(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ロボットアームに統合されたレーザビームによる支持構造の除去
(51)【国際特許分類】
B22F 10/66 20210101AFI20240220BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20240220BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20240220BHJP
B29C 64/40 20170101ALI20240220BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240220BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240220BHJP
B33Y 40/20 20200101ALI20240220BHJP
B22F 12/41 20210101ALI20240220BHJP
B22F 10/36 20210101ALI20240220BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20240220BHJP
B22F 10/40 20210101ALI20240220BHJP
【FI】
B22F10/66
B29C64/153
B29C64/268
B29C64/40
B33Y10/00
B33Y80/00
B33Y40/20
B22F12/41
B22F10/36
B22F10/28
B22F10/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553636
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022055231
(87)【国際公開番号】W WO2022184758
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021105228.9
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ノベル,タムズ
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL13
4F213WL43
4F213WL55
4F213WL62
4F213WL76
4F213WW34
4K018AA10
4K018AA24
4K018BA04
4K018BA13
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
本発明は、生成的に製造される物体(1)であって、支持機能を備える少なくとも1つの機能領域(2)を有し、その少なくとも1つの機能領域(2)が、ツールを用いて製造後に除去されるものに関する。支持機能を備える機能領域(2)が、放射線源により、除去される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生成的に製造される物体(1)であって、
支持機能を備える少なくとも1つの機能領域(2)を有し、
支持機能を備える前記機能領域(2)が、ツールを用いて製造後に除去されるものにおいて、
支持機能を備える前記機能領域(2)が、放射線源を用いて除去されることを特徴とする、生成的に製造される物体(1)。
【請求項2】
支持機能を備える前記機能領域(2)が、層ごとに切除されることを特徴とする、請求項1に記載の生成的に製造される物体(1)。
【請求項3】
生成的に製造されるコンポーネント(1)の表面(3)の形態が、支持機能を備える前記機能領域(2)の除去の間に直接的に変更されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の生成的に製造される物体(1)。
【請求項4】
生成的な物体(1)を製造する方法であって、
構成材料に放射線を選択的に作用させるステップと、
前記物体(1)の機能領域を形成するステップと、
前記機能領域に放射線を選択的に作用させるステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
支持機能を備える前記機能領域(2)が、放射線の作用により層ごとに切除されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記放射線がデータ誘導式レーザビームであることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
生成的に製造される物体(1)の表面(3)の形態を変更するために、前記放射線のエネルギー、強度、及び走査速度が変更されることを特徴とする、請求項4~請求項6のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成的(ジェネレーティブ)に製造される物体であって、支持機能を備える少なくとも1つの機能領域を有し、その少なくとも1つの機能領域が、ツール(機器)を用いて製造後に除去されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような、生成的に製造される物体は、例えば、遠心ポンプの一部、例えば羽根車若しくはポンプケーシング、又は、栓の一部、例えば逆止体若しくは弁ケーシングであり得る。
【0003】
