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▶ カーネリアン メディカル エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】スネア装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
A61B17/22 528
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553385
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 US2022018983
(87)【国際公開番号】W WO2022187676
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/156,411
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522037942
【氏名又は名称】カーネリアン メディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ,エリック,ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ウェブスター,マーク,ダブリュ.アイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE28
4C160MM33
(57)【要約】
体腔などの空間内の物体を回収および/または操作するためのスネア装置。一実施形態では、スネア装置は、支持体と、コアワイヤとを含む。支持体は、近位端で終端する近位部分と、遠位端で終端する遠位部分と、近位端から遠位に延びる管腔とを含む。コアワイヤは、可撓性を有し、近位部分と遠位部分を有する。コアワイヤの遠位部分および支持体の遠位部分は、相補的に成形され、互いに固定的に嵌合され、コアワイヤは、支持体の遠位端から離れるように延びるループを形成し、コアワイヤは、管腔を通過し、支持体の近位端から現れる。支持体の遠位部分およびコアワイヤの遠位部分は、相補的に寸法決めされた螺旋構造であってもよい。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スネア装置であって、
(a)支持体であって、近位端で終端する近位部分と、遠位端で終端する遠位部分と、管腔とを備え、前記管腔は前記近位端から遠位に延びる、支持体と、
(b)可撓性であり、近位部分および遠位部分を備えるコアワイヤであって、前記コアワイヤの前記遠位部分および前記支持体の前記遠位部分は相補的に成形され、互いに固定的に嵌合され、前記コアワイヤは、前記支持体の前記遠位端から離れるように延びるループを形成し、前記コアワイヤは、前記管腔を通過し、前記支持体の前記近位端から現れる、コアワイヤと、を備える、スネア装置。
【請求項2】
前記支持体の前記遠位部分および前記コアワイヤの前記遠位部分は、相補的に寸法決めされた螺旋構造である、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項3】
前記支持体の前記管腔は長手方向軸を有し、前記ループは前記長手方向軸にほぼ沿って延びる、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項4】
前記支持体の前記管腔は長手方向軸を有し、前記ループは前記長手方向軸に対してほぼ垂直に延びる、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項5】
前記支持体の前記管腔は、前記支持体の前記近位端から前記支持体の前記遠位端まで延び、前記コアワイヤは、前記支持体の前記遠位端を通過する、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項6】
前記支持体は、側面開口部を有し、前記コアワイヤは、前記側面開口部を通過する、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項7】
前記支持体はコイルを備え、前記コイルは、密接に離間した巻回部を有する近位部分と、離間した巻回部を有する遠位部分とを備える、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項8】
前記支持体は、コイルとハイポ管とを備え、前記コイルは、前記ハイポ管の遠位部分に取り付けられている、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項9】
ハンドルをさらに備え、前記コアワイヤの前記近位部分は前記ハンドルに結合されている、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項10】
スリーブをさらに備え、前記スリーブは前記支持体の周りに同軸に配置されている、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項11】
管をさらに備え、前記管は前記支持体内に同軸に配置されている、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項12】
放射線不透過性コイルをさらに備え、前記放射線不透過性コイルは前記コアワイヤの周りに同軸に取り付けられている、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項13】
前記コアワイヤは単一のフィラメントからなる、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項14】
前記コアワイヤは、放射線不透過性ワイヤを同軸に取り囲む延伸充填管を備える、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項15】
前記コアワイヤは、前記延伸充填管の近位部分を同軸に取り囲む管をさらに備える、請求項14に記載のスネア装置。
【請求項16】
前記コアワイヤは、ワイヤケーブルおよび管を備え、前記管は、前記ワイヤケーブルの近位部分を同軸に取り囲む、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項17】
前記コアワイヤ上に同軸に取り付けられた2つの放射線不透過性コイルをさらに備え、前記2つの放射線不透過性コイルのうちの第1のコイルは、前記コアワイヤ上により近位に配置され、前記管腔の直径よりも小さい外径を有し、前記2つの放射線不透過性コイルのうちの第2のコイルは、前記コアワイヤ上により遠位に配置され、前記管腔の直径よりも大きい外径を有する、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項18】
前記ループは、前記支持体の前記近位端に対して前記コアワイヤの前記近位端を移動させることによってサイズを調整することができる、請求項1に記載のスネア装置。
【請求項19】
前記コアワイヤの前記遠位部分および前記支持体の前記遠位部分は互いに同一平面上にある、請求項1に記載のスネア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年3月4日に出願された発明者Eric D.Mathewsらによる米国仮特許出願第63/156,411号に基づく利益を米国特許法第119条の下で主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にスネア装置に関し、より詳細には、新規なスネア装置に関する。
【背景技術】
【0003】
限られた空間内に位置する物体を把持し、回収し、および/または操作することが望ましい場合がある多くの状況が存在する。例えば、医学の分野、特に低侵襲手術の分野では、場合によっては、血管などの体腔内の物体または成長物を把持し、回収し、および/または操作することが望ましい場合がある。この目的のために、いくつかの異なるタイプのスネア装置が考案されている。
【0004】
1つの一般的なタイプのスネア装置はワイヤを備え、ワイヤは通常、形状記憶材料で作製され、それ自体に固定されて拡張状態と折り畳まれた状態との間で可逆的に変形可能な遠位ループを形成する。前述のワイヤは、典型的にはカテーテルと組み合わせて使用され、カテーテルは、その折り畳まれた状態にある間に遠位ループを摺動可能に挿入することができる管腔を含む。ワイヤがカテーテルに対して遠位に移動すると、カテーテルを越えて遠位に現れる遠位ループの部分は、その折り畳まれた状態から拡張された状態に開く。(一般に「グースネックスネア」と呼ばれるいくつかのスネアでは、ループはカテーテルの管腔に対して垂直に配向されている。)逆に、ワイヤがカテーテルに対して近位に移動すると、カテーテル内に引き込まれる遠位ループの部分は、その拡張状態からその折り畳まれた状態に閉じる。その結果、スネア装置は、遠位ループが物体を緩く取り囲むようにカテーテルに対して遠位にワイヤを配置し、次いで遠位ループが物体の周りで締め付けられるまでカテーテルに対して近位にワイヤを移動させることによって、物体を捕捉するために使用することができる。
