(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】皮膚に良いチューインガム組成物
(51)【国際特許分類】
A23G 4/12 20060101AFI20240220BHJP
A23G 4/14 20060101ALI20240220BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20240220BHJP
A23L 33/17 20160101ALI20240220BHJP
【FI】
A23G4/12
A23G4/14
A23L33/15
A23L33/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554846
(86)(22)【出願日】2021-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2021079458
(87)【国際公開番号】W WO2022187989
(87)【国際公開日】2022-09-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516346274
【氏名又は名称】ダブリューエム リグリー ジュニア カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】リュ グレイス
(72)【発明者】
【氏名】イ ケン
(72)【発明者】
【氏名】チュウ メラニー
(72)【発明者】
【氏名】クヌッツェン ホリー
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
【Fターム(参考)】
4B014GB13
4B014GE03
4B014GG08
4B014GG12
4B014GG18
4B014GK01
4B014GK03
4B014GK04
4B014GK12
4B014GL03
4B014GP01
4B014GP18
4B018LB01
4B018MD20
4B018MD25
4B018MD26
4B018MD94
4B018ME05
4B018ME06
4B018ME10
4B018ME14
4B018MF02
4B018MF14
(57)【要約】
チュアブル組成物または具体的にチューインガムは、健康な皮膚を保護および/または維持するために有用な美容成分の組み合わせを含有する。より具体的に、チューインガムは、コラーゲン、ビタミンC、ビタミンEの組み合わせを含み、これは、皮膚の弾力を維持するために、および酸化ストレスから皮膚を保護するために有用でありうる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンCと、
ビタミンEと、
コーティングされたチューインガムの約6重量%~約20重量%の量のコラーゲンと、を含む、コーティングされたチューインガム。
【請求項2】
前記コーティングされたチューインガムが、前記コーティングされたチューインガムの約6.1重量%~約18.5%重量の量のコラーゲンを含む、請求項1に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項3】
前記コーティングされたチューインガムが、前記コーティングされたチューインガムの少なくとも0.2重量%の量のビタミンCを含む、請求項1に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項4】
前記コーティングされたチューインガムが、前記コーティングされたチューインガムの約0.296重量%の量のビタミンCを含む、請求項1に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項5】
前記コーティングされたチューインガムが、前記コーティングされたチューインガムの少なくとも0.1重量%の量のビタミンEを含む、請求項1に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項6】
前記コーティングされたチューインガムが、前記チューインガムの約0.167重量%の量のビタミンEを含む、請求項1に記載のチューインガム。
【請求項7】
前記コーティングされたチューインガムが、コーティングおよびチューインガム中心部を含む、請求項1に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項8】
前記チューインガム中心部が、前記チューインガム中心部の約8重量%~約25重量%の量のコラーゲンを含む、請求項7に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項9】
前記チューインガム中心部が、前記チューインガム中心部の約8.33重量%~約25重量%の量のコラーゲンを含む、請求項8に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項10】
前記チューインガム中心部が、前記チューインガム中心部の少なくとも0.1重量%の量のビタミンCを含む、請求項7に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項11】
前記チューインガム中心部が、前記チューインガム中心部の約0.4重量%の量のビタミンCを含む、請求項7に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項12】
前記コーティングがビタミンEを含む、請求項7に記載のコーティングされたチューインガム。
【請求項13】
前記コーティングされたチューインガムが無糖チューインガムである、請求項1に記載のコーティングされたチューインガム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、チュアブル組成物、および具体的に、健康な皮膚の保護および/または維持に有用な美容成分の組み合わせを含有するチューインガムを対象とする。より具体的に、チューインガムは、コラーゲン、ビタミンC、ビタミンEの組み合わせを含み、これは、皮膚の弾力を維持するために、および酸化ストレスから皮膚を保護するために有用でありうる。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンペプチドは、健康食品、美容化粧品、医療健康製品に広く使用されていて、抗酸化、抗放射線、抗老化、カルシウム補充、カルシウム保護などの生理学的利益を提供して、骨の発達を促進し、ヒト免疫を改善し、皮膚細胞再生を促進することが知られている。しかしながら、多くの美容法は、費用が高く、行うのに時間がかかる。それ故に、使用が簡単で満足を与え、かつ1日に複数回使用されうる、コラーゲンなどの美容成分のための消費者にやさしい送達媒体を提供することが望ましいであろう。
