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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】高周波数で高出力の薄膜部品
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240220BHJP
   H01P 5/12 20060101ALI20240220BHJP
   H01P 1/22 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
H01L27/04 P
H01P5/12 B
H01P1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552088
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022017208
(87)【国際公開番号】W WO2022182620
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/154,045
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523271583
【氏名又は名称】キョーセラ・エーブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】コリー・ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルゲ・コロニー
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AR07
5F038AR12
5F038AR25
5F038EZ14
5F038EZ20
(57)【要約】
抵抗分配器は、モノリシック基板と、モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層とを含み得る。抵抗分配器は、第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含み得、それぞれが、パターニングされた抵抗層に接続されている。抵抗分配器は、パターニングされた抵抗層の一部の上方に形成された少なくとも1つの周波数補償導電層を含み得る。いくつかの実施形態では、抵抗分配器は、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、第1の端子と第2の端子との間に約-10dBよりも大きい第1の挿入損失応答を示し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシック基板と、
前記モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層と、
前記パターニングされた抵抗層にそれぞれ接続されている、第1の端子、第2の端子、および第3の端子と、
前記パターニングされた抵抗層の一部の上方に形成された少なくとも1つの周波数補償導電層と
を備える抵抗分配器。
【請求項2】
前記パターニングされた抵抗層が、前記第1の端子と前記第2の端子との間に第1の抵抗性経路を形成し、前記第1の端子と第3の端子との間に第2の抵抗性経路を形成し、前記第1の抵抗性経路の長さと前記第2の抵抗性経路の長さとの比が0.9~1.1である、請求項1に記載の抵抗分配器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの周波数補償導電層が、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、またはその混合物を含む、請求項1または2に記載の抵抗分配器。
【請求項4】
前記パターニングされた抵抗層が、
中央部と、
前記第1の端子と前記パターニングされた抵抗層の前記中央部との間に延びて接続された第1の脚と、
前記第2の端子と前記パターニングされた抵抗層の前記中央部との間に延びて接続された第2の脚と、
前記第3の端子と前記パターニングされた抵抗層の前記中央部との間に延びて接続された第3の脚と
を含む、請求項1または2に記載の抵抗分配器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの周波数補償導電層が、
前記第1の脚の上方に形成された第1の周波数補償導電層と、
前記第2の脚の上方に形成された第2の周波数補償導電層と、
前記第3の脚の上方に形成された第3の周波数補償導電層と
を備える、請求項4に記載の抵抗分配器。
【請求項6】
前記パターニングされた抵抗層の前記中央部の上方には、いかなる導電層も形成されない、請求項5に記載の抵抗分配器。
【請求項7】
前記第1の周波数補償導電層が第1の表面積を有し、前記第2の周波数補償導電層が第2の表面積を有し、
前記第1の表面積と前記第2の表面積との比が約0.9~約1.1である、請求項5に記載の抵抗分配器。
【請求項8】
前記第3の周波数補償導電層が第3の表面積を有し、前記第1の表面積と前記第3の表面積との比が約0.9~約1.1である、請求項7に記載の抵抗分配器。
【請求項9】
前記第1の脚、前記第2の脚、および前記第3の脚が、全体的に三角形状を形成する、請求項5に記載の抵抗分配器。
【請求項10】
前記中央部の中心がセントラルポイントにある、請求項4に記載の抵抗分配器。
【請求項11】
前記周波数補償導電層の中心がセントラルポイントにあり、前記周波数補償導電層が前記セントラルポイントに重ならない、請求項4に記載の抵抗分配器。
【請求項12】
前記周波数補償導電層が六角形状を有する、請求項11に記載の抵抗分配器。
【請求項13】
前記周波数補償導電層が円環形状を有する、請求項11に記載の抵抗分配器。
【請求項14】
前記第1の端子、前記第2の端子、および前記第3の端子が、セントラルポイントのまわりで等角度間隔に配置されている、請求項1、2、または3に記載の抵抗分配器。
【請求項15】
前記パターニングされた抵抗層が前記セントラルポイントの上方に形成され、前記少なくとも1つの周波数補償導電層が前記セントラルポイントの上方に形成される、請求項14に記載の抵抗分配器。
【請求項16】
前記パターニングされた抵抗層が、前記セントラルポイントに位置合わせされた中心をもつ円形状を有する、請求項15に記載の抵抗分配器。
【請求項17】
前記パターニングされた抵抗層が、前記セントラルポイントに位置合わせされた中心をもつ三角形状を有する、請求項15に記載の抵抗分配器。
