(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】真空周期的構造体および製造の方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/18 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
G02B5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553685
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022071007
(87)【国際公開番号】W WO2022187870
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509325972
【氏名又は名称】ディジレンズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・デイヴィッド・ウォルダーン
(72)【発明者】
【氏名】アラステア・ジョン・グラント
(72)【発明者】
【氏名】ミラン・モンシロ・ポポヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】シブ・アブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】バエダーン・ジョージ・ヒル
(72)【発明者】
【氏名】ツン-ジュイ・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・コーエン・カレンズ
(72)【発明者】
【氏名】ヒェソグ・イ
【テーマコード(参考)】
2H249
【Fターム(参考)】
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA31
2H249AA34
2H249AA43
2H249AA45
2H249AA62
2H249AA64
2H249AA65
(57)【要約】
導波路での使用のための格子、および、それら格子を製作する方法への改善がここでは記載されている。深い表面レリーフ格子(SRG)は、従来のSRGに対して多くの利点を提供することができ、重要な利点は、より高いS回析効率である。一実施形態において、深いSRGはポリマー表面レリーフ格子または真空周期的構造体(EPS)として実装され得る。EPSは、ホログラフィックポリマー分散液晶(HPDLC)周期的構造体を最初に記録することで形成できる。液晶を硬化した周期的構造体から除去することで、ポリマー表面レリーフ格子を提供する。ポリマー表面レリーフ格子は、導波路に基づくディスプレイにおける使用を含む多くの用途を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的構造体を作製するための方法であって、
ホログラフィック混合物をベース基板に提供するステップと、
前記ホログラフィック混合物を前記ベース基板とカバー基板との間に挟み、前記ホログラフィック混合物がホログラフィック混合物層を前記ベース基板上に形成する、ステップと、
ポリマーが豊富な領域と非反応性材料が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散周期的構造体を形成するために、ホログラフィック記録ビームを前記ホログラフィック混合物層に適用するステップと、
前記カバー基板を前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体から除去するステップであって、前記カバー基板は、露光の後、形成された前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体から除去され、露光されていない前記ホログラフィック混合物層に付着するように、前記ベース基板と異なる性質を有する、ステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体を形成するために、前記非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非反応性材料が豊富な領域を埋め戻し材料で再充填するステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記埋め戻し材料は、残っている前記ポリマーが豊富な領域の屈折率と異なる屈折率を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記埋め戻し材料は液晶材料を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記液晶材料は、前記非反応性材料が豊富な領域から除去される非反応性材料と異なる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップは、前記非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の実質的にすべてを除去することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップは、前記非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を残すことをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップは、前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体を溶剤で洗浄することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記ベース基板はプラスチックを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
酸化ケイ素層が前記ベース基板に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ベース基板は、ガラス、石英、またはシリカを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記カバー基板はプラスチックを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
酸化ケイ素層が前記カバー基板に堆積される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記カバー基板は、ガラス、石英、またはシリカを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ベース基板と前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体との間の付着を促進する付着促進層が、前記ベース基板の上部に被覆される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ベース基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、シランに基づく試薬が前記水酸基および前記付着促進層と接着する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記カバー基板を前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体から容易に解放させる解放層が、前記カバー基板の上部に被覆される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記カバー基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、前記解放層は、前記水酸基と接着するシランに基づくフルオロ反応物である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
保護基板を前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体に適用して、前記ホログラフィックポリマー分散周期的構造体を前記保護基板と前記ベース基板との間に位置決めするステップをさらに含む請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記非反応性材料は液晶材料を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照された出願
本出願は、2021年3月5日に出願された米国仮特許出願第63/157467号、2021年4月13日に出願された米国仮特許出願第63/174401号、および2021年7月19日に出願された米国仮特許出願第63/223311号の優先権を主張し、それら特許出願の開示は、それらの全体が参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、概して、導波路、および導波路を作製するための方法に関し、より詳細には、1つの材料成分が除去される多成分混合物に形成される格子を含む導波路ディスプレイと、前記格子を作製するための方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
導波路は、波を閉じ込めて案内する(つまり、波が伝搬することができる空間領域を規制する)能力を伴う構造として言及することができる。1つのサブクラスは、電磁波であって、典型的には可視スペクトルにおける電磁波を案内することができる構造である光学導波路を含む。導波路構造は、いくつかの異なる機構を使用して波の伝搬経路を制御するように設計され得る。例えば、平面状の導波路は、入光した光が全内部反射(TIR: Total Internal Reflection)を介して平面状構造の中で伝わるように進むことができるように、導波路構造への入射光を回析および結合するために回析格子を利用するように設計され得る。
【0004】
導波路の作製は、導波路の内部または表面におけるホログラフィック光学要素の記録を可能にする材料系の使用を含み得る。このような材料のある部類は、光重合可能単量体および液晶を含む混合物であるポリマー分散液晶(PDLC)混合物を含む。このような混合物のさらなるサブクラスは、ホログラフィックポリマー分散液晶(HPDLC)混合物を含む。体積位相格子などのホログラフィック光学要素が、材料を2つの相互に可干渉性のレーザビームで材料を照らすことで、このような液体混合物に記録することができる。記録する過程の間、単量体は重合し、混合物は、光重合で誘導された相分離を受け、液晶(LC)微小液滴によって密集させられ、透明なポリマーの領域が散在させられる領域を作り出す。交互する液晶が豊富な領域と液晶が空乏した領域とは、格子の縞模様の平面を形成する。
【0005】
上述されているものなどの導波路光学系は、ディスプレイ用途およびセンサ用途の範囲について検討され得る。多くの用途において、複数の光学機能を符号化する1つまたは複数の格子層を含む導波路は、様々な導波路のアーキテクチャおよび材料系を使用して実現でき、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)のためのニアアイディスプレイ、航空および道路輸送のためのコンパクトなヘッドアップディスプレイ(HUD)、ならびに、バイオメトリックス用途およびレーザレーダ(LIDAR)用途のためのセンサにおいて、新たな革新を可能にする。これらの用途の多くは消費者製品に向けられており、ホログラフィック導波路を大量に製造するための効率的で低コストの手段に向けての高まる要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2022/015878号
【特許文献2】国際公開第2021/242898号
【特許文献3】米国特許第9632226号明細書
【特許文献4】米国特許第4133152号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Pekka Ayras, Pasi Saarikko, Tapani Levola, “Exit pupil expander with a large field of view based on diffractive optics”, Journal of the SID 17/8, (2009), pp 659-664
【非特許文献2】Kiyoshi Yokomori, “Dielectric surface-relief gratings with high diffraction efficiency”, Applied Optics; Vol. 23; Issue 14; (1984); pp. 2303-2310
【非特許文献3】M.A. Golub, A.A. Friesem, L. Eisen, “Bragg properties of efficient surface relief gratings in the resonance domain”, Optics Communications; 235; (2004); pp261-267
【非特許文献4】Gerritsen HJ, Thornton DK, Bolton SR; “Application of Kogelnik's two-wave theory to deep, slanted, highly efficient, relief transmission gratings”, Applied Optics; Vol. 30; Issue 7; (1991); pp 807-814
【非特許文献5】O. Sakhno, L.M. Goldenberg, M. Wegener, J. Stumpe, “Deep surface relief grating in azobenzene-containing materials using a low intensity 532 nm laser”, Optical Materials: X, 1, (2019), 100006, pp 3-7
【非特許文献6】Moharam M. G. et al., “Diffraction characteristics of photoresist surface -relief gratings”, Applied Optics, Vol. 23, page 3214, Sep 15, 1984
【非特許文献7】Fries F. et al, “Real-time beam shaping without additional optical elements”, Light Science & Applications, 7(1), 18, (2018)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
多くの実施形態が、ポリマー格子構造体、その設計、製造の方法、および材料に向けられている。
【0009】
様々な実施形態が、周期的構造体を作製するための方法であって、ホログラフィック混合物をベース基板に提供するステップと、ホログラフィック混合物をベース基板とカバー基板との間に挟むステップであって、ホログラフィック混合物はホログラフィック混合物層をベース基板上に形成する、ステップと、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体を形成するために、ホログラフィック記録ビームをホログラフィック混合物層に適用するステップと、カバー基板をホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去するステップであって、カバー基板は、露光の後、形成されたホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去させることができる一方で、露光されていないホログラフィック混合物層に付着することができるように、ベース基板と異なる性質を有する、ステップとを含む方法に向けられている。
【0010】
さらに、様々な実施形態が、周期的構造体を作製するための方法であって、第1のホログラフィック混合物を第1のベース基板に提供するステップと、第1のホログラフィック混合物を第1のベース基板とカバー基板との間に挟むステップであって、第1のホログラフィック混合物は第1のホログラフィック混合物層を第1のベース基板上に形成する、ステップと、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備える第1のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体を形成するために、ホログラフィック記録ビームを第1のホログラフィック混合物層に適用するステップと、カバー基板をホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去するステップと、第2のホログラフィック混合物を第2のベース基板に提供するステップと、第2のホログラフィック混合物を第2のベース基板とカバー基板との間に挟むステップであって、第2のホログラフィック混合物は第2のホログラフィック混合物層を第2のベース基板上に形成する、ステップと、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備える第2のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体を形成するために、ホログラフィック記録ビームを第2のホログラフィック混合物層に適用するステップとを含む方法に向けられている。
【0011】
さらに、様々な実施形態が、深い表面レリーフ格子(SRG)を作製するためのデバイスであって、ベース基板とカバー基板との間に挟まれるホログラフィック混合物を備え、ホログラフィック混合物は、ホログラフィック記録ビームに露光されるとき、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散液晶格子を形成するように構成され、ベース基板とカバー基板とは、カバー基板が、露光の後、形成されたホログラフィックポリマー分散液晶格子から除去させることができる一方で、露光されていないホログラフィック混合物層に付着することができるように、異なる性質を有する、デバイスに向けられている。
【0012】
さらに、様々な実施形態が、それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、ポリマー格子構造体は、ポリマー領域と、ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙と、ポリマー領域の上部および導波路の上部に配置される被覆とを備える、導波路デバイスに向けられている。
【0013】
さらに、様々な実施形態が、それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、ポリマー格子構造体は、ポリマー領域と、ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙と、ポリマー領域と導波路との間に配置される光学層と、ポリマー領域の上部および光学層の上部に配置される被覆とを備える、導波路デバイスに向けられている。
【0014】
さらに、様々な実施形態が、それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、ポリマー格子構造体は、ポリマー領域と、ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙と、ポリマー領域と導波路との間に配置される光学層とを備える、導波路デバイスに向けられている。
【0015】
さらに、様々な実施形態が、それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、ポリマー格子構造体は、ポリマー領域と、ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙とを備え、ポリマー領域と空隙とは導波路に直接的に接触する、導波路デバイスに向けられている。
【0016】
さらに、様々な実施形態が、格子を作製するための方法であって、単量体と非反応性材料との混合物を提供するステップと、混合物の層を基板の表面に被覆するステップと、ポリマーが豊富な領域と非反応性材料が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散格子を形成するために、ホログラフィック記録ビームを層に適用するステップと、ポリマー領域と空気領域とを交互に含むポリマー表面レリーフ格子を形成するために、非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップと、被覆を、ポリマー領域の上面と空気領域における基板の上面とに適用するステップとを含む方法に向けられている。
【0017】
さらに、様々な実施形態が、格子を作製するための方法であって、単量体と非反応性材料との混合物を提供するステップと、混合物の層を基板の表面に被覆するステップと、ポリマーが豊富な領域と非反応性材料が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散格子を形成するために、ホログラフィック記録ビームを層に適用するステップと、ポリマー領域と空気領域とを交互に含むポリマー表面レリーフ格子を形成するために、非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップであって、光学層はポリマー領域と基板との間に配置される、ステップと、被覆を、ポリマー領域の上面と空気領域における光学層の上面とに適用するステップとを含む方法に向けられている。
【0018】
さらに、様々な実施形態が、格子を作製するための方法であって、単量体と非反応性材料との混合物を提供するステップと、混合物の層を基板の表面に被覆するステップと、ポリマーが豊富な領域と非反応性材料が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散格子を形成するために、ホログラフィック記録ビームを層に適用するステップと、ポリマー領域と空気領域とを交互に含むポリマー表面レリーフ格子を形成するために、非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップと、ポリマーの少なくとも一部分をポリマー領域から除去するためにプラズマアッシング過程を実施するステップとを含む方法に向けられている。
【0019】
この記載は、本発明の例示の実施形態として提示されている以下の図およびデータグラフを参照して、より完全に理解されることになり、本発明の範囲の完全な記述として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1Aは、本発明の実施形態による、透明な基板に堆積させられた単量体と液晶との混合物がホログラフィック露光ビームに露光される、表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
図1Bは、本発明の実施形態による、透明な基板に形成されたHPDLC格子から表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
図1Cは、本発明の実施形態による、ポリマー表面レリーフ格子を形成するために液晶がHPDLC格子から除去される表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
図1Dは、本発明の実施形態による、表面レリーフ格子を保護層で覆うための方法のステップを概念的に示す図である。
【
図2】本発明の実施形態による、透明な基板に形成されたHPDLC格子からポリマー表面レリーフ格子を作製するための方法を概念的に示す流れ図である。
【
図3A】ポリマー表面レリーフ格子または真空周期的構造体の例示の実装の図である。
【
図3B】本発明の実施形態によるポリマー空気の周期的構造体3000aの断面概略図である。
【
図3C】入射角に対する回析効率における光学層厚さの効果を示すグラフである。
【
図4】
図4Aは、本発明の実施形態による、透明な基板に堆積させられた単量体と液晶との混合物がホログラフィック露光ビームに露光される、表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
図4Bは、本発明の実施形態による、透明な基板に形成されたHPDLC周期的構造体から表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
図4Cは、本発明の実施形態による、ポリマー表面レリーフ格子を形成するために液晶がHPDLC周期的構造体から除去される表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
図4Dは、本発明の実施形態による、ハイブリッド表面レリーフ周期的構造体を形成するために表面レリーフ格子が液晶で部分的に再充填される表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
図4Eは、本発明の実施形態による、ハイブリッド表面レリーフ周期的構造体が保護層で覆われる表面レリーフ格子を作製するための方法のステップを概念的に示す図である。
【
図5】本発明の実施形態による、ハイブリッド表面レリーフ周期的構造体を作製するための方法を概念的に示す流れ図である。
【
図6】本発明の実施形態による、1マイクロメートルの厚さの深さの表面レリーフ格子についての、入射角に対する計算されたP偏光およびS偏光の回析効率を示すグラフである。
【
図7】本発明の実施形態による、2マイクロメートルの厚さの深さの表面レリーフ格子についての、入射角に対する計算されたP偏光およびS偏光の回析効率を示すグラフである。
【
図8】本発明の実施形態による、3マイクロメートルの厚さの深さの表面レリーフ格子についての、入射角に対する計算されたP偏光およびS偏光の回析効率を示すグラフである。
【
図9】
図9Aと
図9Bは、異なるチオール濃度を含む複数の実施形態の走査型電子顕微鏡画像である。
【
図10】
図10Aと
図10Bは、HPDLC周期的構造体とポリマー表面レリーフ格子または真空周期的構造体とを比較する画像である。
【
図11】
図11Aと
図11Bは、HPDLC周期的構造体とポリマー表面レリーフ格子または真空周期的構造体とを比較するプロットである。
【
図12】
図12Aと
図12Bは、異なる深さを伴う2つの例のポリマー表面レリーフ格子のS回析効率およびP回析効率の2つのプロットである。
【
図13】
図13Aと
図13Bは、図異なる初期液晶濃度で製作された様々な例のポリマー表面レリーフ格子のS回析効率およびP回析効率の2つの異なるプロットである。
【
図14】
図14Aと
図14Bは、異なる初期液晶濃度で製作された様々な例のポリマー表面レリーフ格子のS回析効率およびP回析効率の2つの異なるプロットである。
【
図15】格子層厚さへのエバネッセント結合の依存を示す、格子層厚さに対する回析効率のグラフである。
【
図16】
図16Aは、本発明の実施形態による、カバー基板を実装する表面レリーフ格子の製造の様々な段階の図である。
図16Bは、本発明の実施形態による、カバー基板を実装する表面レリーフ格子の製造の様々な段階の図である。
図16Cは、本発明の実施形態による、カバー基板を実装する表面レリーフ格子の製造の様々な段階の図である。
図16Dは、本発明の実施形態による、カバー基板を実装する表面レリーフ格子の製造の様々な段階の図である。
図16Eは、本発明の実施形態による、カバー基板を実装する表面レリーフ格子の製造の様々な段階の図である。
図16Fは、本発明の実施形態による、カバー基板を実装する表面レリーフ格子の製造の様々な段階の図である。
図16Gは、本発明の実施形態による、カバー基板を実装する表面レリーフ格子の製造の様々な段階の図である。
【
図17】本発明の実施形態による、ホログラフィック混合物層を形成する例の反応を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態による、試薬とベース基板との間の反応を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態による、解放材料とカバー基板との間の反応を示す図である。
【
図20A】本発明の実施形態による様々な格子の図である。
【
図20B】本発明の実施形態による様々な格子の図である。
【
図20C】本発明の実施形態による格子の図である。
【
図21A】格子へのエバネッセント結合が起こり得る導波路の実施形態を概念的に示す図である。
【
図21B】格子へのエバネッセント結合が起こり得る導波路の実施形態を概念的に示す図である。
【
図21C】格子へのエバネッセント結合が起こり得る導波路の実施形態を概念的に示す図である。
【
図22A】本発明の実施形態による、逆格子を製造する様々な段階の図である。
