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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】閉鎖機構を有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20240220BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20240220BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20240220BHJP
   A61F 13/62 20060101ALI20240220BHJP
   A61F 13/551 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61F13/15 210
A61F13/496
A61F13/56 220
A61F13/62 110
A61F13/62 120
A61F13/551 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553455
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 US2022019078
(87)【国際公開番号】W WO2022192104
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,490
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーネ、エリザベート、ショーバー
(72)【発明者】
【氏名】メレク、ユルドゥルム
(72)【発明者】
【氏名】エカテリーナ、ポノマレンコ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア、リーゼロッテ、ベナー
(72)【発明者】
【氏名】ナタリア、ニコラエブナ、ガイコ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BB03
3B200BB09
3B200CA03
3B200CA05
3B200CA06
3B200CA08
3B200DE01
3B200DE02
3B200DE13
3B200DE14
3B200DF08
3B200DF09
(57)【要約】
実施形態は、長手方向に対向する第1の腰部領域及び第2の腰部領域と、第1の腰部領域と第2の腰部領域との間の股部領域と、を含む吸収性パンツに関する。長手方向に対向する第1の腰部パネル及び第2の腰部パネルは、第1の腰部領域及び第2の腰部領域に配置され、腰部開口部及び一対の脚部開孔部を形成するように接続されている。締結ゾーン領域が、吸収性パンツの少なくとも1つの表面上に配置されている。包装された構成では、腰部パネルのうちの少なくとも1つは、脚部開孔部のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に封止されるように、締結ゾーン領域に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性パンツ(100)であって、
トップシート(138)、バックシート(140)、及び前記トップシートと前記バックシートとの間の吸収性コア(142)を備えたシャーシ(102)と、
長手方向に対向する第1の腰部領域及び第2の腰部領域(112、114)、並びに前記第1の腰部領域と前記第2の腰部領域との間に配置された股部領域(116)と、
前記第1の腰部領域及び前記第2の腰部領域に長手方向に配置された対向する第1の腰部パネル及び第2の腰部パネル(104、108)であって、前記第1の腰部パネル及び前記第2の腰部パネルが、前記第1の腰部領域を前記第2の腰部領域と接続して、腰部開口部(128)及び一対の脚部開孔部(130)を形成する、対向する第1の腰部領域及び第2の腰部パネル(104、108)と、
前記吸収性パンツの少なくとも1つの表面上の締結ゾーン領域(200)と、
剥離テープ(202)であって、前記剥離テープの少なくとも一部分が、テープ留め構成において前記締結ゾーン領域と重なり合う関係で配置され、剥離構成において前記締結ゾーン領域から分離されて、前記重なり合う関係から剥離されるように構成されている、剥離テープ(202)と、を備え、
包装された構成では、前記腰部パネルのうちの少なくとも1つは、前記脚部開孔部のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に封止されるように、前記剥離テープの前記一部分が前記剥離構成において前記締結ゾーン領域から分離されるときに、前記締結ゾーン領域に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成されている、吸収性パンツ(100)。
【請求項2】
前記締結ゾーン領域が、少なくとも1cmの面積を含む、請求項1に記載の吸収性パンツ。
【請求項3】
前記締結ゾーン領域が、前記股部領域内の前記少なくとも1つの表面上に配置され、受容ランディング領域(400)が、前記締結ゾーン領域に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成された前記腰部パネルのうちの前記少なくとも1つの上に配置されている、請求項1又は2に記載の吸収性パンツ。
【請求項4】
前記締結ゾーン領域が、第1の不織布材料から一体的に形成された複数のフック(502)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項5】
前記第1の不織布材料が、前記バックシートとは別個であり、前記第1の不織布材料が、前記バックシートに接合されている、請求項3に記載の吸収性パンツ。
【請求項6】
前記第1の不織布材料が、前記バックシートを含む、請求項3に記載の吸収性パンツ。
【請求項7】
前記腰部パネルのうちの前記少なくとも1つが、第2の不織布材料から一体的に形成されたループを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項8】
前記剥離テープが、第3の不織布材料、フィルム、又はこれらの組み合わせを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項9】
前記剥離テープが、第1の端部において前記吸収性パンツに恒久的に接合され、第2の端部において剥離可能に接合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項10】
前記剥離テープが、テープ留め構成において前記締結ゾーン領域を覆い、剥離構成においてハンドル(211)として機能するように構成されている、請求項8に記載の吸収性パンツ。
【請求項11】
前記シャーシが、前記第1の腰部パネル及び前記第2の腰部パネルを接合して前記第1の腰部領域を前記第2の腰部領域と接続するように構成された1つ以上の脆弱シームを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項12】
前記締結ゾーン領域が、前記シャーシの後側半分上に配置され、
前記第2の腰部領域が、前記シャーシの前記後側半分上に配置され、
前記包装された構成では、前記第2の腰部領域に配置された前記腰部パネルのうちの前記少なくとも1つが、前記シャーシの前記後側半分上の前記締結ゾーン領域に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項13】
前記締結ゾーン領域が、前記少なくとも1つの表面上で横方向に延在している、請求項1~12のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項14】
前記締結ゾーン領域が、第1のアーム(203)及び第2のアーム(205)を備え、前記第2のアームが、前記第1のアームから少なくとも10mmの横方向距離だけ離隔している、請求項1~13のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【請求項15】
前記締結ゾーン領域が、第1のアーム及び第2のアームを備え、前記第1のアーム及び前記第2のアームが、第1の長手方向位置(207)において少なくとも5mmの横方向距離だけ分離され、前記第1のアーム及び前記第2のアームが、第2の長手方向位置(209)で交差し、前記第2の長手方向位置が、前記第1の長手方向位置に対して長手方向に変位している、請求項1~14のいずれか一項に記載の吸収性パンツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般に、内側横方向折り畳み及び脚部開孔部上での係合のための吸収性パンツに関し、特に、脚部開孔部を少なくとも部分的に封止するための締結ゾーン領域を有する脚部開孔部上での内側折り畳み及び係合のための吸収性パンツに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児、及び失禁症状のあるその他の個人は、尿及びその他の体液、例えば排泄物を受容及び収容する、おむつ又は吸収性パンツなどの吸収性物品を着用する。吸収性パンツとしては、プルオン型吸収性物品、すなわちパンツ型の吸収性物品を挙げることができ、これらは着用者の両脚を前成形された脚部開口部に挿入し、物品を下部胴体周囲の位置まで上方に滑らせることにより着用される。