【請求項18】
前記パターニングされた抵抗層が六角形状を有する、請求項1、2または3に記載の抵抗分配器。
【請求項19】
前記抵抗分配器が、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、前記第1の端子と前記第2の端子との間に約-10dBよりも大きい第1の挿入損失応答を示す、請求項1に記載の抵抗分配器。
【請求項20】
前記抵抗分配器が、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、前記第1の端子と前記第3の端子との間に約-10dBよりも大きい第2の挿入損失応答を示す、請求項19に記載の抵抗分配器。
【請求項21】
第1の挿入損失からの第2の挿入損失応答の変化が、約0GHz~約30GHzの周波数について3dB未満である、請求項19に記載の抵抗分配器。
【請求項22】
前記第1の端子、前記第2の端子、および前記第3の端子が、実装面に対する前記抵抗分配器のグリッドアレイタイプ実装のために、前記モノリシック基板の同一の側に配置される、請求項1に記載の抵抗分配器。
【請求項23】
モノリシック基板と、
前記モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層と、
前記パターニングされた抵抗層にそれぞれ接続されている、第1の端子、第2の端子、および第3の端子と、
を備える抵抗分配器であって、
約0GHz~約30GHzの周波数に対して、前記第1の端子と前記第2の端子との間に約-10dBよりも大きい第1の挿入損失応答を示す、抵抗分配器。
【請求項24】
約0GHz~約30GHzの周波数に対して、前記第1の端子と前記第3の端子との間に約-10dBよりも大きい第2の挿入損失応答を示す、請求項23に記載の抵抗分配器。
【請求項25】
第1の挿入損失からの第2の挿入損失応答の変化が、約0GHz~約30GHzの周波数について3dB未満である、請求項23に記載の抵抗分配器。
【請求項26】
前記第1の端子、前記第2の端子、および前記第3の端子が、セントラルポイントのまわりで等角度間隔に配置され、
前記パターニングされた抵抗層が前記セントラルポイントの上方に形成され、
前記少なくとも1つの周波数補償導電層が前記セントラルポイントの上方に形成される、
請求項23に記載の抵抗分配器。
【請求項27】
前記パターニングされた抵抗層が、前記第1の端子から延在する第1の脚、前記第2の端子から延在する第2の脚、および前記第3の端子から延在する第3の脚を備え、
前記第1の脚、前記第2の脚、および前記第3の脚の各々が、セントラルポイントに関して中心があり、
前記少なくとも1つの周波数補償導電層が、前記セントラルポイントに関して中心がある、
請求項23に記載の抵抗分配器。
【請求項28】
抵抗分配器を形成するための方法であって、
モノリシック基板の表面に、パターニングされた抵抗層を形成するステップと、
前記モノリシック基板の表面の上方に、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子とを、各々が、前記パターニングされた抵抗層に接続するように堆積するステップと、
前記パターニングされた抵抗層の一部の上方に少なくとも1つの周波数補償導電層を堆積するステップと
を含む方法。
【請求項29】
モノリシック基板と、
前記モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層と、
前記パターニングされた抵抗層にそれぞれ接続されている、第1の端子、第2の端子、および第3の端子と
を備える抵抗分配器であって、
前記抵抗分配器が、前記第1の端子と前記第2の端子との間に第1の挿入損失応答を示し、前記第1の端子と前記第3の端子との間に第2の挿入損失応答を示し、
第1の挿入損失からの前記第2の挿入損失応答の変化が、約0GHz~約30GHzの周波数について3dB未満である、抵抗分配器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月26日出願の米国特許仮出願第63/154,045号の利益を主張するものであり、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
高周波無線信号通信の人気が高まっている。たとえば、無線接続のためのデータ転送速度の向上に対する需要が、5Gスペクトル周波数において動作するように構成されたものを含む高周波部品に対する需要を促進している。同時に、小型化に向かう傾向により、より小さい受動部品に対する需要が増加した。
【0003】
高周波無線信号通信は、信号分配などの様々な信号処理を含み得る。信号分配器は、入力信号を受け取って、第1の出力信号と第2の出力信号とに均一に分割することができる。5G周波数を含む高周波数で動作することができる小型の分配器は、当技術分野で歓迎されるはずである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、抵抗分配器は、モノリシック基板と、モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層とを含み得る。抵抗分配器は、第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含み得、それぞれが、パターニングされた抵抗層に接続されている。抵抗分配器は、パターニングされた抵抗層の一部の上方に形成された少なくとも1つの周波数補償導電層を含み得る。
【0005】
本開示の別の実施形態によれば、抵抗分配器は、モノリシック基板と、モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層とを含み得る。抵抗分配器は、第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含み得、それぞれが、パターニングされた抵抗層に接続されている。抵抗分配器は、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、第1の端子と第2の端子との間に約-10dBよりも大きい第1の挿入損失応答を示し得る。
【0006】
本開示の別の実施形態によれば、抵抗分配器を形成するための方法は、モノリシック基板の表面の上方に、パターニングされた抵抗層を形成するステップと、モノリシック基板の表面に、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子とを、各々が、パターニングされた抵抗層に接続するように堆積するステップと、パターニングされた抵抗層の一部の上方に少なくとも1つの周波数補償導電層を堆積するステップとを含み得る。
