IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特表2024-508855電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体
<>
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図1
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図2
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図3
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図4
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図5
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図6
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図7
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図8
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図9
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図10
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図11
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図12
  • 特表-電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/637 20140101AFI20240220BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20240220BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20240220BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240220BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20240220BHJP
【FI】
H01M10/637
H01M10/615
H01M10/633
H01M10/625
H01M10/617
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552321
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 CN2021134746
(87)【国際公開番号】W WO2023097547
(87)【国際公開日】2023-06-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 新▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ ▲ユウ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 元▲ミアオ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 占良
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲貽▼真
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031HH01
5H031HH06
(57)【要約】
本発明の実施例は、電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体を提供する。ここで、電池加熱方法は、電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得することと、第1の温度、第1の荷電状態、及び第1の電流振幅の条件での第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数の間の対応関係を含む所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することと、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱することと、を含む。本願の実施例は、電池の温度に基づいて内部加熱用の電流周波数及び振幅を特定し、様々な温度環境での電池への加熱速度を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池加熱方法であって、
電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得することと、
前記第1の温度、前記第1の荷電状態、及び、第1の電流振幅の条件での前記第1の温度、前記第1の荷電状態及び第1の電流周波数の間の対応関係を含む所定の第1のデータテーブルに基づいて、前記第1の電流周波数を特定することと、
前記第1の電流振幅と前記第1の電流周波数に基づいて前記電池を加熱することと、
を含む、
ことを特徴とする電池加熱方法。
【請求項2】
前記第1のデータテーブルの数はN個であり、N個の前記第1のデータテーブルはN個の電池健全度に関連付けられ、Nは1より大きい整数であり、
前記第1の温度、前記第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することは、
前記電池の第1の健全度を取得することと、
N個の前記第1のデータテーブルから前記第1の健全度に関連する第2のデータテーブルを特定することと、
前記第1の温度、前記第1の荷電状態及び前記第2のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することと、
を含む、
請求項1に記載の電池加熱方法。
【請求項3】
前記第1の電流振幅と前記第1の電流周波数に基づいて前記電池を加熱することは、
第1の時刻から、前記第1の電流振幅と前記第1の電流周波数に基づいて前記電池を加熱することを含み、
前記第1の電流振幅と前記第1の電流周波数に基づいて前記電池を加熱した後、前記方法は、さらに、
前記第1の時刻との間の期間が第1の所定期間に等しい第2の時刻に到達する場合、前記電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得するステップに戻ることを含む、
請求項1に記載の電池加熱方法。
【請求項4】
前記第1の温度、前記第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定した後、前記方法は、さらに、
第2の電流振幅を取得した場合、前記第2の電流振幅に基づいて、前記第2の電流振幅の条件で前記電池を加熱する安全電流周波数である第3の電流周波数を特定することと、
前記第1の電流周波数と前記第3の電流周波数との間の大きい値、及び前記第2の電流振幅に基づいて、前記電池を加熱することと、
を含む、
請求項1に記載の電池加熱方法。
【請求項5】
電池加熱方法であって、
電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得することと、
前記第2の温度、前記第2の荷電状態、及び、第4の電流周波数の条件での前記第2の温度、前記第2の荷電状態及び第3の電流振幅の間の対応関係を含む所定の第3のデータテーブルに基づいて、前記第3の電流振幅を特定することと、
前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱することと、
を含む、
電池加熱方法。
【請求項6】
前記第3の電流振幅を特定した後、前記方法は、さらに、
前記電池の出力電圧を取得することと、
前記出力電圧が電圧閾値より小さい場合、所定の第5の電流周波数と前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱することと、
を含み、
前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱することは、
前記出力電圧が前記電圧閾値以上である場合、前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱することを含み、
前記第5の電流周波数は、前記第4の電流周波数より大きい、
請求項5に記載の電池加熱方法。
【請求項7】
前記第3の電流振幅は、順方向電流振幅であり、
前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱することは、
前記第4の電流周波数、前記第3の電流振幅、及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて前記電池を加熱することを含む、
請求項5に記載の電池加熱方法。
【請求項8】
前記第3の電流振幅を特定した後、前記方法は、さらに、
前記電池の出力電圧を取得することと、
前記出力電圧が電圧閾値より小さい場合、前記第4の電流周波数、前記第3の電流振幅、及び所定の第2の逆方向電流振幅に基づいて前記電池を加熱することと、
を含み、
前記第4の電流周波数、前記第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて前記電池を加熱することは、具体的に、
前記出力電圧が前記電圧閾値以上である場合、前記第4の電流周波数、前記第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて前記電池を加熱することを含み、
前記第1の逆方向電流振幅は、前記第2の逆方向電流振幅より大きい、
請求項7に記載の電池加熱方法。
【請求項9】
前記第3のデータテーブルの数は、M個であり、M個の前記第3のデータテーブルは、M個の電池健全度に関連付けられ、Mは1より大きい整数であり、
前記第2の温度、前記第2の荷電状態及び所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定することは、
前記電池の第2の健全度を取得することと、
M個の前記第3のデータテーブルから前記第2の健全度に関連する第4のデータテーブルを特定することと、
前記第2の温度、前記第2の荷電状態及び前記第4のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定することと、
を含む、
請求項5に記載の電池加熱方法。
【請求項10】
前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱することは、
第3の時刻から、前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱することを含み、
前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱した後、前記方法は、さらに、