【0005】
前述のタイプのスネア装置の一例は、1992年12月15日に発行され、参照により本明細書に組み込まれる、発明者Amplatzらによる特許文献1に開示されている。より具体的には、この特許は、細長い近位部材と、近位部材の遠位端に隣接して担持された遠位セグメントとを有するスネアを開示している。遠位セグメントは、近位部材の隣接部分に対してある角度で配向されたループの形状である。近位部材は、望ましくは、遠位セグメントを形成するワイヤの2つのセグメントを含み、これらは互いに接合されてもよい。外部シースも、カテーテルとの摩擦を低減するために、この一体化されたワイヤ構造の周りで担持されてもよい。ワイヤは、超弾性ニッケルチタン合金などの形状記憶材料で形成される。材料の超弾性形状記憶特性により、遠位セグメントを画定するワイヤセグメントは、カテーテルの管腔を通過し、カテーテルの遠位先端から出たときに元の拘束されていない構成に自動的に開くように、互いに真っ直ぐにされ弾性変形構成へと折り畳まれることが可能になる。
【0006】
前述のタイプのスネア装置の欠点は、遠位ループが、カテーテルの遠位端を完全に越えて配置されると、ループサイズが固定されることである。したがって、様々な異なるループサイズを有することが望まれる場合、複数の異なるサイズのスネア装置を有さなければならない。さらに、別の欠点は、ループを物体の周りに締め付けるためにカテーテルをループ状ワイヤ上に挿入しなければならないため、カテーテルが装置に径方向サイズを追加し、ワイヤの直径と比較して装置の全直径を比較的大きくすることである。これは、必要な侵入部位よりも大きくなり、それによって過剰な出血および/または血腫などの合併症を引き起こす可能性があるため、望ましくない。さらに、さらに別の欠点は、ループをカテーテル内に引き戻す(またはループ上でカテーテルを前進させる)とき、ループは予測不可能な方法で閉じるまたは折り畳まれる傾向があり、ループ角度はカテーテルに入るにつれて変化し、把持されている物体がループから逃げることが多いことである。
【0007】
別の一般的な種類のスネア装置は、ワイヤとカテーテルとを備え、ワイヤの一端はカテーテルの遠位端の外側に固定され、ワイヤの他端はカテーテルを近位に貫通してカテーテルの近位端から延出し、ワイヤの一部はカテーテルから遠位に延出してループを形成する。ループのサイズは、例えば、ループのサイズを大きくするためにカテーテルに対して遠位にワイヤを押すことによって、またはループのサイズを小さくするためにカテーテルに対して近位にワイヤを引っ張ることによって調整することができる。したがって、スネア装置は、ループが拡張するようにカテーテルに対して遠位にワイヤを押し、拡張されたループが物体を緩く取り囲むように拡張されたループを位置決めし、次いでループが物体の周りで締め付けられるまでカテーテルに対して近位にワイヤを引っ張ることによって、物体を捕捉するために使用することができる。
【0008】
前述のタイプのスネア装置の一例は、1995年2月7日に発行された発明者Rappeの特許文献2に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。より具体的には、この特許は、血管系のものなどの血管内から血管閉塞コイルまたは要素などの異物を回収するための装置を開示しており、この装置は、管状部材と、管状部材を通って軸方向に延在し、その遠位端が管状部材の遠位端から延出し、ループバックされ、管状部材の遠位端に固定されてループを形成する可撓性ワイヤとを含み、ループは、管状部材に対するワイヤの軸方向移動によってサイズを調整することができ、異物を捕捉し、血管から除去するために使用することができる。
【0009】
前述のタイプのスネア装置の欠点は、ワイヤをカテーテルに取り付ける方法、すなわち、ワイヤの遠位端をカテーテルの外部(または内部)に固定することによって、特に遠位端で装置全体の直径が大きくなることである。遠位端に大きな直径を有することは、細い血管での使用には望ましくない。
【0010】
したがって、要約すると、スネアは、血管内の物体を捕捉し回収するためにしばしば使用される。これらの物体は、広範囲の形状およびサイズを有する。それらが収容されている動脈、静脈または心腔もまた、物体に到達するために横断しなければならない血管内経路と同様に、形状およびサイズがかなり異なる。ガイドカテーテルまたはガイドシースは、多くの場合、スネアを捕捉する物体の近くに送達し、スネアループが物体に接近すると方向操作を補助するために使用される。典型的なグースネックスネアでは、遠位ループは完全に開かれ、ループは物体の把持可能部分にわたって操作され、ループは閉じられる。ループのサイズを調整できないと、物体を把持するためにとることができるオプション(スネアおよび/またはガイドカテーテルまたはガイドシースの前進、後退および回転)の組み合わせが制限される。さらに、臨床医は、物体を捕捉するための理想的なループサイズを知らない可能性があり、たとえ知っていたとしても、または一度知ったとしても、臨床医は、好ましい直径ではないスネアを使用しなければならない可能性がある。視点を提供するために、スネアは大きなアイテムではなく、ある会社によって製造されたグースネックスネアは、10個の異なるループ径で販売されている。この製品を備える介入ユニットは、3つ以上またはおそらく4つ以上の異なるループ直径を保持する可能性は低い。さらに、0.014インチ以下の直径を有するスネアなど、非常に小さい全体直径を有するスネアも必要とされている。そのようなスネアは、例えば、冠動脈、脳または他の小血管内のステントを回収するのに有用であり得る。
【0011】
参考となる可能性のある他の文書は、2006年6月6日に発行された、発明者Pierceによる特許文献3、2003年11月25日に発行された、発明者Mathewsらによる特許文献4、2003年9月16日に発行された発明者Dretlerらによる特許文献5、2003年4月29日に発行された発明者Heuserらによる特許文献6、2002年12月31日に発行された、発明者Mathewsらによる特許文献7、2002年5月21日に発行された発明者Tanakaらによる特許文献8、2000年6月13日に発行された、発明者Mouriらによる特許文献9、1996年9月3日に発行された、発明者Sepetkaらによる特許文献10、1996年6月4日に発行された、発明者Gravesらによる特許文献11、2020年1月9日に公開された、発明者Powerによる特許文献12、2009年8月20日に公開された、発明者Mathewsらによる特許文献13、2008年9月18日に公開された、発明者DeMelloらによる特許文献14、および2006年10月12日に公開された発明者Abramsらによる特許文献15を含むことができ、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、新規なスネア装置を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、既存のスネア装置に関連する欠点の少なくともいくつかを克服する上記のスネア装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、製造が容易であり、使用が容易であり、部品の数が最小限である上記のスネア装置を提供することである。
【0015】
したがって、本発明の一態様によれば、スネア装置が提供され、スネア装置は、(a)支持体であって、近位端で終端する近位部分と、遠位端で終端する遠位部分と、管腔とを備え、管腔は近位端から遠位に延びる、支持体と、(b)可撓性であり、近位部分および遠位部分を備えるコアワイヤであって、コアワイヤの遠位部分および支持体の遠位部分は相補的に成形され、互いに固定的に嵌合され、コアワイヤは、支持体の前記遠位端から離れるように延びるループを形成し、コアワイヤは、管腔を通過し、支持体の近位端から現れる、コアワイヤと、を備える。
【0016】
本発明のより詳細な特徴では、支持体の遠位部分およびコアワイヤの遠位部分は、相補的に寸法決めされた螺旋構造であってもよい。
【0017】
本発明のより詳細な特徴において、支持体の管腔は、長手方向軸を有してもよく、ループは、概して長手方向軸に沿って延びてもよい。
【0018】
本発明のより詳細な特徴において、支持体の管腔は、長手方向軸を有してもよく、ループは、長手方向軸に対してほぼ垂直に延びてもよい。
【0019】
本発明のより詳細な特徴では、支持体の管腔は、支持体の近位端から支持体の遠位端まで延びてもよく、コアワイヤは、支持体の遠位端を通過してもよい。
【0020】
本発明のより詳細な特徴において、支持体は、側面開口部を有してもよく、コアワイヤは、側面開口部を通過してもよい。
【0021】
本発明のより詳細な特徴では、支持体はコイルを備えてもよく、コイルは、密接に離間した巻回部を有する近位部分と、離間した巻回部を有する遠位部分とを備えてもよい。
