IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イ・エメ・ア,インドゥストリア・マキーネ・オートマティーク・ソシエタ・ペル・アチオニの特許一覧

特表2024-508869密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置
<>
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図1
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図2
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図3
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図4
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図5
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図6
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図7
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図8
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図9
  • 特表-密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばす方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
B65B69/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553009
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 IT2022050005
(87)【国際公開番号】W WO2022185347
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021000004685
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】500361593
【氏名又は名称】イ・エメ・ア,インドゥストリア・マキーネ・オートマティーク・ソシエタ・ペル・アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ガブシ ガブリエーレ
【テーマコード(参考)】
3E058
【Fターム(参考)】
3E058AA06
3E058CA01
3E058FA02
(57)【要約】
少なくとも1つの物体(12)を含むパッケージ(11)の開口フラップ(20)を自動的に伸ばすための方法及び装置(10、110)。前記装置は、選択的且つ少なくとも一時的にしかし安定した様態で、前記パッケージ(11)と協働して、開口フラップ(20)を識別し、その後の処理のために把持できるようにするように構成された吸引把持部材(25)を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
十分な隙間を持って少なくとも1つの物体(12)を内部に含む密閉パッケージ(11)の開口フラップ(20)を伸ばす方法であって、
前記パッケージ(11)には、第1外面(18)及び前記開口フラップ(20)が設けられ、
a)吸引によって前記密閉パッケージ(11)に選択的且つ一時的に結合するように構成された第1把持手段(25)を備えたマニピュレータ部材(21)を準備するステップと、
b)前記マニピュレータ部材(21)と前記パッケージ(11)の前記第1外面(18)との間で相互接近を行って、前記第1把持手段(25)が前記第1外面(18)の前に来るようにするステップと、
c)吸引によって、前記マニピュレータ部材(21)と前記密閉パッケージの前記第1外面(18)との間に一時的ではあるが安定した結合を生成するように、前記第1把持手段(25)を駆動して、前記第1外面(18)と前記マニピュレータ部材(21)との間の相対移動は防止されるが、前記密閉パッケージ(11)内の前記物体(12)の移動は許容されるようにするステップと、
ことを含む方法であって、前記方法は更に、
d)前記密閉パッケージ(11)と前記物体(12)との間に相対運動を生じさせるように前記マニピュレータ部材(21)を移動させるステップであって、前記マニピュレータ部材(21)を移動させる前記ステップは、前記開口フラップ(20)が伸びるまで、前記密閉パッケージ(11)内で前記少なくとも1つの物体(12)を振るように実行され、前記開口フラップ(20)を識別可能にし、その後の前記密閉パッケージ(11)の処理、特に伸ばされたフラップを切断するステップ、において利用できるようにするステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マニピュレータ部材(21)を移動させる前記ステップd)中、前記マニピュレータ部材(21)は少なくとも2自由度で移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1把持手段(25)の反対側の第2把持手段(125)は、前記第1外面(18)の反対側の前記パッケージ(11)の第2外面(19)と選択的且つ少なくとも一時的に協働して、前記第2外面(19)と前記第2把持手段(125)との間の相対移動が防止され、一方、前記パッケージ(11)内の前記物体(12)の自由な移動は許容される更なるステップe)
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2把持手段(125)は、1つ若しくは複数の吸着盤又は1つ若しくは複数の吸引部材を備え、
前記1つ若しくは複数の吸着盤又は前記1つ若しくは複数の吸引部材は、前記パッケージ(11)の前記第2外面(19)との一時的な結合を決定するために選択的に作動させることができる
