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特表2024-508998個人内面情報を伝達する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】個人内面情報を伝達する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240220BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560948
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-02
(86)【国際出願番号】 CN2021107729
(87)【国際公開番号】W WO2022116558
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】202011392248.9
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521240561
【氏名又は名称】ミューオ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MEWO LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat C, 8/F, King Palace Plaza, No. 55 King Yip Street Kwun Tong, Kowloon, Hong Kong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロラン ジャン アンドレ ジョセフ テスネ
(57)【要約】
本発明は、個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法に関し、ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを第1人物及びそのネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、第1人物が当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第1人物が個人内面情報が含まれた個人データを当該ネットワーク記憶空間にアップロードするステップと、第1人物が当該個人アイテムを第1人物に関係のある第2人物に渡し、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限を第2人物に付与するステップと、第2ユーザが当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第2人物が当該個人データを取得するステップと、を含む。本発明は、対応するシステム及び装置にも関する。個人アイテムとそれに込められた個人的な感情や思い出をしっかりとプライベートに結び付け、保存及び伝達するという問題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法において、
ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを第1人物及びそのネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、
第1人物が当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間にその個人内面情報が含まれた個人データをアップロードするステップと、
第1人物が当該個人アイテムを第1人物に関係のある第2人物に渡し、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限を第2人物に付与するステップと、
第2ユーザが当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第2人物が当該個人データを取得するステップと、を含む個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法。
【請求項2】
前記ネットワーク記憶空間はウェブリンクであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個人データには、前記第2人物の個人内面情報も含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
当該ネットワーク記憶空間に対する第1アクセス権限には、当該空間でのデータのアップロード、修正、読み取り、及び削除が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
当該ネットワーク記憶空間に対する第1アクセス権限には、他のユーザの設定データへのアクセス権限とアクセスパスワードが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
