(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】頭蓋補綴物
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20240220BHJP
A61B 90/11 20160101ALI20240220BHJP
【FI】
A61N1/05
A61B90/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023554026
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 EP2022055549
(87)【国際公開番号】W WO2022184893
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523336974
【氏名又は名称】キューブイ・バイオエレクトロニクス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QV Bioelectronics Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】ブロック,クリストファー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フー,リチャード ジーミン
(72)【発明者】
【氏名】マーカス,ハニ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ストーン,カール アルバート
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB13
4C053BB23
4C053CC10
(57)【要約】
頭蓋補綴物及び治療におけるそれらの使用に関する。より具体的には、穴付きプレートを備える頭蓋補綴物であって、穴は、中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む、頭蓋補綴物に関する。このような頭蓋補綴物の1つは、湾曲した穴付きプレート(1)を備え、穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴(2)を含む。プレートは、中心個所(3)における更なる穴と、ねじ/縫合糸を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨に取り付けるための取り外し可能なねじ/縫合糸固定タブ(4)と、閉じたときに電極を固定するフラップ(6)で構成された取り外し可能な固定手段と、延長リード線の逃げに適したチャンネルの形の窪み(7)であって、少なくとも1つの出口ポイント(15)を有し、個々の電極を主リード線に接続する窪みと、を更に備える。取り外し可能な保護キャップ(5)は、閉じたときに取り外し可能な固定手段の上に配置できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、
前記穴は、中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む、
頭蓋補綴物。
【請求項2】
前記穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴を含む、
請求項1に記載の頭蓋補綴物。
【請求項3】
中心個所における更なる穴を含む、
請求項1又は2に記載の頭蓋補綴物。
【請求項4】
湾曲した穴付きプレートを備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項5】
リード線の逃げに適した前記窪みは、一連の相互接続しているチャンネルと周辺の周りに凹んだチャンネルとによって構成されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項6】
リード線の逃げに適した前記窪みは、複数の出口ポイントを有する周辺の周りに凹んだチャンネルを含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項7】
実質的に円形の形状を有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項8】
電極を穴内の所定の位置に固定するための固定手段を備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項9】
穴の上に配置されて、電極を所定の位置に保持するのに役立つ保護キャップを備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項10】
ねじ又は縫合糸を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨に取り付けるための手段を備える、
請求項1から9のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項11】
金属、ポリマー、及び/又はセラミックス製の頭蓋補綴物である、
請求項1から10のいずれか1項に記載の頭蓋補綴物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の前記頭蓋補綴物の製造方法であって、
射出成形、機械加工、鋳造又は3Dプリントを含む、
方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項に記載の前記頭蓋補綴物を含む、電気療法。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか1項に記載の前記頭蓋補綴物を含む電気療法の使用であって、
脳腫瘍(グレードI、II、III、又はIV神経膠腫を含む)、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、希突起膠腫、希突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起神経膠腫、未分化希突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、毛嚢様星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、希突起星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、II、又はIII髄膜腫及び髄膜に関連するその他の新生物(血管周囲細胞腫など)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、非定型奇形様/横紋様腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢癌、頭蓋内奇形腫、多層ロゼットを有する胎児性腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(松果体芽腫など)、下垂体領域の腫瘍(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫など)、
脳転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からの脳転移)、
神経学的状態の治療又は症状緩和のための神経組織の刺激(例えば、脳卒中/外傷による脳損傷後の神経学的回復の促進)、
診断目的の、又は脳-コンピュータインターフェース通信を可能にするための脳の活動の記録、
脳深部刺激(例えば、運動障害(例えば、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニア)、及び精神症状(例えば、不安、不眠症、うつ病、過覚醒、強迫性障害)の治療)、
痛みの管理、又は、
創傷治癒、
のための、
電気療法の使用。
【請求項15】
脳腫瘍の治療のための、請求項1から11のいずれか1項に記載の前記頭蓋補綴物を含む電気療法の使用。
【請求項16】
ヒトなどの温血動物における多形神経膠芽腫を治療する方法であって、
請求項1から11のいずれか1項に記載の前記頭蓋補綴物を含む電気療法を前記温血動物に施すことを含む、
方法。
【請求項17】
請求項1から11のいずれか1項に記載の前記頭蓋補綴物と、
1つ以上の電極と、
電荷送達デバイスと、
を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、頭蓋補綴物に関する。より具体的には、本明細書は、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は、中心個所(central point)から実質的に等距離にある複数の穴を含む、頭蓋補綴物に関する。
【背景技術】
【0002】
電気療法は、治療において電気エネルギーの使用を含み、パーキンソン病などの神経疾患に対する脳深部刺激装置(DBS)などの電気デバイスの使用を含む様々な治療に適用できる。電気療法は、筋肉の刺激、痛みの管理、創傷の治癒などの理学療法として使用できるとともに、不安、不眠症、うつ病、過覚醒、強迫性障害などの精神症状の治療にも使用することができる。
【0003】
電気療法は、成人の原発性脳腫瘍の中で最も一般的なタイプである多形神経膠芽腫(GBM)の効果的な治療法であることも証明されている。フェーズIIIマルチセンター臨床試験では、電気療法を、手術(例えば、外科的切除)、化学療法、放射線療法に追加して使用すると、患者の全生存期間が21か月まで延長することが示されている(Stupp etal.,JAMA,2017,318(23):2306-16,doi:10.1001/jama.2017.18718.)。これは、所定の周波数(50~300kHz)の交流正弦波電場を頭部に供給することによって実現される。これらの周波数では、電場ががん細胞の有糸分裂を妨げ、それによって再発性腫瘍の増殖を遅らせ、患者の生存期間を延長することが示されている(Kirson etal.,PNAS,2007,104(24):10152-7,doi:10.1073/pnas.0702916104)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、癌治療のために臨床使用されている電気治療装置は1台のみである。当該装置では、頭皮に取り付けられたトランスデューサアレイによって治療電場が患者の頭部に送られる。これらのトランスデューサは外部バッテリー及び刺激装置パックに接続されており、患者はこれらを持ち歩く必要があり、推奨される1日の治療時間は、1日あたり18時間である。しかしながら、この外部刺激アプローチにはいくつかの問題がある。第一に、脳内(腫瘍切除縁(tumour resection margins)がある場所)で生成される電場は、電場が生成される皮膚表面における電場よりも指数関数的に弱くなるため、治療効果が制限される。これを考慮して、治療部位において十分な有効強度の電場を確実に生成するために、大型で重いバッテリーが使用されることによって、患者の独立性及び移動性に影響を与える非常に扱いにくい装置となる。更に、頭皮に取り付けられたトランスデューサは非常に目立ち、毎朝頭に取り付けるのに約50分かかり、且つ2日ごとに患者の頭を剃る必要がある。これは患者の生活の質に大きな影響を及ぼし、頭皮にトランスデューサを継続的に配置すると、皮膚を流れる大電流により、重度の皮膚刺激及びそれに伴う痛みが生じる場合がある。患者の生活の質に対するこれらの影響により、ごく一部の患者のみが推奨される1日の投与時間に従って利用することとなっている(Toms et.al.,Journal of Neuro-Oncology,2019,141(2):467-473,doi:10.1007/sll060-018-03057-z)。GBM患者が毎日電気療法を受ける時間と全生存期間の間には明らかな相関関係がある。データが、継続的(24時間/日)治療により最大の全生存率に達成することを強く示唆しているため、患者のコンプライアンスの問題が治療効果を直接に制限している。
