(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】光音響ガスセンサ装置
(51)【国際特許分類】
G01N 29/24 20060101AFI20240220BHJP
G01N 21/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01N29/24
G01N21/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553604
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2022054716
(87)【国際公開番号】W WO2022184553
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515023349
【氏名又は名称】センシリオン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Sensirion AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユーリンガー, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ザルツマン, クリストフ
【テーマコード(参考)】
2G047
2G059
【Fターム(参考)】
2G047AA01
2G047BC15
2G047CA04
2G047GA01
2G047GD02
2G047GG41
2G047GG43
2G059AA01
2G059BB01
2G059CC04
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE16
2G059GG06
2G059HH01
2G059HH06
2G059KK08
(57)【要約】
ガス中の化学成分の存在または濃度を示す値を決定するための光音響ガスセンサ装置は、基板(1)と、基板(1)の第1の側面(11)に配置された測定セル本体(2)とを備える。基板(1)および測定セル本体(2)は、測定セルを画定する。キャップ(7)は、測定セル内の基板(1)の第1の側面(11)に配置される。キャップ(7)および基板(1)は、キャップ容積(71)を画定する。キャップ(7)および基板(1)は、キャップ容積(71)を音響的に封止する。測定容積(21)は、測定セル本体(2)、基板(1)およびキャップ(7)によって制限される。ガスが測定容積(21)に入るためのアパーチャ(23)が測定セルに設けられる。電気構成要素は、基板(1)の第1の側面(11)上および測定セル内に配置される。電気構成要素は、少なくとも、電磁放射線(41)を測定容積(21)内に放出するための電磁放射線源(4)と、測定容積(21)内に存在する化学成分が電磁放射線(41)を吸収するのに応答して化学成分が生成する音波を測定するための圧力トランスデューサ(3)と、電磁放射線源(4)を制御するように構成されたコントローラ(8)とを備える。圧力トランスデューサ(3)はキャップ容積(71)の外側に配置され、圧力トランスデューサ(3)以外の電気構成要素のうちの少なくとも1つはキャップ容積(71)内に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス中の化学成分の存在または濃度を示す値を決定するための光音響ガスセンサ装置であって、
基板(1)と、
前記基板(1)の第1の側面(11)に配置された測定セル本体(2)であって、前記基板(1)および前記測定セル本体(2)は測定セルを画定する、測定セル本体(2)と、
前記測定セル内の前記基板(1)の前記第1の側面(11)上に配置されたキャップ(7)であって、前記キャップ(7)および前記基板(1)はキャップ容積(71)を画定し、前記キャップ(7)および前記基板(1)は前記キャップ容積(71)を音響的に封止する、キャップ(7)と、
前記測定セル本体(2)、前記基板(1)、および前記キャップ(7)によって制限される測定容積(21)と、
前記ガスが前記測定容積(21)に入るための前記測定セル内のアパーチャ(23)と、
前記基板(1)の前記第1の側面(11)上および前記測定セル内に配置された電気構成要素であって、少なくとも、
前記電磁放射線(41)を前記測定容積(21)内に放出するための電磁放射線源(4)と、
前記測定容積(21)内に存在する前記化学成分が前記電磁放射線(41)を吸収するのに応答して前記化学成分が生成する音波を測定するための圧力トランスデューサ(3)と、
前記電磁放射線源(4)を制御するように構成されたコントローラ(8)と
を備える、電気構成要素と
を備え、
前記圧力トランスデューサ(3)は、前記キャップ容積(71)の外側に配置され、前記圧力トランスデューサ(3)以外の前記電気構成要素のうちの少なくとも1つは、前記キャップ容積(71)内に配置される、光音響ガスセンサ装置。
【請求項2】
前記測定容積(21)に面する前記キャップ(7)の表面は、70%を超える、好ましくは80%を超える、より好ましくは90%を超える反射率を有し、かつ
好ましくは、前記測定セル本体(2)の内面は、70%を超える、好ましくは80%を超える、より好ましくは90%を超える反射率を有する、
請求項1に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項3】
前記圧力トランスデューサ(3)以外の前記キャップ容積(71)内に配置された前記少なくとも1つの電気構成要素は、圧力変動および/または熱変動を放出する電気構成要素、機械的保護を必要とする電気構成要素、3mm
2を超える上面を有する電気構成要素、および前記光音響ガスセンサの周囲へのアクセスを必要とする電気構成要素のうちの1つ以上である、
請求項1または2に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項4】
前記コントローラ(8)は、前記キャップ容積(71)内に配置され、
前記コントローラ(8)は、前記ガス中の前記化学成分の前記存在または前記濃度を示す、前記圧力トランスデューサ(3)によって供給される電気信号を処理するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項5】
前記コントローラ(8)は集積回路内に実装され、好ましくは前記集積回路はASICであり、より好ましくは前記集積回路はベアダイまたはチップスケールパッケージである、
請求項4に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項6】
前記キャップ容積(71)内に配置された前記1つ以上の電気構成要素は、少なくとも1つの受動電気構成要素、好ましくはコンデンサ、抵抗、またはコイルを含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項7】
前記キャップ容積(71)内に配置された前記1つ以上の電気構成要素は、少なくとも1つのトランジスタ、好ましくは電圧コントローラのトランジスタを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項8】
前記基板(1)は、前記キャップ容積(71)を前記光音響ガスセンサ装置の周囲に接続するように配置された通気孔(6)を備え、
前記キャップ容積(71)内に配置された前記1つ以上の電気構成要素は、少なくとも1つの他のセンサ(9)であって、前記通気孔(6)を介して前記他のセンサ(9)に供給される前記光音響ガスセンサ装置の周囲ガス中の環境パラメータを感知するための少なくとも1つの他のセンサ(9)を含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項9】
前記通気孔(6)を覆う通気孔膜(14)を備える、
請求項8に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項10】
前記コントローラ(8)は、前記圧力トランスデューサ(3)によって供給される電気信号に依存し、かつ前記他のセンサ(9)によって供給される電気信号に依存して、前記ガス中の前記化学成分の前記存在または前記濃度を示す前記値を決定するように構成される、
請求項8または9に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項11】
前記電磁放射線源(4)は前記キャップ容積(71)内に配置され、
前記キャップ(7)は、前記電磁放射線源(4)によって放出された前記放射線が前記測定容積(21)に入ることを可能にする、かつ/または前記電磁放射線源(4)によって放出された前記放射線を、前記測定容積(21)に入る前にバンドパスフィルタするように配置および構成された光学フィルタ(72)を含む、
請求項1から10のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項12】
前記電磁放射線源(4)は紫外線を放出するように構成され、
前記電磁放射線源(4)は前記キャップ容積(71)の外側に配置され、
前記キャップ(7)は、前記キャップ容積(71)内の前記コントローラ(8)を紫外線から保護するために、紫外線に対して不透明な材料から作製される、
請求項1から10のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項13】
前記キャップ(7)は導電性材料を含み、
好ましくは、前記キャップ(7)は、金属または金属でコーティングされたプラスチックから作製され、
好ましくは、前記測定セル本体(2)は、金属または金属でコーティングされたプラスチックから作製され、
好ましくは、前記キャップ(7)および前記測定セル本体(2)は、同じ材料から作製される、
請求項1から12のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項14】
前記基板(1)は、プリント回路基板であるかまたはセラミック材料から作製されて、導電経路を備える、