【0003】
コラーゲンを送達するための担体としてチューインガムを使用することは、あらゆるタイプの人にとって、コラーゲンペプチドおよび他の美容成分または健康成分の摂取を容易にし、健康を促進することができる。しかしながら、現在のチューインガム製品は、コラーゲンを含まないか、または低量のコラーゲンを含有する。従って、より高量のコラーゲンおよび他の健康および美容成分を消費者に送達することができる、消費者にやさしい送達媒体を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、チュアブル組成物、および具体的に、健康な皮膚の保護および/または維持に有用な美容成分の組み合わせを含有するチューインガムを対象とする。より具体的に、チューインガムは、コラーゲン、ビタミンC、ビタミンEの組み合わせを含み、これは、皮膚の弾力を維持するために、および酸化ストレスから皮膚を保護するために有用でありうる。
【0005】
一つの態様において、本開示は、ビタミンC、ビタミンE、およびコーティングされたチューインガムの約6重量%~約20重量%の量のコラーゲンを含む、コーティングされたチューインガムを対象とする。
【0006】
別の態様において、コーティングされたチューインガムは、コーティングおよびチューインガム中心部を含む。
【0007】
別の態様において、チューインガム中心部は、チューインガム中心部の約8重量%~約25重量%の量のコラーゲン、およびチューインガム中心部の少なくとも0.1重量%の量のビタミンCを含む。
【0008】
別の態様において、コーティングはビタミンEを含む。
【0009】
別の態様において、コーティングされたチューインガムは、無糖チューインガムである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願は、チュアブル組成物、および具体的に、健康な皮膚の保護および/または維持に有用な美容成分の組み合わせを含有するチューインガムを対象とする。より具体的に、チューインガムは、コラーゲン、ビタミンC、ビタミンEの組み合わせを含み、これは、皮膚の弾力を維持するために、および酸化ストレスから皮膚を保護するために有用でありうる。
【0011】
有利なことに、本開示のチューインガムは、良好な食感特性を維持しながら、チューインガム組成物中に典型的に存在するコラーゲンよりも高いレベルのコラーゲンを含有する。実施例で示される通り、本開示のチューインガムは、良好な保存可能期間、およびコラーゲンの高い放出速度を有する。それ故に本開示のチューインガムは、皮膚の健康の促進に有用な成分の効果的かつ便利な送達媒体である。
【0012】
それ故に一つの態様において、本開示は、チューインガム、特にビタミンC、ビタミンE、およびコーティングされたチューインガムの約6重量%~約20重量%の量のコラーゲンを含む、コーティングされたチューインガムを対象とする。特定の態様において、チューインガムは、チューインガム中心部とコーティングとを含むコーティングされたチューインガムである。コーティングは、チューインガム中心部の外面を完全にまたは部分的に覆ってもよい。こうした実施形態において、チューインガム中心部はコラーゲンと、水溶性抗酸化物質であるビタミンCとを含み、コーティングは水不溶性抗酸化物質であるビタミンEを含む。
【0013】
コラーゲン
コラーゲン(本明細書において「コラーゲンペプチド」とも呼ぶ)は、食用プロテアーゼによる中程度の酵素分解および精製の後、動物の皮膚および骨コラーゲンから作製された小分子の生物活性ペプチドである。特定の例において、コラーゲンは、かなりの美容効果および骨形成効果を有しうる。一つの態様において、本開示のチューインガムで使用されるコラーゲンの少なくとも90重量%は、3,500Da未満の分子量を有する。本開示のチューインガムでの使用に適したコラーゲンの一例は、米国特許第9,072,724号および中国特許第CN103209678A号に記載されていて、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0014】
一つの実施形態において、本開示のチューインガムでの使用に適したコラーゲンは、Gelita(ドイツ)から入手可能なVerisol(登録商標)コラーゲンペプチドである。Verisol(登録商標)コラーゲンペプチドは、小分子であり、吸着が容易であり、2000Daの平均分子量を有する。研究では、1日2500mgのVerisol(登録商標)コラーゲンペプチドを摂取すると、実験対照と比較して、4週間以内に皮膚弾力性を7%増加させることができ(“Oral Supplementation of Specific Collagen Peptides Has Beneficial Effects on Human Skin Physiology: A Double-Blind Placebo-Controlled Study,” Skin Pharmacol. Physiol., Proksch, et al., 2014, 27:47-55を参照)、目のしわを、実験対照と比較して、8週間以内に32%低減させることができる(“Oral Intake of Specific Bioactive Collagen Peptides Reduces Skin Wrinkles and Increases Dermal Matrix Synthesis,” Proksch, et al., Skin Pharmacol. Physiol., 2014, 27:113-119を参照)ことが実証されている。
【0015】
一つの実施形態において、本開示のチューインガムは、チューインガム中心部と、チューインガム中心部の表面を部分的にまたは完全に覆うコーティングとを含むコーティングされたチューインガムである。「コーティングされたチューインガム」という用語は本明細書において、「最終チューインガム」または「最終製品」という用語と互換的に使用される。コーティングされたチューインガム(チューインガム中心部およびコーティングを含む)は、コーティングされたチューインガムの約6重量%~約20重量%(コーティングされたチューインガムの約6.1重量%~約18.5重量%など)の量のコラーゲンを含んでもよい。一つの態様において、コーティングされたチューインガムは、チューインガム1粒当たり約125~約600mgのコラーゲン(約150~約500mgのコラーゲンなど)を含む。本開示のチューインガム、例えば1粒のチューインガムは、例えばペレット、ガムボール、正方形、スティックなど、様々な形状および形態を取ることができる。