【0005】
既存の治療の多くの課題は、腫瘍又は腫瘍切除腔内から電場を送達することによって克服することができる。これにより電場強度が高くなり、患者の転帰が改善されるはずである。更に、このアプローチは、上記の既存の装置で経験される痛みを伴う皮膚刺激の問題を排除することができる(例えば、脳組織内からの場合は、感覚がない)。これにより、継続的な電気治療が可能となり、患者の転帰を大幅に改善できる可能性がある。腫瘍又は腫瘍切除腔内からの電場の送達は、電荷を送達するために必要な付随装置にとっても利点がある。電界を集中的に印加することにより、同じ電場強度を生成するには、必要となる電圧は既存のデバイスよりも指数関数的に低い。より低い電圧を使用することによって、より小型のバッテリーの使用が可能となり(寿命が長くなる)、デバイスの小型化と埋め込みが可能になる。デバイスを完全に埋め込むことで、いくつかの生活の質の問題を克服することができる。体外からは何も見えず、持ち運びに煩わしいものが一切なく、脳腫瘍の場合は頭部を剃る必要もない。
【0006】
深部脳刺激療法(DBS)は、神経刺激装置と呼ばれる医療機器の設置を含む神経外科手術であり、埋め込まれた電極を通じて脳内の所定のターゲットに電気インパルスを送信する。通常、DBS治療は単一の埋め込み電極によって行われ、その軸に沿って複数の活性部位を有する場合がある。DBSは、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアなどの運動障害の治療に使用されている。これらの電極は、患者の頭蓋骨に形成された頭蓋穴を介して患者の脳に部分的に埋め込むことができる。頭蓋穴は通常、特殊なドリルビット(drill bit)を取り付けたドリルを使用して形成される。電極はリード線を介して電荷送達デバイスに接続され、リード線は、頭蓋穴を通して埋め込まれ、頭蓋穴カバーを介して所定の位置に固定される。様々なこのようなシステムが開示されている。例えば、米国特許文献US2019308025A1には、頭蓋穴にデバイスを固定するための頭蓋インプラントが記載されている。米国特許文献US2019282802A1には、刺激システム用の頭蓋穴プラグを固定するためのキット及び方法が記載されている。米国特許文献US2014257325A1には、凹型頭蓋穴カバーとその使用方法が記載されている。米国特許文献US2013304216A1には、頭蓋穴カバーとその使用方法が記載されている。しかしながら、これらのシステムは全て、単一の電極用のデバイスについて説明している。
【0007】
JingLe Jiang等(J.Neurosci.Methods 2017 Feb 1,277:21-29)は、頭蓋骨又は損傷後に使用される人工頭蓋骨代替部品に埋め込まれた電極を最適化するためのテストベッドについて説明した。彼らは、怪我や手術後に脳の健康状態や発作の進行をモニタリングするために、慢性的な脳の記録が有益であり、そして、これらの人工頭蓋骨代替部品に電極を直接埋め込むことは、これらの患者の慢性的な脳モニタリングを行うための新規であり、低リスクの方法であることを理論立てた。JingLe Jiangらによるデバイスは、脳組織内に埋め込まれた電極の最適な配置をサポートするためには使用されないか、又は適切ではない。
【0008】
脳腫瘍を治療する場合、がん細胞は、腫瘍又は腫瘍切除縁内の3次元空間の任意の点に位置することができ、脳深部刺激技術の対象となる局所組織領域(<1cm3)よりもはるかに大きいサイズ(10cm3程度)の組織総体積をカバーすることができる。腫瘍又は腫瘍切除縁内の全てのがん細胞を確実に効果的に治療するためには、腫瘍切除縁の3Dボリューム内の任意の空間点における最小電場強度が、がん細胞の有糸分裂を妨げるのに十分であるように、当該比較的大きな組織体積における電場を生成する必要がある。これは臨床的有効電場として定義することができる。刺激電極からの距離の増加につれて電場強度は指数関数的に低下するため、空間的に離れた軌道上に埋め込まれた複数の電極を使用することで、大容量の臨床的有効電場の生成がよりよく達成することができる。これらの複数の電極を、腫瘍又は腫瘍切除縁の円周又は周辺に沿って埋め込むことにより、腫瘍又は腫瘍切除縁内の3D空間内の任意の点と最も近い埋め込まれた電極との間の最大距離を短縮することが可能である。これにより、腫瘍又は腫瘍切除縁内の総体積における最小電場強度が増加する。これにより、必要な入力電圧が減少し、臨床的有効電場を生成するために必要なエネルギーが減少し、その結果、バッテリーの寿命が延び、刺激装置の全体的サイズが低減される。これによって、医療機器の完全な埋め込みが可能になり、結果的に、治療効果に影響を与えることなく患者の生活の質を向上させることができる。
【0009】
電場強度が臨床的有効電場であることを保証することに加えて、当該電場が可能な限り均一に近いことも有利である。ここで、均一な電場は、電場内の任意の点の電場強度が当該点の3D空間内の位置に依存しない電場として定義される。均一な電場は、臨床的有効電場強度を超えて過剰に刺激される電場の領域を減らすことにより、臨床的有効電場を生成するために必要なエネルギーを更に低減させる。複数の埋め込まれた電極によって生成される電場の均一性は、複数の電極を中心個所から実質的に等距離に埋め込むことによって高めることができる。複数の埋め込まれた電極によって生成される電場の均一性は、中心個所に電極を埋め込むことによって更に高めることができる。電場の均一性は、中心個所から実質的に等距離に1つ以上の複数の電極を埋め込むことによって更に高めることができる(例えば、同心円状の配置であって、中心個所にオプション的に電極が配置される)。
【0010】
国際出願公開第2017/039762号には、外科手術、特に頭蓋形成術、頭蓋顎顔面手術、及び神経外科に使用するための薄型頭蓋内装置について記載しているが、多電極式電気療法や、本出願に係る頭蓋補綴物によって対処される関連問題は想定していない。米国特許文献第2010/0280585号には、電極を固定するための方法及び装置、特に外科手術、特に、少なくとも1つの電極、例えば、少なくとも1つの深部脳刺激装置(DBS)の電極を解剖学的構造に固定するための方法及び装置を記載している。しかしながら、それは、本出願に係る頭蓋補綴物によって対処される多電極式電気療法に関連する問題を想定するか又は対処するものではない。
【0011】
脳内に複数の電極を埋め込む電気療法には、既存の電気療法と比較して多くの利点があるが、手術中に複数の電極を安全に埋め込み、且つ所定の位置にしっかりと保持するためには、電極を頭蓋骨に固定する装置が必要である。当該装置は、電荷送達デバイスとは経済的に対応性があり、複数の埋め込み電極を電荷送達デバイスに接続する各リード線を収容し、且つ、好ましくは整理することができる。なぜなら、装置が外科的埋め込まれた後に、リード線が緩んでいると、皮膚びらんや創傷破壊の危険性があるためである。更に、正しく配置することで、リード線をMRIスキャン中の誘導電流から保護するためにも役立つ。装置は、不規則な突出を減らしながら、これらのリード線を所定の位置に固定できることが求められる。装置は複雑な外科手術の一部として埋め込まれるため、外科的な使いやすさも重要である。外科医にとって埋め込みが困難であればあるほど、手術にかかる時間は長くなる。手術時間が長くなると、患者にとっては危険が増し、病院システムにとっては費用が高くなる。本出願は、脳腫瘍及び転移を治療するための電気療法における使用に適した新規な頭蓋補綴物について記載する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書は部分的に頭蓋補綴物について説明し、当該頭蓋補綴物は、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。
【0013】
本明細書はまた、部分的に、頭蓋補綴物の製造プロセスについても説明し、当該製造プロセスは、射出成形と、機械加工と、鋳造又は3Dプリントとを含む。
【0014】
本明細書はまた、部分的に、電気治療に使用するための頭蓋補綴物について説明する。
【0015】
本発明の多くの実施形態が明細書全体にわたって詳述されており、当業者には明らかであろう。本発明は、記載された実施形態のいずれにも限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0016】
「A」は「少なくとも1つ」を意味する。任意の実施形態において、「a」が所与の材料又は要素を示すために使用される場合、「a」は1を意味する場合がある。
【0017】
「含む(comprising)」とは、所定の材料又は要素が他の材料又は要素を含むことができることを意味する。「含む(comprising)」を記載された任意の実施形態では、所定の材料又は要素は、その材料又は要素の少なくとも10%w/w、少なくとも20%w/w、少なくとも30%w/w、又は少なくとも40%w/wで形成することができる。「含む(comprising)」が言及される任意の実施形態において、「含む(comprising)」は、所定の材料又は要素で「構成する(consisting)」(若しくは「構成される(consists of)」)、又は「実質的に構成する(consisting essentially)」(若しくは「実質的に構成される(consists essentially of)」)ことを意味することもできる。
【0018】
「構成する(consisting)」又は「構成される(consists of)」とは、所定の材料又は要素が完全にその材料又は要素で形成されていることを意味する。「構成する(consisting)」又は「構成される(consists of)」が言及される任意の実施形態において、所定の材料又は要素は、100%w/wの材料又は要素で形成され得る。
【0019】
