モータは、例えばブラシ付きDCモータなどの任意の好適なモータを含み得る。
【0048】
2018年12月11日に発行された米国特許第10,149,683号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。2018年5月10日に公開された米国特許出願公開第2018/0125481号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。ハンドル10100は、外科用器具10000に給電するハンドルハウジングに取付可能な交換式及び/又は充電式電池10300を更に備える。2014年1月21日に発行された米国特許第8,632,525号、発明の名称「POWER CONTROL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS AND BATTERIES」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
上記に加えて、シャフト10200は、シャフト10200を通って延びる長手方向軸を中心に回転可能である。シャフト10200は、回転ジョイント10220の周りでハンドル10100に回転可能に接続されており、シャフト10200は、ステープル留め器具10000を使用する臨床医がシャフト10200を回転させるのを容易にする、その中に画定された1つ以上の指溝を備える。様々な実施形態では、外科用器具10000は、電気モータと、臨床医によって作動されたときに電気モータに給電して、回転アクチュエータが作動される方向に応じてシャフト10200を第1の方向又は第2の方向に回転させる回転アクチュエータとを備える。
【0050】
上記に加えて、外科用器具10000は、ステープルカートリッジからステープルを射出するように構成されているステープル発射駆動部を備える。ステープル発射駆動部は、電気モータと、電気モータによってステープル発射ストロークを通じて遠位に駆動される発射部材とを備える。ステープル発射ストローク中、発射部材は、ステープルカートリッジ内のスレッドを遠位方向に押して、ステープルをステープルカートリッジから射出する。2017年4月25日発行の米国特許第9,629,629号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0051】
本明細書で説明する外科用器具システムは、電気モータにより動作するが、しかしながら、本明細書に説明された外科用器具システムは、任意の好適な様式で駆動されることができる。ある種の例では、本明細書において開示されているモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えてもよい。例えば、SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTSと題する、米国特許出願第13/118,241号(現在は、米国特許第9,072,535号)は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例を一層詳細に開示しており、この開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。2017年5月18日公開の国際公開第2017/083125号、発明の名称「STAPLER WITH COMPOSITE CARDAN AND SCREW DRIVE」、2017年5月18日公開の国際公開第2017/083126号、発明の名称「STAPLE PUSHER WITH LOST MOTION BETWEEN RAMPS」、2015年10月8日公開の国際公開第2015/153642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SHIFTABLE TRANSMISSION」、2017年3月17日出願の米国特許出願公開第2017/0265954号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DUAL DISTAL PULLEYS」(現在は、米国特許第10,350,016号)、2017年2月15日出願の米国特許出願公開第2017/0265865号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DISTAL PULLEY」(現在は、米国特許第10,631,858号)、及び2017年3月29日出願の米国特許出願公開第2017/0290586号、発明の名称STAPLING CARTRIDGE」(現在は、米国特許第10,722,233号)の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
本明細書に開示される様々な実施形態は、例えば、
図1~
図3に示されるロボットシステム1000などのロボット外科用システムと関連して利用され得る。
図1は、
図2に示されるロボットアームカート5100と共に使用され得るマスタコントローラ5001を示す。マスタコントローラ5001及びロボットアームカート5100、並びにそれら個々の構成要素及び制御システムを、本明細書ではまとめてロボット外科用システム5000と呼ぶ。そのようなシステム及びデバイスの例は、米国特許第7,524,320号、発明の名称「MECHANICAL ACTUATOR INTERFACE SYSTEM FOR ROBOTIC SURGICAL TOOLS」、及び米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。そのようなシステム及びデバイスの詳細は、簡潔さのためにここで繰り返すことはしない。マスタコントローラ5001は、外科医がディスプレイ1002を介して患者を見る間に外科医によって把持され操作される制御部5003を含む。制御部5003は、例えば、複数の自由度で動く手動入力デバイスを備えることができ、例えば、把持ジョーを閉鎖し、組織をステープル留めして切開し、及び/又は電極に電位を印加するために、外科用器具又はツールを作動させるための作動可能なトリガを更に備えることができる。
【0053】
図2及び3を参照すると、ロボットアームカート5100は、例えば、マスタコントローラ5001からの入力に応答して、外科用器具6000などの1つ以上の外科用器具を作動させるように構成されている。様々な形態では、ロボットアームカート5100は、基部5002と、セットアップ継手5104を含むアームリンク機構と、器具マニピュレータ5106とを含む。そのような構成は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,817,084号、発明の名称「REMOTE CENTER POSITIONING DEVICE WITH FLEXIBLE DRIVE」に完全に記載されているように、空間内の点の周りでの外科用器具6000の回転を容易にすることができる。この構成は、軸5112a又はピッチ軸を中心とした外科用器具6000の枢動回転を提供する。この配置はまた、軸5112b又はヨー軸を中心とした外科用器具6000の回転を提供する。ピッチ軸5112a及びヨー軸5112bは、外科用器具6000のシャフトに沿って整合される遠隔中心5114で交差する。外科用器具6000は、長手方向軸LT-LTに沿った摺動運動を含む、更なる駆動自由度を有し得る。外科用器具6000が用具の長手方向軸LT-LTに沿ってマニピュレータ5106に対してスライドするとき(矢印5112c)、遠隔中心5114は、マニピュレータ5106の基部5116に対して固定されたままである。遠隔中心5114を移動させるために、リンク機構5108は、マスタコントローラ5001からのコマンドに応答してリンク機構5108を移動させる1つ以上のモータ5120によって駆動されて、外科用器具6000を手術部位内に位置決め及び/又は操作する。様々な他の構成は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第5,878,193号、発明の名称「AUTOMATED ENDOSCOPE SYSTEM FOR OPTIMAL POSITIONING」に開示されている。
【0054】
追加的に、ロボット構成要素とロボット外科用システムのプロセッサとの間のデータ通信については、本明細書では、主として外科用器具又はツールとマスタコントローラ5001との間の通信に関連して説明するが、同様の通信はマニピュレータ、セットアップ継手、内視鏡又は他の画像撮影デバイスなどの回路と、構成要素の適合性評価、構成要素の種類の識別、構成要素の較正(オフセットなど)の通信、構成要素のロボット外科用システムとの結合の確認などのためのロボット外科用システムのプロセッサとの間でも行われ得る点は理解されるはずである。少なくとも1つの態様によれば、本明細書に開示される様々な外科用器具は、他のロボット制御又は自動外科用システムと関連して使用され得、必ずしも
図1~
図3に示される特定のロボットシステム構成要素と共に使用することに限定されるものではなく、前述の参考文献に記載されている。様々なロボット手術のシステム及び方法が、参照によって全開示が本明細書に組み込まれる米国特許第6,132,368号、発明の名称「MULTI-COMPONENT TELEPRESENCE SYSTEM AND METHOD」に開示されている。
【0055】
ステープルカートリッジ11000が
図5~5Cに示されている。ステープルカートリッジ11000は、近位端11110と遠位端11120とを有するカートリッジ本体11100を備える。カートリッジ本体11100は、近位端11110と遠位端11120との間に延びるデッキ11130と、デッキ11130内に画定されたステープルキャビティ11140とを更に備える。ステープルキャビティ11140は、カートリッジ本体11100内に画定された長手方向スロット11150の両側に長手方向列で配置される。長手方向スロット11150は、ステープルカートリッジ11000のデッキ11130に対して捕捉された組織を切断するために、ステープル発射ストローク中に遠位に押される組織切断ナイフをその中に受容するように構成されている。ステープルカートリッジ11000は、各ステープルキャビティ11140内に位置付けられたステープル11200と、ステープル11200を支持し、ステープル発射ストローク中にステープル11200をステープルキャビティ11140から押し出すステープルドライバ11300とを更に備える。ステープルカートリッジ11000は、スレッド11400を更に備え、このスレッドは、ステープル発射駆動部の発射部材によって遠位方向に押されて、ステープル発射ストローク中にステープルドライバ11300に接触し、これをカートリッジ本体11100のデッキ11130に向かって持ち上げる。ステープルカートリッジ11000は、ドライバ11300及び/又はステープル11200がカートリッジ本体11100の底部から落下しないように保持するように構成されている、カートリッジ本体11100に取り付けられたパン11700を更に備える。
【0056】
ステープルカートリッジ11000は、電子回路を更に備える。
図5~
図5Cには示されていないが、ステープルカートリッジ11000は、
図11~
図11Cに示される電子回路11500を備える。
図11~
図11Cを参照すると、電子回路11500は、近位端11510及び第2の端部11520を備える。近位端11510は、ステープルカートリッジ11000がエンドエフェクタ10400のジョー10410に設置されたときに外科用器具10000の器具アンテナ10530と通信するように配置されるカートリッジアンテナ11530を備える。電子回路11500は、フレックス回路などの可撓性基板と、例えば、可撓性基板内及び/又は可撓性基板上に画定された導電性トレースと、導電性トレースと電気通信する可撓性基板に装着された電子構成要素とを備える。様々な実施形態では、電子回路11500は、絶縁体と、絶縁体の中及び/又は上に画定された導電性トレースと、導電性トレースと電気的に通信する可撓性基板に装着された電子構成要素とで構成されている。
【0057】
上記に加えて、再び
図11~
図11Cを参照すると、電子回路11500は、カートリッジ本体11100に埋め込まれている。カートリッジ本体11100は、デッキ11130内に画定された回路スロット11160を備え、電子回路11500は、回路スロット11160内に位置付けられる。カートリッジ本体11100は、第1の横方向側部11170、第2の横方向側部11180、及び第1の横方向側部11170と第2の横方向側部11180とを接続する遠位部分11120を更に含む。回路スロット11160は、カートリッジ本体11100の第1の横方向側部11170上のステープルキャビティ11140の長手方向列の周り及び/又は間、遠位部分11120の周り、次いで第2の横方向側部11180内へと近位に延びる。第1の横方向側部11170と同様に、回路スロット11160は、第2の横方向側部11180上のステープルキャビティ11140の長手方向列の周りに/間に延びる。この配置の結果として、電子回路11500は、長手方向スロット11150を横切る必要なく、カートリッジ本体11100の両横方向側部内に延びることができる。更に、そのような配置は、電子回路11500がカートリッジ本体11100の遠位部分11120内に延びることを可能にする。様々な実施形態では、電子回路11500は、カートリッジ本体11100内に埋め込まれる。少なくとも1つのそのような実施形態では、電子回路11500は、ジョー11160にスナップ嵌め及び/又は圧力嵌めされる。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジ本体11100は、電子回路11500の少なくとも一部分の上に射出成形されるプラスチックで構成される。
【0058】
様々な実施形態では、
図11~11Cを再び参照すると、ステープルカートリッジ11000は、センサ11600をカートリッジ本体11100に機械的及び電気的に接続するエラストマーコネクタを備える。少なくとも1つの実施形態では、エラストマーコネクタは、全体的な異方性導電特性を生成するために、ゴム又はエラストマーマトリックス中に導電性領域及び絶縁性領域を含む。マトリックスは三次元形状に成形され、次いでカートリッジ本体11100に取り付けられる。様々な実施形態では、マトリックスの形状は、カートリッジ本体上の特徴に適合する。少なくとも1つの実施形態では、短く細い金属ワイヤがゴムシートに埋め込まれて、センサ11600をステープルカートリッジ11000の制御システムに接続する。少なくとも1つの事例では、金属ワイヤは、例えば銀で構成される。少なくとも1つの事例では、マトリックス中の金属ワイヤの密度は、例えば、約300ワイヤ/cm2~約2000ワイヤ/cm2である。ゴムシートの表面では、ワイヤの端部は、表面から延びるか、又はゴム基板に向かって折り返される。ZEBRAの商標である少なくとも1つの材料が、Fuji Polymer Industries Companyから入手可能である。
【0059】
様々な実施形態では、センサシステムは、ステープルカートリッジの制御システムによって選択的に給電される複数のセクションを備える。少なくとも1つの実施形態では、センサシステムは、第1のセンサセクション及び第2のセンサセクションを備え、制御システムのプロセッサは、例えば、第1の動作モード中に第1のセンサセクションのみに給電し、第2の動作モード中に第2のセンサセクションのみに給電し、第3の動作モード中に両方のセンサセクションに給電するように構成されている。そのような実施形態は、特に、ステープルカートリッジによって生成される熱の量を低減することができる。様々な実施形態では、第1のセンサセクション及び第2のセンサセクションは、同じ数のセンサを備えるが、他の実施形態では、第1のセンサセクション及び第2のセンサセクションは、異なる数のセンサを有する。ある実施形態では、第1のセンサセクションは、その中に第1の密度の接続ワイヤを備え、第2のセンサセクションは、その中に第1の密度と異なる第2の密度の接続ワイヤを備える。
【0060】
図6を参照すると、カートリッジアンテナ11530は、器具アンテナ10530のコイル10540によって画定される平面に平行な平面内に画定されるコイル11540を備える。コイル10540及び11540は、データ及び/又は電力が器具アンテナ10530とカートリッジアンテナ11530との間で効率的に伝送され得るように、十分な及び/又は最適な転送係数を提供するようにサイズ設定され、構成され、位置付けられる。様々な事例では、器具コイル10540は一次コイルを含み、カートリッジコイル11540は二次コイルを含み、使用時、電力は器具コイル10540からカートリッジコイル11540に無線で伝送される。少なくともこの実施形態では、器具コイル10540とカートリッジコイル11540との間でデータ信号を伝送することもできる。より具体的には、データ信号は、外科用器具10000からステープルカートリッジ11000に、及び/又はステープルカートリッジ11000から外科用器具10000に伝送することができる。任意の好適なソフトウェアプロトコル及び/又はハードウェア構成要素を使用して、器具コイル10540及びカートリッジコイル11540を含む単一対のコイルにわたる電力及びデータの伝送を調整することができる。少なくとも1つの実施形態では、電力及びデータ信号は、器具コイル10540とカートリッジコイル11540との間で同時に伝送される。少なくとも1つの代替的な実施形態では、
図7を参照すると、電力及びデータ信号は、器具コイル10540とカートリッジコイル11540との間で順次に伝送される。様々な実施形態では、器具アンテナ10530及び/又はカートリッジアンテナ11530は、例えば、アンテナ10530と11530との間の信号の伝送を調整するマルチプレクサを備える。
【0061】
再び
図6を参照すると、外科用器具10000は、器具アンテナ10530と通信するプロセッサ10610を備える。少なくとも1つの実施形態では、プロセッサ10610は、例えば、近距離無線通信(NFC)リーダチップを含む。NFCリーダチップは、例えば、約426kbits/秒のデータ転送速度で13.56MHzの周波数の高周波無線周波数識別を使用する。様々な事例では、プロセッサ10610は、例えば、約120kHz~約150kHzの周波数で通信する低周波RFIDリーダを備える。様々な事例では、プロセッサ10610は、例えば、約13.6MHzの周波数で通信する高周波RFIDリーダを備える。様々な事例では、プロセッサ10610は、例えば、約868MHzの周波数で通信する超高周波RFIDリーダを備える。2020年12月31日に公開された米国特許出願公開第2020/0405301号、発明の名称「METHOD FOR AUTHENTICATING THE COMPATIBILITY OF A STAPLE CARTRIDGE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。様々な事例では、プロセッサ10610は、例えば、約2.4GHzの周波数で通信するBluetooth構成要素を備える。様々な事例では、プロセッサ10610は、例えば、約105kHz~約205kHzの周波数で通信するQi無線充電構成要素を備える。いずれにしても、プロセッサ10610は、器具アンテナ10530と通信する入力チャネル及び出力チャネルを備え、これらは、以下に記載するように、例えばカートリッジアンテナ11530と通信するNFCタグとの直接ピアツーピア通信を容易にする。
【0062】
上記に加えて、器具アンテナ10530は、カートリッジアンテナ11530を介してステープルカートリッジ11000に電力及びデータ信号を供給するように構成されている。上述したように、ステープルカートリッジ回路11500は、ステープルカートリッジ11000の少なくとも1つの特性及び/又はステープルカートリッジ11000によって支持される組織の少なくとも1つの特性を測定する複数のセンサ11600を備える。少なくとも1つの実施形態では、センサ11600は、例えば、組織の厚さ及び/又は組織に含まれる流体若しくは浮腫の量を検出するように構成されている静電容量センサを含む。少なくとも一実施形態では、センサ11600は、例えば、カートリッジ本体11100内の歪み又は力負荷を測定する、例えば、歪みゲージなどの抵抗センサを含む。いずれにしても、センサ11600は、特性を測定し、ステープルカートリッジ11000のカートリッジプロセッサ11610によって検出可能な出力電圧を生成するために電力を必要とする。使用中、電力は、器具コイル10540からカートリッジコイル11540に送達され、整流器11620によって整流され、次いで、センサ11600に供給される前に、コンデンサ11630によってフィルタリングされる。整流器11620は、整流器11620の出力チャネルのうちの少なくとも1つのために、AC入力をDC出力に整流するように構成されている。様々な事例では、整流器11620はまた、整流なしでその出力チャネルのうちの少なくとも1つにAC入力を伝導するように構成されている。コンデンサ11630は、カートリッジアンテナ11530によって受信された雑音及び/又は外来信号をフィルタ除去することができるローパスフィルタ及び/又はハイパスフィルタを備えることができる。上述の構成及び/又は任意の他の好適な構成を使用して、センサ11600及び/又はカートリッジプロセッサ11610に適切な電位及び電流を供給することができる。センサ11600の出力電圧は、カートリッジプロセッサ11610の入力ゲートに供給される。少なくとも1つの事例では、プロセッサ11610は、例えば、センサ11600の出力信号を、カートリッジアンテナ11530を介して器具アンテナ10530に返送される単一のデータ信号に調整するように構成されているマルチプレクサ(MUX)を備える。
【0063】
上記に加えて、ステープルカートリッジ11000は、器具アンテナ10530、整流器11620、プロセッサ11610、及びカートリッジアンテナ11530と通信するNFCタグ11640を備える。NFCタグ11640は、NFCタグ11640に印加される電位を制御及び/又は制限するように構成されている整流器11620と通信する入力を備える。少なくとも1つの事例では、NFCタグ11640は、それ自体の整流器を備える。整流器11620から入力を受信すると、NFCタグ11640は、ステープルカートリッジ11000に関するデータを含むデータ信号をカートリッジアンテナ11530に出力するように構成されている。NFCタグ11640は、データ信号に含まれる、内部に格納されたステープルカートリッジ11000の識別に関する情報を内部に記憶する。NFCタグ11640によって出力されたデータ信号は、カートリッジアンテナ11530を介して器具アンテナ10530に伝送され、次に、例えば、器具プロセッサ10610などの外科用器具10000の制御システムに伝送されて、ステープルカートリッジ11000の識別を検証するか、又は認証する。
【0064】
様々な事例では、上記に加えて、多くの異なるタイプのステープルカートリッジが、外科用器具10000と共に使用可能であり得る。例えば、いくつかのステープルカートリッジは、センサアレイを備えなくてもよいが、例えば、ステープルカートリッジ11000などの他のステープルカートリッジは、1つ以上のセンサアレイを備え得る。ステープルカートリッジがセンサアレイを含まない場合、ステープルカートリッジは、外科用器具10000によって供給され得る電力を必要としない場合があるか、又は使用することができない。したがって、外科用器具10000の制御システムは、問い合わせ手順中に外科用器具10000によってステープルカートリッジに供給される問い合わせ信号にステープルカートリッジが適切に応答しない場合、外科用器具10000内に設置されたステープルカートリッジに電力信号を供給するか、又は供給しないように構成されている。ステープルカートリッジが外科用器具10000内に設置された後、少なくとも1つのそのような事例では、外科用器具10000の制御システムは、器具プロセッサ10610に命令して、カートリッジアンテナ11530に発せられ受信される問い合わせ信号を器具アンテナ10530に送信することができる。様々な事例では、問い合わせ信号は、問い合わせ信号がNFCタグ11640に到達するように、カートリッジ回路11500内のフィルタリングを通過する周波数で、例えば、約10mW~約30mWの低電力で発せられる。NFCタグ11640は、問い合わせ信号を受信すると、カートリッジアンテナ11530に応答信号を伝送するように構成されている。応答信号は、カートリッジアンテナ11530によって発せられ、器具アンテナ10530によって受信され、器具プロセッサ10610に伝導される。器具プロセッサ10610によって受信された応答信号が、器具プロセッサによって予想される応答信号と一致する場合、ステープルカートリッジ11000は、外科用器具10000によって識別又は認証され、器具プロセッサ10610は、高ワット数の電力信号を器具アンテナ10530に供給して、ステープルカートリッジ11000に電力供給することができる。少なくとも1つの事例では、高ワット数電力信号は、例えば、約1W及び/又は1W超であり得る。様々な事例では、器具アンテナ10530に供給される電力信号のワット数は、識別されたステープルカートリッジに依存することができる。例えば、第1のタイプのステープルカートリッジが識別された場合、第1のワット数が使用され、第2のタイプのステープルカートリッジが識別された場合、第2の又は異なるワット数が使用される。しかしながら、外科用器具10000の制御システムは、応答信号がステープルカートリッジから受信されない場合、器具アンテナ10530に電力信号を供給しないように構成されている。外科用器具10000内に据え付けられたステープルカートリッジから応答信号が受信されるが、認識されない場合、制御システムは、2つの応答のうちの1つを実施するように構成され得る。第1の事例では、制御システムは、受信した応答信号が認識されない場合、ステープルカートリッジに電力信号を供給しないように構成され、第2の例では、制御システムは、受信した応答信号が認識されない場合、低電力信号を供給するように構成されている。少なくとも1つの事例では、低電力信号は、例えば、約0.1Wであり得る。そのような事例では、センサ及び電子回路は、ステープルカートリッジに過剰電力を供給するリスクを低減しつつ、センサからのデータを含む戻りデータ信号を伝送するために十分に給電され得る。
【0065】
様々な事例では、外科用器具10000は、外科用器具10000が最初に電源オンされたとき、及び/又は外科用器具10000が低電力スリープモードからウェイクアップされたときに、カートリッジ問い合わせルーチンを開始するように構成されている。そのような事例では、外科用器具10000は、ステープルカートリッジに問い合わせて、ステープルカートリッジに電力を供給するか否か、及び外科用器具10000に供給する電力のレベルを評価する。とは言うものの、追加情報がなければ、外科用器具10000の制御システムは、問い合わせ信号に続いて応答信号が受信されない場合に、ステープルカートリッジが識別可能でないか、又はステープルカートリッジが完全に欠落しているかを区別することができない場合がある。この目的のために、外科用器具10000は、ステープルカートリッジがエンドエフェクタ10400のカートリッジジョー内に設置されているかどうかを検出するように構成されているカートリッジ存在センサを備える。少なくとも1つの事例では、カートリッジ存在センサは、例えば、ステープルカートリッジ内の金属要素を検出するように構成されている、エンドエフェクタ10400のカートリッジジョー内に装着されたホール効果センサを含む。少なくとも1つの事例では、カートリッジ存在センサは、ステープルカートリッジがエンドエフェクタ10400のカートリッジジョーに設置されているときにステープルカートリッジによって圧縮される圧力センサを備える。いずれの場合も、カートリッジ存在センサは、外科用器具10000の制御システムと通信している。制御システムが、ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に設置されているという信号を受信するが、ステープルカートリッジから応答信号を受信しない場合、様々な事例では、制御システムは、電力信号をステープルカートリッジに供給しないが、外科用器具10000がステープルカートリッジからステープルを発射するように動作することを可能にする。制御システムが、ステープルカートリッジがカートリッジジョーから欠落しているという信号を受信した場合、制御システムは、電力信号を供給せず、ステープルカートリッジがカートリッジジョーに設置されるまで、ステープル発射システムを電子的にロックアウトする。
【0066】
図6を再び参照すると、ステープルカートリッジ11000が外科用器具10000のカートリッジジョー内に設置されているとき、電力信号及びデータ信号は、器具アンテナ10530からカートリッジアンテナ11530に同時に伝送することができる。更に、外科用器具10000からステープルカートリッジ11000に電力が伝送されるのと同時に、ステープルカートリッジ11000から外科用器具10000にデータ信号を伝送することができる。ここで
図7を参照すると、外科用器具10000’の制御システムは、ステープルカートリッジ11000’に電力及びデータ信号を断続的に供給するように構成及び配置されている。少なくとも1つの事例では、制御システムは、器具アンテナ10530に低電力信号及び高電力信号を交互に送達して、ステープルカートリッジ11000’の電子回路11500’にデータ及び電力をそれぞれ伝送するが、同時ではないように構成されている。少なくとも1つのそのような事例では、制御システムは、例えば、約0.1Wの電力を有する低電力信号及び1Wを超える高電力信号を送達する。
図6に関連して上述したように、器具プロセッサ10610は、電力信号及びデータ信号の両方を同時に生成し、ステープルカートリッジ11000に供給するNFCリーダチップを備える。一方、
図7は、データ信号を生成するNFCリーダチップ10610’と、電力信号を生成する別個の電力ドライバ10620’とを含む制御システムを示す。NFCリーダチップ10610’及び電力ドライバ10620’は、器具アンテナ10530と通信し、別個のデータ及び電力信号を器具アンテナ10530を介してカートリッジアンテナ11530に順次供給するように構成されている。少なくとも1つの事例では、NFCリーダチップ10610’及び電力ドライバ10620’は、マルチプレクサと通信しており、例えば、マルチプレクサは、ステープルカートリッジ11000’へのデータ及び電力信号の順次伝送を調整する。
【0067】
図7に関連して上述したように、データ信号及び電力信号は、外科用器具とステープルカートリッジ11000’との間で交互に伝送される。様々な事例では、外科用器具は、器具プロセッサがステープルカートリッジ11000’に伝送するデータを有するまで、ステープルカートリッジ11000’に電力を供給する。そのような時点で、機器プロセッサは電力信号を停止し、次いでデータ信号を発する。器具プロセッサがデータ信号を発した後、器具プロセッサは、電力信号を再開するように構成されている。データ信号及び電力信号は、異なる周波数で伝送されるが、他の実施形態では同じ周波数で発することができる。いずれにしても、電力信号はデータ信号よりも高い強度で発せられる。様々な実施形態では、ステープルカートリッジ11000’のプロセッサは、プロセッサが外科用器具に伝送するデータを有するとき、外科用器具に一時停止信号を発するように構成されている。一時停止信号を受信した後、器具プロセッサは、電力信号を停止するか、又はステープルカートリッジ11000’からデータを受信するまで電力信号を生成しない。少なくとも1つのそのような実施形態では、外科用器具は、ステープルカートリッジから一時停止信号を受信した後に、ステープルカートリッジ11000’に一時停止信号を返信し得る。外科用器具から一時停止信号を受信すると、ステープルカートリッジは、外科用器具にデータ信号を発するように構成されている。
【0068】
ここで
図8及び8Aを参照すると、外科用器具10000”は、外科用器具10000”のカートリッジジョーに設置されたステープルカートリッジ11000”と通信し、それに電力を供給するために使用される、データアンテナ10530”及び別個の電力伝送アンテナ10535”を備える。データアンテナ10530”は、NFCリーダチップ10610’と通信する。電力ドライバ10620’は、電力伝送アンテナ10535”と通信する。データアンテナ10530”は、ステープルカートリッジ11000”がカートリッジジョーに設置されたときにカートリッジデータアンテナ11530”のコイル11540”と位置合わせされるコイル10540”を備える。少なくとも1つの事例では、コイル10540”は、カートリッジコイル11540”を画定する平面に平行な、又は少なくとも実質的に平行な平面内で巻かれる。器具コイル10540”及びカートリッジコイル11540”は、同じサイズ、又は少なくとも実質的に同じサイズであるが、任意の好適なサイズであり得る。器具コイル10540”は、第1の数の巻線を備える一次コイルを備え、カートリッジコイル11540”は、少なくとも1つの実施形態では、第1の数の巻線よりも多い第2の数の巻線を備える二次コイルを備える。そのような構成は、機器データアンテナ10530”とカートリッジデータアンテナ11530”との間の伝送係数を改善することができる。電力伝送アンテナ10535”は、ステープルカートリッジ11000”がカートリッジジョーに設置されたときにカートリッジ電力アンテナ11535”のコイル11545”と位置合わせされるコイル10545”を備える。少なくとも1つの事例では、器具コイル10545”は、カートリッジコイル11545”を画定する平面に平行な、又は少なくとも実質的に平行な平面内で巻かれる。器具コイル10545”及びカートリッジコイル11545”は、同じサイズ、又は少なくとも実質的に同じサイズであるが、任意の好適なサイズであり得る。器具コイル10545”は、第1の数の巻線を備える一次コイルを備え、カートリッジコイル11545”は、少なくとも1つの実施形態では、第1の数の巻線よりも多い第2の数の巻線を備える二次コイルを備える。そのような配置は、電力伝送アンテナ10535”とカートリッジ電力アンテナ11535”との間の伝送係数を改善することができる。
【0069】
上記に加えて、ステープルカートリッジ11000”は、カートリッジ電力アンテナ11535”と通信する整流器11620及びコンデンサ11630を備える。上記と同様に、整流器11620及びコンデンサ11630は、電力がステープルカートリッジ11000”のセンサに供給される前に、電力伝送アンテナ10535”からステープルカートリッジ11000”に供給される電力信号を整流、フィルタリング、及び/又は修正するように構成されている。ステープルカートリッジ11000”は、カートリッジデータアンテナ11530”と通信するNFCタグ11640を更に備える。上記と同様に、外科用器具10000”の制御システムは、NFCリーダチップ10610”によって生成され、結合されたデータアンテナ10530”及び11530”を介してNFCタグ11640に発せられる問い合わせ信号を用いて、NFCタグ11640に問い合わせを行うことができる。問い合わせ信号を受信すると、NFCタグ11640は、結合されたデータアンテナ10530”及び11530”を介してNFCリーダチップ10610’に返信される応答信号を生成するように構成されている。NFCタグ11640はまた、ステープルカートリッジ11000”のカートリッジプロセッサ11610”と通信し、カートリッジプロセッサは、上述したように、カートリッジセンサからデータを受信し、センサデータを含むデータ信号を生成し、データ信号をNFCタグ11640及びカートリッジデータアンテナ11530”に供給するように構成されている。カートリッジデータアンテナ11530”に供給されたデータ信号は、器具データアンテナ10530”を介してNFCリーダチップ10610’に伝送され、次いで、制御システムによって使用されて、例えば、外科用器具10000”、ステープルカートリッジ11000”、及び/又はステープルカートリッジ11000”に対して捕捉された組織の特性を解釈する。特に、カートリッジプロセッサ11610”はまた、ステープルカートリッジ11000”のカートリッジ電力アンテナ11535”と通信し、様々な実施形態では、カートリッジ電力アンテナ11535”からNFCタグ11640に電力を供給することができる。
【0070】
上で詳述したように、外科用器具10000”及びステープルカートリッジ11000”は、データを通信するための第1の対のアンテナシステムと、電力を通信するための第2の対のアンテナシステムとを備える。様々な実施形態では、第1の対のアンテナシステムは、ステープルカートリッジ11000”の第1の横方向側部11170上に位置付けられ、第2の対のアンテナシステムは、ステープルカートリッジ11000”の第2の、又は反対側の横方向側部11180上に位置付けられる。少なくとも1つのそのような実施形態では、外科用器具10000”のカートリッジジョーは、底壁と、底壁の第1の側部から延びる第1の横側壁と、底壁の第2の側部又は反対側から延びる第2の横側壁とを含むチャネルを備える。ステープルカートリッジ11000”がカートリッジジョーに設置されると、ステープルカートリッジ11000”は、第1の横側壁と第2の横側壁との間に位置付けられ、ステープルカートリッジ11000”のスナップ機構及び/又はロック機構がカートリッジジョーに係合してステープルカートリッジ11000”をカートリッジジョー内の定位置に解放可能にロックするまで、底壁に向かって下方に押される。少なくとも1つのそのような実施形態では、第1の器具アンテナは第1の側壁に装着され、第2の器具アンテナは第2の側壁に装着され、更に、第1のカートリッジアンテナはカートリッジ本体の第1の横方向側部に装着され、第2のカートリッジアンテナはカートリッジ本体の第2の横方向側部に装着される。ステープルカートリッジ11000”がカートリッジジョーに設置されると、第1のカートリッジアンテナが第1の器具アンテナと位置合わせされ、同様に、第2のカートリッジアンテナが第2の器具アンテナと位置合わせされる。第1の対アンテナシステムを一方の横方向側部に配置し、第2の対アンテナシステムを反対側の横方向側部に配置することによって、一方の対アンテナシステムが他方の対アンテナシステムに干渉する可能性が低減される。様々な事例では、第1の対アンテナシステムは第1の周波数範囲内で動作させられ、第2の対アンテナシステムは第1の周波数範囲と重複しない第2の又は異なる周波数範囲内で動作させられて、それにより、一方の対アンテナシステムが他方に干渉する可能性が低減される。この目的のために、上記に加えて、器具アンテナ及び/又はカートリッジアンテナは、対になったアンテナシステムの各々について意図された動作周波数範囲外の周波数をフィルタリングすることができる1つ以上のコンデンサを備えることができる。
【0071】
様々な事例では、上記に加えて、カートリッジデータアンテナ11530”は、カートリッジ本体11100の第1の横方向側部に装着され、カートリッジ電力アンテナ11535”は、カートリッジ本体11100の第2の横方向側部に装着される。より具体的には、アンテナ11530”及び11535”のコイル11540”及び11545”は、それらのそれぞれの側部の近位端上に装着され、すなわち、それらは、遠位端11120よりもステープルカートリッジ11000”の近位端11110にはるかに近く位置付けられる。その結果、カートリッジデータアンテナ11530”及びカートリッジ電力アンテナ11535”は、ステープルカートリッジ11000”の遠位端11120に位置付けられた場合よりも短くすることができ、その結果、干渉を受けにくくなる。様々な代替的な実施形態では、コイル11540”及び11545”は、ステープルカートリッジ11000”の近位端11110と遠位端11120との間の中心線に、又はその付近に装着される。そのような構成では、カートリッジデータコイル11540”とカートリッジ本体11100に装着されたセンサとの間の距離は、カートリッジデータコイル11540”がカートリッジ本体11100の近位端11110に装着された場合と比較して短くすることができ、それによって、センサ出力が処理されてカートリッジデータコイル11540”を介して伝送される前にセンサ出力が破損する可能性を低減する。
【0072】
様々な実施形態では、上記に加えて、コイル11540”及び11545”は、ステープルカートリッジのカートリッジ本体11100及び/又はパン11700(
図5A)に装着される。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジ本体11100は、その横方向側部に画定された凹状ポケットを含み、コイル11540”及び11545”は、凹状ポケット内に位置付けられる。少なくとも1つのそのような実施形態では、注封材料が、凹状ポケット内に注入されて、ポケット内のコイル11540”及び11545”を固定、封止、及び/又は保護する。注封材料は、例えば、Eastern Adhesive Systems Technology,Inc.製のTECHNOMELTなどの封止接着剤、例えば、Henkel Corporation製のLOCTITE 3321などの光硬化アクリル接着剤、例えば、ワックス及び/又はパラフィンを含むことができる。様々な事例では、注封材料は、空気硬化材料を含むことができる。
【0073】
様々な実施形態では、アンテナコイル11540”及び11545”は、1つ以上の製造プロセスを使用してカートリッジ本体に封入される。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジ本体11100は、2ショット射出成形プロセスによって形成される。少なくとも1つのそのような実施形態では、第1のプラスチック構成要素又はコアが、第1の射出成形プロセス中に成形され、コイル11540”及び11545”が、コアに取り付けられ、次いで、第2の射出成形プロセスが、コイル11540”及び11545”を少なくとも部分的に被覆、封入、封止、及び/又は保護するために使用される。少なくとも1つの実施形態では、コイル11540”及び11545”は、カートリッジ本体に画定された凹部又はポケット内に位置付けられ、コイル11540”及び11545”を少なくとも部分的に被覆、封入、封止、及び/又は保護するカバーがカートリッジ本体11100に取り付けられる。少なくとも1つのそのような実施形態では、カバーは、カートリッジ本体11100にスナップ嵌め及び/又は圧入される。特定の実施形態は、超音波かしめプロセスが、カバーをカートリッジ本体11000に取り付けるために使用される。
【0074】
アンテナコイル11540”及び11545”をカートリッジ本体11100に取り付けるための上述の材料及び方法は、RFIDタグをスレッド11400及び/又はステープルドライバ11300に取り付けるために使用することもできる。そのような実施形態では、スレッド11400及び/又はステープルドライバ11300の位置及び/又は運動は、スレッド11400及び/又はステープルドライバ11300に取り付けられた及び/又は埋め込まれたRFIDタグを使用して、ステープルカートリッジ11000の制御システムによって追跡することができる。
【0075】
上述したように、外科用器具10000は、ハンドル及び/又はロボット外科用システムのアームに装着されるように構成されている、器具ハウジングから遠位に延びるシャフト10200を備える。様々な事例では、シャフト10200、ハンドル10100、器具ハウジング、及び/又はロボット外科用システムは、上述したように、1つ以上のアンテナ対を介してステープルカートリッジと通信する器具プロセッサを含み得る。器具プロセッサとカートリッジプロセッサとの間の通信を容易にするために、シャフト10200は、器具アンテナを含む配線ハーネスを備える。少なくとも1つのそのような実施形態では、配線ハーネスは、フレキシブル基板と、フレキシブル基板内に延びる導電性ワイヤ又はトレースとを含むフレックス回路10900(
図11B)を備える。様々な実施形態では、フレックス回路10900は、例えば、導電層及び絶縁層のスタックを備える。
図8Cを参照すると、外科用器具10000”のフレックス回路の遠位端は、フレックス回路の非導電性基板内に埋め込まれたワイヤを備えるコイル11540”及び11545”を含む。
【0076】
上記に加えて、フレックス回路の遠位端は、例えば、1つ以上の接着剤によって第1のジョー10410の側壁に装着される。少なくとも1つの実施形態では、フェライト構成要素は、コイル11540”及び11545”によって放射される場を制御するために、フレックス回路の基板に装着される、及び/又はその中に埋め込まれ得る。少なくとも1つの実施形態では、フェライト構成要素は、第1のジョー10410とコイル11540”及び11545”との中間に位置付けられる。更に、コイル11540”及び11545”によって発せられた信号を調整及び/又は増幅する電子構成要素を、フレックス回路の基板に装着する、及び/又は基板内に埋め込むことができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、1つ以上のコンデンサがフレックス回路に埋め込まれ、低周波及び/又は高周波をフィルタ除去する。更に、少なくとも1つのそのような実施形態では、1つ以上の増幅回路がフレックス回路に埋め込まれ、これは、コイル11540”及び11545”によって発せられている信号の電力をブースト及び/又は制御することができる。様々な実施形態では、第1のジョー10410及び/又は第2のジョー10420は、金属で構成され、コイル11540”及び11545”によって放出される場に対する金属ジョーの影響を最小限に抑えるように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、金属ジョーの断面は、外部信号がエンドエフェクタ10400内の信号と干渉するのを遮蔽するか、又は実質的に遮蔽する、均一又は実質的に均一な領域を生成するように設計される。
【0077】
コイル11540”及び11545”がカートリッジ本体11000に装着され、コイル10540”及び10545”が第1のジョー10410に装着される実施形態では、パン11700は、データコイルセットのコイル10540”及び11540”が互いに直接的な見通し線を有し、電力コイルセットのコイル10545”及び11545”が互いに直接的な見通し線を有するように、その中に画定された1つ以上の窓を備えることができる。コイル11540”及び11545”がパン11700に装着される実施形態では、データコイルセットのコイル10540”及び11540”は互いに直接的な見通し線を有し、電力コイルセットのコイル10545”及び11545”は互いに直接的な見通し線を有する。
【0078】
様々な実施形態では、外科用器具10000”のアンテナ及び/又はステープルカートリッジ11000”のアンテナは、コイルアンテナを含む。しかしながら、外科用器具及び/又はステープルカートリッジは、任意の好適なタイプのアンテナを備えることができる。少なくとも1つの事例では、外科用器具及び/又はステープルカートリッジは、スロットアンテナを備えることができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、スロットアンテナは、1つ以上の穴又はスロットが切り抜かれた平坦なプレートを備える。1つ以上のスロットアンテナを第1のジョー10410の側壁及び/又は底壁に装着することができる一方、1つ以上のスロットアンテナをパン11700に搭載することができる。様々な実施形態では、スロットアンテナは、例えば、第1のジョー10410及び/又はパン11700と一体的に形成することができる。
【0079】
様々な実施形態では、外科用器具及び/又はステープルカートリッジは、環境磁場及び/又は電場並びにそれらの周波数を監視し、1つ以上のアンテナを通じて信号を発して、環境場を相殺又は少なくとも部分的に相殺する制御システムを含むアクティブ相殺システムを備えることができる。
【0080】
様々な実施形態では、ステープルカートリッジのカートリッジ本体は、プラスチック基材上にめっきされた導電性トレースを含み、これは、例えば、Ticona社製のVECTRAなどの液晶ポリマーから作製することができる。少なくとも1つの実施形態では、導電性トレースは、例えば、プラスチック基板上に電気めっきされ、及び/又は蒸着プロセスを使用してプラスチック基板上にめっきされる。少なくとも1つの実施形態では、電気トレースは、例えば、プラスチック基板上に印刷された導電性インクで構成される。様々な事例では、トレースは、例えば、銀及び/又は銅で構成される。様々な実施形態では、カートリッジ本体は、プラスチック基板内に画定される凹部を備え、導電性トレースは、凹部内のプラスチック基板上にめっきされる。少なくとも1つの実施形態では、凹部はプラスチック基板にレーザエッチングされる。様々な実施形態では、非導電性材料が導電性トレース上に印刷されて、組織が例えば導電性トレースに触れることが望ましくない導電性トレースを覆う。そのような非導電性材料はまた、導電性トレースによって生成される場を制御することができる。様々な実施形態では、プラスチック基板は、グラフェン埋め込みポリ乳酸(PLA)などの非導電性材料及び導電性材料を使用する3次元印刷プロセスによって形成される。少なくとも1つのそのような実施形態では、導電性材料は、非導電性材料に少なくとも部分的に埋め込まれた導電性トレースに印刷される。
【0081】