【0016】
本明細書で論じる通り、コラーゲンはチューインガム中心部に存在する。それ故に、別の態様において、チューインガム中心部は、チューインガム中心部の約8重量%~約25重量%(チューインガム中心部の約8.33重量%~約25重量%、またはチューインガム中心部の約8.33重量%~約16.67重量%など)の量のコラーゲンを含む。別の実施形態において、チューインガム中心部は、1粒当たり約125~約600mgのコラーゲン(約150~約500mgのコラーゲンなど)を含む。
【0017】
特定の一つの実施形態において、本明細書に記載の通り、複数の粒のチューインガムは、消費者に販売するために缶詰にされてもよい。一つの実施形態において、こうした缶詰は、1缶当たり(例えば、正味重量40g/缶で)約2840mgのコラーゲンを提供しうる。
【0018】
消費者が1日当たり使用するチューインガムの粒数は、所望のコラーゲン摂取量に応じて変化しうる。一つの実施形態において、消費者は1日当たり少なくとも1粒、少なくとも2粒、または少なくとも3粒のチューインガムを使用してもよい。一つの特定の実施形態において、消費者は1日に3粒のチューインガムを使用してもよい。こうした一つの実施形態において、消費者は1粒当たり約473mgのコラーゲンを含有するチューインガムを1日当たり3粒使用してもよい。別の実施形態において、消費者は1粒当たり約170mgのコラーゲンを含有するチューインガムを1日当たり3粒使用してもよい。
【0019】
有利なことに、コラーゲンは、ガムを噛んだ際に消費者に送達されるコラーゲンの量の増加を可能にする放出率で、本開示のチューインガムから放出される。本明細書で使用される「コラーゲン放出率」(または噛み出し率)は、特定の期間にわたって噛んだ後、チューインガムから放出されるチューインガム中のコラーゲンのパーセンテージを指す。コラーゲン放出率は、実施例に記載の手順を使用して、噛む前後にチューインガム中の窒素含有量を測定することによって決定されうる。一つの態様において、本開示のチューインガムは、12分間噛んだ後、少なくとも92%、少なくとも95%、または少なくとも98%のコラーゲン放出率を有する。特定の一つの実施形態において、チューインガムは、12分間噛んだ後、約92%~約99%のコラーゲン放出率を有する。一つの実施形態において、3粒のチューインガムを12分間噛んだ後、少なくとも375mgのコラーゲンがチューインガムから放出される。別の実施形態において、3粒のチューインガムを12分間噛んだ後、約411mgのコラーゲンがチューインガムから放出される。別段の指示がない限り、本明細書に開示のコラーゲン放出率は、コーティングされたチューインガムとチューインガム中心部の両方に適用できる。
【0020】
抗酸化物質
本開示のチューインガムは、抗酸化物質をさらに含む。チューインガムは、抗酸化物質の様々な放出機構(遅延、即時、徐放、制御、可変など)を単独で、または当該技術分野で公知の手順を使用し組み合わせて利用してもよい。本開示の一態様において、チューインガムは、抗酸化物質の放出機構として、カプセル化のプロセスを利用してもよい。カプセル化手順の一部の例には、単独で、または任意の組み合わせで完全または部分的なカプセル化をもたらす噴霧乾燥、流動床コーティング、噴霧冷却、コアセルベーション、凝集、凝固、吸収、封入が含まれるが、これらに限定されない。抗酸化物質は、二段階プロセスまたは複数段階プロセスでコーティングされてもよい。材料は、本明細書に記載の通りの任意の成分でコーティングされて、かみ砕き、知覚特性および/または安定性の改善をもたらす被コーティング製品を得てもよい。
【0021】
一つの態様において、本開示のチューインガムは、ビタミンCなどの水溶性ビタミンを含む。有利なことに、ビタミンCは、コラーゲンの産生を促進するのを助け、健康な皮膚を維持するのを助ける。
【0022】
一つの態様において、ビタミンCは、コーティングされたチューインガムの少なくとも0.001重量%、より具体的に少なくとも0.01重量%、または少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.2重量%の濃度で、コーティングされたチューインガム中に存在しうる。特定の実施形態において、ビタミンCは、コーティングされたチューインガムの約0.001%~約20重量%、約0.01%~約10重量%、約0.1%~約10重量%、約0.2%~約5重量%、または約0.296重量%の濃度で、コーティングされたチューインガム中に存在する。あるいは、コーティングされたチューインガムは、少なくとも15mg/ガム100g、少なくとも100mg/ガム100g、少なくとも140mg/ガム100g、少なくとも200mg/ガム100gガム、少なくとも250mg/ガム100g、少なくとも290mg/ガム100g(約100mg~300mg/ガム100gなど)、または約296mg/ガム100gの量のビタミンCを含有してもよい。
【0023】
一つの実施形態において、チューインガムは、チューインガム中心部とコーティングとを含むコーティングされたチューインガムであり、ビタミンCはチューインガム中心部に存在する。一つの態様において、チューインガム中心部は、チューインガム中心部の少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%など、少なくとも0.3重量%、または0.4重量%の量のビタミンCを含む。別の態様において、チューインガム中心部は、少なくとも15mg/ガム中心部100g、少なくとも100mg/ガム中心部100g、少なくとも140mg/ガム中心部100g、少なくとも200mg/ガム中心部100g、少なくとも250mg/ガム中心部100g、または少なくとも290mg/ガム中心部100g(約100mg~300mg/ガム中心部100gなど)、または約296mg/ガム中心部100gの量のビタミンCを含有してもよい。
【0024】
本開示のチューインガムは、1日当たり約100mg~約1000mg、400mg~約800mg、または少なくとも600mgまたはそれ以上のビタミンCを消費者に提供するのに十分な量のビタミンCを含有することが好ましい。一つの実施形態において、ガムまたはガム中心部100g当たり約115mgのビタミンCが、噛んだ後に、ガムまたはガム中心部から放出される。