当該ネットワーク記憶空間に対する前記第2アクセス権限は、第1人物と第2人物との関係に基づいて個人化されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2人物の個人化された権限は、第1人物によって設定または承認されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ネットワーク記憶空間と前記電子チップとの関連付けは、ブロックチェーンに記憶されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記電子チップとアクセス者の身元及びそのアクセス権限との関連付けは、ブロックチェーンに記憶されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記電子チップとアクセス者の身元及びそのアクセス権限との関連付けは、当該アクセス者が当該チップの埋め込まれたアイテムを入手する前に完了することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1人物は、当該電子チップにアクセスすることで当該ネットワーク記憶空間にアクセスすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法において、
第1人物が当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間にその個人内面情報が含まれた個人データをアップロードするステップと、
ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを第1人物及びそのネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、
第1人物が当該個人アイテムを第1人物に関係のある第2人物に渡し、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限を第2人物に付与するステップと、
第2ユーザが当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第2人物が当該個人データを取得するステップと、を含む個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法。
【請求項13】
個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法において、
第1人物が当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間にその個人内面情報が含まれた個人データをアップロードするステップと、
ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを第1人物及びそのネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、
第1人物が当該個人アイテムを第1人物に関係のある第2人物に渡すステップと、
第2ユーザが当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第2人物が当該個人データを取得するステップと、を含む個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人内面情報を伝達する方法に関し、特に、個人内面情報が含まれたデータを伝達する方法に関する。本発明は、対応するシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
人々は親戚や友人に贈り物をするが、これらの贈り物には個人的な感情が含まれており、記念として大きな意味を持つことがよくある。伝統的な方法では、人々は、贈り物にモットーを書いたメモや写真など、個人的な感情や思い出を込めたアイテムを挟み入れている。ただし、これらのアイテムは長期間保管中に紛失したり、贈り物とは別の場所に置かれたりして、贈り物とのつながりを忘れてしまう可能性がある。さらに、アイテムの物理的形状により、その個人的な感情や思い出の込め方も限定されている。情報技術の発展に伴い、これらの写真は電子データとして保存されるようになっているが、特定の贈り物と関連付けられにくく、プライバシーの確保が難しい場合が多くある。
【0003】
なお、贈り物とそれに込められた個人的な感情や思い出を、長い時間の流れの中で、正しく、しっかりと、そしてプライベートな方法で結び付けて保存する方法が必要である。
【0004】
従来の技術では、追跡可能な情報を保存するためにRFIDとブロックチェーン技術が使用されている。例えば、中国特許出願CN110288354Aには、ブロックチェーン技術に基づくラベル追跡システムが開示され、具体的に、RFID偽造防止ラベルを作成し、スマート端末によって表示されるブロックチェーン追跡システムを構築し、RFID偽造防止ラベル内の製品情報をブロックチェーン追跡システムに書き込み、使用者は自動取得した秘密鍵をスマート端末に入力してスマート端末によってブロックチェーン追跡システムにアクセスすることができ、ブロックチェーンシステムは製品の出所情報、生産情報、及び他の必要な追跡情報を表示し、ブロックチェーンネットワークによって製品の追跡データを記録して、情報の真正性と信頼性を保証する。同様の方法は、中国特許出願CN110458585A、 CN109377274A、CN110505239A、及びCN110597841Aにも開示されている。しかし、これらは依然として、以前に提起された問題を解決できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決し、個人アイテムに込められた個人内面情報を正確に、しっかりと、秘密に伝達することを目的とする。本発明の意味における個人内面情報とは、個人の感情を引き起こす情報、個人の思い出を呼び起こす情報、個人にとって記念的な意味を持つ情報、または個人に何らかの強い動機を与える情報など、個人の内心に触れることができる情報を指す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主要な態様によれば、個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法を提供し、
ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを第1人物及びそのネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、
第1人物が当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第1人物が個人内面情報が含まれた個人データを当該ネットワーク記憶空間にアップロードするステップと、
第1人物が当該個人アイテムを第1人物に関係のある第2人物に渡し、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限を第2人物に付与するステップと、
第2ユーザが当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第2人物が当該個人データを取得するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、当該ネットワーク記憶空間はウェブリンクである。
【0008】
好ましくは、当該第2人物は第1人物と感情的なつながりがある。
【0009】
好ましくは、当該第2人物は第1人物と血縁関係にある。
【0010】
好ましくは、当該個人データには、第2人物の個人内面情報も含まれる。
【0011】
好ましくは、当該個人データは、当該第1人物が発した第2人物に感情的に触れることができる意味のある情報である。
【0012】
好ましくは、第1人物が当該個人アイテムを第2人物に渡す場合、当該個人アイテムの所有権も当該第2人物に渡す。
【0013】
好ましくは、当該ネットワーク記憶空間に対する第1アクセス権限には、当該空間でのデータのアップロード、修正、読み取り、及び削除が含まれる。
【0014】
好ましくは、当該ネットワーク記憶空間に対する第1アクセス権限には、他のユーザの設定データへのアクセス権限とアクセスパスワードが含まれる。
【0015】
好ましくは、当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限には、当該空間でのデータの読み取りが含まれる。
【0016】
好ましくは、当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限には、当該第2人物に使用されるアクセスパスワードの設定が含まれる。
【0017】
好ましくは、当該第2アクセス権限は第1アクセス権限と一致する。
【0018】
好ましくは、当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限は、第1人物と第2人物との関係に基づいて個人化される。
【0019】
好ましくは、第2人物の個人化された権限は、第1人物によって設定または承認される。
【0020】
好ましくは、電子チップへのアクセスには、特定の姿勢を使用して電子チップをカードリーダに近づけることが含まれる。
【0021】
好ましくは、当該特定の姿勢は、「タップ」ジェスチャである。
【0022】
好ましくは、当該ネットワーク記憶空間と当該電子チップとの関連付けは、ブロックチェーンに記憶される。
【0023】
好ましくは、当該電子チップと第1人物の身元及びそのアクセス権限との関連付けは、ブロックチェーンに記憶される。
【0024】
好ましくは、当該電子チップと第2人物の身元及びそのアクセス権限との関連付けは、ブロックチェーンに記憶される。
【0025】
好ましくは、当該電子チップとアクセス者の身元及びそのアクセス権限との関連付けは、ブロックチェーンに記憶される。
【0026】
好ましくは、当該電子チップとアクセス者の身元及びそのアクセス権限との関連付けは、当該アクセス者が当該チップの埋め込まれたアイテムを入手する前に完了する。
【0027】
好ましくは、当該電子チップは暗号化されている。
【0028】
また、本発明は、個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法も提供し、
ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを当該ネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、
第1権限を使用して当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、当該ネットワーク記憶空間に当該第1人物の個人内面情報が含まれた個人データをアップロードするステップと、
当該ネットワーク記憶空間にアクセスする第2権限を付与し、当該電子チップを第2権限に関連付けるステップと、
第2権限を使用して当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、当該個人データを取得するステップと、を含む。
【0029】
