(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】空冷機構、空気案内部材、および加熱デバイス
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
H05K7/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554788
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2022079702
(87)【国際公開番号】W WO2022188768
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202110270226.3
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヂァン
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322BA01
5E322BA04
5E322BA05
5E322BB03
(57)【要約】
本発明は、空冷機構、空気案内部材、および加熱デバイスを提供する。空冷機構は、空気案内部材と、空気案内部材から離間した送風部材とを備える。空冷領域が、空気案内部材と送風部材との間に形成される。空冷領域は、第1の所定の方向に沿って、材料が通過する空気入口と空気出口とを備え、空冷領域の空気入口は、加熱領域の近くに配置される。送風部材は、空気案内部材に向けて空気を吹き出して冷却空気流を形成するように構成される。空気案内部材は、複数の空気遮断板と複数の空気偏向板とを含み、空気遮断板は、冷却空気流が空冷領域から流出することを阻止するように構成され、複数の空気遮断板は、第2の所定の方向に沿って離間し、空気出口間隙が、隣接する空気遮断板の間に形成される。空気偏向板は、空気遮断板に接続され、空冷領域内に延びる。空気偏向板は、空冷領域の冷却空気流が加熱領域に向かって流れることを阻止し、かつ空冷領域の冷却空気流を空気出口間隙に向けて案内して、冷却空気流が空気出口間隙を通って流出するように構成されている。空気遮断板は、空冷領域に断熱をもたらし、空気偏向板は熱の拡散を制限することができる。このようにして、空冷機構は、冷却空気流によって空冷領域にある材料を冷却および固化することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空冷機構であって、
空気案内部材と、
前記空気案内部材から離間した送風部材とを備え、
空冷領域が、前記空気案内部材と前記送風部材との間に形成され、前記空冷領域は、第1の所定の方向に沿って、材料が通過する空気入口と空気出口とを備え、前記空冷領域の前記空気入口は、加熱領域の近くに配置され、
前記送風部材は、前記空気案内部材に向けて空気を吹き出して冷却空気流を形成するように構成され、
前記空気案内部材は、複数の空気遮断板と複数の空気偏向板とを含み、前記複数の空気遮断板は、前記冷却空気流が前記空冷領域から流出することを阻止するように構成され、前記複数の空気遮断板は、第2の所定の方向に沿って離間し、空気出口間隙が、隣接する空気遮断板の間に形成され、
前記空気偏向板は、前記空気遮断板に接続され、前記空冷領域内に延び、前記空気偏向板は、前記空冷領域の前記冷却空気流が前記加熱領域に向かって流れることを阻止し、かつ前記空冷領域の前記冷却空気流を前記空気出口間隙に向けて案内して、前記冷却空気流が前記空気出口間隙を通って流出するように構成されている、空冷機構。
【請求項2】
前記空気遮断板は、前記第2の所定の方向に平行である、請求項1に記載の空冷機構。
【請求項3】
前記複数の空気偏向板は、互いに概ね平行である、請求項1に記載の空冷機構。
【請求項4】
前記空気偏向板の突き出し長さが、前記第2の所定の方向における前記空気出口間隙の幅以上である、請求項1に記載の空冷機構。
【請求項5】
前記空気偏向板の前記突き出し長さは、前記第2の所定の方向における前記空気遮断板の幅未満である、請求項1に記載の空冷機構。
【請求項6】
前記空気偏向板は、前記空気遮断板の縁部に接続されている、請求項1に記載の空冷機構。
【請求項7】
前記送風部材上への前記空気出口間隙の投影が、前記送風部材上への前記空気偏向板の投影を覆う、請求項6に記載の空冷機構。
【請求項8】
前記空気偏向板と前記空気遮断板とは、鈍角に配置されている、請求項6に記載の空冷機構。
【請求項9】
前記空気偏向板と前記空気遮断板との間の角度が、90度以上かつ135度以下である、請求項6に記載の空冷機構。
【請求項10】
前記空気偏向板と前記空気遮断板との間の前記角度は、100度である、請求項9に記載の空冷機構。
【請求項11】
前記空気偏向板は、対応する前記空気遮断板の、前記加熱領域に近い側に接続されている、請求項1に記載の空冷機構。
【請求項12】
