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特表2024-508967高タンパク質押し出し物、食品、及びその製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】高タンパク質押し出し物、食品、及びその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   A23J 3/26 20060101AFI20240220BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20240220BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240220BHJP
   A23L 2/66 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A23J3/26
A23J3/14
A23L5/00 A
A23L2/00 J
A23L5/00 M
A23L2/66
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554795
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 FI2022050146
(87)【国際公開番号】W WO2022189704
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】20215252
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512068592
【氏名又は名称】テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ
【氏名又は名称原語表記】TEKNOLOGIAN TUTKIMUSKESKUS VTT OY
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ニキンマア,マークス
(72)【発明者】
【氏名】フイツラ,ラウリ
(72)【発明者】
【氏名】ソーザー,ネスリ
(72)【発明者】
【氏名】ノードランド,エミリア
【テーマコード(参考)】
4B035
4B117
【Fターム(参考)】
4B035LG12
4B035LG15
4B035LG21
4B035LG33
4B035LG34
4B035LK11
4B035LP32
4B035LT05
4B117LC04
4B117LE03
4B117LK15
(57)【要約】
本発明の一態様によれば、高タンパク質押し出し物を形成するプロセスが提供され、このプロセスは、(i)タンパク質含有原料を押し出して、複数の高タンパク質押し出し物及び複数の非タンパク質押し出し物を形成するステップと、(ii)複数の高タンパク質押し出し物を複数の非タンパク質押し出し物と分離するステップと、を含む。上述の方法で製造された押し出し製品は、例えば、食品添加物として、又は単独の食品としての産業用途がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高タンパク質押し出し製品を形成するプロセスであって、
タンパク質成分及び脂肪成分を含む植物ベースの原料を押し出して、タンパク質濃度が50wt%を超える複数の高タンパク質押し出し物と、タンパク質濃度が10wt%未満である複数の非タンパク質押し出し物と、を形成するステップと、
前記複数の高タンパク質押し出し物を前記複数の非タンパク質押し出し物と分離するステップと、
を含むプロセス。
【請求項2】
前記複数の高タンパク質押し出し物のタンパク質濃度が少なくとも約55wt%であることを特徴とする、
請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記分離するステップは、サイズ、形状、表面テクスチャ、色、硬さ、脆さ、又はこれらの組み合わせに基づいて行われることを特徴とする、
請求項1~2のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項4】
前記分離するステップは、前記複数の高タンパク質押し出し物及び前記複数の非タンパク質押し出し物の色に基づいて行われることを特徴とする、
請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記分離するステップは、水性分離方式で行われることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記原料は、マメ科植物材料、油糧種子材料、又は穀物材料を含む植物ベースのタンパク質源を含むことを特徴とする、
請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記原料はエンバク材料を含むことを特徴とする、
請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記植物ベースの原料は、脂肪含有量が約5wt%から約10wt%であることを特徴とする、
