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特表2024-508891医療デバイス管理システムを含む医療デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】医療デバイス管理システムを含む医療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240220BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61B1/00 650
A61B1/018 515
A61B1/00 711
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553254
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 US2022018561
(87)【国際公開番号】W WO2022187390
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/155,955
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】チュー マイケル エス エイチ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA15
4C161DD03
4C161FF12
4C161FF43
4C161GG11
4C161GG15
4C161JJ09
(57)【要約】
【課題】医師が内視鏡の細長シャフトの先端を片手で操作することを可能にし、追加のデバイスを同じ手で操作することも可能にする内視鏡のための作動機構、内視鏡医療デバイス及び作動アセンブリを提供する。
【解決手段】内視鏡のための作動機構を開示する。作動機構は、内視鏡のハンドルに取り付けられるように構成されたハウジングとハウジングに結合された親指ホイールとを含む。親指ホイールの回転は、内視鏡の作動チャネルを通した細長医療デバイスの長手移動を引き起こす。一部の事例では、作動機構は、駆動ホイール及び/又はローラーホイールを含み、細長医療デバイスは、ローラーホイール及び/又は駆動ホイールの間に圧縮的に位置決めされる。親指ホイールの回転は、駆動ホイール及び/又はローラーホイールを反対回転方向に回転させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡のための作動機構であって、
内視鏡のハンドルに取り付けられるように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに結合された第1の親指ホイールと、
を備え、
前記第1の親指ホイールの回転が、前記内視鏡の作動チャネルを通した第1の細長医療デバイスの長手移動を引き起こすことを特徴とする作動機構。
【請求項2】
前記ハウジングに結合された第1の駆動ホイールであって、前記第1の親指ホイールが該第1の駆動ホイールに係合する前記第1の駆動ホイールを更に備え、
前記第1の親指ホイールの回転が、前記第1の駆動ホイールの回転を引き起こすことを特徴とする請求項1に記載の作動機構。
【請求項3】
前記ハウジングに結合された第1のローラーホイールを更に備え、
前記第1のローラーホイールの外周面が、前記第1の細長医療デバイスを該第1のローラーホイールの該外周面と前記第1の駆動ホイールの外周面との間に位置決めすることができるように、該第1の駆動ホイールの該外周面に隣接して位置決めされ、
前記第1の親指ホイールの回転が、前記第1の駆動ホイールの回転を引き起こして前記第1の細長医療デバイスを前記内視鏡の前記作動チャネルを通して移動することを特徴とする請求項2に記載の作動機構。
【請求項4】
前記第1のローラーホイールと前記第1の駆動ホイールは、前記第1の細長医療デバイス上に圧縮力を協働的に作用し、それらの間に該第1の細長医療デバイスを摩擦係合させるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の作動機構。
【請求項5】
前記第1の親指ホイールは、円周面を含み、
材料のバンドが、前記第1の親指ホイール、前記第1の駆動ホイール、及び前記第1のローラーホイールの各々の周りに延びていることを特徴とする請求項4に記載の作動機構。
【請求項6】
前記ハウジングに結合された第2の親指ホイールと、該ハウジングに結合された第2の駆動ホイールと、該ハウジングに結合された第2のローラーホイールとを更に備え、
前記第2の親指ホイールは、前記第2の駆動ホイールに係合し、
前記第2の親指ホイールの回転が、前記内視鏡の作動チャネルを通した第2の細長医療デバイスの長手移動を引き起こすことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の作動機構。
【請求項7】
前記ハウジングに結合された第1のローラーホイールを更に備え、
前記第1のローラーホイールの外周面が、前記第1の細長医療デバイスを該第1のローラーホイールの該外周面と前記第1の親指ホイールの外周面との間に位置決めすることができるように、該第1の親指ホイールの該外周面に隣接して位置決めされ、
前記第1の親指ホイールの回転が、前記第1のローラーホイールの回転を引き起こして前記第1の細長医療デバイスを前記内視鏡の前記作動チャネルを通して移動することを特徴とする請求項1に記載の作動機構。
【請求項8】
前記ハウジングは、該ハウジングの外面から該ハウジングの壁の一部分の中に延びるチャネルを含み、
前記チャネルは、前記第1の細長医療デバイスの管状部材の近位端を受け入れるように構成され、
前記第1の細長医療デバイスの前記管状部材の前記近位端は、前記チャネルに固定的に取り付けられ、
前記チャネルは、前記第1の細長医療デバイスの前記管状部材の管腔内を延びる該第1の細長医療デバイスの細長部材を受け入れるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の作動機構。
【請求項9】
前記ハウジングに結合された回転キャップを更に備え、
前記細長部材の近位端が、前記回転キャップに取り付けられ、
前記回転キャップの回転が、前記細長部材を前記第1の細長医療デバイスの前記管状部材の前記管腔内で移動することを特徴とする請求項8に記載の作動機構。
【請求項10】
内視鏡医療デバイスであって、
近位端領域と遠位端領域とを有するハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端領域に結合され、かつそこから遠位に延びる細長シャフトと、
前記ハンドルの前記近位端領域に結合された作動アセンブリと、
を備え、
前記作動アセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合された第1の親指ホイールと、
前記ハウジングに結合された第2の親指ホイールと、
を含み、
前記第1の親指ホイールの回転が、第1の細長医療デバイスを前記細長シャフトを通して移動させ、
前記第2の親指ホイールの回転が、第2の医療デバイスを前記細長シャフトを通して移動させることを特徴とする内視鏡医療デバイス。
【請求項11】
前記作動アセンブリは、前記ハウジングに結合された第1の駆動ホイールと第1のローラーホイールとを更に含み、該第1の駆動ホイールは、前記第1の親指ホイールによって回転されるように構成され、
前記作動アセンブリは、前記ハウジングに結合された第2の駆動ホイールと第2のローラーホイールとを更に含み、該第2の駆動ホイールは、前記第2の親指ホイールによって回転されるように構成され、
前記第1の駆動ホイールと前記第1のローラーホイールは、それらの間に位置決めされた第1の医療デバイス上に力を協働的に作用するように構成され、
前記第2の駆動ホイールと前記第2のローラーホイールは、それらの間に位置決めされた前記第2の医療デバイス上に力を協働的に作用するように構成されることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡医療デバイス。
【請求項12】
前記第1の親指ホイールの回転が、前記第1の駆動ホイールと前記第1のローラーホイールとを反対回転方向に回転させて前記細長シャフトを通して前記第1の細長医療デバイスを移動し、
前記第2の親指ホイールの回転が、前記第2の駆動ホイールと前記第2のローラーホイールとを反対回転方向に回転させて前記細長シャフトを通して第2の細長医療デバイスを移動することを特徴とする請求項11に記載の内視鏡医療デバイス。
【請求項13】
内視鏡のための作動アセンブリであって、
内視鏡のハンドルに取り付けられるように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに結合された親指ホイールであって、該親指ホイールの回転が前記内視鏡の作動チャネル内の第1の細長シャフトの移動を引き起こす前記親指ホイールと、
前記ハウジングに結合された回転キャップであって、前記第1の細長シャフトの管腔内を延びる第2の細長シャフトに結合された前記回転キャップと、
を備え、
前記回転キャップの回転が、前記第1の細長シャフトの前記管腔内の前記第2の細長シャフトの移動を引き起こすことを特徴とする作動アセンブリ。
【請求項14】
前記親指ホイールの前記回転は、前記第1の細長シャフトと前記第2の細長シャフトとの両方を前記内視鏡の前記作動チャネル内で一緒に移動させることを特徴とする請求項13に記載の作動アセンブリ。
【請求項15】
前記親指ホイールと前記第1の細長シャフトとの両方に接触している円周面を有する駆動ホイールを更に備えることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の作動アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、本明細書に引用によってその開示が組み込まれている2021年3月3日出願の米国仮特許出願第63/155,955号の利益及びそれに対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、医療デバイスと医療デバイスを製造する方法とに関する。より具体的には、本発明の開示は、医療デバイスと併用される細長デバイスのための人間工学的医療デバイス管理システムを含む医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
可撓性尿管鏡は、腎臓の検査及び治療に利用され、かつ一般的に治療部位接近性及び患者快適性を改善する特徴部を含む場合がある。可撓性尿管鏡には、視鏡のハンドルに取り付けられた様々な構成要素の操作を通じて医師によって制御される可撓性先端セクションが設けられる場合がある。そのような操作は、医師が視鏡の先端を体内の様々な場所(例えば、腎臓内の様々な場所)に誘導することを可能にする。更に、尿管鏡は、典型的には医療手順中に他の医療デバイスと併用される。例えば、泌尿器科医は、腎臓結石を粉砕し、それと共に粉砕破片を身体から除去するために可撓性尿管鏡をレーザファイバと回収デバイス(例えば、回収バスケット)との両方と組み合わせて使用することができる。従って、これらの手順は、尿管鏡の様々な特徴部を操作して視鏡の先端を制御するだけでなく、尿管鏡と併用される補助デバイスを導入して操作することも必要とされる場合がある。
【0004】
尿管鏡と補助デバイスとの両方を操作することは、医師が尿管鏡のハンドルを操作する間に助手が1又は2以上の細長デバイスを交換することを必要とする。この交換は、時間消費的である場合があり、かつ偶発的な落下又は細長デバイスの損傷を引き起こして手順に追加の時間及びコストを追加する場合がある。従って、医師が内視鏡の細長シャフトの先端を片手で操作することを可能にし、同じく追加のデバイスを同じ手で操作することも可能にすることができる尿管鏡又は他の内視鏡デバイスのハンドルを設計することが望ましいと考えられる。ユーザが追加の補助デバイスと共にハンドルを操作することを可能にするデバイス管理システムを有するハンドルを含む医療デバイスを本明細書に開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,238,004号明細書
【特許文献2】米国特許第6,508,803号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この開示は、医療デバイスに対する設計、材料、製造方法、及び使用代替物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一例は、内視鏡のための作動機構である。作動機構は、内視鏡のハンドルに取り付けられるように構成されたハウジングとハウジングに結合された第1の親指ホイールとを含む。第1の親指ホイールの回転は、内視鏡の作動チャネルを通した第1の細長医療デバイスの長手移動を引き起こす。
【0008】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、作動機構は、ハウジングに結合された第1の駆動ホイールを更に含む。第1の親指ホイールは、第1の親指ホイールの回転が第1の駆動ホイールの回転を引き起こすように第1の駆動ホイールに係合する。
【0009】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、作動機構は、ハウジングに結合された第1のローラーホイールを更に含む。第1のローラーホイールの外周面は、第1の細長医療デバイスを第1のローラーホイールの外周面と第1の駆動ホイールの外周面の間に位置決めすることができるように、第1の駆動ホイールの外周面に隣接して位置決めされる。第1の親指ホイールの回転は、第1の駆動ホイールの回転を引き起こして第1の細長医療デバイスを内視鏡の作動チャネルを通して移動する。
【0010】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、第1のローラーホイールと第1の駆動ホイールは、第1の細長医療デバイス上に圧縮力を協働的に作用してそれらの間に第1の細長医療デバイスを摩擦係合させるように構成される。
【0011】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、第1の親指ホイールは周面を含み、材料のバンドが、第1の親指ホイール、第1の駆動ホイール、及び第1のローラーホイールの各々の周りに延びている。
【0012】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、ハウジングは、内側ハウジングと外側ハウジングを含み、第1の親指ホイール、第1の駆動ホイール、及び第1のローラーホイールは、内側ハウジングと外側ハウジングの間に位置決めされる。
【0013】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、作動機構は、ハウジングに結合された第2の親指ホイールと、ハウジングに結合された第2の駆動ホイールと、ハウジングに結合された第2のローラーホイールとを更に含む。第2の親指ホイールは、第2の親指ホイールの回転が内視鏡の作動チャネルを通した第2の細長医療デバイスの長手移動を引き起こすように第2の駆動ホイールに係合する。
【0014】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、第1の親指ホイールは、第1の直径を含み、第1の駆動ホイールは、第2の直径を含み、第2の直径は、第1の直径よりも小さい。
【0015】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、作動機構は、ハウジングに結合された第1のローラーホイールを更に含み、第1のローラーホイールの外周面は、第1の細長医療デバイスを第1のローラーホイールの外周面と第1の親指ホイールの外周面の間に位置決めすることができるように、第1の親指ホイールの外周面に隣接して位置決めされ、第1の親指ホイールの回転は、第1のローラーホイールの回転を引き起こして第1の細長医療デバイスを内視鏡の作動チャネルを通して移動する。