【0007】
最善のモードを含む、当業者を対象として本発明を使用可能にする十分な開示が、明細書の残りの部分で、付図を参照しながらより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の主題の態様による抵抗分配器の一実施形態の斜視図である。
図2A】本開示の主題の態様による抵抗分配器の別の実施形態の斜視図である。
図2B】本開示の主題の態様による図1の抵抗分配器の上面図である。
図3A】本開示の主題の態様による抵抗分配器の別の実施形態の斜視図である。
図3B】本開示の主題の態様による図3Aの抵抗分配器の上面図である。
図3C】本開示の主題の態様による抵抗分配器の別の実施形態の上面図である。
図3D】本開示の主題の態様による抵抗分配器の別の実施形態の上面図である。
図4A】本開示の主題の態様による抵抗分配器の別の実施形態の斜視図である。
図4B】本開示の主題の態様による図4Aの抵抗分配器の実施形態の上面図である。
図5A】本開示の主題の態様による抵抗分配器のもう一つの実施形態の斜視図である。
図5B】本開示の主題の態様による図5Aの抵抗分配器の上面図である。
図6A】本開示の主題の態様による抵抗分配器のもう一つの実施形態の斜視図である。
図6B】本開示の主題の態様による図6Aの抵抗分配器の上面図である。
図7図1の抵抗分配器のシミュレートされた挿入損失応答曲線を示す図である。
図8図2Aおよび図2Bの抵抗分配器のシミュレートされた挿入損失応答曲線を示す図である。
図9】本開示の主題の態様による抵抗分配器を形成するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および図において繰り返し使用される参照文字は、本発明の同一または類似の機能または要素を表すように意図されている。
【0010】
本議論は例示的な実施形態の説明でしかなく、例示的な構造において具現される本発明のより広範な態様を制限する意図はないことが、当業者には理解されるはずである。
【0011】
一般に、本発明は、高周波数において優れた性能特性を有する表面実装抵抗分配器を対象とするものである。抵抗分配器は、第1の端子に印加された入力信号を、第2の端子における第1の出力信号および第3の端子における第2の出力信号へと均一に分配する構成を採用することができる。
【0012】
抵抗分配器は、第1の端子と第2の端子との間に第1の挿入損失応答を示し得、第1の端子と第3の端子との間に第2の挿入損失応答を示し得る。第1の挿入損失応答および/または第2の挿入損失応答は、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、第1の端子と第2の端子との間で約-10dBよりも大きくなり得、いくつかの実施形態では約-9dBよりも大きくなり得、いくつかの実施形態では-8dBよりも大きくなり得、いくつかの実施形態では約-7dBよりも大きくなり得、いくつかの実施形態では約-6dBよりも大きくなり得る。
【0013】
入力信号が第2の端子と第3の端子との間で均一に分配されるように、挿入損失応答曲線は全体的に非常によく一致し得る。たとえば、第1の挿入損失からの第2の挿入損失応答の変化は、約0GHz~約30GHzの周波数について、3dB未満であり得、いくつかの実施形態では約2dB未満であり、いくつかの実施形態では約1dB未満であり、いくつかの実施形態では約0.5dB未満であり、いくつかの実施形態では約0.3dB未満であり、いくつかの実施形態では約0.1dB未満である。
【0014】
抵抗分配器は、モノリシック基板と、モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層とを含み得る。モノリシック基板は、様々な適切な材料であり得、または様々な適切な材料を含むことができる。たとえば、モノリシック基板は、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化ベリリウム、窒化ほう素、窒化シリコン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、任意の適切なセラミック材料、およびその混合物などの様々なセラミック材料であり得、またはこれらを含むことができる。モノリシック基板は、シリコン(Si)、ガラス、およびガラスセラミック材料であり得、またはこれらを含むことができる。
【0015】
抵抗層は、フォトリソグラフィまたは他の適切なパターニング技術、エッチング、PECVD(プラズマ化学気相堆積法)処理、あるいは他の加法技術および/または減法技術を含む様々な薄膜技術を使用して形成され得る。抵抗層は、様々な適切な抵抗材料から形成され得る。たとえば、抵抗層は、窒化タンタル(TaN)、ニッケルクロム(NiCr)、タンタルアルミナイド、クロミウムシリコン、窒化チタン、チタンタングステン、タンタルタングステン、そのような材料の酸化物および/または窒化物、ならびに/あるいは他の適切な薄膜抵抗材料を含み得る。抵抗層は任意の適切な厚さを有し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、抵抗層の厚さは約0.001μm~約1,000μmであり得、いくつかの実施形態では約0.01μm~約100μmであり得、いくつかの実施形態では約0.1μm~約50μmであり得、いくつかの実施形態では約0.5μm~約20μmであり得る。
【0016】
抵抗分配器は、第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含み得る。第1の端子、第2の端子、および第3の端子の各々が、パターニングされた抵抗層に接続され得る。パターニングされた抵抗層の上方に、1つまたは複数の周波数補償導電層が形成され得る。周波数補償導電層は、抵抗分配器の優れた高周波応答特性に寄与し得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、周波数補償導電層は薄膜方法を使用して形成され得る。たとえば、周波数補償導電層は、フォトリソグラフィまたは他の適切なパターニング技術、エッチング、PECVD(プラズマ化学気相堆積法)処理、あるいは他の加法技術および/または減法技術を含む様々な薄膜技術を使用して形成される。しかしながら、周波数補償導電層は、プリント、浸漬、ストリッピング、または導電層を形成するための他の技術などの任意の適切な技術を使用して形成され得る。
