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特表2024-508951薬物送達デバイス、薬物送達デバイス用のサブアセンブリ、シリンジホルダ、及び組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス、薬物送達デバイス用のサブアセンブリ、シリンジホルダ、及び組立方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20240220BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20240220BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61M5/28
A61M5/20 510
A61M5/32 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554332
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 US2022019416
(87)【国際公開番号】W WO2022192310
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,356
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイラーツェン,ラーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ペダースン,トゥロールス
(72)【発明者】
【氏名】ニールスン,キャスパー・イォルトケア
(72)【発明者】
【氏名】イェンスン,ヤコブ・リケ
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ペーター・ワーナー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF06
4C066LL26
4C066NN02
4C066PP02
4C066QQ71
4C066QQ78
(57)【要約】
薬物送達デバイス用のシリンジホルダが提供される。シリンジホルダは、近位端と、遠位端と、シリンジの少なくとも一部を収容するように構成された中空内部とを含んでもよい。シリンジホルダは、近位端の遠位にある側部開口部と、側部開口部の近位にある外向きに延在する突出部とを更に含んでもよい。薬物送達デバイスのハウジング内へのシリンジホルダの組み付けの際に、外向きに延在する突出部は、薬物送達デバイスのハウジングの長手方向軸線に対する第1の軸方向位置又は中間位置でシリンジホルダを支持するように構成されてもよい。また、シリンジホルダを組み込んだ薬物送達デバイス及びシリンジホルダを組み込んだ薬物送達デバイス用のサブアセンブリも提供される。薬物送達デバイスのハウジング内にシリンジホルダを組み付ける方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
開口部と長手方向軸線とを有するハウジングと、
送達状態時に前記開口部を少なくとも部分的に通って延在するように構成された挿入端を有する針を含むシリンジと、
シリンジホルダであって、
近位端及び遠位端と、
前記シリンジの少なくとも一部を収容するように構成された中空内部と、
前記近位端の遠位にある側部開口部と、
前記側部開口部の近位にある外向きに延在する突出部であって、前記ハウジング内への前記シリンジホルダの組み付けの際に、前記外向きに延在する突出部は、前記ハウジングの前記長手方向軸線に対する第1の軸方向位置で前記シリンジホルダを支持するように構成される、外向きに延在する突出部と
を含む、シリンジホルダと
を含む、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して前記第1の回転位置にあるときに前記ハウジングの前記第1の内側部分に接触して前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して遠位方向に移動することを防止するように構成される、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに前記ハウジングに対する近位方向への前記シリンジホルダの移動を可能にするように構成される、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して第2の回転位置にあるときに前記外向きに延在する突出部が前記ハウジングの前記第1の内側部分から回転方向にずらされて前記ハウジングに対する前記遠位方向への前記シリンジホルダの移動を可能にするように構成される、請求項2又は3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記シリンジホルダの少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記ハウジングの前記長手方向軸線に対して第2の軸方向位置にあるときに前記ハウジングの第2の内側部分に接触して前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して遠位方向に移動することを防止するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記シリンジホルダの前記少なくとも一部は、前記シリンジホルダの前記遠位端の遠位側に向いた表面を含む、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記シリンジホルダは、前記外向きに延在する突出部の遠位にある第2の外向きに延在する突出部を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記外向きに延在する突出部及び前記第2の外向きに延在する突出部のうちの少なくとも一方は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに、前記ハウジングの内側部分に接触して、前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して少なくとも1つの回転方向に回転することを防止する、請求項7に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記第2の外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに前記ハウジングの2つの内向きに延在する突出部の間に収容されて前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して回転することを防止するように構成される、請求項7又は8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記第2の外向きに延在する突出部は、前記ハウジングの前記2つの内向きに延在する突出部との締まり嵌めを形成するように構成される、請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記シリンジホルダの略円周方向に測定された前記外向きに延在する突出部の長さは、前記シリンジホルダの前記略円周方向に測定された前記第2の外向きに延在する突出部の長さよりも長い、請求項7~10のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに前記ハウジングの側部開口部の少なくとも一部と整合するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記側部開口部の近位にある第2の側部開口部を含み、前記第2の側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記ハウジングの前記長手方向軸線に対して前記第2の軸方向位置にあるときに前記側部開口部の前記少なくとも一部と整合するように構成される、請求項12に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダの前記遠位端の遠位側に向いた表面に形成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記シリンジの前記少なくとも一部が前記シリンジホルダの前記中空内部内に収容されたときに前記シリンジの前記少なくとも一部を支持するように構成された内向きに延在する突出部を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項16】
前記送達状態時に前記シリンジから前記針を通して薬物を放出するように前記シリンジに対して遠位方向に移動可能なプランジャと、
前記プランジャを前記遠位方向に押し付けるように構成されたプランジャ付勢部材と
を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項17】
前記開口部に隣接して配置されたガードであって、前記ハウジングに対して移動するように構成されたガードを含む、請求項16に記載の薬物送達デバイス。
【請求項18】
前記ガードは、前記ハウジングの長手方向軸線に沿った前記ガードと前記ハウジングとの相対運動により前記プランジャ付勢部材の解放が可能になるように、前記プランジャ付勢部材と動作可能に結合される、請求項17に記載の薬物送達デバイス。
【請求項19】
前記薬物送達デバイスは、オートインジェクタである、請求項1~18のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項20】
薬物送達デバイス用のシリンジホルダであって、
近位端及び遠位端と、
シリンジの少なくとも一部を収容するように構成された中空内部と、
前記近位端の遠位にある側部開口部と、
前記側部開口部の近位にある外向きに延在する突出部であって、前記薬物送達デバイスのハウジング内への前記シリンジホルダの組み付けの際に、前記外向きに延在する突出部は、前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの長手方向軸線に対する第1の軸方向位置で前記シリンジホルダを支持するように構成される、外向きに延在する突出部と
を含む、薬物送達デバイス用のシリンジホルダ。
【請求項21】
前記外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して第1の回転位置にあるときに前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの第1の内側部分に接触して前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して遠位方向に移動することを防止するように構成される、請求項20に記載のシリンジホルダ。
【請求項22】
前記外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対する近位方向への前記シリンジホルダの移動を可能にするように構成される、請求項21に記載のシリンジホルダ。
【請求項23】
前記外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して第2の回転位置にあるときに前記外向きに延在する突出部が前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの前記第1の内側部分から回転方向にずらされて前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対する前記遠位方向への前記シリンジホルダの移動を可能にするように構成される、請求項21又は23に記載のシリンジホルダ。
【請求項24】
前記シリンジホルダの少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの前記長手方向軸線に対して第2の軸方向位置にあるときに前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの第2の内側部分に接触して前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して遠位方向に移動することを防止するように構成される、請求項20~23のいずれか一項に記載のシリンジホルダ。
【請求項25】
前記シリンジホルダの前記少なくとも一部は、前記シリンジホルダの前記遠位端の遠位側に向いた表面を含む、請求項24に記載のシリンジホルダ。
【請求項26】
前記シリンジホルダは、前記外向きに延在する突出部の遠位にある第2の外向きに延在する突出部を含む、請求項20~25のいずれか一項に記載のシリンジホルダ。
【請求項27】
前記外向きに延在する突出部及び前記第2の外向きに延在する突出部のうちの少なくとも一方は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに、前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの内側部分に接触して、前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して少なくとも1つの回転方向に回転することを防止する、請求項26に記載のシリンジホルダ。
【請求項28】
前記第2の外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの2つの内向きに延在する突出部の間に収容されて前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して回転することを防止するように構成される、請求項26又は27に記載のシリンジホルダ。
【請求項29】
前記第2の外向きに延在する突出部は、前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの前記2つの内向きに延在する突出部との締まり嵌めを形成するように構成される、請求項28に記載のシリンジホルダ。
【請求項30】
前記シリンジホルダの略円周方向に測定された前記外向きに延在する突出部の長さは、前記シリンジホルダの前記略円周方向に測定された前記第2の外向きに延在する突出部の長さよりも長い、請求項26~29のいずれか一項に記載のシリンジホルダ。
【請求項31】
前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの側部開口部の少なくとも一部と整合するように構成される、請求項20~30のいずれか一項に記載のシリンジホルダ。
【請求項32】
前記側部開口部の近位にある第2の側部開口部を含み、前記第2の側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの前記長手方向軸線に対して前記第2の軸方向位置にあるときに前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの前記側部開口部の前記少なくとも一部と整合するように構成される、請求項31に記載のシリンジホルダ。
【請求項33】
前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダの前記遠位端の遠位側に向いた表面に形成される、請求項20~32のいずれか一項に記載のシリンジホルダ。
【請求項34】
前記シリンジの前記少なくとも一部が前記シリンジホルダの前記中空内部内に収容されたときに前記シリンジの前記少なくとも一部を支持するように構成された内向きに延在する突出部を含む、請求項20~33のいずれか一項に記載のシリンジホルダ。