請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記複数の非タンパク質押し出し物はデンプン含有押し出し物を含むことを特徴とする、
請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記植物ベースの原料は、植物ベースの前駆体原料に脂肪添加物を加えることによって得られることを特徴とする、
請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記押し出すステップ中の脂質の酸化を制限する又は防ぐために、前記押し出すステップの前に、前記植物ベースの原料に抗酸化化合物を添加するステップ
を更に含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
約130℃から約160℃の温度、約250Wh/kgから約300Wh/kgの比機械的エネルギ、及び約11%から約15%の含水率で前記押し出すステップが行われることを特徴とする、
請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
複数の高タンパク質押し出し物及び複数の非タンパク質押し出し物を含む混合物であって、前記高タンパク質押し出し物はタンパク質濃度が50wt%を超えており、前記非タンパク質押し出し物はタンパク質濃度が10wt%未満である、前記混合物。
【請求項14】
前記混合物は、タンパク質成分及び脂肪成分を含む植物ベースの原料の1回の押し出しから得られる、請求項13に記載の混合物。
【請求項15】
前記複数の高タンパク質押し出し物のタンパク質濃度が少なくとも65wt%であることを特徴とする、
請求項13又は14に記載の混合物。
【請求項16】
高タンパク質押し出し物及び非タンパク質押し出し物の前記混合物は、マメ科植物材料、油糧種子材料、又は穀物材料から押し出されることを特徴とする、
請求項13~15のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項17】
高タンパク質押し出し物及び非タンパク質押し出し物の前記混合物は、エンバク材料から押し出されることを特徴とする、
請求項13~16のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項18】
前記高タンパク質押し出し物の脂肪含有量は約2wt%から約8wt%であることを特徴とする、
請求項13~17のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項19】
請求項13のいずれか一項に記載の前記高タンパク質押し出し物及び/又は非高タンパク質押し出し物を中に含む食品又は飲料。
【請求項20】
請求項13に記載の前記高タンパク質押し出し物及び/又は非高タンパク質押し出し物の、食品又は飲料の中での、或いは、食品又は飲料の製造における用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高タンパク質押し出し物、高タンパク質押し出し物と非タンパク質押し出し物との混合物に関し、少なくとも高タンパク質押し出し物を含む食品に関し、上述の製品を形成するプロセスであって、高タンパク質押し出し物及び非タンパク質押し出し物を形成すること、並びにこれらを互いに分離することを含むプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
健康的であり、訴求力があり、多様な食品群(例えば、シリアル、バー状食品、パスタ、栄養製品、食事代わりになるもの、代替肉、及びすぐ食べられるスナック食品)に加工するための、持続可能植物ベースの原料から作られた濃縮タンパク質製品への関心が高まっている。そのようなタンパク質製品の消費が増えているならば、そのようなタンパク質濃縮物が、効率よく、コスト効率よく、適切な原料から大量に作られることも望ましい。現在までに、タンパク質濃縮物を提供する様々なプロセスが知られている。
【0003】
例えば、タンパク質画分を濃縮する湿式抽出法が知られており、これは、抽出又は可溶化のステップがあり、その後に等電沈殿が起こる。既知の湿式抽出プロセスでは、高濃度のタンパク質濃縮物の製造が可能であるが、処理には大量の水が必要であり、又、乾燥工程には膨大な時間及びエネルギが必要である。更に、乾燥温度が高いことと、その継続時間とにより、タンパク質の変性が発生して、その影響が最終的な濃縮タンパク質製品の品質に及ぶ可能性がある。従って、このような湿式抽出プロセスはコスト効率が悪く、特に大量生産においてコスト効率が悪い。
【0004】
一方では乾燥分画法が知られており、この方法では、タンパク質含有材料が(例えば)粉砕されて空気分級機に供給され、そこで粒子のサイズ及び密度に基づいて材料が選別されて、タンパク質を多く含む細かい画分と、非タンパク質画分(例えば、デンプン含有画分)を多く含みうる粗い画分とが得られる。そのような乾燥分画法はエネルギ効率が良く、タンパク質画分中のタンパク質の完全性を維持するが、高濃度の(例えば、50wt%以上の)タンパク質分画は一般に不可能であるため、タンパク質の濃度と歩留まりとの間で妥協を迫られることが多い。
