(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】人畜共通感染症の処置及び予防のためのワクチン
(51)【国際特許分類】
A61K 39/145 20060101AFI20240220BHJP
A61K 39/02 20060101ALI20240220BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20240220BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240220BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240220BHJP
C07K 14/11 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
A61K39/145
A61K39/02
A61P31/16
A61P31/04
A61P37/04
C07K14/11 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553678
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2022018125
(87)【国際公開番号】W WO2022187132
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523335313
【氏名又は名称】ロングホーン・バクシーンズ・アンド・ダイアグノスティックス・エル・エル・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダウム,ルーク・ティー
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ジェラルド・ダブリュ
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA03
4C085AA38
4C085BA31
4C085BA55
4C085CC07
4C085CC08
4C085EE06
4C085FF18
4C085FF20
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG08
4C085GG10
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045BA72
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、1つ以上の病原体による感染に対して保護的である、動物又は哺乳動物における免疫応答を誘導するペプチドをコードする核酸又はペプチドを含む組成物に関する。さらに、本発明は、組成物を含むワクチン、並びに動物及びヒトなどの哺乳動物において感染症を処置及び予防するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト、哺乳動物又は動物に投与すると、病原体に対する免疫応答を生成するエピトープを含有する前記病原体のウイルス又は細菌抗原を含む免疫原性組成物。
【請求項2】
抗原が、インフルエンザウイルスのHAタンパク質、NAタンパク質、M1タンパク質、M2タンパク質、M2eタンパク質及び/又はこれらの断片、誘導体若しくは修飾物から得られるか、又はこれらに由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
抗原が、SEQ ID NO 1~106のいずれか1つ以上、SEQ ID NO 107~115のいずれか1つ以上、SEQ ID NO 116~129のいずれか1つ以上の配列又はこれらの組み合わせを含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
破傷風毒素、破傷風毒素重鎖タンパク質、ジフテリアトキソイド、CRM、組換えCRM、破傷風トキソイド、シュードモナス(Pseudomonas)エキソプロテインA、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)トキソイド、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertusis)トキソイド、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)トキソイド、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)熱不安定性毒素Bサブユニット、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)外膜複合体、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Hemophilus influenzae)タンパク質D、フラジェリンFli C、カブトガニヘモシアニン及び/又はこれらの断片、誘導体若しくは修飾物から得られるか、又はこれらに由来するT細胞刺激エピトープをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
T細胞刺激エピトープが抗原のN末端又はC末端に位置する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
複数のインフルエンザウイルスエピトープ及び/又は複数のT細胞刺激エピトープを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
アジュバントをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
アジュバントが、フロイントアジュバント、ALFQ、ALFQA、ALFA、AS01、AS01b、リポソームアジュバント、サポニン、リピドA、スクアレン及び/又はこれらの修飾物、誘導体及び組み合わせを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ウイルス感染症を処置又は予防するワクチンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
細菌感染症を処置又は予防するワクチンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
病原体に感染している疑いがあるか又は病原体に感染していることが決定された動物の集団に請求項1に記載の組成物を投与することによって、前記病原体による感染症を処置又は予防する方法。
【請求項12】
前記組成物が、動物による全身及び/又は粘膜免疫応答を生じる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
投与が水若しくは食品供給物への投与又はエアロゾルとしての投与である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
投与が経口、皮下、筋肉内又は鼻腔内である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
病原体に感染している疑いがあるか又は病原体に感染していることが決定されたヒトに請求項1に記載の組成物を投与することによって、前記病原体による感染症を処置又は予防する方法。
【請求項16】
組成物が、動物による全身及び/又は粘膜免疫応答を生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
投与が経口、皮下、筋肉内又は鼻腔内である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ヒト、哺乳動物又は動物に投与すると、病原体に対する免疫応答を生成するエピトープを含有する前記病原体の抗原をコードするウイルス又は細菌の核酸を含む免疫原性組成物。
【請求項19】
核酸がDNAを含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
核酸がRNAを含む、請求項18に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年9月21日に出願された米国仮出願第63/246,580号及び2021年3月4日に出願された米国仮出願第63/156,645号の優先権を主張し、これらはいずれも参照により組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、1つ以上の病原体の複数のエピトープから構成される複合抗原及びワクチン並びに免疫応答を生成するためのツール及び方法に関する。特に、本発明は、ウイルス疾患の処置及び予防のためのワクチンとしてウイルス特異的ペプチド及び/又は核酸配列を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
人畜共通感染症因子は、感染動物からヒトに伝染される、例えば細菌、ウイルス又は寄生生物などの感染性因子である。例えば、エボラウイルス及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、動物に起源をもち、ヒトに伝染したと考えられている。一旦伝染すると、ヒト病原体となった病原体は、純粋にヒトの疾患であるように変異しているか、又は変異し得、他の者に伝染する。
【0004】
元々はトリ及びブタに感染するインフルエンザの多くの株は、ヒトに伝染し得る。ブタは、トリインフルエンザウイルスと哺乳動物インフルエンザウイルスの両方に感染しやすいので、トリインフルエンザウイルスの種間伝染の重要な中間宿主と考えられている。その結果生じるウイルスの混合が、ヒト又は他の哺乳動物に対してより適合できる新規な組換え株を産生すると考えられている。ヒト感染は、典型的には、感染動物又は中間宿主動物に近接する作業者に現れる。ウイルスは、ヒトに感染するように変異している場合があり、その作業者が、ウイルスをコミュニティ内の他の者に伝染させるか、又は中間宿主を通過したときに変異する。その後、感染は、しばしば、世界中に広がる。今日のヒトにおける病原性感染症の約2/3は、動物に由来すると考えられている。
【0005】
人畜共通感染疾患は、多くの異なる伝染様式を有する。直接人畜共通感染症では、疾患は、空気を介して、直接的な接触を介して、又は水源及び飼料との間接的な接触を介して、感染動物又は中間動物からヒトに直接伝染する。インフルエンザは、感染した空気を呼吸することを介してヒトに広がると考えられているのに対して、水痘ウイルスは、直接の接触を通じて伝染する。
【0006】
宿主中間体又はヒトの遺伝学が、しばしば、感染に対する感受性又は疾患の重症度を決定する。多くの病原体は、感染を確立するためにほとんど変異を必要としない。過去数十年にわたって、新たな人畜共通感染疾患の著しい増加が存在し、これは動物飼育の産業化によるものと考えられている。
【0007】
インフルエンザウイルス(Influenza virus)の3つの属は、現在、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae Family):A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス及びC型インフルエンザウイルスを構成する。これらの属の各々は、インフルエンザウイルスの単一の種を含む。A型インフルエンザウイルス属は、単一の種、A型インフルエンザウイルスからなり、例えば、限定されないが、H1N1、H1N2、H2N2、H3N1、H3N2、H3N8、H5N1、H5N2、H5N3、H5N8、H5N9、H7N1、H7N2、H7N3、H7N4、H7N7、H9N2及びH10N7血清型を含む、ヒトの間で現在循環しているインフルエンザウイルス株のすべてを含む。ウイルス分類において、インフルエンザウイルスはRNAウイルスである。B型インフルエンザウイルス属は、単一の種、B型インフルエンザウイルスからなり、そのうち、現在ただ1つの知られている血清型が存在する。B型インフルエンザウイルスは、ほとんど専らヒト病原体であるが、A型インフルエンザ株よりも大幅に一般的でなく、遺伝的多様性がより低い。この限られた遺伝的多様性のために、ほとんどのヒトは、幼年期にB型インフルエンザウイルスに対してある程度の免疫を獲得するが、ウイルスの変異頻度は、ほとんどのヒトによる免疫の持続を妨げるのに十分に高いが、ヒト集団全体にわたるB型インフルエンザウイルスによるパンデミック感染を可能にするほど十分に高くない。C型インフルエンザウイルス属も、C型インフルエンザウイルスと呼ばれる単一の種からなり、そのうち現在ただ1つの知られている血清型も存在する。この血清型は霊長類とブタの両方に感染することが知られており、C型インフルエンザウイルスの感染はまれであるが、その結果生じる病気は重篤であり得る。しかしながら、C型インフルエンザウイルスの流行は、密接な接触を有するヒトにおけるその迅速な伝染性のために、曝露集団において珍しくない。
【0008】