好ましくは、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間にアクセスする第2権限を設定する。
【0030】
本発明の別の態様によれば、個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法を提供し、
第1人物が当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間にその個人内面情報が含まれた個人データをアップロードするステップと、
ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを第1人物及びそのネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、
第1人物が当該個人アイテムを第1人物に関係のある第2人物に渡し、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間に対する第2アクセス権限を第2人物に付与するステップと、
第2ユーザが当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第2人物が当該個人データを取得するステップと、を含む。
【0031】
また、本発明のさらに別の態様によれば、個人内面情報が含まれたデータを伝達するための方法を提供し、
第1人物が当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第1人物によって当該ネットワーク記憶空間にその個人内面情報が含まれた個人データをアップロードするステップと、
ネットワーク記憶空間を第1人物に属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップと関連付け、当該電子チップを第1人物及びそのネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けるステップと、
第1人物が当該個人アイテムを第1人物に関係のある第2人物に渡すステップと、
第2ユーザが当該電子チップにアクセスすることによって当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、第2人物が当該個人データを取得するステップと、を含む。
【0032】
さらに、本発明の別の態様によれば、個人内面情報が含まれたデータを伝達するシステムを提供し、
記念意味を有するアイテムと、
個人アイテムに埋め込まれた電子チップと、
当該電子チップに関連付けられたネットワーク記憶空間と、
当該ネットワーク記憶空間にアクセスするための第1権限と、を備え、
ここで、当該電子チップは当該ネットワーク記憶空間にアクセスする第1権限と関連付けられ、第1アクセス者は、当該第1権限を使用して当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、当該ネットワーク記憶空間に第1アクセス者の個人内面情報が含まれた個人データをアップロードすることができる。
【0033】
好ましくは、当該システムは、第1権限を使用して当該ネットワーク記憶空間にアップロードされる個人内面情報が含まれた個人データをさらに含む。
【0034】
好ましくは、当該システムは、当該ネットワーク記憶空間にアクセスするための第2権限をさらに含み、当該電子チップはさらに第2権限と関連付けられる。
【0035】
好ましくは、第2アクセス者は、当該第2権限を使用して当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、当該個人データを取得することができる。
【0036】
また、本発明のさらに別の態様によれば、個人内面情報が含まれたデータを伝達するリップクリームを提供し、
筐体と、
筐体に埋め込まれた電子チップと、
筐体に密着し、電子チップを覆うプラスチック製カバーと、を備え、
ここで、
当該電子チップは、ネットワーク記憶空間に関連付けられ、当該ネットワーク記憶空間にアクセスするための第1権限にも関連付けられ、第1アクセス者は、当該第1権限を使用して当該ネットワーク記憶空間にアクセスし、当該ネットワーク記憶空間に第1アクセス者の個人内面情報が含まれた個人データをアップロードすることができる。
【0037】
好ましくは、前記電子チップはNFCラベルである。
【0038】
好ましくは、前記筐体は底部筐体と上部筐体とを含み、前記上部筐体はネジまたは係止部材によって前記底部筐体に取り付けられる。
【0039】
好ましくは、プラスチック製カバーは、上部筐体に設けられ、リップクリームの中央部分に近接している。
【0040】
好ましくは、プラスチック製カバーは円形である。
【0041】
好ましくは、筐体は金属製であり、プラスチック製カバーの下に細いスリットがある。
【0042】
好ましくは、細いスリットは上部筐体の下端まで延びている。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、贈り物とそれに込められた個人的な感情や思い出とを結び付けて、長期にわたってしっかりと秘密に保存及び伝達するという問題が解決された。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図面と併せた説明により、以上の一般的な説明と以下の詳細な説明をより良く理解される。説明の便宜上、図面には本開示の特定の実施例が示されている。しかし、本発明が示された正確な配置及び手段に限定されないことを理解されるべきである。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する図面は、本発明によるシステム及び装置の構成を示し、説明とともに、本発明による利点及び原理を説明するのに役立つ。
