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特表2024-508999トンネルメッシュパッド構造を有するバックパックパネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】トンネルメッシュパッド構造を有するバックパックパネル
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20240220BHJP
   A45F 3/02 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A45F3/04
A45F3/02 400
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574109
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022014763
(87)【国際公開番号】W WO2022177730
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】63/150,531
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523311786
【氏名又は名称】ジャック ウルフスキン ノース アメリカ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】カイザー,ヨハンナ
(72)【発明者】
【氏名】ホンデリック,ディルク
【テーマコード(参考)】
2E181
3B045
【Fターム(参考)】
2E181BA04
3B045AA35
3B045CA02
3B045FC03
3B045FC04
3B045HA03
3B045HB04
3B045IA01
(57)【要約】
発泡体または3Dプリンティングされたパッドを受け入れるための作り付けのポケット(24)を有する、ユーザの背中に携行されるために設計されたバックパック(10)または他の携行用品のための背面パネル(20)が本明細書に開示される。背面パネル(20)は、互いに固定された複数の層の材料からなるスペーサエリア(22)と、スペーサエリア(22)によって互いから間隔が空けられたポケットエリア(24)とを含む。少なくとも背面パネル(20)の最上層(21)は、メッシュ材料からなり、ポケットエリア(24)内の他の層から分離されている。背面パネル(20)は、単一の機械で共に織られるもしくは編まれる繊維から作られた組み合わせ材料から切り出されるか、または3Dプリンティングされ、ポケット(24)、チャネル、またはトンネルはすべて作り付けになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の細長いポケット、第2の細長いポケット、および前記第1の細長いポケットと前記第2の細長いポケットとの間に配置されたスペーサエリアを備える、背面パネルと、
第1および第2の細長い格子インサートと、
第1および第2の細長い支持インサートと、を備え、
前記第1の細長い格子インサートおよび前記第1の細長い支持インサートの各々が、前記第1の細長いポケットの中に配置され、
前記第2の細長い格子インサートおよび前記第2の細長い支持インサートの各々が、前記第2の細長いポケットの中に配置されている、バックパック。
【請求項2】
前記背面パネルが多層材料からなる、請求項1に記載のバックパック。
【請求項3】
前記多層材料が、単一の機械を使用して製造される、請求項2に記載のバックパック。
【請求項4】
前記第1および第2の細長いポケットの少なくとも1つが縦方向に揃えられる、請求項1に記載のバックパック。
【請求項5】
前記スペーサ層が、互いに固定された少なくとも3層の布地を含む、請求項1に記載のバックパック。
【請求項6】
前記第1および第2の細長いポケットの各々が、メッシュ層から間隔を空けたベース層を備えている、請求項5に記載のバックパック。
【請求項7】
前記メッシュ層がリサイクル繊維を含む、請求項6に記載のバックパック。
【請求項8】
ユーザの身体上で携行される携行用品のための背面パネルであって、前記背面パネルが、
布地の第1の層、布地の第2の層、および布地の第3の層を備える第1のスペーサエリアであって、各布地の層が他の布地の層に固定されている、第1のスペーサエリアと、
前記第1の層およびメッシュ層を備える第1のポケットエリアと、を備え、
前記メッシュ上部層の少なくとも一部分が、前記第1の層から分離されており、
少なくとも1つの前記スペーサエリアが、少なくとも1つの前記ポケットエリアに隣接している、背面パネル。
【請求項9】
前記第1のスペーサエリアおよび前記第1のポケットエリアの各々が、互いに対して平行に延びている、請求項8に記載の背面パネル。