「実質的に構成する(consisting essentially)」又は「実質的に構成される(consists essentially of)」」とは、所定の材料又は要素がほぼ完全にその材料又は要素から構成されることを意味する。「実質的に構成する(consisting essentially)」又は「実質的に構成される(consists essentially of)」が言及される任意の実施形態において、所定の材料又は要素は、その材料又は要素の少なくとも50%w/w、少なくとも60%w/w、少なくとも70%w/w、少なくとも80%w/w、少なくとも90%w/w、少なくとも95%w/w、又は少なくとも99%w/wで形成することができる。
【0020】
「実質的に」とは、50%を超える、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%を意味する。
【0021】
「含む(comprising)」が言及される任意の実施形態において、「含む(comprising)」は、所定の材料又は要素で「構成する(consisting)」(若しくは「構成される(consists of)」)、又は「実質的に構成する(consisting essentially)」(若しくは「実質的に構成される(consists essentially of)」)ことも意味し得る。
【0022】
「である(is)」又は「であり得る(may be)」が材料又は要素を定義するために使用される任意の実施形態において、「である(is)」又は「であり得る(may be)」は、材料又は要素がその材料又は要素で「構成される(consists of)」又は「実質的に構成される(consists essentially of)」ことを意味し得る。
【0023】
クレームは実施形態である。
【0024】
実施形態は組み合わせることができる。
【0025】
(頭蓋補綴物)
ここで、頭蓋補綴物は、穴付きプレートを備え、具体的には、穴付きプレートとリード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。頭蓋補綴物は通常、手術中に除去される患者の元の頭蓋骨の一部を置き換える。理想的には、頭蓋補綴物は外向きの表面を含み、当該外向きの表面は、その上の皮膚に圧力点がかからないように設計されている。
【0026】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、1つ以上の材料、例えば、金属(例えば、チタン及びその合金)、ステンレス鋼、及びコバルト―クロム―モリブデン合金、ポリマー(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン、ポリシロキサン、ポリアミド、及びポリスルホン)、セラミックス(例えば、ジルコニア、アルミナ、及びケイ酸ガラス)、及び上記材料の複合体、を含む。
【0027】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、炭素材料、例えば、グラフェンベースの材料を含むことができる。
【0028】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、金属製頭蓋補綴物、例えば、チタンとその合金、ステンレス鋼、及びコバルト―クロム―モリブデン合金で作られた頭蓋補綴物を含むことができる。
【0029】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、ポリマー製頭蓋補綴物、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン、ポリシロキサン、ポリアミド、及びポリスルホンで作られた頭蓋補綴物を含むことができる。
【0030】
一実施形態では、頭蓋補綴物はポリマー製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0031】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、ポリエーテルエーテルケトン製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0032】
一実施形態では、頭蓋補綴物はポリエチレン製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0033】
一実施形態では、頭蓋補綴物はポリプロピレン製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0034】
一実施形態では、頭蓋補綴物はアクリロニトリル製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0035】
一実施形態では、頭蓋補綴物はブタジエンスチレン製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0036】
一実施形態では、頭蓋補綴物はポリシロキサン製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0037】
一実施形態では、頭蓋補綴物はポリアミド製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0038】
一実施形態では、頭蓋補綴物はポリスルホン製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0039】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、セラミックス、例えば、ジルコニア、アルミナ、及びケイ酸ガラス製頭蓋補綴物を含むことができる。
【0040】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレートを備えることができる。
【0041】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレートを備え、当該湾曲した穴付きプレートは、頭蓋骨の元の輪郭を復元するように成形される。
【0042】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレートを備え、当該湾曲した穴付きプレートは、除去された頭蓋骨片と実質的に同様の形状を有する。
【0043】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、均一に湾曲した穴付きプレートを備えることができ、その湾曲は均一に分布している。
【0044】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、不均一に湾曲した穴付きプレートを備えることができ、その湾曲は不均一に分布している。
【0045】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、非対称の曲率を有する湾曲した穴付きプレートを備えることができ、一方向の曲率半径は、その方向に垂直する方向の曲率半径と等しくない。
【0046】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、頭蓋骨の一部と同様の非対称の曲率を有する湾曲した穴付きプレートを備えることができる。頭蓋補綴物は、外科医が手術で除去された頭蓋骨の部分に最も近似する形状を選択できるように、様々な非対称形状で製造することができる。
【0047】
一実施形態では、頭蓋補綴物は患者ごとにカスタム製造することができる。カスタム製造は、例えば、その患者自身のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンを使用して実現することができる。頭蓋補綴物がカスタム製造される場合、交換部品は、自然な頭蓋骨をより厳密に複製し、無傷の頭蓋骨とより滑らかにフィットすることができる。
【0048】
一実施形態では、頭蓋補綴物は実質的に円形の形状を有する。
【0049】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、平均直径が1cmから15cmの間の実質的に円形の形状を有する。
【0050】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、平均直径が3cmから12cmの間の実質的に円形の形状を有する。
【0051】
一実施形態では、頭蓋補綴物は円形の形状を有する。
【0052】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、平均直径が1cmから15cmの円形の形状を有する。
【0053】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、平均直径が3cmから12cmの円形の形状を有する。
【0054】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、平均直径が6cmから12cmの円形の形状を有する。
【0055】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、平均直径が8cmから10cmの円形の形状を有する。
【0056】
一実施形態では、頭蓋補綴物は1cm未満の厚さを有する。
【0057】
一実施形態では、頭蓋補綴物は0.9cm未満の厚さを有する。
【0058】
一実施形態では、頭蓋補綴物は0.8cm未満の厚さを有する。
【0059】
一実施形態では、頭蓋補綴物は0.7cm未満の厚さを有する。
【0060】
一実施形態では、頭蓋補綴物は0.6cm未満の厚さを有する。
【0061】
一実施形態では、頭蓋補綴物は0.5cm未満の厚さを有する。
【0062】
一実施形態では、頭蓋補綴物は0.5から0.8cmの厚さを有する。
【0063】
(リード線の逃げに適した窪み)
頭蓋補綴物は、リード線の逃げに適した窪みを含む。一実施形態では、頭蓋補綴物は穴付きプレートを備えることができ、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含み、穴付きプレートは更なる窪みを含む。これらの追加の窪みは、プレートの本体内あって、プレートの外向きの表面に含まれてもよい。一実施形態では、窪みは、個々の電極を主リード線に接続する延長リード線の逃げに適したチャンネルである。一実施形態では、穴付きプレートは更なる窪みを含み、更なる窪みは、個々の電極を主リード線に接続する延長リード線の逃げに適したチャンネルである。延長リード線は電極に接続されてもよく、又は延長リード線が電極自体の一部であってもよい。主リード線は、電荷送達デバイスに接続できるリード線である。延長リード線が逃げるように配置されたとき、使用中に抜け落ちる可能性が低減される。
【0064】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、一連の相互接続するチャンネルを含む。
【0065】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、周辺の周りに凹んだチャンネルである。
【0066】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、一連の相互接続するチャンネルと周辺の周りに凹んだチャンネルとを含む。