【0022】
本発明のより詳細な特徴において、支持体は、コイルおよびハイポ管を備えてもよく、コイルは、ハイポ管の遠位部分に取り付けられてもよい。
【0023】
本発明のより詳細な特徴では、スネア装置はハンドルをさらに備えてもよく、コアワイヤの近位部分はハンドルに結合されてもよい。
【0024】
本発明のより詳細な特徴では、スネア装置はスリーブをさらに備えてもよく、スリーブは支持体の周りに同軸に配置されてもよい。
【0025】
本発明のより詳細な特徴では、スネア装置は管をさらに備えてもよく、管は支持体内に同軸に配置されてもよい。
【0026】
本発明のより詳細な特徴では、スネア装置は、放射線不透過性コイルをさらに備えてもよく、放射線不透過性コイルは、コアワイヤの周りに同軸に取り付けられてもよい。
【0027】
本発明のより詳細な特徴では、コアワイヤは単一のフィラメントから構成されてもよい。
【0028】
本発明のより詳細な特徴では、コアワイヤは、放射線不透過性ワイヤを同軸に取り囲む延伸充填管を備えることができる。
【0029】
本発明のより詳細な特徴では、コアワイヤは、延伸充填管の近位部分を同軸に取り囲む管をさらに備えることができる。
【0030】
本発明のより詳細な特徴では、コアワイヤは、ワイヤケーブルおよび管を備えることができ、管は、ワイヤケーブルの近位部分を同軸に取り囲むことができる。
【0031】
本発明のより詳細な特徴では、スネア装置は、コアワイヤ上に同軸に取り付けられた2つの放射線不透過性コイルをさらに備えてもよく、2つの放射線不透過性コイルのうちの第1のコイルは、コアワイヤ上により近位に配置されてもよく、管腔の直径よりも小さい外径を有してもよく、2つの放射線不透過性コイルのうちの第2のコイルは、コアワイヤ上により遠位に配置されてもよく、管腔の直径よりも大きい外径を有してもよい。
【0032】
本発明のより詳細な特徴では、ループは、支持体の近位端に対してコアワイヤの近位端を移動させることによってサイズを調整することができる。
【0033】
本発明のより詳細な特徴において、コアワイヤの遠位部分および支持体の遠位部分は、互いに同一平面上にあってもよい。
【0034】
本発明はまた、本発明のスネア装置を製造および使用する方法に関する。
【0035】
本明細書および特許請求の範囲の目的のために、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「前部(front)」、および「後部(rear)」のような様々な関係用語を使用して、本発明が所与の向きに配置されるか、または所与の向きから見られるときの本発明を説明することができる。本発明の向きを変更することによって、特定の関係用語をそれに応じて調整する必要があり得ることを理解されたい。
【0036】
本発明のさらなる目的、ならびに特徴および利点は、一部は以下の説明に記載され、一部は説明から明らかになるか、または本発明の実施によって習得され得る。本明細書では、その一部を形成し、本発明を実施するための様々な実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分に詳細に説明され、他の実施形態が利用されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造的変更が行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最もよく定義される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の様々な実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。これらの図面は、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、特定の構成要素は、説明の目的のために、より小さい寸法および/またはより大きい寸法を有してもよい。図面において、同様の参照番号は同様の部分を表す。
図1A】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第1の実施形態の部分斜視図であり、スネア装置は、ループが比較的収縮した状態で示されている。
図1B】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第1の実施形態の部分斜視図であり、スネア装置は、ループが比較的拡張した状態で示されている。
図1C図1Aのスネア装置の支持体およびコアワイヤを示す部分側面図であり、支持体およびコアワイヤは分解されて示されており、コアワイヤはループされずに示されている。
図2A】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第2の実施形態の部分断面斜視図であり、スネア装置は、ループが比較的収縮した状態で示されている。
図2B】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第2の実施形態の部分断面斜視図であり、スネア装置は、ループが比較的拡張した状態で示されている。
図3A図2Aに示す支持体と図2Bに示すものの代替的な支持体とスリーブとの組み合わせの断片的な、部分的に分解された側面図である。
図3B図2Aに示す支持体と図2Bに示すものの代替的な支持体とスリーブとの組み合わせの断片的な、部分的に分解された簡略断面図である。
図4】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第3の実施形態の部分側面図であり、一部が断面であり、一部が破断されている。
図5】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第4の実施形態の部分側面図であり、一部が断面である。
図6】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第5の実施形態の部分分解斜視図である。
図7】コアワイヤの代替的な実施形態の部分分解斜視図である。
図8A】本発明の教示によるスネア装置を組み立てる方法の一実施形態を示す一連の図である。
図8B】本発明の教示によるスネア装置を組み立てる方法の一実施形態を示す一連の図である。
図8C】本発明の教示によるスネア装置を組み立てる方法の一実施形態を示す一連の図である。
図9A】本発明の教示による、1つまたは複数の放射線不透過性コイルをコアワイヤ上に取り付けるための方法の一実施形態を示す一連の図である。
図9B】本発明の教示による、1つまたは複数の放射線不透過性コイルをコアワイヤ上に取り付けるための方法の一実施形態を示す一連の図である。
図10A】本発明の教示による、1つまたは複数の放射線不透過性コイルをコアワイヤ上に取り付けるための方法の別の実施形態を示す一連の図である。
図10B】本発明の教示による、1つまたは複数の放射線不透過性コイルをコアワイヤ上に取り付けるための方法の別の実施形態を示す一連の図である。
図11】本発明の教示に従って構成されたスネア装置の第6の実施形態の斜視図である。
図12A】固定されたガイドワイヤとして使用するための本発明によるスネア装置の使用を示す、一部断面の簡略化された部分図である。
図12B】固定されたガイドワイヤとして使用するための本発明によるスネア装置の使用を示す、一部断面の簡略化された部分図である。
図12C】固定されたガイドワイヤとして使用するための本発明によるスネア装置の使用を示す、一部断面の簡略化された部分図である。
図12D】固定されたガイドワイヤとして使用するための本発明によるスネア装置の使用を示す、一部断面の簡略化された部分図である。
図12E】固定されたガイドワイヤとして使用するための本発明によるスネア装置の使用を示す、一部断面の簡略化された部分図である。
図13】本発明のスネア装置の様々な例示的な設計オプションおよび寸法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、空間内の物体を回収および/または操作するためのスネア装置に関し、空間は、例えば、小さい蛇行した血管構造からより大きな血管、器官、空洞などまでのサイズの範囲の体腔である。少なくともいくつかの実施形態では、スネア装置は、支持体およびコアワイヤを備えることができる。より具体的には、少なくともいくつかの実施形態では、支持体の少なくとも一部は中空であってもよく、コアワイヤの第1の部分は、例えば、1つまたは複数の相補的なまたは嵌合する特徴または構造を使用して、支持体の遠位端に接合されてもよく、コアワイヤの第2の部分は、支持体から延びてもよく、コアワイヤの第3の部分は、支持体内に延び、支持体に対してスライドするように適合されてもよく、それによってコアワイヤは、支持体から延びるループ構造を形成してもよく、ループ構造のサイズは、コアワイヤを支持体に対してスライドさせることによって調整される。
【0039】
