(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】可動偏向ジェットにより表面を洗浄するための装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
B60S1/62 120B
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553114
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2022055015
(87)【国際公開番号】W WO2022184655
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】マルゴー、ボーベ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン、カリオン
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AC02
3D225AD22
(57)【要約】
洗浄流体(16)を光学センサ(14)の表面(12)に向けて噴射するための洗浄装置(100)であって、前記洗浄流体(16)用の吸入ポート(110)と、ジェット(10)の形態にある前記洗浄流体を前記被洗浄面(12)の方向に吐出するための吐出ノズル(112)と、を備える中空体(102)であって、前記洗浄流体を分配するための導管(114)が貫通する中空体(102)と、前記吐出ノズル(112)の下流に配置された洗浄流体ジェット偏向要素(104)であって、前記吐出ノズル(112)が吐出した前記流体のジェット(10)を遮ることで前記被洗浄面(12)に対する前記流体のジェット(10)の配向を変化させるように構成された洗浄流体ジェット偏向要素(104)と、を含む洗浄装置(100)。
前記偏向要素(104)は、前記流体のジェット(10)から受ける圧力に応じて、前記偏向要素(104)が前記吐出ノズル(112)に隣接する近接位置と、前記偏向要素(104)が前記吐出ノズル(112)から離れる離間位置(Pe)と、
の間で移動するように適合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄流体(16)のジェット(10)を自動車の被洗浄面(12)、例えば、光学検出システム(S)のセンサ(14)の光学面に向けて噴射することが意図される洗浄装置(100)であって、前記洗浄装置(100)は、
a.前記洗浄流体(16)用の吸入ポート(110)を設けられた上流側(106)と、ジェット(10)の形態にある前記洗浄流体を前記被洗浄面(12)の方向に吐出するための吐出ノズル(112)を設けられた下流側(108)と、を備える中空体(102)であって、前記洗浄流体を前記吸入ポート(110)から前記吐出ノズル(112)まで分配するための導管(114)が貫通する中空体(102)と、
b.前記吐出ノズル(112)の下流に配置された洗浄流体ジェット偏向要素(104)であって、前記吐出ノズル(112)が吐出した前記流体のジェット(10)を遮ることで前記被洗浄面(12)に対する前記流体のジェット(10)の配向を変化させるように構成された洗浄流体ジェット偏向要素(104)と、
を含み、
前記偏向要素(104)は、前記流体のジェット(10)から受ける圧力に応じて、
‐前記偏向要素(104)が前記吐出ノズル(112)に隣接する近接位置(Pr)と、
‐前記偏向要素(104)が前記吐出ノズル(112)から離れる離間位置(Pe)と、
の間で移動するように適合される、
ことを特徴とする洗浄装置(100)。
【請求項2】
前記偏向要素(104)は、細長部分を備える、
請求項1に記載の洗浄装置(100)。
【請求項3】
前記偏向要素(104)は、前記吐出ノズル(112)の出口開口から距離を置く、
請求項1および2のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項4】
前記近接位置と前記離間位置との間における前記偏向要素(104)の移動経路は、湾曲している、
請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項5】
前記吐出ノズル(112)は、前記被洗浄面(12)に対して静止している、
請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項6】
前記偏向要素(104)は、前記吐出ノズル(112)を前記近接位置(Pr)において閉鎖する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項7】