【0005】
そこで、食品に容易に組み込まれ、又はすぐに食べられる食品と同様に容易に利用可能であり、効率の良い、コスト効率の良い、高度にスケーラブルなプロセスから作られることが可能な、高濃度のタンパク質製品が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、独立請求項に記載の特徴によって定義される。幾つかの具体的な実施形態が従属請求項において定義される。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、高タンパク質押し出し製品を形成するプロセスが提供され、このプロセスは、(i)タンパク質成分及び脂肪成分を含む原料を押し出して、複数の高タンパク質押し出し物及び複数の非タンパク質押し出し物(例えば、高デンプン押し出し物)を形成するステップと、(ii)複数の高タンパク質押し出し物を非タンパク質押し出し物と分離するステップと、を含む。一態様では、高タンパク質押し出し物(断片)は、水を加えない高せん断速度の押し出しの間に行われる相分離の結果として得られる。
【0009】
別の態様では、高タンパク質押し出し製品を形成するプロセスが提供され、このプロセスは、タンパク質成分及び脂肪成分を含む植物ベースの原料を押し出して、タンパク質濃度が50wt%を超える複数の高タンパク質押し出し物と、タンパク質濃度が10wt%未満である複数の非タンパク質押し出し物と、を形成するステップと、複数の高タンパク質押し出し物を複数の非タンパク質押し出し物と分離するステップと、を含む。
【0010】
驚くべきことに本願発明者等は、タンパク質成分及び脂肪成分を含む原料を押し出すことにより、その原料から全く異なる高タンパク質押し出し物及び非タンパク質押し出し物が形成されることが可能であって、この分離は、適切な特性又はパラメータ(例えば、色、表面テクスチャ、硬さ、脆さ、サイズ、及び/又は形状等)に基づいて容易に行われることが可能であることを見出した。更に、高タンパク質食品片を形成するプロセスにおいて押し出しを利用することは、押し出し工程において必要となる乾燥及び水の添加が最小限である点で特に有利である。
【0011】
更に、高タンパク質押し出し物は有利なことに、タンパク質濃度が極めて高く(例えば、少なくとも約55wt%であり、例えば、幾つかの実施形態では約55~約75wt%である)、押し出された高タンパク質高濃度押し出し物と非タンパク質押し出し物とが互いに効率よく分離されることにより、プロセスの歩留まりは高い。特定の理論に縛られることを望むものではないが、押し出される状況では、タンパク質は、ジスルフィド架橋間の引力によって互いに集まって個々の凝集塊又は片を形成すると考えられている。これらの高タンパク質押し出し物は、有利なことに、非タンパク質押し出し物(例えば、デンプン含有押し出し物)と分離されて、それぞれの使用可能な断片を与える。高タンパク質押し出し物は、単独の食品として消費されてよく、又は、他の食品の中で利用されてよく、或いは他の食品の形成において使用されてよく、そのような他の食品として、例えば、焼き菓子、シリアル、植物ベースの飲料、スナックバー、パスタ、栄養製品、食事代わりになるもの、代替肉等がある。非タンパク質押し出し物(例えば、デンプン含有片)は更に、それらの組成に応じて有用な製品として利用されてよい。
【0012】
本発明の別の態様によれば、複数の高タンパク質押し出し物及び複数の非タンパク質押し出し物の混合物が提供される。
【0013】
別の態様によれば、複数の高タンパク質押し出し物及び複数の非タンパク質押し出し物を含む混合物が提供され、高タンパク質押し出し物はタンパク質濃度が50wt%を超えており、非タンパク質押し出し物はタンパク質濃度が10wt%未満である。一実施形態では、混合物は、タンパク質成分及び脂肪成分を含む植物ベースの原料の1回の押し出しから得られる。
【0014】
更に別の態様によれば、少なくとも約55wt%のタンパク質を含むタンパク質押し出し物が提供される。幾つかの実施形態では、タンパク質押し出し物はエンバクベースのタンパク質押し出し物である。
【0015】
更に別の態様によれば、複数の高タンパク質押し出し物及び/又は非タンパク質押し出し物を中に含む食品が提供される。
【0016】
更に別の態様によれば、本明細書に開示の高タンパク質押し出し物及び/又は非高タンパク質押し出し物の、食品又は飲料の中での、或いは、食品又は飲料の製造における用途が提供される。
【0017】
次に、図面及び幾つかの実施形態を参照しながら、本発明の技術についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一態様によるタンパク質含有押し出し物及び非タンパク質押し出し物の混合物を示す。
図2】乃至
図5】本発明の一態様による、エンバク粉及びそら豆粉を押し出して高タンパク質押し出し物及び非タンパク質押し出し物にした結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書では「非タンパク質押し出し物」という用語は、本明細書に記載の分離工程から得られる、タンパク質濃度が10wt%未満である、高タンパク質含有片ではない押し出し片を意味する。当然のことながら、押し出し工程では、幾らかのタンパク質成分が残っているか、非タンパク質押し出し物と分離されていない可能性があるが、非タンパク質押し出し物内でのタンパク質濃度は10wt%以下である。