【0018】
周波数補償導電層は、様々な適切な導電材料から形成され得る。たとえば、周波数補償導電層は、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、その混合物、および/または他の適切な金属、金属充填ポリマー材料、あるいは他の適切な導電材料を含み得る。
【0019】
周波数補償導電層は任意の適切な厚さを有し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、周波数補償導電層の厚さは約0.001μm~約1,000μmであり得、いくつかの実施形態では約0.01μm~約100μmであり得、いくつかの実施形態では約0.1μm~約50μmであり得、いくつかの実施形態では約0.5μm~約20μmであり得る。
【0020】
パターニングされた抵抗層は、第1の端子と第2の端子との間に第1の抵抗性経路を形成することができる。パターニングされた抵抗層は、第1の端子と第3の端子との間に第2の抵抗性経路を形成することができる。第1の抵抗性経路の長さと第2の抵抗性経路の長さとの比は、0.9~1.1であり、いくつかの実施形態では約0.95~約1.05であり、いくつかの実施形態では約0.97~約1.03であり、いくつかの実施形態では約0.98~約1.02である。
【0021】
パターニングされた抵抗層は、中央部と、第1の端子とパターニングされた抵抗層の中央部との間に延びて接続された第1の脚と、第2の端子とパターニングされた抵抗層の中央部との間に延びて接続された第2の脚と、第3の端子とパターニングされた抵抗層の中央部との間に延びて接続された第3の脚とを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の脚、第2の脚、および第3の脚は、セントラルポイント(central point)のまわりで等角度間隔に配置され得る。たとえば、端子の間に、セントラルポイントに対するそれぞれの角度が形成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の脚、第2の脚、および第3の脚は、全体的にT字形状を形成し得る。いくつかの実施では、第1の脚、第2の脚、および第3の脚は、全体的に三角形状を形成し得る。
【0024】
第1の周波数補償導電層は第1の脚の上方に形成され得る。第2の周波数補償導電層は第2の脚の上方に形成され得る。第3の周波数補償導電層は第3の脚の上方に形成され得る。パターニングされた抵抗層の中央部の上方には、いかなる導電層も形成されなくてよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、2つ以上の周波数補償導電層が、同一または類似の表面積を有し得る。たとえば、第1の周波数補償導電層は第1の表面積を有し得る。第2の周波数補償導電層は、第1の表面積とほぼ等しい第2の表面積を有し得る。たとえば、第1の表面積と第2の表面積との比は約0.9~約1.1であり得、いくつかの実施形態では約0.95~約1.05であり得、いくつかの実施形態では約0.97~約1.03であり得、いくつかの実施形態では約0.98~約1.02であり得る。
【0026】
第3の周波数補償導電層は、第1の表面とほぼ等しい第3の表面積を有し得る。たとえば、第1の表面積と第3の表面積との比は約0.9~約1.1であり、いくつかの実施形態では約0.95~約1.05であり、いくつかの実施形態では約0.97~約1.03であり、いくつかの実施形態では約0.98~約1.02である。
【0027】
本開示の態様によれば、抵抗分配器は、セントラルポイントのまわりで等角度間隔に配置された第1の端子、第2の端子、および第3の端子を含み得る。たとえば、端子の間に、セントラルポイントに対するそれぞれの角度が形成され得る。
【0028】
周波数補償導電層はセントラルポイントの上方に形成され得る。周波数補償導電層は、それぞれの端子からセントラルポイントに流れる各電流にとって同一に見える形状を有し得る。一例として、周波数補償導電層は、セントラルポイントに位置合わせされた中心をもつ円形状を有し得る。一例として、周波数補償導電層は三角形状を有し得る。抵抗分配器は、モノリシック基板と、モノリシック基板の上方に形成されたパターニングされた抵抗層とを含み得る。周波数補償導電層は、パターニングされた抵抗層の上方に形成され、任意の適切な形状を有し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、周波数補償導電層は、セントラルポイントのあたりに中心があり得るが、セントラルポイントの上方に形成される。すなわち、周波数補償導電層がセントラルポイントに中心があってもそれに重ならないように、周波数補償導電層はパターニングされた抵抗層の上方に形成され得る。形成される。そのような実施形態では、周波数補償導電層は、それぞれの端子からセントラルポイントに流れる各電流にとって同一に見える形状を有し得る。一例として、周波数補償導電層は、セントラルポイントに位置合わせされた中心をもつ円形状または円環形状を有し得る。別の例として、周波数補償導電層は六角形状を有し得る。
【0030】
抵抗層および/または周波数補償構造の上方に、1つまたは複数の保護層または不活性化層が形成され得る。不活性化層は、ベンゾシクロブテン(BCB)ポリイミド、酸窒化ケイ素、Al、SiO、Si、エポキシ、ガラス、または別の適切な材料などの様々な適切な材料を含み得る。端子は、不活性化層を通して形成されたそれぞれのバイアを含み得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、薄膜部品は小さいサイズを有し得、たとえば小さいフットプリントを有し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、薄膜部品の全長は約0.1mm~約5mmであり得、いくつかの実施形態では約0.2mm~約4mmであり得、いくつかの実施形態では約0.3mm~約3mmであり得、いくつかの実施形態では約0.4mm~約2mmであり得、たとえば約1mmであり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、薄膜部品の全幅は約0.05mm~約2.5mmであり得、いくつかの実施形態では約0.1mm~約2mmであり得、いくつかの実施形態では約0.15mm~約1.5mmであり得、いくつかの実施形態では約0.2mm~約1.3mmであり得、いくつかの実施形態では約0.3mm~約1mmであり得、たとえば約0.5mmであり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、薄膜部品の全体厚は約0.05mm~約2.5mmであり得、いくつかの実施形態では約0.1mm~約2mmであり得、いくつかの実施形態では約0.15mm~約1.5mmであり得、いくつかの実施形態では約0.2mm~約1.3mmであり得、いくつかの実施形態では約0.3mm~約1mmであり得、たとえば約0.5mmであり得る。