前記第1の所定の方向は、前記第2の所定の方向と同じ方向であり、前記複数の空気偏向板のうちの少なくとも1つが、前記第2の所定の方向において、前記送風部材よりも前記空冷領域の前記空気入口の近くに位置している、請求項1に記載の空冷機構。
【請求項13】
前記複数の空気偏向板のうちの少なくとも1つが、前記第2の所定の方向において、前記送風部材よりも前記空冷領域の前記空気出口の近くに位置している、請求項12に記載の空冷機構。
【請求項14】
前記第2の所定の方向における前記空気遮断板の幅が、前記第2の所定の方向における前記空気出口間隙の幅よりも大きい、請求項1から13のいずれか一項に記載の空冷機構。
【請求項15】
前記空気遮断板と前記空気偏向板とは、一体部品に形成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の空冷機構。
【請求項16】
前記送風部材は複数のファンを含み、前記送風部材上への前記空気出口間隙の投影は、前記第2の所定の方向に垂直な方向の長さを有し、前記長さは、前記第2の所定の方向に垂直な方向におけるファンの長さよりも大きく、
1つのファンが、前記第2の所定の方向におけるいくつかの空気出口間隙に対応する、請求項1から13のいずれか一項に記載の空冷機構。
【請求項17】
冷却空気流を空気入口から空気出口へ案内するための空気案内部材であって、前記空気案内部材は、
ブラケット本体と、
それぞれ前記ブラケット本体に接続され、第1の所定の方向に沿って離間した複数の空気遮断板と、
それぞれ前記空気遮断板に接続され、前記空気入口に向かって延びる複数の空気偏向板と
を備え、
前記複数の空気遮断板は、冷却空気流の通過を阻止するように構成され、空気出口間隙が、2つの隣接する空気遮断板の間に形成されている、空気案内部材。
【請求項18】
複数の空気遮断板は、前記ブラケット本体と同一平面上にある、請求項17に記載の空気案内部材。
【請求項19】
前記空気案内部材は一体部品である、請求項17に記載の空気案内部材。
【請求項20】
加熱デバイスであって、
加熱機構と、
請求項1から16のいずれか一項に記載の前記空冷機構と
を備え、
前記加熱機構は、加熱領域にある材料を加熱するための前記加熱領域を備え、
前記空冷領域が前記加熱領域に近接して設定され、前記材料が、加熱処理後に冷却のために前記空冷領域に入るようになっており、
前記送風部材により吹き出された前記冷却空気流が、前記空気案内部材によって前記加熱機構から離れる方向に案内され、前記空冷領域から排出される、加熱デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月12日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第CN202110270226.3号の優先権を主張する。その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、空冷装置の技術分野に関し、特に空冷機構、空気案内部材、および加熱デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
熱収縮チューブを加熱する必要があるとき、一般に、熱収縮チューブを伴う熱収縮させる部品を同期ベルトに配置し、同期ベルトを介して、熱収縮させる部品を熱収縮機に運ぶ。熱収縮チューブは、熱収縮機の熱によって、熱収縮させる部品において収縮し、熱収縮プロセスを完了する。熱収縮性部品は、ケーブルなどであってよい。完成した熱収縮性ケーブルを同期ベルトから収集容器に移動させるとき、ケーブルにおける熱収縮チューブの温度はまだ非常に高く、熱収縮チューブから流出する接着剤がまだ固まってない。ケーブルが積み重なると、複数のケーブルが接着しやすくなり、製品の品質および外観に影響を及ぼす。しかしながら、熱収縮チューブが送出経路において不適切に冷却されると、熱収縮機内の温度が低下しやすく、熱収縮チューブの熱収縮が不十分になり、熱収縮機のエネルギー消費が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の欠点のうちの少なくとも1つの局面を克服または軽減するためになされたものである。
【0005】
本発明の一目的は、従来技術における、材料の冷却中に加熱領域に影響を及ぼす技術的問題を解決することを意図した、空冷機構、空気案内部材、および加熱デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、空冷機構が提供される。空冷機構は、空気案内部材と、空気案内部材から離間した送風部材とを備える。