物体の生成的な製造(生成型製造)においては、対象となる物体は、基部の上に適用される(加えられる)構成材料から、層ごとに、形成される。構成材料は、通常、粉体の形態である。粉体材料は、放射線(radiation)により、それぞれの位置において局所的に完全に融解(溶融)され、凝固の後、固体材料層を形成する。基板は、粉体材料がその上に配置されると、次に、1つの層の厚さの量だけ下降され、粉体が再度適用される。このサイクルが、すべての層が作成されるまで、反復される。完成した物体からは、余分な粉体が取り除かれる。
【0004】
放射線を誘導するためのデータは、3次元CAD体に基づくソフトウェアによって生成される。例えば、放射線としては、レーザビームが用いられ得る。選択的なレーザ融解(レーザ溶融)のための代替例としては、電子ビーム(EBM)も用いられ得る。
【0005】
それぞれの層に対して、物体の構造を形成する領域が、選択的に融解される。次のステップでは、下位の層をその上に重なる層と接続させるために、放射線が、下位の層を最高3つまで融解させ、その後、それらの層は、急速な冷却プロセスの間に、最も上の層と融合する。
【0006】
このプロセスの結果は、新たな層が、一般的には、既に存在している層の上だけに配置されることが可能になるということである。そうでない場合には、レーザが、物体に属さない領域を融解し得る。例えば、張出部(オーバーハング部)の下側には、非常に粗い表面が形成されることがある。特に張出部が比較的急勾配である場合には、上に重なる層が過度に不規則な層の上に形成されなければならないから、そのコンポーネントにかなりの欠陥が生じるおそれがある。
【0007】
従って、そのような張出部は、支持構造によって支持されることが重要である。更に、その支持構造は、制御された放熱に、従って、プロセスの信頼性にも寄与する。粉体の形態の構成材料は絶縁効果(断熱効果)を有するから、そうでない場合、コンポーネントにおける強い加熱は過熱(オーバーヒート)を生じさせる可能性がある。更に、急速な加熱とそれに続く冷却のせいで生じるプロセス誘起応力によってコンポーネントが変形することが、支持構造によって回避される。
【0008】
支持構造は、実際の物体には属さないのであるから、製造プロセスの後で除去される必要がある。これは、特にアクセスが困難な支持構造の場合に、非常に困難であり時間を要することが判明している。時には、支持構造は、物体にしっかりと結合しているため、完全に除去することがもはや不可能であり、その結果として、支持構造がその上に固定されている表面の質が劣ることになる。
【0009】
可能な限り少数の支持構造で済ますため、支持構造を戦略的に好都合に配置すること、形成空間において適切に配向すること(方向付けること)、それに加えて支持部材を事後に除去することは、最大の時間因子の1つを表し、従って、生成的な方法のコストに関する主たる側面を表す。
【0010】
独国特許発明第10219983号明細書は、自由形態レーザ焼結による金属又は非金属製品の作成方法を記載している。この場合に、製品は、データ制御を用いて誘導されるレーザビームにより、基板上の粉体材料から垂直方向に層ごとに形成される。少なくとも1つの支持部材が、これは所定の破断点によって製品の外面に接続されているのであるが、基板と製品の外面との間に形成される。所定の破断点は、製品の外側輪郭に沿った支持部材の強度の減少によって、形成される。この場合、支持部材の断面が、強度を減少させるために、狭められる。
【0011】
3次元コンポーネントの作成方法が、独国特許出願公開第102007033434号明細書に記載されている。この場合には、補助構造が、コンポーネントの形成の間に、コンポーネントの範囲を超えて追加的に形成される。所定の破断点が、コンポーネントと補助構造との間の接続点に設けられている。
【0012】
独国特許出願公開第102013011630号明細書は、プラットフォーム上の3次元物体のための1つ又は複数の支持支柱の計算方法を記載しており、この物体は、ある製造方法によって複数の層から形成されている。この場合における支持要素は、安定的な接続点を形成するだけではなく、所定の破断点も有する。支持構造は、物体表面に窪みを生じさせることなく、物体から容易に分離可能であるように意図されている。
【0013】
物体の形成のために要求される支持構造は、生成的な方法による製造の後で、手動で機械的に除去されることが必要である。これは、著しい人的及び財務的費用を結果的に生じさせるが、このことが、工業生産における生成的な製造の推進を妨げることがあり得る。この場合、手動での仕上げを伴う生成的な製造方法は、高度に発展し経済的に最適化された従来型の製造プロセスと競争することになる。
【0014】
独国特許出願公開第102015218753号明細書は、コンポーネントの追加的作成方法を記載しているが、この方法では、異なる複数の粉体がエネルギービームの助けにより複数の層を形成するように融合される。マシンベースの製造のために、この方法は、余分な粉体を除去する目的で、吸引デバイスによって補完されている。このアプローチは、手動での仕上げ動作の縮小を結果的に生じさせる可能性がある。
【0015】
独国特許出願公開第102019002292号明細書は、他のアプローチを記載している。支持構造と手動によるその除去とを全体として不要にするために、形成層が、基礎セグメント板の上にプリントされる。これは、遠心ポンプのための羽根車の場合には、ここに張出部が適用される必要はないので、うまくいく。この例では、形成が、基礎セグメント板の表面においてのみ生じる。
【0016】
支持構造を除去するための手動の費用とは関係なく、生成的な作成による物体の残存表面は、常に視覚的に魅力があるとは限らないし、以後の使用のために最適に構成されているわけでもない。ここで、更なる処理ステップは、多くの場合、その生成的な製造による物体の表面を調整するために実行されるが、これは、生成的な製造の競争力に対し、今度は、経済的に有害な影響を及ぼす。
