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特表2024-508973ケーブルアセンブリ及びケーブルアセンブリの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ケーブルアセンブリ及びケーブルアセンブリの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
H05K9/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554820
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2022073606
(87)【国際公開番号】W WO2022188566
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202110269927.5
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5E321
【Fターム(参考)】
5E321BB25
5E321BB41
5E321GG05
5E321GG09
5E321GH07
(57)【要約】
本発明は、ケーブル技術分野に関し、ケーブルにおけるシールド接続構造が成熟していない問題を解決するためのケーブルアセンブリ及びケーブルアセンブリの製造方法を提供する。本発明に係るケーブルアセンブリは、第1ケーブルと、第2ケーブルと、シールド接続アセンブリとを備える。第1ケーブルは、外側に第1保護層が被覆されている第1ケーブルコアと、第1保護層の外側に設けられている第1シールド層とを有する。第2ケーブルは、外側に第2保護層が被覆されている第2ケーブルコアと、第2保護層の外側に設けられている第2シールド層とを有する。シールド接続アセンブリは、少なくとも1つのシールド装置を有し、少なくとも1つのシールド装置は、第1シールド層に接続されていると共に、第2シールド層に接続されている。本発明に係るケーブルアセンブリにより、第1ケーブルと第2ケーブルとの間のシールド接続の有効な連続性を保証することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側に第1保護層が被覆されている第1ケーブルコアと、前記第1保護層の外側に設けられている第1シールド層とを有する第1ケーブルと、
外側に第2保護層が被覆されている第2ケーブルコアと、前記第2保護層の外側に設けられている第2シールド層とを有する第2ケーブルと、
を備え、
少なくとも1つのシールド装置を有するシールド接続アセンブリをさらに備え、
少なくとも1つの前記シールド装置は、前記第1シールド層に接続されていると共に、前記第2シールド層に接続されている、
ことを特徴とするケーブルアセンブリ。
【請求項2】
前記シールド装置と前記第1シールド層との接続箇所は、対称に設けられており、前記シールド装置と前記第2シールド層との接続箇所は、対称に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項3】
前記シールド装置と前記第1シールド層との接続箇所は、360°にわたって設けられており、前記シールド装置と前記第2シールド層との接続箇所は、360°にわたって設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項4】
前記シールド接続アセンブリは、導電装置をさらに有し、
前記導電装置は、第1端と第2端とを有し、前記第1端が前記第1シールド層に接続されており、又は前記第1端が少なくとも1つのシールド装置を介して前記第1シールド層に接続されており、前記第2端が前記第2シールド層に接続されており、又は前記第2端が少なくとも1つのシールド装置を介して前記第2シールド層に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項5】
前記導電装置の第1端と前記第1シールド層との接続箇所は、対称に設けられており、前記導電装置の第2端と前記第2シールド層との接続箇所は、対称に設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項6】
前記導電装置の第1端と前記第1シールド層との接続箇所は、360°にわたって設けられており、前記導電装置の第2端と前記第2シールド層との接続箇所は、360°にわたって設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項7】
前記シールド接続アセンブリは、
前記第1シールド層の外側に設けられている第1シールド内付け装置であって、外側に折り返された前記第1シールド層の自由端が前記第1シールド内付け装置の外壁に貼り合わされている、第1シールド内付け装置と、
前記第2シールド層の外側に設けられている第2シールド内付け装置であって、外側に折り返された前記第2シールド層の自由端が前記第2シールド内付け装置の外壁に貼り合わされている、第2シールド内付け装置と、
前記導電装置の第1端の外側に設けられている第1シールド中部装置と、
前記導電装置の第2端の外側に設けられている第2シールド中部装置と、
を有し、
前記導電装置の第1端及び前記第1シールド層の自由端は、前記第1シールド内付け装置と前記第1シールド中部装置との間に圧着、溶接又は当接されており、
前記導電装置の第2端及び前記第2シールド層の自由端は、前記第2シールド内付け装置と前記第2シールド中部装置との間に圧着、溶接又は当接されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項8】
前記シールド接続アセンブリは、第1シールド外付け装置と第2シールド外付け装置とをさらに有し、
前記第1シールド中部装置が前記導電装置の第1端の外側に設けられてから、前記導電装置の第1端が外側に折り曲げられて前記第1シールド中部装置の外壁に貼り合わされており、
前記第1シールド外付け装置が、前記導電装置の第1端の裏返し部の外側に設けられており、
前記第2シールド中部装置が前記導電装置の第2端の外側に設けられてから、前記導電装置の第2端が外側に折り曲げられて前記第2シールド中部装置の外壁に貼り合わされており、
前記第2シールド外付け装置が、前記導電装置の第2端の裏返し部の外側に設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項9】
前記第1シールド内付け装置、前記第1シールド中部装置及び前記第1シールド外付け装置の断面形状は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造である、
ことを特徴とする請求項8に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項10】
前記第2シールド内付け装置、前記第2シールド中部装置及び前記第2シールド外付け装置の断面形状は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造である、
ことを特徴とする請求項8に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項11】
前記導電装置の内壁に内側絶縁層が設けられており、
前記導電装置の第1端及び第2端は、前記内側絶縁層が設けられていない、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項12】
前記導電装置の外壁に外側絶縁層が設けられており、
前記導電装置の第1端及び第2端は、外側絶縁層が設けられていない、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項13】
前記第1ケーブルコアと前記第2ケーブルコアとは、重ね接続又は突き合わせ接続によって接続する、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項14】
前記重ね接続箇所又は突き合わせ接続箇所における最小断面積は、前記第1ケーブルコア及び前記第2ケーブルコアにおける最小断面積以上である、
ことを特徴とする請求項13に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項15】
前記第1シールド層、前記第2シールド層及び前記導電装置の厚さは、0.003mm~27mmである、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項16】
前記シールド装置において前記第1シールド層と接続されている外側の表面積は、前記シールド装置の外側の表面積の1.3%より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項17】
前記シールド装置において前記第2シールド層と接続されている外側の表面積は、前記シールド装置の外側の表面積の1.3%より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項18】
前記導電装置の第1端と前記第1シールド層との接続箇所における最小断面積は、前記第1シールド層の断面積の60%~260%である、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項19】
前記導電装置の第2端と前記第2シールド層との接続箇所における最小断面積は、前記第2シールド層の断面積の60%~260%である、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項20】
前記導電装置の第1端において前記第1シールド層と接続されている外側の表面積は、前記シールド装置の外側の表面積の1.4%より大きい、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項21】
前記導電装置の第2端において前記第2シールド層と接続されている外側の表面積は、前記シールド装置の外側の表面積の1.4%より大きい、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項22】
前記シールド装置と前記第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩ未満であり、前記シールド装置と前記第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩ未満である、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項23】
前記シールド装置と前記第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満であり、前記シールド装置と前記第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満である、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項24】
前記導電装置の第1端と前記第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩ未満であり、前記導電装置の第2端と前記第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩ未満である、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項25】
前記導電装置の第1端と前記第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満であり、前記導電装置の第2端と前記第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満である、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項26】