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記物体(12)は滅菌されており、少なくとも1つのタブ(15)及び/又はトレイ(16)を含む
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記パッケージ(11)はバッグであり、前記第1外面(18)は前記バッグの壁、折り目、又はシートである
ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
十分な隙間を持って少なくとも1つの物体(12)を内部に含む密閉パッケージ(11)の開口フラップ(20)を伸ばすための装置(10、110)であって、
前記パッケージ(11)には、第1外面(18)及び前記開口フラップ(20)が設けられ、
前記装置(10、110)は、吸引によって前記密閉パッケージ(11)に選択的且つ一時的に結合するように構成された吸引部材を備える第1把持手段(25)を備えたマニピュレータ部材(21)を備え、
前記マニピュレータ部材(21)は、前記パッケージ(11)の前記第1外面(18)の近くに移動するように構成されて、前記第1把持手段(25)が前記第1外面(18)の前に来るようにし、
前記第1把持手段(25)は、吸引によって、前記マニピュレータ部材(21)と前記第1外面(18)との間に一時的ではあるが安定した結合を生成するように駆動されるように構成され、前記第1外面(18)と前記マニピュレータ部材(21)との間の相対移動は防止されるが、前記密閉パッケージ(11)内の前記物体(12)の移動は許容されるようにし、
前記開口フラップ(20)が伸びるまで、前記密閉パッケージ(11)内で前記少なくとも1つの物体(12)を振るために、前記密閉パッケージ(11)と前記物体(12)との間に相対運動を生じさせるように、前記マニピュレータ部材(21)は移動させられるように構成され、前記開口フラップ(20)を識別可能にし、その後の処理、特に伸ばされたフラップを切断するステップ、において利用できるようにする
ことを特徴とする装置(10、110)。
【請求項8】
前記第1把持手段(25)の前記吸引部材は、空気の吸引を生成するシステム(27)に接続された1つ又は複数の吸着盤を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の装置(10、110)。
【請求項9】
前記第1把持手段(25)の反対側の第2把持手段(125)を備え、
前記第2把持手段(125)は、前記第1外面(18)の反対側の前記パッケージ(11)の第2外面(19)と選択的且つ一時的に結合するように構成され、前記第2外面(19)と前記第2把持手段(125)との間の相対移動が防止され、一方、前記パッケージ(11)内の前記物体(12)の自由な移動は許容される
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の装置(10、110)。
【請求項10】
前記第2把持手段(125)は、空気の吸引を生成するシステムに接続された少なくとも1つ又は複数の吸着盤を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の装置(110)。
【請求項11】
前記パッケージ(11)を支持し、場合によっては前記パッケージ(11)を前記第1把持手段(25)に対応させて保持するために、前記パッケージ(11)の下に配置されるように構成された支持部材(129)を更に備える
ことを特徴とする請求項7~10のうちいずれか1項に記載の装置(10、110)。
【請求項12】
前記支持装置(129)は、前記少なくとも1つの物体(12)を収容する前記パッケージ(11)を前記第2把持手段(125)にも接触させるように構成され、
前記支持装置(129)には開口部(131)が設けられており、前記第2把持手段(125)が前記開口部(131)を通過して前記パッケージ(11)の前記第2外面(19)と選択的に結合できるような大きさを前記開口部(131)は備える
ことを特徴とする請求項9に従属する請求項11に記載の装置(110)。
【請求項13】
前記マニピュレータ部材(21)は、ロボットに関連付けられた機械アームとして構成される
ことを特徴とする請求項7~12のうちいずれか1項に記載の装置(10、110)。
【請求項14】
前記マニピュレータ部材(21)は、前記少なくとも1つの物体(12)を前記パッケージ(11)内で振動させるとき、少なくとも2自由度で空間内を移動するように構成される
ことを特徴とする請求項7~13のうちいずれか1項に記載の装置(10、110)。
【請求項15】
少なくとも1つの物体(12)を含むパッケージ(11)の開口フラップ(20)を伸ばして切断するためのユニット(50)であって、
前記ユニット(50)は、請求項7~14のいずれかに1項に記載の装置(10、110)と、
前記開口フラップ(20)が前記装置(10)によって伸ばされた後に、前記開口フラップ(20)を切断するように構成された切断装置(52)と、
を備えることを特徴とするユニット(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口フラップの識別を容易にし、その後の処理、特にフラップ自体の切断に利用できるようにするために、例えば、化学、医療、製薬分野のボトル、バイアル(vials)、フラスコなどのための、容器(container)や支持体(support)などの、例えば、物体を入れる、プラスチック、紙、布地などの薄くて柔軟な素材のバッグ(bags)、サック(sacks)、サチェット(sachet)など、密閉されたパッケージの開口フラップを自動的に伸ばすための方法及び対応する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学、医療、及び製薬分野では、製品及び物質を、一回又は複数回の投与量を収容するのに適した専用の容器内にパッケージして、前記投与量の仕分け及び投与の作業を容易にすることができることが知られている。
【0003】
これらの既知の容器は、例えば、ボトル、フラスコ、バイアル、注射器、カートリッジ、例えば、麻酔薬又は他の薬剤を投与するために注射器自体に使用されるものなどであってもよい。