【0003】
しかしながら、使用後の構成では、脚部開孔部は開いたままであり、尿及び排泄物が吸収性パンツから染み出る可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に基づいて、廃棄容器に廃棄する間及び一旦廃棄容器に入れることを含め、除去後の使用済み及び汚れた吸収性パンツから身体の滲出物が染み出ることをより効率的に防止するための、代替的な吸収性特許並びに使用及び製造方法が必要とされている。更に、汚れた吸収性物品を廃棄するための便利な及び/又はより衛生的な手段を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、本明細書における独立請求項の特徴を含む。
【0006】
吸収性パンツは、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間の吸収性コアを備えたシャーシと、長手方向に対向する第1の腰部領域及び第2の腰部領域、並びに第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配置された股部領域と、第1の腰部領域及び第2の腰部領域に長手方向に配置された対向する第1の腰部パネル及び第2の腰部パネルと、を備える。第1の腰部パネル及び第2の腰部パネルは、第1の腰部領域を第2の腰部領域と接続して、腰部開口部及び一対の脚部開孔部を形成する。吸収性パンツはまた、吸収性パンツの少なくとも1つの表面上の締結ゾーン領域と、締結ゾーン領域と重なり合う関係で配置された剥離テープとを備え、締結ゾーン領域は、少なくとも1cmの面積を含む。包装された構成では、腰部パネルのうちの少なくとも1つは、脚部開孔部のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に封止されるように、締結ゾーン領域に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成される。
【0007】
吸収性パンツは、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間の吸収性コアを備えたシャーシと、長手方向に対向する第1の腰部領域及び第2の腰部領域、並びに第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配置された股部領域と、第1の腰部領域及び第2の腰部領域に長手方向に配置された対向する第1の腰部パネル及び第2の腰部パネルと、吸収性パンツの少なくとも1つの表面上の締結ゾーン領域と、を備える。剥離テープの少なくとも一部分は、テープ留め構成において締結ゾーン領域と重なり合う関係で配置され、剥離構成において締結ゾーン領域から分離されて、重なり合う関係から剥離されるように構成される。包装された構成では、腰部パネルのうちの少なくとも1つは、脚部開孔部のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に封止されるように、剥離テープの一部分が剥離構成において締結ゾーン領域から分離されるときに、締結ゾーン領域に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成される。
【0008】
シャーシを含む吸収性パンツであって、吸収性パンツは、長手方向に対向する第1の腰部領域及び第2の腰部領域、並びに第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配置された股部領域と、第1の腰部領域及び第2の腰部領域に長手方向に配置された対向する第1の腰部パネル及び第2の腰部パネルと、を備える。第1の腰部パネル及び第2の腰部パネルは、第1の腰部領域を第2の腰部領域と接続して、腰部開口部及び一対の脚部開孔部を形成する。吸収性パンツは、第1のアーム及び第2のアームを備える締結ゾーン領域を備える。第1のアーム及び第2のアームは、第1の長手方向位置で横方向距離だけ分離され、第2の長手方向位置で交差する。第2の長手方向位置は、第1の長手方向位置に対して長手方向に変位している。包装された構成では、腰部パネルのうちの少なくとも1つは、脚部開孔部のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に封止されるように、締結ゾーン領域に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面に示された実施形態は、本質的に実例的及び例示的なものであり、「特許請求の範囲」によって定義された主題を限定するものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むことで理解することができ、図面中、同様の構造は同様の参照番号により示される。
図1】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、吸収性パンツの斜視図である。
図2】着用者から離れて面する外側部分を示す、図1に示される吸収性パンツの部分的に切り取られた平面図である。
図3A】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1に示される吸収性パンツのためのV字形締結ゾーン領域及び剥離テープの実施形態を概略的に示す。
図3B】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1に示される吸収性パンツのためのY字形締結ゾーン領域及び剥離テープの実施形態を概略的に示す。
図3C】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1に示される吸収性パンツのためのU字形締結ゾーン領域及び剥離テープの実施形態を概略的に示す。
図3D】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1に示される吸収性パンツのための横方向に延在する長方形締結ゾーン領域及び剥離テープの実施形態を概略的に示す。
図3E】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1に示される吸収性パンツのための二重の長手方向に延在する長方形締結ゾーン領域及び剥離テープの実施形態を概略的に示す。
図3E1】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1に示される吸収性パンツのための長方形の締結ゾーン領域及び剥離テープの実施形態を概略的に示す。
図3F】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、V字型剥離テープの剥離可能部分が吸収性パンツの締結ゾーン領域から剥離され、恒久的部分が、剥離可能部分の端部がハンドルを形成するように取り付けられたままである、第1の位置にある図1の吸収性パンツを概略的に示す。
図3G】腰部パネルが外側に折り畳まれ、次に締結ゾーン領域上で横方向に内側に折り畳まれている、第2の位置にある図3Fの吸収性パンツを概略的に示す。
図3H】第3の位置にある図3Fの吸収性パンツを概略的に示しており、腰部パネルが横方向に内側に折り畳まれて締結ゾーン領域と係合し、関連する脚部開孔部を覆っている、包装された構成を示している。
図4】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1に示される吸収性パンツのためのループを含む突出部受容ゾーンのための不織布材料区域を概略的に示す。
図5】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、遠位湾曲フック端を伴うフックを含む、表面突出部の実施形態を概略的に示す。
図6】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、前進する基板上に突出部を形成するための装置及びプロセスの断面側面図を概略的に示す。
図7】本明細書に示され及び記載される1つ以上の実施形態による、図1の吸収性パンツを製造し及び包装するためのプロセスを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、その態様が不織布表面突出部を含み得る吸収性パンツの実施形態、並びにその例が添付の図面に示される当該吸収性パンツの形成システム及び製造及び包装の方法を詳細に参照する。可能な場合はいつでも、同じ参照番号が、同じ又は同様の部分を参照するために図面全体を通して使用される。そのような吸収性特許、システム、及び方法の様々な実施形態は、添付の図面を具体的に参照して本明細書で更に詳細に説明される。
【0011】
概要