【0016】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、ハウジングは、ハウジングの外面からハウジングの壁の一部分の中に延びるチャネルを含み、チャネルは、第1の細長医療デバイスの管状部材の近位端を受け入れるように構成され、第1の細長医療デバイスの管状部材の近位端は、チャネルに固定的に取り付けられる。
【0017】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、チャネルは、第1の細長医療デバイスの管状部材の管腔内を延びる第1の細長医療デバイスの細長部材を受け入れるように構成される。
【0018】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、作動機構は、ハウジングに結合された回転キャップを更に含む。細長部材の近位端は、回転キャップの回転が第1の細長医療デバイスの管状部材の管腔内で細長部材を移動するように回転キャップに取り付けられる。
【0019】
別の例は、内視鏡医療デバイスである。内視鏡医療デバイスは、近位端領域と遠位端領域とを有するハンドルと、ハンドルの遠位端領域に結合されてそこから遠位に延びる細長シャフトと、ハンドルの近位端領域に結合された作動アセンブリとを含む。作動アセンブリは、ハウジングと、ハウジングに結合された第1の親指ホイールと、ハウジングに結合された第2の親指ホイールとを含む。第1の親指ホイールの回転は、第1の細長医療デバイスを細長シャフトを通して移動させる。第2の親指ホイールの回転は、第2の医療デバイスを細長シャフトを通して移動させる。
【0020】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、第1の医療デバイスを移動するための第1の親指ホイールの回転は、第2の医療デバイスを移動するための第2の親指ホイールの回転とは独立に起こる。
【0021】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、作動アセンブリは、ハウジングに結合された第1の駆動ホイールと第1のローラーホイールとを更に含む。第1の駆動ホイールは、第1の親指ホイールによって回転されるように構成される。作動アセンブリは、ハウジングに結合された第2の駆動ホイールと第2のローラーホイールとを更に含む。第2の駆動ホイールは、第2の親指ホイールによって回転されるように構成される。第1の駆動ホイールと第1のローラーホイールは、それらの間に位置決めされた第1の医療デバイス上に力を協働的に作用するように構成される。第2の駆動ホイールと第2のローラーホイールは、それらの間に位置決めされた第2の医療デバイス上に力を協働的に作用するように構成される。
【0022】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、第1の親指ホイールの回転は、第1の駆動ホイールと第1のローラーホイールとを反対回転方向に回転させて第1の細長医療デバイスを細長シャフトを通して移動し、第2の親指ホイールの回転は、第2の駆動ホイールと第2のローラーホイールとを反対回転方向に回転させて第2の細長医療デバイスを細長シャフトを通して移動する。
【0023】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、第1の親指ホイールは第1の直径を含み、第1の駆動ホイールは第2の直径を含み、第2の直径は、第1の直径よりも小さい。
【0024】
別の例は、内視鏡のための作動アセンブリである。作動アセンブリは、内視鏡のハンドルに取り付けられるように構成されたハウジングと、ハウジングに結合された親指ホイールと、ハウジングに結合された回転キャップとを含む。親指ホイールの回転は、内視鏡の作動チャネル内で第1の細長シャフトの移動を引き起こす。回転キャップは、第1の細長シャフトの管腔内を延びる第2の細長シャフトに結合される。回転キャップの回転は、第1の細長シャフトの管腔内で第2の細長シャフトの移動を引き起こす。
【0025】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、親指ホイールの回転は、第1の細長シャフトと第2の細長シャフトとの両方を内視鏡の作動チャネル内で一緒に移動させる。
【0026】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、回転キャップは、後退位置と延長位置の間で作動可能であり、回転キャップは、後退位置に向けて付勢される。
【0027】
上述の実施形態のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、作動アセンブリは、駆動ホイールを更に含む。駆動ホイールは、親指ホイールと第1の細長シャフトとの両方に接触している円周面を有する。
【0028】
一部の実施形態の以上の概要は、本発明の開示の各開示する実施形態又はどの実施をも説明するように意図していない。以下の図面及び「発明を実施するための形態」は、これらの実施形態をより具体的に例証するものである。
【0029】
本発明の開示は、添付図面に関連付けて以下の詳細説明を考察するとより完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】例示的医療デバイスの斜視図である。
図2図1に示す例示的医療デバイスの別の斜視図である。
図3図1に示す例示的医療デバイスの別の斜視図である。
図4図3に示す医療デバイスのシャフト前進機構の構成要素の分解組立図である。
図5A図1に示す医療デバイスのシャフト前進機構の詳細図である。
図5B図1に示す医療デバイスのシャフト前進機構の別の詳細図である。
図6】別の例示的医療デバイスの斜視図である。
図7図6に示す例示的医療デバイスの別の斜視図である。
図8図7に示す医療デバイスのシャフト前進機構の詳細図である。
図9図6図8に示す医療デバイスの一部分内でワイヤを前進させる例示的段階を示す図である。
図10図6図8に示す医療デバイスの一部分内でワイヤを前進させる例示的段階を示す図である。
図11】別の例示的医療デバイスの斜視図である。
図12図11に示す医療デバイスのシャフト前進機構の詳細図である。
図13図11図12に示す医療デバイスの一部分内で複数の医療デバイスシャフトを前進させる例示的段階を示す図である。
図14図11図12に示す医療デバイスの一部分内で複数の医療デバイスシャフトを前進させる例示的段階を示す図である。
図15図11図12に示す医療デバイスの一部分内で複数の医療デバイスシャフトを前進させる例示的段階を示す図である。
図16】別の例示的医療デバイスの側面図である。
図17図16に示す例示的医療デバイスの斜視図である。
図18A】シャフト前進機構の別の構成の斜視図である。
図18B図18Aのシャフト前進機構の側面図である。
【0031】
本発明の開示は、様々な修正及び代替形態の余地があるが、その細目を図面に例示的に示しており、かつ詳細に以下に説明する。しかし、本発明の開示を説明する特定の実施形態に限定するように意図していないことは理解しなければならない。その逆に、その意図は、本発明の開示の精神及び範囲に収まる全ての修正物、均等物、及び代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の説明は、必ずしも正確な縮尺とは限らず、いくつかの図を通して類似の参照番号が類似の要素を指示する図面を参照して読解しなければならない。詳細説明及び図面は、本発明の開示を示すように意図したものであり、限定するように意図したものではない。当業者は、説明及び/又は図示する様々な要素を本発明の開示の範囲から逸脱することなく様々な組合せ及び構成で配置することができることを認識するであろう。詳細説明及び図面は、本発明の開示の例示的実施形態を示している。しかし、明瞭化及び理解のし易さの目的で全ての特徴及び/又は要素を各図面に示さない場合があるが、それにも関わらず、これらの特徴及び/又は要素は、他に指定しない限り、存在するように理解することができる。
【0033】
以下に定める用語に関して、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所で異なる定義を提示しない限り、以下の定義を適用するものとする。
【0034】
本明細書では、明示的に示すか否かに関わらず、全ての数値は、用語「約」によって修飾されるように仮定される。数値の状況での用語「約」は、一般的に、当業者が列挙する値と同一(例えば、同じ機能又は結果を有する)と見なすと考えられる数字範囲を意味する。多くの事例では、用語「約」は、最も近い有効数字に四捨五入された数字を含むことができる。用語「約」の他の使用(例えば、数値以外の状況での)は、他に指定しない限り、本明細書の関連から理解されてそれと矛盾しないこの用語の通常及び通例の定義を有すると仮定することができる。
【0035】
端点による数字範囲の列挙は、端点を含む当該範囲にある全ての数字を含む(例えば、1から5までは、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0036】
様々な構成要素、特徴、及び/又は仕様に関する一部の適切な寸法、範囲、及び/又は値を開示するが、本発明の開示によって喚起される当業者は、望ましい寸法、範囲、及び/又は値が、明示的に開示するものから逸脱する可能性があることを理解するであろう。
【0037】
本明細書及び特許請求の範囲に使用する場合に、単数形「a」、「an」、及び「the」は、状況が他を明確に定めない限り、複数の指示物を含む。本明細書及び特許請求の範囲に使用する場合に、「又は」という用語は、状況が他に明確に定めない限り、一般的に「及び/又は」を含む意味に使用する。理解を容易にするために、本発明の開示のある一定の特徴が本発明の開示の実施形態内で複数であるか又は繰り返される場合があったとしても、これらの特徴は、単数で説明することができることに注意されるものとする。これらの特徴の各事例は、反意を明示しない限り、単数での開示を含む場合に及び/又はそれによって包含することができる。簡略化及び明瞭化の目的で、必ずしも本発明の開示の全ての要素を各図に示して下記で詳細に議論するとは限らない。しかし、1よりも多い構成要素が存在する場合に関して、反意を明示しない限り、以下の議論は、これらの構成要素のうちのいずれか及び/又は全てに同等に適用される場合があることは理解されるであろう。これに加えて、明瞭化の目的で、一部の要素又は特徴の全ての事例を各図に示さない場合がある。
【0038】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、及びその変形などのような相対用語は、一般的に、デバイスのユーザ/オペレータ/操作者に対する様々な要素の位置決め、方向、及び/又は作動に関して決定することができ、「近位」及び「後退」は、ユーザに近いか又はそれに向うことを示し又は意味し、「遠位」及び「前進」は、ユーザから遠いか又はそこから離れることを示す又は意味する。一部の事例では、本発明の開示の理解を容易にする試みで「近位」及び「遠位」という用語を任意的に割り当てる場合があるが、そのような事例は、当業者には直ちに明らかになるであろう。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」のような他の相対用語は、身体管腔、血管のような管腔内又はデバイス内の流体流れの方向を意味する。「軸線方向」、「周方向」、「長手方向」、「横方向」、「半径方向」など及び/又はこれらの変形のような更に他の相対用語は、一般的に、本発明の開示の構造又はデバイスの中心長手軸線に対する方向及び/又は向きを意味する。
【0039】
「広がり」という用語は、説明又は識別する寸法の最小測定値を意味すると理解することができる「最小」がこのような広がり又は寸法に前置きされていないか又はこれらの広がり又は寸法が「最小」として識別されない限り、説明又は識別する寸法の最大測定値を意味すると理解することができる。例えば、「外側広がり」は、外寸を意味すると理解することができ、「半径方向広がり」は、半径方向寸法を意味すると理解することができ、「長手広がり」は、長手寸法を意味すると理解することができ、以降同様に理解することができる。「広がり」の各例は、異なる場合があり(例えば、軸線方向、長手方向、横方向、半径方向、周方向など)、当業者には個々の使用状況から明らかであろう。一般的に、「広がり」は、意図する使用に従って測定された可能な最大の寸法と見なすことができ、それに対して「最小広がり」は、意図する使用に従って測定された可能な最小の寸法と見なすことができる。一部の事例では、「広がり」は、一般的に、平面及び/又は断面内で直交方向に測定することができるが、特定の状況から明らかなように、例えば、角度方向、半径方向、周方向(例えば、弧に沿う)等であるがこれらに限定されずに別様に測定することができる。
【0040】
「モノリシック」及び「単体」という用語は、一般的に、単一構造又はベースユニット/要素から製造又は構成された1又は複数の要素を意味するものとする。モノリシック要素及び/又は単体要素は、複数の個別の構造又は要素を互いに組み立てるか又は他に接合することによって製造された構造及び/又は特徴を除外するものとする。
【0041】
本明細書での「実施形態」、「一部の実施形態」、「他の実施形態」等への参照は、説明する実施形態が特定の特徴、構造、又は特質を含むことができるが、全ての実施形態がこれらの特定の特徴、構造、又は特質を必ずしも含むとは限らない場合があることを示すことに注意されたい。更に、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を参照するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特質を実施形態に関して説明する時に、明示的に説明するか否かに関わらず、反意を明示しない限り、他の実施形態に関してこれら特定の特徴、構造、又は特質を実施することは当業者の認識内であると考えられる。すなわち、当業者は理解されるように、下記で説明する様々な個々の要素は、特定の組合せで指定しない場合であっても、他の追加の実施形態を形成するために又は説明する実施形態を相補及び/又は拡張するために互いに組合せ可能又は配置可能であるように依然として考えられている。
【0042】
明瞭化の目的で、説明及び/又は主張する様々な特徴を命名するために及び/又はこれらの特徴の間で区別するために本明細書及び/又は特許請求の範囲を通してある一定の識別数字命名法(例えば、第1、第2、第3、第4のような)を使用する場合がある。この数字命名法は、限定的であるように意図したものではなく、単に例示的であることは理解されるものとする。一部の実施形態では、簡潔化及び明瞭化の目的で、以前に用いた数字命名法の変更及びそれからの逸脱がある場合がある。すなわち、「第1」の要素と識別した特徴を後に「第2」の要素、「第3」の要素等と呼ぶ場合があり、又は完全に除外する場合があり、及び/又は異なる特徴を「第1」の要素と呼ぶ場合がある。各事例での意味及び/又は表示は、当業者には明らかであろう。
【0043】
上記で議論したように、本発明の開示は、視鏡シャフトの遠位端、並びに視鏡と併用される他の医療デバイスを操作するように設計することができるハンドルを有する医療デバイスに関する。例えば、医療デバイスは、手動医療デバイス前進システムを含むハンドルを有する尿管鏡を含むことができる。これらの例では、医療デバイス前進システムは、医師の単一親指のみで操作することができる1又は2以上の駆動ホイールを含むことができる。
【0044】