少なくともいくつかの実施形態では、支持体の遠位端は、管状部材を含むことができ、管状部材の壁に角度スロットをさらに含むことができ、この角度スロットは、角度スロットがかなりの角度回転を横切る場合にらせん状に見える可能性がある。コアワイヤの遠位端は、支持体の角スロットと嵌合する形状に形成されてもよい。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、支持体の遠位端およびコアワイヤの遠位端は、相補的または嵌合する螺旋として成形されてもよい。支持体とコアワイヤとは、支持体とコアワイヤとの間にマンドレルを挿入することと、コアワイヤの螺旋状端部を支持体内に回転させることを含むプロセスで互いに接合されてもよい。好ましくは、コアワイヤの遠位端は、支持体の遠位端内にほぼ収まるようなサイズであってもよい。コアワイヤは、遠位端に開いた管腔を残して、支持体に組み立てられて接合されてもよい。コアワイヤの近位端は、支持体の遠位端または支持体の側面開口部に導入され、次いで支持体の近位端を出るまで支持体の管腔を通過することができる。このように、コアワイヤを近位側に引っ張ることにより、ループを小さくすることができ、逆に、コアワイヤを遠位側に押し込むことでループを大きくしてもよい。コアワイヤおよび支持体のサイズ比は、装置全体の直径を、現在入手可能な最小のスネアレトリトリーバと同程度、場合によってはそれよりも小さくできる可能性がある。より大きなサイズの装置の場合、必要に応じてコアワイヤをより堅牢にすることができる。
【0040】
少なくともいくつかの実施形態では、支持体は、例えば金属コイルであってもよいコイルを備えてもよく、支持コイルは、その遠位端に短い伸張部を有してもよい。支持コイルは、例えば、MRIに安全な304ステンレス鋼、MP35N(ニッケルコバルト合金)、およびCo/Cr合金を含む典型的なコイル化ワイヤ材料で作製することができる。支持コイルは、円形ワイヤまたは矩形フラットワイヤを含むことができる。
【0041】
少なくともいくつかの実施形態では、支持コイルの外側の周りにスリーブを配置することができ、スリーブは、支持コイルを支持し、支持コイルが伸びたりゆがんだりするのを防止しながら、ある程度の可撓性を保持するのに役立つ。コイルの周りに配置されるスリーブは、例えば、ナイロン(ポリアミド)、PEBAX(ポリエーテルブロックアミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの材料で形成されてもよい。支持コイルの外側の周りに配置される代わりに、スリーブは支持コイル内に配置されてもよい。(あるいは、第1のスリーブが支持コイルの外側の周りに配置され、第2のスリーブが支持コイルの内側に沿って配置されてもよい。)そのようなスリーブは、例えば、PI(ポリイミド)またはナイロン(ポリアミド)管を含むことができ、この管はまた、その内面上をPTFEまたは他の潤滑性材料でコーティングされてもよい。別の実施形態では、スリーブは、伸長を最小限に抑えながら曲げを可能にするのに十分な可撓性を維持するように支持コイルのコイルを橋渡しする注入接着剤によって形成することができる。
【0042】
少なくともいくつかの実施形態では、支持体は、1つまたは複数のコイル状部材から形成されなくてもよい管または同様の構造を備えてもよい。例えば、限定はしないが、304ステンレス鋼、Co/Cr合金、およびニチノール(ニッケル-チタン合金)などの材料を含む金属管は、その遠位端に螺旋スロットを含むように変更することができる。可撓性を付加するために、管は、必要に応じて可変的に溝をつけられてもよい。プラスチック複合管も支持体に使用することができ、PI、PEBAX、PET、およびPTFEのような材料を使用することができ、および/または金属製の編組またはコイルと組み合わせることができる。支持管の遠位端は、螺旋状のコアワイヤを受け入れるように変更することができるが、そのような変更は、現在利用可能で周知の方法および材料によって容易に達成することができる。
【0043】
少なくともいくつかの実施形態では、コアワイヤは、単一のワイヤを備えてもよく、あるいはワイヤおよび/または管の組み合わせを備えてもよい。単一ワイヤの実施形態の例として、超弾性材料ニチノールを使用することができる。コアワイヤの遠位端は、研削によって直径が縮小され、次いで、フォームツールおよび熱を使用して所望の螺旋または他の嵌合形状に設定することができる。狭い曲げ半径を有する螺旋の場合、ニチノールワイヤは、標準的な方法に従って剛性を低減するために熱処理またはアニーリングされてもよい。遠位螺旋に隣接して、ニチノールワイヤを所望のループ形状に形成することができる。例えば、グースネックスネアと同様の方法で、コアワイヤは、支持体の軸に対してある程度垂直に存在するループに形成されてもよい。より近位には、コアワイヤはより大きな直径を有することができ、これは、捕捉および把持のためのループのサイズを変更するためにコアワイヤを前進および後退させるのに有用であり得る。
【0044】
少なくともいくつかの実施形態では、コアワイヤは、いくつかの材料および/または構造を含むことができる。例えば、コアワイヤは、より小さい直径のワイヤを含んでもよく、このワイヤは、ニチノールなどから作製されてもよく、またはニチノールなどを含んでもよく、支持体の螺旋部分と嵌合するようなサイズおよび形状にされてもよい。さらに、コアワイヤはまた、より大きな直径の管を含むことができ、この管は、コアワイヤの押し引きを容易にするために、より小さな直径の線を取り囲んでこれに取り付けることができる。小径ワイヤは、それ自体、材料および/または構造の複合体であってもよい。例えば、小径ワイヤは、X線不透過性コア(例えば、フォートウェインメタルズDFT(登録商標)ワイヤ)で満たされたニチノール管を含むことができ、把持ループをX線透視下で見ることを可能にすることができる。小径ワイヤを取り囲む大径管は、ニチノール、ステンレス鋼、およびポリマー/金属複合材のうちの1つまたは複数を含むことができ、ポリマー/金属複合材は、PI、PEBAX、ナイロン、PTFE、金属編組、または金属コイルの組み合わせを含むことができる。
【0045】
任意選択的に、スネア装置は、コアワイヤによって形成された把持ループの周りに配置された比較的小さいコイルをさらに備えてもよい。上述の小さいコイルは、例えば、様々な白金、パラジウムまたはタングステン合金などの放射線不透過性材料を含むことができ、これはX線透視下でループを見るのを容易にするのに役立ち得る。この小さいコイルの外径は、好ましくは、それが支持体の管腔内に嵌合することを可能にするようなサイズである。
【0046】
任意選択的に、スネア装置は、追加的または代替的に、コアワイヤを取り囲むことができ、かつコアワイヤの螺旋状部分のすぐ近位に配置することができる追加のコイルまたは管状部材を備えることができ、この追加のコイルまたは管状部材の直径は、支持体の管腔よりも大きくなるようなサイズとされる。このようにして、上述の追加のコイルまたは管状部材は、どの程度の量のコアワイヤを支持体の管腔に導入することができるかを制限することができ、そうすることで、ループ内の角曲げのきつさを制限することができる。ニチノールループの非常にきつい角曲げは、特に数サイクルの急な曲げがループに加えられた場合にワイヤ破断をもたらす可能性がある。上述した追加のコイルまたは管状部材は、上述したものと同じまたは同様の材料で形成することができる。
【0047】
上記で示唆したように、少なくともいくつかの実施形態では、ループを形成するために使用されるコアワイヤは、支持体の遠位端の開口部を通して近位に提供されてもよい。代替的な実施形態では、ループを形成するために使用されるコアワイヤは、支持体の側面開口部を通して近位に提供されてもよい。この配置は、装置の遠位外径を増加させるので最適ではない可能性があるが、そのような配置は、コアワイヤに必要な角曲げの程度を低減するという安全上の利点を有することができ、コアワイヤ破断のリスクを低減する。さらに、そのような配置により把持形状が変更されることになり得、これは、いくつかの解剖学的構成にとって好ましい可能性がある。
【0048】
コアワイヤの近位端は、ループを形成するコアワイヤの部分を選択的に前進または後退させるためのハンドルとして機能することができる。その近位端でのコアワイヤの直径は、支持体と同じ直径まで増加させることができ、それによって、コアワイヤをどの程度まで挿入することができるか、したがってループをどの程度延長または成形することができるかを制限するのに役立つ。コアワイヤの近位端が支持体の直径以下に維持される場合、装置は、追加的または代替的に、案内装置またはガイドワイヤとして使用されてもよい。
【0049】
本発明のスネア装置の別の可能な用途は、固定装置としてであってもよい。例えば、スネア装置は、ガイディングカテーテルを通って前進し、血管内に配置されてもよく、その後、ループは血管内で血管内径よりも大きいサイズに拡大されてもよい。好ましくは、ループは、支持体の近位端に張力が加えられたときにループが抵抗をもたらすように近位鋭角に配置される。このように展開されると、スネア装置は、ガイディングカテーテルに足がかり支持を提供することができ、それによって、他の装置が前進するときに、小孔から飛び出す代わりに、所定の位置に留まることを可能にする。あるいは、スネア装置は、固定具として展開されると、治療カテーテルを前進させることができる、確実に位置決めされたレールを提供することができる。