図1図2を参照すると、本開示は、吸収性パンツ100の形態で示される吸収性物品10を対象とし、吸収性パンツ100は、小児又は成人用失禁製品のための吸収性パンツ100を含み得る。パンツの形態で示されているが、吸収性物品10は別の形態を含んでもよいことも企図される。吸収性物品10は、トップシート138、バックシート140、及びそれらの間に配置された吸収性コア142を含むシャーシ102を含む。物品10はまた、第1の腰部領域112及び第2の腰部領域114として、長手方向に対向する第1の腰部領域及び第2の腰部領域と、第1の腰部領域112と第2の腰部領域114との間に配置された股部領域116とを含む。図示された吸収性パンツにおいて、対向する第1及び第2の腰部パネル104、108は、第1及び第2の腰部領域112、114において長手方向に配置される。シャーシ102は、股部領域116に配置され、第1及び/又は第2の腰部領域112、114に延在してもよい。様々な実施形態において、第1及び第2の腰部領域112、114は、シャーシ102に接合された又は一体化されたベルト領域を含む。このようなベルト領域は、弾性ベルト領域であってもよい。限定としてではなく例として、ベルト領域は、加えられた力が解放されると、その伸びの少なくとも40%を回復して「弾性体」又は「エラストマー」とみなされる伸長性材料で作製されてもよい。本明細書に記載される吸収性物品10又は吸収性パンツ100のためのシャーシ102への言及は、シャーシ102が股部領域116を包含するか、又はシャーシが股部領域116並びに第1及び第2の腰部領域112、114の1つ以上の部分を包含するいずれかの実施形態を包含し得ることが理解され、本開示の範囲内である。更に、以下で更により詳細に説明するような包装された構成では、少なくとも1つの腰部パネル104、108は、横方向に内側に折り畳まれて、第1の腰部領域112、第2の腰部領域114、又は股部領域116上の締結ゾーン領域200と係合して、少なくとも部分的な封止として脚部開孔部130の少なくとも一部分を覆い、使用済み吸収性物品10から体液及び/又は固体が滲出する可能性を封じ込める、防止する、及び/又は最小限に抑えることができる。
【0012】
図2に示すように、第1の腰部領域112は、第1の側の第1の腰部パネル104aと、横方向に対向する第2の側の第1の腰部パネル104bとを含んでもよい。第2の腰部領域114は、第1の側の第2の腰部パネル108aと、横方向に対向する第2の側の第2の腰部パネル108bとを含んでもよい。したがって、対向する第1の腰部パネル104a、104bはそれぞれ、対向する第2の腰部パネル108a、108bに対して長手方向に配置される。対向する第1の腰部パネル104a、104bは、第1の腰部領域112に配置され、対向する第2の腰部パネル108a、108bは、第2の腰部領域114に配置される。
【0013】
図1及び図2に示される腰部パネル104、108はサイドパネルであるが、腰部パネル104は、シャーシ102にわたって延在する単一の一体型部品構造であってもよく、及び/又は腰部パネル108は、シャーシ102にわたって延在する単一の一体型部品構造であってもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、腰部パネル104、108はともに、単一の一体部品構造で形成される。腰部パネル104、108はまた、シャーシの第1及び第2の腰部領域112、114の一方又は両方の連続延長部として形成されてもよいことを理解されたい。本明細書の方法及び装置とともに使用され得る吸収性パンツ100の実施形態は、本明細書に示され及び記載されるものとは異なる様々なタイプ及び構成の腰部パネル104、108を含んでもよいことも理解されたい。様々なタイプの腰部パネル104、108の例が、米国特許第5,246,433号、同第5,569,234号、同第6,120,487号、同第6,120,489号、同第5,897,545号、同第5,957,908号、及び米国特許公開第2003/0233082号に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
図2を参照すると、第1の腰部パネル104及び第2の腰部パネル108は、第1の腰部領域112を第2の腰部領域114と接続して、図1に示されるような腰部開口部128及び一対の脚部開孔部130を形成する。物品はまた、少なくとも1つの表面上に締結ゾーン領域200を含む。実施形態では、締結ゾーン領域は、少なくとも1cm、又は少なくとも15cm(150mm)の面積を含んでもよい。締結ゾーン領域200は、第1の腰部領域112、股部領域116、若しくは第2の腰部領域114、又はこれらの好適な組み合わせにおいて、衣類に面する表面134上に配置されてもよい。包装された構成では、以下でより詳細に説明される図3Hに示されるように、腰部パネル104、108のうちの少なくとも一方は、脚部開孔部130のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に封止されるように、締結ゾーン領域200に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成される。非限定的な例として、包装された構成では、締結ゾーン領域200に係合するように横方向に内側に折り畳まれた少なくとも1つの腰部パネル104、108は、少なくとも部分的な封止として脚部開孔部130のうちの1つの少なくとも一部分を覆い、体液及び/又は固体が使用済み吸収性パンツ100から滲出する可能性を封じ込める、防止する、及び/又は最小限に抑える。実施形態において、締結ゾーン領域200は、複数の締結要素を含んでもよい。非限定的な例では、締結要素は、不織布材料、フィルム、ホットメルト材料、接着剤、又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の好適な材料から一体的に形成されたフックを備える。材料は、図4に示されるような不織布基板470を含んでもよく、複数のフックは、図5に示されるような1つ以上の表面突出部502であってもよく、これらは両方とも以下でより詳細に説明される。追加的に又は代替的に、以下でより詳細に説明するように、吸収性パンツ100は、図2図3Eに示すような剥離テープ202を含んでもよく、これについては以下で更により詳細に説明する。剥離テープ202の少なくとも一部分は、テープ留め構成において締結ゾーン領域200と重なり合う関係で配置され、剥離構成において締結ゾーン領域200から分離されて、重なり合う関係から剥離されるように構成されてもよい。剥離テープ202は、それが重なる締結ゾーン領域200の表面積以上の表面積を包含してもよい。他の追加又は代替の態様では、図2図3Cに示すように、締結ゾーン領域200は、第1のアーム203及び第2のアーム205を含んでもよい。図3Aに示すように、第1のアーム203及び第2のアーム205は、第1の長手方向位置207において第1の幅W1だけ横方向に分離され、第1の長手方向位置207に対して長手方向に変位された第2の長手方向位置209で交差してもよい。実施形態では、第1の幅は、約50mm~約150mm、又は約60mm~約100mmであり得、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。アームは、約10mm~約50mm、又は約15mm~約30mmの幅Waを備えてもよく、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。アームは、約10mm~約50mm、又は約15mm~約30mmの幅Waを備えてもよく、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。アームは、同じ幅又は異なる幅を備えてもよい。アームが延在する長手方向距離Lは、約30mm~約100mm、又は約40mm~約60mmであってもよく、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。
【0015】
定義
本明細書で使用する吸収性パンツなど、「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収し収容する消費者製品などの装置を指し、より具体的には、着用者の身体に当てて又は着用者の身体に近接して配置されて、汚れ及び廃棄物など、身体から排泄された様々な滲出物を吸収し収容する装置を指す。吸収性物品の例としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に例示されているようなあらかじめ形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ若しくはパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの婦人用衛生衣類、吸収性挿入物などが挙げられる。吸収性パンツの非限定的な例としては、トレーニングパンツ、プルオン型又は再締結可能なパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着などが挙げられる。
【0016】
本明細書で「使い捨て」という用語は、洗濯されること又は他の方法で吸収性物品として再生又は再使用されることが一般に意図されていない吸収性物品を説明するために使用される(例えば、これらは1回の使用後に廃棄されるように意図され、またリサイクルされるか、堆肥化されるか、ないしは別の方法で環境に適合する様式で処分されるように構成されてもよい。本明細書に記載の吸収性パンツの実施形態は、使い捨てである。