請求項1から13のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項15】
前記基板(1)内で前記基板(1)の第1の側面(11)に凹部(15)を備え、
前記圧力トランスデューサ(3)以外の前記少なくとも1つの電気構成要素は、前記基板(1)上で前記基板(1)の凹部内に配置される、
請求項14に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項16】
前記キャップ(7)は平面形状であり、前記基板(1)の前記凹部(15)を閉じ、
前記キャップ容積(71)は、少なくとも前記基板(1)の前記凹部と前記平面キャップ(7)とによって画定される、
請求項15に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項17】
前記キャップ(7)は金属製であり、かつ/または
前記キャップ(7)は、反射コーティング(73)によって少なくとも部分的にコーティングされ、
好ましくは、前記反射コーティング(73)は金から作製され、
好ましくは、前記コントローラ(8)は、前記基板(1)上で前記基板(1)の凹部内に配置される、
請求項16に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項18】
前記キャップ(7)は、前記電磁放射線(41)に対して透明な光学フィルタ(72)によって覆われた開口部を備え、かつ
前記電磁放射線源(4)は、前記電磁放射線(41)を前記光学フィルタ(72)を通って前記測定容積(21)内に放出するように、前記基板(1)上で前記基板(1)の凹部内に配置される、
請求項17に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項19】
前記キャップ(7)はシリコンから作製され、
好ましくは、前記コントローラ(8)は、前記基板(1)上で前記基板(1)の凹部内に配置される、
請求項16に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項20】
前記電磁放射線(41)に対して透明であり、かつ前記キャップ(7)に取り付け、堆積、または一体化された光学フィルタ(72)を備え、
前記電磁放射線源(4)は、前記電磁放射線(41)を前記光学フィルタ(72)を通って前記測定容積(21)内に放出するように、前記基板(1)上で前記基板(1)の凹部内に配置される、
請求項19に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項21】
前記凹部(15)は、前記電気構成要素のうちの1つ以上を支持する前記基板(1)の第1のレベル面(L1)と、前記第1のレベル面(L1)よりも低い第2のレベル面(L2)とをもたらし、
前記電磁放射線源(4)は、前記第2のレベル面(L2)を橋絡する前記第1のレベル面(L1)上に配置される、
請求項15から20のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項22】
前記基板(1)内で、前記基板(1)の前記第1の側面(11)に他の凹部(16)を備え、
前記圧力トランスデューサ(3)は、前記基板(1)上で前記基板(1)の前記他の凹部内に配置される、
請求項1から21のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項23】
前記基板(1)内の前記他の凹部(16)を覆うカバー(6)を備え、
前記基板(1)の前記他の凹部と前記カバー(6)との間にある他のキャップ容積(701)を前記測定容積(21)に音響的に結合するための前記カバー(6)内の開口部(61)を備え、
好ましくは、前記カバー(6)は、前記平面キャップ(7)によって表される、
請求項22に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項24】
前記他の凹部(16)は、前記電気構成要素のうちの1つ以上を支持する前記基板(1)内の第3のレベル面(L3)と、前記第3のレベル面(L3)よりも低い第4のレベル面(L4)とをもたらし、前記電磁放射線源(4)は、前記第4のレベル面(L4)を橋絡する前記第3のレベル面(L3)上に配置される、
請求項22または23に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項25】
前記キャップ(7)を形成する第1のキャビティ(74)を含み、かつ他のキャップ(70)を形成する他のキャビティ(704)を含むキャップ構造(7/70)を備え、
前記キャップ構造(7/70)は前記基板(1)の前記第1の側面(11)に配置され、その結果、前記キャップ構造(7/70)と前記基板(1)との間に前記キャップ容積(71)および他のキャップ容積(701)がもたらされ、
前記圧力トランスデューサ(3)は、前記他のキャップ容積(701)内に配置され、
前記他のキャップ(70)は、前記測定容積(21)を前記他のキャップ容積(701)に音響的に結合するための少なくとも1つの開口部(702、705)を含む、
請求項1から14のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項26】
前記キャップ構造(7/70)は、前記基板(1)に接合されたシリコンウェハから作製される、
請求項25に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項27】
前記キャップ構造(7/70)は、前記基板(1)にはんだ付けまたは糊着されたプリント回路基板から作製される、
請求項25に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項28】
前記測定セル本体(2)は、前記キャップ構造(7/70)に取り付けられ、
好ましくは、前記キャップ構造(7/70)は、前記基板(1)と同じフットプリントを有する、
請求項25から27のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項29】
前記アパーチャ(23)は、前記基板(1)内に配置され、
前記アパーチャ(23)は、前記測定容積(21)を前記周囲と、
直接、
前記他のキャップ容積(701)を介して、
前記基板(1)のさらなる凹部とカバーとの間、および/または前記基板(1)と前記キャップ構造体(7/70)との間にあるさらなるキャップ容積を介して
接続し、前記カバーまたは前記キャップ構造体(7/70)はそれぞれ、前記ガスが前記測定容積(21)に入るように透過性である、
請求項15から28のいずれか一項に記載の光音響ガスセンサ装置。
【請求項30】
ガス中の化学成分の存在または濃度を示す値を決定するための光音響ガスセンサ装置の製造方法であって、
基板(1)を提供するステップと、
前記基板(1)の第1の側面(11)に、好ましくはSMDプロセスで電気構成要素を装着するステップであって、前記電気構成要素は、
電磁放射線(41)を放出するための電磁放射線源(4)と、
前記化学成分が電磁放射線(41)を吸収するのに応答して前記化学成分が生成する音波を測定するための圧力トランスデューサ(3)と、
前記電磁放射線源(4)を制御するように構成されたコントローラ(8)と
を少なくとも備える、ステップと、
前記基板(1)の前記第1の側面(11)にキャップ(7)を装着するステップであって、前記キャップ(7)および前記基板(1)はキャップ容積(71)を音響的に封止し、前記キャップ(7)は前記圧力トランスデューサ(3)以外の前記電気構成要素のうちの少なくとも1つを囲む、ステップと、
前記基板(1)の前記第1の側面(11)に測定セル本体(2)を装着することにより、前記キャップ(7)および前記キャップ(7)の外側に配置された電気構成要素を囲むステップであって、前記測定セル本体(2)および前記基板(1)は、測定セルを形成し、前記測定セル本体(2)、前記基板(1)および前記キャップ(7)は、前記電磁放射線(41)が放出される測定容積(21)を制限し、前記測定セルは、前記ガスが前記測定容積(21)に入るためのアパーチャ(23)を備える、ステップと
を含む、方法。
【請求項31】
前記基板(1)の前記第1の側面(11)に前記電気構成要素を装着する前に、前記基板(1)に凹部(15)が生成され、
前記圧力トランスデューサ(3)以外の前記電気構成要素のうちの前記少なくとも1つの電気構成要素は、前記基板(1)の前記第1の側面(11)上で、前記基板(1)の凹部に装着され、
前記圧力トランスデューサ(3)は前記基板(1)の前記第1の側面(11)上で、前記凹部の外側に装着される、
請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス中の成分、特にCO2の存在または濃度を示す値を決定するように構成された光音響ガスセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光音響ガスセンサは、例えば赤外線がガス中の対象成分の分子、例えばCO2によって吸収されることにより、分子を励起状態に移行させる物理的効果に依存する。続いて、励起状態の非放射減衰に起因して、例えば分子の衝突によって熱が発生し、圧力の増加をもたらす。吸収される赤外線を変調周波数で変調することにより、圧力は変調周波数で変動する。このような圧力変動は、圧力トランスデューサによって測定することができる。成分の濃度は、圧力変動の振幅に比例する。
【0003】
放射エミッタ、圧力トランスデューサ、および放出される放射線を制御するためのコントローラは、光音響反応が起こる同じ容積、すなわち光音響測定セルの測定容積内に配置することができる。これは、ガスセンサ装置のフットプリントが小さいという点で有益である。しかしながら、電流を切り替えて放射線源からの放射線の放出を変調する場合、例えばコントローラは、電磁放射線源が変調放射線を放出するのと同じ周波数で熱くなり、冷たくなる。このようなパルス加熱は、次いで、測定セル内の圧力変動を増幅し、したがってオフセットを加えることによって圧力トランスデューサによって供給される信号を改ざんする。