【
図22B】本発明の実施形態による、逆格子を製造する様々な段階の図である。
【
図22C】本発明の実施形態による、逆格子を製造する様々な段階の図である。
【
図22D】本発明の実施形態による、逆格子を製造する様々な段階の図である。
【
図23A】本発明の実施形態による格子の概略図である。
【
図23B】本発明の実施形態による格子の概略図である。
【
図23C】本発明の実施形態による格子の概略図である。
【
図24】本発明の実施形態による、SRGを作製するための例の過程の流れを示す図である。
【
図25A】導波路における実装のための二重相互作用格子の原理の図である。
【
図25B】導波路における実装のための二重相互作用格子の原理の図である。
【
図26】本発明の実施形態による格子の断面を概念的に示す図である。
【
図28】本発明の実施形態による、部分的に埋め戻された格子の例の図である。
【
図29】TIR表面格子の光線-格子の相互作用形状を概略的に示す図である。
【
図30】本発明の実施形態による導波路ディスプレイを概念的に示す図である。
【
図31】本発明の実施形態による、空気で離間された2つの導波路層を有する導波路ディスプレイを概念的に示す図である。
【
図32】本発明の実施形態による導波路ディスプレイについての典型的な光線経路を概念的に示す図である。
【
図33】本発明の実施形態による、導波路が湾曲した光学表面を支持する導波路ディスプレイを概念的に示す図である。
【
図34】本発明の実施形態による、導波路が上方および下方の湾曲した光学表面を支持する導波路ディスプレイを概念的に示す図である。
【
図35】本発明の実施形態による、導波路が湾曲した光学表面を支持し、入力像が、湾曲した光学表面によって誘導される収差を相殺するためにあらかじめ歪曲されている画素配列を使用して提供される導波路ディスプレイを概念的に示す図である。
【
図36】本発明の実施形態による、導波路が湾曲した光学表面を支持し、入力像が、湾曲した光学表面によって誘導される収差を相殺するために、湾曲した基板によって支持され、あらかじめ歪曲されている画素配列を使用して提供される導波路ディスプレイを概念的に示す図である。
【
図37】本発明の実施形態による、S回析格子およびP回析格子を含む導波路を使用して、視認のための画像光を投影するための方法を概念的に示す流れ図である。
【
図38】本発明の実施形態による、光学的処方表面を支持し、S回析格子およびP回析格子を含む導波路を使用して、視認のための画像光を投影するための方法を概念的に示す流れ図である。
【
図39A】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、異なる大きさおよび縦横比の長方形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39B】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、ペンローズタイルを有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39C】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、六角形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39D】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、正方形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39E】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、ダイヤモンド形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39F】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、二等辺三角形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39G】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、水平方向に偏った縦横比を伴う六角形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39H】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、水平方向に偏った縦横比を伴う長方形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39I】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、水平方向に偏った縦横比を伴うダイヤモンド形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図39J】本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、水平方向に偏った縦横比を伴う三角形を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【
図40】本発明の実施形態による、異なる画素が異なる放射特性を有し得るダイヤモンド形要素を有する画素パターンの一部分を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
様々な機能を提供するために、導波路における様々な周期的構造体(例えば、格子)の使用への関心が高まっている。これらの周期的構造体には、角度が多重化された格子、色が多重化された格子、折り畳み格子、二重相互作用格子、巻かれたKベクトル格子、交差折り畳み格子、モザイク格子、チャープ格子、空間的に変化する屈折率変調を伴う格子、空間的に変化する格子厚さを有する格子、空間的に変化する平均屈折率を有する格子、空間的に変化する屈折率変調テンソルを伴う格子、および、空間的に変化する平均屈折率テンソルを有する格子があり得る。特定の例において、光の様々な偏光(例えば、S偏光およびP偏光)の回析のための格子が有益であり得る。S偏光またはP偏光のいずれかを回析する格子を有することは、特に有利である。この技術のための特定の用途には、拡張現実ディスプレイおよび仮想現実ディスプレイなどの導波路に基づくディスプレイがある。1つの例は、S偏光またはP偏光の一方または両方を導波路へと入力するために使用され得る入力格子である。しかしながら、多くの場合において、S偏光またはP偏光のいずれかを回析する格子を有することは、有利である。例えば、OLED光源などの非偏光の光源を使用する導波路ディスプレイは、S偏光とP偏光との両方を生成し、したがって、S偏光とP偏光との両方を回析することができる格子を有することは有利である。
【0022】
ある特定の部類の格子は、P偏光またはS偏光のいずれかを回析するために使用され得る表面レリーフ格子(SRG)を含む。他の部類の格子は、通常はP偏光で選択的である表面レリーフ格子(SRG)であり、有機発光ダイオード(OLED)および発光ダイオード(LED)などの非偏光の光源で50%の効率損失をもたらす。S偏光回析格子とP偏光回析格子との混合を組み合わせることは、P回析格子だけを使用する導波路に対して理論的には2倍の向上を提供することができる。したがって、高効率なS偏光回析格子を有することは有利である。多くの実施形態において、S偏光回析格子は、ホログラフィック感光性樹脂に形成される周期的構造体によって提供され得る。1つの周期的構造体は、ブラッグ格子などの格子を含む。ある実施形態では、S偏光回析格子は、配向層、または液晶(LC)ダイレクタを再配向するための他の過程を使用して変えられる複屈折を伴うホログラフィックポリマー分散液晶(HPDLC)に形成される周期的構造体によって提供され得る。いくつかの実施形態では、S偏光回析周期的構造体は、液晶と、単量体と、相分離の下でS回析周期的構造体へと自然に体系化する他の添加物とを使用して形成され得る。ある実施形態では、これらのHPDLC周期的構造体は、優れたS偏光回析効率を有する深いSRGを形成し得る。
【0023】
ある部類の深いSRGは、高いS回析効率(最大99%)および低いP回析効率を呈することができ、導波路のための入力格子として実装され得るポリマー空気SRGまたは真空周期的構造体(EPS: Evacuated Periodic Structure)である。EPSは真空ブラッグ格子(EBG)であり得る。このような周期的構造体は、液晶と単量体との混合物のホログラフィック相分離から形成されるHPDLC周期的構造体から液晶を除去することで形成できる。このような過程によって形成された深いSRGは、典型的には、0.35~0.80マイクロメートルの縞模様間隔を伴う1~3マイクロメートルの範囲での厚さを有する。ある実施形態では、縞模様間隔に対する格子深さの比は1:1から5:1までであり得る。容易に理解できるように、このような格子は、所与の用途の特定の要件に依存して、異なる寸法で形成され得る。SRGの厚さが異なる結果の回析効率をどのように生み出し得るかの例が、
図6~
図8との関連で記載されている。
【0024】
多くの実施形態において、深いSRGのための条件は、縞模様間隔に対する格子深さの高い比によって特徴付けられる。ある実施形態では、深いSRGの形成のための条件は、格子深さが格子周期のおおよそ2倍である。Kogelnik理論を使用してこのような深いSRGをモデル化することは、回析効率の合理的に正確な推定を与え、マクスウェル方程式の数値解法を典型的には必要とするより高度なモデル化の必要性を回避することができる。HPDLC周期的構造体からの液晶の除去を使用して達成され得る格子深さは、深いSRGのための条件を達成することができない従来のナノインプリントリソグラフィ方法を使用して可能な格子深さ(典型的には、格子周期350~460nmについて250~300nmの深さしか提供しない)を大幅に上回る。(非特許文献1)。ここで、S偏光回析深さSRGが本出願の中で強調されているが、深いSRGは、後で検討されているように、格子処方の厚さに依存して、具体的には、格子深さに依存して、ある範囲の偏光応答特性を提供することができることは、強調されるべきである。それによって、深いSRGは様々な異なる用途で実装させることができる。
【0025】
文献は、深いSRGと周期的構造体との等価性を支持している。ある参考文献(非特許文献2)は、マクスウェル方程式を数値的に解くことによる誘電体表面レリーフ格子の回析性質の研究を開示している。格子周期の約2倍の深さの溝を伴う格子の回析効率は、体積位相格子の効率に匹敵することが見出されている。Yokomoriによるモデル化は、フォトレジストに干渉で記録された誘電体表面レリーフ格子が最大で94%の高い回析効率(スループット効率85%)を有することができることを予測している。深いSRGと周期的構造体との等価性は、Golubによる他の記事でも検討されている(非特許文献3)。Gerritsenによるさらなる記事は、フォトレジストにおけるブラッグのようなSRGの形成を検討している(非特許文献4)。
【0026】
本開示の多くの実施形態は、特には傾斜した格子について、ナノインプリントリソグラフィ過程に対して相当の利点を提供することができる深いSRGなどのSRGを作る方法を提供する。任意の複雑性の周期的構造体が、干渉またはマスタと、密着プリント複製とを使用して作ることができる。ある実施形態では、LCを除去した後、SRGは、LCと異なる性質を伴う材料で埋め戻され得る。これは、格子形成のために必要とされる格子化学によって限定されない変調の性質を伴う周期的構造体を可能にする。
【0027】
ある実施形態では、埋め戻し材料はLC材料ではない可能性がある。ある実施形態では、埋め戻し材料は、導波路の角度帯域幅を増加させることができる、空気より大きい屈折率を有し得る。いくつかの実施形態において、深いSRGは、ハイブリッドSRG/周期的構造体を提供するために、LCで部分的に埋め戻すことができる。代替で、ある実施形態では、再充填のステップは、ハイブリッドSRG/周期的構造体を提供するために、HPDLCのLCが豊富な領域からLCの一部分だけを除去することで、回避され得る。再充填の手法は、異なるLCがハイブリッド周期的構造体を形成するために使用できるという利点を有する。材料は、インクジェット堆積過程を使用して堆積させることができる。
【0028】
ある実施形態では、本明細書に記載されている方法は、フォトニック結晶を作り出すために使用され得る。フォトニック結晶は、ブラッグ格子などの周期的構造体を含む幅広い様々な回析構造を作り出すために実装され得る。周期的構造体は、限定されることはないが、入力格子、出力格子、ビーム拡大格子、2つ以上の原色の回析を含め、機能性を提供するために回析格子として使用され得る。フォトニック結晶は、基本的な周期的構造体で達成可能ではない回析能力を有し得る三次元格子構造体であり得る。フォトニック結晶は、二次元および三次元のブラベ格子を含む多くの構造を含み得る。このような構造の記録は、3つ以上の記録ビームから利益を得ることができる。
【0029】
ある実施形態では、フォトニック結晶を組み込む導波路が、導波路の積み重ねに配置することができ、特有のスペクトル帯域幅を回析するための格子処方を各々が有する。多くの実施形態において、液晶抽出によって形成されるフォトニック結晶が深いSRGを提供する。多くの実施形態において、液晶抽出過程を使用して形成された深いSRGは、典型的には、0.35マイクロメートルから0.80マイクロメートルまでの縞模様間隔を伴う1~3マイクロメートルの範囲での厚さを典型的には有し得る。縞模様間隔はブラッグ縞模様間隔であり得る。多くの実施形態において、深いSRGのための条件は、縞模様間隔に対する格子深さの高い比によって特徴付けられる。ある実施形態では、深いSRGの形成のための条件は、格子深さが格子周期のおおよそ2倍であり得ることである。ここで、S偏光回析深さSRGが本出願において記載されているが、深いSRGは、後で検討されているように、格子処方の厚さに依存して、具体的には、格子深さに依存して、ある範囲の偏光応答特性を提供することができることは、強調されるべきである。深いSRGは、導波路ディスプレイの色、均一性、および他の性質を高めるために、従来のブラッグ格子と併せて使用することもできる。
【0030】
深いSRGは、レーザホログラフ露光を使用して、ガラス状単量体アゾベンゼン材料において作製された(非特許文献5)。非特許文献5は、SRGが2つの直線的に直交して偏光されたレーザビームを使用してホログラフィック感光性樹脂にどのように記録できるかも開示している。
【0031】
本開示は、特には傾斜した格子について、ナノインプリントリソグラフィ過程に対して相当の利点を提供することができる表面レリーフ格子を作るための方法を提供する。任意の複雑性の周期的構造体が、干渉またはマスタと、密着プリント複製とを使用して作ることができる。ある実施形態では、LCを除去した後、SRGは、LCと異なる性質を伴う材料で埋め戻され得る。これは、格子形成のために必要とされる格子化学によって限定されない変調の性質を伴う周期的構造体を可能にする。ある実施形態において、SRGは、ハイブリッドSRG/周期的構造体を提供するために、LCで部分的に埋め戻すことができる。代替で、ある実施形態では、再充填のステップは、ハイブリッドSRG/周期的構造体を提供するために、HPDLCのLCが豊富な領域からLCの一部分だけを除去することで、回避され得る。再充填の手法は、異なるLCがハイブリッド格子を形成するために使用できるという利点を有する。材料は、インクジェット過程を使用して堆積させることができる。ある実施形態では、再充填材料は、周期的構造体の回析効率を増加させることができる、空気より大きい屈折率を有し得る。
【0032】
本開示は、深いSRGを作製する状況において行われているが、多くの他の格子構造体が、本明細書に記載されている技術を使用して製作できることは、理解される。例えば、格子深さが格子周波数より小さいSRGを含む任意の種類のSRG(例えば、ラマン・ナス格子)が、同じく作製され得る。
【0033】
図1A~
図1Dは、実施形態による、深いSRGまたはEPSを作製するための方法で使用できる処理装置を示している。
図1Aは、本発明の実施形態による、透明な基板192に堆積させられた単量体と液晶との混合物191がホログラフィック露光ビーム193、194に露光される、表面レリーフ格子を作製するための方法のステップで使用され得る装置190Aを概念的に示している。ホログラフィック露光ビーム193、194は紫外線ビームであり得る。ある例では、混合物191は、光開始剤、共開始剤、多官能チオール、付着促進剤、界面活性剤、および/または追加の添加物のうちの少なくとも1つも含み得る。
【0034】
混合物191はナノ粒子を含み得る。混合物191は光酸を含み得る。混合物191は、非反応性ポリマーで薄められた単量体であり得る。混合物191は2つ以上の単量体を含み得る。ある実施形態において、単量体は、イソシアンアクリレートに基づき得る、または、チオレンに基づき得る。ある実施形態において、液晶は、完全な液晶混合物または液晶シングルであり得る。液晶シングルは、完全な液晶混合物の一部分だけを含み得る。様々な例の液晶シングルは、シアノビフェニル、アルキル、アルコキシ、シアノビフェニル、および/またはテルフェニル誘導体のうちの1つまたは全部を含み得る。液晶混合物はコレステリック液晶であり得る。液晶混合物は、格子周期を制御することができるキラルドーパントを含み得る。液晶混合物は、光応答性および/またはハロゲン結合の液晶を含み得る。ある実施形態において、液晶は、ポリマーが豊富な領域および物質が豊富な領域を作り出すために、露光の間に相が単量体と分離する他の物質と置き換えられてもよい。有利には、物質および液晶シングルは、後で記載されているように、後のステップで除去される完全な液晶混合物のコスト効果のある代用品であり得る。
【0035】
ある実施形態では、混合物191における液晶は、異常な屈折率と0.01未満の通常の屈折率との間に違いを有する。ある実施形態では、混合物191における液晶は、異常な屈折率と0.025未満の通常の屈折率との間に違いを有する。ある実施形態では、混合物191における液晶は、異常な屈折率と0.05未満の通常の屈折率との間に違いを有する。
【0036】
図1Bは、本発明の実施形態による、ホログラフィック露光ビームを使用して透明な基板に形成されるHPDLCブラッグ格子195から表面レリーフ格子を作製するための方法のステップで使用され得る装置190Bを概念的に示している。ホログラフィック露光ビームは、単量体を同じ領域におけるポリマーへと変換することができる。ホログラフィック露光ビームは、交差記録ビームを含むことができ、交互する明るい照射領域と暗い照射領域とを含み得る。重合で駆動される拡散過程は、単量体およびLCの反対方向への拡散を引き起こすことができ、単量体はゲル化して(明るい領域において)ポリマーが豊富な領域を形成し、液晶はポリマーマトリックスに捕らえられることになり、(暗い領域において)液晶が豊富な領域を形成する。
【0037】
図1Cは、本発明の実施形態による、ポリマー表面レリーフ格子を形成するために液晶が
図1BのHPDLC周期的構造体から除去される深いポリマー表面レリーフ格子196またはEPSを作製するための方法のステップにおいて使用され得る装置190Cを概念的に示している。有利には、ポリマー表面レリーフ格子196が、深いSRGを形成するために、比較的小さい格子周期を伴う大きい深さを含み得る。液晶は、イソプロピルアルコール(IPA)などの溶剤で洗浄することで除去され得る。溶剤は、液晶を洗い落とすのに十分な強さであり得るが、ポリマーを維持するのに十分な弱さであり得る。ある実施形態では、溶剤は、格子を洗浄する前に室温未満で冷却され得る。
図1Dは、本発明の実施形態による、ポリマー表面レリーフ格子が保護層197で覆われるポリマー表面レリーフ格子を作製するための方法のステップで使用され得る装置190Dを概念的に示している。
【0038】
図2は、本発明の実施形態による、透明な基板に形成されたHPDLC周期的構造体から深いSRGを形成するための方法を概念的に示している。図示されているように、深いSRGまたはEPSを形成する方法200が提供されている。流れ図を参照すると、方法200は、少なくとも1つの単量体と少なくとも1つの液晶との混合物を提供すること(201)を含む。少なくとも1つの単量体は、イソシアンアクリレート単量体またはチオレンを含み得る。例えば、混合物は、液晶と、チオレンに基づく感光性樹脂とを含み得る。ある実施形態では、混合物は、液晶と、アクリレートに基づく感光性樹脂とを含み得る。ある実施形態では、少なくとも1つの液晶は、完全な液晶混合物であり得る、または、液晶混合物の単一の成分など、液晶混合物の一部分だけを含み得る液晶シングルであり得る。ある実施形態では、少なくとも1つの液晶が、露光の間に相が単量体と分離する溶液の代用とされ得る。このような溶液についての基準には、露光の間の単量体と層分離する能力、効果の後および洗浄の間の除去の容易性、および、取り扱いの容易性があり得る。例の代用の溶液には、溶剤、非反応性単量体、無機物、およびナノ粒子がある。
【0039】
単量体と液晶との混合物を提供することは、以下のもの、つまり、光開始剤もしくは共開始剤などの開始剤、多官能チオール、染料、付着促進剤、界面活性剤、および/または、他の架橋剤などの追加の添加物のうちの1つまたは複数を、少なくとも1つの単量体および液晶と混合することも含み得る。この混合物は、共開始剤に、単量体とチオールとの間の反応に触媒作用を及ばせるために、静止するようにさせられ得る。静止期間は、暗い空間、または、赤色光(例えば、赤外光)を伴う空間において、低い温度(例えば、20℃)で、おおよそ8時間の期間にわたって行われ得る。静止の後、追加の単量体が単量体に混合されてもよい。次に、この混合物は、小さい孔の大きさ(例えば、0.45μmの孔の大きさ)を伴うフィルタを通じて濾され得る、または濾過され得る。濾した後、この混合物は、被覆の前に、暗い空間、または、赤色光を伴う空間において、室温で保管され得る。
【0040】
次に、透明な基板が提供され得る(202)。特定の実施形態において、透明な基板はガラス基板またはプラスチック基板であり得る。ある実施形態において、透明な基板は、ロールtoロールの過程を容易にするために、柔軟な基板であり得る。ある実施形態において、EPSは、ロールtoロールの過程を通じて柔軟な基板において製造され得、次に、剥がされて剛体の基板に付着させられ得る。ある実施形態において、EPSは、柔軟な基板において製造され得、第2の柔軟な解放層が剥がされて破棄され得、これによってEPSを柔軟な層に残すことになる。次に、柔軟な層は他の剛性の基板に接合され得る。
【0041】
混合物の層が基板の表面に堆積または被覆され得る(203)。混合物の層はインクジェット印刷を用いて堆積させられ得る。ある実施形態では、混合物は、内部寸法を維持するためにガラススペーサを使用して透明な基板と他の基板との間に挟まれる。混合物が挟まれる前に、付着防止被覆が他の基板に適用されてもよい。付着防止被覆は、OPTOOL UD509 (Daikin Chemicalsによって製造されている)、Dow Corning 2634、Fluoropel(Cytonixによって製造されている)、およびEC200(PPG Industries, Incによって製造されている)などのフルオロポリマーを含み得る。ホログラフィック記録ビームが混合物層に適用でき(204)、ホログラフィック記録ビームは、LCとポリマーとの相分離を引き起こし得る2つのビームの干渉縞であり得る。ホログラフィック記録ビームに応答して、液体単量体は固体ポリマーに変化し、中性の非反応性物質(例えば、LC)は、重合によって駆動される化学ポテンシャルにおける変化に応答して、ホログラフィック露光の間に拡散する。LCは中性の非反応性物質の1つの実装であり得るが、他の物質が使用されてもよい。物質および単量体は、ホログラフィック露光の前に混和性の混合物を形成でき、ホログラフィック露光において不混和になり得る。
【0042】
ホログラフィック記録ビームを適用した後、混合物が硬化され得る。硬化過程は、混合物が完全に硬化するまで、ある時間の期間にわたって、混合物を低強度白色光の下に留めることを含み得る。低強度白色光は光漂白染料過程を行わせてもよい。したがって、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に有するHPDLC周期的構造体が形成され得る(205)。ある実施形態では、硬化過程は2時間以下で行うことができる。硬化の後、基板のうちの1つが除去されてHPDLC周期的構造体を露光させることができる。有利には、付着防止被覆は、HPDLC周期的構造体が残っている間に他の基板を除去させることができる。
【0043】
HPDLC周期的構造体は、液晶が豊富な領域の区域とポリマー領域の区域とを交互に含み得る。液晶が豊富な領域における液晶は、深いSRGとして使用できるポリマー表面レリーフ格子またはEPSを形成するために除去することができる(206)。液晶は、格子をIPAなどの溶剤へと優しく浸漬することで除去することができる。IPAは、冷却され得、格子がIPAに浸漬される間に室温より低い温度で維持され得る。次に、周期的構造体は溶剤から除去されて乾燥させられ得る。ある実施形態では、周期的構造体は、圧縮空気などの大流量空気供給源を使用して乾燥させられる。LCが周期的構造体から除去された後、ポリマー空気表面レリーフ格子が形成される。
【0044】
図1A~
図1Dに示されているように、形成された表面レリーフ格子は保護層でさらに覆われてもよい。ある例では、保護層は、傷防止能力を伴う水分および酸素へのバリアであり得る。ある例では、保護層は、除去されたLCがかつて存在していた空隙領域を満たさない被覆であり得る。被覆は、低温過程を使用して堆積させることができる。ある実装において、保護層は反射防止(AR)性を有し得る。被覆はケイ酸塩または窒化ケイ素であり得る。被覆過程は、ナノコーティング過程など、プラズマで支援された化学蒸着(CVD)過程によって実施され得る。被覆はパリレン被覆であり得る。保護層はガラス層であり得る。真空または不活性ガスが、保護層が適用される前に、除去されたLCがかつて存在した隙間を満たすことができる。ある実施形態において、被覆過程はLC除去過程と統合され得る(206)。例えば、被覆材料が、LCを周期的構造体から洗浄するために使用される溶剤と混合されてもよい。
【0045】
図3Aは、導波路3002において実装されたポリマー空気の周期的構造体3000の例示の実施形態の断面概略図を示している。ポリマー空気の表面レリーフ格子3000は周期的ポリマー区域3004aを含む。隣接するポリマー区域3004a同士は空気区域3004bを挟む。空気区域3004bはポリマー区域3004aによって挟まれる。空気区域3004bとポリマー区域3004aとは異なる屈折率を有する。有利には、ポリマー空気の表面レリーフブラッグ格子3000は、深いSRGを作り出すことができるブラッグ縞模様間隔3006bに対する格子深さ3006aの高い比で形成され得る。図示されているように、ポリマー区域3004aと空気区域3004bとは、導波路3002に直接的に接触するために、導波路3002へとずっと延びている。図示されているように、ポリマー区域3004aおよび空気区域3004bと導波路3002との間にバイアス層がなくてもよい。先に検討されているように、深いSRGは、典型的なSRGには存在しない可能性のある高いS回析効率など、多くの有益な品質を呈することができる。
【0046】
一例において、ポリマー空気の表面レリーフブラッグ格子3000は、0.35μmから0.8μmまでのブラッグ縞模様間隔3006bと、1μmから3μmまでの格子深さとを有することができる。ある実施形態では、1μmから3μmまでの格子深さは、漏れ構造が必要とされる導波路用途に向けての折り畳み格子および出力格子のためのほとんどのEPS(アッシングおよびALDを伴う)について、厚過ぎる可能性がある。0.1μmから0.5μmまでの範囲での値は、特に変調がアッシングおよびALDで増加させられるとき、漏れ構造にはより適切であり得る。例えば、入力構造は、0.4μmから最大1μmまでの範囲での深さを含み得る。1μmから3μmまでの深さを伴う構造はディスプレイの場合には有利であり得、さらにより高い構造は、ディスプレイではない用途に有利であり得る。7:1またはさらには8:1の高さに対する半期(例えば、限界寸法)の比を伴う構造は、有利な効果を伴って実証されている。
【0047】
ある実施形態では、ポリマー区域3004aは、
図2との関連で記載されているステップ206の間に液晶が完全に除去されないとき、少なくともいくらかの残留する液晶を含む可能性がある。ある実施形態では、ポリマーが豊富な領域内の残留するLCの存在は、最終的なポリマーSRGの屈折率変調を増加させることができる。ある実施形態では、空気区域3004bは、これらの空気区域3004bからステップ206の間に液晶が完全に除去されない場合、いくらかの残留する液晶を含む可能性がある。ある実施形態では、空気区域3004bの中にいくらかの残留する液晶を残すことで、