【請求項35】
薬物送達デバイス用のサブアセンブリであって、
外向きに延在する突出部を含むシリンジホルダと、
ハウジングであって、
前記シリンジホルダの少なくとも一部を収容するように構成された中空内部と、
第1の内向きに延在する突出部と、
前記第1の内向きに延在する突出部の遠位にある第2の内向きに延在する突出部と
を含む、ハウジングと
を含み、
組み立ての際に、前記シリンジホルダは、前記シリンジホルダの前記外向きに延在する突出部が前記ハウジングの前記第1の内向きに延在する突出部に接触する、前記ハウジングの長手方向軸線に対する第1の軸方向位置にあり、その後、前記シリンジホルダの少なくとも一部が前記ハウジングの前記第2の内向きに延在する突出部に接触する、前記ハウジングの前記長手方向軸線に対する前記第2の軸方向位置にある、
薬物送達デバイス用のサブアセンブリ。
【請求項36】
前記第1の内向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して第1の回転位置にあるときに前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して遠位方向に移動することを防止するように構成される、請求項35に記載のサブアセンブリ。
【請求項37】
前記第1の内向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して第2の回転位置にあるときに前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して前記遠位方向に移動することを可能にするように構成される、請求項36に記載のサブアセンブリ。
【請求項38】
前記シリンジホルダは、前記シリンジホルダが前記第2の軸方向位置にあるときに前記第2の回転位置にある、請求項37に記載のサブアセンブリ。
【請求項39】
前記シリンジホルダは、前記外向きに延在する突出部の遠位にある第2の外向きに延在する突出部を含む、請求項35~38のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項40】
前記外向きに延在する突出部及び前記第2の外向きに延在する突出部のうちの少なくとも一方は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに、前記第1の内向きに延在する突出部に接触して、前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して少なくとも1つの回転方向に回転することを防止する、請求項39に記載のサブアセンブリ。
【請求項41】
前記ハウジングは、前記第1の内向きに延在する突出部に隣接する第3の内向きに延在する突出部を含み、前記シリンジホルダの前記第2の外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに、前記ハウジングの前記第1の内向きに延在する突出部と前記ハウジングの前記第3の内向きに延在する突出部との間に配設され、前記シリンジホルダが前記ハウジングに対して回転することを防止する、請求項39又は40に記載のサブアセンブリ。
【請求項42】
前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置にあるときに、前記シリンジホルダの前記第2の外向きに延在する突出部と前記ハウジングの前記第1の内向きに延在する突出部及び前記第3の内向きに延在する突出部との間に締まり嵌めが形成される、請求項41に記載のサブアセンブリ。
【請求項43】
前記シリンジホルダは、側部開口部を含む、請求項35~42のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項44】
前記シリンジホルダの前記外向きに延在する突出部は、前記側部開口部の近位にある、請求項43に記載のサブアセンブリ。
【請求項45】
前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダの前記遠位端の遠位側に向いた表面に形成される、請求項43又は44に記載のサブアセンブリ。
【請求項46】
前記ハウジングは、前記ハウジングの前記第1の内向きに延在する突出部の遠位にある側部開口部を有する、請求項43~45のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項47】
前記ハウジングの前記側部開口部は、前記ハウジングの前記第2の内向きに延在する突出部の近位にある、請求項46に記載のサブアセンブリ。
【請求項48】
前記シリンジホルダの前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置及び/又は前記第1の回転位置にあるときに前記ハウジングの前記側部開口部の少なくとも一部と整合するように構成される、請求項46又は47に記載のサブアセンブリ。
【請求項49】
前記シリンジホルダは、前記側部開口部に近位にある第2の側部開口部を有し、前記第2の側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記第2の軸方向位置及び/又は前記第2の回転位置にあるときに前記ハウジングの前記側部開口部の少なくとも一部と整合するように構成される、請求項46~48のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項50】
前記シリンジホルダの前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジが前記シリンジホルダに挿入されたときに前記シリンジの少なくとも一部と整合するように構成される、請求項43~49のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項51】
前記シリンジホルダの前記側部開口部は、前記シリンジホルダが前記第2の軸方向位置及び/又は前記第2の回転位置にあるときに、前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの前記側部開口部と整合しない、請求項50に記載のサブアセンブリ。
【請求項52】
前記シリンジホルダの前記外向きに延在する突出部は、前記シリンジホルダが前記第2の軸方向位置にあるときに、前記ハウジングの前記第1の内向きに延在する突出部に接触しない、請求項35~51のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項53】
前記シリンジホルダの遠位端は、シリンジが前記シリンジホルダに挿入されたときに前記シリンジを支持するように構成された内向きに延在する突出部を含む、請求項35~52のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項54】
前記シリンジホルダは、請求項20~34のいずれか一項に記載のシリンジホルダである、請求項35~53のいずれか一項に記載のサブアセンブリ。
【請求項55】
薬物送達デバイスのハウジング内にシリンジホルダを組み付ける方法であって、
前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの長手方向軸線に対する第1の軸方向位置において前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置することと、
前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内の前記第1の軸方向位置に配置されている間に、シリンジを前記シリンジホルダに挿入することと、
前記シリンジホルダ及び前記シリンジを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して遠位方向に前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内の前記第2の軸方向位置に移動させることと
を含む、方法。
【請求項56】
前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内の前記第1の軸方向位置に配置することは、前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに結合して、前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して少なくとも前記遠位方向に移動することを防止することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内の前記第1の軸方向位置に配置することは、前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに結合して、前記シリンジホルダが前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して回転することを防止することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記シリンジホルダ及び前記シリンジを前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内の前記第2の軸方向位置に移動させる前に、前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングから切り離すことを含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングから切り離すことは、
(a)シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して近位方向に移動させること、及び/又は
(b)前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して第1の回転位置から第2の回転位置に回転させることと
を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記シリンジホルダを前記ハウジングから切り離すことは、前記シリンジホルダを前記第1の回転位置から前記第2の回転位置に回転させる前に、前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して近位方向に移動させることを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記シリンジホルダを前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内の前記第1の軸方向位置に配置することは、前記シリンジホルダを前記第1の回転位置に配置することを含む、請求項59又は60に記載の方法。
【請求項62】
前記シリンジホルダは、前記薬物送達デバイスの前記ハウジング内の前記第2の軸方向位置に配置されたときに、前記第2の回転位置にある、請求項59~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記シリンジホルダは、側部開口部を有し、前記ハウジングは、側部開口部を有し、前記シリンジホルダの前記側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記第1の軸方向位置及び/又は前記第1の回転位置にあるときに前記ハウジングの前記側部開口部の少なくとも一部と整合するように構成される、請求項59~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記シリンジホルダの前記側部開口部の前記少なくとも一部は、前記シリンジが前記シリンジホルダに挿入されたときに前記シリンジの少なくとも一部と整合するように構成される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記シリンジホルダの前記側部開口部は、前記シリンジホルダが前記第2の軸方向位置及び/又は前記第2の回転位置にあるときに、前記薬物送達デバイスの前記ハウジングの前記側部開口部と整合しない、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項66】
前記シリンジホルダは、前記第1の側部開口部に近位にある第2の側部開口部を有し、前記シリンジホルダの前記第2の側部開口部の少なくとも一部は、前記シリンジホルダが前記第2の軸方向位置及び/又は前記第2の回転位置にあるときに前記ハウジングの前記側部開口部の少なくとも一部と整合するように構成される、請求項63~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記シリンジホルダが前記第2の軸方向位置に配置されたときに前記シリンジホルダの前記側部開口部を通して前記シリンジを検査することを含む、請求項63~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記シリンジを検査することは、前記シリンジホルダと前記シリンジとの結合を目視検査することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記シリンジを前記シリンジホルダに挿入することは、前記シリンジを前記薬物送達デバイスの前記ハウジングに対して遠位方向に移動させることを含む、請求項55~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記シリンジは、取り外し可能な滅菌バリアで覆われた針を含む、請求項55~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記取り外し可能な滅菌バリアの少なくとも一部は、前記シリンジが前記シリンジホルダ内で支持されたときに、前記シリンジホルダの外側に配設される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記シリンジは、プレフィルドシリンジである、請求項55~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記シリンジホルダは、請求項20~34のいずれか一項に記載のシリンジホルダである、請求項55~72のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2021年3月10日に出願された米国仮特許出願第63/159,356号明細書に対する優先権が主張され、その内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して薬物送達デバイスに関し、より具体的には、薬物を患者に自動的に注入するためのデバイス、及びかかるデバイスの製造に関する。
【背景技術】
【0003】
露出した針に対する一般的な嫌悪並びに健康上及び安全性の問題は、使用前に針又はその他の挿入部材を隠し、且つ注入工程の様々な態様を自動化する薬物送達デバイスの開発につながっている。このようなデバイスは、例えば、従来のシリンジによる送達を含む従来の形態の薬物送達と比較して様々な利点を提供する。
【0004】