【0004】
したがって、本発明の目的は、光音響ガスセンサ装置を提供することであり、その測定信号は、ガスセンサ装置のコントローラおよび/または他の電気構成要素によって引き起こされる音および/または温度変動を受けにくい。
【発明の概要】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の光音響ガスセンサ装置によって達成される。
【0006】
光音響ガスセンサ装置(PAガスセンサ装置とも略される)は、ガス中の化学成分の存在または濃度を示す値を決定することを可能にする。PAガスセンサ装置は、基板と、基板の第1の側面に配置された測定セル本体とを備える。これは、測定セル本体が基板の反対側ではなく、基板の第1の側面に配置されている限り、基板上に直接測定セル本体を装着すること、および可能であれば、基板と測定セル本体との間の任意の中間構成要素上に測定セル本体を装着することを含む。基板および/または任意の中間構成要素、ならびに測定セル本体は、測定セルを画定する。キャップが、測定セル内の基板の第1の側面に配置される。キャップおよび基板は、キャップ容積を画定する。一実施形態では、キャップが例えば垂直壁によって、または凹形状の内部によって、またはキャップ内の任意の他のキャビティによって内部空間を画定する場合、キャップ自体がキャップ容積に大きくまたはさらには完全に寄与する。異なる実施形態では、基板は、その中の凹部によってキャップ容積に大きくまたはさらには完全に寄与し、この凹部は平面キャップによって覆われる。さらなる実施形態では、キャップおよび基板の両方が、キャップ容積に部分的に寄与する基板内の凹部によって、およびキャップ容積に部分的に寄与するキャップ内のキャビティによって、キャップ容積に寄与する。
【0007】
測定セル、基板、およびキャップ、例えばその外面の一部または全部は、次いで、光音響変換が行われる測定容積を画定する。測定セルは、ガスが測定容積に入るためのアパーチャを備える。
【0008】
キャップ容積は、測定容積内の光音響変換がキャップ容積内に存在する電気構成要素の影響を受けないように、音響的に封止される。すなわち、キャップ容積内の音響スペクトルの圧力変動は、測定容積内に伝播することが禁止されるか、または少なくとも低減される。音響封止特性は、キャップ、基板、およびそれらの間の任意の潜在的な機械的接触面が、キャップ容積から測定容積への通過圧力変動を許容しないように設計および/または構成されることを含むことができる。
【0009】
電気構成要素は、基板の第1の側面および測定セル内に配置される。これは、基板が測定セル本体によって覆われた領域を超えて延びる場合に、追加の電子構成要素が測定セルの外側の基板上に配置され得ることを排除しない。好ましくは、電気構成要素は、基板上または基板内の導体トラックによって相互接続される。測定セル内に配置された電気構成要素は、電磁放射線を測定容積内に放出するための電磁放射線源(EM放射線源とも略される)と、測定容積内に存在する化学成分が電磁放射線を吸収するのに応答して化学成分が生成する音波を測定するための圧力トランスデューサと、電磁放射線源を制御するように構成されたコントローラとを少なくとも備える。圧力トランスデューサはキャップ容積の外側に配置され、圧力トランスデューサ以外の電気構成要素のうちの少なくとも1つはキャップ容積内に配置される。
【0010】
PAガスセンサ装置は、光音響効果に依存する:対象となる化学成分の分子、例えば周囲ガス、例えば周囲空気中のCO2は、好ましい例では赤外線帯域の放射線である電磁放射線を吸収し、非放射減衰、例えば化学成分の分子間の衝突による、および/または化学成分の分子と異なる分子との衝突による熱の発生をもたらし、これが次いで圧力の増加をもたらす。EM放射線源のオン/オフ変調を含む変調周波数でEM放射線の強度を変調することによって、圧力の変調を達成することができる。そのような圧力変調または圧力変動、すなわち音波は、圧力トランスデューサ、例えばマイクロフォンによって測定することができる。次いで、化学成分の存在または濃度を示す値、すなわち化学成分の濃度は、圧力変動に応じて、特に圧力変動の振幅に応じて決定することができ、これは、振幅は、化学成分によって吸収されるEM放射線の量に比例し、したがって、他のすべての要因、例えば測定容積内の平均光路長が等しいままである場合、ガス中の化学成分の濃度に比例すると仮定することができるためである。
【0011】
EM放射線源および圧力トランスデューサに加えて、PAガスセンサ装置は、EM放射線源を制御するように構成されたコントローラを含むさらなる電気構成要素を備える。コントローラは、基板の、他の電気構成要素と同じ側、すなわちその第1の側面および測定セル内に配置される。コントローラは、変調周波数で変調するように電磁放射線の強度を制御するように構成される。変調周波数は、1Hz~100kHz、好ましくは10Hz~200Hz、より好ましくは20Hz~60Hz、例えば40Hzである。好ましくは、EM放射線源のヒータは、変調周波数で切り替えられる。
【0012】
非常に好ましい実施形態では、EM放射線源を制御することに加えて、コントローラは、圧力トランスデューサによって供給される電気信号を処理し、この電気信号に依存する化学成分の存在または濃度を示す値を決定するように構成される。この点において、コントローラは、好ましくは、フィルタリングおよび/または線形化および/または補償および/またはA/D変換などの信号処理を実行する。特に、値は、電気信号の振幅、例えば音波の場合には音量に応じて決定される。好ましくは、測定信号は、変調周波数の周りでバンドパスフィルタリングされる。これにより、他の周波数の音波が考慮されないため、決定の堅牢さが向上する。
【0013】
圧力トランスデューサ以外の少なくとも1つの電気構成要素がキャップ容積内に配置される。好ましくは、キャップ容積内に配置された1つ以上の電気構成要素は、キャップ容積の代わりに測定容積内に配置された場合に光音響変換に影響を及ぼす場合がある。そのような電気構成要素は、その周囲の圧力変動および/もしくは熱変動に関与する構成要素、ならびに/またはEM放射線源によって放出された電磁放射線の反射率に悪影響を及ぼす非反射面を有する構成要素、ならびに/またはキャップによって提供される機械的保護の強化を必要とする構成要素、ならびに/または許可された光音響ガスセンサの周囲への専用アクセスを必要とする構成要素を含む。
【0014】
EM放射線源を変調することがコントローラ内の電流の変調または切り替えによって達成されると仮定すると、コントローラは、EM放射線源がパルス放射線を放出するのと同じ周波数で加熱および冷却する。これは、測定セル内の雰囲気に影響を与え、コントローラが測定容積内に配置された場合に変調EM放射線と相互作用する化学成分によって誘起される圧力変動と同じ周波数で圧力変動を誘起する。
【0015】
そのようなコントローラ誘導オフセットを圧力信号に加えることを回避するために(オフセットを加える効果は、クロストークシナリオとも呼ばれる)、コントローラは、好ましくはキャップによって測定容積から分離される。したがって、キャップを導入することによって、本PAガスセンサ装置の測定容積は、測定セル本体、基板およびキャップによって画定され、特に、光音響変換に悪影響を及ぼす電気構成要素のために確保され得るキャップ容積から分離される。
【0016】
非常に好ましい実施形態では、コントローラは、集積回路として、具体的にはASIC(特定用途向け集積回路)として具現化される。これは、PAガスセンサ装置の小型化に役立つ。しかしながら、コントローラを表す集積回路は、PAガスセンサ装置のフットプリントをさらに低減することができるチップスケールパッケージのベアダイとして具現化することさえできる。一方、コントローラのそのような実施形態は、その後キャップによって供給される追加の機械的保護を必要とする場合がある。
【0017】
好ましくはキャップ容積内に配置される電気構成要素は、トランジスタ、特にパワートランジスタ、および/またはそのようなトランジスタを含む構成要素を含むことができる。そのような構成要素は、電圧コントローラであってもよい。したがって、1つ以上のトランジスタおよび/または1つ以上のトランジスタを有する構成要素がキャップ容積内に配置されることが好ましい。
【0018】
同じことが、切り替え電流の印加下で圧力変動により周囲に影響を及ぼし得るコンデンサ、抵抗、またはコイルなどの受動電気構成要素にも当てはまる場合がある。したがって、そのような1つ以上の受動構成要素をキャップ容積内に配置することが好ましい。
【0019】
キャップ容積内のキャップの下に配置された電気構成要素は、9mm2を超える上面を有するか、またはより好ましくは3mm2を超える上面を有する、かさのある構成要素を含むことができる。上面は、基板に面する部分を除いた構成要素の表面として定義されてもよい。そのような上面が反射性でなくてもよく、または測定容積のEM放射線を反射するようにコーティングされていなくてもよい場合、測定容積の反射率は低下する。これは、そのような電気構成要素をキャップ容積内に位置決めする理由であり得る。
【0020】
キャップは、基板の第1の側面に装着され、好ましくは、測定容積に対するキャップ容積の音響障壁および/もしくは音響封止、ならびに/または熱障壁および/もしくは熱封止を確立する。したがって、キャップにより、キャップ容積から測定容積内に伝播する圧力変動がなくなるか、または単に無視できる程度になる。したがって、基板を含むキャップ、および基板上へのキャップの装着が、キャップ容積と測定容積との間のガス交換、したがって媒体の移行を制限または回避することが好ましい。
【0021】
また、電気構成要素の動作に起因する熱変動も有害作用を及ぼす可能性がある。しかしながら、キャップの下の電気構成要素から放出される熱がキャップ容積およびその中の媒体内で、かつそれらによって隔離されることを考慮すると、キャップは、同時に、キャップ容積から測定容積への熱変動の移行を制限または回避する。キャップ容積が排気される場合、キャップ容積に起因する測定容積への熱的影響はさらに小さくすることができる。