【0017】
本明細書で「吸収性パンツ」及び「パンツ」(「おむつパンツ」、「トレーニングパンツ」、「あらかじめ閉じたおむつ」、「パンツ型おむつ」、及び「プルオンおむつ」とも称される)という用語は、乳児又は成人の着用者のために設計された、外辺部の連続的な腰部開口部、及び横方向に対向する外辺部の連続的な脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。誤解を避けるために、成人用失禁物品は、吸収性パンツの形態であってもよい。パンツは、物品が着用者に適用される前に、包装された状態で、連続的な又は閉じた腰部開口部及び少なくとも1つの連続的な閉じた脚部開口部を有して構成されてもよい。パンツは、任意の再締結可能なかつ/又は恒久的な閉鎖部材(例えば、シーム、熱結合、圧力溶接、接着剤、粘着結合、機械的締結具など)を使用して物品の部分を互いに接合することを含むがこれらに限定されない、様々な技術で予備成形することができる。パンツは、腰部領域において物品の外周部に沿った任意の場所で予備成形され得る(例えば、側部が締結若しくは継ぎ合わされている、前側腰部が締結若しくは継ぎ合わされている、背側腰部が締結若しくは継ぎ合わされている、又はこれらの組み合わせ)。様々な構成のパンツの例が、米国特許第5,246,433号、同第5,569,234号、同第6,120,487号、同第6,120,489号、同第5,897,545号、同第5,957,908号、同第10,117,787号、及び米国特許公開第2003/0233082号に開示されている。
【0018】
構造用語に関して、「配置された」という用語は、ある要素が、特定の場所若しくは位置に他の要素とともにマクロ一体型構造として、又は別の要素に接合された別個の要素として配置されていることを意味するために用いられる。
【0019】
本明細書で使用するとき、「接合された」という用語は、ある要素を他の要素に直接付着させることによって、その要素が別の要素に直接固定される構成、並びにある要素を中間部材に付着させて、その中間部材を他の要素に付着させることによってその要素が別の要素に間接的に固定される構成を包含する。
【0020】
方向を表す用語に関して、本明細書で使用する「長手方向」とは、吸収性物品が平らに広げられた非収縮状態にあるとき、その物品の腰部縁部から、長手方向に対向する腰部縁部まで、又は腰部縁部から股部の底、すなわち2つ折りにされた物品の折り線まで、軸に実質的に沿って延びる方向を意味する。「長手方向に延在する」とは、構成部品の横方向寸法よりも大きい長手方向寸法を有する構成部品を指す。
【0021】
本明細書で使用する「横方向」とは、物品の長手方向に延在する側縁部から、横方向に反対側の長手方向に延在する側縁部まで延び、かつ概ね直角で長手方向に直角な方向を指す。「横方向に延在する」とは、構成部品の長手方向寸法よりも大きい横方向寸法を有する構成部品を指す。
【0022】
構造用語に関して、本明細書で使用される「意匠要素」とは、構成要素のサイズ又は向きに関係なく、区別できる別個の構成部品を視覚的に作り出す形状又は形状の組み合わせを意味する。意匠要素は、1つ以上のパターンで存在してもよい。意匠要素は、1つのパターン内に1回以上存在してもよい。非限定的な一例では、同じ意匠要素が1つのパターンに2回存在し、意匠要素の第2のインスタンスは、第1のインスタンスよりも小さい。当業者であれば、別の配置も可能であることを認識するであろう。意匠要素は、しるしを含んでもよい。意匠要素及び/又は意匠要素の組み合わせは、文字、単語、及び/又は花、蝶、ハート、文字表現などのグラフィックを含んでもよい。意匠要素は、1つ以上の接合部の形状を含めて、接合部から形成されてもよい。意匠要素及び/又は意匠要素の組み合わせは、着用者の周りでの物品の配置及び/又はフィット性に関して介護者にガイダンス又は指示を与える指示的表示を含んでもよい。
【0023】
本明細書で使用される「しるし」は、製品の製造業者、小売業者、卸業者、又はブランドを区別、識別、又は表現するために使用することができる物体、文字表現、単語、色、形状、又は他のしるしを意味し、これには、商標、ロゴ、標章、記号、意匠、図形、フォント、文字、紋章又は類似の識別マークが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
「一体」とは、構成要素に接合されるのとは対照的に、要素が物品構成要素若しくはその一部分から生成されるか、又はそれによって生成される構成を意味する。「一体的に形成された」とは、例えば、材料を成形、付形、及び/又は再構成することによって、基礎材料又はその一部分から要素が生成されることを意味する。
【0025】
本明細書でされる材料用語に関して、「不織布(nonwoven又はnon-woven)」という用語は、スパンボンド、メルトブロー、カーディングなどのプロセスによって、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は非連続的な(短い)フィラメント(繊維)から作製された材料を指す。いくつかの構成では、不織布は、限定するものではないが、ポリプロピレン繊維及び/若しくはポリエチレン繊維、並びに/又はポリオレフィンを含むバイコンポーネント繊維を有する不織布を含めて、ポリオレフィン系不織布を含んでもよい。好適な繊維の非限定的な例としては、スパンボンド、スパンレイド、メルトブローン、スパンメルト、溶媒紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、メルトフィルムフィブリル化、エアレイド、ドライレイド、ウェットレイド短繊維、及び当該技術分野において既知のポリマー繊維の一部又は全体に形成された他の不織布ウェブ材料、並びにこれらの加工可能な組み合わせが挙げられる。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントパターンを有さない。様々な坪量を有する不織布が本明細書の方法に従って使用され得ることを理解されたい。実施形態では、不織布材料の二成分繊維は、赤外線などによる加熱をより容易に受けやすいように構成される添加剤を含んでもよく、これは、例えば、本明細書に記載されるような不織布材料の予熱又は他の加熱を補助し得る。
【0026】
再び図2を参照すると、吸収性パンツ100は、着用者から離れて面する吸収性パンツ100の外側部分が見る人の方に向けられた状態で、平坦な折り畳まれていない状態にある。パンツ100は、長手方向軸106、横方向軸110、第1の腰部領域112、第2の腰部領域114、及び第1の腰部領域112と第2の腰部領域114との中間に配置された股部領域116とともに示されている。周縁部は、第1の長手方向側縁部120、第2の長手方向側縁部122、第1の腰部領域112内に配置された第1の腰部端縁部124、及び第2の腰部領域114内に配置された第2の腰部端縁部によって画定され得る。
【0027】
図1及び図2を参照すると、パンツ100は、内側の身体に面する表面132と、外側の衣類に面する表面134とを含む。図2に示すように、シャーシ102は、身体に面する表面132の一部分を形成するトップシート138を含んでもよい。シャーシ102はまた、バックシート140を含んでもよい。実施形態では、締結ゾーン領域200は、フックを含む第1の不織布材料を含んでもよく、第1の不織布材料は、バックシート140とは別個であり、バックシート140に接合されているか、又はバックシート140の一部である。腰部パネル104、108は、第2の不織布材料から一体的に形成され得るループを含む第2の不織布材料を含んでもよい。本明細書に記載されるように、剥離テープ202は、締結ゾーン領域200と重なり合う関係で配置されてもよく、第3の不織布材料、フィルム、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。剥離テープ202は、図3A図3Eに関して以下に更により詳細に説明するように、第1の端部206Aにおいて吸収性パンツ100に恒久的に接合され、第2の端部(例えば、図3Aの第2の長手方向位置209に対応する)において剥離可能に接合されるか又は取り付けられていなくてもよい。非限定的な例では、第2の端部は、パンツの表面に取り付けられていなくてもよく、又は第2の端部が持ち上げタブ201を備えるように表面に弱く取り付けられていてもよい。持ち上げタブ201は、図3Aに示されるように、テープ留め構成で吸収性パンツ100の表面に対して押し付けられてもよく、又は吸収性パンツ100の表面に対して置かれてもよく、持ち上げタブ201は、介護者が剥離テープ202の残りの部分を剥離し始めるための手段として、(図3Aの矢印300の方向などに)容易に持ち上げられるように構成されてもよい。持ち上げタブ201は、介護者が持ち上げタブ201と吸収性パンツ100の表面との間に自分の指を挿入することができるように、指先に対応する比較的小さい表面積を含んでもよい。加えて又は代替として、持ち上げタブ201には、テクスチャード加工されたグリップ材料及び/又は色インジケータなどのマーキングが設けられていてもよい。マーキングは、介護者の注意を持ち上げタブ201の位置に向けるか、あるいは剥離テープ202を吸収性パンツ100から引き剥がし、下にある締結ゾーン領域200を明らかにするための持ち上げタブ201の使用を示すことができる。実施形態では、剥離テープ202は、第1の端部において吸収性パンツ100に恒久的に接合され、第2の端部において取り付けられず、その結果、剥離テープ202の一部分は第2の端部を含み、第2の端部は、重なり合う関係から剥離構成への移行を補助するように構成された持ち上げタブ201を含む。
