(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】FAX伝送の特別処理のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 45/00 20220101AFI20240220BHJP
【FI】
H04L45/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553040
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 US2022018183
(87)【国際公開番号】W WO2022187157
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522322549
【氏名又は名称】コンセンサス・クラウド・ソリューションズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フランシス,トスカーノ
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HB04
5K030HB15
5K030HC01
5K030LB05
(57)【要約】
FAX伝送の特別処理のための方法およびシステムが説明される。一実施形態において、電子デバイスは、第1の検索可能な電子文書およびFAX電話番号を受信する。デバイスは、その番号に基づいて、文書が電子メッセージとして伝送されると判定する。デバイスは、第1の検索可能な電子文書から第2の検索可能な電子文書を生成する。デバイスは、第1の文書が受信された時のタイムスタンプ、第2の文書のページ数、および送信元デバイス情報のうちの少なくとも1つを含む電子シグネチャを第2の文書に付加する。デバイスは、第2の文書を含む電子メッセージを、その番号に従った宛先アドレスへ伝送する。他の実施形態も説明され、主張される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスのプログラムされたプロセッサによって実行される方法であって、
コンピュータ・ネットワークを介して、送信元デバイスから、第1の検索可能な電子文書と、前記文書がFAX伝送としてルーティングされるFAX電話番号とを受信することと、
前記第1の検索可能な電子文書が、前記FAX電話番号に基づいて前記コンピュータ・ネットワークを介して電子メッセージとして伝送されると判定することと、
前記第1の検索可能な電子文書から第2の検索可能な電子文書を生成することと、
前記第1の検索可能な電子文書が受信された時のタイムスタンプ、前記第2の検索可能な電子文書のページ数、および送信元デバイス情報のうちの少なくとも1つを含む電子シグネチャを前記第2の検索可能な電子文書に付加することと、
前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記第2の検索可能な文書を含む電子メッセージを、前記FAX電話番号に従った宛先アドレスへ伝送することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の検索可能な電子文書は第1のファイル形式を有し、前記第2の検索可能な電子文書を生成することは、前記第1の検索可能な電子文書を前記第1のファイル形式から、検索可能で前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式へ変換することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のファイル形式は、ワード・プロセッシング形式、スプレッドシート形式、または表示形式のうちの1つであり、
前記第2のファイル形式は、検索可能なポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)である、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の検索可能な電子文書は、前記第1の検索可能な電子文書の全書式設定を保持する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記宛先アドレスは、インターネット・プロトコル(IP)アドレスまたは宛先デバイスのドメイン名であり、前記電子メッセージを伝送することは、
前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記IPアドレスまたは前記ドメイン名を使用して、前記宛先デバイスとの仮想私設ネットワーク(VPN)接続を確立することと、
前記VPN接続を介して、前記電子メッセージを前記宛先デバイスに伝送することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電子メッセージを伝送することは、
前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記宛先アドレスに従って宛先デバイスとの通信データ接続を確立することと、
暗号化プロトコルに従って、前記通信データ接続を介して前記電子メッセージを伝送することであって、前記暗号化プロトコルは、セキュア・ソケット・レイヤ(SSL)プロトコルまたはトランスポート層セキュリティ(TLS)プロトコルのうちの1つを含む、伝送することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記宛先アドレスがeメール・アドレスのときに、前記電子メッセージはeメールであり、
前記宛先アドレスが電話番号のときに、前記電子メッセージはマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)メッセージである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記FAX電話番号がFAXサービスの加入者と関連付けられているかどうかを判定することをさらに含み、前記第1の検索可能な電子文書が前記電子メッセージとして伝送されると判定することは、前記FAX電話番号が前記加入者と関連付けられているとの判定に応答している、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記FAX電話番号が前記加入者と関連付けられていないとの判定に応答して、
前記第1の検索可能な電子文書をFAX形式の文書に変換することと、
前記FAX電話番号へ出呼を発信することと、
可聴周波数音を使用して、前記出呼を介して前記文書を伝送することと
をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記FAX電話番号は、前記加入者に一意の識別子である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の検索可能な電子文書の前記受信および前記第2の検索可能な電子文書の前記生成および伝送に関する情報を記憶するために、実行されたオペレーションのうちの1つまたは複数を監査することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
電子デバイスのプログラムされたプロセッサによって実行される方法であって、
FAX電話番号へのFAX伝送のための第1の検索可能な電子文書を、コンピュータ・ネットワークを介して、送信元デバイスから受信することと、
前記FAX電話番号に基づいて、前記第1の検索可能な電子文書が、FAXとして、または電子メッセージとして伝送されるかどうかを判定することと、
前記第1の検索可能な電子文書が電子メッセージとして伝送されるとの判定に応答して、
電子シグネチャを含む第2の検索可能な電子文書を前記第1の検索可能な電子文書から生成することであって、前記電子シグネチャは、前記第1の検索可能な電子文書が受信された時のタイムスタンプ、前記第2の検索可能な電子文書のページ数、および送信元デバイス情報のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記第2の検索可能な電子文書を含む前記電子メッセージを、前記FAX電話番号に従った宛先アドレスへ伝送することと