空冷領域が、空気案内部材と送風部材との間に形成され、空冷領域は、第1の所定の方向に沿って、材料が通過する空気入口と空気出口とを備える。空冷領域の空気入口は、加熱領域の近くに配置され、送風部材は、空気案内部材に向けて空気を吹き出して冷却空気流を形成するように構成される。空気案内部材は、複数の空気遮断板と複数の空気偏向板とを含み、空気遮断板は、冷却空気流が空冷領域から流出することを阻止するように構成される。複数の空気遮断板は、第2の所定の方向に沿って離間し、空気出口間隙が、隣接する空気遮断板の間に形成される。空気偏向板は、空気遮断板に接続され、空冷領域内に延び、空気偏向板は、空冷領域の冷却空気流が加熱領域に向かって流れることを阻止し、かつ空冷領域の冷却空気流を空気出口間隙に向けて案内して、冷却空気流が空気出口間隙を通って流出するように構成されている。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、空気遮断板は、第2の所定の方向に平行である。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、複数の空気偏向板は、互いに概ね平行である。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板の突き出し長さが、第2の所定の方向における空気出口間隙の幅以上である。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板の突き出し長さは、第2の所定の方向における空気遮断板の幅未満である。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板は、空気遮断板の縁部に接続されている。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、送風部材上への空気出口間隙の投影が、送風部材上への空気偏向板の投影を覆う。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板と空気遮断板とは、鈍角に配置されている。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板と空気遮断板との間の角度が、90度以上かつ135度以下である。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板と空気遮断板との間の角度は、100度である。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板は、対応する空気遮断板の、加熱領域に近い側に接続されている。
【0017】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の所定の方向は、第2の所定の方向と同じ方向であり、空気偏向板のうちの少なくとも1つが、第2の所定の方向において、送風部材よりも空冷領域の空気入口の近くに位置している。
【0018】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気偏向板のうちの少なくとも1つが、第2の所定の方向において、送風部材よりも空冷領域の空気出口の近くに位置している。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第2の所定の方向における空気遮断板の幅が、第2の所定の方向における空気出口間隙の幅よりも大きい。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気遮断板と空気偏向板とは、一体部品に形成されている。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、送風部材は複数のファンを含み、送風部材上への空気出口間隙の投影は、第2の所定の方向に垂直な方向の長さを有し、この長さは、第2の所定の方向に垂直な方向におけるファンの長さよりも大きく、1つのファンが、第2の所定の方向におけるいくつかの空気出口間隙に対応する。
【0022】
本発明の別の態様によれば、冷却空気流を空気入口から空気出口へ案内するための空気案内部材が提供される。空気案内部材は、ブラケット本体と、それぞれブラケット本体に接続され、第1の所定の方向に沿って離間した複数の空気遮断板と、それぞれ空気遮断板に接続され、空気入口に向かって延びる複数の空気偏向板とを備える。複数の空気遮断板は、冷却空気流の通過を阻止するように構成され、空気出口間隙が、2つの隣接する空気遮断板の間に形成されている。
【0023】
本発明の例示的な実施形態によれば、複数の空気遮断板は、ブラケット本体と同一平面上にある。
【0024】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、空気案内部材は一体部品である。
【0025】
本発明の別の態様によれば、加熱デバイスが提供される。加熱デバイスは、加熱機構と、上記の空冷機構とを備える。加熱機構は、加熱領域にある材料を加熱するための加熱領域を備え、空冷領域が加熱領域に近接して設定され、材料が、加熱処理後に冷却のために空冷領域に入るようになっており、送風部材により吹き出された冷却空気流が、空気案内部材によって加熱機構から離れる方向に案内され、空冷領域から排出される。