【0028】
第2の端部が、剥離構成において吸収性パンツ100から剥離されると、第1の端部206Aは、吸収性パンツ100に取り付けられたままであってもよい。剥離テープ202は、テープ留め構成において締結ゾーン領域200を覆い、剥離構成においてハンドル211(図3F)を形成してハンドルとして機能するように構成されてもよい。
【0029】
図2に戻って参照すると、吸収性コア142は、トップシート138とバックシート140の一部分との間に配置されてもよい。シャーシ102はまた、着用者の脚部及び腰部の周りのフィット性を高めるために、脚部弾性体144及び弾性腰部領域を含んでもよい。例示的な脚部弾性体及び脚部カフの実施形態は、例えば、米国特許第4,695,278号及び同第4,795,454号に開示されている。シャーシ102の領域のうちのいずれか1つ以上は、伸縮性であってもよく、様々な種類のエラストマー材料及び/又は積層体を含んでもよいことを理解されたい。このように、吸収性パンツ100は、装着時に着用者の解剖学的構造に適合するように、及び着用中に着用者の解剖学的構造との接触を維持するように構成されてもよい。
【0030】
前述のように、シャーシ102は、シャーシ102の外側表面134を画定し得るバックシート140を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バックシート140は、シャーシ内に吸収及び収容された排出物が、ベッドシーツ及び下着などの吸収性パンツ100と接触し得る物品を汚すことを防止するように構成されてもよい。特定の実施形態では、バックシート140は、実質的に不透水性である。バックシート140は、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムであってもよく、あるいはこれを含んでもよい。他の好適なバックシート材料は、吸収性物品から蒸気を逃がすことを可能にしながらも、なお排泄物がバックシート140を通過することを防ぐ通気性材料を含み得る。
【0031】
バックシート140はまた、2層以上の層から構成されてもよい。バックシート140は、外側カバー及び内部層を備えてもよい。外側カバーは、軟質の不織布材料から作製されてもよい。内側層は、高分子フィルムなどの実質的に液体不透過性のフィルムから作製されてもよい。外側カバー及び内側層は、接着剤又は任意の他の好適な材料又は方法によって互いに接合されていてもよい。外側カバー材料は、結合パターン、孔、及び/又は三次元特徴部を含んでもよい。外側カバーは、水流交絡された不織布材料であってもよい。
【0032】
実施形態では、締結ゾーン領域200内の1つ以上の締結要素503(例えば、接着剤、スナップ、雄/雌システム)が開示されている。締結ゾーン領域200は、着用者に面する表面及び/又は衣類に面する表面上に配置されてもよい。様々な実施形態では、締結ゾーンは、衣類に面する表面上に配置される。締結ゾーンは、腰部領域112、114及び/又は股部領域116を含む、物品上の任意の好適な位置に配置されてもよい。
【0033】
特定の実施形態では、締結要素503は、表面突出部502(図5に示されるように、及び以下で更により詳細に説明されるように)を含む。本明細書に記載の締結システムは、物品10の一部分を締結ゾーン領域200に固定するためのフック及びループ締結具を含んでもよい。態様では、表面突出部502は、米国特許第6,746,434号、同第5,108,384号、同第4,869,724号、同第5,575,784号及び同第5,279,604号、並びに国際公開第98/53780号及び国際公開第99/17693号に開示されている処分テープシステムを含む、処分のために衣類を固定するための多くの他のテープ設計とともに使用されてもよい。上記特許及び刊行物の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
実施形態では、本開示の吸収性パンツ100は、表面突出部502として複数のフックを有する締結ゾーン領域200を含み、フックは、第1の不織布材料、フィルム、又はこれらの組み合わせから一体的に形成される。実施形態では、締結ゾーン領域200は、複数のループ471(図4)を含んでもよい。ループ471は、物品に接合されたパッチ上に配置されてもよく、又は第1の不織布若しくは第2の不織布材料から一体的に形成されてもよい。第1の不織布は、例えば、バックシート140の一部分を含んでもよく、第2の不織布は、例えば、腰部パネル104、108の一部分を含んでもよい。加えて、又は代替として、締結ゾーン領域200は接着剤を含んでもよい。
【0035】
物品10は、包装されてもよく(例えば、折り畳まれてもよい)、包装された構成では、物品10の一部分は、一方又は両方の脚部開孔部130を覆うか又は少なくとも部分的に封止するように内側に折り畳まれてもよい。本明細書に記載される包装された構成は、1つ以上の方向への折り畳みを含んでもよく、ラップアラウンド折り畳みを含んでもよい。図1に示されるように、着用位置において、物品10は、前側半分が後側半分に概ね面する状態で提供される。包装された構成は、追加の折り畳み又は曲げを含む。このような折り畳みは、物品10を半分に折り畳むこと(図3Fに示すような)を含んでもよく、この場合、後側半分の一部分が前側半分の一部分の上に折り畳まれ(又はその逆)、及び/又は締結ゾーン領域200に係合するように物品の一部分を横方向に内側に折り畳む前に巻くことを含んでもよい。加えて又は代替として、物品10は、締結ゾーン領域200に係合するように物品の一部分を横方向に内側に折り畳む前に、少なくとも部分的に巻かれ、及び/又は横方向に(すなわち、長手方向軸に向かって)折り畳まれてもよい。
【0036】
実施形態では、物品10が包装された構成になると、腰部パネル104、108の少なくとも一部分は、締結ゾーン領域200が配置される物品10の部分に対して横方向に内側に折り畳まれてもよい。このような横方向の折り畳みは、直接折り畳まれてもよく、又は物品の第1の半分(例えば、前側半分又は後側半分のうちの一方)を包み込んで、第2の半分(例えば、前側半分又は後側半分のうちの他方)の締結ゾーン領域200に着地して係合してもよい。しかしながら、腰部パネル104、108に限定されない吸収性物品10の任意の部分が、締結ゾーン領域200に係合するように横方向に内側に折り畳まれてもよいことを理解されたい。代替的に又は追加的に、腰部パネル104、108のうちの少なくとも1つのような吸収性物品10の一部分のこのような折り畳みは、締結ゾーン領域200に係合するための長手方向内側折り畳みを含んでもよい。
【0037】
いくつかの態様では、締結ゾーン領域200は、シャーシ102の後側半分に配置されてもよく、第2の腰部領域114は、シャーシ102の後側半分(例えば、背側腰部領域)に配置され、包装された構成では、第2の腰部領域114に配置された腰部パネル108a、108bのうちの1つの側部などの背側腰部パネル108の少なくとも一部分は、シャーシ102の後側半分上の締結ゾーン領域200に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成される。このようにして、背側腰部パネルは、腰部領域112、114のそれぞれの側部を追加的に封止又は少なくとも部分的に封止しながら、脚部開孔部130を少なくとも部分的に封止してもよい。加えて又は代替として、第1の腰部パネル104の少なくとも一部分は、特に第1のパネル及び第2のパネル104、108が包装された構成で接続されたままであるときに、シャーシ102の後側半分上の締結ゾーン領域200に係合するように横方向に折り畳まれるように構成されてもよい。
【0038】
同様に、締結ゾーン領域200は、シャーシ102の前側半分に配置されてもよく、第1の腰部領域112は、シャーシ102の第1の半分(例えば、前側腰部領域)に配置され、包装された構成では、前側腰部領域112に配置された腰部パネル104a、104bのうちの1つの側部などの腰部パネル104の少なくとも一部分は、シャーシ102の前側半分上の締結ゾーン領域200に係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成される。このようにして、前側腰部パネルは、脚部開孔部130を少なくとも部分的に封止し、腰部領域112、114内の開口部を封止、又は少なくとも部分的に封止してもよい。追加的に又は代替的に、第2の腰部パネル108の少なくとも一部分は、特に第1の腰部パネル及び第2の腰部パネル104、108が包装された構成で接続されたままであるときに、シャーシ102の前側半分上の締結ゾーン領域200に係合するように横方向に折り畳まれるように構成されてもよい。
【0039】