図4~
図5との関連で記載されているようなハイブリッド格子が作られ得る。
【0048】
ある実施形態において、光学層3008が、ポリマー区域3004aおよび空気区域3004bと導波路3002との間に存在してもよい。光学層3008は、ポリマー区域3004aおよび空気区域3004bと導波路3002との間のバイアス層であり得る。
図3Bは、本発明の実施形態によるポリマー空気の周期的構造体3000aの断面概略図を示している。ポリマー空気の周期的構造体3000aは、
図3Aのポリマー空気の周期的構造体3000と多くの同一の符号が付けられた構成要素を含む。これらの構成要素の記載は、
図3Bとの関連で記載されているポリマー空気の周期的構造体3000aで適用可能であり、この記載は詳細には繰り返されない。図示されているように、光学層3008が、ポリマー区域3004aおよび空気区域3004bと導波路3002との間に位置決めされている。導波路は、基板3002と、基板3002とポリマー格子構造体とによって挟まれる光学層3008(例えば、バイアス層)とを含むことができ、ポリマー周期的構造体は、光学層と直接的に接触するために光学層までずっと延びている。ポリマー周期的構造体はポリマー区域3004aと空気区域3004bとを含む。
【0049】
ある例では、格子がナノインプリントリソグラフィ(NIL)を使用して形成されるとき、光学層3008が形成され得る。格子パターンは、数マイクロメートルの厚さである周期的構造体の下に薄い層を残す樹脂に刻印され得る。厚さが数マイクロメートルであり得るこの光学層3008は、導波路(例えば、ガラス)基板と周期格子層との間に存在でき、NIL格子構造体を損傷させずに除去することはできない可能性がある。バイアス屈折率が導波路基板のバイアス屈折率より小さいとき、バイアス層は、(導波路においてTIRから最も遠くの)いくらかの画角についての光を、光学ファイバコアにおけるクラッディングと類似し得る高い屈折率の基板に制限することができる。これは、導波路において支持される領域をクリップ留めさせ、それによって導波路によって支持させないことができる。バイアス層の排除は、大きい屈折率の基板から、基板より小さい屈折率の格子構造体との格子結合を提供することができ、これは、バイアス層が存在する場合には可能ではあり得ない。
【0050】
EPSの形成において、格子形成をもたらす相分離過程がホログラフィック記録材料層全体を通じて行うことができるため、格子は、セルギャップの体積を通じて形成でき、結果的に光学層3008を無くすことになる。光学層3008の排除は、大きい屈折率の導波路基板を使用するとき、より広い視野を実現させることができる。広い視野角の内容は、より小さい屈折率の格子構造体で伝搬させられ得る。EPSは、より小さいピーク屈折率にも拘らず、同様の光学性能特性を、ナノインプリントされたSRGへと送達することができる。これは、高効率の導波路のための回析構造の低コストの作製の可能性を広げることができる。
【0051】
導波路格子デバイスからの光学層3008の排除は、先に検討されているような視野の利益を提供することができるが、ある実施形態では、光学層3008がEPSに存在してもよい。本開示は、光学層3008の有無にかかわらず、導波路格子デバイスを許容する。
【0052】
ある実施形態では、光学層3008を有することは、導波路と格子との間のエバネッセント結合が格子構造体(例えば、格子深さ、構造を作る面の角度、および格子深さ)、導波路コア、および光学層3008(存在する場合)の屈折率の関数であるため、有利であり得る。ある実施形態では、光学層3008は、全体の導波路設計を、より良好な効率および帯域幅に向けて最適化するための同調パラメータとして使用され得る。ナノ格子のSRGと異なり、EPSと共に使用されるバイアス層は、格子構造体と同じ屈折率のものではない可能性がある。
【0053】
図3Cは、入射角に対する回析効率における光学層3008の厚さの効果を示すグラフである。点線3052は+6度の入射角を表している。エバネッセント結合がおおよそ+6度の角度で(負の角度に向けて)開始し得る。様々なプロットは光学層3008の異なる厚さを表している。プロットは、光学層3008の厚さが、+6度から+16度までのおおよその角度範囲にわたって、回析結合(例えば、300nmの光学層厚さについて)を増加させるために使用できることを示している。0度から+6度までのおおよその角度範囲にわたって、より小さい結合があり得る。S字形の特徴が、
図3Cに示されているように、300nmの光学層をより厚いかまたはより薄いバイアス層で置き換えることで変えられ得る。ある実施形態では、光学層の厚さは、2μmから3μmまで、1μmから2μmまで、または0.5μmから1μmまでであり得る。
【0054】
ある実施形態では、EPSは、積み重ねられた格子構造体の一部として作製され得る。積み重ねられた格子構造体の例は、2021年7月14日に出願された「Nanoparticle-based holographic photopolymer materials and related applications」という名称の特許文献1において検討されており、この文献は、本明細書により、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれている。ある実施形態において、EPSは、解放層を含む多層構造を含み得る。解放層は、ガラス層の数を少なくし得る格子積み重ね過程で使用され得る。解放層は、記録材料の新たな層の堆積を許容するために、各々の露光ステップで適用され得る。同様の過程は、複数の格子を異なる傾斜角で積み重ねることで、角度帯域幅を増加させることもできる。
【0055】
先に検討されているように、多くの実施形態において、本発明は、ハイブリッド表面レリーフ/周期的構造体を作製するための方法も提供する。
図4Aは、本発明の実施形態による、透明な基板212に堆積させられた単量体と液晶との混合物211がホログラフィック露光ビーム213、214に露光される、ハイブリッド表面レリーフ格子(ハイブリッドSRG)を作製するための方法のステップで使用され得る装置210Aを概念的に示している。
図4Bは、本発明の実施形態による、ホログラフィック露光ビームを使用して透明な基板に形成されるHPDLC周期的構造体215からハイブリッドSRGを作製するための方法のステップで使用され得る装置210Bを概念的に示している。
図4Cは、本発明の実施形態による、ポリマー空気SRG216を形成するために液晶がHPDLC周期的構造体215から除去される表面レリーフ格子を作製するための方法のステップにおいて使用され得る装置210Cを概念的に示している。これらのポリマー空気SRG216またはEPSは深いSRGであり得る。
図4A~
図4Cとの関連で図示および記載されているステップは、ポリマー空気SRGを作り出すための過程において、
図2A~
図2Cとの関連で図示および記載されているステップに大まかに対応しており、したがって、先の記載は
図4A~
図4Cに適用可能となる。
【0056】
また、
図4Dは、ハイブリッド格子を作り出すために実施され得る追加のステップを概念的に示している。装置210Dは、本発明の実施形態による、ハイブリッドSRG217を形成するために表面レリーフ格子が液晶で少なくとも部分的に再充填される表面レリーフ格子を作製するための方法のステップで使用され得る。再充填された液晶は、
図4Cにおいて以前に除去されている先に除去された液晶と異なる一貫性のものであり得る。さらに、
図3Cにおいて除去された液晶が、ハイブリッドSRG217を形成することへの代替の方法では、部分的に除去されるだけであり得ることは、理解される。また、
図4Eは、本発明の実施形態による、
図4Dで示されたステップで形成されたハイブリッドSRG217が保護層218で覆われる表面レリーフ格子を作製するための方法のステップで使用され得る装置210Eを概念的に示している。ハイブリッドEPSでは、
図3Aおよび
図3Bの空気区域3004bは、先に検討されているように、埋め戻し材料で置き換えられ得る。
【0057】
図5は、本発明の実施形態による、透明な基板に形成されたHPDLC周期的構造体からハイブリッド表面レリーフ周期的構造体を形成するための例示の方法を示す流れ図である。図示されているように、ハイブリッド表面レリーフ周期的構造体を形成する方法220が提供されている。流れ図を参照すると、方法220は、少なくとも1つの単量体と少なくとも1つの液晶との混合物を提供すること(221)を含む。少なくとも1つの単量体は、イソシアンアクリレート単量体を含み得る。単量体と液晶との混合物を提供することは、以下のもの、つまり、光開始剤、共開始剤、多官能チオール、および/または追加の添加物のうちの1つまたは複数を、少なくとも1つの単量体および液晶と混合することも含み得る。この混合物は、共開始剤に、単量体とチオールとの間の反応に触媒作用を及ばせるために、静止するようにさせられ得る。静止期間は、暗い空間、または、赤色光(例えば、赤外光)を伴う空間において、低い温度(例えば、20℃)で、おおよそ8時間の期間にわたって行われ得る。静止の後、追加の単量体が単量体に混合されてもよい。次に、この混合物は、小さい孔の大きさ(例えば、0.45μmの孔の大きさ)を伴うフィルタを通じて濾され得る、または濾過され得る。濾した後、この混合物は、被覆の前に、暗い空間、または、赤色光を伴う空間において、室温で保管され得る。
【0058】
次に、透明な基板が提供され得る(222)。特定の実施形態において、透明な基板はガラス基板またはプラスチック基板であり得る。混合物が基板において被覆される前に、付着防止被覆が透明な基板に適用されてもよい。付着防止被覆は、透明な基板を、露光された周期的構造体から容易に解放させる解放層であり得る。解放層の様々な例が以下で検討されている。混合物の層が基板の表面に堆積され得る(223)。ある実施形態では、混合物は、内部寸法を維持するためにガラススペーサを使用して透明な基板と他の基板との間に挟まれる。ホログラフィック記録ビームが混合物層に適用され得る(224)。ホログラフィック記録ビームは、LCとポリマーとの相分離を引き起こし得る2つのビームの干渉縞であり得る。ホログラフィック記録ビームを適用した後、混合物が硬化され得る。硬化過程は、混合物が完全に硬化するまで、ある時間の期間にわたって、混合物を低強度白色光の下に留めることを含み得る。低強度白色光は光漂白染料過程を行わせてもよい。したがって、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に有するHPDLC周期的構造体が形成され得る(225)。ある実施形態では、硬化過程は2時間以下で行うことができる。硬化の後、基板のうちの1つが除去されてHPDLC周期的構造体を露光させることができる。解放層は、基板のうちの1つを、露光された周期的構造体に付着させないことを支援することができる。
【0059】
HPDLC格子は、液晶が豊富な領域の区域とポリマー領域の区域とを交互に含み得る。液晶が豊富な領域における液晶は、深いSRGの形態であるポリマー表面レリーフ格子またはEPSを形成するために除去することができる(226)。液晶は、露光された周期的構造体をイソプロピルアルコール(IPA)などの溶剤へと優しく浸漬することで除去することができる。IPAは、周期的構造体がIPAに浸漬される間により低い温度で維持されてもよい。次に、周期的構造体は溶剤から除去されて乾燥させられる。ある実施形態では、周期的構造体は、圧縮空気などの大流量空気供給源を使用して乾燥させられる。LCが格子から除去された後、ポリマー空気表面レリーフ周期的構造体が形成される。結果的に生じた周期的構造体は、
図3Aおよび
図3Bとの関連で記載されている周期的構造体であり得る。
図3Aまたは
図3Bに示されているようなバイアス層は存在してもしなくてもよい。
図5のステップ221~226は、ポリマー空気SRGを作り出すときに
図2との関連で記載されているステップに大まかに対応し、したがってこれらの記載は
図5に適用可能である。
【0060】
さらに、方法220は、ハイブリッドSRGを形成するために、消えてなくなった液晶が豊富な領域を液晶で少なくとも部分的に再充填すること(227)を含む。再充填された液晶は、ステップ226において以前に除去されている先に除去された液晶と異なる一貫性のものであり得る。さらに、ステップ226において除去された液晶が、ハイブリッドSRGを形成することへの代替の方法では、部分的に除去されるだけであり得ることは、理解される。有利には、ハイブリッドSRGは、SRGの特定の有益な特性を調整するための能力を提供することができる。少なくともいくらかの液晶をSRG内に含むことによって向上され得る1つの具体的な特性は、ヘイズ性における低下である。ある実施形態では、消えてなくなった液晶が豊富な領域は、液晶と異なる屈折性材料で埋め戻され得る。埋め戻し材料は、残っているポリマーが豊富な領域と異なる屈折率を有してもよい。
【0061】
図4Eに示されているように、形成された表面レリーフ格子は保護層でさらに覆われてもよい。ある例では、保護層は、傷防止能力を伴う水分および酸素へのバリアであり得る。ある例では、保護層は、除去されたLCがかつて存在していた空隙領域を満たさない被覆であり得る。被覆は、低温過程を使用して堆積させることができる。ある実装において、保護層は反射防止(AR)性を有し得る。被覆はケイ酸塩または窒化ケイ素であり得る。被覆過程は、プラズマ処理ナノコーティング過程など、プラズマで支援された化学蒸着(CVD)過程によって実施され得る。被覆はパリレン被覆であり得る。保護層はガラス層であり得る。真空または不活性ガスが、保護層が実装される前に、除去されたLCがかつて存在した隙間を満たすことができる。ある実施形態において、被覆過程はLC除去過程と統合され得る(226)。例えば、被覆材料が、LCを格子から洗浄するために使用される溶剤と混合されてもよい。ある実装では、被覆材料は、ポリマーより小さいかまたは大きい屈折率を伴う材料であり得、隣接したポリマー部分の間の空間を満たし得る。ポリマーと被覆材料との間の屈折率の差は、ポリマーSRGを回析し続けさせることができる。
【0062】
図1~
図5は、深いSRGおよびハイブリッド表面レリーフ/ブラッグ格子を形成するための特定の方法および装置を示しているが、異なるステップまたはこのようなステップの変更を実装する様々な製造方法が利用できる。容易に理解できるように、利用された特定の過程は、所与の用途の特定の要件に依存し得る。例えば、多くの実施形態は他の周期的構造体を保護層として利用する。
【0063】
浅いSRG構造を伴うハイブリッドSRG/周期的構造体は、低いSRG回析効率をもたらす可能性がある。本開示で開示されている方法は、SRGが格子ピッチに対する深さの高い比を有する一方で、周期的構造体を効率的な回析のために十分に厚くさせるように、液晶が豊富な領域における液晶の深さを最適化することで、より効果的なSRG構造を形成することができる。多くの実施形態において、ハイブリッド格子の周期的構造体の構成要素は、1~3マイクロメートルの範囲での厚さを有し得る。ある実施形態では、ハイブリッド格子のSRG構成要素は、0.25~3マイクロメートルの範囲での厚さを有し得る。初期のHPDLC周期的構造体は、最終的なSRGおよび周期的構造体の構成要素の合計に等しい厚さを有する。容易に理解され得るように、2つの周期的構造体の構成要素の厚さの比は導波路の用途に依存し得る。ある実施形態では、SRGの周期的構造体との組み合わせは、周期的構造体の角度帯域幅を微調整するために使用され得る。ある場合には、SRGは周期的構造体の角度帯域幅を増加させることができる。
【0064】
多くの実施形態において、
図4A~
図4Eに示されているハイブリッドSRGにおいて、周期的構造体の液晶領域の再充填深さは、空間的に変化する相対的なSRG/周期的構造体の強度を提供するために、周期的構造体にわたって変化させられ得る。ある実施形態では、ステップ206、226、および227に定められているような液晶の除去および再充填の間、液晶が豊富な格子領域における液晶は完全または部分的に除去され得る。いくつかの実施形態において、液晶が消えてなくなった領域を再充填するかまたは部分的に再充填するために使用される液晶は、初期のHPDLC周期的構造体を形成するために使用された液晶と異なる化学的組成を有し得る。様々な実施形態において、単量体と適合する相分離性質を伴う第1の液晶が、HPDLC格子に最適な変調および格子定義を提供するために指定され得る一方で、第2の再充填液晶が、最終的なハイブリッド格子に所望の屈折率変調性質を提供するために指定され得る。いくつかの実施形態では、ハイブリッド格子のポリマー部分は、基板の表面およびカバー層に適用される電極で切り替え可能であり得る。多くの実施形態において、再充填液晶は、限定されることはないが、切り替え電圧、切り替え時間、偏光、透明性、および他のパラメータを向上させる特徴を含み得る添加物を含み得る。再充填過程を使用して形成されたハイブリッド格子は、LCが(LC液滴の集合ではなく)連続体を形成することでヘイズを低減するというさらなる利点を有する。ある実施形態では、埋め戻し材料は、ポリマー領域と異なる屈折率を伴う材料であり得る。埋め戻し材料は液晶材料でなくてもよい。
【0065】
深いSRG、EPS、および/またはハイブリッドSRGがS回析格子およびP回析格子の状況で記載され得るが、これらの周期的構造体は、多くの他の周期的構造体の種類において適用可能性を有する。これらの周期的構造体には、限定されることはないが、角度が多重化された格子、色が多重化された化格子、折り畳み格子、二重相互作用格子、巻かれたKベクトル格子、交差折り畳み格子、モザイク格子、チャープ格子、空間的に変化する屈折率変調を伴う格子、空間的に変化する格子厚さを有する格子、空間的に変化する平均屈折率を有する格子、空間的に変化する屈折率変調テンソルを伴う格子、および、空間的に変化する平均屈折率テンソルを有する格子があり得る。さらに、深いSRG、EPS、および/またはハイブリッドSRGは、それらの特定の実装に依存して、切り替え可能または切り替え不可能な周期的構造体であり得る。深いSRG、EPS、および/またはハイブリッドSRGは、プラスチック基板またはガラス基板に作製され得る。これらの周期的構造体は、ある基板において作製され、他の基板に移されてもよい。
【0066】
ある実施形態では、EPSは、傾斜されないかされるかのいずれかであり得る、または、空間的に変化して傾斜される構造(例えば、典型的には2から12の範囲での、周期に対する高さの非常に大きい縦横比を伴う巻かれたKベクトル式)であり得る。傾斜したEPSは、様々な例において以下に示される。EPSは、0.400μmの周期を伴って、2.0μmの高さを含み得る(例えば、縦横比=5)。制御された繰り返し可能の傾斜角と高い縦横比との組み合わせは、高い効率の導波路設計を可能にするEPS構造ブラッグ性を提供することができる。さらに、EPSは、バイアス層と共に、またはバイアス層なしで、作製され得る。EPSは、インクジェット印刷過程を使用して実装することができる相分離過程であって、いくつかのSRGディスプレイ導波路を生産するために使用される複雑なウェーハエッチングおよびナノインプリントリソグラフィに対して、大量生産において相当の経済的な利点を提供する相分離過程を使用して行うことができる。
【0067】
ある実施形態では、EPSは、多重化された格子、傾斜した格子、フォトニック結晶、混合された変調格子、ハイブリッドポリマー格子構造体、正弦波格子(例えば、等方性感光性樹脂格子のプラズマアッシングによって形成される)、メタサーフェス、または、表面レリーフ格子によって重ねられる傾斜した体積格子を組み合わせる格子構造体のうちの少なくとも1つとして構成され得る。表面レリーフ格子によって重ねられる傾斜した体積格子は、実質的に、高い屈折率領域より若干小さい格子厚さを有する低い屈折率の領域の格子厚さを伴う体積格子である格子構造体を含み得る。格子厚さの変化は数十ナノメートルであり、一方、平均体積格子厚さは、用途に依存して、1~10マイクロメートルであり得る。構成は、体積格子層の上部に位置するSRG層と等価である。ある実施形態では、SRGおよび体積格子は、SRGのより広い角度帯域幅の利益と、体積格子のより高い効率とを組み合わせることができる。これは、体積格子がより薄い場合により起こりやすい。表面レリーフ構造が、格子の先端での拡散過程における非線形性の結果として、自然に生じることができる。効果は、格子に適用されて処理されるプラズマアッシングまたは何らかの他の種類のエッチングを使用して制御され得る。組み合わされたSRGおよび体積格子は、EPSを作製し、次にEPSを他の材料で部分的に埋め戻すことで形成されてもよい。このような構成は、本開示を通じて、ハイブリッド格子として検討されている。
【0068】
ある実施形態では、EPSは、少なくとも2つの異なる方向に異なる拡散定数を有する異なる拡散体制を使用して形成される。フォトニック結晶などの複雑な格子構造体では、回析結節点の間隔は、完成した格子の変調において不均一性をもたらすことができる。異なる拡散時間定数を伴う材料成分は、異なる方向に沿って、より効率的な格子形成を可能にすることができる。ある実施形態では、EPSは、傾斜した格子構造体と、回析結節点を含む傾斜した格子構造体およびフォトニック結晶構造を組み込むフォトニック構造を提供するために形成される。格子構成は、格子が傾斜した(または傾斜していない)平面状の縞模様を含む領域と、回析結節点を備える回析構造が、傾斜させられ得る円筒などの細長い要素を含み得るフォトニック結晶領域とを含む。フォトニック結晶領域は三次元回析結節点構造を含み得る。ある実施形態では、プラズマアッシングが主結晶方向と平行な進路に沿って適用される多重化された格子によってフォトニック結晶の原理結節点が形成される傾斜した回析の特徴を含むフォトニック結晶を提供するために、EPSが形成される。フォトニック結晶は、明るい縞模様の交差領域が変調ピークを形成するように、2つ以上の格子を多重化することで形成され得る。これらのピークの周りの領域は、原理結晶方向と平行である低変調進路に沿って適用されるプラズマアッシングを使用して損なわれてもよい。結節点の断面形状は、格子の数およびそれらの相対的な配向に依存し得る。例えば、2つの格子を90度で交差させることは、正方形の断面結節点をもたらすことができる。傾斜したフォトニック結晶結節点は、傾斜した格子を使用して形成され得る。この原理は、三次元のフォトニック結晶へと拡張され得る。
【0069】
ある実施形態では、ポリマー格子構造体は、3つのビームで記録されたブラベ格子および他の構造によって形成されるフォトニック結晶を提供するために形成でき、この過程はプラズマアッシングを含む。すべての5つの二次元のブラベ格子(例えば、正方形、三角形、菱形)が、3つのビームの露光システムを使用して記録され得る。二次元のフォトニック結晶を作製するための技術は、三次元ブラベ格子および他の構造を含め、より複雑な三次元構造に適用されてもよい。すべてで14個のブラベ格子が、3つのビームを使用して、またはさらには、より多重化した露光技術を使用する2つのビームを使用して、記録され得る。2つのビームでの多重化露光スキームは、各々の露光の間に単一の軸回転を受ける記録媒体で使用できる。
【0070】
深いSRGまたはEPSの様々な実装の検討
多くの実施形態において、深いSRGは、導波路における偏光を制御するための手段を提供することができる。SBGは、通常はP偏光選択的であり、OLEDおよびLEDなどの非偏光の光源で50%の効率損失をもたらす。したがって、S偏光回析周期的構造体とP偏光回析周期的構造体とを組み合わせることは、P回析周期的構造体だけを使用する導波路に対して理論的には2倍の向上を提供することができる。ある実施形態では、S偏光回析周期的構造体は、従来のホログラフィック感光性樹脂に形成される周期的構造体によって提供され得る。ある実施形態では、S偏光回析周期的構造体は、配向層、または液晶ダイレクタを再配向するための他の過程を使用して変えられる複屈折を伴うHPDLCに形成される周期的構造体によって提供され得る。ある実施形態では、S偏光回析周期的構造体は、液晶と、単量体と、相分離の下でS回析周期的構造体へと自然に体系化する他の添加物とを使用して形成され得る。多くの実施形態において、S偏光回析周期的構造体がSRGによって提供され得る。先に記載されている過程を使用することで、高いS回析効率(最大99%)および低いP回析効率を呈する深いSRGが、液晶および単量体の混合物のホログラフィック相分離から形成されるSBGから液晶を除去することで形成できる。
【0071】
深いSRGは他の偏光応答特性を提供することもできる。非特許文献6など、いくつかの先行技術の理論的研究は、Sが支配的である状態でSおよびPの両方の感度を有する深い表面レリーフ格子を提示している。ある実施形態では、深いSRGは、S偏光応答を提供する能力を実証している。しかしながら、深いSRGは他の偏光応答特性を提供してもよい。多くの実施形態において、Sが支配的である状態でSおよびPの両方の感度を有する深い表面レリーフ格子が実装されている。ある実施形態において、SRGの厚さは、様々なSおよびPの回析特性を提供するために調整することができる。いくつかの実施形態において、回析効率は、スペクトル帯域幅および角度帯域幅にわたって、Pについて高く、同じスペクトル帯域幅および角度帯域幅にわたって、Sについて低くなり得る。いくつかの実施形態において、回析効率は、スペクトル帯域幅および角度帯域幅にわたって、Sについて高く、同じスペクトル帯域幅および角度帯域幅にわたって、Pについて低くなり得る。ある実施形態では、SとPとの両方の偏光について高い効率が提供され得る。0.532マイクロメートルの波長について0度の入射角および45度の回析角で、周期0.48マイクロメートルの空気(したがって、1.3の平均格子屈折率を提供する)に浸けられた屈折率1.6のSRGの理論的分析が、
図6~
図8に示されている。
図6は、1マイクロメートルの厚さの深さの表面レリーフ格子についての、入射角に対する計算されたP偏光およびS偏光の回析効率を示すグラフであり、この場合、高いSおよびPの応答が達成できることを実証している。
図7は、2マイクロメートルの厚さの深さの表面レリーフ格子についての、入射角に対する計算されたP偏光およびS偏光の回析効率を示すグラフであり、この場合、S偏光応答が格子の角度範囲のほとんどにわたって支配的であることを実証している。
図8は、3マイクロメートルの厚さについての、入射角に対する計算されたP偏光およびS偏光の回析効率を示すグラフであり、この場合、P偏光応答が格子の角度範囲の実質的な部分にわたって支配的であることを実証している。
【0072】
多くの実施形態において、フォトニック結晶が、LC抽出過程によって形成される反射周期的構造体または深いSRGであり得る。LC取り去りが後に続く相分離を使用して作られる反射性の深いSRGは、広い角度および空間の帯域幅を可能にすることができる。多くの実施形態において、現在の入力SBGを反射性フォトニック結晶で置き換えることが、像発生ユニット(PGU: Picture Generation Unit)から導波路への光路を小さくするために使用され得る。ある実施形態では、PGUの瞳孔と導波路とは接触し得る。多くの実施形態において、反射性の深いSRGは厚さがおおよそ3マイクロメートルであり得る。LCが抽出された周期的構造体の回析の性質は、ポリマーと空気との間の屈折率隔たりから主に生じる(典型的なSRGの場合におけるような周期的構造体の深さからではない)。
【0073】
初期の混合物の中のチオール添加物の検討
図9Aおよび
図9Bは、ポリマー空気SRGを作製するために使用された例の混合物の比較の散乱電子顕微鏡(SEM)画像を示している。先に検討されているように、初期の混合物の中の単量体はアクリレートまたはチオレンに基づく。アクリレートに基づく単量体など、ある単量体の場合、ホログラフィック露光の後の洗浄の間、溶剤は液晶材料を除去するだけでなく、ポリマーも洗浄してしまい、これは理想的ではないことが発見された。多官能チオール添加物が、ポリマーを強化することで、ポリマーを溶剤洗浄に耐えるだけの強さとさせることによって、この問題を解決することができることが発見された。何らかの具体的な理論への限定なしで、チオール添加物は、低下した架橋結合のため、機械的に弱いポリマーを形成しようとする低い官能性のアクリレート単量体から成る配合処方の機械的強度を向上させることができる。アクリレート単量体配合処方は、より少ないヘイズで高い回析効率を呈することができるため、有利であり得る。したがって、チオールを追加することは、アクリレート単量体の形成をポリマーSRGの作製において視認可能な選択肢とさせることができる。
【0074】