【0026】
従来技術に関連する本発明の技術的効果は、空冷機構が、送風部材によって空冷領域で冷却空気流を発生させることである。空気案内部材は、複数の空気遮断板と複数の空気偏向板とを備え、空気出口間隙が空気遮断板の間に形成されている。空気偏向板は、空気遮断板の、加熱領域に近い側に接続され、空冷領域内に延びる。このようにして空気遮断板によって遮ることは、送風部材によって発生した冷却空気流の流れに対する緩衝効果を有し、空冷領域から流出する冷却空気流の速度を低下させ、空冷領域の熱損失を低減させ、空冷領域に断熱をもたらす。
同時に、空気偏向板のドレナージュ効果(drainage effect、排流効果)は、熱の拡散を制限することができ、確実な断熱効果をもたらすだけでなく、加熱領域に及ぼす冷却空気流の影響も避ける。空冷機構は、加熱領域にほとんど影響を及ぼすことなく、空冷空気の流れによって空冷領域にある材料を冷却および固化することができる。
【0027】
本発明の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、本発明の実施形態または従来技術の説明に必要な添付図面を簡単に説明する。以下で説明する添付図面は、本発明の一部の実施形態に過ぎないことが明らかである。当業者であれば、創造的労力を費やすことなく、これらの図面に基づいて他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態において提供される空冷機構の概略構成図である。
【
図3】本発明の実施形態において提供される空気案内部材の概略構成図である。
【
図4】本発明の実施形態において提供される加熱デバイスの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下は、本発明の実施形態を詳細に説明する。実施形態の例が添付図面に示され、図中、同一もしくは同様の符号は、同一もしくは同様の構成要素または同一もしくは同様の機能を有する構成要素を表す。添付図面を参照して以下で説明する実施形態は例示的なものであり、本発明を説明することを意図したものであって、本発明を限定するものと解釈することはできない。
【0030】
本発明の説明において、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「内側」、「外側」などの用語は、添付図面に示される向きまたは位置関係に基づく向きまたは位置関係を示し、これらは本発明の説明の便宜のためおよび説明を簡単にするためのものに過ぎず、言及するデバイスもしくは要素が特定の向きを有する必要があること、特定の向きで構成および操作される必要があることを示すまたは暗示するものではないことを理解されたい。したがって、これらを本発明の限定として解釈することはできない。
【0031】
さらに、「第1の」および「第2の」という用語は、目的を説明するためのみに使用され、相対的な重要性を示すもしくは暗示するものとして、または示される技術的機構の数を暗示するものとして解釈することはできない。したがって、「第1の」および「第2の」に限定された機構は、これらの機構の1つまたは複数を明示的または暗示的に含むことがある。本発明の説明において、別段の規定がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0032】
本発明において、別段の規定および限定がない限り、「装着」、「接続」、「連結」、「固定」、および他の用語は、広く解釈されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、または一体化であってもよい。機械的接続であっても電気的接続であってもよい。直接的接続であっても、中間媒体を介した間接的接続であってもよく、2つの部品間の内部の接続または2つの部品間の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記の用語の特定の意味を特定の状況に基づいて理解することができる。
【0033】
以下で、本発明の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、添付図面および実施形態と併せて本発明をさらに詳細に説明する。
【0034】
本発明は、冷却対象の部品を冷却するための空冷機構100を提供し、冷却対象の部品は、熱収縮チューブで外装されたケーブルであってよい。
【0035】
図1を参照すると、空冷機構100は、空気案内部材10と送風部材20とを備える。空気案内部材10と送風部材20とは、離間している。空冷領域901が、空気案内部材10と送風部材20との間に形成されている。空冷領域901は、第1の所定の方向に沿って、冷却対象の部品が通過する空気入口9011と空気出口9012とを備える。空気入口9011は、加熱領域902の近くに位置する。すなわち、冷却対象の要素は、加熱領域902から送出された後、空気入口9011から空冷領域901に入り、その後、空気出口9012から送出されてよい。