【0020】
本明細書では「高タンパク質」という用語は、押し出し片のタンパク質濃度が押し出し片の総重量の50wt%を超える場合にその押し出し片に使用される。
【0021】
本明細書では「押し出し物」という用語は、既に押し出し工程を経た材料を意味する。
【0022】
本明細書では「約」という語は、述べられた値の±1%に相当する。
【0023】
本明細書において特に断らない限り、又は文脈から明らかでない限り、本明細書で言及されているパーセント値はいずれも、それぞれの組成物の総重量に基づく重量パーセントとして表されている。
【0024】
一実施形態では、選択された材料(例えば、出発原料)の脂肪含有量の決定は、ISO6492(動物用飼料-脂肪含有量の決定、1999年)に従って、SoxCap TM 2047とSoxtec TM 2050抽出システムの組み合わせ、準備として酸加水分解工程及びジエチルエーテル抽出(Foss A/B、ヒレロッド、デンマーク)を用いて行われた。
【0025】
一実施形態では、選択された材料(例えば、出発原料)、高タンパク質押し出し物、及び/又は非タンパク質押し出し物のタンパク質含有量の測定が行われ、これは、高タンパク質押し出し物を非タンパク質押し出し物と分離し(適用可能な場合)、選択された材料を粉砕し、その材料のタンパク質含有量を分析することによって行われた。一実施形態では、タンパク質含有量の測定は、デュマ燃焼法で全窒素(N)を分析し、タンパク質をN×6.25として計算することによって行われた。
【0026】
繰り返しになるが、本発明の一態様によれば、高タンパク質押し出し製品を形成するプロセスが提供され、このプロセスは、(i)タンパク質成分及び脂肪成分を含む原料を押し出して、複数の高タンパク質押し出し物及び複数の非タンパク質押し出し物(例えば、濃縮デンプン押し出し物)を形成するステップと、(ii)複数の高タンパク質押し出し物を非タンパク質押し出し物と分離するステップと、を含む。
【0027】
本明細書に記載のプロセスでは、原料は、本明細書に記載のようにタンパク質含有押し出し物及び非タンパク質含有押し出し物として押し出されることが可能なタンパク質成分及び脂肪成分を有する任意の適切な材料を含んでよい。タンパク質含有原料中のタンパク質の量は、必然的に、所望のタンパク質含有量につながり、且つ/又は所望のタンパク質含有量を最終製品(高タンパク質押し出し物)に与える。一実施形態では、原料のタンパク質濃度は少なくとも15wt%超であり、一実施形態では少なくとも約20wt%である。一特定実施形態では、原料のタンパク質濃度は約15wt%から約25wt%である。幾つかの実施形態では、タンパク質含有押し出し物は、原料中のタンパク質のうちの少なくとも65%、少なくとも70%、又は少なくとも75%を含む。このように、本明細書に記載の方法は、最終製品のタンパク質含有量の高効率の歩留まりを実現する。
【0028】
一方、本願発明者等は、広範な試験から、押し出し工程及び分離工程を効果的に実施するためにはタンパク質含有原料中の脂肪成分が必要であることを見出した。例えば、適度の脂肪成分がない場合、押し出し機ダイが詰まる可能性があり、且つ/又は、押し出し機が過大なトルクを必要とする可能性がある。
【0029】
一実施形態では、タンパク質含有原料の脂肪含有量は少なくとも約4wt%、好ましくは少なくとも約5wt%であり、例えば、約5wt%から約10wt%である。効果的な押し出し及び分離を可能にするために、幾つかの原料が必然的に最小限の量の脂肪成分を含みうることが想定される。あくまで例として、エンバク粉又は他のエンバクベースの材料が、約9wt%の脂肪含有量を有することが可能であり、従って、脂肪添加物なしのそのままで利用可能である。そのような場合、原料は、脂肪添加物を全く含まなくても押し出しにかけられることが可能である。別の幾つかの実施形態では、原料は、押し出し工程及び分離工程を可能にすべく原料に所望の量の脂肪成分を与えるための脂肪添加物を含んでよい。従って、幾つかの実施形態では、押し出される原料に、少なくとも約4wt%、好ましくは少なくとも約5wt%、例えば、約5wt%から約10wt%の脂肪成分を与えるために、前駆体原料(例えば、脂肪添加物を含まない原料)に脂肪添加物が添加されてよい。
【0030】