【0017】
独国特許出願公開第102015202417号明細書は、より将来有望なアプローチを記載している。異なる機能領域を備えるフロー誘導コンポーネントが、生成的な製造により作られる。放射線とエネルギー入力とを変動させることにより、異なる機能領域が、粉体形態の金属材料から作成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
手による手動での仕上げを伴わずに製造されることが可能な、生成的に製造される物体を提供することが、本発明の目的である。この場合に、その生成的に製造される物体の表面は、視覚的に魅力的(きれい)であり、特に耐摩耗性となることが意図されている。この意図は、その生成的に製造される物体の表面の仕上げが不要であり得る、ということである。その生成的に製造される物体は、長い耐用年数と信頼性の高い有用性とによって区別可能であることが意図されている。更に、このコンポーネントは、リサイクルとの相性が非常によいことも意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的は、本発明に従い、生成的に製造される物体によって、そして後者を作成する方法によって、達成される。好適なバリアントは、従属請求項、明細書及び図面において、見出され得る。
【0020】
本発明によると、生成的に製造される物体の、支持機能を備える機能領域が、放射線源(radiation source)を用いて、除去される。
【0021】
この放射線源(放射源)又は放射線(放射)としては、例えば、レーザビーム又は電子ビームと、放射線を生成させるための関連機器とが、用いられ得る。放射線を誘導するためのデータは、生成的に製造される物体の3次元CAD体に基づいて、メソッドソフトウェアを用いて生成される。従って、支持機能を備える機能領域と、生成的に製造される物体の表面とは、厳密に知られることになる。有利には、これらのデータと、同一の放射線源又は放射線とを正確に用いることで、もはや不要である支持構造が除去され得るのであり、また、表面の形態は、以後の使用のために視覚的に魅力的な様態で理想的に修正されるように、変更され得る。本発明による物体の場合には、及び本発明による方法によると、手動での仕上げは完全に不要になり得る。
【0022】
構成材料の層が最初は基部の上に適用される方法により、選択的なレーザ融解の間に、生成的に製造される物体が作成される。好ましくは、生成的に製造される物体を作成するための構成材料は、金属粉体粒子から構成されている。本発明のあるバリアントでは、鉄及び/又はコバルトを含む粉体粒子が、この目的のために用いられる。それらは、クロム、モリブデン、又はニッケルなどの添加物を含んでもよい。金属構成材料は、粉体形態で、薄い層として板上に適用される。次に、粉体材料は、放射線(放射)により、それぞれの所望の位置において局所的に完全に融解され、凝固の後、固体材料層を形成する。次に、基部が1つの層の厚さの量だけ下降され、粉体が再度適用される。このサイクルは、すべての層が作成され完成した物体が得られるまで、反復される。本発明によると、この場合、特に支持機能を備える機能領域を含め、物体の、異なる機能領域が形成される。
【0023】
電子ビームは、技術的に生成される電子線束である。電子ビームは、物質と強く相互作用する。例えば、固体、特に金属の固体は、電子ビームを用いて照射を受けると、加熱される。これが、とりわけ、例えば電子ビーム融解の間に、金属製の構成材料を融解させるのに用いられる。対応するビーム誘導により、マイクロメートルからナノメートルの範囲の構造に、容易に影響を与えることができる。金属処理においては、高い出力を有する電子ビームが、融解、硬化、アニーリング、エッチング及び溶接のために用いられる。電子ビームを用いる処理は、好ましくは、真空中で実行される。
【0024】
本発明によると、生成的に製造されるコンポーネントの表面は、その形態が変更される。形態(morphology)とは、金属学(冶金学)及び結晶学からの用語であり、幾何学的に決定された面、縁(エッジ)及び頂点から構成される金属格子又は結晶の形態を描写するものである。
【0025】
有利には、生成的に製造される物体の表面は、支持機能を備える機能領域の除去の後では不均一で粗い構成を有しているが、放射線源を用いて最適化される。特に、物体表面の平滑性及び粗さは、一方では視覚的要件に応じるように、他方では使用のための要件に応じるように、適合される。
【0026】
理想的には、表面の硬度は、例えば研磨媒体と接触する機能領域として用いられる場合には、耐摩耗性の接触面を生成するために、上昇させることができる。
【0027】
本発明によると、支持機能を備える機能領域、特に支持構造は、層ごとに切除される(除去される)。放射線を誘導するためのデータは、3次元CAD体の形態で提供され、これは、粉体の微粒子を融解させることによって、層ごとに生成される。正確に、これらのデータは、支持構造の除去のための基礎であり、この除去は、同様に、層ごとに実行される。層ごとの除去は、特に適切なのであるが、その理由は、それが非常に正確であり、層と共に画定される様態で厳密に機能するからである。支持構造の手動での除去と比較すると、従って、はるかにより正確かつ円滑に作業することが可能であり、結果的に高品質の製品を生じさせることに至る。
【0028】
本発明の特にある有利なバリアントでは、生成的に製造される物体の形態が、支持機能を備える機能領域の除去の間に、直接的に変更される。物体の完全で直接的な完成を伴う物体の生成的な製造は、この場合、高度に満足できるものであり、その結果として、対応する機械の準備を伴う手又は他の処理ステップによる仕上げが、全体として不要になり得る。