異なる配合処方の間には、相分離と、周期的構造体形成と、機械的強度との間でのトレードオフがあり得る。周期的構造体の形成は、ホログラフィック露光の間、より遅く反応し、より少ない架橋を形成し、非反応性成分(例えば、LC)のより大きな拡散を可能とする低い官能性の単量体を含む混合物から利益を得ることができる。反対に、高い官能性の単量体から成る混合物は、より大きな架橋のため、より良好な相分離とポリマーの機械的強度とを呈することができるが、非反応性成分が拡散するのに十分な時間を有しておらず、したがって、結果としてより小さい回析効率を呈する可能性がある。
【0075】
何らかの具体的な理論への限定なしで、チオール添加物は、ホログラフィック露光の前に固くない足場を形成するためにアクリレートまたはイソシアンアクリレートと反応することで、これらの限定を回避することができる。この足場は、硬化されたポリマーの機械的強度および均一性を向上させることができる。したがって、機械的強度は、単量体混合物の平均官能性を相当に上昇させることなく、および、格子の形成を邪魔することなく、チオールの官能性および濃度の若干の調節を通じて調整できる。
【0076】
図9Aは初期の混合物を示しており、
図9Bは、1.5wt%のチオールを含む比較の混合物を示している。しかしながら、他の重量パーセントのチオール添加物が検討されている。例えば、チオール添加物の重量パーセントは、1%から4%まで、または1.5%から3%までであり得る。ある実施形態では、多官能チオールはトリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)であり得る。
図9Aと
図9Bとの両方が、ポリマー高密度領域902a/902bと空気領域904a/904bとを含む。図示されているように、追加されたチオールは、
図9Aのポリマー高密度領域902aより
図9Bのポリマー高密度領域902bの中により高い密度のポリマーを生成でき、これは格子の性能を高めることができる。チオール添加物の重量パーセントが、溶剤の洗浄に耐えるが、液晶が溶剤の洗浄の間に解放されないようにするために、ポリマー構造の中に安定性を提供するように平衡にさせられるべきであることが、見出されている。
【0077】
HPDLC周期的構造体の性能とポリマー空気SRGの性能との間の比較
図10Aおよび
図10Bは、HPDLC格子およびポリマーSRGまたはEPSの比較例の像を示している。
図10Aは、液晶が除去されていない例のHPDLC周期的構造体についての性能を示している。
図10Aの周期的構造体は、20~30%のP回析効率を含む一方で、公称またはほとんど0%のS回析効率を呈する。
図10Bは、LCが除去されている例のポリマー空気SRGの性能を示している。
図10Bの周期的構造体は、18~28%のP回析効率を含む一方で、51~77%のS回析効率を呈する。したがって、LCが除去されているポリマー空気SRGは、比較的高いS回析効率を実証している一方で、同等のP回析効率を維持している。さらに、
図10Bの格子は、0.11~0.15%のP回析ヘイズと、0.12~0.16%のS回析ヘイズとを含む。
【0078】
図11Aおよび
図11Bは、液晶が除去されているHPDLC周期的構造体と、液晶が除去されているポリマーSRGまたはEPSとの比較例のプロットを示している。
図11Aは、液晶が残っているHPDLC周期的構造体についてのP回析効率およびS回析効率を示している。第1の線1102aはP回析効率に対応しており、第2の線1104aはS回析効率に対応している。
図11Bは、液晶が除去されているポリマーSRGまたはEPSについてのP回析効率およびS回析効率を示している。第1の線1102bはP回析効率に対応しており、第2の線1104bはS回析効率に対応している。図示されているように、S回析効率は、液晶が除去された後に劇的に増加しており、P回析効率は比較的同様に留まっている。ある実施形態では、P回析効率に対するS回析効率の比が、異なる格子周期、格子傾斜角、および格子厚さを使用することで調整され得る。
【0079】
様々な例の深いSRGの深さ
図12Aおよび
図12Bは、様々な深さの深いSRGを伴うP回析効率およびS回析効率の様々な比較例を示している。これらのプロットの各々は、角度に対する回析効率を示している。
図12Aにおいて、深いSRGはおおよそ1.1μmの深さを有する。第1の線1102aはS回析効率を表しており、第2の線1104aはP回析効率を表している。図示されているように、ピークでのS回析効率はおおよそ58%であり、ピークでのP回析効率は23%である。この例について、S回析についてのヘイズは0.12%であり、P回析についてのヘイズは0.11%であることは、留意されている。低いヘイズを伴うこのような高い回析効率は、おおよそ1.1μmの深さを伴う深いSRGを、多重化された格子にとって特に適切とさせることができる。
【0080】
図12Bにおいて、深いSRGはおおよそ1.8μmの深さを有する。第1の線1102bはS回析効率を表しており、第2の線1104bはP回析効率を表している。図示されているように、ピークでのS回析効率はおおよそ92%であり、ピークでのP回析効率は63%である。この例について、S回析についてのヘイズは0.34%であり、P回析についてのヘイズは0.40%であることは、留意されている。したがって、S回析効率とP回析効率との両方が、格子深さの増加と共に劇的に増加する。ヘイズが格子深さの増加と共に増加するように見えることは、留意されるものである。
【0081】
ある実施形態では、EPSは、単一のEPS格子について空間的に可変の深さであり得る。ある実施形態では、同じ基板における異なるEPSが互いと異なる深さを有してもよく、単一の基板における多様なEPS格子のうちの1つまたは複数において、前述した変調変化を行わせない。ある実施形態では、1つまたは複数のEPSが、同じ基板の各々の側に位置決めされ得る。ある実施形態体では、平面状の多重化されたEPSの混合物が同じ導波路に位置決めされ得る。
【0082】
ある実施形態では、複数のEPSが、空間的に変化したデューティサイクル、格子の形、傾斜、および/またはALD被覆の性質を含む基板に位置決めされ得る。異なるALD被覆の性質が変調に空間的に影響を与え得る。
【0083】
混合物における様々な例の初期のLC濃度
図13Aおよび
図13Bは、初期の混合物における様々な初期のLC濃度を伴う様々なEPSの比較研究の結果を示している。
図13Aは、角度に対するS回析効率を示している。
図13Bは、角度に対するP回析効率を示している。
図13Aでは、第1の線1202aは20%の初期LC含有量に対応し、第2の線1204aは30%の初期LC含有量に対応し、第3の線1206aは40%の初期LC含有量に対応する。
図13Bでは、第1の線1202bは20%の初期LC含有量に対応し、第2の線1204bは30%の初期LC含有量に対応し、第3の線1206bは40%の初期LC含有量に対応する。表1は、比較研究の様々な結果のまとめを示している。
【0084】
【0085】
図13Aおよび
図13Bに示されており、表1に記されているように、最大S回析と最大P回析とは、両方とも初期LC含有量が高くなるにつれて増加し、S回析ヘイズおよびP回析ヘイズはおおよそ一定に留まる。
【0086】
図14Aおよび
図14Bは、様々な初期LC濃度についての追加の例のS回析およびP回析を示している。
図14Aは、様々な初期LC含有量を含む様々な例のEPSについてのS回析効率を示している。
図14Bは、様々なLC含有量を含む様々な例のEPSについてのP回析効率を示している。
図14Aおよび
図14Bの両方について、上から下へと連続的に、線は、32%のLC含有量、30%のLC含有量、28%のLC含有量、26%のLC含有量、24%のLC含有量、22%のLC含有量、および20%のLC含有量を表している。図示されているように、S回析効率およびP回析効率は、LC含有量の大きさに直接的に関連させられる(例えば、LC含有量が高くなるにつれて、より高いS回析効率およびP回析効率を生み出す)。
【0087】
任意の具体的な理論に限定されることなく、初期LC含有量は、ホログラフィック露光過程および重合過程の間に起こるLCと単量体との間の相分離の量に関連する。したがって、より高いLC含有量は、洗浄の後により多くの空気領域を作るために除去されるLCが豊富な領域の大きさを増加させることになる。増加した空気領域は、空気領域(以前には液晶が豊富な領域)と、S回析効率およびP回析効率の両方を増加させるポリマーが豊富な領域との間の屈折率の差(Δn)を大きくする。ある実施形態では、ポリマーSRGの平均屈折率は、初期の中性物質(例えば、LC)含有量を調整することで調整することができ、それによって、中性物質の除去の後のポリマーの体積を増加または低下のいずれかとさせる。さらに、初期の中性物質の含有量を増加させることは、機械的な強度に影響を与える可能性がある。したがって、チオール添加物などの機械的強化剤における増加または減少が、機械的強度における増加または低減を相殺するために使用されてもよい。
【0088】
様々な例の格子厚さ
図15は、格子層厚さへのエバネッセント結合の依存を示す、格子層厚さに対する回析効率のグラフである。デューティサイクルは、隣接するポリマーの縞模様の間の空隙の幅に対するポリマーの縞模様の幅の比を参照する。別の言い方をすれば、90%のデューティサイクルは、格子の90%がポリマーであり、10%が空気であることを意味する。
【0089】
増加した格子の厚さは、縞模様の屈折率と基板の屈折率とが合致させられるとき、増加した結合をもたらすことができることは留意されたい。基板への不十分な屈折率の合致について(例えば、1.8の屈折率の基板への1.6の屈折率の縞模様)、1つだけのエバネッセント結合があり得、そのため、増加した縞模様深さが結合に相当に影響しない可能性がある。
図15におけるプロットは、90%のデューティサイクルを伴う屈折率1.6の格子構造体が1.54の平均屈折率を提供することを示している。同じデューティサイクルにおいて格子の屈折率を1.65へと増加させることは、1.59の平均屈折率をもたらす。回析効率はいずれの場合にも存在しない。格子の屈折率を増加させることは、回析効率をもたらすことができる。例えば、1.63および1.72の平均屈折率を結果的にそれぞれ伴う90%のデューティサイクルでの屈折率1.7および1.8の格子構造体について、両方とも回析効率を提供する。ある実施形態では、入力光が格子の法線に対して0度で入射する状態で、1.8の屈折率の基板への格子構造体があり得る。
【0090】
様々な基板構成を使用して製造される実施形態
様々な実施形態において、基板の対が、露光されていないホログラフィック混合物を挟むことができる。基板の対はベース基板とカバー基板とを含むことができる。有利には、カバー基板が、露光の後、形成されたホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去させることができる一方で、露光されていないホログラフィック混合物層に付着することを許容するために、カバー基板はベース基板と異なる性質を有してもよい。形成されたホログラフィックポリマー分散液晶格子は、カバー基板が除去された後、ベース基板に残ってもよい。
【0091】
図16A~
図16Gは、本発明の実施形態による、深いSRGを作製するための例の過程の流れを示している。この過程の流れは、
図1A~
図1Dおよび
図4A~
図4Eとの関連で記載されている過程の流れと同様であり、記載が
図16A~
図16Gの記載に適用可能である同じ符号の多くを含む。さらに、
図16A~
図16Gはカバー基板1502も含み、カバー基板1502の機能は後で詳細に説明される。
【0092】
図16Aにおいて、基板212、1502の対が、露光されていないホログラフィック混合物層211を挟んでいる。基板212、1502の対はベース基板212とカバー基板1502とを含み得る。カバー基板が、露光の後、形成されたホログラフィックポリマー分散液晶格子から除去させることができる一方で、露光されていないホログラフィック混合物層211に付着することを許容するために、カバー基板1502はベース基板212と異なる性質を有してもよい。
【0093】
図16Bでは、ホログラフィック混合物層211は、ホログラフィック記録ビーム213、214の対によって露光される。
図16Cに示されているように、ホログラフィック記録ビーム213、214は、ホログラフィックポリマー分散液晶格子215を形成するために、ホログラフィック混合物層211を露光する。ホログラフィックポリマー分散液晶格子215は、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に含み得る。
図16Dにおいて、カバー基板1502が除去され、ホログラフィックポリマー分散液晶格子215を露光させ得る。
【0094】
有利には、カバー基板1502は、異なる材料または異なる表面の性質など、ベース基板212とは異なる性質を有し得る。例えば、ベース基板212はプラスチックから作ることができ、カバー基板1502はガラスから作ることができる。カバー基板1502は除去され、除去の間にホログラフィックポリマー分散液晶格子215を損傷させることなくホログラフィックポリマー分散液晶格子215をベース基板に残すことができる。
【0095】
ある実施形態では、ベース基板212は、ホログラフィック混合物層211を試薬などの付着促進層と接触させる表面において処理され得る。
【0096】
図16Eに示されているように、液晶は、ポリマーが豊富な領域同士の間の液晶が豊富な領域から除去または真空され、空気領域を残し得る。ポリマーが豊富な領域と空気領域とはポリマー空気SRG216を形成する。
図16Fにおいて、ポリマーが豊富な領域と異なる屈折率の材料が、ハイブリッドSRG217を形成するために空気領域へと再充填され得る。ある実施形態では、材料は液晶材料である可能性がある。液晶材料は、液晶が豊富な領域から除去または真空された液晶材料と異なってもよい。ある実施形態では、液晶が豊富な領域における液晶の一部分がハイブリッドSRG217を形成するために、ポリマーが豊富な領域同士の間に残されてもよい。
【0097】
図16Gにおいて、保護基板218が、ベース基板212との間にハイブリッドSRG217が存在するように位置決めされ得る。保護基板218はハイブリッドSRG217を保護するために使用され得る。保護基板218はある例では省略されてもよい。保護基板218およびカバー基板1502は、格子が使用可能なデバイスへと実装されるときに保護基板218がカバー基板1502より大きな保護を加えることができる異なる性質を有し得る。
【0098】
ある実施形態では、ポリマー空気SRG216は、
図1A~
図1Dとの関連で記載されているように製造され得る。これらの実施形態では、保護基板218はポリマー空気SRG216を保護するために使用され得る。
【0099】
ある実施形態では、ベース基板212は、ガラス表面を含むガラス、石英またはシリカの基板であり得る。ある実施形態では、ベース基板212は、プラスチック基板とでき、ガラス表面と同様に作用し得る酸化ケイ素被覆(例えば、SiO2)で被覆され得る。酸化ケイ素被覆またはガラス表面は、上面に水酸基を含み得る。付着促進材料が酸化ケイ素被覆の上に被覆され得る。水酸基は、付着促進材料をベース基板212に付着させるときに有益であり得る。
【0100】
ある実施形態において、ベース基板212は、水酸基を含むガラス表面を含むことができ、試薬が水酸基と反応するように試薬と反応させられ得る。
図17は、ベース基板212が本発明の実施形態により試薬1604に露出される例の反応を示している。ベース基板212は、表面に水酸基1608を含み得る。ベース基板212は、試薬1604と、ポリマーを含むホログラフィック混合物材料1602とに露出される。試薬1604はシランカップリング剤であり得る。ある例では、試薬1604は(R’O)
3-Si-Rを含み、ここで、R’O-はアルコキシ基であり、-Rは有機官能基である。アルコキシ基は、表面において利用可能な水酸基1608で凝縮することができ、有機官能-R基で飾られた表面をもたらし、これは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子215の中のポリマー網目とのカップリング剤の共有結合を促進することができる。試薬1604は、試薬1604なしでのホログラフィック混合物材料1602の付着と比較されるとき、水酸基1608とホログラフィック混合物材料1602とに付着し、向上した付着を作り出すことができる。ホログラフィック混合物材料1602は、ベース基板212の表面にホログラフィック混合物層1610を形成することができる。
【0101】
図18は、試薬1704がベース基板212に露出される例の反応を示している。試薬1704は、図示されているようなシランカップリング剤を含むことができ、ベース基板212のガラス表面の表面における水酸基に結合することができる。
【0102】
ある実施形態では、カバー基板1502は、ガラス表面を含むガラス、石英またはシリカの基板であり得る。ある実施形態では、カバー基板1502は、プラスチック基板とでき、ガラス表面と同様に作用し得る酸化ケイ素被覆(例えば、SiO2)で被覆され得る。解放層がガラス表面の上に被覆され得る。ある実施形態において、先に検討されているベース基板212と同様に、カバー基板1502は、水酸基を含むガラス表面を含むことができ、反応物質が解放層を形成するために水酸基と接着するように反応物質と反応させられ得る。
【0103】
図19は、解放層を形成するための例の過程を示している。カバー基板1502は解放材料1804に露出され得る。解放材料1804は、シランに基づくフルオロポリマー、または、図示されているようなフルオロモノマ反応物を含み得る。解放材料1804は、OPTOOL UD509 (Daikin Chemicalsによって製造されている)、Dow Corning 2634、Fluoropel(Cytonixによって製造されている)、およびEC200(PPG Industries, Incによって製造されている)などのフルオロポリマー、またはフルオロモノマを含み得る。ある実施形態では、解放材料1804はポリシロキサン被覆を含み得る。ポリシロキサン被覆は、水酸基を表面に有しないプラスチックなどの材料により良好に付着することができる。ポリシロキサン被覆は、より堅牢とでき、処理に適することができ、フルオロポリマーより製作するのに環境に優しくできる。解放材料1804は、蒸着、回転塗布、または噴霧を通じて適用できる。ある実施形態では、カバー基板1502は再使用可能とでき、したがって、ホログラフィック露光の後の除去の後、カバー基板1502は、ホログラフィックビームで露光され得る他のホログラフィック混合物層に配置されてもよい。
【0104】
ある実施形態では、カバー基板1502および/またはベース基板212は、先に検討されているようにSiO2を含まない基板であり得る。これらの例では、SiO2の非常に薄い層が、適用された試薬の接着/付着を容易にするために、表面に適用されてもよい。カバー基板1502および/またはベース基板212がSiO2を含まない基板であるとき、接着に続く表面変更が付着を提供することができる。表面変更は、限定されることはないが水酸基を含む反応性官能基を導入するために、試薬で処理することを含み得る。ある実施形態では、カバー基板1502および/またはベース基板212は、ガラス基板ではない可能性があるが、表面に水酸基をなおも含み得る。例えば、カバー基板1502および/またはベース基板212は、表面に水酸基を含み得るサファイアまたはケイ酸塩であり得る。この例では、水酸基は試薬の付着を容易にするのを助けることができ、したがって、SiO2の薄い層が存在することになる。ケイ酸塩基板の例は、Corning Inc. of Corning、NYと、Schott AG of Mainz、Germanyと、神奈川県相模原市中央区の株式会社オハラと、HOYA株式会社と、東京都千代田区丸の内のAGC株式会社と、CDGM Glass of Central Islip、NYとによって製造される。
【0105】
ある実施形態において、カバー基板1502および/またはベース基板212は、化学蒸着(CVD)硫化亜鉛の形態であるクリアトランを含み得る。SiO2の薄い層が、適用された試薬の接着/付着を容易にするために、クリアトラン基板に適用されてもよい。ある実施形態では、カバー基板1502および/またはベース基板212は、アルミニウム酸窒化物またはアルミン酸マグネシウムなどの透明なセラミックであり得る。SiO2の薄い層が、適用された試薬の接着/付着を容易にするために、透明なセラミック基板に適用されてもよい。ある実施形態では、カバー基板1502および/またはベース基板212は、PMMA、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリエステルなどのプラスチックを含み得る。SiO2の薄い層が、適用された試薬の接着/付着を容易にするために、プラスチック基板に適用されてもよい。
【0106】
EPS作製におけるアッシングおよび/または原子層堆積の適用
ある実施形態において、EPSのさらなる後処理が、弱いポリマー網目領域のうちのより多くを除去するために使用されてもよい。後処理は、この痕跡のポリマー網目を低減または排除するために、プラズマアッシングを使用することを含み得る。プラズマアッシングは、エッチングされたウェーハからフォトレジストを除去するための半導体製造におけるプラズマアッシングと同様であり得る。例の機器および過程は、米国カリフォルニア州において法人化されているPlasma Etch, Inc.によって供給される。プラズマアッシングにおいて、反応種として知られている単原子(1つだけの原子)物質が、プラズマ発生源から発生させられ得、除去される材料を酸化またはプラズマアッシュするために使用される真空室へと導入され得る。反応種は、プラズマアッシングの間に酸素またはフッ素を含み得る。有利には、傾斜した格子を処理するために、プラズマビームは方向性であり得る。ある実施形態において、プラズマアッシングは、反応種およびイオンを形成することで、アッシング過程への化学的寄与および物理的寄与の独立した制御を許可する過程である誘導結合されたプラズマアッシングであり得る。基板電極におけるRFバイアスが、異なる表面構造の要件に合致するために、イオンの加速を制御するために使用され得る。プラズマにおける電子およびイオンは、直流(DC)バイアスをもたらす異なる移動度を有する。小さい質量を伴う電子は、RF場に素早く応答することができ、表面への素早い電品枯れをもたらし、これはさらに、プラズマと接触する(ウェーハ)表面に正味の負の直流バイアスをさらに付与する。プラズマとウェーハ表面との間の電圧差は正のイオンを表面へと加速させる。負のDCバイアスは、アッシングレート、異方性、角度/空間の選択性、および他のものなど、アッシング過程の多くの特徴を細かく調整するために使用され得る。ある実施形態では、化学添加物の表面処理がプラズマアッシングの前にEPSに適用されてもよく、これはDCバイアス適用を高めることができる。ある実施形態では、EPSは、プラズマアッシングの間に希ガスなどのガスの存在に配置され得る。希ガスはアルゴンであり得る。ある実施形態では、プラズマアッシングは、ポリマー格子構造体の縞模様の形および空間の変化の少なくとも一方を調整するために使用されてもよい。ある実施形態では、プラズマアッシングビーム強度が、空間的に変化する変調深さを提供するために、変化可能であり得る。プラズマアッシングビームの強度の角度変化が縞模様成形のために使用されてもよい。ある実施形態では、プラズマアッシングは、フォトニック結晶を形成するために、2つ以上の交差する方向に沿って適用され得る。ある実施形態において、回析の特徴の縁の周りの高い機能性のアクリレートが、プラズマアッシングレートがEPS空間周波数に匹敵する空間解像度で制御されている状態で、EPSの回析の特徴の密度を変更することができる。EPSの形態は、格子の性能を向上させ、アッシングなどの過程の効率を増加させるために、格子定義を向上させるために、表面構造を変更して、プラズマアッシング過程の間に存在するガスとの化学的親和性を増加させるためのヘイズ追加材料を低減するために、および/または、格子の効果的な屈折率を変更するために、変更され得る。ある実施形態では、EPSの変調深さは、プラズマアッシングが大きくなるにつれてより多くの材料が除去されるため、プラズマアッシング時間によって決定され得る。
【0107】
ある実施形態では、酸素および/またはフッ素が、プラズマアッシング過程における反応種として使用され得る。ある実施形態では、水素プラズマがプラズマ洗浄過程において使用され得る。ある実施形態では、酸素プラズマにおけるアッシングレートが、窒素などのHPDLC混合物における添加物によって制御され得る。ある実施形態では、有機材料をアッシングするためのプラズマアッシング過程が、酸素およびNH3の気体混合物を使用することができる。酸素に基づく過程は基板表面酸化を受けることができる。ある実施形態では、プラズマアッシング過程は、表面酸化を克服するために、窒素と水素との混合物を含み得る酸素なしでのプラズマを含み得る。このようなプラズマ混合物はフッ素をさらに含み得る。
【0108】
ある実施形態において、高屈折率の材料の非常に薄い原子層でEPSを後被覆することは、格子の回析性質(例えば、屈折率変調)を高めることができる。被覆は金属層または誘電体層であり得る。1つのこのような過程である原子層堆積(ALD)は、TiO2、ZnO2、または同様のもので格子を被覆することを伴う。被覆は、温度変化および様々な他の環境条件に対してより堅牢である格子構造体を提供することができる。ALD過程は、格子構造体がより小さい屈折率の材料から作られるときであっても、大きい効果的な屈折率を提供するができる。この技術は、数ナノメートルの厚さのALDが、SRGが打ち抜かれる樹脂を保護することができ、効果的な屈折率変調を向上させることもできるナノインプリントされたSRGの作製に、同様に適用することができる。EPSの上への原子層堆積(ALD)の使用は、さらなる性能向上を生み出すことができる。多くの実施形態において、EPSのデューティサイクルは弱いポリマー網目にとって最適ではない可能性がある。ある実施形態では、EPSのデューティサイクルは30%のポリマーであり得る。
【0109】
様々なEPS製造過程が
図1A~
図1Dにおいて先に記載されている。
図3Aおよび
図3Bは、製造の後の様々なEPSを示している。
図20Aおよび
図20Bは、本発明の実施形態による様々な格子を示している。格子は、
図3Aおよび
図3Bのものと同一の符号とされた多くの要素を含む。
図3Aおよび
図3Bのこれらの要素の記載は、
図19Aおよび
図19Bの格子に適用可能であり、詳細には繰り返さない。格子は、
図1A~
図1Dおよび
図2との関連で記載されている過程を使用して製造されるEPSであり得る。格子は、
図4A~
図4Eおよび
図5との関連で記載されている過程を使用して製造されるハイブリッド格子であってもよい。
図19Aおよび
図19Bに示されているように、格子は被覆1902を含み得る。被覆1902は、ポリマー領域3004aおよび基板3002の上など、水平表面に存在し得る。図示されているように、
図19Bは、光学層3008がポリマー領域3004aと基板3002との間に位置決めされるように、基板3002と直接接触している光学層3008を含む。被覆1902は光学層3008に位置決めされ得る。被覆1902は、ALDなどの過程を使用して堆積させられ得る。被覆1902は、ステップカバレッジを有していなくてもよく、したがって、ポリマー領域3004aおよび基板3002または光学層3008の上など、水平表面に堆積させられるだけであり得る。ある実施形態では、被覆1902は、被覆1902がポリマー領域3004aの側壁に存在するように、ステップカバレッジを含む過程を使用して堆積させられてもよい。ある実施形態では、被覆1902はTiO
2またはZnO
2であり得る。被覆1902は、複数の異なる層状材料を含むように多層化されてもよい。ある実施懈怠では、追加の不動態被覆が、被覆1902にわたってポリマー格子構造体の表面に適用されてもよい。追加の不動態被覆は、環境からの保護(例えば、水分および/または汚染からの保護)を提供することができる。
【0110】
ある実施形態では、被覆1902は、基板3002または光学層3008に存在し、ポリマー領域3004aの上には存在しなくてもよい。
図20Cは、本発明の実施形態による格子を示している。格子は、
図3Aおよび
図3Bのものと同一の符号とされた多くの要素を含む。
図3Aおよび
図3Bのこれらの要素の記載は、
図20Cの格子に適用可能であり、詳細には繰り返さない。図示されているように、
図20Cの格子は、
図20Aおよび
図20Bと同様の被覆1902を含む。しかしながら、被覆1902は、基板3002に存在するだけであり、
図20Aおよび
図20Bにおける場合のようにポリマー領域3004aの上に存在してはいない。光学層3008を伴う実施形態では、被覆1902は、光学層3008に存在するだけであり得、ポリマー領域3004aの上には存在しなくてもよい。ある実施形態では、被覆1902はポリマー領域3004aの上から除去されてもよい、または、被覆1902は基板3002に選択的に堆積されてもよい。被覆1902は、光学層3008と同様のバイアス層として機能することができる。