を含む方法。
【請求項13】
前記第1の検索可能な電子文書は第1のファイル形式を有し、前記第2の検索可能な電子文書を生成することは、前記第1の検索可能な電子文書を前記第1のファイル形式から、検索可能で前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式へ変換することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のファイル形式は、ワード・プロセッシング形式、スプレッドシート形式、または表示形式のうちの1つであり、
前記第2のファイル形式は、検索可能なポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記PDF文書は、前記ワード・プロセッシング・ソフトウェア文書の全書式設定を保持する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記宛先アドレスは、インターネット・プロトコル(IP)アドレスまたは宛先アドレスのドメイン名であり、前記電子メッセージを伝送することは、
前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記IPアドレスまたは前記ドメイン名を使用して、前記宛先デバイスとの仮想私設ネットワーク(VPN)接続を確立することと、
前記VPN接続を介して、前記電子メッセージを伝送することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記電子メッセージを伝送することは、
前記宛先アドレスと関連付けられている宛先デバイスとの通信データ接続を、前記コンピュータ・ネットワークを介して確立することと、
暗号化プロトコルに従って、前記通信データ接続を介して前記電子メッセージを伝送することであって、前記暗号化プロトコルは、セキュア・ソケット・レイヤ(SSL)プロトコルまたはトランスポート層セキュリティ(TLS)プロトコルのうちの1つを含む、伝送することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
プロセッサと、
命令が記憶された非一時的機械可読記憶媒体であって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、前記システムに、
コンピュータ・ネットワークを介して、送信元デバイスから、第1の検索可能な電子文書と、前記文書がFAX伝送としてルーティングされるFAX電話番号とを受信することと、
前記第1の検索可能な電子文書が、前記FAX電話番号に基づいて前記コンピュータ・ネットワークを介して電子メッセージとして伝送されると判定することと、
前記第1の検索可能な電子文書から第2の検索可能な電子文書を生成することと、
前記第1の検索可能な電子文書が受信された時のタイムスタンプ、前記第2の検索可能な電子文書のページ数、および送信元デバイス情報のうちの少なくとも1つを含む電子シグネチャを前記第2の検索可能な電子文書に付加することと、
前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記第2の検索可能な電子文書を含む電子メッセージを、前記FAX電話番号に従った宛先アドレスへ伝送することと
を行わせる、非一時的機械可読記憶媒体と
を備えるシステム。
【請求項19】
前記第1の検索可能な電子文書は第1のファイル形式を有し、前記第2の検索可能な電子文書を生成することは、前記第1の検索可能な電子文書を前記第1のファイル形式から、検索可能で前記第1のファイル形式とは異なる第2のファイル形式へ変換することを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
第1のファイル形式は、ワード・プロセッシング形式、スプレッドシート形式、または表示形式のうちの1つであり、
前記第2のファイル形式は、検索可能なポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)である、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2の検索可能な電子文書は、前記第1の検索可能な電子文書の全書式設定を保持する、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記宛先アドレスは、インターネット・プロトコル(IP)アドレスまたは宛先デバイスのドメイン名であり、前記電子メッセージを伝送するための前記命令は、
前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記IPアドレスまたは前記ドメイン名を使用して、前記宛先デバイスとの仮想私設ネットワーク(VPN)接続を確立することと、
前記VPN接続を介して前記電子メッセージを伝送することと
を行うための命令を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記電子メッセージを伝送するための前記命令は、
前記宛先アドレスと関連付けられている宛先デバイスとの通信データ接続を、前記コンピュータ・ネットワークを介して、前記宛先アドレスを使用して確立することと、
暗号化プロトコルに従って、前記通信データ接続を介して前記電子メッセージを伝送することであって、前記暗号化プロトコルは、セキュア・ソケット・レイヤ(SSL)プロトコルまたはトランスポート層セキュリティ(TLS)プロトコルのうちの1つを含む、伝送することと
を行うための命令を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記宛先アドレスがeメール・アドレスのときに、前記電子メッセージはeメールであり、
前記宛先アドレスが電話番号のときに、前記電子メッセージはマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)メッセージである、
請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
前記非一時的機械可読媒体は、前記第1の検索可能な電子文書の前記受信および前記第2の検索可能な電子文書の前記生成および伝送に関する情報を記憶するために、実行されたオペレーションのうちの1つまたは複数を監査するための命令をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(相互引用)
本出願は、2021年3月1日に出願された米国非仮特許出願第17/189号の優先権の利点を主張するものであり、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示の一実施形態は、FAX伝送の特別処理を実行するFAXシステムに関する。他の実施形態も説明される。
【背景技術】
【0003】