図3A図3E1をそれぞれ参照すると、締結ゾーン領域200は、構成を含んでもよく、この構成は、以下の形状のうちの1つを含んでもよい。すなわち、V字形、U字形、Y字形、又は1つ以上の長方形、例えば、単一の横方向に延在する長方形、又は2つの共整列した長方形を含み得る二重の長手方向に延在する長方形である。いくつかの実施形態では、締結ゾーン領域200は第1の構成を含み、剥離テープ202は第2の構成を含み、第1の構成及び第2の構成は、形状、面積、向き、構成材料、又はこれらの組み合わせからなる群のうちの1つによって異なってもよい。第1の構成又は第2の構成のうちの少なくとも1つは、V字形、U字形、Y字形、又は1つ以上の長方形のうちの1つを含んでもよい。締結ゾーン領域200は、面積が比較的大きくてもよく、図3Eに示されるような長方形、円形、又は別の形状の領域などの成形領域を覆うように形成されてもよい。締結ゾーン領域200は、少なくとも約1cm、又は少なくとも約5cm、又は少なくとも約7.5cm、又は約1cm~約15cm、又は約3cm~約10cmである二次元面積を含んでもよく、各範囲についてこの範囲内の1cmの増分毎に列挙される。締結ゾーン領域200は、長手方向軸と重なり合ってもよく、及び/又は横方向軸と重なり合ってもよい。追加的に又は代替的に、締結ゾーン領域200は、インシグニア、文字、単語、図形、ロゴ、色、フォント、形状、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の他のデザイン要素を含んでもよい。追加的に又は代替的に、締結ゾーン領域200が配置される表面は、締結ゾーン領域200の存在を示し、強調する印刷領域などの図形又は他の要素を含んでもよい。
【0040】
一実施形態では、図2図3Aを参照すると、締結ゾーン領域200は、V字型締結ゾーン領域200Aを含んでもよい。他の態様では、締結ゾーン領域200は、図3Bに示されるようなY字形締結ゾーン領域200Bを含んでもよい。更に他の実施形態では、締結ゾーン領域200は、図3Cに示すようなU字型締結ゾーン領域200Cを含んでもよい。更に他の態様では、締結ゾーン領域200E1は、長方形の締結ゾーン領域200E1として単一の長方形を含んでもよい。剥離テープ200の形状は、締結ゾーン領域200とは異なっていてもよく、締結ゾーン領域200と重なり合い、締結ゾーン領域200よりも大きい寸法を有してもよい。
【0041】
上述したように、また図3Aに示すように、第1の幅W1は、約50mm~約150mm、又は約60mm~約100mmであってもよく、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。アーム203、205は、約10mm~約50mm、又は約15mm~約30mmの幅Waを備えてもよく、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。アーム203、205は、同じ幅又は異なる幅を備えてもよい。アーム203、205が延在する長手方向距離Lは、約30mm~約100mm、又は約40mm~約60mmであってもよく、各範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。U字形状の実施形態では、第2の長手方向位置209における外側U字曲線の各々における曲率半径は、各直径曲線幅が約20mm~25mm(例えば、2~2.5cm)の範囲内にあるように、約10mm~12.5mm(例えば、1~1.25cm)の範囲内にあってもよい。態様では、本明細書に記載される締結要素503は、図3Cの剥離テープ202Cの外側U字曲線のそれぞれの下にある締結ゾーン領域200Cに配置されてもよい。
【0042】
他の実施形態では、締結ゾーン領域200は、図3Dに示されるような単一の横方向に延在する長方形の締結ゾーン領域200D、又は図3Eに示されるような二重の長手方向に延在する長方形の締結ゾーン領域200Eを含んでもよい。図3Dに示されるように、締結ゾーン領域200は、単一の締結ゾーンとして横方向に延在してもよく、これは長方形を含んでもよい。締結ゾーン領域200は、第1の腰部領域若しくは第2の腰部領域112、114又は股部領域116の少なくとも1つの表面上で横方向に延在してもよい。図3Eに示されるような他の態様では、締結ゾーン領域200は、複数の締結ゾーンを含んでもよい。非限定的な例として、図3Eに示される締結ゾーン領域200は、第1のアーム203E及び第2のアーム205Eを含んでもよい。第2のアーム205Eは、第1のアーム203Eから、少なくとも約10mm、又は少なくとも約50mm、又は少なくとも約75mm、又は約10mm~約150mmの横方向距離だけ離隔されてもよく、当該範囲についてこの範囲内の1mmの増分毎に列挙される。
【0043】
態様では、当該吸収性パンツ100は、図2図3Eに示すように、締結ゾーン領域200と重なり合う関係で配置された剥離テープ202を更に含む。剥離テープ202は、締結ゾーン領域200と同じ形状を有してもよい。剥離テープ202は、不織布材料、フィルム、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。剥離テープ202は、第1の端部206(図3Aの第1の端部206Aなど)において吸収性パンツ100に接合され、第2の端部(すなわち、図3Aの第2の長手方向位置209に対応する)において取り付けられなくてもよく、それにより、第2の端部は、図3A図3Bの矢印300、図3Dの矢印302、又は図3Eの矢印304の方向などの方向に剥離するように構成された持ち上げタブ201(図3A)を含む。剥離テープ202は、以下に説明する図3F図3Hに示すように、剥離構成においてハンドル211(図3F)として機能するように構成可能であってもよい。態様では、第2の端部は、第2の長手方向位置から2mm以内にある。当該剥離テープ202は、図3Dに示されるように中央位置206Dで吸収性パンツ100の締結ゾーン領域202Dに接合されてもよく、遠位位置では取り付けられなくてもよく、その結果、遠位位置はそれぞれ持ち上げタブ201を含む。
【0044】
図3F図3Hを参照すると、吸収性パンツ100のV字型剥離テープ202Aが、それぞれ第1、第2、及び第3の位置で示されている。図3Fの第1の位置では、吸収性パンツ100の外側の、衣類に面する表面134が捲れており、V字型剥離テープ202Aの剥離可能部分が衣類に面する表面134から剥がされるなどして剥離されて、下にある締結ゾーン領域200Aを係合のために露出させている。図3Fに示すように、一旦剥離された剥離可能部分の端部は、ハンドル211の上部を形成する。V字型剥離テープ202Aの恒久的部分は、吸収性パンツ100に取り付けられたままであり、ハンドル211の底部を形成する。
【0045】
第2の位置では、図3Gに示されるように、少なくとも1つの腰部パネル104、108は、吸収性パンツ100から横方向に折り畳まれる(例えば、図2に示されるように吸収性パンツ100の長手方向軸106から横方向に外側に折り畳まれる)。このような外側横方向折り畳みは、吸収性パンツ100の露出した締結ゾーン領域200A上への横方向内側折り畳みのために腰部パネル104、108を準備する。第3の位置では、包装された構成を示す図3Hに示されるように、図3Gにおいて横方向に広げられた少なくとも1つの腰部パネル104、108は、ここで、締結ゾーン領域200A上に横方向に内側に折り畳まれ(例えば、長手方向軸106に向かって横方向に折り畳まれ)、締結ゾーン領域200Aと係合して、下にある脚部開孔部130を少なくとも部分的に覆い、封止する。
【0046】
前述のように、シャーシ102は、例えば図2に示されるトップシート138を含んでもよい。トップシート138は、一般に、着用者に少なくとも部分的に接触して又はより近位に配置されてもよい、吸収性物品の一部分である。好適なトップシートは、一般に、着用者の皮膚に対してしなやかで柔らかい感触であり、非刺激性である。更に、トップシートの少なくとも一部分又はその全体を液体透過性とすることができ、これにより液状の身体の滲出物がその厚みを通して容易に浸透する。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、有孔プラスチックフィルム、織布材料、不織布材料、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維若しくはフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料又は不織布材料などの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシート138は1つ以上の層を有してもよい。トップシート138は、孔形成されてもよく、任意の好適な三次元特徴部を有してもよく、及び/又は、複数のエンボス部(例えば、結合パターン)を有してもよい。トップシート138は、材料を強接合し、次いで、米国特許第5,628,097号(Bensonら、1997年5月13日発行)及び米国特許出願公開第2016/0136014号(Aroraら)に開示されているように、リングローリングを介して強接合部を破裂させることによって、孔形成されてもよい。トップシート138の任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシート138は、親水性又は疎水性であってもよく、あるいは、親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有していてもよい。トップシート138が疎水性である場合、身体の滲出物がトップシート138を通過し得るように、典型的には開口部が存在することになる。