様々な実施形態では、上記に加えて、ステープルキャビティ11140は、カートリッジデッキ11130の第1の側部上で3つの長手方向列に配置され、またカートリッジデッキ11130の第2の側部上で3つの長手方向列に配置される。ステープル発射ストロークが実施された後、患者組織は、組織を封止するか、又は少なくとも実質的に封止するために、切開部の両側に3列のステープルで切開されている。とはいえ、切開部の両側に3列ではなく2列のステープルを埋め込むことが、臨床的に許容可能であることが実証されている。したがって、ステープルの第3の列は、ステープルの連続列を含む必要はない。代わりに、少なくとも一実施形態では、最も外側の列のステープルキャビティ11140のうちの少なくともいくつかは、ステープル及びステープルドライバの代わりに、その中にセンサを収容する。少なくとも1つのそのような実施形態では、力感知センサは、ステープルキャビティ11140内に位置付けられる。力感知センサは、ステープルキャビティ11140内で摺動可能な組織接触要素を備え、組織接触要素は、組織接触要素の運動がステープルキャビティ11140の射出軸に制限されるか、又は少なくとも実質的に制限されるように、ステープルキャビティ11140の周囲に一致するか、又は少なくとも実質的に一致するようにサイズ設定され構成されている。力感知センサは、カートリッジデッキ11130に装着された基部と、例えば、基部と組織接触要素との中間に位置付けられた線形コイルばねなどのばねとを更に備える。エンドエフェクタ10400が患者組織にクランプされると、組織は組織接触要素に接触し、ばねを圧縮する。力感知センサは、組織接触要素に搭載された磁気素子を更に含み、その運動は、例えば、カートリッジデッキ11130内のホール効果回路によって検出可能及び測定可能である。ホール効果回路は、カートリッジプロセッサと通信し、カートリッジプロセッサは、電圧出力を分析して、力感知センサの上に位置付けられた組織が存在するかどうか、及び力感知センサでは組織に加えられている力を評価するように構成されている。ステープルカートリッジ11000は、任意の好適な数の力感知センサを含むことができる。例えば、少なくとも一実施形態では、ステープルキャビティ11140の最も外側の列の両方は、ステープルカートリッジ11000の遠位端のセンサと、ステープルカートリッジ11000の近位端のセンサと、遠位センサと近位センサとの中間に位置付けられた少なくとも1つのセンサとを備える。上述したように、ステープルカートリッジは、ステープルキャビティ内に任意の好適な種類のセンサ及び/又は任意の数のセンサを含むことができる。
【0082】
少なくとも一実施形態では、上記に加えて、ステープルキャビティ11300のうちのいくつかは、その中に位置付けられるがステープルではない典型的なステープルドライバと、ステープルキャビティの上に延びるセンサの少なくとも一部分とを含むことができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルキャビティの上に延びるセンサの部分は壊れやすく、ステープルドライバがステープル発射ストローク中にアンビルに向かって上向きに駆動されるときに壊れるか又は折れるように構成されている。そのような構成は、ステープル発射ストロークが進行するにつれて、カートリッジプロセッサからセンサを徐々に切り離すために使用することができる。そのような構成は、とりわけ、処理電力を節約する、及び/又はステープル発射ストロークの進行を追跡するために使用することができる。
【0083】
米国特許第8,622,274号、発明の名称「MOTORIZED CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING CONTROL CIRCUIT FOR OPTIMIZING BATTERY USAGE」、米国特許第10,135,242号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」、米国特許第10,548,504号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY(RF)ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」、米国特許第9,993,248号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」、米国特許出願公開第2016/0256071号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY(RF)ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」(現在は、米国特許第10,548,504号)、米国特許出願公開第2018/0168625号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SMART STAPLE CARTRIDGES」、米国特許出願公開第2018/0250002号、発明の名称「POWERED SURGICAL DEVICES HAVING TISSUE SENSING FUNCTION」、及び国際公開第2018/049206号、発明の名称「STAPLER RELOAD DETECTION AND IDENTIFICATION」の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
様々な事例では、
図9を参照すると、ステープルカートリッジ12000は、互いに独立した識別回路12100及び電力供給回路12200を備える。識別回路12100は、例えば、問い合わせ信号が機器データアンテナ10530”からカートリッジデータアンテナ11530”に伝送されたときに付勢されるパッシブRFIDシステム12110を備える。識別回路12100は、内蔵型であり、電力供給回路から電力を受け取らない。パッシブRFIDシステム12110は、電源を含まず、問い合わせ信号によって給電される。パッシブRFIDシステム12110が問い合わせ信号を受信すると、パッシブRFIDシステム12110は、ステープルカートリッジ12000の識別に関するデータを含む応答信号を、カートリッジデータアンテナ11530”を介して外科用器具に返信する。外科用器具は、受動RFIDシステム12110からの応答信号を受信して処理するように構成されているRFIDリーダチップ12610を備える。少なくとも1つの代替的な実施形態では、独立識別回路は、それ自体の電源を含むアクティブRFIDシステムを備える。そのような実施形態では、アクティブRFIDシステムは、機器データアンテナ10530”によって受信されるのに十分な電力を有する識別信号を周期的に発するビーコンを備えることができる。
【0085】
様々な実施形態では、上記に加えて、ステープルカートリッジ12000の独立した電力供給回路12200は、外科用器具の電力伝送アンテナ10535”から電力を受け取るように構成されているカートリッジ電力アンテナ11535”を含む。様々な事例では、上記と同様に、ステープルカートリッジ12000は、ステープルカートリッジ12000のセンサアレイ11600からのデータを含むデータ信号を、アンテナ10535”及び11535”を含む電力アンテナ対を介して外科用器具に返送するように構成されている。特定の事例では、ステープルカートリッジ12000は、電力回路12200及びカートリッジ識別回路12100の電力アンテナ対とは別個の独立した低電力アンテナ対を介して外科用器具にセンサデータを伝送するように構成されている第3のアンテナを備える。そのような事例では、電力は、電力アンテナ対を介して外科用器具からステープルカートリッジに伝送され、識別信号は、識別信号アンテナ対を介して外科用器具とステープルカートリッジとの間で伝送され、センサデータは、センサデータ信号アンテナ対を介してステープルカートリッジから外科用器具に伝送される。
【0086】
様々な実施形態では、
図10を参照すると、ステープルカートリッジ13000は、カートリッジ電力アンテナ11535”及びカートリッジデータアンテナ11530”を含み、これらは両方とも単一の器具アンテナ13530に結合される。少なくとも1つのそのような実施形態では、単一器具アンテナ13530は、器具コイル平面内に画定されるコイル13540を備え、カートリッジデータアンテナ11530”は、データコイル平面内に画定されるコイル11540”を備え、カートリッジ電力アンテナ11535”は、電力コイル平面内に画定されるコイル11545”を備える。コイル13540、11540”、及び11545”は、単一器具アンテナ13530によって伝送された信号がカートリッジデータアンテナ11530”及びカートリッジ電力アンテナ11535”によって受信されるように積み重ねられる。少なくとも1つの事例では、コイル13540、11540”、及び11545”は、ステープルカートリッジ13000の1つの横方向側部上に位置付けられ得る。様々な事例では、コイル13540、11540”、及び11545”は、ステープルカートリッジ13000の底部に配置され得る。様々な事例では、カートリッジデータアンテナ11530”が、カートリッジ電力アンテナ11535”よりも低い電力で信号を受信することが望ましい場合がある。少なくとも1つのそのような事例では、コイル13540、11540”、及び11545”は、カートリッジ電力コイル11545”が器具アンテナコイル13540とカートリッジデータコイル11540”との中間に位置付けられるように積み重ねられる。そのような事例では、結果として、器具アンテナコイル13540によって発せられる信号の強度は、カートリッジデータコイル11540”よりもカートリッジ電力コイル11545”で大きい。様々な事例では、コイル13540、11540”、及び11545”は、互いに等しく、又は等距離に離間される。他の事例では、カートリッジデータコイル11540”とカートリッジ電力コイル11545”との間の間隙は、カートリッジ電力コイル11545”と器具アンテナコイル13540との間の間隙よりも大きい。そのような事例では、カートリッジデータコイル11540”に伝送される電力は、カートリッジ電力コイル11545”に伝送される電力よりも実質的に低くてもよい。様々な代替的な実施形態では、器具アンテナコイル13540は、カートリッジデータコイル11540”とカートリッジ電力コイル11545”との中間に位置付けられ、コイル11540”及び11545”は、器具アンテナコイル13540から任意の好適な距離に位置付けることができる。
【0087】
再び
図10を参照すると、器具アンテナ10530”及び10535”は、カートリッジアンテナ11530”及び11535”と相互作用する場を放射するために使用される。様々な事例では、器具アンテナ10530”及び10535”によって放射される場は、全方向に放射される。結果として、カートリッジアンテナ11530”及び11535”によって受信されないかなりの量の電力が、器具アンテナ10530”及び10535”によって放射され得る。様々な事例では、外科用器具は、器具アンテナ10530”及び10535”によって放射される場を成形するように構成されている。少なくとも1つの事例では、外科用器具は、例えば、器具データアンテナ10530”及び/又は電力伝送アンテナ10535”を取り囲む1つ以上の金属壁を含む。そのような金属壁は、カートリッジアンテナ11530”及び11535”に向かわない方向に放射される場の強度を制限することができる。少なくとも1つの事例では、金属壁は、器具アンテナのコイルから対応するカートリッジアンテナのコイルに向かって放射場を方向付けるホーンを形成する。少なくとも1つのそのような事例では、金属壁は、例えば、カートリッジジョーの金属側壁及び/又は金属底壁から延びる。様々な事例では、例えば、フェライトリングを器具アンテナのコイルの周りに位置付けて、放射された場を対応するカートリッジアンテナのコイルに向かってトンネルさせることができる。少なくとも1つのそのような事例では、フェライトリングは、例えば、カートリッジジョーの側壁及び/又は底壁に装着される。様々な事例では、ステープルカートリッジ11000”は、器具アンテナから放射された場を、対応するカートリッジアンテナのコイルに方向付ける金属壁を含む。少なくとも1つのそのような事例では、金属壁は、例えば、プラスチックで構成されるステープルカートリッジのカートリッジ本体に装着されたホーンを形成する。また、様々な事例では、ステープルカートリッジは、器具アンテナのコイルによって放射された場を、対応するカートリッジアンテナに方向付ける、及び/又は増幅するように構成されているフェライト材料を含む。2018年11月20日に発行された米国特許第10,135,242号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」、2016年5月24日に発行された米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、及び2018年1月23日に発行された米国特許第9,872,722号、発明の名称「WAKE-UP SYSTEM AND METHOD FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0088】
図5Aを再び参照すると、ステープルカートリッジ11000は、カートリッジ本体11100に取り付けられた金属パン11700を備えている。金属パン11700は、カートリッジ本体11100の底部を囲んで延び、ステープルドライバ11300及び/又はステープルがステープルカートリッジ11000の底部から落下しないように構成されている床部11710を備える。金属パン11700は、カートリッジ本体11100の第1の横方向側部に沿って延びる第1の側壁11720と、カートリッジ本体11100の第2の横方向側部に沿って延びる第2の側壁11720とを備える。第1の側壁11720は、例えば、フック及び/又はショルダリテーナなどの1つ以上の取付機構11730を介してカートリッジ本体11100に取り付けられる。第1の側壁11720と同様に、第2の側壁11720は、例えば、フック及び/又はショルダリテーナなどの1つ以上の取付機構11730を介してカートリッジ本体11100に取り付けられる。金属パン11700は、例えば、ステンレス鋼又はニチノールなどの任意の好適な金属で構成される。様々な実施形態では、金属パン11700は、プラスチック及び/又は任意の他の好適な材料で構成される部分を含むこともできる。様々な事例では、カートリッジアンテナは、金属パン11700に装着される。少なくとも1つのそのような事例では、カートリッジデータコイル11540”及び/又はカートリッジ電力コイル11545”は金属パン11700に装着されて、コイルをそれぞれの器具アンテナのより近くに位置付け、アンテナの伝送効率を改善することができる。
【0089】
様々な実施形態では、外科用器具及び/又はステープルカートリッジは、外科用器具及び/又はステープルカートリッジによって発せられる信号を制御、遮断、及び/又は方向付けるように構成されているマスク又はシールドを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、マスクは、例えば、フェライトで構成される。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジジョーは、側壁及び/又は底壁から延びる金属壁シールドを備える。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジのパン及び/又はカートリッジ本体は、その中に収容された及び/又はそこから延びる金属壁シールドを含む。少なくとも1つの実施形態では、マスクは、信号が発せられる、及び/又は受信される方向を制限するように構成されている。様々な実施形態では、外科用器具及び/又はステープルカートリッジは、そこから発せられた信号を方向付けるように構成されているホーンアンテナを備える。少なくとも1つの実施形態では、外科用器具及び/又はステープルカートリッジは、金属壁で構成されるアンテナを含むことができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、外科用器具のカートリッジジョーは、金属壁で構成され、その少なくとも1つはアンテナとして使用される。更に、少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルカートリッジのパンは金属壁で構成され、そのうちの少なくとも1つはアンテナとして使用される。様々な実施形態では、1つ以上のコンデンサ又は容量性要素が、ステープルカートリッジのパンにはんだ付けされ、これは、パン内で伝導される及び/又はパンを通して伝送される望ましくない周波数をフィルタ除去することができる。
【0090】
次に
図11を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ14000のようなステープルカートリッジは、カートリッジ本体11100と、センサ11600を含む電子回路11500とを備える。ステープルカートリッジ14000は、多くの点で本明細書に開示される他のステープルカートリッジに類似しており、そのような点は、簡潔にするために本明細書では述べていない。カートリッジ本体11100は、デッキ11130と、デッキ11130内に画定されたステープルキャビティ11140の長手方向列とを備える。各ステープルキャビティ11140は、ステープル発射ストローク中にステープルドライバによってステープルキャビティ11140から上向きに駆動される、その中に格納されたステープルを含む。各ステープルは、基部と、基部から延びる2つの脚部とを備え、脚部は、概して上向きかつ外向きに延び、V字状構成を形成する。様々な事例では、ステープルの脚部は、ステープルがステープルキャビティ11140内に格納されるとき、ステープルキャビティ11140の近位端壁及び遠位端壁によって内側に弾性的に偏向される。ステープルがステープルキャビティ11140から上向きに駆動されるとき、ステープルの脚部は、ステープルキャビティ11140から出現し、デッキ11130の上方に延び、一方、ステープルの残りは、ステープルキャビティ11140から上向きに押し出される。カートリッジ本体11100は、デッキ11130から延びる突出部11132(
図5B)を備え、突出部は、ステープルがステープルキャビティ11140から射出される際に、ステープルの脚部を案内及び/又は制御するように構成されている。突出部11132は、各ステープルキャビティ11140の遠位端及び各ステープルキャビティ11140の近位端に位置付けられる。しかしながら、突出部11132が各ステープルキャビティ11140の一端のみに位置付けられる代替的な実施形態が企図される。更に、ステープルキャビティ11140のうちのいくつかが、その端部に突出部11132を含まない様々な実施形態が想定される。突出部11132は、デッキ11130に対して位置付けられた患者組織に係合し、デッキ11130に接する患者組織の流れ又は移動を制限するように更に構成されている。
【0091】
様々な実施形態では、電子回路11500は、突出部11132と係合する機構を含む基板を備える。少なくとも1つの実施形態では、基板は、その中に画定された開口を備え、その側壁は突出部11132と係合される。開口部は、電子回路11500がカートリッジ本体11100に対して所定の位置に保持されるように、突出部11132とスナップ嵌め及び/又は圧入構成になっている。少なくとも1つの実施形態では、突出部11132は、カートリッジ本体11100に接してセンサ回路11500を保持する少なくとも部分的に環状又は周方向の肩部を含む。
【0092】
様々な実施形態では、ステープルカートリッジのセンサ回路は、カートリッジ本体のデッキ上に印刷された導電性材料で構成される。少なくとも1つの実施形態では、導電性材料は、センサを接続する電気回路を形成するデッキに結合された金属粒子で構成される。少なくとも1つのそのような実施形態では、プリント電気回路は、三次元プリンタを用いてカートリッジ本体上に印刷される。様々な実施形態では、センサ回路は、カートリッジ本体上に印刷された電極又は接点を含む。少なくとも1つの実施形態では、センサ回路は、組織に接触するように構成されている多角形面を備える電極を備える。少なくとも1つの代替的な実施形態では、電極は、デッキ面上に湾曲した及び/又は蛇行した経路を含み、これにより、様々な事例では、電極と組織との間の接触面積を増加させることができる。少なくとも1つの実施形態では、電極は、組織を貫通するように構成されている、そこから延びる針を備える。少なくとも1つの実施形態では、針は、例えば、約1μmの直径を有する。様々な事例では、針は、センサ回路の感度を改善するために、組織と1つの電極内のセンサ回路との間に並列信号経路を提供する。少なくとも1つの実施形態では、導電性グリース又は導電性粘性剤がセンサ回路の組織接触点を覆って、電極と組織との間の接触を向上させる。様々な実施形態では、センサ回路の一部は、カートリッジ本体内に埋め込まれる。少なくとも1つのそのような実施形態では、センサ回路は、例えば、プラスチック材料が導体の部分上にオーバーモールドされるときにカートリッジ本体に埋め込まれる平坦な薄い導体を含む。しかしながら、導体の一部は露出されたままであり、センサをそこにはんだ付けするための組織係合パッド及び/又は導電性取付点を提供する。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジセンサ回路の一部は、カートリッジジョーの横側壁に画定することができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、センサ回路の近位部分及び遠位部分は、カートリッジ本体上に画定され、センサ回路の中間部分は、センサ回路の近位部分及び遠位部分を電気的に接続するカートリッジジョー上に画定される。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジジョーに装着られたセンサ回路の部分は、側壁に装着された導電性ストリップを含む。ステープルカートリッジがカートリッジジョーに設置されると、カートリッジセンサ回路が導電性ストリップに係合して回路を完成する。
【0093】
上述したように、センサ回路は、導電性組織接触面を含むことができる。様々な実施形態では、センサ回路は、非導電性組織接触面を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、センサ回路は、1つ以上の容量性電極を備える。様々な事例では、投影型静電容量測定技術は、容量性電極上の組織の存在及び/又は容量性電極上の組織の特性を測定するために使用される。少なくとも1つの実施形態では、各容量性電極は、その中に含まれる容量性パッドを被覆する絶縁カバーを含む。様々な事例では、上記に加えて、表面静電容量測定技術を使用することができる。様々な実施形態では、センサ回路は、1つ以上の誘導センサを備える。少なくとも1つの実施形態では、渦電流が誘導センサの各々に誘導され、渦電流は、組織がセンサに接触すると変化する。そのような実施形態では、センサ渦電流の変化は、ステープルカートリッジの制御システムによって検出される。様々な実施形態では、センサ回路は、温度センサ上の組織の存在を検出するために使用される温度センサを備えることができる。少なくとも1つの実施形態では、センサ回路は、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)を含むドープされた多結晶セラミックで構成される電極を含む。これらのセラミック材料の抵抗は、患者組織が電極に接して位置付けられるときなど、温度変化に応答して変化する。カートリッジプロセッサは、組織が電極に接して位置付けられたかどうかを評価するために、セラミック材料内の抵抗変動を監視するアルゴリズムを採用するように構成されている。様々な事例では、センサ回路の電極は、検出された抵抗、静電容量、電圧、及び/又は電流の変化がセンサの位置に直接関連付けられ得るように並列配置にある。この情報を用いて、プロセッサは、組織がステープルカートリッジの上に位置付けられているかどうか、及びどこに位置付けられているかを評価することができる。
【0094】
図11A及び
図11Dを参照すると、ステープルカートリッジ14000は、ステープルカートリッジ14000の1つ以上の構成要素に装着された積層材料14900を更に備え、ステープルカートリッジ14000から放射された電場及び/又は周囲の電場によってカートリッジ構成要素内に生成される電気的効果を制御する。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、少なくとも2つの層、すなわち、第1の層14910又はカバーと、第1の層14910に取り付けられた磁性材料の第2の層14920とを含む磁束場指向性材料を含む。第1の層14910は、例えば、第2の層14920を保護するポリエチレンテレフタレートから構成されるが、任意の好適な材料で構成することができる。第2の層14920は、例えば焼結フェライトシートから構成されるが、任意の適切な材料で構成することができる。少なくとも1つの事例では、例えば、感圧接着剤で構成される接着剤層14930は、第2の層14920に結合され、以下で更に論じられるように、積層材料14900をステープルカートリッジ14000の1つ以上の構成要素に取り付けるために使用される。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、例えば、3Mによって製造されるFlux Field Directional Material EM15TFである。
【0095】
様々な実施形態では、上記に加えて、積層材料14900は、カートリッジ本体11100に結合され、カートリッジアンテナから延びる場の形状を変更及び/又は制御するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、積層材料14900は、ステープルカートリッジ14000が設置される外科用器具10000の金属カートリッジジョーから離れて場を集束させる。少なくとも1つの事例では、カートリッジ本体11100はプラスチックで構成され、積層材料14900は、積層材料14900がカートリッジアンテナを取り囲むか、又は少なくとも実質的に取り囲むように、カートリッジ本体11100に装着される。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、カートリッジコイル11540”及び11545”が積層材料14900によって分離されるように、カートリッジデータコイル11540”とカートリッジ電力コイル11545”との中間の位置でカートリッジ本体11100に装着される。様々な実施形態では、積層材料14900は、カートリッジジョー10410の金属壁に接合される。少なくとも1つの事例では、積層材料14900は、器具データコイル10540”と送電コイル10545”との中間の位置でカートリッジジョー10410の金属壁に装着される。様々な実施形態では、積層材料14900は、カートリッジデータアンテナ11530”及び/又はカートリッジ電力アンテナ11535”をカートリッジ本体11100に接合する。少なくとも1つの実施形態では、積層材料14900は、器具データアンテナ10530”及び/又は器具電力アンテナ10535”を金属カートリッジジョー10410に接合する。
【0096】
様々な実施形態では、上記に加えて、積層材料14900は、金属パン11700に装着される。少なくとも1つのそのような事例では、積層材料14900は、金属パン11700とカートリッジデータアンテナ11530”との中間に位置付けられ、また、金属パン11700とカートリッジ電力アンテナ11535”との中間に位置付けられる。そのような構成は、アンテナ11530”及び11535”によって生成される場を金属パン11700から離して集中させて、場が金属パン11700に及ぼす電気的影響を最小限に抑えることができる。様々な実施形態では、積層材料14900は、ステープルカートリッジ14000の可動構成要素に装着される。少なくとも1つの事例では、
図11Dを参照すると、積層材料14900は、スレッド11400に取り付けられる。少なくとも1つのそのような事例では、積層材料14900は、例えば、スレッド11400の横方向側部11410に装着される。少なくとも1つの事例では、
図11Aを参照すると、積層材料14900は、例えば、ステープルドライバ11300のうちの1つ以上に装着される。少なくとも1つのそのような事例では、積層材料14900は、ステープルドライバ11300の横方向側部11310に装着される。積層材料14900は、例えば、ステープルドライバ11300のすべて、又はカートリッジアンテナ11530”及び11535”に隣接するステープルドライバ11300のみに装着することができる。
【0097】
上記に加えて、カートリッジアンテナ及び/又は器具アンテナによって生成される場は、センサ11600の出力に影響を及ぼす可能性がある。そのような影響は、例えば、積層材料14900によって低減又は緩和することができる。様々な事例では、ステープルカートリッジ14000のプロセッサは、アンテナ場がセンサ11600に及ぼす影響を電子的に考慮するように構成されている。少なくとも1つのそのような事例では、カートリッジプロセッサは、信号がアンテナ対の間で伝送されているときを監視することができ、そのような事例では、センサ出力を外科用器具プロセッサに伝送する前、及び/又はセンサ出力をステープルカートリッジ14000内のメモリデバイスに記録する前に、センサ11600から受信されているセンサ出力を修正することができる。信号がアンテナ対間で伝送されていないとき、センサ出力は、外科用器具プロセッサに伝送される前、及び/又はステープルカートリッジ14000内のメモリデバイスに記録される前に、プロセッサによって修正される必要がない場合がある。様々な事例では、プロセッサは、電力アンテナ対が信号を伝送しているときに第1の補償係数をセンサ出力に適用し、信号アンテナ対が信号を伝送しているときに第2の補償係数をセンサ出力に適用し、両方のアンテナが信号を伝送しているときに第3の補償係数をセンサ出力に適用することができる。少なくとも1つのそのような事例では、例えば、第3の補償係数は第1の補償係数よりも大きく、第1の補償係数は第2の補償係数よりも大きい。
【0098】
上記に加えて、回路11500は、デッキ11130の上面と面一である、及び/又はデッキ11130の上面に対して凹んでいる。様々な事例では、ステープルカートリッジ11000は、回転可能に装着されたラッチを更に含み、ラッチは、回路スロット11160内に回路11500を保持するために、ラッチ解除位置からラッチ位置まで回転可能である。ラッチは、ラッチがラッチ位置にあるとき、圧入及び/又はスナップ嵌め方式でカートリッジ本体11100に係合する。ラッチがそれらのラッチ位置にあるとき、ラッチは、デッキ11130の上面と同一平面上にある、及び/又はデッキ11130の上面の下に凹んでいる。少なくとも1つの実施形態では、突出部11132は、ラッチ及び/又は任意の他の好適な拘束機構に装着される、及び/又はそれ一体的に形成される。いずれにしても、回路11500は、上記の結果としてカートリッジ本体11100に対して定位置に保持される1つ以上のセンサを備える。
【0099】
上述したように、センサ11600は、それらの周囲環境によって影響され得る。様々な事例では、センサ11600は、外科用器具のエンドエフェクタ10400が患者に挿入されるときの温度変化によって影響を受け得る。
図12を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ15000などのステープルカートリッジは、熱管理システムを備えることができる。ステープルカートリッジ15000は、多くの点で本明細書に開示される他のステープルカートリッジに類似しており、そのような点は、簡潔にするために繰り返さない。ステープルカートリッジ15000は、カートリッジ本体15100と、カートリッジ本体15100に装着されたセンサ11600とを備えている。ステープルカートリッジ15000は、熱エネルギーを移動させる、及び/又は熱エネルギーをカートリッジ本体15100と等しくするヒートシンクシステム15800を更に備える。カートリッジ本体15100は、第1の横方向側部15170及び第2の横方向側部15180を備え、ヒートシンクシステム15800は、第1の横方向側部15170に埋め込まれた第1のヒートシンク15870と、第2の横方向側部15180に埋め込まれた第2のヒートシンク15880とを備える。第1のヒートシンク15870は、カートリッジ本体15100の第1の横方向側部15170に沿って延びる第1の長手方向レール15872と、第1の長手方向レール15872から横方向に延びる横方向レール15874とを備える。横方向レール15874は、ステープルキャビティ11140の間及び周囲に延び、第1の長手方向レール15872に隣接して位置付けられるセンサ11600から離れるように外向きに熱を伝導する。しかしながら、レール15872及び15874が、カートリッジ本体15100の外周に沿って位置付けられたセンサ11600から離れるように内向きに熱を伝導するように配置される他の実施形態が企図される。第2のヒートシンク15880は、第2の横方向側部15180に沿って延びる第2の長手方向レール15882と、第2の長手方向レール15882から延びる横方向レール15884とを備える。横方向レール15884は、ステープルキャビティ11400の間及び周囲に延び、第2の長手方向レール15882に隣接して位置付けられるセンサ11600からから離れるように外向きに熱を伝導する。しかしながら、レール15882及び15884が、カートリッジ本体15100の外周に沿って位置付けられたセンサ11600からから離れるように内向きに熱を伝導するように配置される他の実施形態が企図される。
【0100】
上記に加えて、第1のヒートシンク15870及び第2のヒートシンク15880は、ステープルカートリッジ15000の1つの領域から別の領域に熱を伝導するように構成されている。様々な事例では、第1のヒートシンク15870は、第1の熱伝導率を有する第1の材料で構成される第1の領域と、第1の熱伝導率よりも高い第2の熱伝導率を有する第2の領域とを含む。少なくとも1つの事例では、第1の領域は、第2の領域が第1の領域から熱を迅速に引き出すように、センサ11600に隣接して位置付けられる。このように、第1のヒートシンク15870は、ヒートポンプを備える。第2のヒートシンク15880は、同様の構成を備えることができる。様々な事例では、第1のヒートシンク15870は、第1の熱容量を有する第1の材料で構成される第1の領域と、第1の熱容量よりも高い第2の熱容量を有する第2の材料で構成される第2の領域とを含む。そのような実施形態では、第2の領域は、センサ11600から離れて熱を蓄えることができる。第2のヒートシンク15880は、同様の構成を備えることができる。
【0101】
上記に加えて、様々な事例では、第1の長手方向レール15872は、その長さに沿って一定の断面を含む。使用時には、熱エネルギーは、第1の長手方向レール15872に沿って、第1の長手方向レール15872に沿った高温の位置から低温の位置へと流れる。少なくとも1つの代替的な実施形態では、第1の長手方向レール15872の断面は、その長さに沿って変化する。使用中、熱エネルギーは、第1の長手方向レール15872に沿って、小さい断面を有する位置からより大きい断面を有する位置へと流れることができる。少なくとも1つの事例では、第1の長手方向レール15872は、一端から他端へと直線的に先細りになっている。少なくとも1つのそのような事例では、第1の長手方向レール15872の大きい方の端部は、ステープルカートリッジ15000の遠位端にある。そのような事例では、熱は、例えば、ステープルカートリッジ15000の近位端内のプロセッサ及び/又は他の電子機器に向かう代わりに、ステープルカートリッジ15000の遠位端に向かって流れ得る。第2のヒートシンク15880は、同様の構成を備えることができる。
【0102】
上記に加えて、様々な事例では、横方向レール15874は、その長さに沿って一定の断面を含む。使用中、熱エネルギーは、高温の位置から低温の位置へ横方向レール15874に沿って流れる。少なくとも1つの代替的な実施形態では、横方向レール15874の断面は、その長さに沿って変化する。使用時、熱エネルギーは、横方向レール15874に沿って、小さい断面を有する位置からより大きい断面を有する位置へ流れることができる。少なくとも1つの事例では、各横方向レール15874は、一端から他端へと直線的に先細りになっている。少なくとも1つのそのような事例では、横方向レール15874のより大きい端部は、ステープルカートリッジ15000の横方向側部にある。そのような事例では、熱は、第1の長手方向レール15872からステープルカートリッジ15000の横方向側部に向かって流れてもよく、そこで熱はステープルカートリッジ15000から容易に放散させることができる。第2のヒートシンク15880は、同様の構成を備えることができる。とは言うものの、任意の適切な構成のヒートシンクを使用することができる。
【0103】
様々な事例では、上記に加えて、ヒートシンクの一部分は、ステープルカートリッジ15000の少なくとも1つの電子構成要素と直接接触している。少なくとも1つの事例では、ステープルカートリッジ15000は、カートリッジ本体15100に搭載されたマイクロプロセッサを含み、ヒートシンクは、例えば、マイクロプロセッサと直接当接している。様々な実施形態では、カートリッジ本体15100は、ステープルカートリッジ15000の少なくとも1つの電子構成要素と直接接触する。少なくとも1つの事例では、カートリッジ本体15100は、そこから延びるフィンを備え、フィンは、対流面積を増加させ、電子構成要素が冷却され得る速度を上昇させる。少なくとも1つのそのような事例では、
図11Aを参照すると、カートリッジ本体15100は、スレッド11400のステープル駆動レール11415を受容するように構成されている長手方向スロット11115を画定する長手方向レール11105を含み、長手方向レール11015は、ステープルカートリッジ15000の電子構成要素を冷却するための熱経路の一部である。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジ本体15100の長手方向レール11105は、電子構成要素と長手方向レール11105との間、及び長手方向レール11105と周囲環境との間の熱の熱伝導率、対流、及び/又は放射を改善する材料で少なくとも部分的にコーティングされる。様々な実施形態では、ステープルカートリッジ15000の金属パン11700は、ステープルカートリッジの1つ以上の電子構成要素と当接接触しており、電子構成要素からから離れるように熱を伝導するように構成されている。少なくとも一実施形態では、カートリッジ本体15100及び/又は金属パン11700は、エンドエフェクタ10400が患者内にあるときに、体液がステープルカートリッジ15000内に入ることを可能にするように構成されている窓又は貫通孔を備える。そのような実施形態では、ステープルカートリッジ15000の電子構成要素は、例えば、エポキシなどのシーラントでコーティングされ、シーラントは、体液がステープルカートリッジ15000に入るときに電子構成要素を保護する。そのような開口部はまた、ステープルカートリッジ15000のヒートシンクとの体液の接触を容易にするように位置付けられ、配置され得る。
【0104】
様々な実施形態では、ステープルカートリッジ15000は、ステープルカートリッジ15000のプロセッサと通信する少なくとも1つの温度センサ15900を含む温度センサ回路を更に備える。少なくとも1つの実施形態では、温度センサ15900は、例えば、サーミスタ、熱電対、及び/又は抵抗温度検出器を含む。様々な事例では、ステープルカートリッジ15000のステープルプロセッサ、電子ハードウェア、組織センサ、及び/又はアンテナは、状況によっては、これらのデバイスの機能に悪影響を与え得る熱を発生させる。温度センサ15900からステープルカートリッジプロセッサに提供されるデータを用いて、ステープルカートリッジプロセッサは、例えば、ステープルカートリッジプロセッサによって生成される熱を低減するために、組織センサのサンプリング又は処理速度を調整することができる。少なくとも1つの事例では、ステープルカートリッジプロセッサは、温度センサ15900によって感知された温度が閾値を上回るとき、組織センサのデータサンプリング又は処理速度を低下させるように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、温度が温度閾値を上回ったままであるか、又は温度閾値を下回って戻るかにかかわらず、組織センサのより低いサンプリング速度を維持することができる。他の実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、温度センサ15900によって感知された温度が温度閾値未満に戻った後に、組織センサのサンプリング速度を上昇又は回復させることができる。同様に、ステープルカートリッジプロセッサは、温度センサ15900によって感知された温度が閾値を上回るときに、データアンテナ対を介したステープルカートリッジ15000と外科用器具との間のデータ転送速度を低下させるように構成することができる。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、温度が温度閾値より上に留まるか又は下に戻るかにかかわらず、より低い転送速度を維持することができる。他の実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、温度センサ15900によって感知された温度が温度閾値未満に戻った後に、データアンテナ対にわたるデータ転送速度を上昇又は回復させることができる。
【0105】
少なくとも1つの実施形態では、上記に加えて、ステープルカートリッジ15000のプロセッサ及び/又は外科用器具10000のプロセッサは、温度センサ15900によって感知された温度が閾値を上回るときに、ステープルカートリッジ15000と外科用器具10000との間の電力アンテナ結合部にわたって伝達される電力を低減するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、プロセッサ(単数又は複数)は、温度が温度閾値を上回ったままであるか、又は下回って戻るかにかかわらず、より低い電力転送速度を維持することができる。他の実施形態では、プロセッサ(単数又は複数)は、温度センサ15900によって感知された温度が温度閾値未満に戻った後に、電力転送速度を上昇又は回復させることができる。
【0106】
様々な実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、ステープルカートリッジ15000の動作を修正する前に、温度センサ15900によって感知された温度が温度閾値を上回るときに、ステープルカートリッジ15000の動作状態を評価するように構成されている。例えば、感知された温度が温度閾値を上回るときに、ステープル発射ストロークが外科用器具10000によってまだ開始されていないことをステープルカートリッジプロセッサが感知した場合、ステープルカートリッジプロセッサは、例えば、センササンプリング速度、データ転送速度及び/又は電力転送速度を修正若しくは低下させる、及び/又はステープルカートリッジプロセッサの機能を変更若しくは停止することによって、ステープルカートリッジプロセッサによって生成される熱を別様に低減するように構成されている。そのような構成は、使用中にステープルカートリッジ15000によって発生する熱を低減することができる。ステープルカートリッジプロセッサが、感知された温度が温度閾値を上回るときに、ステープル発射ストロークが外科用器具10000によって既に開始されていることを感知する場合、少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、例えば、ステープル発射ストローク中に、センササンプリング速度、データ転送速度、及び/又は電力転送速度を変更しない。ステープル発射ストロークの後、そのような事例では、ステープルカートリッジプロセッサは、ステープルカートリッジ15000によって生成される熱を低減するために、何らかの方法でステープルカートリッジ15000の動作を修正することができる。様々な事例では、ステープルカートリッジ15000は、スレッドの位置、又は少なくともスレッドが近位未発射位置にあるかどうかを検出して、ステープル発射ストロークが開始されたかどうかを判定するように構成されているセンサを備える。様々な実施形態では、外科用器具10000の制御システムは、ステープル発射ストロークが開始されていることをステープルカートリッジプロセッサに通信するように構成されている。ステープルカートリッジ15000はまた、スレッドがその完全発射位置に到達したときを判定するためのセンサを備えることができ、及び/又は外科用器具10000の制御システムは、ステープル発射システムの後退ストロークが開始されていることをステープルカートリッジプロセッサに通信するように構成されている。
【0107】
様々な実施形態では、上記に加えて、ステープルカートリッジプロセッサは、感知された温度が第1の温度閾値を超えたときに第1のシステムの動作を修正し、感知された温度が第2の、又はより高い温度閾値を上回るときに第2のシステムの動作を修正するように構成されている。例えば、ステープルカートリッジプロセッサは、第1の温度閾値を上回るときにセンササンプリング速度を低下させ、次いで、第2の温度閾値を上回るときに外科用器具へのデータ転送速度も低下させることができる。
【0108】
様々な実施形態では、上記に加えて、ステープルカートリッジ15000のプロセッサは、温度センサ15900と協働して、又はその代わりに使用される内部温度センサを備える。様々な実施形態では、カートリッジ本体15100は、温度センサとして使用される正温度係数(PTC)材料で構成される。そのような実施形態では、カートリッジ本体15100は、ステープルカートリッジ15000のプロセッサと通信する温度センサ回路の一部である。様々な事例では、カートリッジ本体15100は、本明細書に開示される他の温度センサに加えて、又はその代わりに温度センサを備える。少なくとも1つの事例では、PTC材料は、例えばチタン酸バリウムBaTiO3を含むドープされた多結晶セラミックで構成される。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジ15000のプロセッサは、温度センサ15900及び外科用器具10000内の少なくとも1つの温度センサと通信する。そのような実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、複数の位置における温度を評価し、ステープルカートリッジ15000の動作を修正する前に、両方の温度センサの温度読み取り値を考慮するアルゴリズムを採用することができる。様々な実施形態では、ステープルカートリッジ15000は、2つ以上の温度センサを備えることができ、ステープルカートリッジプロセッサは、ステープルカートリッジ15000の動作を修正する前に、温度センサのすべての温度読み取り値を考慮するアルゴリズムを採用することができる。
【0109】
様々な実施形態では、カートリッジプロセッサによって生成される熱は、例えば、センサ回路の構成要素及び/又はセンサ回路のセンサによって生成される電位に影響を及ぼす可能性がある。様々な事例では、感知された温度の上昇は、例えば、プロセッサによって生成された磁場又は電場の増加の結果であり得る。少なくとも1つの実施形態では、プロセッサは、温度上昇がセンサ出力に及ぼす影響を補償するために補正係数を利用するように構成されているアルゴリズムを採用する。少なくとも1つのそのような実施形態では、補償係数は、感知された温度が閾値を上回るときに適用される。様々な実施形態では、電圧出力は、例えば、線形及び/又は非線形関数などの修正関数に従って修正される。様々な実施形態では、カートリッジ制御システムは、プロセッサによって生成される場を直接検出し、場がセンサ出力に及ぼす影響を補償するためのアルゴリズムを採用するように構成されているセンサを備える。
【0110】
様々な実施形態では、本明細書に開示されるステープルカートリッジは、低電力モード及び高電力モードで動作するように構成されている。ステープルカートリッジのプロセッサは、ステープルカートリッジプロセッサが1つ以上の入力又はトリガを受信したときに、低電力モードから高電力モードに切り替わるように構成されている。そのような実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサが高電力モードに切り替わるための信号又は信号の組み合わせを待つ間、ステープルカートリッジは、より少ない電力を消費し、より少ない量の熱を発生する。低電力モードでは、少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、カートリッジセンサからのデータを低サンプリング速度で処理し、及び/又はデータを外科用器具10000に、例えば、データアンテナ結合部を介して低伝送速度で伝送するように構成されている。高電力モードでは、少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジプロセッサは、より高いサンプリング速度でカートリッジセンサからのデータを処理し、及び/又はより高い伝送速度でデータアンテナ結合を介して外科用器具10000にデータを伝送するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジは、例えば、カートリッジ本体に搭載された少なくとも1つの歪みゲージを備え、歪みゲージは、ステープルカートリッジプロセッサと通信し、カートリッジ本体が圧縮されているときを感知するように構成されている。(カートリッジ本体が高い歪みを受けることに応答して)歪みゲージによって出力されている電位が閾値を上回ると、ステープルカートリッジプロセッサは、低電力モードから高電力モードに切り替わる。そのような事例では、ステープルカートリッジは、外科用器具10000のエンドエフェクタ10400が患者組織上にクランプされたことを検出することができる。上述の歪みゲージに加えて、又はその代わりに、外科用器具10000のプロセッサは、例えば、外科用器具10000がクランプされたときに、データアンテナ対を横切ってステープルカートリッジのプロセッサに信号を発することができる。いずれの場合も、ステープルカートリッジのプロセッサは、外科用器具10000がクランプ状態にあるとプロセッサが判定したときに、低電力モードから高電力モードに切り替わる。そのような事例では、ステープルカートリッジプロセッサは、例えば、組織センサ出力のサンプリング速度を上昇加させる、及び/又は外科用器具10000のプロセッサに戻るデータ転送速度を上昇させることができる。