脂肪(脂質)添加物は、原料に所望の脂肪含有量を添加するための任意の適切な天然材料又は合成材料を含んでよい。脂肪添加物は油であってよく、例えば、キャノーラ油、コーン油、オリーブ油、キャノーラ油、パーム油、サフラワー油、なたね油、大豆油、これらの混合物等であってよく、これらに限定されない。脂肪添加物は又、他の任意の脂肪材料を含んでよく、例えば、脂肪酸エステル化されたプロポキシル化グリセリン組成物、スクロース脂肪酸ポリエステル等を含んでよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、原料は、植物ベースのタンパク質源を含んでよく、例えば、穀物、油糧種子、又はマメ科植物材料を含んでよい。従って、幾つかの実施形態では、原料は、穀物ベースの材料を含んでよく、例えば、小麦、米、エンバク、コーンミール、大麦、ライ麦等、及びこれらの組み合わせを含んでよい。更に、幾つかの実施形態では、原料はマメ科植物材料を含んでよく、これは主にグロブリンタンパク質を含む。マメ科植物材料は、ササゲ、そら豆、アルファルファ、クローバー、豆、エンドウ、ひよこ豆、レンズ豆、ルピナス、メスキート、いなご豆、大豆、落花生等、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含んでよい。従って、限定ではなく、原料は、大豆、エンドウ、小麦、大麦、ライ麦、エンバク、キャノーラ等、及びこれらの組み合わせに由来してよい。幾つかの特定実施形態では、原料は、エンバクベースの材料を含んでよく、例えば、エンバク粉を含んでよい。エンバク粉は、全粒エンバク粉でも非全粒エンバク粉でもよい。
【0032】
原料は、押し出しに適した形態である。一実施形態では、原料は粉末形態であり、小麦粉又は粗挽き粉材料を含んでよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、押し出し工程中の脂質の酸化を制限する又は防ぐために、原料の押し出しの前に、ある程度の抗酸化化合物が原料に添加されてよい。脂質の酸化は、潜在的に押し出し製品の酸敗を引き起こす可能性があり、特に、比較的高い(例えば、約150℃を超える)押し出し温度で押し出す場合にそうなる可能性がある。抗酸化化合物は、押し出し中の脂質の酸化を制限する又は防ぐことに適する任意の化合物又は化合物の混合物であってよい。抗酸化化合物の例として、アスコルビン酸、トコフェロール等があり、これらに限定されない。抗酸化化合物は、任意の適切な有効量で与えられてよく、例えば、原料の0.01wt%から5wt%等が与えられてよい。
【0034】
本発明の一態様によれば、原料は、当該技術分野においてよく知られている適切な押し出し機又は押し出し調理装置に供給される。典型的には、押し出し機は、入口と、1つ以上の回転可能な押し出しスクリューを収容する細長バレルとを含む。スクリューは、入口に導入された食品材料(例えば、タンパク質含有原料)が細長バレルを通って出口まで搬送されるのを支援する。更に、スクリュー、又はバレル内に作成された別のものが摩擦素子又は加熱素子によって加熱されることにより、食品材料が溶解される。バレルの出口は、開口押し出しダイを含む。押し出しダイから押し出されて出てきた材料が集められてよい。幾つかの実施形態では、押し出された材料を必要に応じて片に切断するために、1つ以上の切断装置(例えば、回転式切断装置)が設けられてもよい。幾つかの実施形態では、押し出し機は、単軸スクリュー押し出し機又は二軸スクリュー押し出し機を含んでよい。
【0035】
典型的には、又、バレル内で圧力が上昇し、これは溶解物がダイから出ると緩和されうる。この圧力緩和により、溶解物が冷却されて急速に固まったときにふんわりとした多孔質構造が生成される。このように、本明細書に記載の押し出し製品は、膨らんだ食品を含んでよい。
【0036】
押し出し機は、本明細書に記載の高タンパク質押し出し物及び非タンパク質押し出し物を生成することに効果的な、任意の適切な条件(例えば、温度、圧力、含水率、せん断速度、比機械的エネルギ(SME)、スクリュー速度等)の下で動作してよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、原料内に所望のレベルの水分がまだ存在しない場合に所望の水分レベルを達成するために、原料に加えて、ある程度の水が押し出し機に加えられてよい。本発明の更なる態様として、押し出しプロセスは、押し出し機での材料の押し出し、及びその後の高タンパク質押し出し物と非タンパク質押し出し物との分離のためにかなりの量の水又は液体が加えられることを必要としない。幾つかの実施形態では、原料の含水率は無水ベースで約30%以下であり、幾つかの実施形態では、押し出し工程中の原料の含水率が無水ベースで約20%以下である。一実施形態では、含水率は、無水ベースで少なくとも約8%又は少なくとも約10%である。幾つかの実施形態では、含水率は、無水ベースで約10%から約15%であり、特定の実施形態では無水ベースで11%から15%である。
【0038】
幾つかの実施形態では、押し出し機に導入される水/液体の供給速度(mL/分)は15%以下であり、幾つかの実施形態では、原料の供給速度は約5%以下である。
【0039】
一実施形態では、押し出し機は、押し出し機のバレル内に1つ以上の温度ゾーンを含み、幾つかの実施形態では、2つ、3つ、又は4つ以上の別個の温度ゾーンを含む。一実施形態では、押し出されている原料は、押し出し機内で少なくとも約100℃(例えば、約100℃から約200℃の範囲)まで加熱され、幾つかの実施形態では少なくとも約130℃まで加熱され、特定の幾つかの実施形態では約130℃から約170℃の範囲まで加熱され、更なる幾つかの実施形態では約130℃から約160℃の範囲まで加熱される。押し出し温度が130℃を下回ると、高タンパク質押し出し物のサイズが小さくなる傾向があり、(意図される用途によっては)望ましくないレベルに達する可能性がある。押し出し温度が170℃を上回ると、最終的な高タンパク質押し出し物のタンパク質含有量が、望ましくない減り方をする可能性がある。