【0067】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、頭蓋補綴物の外縁から少なくとも1mm離れた周辺に凹んだチャンネルを備える。
【0068】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、頭蓋補綴物の外縁から少なくとも2mm離れた周辺に凹んだチャンネルを備える。
【0069】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、頭蓋補綴物の外縁から少なくとも3mm離れた周辺に凹んだチャンネルを備える。
【0070】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、少なくとも1つの出口ポイント(exit point)を有する一連の相互接続しているチャンネルを備える。出口ポイントは、頭蓋補綴物の外周上の更なる窪みであってもよく、これにより、延長リード線が主リード線に接続(又は形成)できるようになる。
【0071】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、少なくとも1つの出口ポイントを有する周辺の周りに凹んだチャンネルを備える。一実施形態では、少なくとも1つの出口ポイントは1から10の出口ポイントである。一実施形態では、少なくとも1つの出口ポイントは4から10の出口ポイントである。一実施形態では、少なくとも1つの出口ポイントは2つの出口ポイントである。一実施形態では、少なくとも1つの出口ポイントは4つの出口ポイントである。一実施形態では、少なくとも1つの出口ポイントは8つの出口ポイントである。
【0072】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、複数の出口ポイントを有する一連の相互接続しているチャンネルを備える。複数の出口ポイントにより、手術中に、主リード線の適応的な位置決めを決定することが可能となる。一実施形態では、出口ポイントのうちの1つだけが主リード線への接続に利用される。
【0073】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、複数の出口ポイントを有する周辺の周りに凹んだチャンネルを備える。
【0074】
一実施形態では、リード線の逃げに適した窪みは、周辺の周りに幅が変化する凹んだチャンネルを備える。幅を変えることで、リード線を所定の位置に固定し、ピンチポイント(pinch points)として機能するチャンネルのより狭いセクションが可能となる。これらの変化する幅は、緩やかな起伏によって、又はチャンネル内の1つ若しくは複数の突起によって実現することができる。
【0075】
(穴)
ここで、頭蓋補綴物は、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は、中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。
【0076】
一実施形態では、複数の穴とは、少なくとも2つの穴を指す。
【0077】
一実施形態では、複数の穴とは、少なくとも3つの穴を指す。
【0078】
一実施形態では、複数の穴とは、少なくとも4つの穴を指す。
【0079】
一実施形態では、複数の穴とは、少なくとも5つの穴を指す。
【0080】
一実施形態では、複数の穴とは、2つの穴を指す。
【0081】
一実施形態では、複数の穴とは、3つの穴を指す。
【0082】
一実施形態では、複数の穴とは、4つの穴を指す。
【0083】
一実施形態では、複数の穴とは、5つの穴を指す。
【0084】
一実施形態では、穴は実質的に円形の穴を指す。
【0085】
一実施形態では、穴は円形の穴を指す。
【0086】
一実施形態では、穴はスリットを指す。
【0087】
一実施形態では、穴は十字形の穴を指す。
【0088】
一実施形態では、中心個所から実質的に等距離に(例えば、同心円状の配置で)複数の穴が存在してもよい。
【0089】
(中心個所)
ここで、頭蓋補綴物は、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。中心個所は穴に対して相対的なものであり、必ずしも穴付きプレートの中心にある必要はないが、そうである可能性もある。
【0090】
一実施形態では、中心個所から実質的に等距離とは、それぞれの穴の最も近い点と中心個所とは、±20%範囲で同じ距離であることを意味する。
【0091】
一実施形態では、中心個所から実質的に等距離とは、それぞれの穴の中央点と中心個所とは、±20%範囲で同じ距離であることを意味する。
【0092】
一実施形態では、中心個所から実質的に等距離とは、それぞれの穴の最も近い点と中心個所とは、±10%範囲で同じ距離であることを意味する。
【0093】
一実施形態では、中心個所から実質的に等距離とは、それぞれの穴の中央点と中心個所とは、±10%範囲で同じ距離であることを意味する。
【0094】
一実施形態では、中心個所から実質的に等距離とは、それぞれの穴の最も近い点と中心個所とは、±5%範囲で同じ距離であることを意味する。
【0095】
一実施形態では、中心個所から実質的に等距離とは、それぞれの穴の中央点と中心個所とは、±5%範囲で同じ距離であることを意味する。
【0096】
一実施形態では、中心個所に更なる穴が存在する。更なる実施形態では、中心個所における穴は他の穴とは異なる形状を有する。
【0097】
(固定手段)
一実施形態では、頭蓋補綴物は、穴内の所定の位置に電極を固定するための固定手段をさらに備える。これは、プレートの穴が電極よりも大きい場合に特に役立つ。開いた状態では、固定手段は電極を柔軟に位置決めすることを可能にする。閉じた状態では、固定手段を使用して電極をクランプし、電極の位置を固定することができる。これらの固定手段は、頭蓋補綴物と一体となる部材であってもよく、又は、別個の部材であって、頭蓋補綴物に取り付け可能であってもよい。
【0098】
一実施形態では、固定手段はロックコンポーネントインサートを含むことができ、当該ロックコンポーネントインサートは、例えば、ロック時に締まるものである。
【0099】
一実施形態では、固定手段はボール及びソケット固定具を含むことができる。
【0100】
一実施形態では、固定手段は、ねじ付きロック構成要素を含むことができる。
【0101】
一実施形態では、固定手段は、1つ又は複数のスライド可能なロック構成要素を含むことができる。
【0102】
一実施形態では、固定手段は、閉じたときに電極を固定するフラップを含むことができる。フラップは、ヒンジを介して穴付きプレートに取り付けることができる。
【0103】
一実施形態では、固定手段は、電極を挟むクリップを含むことができる。
【0104】
一実施形態では、固定手段は差込み式取付具を含むことができる。
【0105】
一実施形態では、固定手段は、1つ以上の材料、例えば、金属(例えば、チタン及びその合金)、ステンレス鋼、及びコバルト―クロム―モリブデン合金、ポリマー(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン、ポリシロキサン、ポリアミド、及びポリスルホン)、セラミックス(例えば、ジルコニア、アルミナ、及びケイ酸ガラス)、及び上記材料の複合体、を含む。
【0106】
一実施形態では、固定手段は、炭素材料、例えば、グラフェンベースの材料を含むことができる。
【0107】
一実施形態では、固定手段は、金属、例えば、チタンとその合金、ステンレス鋼、及びコバルト―クロム―モリブデン合金を含むことができる。
【0108】
一実施形態では、固定手段は、ポリマー、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン、ポリシロキサン、ポリアミド、及びポリスルホンを含むことができる。
【0109】
一実施形態では、固定手段は、セラミックス、例えば、ジルコニア、アルミナ、及びケイ酸ガラスを含むことができる。
【0110】
(保護キャップ)
一実施形態では、プレートの穴の上に保護キャップを置くことができる。これらの保護キャップは電極及び延長リード線を保護し、電極を所定の位置に保持するのに役立つ。保護キャップは穴の上に直接に配置してもよく、又は、追加の固定手段が使用される場合には、これらの保護キャップを追加の固定手段の上に配置することができる。
【0111】
一実施形態では、保護キャップは薄型保護キャップを含む。
【0112】
一実施形態では、保護キャップは押し嵌め式保護キャップを含む。
【0113】
一実施形態では、保護キャップはプラスチック製保護キャップを含む。
【0114】
一実施形態では、保護キャップはポリシロキサン製保護キャップを含む。
【0115】
一実施形態では、保護キャップはポリエーテルエーテルケトン製保護キャップを含む。
【0116】
一実施形態では、保護キャップは摩擦嵌め式保護キャップを含む。
【0117】
一実施形態では、保護キャップはスナップ嵌め式保護キャップを含む。
【0118】
一実施形態では、保護キャップはねじ取付具を含む。
【0119】
一実施形態では、保護キャップは差し込み式取付具を含む。
【0120】
一実施形態では、保護キャップは電気コネクトを含み、埋め込み型電極を主リード線に接続する延長リード線を統合する。
【0121】
(固定手段)
一実施形態では、頭蓋補綴物は頭蓋窓内の所定の位置に固定することができる。
【0122】
一実施形態では、頭蓋補綴物を固定するために接着剤が使用される。
【0123】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、ねじを介して頭蓋補綴物を取り付けるための手段、例えば、ねじ固定タブを含む。これらのタブは、頭蓋補綴物内に組み込まれるか、又は頭蓋補綴物に固定される。適切なねじはチタンねじを含む。
【0124】
一実施形態では、頭蓋補綴物は、固定タブを介して頭蓋補綴物を取り付けるための手段を含む。固定タブにより、適切なねじの配置又はそれらを通す縫合糸の配置が可能となる。
【0125】
代替的には、頭蓋補綴物の周縁に沿って一連の固定穴を導入することができる。これにより、固定プレート、例えば、チタン製骨プレートの取り付けが可能となる。あるいは、これにより、縫合糸の配置が可能となる。
【0126】
(プロセス)
記載された頭蓋補綴物は、射出成形、機械加工(例えば、コンピュータ数値制御機械加工)、鋳造又は3Dプリント(例えば、溶融堆積モデリング、ステレオリソグラフィー、選択的レーザ焼結)を含む様々な技術によって製造することができる。
【0127】
一実施形態では、射出成形を含む、本明細書に記載の頭蓋補綴物を製造するプロセスが提供される。
【0128】
一実施形態では、機械加工(例えば、コンピュータ数値制御機械加工)を含む、本明細書に記載の頭蓋補綴物を製造するプロセスが提供される。
【0129】
一実施形態では、鋳造を含む、本明細書に記載の頭蓋補綴物を製造するプロセスが提供される。