【0050】
ここで図1A図1Cを参照すると、比較的より収縮した状態および比較的より拡張した状態のそれぞれのスネア装置の第1の実施形態の部分斜視図が示されており、スネア装置は、本発明の教示に従って構成され、全体として参照番号11で表されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではないスネア装置11の詳細は、図1A図1Cの1つまたは複数から、および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図1A図1Cの1つまたは複数に示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0051】
スネア装置11は、支持体13、コアワイヤ15、およびハンドル17を備えることができる。
【0052】
支持体13は、略円筒形状の一体型(すなわち、1つの)中空部材であってもよく、近位端19、遠位端21、および管腔23を含んでもよく、管腔23は、近位端19と遠位端21との間に略長手方向に延びてもよい。本実施形態では、支持体13は、複数の巻回部を有するコイル状フィラメントを備えることができる。支持体13の近位端19にありおよび支持体13の長さの大部分に沿った巻回部25は、直接近位および遠位の巻回部25と接触していてもよく、または比較的密接に離間していてもよい。しかしながら、以下に説明する理由から、支持体13の遠位端21の近くの巻回部26は、短い延伸を有することができ、すなわち、比較的大きな距離だけ互いに離間することができる。
【0053】
本実施形態では、支持体13は、例えば、金属コイルであってもよく、例えば、MRIに安全な304ステンレス鋼、MP35N(ニッケルコバルト合金)、およびCo/Cr合金を含む典型的なコイル化ワイヤ材料で作製することができる。支持体13を形成するために使用されるコイル状ワイヤは、例えば、円形ワイヤまたは矩形フラットワイヤを含む様々な異なる形状のワイヤのいずれかから選択することができる。
【0054】
コアワイヤ15は、単一(すなわち、ひとつ)の中実部材であってもよく、近位部分31、遠位部分33、および中間部分35を含んでもよい。本実施形態では、コアワイヤ15は、ニチノール等の形状記憶材料で構成されていてもよい。近位部分31は、ハンドル17に固定的に結合されてもよい。遠位部分33は、支持体13に固定的に結合されてもよい。より具体的には、本実施形態では、遠位部分33は、複数の巻回部37を有するコイルの形状であってもよい。好ましくは、遠位部分33のコイル構造は、支持体13の内径と実質的に一致する内径を有し、支持体13の外径と実質的に一致する外径を有する。加えて、支持体13を形成するために使用されるワイヤのフィラメント直径およびコアワイヤ15のフィラメント直径は実質的に等しく、遠位部分33の巻回部37は、好ましくは、遠位部分33の巻回部26が支持体13の遠位端21に近接する巻回部26と嵌合して接合され得るように、支持体13の巻回部37と実質的に同じピッチだけ互いに離間している。コアワイヤ15と支持体13との嵌合は、巻回部37および巻回部26を互いにねじ止めすることによって達成することができる。
【0055】
コアワイヤ15の中間部分35は、支持体13を通って引き込まれることにより、支持体13を越えて遠位に延びることができる遠位ループ状部分41と、支持体13内でほぼ同軸に延びることができる比較的真っ直ぐな近位部分43とを形成することができる。本実施形態では、ループ状部分41は、ループ状部分41の拡大が支持体13の長手方向軸にほぼ平行になるように配向されてもよい。
【0056】
図1Cに最もよく見られるように、コアワイヤ15の遠位部分33およびコアワイヤ15の中間部分35は、比較的小さいフィラメント直径を有することができ、これはより大きな可撓性を提供することができ、一方、コアワイヤ15の近位部分31は、比較的大きいフィラメント直径を有することができ、これは押圧中の屈曲に抵抗するのに役立つことができる。
【0057】
ハンドル17を使用して、コアワイヤ15を支持体13に対して近位および遠位に選択的に移動させることができる。図1Aに見られるように、コアワイヤ15が支持体13に対してより近位の位置にあるとき、ループ状部分41はより収縮した状態にあり得る(すなわち、ループ状部分41は、比較的小さいサイズを有することができる)。対照的に、図1Bに見られるように、コアワイヤ15が支持体13に対してより遠位の位置にあるとき、ループ状部分41はより拡張した状態にあり得る(すなわち、ループ状部分41は、比較的大きいサイズを有することができる)。したがって、スネア装置11を使用して、スネア装置11を物体の近くの空間内に配置し、コアワイヤ15を支持体13に対して遠位に移動させてループ状部分41で物体を取り囲み、次いで、コアワイヤ15を支持体13に対して近位に後退させてループ状部分41を物体の周りに締め付けることによって物体を捕捉することができる。
【0058】
多くの従来のスネア装置に対するスネア装置11の利点の1つは、スネア装置11の遠位端の全直径を比較的小さく保つことができることである。これは、部分的には、コアワイヤ15の遠位端が支持体13と交わることによって支持体13に固定され得るためである。そのような配置は、コアワイヤの遠位端を支持体の内部または外部に固定する必要性、または支持体内のコアワイヤの少なくとも一部を折り畳む必要性を排除し、これらはすべて装置に半径方向サイズを追加するものである。スネア装置11の別の利点は、支持体13の螺旋構造とコアワイヤ15との嵌合がこれらの2つの構成要素間の非常に強力な取り付けを促進し、それによってそれらの間の取り外しの危険性を最小限に抑えることである。
【0059】
ここで図2Aおよび図2Bを参照すると、比較的より収縮した状態および比較的より拡張した状態のそれぞれのスネア装置の第2の実施形態の部分断面斜視図が示されており、スネア装置は、本発明の教示に従って構成され、全体として参照番号111で表されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではないスネア装置111の詳細は、図2Aおよび図2Bのうちの1つまたは複数から、および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図2Aおよび図2Bのうちの1つまたは複数に示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0060】
スネア装置111は、特定の点でスネア装置11と同様であってもよい。例えば、スネア装置111は、支持体13と同様または同一であり得る支持体113を備えることができ、ハンドル17と同様または同一であり得るハンドル117も備えることができる。(本実施形態では、複数の長手方向外側リブ119を有するハンドル117が示されている。)
【0061】
スネア装置111はまた、コアワイヤ121を備えてもよい。コアワイヤ121は、多くの点でコアワイヤ15と同様であってもよく、2つのコアワイヤの違いの1つは、コアワイヤ121が、支持体113の長手方向軸に対してほぼ垂直に延びることができるループ状部分123を含むように成形され得るのに対して、コアワイヤ15は、支持体13の長手方向軸にほぼ沿って延びることができるループ状部分41を含むように成形され得ることである。
【0062】
スネア装置111は、スリーブ131をさらに備えることができる。ナイロン、PREBAX、PET、PTFEなどのポリマーで作製された一体型の(すなわち、ひとつの)管状部材であってもよいスリーブ131は、支持体113の周りに同軸にぴったりと配置されてもよい。支持体113の周りで熱収縮または別様に圧縮され得るスリーブ131を使用して、支持体113にある程度の可撓性を提供しながら、支持体113が伸びたりゆがんだりするのを防止することができる。スリーブ131は透明であってもよいが、そうである必要はない。また、スリーブ131をスネア装置11に使用することができることを理解されたい。
【0063】
スネア装置111は、スネア装置11とほぼ同様の方法で使用することができる。ループ状部分123の形状のために、スネア装置111は、グースネックスネアが望まれる多くの種類の用途に使用することができる。
【0064】
スネア装置111では、スリーブ131は支持体113の外側の周りに配置されているが、追加的または代替的に、支持体113内に配置され得る他のタイプのスリーブが使用されてもよいことを理解されたい。例えば、図3Aおよび図3Bを参照すると、スネア装置111に示されているものに対する支持体とスリーブとの代替的な組み合わせの様々な図が示されており、組み合わせは全体として参照番号161で表されている。
【0065】