【0040】
幾つかの実施形態では、押し出し機は、押し出し機のバレル内に2つ以上の温度ゾーンを含み、各温度ゾーン内の材料の温度は、押し出し機の供給側からダイに向かう方向に高くなる。あくまで例として、一実施形態では、押し出し機の各温度ゾーンは、押し出し機内の供給側からダイにかけて約80℃、95℃、150℃、及び160℃であってよい。
【0041】
押し出し中の圧力は、所望の結果を達成する任意の適切な圧力であってよい。一実施形態では、押し出し機のバレル内の材料にかかる圧力は、少なくとも約500psi(3447kPa)であり、或いは、幾つかの実施形態では少なくとも約700psi(4826kPa)である。特定の幾つかの実施形態では、圧力は、約700psi(4826kPa)から約850psi(5860kPa)である。一実施形態では、圧力の測定は、押し出し機のダイから出る前の一点で行われる。
【0042】
スクリュー速度は、所望の結果を達成する任意の適切な速度であってよい。一実施形態では、スクリュー速度は少なくとも約100rpmであり、特定の一実施形態では少なくとも200rpmであり、幾つかの実施形態では約200rpmから約400rpmである。
【0043】
比機械的エネルギは、所望の結果を達成する任意の適切な速度であってよい。一実施形態では、比機械的エネルギ(SME)は少なくとも10Wh/kgであり、特定の一実施形態では少なくとも約50Wh/kgであり、幾つかの実施形態では少なくとも約100Wh/kgであり、例えば、約100Wh/kg,から約350Wh/kgである。特定の一実施形態では、約130℃から約160℃の温度、約250Wh/kgから約300Wh/kgのSME、及び約11%から約15%の含水率で押し出しが行われる。
【0044】
押し出し機内の材料にかかるせん断速度の大きさは、所望の結果を達成する任意の適切な大きさであってよい。一実施形態では、せん断速度は少なくとも約50s-1、少なくとも約100s-1、又は少なくとも約200s-1である。
【0045】
図1には、押し出し機のダイから出てきた複数の高タンパク質押し出し物10及び非タンパク質押し出し物12が示されている。図示の実施形態では、非タンパク質押し出し物12はデンプン含有片であるが、当然のことながら、本発明はそのようには限定されない。図示の実施形態では、片10、12は色が明らかに異なっており、タンパク質押し出し物は色が顕著に濃い。
【0046】
一実施形態では、高タンパク質押し出し物10と非タンパク質押し出し物12は互いに乾式分離されてよい。「乾式分離されている」は、やはり、分離を引き起こすために、分離される材料に水、溶媒、又は液体を加えることが不要であることを意味している。幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物10と非タンパク質押し出し物12は、表面テクスチャ、サイズ、形状、硬さ、脆さ、及び/又は他の任意の適切なパラメータに基づいて分離されてよい。本発明の分離工程を実施するために、色、表面テクスチャ、サイズ、硬さ、脆さ、形状、及び/又は他のパラメータに基づいて分離を実施する適切な器具及び装置が市販されており、当該技術分野において知られている。
【0047】
別の幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物10と非タンパク質押し出し物12は湿式分離方式で互いに分離されてよい。そのような一実施形態では、高タンパク質押し出し物10と非タンパク質押し出し物12は水性分離方式で分離されてよい。一実施形態では、水性分離方式は、水中の押し出し物10、12の分散性及び/又は溶解性の差に基づいて押し出し物10、12を互いに分離することが可能な任意の適切なプロセスである。一実施形態では、例えば、高タンパク質押し出し物10及び非タンパク質押し出し物12は、押し出し物10、12を互いに分離することに効果的な、ある程度の時間にわたって水に浸されてよい。一般に、高タンパク質押し出し物10は水中で不溶であり、一方、非タンパク質押し出し物12は水中で分散する又は可溶であるため、押し出し物10、12を互いに分離することが可能である。
【0048】
有利なことに、高タンパク質押し出し物の各片の(それぞれの)タンパク質濃度は、少なくとも50wt%超、少なくとも約55wt%、少なくとも約60wt%、又は少なくとも約65 wt%である。一特定実施形態では、高タンパク質押し出し物のタンパク質濃度は約68wt%から約85wt%である。
【0049】
幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物の脂肪含有量は少なくとも約2wt%又は少なくとも約4wt%であってよい。幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物の脂肪含有量は約2wt%から約8wt%であってよく、好ましくは、約3wt%から約6wt%であってよい。原料の初期脂肪含有量のいくらかは、分離されて非タンパク質押し出し物に導入されてよいことが想定される。