【0029】
本発明によると、生成的に製造される物体は、統合型の製造方法において、形成される。物体の3次元的な形状は、データセットとして、ソフトウェアに記憶される。物体が形成されることが意図されている位置において、様々な生成的形成プロセスのツールを有するロボットアームが作動して、物体の機能領域を、特に支持機能を備える機能領域を、層ごとに形成する。有利には、それぞれの構成材料のための適切な形成プロセスが、それぞれの層に対して連続的又は同時に実行され得るのであって、その結果として、異なる材料から構成される複雑な物体を得ることも可能となり、その領域は以後の使用の要件のために最適に適合されていることになる。
【0030】
本発明のあるバリアントでは、融解可能なプラスチックの点の格子(グリッド)が、ある面に適用される、生成的な製造方法の溶融層ツールを用いて、物体の機能領域が、格子構造の形態でも、層ごとに生成されることが考えられる。ノズルを用いた押し出しと冷却による所望の位置におけるその後の硬化とにより、特に格子の形態及び/又はハチの巣(ハニカム)の形態の耐負荷構造(耐力構造)が生成される。例えば特に耐負荷構造と共に空洞を形成するように生成される物体の支持領域により、物体は、非常に低い質量でありながら驚異的な強度を有することになる。従来的には、機能領域、特に支持機能を備える機能領域を備える物体が得られるように、作業平面を複数の列をなして反復的に走査し、次に、その作業平面を上向きに積み重ねる様態で移動させることによって、物体の形成が実行される。
【0031】
本発明の特にある有利なバリアントでは、生成的に製造される物体が、放射及び凝固による層の連続的な融解によって、構成材料から作成される。生成的に製造される物体の機能領域の異なる複数の性質が、この場合には、放射線(放射)、放射エネルギー及び放射強度を変更することによって(変動させることによって)生成される。局所的な熱導入の目的に応じた制御により、とりわけ放射線の走査速度(スキャン速度)により、材料の性質の修正が、生成的に製造される物体の形成の間に、既に実行される。従って、物体のある領域において、特に表面の形態において、化学的に同種な材料の、異なる材料状態を有する、従って異なる性質を有する、区域及び微小構造を生成することが可能である。
【0032】
金属構成材料は、粉体形態で、薄い層として板上に適用される。次に、粉体材料は、放射線(放射)により、それぞれの所望の位置において局所的に完全に融解され、凝固の後、固体材料層を形成する。次に、この基板は、1つの層の厚さの量だけ下降され、粉体が再度適用される。このサイクルは、すべての層が作成されるまで、反復される。余分な粉体は、統合型製造ツールの助けにより、完成した物体から吸い取られる。
【0033】
支持機能を備える機能領域は、張出部を有するように製造される物体にとっては特に必要不可欠であるのだが、以後に、放射線の作用により、層ごとに切除される。本発明によると、統合型製造ツールのレーザの放射源(放射線源)が、3次元CAD体のデータセットによって誘導され、その結果、生成的に製造される物体の、支持機能を備える機能領域が、非常に正確に切除される。
【0034】
有利には、生成的に製造される物体の表面の形態は、支持機能を備える機能領域の除去の間に、放射線の放射エネルギー、放射強度及び走査速度を変更することによって(変動させることによって)、同時に、そして直接的に最適化される。理想的には、生成的に製造される物体の製造は、全体的に、統合型製造ユニットにおいて実行され得る。このようにして、物体の生成的な製造のためのコストは著しく削減され、仕上げのための労働者の使用は完全に縮小され、完成した物体の表面品質は驚異的に改善される。
【0035】
本発明の更なる特徴及び利点は、図面の助けを伴う例示的な実施形態の説明と、以下の図面それ自体において、見出されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】生成的に製造される物体を示す図であり、この物体は、支持機能を備える機能領域を有する。
【
図2】更なる、生成的に製造される物体を示す図であり、この物体は、支持機能を備える機能領域を有する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、生成的に製造される物体(生成型製造による物体)1を表し、この物体(オブジェクト)1は、支持機能を備える少なくとも1つの機能領域2を有する。この例示的な実施形態では、生成的に製造される物体1が分割リングとして構成されており、支持機能を備える機能領域2が支持構造として構成されている。この支持構造は、生成的に製造される物体1を形成し、更に、層ごとの形成の間にその形状に保持するために、必要である。この支持構造は、生成的に製造される物体1の形成の後に、放射線(放射)によって、層ごとに切除される。物体1の表面3は、特に支持構造が以前に形成されていた表面3は、支持構造の除去の間に、放射線(放射)によって直接的に、その形態が最適化される。手による仕上げ、支持構造の手動での除去、及び生成的に製造される物体1の改善は、不要にすることができる。
【0038】
図2は、支持機能を備える機能領域2を有する、更なる、生成的に製造される物体1を表す。この例示的な実施形態では、生成的に製造される物体1は、ハチの巣型コンポーネントとして形成されており、支持機能を備える機能領域2が、支持構造として形成されている。この支持構造は、生成的に製造される物体1の形成の後、放射線(放射)により層ごとに切除されるが、他方で、生成的に製造される物体の表面3は、直接的に支持構造の除去の間に、物体1の使用のために、その形態が最適化される。
【国際調査報告】