組み合わせ161は、支持体163およびスリーブ165を含むことができる。支持体163は、支持体113と同一であってもよい。スリーブ165は、支持体163内にぴったりと嵌合するように寸法決めされた一体型の(すなわち、ひとつの)管状部材であってもよい。スリーブ165は、ポリイミドなどのポリマー材料で作製されてもよく、その内面上にPTFEなどの潤滑性コーティングを有してもよい。接着剤167を使用して、スリーブ165を支持体163内に固定することができる。
【0066】
組み合わせ161は、支持体13の代わりにスネア装置11で使用されてもよいことを理解されたい。
【0067】
スリーブ131および/または165を使用する代わりに、支持体113および163の隣接する巻回部を接着するために接着剤を使用することができ、それによって伸びまたはゆがみの発生を最小限に抑えることができる。
【0068】
ここで図4を参照すると、スネア装置の第3の実施形態の部分断面図が部分的に断面および破断されて示されており、スネア装置は、本発明の教示に従って構成され、全体として参照番号211で表されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではないスネア装置211の詳細は、図4および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図4に示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0069】
スネア装置211は、特定の点でスネア装置11と同様であってもよい。例えば、スネア装置211は、コアワイヤ215と同様または同一であり得るコアワイヤ15を備えることができ、ハンドル17と同様または同一であり得る、コアワイヤ215の近位端に結合されたハンドル(図示せず)も備えることができる。
【0070】
スネア装置211はまた、支持体221を備えてもよい。支持体221は、次に、近位部材223および遠位部材225を備えることができる。支持体221の近位部材223は、一体型の(すなわち、ひとつの)管状構造を備えてもよく、本実施形態では、例えば、ステンレス鋼ハイポ管であってもよい。近位部材223は、近位部分227、遠位部分229、および中間部分231を含むように成形することができる。近位部分227は、比較的大きな直径の中空円筒構造であってもよく、遠位部分229は、比較的小さな直径の中空円筒構造であってもよく、中間部分231は、その直径が近位部分227から遠位部分229に向かって先細になる中空構造であってもよい。近位部分227の側面に開口部233を設けることができ、開口部233は、コアワイヤ215が自由に通過することを可能にするように寸法決めされる。
【0071】
支持体221の遠位部材225は、略円筒形状の一体型(すなわち、ひとつの)中空構造を備えることができる。より具体的には、遠位部材225は、複数の巻回部235を有するコイル状フィラメントを備えることができる。本実施形態では、遠位部材225は、例えば、ステンレス鋼ワイヤから作製されていてもよい。遠位部材225の巻回部235の少なくともいくつかは、スネア装置11に関連して上述したものと同様の方法で、コアワイヤ215の遠位端に位置する巻回部239と嵌合し、それに接合されるように適切に離間されてもよい。支持体221の遠位部材225は、支持体221の近位部材223上に同軸に挿入され、それに固定して固定されてもよい。好ましくは、近位部材223および遠位部材225の外径は同様である。
【0072】
スネア装置211は、スネア装置11とほぼ同様の方法で使用することができる。
【0073】
スネア装置211の利点の1つは、スネア装置11と比較して、コアワイヤ215が開口部233を通って支持体221内に提供されるという事実により、支持体221の遠位端を通って提供される場合と比較して、コアワイヤ215に必要とされ得る角曲げの程度を低減することができ、それによってコアワイヤ破断のリスクを低減することができることである(この破断は安全上の危険をもたらす可能性がある)。さらに、コアワイヤ215が支持体221内に提供される方法のために、スネア装置211は、スネア装置11とは異なるループ形状を有することができ、この違いは、いくつかの解剖学的構成に好ましい場合がある。一方、その構造のために、スネア装置211はスネア装置11よりも大きい外径を有することがあり、これは状況によっては望ましくない場合がある。
【0074】
ここで図5を参照すると、スネア装置の第4の実施形態の部分側面図が部分的に断面で示されており、スネア装置は、本発明の教示に従って構成され、全体として参照番号311で表されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではないスネア装置311の詳細は、図5および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図5に示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0075】
スネア装置311は、特定の点でスネア装置11と同様であってもよい。例えば、スネア装置311は、コアワイヤ315と同様または同一であり得るコアワイヤ15を備えることができ、ハンドル17と同様または同一であり得る、コアワイヤ315の近位端に結合されたハンドル(図示せず)も備えることができる。
【0076】
スネア装置311はまた、支持体321を備えてもよい。支持体321は、コイル323および管325を備えることができる。コイル323は、例えばステンレス鋼ワイヤなどのコイル状フィラメントから作製された略円筒形状の一体型の(すなわち、ひとつの)中空部材であってもよい。コイル323は、近位部分327、遠位部分329、および中間部分331を備えるように成形することができる。近位部分327は、互いに比較的近接して離間され得る複数の巻回部333を含むことができる。対照的に、遠位部分329は、互いから比較的離間して配置され得る複数の巻回部335を含むことができ、巻回部335間の間隔は、好ましくは、スネア装置11について上述したものと同様の方法で、巻回部335がコアワイヤ315の遠位端の巻回部339と嵌合して接合されることを可能にするのに十分である。中間部分331は、側部開口部341を画定するのに十分な距離だけ近位部分327および遠位部分329を離間させることができ、側部開口部341は、コアワイヤ315がそれらを自由に通過することを可能にするように寸法決めされる。
【0077】
例えば、編組マイクロカテーテルであってもよい管325は、近位部分327に支持を提供するために、支持体321の近位部分327内に同軸に挿入され、それに接合されてもよい。
【0078】
スネア装置311は、コアワイヤ315のループ状部分の少なくとも一部の上に同軸に挿入された放射線不透過性コイル351をさらに備えることができる。放射線不透過性コイル351は、コアワイヤ315のループ状部分の視覚化を容易にするために使用することができる。
【0079】
スネア装置311は、スネア装置11とほぼ同様の方法で使用することができる。
【0080】
ここで図6を参照すると、スネア装置の第5の実施形態の部分斜視図が部分的に分解されて示されており、スネア装置は、本発明の教示に従って構成され、全体として参照番号411で表されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではないスネア装置411の詳細は、図6および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図6に示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0081】
スネア装置411は、特定の点でスネア装置11と同様であってもよく、支持体413、コアワイヤ415、およびハンドル(図示せず)を備えてもよい。支持体413は、スネア装置111のスリーブ131と同様の機能を果たし得る薄い接着層419が支持体413の外部の少なくとも一部の上に適用され得ることを除いて、支持体13と同様であり得る。
【0082】
コアワイヤ415は、全体のサイズおよび形状がコアワイヤ15と同様であってもよく、複数の構成要素を備えてもよい。例えば、本実施形態では、コアワイヤ415は、ある長さの延伸充填管427および外側管429を備えることができる。延伸充填管427は、コア431およびシース433を備えることができる。コア431は、放射線不透過性材料(例えば、Pt、Pd、Ag、Au、Ta)を含むことができる。コア431を同軸に取り囲むことができるシース433は、ニチノールまたは同様の材料を含むことができる。外側管429は、延伸充填管427に剛性を付加して、押し込み中の屈曲を防止するように機能することができ、延伸充填管427の近位部分を同軸に取り囲んで結合することができる。外側管429は、ニチノール、ポリイミド、PEBAX、ナイロン、およびPTFE複合材料などの材料で作製することができる。外側管429の潤滑性を高めるために、PTFEコーティング(図示せず)を外側管の外側に適用することができる。
【0083】