前記洗浄装置(100)は、前記偏向要素(104)の前記移動を制限するストッパ(116)をさらに備え、
前記偏向要素は、前記ストッパ(116)に前記離間位置(Pe)において当接する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項8】
前記ストッパ(116)と前記中空体(102)とは、一部品である、
請求項7に記載の洗浄装置(100)。
【請求項9】
前記偏向要素(104)は、第1端部(118)と、前記第1端部(118)の反対側の自由な第2端部(120)と、を有し、
前記偏向要素(104)は、前記第1端部(118)を介して前記中空体(102)に固定される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項10】
前記偏向要素(104)は、前記流体のジェット(10)により及ぼされる圧力下で弾性的に変形する可撓性要素である、
請求項1~9のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項11】
前記偏向要素(204)をその近接位置(Pr)に復帰させるための復帰手段(224)、例えばバネをさらに備える、
請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄装置(200)。
【請求項12】
前記偏向要素(104)は、炭素、ステンレス鋼、エラストマー、またはプラスチックから構成される、
請求項1~11のいずれか一項に記載の洗浄装置(100)。
【請求項13】
光学面(12)を設けられたセンサ(14)と、前記光学面(12)を洗浄するための請求項1~12のいずれか一項に記載の装置(100)と、を備える、自動車用の光学検出システム(S)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄流体のジェットを自動車の被洗浄面、例えば、光学検出システムのセンサの光学面に向けて噴射することが意図される洗浄装置に関する。洗浄装置は、洗浄流体用の吸入ポートが設けられた上流側と、ジェットの形態にある洗浄流体を被洗浄面の方向に吐出するための吐出ノズルが設けられた下流側と、を備える中空体であって、洗浄流体を吸入ポートから吐出ノズルまで分配するための導管が貫通する中空体と、吐出ノズルの下流に配置された洗浄流体ジェット偏向要素であって、吐出ノズルが吐出した流体のジェットを遮ることで被洗浄面に対する流体のジェットの配向を変化させるように構成された洗浄流体ジェット偏向要素と、を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
このような洗浄装置は、FR 3 056 517 A1号文書から知られている。特に
図1~
図3を参照されたい。
【0003】
この既知の洗浄装置において、吐出ノズルは、洗浄中に中空の受容体から展開される伸縮可能な可動要素に形成されている。可動要素を展開することにより、吐出ノズルは、被洗浄面の上方の位置まで動かされる。したがって、ノズルが吐出する洗浄流体のジェットは、被洗浄面全体に到達する。これにより、表面全体を適切に洗浄することが保証される。
【0004】
しかしながら、このタイプの伸縮式洗浄装置は、その運動学的特性や部品点数の多さを理由として、高価で複雑、かつ壊れやすい。
【0005】
DE 41 09 443 A1文書は、伸縮式洗浄装置の別の例を開示している。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本開示の目的は、よりシンプルかつより信頼性が高く、そしてより安価でありながら、被洗浄面全体を効果的に洗浄することを保証する洗浄装置を提案することである。
【0007】
本開示によれば、この目的は、[0001]段落に規定したような洗浄装置であって、前記偏向要素は、前記流体のジェットから受ける圧力に応じて、前記偏向要素が前記吐出ノズルに隣接する近接位置と、前記偏向要素が前記吐出ノズルから離れる離間位置と、の間で移動するように適合される洗浄装置により達成される。
【0008】
可動偏向要素により、被洗浄面に対する液体のジェットの配向は、被洗浄面上における流体のジェットの衝突ゾーンを変化させ得る。ノズル出口における流体のジェットの圧力を変化させることしか必要ない。したがって、流体のジェットに被洗浄面を洗い流させることで、効果的な洗浄が保証される。同時に、本開示による洗浄装置では、伸縮機構が不要であるため、コストや複雑性が低減される。
【0009】