【0036】
特に
図1および
図3を参照されたい。空気案内部材10は、複数の空気遮断板11と複数の空気偏向板12とを備える。複数の空気遮断板11は、第2の所定の方向に沿って離間している。空気出口間隙101が、隣接する空気遮断板11の間に形成されている。各空気偏向板12は、1つの空気遮断板11に接続され、空冷領域901内に延びる。すなわち、複数の空気偏向板12は、第2の所定の方向に沿って離間し、空気偏向板12の延長方向は、空冷領域901に向かっている。特に、第2の所定の方向は、空気出口間隙101および空気遮断板11の長さ方向が第2の所定の方向に垂直であり、幅方向が第2の所定の方向と同じ方向である、任意の方向であってよい。
【0037】
図1および
図2を参照されたい。送風部材20は、空気案内部材10に向けて送風して冷却空気流を形成するように設定されている。冷却空気流は、送風部材20から空気案内部材10に向かって流れ、空気遮断板11は、冷却空気流が空冷領域901から流出することを阻止するように設定されている。特に、送風部材20は、第1の所定の方向に沿って配置された複数のファン21を含むことができ、すなわち、複数のファン21が、空冷領域901の空気入口9011から空気出口9012に向かう方向に沿って配置されている。特に、熱放散効率を向上させるために、1つのファン21がいくつかの空気出口間隙101に対応する。他の実施形態において、送風部材20は送風機であってもよい。
【0038】
特に、空気偏向板12は、空冷領域901の冷却空気流が加熱領域902に向かって流れることを阻止し、空冷領域901の冷却空気流を空気出口間隙101に向けて案内して、冷却空気流が空気出口間隙101から流出するようにしてもよい。空気偏向板12の案内効果により、冷却空気流は、第2の所定の方向に拡散することはできず、それにより、空冷領域901の熱の損失および拡散を低減させる。
【0039】
本実施形態において、第1の所定の方向は、第2の所定の方向と同じ方向である。このとき、空気偏向板12は、空冷領域901の冷却空気流が第1の所定の方向に沿って加熱領域902に向かって流れることを防ぐことができ、それにより、加熱領域902に及ぼす空冷領域901の冷却空気流の影響を低減させる。
【0040】
具体的には、空気偏向板12は、空冷領域901の冷却空気流を空気遮断板11に向けて案内して、冷却空気流が空気遮断板11によって遮断され、最終的に冷却空気流が空気圧の作用により空気出口間隙101を通って流出するようにしてもよい。空気偏向板12は、空冷領域901の冷却空気流を空気出口間隙101に向けて案内して、冷却空気流が空気出口間隙101から流出するようにしてもよい。空気偏向板12は、空気遮断板11によって遮断された冷却空気流を空気出口間隙101に向けて案内して、冷却空気流が空気出口間隙101から流出するようにしてもよい。第1の空気流91は、空気出口間隙101から直接流出することができる。空気偏向板は、第1の側121と第2の側122とを有する。
空気偏向板は、空気遮断板の縁部に接続され、例として、空気偏向板の第1の側121は、第2の側122に比べて空気出口間隙101の近くに位置している。
【0041】
図2を参照すると、明らかに、空気偏向板12と空気遮断板11との間に角度がある。両者間の角度が90度であるとき、冷却空気流を、空気出口間隙101に向かって直接吹く第1の空気流91と、空気遮断板11に向かって直接吹く第2の空気流92とに分割することができる。第1の空気流91は、空気出口間隙101から直接流出することができる。第2の空気流92は、空気遮断板12の第2の側122によって遮断され、空気遮断板12の空冷領域901側に溜まる。第2の空気流が溜まり続けると、第2の空気流92が、空気圧の作用により、隣接する空気偏向板12の第1の側121へ流れるまで、空冷領域901の空気遮断板11近くの領域の空気圧が上昇する。
他の空気偏向板12の第1の側121の案内効果により、第3の空気流93および第2の空気流92は、空気偏向板12の延長方向に沿って空気出口間隙101から流出する。
【0042】
両者間の角度が90度でないとき、冷却空気流を、空気出口間隙101に向かって直接吹く第1の空気流91と、空気遮断板11に向かって直接吹く第2の空気流92と、空気偏向板12に向かって直接吹く第3の空気流93とに分割することができる。第1の空気流91は、空気出口間隙101から直接流出することができる。第2の空気流92は、空気遮断板12によって遮断され、空気遮断板12の空冷領域901側に溜まる。第3の空気流93は、空気偏向板12の案内により、空気出口間隙101または空気遮断板11へ流れる。
【0043】