【0130】
一実施形態では、3Dプリント(例えば、溶融堆積モデリング、ステレオリソグラフィー、選択的レーザ焼結)を含む、本明細書に記載の頭蓋補綴物を製造するプロセスが提供される。
【0131】
(頭蓋補綴物の使用)
本明細書に記載の頭蓋補綴物は、以下の手順を含むように、電気療法において手術中に使用することができる。
【0132】
1.頭皮を切開し、皮弁を折り返す。
2.補綴物を収容できる大きさの頭蓋窓を開き、骨を取り除く。
3.頭蓋窓を覆うように補綴物を取り付け、所定の位置に固定する。
4.電極を挿入する。
5.電極を所定の位置に固定する。
6.電極を適切な長さにカットする。
7.延長リード線を電極に取り付ける。
8.オプション的に電極に保護キャップを取り付けて固定する。
9.目立たないように配線をチャンネル内に整理し、所定の位置に固定する。
10.皮弁を元に戻して縫合する。
11.主リード線を電荷供給デバイスに接続する。
【0133】
代替的に、本明細書に記載の頭蓋補綴物は、以下の手順を含むように、電気療法において手術中に使用することができる。
【0134】
1.頭皮を切開し、皮弁を引っ込める。
2.補綴物を収容できる大きさの頭蓋窓を開き、骨を取り除く。
3.頭蓋窓を覆うように補綴物を取り付け、所定の位置に固定する。
4.電極を挿入する。
5.電極を所定の位置に固定する。
6.オプション的に電極を適切な長さにカットする。
7.電極又は保護キャップにはまだ統合されていない場合に、オプション的に延長リード線を電極に取り付ける。
8.オプション的に電極に保護キャップを取り付けて固定するか又は電気コンタクトを作る。
9.目立たないように配線をチャンネル内に整理し、所定の位置に固定する。
10.皮弁を元に戻して縫合する。
11.主リード線を電荷供給デバイスに接続する。
【0135】
(電気療法)
一実施形態では、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む、頭蓋補綴物を含む電気療法が提供される。
【0136】
一実施形態では、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む、頭蓋補綴物を含む多電極式電気療法が提供される。
【0137】
一実施形態では、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法が提供される。一実施形態では、電気療法は、多電極式電気療法を指す。電気療法とは、治療として電気エネルギーを使用することである。
【0138】
一実施形態では、以下の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0139】
脳腫瘍(グレードI、II、III、又はIV神経膠腫を含む)、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、希突起膠腫、希突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起神経膠腫、未分化希突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、毛嚢様星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、希突起星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、II、又はIII髄膜腫及び髄膜に関連するその他の新生物(血管周囲細胞腫など)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、非定型奇形様/横紋様腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢癌、頭蓋内奇形腫、多層ロゼットを有する胎児性腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(松果体芽腫など)、下垂体領域の腫瘍(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫など)、
脳転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からの脳転移)、
神経学的状態の治療又は症状緩和のための神経組織の刺激(例えば、脳卒中/外傷による脳損傷後の神経学的回復の促進)、
診断目的の、又は脳-コンピュータインターフェース通信を可能にするための脳の活動の記録、
脳深部刺激(例えば、運動障害(例えば、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニア)、及び精神症状(例えば、不安、不眠症、うつ病、過覚醒、強迫性障害)の治療)、
痛みの管理、又は、
創傷治癒。
【0140】
一実施形態では、びまん性正中神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0141】
一実施形態では、薬剤耐性てんかんの治療又は症状緩和のための発作開始領域の刺激のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0142】
一実施形態では、アジュバント療法のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0143】
一実施形態では、脳腫瘍の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0144】
一実施形態では、グレードI、II、III、又はIV神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0145】
一実施形態では、グレードI神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0146】
一実施形態では、毛様細胞性星状細胞腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0147】
一実施形態では、グレードII神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0148】
一実施形態では、びまん性星状細胞腫又は希突起膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0149】
一実施形態では、グレードIII神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0150】
一実施形態では、未分化星状細胞腫又は未分化希突起膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0151】
一実施形態では、グレードIVの神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0152】
一実施形態では、巨細胞神経膠芽腫又は多形神経膠芽腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0153】
一実施形態では、多形神経膠芽腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0154】
一実施形態では、外科的切除後の脳腫瘍の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0155】
一実施形態では、外科的切除後のグレードI、II、III、又はIV神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0156】
一実施形態では、外科的切除後のグレードI神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0157】
一実施形態では、外科的切除後の毛様細胞性星状細胞腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0158】
一実施形態では、外科的切除後のグレードII神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0159】
一実施形態では、外科的切除後のびまん性星状細胞腫または希突起膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0160】
一実施形態では、外科的切除後のグレードIII神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0161】
一実施形態では、外科的切除後の未分化星状細胞腫又は未分化希突起膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0162】
一実施形態では、外科的切除後のグレードIV神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0163】
一実施形態では、びまん性正中神経膠腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0164】
一実施形態では、脳転移の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0165】
一実施形態では、薬剤耐性てんかんの治療又は症状緩和のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0166】
一実施形態では、外科的切除後の巨細胞膠芽腫又は多形膠芽腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0167】
一実施形態では、外科的切除後の多形神経膠芽腫の治療のための、本明細書に記載の頭蓋補綴物を含む電気療法の使用が提供される。
【0168】
(使用)
一実施形態では、電気療法に使用する頭蓋補綴物が提供され、当該頭蓋補綴物は、穴付きプレートを備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。
【0169】
一実施形態では、多電極式電気療法に使用する頭蓋補綴物が提供され、当該頭蓋補綴物は、穴付きプレートを備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。
【0170】
一実施形態では、電気療法に使用する頭蓋補綴物が提供され、当該頭蓋補綴物は、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。
【0171】
一実施形態では、多電極式電気療法に使用する頭蓋補綴物が提供され、当該頭蓋補綴物は、穴付きプレートと、リード線の逃げに適した窪みと、を備え、穴は中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む。
【0172】