離間位置において、吐出ノズルの出口開口は、完全に遮られないことに留意されたい。換言すれば、ノズルの出口開口には、偏向要素が完全に存在しない。離間位置において、偏向要素は、流体のジェットに吐出ノズルの出口開口において干渉しないことに留意されたい。
【0010】
離間位置において、偏向要素は、吐出ノズルから距離を置いていることに留意されたい。具体的には、離間位置において、偏向要素は、吐出ノズルの出口開口から距離を置いている。
【0011】
例えば、偏向要素は、吐出ノズルから所定の距離を置いて配置される。
【0012】
以下の段落に記載される特徴は、所望により、互いに独立して、または互いに組み合わせて実現され得る。
【0013】
前記近接位置と前記離間位置との間における前記偏向要素の移動経路は、湾曲している。
【0014】
前記吐出ノズルは、前記被洗浄面に対して静止している。
【0015】
偏向要素は、ストリップを備える。
【0016】
偏向要素は、細長部分を備えることに留意されたい。
【0017】
前記偏向要素は、前記吐出ノズルを前記近接位置において閉鎖する。
【0018】
前記洗浄装置は、前記偏向要素の前記移動を制限するストッパを備え、前記偏向要素は、前記ストッパに前記離間位置において当接する。
【0019】
離間位置において、ノズルと偏向要素との間の距離は、ストッパの位置により決まる。
【0020】
離間位置において、ストリップは、ストッパに当接する。
【0021】
前記ストッパと前記中空体とは、一部品である。
【0022】
前記偏向要素は、第1端部と、前記第1端部の反対側の自由な第2端部と、を有し、前記偏向要素は、前記第1端部を介して前記中空体に固定される。
【0023】
偏向要素の第2端部により意味されるものは、ストリップの端部分である。
【0024】
偏向要素の細長部分は、第1端部と第2端部との間で延びることに留意されたい。
【0025】
近接位置において、第2端部は、吐出ノズルを閉鎖するように構成されることに留意されたい。
【0026】
第2端部は、離間位置と近接位置との間で移動するように構成されることに留意されたい。
【0027】
第2端部の移動経路は、湾曲しており、前記偏向要素は、前記流体のジェットにより及ぼされる圧力下で弾性的に変形する可撓性要素であることに留意されたい。
【0028】
離間位置において、偏向要素のストリップは、湾曲部分を備える。
【0029】
ストリップの近接位置から離間位置までの移動中に、ストリップの一部は屈曲するように構成される。
【0030】
偏向要素の移動は、枢動接続部を中心とした枢動である。
【0031】
偏向要素は、近接位置に復帰するための復帰手段、例えばバネを備える。
【0032】
ストリップは剛性である。
【0033】
前記偏向要素は、炭素、ステンレス鋼、エラストマー、またはプラスチックから構成される。
【0034】
また、本開示は、光学面を設けられたセンサと、前記光学面を洗浄するための上述の装置と、を備える、自動車用の光学検出システムに関する。
【0035】
さらなる特徴、詳細および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付図面を精査することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、偏向要素が近接位置にある、本開示による洗浄装置の第1実施形態の断面図である。
【
図2】
図2は、偏向要素が離間位置にある、
図1の第1実施形態の断面図である。
【
図3】
図3は、偏向要素が近接位置にある、本開示による洗浄装置の第2実施形態の断面図である。
【
図4】
図4は、偏向要素が第1中間位置にある、
図3の第2実施形態の断面図である。
【
図5】
図5は、偏向要素が第2中間位置にある、
図3の第2実施形態の断面図である。
【
図6】
図6は、偏向要素が離間位置にある、
図3の第2実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1~
図6に示す洗浄装置100、200は、洗浄流体のジェット10を自動車の被洗浄面(洗浄表面)12、例えば、光学検出システムのセンサ14の光学面に向けて噴射することが意図されている。典型的には、これらの洗浄装置100、200は、関連する洗浄すべきセンサ14の近傍において、自動車に装着されている。
【0038】