インフルエンザウイルスの第4の科、D型インフルエンザが、2016年に同定され、これは、2011年に最初に単離された。赤血球凝集素(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)は、ウイルス粒子の外側にある2つの大きな糖タンパク質である。HAは、ウイルスの標的細胞への結合及びウイルスゲノムの標的細胞中への侵入を媒介するレクチンであるのに対して、NAは、成熟ウイルス粒子を結合する糖を切断することによって、感染細胞からの子孫ウイルスの放出に関与する。したがって、これらのタンパク質は抗ウイルス薬の標的である。さらに、これらのタンパク質は、それに対する抗体が産生され得る抗原である。A型インフルエンザウイルスは、HA及びNAに対する抗体応答に基づいてサブタイプに分類される。これらの異なるタイプのHA及びNAは、例えばH5N1におけるH及びNの区別の基礎を形成する。18のHA及び11のNAサブタイプが知られているが、HA1、2及び3並びにNA1及び2のみがヒトにおいて一般的に見出される。特に、A型インフルエンザウイルスは、多くの異なる血清型を有し、これらの2つのタンパク質のみの中での変動に基づいて144を超える可能性のある「HN」血清型を有する。これらの組み合わせの少数のみが、任意の所与の時点で感受性を有する集団内を循環していると考えられる。
【0009】
インフルエンザウイルスは、主にヒト及び他の脊椎動物を侵す伝染性呼吸器疾患(一般にインフルエンザと呼ばれる)の病原体である。インフルエンザは高度に感染性があり、古来より人類を苦しめてきた急性呼吸器疾患である。感染は、再発性の毎年の流行及び周期的な世界的大流行を特徴とする。インフルエンザウイルス感染は、軽度から重度の病気を引き起こす可能性があり、死に至ることさえある。米国では毎年、平均して、人口の5~20%が、インフルエンザに罹患しており、合併症により20万人超が入院し、36,000人超が死亡している。疾患に関連する罹患率及び死亡率が高いため、インフルエンザの直接的及び間接的な社会経済的影響は甚大である。前世紀には4回のパンデミックが発生し、世界中で合わせて数千万人の死亡をもたらした。
【0010】
インフルエンザウイルスは、密接な接触によって鳥類からヒト宿主に広がる。トリインフルエンザウイルス(AIV)のゲノムは、11個のタンパク質(PB2、PB1、PB1-F2、PA、HA、NP、NA、M1、M2、NS1及びNS2/NEP)をコードする一本鎖マイナス鎖RNAの8つのセグメントからなる。家禽産業従事者が、通例、インフルエンザの新しい株の最初のヒト宿主である。したがって、ヒトへの伝染が起こり得る前に家禽を処置することが有益であろう。毎年のインフルエンザの大流行は、「抗原ドリフト」の結果として起こる。抗原ドリフトは、ウイルスが数年間コミュニティ内を循環している場合でさえ、感染ウイルスを認識し、感染ウイルスに対して効果的に防御する宿主の能力を変化させる、宿主集団内を循環するウイルスサブタイプ内のウイルスタンパク質の抗原性(すなわち、免疫刺激)部分内の変異によって引き起こされる。宿主集団における既存の免疫を減弱させる抗原ドリフトは、一般に、いわゆる免疫優性抗原又は免疫優性領域内で起こる。免疫優性抗原は、宿主免疫系によって最も容易に及び最も迅速に認識され、その結果、侵入する、病原体に対する免疫応答の大部分を占める病原体に属する抗原である。典型的には、免疫優性抗原は、環境に最も曝露される病原体の領域内に存在する、すなわち、病原体の外面上又は突出する要素上に存在し、したがって宿主免疫系に最も容易に接近可能である。
【0011】
インフルエンザの場合には、免疫優性HA及びNAタンパク質は、ウイルス粒子の中心カプシドから突出し、そのため、宿主の内部環境と最も強く相互作用し、宿主免疫応答を支配する傾向がある。宿主免疫系から微生物を保護する微生物ゲノム中に生じる変異は、免疫優性抗原に影響を及ぼすことが最も容易に見出される。
【0012】
非免疫優性抗原は、宿主免疫応答を高めることができるが、総免疫応答のほんの少量を占める抗原である。これは、非免疫優性抗原は、微生物表面の割れ目若しくは折れ目に位置するか、又は微生物の突出する要素によって囲まれている抗原の場合のように、宿主免疫系から少なくとも部分的に遮蔽されているために起こると考えられている。インフルエンザの場合には、カプシド表面の近くに存在する非免疫優性抗原は、表面から突出する免疫優性HA及びNAスパイクによって宿主免疫系から遮蔽されている。非免疫優性抗原は、免疫優性抗原よりも宿主の免疫圧に応答してより少ない変異を示す傾向がある。
【0013】
CDC及び世界の疾患予防に関する主要な当局は、ヒトにおけるウイルス性呼吸器感染症を予防する唯一の最良の方法は定期的なワクチン接種によるものであることを勧告している。従来のワクチンは、典型的には、インフルエンザの免疫優性タンパク質、HA及びNA抗原を標的とする。これらのワクチンは、疾患を予防する上で普遍的に保護的ではなく、又は100%有効ではなかった。抗原シフトは、インフルエンザワクチンが普遍的に保護的であること、又は長年にわたって有効性を維持することを妨げる。従来のワクチンの非有効性は、1つには、抗原ドリフト並びに免疫系によって最も一般的に認識されるHA及びNAタンパク質(すなわち、免疫優性抗原)の抗原性部分内においてその結果生じる変動にも起因し得る。その結果、インフルエンザが現在の処置に対するその耐性を絶えず改善しているので、多くのヒトは、利用可能な有効な処置方法がなく、インフルエンザウイルスに感受性であることに気付くであろう。このシナリオは、極めて毒性が高いが、感受性を有するヒト集団を免疫するための広く利用可能な市販のワクチンが現在存在しないH5N1ウイルスに関して特に懸念される。
【0014】
現在、インフルエンザワクチンは、新たな株が毎年出現するために毎年再処方され、一般的には、限られた免疫を誘導する。さらに、防御免疫応答を達成するために、いくつかのワクチンは高用量の抗原とともに投与される。これは、H5N1ワクチンについて特に当てはまる。さらに、H5N1ワクチンを含むインフルエンザワクチンは、典型的には、エピトープが天然に見出されるのと同じ順序でエピトープを提示し、一般的には完全なウイルスタンパク質として提示するので、その結果、有効なワクチンを作製するために比較的大量のタンパク質が必要とされる。その結果、各投与には、投与量に伴う増大したコストが含まれ、公衆にワクチンを接種するのに十分な用量を製造することがさらに困難になる。さらに、より大きなタンパク質の使用は、レシピエント宿主における望ましくない免疫応答のリスクを高める。
【0015】
免疫応答の中で、T細胞は、免疫系の重要なツールであり、免疫応答後に生じるサイトカインのカスケードの主要な供給源である。T細胞の主要な形態のうちの2つは、細胞表面分子CD4及びCD8の存在によって同定される。CD4を発現するT細胞は、一般にヘルパーT細胞と呼ばれる。Tヘルパー細胞は、サブセットTh1及びTh2を含み、それらが産生するサイトカインは、Th1型サイトカイン及びTh2型サイトカインとして知られており、これらの両セットは、免疫応答を生じさせる上で極めて重要である。Th1型サイトカインは、細胞内寄生生物のオプソニン化を刺激する炎症促進性応答、基本的には体液性免疫応答を生成する。インターフェロンガンマは、主要なTh1サイトカインの1つである。Th2型サイトカインには、細胞性免疫応答の促進に密接に関連するインターロイキン4、5、10及び13が含まれる。感染に対しては、バランスのとれたTh1及びTh2応答が最も望ましい。
【0016】
ニューカッスル病ウイルス(NDV)は、家禽での破壊的な疾患の原因であり、業界に多大な経済的影響を与える。ニューカッスル病は、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)のルブラウイルス(Rubulavirus)属に属する。しかしながら、NDVは、ルブラウイルス(Rubulavirus)属の他のメンバーとは遠縁であると考えられている。NDVは、飼育された鳥及び野生の鳥の種の両方が罹患する鳥類疾患の伝染性ウイルス因子である。NDVのマイナス鎖RNAウイルスゲノムは、6つの主要な構造タンパク質をコードする6つの遺伝子(3’-NP-P-M-F-HN-L-5’)を含有する。このウイルスはヒトに伝染性であるが、ほとんどの場合、ヒトの疾患は無症候性である。NDVのゲノムは、核タンパク質(NP)、リン酸化タンパク質(P)、マトリックスタンパク質(M)、融合タンパク質(F)、ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)及び大型タンパク質(L)をコードする6つのオープンリーディングフレームを含有する。少なくとも1つの追加の非構造タンパク質(V)及び場合によっては第2の非構造タンパク質(W)が、P遺伝子転写中のRNA編集によって生成される。ニューカッスルのウイルス粒子は、非病原性になるように改変され、ワクチン接種のためのベクターとして使用されている。NDVの多くの異なる弱毒化株が存在し、病原性はFタンパク質の切断と相関する傾向があるが、絶対的ではない。例えば、P遺伝子のUストレッチ内の単一のUからCへの改変は、複製を実質的に低減させることなくニワトリ胚に投与するためにウイルスを弱毒化した。弱毒化生NDVワクチンの別の利点は、飲料水又はスプレーを介して適用できることであり、投与コストを安価にする。
【0017】
弱毒化生NDワクチンは、自然感染の免疫応答と同じように粘膜及び全身免疫応答の両方を刺激することが知られている。これらの弱毒化NDV株は、外来遺伝子を含有するように組換え技術で改変され得る。外来遺伝子の挿入は、複製効率又はウイルス収量に著しい影響を与えることなく、NDVゲノム中の異なる位置に存在し得る。外来成分を含有する弱毒化株は、NDVの利点を維持しながら、外来成分に対する適切な免疫応答を生成するのに有用であり得る。
【0018】
現在、病原性インフルエンザウイルスの拡散は、ワクチン接種及び/又は1つ以上の抗ウイルス化合物での処置によって動物集団において制御されている。不活化インフルエンザウイルス又は単にインフルエンザ抗原を含有するワクチンは、現在世界中で使用されている。典型的には、ワクチン接種は動物に個別に投与されるが、これは非実用的であり、高価である。したがって、感受性動物の大きな群にまとめて投与することができ、また、ワクチンが、広範囲の異なる株及び/若しくは標的病原体の変種にわたって並びに/又は複数の病原体に対する保護を提供するワクチンを有することが有利であろう。このようなワクチンは、産業にとっても、ヒトへの伝染の予防、換言すれば、パンデミックの回避にとっても有用であろう。このようなワクチンは、既存の病原体に対してのみならず、新規及び新興の病原体に対しても投与され得る。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、インフルエンザなどの人畜共通感染症を予防するためにヒト、哺乳動物、鳥類又は他の動物に投与される、特にヒト及び動物に投与するための、1つ以上の病原体に対するワクチンに向けられた、新規及び有用な組成物並びにツール及び方法を提供する。
【0020】
本発明の一実施形態は、1つ以上のウイルス抗原、エピトープ及び/又は複合抗原若しくはエピトープを含有するペプチドに関する。好ましくは、ウイルスはインフルエンザウイルスであり、抗原及び/又はエピトープは、インフルエンザウイルスのHAタンパク質、NAタンパク質、M1タンパク質、M2タンパク質、M2eタンパク質から得られるか、又はこれらに由来する。また好ましくは、ウイルスはトリインフルエンザウイルスである。本発明のペプチドは、複数のインフルエンザウイルスエピトープを含み得る。ペプチドは、例えばフロイント、リポソーム、サポニン、リピドA、スクアレン並びにこれらの誘導体及び組み合わせなどのアジュバントを任意に含有し得る免疫原性組成物の一部であり得る。好ましいアジュバントとしては、例えば、免疫賦活物質として、QS-21(キラヤ・サポナリア・モリナ(Quillaja saponaria Molina)から抽出されたサポニン画分)及び3-O-デスアシル-4’-モノホスホリルリピドA(MPL;サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)由来のリポ多糖の非毒性誘導体)を含み、並びに、時に、toll様受容体(例えば、TLR4)などのリガンド、アジュバントShingrixの成分であるAS01b、飽和リン脂質、コレステロール及び/又はモノホスホリルリピドA(MPLA)を含有するリポソームを含むALF(Army Liposome Formulation)を含むリポソームベースのアジュバントであるAS01(Adjuvant System 01)が挙げられる。ALFは安全性及び強力な効力を有する。AS01は、マラリアワクチンRTS、S(Mosquirix)中に含まれる。ALFの修飾物及び誘導体には、例えば、水酸化アルミニウムに吸着されたALF(ALFA)、QS21サポニンを含有するALF(ALFQ)、及び水酸化アルミニウムに吸着されたALFQ(ALFQA)が含まれる。好ましいアジュバント製剤は、フロイントアジュバント、リポソーム、サポニン、リピドA、スクアレン、リン脂質として、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアリルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)及び/又はジステアリルホスファチジルグリセロール(DSPG)であり得る少なくとも1つのホスファチジルコリン(PC)及び/又はホスファチジルグリセロール(PG)、コレステロール、モノホスホリルリピドA(MPLA)並びにサポニンを含むリポソーム二重層を有する単層リポソームを含む。好ましくは、免疫原性組成物は、ブタ及び鳥類種を含むがこれらに限定されない、ヒト、哺乳動物及び他の動物におけるインフルエンザウイルス感染を処置又は予防するワクチンである。
【0021】