【0111】
傾斜したEPSを含む実施形態
ある実施形態では、格子は、傾斜した格子を作る傾斜したEPSを含む。傾斜した格子は、バイナリ格子、ブレーズド格子、および/または多階層格子、ならびに他の構造として構成され得る。傾斜した格子は、高い回析効率で単色性角度光を導波路へと結合することができる。傾斜した格子は、光が導波路の内部に入ると、角度の内容を、より大きな効率で維持させることもできる。階段状または連続的に、空間的に変化するKベクトルで構成されるとき、導波路へと結合され得る角度帯域幅が増加させられ得る。
【0112】
アイグロー抑制を含む実施形態
導波路に基づくディスプレイにおいて、光は、使用者に向けて回析され、使用者から離れるようにも回析される。アイグローは、ディスプレイ導波路の前面(例えば、目から最も遠くの導波路面)から現れ、目の反射面、導波路反射面、および格子の表面に由来する望ましくない光(漏れ、迷光の回析、散乱、および他の効果のため)を含み得る。離れるように回析される光は、一般的に「アイグロー」と呼ばれ、安全性、プライバシ、および社会的受容性についての責任を提起する。「アイグロー」は、使用者の目が、ディスプレイからの光の漏れによって引き起こされるアイディスプレイを通じて輝くかまたは光るように現れ、これは、一部の人々を不安にさせ得る審美性を作り出す。ファッションセンスにおける社会的受容性に関する懸念に加えて、アイグローは異なる問題を提示することができ、アイグローへの十分な明確性があるとき、使用者を見る人は、使用者だけのために意図されている投影された画像を見ることができる可能性がある。それによって、アイグローは多くの使用者に深刻な安全性の懸念をもたらす可能性がある。様々なアイグロー抑制システムの検討が、2021年5月26日に出願された「Eye Glow Suppression in Waveguide Based Displays」という名称の特許文献2において詳細に検討されており、この文献は、本明細書により、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれている。
【0113】
図21A~
図21Cは、格子へのエバネッセント結合が起こり得る導波路の3つの実施形態を概念的に示している。これらの実施形態において、格子層2004が基板2002に位置決めされている。
図21Aでは、2つの同一の基板2002、2006が格子層2004を挟んでいる。
図21Bでは、薄い基板2006aと厚い基板2006とが格子層2004を挟んでいる。
図21Cでは、厚い基板2002が、上基板の存在なしで格子層2004を支持している。上の基板2006、2006aはカバー基板または被覆であり得る。他の実施形態では、薄い保護被覆が格子層2004に適用され得る。各々の導波路実施形態の上面は使用者の目を向く。格子層2004は、導波路から使用者の目の方へ光2010を放つことができる。望ましくないアイグロー光2008が、
図21Aおよび
図21Bの場合に示されているように、環境に向けて放たれてもよい。
【0114】
アイグローおよび/または光の漏れは、
図21Cに示されているように上基板を排除することで、反対の外側面から低減され得る。上方の基板の排除は、他の2つの実施形態より少ないアイグロー/光の漏れをもたらすことができる。図示されている各々の実施形態において、TIRを受けて示されているすべての光線は、格子層2004にエバネッセント結合され得るTIR角度にある。ゼロ次光線が破線によって指示されている。ある実施形態では、エバネッセント格子結合は、図示されているように、導波路に対して実質的に垂直な目の側の出力光をもたらすことができる。
【0115】
格子の平均屈折率が基板より小さい場合、エバネッセント結合だけが起こり得る大きい角度について(TIRから程遠い)、ゼロ次TIR光は、両方の空気境界面を離れて、格子層2004を通じてTIRへと通ることができない。そのため、TIRにおける光の伝搬は、格子の一方の側または他方の側において捕らえられることになり得る。導波路の厚さにおける格子深さは、所望の目の側と、光がアイグロー/光の漏れとして失われる望ましくない目でない側とに結合される光の量に影響を与え得る。ある実施形態では、エバネッセント結合は、結合された光が、格子および目の側の導波路基板2006、2006aの少なくとも1つの中で、案内されたモードに変換されるという結果になり得る。エバネッセント結合の挙動は、TIR角度、格子厚さ、変調、平均屈折率、ならびに、目の側の基板2006、2006aの屈折率および厚さの関数であり得る。
【0116】
ある実施形態において、傾斜したEPSはアイグロー抑制を提供することもできる。アイグロー抑制、および、きらめき抑制などの他の迷光制御用途の状況におけるEPSの使用に対する1つの利点は、導波路の様々な領域に存在する迷光に対処するための異なる種類のビーム角度選択性を提供するために、様々な格子の種類が導波路基板に実装できることである。広い角度の能力が望まれる導波路のいくつかの領域では、EPSが、ポリマー格子構造体の少なくとも一部分にわたって格子ピッチより小さい変調深さを有し得るラマン・ナス格子として構成され得る。特定のビーム角度についての高い回析効率が必要とされる他の領域では、EPSがブラッグ体制で動作することができる。
【0117】
逆格子を含む実施形態
ある実施形態では、
図20Aおよび
図20Bとの関連で開示されている格子は、逆格子を作り出すために使用され得る。これらの逆格子は薄膜格子であり得る。
図22A~
図22Dは、本発明の実施形態による、逆格子を製造する様々な段階を示している。製造の様々な段階は、
図3A、
図3B、
図20A、および
図20Bのものと同一の符号とされた多くの要素を含む。
図3A、
図3B、
図20A、および
図20Bのこれらの要素の記載は、
図20Cの格子に適用可能であり、詳細には繰り返さない。
図22Aは、相分離された材料2102によって分離されたポリマー領域3004aを含む、
図1Bに作り出された構造に対応する。相分離格子は、単量体と、先に記載されている記録過程を使用して基板3002に堆積させられた第2の成分との混合物から形成され得る。第2の成分は、液晶、またはナノ粒子の懸濁を含み得る。相分離が可能な他の材料が使用され得る。露光の後、ポリマーが豊富な縞模様と第2の成分が豊富な縞模様とを交互に含む格子が作り出され得る。
【0118】
図22Bにおいて、相分離された材料2102は、空隙領域3004bを作り出してEPSを作り出すために除去される。
図22Bで作り出されたEPS構造は、
図3AにおけるEPS構造に対応する。このステップにおいて、第2の成分は、空気の空間によって分離されたポリマー領域を含むポリマー表面レリーフ格子を形成するために除去され得る。
【0119】
図22Cにおいて、被覆1902が、基板3002の表面と、ポリマー領域3004aの上部とに適用される。ある実施形態では、被覆1902はALD過程を通じて適用され得る。
図22Cで作り出された構造は、
図19Aにおける構造に対応する。ある実施形態において、空気領域3004bは、ポリマー領域3004aの屈折率と異なる屈折率の材料で少なくとも部分的に埋め戻され得る。埋め戻しは、先に記載されているものと同様のALD被覆を適用することで実施され得る。ある実施形態において、ALD被覆は、
図20A~
図20Cとの関連で記載されている薄い被覆より大きい厚さであり得る。格子を埋め戻す他の方法が、埋め戻し層の材料の種類および厚さに依存して使用されてもよい。埋め戻し材料は、意図されている格子用途に応じて、ポリマー領域3004aの屈折率より高いかまたは低い屈折率を有し得る。このステップの終わりにおいて、ポリマー表面レリーフ格子は、
図22Cに示されているように、埋め戻し材料で部分的に満たされ得る。図示されているように、埋め戻し材料の一部がポリマー領域3004aの上面に付着することができる。埋め戻し材料の一部はポリマー領域3004aの上方部分にも付着することができる。
【0120】
図22Dでは、ポリマー領域3004aは除去されている。ポリマー領域3004aの上における被覆1902も除去されている。基板3002に配置された残りの被覆1902は逆格子として使用され得る。残りの被覆1902は空気領域2104と交互になっている。このステップにおいて、ポリマー領域3004aと、望ましくない被覆1902とは、基板3002によって支持される被覆1902から成る傾斜したブラッグ表面レリーフ格子を露わにするために、プラズマアッシング過程などのエッチング過程を使用して除去され得る。いくつかの実施形態において、ポリマー領域3004aはプラズマアッシング技術を通じて除去され得る。逆格子は薄膜ブラッグ表面レリーフ格子であり得る。
【0121】
表面レリーフ格子を向上した格子定義で作製するための実施形態
ヘイズを低減するための1つの戦略は、SRGの表面粗さを低減することである。多くの実施形態において、低い表面粗さなどの向上した表面定義を伴う複合格子である。
図23Aは、本発明の実施形態による格子の概略図を示している。第1のステップにおいて、格子が、先に検討されている手順を用いて、材料Aおよび材料Bを含む原料混合物の相分離を使用して形成され得る。材料Aはポリマーであり得る。格子の硬化の後、成分Bが、ポリマー2302に埋め込まれた空所2301を含む高屈折率領域と、弱いポリマー構造を含む低屈折率領域と、不完全な相分離から生じる他の残留物とを含む格子を残すために、抽出され得る。ポリマー構造および他の残留物は、空気領域2303を残すために、プラズマアッシングなどの過程を使用してさらに除去され得る。
【0122】
図23Bは、本発明の実施形態による格子の概略図を示している。格子は、
図23Aの関連で記載されている過程で始まる過程で製造され得る。次のステップにおいて、格子は、空所2304および空気領域2305を満たす材料Cに浸漬される。材料Cは、UV露光などの過程を使用して硬化させられ得る。
【0123】
図23Cは、本発明の実施形態による格子の概略図を示している。格子は、
図23Bの関連で記載されている過程で始まる過程で製造され得る。次のステップにおいて、材料Cは、空隙2307によって分離されたポリマーおよび材料Cの複合領域2306を残すために、プラズマアッシングなどの過程によって隙間領域から除去され得る。プラズマアッシングステップは、
図30Aとの関連で記載されているプラズマアッシングステップと別であり得る。プラズマアッシングの後、複合材料は、
図23Aとの関連で記載されているポリマー2302をより滑らかな表面とすることができる。材料Aおよび材料Cは、散乱を最小限にするのに十分な低さである屈折率のコントラストを提供することができる一方で、所望の屈折率変調を提供する。
【0124】
多くの実施形態において、バルク散乱は高い屈折率の領域の中の屈折率のコントラストによって強く影響され得るが、表面散乱は表面テクスチャに依存し得る。多くの実施形態において、アッシングとの組み合わせにおいて
図23A~
図23Cで検討されている過程におけるように表面空所を満たすことで、より滑らかな表面構造をもたらすことができる。多くの実施形態において、上記の過程は、ポリマー領域の中の空所2304から生じ得るバルク散乱寄与を排除するために使用され得る。
【0125】
図24は、本発明の実施形態による、SRGを作製するための例の過程の流れを示している。第1のステップにおいて、格子構造体が、材料Aと材料Bとを含む原料混合物を利用する相分離過程を使用して形成され得る(2410)。相分離の後、材料Aが豊富な領域と材料Bが豊富な領域とがあり得る。第1のアッシングステップを含む第2のステップにおいて、材料Bは、ポリマーに埋め込まれた空所を含む高屈折率領域と、残留するポリマーマトリックスを含む屈折率領域とを含む格子構造体を残すために抽出され得る(2411)。材料Bが豊富な領域は、第1のアッシングステップの後に空気領域になることができる。第3のステップにおいて、格子構造体は、ポリマーが豊富な領域および空気領域における空所を満たすために材料Cに浸漬され得る(2412)。第4のステップにおいて、空隙によって分離された複合ポリマーおよび材料Cの領域を残すように材料Cを先の空気領域から除去するために、材料Cは第2のアッシングステップを使用して抽出され得る(2413)。先に記載されているように、これは、作製されたSRGにより小さい表面粗さをもたらすことができる。ある実施形態では、SRGは、先に検討されているような深いSRGであり得る。
【0126】
二重相互作用格子として構成された表面レリーフ格子
従来のブラッグ格子では、二重相互作用が、折り畳み格子との上向きおよび下向きのTIR光線の相互作用を考慮することで、基本的な光線光学を用いて理解することができる。上向きおよび下向きの光線は、案内された光が下方および上方の導波路TIR表面において反射されるときに起こる。2つの光線経路は、角度特性に対する2つのずれた回析効率を生じさせ、これらは角度帯域幅を延ばすために組み合わさる。光学導波路の例は、少なくとも2つのTIR表面を含み、第1の伝搬方向に沿って第1の角度範囲を伴う入力TIR光が格子の中で少なくとも2つの回析を受け、前記第1の伝搬方向から第2の伝搬方向へと伝搬方向における変化を受けるように構成される第1の処方の格子を含み、前記第1の角度範囲からの各々の光線と、その対応する回析した光線とは、前記格子の回析円錐に位置し、各々の回析は、前記第2の伝搬方向に沿って特有のTIR角度範囲を提供し、これは、2015年2月12日に出願された「Waveguide Grating Device」という名称の特許文献3において開示されており、この特許は、本明細書により、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれている。
【0127】
図25Aおよび
図25Bは、導波路における実装のための二重相互作用格子の原理を示している。導波路30は、導波路TIR面に対して傾斜させられ、導波路平面内においてクロッキング角度に並べられた格子縞模様31を含む。多くの実施形態において、クロッキング角度は、90度のビーム偏向を提供するために、45度であり得る。
図25Aにおいて、第1のTIR路は入力伝搬平面2020に位置し、回析の後、出力伝搬平面2021に位置する。格子は、記号kによって符号が付けられてもいるkベクトル2022を有する。導波路表面法線2024に対する格子縞模様の傾斜角度2023も指示されている。導波路平面法線2027に対してTIR角度2026を有する伝搬平面2001におけるTIR光2025は、伝搬平面2021の内部に位置するTIR方向2029へと回析させられる上向きに進む光線2028として格子縞模様に当たる。
図25Bでは、符号2030によって指示されている入力伝搬平面2001における第2のTIR路が、導波路平面法線2027に対してTIR角度2031を有し、出力伝搬平面2021の内部に位置するTIR方向2034へと回析させられる下向きに進む光線2033として格子縞模様に当たる。上向きに進むTIR光線と下向きに進むTIR光線とはこの場合には非対称であるため、角度特性に対する出力回析効率において2つのピークがあり得る。
【0128】
図26は、本発明の実施形態による格子の断面を概念的に示している。格子は、空気体積2103によって分離される傾斜した縞模様2101を含むSRG2100であり得る。多くの実施形態において、格子は、導波路平面の中でクロックまたは傾斜させられ得る。
図27は、
図26の格子でのビーム伝搬の概念図である。格子は、概念的な目的のために、高屈折率縞模様2113と低屈折率縞模様2114とを交互に含む深い格子部分2111へと分割させることができ、高屈折率領域2115と、ラマン・ナス体制において動作する低屈折率領域2116とを交互に含む薄い格子部分2112によって重ねられるブラッグ体制において動作する構成2110として表されている。多くの実施形態において、高屈折率領域2115はポリマーであり、低屈折率領域2116は空気である。格子構成2110は、符号2117などの光線経路を含むTIRビーム伝搬を支持する。実施形態の説明を単純化するために、案内された光線反射は、光線2118、2119によって表されているような案内された光線反射が、体積格子部分2111と薄い格子部分2112との境界面において起こるとして表されている。薄い格子部分2112におけるTIRの合理的な近似が、体積格子部分2111を通じての結合した波伝搬から分離されると見なすことができる。
【0129】
ある実施形態では、薄い格子部分2112は、薄い格子部分2112と厚い格子部分2111との境界面のレベルまで、異なる屈折率材料で部分的に埋め戻されてもよい。
図28は、本発明の実施形態による、部分的に埋め戻された格子2121の例の図である。この部分的に埋め戻された格子2121は、ハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子と見なすことができる。埋め戻された格子2121は、異なる屈折率の材料で埋め戻された、
図27との関連で記載されている格子である。埋め戻された格子2121は体積格子と見なすことができる。多くの実施形態では、空気領域の部分的な埋め戻しの後に残る埋め戻されていない領域は、ポリマー領域と埋め戻された材料の領域とを交互に備えるブラッグ格子2804に重なるポリマー領域および空気領域を交互に含むポリマーのラマン・ナス表面レリーフ格子2802を提供することができる。導波路の実装において、上向きおよび下向きのTIR伝搬方向が、空気境界面への導波路におけるTIRによって生成され得る。
【0130】
図25A~
図25Bに示されている二重相互作用は、上向きおよび下向きに伝搬するTIR光線を含み得る。SRGにおいて、TIR伝搬方向のうちの1つは、TIR角度に等しい角度で起こるSRGにおける反射回析から生じる。SRGは、回析TIRを、入射角度の範囲、Kベクトル方向、格子クロック角度、格子周期、および/または格子厚さにいくらかの制約を受ける高い効率で行わせることができる。ある実施形態では、SRGは折り畳み格子であり得る。したがって、表面格子によって生成される第1のTIR伝搬方向2119と、格子基板の反対の面からの反射によって生成される反対のTIR伝搬方向2120とは、
図28に示されている体積格子部分の中で相互作用することができる。多くの実施形態において、この光線-格子は、特許文献3の実施形態および教示による二重相互作用をもたらすことができ、この特許は、本明細書により、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれている。格子の回析効率は、案内ビーム角度帯域幅、格子ベクトル、格子厚さ、および/または格子縞模様間隔の少なくとも1つに依存してもよい。ある実施形態では、厚い格子部分2111は、透明な基板によって支持される薄い基板レリーフ格子部分2112だけを提供するために排除され得る。
【0131】
ハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子構造体は、多くの実施形態において、角度帯域幅を妥協することなくDEを向上させるためにより厚い格子を使用させることができるより広い累積角度応答を含め、いくつかの利点を提供することができる。効果的な屈折率を増加させるためにハイブリッド格子をALD被覆で被覆することは、角度帯域幅をさらに高めることができる。多くの実施形態において、ハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子構造体は、P偏光のために回析効率を向上させることができる。ある実施形態において、無機成分と単量体との混合物を分離する位相によって形成されたハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子構造体は、硬化した格子からの最終的なポリマー成分の完全な除去の後に完全な無機のSRGを含むことができる。多くの実施形態において、無機成分はナノ粒子であり得る。多くの実施形態において、ハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子構造体は、ヘイズを低減するために、および、折り畳み格子における結合損失を低減するために、折り畳み格子および/または出力格子の少なくとも1つにおいて使用され得る。ヘイズを低減することでコントラストを増加させることができる。折り畳み格子における結合損失を低減することは、折り畳み格子における回析効率を増加させることに等しい可能性がある。多くの実施形態において、ポリマー/空気SRGが、高い回析効率を伴う入力格子として使用できる。
【0132】
先に図示されているように、ハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子構造体は、重なった表面レリーフ格子を伴う体積ブラッグ格子を備える構造を形成するために、格子構造体の部分的な埋め戻しによって形成され得る。ハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子構造体は、追加のプラズマアッシングまたは反応イオンエッチングの後の向上した角度応答を示すことができる。
【0133】
多くの実施形態において、ハイブリッド表面レリーフ格子/体積ブラッグ格子構造体は、ホログラフィック相分離および硬化の間に形成され得る。多くの実施形態において、格子は、格子材料がベース基板と解放層とによって挟まれるセルで形成され得る。表面構造は、解放層が除去されるときに露わにされ得る。何らかの具体的な理論への限定なしで、表面格子は、質量移動および相分離の間に重合で誘導された収縮のため、形成され得る。高屈折率領域および低屈折率領域の相対深さは、追加のプラズマアッシングステップを利用することで調整できる。ALDが堆積させられた層が、効果的な屈折率を増加させるために格子表面に追加され得る。多くの実施形態において、格子厚さは、375nmの格子周期および22度の傾斜角(セル光学表面法線に対して)を伴って、1.1マイクロメートルであり得る。完成した格子は、初期の混合物におけるシステム成分に依存して等方性または異方性であり得る。
【0134】
図29は、TIR表面格子の光線-格子の相互作用形状2130を概略的に示している。このような構成は一般的に円錐回析構成と称される。関係n
S>n
0を満たす任意の媒体であり得る屈折率n
0の低屈折率媒体(多くの実施形態において、空気となる)に浸漬される屈折率n
Sの透明基板に記録されるTIR格子について、唯一の反射回析次数が、関係n
S/n
0≦|sin(u
inc)|≦1を満たす光線について存在する。
図28におけるxyz直交参照フレームを参照すると、格子ベクトルに対する入射および回析の光線角度に関する式が、次のように、つまり、
x方向: -kn
Ssin(u
inc)+K
Scos(φ
s)=-kn
Ssin(u
diff)cos(φ
diff)、
y方向: K
Ssin(φ
s)=kn
Ssin(u
diff)sin(φ
diff)、および、
z方向: kn
Scos(u
inc)=kn
Scos(u
diff)+K
S/tan(φ
s)
のように表現され得る。
ここで、u
incは入射光線ベクトルr
incの極角であり、φ
sは入射光線の方位角であり、u
diffは回析した光線のベクトルr
diffの極角であり、φ
sは格子ベクトルの方位角であり、u
Sは格子ベクトルKの極角である。
【0135】
入射光の波数kはk=2π/λによって提供でき、ここで、λは案内された光の波長である。格子ベクトルの表面成分の係数はKS=k=2π/ΛSによって与えられ、ここで、ΛSは表面格子ピッチである。上記の数式への解は、回析角に等しい入射角を設定することで得ることができる。
【0136】
多くの実施形態において、二重相互作用格子は、ポリマーが豊富な領域と空気領域とを交互に備えるポリマー格子構造体において実装される。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体の格子深さはブラッグ縞模様間隔より小さい。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体の格子深さはブラッグ縞模様間隔より大きい。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体からの全内部反射は、ポリマー格子構造体からの一次回析が導波路のTIR角度に等しい回析角度を有するときに起こる。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体は伝達回析次数を提供しない。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体はフォトニック結晶である。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体は、ラマン・ナス格子の最小がブラッグ格子の最小に重なる状態で、第1の格子周期を有するラマン・ナス格子が同じ格子周期を有するブラッグ格子と重なるとして構成されている。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体は傾斜した格子である。多くの実施形態において、ポリマー格子構造体の空気領域は、ポリマーが豊富な領域の屈折率と異なる屈折率を有する材料で少なくとも部分的に埋め戻され得る。
【0137】
OLED配列を画像生成装置として含む実施形態
導波路ディスプレイにおける画像生成装置としての有機発光ダイオード(OLED)配列の使用への関心が高まっている。OLEDは、導波路ディスプレイ用途において多くの利点を有している。放射性技術として、OLEDは光源を必要としない。OLEDは大きな面積にわたってコスト効果のある印刷とできる。矩形ではない画素配列パターンが湾曲または柔軟な基板に印刷できる。後で検討されているように、画素配列をあらかじめ変形し、湾曲した焦点面を作り出す能力が、湾曲した導波路によって引き起こされる案内されたビームの波面の歪みについての補償と、導波路によって支持される処方レンズとを可能にすることができる新たな設計寸法を加える。4K×4K画素の解像度を伴う解像度が、短期でのより高い解像度の優れた見込みで現在利用可能であり、シリコンにおける液晶(LCoS)などの技術、およびデジタル光処理(DLP)デバイスなどの微小電気機械システム(MEMS)デバイスによって提供され得るより、高い解像度、広いFOV ARディスプレイへのより素早い道筋を提供する。LCoSに対する他の相当の利点は、(LCデバイスについてのミリ秒と比較して)マイクロ秒において切り替わることができる。
【0138】
OLEDは特定の利点を有する。それらの基本的な形態において、OLEDはランバートエミッタであり、これは、効率的な光収集を、LCoSおよびDLPマイクロディスプレイの場合よりはるかに困難にさせる。OLEDの赤色、緑色、および青色のスペクトル帯域幅は、発光ダイオード(LED)のスペクトル帯域幅より幅広であり、ホログラフィック導波路においてさらなる光管理の問題を提起する。OLEDの最も重要な欠点は、P偏光を選択しやすい切り替え可能な周期的構造体など、HPDLC周期的構造体を使用する導波路において、OLEDからの利用可能な光の半分が無駄にされることである。そのため、本発明の多くの実施形態は、非偏光に高い光効率を提供することができる放射型非偏光画像発生源のための導波路ディスプレイに、および、このような導波路ディスプレイを製造する関連する方法に向けられている。
【0139】
実施形態を記載する目的のために、光学設計および視覚表示の当業者にはよく知られている光学技術のいくつかのよく知られている特徴は、本発明の基本的な原理を不明瞭にしないために、省略または単純化されている。他に述べられていない場合、光線またはビーム方向に関する「軸上」という用語は、本発明に関して記載されている光学構成要素の表面に対して垂直な軸と平行な伝搬に言及している。以下の記載において、光、光線、ビーム、および方向という用語は、直線的な軌道に沿っての電磁放射の伝搬の方向を指示するために、置き換え可能に、互いと関連して使用され得る。光および照明という用語は、電磁スペクトルの可視域および赤外域に関連して使用され得る。以下の記載の一部は、光学設計の当業者によって一般的に用いられている用語を使用して提起されている。本明細書で使用されているように、格子の用語は、ある実施形態では格子のセットから成る格子を網羅し得る。図示の目的のために、他に述べられていない場合、図面が一定の縮尺ではないことは理解されるものである。
【0140】
ここで図面を見ると、本発明の様々な実施形態による、放射型入力画像パネルを使用して導波路ディスプレイを提供するための方法および装置が図示されている。
図30は、本発明の実施形態による導波路ディスプレイを概念的に示している。図示されているように、装置100は、第1の波長域におけるP偏光のための高い回析効率を伴う入力格子102および出力格子103と、第1の波長域におけるS偏光のための高い回析効率を伴う入力格子104および出力格子105とを支持する導波路101を備える。
【0141】