【0022】
キャップは、好ましくは、そのようなガス交換を防止する材料から作製される。これはまた、キャップに、キャップ容積と測定容積との間のガス交換を可能にする孔または他の開口部がないことを含む。これはまた、キャップが、封止方式で、好ましくは接着剤またははんだによって、基板上に装着されることを含む。例えば、キャップは気密材料から作製される。
【0023】
したがって、コントローラから測定容積への、最終的には圧力トランスデューサへのクロストーク、特に熱および/または音響クロストークを防止することができる。圧力トランスデューサによって供給される圧力信号には、コントローラ誘導オフセットは付加されないか、または無視できる。
【0024】
キャップは、導電性材料を含んでもよく、または導電性材料から作製されてもよい。このような材料の選択は、コントローラなどのキャップ容積内の電気構成要素がキャップによってEMシールドされ得るという追加の効果を提供することができる。コントローラが好ましくは電磁放射線の影響を受けやすい集積回路として具現化され、一方でEM放射線源がまた、集積回路に潜在的に有害なEM放射線を放出することを考慮すると、特にEM放射線源が基板上のキャップの外側、すなわちキャップ容積の外側に配置される場合、キャップはまた、このシナリオでコントローラも保護することができる。
【0025】
測定セルにおけるPA効果は、放出されるEM放射線の測定容積を画定するすべての表面の良好な反射率に依存する。測定セル本体の内面および基板の第1の側面はそのような表面であるが、キャップの(外側)表面、すなわち測定容積に面して測定容積を画定するキャップの表面もまた、PAガスセンサ装置における全体的な反射率にとって重要である。したがって、測定容積に面するキャップのそのような表面は、70%を超える、好ましくは80%を超える、より好ましくは90%を超える反射率を有することが好ましい。70%を超える、好ましくは80%を超える、より好ましくは90%を超える反射率を示す測定セル本体の内面と、測定セルに面する基板表面および/または電気構成要素上の反射コーティングと潜在的に組み合わせて、測定容積を画定する表面の全体的な反射率を改善することができる。
【0026】
特に、キャップは金属から作製される。異なる実施形態では、キャップは、測定容積に面するその外側表面を金属でコーティングしたプラスチックから作製される。この実施形態では、反射率および電磁遮蔽を同時に達成することができる。同じ材料の選択が、測定セル本体にとって好ましい。測定セル本体がプラスチックから作製される場合、その内面は、反射コーティングをもたらす金属でコーティングされてもよい。そのようなコーティングは、例えば、金、アルミニウム、ニッケル、銅のうちの1つから作製されてもよい。金はまた、基板、例えばPCBをめっきするのに特に便利であり、これは、金がいずれにせよPCBの形成中に導体の表面に腐食保護として塗布されるためである。他の実施形態では、測定セル本体は、例えば深絞りによって板金から作製される。板金は、厚さが薄くても機械的に安定であり、さらなるコーティングがなくても電磁放射線に対して高い反射率を示すという利点を有する。好ましくは、測定セル本体および基板は、気密方式で、例えば糊着またははんだ付けによって接続される。有利には、測定セルは音響的に密である。
【0027】
これらの方策はすべて、測定容積内のEM放射線のより長い平均光路長に寄与する。このようにして、測定容積内の平均光路長は、>1cm、好ましくは>3cm、より好ましくは>5cmに増加させることができる。これにより、次いで、測定セルを小さくすることが容易になり、例えば、測定セルの寸法は2×2×2cm3より小さく、好ましくは1×1×1cm3より小さい。光音響ガスセンサ装置全体は、例えば1×1×0.7cm3のサイズを有し、特に、線形光路長を有する従来の光音響ガスセンサよりも小さい。
【0028】
したがって、本PAガスセンサ装置は、小さなフットプリントを提供するが、信号性能を犠牲にするものではない。
【0029】
好ましくは、基板は、キャップ容積を光音響ガスセンサ装置の周囲に接続するように配置された通気孔を備える。したがって、キャップによって覆われた基板の領域では、キャップ容積と周囲との間のガスの交換を可能にするために、基板の第1の側面からその第2の側面に、すなわちその前面から裏面に貫通チャネルが設けられる。そのような通気孔は、例えばキャップ容積の加熱後、例えば製造または組み立てプロセス中に圧力平衡を達成することを可能にするために好ましい場合がある。このような通気孔の直径は、好ましくは100μm~300μmである。キャップ容積を粒子または液体から保護するために、通気孔を覆う通気孔膜が設けられてもよく、これは液体に対して不透過性であるがガスに対して透過性である。好ましくは、通気孔膜は、基板に、例えば基板の第1の側面、または基板の第2の側面、すなわち周囲に面する裏面に取り付けられる。この配置は、製造上有益である。測定セルの製造後、最終ステップにおいて通気孔膜を基板に取り付けることができる。異なる実施形態では、通気孔膜は、基板の準備中に、測定セル本体が基板に取り付けられる前に取り付けられる。
【0030】
好ましい実施形態では、電気構成要素は、環境パラメータを感知するための他のセンサを含む。圧力トランスデューサがセンサを表すと仮定すると、このセンサは「他のセンサ」とも呼ばれる。他のセンサは、ガス中の湿度および/または圧力および/または化学成分のうちの1つ以上を感知するように構成されてもよい。したがって、他のセンサは、圧力センサ、気圧センサ、他の圧力トランスデューサ、例えば金属酸化物タイプまたは電気化学タイプの他のガスセンサのうちの1つ以上として具現化されてもよい。
【0031】
一実施形態では、他のセンサによって提供される電気信号は、例えば測定シナリオに関する追加情報を提供するために、PAガスセンサ装置の出力において供給される。異なる実施形態では、他のセンサの信号は、例えば測定された環境変数が測定容積内のガス濃度に及ぼす影響を補償することによって、圧力トランスデューサによって供給される信号を改善するために使用される。したがって、測定に対する周囲条件の影響を低減または排除することができる。このような補償は、結果として得られる濃度値をより正確かつより信頼性の高いものにし、言い換えれば、ガスセンサ装置を様々な環境条件に適用することができる。
【0032】
両方の目的のために、他のセンサは、測定セル内のキャップ容積の内側またはキャップ容積の外側のいずれかに配置することができる。キャップ容積の内側に配置されると、基板に通気孔がある場合、周囲ガスがキャップ容積に入る可能性があり、周囲の所望の変動が他のセンサによって感知される可能性がある。そのようなシナリオでは、通気孔膜は、例えば拡散、選択性などに関して異なる特性を示すことができ、膜は、後により詳細に導入される測定セル本体のアパーチャを覆う。キャップ容積の外側に配置されると、周囲ガスはアパーチャによって測定容積に入ることができ、周囲の所望の変動をアパーチャの中で感知することができる。
【0033】
本発明の一実施形態では、EM放射線源はキャップ容積内に配置される。この実施形態では、キャップは、EM放射線源によって放出された放射線が測定容積に入ることを可能にするように配置および構成された光学窓、ならびに/またはEM放射線源によって放出された放射線を、測定容積に入る前にバンドパスフィルタする光学窓を含む。
【0034】
異なる実施形態では、EM放射線源がキャップ容積の外側に配置され、紫外線を放出するように構成される場合、キャップは、キャップ容積内のコントローラを紫外線から保護するために、紫外線に対して不透明な材料から作製されることが好ましい。
【0035】
適用されるEM放射線は、一般に、無線から紫外線までのスペクトルの任意の放射線であり得るが、好ましく使用されるEM放射線は赤外線である。これは、EM放射線源が赤外線を放出するための赤外線源であることを意味する。赤外線は、好ましくは、700nm~1mmの範囲の波長を有する放射線として定義される。この実施形態では、圧力トランスデューサは、構成要素が赤外線を吸収するのに応答して構成要素が生成する音波を測定するように構成される。他の実施形態では、電磁放射線源は、100nm~700nmの範囲の波長の放射線を放出するための源である。
【0036】
好ましくは、EM源によって放出されるEM放射線は、対象となる化学成分の吸収ピークに一致する帯域でのみ放出される。帯域は、吸収ピーク値の+/-15%の最大/最小帯域限界を有する、好ましくは吸収ピークを中心に対称的なEMスペクトルの部分範囲と見なされる。赤外線の場合、対応する帯域は、対象となる化学成分の吸収ピークと一致するように有利に選択される。一実施形態では、光音響ガスセンサ装置はCO2センサとして使用される。その場合、赤外線の帯域は、4.3μmの波長を中心とする。好ましくは、帯域は、0.5μm未満の半値全幅を有し、これは狭帯域として理解することができる。
【0037】
EM放射線源は、全赤外スペクトルにわたって、または例えば0.8μm~10μmなどの広いスペクトルの放射線を放出すると定義される広帯域放射線源であってもよい。そのような広帯域源は、ヒータを有する従来の赤外線エミッタであってもよい。広帯域源は、帯域の赤外線のみが測定容積に放出されるように、バンドパスフィルタ、例えば誘電体フィルタ、またはメタマテリアルフィルタ、またはCMOS吸収層によって覆われることが好ましい。他の実施形態では、場合によってはメタサーフェス共振器を含むレーザまたはLEDなどの狭帯域EM放射線源が使用される。
【0038】
圧力トランスデューサは、検出されることが望ましい化学成分の存在下でPA結合に応答してその中に生じる圧力変動を検出するために、測定容積内に存在し、および/または測定容積と音響的に結合される。実施形態では、圧力トランスデューサは、一般的な圧力トランスデューサ、または特に変調周波数の周りの特定の範囲の周波数のみに敏感なマイクロフォンのいずれかであってもよい。圧力トランスデューサは、底部ポートが基板に面する底部ポートマイクロフォンとすることができる。