【0034】
抵抗分配器は、様々な表面実装形態に構成され得る。たとえば、抵抗分配器は、ランドグリッドアレイ、ボールグリッドアレイなどのグリッドアレイタイプの実装に構成され得る。しかしながら、他の実施形態では、外部端子は、キャスタレーションなど、基板の側面において部分的または全体的に形成されてよい。抵抗分配器を表面実装するために、様々な任意の適切な外部端子が設けられ得る。
【0035】
図1は、抵抗分配器100の一実施形態の斜視図である。抵抗分配器100は、モノリシック基板102と、モノリシック基板102の上方に形成されたパターニングされた抵抗層104とを含み得る。抵抗分配器100は、第1の端子106、第2の端子108、および第3の端子110を含み得る。第1の端子106、第2の端子108、および第3の端子110の各々が、パターニングされた抵抗層104に接続され得る。パターニングされた抵抗層104の上方に、1つまたは複数の周波数補償導電層112、114、116が形成され得る。周波数補償導電層112、114、116は、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、またはその混合物などの様々な適切な導電材料を含み得る。
【0036】
パターニングされた抵抗層104は、第1の端子106と第2の端子108との間に第1の抵抗性経路を形成することができる。パターニングされた抵抗層104は、第1の端子106と第3の端子108との間に第2の抵抗性経路を形成することができる。第1の抵抗性経路の長さと第2の抵抗性経路の長さとの比は、0.9~1.1である。
【0037】
パターニングされた抵抗層104は、中央部118と、第1の端子106とパターニングされた抵抗層104の中央部118との間に延びて接続された第1の脚120と、第2の端子108とパターニングされた抵抗層104の中央部118との間に延びて接続された第2の脚122とを含み得る。
【0038】
第1の周波数補償導電層112は第1の脚120の上方に形成され得る。第2の周波数補償導電層114は第2の脚122の上方に形成され得る。第3の周波数補償導電層116は第3の脚124の上方に形成され得る。パターニングされた抵抗層104の中央部118の上方には、いかなる導電層も形成されなくてよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、周波数補償導電層112、114、116のうち2つ以上が、同一または類似の表面積を有し得る。たとえば、第1の周波数補償導電層112は第1の表面積を有し得る。第2の周波数補償導電層114は、第1の表面積とほぼ等しい第2の表面積を有し得る。たとえば、第1の表面積と第2の表面積との比は約0.9~約1.1であり得る。第3の周波数補償導電層116は、第1の表面積とほぼ等しい第3の表面積を有し得る。たとえば、第1の表面積と第3の表面積との比は約0.9~約1.1である。
【0040】
抵抗層104および/または周波数補償導電層112、114、116の上方に、1つまたは複数の保護層または不活性化層が形成され得る。端子106、108、110がそれぞれ含み得るバイア126、128、130が、不活性化層を通って形成され、抵抗分配器100の表面実装のために露出されている。
【0041】
図2Aは、抵抗分配器200の一実施形態の斜視図である。図2Bは、図2Aの抵抗分配器200の上面図である。抵抗分配器200は、モノリシック基板202と、モノリシック基板202の上方に形成されたパターニングされた抵抗層204とを含み得る。抵抗分配器200は、第1の端子206、第2の端子208、および第3の端子210を含み得る。第1の端子206、第2の端子208、および第3の端子210の各々が、パターニングされた抵抗層204に接続され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、端子206、208、210はセントラルポイント212のまわりで等角度間隔に配置され得る。たとえば、角度214、216、218は、セントラルポイント212に対して、それぞれ端子208と端子210との間、端子206と端子208との間、端子210と端子206との間に形成され得る。
【0043】
周波数補償導電層220はセントラルポイント212の上方に形成され得る。抵抗層204および/または周波数補償導電層220の上方に、1つまたは複数の保護層または不活性化層が形成され得る。端子206、208、210がそれぞれ含み得るバイア226、228、230が、不活性化層を通って形成され、抵抗分配器200の表面実装のために露出されている。
【0044】
周波数補償導電層220は、それぞれの端子206、208、210からセントラルポイント212に流れる各電流にとって同一に見える形状を有し得る。一例として、周波数補償導電層220は、セントラルポイント212に位置合わせされた中心をもつ円形状を有し得る。
【0045】
別の例として図3Aおよび図3Bを参照すると、周波数補償導電層320は三角形状を有し得る。図3Aおよび図3Bでは、図2Aおよび図2Bと類似の参考番号が使用されている。たとえば、図3Aおよび図3Bの抵抗分配器300は、モノリシック基板302と、モノリシック基板302の上方に形成されたパターニングされた抵抗層304とを含み得る。抵抗分配器300は、第1の端子306、第2の端子308、および第3の端子310を含み得る。第1の端子306、第2の端子308、および第3の端子310の各々が、パターニングされた抵抗層304に接続され得る。
【0046】
図3Cは、周波数補償導電層360に関するさらなる例示の形状を示す。図3Dは、周波数補償導電層380に関する別の例示の形状を示す。しかしながら、それぞれの端子306、308、310からセントラルポイント312へ流れるそれぞれの電流に影響を与える、あらゆる適切な形状が採用され得る。
【0047】