前記第3の時刻との間の期間が第2の所定期間に等しい第4の時刻に到達する場合、電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得するステップに戻ることを含む、
請求項5に記載の電池加熱方法。
【請求項11】
電池加熱装置であって、
電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得する第1の取得モジュールと、
前記第1の温度、前記第1の荷電状態、及び第1の電流振幅の条件での前記第1の温度、前記第1の荷電状態、及び第1の電流周波数の間の対応関係を含む所定の第1のデータテーブルに基づいて、前記第1の電流周波数を特定する第1の特定モジュールと、
前記第1の電流振幅と前記第1の電流周波数に基づいて前記電池を加熱する第1の加熱制御モジュールと、
を備える、
電池加熱装置。
【請求項12】
電池加熱装置であって、
電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得する第2の取得モジュールと、
前記第2の温度、前記第2の荷電状態、及び第4の電流周波数の条件での前記第2の温度、前記第2の荷電状態、及び第3の電流振幅の間の対応関係を含む所定の第3のデータテーブルに基づいて、前記第3の電流振幅を特定する第2の特定モジュールと、
前記第4の電流周波数及び前記第3の電流振幅に基づいて前記電池を加熱する第2の加熱制御モジュールと、
を備える、
電池加熱装置。
【請求項13】
電子デバイスであって、
プロセッサ及びコンピュータプログラム命令が記憶されているメモリを備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラム命令を実行する場合に請求項1~4のいずれか一項に記載の電池加熱方法を実現し、又は請求項5~10のいずれか一項に記載の電池加熱方法を実現する、
電子デバイス。
【請求項14】
コンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラム命令が記憶されていて、前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行される場合に請求項1~4のいずれか一項に記載の電池加熱方法を実現し、又は請求項5~10のいずれか一項に記載の電池加熱方法を実現する、
コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池の技術分野に関し、特に電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、温度は電池の動作性能に大きな影響を与える。例えばリチウム電池などのタイプの電池は、低温動作環境にある場合、一般的にそれを高い温度に加熱することで、その動作性能を向上させる。
【0003】
関連技術において、一般的に一定の加熱パラメータで電池を加熱して、加熱速度が低いという問題がある。
【発明の概要】
【0004】
本願は、関連技術における電池加熱速度が低いという問題を解決する電池加熱方法、装置、デバイス及び記憶媒体を提供する。
【0005】
第1の態様において、本願は、
電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得することと、
第1の温度、第1の荷電状態、及び、第1の電流振幅の条件での第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数の間の対応関係を含む所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することと、
第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱することと、
を含む電池加熱方法を提供する。
【0006】
本願の実施例に係る電池加熱方法は、電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得し、第1の温度、第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定し、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱し、ここで、第1のデータテーブルは第1の電流振幅の条件での、第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数との間の対応関係を含む。本願の実施例は電池の温度に基づいて内部加熱用の電流周波数及び振幅を特定でき、様々な温度環境で電池への加熱速度を向上させることができる。第1の電流振幅が予め定められたので、電池の加熱パラメータを特定する場合、第1の電流振幅の特定による計算リソースの消費を節約し、電池の加熱パラメータの特定効率を向上させることができる。そして、様々な電流振幅に対してそれぞれ上記第1のデータテーブルを作成する必要がなく、第1のデータテーブルの作成による手間の消費を低減することに有利である。第1の電流振幅を特定することにより、電池を加熱するための電流振幅への限定が欠如することにより、電池を実際に加熱するための電流振幅が高すぎることによる電池コアのリチウム析出の状況を回避することができる。
【0007】
いくつかの実施例において、第1のデータテーブルの数はN個であり、N個の第1のデータテーブルはN個の電池健全度に関連付けられ、Nは1より大きい整数であり、
第1の温度、第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することは、
電池の第1の健全度を取得することと、
N個の第1のデータテーブルから第1の健全度に関連する第2のデータテーブルを特定することと、
第1の温度、第1の荷電状態及び第2のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することと、
を含む
【0008】
本実施例において、安全冗長性としてSOHを考慮し、電池加熱過程の信頼性をさらに向上させることができる。
【0009】
いくつかの実施例において、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱することは、
第1の時刻から、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱することを含み、
第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱した後、方法は、さらに、
第1の時刻との間の期間が第1の所定期間に等しい第2の時刻に到達する場合、電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得することを実行するステップに戻ることを含む。
【0010】
本実施例において、異なる加熱周期毎に電池を加熱し、各加熱周期において、電池の第1の温度に基づいて電池を加熱するための電流周波数を調整して、電池の加熱安全性及び加熱効率を効果的に向上させることに有利である。
【0011】
いくつかの実施例において、第1の温度、第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定した後、方法は、さらに、
第2の電流振幅を取得した場合、第2の電流振幅に基づいて、第2の電流振幅の条件で電池を加熱する安全電流周波数である第3の電流周波数を特定することと、
第1の電流周波数と第3の電流周波数との間の大きい値、及び第2の電流振幅に基づいて、電池を加熱することと、
を含む
【0012】
本実施例は、様々な電流振幅の条件で、いずれも電池加熱過程の安全性を効果的に保障することができる。
【0013】
第2の態様において、本願は、
電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得することと、
第2の温度、第2の荷電状態、及び、第4の電流周波数の条件での第2の温度、第2の荷電状態及び第3の電流振幅の間の対応関係を含む所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定することと、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することと、
を含む電池加熱方法を提供する。
【0014】
本願の実施例に係る電池加熱方法は、電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得し、第2の温度、第2の荷電状態及び所定の第3のデータテーブルに基づいて第3の電流振幅を特定し、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱し、ここで、第3のデータテーブルは第4の電流周波数の条件での、第2の温度、第2の荷電状態及び第3の電流振幅との間の対応関係を含む。本願の実施例は、電池の温度に基づいて内部加熱用の電流周波数及び振幅を特定して、様々な温度環境で電池への加熱速度を向上させることができる。第4の電流周波数が予め定められたので、電池の加熱パラメータを特定する場合、第4の電流周波数の特定による計算リソースの消費を節約し、電池の加熱パラメータの特定効率を向上させることができる。そして、様々な電流周波数に対してそれぞれ上記第3のデータテーブルを作成する必要がなく、第3のデータテーブルの作成による手間の消費を低減することに有利である。第1の電流周波数を特定することにより、電池を加熱するための周波数への限定が欠如することにより、実際に電池を加熱するための電流周波数が高すぎるという状況の発生を回避することができる。
【0015】
いくつかの実施例において、第3の電流振幅を特定した後、方法は、さらに、
電池の出力電圧を取得することと、
出力電圧が電圧閾値より小さい場合、所定の第5の電流周波数と第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することと、
を含み、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することは、
出力電圧が電圧閾値以上である場合、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することを含み、
第5の電流周波数は、第4の電流周波数より大きい、
【0016】
本実施例は、電池加熱過程の安全性と加熱効率を両立することができる。
【0017】
いくつかの実施例において、第3の電流振幅は、順方向電流振幅であり、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することは、
第4の電流周波数、第3の電流振幅、及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することを含む。
【0018】
本実施例は加熱パラメータを特定する時の計算量を減少させることに有利であり、同時に電池加熱過程の安全性を保証することに有利である。
【0019】
いくつかの実施例において、第3の電流振幅を特定した後、方法は、さらに、
電池の出力電圧を取得することと、
出力電圧が電圧閾値より小さい場合、第4の電流周波数、第3の電流振幅、及び所定の第2の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することと、