装置100は、第1の波長域を含む放射スペクトル帯域幅を伴う非偏光を放射するOLEDマイクロディスプレイ106と、OLEDマイクロディスプレイ106から視野へと光を投影するためのコリメーションレンズ107とをさらに備える。図示されている実施形態において、S回析格子およびP回析格子102~105は、空隙が必要とされることなく層にされ得る。他の実施形態では、格子は空隙または透明な層によって分離され得る。S回析格子およびP回析格子102~105は、先に記載されている深いSRGまたはEPSであり得る。
【0142】
図31は、本発明の実施形態による導波路ディスプレイを概念的に示しており、P回析格子およびS回析格子が別々の空気で離間された導波路層に配置されている。図示されているように、装置110は、空隙113によって分離された上方導波路層111および下方導波路層112(それぞれ格子102、103および104、105を支持している)を備える。格子102、103および104、105は、先に記載されている深いSRGまたはEPSであり得る。
【0143】
図32は、本発明の実施形態による導波路ディスプレイにおける典型的な光線経路を概念的に示している。
図32に示されている実施形態120では、マイクロディスプレイ106が、第1の波長域において非偏光121を放射するように構成され、非偏光121は、コリメータレンズ107によって平行にされて視野へと投影される。マイクロディスプレイ106からのS偏光放射は、S回析入力格子104によって、導波路101における全内部反射路へと結合することができ、S回析出力格子105によって導波路101から抽出することができる。マイクロディスプレイ106からのP偏光は、P回析入力格子102およびP回析出力格子103を使用して同様の様態で入光および抽出され得る。入力および出力の格子の空間周波数が合致させられるという条件で、分散がS光とP光との両方について補正され得る。入力格子および出力格子102、103は、先に記載されている深いSRGまたはEPSであり得る。
【0144】
図23~
図25は特定の導波路ディスプレイ構成を示しているが、図示されている構成への変更を含む様々な構成が実装でき、その特定の実装は、所与の用途の特定の要件に依存し得る。さらに、このような表示は、いくつかの異なる方法を使用して製造できる。例えば、多くの実施形態において、2つの格子層はインクジェット印刷過程を使用して形成される。
【0145】
多くの実施形態において、導波路は単色域で動作する。多くの実施形態において、導波路は緑色域で動作する。いくつかの実施形態において、赤色、緑色、および青色(RGB)などの異なるスペクトル域において動作する導波路層は、三層導波構造を提供するために積み重ねられ得る。さらなる実施形態において、層が導波路層同士の間の空隙を伴って積み重ねられる。様々な実施形態において、導波路層は、2つの導波路層の解決策を提供するために、青色-緑色および緑色-赤色などのより広い帯域で動作する。他の実施形態では、格子は、格子層の数を減らすために多重化された色である。様々な種類の格子が実装され得る。ある実施形態では、各々の層における少なくとも1つの格子が切り替え可能な周期的構造体である。
【0146】
本発明は、文献において開示されているものを含め、様々な導波路アーキテクチャを使用して適用できる。多くの実施形態において、導波路は、角度が多重化された格子、色が多重化された格子、折り畳み格子、二重相互作用格子、巻かれたKベクトル格子、交差折り畳み格子、モザイク格子、チャープ格子、空間的に変化する屈折率変調を伴う格子、空間的に変化する格子厚さを有する格子、空間的に変化する平均屈折率を有する格子、空間的に変化する屈折率変調テンソルを伴う格子、および、空間的に変化する平均屈折率テンソルを有する格子のうちの少なくとも1つを組み込むことができる。ある実施形態では、導波路は、1/2波長板、1/4波長板、反射防止被覆、ビーム分割層、配向層、グレア低減用フォトクロミック裏層、グレア低減用ルーバフィルムのうちの少なくとも1つを組み込むことができる。いくつかの実施形態において、導波路は、異なる偏光のために別々の光路を提供する格子を支持することができる。様々な実施形態において、導波路は、異なるスペクトル帯域幅のために別々の光路を提供する格子を支持することができる。いくつかの実施形態において、本発明における使用のための格子は、HPDLC格子、HPDLC(このような切り替え可能なブラッグ格子)に記録された切り替え格子、ホログラフィック感光性樹脂に記録されたブラッグ格子、または表面レリーフ格子であり得る。
【0147】
ある実施形態において、EPSは、ディスプレイ導波路における使用のための二重軸拡張格子であり得る。ブラッグ格子では、二重相互作用が、折り畳み格子との上向きおよび下向きのTIR光線の相互作用を考慮することで、基本的な光線光学を用いて理解でき、上向きおよび下向きの光線は、案内された光が下方および上方の導波路TIR表面において反射されるときに起こる。EPSでは、TIR境界面のうちの1つが格子によって置き換えられる。回析格子理論を使用するとき、TIRが入射角の範囲、Kベクトル方向、格子クロック角、格子深さ、および格子周期へのいくらかの制約を受けて起こり得るように、SRG(および、具体的にはSRG折り畳み)が回析角を入射角に等しい一次へとさせることができることが示され得る。したがって、格子を通じた上向きおよび下向きのTIR路がSRGのために存在する。ブラッグ領域へのSRG厚さを増加させることで、二重相互作用が、体積ブラッグ格子のときと同じ方法でEPSにおいて起こることができる。したがって、本発明の様々な実施形態は二重相互作用EPSに関連する。
【0148】
多くの実施形態において、導波路ディスプレイは、少なくとも50°の対角線の像視野を提供することができる。さらなる実施形態において、導波路ディスプレイは、少なくとも70°の対角線の像視野を提供することができる。ある実施形態では、OLEDディスプレイは、4000nitより大きい輝度と、4k×4kの画素の解像度とを有し得る。いくつかの実施形態において、導波路は、400nitより大きい画像輝度が4000nitのOLEDディスプレイを使用して提供され得るように、10%より大きい光学効率を有し得る。P回析格子を実装する導波路ディスプレイは、典型的には5%~6.2%の導波路効率を有する。先に検討されているようなS回析格子を提供することは、導波路の効率を2の倍数で増加させることができる。様々な実施形態において、25mmより大きい瞳距離を伴う10mmより大きいアイボックスが提供され得る。多くの実施形態において、導波路の厚さは2.0~5.0mmの間であり得る。
【0149】
図33は、導波路光学面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分が湾曲させられている、本発明の実施形態による導波路ディスプレイと、案内されたビーム波面における湾曲した表面部分の効果とを概念的に示している。図示されているように、装置130は、湾曲した表面部分132を支持する導波路131を含む。図示の実施形態では、導波路131は、第1の波長域におけるP偏光のための高い回析効率を伴う入力格子102および出力格子103と、第1の波長域におけるS偏光のための高い回析効率を伴う入力格子104および出力格子105とを支持する。画素133の矩形の配列を表示するマイクロディスプレイ106は、第1の波長域において非偏光134を放射し、非偏光134は、コリメータレンズ107によって平行にされて視野へと投影される。マイクロディスプレイ106からのP偏光放射は、P回析入力格子102によって、導波路への全内部反射路へと結合することができ、P回析出力格子103によって導波路から抽出することができる。導波路における任意の非平面状表面の存在は、アイボックスから見られるときの出力光が、焦点ぼけ、形状の歪み、および他の収差を呈するように、案内された光の波面を歪める可能性がある。例えば、
図33において、単一の画素からコリメータレンズ107により投射される光は平面状の波面135を有し、波面135は、TIR路136に沿って導波路131を通じて伝搬した後、湾曲した出力波面139Aに対して垂直である非平行な出力光線137~139を形成する。他方で、完全な平面状の導波路が、平行なビーム拡大された光を代わりに提供することになる。
図34は、導波路基板141が重なる2つの上方湾曲面142および下方湾曲面143を支持する導波路の形態140を概念的に示している。
【0150】
図35は、本発明の実施形態による導波路ディスプレイを概念的に示しており、ここでは、湾曲した表面部分によって導入された収差が、OLEDマイクロディスプレイの画素パターンをあらかじめ歪めることで補正され得る。図示の実施形態において、導波路装置150は、
図25に示されたものと同様である。図示されているように、装置150は、あらかじめ歪められた画素パターン152を支持するマイクロディスプレイ151を含む。マイクロディスプレイによって放射される非偏光の第1の波長光153は、レンズ107によって焦点が合わせられ、レンズ107は、導波路に入るビームを実質的に平行にする一方で、少しだけあらかじめ歪められた波面154を形成する。入光、および導波路131を通じた伝搬155の後、あらかじめ歪められた波面は、平面状の出力波面159に対して垂直である平行な出力光線156~158を形成するために、湾曲表面132によって焦点が合わせられる。
【0151】
図36は、本発明の実施形態による導波路ディスプレイを概念的に示しており、ここでは、湾曲した表面部分によって導入された収差が、湾曲した基板に形成されたOLEDマイクロディスプレイの画素パターンをあらかじめ歪めることで補正され得る。湾曲したマイクロディスプレイ基板は、歪められた画素パターンとの関連で、焦点誤差、フィールド湾曲、歪み、および他の収差を補正するのを助けることができる。図示の実施形態において、導波路装置160は、
図32に示されたものと同様である。図示されているように、湾曲した基板マイクロディスプレイ161は、あらかじめ歪められた画素パターン164を支持する。マイクロディスプレイから放射される非偏光の第1の波長光163が、若干あらかじめ歪められた画素パターン164で、実質的に平行にされて案内されたビームを形成するために、レンズ107によって焦点が合わせられ、ビームは、入光、および導波路131を通じた伝搬165の後、平面状の出力波面169に対して垂直である平行な出力光線166~168を形成する。
【0152】
図32~
図36は、湾曲面を有する導波路の特定の構成を示しているが、多くの他の異なる構成および変更が実装され得る。例えば、このような実施形態で示されている技術および根柢の理論は、目の処方光学面を支持する導波路に適用されてもよい。多くの実施形態において、処方導波路基板が、標準的な基本の処方が個々の使用者の要件に細かく調整されている状態で、目の処方眼鏡の製造で使用されるものと同様の過程を用いて特別に製造することができる。ある実施形態では、導波路格子は、標準的な基本の処方でインクジェット印刷され得る。いくつかの実施形態では、OLEDディスプレイが、あらかじめ歪められた画素パターンが形成された状態で特別に印刷されてもよい。様々な実施形態において、OLEDディスプレイは湾曲したバックプレーン基板に印刷され得る。いくつかの実施形態において、追加の屈折または回析の事前補正要素が、導波路によって支持され得る。多くの実施形態において、追加の補正機能が、入力格子および出力格子の少なくとも一方で符号化され得る。入力格子および出力格子は、深いSRG、EPS、または先に記載されているハイブリッド格子であり得、
図1~
図5との関連で記載されている方法で製造され得る。入力格子および出力格子は、
図6~
図8との関連で記載されている厚さも有し得る。
【0153】
図37は、本発明の実施形態による、S回析格子およびP回析格子を含む導波路を使用して、視認のための画像光を投影するための方法を概念的に示す流れ図である。図示されているように、像を形成する方法170が提供されている。流れ図を参照すると、方法170は、第1の波長範囲で光を放射するOLED配列と、コリメーションレンズと、第1の波長域におけるS偏光のための高い回析効率を伴う入力格子および出力格子、ならびに、第1の波長域におけるP偏光のための高い回析効率を伴う入力格子および出力格子を支持する導波路とを提供することを含む(171)。ある実施形態では、入力格子および出力格子は、深いSRG、EPS、または先に検討されているハイブリッド格子であり得る。OLED配列によって放射された画像光は、コリメーションレンズを用いて平行にされ得る(172)。S偏光が、S回析入力格子を用いて、導波路における全内部反射路へと結合され得る(173)。P偏光が、P回析入力格子を用いて、導波路における全内部反射路へと結合され得る(174)。S偏光は、ビーム拡大され得、見るために導波路から抽出され得る(175)。P偏光は、ビーム拡大され得、見るために導波路から抽出され得る(176)。
【0154】
図38は、本発明の実施形態による、光学的処方表面を支持し、S回析格子およびP回析格子を含む導波路を使用して、視認のための画像光を投影するための方法を概念的に示す流れ図である。図示されているように、像を形成する方法180が提供されている。流れ図を参照すると、方法180は、第1の波長範囲で光を放射するあらかじめ歪められた画素パターンを伴うOLED配列と、コリメーションレンズと、第1の波長域へのS偏光のための高い回析効率を伴う入力格子および出力格子、ならびに、第1の波長域におけるP偏光のための高い回析効率を伴う入力格子および出力格子とを支持する導波路とを提供することを含み(181)、さらに、導波路によって支持された処方光学面を提供することを含む(182)。ある実施形態では、入力格子および出力格子は、深いSRG、EPS、または先に検討されているハイブリッド格子であり得る。OLED配列によって放射された画像光は、コリメーションレンズを用いて平行にされ得る(183)。S偏光が、S回析入力格子を用いて、導波路における全内部反射路へと結合され得る(184)。P偏光が、P回析入力格子を用いて、導波路における全内部反射路へと結合され得る(185)。あらかじめ歪められた波面は処方面において反射され得る(186)。平面状の波面が、処方面の光強度を使用して、あらかじめ歪められた波面から形成され得る(187)。S偏光は、ビーム拡大され得、見るために導波路から抽出され得る(188)。P偏光は、ビーム拡大され得、見るために導波路から抽出され得る(189)。
【0155】
多様な画素形状を含む実施形態の検討
本開示で検討されている様々な装置は、配列を実装するときの形状の制約および実用性の問題だけによって限定される多くの異なる形状の入力画素配列を伴う放射型ディスプレイを使用して適用され得る。多くの実施形態において、画素配列は非周期的である(繰り返しでない)画素を含み得る。このような実施形態では、画素の形状および分配における非対称が、導波路からの出力照明における非均一性を生成するために使用され得る。最適な画素の大きさおよび形状が、画素配列への出力格子および入力格子(および、使用される場合には折り畳み格子)から画素配列への逆ベクトルレイトレーシングを使用して決定され得る。様々な非対称画素パターンが本発明で使用され得る。例えば、
図39Aは、本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、異なる大きさおよび縦横比の長方形要素230A~230Fを備える画素パターンの一部分230を概念的に示している。ある実施形態では、画素配列は、多角形の基礎要素の有限のセットに基づく繰り返し出ないパターンに基づき得る。例えば、
図39Bは、本発明の実施形態による、放射型ディスプレイパネルにおける使用のための、ペンローズタイル240A~240Jを有する画素パターンの一部分240を概念的に示している。タイルは、Penroseによる「Set of tiles for covering a surface」という名称の特許文献4において開示されている原理に基づくことができ、この特許は、その全体が本明細書によって参照により組み込まれている。ハチの巣状が良く知られている例である自然において現れるパターンが、多くの実施形態でも使用され得る。
【0156】
多くの実施形態において、画素は同一の規則的な多角形の配列を含み得る。例えば、
図39Cは、本発明の実施形態による、六角形要素を有する画素パターンの一部分250を概念的に示している。
図39Dは、本発明の実施形態による、正方形要素260A~260Dを有する画素パターンの一部分260を概念的に示す図である。
図39Eは、本発明の実施形態による、ダイヤモンド形要素270A~270Dを有する画素パターンの一部分270を概念的に示している。
図39Fは、本発明の実施形態による、二等辺三角形要素280A~280Hを有する画素パターンの一部分280を概念的に示している。
【0157】
多くの実施形態において、画素は、鉛直または水平に偏った縦横比を有する。
図39Gは、水平方向に偏った縦横比の六角形要素290A~290Cを有する画素パターンの一部分290を概念的に示している。
図39Hは、本発明の実施形態による、水平方向に偏った縦横比の長方形要素300A~300Dを有する画素パターンの一部分300を概念的に示している。
図39Iは、本発明の実施形態による、水平方向に偏った縦横比のダイヤモンド形要素310A~310Dを有する画素パターンの一部分310を概念的に示している。
図39Jは、本発明の実施形態による、水平方向に偏った縦横比の三角形要素320A~320Hを有する画素パターンの一部分320を概念的に示している。
【0158】
多くの実施形態において、OLEDは、OLEDのスペクトル放射特性を成形するための空洞の形および多層構造で作製できる。ある実施形態では、細いスペクトル帯域幅を提供するように最適化された微小空洞OLEDが使用され得る。ある実施形態では、スペクトル帯域幅は40nm未満であり得る。ある実施形態では、20nm以下のスペクトル帯域幅が提供され得る。ある実施形態では、OLEDは、3つの原色のうちの1つに対応する比較的細い帯域の近選択スペクトル領域でエレクトロルミネセント放射を提供する材料から作ることができる。
図40は、異なる画素が異なる放射特性を有し得る画素パターンを概念的に示している。ある実施形態では、画素は、画素配列におけるそれらの位置に応じて、異なるスペクトル放射特性を有し得る。ある実施形態では、画素は、画素配列におけるそれらの位置に応じて、異なる角度放射特性を有し得る。ある実施形態では、画素は、画素配列にわたって空間的に変化するスペクトル放射特性および角度放射特性の両方を有し得る。画素パターンは、
図39A~
図39Jに示されているパターンのいずれかに基づき得る。多くの実施形態において、異なる大きさおよび形状の画素が、最終的な像において均一性を制御するための空間的放射変化を提供するために配置され得る。
【0159】
多くの実施形態において、OLEDは、所与の光分配を特別な形態へと変形するために設計された空洞構造を有し得る。これは、ウェアラブルディスプレイ用途には嵩張り得る二次的な光学要素によって典型的には達成できる。このような設計は、最終的な光源を単一の永久的な動作モードに限定するという問題にも悩まされ、これは、機械的に調整可能な光学要素を用いることだけによって克服することができる。ある実施形態では、OLEDは、二次的な光学要素に依拠することなく、および、機械的な調整を用いることなく、ビームの形のリアルタイムでの規制を可能にすることができる。ある実施形態では、OLEDは、非特許文献7で開示されているように、任意の設定において高い量子効率を維持する一方で、前方軸主放射方向と軸ずれ主放射方向との間で連続的に調整され得る。
【0160】
重要なOLED開発である「微小空洞OLED」は、ある実施形態において、より制御されたスペクトル帯域幅および放射角度に向けての潜在能力を提供することができる。しかしながら、微小空洞OLEDは、まだ商業的な利用の準備ができていない。一実施形態(0.1の屈折率変調、1.65の平均屈折率、および45度の導波路における入射角を伴う2マイクロメートルの格子に対応する)において、SBGの回析効率は、OLED放射スペクトルに対して75%より大きい(ピーク点の25%との間)。より深い空洞構造を使用するより細い帯域幅のOLEDは、帯域幅を40nm以下へと小さくする。
【0161】
有利には、本発明は、460nmでの青色における使用のために最適化されたOLEDを使用することができ、このOLEDは、より一般的に使用されている440nmのOLEDに対して、昼光でのARディスプレイ用途においてより良好な青色コントラストを提供するだけでなく、より良好な信頼性および耐用期間を提供する。
【0162】
ある実施形態では、放射型ディスプレイは、Kopin Corporation (Westborough、MA)によって開発されたものと同様のOLEDフルカラーシリコンバックプレーンマイクロディスプレイであり得る。Kopinのマイクロディスプレイは、0.99インチの画像対角線と、1インチあたり2490個の画素の画素密度とを提供する。マイクロディスプレイは、コンパクトな形態因子を可能にするために、Kopinの特許を受けたPantile(商標)拡大レンズを使用する。
【0163】
本発明は、入力画像発生源としてOLEDマイクロディスプレイを使用する実施形態の観点で検討されてきたが、多くの他の実施形態において、本発明は、任意の他の種類の放射マイクロディスプレイテクノロジーで適用できる。ある実施形態では、放射マイクロディスプレイはマイクロLEDであり得る。マイクロLEDは、低減した電力消費から恩恵を受け、OLEDディスプレイの輝度より高い輝度で効率的に動作することができる。しかしながら、マイクロLEDは本質的に単色である。LEDにおいて色を変換するために典型的には使用される蛍光体は、小さい大きさにうまく合うことができず、マイクロディスプレイ用途へと縮小するのが困難であるより複雑なデバイスアーキテクチャをもたらす。
【0164】
ポリマー周期的構造体が、導波路ディスプレイに基づくOLED配列内での使用の観点で検討されてきたが、ポリマー周期的構造体は、他の部類のディスプレイとの有利な相乗的用途を有する。これらのディスプレイの例は、LCoSおよびMEMSに基づくディスプレイなど、非放射型ディスプレイ技術を使用する画像生成装置を含む。LCoSに基づくディスプレイが、ポリマー格子構造体の利点に基づく偏光をより適用可能とさせにくくし得る偏光を典型的には放射する一方で、ポリマー格子構造体は、従来の刻印された格子に対して有利な効率および製造コスト節約を提供することができる。さらに、ポリマー格子構造体は、導波路センサおよび/または導波路照明デバイスなど、様々な他の非ディスプレイの導波路に基づく実装に適用可能であり得る。
【0165】
例の実施形態
本発明の多くの実施形態が詳細に記載されてきたが、本発明は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、多くの他の形態で実装させることができることは、理解されるべきである。例えば、以下に列挙されているものなどの実施形態が検討されている。
【0166】
項1: 周期的構造体を作製するための方法であって、
ホログラフィック混合物をベース基板に提供するステップと、
ホログラフィック混合物をベース基板とカバー基板との間に挟むステップであって、ホログラフィック混合物はホログラフィック混合物層をベース基板上に形成する、ステップと、
ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体を形成するために、ホログラフィック記録ビームをホログラフィック混合物層に適用するステップと、
カバー基板をホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去するステップであって、カバー基板は、露光の後、形成されたホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去させることができる一方で、露光されていないホログラフィック混合物層に付着することができるように、ベース基板と異なる性質を有する、ステップと
を含む方法。
【0167】
項2: ポリマー周期的構造体を形成するために、液晶が豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を除去するステップをさらに含む、項1の方法。
【0168】
項3: 液晶が豊富な領域を埋め戻し材料で再充填するステップをさらに含む、項2の方法。
【0169】
項4: 埋め戻し材料は、残っているポリマーが豊富な領域の屈折率と異なる屈折率を有する、項3の方法。
【0170】
項5: 埋め戻し材料は液晶材料を含む、項3の方法。
【0171】
項6: 液晶材料は、液晶が豊富な領域から除去される液晶と異なる、項5の方法。
【0172】
項7: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、液晶が豊富な領域における液晶の実質的にすべてを除去することを含む、項2の方法。
【0173】
項8: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、液晶が豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を残すことをさらに含む、項2の方法。
【0174】
項9: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤で洗浄することを含む、項2の方法。
【0175】
項10: ベース基板はプラスチックを含む、項1から9のいずれか1つの方法。
【0176】
項11: 酸化ケイ素層がベース基板に堆積させられる、項1に記載の方法。
【0177】
項12: ベース基板はガラス、石英、またはシリカを含む、項1から6のいずれか1つの方法。
【0178】
項13: カバー基板はプラスチックを含む、項1から6のいずれか1つの方法。
【0179】
項14: 酸化ケイ素層がカバー基板に堆積させられる、項10の方法。
【0180】
項15: カバー基板はガラス、石英、またはシリカを含む、項1から6のいずれか1つの方法。
【0181】
項16: ベース基板とホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体との間の付着を促進する付着促進層が、ベース基板の上部に被覆される、項1から15のいずれか1つの方法。
【0182】
項17: ベース基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、シランに基づく試薬が水酸基および付着促進層と接着する、項16の方法。
【0183】
項18: カバー基板をホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から容易に解放させる解放層が、カバー基板の上部に被覆される、項1から17のいずれか1つの方法。
【0184】
項19: カバー基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、解放層は、水酸基と接着するシランに基づくフルオロ反応物である、項18の方法。
【0185】
項20: 保護基板をホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体に適用するステップであって、ホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体は保護基板とベース基板との間に位置決めされる、ステップをさらに含む、項1から19のいずれか1つの方法。
【0186】
項21: 周期的構造体を作製するための方法であって、
第1のホログラフィック混合物を第1のベース基板に提供するステップと、
第1のホログラフィック混合物を第1のベース基板とカバー基板との間に挟むステップであって、第1のホログラフィック混合物は第1のホログラフィック混合物層を第1のベース基板上に形成する、ステップと、
交ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備える第1のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体を形成するために、ホログラフィック記録ビームを第1のホログラフィック混合物層に適用するステップと、
カバー基板をホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去するステップと、
第2のホログラフィック混合物を第2のベース基板に提供するステップと、
第2のホログラフィック混合物を第2のベース基板とカバー基板との間に挟むステップであって、第2のホログラフィック混合物は第2のホログラフィック混合物層を第2のベース基板上に形成する、ステップと、
ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備える第2のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体を形成するために、ホログラフィック記録ビームを第2のホログラフィック混合物層に適用するステップと
を含む方法。
【0187】