前記第1ケーブルコアの第1端の外側、及び、前記第2ケーブルコアの第1端の外側に設けられている隔離スリーブをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項27】
前記隔離スリーブの一端が前記第1保護層に接続されており、前記隔離スリーブの他端が前記第2保護層に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項28】
前記第1ケーブルは、前記第1シールド層の外側に設けられている第3保護層をさらに有し、
前記第2ケーブルは、前記第2シールド層の外側に設けられている第4保護層をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルアセンブリ。
【請求項29】
第1ケーブルコアと、前記第1ケーブルコアの外側に設けられている第1保護層と、前記第1保護層の外側に設けられている第1シールド層とを有する第1ケーブルを提供することと、
前記第1ケーブルの第1端の第1シールド層及び第1保護層を剥離して、前記第1ケーブルコアを露出させることと、
第2ケーブルコアと、前記第2ケーブルコアの外側に設けられている第2保護層と、前記第2保護層の外側に設けられている第2シールド層とを有する第2ケーブルを提供することと、
前記第2ケーブルの第1端の第2シールド層及び第2保護層を剥離して、前記第2ケーブルコアを露出させることと、
前記第1ケーブルコアの第1端と前記第2ケーブルコアの第1端とを接続することと、
導電装置と、第1シールド内付け装置と、第1シールド中部装置と、第2シールド内付け装置と、第2シールド中部装置とを有するシールド接続アセンブリを提供することと、
前記第1シールド内付け装置を前記第1シールド層の自由端の外側に設け、前記第1シールド層の自由端を外側に折り返して、裏返し部を前記第1シールド内付け装置の外壁に貼り合わせることと、
前記第2シールド内付け装置を前記第2シールド層の自由端の外側に設け、前記第2シールド層の自由端を外側に折り返してから、前記第2シールド内付け装置の外壁に貼り合わせることと、
前記導電装置の第1端を前記第1シールド層の裏返し部の外側に設け、前記導電装置の第2端を前記第2シールド層の裏返し部の外側に設けることと、
前記第1シールド中部装置を前記導電装置の第1端の外側に設けることと、
前記第2シールド中部装置を前記導電装置の第2端の外側に設けることと、
接続することであって、
(1)前記導電装置の第1端と前記第1シールド層の裏返し部を、前記第1シールド内付け装置と前記第1シールド中部装置との間に溶接し、前記導電装置の第2端と前記第2シールド層の裏返し部を、前記第2シールド内付け装置と前記第2シールド中部装置との間に溶接する、
(2)前記導電装置の第1端と前記第1シールド層の裏返し部を、前記第1シールド内付け装置と前記第1シールド中部装置との間に圧着し、前記導電装置の第2端と前記第2シールド層の裏返し部を、前記第2シールド内付け装置と前記第2シールド中部装置との間に圧着する、又は、
(3)前記導電装置の第1端と前記第1シールド層の裏返し部を、前記第1シールド内付け装置と前記第1シールド中部装置との間に当接し、前記導電装置の第2端と前記第2シールド層の裏返し部を、前記第2シールド内付け装置と前記第2シールド中部装置との間に当接する、
ように接続することと、を含む、
ことを特徴とするケーブルアセンブリの製造方法。
【請求項30】
第1シールド外付け装置及び第2シールド外付け装置を提供することと、
前記導電装置の第1端を外側に折り返して、第1シールド中部装置の外壁に貼り合わせることと、
第1シールド外付け装置を前記導電装置の第1端の裏返し部の外側に設けることと、
前記導電装置の第2端を外側に折り返し、第2シールド中部装置の外壁に貼り合わせることと、
第2シールド外付け装置を前記導電装置の第2端の裏返し部の外側に設けることと、
接続することであって、
(4)前記導電装置の第1端の裏返し部を前記第1シールド中部装置と前記第1シールド外付け装置との間に溶接し、前記導電装置の第2端の裏返し部を前記第2シールド中部装置と前記第2シールド外付け装置との間に溶接する、
(5)前記導電装置の第1端の裏返し部を前記第1シールド中部装置と前記第1シールド外付け装置との間に圧着し、前記導電装置の第2端の裏返し部を前記第2シールド中部装置と前記第2シールド外付け装置との間に圧着する、又は、
(6)前記導電装置の第1端の裏返し部を前記第1シールド中部装置と前記第1シールド外付け装置との間に当接し、前記導電装置の第2端の裏返し部を前記第2シールド中部装置と前記第2シールド外付け装置との間に当接する、
ように接続することと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
前記第1ケーブルコアの第1端と前記第2ケーブルコアの第1端とを接続することは、溶接又は圧着によって前記第1ケーブルコアの第1端と前記第2ケーブルコアの第1端とを接続することを含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の製造方法。
【請求項32】
前記導電装置の一端を前記第1シールド層の外側に設け、前記導電装置の他端を前記第2シールド層の外側に設ける前に、
前記第1ケーブルコアと前記第2ケーブルコアとの接続箇所の外側に隔離スリーブを設けることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項31に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2021年3月12日に提出された、出願番号が202110269927.5であり、発明の名称が「ケーブルアセンブリ及びケーブルアセンブリの製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用によって本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ケーブル技術分野に関し、特にケーブルアセンブリ及びケーブルアセンブリの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
新しいエネルギー技術の継続的な発展と普及に伴い、ますます多くの車両は動力源としてバッテリを使用し始めている。バッテリを搭載した車両においては、モータや車載パソコン等の電子デバイスがケーブルを介してバッテリに接続される必要があり、バッテリ中の電気エネルギーがケーブルを介して電子デバイスに伝達されることにより、それぞれの電子デバイスに対し機能を発揮させることができる。実際の応用において、バッテリと電気デバイスを接続するためのケーブルは、1本の完全なケーブルではなく、複数のケーブルが順次接続されてなるものである。
【0004】
具体的には、ケーブルには、一般的に、ケーブルコアと、ケーブルコアの外側を覆うシールドメッシュとが含まれる。ケーブルコアの主な機能として、電力の伝送を実現することであり、シールドメッシュの主な機能として、ケーブルに良好なシールド作用を提供して、外部の電気部品に対するケーブルコアにおける電流による電磁干渉の発生を防止することである。
【0005】
現在、2本のケーブルを突き合わせて接続する場合、採用される接続構造が成熟していないと、ケーブルの突き合わせ接続箇所において、2本のケーブルのシールドメッシュの間に安定した有効な接続を実現できず、ケーブルの電磁シールド効果を確保することに不利である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ケーブル間の電磁シールド効果を効果的に向上させることができるシールドケーブルアセンブリ及びケーブルアセンブリの製造方法を提供する。
【0007】
一態様によれば、本発明は、第1ケーブルと、第2ケーブルと、シールド接続アセンブリとを備えるケーブルアセンブリを提供する。第1ケーブルは、外側に第1保護層が被覆されている第1ケーブルコアと、第1保護層の外側に設けられている第1シールド層とを有する。第2ケーブルは、外側に第2保護層が被覆されている第2ケーブルコアと、第2保護層の外側に設けられている第2シールド層とを有する。シールド接続アセンブリは、第1シールド層と第2シールド層とを接続するために用いられ、シールド接続アセンブリは、第1シールド層に接続されていると共に第2シールド層に接続されている少なくとも1つのシールド装置を有する。即ち、第1シールド層と第2シールド層との間は、少なくとも1つのシールド装置によって接続されてもよい。これにより、第1ケーブルと第2ケーブルとの間におけるシールド構造の連続性を確保することができる。
【0008】
一例として、シールド接続アセンブリは、第1シールド内付け装置、第2シールド内付け装置、第1シールド中部装置及び第2シールド中部装置の4つのシールド装置を有してもよい。導電装置の第1端は、第1シールド層の自由端の裏返し部の外側に設けられており、導電装置の第2端は、第2シールド層の自由端の裏返し部の外側に設けられている。第1シールド中部装置は、導電装置の第1端の外側に設けられており、導電装置の第1端及び第1シールド層の裏返し部は、第1シールド内付け装置と第1シールド中部装置との間に押し付けられている。第2シールド中部装置は、導電装置の第2端の外側に設けられており、導電装置の第2端及び第2シールド層の裏返し部は、第2シールド内付け装置と第2シールド中部装置との間に押し付けられている。
【0009】
本発明に係るケーブルアセンブリにおいて、導電装置により、第1シールド層と第2シールド層とを効果的に電気的に接続することができ、第1シールド層と第2シールド層との間の電磁シールド性能を確保することができる。また、第1シールド内付け装置と第1シールド中部装置により、第1シールド層と導電装置との間の接続安定性を効果的に確保することができる。それに応じて、第2シールド内付け装置と第2シールド中部装置により、第2シールド層と導電装置との間の接続安定性を効果的に確保することができる。また、第1シールド層が裏返し部を有するため、第1シールド層と導電装置との間の応力強度を効果的に向上させることができる。第2シールド層も裏返し部を有するため、第2シールド層と導電装置との間の応力強度を効果的に向上させることもできる。
【0010】
一例として、シールド接続アセンブリは、第1シールド外付け装置と第2シールド外付け装置とをさらに有する。第1シールド中部装置が導電装置の第1端の外側に設けられてから、導電装置の第1端が外側に折り曲げられて第1シールド中部装置の外壁に貼り合わされており、第1シールド外付け装置が導電装置の第1端の裏返し部の外側に設けられている。第2シールド中部装置が導電装置の第2端の外側に設けられてから、導電装置の第2端が外側に折り曲げられて第2シールド中部装置の外壁に貼り合わされており、第2シールド外付け装置が導電装置の第2端の裏返し部の外側に設けられている。
【0011】
導電装置の第1端が裏返し部を有するため、第1シールド層と導電装置との間の応力強度を効果的に向上させることができる。また、導電装置の第2端も裏返し部を有するため、第2シールド層と導電装置との間の応力強度を効果的に向上させることもできる。
【0012】
一例として、導電装置の内壁に内側絶縁層が設けられており、導電装置の第1端及び第2端は、内側絶縁層が設けられていない。内側絶縁層は導電装置の内側に対して良好な保護作用を果たすことができ、導電装置の内側に位置する他の部材と導電装置との間に導電接触が生じることを防止することができる。
【0013】