図1は、例示的医療デバイス10の斜視図である。内視鏡として示す医療デバイス10は、様々な医療介入で利用されるいくつかの異なるタイプの医療デバイスのうちのいずれかとすることができる。例えば、到達することが望ましい特定の解剖学的構造によって特定のタイプの医療デバイス10を識別することができる。例えば、医療デバイス10は、尿管鏡(例えば、LithoVue(登録商標)視鏡)、気管支鏡、子宮鏡、膀胱鏡、結腸鏡、十二指腸鏡、食道鏡、又はいずれかの他のタイプの関連での視鏡とすることができる。医療デバイス10は、遠位端14と、近位端16と、遠位端14と近位端16の間に位置決めされた中間領域18とを有するハンドル12を含むことができる。本明細書に使用する「近位」及び「遠位」という用語は、デバイスのユーザ(例えば、医師)に向う方向(近位)及び離れる方向(遠位)を意味するように意図していることに注意されたい。更に、医療デバイス10は、ハンドル12から遠位に延びる細長シャフト20を含むことができる。一般的に、細長シャフト20は、ポリマー又は金属のチューブの形態を取ることができる。一部の実施形態では、細長シャフト20は、補強編組、補強ライナ、補強ウェブ、補強織物などを用いて構成することができる。
【0045】
細長シャフト20は、その遠位端領域から医療デバイス10のハンドル12又は別の部分に係合させることができるアクセスポート30(例えば、Yコネクタ)までシャフト20を通って延びる作動チャネルを定める管腔を含むことができる。図1では細長シャフト20を単一作動チャネルを有するものとして説明するが、他の実施形態では、医療デバイス10は、必要に応じて複数の作動チャネルを含むことができることを認めることができる。
【0046】
更に、ハンドル12は、手術中にシャフト20の遠位先端の移動(例えば、偏向)を制御するのに使用することができる偏向ノブ40又は他のアクチュエータを含むことができる。例えば、偏向ノブ40は、シャフト20の遠位先端の上下の移動又は偏向を制御することができる。一部の事例では、偏向ノブは、解除された後にそれ自体(及び細長シャフト20)をその偏向位置に維持する自己ロッキングタイプ又は摩擦ロックタイプのノブとすることができる。ハンドル12は、医療デバイス10の管腔を通して空気、生理食塩水、及び/又は水のような流体の吸引又は送出を起動するか又は必要に応じて他の機能を実施するのに使用することができる1又は複数のボタン24を更に含むことができる。これらは例に過ぎない。医療デバイス10に適する他の変形及び/又は特徴が考えられている。
【0047】
一部の実施形態では、ハンドル12からケーブル22が延び、電力を供給するために、内視鏡データを分析するために、内視鏡介入を制御するために、又は他の機能を実施するために、例えば、コンピュータシステム、コンソール、マイクロコントローラのような電子デバイス(示していない)への取り付けに適するように構成される。一部の実施形態では、ケーブル22が接続した電子デバイスは、他の内視鏡補助具を認識してこれらとデータを交換するための機能を有することができる。
【0048】
上記で議論したように、図1は、医療手順中に内視鏡のハンドル12を追加の医療デバイスと併用することができることを示している。例えば、医療デバイス10は、腎結石(例えば、腎臓結石)の粉砕及び除去では利用される尿管鏡(例えば、可撓性尿管鏡)とすることができる。従って、一部の例では、ハンドル12は、腎結石を分解するのに利用されるレーザファイバ36及び腎結石断片を除去するのに利用される回収デバイス(例えば、回収バスケット)と併用することができる。更に、ハンドル12(及びその様々な構成要素)は、細長シャフト20を操作するのに利用することができるだけでなく、ハンドル12とシャフト20との両方の部分を通って延びることができるレーザファイバ36及び/又は回収デバイス38を操作するのに利用することができる。以下の開示は、医療デバイス10をレーザファイバ36及び/又は回収デバイス38と併用されるものとして一般的に説明される場合があるが、医療デバイス10(及びその構成要素)は、シース、管状部材、ガイドワイヤ、又はレーザなどを含むいずれかの細長医療デバイスと併用することができることを認めることができる。
【0049】
図1は、レーザファイバ36がアクセスポート30の第1のハブ32aを通過し、ハンドル12の遠位端14を通って延続し、細長シャフト20の作動チャネルの中に進入することができることを更に例示している。細長シャフト20の作動チャネルの長さを通った後に、レーザファイバ36は、細長シャフト20の遠位端(図1には示していない)を抜け出すことができる。
【0050】
図1は、ハンドル12の近位端領域16に結合されたシャフト前進デバイス34に進入する回収デバイス38を示している。回収デバイス38は、管腔が遠位端から近位端まで延びる管状シャフト37を含むことができる。シャフト前進デバイス34を通った後に、回収デバイス38は、第1の接続チューブ26の管腔に進入することができる(第1の接続チューブ26の近位端をシャフト前進デバイス34に固定的に取り付けることができることに注意されたい)。回収デバイス38は、引き続き第1の接続チューブ26の管腔を通ってアクセスポート30の第1のハブ32aの中に入ることができる。図1は、3つのハブを含むアクセスポート30を示すが、アクセスポート30は、3よりも多いか又は少ないハブを含むことができることを認めることができる。例えば、アクセスポート30は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、又は7個以上のハブを含むことができる。
【0051】
更に、アクセスポート30は、1又は2以上の接続チューブに接続するように構成された1又は2以上のハブを含むことができる様々な異なる形状を含むことができる。更に、一部の例では、アクセスポート30は、ハンドル12から除外することができる。これらの例では、ハンドルハウジング自体が、直接その外面から延びる1又は2以上のハブを含むことができる。これらのハブは、1又は2以上の接続チューブに取り付けるのに利用することができる。
【0052】
図1は、回収デバイス38がアクセスポート30の第1のハブ32aを通過し、ハンドル12の遠位端14を通って延続し、細長シャフト20の作動チャネル又は細長シャフト20の追加の作動チャネルの中に進入することができることを更に例示している。細長シャフト20の作動チャネルの長さを通った後に、回収デバイス38は、図1に示すように細長シャフト20の遠位端を抜け出すことができる。
【0053】
図1は、一部の例では、回収デバイス38が、腎結石破片のような粒子状物質を収拾及び/又は把持するための回収バスケット50のようなエンドエフェクタを含むことができることを更に例示している。回収デバイス38は、回収バスケット50のようなエンドエフェクタを操作するために回収デバイス38の管状シャフト37の管腔内を延びる回収ワイヤ39を含むことができる。例えば、図1は、一部の例では、回収ワイヤ39が回収デバイス38の管状シャフト37の管腔にその近位端で進入し、回収デバイス38の管状シャフト37の管腔を通り(従って、ハンドル12の第1の接続チューブ26、第1のハブ32a、遠位端14を通り、更に細長シャフト20の作動チャネルを通り)抜け、その後に、回収デバイス38の管状シャフト37の遠位端から抜け出ることができることを示している。
【0054】
図1は、回収ワイヤ39を回収バスケット50を含むものとして示すが、回収ワイヤ39は、回収デバイス38と併用される様々な異なるエンドエフェクタを含むことができることを認めることができる。例えば、回収ワイヤ39は、回収ネット、鉗子、固定化デバイス、結石押し流しデバイス、又は他の類似の医療デバイスを含むことができる。
【0055】
一部の例では、回収ワイヤ39を回収デバイス38の管状部材に対して長手方向に作動させることによって回収バスケット50が第1の非拡張構成から第2の拡張構成に移行することができることを認めることができる。使用中に拡張構成にある時に、回収バスケット50を利用して腎結石又はその破片を取り込むことができる。回収バスケット50内に取り込んだ後に、臨床医は、回収バスケット50を近位に回収デバイス38の管状シャフト37の遠位端に向けて後退させて腎結石及び/又は破片の周りで回収バスケット50を閉じることによって腎結石及び/又は破片を身体から除去することができる。腎結石及び/又は破片は、回収デバイス38の管腔の外側に留まったまま回収バスケット50内に捕集された状態に留まることができることを認めることができる。腎結石及び/又は破片を身体から除去するために、臨床医は、回収デバイス38を医療デバイス10の細長シャフト20の作動チャネルを通して患者の身体から近位に引き出すことができる。
【0056】
回収デバイス38に関して上述したように、図1は、ハンドル12の近位端領域16に結合されたシャフト前進デバイス34に進入するレーザファイバ36を示している。シャフト前進デバイス34を通った後に、レーザファイバ36は、第2の接続チューブ28の管腔に進入することができる(第2の接続チューブ28の近位端をシャフト前進デバイス34に固定的に取り付けることができることに注意されたい)。レーザファイバ36は、引き続き第2の接続チューブ28の管腔を通してアクセスポート30の第2のハブ32bの中に入ることができる。図1は、細長シャフト20の遠位端から延びる回収デバイス38を示し、一方でレーザファイバ36の遠位端を単なる例示目的で破線に示すことを認めることができる。従って、医療手順中に、レーザファイバ36又は回収デバイス38(回収デバイス38の管状シャフト37の管腔内に配置された回収ワイヤ39を含む)の一方又は他方のみが細長シャフト20の作動チャネルを占有することができ、同時にレーザファイバ36及び回収デバイス38のうちの他方を第1の接続チューブ26又は第2の接続チューブ28のいずれか内でアクセスポート30の近位に配置することができることを認めることができる。他の事例では、レーザファイバ36は、細長シャフト20の第1の作動管腔を占有することができ、同時に回収デバイス38の管状シャフト37とそれを通って延びる回収ワイヤ39とを含む回収デバイス38は、細長シャフト20の第2の作動管腔を占有する。一部の例では、第1の接続チューブ26及び第2の接続チューブ28の各々を透明又は半透明とし、これは、他方のデバイスが細長シャフト20の作動チャネルを占有することを可能にするために細長シャフト20の作動チャネルから引き出される時にこれらの接続チューブ内に位置付けられたレーザファイバ36の遠位端及び回収デバイス38の遠位端を臨床医が見えるようにすることを可能にすることができることを認めることができる。回収デバイス38及びレーザファイバ36のうちのいずれかを細長シャフト20の作動チャネルの中に遠位に前進させる時に回収デバイス38の遠位端又はレーザファイバ36の遠位端がそれぞれ第1の接続チューブ26又は第2の接続チューブ28の他方に位置付けられていることを臨床医が視覚的に確認することができることが望ましい場合がある。
【0057】
例えば、腎結石を除去するための医療手順は、レーザファイバ36がアクセスポート30の第2のハブ32bのすぐ近位に配置されるようにレーザファイバ36を第2の接続チューブ28の中に前進させるシャフト前進デバイス34の操作(下記でより詳細に説明する)を含むことができる。上記で議論したように、レーザファイバ36の遠位端は、第2のハブ32bの近位に位置決めされている時に透明又は半透明の接続チューブ28内で視認可能とすることができる。次に、回収デバイス38が、アクセスポート30の第1のハブ32aのすぐ近位に位置決めされるように、シャフト前進デバイス34を利用して回収デバイス38(回収デバイス38の管状シャフト37と、その中に位置決めされた回収ワイヤ39とを含む)を第1の接続チューブ26の中に前進させることができる。上記で議論したように、回収デバイス38の遠位端は、第1のハブ32aの近位に位置決めされている時に透明又は半透明の接続チューブ26内で視認可能とすることができる。この構成では、回収デバイス38及びレーザファイバ36の各々を他方を細長シャフト20の作動チャネルの中に前進させることを可能にするために各々のそれぞれの接続チューブ26/28内で「待機状態」にあると呼ぶ場合がある。
【0058】
手順での例示的な次の段階は、レーザファイバ36を細長シャフト20の作動チャネルを通してターゲット部位まで前進させるように医師がシャフト前進デバイス34を操作する段階を含むことができ、それによってレーザファイバ36を利用して腎結石を粉砕することができる。次に、医師は、レーザファイバ36の遠位端が第2のハブ32bの近位に位置決めされて第2の接続チューブ28の中に戻されるまで前進デバイス34を利用してレーザファイバ36を近位に後退させることができる。レーザファイバ36の遠位先端が透明又は半透明の接続チューブ28を通して確認される時に、レーザファイバ36は、細長シャフト20の作動チャネルから取り出されることを認めることができる。レーザファイバ36を第2の接続チューブ28の中に後退させることにより、細長シャフト20の作動チャネルを開放し、その後に、そこを通して回収デバイス38を前進させることを可能とすることができることを認めることができる。従って、手順での次の段階は、細長シャフト20の作動チャネルを通して回収デバイス38をターゲット部位まで遠位に前進させるように医師がシャフト前進デバイス34を操作する段階を含むことができ、これは、医療デバイス10の細長シャフト20の遠位端の遠位に回収バスケット50を展開して腎臓結石及び/又は破片を取り込むことができる。
【0059】
上記で議論したように、臨床医が医療デバイス10の回収デバイス38及び細長シャフト20を患者の身体から引き出す間に、腎結石及び/又は破片は、回収バスケット50内に捕集された状態に留まることができる。その後に、医療デバイス10は、必要に応じて追加の腎結石及び/又は破片を取り込むために身体の中に再度挿入することができる。
【0060】
図2図5B及び下記の対応する議論は、シャフト前進デバイス34の構成要素及び機能を説明している。
【0061】
図2は、シャフト前進デバイス34をハンドル12の近位端領域16に取り外し可能に結合することができることを示している。他の実施では、シャフト前進デバイス34は、ハンドル12の近位端領域16に別の方式で結合することができる。図1で上述したように、図2は、シャフト前進デバイス34を通過し、更に第1の接続チューブ26及び第2の接続チューブ28をそれぞれ通過する回収デバイス38及びレーザファイバ36を示している。シャフト前進デバイス34をハンドル12に取り外し可能に結合されたものとして説明したが、一部の実施形態では、ハンドル12と統合すること及び/又はそれに固定的に取り付けることができ、従って、ハンドル12からのシャフト前進デバイス34の取り外しは意図されない。
【0062】
図2に示すように、シャフト前進デバイス34は、ハンドル12の近位端領域16内に位置付けられたスロット42内へのシャフト前進デバイス34の係合特徴部の挿入によってハンドル12に結合することができる。図3に以下に示すように、スロット42は、シャフト前進デバイス34のハウジング構成要素上に位置付けられた心棒(図3に示す)を受け入れるように設計することができる。ハンドル12のスロット42内への心棒の挿入を図2の矢印44で描いている。他の実施形態では、シャフト前進デバイス34は、ハンドル12の他の係合特徴部のスロット42に係合する異なる係合特徴部(例えば、ポスト、ピン、ファスナのような)を含むことができる。シャフト前進デバイス34は、所望時にハンドル12に任意的に結合される別個のデバイスとしてパッケージ化することができることを認めることができる。例えば、医師は、ハンドル12と、レーザファイバ36及び回収デバイス38のような追加の医療デバイスとの操作を含む手順の前にシャフト前進デバイス34を取り付けることを選択することができる。医師は、所望時にハンドル12からシャフト前進デバイス34を取り外すことができることを認めることができる。
【0063】