【0004】
これらの既知の容器は、当業者には英語の用語「タブ」(tub)としても知られている、少し大きめのトレイに収納されている、当業者には英語の用語「ネスト」(nest)としても知られている、ラック又はトレイ内にきちんと配置されて輸送され、多くの場合、充填される。
【0005】
外部汚染のリスクから容器の内容物を確実に保護し、容器内に含まれる物質の漏洩を防ぐために、例えば、輸送中の破損又は損傷の後、タブは、通常は薄くて柔軟なポリマー材料、又はフィルター/タイベック紙で作られている、最初のパッケージ又はバッグの中に密封される。
【0006】
タブを含む最初のバッグは、次に、同様に薄くて柔軟なポリマー素材で作られている、2番目のパッケージ又はバッグの内側に密封され、これにより、安全率を高め、輸送を容易にし、例えば、2番目のバッグにバーコード又はQRコードを適用することを可能にし、これにより、バッグの中身の自動認識が大幅に高速化される。
【0007】
様々な産業機械やロボットがバッグ内のさまざまな密閉されたタブを認識して処理でき、外部オペレータの介入を必要とせず、高速な実行とプロセスにおける高レベルの安全性を保証する自動処理ラインにおいて、特に無菌環境で作業しなければならない場合において、この種のパッケージは非常に効率的である。
【0008】
従って、2つのバッグから個々のタブを取り出すには、オペレータ又は自動機械は、通常はバッグの片側に配置されている、各バッグの開口フラップを識別し、それを切断して内容物を取り出すだけで十分である。
【0009】
ただし、特に自動機械を使用する場合は、変形やシワが生じた場合には、開口フラップの識別は特に困難になる可能性があり、場合によっては、フラップ自体を自動的に認識して、例えば切り込みを入れて開くことが困難又は不可能になる場合がある。
【0010】
特に、バッグに入れられた硬質又は半硬質の物体の向きを変えるための装置が知られており、この装置では、回転ブラシが使用されており、これにより、物体を特定の方向に向けることができ、これによって、開口フラップは、回転ブラシにこすりつけられることにより切断される位置に配置されるが、これらは多くの粒子を生成し、これらの装置が通常動作する環境、通常は無菌の環境を汚染する。
【0011】
この既知の装置はまた、化学製品及び/又は医薬品を含む繊細又は壊れやすい物体を移動させる場合にはあまり適していない。更に、回転ブラシ間の相対高さは常に変更され、処理されるバッグの実際のサイズに適合される必要があるため、この装置はあまり効率的ではなく、信頼性も低い。
【0012】
密封されたバッグの開口フラップを識別するために、尖った管状要素又は針を備えた装置も知られており、これをバッグ自体の内側に挿入して、圧力をかけた空気をバッグ内に吹き込み、風船のように膨らませることで、切断する開口フラップの識別を容易にする。密封されたバッグ内に針を挿入するということは、使用前に針を滅菌する必要があることを意味し、従って、対応する方法が非常に長くて面倒なものとなる。
【0013】
ただし、この解決策でも、化学物質や医薬品が内部に含まれるパッケージや容器を処理する必要がある場合にはあまり適しておらず、これによって、例えば、吹き込まれた空気と反応して品質が損なわれ、場合によっては使いやすさが損なわれる可能性がある。
【0014】
また、大気圧よりも低い圧力の制御された環境、いわゆる「真空」環境で動作するように構成されたパッケージの自動処理のための装置も知られている。実際、パッケージが入っている環境に真空を作り出すと、パッケージの中に含まれる空気の体積が膨張し、パッケージの外面が伸び、その後の開口フラップの識別が可能になる。
【0015】
しかしながら、この既知の装置は、プラントに真空又は適切な減圧を生じさせ、作業環境を気密に保つ必要があるため、非常に複雑で高価である。また、その操作は特に複雑であるため、メンテナンスの観点からも高価になる。
【0016】
更に、パッケージの一部を掴むのに適した回転グリッパを有し、それ自体で回転し、パッケージの一部をその中に含まれる物体の周りで滑らせる装置が知られている。しかしながら、この既知の装置は、特にパッケージが特に変形していたり、しわになっている場合には、開口フラップを効果的に識別するのには適していない。
【0017】
いわゆる「伸張」装置も知られており、これは、例えばコンベヤベルト上で物体を移動させることによって、物体を含むパッケージを固定機械アームの下を通過させることを可能にし、その圧縮作用により、物体を含むバッグの外面が伸長する。
【0018】
このタイプの解決策には、バッグの中に含まれる物体が硬い場合には適さないという欠点があり、そのため変形にはあまり適しておらず、内容物に修復不可能な損傷を与える危険さえある。
【0019】
また、化学、医療、製薬分野とは異なる他の技術分野においては、吸引システムに接続された吸引カップを用いて、パッケージに包まれた物体のグループを自動的に処理する解決策が知られている。
【0020】
例えば、特開平02-152643号公報は、印刷シートの束の周りに巻かれたパッケージを切断し、その中にロッドを挿入して、パッケージに対して行われる操作によって内部に含まれるシートが損傷するのを防ぐ解決策を記載している。
【0021】
特開平05-294305号公報は、包装された物体の保護フィルムを新しい保護フィルムに自動的に交換する解決策を記載している。
【0022】
欧州特許出願公開第0625465号明細書は、パレット上に積まれた物体に接触し、通常パレットをしっかりと包んでいるパッケージフィルムの内側に配置されている保護シートを自動的に剥がす解決策を記載している。
【0023】
これらの解決策はまた、非常にかさばるため、化学製品及び/又は医薬品を含む、ガラス製などの繊細又は壊れやすい物体を含むパッケージの処理には適していない。
【0024】
従って、開口フラップの識別を容易にするために、1つ又は複数の物体を含む密閉パッケージ、特に製薬、医療及び/又は化学分野用の容器の開口フラップを自動的に伸ばすことができる装置を提供する必要がある。これは、最先端技術の欠点の少なくとも1つを克服し、特に無菌環境での処理が必要な場合に、自動化された処理ラインで動作することができる。
【0025】