一例として、導電装置の外壁に外側絶縁層が設けられており、導電装置の第1端及び第2端は、外側絶縁層が設けられていない。外側絶縁層は導電装置の外側に対して良好な保護作用を果たすことができ、導電装置の外側に位置する他の部材と導電装置との間に導電接触が生じることを防止することができる。
【0014】
一例として、第1ケーブルコアと第2ケーブルコアとは、重ね接続、又は突き合わせ接続によって接続してもよい。重ね接続とは、第1ケーブルコアと第2ケーブルコアは重なり領域を有することを指す。突き合わせ接続とは、第1ケーブルコアの端面と第2ケーブルコアの端面とが接続されることを指す。具体的に実施する際に、第1ケーブルコアと第2ケーブルコアとの間の接続効果を保証するために、実際の状況に応じて第1ケーブルコアと第2ケーブルコアとの接続方式を合理的に選択して調整することができる。
【0015】
第1ケーブルコアと第2ケーブルコアとの間の接続効果を向上させるために、第1ケーブルコアと第2ケーブルコアとの重ね接続箇所又は突き合わせ接続箇所における最小断面積は、第1ケーブルコアと第2ケーブルコアにおける最小断面積以上となるようにしている。
【0016】
シールド装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンス、及び導電装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスは、できるだけ小さくする必要がある。このようにすると、シールド層において生じた電流は、エネルギー源又は接地箇所へ支障なく還流し得る。シールド装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンス、及び導電装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスが大きければ、シールド装置とシールド層との接続箇所、及び導電装置とシールド層との接続箇所に大きな電流が生じ、それにより、ケーブルの接続箇所に大きな放射が生じる。
【0017】
一例として、ケーブルアセンブリは、第1ケーブルコアの第1端の外側、及び第2ケーブルコアの第1端の外側に設けられている隔離スリーブをさらに有する。隔離スリーブは、露出した第1ケーブルコア及び第2ケーブルコアに対して良好な保護作用を果たし、その安全性を向上させることができる。
【0018】
一例として、隔離スリーブの一端が第1保護層に接続されており、隔離スリーブの他端が第2保護層に接続されている。このようにすることで、第1ケーブルコアと第2ケーブルコア密閉保護することができ、その安全性をさらに向上させることができる。
【0019】
一例として、第1ケーブルは、第3保護層をさらに有し、第2ケーブルは、第4保護層をさらに有する。第3保護層は、第1シールド層の外側に設けられており、第4保護層は、第2シールド層の外側に設けられている。第3保護層により、第1ケーブルの使用安全性及び構造強度を効果的に向上させることができる。それに応じて、第4保護層により、第2ケーブルの使用安全性及び構造強度を効果的に向上させることができる。
【0020】
一方、本発明は、ケーブルアセンブリの製造方法をさらに提供する。
【0021】
該製造方法は、
第1ケーブルコアと、第1ケーブルコアの外側に設けられている第1保護層と、第1保護層の外側に設けられている第1シールド層とを有する第1ケーブルを提供することと、
第1ケーブルの第1端の第1シールド層及び第1保護層を剥離して、第1ケーブルコアを露出させることと、
第2ケーブルコアと、第2ケーブルコアの外側に設けられている第2保護層と、第2保護層の外側に設けられている第2シールド層とを有する第2ケーブルを提供することと、
第2ケーブルの第1端の第2シールド層及び第2保護層を剥離して、第2ケーブルコアを露出させることと、
第1ケーブルコアの第1端と第2ケーブルコアの第1端とを接続することと、
導電装置と、第1シールド内付け装置と、第1シールド中部装置と、第2シールド内付け装置と、第2シールド中部装置とを有するシールド接続アセンブリを提供することと、
第1シールド内付け装置を第1シールド層の自由端の外側に設け、第1シールド層の自由端を外側に折り返して、裏返し部を第1シールド内付け装置の外壁に貼り合わせることと、
第2シールド内付け装置を第2シールド層の自由端の外側に設け、第2シールド層の自由端を外側に折り返して、裏返し部を第2シールド内付け装置の外壁に貼り合わせることと、
導電装置の第1端を第1シールド層の裏返し部の外側に設け、導電装置の第2端を第2シールド層の裏返し部の外側に設けることと、
第1シールド中部装置を導電装置の第1端の外側に設けることと、
第2シールド中部装置を導電装置の第2端の外側に設けることと、
接続することであって、
(1)導電装置の第1端と第1シールド層の裏返し部を、第1シールド内付け装置と第1シールド中部装置との間に溶接し、導電装置の第2端と第2シールド層の裏返し部を、第2シールド内付け装置と第2シールド中部装置との間に溶接する、
(2)導電装置の第1端と第1シールド層の裏返し部を、第1シールド内付け装置と第1シールド中部装置との間に圧着し、導電装置の第2端と第2シールド層の裏返し部を、第2シールド内付け装置と第2シールド中部装置との間に圧着する、又は、
(3)導電装置の第1端と第1シールド層の裏返し部を、第1シールド内付け装置と第1シールド中部装置との間に当接し、導電装置の第2端と第2シールド層の裏返し部を、第2シールド内付け装置と第2シールド中部装置との間に当接する、
ように接続することと、を含む。
【0022】
一例として、シールド接続アセンブリは、第1シールド外付け装置及び第2シールド外付け装置をさらに有する。
【0023】
該製造方法は、
導電装置の第1端を外側に折り返して、第1シールド中部装置の外壁に貼り合わせることと、
第1シールド外付け装置を導電装置の第1端の裏返し部の外側に設けることと、
導電装置の第2端を外側に折り返し、第2シールド中部装置の外壁に貼り合わせることと、
第2シールド外付け装置を導電装置の第2端の裏返し部の外側に設けることと、
接続することであって、
(4)導電装置の第1端の裏返し部を第1シールド中部装置と第1シールド外付け装置との間に溶接し、導電装置の第2端の裏返し部を第2シールド中部装置と第2シールド外付け装置との間に溶接する、
(5)導電装置の第1端の裏返し部を第1シールド中部装置と第1シールド外付け装置との間に圧着し、導電装置の第2端の裏返し部を第2シールド中部装置と第2シールド外付け装置との間に圧着する、又は、
(6)導電装置の第1端の裏返し部を第1シールド中部装置と第1シールド外付け装置との間に当接し、導電装置の第2端の裏返し部を第2シールド中部装置と第2シールド外付け装置との間に当接する、
ように接続することと、をさらに含む。
【0024】
一例として、第1ケーブルコアの第1端と第2ケーブルコアの第1端とを接続することは、具体的に、溶接又は圧着プロセスによって第1ケーブルコアの第1端と第2ケーブルコアの第1端とを接続することを含む。
【0025】
一例として、導電装置の一端を第1シールド層の外側に設け、導電装置の他端を第2シールド層の外側に設ける前に、該製造方法は、第1ケーブルコアと第2ケーブルコアとの接続箇所の外側に隔離スリーブを設けることをさらに含む。
【0026】
本発明の実施例による有益な効果は以下の通りである。
【0027】
本発明に係るケーブルアセンブリにおいて、導電装置により、第1シールド層と第2シールド層とを効果的に電気的に接続することができ、第1シールド層と第2シールド層との間の電磁シールド性能を確保することができる。また、第1シールド内付け装置及び第1シールド中部装置により、第1シールド層と導電装置との間の接続安定性を効果的に確保することができ、それに応じて、第2シールド内付け装置及び第2シールド中部装置により、第2シールド層と導電装置との間の接続安定性を効果的に確保することができる。また、第1シールド層は裏返し部を有し、第2シールド層も裏返し部を有するため、第1シールド層と導電装置との間の応力強度を効果的に向上させることができ、第2シールド層と導電装置との間の応力強度を効果的に向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施例に係るケーブルアセンブリの断面構造模式図
図2】本発明の実施例に係る別のケーブルアセンブリの断面構造模式図
図3】本発明の実施例に係る別のケーブルアセンブリの断面構造模式図
図4】本発明の実施例に係る別のケーブルアセンブリの断面構造模式図
図5】本発明の実施例に係るケーブルアセンブリの分解構造模式図
図6】本発明の実施例に係るケーブルアセンブリの平面構造模式図
図7図6におけるA-A断面図
図8図6におけるB-B断面図
図9】本発明の実施例に係る別のケーブルアセンブリの分解構造模式図
図10】本発明の実施例に係る別のケーブルアセンブリの平面構造模式図
図11図10におけるC-C断面図
図12図10におけるD-D断面図
図13】本発明の実施例に係るさらに別のケーブルアセンブリの断面構造模式図
図14】本発明の実施例に係るさらに別のケーブルアセンブリの断面構造模式図
図15】本発明の実施例に係るさらに別のケーブルアセンブリの断面構造模式図
図16】本発明の実施例に係るさらに別のケーブルアセンブリの断面構造模式図
図17】本発明の実施例に係るシールド層が対称に接続して設けられる場合の平面構造模式図
図18】本発明の実施例に係るシールド層が対称に接続して設けられる場合の立体構造模式図
図19】本発明の実施例に係るシールド層が非対称に接続して設けられる場合の平面構造模式図
図20】本発明の実施例に係るシールド層が非対称に接続して設けられる場合の立体構造模式図
図21】本発明の実施例に係るケーブルアセンブリの製造方法のフローチャート
図22】本発明の実施例に係る別のケーブルアセンブリの製造方法のフローチャート
【符号の説明】
【0029】
10-第1ケーブル、11-第1ケーブルコア、12-第1保護層、13-第1シールド層、131-裏返し部、14-第3保護層、20-第2ケーブル、21-第2ケーブルコア、22-第2保護層、23-第2シールド層、231-裏返し部、24-第4保護層、30-シールド接続アセンブリ、31-導電装置、311、312-裏返し部、313-内側絶縁層、314-外側絶縁層、32-第1シールド内付け装置、33-第1シールド中部装置、34-第2シールド内付け装置、35-第2シールド中部装置、36-第1シールド外付け装置、37-第2シールド外付け装置、38-圧着リング、39-隔離スリーブ。
【発明を実施するための形態】
【0030】
当業者が本発明の技術案をより理解しやすくするために、添付図面を参照して本発明の実施例を以下で詳細に説明する。
【0031】
図1に示すように、本発明の実施例は、第1ケーブル10と、第2ケーブル20と、シールド接続アセンブリ(図示せず)とを備えるケーブルアセンブリを提供する。第1ケーブル10及び第2ケーブル20における電磁シールド構造がシールド接続アセンブリを介して電気的に接続されることにより、第1ケーブル10と第2ケーブル20との間の電磁シールド構造の連続性を実現し、ケーブルアセンブリの電磁シールド効果を効果的に向上させる。
【0032】
具体的には、本発明に係る実施例において、第1ケーブル10は、第1ケーブルコア11と第1シールド層13とを有し、第1ケーブルコア11の外側に第1保護層12が被覆され、第1シールド層13が第1保護層12の外側に設けられる。
【0033】
第1ケーブルコア11は、主に電気エネルギーの伝送のために用いられる。具体的に配置する場合、第1ケーブルコア11は、銅、アルミニウムなどの導電性能に優れた材料で製造されてもよい。
【0034】
第1保護層12は、第1ケーブルコア11の外側を覆うことにより、第1ケーブルコア11に良好な保護作用を提供することができる。具体的に配置する場合、第1保護層12は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、合成ゴム、ポリウレタンエラストマー、架橋ポリエチレン、ポリエチレンのうちの1種又は複数種の組み合わせの絶縁材料で製造され得、第1ケーブルコア11に良好な電気絶縁性を提供することができる。