一実施形態では、電気療法に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。一実施形態では、電気療法は、多電極式電気療法を指す。
【0173】
電気療法は、治療として電気エネルギーを使用することである。
【0174】
一実施形態では、以下の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0175】
脳腫瘍(グレードI、II、III、又はIV神経膠腫を含む)、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、希突起膠腫、希突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起神経膠腫、未分化希突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、毛嚢様星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、希突起星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、II、又はIII髄膜腫及び髄膜に関連するその他の新生物(血管周囲細胞腫など)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、非定型奇形様/横紋様腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢癌、頭蓋内奇形腫、多層ロゼットを有する胎児性腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(松果体芽腫など)、下垂体領域の腫瘍(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫など)、
脳転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からの脳転移)、
神経学的状態の治療又は症状緩和のための神経組織の刺激(例えば、脳卒中/外傷による脳損傷後の神経学的回復の促進)、
診断目的の、又は脳-コンピュータインターフェース通信を可能にするための脳の活動の記録、
脳深部刺激(例えば、運動障害(例えば、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニア)、及び精神症状(例えば、不安、不眠症、うつ病、過覚醒、強迫性障害)の治療)、
痛みの管理、又は、
創傷治癒。
【0176】
一実施形態では、びまん性正中神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0177】
一実施形態では、薬剤耐性てんかんの電気療法治療又は薬剤耐性てんかんの症状緩和に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0178】
一実施形態では、アジュバント療法で使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0179】
一実施形態では、脳腫瘍の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0180】
一実施形態では、グレードI、II、III、又はIV神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0181】
一実施形態では、グレードI神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0182】
一実施形態では、毛様細胞性星状細胞腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0183】
一実施形態では、グレードII神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0184】
一実施形態では、びまん性星状細胞腫又は希突起膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0185】
一実施形態では、グレードIII神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0186】
一実施形態では、未分化星状細胞腫又は未分化希突起膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0187】
一実施形態では、グレードIV神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0188】
一実施形態では、びまん性正中神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0189】
一実施形態では、脳転移の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0190】
一実施形態では、薬剤耐性てんかんの電気療法治療又は薬剤耐性てんかんからの症状緩和に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0191】
一実施形態では、巨細胞神経膠芽腫又は多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0192】
一実施形態では、多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0193】
一実施形態では、外科的切除後の脳腫瘍の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0194】
一実施形態では、外科的切除後のグレードI、II、III、又はIV神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0195】
一実施形態では、外科的切除後のグレードI神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0196】
一実施形態では、外科的切除後の毛様細胞性星状細胞腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0197】
一実施形態では、外科的切除後のグレードII神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0198】
一実施形態では、外科的切除後のびまん性星状細胞腫又は希突起膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0199】
一実施形態では、外科的切除後のグレードIII神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0200】
一実施形態では、外科的切除後の未分化星状細胞腫又は未分化希突起膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0201】
一実施形態では、外科的切除後のグレードIV神経膠腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0202】
一実施形態では、外科的切除後の巨細胞神経膠芽腫又は多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0203】
一実施形態では、外科的切除後の多形神経膠芽腫の電気療法治療に使用するための、本明細書に記載の頭蓋補綴物が提供される。
【0204】
(治療方法)
更なる実施形態によれば、療法による人体又は動物の身体の治療方法において使用するための、本明細書に規定される頭蓋補綴物が提供される。
【0205】
更なる実施形態によれば、療法による人体又は動物の身体の電気療法の方法において使用するための、本明細書に規定される頭蓋補綴物が提供される。
【0206】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物に電気療法の方法が提供され、当該方法は、本明細書に規定される頭蓋補綴物を含み、前記動物に対し電気療法を行うことを含む。
【0207】
本実施形態の更なる特徴によれば、下記を治療する方法が提供される。
【0208】
脳腫瘍(グレードI、II、III、又はIV神経膠腫を含む)、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、希突起膠腫、希突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起神経膠腫、未分化希突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、毛嚢様星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、希突起星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、II、又はIII髄膜腫及び髄膜に関連するその他の新生物(血管周囲細胞腫など)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、非定型奇形様/横紋様腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢癌、頭蓋内奇形腫、多層ロゼットを有する胎児性腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(松果体芽腫など)、下垂体領域の腫瘍(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫など)、
脳転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からの脳転移)、
神経学的状態の治療又は症状緩和のための神経組織の刺激(例えば、脳卒中/外傷による脳損傷後の神経学的回復の促進)、
診断目的の、又は脳-コンピュータインターフェース通信を可能にするための脳の活動の記録、
脳深部刺激(例えば、運動障害(例えば、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニア)、及び精神症状(例えば、不安、不眠症、うつ病、過覚醒、強迫性障害)の治療)、
痛みの管理、又は、
創傷治癒。
【0209】