スネア装置411は、スネア装置11とほぼ同様の方法で使用することができる。
【0084】
スネア装置411の利点の1つは、放射線不透過性材料をコアワイヤ自体に組み込むことによって、放射線不透過性コイルをコアワイヤの外側の周りに配置する必要がないことである。これにより、スネア装置411の遠位端の全体の直径を非常に小さく、例えば0.014インチ程度に小さくすることができる。
【0085】
ここで図7を参照すると、本発明の教示に従って構成されたコアワイヤの代替実施形態が示されており、コアワイヤは全体として参照番号511で表されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではないコアワイヤ511の詳細は、図7および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図7に示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0086】
コアワイヤ511は、コアワイヤ15、121、215、315、および415のいずれかの代わりに使用することができ、近位部材513および遠位部材515を備えることができる。近位部材513は、遠位部材515にいくらかの支持を提供することができる管を備えることができ、それによってコアワイヤ511の押し込み性を高める。遠位部材515は、ニチノールなどで作製することができるワイヤストランドまたはケーブルを備えることができる。遠位部材515の近位部分517は、近位部材513内に同軸に挿入され、近位部材内に固定的に取り付けられてもよい。遠位部材515の遠位部分は、コイル状部分519およびループ521に形成することができる。図示されていないが、放射線不透過性コイルなどがループ521の上に挿入されてもよい。
【0087】
遠位部材515のようなワイヤストランドまたはケーブルの利点のいくつかは、同じ直径の単一のワイヤと比較して、可撓性の向上(剛性の低下)、より高い耐損傷性、繰り返し屈曲下でのより良好な疲労性能である(Reedlunnら、「Superelastic shape memory alloy Cables:Part I-Isothermal tension experiments」International Journal of Solids and Structures、50:3009-3026(2013年)参照、これは参照により本明細書に組み込まれる)。
【0088】
ここで図8A図8Cを参照すると、本発明の教示によるスネア装置を組み立てる方法の一実施形態を示す一連の図が示されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではない方法の詳細は、図8A図8Cの1つまたは複数から、および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図8A図8Cに示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0089】
図8Aに見られるように、本方法は、支持体613、コアワイヤ615、およびマンドレル617を設けることによって開始することができる。支持体613は、支持体13と同様であってもよく、遠位伸長部614を有するステンレス鋼コイルを備えてもよい。コアワイヤ615は、コアワイヤ15と同様であってもよく、近位部分621、遠位部分623、および中間部分625を含むように成形されたニチノールワイヤを備えてもよい。近位部分621は、比較的大きいフィラメント直径を有することができ、遠位部分623は、比較的小さいフィラメント直径を有することができ、中間部分625は、近位部分621のフィラメント直径から遠位部分623のフィラメント直径まで着実に先細になるフィラメント直径を有することができる。遠位部分623は、例えば熱硬化によって、コイル状部分629を含むように成形することができ、コイル状部分629は、支持体613の遠位伸長部614のサイズおよび形状と相補的なサイズおよび形状を有することができる。マンドレル617は、コアワイヤ615の近位部分621の直径よりも大きくてよい直径を有する略円筒形の部材を含むことができる。
【0090】
次に、図8Bに見られるように、マンドレル617を支持体613を通して、およびコアワイヤ615のコイル状部分629を通して同軸に挿入することができ、支持体613の遠位伸長部614とコアワイヤ615のコイル状部分629とを(接着剤630を用いて)嵌合して互いに接合することができ、遠位伸長部614とコイル状部分629とが中空接合部を一緒に画定することができる。
【0091】
次に、図8Cに見られるように、マンドレル617を取り外すことができ、コアワイヤ615の近位端633を、遠位伸長部614およびコイル状部分629によって画定された中空接合部に挿入し、その後、支持体613の残りの部分を通して挿入することができる。
【0092】
上述したように、例えば、スネア装置311に関連して、コアワイヤのループ状部分の視覚化を容易にするために、コアワイヤのループ状部分の周りに1つまたは複数の放射線不透過性コイルを配置することが望ましい場合がある。ここで図9Aおよび図9Bを参照すると、本発明の教示による、1つまたは複数の放射線不透過性コイルをコアワイヤ上に取り付けるための方法の一実施形態を示す一連の図が示されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではない方法の詳細は、図9Aおよび図9Bの1つまたは複数から、および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図9Aおよび図9Bに示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0093】
図9Aに見られるように、本方法は、コアワイヤ711を設けることによって開始することができる。ニチノールなどで作製されてもよいコアワイヤ711は、比較的大きな直径の近位部分713と、比較的小さな直径の遠位部分715と、近位部分713から遠位部分715まで直径が徐々に先細になる中間部分717とを含むように成形されてもよい。第1の放射線不透過性コイル721および第2の放射線不透過性コイル723は、コアワイヤ711の遠位部分715の上に同軸に挿入されて接合されてもよく、第1の放射線不透過性コイル721は、その近位端が遠位部分715と中間部分717との界面に配置され、第2の放射線不透過性コイル723は、その近位端が第1の放射線不透過性コイル721の遠位端に当接する。第1の放射線不透過性コイル721は、密接に巻かれてもよく、近位部分713の直径に実質的に等しい外径を有してもよい。第2の放射線不透過性コイル723は、近位部分713の外径を超える外径を有してもよい。
【0094】
次に、図9Bに見られるように、本方法は、遠位部分715の最遠位部分をマンドレルの周りに巻き付け、ヒートセットしてコイル状構造を形成することができる形状設定ステップで続けることができる。
【0095】
ここで図10Aおよび図10Bを参照すると、本発明の教示による、1つまたは複数の放射線不透過性コイルをコアワイヤ上に取り付けるための方法の別の実施形態を示す一連の図が示されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではない方法の詳細は、図10Aおよび図10Bの1つまたは複数から、および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図10Aおよび図10Bに示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0096】
図10Aに見られるように、本方法は、コアワイヤ811を形状設定することによって開始することができる。より具体的には、その長さにわたって一定のフィラメント直径のニチノールワイヤを備えることができるコアワイヤ811は、マンドレル812の周りに巻き付けられ、ばねクランプ813で定位置に保持され、ヒートセットされてコイル状構造を形成することができる。
【0097】
次に、図10Bに見られるように、本方法は、第1の放射線不透過性コイル821および第2の放射線不透過性コイル823を、コアワイヤ811の直線部分の上に同軸に遠位方向にスライドさせ、コイル821および823をコアワイヤ811に接合することで続けることができる。より遠位に配置され得る第1の放射線不透過性コイル821は、比較的大きい外径を有してもよく、より近位に配置され得る第2の放射線不透過性コイル823は、比較的小さい外径を有してもよい。次に、コアワイヤ811をより押しやすくすることができる管825を、コアワイヤ811の近位部分の上に挿入して接合することができる。
【0098】
ここで図11を参照すると、スネア装置の第6の実施形態の部分斜視図が示されており、スネア装置は、本発明の教示に従って構成され、全体として参照番号911で表されている。本出願の他の箇所で論じられている、または本発明の理解にとって重要ではないスネア装置911の詳細は、図11および/または本明細書の添付の説明から省略されてもよく、または図11に示されてもよく、および/または本明細書で簡略化されて説明されてもよい。