従って、本発明の1つの目的は、パッケージの開口フラップを識別しやすくするために、例えば、製薬、医療及び/又は化学分野用の容器などの、少なくとも1つの物体を含む密閉パッケージの開口フラップを自動的に伸ばすための方法を完成させ、装置を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、オペレータによる介入を必要とせずに、自動化された方法で機能する、例えば、製薬、医療及び/又は化学分野用の容器などの、少なくとも1つの物体を含む密閉パッケージの開口フラップを自動的に伸ばすための方法を完成させ、装置を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、高い衛生基準を保証し、内容物を汚染するリスクがない、例えば、製薬、医療及び/又は化学分野用の容器などの、少なくとも1つの物体を含む密閉パッケージの開口フラップを自動的に伸ばすための方法を完成させ、装置を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、内容物を損傷する危険なしに、例えば、製薬、医療及び/又は化学分野用の容器などの、少なくとも1つの物体を含む密閉パッケージの開口フラップを自動的に伸ばすための方法を完成させ、装置を提供することであり、
【0029】
出願人は、最先端技術の欠点を克服し、これら並びに他の目的及び利点を得るために、本発明を考案し、テストし、具体化した。
【発明の概要】
【0030】
本発明は、独立請求項に記載され、特徴付けられる。従属請求項は、本発明の他の特徴又は主要な発明のアイデアの変形を説明する。
【0031】
上記の目的に従い、十分な隙間を持って少なくとも1つの物体を内部に含む密閉パッケージの開口フラップを伸ばす方法であって、
前記パッケージには、第1外面及び前記開口フラップが設けられ、
a)吸引によって前記密閉パッケージに選択的且つ一時的に結合するように構成された第1把持手段を備えたマニピュレータ部材を準備するステップと、
b)前記マニピュレータ部材と前記パッケージの前記第1外面との相互接近を行い、前記第1把持手段が前記第1外面の前に来るようにするステップと、
を備える。
【0032】
本発明の一態様によれば、前記方法は少なくとも、
c)吸引によって、前記マニピュレータ部材と前記密閉パッケージの前記第1外面との間に一時的ではあるが安定した結合を生成するように、前記第1把持手段を駆動して、前記第1外面と前記マニピュレータ部材との間の相対移動は防止されるが、前記密閉パッケージ内の前記物体の移動は許容されるようにするステップと、
を更に含む。
【0033】
本発明の一態様によれば、前記方法は少なくとも、
d)前記密閉パッケージと前記物体との間に相対運動を生じさせるように前記マニピュレータ部材を移動させるステップ
を含む。従って、このステップd)では、前記開口フラップが伸びるまで、前記密閉パッケージ内で前記少なくとも1つの物体を振るように実行され、前記開口フラップを識別可能にし、その後の処理、特に伸ばされたフラップを切断するステップ、において利用できるようにする。
【0034】
本発明の別の態様によれば、前記マニピュレータ部材を移動させる前記ステップd)中、前記マニピュレータ部材は少なくとも2自由度で移動する。
【0035】
本発明の他の態様によれば、前記方法は、
前記第1把持手段の反対側の第2把持手段は、前記第1外面の反対側の前記パッケージの第2外面と選択的且つ少なくとも一時的に協働して、前記第2外面と前記第2把持手段との間の相対移動が防止され、一方、前記パッケージ内の前記物体の自由な移動は許容される更なるステップe)
を更に含む。
【0036】
本発明の他の態様によれば、前記第2把持手段は、1つ若しくは複数の吸着盤(suckers)又は1つ若しくは複数の吸引部材を備え、
前記1つ若しくは複数の吸着盤又は前記1つ若しくは複数の吸引部材は、前記パッケージの前記第2外面との一時的な結合を決定するために選択的に作動させることができる。
【0037】
本発明の他の態様によれば、前記物体は滅菌されており、少なくとも1つのタブ及び/又はトレイを含み、
上記のような前記方法の前記ステップは、好ましくは、制御された雰囲気を備えた環境で実行される。
【0038】
本発明の他の態様によれば、前記パッケージはバッグであり、前記第1外面は前記バッグの壁、折り目、又はシートである。同様に、前記第2外面も、このようなバッグの別の壁、折り目、又はシートである。
【0039】
本発明の他の態様によれば、十分な隙間を持って少なくとも1つの物体を内部に含む密閉パッケージの開口フラップを伸ばすための装置が提供され、前記パッケージには、第1外面及び前記開口フラップが設けられる。前記装置は、前記密閉パッケージに選択的且つ一時的に結合するように構成された第1把持手段を備えたマニピュレータ部材を準備し、前記マニピュレータ部材は、前記パッケージの前記第1外面の近くに移動するように構成されて、前記第1把持手段が前記第1外面の前に来るようにし、前記第1把持手段は、吸引によって、前記マニピュレータ部材と前記第1外面との間に一時的ではあるが安定した結合を生成するように駆動されるように構成され、前記第1外面と前記マニピュレータ部材との間の相対移動は防止されるが、前記密閉パッケージ内の前記物体の移動は許容されるようにする。
【0040】
本発明の一態様によれば、前記開口フラップが伸びるまで、前記密閉パッケージ内で前記少なくとも1つの物体を振るために、前記密閉パッケージと前記物体との間に相対運動を生じさせるように、前記マニピュレータ部材は移動させられるように構成され、前記開口フラップを識別可能にし、その後の処理、特に伸ばされたフラップを切断するステップ、において利用できるようにする。
【0041】
本発明の他の態様によれば、前記第1把持手段の前記吸引部材は、空気の吸引を生成するシステムに接続された1つ又は複数の吸着盤を備える。
【0042】
本発明の他の態様によれば、前記第1把持手段の反対側の第2把持手段を備え、
前記第2把持手段は、前記第1外面の反対側の前記パッケージの第2外面と選択的且つ一時的に結合するように構成され、前記第2外面と前記第2把持手段との間の相対移動が防止され、一方、前記パッケージ内の前記物体の自由な移動は許容される。