【0025】
本明細書に記載の通りのビタミンCは、ビタミンC活性を有する任意の誘導体、化合物、または化合物の組み合わせを指す。文脈が別段に要求する場合を除き、「ビタミンC」という用語は本明細書において一般的に、アスコルビン酸、その塩のいずれか、天然起源または人工起源からのその誘導体のいずれか(そのエナンチオマーまたはラセミ体を含む)、およびビタミンC活性を有するこうした化合物の任意の混合物を包含するために使用される。
【0026】
ビタミンC誘導体の非限定的な例としては、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸亜鉛、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-0-硫酸塩、L-アスコルビン酸2-0-リン酸塩、L-アスコルビン酸3-0-リン酸塩、L-アスコルビン酸6-パルミチン酸塩、L-アスコルビン酸モノステアリン酸塩、L-アスコルビン酸ジパルミテート、L-トレオン酸、L-キシロン酸、L-リキソン酸、それらの組み合わせが含まれる。
【0027】
別の態様において、本開示のチューインガムは、ビタミンEなどの水不溶性ビタミンを含む。有利なことに、ビタミンEは抗酸化作用を有し、細胞老化を遅延させ、若々しい外見を維持するのを助ける(参照により本明細書に組み込まれるChina National Standard for Nutrition Labeling of Prepacked Food GB 28050-2011を参照)。
【0028】
本明細書に記載の通りのビタミンEは、ビタミンEアセテート、天然および人工トコフェロール、アルファ-トコフェロール、ベータ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、デルタ-トコフェロール、またはビタミンE活性を有するそれらの組み合わせまたは誘導体を包含する。
【0029】
一つの態様において、本開示のチューインガムは、チューインガム中心部とコーティングとを含むコーティングされたチューインガムであり、ビタミンEはコーティング中にある。ビタミンEは、コーティングされたチューインガムの少なくとも0.001重量%、または少なくとも0.01重量%、または少なくとも0.1重量%の濃度で、本開示のコーティングされたチューインガム中に存在しうる。一つの態様において、ビタミンEは、コーティングされたチューインガムの約0.001%~約10重量%、約0.01%~約5重量%、約0.1%~約4重量%、または約0.167重量%の濃度で、コーティングされたチューインガム中に存在する。あるいは、コーティングされたチューインガムは、少なくとも2.1mg/ガム100g、少なくとも70mg/ガム100g、少なくとも100mg/ガム100g、少なくとも120mg/ガム100gガム、または少なくとも130mg/ガム100gの量のビタミンEを含有する。一つの実施形態において、コーティングされたチューインガムは、約130mg/ガム100gの量のビタミンEを含有する。
【0030】
コーティングされたチューインガムは、1日当たり約10.0mg~約100mg、100mg~約200mg、または少なくとも200mgまたはそれ以上のビタミンEを消費者に提供するのに十分な量のビタミンEを含有してもよい。一つの実施形態において、ガム100g当たり約70mgのビタミンEが、噛んだ後にガムから放出される。
【0031】
随意に、チューインガムは、単独または組み合わせで、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ピリドキサール、ビタミンB6)、ニコチンアミド(ナイアシン)、パントテン酸、ビオチン、葉酸、および/またはシアノコバラミン(ビタミンB12)などの追加のビタミンをさらに含んでもよい。
【0032】
チューインガム組成物
本開示のチューインガム組成物は、コラーゲン、ビタミンC、ビタミンEを、本明細書に定められたいずれかの量で含んでもよい。本開示のチューインガム組成物は、チューインガム組成物で典型的に使用される様々な異なる組成物を使用して作製されてもよい。適切な物理的形態には、スティック、タブ、ドラジェ、チクレット、バトンなどが含まれる。各製品形態の正確な成分は製品ごとに異なるであろうが、特定の技術は当業者に周知であろう。一般に、チューインガム組成物は典型的に、本質的に水不溶性のチュアブルのガムベース部分と、水溶性バルク剤および他の水溶性成分、ならびに香味料および典型的に水不溶性であるおそらく他の活性成分を含む水溶性バルク部分とを含有する。水溶性部分は、噛んでいる間、ある期間にわたって、香味料の一部分(および存在する場合は他の不溶性活性物質)とともに消散する。ガムベース部分は、噛んでいる間ずっと、口の中に保持される。
【0033】
本開示の一つの実施形態において、チューインガムは、チューインガム中心部とコーティングとを含むコーティングされたチューインガムである。別段の指示がない限り、本明細書に定められたチューインガム構成要素の量は、チューインガム中心部の重量による。
【0034】
本開示のチューインガムは、コラーゲン、ビタミンC、ビタミンEを含有するコーティングされた無糖チューインガムであることが好ましい。一つの実施形態において、チューインガムは、ビタミンEを含むコーティングと、コラーゲンおよびビタミンCを含むチューインガム中心部とを含む。コーティングは、チューインガム中心部の表面を部分的にまたは完全に覆ってもよい。
【0035】
チューインガム中心部は、ガムベースの約5重量%~約95重量%を成してもよい。典型的に、不溶性ゴムベースは、チューインガム中心部の約10重量%~約50重量%、またはチューインガム中心部の約20重量%~約40重量%を成してもよい。本開示は、任意の商業的に許容可能なガムベースを用いることを企図している。
【0036】
不溶性ガムベースは概して、エラストマー、エラストマー溶媒、可塑剤、ワックス、乳化剤、無機フィラーを含む。可塑剤として幾分、作用するプラスチックポリマー(ポリ酢酸ビニルなど)も含まれる。使用されうる他のプラスチックポリマーには、ポリラウリン酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが含まれる。ガムベースは典型的に、チューインガム組成物全体(すなわち、チューインガム中心部の重量)の20~40重量%を成す。しかしながら、あまり一般的でない配合において、最低5重量%~最高95重量%を成してもよい。