本発明の別の実施形態は、1つ以上のトリインフルエンザウイルス抗原若しくはエピトープ及び/又は複合抗原若しくはエピトープと、1つ以上のT細胞刺激エピトープとを含有するペプチドを含む。T細胞刺激エピトープは、破傷風毒素、破傷風毒素重鎖タンパク質、ジフテリアトキソイド、CRM、組換えCRM、破傷風トキソイド、シュードモナス(Pseudomonas)エキソプロテインA、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)トキソイド、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertusis)トキソイド、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)トキソイド、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)熱不安定性毒素Bサブユニット、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)外膜複合体、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Hemophilus influenzae)タンパク質D、フラジェリンFli C、カブトガニヘモシアニン及び/又はこれらの断片、誘導体若しくは修飾物から得られるか、又はこれらに由来する。好ましくは、T細胞刺激エピトープは、ペプチドのN末端又はC末端に位置する。本発明のペプチドは、複数のインフルエンザウイルスエピトープ及び/又は複数のT細胞刺激エピトープを含み得る。ペプチドは、例えばフロイント、ALFQ、ALFQA、ALFA、AS01、AS01b、リポソーム、サポニン、リピドA、スクアレン並びにこれらの誘導体及び組み合わせなどのアジュバントを任意に含有し得る免疫原性組成物の一部であり得る。好ましくは、免疫原性組成物は、動物におけるインフルエンザウイルス感染を処置又は予防するワクチンである。
【0022】
本発明の別の実施形態は、本明細書に開示される1つ以上の抗原又は複合抗原をコードし、任意にT細胞刺激エピトープをコードするmRNA配列などの配列を含有するウイルスベクターに関する。好ましくは、mRNA配列は、宿主に投与されると、宿主中で免疫応答を生成するエピトープを発現する。好ましくは、ウイルスベクターは、本発明のインフルエンザウイルス抗原及び/又は複合抗原をコードするNDVの弱毒化株である。好ましくは、本明細書に開示されるペプチド及び/又は複合ペプチドをコードする核酸は、NDVのゲノムに挿入され、生ウイルスの弱毒化株に開発される。
【0023】
本発明の別の実施形態は、本明細書に開示される1つ以上の抗原又は複合抗原を含有するウイルス様粒子(VLP)ベクターに関する。好ましくは、VLPベクターは、本発明の抗原及び/又は複合抗原を含有する。
【0024】
本発明の別の実施形態は、本発明のペプチド及び/若しくは複合ペプチドに対応する核酸配列を含有するウイルスベクター又は本発明の1つ以上のペプチド及び/若しくは複合ペプチドを含有するVLPベクターを介して免疫原性組成物を投与することによって、感染症を処置及び/又は予防する方法に関する。投与は、ウイルスベクター又はVLPを鳥(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ)又はブタなどの動物の集団に分散させることを含む。好ましくは、ウイルスベクターは弱毒化NDVである。好ましくは、免疫原性組成物は、動物における感染に対する保護をもたらす。
【0025】
本発明の別の実施形態は、哺乳動物又は動物において免疫応答を生成するための方法であって、本明細書に開示される抗原及び/若しくは複合抗原、又は本明細書に開示される核酸配列、抗原及び/若しくは複合抗原を含有する弱毒化NDV株を動物の集団に、哺乳動物又は動物に投与する工程を含む方法に関する。好ましくは、哺乳動物又は動物において生成される免疫応答は、1つ以上の病原体の多数の異なる株、血清型又は種に対して保護的である。
【0026】
本発明の他の実施形態及び利点は、以下の説明に部分的に記載されており、部分的には、この説明から明らかであり得るか、又は本発明の実施から習得され得る。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ワクチン接種及びワクチンは、感染症を回避し、衰弱させる危険な病原体の拡散を防止するための最良の機構であることが多い。処置の選択肢はほとんどなく、利用可能な選択肢は限られた有効性しか提供しないので、ウイルス感染症及び多くの細菌感染症に関して、ワクチン接種が唯一の有効な選択肢であることが多い。従来のワクチン接種は、病原体の既存の抗原性領域の事前の理解又は一般的な同定を必要とする。病原体自体を増殖させ、熱殺菌された又は弱毒化された微生物から適切なワクチンを開発する。又は、投与すると防御免疫応答を生成する抗原又は抗原の集合が同定される。ワクチンへの要望は、ある種の細菌及びウイルスによる感染の予防に関して特に差し迫っている。多くの細菌及び特にある種のウイルスは、絶えず変異するか、又は中間宿主を通過するときに変異し、しばしば、以前の又は起源となる細菌又はウイルスに対して開発されたワクチンを、出現する新しい株に対して役立たなくする。その結果、感染症に対するワクチンは毎年再処方され、しばしばかなり高い用量で投与される。開発及び製造コストは高く、ワクチンを投与することは、非常に多くの厄介な問題及び関連するリスクを患者にもたらす。
【0028】
多くのウイルス感染症及び細菌感染症は、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ヤギ、トリ)を含む動物に由来し、ヒトに伝染し得る。ヒト感染は、典型的には、感染動物に接近する作業者に現れるか、又は家畜などの中間宿主を介して伝達される。感染性因子は、ヒトに感染するように変異していることがあり得、その作業者は、ウイルスをコミュニティ内の他の者に伝染させるか、又は中間宿主を通過したときに変異する。その後、感染は、しばしば、世界中に広がる。今日のヒトにおける病原性感染症の約2/3は、動物に由来すると考えられている。
【0029】
驚くべきことに、元の動物宿主にワクチン接種することによって、人畜共通感染症に対する有効な防御を提供できることが発見された。本明細書に記載される抗原又は複合抗原からワクチンを製造することができ、そのワクチンは、後のヒト及び他の宿主への伝染を防ぐために動物に投与することができる。好ましくは、ワクチンは、免疫原性組成物を含むか、又は投与すると(例えば、mRNAワクチン)、動物に免疫応答を生成し、その後の曝露から動物を保護する(protest)1つ以上の免疫原性抗原又はエピトープを発現する。
【0030】
本明細書に開示される抗原及びエピトープは、1つの病原体又は異なる病原体の複数の抗原性領域(例えばエピトープ)を含有するか、又はそれらに由来する。本発明の複合抗原は、2つ以上のエピトープの全部又は一部の組み合わせ(例えば、複合ペプチド)を表す抗原性領域、又は1つ又は複数の抗原性源(例えば、ウイルス粒子、寄生生物、細菌、真菌、細胞のエピトープ)に由来する複数の免疫学的に応答性の領域を含有し得る。これらの免疫学的領域は、感染症若しくは疾患に関連する、又は重要なことに、病原体に対する保護を提供するために免疫系の刺激に関連する、病原体又はその他の抗原の抗原性領域に見られる配列を代表するアミノ酸配列又はエピトープである。投与は、注射(例えば、皮内、静脈内、経口、経鼻、腹腔内)などによる個体への投与であり得る。好ましくは、免疫原性組成物は、水若しくは食料供給などで、又は閉じた若しくは部分的に閉じた環境中に分配されるエアロゾルとして動物にまとめて投与され、それによりワクチンを個別に与える必要性及び費用を回避する。
【0031】
本発明の一実施形態は、ウイルス抗原及び/又は細菌抗原などの病原体の抗原に関する。抗原は、投与後に有効な免疫応答を生成することが知られているか又は生成すると考えられているウイルス又は細菌の選択された領域であり得る。抗原のペプチド配列は、好ましくは単一のアミノ酸配列又はペプチドに沿って、人工的に配置された、1つ以上の病原体の複数の免疫学的に応答性の領域又はエピトープを含有し得る。この複数は、一般的には天然に存在する順序ではないが、複数の同じエピトープ、又は1つ以上の病原体由来の複数の様々な異なるエピトープを含有し得る。エピトープは、病原体の公知の免疫学的領域、又は以前には存在しておらず、したがって人工的に構築された全く新しい構築物と同一であり得る。好ましくは、本発明の抗原は、動物又は哺乳動物(例えば、ヒト)において防御免疫原性応答を誘導し、自然感染のものと同様の粘膜免疫応答及び全身免疫応答の両方を刺激する。好ましくは、その応答は、接種された対象におけるキラーT細胞(TC又はCTL)応答、ヘルパーT細胞(TH)応答、マクロファージ(MP)の産生、及び特異的抗体産生を含む。
【0032】
本発明の抗原はまた、例えば、細菌、例えば、限定されないが、ストレプトコッカス(Streptococcus)、シュードモナス(Pseudomonas)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(M.tuberculosis)などのマイコバクテリウム(Mycobacterium)、シゲラ(Shigella)、カンピロバクター(Campylobacter)、サルモネラ(Salmonella)、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenza)、クラミドフィラ・ニューモニア(Chlamydophila pneumonia)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、マイコプラズマ・ニューモニア(Mycoplasma pneumonia)、スタフィロコッカス・オーレウス(Staphylococcus aureus)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)、E.コリ(E.coli)O157などのエシェリキア・コリ(Escherichia coli)のタンパク質及び/又はポリペプチドの複数の又は組み合わされたエピトープ並びに前述のいずれかの保存領域の複数の又は組み合わされたエピトーム(epitome)などの病原体の配列から得られ得るか、又は誘導され得る。配列がそこから得られ得る又は由来し得る例示的な寄生生物としては、限定されないが、プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)などのプラスモジウム(Plasmodium)及びトリパノソーマ(Trypanosoma)が挙げられる。例示的な真菌としては、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)又はアスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なウイルスとしては、アリーナウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、フィロウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、オルトミクソウイルス、パルボウイルス、ピコルナウイルス、パピローマウイルス、レオウイルス、レトロウイルス、ラブドウイルス及びトガウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ウイルスエピトープは、インフルエンザウイルス(例えば、パラミクソウイルス)の配列から得られるか又はそれに由来する。
【0033】
本明細書に開示される抗原には、得られた複合抗原が、個々のエピトープとは異なるか、又は個々のエピトープを加算した物理的及び/又は化学的特性を有するように、2つ以上のエピトープから作製された、操作され、人工的に作製された抗原である「複合」抗原が含まれる。好ましい複合抗原は、哺乳動物又は動物の免疫系に曝露されたときに、複合抗原の構成エピトープの各々に対して、好ましくは個々のエピトープよりも大きい程度(例えば、同定された病原体に対する細胞応答又は液性応答から測定可能)に免疫学的応答を同時に生じさせることができる。さらに、複合抗原は、ワクチンとして使用された場合に、哺乳動物又は動物中で、及び構成エピトープの各々に対して防御免疫学的応答を生成するという追加の機能を提供する。好ましくは、複合抗原は、構成成分が由来する病原体のみならず、関連する病原体に対しても保護を提供するという追加の機能を有する。これらの関連する病原性生物は、生物の同じ種の株若しくは血清型、又は生物の同じ属の異なる種、又は共通のエピトープによって関連するに過ぎない全く異なる生物であり得る。
【0034】
複合抗原又はペプチドは、そのエピトープ配列が由来するエピトープ配列にのみ類似するエピトープ配列を有する2つ以上のエピトープを表す複合エピトープを含有し得る。エピトープは、哺乳動物又は動物に投与された場合に堅牢な免疫学的応答を誘発する病原体のタンパク質又はペプチドから得られる又は由来する領域である。好ましくは、その堅固な応答は、病原体への曝露から疾患を発症することに対する免疫学的保護を対象に提供する。好ましい例は複合エピトープであり、これは、同一ではないが、2つ以上の異なるが関連する病原体の2つ以上の高度に保存されたアミノ酸配列の組み合わせから人工的に作製されたものである。病原体は、同じ種類のものであるが、異なる株、血清型、若しくは種、又は他の関係のものであり得る。複合エピトープは、関連するエピトープ間で共通する保存領域を含有し、異なる可変領域も含有する。2つの保存されているが同一ではない配列の組み合わせを表す複合エピトープの配列は、以下のように例示され得る。
エピトープ1の配列 ...AAAAABAAAAA...
エピトープ2の配列 ...AAAAACAAAAA...
複合エピトープ ...AAAAABCAAAAA...