本文脈において、光学検出システムとは、カメラ、レーザーセンサ(一般的にLIDARと呼ばれる)、または人間にとって可視または不可視のスペクトル、特に赤外線の発光および/または検出に基づく他のセンサ等の1つ以上の光学センサを含むあらゆるシステムに与えられる名称である。このような光学検出システムは、特定の運転状況(駐車支援は、このような状況のよく知られた例である)において車両のドライバーを支援するように、ますます多くの自動車に取り付けられるようになっている。このような支援をできる限り効果的にするには、光学検出システムにより提供されるデータが、可能な限り良好な品質でなければならない。したがって、汚れのないきれいな光学システムに、これらのデータ取得を実施させることが不可欠である。
【0039】
この目的のために、本開示による洗浄装置100、200は、例えば検出を実施する(例えば、写真を撮る)直前に、被洗浄面12(例えば、写真を撮るカメラ14のレンズ13の表面)に洗浄流体を噴霧するように命令を受け得る。
【0040】
図1および
図2は、本開示による洗浄装置の第1実施形態100を示す。
【0041】
洗浄装置100は、中空体102と、中空体102に装着された偏向要素104と、を備えている。
【0042】
中空体102は、上流側106と下流側108とを有している。「上流」位置および「下流」位置は、流体が中空体102内を流れる方向Fに対して定義される。中空体102の上流側106には、洗浄流体16用の吸入ポート110が設けられている。下流側108には、ジェット10の形態にある洗浄流体16を吐出するための吐出ノズル112が設けられている。洗浄流体16を吸入ポート110から吐出ノズル112まで分配するための導管114が、中空体102を貫通している。吐出ノズル112は、中空体102内に形成されている。ストッパ116が、吐出ノズル112に対面するように配置されている。好適には、ストッパ116と中空体102とは、一部品である。代替的に、ストッパ116と中空体102とは、互いに固定された2つの個々の部品の形態を取り得る。
【0043】
偏向要素104は、吐出ノズル112の下流に配置されるとともに、吐出ノズル112が吐出した流体のジェット10を遮ることで被洗浄面12に対する液体のジェットの配向を変化させるように構成されている。偏向要素104は、流体のジェット10から受ける圧力に応じて、
図1に示す近接位置Prと
図2に示す離間位置Peとの間で移動するように適合されている。近接位置Pr(
図1参照)において、偏向要素104は、吐出ノズル112に隣接している。離間位置Pe(
図2参照)において、偏向要素104は、吐出ノズル112から離れている。
【0044】
図1および
図2に示す例において、偏向要素104は、ストリップの形態において構成されている。このストリップ104は第1端部118を有しており、第1端部118を介して中空体102に固定されている。また、ストリップ104は、第1端部118の反対側の自由な第2端部120を有している。
【0045】
ストリップ104は、とりわけ、炭素、ステンレス鋼、エラストマー、またはプラスチックから構成され得る。
図1および
図2に示す第1実施形態によれば、ストリップ104は、流体のジェット10により及ぼされる圧力下で弾性的に変形する可撓性要素である。換言すれば、前記ストリップ104は、流体のジェット10から受ける圧力に応じて、
図1に示す近接位置Prと
図2に示す離間位置Peとの間で、弾性変形により移動するように適合されている。ストリップ104の弾性変形は、例えば、流体のジェット10から受ける圧力に応じて、前記ストリップの一部が屈曲することからなる。したがって、ストリップ104が離間位置Peにあるとき、ストリップの少なくとも一部は湾曲している。
【0046】
図1および
図2は、洗浄装置100だけでなく、洗浄装置100により洗浄されるべき光学センサ14も示している。典型的には、洗浄装置100および光学センサ14は、両者とも自動車に互いに近接して装着される。したがって、洗浄装置100および光学センサ14は、光学検出システムSを形成している。
【0047】
光学センサ14は、例えば、レンズ13を有するカメラである。本例において、洗浄装置100が洗浄するのは、レンズ13の凸面12である。
【0048】
図1および
図2の洗浄装置100の動作について説明する。
【0049】
洗浄装置100が停止しているとき、ストリップ104は、近接位置Pr(
図1参照)にあって吐出ノズル112を閉鎖している。洗浄流体16を吐出ノズル112に圧送することで洗浄装置100を起動させると、送出導管114内の液圧が上昇する。ストリップ104は、この圧力を受ける。したがって、圧力が上昇するにつれて、ストリップ104は弾性的に変形し、その自由端部120は、吐出ノズル112から離れるように移動する。
【0050】
したがって、吐出ノズル112の出口開口が開放されて、洗浄流体のジェット10がノズル112から吐出し、ストリップ104の自由端部120に衝突して、光学面12の方に偏向される。