【0035】
第1シールド層13は、第1保護層12の外側に設けられ、第1ケーブルコア11に対し電磁シールド作用を提供するために用いられる。第1ケーブルコア11に電流が流れると、電磁信号が生じ、第1シールド層13によって、該電磁信号に対してシールド効果を奏することができ、該電磁信号が外部環境に伝送されることを防止できる。具体的に配置する場合、第1シールド層13は、良好な柔軟性を有するように、導電箔が巻回されて形成されてもよく、又はグラフェンで形成されてもよく、金属線が編まれて形成されてもよい。或いは、いくつかの態様では、第1シールド層13の構造強度及び安全性を向上させるために、第1シールド層13の表面に絶縁保護層を一層形成してもよい。
【0036】
第2ケーブル20は、第2ケーブルコア21と、第2シールド層23とを有し、第2ケーブルコア21の外側に第2保護層22が被覆され、第2シールド層23が第2保護層22の外側に設けられる。
【0037】
第2ケーブルコア21は、主に電気エネルギーの伝送のために用いられる。具体的に配置する場合、第2ケーブルコア21は、銅、アルミニウムなどの導電性能に優れた材料で製造されてもよい。
【0038】
第2保護層22は、第2ケーブルコア21の外側を覆うことにより、第2ケーブルコア21に良好な保護作用を提供することができる。具体的に配置する場合、第2保護層22は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、合成ゴム、ポリウレタンエラストマー、架橋ポリエチレン、ポリエチレンのうちの1種又は複数種の組み合わせの絶縁材料で製造され得、第2ケーブルコア21に良好な電気絶縁性を提供することができる。
【0039】
第2シールド層23は、第2保護層22の外側に設けられ、第2ケーブルコア21に対し電磁シールド作用を提供するために用いられる。第2ケーブルコア21に電流が流れると、電磁信号が生じ、第2シールド層23によって、該電磁信号に対してシールド効果を奏することができ、該電磁信号が外部環境に伝送されることを防止できる。具体的に配置する場合、第2シールド層23は、良好な柔軟性を有するように、導電箔が巻回されて形成されてもよく、又はグラフェンで形成されてもよく、金属線が編まれて形成されてもよい。或いは、いくつかの態様では、第2シールド層23の構造強度及び安全性を向上させるために、第2シールド層23の表面に絶縁保護層を一層形成してもよい。
【0040】
図1及び図15を参照して説明する。本発明に係る一実施例において、シールド接続アセンブリは、第1シールド内付け装置32を有する。第1シールド内付け装置32は、第1シールド層13の外側に設けられ、第2シールド層23に接続されることにより、第1シールド層13と第2シールド層23との間の電磁シールドの連続性を確保する。
【0041】
要するに、具体的に実施する場合、第1シールド層13と第2シールド層23との間は、1つのシールド装置によって接続されてもよく、複数のシールド装置によって接続されてもよい。
【0042】
図1図17及び図18を参照して説明する。具体的には、シールド装置(図示せず)と第1シールド層13との接続箇所は、対称に設けられており、シールド装置と第2シールド層23との接続箇所は、対称に設けられている。
【0043】
図19及び図20を参照して説明する。シールド装置とシールド層との接続箇所は一箇所での接続とされている場合、接続箇所に大きな電流が流れ、磁界が発生し、この磁界がケーブルコアによって発生された磁界と結合し、ケーブルの接続箇所全体に大きな放射が発生するため、他の電子デバイスの動作状態に大きな影響を与える。シールド装置とシールド層との接続箇所は対称に設けられている場合、接続箇所に発生する磁界の方向が反対となり、互いに相殺して合成電界を減少させることにより、ケーブル接続箇所における放射を低減し、ケーブルコアに発生した磁界を効果的に低減し、他の電子デバイスへの影響を減少させることができる。
【0044】
具体的には、シールド装置と第1シールド層13との接続箇所は360°にわたって設けられる。即ち、シールド装置と第1シールド層13の一端とは完全に突き合わされる。シールド装置と第2シールド層23との接続箇所は360°にわたって設けられる。即ち、シールド装置と第2シールド層23の一端とは完全に突き合わされる。
【0045】
シールド装置とシールド層との接続箇所が対称に設けられるのに対し、シールド装置とシールド層との接続箇所が360°にわたって設けられることで、ケーブルのケーブルコアから発生する放射、及びシールド層自体から発生する放射に対して、大きなシールド及び相殺作用を果たし、ケーブル接続箇所におけるシールド効果が最適になる。
【0046】
試験方法として、試験機器が第1ケーブル又は第2ケーブルに対して1つの信号値(この数値は試験値2である)を出力し、ケーブルアセンブリの外側に検知装置を設け、この検知装置が1つの信号値(この数値は試験値1である)を検知する。シールド性能値=試験値2-試験値1。
【0047】
表1は、シールド性能に対するシールド装置とシールド層との接続箇所の配置方式による影響を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
上表は、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータを示している。ここで、規格要求は、シールド装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が60dBより大きいことである。
【0050】
シールド装置とシールド層との接続箇所の寸法が同じものとすると、非対称に設けられる場合、シールド装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値は60dB未満であり、規格要求を満たさない。対称に設けられる場合、完全に接続されていなくても、電磁放射が相殺されるため、シールド装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値は依然として規格要求を満たす。好ましくは、シールド装置とシールド層との接続箇所は360°にわたって設けられる。この場合、ケーブル接続箇所におけるシールド性能がより優れる。
【0051】
また、具体的に実施する場合、第1シールド内付け装置32と第2シールド層23との間は、他の構造によって接続されてもよい。
【0052】
例えば、図2及び図16に示すように、本発明に係る別の実施例において、シールド接続アセンブリ30は、導電装置31をさらに有する。導電装置31は、第1シールド内付け装置32の外側に設けられることで、導電装置31と第1シールド内付け装置32との間の接続を実現する。
【0053】
具体的には、導電装置31の第1端と第1シールド層13との接続箇所は対称に設けられており、導電装置31の第2端と第2シールド層23との接続箇所は対称に設けられている。
【0054】
導電装置31とシールド層との接続箇所は一箇所での接続とされている場合、接続箇所に大きな電流が流れ、磁界が発生し、この磁界がケーブルコアによって発生された磁界と結合し、ケーブルの接続箇所全体に大きな放射が発生するため、他の電子デバイスの動作状態に大きな影響を与える。導電装置31とシールド層との接続箇所は対称に設けられている場合、接続箇所に発生する磁界の方向が反対となり、互いに相殺して合成電界を減少させることにより、ケーブル接続箇所における放射を低減し、ケーブルコアに発生した磁界を効果的に低減し、他の電子デバイスへの影響を減少させることができる。
【0055】
具体的には、導電装置31の第1端と第1シールド層13との接続箇所は360°にわたって設けられ、導電装置31の第2端と第2シールド層23との接続箇所は360°にわたって設けられる。
【0056】
導電装置31とシールド層との接続箇所が対称に設けられるのに対し、導電装置31とシールド層との接続箇所が360°に設けられることで、ケーブルのケーブルコアから発生する放射、及びシールド層自体から発生する放射に対して、大きなシールド及び相殺作用を果たし、ケーブル接続箇所におけるシールド防止効果が最適になる。
【0057】
試験方法として、試験機器が第1ケーブル10又は第2ケーブル20に対して1つの信号値(この数値は試験値2である)を出力し、ケーブルアセンブリの外側に検知装置を設け、この検知装置が1つの信号値(この数値は試験値1である)を検知する。シールド性能値=試験値2-試験値1。
【0058】
表2は、シールド性能に対する導電装置とシールド層との接続箇所の配置方式による影響を示す。
【0059】
【表2】
【0060】
上表は、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータを示している。ここで、規格要求は、導電装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が60dBより大きいことである。
【0061】
導電装置31とシールド層との接続箇所の寸法が同じものとすると、非対称に設けられる場合、導電装置31とシールド層の接続箇所におけるシールド性能値は60dB未満であり、規格要求を満たさない。対称に設けられる場合、完全に接続されていなくても、電磁放射が相殺されるため、導電装置31とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値は依然として規格要求を満たす。好ましくは、導電装置31とシールド層との接続箇所は360°にわたって設けられる。この場合、ケーブル接続箇所におけるシールド性能がより優れる。
【0062】
或いは、シールド接続アセンブリ30は、より多くの構造部材を有してもよい。例えば、図3に示すように、本発明に係る一実施例において、シールド接続アセンブリ30は、導電装置31と、第1シールド内付け装置32と、第1シールド中部装置33と、第2シールド内付け装置34と、第2シールド中部装置35とを有する。導電装置31の第1端(図中の左端)は、第1シールド層13の自由端に電気的に接続され、導電装置31の第2端(図中の右端)は、第2シールド層23の自由端に電気的に接続される。これにより、第1シールド層13と第2シールド層23との間の電気的接続を実現し、第1シールド層13と第2シールド層23との間の電磁シールドの連続性を確保する。
【0063】
具体的には、第1シールド層13と導電装置31との間は、第1シールド内付け装置32及び第1シールド中部装置33によって固定接続及び電気的接続されている。第1シールド内付け装置32が第1シールド層13の外側に設けられ、第1シールド層13の自由端が外側に180°折り返して第1シールド内付け装置32の外壁に貼り合わされる。導電装置31の第1端(図中の左端)が、第1シールド層13の自由端の裏返し部131の外側に設けられ、導電装置31の第1端の内壁と裏返し部131とが良好に貼り合わされており、これにより、第1シールド層13と導電装置31との間の電気的接続が実現される。
【0064】
第1シールド中部装置33は、導電装置31の第1端の外側に設けられ、圧着クランプ等の工具を用いて第1シールド中部装置33に一定の作用力を加えることで第1シールド中部装置33を内側に変形させる。一方、第1シールド内付け装置32が一定の構造強度を有するため、第1シールド中部装置33と第1シールド内付け装置32との間に一定の応力が保持され、それにより、第1シールド層13の裏返し部131及び導電装置31の左端を第1シールド中部装置33と第1シールド内付け装置32との間に押し付ける。また、裏返し部131は、第1シールド層13と導電装置31との間の接続強度を向上させることができ、第1シールド層13と導電装置31との間の接続安定性を確保することに有利である。或いは、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付け等によって、第1シールド層13の裏返し部131及び導電装置31の左端を第1シールド中部装置33と第1シールド内付け装置32との間に溶接してもよい。