多くの薬物送達デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に格納されたシリンジとを含む。このようなデバイスの製造中に、シリンジ及び/又はシリンジをハウジング内に取り付けるために使用されるシリンジホルダを検査することが必要である又は望ましい場合がある。シリンジ及び/又はシリンジホルダがハウジングに組み付けられた後に、シリンジ及び/又はシリンジホルダを検査することは、ハウジングの壁によりシリンジ及び/又はシリンジホルダが視界から遮られ得るので、実行可能でない場合がある。特定のハウジングは、薬物送達デバイスの動作前、動作中、及び/又は動作後に使用者がシリンジの一部を視認することを可能にするように設計された窓を含む。しかしながら、このような窓は、典型的には、シリンジの限られた部分しか見せず、その結果、ハウジング内のシリンジ及び/又はシリンジホルダの特定の部分の検査を可能にしない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、既存の薬物送達デバイスの有利な代替品を具体化した薬物送達デバイス、薬物送達デバイス用のサブアセンブリ、薬物送達デバイス用のシリンジホルダ、及び関連する組立方法を説明するものであり、本明細書で言及する課題又はニーズの1つ以上に対処し得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、薬物送達デバイス用のシリンジホルダを提供する。シリンジホルダは、近位端と、遠位端と、シリンジの少なくとも一部を収容するように構成された中空内部とを含んでもよい。シリンジホルダは、近位端の遠位にある側部開口部と、側部開口部の近位にある外向きに延在する突出部とを更に含んでもよい。薬物送達デバイスのハウジング内へのシリンジホルダの組み付けの際に、外向きに延在する突出部は、薬物送達デバイスのハウジングの長手方向軸線に対する第1の軸方向位置又は中間位置でシリンジホルダを支持するように構成されてもよい。
【0007】
外向きに延在する突出部は、シリンジホルダが薬物送達デバイスのハウジングに対して第1の回転位置にあるときに薬物送達デバイスのハウジングの第1の内側部分に接触してシリンジホルダが薬物送達デバイスのハウジングに対して遠位方向に移動することを防止するように構成されてもよい。外向きに延在する突出部は、シリンジホルダが第1の軸方向位置にあるときに薬物送達デバイスのハウジングに対する近位方向へのシリンジホルダの移動を可能にするように構成されてもよい。外向きに延在する突出部は、シリンジホルダが薬物送達デバイスのハウジングに対して第2の回転位置にあるときに外向きに延在する突出部が薬物送達デバイスのハウジングの第1の内側部分から回転方向にずらされて薬物送達デバイスのハウジングに対する遠位方向へのシリンジホルダの移動を可能にするように構成されてもよい。シリンジホルダの少なくとも一部は、シリンジホルダが薬物送達デバイスのハウジングの長手方向軸線に対して第2の軸方向位置又は最終組立位置にあるときに薬物送達デバイスのハウジングの第2の内側部分に接触してシリンジホルダが薬物送達デバイスのハウジングに対して遠位方向に移動することを防止するように構成されてもよい。
【0008】
本開示の別の態様は、薬物送達デバイス用のサブアセンブリを提供する。サブアセンブリは、シリンジホルダと、ハウジングとを含んでもよい。シリンジホルダは、外向きに延在する突出部を含んでもよい。ハウジングは、シリンジホルダの少なくとも一部を収容するように構成された中空内部と、第1の内向きに延在する突出部と、第1の内向きに延在する突出部の遠位にある第2の内向きに延在する突出部とを含んでもよい。組み立ての際に、シリンジホルダは、シリンジホルダの外向きに延在する突出部がハウジングの第1の内向きに延在する突出部に接触する、ハウジングの長手方向軸線に対する第1の軸方向位置に配置され、シリンジホルダの少なくとも一部がハウジングの第2の内向きに延在する突出部に接触する、ハウジングの長手方向軸線に対する第2の軸方向位置に配置されてもよい。
【0009】
本開示の更なる態様は、開口部を有するハウジングと、送達状態時に開口部を少なくとも部分的に通って延在するように構成された挿入端を有する針を含むシリンジとを含む薬物送達デバイスを提供する。薬物送達デバイスは、上で概説したようにシリンジホルダを更に含んでもよい。
【0010】
本開示の追加の態様は、薬物送達デバイスのハウジング内にシリンジホルダを組み付ける方法を提供する。方法は、薬物送達デバイスのハウジングの長手方向軸線に対する第1の軸方向位置においてシリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に配置することを含んでもよい。方法は、シリンジホルダが薬物送達デバイスのハウジング内の第1の軸方向位置に配置されている間に、シリンジをシリンジホルダに挿入することを更に含んでもよい。加えて、方法は、シリンジホルダ及びシリンジを薬物送達デバイスのハウジングの長手方向軸線に対して遠位方向に薬物送達デバイスのハウジング内の第2の軸方向位置に移動させることを含んでもよい。
【0011】
シリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジング内の第1の軸方向位置に配置することは、シリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジングに結合して、シリンジが薬物送達デバイスのハウジングに対して少なくとも遠位方向に移動することを防止することを含んでもよい。シリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジング内の第1の軸方向位置に配置することは、シリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジングに結合して、シリンジが薬物送達デバイスのハウジングに対して回転することを防止することを含んでもよい。シリンジホルダ及びシリンジを薬物送達デバイスのハウジング内の第2の軸方向位置に移動させる前に、方法は、シリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジングから切り離すことを含んでもよい。シリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジングから切り離すことは、シリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジングに対して近位方向に移動させること、及び/又はシリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジングに対して第1の回転位置から第2の回転位置に回転させることを含んでもよい。シリンジホルダをハウジングから切り離すことは、シリンジホルダを第1の回転位置から第2の回転位置に回転させる前にシリンジホルダを薬物送達デバイスのハウジングに対して近位方向に移動させることを含んでもよい。
【0012】
本開示は、以下の説明を添付図面と併せて解釈することで、より完全に理解されると考えられる。図面のいくつかは、他の要素をより明確に示すために、選択した要素を省略することにより簡略化されている場合がある。いくつかの図面におけるこうした要素の省略は、対応する記載による説明で明示的に描出されている場合を除き、例示的実施形態のいずれかにおける特定の要素の存在又は不在を必ずしも示すものではない。更に、いずれの図面も、必ずしも正確な縮尺で示されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】様々な実施形態による例示的な薬物送達デバイスの斜視図である。
図2図1の薬物送達デバイスの断面図である。
図3】様々な実施形態による薬物送達デバイス内への組み付け前の例示的なシリンジホルダ及び例示的なシリンジの斜視図である。
図4図3のシリンジホルダの一部の拡大図である。
図5】組み立て中及び/又は組み立て後の図3のシリンジホルダの一部及び図3のシリンジの一部の斜視図である。
図6】様々な実施形態による薬物送達デバイスのハウジングの近位部分の切り欠き斜視図である。
図7図6のハウジングの遠位部分の切り欠き斜視図である。
図8図6及び図7に部分的に示すハウジングの切り欠き斜視図である。
図9図6図8のハウジング内の第1の軸方向位置に配置された図3図5のシリンジホルダの切り欠き斜視図である。
図10-15】様々な実施形態による薬物送達デバイスのハウジング内にシリンジホルダを組み付ける例示的な方法のステップを示す。
図11-13】第1の軸方向位置及び第1の回転位置にあるシリンジホルダを示す。
図14】第2の回転位置にあるシリンジホルダを示す。
図15】第2の軸方向位置及び第2の回転位置にあるシリンジホルダを示す。
図16】様々な実施形態による例示的なシリンジホルダの斜視図である。
図17図16のシリンジホルダの斜視図である。
図18図16のシリンジホルダの別の斜視図である。
図19図16のシリンジホルダの一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、概して、薬物を投与するために又は使用者が患者であるシナリオで薬物を自己投与するために使用者が操作可能な薬物送達デバイス、並びに薬物送達デバイス用のサブアセンブリ及び構成要素、並びに薬物送達デバイスの組立方法に関する。本開示による薬物送達デバイス又はそのサブアセンブリは、シリンジホルダと、シリンジホルダを収容するように構成された中空内部を有するハウジングとを含んでもよい。シリンジホルダは、組立順序の異なる段階の間にハウジング内の異なる軸方向位置に取り付けられてもよい。例えば、シリンジホルダは、最初にハウジング内の第1の軸方向位置に取り付けられ、その後、組立順序の後半で、ハウジング内の第2の軸方向位置に取り付けられてもよい。第1の軸方向位置は、シリンジ及び/又はシリンジホルダがハウジング内に収容されている間に、シリンジホルダに挿入されたシリンジ、シリンジホルダ自体、及び/又は薬物送達デバイスの他の態様を検査できる製造業者の能力を促進し得る。第2の軸方向位置は、例えば、ハウジング内のシリンジホルダ及びシリンジの最終組立位置に相当し得る。シリンジホルダが第1の軸方向位置にあるときにシリンジ及び/又はシリンジホルダを検査できる能力は、例えば、安全性チェックの中でもとりわけ、シリンジがシリンジホルダ内に適切に固定されているかどうかをチェックし、シリンジ内に収容された薬物に微粒子及び/又は汚染物質がないかをチェックし、並びに/或いはシリンジの壁に破損及び/又は他の損傷がないかをチェックすることを可能にしてもよい。更に、シリンジ及び/又はシリンジホルダが薬物送達デバイスのハウジングに挿入された後にシリンジ及び/又はシリンジホルダを検査できる能力は、例えば、検査工程がいつ及び/若しくはどこで実行されるかに関して製造業者に大きな自由度を与えること、及び/又はハウジングの外側でシリンジホルダ内にシリンジを組み付け、次いで、それらの構成要素がハウジングの外側にある間に構成要素を検査することから製造業者を自由にすることによって、製造効率を促進し、及び/又は製造工程に柔軟性をもたせてもよい。本開示を考察する当業者には、これらの利点及び他の利点が明らかになるであろう。
【0015】
図1図2は、本明細書においては薬剤又は薬物製品とも呼ばれ得る薬物を送達するための薬物送達デバイス10の実施形態のいくつかの図を示す。薬物は、ペプチド、ペプチボディ、又は抗体などの様々な生物製剤であってもよいが、これらに限定されない。薬物は、流体又は液体形態であってもよいが、本開示は特定の状態に限定されない。図1及び図2に示す薬物送達デバイス10は、最終組立形態及び/又は使用者による操作前の格納状態にあり得る。
【0016】
薬物送達デバイス10の様々な実現形態及び構成が可能である。薬物送達デバイス10の本実施形態は、1回使用の使い捨てインジェクタとして構成される。他の実施形態において、薬物送達デバイス10は、多重使用の再利用可能なインジェクタとして構成されてもよい。薬物送達デバイス10は、患者による自己投与ために、又は介護者若しくは正式に訓練された医療提供者(例えば、医師又は看護師)による投与のために操作可能である。図に示す例示的な薬物送達デバイスは、オートインジェクタ又はペン型インジェクタの形態をとることができ、したがって、薬物送達の継続時間にわたって使用者の手で保持され得るが、また又は代替的に、他の薬物送達デバイス及び/又は構成に適し得る。
【0017】
薬物送達デバイス10に含まれる様々な構成要素の構成は、薬物送達デバイス10の操作状態に依存し得る。薬物送達デバイス10は、格納状態、送達前状態、送達又は投薬状態、及び送達後状態を有してもよいが、より少数の又はより多数の状態も可能である。例えば、各状態は、いくつかのサブ状態又は段階を有してもよい。格納状態は、送達デバイスが格納位置において取り外し可能なキャップを含む、図1及び図2の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。いくつかの実施形態では、格納状態は、薬物送達デバイス10が製造施設を出た時と患者又は他の使用者が取り外し可能なキャップを取り外した時との間の時間に存在し得る。送達前段階は、取り外し可能なキャップが取り外された後であるが、使用者が駆動機構を作動させる前の、薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。これは、最初に使用者が薬物送達デバイス10を注入部位に対して配置している間であるが、投薬が開始する前の、使用者が取り外し可能なキャップを取り外した後の瞬間を含んでもよい。送達状態は、本明細書では投薬とも称される薬物送達が進行している間の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。送達後状態は、薬物送達の完了後及び/又はストッパが薬物貯蔵容器内の投薬終了位置に配置されたときの薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。
【0018】
引き続き図1及び図2を参照すると、薬物送達デバイス10は、外部ケーシング又はハウジング12を含む。いくつかの実施形態において、ハウジング12は、人が片手でインジェクタ10を把持することが可能なように寸法決めされ寸法設定されてもよい。ハウジング12は、円筒状形状などの中空で略長尺状の形状を有してもよく、近位端62と遠位端63との間に長手方向軸線Aに沿って延在してもよい。例として、ハウジング12は、略環状形状(例えば、管状形状)を有する壁25であって、ハウジング12の中空内部(例えば、内部空間又は空洞)を画定する壁25を含んでもよい。より具体的な例として、壁25は、長手方向軸線Aを取り囲んでもよく、及び/又は長手方向軸線Aの中心にセンタリングされてもよい。
【0019】
送達部材16の挿入端28がハウジング12の外部に延在することを可能にするために、軸方向開口部14(図2)がハウジング12の遠位端63に形成されてもよい。軸方向開口部64は、近位端62に形成されてもよく、薬物送達デバイスが最終組立形態にあるときに、エンドキャップ23で部分的又は全体的に覆われてもよい。エンドキャップ23は、略半球形状又は任意の他の適切な形状を有してもよい。側部開口部65は、ハウジング12の壁25に形成されてもよく、透明又は半透明な検査窓17で部分的又は全体的に覆われてもよい。窓17は、使用者、製造業者、及び/又は他の個人若しくは機械が、薬物貯蔵容器20を含む、薬物送達デバイス10内の構成要素を視認することを可能にしてもよい。窓17を通して薬物貯蔵容器20を視認することにより、使用者が、薬物送達が進行中である及び/又は完了していることを確認し、並びに/或いは薬物に色の変色、混濁、及び/又は他の視覚的特徴がないかをチェックすることが可能になってもよい。取り外し可能なキャップ19が、薬物送達デバイス10の使用前に薬物送達デバイス10の遠位端63における軸方向開口部14を覆ってもよく、いくつかの実施形態では、送達部材16の挿入端28に取り付けられた取り外し可能な滅菌バリア21(例えば、剛性針シールド(RNS:rigid needle shield)、非剛性針シールド(nRNS:non-rigid needle shield)など)の除去を支援するように構成されたグリッパ13(図2)を含んでもよい。グリッパ13は、取り外し可能な滅菌バリア21に摩擦的に又はさもなければ機械的に係合して、使用者がハウジング12から取り外し可能なキャップ19を分離するときに、取り外し可能なキャップ19と共に取り外し可能な滅菌バリア21を引っ張る、1つ以上の内側に突出する返し部又はアームを含んでもよい。したがって、取り外し可能なキャップ19を取り外すことは、送達部材16から取り外し可能な滅菌バリア21を取り外す効果を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、ハウジング12は、ハウジング12が単一のモノリシック構造により画定されるように一体として構築されてもよい。他の実施形態において、ハウジング12は、複数の相互接続された構造で構築されてもよい。