を含み、
第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することは、具体的に、
出力電圧が電圧閾値以上である場合、第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することを含み、
第1の逆方向電流振幅は、第2の逆方向電流振幅より大きい、
【0020】
本実施例は、電池の過放電による安全性の問題を回避することが可能であり、さらに電池の耐用年数を向上させることに有利である。
【0021】
いくつかの実施例において、第3のデータテーブルの数は、M個であり、M個の第3のデータテーブルは、M個の電池健全度に関連付けられ、Mは1より大きい整数であり、
第2の温度、第2の荷電状態及び所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定することは、
電池の第2の健全度を取得することと、
M個の第3のデータテーブルから第2の健全度に関連する第4のデータテーブルを特定することと、
第2の温度、第2の荷電状態及び第4のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定することと、
を含む、
【0022】
本実施例において、安全冗長性としてSOHを考慮し、電池加熱過程の信頼性をさらに向上させることができる。
【0023】
いくつかの実施例において、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することは、
第3の時刻から、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することを含み、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱した後、方法は、さらに、
第3の時刻との間の期間が第2の所定期間に等しい第4の時刻に到達する場合、電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得することを実行するステップに戻ることを含む。
【0024】
本実施例において、異なる加熱周期毎に電池を加熱し、各加熱周期において、電池の第2の温度に基づいて電池を加熱するための電流振幅を調整して、電池の加熱安全性及び加熱効率を効果的に向上させることに有利である。
【0025】
第3の態様において、本願は、
電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得する第1の取得モジュールと、
第1の温度、第1の荷電状態、及び第1の電流振幅の条件での第1の温度、第1の荷電状態、及び第1の電流周波数の間の対応関係を含む所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定する第1の特定モジュールと、
第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱する第1の加熱制御モジュールと、
を備える電池加熱装置を提供する。
【0026】
第4の態様において、本願は、
電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得する第2の取得モジュールと、
第2の温度、第2の荷電状態、及び第4の電流周波数の条件での第2の温度、第2の荷電状態、及び第3の電流振幅の間の対応関係を含む所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定する第2の特定モジュールと、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱する第2の加熱制御モジュールと、
を備える電池加熱装置を提供する。
【0027】
第5の態様において、本願は、プロセッサ及びコンピュータプログラム命令が記憶されているメモリを備える電子デバイスを提供する。
【0028】
プロセッサがコンピュータプログラム命令を実行する時に第1の態様に示す電池加熱方法を実現し、又は第2の態様に示す電池加熱方法を実現する。
【0029】
第6の態様において、本願はコンピュータ記憶媒体を提供し、コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラム命令が記憶され、コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行される場合に第1の態様に示す電池加熱方法を実現し、又は第2の態様に示す電池加熱方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に記載の図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、さらに図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】リチウムイオン電池の等価回路の模式図である。
図2】リチウム析出を抑制する条件で、異なる温度でリチウムイオン電池の交流電流の最大振幅-周波数の関係を示す模式図である。
図3】リチウム析出条件で、異なる温度で異なる周波数の交流電流により予熱する場合の最大発熱電力の模式図である。
図4】交流電流振幅を設定した場合の最適な周波数の選択を示す模式図である。
図5】本願の一つの実施例に開示された電池加熱方法のフローチャートである。
図6】電池加熱過程の一例を示す図である。
図7】本願の別の実施例に開示された電池加熱方法のフローチャートである。
図8】電池加熱過程の別の例を示す図である。
図9】電池を加熱するための加熱システムの構成模式図である。
図10】電池を加熱するための加熱システムの別の構成模式図である。
図11】本願の一つの実施例に開示された電池加熱装置の構成模式図である。
図12】本願の他の実施例に開示された電池加熱装置の構成模式図である。
図13】本願の一つの実施例に開示される電子デバイスの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面及び実施例を参照して本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を限定するものではない。すなわち、本願は説明された実施例に限定されるものではない。
【0032】
なお、本明細書において、第1の及び第2のなどのような関係用語は一つの実体又は操作を他の実体又は操作と区別するために用いられ、必ずしもこれらの実体又は操作の間にいかなるこのような関係又は順序が存在することを要求又は暗示するものではない。また、用語「含む」、「有する」又は任意の他の変形は非排他的な包含をカバーすることを意図する。それにより、一連の要素を含む過程、方法、物品又は設備は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されない他の要素又はこのような過程、方法、物品又は設備に固有の要素を含む。より多くの制限がない場合に、語句「…を含む」で限定された要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は設備において他の同じ要素が存在することを排除しない。
【0033】
一般的には、リチウム電池などのタイプの電池に対して、動作環境はその動作性能に大きな影響を与える。リチウム電池における電気自動車に用いられるリチウム動力電池を例として、電気自動車が低温環境で起動する場合、低温でリチウム動力電池の動作性能が低下するため、電気自動車が起動できない又は正常に走行することができないことを引き起こす可能性がある。
【0034】
もちろん、実際の適用において、リチウム電池だけでなく、他のタイプの電池、例えばナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などに対して、加熱を必要とする可能性がある。
【0035】
現在、電池を加熱する方式は、主に外部加熱及び内部加熱の2種類に分けられる。外部加熱の方法は主に熱伝導又は熱対流の方式により実現され、PTC材料又は加熱膜等により外部で電池を加熱する。しかし、この方式は、熱ムラの現象が発生しやすくかつ加熱効率が低い。内部加熱は、熱が電池の内部で直接的に発生するため、そのエネルギー効率がより高く、受熱がより均一となる。
【0036】
検討過程において、発明者は、様々な加熱方式を比較することにより、交流電力により内部加熱を行う(以下、交流内部加熱と言う)場合、電池温度の均一性が高く、かつ電池エネルギー損失が小さいことを発見した。
【0037】
加熱される電源が電池自体である場合、直流電力により電池へ内部加熱を行う(以下、直流内部加熱と言う)場合に、例えばインバータ等のような機能を実現する回路素子の利用を回避することができるので、コストが低いが、電池の大きなエネルギー損失を引き起こす。また、過大な直流は電池寿命に一定の影響を与える。
【0038】
一般的に、交流内部加熱は、外部加熱方式及び直流内部加熱方式に比べて実現しやすく、かつ電池への加熱速度が速く、加熱の均一性が良い。
【0039】
説明を簡略化するために、以下は主に電池がリチウム電池であることを例として説明する。
【0040】
図1に示すように、図1は、リチウムイオン電池の等価回路の模式図であり、該等価回路から分かるように、リチウムイオン電池のインピーダンスは、主にZ1、Z2及びZ3の3つの部分で構成される。
【0041】
ここで、Z1は、リチウムイオン電池の内部集電体、活性物質及び電解液等のオーミック抵抗成分Rである。Z2は粒子表面固体電解質界面(solid electrolyte interphase:SEI)膜に対応するインピーダンス成分であり、具体的には容量インピーダンスQSEI及びオーミック抵抗RSEIを含む。Z3は、活物質固液相界面における電気二重層キャパシタQdl、電荷移動抵抗Rct及びリチウムイオンの拡散過程に対応するインピーダンスWを含む。
【0042】
一般的には、電流が電池に流れると、電池電位が平衡電位からずれる現象を引き起こす可能性があり、このような現象は電池の分極と呼ばれる。
【0043】
リチウム電池に分極が発生すると、負極にリチウム析出が発生する可能性がある。具体的には、リチウムイオン電池は、充電過程において、リチウムイオンが正極から離脱して負極に埋め込まれる。しかし、いくつかの異常状況が発生し、かつ正極から脱離したリチウムイオンが負極に挿入できないことを生じると、リチウムイオンは負極の表面に析出するだけであり、それにより一層の灰色の物質を形成する。
【0044】
リチウム析出は、電池性能を低下させ、サイクル寿命を大幅に短縮させるだけでなく、電池の急速充電容量を制限し、かつ燃焼、爆発などの災害を引き起こす可能性がある。
【0045】
負極にリチウム析出が発生することを回避するために、負極粒子表面の固相と液相電位差がリチウム析出反応の平衡電位より大きいことを満たす必要があり、即ち、
Φs-Φ>Ue,2
ここで、Φsは負極粒子表面の固相電位であり、Φは負極粒子表面の液相電位であり、Ue,2はリチウム析出反応の平衡電位であり、一般的に0Vであると考えられる。
【0046】
リチウム析出反応が発生する時、リチウムイオンは電子を得てリチウム金属に還元する必要があり、一般的にリチウム析出反応は、初期に黒鉛粒子表面SEI膜の内部で発生すると考えられ、該箇所のリチウム挿入反応の過電圧ηは以下のとおりである。