【請求項10】
前記第1のスペーサエリアおよび前記第1のポケットエリアの各々が、互いに対してある角度で延びている、請求項8に記載の背面パネル。
【請求項11】
第1の層およびメッシュ層を備える第2のポケットエリアをさらに備え、前記第1のスペーサエリアが、前記第1のポケット層と前記第2のポケット層との間に配置されている、請求項8に記載の背面パネル。
【請求項12】
前記第1のポケットエリア、前記第1のスペーサエリア、および前記第2のポケットエリアの各々が、前記背面パネルの全体にわたって縦方向に延びている、請求項11に記載の背面パネル。
【請求項13】
前記第1のポケットエリアの中に配置された第1の格子インサートと、前記第2のポケットエリアの中に配置された第2の格子インサートと、をさらに備える、請求項11に記載の背面パネル。
【請求項14】
前記第1のポケットエリアの中の前記第1の格子インサートと前記第1の層との間に配置された第1の支持細片と、前記第2のポケットエリアの中の前記第2の格子インサートと前記第1の層との間に配置された第2の支持細片と、をさらに備える、請求項13に記載の背面パネル。
【請求項15】
前記第1の格子インサート、前記第2の格子インサート、前記第1の支持細片、および前記第2の支持細片の少なくとも1つが、リサイクル材料からなる、請求項14に記載の背面パネル。
【請求項16】
前記第1および第2の支持細片の各々がアルミニウム合金からなる、請求項14に記載の背面パネル。
【請求項17】
携行用品であって、
多層材料からなる第1の背面パネルであって、第1のスペーサエリア、第2のスペーサエリア、および前記第1のスペーサエリアと前記第2のスペーサエリアとの間に配置された第1のポケットエリアを備える、第1の背面パネルと、
多層材料からなる第2の背面パネルであって、第3のスペーサエリア、第4のスペーサエリア、および前記第3のスペーサエリアと前記第4のスペーサエリアとの間に配置された第2のポケットエリアを備える、第2の背面パネルと、
湾曲した梁部と、
前記第1のポケットエリアの中に配置された第1の支持細片と、
前記第2のポケットエリアの中に配置された第2の支持細片と、を備え、
前記第2のスペーサエリアが前記湾曲した梁部に固定され、
前記第3のスペーサエリアが前記湾曲した梁部に固定されている、携行用品。
【請求項18】
前記湾曲した梁部が、金属合金およびプラスチックからなる群から選択される剛体材料からなる、請求項17に記載の携行用品。
【請求項19】
前記第1の支持細片および前記第2の支持細片の少なくとも1つが格子構造を備えている、請求項17に記載の携行用品。
【請求項20】
前記第1の支持細片および前記第2の支持細片の少なくとも1つが発泡体材料からなる、請求項17に記載の携行用品。
【請求項21】
前記発泡体材料が、EVA、PU、藻類、油、PU、TPU、3Dプリンティングされた材料、羊毛、綿および絹などの織物繊維からなるパッド、ならびにネオプレンからなる群から選択される、請求項20に記載の携行用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最適化されたフィットと快適性を保証するのを助けるトンネルメッシュパッド構造を有する背面パネルを備える、バックパック、リュックザック、ファニーパック(fanny pack)、またはユーザの背中に携行される他の携行用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、使用中に着用者の背中を保護し、支えるためのパッドを有する様々なバックパックおよび携行構造を開示している。図1に示すように、それら従来技術の構造は、互いにおよび携行構造に接続されなければならない、種々の発泡体、スペーサ、メッシュ、および布地を含む複数の部品および材料を要する。このことは、効率的で耐久性の高い形による組み立てに対して大きな課題を呈する。何故ならば、スペーサ布地を他のスペーサ布地および/または紡糸織物と接続することは、間違いを生じやすく、また樹脂、糊、プラスチックまたは金属の付属品、複数の縫製ステップ、および状況によっては溶着の使用を必要とするためである。したがって、効率的に組み立てることのできる、バックパックおよびその他の携行装置のための改良された支持構造に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの態様は、バックパック、ファニーパック、または同様の携行装置に使用するための簡素化された背面パネルであり、前記携行装置にパッドを容易に組み込むために配置されたメッシュ層を有する。背面パネルは、単一の機械で共に織られるかもしくは編まれる、または3Dプリンティングされて、ポケット、チャネル、またはトンネルを有する単一の部片を形成するメッシュ層を含み、そのポケット、チャネル、またはトンネルが、次いで、発泡体のもしくは3Dプリンティングされたインサートおよび/または剛体の支持パネルによって埋められ得る。