【0021】
薬物貯蔵容器20は、ハウジング12の中空内部に配設されてもよく、薬物22を収容するように構成されてもよい。薬物貯蔵容器20は、薬物22が予め充填され、例えば、製造業者によって、薬物貯蔵容器20が薬物送達デバイス10の残りの部分と組み合わせられる場所に輸送されてもよい。例えば、薬物22は、例えば、プレフィルドシリンジとして又はプレフィルドシリンジを含むオートインジェクタとして、2つ以上の使用事例で患者に配送及び/又は提供されてもよい。いずれの場合にも同じ又は類似のシリンジ構成要素を用いることによって、2つの異なる使用事例に関して、充填、ラベル貼り、包装、発送及び配送などの上記ステップの少なくともいくつかが効率化又は簡略化されてもよい。別の例として、複数の使用事例において同じシリンジ構成要素のいくつか又は全てを用いる場合、複数の使用事例のうちの少なくとも1つに関して、薬物を販売及び/又は配送するためのいくつかの規制経路が効率化及び/又は簡略化されてもよい。
【0022】
薬物貯蔵容器20は、内部ボア、すなわちリザーバ、を画定する剛性壁を含んでもよい。壁は、ガラス又はプラスチックで作製されてもよい。ストッパ24は、薬物貯蔵容器20の近位端と遠位端との間で長手方向軸線Aに沿って遠位方向に移動できるように、薬物貯蔵容器20内に移動可能に配設されてもよい。ストッパ24は、ゴム又は任意の他の適切な材料で作られてもよい。ストッパ24が移動している間に薬物22がストッパ24を越えて漏れることを防止又は阻止するように、ストッパ24は、薬物貯蔵容器20の壁の内面15に摺動可能且つ密閉的に接触していてもよい。ストッパ24の遠位移動により、薬物22が薬物貯蔵容器20のリザーバから送達部材16へと放出される。薬物貯蔵容器20の近位端は、プランジャ26が薬物貯蔵容器20内に延びてストッパ24を遠位方向に押すことを可能にするために、開放していてもよい。本実施形態において、プランジャ26及びストッパ24は、最初は隙間18により互いに間隔をおいて配置される。薬物送達デバイス10の駆動機構30の作動時点で、プランジャ26は、遠位方向に移動して間隙18を閉じ、ストッパ24に接触する。その後のプランジャ26の遠位移動により、ストッパ24が遠位方向に駆動し、薬物貯蔵容器20から薬物22を放出する。代替実施形態では、ストッパ24とプランジャ26は、プランジャ26の移動の開始時から一緒に移動するように、最初は、例えばねじ結合を介して、互いに接触していてもよい又は互いに結合されていてもよい。ストッパ24は一旦動くと、薬物貯蔵容器20の壁の内面15の近位側に向いた部分に接触するまで、遠位方向に移動し続けてもよい。ストッパ24のこの位置は、投薬終了又は送達終了位置と呼ばれることもあり、患者への薬物22の送達が完了したとき又は実質的に完了したときに対応し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、薬物貯蔵容器20のリザーバ内に含まれる薬物22の容量は、1mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)1mLに等しくてもよい、又は2.5mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)2.5mLに等しくてもよい、又は3mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)3mLに等しくてもよい、又は約(例えば、±10%)1mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)2mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)3mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)4mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)5mL未満であってもよい、又は約(例えば、±10%)10mL以下であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~10mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~5mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~4mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~3mLの範囲内であってもよい、又は約(例えば、±10%)1~2.5mLの範囲内であってもよい。
【0024】
送達部材16は、薬物貯蔵容器20のリザーバと流体連通して接続される又は接続されるように動作可能である。送達部材16の遠位端は、送達部材16の挿入端28を画定し得る。挿入端28は、他の尖状形状の鋭利な先端を含み、送達部材16の挿入中に挿入端28が患者の皮膚及び皮下組織を穿刺することを可能にしてもよい。送達部材16は、中空であってもよく、内部経路を有してもよい。薬物が送達部材16から流れ出て患者の中に入ることを可能にするために、1つ以上の開口部が挿入端28に形成されてもよい。
【0025】
図2に示す実施形態を含む、いくつかの実施形態では、薬物貯蔵容器20は、送達部材16のための固定式の中空金属針を有するプレフィルドシリンジであってもよい。この場合、針は、薬物貯蔵容器20の壁に対して取り付けられ、薬物貯蔵容器20のリザーバと永久的に流体連通していてもよい。他の実施形態では、針は、ルアーロック又は他の適切な接続を介して薬物貯蔵容器20に結合されてもよい。更に他の実施形態では、薬物貯蔵容器20は針なしカートリッジであってもよく、したがって、最初は送達部材16と流体連通していなくてもよい。そのような実施形態では、送達部材16の近位端が薬物貯蔵容器20の開口部を覆っているセプタムを貫通し、それによって薬物貯蔵容器20のリザーバと送達部材16との間の流体連通を確立するように、薬物送達デバイス10の動作中、薬物貯蔵容器20は、送達部材16の近位端に向かって又はその逆に移動してもよい。
【0026】
以下により詳細に説明するように、薬物送達デバイス10はまた、送達状態時のプランジャ26の作動中に並びに/又は貯蔵状態及び/若しくは送達前状態時の輸送及び/若しくは取り扱い中に、ハウジング12に対する薬物貯蔵容器20の遠位移動を防止することなどにより、例えば、薬物貯蔵容器20をハウジング12に対して固定するように構成された容器ホルダ33を含んでもよい。薬物貯蔵容器20がシリンジである実施形態において、容器ホルダ33は、本明細書ではシリンジホルダと呼ばれることがある。
【0027】
薬物送達デバイス10は、薬物送達デバイス10が注入を施すために使用されていないときに送達部材16の挿入端28との接触を防止するためのガード機構を更に含んでもよい。ガード機構は、開口部14に隣接してハウジング12の遠位端に移動可能に配設されたガード部材32を含んでもよい。ガード部材32は、略長手方向軸線Aを中心にセンタリングされた中空の略円筒状又は管状の形状を有してもよく、ハウジング12内に収容された近位端を有してもよい。ガード部材32は、ガード部材32の遠位端がハウジング12における開口部14を通って伸長した伸長位置と、ガード部材32の遠位端がハウジング12における開口部14の中に完全に又は部分的に後退した後退位置との間で、ハウジング12に対して移動するように構成されてもよい。加えて又は代わりに、ガード部材32は、後退位置から伸長位置に移動するように構成されてもよい。伸長位置から後退位置に移動するときに、ガード部材32は、近位方向に直線的に並進移動してもよく、後退位置から伸長位置に移動するときに、ガード部材32は、遠位方向に直線的に並進移動してもよい。少なくとも伸長位置では、ガード部材32は、送達部材16の挿入端28を越えて伸長し、挿入端28を取り囲んでもよい。送達前又は格納状態において送達部材16がハウジング12の開口部14から突出している実施形態において、例えば、注入部位における患者の皮膚にガード部材32の遠位端を押し付けることにより、ガード部材32を伸長位置から後退位置に移動させると、送達部材16の挿入端28が患者の皮膚に挿入される結果となり得る。
【0028】
ガード機構は、ガード付勢部材35とガード延長部37とを更に含んでもよい。ガード延長部37は、ガード部材32の近位側に配置されてもよく、ガード付勢部材35はガード延長部37の近位側に配置されてもよい。ガード延長部37は、長手方向軸線Aを中心にセンタリングされた中空の略円筒状又は管状の形状を有してもよい。更には、ガード延長部37は、ハウジング12に対して長手方向軸線Aに沿って直線方向に移動可能であってもよい。本実施形態では、ガード延長部37は、ガード部材32とは別個の構造である。しかしながら、代替実施形態では、ガード延長部37及びガード部材32は、一部品として一体形成されて、単一のモノリシック構造を画定してもよい。そのような代替実施形態では、ガード部材32の近位端は、ガード延長部37に相当し得る。
【0029】
ガード付勢部材35は、ガード延長部37と解放部材52との間に、それらに接触して配置されてもよい。ガード付勢部材35は、ガード延長部37を遠位方向に付勢するか又は押し付け、解放部材52を近位方向に付勢するか又は押し付けるように構成されてもよい。ガード付勢部材35は、最初は、送達前状態においてガード延長部37に付勢力を加え、解放部材52に付勢力を加えるように、付勢された(例えば、圧縮された)状態にあってもよい。いくつかの実施形態において、ガード延長部37の遠位端は、図2で分かるように、最初はガード部材32の近位端に接触している。その結果、ガード延長部37は、ガード付勢部材35がガード部材32を伸長位置に向けて付勢するか又は押し付けるように、ガード付勢部材35の付勢力をガード部材32に伝達する。使用者は、ガード部材32を注入部位に押し付けることにより、付勢力に打ち勝ち得る。そうすることにより、ガード部材32及びガード延長部37は、例えばガード部材32が後退位置に到達するまで、近位方向に一緒に移動する。注入が完了し、薬物送達デバイス10が注入部位から持ち上げられると、ガード付勢部材35がガード延長部37を押し付け、それによりガード延長部37とガード部材32とが一緒に遠位方向に移動してもよい。この動きは、ガード部材32を伸長位置に戻し、これは、送達部材16の挿入端28を覆う効果を有する。いくつかの実施形態において、ガード付勢部材35は、圧縮ばね(例えば、螺旋圧縮ばね)を含んでもよい。更には、プランジャ付勢部材50が圧縮ばねも含む実施形態において、ガード付勢部材35がプランジャ付勢部材50の周りに配設されてもよく、及び/又はプランジャ付勢部材50よりも大きい直径を有してもよい。
【0030】
薬物送達が完了し、ガード部材32が伸長位置に再配置された後、ガード部材32を伸長位置にロックして、その後の送達部材16の挿入端28への使用者の接触を防止すること、及び/又は薬物送達デバイス10の再利用を防止することが望ましい場合がある。これらの目的に従って、薬物送達デバイス10のいくつかの実施形態は、ガード部材32が後退位置から伸長位置に移動した時点でガード部材32を伸長位置にロックするために、ガード部材32の軸方向位置に応じて選択的に回転するように構成されたロックリング40を含んでもよい。本実施形態では、ロックリング40はセンタリングされており、長手方向軸線Aを中心に回転する。図2に示すように、ロックリング40の近位端は、容器ホルダ33に接触してもよく、ロックリング40の遠位端は、少なくとも部分的にガード部材32内に配設されてもよい。ロックリング付勢部材51は、ロックリング40の遠位側に面する表面とガード部材32の近位側に面する表面との間に軸方向に配置されてもよい。ロックリング付勢部材51は、ロックリング40とガード部材32とを互いに離れる方向に付勢するように、最初は圧縮又は付勢状態にあってもよい。このように、ロックリング付勢部材51は、ガード部材32を伸長位置に向けて押し付ける付勢力を加えてもよく、並びにロックリング40の近位端を容器ホルダ33に対して押し付ける付勢力を加えてもよい。いくつかの実施形態において、ロックリング付勢部材51は、圧縮ばね(例えば、螺旋圧縮ばね)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ロックリング40の回転は、ロックリング40と容器ホルダ33との間のカム構成により実現されてもよい。
【0031】
薬物送達デバイス10は、ハウジング12内に部分的に又は完全に配設された駆動機構30を更に含んでもよい。一般に、駆動機構30は、エネルギーを貯蔵し、使用者による駆動機構30の作動時点で又は作動に応答して、そのエネルギーを解放又は出力してプランジャ26を駆動して、薬物22を薬物貯蔵容器20から送達部材16を通して患者の中に放出するように構成されてもよい。本実施形態において、駆動機構30は、機械的位置エネルギーを貯蔵するように構成されるが、駆動機構30の代替実施形態は、異なる形態で、例えば駆動機構30が電気的又は化学的ポテンシャルエネルギーを貯蔵するように、構成されてもよい。一般に、駆動機構30の作動時点で、駆動機構30は、位置エネルギーをプランジャ26を動かすための運動エネルギーに変換してもよい。
【0032】
本実施形態において、駆動機構30は、プランジャ付勢部材50と、プランジャ付勢部材座面38と、解放部材52と、プランジャガイド60とを含む。プランジャ付勢部材50は、最初に付勢状態に保持された圧縮ばね(例えば、螺旋圧縮ばね)を含んでもよい。付勢状態では、プランジャ付勢部材50は、その軸方向長さが、自然状態又は非付勢状態にある場合よりも短くなるように圧縮されてもよい。解放されると、プランジャ付勢部材50は、その自然な軸方向長さまで伸張しようとし、その結果、付勢力を加えてプランジャ26を遠位方向に押し付けてもよい。
【0033】