FAXメッセージングは、インターネットを使用するメッセージ配信サービスの普及にもかかわらず、世界中の個人間でのセキュアなメッセージの配信のための重要な手段であり続けている。従来のFAXメッセージング・サービスは、FAX伝送を受信するために専用FAX機器および専用FAX番号の両方を必要とする。現在のFAXメッセージング・サービスは、専用FAX機器の必要性をなくし、インターネットを利用して、それらのサービスの加入者がFAXメッセージを伝送および受信するためのより大きな柔軟性を実現する。例えば、現在のFAXメッセージング・サービスの加入者は、直通社内通話(DID)電話番号が割り当てられており、このDID電話番号は、加入者が、加入者に対してFAXメッセージを送信したい他者に対して配布する。DID電話番号は、事実上、加入者の個別FAX番号である。入FAX伝送が特定のDID電話番号において受信されるとき、FAXメッセージング・サービスは、そのFAX伝送からインターネットなどのデータ・ネットワークを介する伝送に適した形式でFAXメッセージを生成し、そのFAXメッセージを加入者(例えば、加入者の電子メールアドレス)に送信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘルスケア業界などの多くの業界は、ヘルスケア提供者(または組織)間でセキュアに文書を伝送するためにFAXを使用する。例えば、ヘルスケア提供者は、患者の医療記録を含むFAXを、記憶(およびその後の取得)のために、別のヘルスケア提供者に、または電子医療記録(EMR)システムに伝送する場合がある。入FAXを管理するために、提供者は、FAXサービス提供者の1つまたは複数のFAXサービスに加入する場合がある。例えば、FAXサービス提供者は、データ・ネットワーク(例えば、インターネット)を介して受信された入FAX伝送が加入者にルーティング(または転送)されるeメールFAXサービスを加入者に提供する場合がある。この場合、入FAX伝送は、FAXファイル(例えば、検索可能なポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)ファイル)を添付ファイルとして含み、FAXサービス提供者によって管理されているeメール・サーバを宛先としたeメールの形態を有する場合がある。そのeメールが受信されると、FAXサービス提供者は、タイムスタンプ(例えば、FAX伝送の日付を正確に認定するため)を付加し、そのPDFファイルを、静止画像であるタグ付き画像ファイル形式(TIFF)などのFAX伝送に適した形式に変換し得る。FAXサービス提供者は、その静止画像を、加入者のeメール・アドレスまたは加入者のFAX電話番号であり得る加入者に送信する。
【0005】
静止画像への変換の結果として、伝送されたFAXファイルは、検索可能なテキストを含まず、元のPDFファイルの書式設定項目のいずれも保持しない。これによって、受信した加入者は、別個の検索可能なファイルを作成するために、その画像に対して追加処理を実行する(例えば、光学式文字認識(OCR)ソフトウェアを実行する)ことが必要である。そのような追加処理は、時間がかかり、加入者にとって負担である。したがって、静止画像としてルーティングされるFAX伝送と同様の手法で認定も行われた検索可能な文書を加入者に提供するために、特別処理を入FAX伝送に対して実行するFAXサービスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、電子デバイス(例えば、FAXサービス提供者のサーバ)のプログラムされたプロセッサによって行われる、入FAX伝送に対して特別処理を行うための方法に関する。例えば、デバイスは、コンピュータ・ネットワークを介して、送信元デバイスから、第1の検索可能な電子文書と、検索可能な電子文書がFAX伝送としてルーティングされるFAX電話番号とを受信する。デバイスは、第1の文書が、FAX電話番号に基づいてコンピュータ・ネットワークを介して電子メッセージ(eメールなど)として伝送されると判定する。デバイスは、第1の検索可能な電子文書から第2の検索可能な電子文書を生成する。例えば、第1の文書がワード・プロセッシング形式、スプレッドシート形式、または表示形式などの一ファイル形式を有する場合、デバイスは第1の文書を、検索可能なポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF)などの第2のファイル形式に変換する。デバイスは、第1の文書が受信された時のタイムスタンプ、第2の文書のページ数、および送信元デバイス情報(例えば、送信元デバイスのアウトバウンド電話番号)のうちの少なくとも1つを含む電子シグネチャを第2の文書に付加する。デバイスは、コンピュータ・ネットワークを介して、第2の文書を含む電子メッセージ(例えば、eメール)を、FAX電話番号に従った宛先アドレスへ伝送する。それによって、ヘルスケア提供者の加入者は、検索可能な電子文書を、FAXを介してセキュアで効率的に伝送および受信し得る。
【0007】
上記概要は、本開示の全ての態様の網羅的な列挙を含まない。本開示が、上記で概要が述べられた様々な態様の全ての適した組み合わせから実践可能である全てのシステムおよび方法、ならびに以下の詳細な説明に開示され、本出願で提出された特許請求の範囲で特に指摘されたものを含むことが企図される。そのような組み合わせは、上記概要に具体的に記載されていない特定の利点を有する。
【0008】
本開示の実施形態は、一例として示されており、添付図面の図における限定として示されておらず、図面において、同様の参照番号は類似要素を示す。なお、本開示における開示の「実施形態」または「一実施形態」に対する言及は、必ずしも同一の実施形態に対するものではなく、それらは少なくとも1つの実施形態を意味することに留意されたい。また、本開示の複数の実施形態の特徴を示すために所与の図が使用される場合があり、その図中の全ての要素が所与の実施形態のために必要ではない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】いくつかの実施形態による、FAXシステムを示すブロック図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、FAXサービス提供者サーバを示すブロック図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、FAX伝送に際して処理を行うプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図4】いくつかの実施形態による、FAX伝送の処理に関連付けられたデータを監査することを含むデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本開示のいくつかの実施形態を以下で説明する。ここで説明する実施形態の態様が明確に定義されていない場合は、常に、本開示の範囲が示された部分にのみ限定されず、例示目的に過ぎないことを意味する。また、多くの詳細が述べられているが、本開示のいくつかの実施形態は、それらの詳細なしで実践され得ることを理解されたい。他の事例では、本明細書の理解を不明瞭にしないように、よく知られる回路、構造、および技法は、詳細には示されていない。
【0011】
本明細書において「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態と関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味するが、各実施形態は、その特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含まない場合がある。さらに、そのような表現は、同じ実施形態に必ずしも言及していない。
【0012】
図1は、いくつかの実施形態による、FAX(サービス提供者)システム10を示すブロック図である。FAXシステム10は、3つの送信元(または発信)デバイス1~3、公衆交換電話網(PSTN)4、音声/データ(例えば、コンピュータ)ネットワーク(例えば、インターネット)5、1つまたは複数のFAXサービス提供者サーバ(例えば、FAXサーバ、または電子デバイス)6、および3つの宛先デバイス7~9を含む。一実施形態において、上記システムは、より多くの(例えば、送信元、宛先などの)デバイス、またはより少ないデバイスを含み得る。
【0013】