一例において、空気偏向板の第1の側121は、概ね下方を向き、第2の側122は、概ね上方を向いている。空気偏向板12の第1の側121は、第3の空気流93を空気出口間隙101へ直接案内し、第3の空気流93は、空気出口間隙101から流出する。
【0044】
一例において、空気偏向板の第1の側121は概ね上方を向き、第2の側122は概ね下方を向いている。空気偏向板12の第2の側122は、第3の空気流93を空気遮断板11へ直接案内する。第3の空気流93は、第2の空気流92と合流する。空気遮断板11の遮断効果により、第3の空気流93と第2の空気流92とは、空気遮断板11の空冷領域901側に溜まり、第3の空気流93および第2の空気流92が、空気圧の作用により、隣接する空気偏向板12の第1の側121へ流れるまで、空気遮断板11近くの領域の空気圧を上昇させる。隣接する空気偏向板12の第1の側121の案内により、第3の空気流93および第2の空気流92は、空気偏向板12の延長方向に沿って空気出口間隙101から流出する。
同時に、第1の空気流91も、第2の空気流92および第3の空気流93による影響を受け、空気偏向板12の延長方向に沿って空気出口間隙101から概ね流出する。このようにして、空気遮断板11によって遮ることは、送風部材20によって発生した冷却空気流の流れに対する緩衝効果を有し、空冷領域901から流出する冷却空気流の速度を低下させ、それにより、空冷領域901の熱損失を低減させ、空冷領域901内に断熱をもたらす。同時に、空気偏向板12のドレナージュ効果(drainage effect、排流効果)は、熱の拡散を制限することができ、確実な断熱効果を有するだけでなく、加熱領域902に及ぼす冷却空気流の影響も避ける。空冷機構100は、加熱領域902にほとんど影響を及ぼすことなく、空冷空気の流れによって空冷領域901にある材料を冷却および固化することができる。
【0045】
特に、複数の空気偏向板12は互いに概ね平行であり、空気出口間隙101から流出する冷却空気流の風向が、概ね同じであるようになっている。概ね平行とは、複数の空気偏向板12が平行であるか、5度以下の角度差を間に有することを指す。
【0046】
本実施形態において、
図1を参照すると、空気遮断板11は、第2の所定の方向に平行であり、複数の空気遮断板11が同じ平面にあり、空気出口間隙101も空気遮断板11と同じ平面にあるようになっている。これにより、空気遮断板11の内側に溜まる第3の空気流93および第2の空気流92が空気遮断板11に沿って空気出口間隙101から流出することをさらに制限し、第3の空気流93および第2の空気流92は、空気偏向板12の排流効果によってのみ流出することができる。空気偏向板12は、排流中の冷却空気流の流量をさらに弱める。特に、送風部材20によって発生する冷却空気流の流れ方向を、空気遮断板11が位置する平面に垂直になるように選択することができる。
このとき、空気遮断板11は、冷却空気流の遮断効果のみを有し、空気遮断板11に沿った第3の空気流93および第2の空気流92の流れをさらに制限する。
【0047】
場合により、複数の空気出口間隙101によって形成される通気開口部の割合を低下させるために、第2の所定の方向における空気遮断板11の幅を、第2の所定の方向における空気出口間隙101の幅よりも大きくして、複数の空気遮断板11が、より優れた断熱効果を有し、空冷領域901の熱損失を低下させるようにしてもよい。
【0048】
場合により、空気偏向板12の突き出し長さは、所定の方向における空気出口間隙101の幅以上である。このとき、空冷領域901側への空気偏向板12の突き出し長さが長いほど、より多くの冷却空気流を空気遮断板11に向けて案内して、空冷領域901内の冷却空気流が周囲領域に向かって拡散することをより良好に制限することができる。
【0049】
場合により、空気偏向板12の突き出し長さは、第2の所定の方向における空気遮断板11の幅未満である。この点で、空気遮断板11の幅が大きいほど、より優れた断熱効果が得られる。
【0050】
図1を参照されたい。冷却空気流を空気出口間隙101の外に案内するために、空気偏向板12は、空気遮断板11の縁部に接続されている。このとき、空気偏向板12の一方の側が空気出口間隙101であり、他方の側が空気遮断板11である。空気遮断板11に面した側は、冷却空気流を案内して、空気遮断板11に集めることができる。空気出口間隙101に面した側は、冷却空気流を空気出口間隙101の外に直接案内することができ、熱放散効果を向上させ、加工を容易にする。
【0051】
一実施形態として、
図1を参照すると、空気偏向板12と空気遮断板11とは、鈍角に配置されている。このようにして、空気偏向板12へ直接流れる第3の空気流93は、空気偏向板12の案内によって空気遮断板11へ流れる。同時に、空気偏向板12は、送風部材20の送風方向において空気出口間隙101の一部を遮断することができ、それにより、第1の空気流91の流れを低減させ、さらに空気出口間隙101からの冷却空気の流れを低減させ、断熱効果を向上させる。他の実施形態において、空気偏向板12と空気遮断板11とを鋭角または直角に配置してもよい。