【0099】
スネア装置911は、特定の点でスネア装置11と同様であってもよい。例えば、スネア装置911は、支持体13と同様または同一であり得る支持体913を備えることができ、コアワイヤ915と同様または同一であり得るコアワイヤ915も備えることができる。(スネア装置911は、ハンドル17と同様または同一のハンドル(図示せず)をさらに備えることができる。)
【0100】
スネア装置911は、スネア装置11が2つの放射線不透過性コイル921および923をさらに備えることができるという点ではスネア装置915とは異なってもよく、これらのコイルは、コアワイヤの上に同軸に挿入され、接着剤924でコアワイヤに接合され得る。放射線不透過性コイル921は、その外径が支持体913の内径よりも小さくなるような寸法にすることができ、それによって、放射線不透過性コイル921、ならびに放射線不透過性コイル921によって取り囲まれたコアワイヤ915の部分を支持体913の中央管腔に引き込むことができる。対照的に、放射線不透過性コイル923は、その外径が支持体913の内径よりも大きくなるような寸法にすることができる。その結果、放射線不透過性コイル923、ならびに放射線不透過性コイル923によって取り囲まれたコアワイヤ915の部分は、支持体913内に引き込まれない可能性がある。その結果、放射線不透過性コイル923は、コアワイヤ915を支持体913内に引き込むことができる程度を制限するように機能することができ、そうすることで、コアワイヤ915のループ曲げ半径931を制限するように機能することができる。これは、ループ曲げ半径931が小さくなりすぎると、特にループの拡張および収縮の数サイクル後に、コアワイヤ915が破断する可能性があるため、有利である。
【0101】
上述したように、本発明のスネア装置は、空間内の物体を捕捉するために使用することができる。本発明のスネア装置の代替的な使用は、固定ガイドワイヤとしての使用である。例えば、ここで図12A図12Eを参照すると、血管などの体腔内で固定ガイドワイヤとして使用するための本発明のスネア装置の使用が示されている。
【0102】
この目的のために、図12Aは、血管953内の所望の位置に前進しているスネア装置951を示す。見て分かるように、そのような前進中、スネア装置951のループは好ましくは収縮状態にある。図12Bでは、スネア装置951は所望の位置に配置され、そのループは血管953を押すまで拡張される。見て分かるように、ループの角度は、血管953の長手方向軸に対してほぼ垂直である。これは、図12Cに示すように、近位方向の力によってループが外れる可能性があるため、望ましくない場合がある。その結果、図12Dに示すように、わずかに近位に傾斜したループを有するスネア装置971のようなスネア装置を使用することが望ましい場合がある。このようにして、近位方向の力が加えられると、ループは血管内でより確実に固定される。理解され得るように、そのような固定は、コイルをループの周りに同軸に巻き付けることによって改善され得る。このように固定されたスネア装置971では、支持体973をガイドワイヤとして使用して、ループのすぐ近位の空間に医療器具などを送達することができる。
【0103】
本発明のスネア装置の別の潜在的な用途は、ループを使用して焼灼することであってもよい。
【0104】
ここで図13を参照すると、本発明のスネア装置の様々な例示的な設計オプションおよび寸法が示されている。
【0105】
本明細書に開示された様々なスネア装置の特徴は、様々な方法で組み合わせられることを理解されたい。
【0106】
本発明のさらなる目的、特徴、および利点を以下に記載する。
可撓性長手方向支持体は軸および管腔を画定する
支持体は制約された長さ(拡張または収縮しない)を有する
支持体は遠位端に螺旋状の間隙を含む
支持体は遠位端または近位端としての遠位端付近に開口管腔を含む
支持体は金属コイルおよびスリーブ(マストおよびステー)から構成されている
スリーブはコイルの外側または内側のいずれかでコイルに固定される
スリーブはコイルの完全性を支持する
スリーブは支持体の規定の長さを保証する
スリーブはコイルにおける所望の可撓性を可能にする
ポリマーから構成されるスリーブ
ナイロン、Pebax、PETまたはPTFEで作製された外側スリーブポリマー
内側スリーブポリマーは、内径にPTFEを含むPI管、Pebax管または複合材である
スリーブは、コイルを橋渡しするために接着剤を添加することによって形成される
支持体は管を備える
管は金属で作製されている(例えば、SS、CoCr、ニチノール)
管は可撓性を提供するために必要に応じて溝をつけられる
管は複合ポリマーで作製されている
複合体は金属(編組又はコイル)を含む
複合体は螺旋状ワイヤを受け入れるための遠位部材を含む
遠位端および近位端を有する可撓性コアワイヤであって、遠位端および近位端において支持体内に大きく制約され、支持体内を通って延びるコアワイヤ
【0107】
コアワイヤ遠位端は、実質的に同じ螺旋ピッチを有し、支持遠位端のOD/ID制約内に適合する、ループバックし、支持遠位端に嵌合し、支持遠位端に接合する螺旋形状に形成される。
超弾性金属ワイヤで作製されたコアワイヤ
ニチノールで作製されたコアワイヤ
RO材を含むニチノール管で作製されたコアワイヤ
螺旋形状の近位のコアワイヤ遠位領域は、支持軸から離れる角度で配向されたループ形状に形成されている
コアワイヤ遠位領域は、近位領域よりもプロファイルが小さい
ポリイミド/PTFEおよび/またはポリイミド/金属編組/PTFEおよび/またはナイロン/ワイヤなどの堅いポリマーまたは複合材料で作製されたコアワイヤ
一定の直径を有し、より近位に管で覆われたコアワイヤであって、管が前進性のためにコア部材を補強する役割を果たす、コアワイヤ
【0108】
支持体内径内に嵌合してスライドする外径を有する遠位コアワイヤループ領域を取り囲み、遠位コアワイヤループ領域に接合された放射線不透過性(RO)材料で作製された小型コイル。支持コイル内でより容易にスライドするために、支持コイルとは反対の巻角(例えば、支持コイルは右手巻き、ROコイルは左手巻きである)を有するROコイルを製造することが有利であろう
【0109】
第2のROコイルは、支持体の内径よりも大きい外径を有する遠位コアワイヤループを取り囲み、遠位コアワイヤループに接合され、ループサイズが小さくなりすぎず、支持体内に完全に後退しないようにループのサイズを制限する。
コアの近位端は、所望の物体を捕捉するのに適した遠位端に可変ループサイズを形成するために臨床医によって前進可能かつ後退可能である。
【0110】
コアワイヤ近位端は、コアに接合された管状カバーを有する支持体を越えて延び、コアを前進させることができる量を制限することによってループのサイズを制限する、支持体に対する停止部を提供するように配置される。
【0111】
上述した本発明の実施形態は、単なる例示であることを意図しており、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、多数の変形および修正を行うことができるものとする。例えば、上述の実施形態のうちの1つまたは複数からの特徴は、様々な順列で組み合わされてもよい。そのような変形および修正はすべて、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内にあることが意図されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】
【特許文献1】特許第5,171,233号明細書
【特許文献2】米国特許第5,387,219号明細書
【特許文献3】米国特許第7,058,456号明細書
【特許文献4】米国特許第6,652,536号明細書
【特許文献5】米国特許第6,620,172号明細書
【特許文献6】米国特許第6,554,842号明細書
【特許文献7】米国特許第6,500,185号明細書
【特許文献8】米国特許第6,391,018号明細書
【特許文献9】米国特許第6,074,378号明細書
【特許文献10】米国特許第5,551,443号明細書
【特許文献11】米国特許第5,522,819号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2020/0008926号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2009/0209987号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2008/0228209号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2006/0229638号明細書
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
【国際調査報告】