ヒトなどの温血動物において、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0210】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物におけるびまん性正中神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0211】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における薬剤耐性てんかんを治療する、または薬剤耐性てんかんから症状を軽減する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0212】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物の脳腫瘍を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0213】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物におけるグレードI、II、III、又はIV神経膠腫を治療する方法であって、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0214】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物におけるグレードI神経膠腫の治療方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0215】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における毛様細胞性星状細胞腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0216】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物におけるグレードII神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0217】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における星状細胞腫又は稀突起神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0218】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物におけるグレードIII神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0219】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における未分化星状細胞腫又は未分化稀突起神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0220】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物におけるグレードIV神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0221】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物におけるびまん性正中神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0222】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物の脳転移を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0223】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における薬剤耐性てんかんの治療又は症状緩和を提供する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0224】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における巨細胞神経膠芽腫又は多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0225】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0226】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後の脳腫瘍を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0227】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後のグレードI、II、III、又はIV神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0228】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後のグレードI神経膠腫の治療方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0229】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後の毛様細胞性星状細胞腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0230】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後のグレードII神経膠腫の治療方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0231】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後のびまん性星状細胞腫又は稀突起神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0232】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後のグレードIII神経膠腫の治療方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0233】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後の未分化星状細胞腫又は未分化乏突起神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0234】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後のグレードIV神経膠腫の治療方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0235】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後のびまん性正中神経膠腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0236】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後の脳転移を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0237】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における薬剤耐性てんかんの治療又は症状緩和を提供する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0238】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後の巨細胞神経膠芽腫又は多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0239】
本実施形態の更なる特徴によれば、ヒトなどの温血動物における外科的切除後の多形神経膠芽腫を治療する方法が提供され、この方法は、本明細書で規定される頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む。
【0240】
(キット)
一実施形態では、
1.本明細書に記載の頭蓋補綴物と、
2.1つ以上の電極と、
3.電荷送達デバイスと、
を含むキットが提供される。
【0241】
一実施形態では、
1.本明細書に記載の頭蓋補綴物と、
2.1つ以上の電極と、
を含むキットが提供される。
【0242】
一実施形態では、
1.本明細書に記載の頭蓋補綴物と、
2.電荷送達デバイスと、
を含むキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0243】
【
図1A】穴付きプレート(1)を備える頭蓋補綴物の平面図であって、穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴(2)を含む、頭蓋補綴物を示す図である。
【
図1B】穴付きプレート(1)を備える頭蓋補綴物の平面図であって、穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴(2)を含み、少なくとも1つの出口ポイント(15)を有し、リード線(7)の逃げに適した窪みと、チャンネル(14)内への突出部とを更に備える、頭蓋補綴物を示す図である。
【
図2A】穴付きプレート(1)を備える頭蓋補綴物の平面図であって、穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴(2)を含む。当該プレートはまた、中心個所(3)における更なる穴を有し、ねじを介して頭蓋補綴物を頭蓋骨に取り付けるためのねじ固定タブ(4)が組み入れた、頭蓋補綴物を示す図である。
【
図2B】穴付きプレート(1)を備える頭蓋補綴物の平面図であって、穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴(2)を含む。当該プレートはまた、中心個所(3)における更なる穴と、少なくとも1つの出口ポイント(15)を有し、リード線(7)の逃げに適した窪みと、チャンネル(14)内への突出部と、一体化されたねじ穴(13)と、を備える、頭蓋補綴物を示す図である。
【
図3A】湾曲した穴付きプレート(1)を備える頭蓋補綴物の側面分解図であって、穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴(2)を含む。当該プレートはまた、中心個所(3)における更なる穴と、ねじを介して頭蓋補綴物を頭蓋骨に取り付けるための取り外し可能なねじ固定タブ(4)と、閉じたときに電極を固定するフラップ(6)で構成された取り外し可能な固定手段と、リード線(7)の逃げに適したチャンネルの形の窪み(7)であって、少なくとも1つの出口ポイント(15)を有して個々の電極を主リード線に接続する、チャンネルの形の窪み(7)と、を備える。取り外し可能な保護キャップ(5)は、閉じたときに取り外し可能な固定手段の上に配置できる、頭蓋補綴物を示す図である。
【