図1】本発明の一実施例による個人的な感情が含まれたデータを伝達する方法を模式的に示す図である。
図2】本発明の好ましい実施例によるリップクリームを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の少なくとも1つの実施例を説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構造の詳細及びアセンブリの配置の適用に限定されないことを理解されたい。図面及び書面による説明は、特許保護が求められている発明を実行及び使用するように当業者を導くために提供される。本発明は、他の実施例に適用可能であり、様々な形態で実施及び実行することができる。当業者であれば、明確さと理解の容易さのために、ビジネス実施例の全ての特徴が示されるわけではないことが理解される。また、当業者であれば、本発明の態様を組み込んだ実際のビジネス実施例の開発が、開発者のビジネス実施例の最終的な目標を達成するために多くの構成の特定の決定を必要とすることが理解される。これらの作業は、複雑で時間がかかるが、本開示の利点を受け取る当業者にとって日常的なタスクである。
【0046】
また、本明細書で使用される用語は、説明を目的とするものであり、限定的なものと見なされるべきではないことを理解されたい。例えば、「一」、「1つ」などの単数形の用語の使用は、アイテムの数を制限することを意図したものではない。また、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「上」、「下」、「下向き」、「上向き」、「側」などの非限定的な関係用語の使用は、明確にするために図面を参照しながら本明細書の説明に使用され、本発明又は特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。さらに、本発明の特徴のいずれかを単独で、又は他の特徴と組み合わせて使用できることを理解されるべきである。本発明の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、図面及び詳細な説明により当業者に明らかであろう。そのような他のシステム、方法、特徴、及び利点は、いずれもこの説明に含まれ、本発明の範囲内にあり、特許請求の範囲によって保護されることが推定される。
【0047】
本明細書に記載される主題の実施例及び機能操作、例えば、本明細書に開示される構造及びその同等構造、またはそのうちの1つまたは複数の組み合わせは、デジタル回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアで任意に実現することができる。本明細書に記載される主題の実施例は、例えば、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品で実現することができる。コンピュータプログラム製品は、例えば、1つまたは複数のコンピュータ命令モジュールであり、データ処理装置により実行されるか、またはデータ処理装置が作動するように制御するためにコンピュータ可読媒体に符号化されている。
【0048】
図1は、本発明の一実施例による個人的な感情が含まれたデータを伝達する方法を模式的に示している。
【0049】
要約すると、当該方法100は主にいくつかのステップを含む。まず、ステップ101では、第1ユーザに属する個人アイテムに埋め込まれた電子チップを1箇所のネットワーク記憶空間と関連付け、第1ユーザ及びそのネットワーク空間にアクセスする権限を当該電子チップと関連付け、次に、ステップ102では、第1ユーザが当該ネットワーク空間にアクセスし、その個人的な感情が含まれたデータをアップロードし、さらに、ステップ103では、第1ユーザがアイテムを第2ユーザに渡し、第2ユーザに当該ネットワーク空間へのアクセス権限を与え、最後に、ステップ104では、第2ユーザが当該ネットワーク空間にアクセスし、第1ユーザの個人的な感情が含まれたデータを取得する。以下、本発明の方法をより具体的に説明する。
【0050】
NFC/RFIDチップ(以下の詳細を参照)などの電子チップがアイテムに埋め込まれ、当該アイテムは、口紅などの任意の消費者製品のようなギフトであることが好ましい。チップの埋め込み位置は、アイテムの表面であることが好ましい。好ましくは、アイテムの表面でプラスチック製カバーにより当該チップを密封して、チップの脱落または漏れを防止すると共に、当該チップへの無線読み取りを保証することもできる。当該チップは、特定のネットワーク記憶空間と関連付けられ、例えば、特定のhttpネットワークアドレス(またはウェブリンク)と関連付けられている。
【0051】
1番目のユーザは、例えば当該ギフトを購入した後、当該電子チップへのアクセス権限を取得し、それによって当該ネットワーク記憶空間へのアクセス権限を取得する。当該権限には、当該ネットワーク記憶空間へのデータのアップロード、修正、削除が含まれ、データへのアクセス権限、アクセスパスワード等を設定する。1番目のユーザは、他方が当該アイテムを購入したり使用したりしたときの感情や表現したい他の感情を映像、音声、テキストまたは他の形態でデータに記録し、当該ネットワーク空間にアップロードすることができる。記録またはアップロードされた動作は、特定のAPPなどの携帯電話から操作でき、データの管理(例えば、読み取り、書き込み、読み書き権限など)も携帯電話から操作できる。