【0037】
合成エラストマーには、ポリイソブチレン(例えば、約10,000~約95,000の重量平均分子量を有する)、ブチルゴム(イソブチレン-イソプレン共重合体)、スチレン共重合体(例えば、約1:3~約3:1のスチレン-ブタジエン比を有する)、ポリイソプレン、ポリエチレン、酢酸ビニル-ラウリン酸ビニル共重合体(例えば、共重合体の約5重量%~約50重量%のラウリン酸ビニル含有量を有する)、それらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
天然エラストマーは、例えばスモークまたは液体ラテックスおよびグアユールなどの天然ゴム、ならびにチクル、ジェルトン、レチカスピ、ペリロ、ソルバ、マッサランデュババラタ、マッサランデュバチョコレート、ニスペロ、ロシンジンハ、グッタハンカン、それらの混合物などの天然ガムを含みうる。好ましいエラストマーは例えば、ベースが使用されるチューインガムが、接着性であるか従来的であるか、合成であるか天然であるか、バブルガムであるか通常のガムであるかどうかに依存する。エラストマーは、チューインガムの特性であるゴム状の質感を提供する。エラストマーは典型的に、ガムベースの5~25重量%を占める。
【0039】
エラストマー可塑剤と呼ばれることもあるエラストマー溶媒には、グリセロールエステルなどの天然ロジンエステル、または部分的に水素化されたロジン、重合ロジンのグリセロールエステル、部分的に二量化されたロジンのグリセロールエステル、ロジンのグリセロールエステル、部分的に水素化されたロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステルおよび部分的に水素化されたメチルエステル、ロジンのペンタエルスリトールエステル、テルペン樹脂などの合成物、ポリリモネン、および他のポリテルペン、および/または前述のものの任意の適切な組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。エラストマー溶媒は典型的に、ガムベースの5~30重量%のレベルで用いられる。
【0040】
ガムベース可塑剤は、軟化剤と呼ばれることがある(しかし、ガムの水溶性部分に使用される水溶性軟化剤と混同すべきではない)。これらは典型的に、脂肪および油ならびにワックスを含む。脂肪および油は典型的に、その融点を増加させるために、通常は部分的にまたは完全に水素化されている植物油である。こうした使用に適した植物油には、綿実、大豆、ヤシ(油ヤシの種を含む)、ココナッツ、シア、ヒマシ、ピーナッツ、トウモロコシ、菜種、キャノーラ、ヒマワリ、ココアなどの油が含まれる。あまり一般的に使用されないものは、乳脂肪、獣脂、ラードなどの動物脂肪である。様々な鎖長の脂肪酸の本質的に合成的に調合されたグリセロールエステル(トリグリセリド)である構造化脂肪は、自然界ではあまり一般的でない短鎖脂肪酸および中鎖脂肪酸の使用によって軟化プロファイルを慎重に調整する能力を提供する。一般的に使用されるワックスには、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然ワックス(ミツロウ、カルナウバなど)が含まれる。マイクロクリスタリンワックス(特に高度な結晶性を有するマイクロクリスタリンワックス)は、増粘剤またはテクスチャ調整剤と見なされうる。可塑剤は典型的に、ガムベースの5~40重量%のレベルで用いられる。
【0041】
可塑剤として幾分、作用するプラスチックポリマー(ポリ酢酸ビニルなど)も一般的に使用される。使用されうる他のプラスチックポリマーには、ポリラウリン酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが含まれる。大半のガムベースは、ガムベースの5~40重量%のレベルでポリビニルアセテートを組み込んでいる。
【0042】
ガムベースはまた典型的に、フィラー成分を含む。フィラー成分は典型的に無機粉末であり、例えば炭酸カルシウム、粉砕石灰石、炭酸マグネシウム、タルク、ケイ酸塩類(ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなど)、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、セルロースポリマー(木など)、それらの組み合わせなどである。フィラーは、ガムベースの5重量%~約50重量%を構成してもよい。場合によっては、フィラーの一部分が、ガムベースとは別個にチューインガム混合物に添加されてもよい。
【0043】
可塑化特性も有しうる乳化剤は、異なる塩基成分の均質化および相溶化を支援する。一般的に使用される乳化剤には、モノグリセリドおよびジグリセリド(モノステアリン酸グリセロール、レシチン、グリセロールトリアセテート、モノステアリン酸グリセロール、アセチル化モノグリセリドなど)、脂肪酸、それらの組み合わせが含まれる。乳化剤は一般的に、ガムベースの1~10重量%のレベルで使用される。
【0044】
ガムベースは一般的に、他の抗酸化物質および色素(これらは、その正常な機能を果たす)などの随意の添加剤を含有する。あまり一般的でないが、香味料および甘味料をガムベースに添加してもよい。これらの添加剤(使用される場合)は典型的に、ガムベースの約1重量%以下のレベルで用いられる。
【0045】
チューインガム中心部の水溶性部分は、軟化剤、甘味料、香味料、それらの組み合わせ、ならびに他の随意の成分を含んでもよい。例えば、チューインガム中心部の水溶性部分の大部分は典型的に、増量剤としての役割を果たす水溶性の粉末炭水化物を含む。シュガーガムにおいて、これは大半の場合でスクロースであるものの、単独で、または任意の組み合わせで他の糖類、例えばフルクトース、エリスロース、デキストロース(グルコース)、レブロース、タガトース、ガラクトース、トレハロース、コーンシロップ固形物なども使用されうる。
【0046】
概して、無糖チューインガムでは、低い齲蝕原性、減少したカロリー含有量、減少したグリセミック値という利点に起因して、糖アルコール(アルジトール、ポリオール、または多価アルコールとも呼ばれる)を増量剤として用いるであろう。こうした糖アルコールには、単独で、または任意の組み合わせでソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化イソマルツロース、マルチトール、エリスリトール、加水分解水添デンプン固形物などが含まれる。ポリデキストロースおよびフルクトオリゴ糖などのより長鎖の糖は、その減少したカロリー特性および他の健康上の利益のために用いられることがある。増量剤は典型的に、チューインガム中心部の約5重量%~約95重量%を成す。