【0052】
しかしながら、第3の空気流93および第2の空気流92が溜まりすぎて、適時に流出できない場合、空冷領域901において冷却空気流の内部循環が発生しやすく、加熱領域902の熱に影響を及ぼす。したがって、送風部材20上への空気出口間隙101の投影が、送風部材20上への空気偏向板12の投影を覆い、これは、空気偏向板12が、送風部材20の送風方向において空気出口間隙101を完全には遮断しないことを意味する。これにより、冷却空気流の一部が空気出口間隙101を通って直接流出することができ、良好な熱放散および空冷効果を保証する。
【0053】
空気偏向板12と空気遮断板11との間の角度が大きすぎると、過剰な量の冷却空気流が空気出口間隙101から直接流出して、空冷効果に影響を及ぼすことが阻止されないだけでなく、冷却空気流に対する空気偏向板12の案内効果も低下する。したがって、空気偏向板12と空気遮断板11との間の角度を、90度以上かつ135度以下に設定することができる。
【0054】
図1を参照すると、本実施形態において、空気偏向板12と空気遮断板11との間の角度は100度である。この角度で、空気偏向板12は、空気出口間隙101を遮断しすぎることなく、空気遮断板11に溜まった冷却空気流を空気出口間隙101から流出するように、より良好に案内することができ、冷却空気流の拡散を制限することができる。
【0055】
空気偏向板12は、対応する空気遮断板11の、加熱領域902に近い側に接続されている。空気偏向板12の案内により、空気出口間隙101から流出する冷却空気流は、加熱領域902から離れる側に傾斜し、冷却空気流が加熱領域902に吹き戻されることを防ぎ、かつ加熱領域902の近くで作業する操作者が熱風を浴びることを防ぐように排出される。
【0056】
図1および
図3を参照すると、加工を容易にするために、空気遮断板11と空気偏向板12とは一体部品である。空気案内部材10は、平板を機械加工することによって、具体的には、平板において空気偏向板12の輪郭を切り取り、その後、スタンピングまたは他の方法により空気偏向板12を一方の側に曲げることによって形成することができる。本実施形態において、空気偏向板12は80度に曲げられ、平板に生じる間隙は空気出口間隙101であり、空気遮断板11は隣接する2つの空気出口間隙101の間に形成される。この加工方法によって形成された空気案内部材10は、溶接および他の方法により組み立てられた空気案内部材に比べて、コストが低く、安定した構造およびより正確なサイズを有し、壊れにくい。
【0057】
本実施形態において、空気偏向板12と空気遮断板11との接続部を丸めて、空気遮断板11が流路にあるときに、空気偏向板12により案内される第3の空気流93が別の隣接する空気偏向板12に向かって流れるための力を発生させ、第3の空気流93および第2の空気流92が隣接する別の空気偏向板12へ流れ、その後、別の隣接する空気偏向板12を通って空気出口間隙101から流出するまで、第2の空気流92を隣接する別の空気偏向板12に向かって流れるように押し流す。
【0058】
場合により、送風部材20上への空気出口間隙101の投影は、第2の所定の方向に垂直な方向に沿った長さを有し、この長さは、第2の所定の方向に垂直な方向に沿ったファン21の長さよりも大きく、ファン21によって形成された冷却空気流を、空気案内部材10によって長さ方向に覆い、冷却空気流の拡散を防ぐことができるようになっている。空気出口間隙101の長さ方向は第2の所定の方向に垂直であり、ファン21の長さは、空気出口間隙101の長さ方向における長さであることに留意されたい。第2の所定の方向において、1つのファンがいくつかの空気出口間隙101に対応する。
【0059】
図1を参照すると、本実施形態において、少なくとも1つの空気偏向板12は、第2の所定の方向において、送風部材20に比べて空気入口9011の近くに位置している。空気入口9011に近接した空気偏向板12は、冷却空気流が空気入口9011から流出することを制限することができる。少なくとも1つの空気偏向板12は、第2の所定の方向において、送風部材20よりも空気出口9012の近くに位置し、空冷領域の空気出口9012に近接した空気偏向板12は、冷却空気流が空気出口9012から流出することを制限することができる。このようにして、送風部材20によって吹き出される冷却空気流は、空気案内部材10の被覆範囲内にあり、これは、冷却空気流を、空気偏向板12によって空気案内部材10の両端部で案内することができることを意味する。
空気案内部材10の両端部の空気偏向板12は、冷却空気流が周囲領域に向かって拡散することを制限することができる。
【0060】