項22: カバー基板は、露光の後、形成された第1および第2のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去させることができる一方で、露光されていない第1および第2のホログラフィック混合物層に付着することができるように、第1のベース基板および第2のベース基板と異なる性質を有する、項21の方法。
【0188】
項23: 前記カバー基板を第2のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体から除去するステップをさらに含む、項21または22のいずれか1つの方法。
【0189】
項24: ポリマー表面レリーフ格子を形成するために、第1または第2のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体の液晶が豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を除去するステップをさらに含む、項21から23のいずれか1つの方法。
【0190】
項25: 第1または第2のホログラフィックポリマー分散液晶周期的構造体の液晶が豊富な領域を埋め戻し材料で再充填するステップをさらに含む、項24の方法。
【0191】
項26: 埋め戻し材料は、残っているポリマーが豊富な領域の屈折率と異なる屈折率を有する、項25の方法。
【0192】
項27: 埋め戻し材料は液晶材料を含む、項25の方法。
【0193】
項28: 液晶材料は、液晶が豊富な領域から除去される液晶と異なる、項27の方法。
【0194】
項29: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、液晶が豊富な領域における液晶の実質的にすべてを除去することを含む、項24の方法。
【0195】
項30: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、液晶が豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を残すことをさらに含む、項24の方法。
【0196】
項31: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤で洗浄することを含む、項24の方法。
【0197】
項32: 第1のベース基板および/または第2のベース基板はプラスチックを含む、項21から31のいずれか1つの方法。
【0198】
項33: 酸化ケイ素層が第1のベース基板および/または第2のベース基板に堆積させられる、項21から32のいずれか1つの方法。
【0199】
項34: 第1のベース基板および/または第2のベース基板はガラス、石英、またはシリカを含む、項21から31のいずれか1つの方法。
【0200】
項35: カバー基板はプラスチックを含む、項21から31のいずれか1つの方法。
【0201】
項36: 酸化ケイ素層がカバー基板に堆積させられる、項35の方法。
【0202】
項37: カバー基板はガラス、石英、またはシリカを含む、項21から31のいずれか1つの方法。
【0203】
項38: 第1のベース基板と第1のホログラフィックポリマー分散液晶格子との間の付着を促進する付着促進層が、第1のベース基板の上部に被覆される、項21から31のいずれか1つの方法。
【0204】
項39: 第1のベース基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、シランに基づく試薬が水酸基および付着促進層と接着する、項38の方法。
【0205】
項40: カバー基板をホログラフィックポリマー分散液晶格子から容易に解放させる解放層が、カバー基板の上部に被覆される、項21から39のいずれか1つの方法。
【0206】
項41: カバー基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、解放層は、水酸基と接着するシランに基づくフルオロ反応物である、項40の方法。
【0207】
項42: 深い表面レリーフ格子(SRG)を作製するためのデバイスであって、
ベース基板とカバー基板との間に挟まれるホログラフィック混合物を備え、
ホログラフィック混合物は、ホログラフィック記録ビームに露光されるとき、ポリマーが豊富な領域と液晶が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散液晶格子を形成するように構成され、
ベース基板とカバー基板とは、カバー基板が、露光の後、形成されたホログラフィックポリマー分散液晶格子から除去させることができる一方で、露光されていないホログラフィック混合物層に付着することができるように、異なる性質を有する、デバイス。
【0208】
項43: ベース基板はプラスチックを含む、項42のデバイス。
【0209】
項44: 酸化ケイ素層がベース基板に配置される、項43のデバイス。
【0210】
項45: ベース基板はガラス、石英、またはシリカを含む、項42のデバイス。
【0211】
項46: カバー基板はプラスチックを含む、項45のデバイス。
【0212】
項47: 酸化ケイ素層がカバー基板に配置される、項46のデバイス。
【0213】
項48: カバー基板はガラス、石英、またはシリカを含む、項42のデバイス。
【0214】
項49: 第1のベース基板と第1のホログラフィックポリマー分散液晶格子との間の付着を促進する付着促進層が、第1のベース基板の上部に被覆される、項42から48のいずれか1つのデバイス。
【0215】
項50: 第1のベース基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、シランに基づく試薬が水酸基および付着促進層と接着する、項49のデバイス。
【0216】
項51: カバー基板をホログラフィックポリマー分散液晶格子から容易に解放させる解放層が、カバー基板の上部に被覆される、項42から50のいずれか1つのデバイス。
【0217】
項52: カバー基板は、水酸基を含むガラス表面を備え、解放層は、水酸基と接着するシランに基づくフルオロ反応物である、項51のデバイス。
【0218】
項53: それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、
ポリマー格子構造体は、
ポリマー領域と、
ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙と、
ポリマー領域の上部および導波路の上部に配置される被覆と
を備える、導波路デバイス。
【0219】
項54: 被覆は、導波路とポリマー格子構造体との間のエバネッセント結合を高めるために、原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項53の導波路デバイス。
【0220】
項55: 被覆は、ポリマー格子構造体の効果的な屈折率を高めるために、原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項53の導波路デバイス。
【0221】
項56: 被覆は、付着を高めるために、および/または、バイアス層として実施するために、原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項53の導波路デバイス。
【0222】
項57: 被覆は、ポリマー領域の全体および導波路の上部にわたって配置される原子層堆積(ALD)により共形で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項53の導波路デバイス。
【0223】
項58 被覆は、ポリマー領域の上方面、下方面、または側壁面のうちの1つまたは複数を含むポリマー領域の1つまたは複数の面にわたって配置される原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項53の導波路デバイス。
【0224】
項59: 不動態被覆が、ポリマー格子構造体および/または被覆の表面に適用される、項53の導波路デバイス。
【0225】
項60: ポリマー領域は導波路に対する傾斜角を含む、項53の導波路デバイス。
【0226】
項61: ポリマー格子構造体は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間に等方性物質をさらに備え、等方性物質は、ポリマー網目の屈折率より高いかまたは低い屈折率を有する、項53の導波路デバイス。
【0227】
項62: 等方性物質は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間の空間の底部分においてその空間を占め、空気が等方性物質の上面の上方から変調深さまでの空間を占める、項61の導波路デバイス。
【0228】
項63: 等方性物質は複屈折結晶材料を含む、項61の導波路デバイス。
【0229】
項64: 複屈折結晶材料は液晶材料を含む、項63の導波路デバイス。
【0230】
項65: ポリマー格子構造体は可視光の波長より大きい変調深さを有する、項53の導波路デバイス。
【0231】
項66: ポリマー格子構造体は変調深さと格子ピッチとを備え、変調深さは格子ピッチより大きい、項53の導波路デバイス。
【0232】
項67: 導波路は2つの基板を備え、ポリマー格子構造体は、2つの基板の間に挟まれるか、または、いずれかの基板の外面に位置決めされるかのいずれかである、項53の導波路デバイス。
【0233】
項68: ポリマー網目のブラッグ縞模様間隔は0.35μmから0.8μmまでであり、ポリマー網目の格子深さは1μmから3μmまでである、項53の導波路デバイス。
【0234】
項69: ブラッグ縞模様間隔に対するポリマー網目の格子深さの比は1:1から5:1までである、項53の導波路デバイス。
【0235】
項70: 像発生ユニットをさらに備え、ポリマー格子構造体は導波路回析格子を備える、項53の導波路デバイス。
【0236】
項71: 導波路回析格子は多重化格子として構成される、項70の導波路デバイス。
【0237】
項72: 導波路回析格子は、複数の像を含む像発生ユニットから光を受け入れるように構成される、項71の導波路デバイス。
【0238】
項73: 導波路回析格子は光を導波路から取り出すように構成される、項70の導波路デバイス。
【0239】
項74: 導波路回析格子はビーム拡大器として構成される、項70の導波路デバイス。
【0240】
項75: 導波路回析格子は、像発生ユニットから発生させられる像データを含む光を取り入れるように構成される、項70の導波路デバイス。
【0241】
項76: 導波路回析格子は、S偏光を高い度合いの効率で取り入れるようにさらに構成される、項75の導波路デバイス。
【0242】
項77: 回析格子は、S偏光をブラッグ角において70%から95%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項76の導波路デバイス。
【0243】
項78: 回析格子は、P偏光をブラッグ角において25%から50%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項76の導波路デバイス。
【0244】
項79: ポリマー網目と空隙との間の屈折率の差は0.25から0.4までである、項53の導波路デバイス。
【0245】
項80: ポリマー網目と複屈折結晶材料との間の屈折率の差は0.05から0.2までである、項63の導波路デバイス。
【0246】
項81: ポリマー格子構造体は二次元格子構造体または三次元格子構造体を備える、項53の導波路デバイス。
【0247】
項82: 他の格子構造体をさらに備える、項53の導波路デバイス。
【0248】
項83: ポリマー格子構造体は取り入れ格子を備え、他の格子構造体はビーム拡大器または取り出し格子を備える、項82の導波路デバイス。
【0249】
項84: それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、
ポリマー格子構造体は、
ポリマー領域と、
ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙と、
ポリマー領域と導波路との間に配置される光学層と、
ポリマー領域の上部および光学層の上部に配置される被覆と
を備える、導波路デバイス。
【0250】
項85: 被覆は、導波路とポリマー格子構造体との間のエバネッセント結合を高めるために、原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項84の導波路デバイス。
【0251】
項86: 被覆は、ポリマー格子構造体の効果的な屈折率を高めるために、原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項84の導波路デバイス。
【0252】
項87: 被覆は、付着を高めるために、および/または、バイアス層として実施するために、原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項84の導波路デバイス。
【0253】
項88: 被覆は、ポリマー領域の全体および光学層の露光させられた上部にわたって配置される原子層堆積(ALD)により共形で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項84の導波路デバイス。
【0254】
項89: 被覆は、ポリマー領域の上方面、下方面、または側壁面のうちの1つまたは複数を含むポリマー領域の1つまたは複数の面にわたって配置される原子層堆積(ALD)で堆積させられた金属層または誘電体層を備える、項84の導波路デバイス。
【0255】
項90: 不動態被覆がポリマー格子構造体の表面に適用される、項84の導波路デバイス。
【0256】
項91: ポリマー領域は導波路に対する傾斜角を含む、項84の導波路デバイス。
【0257】
項92: 光学層の厚さが、所定の角度範囲内で、角度特性に対する回析効率を選択的に変更するように設計される、項84の導波路デバイス。
【0258】
項93: ポリマー格子構造体は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間に等方性物質をさらに備え、等方性物質は、ポリマー網目の屈折率より高いかまたは低い屈折率を有する、項84の導波路デバイス。
【0259】
項94: 等方性物質は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間の空間の底部分においてその空間を占め、空気が等方性物質の上面の上方から変調深さまでの空間を占める、項93の導波路デバイス。
【0260】
項95: 等方性物質は複屈折結晶材料を含む、項93の導波路デバイス。
【0261】
項96: 複屈折結晶材料は液晶材料を含む、項95の導波路デバイス。
【0262】
項97: ポリマー格子構造体は可視光の波長より大きい変調深さを有する、項84の導波路デバイス。
【0263】
項98: ポリマー格子構造体は変調深さと格子ピッチとを備え、変調深さは格子ピッチより大きい、項84の導波路デバイス。
【0264】
項99: 導波路は2つの基板を備え、ポリマー格子構造体は、2つの基板の間に挟まれるか、または、いずれかの基板の外面に位置決めされるかのいずれかである、項84の導波路デバイス。
【0265】
項100: ポリマー網目のブラッグ縞模様間隔は0.35μmから0.8μmまでであり、ポリマー網目の格子深さは1μmから3μmまでである、項84の導波路デバイス。
【0266】
項101: ブラッグ縞模様間隔に対するポリマー網目の格子深さの比は1:1から5:1までである、項84の導波路デバイス。
【0267】
項102: 像発生ユニットをさらに備え、ポリマー格子構造体は導波路回析格子を備える、項84の導波路デバイス。
【0268】
項103: 導波路回析格子は多重化格子として構成される、項102の導波路デバイス。
【0269】
項104: 導波路回析格子は、複数の像を含む像発生ユニットから光を受け入れるように構成される、項103の導波路デバイス。
【0270】
項105: 導波路回析格子は光を導波路から取り出すように構成される、項104の導波路デバイス。
【0271】
項106: 導波路回析格子はビーム拡大器として構成される、項102の導波路デバイス。
【0272】
項107: 導波路回析格子は、像発生ユニットから発生させられる像データを含む光を取り入れるように構成される、項102の導波路デバイス。
【0273】
項108: 導波路回析格子は、S偏光を高い度合いの効率で取り入れるようにさらに構成される、項107の導波路デバイス。
【0274】
項109: 回析格子は、S偏光をブラッグ角において70%から95%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項108の導波路デバイス。
【0275】
項110: 回析格子は、P偏光をブラッグ角において25%から50%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項108の導波路デバイス。
【0276】
項111: ポリマー網目と空隙との間の屈折率の差は0.25から0.4までである、項84の導波路デバイス。
【0277】
項112: ポリマー網目と複屈折結晶材料との間の屈折率の差は0.05から0.2までである、項95の導波路デバイス。
【0278】
項113: ポリマー格子構造体は二次元格子構造体または三次元格子構造体を備える、項84の導波路デバイス。
【0279】
項114: 他の格子構造体をさらに備える、項84の導波路デバイス。
【0280】
項115: ポリマー格子構造体は取り入れ格子を備え、他の格子構造体はビーム拡大器または取り出し格子を備える、項114の導波路デバイス。
【0281】
項116: それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、
ポリマー格子構造体は、
ポリマー領域と、
ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙と、
ポリマー領域と導波路との間に配置される光学層と
を備える、導波路デバイス。
【0282】
項117: 光学層の厚さが、所定の角度範囲内で、角度特性に対する回析効率を選択的に変更するように設計される、項116の導波路デバイス。
【0283】
項118: ポリマー格子構造体は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間に等方性物質をさらに備え、等方性物質は、ポリマー網目の屈折率より高いかまたは低い屈折率を有する、項116の導波路デバイス。
【0284】
項119: 等方性物質は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間の空間の底部分においてその空間を占め、空気が等方性物質の上面の上方から変調深さまでの空間を占める、項118の導波路デバイス。
【0285】
項120: 等方性物質は複屈折結晶材料を含む、項118の導波路デバイス。
【0286】
項121: 複屈折結晶材料は液晶材料を含む、項120の導波路デバイス。
【0287】
項122: ポリマー格子構造体は可視光の波長より大きい変調深さを有する、項118の導波路デバイス。
【0288】
項123: ポリマー格子構造体は変調深さと格子ピッチとを備え、変調深さは格子ピッチより大きい、項118の導波路デバイス。
【0289】
項124: 導波路は2つの基板を備え、ポリマー格子構造体は、2つの基板の間に挟まれるか、または、いずれかの基板の外面に位置決めされるかのいずれかである、項118の導波路デバイス。
【0290】
項125 ポリマー網目のブラッグ縞模様間隔は0.35μmから0.8μmまでであり、ポリマー網目の格子深さは1μmから3μmまでである、項118の導波路デバイス。
【0291】
項126: ブラッグ縞模様間隔に対するポリマー網目の格子深さの比は1:1から5:1までである、項118の導波路デバイス。
【0292】
項127: 像発生ユニットをさらに備え、ポリマー格子構造体は導波路回析格子を備える、項118の導波路デバイス。
【0293】
項128: 導波路回析格子は多重化格子として構成される、項127の導波路デバイス。
【0294】
項129: 導波路回析格子は、複数の像を含む像発生ユニットから光を受け入れるように構成される、項128の導波路デバイス。
【0295】
項130: 導波路回析格子は光を導波路から取り出すように構成される、項127の導波路デバイス。
【0296】
項131: 導波路回析格子はビーム拡大器として構成される、項130の導波路デバイス。
【0297】
項132: 導波路回析格子は、像発生ユニットから発生させられる像データを含む光を取り入れるように構成される、項127の導波路デバイス。
【0298】
項133: 導波路回析格子は、S偏光を高い度合いの効率で取り入れるようにさらに構成される、項132の導波路デバイス。
【0299】
項134: 回析格子は、S偏光をブラッグ角において70%から95%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項133の導波路デバイス。
【0300】
項135: 回析格子は、P偏光をブラッグ角において25%から50%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項133の導波路デバイス。
【0301】
項136: ポリマー網目と空隙との間の屈折率の差は0.25から0.4までである、項116の導波路デバイス。
【0302】
項137: ポリマー網目と複屈折結晶材料との間の屈折率の差は0.05から0.2までである、項120の導波路デバイス。
【0303】
項138: ポリマー格子構造体は二次元格子構造体または三次元格子構造体を備える、項116の導波路デバイス。
【0304】
項139: 他の格子構造体をさらに備える、項116の導波路デバイス。
【0305】
項140: ポリマー格子構造体は取り入れ格子を備え、他の格子構造体はビーム拡大器または取り出し格子を備える、項139の導波路デバイス。
【0306】
項141: 光学層は導波路とポリマー格子構造体とによって挟まれ、ポリマー格子構造体は、光学層と直接的に接触するために光学層までずっと延びる、項116の導波路デバイス。
【0307】
項142: それ自体において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する導波路を備え、
ポリマー格子構造体は、
ポリマー領域と、
ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙と
を備え、
ポリマー領域と空隙とは導波路に直接的に接触する、導波路デバイス。
【0308】
項143: 光学層の厚さが、所定の角度範囲内で、角度特性に対する回析効率を選択的に変更するように設計される、項142の導波路デバイス。
【0309】
項144: ポリマー表面レリーフ格子が導波路と直接的に接触するためにずっと延びる、項142の導波路デバイス。
【0310】
項145: ポリマー表面レリーフ格子と基板との間にバイアス層がない、項142の導波路デバイス。
【0311】
項146: ポリマー格子構造体は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間に等方性物質をさらに備え、等方性物質は、ポリマー網目の屈折率より高いかまたは低い屈折率を有する、項142の導波路デバイス。
【0312】
項147: 等方性物質は、ポリマー網目の隣接した部分同士の間の空間の底部分においてその空間を占め、空気が等方性物質の上面の上方から変調深さまでの空間を占める、項146の導波路デバイス。
【0313】
項148: 等方性物質は複屈折結晶材料を含む、項146の導波路デバイス。
【0314】
項149: 複屈折結晶材料は液晶材料を含む、項148の導波路デバイス。
【0315】
項150: ポリマー格子構造体は可視光の波長より大きい変調深さを有する、項142の導波路デバイス。
【0316】
項151: ポリマー格子構造体は変調深さと格子ピッチとを備え、変調深さは格子ピッチより大きい、項142の導波路デバイス。
【0317】
項152: 導波路は2つの基板を備え、ポリマー格子構造体は、2つの基板の間に挟まれるか、または、いずれかの基板の外面に位置決めされるかのいずれかである、項142の導波路デバイス。
【0318】
項153 ポリマー網目のブラッグ縞模様間隔は0.35μmから0.8μmまでであり、ポリマー網目の格子深さは1μmから3μmまでである、項142の導波路デバイス。
【0319】
項154: ブラッグ縞模様間隔に対するポリマー網目の格子深さの比は1:1から5:1までである、項142の導波路デバイス。
【0320】
項155: 像発生ユニットをさらに備え、ポリマー格子構造体は導波路回析格子を備える、項142の導波路デバイス。
【0321】
項156: 導波路回析格子は多重化格子として構成される、項155の導波路デバイス。
【0322】
項157: 導波路回析格子は、複数の像を含む像発生ユニットから光を受け入れるように構成される、項156の導波路デバイス。
【0323】
項158: 導波路回析格子は光を導波路から取り出すように構成される、項155の導波路デバイス。
【0324】
項159: 導波路回析格子はビーム拡大器として構成される、項155の導波路デバイス。
【0325】
項160: 導波路回析格子は、像発生ユニットから発生させられる像データを含む光を取り入れるように構成される、項155の導波路デバイス。
【0326】
項161: 導波路回析格子は、S偏光を高い度合いの効率で取り入れるようにさらに構成される、項160の導波路デバイス。
【0327】
項162: 導波路回析格子は、S偏光をブラッグ角において70%から95%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項160の導波路デバイス。
【0328】
項163: 回析格子は、P偏光をブラッグ角において25%から50%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項160の導波路デバイス。
【0329】
項164: ポリマー網目と空隙との間の屈折率の差は0.25から0.4までである、項142の導波路デバイス。
【0330】
項165: ポリマー網目と複屈折結晶材料との間の屈折率の差は0.05から0.2までである、項164の導波路デバイス。
【0331】
項166: ポリマー格子構造体は二次元格子構造体または三次元格子構造体を備える、項142の導波路デバイス。
【0332】
項167: 他の格子構造体をさらに備える、項142の導波路デバイス。
【0333】
項168: ポリマー格子構造体は取り入れ格子を備え、他の格子構造体はビーム拡大器または取り出し格子を備える、項167の導波路デバイス。
【0334】
項169: 格子を作製するための方法であって、
単量体と非反応性材料との混合物を提供するステップと、
基板を提供するステップと、
混合物の層を基板の表面に被覆するステップと、
ポリマーが豊富な領域と非反応性材料が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散格子を形成するために、ホログラフィック記録ビームを層に適用するステップと、
ポリマー領域と空気領域とを交互に含むポリマー表面レリーフ格子を形成するために、非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップと、
被覆を、ポリマー領域の上面と空気領域における基板の上面とに適用するステップと
を含む方法。
【0335】
項170: 被覆を適用するステップは原子層堆積(ALD)過程を含む、項169の方法。
【0336】
項171: 被覆はTiO2またはZnO2を含む、項169の方法。
【0337】
項172: 単量体は、アクリレート、メタクリレート、ビニル、イソシアネート、チオール、イソシアンアクリレート、および/またはチオレンを含む、項169の方法。
【0338】
項173: 混合物は、光開始剤、共開始剤、または追加の添加物のうちの少なくとも1つをさらに含む、項172の方法。
【0339】
項174: チオールはチオールビニルアクリレートを含む、項172の方法。
【0340】
項175: 光開始剤は感光性成分を含む、項173の方法。
【0341】
項176: 感光性成分は染料および/またはラジカル発生器を含む、項175の方法。
【0342】
項177: 単量体と液晶との混合物を提供するステップは、
単量体と、液晶と、光開始剤、共開始剤、多官能チオール、または追加の添加物のうちの少なくとも1つとを混合することと、
混合物を、22℃以下の温度における光のない場所で保管することと、
追加の単量体を追加することと、
0.6μm以下のフィルタを通じて混合物を濾過することと、
濾過された混合物を光のない場所で保管することと
を含む、項169の方法。