上記で議論したように、図3は、ハンドル12のスロット42内へのシャフト前進デバイス34の心棒46の挿入を示している。更に、図3は、シャフト前進デバイス34が、ハンドル12の遠位端領域16に沿って位置付けられた凹部52の中に挿入されるように設計されたポスト(例えば、クリップ)48を更に含むことができることを示している。凹部52は、スロット42の上側領域に隣接して位置決めすることができることを認めることができる。
【0064】
スロット42内への心棒46の係合は、凹部52内へのポスト又はクリップ48の平坦部分の挿入との組合せでハンドル12に結合された時のシャフト前進デバイス34の回転を制限することができ、更に、医療手順中にシャフト前進デバイス34がハンドル12から不用意に分離することにならないほど十分な保持力を与えることを更に理解することができる。例えば、心棒46の寸法及びポスト又はクリップ48の寸法は、それぞれスロット42及び凹部52との圧入又は連動嵌合を提供するように設計することができる。
【0065】
図4は、上述したシャフト前進デバイス34の分解組立図を示している。明瞭化の目的で、図4からは第1の接続シャフト26、第2の接続シャフト28、レーザファイバ36、及び回収デバイス38を省いている。
【0066】
図4は、シャフト前進デバイス34が、第1の親指ホイール56と第2の親指ホイール57の間に位置決めする(例えば、「挟む」)ことができる内側ハウジング62(例えば、第1のハウジング部材)と、外側ハウジング54(例えば、第2のハウジング部材)とを含むことができることを示している。第1の親指ホイール56は、その開口66を通る内側ハウジング62の心棒64の貫通によって内側ハウジング62に結合することができる。図4は、内側ハウジング62の心棒64を内側ハウジング62のほぼ中心領域内に位置付けることができることを示している。更に、図4は、心棒64をほぼ六角形として成形することができることを示している。図4は、六角形形状を含む心棒64を示すが、心棒64は様々な形状を含むことができることを認めることができる。例えば、心棒64は、円筒形、三角形、多角形、正方形、又は他の類似の形状を含むことができると考えられる。
【0067】
同様に、第2の親指ホイール57は、その開口68を通る内側ハウジング62の心棒46(図4では見ることができないが、図3に示す)の貫通によって内側ハウジング62に結合することができる。図4は、内側ハウジング62の心棒46を内側ハウジング62のほぼ中心領域内に位置付けることができることを示している。心棒46は、心棒64と軸線方向に位置合わせすることができることを認めることができる。更に、図4は、心棒46をほぼ円筒形として成形することができることを示している。図4は、円筒形状を含む心棒46を示すが、心棒46は様々な形状を含むことができることを認めることができる。例えば、心棒46は、六角形、三角形、多角形、正方形、又は他の類似の形状を含むことができると考えられる。更に、第1の親指ホイール56及び第2の親指ホイール57の各々をそれぞれ心棒64及び心棒46上にこれらの心棒に関する第1及び第2の親指ホイール56/57の回転を可能にしながら圧入することができることを認めることができる。
【0068】
図4は、第1の親指ホイール56及び第2の親指ホイール57の各々が、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンドを含むことができることを更に例示している。例えば、第1の親指ホイール56は、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド70を含むことができる。同様に、第2の親指ホイール57は、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド72を含むことができる。材料のバンド70及び材料のバンド72を構成するのに使用される材料は、ユーザが第1の親指ホイール56及び/又は第2の親指ホイール57を操作している時に把持を可能にする材料を一般的に含むように設計することができる。例えば、材料のバンド70及び材料のバンド72は、ゴム、シリコーン、ニトリルブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、ネオプレン、又は類似の材料を含むことができる。
【0069】
これに加えて、一部の例では、材料のバンド70及び材料のバンド72は、弾性材料を含むことができる。材料のバンド70及び材料のバンド72を構成するのへの弾性材料の利用は、弾性材料が第1の親指ホイール56及び/又は第2の親指ホイール57から除去されることに対する耐性を有することができるので有利とすることができる。言い換えれば、弾性材料は、第1の親指ホイール56及び/又は第2の親指ホイール57の外周面上に圧縮力を与えることができる。更に、材料のバンド70及び材料のバンド72は、他のホイールとユーザの親指との両方と接触状態になるのに適する粗面又は凹凸面を含むことができる。
【0070】
組み立てられた時に、第1の親指ホイール56及び/又は第2の親指ホイール57をそれぞれ心棒64及び46の周りに時計周り方向又は反時計周り方向のいずれかに回転させることができることを認めることができる。更に、下記でより詳細に説明するように、医師は、医療デバイス10のハンドル12を把持している自分の手の親指(又は別の指)を用いて第1の親指ホイール56及び/又は第2の親指ホイール57を手動で回転させることができる。第1の親指ホイール56及び/又は第2の親指ホイール57の各々は、いずれの方向にも回転させることができる(例えば、第1の親指ホイール56及び/又は第2の親指ホイール57の各々を時計周り方向又は反時計周り方向に回転させることができる)ことを認めることができる。
【0071】
図4は、シャフト前進デバイス34が第1の駆動ホイール58を含むことができることを示している。第1の駆動ホイール58は、内側ハウジング62の面から延びるピン74bを通して内側ハウジング62に結合することができる。第1の駆動ホイール58は、ピン74bの軸線の周りに時計周り方向又は反時計周り方向に回転することができることを認めることができる。更に、図4は、第1の駆動ホイール58が、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド47を含むことができることを示している。第1の駆動ホイール58の円周面は、第1の親指ホイール56の円周面との直接接触状態にすることができる。材料のバンド47は、上述した材料のバンド70と形態及び機能が同様とすることができる。更に、図4は、第1の駆動ホイール58を第1の親指ホイール56との接触状態にすることができる(例えば、第1の親指ホイール56の材料のバンド70が、第1の駆動ホイール58の材料のバンド47と直接接触することができる)ことを示している。
【0072】
図4は、シャフト前進デバイス34が第1のローラーホイール60を含むことができることを更に例示している。第1のローラーホイール60は、内側ハウジング62の面から延びるピン74aを通して内側ハウジング62に結合することができることを示している。第1のローラーホイール60は、ピン74aの軸線の周りに時計周り方向又は反時計周り方向に回転することができることを認めることができる。更に、図4は、第1のローラーホイール60が、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド49を含むことができることを示している。材料のバンド49は、上述した材料のバンド70と形態及び機能が同様とすることができる。第1のローラーホイール60の円周面に隣接するように第1の駆動ホイール58の円周面を配置することができる。例えば、図4は、第1のローラーホイール60を第1の駆動ホイール58との接触状態にすることができ(例えば、第1の駆動ホイール58の材料のバンド47が第1のローラーホイール58の材料のバンド49に直接接触することができ)、又はそれらの間にそこへの回収デバイス38の管状シャフト37の配置に適する小さい間隙が残る場合があることを示している。
【0073】
下記でより詳細に説明するように、第1の親指ホイール56は第1の駆動ホイール58に直接接触するので、第1の親指ホイール56の回転は、この回転と反対の方向の第1の駆動ホイール58の回転を引き起こすことになる。例えば、第1の親指ホイール56の時計周り回転(親指ホイール56の外面から見た時の)は、第1の駆動ホイール58の反時計周り回転を引き起こすことになる。同様に、第1の駆動ホイール58は、第1のローラーホイール60に直接接触するので、第1の駆動ホイール58の回転は、この回転と反対の方向の第1のローラーホイール60の回転を引き起こすことになる。例えば、第1の駆動ホイール58の反時計周り回転は、第1のローラーホイール60の時計周り回転を引き起こすことになる。第1の親指ホイール56の回転の結果として第1のローラーホイール60は、第1の親指ホイール56と同じ方向に回転される(第1の駆動ホイール58は、第1の親指ホイール56と第1のローラーホイール60との両方とは反対の方向に回転されるが)ことを更に理解することができる。
【0074】
第1の親指ホイール56は、第1の駆動ホイール58の直径よりも大きい直径を有して機械的な利点を与えることができる。例えば、第1の親指ホイール56の直径は、第1の駆動ホイール58の直径の2倍又はそれよりも大きく、3倍又はそれよりも大きく、又は4倍又はそれよりも大きいとすることができる。従って、第1の親指ホイール56の1回の完全旋回は、第1の駆動ホイール58の1回の完全旋回よりも大きい旋回を引き起こすことができる。一部の事例では、第1の親指ホイール56は、第1の駆動ホイール58に対して例えば2:1の比、3:1の比、4:1の比、又は5:1の比にサイズ決定することができる。
【0075】
図4は、シャフト前進デバイス34が第2の駆動ホイール59を含むことができることを示している。第2の駆動ホイール59は、内側ハウジング62の面から延びるピン(図4では見ることができない)を通して内側ハウジング62に結合することができる。第2の駆動ホイール59は、時計周り方向又は反時計方向に回転することができることを認めることができる。更に、図4は、第2の駆動ホイール59がその周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド51を含むことができることを示している。第2の駆動ホイール59の円周面は、第2の親指ホイール57の円周面との直接接触状態にすることができる。材料のバンド51は、上述した材料のバンド72と形態及び機能が同様とすることができる。更に、図4は、第2の駆動ホイール59を第2の親指ホイール57との接触状態にすることができる(例えば、第2の親指ホイール57の材料のバンド72は、第2の駆動ホイール59の材料のバンド51に直接接触することができる)ことを示している。
【0076】
図4は、シャフト前進デバイス34が第2のローラーホイール61を含むことができることを示している。第2のローラーホイール61は、内側ハウジング62の面から延びるピン(図4では見ることができない)を通して内側ハウジング62に結合することができる。第2のローラーホイール61は、時計周り方向又は反時計周り方向に回転することができることを認めることができる。更に、図4は、第2のローラーホイール61が、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド53を含むことができることを示している。材料のバンド53は、上述した材料のバンド72と形態及び機能が同様とすることができる。第2のローラーホイール61の円周面に隣接するように第2の駆動ホイール59の円周面を配置することができる。例えば、図4は、第2のローラーホイール61を第2の駆動ホイール59との接触状態にすることができ(例えば、第2の駆動ホイール59の材料のバンド51が第2のローラーホイール61の材料のバンド53に直接接触することができ)、又はそれらの間にそこへのレーザファイバ36の配置に適する小さい間隙が残る場合があることを示している。
【0077】
下記でより詳細に説明するように、第2の親指ホイール57は第2の駆動ホイール59に直接接触するので、第2の親指ホイール57の回転は、この回転と反対の方向の第2の駆動ホイール59の回転を引き起こすことになる。例えば、第2の親指ホイール57の反時計周り回転(第2の親指ホイール57の外面から見た時の)は、第2の駆動ホイール59の時計周り回転を引き起こすことになる。同様に、第2の駆動ホイール59は第2のローラーホイール61に直接接触するので、第2の駆動ホイール59の回転は、この回転と反対の方向の第2のローラーホイール61の回転を引き起こすことになる。例えば、第2の駆動ホイール59の時計周り回転は、第2のローラーホイール61の反時計周り回転を引き起こすことになる。第2の親指ホイール57の回転の結果として第2のローラーホイール61は第2の親指ホイール57と同じ方向に回転される(第2の駆動ホイール59は、第2の親指ホイール57と第2のローラーホイール61との両方と反対の方向に回転されるが)ことを更に理解することができる。
【0078】
第2の親指ホイール57は、第2の駆動ホイール59の直径よりも大きい直径を有して機械的な利点を与えることができる。例えば、第2の親指ホイール57の直径は、第2の駆動ホイール59の直径の2倍又はそれよりも大きく、3倍又はそれよりも大きく、又は4倍又はそれよりも大きいとすることができる。従って、第2の親指ホイール57の1回の完全旋回は、第2の駆動ホイール59の1回の完全旋回よりも大きい旋回を引き起こすことができる。一部の事例では、第2の親指ホイール57は、第2の駆動ホイール59に対して例えば2:1の比、3:1の比、4:1の比、又は5:1の比にサイズ決定することができる。
【0079】
本明細書に説明する「ホイール」(図4に関して説明した全てのホイール)のうちの1又は2以上は、互いに回転するのに必ずしも互いに直接接触しない場合があることを認めることができる。互いに直接接触するのではなく、一部の実施形態では、ホイールのうちの1又は2以上をホイールに取り付けられたプーリー又はギア等にベルト又はチェーンなどを通して接続することができる。例えば、独立したホイールの各々は、ギアを含むことができ、この場合に、2つのホイールの各ギアは、駆動ベルト又は駆動チェーンを通して互いに結合される。一方のホイールの回転は、駆動ベルト接続又は駆動チェーン接続を通して他方のホイールを回転させることになることを認めることができる。更に、駆動ホイールの速度/力を適応させるギア比を使用することができる。
【0080】
図4は、シャフト前進デバイス34のハウジングが外側ハウジング54を含むことができることを更に例示している。外側ハウジング54は、第1の親指ホイール56の横方向(外向き)面の一部分を覆い、第2の親指ホイール57の対応する横方向(外向き)面を覆わないように設計することができる。しかし、他の事例では、外側ハウジング54は、必要に応じて第2の親指ホイール57の横方向(外向き)面の上に設計することができる。更に、図4は、外側ハウジング54が、心棒64を貫通させる開口76を含むことができる(例えば、開口76を通る心棒64の係合によって外側ハウジング54を内側ハウジング62に取り付けることができる)ことを示している。
【0081】
これに加えて、外側ハウジング54は、内側ハウジング62の一部分と、第1の親指ホイール56と、第1の駆動ホイール58と、第1のローラーホイール60と、第2の駆動ホイール59と、第2のローラーホイール61とにわたって位置決めすることができる。図2図3を参照し直すと、内側ハウジング62の一部分と、第1の親指ホイール56と、第1の駆動ホイール58と、第1のローラーホイール60と、第2の駆動ホイール59と、第2のローラーホイール61とにわたって位置決めされた外側ハウジング54が示されている。図2を参照し直すと、外側ハウジング54の開口76を通って延びる心棒64が示されている。外側ハウジング54は、内側ハウジング62の上側ヘッド部分80を受け入れるように設計されたチャネル78を含むことができることを更に理解することができる。内側ハウジング62の上側ヘッド部分80は、第1の駆動ホイール58と、第1のローラーホイール60と、第2の駆動ホイール59と、第2のローラーホイール61とを含む内側ハウジング62の部分として定めることができる。図2図3から、組み立てられた時に、外側ハウジング54は、第1の駆動ホイール58と、第1のローラーホイール60と、第2の駆動ホイール59と、第2のローラーホイール61とを覆い、一方でユーザが第1の親指ホイール56と第2の親指ホイール57とにアクセスしてこれらのホイールを回転させることを可能とすることができることを認めることができる。