【0052】
1番目のユーザは、当該ギフトを2番目のユーザに「贈る」ことができる。もちろん、ここでいう「贈る」には広い意味があり、売ることや貸すこと、さらには遺贈することも含まれる。2番目のユーザは、ギフトの使用権を持っているだけで、所有権を持っていない可能性がある。「贈与」と同時に、1番目のユーザは当該チップのアクセス権限を2番目のユーザに公開または譲渡することもできる。チップのアクセス権限の公開または譲渡に伴い、ネットワーク記憶空間のアクセス権限も当該2番目のユーザに公開または譲渡することができる。もちろん、一部の実施形態において、当該チップが複数のネットワーク記憶空間に関連付けられる場合があるため、ネットワーク記憶空間へのすべてのアクセス権限が必ずしも当該2番目のユーザに公開または譲渡されるわけではないことを理解する必要がある。
【0053】
当該2番目のユーザは、ネットワーク記憶空間内のデータに対して、1番目のユーザと同じくらい多くの権限を必ずしも持っているわけではない。一般に、読み取り専用の権限のみを有しても良い。好ましい実施形態では、2番目のユーザと1番目のユーザとの関係に基づいて、当該2番目のユーザに個人的にカスタマイズされた権限を設定することができ、使用時に、個人的にカスタマイズすることで1番目のユーザによって保存された個人的な感情及び/または思い出が含まれるデータを取得することができる。2番目のユーザのネットワーク記憶空間及びそのうちのデータへのアクセスも携帯電話を介して操作することができる。このような個人的にカスタマイズされた権限は、個人的にカスタマイズされた秘密キーによって取得してもよく、または個人的身元認証によって取得してもよい。好ましくは、2番目のユーザのカスタマイズされた権限は、1番目のユーザによって設定または承認される必要がある。
【0054】
なお、2番目のユーザと1番目のユーザとの関係により、1番目のユーザが保存した個人的な感情及び/または思い出が含まれたデータも2番目のユーザの個人的な感情及び/または思い出を引き起こす可能性が高いことを理解されたい。この意味で、当該データには2番目のユーザの個人的な感情及び/または思い出も含まれる。
【0055】
他の実施形態では、1番目のユーザは購入前に当該ネットワーク記憶空間へのアクセス権限を取得する可能性がある。当該ギフトを購入した後、ギフト内の電子チップが当該ネットワーク記憶空間と関連付けられる。1番目のユーザが当該ギフトを取得した後、1番目のユーザは当該電子チップへのアクセス権限を取得するが、依然として電子チップにアクセスしないで当該ネットワーク記憶空間にアクセスすることができる。しかしながら、好ましくは、1番目のユーザが当該ギフトを2番目のユーザに「贈る」とき、依然として、当該チップへのアクセス権限を2番目のユーザに公開または譲渡し、チップへのアクセス権限の公開または譲渡に伴い、ネットワーク記憶空間のアクセス権限も当該2番目のユーザに公開または譲渡するように構成される。もちろん、いくつかの例では、当該チップのアクセス権限及び/または当該ネットワーク記憶空間のアクセス権限も、任意の2番目のユーザに公開されるように構成されてもよい。このように、2番目のユーザは特別な権限なしで当該ネットワーク記憶空間にアクセスすることができる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、電子チップに採用されるNFC(near-filed communication)ラベルは、チップセットとアンテナを有する。NFCカードリーダはスマートフォンに大規模に統合されているため、携帯電話からギフト内のチップにアクセスするのが非常に便利である。NFCラベルは、短距離以内(通常は10cm以内、好ましくは2cm未満)で読み取り可能な信号を送信できる。NFCへの読み取りは、カードリーダをNFCから近い距離に移動させるだけで信号を取得する。ただし、一般的には、特定の「タップ」ジェスチャを使用してラベルと携帯電話におけるカードリーダを近づける必要がある。好ましい実施形態でも、より多くの個人的な感情がこのような特定のジェスチャによりアイテムに含まれる。もちろん、これにより近距離での不要な読み取りも回避することができる。
【0057】
具体的に、本発明は、NXP社のNFCチップセット:NTAG213またはSLIX2を使用することが好ましい。これらのチップセットは、1000ビットを超えるユーザメモリを有する。また、本発明は、ブロックチェーン技術、例えば、VeChain社によって提供されるブロックチェーンプロトコルを利用することも可能にする(詳細については以下を参照)。ラベル全体にはアンテナ部分のサイズが含まれ、本発明の好ましい実施形態では、上記のアイテム(例えば、リップクリーム)の外形に適合するように構成される。例えば、直径10mmの円の中に入れるのに適したラベルを選択する。このサイズにより、アイテム自体のデザインが損なわれないと同時に、良好な信号読み取り機能も確保することができる。
【0058】