【0043】
本発明の他の態様によれば、前記第2把持手段は、空気の吸引を生成するシステムに接続された少なくとも1つ又は複数の吸着盤を備える。
【0044】
本発明の他の態様によれば、前記パッケージを支持し、場合によっては前記パッケージを前記第1把持手段に対応させて保持するために、前記パッケージの下に配置されるように構成された支持部材を更に備える。
【0045】
本発明の他の態様によれば、前記支持装置は、前記少なくとも1つの物体を収容する前記パッケージを前記第2把持手段にも接触させるように構成される。前記支持装置には開口部が設けられており、前記開口部を通過することによって、前記第2把持手段が前記パッケージの前記第2外面と選択的に結合できるような大きさを前記開口部は備える。
【0046】
本発明の他の態様によれば、前記マニピュレータ部材は、ロボットに関連付けられた機械アームとして構成される。
【0047】
本発明の他の態様によれば、前記マニピュレータ部材は、前記少なくとも1つの物体を前記パッケージ内で振るとき、少なくとも2自由度で空間内を移動するように構成される。
【0048】
本発明の他の態様によれば、前記装置は、滅菌された、及び/又は、雰囲気が制御された収容区画に挿入されるようなサイズ及び構成になっている。
【0049】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの物体を含むパッケージの開口フラップを伸ばして切断するためのユニットであって、
前記ユニットは、上記装置と、
前記開口フラップが前記装置によって伸ばされた後に、前記開口フラップを切断するように構成された切断装置と、
を備えるユニットが提供される。
【0050】
本発明のこれら及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられる可能な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1図1は、本発明による、第1実施形態による密閉パッケージの開口フラップを自動的に伸ばす装置の側面図であり、内部に物体を入れたパッケージも第1動作状態で示されている。
図2図2は、第2動作状態における、図1の装置の側面図である。
図3図3は、第3動作状態における、図1の装置の側面図である。
図4図4は、第4動作状態における、図1の装置の側面図である。
図5図5は、図1の物体が入ったパッケージの拡大斜視図である。
図6図6は、図1の物体の概略斜視図であり、その内容物の一例が示される。
図7図7は、図1の装置の概略斜視図であり、パッケージ用の支持体も示される。
図8図8は、本発明による密閉パッケージの開口フラップを自動的に伸ばす装置の第2実施形態の斜視図である。
図9図9は、図8の装置の斜視図であり、パッケージ用の支持体も示される。
図10図10は、本発明による装置を備える密閉パッケージの開口フラップを伸ばして切断するためのユニットの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本明細書及び特許請求の範囲において、水平な、鉛直な、高い、低い、内部の、外部の、上方の、及び下方の、という用語は、その偏差とともに、図面及び特許請求の範囲を参照して本発明をより良く説明するという唯一の機能を有することを明確にしなければならず、いかなる形であっても、本発明自体の範囲、又は添付の特許請求の範囲によって定義される保護分野を制限するために使用されてはならない。例えば、「鉛直」という用語は、地平線に対して直角であるか、地平線に対して数度、例えば最大20°だけ傾斜している平面を意味する。更に、パッケージとバッグという用語は同義語として考えられる。
【0053】
更に、当業者は、本発明の理解を容易にするバージョンを提供するために、図面内の特定のサイズ又は特徴が、拡大、変形、又は非通常的(unconventional)若しくは不均衡な方法で示されている可能性があることを認識するであろう。
【0054】
以下の説明でサイズや数値が指定されている場合、サイズや値は説明のみを目的として提供されており、そのようなサイズ及び/又は値が添付の特許請求の範囲に存在しない限り、それらは本発明の保護の範囲を限定するものとして解釈されてはならない。
【0055】
理解を容易にするために、図面において同一の共通要素を識別するために可能な限り同じ参照番号が使用されている。一実施形態の要素及び特徴は、更に明確にすることなく他の実施形態に都合よく組み込むことができることが理解される。
【0056】
図1を参照すると、本発明による装置10は、例えば、製薬、医療及び/又は化学分野用の容器などの、少なくとも1つの物体12を含む密閉パッケージ11の自動開封を容易にするように構成されている。装置10は、例えば、既知のタイプの自動処理ライン、又は将来開発されるであろう図示されていない自動処理ラインに配置することができる。
【0057】
装置10を詳細に説明する前に、例示的且つ非限定的な目的で、パッケージ11及び物体12の例を説明する。
【0058】
各物体12(図6)は、実質的に平行六面体の形状の第1硬質又は半硬質の容器13を備えるか、又はそれらから構成されうる。従来知られているように、その中に、例えばタブ(tub)15などの他のコンテナを配置することができ、タブ15は、ラック、トレイ、又はネスト、16、を含み、これらは、フラスコ、バイアル、ボトルなどに封入された化学製品及び/又は医薬品が含むことができ、まとめて17で示される。
【0059】
例えば、製薬分野での適用では、物体12の標準サイズは約65×40×30cmである可能性がある。
【0060】
パッケージ11(図5)は、周囲のエッジに沿って、例えば、電気溶接によって互いに平行に接合された、例えば、2枚のシート18、19によって形成されたバッグを備えるか、又はバッグから構成されることができ、従来知られているように、開口フラップ20を画定する。
【0061】
従って、2枚のシート18、19のそれぞれは、パッケージ11の外面を画定する。参照番号18、19は、これらのシート及びそれによって画定されるパッケージ11の対応する外面を示すために、区別されずに使用されることに留意されたい。
【0062】