【0111】
少なくとも1つの実施形態では、上記に加えて、ステープルカートリッジは、外科用器具10000が非クランプ状態にあり、ステープルカートリッジが未発射状態にあるとき、低電力モードにある。外科用器具10000がクランプされると、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジの機能のすべてではないが1つ以上の機能がオンに切り替えられる、及び/又は変更される第1の高電力モードに入る。ステープル発射ストロークが外科用器具10000によって開始されるとき、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジの機能のすべてがオンに切り替えられ、完全に動作可能である第2の高電力モードに入る。少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルカートリッジのプロセッサは、ステープルカートリッジが第1の高電力モードに入ったことを示す第1の信号を外科用器具10000に発し、ステープルカートリッジが第2の高電力モードに入ったことを示す第2の信号を外科用器具10000に発するように構成されている。外科用器具10000の器具プロセッサが第1の信号を受信すると、器具プロセッサは、ステープルカートリッジへの電力信号のワット数を増加させて、ステープルカートリッジを第1の高電力モードで給電する。同様に、器具プロセッサは、器具プロセッサが第2の信号を受信すると、ステープルカートリッジへの電力信号のワット数を増加させて、第2の高電力モードでステープルカートリッジに給電する。
【0112】
少なくとも1つの実施形態では、外科用器具は、ステープルカートリッジが外科用器具のエンドエフェクタに設置され、エンドエフェクタが非クランプ状態にあるときに第1のワット数で、エンドエフェクタがステープル発射ストローク前にクランプ状態にあるときに第2のワット数で、及びステープル発射ストローク中に第3のワット数で、ステープルカートリッジに電力を供給するように構成されている。少なくとも1つのそのような実施形態では、第2のワット数は、第1のワット数及び第3のワット数よりも高く、その結果、カートリッジプロセッサは、エンドエフェクタがクランプされる前及び/又はステープル発射ストローク中に過剰な量の熱を発生させることなく、ステープル発射ストローク前に組織を評価するために、より速い速度で組織センサからのデータを処理できる。少なくとも1つの代替的な実施形態では、第3のワット数は、第1のワット数及び第2のワット数よりも高く、その結果、カートリッジプロセッサは、ステープル発射ストロークの前に過剰な量の熱を発生させることなく、ステープル発射ストローク中に組織を評価するために、より速い速度で組織センサからのデータを処理することができる。
【0113】
少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジが外科用器具10000内に設置される前に、低電力モードにある。ステープルカートリッジが外科用器具10000内に設置されると、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジの機能のすべてではないが1つ以上の機能がオンに切り替えられる、及び/又は変更される第1の高電力モードに入る。例えば、ステープルカートリッジの識別回路は、ステープルカートリッジが第1の高電力モードにあるときにオンに切り替えられる。外科用器具10000がクランプされると、ステープルカートリッジは、第2の高電力モードに入り、ステープルカートリッジの機能のすべてではないが、1つ以上の追加機能がオンに切り替えられる、及び/又は修正される。例えば、ステープルカートリッジの組織感知回路は、ステープルカートリッジが第2の高電力モードにあるときにオンに切り替えられる。ステープル発射ストロークが外科用器具10000によって開始されるとき、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジの機能のすべてがオンに切り替えられ、完全に動作可能である第3の高電力モードに入る。少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルカートリッジのプロセッサは、ステープルカートリッジが第1の高電力モードに入ったことを示す第1の信号を外科用器具10000に発し、ステープルカートリッジが第2の高電力モードに入ったことを示す第2の信号を外科用器具10000に発し、ステープルカートリッジが第3の高電力モードに入ったことを示す第3の信号を外科用器具10000に発するように構成されている。外科用器具10000の器具プロセッサが第1の信号を受信すると、器具プロセッサは、ステープルカートリッジへの電力信号のワット数を増加させて、ステープルカートリッジを第1の高電力モードで給電する。同様に、器具プロセッサは、器具プロセッサが第2の信号を受信すると、ステープルカートリッジへの電力信号のワット数を増加させて、第2の高電力モードでステープルカートリッジに給電する。同様に、器具プロセッサは、器具プロセッサが第3の信号を受信すると、ステープルカートリッジへの電力信号のワット数を増加させて、第3の高電力モードでステープルカートリッジに給電する。
【0114】
上述したように、ステープルカートリッジのプロセッサは、入力又はトリガに応答し、トリガが受信されると、ステープルカートリッジの1つ以上のシステムを作動させる。様々な実施形態では、ステープルカートリッジは、ウェイクアップ回路及びオンボード電源を含む制御システムを備える。ウェイクアップ回路は、ステープルカートリッジの外部からの電源、すなわちオフボード電源によって通電されると、オンボード電源を制御システムのデータ伝送回路に接続して、データアンテナ対を介して外科用器具10000にデータを伝送する。少なくとも1つの事例では、データ伝送回路は、外科用器具10000に識別ビーコンを放射する。ステープルカートリッジの制御システムが、識別ビーコンを放射した後の所定の時間内に外科用器具10000との認証された通信を確立しない場合、制御システムは、ウェイクアップ回路がオフボード電源によって再び通電されるまで、オンボード電源をデータ伝送回路から切断することによって、データ伝送回路をシャットダウンする。しかしながら、ステープルカートリッジが、識別ビーコンを放射した後の所定の期間内に外科用器具10000との認証された通信を確立する場合、制御システムは、完全ウェイク高電力動作モードに入る。
【0115】
様々な実施形態では、上記に加えて、ステープルカートリッジの制御システムは、2つの入力又はトリガを受信した後に、低電力又はスリープモードから高電力又はアウェイクモードに切り替わる。少なくとも一実施形態では、
図5Aを参照すると、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体の上部又はデッキの上に延びる、カートリッジ本体に取り付けられた保持具又はカバー11900を備える。カバー11900は、カバー11900をステープルカートリッジに解放可能に保持するように構成されている1つ以上の取付機構11910を備える。ステープルカートリッジは、例えば、カートリッジ制御システムのプロセッサと通信するホール効果センサなどのセンサを含むカバーセンサ回路を更に備える。カバー11900がカートリッジ本体に装着されると、カバー11900に装着された磁気素子は、ホール効果センサによって放射される磁場に干渉し、カバー11900がカートリッジ本体から取り外されると、磁気素子は、もはやホール効果センサの磁場に干渉しない。ホール効果センサ場におけるこの変化は、ホール効果センサの電圧出力に反映され、これは、ステープルカートリッジをウェイクモードに切り替えるためにカートリッジ制御システムによって使用されるトリガのうちの1つである。上記に加えて、外科用器具のカートリッジジョーは、ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に設置されたときに完成されるか又は閉鎖されるカートリッジ存在センサ回路を備える。少なくとも1つの事例では、ステープルカートリッジは、例えば、ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に設置されているときに、近接スイッチを閉鎖する。カバーセンサ回路と同様に、カートリッジ存在センサ回路はウェイク回路の一部である。制御システムのプロセッサは、ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に設置されているという入力と、カバー11900がステープルカートリッジから取り外されているという入力とをプロセッサが受信したときに、低電力モード又はスリープモードから高電力モード又はウェイクモードに切り替わるように構成されている。スリープモードでは、プロセッサは、組織センサからデータをサンプリングしていない、外科用器具からステープルカートリッジに通信されたデータを処理していない、及び/又は外科用器具にデータを伝送していない。ウェイクモードでは、プロセッサは、組織センサからデータをサンプリングし、外科用器具からステープルカートリッジに通信されたデータを処理し、外科用器具にデータを伝送している。
【0116】
上記に加えて、ウェイクアップ事象又はトリガの任意の好適な組み合わせを使用して、ステープルカートリッジの制御システムをスリープモードからウェイクモードに切り替えることができる。少なくとも1つの実施形態では、第1のトリガは、ステープルカートリッジからのカバーの取り外しであり、第2のトリガは、完了した認証シーケンスを含む。少なくとも1つの事例では、ステープルカートリッジからのカバーの取り外しは、ステープルカートリッジをスリープモードから認証モードに切り替える制御システムのプロセッサによって感知される。認証モードでは、ステープルカートリッジのプロセッサは、データアンテナ対を通して識別ビーコンを放射する。器具プロセッサが識別ビーコンを認識する場合、器具ビーコンは、ウェイクアップ信号をステープルカートリッジに送り返す。ウェイクアップ信号を受信すると、プロセッサは、認証モードからウェイクモードに切り替わる。ウェイクモードでは、ステープルカートリッジの制御システムは完全に機能的であるが、認証モードでは、ステープルカートリッジの制御システムは完全に機能的でなくてもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジの制御システムは、ステープルカートリッジが認証モードにあるとき、組織センサからの入力を処理しない。更に、プロセッサは、例えば、プロセッサが認証モードに入るときに始動されるタイマ回路、機能、及び/又はクロックを含む。プロセッサは、プロセッサがタイマ回路によって測定される所定の期間内にウェイクアップ信号を受信しない場合、プロセッサがスリープモードに戻るように構成されている。様々な事例では、識別ビーコン及び/又はウェイクアップ信号は、符号化又は暗号化される。少なくとも1つのそのような事例では、器具プロセッサは、識別ビーコンを復号又は解読するように構成され、及び/又はカートリッジプロセッサは、ウェイクアップ信号を復号又は解読するように構成されている。
【0117】
様々なウェイクアップトリガは、例えば、電池を外科用器具に取り付けること、外科用器具を充電ステーションから取り外すこと、及び/又は外科用器具をロボット外科用システムに取り付けることを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、外科用器具は、ロボット外科用システムのアーム上の対応する電気接点と嵌合される電気接点を含み、電気接点は、外科用器具のプロセッサ及び/又はロボット外科用システムのプロセッサによって感知される回路を閉鎖する。そのような事例では、外科用器具及び/又はロボット外科用システムは、ウェイクアップトリガ信号を外科用器具内に設置されたステープルカートリッジに伝送する。少なくとも1つの実施形態では、ロボット外科用システムは、ロボット外科用システムのアームへのステープル留め器具の取付及び/又はカートリッジジョー内のステープルカートリッジの存在を視覚的に確認し、次に、外科用器具に設置されたステープルカートリッジにウェイクアップトリガ信号を伝送するように構成されている1つ以上のカメラを含む視覚システムを備える。少なくとも1つのそのような実施形態では、ロボット外科用システムのアーム及び/又は外科用器具は、外科用器具をアームに解放可能に保持するクリップを含み、視覚システムは、ウェイクアップトリガ信号を発する前に、クリップがロック位置にあることを確認するように構成されている。様々な実施形態では、手術室又は外科手術室は、ウェイクアップ信号をステープルカートリッジに直接、及び/又はロボット外科用システム及び/又は外科用器具を通じて伝送するように構成されている制御システムを備える。
【0118】
様々な実施形態では、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジのプロセッサと通信する回路を備える。回路は、カートリッジ本体のデッキ上の2つの接点と、接点間の間隙とを含む。ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に設置され、エンドエフェクタが開構成にあるとき、回路は開状態にある。そのような事例では、ステープルカートリッジのメモリデバイスにアクセスすることができない。エンドエフェクタが閉鎖されると、アンビルジョーが接点を架橋し、回路が閉鎖状態になる。そのような事例では、ステープルカートリッジのメモリデバイスにアクセスすることができる。様々な実施形態では、回路はウェイクアップ回路を含み、ウェイクアップ回路は、閉鎖されると、プロセッサの入力ゲートに電位を提供し、電位が受信されると、プロセッサをスリープモードからウェイクモードに切り替えさせる。少なくとも1つのそのような実施形態では、エンドエフェクタが閉鎖されたときにウェイクアップ回路を閉鎖することにより、ステープルカートリッジ内の電池又は電源がステープルカートリッジの制御システムと通信する。様々な他の実施形態では、アンビルを閉鎖することは、プロセッサと通信するウェイクアップ回路を開放する。少なくとも1つのそのような実施形態では、アンビルは、例えばナイフなどの切断要素を含み、これはステープルカートリッジ内の回路を切断しステープルカートリッジ内の回路を切断して、回路を開状態にする。そのような事例では、プロセッサは、入力ゲートにおける電位の喪失をウェイクアップ信号として解釈することができる。
【0119】
様々な事例では、上記に加えて、ステープルカートリッジは、密封パッケージ内に格納される。ステープルカートリッジを外科用器具に装填する前に、臨床医は、パッケージを開き、ステープルカートリッジを取り外さなければならない。少なくとも1つの事例では、パッケージからステープルカートリッジを取り外すことによって、ウェイクアップトリガが作動され、ステープルカートリッジがスリープモードからウェイクモードに切り替わる。少なくとも1つの実施形態では、ステッカーがパッケージ及びステープルカートリッジに取り付けられる。そのような事例では、ステッカーは、ステープルカートリッジ内のウェイクアップ回路を開状態に維持する。ステープルカートリッジがパッケージから取り外されると、ステッカーがステープルカートリッジから取り外され、ウェイクアップ回路が閉鎖される。そのような事例では、プロセッサは、入力にウェイクアップトリガ信号を受信する。少なくとも1つのそのような事例では、ステープルカートリッジは、例えば、ステッカーがステープルカートリッジから取り外されたときに電位をプロセッサ入力に送達し、それによってウェイクアップトリガ信号をプロセッサに提供する電池及び/又は充電アキュムレータなどのオンボード電源を備える。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジは、電池と、ステープルカートリッジがパッケージ内に位置付けられたときにタブによって開状態に保持されるばね式電池接点とを含むウェイクアップ回路を備える。少なくとも1つの事例では、パッケージは、例えばTYVEKなどのプラスチック材料で構成される。タブは、パッケージに取り付けられ、ステープルカートリッジがパッケージから取り外されるとき、タブは、電池接点が電池に係合してウェイクアップ回路を閉鎖するように、電池とばね式電池接点との間から取り外される。そのような時点で、ステープルカートリッジのプロセッサは給電され、完全に機能する。
【0120】
上述のように、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に取り付けられたカバー又はリテーナ11900を含む場合があり、カバー11900がカートリッジ本体から取り外されると、ステープルカートリッジ内のウェイクアップ回路が閉鎖され、プロセッサがウェイク状態に入る。上記と同様に、少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジは、電池と、カバー11900がステープルカートリッジに取り付けられたときにカバー11900に固定されたタブによって開状態に保持されるばね式電池接点とを含むウェイクアップ回路を備える。カバー11900がステープルカートリッジから取り外されるとき、タブは、電池接点が電池に係合してウェイクアップ回路を閉鎖するように、電池とばね式電池接点との間から取り外される。そのような時点で、ステープルカートリッジのプロセッサは給電され、完全に機能する。他の実施形態では、プロセッサは、カバー11900が取り外されたときに第1の電力モードに入る。少なくとも1つのそのような実施形態では、プロセッサは、形態では、プロセッサは、例えば、カートリッジ認証プロセスの結果として、第2の電力モードに入る。
【0121】
様々な実施形態では、上記に加えて、ステープルカートリッジは、例えば、カートリッジ本体の第1の横方向側部に装着されたホール効果センサと、カートリッジ本体の第2の側部又は反対側の横方向側部に装着された磁石とを含むウェイクアップ回路を備える。ステープルカートリッジのカバー11900がカートリッジ本体に取り付けられるとき、カバー11900は、ホール効果センサと磁石との間に位置付けられる。カバー11900がカートリッジ本体から取り外されると、ホール効果センサによって検出される磁場が変化し、その結果、ホール効果センサの電圧出力が変化し、これがカートリッジプロセッサによって検出される。電位のそのような変化は、プロセッサによってウェイクアップトリガとして解釈され、このウェイクアップトリガ及び/又はこのウェイクアップトリガを含むウェイクアップトリガの組み合わせに応答して、プロセッサはスリープモードからウェイクモードに切り替わる。様々な事例では、カバー11900は、カバー11900がカートリッジ本体に取り付けられたときに磁石とホール効果センサとの間に位置付けられる、例えばフェライトで構成されるフィンを備える。
【0122】
ステープルカートリッジがパッケージから取り出されると、上記に加えて、ステープルカートリッジは、外科用器具のカートリッジジョーに設置される。様々な事例では、ステープルカートリッジとカートリッジジョーとの間にスナップ嵌め及び/又は圧入構成が存在する。そのような事例では、ステープルカートリッジがカートリッジジョーに挿入されるとき、臨床医によってスナップ嵌め及び/又は圧入機構を克服するのに十分な力がステープルカートリッジに加えられるとき、ステープルカートリッジの設置位置への突然の加速が存在し得る。様々な実施形態では、ステープルカートリッジは、例えば電池及び/又は充電アキュムレータなどの電源と、加えて、ステープルカートリッジのプロセッサと通信する加速度計を含むウェイクアップ回路とを備える。加速度計は、電源及びプロセッサの入力ゲートと通信しており、ステープルカートリッジが外科用器具に設置されて加速されると、プロセッサの入力ゲートに供給されている加速度計の電圧出力は、ウェイク電圧閾値を超えて増加し、その結果、ステープルカートリッジは、例えば、スリープモードからウェイクモードに切り替わる。他の実施形態では、プロセッサは、ステープルカートリッジが設置されているときに第1の電力供給モードに入る。少なくとも1つのそのような実施形態では、プロセッサは、形態では、プロセッサは、例えば、カートリッジ認証プロセスの結果として、第2の電力モードに入る。
【0123】
ステープルカートリッジがカートリッジジョーに設置されると、上記に加えて、外科用器具のエンドエフェクタを患者に挿入することができる。様々な事例では、外科用器具のエンドエフェクタは、大きな又は開放された切開部を通して患者に挿入され、その後、患者組織にクランプされる。他の事例では、外科用器具のエンドエフェクタは、カニューレ又はトロカールを通じて患者に挿入される。そのような事例では、エンドエフェクタは、閉鎖され、トロカールを通じて挿入され、次いで、エンドエフェクタが患者内にあると、再び開放される。この時点で、エンドエフェクタは、次に、患者組織にクランプされる。いずれにしても、エンドエフェクタは、患者に使用される前に1回以上開閉されてもよく、エンドエフェクタのクランプは、ウェイクアップトリガをステープルカートリッジに供給することができる。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジは、プロセッサと、電源と、プロセッサ及び電源と通信するウェイクアップ回路とを備える。ウェイクアップ回路は、外科用器具のエンドエフェクタがクランプされるときに閉鎖される開状態のスイッチを備える。スイッチが閉鎖されると、プロセッサは完全給電状態に入る。少なくとも1つのそのような実施形態では、可動アンビルジョーは、ステープルカートリッジに物理的に接触して、ウェイクアップ回路を閉鎖する。少なくとも1つの実施形態では、ウェイクアップ回路は、アンビルジョーがその閉位置にあるときにアンビルジョーに装着された磁気素子の存在を検出するホール効果センサを備える。ホール効果センサの電圧出力が磁気素子の存在の結果として変化するとき、プロセッサは、電圧出力変化をウェイクアップトリガとして解釈する。少なくとも1つの実施形態では、ウェイクアップ回路は、閉位置にある金属アンビルジョーの存在を検出する誘導センサを備える。アンビルジョーが閉鎖された結果として誘導センサの電圧出力が変化すると、プロセッサは、電圧出力変化をウェイクアップトリガとして解釈する。
【0124】
様々な実施形態では、上記に加えて、トロカールは、封止ポートを含む近位端と、患者組織を切開するように構成されている鋭利な先端を含む遠位端と、近位端と遠位端との間に延びるチューブとを備える。封止ポートは、拡大開口部と、外科用器具のエンドエフェクタ及び/又はシャフトがそこを通って挿入されるときに、それらに対して実質的に気密封止を形成するように構成されている可撓性封止とを備える。様々な実施形態では、トロカールは、ステープルカートリッジがトロカールを通過する際に、ウェイクアップ信号をステープルカートリッジに発するように構成されているアンテナを含むデータ送信機を備える。様々な事例では、トロカールデータ送信機からのウェイクアップ信号は、ステープルカートリッジの制御システムをスリープモードからウェイクモードに切り替えるのに十分なトリガであり、他の事例では、トロカールデータ送信機からのウェイクアップ信号は、ステープルカートリッジの制御システムをスリープモードからウェイクモードに切り替えるのに必要ないくつかのトリガのうちの1つである。少なくとも一実施形態では、トロカールは、例えば永久磁石などの磁性部材を備え、ステープルカートリッジは、磁性部材を検出するように構成されているセンサを含むウェイクアップ回路を備える。少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルカートリッジは、例えば、ホール効果センサを含むセンサと通信する電源を備える。ステープルカートリッジがエンドエフェクタに設置され、エンドエフェクタがトロカールを通じて挿入されるとき、ホール効果センサによって放出される場は、ホール効果センサの電圧出力を変化させるトロカール内の磁気部材によって歪められる。センサ電圧出力のこの変化は、ステープルカートリッジのプロセッサによって検出され、変化が所定の閾値を上回ると、プロセッサは、そのスリープモードからそのウェイクモードに切り替わるように構成されている。様々な実施形態では、トロカールのチューブは、その中に埋め込まれた及び/又はそれに装着された鉄リングを含み、ステープルカートリッジは、鉄リングを検出するように構成されている誘導センサを含むウェイクアップ回路を含む。少なくとも1つの実施形態では、誘導センサは、例えば、フィールドセンサ、発振器、復調器、フリップフロップ、及び出力を備える。ステープルカートリッジがエンドエフェクタに設置され、エンドエフェクタがトロカールを通じて挿入されると、鉄リングは、誘導センサの電圧出力を変化させる。センサ電圧出力のこの変化は、ステープルカートリッジのプロセッサによって検出され、変化が所定の閾値を上回ると、プロセッサは、そのスリープモードからそのウェイクモードに切り替わるように構成されている。様々な事例では、誘導センサは、誘導センサが通過する各鉄リングに対して電圧パルスを出力する。そのような事例では、プロセッサは、所定のパルス数を上回る数のパルスを誘導センサから受信した後に、ウェイクモードに切り替わるように構成されている。
【0125】
再び
図7を参照すると、ステープルカートリッジは、プロセッサと、例えば、充電アキュムレータ11800などの充電アキュムレータとを含む電力管理システムを備えることができる。電力管理システムは、充電アキュムレータ11800と通信する充電回路を更に備え、ステープルカートリッジが外科用器具内に設置されているときに外科用器具から電力を受信するように構成されているアンテナを含む。様々な事例では、外科用器具は、第1の充電速度又は最大充電速度でステープルカートリッジに電力を供給することができる。しかしながら、ステープルカートリッジの使用中に、ステープルカートリッジが最大充電速度よりも高い第2の速度で電力を使用する状況があり得る。このより高い電力使用量に対応するために、充電アキュムレータ11800は、ステープルカートリッジの電力使用量が最大充電速度未満であるときに電力を貯蔵する。ステープルカートリッジのプロセッサは、充電アキュムレータ11800に蓄えられている電力を管理するように構成されており、充電アキュムレータ11800がその最大容量に達すると、プロセッサは、外科用器具に信号を伝送して、外科用器具によってステープルカートリッジに供給されている電力を低減する。少なくとも1つのそのような事例では、信号は、ステープルカートリッジの実際の電力使用量に関するデータを含む。外科用器具のプロセッサは、信号を受信すると、充電速度がステープルカートリッジ使用率に一致するように、ステープルカートリッジに供給されている電力を低減する。多くの事例では、ステープルカートリッジの電力使用量は、充電速度を超えて増加してもよく、電力管理システムは、充電アキュムレータ11800の充電が再充電閾値を下回るまで、充電アキュムレータ11800からの電力を利用するように構成されている。プロセッサが、充電アキュムレータ11800の充電が再充電閾値を下回ったことを検出すると、ステープルカートリッジのプロセッサは、充電アキュムレータ11800を再充電するために、充電速度を最大充電速度に回復させる信号を外科用器具に伝送する。充電アキュムレータ11800に加えて又はその代わりに、ステープルカートリッジは、例えば、チャージポンプ、電池、及び/又は超コンデンサなどの任意の好適な電力ストレージデバイスを含み得る。
【0126】
様々な事例では、上記に加えて、充電アキュムレータ11800は、少なくとも1つのトリガ事象が発生するまで、外科用器具によって能動的に充電されない。少なくとも1つの事例では、カートリッジ電力管理システムは、外科用器具のNFCアンテナから信号を受信した後に、充電アキュムレータ11800を充電する。少なくとも1つのそのような事例では、NFCアンテナから転送された電力は、充電アキュムレータ11800を十分に充電して、ステープルカートリッジが完全給電モードに入る前に、ステープルカートリッジを充電モードにする。特定の事例では、カートリッジプロセッサは、充電アキュムレータ11800がNFCアンテナから転送された電力によって少なくとも部分的に充電された後に、外科用器具に識別ビーコンを放射する。器具プロセッサがステープルカートリッジから識別ビーコンを受信すると、器具プロセッサは、カートリッジ電力管理システムが充電アキュムレータ11800を完全に充電するように、NFCアンテナ及び/又は電力アンテナを介してステープルカートリッジに追加の電力を供給する。様々な事例では、充電アキュムレータ11800は、手術室の制御システムからカートリッジNFCアンテナに伝送される電力によって少なくとも部分的に充電される。
【0127】
様々な実施形態では、外科用器具は、ステープルカートリッジが外科用器具内に設置されるとすぐに、ステープルカートリッジに電力を供給するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、外科用器具は、例えば、ステープルカートリッジが外科用器具に設置されたときに、NFCアンテナ結合などの低電力データアンテナ対を介してステープルカートリッジに電力を直ちに供給する。そのような事例では、カートリッジ電力管理システムは、充電モードの一部として充電アキュムレータ11800を充電する。少なくとも1つの事例では、例えば、0.1W未満が、充電モード中にカートリッジ電力管理システムに供給される。ステープルカートリッジのプロセッサが、ステープルカートリッジをウェイクモードに切り替えるのに必要なウェイクトリガ又はウェイクトリガの組み合わせを受信した後、プロセッサは、ステープルカートリッジがウェイクモードにあるというウェイク信号を外科用器具に供給する。外科用器具のプロセッサがウェイク信号を受信すると、外科用器具は、高出力アンテナ対を介してステープルカートリッジに電力を供給し始める。そのような事例では、カートリッジ電力管理システムは、その後、充電アキュムレータ11800がまだ完全に充電されていない場合、充電アキュムレータの充電を完了することができる。少なくとも1つの事例では、ウェイクモード中に1.0W超の電力がカートリッジ電力管理システムに供給される。様々な代替的な実施形態では、ステープルカートリッジと外科用器具との間に1つのアンテナ結合のみが存在する。そのような実施形態では、外科用器具は、器具プロセッサがステープルカートリッジからウェイク信号を受信したか否かに基づいて、低電力又は高電力がアンテナを介してステープルカートリッジに供給されるか否かを制御することができる。いずれにしても、カートリッジ電力管理システムが、充電アキュムレータ11800が完全に充電されており、カートリッジプロセッサが、ステープルカートリッジをそのウェイクモードに切り替えるために必要な1つ以上のウェイクトリガを受信していないと判定した場合、カートリッジ電力管理システムは、充電アキュムレータ11800に電力を供給する充電回路を開放して、充電アキュムレータ11800の充電を停止することができる。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジプロセッサは、充電されているがウェイクされていない信号を器具プロセッサに発することができ、器具プロセッサは、この信号を受信すると、器具プロセッサがステープルカートリッジからウェイクされた信号を受信するまで、ステープルカートリッジへの電力供給を停止するように構成されている。器具プロセッサがウェイク信号を受信すると、そのような状況では、器具プロセッサは、高電力レベルでステープルカートリッジに電力を供給し始めるように構成されている。
【0128】
様々な実施形態では、上述したように、ステープルカートリッジのプロセッサは、プロセッサがウェイクアップトリガの組み合わせを受信すると、低電力又はスリープモードから高電力又はウェイクモードに切り替わるように構成されている。様々な実施形態では、プロセッサは、ウェイクモードに入るためにトリガの特定の組み合わせを必要とする。例えば、カートリッジプロセッサは、十分な電位がプロセッサの第1の入力ゲートに印加され、十分な電位がプロセッサの第2の入力ゲートに印加されると、ウェイクモードに切り替わる。様々な実施形態では、プロセッサは、トリガのより大きいセットのうちのトリガのサブセットがプロセッサによって受信された後に、スリープモードからウェイクモードに切り替わるように構成されている。少なくとも1つのそのような実施形態では、プロセッサは、3つのウェイクトリガを受信するように構成されているが、ウェイクトリガのうちの任意の2つを受信した後に、ウェイクモードに切り替わるように構成されている。電位は、プロセッサゲートに同時に印加される必要はないが、プロセッサがウェイクモードに切り替わるために、ウェイクトリガがプロセッサに同時に印加されなければならない実施形態が想定される。少なくとも1つの実施形態では、プロセッサは、スリープモードからウェイクモードに切り替えるために、2つの特定のウェイクトリガを同時に受信するように構成されている。少なくとも1つのそのような実施形態では、ウェイクトリガのうちの1つは、充電アキュムレータ11800が十分な充電レベルに達することであり、他のトリガは例えば事象である。とは言うものの、十分な充電レベルに達する充電アキュムレータ11800は、充電アキュムレータ11800及び/又は任意の他の好適な電力貯蔵デバイスを含む、本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、ウェイクトリガとして機能することができる。更に、カートリッジプロセッサがスリープモードからウェイクモードに切り替わるまで充電アキュムレータ11800が充電されない様々な代替的な実施形態が企図される。
【0129】
様々な実施形態では、本明細書に開示されるステープルカートリッジは、ステープル発射ストロークの前、最中、及び/又は後のステープルカートリッジの特性、及び/又はステープル発射ストロークの前、最中、及び/又は後の組織特性に関するデータを記憶するように構成されている少なくとも1つのメモリデバイスを備える。メモリデバイスは、プロセッサと通信し、プロセッサは、メモリデバイスからデータを読み取り、ステープルカートリッジのアンテナに伝送される記憶されたデータ信号内のデータを通信するように構成されている。様々な実施形態では、プロセッサは、プロセッサのこの機能をロック解除するキー又はキー信号を受信した後にのみ、記憶されたデータ信号を発するように構成されている。プロセッサが記憶されたデータ信号を生成するためにメモリデバイスにアクセスするたびに、事象がメモリデバイスに記録される。このようにして、メモリデバイスは、メモリデバイスがアクセスされた回数及び時間に関するデータを含む。そのようなアクセスデータは、記憶されたデータ信号に含めることができる。カートリッジプロセッサに供給されたキー信号が、カートリッジプロセッサ及び/又はメモリデバイスに記憶された予想キー信号と一致しない場合、カートリッジプロセッサは、記憶されたデータ信号を生成しない。その代わりに、失敗した試行はメモリデバイスに記録される。このようにして、メモリデバイスは、メモリデバイスデータへのアクセスが拒否された回数に関するデータを含む。そのようなアクセス拒否データは、適切なキー信号がカートリッジプロセッサに供給されるときに、記憶されたデータ信号に含めることができる。少なくとも1つの実施形態では、カートリッジプロセッサは、メモリデバイスへのアクセス試行の失敗回数が閾値を上回った後にロックモードに入る。少なくとも1つの事例では、閾値は、例えば5回の失敗試行である。カートリッジプロセッサがロックモードになると、カートリッジプロセッサは、その後適切なキー信号が供給されても、記憶されたデータ信号を生成しないように構成されている。そのような事例では、メモリデバイス上に記憶されたデータは、もはやアクセス可能ではない。少なくとも1つの代替的な実施形態では、プロセッサは、マスタキー又はマスタキー信号がプロセッサに供給されたとき、ロックモードに入った後にロック解除可能である。マスタキーは、キーとは異なり、様々な事例では、例えば、ステープルカートリッジの元の製造業者によってのみ保持され得る。プロセッサにマスタキー信号を供給すると、プロセッサがロックモードにない場合でも、プロセッサは記憶されたデータ信号を発する。
【0130】
上記に加えて、メモリデバイスに記憶されたデータは、任意の適切なプロトコルに従って暗号化又は符号化することができる。キー及び/又はマスタキーを受信した後、プロセッサは、メモリデバイス上に記憶されたデータを解読又は復号し、記憶されたデータ信号内の解読又は復号されたデータを伝送するように構成されている。しかしながら、プロセッサが記憶されたデータ信号の一部として暗号化又は符号化されたデータを放出するように構成されている、様々な代替的な実施形態が想定される。少なくとも1つのそのような実施形態では、メモリデバイスに記憶された解読キー又はコードが、記憶されたデータ信号に含まれる。そのような実施形態では、外科用器具及び/又は任意の好適なシステムは、記憶されたデータシステム内のデータを解読又は復号することができる。
【0131】
様々な事例では、カートリッジプロセッサは、上述の記憶されたデータ信号を作成するために一意の識別キーを受信しなければならない。この一意の識別キーは、事前定義され、静的であり、カートリッジプロセッサに一意の識別キーを供給する人は誰でも、メモリデバイス上に記憶されたデータにアクセスすることができる。他の実施形態では、メモリデバイス上に記憶されたデータにアクセスするために必要なキーは動的である。少なくとも1つの実施形態では、動的キーは、ステープルカートリッジに関する性能情報を含む。そのような性能情報は、機械的特徴及び/又は電気的特徴に関するデータを含むことができる。例えば、動的キーは、例えば、ステープル発射ストローク後のステープルカートリッジ内のスレッドの最終位置に関する情報を含み得る。また、例えば、動的キーは、例えば、ステープル発射ストローク中に引き出されるステープル発射システムの電気モータによって引き出される最大電流に関する情報を含むことができる。そのような事例では、性能情報は、ステープル発射ストローク中及び/又は後に、ステープルカートリッジと外科用器具との間で共有され得る。例えば、ステープルカートリッジは、スレッド位置センサを備えることができ、ステープル発射ストローク後のスレッドの最終位置を外科用器具に伝達することができる。また、例えば、外科用器具は、電気モータ電流センサを備えることができ、ステープル発射ストローク中に電気モータによって引き込まれるピーク電流をステープルカートリッジに伝達することができる。この性能情報はまた、例えば、ロボット外科用システム及び/又は手術室制御システムと共有することができる。いずれにしても、そのような共有性能データは、ステープルカートリッジのメモリデバイス上に記憶されたデータにアクセスするために使用される動的キーを含むことができる。
【0132】
上記に加えて、又は上記の代わりに、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジの可動構成要素が特定の配置で配置されたときに閉鎖さられるセキュリティ回路を備える。セキュリティ回路は、プロセッサと通信しており、セキュリティ回路が閉鎖状態にあるとき、プロセッサは、プロセッサが問い合わせ信号に応答して記憶されたデータ信号を生成することを可能にする、及び/又はメモリデバイスに記憶されたデータが、例えば、外科用器具、ロボット外科用システム、及び/又は手術室制御システムによってアクセスされることを可能にするロック解除状態にある。セキュリティ回路が開状態にあるとき、プロセッサはロック状態にあり、記憶されたデータ信号を発しないように、又はメモリデバイスに記憶されたデータへのアクセスが許可されないように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジのセキュリティ回路は、カバー11900がカートリッジ本体に取り付けられておらず、スレッドが未発射位置にないとき、閉鎖状態にある。様々な実施形態では、セキュリティ回路は、例えば、セキュリティ回路が開状態にあるとき、プロセッサが外科用器具によって給電されることを防止する。セキュリティ回路が閉鎖状態にあるとき、プロセッサは、外科用器具によって給電することができる。プロセッサが外科用器具によって給電されるとき、そのような実施形態では、プロセッサは、記憶されたデータ信号を生成することができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルカートリッジは、例えば、セキュリティ回路を完成させるために、外科用器具に設置されなければならない。少なくとも1つの実施形態では、セキュリティ回路は、外科用器具内の対応する電気接点に係合する電気接点を含み、例えば、電気接点は、ステープルカートリッジが外科用器具に設置されたときにセキュリティ回路を閉鎖する。
【0133】
様々な実施形態では、セキュリティ回路は、例えば、ステープルカートリッジが外科用器具に設置されているときに、外科用器具内の対応するセキュリティアンテナと通信するセキュリティアンテナを備える。少なくとも1つのそのような実施形態では、スレッドは、スレッドが未発射位置にあるとき、カートリッジセキュリティアンテナと器具セキュリティアンテナとの間に位置付けられる。そのような事例では、スレッドは、セキュリティアンテナ対を横切るステープルカートリッジと外科用器具との間の通信を阻止又は防止する。スレッドが遠位に移動された後、スレッドは、ステープルカートリッジと外科用器具との間のデータ及び/又は電力の伝送をもはや遮断しない。
【0134】
様々な実施形態では、上述のように、ステープルカートリッジのセキュリティ回路は、開状態及び閉鎖状態で構成可能である。セキュリティ回路が閉鎖状態にあるが、ステープルカートリッジの可動構成要素が特定の構成又は構成の範囲にある結果として、セキュリティ回路の検出可能な特性が変化する、様々な代替的な実施形態が企図される。少なくとも1つの実施形態では、セキュリティ回路にわたる電位は、カバー11900がカートリッジ本体に取り付けられ、スレッドが未発射位置にあるとき、第1の電圧範囲内にあり、カバー11900がカートリッジ本体から取り外され、スレッドが未発射位置にあるとき、第2の電圧範囲内にあり、カバー11900がカートリッジ本体から取り外され、スレッドが発射位置にあるとき、第3の電圧範囲内にある。セキュリティ回路の両端間の電位が第3の電圧範囲内にあるとき、プロセッサはロック解除状態にある。セキュリティ回路の両端間の電位が第1の電圧範囲又は第2の電圧範囲内にあるとき、プロセッサは、例えば、ロック状態にある。
【0135】
様々な実施形態では、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジが外科用器具のカートリッジジョーに設置されているときに開放されるアクセスカバーを備える。アクセスカバーが開放されると、データアクセス回路が閉鎖され、外科用器具がステープルカートリッジのメモリデバイスにアクセスすることを可能にする。少なくとも1つの事例では、カートリッジジョーは、ステープルカートリッジがカートリッジジョーに設置され、アクセスカバーが開放されたときに、データアクセス回路内の開口部を架橋する導電性接触要素を備える。少なくとも1つの実施形態では、アクセスドアは、例えばホイルシートを含む。少なくとも1つの実施形態では、メモリデバイスは、例えば、RFIDタグを含む。しかしながら、ステープルカートリッジが外科用器具に設置されていないとき、データアクセス回路は開状態にあり、外科用器具のメモリデバイスにアクセスすることはできない。
【0136】
2015年3月31日に発行された米国特許第8,991,678号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH STOWING KNIFE BLADE」、2018年10月2日に発行された米国特許第10,085,749号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS WITH CONDUCTOR STRAIN RELIEF」、及び2015年11月12日に公開された米国特許出願公開第2015/0324317号、発明の名称「AUTHENTICATION AND INFORMATION SYSTEM FOR REUSABLE SURGICAL INSTRUMENTS」の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0137】
上記に加えて、ステープルカートリッジのメモリデバイスは、任意の好適なデータを記憶することができる。例えば、記憶されたデータは、ステープルカートリッジ内に格納されたステープルのサイズ、ステープルカートリッジ内に格納されたステープルの未形成高さ(カートリッジ本体の色に反映され得る)、ステープルカートリッジ内に格納されたステープルの数、ステープルカートリッジ内に格納されたステープルの配置、及び/又はステープルカートリッジ内に格納されたステープルのステープルパターンの長さ(例えば、30mm、45mm、又は60mmなど)を含み得る。また、例えば、記憶されたデータは、ステープルカートリッジが発射されたかどうか、ステープルカートリッジがいつ発射されたか、ステープル発射ストローク中にスレッドが移動した距離、ステープル発射ストローク中に経過した時間、ステープル発射ストロークの速度、ステープル発射ストローク中に受けたステープル発射システムの加速及び減速、ステープル発射ストローク中に受けた発射力、及び/又はステープル発射ストローク中に異物に遭遇した及び/又は切開されたかどうかを含み得る。また、例えば、記憶されたデータは、ステープルカートリッジ内のセンサの数、センサのタイプ、及び/又はカートリッジ本体内のセンサの位置を含むことができる。また、例えば、記憶されたデータは、センサによって感知されたデータを含むことができる。また、例えば、記憶されたデータは、ステープル留めされる組織のタイプ、ステープル留めされる組織の厚さ、ステープル留めされる組織の特性、及び/又はエンドエフェクタのジョーの間の組織の位置を含むことができる。また、例えば、記憶されたデータは、ステープルカートリッジの製造日、ステープルカートリッジが属するロット、ステープルカートリッジの製造場所、ステープルカートリッジの製造業者、ステープルカートリッジの滅菌日、ステープルカートリッジを滅菌するために使用した滅菌剤の種類、ステープルカートリッジの有効期限、及び/又はステープルカートリッジが有効期限を過ぎて発射されたかどうか、及びその量を含むことができる。
【0138】
少なくとも1つの方法によれば、ステープルカートリッジは、パッケージから取り出され、ステープル留め器具のカートリッジジョーに設置される。次に、ステープル留め器具がロボット外科用システムのアームに取り付けられ、ロボット外科用システムが電源投入され、及び/又はスリープモードからウェイクモードに切り替えられる。ロボット外科用システムの制御システムは、外科用器具を通じて電力を伝送して、ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に設置されているかどうかを評価し、次いで、外科用器具を通じて機械力を伝送して、ステープルカートリッジが未発射状態にあるかどうかを評価するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、上記に加えて、ロボット外科用システムは、例えば、外科用器具内のNFCアンテナなどのデータアンテナに電力を伝送して、ステープルカートリッジに電力を供給する。上述したように、ステープルカートリッジは、識別信号を外科用器具に戻すように構成されている。様々な事例では、この識別信号は、外科用器具上及び/又はロボット外科用システム内で処理される。いずれにしても、ステープルカートリッジは、認証手順が成功した場合に検証される。認証手順が不成功である場合、ロボット外科用システムは、ロボット外科用システムを操作している臨床医に通知するように構成されている。ステープルカートリッジが未使用であるかどうか、すなわち、以前に発射されていないかどうかを検証するために、ステープル発射部材は、外科用器具及び/又はロボット外科用システムのモータ駆動によって小さいストロークだけ遠位に前進させられる。ステープル発射駆動部が外科用器具内の機械的機構によってブロックされる場合、ロボット外科用システムは、ステープルカートリッジが以前に使用されたことを判定し、ステープルカートリッジが発射されることを防止するように構成されている。ステープル発射システムが機械的機構によってブロックされない場合、ロボット外科用システムは、小ストローク後にステープル発射駆動部を停止し、ステープルカートリッジが発射されていないと判定するように構成されている。ステープルカートリッジから外科用器具及び/又はロボット外科用システムに伝送される識別データに加えて、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジの有効期限、ステープルカートリッジ内に格納されたステープルのパターンの長さ、ステープルカートリッジ内に格納されたステープルの未形成高さ、プラスチックカートリッジ本体の色、ステープルカートリッジの製造業者、及び/又はステープルカートリッジが発射されたかどうかを含む、カートリッジメモリデバイス上に格納されたデータも伝送することができる。ステープルカートリッジの受信されたパラメータが、ステープルカートリッジの必要とされるパラメータと一致しない場合、ロボット外科用システムを操作する臨床医に通知される。