プランジャ付勢部材50は、少なくとも部分的にプランジャ26内に配設されてもよく、プランジャ26の近位側に面する内面に当接する遠位端を有してもよく、及び/又はプランジャ26の内面に固定的に取り付けられてもよい。プランジャ付勢部材50がプランジャ26内に収容され得るように、プランジャ付勢部材50の外径又は他の寸法は、リング45の内径以下及び/又は中空ロッド46の内径以下であってもよい。いくつかの実施形態において、プランジャ付勢部材50の遠位端は、プランジャ26のベース47の近位側に面する内面に当接してもよい。更には、プランジャ付勢部材50の近位端が、プランジャ付勢部材座面38の遠位側に面する表面に当接してもよい。プランジャ付勢部材座面38は、プランジャ付勢部材座面38がプランジャ付勢部材50を押しのけるための静止面を提供するように、管状ハウジング25に固定的に取り付けられてもよい。このように構成されることで、プランジャ付勢部材50は、付勢状態から解放されると、プランジャ付勢部材50の遠位端がプランジャ付勢部材50の静止近位端から離れるように遠位方向に移動することにより、長さが伸張してもよい。この動きにより、プランジャ26を遠位方向に押してもよく、これにより更に、ストッパ24を遠位方向に押し、薬物22を薬物貯蔵容器20から送達部材16に、その後、患者の中に放出してもよい。
【0034】
解放部材52は、中空の略円筒状又は管状の形状を有してもよく、長手方向軸線Aを中心にセンタリングされてもよい。図2に示すように、解放部材52は、プランジャガイド60の遠位端とガード延長部37の近位端との間に半径方向に配置されてもよい。更には、解放部材52は、ガード付勢部材35の半径方向内側に配置されてもよい。一般に、解放部材52は、作動シーケンスにおいて、ガード部材32とプランジャ26とを動作可能に結合し、薬物送達の終了を示す可聴信号を生成するように構成される。そのように構成されることで、解放部材52は、2つの別個の機能を実行し、したがって薬物送達デバイス10により必要とされる可動部品の数を減らすために利用される。
【0035】
解放部材52は、薬物送達デバイス10の操作段階に応じて、ハウジング12に対して回転するように、及び/又はハウジング12に対して直線的に並進移動するように構成されてもよい。プランジャ付勢部材50及び/又はガード付勢部材35により、作動に関連する解放部材52の最初の回転が、動力供給されてもよい一方で、投薬終了信号の生成に関連する解放部材52のその後の回転が、ガード付勢部材35によってのみ動力供給されてもよい。回転を伴わない解放部材52のいかなる直線並進移動も、ガード付勢部材35によってのみ動力が供給されてもよい。いくつかの実施形態では、解放部材52は、近位方向にのみ直線的に並進移動してもよいが、代替実施形態は、近位方向と遠位方向の両方向への解放部材52の直線並進移動を可能にしてもよい。
【0036】
長手方向軸線Aを中心として回転する解放部材52の能力は、解放部材52の環状壁の外側部分とガード延長部37の内側部分との間の相互作用により調節されてもよい。ガード延長部37は、ハウジング12に結合している結果として、長手方向軸線Aを中心として回転することが防止されてもよい。これには、解放部材52の外側部分に含まれる当接構造(例えば、外向きに延在する突起)がガード延長部37の内側部分に含まれる協働する当接構造(例えば、内向きに延在する突起)に係合したときに、長手方向軸線Aを中心とする解放部材52の回転を防止する効果がある。解放部材52が回転できない場合、解放部材52の内面に形成された凹部に収容されたプランジャ26の外向きに延在する突起も回転することができない。プランジャ26上のこの突起が回転できない場合、突起は、プランジャガイド60における長手方向開口部内に摺動することができない。このように突起が移動できない場合、プランジャ26も移動できない。プランジャ26が移動できない場合、プランジャ付勢部材50は、伸張して付勢を解放することができない。したがって、ガード延長部37が軸方向位置に移動するまで、解放部材52はプランジャ付勢部材50を付勢状態に保持し、その状態では、解放部材52の外側部分及びガード延長部37の内側部分にある協働する当接構造が、互いに係合解除され、それにより解放部材52がガード延長部37に対して回転することが可能になる。
【0037】
薬物送達デバイス10の一般的な構成を説明してきたが、ここで、注入を実行するために薬物送達デバイス10を使用する一般的な方法について説明する。予備的なステップとして、使用者は、プラスチック袋及び/又は段ボール箱などの任意の二次パッケージから薬物送達デバイス10を取り出してもよい。同じく、予備的なステップとして、使用者は、例えば患者の皮膚をアルコールワイプで拭くことにより、注入部位を準備してもよい。次に、使用者は、以下により詳細に説明するように、取り外し可能なキャップ19をハウジング12から引っ張って取り外してもよい。この動きの結果、グリッパ13は、取り外し可能な滅菌バリア21を薬物貯蔵容器20から引っ張って取り外してもよい。これにより、送達部材16の挿入端28を露出させてもよい。それにもかかわらず、ガード部材32は伸長位置に配置されているため、この段階において、送達部材16の挿入端28はガード部材32によって包囲されたままである。次いで、使用者は、薬物送達デバイス10を注入部位上に配置し、その後、ガード部材32の遠位端を注入部位に押し付けてもよい。使用者により加えられる力は、ガード付勢部材35の付勢力及びロックリング付勢部材51の付勢力に打ち勝つことになり、それにより、ガード部材32が伸長位置から後退位置へと近位方向に移動して開口部14の中に後退する。送達部材16は、ガード部材32の後退移動の間、ハウジング12に対して静止したままである。
【0038】
ガード部材32が伸長位置から後退位置に移動することにより、いくつかの動作が発生してもよい。送達部材16は、ガード部材32の後退している間、ハウジング12に対して静止したままであるため、送達部材16の挿入端28は、ガード部材32の遠位端にある開口部を通って延在し、それにより、注入部位における患者の皮膚を穿刺して患者の皮下組織中に侵入する。加えて、ガード部材32の後退はまた、駆動機構30を作動させて、薬物22を薬物貯蔵容器20から放出させてもよい。
【0039】
ガード部材32が伸長位置から後退位置に移動すると、ガード部材32は、ガード延長部37を近位方向に押し付けてもよい。ガード延長部37の近位移動中に、解放部材52の外側部分及びガード延長部37の内側部分における上述の協働する当接構造は、もはや互いに接触しなくなるまで互いにすれ違うように摺動してもよい。それが起こると、解放部材52は、長手方向軸線Aを中心に自由に回転してもよい。この段階での解放部材52の回転は、プランジャ付勢部材50が伸張し、プランジャ26上に含まれる遠位側に面するカム面を押して、プランジャガイド60上の近位側に面するカム面に沿って摺動することにより引き起こされる。結果として生じるカム作用によりプランジャ26が回転し、これにより解放部材52が共に回転してもよい。
【0040】
解放部材52とプランジャ26との共同の回転は、プランジャ26上に含まれる遠位側に面するカム面が、プランジャガイド60上の近位側に面するカム面の端部に到達し、プランジャガイドに形成された長手方向スロット内に移動するまで継続してもよい。長手方向スロットは、プランジャ26の直線的な移動を阻止しない。結果として、プランジャ26は、伸張するプランジャ付勢部材50により遠位方向に直線的に並進移動するように駆動される。その結果、プランジャ26はストッパ24に接触し(ストッパ24に既に接触していない場合)、その後、ストッパ24を遠位方向に押して、薬物22を薬物貯蔵容器20から放出させ送達部材16を通して挿入端から出して患者の組織28に入れる。薬物送達は、ストッパ24が投薬終了位置に到達するまで継続し得る。このとき、ストッパ24は、薬物貯蔵容器20の壁の内面15の近位側に面する部分に当接し得る。その結果、プランジャ26は遠位方向への移動を停止する。
【0041】
薬物送達が完了した後、使用者は、注入部位から薬物送達デバイス10を持ち上げ得る。ガード付勢部材35に抵抗するものが何もないので、ガード付勢部材35は、ガード部材32を後退位置から伸長位置に押して、送達部材16の挿入端28を覆ってもよい。いくつかの実施形態では、ガード部材32のこの移動がロックリング40を、その後のガード部材32の後退を防止する位置に回転させてもよい。
【0042】
例示的な薬物送達デバイスのこれら及び他の態様については、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,690号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/035,851号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/035,927号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,129号明細書、及び2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,217号明細書においてより詳細に述べられており、これらの明細書の各々の内容全体は参照により組み込まれる。
【0043】
次に図3図19に移ると、ここで、上記の薬物送達デバイスの構成要素の追加の実施形態を説明する。図3図19に示す構成要素は、図1図2に関連して上で説明した構成要素と構造、構成、及び/又は機能が類似しているか又は同一である場合がある。そのような構成要素には、100又はその倍数だけ増加すること除いて図1及び図2で使用されるものと同じ参照符号が割り当てられる。これらの構成要素の特定の説明については、簡潔さのために簡略化又は省略されている。図3図19に示す構成要素を図1及び図2における構成要素から区別する構造、構成、及び/又は機能の詳細が以下の議論の焦点である。
【0044】
上で説明したように、薬物送達デバイスの組み立ての際に、シリンジホルダをハウジングの長手方向軸線に対して異なる軸方向位置に配置することが有用である場合がある。図3図5は、この目的を容易にする特徴及び他の有利な特徴を有するシリンジホルダ133を示す。
【0045】
シリンジホルダ133は、近位端166と遠位端167との間に長手方向軸線に沿って延在する中空の略細長い形状を有してもよい。例として、シリンジホルダ133は、略環状形状(例えば、管状形状)を有するとともにシリンジホルダ133の中空内部(例えば、内部空間又は空洞)を画定する壁168を含んでもよい。より具体的な例として、壁168は、シリンジホルダ133の長手方向軸線を取り囲んでもよく、及び/又はシリンジホルダ133の長手方向軸線を中心にセンタリングされてもよい。シリンジホルダ133の長手方向軸線は、シリンジホルダ133が薬物送達デバイスのハウジングに組み付けられたときに、薬物送達デバイスのハウジング(例えば、上で説明したハウジング12又は以下に説明するハウジング112)の長手方向軸線Aに平行であり、長手方向軸線Aに平行であるが、長手方向軸線Aからずらされ、及び/又は長手方向軸線Aと同軸であってもよい。
【0046】
軸方向開口部170は、シリンジホルダ133の中空内部へのシリンジ120の挿入を可能にするために、シリンジホルダ133の近位端166に形成されてもよい。軸方向開口部171は、図5で分かるように、シリンジがシリンジホルダ133に完全に挿入されたときに、取り外し可能な滅菌バリア121(例えば、剛性針シールド(RNS)、非剛性針シールド(nRNS)など)がシリンジホルダ133の外側に部分的又は全体的に延在することを可能にするために、シリンジホルダ133の遠位端167に形成されてもよい。
【0047】
図3図5を参照すると、1つ以上の側部開口部は、シリンジホルダ133の壁168に形成されてもよく、シリンジホルダ133の中空内部と連通してもよい。これらの側部開口部の1つ以上は、軸方向開口部170と軸方向開口部171との間に少なくとも部分的に軸方向に位置してもよい。例えば、シリンジホルダ133は、シリンジホルダ133の長手方向軸線の長さのほぼ中程の壁168に形成された側部開口部172a及び/又は側部開口部172bを含んでもよい。側部開口部172a及び172bは、シリンジホルダ133の長手方向軸線の互いに反対側に位置してもよく、各々は、側面から見たときに、略長円形又は略矩形状を有してもよい。側部開口部172a及び172bのうちの少なくとも一方は、図9図14を参照して以下により詳細に説明するように、シリンジホルダ133が第2の軸方向位置又は最終組立位置に配置されたときに、薬物送達デバイスのハウジング112に形成された側部開口部165と整合してもよい。加えて又は代わりに、シリンジホルダ133は、側部開口部174a及び/又は側部開口部174bを含んでもよく、その一方又は両方は、部分的又は全体的に側部開口部172a及び/又は側部開口部172bの遠位にあってもよい。側部開口部174a及び174bは、シリンジホルダ133の長手方向軸線の互いに反対側に位置してもよく、各々は、図3及び図5で分かるように、側面から見たときに略C字形状又はU字形状を有してもよい。更に、図3及び図5に示すように、側部開口部172a、172b、174a、及び174bは、例えば、側部開口部172aの中心をゼロ度に相当し且つ円周方向に移動するものとして扱い、側部開口部174aの中心が約90度に位置し得、側部開口部172bの中心が約180度に位置し得、側部開口部174bの中心が約270度に位置し得るように、シリンジホルダ133の長手方向軸線の周りのそれぞれの円周方向位置に配置されてもよい。側部開口部174a及び174bの各々は、シリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175に少なくとも部分的に形成されてもよく、結果として、シリンジホルダ133の遠位端167における壁168の少なくとも一部を、軸方向に延在する一対のアーム176a及び176bに分割してもよい。
【0048】
軸方向に延在するアーム176a及び176bの一方又は両方は、シリンジホルダ133へのシリンジ120の挿入中にシリンジホルダ133の長手方向軸線に対して少なくとも半径方向に屈曲(例えば、弾性変形)するように構成されてもよい。例えば、シリンジ120の取り外し可能な滅菌バリア121が、軸方向に延在するアーム176aと176bとの間の空間から軸方向に押されたときに、軸方向に延在するアーム176a及び176bは、半径方向外向きに屈曲してもよい。取り外し可能な滅菌バリア121が、軸方向に延在するアーム176a及び176bを通過し、(図5で分かるように)軸方向に延在するアーム176a及び176bの遠位に全体的に位置した時点で、軸方向に延在するアーム176a及び176bは、例えば、元の形状にスナップ式に戻ることを含め、半径方向内向きに屈曲して元の位置に戻ってもよい。軸方向に延在するアーム176a及び176b並びに/又はシリンジホルダ133の他の部分若しくは全体は、シリンジ120の挿入中の前記屈曲を容易にするために弾性材料で作製されてもよい。
【0049】
軸方向に延在するアーム176a及び/又は176bの内側部分は、シリンジ120の外側部分と協働して(例えば、外側部分に接触し、当接し、外側部分を固定し、外側部分と結合し、及び/又は外側部分を把持して)シリンジ120をシリンジホルダ133内で支持するように構成されてもよい。例として、軸方向に延在するアーム176a及び/又は176bの内側部分は、シリンジ120の略遠位側に向いた表面177に接触してシリンジホルダ133に対する遠位方向へのシリンジ120の移動を防止するように構成されてもよい。より具体的な例として、軸方向に延在するアーム176a及び/又は176bの一方又は両方は、シリンジ120の遠位側に向いた表面177に接触するように構成された近位側に向いた表面を有する内向きに延在する突出部(例えば、リブ、タブ、フィンガ、フランジ、カラー、リップ、及び/又は任意の他の適切な構造)を含んでもよい。この内向きに延在する突出部は、シリンジホルダ133の長手方向軸線に対して略半径方向内向きに延在し、及び/又はシリンジホルダ133の長手方向軸線に平行でない任意の方向に内向きに延在してもよい。更により具体的な例として、シリンジ120の遠位側に向いた表面177は、図3及び図5に示すように、シリンジ120の首部の一部であってもよい。更なる例として、軸方向に延在するアーム176aの内向きに延在する突出部と軸方向に延在するアーム176bの内向きに延在する突出部との間に画定された内径又は他の内寸は、(a)シリンジ120の首部の近位にあるシリンジ120の外筒の一部の外径若しくは他の外寸、及び/又は(b)取り外し可能な滅菌バリア121の外径若しくは他の外寸、よりも小さくてもよい。