添付の図面には示されていないが、可能な変形例では、パッケージ11は、例えば3、4、又は5枚などの異なる数のシートからなる、上述のものとは異なる形状を有することができることに留意されたい。
【0063】
なお、パッケージ11は、通常、物体12の体積に比べて、例えば、少なくとも20%、最大100%だけ、十分に大きな収容容積を有しており、そのため、物体12は、パッケージ11内に密封されたままの状態で、パッケージ11内を移動することができる。
【0064】
パッケージ11は、薄く、柔軟で変形可能な任意の材料で作ることができ、これにより、パッケージ11は、例えば、破れにくく簡単に切断できる高密度ポリエチレン繊維からなる不織布などの、例えばポリマー材料などの物体12の形状に適応できる。
【0065】
換言すれば、使用中、パッケージ11は、その中に含まれる物体12の形状をとり、その周囲で崩壊する可能性がある。
【0066】
図1に示されるように、装置10は、第1移動装置21を備え、第1移動装置21は、マニピュレータ部材として機能し、パッケージ11を掴むように構成されており、空間内の変位と回転によって、その中に含まれる物体12を振る。これは、以下で詳しく説明する。
【0067】
第1移動装置21(図7)は、例えば鉛直な長手軸Xを有する直立部22を備え、その直立部22には、長手軸Xに対して実質的に垂直な横軸Z1上に位置するアーム23が取り付けられている。
【0068】
以下で詳しく説明するように、アーム23がアイドル位置と作業位置との間で長手軸Xに沿って移動できるようにするため、直立部22は、例えば、伸縮式のものであってもよい。明らかに、アーム23が長手軸Xに沿って移動できるようにするために、他の技術的解決策を実装することもできる。
【0069】
更に、直立部22とアーム23との間の接続は、横軸Z1の周りのアーム23の回転を可能にするような方法で行うことができる。
【0070】
更に、図面には示されていないいくつかの実施形態によれば、固定された構造物ではなく、回転する支持体上に、直立部22の基部を取り付けることができ、支持体は、電気的又は機械的に駆動することができ、そして、直立部22自体、ひいてはアーム23が長手軸Xの周りを回転できるように構成される。
【0071】
更に、アーム23は、片持ち梁状に配置された1つ又は複数の延長部24を有するような形状であり、非限定的な例としてここに示す実施形態では、延長部24が3つある。延長部24の数は、装置10のサイズ及びパッケージ11のサイズに応じて任意に選択できることに留意されたい。
【0072】
各延長部24の下部には、下向きに配向され、パッケージ11の第1シート18の外面に選択的且つ一時的に結合されるように構成された第1把持要素25が配置されている。
【0073】
第1把持要素25は、例えば、それ自体既知のタイプの吸着盤(suckers)を備え、又は、局所的な減圧を適用することによって接着力を及ぼすことができる他の部材を備え、一時的ではあるが、パッケージ11の外面との安定した結合を保証する。
【0074】
ここに示す実施形態では、第1把持要素25は、適切なパイプ26を介して、空気の吸引を生じさせる装置27に接続されており、装置は、任意の既知のタイプのものとすることができ、例えば圧縮機を備えることができる。
【0075】
空気の吸引を生じさせる装置27は、大気に対して、又は装置10が収容されている区画に対して少なくとも部分的な減圧を生成するように構成されている。
【0076】
他の可能な実施形態によれば、第1移動装置21、又は少なくとも第1把持要素25は、例えば関節ロボット(anthropomorphic)などのロボットの機械アームに取り付けることができ、これにより、同じ第1移動装置21が、いくつかの自由度、例えば6つの自由度を有する空間内での移動を実行する可能性を可能にする。
【0077】
装置10はまた、物体12を含むパッケージ11を、装置から離れた第1位置(図1)から、第1移動装置21(図2)に対応した、特に第1把持要素25の下の、第2位置又は作業位置まで運ぶように構成されたトレイ29を備える。
【0078】
トレイ29は、パッケージ11内に収容された物体12が正しく載置されることを保証するなど、適切なサイズを有する。
【0079】
トレイ29は、例えば、第1把持要素25と協働して物体12を含むパッケージ11を受け取るように構成された自動ロボットのアーム、又は単純な機械アーム(図示せず)に設置することができる。
【0080】
図8及び図9に示す別の実施形態によれば、装置10と同様の装置110は、前述の要素に加えて、第1移動装置21に対して実質的に鏡面的である第2移動装置121を備える。
【0081】
特に、第2移動装置121は、横軸Z2上に位置する機械アーム123と、1つ又は複数の片持ち梁状延長部124とを備え、ここで提供される例では片持ち梁状延長部124は3つであるが、パッケージ11特に第2シート19のサイズに応じて、異なる数であってもよい。
【0082】
更に、第2移動装置121は、延長部124のそれぞれの上部に配置され、上向きに配向され、パッケージ11の第2シート19の外面と選択的且つ一時的に関連付けられるように構成された第2把持要素125を備える。
【0083】
第2把持要素125は、第1把持要素25と同様に、図示されていない適切なパイプによって、前記空気の吸引を生じさせる装置27又は別の同様の装置に接続することもでき、これは任意の既知のタイプのものでよく、例えば圧縮機を備える。
【0084】
ここで説明する例では、3つの片持ち梁状延長部124は、第2移動装置121が第1移動装置21の反対側となるように配置されている。
【0085】
従って、互いに対向する2つの移動装置21及び121の間に作業コンパートメントが形成され、以下に詳細に説明するように、後続の作業において物体12を含むパッケージ11をその中に配置することができる。
【0086】
作業コンパートメントのサイズ、従って、上記のアイドル位置における2つの移動装置21、121の間の距離は、物体12を含むパッケージ11の正確な位置決めの可能性を保証するようなものでなければならず、第1把持要素25と第2把持要素125との間の最小距離は、物体12の高さよりも十分に大きくなければならない。