【0139】
上記に加えて、ステープルカートリッジ、外科用器具、及び/又はロボット外科用システムは、ステープルカートリッジによって供給されるカートリッジデータにおけるエラー及び/又はカートリッジデータからのデータ欠落を軽減するように構成されている。データは、例えば、センサ内の短絡、腐食、使用されている不適合又は不正確なステープルカートリッジ、隣接する外科用器具及び/又は外科用システムからの電子干渉、ソフトウェアバグ、欠陥ハードウェア、及び/又は滅菌プロセスに起因して、欠落又はエラーを有し得る。したがって、1つ以上の形態の冗長性を使用して、外科用器具及び/又はロボット外科用システムがステープルカートリッジからデータを受信する可能性を改善することができる。例えば、少なくとも1つの実施形態では、同じデータが、記憶されたデータ信号内の異なる位置に記憶される。そのような場合、一部のデータは、信号の一部では失われるか又は破損する可能性があるが、信号の別の部分から取得することができる。また、記憶されたデータは、機能的等価物とみなすことができる2つの異なるソースからのデータを含むことができる。例えば、ステープル発射駆動部内の力又は荷重センサからのデータ、及びステープル発射駆動部の電気モータによって引き込まれる電流を監視する電流センサからのデータは、両方とも記憶されたデータの一部であり得る。そのような事例では、力センサデータが信号内で失われるか又は損なわれた場合、プロセッサは、例えば、電流センサデータに依存して、ステープル発射駆動部が受ける力を評価することができる。
【0140】
少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジは、記憶されたデータを有する2つ以上のメモリデバイスを備えることができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、ステープルカートリッジのプロセッサは、ステープルカートリッジの認証又は問い合わせプロセスの一部として、第1のメモリデバイスからのデータを含む第1の記憶されたデータ信号を発し、次いで、第2のメモリデバイスからのデータを含む第2の記憶されたデータ信号を発する。第1のメモリデバイス及び第2のメモリデバイスからのデータが破損していない場合、少なくとも1つの実施形態では、第1の記憶されたデータ信号は、第2の記憶されたデータ信号と一致する。少なくとも1つの実施形態では、第1の記憶されたデータ信号は、第1の記憶されたデータ信号の先頭に第1の信号ヘッダを含み、第2の記憶されたデータ信号は、第1の信号ヘッダとは異なる第2の記憶されたデータ信号の先頭に第2の信号ヘッダを含む。そのような事例では、外科用器具プロセッサ及び/又はロボット外科用システムの制御システムは、第1の記憶されたデータ信号と第2のデータ信号とを区別することができる。外科用器具プロセッサ及び/又はロボット外科用システムの制御システムが、信号のいずれかが破損した及び/又はデータが欠落したと判定した場合、それらは、他方の信号に対する優先を確立するように構成されている。様々な事例では、第1のメモリデバイスは、ステープルカートリッジの第1の横方向側部に位置し、第2のメモリデバイスは、ステープルカートリッジの第2の、又は反対側の横方向側部に位置する。そのような構成は、両方の信号に影響を及ぼす電子干渉の可能性を低減することができる。少なくとも1つの実施形態では、ステープルカートリッジは、第1の記憶されたデータ信号を伝送するための第1のデータアンテナと、第2のデータ信号を伝送するための第2のデータアンテナとを備える。
【0141】
ステープルカートリッジ、外科用器具、及び/又はロボット外科用システムは、記憶されたデータ信号に含まれるデータが破損及び/又は欠落している場合、他の緩和努力を行うように構成することができる。様々な事例では、ステープルカートリッジは、外科用器具及び/又はロボット外科用システムによって受信された信号からデータが欠落している場合、記憶されたデータ信号の電力を増加させることができる。少なくとも1つの事例では、外科用器具及び/又はロボット外科用システムのプロセッサは、ステープルカートリッジから受信したデータが破損している場合、その雑音閾値を増加させることができる。
【0142】
様々な実施形態では、外科用器具とステープルカートリッジとの間で伝送されるデータ及び/又は電力は、連続的又は断続的であり得る。様々な実施形態では、転送されたデータは、例えば、離散デジタルデータ及び/又は連続アナログデータを含み得る。デジタルデータを転送する場合、RFID、NFC、日立UHF、Bluetooth、Zigbee、mm波、WiFi 802.11、及び/又は任意の他の適切な無線システムを使用することができる。また、デジタルデータを転送する場合、有線LAN通信、1線通信、EPROM IC、I2C、及び/又は任意の他の適切なデバイスを使用することができる。転送することができる様々なタイプのデジタルデータは、例えば、電流の大きさ、電流の時間変化率、トルクの大きさ、トルクの時間変化率、エンコーダからの位置データ、トルク定数、磁気強度、ワイヤ巻数、電機子長さ、トルク-電流曲線に関するデータ、モータ調整、EMF定数、動的抵抗、逆EMF、角速度、モータ速度、及び/又はモータ速度時間変化率を含むモータフィードバックを含む。他の転送されるデータは、例えば、器具ハンドルハードウェア構成、及び/又は物理的接触及び/又はスイッチに関するデータを含むことができる。
【0143】
上記に加えて、転送されるアナログデータは、電気的に導出される、及び機械的に導出されるデータを含むことができる。電気的に導出されるデータは、例えば、磁気インジケータ、ホール効果センサデータ、スイッチの状態に関するデータ、ダイオードデータ、回路の開閉、及び/又はスレッド及び/又は組織切断ナイフがステープル発射ストローク中に回路を切断するときなどの回路の破壊を含むことができる。機械的に導出されるデータは、例えば、発射部材がスレッドに接触すること、スレッドが近位未発射位置から取り外されること、ステープルの形成、及び/又は発射部材がステープルカートリッジの戻り止め機構に接触すること、及び/又はこれを破壊することなどのステープル発射ストロークの特定の事象に関連する、モータによって伝達される力及び/又はモータ電流などの大きさに基づくデータを含むことができる。機械的に導出されるデータはまた、例えば、モータの性能データを事象が発生した時間と比較する時間ベースのデータ、及び/又はモータの性能データをステープル発射駆動部の位置と比較する位置ベースのデータを含むことができる。機械的に導出されるデータはまた、例えば、ステープル発射駆動部がゲートを開放及び/又は閉鎖するとき、及び/又はステープルカートリッジの戻り止め機構がステープル発射駆動部によって破壊されるときなどの、機構ベースのデータを含むことができる。
【0144】
様々な実施形態では、例えば、ロボット外科用システムなどの外科用システムは、例えば、ステープルカートリッジのパラメータを観察し、その観察に基づいてロボット外科用システム、外科用器具、及び/又はステープルカートリッジの動作を修正するように構成されている少なくとも1つのカメラを含む可視化システムを含み得る。例えば、可視化システムは、ステープルカートリッジ及びカートリッジジョー上の物理的特徴又はマーカーを検出及び評価して、ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に完全に設置されているかどうかを評価するように構成されている。ステープルカートリッジ及びカートリッジジョー上のマーカーが適切に位置合わせされていない場合、可視化システムは、例えば、ロボット外科用システムのジョークランプ及び/又はステープル発射機能をロックアウトするようにロボット外科用システムに命令することができる。様々な実施形態では、可視化システムは、ステープルカートリッジがカートリッジジョー内に正しく設置されていない可能性があることを操作者に警告するようにロボット外科用システムに命令することができる。また、例えば、可視化システムは、埋め込み型付属物がステープルカートリッジのデッキに取り付けられているかどうか、及び/又は埋め込み型付属物がステープルカートリッジのデッキと位置合わせされているかどうかを検出するように構成されている。上記と同様に、埋め込み型付属物及びステープルカートリッジは、可視化システムが検出及び比較して、埋め込み型付属物が十分に位置合わせされているかどうかを評価し、位置合わせされていない場合、ロボット外科用システムに操作者に警告するように命令することができるマーカーを含む。
【0145】
様々な実施形態では、上記に加えて、可視化システムは、カートリッジ本体の色を観察し、このデータをロボット外科用システムに提供するように構成され、ロボット外科用システムは、このデータを操作者に表示することができる。様々な事例では、カートリッジ本体の色は、その中に収容されるステープルのサイズ及び/又は未形成高さを示す。ロボット外科用システムは、ステープルカートリッジに収容されたステープルが、実施されている外科処置に適しているかどうかを評価し、適していない場合、操作者に警告するように構成されている。様々な事例では、可視化システムは、例えば、ステープルカートリッジ上のバーコード及び/又はQRコード(登録商標)を読み取り、このデータをロボット外科用システムに提供するように構成され、ロボット外科用システムは、このデータを操作者に表示することができる。上記と同様に、このデータは、内部に収容されたステープルのサイズ及び/又は未形成高さを含むことができる。ロボット外科用システムは、ステープルカートリッジに収容されたステープルが、実施されている外科処置に適しているかどうかを評価し、適していない場合、操作者に警告するように構成されている。QRコードは、例えば、ステープルカートリッジのシリアル番号、製造日、及び/又はステープルカートリッジの製造業者を識別するデータを含むことができる。様々な実施形態では、QRコードは、ステープルカートリッジ内のメモリデバイスにアクセスするための解読キー又は解読キーの一部を含む。様々な実施形態では、QRコードは、例えば、カートリッジ本体に成形される、カートリッジ本体及び/若しくはパンにレーザエッチングされる、及び/又はカートリッジ本体及び/又はパンに印刷される。
【0146】
上述したように、
図1を参照すると、外科用器具10000は、シャフト10200と、シャフト10200に関節運動継手10500を中心として回転可能に接続されたエンドエフェクタ10400とを備える。外科用器具10000”は、
図8~8Dを参照すると、多くの点で外科用器具10000に類似しており、その大部分は、簡潔にするために、本明細書では議論されていない。外科用器具10000”は、外科用器具10000と同様に、ステープルカートリッジ11000”からステープルを射出するためにステープル発射ストロークを実施するように動作可能なステープル発射駆動部を備える。ステープル発射駆動部は、電気モータと、組織切断ナイフ10630と、ステープル発射ストローク中にステープルカートリッジ11000”を通じて組織切断ナイフ10630を押すために電気モータによって遠位に駆動される発射バー10640とを含む。そのような事例では、組織切断ナイフ10630は、ステープルカートリッジ11000”のスレッド11400に接触し、スレッド11400を遠位に押して、組織切断ナイフ10630がステープル発射ストロークを通じて遠位に前進するときにステープルを射出する。組織切断ナイフ10630は、第1のジョー10410と係合するように構成されている第1のカム10610と、ステープル発射ストローク中に第2のジョー10420と係合するように構成されている第2のカム10620とを更に備える。第1のカム10610及び第2のカム10620は、ステープルが第2のジョー10420に接して変形されているときに、ジョー10410及び10420を互いに対して所定の位置に協働して保持するように構成されている。
【0147】
様々な実施形態では、ステープル発射駆動部はまた、エンドエフェクタ10400を閉鎖するために使用することができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、組織切断ナイフ10630は、第2のカム10620が第2のジョー10420に接触し、第2のジョー10420を開位置から閉位置に移動させるように、閉鎖ストローク中に遠位に前進させられる。閉鎖ストロークの後、ステープル発射駆動部を再作動させて、上述のステープル発射ストロークを実施することができる。代替的な実施形態では、外科用器具は、別個の別々の閉鎖駆動部及びステープル発射駆動部を備える。少なくとも1つのそのような実施形態では、閉鎖駆動部は、第2のジョー10420を閉鎖するように作動され、次いで、ステープル発射駆動部は、ステープル発射駆動を実施するように別個に作動される。いずれにしても、カム10610及び10620は、ステープル発射ストローク中にジョー10410及び10420を共に保持するように協働することができる。とはいえ、カム10610及び10620の一方又は両方を伴わない他の実施形態が想定される。
【0148】
上記に加えて、外科用器具10000”は、外科用器具10000と同様に、ロックアウト10700を備え、このロックアウトは、第1のジョー10410が空である場合、すなわち、ステープルカートリッジが欠落している場合、ステープルカートリッジが第1のジョー10410に位置付けられているが第1のジョー10410に完全に設置されていない場合、及び/又はステープルカートリッジが第1のジョー10410に設置されているが既に発射されている場合に、ステープル発射ストロークが実施されることを防止する。これらの事例のいずれでも、組織切断ナイフ10630は、組織切断ナイフ10630がロック肩部10720に接触し、組織切断ナイフ10630が更に遠位に前進することを阻止されるように、ステープル発射ストロークが開始されるときに、(シャフト10200内の)ばねによって、第1のジョー10410に画定された凹部10710内へ下方に押される。そのような時点で、外科用器具10000”はロックアウトされ、未使用のステープルカートリッジが第1のジョー10410に完全に設置されるまで、ステープル発射ストロークを実施することができない。未使用のステープルカートリッジが第1のジョー10410に完全に設置され、ステープル発射ストロークが再開されると、組織切断ナイフ10630がロックアウト10700のロック肩部10720を通過し、ステープル発射ストロークを完了することができる。より具体的には、ステープルカートリッジ11000”のスレッド11400は、スレッド11400がステープル発射ストロークの開始時に近位未発射位置にあるとき、組織切断ナイフ10630をロック肩部10720の上方に支持する。上記のように述べられたが、任意の好適な周波数を使用することができる。
【0149】
米国特許第7,143,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A FIRING LOCKOUT FOR AN UNCLOSED ANVIL」(2006年12月5日発行)、米国特許第7,044,352号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHANISM FOR PREVENTION OF FIRING」(2006年5月16日発行)、米国特許第7,000,818号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(2006年2月21日発行)、米国特許第6,988,649号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(2006年1月24日発行)、及び米国特許第6,978,921号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E-BEAM FIRING MECHANISM」(2005年12月27日発行)の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0150】
上記に加えて、カートリッジ本体11100は、ステープル発射ストローク中に組織切断ナイフ10630を受容するように構成されている、その中に画定された長手方向スロット11150を備える。長手方向スロット11150は、長手方向部分11156につながる幅広近位端11152を備える。長手方向スロット11150は、長手方向部分11156内に内向きに延びる隆起部又は突出部11154を更に備える。隆起部11154は、スレッド11400がステープル発射ストローク中に組織切断ナイフ10630によって遠位に押されるまで、スレッド11400をその近位の未発射位置に解放可能に保持する。そのような構成は、例えば、ステープルカートリッジ11000”が第1のジョー10410内に設置されているときに、スレッド11400が誤って遠位側に押されることを防止するか、又はその可能性を低減する。隆起部11154はまた、ステープル発射ストローク中に組織切断ナイフ10630に接触させることができる。そのような事例では、組織切断ナイフ10630は、隆起部11154の一方又は両方を降伏させ、塑性変形させ、及び/又は破壊することができる。そのような事象は、以下で更に議論されるように、ステープル発射駆動部を操作する制御システムによって検出可能である、組織切断ナイフ10630を遠位に移動させるために必要とされる力の瞬間的なパルス又は増加を生成し得る。注目すべきことに、隆起部11154は、ロックアウト11700に対して遠位に位置付けられ、したがって、組織切断ナイフ10630は、ステープル発射ストロークの開始時にロックアウト11700、次いで隆起部11154を通過する。上述したように、2組の隆起部、すなわち、スレッド11400を所定の位置に保持するための1組の隆起部11154と、検出可能な力パルスを生成するための第2の組の隆起部とを有する代替的な実施形態が企図される。
【0151】
外科用器具のエンドエフェクタ内のセンサは、外科用器具がいくつかのタスクを実施することを可能にする様々な組織パラメータ及び器具パラメータを測定する。より速いセンササンプリング速度は、概して、より正確なセンサデータと関連付けられるが、外科用器具がアクティブである間にエンドエフェクタ内のすべてのセンサのサンプリング速度を無差別に最大化することは、電力消費、データ伝送、及び/又はデータ処理に非常に負担をかける。
【0152】
本開示の様々な態様は、データ帯域幅若しくは容量、電力転送若しくは放電速度、及び/又は残存電力容量のリアルタイム制約に基づいて、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための回路及び/又はアルゴリズムを対象とする。
【0153】
追加的に又は代替的に、本開示の様々な態様は、外科用器具の1つ以上の検出された態様に基づいてセンサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化する回路及び/又はアルゴリズムに関し、外科用タスクは、外科用器具、及び/又は以下でより詳細に説明するように、センサデータの優先レベルを表すことができる状況認識外科用ハブからの信号(複数可)によって実施される。
【0154】
様々な態様では、外科用器具は、異なるタスクに対して異なるセンサ構成を必要とし得る。また、センサデータ分解能要件は、異なるタスク間で、特定の事例では、単一のタスクの期間内で変動し得る。本開示の様々な態様は、以下でより詳細に説明するように、様々なデータソースから導出された様々なコンテキスト情報に基づいてセンサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化する回路及び/又はアルゴリズムを対象とする。
【0155】
センサデータ収集、伝送、及び/又は処理の最適化は、例えば、センササンプリング速度、サンプリング駆動電流及び/又は電圧、収集速度、センサデータ分解能、センサデータ伝送速度、始動の期間、及び/又は始動の頻度などのデータ収集、伝送、及び/又は処理に関連付けられる1つ以上のセンサパラメータを調節、適合、又は調整することによって達成することができる。少なくとも1つの実施例では、センサ又はセンサ群は、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するために、非アクティブモード、アイドラモード、又はアクティブモードに切り替えることができる。
【0156】
図13は、外科用器具のエンドエフェクタの1つ以上の状態を検出するように構成されているセンサアレイに関連してセンサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1000の論理フロー図である。図示される実施例では、アルゴリズム1000は、センサアレイと遠隔処理ユニットとの間のデータ伝送の帯域幅又は容量(B)を検出すること1002と、エンドエフェクタに電力を供給するように構成されている電源の放電速度(D)を検出すること1004と、帯域幅(B)の検出値及び放電速度(D)の検出値に基づいて、センサアレイのセンサ又はセンサのサブセットのセンサパラメータを調節すること1008とを含む。いくつかの事例では、アルゴリズム1000は、電源の残存容量(R)を検出すること1006と、遠隔電源の残存容量(R)の検出値に更に基づいて、センサアレイのセンサ又はセンサのサブセットのセンサパラメータを調節すること1008とを更に含む。特定の事例では、以下でより詳細に説明するように、センサパラメータ調節は、帯域幅(B)、放電速度(D)、及び/又は残存容量(R)の検出値に基づいてセンサパラメータ値を調節することによって達成することができる。
【0157】
図14は、外科用器具のエンドエフェクタの1つ以上の状態を検出するように構成されているセンサアレイに関連して、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示す別のアルゴリズム1010の論理フロー図である。アルゴリズム1010は、センサアレイのセンサのサブセットのセンサデータの優先レベルを示す1つ以上の信号を受信すること1012と、センサデータの検出された優先レベルに基づいてセンサのサブセットのセンサパラメータを調節すること1014とを含む。追加的に又は代替的に、アルゴリズム1010は、センサデータの優先レベルに基づいてセンサの別のサブセットのセンサパラメータを調節すること1016を更に含み得る。
【0158】
上述したように、センサパラメータ調節(例えば、1014、1016)は、例えば、センササンプリング速度、サンプリング駆動電流及び/又は電圧、収集レート、センサデータ分解能、センサデータ伝送速度、始動期間、及び/又は始動周波数などのデータ収集、伝送、及び/又は処理に関連付けられた1つ以上のセンサパラメータに対して実施することができる。いくつかの事例では、センサのサブセットのセンサパラメータの調節(例えば、1014、1016)は、例えば、データ帯域幅(B)、電力放電速度(D)、及び/又は電力残存容量(C)のリアルタイム制約に更に基づく。
【0159】
特定の事例では、センサパラメータ調節は、サンプリング波形/信号の内容(すなわち、光のスペクトル、振動の周波数、AC周波数など)を調節することを含む。他の事例では、センサパラメータ調節は、信号分析器のサンプリング時間を調節すること、アクティブセンサの数を低減すること、個々のセンサを単一のセンサに多重化/結合すること、及び/又はセンサの異なる組み合わせを分析することを含む。
【0160】
更に、センサパラメータ調節は、1つ以上の所定の期間にわたって実施され得る、センサパラメータに対する1つ以上の段階的調整を含むことができる。追加的に又は代替的に、センサパラメータ調節は、1つ以上の所定の時間期間にわたって実装され得る、サンプリングパラメータに対する1つ以上の段階的調整を含むことができる。
【0161】
特定の事例では、センサパラメータは、0に等しいか、又は少なくとも実質的にゼロに等しい値に調節することができる。更に、センサパラメータ調節は、例えば、調節のない期間によって分離することができる。様々な事例では、センサパラメータ調節は、以下でより詳細に説明されるように、1つ以上の予め設定された方程式、テーブル、及び/又はデータベースに従って実施され得る。
【0162】
上記に加えて、アルゴリズム1010は、センサアレイの第2のサブセットから受信されたセンサデータの優先レベルに基づいて、センサアレイのセンサの第1のサブセットのセンサパラメータを調整することを含み得る。例えば、エンドエフェクタの関節運動中に、アルゴリズム1010は、エンドエフェクタの閉鎖及び/又は発射に関連するセンサの第1のサブセットのサンプリングパラメータを減少させ得、関節運動に関連するセンサの第2のサブセットのサンプリングパラメータを増加させ得る。調整は、データ及び/又は電力に過度の負担をかけることなく、関節運動センサデータの分解能を向上させる。別の実施例では、エンドエフェクタの発射中、アルゴリズム1010は、エンドエフェクタの閉鎖に関連するセンサの第2のサブセットのサンプリングパラメータを減少させ得、発射に関連するセンサの第1のサブセットのサンプリングパラメータを増加させ得る。追加的に又は代替的に、閉鎖中、アルゴリズム1010は、エンドエフェクタの閉鎖に関連するセンサの第2のサブセットのサンプリングパラメータを増加させ得、発射に関連するセンサの第1のサブセットのサンプリングパラメータを増加させ得る。少なくとも1つの実施例では、関節運動、発射、及び/又は閉鎖期間は、以下でより詳細に説明するように、状況認識データに基づいて確認することができる。
【0163】
図15は、外科用器具のエンドエフェクタの1つ以上の状態を検出するように構成されているセンサアレイに関連して、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示す別のアルゴリズム1080の論理フロー図である。図示される実施例では、アルゴリズム1080は、センサアレイのセンサの1つ以上のサブセットの優先レベルを判定する1081。特定の事例では、優先レベルは、例えば、タスクが外科用器具によって実施されている又は実施されようとしているなどの優先レベルを示す1つ以上の信号に基づいて判定することができる。いずれにしても、優先レベルが高い優先レベルであると判定された場合(1082)、センサの1つ以上のサブセットは、例えば、アクティブモードに切り替えられる(1083)。しかしながら、優先レベルが低い優先レベルであると判定された場合(1082)、センサの1つ以上のサブセットは、例えば、アイドラモードに切り替えられる(1084)。
【0164】
様々な態様では、アクティブモード1083は、例えば、センササンプリング速度、サンプリング駆動電流及び/又は電圧、収集速度、センサデータ分解能、センサデータ伝送速度、始動の期間、及び/又は始動の頻度などのデータ収集、伝送、及び/又は処理に関連付けられたセンサパラメータの1つ以上のより高い値によって定義される。反対に、アイドラモード1084は、アクティブモード1083と比較して、そのようなセンサパラメータのより低い値によって定義される。したがって、アイドラモード1084におけるセンサデータは、高雑音及び低分解能に関連付けられ得る。いくつかの事例では、センサのサブセットの優先レベルは、高い優先レベルであると判定され、高雑音/低分解能センサデータ内の変動又はスパイクが検出された場合、アクティブモード1082への切替えをトリガする。
【0165】
図16は、例えば、アルゴリズム1000、1010、1080などの、センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するための1つ以上のアルゴリズムの態様を実装するように構成されている、外科用システム1020の様々な態様を図示する。図示される実施例では、外科用システム1020は、制御回路1026を含む外科用器具1022を含む。外科用器具1022はまた、外科用ハブ1024、局所サーバ、及び/又はクラウドベースのシステムと通信するための有線及び/又は無線通信回路を含み得る。特定の事例では、外科用器具1022は、ハンドヘルド式外科用器具である。別の事例では、外科用器具1022は、ロボット外科用ツールである。
【0166】
図示される実施例では、制御回路1026は、少なくとも1つのメモリ回路1032に結合された1つ以上のプロセッサ1030(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラ1028を含む。メモリ回路1032は、プロセッサ1030によって実行されると、プロセッサ1030に、本明細書に記載される様々なプロセス又はアルゴリズムを実装するための機械命令を実行させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ1030は、当該技術分野で既知の多数のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサのうちの任意の1つであってもよい。メモリ回路1032は、揮発性及び不揮発性の記憶媒体を備え得る。プロセッサ1030は、命令処理ユニット及び演算ユニットを含み得る。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路1032から命令を受信するように構成され得る。制御回路1026は、例えば、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジック、又は他のハードウェア回路、ソフトウェア、及び/又はファームウェア、又は本明細書で説明される機能を実施するための他の機械実行可能命令などのアナログ又はデジタル回路を備え得る。
【0167】
上記に加えて、制御回路1026は、モータドライバ1034、フィードバックシステム1038、電源1043(例えば、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源)、及び外科用器具1022のエンドエフェクタ1040の1つ以上の状態を検出するように構成されているセンサアレイ1036と信号通信している。モータドライバ1034によって駆動される電気モータ1042は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、エンドエフェクタ1040における発射、閉鎖、及び/又は関節運動を駆動するように構成されている、長手方向に移動可能な変位部材1044に動作可能に結合する。特定の事例では、外科用器具1022は、発射、閉鎖、及び/又は関節運動のための専用モータドライバ及び/又はモータを含み得る。
【0168】
特定の事例では、制御回路1026は、モータ設定点信号を生成することによってモータ1042を制御することができる。モータ設定点信号は、モータドライバ1034に提供され得る。モータドライバ1034は、本明細書に記載されているとおり、モータ1042にモータ駆動信号を提供して、モータ1042を駆動するように構成されている1つ以上の回路を備え得る。いくつかの事例では、モータ1042は、ブラシ付きDC電気モータであってもよい。例えば、モータ1042の速度は、モータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの事例では、モータ1042は、ブラシレスDC電気モータであってもよく、モータ駆動信号は、モータ1042の1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含み得る。また、いくつかの実施例では、モータドライバ1034は省略されてもよく、制御回路1026がモータ駆動信号を直接生成し得る。
【0169】
様々な実施形態では、センサアレイ1036は、ホール効果センサ若しくはリードスイッチセンサ、光センサ、磁気誘導センサ、力センサ、圧力センサ、圧電抵抗性フィルムセンサ、超音波センサ、渦電流センサ、加速度計、パルス酸素測定センサ、温度センサ、組織経路の電気特性(静電容量若しくは抵抗など)を検出するように構成されているセンサ、又はそれらの任意の組み合わせなどの組織厚さセンサを含むが、それらに限定されないエンドエフェクタ1040の遠位端における1つ以上の状態を検出するためのセンサを含み得る。特定の事例では、限定するものではないが、センサアレイ1036は、例えば、ポテンショメータ、容量センサ(スライドポテンショメータ)、ピエゾ抵抗フィルムセンサ、圧力センサ、圧力センサ、又は任意の他の好適なセンサタイプなどの、外科用器具1022の関節運動継手に又は関節運動継手の周りに位置する1つ以上のセンサを含み得る。いくつかの構成では、センサアレイ1036は、エンドエフェクタ1040内の複数の位置にある複数のセンサを含み得る。
【0170】
なお
図16を参照すると、外科用器具1022は、マイクロコントローラ1028からエンドエフェクタ1040にデータ/通信信号を転送するように構成されている伝送システム1045を更に含む。追加的に又は代替的に、伝送システム1045は、電源1040からエンドエフェクタ1040に電力を転送するように更に構成することができる。少なくとも1つの例示では、データ転送及び/又は電力転送は、有線接続を介して達成される。別の例示では、データ転送及び/又は電力転送は、無線接続を介して達成される。特定の事例では、伝送システム1045は、無線接続部分及び有線接続部分を含む。無線接続部分は、例えば関節運動継手などの外科用器具1022の可動部品を介した電力及び/又はデータの信頼性の高い伝送を容易にする。
【0171】
様々な例示では、伝送システム1045は、例えば、低周波RFIDプロトコル、高周波RFIDプロトコル、近距離無線通信(NFC)プロトコル、極超短波RFIDプロトコル、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、Qiプロトコル、若しくは独自の通信プロトコル、又は任意の他の適切な通信プロトコルなどの1つ以上の無線通信プロトコルを用いる。参照により全体が本明細書に組み込まれる、2015年10月27日に発行された米国特許第9171244号、発明の名称「RFID TAG」は、短距離無線通信機構を開示している。
【0172】
少なくとも1つの実施例では、NFCプロトコルは、426kbit/秒の総ビット速度を利用し得る。他の好適な総ビット速度も本開示によって企図される。特定の事例では、伝送システム1045は、例えば、過剰な雑音のために、より低いビット速度で動作する。特定の事例では、NFC通信プロトコルは半二重通信を利用する。
【0173】
伝送システム1045は、エンドエフェクタ1040を、例えばプロセッサ1030などの遠隔処理ユニット及び/又は例えば電源1043などの遠隔電源に接続する。特定の例示では、遠隔処理ユニット及び/又は電源は、例えば、外科用器具1022の近位ハウジング又はハンドル内など、エンドエフェクタ1040から離れた近位位置に配置することができる。伝送システム1045は、エンドエフェクタ1040と遠隔処理ユニット及び/又は遠隔電源との間の信頼できる接続を確保する。
【0174】
上述したように、エンドエフェクタ1040は、外科用器具1022及び/又はエンドエフェクタ1040によって把持された組織の1つ以上の態様を監視するように構成されているセンサアレイ1036を含み得る。少なくとも1つの例示では、センサアレイ1036は、エンドエフェクタ1040のカートリッジチャネル1048に解放可能に結合可能なステープルカートリッジ1046に組み込まれるか、又は部分的に組み込まれる。カートリッジチャネル1048とアンビル1031の少なくとも一方は、アンビル1031とステープルカートリッジ1046との間で組織を捕捉するために、他方に対して移動可能である。伝送システム1045は、センサアレイ1036の動作のために電力をステープルカートリッジ1046に転送するように構成することができる。追加的に又は代替的に、伝送システム1045は、例えば、ステープルカートリッジ1046とマイクロコントローラ1028との間でデータ/通信信号を転送し得る。
【0175】
以下でより詳細に説明するように、伝送システム1045の様々な構成要素は、例えば、エンドエフェクタ1040のカートリッジ支持チャネルから、カートリッジ支持チャネルに解放可能に挿入可能なステープルカートリッジ1046へなど、エンドエフェクタ1040内での電力及び/又はデータ信号の無線伝送を容易にするように配置される、又は位置付けられる。追加的に又は代替的に、伝送システム1045は、例えば、シャフトとエンドエフェクタ1040とを接続する関節運動継手を横切って、外科用器具1022のシャフトからエンドエフェクタ1040への電力及び/又はデータ信号の無線伝送を容易にするように配置する、又は位置付けることができる。
【0176】
様々な事例では、ステープルカートリッジ1046は、センサアレイ1036を収容してもよく、又は少なくとも部分的に収容し得る。電源1043は、センサアレイ1036に給電するように構成することができる。電源1043によって供給される電力は、伝送システム1045を通じてステープルカートリッジ1046に無線で転送することができる。更に、マイクロコントローラ1028は、センサアレイ1036と信号通信することができる。データ/通信信号は、伝送システム1045を通じて外科用器具1022とステープルカートリッジ1046との間で無線で転送することができる。更に、伝送システム1045を使用して、様々なコマンド信号をセンサアレイ1036に転送することもできる。
【0177】
図16及び
図17を参照すると、特定の事例では、ステープルカートリッジ1046は、センサアレイ1036と通信する局所制御回路1049を含む。局所制御回路1049及び/又はセンサアレイ1036は、伝送システム1045を介して電源1043によって無線で給電することができる。
図17は、局所制御回路1049の例示的な実装形態を示す。図示される実施例では、局所制御回路1049は、局所プロセッサ1041及び局所メモリ回路1047を有する局所マイクロコントローラ1076を含む。局所メモリ回路1047は、プロセッサ1041によって実行されると、本開示による様々なプロセス又はアルゴリズムをプロセッサ1041に実行させ得る機械実行可能命令を記憶し得る。プロセッサ1041は、当該技術分野で既知の多数のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサのうちの任意の1つであってもよい。メモリ回路1047は、揮発性及び不揮発性の記憶媒体を備え得る。プロセッサ1041は、命令処理ユニット及び演算ユニットを含み得る。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路1047から命令を受信するように構成され得る。特定の事例では、制御回路1049は、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジック、又は他のハードウェア回路、ソフトウェア、及び/又はファームウェア、又は以下の説明では説明される機能を実施するための他の機械実行可能命令などのアナログ又はデジタル回路を備え得る。
【0178】
特定の事例では、制御回路1049は、センサ回路を備える。センサアレイ1036のセンサからの信号(例えば、電圧、電流、抵抗、インピーダンス、静電容量、インダクタンス、周波数、位相など)は、センサ回路によって調整することができる。
【0179】
上記に加えて、局所マイクロコントローラ1076は、伝送システム1045を介してマイクロコントローラ1028と無線信号通信することができる。センサアレイ1036のセンサデータは、局所制御回路1049による伝送のために収集され、準備され得る。局所マイクロコントローラ1076は、伝送システム1045を介して制御回路1026に伝送する前にセンサデータを圧縮するように構成することができる。
【0180】
本開示によって説明される1つ以上のアルゴリズムの様々な態様は、制御回路1026、制御回路1049、又はその両方によって協働して実行することができる。簡潔にするために、以下の説明は、制御回路1049による実行又は制御回路1026による実行のみに焦点を当てるが、これは、限定として解釈されるべきではない。
【0181】
図6~
図8は、伝送システム1045の異なる実装形態1051、1052、1053を示す。読者は、他の実装形態が本開示によって企図されることを理解するであろう。
図8は、データ及び電力が2つの独立した経路を使用して別々に無線伝送される伝送システム1045の例示的な実装形態1053を示す。代替的に、
図7は、データ及び電力が単一の経路を使用して順次に無線伝送される伝送システム1045の例示的な実装形態1052を示す。代替的に、
図6は、データ及び電力が単一の経路を使用して同時に無線伝送される伝送システム1045の例示的な実装形態1051を示す。
【0182】
伝送システム1045を通じて、
図6~
図8の実装形態1051、1052、1053に記載されているように、ステープルカートリッジ1046は、電源1043から無線で電力を供給され得る。供給された電力は、センサアレイ1036のセンサデータ収集及び/又は信号処理に利用される。特定の事例では、電力は、電源1043によってセンサアレイ1036に直接供給される。あるいは、例えば、充電アキュムレータ11800(
図7)などの局所電源が、センサアレイ1036に電力を供給し得る。充電アキュムレータ11800は、電源1043によって供給される電力によって充電することができるストレージコンデンサを含み得る。様々な態様では、放電速度(D)及び/又は残存充電容量(C)は、充電計によって検出又は監視することができる。
【0183】
上記に加えて、制御回路1049は、センサアレイ1036のセンサの1つ以上のサブセットのセンサパラメータを調節して1008、例えば、メモリ回路1032又はメモリ回路1047に記憶された1つ以上の式、表、及び/又はデータベースに従って、電力引き込みと残存電力容量とのバランスをとるように構成又はプログラムすることができる。
図18に示すように、サンプリング速度(S)は、帯域幅(B)、放電速度(D)、及び/又は残存容量(R)の検出値に基づいて表1090から選択することができる。例えば、検出値B1、D1、R1は、制御回路1049にサンプリング速度(S1)を選択させる。次いで、センサアレイ1036のセンサの1つ以上のサブセットのサンプリング速度(S)は、例えば、サンプリング速度(S1)に調整することができる。したがって、センサアレイ1036のセンサデータ収集及び/又は信号処理は、制御回路1026又は局所制御回路1049によって自動的に調整されて、電力引き込みと残存容量とのバランスをとることができる。
【0184】
主に
図15及び
図16を参照すると、制御回路1026は、優先レベルを示す1つ以上の信号に基づいて、センサアレイ1036のセンサのサブセットから受信されたセンサデータの優先レベルを判定するように構成することができる。特定の事例では、信号は、外科用ハブ1024から制御回路1026に伝送される。他の事例では、1つ以上の信号は、1つ以上のセンサから制御回路1026に伝送される。他の事例では、1つ以上の信号は、フィードバックシステム1038から制御回路1026に伝送される。
【0185】
特定の事例では、1つ以上の信号は、外科処置、外科用器具1022、及び/又は患者に関する受信データから導出されるコンテキスト情報を通信する。コンテキスト情報は、状況認識外科用ハブ1024によって導出することができる。1つの例示では、コンテキスト情報は、外科用ハブ1024の制御回路によって導出することができる。別の例示では、コンテキスト情報は、クラウドコンピューティングシステムによって導出することができる。更に別の例示では、コンテキスト情報は、例えば、前述のクラウドコンピューティングシステム及び/又は外科用ハブ1024の制御回路のうちの少なくとも1つを外科用器具1022の制御回路1026と組み合わせて含む分散コンピューティングシステムによって導出することができる。経済性のために、以下の説明は、外科用ハブ1024の制御回路によって導出されるコンテキスト情報に焦点を当てる。しかしながら、コンテキスト情報を導出することは、前述の例示のいずれかによって達成され得ることを理解されたい。
【0186】
特定の事例では、コンテキスト情報は、例えば、データベース、患者監視デバイス、及びモジュール式デバイスなどの1つ以上のデータソースから導出される。1つの例示では、データベースは、外科処置が実施されている医療施設に関連付けられた患者EMRデータベースを含むことができる。データソースから受信したデータは、所与の外科処置に関連付けられた術前データ、術中データ、及び/又は術後データを含む、手術前後データを含むことができる。データベースから受信したデータは、実施されている外科処置のタイプ、又は患者の病歴(例えば、本外科処置の対象であってもなくてもよい医療条件)を含むことができる。1つの例示では、外科用ハブ1024の制御回路は、患者EMRデータベースを患者に関連付けられた一意の識別子で照会することによって、患者又は外科処置データを受信することができる。外科用ハブは、例えば、患者が手術室に入るときに患者に関連付けられた一意の識別子をコードする患者のリストバンドをスキャンするためのスキャナから、一意の識別子を受信することができる。
【0187】
1つの例示では、患者監視デバイスは、BPモニタ、EKGモニタ、及び患者に関連付けられた1つ以上のパラメータを監視するように構成された他のそのような装置を含む。患者監視デバイスは、外科用ハブがそこからデータを受信するように、外科用ハブ2034とペアリングすることができる。1つの例示では、外科用ハブ1024とペアリングされる(すなわち、通信可能に結合された)モジュール式デバイスから受信するデータは、例えば、作動データ(すなわち、デバイスが電源オンであるか又は使用中であるか)、モジュール式デバイスの内部状態のデータ(例えば、外科用切断及びステープル留めデバイスの発射する力若しくは閉鎖する力、気腹器若しくは排煙器の圧力差、又はRF若しくは超音波外科用器具のエネルギーレベル)、又は患者データ(例えば、組織のタイプ、組織の厚さ、組織の機械的特性、呼吸速度、又は気道容積)を含む。
【0188】
特定の事例では、コンテキスト情報は、例えば、実施されている処置のタイプ、外科処置で実施されている特定のステップ、患者の状態(例えば、患者が麻酔下であるか、患者が手術室にいるかどうか)、又は手術されている組織のタイプを含むことができる。特定の事例では、コンテキスト情報は、手術前後データは、例えば、モジュール式デバイス自体に関するデータ(例えば、圧力差、モータ電流、内力、又はモータトルク)、又はモジュール式デバイスが利用されている患者に関するデータ(例えば、組織特性、呼吸数、気道容積、又は腹腔鏡画像データ)を含む手術前後データから得られる。更なる詳細は、2018年12月4日に出願された米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」(現在は、米国特許出願公開第2019/0201136号)に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0189】
いくつかの事例では、コンテキスト情報は、1つ以上の撮像デバイスから受信された撮像データから導出される。撮像データは、個々の画像又はビデオストリームを表すことができる。医療用撮像デバイスは、光学構成要素と、画像データを生成する画像センサとを含むことができる。光学構成要素は、例えば、レンズ又は光源を含む。画像センサは、例えば、電荷結合素子(CCD)又は相補的金属酸化物半導体(CMOS)を含む。様々な例示では、医療用撮像デバイスは、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、及び他のそのような撮像装置を含む。医療用撮像デバイスからの画像又はビデオデータ(又はデジタル医療用撮像デバイスのビデオを表すデータストリーム)は、例えば、医療用撮像デバイス5108の視野(FOV)内の特徴(例えば、臓器又は組織のタイプ)を認識するために、パターン認識システム又は機械学習システムによって処理することができる。認識された特徴から導出され得るコンテキスト情報としては、例えば、どの種類の外科処置(又はそれのどのステップ)が行われているか、どの臓器が手術されているか、又はどの体腔内で手術されているかを含むことができる。
【0190】
様々な態様では、制御回路1026は、コンテキスト情報に基づいて、アルゴリズム1010に従って、センサアレイ1036のセンサの1つ以上のサブセットの優先レベルを選択するように構成されている。更に、制御回路1026は、コンテキスト情報に基づいて、アルゴリズム1080に従って、センサアレイ1036のセンサの1つ以上のサブセットをアクティブモード1083とアイドラモード1084との間で切り替え得る。少なくとも1つの実施例では、制御回路1026は、手術室撮像/ビデオフィードから導出されたコンテキスト情報を利用して、外科処置におけるステップを識別し、更に、実施されているステップに基づいてセンサデータ収集、伝送、及び/又は処理に優先順位を付けることができる。例えば、制御回路1026は、コンテキスト情報に基づいて、例えば、初期組織係合ステップなどの吻合外科処置におけるステップを識別し得る。初期組織係合ステップの識別は、次いで、制御回路1026に、1つ以上のセンササブセットをアクティブモード1083に切り替えさせる。
【0191】
なお
図13及び16を参照すると、制御回路1026は、外科用器具1022の外科的状態を示す1つ以上の信号に基づいて、センサアレイ1036の1つ以上のセンササブセットの優先レベルを判定するように構成され得る。信号は、外科用器具1022の動作パラメータに関するデータを含み得る。例えば、信号は、モータ(例えば、モータ1042)の機能に関するデータを含み得る。
【0192】