次に図4A図4B図5A、および図5Bを参照して、いくつかの実施形態では、抵抗分配器が他の構成を有し得る。たとえば、図4Aは、抵抗分配器400の一実施形態の斜視図であり、図4Bは、図4Aの抵抗分配器400の上面図である。抵抗分配器400は、モノリシック基板402と、モノリシック基板402の上方に形成されたパターニングされた抵抗層404とを含み得る。抵抗分配器400は、第1の端子406、第2の端子408、および第3の端子410を含み得る。第1の端子406、第2の端子408、および第3の端子410の各々が、パターニングされた抵抗層404に接続され得る。
【0048】
さらに、図4Aおよび図4Bに示されるように、パターニングされた抵抗層404は、第1の端子406からセントラルポイント412まで延在する第1の脚404Aと、第2の端子408からセントラルポイント412まで延在する第2の脚404Bと、第3の端子410からセントラルポイント412まで延在する第3の脚404Cとを含み得る。図4Bに示されるように、いくつかの実施形態では、第1の脚404A、第2の脚404B、および第3の脚404Cは、セントラルポイント412のまわりで等角度間隔に配置され得る。たとえば、角度414、416、418は、セントラルポイント412に対して、それぞれ脚404Cと脚404Bとの間、脚404Bと脚404Aとの間、脚404Aと脚404Cとの間に形成され得る。
【0049】
なおまた、いくつかの実施形態では、パターニングされた抵抗層404は、セントラルポイント412の上方に中心がある中央部419を含み得る。第1の脚404Aは、第1の端子406とパターニングされた抵抗層404の中央部419との間に延びて接続され得、第2の脚404Bは、第2の端子408とパターニングされた抵抗層404の中央部419との間に延びて接続され得、第3の脚404Cは、第3の端子410とパターニングされた抵抗層404の中央部419との間に延びて接続され得る。
【0050】
周波数補償導電層420はセントラルポイント412のまわりに形成され得、すなわち、周波数補償導電層420は、セントラルポイント412に関して中心があり得る。図4Aおよび図4Bの実施形態に示されるように、周波数補償導電層420の形状は六角形である。図4Aおよび図4Bに示されたものなどのいくつかの実施形態では、周波数補償導電層420がセントラルポイント412に重ならないように、六角形状の周波数補償導電層420は、材料の六角形状の輪郭のみから成るものでよい。すなわち、いくつかの実施形態では、周波数補償導電層420は、1つのエッジから反対側のエッジまで連続した一片の材料ではなく、形状のエッジにおいてのみ隣接する材料から成り、形状の中心には材料がない。
【0051】
抵抗層404および/または周波数補償導電層420の上方に、1つまたは複数の保護層または不活性化層が形成され得る。端子406、408、410がそれぞれ含み得るバイア426、428、430が、不活性化層を通って形成され、抵抗分配器400の表面実装のために露出されている。
【0052】
図4Aおよび図4Bの実施形態を図1図3Dに示された実施形態と比較すると、端子406、408、410は、端子106、108、110、206、208、210、306、308、310とは異なる形状を有し得、かつ/またはバイア426、428、430は、バイア126、128、130、226、228、230、326、328、330とは異なる形状を有し得る。たとえば、図1図3Dに示された端子106、108、110、206、208、210、306、308、310は、全体的に正方形状であって、全体的に八角形状または円形状のバイア126、128、130、226、228、230、326、328、330を有するが、抵抗分配器400の端子406、408、410およびバイア426、428、430の形状は、全体的に長方形である。
【0053】
図5Aおよび図5Bは、本主題の別の実施形態による抵抗分配器500を示す。抵抗分配器500は、図4Aおよび図4Bの実施形態に示された抵抗分配器400に全体的に類似であるが、六角形ではなく円形の周波数補償導電層520を有する。より詳細には、抵抗分配器500は、モノリシック基板502と、モノリシック基板502の上方に形成されたパターニングされた抵抗層504とを含み得る。抵抗分配器500は、第1の端子506、第2の端子508、および第3の端子510を含み得る。第1の端子506、第2の端子508、および第3の端子510の各々が、パターニングされた抵抗層504に接続され得る。周波数補償導電層520は、パターニングされた抵抗層504の上方に形成され得る。抵抗層504および/または周波数補償導電層520の上方に、1つまたは複数の保護層または不活性化層が形成され得る。端子506、508、510がそれぞれ含み得るバイア526、528、530が、不活性化層を通って形成され、抵抗分配器500の表面実装のために露出されている。図4Aおよび図4Bに示された抵抗分配器400に関して説明されたように、端子506、508、510および/またはバイア526、528、530は、図1図3Dに示された端子106、108、110、206、208、210、306、308、310および/またはバイア126、128、130、226、228、230、326、328、330とは異なる形状を有し得る。他の実施形態では、端子406、408、410、506、508、510および/またはバイア426、428、430、526、528、530のうち1つまたは複数が、端子106、108、110、206、208、210、306、308、310および/またはバイア126、128、130、226、228、230、326、328、330と同一の形状を有し得る。
【0054】
さらに、図5Aおよび図5Bに示されるように、パターニングされた抵抗層504は、第1の端子506からセントラルポイント512まで延在する第1の脚504Aと、第2の端子508からセントラルポイント512まで延在する第2の脚504Bと、第3の端子510からセントラルポイント512まで延在する第3の脚504Cとを含み得る。図5Bに示されるように、いくつかの実施形態では、第1の脚504A、第2の脚504B、および第3の脚504Cは、セントラルポイント512のまわりで等角度間隔に配置され得る。たとえば、角度514、516、518は、セントラルポイント512に対して、それぞれ脚504Cと脚504Bとの間、脚504Bと脚504Aとの間、脚504Aと脚504Cとの間に形成され得る。
【0055】