【0050】
シリンジホルダ133の壁168の外側部分は、ハウジング112の第1の内側部分と協働して(例えば、第1の内側部分に接触し、当接し、第1の内側部分を固定し、第1の内側部分と結合し、及び/又は第1の内側部分を把持して)ハウジング112に対する第1の軸方向位置(例えば、近位位置又は中間位置)及び/又は第1の回転位置でシリンジホルダ133を支持するように、並びに/或いはハウジング112の第2の内側部分と協働して(例えば、第2の内側部分に接触し、当接し、第2の内側部分を固定し、第2の内側部分と結合し、及び/又は第2の内側部分を把持して)ハウジング112に対する第2の軸方向位置(例えば、遠位位置又は最終組立位置)及び/又は第2の回転位置でシリンジホルダ133を支持するように構成されてもよい。例として、シリンジホルダ133は、図3図5で分かるように、外向きに延在する突出部180a及び/又は外向きに延在する突出部180bを含んでもよい。外向きに延在する突出部180a及び180bは、シリンジホルダ133の長手方向軸線の互いに反対側に配設されてもよい。外向きに延在する突出部180a及び180bは各々、シリンジホルダ133の長手方向軸線に対して略半径方向外向きに延在し、及び/又はシリンジホルダ133の長手方向軸線に平行でない任意の方向に外向きに延在してもよい。外向きに延在する突出部180a及び/又は180bは各々、リブ、タブ、フィンガ、フランジ、リップ、カラー、及び/又は任意の他の適切な構造として構成されてもよい。外向きに延在する突出部180a及び180bは、それぞれ、遠位側に向いた表面180az及び遠位側に向いた表面180bzを有してもよい。以下により詳細に説明するように、遠位側に向いた表面180az及び遠位側に向いた表面180bzは、シリンジホルダ133がハウジング112内の第1の軸方向位置に配置されたときに、ハウジング112の近位側に向いたそれぞれの表面に接触して、少なくとも遠位方向へのシリンジホルダ133の移動を防止してもよい。例として、遠位側に向いた表面180az及び180bzは、ハウジング112に対するシリンジホルダ133の遠位移動を防止するために、ハウジング112の近位側に向いたそれぞれの表面に当接してもよい。
【0051】
外向きに延在する突出部180a及び180bは、それぞれ、図4及び図5で分かるように、シリンジホルダ133の略円周方向に測定された長さL1a及び長さL1bを有してもよい。例として、長さL1a及び/又は長さL1bは、シリンジホルダ133の長手方向軸線に関して測定された円弧長に相当し得る。代替的に、長さL1a及び/又は長さL1bは、直線距離に相当し得る。
【0052】
外向きに延在する突出部180a及び180bに加えて又はこれらの代わりに、シリンジホルダ133は、外向きに延在する突出部182a及び182bを含んでもよい。外向きに延在する突出部182a及び182bは、シリンジホルダ133の長手方向軸線の互いに反対側に配設されてもよい。外向きに延在する突出部182a及び182bは各々、シリンジホルダ133の長手方向軸線に対して略半径方向外向きに延在し、及び/又はシリンジホルダ133の長手方向軸線に平行でない任意の方向に外向きに延在してもよい。外向きに延在する突出部182a及び/又は182bは各々、リブ、タブ、フィンガ、フランジ、リップ、カラー、及び/又は任意の他の適切な構造として構成されてもよい。図3図5で分かるように、外向きに延在する突出部182aは、外向きに延在する突出部180aに隣接し且つその遠位にあってもよく、外向きに延在する突出部182bは、外向きに延在する突出部180bに隣接し且つその遠位にあってもよい。
【0053】
外向きに延在する突出部182aは、側面182ax、182ayを有してもよく、側面182ax、182ayの各々は、略円周方向に面してもよい。同様に、外向きに延在する突出部182bは、側面182bx、182byを有してもよく、側面182bx、182byの各々は、略円周方向に面してもよい。以下により詳細に説明するように、側面182ax、182ay、182bx、及び182byのうちの1つ以上は、シリンジホルダ133がハウジング112内の第1の軸方向位置に配置されたときに、ハウジング112の内側部分の円周方向に面するそれぞれの表面に接触して、1つ以上の回転方向へのシリンジホルダ133の回転を防止してもよい。
【0054】
外向きに延在する突出部182a及び182bは、それぞれ、図4及び図5で分かるように、シリンジホルダ133の略円周方向に測定された長さL2a及び長さL2bを有してもよい。例として、長さL2a及び/又は長さL2bは、シリンジホルダ133の長手方向軸線に関して測定された円弧長に相当し得る。代替的に、長さL2a及び/又は長さL2bは、直線距離に相当し得る。いくつかの実施形態では、外向きに延在する突出部180aの長さL1aは、外向きに延在する突出部182aの長さL2aよりも長くてもよく、及び/又は外向きに延在する突出部180bの長さL1bは、外向きに延在する突出部182bの長さL2bよりも長くてもよい。これらの外向きに延在する突出部の相対的な長さは、以下により詳細に説明するように、シリンジホルダ133が第1の軸方向位置にあるときに、ハウジング112に対するシリンジホルダ133の遠位移動を防止できる外向きに延在する突出部180a及び/又は180bの能力、並びに/或いはハウジング112に対するシリンジホルダ133の回転移動を防止できる外向きに延在する突出部182a及び/又は182bの能力を促進してもよい。
【0055】
図6図9を参照すると、ここで、シリンジホルダ133と様々な方法で協働するように構成されたハウジング112の実施形態を説明する。図6は、シリンジホルダ133の挿入前のハウジング112の近位部分の切り欠き図を示し、図7は、シリンジホルダ133の挿入前のハウジング112の遠位部分の切り欠き図を示す。図8は、シリンジホルダ133の挿入前のハウジング112の別の切り欠き図を示す。シリンジホルダ133、ハウジング112、シリンジ120、及び/又は他の関連する構成要素は、薬物送達デバイスのサブアセンブリに相当し得る。
【0056】
上述したように、ハウジング112の壁125の内側部分は、ハウジング112に対する第1の軸方向位置及び/又はハウジング112に対する第1の回転位置でシリンジホルダ133を支持するために、シリンジホルダ133の外向きに延在する突出部180a及び180bの1つ以上と協働する(例えば、突出部180a及び180bの1つ以上と接触し、当接し、1つ以上を固定し、1つ以上と結合し、及び/又は1つ以上を把持する)ように構成され得る。例として、ハウジング112は、図6図8、及び図9で分かるように、内向きに延在する突出部184aと、内向きに延在する突出部185aと、内向きに延在する突出部184bと、内向きに延在する突出部185bとを含んでもよい。内向きに延在する突出部184a及び185aは、ハウジング112の長手方向軸線の一方側に位置してもよく、内向きに延在する突出部184b及び185bは、ハウジング112の長手方向軸線の反対側に位置してもよい。内向きに延在する突出部184a、185a、184b、及び/又は185bは、図6図8、及び図9に示すように、側部開口部165の近位にあってもよい。内向きに延在する突出部184a、185a、184b、及び/又は185bは、ハウジング112の長手方向軸線に対して略半径方向内向きに延在し、及び/又はハウジング112の長手方向軸線に平行でない任意の方向に内向きに延在してもよい。内向きに延在する突出部184a、185a、184b、及び/又は185bは各々、リブ、タブ、フィンガ、フランジ、リップ、カラー、及び/又は任意の他の適切な構造として構成されてもよい。内向きに延在する突出部184a、185a、184b、及び185bは、それぞれ、近位側に向いた表面184az、185az、184bz、及び185bzを有し得る。
【0057】
シリンジホルダ133がハウジング112に対して第1の回転位置を有し、ハウジング112の近位端162における軸方向開口部164を通してハウジング112に遠位方向に挿入されたときに、シリンジホルダ133の外向きに延在する突出部180aの遠位側に向いた表面180azは、内向きに延在する突出部184a及び185aの近位側に向いた表面184az及び185azの1つ以上に接触及び/又は当接してもよく、並びに/或いはシリンジホルダ133の外向きに延在する突出部180bの遠位側に向いた表面180bzは、図9で分かるように、内向きに延在する突出部184b及び185bの近位側に向いた表面184bz及び185bzの1つ以上に接触及び/又は当接してもよい。これらの接触点により、ハウジング112に対するシリンジホルダ133の更なる遠位移動が防止されてもよい。シリンジホルダ133のこの軸方向位置(図9に示す)は、シリンジホルダ133の第1の軸方向位置に相当し得る。シリンジホルダ133が第1の軸方向位置及び第1の回転位置にあるときに、シリンジホルダ133の外向きに延在する突出部182bは、図9で分かるように、内向きに延在する突出部184bと185bとの間に円周方向に配設されてもよい。例として、外向きに延在する突出部182bの側面182bx、182byは、それぞれ、内向きに延在する突出部184bの側面及び内向きに延在する突出部185bの側面に面し、接触し、及び/又は当接してもよい。例として、内向きに延在する突出部184bと185bとの間に配置されたときの、外向きに延在する突出部182bは、内向きに延在する突出部184b及び185bとの締まり嵌め(例えば、プレス嵌め、摩擦嵌め、及び/又はスナップ嵌め)を形成してもよい。同様の配置が、外向きに延在する突出部182a並びに内向きに延在する突出部184a及び185aに存在してもよいが、そうである必要はない。シリンジホルダ133が第1の軸方向位置にあるときの、内向きに延在する突出部184a、185b、184b、及び/又は185bに対する外向きに延在する突出部182a及び/又は184bのこの構成は、シリンジホルダ133がハウジング112に対して回転することを防止してもよい。これにより、例えば、製造工程中の押し合い、振動、及び/又は突然の動きに起因してシリンジホルダ133が第1の軸方向位置及び/又は第1の回転位置から誤って移動する可能性が低減され、一方、それにもかかわらず、所望の場合にシリンジホルダ133を意図的に近位方向に移動させることが可能であってもよい。以下により詳細に説明するように、シリンジホルダ133を近位方向に移動させ、次いで、シリンジホルダ133を第1の回転位置から第2の回転位置に回転させてもよく、この第2の回転位置では、外向きに延在する突出部180aのどの部分も内向きに延在する突出部184a及び185aと円周方向に整合せず、外向きに延在する突出部180bのどの部分も内向きに延在する突出部184b及び185bと円周方向に整合しない。その結果、シリンジホルダ133が第2の回転位置にあるときに、外向きに延在する突出部180aと内向きに延在する突出部184a及び185aとの接触並びに/又は外向きに延在する突出部180bと内向きに延在する突出部184b及び185bとの接触により遠位移動が防止されることなしに、シリンジホルダ133を遠位方向に移動させることが可能であってもよい。
【0058】
シリンジホルダ133が第1の軸方向位置にあるときに、シリンジホルダ133の遠位端167の少なくとも一部は、ハウジング112の側部開口部165と整合されてもよい。例として、側部開口部172bの一部又は全体は、シリンジホルダ133が第1の軸方向位置にあるときに、ハウジング112の側部開口部165と整合されてもよい。この構成を実現するために、シリンジホルダ133及びハウジング112のいくつかの実施形態は、以下のように寸法設定されてもよい。シリンジホルダ133は、図5で分かるように、外向きに延在する突出部180bの遠位側に向いた表面180bzとシリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175との間に軸方向に画定された長さL3を有してもよい。ハウジング112は、図9で分かるように、近位側に向いた表面184bz、185bzと側部開口部165の最近位端との間に軸方向に画定された長さL4を有してもよい。L3は、シリンジホルダ133が第1の軸方向位置にあるときに、例えば、シリンジホルダ133の側部開口部172bの一部又は全体を含む、シリンジホルダ133の遠位端167の一部又は全体が、ハウジング112の側部開口部165と整合されるように、L4よりも大きくてもよい。同様の寸法を、外向きに延在する突出部180aの遠位側に向いた表面180az及びシリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175に使用してもよいが、そうする必要はない。
【0059】
ハウジング112の壁125の内側部分は、ハウジング112に対する軸方向位置(例えば、遠位位置若しくは最終組立位置)及び/又はハウジング112に対する第2の回転位置でシリンジホルダ133を支持するために、シリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175と協働する(例えば、端面175に接触し、当接し、端面175を固定し、端面175と結合し、及び/又は端面175を把持する)ように構成されてもよい。例として、ハウジング112は、図7で分かるように、内向きに延在する突出部186を含んでもよい。内向きに延在する突出部186は、側部開口部165の遠位にあり、並びに/又は内向きに延在する突出部184a、b及び185a、bの遠位にあってもよい。内向きに延在する突出部186は、ハウジング112の長手方向軸線に対して略半径方向内向きに延在し、及び/又はハウジング112の長手方向軸線に平行でない任意の方向に内向きに延在してもよい。内向きに延在する突出部186は、リブ、タブ、フィンガ、フランジ、リップ、カラー、及び/又は任意の他の適切な構造として構成されてもよい。内向きに延在する突出部186は、近位側に向いた表面186aを有してもよい。
【0060】
以下により詳細に説明するように、組立工程中に、シリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175が、ハウジング112の内向きに延在する突出部186の近位側に向いた表面186aに接触及び/又は当接するまで、シリンジホルダ133を遠位方向に移動させてもよい。この接触により、ハウジング112に対するシリンジホルダ133の更なる遠位移動が防止されてもよい。シリンジホルダ133のこの軸方向位置は、シリンジホルダ133の第2の軸方向位置に相当し得る。いくつかの実施形態では、第2の軸方向位置は、シリンジホルダ133の最終組立位置に相当し得る。薬物送達デバイスの動作中にシリンジホルダ133がハウジング112に対して移動しない実施形態では、シリンジホルダ133は、薬物送達デバイスの寿命を通して第2の軸方向位置に留まってもよい。薬物送達デバイスの動作(例えば、針挿入を達成するための遠位移動)中にシリンジホルダ133がハウジング112に対して移動する実施形態では、シリンジホルダ133は、薬物送達デバイスの寿命を通して第2の軸方向位置に留まらなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング112の内向きに延在する突出部186の近位側に向いた表面186aは、シリンジホルダ133が第1の回転位置又は第2の回転位置にあるか否かにかかわらずシリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175に接触するように構成されてもよく、それに対して、他の実施形態では、ハウジング112の内向きに延在する突出部186の近位側に向いた表面186aは、シリンジホルダ133が第2の回転位置にある場合にのみシリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175に接触するように構成されてもよい。