モータデータは、エンドエフェクタ1040が関節運動中であるか、閉鎖運動中であるか、又は発射運動中であるかを示すことができる。制御回路(例えば、制御回路1026、049)は、エンドエフェクタ1040によって行われる運動のタイプに基づいて、外科用器具1022の1つ以上のセンサに優先順位を付けるように構成又はプログラムされ得る。例えば、閉鎖及び発射は、典型的には、関節運動の完了後、ユーザがエンドエフェクタ1040の関節運動位置に完全に満足したときに行われる。したがって、制御回路は、例えば、関節運動の検出に応答して、関節運動センサデータよりも低い優先順位を閉鎖及び/又は発射センサデータに割り当てるように構成又はプログラムすることができる。制御回路は、例えば、関節動作に関連付けられたセンサのサブセットに関連付けられたセンサパラメータを調整して、サブセットのサンプリング速度を上昇させ得る。追加的に、制御回路はまた、閉鎖及び/又は発射に関連するセンサのサブセットに関連付けられたセンサパラメータを調整して、関節運動中のサブセットのサンプリング速度を低下させ得る。
【0193】
エンドエフェクタ1040の閉鎖中に閉鎖センサデータを発射センサデータよりも優先させる、及び/又はエンドエフェクタ1040の発射中に発射センサデータを閉鎖センサデータよりも優先させるために、同様の構成をとることができる。上述したように、このリアルタイムバランシングアプローチは、電力リソース及びデータ伝送、並びに/又はデータ処理リソースに過度の負担がかからないことを保証する。
【0194】
図14、
図15及び
図16を参照すると、制御回路1026は、外科用器具1022の全体的な移動を示す1つ以上の信号に基づいて、センサアレイ1036の1つ以上のセンササブセットの優先レベルを判定する1081ように構成され得る。外科用器具1022は、例えば加速度計など、外科用器具1022の全体的な移動を測定するように構成されている1つ以上のセンサを含み得る。外科用器具1022の全体的な移動を検出することは、エンドエフェクタ1040の状態を示すことができる。例えば、全体的な移動は、エンドエフェクタ1040が患者の体腔の外側にあることを示すことができる。したがって、制御回路1026は、外科用器具1022の全体的な移動を示す信号に応答して、閉鎖及び/又は発射センサデータの優先順位を下げるように構成又はプログラムすることができる。少なくとも1つの実施例では、閉鎖及び/又は発射センサデータの優先順位を下げることは、閉鎖及び/又は発射に関連付けられたセンサアレイ1036のセンサをアイドラモード1084に切り替えることを含む。少なくとも1つの実施例では、閉鎖及び/又は発射センサデータの優先順位を下げることは、例えば、センサデータ収集、処理、及び/又は伝送を制御するセンサパラメータなどの、閉鎖及び/又は発射に関連付けられたセンサアレイ1036のセンサの1つ以上のセンサパラメータを調整することを含む。
【0195】
上記に加えて、装填手順を示す信号、開始データ及び/又はツールドッキングデータを含む信号、高いエンドエフェクタ速度を示す信号、及び/又はカートリッジ感知が特定の段階で不要であることを示す任意の他の信号に応答して、同様のアプローチを取ることができる。制御回路1026は、そのような条件のうちの1つ以上の検出に応答して、センサアレイ1036の1つ以上のセンサパラメータを調整し、センサ電力/データ過負荷を最小限にするように構成又はプログラムすることができる。
【0196】
1つ以上のアルゴリズム(例えば、アルゴリズム1010、1080)に従って、1つ以上のセンササブセットの優先レベルを判定すること1081は、複数の方法で達成することができる。一実施例では、優先レベルは、バイナリ優先レベルとすることができ、制御回路1026は、例えば、高優先レベル又は低優先レベルの間で選択するように構成されている。いくつかの事例では、高優先レベルはアクティブモード1083に関連付けられ、低優先レベルはアイドラモード1084に関連付けられる。他の実施例では、優先レベルは、例えば、メモリ回路1032に記憶された1つ以上の式、表、及び/又はデータベースに基づいて判定され得る値を含む。1つ以上の条件は、式、表、及び/又はデータベースの形で記憶された、予め設定された値に従って優先レベルに寄与することができる。
【0197】
主に
図13及び
図16を参照すると、上述したように、アルゴリズム1000は、伝送システム1045を介してデータ伝送帯域幅(B)又は最大データ伝送速度を検出すること1002を含む。データ伝送帯域幅(B)は、複数の方法で検出することができる(1002)。例えば、データは、エラーが検出されるまで、又は信号強度がもはやより高い転送速度を可能にすることができなくなるまで、徐々に又は増分的に増加される速度で伝送システム1045を通して転送することができる。各転送に、データ受信確認及び/又はデータ完全性確認を要求することができる。確認が受信された場合、次の転送の転送速度が上昇される。しかしながら、確認が受信されない場合、直近の転送速度が伝送システム1045の帯域幅能力を超えていると結論付けることができる。そのような事例では、例えば、直近の転送速度に先行する転送速度を、伝送システムのデータ伝送帯域幅(B)として判定することができる。特定の事例では、初期転送はデフォルト転送速度を使用して実施される。次に、例えば確認がないことによってデータ伝送帯域幅(B)が検出されるまで、所定の値に従って段階的に又は徐々に上昇される転送速度を使用して、後続の転送が実施される。
【0198】
追加的に又は代替的に、データ伝送帯域幅(B)は、初期応答又はハンドシェイク中に検出することができる(1002)。応答及び/又はハンドシェイク信号は、例えば、ステープルカートリッジ1046及び/又は外科用器具1022の始動、初期化、及び/又はウェイクアップシーケンスの一部として、伝送システム1045を通じて制御回路1026と局所制御回路1049との間で転送することができる。
【0199】
特定の事例では、外科用器具1022の1回以上の以前の使用中の成功した伝送に関連付けられた伝送速度が記憶され、次いで、外科用器具1022又は他の同様の外科用器具1022のその後の使用で帯域幅(B)を検出する1002際に使用される。一実施例では、成功した伝送速度は、将来の使用における初期応答又はハンドシェイク中に共有するためにメモリ回路1032に記憶することができる。制御回路1026は、各々がデータスループットを最大化しようとしている、外科用器具1022と共に使用されるカートリッジ再装填を監視するように構成又はプログラムすることができ、その後、以前のカートリッジ再装填が達成することができた最大転送速度を将来のカートリッジ再装填に提案することができる。
【0200】
別の実施例では、成功した伝送速度は、データ集約及び分析のために、外科用ハブ(例えば外科用ハブ1024)及び/又はクラウドベースのシステムに伝送することができる。データ伝送帯域幅(B)は、例えば、データ伝送帯域幅(B)を示す外科用ハブ又はクラウドベースのシステムから受信された信号に基づいて検出する(1002)ことができる。
【0201】
図19は、ステープルカートリッジ1046と外科用器具1022との間の電力及び/又はデータ信号伝送における信号干渉を監視及び対処するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1100の論理フロー図である。本明細書の他の箇所に記載されるように、ステープルカートリッジ1046の再装填は、エンドエフェクタ1040のカートリッジチャネル1048内に設置されることによって、外科用器具1022に解放可能に結合される。更に、ステープルカートリッジ1046がカートリッジチャネル1048内に設置されているときに、ステープルカートリッジ1046と外科用器具1022との間に無線接続が確立されて、電力及び/又はデータ信号を無線で伝送すること(1102)ができる。電力及び/又はデータ信号は、カートリッジチャネル内に延びる配線ハーネスを通じて、次いで、伝送システム1045の無線電力及び/又はデータ転送回路(複数可)を通じて転送することができる。電力及び/又はデータ信号伝送は、様々な内部及び外部干渉を受ける。
【0202】
様々な内部要因及び外部要因が、例えば、エンドエフェクタ1040内の組織及び/又は流体の存在を含む環境要因からの信号干渉、他の外科用ツール、又は更には外科用器具1022の他の構成要素からの信号干渉などの信号干渉を引き起こし得る。無線電力及び/又はデータ転送回路(複数可)は、金属カートリッジチャネル1048に少なくとも部分的に固定することができる。特定の事例では、金属カートリッジチャネル1048を通じた寄生損失、無線電力及び/又はデータ転送回路(複数可)におけるアンテナ不整合、及び/又は二次磁場発生も、信号干渉に寄与し得る。
【0203】
信号干渉を管理するために、アルゴリズム1100は、外科用器具1022とステープルカートリッジ1046との間の電力及び/又はデータ信号の伝送における干渉を監視する(1104)。アルゴリズム1100は、干渉に基づいて外科用器具1022の動作パラメータを更に調節する(1106)。少なくとも1つの例示では、動作パラメータを調節すること(1106)は、検出された干渉に基づいて、データ信号の強度、データ伝送速度、及び/又は電力伝送速度を調整することを含む。特定の事例では、動作パラメータを調節すること(1106)は、例えば、センササンプリング速度、サンプリング駆動電流及び/又は電圧、収集速度、センサデータ分解能、センサデータ伝送速度、始動の期間、及び/又は始動の周波数などの、データ収集、伝送、及び/又は処理に関連付けられた1つ以上のセンサパラメータを調整することを含む。少なくとも1つの実施例では、センサ又はセンサ群は、干渉を緩和するために、非アクティブモード、アイドラモード、又はアクティブモードに切り替えることができる。
【0204】
上記に加えて、干渉を監視すること(1104)は、干渉による損失を考慮するために、伝送システム1045による予想されるデータ転送と実際のデータ転送とを比較することによって達成することができる。予想されるデータ転送と実際のデータ転送との間の差が所定の閾値以上である場合、伝送システム1045は、干渉を軽減するために、例えば、データ信号の強度などの外科用器具1022の1つ以上の動作パラメータを調整する。様々な態様では、干渉を監視すること(1104)は、信号安定性、失われたデータパケットの数、及び/又は識別可能な信号対ランダム雑音比を監視することを含む。信号安定性、失われたデータパケットの数、及び/又は識別可能な信号対ランダム雑音比が所定の閾値以上である場合、伝送システム1045は、前述のように、外科用器具1022の1つ以上の動作パラメータを調整する。
【0205】
更に、干渉を監視すること(1104)は、推論レベルに寄与する1つ以上の要因に基づいて干渉レベルを判定することを含み得る。要因は、例えば、予想されるデータ転送と実際のデータ転送との比、信号安定性、失われたデータパケットの数、及び/又は識別可能な信号対ランダム雑音比を含み得る。干渉レベルに対する個々の要因の寄与は、メモリ回路(例えば、メモリ回路1032、1047)に記憶され得る干渉式、干渉表、及び/又は干渉データベースから確認することができる。制御回路1026は、例えば、個々の因子の個々の寄与に基づいて干渉レベルを計算するように構成又はプログラムすることができる。制御回路1026は、判定された干渉レベルを所定の閾値と更に比較し得る。判定された干渉レベルが所定の閾値以上である場合、プロセッサは、前述したように、例えば、監視された干渉レベルが所定の閾値未満の値に減少するまで、外科用器具1022の1つ以上の動作パラメータを調節し得る(1016)。
【0206】
主に
図6~
図8及び
図17を参照すると、ステープルカートリッジ1046は、伝送システム1045の実装形態1051、1052、1053のうちのどれがステープルカートリッジ1046と外科用器具1022との間の無線信号伝送に利用可能であるかを検出するように構成することができる。ステープルカートリッジ1046は、利用可能な実装形態に関連付けられた様々なプロトコル及び/又はアルゴリズムを更に選択し得る。一例では、制御回路1049は、1つ又は2つの局所アンテナアレイの存在を検出することによって、伝送システム1045の利用可能な実装形態を検出することができる。
図8の実装形態1053によって具現化されるように、2つのアンテナアレイが検出される場合、制御回路1049は、外科用器具1022の1つ以上の動作パラメータを調整し、及び/又は別個の電力及びデータ転送に関連付けられた1つ以上のアルゴリズム及び/又は通信プロトコルを選択し得る。代替的に、
図6、7の実装形態1051、1052によって具現化されるように、単一のアンテナアレイのみが検出された場合、制御回路1049は、外科用器具1022の1つ以上の動作パラメータを調整し、及び/又は同時/順次電力及びデータ転送に関連付けられた1つ以上のアルゴリズム及び/又は通信プロトコルを選択し得る。
【0207】
様々な態様では、アンテナアレイ検出は、制御回路1049によって、ウェイクアップ若しくはアクティブ化シーケンス、又はハンドシェイクプロトコルの間に実施されるか、又は少なくとも部分的に実施される。少なくとも1つの実施例では、アンテナアレイ検出は、所定のテスト信号を使用して制御回路1049によって実施される。いくつかの事例では、制御回路1049は、接続特性及び/又は命令階層を判定するために、短距離及び/又は長距離データ転送活動を検出及び監視する。特定の事例では、制御回路1049は、センサアレイ能力に基づいて選択的ペアリングを実施する。
【0208】
図20は、外科用器具1022からステープルカートリッジ1046への電力伝送を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1110の論理フロー図である。上述したように、伝送システム1045は、ステープルカートリッジ1046がエンドエフェクタ1040のジョー内に設置されている間、外科用器具1022とステープルカートリッジ1046とを無線で電気的に結合することができる。少なくとも1つの例示では、アルゴリズム1110の1つ以上の態様は、制御回路1026、制御回路1049、及び/又は別個の電力管理回路によって少なくとも部分的に実装され得る電力管理回路によって実行される。図示される実施例では、アルゴリズム1110は、外科用器具1022からステープルカートリッジ1046に電力を無線で伝送すること(1112)と、外科用器具1022からステープルカートリッジ1046への電力の転送効率を監視すること(1114)と、転送効率に基づいて外科用器具1022の動作パラメータを調整すること(1116)とを含む。
【0209】
様々な態様では、電力転送の効率を監視すること1114は、予想される電力伝送を実際の電力転送と比較することを含む。特定の事例では、電力転送の効率を監視すること(1114)は、例えば、伝送速度などの転送パラメータを所定の閾値と比較することを含む。電力転送の更なる効率は、寄生損失、干渉、アンテナ不整合、及び/又は二次磁場発生を含む、いくつかの環境要因に影響される可能性がある。特定の事例では、電力転送の効率を監視すること(1114)は、そのような環境要因のうちの1つ以上を監視することを含む。
【0210】
なお
図20を参照すると、外科用器具の調整された(1116)動作パラメータは、伝送システム1045の転送パラメータであってもよい。特定の事例では、外科用器具1022の動作パラメータを調整すること(1116)は、電力転送の波形の1つ以上の態様を調整すること、電力転送の速度を調整すること、及び/又は電力転送の周波数を調整することを含む。追加的に又は代替的に、外科用器具1022の動作パラメータを調整すること1116は、適応電圧スケーリングを含み得る。追加的に又は代替的に、外科用器具1022の動作パラメータを調整すること1116は、以下でより詳細に説明されるように、伝送システム1045の少なくとも1つの構成要素のリアルタイム同調を含み得る。
【0211】
外科用器具1022と1つ以上のステープルカートリッジ1046との間の以前の電力転送に関連付けられた1つ以上の転送パラメータは、例えば、メモリ回路1032によって記憶される。追加的に又は代替的に、以前の電力転送に関連付けられた転送パラメータは、例えば、データ集約及び分析のために、局所サーバ及び/又はクラウドベースのシステムにアップロードすることができる。特定の事例では、外科用器具1022の電力管理回路は、以前の電力転送に関連付けられた記憶された転送パラメータに少なくとも部分的に基づいて、将来の電力転送の転送パラメータを判定し得る。少なくとも1つの例示では、電力管理回路は、将来の電力転送のための転送パラメータを判定し、次いで、判定された転送パラメータの実行の前に、判定された転送パラメータを記憶された転送パラメータと比較して、判定された転送パラメータが記憶された転送パラメータに基づいて許容可能な閾値内にあることを保証することができる。
【0212】
特定の事例では、外科用器具1022の動作パラメータを調整すること(1116)は、現在の動作条件に基づいて伝送システム1045の電力駆動周波数を調整することを含む。異なる領域間で変化し得るEM周波数の使用に関する制限的な規制が存在するので、電力管理回路は、そのような規制にも準拠する最適な電力駆動周波数を選択する1つ以上のアルゴリズムを実装し得る。別の言い方をすれば、最適な電力駆動周波数を選択する際に、電力管理回路は、地域的に利用可能な無認可周波数帯域に限定され得る。
【0213】
上記に加えて、最適な電力駆動周波数を選択することはまた、伝送システム1045のどの実装形態が利用可能であるかに依存し得る。例えば、別個のデータ伝送及び電力伝送を示す
図8の実装形態1053では、電力転送は、データ転送周波数規格によって制限されない。そのような特定の事例では、最適な電力駆動周波数は、データ転送周波数とは異なる値から選択される。しかしながら、同時又は連続的な電力及びデータ転送を示す
図6及び
図7の実装形態1051、1052は、データ転送周波数規格によって制限される。したがって、電力管理回路は、伝送システム1045の利用可能な実装形態に少なくとも部分的に基づいて、最適な電力駆動周波数を選択する1つ以上のアルゴリズムを実装し得る。上記で説明したように、伝送システム1045の利用可能な実装形態を検出することは、1つ又は2つの局所アンテナアレイの存在を検出することによって実施され得る。代替的に、電力管理回路は、様々な試験信号によって伝送システム1045の利用可能な実装形態を検出することができる。
【0214】
特定の事例では、外科用器具1022の動作パラメータを調整すること(1116)は、共振、周波数整合、及び/又はインピーダンス整合のための回路同調を含む。
図21は、外科用器具1022とステープルカートリッジ1046との間の電力転送のための伝送システム1045の第1のアンテナ回路1121及び第2のアンテナ回路1122の例示的な実装形態1120を示す。他の実装形態も本開示で企図される。図示される実施例では、第1のアンテナ回路1121は入力電圧V
inに接続されている。入力電圧V
inは、例えば、外科用器具1022のハウジング又はハンドル内のエンドエフェクタ1040から近位に位置付けられ得る電源1043とすることができる。第2のアンテナ回路1122は、センサアレイ1036、制御回路1049、及び/又はステープルカートリッジ1046の他の電力消費構成要素を表す負荷抵抗R
Lに接続されている。
【0215】
図示される実施例では、アンテナ回路1121、1122は協働して、電源1043によって供給される電力をステープルカートリッジ1046に無線で伝送する。第1のアンテナ回路1021は、電圧ドライバ抵抗Rinと、一次インダクタL1と、一次コイル抵抗R1とを更に含む。第2のアンテナ回路1122は、二次インダクタL2及び二次コイル抵抗R2を更に含む。電力は、一次インダクタL1及び一次コイル抵抗R1によって実装される第1のアンテナから、二次インダクタL2及び二次コイル抵抗R2によって実装される第2のアンテナに転送される。入力電圧Vinは、一次コイルを通る電流を駆動し、二次コイル内に電圧を誘導し、ひいては、負荷抵抗RLにわたる電流を誘導する。二次コイルに電流が流れると、電流は、結合係数(k)に応じて一次コイルに電圧を誘導する。
【0216】
更に
図21を参照すると、第1のアンテナ回路1121は、一次コイルと並列の第1の共振コンデンサC
1を更に含む。また、第2のアンテナ回路1122は、二次コイルと直列に第2の共振コンデンサC
2を含む。様々な事例では、電力管理回路は、共振、周波数整合、及び/又はインピーダンス整合のための同調において、第1の共振コンデンサC
1及び第2の共振コンデンサC
2を利用する。共振は、一次コイルの周りの磁場における電力を増加させることによって、低い結合係数(k)を補償する方法である。結合係数が変化しない場合、二次コイルの両端の合成電力は増加する。したがって、共振は、一次コイルにおける無効電力を最小化し、負荷抵抗R
Lにわたる電力を最大化する。
【0217】
伝送システム1045を通じた電力転送を最適化するために、電力管理回路は、伝送システム1045の様々な構成要素、例えば、伝送コンデンサ、インダクタ、及び抵抗などのリアルタイム電気/機械アルゴリズム駆動調整及び同調を実行して、電力転送を最適化するように構成されている。特定の事例では、電力管理回路は、例えば、ポテンショメータ、抵抗バンク、コンデンサ、及び/又はインダクタなどの様々な調整/同調機構を使用する。更に、電力管理回路は、可変コンデンサ及び/又は可変インダクタを採用し得る。特定の事例では、伝送システム1045を通じた電力転送を最適化することは、インピーダンス整合を含む。特定の事例では、伝送システム1045を通じた電力転送を最適化することは、結合係数kを最大化することを含む。
【0218】
図22及び
図23は、それぞれ、調整可能な直列RLC(抵抗、インダクタ、コンデンサ)回路1130及び調整可能な並列RLC回路1135を示しており、これらは、電力管理回路によって、伝送システム1045の一次コイル又は駆動コイルを同調させて、そこを通る無線電力転送を最適化する際に使用することができる。調整可能な直列RLC回路1130及び調整可能な並列RLC回路1135は、調整可能な構成要素(例えば、抵抗R、インダクタL、コンデンサC)を含み、調整可能な構成要素は、一次コイル又は駆動コイルを、伝送システム1045の二次コイル又は受信コイルの周波数に等しい、又は少なくとも実質的に等しい周波数に同調させるように調節され得る。特定の事例では、電力管理回路は、調整可能直列RLC回路1130又は調整可能並列RLC回路1135を使用して、一次コイルすなわち駆動コイルの駆動周波数を、二次コイルすなわち受信機コイルの最も効率的な共振周波数に、又は少なくとも共振帯域内に調整するように構成されている。伝送システム1045のリアルタイム周波数整合は、例えば、部品、設置、及び/又は使用変動などの製造ばらつきを排除することによって、電力転送を最適化する。
【0219】
様々な態様では、調整可能な直列RLC回路1130又は調整可能な並列RLC回路1135はまた、一次又は駆動コイルと同様に、伝送システム1045の二次又は受信機コイルを同調させるために採用され得る。したがって、電力管理回路は、一次コイル又は駆動コイルと二次コイル又は受信コイルの両方を所望の周波数に同調させることによって周波数整合を達成するように構成することができる。様々な態様では、1つ以上のRLC回路は、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタ、ローパスフィルタ、又はハイパスフィルタとして電力管理回路によって採用され得る。
【0220】
図24は、調整可能な直列RLC回路1130の共振状態を示すグラフ1246である。グラフ1136は、X軸に周波数を、及びY軸にインピーダンスを示す。共振時、直列RLC回路では、インダクタリアクタンスX
L及びコンデンサリアクタンスX
Cは等しく、相殺する。したがって、共振直列RLC回路では、電流の流れに対する抵抗は抵抗Rのみによる。また、インダクタ電圧V
Lとコンデンサ電圧V
Cも値が逆で等しくなるため、互いに打ち消し合う。共振時には、直列RLC回路は純粋に抵抗回路として動作し、それを通過する電流を最大化する。
【0221】
図6~
図8に示すような伝送システム1045の様々な実装形態(例えば、1051、1052、1053)は、AC信号をDC出力に整流するように構成されている整流器11620を含む。特定の事例では、整流器11620はフルブリッジ整流器である。AC信号をDC出力に整流する必要性は、伝送システム1045を通じた電力転送の効率を低下させ、及び/又はその共振を狂わせる可能性がある。いくつかの事例では、電力転送の効率を監視すること(1114)は、電力レベル及び変換効率に基づいて、ACからDCへの調節及び/又は整流によって引き起こされる変化を監視することを含む。伝送システム1045の様々な制御態様は、電力変換効率に基づいて調整することができる。
【0222】
特定の事例では、外科用器具1022の動作パラメータを調整すること(1116)は、例えば、ステープルカートリッジ1046の電力引き込み、並びに電源1043(
図16)及び/又は充電アキュムレータ11800(
図7)の電力貯蔵及び/又は電力転送能力に基づく適応電圧スケーリングを含む。電力管理回路は、どのシステムが電力を引き出すことを許可されるか、及び電力が引き込まれ得る電圧レベルを選択的に判定することによって、電力を節約するためのアルゴリズムを実装し得る。
【0223】
一例では、電力管理回路は、センサアレイ1036のセンサの2つのサブセットに、例えば、2つのサブセットからのセンサデータの優先レベルに応じて、異なる電圧レベルで電力を引き込むアルゴリズムを実装し得る。電力管理回路は、第1のセンササブセットをアイドラモード又は非アクティブモードで動作させてもよく、第1のセンササブセットとは異なる第2のセンササブセットをアクティブモードで動作させ得る。電力管理回路は、センササブセットの電力引き込み許可を変更することによって、及び/又はセンササブセットが電力を引き込み得る電圧レベルを調整することによって、アクティブモード、アイドラモード、及び/又は非アクティブモードを実装し得る。
【0224】
電力転送を最適化することに加えて、外科用器具1022の電力管理回路はまた、電力節約のための、及び/又はステープルカートリッジ1046による電力消費を最適化するための1つ以上のアルゴリズムを実装し得る。
図25は、本開示の少なくとも一態様による、ステープルカートリッジ1046によって節電を向上させる、又は電力消費を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1140の論理フロー図である。アルゴリズム1140は、ステープルカートリッジ1046による電力消費に利用可能な電力レベルを監視すること1142を含む。アルゴリズム1140は、例えばセンサアレイ1036のセンサデータなどの生データの信号処理のための電力要件を判定すること1144を更に含むことができる。
【0225】
上記に加えて、アルゴリズム1140は、利用可能な電力レベル及び/又は生データを局所的に処理するための電力要件に基づいて、生データの局所処理と遠隔処理との間で選択すること(1146)を含むことができる。特定の事例では、選択1146は、例えば制御回路1026を使用して、ステープルカートリッジ1046内で局所的に生データの信号処理を実施することと、例えば制御回路1049を使用して、ステープルカートリッジ1046の外部で遠隔で生データの信号処理を実施することとの間で行われる。
【0226】
上記に加えて、電力レベルを監視すること(1142)は、例えば充電計を使用して電力レベルを測定し、測定された電力レベルを所定の閾値と比較することによって達成することができる。追加的に又は代替的に、電力レベルを監視すること(1142)は、電力消費を監視することによって達成することができる。次いで、現在の電力レベルは、消費に利用可能な総電力から消費された電力の値を減算することによって計算することができる。
【0227】
上記に加えて、生データの特定のセットの信号処理のための電力要件は、例えば、メモリ回路1047に記憶された式、表、及び/又はデータベースから判定することができる(1146)。特定の事例では、電力要件は、生データセットのサイズ及び/又は信号処理の性質若しくはタイプの関数であり得る。局所信号処理の様々な詳細は、2018年6月12日に発行された米国特許第9,993,248号、発明の名称「Smart sensors with local signal processing」に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0228】
様々な事例では、低電力レベルの状況では、局所処理ユニット、例えば、制御回路1147は、遠隔処理ユニット、例えば、制御回路1026へのデータ処理の大規模転送の代わりに、選択的データ処理を実施し得る。選択的データ処理は、異なるデータ処理タスク及び/又はデータタイプの以前に割り当てられた優先順位に基づくことができる。一例では、低電力レベルを緩和するために、制御回路1147は、データ暗号化を見送るか又は一時停止しながら、センサアレイ1036からのセンサデータ収集のための以前に定義されたサンプリング速度を維持することを選択し得る。別の実施例では、低電力レベルを緩和するために、制御回路1147は、センサアレイ1036のセンサの第1のサブセットによって第1のサンプリング速度を維持する一方で、センサアレイ1036のセンサの第2のサブセットによって第2のサンプリング速度を調整することを選択し得る。
【0229】
様々な態様では、ステープルカートリッジ1046は、伝送システム1045を介して遠隔電源(例えば、
図16の電源1043)によって供給される電力を局所的に貯蔵するように構成されている局所充電アキュムレータ(例えば、
図A5の充電アキュムレータ1075)を含む。局所充電アキュムレータ11800は、制御回路1049、センサアレイ1036、及び/又はステープルカートリッジ1046の他の電力消費構成要素に電力を供給するように構成され得る。特定の事例では、アルゴリズム1140に従って電力レベルを監視すること(1142)は、局所充電アキュムレータの充電状態、放電速度、及び/又は充電速度を監視することを含む。少なくとも1つの実施例では、監視すること(1142)は、充電状態、放電速度、及び/又は充電速度の判定値を、それぞれ所定の充電状態、放電速度、及び/又は充電率閾値と比較することによって達成される。
【0230】
上記に加えて、電力管理回路は、電力消費を軽減するために、比較のうちの1つ以上に基づいて、ステープルカートリッジ1046の1つ以上の動作パラメータを調整し得る。例えば、充電状態の判定値が所定の充電状態閾値以下である場合、放電速度の判定値が所定の放電速度閾値以上である場合、及び/又は充電速度の判定値が所定の充電速度閾値以下である場合、電力管理回路は、ステープルカートリッジ1046の1つ以上の動作パラメータを調整し得る。調整は、電力消費を軽減するように構成されている一連の徐々に増加する調整を備え得る。
【0231】
上記に加えて、ステープルカートリッジ1046の動作パラメータを調整することは、例えば、センササンプリング速度、サンプリング駆動電流及び/又は電圧、収集速度、センサデータ分解能、センサデータ伝送速度、作動期間、及び/又は作動頻度などの、データ収集、伝送、及び/又は処理に関連付けられた1つ以上のセンサパラメータを適合又は調整することを含み得る。特定の事例では、ステープルカートリッジ1046の動作パラメータを調整することは、例えば、外科用ハブ1024によって導出された状況認識データに更に基づくことができる(
図16)。
【0232】
図26は、本開示の少なくとも一態様による、伝送システム1045にわたる電力及び/又はデータ信号の無線伝送を最適化するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1150の論理フロー図である。図示される例では、アルゴリズム1150は、外科用器具1022の位置を検出すること1151と、外科用器具1022の位置に基づいて周波数帯域を選択すること1152とを含む。更に、アルゴリズム1150は、周波数帯域から伝送システム1045の一次コイル又は駆動コイルの駆動周波数を選択すること1153を含み得る。更に、アルゴリズム1150は、周波数帯域から伝送システム1045の二次コイル又は受信機コイルの受信周波数を選択すること1154を含み得る。
【0233】
様々な態様では、アルゴリズム1150の1つ以上の態様は、例えば、制御回路1026、制御回路1049、又は伝送システム1045の局所処理ユニットなどの制御回路によって実装され得る。特定の事例では、外科用器具1022の位置を検出すること(1151)は、例えば、経度及び緯度の読み取り値などの位置を示すパラメータを検出することを含む。読み取り値は、外科用器具1022の位置を識別するために制御回路1049によって利用することができる。他の事例では、外科用器具1022の位置は、例えば、フィードバックシステム1038を通じてユーザによって入力することができる。更に、周波数帯域から駆動周波数を選択すること(1153)、及び/又は受信周波数を選択すること(1154)は、外科用器具1022の1つ以上の動作パラメータに基づき得る。
【0234】
周波数帯域の選択は、地域の規制に依存し得る。様々な態様では、メモリ回路1032又はメモリ回路1047は、様々な位置及び対応する利用可能な周波数帯域を列挙するテーブル又はデータベースを記憶し得る。アルゴリズム1150を実行する制御回路は、テーブル又はデータベースを利用して、例えば、検出された(1151)位置における利用可能な周波数帯域に基づいて適切な周波数帯域を選択する1152ように構成することができる。
【0235】
図8B、8C、及び8Dを参照すると、外科用器具1022の適応制御システム1155の様々な構成要素は、エンドエフェクタ1040と多くの点で類似しているエンドエフェクタ10400の近位部分内のキャビティ1156内に位置することができる。適応制御システム1155は、ステープルカートリッジ1046と外科用器具1022との間の無線電力及び/又はデータ信号転送の様々な態様を管理するように構成されている。図示される実施例では、適応制御システム1155は、伝送システム1045を介した無線電力及び/又はデータ信号転送を最適化するための同調電子機器パッケージ1157を含む。同調電子機器パッケージ1157は、例えば、周波数使用、電力転送速度、及び/又はデータ転送速度の調節を含む、局所的に同調可能な無線電力及び/又はデータ信号伝送を可能にするために、伝送システム1045のアンテナアレイ(複数可)に近接してキャビティ1156内に位置付けられる。
【0236】
上記に加えて、適応制御システム1155は、専用の電力管理回路及び専用のデータ信号管理回路、又は共通の電力及びデータ信号管理回路を含み得る。本開示の他の箇所に記載される様々なアルゴリズムは、適応制御システム1155の回路によって実装されて、ステープルカートリッジ1046と外科用器具1022との間の無線電力及び/又はデータ信号転送の様々な態様を最適化することができる。適応制御システム1155は、例えば、調節可能直列RLC回路1130及び/又は調整可能並列RLC回路1135など、
図21~
図23に関してより詳細に説明する様々な同調回路又は同調回路構成要素を含み得る。1つの例示では、適応制御システム1155は、電力、次いでデータ、又はデータ、次いで電力の無線転送に関連付けられた転送パラメータの複数の順次調整によって同調を実施する。
【0237】
一実装形態では、適応制御システム1155は、コンデンサ、インダクタ、デジタルアナログ変換器(DAC)、電圧調整器、及び/又は例えば集積回路(IC)チップなどの局所処理ユニットを含み、これは、伝送システム1045のアンテナアレイ(複数可)の駆動周波数を調整/フィルタリングし、及び/又は静電容量及びインピーダンスのうちの少なくとも1つを調整して、ステープルカートリッジ1046と外科用器具1022との間の無線電力及び/又はデータ信号転送を最適化するように構成され得る。特定の事例では、適応制御システム1155は、例えば、信号反射を最小化するために、無線電力及び/又はデータ信号転送パラメータなどの外科用器具1022の1つ以上のパラメータを調整することによって、無線電力及び/又はデータ信号転送を最適化する。
【0238】
待ち時間を最小化し、動的平衡の速度を改善するために、適応制御システム1155の電子機器パッケージ1157と、適応制御システム1155によって同調されるように構成されている伝送システム1045のアンテナアレイ(例えば、アンテナアレイ10530”、10535”)とは、互いに近接して配置される。特定の事例では、
図8Cに示すように、適応制御システム1155の電子機器パッケージ1157と、伝送システム1045のアンテナアレイ10530”、10535”とは、所定の距離(D)だけ離間している。
【0239】
図8Cは、別個の電力及びデータ信号転送を伴う伝送システム1045の実装形態1053を示す。しかしながら、伝送システム1045の他の実装形態(例えば、
図6及び
図7の実装1051、1052)は、適応制御システム1155の電子機器パッケージ1157とアンテナアレイとの間の分離が所定の距離(D)に制限される同様の構成を含み得る。簡潔にするために、所定の距離(D)の以下の説明は、アンテナアレイ10530”、10535”を含む、
図8Cに示す例示的な実装形態1053に焦点を当てる。
【0240】
上述したように、電子機器パッケージ1157は、多くの点でエンドエフェクタ1040と同様であるエンドエフェクタ10400の近位部分のキャビティ1156内に格納される。更に、アンテナアレイ10530”、10535”は、ジョー10410の側壁に装着される。図示される実施例では、電子機器パッケージ1157は、ジョー10410の近位部分ではキャビティ1156内にあるが、関節運動継手10500に対して遠位にある。電子パッケージ1157をキャビティ1156内に配置することにより、
図8Cに示すように、電子パッケージ1157をアンテナアレイ10530”、10535”から所定の距離(D)だけ離すことができる。
【0241】
様々な態様では、所定の距離(D)は、例えば、約0.1インチ~約1.0インチの範囲、約0.2インチ~約0.8インチの範囲、約0.3インチ~約0.7インチの範囲、約0.4インチ~約0.6インチの範囲、又は約0.45インチ~約0.55インチの範囲から選択される。少なくとも1つの実施例では、所定の距離(D)は、0.50インチ、0.51インチ、0.52インチ、0.49インチ、又は0.48インチである。所定の距離(D)のその他の値も本開示では考慮される。
【0242】
様々な態様では、キャビティ1156は、エンドエフェクタ10400が関節動作可能継手10500に動作可能に結合され得る(取り付けられ得る)場所を提供する遠位チャネルリテーナ1158の下に位置する。図示される実施例では、キャビティ1156は、遠位チャネルリテーナ1158をジョー10400に取り付けられるように構成されているピン1159の下方に位置する。特定の事例では、モータ(例えば、モータ1042)に動作可能に結合された発射バー10640は、キャビティ1156の上に延びる。発射バー10640は、モータ1042によって遠位方向に駆動されて、ステープル発射ストローク中に、ステープルカートリッジ1046と多くの点で類似しているステープルカートリッジ11000”を通じて組織切断ナイフ10630を押す。
【0243】
上記に加えて、ピン1159は、ジョー10410に対する遠位チャネルリテーナ1158の回転を防止するためにジョー10410の側壁に固定され得る。ピン1159の配置は、ピン1159とジョー10410の基部1174との間に十分な空間を残し、センサアレイ10530”、10535”から十分に近接して電子機器パッケージ1157を収容し、待ち時間を最小化し、及び/又は適応制御システム1155によって実施される動的平衡の速度を改善する。
【0244】
図示される実施例では、電子機器パッケージ1157は、フレックス回路1175によってアンテナアレイ10530”、10535”に接続される。他の実施例では、電子機器パッケージ1157は、ハード回路基板なしでフレックス回路1175上に一体化される。そのような事例では、フレックス回路1175は、関節運動継手10500を架橋し得る。フレックス回路1175と関節運動継手10500内の移動構成要素との間の相互作用を最小限に抑えるために、1つ以上の保持機構を関節運動継手に組み込むことができる。特定の事例では、フレックス回路1175の一部分は、例えば、フレックス回路1175がピンチ及び/又はキャッチ点から離れて保持されることを確実にする付勢部材に結合することができる。
【0245】
図27は、本開示の少なくとも一態様による、外科用器具1022のセンサアレイ1036を較正するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1160の論理フロー図である。図示される実施例では、アルゴリズム1160は、センサアレイ1036の初期較正を実施すること(1161)、及び初期較正に基づいて測定値に対する初期調整を判定すること(1162)を含む。追加的に、アルゴリズム1160は、センサアレイ1036の使用中較正を実施すること(1163)、及び使用中較正に基づいて初期調整を修正すること(1164)を含み得る。初期調整の修正1164は、例えば、最終調整をもたらし得る。
【0246】
図示される実施例では、アルゴリズム1160は、制御回路1049によって実施されるか、又は少なくとも部分的に実施される。他の実施例では、アルゴリズム1160の様々な態様は、例えば、制御回路1026、又は任意の他の適切な制御回路などの他の制御回路によって実装することができる。更に、図示される実施例では、アルゴリズム1160は、センサアレイ1036の較正において実行される。他の実施例では、アルゴリズム1160は、外科用器具1022の他のセンサ又はセンサアレイの較正において同様に実行することができる。
【0247】
本開示の他の箇所でより詳細に論じられるように、センサアレイ1036のセンサは、外科用器具1022の機能に関連付けられたパラメータを判定するように構成されている。初期調整及び/又は最終調整は、パラメータを判定するために利用されるセンサの読み取り値を正規化する。一形態では、パラメータは、例えば組織の厚さなどの組織パラメータである。別の形態では、パラメータは、例えば、エンドエフェクタ1040の閉鎖状態のパラメータなどのエンドエフェクタ1040の動作パラメータである。
【0248】
一形態では、アルゴリズム1160は、初期較正を実施すること(1161)、及び初期調整を判定すること(1162)に限定することができる。別の形態では、アルゴリズム1160は、使用中較正を実施すること(1163)、及び初期較正なしで使用中較正に基づいて調整を判定することに限定することができる。
【0249】
上記に加えて、初期較正は、製造施設若しくは試験施設で、手術室の外で、及び/又はエンドユーザへの出荷前に実施される較正を含み得る。一方、使用中較正は、例えば、手術室又は病院などでは、開梱後にエンドユーザによって実施される較正を含み得る。ステープルカートリッジ1046のセンサアレイ1036の使用中較正は、例えば外科用器具1022からの、例えばウェイクアップ又は初期化信号によってトリガすることができる。ウェイクアップ又は初期化信号は、例えば、伝送システム1045を通じて送達することができる。特定の事例では、初期較正の実行1161及び/又は使用中較正を実施すること1163は、フィードバックシステム1038を介したユーザ入力によってトリガすることができる。
【0250】
様々な態様では、アルゴリズム1160は、初期較正を実施すること(1161)、及び/又はセンサアレイ1036に接して配置されるカートリッジリテーナに対して使用中較正を実施すること(1163)を含む。カートリッジリテーナは、典型的には、例えば、ステープルカートリッジの輸送中及び/又は外科用器具1022のジョー内へのステープルカートリッジの設置中に、ステープルカートリッジのステープルを適所に維持するために使用される。特定の事例では、カートリッジリテーナは、既知の抵抗特性、容量特性、及び/又は誘導特性を有する較正特徴を含むように修正され得る。センサアレイ1036の初期較正は、センサアレイ1036の1つ以上のセンサに、それらの既知の抵抗特性、容量特性、及び/又は誘導特性に対応する較正特徴の測定を行わせることによって実施することができる(1161)。次いで、測定値を、既知の抵抗特性、容量特性、及び/又は誘導特性の記憶された値と比較することができる。センサアレイ1162の測定値に対する初期調整は、測定値及び記憶された値に基づいて判定することができる1162。初期較正は、例えば、容量ブリード、配線長の変動、及びセンサにわたる読み取り距離を補正するために基準値を使用する正規化プロセスを含み得る。更に、初期較正は、補正値を識別するために、既知の設計変動に対する一連の比較を含むことができる。
【0251】
同様に、センサアレイ1036の使用中較正は、例えば手術室では、センサアレイ1036の1つ以上のセンサに、それらの既知の抵抗特性、容量特性、及び/又は誘導特性に対応するカートリッジリテーナの較正特徴の測定を行わせることによって、カートリッジリテーナを使用して実施することができる(1163)。使用中較正は、始動、初期化、及び/又はウェイクアップシーケンスの一部として自動的に実施することができる。一実施例では、測定値は、既知の抵抗特性、容量特性、及び/又は誘導特性の記憶された値と比較することができ、センサアレイ1162の測定値に対する最終調整は、測定値及び記憶された値に基づいて判定することができる(1162)。別の実施例では、使用中較正の測定値を初期較正の測定値と比較して、センサアレイ1036に更に影響を及ぼした可能性がある滅菌、梱包、輸送、貯蔵寿命、及び/又は開梱による任意の変化を検出する。
【0252】
特定の事例では、カートリッジリテーナの測定された特徴とセンサアレイ1036の対応するセンサとの間の適切な電気的接続を確実にするために、例えば電気グリースなどの導電性媒体がステープルカートリッジとカートリッジリテーナとの間に配置される。導電性媒体は、カートリッジリテーナの特徴のセンサアレイ1036のセンサによって取得される測定値の環境ベースの変動又は接触ベースの変動を排除するか、又は少なくとも低減する。他の事例では、別の較正部材が、カートリッジリテーナの代わりに採用され、初期較正を実施する(1161)、及び/又は使用中較正を実施する(1163)ことができる。測定された特徴は、その較正を実施するためにセンサアレイ1036のセンサに接して配置することができる較正部材の平坦な、又は実質的に平坦な表面上又は下に配置することができる。
【0253】
様々な態様では、アルゴリズム1160は、空気、生理食塩水、又はセンサアレイ1036のセンサによって測定されることができる既知の特性を伴う任意の他の好適なものなどの所定の媒体中で、初期較正及び/又は使用中較正を実施すること(1161)を含み得る。センサアレイ1036の初期較正は、センサが媒体に浸漬されている間に、センサアレイ1036の1つ以上のセンサに媒体の既知の特性のうちの1つ以上の測定を行わせることによって実施することができる(1161)。次いで、測定値を、既知の特性の所定の値と比較することができる。センサアレイ1162の測定値に対する初期調整は、測定値及び所定の値に基づいて判定することができる(1162)。
【0254】
同様に、センサアレイ1036の使用中較正は、センサが媒体に浸漬されている間に、センサアレイ1036の1つ以上のセンサに媒体の既知の特性のうちの1つ以上に対応する測定を行わせることによって実施することができる(1163)。上述したように、使用中較正は、始動、初期化、及び/又はウェイクアップシーケンスの一部として自動的に実施することができる。一実施例では、測定値を既知の特性の記憶された値と比較することができ、センサアレイ1162の測定値に対する最終調整を、測定値及び記憶された値に基づいて判定することができる(1162)。別の実施例では、使用中較正の測定値を初期較正の測定値と比較して、センサアレイ1036に更に影響を及ぼした可能性がある滅菌、梱包、輸送、貯蔵寿命、及び/又は開梱による任意の変化を検出する。
【0255】
特定の事例では、制御回路1026は、使用中較正に従ってセンサ測定値を取得する前に、例えば生理食塩水などの手術室媒体にエンドエフェクタ1040を浸漬する命令を与え得る。命令は、例えば、フィードバックシステム1038を介して与えることができる。制御回路1026は、浸漬の確認を要求し得る。命令は、例えば、ステープルカートリッジ1046の起動、初期化、及び/又はウェイクアップシーケンス中、エンドエフェクタ1040のジョーにステープルカートリッジが設置された後などに発することができる。確認を受信すると、使用中較正を前述のように実施することができる。
【0256】
上記に加えて、アルゴリズム1160は、初期調整の判定された(1162)値を、ステープルカートリッジ1046のメモリ回路1047に記憶し得る。ステープルカートリッジ1046のウェイクアップ又は初期化シーケンスの間、初期調整の記憶された値は、例えば、伝送システム1045を使用して、例えば、外科用器具1022の主制御回路1026に通信され得る。プロセッサ1030は、例えば、センサアレイ1036のセンサの読み取り値を対応する組織パラメータの値に変換する際に、初期調整を採用し得る。あるいは、プロセッサ1041は、ステープルカートリッジ1046内で局所的に変換を実施し得る。次いで、変換された値は、伝送システム1045を使用して制御回路1026に通信することができる。
【0257】
上記に加えて、使用中較正を実施すること(1163)は、例えば、滅菌、出荷時間、保管寿命、以前の使用時間、高度、湿度及び/又は温度などの環境影響、物理的損傷、センサ劣化、及び/又はドリフトなどの様々な影響による変動を表す1つ以上の変換係数を判定することを含み得る。これらの影響の各々は、初期調整に対する修正1064によって改善され得る偏差に寄与し得る。特定の事例では、アルゴリズム1160は、初期調整と、例えば、滅菌、出荷時間、保管寿命、以前の使用時間、高度、湿度及び/又は温度などの環境影響、物理的損傷、センサ劣化、及び/又はドリフトに対応する1つ以上の追加の変換係数とに基づいて、最終調整を計算する。
【0258】