図示されるように、送信元デバイス1および2は、PSTNを介してサーバ6に結合されており、送信元デバイス3は、コンピュータ・ネットワークを介してサーバに結合されている。図示されるように、送信元デバイス1はFAX機器であり、送信元デバイス2はデスクトップ・コンピュータである。一実施形態において、デバイス1および2は、PSTN4を介したFAXサービス提供者サーバ6への(またはそこからの)出呼の発信および/または着信(例えば、FAX)呼の受信を行うことができる任意の電子デバイスでもよい。例えば、FAX機器1は、国際電気通信連合電気通信標準化セクター(ITU-T)によって規定されているGroup3プロトコルなどの適したFAXプロトコル(例えば、ITU-T勧告T.30およびT.4に規定されるプロトコルなど)を使用して、PSTN4を介してFAX伝送を送信し得る。ユーザは、例えば紙文書をFAX機器に置いて、受信者の電話番号をFAX機器に入力することによって、FAX機器を操作し得、それによってFAX伝送を受信者へ送信し得る。このFAX機器は、その紙文書をスキャンし、その文書のコンテンツを電子FAX形式に変換する。あるいは、FAX機器は、電子文書を電子FAX形式に変換し得る。FAX機器は、デュアル・トーン・マルチ・フリーケンシー(DTMF)シグナリングを利用することによって出呼を発信する。呼が応答されると(例えば、サーバ6による)、FAX機器は、可聴周波数音(例えば、Group3プロトコルによるFAXトーン)の形態でPSTNを介して、文書のコンテンツを伝送する。受信されると、FAX伝送は、ファクシミリ・ファイル形式(例えば、タグ付き画像ファイル形式(TIFF))でサーバ(より具体的にはサーバのメモリ)に記憶され得る。一実施形態において、デスクトップ2は、ダイヤルアップ・モデムと、実行されると、ダイヤルアップ・モデムを使用して、PSTNを介してFAX伝送を伝送し得る電話通信ソフトウェアとを含み得る。具体的には、このソフトウェアは、(例えば、デスクトップに結合されている表示画面に表示されているグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を介して)文書が伝送されるFAX電話番号を受信するように構成され得る。デスクトップは、文書を適したFAXファイル形式に変換し、PSTNを介してサーバ6とのダイヤルアップ接続を確立するために、ダイヤルアップ・モデムを使用して出呼を発信する。確立されると、デスクトップが、本明細書で説明するように、FAXファイルを伝送し得る。
【0014】
送信元デバイス3は、コンピュータ・ネットワーク5を介してサーバ6に結合される。図示されるように、送信元デバイス3は、ラップトップ・コンピュータである。しかしながら、別の実施形態において、デバイス3は、コンピュータ・ネットワークを介してFAXサービス提供者サーバ6にFAX伝送(例えば、電子メッセージなど)を伝送できる任意の種類のデバイスでもよい。特に、送信元デバイス3は、デバイスによって実行されるとFAXファイルを含む電子メッセージなどのFAX伝送を送信するように構成されているFAXソフトウェアを含み得る。別の例として、送信元デバイス3は、FAXサーバ6との通信データ・リンクを(例えば、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を介して)確立して、電子メッセージをその接続を介して伝送し得る。別の実施形態において、送信元デバイスは、任意の知られている方法を使用して、メッセージをFAXサーバに伝送し得る。いくつかの実施形態では、送信元デバイス3は、携帯電話(またはスマートフォン)などの持ち運び可能なデバイスでもよい。
【0015】
また図示されるように、宛先デバイス7は、PSTNを介してサーバ6に結合されているFAX機器である。宛先デバイス8および9は、それぞれ、コンピュータ・ネットワーク5を介してサーバ6に結合されている携帯電話および(1つまたは複数の)サーバである。一実施形態において、デバイス7は、PSTNを介してFAX伝送を送信/受信できる任意の電子デバイスでもよく、デバイス8および9は、コンピュータ・ネットワーク5を介してFAX伝送を伝送/受信できる任意の電子デバイスでもよい。コンピュータ・ネットワークを介してのFAX伝送の伝送および受信に関しては、本明細書でさらに説明される。
【0016】
一実施形態において、音声/データ・ネットワーク5は、ルータ、アクセス・ポイント、1つまたは複数のサーバなど、1つまたは複数のデバイスが、FAX伝送(例えば、電子メッセージ)を送信および受信できるようにするインフラストラクチャを含み得る。いくつかの実施形態において、ネットワークは、1つまたは複数の携帯電話基地局も含んでもよく、それらの全ては、モバイルデバイスのためのデータ伝送(および/または音声による呼)をサポートする通信ネットワーク(例えば、4Gロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワーク)の一部であり得る。このネットワークのインフラストラクチャに関しては、本明細書でさらに説明される。
【0017】
サーバ6は、本明細書で説明するように、1つまたは複数のFAXサービス・サービス・オペレーションを行うように構成されたスタンドアロンのサーバ・コンピュータまたはサーバ・コンピュータのクラスタである。一実施形態において、サーバは、クラウド・ベースのサービスとしてFAXサービス提供者のオペレーションを実行できるクラウド・コンピューティング・システムの一部であり得る。これらのオペレーションについては、本明細書でさらに説明される。
【0018】
図2は、いくつかの実施形態による、FAXサービス提供者サーバ6を示すブロック図である。FAXサーバは、1つまたは複数のFAXサービス提供者によって動作され、1つまたは複数のFAXサービスの加入者を宛先としたFAX伝送を処理できる。典型的に、FAXサービス(または、より具体的にはFAXサービス提供者)は、異なる直通社内通話(DID)電話番号(例えば、FAX電話番号)を各加入者に割り当てる。加入者は、そのDID番号を、その加入者に(入FAX伝送としての)FAXメッセージを送信したい他者に配布する。DID番号は、事実上、加入者の個別FAX番号である。一実施形態において、FAX電話番号が、加入者に一意の識別子である。送信側がFAX伝送を加入者のDID番号に(例えば、本明細書で説明するように、PSTNを介して)送信するとき、サーバは、そのFAX伝送を受信して、そのFAX伝送からFAXメッセージを生成する(またはそのFAX伝送内のメッセージ・コンテンツを復号する)。生成されたFAXメッセージは、例えば、PDF、TIFFなど、電子(例えば、宛先)デバイス上で加入者によって閲覧可能な形式を有してもよく、加入者に(例えば、閲覧のために)利用可能となる。
【0019】
別の実施形態において、FAXサーバ6は、(例えば、電子メッセージとしての)入FAX伝送を音声/データ・ネットワーク5を介して受信し得る。例えば、ユーザ(例えば、別の加入者または非加入者)が、(例えば、添付ファイルとして)FAXファイル(または伝送)を含むeメールをデータ・ネットワーク(例えば、インターネット)を介して伝送し得る。一実施形態において、FAXファイルは、TIFFなどのFAXに適した形式を有し得る。別の実施形態において、FAXファイルは、検索可能なPDFなどの検索可能な電子文書でもよい。いくつかの実施形態では、FAXファイルは、ユーザがファイル内のデータ(例えば、テキスト、画像など)を検索、追加、削除、および/または編集できるようにする1つまたは複数のアプリケーションによって実行可能な形式を有し得る。例えば、ファイルは、ワード・プロセッシング・ソフトウェア・アプリケーションによって実行可能なワード・プロセッシング形式、スプレッドシート・ソフトウェア・アプリケーションによって実行可能なスプレッドシート形式、表示アプリケーションによって実行可能な表示形式を有し得る。一実施形態において、FAXファイルは、検索可能な任意のファイル形式を有し得る。
【0020】
一実施形態において、受信された電子メッセージは、そこに含まれるFAXファイルが伝送されるアウトバウンド(または受信者)アドレスも含み得る。上記例に戻ると、eメールは、FAX伝送がFAXサーバによってルーティングされる加入者のeメール・アドレスを含み得る。FAX伝送をルーティングするために、eメール・アドレスは、加入者のアウトバウンド・アドレスおよび/または識別情報を示し得る。例えば、アウトバウンド・アドレスは、eメール・アドレスのユーザ名でもよく、このユーザ名は、FAXが(例えば、PSTNを介したFAX伝送によって)ルーティングされる、加入者に割り当てられたDID電話番号でもよく、eメール・アドレスのドメイン名は、FAXサービス提供者と関連付けられていてもよい。eメールが受信されると、FAXサーバは、eメール・アドレス、より具体的にはeメール・アドレスのユーザ名(例えば、DIDのFAX電話番号)に基づいてFAX伝送をどのようにルーティングするかを決定するように構成され得る。FAX電話番号のルーティングについては、本明細書でさらに説明される。