パネルは、次いで、バックパックまたは他の携行装置の後部面に固定されるかまたは内蔵され得る。いくつかの実施形態では、パッドのないパネルの領域が、ユーザの背骨の少なくとも一部分と揃い、少なくとも1つのチャネルが、背骨部分のいずれかの側に縦方向に配置されて、発泡体などの支持材を含めることを可能にする。ファニーパックなど、腰部を中心とした他の実施形態では、1つまたは複数のチャネルが背骨に対して垂直に延びてよく、背骨の腰領域を支持するために、支持が中心に揃えられてよい。これらの構造は、ユーザに対する適切な支持および快適性を実現するために必要とする作業ステップがより少なく、縫製もより少ない。また、製品の構築および組み立てにおいて必要とする材料がより少なく、縫い糸、プラスチック部品、接着剤、および樹脂の必要性を軽減するかまたは解消する。
【0004】
本発明の他の態様はバックパックであり、このバックパックは、第1の細長いポケット、第2の細長いポケット、および第1の細長いポケットと第2の細長いポケットとの間に配置されたスペーサエリアを備える、背面パネルと、第1および第2の細長い、発泡体の、格子の、または3Dプリンティングされたインサートと、第1および第2の細長い支持インサートと、を備え、第1の細長い、発泡体の、格子の、または3Dプリンティングされたインサート、および第1の細長い支持インサートの各々が、第1の細長いポケットの中に配置され、第2の細長い、発泡体の、格子の、または3Dプリンティングされたインサート、および第2の細長い支持インサートの各々が、第2の細長いポケットの中に配置されている。いくつかの実施形態では、背面パネルは多層材料からなってよく、多層材料は単一の機械を使用して製造されてよい。他の実施形態では、第1および第2の細長いポケットの少なくとも1つが縦方向に揃えられてよい。さらに他の実施形態では、スペーサ層は、互いに固定された少なくとも3層の布地を含んでよく、第1および第2の細長いポケットの各々が、メッシュ層から間隔を空けたベース層を備えてよく、メッシュ層はリサイクル繊維を含んでよい。
【0005】
本発明のさらに別の態様は、ユーザの背中に携行される携行用品のための背面パネルであり、この背面パネルは、布地の第1の層、布地の第2の層、および布地の第3の層を備える第1のスペーサエリアであって、各布地の層が他の布地の層に固定されている、第1のスペーサエリアと、第1の層およびメッシュ層を備える第1のポケットエリアと、を備え、メッシュ上部層の少なくとも一部分が、第1の層から分離されており、少なくとも1つのスペーサエリアが、少なくとも1つのポケットエリアに隣接している。いくつかの実施形態では、第1のスペーサエリアおよび第1のポケットエリアの各々は、互いに平行に延びていてよい。他の実施形態では、背面パネルは、第1の層およびメッシュ層を備える第2のポケットエリアを備え、第1のスペーサエリアが、第1およびのポケット層と第2のポケット層との間に配置されてよい。
【0006】
さらなる実施形態では、第1のポケットエリア、第1のスペーサエリア、および第2のポケットエリアの各々は、背面パネルの全体にわたって縦方向に延びてよく、また第1のスペーサエリアがユーザの背骨と揃うように、構成される。別の実施形態では、背面パネルは、第1のポケットエリアの中に配置された、第1の発泡体の、格子の、または3Dプリンティングされたインサートと、第2のポケットエリアの中に配置された、第2の発泡体の、格子の、または3Dプリンティングされたインサートと、を備えてよい。さらに別の実施形態では、背面パネルは、第1のポケットエリアの中の、第1の発泡体の、格子の、または3Dプリンティングされたインサートと第1の層との間に配置された第1の支持細片と、第2のポケットエリアの中の、第2の発泡体の、格子の、または3Dプリンティングされたインサートと第1の層との間に配置された第2の支持細片と、をさらに備えてよい。第1の発泡体のまたは3Dプリンティングされたインサート、第2の発泡体のまたは3Dプリンティングされたインサート、第1の支持細片、および第2の支持細片の少なくとも1つは、リサイクル材料からなってよい。別の実施形態では、第1および第2の支持細片の各々は、アルミニウム合金からなってよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来技術のバックパック支持構造の分解図である。
図2】本発明の支持パネルの正面図である。
図3】パッドと係合した、図2に示される実施形態の上面斜視図である。
図4】支持板と係合した、図3に示される実施形態の正面斜視図である。
図5図4に示される実施形態と係合した、バックパック支持構造の分解図である。
図6】バックパックに固定された、図5に示される実施形態の組み立て図である。
図7】本発明の第1の代替実施形態の図である。