【0082】
図5Aは、シャフト前進デバイス34の詳細図を示す(明瞭化の目的で、図5Aからは外側ハウジング54を省いている)。特に、図5Aは、内側ハウジング62のうちで第1の駆動ホイール58と、第1のローラーホイール60と、第2の駆動ホイール59(図5Aでは見ることができないが、図5Bに示す)と、第2のローラーホイール61(図5Aでは見ることができないが、図5Bに示す)とを含む上側ヘッド部分80を示している。更に、図5Aは、第1の親指ホイール56との直接接触している第1の駆動ホイール58を示している。
【0083】
これに加えて、図5Aは、内側ハウジング62内に形成された開口部84を通って延びるレーザファイバ36と、内側ハウジング62内に形成された開口部82を通って延びる回収デバイス38とを示す(上述の議論から回収ワイヤ39が回収デバイス38の管状シャフト37を通って延びることができるが、図5Aでは見ることができないことを認めることができる)。更に、図5Aは、回収デバイス38の管状シャフト37を第1の駆動ホイール58と第1のローラーホイール60との間(例えば、第1の駆動ホイール58の材料のバンド47と第1のローラーホイール60の材料のバンド49との間)に挟む(すなわち、押圧する)ことができることを示している。
【0084】
図5Aは、第1の接続チューブ26の近位端を内側ハウジング62のようなハウジングに固定的に取り付けることができることを更に例示している。例えば、第1の接続チューブ26の近位端は、内側ハウジング62に接着剤によって取り付けることができる。第1の接続チューブ26の近位端をハウジング(例えば、内側ハウジング62)に固定的に取り付けるのに他の取り付け方法が考えられている。例えば、第1の接続チューブ26の近位端を朝顔形に拡大することができ、それに対してハウジング62は、第1の接続チューブ26の朝顔形の拡大部分に係合及び嵌合するように設計された突出部を含むことができる。他の例では、第1の接続チューブ26の近位端をハウジング62の竹の子継ぎ合わせ要素に被さるように拡張することができる。更に、図5Aは、第1の駆動ホイール58と第1のローラーホイール60との間を通った後に、回収デバイス38又は医療デバイスの他の細長シャフトが第1の接続チューブ26の管腔に進入することができることを示している(第1の接続チューブ26の管腔内の回収デバイス38を破線で示している)。
【0085】
図5Aは、第1の親指ホイール56の操作によって回収デバイス38を細長シャフト20の作動チャネルの内外に前進(又は後退)させる(上述のように)機構を示している。上述のように、第1の親指ホイール56の時計周り回転(矢印85で示す)は、第1の駆動ホイール58の反時計周り回転(矢印86に示す)を引き起こすことになる。第1の駆動ホイール58の反時計周り回転は、回収デバイス38を遠位に移動することになる(例えば、この回転は、回収デバイス38を第1の接続チューブ26の管腔内に駆動する/押すことになる)。更に、第1の親指ホイール56の反時計周り回転は、第1の駆動ホイール58の回転を反転させ、それによって回収デバイス38を近位に後退させることを認めることができる。
【0086】
第1の接続チューブ26に対してかつ細長シャフト20の作動チャネルに対して回収デバイス38を移動する第1の駆動ホイール58の機能は、回収デバイス38が第1の駆動ホイール58と第1のローラーホイール60の間に挟まれる時に回収デバイス38に対して与えられる圧縮力によって達成されることを認めることができる。第1の駆動ホイール58と第1のローラーホイール60は、第1の駆動ホイール58が回収デバイス38を第1の接続チューブ26(及び細長シャフト20の作動チャネル)内で摺動させることなく十分に前進させ、同時にユーザに対して快適な第1の親指ホイール56の触覚フィードバックも与えることを可能にするように互いに離間させなければならないことを更に理解することができる。一部の例では、第1の駆動ホイール58及び/又は第1のローラーホイール60は、これらのホイールの間隔が様々な外径を有する医療デバイスの細長シャフトに対して調節可能であるようにバネに取り付けることができる。
【0087】
図5Bは、内側ハウジング62内に形成された開口部84を通って延びるレーザファイバ36を示すために図5Aを回転させたものを示している。更に、図5Bは、レーザファイバ36を第2の駆動ホイール59と第2のローラーホイール61との間(例えば、第2の駆動ホイール59の材料のバンド51と第1のローラーホイール61の材料のバンド53との間)に挟む(すなわち、押圧する)ことができることを示している。
【0088】
図5Bは、第2の接続チューブ28の近位端を内側ハウジング62のようなハウジングに固定的に取り付けることができることを更に例示している。例えば、第2の接続チューブ28の近位端は、内側ハウジング62に接着剤によって取り付けることができる。第2の接続チューブ28の近位端をハウジング(例えば、内側ハウジング62)に固定的に取り付けるのに他の取り付け方法が考えられている。例えば、第2の接続チューブ28の近位端を朝顔形に拡大することができ、それに対してハウジング62は、第2の接続チューブ28の朝顔形の拡大部分に係合及び嵌合するように設計された突出部を含むことができる。他の例では、第2の接続チューブ28の近位端をハウジング62の竹の子継ぎ合わせ要素に被さるように拡張することができる。更に、図5Bは、第2の駆動ホイール59と第2のローラーホイール61との間を通った後に、レーザファイバ36又は医療デバイスの他の細長シャフトが第2の接続チューブ28の管腔に進入することができることを示している(第2の接続チューブ28の管腔内のレーザファイバ36を破線で示している)。
【0089】
図5Bは、第2の親指ホイール57の操作によってレーザファイバ36を細長シャフト20の作動チャネルの内外に前進(又は後退)させる(上述のように)機構を示している。上述のように、第2の親指ホイール57の反時計周り回転(矢印87で示す)は、第2の駆動ホイール59の時計周り回転(矢印88に示す)を引き起こすことになる。第2の駆動ホイール59の時計周り回転は、レーザファイバ36を遠位に移動することになる(例えば、この回転は、レーザファイバ36を第2の接続チューブ28の管腔内に駆動する/押すことになる)。更に、第2の親指ホイール57の時計周り回転は、第2の駆動ホイール59の回転を反転させ、それによってレーザファイバ36を近位に後退させることを認めることができる。
【0090】
第2の接続チューブ28に対してかつ細長シャフト20の作動チャネルに対してレーザファイバ36を移動する第2の駆動ホイール59の機能は、レーザファイバ36が第2の駆動ホイール59と第2のローラーホイール61の間に挟まれる時にレーザファイバ36に対して与えられる圧縮力によって達成されることを認めることができる。第2の駆動ホイール59と第2のローラーホイール61は、第2の駆動ホイール59がレーザファイバ36を第2の接続チューブ28(及び細長シャフト20の作動チャネル)内で摺動させることなく十分に前進させ、同時にユーザに対して快適な第2の親指ホイール57の触覚フィードバックも与えることを可能にするように互いに離間させなければならないことを更に理解することができる。一部の例では、第2の駆動ホイール59及び/又は第2のローラーホイール61は、これらのホイールの間隔が様々な外径を有する医療デバイスの細長シャフトに対して調節可能であるようにバネに取り付けることができる。
【0091】
図6図10は、別の例示的医療デバイス100を示している。医療デバイス100は、上述した医療デバイス10と形態及び機能が同様とすることができる。例えば、医療デバイス100は、遠位端領域114と、近位端領域116と、中間領域118とを有するハンドル112を含むことができる。ハンドル112は、その遠位端領域114から遠位に延びる細長シャフト120を更に含むことができる。細長シャフト120は、上述した細長シャフト20と形態及び機能が同様とすることができる。
【0092】
更に、ハンドル112は、医療デバイス10に関して上述したアクセスポート30(第1のハブ32aと第2のハブ32bとを含む)と、第1の接続チューブ26と、第2の接続チューブ28と、レーザファイバ36と、回収デバイス38とに形態及び機能が全て類似であるアクセスポート130(第1のハブ132aと第2のハブ132bとを含む)と、第1の接続チューブ126と、第2の接続チューブ128と、第1の接続チューブ126の中を延びる回収デバイス138と、第2の接続チューブ128の中を延びるレーザファイバ136とを含むことができる。図6は、細長シャフト120の管腔を通って延びて細長シャフト120の遠位端から延びる回収デバイス138を示し、一方でレーザファイバ136の遠位端を単なる例示目的で破線に示している。従って、医療手順中に、レーザファイバ136又は回収デバイス138(回収デバイス138の管状シャフト137の管腔内に位置決めされた回収ワイヤ139を含む)の一方又は他方しか細長シャフト120の作動チャネルを占有することができず、レーザファイバ136及び回収デバイス138のうちの他方は、アクセスポート130の近位で第1の接続チューブ126又は第2の接続チューブ128のいずれかの中に配置することができることを認めることができる。他の事例では、レーザファイバ136は、細長シャフト120の第1の作動管腔を占有する場合があり、一方で回収デバイス138の管状シャフト137とそれを通って延びる回収ワイヤ139とを含む回収デバイス138は、細長シャフト120の第2の作動管腔を占有する。一部の例では、第1の接続チューブ126及び第2の接続チューブ128の各々を透明又は半透明とし、これは、他方のデバイスが細長シャフト120の作動チャネルを占有することを可能にするために細長シャフト120の作動チャネルから引き出される時にこれらの接続チューブ内に位置付けられたレーザファイバ136の遠位端及び回収デバイス138の遠位端を臨床医が見えるようにすることを可能とすることができることを認めることができる。回収デバイス138及びレーザファイバ136のうちのいずれかを細長シャフト120の作動チャネルの中に遠位に前進させる時に回収デバイス138の遠位端又はレーザファイバ136の遠位端がそれぞれ第1の接続チューブ126又は第2の接続チューブ128の他方に位置付けられていることを臨床医が視覚的に確認することができることが望ましい場合がある。これに加えて、図6は、回収バスケット150を含んで回収デバイス138の管状シャフト137の管腔を通って延びて遠位に回収デバイス138の管状シャフト137よりも大きい回収ワイヤ139を例示している。
【0093】
更に、ハンドル112は、シャフト前進デバイス134を含むことができる。シャフト前進デバイス134は、上述したシャフト前進デバイス34と同様であるが、同一ではない。例えば、シャフト前進デバイス134は、シャフト前進デバイス34に関して上述したようにハンドル112に取り外し可能に取り付ける(又は固定的に取り付ける)ことができる。更に、図6では見ることができないが、シャフト前進デバイス134は、回収デバイス138を前進/後退させるのに利用することができる第1の親指ホイール(図6では見ることができない)と、レーザファイバ136を前進/後退させるのに利用することができる第2の親指ホイール(図6では見ることができない)とを含むことができる。
【0094】
一方で下記で詳細に説明するように、シャフト前進デバイス134は、外側ハウジング154(外側ハウジング154は、上述した外側ハウジング54と形態及び機能が同様とすることができる)のようなハウジングに取り付けられた回転可能キャップ186又は他の作動機構を更に含み、この場合に、キャップ186を利用して回収ワイヤ139を回収デバイス138の管状シャフト137内でそれに対して長手方向に前進/後退させることができる。
【0095】
図7は、外側ハウジング154の横面(例えば、外側に向く面)を見せるためにシャフト前進デバイス134の外側ハウジング154から回転可能キャップ186を取り外した医療デバイス100を示している。回転可能キャップ186は、それが心棒164(心棒164は、上述した心棒64と形態及び機能が同様とすることができる)と同じ軸線の周りに回転することを可能にする接続(例えばねじ/ボルト接続)を通して外側ハウジング154に結合することができることを認めることができる。更に、図7は、回転可能キャップ186が、その外面の周りに離間した1又は2以上の突出部188を含むことができることを示している。突出部188は、回転可能キャップ186を回転させる時の医師の把持を改善することができることを認めることができる。
【0096】
更に、図7は、外側ハウジング154の横面がチャネル163を含むことができることを示している。図7に示すように、チャネル163は、湾曲し、心棒164からのある半径方向距離で外側ハウジング154の周りをほぼ辿ることができる。更に、下記でより詳細に説明するように、チャネル163は、その中に回収デバイス138の管状シャフト137の一部分及び回収ワイヤ139の一部分を配置することを可能にするように設計することができる。具体的には、回収デバイス138の管状シャフト137の近位端をチャネル163の中(外側ハウジング154の上側部分の近く)に固定的に取り付けることができ、一方で回収ワイヤ139は、チャネル163の中を(それに沿って)自由に移動することができる。
【0097】
更に、完全に組み立てられた時に、回転可能キャップ186は、心棒164の周りに(それを中心として)外側ハウジング154の面に沿って自由に回転することができることを認めることができる。更に、図7の詳細図は、回収ワイヤ139の近位端142が、チャネル163からかつ外側ハウジング154の横面から突出し、回転可能キャップ186の裏側に位置付けられた凹部187に係合することができることを示している。言い換えれば、回収ワイヤ139の近位端142は、回転可能キャップ186の裏側に固定的に取り付けることができる(例えば、接着剤により)。回収ワイヤ139の近位端142を回転可能キャップ186に固定的に取り付けるための他の取り付け技術が考えられている。例えば、回収ワイヤ139の近位端142は、接着剤によって回転可能キャップ186に取り付けることができる。
【0098】
図8は、上述した医療デバイス100の近位端領域116の斜視図を示している。図8は、上記で議論したように第1の親指ホイール156及び第2の親指ホイール157を内側ハウジング162のようなハウジングに回転可能に結合することができることを示している。更に、図8は、開口184を通って第2の接続チューブ128の中に延びるレーザファイバ136と、開口186を通って第1の接続チューブ126の中に延びる回収シース138とを示している。シャフト前進デバイス134の全ての構成要素を示すわけではないが、第1の親指ホイール156及び第2の親指ホイール157を用いて回収シース138及びレーザファイバ136を第1の接続チューブ126及び第2の接続チューブ128の中に駆動する(例えば、長手方向に移動する)操作は、それぞれ、上述した第1の親指ホイール56及び第2の親指ホイール57の操作と形態及び機能が同様とすることができることを認めることができる。言い換えれば、図7には示していないが、シャフト前進デバイス134は、上述した駆動ホイール58/59及びローラーホイール60/61の配置及び機能を含むことができる。更に、図8は、外側ハウジング154のチャネル163の中に位置決めされた回収ワイヤ139を示している。