【0047】
ガムの噛み心地および口当たりを最適化するために、軟化剤がチューインガムに添加される。当技術分野において流動化剤または可塑剤としても知られる軟化剤は概して、チューインガム中心部の約0.5重量%~約15重量%を構成する。これらには、グリセリン、プロピレングリコール、水性甘味料溶液(シロップ)が含まれる。シロップの例には、コーンシロップおよび(総称的に)グルコースシロップが含まれ、これらは通常、加水分解デンプンから調製されるコーンシロップおよび(総称的に)。無糖製品の場合、デンプン加水分解物は、加水分解水添(HSH)シロップまたはマルチトールシロップとして知られる成分を生成するために水素化されてもよい。これらのHSHシロップは多くの場合、無糖ガムで以前に使用されていたソルビトール溶液に取って代わっていて、その理由は、ガムの柔軟性および他の物理的特性を改善するために、HSHシロップが結合剤としても機能するためである。また軟化剤はしばしば、製品の湿潤性(吸水特性)を制御するためにも使用される。
【0048】
ガム製品の一貫性および安定性を改善するために、乳化剤がガムに添加されることがある。それらはまた、製品の柔らかさに寄与する場合がある。レシチンは最も一般的に用いられる乳化剤であるものの、ソルビトールに由来するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび一般的な脂肪酸(ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸ヘキシトール無水物(ヘキシタンおよびヘキシド)の部分エステルなどの非イオン性乳化剤も使用されうる。使用される場合、乳化剤は典型的に、チューインガム中心部の0.5~2重量%を成す。
【0049】
適切な界面活性剤には、カリウム、アンモニウム、またはナトリウムの塩でありうる界面活性剤を含む。ナトリウム塩には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムなどを含むアルキル硫酸塩などの陰イオン界面活性剤を含む。他のナトリウム塩には、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ナトリウムブラスレートなどを含む。適切なアンモニウム塩には、コカミドプロピルベタインなどのベタイン誘導体を含む。
【0050】
無糖ガムの場合、糖ガム中のスクロースを糖アルコールで置換することから生じる甘味の減少を補うために、高甘味度甘味料を添加することが通常は望ましい。さらに最近では、糖ガムにも高甘味度甘味料を加えて、風味および甘味を高める傾向がある。高甘味度甘味料(高効能または人工甘味料と呼ばれることもある)は、スクロースよりも少なくとも20倍甘い、食品に許容可能な化学物質として定義される場合がある。一般的に使用される高甘味度甘味料には、アスパルテーム、スクラロース、およびアセスルファムKが含まれる。あまり一般的でないものは、サッカリン、タウマチン、アリテーム、ネオテーム、シクラメート、ペリラ由来の甘味料、ステビア由来の甘味料、モナチン、モネリン、カルコンである。
【0051】
高甘味度甘味料の使用レベルは、甘味料の有効性、現地市場の好み、およびガムに苦味を与える可能性のある他の成分の性質およびレベルによって大きく異なりうる。典型的なレベルは、約0.01重量%~約2重量%の範囲でありうるものの、一部の用途では、その範囲外の使用を必要としうる。これらの甘味料は、まとめて組み合わせられるか、または様々なレベルで高甘味度でない甘味料と組み合わせられて、組成物全体に甘味相乗効果を付与してもよい。
【0052】
チューインガム製品に特徴的な芳香および味覚を付与するために、風味剤もまた随意に用いることができる。本明細書で論じる通り、大半の香味料は水不溶性液体であるが、水溶性液体および固体も既知である。これらの香味料は、天然または人工(合成)起源であってもよい。しばしば、天然および人工香味料は組み合わせられる。また、異なる風味を一緒に、美味しい組み合わせでブレンドするのも一般的である。チューインガムに使用可能な風味の範囲はほぼ無限であるものの、それらは一般的に幾つかのカテゴリーに大別される。フルーツ風味には、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、タンジェリン、イチゴ、リンゴ、サクランボ、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、バナナ、パイナップル、カンタロープ、マスクメロン、スイカ、ブドウ、スグリ、マンゴー、キウイ、他多数、ならびに組み合わせが含まれる。ミント風味には、スペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、バジル、コーンミント、メントールなど、およびそれらの混合物が含まれる。スパイス風味には、シナモン、バニラ、クローブ、チョコレート、ナツメグ、コーヒー、リコリス、ユーカリ、ジンジャー、カルダモン、他多数が含まれる。また、ポップコーン、チリ、コーンチップなどのハーブ風味および香ばしい風味も使用される。香味料は典型的に、最終ガム製品(例えば、コーティングされたチューインガム)の0.1~4重量%のレベルで用いられる。近年、より高い風味インパクトを提供するために、香味料レベルを増大させる傾向がある。
【0053】
香味料を様々な担体および/または希釈剤とともに共乾燥および封入することが一般的である。例えば、アラビアゴム、デンプン、シクロデキストリンまたは他の担体を使用する噴霧乾燥香味料はしばしば、保護、制御放出、製品のテクスチャの制御、取り扱いの容易さ、ならびに他の理由のために、チューインガムに使用される。香味料がこのような形態である場合、担体または希釈剤の存在を補償するために、使用レベルを増加させることがしばしば必要となる。
【0054】