【0047】
上述のように、シャーシ102はまた、吸収性コア142を含んでもよい。例えば図2に示されるように、吸収性コア142は、第2の長手方向側縁部から横方向に分離された第1の長手方向側縁部146と、第2の端縁部から長手方向に分離された第1の端縁部150とを含んでもよい。吸収性コア142はまた、概して、圧縮性で、適合性があり、着用者の皮膚に対して非刺激性であり、尿及び他の身体排出物などの液体を吸収し保持することが可能な、捕捉層及び吸収性材料などの構成要素を含んでもよい。また、吸収性コア142は、多種多様のサイズ及び形状(例えば、長方形、砂時計型、T字型、非対称形など)で製造することができる。吸収性コア142はまた、使い捨ておむつ及びその他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。一例では、吸収性コア142は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプを含む。その他の適当な吸収性材料の例としては、捲縮セルロース詰め物、コフォーム(coform)を含むメルトブローポリマー、化学的に堅固化、改質、若しくは架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄紙積層体を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は任意のその他の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。
【0048】
特定の実施形態では、吸収性コア142の少なくとも一部分は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量以下のセルロース繊維を含有する、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース系材料は、実質的にセルロースを含まない吸収性コア142の一部分の薄さ、可撓性、及び吸収性のうちの少なくとも1つに実質的に影響を及ぼさないことを理解すべきである。その他の利点の中でも、吸収性コア142の少なくとも一部分が実質的にセルロースを含まない場合、吸収性コア142のこの部分は、10重量%超のセルロース繊維を含む、同様の吸収性コアよりも著しく薄く、高い可撓性があると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性粒子状ポリマー材料などの吸収性材料の量は、様々であってもよいが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%超、又は約85重量%超、又は約90重量%超、又は約95重量%超の量で吸収性コア142中に存在する。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、1つ以上のチャネルを備えてもよく、当該チャネルは、吸収性粒子状ポリマー材料を実質的に含まない。チャネルは、長手方向又は横方向に延在してもよい。吸収性コアは、2つ以上のチャネルを更に備えてもよい。チャネルは、直線状であっても、曲線状であっても、角度をなしていても、これらの任意の機能可能な組み合わせであってもよい。非限定的な実施例では、長手方向軸線の周囲に、2つのチャネルが対称に配置される。吸収性コアとして使用するための例示的な吸収性構造は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、及び米国特許出願第13/491.642号及び同第15/232.901号に記載されている。
【0049】
吸収性コア142はまた、多層構造を有してもよい。様々なタイプの多層吸収性コアのより詳細な議論は、米国特許第5,669,894号、同第6,441,266号、同第5,562,646号、同第7,750,203号、同第7,744,576号、欧州特許第0565606(B1)号、PCT公開第2006/015141号に見出すことができ、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、吸収性パンツ100は、伸縮性の吸収性コア142を含む。このような構成において、吸収性コア142は、シャーシの他の材料とともに長手方向及び/又は横方向に延在するように適合されてもよい。吸収性コア142は、様々な方法でシャーシ102の他の構成要素と接続することもできる。例えば、吸収性パンツ100は、「浮いたコア」構成又は「バケット」構成を含んでもよく、吸収性パンツ100は、着用者上で物品を移動させる傾向がある力に対抗するように構成され得る固定システムを含む。そのような固定システムはまた、身体の様々な部分に接触することによって、それ自体を着用者の身体に固定するように構成され得る。このようにして、固定システムは、収集された移動力を、固定から得られた保持力と釣り合わせることができる。収集された移動力を得られた保持力と釣り合わせることによって、固定システムは、使い捨て着用可能吸収性物品を着用者上の定位置に保持することを少なくとも支援することができる。
【0050】
吸収性パンツ100の実施形態はまた、排泄物を受容して収容するためのポケット、排泄物のための空隙を提供するスペーサ、物品内の排泄物の移動を制限するためのバリア、おむつに堆積した排泄物を受容して収容する区画又は空隙など、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。吸収性製品に使用するためのポケット及びスペーサの例は、米国特許第5,514,121号、同第5,171,236号、同第5,306,266号、同第5,397,318号、同第5,540,671号、及びPCT出願第93/25172号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。区画又は空隙の例は、米国特許第4,990,147号及び同第6,482,191号に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。横断方向バリアの例は、米国特許第5,554,142号及び同第5,653,703号、及びPCT特許公開第94/14395号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。上述の空隙、ポケット、及びバリアに加えて、又はこれらの代わりに、吸収性物品の実施形態はまた、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,010,491号に記載されるような、液状糞便などの粘性流体身体排泄物を効果的かつ効率的に受容、貯蔵、及び/又は不動化することができる排泄物管理要素を含んでもよい。
【0051】
態様では、本開示の吸収性パンツ100は、第1の腰部パネル及び第2の腰部パネル104、108を接合するシームを更に含み、シームは、脆弱な結合によって形成されてもよい。シャーシ102は、第1の腰部領域112を第2の腰部領域114と接続するために、第1の腰部パネル及び第2の腰部パネル104、108を接合するように構成された1つ以上の脆弱シームを含んでもよい。本明細書で使用するとき、「脆弱な結合」とは、2つ以上の要素又は要素の部分を一緒に取り付けることを指し、通常の使用中には分離することができるが、分離時には、締結具の性能を実質的に劣化させることなく再取り付けすることができない。脆弱な結合は、一般に、物品の通常の使用中のある時点で消費者によって破壊されるように設計されている。この結合の破壊は、所望の用途に応じて任意選択的であってもよく、あるいは実質的に全ての使用時に起こってもよい。
【0052】
特定の構成に応じて、様々なタイプの締結要素が吸収性パンツ100とともに使用され得ることを理解されたい。一例では、締結要素は、3M又はVelcro Industriesから入手可能なものなどのフックアンドループ締結具を含む。他の例では、締結要素は、接着剤及び/又はタップタブを含むが、他のものは、マクロ締結具又はフック(例えば、MACRO又は「ボタン状」締結具)として構成される。いくつかの例示的な締結要素及びシステムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。締結具及び/又は締結要素の更なる例は、米国特許第6,482,191号、同第6,251,097号、及び同第6,432,098号で議論されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。他の締結システムは、米国特許第5,595,567号、同第5,624,427号、同第5,735,840号、及び同第5,928,212号により詳細に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