【0021】
入FAX伝送が受信されると、FAXサーバ6は、様々な手段によって加入者がそのFAXメッセージを利用可能にし得る。一実施形態において、FAXサーバは、FAXメッセージを加入者のeメール・アドレス(例えば、宛先アドレス)に伝送し得る。別の実施形態において、FAXサーバは、コンピュータ・ネットワーク5を介して加入者によってFAXメッセージがデータ・ストレージでアクセスされるまで、そのデータ・ストレージにFAXメッセージを記憶する。例えば、FAXメッセージは、インターネットを介してアクセス可能なウェブ・サーバに記憶されたままでもよい。別の実施形態において、ショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージなど、新しいFAXメッセージが利用可能であることを示す通知が加入者に送信される(アドレス指定される)。一実施形態において、その通知は、新しいメッセージにどのようにアクセスするかに関する情報を含み得る(例えば、記憶されているFAXメッセージへのユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)などのリンクを含むeメール通知)。別の実施形態において、通知は、任意の種類の電子メッセージ(例えば、SMSメッセージ、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)メッセージなど)として、加入者に関連付けられている既知の電話番号に伝送され得る。この場合、電子メッセージは、URLなどの上述した情報を含み得る。別の実施形態において、メッセージは、添付ファイルとして、生成されたFAXメッセージを含み得る。
【0022】
別の実施形態において、FAXサーバは、本明細書で説明した方法と同様にして送信元デバイスから受信された入FAX伝送を、1つまたは複数の宛先デバイスに伝送(例えば、ルーティング)し得る。例えば、FAXサーバは、FAX伝送を、PSTN4を介して宛先デバイス(例えば、デバイス7)に伝送し得る。特に、FAXサーバは、(例えば、加入者と関連付けられたFAX電話番号への)出呼を発信し得、その呼が応答されると、FAXサーバは、本明細書に説明するように、FAX伝送を伝送する。
【0023】
いくつかの実施形態では、FAXサーバ6は、入FAX伝送(より具体的には伝送において受信されたFAXファイル)を、1つまたは複数の宛先デバイスとの通信データ接続を介して伝送(配信)し得る。特に、FAXサーバは、コンピュータ・ネットワーク5を介して、およびAPIによって、サーバの宛先アドレス、例えばインターネット・プロトコル(IP)アドレスまたはドメイン名を使用して、サーバ9などの宛先デバイスとの通信データ接続を確立するように構成され得る。確立されると、FAXサーバは、FAX伝送(さらに具体的には、FAXファイルまたは処理されたFAXファイル)を含む電子メッセージを(例えば、IPパケットなどの1つまたは複数のデータ・パケットとして)、データ接続を介して宛先デバイスに伝送し得る。一実施形態において、FAXサーバは、宛先デバイスによって(または宛先デバイス上で)ホストされるウェブサイトを介して接続を確立し得る。この場合、宛先アドレスは、宛先デバイスと関連付けられたドメイン名を含むユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)でもよい。FAXサーバは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)などの任意のデータ転送(アプリケーション)プロトコルに従ってURLへのデータ接続を確立し得る。いくつかの実施形態では、FAXサーバは、サーバのプロトコル・スタック内の任意の(例えば、アプリケーション層)プロトコルを使用して、宛先デバイスとの接続を確立し、データを(例えば、1つまたは複数のデータ・パケットとして)伝送し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、FAXサーバ6は、eメール(例えば、簡易メール転送プロトコル(SMTP)メッセージ)として電子メッセージを伝送し得る。この場合、電子メッセージは、eメールの本文内に(例えば、テキストとして)含まれ得る。別の実施形態において、電子メッセージは、多目的インターネット・メール拡張(MIME)プロトコルに従ってフォーマット化された、eメールへの添付ファイルとしてFAXメッセージ(例えば、電子文書)を含み得る。
【0025】
別の実施形態において、FAXサーバ6は、宛先デバイスとのセキュアな通信データ接続を確立し得る。具体的には、FAXサーバは、コンピュータ・ネットワーク5を介して、宛先デバイスとの通信データ接続を、その宛先アドレス(例えば、IPアドレス)に従って、およびセキュア・ソケット・レイヤ(SSL)、トランスポート層セキュリティ(TLS)などの暗号化プロトコルを使用して確立し得る。例えば、その宛先デバイスによってホストされているウェブサイトにアクセスするために、FAXサーバは、TLSまたはSSLを介したアプリケーション層プロトコルHTTP(例えば、HTTPS)でもよい。セキュアな通信データ接続が確立されると、FAXサーバは、暗号化プロトコルに従って、データ(例えば、電子メッセージ)を(暗号化して)宛先デバイスに伝送する。いくつかの実施形態において、FAXサーバは、宛先デバイスとのセキュアな通信トンネルを確立し得る。例えば、FAXサーバは、宛先デバイスのIPアドレスまたはドメイン名を使用して、宛先デバイスとの仮想私設ネットワーク(VPN)接続を確立し得る。確立されると、FAXサーバは、VPN接続を介して、電子メッセージを伝送し得る。例えば、FAXサーバは、VPNサーバとの通信データ接続を確立し得、この通信データ接続によって(例えば、VPN接続が確立されて)FAXサーバが(例えば、HTTPSなどの任意の通信プロトコルを使用して)宛先デバイスと通信し得る。別の例として、セキュアな通信トンネルが確立されると、FAXサーバ6は、本明細書で説明するように、FAXメッセージが添付されたeメール(SMTPメッセージ)を伝送し得る。
【0026】
ここまで説明したように、FAXサーバ6は、入FAX伝送をルーティング(または転送)するために、1つまたは複数の宛先デバイスとの通信データ接続を確立するように構成され得る。別の実施形態において、FAXサーバは、ラップトップ3などの送信元デバイスとの1つまたは複数の通信データ接続を通じて入FAX伝送を受信し得る。例えば、送信元デバイスは、本明細書で説明するように、FAXサーバとの通信データ接続のいずれかを確立し得る。例えば、送信元デバイスは、HTTPSなどの任意のアプリケーション層プロトコルに従って、FAXサービス提供者サーバ6によってホストされているウェブサイトにアクセスして、入FAXを伝送し得る。
【0027】
このサーバは、通信インターフェース20と、1つまたは複数のプロセッサ21と、非一時的機械可読記憶媒体22とを含む。非一時的機械可読記憶媒体の例は、読み出し専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、CD-ROM、DVD、磁気テープ、光学データ記憶デバイス、フラッシュ・メモリ・デバイス、および相変化メモリを含み得る。サーバ6に内蔵されるとして図示されているが、構成要素のうちの1つまたは複数は、分離したデータ記憶デバイスである媒体22などの分離した電子デバイスの一部であり得る。図示されるように、非一時的機械可読記憶媒体は、FAXサービス提供者のソフトウェア・プログラム(またはFAXソフトウェア)23、加入者データ25、および監査データ26を記憶している。FAXソフトウェアは、1つまたは複数のプロセスによって実行されたときに、本明細書で説明するように、入FAX伝送を処理して、検索可能な電子文書を生成すること、および電子シグネチャを付加することを行うように構成されるようになる文書処理コンポーネント24を含む。