【0065】
第2シールド層23と導電装置31との間は、第2シールド内付け装置34及び第2シールド中部装置35によって固定接続及び電気的接続されている。具体的には、第2シールド内付け装置34が第2シールド層23の外側に設けられ、第2シールド層23の自由端が外側に180°折り返して第2シールド内付け装置34の外壁に貼り合わされる。導電装置31の第2端(図中の左端)が、第2シールド層23の自由端の裏返し部231の外側に設けられ、導電装置31の第2端の内壁と裏返し部231とが良好に貼り合わされており、これにより、第2シールド層23と導電装置31との間の電気的接続が実現される。
【0066】
第2シールド中部装置35は、導電装置31の第2端の外側に設けられ、圧着クランプ等の工具を用いて第2シールド中部装置35に一定の作用力を加えることで第2シールド中部装置35を内側に変形させる。一方、第2シールド内付け装置34が一定の構造強度を有するため、第2シールド中部装置35と第2シールド内付け装置34との間に一定の応力が保持され、それにより、第2シールド層23の裏返し部231及び導電装置31の右端を第2シールド中部装置35と第2シールド内付け装置34との間に押し付ける。また、裏返し部231は、第2シールド層23と導電装置31との間の接続強度を向上させることができ、第2シールド層23と導電装置31との間の接続安定性を確保することに有利である。或いは、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付け等によって、第2シールド層23の裏返し部231及び導電装置31の右端を第2シールド中部装置35と第2シールド内付け装置34との間に溶接してもよい。
【0067】
また、図4に示すように、本発明は、別の実施例をさらに提供する。具体的には、シールド接続アセンブリ30には、第1シールド外付け装置36と第2シールド外付け装置37が追加されている。
【0068】
圧着クランプなどの工具を用いて第1シールド中部装置33を押し付けた後、導電装置31の第1端(左端)を外側に180°折り返して、裏返し部311を第1シールド中部装置33の外壁に貼り合わせることができる。そして、第1シールド外付け装置36を裏返し部311の外側に設けて、最後に、圧着クランプなどの工具を用いて第1シールド外付け装置36を押し付ける。これにより、導電装置31の裏返し部311が第1シールド外付け装置36と第1シールド中部装置33との間に押し付けられることとなり、導電装置31の第1シールド外付け装置36及び第1シールド中部装置33からの離脱を防止し、ケーブルアセンブリの接続安定性を向上させる。或いは、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付けによって、導電装置31の裏返し部311を第1シールド中部装置33と第1シールド外付け装置36との間に溶接してもよい。
【0069】
それに応じて、圧着クランプなどの工具を用いて第2シールド中部装置35を押し付けた後、導電装置31の第2端(右端)を外側に180°折り返して、裏返し部312を第2シールド中部装置35の外壁に貼り合わせることができる。そして、第2シールド外付け装置37を裏返し部312の外側に設けて、最後に、圧着クランプなどの工具を用いて第2シールド外付け装置37を押し付ける。これにより、導電装置31が第2シールド外付け装置37と第2シールド中部装置35との間に押し付けられることとなり、導電装置31の第2シールド外付け装置37及び第2シールド中部装置35からの離脱を防止し、ケーブルアセンブリの接続安定性を向上させる。或いは、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付けによって、導電装置31の裏返し部312を第2シールド中部装置35と第2シールド外付け装置37との間に溶接してもよい。
【0070】
具体的に実施する場合、シールド接続アセンブリ30における各構成部材の構造形態は様々なものとしてもよい。
【0071】
例えば、シールド接続アセンブリ30には、少なくとも1つのシールド装置のみが備えられていてもよい。シールド装置は、第1シールド層13の外側に設けられ、第2シールド層23に接続されてもよく、第1シールド層13と第2シールド層23との間は、1つ又は複数のシールド装置によって機械的及び電気的に接続されてもよい。また、シールド接続アセンブリに導電装置31が備えられる場合、導電装置31の第1端が第1シールド層13に直接接続されてもよい(例えば、溶接)。或いは、導電装置31の第1端が少なくとも1つのシールド装置を介して第1シールド層13に接続されてもよく、これにより、導電装置31と第1シールド層13との間の機械的及び電気的な接続を実現することができる。導電装置31の第2端が第2シールド層23に直接接続されてもよい(例えば、溶接)。或いは、導電装置31の第2端が少なくとも1つのシールド装置を介して第2シールド層23に接続されてもよく、これにより、導電装置31と第2シールド層23との間の機械的及び電気的な接続を実現する。
【0072】
また、導電装置31は、その長手方向において、筒径が一定となる直筒状構造であってもよいし、筒径が一定ではない(例えば、漸増する又は部分的に増加する)筒状構造であってもよい。
【0073】
例えば、図5及び図6に示すように、導電装置31は、その筒径が左から右に向かって徐々に増加する。
【0074】
また、導電装置31の断面は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよい。導電装置31の第1端と第2端の断面形状は同じであってもよく、異なってもよい。
【0075】
例えば、図6図8に示すように、導電装置31の第1端及び第2端の断面形状はいずれも円環状であり、且つ導電装置31の第1端の筒径が第2端の筒径より小さい。
【0076】
或いは、図9図12に示すように、導電装置31の第1端の断面形状が円環状であり、第2端の断面形状が矩形リングである。
【0077】
製造する際に、導電装置31は、一定の柔軟性を有するように、銅、アルミニウム、グラフェン等の導電材料で製造された筒状構造であってもよく、導電箔が巻回された、グラフェンで形成された、又は金属線が編まれて形成された筒状構造であってもよい。これにより、応用範囲及び耐震等の性能を向上させることができる。導電装置31の材質及び製造方式は、本発明に限定されない。
【0078】
第1シールド内付け装置32の断面は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよい。
【0079】
第1シールド中部装置33の断面は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよい。
【0080】
第1シールド外付け装置36の断面は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよく、これにより、シールド接続アセンブリの適用範囲を効果的に向上させることができる。
【0081】
第1シールド内付け装置32と第1シールド外付け装置36の断面形状は、第1シールド内付け装置32と第1シールド外付け装置36との間の圧着効果を保証するように、略同じであってもよい。
【0082】
また、具体的に実施する際に、第1シールド層13の裏返し部131と導電装置31の第1端が第1シールド中部装置33と第1シールド内付け装置32との間に押し付けられ、導電装置31の第1端の裏返し部311が第1シールド中部装置33と第1シールド外付け装置36との間に押し付けられる。従って、圧着効果を向上させるために、第1シールド層13、導電装置31の第1端、第1シールド内付け装置32、第1シールド中部装置33及び第1シールド外付け装置36の断面輪郭は略同じものとしてもよい。また、具体的な応用において、第1シールド層13及び第2シールド層23の断面形状は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよい。
【0083】
例えば、図11に示すように、本願に係る一実施例において、第1シールド層13、導電装置31の第1端、第1シールド内付け装置32、第1シールド中部装置33及び第1シールド外付け装置36の断面輪郭はいずれも円環状である。
【0084】
第2シールド内付け装置34の断面は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよい。
【0085】
第2シールド中部装置35の断面は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよい。
【0086】
第2シールド外付け装置37の断面は、円形、楕円形、多角形又は異形の環状構造であってもよく、これにより、シールド接続アセンブリの適用範囲を効果的に向上させることができる。
【0087】
また、具体的に実施する際に、第2シールド層23の自由端と導電装置31の第2端とが第2シールド中部装置35と第2シールド内付け装置34との間に押し付けられ、導電装置31の第2端の裏返し部312が第2シールド中部装置35と第2シールド外付け装置37との間に押し付けられる。従って、圧着効果を向上させるために、第2シールド層23、導電装置31の第2端、第2シールド内付け装置34、第2シールド中部装置35及び第2シールド外付け装置37の断面輪郭はほぼ同じものとしてもよい。
【0088】
例えば、図12に示すように、本願に係る一実施例において、第2シールド層23、導電装置31の第2端、第2シールド内付け装置34、第2シールド中部装置35及び第2シールド外付け装置37の断面輪郭はいずれも矩形の環状構造である。
【0089】
製造する際に、第1シールド内付け装置32は、銅、アルミニウムなどの材質を裁断、プレスなどのプロセスで成形してもよく、それに応じて、第1シールド中部装置33、第1シールド外付け装置36は、銅、アルミニウムなどの材質を裁断、プレスなどのプロセスで成形してもよい。
【0090】
また、いくつかの実施形態において、第1シールド内付け装置32と第1シールド中部装置33との間の押付力を向上させるために、第1シールド内付け装置32の構造強度は、第1シールド中部装置33の構造強度よりも大きいものとしてもよく、これにより、第1シールド中部装置33に押付力が加えられた場合、第1シールド内付け装置32に顕著な歪みを生じない。それに応じて、第1シールド中部装置33と第1シールド外付け装置36との間の押付力を向上させるために、第1シールド中部装置33の構造強度は、第1シールド外付け装置36の構造強度よりも大きいものとしてもよく、これにより、第1シールド外付け装置36に押付力が加えられた場合、第1シールド中部装置33に顕著な歪みが生じない。
【0091】
第2シールド内付け装置34の材料、製造方法は、上記の第1シールド内付け装置32の材料、製造方法と類似するものとしてもよい。それに応じて、第2シールド中部装置35の材料、製造方式は、上記の第1シールド中部装置33の材料、製造方式と類似するものとしてもよい。第2シールド外付け装置37の材料、製造方式は、上記の第1シールド外付け装置36の材料、製造方式と類似するものとしてもよい。ここで説明を省略する。
【0092】
図13に示すように、いくつかの実施形態では、導電装置31の内壁に内側絶縁層313を設けてもよい。これにより、導電装置31と内部の他の部材との間で短絡等の不具合が発生することを防止することができる。
【0093】