【0039】
一実施形態では、基板はプリント回路基板(PCB)であり、例えばFR4またはより機械的安定性を提供するセラミック材料から作製される。少なくとも圧力トランスデューサ、電磁放射線源、コントローラ、ならびに測定セル本体およびキャップは、基板の共通の側面、すなわち第1の側面に装着される。好ましくは、すべての電子構成要素が基板の第1の側面に装着される。好ましくは、すべての電子構成要素は、光音響ガスセンサ装置がSMD(表面装着型装置)であるように、基板の第1の側面に表面装着される。好ましくは、基板の第2の側面、すなわち第1の側面の反対側は、光音響ガスセンサ装置をキャリアに電気的に接続するための接点のみを含む。一実施形態では、接点は、SMDアセンブリおよび/またはリフローはんだ付けのために配置されたランドグリッドアレイ(LGA)パッドを含む。これにより、顧客による装置の他の構成要素との組み立てが容易になる。接点の他の選択肢は、DFN、QFNまたはキャステレーション付き孔を含むことができる。
【0040】
一実施形態では、キャップは平面形状のものであってもよい。次いで、キャップ容積は、基板内の凹部、すなわち基板の第1の側面から延びる凹部によって実質的に画定される。したがって、基板は、凹部の厚さが通常よりも薄くなる。次いで、基板のそのような凹部は、平面キャップによって覆われる。この実施形態では、基板は、プリント回路基板(PCB)として、または導電経路を含むセラミック回路基板として具現化されることが好ましい。PCBは、好ましくは、異なるレベルのPCBから作製された複数の構造化金属化層導電経路を含む多層PCBである。そのようなPCBは、好ましくは、その第1の側面/前面からエッチングまたは研削または他の方法で処理することができ、それによって材料を除去し、基板に凹部を生成する。そのような処理はまた、そのような層を互いに積層する前に、例えば成形の切断によるPCBの個々の層の事前構造化を含むことができる。しかしながら、凹部に貫通孔が生じるように基板が処理されることはない。代わりに、基板は、その凹部内で薄くなったままである。言い換えれば、基板は、凹部の領域においても連続した基板である。
【0041】
この実施形態では、圧力トランスデューサ以外の少なくとも1つの電気構成要素は、基板の凹部に配置される。平面キャップは、基板の凹部を閉じ、基板の凹部と共に音響的に密な区画、したがってキャップ容積を構築/画定する。
【0042】
特に、平面キャップは、その表面が測定セルに面し、反射特性を有することが望ましいことを考慮して、金属から作製される。他の実施形態では、キャップ、好ましくは少なくとも測定容積に面するキャップの側面は、金などの反射コーティングによってコーティングされる。
【0043】
好ましくは、少なくともコントローラは、基板の凹部上に配置される。コントローラおよび/または測定容積へのアクセスを必要としない任意の構成要素のみがキャップ容積内に配置されている場合、平面キャップは、所望の潜在的に不透明な材料の連続シートであり、基板の凹部を完全に覆うおよび/または封止することができる。しかしながら、電磁放射線源が基板の凹部内に配置される場合、キャップが電磁放射線源によって放出される電磁放射線に対して透明でない場合には、キャップは透明材料によって覆われた開口部を含むことが好ましい。そのような開口部は、好ましくは、キャップ容積内で生成された電磁放射線が光学フィルタを通過して測定容積に入ることを可能にするために、電磁放射線に対して透明な光学フィルタによって覆われる。光学フィルタは、キャップに封止されていることが好ましい。
【0044】
異なる実施形態では、キャップはシリコンから作製される。ここでも、コントローラおよび/または測定容積へのアクセスを必要としない任意の構成要素のみがキャップ容積内に配置されている場合、平面キャップは、所望の材料の連続シートであり、基板の凹部を完全に覆うおよび/または封止してもよく、かつさらには、不透明であるか、または不透明材料によってコーティングされてもよい。しかしながら、電磁放射線源が基板の凹部内に配置される場合、シリコンキャップは、キャップ容積内で生成された電磁放射線に対して透過性であるか、または開口部を備えるか、または透明部分を備える。好ましくは、電磁放射線に対して、好ましくは特定の波長の電磁放射線のみに対して透明な光学フィルタが、シリコンキャップとは別個の要素として、または層の形態でシリコンキャップ上に、例えばPECVDによって堆積された光学コーティングとして、キャップの片側または両側に、すなわち測定セルに面するか、または基板に面するか、または両方に面するかのいずれかで、キャップに適用される。異なる実施形態では、光学フィルタはキャップに組み込まれており、したがってキャップの一部を表すことができる。そのような部分は、キャップの他の部分とは異なる光学特性を有してもよい。代替例では、キャップ全体を所望の光学特性を有する材料から製造することができるが、キャップの他の部分が、例えばそのような部分の光学的に不透明なコーティングによって光学的に損なわれ得ることを考慮して、電磁放射線を通過させるために一部のみを準備する。
【0045】
凹部は薄くなった基板をもたらし、上面が基板の第1の側面を表す。第1のレベル面とも呼ばれる上面は、基板が垂直軸に沿った厚さならびにx軸およびy軸に沿った平面延長部を有する場合、垂直軸の第1のレベルにある。第1のレベル面は、基板の通常の面レベルよりも低い。第1のレベル面は、電気構成要素のうちの1つ以上を設置するための平面であってもよい。これは、一実施形態では、第1のレベル面が1つ以上の電気構成要素に電気的に接触するために接触パッドを露出させることを意味し得る。そのような接触パッドは、PCB内のメタライズ層のうちの1つから、第1のレベル面がPCB内のこのメタライゼーション層のレベルを幾分超えるレベルにあるように形成されてもよい。したがって、PCBは、電気構成要素が容易に電気的に接触することを可能にする凹部を生成するために、そのような第1のレベルまで研削またはエッチングまたは他の方法で処理することができる。
【0046】
他の実施形態では、凹部は、垂直軸に沿った2つの異なるレベルの表面が生成されるように成形され、第2のレベル面は第1のレベル面よりも低い。特に、第2のレベル面は、基板の第1の側面が以下のプロファイルを示すように、第1のレベル面の間に配置される:通常のレベル、第1のレベルへの降下、第2のレベルへの降下、第1のレベルへの上昇、通常のレベルへの上昇。したがって、裏面容積を必要とする構成要素は、第2のレベル面を橋絡する第1のレベル面上に配置されてもよい。そのような電気構成要素は、好ましくは電磁放射線源である。異なるシナリオでは、構成要素が第2のレベル面上に配置されてもよく、この構成要素は、キャップを考慮して第1のレベル面上への構成要素の配置を妨げる厚さを示す。
【0047】
基板の凹部を有する実施形態では、キャップ容積の外側に配置されるさらなる構成要素は、一実施形態では、基板の非凹部、すなわちその通常のレベルに設置されてもよい。しかしながら、異なる実施形態では、他の凹部が基板に設けられてもよく、その第1の側面には、そのような構成要素を設置またはSMD装着するための第3のレベル面が生成される。このような他の凹部は、カバーで覆われていることが好ましい。基板の他の凹部およびカバーは、他のキャップ容積を形成する。この他のキャップ容積は、キャップ容積と接続されていない。カバーが反射性であり、および/またはカバーが反射コーティングによってコーティングされている場合、少なくとも測定容積に面する側面では、反射面を有する構成要素を提供することと比較して、測定容積内の反射率が向上および促進される。他の凹部における第3の面のレベルは、凹部における第1の面のレベルと同一であってもよいが、必ずしも同一である必要はない。好ましくは、圧力トランスデューサは、基板上で基板の他の凹部内に配置される。しかしながら、さらなる構成要素が基板の他の凹部内に配置されてもよい。
【0048】
最も好ましくは、他の凹部のカバーは、凹部のキャップによって表される。したがって、キャップは細長くてもよく、また他の凹部を覆ってもよい。このようなカバーの材料については、キャップの材料を参照されたい。好ましくは、カバーはまた、一例では反射コーティングによってコーティングされ、この反射コーティングは測定容積に面する。好ましくは、コーティングは、キャップおよびカバー上の連続コーティングであってもよい。
【0049】
圧力トランスデューサが他の凹部に配置される場合、カバーは、測定容積をカバーの下の容積と音響的に結合するための開口部を備えることが好ましく、この容積は他のキャップ容積とも呼ばれる。開口部は、測定容積と他のキャップ容積との間の音響結合が、測定容積内で生成された音波を圧力トランスデューサによって検出することを可能にするように寸法決めされる。
【0050】
他の実施形態では、他の凹部は、垂直軸に沿って2つの異なるレベルに表面が生成されるように成形され、第4のレベル面は第3のレベル面よりも低い。特に、第4のレベル面は、基板の第1の側面が他の凹部内で以下のプロファイルを示すように、第3のレベル面の間に配置される:通常のレベル、第3のレベルへの降下、第4のレベルへの降下、第3のレベルへの上昇、通常のレベルへの上昇。裏面容積を必要とする構成要素は、好ましくは、第4のレベル面をもたらす第3のレベル面上に配置される。このような電気構成要素は、好ましくは圧力トランスデューサである。異なるシナリオでは、1つ以上の構成要素が第4のレベル面上に配置されてもよく、この構成要素は、キャップを考慮して第3のレベル面上への構成要素の配置を妨げる厚さを示す。好ましくは、第3のレベルは第1のレベルに等しい。好ましくは、第4のレベルは第2のレベルに等しい。
【0051】