η=Φs-Φ-Ue,1
ここで、Ue,1は黒鉛負極の特定の荷電状態(State of Charge:SOC)での平衡電位である。
【0047】
リチウムイオン電池インピーダンススペクトルの導出過程に基づいて、バトラー・エルマー(Butler-Volmer)方程式の線形化により、リチウム挿入反応の過電圧は以下のように近似することができる。
η≒Ictct
式の中で、Ictはファラデー電流であり、Rctは電荷移動抵抗であり、充電する場合に、Ictの符号は負である。
【0048】
黒鉛負極に対応する等価回路は、以下の関係がある。
ctct=-V
ここで、Vは電荷移動抵抗Rctの両端の電圧であり、すなわち、図1に示す等価回路におけるインピーダンスZ3部分の両端の電圧である。
【0049】
上記の式から負極表面のリチウム析出の発生を回避するために、以下を満たす必要がある。
<Ue,1 (1)
【0050】
等価回路におけるインピーダンスZ3部分のインピーダンスは電流周波数に関連し、式は以下のとおりである。
【0051】
【数1】
【0052】
ここで、ZはインピーダンスZ3部分のインピーダンスであり、jは虚数単位であり、ωは電流周波数であり、ndlはインピーダンスZ3部分の定位相要素(Constant Phase Angle Element:CPE)指数であり、QdlはインピーダンスZ3部分のCPE係数である。
【0053】
リチウムイオン電池に交流電力を印加して励起する場合、Z3両端の電圧振幅は以下のとおりである。
|V|=Iac|Z| (3)
式の中で、|V|はインピーダンスZ3部分の電圧振幅であり、電流周波数に関連する。Iacは印加された交流電流の振幅である。
【0054】
式(1)及び(3)により、リチウムイオン電池が交流電力の励起でリチウム析出が発生しない条件は、以下のとおりである。
ac|Z|<Ue,1 (4)
即ち、リチウムイオン電池の黒鉛負極等価回路におけるインピーダンスZ3部分の両端の電圧振幅(電荷移動抵抗Rctの両端の電圧振幅)は常に黒鉛負極の平衡電位より小さい。
【0055】
一般的には、温度の低下に伴い、正極インピーダンス、負極インピーダンスの実部と虚部はいずれも顕著に増大する。正極インピーダンス、負極インピーダンスの実部は周波数の上昇に伴って減少する。
【0056】
式(2)及び(4)に基づいて、フィッティングして得られた負極等価回路パラメータにより、リチウム析出を抑制する条件で、異なる温度で異なる周波数の交流加熱電流の印加可能な最大振幅、すなわち異なる温度でのリチウムイオン電池の交流電流の最大振幅-周波数の関係を計算して得ることができ、該振幅-周波数の関係は図2を参照することができる。
【0057】
黒鉛負極等価回路Z3部分のインピーダンス振幅が温度、周波数の増加に伴って減少してきているため、最大許容の交流電流振幅が周波数又は温度の上昇に伴って増大してきている。
【0058】
以上に示すように、最大許容電流は、周波数の上昇に伴って増加してきていて、電池インピーダンスの実部は周波数の低下に伴って増加してきているので、発熱電力P=IRに基づいて、加熱電力を最大にさせるように、周波数と電流において平衡点を見つける必要がある。ここで、Pは発熱電力であり、Iは電流であり、Rは抵抗である。
【0059】
具体的に、図1に示すリチウムイオン電池の等価回路において、周波数の上昇に伴い、RctとRSEIの電流成分が減少することにより、多い発熱電力はオーミック内部抵抗Rの発熱により発生する。
【0060】
図3に示すように、図3は、リチウム析出条件で、異なる温度で、異なる周波数の交流電流により予熱する場合の最大発熱電力を示す模式図である。理想的な場合に、周波数を増加させることによりRctを流れる電流を減少させ、電圧が小さくなって、リチウムの析出を回避し、同時に総電流をより大きくし、Rにより大きな熱量を生成する。
【0061】
実際の過程において、加熱デバイス(車全体内蔵型急速加熱デバイス又は外付け型急速加熱デバイス)にも最大電流振幅の制限がある。設定した最大電流振幅である場合に、電流周波数が低すぎると、リチウム析出を引き起こす。電流周波数が高すぎると、発熱電力が小さい。したがって、このような場合に、周波数に対する選択は最適値を有する。
【0062】
図4に示すように、図4は、設定した交流電流振幅である場合の最適な周波数の選択を示す模式図である。図4から分かるように、ハッチングの境界で、電池がリチウムを析出しない条件での最大発熱電力を取得することができ、これは最適な周波数である。適切な電流振幅と周波数を選択することにより、加熱効率を最も高くさせることができる。
【0063】
しかしながら、関連技術において、一般的にリチウム電池の設計の最低温に基づいて、リチウム電池に対して内部加熱をするための電流振幅及び周波数を特定し、かつ後続の適用において、該電流振幅及び周波数を固定的に使用してリチウム電池を加熱し、このように、様々な環境でリチウム電池に対する効率的な加熱を実現しにくい。
【0064】
関連技術に存在する問題を解決するために、本願のいくつかの実施例によれば、電池加熱方法を提供し、図5に示すように、該方法は、
電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得するステップ501と、
第1の温度、第1の荷電状態、及び第1の電流振幅の条件での第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数の間の対応関係を含む所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を決定するステップ502と、
第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱するステップ503と、を含む。
【0065】
本実施例において、電池は、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等であってもよく、ここで具体的に限定されない。説明を簡略化するために、以下は主に電池がリチウムイオン電池であることを例として説明する。
【0066】
電池の第1の温度はリアルタイムに収集された電池温度を指すことが可能であり、関連する温度感知デバイスにより収集することができる。該第1の温度は、電池が位置する電池パック内の温度であってもよく、電池が位置する動作環境の温度であってもよい。
【0067】
第1の荷電状態は電池のリアルタイムSOCであってもよく、電池SOC信号収集デバイスにより収集することができる。
【0068】
いくつかの適用シーンにおいて、第1の温度及び第1の荷電状態は電池管理システム(Battery Management System:BMS)等により収集することができる。
【0069】
第1のデータテーブルは、予め作成されてもよい。該第1のデータテーブルを作成する過程において、電流振幅を制御し、電池温度及び電池SOCを変更し、かつ各電池温度と電池SOCとの組み合わせ条件での電池の電気化学インピーダンススペクトロスコピー(Electrochemical Impedance Spectroscopy:EIS)データを取得してもいい。EISデータに基づいて、いずれかの電池温度と電池SOCの組み合わせ条件での電流周波数を特定してもいい。一般的には、該電流周波数により、対応する電池温度と電池SOCの組み合わせ条件で、電池に分極現象が発生せず、同時に高い加熱電力で電池内部加熱を行うことができる。
【0070】
換言すれば、第1のデータテーブルを作成する時、電流振幅を固定量とし、電池温度及び電池SOCを説明変数とし、電流周波数を従属変数として測定することができる。
【0071】
ここで、第1のデータテーブルにおける電流振幅は具体的に第1の電流振幅に制御される。
【0072】
いくつかの例を結合し、第1の電流振幅は放電デバイスの定格電流又は最大許容電流に基づいて特定してもいい。例えば、電池が電気自動車に適用される場合、放電デバイスはモータコントローラ、充電スタンド又は他のエネルギー貯蔵ユニット等であってもよく、第1の電流振幅は放電デバイスの最大許容電流と等しく、又は放電デバイスの最大許容電流よりちょっと小さくてもいい。
【0073】
第1のデータテーブルは、第1の電流振幅の条件での、第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数の間の対応関係を含んでもいい。第1の温度と第1の荷電状態を取得した場合、第1のデータテーブルにより第1の電流周波数を特定することができる。
【0074】
第1の電流周波数を特定する場合、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱することができる。
【0075】
第1の電流振幅と第1の電流周波数は、目標加熱パラメータであってもよく、参照加熱パラメータであってもよい。例えば、実際の適用において、第1の電流振幅及び第1の電流周波数で電池を加熱してもよく、第1の電流周波数及び第1の電流振幅より低い電流振幅で電池を加熱してもよい。
【0076】
本願の実施例に係る電池加熱方法では、電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得し、第1の温度、第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定し、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱し、ここで、第1のデータテーブルは、第1の電流振幅の条件での、第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数との間の対応関係を含む。本願の実施例は、電池の温度に基づいて内部加熱用の電流周波数及び振幅を特定し、様々な温度環境で電池への加熱速度を向上させることができる。
【0077】
次に、本願の実施例において、第1の電流振幅が予め定められたので、電池の加熱パラメータを特定する場合、第1の電流振幅の特定による計算リソースの消費を節約し、電池の加熱パラメータの特定効率を向上させることができる。従って、様々な電流振幅に対してそれぞれ上記第1のデータテーブルを作成する必要がなく、第1のデータテーブルの作成による手間の消費を低減することに有利である。
【0078】
また、第1の電流振幅を特定することにより、電池を加熱するための電流振幅への限定が欠如することにより、電池を実際に加熱するための電流振幅が高すぎることによる電池コアのリチウム析出の状況を回避することができる。
【0079】
これと共に、本願の実施例において、第1のデータテーブルは第1の電流振幅の条件で作成され、複数の電流振幅に対してそれぞれ電池温度、電池SOC及び電流周波数の間の対応関係を作成する必要がなく、さらにこれらの対応関係の作成過程に必要な手間を減少させることに有利である。
【0080】
いくつかの例を参照し、第1のデータテーブルを作成する時、先に第1の電流振幅を特定してもいい。電池が電気自動車に適用されることを例として、第1の電流振幅の選択は加熱システムの最大過電流能力に関連し、電気自動車のモータコントローラにより自己放電を行うと、第1の電流振幅は一般的にモータ電気制御の最大過電流であり、急熱充電スタンドにより加熱を行うと、第1の電流振幅は一般的に充電スタンドの最大過電流能力に選択される。一般的に、第1の電流振幅は急熱作業条件で達成可能な最大電流振幅であり、同時に加熱システムの安全リスクを引き起こすことがなく、該第1の電流振幅は一般的にシステム設計の初期に特定された。