また、導電装置31の外壁に外側絶縁層314を設けてもよい。これにより、導電装置31と外部の他の部材との間で短絡等の不具合が発生することを防止することができる。
【0094】
内側絶縁層313及び外側絶縁層314は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロンなどの材料で製造されてもよく、良好な電気絶縁性を有する他の材料で製造されてもよく、本発明はこれに限定されない。
【0095】
また、第1ケーブル10と第2ケーブル20との間の電気的接続を図り、電力伝送の目的を達成するために、第1ケーブルコア11の一端と第2ケーブルコア21の一端とが接続される。
【0096】
具体的に実施する際に、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間は、圧着、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付けなどのプロセスで接続されてもよく、他の方式で接続されてもよい。
【0097】
例えば、図13に示すように、本発明に係る一実施例において、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間は圧着によって接続されている。具体的には、第1ケーブルコア11の端部と第2ケーブルコア21の端部とが突き合わされ、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との突き合わせ接続箇所の外側に圧着リング38が設けられている。圧着クランプ等の工具を用いて圧着リング38を押し付けることで、圧着リング38を第1ケーブルコア11及び第2ケーブルコア21の外側に強固に設ける。これにより、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21の間の導電接続を実現する。
【0098】
具体的に配置する場合、圧着リング38は、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間の電気的接続性能を向上させるように、銅、アルミニウムなどの導電性能に優れた材料で製造されてもよい。
【0099】
理解できるように、具体的に実施する場合、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21の断面輪郭は同じであってもよく、異なってもよい。例えば、第1ケーブルコア11及び第2ケーブルコア21の断面輪郭はいずれも円形であってもよい。
【0100】
或いは、他のいくつかの実施形態では、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との突き合わせ接続箇所について特殊な処理を行って、両者の間の有効な接触面積を増加させてもよい。これにより、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間の電気的接続性能を向上させることができる。
【0101】
例えば、図14に示すように、本発明に係る一実施例において、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間は、溶接によって接続されている。具体的には、第1ケーブルコア11の右端は略半分切り欠かれて大きな面積を有する接触面が形成され、第2ケーブルコア21の左端も略半分切り欠かれて大きな面積を有する接触面が形成されている。第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21とを溶接する際に、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21とを部分的に重ねることができ、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間の溶接面積を向上させ、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間の接続効果を確保することができる。ここで、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との重なり面積は、第1ケーブルコアの断面積以上であってもよく、第2ケーブルコアの断面積以上であってもよい。
【0102】
また、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との接続箇所に対して良好な保護作用を果たすために、本発明に係る実施例において、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との接続箇所の外側に隔離スリーブ39がさらに設けられる。
【0103】
具体的に配置する場合、隔離スリーブ39は、熱収縮チューブであってもよく、当該突き合わせ接続箇所の外側に射出成形された、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、合成ゴム、ポリウレタンエラストマー、架橋ポリエチレン、ポリエチレンのうちの1種又は複数種の組み合わせの絶縁材料であってもよい。第1ケーブルコア11及び第2ケーブルコア21を良好に保護するために、隔離スリーブ39の左端を第1ケーブル10の第1保護層12に突き合わせることができ、隔離スリーブ39の右端を第2ケーブル20の第2保護層22に突き合わせることができる。
【0104】
第1シールド層13、第2シールド層23及び導電装置31の厚さは、0.003mm~27mmであってもよい。
【0105】
試験方法として、試験機器が第1ケーブル又は第2ケーブルに対して1つの信号値(この数値は試験値2である)を出力し、ケーブルアセンブリの外側に検知装置を設け、この検知装置が1つの信号値(この数値は試験値1である)を検知する。シールド性能値=試験値2-試験値1。
【0106】
表3は、シールド層及び導電装置の厚さが、シールド性能及び折り曲げ半径の増加数に与える影響を示す。
【0107】
【表3】
【0108】
上表は、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータを示している。ここで、規格要求は、導電装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が60dBより大きいことである。
【0109】
表に示す試験結果から分かるように、第1シールド層13、第2シールド層23及び導電装置の厚さが0.003mm~27mmである場合、第1ケーブル10、第2ケーブル20のシールド性能が厚さの増加に伴って増加するが、第1シールド層13、第2シールド層23及び導電装置31の厚さが27mmを超える場合、第1ケーブル10、第2ケーブル20のシールド性能の変化が小さく、顕著な向上が見られない。第1シールド層13、第2シールド層23及び導電装置31の厚さが0.003mm~27mmである場合、第1ケーブル10、第2ケーブル20の折り曲げ半径の増加数が厚さの増加に伴って増加するが、第1シールド層13、第2シールド層23及び導電装置31の厚さが27mmを超える場合、第1ケーブル10、第2ケーブル20の折り曲げ半径の増加数が200mmを超えることとなり、実際の加工に不利であるため、第1シールド層13、第2シールド層23及び導電装置31の厚さが0.003mm~27mmであることが好ましい。
【0110】
また、シールド装置(例えば、第1シールド内付け装置32)において第1シールド層13と接続されている外側の表面積は、シールド装置(例えば、第1シールド内付け装置32)の外側の表面積の1.3%より大きい。これにより、シールド装置と第1シールド層13との間の接続効果を確保することができる。
【0111】
また、シールド装置(例えば、第2シールド内付け装置34)において第2シールド層23と接続されている外側の表面積は、シールド装置(例えば、第2シールド内付け装置34)の外側の表面積の1.3%より大きい。これにより、シールド装置と第2シールド層23との間の接続効果を確保することができる。
【0112】
具体的には、シールド装置と第1シールド層13又は第2シールド層23との接続面積が大きいほど、両者の間の力学的性能が良くなる。使用環境において、シールド装置と第1シールド層13又は第2シールド層23との間の引抜力が規格要求に達することを保証できれば、外力によって引きちぎられてしまうのを避けられる。数多くの実験及び試験を経て、シールド装置の第1シールド層13又は第2シールド層23と接続されている外側の表面積が、シールド装置の外側の表面積の1.3%未満である場合、シールド装置と第1シールド層13又は第2シールド層23との間は、規格要求に定められた引抜力を満たすことができず、引きちぎられてしまうこととなる。これにより、シールド性能の低下、ひいてはシールド性能の失効を招き、ひどい場合にはシールド機能が失われてしまうことを見出した。
【0113】
表4は、シールド装置とシールド層との間の引抜力に対するシールド装置とシールド層との接続面積による影響を示す。
【0114】
【表4】
【0115】
上表は、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータを示している。ここで、規格要求は、シールド装置とシールド層との間の引抜力が50Nより大きいことである。
【0116】
従って、シールド装置において第1シールド層13又は第2シールド層23と接続されている外側の表面積は、シールド装置の外側の表面積の1.3%よりも大きい。これにより、シールド装置と第1シールド層13又は第2シールド層23との間の接続効果を確保することができる。
【0117】
また、導電装置31の第1端において第1シールド層13と接続されている外側の表面積は、シールド装置(例えば、第1シールド中部装置33)の外側の表面積の1.4%より大きい。これにより、導電装置31の第1端と第1シールド層13との間の接続効果を確保することができる。
【0118】
また、導電装置31の第2端において第2シールド層23と接続されている外側の表面積は、シールド装置(例えば、第2シールド中部装置35)の外側の表面積の1.4%より大きい。これにより、導電装置31の第2端と第2シールド層23との間の接続効果を確保することができる。
【0119】
具体的には、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との接続面積が大きいほど、両者の間の力学的性能が良くなる。使用環境において、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との間の引抜力が規格要求に達することを保証できれば、外力によって引きちぎられてしまうのを避けられる。数多くの実験及び試験を経て、導電装置31の第1シールド層13又は第2シールド層23と接続されている外側の表面積が、シールド装置の外側の表面積の1.3%未満である場合、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との間は、規格要求に定められた引抜力を満たすことができず、引きちぎられてしまうこととなる。これにより、シールド性能の低下、ひいてはシールド性能の失効を招き、ひどい場合にはシールド機能が失われてしまうことを見出した。
【0120】
表5は、導電装置とシールド層との間の引抜力に対する導電装置とシールド層との接続面積による影響を示す。
【0121】
【表5】
【0122】
上表に示すように、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータである。ここで、規格要求は、導電装置とシールド層との間の引抜力が50Nより大きいことである。
【0123】
従って、導電装置31において第1シールド層13又は第2シールド層23と接続されている外側の表面積は、シールド装置の外側の表面積の1.4%より大きい。これにより、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との間の接続効果を確保することができる。