好ましい実施形態では、ギフトとしてリップクリームを採用する。ラベルは、任意の適切な方法でリップクリームに固定することができる。好ましくは、ラベルはプラスチック部材に埋め込まれ、当該プラスチック部材はさらにリップクリームの箱本体に係止してもよい。または、当該ラベルは箱本体の内部部材に貼り付けられ、そのさらにリップクリームの箱本体に係止されるプラスチック部材に面してもよい。このように、リップクリームの箱本体の部分にどのような材料が使用されても、ラベル信号の強度を保証することができる。これは、製品の材料がアンテナ信号を減衰/遮断する可能性がある場合(例えば、金属)、特に効果的である。別の好ましい実施例では、ラベルはリップクリームの箱本体の表面に貼り付けることもできる。また、接合体の表面が金属の場合、金属表面とラベルとの間に保護材(例えばフェライト)を使用することもできる。
【0059】
図2を参照すると、好ましい実施例におけるリップクリーム2を示しており、底部筐体21及び上部筐体22の2つの筐体を有し、上部筐体22はネジまたは係止部材によって底部筐体21に固定される。上部筐体22において、リップクリームに近い中央部分には、円形のプラスチック製カバー23が設けられ、NFCラベル(図示せず)は上部筐体22に取り付けられ、プラスチック製カバー23によって覆われている。プラスチック製カバー23の下には、上部筐体22の下端まで延びる細いスリット24がさらに設けられている。この細いスリット24は、NFCラベルの信号強度を高めるのに有利である。もちろん、他の実施形態では、この細いスリットを必要しなくてもよい。
【0060】
使用者によってコンテンツをアップロードできるツールとして、任意のスマートデバイス(携帯電話、タブレット、コンピュータなど)を使用することができる。ヒューマンマシンインターフェイスは、ウェブサイト、ネイティブAPP、または任意の「フロントエンド」プログラムであってもよい。好ましい実施形態では、WeChat環境(ミニプログラム、公式アカウント)が使用される。好ましくは、WeChatアプレットでアイテムが購入されると、購入者はコンテンツ(テキスト、映像、写真、音声など)を作成/アップロードし、当該コンテンツを当該アイテムに関連付けることができ、コンテンツとアイテムとの関連付けは、アイテムを組み立てて発送する前に完了することが好ましい。アイテム及びそれに埋め込められたNFCチップセットはIDを有しており、後端の購入命令/顧客に関連付けられる。もちろん、アイテム及びNFCチップセットのIDとユーザ身元との関連付けは、ユーザがアイテムを受け取った後に実行でき、コンテンツの作成やアップロードもこの関連付け後に実行できる。
【0061】
製品権限を正確に取得するために、NFCに加えて暗号化ハードウェアなど、複数の方法を使用できる。好ましい実施形態では、ブロックチェーン技術が使用され、例えば、VeChain社のブロックチェーン技術が使用される。NFCチップセットはVeChainによって事前にプログラムされており、それぞれにVIDと呼ばれる一意のIDが与えられる。好ましい形態では、製品所有者(購入者)とVIDとの関連はブロックチェーンに書き込まれている。
【0062】
VeChainプロトコルに基づく認証プロセスには、ユーザの携帯電話にダウンロードされた特定のAPPの使用が含まれる。当該APPは、WeChatアカウント、携帯電話番号などによってユーザに権限を付与する。APPはNFCカードリーダを模倣し、製品のNFCを読み取る。次に、製品がオリジナルであること(VID検証)、及び当該ユーザが製品の所有者であることがブロックチェーン上で検証される。認証が完了すると、ユーザは新しいアクセス権限を取得する。例えば、特定のコンテンツ(テキスト、画像、映像、音声……)をアップロードし、認証後にのみそれらを取得する。好ましくは、使用者は、当該NFCラベルをスキャンする誰かがプライバシーデータを読み取らないように個人情報を保護することが許可される。
【0063】
VeChainブロックチェーンの場合、各NFCには暗号化された形式でID(VID)が設定される。VIDの存在はブロックチェーンに記録される。例えば、購入が行われる場合、出荷前にVID(NFCに暗号化され、NFCはアイテムに埋め込まれている)が注文と購入者の身元(名前など)に関連付けられる。このような関連付けもブロックチェーンに記録される。変更できないため、VID/製品と購入者/所有者との関連付けは、所有権の証明としてブロックチェーンに書き込まれる。これにより、暗号化されたVIDを持つアイテムの権限を確認できるようになる。NFCカードリーダ(例えば、携帯電話)は、NFC内の情報(VIDを含む)を取得し、当該VIDがブロックチェーンに存在するかどうか、及び対応するVIDにどのような権限があるかを確認するためにも使用される。
【0064】
他の実施形態では、VIDは、ユーザの携帯電話(例えば、APP)を介してVeChain上に登録して取得され、NFCチップ内で暗号化されなくてもよい。当該VIDはその後にユーザの身元情報(名前など)と関連付けられ、ユーザが対応する権限を取得した後、ユーザの権限と関連付けられる。
【0065】
当業者は、その広義な発明の概要から逸脱することなく、上記の実施例に変更を加えることができることを理解するであろう。従って、本明細書に開示される発明は、開示される特定の実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内の全ての変更を網羅することであると理解されるべきである。また、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲が本発明に開示される実施例に従って解釈される場合でも、出願人によって特に明記されていない限り、本発明の精神及び範囲においてトレードオフを行うために寄付の原則を適用すべきではない。
図1
図2
【国際調査報告】