キャップの異なる実施形態では、キャップを形成するための第1のキャビティと、他のキャップを形成するための他のキャビティとを含有するキャップ構造が提供される。第1のキャビティは、キャップ容積に部分的または完全に寄与する。第2のキャビティは、基板と組み合わせて、他のキャップ容積に部分的にまたは完全に寄与する。キャップ容積および他のキャップ容積は、キャップ構造によって、例えばキャップ構造の基部によって互いに分離されて基板上に着座する。圧力トランスデューサ以外の1つ以上の電気構成要素はキャップ容積内に設置されるものの、圧力トランスデューサはここでは他のキャップ容積内に設置される。キャップ構造は、測定容積を圧力トランスデューサに音響的に結合するために、測定容積に向かう開口部を示すことが好ましい。
【0052】
そのような実施形態では、電気構成要素はすべて、基板の第1の側面に存在してもよい。しかしながら、単一のキャップを有する他の実施形態と比較して、圧力トランスデューサなどのキャップの外側に配置される他の電子構成要素も、他のキャップによってキャップされる。好ましくは、両方のキャップは、2つのキャップを形成する2つのキャビティを有するシリコンウェハまたはプリント回路基板(PCB)として具現化することができる共通のキャップ構造から製造される。シリコンウェハの場合、キャビティを生成するためにエッチングなどの公知のプロセスを適用することができる。PCBの場合、PCB基板内に1つ以上の凹部を生成するために開示されているようなプロセスを、キャビティを生成するために適用することができる。その結果、他の電気構成要素であっても、測定容積に直接面することはないが、キャップ構造の1つ以上の開口部によって測定容積と結合された他のキャップ容積内に配置される。この場合も、測定容積に面するキャップ構造の少なくとも表面は、反射性であるか、または反射コーティングによってコーティングされていることが好ましい。
【0053】
それにもかかわらず、基板はまた、基板の通常のレベル面よりも低いレベルに第1のレベル面を提供するための凹部を含むことができる。そのような凹部は、例えば電磁放射線源の裏面容積として使用することができる。他のキャップによってキャップされた基板の部分はまた、基板の通常のレベル面よりも低いレベルに第3のレベル面を提供するための他の凹部を含むことができる。そのような他の凹部は、例えば圧力トランスデューサの裏面容積として使用されてもよい。
【0054】
好ましくは、キャップ構造は、特にキャップ構造がシリコンウェハである場合には接合、またはキャップ構造がPCBから作製される場合には糊着もしくははんだ付けのうちの1つによって、キャビティが基板に面するように基板に取り付けられる。キャップ構造が基板とx/y方向に同じまたは同様のフットプリント(+/-10%)を有する場合、測定セル本体はキャップ構造に取り付けられることが好ましい。したがって、キャップ構造は、基板と測定セル本体との間の中間要素として作用する。他の実施形態では、キャップ構造は、基板よりも小さいフットプリントを有してもよい。依然として、基板は、測定セル本体によっても回路を実装するためのキャップ構造によっても覆われていない部分を示しているものの、測定セル本体をキャップ構造に取り付けることができる。
【0055】
好ましくは、測定セルのアパーチャは、測定容積と測定セルの周囲との間のガス交換を可能にする。アパーチャは、測定セル本体に設けられてもよく、または基板に設けられてもよい。一実施形態では、ガス透過性膜がアパーチャを覆う。膜は、測定容積と測定セルの周囲との間のガス交換に対して透過性である。ガス透過性膜は、特に、以下の材料のうちの1つ以上で作製されてもよい:焼結金属、セラミック、ポリマー。膜は、測定容積と測定セルの周囲との間の結合解除要素としても有利に作用する。したがって、好ましくは、膜を通るガス分子の動きを減衰させ、その結果、周囲からの圧力変動、例えば音波は、測定容積内に伝播するときに減衰され、測定容積内の圧力変動は、大部分が内部に維持される。
【0056】
基板内の他の凹部および/または上記で展開されたような2つのキャップを形成するキャップ構造が存在する場合、すなわち他のキャップ容積がキャップ容積の隣に実装されている場合、アパーチャは、好ましくは、他のキャップ容積内で終端する基板内の貫通孔として実装される。その一実施形態では、圧力トランスデューサの音響結合のために設けられたカバーまたはキャップ構造の開口部は、他のキャップ容積を介して周囲と測定容積との間の所望のガス交換にも十分であり得る。異なる実施形態では、周囲と測定容積との間のガス交換に役立つカバーまたはキャップ構造にさらなる開口部を設けることができ、このさらなる開口部は、圧力トランスデューサの近くに配置された第1の開口部よりも基板のアパーチャの近くに配置される。したがって、カバーまたはキャップ構造の(第1の)開口部は、基板の貫通孔よりも圧力トランスデューサに近いその位置を考慮して、主に音響結合専用であり得る。カバーまたはキャップ構造の他の(第2の)開口部は、圧力トランスデューサよりも基板の開口部に近いその位置を考慮して、主にガス交換専用であり得る。
【0057】
いずれの場合も、アパーチャを覆う膜を設けることができ、膜は、好ましくは基板の第1の側面に配置される。
【0058】
そのようなシナリオでは、上記で展開された他のセンサはまた、他のキャップ容積内で終端するアパーチャを考慮して、他のキャップ容積内に配置されてもよい。したがって、そのような他のセンサは、アパーチャを介した周囲へのアクセスを考慮して、周囲の1つ以上のパラメータを感知することができる。
【0059】
しかしながら、さらなる実施形態では、基板および/もしくはカバーまたは第2のキャップ容積を実装するキャップ構造の他の凹部と組み合わせて、他のキャップ容積から分離されたさらなるキャップ容積を設けることができる。アパーチャは、さらなるキャップ容積内で終端する。したがって、周囲と測定容積との間のガス交換は、さらなるキャップ容積によってもたらされ、それにより、他のキャップ容積内の圧力トランスデューサによる測定に影響を及ぼさない。かつ/または、ガスが周囲と測定容積との間で交換する経路は、他のキャップ容積を介するよりも短くてもよい。
【0060】
平面キャップ/カバーの場合、さらなるキャップ容積は、好ましくは、基板の一部がその通常のレベルの厚さに達することによって他の凹部から分離された基板内のさらなる凹部によって構築される。さらなる凹部のカバーは、具体的には、同時に、他の凹部のカバーを表す細長いキャップによって表されてもよい。キャップ構造の場合、さらなるキャップ容積は、好ましくは、基部によって他のキャビティから分離されたキャップ構造内のさらなるキャビティによって構築され、装着後に基板上に着座する。
【0061】
そのような実施形態では、カバー/キャップ/キャップ構造は、さらなるキャップ容積を測定容積21と接続し、周囲とのガス交換を可能にするために、さらなる開口部を備える。そのような実施形態では、基板のアパーチャ上に、膜が配置されてもよいが、代替的に、さらなる開口部を覆うキャップ/カバー/キャップ構造上に配置されてもよく、または例えばエッチングによってカバー/キャップ/キャップ構造に一体化されてもよい。
【0062】
要約すると、周囲と測定容積との間のガス交換のためのアパーチャを提供する基板の場合、3つのシナリオが好ましい:1)アパーチャは測定容積内で直接終端する。2)アパーチャは、ガスがカバーまたはキャップ構造の開口部を通って他のキャップ容積を介して測定容積に到達するように、他のキャップ容積内で終端する。3)アパーチャは、ガスがカバーまたはキャップ構造の開口部を通って、さらなるキャップ容積を介して周囲から測定容積に到達するように、さらなるキャップ容積で終端する。
【0063】
PAガスセンサ装置は、その小さな寸法/フットプリントのために多くの異なる用途分野で使用することができる:用途分野は、空気の品質を測定するためのテーブルトップまたは携帯型装置、壁に装着されたサーモスタット、空気ダクト内のプローブなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0064】
本発明のさらなる態様によれば、ガス中の化学成分の存在または濃度を示す値を決定するための光音響ガスセンサ装置を製造するための方法が提供される。好ましくは電気構成要素を電気的に相互接続するための導体トラックを備える基板が提供される。電気構成要素は、好ましくはSMDプロセスにおいて、基板の第1の側面に装着される。電気構成要素は、電磁放射線を放出するための電磁放射線源と、化学成分が電磁放射線を吸収するのに応答して化学成分が生成する音波を測定するための圧力トランスデューサと、電磁放射線源を制御するように構成されたコントローラとを少なくとも備える。キャップは、基板の第1の側面に装着される。キャップおよび基板は、キャップ容積を音響的に封止する。キャップは、圧力トランスデューサ以外の電気構成要素のうちの少なくとも1つを囲む。
【0065】
測定セル本体が基板の第1の側面に装着され、それによってキャップおよびキャップの外側に配置された電気構成要素を囲み、それによって基板と共に測定セルを画定する。測定セル本体および基板は、測定セルを形成する。測定セル本体、基板、およびキャップは、電磁放射線が放出される測定容積を制限する。測定セルは、ガスが測定容積に入るためのアパーチャを備える。
【0066】
一実施形態では、基板の第1の側面に電気構成要素を装着する前に、例えば上記に開示されたプロセスの1つによって、基板内において基板の第1の側面に凹部が生成される。次いで、電気構成要素は、キャップを適用する前に、基板の第1の側面で基板の凹部内および凹部の外側に装着される。
【0067】
PAガスセンサ装置の進行中の組み立て中、既に装着されたキャップは、さらに、下にある任意の電気構成要素を、特に機械的衝撃から、埃および/または液体から、後に構成要素を基板に装着するために使用される接着剤および/またははんだから機械的に保護することができる。
【0068】