【0081】
一例において、第1の電流振幅は300Aであってもよく、かつSOCが0%~100%であり、温度が-30°~10°である場合の電池の安全電流周波数をそれぞれ標定することが可能であり、該安全電流周波数は式(2)及び(4)に基づいて特定することができる。
【0082】
電池に対する標定テストにより加熱効率が最も高い電流周波数(すなわち最適な周波数)を取得する場合、取得された最適な周波数が対応する安全な電流周波数以上であるようにすべきである。
【0083】
標定テストに基づいて第1のデータテーブルを得ることが可能であり、以下は第1のデータテーブルの一例である。
【0084】
【表1】
【0085】
説明すべきものとして、以上の第1のデータテーブルにおける各データは例示的な説明である。例えば、「XHz」は周波数値であることを表し、各テーブルにおける「X」が示す具体的な数値は標定テストにより得ることが可能であり、ある数値を特に指すものではなく、すなわち、異なるテーブルにおける「X」の数値は同じであってもよく異なってもよい。また、実際の適用において、第1の電流振幅も、標定されたSOCの範囲又は温度の範囲も、いずれも必要に応じて調整することができる。
【0086】
本願のいくつかの実施例によれば、第1のデータテーブルの数はN個であり、N個の第1のデータテーブルはN個の電池健全度(State Of Health:SOH)に関連付けられ、Nは1より大きい整数であり、
第1の温度、第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することは、具体的に、
電池の第1の健全度を取得することと、
N個の第1のデータテーブルから第1の健全度に関連する第2のデータテーブルを特定することと、
第1の温度、第1の荷電状態及び第2のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定することと、を含む。
【0087】
電池SOHは、電池の現在の容量と出荷容量の百分率と理解することができる。同じ電池は、異なるSOH状態で、異なる電荷移動抵抗Rctを有する可能性がある。以上のリチウムイオン電池のリチウム析出条件に対する分析から分かるように、Rctが変化する場合、リチウムイオンを安全に加熱することに使用可能な電流振幅及び周波数も対応して変化する。
【0088】
したがって、本実施例において、N個のSOHに対してそれぞれ対応する第1のデータテーブルを作成することができる。第1のデータテーブルの作成方式について、ここでは説明を省略する。
【0089】
電池の第1の健全度は、電池の現在のSOHと理解することが可能であり、いくつかの例において、電池の第1の健全度はBMSにより取得することができる。
【0090】
SOHと第1のデータテーブルに関連関係があるため、第1の健全度を取得した場合、N個の第1のデータテーブルから、第1の健全度に関連する第2のデータテーブルを特定することができる。
【0091】
別の観点から言えば、第2のデータテーブルは、すなわちN個の第1のデータテーブルにおける第1の健全度に関連する第1のデータテーブルである。したがって、第2のデータテーブルは同様に第1の電流振幅の条件での、第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数の間の対応関係を含んでもいい。
【0092】
本実施例において、第1の温度、第1の荷電状態及び第2のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定する。該第1の電流周波数は上記電池の加熱パラメータに対応してもよく、具体的な用途について、ここで説明を省略する。
【0093】
電池SOHが低下した後、電池のインピーダンスが向上し、本実施例において、安全冗長としてSOHを考慮し、電池加熱過程の信頼性をさらに向上させることができる。
【0094】
選択可能的に、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱することは、
第1の時刻から、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱することを含み、
第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱した後、方法は、さらに、
第1の時刻との間の期間が第1の所定期間に等しい第2の時刻に到達する場合、電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得するステップに戻ることを含む。
【0095】
本実施例において、加熱周期毎に電池を加熱すると考えられる。
【0096】
例えば、一つの加熱周期において、上記ステップ501~ステップ503を実行し、かつ第1の所定期間で電池への加熱を保持してもいい。該第1の所定期間は予め設定られてもよく、具体的な数値はここで限定しなくてもよい。
【0097】
電池を第1の所定期間で加熱した後、次の加熱周期に入り、ステップ501~ステップ503を繰り返し実行し、かつ再度に第1の所定期間で電池への加熱を保持してもいい。
【0098】
図6に示すように、図6は、本実施例における電池加熱過程の例を示す図であり、該図において、横座標は時間であり、縦座標は電池温度である。
【0099】
図6は、時間軸に3つの加熱周期の時間帯を示し、この3つの加熱周期はそれぞれ加熱周期A、加熱周期B及び加熱周期Cと記し、各加熱周期に採用された第1の電流周波数は、それぞれ第1の周波数、第2の周波数及び第3の周波数である。
【0100】
各加熱周期が終了した後、電池の第1の温度が変化し、したがって、第1の温度と第1のデータテーブルに基づいて特定された第1の電流周波数は、一般的にそれに対応して変化し、すなわち第1の周波数、第2の周波数及び第3の周波数は一般的に等しくなくてもよい。
【0101】
一般的には、第1のデータテーブルは電池の安全加熱及び加熱効率の最大化を考慮して作成され、本実施例において、異なる加熱周期毎に電池を加熱し、各加熱周期において、電池の第1の温度に基づいて電池を加熱するための電流周波数を調整し、電池の加熱安全性及び加熱効率を効果的に向上させることに有利である。
【0102】
いくつかの例において、電池の第1の温度が温度閾値より大きい、又は加熱周期の数が所定の数に達する場合、電池への加熱を終了してもいい。
【0103】
いくつかの例において、加熱電池の電流の波形は、パルス波、方形波、三角波、単一周波数正弦波又は複数の周波数正弦波の重畳などの方式における一種類であってもよい。すなわち、実際の適用において、加熱電池の電流の波形タイプに差異が存在する可能性がある。
【0104】
一般的には、第1の電流周波数は第1のデータテーブルを探索することにより得られ、第1のデータテーブルは、一般的にある波形タイプの電流条件に基づいて作成される。
【0105】
例えば、第1のデータテーブルを作成する時、使用される電流の波形タイプは単一周波数正弦波であってもよい。説明を簡略化するために、第1のデータテーブルを作成する時、使用された電流の波形タイプを基準波形にしてもいい。
【0106】
しかしながら、実際の適用において、加熱電池に使用される電流の波形タイプはパルス波又は三角波等である可能性がある。これらの波形タイプが電池のリチウム析出に与える影響は、一般的判定しにくく、加熱過程の安全を保証するために、第1のデータテーブルに基づいて第1の電流周波数を特定する場合、電池の加熱に使用される電流の波形タイプに基づいて第1の電流周波数を調整し、第2の電流周波数を取得することができる。
【0107】
第1の電流周波数の調整ルールは、必要に応じて設定することができる。例えば、電池を加熱するための電流の波形タイプが上記基準波形であれば、第1の電流周波数を直接第2の電流周波数とすることができる。電池を加熱するための電流の波形タイプが基準波形でなければ、第1の電流周波数に所定の周波数を加算する又は所定の係数を乗算して、第2の電流周波数を取得してもいい。
【0108】
また、例えば、調整ルールにおいて、各波形タイプは、所定の周波数調整値又は調整係数に対応してもいい。電池を加熱するための電流の波形タイプを取得する場合、第1の電流周波数に該波形タイプに対応する周波数調整値を加算する又は該波形タイプに対応する調整係数を乗算することにより、第2の電流周波数を取得してもいい。
【0109】
本実施例において、電池を加熱するための電流の波形タイプに基づいて、第1のデータテーブルに基づいて特定された第1の電流周波数を調整し、第2の電流周波数を取得し、かつ第1の電流振幅と第2の電流周波数に基づいて電池を加熱することが可能であり、電池加熱過程の安全性を向上させることに有利である。
【0110】
本願のいくつかの実施例によれば、第1の温度、第1の荷電状態及び所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定した後、方法はさらに、
第2の電流振幅を取得した場合、第2の電流振幅に基づいて、第2の電流振幅の条件で電池を加熱する安全電流周波数である第3の電流周波数を特定することと、
第1の電流周波数と第3の電流周波数との間の大きい値、及び第2の電流振幅に基づいて、電池を加熱することを含む。
【0111】
以上の実施例を結合して、第1の電流振幅は放電デバイスの最大許容電流に基づいて特定されてもよく、第1の電流振幅はある程度で経験値と考えられる。実際の適用において、異なる放電デバイスは異なる最大許容電流を有する可能性がある。
【0112】
ここでの第2の電流振幅は、実際の適用に使用された放電デバイスの最大許容電流であってもよく、又は実際の適用に使用された放電デバイスの最大許容電流に基づいて特定された電流振幅であってもよい。
【0113】
式(2)及び(4)から分かるように、交流電流の振幅が増大する場合、リチウム析出現象の発生を回避し、電池加熱の安全性を保証するために、電流周波数を対応して増大させる必要がある。
【0114】
第2の電流振幅を取得した場合、実際に式(2)及び(4)に基づいて、安全電流周波数、すなわち上記第3の電流周波数を特定してもいい。電池を加熱するための電流の周波数が該第3の電流周波数より低い場合、加熱過程に安全性の問題をもたらす可能性がある。
【0115】
したがって、本実施例において、第1の電流周波数と第3の電流周波数との間の大きい値、及び第2の電流振幅に基づいて、電池を加熱してもいい。このように、様々な電流振幅の条件で、いずれも電池加熱過程の安全性を効果的に保障することができる。
【0116】
図7に示すように、本願の実施例は、さらに、
電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得するステップ701と、
第2の温度、第2の荷電状態、及び第4の電流周波数の条件での第2の温度、第2の荷電状態及び第3の電流振幅の間の対応関係を含む所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定するステップ702と、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱するステップ703と、を含む。