図3B】湾曲した穴付きプレート(1)を備える頭蓋補綴物の側面分解図であって、穴は、中心個所から実質的に等距離にある4つの穴(2)を含む。当該プレートはまた、中心個所(3)における更なる穴と、ねじ又は縫合糸を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨に取り付けるための取り外し可能なねじ固定タブ(4)及びねじ穴(13)と、閉じたときに電極を固定するフラップ(6)で構成された取り外し可能な固定手段と、リード線(7)の逃げに適したチャンネルの形の窪み(7)であって、少なくとも1つの出口ポイント(15)を有し、個々の電極を、主リード線及びリード線を所定の位置に固定するのに役立つチャンネル(14)内への突起に接続する、チャンネルの形の窪み(7)と、を備える。取り外し可能な保護キャップ(5)は、閉じたときに取り外し可能な固定手段の上に配置できる、頭蓋補綴物を示す図である。
【
図4A】頭蓋補綴物の生体位(in situ)を示す図であって、当該頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレート(1)と、ねじ(10)を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨(9)に取り付けるための取り外し可能なねじ固定タブ(4)と、閉じたときに電極(8)を固定するフラップ(6)で構成された取り外し可能な固定手段と、延長リード線の逃げに適したチャンネルの形の窪み(7)であって、少なくとも1つの出口ポイント(15)を有し、個々の電極を主リード線に接続する、チャンネルの形の窪み(7)と、を備える。
【
図4B】頭蓋補綴物の生体位を示す図であって、当該頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレート(1)と、ねじ(10)を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨(9)に取り付けるための取り外し可能なねじ固定タブ(4)及びねじ穴(13)と、閉じたときに電極(8)を固定するフラップ(6)で構成された取り外し可能な固定手段と、延長リード線の逃げに適したチャンネルの形の窪み(7)であって、少なくとも1つの出口ポイント(15)を有し、個々の電極を、主リード線及びリード線を所定の位置に固定するのに役立つチャンネル(14)内への突起に接続する、チャンネルの形の窪み(7)と、を備える。
【
図5A】頭蓋補綴物の生体位を示す図であって、当該頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレート(1)と、ねじ(10)を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨(9)に取り付けるための取り外し可能なねじ固定タブ(4)と、閉じたときに電極(8)を固定するフラップ(6)で構成された取り外し可能な固定手段と、を備える。電極は延長リード線(11)に接続され、延長リード線は、出口ポイント(15)のうちの1つを介して個々の電極を主リード線(12)に接続する。取り外し可能な保護キャップ(5)は、閉じたときに取り外し可能な固定手段の上に配置できる。
【
図5B】頭蓋補綴物の生体位を示す図であって、当該頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレート(1)と、ねじ(10)又は縫合糸を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨(9)に取り付けるための取り外し可能なねじ固定タブ(4)及びねじ穴(13)と、を備える。電極は、チャンネル(7)の形の窪み内に配置された延長リード線(11)に接続され、出口ポイント(15)のうちの1つを介して個々の電極を主リード線(12)に接続する。チャンネル(14)内への突起は、リード線を所定の位置に固定するのに役立ち、取り外し可能な保護キャップ(5)は電極の上に配置されている。
【
図6】保護キャップを有さない頭蓋補綴物の生体位を示す図であって、当該頭蓋補綴物は、湾曲した穴付きプレート(1)と、ねじ(10)を介して頭蓋補綴物を頭蓋骨(9)に取り付けるための取り外し可能なねじ固定タブ(4)及びねじ穴(13)と、閉じたときに電極(16)を固定するフラップ(6)で構成された取り外し可能な固定手段と、を備える。電極は、出口ポイント(15)のうちの1つを介して個々の電極を主リード線(12)に接続するチャンネル(7)の形の窪み内に配置された延長リード線(11)に接続される。チャンネル(14)内への突起は、リード線を所定の位置に固定するのに役立つ。
【
図7】
図5Bと同様の、頭蓋補綴物の側面図及び平面図であって、湾曲した穴付きプレートを備える頭蓋補綴物を示す図である。湾曲した穴付きプレートは、非対称な曲率を含み、一方向の曲率半径が、前記一方向に垂直する方向の曲率半径と等しくない。例えば、頭蓋骨の断面と同様の非対称な曲率を含む。頭蓋補綴物は、外科医が手術で除去された頭蓋骨の部分に最も似た形状を選択できるように、様々な非対称な形状で製造することができる。頭蓋補綴物は、湾曲した多孔プレート(1)と、取り外し可能な保護キャップ(5)と、出口ポイント(15)のうちの1つを介して個々の電極を主リード線(12)に接続する延長リード線の逃げに適したチャンネルの形の窪み(7)と、頭蓋補綴物を頭蓋骨に取り付けるためのねじ穴(13)と、リード線を所定の位置に固定するのに役立つチャンネル(14)内への突起と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0244】
本開示の第1態様によれば、穴付きプレートを備える頭蓋補綴物であって、前記穴は、中心個所から実質的に等距離にある複数の穴を含む、頭蓋補綴物を提供する。
【0245】
本開示の第2態様によれば、前記穴は、中心個所から実質的に等距離にある少なくとも4つの複数の穴を含む、第1態様に記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0246】
本開示の第3態様によれば、中心個所における更なる穴を含む、第1又は第2態様に記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0247】
本開示の第4態様によれば、湾曲した穴付きプレートを備える、第1から第3態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0248】
本開示の第5態様によれば、リード線の逃げに適した窪みを含む、第1から第4態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0249】
本開示の第6態様によれば、実質的に円形の形状を有する、第1から第5態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0250】
本開示の第7態様によれば、電極を穴内の所定の位置に固定するための固定手段を備える、第1から第6態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0251】
本開示の第8態様によれば、穴の上に配置され、電極を所定の位置に保持するのに役立つ保護キャップを備える、第1から第7態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0252】
本開示の第9態様によれば、ねじを介して頭蓋補綴物を頭蓋骨に取り付けるための手段を備える、第1から第8態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0253】
本開示の第10態様によれば、金属、ポリマー、及び/又はセラミックス製の頭蓋補綴物である、第1から第9態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0254】
本開示の第11態様によれば、射出成形、機械加工、鋳造又は3Dプリントを含む、第1から第10態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物の製造方法を提供する。
【0255】
本開示の第12態様によれば、電気療法に使用するための、第1から第10態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0256】
本開示の第13態様によれば、
脳腫瘍(グレードI、II、III、又はIV神経膠腫を含む)、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、希突起膠腫、希突起膠腫NOS、未分化星状細胞腫、未分化乏突起神経膠腫、未分化希突起膠腫NOS、膠芽腫、巨細胞神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、毛嚢様星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫、神経膠腫、希突起星状細胞腫、髄膜腫(グレードI、II、又はIII髄膜腫及び髄膜に関連するその他の新生物(血管周囲細胞腫など)を含む)、小児脳腫瘍(上衣腫、髄芽腫、非定型奇形様/横紋様腫瘍(AT/RT)、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢癌、頭蓋内奇形腫、多層ロゼットを有する胎児性腫瘍(ETMR)を含む)、松果体領域腫瘍(松果体芽腫など)、下垂体領域の腫瘍(下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫など)、
脳転移(例えば、肺がん、乳がん、泌尿生殖器がん、骨肉腫、黒色腫からの脳転移)、
神経学的状態の治療又は症状緩和のための神経組織の刺激(例えば、脳卒中/外傷による脳損傷後の神経学的回復の促進)、
診断目的の、又は脳-コンピュータインターフェース通信を可能にするための脳の活動の記録、
脳深部刺激(例えば、運動障害(例えば、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニア)、及び精神症状(例えば、不安、不眠症、うつ病、過覚醒、強迫性障害)の治療)、
痛みの管理、又は、
創傷治癒、
の電気療法治療に使用するための、第1から第10態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0257】
本開示の第14態様によれば、脳腫瘍の電気療法治療に使用するための、第1から第10態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を提供する。
【0258】
本開示の第15態様によれば、ヒトなどの温血動物における多形神経膠芽腫を治療する方法であって、第1から第10態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物を含む電気療法を前記動物に施すことを含む方法を提供する。
【0259】
本開示の第16態様によれば、
1.第1から第10態様のいずれか1つに記載の頭蓋補綴物と、
2.1つ以上の電極と、
3.電荷送達デバイスと、
を含むキットを提供する。
【国際調査報告】