【0087】
好ましくは、第2移動装置121は、第1移動装置21とは別個の移動システムを有することができる。例えば、第2移動装置121は、第1移動装置21によって使用される機構とは異なる機構を用いて直立部23に沿って移動することができる。従って、第1移動装置21と第2移動装置121との間の作業コンパートメントのサイズを変更することが容易である。
【0088】
これは、装置110が、異なるサイズ、例えば異なる高さの物体12を含むパッケージ11を有利に動作できることを意味する。
【0089】
装置110はまた、図1に示される第1位置から、第2位置へ、すなわち第1把持要素25の下へ、従ってこの場合には第2把持要素125(図9)にも対応するように、物体12を含むパッケージ11を取り出すように構成されたトレイ129も備える。
【0090】
更に、トレイ129は、トレイ129自体が第2把持要素125に対応している場合でも、第2把持要素125がパッケージ11の第2外面19と選択的に協働できるような形状を有する。
【0091】
図示の例では、トレイ129は、第2移動装置121の片持ち梁状延長部124と嵌合する3つの片持ち梁状延長部130を備える。2つの隣接する片持ち梁状延長部130の間には、片持ち梁状延長部124のそれぞれがその内部に挿入されることを可能にするようなサイズである開口部131が画定され、その結果、第2把持要素125は、これらの開口部131を通ってパッケージ11の第2外面19に到達することができる。
【0092】
このようにして、トレイ129と第2移動装置121は、それらの間に何の干渉も起こらずに、従って、パッケージ11を第2把持要素125に関連付ける動作を妨げることなく、例えば水平方向及び/又は鉛直方向など、互いに対して相対的な移動を実行することができる。
【0093】
トレイ129は、例えば、図示されていない既知のタイプの自動ロボットのアームに取り付けることもでき、例えば、第1把持要素25と第2把持要素125との間に含まれる作業コンパートメント内にパッケージ11及び物体12を取り込むように構成されている。
【0094】
装置10、110は、図示されていない任意の既知のタイプの、滅菌及び/又は制御された雰囲気を有する収容コンパートメント又は作業環境に挿入されるようなサイズ及び構成である。
【0095】
これまでに説明した装置10及び110の機能は、これらを機能させる方法にも対応し、以下の通りである。
【0096】
まず装置10の機能について説明し、その後、処理ステップの多くが両方の装置に共通であるため、装置110と装置10との違いのみを重点的に説明する。
【0097】
最初に、パッケージ11内に密封され、場合によってはトレイ29上に配置された物体12は、図1に示す第1位置にある。次に、トレイ29は、パッケージ11及びその中に含まれる物体12とともに、第1把持要素25の下に(図2)、例えば、自動化された加工ラインのコンテキストで使用できるロボットで、任意の既知の移動手段を用いて搬送される。粒子状物質を生成しない移動手段、例えば平面モータが好まれる。
【0098】
次に、次の結合ステップにおいて、トレイ29上に配置された物体12を含むパッケージ11が第1把持要素25と接触する(図3)。
【0099】
第1移動装置21の第1把持要素25は、第1移動装置21と、パッケージ11内に収容された物体12がその上に置かれるトレイ29と、の間の相互接近によって、パッケージ11の第1シート18へ接近する。
【0100】
例えば、物体12を含むパッケージ11は、自動ロボットのアームに取り付けられたトレイ29を鉛直方向に移動させることによって持ち上げることによって、第1把持要素25と直接接触することができる。
【0101】
あるいは、第1移動装置21を鉛直下方に変位させることによって、例えば、直立部22の伸縮動作によって、又は、同じ直立部22上の第1移動装置21の鉛直移動によって、第1把持要素25を、物体12を収容するパッケージ11に接触させることもできる。
【0102】
第1移動装置21を例えば関節ロボット(anthropomorphic)などのロボットの機械アームに取り付けると、機械アームは、第1把持要素25を、物体12を含むパッケージ11の第1シート18の外面に自動的に接触させるようにプログラムすることができる。
【0103】
一方、装置110(図8及び図9)は、第1把持要素25とパッケージ11の第1シート18の外面との間や、第2把持要素125と同じパッケージ11の第2シート19の外面との間におけるアプローチを提供する。
【0104】
例えば、トレイ129上に配置されたパッケージ11に収容された物体12は、上記のように作業コンパートメント内に取り込まれ、その後、第2移動装置121の第2把持要素125に接触することができる。
【0105】
トレイ129は、例えば、同じトレイ129と第2移動装置121との間の嵌合形状によって可能になる鉛直下方への変位によって、作業コンパートメントから離れることができる。
【0106】
どちらの場合も、パッケージ11は、その上部、すなわち第1シート18の外面上で、第1把持要素25の両方と接触することになり、また、その下部、すなわち第2シート19の外面上で、第2把持要素125とも接触することになる。
【0107】
続いて、空気の吸引を生じさせる装置27(図7)が、例えば既知のタイプの制御部28からの命令信号によって作動され、制御部28は、例えば、接触センサ又は近接センサから信号を受信し、接触センサ又は近接センサも既知のタイプであり、図面には示されていないが、装置10、110に取り付けることができる。
【0108】
空気の吸引を生じさせる装置27によって生じる吸引作用は、第1把持要素25とパッケージ11の第1シート18との間に局所的な減圧を生じさせ、それらの間に安定した把持が生成し、これは、真空の吸引を生じさせる同じ装置27に命令することによって、任意に中断することができる。
【0109】
その結果、パッケージ11の第1シート18は、第1移動装置21の第1把持要素25によって把持されることになり、一方、物体12は第1把持要素25に拘束されず、したがってパッケージ11内で自由に移動することができる(図4)。
【0110】