なおまた、いくつかの実施形態では、パターニングされた抵抗層504は、セントラルポイント512の上方に中心がある中央部519を含み得る。第1の脚504Aは、第1の端子506とパターニングされた抵抗層504の中央部519との間に延びて接続され得、第2の脚504Bは、第2の端子508とパターニングされた抵抗層504の中央部519との間に延びて接続され得、第3の脚504Cは、第3の端子510とパターニングされた抵抗層504の中央部519との間に延びて接続され得る。
【0056】
周波数補償導電層520はセントラルポイント512のまわりに形成され得、すなわち、周波数補償導電層520は、セントラルポイント512に関して中心があり得る。図5Aおよび図5Bの実施形態に示されるように、周波数補償導電層520の形状は円形である。図5Aおよび図5Bに示されたものなどのいくつかの実施形態では、周波数補償導電層520がセントラルポイント512に重ならないように、円形状の周波数補償導電層520は、材料の円形状の輪郭のみから成るものでよい。すなわち、いくつかの実施形態では、周波数補償導電層520は、セントラルポイント512に中心がある材料の環であって、周波数補償導電層520が全体的に形状が円環状であり、1つのエッジから反対側のエッジまで連続した一片の材料ではなく、形状のエッジにおいてのみ隣接しており当該形状の中心にはない材料から成る、ようなものである。
【0057】
次に図6Aおよび図6Bに移って、本主題の別の実施形態による抵抗分配器600が、斜視図(図6A)および上面図(図6B)で示されている。抵抗分配器600は、全体的に、図1に示された例示的な抵抗分配器100と同様に構成されるが、図1の実施形態に示されたような全体的にT字形の構成ではなく、三角形に構成される。より詳細には、抵抗分配器600は、モノリシック基板602と、モノリシック基板602の上方に形成されたパターニングされた抵抗層604とを含み得る。抵抗分配器600は、第1の端子606、第2の端子608、および第3の端子610を含み得る。第1の端子606、第2の端子608、および第3の端子610の各々が、パターニングされた抵抗層604に接続され得る。
【0058】
パターニングされた抵抗層604は、第1の端子606と第2の端子608との間に第1の抵抗性経路を形成することができる。パターニングされた抵抗層604は、第1の端子606と第3の端子608との間に第2の抵抗性経路を形成することができる。第1の抵抗性経路の長さと第2の抵抗性経路の長さとの比は、0.9~1.1である。
【0059】
パターニングされた抵抗層604の上方に、1つまたは複数の周波数補償導電層612、614、616が形成され得る。たとえば、第1の周波数補償導電層612は第1の脚620の上方に形成され得る。第2の周波数補償導電層614は第2の脚622の上方に形成され得る。第3の周波数補償導電層616は第3の脚624の上方に形成され得る。図6Aおよび図6Bに示されるように、第1の脚620、第2の脚622、および第3の脚624は全体的に三角形状を形成するが、図1に示された実施形態の第1の脚120、第2の脚122、および第3の脚124は、全体的にT字形を形成する。
【0060】
図6Aおよび図6Bに示されるように、いくつかの実施形態では、第1の脚620は、第1の端子606と第2の端子608との間に延びて接続され得、第2の脚622は、第2の端子608と第3の端子610との間に延びて接続され得、第3の脚624は、第3の端子610と第1の端子606との間に延びて接続され得る。前述のように、表された実施形態では、端子606、608、610および脚620、622、624は、脚620、622、624が全体的に三角形状を形成するように配置される。
【0061】
いくつかの実施形態では、周波数補償導電層612、614、616のうち2つ以上が、同一または類似の表面積を有し得る。たとえば、第1の周波数補償導電層612は第1の表面積を有し得る。第2の周波数補償導電層614は、第1の表面積とほぼ等しい第2の表面積を有し得る。たとえば、第1の表面積と第2の表面積との比は約0.9~約1.1であり得る。第3の周波数補償導電層616は、第1の表面積とほぼ等しい第3の表面積を有し得る。たとえば、第1の表面積と第3の表面積との比は約0.9~約1.1である。
【0062】
抵抗層604および/または周波数補償導電層612、614、616の上方に、1つまたは複数の保護層または不活性化層が形成され得る。端子606、608、610がそれぞれ含み得るバイア626、628、630が、不活性化層を通って形成され、抵抗分配器600の表面実装のために露出されている。
【0063】
図7は、図1の抵抗分配器100のシミュレートされた挿入損失応答曲線700を示す。抵抗分配器100は、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、第1の端子106と第2の端子108との間に、約-10dBよりも大きい第1の挿入損失応答702を示す。抵抗分配器100は、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、第1の端子106と第3の端子110との間に、約-10dBよりも大きい第2の挿入損失応答704を示す。第1の挿入損失702からの第2の挿入損失応答704の変化は、約0GHz~約30GHzの周波数について、3dB未満である。
【0064】
図8は、図2Aおよび図2Bの抵抗分配器200のシミュレートされた挿入損失応答曲線800を示す。抵抗分配器200は、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、第1の端子206と第2の端子208との間に、約-10dBよりも大きい第1の挿入損失応答802を示す。抵抗分配器200は、約0GHz~約30GHzの周波数に対して、第1の端子206と第3の端子210との間に、約-10dBよりも大きい第2の挿入損失応答804を示す。第1の挿入損失802からの第2の挿入損失応答804の変化は、約0GHz~約30GHzの周波数について、3dB未満である。
【0065】
図9を参照して、本開示の態様は、抵抗分配器を形成するための方法900を対象とするものである。一般に、方法900は、本明細書で、図1図6Bを参照しながら上記で説明された抵抗分配器100、200、300、400、500、600に関連して説明される。しかしながら、開示された方法900は、任意の抵抗分配器に対して実施され得ることを理解されたい。加えて、図9は、解説および議論のために、特定の順序で実行されるステップを表すが、本明細書で論じられる方法は、いかなる特定の順序または機構にも限定されない。本明細書で提供された開示を使用する当業者なら、本明細書で開示された方法の様々なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、様々なやり方で、省略、再配置、組合せ、および/または適合が可能であることを理解するはずである。