本開示のチューインガムは、様々な感覚惹起剤を使用してもよい。感覚惹起剤は概して、例えば口または皮膚に、冷たさ、熱さ、温かさ、ピリピリ感、またはしびれを生じさせる任意の化合物でありうる。清涼剤は、口、喉、鼻腔に冷たい感覚を付与する三叉神経刺激剤である。最も広く知られている清涼剤はメントールであるものの、これはその芳香特性に起因して、およびそれがペパーミントオイルの天然成分であるという事実に起因して、しばしば香味料と見なされる。より多くの場合、清涼剤という用語は、最小限の芳香で清涼感覚を与えるために使用される他の天然または合成化学物質を指す。一般的に使用される清涼剤には、エチルp-メンタンカルボキサミドおよび他のN-置換p-メンタンカルボキサミド、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピル-ブタナミドおよび他の非環式カルボキサミド、グルタル酸メンチル(米国食品香料製造者協会(Flavor Extract Manufacturing Association)(FEMA 4006))、 3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール、 イソプレゴール、コハク酸メンチル、メントールプロピレングリコールカーボネート、メントールエチレングリコールカーボネート、乳酸メンチル、グルタル酸メンチル、メントングリセリルケタール、p-メンタン-1,8-ジオール、メントールグリセリルエーテル、N-tertブチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、p-メンタン-3-カルボン酸グリセロールエステル、メチル-2-イソプリル-ビシクロ(2.2.1)、 ヘプタン-2-カルボキサミド、メントールメチルエーテルなど、およびそれらの組み合わせを含む。
【0055】
清涼剤は、ミント風味の清涼な味を高めるために、またはフルーツ風味およびスパイス風味に涼しさを加えるために用いられてもよい。清涼剤はまた、多くのチューインガムおよび糖菓のマーケティングの基礎である、息をリフレッシュする知覚も提供する。
【0056】
清涼剤以外の三叉神経刺激剤が、本開示のチューインガムに用いられてもよい。これらには、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、赤トウガラシオレオレジン、黒コショウオレオレジン、ピペリン、ジンジャーオレオレジン、ジンゲロール、ショアゴール、シナモンオレオレジン、カシアオレオレシン、シンナムアルデヒド、オイゲノール、バニリンの環状アセタール、メントールグリセリンエーテル、不飽和アミドなどの温熱剤、およびジャンブー抽出物、バニリルn-ブチルエーテルなどのバニリルアルキルエーテル、スピラントール、エキナセア抽出物、アメリカサンショウ抽出物などのピリピリ感作用剤が含まれる。これらの構成要素の一部は、香味剤としても使用される。
【0057】
チューインガムは概して、口腔ケアの利益をもたらす。噛む行為によって提供される歯の機械的クリーニングに加えて、噛むこと、製品からの風味および味によって刺激される唾液は、口臭、酸の中和などを低減する追加的な有益な特性をもたらす。唾液はまた、口腔環境を改善しうる有益なポリペプチドおよび他の成分を含有する。これらには、リゾザイム、ラクトフェリン、ペルオキシダーゼ、ヒスタチンなどの抗菌タンパク質、スタテリンなどの自発結晶の阻害剤が含まれる。
【0058】
本開示のチューインガムは、これらの利益を本明細書に開示の利益とともに提供することができ、また専門的な口腔ケア剤の送達のための媒体として使用されてもよい。これらには、抗菌化合物(塩化セチルピリジニウム(CPC)、トリクロサン、クロルヘキシジンなど)、抗う蝕剤(カルシウムイオン、リン酸イオンなど)、プラーク除去剤(研磨剤、界面活性剤、化合物/成分など)、プラーク中和剤(アンモニウム塩、尿素、他のアミンなど)、抗歯石/結石剤(可溶性ピロホスフェート塩など)、抗口臭剤(パセリオイルと、グルコン酸、乳酸、酢酸またはクエン酸の銅塩または亜鉛塩となど)、および美白剤(過酸化物など)、歯肉炎を制限するために局所的または全身性の抗炎症作用のいずれかを提供しうる薬剤(COX-2阻害剤など)、象牙質知覚過敏を減少させ得る薬剤(神経細胞伝達を阻害するカリウム塩、象牙細管をブロックするリン酸カルシウム塩など)が含まれうる。
【0059】
ペパーミント、サリチル酸メチル、チモール、ユーカリプトール 、シンナミックアルデヒド、クローブオイル(オイゲノール)などの特定の香味料は、口腔に利益をもたらす抗菌特性を有しうる。これらの香味料は、主に香味目的のために存在してもよく、またはそれらの抗菌特性のために特に添加されてもよい。
【0060】
特定のミネラル剤は、本開示によって開示されたもののほかに、歯の脱灰と闘い、歯の再石灰化を強化することによって、歯の健康に寄与しうる。こうした成分には、フッ素塩、歯科用研磨剤、それらの組み合わせが含まれる。
【0061】
歯の色彩改良物質は、口腔ケア活性剤の中でも有用と考えられうる。これらの物質は、CTFA化粧品成分ハンドブック第3版、Cosmetic and Fragrances Associations Inc.、ワシントンD.C.(1982年)(参照により本明細書に組み込まれる)に列挙されているものなど、消費者を満足させるために歯の色を変えるのに適している。 具体的な例には、タルク、マイカ、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤色酸化鉄、褐色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、コンジョウ、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、それらの混合物が含まれる。
【0062】
本開示のチューインガムは、生物活性剤および他の美容成分を噛む人に送達するために使用されてもよい。こうした成分には、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、栄養補助食品、健康補助食品、機能性食品成分(例えば、プロバイオティクス、プレバイオティクス、リコピン、フィトステロール、スタノール/ステロールエステル、オメガ3脂肪酸、アデノシン、ルテイン、ゼアキサンチン、ブドウ種子エキス、イチョウ、イソチオシアネートなど)、OTC医薬品・処方薬、ワクチン、栄養補助食品が含まれる。
【0063】
薬剤の放出率を増加もしくは減少させるための、または少なくとも最小量が放出されることを確実にするための特定の措置を取ることが望ましい場合がある。そのために、カプセル化、活性物質の単離、ガムの水不溶部分との相互作用を増加または減少させるための措置、および活性物質の腸溶性コーティングなどの措置を用いてもよい。
【0064】