特定の事例では、変換係数は、メモリ回路1047に記憶された式、表、及び/又はデータベースから判定することができる。これらの影響に関する情報は、例えばフィードバックシステム1038を介してユーザ入力によって提供することができる。追加的又は代替的に、情報は、内部クロック、タイマ/カウンタ、例えば、タイマ/カウンタ2781、様々なセンサ、及び/又は様々な形態の信号処理を使用して、局所的に確認することができる。追加的又は代替的に、情報は、例えば、局所サーバ、外科用ハブ(例えば、外科用ハブ1024)、及び/又はクラウドベースのシステムから外科用器具1022によって受信された1つ以上の信号に基づいて判定することができる。
【0259】
一実施例では、出荷時間は、メモリ回路1047に記憶され得るか、又はユーザによって入力され得る製造日と、始動日とに基づいて判定することができる。別の実施例では、高度は、外科用器具1022の地理的位置に基づいて判定することができる。他の実施例では、湿度及び/又は温度パラメータなどの環境パラメータは、ユーザによって入力され得るか、又はステープルカートリッジ1046、外側包装、及び/又は外科用器具1022上の環境センサから確認することができる。他の実施例では、物理的損傷及び/又はセンサ劣化は、起動後のセンサ信号の欠如を検出することによって、及び/又はセンサアレイ1036のセンサへの問い合わせ信号の伝送に続く応答信号の欠如を検出することによって判定することができる。
【0260】
いずれにしても、制御回路1026は、1つ以上の影響に関して受信された情報を利用して、例えば、メモリ回路1032に記憶された1つ以上の式、表、及び/又はデータベースに基づいて、影響に関する個々の変換係数を作成することができる。次いで、制御回路1026は、初期調整及び個々の影響の1つ以上の変換係数に基づいて最終調整を判定することができる。
【0261】
図28は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具1022の制御パラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1165の論理フロー図である。図示される実施例では、アルゴリズム1165は、例えば、エンドエフェクタ1040のジョーに設置されたステープルカートリッジ1046の物理的パラメータを測定すること1166を含む。アルゴリズム116は、ステープルカートリッジ1046の測定された物理的パラメータに基づいて、外科用器具1022の制御パラメータを調整すること1167を更に含む。
【0262】
図示される実施例では、アルゴリズム1160は、制御回路1026によって実施されるか、又は少なくとも部分的に実施される。他の実施例では、アルゴリズム1160の様々な態様は、例えば、制御回路1049、又は任意の他の適切な制御回路などの他の制御回路によって実装することができる。簡潔にするために、以下の説明は、制御回路1026によってアルゴリズム1160の様々な態様を実行することに焦点を当てる。
【0263】
様々な態様では、物理的パラメータは、組織間隙である。特定の例示では、組織間隙は、
図29に示されるように、エンドエフェクタ1040の閉構成では判定される、アンビル1031とステープルカートリッジ1046との間の最小間隙(G)である。図示される実施例では、最小間隙(G)は、エンドエフェクタ1040の閉鎖を妨げるように構成されている停止部材1039によって画定される。停止部材1039は、ステープルカートリッジ1046から突出し、閉構成ではアンビル1031と接触する。特定の事例では、停止部材1039は、例えば、組織停止部の後ろなど、エンドエフェクタ1040の近位位置に位置付けられる。他の事例では、停止部材1039は、例えば、ステープルカートリッジ1046又はアンビル1031の遠位端部分に位置付けることができる。
【0264】
図30は、アルゴリズム1165に多くの点で類似する制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1170の論理フロー図である。アルゴリズム1165と同様に、アルゴリズム1170の様々な態様は、制御回路1026、制御回路1049、及び/又は任意の他の適切な制御回路によって実装されるか、又は少なくとも部分的に実装することができる。アルゴリズム1165は、アルゴリズム1165に従って、ステープルカートリッジ1046の物理的パラメータの測定1166の特定の実行を例示しており、物理的パラメータは、組織間隙である。図示される実施例では、アルゴリズム1170は、モータ1042の電流引き込みに基づいて閉構成を検出すること(1171)、及び閉構成におけるアンビル1031とステープルカートリッジ1046との間の最小間隙を判定すること(1172)を含む。一実施例では、以下でより詳細に説明するように、最小間隙(G)は、閉構成におけるセンサ1035の出力信号に基づいて判定される。
【0265】
エンドエフェクタ1040の閉鎖中、制御回路1026は、
図29に示されるように、モータ1042に閉鎖運動を生成させるように構成され、閉鎖運動は、長手方向に移動可能な変位部材1044を駆動して、エンドエフェクタ1040を閉構成に移行させる。停止部材1039は、閉構成ではエンドエフェクタ1040の閉鎖運動に抵抗するように構成されている。抵抗は、エンドエフェクタ1040の閉鎖中のモータ1042の電流引き込みの、閉構成に到達したことを表す所定の閾値以上の値への増加によって検出することができる。様々な態様では、制御回路1026は、モータ1042の電流引き込みが所定の閾値以上であるとき、ステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の最小間隙(G)を判定する(1173)ように構成されている。
【0266】
制御回路1026は、判定された最小間隙(G)に基づいて、外科用器具1022の1つ以上の制御パラメータを更に調整し得る。特定の例示では、制御パラメータは、外科用器具1022の機能を実施するために実行可能なアルゴリズムのパラメータであり得る。特定の例示では、制御パラメータは、例えば、閾値又は所定のアルゴリズム反応である。
【0267】
更に
図29及び
図30を参照すると、制御回路1026は、1つ以上のセンサ1035を使用して、ステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の間隙を監視するように構成することができる。図示される実施例では、センサ1035は、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサである。対応する磁石1069は、アンビル1031上に配置される。センサ1035は、磁石1069によって生成される磁場の強度を測定するように構成することができる。アンビル1031とステープルカートリッジ1046との間の間隙が減少するにつれて、磁場の強度は増加する。したがって、制御回路1026は、センサ1035の出力信号を監視することによって、ステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の間隙を監視するように構成することができる。
【0268】
最小間隙(G)を検出するための他のセンサが、本開示によって企図される。一実施例では、センサ1035は、歪みゲージ、光電センサ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサであってよい。
【0269】
様々な事例では、制御回路1026は、アルゴリズムを利用して、モータ1042によって引き込まれる電流の変化を判定することができる。例えば、電流センサは、閉鎖運動の間、モータ1042によって引き込まれる電流を検出することができる。電流センサは、電気モータ1042によって引き込まれる電流を連続的に検出することができる、及び/又は断続的に検出することができる。様々な事例では、アルゴリズムは、例えば、直近の電流読み取り値を直前の電流読み取り値と比較することができる。追加的に又は代替的に、アルゴリズムは、期間X内のサンプル読み取り値を、以前の電流読み取り値と比較することができる。例えば、アルゴリズムは、サンプル読み取り値を、例えば、直前の期間Xなど、以前の期間X内の以前のサンプル読み取り値と比較することができる。他の事例では、アルゴリズムは、モータ1042によって引き込まれる電流の傾向的な平均を算出することができる。アルゴリズムは、例えば、直近の電流読み取り値を含む、期間Xの間の平均電流引き込みを算出することができ、また、平均電流引き込みを、例えば直前の期間Xの間の平均電流引き込みと比較することができる。
【0270】
一例示では、制御回路1026は、エンドエフェクタ1040の閉鎖中にモータ1042の電流引き込みを示す第1の信号を受信し、ステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の間隙を示す第2の信号を受信するように構成されている。第1の信号は、閉鎖運動中にモータ1042の電流引き込みを監視するように構成されている電流センサの出力を表すことができる一方、第2の信号は、センサ1035の出力を表すことができる。更に、制御回路1026は、所定の閾値以上のモータ1042の電流引き込みによって特定される閉構成におけるステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の最小間隙(G)を判定することによって、ステープルカートリッジ1046の物理的パラメータを測定するように構成することができる。
【0271】
制御回路1026は、例えば、モータ1042の電流引き込みをメモリ回路1032に記憶された所定の閾値と比較するように構成され得る。制御回路1026は、モータ1042の電流引き込みが所定の閾値以上であるときに、ステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の最小間隙(G)の値を記憶するように更に構成され得る。次いで、記憶された値を使用して、外科用器具1022の1つ以上の制御パラメータを調節することができる。
【0272】
なお
図30を参照すると、アルゴリズム1170は、最小間隙(G)及び初期組織厚さに基づいて、エンドエフェクタ1040によって把持された組織の組織圧縮パラメータを検証することを含み得る。特定の事例では、アルゴリズム1170は、組織圧縮パラメータが予想通りであることを検証し得る。一実施例では、組織圧縮パラメータは、エンドエフェクタ1040によって把持された組織が流体放出のための時間を許されるときに生じる組織圧縮クリープである。
【0273】
組織圧縮クリープは、最小間隙(G)及び初期組織厚さに依存する。初期組織厚さは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(現在は、米国特許第10,032,719号)、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号、発明の名称「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」(現在は、米国特許第10,881,399号)に記載されるような1つ以上の適切なセンサ又はセンサ構造を使用して測定することができる。いずれにしても、制御回路1026は、例えばメモリ回路1032に記憶され得る組織圧縮クリープの期待値を、最小間隙(G)及び初期組織厚さに基づいて判定される組織圧縮クリープの値と比較することによって、組織圧縮クリープを検証するように構成され得る。
【0274】
様々な態様では、
図28に示されるように、アルゴリズム1165は、ステープルカートリッジ1046の測定された(1166)物理的パラメータに基づいて、エンドエフェクタ1040のジョーに設置されたステープルカートリッジ1046のタイプを検証すること(1168)、又は識別することを含み得る。一実施例では、物理的パラメータは、閉構成におけるステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の組織間隙、又は最小間隙(G)である。
【0275】
上述したように、制御回路1026は、閉構成におけるステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間の組織間隙又は最小間隙(G)を判定するように構成されている。異なるステープルカートリッジタイプは、異なる組織間隙又は最小間隙(G)を画定するように構成されている異なる停止部材を含み得る。したがって、制御回路1026は、判定された最小間隙(G)を利用して、ステープルカートリッジ1046のタイプを検証し得る。一実施例では、制御回路1026は、例えば、ステープルカートリッジタイプ及び対応する最小間隙(G)値を記憶するルックアップテーブル又はデータベースを使用することによって、ステープルカートリッジ1046のタイプを検証1168又は識別するように構成されている。
【0276】
様々な態様では、アルゴリズム1165は、検証された(1168)又は識別されたステープルカートリッジタイプに基づいて、外科用器具1022の1つ以上の制御パラメータを調節することを含む。一実施例では、制御回路1026は、識別されたステープルカートリッジタイプに応じて異なるアルゴリズム間で選択するように構成されている。異なるアルゴリズムは、センサアレイ1036を別々に制御するように構成されている異なる感知アルゴリズムであり得る。別の実施例では、制御回路1026は、識別されたステープルカートリッジのタイプに応じて、センサアレイ1036のセンサ又はセンサ群の異なる動作モード間で選択するように構成されている。動作モードは、アイドラモード、非アクティブモード、及び/又はアクティブモードを含むことができる。一実施例では、制御回路1026は、識別されたステープルカートリッジタイプに基づいてアルゴリズムパラメータを調整するように構成されている。アルゴリズムパラメータは、例えば、所定の閾値とすることができる。一実施例では、制御回路1026は、識別されたステープルカートリッジタイプに基づいて、1つ以上のセンサパラメータを調整するように構成されている。調整可能なセンサパラメータは、例えば、センササンプリング速度、サンプリング駆動電流及び/又は電圧、収集速度、センサデータ分解能、センサデータ伝送速度、始動の期間、及び/又は始動の頻度などのデータ収集、伝送、及び/又は処理に関連付けられたものを含み得る。
【0277】
図31は、本開示の少なくとも1つの態様による、センサアレイ1036のセンサパラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1180の論理フロー図である。図示される実施例では、アルゴリズム1180は、モータ1042の動作パラメータに基づいて、エンドエフェクタ1040の閉鎖状態を検出すること1181を含む。アルゴリズム1180は、検出された閉鎖状態に従ってセンサアレイ1036のセンサのセンサパラメータを選択的に変調すること1182を更に含む。図示される実施例では、アルゴリズム1180は、制御回路1026によって実施されるか、又は少なくとも部分的に実施される。他の実施例では、アルゴリズム1180の様々な態様は、例えば、制御回路1049、又は任意の他の適切な制御回路などの他の制御回路によって実装することができる。簡潔にするために、以下の説明は、制御回路1026によってアルゴリズム1180の様々な態様を実行することに焦点を当てる。
【0278】
閉鎖中、制御回路1026は、モータ1042に、エンドエフェクタ1040を開構成から閉構成に移行させて、エンドエフェクタ1040のジョーの間で組織を把持する閉鎖運動を生成させるように構成されている。閉構成への移行は、複数の閉鎖状態を含む。例えば、第1の閉鎖状態は、アンビル1031及びステープルカートリッジ1046の両方が最初に同時に組織と接触するときに達成される第1の組織接触を行うことによって特徴付けることができる。特定の事例では、ステープルカートリッジ1046は、最初に標的組織と接触して配置される。次に、アンビル1031を標的組織に向かって移動させて、ステープルカートリッジ1046とアンビル1031との間に組織を把持する。そのような事例では、第1の閉鎖状態は、アンビル1031が、ステープルカートリッジ1046に接して配置された標的組織と最初に接触するときに検出される。他の事例では、アンビル1031が最初に標的組織と接触して配置され、次に、ステープルカートリッジ1046が標的組織に向かって移動させられる。そのような事例では、第1の閉鎖状態は、ステープルカートリッジ1046が、アンビル1031に接して配置された標的組織と最初に接触するときに検出される。
【0279】
いずれにしても、組織との初期接触は、組織の初期抵抗に起因して、エンドエフェクタの閉鎖中にモータ1042の電流引き込みの増加をもたらすことができる。特定の事例では、増加は、第1の閉鎖状態に到達したことを示すものとして制御回路1026によって検出することができる上昇又は増大の形態である。他の事例では、エンドエフェクタ1040のジョーの一方又は両方は、初期組織接触を検出するように構成されている1つ以上のセンサを含み得る。一実施例では、初期組織接触は、標的組織が、エンドエフェクタ1040のジョーの一方又は両方の組織接触面上に位置する組織接触検出回路を閉鎖するときに検出することができる。閉鎖されると、組織接触検出回路は、例えば、第1の組織接触を示す信号を伝送し得る。制御回路1026は、組織接触検出回路からの信号に応答して第2の閉鎖状態を検出するように構成することができる。
【0280】
上記に加えて、モータ1042によって生成される閉鎖運動は、更に、エンドエフェクタ1040を、第1の閉鎖状態から、例えば、完全クランプ状態によって特徴付けられる第2の閉鎖状態に移行させる。第2の閉鎖状態では、組織に印加される閉鎖力は、所定の閾値以上である。したがって、制御回路1026は、閉鎖力を監視することによって第2の閉鎖状態を検出するように構成することができる。閉鎖力は、モータ1042によって印加されるクランプ荷重に応答する1つ以上の力センサによって測定することができる。様々な実施例では、1つ以上の力センサは、例えば、力変換器、トルクセル、荷重セル、歪みゲージ、ホイートストンブリッジ、又は任意の他の好適な力センサを含み得る。制御回路1026は、例えば、所定の閾値以上の閉鎖力を示す1つ以上の力センサによって生成されたセンサ信号に応答して、第2の閉鎖状態を検出するように構成することができる。
【0281】
上記に加えて、第2の閉鎖状態の後に、完全に安定化された組織クリープによって特徴付けられる第3の閉鎖状態が続くことができる。アンビル1031と外科用ステープルカートリッジ1046との間の標的組織の初期クランプの間、閉鎖駆動システム1044は、アンビル1031に十分な量の軸方向閉鎖力を加えて、アンビル1031を閉位置に枢動させ、ステープル形成プロセス全体にわたってその位置に保持しなければならない。アンビルを閉鎖し、閉鎖位置に保持するために必要とされる閉鎖力の量は、「組織クリープ」によるステープル留めプロセス中に変動し得る。例えば、アンビル1031が標的組織を圧縮すると、クランプされた標的組織内の流体は、組織内で「クリープ」又は移動し、隣接するクランプされていない組織に流れることができる。完全にクランプされた状態に続いて、把持された組織は、閉鎖力が安定化されるまで、流体放出のための時間を与えられる。したがって、制御回路1026は、閉鎖力に基づいて第3の閉鎖状態を検出するように構成することができる。
【0282】
制御回路1026は、第2の閉鎖状態が検出された後、定常状態について閉鎖力を監視することができる。特定の事例では、制御回路1026は、第2の閉鎖状態が検出された後、又は所定の閾値以上の値に達した後に、定常状態に達したことを示す1つ以上の力センサからのセンサ信号に応答して、第3の閉鎖状態を検出するように構成されている。特定の事例では、定常状態は、所定の期間(t)にわたる所定の閾値以下の閉鎖力の変化によって特徴付けることができる。他の事例では、定常状態は、所定の期間(t)にわたる所定の範囲内の閉鎖力の変化によって特徴付けることができる。
【0283】
上記に加えて、センサアレイ1036のセンサのセンサパラメータを選択的に調節すること1182は、例えば、センササンプリング速度、サンプリング駆動電流及び/又は電圧、収集速度、センサデータ分解能、センサデータ伝送速度、始動の期間、及び/又は始動の頻度などのデータ収集、伝送、及び/又は処理に関連付けられたものを含み得る、センサパラメータを選択的に調節することを含み得る。特定の事例では、制御回路1026は、例えば、データ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するために、閉鎖状態に基づいて、センサアレイ1036のセンサ又はセンサのサブセットをアクティブモード、アイドラモード、又は非アクティブモードに選択的に切り替えるように構成することができる。少なくとも1つの実施例では、制御回路1026は、閉鎖状態の各々の検出を用いて、センサアレイの1つ以上のセンサ又はセンサのグループのサンプリング速度を徐々に調整するように構成されている。
【0284】
様々な態様では、エンドエフェクタ1040の1つ以上の閉鎖状態は、状況認識データに基づいて検出することができる。例えば、制御回路1026は、例えば、外科用ハブ(例えば外科用ハブ1024)及び/又はデータ集約及び分析のためのクラウドベースのシステムから受信された状況認識データを示す信号に基づいて、エンドエフェクタ1040の閉鎖状態を検出し得る。
【0285】
様々な態様では、アルゴリズム1180に従ってセンサパラメータを選択的に調節すること1182は、異なるセンサデータに異なる優先順位を割り当てることを含む。割り当てられた優先順位は、例えば、データの収集、伝送、及び/又は処理の様々な態様を判定することができる。制御回路1026は、閉鎖状態に基づいて、異なるセンサ又はセンサ群からのセンサデータに優先順位を選択的に割り当てるように構成することができる。一実施例では、カートリッジ識別データは、開構成ではより高い優先順位を割り当てられ、第1、第2、及び/又は第3の閉鎖状態ではより低い優先順位を割り当てられ得る。別の実施例では、組織接触センサからのセンサデータは、第1の閉鎖状態まで及び/又は第1の閉鎖状態ではより高い優先順位を割り当てられ、第2及び/又は第3の閉鎖状態ではより低い優先順位を割り当てられ得る。更に別の実施例では、組織問い合わせデータは、第1、第2、及び/又は第3の閉鎖状態では、より高い優先順位を割り当てられ、第3の閉鎖状態の後、より低い優先順位を割り当てられ得る。より高い優先順位及び/又はより低い優先順位は、以前により詳細に説明されたように、データ収集、伝送、及び/又は処理の様々な態様を調整することによって、回路1026によって実施することができる。
【0286】
図32は、本開示の少なくとも1つの態様による、センサアレイ1036のセンサパラメータを調節するための制御プログラム又は論理構成を示すアルゴリズム1190の論理フロー図である。図示される実施例では、アルゴリズム1190は、ステープルカートリッジ1046の組織接触状態を検出すること1191を含む。アルゴリズム1190は、検出された組織接触状態に従って、センサアレイ1036の1つ以上のセンサのセンサパラメータを選択的に調節すること1182を更に含む。図示される実施例では、アルゴリズム1190は、制御回路1026によって実施されるか、又は少なくとも部分的に実施される。他の実施例では、アルゴリズム1190の様々な態様は、例えば、制御回路1049、又は任意の他の適切な制御回路などの他の制御回路によって実装することができる。簡潔にするために、以下の説明は、制御回路1026によってアルゴリズム1190の様々な態様を実行することに焦点を当てる。
【0287】
様々な態様では、ステープルカートリッジ1046の組織接触状態を検出すること(1191)は、複数の閉鎖状態のそれぞれで実施される。エンドエフェクタ1040の閉鎖が始まると、ステープルカートリッジ1046のセンサアレイ1036と接触している組織のサイズ及び/又は位置が変化し得る。センサデータ収集、伝送、及び/又は処理を最適化するために、制御回路1026は、組織接触が異なる閉鎖状態で検出されるかどうかに基づいて、センサアレイ1036の1つ以上のセンサ又はセンサ群の1つ以上のセンサパラメータを調整するように構成することができる。
【0288】
特定の例示では、
図33に示されるように、センサアレイ1036は、ステープルカートリッジ1046の長さLに沿って配置される。しかしながら、エンドエフェクタ1040によって把持される組織は、長さLの一部のみに沿って延びる、例えば、長さL1に沿って延びる領域1193を覆い得る。そのような事例では、領域1193を超えるセンサからのセンサデータは、領域1193内のセンサからのセンサデータよりも低い優先順位が割り当てられ得る。制御回路1026は、例えば、領域1193に対するセンサの位置に基づいて、センサアレイ1036のセンサの優先レベルを判定するように構成することができる。更に、制御回路1026は、例えば、領域1193内にあるセンサアレイ1036のセンサをアクティブモード1083に切り替える、及び/又は領域1193外にあるセンサアレイ1136のセンサをアイドラモード1084に切り替えるように構成することができる(
図15を参照)。
【0289】
様々な態様では、組織接触検出は、本開示の他の場所でより詳細に説明されるように、組織接触回路2830によって達成することができる。組織接触回路2830は、センサ2788a、2788bに接して位置する組織がない開回路モードにある。組織接触回路2830は、組織2820によって閉回路モードに移行される。センサ2788a、2788bは、電圧源Vによって給電され、センサ回路2790は、センサ2788a、2788bによって生成された信号を測定する。いくつかの態様では、センサ2788a、2788bは、組織2820と電気的に接触する一対の対向する電極板を含み得る。
【0290】
本明細書に開示されるセンサ2788a、2788bは、これに限定するものではないが、組織と接触していないときには開放している感知回路を、組織と接触しているときに閉鎖する、ジョーの内面に配置された電気接点を含み得る。接触センサはまた、クランプされている組織が最初に圧縮に抵抗するときを検出する敏感な力変換器を含んでもよい。力変換器は、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属膜又は半導体歪みゲージ、誘導圧力センサ、容量圧力センサ、及び抵抗センサを含み得るが、それらに限定されない。
【0291】
上記に加えて、制御回路1026は、例えば、センサ回路2790及び/又はセンサ2788a、2788bから、ステープルカートリッジ1046の長さLに沿った1つ以上の領域の組織接触状態を示す1つ以上の信号を受信し得る。これに応答して、1つ以上のセンサ又はセンサ群の1つ以上のセンサパラメータを調整するために、制御回路1026は、組織接触状態に基づいて1つ以上の領域におけるセンサアレイ1036の1つ以上のセンサのセンサパラメータを調整するように構成することができる。
【0292】
更なる詳細は、2020年3月24日発行の米国特許第10,595,887号、発明の名称「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」、2017年8月8日発行の米国特許第9,724,094号、発明の名称「ADJUNCT WITH INTEGRATED SENSORS TO QUANTIFY TISSUE COMPRESSION」、及び2017年11月7日発行の米国特許第9,808,246号、発明の名称「METHOD OF OPERATING A POWERED SURGICAL INSTRUMENT」に開示されており、これらの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0293】
一般的な一態様では、本開示は、エンドエフェクタのジョー内に位置する組織の移動特性を検出するために、複数のセンサを経時的に監視する方法を提供する。一態様では、エンドエフェクタは、カートリッジを備える。1つのセンサから隣接するセンサに向かう組織の運動を感知するために、2つ以上のセンサをカートリッジ上に配置することができる。ステープル留めカートリッジでは、複数のセンサがステープル留めカートリッジ上に配置されて、組織の特性を監視することによって組織の運動を感知し得る。一態様では、組織特性は、インピーダンス又は静電容量などの組織の電気特性であり得る。別の態様では、ある時点から次の時点までの組織のインピーダンスを監視することにより、システムは、あるセンサから次のセンサへの組織の運動を検出することができる。
【0294】
一態様では、組織の移動特性を検出するために複数のセンサを経時的に監視する方法は、少なくとも2つの感知された位置に対する組織移動を検出するために複数のセンサを経時的に監視することを含む。本方法は、感知された組織特性を経時的に監視することによるリアルタイム組織流感知を提供する。
【0295】
ここで
図34を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、器具ハウジング2800と、無線電力及びデータ通信システムを実装する一組のコイル2818を介して器具ハウジング2800に誘導結合されたエンドエフェクタ2752とを備える外科用器具2750の図が示されている。器具ハウジング2800は、エネルギー源2762と、エンドエフェクタ2752に誘導結合された制御回路2760とを備える。エネルギー源2762からの電力は、器具ハウジング2800内に位置する電力に用に調整された一次コイル2802から、エンドエフェクタ2752内に位置する電力用に調整された二次コイル2804へと、エンドエフェクタ2752に誘導結合される。データは、制御回路2760とエンドエフェクタセンサ回路2790との間で、器具ハウジング2800内に位置するデータ用に調整された一次コイル2816と、エンドエフェクタ2752内に位置するデータ用に調整された二次コイル2814との間で伝送される。
【0296】
図34は、電力及びデータの無線伝送のための伝送システム1045の一実装形態を示す。
図34に示す実装形態では、電力及びデータは別々に伝送される。他の実装形態では、上記で説明したように、電力及びデータは、順次又は同時に伝送される。簡潔にするために、以下の説明は、電力及びデータを別々に伝送するように構成されている伝送システム1045の実装形態に焦点を当てる。しかしながら、伝送システム1045の他の実装形態が等しく利用され得ることが理解される。
【0297】
様々な態様では、エンドエフェクタ2752は、カートリッジ2768と、カートリッジ2768に枢動可能に結合されたアンビル2766とを備える。複数のセンサ2788(詳細図については
図40を参照)が、カートリッジ2768、アンビル2766、又はその両方に配置され得る。上述したように、エンドエフェクタ2752は、器具ハウジング2800から電力を受け取り、エンドエフェクタ2752の回路と器具ハウジング2800の回路との間でそれぞれ通信する二次コイル2804、2814を備える。二次コイル2804からの電力は、整流器回路2806及びフィルタコンデンサ2808によって整流され、アナログマルチプレクサ2810又は他のアナログスイッチング回路を介して複数のセンサ2788に提供される。センサ2788からの信号は、アナログマルチプレクサ2810を通して伝送され、近距離無線通信(NFC)タグ2812に結合され、エンドエフェクタ2752内に位置する二次コイル2814及び器具ハウジング2800内に位置する一次コイル2816から制御回路2760に結合される。NFCタグ2812は、カートリッジ2768からデータを伝送するように構成されている。センサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも特に、組織インピーダンス、組織温度、組織静電容量、組織インダクタンス、経過時間を測定するように構成され得る。
【0298】
他の態様では、エンドエフェクタ2752のカートリッジ2768部分は、組織封止プロセスを支援又は強化するために電気外科エネルギーを受け取る電極を備え得る。そのような態様では、複数のセンサ2788のうちのいくつか又はすべては、アンビル2766とカートリッジ2768との間にクランプされた組織を通じて電気外科エネルギーを送達するための電極として機能し得る。そのような態様では、複数のセンサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0299】
他の態様では、エンドエフェクタ2752は、
図34の例に示されるようなアンビル2766及びカートリッジ2768の代わりに、クランプアームアセンブリと超音波ブレードとの間にクランプされた組織を切断及び封止するためのクランプアームアセンブリ及び超音波ブレードを備え得る。クランプアームアセンブリ及び超音波ブレードを含むそのような態様では、複数のセンサ2788は、クランプアームアセンブリ内に配置されてもよく、電気戻り経路は、導電性超音波ブレードを通して提供され得る。複数のセンサ788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0300】
他の態様では、エンドエフェクタ2752は、
図34の実施例に示されるように、アンビル2766及びカートリッジ2768の代わりに、電極を伴って構成されている一対のジョーを備え、電極は、電気外科エネルギーを送達し、ジョー間に締め付けられた組織を密閉し得る。ジョーのうちの1つは、密閉後に組織を通じて切断するためのナイフスロットを伴って構成され得る。そのような態様では、複数のセンサ2788は、ジョーの一方又は両方に配置され得る。複数のセンサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0301】
他の態様では、エンドエフェクタ2752は、
図34の例に示されるようなアンビル2766及びカートリッジ2768の代わりに、クランプアームアセンブリ及び超音波ブレードを備え得る。そのような態様では、クランプアームアセンブリは、クランプアームアセンブリと超音波ブレードとの間に位置する組織を封止するための電気外科エネルギーを受け取るための電極を備えて構成されている。電気外科エネルギーのための電気戻り経路は、導電性超音波ブレードを介して提供される。そのような態様では、超音波ブレードは、クランプアームアセンブリと超音波ブレードとの間にクランプされた封止組織を切断するために利用される。複数のセンサ2788は、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも、インピーダンス、静電容量などの組織パラメータを測定するように構成され得る。
【0302】
特定の事例では、本開示の他の場所でより詳細に説明されるように、器具ハウジング2800とエンドエフェクタ2752との間の無線電力及び/又はデータ伝送は、外科用器具2750とステープルカートリッジ2768との間の無線電力及び/又はデータ伝送を包含する。例えば、一次コイル2802、2816は、エンドエフェクタ2752のカートリッジチャネル上に配置することができ、二次コイル2804、2814は、ステープルカートリッジ2768上に配置することができ、これにより、一次コイル2802、2816及び二次コイル2804、2814は、ステープルカートリッジ2768がカートリッジチャネルに設置されると、無線接続のために位置合わせされる。そのような事例では、器具ハウジング2800は、エネルギー源2762及び制御回路2760を含む近位ハウジングと、近位ハウジングから遠位に延びるシャフトと、カートリッジチャネルとを包含し得る。
【0303】
図35は、本開示の少なくとも1つの態様による、器具ハウジング2800と、無線電力及びデータ通信システムを実装する一組のコイル2818を介して器具ハウジング2800に誘導結合されたエンドエフェクタ2752とを備える、
図34に示される外科用器具2750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具2750は、Iビーム2764などの変位部材の遠位並進を制御するように構成又はプログラムされる。外科用器具2750は、アンビル2766、Iビーム2764(鋭い切刃を含む)、及び着脱可能なカートリッジ2768を備えることができるエンドエフェクタ2752を備える。エンドエフェクタ2752は、センサ2788と、センサ2788に結合されたセンサ回路2790とを備える。電力は、近距離無線通信を介してコイル2802、2804を通してセンサ回路2790及びセンサ2788に誘導結合される。センサ2788からの信号(例えば、電圧、電流、抵抗、インピーダンス、静電容量、インダクタンス、周波数、位相など)は、センサ回路2790によって調整される。信号又は信号に対応するデータは、コイル2814、2816間の近距離無線通信誘導結合を介して、エンドエフェクタ2752内のセンサ回路2790と器具ハウジング2800内の制御回路2760との間で通信される。
【0304】
センサ2788は、エンドエフェクタ2752内の任意の好適な場所に位置してもよいことが理解されるであろう。一態様では、センサ2788は、カートリッジ2768内にアレイ状に配置される。別の態様では、センサ2788は、アンビル2766内にアレイ状に配置される。様々な態様では、センサ2788は、カートリッジ2768及びアンビル2766内にアレイ状に配置される。制御回路2760は、エンドエフェクタ2752のジョー内に位置する組織の移動特性を検出するために、経時的にセンサ2788を監視するように構成され得る。一態様では、エンドエフェクタ2752のジョーは、例えば、アンビル2766及びカートリッジ2768で構成され得る。
【0305】
Iビーム2764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ2784によって測定することができる。制御回路2760は、Iビーム2764などの変位部材の並進を制御するように構成又はプログラムされ得る。いくつかの実施例では、制御回路2760は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は、プロセッサ若しくは複数のプロセッサに変位部材、例えばIビーム2764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備え得る。他の態様では、制御回路2760は、例えば、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジック、又は他のハードウェア回路、ソフトウェア、及び/又はファームウェア、又は以下の説明で説明される機能を実施するための他の機械実行可能命令などのアナログ又はデジタル回路を備え得る。
【0306】
一態様では、制御回路2760は、エンドエフェクタ2752内の複数の長手方向及び横方向の位置を独立して感知し、これらの異なる感知された位置を局所的な所定の戻り経路と共に使用して、アンビル2766とカートリッジ2768との間に把持された組織のインピーダンスの変化を横方向及び長手方向の両方で感知して、少なくとも2つの相互接続されたセッションの組み合わせを三角測量することによって任意の特定の組織の中間厚さ測定値を検出することができるように構成又はプログラムされ得る。例えば、センサ2788は、ステープラジョー、すなわち、カートリッジ2768及びアンビル2766の長さに沿って横方向及び長手方向に分散されたインピーダンスセンサのアレイを備え得る。ジョーが閉鎖しているとき、制御回路2760は、タイマ/カウンタ2781からの読み取り値に基づいて、又はソフトウェアタイミング技法を使用して、各センサに対するジョー閉鎖の過程の間、経時的に局所インピーダンスを追跡し得る。この時間履歴は、存在する場合、特定の位置をマークする明確な変化又は異常がある不均一なインピーダンス値の領域を推測するために使用することができる。これらのベースライン位置(複数可)は、発射が開始されるときに記録され、追跡される。いったん開始されると、これらの場所の位置履歴が追跡され、発射プロセスのフィードバック制御のために使用される。別の実施例では、制御回路は、Iビーム2764の発射中の組織の流れを変更するために、他のパラメータの中でも特に、発射速度の変更、発射の一時停止(完全停止)、閉鎖力を含む、外科用器具2750の機能を修正するように構成又はプログラムされ得る。
【0307】
他の態様では、制御回路2760は、センサ2788を監視することによってエンドエフェクタ2752のジョー内で生じる組織の流れの量を予測するように構成又はプログラムされ得る。状況認識及び/又はその他のデバイス感知測定値、例えば、閉鎖中の閉鎖負荷の変化率、閉鎖が完了した後の閉鎖負荷の変化率などから組織タイプを知ることは、組織の流れを予測するために制御回路2760によって使用することができる。したがって、一態様では、制御回路2760は、ジョー閉鎖中の組織の流れをアンビル2766閉鎖システムの力フィードバックと組み合わせることによって、組織の種類又は状態を判定するように構成又はプログラムされる。
【0308】
別の実施例では、予測は、センサ2788を使用して、他のパラメータの中でもとりわけ組織インピーダンスを測定すること、ジョー内の剛性又は異物を検出すること、組織インピーダンスの大きさを測定すること、ジョー閉鎖中の組織の流れを測定することなどによって更に精緻化することができる。別の実施例では、制御回路2760は、ジョー閉鎖アルゴリズムを実行して、閉鎖中の組織の移動を、Iビーム2764の発射中の各変化の潜在的な影響の指標として感知することができる。例えば、第1の閉鎖速度では、制御回路2760は、組織の流れの大きさ/方向を推定し、ジョーの閉鎖速度を調整し、ジョー内の組織の流れの変化を観察又は記録する。別の実施例では、制御回路2760は、発射前に閉鎖力フィードバックと組み合わせて閉鎖流を利用して外科医にフィードバックを提供し、エンドエフェクタ2752の切断線(切断線の例については
図40のスロット2822、2824を参照)で組織が完全に捕捉されることを確実にするためにエンドエフェクタ2752を再配置する機会を可能にすることによって、発射後組織位置を予測するように構成又はプログラムされ得る。
【0309】
他の態様では、制御回路2760は、組織を監視及び調査するために、センサ2788の様々な構成のためのデータを受信するように構成又はプログラムされ得る。これは、組織インピーダンスを監視することと、カートリッジ2788の長さに沿って構成されている単一電極又は分割電極セットにわたる組織のインピーダンスを追跡することとを含み得る。制御回路2760は、異なる周波数の掃引を利用し、電力及び周波数に対する組織インピーダンスを監視して組織の生理学的組成を判定し、組織静電容量を監視し、ジョーの組織特性及び間隙関係を判定してジョー内に存在する組織の量を判定することによって、分光インピーダンスを監視するように構成又はプログラムされ得る。別の態様では、制御回路2760は、組織特性を判定するために、光透過率、屈折度、又はドップラー効果を測定するように構成又はプログラムされ得る。組織の表面状態を判定し、ジョーの間に捕捉された組織内の不規則性を監視するために、局所光屈折度の分析が採用され得る。制御回路2760は、光のドップラー効果周波数分析を使用して、組織の局所移動粒子を監視するように構成又はプログラムされ得る。
【0310】
一態様では、タイマ/カウンタ2781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路2760に提供して、位置センサ2784によって判定されたIビーム2764の位置をタイマ/カウンタ2781の出力と相関させ、その結果、制御回路2760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム2764の位置を判定することができる。タイマ/カウンタ2781は、経過時間を測定する、外部事象を計数する、又は外部事象の時間を測定するように構成され得る。他の態様では、タイマ/カウンタ2781は、エンドエフェクタ2752のジョー内に位置する組織の移動特性を検出するために、経過時間を測定してセンサ2788を経時的に監視するために採用され得る。
【0311】
制御回路2760は、モータ設定点信号2772を生成し得る。モータ設定点信号2772は、モータコントローラ2758に提供され得る。モータコントローラ2758は、本明細書に記載されているとおり、モータ2754にモータ駆動信号2774を提供して、モータ2754を駆動するように構成されている1つ以上の回路を備え得る。いくつかの実施例では、モータ2754は、ブラシ付きDC電気モータであり得る。例えば、モータ2754の速度は、モータ駆動信号2774に比例し得る。いくつかの実施例では、モータ2754は、ブラシレスDC電気モータであってもよく、モータ駆動信号2774は、モータ2754の1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含み得る。同様に、いくつかの実施例では、モータコントローラ2758は省略されてもよく、制御回路2760が、モータ駆動信号2774を直接、発生し得る。
【0312】
モータ2754は、エネルギー源2762から電力を受信し得る。エネルギー源2762は、電池、超コンデンサ若しくは任意の他の好適なエネルギー源であってもよい、又はこれらを含んでもよい。モータ2754は、伝達機構2756を介してIビーム2764に機械的に結合され得る。伝達機構2756は、モータ2754をIビーム2764に結合するための1つ以上の歯車又は他の連結構成要素を含み得る。位置センサ2784は、Iビーム2764の位置を感知し得る。位置センサ2784は、Iビーム2764の位置を示す位置データを生成することができる任意のタイプのセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ2784は、Iビーム2764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路2760に提供するように構成されたエンコーダを含み得る。制御回路2760は、パルスを追跡してIビーム2764の位置を判定し得る。例えば、近接センサを含めた、他の好適な位置センサが使用されてもよい。他のタイプの位置センサが、Iビーム2764の運動を示す他の信号を提供し得る。また、いくつかの実施例では、位置センサ2784は、省略されてもよい。モータ2754がステッパモータである場合、制御回路2760は、モータ2754が実行するように命令されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム2764の位置を追跡し得る。位置センサ2784は、エンドエフェクタ2752内、又は器具の任意の他の部分に位置し得る。
【0313】
制御回路2760は、エンドエフェクタ2752内に位置する1つ以上のセンサ2788と通信し得る。センサ2788は、エンドエフェクタ2752内に位置付けられ、外科用器具2750と共に動作して、他のパラメータの中でもとりわけ、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、アンビル歪み対時間、組織移動対時間、組織インピーダンス、組織静電容量、分光インピーダンス、光透過率、屈折度、又はドップラー効果などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ2788は、磁気センサ、磁場センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又はエンドエフェクタ2752の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを含み得る。センサ2788は、1つ以上のセンサを含み得る。
【0314】
1つ以上のセンサ2788は、クランプされた状態の間のアンビル2766における歪みの大きさを測定するように構成されている、微小歪みゲージなどの歪みゲージを含み得る。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ2788は、アンビル2766とカートリッジ2768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成されている圧力センサを含み得る。センサ2788は、アンビル2766とカートリッジ2768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0315】
センサ2788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル2766上に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ以上のセンサ2788は、閉鎖管によってアンビル2766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル2766との間の相互作用点に位置し得る。アンビル2766に対して及ぼされる力は、アンビル2766とカートリッジ2768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すことができる。1つ以上のセンサ2788を、閉鎖駆動システムに沿った様々な相互作用点に位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル2766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ2788は、クランプ動作中にリアルタイムで、制御回路2760のプロセッサによってサンプリングされ得る。制御回路2760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル2766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0316】
モータ2754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ2786を用いることができる。Iビーム2764を前進させるのに必要な力は、モータ2754によって引き込まれる電流に対応する。力は、デジタル信号に変換されて、制御回路2760に提供される。