「A」は、2つの高度に保存されたエピトープ間で共通のアミノ酸を表し、「B」及び「C」は、2つのエピトープ間でそれぞれ異なるアミノ酸を表し、「A」、「B」及び「C」のそれぞれは、任意のアミノ酸及び任意の数のアミノ酸であり得る。好ましくは、保存領域は、可変アミノ酸のそれぞれの側に約20個以下、好ましくは約15個以下、好ましくは約10個以下、好ましくは約8個以下、好ましくは約6個以下、より好ましくは約4個以下のアミノ酸を含有する。好ましくは、2つの類似するが同一ではない保存領域の間で異なるアミノ酸は、5以下、好ましくは4以下、好ましくは3以下、好ましくは2以下、より好ましくは1つのみである。
【0035】
複合抗原に類似する「複合エピトープ」は、結果として得られる複合エピトープが、構成エピトープとは異なるか、又は構成エピトープを加算した物理的及び/又は化学的特性を有するように、2つ以上の構成エピトープから作製された、操作され、人工的に作製された単一のエピトープである。好ましい複合エピトープは、哺乳動物又は動物の免疫系に曝露されたときに、複合エピトープの構成エピトープのそれぞれに対する免疫学的応答を同時に、好ましくは構成エピトープのいずれかによって個別に達成される免疫学的応答よりも大きな程度で生成することができる。さらに、複合エピトープは、ワクチンとして使用された場合に、患者中で、及び構成エピトープの各々に対して防御免疫学的応答を生成するという追加の機能を提供する。好ましくは、複合エピトープは、構成成分が由来する病原体のみならず、関連する病原体に対しても保護を提供するという追加の機能を有する。これらの関連する病原性生物は、生物の同じ種の株若しくは血清型、又は生物の同じ属の異なる種、又は共通のエピトープによって関連するに過ぎない全く異なる生物であり得る。
【0036】
本発明の複合エピトープは、本来自然界に存在せず、本来免疫系が曝露されたことがない完全に人工の分子である。好ましくは、複合エピトープとして組み合わされるこれらの保存された免疫学的領域は、関連する病原体間で高度に保存されたタンパク質及び/又はポリペプチドの免疫学的に応答性の領域を表す。ワクチンは単一の複合エピトープから開発され得るが、多くの場合、最も有効なワクチンは複数の異なる複合エピトープから開発され得る。
【0037】
本発明の複合抗原は、有効なワクチンを提供するために1つ以上の公知のエピトープを含み得る、1つ以上のエピトープ又は複合エピトープを含有し得る。複合抗原は単一の複合エピトープを含み得るが、複合抗原は単一の公知のエピトープのみを含まないであろう。好ましくは、複合抗原又は複合抗原の群によるワクチン接種から達成される免疫学的応答は、複合抗原の配列が由来する元の株によって引き起こされる感染に対する保護を提供し、複合抗原中に表される一般的な保存領域の1つ以上を共有する他の株、血清型及び/又は種に対する免疫学的保護も提供する。好ましくは、その応答は、自然感染の応答と同様に、哺乳動物又は動物において粘膜免疫応答及び全身免疫応答の両方を刺激する。したがって、複合抗原によるワクチン接種から達成された得られる免疫応答は、病原体の進化において起こり得る抗原ドリフトに関係なく、複数の株、血清型及び種又は他の関連病原体に対する従来の単一抗原ワクチン接種から達成され得るよりも広く保護する。好ましくは、本発明の複合抗原から開発されたワクチンは、反復される又は毎年のワクチン接種の必要性、関連する厄介な問題及び製造の費用並びに対象に対する上昇したリスクを回避する。これらのワクチンは、個々の動物、哺乳動物及び集団、又はそのいずれかを処置するために有用であり、それにより、感染及び死亡、並びにパンデミックを含む哺乳動物におけるその後の感染症を予防する。このようなワクチンは、従来のワクチンを補完する(compliment)のにも有用である。
【0038】
本明細書で論述されているように、複合抗原は、好ましくは、同じ又は異なり得る1つ以上のエピトープ又は複数のエピトープに由来する配列を有するアミノ酸の一本鎖を含む。エピトープ配列は、複合配列に沿って連続して中断されずに反復され得るか、又はスペーサーとしての単一若しくは数個のアミノ酸若しくはペプチドをコードする配列(スペーサーと総称する)であり得、及び非免疫原性であり得る若しくは免疫原性であり得、動物若しくは哺乳動物に細胞性(T細胞)若しくは液性(B細胞)免疫応答を誘導することができる他の配列の間に散在され得る。T細胞刺激抗原としては、例えば、破傷風毒素、破傷風毒素重鎖タンパク質、ジフテリアトキソイド(例えば、組換えで操作された又は精製されたCRM197)、破傷風トキソイド、シュードモナス(Pseudomonas)エキソプロテインA、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)トキソイド、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertusis)トキソイド、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)トキソイド、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)熱不安定性毒素Bサブユニット、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)外膜複合体、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Hemophilus influenzae)タンパク質D、フラジェリンFli C、カブトガニヘモシアニン並びにこれらの断片、誘導体及び修飾物が挙げられる。無関係な微生物由来のペプチド配列は、単一の複合抗原に組み合わされ得る。例えば、選択された免疫応答性ペプチドのウイルス配列には、例えば、S.ニューモコッカス(S.pneumococcus)、P.アウリギノーサ(P.auriginosa)又はS.オーレウス(S.aureus)などの細菌などの他の微生物から選択される保存された配列又はエピトープを散在させ得る。好ましいエピトープがそこから選択され得る好ましいウイルスタンパク質としては、限定されないが、インフルエンザウイルスタンパク質HA、NA及びM2e、並びに/又はコロナウイルスタンパク質スパイク(S)、エンベロープ(E)、膜(M)及びヌクレオカプシド(N)が挙げられる。
【0039】
複合抗原のエピトープは、任意の配列及びサイズのものであり得るが、好ましくは天然アミノ酸又はミメトープ(mimetope)から構成され、5を超えるが100未満のアミノ酸長、好ましくは80未満、好ましくは70未満、好ましくは60未満、好ましくは50未満、好ましくは40未満、好ましくは30未満、好ましくは5~25アミノ酸長、好ましくは8~20アミノ酸長、より好ましくは5~15アミノ酸長である。複合抗原は、好ましくは、任意の数の複合エピトープ及び/又は他のエピトープを含有する。特定の病原体、病原体ファミリー又は病原体の群に対する複合抗原のエピトープの最も有効な数は、本出願の開示から、日常的な試験手順を使用して当業者によって決定され得る。複合抗原は、1つのエピトープ、好ましくは2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上又はそれより多くによって有効であり得る。任意に、複合抗原は、同じ若しくは1つ以上の異なる病原体に由来する抗原性領域の配列であり得る、又は免疫学的プライマーとして機能するか、若しくはその他免疫系に強化を提供する配列であり得るエピトープの間に1つ以上のスペーサーを含み得る。その強化は、免疫系を直接又はアジュバントとして刺激することが知られているアミノ酸の配列から生成され得る。好ましいアジュバントは、無痛アジュバント、無機化合物、例えばミョウバン、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウムヒドロキシド、鉱油、例えばパラフィン油、細菌製品、例えば死滅した細菌ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、トキソイド、非細菌性有機物、例えばスクアレン、界面活性剤(Quil A)、植物サポニン、例えばキラヤ(Quillaja)、ダイズ、ポリガラ・セネガ(Polygala senega)、サイトカイン、例えばIL-1、IL-2、IL-12、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、食品をベースとする油、ピーナッツ油をベースとする製品であるAdjuvant 65、並びにこれらの誘導体、修飾物及び組み合わせを含む。好ましいアジュバントとしては、例えば、TLR4リガンド、3-O-デスアシル-4’-モノホスホリルリピドA(MPL)及びサポニンを含むAS01(Adjuvant System 01)、QS-21、アジュバントShingrixの成分であるAS01b、免疫賦活剤として飽和リン脂質、コレステロール及び/又はモノホスホリルリピドA(MPLA)を含有するリポソームを含むALF(Army Liposome Formulation)が挙げられる。ALFは安全性及び強力な効力を有する。ALFの修飾物及び誘導体には、例えば、水酸化アルミニウムに吸着されたALF(ALFA)、QS21サポニンを含有するALF(ALFQ)、及び水酸化アルミニウムに吸着されたALFQ(ALFQA)が含まれる。好ましいアジュバント製剤は、リポソーム、サポニン、リピドA、スクアレン、リン脂質として、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアリルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)及び/又はジステアリルホスファチジルグリセロール(DSPG)であり得る少なくとも1つのホスファチジルコリン(PC)及び/又はホスファチジルグリセロール(PG)、コレステロール、モノホスホリルリピドA(MPLA)並びにサポニンを含むリポソーム二重層を有する単層リポソームを含む。好ましくは、コレステロール対リン脂質のモル比は約50:50より大きく、また、単層リポソームは、光散乱分析によって検出されるようにマイクロメートル範囲の中央値直径サイズを有する。さらなる好ましいアジュバントは、2019年10月8日に発行された米国特許第10,434,167号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0040】
1つの好ましい形態では、インフルエンザウイルスに対する免疫学的応答を生成するのに有用な複合抗原は、HA、M及び/若しくはNAタンパク質のエピトープ、並びに/又はインフルエンザウイルスの異なる血清型及び株の類似する保存領域に由来する、及び/若しくはコロナウイルスのSタンパク質に由来する新しいエピトープを含む。マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)及びクロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)のタンパク質のエピトープ、及び/又はこれらの細菌の異なる血清型の類似する保存領域に由来する新しいエピトープを含有する複合抗原も好ましい。
【0041】
抗原の別の形態は、天然には存在せず、人工的に構築されなければならない配列中に、1つ以上の病原体からの、複合エピトープ及び/又は公知のエピトープを含み得る1つ以上のエピトープの連続配列を含む。好ましくは、本発明の連続配列は、複数の病原体に共通するエピトープの保存領域の配列と2つの保存領域間で異なるアミノ酸との組み合わせである1つ以上の複合エピトープを含有する。例えば、2つの病原体が単一のアミノ酸のみが異なる類似の保存領域を含有する場合には、複合配列は、保存領域のアミノ酸及び本明細書で論述されるように2つの領域間で異なるアミノ酸の各々を含むであろう。
【0042】
本発明の複合抗原は、複数の反復するエピトープと、任意に、各エピトープ間又は各エピトープを取り囲むリンカー領域とコンジュゲートされたエピトープとを含有することも好ましく、複数のエピトープは同じであるか又は異なる。好ましいリンカーとしては、同じ若しくは異なる病原体の抗原性領域のアミノ酸配列、又は免疫応答の生成を補助するアミノ酸配列が挙げられる。好ましい例としては、細菌の様々な抗原性領域のいずれも、例えば、限定されないが、結核並びにウイルス、例えば、限定されないが、インフルエンザ及びコロナウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。複合抗原は、天然の感染症から生じるものと同様の粘膜免疫応答及び/又は全身免疫応答を生じるエピトープを含有することも好ましい。
【0043】
本発明の別の実施形態は、本発明の免疫原性組成物で哺乳動物又は動物を免疫する方法に関する。好ましくは、本発明のワクチンは、病原体の抗原シフトに起因する抗原性の変動の影響をより受けにくく、これにより、例えば、新たな細菌株又はウイルス分離株からの感染の潜在的大流行に対する哺乳動物又は動物集団の保護を維持するための毎年の又は繰り返されるワクチン接種の必要性が低減又は除去される。さらに、本発明のワクチンは、一般的には、及び有利には、(1つには反復投与の必要性の実質的な減少による)それらの製造及び投与の両方における安全性の配慮の増加、1つには、株特異的シフト及びドリフトを原因とする再処方の必要性が最小化されたことによる比較的長い貯蔵寿命、特定の微生物エピトープに対して高い特異性で免疫応答を標的化する能力、並びにその各々は異なるが、同じ病原体の公知の株又は種であり得る複数の病原体に対して有効である単一のワクチンを調製する能力を提供する。本発明は、抗原性組成物、このような組成物を作製する方法、並びに感染症の防止、処置、管理及び/又は予防におけるそれらの使用方法を包含する。本明細書に開示される組成物及びそれらを使用する方法は、当技術分野で現在利用可能な従来の処置よりも優れた免疫原性組成物及び方法を使用する、ウイルス、細菌、寄生生物及び/又は真菌の病態形成及び感染の処置又は予防において特に利用される。
【0044】
これらの方法は、動物又は哺乳動物の選択された集団における、例えば、ウイルス、寄生虫、真菌又は細菌感染、好ましくは、限定されないが、インフルエンザウイルス、コロナウイルス及び/又は結核細菌感染症の大流行など、感染症を予防又は制御することができる。本方法は、一般集団におけるこのような感染症の大流行を予防し、低減し、軽減し、緩和し、制御し、又は遅延させるのに十分な時間、集団の感受性動物又は危険性のある動物に、開示された免疫原性組成物又はワクチン組成物の1つ以上の免疫学的有効量を提供する工程を少なくとも含む。好ましくは、投与は、水若しくは食物供給物中に、又は動物が維持される、一時的にでさえ維持される閉鎖された若しくは半閉鎖された環境中にエアロゾルとして行われる。
【0045】
本発明の別の実施形態は、病原体に対する防御抗原及び/又はエピトープをコードする核酸配列を含む免疫原性組成物に関する。配列は、NDVなどのウイルスベクター、又は動物集団若しくは哺乳動物に適した別のウイルスベクター中に組み込まれ得る。好ましい病原体には、細菌、ウイルス、寄生生物、真菌及びウイルスが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