【0124】
また、導電装置31の第1端(図中の左端)と第1シールド層13との接続箇所における最小断面積は、第1シールド層13の断面積の60%~260%である。これにより、導電装置31の第1端と第1シールド層13との間の接続効果を確保できる。
【0125】
また、導電装置31の第2端(図中の右端)と第2シールド層23との接続箇所における最小断面積は、第2シールド層23の断面積の60%~260%である。これにより、導電装置31の第2端と第2シールド層23との間の接続効果を確保できる。
【0126】
第1シールド層13と第2シールド層23の主な役割として、ケーブルコアにおいて電流が導通されて発生した渦電流を接地することで、電磁干渉の発生を回避することである。ケーブルコアの断面積が大きいほど、導通可能な電流が大きくなり、シールド層内に発生する渦電流が大きくなる。導電装置31の一端と第1シールド層13又は第2シールド層23との接続箇所における最小断面積が、規格要求に定められたものよりも小さい場合、接続箇所における局所的な発熱が生じ、ひどい場合、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との接続箇所が焼き切られてしまうこととなり、シールド性能の低下、ひいてはシールド性能の失効を招く。
【0127】
表6は、第1シールド層の断面積に占める導電装置と第1シールド層との接続箇所における最小断面積の割合が、導電装置とシールド層との間の温度上昇値に与える影響を示す。
【0128】
【表6】
【0129】
表7は、第2シールド層の断面積に占める導電装置と第2シールド層との接続箇所における最小断面積の割合が、導電装置とシールド層との間の温度上昇値に与える影響を示す。
【0130】
【表7】
【0131】
上表は、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータを示している。ここで、規格要求は、導電装置とシールド層との間の温度上昇値が50℃未満であることである。
【0132】
上記表から分かるように、第1シールド層又は第2シールド層の断面積に対する、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との接続箇所における最小断面積の割合が60%未満である場合、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との間の温度上昇値が規格要求を満たさない。
【0133】
第1シールド層13又は第2シールド層23の断面積に対する、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との接続箇所における最小断面積の割合が260%より大きい場合、第1シールド層13、第2シールド層23の断面積が渦電流の最小導通面積よりはるかに大きいため、導電装置31と第1シールド層13又は第2シールド層23との間の温度上昇値は、上記割合が260%である場合とほぼ同じであるが、コスト及び加工周期がより高くなる。
【0134】
従って、導電装置31の第1端と第1シールド層13との接続箇所における最小断面積が、第1シールド層13の断面積の60%~260%であり、導電装置31の第2端と第2シールド層23との接続箇所における最小断面積が、第2シールド層23の断面積の60%~260%であることが好ましい。
【0135】
具体的には、シールド装置と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは13.7mΩ未満であり、シールド装置と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは13.7mΩ未満である。
【0136】
好ましい形態として、シールド装置と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ未満であり、シールド装置と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ未満である。
【0137】
シールド装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスをできるだけ小さくする必要がある。このようにすると、シールド層において生じた電流は、エネルギー源又は接地箇所へ支障なく還流し得る。シールド装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスが大きければ、シールド装置とシールド層との接続箇所に大きな電流が生じ、それにより、ケーブルの接続箇所に大きな放射が生じる。
【0138】
試験方法として、試験機器が第1ケーブル又は第2ケーブルに対して1つの信号値(この数値は試験値2である)を出力し、ケーブルアセンブリの外側に検知装置を設け、この検知装置が1つの信号値(この数値は試験値1である)を検知する。シールド性能値=試験値2-試験値1。
【0139】
表8は、シールド性能に対するシールド装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスによる影響を示す。
【0140】
【表8】
【0141】
上表は、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータを示している。ここで、規格要求は、シールド装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が60dBより大きいことである。
【0142】
シールド装置と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩより大きく、シールド装置と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩより大きい場合、シールド装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値は60dB未満であり、規格要求を満たさない。また、シールド装置と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満であり、シールド装置と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満である場合には、シールド装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が大きく変化しない。そこで、本発明者らは、シールド装置と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスを13.7mΩ未満とし、シールド装置と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスを13.7mΩ未満とした。
【0143】
好ましい形態として、シールド装置と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ未満であり、シールド装置と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ未満である。
【0144】
具体的には、導電装置の第1端と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは13.7mΩ未満であり、導電装置の第2端と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは13.7mΩ未満である。
【0145】
好ましい形態として、導電装置の第1端と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ小さく、導電装置の第2端と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ未満である。
【0146】
導電装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスをできるだけ小さくする必要がある。このようにすると、シールド層において生じた電流は、エネルギー源又は接地箇所へ支障なく還流し得る。導電装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスが大きければ、導電装置とシールド層との接続箇所に大きな電流が生じ、それにより、ケーブルの接続箇所に大きな放射が生じる。
【0147】
試験方法として、試験機器が第1ケーブル又は第2ケーブルに対して1つの信号値(この数値は試験値2である)を出力し、ケーブルアセンブリの外側に検知装置を設け、この検知装置が1つの信号値(この数値は試験値1である)を検知する。シールド性能値=試験値2-試験値1。
【0148】
表9は、シールド性能に対する導電装置とシールド層との接続箇所におけるインピーダンスによる影響を示す。
【0149】
【表9】
【0150】
上表は、特定の線径のケーブルを選んで試験したデータを示している。ここで、規格要求は、導電装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が60dBより大きいことである。
【0151】
導電装置の第1端と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩより大きく、導電装置の第2端と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが13.7mΩより大きい場合、導電装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が60dB未満であり、規格要求を満たさない。また、導電装置の第1端と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満であり、導電装置の第2端と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスが12.5mΩ未満である場合、導電装置とシールド層との接続箇所におけるシールド性能値が大きく変化しない。そこで、本発明者らは、導電装置の第1端と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスを13.7mΩ未満とし、導電装置の第2端と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスを13.7mΩ未満とした。
【0152】
好ましい形態として、導電装置の第1端と第1シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ未満であり、導電装置の第2端と第2シールド層との接続箇所におけるインピーダンスは12.5mΩ未満である。
【0153】
図14に示すように、実際の応用において、第1ケーブル10は、通常、第3保護層14(外被として理解されてもよい)をさらに有してもよく、第2ケーブル20は、通常、第4保護層24(外被として理解されてもよい)をさらに有してもよい。
【0154】
具体的には、第3保護層14は、第1シールド層13の外側に設けられ、第1シールド層13と他の部材との導電接触を防止することにより、第1ケーブル10の使用安全性を向上させることができると共に、第1ケーブル10全体の防水、防塵などの性能を向上させることもできる。
【0155】
具体的に実施する場合、第3保護層14は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、合成ゴム、ポリウレタンエラストマー、架橋ポリエチレン、ポリエチレンのうちの1種又は複数種の組み合わせの絶縁材料で製造されてもよい。