図8】本発明の第2の代替実施形態の図である。
図9】本発明の第3の代替実施形態の図である。
図10】本発明の第4の代替実施形態の図である。
図11図10に示される実施形態の拡大図である。
図12】3Dプリンティングされた格子インサートの側面斜視図である。
図13図12に示される複数の格子インサートと係合した、図4に示される実施形態の図である。
図14図13に示される実施形態の円で囲まれた部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ユーザの背中に携行されるように構成されたバックパック10、ファニーパック15、または他の種類の携行用品を対象とし、その背面パネル20全体は、組み合わせ材料からなり、パッドおよび/または剛体支持材料を包囲する大きさの開口チャネルまたはトンネルを形成する、作り付けの細長いポケットを有する。
【0009】
本発明の好ましい実施形態が図2図6に示される。図2図3、および図4に示されるように、背面パネル20は、交互になっている第1のスペーサエリア22および第2のポケットエリア24を有し、これらは、メッシュ支持布地20の縦方向のy軸と揃えられ、背面パネル20の横方向のx軸に沿って互いに交互になっている。各スペーサエリア22は少なくとも3層の布地からなり、一方、各ポケットエリア24は2層の布地から構成される。各スペーサエリア22の布地層は、単一の機械で、共に織られるか、編まれるか、または3Dプリンティングされて、各構成材料の組み合わされた性質をもつ単体の強化された材料を形成し、一方、ポケットエリア24の2層はそうではなく、それにより、各ポケットエリア24の両側に位置するスペーサエリア22の間に開口を作り出す。スペーサエリアおよびポケットエリア22、24の縦方向の長さは無限であってよい。バックパック10に組み込まれたとき、各スペーサエリア22は、第1の縦方向長さVおよび第1の横方向幅Wを有し、スペーサエリア22同士の間に位置するポケットエリア24の少なくとも1つは、第2の縦方向長さVおよび第2の横方向幅Wを有する。図に示されるように、VはおよそVと等しく、Wは、Wと等しいか、それよりも小さいか、または大きくてよい。
【0010】
少なくとも背面パネル20の上部層21は、天然繊維(絹、羊毛、動物の毛)および人造繊維(人工、合成、有機等)を含む、1つまたは複数の織物繊維から作られたメッシュ布地である。下部層23、25は、より緊密に織られるかまたは編まれ、上述の材料のいずれからなってもよい。布地は、ユーザによって着用されたときの最適化された快適性に合わせた呼吸性、吸収性、および水分移動のために選択される。上部層21としてメッシュ材料を使用することは、背面パネル20の総重量を下げ、また、その表面積が大きい結果、ユーザと接触しない背面パネル20のエリアにおいて乾きが速められる。
【0011】
図3に示されるように、発泡体細片30、32が、スペーサエリア22によって互いから間隔が空けられた2つの隣接するポケットエリア24に挿入される。発泡体細片30、32は、それが配置されるポケットエリア24の各々を実質的に埋める。この細片30、32の発泡体は好ましくはEVA材料であるが、以下の材料、EVA、PU、藻類、油、PU、TPUなどの群から選択される発泡体、3Dプリンティングされた材料、羊毛、綿、および絹などの織物繊維からなるパッド、ならびにネオプレン、の1つまたは複数を含み得る。細片30は、図7および図8に示されるように1つまたは複数の切取り部分31、33、および/あるいは、図12に例が示される格子34構造を有してよい。格子34は、さらなる呼吸性を提供し、圧力下でその形態を維持する。格子34は、ポリウレタン/TPUなどの任意の熱可塑性材料から作られてよく、3Dプリンティングされてよい。
【0012】
ポケットエリアが発泡体細片30、32で埋められると、図4に示されるように、板状材料の剛体細片40、42が、ポケットエリア24の中の発泡体細片30、32の後ろに挿入されて、さらなる支持を提供し、また発泡体細片30、32が過度に曲がることを防止する。この細片40、42を作製するために使用される材料は、PE、ABS、TPU、金属合金、アルミニウム、プラスチック、木、竹、および/または織物繊維、の1つまたは複数を含む。必要に応じて他の材料をポケットエリア24に追加して、パネル20の所望の快適性、安定性、または設計を得てよい。
【0013】
図5に示されるように、このパッドが入れられた組み合わせ片50は、図6図10図11、および図13図14に示されるように、ライニング60と、バックパック10、ファニーパック15または携行装置に内蔵されるフレーム70とに固定され得る(ただしそうである必要はない)。背面パネル20は、これに代えて、側部縫い目16に沿ってバックパック10の外側外被に取り付け、ライニング60またはフレーム70には直接接続されないことも可能である。