好ましくは、キャップの基板への装着は、糊着またははんだ付けの一方を含む。特に、はんだ付けが好ましく、最も好ましくは、例えば顧客がPAガスセンサ装置を指定されたシステムPCBにはんだ付けすることを可能にするために、高温に耐えるために一般的に使用されるはんだ合金よりも高い融点を有するはんだ合金を用いる。そのようなシナリオでは、はんだ、特にPAガスセンサ装置をシステムPCBにはんだ付けするために使用されると予想されるはんだの融点を超える融点を有する糊/接着剤を使用することが提案される。次いで、顧客は、キャップが基板から分解する危険を冒すことなく、任意の取り付け技術を自由に使用することができる。測定セル本体を装着する場合、すなわち、接着剤を用いて測定セル本体を基板に接着する場合も同様であり、上記の溶融特性を有する接着剤が好ましい。キャップおよび測定セル本体の両方を基板に接着する場合、両方の接着剤を同じステップで、すなわち同時にアニーリング。
【0069】
光検出器の他の有利な実施形態は、従属請求項および以下の説明に記載されている。
【0070】
本発明の実施形態、態様および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明は、添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図である。
【
図2】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断上面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図である。
【
図4】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図である。
【
図5】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図である。
【
図6】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図である。
【
図7】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図である。
【
図8】本発明の一実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
同じ要素は、すべての図にわたって同じ参照番号によって参照される。
【0073】
図1は、本発明の一実施形態による光音響(PA)ガスセンサ装置の切断図を示す。PAガスセンサ装置は、例えばプリント回路基板(PCB)である基板1と、測定容積21を囲む測定セルを共に形成する測定セル本体2とを備える。測定セルは、測定容積21とPAガスセンサ装置の周囲との間のガスの交換を可能にするアパーチャ23を有する。
図1において、アパーチャ23は、測定セル本体2内に位置している。アパーチャ23は、好ましくは、ガス中の対象となる化学成分の濃度が周囲と同様になるようにガス交換を可能にするためにガス透過性である膜22によって覆われる。
【0074】
基板1は、第1の側面11および第2の側面12を有する。測定セル本体2は、第1の側面11に配置されており、後述する電気構成要素も同様である。第1の側面11とは反対側の基板の第2の側面12には、顧客によるSMD組み立ておよびリフローはんだ付けのためのパッド13、例えばランドグリッドアレイ(LGA)パッドが設けられている。DFN、QFNパッドまたはキャステレーション付き孔などの他の接点も可能である。
【0075】
基板1の第1の側面11に配置された電気構成要素は、圧力トランスデューサ3と、この例では赤外線源である電磁放射線源4とを備える。両方の電気構成要素は、測定容積21の内側に位置している。
【0076】
赤外線源は、参照符号41で示す赤外線を放出する。赤外線源によって放出される放射線の波長/帯域が検出されるガス分子に調整される場合、赤外線41は、測定容積21内に存在する対象となる化学成分の分子によって選択的に吸収される。赤外線源は、広帯域赤外線エミッタであってもよく、例えば、光バンドパスフィルタで覆われた赤外線スペクトル全体にわたって放射線を放出する。光バンドパスフィルタは、対象となるガス成分に応じて設定された帯域の放射線のみを通過させる。CO2の検出のために、帯域は、例えば約4.3μmを中心とし、0.5μm以下、例えば0.2μmまたは0.1μmの典型的な帯域幅を有し、その結果、測定値は実際にはCO2に対して選択的である。
【0077】
圧力トランスデューサ3は、MEMSマイクロフォンまたは任意の他の圧力トランスデューサであってもよい。圧力トランスデューサの感度は、必ずしも音響周波数帯に限定されず、100kHzまでの周波数を測定するように構成されてもよい。1つ以上の他の電気構成要素が、基板1の第1の側面11に配置されてもよく、5によって集合的に参照される。
【0078】
さらに、キャビティ74を有するキャップ7が、測定セル内の基板1の第1の側面11に配置される。キャップ7は、基板1およびキャップ7によって画定されるキャップ付き容積71から測定容積21を区切っている。コントローラ8がキャップ付き容積71内に配置されている、すなわちコントローラ8はキャップ7によって囲まれている。圧力トランスデューサ3、電磁放射線源4、コントローラ8、およびもしあれば他の構成要素5は、基板1内または基板1上の導体トラックを介して電気的に接続される。
【0079】
非常に好ましい実施形態では、コントローラ8はASICとして具現化される。一実施形態では、コントローラ8は、圧力トランスデューサ3および利用可能であれば1つ以上の他のセンサから信号を受信および処理することができる。コントローラ8は、EM放射線源4を制御し、例えば圧力トランスデューサ3からの処理されたまたは少なくとも前処理された信号によって表されるPAガスセンサ装置信号を外部に提供することができる。これらの理由から、基板1は、好ましくは、例えば基板1の第1の側面11に設けられた導体トラックを基板1の第2の側面12上の前述のパッド13に接続するための貫通ビア(図示せず)を備える。好ましくは、基板1は、FR4-PCBなどの導電トラックの複数の層を備える。
【0080】
したがって、コントローラ8は、例えば変調周波数で赤外線に強度変調を課すことによって、EM放射線源4を制御するように構成される。変調周波数は、可聴スペクトル内、例えば20Hz~20kHzであってもよく、または最大100kHzであってもよく、または5Hzまで低下してもよい。コントローラ8は、圧力トランスデューサ3から測定値を受信するように、かつ例えば、測定値を化学成分の濃度値にリンクする所定のまたはリセット可能な較正関数を使用することによって、それらの測定値から化学成分濃度の値を決定するようにさらに構成される。化学成分濃度の値は、デジタルインターフェース、例えばI2Cインターフェースを介して出力することができる。化学成分濃度の値を決定するとき、コントローラ8はまた、利用可能であれば、1つ以上の他の測定値、例えば温度および/または湿度の値を考慮に入れ、上述のように補償を実行することができる。関連するガス成分としてのCO2の場合、0~10’000ppm、または0~40’000ppm、または0~60’000ppmのCO2の範囲での測定が可能である。
【0081】
基板1は、好ましくは、その第1の側面11からその第2の側面12までのそのキャップ付き領域内に貫通チャネルを備え、その貫通チャネルは、例えば過圧もしくは加圧下で周囲の圧力と並ぶことを可能にするため、および/またはキャップ容積71内のガスを逃がすことを可能にするため、および/または周囲のガスがキャップ容積71に入ることを可能にするための通気孔6として機能する。
【0082】
図2は、本発明の一実施形態によるPAガスセンサ装置の切断上面図を示す。本実施形態では、基板1は、測定セル本体2が装着される正方形の基部領域を有する。測定セル本体2内には、電気構成要素が、例えば4つの象限状部分に配置されている。圧力トランスデューサ3およびEM放射線源4は、対向する象限に配置されている。他の構成要素5およびコントローラ8は、残りの2つの対向する象限に配置されている。コントローラ8は、キャップ7によってキャップされている。結果として生じるキャップ容積71は、通気孔6によってPAセンサ装置の周囲に連結される。
【0083】
図3は、本発明の一実施形態によるPAガスセンサ装置の切断図を示す。この実施形態では、EM放射線源4、圧力トランスデューサ3、およびコンデンサ51が、基板1および基板1の同じ第1の側面11に配置された測定セル本体1によって画定された測定容積21に面する基板1の第1の側面11に配置されている。ASICとして具現化されるコントローラ8は、基板1のまさに同じ第1の側面11上に配置されるが、キャップ7によってキャップされる。キャップ容積71内の圧力のバランスをとるために、基板1を貫通して通気孔6が設けられている。基板1の第2の側面12において、通気孔6は、キャップ容積71からのガスまたはキャップ容積71へのガスの通過を可能にする通気孔膜14によって覆われている。
【0084】
さらに、有利には以下のうちの1つ以上である他のセンサ9が提供される:温度センサ、湿度センサ、複合温度/湿度センサ、圧力センサ、特に気圧センサ、他の圧力トランスデューサ、例えば金属酸化物タイプまたは電気化学タイプの他のガスセンサ。温度および/または湿度の測定値を介して、例えば温度および/または湿度の影響について、ガス濃度値を補償することができる。他のセンサ9の存在下では、キャップ容積71内のコントローラ8は、好ましくは、他のセンサ9によって測定された、したがって他のセンサ9の測定値に依存する変数の影響について、化学成分の存在または濃度を示す値を補償するように構成される。したがって、化学成分の測定に対する周囲条件の影響を低減または排除することができる。
【0085】
図4は、本発明のさらなる実施形態によるPAガスセンサ装置の切断図を示す。
図3に示す実施形態と比較して、コントローラ8が測定セル内にキャップされるだけでなく、電磁放射線源4と同様に、図示のコンデンサ51などの1つ以上の他の電気構成要素もキャップされる。電磁放射線源4は、キャップ7内に光学窓72を必要とする。光学窓72は、EM放射線源4によって放出された放射線が測定容積21に入り、対象となるガス分子と相互作用することを可能にする。この実施形態では、圧力トランスデューサ3は、キャップ容積71の外側の測定容積21内に配置されたままである。したがって、圧力トランスデューサ3は、ガス分子と放出された放射線との反応によって引き起こされる圧力変動を検出することが可能になる。