好ましい例では、抗原は、インフルエンザウイルスサブタイプ(例えば、H1N1、H5N1、H3N2及びH2N2などの様々なHA又はNA組成物を有するインフルエンザウイルス)に由来する保存領域を含有する。NA又はHA上の保存領域のエピトープも、複数のサブタイプにわたる免疫を付与し得る。一例として、NA(N1)上の保存されたエピトープは、H5N1及びH1N1に対する増強された免疫性を付与し得る。A型インフルエンザサブタイプ及び/又はサブタイプ内の株の間で類似又は相同な化学的化合物に関して、好ましくは、これらは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%同一、より好ましくは少なくとも約96%同一、より好ましくは少なくとも約97%同一、より好ましくは少なくとも約98%同一、より好ましくは少なくとも約99%同一、さらにより好ましくは100%同一(不変)である。好ましくは、複合抗原内の少なくとも1つのペプチド配列は、少なくとも2つのウイルス粒子、好ましくはインフルエンザ粒子の相同なタンパク質(例えば、タンパク質サブユニット)上でも保存されている。インフルエンザウイルスのタンパク質には、例えば、HA、NA、タンパク質ポリメラーゼ(PB1、PB2、PA)、マトリックスタンパク質(M1、M2)及び核タンパク質(「NP」)などのウイルス構造中の発現されるタンパク質が含まれる。好ましくは、保存されたペプチド配列は、M1、M2、HA、NAの少なくとも2つ以上又は1つ以上のポリメラーゼタンパク質上で保存されている。
【0047】
好ましい例では、H5N1インフルエンザウイルスのM1及びM2タンパク質中の選択された配列は、他のH5N1粒子中に見られるM1及びM2タンパク質に対応し、H3N2インフルエンザウイルスのM1及びM2タンパク質中の同じ配列に対応する。さらに、HA及びNAタンパク質は高度に可変的な領域を有するが、HA及びNAからの保存された配列は、多くのインフルエンザ株及び多くのサブタイプにわたって見出される(例えば、HA及びNA配列は、H5N1及びH1N1にわたって保存されている)。本発明の好ましい実施形態では、配列は、単一のインフルエンザウイルスサブタイプの、より好ましくは少なくとも2つのインフルエンザウイルスサブタイプ、例えばA型インフルエンザウイルスのサブタイプにわたる、バリアント又は株(実質的に同じHA及びNAタンパク質を発現するが、HA及びNAタンパク質のアミノ酸配列がいくらかのわずかなドリフトを示すウイルス分離株)内に存在する保存された配列に由来する。
【0048】
その各々が、細菌又はウイルス株又は血清型の集団において保存されている複数の相同タンパク質にわたって保存されている、同じ又は異なるエピトープ配列の1つ以上の反復も含み得る、少なくとも1つの保存されたエピトープ配列を含むペプチド又はポリペプチド及び薬学的に許容される担体。例示的な複合抗原において、少なくとも1つのエピトープ配列が、少なくとも1回、好ましくは少なくとも2回、より好ましくは少なくとも3回繰り返される。他の形態では、少なくとも1つのエピトープ配列が4回以上繰り返される。好ましくは、配列は、少なくとも2つの循環ウイルス分離株の相同タンパク質サブユニット中の配列と同一である。組成物は、薬学的に許容される担体を含み得る。
【0049】
ペプチド配列は、好ましくは、インフルエンザウイルスのゲノム(すなわち、RNA)セグメント7に由来する配列を含むが、より好ましい実施形態では、配列はM1及びM2タンパク質の少なくとも一部を含む。他の好ましい実施形態では、配列は、HA又はNAタンパク質をコードするゲノムセグメントから発現される配列を含む。このような配列は、サブタイプドリフトの影響をより受けにくく、感染に対してより広く防御する。
【0050】
抗原は、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、多糖、リポタンパク質、又はこれらの誘導体若しくは任意の組み合わせ(これらの断片又はバリアントを含む)などの1つ以上のT細胞刺激エピトープを含み得る。典型的には、複合抗原の少なくとも1つの反復される配列は、T細胞刺激エピトープと同じ分子内に含有される。タンパク質ベースのT細胞刺激エピトープの場合には、複合抗原の少なくとも1つの反復される配列は、T細胞刺激エピトープと同じポリペプチド内に含有され得、T細胞刺激エピトープと同じポリペプチドにコンジュゲートされ得、又は他の様式で会合され得る。好ましくは、1つ以上のT細胞刺激エピトープは、抗原のN末端又はC末端のいずれか(又は両方)に配置される。
【0051】
さらなる実施形態では、複合抗原は、付随するT細胞刺激エピトープあり又はなしで、1つ以上の多糖又はその一部を含み得る。好ましい実施形態では、複合抗原の少なくとも1つの配列は、1つ以上の多糖類にコンジュゲートされる。他の実施形態では、1つ以上の多糖は、複合抗原の他の部分にコンジュゲートされる。本発明のある実施形態は、多糖ワクチン、タンパク質-多糖コンジュゲートワクチン又はこれらの組み合わせから選択される。
【0052】
本発明の複合抗原は、インビトロ化学合成、固相タンパク質合成、及びインビトロ(無細胞)タンパク質翻訳によって合成され得、又は細菌細胞、真菌、昆虫細胞、哺乳動物細胞、ウイルス粒子、酵母などの中で組換え操作され、発現され得る。
【0053】
複合抗原は、以下の要素:少なくとも1つの反復されるエピトープ;少なくとも1つのT細胞エピトープ;少なくとも1つの多糖(糖);少なくとも1つの構造成分のうちの1つ又はこれらの組み合わせを含み得る。1つの構造成分は、少なくとも1つのリンカーセグメント;少なくとも1つの糖結合部分;少なくとも1つのヌクレオチド結合部分;少なくとも1つのタンパク質結合部分;少なくとも1つの酵素部分;又はこれらの組み合わせの1つ以上を含み得る。本発明は、免疫原性組成物、好ましくは医薬組成物、より好ましくはワクチンを調製する方法であって、本発明の標的抗原が、薬学的に許容される、希釈剤、賦形剤又は担体を伴い、例えば、ALFQ、ALFQA、ALFA、AS01、AS01b並びに/又はこれらの組み合わせ、誘導体及び修飾物などのほとんどの任意のアジュバントとともに使用され得る、免疫原性組成物、好ましくは医薬組成物、より好ましくはワクチンを調製する方法を包含する。
【0054】
本発明の文脈内で、ペプチドに対する免疫学的応答を実質的に変化させることなく、本明細書に開示される複合抗原又はエピトープ配列の配列内に比較的少数の保存的又は中性の置換(例えば、1又は2)が行われ得る。いくつかの事例では、特定のペプチドにおける1つ以上のアミノ酸の置換は、実際には、修飾されたペプチド又はそのペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組成物が与えられた動物又は哺乳動物において全身応答を誘発するペプチドの能力を増強するか、又はその他改善するのに役立ち得る。適切な置換は、一般に、コンピュータプログラムを使用して同定され得、このような置換の効果は、修飾されたペプチドの、抗血清及び/又はT細胞との反応性に基づいて確認され得る。したがって、ある好ましい実施形態の中で、開示される診断方法及び処置方法において使用するためのペプチドは、修飾されたペプチドが抗原特異的抗血清及び/又はT細胞株若しくはクローンと反応する能力が、修飾されていないペプチドの能力よりも有意に小さくないように、1つ以上のアミノ酸残基が1つ以上の置換アミノ酸によって置換されている一次アミノ酸配列を含み得る。
【0055】
上記のように、好ましいペプチドバリアントは、1つ以上の保存的置換を含有するものである。「保存的置換」とは、ペプチド化学の当業者が、ペプチドの二次構造及びハイドロパシー性が実質的に変化しないと予想するような、アミノ酸が類似の特性を有する別のアミノ酸で置換されているものである。アミノ酸置換は、一般に、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性及び/又は両親媒性の類似性に基づいて行われ得る。例えば、負に荷電したアミノ酸としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられ;正に荷電したアミノ酸としては、リジン及びアルギニンが挙げられ;類似の親水性値を有する非荷電極性頭部基を有するアミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン及びバリン;グリシン及びアラニン;アスパラギン及びグルタミン;並びにセリン、トレオニン、フェニルアラニン及びチロシンが挙げられる。保存的変化に相当するアミノ酸置換の例としては、(1)1つ以上のAla、Pro、Gly、Glu、Asp、Gln、Asn、Ser又はThrの置き換え;同じ群からの1つ以上の残基を有する残基;(2)1つ以上のCys、Ser、Tyr又はThr残基の、同じ群からの1つ以上の残基で置き換え;(3)1つ以上のVal、Ile、Leu、Met、Ala又はPhe残基の、同じ群からの1つ以上の残基での置き換え;(4)1つ以上のLys、Arg又はHis残基の、同じ群からの1つ以上の残基での置き換え;並びに(5)1つ以上のPhe、Tyr、Trp又はHis残基の、同じ群からの1つ以上の残基での置き換えが挙げられる。バリアントはまた、又は代替として、例えば群(1)からのアミノ酸残基の1つを群(2)、群(3)、群(4)又は群(5)からのアミノ酸残基で置換することによって、非保存的変化を含有し得る。バリアントはまた(又は代替として)、例えば、ペプチドの免疫原性、二次構造及びハイドロパシー性に対して最小限の影響を有するアミノ酸の欠失又は付加によって修飾され得る。
【0056】
エピトープは、スペーサーあり又はなしであり得る複合配列内で互いに対して任意の順序で配置され得る。エピトープ配列の2つ以上の間にあるスペーサーアミノ酸の数は、例えば、1又は2個のアミノ酸から、隣接するエピトープ間の3、4、5、6、7、8、9個又はさらには10個若しくはそれより多いアミノ酸までを含む、任意の実際的な範囲のものであり得る。
【0057】
本発明の別の実施形態は、本発明の複合配列をコードするDNA、RNA(例えば、cRNA、mRNA)及びPNA(ペプチド核酸)構築物を含むポリヌクレオチドに関する。これらのポリヌクレオチドは、一本鎖(コード又はアンチセンス)又は二本鎖であり得、DNA(ゲノム、cDNA又は合成)又はRNA分子であり得る。さらなるコード配列又は非コード配列が、本発明のポリヌクレオチド内に存在し得るが、存在する必要はなく、ポリヌクレオチドは、他の分子及び/又は支持体材料に連結され得るが、連結される必要はない。当業者に理解されるように、遺伝暗号の縮重の結果として、所与の一次アミノ酸配列をコードする多くのヌクレオチド配列が存在する。これらのポリヌクレオチドのいくつかは、任意の天然の遺伝子のヌクレオチド配列に対して最小限の相同性を有する。それにもかかわらず、コドン使用頻度の差により変動するポリヌクレオチドが本発明によって具体的に想定される。免疫原性ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、一般に、インビトロ又はインビボでのペプチドの産生のために使用され得る。任意のポリヌクレオチドは、インビボでの安定性を増加させるためにさらに修飾され得る。可能な修飾としては、5’及び/又は3’末端での隣接配列の付加;骨格中のホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオエート又は2’-o-メチルの使用;並びに/又はイノシン、キューオシン(queosine)及びワイブトシンなどの非伝統的な塩基の他、アセチル-メチル-、チオ-及び他の修飾された形態のアデニン、シチジン、グアニン、チミン及びウリジンを含めることが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本発明の核酸ワクチンは、cRNA若しくはmRNA又はDNAとしての複合抗原の遺伝子配列を含有し、加えて細胞中で複合抗原の発現を提供する他の必要な配列を含有する。哺乳動物に遺伝子操作された核酸を注射することによって、哺乳動物の免疫系が認識し、それによって複合抗原、したがって病原体に対する液性又は細胞性応答を生成する複合抗原が細胞中又は好ましくは細胞上で産生される。核酸ワクチンは、哺乳動物により一般的で完全な免疫応答を誘導する能力を含む、従来のワクチンを超える多くの利点を有する。したがって、ウイルス、細菌及び寄生生物起源の多くの異なる病原性生物から引き起こされる疾患並びにある種の腫瘍に対して動物又は哺乳動物を保護するために、核酸ワクチンを使用することができる。
【0059】
核酸ワクチンは、典型的には、複合抗原性配列を転写し、病原体に由来する特定のタンパク質配列に翻訳するように遺伝子改変されたベクター又はプラスミド中に含有される抗原をコードする、ウイルス又は細菌の核酸(例えば、cRNA、mRNA、DNA)を含む。例として、核酸ワクチンが投与され、細胞機構が、核酸を転写し、及び/又は免疫応答を生成する抗原に翻訳する。非天然であり、哺乳動物の免疫系によって認識されない抗原は、細胞によって加工され、加工されたタンパク質、好ましくはエピトープは、細胞表面に提示される。これらの抗原が外来として認識されると、免疫系は感染から保護する適切な免疫応答を生成する。さらに、本発明の核酸ワクチンは、好ましくは、関心対象の動物(又は哺乳動物)における発現のためにコドン最適化されている。好ましい実施形態では、コドン最適化は、所望のペプチド配列が発現されるように、特定の細胞型について所望のコドン使用頻度バイアス(コーディングDNA中の同義コドンの出現の頻度)を選択することを含む。
【0060】
本発明の組成物は、複合抗原及びエピトープ、複合配列、並びに/又はRNA及び/若しくはDNAワクチンを含有し得る。組成物は、例えば、ALFQ、ALFQA、ALFA、AS01、AS01b並びに/又はこれらの組み合わせ、誘導体及び修飾物などのアジュバントを含み得る。薬学的に許容される、賦形剤及び担体溶液の製剤化は、本明細書に記載される特定の組成物を様々な処置レジメンで使用するための適切な投薬及び処置レジメンの開発と同様に、当業者に周知である。
【0061】
免疫原性組成物の量及びこのような免疫原性組成物の投与のために必要とされる時間は、本教示を利用できる当業者の範疇である。処置有効量、薬学的有効量及び/又は予防有効量の開示される免疫原性組成物の投与は、単回投与によって達成され得る。又は、いくつかの状況では、このような組成物の投与を監督する当業者によって決定され得るように、比較的短期間又はさらには比較的長期間にわたって免疫原性組成物の複数回又は連続投与を提供することが望ましい場合があり得る。
【0062】
本発明の免疫原性組成物及びワクチンは、好ましくは、ALFQなどのアジュバントを含有し、IM、SQ、皮内若しくは鼻腔内投与によって、又は投与製剤と適合する様式で、予防的又は治療的に有効であり、好ましくは免疫原性であるような量で与えられ得る。投与される量は、例えば、免疫応答を開始する免疫系の能力、及び所望される保護の程度を含めて、処置される対象に依存する。適切な投与量範囲は、動物又は哺乳動物あたり数百マイクログラム(μg)程度の活性成分であり得、約0.5μg~1000μgの範囲、好ましくは約1μg~約500μgの範囲、特に約10μg~約100μgの範囲など、約0.1μg~2000μg(例えば約1~約10mgの範囲内などのより高い量も企図されるが)が好ましい範囲である。初回投与及びブースターショットに適したレジメンも可変であるが、初回投与とそれに後続する任意であるが好ましいその後の接種又はその他の周期的投与が代表的である。
【0063】