【0014】
好ましくは、バックパック10または携行装置内に組み付けられたとき、図6に示されるように、スペーサエリア22はユーザの背骨と位置が揃い、ポケットエリア24は、発泡体細片30、32が背骨に圧力をかけることなくユーザの背中に対する支持を与えることができるように、スペーサエリア24の各側に配置される。ファニーパック15内に組み付けられたとき、図10および図11に示されるように、スペーサエリアおよびポケットエリア22、24は、ユーザの背骨に対して垂直に延び、発泡体または3Dプリンティングされた細片30は、ユーザの背中の腰領域内でまたはユーザの臀部の湾曲に沿ってフィットするように方向付けられる。
【0015】
上記の実施形態は、図7図8に示されるように、1つまたは複数の梁部構造80でさらに補強されてよい。背面パネル20部分が、梁部80と一体化され、ピン、面ファスナ、ダックテール(ducktail)ファスナなど、当業者に知られている任意の手段で梁部80に固定される。これら梁部80は、好ましくは、人間の背骨の輪郭に従うように湾曲している。図7に示されるように、梁部80が、ユーザの背骨と揃えられ、2つのポケット24の間に配置されてよく、または、梁部80は、図8に示すように、発泡体細片30を含むポケット24の中心がユーザの背骨エリア上になるように配置されてもよい。梁部80は、剛体材料から作られ、この材料は、金属、プラスチック、または同様の性質をもつ他の材料であってよい。図9に示される代替の実施形態では、梁部90が背面パネル20と一体化されず、背面パネル20は、代わりに、梁部90が安定化または他の目的のために成形された後に梁部90に固定される。そのような梁部は、バックパックの構築で従来使用されており、アルミニウム合金または他の同様の軽量・弾性の材料から作られてよい。
【0016】
本発明の背面パネル20の構築は、縫製、溶着および接着などの複雑な製造ステップの必要をなくす。また、それは、製造者によって望まれる任意の長さ寸法をもつ、大きい均一なシートとして製造することができる。
【0017】
その結果得られる材料の部分を特注切断して、上記寸法に合わせ、組み立て対象の任意のバックパックまたは携行装置の要件を満たすことができ、それにより、特定のバックパックに合わせられた、特別設計され、個別に開発された背面パネル(図1に示されるものなど)の必要をなくす。好ましい実施形態は、縦方向に揃えられたスペーサエリアおよびポケットエリア22、24を有するが、代替の実施形態では、スペーサエリアおよびポケットエリア22、24の1つまたは複数が斜めまたは横方向に揃えられてもよい。
【符号の説明】
【0018】
10 バックパック
15 ファニーパック
20 背面パネル、布地
22 スペーサエリア
24 ポケットエリア
21 上部層
23、25 下部層
30、32 発泡体細片
31、33 切取り部分
34 格子
40、42 剛体細片
50 組み合わせ片
60 ライニング
70 フレーム
16 側部縫い目
80 梁部
90 梁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の細長いポケット、第2の細長いポケット、および前記第1の細長いポケットと前記第2の細長いポケットとの間に配置されたスペーサエリアを備える、背面パネルと、
第1および第2の細長い格子インサートと、
第1および第2の細長い支持インサートと、を備え、
前記第1の細長い格子インサートおよび前記第1の細長い支持インサートの各々が、前記第1の細長いポケットの中に配置され、
前記第2の細長い格子インサートおよび前記第2の細長い支持インサートの各々が、前記第2の細長いポケットの中に配置されている、バックパック。
【請求項2】
前記背面パネルが多層材料からなる、請求項1に記載のバックパック。
【請求項3】
前記多層材料が、単一の機械を使用して製造される、請求項2に記載のバックパック。
【請求項4】
前記第1および第2の細長いポケットの少なくとも1つが縦方向に揃えられる、請求項1に記載のバックパック。
【請求項5】
前記スペーサ層が、互いに固定された少なくとも3層の布地を含む、請求項1に記載のバックパック。
【請求項6】
前記第1および第2の細長いポケットの各々が、メッシュ層から間隔を空けたベース層を備えている、請求項5に記載のバックパック。
【請求項7】
前記メッシュ層がリサイクル繊維を含む、請求項6に記載のバックパック。
【請求項8】
携行用品であって、
多層材料からなる第1の背面パネルであって、第1のスペーサエリア、第2のスペーサエリア、および前記第1のスペーサエリアと前記第2のスペーサエリアとの間に配置された第1のポケットエリアを備える、第1の背面パネルと、
多層材料からなる第2の背面パネルであって、第3のスペーサエリア、第4のスペーサエリア、および前記第3のスペーサエリアと前記第4のスペーサエリアとの間に配置された第2のポケットエリアを備える、第2の背面パネルと、