【0156】
それに応じて、第2ケーブル20において、第4保護層24は、第2シールド層23の外側に設けられ、第2シールド層23と他の部材との導電接触を防止することにより、第2ケーブル20の使用安全性を向上させることができると共に、第2ケーブル20全体の防水、防塵などの性能を向上させることもできる。
【0157】
具体的に実施する場合、第4保護層24は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、合成ゴム、ポリウレタンエラストマー、架橋ポリエチレン、ポリエチレンのうちの1種又は複数種の組み合わせの絶縁材料で製造されてもよい。
【0158】
また、具体的に実施する際に、シールド接続アセンブリ30の外側に絶縁カバー(図示せず)を設けてもよい。ここで、絶縁カバーの左端が第1ケーブル10の第3保護層14の外側に被覆されてもよく、絶縁カバーの右端が第2ケーブル20の第4保護層24の外側に被覆されてもよい。これにより、シールド接続アセンブリ30の信頼性を向上させ、シールド接続アセンブリ30と外部の導電体との間に導電接触が生じることを防止することができる。具体的に配置する場合、絶縁カバーは熱収縮チューブなどの良好な絶縁性を有する構造部材であってもよく、実際のニーズに応じて絶縁カバーの具体的な材質及び種類を適応的に選択することができ、本願はこれを具体的に限定しない。
【0159】
ケーブルアセンブリを製造する場合、以下のステップを採用することができる。
【0160】
図3及び図21を参照して説明する。該製造方法は以下のステップを含み得る。
【0161】
S10において、第1ケーブル10を提供する。第1ケーブル10は、第1ケーブルコア11と、第1保護層12と、第1シールド層13とを有し、第1保護層12が、第1ケーブルコア11の外側に設けられており、第1シールド層13が、第1保護層12の外側に設けられている。
【0162】
S11において、第1ケーブル10の第1端(図3中の第1ケーブル10の右端)の第1シールド層13及び第1保護層12を剥離して、第1ケーブルコア11を露出させる。
【0163】
S20において、第2ケーブル20を提供する。第2ケーブル20は、第2ケーブルコア21と、第2保護層22と、第2シールド層23とを有し、第2保護層22が、第2ケーブルコア21の外側に設けられており、第2シールド層23が、第2保護層22の外側に設けられている。
【0164】
S21において、第2ケーブル20の第1端(図3中の第2ケーブル20の左端)の第2シールド層23及び第2保護層22を剥離して、第2ケーブルコア21を露出させる。
【0165】
S22において、第1ケーブルコア11の第1端と第2ケーブルコア21の第1端とを接続して、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間の電気的接続を実現する。
【0166】
S30において、シールド接続アセンブリ30を提供する。シールド接続アセンブリ30は、導電装置31と、第1シールド内付け装置32と、第1シールド中部装置33と、第2シールド内付け装置34と、第2シールド中部装置35とを有する。
【0167】
S31において、第1シールド内付け装置32を第1シールド層13の自由端の外側に設け、第1シールド層13の自由端を外側に折り返して、裏返し部131を第1シールド内付け装置32の外壁に貼り合わせる。第2シールド内付け装置34を第2シールド層23の自由端の外側に設け、第2シールド層23の自由端を外側に折り返して、裏返し部231を第2シールド内付け装置34の外壁に貼り合わせる。
【0168】
S32において、導電装置31の第1端を第1シールド層13の裏返し部131の外側に設け、導電装置31の第2端を第2シールド層23の裏返し部231の外側に設ける。これにより、第1シールド層213と第2シールド層223との接続を実現する。
【0169】
S33において、第1シールド中部装置33を導電装置31の第1端の外側に設け、第2シールド中部装置35を導電装置31の第2端の外側に設ける。
【0170】
理解できるように、具体的に実施する際に、第1シールド中部装置33を導電装置31の第1端の外側に予め設けてから、導電装置31の第1端を第1シールド層13の外側に設けてもよい。それに応じて、第2シールド中部装置35を導電装置31の第2端の外側に予め設けてから、導電装置31の第2端を第2シールド層23の外側に設けてもよい。
【0171】
S34において、導電装置31の第1端と第1シールド層13の裏返し部131を、第1シールド内付け装置32と第1シールド中部装置33との間に溶接し、導電装置13の第2端と第2シールド層23の裏返し部231を、第2シールド内付け装置34と第2シールド中部装置35との間に溶接する。或いは、S34において、導電装置31の第1端と第1シールド層13の裏返し部131を、第1シールド内付け装置32と第1シールド中部装置33との間に圧着し、導電装置13の第2端と第2シールド層23の裏返し部231を、第2シールド内付け装置34と第2シールド中部装置35との間に圧着する。或いは、S34において、導電装置31の第1端と第1シールド層13の裏返し部131を、第1シールド内付け装置32と第1シールド中部装置33との間に当接し、導電装置13の第2端と第2シールド層23の裏返し部231を、第2シールド内付け装置34と第2シールド中部装置35との間に当接する。
【0172】
溶接を行う際に、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付け等によって、導電装置31の第1端と第1シールド層13の裏返し部131とを溶接し、導電装置31の第2端と第2シールド層23の裏返し部231とを溶接することができる。
【0173】
圧着を行う際に、圧着クランプなどの工具を用いて第1シールド中部装置33、第2シールド中部装置34に作用力を加えることで、第1シールド中部装置33と第1シールド内付け装置32との間における圧着接続、第2シールド中部装置35と第2シールド内付け装置34との間における圧着接続を実現することができる。
【0174】
この過程において、第1シールド内付け装置32が一定の強度を有するため、第1ケーブルコア11に対して一定の保護作用を果たし、第1ケーブルコア11が強く押圧されることを防止することもできる。それに応じて、第2シールド内付け装置34が一定の強度を有するため、第2ケーブルコア21に対して一定の保護作用を果たし、第2ケーブルコア21が強くに押圧されることを防止することもできる。
【0175】
ステップS22において、第1ケーブルコア11の第1端と第2ケーブルコア21の第1端とを接続することは、具体的には、溶接又は圧着プロセスによって第1ケーブルコア11の第1端と第2ケーブルコア21の第1端とを接続することを含む。
【0176】
理解できるように、具体的に実施する場合、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との間の導電接続及び機械的接続を実現するように、他の方式で第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21とを接続してもよい。
【0177】
また、ステップS32の前に、上記製造方法は、第1ケーブルコア11と第2ケーブルコア21との接続箇所の外側に隔離スリーブ39を設けることをさらに含む。これにより、該接続箇所と導電装置11との間に導電接触などの不具合が生じることを防止することができる。
【0178】
該隔離スリーブ39は、熱収縮チューブであってもよく、該接続箇所の外側に直接射出成形された他の絶縁層であってもよい。
【0179】
また、いくつかの実施形態では、第1ケーブル10の外側に第3保護層14が設けられている場合、ステップS11を行う際に、当該ステップは、第1ケーブル10の第3保護層14を剥離することをさらに含む。それに応じて、第2ケーブル20の外側に第4保護層24が設けられている場合、ステップS21を行う際に、当該ステップは、第2ケーブル20の第4保護層24を剥離することをさらに含む。
【0180】
また、図22に示すように、本発明の実施例は、別のケーブルアセンブリの製造方法をさらに提供する。該製造方法では、ステップS35~S37が追加されている。
【0181】
図4及び図22を参照して説明する。具体的には、ステップS34の後に、ステップS35~S37を更に含む。
【0182】
S35において、導電装置31の第1端を外側に180°折り返して、第1シールド中部装置33の外壁に貼り合わせ、第1シールド外付け装置36を導電装置31の第1端の裏返し部311の外側に設ける。
【0183】
S36において、導電装置31の第2端を外側に180°折り返して、第2シールド中部装置35の外壁に貼り合わせ、第2シールド外付け装置37を導電装置31の第2端の裏返し部312の外側に設ける。
【0184】
S37において、導電装置31の裏返し部311を第1シールド中部装置33と第1シールド外付け装置36との間に溶接し、導電装置31の裏返し部312を第2シールド中部装置35と第2シールド外付け装置37との間に溶接する。或いは、S37において、導電装置31の裏返し部311を第1シールド中部装置33と第1シールド外付け装置36との間に圧着し、導電装置31の裏返し部312を第2シールド中部装置35と第2シールド外付け装置37との間に圧着する。或いは、S37において、導電装置31の裏返し部311を第1シールド中部装置33と第1シールド外付け装置36との間に当接し、導電装置31の裏返し部312を第2シールド中部装置35と第2シールド外付け装置37との間に当接する。
【0185】
溶接を行う際に、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付けなどによって、導電装置31の裏返し部311を第1シールド中部装置33と第1シールド外付け装置36との間に溶接し、導電装置31の裏返し部312を第2シールド中部装置35と第2シールド外付け装置37との間に溶接することができる。
【0186】
圧着を行う際に、圧着クランプなどの工具を用いて第1シールド外付け装置36、第2シールド外付け装置37に作用力を加えることで、第1シールド外付け装置36と第1シールド中部装置33との間における圧着接続、第2シールド外付け装置37と第2シールド中部装置35との間における圧着接続を実現することができる。
【0187】
また、該製造方法は、絶縁カバーをシールド接続アセンブリ30の外側に設けることをさらに含み得る。絶縁カバーの左端が第1ケーブル10の第3保護層14の外側に被覆されてもよく、絶縁カバーの右端が第2ケーブル20の第4保護層24の外側に被覆されてもよい。これにより、シールド接続アセンブリ30の信頼性を向上させ、シールド接続アセンブリ30と外部の導電体との間に導電接触が生じることを防止することができる。具体的に配置する場合、絶縁カバーは熱収縮チューブなどの良好な絶縁性を有する構造部材であってもよく、実際のニーズに応じて絶縁カバーの具体的な材質及び種類を適応的に選択することができ、本願はこれを具体的に限定しない。
【0188】
理解できるように、ケーブルアセンブリを製造する際に、その製造順序は実際の状況に応じて適応的に調整することができ、また、一部のステップを追加又は省略することもでき、本願において具体的に限定されない。
【0189】
当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更及び変形を行うことができることは自明である。このように、本発明のこれらの修正及び変形が本発明の請求の範囲及びその同等の技術範囲に属する場合、本発明は、これらの修正及び変形が含まれることが意図される。
図1
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【国際調査報告】