【0061】
シリンジホルダ133が第2の軸方向位置にあるときに、シリンジホルダ133の遠位端167の少なくとも一部は、ハウジング112の側部開口部165の遠位にあってもよい。例として、側部開口部172bの一部又は全体は、図15で分かるように、シリンジホルダ133が第2の軸方向位置にあるときに、ハウジング112の側部開口部165の遠位にあってもよい。
【0062】
ここで、ハウジング112内にシリンジホルダ133を組み付ける方法について、図10図15を参照して説明する。ハウジング112内にシリンジホルダ133を組み付ける工程は、上で説明した薬物送達デバイス10などの薬物送達デバイスを組み立てる全工程の一部又は一態様であってもよい。図10図15は、組立方法のそれぞれのステップ又は段階を示しており、時系列に並べられている。以下に説明するステップの一部又は全ては、人により手動で及び/又は機械により自動的に実行されてもよい。
【0063】
図10を参照すると、初期ステップは、シリンジホルダ133をハウジング112に対して第1の回転位置(例えば、中間回転位置)に配置することを含んでもよい。例として、このステップは、シリンジホルダ133をハウジング112に挿入する前に及び/又は挿入するのと実質的に同時に、シリンジホルダ133をハウジング112に対して回転させることを含んでもよい。取り外し可能なキャップ119は、このステップの前にハウジング112の遠位端163における軸方向開口部(例えば、上で説明した軸方向開口部14)を覆うように、ハウジング112の遠位端163に結合されてもよい。
【0064】
シリンジホルダ133を第1の回転位置に配置した後に及び/又は配置するのと実質的に同時に、シリンジホルダ133は、図11に示すように、ハウジング112の中空内部に挿入され、第1の軸方向位置に固定されてもよい。例として、ハウジング112の近位端162における軸方向開口部164を通して、シリンジホルダ133をハウジング112の長手方向軸線Aに沿って遠位方向に移動させてもよい。より具体的な例として、シリンジホルダ133の遠位端167は、軸方向開口部164を通ってハウジング112の内部に入るシリンジホルダ133の先端であってもよい。更により具体的な例として、シリンジホルダ133の外向きに延在する突出部180aの遠位側に向いた表面180azが、ハウジング112の内向きに延在する突出部184a及び185aの近位側に向いた表面184az及び185azの1つ以上に接触及び/又は当接し、並びに/或いはシリンジホルダ133の外向きに延在する突出部180bの遠位側に向いた表面180bzが、内向きに延在する突出部184b及び185bの近位側に向いた表面184bz及び185bzの1つ以上に接触及び/又は当接するまで、シリンジホルダ133を遠位方向に移動させてもよい。この接触の結果として、ハウジング112に対するシリンジホルダ133の更なる遠位移動が少なくとも一時的に防止されてもよい。
【0065】
シリンジホルダ133を第1の軸方向位置に固定することは、任意選択的に、シリンジホルダ133の外向きに延在する突出部182aをハウジング112の内向きに延在する突出部184aと185aの間に配置すること、及び/又はシリンジホルダ133の外向きに延在する突出部182bをハウジング112の内向きに延在する突出部184bと185bとの間に配置することを含んでもよい。外向きに延在する突出部182aは、シリンジホルダ133がハウジング112に遠位方向に挿入されるときにシリンジホルダ133が第1の回転位置に配置される場合、内向きに延在する突出部184aと185aとの間に自然に配置されるようになっていてもよい。外向きに延在する突出部182a及び内向き突出部184b、185bにも同じことが当てはまる。例として、外向きに延在する突出部182aは、内向きに延在する突出部184aと185aとの間に挿入されて、内向きに延在する突出部184a及び185aとの締まり嵌め(例えば、プレス嵌め、摩擦嵌め、及び/又はスナップ嵌め)を形成してもよく、並びに/或いは外向きに延在する突出部182bは、内向きに延在する突出部184bと185bとの間に挿入されて、内向きに延在する突出部184bと185bとの締まり嵌め(例えば、プレス嵌め、摩擦嵌め、及び/又はスナップ嵌め)を形成してもよい。これらの締まり嵌めの結果として、シリンジホルダ133は、第1の軸方向位置及び/又は第1の回転位置に比較的確実に(但し、必ずしも永久的にではない)保持されてもよい。
【0066】
シリンジホルダ133を第1の軸方向位置及び第1の回転位置に配置することにより、シリンジホルダ133の側部開口部172bは、図11で分かるように、ハウジング112の側部開口部165と整合されるようになっていてもよい。加えて又は代わりに、シリンジホルダ133の側部開口部172aは、側部開口部165とは長手方向軸線Aを挟んで反対側に位置するハウジング112の側部開口部(図示せず)と整合されるようになっていてもよい。
【0067】
シリンジホルダ133が第1の軸方向位置及び第1の回転位置に固定された後に、シリンジ120は、図12に示すように、シリンジホルダ133の中空内部に挿入されてもよい。例として、シリンジ120は、ハウジング112及び/又はシリンジホルダ133の長手方向軸線Aに沿って遠位方向に移動され、並びにシリンジホルダ133の近位端166における軸方向開口部170を通ってシリンジホルダ133の内部に入ってもよい。より具体的な例として、シリンジ120の遠位端に取り付けられた取り外し可能な滅菌バリア121は、シリンジホルダ133の内部に入るシリンジ120の第1の部分であってもよい。更により具体的な例として、シリンジ120の遠位側に向いた表面177が、シリンジホルダ133の遠位端167に配置された内向きに延在する突出部に接触及び/又は当接するまで、シリンジ120を遠位方向に移動させてもよい。シリンジホルダ133に対するシリンジ120の更なる遠位移動は、この接触が生じた時点で、実質的に妨げられるが、必ずしも防止されなくてもよい。上で説明したように、取り外し可能な滅菌バリア121をシリンジホルダ133に挿通することにより、軸方向に延在するアーム176a及び176bが外向きに屈曲してもよく、取り外し可能な滅菌バリア121が、軸方向に延在するアーム176a及び176bを越えて遠位方向に移動した時点で、軸方向に延在するアーム176a及び176bは、例えばこれらの弾性に起因して内向きに屈曲してもよい。シリンジホルダ133へのシリンジ120の挿入中に、シリンジホルダ133は、シリンジホルダ133の外向きに延在する突出部180a、b及び182a、bとハウジング112の内向きに延在する突出部184a、b及び185a、bとの接触に少なくとも部分的に起因して、ハウジング112に対して軸方向及び/又は回転方向に移動しなくてもよい(したがって、第1の軸方向位置及び/又は第1の回転位置で静止したままであってもよい)。
【0068】
シリンジホルダ133が第1の軸方向位置に配置されたときに、軸方向に延在するアーム176a及び176bの各々の半径方向外向き表面は、軸方向に延在するアーム176a及び176bが、半径方向外向きに屈曲して、シリンジホルダ133の遠位端167への取り外し可能な滅菌バリア121の挿通に対応できるように、ハウジング112の半径方向内向き表面から半径方向距離だけ間隔をおいて配置されてもよい。軸方向に延在するアーム176a及び176bの半径方向外向き表面とハウジング112の半径方向内向き表面との間の半径方向距離は、シリンジホルダ133が(以下に説明する)第2の軸方向位置に配置されたときに、軸方向に延在するアーム176a及び176bが半径方向外向きに屈曲することをハウジング112の半径方向内向き表面が防止し、それにより、シリンジホルダ133に対するシリンジ120の更なる遠位移動を防止するように、実質的に短縮されるか又は排除されてもよい。例として、シリンジホルダ133が第1の軸方向位置に配置されたときに、軸方向に延在するアーム176a及び176bのうちの一方又は両方の半径方向外向き表面は、ハウジング112の半径方向内向き表面に接触しなくてもよく、それに対して、シリンジホルダ133が第2の軸方向位置に配置されたときに、軸方向に延在するアーム176a及び176bのうちの一方又は両方の半径方向外向き表面は、ハウジング112の半径方向内向き表面に接触及び/又は当接してもよい。
【0069】
図13は、シリンジ120がシリンジホルダ133に完全に挿入されてシリンジホルダ133内に着座した後のシリンジ120を示す。ここでは、シリンジ120の一部は、シリンジホルダ133の側部開口部172bと整合されてもよい。例として、シリンジ内の薬物の一部は、側部開口部172bと整合されてもよく、シリンジ120の首部の一部は、側部開口部172bと整合されてもよく、及び/又はシリンジ120の遠位側に向いた表面177の一部は、側部開口部172bと整合されてもよい。加えて又は代わりに、取り外し可能な滅菌バリア121の一部は、シリンジホルダ133の側部開口部172bと整合されてもよい。シリンジホルダ133の側部開口部172bはハウジング112の側部開口部165と整合されるので、側部開口部172bと整合されたシリンジ120の部分、及び/又は側部開口部172bと整合された取り外し可能なバリア121の部分は、側部開口部165を通してハウジング112の内部を見る、ハウジング112の外側の観察者に視認可能であってもよい。
【0070】
シリンジホルダ133が第1の軸方向位置及び第1の回転位置に配置されており、シリンジ120が(図13に示すように)シリンジホルダ133内に着座している間に、シリンジ120、シリンジホルダ133、取り外し可能な滅菌バリア121、及び/又はハウジング112内の他の構成要素の検査が実行されてもよい。例として、検査は、ハウジング112の側部開口部165と整合され及び/又は側部開口部165を通して視認可能であるシリンジ120の少なくとも一部、ハウジング112の側部開口部165と整合され及び/又は側部開口部165を通して視認可能であるシリンジホルダ133の少なくとも一部、並びに/或いはハウジング112の側部開口部165と整合され及び/又は側部開口部165を通して視認可能である取り外し可能な滅菌バリア121の少なくとも一部を検査することを含んでもよい。より具体的な例として、検査は、シリンジホルダ133の側部開口部172bとハウジング112の側部開口部165との整合された部分を通して視認可能であるシリンジ120及び/又は取り外し可能なバリア21の一部を検査することを含んでもよい。検査は、人により及び/又は機械を用いて実行されてもよい。検査は、視覚的(例えば、光学的)に、聴覚的に、電気的に、磁気的に、化学的に、及び/又は任意の他の適切な検査手段を用いて実行されてもよい。検査は、例えば、シリンジ120及び/又は取り外し可能な滅菌バリア121がシリンジホルダ133内に適切に固定されているかどうかをチェックすること、シリンジホルダ133がハウジング112内に適切に固定されているかどうかをチェックすること、シリンジ120内部の薬物に微粒子、汚染物質がないか及び/又は他の品質及び/又は安全対策をチェックすること、並びに/或いは、例えば、シリンジ120、取り外し可能な滅菌バリア121、及び/又はシリンジホルダ133に破損、亀裂、及び/又は他の構造的損傷がないかをチェックすることを含んでもよい。例として、シリンジ120がシリンジホルダ133内に適切に固定されているかどうかをチェックすることは、例えば、シリンジホルダ133の長手方向軸線に対する、軸方向に延在するアーム176a及び/又は176bの角度、半径方向位置、及び/又は軸方向位置を検査することを含んでもよい。より具体的な例として、軸方向に延在するアーム176a及び/又は176bが屈曲して(例えば、半径方向内向きに屈曲して)元の形状に戻っているかどうかをチェックしてもよい。追加的又は代替的に、検査は、側部開口部165及び/又は側部開口部172bと整合され並びに/或いは側部開口部165及び/又は側部開口部172bを通して視認可能であるハウジング112内の他の構成要素をチェックすることを含んでもよい。側部開口部165とは長手方向軸線Aを挟んで反対側にある側部開口部をハウジング112が含む範囲で、同様の目視検査がその側部開口部を通しても実行されてもよい。
【0071】
検査が完了した後、(シリンジ120を含む)シリンジホルダ133を、図14で分かるように、第1の軸方向位置から離れるように近位方向に移動させ、次いで、第1の軸方向位置から第2の回転位置(例えば、最終回転位置)に回転させてもよい。例として、外向きに延在する突出部182aがもはや内向きに延在する突出部184aと185aとの間になく且つ外向きに延在する突出部182bがもはや内向きに延在する突出部184bと185bとの間にない軸方向位置(第1の軸方向位置の近位にある)までシリンジホルダ133を遠位方向に移動させてもよい。その結果、シリンジホルダ133は、内向きに延在する突出部184a、b及び185a、bによってもはや回転拘束されなくなってもよい。その後、シリンジホルダ133を第2の回転位置まで回転させてもよい。例として、第2の回転位置では、外向きに延在する突出部180aは、内向きに延在する突出部184a及び185aと円周方向に整合されなくてもよく、外向きに延在する突出部180bは、内向きに延在する突出部184b及び185bと円周方向に整合されなくてもよい。別の言い方をすれば、第2の回転位置では、外向きに延在する突出部180aは、内向きに延在する突出部184a及び185aから回転方向にずらされてもよく、外向きに延在する突出部180bは、内向きに延在する突出部184b及び185bから回転方向にずらされてもよい。その結果、外向きに延在する突出部180aは、シリンジホルダ133を遠位方向に第1の軸方向位置に戻すか又は第1の軸方向位置を通して移動させたときに、内向きに延在する突出部184a及び185aにもはや接触しなくてもよく、外向きに延在する突出部180bは、シリンジホルダ133を遠位方向に第1の軸方向位置に戻すか又は第1の軸方向位置を通して移動させたときに、内向きに延在する突出部184b及び185bにもはや接触しなくてもよい。
【0072】
次に、シリンジホルダ133を第2の回転位置に維持しながら、(シリンジ120を含む)シリンジホルダ133を、図13に示すように、ハウジング112内の第2の軸方向位置に遠位方向に移動させてもよい。例として、シリンジホルダ133の遠位側に向いた端面175が、ハウジング112の内向きに延在する突出部186の近位側に向いた表面186aに接触及び/又は当接するまで、シリンジホルダ133を遠位方向に移動させてもよい。この接触の結果として、ハウジング112に対するシリンジホルダ133の更なる遠位移動が防止されてもよい。第2の軸方向位置にあるときに、シリンジホルダ133は、ハウジング112内に及び/又はその最終組立位置に着座していると言える。いくつかの実施形態では、シリンジホルダ133を第2の軸方向位置に移動させることにより、取り外し可能な滅菌バリア121が、取り外し可能なキャップ119の内側に配置されたグリッパ(例えば、上で説明したグリッパ13)に挿入され及び/又はグリッパにより把持されてもよい。