【0028】
通信インターフェース20は、FAXサーバ6が、入FAX伝送を(例えば、送信元デバイス1~3から)受信し、および/またはFAX伝送を(例えば、宛先デバイス7~9へ)PSTN4および/またはコンピュータ・ネットワーク5などのネットワークを介して伝送するためのインターフェースを提供する。例えば、通信インターフェースは、入FAXがダウンリンク信号によって受信される、PSTNを介した送信元デバイス1との通信リンクを確立するように構成されており、FAXがアップリンク信号によって伝送されるPSTNを介した宛先デバイス7との通信リンクを確立するように構成されている。同様に、インターフェースは、1つまたは複数の宛先デバイスとのデータ接続(VPN接続など)を確立するように構成されている。
【0029】
一実施形態において、加入者データ25は、1つまたは複数のFAXサービスの加入者の情報を含み得る。具体的には、そのデータは、加入者の名前、(携帯電話8などの宛先デバイスと関連付けされ得る)加入者の個人電話番号、および加入者の割り当てられたDID電話番号などの加入者(例えば、識別)情報を有するルックアップ・テーブルを含むデータ構造の形態を有し得る。いくつかの実施形態では、このデータ構造は、FAXサービス提供者が特定の加入者について受信された入FAX伝送のルーティング(転送)先である1つまたは複数の宛先アドレスを含み得る。例えば、加入者の宛先アドレスは、eメール・アドレス、(例えば、音声)電話番号、FAX電話番号、IPアドレスなどを含み得る。一実施形態において、加入者データは、加入者が入FAX伝送をFAXシステムによってどの宛先アドレスにルーティング(または転送)したいかなど、加入者の設定または選好を含み得る。別の実施形態において、加入者の選好は、どの形式でFAX伝送が加入者によって受信されるかを示し得る。例えば、加入者の選好は、入FAX伝送が、TIFFなどの適したFAX形式でルーティングされる、および/またはPDFなどの別の形式でルーティングされることを示し得る。一実施形態において、加入者の選好は、FAXソフトウェア(の文書処理コンポーネント24)が、入FAX伝送に際して追加の(または特別な)処理オペレーションを行うかどうかを示し得る。コンポーネント24によって実行されるオペレーションについては、本明細書でさらに説明される。
【0030】
いくつかの実施形態では、監査データ26は、FAXサービス提供者サーバ6によって受信、処理、および/または伝送(またはルーティング)されたFAX伝送に関する情報を含み得る。例えば、監査データは、入FAX伝送のタイムスタンプおよび文書情報などの情報を含むデータ構造に記憶され得る。監査データについては、本明細書でさらに説明される。
【0031】
プロセッサ21は、本明細書では汎用的に「プロセッサ」と称される1つまたは複数のデータ処理回路を含み得る。このプロセッサは、サーバ6に関連する実施形態のうちの1つまたは複数についての本明細書で説明するFAXサービス提供者のオペレーションおよび方法のうちのいくつかまたは全てを行うために、メモリ22内に(少なくとも部分的に)記憶されているFAXソフトウェア23を実行し得る。特に、FAXソフトウェアは(例えば、プロセッサ21に実行されたとき)、1つまたは複数のFAXサービスの加入者を宛先としたFAX伝送を処理できる。例えば、FAXソフトウェアは、(例えば、FAXサーバの通信インターフェースを介して)入FAX伝送およびそのFAX伝送が送信元デバイスによって伝送されるアウトバウンド・アドレスを受信するように構成されており、受信した入FAX伝送をどのようにルーティングするかを決定するように構成されている。例えば、入FAX伝送がPSTNを介する場合、そのアウトバウンド・アドレスは、送信元デバイスがそのFAXを送信するDID電話番号であり得る。一実施形態において、そのFAXがどのようにルーティングされるかの決定は、アウトバウンド・アドレスが加入者と関連付けられているかどうかに基づく。その場合、FAXソフトウェアは、加入者データ25における加入者の選好に基づいてどのようにFAX伝送をルーティングするかを決定し得る。どのようにFAX伝送をルーティングするかの決定については、本明細書でさらに説明される。
【0032】
一実施形態において、文書処理コンポーネント24は、受信されたFAX伝送を処理するように構成されている。例えば、受信されたFAX伝送は、本明細書で説明するように、ワード・プロセッシング形式、スプレッドシート形式、または表示形式などの任意の形式の(例えば、第1の)検索可能な電子文書を含む電子メッセージ(例えば、eメール、通信データ接続などを介する)でもよい。このコンポーネントは、第1の検索可能な電子文書から、(例えば、第1の文書のファイル形式とは異なる別のファイル形式を有する)別の(例えば、第2の)検索可能な電子文書を生成する。例えば、第2の検索可能な電子文書は、ワード・プロセッシング文書から生成された検索可能なPDF文書でもよい。一実施形態において、生成された第2の検索可能な電子文書は、第1の文書の全ての書式設定(例えば、フォント、フォント・サイズ、フォント色、間隔、余白、配列など)を保存(保持)し得る。例えば、生成された検索可能なPDF文書は、第1の検索可能な電子文書(例えば、ワード・プロセッシング文書)からの組み込みフォントを含み得る。上記コンポーネントは、第2の文書を認証するために電子シグネチャを付加し、第2の文書は宛先デバイスに伝送される。それによって、ルーティングされたFAX伝送は検索可能な文書のままであり、文書の伝送を認証する電子シグネチャを含む。これは、TIFFなどの非検索可能なFAX形式で伝送される従来のFAX伝送とは対照的である。このコンポーネントによって実行されるオペレーションについては、本明細書でさらに説明される。
【0033】
図3は、いくつかの実施形態による、FAX伝送に際して処理を行うプロセス30の一実施形態のフローチャートである。このプロセスは、
図1に示されるFAXシステム10のFAXサービス提供者サーバ6(の例えばFAXサービス提供者ソフトウェア・プログラム23)によって実行され得る。例えば、サーバの1つまたは複数のプロセッサによって実行されているFAXソフトウェア32の文書処理コンポーネント24は、本明細書で説明されるオペレーションのうちの少なくともいくつかを行い得る。
【0034】
プロセス30は、FAXサーバ6が、コンピュータ・ネットワーク(例えば、ネットワーク5)を介して、(例えば、第1の)検索可能な電子文書(または第1の文書)と、第1の文書がFAX伝送としてルーティングされるFAX電話番号とを受信することによって開始する(ブロック31)。具体的には、FAXサーバ6は、添付ファイルとして文書を含む電子メッセージを受信し得、その文書が(例えば、送信元デバイスによって)伝送されているアウトバウンド・アドレスを含み、ここで、アウトバウンド・アドレスはFAX電話番号を含み得る。一実施形態において、第1の検索可能な電子文書は、本明細書で説明するように、ワード・プロセッシング形式、PDFなどの任意の形式の検索可能な電子文書であり得る。そのような文書は、フォント選択、フォント・サイズ、フォント色、間隔、余白、配列、文書にオーバーレイされる画像などの(組み込まれた)書式設定(例えば、メタデータとして)を含み得る。いくつかの実施形態では、アウトバウンド・アドレスは、電子メッセージの一部(例えば、その電子メッセージを含む1つまたは複数のデータ・パケットのヘッダ)であるデータ(例えば、メタデータ)でもよい。例えば、電子メッセージがeメールの場合、アウトバウンド・アドレスは、そのeメールが送信されているeメール・アドレスである。この場合、FAXソフトウェア23は、eメールのドメイン・アドレスに基づいてFAXサーバにルーティングされたeメールを受信し得る。本明細書で説明するように、eメール・アドレスのユーザ名は、FAX電話番号(例えば、アウトバウンド・アドレスとして)を含み得る。本明細書で説明するように、第1の検索可能な電子文書は、送信元デバイスとFAXサーバとの間に(APIを介して)(例えば、事前に)確立された通信データ接続を介して受信され得る。一実施形態において、FAX電話番号は、確立された接続に基づいて受信され得る。例えば、FAX電話番号は、HTTPSなどのファイル転送プロトコルを介して接続を確立するために使用されるURLのドメインの一部であり得る。別の例として、FAX電話番号は、接続にわたって伝送される(例えば、パケットのヘッダにおける)1つまたは複数のデータ・パケットの一部であり得る。