【0086】
この実施形態でも、他のセンサ9が設けられている。この例では、他のセンサ9は湿度センサである。湿度センサは、測定セル内で測定された湿度を表すその信号をコントローラ8に提供することができ、コントローラ8は、湿度によって引き起こされる変動について圧力トランスデューサ信号を補償するために使用することができる。ここでは通気孔がないことを考慮すると、キャップ容積71は外界に接続されていない。しかしながら、異なる実施形態では、上記の理由で通気孔が実際に設けられてもよい。
【0087】
図5は、本発明のさらなる実施形態によるPAガスセンサ装置の切断図を示す。
図4に示す実施形態と比較して、他のセンサ9(ここでも湿度センサ)は、ここではキャップ7の下、すなわちキャップ容積71内に配置されている。したがって、圧力トランスデューサ3によって提供される信号は、ここでも湿度変動によって補償することができる。この例では、キャップ容積71を通気することを可能にするために、通気孔6および通気孔膜14が設けられている。この実施形態では、圧力トランスデューサ3は、キャップ付き容積71内に配置されていない構成要素のうちの1つであるか、またはさらには唯一の構成要素でさえある。このような手法は、測定容積21内の放射線41の平均光路長を改善する、すなわち増加させる。これは、以下の選択肢のうちの1つ以上によって達成される:測定セル本体2の材料が、板金などの反射性であるように選択される。代替的または追加的に、測定セル本体2の内面は、反射コーティングでコーティングされる。反射コーティングは、測定セル本体2の内面に配置されるだけでなく、以下のうちの1つ以上に配置されてもよい:基板1の第1の側面11の一部、圧力トランスデューサ3の一部、例えばその上面、測定容積21に面するキャップ7の外面。このようにして、測定セル内の全体的な反射率が増加し、成分の濃度のより正確な測定がもたらされる。
【0088】
図6および
図7は、本発明のさらなる実施形態による光音響(PA)ガスセンサ装置の切断図を示す。前述の実施形態では、キャップ自体がキャビティを提供し、したがって内部空間を画定したという点で、キャップ自体がキャップ容積に大きく寄与した。
図6および
図7の実施形態では、キャップは平面カバーとして具現化され、その一方で、キャップ容積は基板の凹部によって画定される。
【0089】
図6および
図7の実施形態では、基板1は、好ましくはプリント回路基板(PCB)、好ましくはPCBの異なる垂直レベルに複数の導電層を含む多層PCBである。PCBは、PCB内に少なくとも1つの凹部15を生成してPCBの凹部をもたらすために、例えばエッチングもしくは接地または他の材料除去技術によって構造化される。凹部15は、PCBの第1の側面11、すなわち構成要素が配置される/配置される側面11に位置する。凹部15は、基板1の凹部において基板1がその通常の厚さと比較して薄くなるように、貫通チャネルとしてではなく、くぼみとして理解される。言い換えれば、基板1は、その凹部を挟んでも連続した基板1である。
【0090】
基板1の凹部15は、z軸に沿って、第1のレベルL1の面と、第1のレベルL1よりも低い第2のレベルL2の面とをもたらす。この第1のレベルL1の面には、ここでは、2つの構成要素、すなわち電磁放射線源4およびコントローラ8が配置されている。
図6および
図7に見られるように、これらの構成要素4、8は、基板1の第1のレベルL1の面にボンドワイヤ接続されており、したがって、第1のレベルL1は、導電層の1つが導電経路および接触パッドを生成するように構造化されている基板1のレベルを表すことを意味する。電磁放射線源4は、第2のレベルL2の面を橋絡する。
【0091】
基板1は、第2の凹部16を備える。圧力トランスデューサ3は、第3のレベルL3の表面上の第2の凹部16内に配置され、第2の凹部16の第4のレベルL4の面を橋絡する。圧力トランスデューサ3は、基板1内のメタライゼーション層の導電パッド/経路に電気的に接続されている。ここではアパーチャ23は基板1に設けられ、基板1の第1の側面11上で、基板1の他の凹部内の膜22によって覆われている。
【0092】
図6の実施形態では、凹部15は平面キャップ7によって閉じられている。他の凹部16は、平面カバー6によって閉じられている。キャップ7は、測定容積21に面する反射コーティング73を支持する。カバー6は、測定容積21に面する反射コーティング703を支持する。キャップ7および基板1の凹部は、キャップ容積71を画定する。カバー6および基板1の他の凹部は、他のキャップ容積701を画定する。好ましくは、キャップ7およびカバー6は、均一なコーティング73、703を有する一体品である。
【0093】
カバー6は、2つの開口部61および62を提供する。開口部61は、圧力トランスデューサ3の近くに配置され、測定容積21と圧力トランスデューサ3との間の音響結合を提供する。開口部62は、アパーチャ23の近く/上方にあり、具体的には、周囲と測定容積21との間のガス交換を支持する。
【0094】
図7の実施形態では、凹部15および他の凹部16は、シリコンから作製された一体品の平面キャップ7によって閉じられている。他の凹部16は、平面キャップ7によって閉じられている。キャップ7自体は、反射性材料のものである。キャップ7は、音響結合および測定容積21とのガス交換の両方のための開口部61を提供する。キャップ7および基板1の凹部はキャップ容積71を画定し、キャップ7および基板1の他の凹部は他のキャップ容積701を画定する。構成要素と基板との間の代替的な電気接続は、はんだボール、はんだ付けまたは導電性接着剤を含むことができる。
【0095】
図8は、本発明の他の実施形態による光音響ガスセンサ装置の切断図を示す。構成は、
図6および
図7に示す実施形態に類似している。しかしながら、キャップ7はもはや平面カバーではなく、少なくとも1つのキャビティを示すキャップ構造7/70によって形成される。ここではキャップ構造7/70は、キャップ7を形成するための第1のキャビティ74と、他のキャップ70を形成するための他のキャビティ704とを含む。したがって、他のキャビティ704は、キャップ構造7/70が配置される基板1と組み合わせて、他のキャップ容積701に寄与するために設けられる。キャップ容積71および他のキャップ容積701は、キャップ構造7/701、例えばキャップ構造7/70内の基部Bによって互いに分離されて基板1上に着座する。圧力トランスデューサ3以外の1つ以上の電気構成要素はキャップ容積71内に設置されるものの、圧力トランスデューサ3は他のキャップ容積701内に設置される。キャップ構造7/70は、測定容積21を圧力トランスデューサ3と音響結合するための少なくとも1つの開口部702を提供する。この開口部702は、圧力トランスデューサ3の位置に近接している。他のキャップ容積701を介した光音響センサの周囲と測定容積21との間のガス交換を可能にするために、第2の開口部705が設けられている。この目的のために、基板1は、他の開口部705に近いアパーチャ23と、膜22とを含有する。
【0096】
そのような実施形態では、電気構成要素はすべて、基板1の第1の側面11に存在してもよく、基板1は凹部または異なる表面レベルを示さなくてもよい。しかしながら、いくつかの選択された構成要素をキャップするための単一のキャップを含有する他の実施形態と比較して、ここではすべての構成要素がキャップされている。その結果、圧力トランスデューサ3などの構成要素は、測定容積21に直接面することなく、代わりにキャップ構造7/70に面する。測定容積21に面する任意の表面が反射性であることが望ましいことを考慮すると、キャップ構造7/70および測定容積21に面する少なくともその表面は、好ましくは反射性材料から作製されるか、またはコーティング703などの反射性材料でコーティングされる。このようなコーティング703は、個々の電気構成要素のコーティングまたはハウジングよりも容易に達成することができる。
【0097】
好ましくは、キャップ7および他のキャップ70は、
図8に示すような共通のキャップ構造7/70によって形成される。共通のキャップ構造7/70は、2つのキャップ7/70を形成するためにエッチングされた2つのキャビティ74、704を有するシリコンウェハであってもよい。そのようなシリコンウェハは、好ましくは、基板1の第1の側面11上に接合される。本例では、測定セル本体2は、基板1の第1の側面11上に配置されたままキャップ構造7/70に取り付けられている。
【0098】
それにもかかわらず、基板1は、1つ以上の凹部、ここでは2つの凹部15、16を備えて、第1および第3のレベルL1/L3の面をそれぞれ提供し、両方とも基板の通常のレベル面よりも低いレベルのL1/L3にある。そのような凹部15、16は、例えば電磁放射線源4および圧力トランスデューサ3の裏面容積として使用することができる。
【0099】
上記には本発明の実施形態が示され説明されているが、本発明はそれに限定されず、以下の特許請求の範囲内で他の方法で様々に具現化および実施され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0100】
1 基板
11 第1の側面
12 第2の側面
13 パッド
14 通気孔膜
15 凹部
16 他の凹部
17 通気孔
L1 第1のレベル
L2 第2のレベル
2 測定セル本体
21 測定容積
22 膜
23 貫通チャネル
24 コーティング
3 圧力トランスデューサ
4 EM放射線源
41 赤外線
5 コンデンサ
6 カバー
61 第1の開口部
62 第2の開口部
7 キャップ
71 キャップ容積
72 光学フィルタ
73 コーティング
74 キャビティ
70 他のキャップ
701 他のキャップ容積
702 第1の開口部
703 コーティング
704 他のキャビティ
705 第2の開口部
7/70 キャップ構造
8 コントローラ
9 他のセンサ
【国際調査報告】