【0099】
図9図10は、回収ワイヤ139を回収デバイス138の管状シャフト137の管腔内で前進(又は後退)させるための外側ハウジング154に対する回転可能キャップ186の回転を示している。図9の詳細図は、上述のように回収デバイス138の管状シャフト137の近位端143を外側ハウジング154に固定的に取り付けることができること、例えば、外側ハウジング154のチャネル163の中に固定的に取り付けることができることを示している。例えば、回収デバイス138の管状シャフト137の近位端143は、チャネル163の中に接着的にのり付けすることができる。従って、回収デバイス138の管状シャフト137の近位端143は、外側ハウジング154と相対的に移動することができない。更に、この詳細図は、上述のように回収デバイス138の管状シャフト137の管腔内に延びる回収ワイヤ139を示している。
【0100】
図9は、チャネル163の湾曲に沿って延びる回収ワイヤ139を更に例示している。図9は、ハンドル112の外側ハウジング154に取り付けられた回転可能キャップ186を示す(簡略化の目的で、回転可能キャップ186を破線の外形として示す)ことを更に理解することができる。上述のように、この構成では、回収ワイヤ139の近位端142は、ページから出るように延び、それによって回転可能キャップ186の裏側に固定的に取り付けられていることを認めることができる。
【0101】
図10は、回収デバイス138の管状シャフト137の管腔に対してその内部で回収ワイヤ139を長手方向に移動するための回転可能キャップ186の回転を示している。回収ワイヤ139を回収デバイス138の管状シャフト137の管腔内で移動することにより、回収ワイヤ139の遠位端に取り付けられた回収バスケット150(図6には示していない)を拡張及び収縮させることができることを認めることができる。従って、医師は、例えば、回収バスケット150を展開するためにキャップ186を回転させる前に、第1の親指ホイール156を操作して回収デバイス138の管状シャフト137と回収ワイヤ139とを含む回収デバイス138をターゲット部位に対して前進又は後退させることができることを更に理解することができる。言い換えれば、上述のように、第1の親指ホイール156の操作は、回収デバイス138の管状シャフト137と回収ワイヤ139とを含む回収デバイス138を医療デバイス100の細長シャフト120の作動チャネルを通してこれらの管状シャフトと回収ワイヤとが同時に移動するように移動することができる(例えば、回収ワイヤ139は、回収デバイス138が第1の親指ホイール156によって操作される時に管状シャフト137と共に進行する)。しかし、回収バスケット150(回収ワイヤ139の遠位端に取り付けられた)を作動させるために、医師は、回転可能キャップ186を回転させて(同じ手を用いて)チャネル163の中及び回収デバイス138の管状シャフト137の管腔内で回収ワイヤ139を移動することができる(回転可能キャップ186の回転を矢印144で示す)。言い換えれば、回収デバイス138の管状シャフト137の近位端143が外側ハウジング154に固定的に取り付けられているので、回転可能キャップ186の回転は、回収ワイヤ139のみを外側ハウジング154に対して移動し(チャネル163内で)、それと共に回収デバイス138の管状シャフト137に対して移動する。図10の詳細図では、外側ハウジング154及び回収デバイス138の管状シャフト137に対する回収ワイヤ139の移動を矢印145で例示している。更に、図10は、回転可能キャップ186を回転させた後の回収ワイヤ139の近位端142の回転変位を示すことに注意されたい。
【0102】
図11図15は、別の例示的医療デバイス200を示している。医療デバイス200は、上述した医療デバイス10/100と形態及び機能が同様とすることができる。例えば、医療デバイス200は、遠位端領域214と近位端領域216とを有するハンドル212を含むことができる。ハンドル212は、その遠位端領域214から遠位に延びる細長シャフト220を更に含むことができる。細長シャフト220は、上述した細長シャフト20/120と形態及び機能が同様とすることができる。
【0103】
更に、ハンドル212は、医療デバイス10/100に関して上述したアクセスポート30/130(第1のハブ32a/132aと第2のハブ32b/132bとを含む)と、第1の接続チューブ26/126と、第2の接続チューブ28/128と、レーザファイバ36/136と、回収デバイス38/138とに形態及び機能が全て同様とすることができるアクセスポート230(第1のハブ232aと第2のハブ232bとを含む)と、第1の接続チューブ226と、第2の接続チューブ228と、第1の接続チューブ226の中を延びて医療デバイス200の細長シャフト220の作動チャネルの中に延びる回収デバイス238又は他の細長医療デバイスと、第2の接続チューブ228の中を延びて医療デバイス200の細長シャフト220の作動チャネル又は別の作動チャネルの中に延びるレーザファイバ236とを含むことができる。図11は、細長シャフト220の管腔を通って延びて細長シャフト220の遠位端から遠位に延びる回収デバイス238を示し、一方でレーザファイバ236の遠位端を単なる例示目的で破線で示している。従って、医療手順中に、レーザファイバ236又は回収デバイス238(回収デバイス238の管状シャフト237の管腔内に位置決めされた回収ワイヤ239を含む)の一方又は他方しか細長シャフト220の作動チャネルを占有することができず、レーザファイバ236及び回収デバイス238のうちの他方は、アクセスポート230の近位で第1の接続チューブ226又は第2の接続チューブ228のいずれかの中に配置することができることを認めることができる。他の事例では、レーザファイバ236は、細長シャフト220の第1の作動管腔を占有する場合があり、一方で回収デバイス238の管状シャフト237とそれを通って延びる回収ワイヤ239とを含む回収デバイス238は、細長シャフト220の第2の作動管腔を占有する。一部の例では、第1の接続チューブ226及び第2の接続チューブ228の各々は、透明又は半透明とされ、これは、他方のデバイスが細長シャフト220の作動チャネルを占有することを可能にするために細長シャフト220の作動チャネルから引き出される時にこれらの接続チューブ内に位置付けられたレーザファイバ236の遠位端及び回収デバイス238の遠位端を臨床医が見えるようにすることを可能とすることができることを認めることができる。回収デバイス238及びレーザファイバ236のうちのいずれかを細長シャフト220の作動チャネルの中に遠位に前進させる時に回収デバイス238の遠位端又はレーザファイバ236の遠位端がそれぞれ第1の接続チューブ226又は第2の接続チューブ228の他方に位置付けられていることを臨床医が視覚的に確認することができることが望ましい場合がある。これに加えて、図11は、回収バスケット250を含んで回収デバイス238の管状シャフト237の管腔を通って延びて遠位に回収デバイス238の管状シャフト237よりも大きい回収ワイヤ239を例示している。
【0104】
これに加えて、図12は、ハンドル212がシャフト前進デバイス234を含むことができることを示している。シャフト前進デバイス234は、上述したシャフト前進デバイス34と同様とすることができる。例えば、シャフト前進デバイス234は、医療デバイス10に関して説明したシャフト前進デバイス34に関して上述したように、ハンドル212に取り外し可能に(又は固定的に)取り付けることができる。
【0105】
図12は、ハンドル212の近位端領域216の詳細図を示している。上述したものと同様に、図12は、回転可能キャップ286が、その外面の周りに離間した1又は2以上の突出部288を含むことができることを示している。突出部288は、回転可能キャップ286を回転させる時の医師の把持を改善することができることを認めることができる。明瞭化の目的で、図12は、回転可能キャップ286がハンドル212から離間した場所を示している。
【0106】
更に、図12は、シャフト前進デバイス234が、上述した内側ハウジング62/162と形態及び機能が同様とすることができる内側ハウジング262を含むことを示している。しかし、上述した内側ハウジング62/162とは異なり、内側ハウジング262は、単一親指ホイール258のみを含む場合があり、又は必要に応じて第1及び第2の親指ホイールを含むことができる。親指ホイール258の形態及び機能は、上述した親指ホイール58/158と同様とすることができる。例えば、親指ホイール258は、駆動ホイール(図12では見ることができない)を通してレーザファイバ236に結合することができる。更に、レーザファイバ236は、内側ハウジング262内に位置付けられた開口284を通って延びることができ、それによってレーザファイバ236は、駆動ホイールとローラーホイール(図12では駆動ホイール及びローラーホイールのいずれも見ることができない)の間に挟まれる。従って、上述のように、親指ホイール258を利用してレーザファイバ236を第2の接続チューブ228の中に、従って、医療デバイス200の細長シャフト220の作動チャネルを通して医療デバイス10/100に関して上述したものと類似の方式で前進/後退させることができる。
【0107】
しかし、シャフト前進デバイス234は、回収デバイス238及び/又はその回収ワイヤ239の前進/後退を回転ディスク265と回転可能キャップ286との協働関係によって達成することができる点で上述したシャフト前進デバイス34/134とは異なる場合がある。一部の例では、回転ディスク265は、上述した医療デバイス10/100内に第1の親指ホイール56/156が位置決めされたのと同じ相対場所にシャフト前進デバイス234上で配置することができることに注意されたい。言い換えれば、シャフト前進デバイス234の親指ホイールとも見なすことができる回転ディスク265は、上述した医療デバイス10/100内の第1の親指ホイール56/156に取って代わると考えられる。
【0108】
図12は、回転ディスク265をその開口を通る内側ハウジング262の心棒264の貫通によって内側ハウジング262に結合することができることを示している。図12は、内側ハウジング262の心棒264を内側ハウジング262のほぼ中心領域内に位置付けることができることを示している。回転ディスク265は、親指レバー253の操作によって心棒264の周りに回転させることができることを更に理解することができる。例えば、医師は、親指を用いてレバー253を操作し、回転ディスク265を心棒264の周りに回転させることができることを認めることができる。
【0109】
更に、図12は、シャフト前進デバイス234が、医療デバイスの細長シャフト220に対する回収デバイスの位置を複数の位置のうちの1つにロックするロッキング機構を含むことができることを示している。例えば、内側ハウジング262は、その外周囲に沿ってレバー253に隣接して位置決めされた複数の歯251を含むことができる。更に、レバー253は、歯251に係合し、2つの隣接歯251間に着座した時に回転ディスク265を固定位置にロックする突出部282を含むことができることを認めることができる。ロック位置にある時に、回転ディスク265が時計周り方向及び/又は反時計周り方向に回転することを防止することができる。例えば、図12に示す例では、親指レバー253を利用して回転ディスク265を心棒264の周りに回転させることができる。例えば、ユーザの親指(又は他の指)によって親指レバー253に作用された力は、親指レバー253を屈曲させて突出部282を隣接歯251間から係合解除させ、それによって回転ディスク265を回転させることを可能とすることができる。しかし、回転ディスク265が回転を停止し、力が取り除かれると、突出部282が心棒264に向けて復帰して所与の歯251の平坦な後側部分に係合し、それによって回転ディスク265が時計周り方向に自由に回転することを防止することができる。回転ディスク265を時計周り方向に回転させるために、医師は、親指レバー253を押下することで突出部282を心棒264から離れるように屈曲させ、それによって回転ディスク265が時計周りに回転する間に突出部282が歯251の上部の上を通過することを可能とすることができることを認めることができる。上述のように、ロッキング機構を用いて回収デバイス238の長手位置を固定し、これは、本明細書で議論するように回転キャップ286の回転によって回収ワイヤ239を前進又は後退させる時に回収デバイス238の管状シャフト237の遠位移動を防止することができる。
【0110】
図示の実施形態では、回収デバイス238の不用意な遠位前進を防止するために、歯251の側面は、回転ディスク265を時計周り方向に回転させるためには親指レバー253を押下することによって突出部282を能動的に係合解除させなければならないように形成される。しかし、歯の側面の鋭角に起因して、突出部282が歯の傾斜側面に沿って摺動することで反時計周り回転を許すことができる。別の実施形態では、回収デバイス238の不用意な近位の引き出しを防止するために、回転ディスク265を反時計周り方向に回転させるためには親指レバー253を押下することによって突出部282を能動的に係合解除させなければならないように歯251の側面を逆転することができる。しかし、歯の側面の鋭角に起因して、突出部282が歯の傾斜側面に沿って摺動することで時計周り回転を許すことができる。別の実施形態では、歯251は、突出部が歯251の溝のうちの1つの中に位置決めされた時に回転ディスク265の時計周りと反時計周りとの両方の回転を防止するように機能することができる「V字」形状を含むことができる。
【0111】
図12は、第1の接続チューブ226の近位端領域を内側ハウジング262のようなハウジングに固定的に取り付けることができることを更に例示している。例えば、図12の左上部分の詳細図は、第1の接続チューブ226の近位端を内側ハウジング262に糊付け又は他の取り付け方法(例えば、圧入のような)によって固定的に取り付けることができることを示している。更に、図12の左上部分の詳細図は、第1の接続チューブ226の管腔内に入り込む回収デバイス238を示している。この同じ詳細図は、回収デバイス238の管状シャフト237の管腔内に位置決めされた(かつ延長により、第1の接続チューブ226の管腔内に位置決めされた)回収ワイヤ239を更に示している。第1の接続チューブ226は、内側ハウジング262に固定的に取り付けられているので、回収デバイス238の管状シャフト237と回収ワイヤ239との両方を含む回収デバイス238は、第1の接続チューブ226に対してその内部で移動することができることを認めることができる。
【0112】
図12は、内側ハウジング262が、湾曲して心棒264からのある半径方向距離で回転ディスク265の周りをほぼ辿るチャネル263を含むことができることを更に例示している。更に、図12は、回収デバイス238の管状シャフト237と回収ワイヤ239との両方の一部分をチャネル263の中に配置することができることを示している。特に、図12の右下コーナの詳細図は、チャネル263内で回収デバイス238の管状シャフト237の近位端領域を回転ディスク265に固定的に取り付けることができる場所を示している。すなわち、回転ディスク265の回転(上述したような)は、回収デバイス238の管状シャフト237及びその内部の回収ワイヤ239を第1の接続チューブ226に対してその内部で前進又は後退させることができることを認めることができる。
【0113】