【0050】
更に、高タンパク質押し出し物は、任意の適切なサイズ及び形状であってよい。幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物は形状が不規則である。高タンパク質押し出し片は、最長寸法が少なくとも約1cmであってよく、幾つかの実施形態では約1cmから約20cmであってよい。幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物は更に、サイズが小さくされてよく、例えば、すりつぶし、粉砕等により小さくされてよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物は、タンパク質濃度が少なくとも約65wt%、幾つかの実施形態では少なくとも約68wt%の、マメ科植物ベース又は穀物ベースの押し出し片を含む。幾つかの特定実施形態では、高タンパク質押し出し物は、エンバクベースの材料(例えば、エンバク粉)に由来するエンバクベースの押し出し物を含む。
【0052】
幾つかの実施形態では、非タンパク質押し出し物は、それぞれに固有の所望の有用性を有しうる。例えば、非タンパク質押し出し物はデンプン含有片を含んでよい。幾つかの実施形態では、デンプン含有片は個別にデンプン濃度が約50wt%超である。幾つかの実施形態では、デンプン濃度は少なくとも約60wt%であり、幾つかの実施形態では少なくとも約65wt%である。幾つかの実施形態では、デンプン含有片は、充填剤又は結合剤として食品及び/又は非食品に組み込まれてよい。別の幾つかの実施形態では、非タンパク質押し出し物は、デンプン成分の代わりに、又はデンプン成分に加えて、脂肪成分を含んでよい。
【0053】
高タンパク質押し出し物及び/又は非タンパク質押し出し物は、単独の食品として消費されてもよく、他の食品に組み込まれたり他の食品の形成に使用されたりしてもよい。幾つかの実施形態では、タンパク質押し出し片は、単独の食品として、バルク量で包装及び販売されてよく、或いはヨーグルト等のトッピングとして使用されるように包装されてよい。別の幾つかの実施形態では、タンパク質押し出し片は、更に処理しなくてもすぐに食品に組み込める形態であってよく、例えば、ナッツ、ドライフルーツ、キャンディ粒等を含むスナックミックスに組み込める形態であってよい。更に別の幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物は、代替肉やスナックバー等の食品の形成にすぐに利用できるような形態である。更に別の幾つかの実施形態では、非タンパク質片(例えば、デンプン)は、充填材等として利用されてよい。更に幾つかの実施形態では、高タンパク質押し出し物は、植物ベースの飲料(例えば、エンバクミルク等)の添加物として使用されてよい。
【0054】
実施例
実施例1:エンバク粉をAPV Baker MPF 19/25押し出し機に約60g/分で供給した。出発原料のタンパク質含有量は約19.2wt%であった。バレルの先頭での給水(約2g/分)に、ある程度水を追加した。押し出し機の最後部で、小麦粉の処理を、130~170℃の温度、約14%の水分、及び250~450rpmのスクリュー速度で行った。材料は、2つの断片としてダイから出た。(ダイから供給側にかけての)温度プロファイルが150-140-95-80℃の場合は、高タンパク質押し出し物(断片)中の総タンパク質に対して71.5%の歩留まりで73%のタンパク質含有量が得られた。(ダイから供給側にかけての)温度プロファイルが130-120-95-80℃の場合は、わずかに高いタンパク質含有量及び歩留まり(それぞれ75%及び73 %)が得られたが、高タンパク質押し出し物(断片)のサイズは小さくなった。
【0055】
押し出し後、高タンパク質押し出し物及び非タンパク質押し出し物(例えば、この例では高デンプン断片)を分離する為に水と混ぜた。これにより、高デンプン断片は分散してスラリーになり、一方、高タンパク質断片は固体のままである。その後、ふるい分けにより、高デンプン断片を高タンパク質断片と分離した。ふるい分け中、分散した高デンプン断片はふるいを通り抜け、一方、固体である高タンパク質断片はふるい内に保持された。高タンパク質押し出し物を乾燥させ、タンパク質含有量について分析し(約73~75wt%)、タンパク質の歩留まりを計算した。この実施例では、出発原料中の総タンパク質のうちの71.5~73%が回収された。残りのタンパク質は分散相であった可能性が最も高い。
【0056】
実施例2:記載のように高タンパク質押し出し物を得るために、そら豆粉も処理した。出発そら豆原料のタンパク質含有量は29.5wt%であった。脂肪含有量が少ないため、押し出し前に10wt%の脂肪を粉に加えてから、実施例1と同じ条件の下で押し出しを行った。最終的な高タンパク質押し出し物のタンパク質含有量は約68wt%であった。
【0057】