【0073】
第1の軸方向位置から第2の軸方向位置にシリンジホルダ133を遠位方向に移動させることは、遠位側に向いた力をシリンジホルダ133の近位端166に加えることを含んでもよい。例として、遠位側に向いた力は、シリンジホルダ133の近位端166に位置する軸方向に延在するアーム190及び191に直接加えられてもよい。遠位側に向いた力は、シリンジホルダ133に対する遠位方向へのシリンジ120の移動を回避するために、シリンジ120に直接加えられなくてもよく、これは、上述したように、シリンジホルダ133が第2の軸方向位置に位置するまで、シリンジホルダ133の軸方向に延在するアーム176a及び176bが半径方向外向きに屈曲することをハウジング112の半径方向内向き表面が防止しないので、シリンジホルダ133を第2の軸方向位置に配置する前に可能であり得る。
【0074】
シリンジホルダ133を第2の軸方向位置に配置した後に、他の構成要素がハウジング112内に組み付けられてもよい。例えば、駆動機構(例えば、上で説明した駆動機構30)は、シリンジホルダ133の少なくとも部分的に近位にあるハウジング112内に配置されてもよい。必要な構成要素及び/又は機構の全てがハウジング112内に組み付けられた時点で、ハウジング112の近位端162における軸方向開口部164は、エンドキャップ(例えば、上で説明したエンドキャップ23)で閉鎖され得る。
【0075】
ここで図16図19を参照すると、シリンジホルダ(シリンジホルダ233として示す)の別の実施形態を説明する。シリンジホルダ233は、図3図15に関連して上で説明したシリンジホルダ133の要素と構造、構成、及び/又は機能が類似している又は同一である要素を含む。そのような構成要素には、100だけ増加すること除いて図3図15で使用されるものと同じ参照符号が割り当てられる。これらの構成要素の特定の説明については、簡潔さのために簡略化又は省略されている。
【0076】
図16及び図19に示すように、シリンジホルダ233の近位端266は、軸方向に延在する突出部290と、軸方向に延在する突出部291とを含んでもよい。例として、軸方向に延在する突出部290は、図19に示すように、内向き表面290aと外向き表面290bとを含む。より具体的な例として、内向き表面290aは、軸方向に延在する突出部290の遠位端に隣接する少なくとも1つの丸みを帯びた隅部290cを含む。更により具体的な例として、内向き表面290a及び外向き表面290bは各々、それぞれの勾配を有する。軸方向に延在する突出部291は、軸方向に延在する突出部291とはシリンジホルダ233の長手方向軸線を挟んで反対側に配置されてもよく、軸方向に延在する突出部290と同様に構成されてもよい。
【0077】
理解されるように、本開示によるデバイス及び方法は、従来技術に対して1つ以上の利点を有してもよく、その利点のうちのいずれか1つ以上が、特定の実施形態において、その実施形態に含まれる本開示の特徴にしたがって存在してもよい。本明細書で具体的に挙げられていない他の利点についても同様に理解されてよい。
【0078】
上記説明では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー均等品を含むが、それらに限定されない薬物を更に含んでもよく、又はそれらと共に使用されてもよい。本明細書で使用する場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用することができ、伝統的及び非伝統的な薬剤、栄養補助食品、サプリメント、生物製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的均等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子及びジェネリック薬剤を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用され得る。非治療的な注入可能材料も包含される。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態又は凍結乾燥形態から再構成されたものであってもよい。以下の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0079】
薬物はリザーバ内に収容されることになる。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填されるか又は予め充填されるかのいずれかである、一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジであり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよく、又はそれらとともにデバイスを使用することができる。このようなG-CSF製剤には、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が含まれるが、それらに限定されない。
【0081】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用される場合、「赤血球産生刺激タンパク質」は、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによって、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体、エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体、又はエリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0082】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある:完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などの、ヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」、B7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される);例えば145c7などの、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFN γ特異抗体を含むがそれに限定されない、及び完全ヒト抗IFN γ抗体を含むがそれに限定されない、IFN γ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むがそれらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むがそれに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-トレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-トレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新規赤血球産生刺激タンパク質(NESP)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー、又は乳癌又は胃癌の治療用のトラスツズマブを含有する別の製品、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、パキセリズマブ(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP IIb/IIia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンα-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF trap(IgG1のFcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチミブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツムマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗クロストリジウム・ディフィシル毒素A及び毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、及び抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0083】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の治療のためのロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態において、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)を収容してもよい、又はこれらとともに使用されてもよい。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブニリン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよい、又はこれらとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがそれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填されてもよい、又はデバイスは、これらとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。エレヌマブ、並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれらに限定されない二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNFαモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)(Janssen Biotech,Inc.)のバイオシミラー、又は自己免疫疾患の治療用のインフリキシマブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、又は多発性骨髄腫の治療用のカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、若しくは様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を含有してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)又は血液透析を受ける慢性腎臓病(KD)の患者などの二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療用のエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、若しくは抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬などのVEGF拮抗薬、及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに縮合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、若しくは補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新規の二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(以前はAMG 570)を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子、若しくはミオトロープ、又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(旧AMG510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、テゼペルマブ、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するAMG 714、ヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有し及び/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)又はAmgevita(商標)(旧ABP501)(モノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトモノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1を包含する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160、又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330、又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404、又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427、又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506、又は固形腫瘍のための治療として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509、又は二価T細胞エンゲージャーを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562、又は半減期延長(HLE)CD19×CD3
BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(以前はAMG 592)又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596、又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673、又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701、又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757、又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910、又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。
【0084】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。発明を実施するための形態は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。
【0085】
当業者であれば、本明細書に開示される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
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【国際調査報告】