これに加えて、図12の右上コーナの詳細図は、回転ディスク265のチャネル263の中に位置決めされた回収ワイヤ239を示している。回収ワイヤ239は、回転ディスク265に固定的に取り付けない場合がある。回転ディスク265に固定的に取り付けるのではなく、図12の右上コーナの詳細図は、回収ワイヤ239の近位端が、回転キャップ286の裏側に沿って位置決めされた凹部287に係合し、そこに近位端を固定的に取り付けることができるように近位端を外向きに曲げることができることを示している。回収ワイヤ239は、回転キャップ286に他に固定的に取り付けることができることに注意されたい。上記で医療デバイス100に関して説明した回転キャップ186の機能と同様に、回転キャップ286の回転は、回収ワイヤ239を回転ディスク265のチャネル263内で回収デバイス238の管状シャフト237の管腔を通して長手方向に移動することができる。
【0114】
しかし、回転ディスク265が回転される(例えば、親指レバー253により)時に回転キャップ286が回転ディスク265と共に回転することができるように回転キャップ286を回転ディスク265に係合させることができることを更に理解することができる。一部の例では、回転キャップ286の裏側は、回転ディスク265に向けて延びてバネ255が位置付けられたチャネルの中に当接する突出部(図12では見ることができない)を含むことができる。バネ255は、突出部に接触し、かつそれを付勢することができる。従って、回転キャップ286は、回転ディスク265が回転される時に回転キャップ286と回転ディスク265の間の相対回転が皆無であるように回転ディスク265が回転される時に回転ディスク265に「同伴」することができる。
【0115】
回転ディスク265が回転される(かつ回転キャップ286が回転ディスク265と共に回転する)時に、回収デバイス238の管状シャフト237と回収ワイヤ239との両方は、一緒に第1の接続チューブ226内で及び/又は細長シャフト220の作動チャネルを通って移動することになることを更に理解することができる。言い換えれば、回転ディスク265が回転される時に、回転ディスク265は、回収デバイス238の管状シャフト237を移動し、同時に回転キャップ286(回転ディスク265の上部に着座した)は、回転ディスク265と共に回転して回収ワイヤ239を回収デバイス238の管状シャフト237と同じ速度(変位量)で移動することになる。
【0116】
しかし、回転ディスク265の回転が停止されて突出部282が歯251に係合した(それによって回転ディスク265を内側ハウジング262に対する場所にロックする)後に、回転キャップ286を回転ディスク265(及び延長により、内側ハウジング262)と相対的に回転させることができることを認めることができる。回転ディスク265に対する回転キャップ286の回転は、回収ワイヤ239を回収デバイス238の管状シャフト237に対して前進(又は後退)させ、従って、回収バスケット250を回収デバイス238の管状シャフト237に対して前進させることができる。
【0117】
上記で議論したように、図12は、ハンドル212が、回転ディスク265上の陥入チャネルの中に位置決めされたバネ255を含むことができることを示している。下記でより詳細に説明するように、バネ255の一端は、回転キャップ265の裏側に結合することができる(例えば、バネ255の遠位端を回転キャップ286の裏側に接続するのに、回収ワイヤ239の近位端を回転キャップ286の裏側に接続するのに用いたものと類似の接続技術を使用することができる)。従って、バネ255は、回転キャップ286が時計周り方向に回転されて解除された後に回転キャップ286の反時計周り方向の回転を付勢するように設計することができる。従って、バネ255は、回収バスケット250が圧壊された後退構成に回転キャップ286及び従って回収ワイヤ239を付勢するように実施することができる。バネ255の力に打ち勝つように回転キャップ286を時計周り方向に回転させることにより、回収バスケット250は展開(例えば、拡張)する。
【0118】
図13図15は、回収デバイス238を前進/後退させるか又は他に操作するための回転ディスク265と回転キャップ286との協働作動を示している。図13は、回収デバイス238の管状シャフト237と回収ワイヤ239との両方を細長シャフト220の作動チャネルの中に位置付けて細長シャフト220の遠位端の直ぐ近位に配置することができるハンドル構成を示している。明瞭化の目的で、回転キャップ286は、ハンドル212から取り外した状態に示している。しかし、図13図15では、上述のように回転キャップ286が回転ディスク265の上部に位置決めされていると考えられることは理解されるものとする。更に、図13は、回転ディスク265が時計周り方向に回転されておらず、回収ワイヤ239が回収デバイス238の管状シャフト237に対して移動されていない場所を示している。
【0119】
図14は、回収ディスク265と回転キャップ286との同時回転を示している。上述のように、回転ディスク265の回転は、複数の歯251の上での親指レバー253の操作によって達成することができる。図14は、一部の例では回転ディスク265の回転を第1のストップ259と第2のストップ254の間に制限することができることを示している。例えば、回転ディスク265は、完全後退位置で第1のストップ259に係合する突出部261を含むことができる。突出部261は、回転ディスク265がその最大時計周り位置又は完全延長位置まで時計周りに回転された時に第2のストップ254との係合状態に入ることができる。この係合は、回転ディスク265の追加の時計周り方向回転を防止し、従って、細長シャフト220の遠位端から出るか又は他にそれに対する回収デバイス238の管状シャフト237の追加の遠位前進を防止する。図14は、矢印270で回転ディスク265の回転を示し、矢印283で回転キャップの回転(回転ディスク265と同時に発生する)を描いている。上述のように、回転ディスク265の回転は、回収デバイス238の管状シャフト237と回収ワイヤ239との両方を細長シャフト220の遠位端の外に移動することができる。図14は、突出部282が歯252に係合し、従って、回転ディスク265が内側ハウジング262に対して回転することが防止されることを更に例示している。
【0120】
図15は、回収ワイヤ239を回収デバイス238の管状シャフト237に対して移動するための回転ディスク265に対する回転キャップ286の独立した回転を示している。図15に示すように、回転キャップ286は、回転ディスク265に対して回転させることができ(回転キャップ286の回転を矢印267で示す)、この回転は、回収ワイヤ239の遠位端242をチャネル263内で移動する(図14のチャネル263内の回収ワイヤ239の遠位端242の位置は、図15の位置との比較でチャネル263内のワイヤ239の移動を示すことに注意されたい)。更に、図15では回転ディスク265は固定されているので、回収デバイス238の管状シャフト237は静止したままに留まり、それに対して回収ワイヤ239は、回収デバイス238の管状シャフト237の管腔内で移動される。この移動は、バスケット250を回収デバイス238の遠位端で展開(例えば、拡張)することができることを認めることができる。更に、図15は、回転キャップ286が回転される時に圧縮されるバネ255を例示している。このバネ255の圧縮により、回転キャップ286が解除された後に、バネ255の伸張が回転キャップ286を反時計周り方向に回転させ、それによって回収ワイヤ239をチャネル263内で移動し、回収バスケット250を圧壊することができる。
【0121】
図16図17は、別の例示的医療デバイス300を示している。医療デバイス300は、上述した医療デバイス200と形態及び機能が同様とすることができる。例えば、医療デバイス300は、ハンドル312の遠位端から遠位に延びる細長シャフト320を有するハンドル312を含むことができる。細長シャフト320は、上述した細長シャフト20と形態及び機能が同様とすることができる。
【0122】
更に、ハンドル312は、医療デバイス10/100/200に関して上述した第1の接続チューブ26/126/226と、第2の接続チューブ28/128/228と、第1の接続チューブ26/126/226の中を延びる回収デバイス38/138/238と、第2の接続チューブ28/128/228の中を延びるレーザファイバ36/136/236とに形態及び機能が全て同様とすることができる第1の接続チューブ326と、第2の接続チューブ328と、第1の接続チューブ326の中を延びて医療デバイス300の細長シャフト320の作動チャネルの中に延びる回収デバイス338又は他の細長医療デバイスと、第2の接続チューブ328の中を延びて医療デバイス300の細長シャフト320のこの作動チャネル又は別の作動チャネルの中に延びるレーザファイバ336とを含むことができる。
【0123】
これに加えて、図16は、ハンドル312がシャフト前進デバイス334を含むことができることを示している。シャフト前進デバイス334は、上述したシャフト前進デバイス234と同様とすることができる。例えば、シャフト前進デバイス334は、医療デバイス200に関して説明したシャフト前進デバイス234に関して上述したように、ハンドル312に取り外し可能に(又は固定的に)取り付けることができる。更に、シャフト前進デバイス334の作動は、その機能が、上述したシャフト前進デバイス234の機能と同様とすることができる。しかし、図16に示すように、シャフト前進デバイス334は、シャフト前進デバイス234に関して上述した歯251又は親指レバー253(突出部282を含む)を含まない場合がある。代わりに、シャフト前進デバイス334は、細長管状シャフト337及びその中を延びる回収ワイヤ339が回転ディスク365に沿って巻かれる構成を含むことができる。従って、回転ディスク365が回転される(例えば、時計周り方向に)時に、回収デバイス338を第1の接続チューブ326内で前進させる及び/又は細長シャフト320の中を延びる作動チャネル内で前進させることができることを認めることができる。
【0124】
一部の例では、回収デバイス338は、回転ディスク365上に位置付けられた棚部(例えば、リム、リップ、レッジのような)の周りに巻くことができる。しかし、他の例では、回収デバイス338は、例えば、回転ディスク365の面の中に延びるチャネルの中に巻くことができる。
【0125】
これに加えて、図16は、回収ワイヤ339の近位端が、回収デバイス338の管状シャフト337の近位端から延びることができ、医療デバイス200に関して上述したものと類似の方式で回転キャップ386の裏側に結合することができることを示している。同様に、図16は、シャフト前進デバイス334が、回転ディスク365上に位置付けられたチャネルの中に当接するバネ355を含むことができることを例示している。医療デバイス200に関して上述したものと同様に、回転キャップ386の回転は、回収ワイヤ339を回収デバイス338の管状シャフト337に対して前進させ、それによってエンドエフェクタ(例えば、回収バスケット)を回収デバイス338の遠位端で展開(例えば、拡張)することができる。しかし、上述のように、回転キャップ386が解除されると、バネ355は伸張し、それによって回転キャップ386を反時計周り方向に回転させて回収ワイヤ339を回収シース338の管状部材337に対して近位に後退させ、それによって回収バスケットを収縮させることができる。言い換えれば、医療デバイス200に関して上述したように、バネ355は、回収デバイス338の遠位端上に位置付けられた回収バスケット又は他のエンドエフェクタを閉鎖構成又は収縮構成に向けて付勢するように機能することができる。
【0126】
図17は、図16に示す医療デバイス300の斜視図である。図17は、シャフト前進デバイス334が、上述した内側ハウジング62/162/262と形態及び機能が同様とすることができる内側ハウジング362を含むことを示している。内側ハウジング362は、単一親指ホイール358を含むことができ、又は必要に応じて第1及び第2の親指ホイールを含むことができる。親指ホイール358の形態及び機能は、上述した親指ホイール58/158/258と同様とすることができる。例えば、親指ホイール358は、駆動ホイール(図17では見ることができない)を通してレーザファイバ336に結合することができ、それによってレーザファイバ336は、駆動ホイールとローラーホイール(図17では駆動ホイール及びローラーホイールのいずれも見ることができない)との間に挟まれる。従って、上述のように、親指ホイール358を利用してレーザファイバ336を第2の接続シャフト328の中に医療デバイス10/100/200に関して上述したものと類似の方式で前進/後退させることができる。
【0127】
上述のように、図17は、回収デバイス338(回収デバイス338の管状シャフト337と回収ワイヤ339との組合せを含む)を回転ディスク365の周りに巻くことができることを示している。更に、組み立てられた構成では、回収デバイス338の管状シャフト337を回転キャップ386と回転ディスク365の間に位置決めすることができることを認めることができる。追加の回転キャップ386と回転ディスク365とを一緒に内側ハウジングから距離「X」だけ離間させることができるように、回転キャップ386及び回転ディスク365をネジ切り心棒364上に螺合することができる。
【0128】
作動において、臨床医は、回転ディスク365及び回転キャップ386を時計周り方向に回転させ、それによって回収デバイス338を細長シャフト320の作動チャネルを通して前進させることができることを認めることができる。回転ディスク365及び回転キャップ386がネジ切り心棒364上に螺合される時に、回転ディスク365及び回転キャップ386の時計周り回転は、回転ディスク365と回転キャップ386との両方を内側ハウジング362の横面に向けて移動することになる。回転ディスク365及び回転キャップ386は、回転ディスク365上に位置付けられた突出部361が内側ハウジング362上の能動的ストップ354に係合するまで時計周りに回転させることができることを認めることができる。この係合時点で、回転ディスク365のいずれの追加の時計周り回転も防止される(これは、回収デバイス338の管状シャフトの追加の遠位移動も防止する)。しかし、上述のように、回転キャップ386は、回収ワイヤ339を回収デバイス338の管状シャフト337の遠位端に対して遠位に前進させ、それによってエンドエフェクタを開放又は拡張するように、依然として時計周りに回転させる(それによってバネ355を圧縮する)ことを可能とすることができる。更に、キャップ386を解除することにより、バネ355が伸張してキャップ386を反時計周り方向に回転させることを可能にし、この回転は、回収ワイヤ339を回収デバイス338の管状シャフト337の遠位端に対して近位に後退させ、それによってエンドエフェクタを閉鎖又は収縮させる。この作動機構は、上記で医療デバイス200の回転キャップ286及びバネ255に関して説明したものと同様である。
【0129】
シャフト前進デバイス434の別の実施形態を図18A及び図18Bに示している。本明細書に開示する他のシャフト前進デバイス34/134/234/334の場合と同様に、シャフト前進デバイス434は、医療デバイスのハンドルに取り外し可能又は固定的に取り付けることができる。多くの態様では、シャフト前進デバイス434の作動は、一部の変更を用いて他のシャフト前進デバイス34/134/234/334と同様とすることができる。従って、シャフト前進デバイス434の特徴は、上述した他のシャフト前進デバイス34/134/234/334の中に必要に応じて物理的に組み込むことができる。
【0130】