【0117】
本実施例において、電池は、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等であってもよく、ここで具体的に限定されない。説明を簡略化するために、以下同様に主に電池がリチウムイオン電池であることを例として説明する。
【0118】
電池の第2の温度は、リアルタイムに収集された電池温度を指してもよく、関連する温度感知デバイスにより収集してもいい。該第2の温度は、電池が位置する電池パック内の温度であってもよく、電池が位置する動作環境の温度であってもよい。
【0119】
第2の荷電状態は電池のリアルタイムSOCであってもよく、電池SOC信号収集デバイスにより収集してもいい。
【0120】
いくつかの適用シーンにおいて、第2の温度及び第2の荷電状態はBMS等により収集してもいい。
【0121】
第3データテーブルは、予め作成されてもよい。該第3のデータテーブルを作成する過程において、電流周波数を制御し、電池温度及び電池SOCを変更し、かつ各電池温度と電池SOCとの組み合わせ条件での電池のEISデータを取得することができる。EISデータに基づいて、任意の電池温度と電池SOCの組み合わせ条件での電流振幅を特定することができる。一般的には、該電流振幅により、対応する電池温度と電池SOCの組み合わせ条件で、電池に分極現象が発生せず、同時に高い加熱電力で電池の内部加熱を行うことができる。
【0122】
換言すれば、第3のデータテーブルを作成する時、電流周波数を固定量とし、電池温度及び電池SOCを説明変数とし、電流振幅を従属変数として測定することができる。
【0123】
ここで、第3のデータテーブルにおける電流周波数は具体的に第4の電流周波数に制御される。
【0124】
第3のデータテーブルは、第4の電流周波数の条件での、第2の温度、第2の荷電状態及び第3の電流振幅の間の対応関係を含んでもいい。第2の温度及び第2の荷電状態を取得した場合、第3のデータテーブルにより第3の電流振幅を特定してもいい。
【0125】
第3の電流振幅を特定した場合、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱してもいい。
【0126】
第4の電流周波数及び第3の電流振幅は目標加熱パラメータであってもよく、参照加熱パラメータであってもよい。例えば、実際の適用において、第4の電流周波数及び第3の電流振幅で電池を加熱してもよく、第3の電流振幅及び第4の電流周波数より高い電流周波数で電池を加熱してもよい。
【0127】
本願の実施例に係る電池加熱方法は、電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得し、第2の温度、第2の荷電状態及び所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定し、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱し、ここで、第3のデータテーブルは、第4の電流周波数の条件での、第2の温度、第2の荷電状態及び第3の電流振幅の間の対応関係を含む。本願の実施例は、電池の温度に基づいて内部加熱用の電流周波数及び振幅を特定し、様々な温度環境で電池への加熱速度を向上させることができる。
【0128】
次に、本願の実施例において、第4の電流周波数が予め特定されたので、電池の加熱パラメータを特定する場合、第4の電流周波数の特定による計算リソースの消費を節約し、電池の加熱パラメータの特定効率を向上させることができる。そして、様々な電流周波数に対してそれぞれ上記第3のデータテーブルを作成する必要がなく、第3のデータテーブルの作成による手間の消費を低減することに有利である。
【0129】
また、第1の電流振幅を特定することにより、電池を加熱するための電流周波数への限定が欠如することにより、電池を実際に加熱するための電流周波数が高すぎる状況を回避することができる。
【0130】
これと同時に、本願の実施例において、第3のデータテーブルは、第4の電流周波数の条件で作成され、複数の電流周波数に対してそれぞれ電池温度、電池SOC及び電流振幅の間の対応関係を作成する必要がなく、さらにこれらの対応関係の作成過程に必要な手間を減少させることに有利である。
【0131】
本願のいくつかの実施例によれば、第3の電流振幅を決定した後、方法は、さらに、
電池の出力電圧を取得することと、
出力電圧が電圧閾値より小さい場合、所定の第5の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することと、を含み、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することは、
出力電圧が電圧閾値以上である場合、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することを含み、
ここで、第5の電流周波数は第4の電流周波数より大きい。
【0132】
実際の適用において、電池は放電デバイスにより加熱されると同時に、ユーザデバイスに電力を供給してもよく、したがって、電池には、電圧センサデバイス等により取得される出力電圧が存在する。
【0133】
一つの適用例を結合し、上記第4の電流周波数は、予め特定された小さい周波数値であってもよい。電池へ内部加熱を行う過程において、電池の出力電圧が低い場合、放電し続けると、電池が安全電圧以下に低下する可能性がある。
【0134】
電圧閾値は、電池が安全電圧範囲にあるか否かを判断するための閾値と考えられる。
【0135】
電池の出力電圧が該電圧閾値より小さい場合、電池が安全電圧範囲にないと考えられ、放電し続けると、電池が安全電圧以下に低下する可能性がある。
【0136】
本実施例において、電池の出力電圧が該電圧閾値より小さい場合、より大きい第5の電流周波数を採用して電池へ内部加熱を行ってもいい。
【0137】
式(2)から分かるように、電流周波数が向上すると、電池のインピーダンスが低下し、電池が放電すると同時に安全電圧範囲内に確実にあり、電池の内部加熱過程の安全性を向上させることに有利である。
【0138】
第5の電流周波数は、必要に応じて設定することが可能であり、具体的には経験値であってもよく、又は電池の充放電過程に対する標定により取得され、ここでは説明を省略する。
【0139】
電池の出力電圧が電圧閾値以上である場合、ある程度に、電池は放電中に出力電圧が安全電圧範囲以下に低下する状況が存在しないと考えられ、この場合に相対的に低い第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱し、電池への加熱効率を保証することができる。
【0140】
1つの実施形態において、出力電圧が電圧閾値より小さい場合、所定の第5の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱した後、電池の第2の温度が所定の温度値まで上昇する時、さらに第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱してもいい。
【0141】
本願のいくつかの実施例によれば、第3の電流振幅は具体的には順方向電流振幅であり、
【0142】
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することは、具体的には、
第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することを含む。
【0143】
一般的には、順方向電流は電池が充電状態にある場合の電流を指してもよく、逆方向電流は電池が放電状態にある場合の電流を指してもいい。
【0144】
電池を内部加熱する場合、リチウム析出などの安全性の問題をもたらすことは、一般的に上記順方向電流である。したがって、本実施例において、特定する必要がある第3の電流振幅は、順方向電流振幅であってもよく、第3の電流振幅と第4の電流周波数に基づいて電池を加熱する場合、安全性の問題の発生を回避すべきである。
【0145】
それに対応して、逆方向電流に対して、電池のリチウム析出等による安全性への影響が小さく、したがって、その振幅を所定値に特定してよく、すなわち上記第1の逆方向電流振幅とする。
【0146】
例えば、一例において、第1の逆方向電流振幅は、電力消費デバイスの最大許容電流振幅を取ってもよく、該最大許容電流振幅は電力消費デバイスを設計する時に既に特定される。もちろん、他の例において、第1の逆方向電流振幅も経験値を取ってもいい。
【0147】
本実施例において、第3のデータテーブルに基づいて特定された第3の電流振幅は、具体的には順方向電流振幅であり、第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱し、加熱効率を向上させることに有利であり、同時に電池加熱過程の安全性を保証し、加熱デバイスの周波数変換幅に対する要求を低下させることに有利である。
【0148】
本願のいくつかの実施例によれば、第3の電流振幅を特定した後、方法は、さらに、
電池の出力電圧を取得することと、
出力電圧が電圧閾値より小さい場合、第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第2の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することと、を含み、
第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することは、具体的には、
出力電圧が電圧閾値以上である場合、第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱することを含み、
ここで、第1の逆方向電流振幅は第2の逆方向電流振幅より大きい。
【0149】
以上の実施例を結合して分かるように、電池へ内部加熱を行う過程において、電池の出力電圧が低い場合、放電し続けると、電池が安全電圧以下に低下する可能性がある。
【0150】
電池の出力電圧が低いか否かは、出力電圧と電圧閾値との比較に基づいて判断してもいい。
【0151】
電池の出力電圧が電圧閾値以上である場合、一定の程度に、電池は放電中に出力電圧が安全電圧範囲以下に低下する状況が存在しないと考えられ、この場合に第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱し、電池への加熱効率を保証すると同時に、電力消費デバイスの正常な使用を保証することができる。
【0152】
電池の出力電圧が電圧閾値より小さい場合、出力された電流の振幅を制御する必要があり、すなわち逆方向電流振幅を減少させる。
【0153】
具体的には、出力電圧が電圧閾値より小さい場合、第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第2の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱し、該第2の逆方向電流振幅が第1の逆方向電流振幅より小さく、電池の過放電による安全性の問題を回避し、さらに電池の耐用年数を延すことに有利である。
【0154】