【0051】
ストリップ104は、自由端部120がストッパ116に当接するまで変形し続ける。ストッパ116は、このようにして離間位置Pe(
図2参照)にあるストリップ104の変形を制限する。ストリップ104が近接位置Prから離間位置Peに移動するにつれて、流体のジェット10の偏向角度a(
図2参照)は、最小値から最大値まで変化する。これにより、光学面12上での流体のジェット10の衝突点Iが変化する。換言すれば、洗浄中に、流体のジェット10は、洗浄すべき光学面12のゾーンZを洗い流す。光学面12の洗浄も向上する。
【0052】
したがって、可動偏向要素104により、被洗浄面12に対する流体のジェット10の配向を変化させ得るとともに、被洗浄面12のゾーンZ全体が噴霧され得ることが理解されるであろう。
【0053】
洗浄流体16を中空体102に搬送するポンプの異なる制御モードを提供することにより、異なる洗浄プログラムを実施することができる。例えば、ポンプの断続的な圧送作用による洗浄プログラムを提供することが可能である。この結果、ストリップ104が2つの端部位置PrとPeとの間で往復揺動することで、洗浄ゾーンZが流体のジェット10で繰り返し洗い流される。
【0054】
さらに、ストリップ104の可撓性は、所望の特定用途に適合され得る。したがって、特定の可撓性を与えることにより、ストリップ104の挙動は、流体のジェット10により及ぼされる圧力に応じて調整され得る。このようにして、ストリップ104により実施される洗い流しを変化させることができる。
【0055】
既知の伸縮式洗浄装置とは異なり、本開示によれば、洗浄装置の作動に際して、洗浄装置100が停止中であるときと同様に、吐出ノズル112は被洗浄面12に対して静止したままであることに留意されたい。
【0056】
図3~
図6を参照して、本開示による洗浄装置の第2実施形態200について説明する。第1実施形態100と比較して第2実施形態200に見られる相違点のみに焦点を当てる。類似の要素については、上述の説明ならびに
図1および
図2を参照されたい。
【0057】
本第2実施形態において、ストリップ204は、剛性要素である。剛性ストリップ204は、枢動接続部222を中心に枢動することにより、
図3に示す近接位置Prと
図6に示す離間位置Peとの間で移動する。剛性ストリップ204は、剛性ストリップ204の第1端部218に配置された枢動接続部222により、中空体202に固定されている。ストリップ204を近接位置Peに復帰させるための復帰手段224(本例においてはバネ)が、ストリップ204と中空体202との間に設けられている。復帰手段224の第1端部は中空体202に当接し、復帰手段224の第2端部は剛性ストリップ204に当接している。本第2実施形態において、偏向要素は、剛性ストリップ204と、枢動接続部222と、復帰手段224と、を備えていることに留意されたい。
【0058】
第2実施形態200は、以下のように動作する。
【0059】
図3に示すように、停止時には、剛性ストリップ204は、近接位置Prにあって吐出ノズル212を閉鎖している。光学面12の洗浄が必要になると、洗浄流体16が、吐出ノズル212に圧送される。この結果上昇した圧力がストリップ204に作用することにより、ストリップ204は吐出ノズル212から離れるように移動し始める。したがって、ストリップ204は、最終的にストッパ216に押し付けられるまで、その近接位置Pr(
図3参照)から離間位置Pe(
図6参照)まで枢動する。この経路上で、ストリップ204は、中間位置を通過する。その中間位置のうちの2つであるP1およびP2を、
図4および
図5に示す。したがって、ストリップ204は、位置Prから位置P1へ、そして位置P2へと枢動し、位置Peにおけるその経路の終端に至る。この結果、流体のジェット10の偏向が減少するため、光学面12のゾーンZ全体が洗い流される。流体のジェット10の偏向角度の変化は、
図4~
図6において参照符号aで示されている。洗浄が終了すると、洗浄流体16の圧送が停止して、ストリップ204は、その近接位置Prに、復帰バネ224の作用を受けて復帰する。
【0060】
復帰バネ224の剛性は、所望の特定用途に適合され得る。したがって、所定のバネ剛性を選択することにより、ストリップ204の挙動は、流体のジェット10により及ぼされる圧力に応じて調整され得る。このようにして、ストリップ204により実施される洗い流しを変化させることができる。
【0061】
本開示による洗浄装置100、200は、特に、構成部品が少なく可動部品が少ない点で有利である。また、安価でコンパクトであり、組み込みが容易である。
【国際調査報告】