本発明は、冷却空気流を空気入口から空気出口へ案内するための空気案内部材10も提供する。特に、空気入口は、空気出口に向かって流れる冷却空気流を発生させる送風部材20を備えることができる。
【0061】
図3を参照されたい。空気案内部材10は、ブラケット本体13と、複数の空気遮断板11と、複数の空気偏向板12とを備える。複数の空気遮断板11は、それぞれブラケット本体13に接続され、冷却空気流の通過を阻止するように構成されている。複数の空気遮断板11は、第1の所定の方向に沿って離間している。空気出口間隙101が、2つの隣接する空気遮断板11の間に形成されている。空気偏向板12は、空気遮断板11に接続され、空気入口に向かって延びる。特に、空気遮断板11および空気偏向板12は、上記の実施形態の空気遮断板11および空気偏向板12と同じ構造および機能を有しており、ここでは繰り返さない。ブラケット本体13は、空気遮断板11を支持するために使用され、複数の空気遮断板11が、第1の所定の方向に沿って間隔をあけて配置されるようになっている。
本実施形態において、加工を容易にするために、複数の空気遮断板11は、ブラケット本体13と同一平面上にある。ブラケット本体13を、空気出口の縁部に接続することができ、空気偏向板12は、空気出口へ延びて、空気入口から吹き込まれた空気流を空気出口へ案内する。空気案内部材10は、平板を打ち抜く(stamping)ことによって形成された一体部品である。この加工方法によって形成された空気案内部材10は、加工が容易でコストが低い。
【0062】
図1および
図4に示すように、本発明は加熱デバイスも提供する。加熱デバイスは、加熱機構200と、上記の実施形態において説明した空冷機構100とを備える。空冷機構100は、上記の実施形態の空冷機構100と同じ構造および機能を有しており、ここでは繰り返さない。加熱機構200は加熱領域902を備え、加熱領域902の熱が、加熱領域902にある材料を加熱することができる。空冷領域901は、加熱領域902の近くに設定され、材料は、加熱処理後に冷却のために空冷領域901に入ることができる。使用時に、材料は、最初に加熱のために加熱領域902に配置される。加熱プロセスの完了後、材料は冷却対象の部品になり、その後、冷却対象の部品は、熱放散のために空冷機構100の空冷領域901に運ばれ、材料を冷却空気流によって冷却および固化することができる。
特に、空気案内部材10は、送風部材20によって吹き出された冷却空気流を、加熱機構200から離れて流れるように案内し、空冷領域901から排出することができる。具体的には、空気偏向板12は、空気遮断板11の、加熱領域902の縁部近くに位置し、空気遮断板11に対して鈍角に配置される。このように、空冷機構100が材料を冷却および固化する際に、空冷領域901の冷却空気流は、空気偏向板12によって遮ることにより、加熱領域902に向かって流れない。同時に、空気遮断板11は、加熱領域902に接続された空冷領域901に断熱をもたらして、加熱領域902の熱に影響を及ぼすことを避ける。さらに、空冷領域901から排出された冷却空気流は、加熱機構200から離れるように流れて、排出された冷却空気流が加熱機構200の近くで作業する操作者に影響を及ぼすことを避ける。
【0063】
本実施形態において、材料は、熱収縮チューブを有するケーブルであってよく、加熱機構200は熱収縮機である。材料が加熱機構200の加熱領域902に配置されると、熱収縮チューブは熱収縮を受け、熱収縮チューブ内のコロイドが溶解する。材料が空冷機構100の空冷領域901に運ばれた後、コロイドを、送風部材20により発生した冷却空気流によって固化することができる。空気遮断板11の温度保持効果および空気偏向板12の拡散防止効果により、冷却空気流は、加熱領域902における熱収縮チューブの熱収縮プロセスに影響を及ぼさない。したがって、熱収縮機のエネルギー消費を増加させることはない。
【0064】
上記は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の技術的原理の具体的な説明のみが提示されている。これらの説明は、本発明の原理を説明することのみを目的とするものであり、本発明の保護の範囲を限定するものと解釈すべきではない。この説明に基づいて、当業者が創造的労力を費やすことなく関連付けて考えることができる、本発明の趣旨および原理の範囲内で行われる修正、等価の置換、および改良、ならびに本発明の他の具体的な実施形態は、本発明の保護の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0065】
10 空気案内部材
11 空気遮断板
12 空気偏向板
13 ブラケット本体
20 送風部品
21 ファン
91 第1の空気流
92 第2の空気流
93 第3の空気流
100 空冷機構
101 空気出口間隙
121 第1の側
122 第2の側
200 加熱機構
901 空冷領域
902 加熱領域
9011 空気入口
9012 空気出口
【国際調査報告】