本願のいくつかの実施例によれば、第3のデータテーブルの数はM個であり、M個の第3のデータテーブルはM個の電池健全度に関連し、Mは1より大きい整数であり、
第2の温度、第2の荷電状態及び所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定することは、
電池の第2の健全度を取得することと、
M個の第3のデータテーブルから第2の健全度に関連する第4のデータテーブルを特定することと、
第2の温度、第2の荷電状態及び第4のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定することと、を含む。
【0155】
以上の実施例を結合して、同じ電池は異なるSOH状態で、異なる電荷移動抵抗Rctを有する可能性がある。以上のリチウムイオン電池のリチウム析出条件に対する分析から分かるように、Rctが変化する場合、リチウムイオンを安全に加熱することに使用可能な電流振幅及び周波数も対応して変化する。
【0156】
本実施例において、M個のSOHに対してそれぞれ対応する第3のデータテーブルを作成してもいい。第3のデータテーブルの作成方式について、ここでは説明を省略する。
【0157】
電池の第2の健全度は電池の現在のSOHと理解してもよく、いくつかの例において、電池の第2の健全度はBMSにより取得してもいい。
【0158】
SOHと第3のデータテーブルに関連関係があるため、第2の健全度を取得した場合、M個の第3のデータテーブルから、第2の健全度に関連する第4のデータテーブルを特定してもいい。
【0159】
別の観点から言えば、第4のデータテーブルは、すなわちN個の第3のデータテーブルにおける第2の健全度に関連する第3のデータテーブルである。したがって、第4のデータテーブルは同様に第4の電流周波数の条件での、第2の温度、第2の荷電状態及び第3の電流振幅の間の対応関係を含むことができる。
【0160】
本実施例において、第2の温度、第2の荷電状態及び第4のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定する。該第3の電流振幅は上記電池の加熱パラメータに対応することが可能であり、具体的な用途はここで説明を省略する。
【0161】
電池SOHが低下した後、電池のインピーダンスを向上させ、本実施例において、安全冗長としてSOHを考慮し、電池加熱過程の信頼性をさらに向上させることができる。
【0162】
本願のいくつかの実施例によれば、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することは、
第3の時刻から、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱することを含み、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱した後、方法はさらに、
第3の時刻との間の期間が第2の所定期間に等しい第4の時刻に到達する場合、電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得するステップに戻ることを含む。
【0163】
本実施例において、加熱周期毎に電池を加熱すると考えられる。
【0164】
例えば、1つの加熱周期において、上記ステップ701~ステップ703を実行し、かつ第2の所定期間で電池への加熱を保持してもいい。該第2の所定期間は予め設定されてもよく、具体的な数値はここで限定しなくてもよい。
【0165】
第2の所定期間で電池を加熱した後、次の加熱周期に入り、ステップ701~ステップ703を繰り返し実行し、かつ再度に第2の所定期間で電池への加熱を保持してもいい。
【0166】
図8に示すように、図8は、本実施例における電池加熱過程の別の例を示す図であり、該図の上方に位置する座標系において、横座標は時間であり、縦座標は電池温度である。
【0167】
図8は、時間軸に3つの加熱周期の時間帯を示し、この3つの加熱周期はそれぞれ加熱周期A’、加熱周期B’及び加熱周期C’と記す。各加熱周期に採用された電流周波数は等しくてもよいが、電流振幅は連続的に変化してもよい。
【0168】
一例を参照し、図8の下方に位置する座標系を参照し、該座標系において、横座標は時間であり、縦座標は電流振幅である。このことから分かるように、電流の周波数はそのまま不変であり、加熱周期A’、加熱周期B’及び加熱周期C’において、順方向電流振幅は絶えず増大してもよく、逆方向電流振幅は不変に保存してもいい。
【0169】
もちろん、他の例において、加熱周期の進行に伴い、逆方向電流振幅を調整してもいい。
【0170】
一般的には、第3のデータテーブルは、電池の安全加熱及び加熱効率の最大化を考慮して作成され、本実施例において、異なる加熱周期毎に電池を加熱し、各加熱周期において、電池の第2の温度に基づいて電池を加熱するための電流振幅を調整し、電池の加熱安全性及び加熱効率を効果的に向上させることに有利である。
【0171】
図8に示す例において、電池を加熱するための電流の波形は方形波であり、実際の適用において、電池を加熱するための電流の波形タイプは、パルス波、方形波、三角波、単一周波数正弦波又は複数の周波数正弦波の重畳等の方式における少なくとも一種類であってもよい。
【0172】
もちろん、いくつかの実施形態において、電池加熱過程の安全性をさらに向上させるために、波形タイプに応じて第3の電流振幅を調整し、かつ第4の電流周波数と調整後の第3の電流振幅に基づいて電池を加熱してもいい。
【0173】
例えば、第3のデータテーブルを作成する時に採用された電流波形は単一周波数正弦波であり、該単一周波数正弦波は基準波形と呼ばれる。調整ルールは、電池を加熱するための波形タイプが基準波形ではない場合、特定された第3の電流振幅から所定の電流振幅を減算し、又は1より小さい正の係数を乗算するなどを含んでもいい。
【0174】
本願のいくつかの実施例によれば、図9に示すように、図9は、電池を加熱するための加熱システムの構成模式図である。この加熱システムは、電池パックと電源とを含んでいてもよい。
【0175】
電池パックは、電池及びBMSを含んでもよく、BMSは、例えば、電流収集ユニット、電圧収集ユニット及び温度収集ユニット等の様々なタイプの感知ユニットを含む。もちろん、BMSは、さらにSOC信号収集デバイス及びSOH信号収集デバイス等を含んでもいい。
【0176】
該電池パックが電気自動車に適用されることを例として、電源は、充電スタンド又はモータコントローラ等であってもよい。
【0177】
実際の適用において、BMSは、電池の温度、SOC等のデータを収集し、かつこれらの収集されたデータに基づいて、例えば上記電流周波数及び電流振幅等の関連する加熱パラメータを生成してもいい。電源が加熱パラメータに応じて電池を加熱するように制御するように、加熱パラメータは例えば信号線の通信モジュールを介して電源に送信されてもいい。
【0178】
本願のいくつかの実施例によれば、図10に示すように、図10は電池を加熱するための別の加熱システムの構成模式図である。該加熱システムは、電池パック、電圧変換モジュール及びエネルギー貯蔵ユニットを含んでもいい。
【0179】
電池パックとBMSの機能は前の実施例で説明し、ここでは説明を省略する。
【0180】
エネルギー貯蔵ユニットは、風力発電エネルギー貯蔵ユニット又は太陽エネルギー貯蔵ユニット等であってもよい。或いは、電池パックが電気自動車に適用される場合、エネルギー貯蔵ユニットは電気自動車における各種のエネルギー貯蔵用の電子部品であってもよい。
【0181】
電圧変換モジュールは、エネルギー貯蔵ユニットから出力された電圧を変換するために用いられる。BMSは電圧変化モジュールと通信接続してもよく、特定された加熱パラメータに基づいて電圧変化モジュールの動作を制御する。
【0182】
図11に示すように、本願の実施例は、さらに、
電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得する第1の取得モジュール1101と、
第1の温度、第1の荷電状態、及び、第1の電流振幅の条件での第1の温度、第1の荷電状態及び第1の電流周波数の間の対応関係を含む所定の第1のデータテーブルに基づいて、第1の電流周波数を特定する第1の特定モジュール1102と、
第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱する第1の加熱制御モジュール1103と、を含む電池加熱装置1100を提供している。
【0183】
本願のいくつかの実施例によれば、第1のデータテーブルの数はN個であり、N個の第1のデータテーブルはN個の電池健全度に関連付けられ、Nは1より大きい整数であり、
第1の特定モジュール1102は、
電池の第1の健全度を取得する第1の取得ユニットと、
N個の第1のデータテーブルから第1の健全度に関連する第2のデータテーブルを特定する第1の特定ユニットと、
第1の温度、第1の荷電状態及び第2のデータテーブルに基づき、第1の電流周波数を特定する第2の特定ユニットと、を含む。
【0184】
本願のいくつかの実施例によれば、第1の加熱制御モジュール1103は、
第1の時刻から、第1の電流振幅と第1の電流周波数に基づいて電池を加熱する第1の加熱制御ユニットを含み、
それに応じて、電池加熱装置1100は、さらに、
第1の時刻との間の期間が第1の所定期間に等しい第2の時刻に到達する場合に、電池の第1の温度及び第1の荷電状態を取得するステップに戻るための第1の実行モジュールを含んでもいい。
【0185】
本願のいくつかの実施例によれば、電池加熱装置1100は、さらに、
第2の電流振幅を取得した場合、第2の電流振幅に基づいて、第2の電流振幅の条件で電池を加熱する安全電流周波数である第3の電流周波数を特定する第3の取得モジュールと、
第1の電流周波数と第3の電流周波数との間の大きい値、及び第2の電流振幅に基づいて、電池を加熱する第3の加熱制御モジュールと、を含む。
【0186】
図12に示すように、本願の実施例は、さらに、
電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得する第2の取得モジュール1201と、
第2の温度、第2の荷電状態、及び、第4の電流周波数の条件での第2の温度、第2の荷電状態及び第3の電流振幅の間の対応関係を含む所定の第3のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定する第2の特定モジュール1202と、
第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱する第2の加熱制御モジュール1203と、を含む電池加熱装置1200を提供している。
【0187】
本願のいくつかの実施例によれば、電池加熱装置1200は、さらに、
電池の出力電圧を取得する第4の取得モジュールと、
【0188】
出力電圧が電圧閾値より小さい場合、所定の第5の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱する第4の加熱制御モジュールと、を含んでもよく、
それに応じて、第2の加熱制御モジュール1203は、出力電圧が電圧閾値以上である場合、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱し、
ここで、第5の電流周波数は第4の電流周波数より大きい。