装置110では、空気の吸引を生じさせる装置27の作動により、第2把持要素125とパッケージ11の第2シート19との間に局所的な減圧が生じ、これらの間に安定した把持も形成される。
【0111】
従って、パッケージ11の第1シート18は、第1移動装置21の第1把持要素25によって把持され、パッケージ11の第2シート19は、第2移動装置の第2把持要素125によって把持される。
【0112】
従って、両方の場合において、物体12はパッケージ11内で自由に移動することができる。
【0113】
続いて、物体12を収容するパッケージ11は、例えば同じトレイ29を下方に移動させることによって、トレイ29の支持体から解放される。
【0114】
物体12の質量に重力によって及ぼされる作用は、物体12を下方に押し出し、それが少なくとも部分的にパッケージ11の第2シート19を引きずることになり、一方、同じパッケージ11の上部は、一時的ではあるが安定した方法で、上部で第1移動装置21に拘束される。必要に応じて、可能な場合には、パッケージ11に含まれる容器17の種類に応じて、パッケージ11の操作は、必要に応じて、物体12の更に顕著な揺れを測定するために、パッケージ11に収容された物体12をひっくり返すことによって数回繰り返すこともできる。
【0115】
このようにして、物体12の重量は、パッケージ11を形成する壁に伸長作用を及ぼし、開口フラップ20をより見やすくし、容易に識別できるようにする。
【0116】
装置110では、上記のような伸張動作は、第1移動装置21と第2移動装置121との間の選択的な相互距離によって支援されることができ、一方、第1及び第2把持要素25及び125はそれぞれ、パッケージ11のシート18及び19によって画定される外面を把持している。
【0117】
例えば、パッケージ11の第1シート18が第1把持要素25によって把持され、パッケージ11の第2シート19が第2把持要素125によって把持されると、第1移動装置21の例えば上方向への鉛直変位は、少なくとも部分的にパッケージ11を引きずり、これにより、いずれの場合でも、第2移動装置121によってその下部外面が少なくとも一時的に安定して把持される。
【0118】
このようにして、パッケージ11の外面は伸長され、その結果、第1シート18及び第2シート19が平坦化される。
【0119】
その後、第1移動装置21は、物体12を揺らす動きがパッケージ11の壁に引き起こす平坦化作用を改善するために、空間内で移動及び回転を実行できるようになる。
【0120】
空間内の上記の動きは、例えば、長手軸Xに沿った鉛直方向の動きであることができ、上記の回転は、例えば、横軸Z1の周りの回転、横軸Z2の周りの回転、又は同じ長手軸Xの周りの回転を含むことができる。
【0121】
例えば、第1移動装置21は、鉛直振動、水平振動、又は回転を実行することができ、これにより、物体12がパッケージ11又はその組み合わせ内で自由に移動できるようになり、パッケージ11を形成するすべての壁、すなわちその外面に、より効果的な平坦化及び伸長作用が及ぼされる。
【0122】
このステップでは、装置110の第1移動装置21及び第2移動装置121は、異なる方向、例えば互いに反対又は一致しない方向の移動を実行するように構成することができる。
【0123】
例えば、第1移動装置21は水平振動を実行することができ、一方、第2移動装置121は、同じ時間間隔で鉛直振動を実行することもできるし、第1移動装置21の水平振動とは位相をずらして水平振動を実行することもできる。
【0124】
続いて、パッケージ11の外面が、第1移動装置21によって、また場合によっては第2移動装置121によってもたらされる作用によって平らにされ伸ばされると、図面には示されていない、何らかの公知の装置、又は将来開発されるであろう装置によって、開口フラップ20を伸ばすことができる自動装置又は機械であっても、開口フラップ20を識別することがはるかに簡単、より速く、より直観的になり、そのような識別を実行することが可能になる。
【0125】
例として、特に図10に示されるように、装置10、110は、全体として参照番号50で識別され、以下単に「ユニット」とも呼ばれる、開口フラップ20を伸張及び切断するためのユニットと関連して有利に使用することができる。ユニット50は、装置10、110を含む。図10に示される例は、装置10を示すが、ユニット50が、完全に同等の方法で、装置10の代わりに、図8及び図9に示される装置110を備えることができることは明らかである。図示の例では、マニピュレータ部材21は、ロボット51、例えば、相互に関節運動する複数のアームを備える6自由度を有するロボットに関連付けられる。
【0126】
ユニット50はまた、ここでは詳細に説明しない既知のタイプの切断装置52を備える。切断装置52は、開口フラップ20をパッケージから分離して開口を決定するために、可動式若しくは固定式の切断刃、又は、開口フラップ20を切断できる同等の切断若しくは剪断部材を備える。これは衛生的に無菌環境で行うことが好ましい。
【0127】
切断装置52の構造に応じて、ユニット50は、開口フラップ20を適切に伸ばした状態に保ち、それによって切断装置52によって実行される切断作業を容易にするように、少なくとも切断中に開口フラップ20の自由端を掴むように構成された掴み部材53を備えることができる。
【0128】
特許請求の範囲によって定義される本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、これまで説明した装置10及び110に対して部品又はステップの修正及び/又は追加を行うことができることは明らかである。
【0129】
また、本発明をいくつかの特定の例を参照して説明してきたが、当業者であれば、密閉パッケージの開口フラップを自動的に伸ばすための他の多くの同等の形態の装置及び/又は方法を確実に実現することができ、それらはすべて本発明の範囲内に含まれることも明らかである。
【0130】
以下の特許請求の範囲において、括弧内の参照の唯一の目的は、読みやすさを目的とするものであり、同じ特許請求の範囲によって定義される保護分野に関する制限要素として考慮されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】