【0035】
サーバは、そのFAX電話番号(またはアウトバウンド・アドレス)が1つまたは複数のFAXサービスの加入者と関連付けられているかどうかを判定する(判定ブロック32)。例えば、FAXソフトウェア23は、FAX電話番号がFAXサービスの加入者と関連付けられているかどうかを判定してもよい。一実施形態において、FAXソフトウェアは、例えばFAX電話番号を使用してテーブル・ルックアップを行うことによって加入者データ25を検索してもよい。特に、このソフトウェアは、加入者情報(例えば、加入者の名前)がFAX電話番号と関連付けられているかどうかを判定し得る。一実施形態において、ソフトウェアは、加入者が「既存」加入者であるかどうかを判定し得る。例えば、既存加入者は、既存のサブスクリプションを有する(例えば、加入者の料金が現在まで支払われている)加入者、または加入者のサブスクリプションが満了していない加入者でもよい。FAX電話番号が(例えば、既存の)加入者と関連付けられていないことに応答して、サーバは、文書をTIFFなどのFAXに適した形式に変換する(ブロック34)。サーバは、FAX伝送として、PSTN4などの回線交換網を介して文書を伝送する(ブロック35)。例えば、FAXソフトウェアは、(通信インターフェース20を介して、出呼をFAX電話番号に発信し、(例えば、FAX機器7などの宛先デバイスによって)応答されると、FAX形式の文書をその出呼を介して伝送する。
【0036】
サーバは、行われたオペレーションのうちの1つまたは複数を監査する(ブロック36)。特に、サーバは、電子文書の受信、文書の処理、および/または文書の伝送に関するデータを(例えば、監査データ26に)記憶することによって、オペレーションを監査し得る。例えば、サーバは、電子文書が受信された受信タイムスタンプ、電子文書がFAX形式に変換されたことを示す情報(変換が発生した時のタイムスタンプ)などの処理情報、およびそのFAX伝送が回線交換網を介して伝送された時の伝送タイムスタンプを記憶し得る。一実施形態において、他の情報も同様に記憶され得る。監査データについては、本明細書でさらに説明される。
【0037】
ただし、FAX電話番号が加入者と関連付けられている場合、FAXサーバは、その文書を電子メッセージ(例えば、eメール)としてコンピュータ・ネットワーク5を介して伝送するかどうかを、FAX電話番号に基づいて判定する(判定ブロック33)。特に、サーバは、その文書が電子メッセージとして(例えば、VPN接続などの通信データ接続を介して、eメールなどとして)伝送されるかどうか、またはその文書がPSTNを介して可聴周波数音として伝送されるかどうかを、サブスクリプション・データ25に基づいて判定する。特に、サーバは、そのFAX電話番号と関連付けられている(例えば、既存の)加入者の選好が、どのように入FAX伝送がFAXサーバによってルーティングされるかを示すかどうかを判定する。加入者選好が、入FAX伝送はPSTNを介してFAXとしてルーティングされることを示す場合、ブロック34で説明するように、FAXサーバは、その文書をFAXに適した形式に変換することに進む。別の実施形態において、加入者選好が何らかの方法も示していない場合、FAXサーバが自動的にブロック34に進み得る。
【0038】
それ以外の場合、FAXサーバは、その文書が検索可能な電子文書として伝送されると判定する(ブロック37)。具体的には、FAXサーバは、その判定を加入者データ25における加入者選好に基づいて行い得る。例えばFAXソフトウェアは、加入者が、入FAX伝送は、加入者(例えば、加入者の宛先アドレス)にルーティングされる検索可能な文書を生成するように処理されることを選択したかどうかを判定し得る。そのような選択は、加入者が、この追加の処理を行うための追加のサブスクリプション料金をそのFAXサービス提供者に支払ったかどうかに基づき得る。
【0039】
FAXサーバは、受信した第1の検索可能な電子文書から第2の検索可能な電子文書(例えば、第2の文書)を生成する(ブロック38)。例えば、文書処理コンポーネント24は、(ワード・プロセッシング形式、スプレッドシート形式などの任意の検索可能な形式を有し得る)第1の文書を第2の検索可能な電子文書に変換し得る。一実施形態において、第2の文書は、第1の文書と同じまたは異なるファイル形式を有し得る。例えば、第1の文書がワード・プロセッシング文書の場合、第2の文書は検索可能なPDF文書でもよい。一実施形態において、文書処理コンポーネントは、任意の知られている変換ソフトウェア・アプリケーションを使用して第1の文書を第2の文書に変換してもよい。例えば、文書処理コンポーネントは、任意の種類のPDF変換ソフトウェアを使用して、文書を検索可能なPDF文書に変換してもよい。
【0040】
一実施形態において、第2の文書は、第1の文書のいくつかまたは全ての特性を保持し得る。例えば、第2の文書は、第1の文書と同じ(または異なる)ページ数を含み得る。本明細書で説明するように、第2の文書は、フォント選択、フォント・サイズ、フォント色、間隔など元の検索可能な電子文書の書式設定のいくつかまたは全てを保持し得る。別の例として、書式設定は、著者、ファイル名、日付、および他の設定/選好など、元の文書の少なくともいくつかのメタデータ(例えば、拡張可能なマーク付け言語(XML)形式)を保持し得る、PDF文書用などのメタデータとして保持され得る。
【0041】
FAXサーバは、電子シグネチャを文書に付加することによって第2の文書を認証する(ブロック39)。電子シグネチャは、第2の検索可能な電子文書の1ページまたは複数ページの少なくとも一部分(例えば、余白内)に追加されるテキスト(および/または画像)を含み得る。一実施形態において、電子シグネチャが付加されると、シグネチャが文書閲覧ソフトウェア・アプリケーションの使用を通してユーザによって編集可能または操作可能にすることができないように、付加されたシグネチャはその文書上で永続的となり得る。一実施形態において、電子シグネチャは、入FAX伝送に関する情報を含むことによって第2の文書を認証する。例えば、シグネチャは、第1の検索可能な電子文書がFAXサーバによって受信された時の(例えば、受信)タイムスタンプ、第2の文書のページ数、送信元デバイス情報(例えば、インバウンド(FAX)電話番号、インバウンドeメール・アドレスなどの送信元デバイスのインバウンド・アドレス)のうちの少なくとも1つを含み得る。一実施形態において、電子シグネチャは、本明細書で説明するように、可聴周波数音として伝送されるFAXのFAXヘッダに含まれた同じ情報のうちの少なくともいくつかを含み得る。別の実施形態において、電子シグネチャは、第2の文書のヘッダ部分に沿って位置付けられるなど、FAXヘッダと類似し得る。
【0042】