有効用量は、動物又は哺乳動物あたり約1μg~約1mgの範囲の総タンパク質又は標的抗原の範囲の量を含む。一つの例示的な実施形態では、ワクチン投与量範囲は、動物又は哺乳動物当たり約0.1μg~約10mgである。しかしながら、送達されるペプチドの量に基づいて投与量を調整することが好ましい場合があり得る。いずれの場合も、これらの範囲は、当業者が従来の投与技術に従って逸脱し得る単なる指針である。正確な投与量は、免疫学的に有効な用量が送達されるように、適切な宿主において産生されたコンジュゲートの免疫原性を評価することによって決定され得る。免疫学的に有効な用量は、動物又は哺乳動物の免疫系を刺激して、免疫原性組成物又はワクチンに対する免疫応答を確立する用量である。好ましくは、微生物感染によって引き起こされる疾患に対する長期防御を提供するのに十分な免疫学的記憶のレベルが得られる。本発明の免疫原性組成物又はワクチンは、好ましくはアジュバントとともに製剤化され得る。「長期」とは、好ましくは、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2~5年、又はさらに少なくとも約2~約10年又はそれより長い期間にわたることを意味する。
【0064】
以下の実施例は、本発明の実施形態を例示するが、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【実施例】
【0065】
[実施例1]ペプチド及び配列
以下は、例示的なペプチド配列のリストである。これらの配列は、複合配列に加えて、複合配列を形成するために組み合わせることができる関心対象の配列を含む:
インフルエンザウイルス
SEQ ID NO 1 DWSGYSGSFVQHPELTGLD(N1配列;H1N5)
SEQ ID NO 2 ETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 3 FVIREPFISCSHLEC
SEQ ID NO 4 GNFIAP(HAエピトープ;Pep1)
SEQ ID NO 5 GNLIAP(HAエピトープ;Pep2)
SEQ ID NO 6 GNLFIAP(SEQ ID NO 4及び5の複合配列;Pep3)
SEQ ID NO 7 GNLIFAP(SEQ ID NO 4及び5の複合配列)
SEQ ID NO 8 HYEECSCY(NAエピトープ;Pep10)
SEQ ID NO 9 LLTEVETPIR(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 10 LLTEVETPIRN(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 11 LLTEVETPIRNE(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 12 DWSGYSGSFVQHPELTGL(N1配列;H1N5)
SEQ ID NO 13 EVETPIRNE(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 14 FLLPEDETPIRNEWGLLTDDETPIRYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 15 GNLFIAPGNLFIAPHYEECSCYHYEECSCYQYIKANSKFIGITEHYEECSCYTPIRNETPIRNE
SEQ ID NO 16 GNLFIAPGNLFIAPQYIKANSKFIGITEGNLFIAP(SEQ ID NO 6、SEQ ID NO 6、SEQ ID NO 61及びSEQ ID NO 6の複合)
SEQ ID NO 17 HYEECSCYDWSGYSGSFVQHPELTGLHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 18 ITGFAPFSKDNSIRLSAGGDIWVTREPYVSCDP
SEQ ID NO 19 IWGIHHP(HAエピトープ)
SEQ ID NO 20 IWGVHHP(HAエピトープ)
SEQ ID NO 21 IWGVIHHP(SEQ ID NO 19及び20の複合)
SEQ ID NO 22 IWGIVHHP(SEQ ID NO 19及び20の複合)
SEQ ID NO 23 KSCINRCFYVELIRGR(N3保存されたエピトープ)
SEQ ID NO 24 LLTEVETPIRNESLLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 25 LLTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 26 LLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 27 LTEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 28 LTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 29 LTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 30 MSLLTEVET(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 31 MSLLTEVETP(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 32 MSLLTEVETPI(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 33 MSLLTEVETPIR(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 34 MSLLTEVETPIRN(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 35 MSLLTEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 36 MSLLTEVETPIRNETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 37 MSLLTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 38 MSLLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 39 MSLLTEVETPIRNEWGCRCNDSSD(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 40 SLLTEVET(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 41 SLLTEVETPIR(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 42 SLLTEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 43 SLLTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 44 SLLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 45 SLLTEVETPIRNEWGTPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 46 SLLTEVETPIRNEWGTPIRNETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 47 SLLTEVETPIRNEWGTPIRNETPIRNETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 48 SLLTEVETPIRNEWGLLTEVETPIR(M1/M2e保存領域)
SEQ ID NO 49 TEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 50 TPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 51 VETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 52 VTREPYVSCDPKSCINRCFYVELIRGRVTREPYVSCDPWYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 53 WGIHHP(HA保存領域;Pep5)
SEQ ID NO 54 WGVHHP(HA保存領域;Pep4)
SEQ ID NO 55 WGVIHHP(SEQ ID NO 53及び54の複合;Pep6)
SEQ ID NO 56 WGIVHHP(SEQ ID NO 53及び54の複合;Pep7)
SEQ ID NO 57 YIWGIHHP(HA保存領域)
SEQ ID NO 58 YIWGVHHP(HA保存領域)
SEQ ID NO 59 YIWGVIHHP(SEQ ID NO 57及び58の複合)
SEQ ID NO 60 YIWGIVHHP(SEQ ID NO 57及び58の複合)
SEQ ID NO 61 QYIKANSKFIGITE(T細胞エピトープ)
SEQ ID NO 62 PIRNEWGCRCNDSSD(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 63 GNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY(下線が引かれた配列は、それぞれ、A型インフルエンザのエピトープHA{複合体}(SEQ ID NO 6)及びNA(SEQ ID NO 8)であり、中央がSEQ ID NO 55である;Pep 11)
SEQ ID NO 64 CAGAGNFIAP
SEQ ID NO 65 CAGAGNLIAP
SEQ ID NO 66 CAGAGNLFIAP
SEQ ID NO 67 CAGAWGVHHP
SEQ ID NO 68 CAGAWGIHHP
SEQ ID NO 69 CAGAWGVIHHP
SEQ ID NO 70 CAGAWGIVHHP
SEQ ID NO 71 GNLIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 72 CAGAGNLIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 73 GNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 74 CAGAGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 75 HYEECSCY
SEQ ID NO 76 CAGAHYEECSCY
SEQ ID NO 77 CAGAGNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY
SEQ ID NO 78 GNLFIAPWGVIHHPGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 79 CAGAGNLFIAPWGVIHHPGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 80 HYEECSCYGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 81 GNLFIAPHYEECSCYWGVIHHP
SEQ ID NO 82 SLLTEVETPIRNEWGLLTEVETPIRQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 83 GNLFIAPGNLFIAPQYIKANSKFIGITEGNLFIAP
SEQ ID NO 84 HYEECSCYDWSGYSGSFVQHPELTGLHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 85 VTREPYVSCDPKSCINRCFYVELIRGRVTREPYVSCDPQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 86 DWSGYSGSFVQHPELTGL
SEQ ID NO 87 ITGFAPFSKDNSIRLSAGGDIWVTREPYVSCDP
SEQ ID NO 88 KSCINRCFYVELIRGR
SEQ ID NO 89 GNLFIAPRYAFA
SEQ ID NO 90 CAGAGNLFIAPRYAFA
SEQ ID NO 91 GNLVVPRYAFA
SEQ ID NO 92 CAGAGNLVVPRYAFA
SEQ ID NO 93 GNLIAPRYAFA
SEQ ID NO 94 CAGAGNLIAPRYAFA
SEQ ID NO 95 GNLVVP
SEQ ID NO 96 CAGAGNLVVP
SEQ ID NO 97 FVIREPFISCSHLEC
SEQ ID NO 98 CAGAFVIREPFISCSHLEC
SEQ ID NO 99 GNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY(Pep11)
SEQ ID NO 100 GNLFIAPWGVIHHPHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
(C末端T細胞エピトープを有するPep11=Pep63)
SEQ ID NO 101 QYIKANSKFIGITEGNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY
(N末端T細胞エピトープを有するPep11=Pep64)
SEQ ID NO 102 HVEECSY(N1及びN2)
SEQ ID NO 103 WFIHHP(H5)
SEQ ID NO 104 DLWSYNAELLV(ステムペプチド)
SEQ ID NO 105 DIWTYNAELLV(ステムペプチド)
SEQ ID NO 106 HXXXW-M2チャネルの主要な機能要素を構成するFlu A及びBに共通のマトリックスペプチド
コロナウイルス
SEQ ID NO 107 YPKCDRA=RNAポリメラーゼ領域
SEQ ID NO 108 WDYPKCDRA=RNAポリメラーゼ領域
SEQ ID NO 109 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESY w/ QYIKANSKFIGITE=スパイクタンパク質w/破傷風トキソイドT細胞エピトープ
保存されたエピトープを使用する5つのコロナウイルス複合配列。
SEQ ID NO 110 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESY
(コロナウイルススパイクタンパク質保存されたエピトープ(SP))
SEQ ID NO 111 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESYQYIKANSKFIGITE
(破傷風トキソイドT細胞エピトープ+SP)
SEQ ID NO 112 WDYPKCDRA
(ポリメラーゼ保存されたエピトープ(POL))
SEQ ID NO 113 WDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE
(POL+破傷風T細胞エピトープ)
SEQ ID NO 114 WDYPKCDRASLDQINVTFLDLEYEMKKLEESYQYIKANSKFIGITE
(コアPOL+SP+Tet)
SEQ ID NO 115 WDYPKCDRATEVETPIRNEHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
Cor POL. Flu M2e. Flu NA. 破傷風 T細胞
(より広範なパンデミックワクチンである1つのコロナウイルスの保存されたエピトープ及び2つのFluの保存されたエピトープ)
コロナウイルスのペプチド及び複合コロナウイルス/インフルエンザペプチド
SEQ ID NO 116 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESYQYIKANSKFIGITE
(T細胞刺激エピトープを有するスパイクタンパク質エピトープ)
SEQ ID NO 117 WDYPKCDRA(コロナ保存seq-ポリメラーゼ)中和Ab
SEQ ID NO 118 YPKCDRA(コロナ保存seq-ポリメラーゼ)
SEQ ID NO 119 ARDLICAQ
(高度に保存されたcor seq-同じスパイク付着は3つすべて-Cor MERS SARSである)
SEQ ID NO 120 KWPWYIWLGFIAGL(高度に保存されたcor seq-スパイク付着)
SEQ ID NO 121 ENQKLIAN(高度に保存されたcor seq-スパイク付着)
SEQ ID NO 122 ARDLICAQKWPWYIWLGFIAGLENQKLIAN
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 123 ENQKLIANARDLICAQ
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 124 WDYPKCDRAENQKLIANARDLICAQ
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 125 WDYPKCDRAENQKLIANKWPWYIWLGFIAGL
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 126 ARDLICAQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE(T細胞エピトープを有するcor保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 127 KWPWYIWLGFIAGLWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITEARDLIC
AQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE
(cor保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
SEQ ID NO 128 ARDLICAQENQKLIANQYIKANSKFIGITE ARDLICAQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE(cor保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
SEQ ID NO 129 WDYPKCDRATEVETPIRNEHYEECSCYQYIKANSKFIGITE ARDLICAQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE
(corプラスインフルエンザの保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
太字のみ=Cor
イタリック体=m2e
下線=Flu
太字及び下線-T細胞
SEQ ID NO 130 HYEECSCYWDYPKCDRAVETPIRNEQYIKANSKFIGITE
(corプラスインフルエンザの保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
SEQ ID NO 131 ENQKLIANTEVETPIRNEHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
(corプラスインフルエンザの保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
【0066】
[実施例2]複合ペプチドによる中和抗体の誘導
筋肉内又は皮内経路によって(コットンラットには、筋肉内又は皮内注射の両方を与えた。)、ALFQを配合した1μgのコンジュゲートされた又はコンジュゲートされていない複合インフルエンザペプチドワクチン(T細胞エピトープを有するインフルエンザHA、NA及びM2e複合ペプチド)で、ICRマウス及びコットンラットを免疫した。いずれの投与経路も、群1及び群2のインフルエンザウイルス(Flu A California H1N1/pdm09及びFlu A Hong Kong H3N2/4801/2014)に結合する血清IgG抗体を誘導した。さらに、1μgの、ALFQ中に配合された複合インフルエンザワクチンは、皮内経路及び筋肉内経路によって与えられた両インフルエンザウイルスに対する中和抗体を誘導した。これらのデータは、ALFQ中に配合された複合インフルエンザペプチドワクチンが、担体へのコンジュゲーションなしに、及び異なる免疫経路によって投与された場合に、極めて低用量で強い免疫応答を誘導したことを実証している。これは、製造の効率及び製造コストの削減において利点を提供する。低用量の皮内投与は、ヒトの全世界的な集団予防接種のための、並びにヒトなどの哺乳動物又は鳥類及びブタなどの動物を免疫化するためのワクチン費用も減少させる。
【0067】
本発明の他の実施形態及び使用は、本明細書に開示されている本明細書の考察及び本発明の実施から当業者には明らかであろう。すべての刊行物、米国及び外国の特許及び特許出願を含む、本明細書に引用されるすべての参考文献は、具体的及び全体的に参照により組み入れられる。含む(comprising)という用語は、使用される場合には常に、からなる(consisting)及び本質的にからなる(consisting essentially of)という用語を含むことが意図される。さらに、含む(comprising)、含む(including)及び含有する(containing)という用語は、限定を意図するものではない。本明細書及び実施例は例示に過ぎないと考えられ、本発明の真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年9月21日に出願された米国仮出願第63/246,580号及び2021年3月4日に出願された米国仮出願第63/156,645号の優先権を主張し、これらはいずれも参照により組み入れられる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年3月21日に作成された上記のASCIIコピーは、3022_053_US_SL.txtという名前で、サイズは40,609バイトである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
[実施例1]ペプチド及び配列
以下は、例示的なペプチド配列のリストである。これらの配列は、複合配列に加えて、複合配列を形成するために組み合わせることができる関心対象の配列を含む:
インフルエンザウイルス
SEQ ID NO 1 DWSGYSGSFVQHPELTGLD(N1配列;H1N5)
SEQ ID NO 2 ETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 3 FVIREPFISCSHLEC
SEQ ID NO 4 GNFIAP(HAエピトープ;Pep1)
SEQ ID NO 5 GNLIAP(HAエピトープ;Pep2)
SEQ ID NO 6 GNLFIAP(SEQ ID NO 4及び5の複合配列;Pep3)
SEQ ID NO 7 GNLIFAP(SEQ ID NO 4及び5の複合配列)
SEQ ID NO 8 HYEECSCY(NAエピトープ;Pep10)
SEQ ID NO 9 LLTEVETPIR(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 10 LLTEVETPIRN(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 11 LLTEVETPIRNE(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 12 DWSGYSGSFVQHPELTGL(N1配列;H1N5)
SEQ ID NO 13 EVETPIRNE(高度に保存された領域M1/M2e)
SEQ ID NO 14 FLLPEDETPIRNEWGLLTDDETPIRYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 15 GNLFIAPGNLFIAPHYEECSCYHYEECSCYQYIKANSKFIGITEHYEECSCYTPIRNETPIRNE
SEQ ID NO 16 GNLFIAPGNLFIAPQYIKANSKFIGITEGNLFIAP(SEQ ID NO 6、SEQ ID NO 6、SEQ ID NO 61及びSEQ ID NO 6の複合)
SEQ ID NO 17 HYEECSCYDWSGYSGSFVQHPELTGLHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 18 ITGFAPFSKDNSIRLSAGGDIWVTREPYVSCDP
SEQ ID NO 19 IWGIHHP(HAエピトープ)
SEQ ID NO 20 IWGVHHP(HAエピトープ)
SEQ ID NO 21 IWGVIHHP(SEQ ID NO 19及び20の複合)
SEQ ID NO 22 IWGIVHHP(SEQ ID NO 19及び20の複合)
SEQ ID NO 23 KSCINRCFYVELIRGR(N3保存されたエピトープ)
SEQ ID NO 24 LLTEVETPIRNESLLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 25 LLTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 26 LLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 27 LTEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 28 LTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 29 LTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 30 MSLLTEVET(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 31 MSLLTEVETP(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 32 MSLLTEVETPI(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 33 MSLLTEVETPIR(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 34 MSLLTEVETPIRN(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 35 MSLLTEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 36 MSLLTEVETPIRNETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 37 MSLLTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 38 MSLLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 39 MSLLTEVETPIRNEWGCRCNDSSD(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 40 SLLTEVET(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 41 SLLTEVETPIR(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 42 SLLTEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 43 SLLTEVETPIRNEW(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 44 SLLTEVETPIRNEWG(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 45 SLLTEVETPIRNEWGTPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 46 SLLTEVETPIRNEWGTPIRNETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 47 SLLTEVETPIRNEWGTPIRNETPIRNETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 48 SLLTEVETPIRNEWGLLTEVETPIR(M1/M2e保存領域)
SEQ ID NO 49 TEVETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 50 TPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 51 VETPIRNE(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 52 VTREPYVSCDPKSCINRCFYVELIRGRVTREPYVSCDPWYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 53 WGIHHP(HA保存領域;Pep5)
SEQ ID NO 54 WGVHHP(HA保存領域;Pep4)
SEQ ID NO 55 WGVIHHP(SEQ ID NO 53及び54の複合;Pep6)
SEQ ID NO 56 WGIVHHP(SEQ ID NO 53及び54の複合;Pep7)
SEQ ID NO 57 YIWGIHHP(HA保存領域)
SEQ ID NO 58 YIWGVHHP(HA保存領域)
SEQ ID NO 59 YIWGVIHHP(SEQ ID NO 57及び58の複合)
SEQ ID NO 60 YIWGIVHHP(SEQ ID NO 57及び58の複合)
SEQ ID NO 61 QYIKANSKFIGITE(T細胞エピトープ)