【0189】
本願のいくつかの実施例によれば、第3の電流振幅は順方向電流振幅であり、
それに応じて、第2の加熱制御モジュール1203は、
第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱する第2の加熱制御ユニットを含む。
【0190】
本願のいくつかの実施例によれば、電池加熱装置1200は、さらに、
電池の出力電圧を取得する第5の取得モジュールと、
出力電圧が電圧閾値より小さい場合、第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第2の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱する第5の加熱制御モジュールと、を含んでもよく、
それに応じて、第2の加熱制御モジュール1203は、出力電圧が電圧閾値以上である場合、第4の電流周波数、第3の電流振幅及び所定の第1の逆方向電流振幅に基づいて電池を加熱し、
ここで、第1の逆方向電流振幅は第2の逆方向電流振幅より大きい。
【0191】
本願のいくつかの実施例によれば、第3のデータテーブルの数はM個であり、M個の第3のデータテーブルはM個の電池健全度に関連し、Mは1より大きい整数である。
【0192】
本願のいくつかの実施例によれば、第2の特定モジュール1202は、
電池の第2の健全度を取得する第2の取得ユニットと、
M個の第3のデータテーブルから第2の健全度に関連する第4のデータテーブルを特定する第3の特定ユニットと、
第2の温度、第2の荷電状態及び第4のデータテーブルに基づいて、第3の電流振幅を特定する第4の特定ユニットと、を含む。
【0193】
本願のいくつかの実施例によれば、第2の加熱制御モジュール1203は、
第3の時刻から、第4の電流周波数及び第3の電流振幅に基づいて電池を加熱する第3の加熱制御ユニットを含み、
それに応じて、電池加熱装置1200は、さらに、
第3の時刻との間の期間が第2の所定期間に等しい第4の時刻に到達した場合、電池の第2の温度及び第2の荷電状態を取得するステップに戻る第2の実行モジュールを含んでもいい。
【0194】
なお、該電池加熱装置は上記電池加熱方法に対応する装置であり、上記方法の実施例における全ての実現方式はいずれも該装置の実施例に適用され、同様の技術的効果を達成することができる。
【0195】
図13は、本願の実施例に係る電子デバイスのハードウェア構造図を示す。
【0196】
電子デバイスには、プロセッサ1301と、コンピュータプログラム命令を記憶しているメモリ1302とを含んでもいい。
【0197】
具体的には、上記プロセッサ1301は、中央処理装置(CPU)、又は特定の集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)を含んでもよく、又は本願の実施例を実施する一つ又は複数の集積回路に配置されてもよい。
【0198】
メモリ1302は、データや命令のための大容量のメモリを含んでもよい。例えば、限定するものではなく、メモリ1302はハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)、フレキシブルディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)ドライブ又は2つ以上のこれらの組み合わせを含むことができる。適切な場合に、メモリ1302は、取り外し可能又は取り外し不可能(又は固定)な媒体を含んでもいい。適切な場合に、メモリ1302は、統合ゲートウェイ災害復旧デバイスの内部又は外部に位置してもいい。特定の実施例において、メモリ1302は不揮発性固体メモリである。
【0199】
メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ディスク記憶媒体デバイス、光記憶媒体デバイス、フラッシュメモリデバイス、電気、光学又は他の物理/有形のメモリ記憶デバイスを含んでもいい。したがって、一般的に、メモリは、コンピュータ実行可能な命令を含むソフトウェアが符号化された一つ又は複数の有形(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリデバイス)を含み、かつ該ソフトウェアが実行される(例えば、一つ又は複数のプロセッサ)場合、それは本開示の方法に基づいて説明された操作を実行するように動作することができる。
【0200】
プロセッサ1301は、メモリ1302に記憶されたコンピュータプログラム命令を読み取り実行することにより、上記実施例のいずれかの電池加熱方法を実現する。
【0201】
一例において、電子デバイスはさらに通信インタフェース1303及びバス1304を含んでもいい。ここで、図13に示すように、プロセッサ1301、メモリ1302、通信インタフェース1303は、バス1304を介して接続されかつ相互間の通信を完了する。
【0202】
通信インタフェース1303は、主に本願の実施例における各モジュール、装置、ユニット及び/又はデバイスの間の通信を実現するために用いられるもの。
【0203】
バス1304は、ハードウェア、ソフトウェアまたはその両方を含む。例のみであるが、限定するものではなく、バスは加速グラフィックポート(AGP)又は他のグラフィックバス、強化工業標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントエンドバス(FSB)、スーパートランスポート(HT)相互接続、工業標準アーキテクチャ(ISA)バス、無限帯域幅相互接続、低ピン数(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、周辺コンポーネント相互接続(PCI)バス、PCI-Express(PCI-X)バス、シリアル高級技術アクセサリ(SATA)バス、ビデオ電子標準協会ローカル(VLB)バス又は他の適切なバス又は2つ以上のこれらの組み合わせを含んでもいい。適切な場合に、バス1304は、1つ又は複数のバスを含んでもいい。本願の実施例は、特定のバスを説明し示したが、本願は任意の適切なバス又は相互接続を考慮する。
【0204】
また、上記実施例における電池加熱方法を結合して、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供して実現することができる。該コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラム命令が記憶されている。該コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行される場合に上記実施例のいずれかの電池加熱方法を実現する。
【0205】
明確にする必要があることは、本願は、上記説明されかつ図に示された特定の構成及び処理に限定されないことである。簡潔にするために、ここでは既知の方法に対する詳細な説明を省略する。上記実施例において、いくつかの具体的なステップを例として説明しかつ示す。しかしながら、本願の方法過程は説明及び示された具体的なステップに限定されず、当業者は本願の精神を理解した後、様々な変更、修正及び追加、又はステップ間の順序を変更することができる。
【0206】
以上の構成ブロック図で示した機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせとして実現することができる。ハードウェア方式で実現する場合、それは例えば電子回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カード等であってもよい。ソフトウェア方式で実現する場合、本願の要素は必要なタスクを実行するために用いられるプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは機械可読媒体に記憶されてもよく、又はキャリアに搬送されたデータ信号により伝送媒体又は通信リンクで伝送されてもよい。「機械読み取り可能な媒体」は、情報を記憶又は伝送可能な任意の媒体を含んでもよい。機械読み取り可能な媒体の例として、電子回路、半導体メモリデバイス、ROM、フラッシュメモリ、消去可能なROM(EROM)、フロッピーディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ媒体、無線周波数(RF)リンク等を含む。コードセグメントは、インターネットやイントラネット等のコンピュータネットワークを介してダウンロードされてもよい。
【0207】
さらに説明すべきことは、本願に言及された例示的な実施例は、一連のステップ又は装置に基づいていくつかの方法又はシステムを説明する。しかしながら、本願は上記ステップの順序に限定されず、すなわち、実施例に言及された順序に応じてステップを実行してもよく、実施例における順序と異なってもよく、又は複数のステップを同時に実行してもよい。
【0208】
以上、本開示の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びプログラムのフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら、本開示の各態様について説明した。理解されるように、フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック及びフローチャート及び/又はブロック図における各ブロックの組み合わせはコンピュータプログラム命令により実現することができる。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を生成することにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにより実行されたこれらの命令はフローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックに指定された機能/動作を実現することができる。このようなプロセッサは汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特殊アプリケーションプロセッサ又はフィールドプログラマブルロジック回路であってもよいが、それらに限定されない。さらに理解されるように、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック及びブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェアにより実現されてもよく、又は専用ハードウェア及びコンピュータコマンドの組み合わせにより実現されてもよい。
【0209】
以上は、本願の具体的な実施形態だけであり、当業者であれば、説明の便宜及び簡潔のために、上記説明されたシステム、モジュール及びユニットの具体的な動作過程は、上記方法の実施例における対応する過程を参照することが可能であることを明確に理解することができ、ここで説明を省略する。理解すべきことは、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば本願に開示された技術的範囲内で、様々な等価の修正又は置換を容易に想到することが可能であり、これらの修正又は置換はいずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】