図18Aに示すように、シャフト前進デバイス434は、上述した他の医療デバイスのような医療デバイスのハンドルに取り付け可能な(取り外し可能又は固定的に)ハウジング462を含むことができる。シャフト前進デバイス434は、親指ホイール456の開口を通る心棒464の貫通によってハウジング462に結合された親指ホイール456を含むことができる。従って、親指ホイール456は、心棒464の軸線の周りに回転することが許されるように心棒464を通じてハウジング462に回転可能に結合される。上述の他の親指ホイールと同様に、親指ホイール456は、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド470を含むことができる。材料のバンド470を構成するのに使用される材料は、一般的に、ユーザが親指ホイール456を操作する時に把持を可能にする材料を含むように設計することができる。例えば、材料のバンド470は、ゴム、シリコーン、ニトリルブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、ネオプレン、他の弾性材料、又は類似の材料を含むことができる。
【0131】
組み立てられた時に、親指ホイール456は、心棒464の周りに時計周り方向又は反時計周り方向のいずれかで回転させることができることを認めることができる。更に、下記でより詳細に説明するように、医師は、医療デバイスのハンドルを把持している自分の手の親指(又は別の指)を用いて親指ホイール456を手動で回転させることができる。上述した実施形態とは異なり、シャフト前進デバイス434は、別個の駆動ホイールを含まない場合があり、代わりに、駆動ホイールとしての役割ももたらす親指ホイール456及びローラーホイール460のみを含む場合がある。
【0132】
ローラーホイール460は、ハウジング462の面から延びる心棒474を通じてハウジング462に結合することができる。ローラーホイール460は、心棒474の軸線の周りに時計周り方向又は反時計周り方向に回転することができることを認めることができる。更に、図18Aは、ローラーホイール460が、その周囲の周りに周方向に延びる材料のバンド449を含むことができることを示している。材料のバンド449は、上述した材料のバンド470と形態及び機能が同様とすることができる。親指ホイール456の円周面は、ローラーホイール460の円周面に隣接して位置決めすることができる。例えば、ローラーホイール460は、親指ホイール456との接触状態にすることができ(例えば、親指ホイール456の材料のバンド470は、ローラーホイール460の材料のバンド449に直接接触することができ)、又はそれらの間にそこへの医療デバイス(例えば、回収デバイス又はレーザファイバ)の細長シャフト438の配置に適する小さい間隙が残る場合がある。
【0133】
図18Bは、親指ホイール456の操作によって細長シャフト438を医療デバイス(例えば、内視鏡)の細長シャフトの作動チャネルの内外に前進(又は後退)させる機構を示している。親指ホイール456の回転は、この回転と反対の方向のローラーホイール460の回転を引き起こすことになる。例えば、図18Bに示すように、親指ホイール456の反時計周り回転(親指ホイール456の外面から見た時)は、ローラーホイール460の時計周り回転を引き起こすことになる。医療デバイスの細長シャフト438がそれらの間に位置決めされると、矢印Aに示す親指ホイール456の反時計周り回転は、矢印Bに示すように細長シャフト438を遠位に前進させることになる。同様に、親指ホイール456の時計周り回転は、細長シャフト438を近位に後退させることになる。
【0134】
第1の接続チューブ(上述した)に対してかつ内視鏡の細長シャフトの作動チャネル(上述した)に対して細長シャフト438を移動する親指ホイール456の機能は、細長シャフト438が親指ホイール456とローラーホイール460の間に挟まれた時に細長シャフト438に対して与えられる圧縮力によって達成されることを認めることができる。親指ホイール456とローラーホイール460は、シャフト前進デバイス434が細長シャフト438を第1の接続チューブと内視鏡の細長シャフトの作動チャネル(上述した)との内部で摺動させることなく十分に前進させ、同時にユーザに対して快適な親指ホイール456の触覚フィードバックも与えることを可能にするように互いに離間させなければならないことを更に理解することができる。一部の例では、ローラーホイール460は、親指ホイール456とローラーホイール460の間の間隔が様々な外径を有する医療デバイスの細長シャフトに対して調節可能であるように、バネに取り付けることができる。
【0135】
上述のように、本明細書に開示するシャフト前進デバイスのうちのいずれも図18A図18Bに関して上述したように親指ホイール及びローラーホイールのみを有するように構成することができる。
【0136】
本明細書に開示する実施例の様々な構成要素に使用することができる材料は、医療デバイスに一般的に関連付けられたものを含むことができる。簡略化の目的で、以下の議論は、尿管鏡器具と尿管鏡の他の構成要素とに言及する。しかし、この議論は、本明細書に開示するデバイスの他の類似の管状部材及び/又は管状部材又は構成要素に当て嵌めることができるので、この言及は、本明細書に説明するデバイス及び方法を限定するように意図したものではない。
【0137】
医療デバイス10及び/又はその構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(その一部の例を下記に開示する)、金属-ポリマー複合材、セラミック、及びその組合せなど、又は他の適切な材料から製造することができる。適切なポリマーの一部の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから利用可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテル-エステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから利用可能なARNITEL(登録商標))、エーテル系又はエステル系のコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタラート及び/又は他のポリエステルエラストマー、例えば、DuPontから利用可能なHYTREL(登録商標))、ポリアミド(例えば、Bayerから利用可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochemから利用可能なCRISTAMID(登録商標))、弾性ポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)という商品名の下で利用可能)、エチレンビニルアセタートコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex(登録商標)密度ポリエチレン、Marlex(登録商標)低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン12(EMS American Grilonから利用可能なGRILAMID(登録商標)のような)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリビニリデンクロリド(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS50A)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性ポリマー、他の適切な材料、又はこれらの混合物、組合せ、コポリマー、及びポリマー/金属化合物などを含むことができる。一部の実施形態では、シースは、液体結晶ポリマー(LCP)と配合することができる。例えば、この混合物は、約6パーセントまでのLCPを含有することができる。
【0138】
適切な金属及び金属合金の一部の例は、304V、304L、及び316LVステンレス鋼のようなステンレス鋼、軟鋼、線形弾性ニチノール及び/又は超弾性ニチノールのようなニッケル-チタン合金、他のニッケル合金、例えば、ニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625のようなUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)のようなUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)、及び他のHASTELLOY(登録商標)合金などのようなUNS:N10276)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400、などのようなUNS:N04400)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのようなUNS:R30035)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)のようなUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、及び他のニッケル-タングステン合金又はタングステン合金などのコバルト-クロム合金、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)及びPHYNOXR(登録商標)などのようなUNS:R30003)、プラチナ富化ステンレス鋼、チタン、及びその組合せなど、又はいずれかの他の適切な材料を含む。
【0139】
本明細書に示唆するように、市販のニッケル-チタン合金又はニチノール合金の系列内に従来の形状記憶種及び超弾性種と化学作用が同様である場合があるが明確に異なる有利な機械的特性を示すことができる「線形弾性」又は「非超弾性」と呼ばれる分類がある。線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、その応力/歪み曲線に超弾性ニチノールが見せるような実質的な「超弾性プラトー」又は「フラグ領域」を見せない点で超弾性ニチノールと区別することができる。これらを見せない代わりに、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールでは、回復可能歪みが増大する時に、応力は、塑性変形が始まるまで実質的に線形に増大するか又は必ずしも全体的とは限らない一部の線形関係で又は超弾性ニチノールの場合に見ることができる超弾性プラトー及び/又はフラグ領域よりも線形な関係で増大する。従って、本発明の開示の目的では、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールを「実質的に」線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールと呼ぶ場合がある。
【0140】
一部の場合に、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールは、線形弾性及び/又は非超弾性ニチノールが実質的に弾性であり続けながら(例えば、塑性変形するまで)約2~5%までの歪みを受け入れることができるが、超弾性ニチノールは塑性変形するまで約8%までの歪みを受け入れることができる点で超弾性ニチノールから区別することもできる。これらの材料の両方は、塑性変形する前に約0.2から0.44パーセントの歪みしか受け入れることができないステンレス鋼のような他の線形弾性材料から区別することができる(その組成に基づいても区別することができる)。
【0141】
一部の実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、示差走査熱量測定(DSC)及び動的金属熱分析(DMTA)によって検出可能ないずれのマルテンサイト/オーステナイト相変化も高い温度範囲にわたって示さない。例えば、一部の実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金での約セ氏-60度(℃)から約120℃内でDSC及びDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化がない場合がある。従って、そのような材料の機械的曲げ特性は、この非常に広い温度範囲にわたって温度の影響をほぼ受けない場合がある。一部の実施形態では、周囲温度又は室温での線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金の機械的曲げ特性は、例えば、これらが超弾性プラトー及び/又はフラグ領域を見せない点で体温での機械的特性と実質的に同じである。言い換えれば、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、広い温度範囲にわたってその線形弾性及び/又は非超弾性特質及び/又は特性を維持する。
【0142】
一部の実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、ニッケルが約50重量パーセントから約60重量パーセント内にあり、残りを基本的にチタンとすることができる。一部の実施形態では、組成は、ニッケルが約54重量パーセントから57重量パーセント内にある。適切なニッケル-チタン合金の一例は、日本のFurukawa Techno Material Co.から市販のFHP-NT合金である。ニッケルチタン合金の一部の例は、米国特許第5,238,004号明細書及び第6,508,803号明細書に開示されており、これらの文献は、引用によって本明細書に組み込まれている。他の適切な材料は、ULTANIUM(登録商標)(Neo-Metricsから利用可能)及びGUM METAL(登録商標)(Toyotaから利用可能)を含むことができる。一部の他の実施形態では、望ましい特性を達成するために、超弾性合金、例えば、超弾性ニチノールを使用することができる。
【0143】
少なくとも一部の実施形態では、尿管鏡器具及び/又はアセンブリの他の部分は、放射線不透過性材料でドーピングされ、製造され、又はこれらの器具及び/又は部分は、放射線不透過性材料を他に含むことができる。放射線不透過性材料は、医療手順中に蛍光透視画面上に又は別の撮像技術で比較的高輝度の画像を生成する機能を有する材料であると理解される。この比較的高輝度の画像は、その場所を決定する際にアセンブリのユーザを支援する。放射線不透過性材料の一部の例は、金、プラチナ、パラジウム、タンタル、タングステン合金、及び放射線不透過性充填材が充填されたポリマー材料などを含むことができるがこれらに限定されない。これに加えて、同じ結果を達成するために、他の放射線不透過性のマーカーバンド及び/又はコイルをアセンブリの設計の中に組み込むこともできる。
【0144】
一部の実施形態では、ある程度の核磁気共鳴撮像(MRI)適合性が実施例の中に付与される。例えば、尿管鏡器具又はその各部分は、画像を実質的にひずませて実質的なアーチファクト(例えば、画像内のギャップ)を生成することのない材料で作ることができる。例えば、ある一定の強磁性材料は、MRI画像内にアーチファクトを生成する可能性があるので適切ではない場合がある。尿管鏡器具又はその各部分は、MRI機械が撮像することができる材料からも作ることができる。これらの特質を示す一部の材料は、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)及びPHYNOX(登録商標)などのようなUNS:R30003)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのようなUNS:R30035)、及びニチノールなど、及びその他を含む。
【0145】
本発明の開示は、多くの点に関して単に例示的であることを理解しなければならない。詳細、特に形状、サイズ、及び段階の配置に関して、本発明の開示の範囲を超えることなく変更を加えることができる。これは、それが適切である範囲で、他の実施形態に使用されている1つの例示的実施形態の特徴のうちのいずれかの使用を含む場合がある。本発明の開示の範囲は、勿論、添付の特許請求の範囲が表現される文言で定められる。
【符号の説明】
【0146】
10 医療デバイス
12 ハンドル
34 シャフト前進デバイス
36 レーザファイバ
50 回収バスケット
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
【国際調査報告】