SEQ ID NO 62 PIRNEWGCRCNDSSD(M2eエピトープ)
SEQ ID NO 63 GNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY(下線が引かれた配列は、それぞれ、A型インフルエンザのエピトープHA{複合体}(SEQ ID NO 6)及びNA(SEQ ID NO 8)であり、中央がSEQ ID NO 55である;Pep 11)
SEQ ID NO 64 CAGAGNFIAP
SEQ ID NO 65 CAGAGNLIAP
SEQ ID NO 66 CAGAGNLFIAP
SEQ ID NO 67 CAGAWGVHHP
SEQ ID NO 68 CAGAWGIHHP
SEQ ID NO 69 CAGAWGVIHHP
SEQ ID NO 70 CAGAWGIVHHP
SEQ ID NO 71 GNLIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 72 CAGAGNLIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 73 GNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 74 CAGAGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 75 HYEECSCY
SEQ ID NO 76 CAGAHYEECSCY
SEQ ID NO 77 CAGAGNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY
SEQ ID NO 78 GNLFIAPWGVIHHPGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 79 CAGAGNLFIAPWGVIHHPGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 80 HYEECSCYGNLFIAPWGVIHHP
SEQ ID NO 81 GNLFIAPHYEECSCYWGVIHHP
SEQ ID NO 82 SLLTEVETPIRNEWGLLTEVETPIRQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 83 GNLFIAPGNLFIAPQYIKANSKFIGITEGNLFIAP
SEQ ID NO 84 HYEECSCYDWSGYSGSFVQHPELTGLHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 85 VTREPYVSCDPKSCINRCFYVELIRGRVTREPYVSCDPQYIKANSKFIGITE
SEQ ID NO 86 DWSGYSGSFVQHPELTGL
SEQ ID NO 87 ITGFAPFSKDNSIRLSAGGDIWVTREPYVSCDP
SEQ ID NO 88 KSCINRCFYVELIRGR
SEQ ID NO 89 GNLFIAPRYAFA
SEQ ID NO 90 CAGAGNLFIAPRYAFA
SEQ ID NO 91 GNLVVPRYAFA
SEQ ID NO 92 CAGAGNLVVPRYAFA
SEQ ID NO 93 GNLIAPRYAFA
SEQ ID NO 94 CAGAGNLIAPRYAFA
SEQ ID NO 95 GNLVVP
SEQ ID NO 96 CAGAGNLVVP
SEQ ID NO 97 FVIREPFISCSHLEC
SEQ ID NO 98 CAGAFVIREPFISCSHLEC
SEQ ID NO 99 GNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY(Pep11)
SEQ ID NO 100 GNLFIAPWGVIHHPHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
(C末端T細胞エピトープを有するPep11=Pep63)
SEQ ID NO 101 QYIKANSKFIGITEGNLFIAPWGVIHHPHYEECSCY
(N末端T細胞エピトープを有するPep11=Pep64)
SEQ ID NO 102 HVEECSY(N1及びN2)
SEQ ID NO 103 WFIHHP(H5)
SEQ ID NO 104 DLWSYNAELLV(ステムペプチド)
SEQ ID NO 105 DIWTYNAELLV(ステムペプチド)
SEQ ID NO 106 HXXXW-M2チャネルの主要な機能要素を構成するFlu A及びBに共通のマトリックスペプチド
コロナウイルス
SEQ ID NO 107 YPKCDRA=RNAポリメラーゼ領域
SEQ ID NO 108 WDYPKCDRA=RNAポリメラーゼ領域
SEQ ID NO 109 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESY w/ QYIKANSKFIGITE(SEQ ID NO 16)=スパイクタンパク質w/破傷風トキソイドT細胞エピトープ
保存されたエピトープを使用する5つのコロナウイルス複合配列。
SEQ ID NO 110 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESY
(コロナウイルススパイクタンパク質保存されたエピトープ(SP))
SEQ ID NO 111 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESYQYIKANSKFIGITE
(破傷風トキソイドT細胞エピトープ+SP)
SEQ ID NO 112 WDYPKCDRA
(ポリメラーゼ保存されたエピトープ(POL))
SEQ ID NO 113 WDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE
(POL+破傷風T細胞エピトープ)
SEQ ID NO 114 WDYPKCDRASLDQINVTFLDLEYEMKKLEESYQYIKANSKFIGITE
(コアPOL+SP+Tet)
SEQ ID NO 115 WDYPKCDRATEVETPIRNEHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
Cor POL. Flu M2e. Flu NA. 破傷風 T細胞
(より広範なパンデミックワクチンである1つのコロナウイルスの保存されたエピトープ及び2つのFluの保存されたエピトープ)
コロナウイルスのペプチド及び複合コロナウイルス/インフルエンザペプチド
SEQ ID NO 116 SLDQINVTFLDLEYEMKKLEESYQYIKANSKFIGITE
(T細胞刺激エピトープを有するスパイクタンパク質エピトープ)
SEQ ID NO 117 WDYPKCDRA(コロナ保存seq-ポリメラーゼ)中和Ab
SEQ ID NO 118 YPKCDRA(コロナ保存seq-ポリメラーゼ)
SEQ ID NO 119 ARDLICAQ
(高度に保存されたcor seq-同じスパイク付着は3つすべて-Cor MERS SARSである)
SEQ ID NO 120 KWPWYIWLGFIAGL(高度に保存されたcor seq-スパイク付着)
SEQ ID NO 121 ENQKLIAN(高度に保存されたcor seq-スパイク付着)
SEQ ID NO 122 ARDLICAQKWPWYIWLGFIAGLENQKLIAN
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 123 ENQKLIANARDLICAQ
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 124 WDYPKCDRAENQKLIANARDLICAQ
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 125 WDYPKCDRAENQKLIANKWPWYIWLGFIAGL
(T細胞エピトープを含まない保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 126 ARDLICAQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE(T細胞エピトープを有するcor保存された配列の組み合わせ)
SEQ ID NO 127 KWPWYIWLGFIAGLWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITEARDLIC
AQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE
(cor保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
SEQ ID NO 128 ARDLICAQENQKLIANQYIKANSKFIGITE ARDLICAQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE(cor保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
SEQ ID NO 129 WDYPKCDRATEVETPIRNEHYEECSCYQYIKANSKFIGITE ARDLICAQENQKLIANWDYPKCDRAQYIKANSKFIGITE
(corプラスインフルエンザの保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
太字のみ=Cor
イタリック体=m2e
下線=Flu
太字及び下線-T細胞
SEQ ID NO 130 HYEECSCYWDYPKCDRAVETPIRNEQYIKANSKFIGITE
(corプラスインフルエンザの保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
SEQ ID NO 131 ENQKLIANTEVETPIRNEHYEECSCYQYIKANSKFIGITE
(corプラスインフルエンザの保存された配列の、T細胞エピトープとの組み合わせ)
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト、哺乳動物又は動物に投与すると、病原体に対する免疫応答を生成するエピトープを含有する前記病原体のウイルス又は細菌抗原を含む免疫原性組成物。
【請求項2】
抗原が、インフルエンザウイルスのHAタンパク質、NAタンパク質、M1タンパク質、M2タンパク質、M2eタンパク質及び/又はこれらの断片、誘導体若しくは修飾物から得られるか、又はこれらに由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
抗原が、SEQ ID NO 1~106のいずれか1つ以上、SEQ ID NO 107~115のいずれか1つ以上、SEQ ID NO 116~
131のいずれか1つ以上の配列又はこれらの組み合わせを含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
破傷風毒素、破傷風毒素重鎖タンパク質、ジフテリアトキソイド、CRM、組換えCRM、破傷風トキソイド、シュードモナス(Pseudomonas)エキソプロテインA、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)トキソイド、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertusis)トキソイド、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)トキソイド、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)熱不安定性毒素Bサブユニット、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)外膜複合体、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Hemophilus influenzae)タンパク質D、フラジェリンFli C、カブトガニヘモシアニン及び/又はこれらの断片、誘導体若しくは修飾物から得られるか、又はこれらに由来するT細胞刺激エピトープをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
T細胞刺激エピトープが抗原のN末端又はC末端に位置する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
複数のインフルエンザウイルスエピトープ及び/又は複数のT細胞刺激エピトープを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
アジュバントをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
アジュバントが、フロイントアジュバント、ALFQ、ALFQA、ALFA、AS01、AS01b、リポソームアジュバント、サポニン、リピドA、スクアレン及び/又はこれらの修飾物、誘導体及び組み合わせを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ウイルス感染症を処置又は予防するワクチンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
細菌感染症を処置又は予防するワクチンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
病原体に感染している疑いがあるか又は病原体に感染していることが決定された動物の集団に請求項1に記載の組成物を投与することによって、前記病原体による感染症を処置又は予防する方法。
【請求項12】
前記組成物が、動物による全身及び/又は粘膜免疫応答を生じる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
投与が水若しくは食品供給物への投与又はエアロゾルとしての投与である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
投与が経口、皮下、筋肉内又は鼻腔内である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
病原体に感染している疑いがあるか又は病原体に感染していることが決定されたヒトに請求項1に記載の組成物を投与することによって、前記病原体による感染症を処置又は予防する方法。
【請求項16】
組成物が、動物による全身及び/又は粘膜免疫応答を生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
投与が経口、皮下、筋肉内又は鼻腔内である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ヒト、哺乳動物又は動物に投与すると、病原体に対する免疫応答を生成するエピトープを含有する前記病原体の抗原をコードするウイルス又は細菌の核酸を含む免疫原性組成物。
【請求項19】
核酸がDNAを含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
核酸がRNAを含む、請求項18に記載の組成物。
【国際調査報告】