【0317】
外科用器具2750の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム2764を駆動するように構成されている。別の実施例は、交換式シャフトアセンブリの、例えば、変位部材及び関節運動駆動部を動作させる電気モータ2754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理システム上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ2754に反して作用する障害と称されることがある。障害などの外部影響は、物理システムの動作を物理システムの所望の動作から逸脱させることがある。
【0318】
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断手段を有するエンドエフェクタ2752を含む外科用器具2750を対象とする。例えば、モータ2754は、エンドエフェクタ2752の長手方向軸線に沿って遠位方向及び近位方向に変位部材を駆動し得る。エンドエフェクタ2752は、枢動可能なアンビル2766と、使用のために構成されている場合は、アンビル2766の反対側に位置付けられたカートリッジ2768と、を含み得る。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル2766とカートリッジ2768との間で組織を把持し得る。器具2750を使用する準備が整うと、臨床医は、例えば、器具2750のトリガを押すことによって発射信号を提供し得る。発射信号に応答して、モータ2754は、変位部材をエンドエフェクタ2752の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置から、ストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで、遠位方向に駆動し得る。変位部材が遠位方向に並進するにつれて、遠位端に位置付けられた切断要素を有するIビーム2764は、カートリッジ2768とアンビル2766との間の組織を切断することができる。
【0319】
様々な実施例では、制御回路2760は、1つ以上の組織状態に基づいて、例えば、Iビーム2764などの変位部材の遠位並進を制御するように構成されてもよく、又はプログラムされ得る。制御回路2760は、本明細書に記載されているとおり、直接的又は間接的のいずれかで、厚さ、流れ、インピーダンス、静電容量、光透過率などの組織状態を感知するように構成又はプログラムされ得る。制御回路2760は、組織状態に基づいて、発射制御プログラムを選択するように構成又はプログラムされ得る。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に治療するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路2760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるように構成又はプログラムされ得る。より薄い組織が存在するとき、制御回路2760は、変位部材をより高速で、及び/又はより高電力で並進させるように構成又はプログラムされ得る。
【0320】
図36は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図34及び35に示すような外科用器具2750のエンドエフェクタ2752の上面斜視図を示す。エンドエフェクタ2752は、
図37に示されるように、間に組織2820を把持するための一対のジョーを形成する、アンビル2766及びカートリッジ2768を備える。複数のセンサ2788は、アンビル2766、カートリッジ2768、又は両方に配置され得る。
【0321】
図37は、本開示の少なくとも1つの態様による、アンビル2766及びカートリッジ2768によって形成されたジョー内に圧縮された組織2820を有するエンドエフェクタ2752の一例を示す。アンビル2766は、組織2820を把持するためにアンビル2766を閉鎖するためのIビーム部分を摺動可能に受容するように構成されている第1の長手方向スロット2822を画定する。カートリッジ2768は、アンビル2766とカートリッジ2768との間に把持された組織2820を切断するための切断要素を受容するように構成されている第2の長手方向スロット2824を画定する。長手方向スロット2822、2824は、エンドエフェクタ2752の切断線を画定する。(
図40のスロット2822、2824を参照。)
【0322】
ここで
図36~37を参照すると、センサ2788は、アンビル2766及びカートリッジ2768内で、それらの間に把持された組織2820の両側に位置付けられ得る。上述のように、複数のセンサ2788は、他のパラメータの中でも特に、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、アンビル歪み対時間、組織移動対時間、組織インピーダンス、組織静電容量、分光インピーダンス、光透過率、屈折度、又はドップラー効果などの様々な導出パラメータを測定するように構成され得る。
【0323】
図38A及び38Bは、本開示の少なくとも1つの態様による、組織接触回路2830の概略図である。
図38Aの組織接触回路2830は、アンビル2766とカートリッジ2768(
図34~
図37に記載)との間にクランプする前に、センサ2788a、2788b間に組織が配置されていない開回路モードで示されている。
図38Bに示される組織接触回路2830は、センサ2788a、2788bがアンビル2766とカートリッジ2768との間にクランプされた後に組織2820と接触したときの回路の完了を示す閉回路モードで示されている。センサ2788a、2788bは、電圧源Vによって電力供給され、センサ回路2790は、センサ2788a、2788bによって生成された信号を測定し、ジョー内の組織2829と接触する。いくつかの態様では、センサ2788a、2788bは、組織2820と電気的に接触する一対の対向する電極板を含み得る。
【0324】
本明細書に開示されるセンサ2788a、2788bは、これに限定するものではないが、組織と接触していないときには開放している感知回路を、組織と接触しているときに閉鎖する、ジョーの内面に配置された電気接点を含み得る。接触センサはまた、クランプされている組織が最初に圧縮に抵抗するときを検出する敏感な力変換器を含んでもよい。力変換器は、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属膜又は半導体歪みゲージ、誘導圧力センサ、容量圧力センサ、及び抵抗センサを含み得るが、それらに限定されない。
【0325】
一態様では、前述の外科用器具のうちのいずれか1つは、ジョー部材上で発生する圧力の変化を検出するための1つ以上の圧電素子を含んでもよい。圧電素子は、応力を電位に変換する双方向変換器である。元素は、金属化石英又はセラミックで構成されてもよい。動作中、結晶に応力が適用されると、材料の電荷分布が変化し、材料全体に電圧が発生する。圧電素子は、ジョー部材(例えば、アンビル2766、カートリッジ2768)の一方又は両方が組織2820と接触し、接触が確立された後に組織2820に及ぼされる圧力の量を示すために使用され得る。
【0326】
一態様では、センサ2788a、2788bは、その本体内又はその本体の一部上に配置された1つ以上の金属歪みゲージを含み得る。金属歪みゲージは、材料の抵抗が長さ、幅、及び厚さに依存する原理で動作する。したがって、金属歪みゲージの材料が歪みを受けると、材料の抵抗が変化する。したがって、この材料で作成された、回路に組み込まれた抵抗器は、歪みを電気信号の変化に変換する。望ましくは、歪みゲージは、組織に加えられる圧力が歪みゲージに影響を及ぼすように外科用器具上に配置されてもよい。
【0327】
代替的に、別の態様では、センサ2788a、2788bは、上記の金属歪みゲージと同様の方法で使用され得る1つ以上の半導体歪みゲージを備え得るが、変換のモードは異なる。動作中、加えられた応力の結果として、半導体歪みゲージの結晶格子構造が変形すると、材料の抵抗が変化する。観察される現象は、「ピエゾ抵抗効果」と称されることがある。
【0328】
更に別の態様では、センサ2788a、2788bは、圧力又は力を、誘導要素の互いに対する運動に変換するために、1つ以上の誘導圧センサを含み得る。この誘導要素の互いに対する運動は、全体的なインダクタンス又は誘導結合を変える。静電容量式圧力変換器も同様に、圧力又は力を、全体的な静電容量を変化させる容量性素子の運動に変換する。
【0329】
更に別の態様では、センサ2788a、2788bは、圧力又は力を、全体的な静電容量を変化させる容量性素子の運動に変換するために、1つ以上の静電容量式圧力変換器を含み得る。
【0330】
一態様では、センサ2788a、2788bは、圧力又は力を運動に変換するための1つ以上の機械的圧力変換器を備え得る。使用中、機械的要素の運動は、ゲージ上でポインタ又はダイヤルを偏向させるために使用される。このポインタ又はダイヤルの移動は、組織2820に加えられる圧力又は力を表し得る。例として、機械的要素は、ポテンショメータ圧力変換器などの他の測定及び/又は感知素子と連結されてもよい。この実施例では、機械的要素は、可変抵抗器上のワイパーと連結される。使用中、圧力又は力は、加えられた圧力又は力を反映するためにポテンショメータ上でワイパーを偏向させ、これにより抵抗を変化させて加えられた圧力又は力を反映する機械的運動に変換されてもよい。
【0331】
別の態様では、組織2820のインピーダンスZは、センサ2788a、2788bにわたって電圧差Vを印加し、組織2820を通して電流Iを伝導し、インピーダンスZを判定するために電圧及び電流(V、I)を測定することによって、センサ回路2790によって測定され得る。別の態様では、センサ2788a、2788b間の組織2820の静電容量Cは、以下の式C=1/2πfZ(ただし、fは交流電圧及び電流の周波数であり、Cは組織2820の静電容量である)に従って、組織インピーダンスZに基づいてセンサ回路2790によって測定され得る。
【0332】
一態様では、センサ回路2790は、一般に、センサ2788a、2788bの導電板の静電容量を測定する集積回路であり得る。いくつかの態様では、センサ回路2790は、供給電圧V及び電流Iを測定し、外部電圧を測定し得る、及び/又は温度を測定し得る。組織静電容量センサ回路2790システムは、電場信号を組織2820に印加して、静電容量信号を判定する。センサ回路2790は、1つ以上の電気信号を生成して、組織2820内に電場信号を生成し、センサ2788aの導電性プレートによって画定される静電容量ノードを駆動して、組織2820内に電場を放出する。いくつかの実施例では、静電容量ノードは、誘電体として組織2820を使用する単一プレートコンデンサを含む。多くの実施例では、電場信号は、調節された電気信号であってもよい。
【0333】
一態様では、センサ回路2790は、組織2820に近接して電場を印加することができ、これは、静電容量ノードの任意のコンデンサプレート部分の組織2820への接触を伴わない電場信号の印加を含むことができる。他の実施例では、静電容量ノードの任意の関連するコンデンサプレート部分は、組織2820に接触するように位置付けられる。接触の例を
図38Bに示す。電場信号は、センサ回路2790によって生成され、電圧源Vによって印加される変調信号を含み得る。
【0334】
センサ回路2790は、組織2820に印加される電場信号の変化を検出して、静電容量信号を識別することができる。電場信号のこれらの変化は、センサ回路2790によって測定及び検出することができる。静電容量の変化は、電場信号が組織2820に印加される際に監視することができ、静電容量信号は、静電容量の変化を反映することができる。様々な態様では、電場信号は、正弦波信号などの変調信号を備え得る。電場信号を生成するために使用される調節回路は、静電容量ノードを形成するセンサ2788aの導電性プレートのコンデンサ部分を含むことができる。電場信号を組織2820に印加するために使用されるコンデンサの静電容量値の変化は、他の検出方法の中でも特に、調節周波数の変化又はコンデンサ若しくは関連付けられた調節回路の電力引き込みの変化として、センサ回路2790によって検出することができる。電場信号のこれらの変化はまた、雑音レベル、電流引き込み、又はセンサ回路2790によって検出される電場信号の他の特性の変化を監視することによって測定することができる。センサ回路2790は、静電容量-デジタル変換器回路を備え得る。静電容量信号は、以下の説明で説明するように、他の生理学的パラメータのと同時に監視することができる。
【0335】
図39は、本開示の少なくとも1つの態様による、センサ監視及び処理回路2400を備える、
図34及び
図35に関連して説明される外科用器具2750の概略図である。センサ監視及び処理回路2400は、器具ハウジング2800内に収容され、電力用の近距離無線通信コイル2802/2804及びデータ用のコイル2814/2816を介してエンドエフェクタ2752に無線で結合される。
【0336】
一態様では、センサ監視及び処理回路2400は、組織インピーダンスモジュール2442を備える。一態様では、組織インピーダンスモジュール2442は、組織インピーダンスZ及び静電容量を測定するように構成され得る。組織インピーダンスモジュール2442はまた、他の組織パラメータを監視するために採用され得る。一態様では、組織インピーダンスモジュール2442は、RF発振器2446と、電圧感知回路2448と、電流感知回路2450とを備え得る。電圧感知回路2448及び電流感知回路2450は、エンドエフェクタ2752内に配置された電極又はセンサ2788に印加されるRF電圧Vrfと、センサ2788の電極、組織、及びエンドエフェクタ2752の他の導電性部分を通って伝導されるRF電流irfとに応答する。電流感知回路2430及び電圧感知回路2432からの感知電流Irf及び感知電圧Vrfは、アナログマルチプレクサ2434を介してアナログデジタル変換器(ADC)2436によってデジタル形態に変換される。制御回路2760は、ADC2436のデジタル化出力2438を受信し、コイル2814/2816を通じて結合されるセンサデータと併せて信号を処理し、以下の説明で説明される他の組織パラメータの中でも特に、組織インピーダンス、組織温度、組織静電容量、組織インダクタンス、経過時間を測定することを含む、様々な組織パラメータを判定する。一態様では、組織インピーダンスZ及び/又は組織静電容量は、電圧感知回路2448及び電流感知回路2450によって測定された電流Irfに対するRF電圧Vrfの比を計算することによって、又はセンサ回路2790から独立して受信されたデータを処理することによって、制御回路2760によって計算され得る。
【0337】
一形態では、制御回路2760は、デジタル電流信号2420及びデジタル周波数信号2422を生成するように構成され得る。これらの信号2420、2422は、エンドエフェクタ2752に配置されたセンサ2788への電流出力信号2404の振幅及び周波数(f)を調整するために、直接デジタルシンセサイザ(DDS)回路2424に印加される。DDS回路2424の出力は、増幅器2426に印加され得、増幅器の出力は、変圧器2428に印加される。変圧器2428の出力は、コイル2802/2804を介してエンドエフェクタ2752内の電力モジュール2805に誘導結合される。電力モジュール2805は、センサ2788及びセンサ回路2790に電力を印加するために、整流器、フィルタ、及び他の要素を含み得る。
【0338】
一形態では、エンドエフェクタ2752の電極に印加されるRF電圧Vrf、及びエンドエフェクタ2752によってクランプされた組織を通って伝導されるRF電流Irfは、血管封止及び/又は切開に好適である。したがって、センサ監視及び処理回路2400のRF電力出力は、封止及び切開などの治療機能、並びに組織インピーダンス、静電容量、及び他の組織パラメータの測定などの非治療機能のために選択されることができる。本開示の文脈では、超音波及びRF電気外科エネルギーは、治療又は非治療機能のために、個別に又は同時にエンドエフェクタ2752に供給され得ることが理解されるであろう。
【0339】
一態様では、センサ監視及び処理回路2400への入力2412は、センサ監視及び処理回路2400の動作を制御するために制御回路2760に印加することができる任意の適切な入力信号2414を含むことができる。様々な形態では、入力2412は、ボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、汎用又は専用のコンピュータへの遠隔接続などのユーザインターフェースを介してプログラム、アップロード、及び/又は入力し得る。他の形態では、入力デバイス2412は、好適なユーザインターフェースを備え得る。したがって、例として、入力2412は、センサ監視及び処理回路2400の機能出力をプログラムするために、電流(I)、電圧(V)、周波数(f)、及び/又は周期(T)をプログラムするようにユーザによって設定又は入力され得る。制御回路2760は、選択された入力2412を表示し得る。
【0340】
一形態では、コンピュータ読み取り可能な命令を含む様々な実行可能なモジュール(例えば、アルゴリズム2410)が、センサ監視及び処理回路2400の制御回路2760部分によって実行することができる。様々な形態では、技術に関して記載された動作は、例えば、プログラム、サブルーチン、論理である1つ以上のソフトウェアコンポーネント、例えば、プロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタである1つ以上のハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装され得る。一形態では、技法を実施するために実行可能な命令は、メモリに格納されてもよい。実行されると、命令は、制御回路2760に、本明細書に説明されるような組織パラメータを判定させる。そのような実行可能命令に従って、制御回路2760は、センサ監視及び処理回路2400から利用可能な電圧、電流、及び/又は周波数信号サンプルを監視及び評価し、そのような信号サンプルの評価に従って、組織パラメータを判定する。以下の説明で更に説明されるように、組織パラメータ、状態、又は条件の変化は、そのような信号の処理に基づいて判定され得る。
【0341】
図40は、本開示の少なくとも1つの態様による、アンビル2766及びカートリッジ2768を備えるエンドエフェクタ2752の一部分の概略図であり、その中に配置されたセンサ2788a、2788bのアレイを示す。センサ2788aの第1のアレイは、Iビームスロット2822に沿って長手方向に、かつIビームスロット2822の両側で横方向に、アンビル2766内に配置され得る。センサ2788bの第2のアレイは、カートリッジ2768内に、ナイフスロット2824に沿って長手方向に、かつナイフスロット2824の両側で横方向に配置され得る。様々な他の態様では、センサ2788は、アンビル2766内に、又はカートリッジ2768内に、又はアンビル2766及びカートリッジ2768の両方に配置され得る。更に、いくつかの態様では、アンビル2766内に配置されたセンサ2788aのアレイは、
図40に示すように、長手方向に、横方向に、又は長手方向及び横方向の両方に配置され得る。他の態様では、アンビル2766内に配置されたセンサ2788bのアレイは、
図40に示されるように、長手方向、横方向、又は長手方向及び横方向の両方に配置され得る。センサ2788は、単一の列若しくは複数の列又は単一のセンサを含むアレイに配置され得る。更に、センサ2788a、2788bのいずれかのアレイ内のセンサ2788は、制御回路2760によって個別にアドレス指定され、給電され、読み取られ得る。他の態様では、アンビル2766内のセンサ2788aのアレイは、カートリッジ2768内のセンサ2788bのアレイとは別個の群として、制御回路2760によってアドレス指定され、給電され、読み取られ得る。他の態様では、カートリッジ2768内のセンサ2788bのアレイは、アンビル2766内のセンサ2788aのアレイとは別個の群として、制御回路2760によってアドレス指定され、給電され、読み取られ得る。他の態様では、アンビル2766内のセンサ2788aのアレイ及びカートリッジ2768内のセンサ2788bのアレイは、群として制御回路2760によってアドレス指定され、給電され、読み取られ得る。
【0342】
図41は、本開示の少なくとも1つの態様による、複数の独立してアドレス指定可能なセンサ2788(S
1~S
n)を備えるカートリッジ2768の部分切欠図である。個々にS
1~S
nとラベル付けされた複数のセンサ2788の各々をアドレス指定し、読み取るために、センサ回路2790は、マルチプレクサ2840と、個々のセンサ2788の選択及び読み取りを制御する論理回路2842とを備える。センサ2788の出力は、マルチプレクサ2840の入力2844にルーティングされる。個々のセンサS
1~S
nは、マルチプレクサ入力選択2846ラインを介してセンサを個々にアドレス指定することによって、論理回路2842によって選択することができる。選択されたセンサS
1~S
nの出力2848は、論理回路2842に提供され、例えば、組織の特性を追跡し、複数のセンサS
1~S
nにわたる組織の運動を追跡するためのアルゴリズムを実行するための更なる処理のために、コイル2814、2816を介して制御回路2760に結合される。
図41に示すように、一態様では、センサS
1~S
nは、共通の戻り経路に結合される。同様の構成が、エンドエフェクタ2752のアンビル2766の部分に提供され得る(
図40)。
【0343】
センサS1~Snの位置は、制御回路2760がカートリッジ2768上の各センサS1~Snの位置を知るように、カートリッジ2768にマッピングされる。各センサS1~Snの出力を監視することによって、制御回路2760は、監視されたセンサS1~Snの出力に基づいて、組織がセンサS1~Snの場所を占有しているかどうかを判定することができる。例えば、組織2820の監視された特性がインピーダンスZである場合、制御回路2760は、各センサS1~Snから読み取られたインピーダンス出力に基づいて組織2820の位置をマッピングして、インピーダンス読み取り値に基づいて組織2820の存在を推測し、インピーダンス読み取り値がないこと(例えば、開回路)に基づいて組織がないことを推測することができる。
【0344】
次に、添付の
図42~
図45に示す様々な方法2900、2910、2930、2950について説明する。方法2900、2910、2930、2950の各々は、
図39に関連して説明されるように、制御2760によって実行され得る、センサ監視及び処理回路2400のプログラムメモリに記憶されたアルゴリズム2410として実装され得る。一態様では、アルゴリズム2410(例えば、方法2900、2910、2930、2950)は、制御回路2760が実行するようにプログラムされた一連の機械実行可能命令として記憶され得る。他の態様では、アルゴリズム2410(例えば、方法2900、2910、2930、2950)は、制御回路2760がアルゴリズム2410を実行するように構成されている場合、ハードウェアに実装された制御回路2760によって実行され得る。
【0345】
ここで
図34~42を参照すると、1つの一般的な態様では、
図42は、本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタ2752のジョー内に把持された組織2820の特性を検出するために、エンドエフェクタ2752のジョー内に位置する複数のセンサ2788を経時的に監視する方法2900のフロー図を示す。一態様一態様では、外科用器具2750は、間に組織2820を把持するための一対のジョーを備えるエンドエフェクタ2752を備える。一態様では、エンドエフェクタ2752は、アンビル2766及びカートリッジ2768を備える。複数のセンサ2788は、カートリッジ2768上に位置して、例えば、1つのセンサS
1から隣接するセンサS
2に向かう、アンビル2766とカートリッジ2768との間に把持された組織2820の運動を感知し得る。上記で説明したように、制御回路2760は、センサ監視及び処理回路2400ではアルゴリズム2410として実装される方法2900を実行するように構成され得る。
【0346】
一態様では、制御回路2760は、エンドエフェクタ2752内に配置されたセンサS
1~S
nのうちの任意の1つ以上を独立して選択するように構成されている。1つ以上のセンサS
1~S
nは、外科用器具2750のエンドエフェクタ2752内に配置された組織2820の特性を感知する2902ように構成されている。制御回路2760は、外科用器具2750のエンドエフェクタ2752内に配置された組織2820の感知された特性を経時的に監視する(2904)ように構成されている。ステープル留めカートリッジでは、複数のセンサ2788は、ステープル留めカートリッジ2768上に配置され、
図41に記載されるように、各センサ2788に対する組織2820の運動を感知するために独立して監視することができる。一態様では、制御回路2760は、マルチプレクサ2840を介して個々のセンサS
1~S
nを選択するためのコマンドを論理回路2842に送信する。各センサS
1~S
nは、連続ループで順次アドレス指定され、監視される。選択されたセンサS
1~S
nの各々の出力2848を監視すること(2904)によって、制御回路2760は、組織2820の監視された特性に基づいて、隣接するセンサS
2に対する1つのセンサS
1からの組織2820の移動を感知する(2906)ように構成され得る。一態様では、制御回路2760によって監視される組織特性は、インピーダンスZ又は静電容量Cなどの組織2820の電気特性であり得る。別の態様では、ある時点から次の時点までの組織2820のインピーダンスZ又は静電容量Cを監視することにより、制御回路2760は、あるセンサから次のセンサへの組織2820の運動を検出することができる。制御回路2760は、組織2820の感知された移動に基づいて、外科用器具2750の機能を選択する2908ように構成され得る。制御回路2760は、組織2820の監視された特性に基づいて、組織2820上の位置を検出することができる。様々な他の態様では、監視された(2902)特性は、センサS
1~S
nによって監視され得る他の特性の中でも特に、組織2820上でのエンドエフェクタ2752の閉鎖中の閉鎖負荷の変化率、組織2820上でのエンドエフェクタ2752の閉鎖が完了した後の閉鎖負荷の変化率、組織2820に加えられる力、インピーダンスZ分光、光透過率、光屈折度、又は組織特性を判定するためのドップラー効果であってもよい。
【0347】
ここで
図34~
図41及び
図43を参照すると、一般的な一態様では、
図43は、本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタ2752のジョー内に把持された組織2820の特徴又は特性を検出するために、エンドエフェクタ2752のジョー内に位置する複数のセンサ2788を経時的に監視する方法2910のフロー図を示す。一態様では、方法2910は、複数のセンサS
1~S
nを経時的に監視して、組織2820の運動特性を検出し、少なくとも2つの感知された位置に対する組織2820の運動を検出し、ある期間にわたって1つ以上の感知された組織特性を監視することによってリアルタイムの組織の流れの感知を提供することを含む。上記で説明したように、制御回路2760は、センサ監視及び処理回路2400ではアルゴリズム2410として実装される方法2910を実行するように構成され得る。
【0348】
一態様では、制御回路2760は、エンドエフェクタ2752内の複数の長手方向及び横方向に配置されたセンサS1~Snの場所を監視することによって、組織2820の特性を独立して感知するように構成されている。制御回路2760は、横方向及び長手方向の両方の特性の変化を感知するために、局所的な所定の戻り経路を伴う感知技術を採用するように構成され得る。様々な態様では、組織特性は、センサS1~Snによって監視され得る他の組織特性の中でも特に、インピーダンスZ、インピーダンスZ分光、静電容量C、エンドエフェクタ2752に加えられる力、組織2820に加えられる力、光透過率、光屈折度、又は組織特性を判定するためのドップラー効果であってもよい。
【0349】
これらの感知技術を使用して、制御回路2760は、周知の三角測量アルゴリズム技法を使用し、センサ2788のアレイ内の少なくとも2つの相互接続されたセンサ組み合わせ、例えば、S1~S2又はS1~S4の間に位置する組織2820の特定の中間厚さ測定値を検出することができる。
【0350】
より具体的には、方法2910の一態様によれば、制御回路2760は、長手方向及び横方向センサS1~Snのアレイを独立して監視し(2912)、組織2820の特性を測定するように構成され得る。例えば、制御回路2760は、インピーダンスZ、静電容量C、エンドエフェクタ2752に及ぼされる力、組織2820の光反射、光屈折などを監視して、センサS1~S2の個々又は群が組織2820と接触しているかどうかを判定し得る。制御回路2760は、横方向及び長手方向の両方の組織2820の監視された特性の任意の変化を判定する(2914)ように構成されてもよく、これらの変化は、閉鎖中、閉鎖の完了後、発射中、又は発射の完了後に生じる期間にわたって追跡され得る。制御回路2760は、周知の三角測量アルゴリズム技術を使用して、少なくとも2つの相互接続されたセンサの組み合わせ、例えばS1~S2又はS1~S4を三角測量して2916、例えば2つのS1~S2又はS1~S4の間に位置する組織2820の中厚測定値を検出し2918、組織2820の検出された中間厚さに基づいて外科用器具2750の機能を選択する2920ように構成され得る。
【0351】
組織2820の中間厚さを検出するために制御回路2760によって使用され得る様々な周知の三角測量アルゴリズムが存在する。これらのアルゴリズムは、例えば、Delaunay Triangulation Algorithm、「A New Voronoi-Based Surface Reconstruction Algorithm」(Amentaら、SIGGRAPH、1998年)、及び「Poisson Surface Reconstruction」(Kazhdanら、Symposium on Geometry Processing、2006年)を含み、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0352】
ドロネー三角形分割アルゴリズムは、頂点のセットからの頂点間の空間的幾何学的関係に基づいて頂点間のエッジを生成することができ、それによって三角形面のセットを構築し、したがって標的メッシュモデルを構築する。頂点は、組織2820の存在を感知するセンサS1~Snの位置によって判定され得る。具体的には、ドロネー三角形分割アルゴリズムは、各三角形面の3つの内角のうちの最小のものの値を最大にしようと試みることによって、接続線が間にあるべき頂点を推測的に計算することができる。ほとんどの場合、ドロネー三角形分割アルゴリズムは、形状が狭すぎて長すぎる三角形(例えば、内角の少なくとも1つが10度未満である三角形)を生成することを回避する。多くの文献に開示されている実験結果から、ドロネー三角形分割アルゴリズムは、頂点の数が多い場合、頂点間のエッジに対して比較的正確な推測を行うことができることが分かる。
【0353】
図34~
図41及び
図44を参照すると、1つの一般的な態様では、
図44は、本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタ2752のジョー(例えば、カートリッジ2768及びアンビル2766)の長さに沿って横方向及び長手方向に分散されたセンサS
1~S
nのアレイを監視して、エンドエフェクタ2752のジョー内に把持された組織2820の不均一な組織インピーダンス領域の位置を判定する方法2930を示す。上記で説明したように、制御回路2760は、センサ監視及び処理回路2400ではアルゴリズム2410として実装される方法2930を実行するように構成され得る。
【0354】
一態様では、制御回路2760は、組織2820上で閉鎖するエンドエフェクタ2752のジョー(例えば、アンビル2766がカートリッジ2768に向かって枢動可能に回転してそれらの間に組織を把持する)を監視する(2932)ように構成されている。制御回路2760は、ジョー閉鎖期間中に組織特性についてジョーのアンビル2766及び/又はカートリッジ2768上に位置する各センサS1~Snを監視する(2934)ように構成され得る。様々な態様では、組織特性は、センサS1~Snによって監視され得る他の組織特性の中でも特に、インピーダンスZ、インピーダンスZ分光、静電容量C、エンドエフェクタ2752に加えられる力、組織2820に加えられる力、光透過率、光屈折度、又は組織特性を判定するためのドップラー効果であってもよい。制御回路2760は、ジョー閉鎖期間中に各センサS1~Snについて感知された組織特性を追跡及び記録することができる。ジョー閉鎖期間中の感知された組織特性のこの時間履歴は、制御回路2760によって使用されて、例えば、存在する場合、推論によって、監視される組織特性の不均一領域を判定することができ(2936)、ここで、不均一とは、特定のベースライン位置をマークする明確な変化又は異常を定義する。制御回路2760は、ナイフ/Iビーム2764の発射が開始される際に、これらのベースライン位置を追跡する(2938)ように構成され得る。ナイフ/Iビーム2764の発射が開始されると、制御回路2760は、これらのベースライン場所の位置履歴を追跡し(2940)、発射プロセスのフィードバック制御のためにそれらを使用するように構成されている。制御回路2760は、ナイフ/Iビーム2764の発射プロセス中に組織の流れを変更するために、外科用器具2750の機能を修正する(2942)ように構成されている。発射プロセス中に組織の流れを変化させるように修正することができるデバイス機能は、特に、発射速度の変更、発射プロセスの休止(完全停止)、閉鎖力を含む。
【0355】
図34~
図41及び
図45を参照すると、1つの一般的な態様では、
図45は、本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタ2752(例えば、カートリッジ2768及びアンビル2766)内に横方向及び長手方向に分散されたセンサのアレイS
1~S
nを監視して、エンドエフェクタ2752のジョー内の組織2820の流れを予測する方法2950を示す。上記で説明したように、制御回路2760は、センサ監視及び処理回路2400ではアルゴリズム2410として実装される方法2950を実行するように構成され得る。
【0356】
エンドエフェクタ2752のジョー内の組織2820の流れの量を予測するために、方法2950に従って、制御回路2760は、長手方向及び横方向センサS1~Snのアレイを独立して監視し、組織2820の特性を測定する(2952)ように構成され得る。様々な態様では、組織特性は、センサS1~Snによって監視され得る他の組織特性の中でも特に、インピーダンスZ、インピーダンスZ分光、静電容量C、エンドエフェクタ2752に加えられる力、組織2820に加えられる力、光透過率、光屈折度、又は組織特性を判定するためのドップラー効果であってもよい。監視段階(2952)の間、制御回路2760は、長手方向及び横方向の両方の組織2820の監視された特性の変化を判定する(2954)ように構成されてもよく、判定された(2954)変化に基づいて、制御回路2760は、ジョー閉鎖期間の間に組織の流れを感知する(2956)ように構成され得る。いったん組織の流れが感知されると(2956)、制御回路2760は、ジョー閉鎖が完了した後に少なくとも1つのデバイスパラメータを判定する(2958)ように構成され得る。少なくとも1つのデバイスパラメータは、例えば、閉鎖中の閉鎖荷重の変化率、閉鎖が完了した後の閉鎖荷重の変化率などのデバイス感知パラメータを含み得る。制御回路2760は、ジョー閉鎖が完了した後に判定された(2958)少なくとも1つのデバイスパラメータと組み合わせて、ジョー閉鎖中の組織の流れに基づいて、組織タイプ又は組織状態を判定する(2960)ように構成され得る。制御回路2760は、組織のタイプに基づいて外科用器具の機能を修正する(2962)ように更に構成され得る。
【0357】
一態様では、組織の流れを感知する(2956)ことは、状況認識及び/又は他のデバイス感知測定値(例えば、閉鎖中の閉鎖負荷の変化率、閉鎖が完了した後の閉鎖負荷の変化率など)から組織タイプを知ることに基づくことができる。組織のタイプ又は組織状態は、ジョー閉鎖中の組織の流れを閉鎖システムの力フィードバックと組み合わせることによって判定され得る。組織の流れは、組織インピーダンスを判定することによって更に精緻化され得る。本プロセスは、エンドエフェクタ2752のジョー内の剛体又は異物を検出するために採用され得る。
【0358】
別の態様では、制御回路2760は、ジョー閉鎖中に組織の流れを測定しながら、組織インピーダンスZの大きさを監視及び記録するように構成され得る。ジョー閉鎖アルゴリズムは、ナイフ/Iビーム2764の発射中の各変化の潜在的効果の指標として、閉鎖中の組織の移動を感知するために使用することができる。例えば、第1の閉鎖速度では、組織の流れの大きさ/方向が推定されてもよく、次いで、閉鎖速度が調節されてもよく、組織の流れの変化が制御回路2760によって追跡され、メモリに記録される。一態様では、制御回路2760は、組織がエンドエフェクタ2752の切断線2824内に完全に捕捉されることを確実にするように再配置する機会を可能にするフィードバックを外科医に提供するために、発射前に閉鎖組織流及び閉鎖力フィードバックを利用することによって発射後の組織の位置を予測するように構成され得る。
【0359】
様々な他の態様では、センサ監視及び処理回路2400の制御回路2760は、アルゴリズム2410を実行して、エンドエフェクタ2752内の様々なセンサ構成に基づいて組織を監視及び調査するように構成又はプログラムされ得る。
【0360】
一態様では、制御回路2760は、経時的に組織インピーダンスZを監視し、カートリッジ2768の長さに沿って構成されているセンサアレイS1~Snの単一電極又はセグメント電極にわたる組織インピーダンスZを追跡するように構成又はプログラムされ得る。
【0361】
他の態様では、制御回路2760は、組織インピーダンスZ分光を監視するように構成又はプログラムされ得る。これは、異なる周波数の掃引を利用し、電力及び周波数に対する組織インピーダンスZを監視して、組織2820の組成を判定することによって達成され得る。
【0362】
他の態様では、制御回路2760は、組織静電容量Cを監視するように構成又はプログラムされ得る。ジョーの組織特性及び間隙関係を利用して、エンドエフェクタ2752のジョー内に存在する組織2820の量を判定し得る。
【0363】
他の態様では、エンドエフェクタ2752のジョーは、アンビル2766及び/又はカートリッジ2768内に長手方向及び横方向に配置された光センサを含み得る。制御回路2760は、組織特性を判定するために、光透過率、屈折度、又はドップラー効果を監視するように構成され得る。本方法は、組織2820の表面状態を判定し、ジョーの間に捕捉された組織内の不規則性を監視するために、局所光屈折度を分析するステップを含み得る。本方法は、光のドップラー効果周波数を分析して、エンドエフェクタ2752のジョー内の組織の局所的な移動粒子を監視することを更に含み得る。
【0364】
1つの一般的な態様では、本開示は、カートリッジの状態又は動作を判定するために、少なくとも2つの内部カートリッジ構成要素位置を監視することができるセンサ及び電子回路を提供する。本開示はまた、カートリッジ内の構成要素の内部機能又はストローク位置を判定するために、カートリッジ内の構成要素の内部機能又は運動を監視するためのセンサ及び電子回路を提供する。一態様では、センサ及び電子回路は、感知されたパラメータから導出される情報をユーザに提供する。別の態様では、電子回路は、感知された状態に基づいてデバイスの機能状態(例えば、安全ロックアウト)を変更することができる。
【0365】
様々な態様では、カートリッジセンサ及び電子回路は、カートリッジ要素の動作を監視するように構成され、ステープルドライバ及びステープルの配備を検出して、ステープル配備の状態及び動作を監視するためのセンサ及び電子回路を含む。別の態様では、カートリッジセンサ及び電子回路は、エンドエフェクタのジョー内に捕捉された組織を監視及び調査するように構成されている。最後に、別の態様では、カートリッジセンサ及び電子回路は、冗長な安全性の尺度を作成するために使用することができるデータ集約の組み合わせを使用するように構成されている。これらの態様は、図面を伴う以下の説明でより詳細に説明される。
【0366】
外科用ステープル留めシステムのエンドエフェクタ4000の分解図を
図46に示す。エンドエフェクタ4000は、フレーム4002と、カートリッジジョー4004と、アンビル4006と、を備える。カートリッジジョー4004は、フレーム4002から固定されて延在する。アンビル4006は、カートリッジジョー4004に対して、開位置、つまりクランプ解除位置と、閉位置、つまりクランプ位置との間で移動可能である。代替的な態様では、カートリッジジョー4004は、アンビル4006に対して、開位置、つまりクランプ解除位置と、閉位置、つまりクランプ位置との間で移動可能である。少なくとも1つのかかる実施形態では、アンビル4006はフレーム4002から固定されて延在する。
【0367】
カートリッジジョー4004は、例えば、ステープルカートリッジ4008などステープルカートリッジを受容するように構成されているチャネル、つまりキャリア4022を含む。
図58を参照すると、ステープルカートリッジ4008は、カートリッジ本体4010を備える。カートリッジ本体4010は、患者組織を支持するように構成されているデッキ4012と、長手方向スロット4014と、デッキ内に画定された、6列の長手方向列のステープルキャビティ4016と、を備える。各ステープルキャビティ4016は、内部にステープルを受容し、着脱可能に格納するように構成されている。ステープルカートリッジ4008は、ステープルキャビティ4016からステープルを押し出すように構成されているステープルドライバ4028を更に備える。ステープルキャビティ、デッキ、及び/又はステープルの様々な他の構成を有する他のステープルカートリッジが、エンドエフェクタ4000と共に使用するために想定される。
【0368】
上記に加えて、ステープルカートリッジ4008は、ステープルドライバ4028に係合するように構成されているスレッド4018を更に備える。より具体的には、スレッド4018は、ステープルドライバ4028上に画定されたカムに係合し、またスレッド4018がステープルカートリッジ4008を通じて遠位に移動されるときにステープルキャビティ4016内のステープルドライバ4028及びステープルを持ち上げるように構成されている傾斜部4020を備える。発射部材は、ステープル発射ストローク中に、近位位置、未発射位置、つまり開始位置から遠位位置、発射位置、つまり終了位置へとスレッド4018を遠位に移動させるように構成されている。
【0369】
ステープルは、カートリッジ本体4010内のステープルドライバ4028によって支持されている。ステープルドライバ4028は、ステープルをステープルキャビティ4016から射出するために、第1の、すなわち未発射位置と、第2の、すなわち発射済み位置との間で移動可能である。ステープルドライバ4028は、パン又はリテーナ4030によってカートリッジ本体4010内に保持され、リテーナは、カートリッジ本体4010の下部の周囲に延び、カートリッジ本体4010を握把しかつリテーナ4030をカートリッジ本体4010に対して保持するように構成されている弾性部材4031を含む。ステープルドライバ4028は、スレッド4018によってそれらの未発射位置とそれらの発射済み位置との間で移動可能である。スレッド4018は、近位位置と遠位位置との間で移動可能である。スレッド4018は、ステープルドライバ4028の下を摺動して、ステープルドライバ4028及びその上に支持されたステープルを、アンビル4006の方向に持ち上げるように構成されている複数の傾斜面4020を有している。
【0370】
様々な実施例では、ステープルカートリッジ4008は、未発射のステープルカートリッジ4008とカートリッジチャネル又はキャリア4022との緊密な取付を確実とするように構成されている1つ以上の保持部材を含む。保持部材をステープルカートリッジ4008の発射中に動かすか又は他の形で修正することによって、発射済みのステープルカートリッジ4008とカートリッジチャネル又はキャリア4022との取付を弱めることができる。取付が弱められることで、ユーザが発射済みのステープルカートリッジ4008をカートリッジチャネル又はキャリア4022から容易に取り外すことができる。
【0371】
図46に示される実施例では、ステープルカートリッジ4008は、カートリッジチャネル又はキャリア4022内に着脱可能に設置される。ステープルカートリッジ4008は、ステープルカートリッジ4008の両側に2個の保持部材4037を含む。保持部材4037は、ステープルカートリッジ4008’とカートリッジチャネル又はキャリア4022との緊密な取付を維持するか、又は維持を助けるように構成されている。保持部材4037は、リテーナ4030の底面4019から延びることができる。様々な実施例では、保持部材4037はリテーナ4030の壁4039から離間しており、保持部材4037が壁4039に対して屈曲することが可能となっている。
【0372】
各保持部材4037は、未発射のステープルカートリッジ4008における付勢形態と、発射済みのステープルカートリッジ4008における非付勢又は弱付勢形態との間で移動可能な弾性部材の形態を有する。未発射のステープルカートリッジ4008では、保持部材4037は、カートリッジチャネル又はキャリア4022と係合するように付勢されることで、発射前カートリッジ取り外し負荷を維持するか又は維持を助ける。未発射のステープルカートリッジ4008をカートリッジチャネル又はキャリア4022から分離するには発射前カートリッジ取り外し負荷以上の負荷が必要とされる。
【0373】
各保持部材4037は、カートリッジチャネル又はキャリア4022の側壁4009に画定された凹部又は溝内に受容可能な第1の保持要素又は戻り止めを画定する第1の湾曲部分4044を含んでいる。第1の湾曲部分4044は、保持部材4037が付勢形態にある間、溝内に保持される。各保持部材4037は、保持部材4037が付勢形態にある間に少なくとも1つのステープルドライバ4028に接して押し当てられるように構成されている第2の保持要素戻り止めを画定する第2の湾曲部分4047を更に含む。様々な実施例では、各保持部材4037は、底面4019と交差する平面を画定し、第1の湾曲部分4044は、この平面の第1の側に第1の戻り止めを画定し、第2の湾曲部分4047は、この平面の第2の側に第2の戻り止めを画定する。
【0374】
一態様では、パン又はリテーナ4030は、リテーナ4030の基部4019に形成された長手方向スロット4054の両側に、長手方向に配置された第1のアレイに配列された第1の複数のセンサ4050を備える。第2のアレイに配置された第2の複数のセンサ4052は、長手方向スロット4054の片側に配置される。しかしながら、第2のセンサアレイ4052は、長手方向スロット4054の両側に配置され得ることが理解されるであろう。一般的な一態様では、第1のセンサアレイ4050は、可動ステープルドライバ4028の運動を検出するように構成され、より具体的には、第1のセンサアレイ4050は、移動可能なステープルドライバ4028の前進状態を感知して、ステープルキャビティ4016からステープルを駆動するように構成されている。一態様では、第2のセンサアレイ4052は、スレッド4018が長手方向スロット4054に沿って移動し、ステープルドライバ4028を作動させる際に、スレッドの運動を感知するように構成されている。
【0375】
一態様では、スレッド4018及び/又はステープルドライバ4028は、強磁性材料から形成され得るか、又は強磁性粒子で埋め込まれ得る。第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052は、カートリッジ基部4019のパン又はリテーナ4030内に位置付けられ得る。スレッド4018及び/又はステープルドライバ4028の移動は、ステープルドライバ4028の下の第1のセンサアレイ4050及び/又は第2のセンサアレイ4052内に電流(信号)を誘導して、
図47に記載される電子回路4074によって検出可能な信号を生成する。スレッド4018及びステープルドライバ4028、並びに第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052のこの構成により、電子回路4074は、ステープルドライバ4028の位置及び速度、及び/又はスレッド4018の位置及び速度を判定することができる。
【0376】
図46及び47を参照すると、ステープルカートリッジ4008はカートリッジ回路4044を含む。カートリッジ回路4024は、記憶媒体4026と、複数の外部電気接点4028を含むカートリッジコネクタ領域4017と、トレース要素4034を含むカートリッジ状態回路部4032と、を含む。記憶媒体4026は、例えば、発射状態、ステープルの種類、ステープルサイズ、カートリッジバッチ番号、及び/又はカートリッジの色を含むステープルカートリッジ4008の様々な特性などステープルカートリッジ4008に関する情報を記憶するメモリであり得る。
【0377】