実施例3:エンバク粉及びそら豆粉を出発原料に入れて/出発原料として複数回の試行を実施した。エンバク粉の初期タンパク質含有量は18.9wt%であった。エン麦出発原料の脂肪含有量は8wt%であった。(5wt%の油を加えた)そら豆粉の初期タンパク質含有量は32.7wt%であった。測定はしていないが、油を加える前のそら豆粉の脂肪含有量はおそらく約1.5~2wt%であった。各材料の押し出しを、図2~5に示した様々な条件の下で行った。各図において、Y軸は、加えられた水分を表す。各試行において、出発水分は約10%であった。エン麦原料及びそら豆原料の両方の総水分は11.5~14%であった。
【0058】
押し出し後、湿式プロセスにより、高タンパク質押し出し物を非タンパク質押し出し物と分離した。具体的には、それらの押し出し物を温水に浸した。それにより、非タンパク質押し出し物は、デンプン含有量が多いことにより、水中に分散し、一方、高タンパク質押し出し物は分散しなかった。その後、高タンパク質断片はふるいに集められ、一方、デンプン材料を含む液体はふるいを通り抜けた。タンパク質の歩留まりを、出発原料中の総タンパク質に対する、分離された断片(高タンパク質押し出し物)中の総タンパク質の比として、即ち、総タンパク質のうちの、高タンパク質断片に入った割合として計算した。幾つかの実施形態では、残留デンプン(あれば)を弱体化させるために、本明細書に記載のように押し出された成分にある程度のアミラーゼを加えてよい。
【0059】
当然のことながら、開示された本発明の実施形態は、本明細書で開示された特定の構造、処理手順、又は材料に限定されず、当業者であれば理解されるであろう、その等価物まで拡張される。更に、当然のことながら、本明細書で使用された術語は、特定の実施形態の説明のためにのみ使用されており、限定的であることを意図されていない。
【0060】
本明細書を通しての一実施形態(one embodiment)又は一実施形態(an embodiment)への参照は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態では(in one embodiment)」又は「一実施形態では(in an embodiment)」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではない。例えば、約(about)又はほぼ(substantially)等の語句を使用して数値が参照された場合は、厳密な数値も開示されている。
【0061】
本明細書で使用されている複数のアイテム、構造要素、組成要素、及び/又は材料は、便宜上、一般的なリストに存在してよい。しかしながら、これらのリストは、リストの各要素が別個且つ固有の要素として個別に識別されるかのように解釈されるべきである。従って、そのようなリストの個々の要素は、反対の意味で示されているのでない限り、それらが一般的なグループに存在することにのみ基づいて、同じリストの他の任意の要素の事実上の等価物として解釈されるべきである。更に、本明細書では、本発明の様々な実施形態及び実施例は、それらの様々な構成要素に関しては代替形態と併せて参照されてよい。当然のことながら、そのような実施形態、実施例、及び代替形態は、互いの事実上の等価物として解釈されるべきではなく、本発明の別個且つ独立の表現と見なされるべきである。
【0062】
更に、記載の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされてよい。以下の記述では、本発明の実施形態の十分な理解が得られるように、長さ、幅、形状等の例のような様々な具体的詳細が示されている。しかしながら、当業者であれば理解されるように、本発明は、これらの具体的詳細のうちの1つ以上がなくても、或いは、他の方法、構成要素、材料等でも実施可能である。他の例では、よく知られている構造、材料、又は動作が詳しく図示又は説明されてはいないが、これは、本発明の態様が曖昧にならないようにするためである。
【0063】
上述の各実施例は、本発明の原理を1つ以上の特定用途において例示したものであるが、当業者であれば明らかなように、発明的能力を行使することなく、且つ、本発明の原理及び概念から逸脱しない限り、実施態様の形式、用法、及び細部の様々な変更が行われてよい。従って、本発明は、後述の特許請求項によって限定される場合を除いて限定されないものとする。
【0064】
本文書では「含む(to comprise)」及び「含む(to include)」という動詞は、記載されていない特徴の存在を排除することも必要とすることもない開放的限定(open limitations)として使用されている。従属請求項に記載された特徴は、特に別段に明記されない限りは、相互に自由に組み合わされてよい。更に、当然のことながら、「a」又は「an」、即ち、単数形の使用は、本文書全体を通して複数性を排除しない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の方法及びそれによって製造された製品は、例えば、単独の食品(例えば、スナック)として、且つ/又は食品を製造する際の添加剤としての産業用途がある。
【0066】
引用リスト
特許文献
欧州特許出願公開第3155903A1号
米国特許出願公開第2020/0196630号
米国特許出願公開第2012/0171351号
米国特許第7,709,033号
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】