FAXサーバは、認証された検索可能な文書を含む電子メッセージを、コンピュータ・ネットワークを介してFAX電話番号に従って宛先デバイスへ伝送する(ブロック40)。特に、FAXソフトウェアは、そのFAX電話番号の加入者がFAX伝送のルーティングを要求している1つまたは複数の宛先アドレスを判定するために、加入者データ25に対してテーブル・ルックアップを行い得る。例えば、宛先アドレスがeメール・アドレスの場合、FAXソフトウェアは、認証済みの検索可能な文書を含むeメールを(電子メッセージとして)加入者の(例えば、個人、仕事などの)eメール・アドレスに伝送する。別の例として、宛先アドレスが(例えば、携帯)電話番号の場合、FAXソフトウェアは、SMSメッセージおよび/またはマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)メッセージで認証済み文書を伝送し得る。別の態様において、電子メッセージは、本明細書で説明するように、通信データ接続を介して伝送され得る。この場合、判定された宛先アドレスは、サーバの(またはコンピュータの)ドメイン名またはアドレス(例えば、IPアドレス)でもよく、FAXソフトウェアは、コンピュータ・ネットワークを介して、IPアドレスに従った宛先デバイスとの接続を確立し得る。確立されると、FAXソフトウェアは、接続を介して、電子メッセージを伝送し得る。一実施形態において、FAXソフトウェアは、本明細書で説明するように、TLSプロトコルなどの暗号化プロトコルに従ってメッセージを伝送し得る。
【0043】
サーバは、ブロック36において、本明細書で説明するように、行われたオペレーションのうちの1つまたは複数を監査する。例えば、サーバは、第1の検索可能な電子文書の受信に関する情報(例えば、受信タイムスタンプ)および第2の検索可能な電子文書の生成および伝送に関する情報を(判定および)記憶し得る。
【0044】
いくつかの実施形態は、プロセス30の変形例を実行する。例えば、プロセス30の特定のオペレーションは、図示および説明された正確な順序で行われなくてもよい。特定のオペレーションは、一連の連続オペレーションで行われなくてもよく、いくつかのオペレーションは省略されてもよく、異なる特定のオペレーションが異なる実施形態で行われてもよい。例えば、ブロック37において文書が検索可能な文書として伝送されると判定するのではなく、FAXサーバは、文書がPSTNを介してトーンとして伝送されると判定し得る。一実施形態において、この判定は、加入者データ25に記憶されている加入者と関連付けられたユーザ選好に基づき得る。この場合、FAXサーバは、文書を電子メッセージとして加入者(例えば、加入者の宛先アドレス)に伝送するように構成され得る。あるいは、FAXサーバは、文書をFAX形式に変換し、そのFAXをPSTNを介して伝送してもよい。
【0045】
別の実施形態において、文書が検索可能な文書として伝送されないとの判定に応答して、サーバ6は、少なくともいくつかの異なるオペレーションを行い得る。例えば、ブロック37において文書が検索可能な文書として伝送されると判定するのではなく、サーバは、文書を(例えば、別の)検索可能な文書に変換するために、追加の文書処理が行われないと判定し得る。例えば、加入者選好は、(例えば、加入者の選択によって、加入者の未払いによって、など)特別処理が行われないことを示す場合がある。この場合、デバイスは、ブロック38で行われるオペレーションを省略、および/またはブロック39で行われるオペレーションを省略してもよく、その文書を含む電子メッセージの伝送に進み得る。
【0046】
ここまで説明したように、FAX伝送のために受信された文書は、コンピュータ・ネットワーク4を介して受信された検索可能な電子文書である。別の実施形態において、文書は、PSTNを介してFAX形式で受信された入FAXでもよい。この場合、ブロック38で第2の検索可能な電子文書を生成するために、FAXサーバは、本明細書で説明するように、OCRソフトウェアを実行し得る。
【0047】
別の実施形態において、本明細書に記載のオペレーションの少なくともいくつかは、任意の順序で、および/またはプロセス30全体で複数回実行され得る。例えば、FAX伝送の伝送後の実行済みオペレーションを監査するのではなく(またはそれに加えて)、サーバは、オペレーションが実行されたときに、そのオペレーションを監査してもよい。一例として、第1の検索可能な電子文書を受信した際に、サーバは、文書が受信された時を示す受信タイムスタンプを判定して記憶してもよい。各ステップにおいて、またはその後に、サーバは、そのステップで行われたオペレーションに関する情報を記憶してもよい。
【0048】
図4は、いくつかの実施形態による、FAX伝送の処理に関連付けられたデータ26を監査することを含むデータ構造50を示す図である。具体的には、そのデータ構造は、FAXサーバ6への入FAX伝送に関するデータを含むテーブルを含む。図示するように、このテーブルは、受信データ、文書処理データ、および伝送データを含む。受信データは、受信された入FAX伝送に関する情報を含み、この情報は、そのFAX伝送が受信された時を示す受信タイムスタンプ、送信者の電話番号またはeメール・アドレスなどの送信者の(または送信元の)情報、入FAX伝送が送信されるFAX電話番号を含み得る受信者の情報、およびページ数、文書タイプなど入FAX伝送に関する情報を含む文書情報を含む。一実施形態において、サーバ6は、入FAXを受信する際に受信データを判定して記憶してもよい。
【0049】
文書処理データは、入FAX伝送が、いつ、どのようにFAXサーバによって処理されるかに関する情報を含み得る。例えば、処理データは、文書が処理された時を示す処理タイムスタンプ、その文書がどのように処理されたかを示す(例えば、第1の検索可能な電子文書が第2の検索可能な電子文書に変換されたこと、および文書がどの形式からどの形式に変換されたかなどを示す)処理情報、および更新済み文書情報(例えば、処理済みの文書のページ・サイズが5ページから6ページに変更されたなどを示す)を含み得る。伝送データは、FAX伝送の伝送(またはルーティング)に関する情報を含み得、その情報は、そのFAXがルーティングされた伝送タイムスタンプおよび宛先アドレスを含み得る。一実施形態において、より多くの情報またはより少ない情報がデータ構造内に記憶され得る。
【0050】
一実施形態は、上述したオペレーションを行うように1つまたは複数のデータ処理コンポーネント(ここでは汎用的に「プロセッサ」と称される)をプログラムする命令が非一時的機械可読記憶媒体に記憶された製品でもよい。例えば、一実施形態において、
図3の上述したプロセス30は、非一時的機械可読記憶媒体に記憶された命令を実行しているプロセッサ21によって行われ得る。非一時的機械可読記憶媒体は、本明細書で説明するようにFAXサーバ6の一部でもよい。他の実施形態において、これらのオペレーションのうちのいくつかは、ハードウェア・ロジックを含む特定のハードウェア・コンポーネントによって行われる場合がある。これらのオペレーションは、代替的に、プログラムされたデータ処理コンポーネントと、固定のハードワイヤードの回路部品との任意の組み合わせによって行われる場合がある。
【0051】
特定の実施形態が説明され、添付図面にて示されたが、そのような実施形態は広範な開示の例示に過ぎず、それに限定的ではなく、さらに、様々な他の修正を当業者が想到するため、本開示は、図示および説明された特定の構造および構成に限定されないことを理解されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示は、例えば、「[要素A]および[要素B]の少なくとも1つ」という表現を含む場合がある。この表現は、要素のうちの1つまたは複数を指し得る。例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」は、「A」、「B」、または「AおよびB」を指し得る。具体的には、「AおよびBの少なくとも1つ」は、「Aの少なくとも1つおよびBの少なくとも1つ」、または「AまたはBの少なくともいずれか」を指し得る。いくつかの実施形態では、本開示は、例えば、「[要素A]、[要素B]、および/または[要素C]」という表現を含む場合がある。この表現は、それらの要素のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを指し得る。例えば、「A、B、および/またはC」は、「A」、「B」、「C」、「AおよびB」、「AおよびC」、「BおよびC」、または「A、B、およびC」を指し得る。
【国際調査報告】