図47は、本開示の少なくとも1つの態様による、カートリッジベース4019のパン又はリテーナ4030内に位置付けられた第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052の概略図であり、第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052は、電子回路4074に結合されて示されている。図示されるように、第1のセンサアレイ4050は、パン又はリテーナ4030内に画定されたスロット4054の両側に長手方向に配置される。第2のセンサアレイ4052は、スロット4054の片側に沿って長手方向に配置されるが、他の態様では、第2のセンサアレイ4052は、第1のセンサアレイ4050と同様にスロット4054の両側に配置され得る。
【0378】
ここで
図46及び
図47を参照すると、一態様では、第1のセンサアレイ4050は、ステープルドライバ4028がスレッド4018によって未発射位置と発射位置との間で移動する際に、ステープルドライバの移動を検出するように構成されている複数の要素を備える。上述のように、ステープルドライバ4028は、強磁性材料で作製され得、又は第1のセンサアレイ4050内の要素によって検出される強磁性材料が埋め込まれ得る。一態様では、ステープルドライバ4028の移動は、ステープルドライバ4028の下に位置する第1のアレイセンサ4050に電流(信号)を誘導する。したがって、第1のセンサアレイ4050は、ステープルドライバ4028の位置及び速度を検出することができる。一態様では、第1のセンサアレイ4050は、半導体ストリップから構築された複数のホールセルを備え得る。他の態様では、第1のセンサアレイ4050は、複数のホールセンサ素子を備え得る。他の態様では、第1のセンサアレイ4050は、カートリッジ4008内の強磁性要素を移動させることによって生成される磁場を検出するように構成されている他のセンサ素子を備え得る。
【0379】
依然として
図46及び
図47を参照すると、一態様では、第2のセンサアレイ4052は、スレッド4018又は組織切断ナイフの移動を検出するように構成されている複数の要素を備え、それは、ステープルカートリッジ4008のスロット4014に沿って移動する。上述したように、スレッド4018スレッド又は組織切断ナイフは、強磁性材料から作製され得るか、又は第2のセンサアレイ4052内の要素によって検出される強磁性材料に埋め込まれ得る。一態様では、スレッド4018又は切断ナイフの移動は、第2のアレイセンサ4052がスロット4054に沿って移動する際に、第2のアレイセンサ内に電流(信号)を誘導する。したがって、第2のセンサアレイ4052は、スレッド4018又は切断ナイフの位置及び速度を検出することができる。一態様では、センサアレイ4052は、半導体ストリップから構築された複数のホールセルを備えることができる。他の態様では、第2のセンサアレイ4052は、複数のホールセンサ素子を備え得る。他の態様では、第2のセンサアレイ4052は、カートリッジ4008内の強磁性要素を移動させることによって生成される磁場を検出するように構成されている他のセンサ素子を備え得る。
【0380】
更に
図46及び
図47を参照すると、第1のセンサアレイ4050は、ステープルドライバ4028の運動によって生成される信号4058を処理するための制御回路4062に結合される。第1のセンサアレイ4050によって生成される信号4058は、電圧、電流、抵抗、インピーダンス、静電容量、インダクタンス、周波数、位相などを含み得る。第1のセンサアレイ4050の個々のセンサ素子は、制御回路4062によってマルチプレクサ4056によって選択され、選択線4066を介して論理/アナログデジタル変換器(ADC)回路4060によって選択される。選択されたセンサ素子の出力信号4058は、論理/ADC回路4060のADC部分へのマルチプレクサ4056の出力4068に送られる。第1のセンサアレイ4050内の選択されたセンサ素子の出力信号4058のデジタル出力値は、データ線4064を介して制御回路4062によって読み取られる。値は、制御回路4062に結合されたメモリ4066に記憶され得る。
【0381】
第2のセンサアレイ4052は、スレッド4018又は組織切断ナイフの運動によって生成される信号4070を処理するために、制御回路4062に結合される。第2のセンサアレイ4052によって生成される信号4070は、電圧、電流、抵抗、インピーダンス、静電容量、インダクタンス、周波数、位相などを含むことができる。第2のセンサアレイ4052の個々のセンサ素子は、制御回路4062によってマルチプレクサ4056によって選択され、選択線4066を介して論理/ADC回路4060によって選択される。選択されたセンサ素子の出力信号4070は、論理/ADC回路4060のADC部分へのマルチプレクサ4056の出力4068に送られる。第2のセンサアレイ4052内の選択されたセンサ素子の出力信号4070のデジタル出力値は、データ線4064を介して制御回路4062によって読み取られる。値は、制御回路4062に結合されたメモリ4066に記憶され得る。
【0382】
様々な態様では、制御回路4062は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサに第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052から受信された信号を処理させる命令を実行するための他の適切なプロセッサを備えることができる。他の態様では、制御回路4062は、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリートロジック、又は他のハードウェア回路、ソフトウェア、及び/又はファームウェア、又は以下の説明で説明される機能を実施するための他の機械実行可能命令などのアナログ又はデジタル回路を備え得る。制御回路4062は、データ及び/又は機械実行可能命令を記憶するためのメモリ4066に結合される。様々な態様では、制御回路4062及びメモリ4066は、カートリッジ4008内に位置し得る。他の態様では、制御回路4062及びメモリ4066は、カートリッジ4008から離れて位置し、有線又は無線通信技術を介して電子回路4074の他の構成要素に結合され得る。他の態様では、メモリ4066は、カートリッジ4008内に位置してもよく、制御回路4062は、カートリッジ4008から離れて位置し、有線又は無線接続技法を介して電子回路4074に結合され得る。
【0383】
依然として
図46及び
図47を参照すると、組織切断ナイフがIビームに一体化される代わりにカートリッジ4008内に収容される構成では、ナイフは、強磁性材料として機能することができる。同じ原理を、ステープルパン又はリテーナ4030、Iビーム、及びアンビル4006に適用することができる。いくつかの態様では、ステープルは、チタン又はチタン合金で作成され得る。しかしながら、ステープルが強磁性材料で作られている場合、同じ原理をステープルに適用することもできる。
【0384】
例えば、ステープルドライバ4028及びスレッド4018などの測定された構成要素の運動が、所望の不適切なデバイス状態、不良なステープル形成などから逸脱する場合、出血、漏れなどの合併症につながり得る。したがって、制御回路4062は、第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052から得られた読み取り値に基づいて適切な動作からの逸脱を検出し、動作の次のステップが開始する前にデバイスの機能に介入してデバイスの動作を改善するようにプログラム又は構成され得る。例えば、ステープルドライバ4028が意図された距離を移動しない場合、ステープル形成が損なわる可能性がある。スレッド4018が意図された距離を移動しない場合、ステープルラインは完全ではない可能性がある。したがって、制御回路4062は、第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052から取得された測定信号4058、4070を処理して、カートリッジ4008を認証し、それが(次善の)コピーではないことを保証することができる。加えて、制御回路4062は、第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052から取得された測定信号4058、4070を処理して、カートリッジ4008が適切に装填されたか、ステープルパン又はリテーナ4030が取り外されたか、カートリッジ4008が既に発射されたかなどを含む装置状態を判定し得る。
図48及び
図49を参照して以下に説明される追加の回路は、ステープル脚部がステープルポケットに接触しないなど、不良ステープル形成が発生し得るかどうかを判定するために制御回路4062によって採用され得、これは、その領域における漏れの可能性を高める可能性がある。制御回路4062によって監視され得る他の条件としては、例えば、スレッド4018及び組織切断ナイフを発射する前に、アンビル4006が完全に閉鎖されているかどうかを判定することが挙げられる。
【0385】
ここで主に
図48及び49を参照し、再び
図46及び47を参照すると、アンビル4006は、本開示の1つ以上の態様による、導電性回路要素4314を含むステープル形成ポケット4310を備える。
図49は、本開示の1つ以上の態様による、ステープル脚部の適切な形成中に導電性回路要素4314がステープル脚部によって切断された後の、
図48のステープル形成ポケット4310の斜視図を示す。
【0386】
図48に示すように、ステープル形成ポケット4310は、外側縁部4326で組織接触面4308と交差する凹状面4324を備える。導電性回路要素4314は、適切に形成されたステープルの経路内の凹状面4324に位置付けることができる。側壁4328は、凹状面4324と共に、ステープル脚部の形成トラック3325を画定する。凹状面4324は、第1の接触部分4330と、深い部分4332と、端部分4334とを含む。第1の接触部分4330は、ステープル脚部がステープル形成ポケット4310に進入するときに、ステープル脚部の先端部と最初に接触するように構成されている。次いで、ステープル脚部は、凹状面4324の深い部分4332及び端部分4334に沿って進む形成トラック4325をたどるときに曲げられる。端部分4334は、ステープル脚部をステープルの基部に向かって誘導する。
【0387】
図48に示すように、導電性回路要素4314は、形成トラック4325を横断して位置付けることができる。第1の接触部分4330との接触の成功は、ステープル脚部の適切な形成の可能性を高めるので、第1の接触部分4330を越えた位置で、導電性回路要素4314を形成トラック4325に配置することは、適切なステープル又は不適切なステープルの形成を検出する精度を向上させる。
【0388】
少なくとも1つの実施例では、導電性回路要素4314は、第1の接触部分4330と深い部分4332との間の形成トラック4325に配置される。少なくとも1つの実施例では、導電性回路要素4314は、深い部分4332と端部分4334との間の形成トラック4325に配置される。少なくとも1つの実施例では、導電性回路要素4314は、深い部分4332内の形成トラック4325に配置される。少なくとも1つの実施例では、導電性回路要素4314は、深い部分4332の中心又は実質的に中心の形成トラック4325に配置される。少なくとも1つの実施例では、導電性回路要素4314は、形成トラック4325の最も深い区画の形成トラック4325に配置される。少なくとも1つの実施例では、導電性回路要素4314は、端部分4334よりも第1の接触部分4330に近い凹状面4324に位置付けられる。少なくとも1つの実施例では、導電性回路要素4314は、第1の接触部分4330よりも凹状面4324に近い端部分4334に位置付けられる。
【0389】
特定の事例では、電気回路は、適切に形成されるステープルの経路内に位置付け、電子回路4074に結合することができる(
図47)。電子回路4074は、導電性回路要素4314の連続性を検出して、ステープルがステープル形成ポケット4310内で適切に成形されたかどうかを判定するように構成されている。そのような事例では、電気回路の電気的導通の遮断は、ステープルが適切に形成されたという指示として電子回路4074によって解釈することができる一方、電子回路の電気的導通の持続は、ステープルが不適切に形成されたという指示として電子回路4074によって解釈することができる。他の場合では、電気回路は、不適切に形成されたステープルの可能性の高い経路内に位置付けることができる。そのような他の事例では、電気回路の電気的導通の遮断は、ステープルが不適切に形成されたという指示として解釈することができ、一方で、電気回路の電気的導通の持続は、ステープルが適切に形成されたという指示として電子回路4074によって解釈することができる。
【0390】
図48を参照すると、電気回路は、ステープル脚部が形成される際にステープル脚部によって切断されたときに電気回路の遮断を引き起こす1つ以上の導電性回路要素4314を含むことができる。電気回路の導電性回路要素4314は、適切に形成されたステープル脚部の経路内に位置付けることができる。導電性回路要素4314の切断は、
図49に示されるように、ステープルが適切に形成されたという指示として解釈することができる。他の事例では、電気回路の導電性回路要素4314は、不適切に形成されたステープルの可能性の高い経路内に位置付けることができる。そのような事例では、導電性回路要素4314の切断は、ステープルが不適切に形成されたという指示として電子回路4074によって解釈することができる。
【0391】
図46~49を参照すると、一態様では、制御回路4062は、組織を監視及び調査するようにプログラム又は構成され得る。一態様では、制御回路4062は、エンドエフェクタ4000内のステープルカートリッジ4008のパン又はリテーナ4030部分内に位置する第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052の出力信号4058、4070を読み取ることによって磁場を監視するようにプログラム又は構成され得る。第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052は、カートリッジ4008の境界内に位置する磁気構造を監視するために、又はカートリッジ4008の外側の磁場を監視若しくは空気力学的に監視するために、パン又は保持器4030部分内に配置され得る。制御回路4062は、関連する説明として
図48及び
図49で説明されるように、ステープル形成ポケット4310に接触するステープル脚部を検出するように更にプログラム又は構成され得る。制御回路4062は、ステープル形成ポケット4310に接触するステープル脚部の検出を、第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052から受信した信号4058、4070と組み合わせて考慮して、カートリッジ4008の状態を判定してもよく、例えば、特に、カートリッジ4008が適切に装填されたかどうか、ステープルパン又はリテーナ4030が取り外されたかどうか、カートリッジ4008が既に発射されたかどうか、ステープルが適切に形成されたかどうか、ステープルドライバ4028の位置及び速度、及び/又はスレッド4018の位置及び速度を判定してもよい。ステープル形成を検出するための更なる技術は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,456,137号、発明の名称「STAPLE FORMATION DETECTION MECHANISMS」に記載されている。
【0392】
図50は、本開示の少なくとも1つの態様による、第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052からの信号4058、4070を監視及び処理するように構成されている電子回路4074を備える遠位側センサプラグ4816を示す。遠位側センサプラグ4816は、メモリセンサ4810と電子回路4074とを備える。遠位側センサプラグ4816は、可撓性基板4814を更に備える。センサ4810及び電子回路4074は、通信することができるように、可撓性基板4814に動作可能に結合されている。追加のスマートカートリッジ技術は、米国特許第9,993,248号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0393】
図46~
図50を参照すると、一態様では、カートリッジ4008の動作を監視するために使用される、ステープルドライバ4028、スレッド4018、及び他の要素のカートリッジ4008特徴感知は、冗長な安全性の尺度を作成するために、他のデータ集約と組み合わせて使用され得る。したがって、カートリッジ4008に転送されたデータ及びカートリッジ4008上で局所的に感知されたデータの組み合わせ又はハイブリッドは、安全コンテキスト解決のために制御回路4062によって処理され得る。
【0394】
一態様では、集約データの組み合わせは、機械的に導出されたデータソース及び機器ロックアウトデータソースから制御回路4062によって取得され得る。データの組み合わせは、カートリッジ4008又は他のエンドエフェクタ4000の構成要素の真正性、安全性、及びデータ値を判定するために、制御回路4062によって処理され得る。例えば、機械的ロックアウトは、力検出のための安全システムとして機能する。一態様では、本明細書で説明されるように、未発射再装填の存在を識別し、エンドエフェクタ4000内に装填されたカートリッジ4008のタイプのあるレベルの識別を識別するために、カートリッジ4008内に力機構が提供され得る。デジタル検出の失敗が依然としてデバイスの安全な動作を可能にすることを確実にするために、機械的ロックアウトが併せて存在する。これは、例えば、同じシステムの一部として、又は別個のシステムとしてもよい。
【0395】
別の態様では、集約されたデータの組み合わせは、異なるデータチャネル上に位置する複数の無線周波数識別(RFID)タグ又は1ワイヤメモリから制御回路4062によって取得され得る。データの組み合わせは、カートリッジ4008又は他のエンドエフェクタ4000の構成要素の真正性、安全性、及びデータ値を判定するために、制御回路4062によって処理され得る。カートリッジ4008の真正性は、セキュリティのための複数のRFID又は1ワイヤメモリソースの組み合わせによって判定され得る。システム内の冗長性を保証するためにカートリッジ4008内に複数のデータチャネルを使用することによって、安全性が達成され得る。一態様では、すべてのシステム障害/課題が成功裏に緩和されない限り、読み取りは確立されるべきではない。
【0396】
更に別の態様では、集約データの組み合わせは、機械的ロックアウトデータと組み合わせて、少なくとも1つのRFIDタグ又は1ワイヤメモリから制御回路4062によって取得され得る。データの組み合わせは、カートリッジ4008又は他のエンドエフェクタ4000の構成要素の真正性、安全性、及びデータ値を判定するために、制御回路4062によって処理され得る。真正性は、上記で説明されるように、メモリデバイスの暗号化及びカートリッジ4008機械的ロックアウト内の力特徴の埋め込みによって判定され得る。更に、機械的ロックアウトは、メモリデバイスのための安全システムとして働く。
【0397】
更に別の態様では、集約データの組み合わせは、制御回路4062によって、少なくとも1つのRFIDタグ又は1ワイヤメモリから、力検出データと組み合わせて取得され得る。データの組み合わせは、カートリッジ4008又は他のエンドエフェクタ4000の構成要素の真正性、安全性、及びデータ値を判定するために、制御回路4062によって処理され得る。真正性は、メモリデバイスの暗号化及び力検出特徴の存在によって判定され得る。安全は、適切なシステム機能の力検出確認によって達成され得る。すべてのシステム障害/課題が正常に緩和された場合にのみ機能する必要がある。
【0398】
更に別の態様では、集約されたデータの組み合わせは、機械的ロックアウトデータと組み合わせて複数のRFIDタグから制御回路4062によって取得され得る。データの組み合わせは、カートリッジ4008又は他のエンドエフェクタ4000の構成要素の真正性、安全性、及びデータ値を判定するために、制御回路4062によって処理され得る。真正性は、セキュリティデバイスのための複数のメモリソース及び機械的ロックアウトの存在を採用することによって判定され得る。機械的ロックアウトは、メモリデバイスの安全システムとして機能する。
【0399】
更に別の態様では、集約されたデータの組み合わせは、メモリアクセスが制限されるメモリソース及び力検出データから制御回路4062によって取得され得る。メモリソースデータは、メモリソース及び力検出をロック解除するために使用される。メモリアクセス及び力検出データをロック解除するために、同調回路が採用され得る。力検出データは、メモリ読み出しを認証するための入力値として使用され得る。
【0400】
集約されたデータの上述の処理の各々は、例えば、FPGA及びASIC(特定用途向け集積回路)を含むデジタル論理を備えるハードウェアベースのプログラマブル論理リスク緩和戦略に基づいてもよい。
【0401】
図51は、本開示の少なくとも1つの態様による、カートリッジ構成要素の運動状態を検出及び追跡するためにステープルカートリッジ4000の内部システムを監視する方法4100である。少なくとも2つの内部カートリッジ4008構成要素位置を監視してカートリッジ4008の状態又は動作を判定し、結合された発射アクチュエータの状態、動作、又は現在のストローク位置を判定し、感知されたパラメータから導出される情報をユーザに提供し、感知された状態に基づいてデバイスの機能状態(例えば、安全ロックアウト)を変更するように構成されているセンサシステムを説明してきたが、次に、
図51に示すようなカートリッジ4008内の構成要素の内部機能又は運動を監視する方法4100について記載する。方法4100は、
図46~
図50を参照して、より詳細には
図47を参照して説明されるように、電子回路4074の制御回路4062によって実装され得る。
【0402】
本方法によれば、制御回路4062は、外科用器具のステープルカートリッジ4008内に位置する構成要素の第1の内部機能又は運動を監視するように構成されている第1のセンサアレイ4050からデジタル化信号4058のサンプルを受信する(4102)ようにプログラム又は構成されている。第1のセンサアレイ4050は、カートリッジ4008内に配置され、カートリッジ4008内に位置する第1の構成要素の場所又は運動を感知する。例として、上述したように、第1のセンサアレイ4050は、カートリッジ4008のパン又はリテーナ4030上に配置され、ステープルドライバ4028の位置又は運動を感知するように構成されている。ステープルドライバ4028及びスレッド4018の情報に加えて、制御回路4062は、ステープル形成ポケット4310の導電性回路要素4314から信号を受信して、ステープル脚部の適切な形成を判定し得る。
【0403】
方法4100によれば、制御回路4062は、ステープルカートリッジ4008内に位置する構成要素の第2の内部機能又は運動を監視するように構成されている第2のセンサアレイ4052からデジタル化信号4070のサンプルを受信する(4104)ようにプログラム又は構成されている。第2のセンサアレイもまた、カートリッジ4008内に配置され、カートリッジ4008内に位置する第2の構成要素の場所又は運動を感知する。例として、第2のセンサアレイ4052は、カートリッジ4008のパン又はリテーナ4030内に配置され、スレッド4018の位置又は運動を感知するように構成されている。本開示全体を通して論じられるように、発射アクチュエータは、スレッド4018及び組織切断ナイフに結合される。したがって、第2のセンサアレイ4052によって感知されるスレッド4018の位置及び速度は、制御回路4062によって処理されて、発射アクチュエータ及び/又は組織切断ナイフの状態、動作、又は現在のストローク位置を判定し得る。
【0404】
方法4100によれば、制御回路4062は、第1のセンサアレイ4050及び第2のセンサアレイ4052から受信した(4102、4104)信号4058、4070サンプルを処理して(4106)、ステープルカートリッジ4008の状態を判定するようにプログラム又は構成されている。制御回路4062は、処理された信号サンプルから導出される情報を外科用器具のユーザに提供する(4108)ようにプログラム又は構成されている。方法4100によれば、制御回路4062は、処理された信号サンプルに基づくカートリッジ4008の感知された状態に基づいて、外科用器具の機能状態(例えば、安全ロックアウト)を変更する(4110)ようにプログラム又は構成されている。
【0405】
また、一例として、上述したように、制御回路4062は、カートリッジ4008に関連付けられた真正性、安全性、及びデータ値を判定するために、機械的ロックアウト機構、力測定、RFIDタグ、1ワイヤ又は他のメモリデバイスを含むがこれらに限定されない、複数のソースからのデータを受信し得る。
【0406】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの配置及び変形に関連して説明されてきたが、本明細書に記載されている実施形態は、そのように限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結具を配置する様々な実施形態が想到される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するよう構成されている電極を備えることができる。同様に、例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを印加することができる。
【0407】
以下の開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、
-2006年2月21日発行の米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、
-2008年9月9日発行の米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、
-2008年12月16日発行の米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、
-2010年3月2日発行の米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、
-2010年7月13日発行の米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、
-2013年3月12日発行の米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、
-米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」(現在は、米国特許第7,845,537号)、
-2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、
-2008年2月15日出願の米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」(現在は、米国特許第7,980,443号)、
-米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」(現在は、米国特許第8,210,411号)、
-米国特許出願第12/235,972号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,050,083号)。
-米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(現在は、米国特許第8,608,045号)、
-2009年12月24日出願の米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」(現在は、米国特許第8,220,688号)、
-2012年9月29日出願の米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、(現在は、米国特許第8,733,613号)、
-2011年2月28日出願の米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、(現在は、米国特許第8,561,870号)、
-米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,072,535号)、
-2012年6月15日出願の米国特許出願第13/524049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」(現在は、米国特許第9,101,358号)、
-2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(現在は、米国特許第9,345,481号)、
2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2014/0263552号)、
-2006年1月31日出願の米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、及び
-2010年4月22日出願の米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」(現在は、米国特許第8,308,040号)。
【0408】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ以上の実施形態で、任意の好適な様式で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体的に、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態をすべて包含することが意図される。
【0409】
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組立工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組立することができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、すべて本出願の範囲内にある。
【0410】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、ガンマ線、x線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開封されるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、ベータ線、ガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0411】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的な原理を使用して本発明の任意の変形、使用、又は適合を網羅することを意図している。
【0412】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
【0413】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0414】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0415】
本開示の1つ以上の態様で使用されるように、マイクロコントローラは、一般に、メモリと、メモリに動作可能に結合されたマイクロプロセッサ(「プロセッサ」)とを備え得る。プロセッサは、例えば、モータの位置及び速度を制御するのに一般的に利用されるモータドライバの回路を制御し得る。特定の事例では、プロセッサは、例えば、モータを停止及び/又は無効化するように、モータドライバに信号伝達することができる。特定の事例では、マイクロコントローラは、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも一例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートから容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。
【0416】
プロセッサという用語は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブル素子である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。少なくとも1つの事例では、プロセッサは、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。それにもかかわらず、マイクロコントローラ及び安全プロセッサに好適な他の置換品も制限なく用いることができる。
【0417】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリデバイス内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0418】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0419】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0420】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信デバイスは、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0421】
本明細書の任意の態様で使用されるように、例えば、データ信号の無線通信又は無線転送などの無線伝送は、1つ以上のトランシーバを含むデバイスによって達成され得る。送受信機には、セルラモデム、無線メッシュネットワーク送受信機、Wi-Fi(登録商標)送受信機、低電力ワイドエリア(LPWA)送受信機、及び/又は近距離無線通信送受信機(NFC)を含むことができるが、これらに限定されない。デバイスは、携帯電話、センサシステム(例えば、環境、位置、運動など)及び/又はセンサネットワーク(有線及び/又は無線)、コンピューティングシステム(例えば、サーバ、ワークステーションコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(登録商標)及びGalaxyTab(登録商標)など)、超携帯型コンピュータ、超モバイルコンピュータ、ネットブックコンピュータ、及び/又はサブノートコンピュータなどを含むことができるか、又はこれらと通信するように構成することができる。本開示の少なくとも1つの態様では、装置のうちの1つはコーディネータノードであってもよい。
【0422】
送受信機は、それぞれの汎用非同期送受信機(UART)を介してプロセッサからシリアル送信データを受信して、シリアル送信データをRF搬送波上に変調して送信RF信号を生成し、それぞれのアンテナを介して送信RF信号を送信するように構成され得る。送受信機(単数又は複数)は、対応するアンテナを介してシリアル受信データで変調されたRF搬送波を含む受信RF信号を受信し、シリアル受信データを抽出するために受信RF信号を復調し、プロセッサに提供するためにシリアル受信データを対応するUARTに提供するように更に構成することができる。各RF信号は、関連する搬送波周波数及び関連するチャネル帯域幅を有する。チャネル帯域幅は、搬送波周波数、送信データ、及び/又は受信データに関連付けられている。各RF搬送波周波数及びチャネル帯域幅は、送受信機(複数可)の動作周波数範囲(複数可)に関連する。各チャネル帯域幅は、送受信機(複数可)が順守し得る無線通信規格及び/又はプロトコルに更に関連する。換言すれば、各送受信機は、選択された無線通信規格及び/又はプロトコル、例えば、Wi-Fi(登録商標)のためのIEEE 802.11a/b/g/n及び/又はZigbeeルーティングを使用する無線メッシュネットワークのためのIEEE 802.15.4の実装に対応し得る。
【0423】
1つ以上の駆動システム又は駆動アセンブリは、本明細書に説明されるように、1つ以上の電気モータを採用する。様々な形態では、電気モータは、例えば、DCブラシ付き駆動モータであってもよい。他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。電気モータは、1つの形態にて着脱可能なパワーパックを備え得る電源により、給電され得る。電池はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(「LI」)又は他の好適な電池を含み得る。電気モータは、例えば、歯車減速機アセンブリと動作可能にインターフェース接続する回転可能シャフトを含むことができる。特定の事例では、使用の際、電源によって提供される電圧極性によって電気モータを時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータを反時計方向に動作させるために反転させることができる。様々な態様では、マイクロコントローラは、パルス幅変調制御信号を介してモータドライバを通じて電気モータを制御する。モータドライバは、電気モータの速度を時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかに調整するように構成することができる。モータドライバはまた、電子モータ制動モード、定速モード、電子クラッチモード、及び制御電流作動モードを含む複数の動作モード間で切り替わるように構成されている。電子制動モードでは、駆動モータ200の2つの端子が短絡され、生成された逆EMFが電気モータの回転に対抗して、より速い停止及びより高い位置精度を可能にする。
【0424】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0425】
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0426】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0427】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0428】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する(responsive to)」、「~に関連する(related to)」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0429】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の特徴部、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしもすべてが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0430】
本明細書では、特に指示がない限り、本開示で使用される「約」又は「およそ」という用語は、特に指定されない限り、当業者によって決定される特定の値に対する許容誤差を意味し、これは、値が測定又は決定される方法に部分的に依存する。ある特定の実施形態では、「約」又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4つの標準偏差を意味する。ある特定の実施形態では、「約」又は「およそ」という用語は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0431】
本明細書においては、別途示されない限り、すべての数値パラメータは、すべての場合において、「約」なる語により先行及び修飾されているものとして理解すべきであり、かかる数値パラメータは、パラメータの数値を求めるために用いられる基礎となる測定法に固有の変動特性を有するものである。少なくとも、特許請求の範囲の範囲に対して均等論の適用を制限する試みとしてではなく、本明細書に記載される各数値パラメータは、報告された有効数字を考慮し、通常の四捨五入の手法を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。
【0432】
また、本明細書に記載される任意の数値範囲は、記載された範囲内に包含されるすべての部分範囲を含む。例えば、「1~10」の範囲には、記載された最小値である1と記載された最大値である10との間(かつ最小値と最大値を含む)のすべての部分範囲、すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有するすべての部分範囲が含まれる。同様に、本明細書に記載されるすべての範囲は、記載された範囲の終点を含む。例えば、「1~10」の範囲は、終点1及び10を含む。本明細書に記載されるあらゆる最大の数値限界は、これに包含されるすべてのより小さい数値限界を含むことを意図し、本明細書に記載されるあらゆる最小の数値限界は、これに包含されるすべてのより大きい数値限界を含むことを意図している。したがって、出願人は、明示的に記載された範囲内に包含されるあらゆる明示的に記載された部分範囲を含むように、特許請求の範囲を含む本明細書を補正する権利を有するものである。すべてのそのような範囲は、本来、本明細書中に記載されている。
【0433】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0434】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0435】
〔実施の態様〕
(1) 患者組織を治療するためのステープル留めアセンブリであって、
ステープル留め器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延びるシャフトと、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタと、
電源と、
前記電源と通信する電力回路であって、前記エンドエフェクタ内に電力コイルを備える、電力回路と、を備えるステープル留め器具と、
前記第1のジョーに設置可能なステープルカートリッジであって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体内に着脱可能に格納されているステープルと、
第1の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョー内に設置されているときに前記電力コイルによって給電され、前記ステープルカートリッジに関するデータを含む近距離無線通信タグを備える、第1の電子回路と、
第2の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記ジョー内に設置されているときに前記電力コイルによって給電され、前記ステープルカートリッジと前記第2のジョーとの中間に位置付けられた患者組織のパラメータを監視するように構成されている、第2の電子回路と、を備える、ステープルカートリッジと、を備えるステープル留めアセンブリ。
(2) 前記第1のジョーが、前記第2のジョーに対して回転可能である、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(3) 前記第2のジョーが、前記第1のジョーに対して回転可能である、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(4) 前記第1の電子回路が、別個のデータ送信機を備える、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(5) 前記第1の電子回路が、メモリ回路と、前記メモリ回路に記憶されたデータを断続的に放出するように構成されているデータ伝送回路と、を備える、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
【0436】
(6) 前記ステープル留め器具が、前記第1の電子回路と通信するように構成されている第1のアンテナ回路を備え、前記第1のアンテナ回路が、問い合わせ信号を前記第1の電子回路に供給するように動作可能であり、前記第1の電子回路が、前記問い合わせ信号の受信に応答して前記データを放出するように構成されている、実施態様5に記載のステープル留めアセンブリ。
(7) 前記第2の電子回路が、データを連続的に放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(8) 前記第2の電子回路が、前記ステープル留め器具からのプロンプトなしにデータを放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(9) 前記第1の電子回路が、第1の割合の電力を引き込むように構成されている第1の複数の構成要素を備え、前記第2の電子回路が、第2の割合の電力を引き込むための第2の複数の構成要素を備え、前記第1の割合の電力と前記第2の割合の電力とが異なる、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(10) 前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備えていない、実施態様9に記載のステープル留めアセンブリ。
【0437】
(11) 前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備えていない、実施態様9に記載のステープル留めアセンブリ。
(12) 前記ハウジングが、ハンドルを備える、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(13) 前記ハウジングが、ロボット外科用器具に取り付けられるように構成されている、実施態様1に記載のステープル留めアセンブリ。
(14) 患者組織を治療するためのステープル留めアセンブリであって、
ステープル留め器具であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延びるシャフトと、
第1のジョー及び第2のジョーを備えるエンドエフェクタと、
電源と、
前記電源と通信する電力回路であって、電力コイルシステムを備える、電力回路と、を備えるステープル留め器具と、
前記第1のジョーに設置可能なステープルカートリッジであって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体内に着脱可能に格納されているステープルと、
第1の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに前記電力コイルシステムによって給電される、第1の電子回路と
第2の電子回路であって、前記ステープルカートリッジが前記ジョーに設置されているときに前記電力コイルシステムによって給電される、第2の電子回路と、を備えるステープルカートリッジと、を備えるステープル留めアセンブリ。
(15) 前記第1の電子回路が、前記ステープルカートリッジに関する少なくとも1つのデータを含む近距離無線通信タグを備え、前記第2の電子回路が、前記ステープルカートリッジと前記第2のジョーとの中間に位置付けられた患者組織のパラメータを監視するように構成されている、実施態様14に記載のステープル留めアセンブリ。
【0438】
(16) 前記第1の電子回路が、別個のデータ送信機を備える、実施態様14に記載のステープル留めアセンブリ。
(17) 前記第1の電子回路が、メモリ回路と、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに前記メモリ回路に記憶されたデータを断続的に放出するように構成されているデータ伝送回路とを備える、実施態様14に記載のステープル留めアセンブリ。
(18) 前記ステープル留め器具が、前記第1の電子回路と通信するように構成されている第1のアンテナ回路を備え、前記第1のアンテナ回路が、問い合わせ信号を前記第1の電子回路に供給するように動作可能であり、前記第1の電子回路が、前記問い合わせ信号の受信に応答して前記データを放出するように構成されている、実施態様17に記載のステープル留めアセンブリ。
(19) 前記第2の電子回路が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョー内に設置されているときにデータを連続的に放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、実施態様14に記載のステープル留めアセンブリ。
(20) 前記第2の電子回路が、前記ステープル留め器具からのプロンプトなしにデータを放出するように構成されているデータ伝送回路を備える、実施態様14に記載のステープル留めアセンブリ。
【0439】
(21) 前記第1の電子回路が、第1の割合の電力を引き込むように構成されている第1の複数の構成要素を備え、前記第2の電子回路が、第2の割合の電力を引き込むように構成されている第2の複数の構成要素を備え、前記第1の割合の電力と前記第2の割合の電力とが異なる、実施態様14に記載のステープル留めアセンブリ。
(22) 前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されているときに連続的に電力を引き込む構成要素を備えていない、実施態様21に記載のステープル留めアセンブリ。
(23) 前記第1の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備え、前記第2の複数の構成要素が、前記ステープルカートリッジが前記第1のジョーに設置されている間、連続的な電力の流れを必要とする構成要素を備えていない、実施態様21に記載のステープル留めアセンブリ。
【国際調査報告】