【0343】
項178: 基板はガラス基板またはプラスチック基板を備える、項169の方法。
【0344】
項179: 基板は透明な基板を備える、項169の方法。
【0345】
項180: 内部寸法を維持するための1つまたは複数のスペーサで、混合物を基板と他の基板との間に挟むステップをさらに含む、項169の方法。
【0346】
項181: 付着防止解放層を他の基板の1つの表面に適用するステップをさらに含む、項180の方法。
【0347】
項182: 付着防止解放層はフルオロポリマーを含む、項181の方法。
【0348】
項183: 液晶が豊富な領域を液晶材料で再充填するステップをさらに含む、項169の方法。
【0349】
項184: 液晶材料は、先に除去された液晶と異なる分子構造を有する、項183の方法。
【0350】
項185: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、液晶が豊富な領域における液晶の実質的にすべてを除去することを含む、項169の方法。
【0351】
項186: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ポリマーが豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を残すことをさらに含む、項169の方法。
【0352】
項187: 深いSRGにわたって保護層を適用するステップをさらに含む、項169の方法。
【0353】
項188: 保護層は反射防止層を備える、項187の方法。
【0354】
項189: 保護層はケイ酸塩または窒化ケイ素を含む、項187の方法。
【0355】
項190: 保護層を適用するステップは、保護層を深いSRGに堆積させることを含む、項187の方法。
【0356】
項191: 保護層を堆積させることは化学蒸着を含む、項190の方法。
【0357】
項192: 化学蒸着はナノコーティング過程である、項191の方法。
【0358】
項193: 保護層はパリレン被覆を含む、項190の方法。
【0359】
項194: 液晶が豊富な領域は、液晶が豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を除去した後に空隙を備える、項169の方法。
【0360】
項195: 空隙に真空を作り出すステップ、または、空隙を不活性ガスで満たすステップをさらに含む、項194の方法。
【0361】
項196: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤で洗浄することを含む、項169の方法。
【0362】
項197: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を洗浄することは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤に浸漬することを含む、項196の方法。
【0363】
項198: 溶剤はイソプロピルアルコールを含む、項196の方法。
【0364】
項199: 溶剤は、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を洗浄している間、室温より低い温度で維持される、項196の方法。
【0365】
項200: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を大流量空気供給源で乾燥させることをさらに含む、項196の方法。
【0366】
項201: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を硬化するステップをさらに含む、項169の方法。
【0367】
項202: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を硬化するステップは、約1時間の期間にわたってホログラフィックポリマー分散液晶格子を低強度白色光に露光することを含む、項201の方法。
【0368】
項203: ポリマー表面レリーフ格子は、S偏光を70%から95%までの効率で取り入れるように構成される、項169の方法。
【0369】
項204: ポリマー表面レリーフ格子は、P偏光を25%から50%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項203の方法。
【0370】
項205: ポリマー網目と空隙との間の屈折率の差は0.25から0.4までである、項169の方法。
【0371】
項206: ポリマー網目と液晶材料との間の屈折率の差は0.05から0.2までである、項183の方法。
【0372】
項207: ポリマー表面レリーフ格子は、0.35μmから0.8μmまでのブラッグ縞模様間隔と、1μmから3μmまでの格子深さとを備える、項169の方法。
【0373】
項208: ポリマー表面レリーフ格子は、1:1から5:1までの格子深さに対するブラッグ縞模様間隔の比を備える、項169の方法。
【0374】
項209: 単量体と液晶との混合物における液晶含有量はおおよそ20%から50%までである、項169の方法。
【0375】
項210: 単量体と液晶との混合物における液晶は液晶シングルを含む、項169の方法。
【0376】
項211: 液晶シングルはシアノビフェニルおよび/またはペンチルシアノビフェニルを含む、項210の方法。
【0377】
項212: 格子を作製するための方法であって、
単量体と非反応性材料との混合物を提供するステップと、
基板を提供するステップと、
混合物の層を基板の表面に被覆するステップと、
ポリマーが豊富な領域と非反応性材料が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散格子を形成するために、ホログラフィック記録ビームを層に適用するステップと、
ポリマー領域と空気領域とを交互に含むポリマー表面レリーフ格子を形成するために、非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップであって、光学層はポリマー領域と基板との間に配置される、ステップと、
被覆を、ポリマー領域の上面と空気領域における光学層の上面とに適用するステップと
を含む方法。
【0378】
項213: 被覆を適用するステップは原子層堆積(ALD)過程を含む、項212の方法。
【0379】
項214: 被覆はTiO2またはZnO2を含む、項212の方法。
【0380】
項215: 単量体は、アクリレート、メタクリレート、ビニル、イソシアネート、チオール、イソシアンアクリレート、および/またはチオレンを含む、項212の方法。
【0381】
項216: 混合物は、光開始剤、共開始剤、または追加の添加物のうちの少なくとも1つをさらに含む、項215の方法。
【0382】
項217: チオールはチオールビニルアクリレートを含む、項215の方法。
【0383】
項218: 光開始剤は感光性成分を含む、項216の方法。
【0384】
項219: 感光性成分は染料および/またはラジカル発生器を含む、項218の方法。
【0385】
項220: 単量体と液晶との混合物を提供するステップは、
単量体と、液晶と、光開始剤、共開始剤、多官能チオール、または追加の添加物のうちの少なくとも1つとを混合することと、
混合物を、22℃以下の温度における光のない場所で保管することと、
追加の単量体を追加することと、
0.6μm以下のフィルタを通じて混合物を濾過することと、
濾過された混合物を光のない場所で保管することと
を含む、項212の方法。
【0386】
項221: 基板はガラス基板またはプラスチック基板を備える、項212の方法。
【0387】
項222: 基板は透明な基板を備える、項212の方法。
【0388】
項223: 内部寸法を維持するための1つまたは複数のスペーサで、混合物を基板と他の基板との間に挟むステップをさらに含む、項212の方法。
【0389】
項224: 付着防止解放層を他の基板の1つの表面に適用するステップをさらに含む、項223の方法。
【0390】
項225: 付着防止解放層はフルオロポリマーを含む、項224の方法。
【0391】
項226: 液晶が豊富な領域を液晶材料で再充填するステップをさらに含む、項212の方法。
【0392】
項227: 液晶材料は、先に除去された液晶と異なる分子構造を有する、項226の方法。
【0393】
項228: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、液晶が豊富な領域における液晶の実質的にすべてを除去することを含む、項212の方法。
【0394】
項229: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ポリマーが豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を残すことをさらに含む、項212の方法。
【0395】
項230: 深いSRGにわたって保護層を適用するステップをさらに含む、項212の方法。
【0396】
項231: 保護層は反射防止層を備える、項230の方法。
【0397】
項232: 保護層はケイ酸塩または窒化ケイ素を含む、項230の方法。
【0398】
項233: 保護層を適用するステップは、保護層を深いSRGに堆積させることを含む、項230の方法。
【0399】
項234: 保護層を堆積させることは化学蒸着を含む、項233の方法。
【0400】
項235: 化学蒸着はナノコーティング過程である、項234の方法。
【0401】
項236: 保護層はパリレン被覆を含む、項230の方法。
【0402】
項237: 液晶が豊富な領域は、液晶が豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を除去した後に空隙を備える、項212の方法。
【0403】
項238: 空隙に真空を作り出すステップ、または、空隙を不活性ガスで満たすステップをさらに含む、項237の方法。
【0404】
項239: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤で洗浄することを含む、項212の方法。
【0405】
項240: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を洗浄することは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤に浸漬することを含む、項239の方法。
【0406】
項241: 溶剤はイソプロピルアルコールを含む、項239の方法。
【0407】
項242: 溶剤は、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を洗浄している間、室温より低い温度で維持される、項239の方法。
【0408】
項243: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を大流量空気供給源で乾燥させることをさらに含む、項239の方法。
【0409】
項244: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を硬化するステップをさらに含む、項212の方法。
【0410】
項245: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を硬化するステップは、約1時間の期間にわたってホログラフィックポリマー分散液晶格子を低強度白色光に露光することを含む、項244の方法。
【0411】
項246: ポリマー表面レリーフ格子は、S偏光を70%から95%までの効率で取り入れるように構成される、項212の方法。
【0412】
項247: ポリマー表面レリーフ格子は、P偏光を25%から50%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項246の方法。
【0413】
項248: ポリマー網目と空隙との間の屈折率の差は0.25から0.4までである、項212の方法。
【0414】
項249: ポリマー網目と液晶材料との間の屈折率の差は0.05から0.2までである、項226の方法。
【0415】
項250: ポリマー表面レリーフ格子は、0.35μmから0.8μmまでのブラッグ縞模様間隔と、1μmから3μmまでの格子深さとを備える、項212の方法。
【0416】
項251: ポリマー表面レリーフ格子は、1:1から5:1までの格子深さに対するブラッグ縞模様間隔の比を備える、項212の方法。
【0417】
項252: 単量体と液晶との混合物における液晶含有量はおおよそ20%から50%までである、項212の方法。
【0418】
項253: 単量体と液晶との混合物における液晶は液晶シングルを含む、項212の方法。
【0419】
項254: 液晶シングルはシアノビフェニルおよび/またはペンチルシアノビフェニルを含む、項253の方法。
【0420】
項255: 格子を作製するための方法であって、
単量体と非反応性材料との混合物を提供するステップと、
基板を提供するステップと、
混合物の層を基板の表面に被覆するステップと、
ポリマーが豊富な領域と非反応性材料が豊富な領域とを交互に備えるホログラフィックポリマー分散格子を形成するために、ホログラフィック記録ビームを層に適用するステップと、
ポリマー領域と空気領域とを交互に含むポリマー表面レリーフ格子を形成するために、非反応性材料が豊富な領域における非反応性材料の少なくとも一部分を除去するステップと、
ポリマーの少なくとも一部分をポリマー領域から除去するためにプラズマアッシング過程を実施するステップと
を含む方法。
【0421】
項256: 混合物は、プラズマアッシング過程の効果を高めるための化学的添加物を含む、項255の方法。
【0422】
項257: プラズマアッシング過程は、酸素を含む反応種を含み、混合物は、プラズマアッシングレートを制御するために窒素を含む、項256の方法。
【0423】
項258: プラズマアッシング過程は、酸素、フッ素、および/または水素を含む反応種を含む、項256の方法。
【0424】
項259: プラズマアッシング過程は、窒素と水素とのプラズマ混合物を含む、項258の方法。
【0425】
項260: プラズマ混合物はフッ素をさらに含む、項259の方法。
【0426】
項261: 単量体は、アクリレート、メタクリレート、ビニル、イソシアネート、チオール、イソシアンアクリレート、および/またはチオレンを含む、項255の方法。
【0427】
項262: 混合物は、光開始剤、共開始剤、または追加の添加物のうちの少なくとも1つをさらに含む、項261の方法。
【0428】
項263: チオールはチオールビニルアクリレートを含む、項261の方法。
【0429】
項264: 光開始剤は感光性成分を含む、項262の方法。
【0430】
項265: 感光性成分は染料および/またはラジカル発生器を含む、項264の方法。
【0431】
項266: 単量体と液晶との混合物を提供するステップは、
単量体と、液晶と、光開始剤、共開始剤、多官能チオール、または追加の添加物のうちの少なくとも1つとを混合することと、
混合物を、22℃以下の温度における光のない場所で保管することと、
追加の単量体を追加することと、
0.6μm以下のフィルタを通じて混合物を濾過することと、
濾過された混合物を光のない場所で保管することと
を含む、項255の方法。
【0432】
項267: 基板はガラス基板またはプラスチック基板を備える、項255の方法。
【0433】
項268: 基板は透明な基板を備える、項255の方法。
【0434】
項269: 内部寸法を維持するための1つまたは複数のスペーサで、混合物を基板と他の基板との間に挟むステップをさらに含む、項255の方法。
【0435】
項270: 付着防止解放層を他の基板の1つの表面に適用するステップをさらに含む、項265の方法。
【0436】
項271: 付着防止解放層はフルオロポリマーを含む、項270の方法。
【0437】
項272: 液晶が豊富な領域を液晶材料で再充填するステップをさらに含む、項255の方法。
【0438】
項273: 液晶材料は、先に除去された液晶と異なる分子構造を有する、項272の方法。
【0439】
項274: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、液晶が豊富な領域における液晶の実質的にすべてを除去することを含む、項255の方法。
【0440】
項275: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ポリマーが豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を残すことをさらに含む、項255の方法。
【0441】
項276: 深いSRGにわたって保護層を適用するステップをさらに含む、項255の方法。
【0442】
項277: 保護層は反射防止層を備える、項276の方法。
【0443】
項278: 保護層はケイ酸塩または窒化ケイ素を含む、項276の方法。
【0444】
項279: 保護層を適用するステップは、保護層を深いSRGに堆積させることを含む、項276の方法。
【0445】
項280: 保護層を堆積させることは化学蒸着を含む、項279の方法。
【0446】
項281: 化学蒸着はナノコーティング過程である、項280の方法。
【0447】
項282: 保護層はパリレン被覆を含む、項276の方法。
【0448】
項283: 液晶が豊富な領域は、液晶が豊富な領域における液晶の少なくとも一部分を除去した後に空隙を備える、項255の方法。
【0449】
項284: 空隙に真空を作り出すステップ、または、空隙を不活性ガスで満たすステップをさらに含む、項283の方法。
【0450】
項285: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤で洗浄することを含む、項254の方法。
【0451】
項286: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を洗浄することは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を溶剤に浸漬することを含む、項285の方法。
【0452】
項287: 溶剤はイソプロピルアルコールを含む、項285の方法。
【0453】
項288: 溶剤は、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を洗浄している間、室温より低い温度で維持される、項285の方法。
【0454】
項289: 液晶の少なくとも一部分を除去するステップは、ホログラフィックポリマー分散液晶格子を大流量空気供給源で乾燥させることをさらに含む、項285の方法。
【0455】
項290: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を硬化するステップをさらに含む、項255の方法。
【0456】
項291: ホログラフィックポリマー分散液晶格子を硬化するステップは、約1時間の期間にわたってホログラフィックポリマー分散液晶格子を低強度白色光に露光することを含む、項290の方法。
【0457】
項292: ポリマー表面レリーフ格子は、S偏光を70%から95%までの効率で取り入れるように構成される、項255の方法。
【0458】
項293: ポリマー表面レリーフ格子は、P偏光を25%から50%までの効率で取り入れるようにさらに構成される、項292の方法。
【0459】
項294: ポリマー網目と空隙との間の屈折率の差は0.25から0.4までである、項255の方法。
【0460】
項295: ポリマー網目と液晶材料との間の屈折率の差は0.05から0.2までである、項272の方法。
【0461】
項296: ポリマー表面レリーフ格子は、0.35μmから0.8μmまでのブラッグ縞模様間隔と、1μmから3μmまでの格子深さとを備える、項255の方法。
【0462】
項297: ポリマー表面レリーフ格子は、1:1から5:1までの格子深さに対するブラッグ縞模様間隔の比を備える、項255の方法。
【0463】
項298: 単量体と液晶との混合物における液晶含有量はおおよそ20%から50%までである、項255の方法。
【0464】
項299: 単量体と液晶との混合物における液晶は液晶シングルを含む、項255の方法。
【0465】
項300: 液晶シングルはシアノビフェニルおよび/またはペンチルシアノビフェニルを含む、項299の方法。
【0466】
項301: 空気領域と、非反応性材料の除去によって形成されるポリマーが豊富な領域における空所とを満たしてポリマー領域と屈折性材料領域を交互に形成するために、格子を屈折性材料に浸漬するステップと、
交互の複合ポリマーおよび第2の非反応性材料の領域と空気領域とを残すために、屈折性材料領域における屈折性材料を除去するステップと
をさらに含む、格子を作製するための項255の方法。
【0467】
項302: 屈折性材料領域における屈折性材料を除去するステップはプラズマアッシング過程を用いて実施される、項301の方法。
【0468】
項303: 導波路であって、
前記導波路において全内部反射で伝搬する光を回析するためのポリマー格子構造体を支持する光学基板を備え、
ポリマー格子構造体は、
ポリマー領域と、
ポリマー領域の隣接した部分同士の間の空隙であって、空隙と同じ高さにおけるポリマー領域の一部分が、空隙と共に、表面レリーフ格子を形成する、空隙と、
空隙の下の埋め戻し材料領域であって、埋め戻し材料領域と同じ高さにおけるポリマー領域の一部分が、埋め戻し材料領域と共に、体積格子を形成する、埋め戻し材料領域と
を備え、
ポリマー格子構造体は、ポリマー格子構造体によって形成される表面レリーフ格子からの全内部反射光が、角度特性に対する第1の回析効率を提供するために、ポリマー格子構造体によって形成される体積格子と相互作用し、光学基板の反対の面からの全内部反射光が、角度特性に対する第2の回析効率を提供するために、ポリマー格子構造体によって形成される体積格子と相互作用する二重相互作用格子を備える、導波路。
【0469】
項304: ポリマー格子構造体は折り畳み格子である、項303の導波路。
【0470】
項305: ポリマー格子構造体の格子深さはポリマー格子構造体の縞模様間隔より小さい、項303の導波路。
【0471】
項306: ポリマー格子構造体の格子深さはポリマー格子構造体の縞模様間隔より大きい、項303の導波路。
【0472】
項307: ポリマー格子構造体によって形成される表面レリーフ格子からの全内部反射は、ポリマー格子構造体によって形成される表面レリーフ格子からの反射した一次回析が導波路のTIR角度と等しい回析角度を有するときに起こる、項303の導波路。
【0473】
項308: ポリマー格子構造体は伝達回折次数を提供しない、項303の導波路。
【0474】
項309: ポリマー格子構造体はフォトニック結晶である、項303の導波路。
【0475】
項310: ポリマー格子構造体は、ブラッグ格子に重なるラマン・ナス格子を備え、ラマン・ナス格子はブラッグ格子と同じ格子周期を有し、ラマン・ナス格子の最小はブラッグ格子の最小と重なる、項303の導波路。
【0476】
項311: ポリマー格子構造体は傾斜した格子である、項303の導波路。
【0477】
項312: ポリマー格子構造体は傾斜していない格子である、項303の導波路。
【0478】
項313: 埋め戻し材料領域は、ポリマーが豊富な領域の屈折率と異なる屈折率を有する、項303の導波路。
【0479】
項314: 空気領域と、空気領域の同じ高さにおけるポリマーが豊富な領域とは、ラマン・ナス格子を備える、項313の導波路。
【0480】
項315: 埋め戻された材料の領域と、埋め戻された材料の領域の同じ高さにおけるポリマーが豊富な領域とは、体積ブラッグ格子を備える、項314の導波路。
【0481】
均等論
上記の記載は本発明の多くの特定の実施形態を含むが、これらは、本発明の範囲における限定として解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の一実施形態の例として解釈されるべきである。そのため、本発明が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、明確に記載されている以外の方法で実施され得ることは、理解されるものである。したがって、本発明の実施形態は、すべての点において、例示として考慮されるべきであり、制限として考慮されるべきではない。したがって、本発明の範囲は、例示された実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0482】
31 格子縞模様
100 装置
101 導波路
102 P回析入力格子
103 P回析出力格子
104 S回析入力格子
105 S回析出力格子
106 OLEDマイクロディスプレイ
107 コリメーションレンズ
110 装置
111 上方導波路層
112 下方導波路層
113 空隙
120 実施形態
121 非偏光
130 装置
131 導波路
132 湾曲した表面部分
134 非偏光
135 平面状の波面
136 TIR路
137、138、139 出力光線
139A 湾曲した出力波面
141 導波路基板
142 上方湾曲面
143 下方湾曲面
140 導波路
150 導波路装置
151 マイクロディスプレイ
152 画素パターン
153 非偏光の第1の波長光
154 あらかじめ歪められた波面
155 伝搬
156、157、158 出力光線
159 平面状の出力波面
160 導波路装置
161 湾曲した基板マイクロディスプレイ
164 あらかじめ歪められた画素パターン
190A、190B、190C、190D、190 装置
191 混合物
192 透明な基板
193、194 ホログラフィック露光ビーム
195 HPDLCブラッグ格子
196 深いポリマー表面レリーフ格子
197 保護層
210A、210B、210C、210D、210E 装置
211 混合物、ホログラフィック混合物層
212 透明な基板
213、214 ホログラフィック露光ビーム
215 HPDLC周期的構造体、ホログラフィックポリマー分散液晶格子
216 ポリマー空気SRG
217 ハイブリッドSRG
218 保護層、保護基板
230 画素パターンの一部分
230A、230B、230C、230D、230E、230F 長方形要素
240 画素パターンの一部分
240A、240B、240C、240D、240E、240F、240G、240H、240I、240J ペンローズタイル
250 画素パターンの一部分
260 画素パターンの一部分
260A、260B、260C、260D 正方形要素
270 画素パターンの一部分
270A、270B、270C、270D ダイヤモンド形要素
280 画素パターンの一部分
280A、280B、280C、280D、280E、280F、280G、280H 二等辺三角形要素
290 画素パターンの一部分
290A、290B、290C 六角形要素
300 画素パターンの一部分
300A、300B、300C、300D 長方形要素
310 画素パターンの一部分
310A、310B、310C、310D ダイヤモンド形要素
320 画素パターンの一部分
320A、320B、320C、320D、320E、320F、320G、320H 三角形要素
902a、902b ポリマー高密度領域
904a、904b 空気領域
1502 カバー基板
1602 ホログラフィック混合物材料
1604 試薬
1608 水酸基
1610 ホログラフィック混合物層
1704 試薬
1902 被覆
2001 伝搬平面
2002、2006、2006a 基板
2004 格子層
2008 アイグロー光
2010 光
2020 入力伝搬平面
2021 出力伝搬平面
2022 kベクトル
2023 格子縞模様の傾斜角度
2024 導波路表面法線
2025 TIR光
2026 TIR角度
2027 導波路平面法線
2028 光線
2029 TIR方向
2030 第2のTIR路
2031 TIR角度
2033 光線
2034 TIR方向
2102 相分離された材料
2104 空気領域
2111 体積格子部分、厚い格子部分
2112 薄い格子部分、薄い基板レリーフ格子部分
2115 高屈折率領域
2116 低屈折率領域
2117 光線経路
2119 第1のTIR伝搬方区
2120 反対のTIR伝搬方向
2121 埋め戻された格子
2130 光線-格子の相互作用形状
2301 空所
2302 ポリマー
2303 空気領域
2304 空所
2305 空気領域
2306 ポリマーおよび材料Cの複合領域
2307 空隙
2802 ラマン・ナス表面レリーフ格子
2804 ブラッグ格子
3000 ポリマー空気の周期的構造体、ポリマー空気の表面レリーフ格子、ポリマー空気の表面レリーフブラッグ格子
3002 導波路、基板
3004a 周期的ポリマー区域、ポリマー領域
3004b 空隙領域
3006a 格子深さ
3006b ブラッグ縞模様間隔
3008 光学層
【国際調査報告】