一般にチューインガムは、当技術分野で公知の市販の混合機に様々なチューインガム成分を順次添加することによって製造される。成分が完全に混合された後、ガムの大きな塊は混合機から排出され、ロールシートなどの所望の形態に成形されてスティックに切断され、塊へと押出成形されるか、またはペレットへと鋳造され、その後コーティングまたはパンされる。
【0065】
成分は概して、最初にガムベースを溶融し、それを動作中の混合機に添加することによって混合される。ガムベースはまた、ミキサー自体の中で溶融されてもよい。着色料または乳化剤も、この時点で追加されてもよい。グリセリンなどの軟化剤も、シロップおよび増量剤の一部分とともに、この時点で添加されてもよい。増量剤のさらなる部分が混合機に添加される。コラーゲンは、増量剤とともに、および/または任意の高甘味度甘味料とともに添加されてもよい。ビタミンCおよび任意の追加の香味剤は典型的に、増量剤の最終部分または高甘味度甘味料とともに添加される。他の随意の成分は、当業者に周知の典型的な様式でバッチに添加される。
【0066】
混合手順全体は典型的に、5~15分かかるが、時には、より長い混合時間が必要になりうる。当業者であれば、上述の手順の多くの変形が続いてもよいことを認識するであろう。
【0067】
チューインガムベースとチューインガム製品は従来、別々の混合機、異なる混合技術を使用して、かつ多くの場合、異なる工場で製造されてきた。その理由の一つは、ガムベースの製造のためと、ガムベースおよび他の成分(甘味料、香味料など)からのチューインガムの製造のためとの最適条件は、非常に異なるので、両方の作業を統合することは現実的ではなかったからである。チューインガムベースの製造は、エラストマー、フィラー、エラストマー可塑剤、ベース軟化剤/乳化剤、および時にはワックスなどの混合しにくい成分の分散的(しばしば高せん断)混合を伴う。このプロセスは典型的に、長い混合時間を必要とする。チューインガム製品の製造はまた、より短い期間にわたって分散的(一般に、低せん断)混合を使用して、ガムベースをより繊細な成分(製品軟化剤、バルク甘味料、高甘味度甘味料、香味剤など)と組み合わせることを伴う。
【0068】
本発明のチューインガムはまた、コーティングされている。ペレットまたはボールガムは、従来のチューインガムとして調製されるが、枕形状のペレットに、またはボールに形成される。次に、ペレット/ボールに糖衣をコーティングするか、または従来のパンニング技術によってパンして、独自の糖コーティングペレットガムを作ることができる。本明細書で論じる通り、ビタミンEはチューインガムコーティングに組み込まれる。
【0069】
従来のパンニング手順では概して、スクロースでコーティングするが、パンニングの最近の進歩により、スクロースの代わりに他の炭水化物材料を使用することが可能になった。これらの構成要素の一部には、デキストロース、マルトース、パラチノース、キシリトール、ラクチトール、水素化イソマルツロース、他の新しいアルジトール、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。これらの材料は、アラビアゴム、マルトデキストリン、コーンシロップ、ゼラチン、セルロースタイプの材料(カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシメチルセルロースなど)、デンプンおよび加工デンプン、植物ガム(アルギネート、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカンスゴムなど)、不溶性カーボネート(炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムなど)、タルクを含むがこれらに限定されないパンニング調整剤と混ぜ合わされてもよい。新しいパンまたはコーティングされたガム製品の開発に使用される様々な炭水化物および糖アルコールの使用を可能にするパンニング調整剤として、固化防止剤も添加されてもよい。独自の製品特性をもたらすために、精油も糖コーティングとともに添加されてもよい。
【0070】
以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態の例示であり、限定するものとして解釈されるべきではない。すべてのパーセンテージは、別段の指示がない限り、組成物の重量パーセントに基づき、すべての合計は重量100%に等しい。
【実施例】
【0071】
実施例1:チューインガム配合物
以下の表1~3に示す通り、コラーゲンを含めて、または含めないでチューインガム配合物を調製した。
【0072】
【表1】
1
試作品の1食分量は6粒で、1粒のサイズは2.1gである。コラーゲン含量は1000~3200mg。
【表2】
【0073】
実施例2:保存可能期間についての試験
様々な包装における表1のチューインガム組成物の安定性を、30℃/相対湿度(RH)70%で8週間にわたって評価し、以下のスケールを使用して対照と比較した。
緑色:対照/参照と同一または類似
黄色:許容できるが、対照/参照と中程度に異なる
赤色:対照と大きく異なり、著しい欠陥がある
【0074】
結果を以下の表3に示す。
【0075】
【0076】
実施例3:コラーゲンの噛み出し率
本開示のコラーゲン含有被コーティングチューインガム組成物の噛み出し率(本明細書において放出率とも呼ぶ)を、新鮮試料を12分間および20分間噛み出した後の残りの窒素含有量を決定することによって評価した。試料100gを噛むと、40.79gのガム反芻重量になった。コーティングされたチューインガムは、チューインガム中心部の17重量%の量のコラーゲンを含んでいた。結果を以下の表4および表5に要約する。
【0077】
【0078】
平均コラーゲン噛み出し率は、95.42%であると判定された。
【0079】
本明細書は、実施例を使用して、本発明(最良モードを含む)を開示し、また当業者が本発明を実施すること(任意の装置またはシステムを作製および使用することと、任意の組み込まれた方法を実行することを含む)を可能にする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義されていて、当業者が思い当たる他の実施例を含みうる。こうした他の実施例は、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造的要素を有する場合、または特許請求の範囲の文字通りの文言との差異がわずかである同等の構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図されている。
【国際調査報告】