【0066】
方法900は、モノリシック基板102、202、302、402、502、602の表面に、パターニングされた抵抗層104、204、304、404、504、604を形成するステップ902を含み得る。たとえば、抵抗材料は、本明細書で説明された様々な薄膜技術を使用して堆積され得る。抵抗材料は、抵抗層104、204、304、404、504、604をパターニングするためにエッチングされ得る。
【0067】
方法900は、モノリシック基板102、202、302、402、502、602の表面の上方に、第1の端子106、206、306、406、506、606、第2の端子108、208、308、408、508、608、および第3の端子110、210、310、410、510、610を形成するステップ904であって、第1の端子106、206、306、406、506、606、第2の端子108、208、308、408、508、608、および第3の端子110、210、310、410、510、610の各々が、パターニングされた抵抗層204、304、344に接続されるステップ904を含み得る。いくつかの実施形態では、端子106、206、306、406、506、606、108、208、308、408、508、608、110、210、310、410、510、610は、それぞれのモノリシック基板102、202、302、402、502、602の同一の表面に、抵抗分配器100、200、300、400、500、600がランドグリッドアレイ、ボールグリッドアレイなどのグリッドアレイタイプの実装向けに構成されるように配置され得る。
【0068】
方法900は、パターニングされた抵抗層104、204、304、404、504、604の一部の上方に少なくとも1つの周波数補償導電層を堆積するステップ906を含み得る。たとえば、図1を参照して、パターニングされた抵抗層104の第1の脚120の上方に第1の周波数補償導電層112が形成され得る。パターニングされた抵抗層104の第2の脚122の上方に第2の周波数補償導電層114が形成され得る。パターニングされた抵抗層104の第3の脚124の上方に第3の周波数補償導電層116が形成され得る。パターニングされた抵抗層104の中央部118の上方には、いかなる導電層も形成されなくてよい。別の例として、図6は、同様に、パターニングされた抵抗層604のそれぞれの脚620、622、624の上方に複数の周波数補償導電層612、614、616のうち1つを堆積するステップを表す。
【0069】
他の実施形態では、周波数補償導電層を堆積するステップは、たとえば図2A図5Bを参照しながら上記で説明されたように、パターニングされた抵抗層204、304、404、504の上方に単一の周波数補償導電層220、320、360、380、420、520を堆積するステップを含み得る。
【0070】
試験方法
以下の段落は、抵抗分配器を挿入損失について試験するための例示の方法を提供する。抵抗分配器の挿入損失応答曲線は、たとえばKeithley 2410C SMUといったKeithley 2400シリーズソース測定ユニット(SMU)を使用して測定され得る。第1の挿入損失曲線は、第1の端子と第2の端子との間で測定され得る。第2の挿入損失曲線は、第1の端子と第3の端子との間で測定され得る。
【0071】
本発明のこれらおよび他の修正形態および変形形態は、当業者によって、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく実施され得る。加えて、様々な実施形態の態様が、全体的にも部分的にも交換され得ることを理解されたい。その上、当業者なら、前述の説明は例でしかなく、そのような添付の特許請求の範囲においてさらに記述される本発明を制限する意図はないことを理解するはずである。
【符号の説明】
【0072】
100 抵抗分配器
102 モノリシック基板
104 パターニングされた抵抗層
106 第1の端子
108 第2の端子
110 第3の端子
112 第1の周波数補償導電層
114 第2の周波数補償導電層
116 第3の周波数補償導電層
118 抵抗層104の中央部
120 第1の脚
122 第2の脚
124 第3の脚
126 バイア
128 バイア
130 バイア
200 抵抗分配器
202 モノリシック基板
204 パターニングされた抵抗層
206 第1の端子
208 第2の端子
210 第3の端子
212 セントラルポイント
214 角度
216 角度
218 角度
220 周波数補償導電層
226 バイア
228 バイア
230 バイア
300 抵抗分配器
302 モノリシック基板
304 パターニングされた抵抗層
306 第1の端子
308 第2の端子
310 第3の端子
312 セントラルポイント
314 角度
316 角度
318 角度
320 周波数補償導電層
326 バイア
328 バイア
330 バイア
360 周波数補償導電層
380 周波数補償導電層
400 抵抗分配器
402 モノリシック基板
404 パターニングされた抵抗層
404A 第1の脚
404B 第2の脚
404C 第3の脚
406 第1の端子
408 第2の端子
410 第3の端子
412 セントラルポイント
414 角度
416 角度
418 角度
419 抵抗層404の中央部
420 周波数補償導電層
426 バイア
428 バイア
430 バイア
500 抵抗分配器
502 モノリシック基板
504 パターニングされた抵抗層
504A 第1の脚
504B 第2の脚
504C 第3の脚
506 第1の端子
508 第2の端子
510 第3の端子
512 セントラルポイント
514 角度
516 角度
518 角度
519 抵抗層504の中央部
520 周波数補償導電層
526 バイア
528 バイア
530 バイア
600 抵抗分配器
602 モノリシック基板
604 パターニングされた抵抗層
606 第1の端子
608 第2の端子
610 第3の端子
612 第1の周波数補償導電層
614 第2の周波数補償導電層
616 第3の周波数補償導電層
618 抵抗層604の中央部
620 第1の脚
622 第2の脚
624 第3の脚
626 バイア
628 バイア
630 バイア
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
【国際調査報告】