図4を参照すると、腰部パネル104、108は、不織布基板470を含み得る受容ゾーン領域400を含んでもよい。不織布基板470は、ポリマー層472の外向き表面に重なる関係で適用されて、相互係合した個々の繊維によって境界付けられた離隔した開放領域を画定し得る複数のループ471を提供してもよい。受容ゾーン領域400は、腰部パネル104、108上に配置されてもよく、本明細書に記載されるように、腰部領域112、114又は股部領域116の締結ゾーン領域200と係合するように構成されてもよい。実施形態において、締結ゾーン領域200は、股部領域116の少なくとも1つの表面上に配置されてもよく、図4の受容ゾーン領域400などの受容ランディング領域は、締結ゾーン領域200と係合するように横方向に内側に折り畳まれるように構成された腰部パネル104、108の少なくとも1つの上に配置されてもよい。
【0054】
図5を参照すると、締結ゾーン領域200は、腰部パネル104、108の受容ゾーン領域400と係合するための1つ以上の表面突出部502を含んでもよい。表面突出部502は、断面構成、高さH、幅、長さ、角度傾斜、及びフック端部構成のうちの1つ以上を有してもよい。1つ以上の表面突出部502は、衣類材料の衣類表面に対して垂直に、又は角度をなして形成されたフックであってもよい。更に、本明細書に記載されるような1つ以上の表面突出部502は、衣類表面に対してフック端部の任意の方向性、例えば、左、右、角度付き、湾曲、又は真っ直ぐ上の方向において、様々な変更可能な構成であってもよい。表面突出部502は、衣類表面に垂直な突出部であってもよい。図5の表面突出部502の断面構成は、個々の表面突出部502Aを等しい半分に分割し、表面506上の個々の表面突出部502Aの投影によって画定される方向にほぼ平行に延在するように、衣類材料501の表面506にほぼ垂直に取られた断面図として示されている。表面突出部502の更なる断面構成は、衣類材料501の表面506にほぼ平行に取られた断面図である。更なる断面構成は、任意の構成、例えば、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、細長い長方形及び多角形であってもよい。更なる断面構成は、個々の表面突出部502Aの高さHにわたって実質的に一貫した寸法とすることができ、又は衣類材料501の表面でより大きくなることによって実質的にテーパ状であってもよい。
【0055】
表面突出部502の高さHは、衣類材料501の表面506と、表面506の上に延在する個々の表面突出部502Aの最高点との間でほぼ垂直に取られた距離である。表面突出部502の幅は、個々の表面突出部502Aの基部から、衣類材料501の表面506上の個々の表面突出部502Aの投影によって画定される方向に取られてもよい。表面突出部502の角度傾斜は、衣類材料501の表面506に対するものであってもよい。表面突出部502の遠位端形態504は、図5の非限定的な例によって示されるフックなどの様々な構成を有してもよい。
【0056】
表面突出部502は、製造方法によって形成されてもよい。適切な方法は、米国特許出願第16/545,425号に記載されている。
【0057】
図6を参照すると、基板604上に締結ゾーン領域200を配置するために、前進する基板604上に突出部502を形成するための装置の概略側面図が示されている。図6に示すように、連続基板604は、基板604上の表面突出部502のそれぞれの遠位端504に第1の本体部分及び遠位フック端の別個のゾーンを形成するように構成された突出部形成装置又はシステム600に隣接して機械方向(machine direction、MD)に前進してもよい。態様では、基板604の一部分は、熱可塑性材料基板である。実施形態では、基板604は不織布材料である。突出部形成システム600の様々な構成が、表面突出部502を基板604上に直接一体成形するために使用されてもよく、基板材料は、他の目的のための構造構成要素材料としてだけでなく、表面突出部502の形成のための例えばポリマーなどの材料源としても機能してもよいことを理解されたい。
【0058】
1つ以上の表面突出部502を形成するために本明細書で参照される図6の基板604の一部分は、衣類材料501の参照表面506が基板604の表面でもあるように、図5の衣類材料501を含んでもよい。態様では、衣類材料501は不織布基板である。
【0059】
したがって、本明細書に記載される吸収性パンツ100、締結ゾーン領域200、及び表面突出部502は、図6に示されるシステム600などのアセンブリ及びシステムを利用する製造方法から形成されてもよい。非限定的な例として、図6を参照すると、基板604の一部分は、成形ロール606及び振動エネルギー源602と接触しており、エネルギー源602からの振動エネルギーによって軟化され得、熱可塑性材料の所望の部分は、成形ロール606の1つ以上の空洞608に入り、ロールが回転成形プロセスにおいて回転するときに、基板604の表面上にフック形状又は他の形状の要素又は突出部502を形成する。態様では、エネルギー源602は、ソノトロードなどの超音波力である。エネルギー源602は、前進する基板604にエネルギーを印加して、基板604の軟化した材料が開口部(例えば、空洞608)内に押圧されるか、又は別様に移動若しくは流入して、表面突出部502のゾーンを形成し得るようにする。次に、表面突出部502は、基板604の材料から直接かつこれと一体的に形成される。
【0060】
回転成形プロセスでは、必要な量の圧力を熱可塑性材料に加えて、例えば二次ロール610によって空洞608への熱可塑性材料の進入及び充填を補助することができる。二次ロールはまた、エネルギー源602及び成形ロール606による基板604の表面上に表面突出部502を形成した後に、基板604を真っ直ぐにするのを補助することができる。熱可塑性基板604の残りの部分は、フック突出部502のための担持ストリップとして機能し得る。
【0061】
図7のフローチャートを参照すると、プロセス700が、例えば図6のシステム600を用いて吸収性パンツ100を製造するためのブロック702、並びに本明細書に記載されるように使用後に吸収性パンツ100を後で包装するためのブロック704~706とともに示されている。ブロック702は、本明細書に記載されるような吸収性パンツ100のシャーシ102の腰部領域112、114又は股部領域116の少なくとも1つの表面上に締結ゾーン領域200を配置することを説明し、これは、本明細書に記載されるような図6のシステム600によって達成され得る。製造された吸収性パンツ100の使用及び包装の方法に関して、ブロック704は、吸収性パンツ100の腰部パネル104、108のうちの少なくとも1つを内側に(すなわち、内側及び潜在的に中央部分208に向かって)横方向に折り畳むことを説明する。ブロック705は、吸収性パンツ100の締結ゾーン領域200に重なる剥離テープ202の一部分を剥離して、剥離された部分がハンドル211(図3F)として使用され、それによって汚れた吸収性パンツ100を拾い上げ、例えば処分することを説明する。
【0062】
ブロック706は、次に、締結ゾーン領域200を腰部パネル104、108の一方又は両方と係合させて、少なくとも1つの脚部開孔部130を少なくとも部分的に封止することを説明する。実施形態では、腰部パネル104、108は、図4に示されるようなループを含む不織布基板470などの不織布材料を含む。腰部領域112、114又は股部領域116上の締結ゾーン領域200は、腰部パネル104、108の不織布基板470のループに係合することができる、本明細書に記載されるようなフックであり得る表面突出部502を含んでもよい。あるいは、実施形態では、腰部パネル104、108は、フックなどの表面突出部502を含んでもよく、腰部領域112、114又は股部領域116上の締結ゾーン領域200は、ループを含む不織布基板470を含んでもよく、腰部パネル104、108の表面突出部502は、締結ゾーン領域200の不織布基板のループに係合することができる。
【0063】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値と、その値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0064】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの開示に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの開示も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0065】
以上、本開示の特定の実施形態について図示、説明したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変が可能である点は当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属するかかる変更及び修正は全て、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3E1
図3F
図3G
図3H
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】