湾曲した梁部と、
前記第1のポケットエリアの中に配置された第1の支持細片と、
前記第2のポケットエリアの中に配置された第2の支持細片と、を備え、
前記第2のスペーサエリアが前記湾曲した梁部に固定され、
前記第3のスペーサエリアが前記湾曲した梁部に固定されている、携行用品。
【請求項9】
前記湾曲した梁部が、金属合金およびプラスチックからなる群から選択される剛体材料からなる、請求項に記載の携行用品。
【請求項10】
前記第1の支持細片および前記第2の支持細片の少なくとも1つが格子構造を備えている、請求項に記載の携行用品。
【請求項11】
前記第1の支持細片および前記第2の支持細片の少なくとも1つが発泡体材料からなる、請求項に記載の携行用品。
【請求項12】
前記発泡体材料が、EVA、PU、藻類、油、PU、TPU、3Dプリンティングされた材料、羊毛、綿および絹などの織物繊維からなるパッド、ならびにネオプレンからなる群から選択される、請求項11に記載の携行用品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
その結果得られる材料の部分を特注切断して、上記寸法に合わせ、組み立て対象の任意のバックパックまたは携行装置の要件を満たすことができ、それにより、特定のバックパックに合わせられた、特別設計され、個別に開発された背面パネル(図1に示されるものなど)の必要をなくす。好ましい実施形態は、縦方向に揃えられたスペーサエリアおよびポケットエリア22、24を有するが、代替の実施形態では、スペーサエリアおよびポケットエリア22、24の1つまたは複数が斜めまたは横方向に揃えられてもよい。
なお、本発明には以下の態様が含まれることを付記する。
[態様1]
第1の細長いポケット、第2の細長いポケット、および前記第1の細長いポケットと前記第2の細長いポケットとの間に配置されたスペーサエリアを備える、背面パネルと、
第1および第2の細長い格子インサートと、
第1および第2の細長い支持インサートと、を備え、
前記第1の細長い格子インサートおよび前記第1の細長い支持インサートの各々が、前記第1の細長いポケットの中に配置され、
前記第2の細長い格子インサートおよび前記第2の細長い支持インサートの各々が、前記第2の細長いポケットの中に配置されている、バックパック。
[態様2]
前記背面パネルが多層材料からなる、態様1に記載のバックパック。
[態様3]
前記多層材料が、単一の機械を使用して製造される、態様2に記載のバックパック。
[態様4]
前記第1および第2の細長いポケットの少なくとも1つが縦方向に揃えられる、態様1に記載のバックパック。
[態様5]
前記スペーサ層が、互いに固定された少なくとも3層の布地を含む、態様1に記載のバックパック。
[態様6]
前記第1および第2の細長いポケットの各々が、メッシュ層から間隔を空けたベース層を備えている、態様5に記載のバックパック。
[態様7]
前記メッシュ層がリサイクル繊維を含む、態様6に記載のバックパック。
[態様8]
ユーザの身体上で携行される携行用品のための背面パネルであって、前記背面パネルが、
布地の第1の層、布地の第2の層、および布地の第3の層を備える第1のスペーサエリアであって、各布地の層が他の布地の層に固定されている、第1のスペーサエリアと、
前記第1の層およびメッシュ層を備える第1のポケットエリアと、を備え、
前記メッシュ上部層の少なくとも一部分が、前記第1の層から分離されており、
少なくとも1つの前記スペーサエリアが、少なくとも1つの前記ポケットエリアに隣接している、背面パネル。
[態様9]
前記第1のスペーサエリアおよび前記第1のポケットエリアの各々が、互いに対して平行に延びている、態様8に記載の背面パネル。
[態様10]
前記第1のスペーサエリアおよび前記第1のポケットエリアの各々が、互いに対してある角度で延びている、態様8に記載の背面パネル。
[態様11]
第1の層およびメッシュ層を備える第2のポケットエリアをさらに備え、前記第1のスペーサエリアが、前記第1のポケット層と前記第2のポケット層との間に配置されている、態様8に記載の背面パネル。
[態様12]
前記第1のポケットエリア、前記第1のスペーサエリア、および前記第2のポケットエリアの各々が、前記背面パネルの全体にわたって縦方向に延びている、態様11に記載の背面パネル。
[態様13]
前記第1のポケットエリアの中に配置された第1の格子インサートと、前記第2のポケットエリアの中に配置された第2の格子インサートと、をさらに備える、態様11に記載の背面パネル。
[態様14]
前記第1のポケットエリアの中の前記第1の格子インサートと前記第1の層との間に配置された第1の支持細片と、前記第2のポケットエリアの中の前記第2の格子インサートと前記第1の層との間に配置された第2の支持細片と、をさらに備える、態様13に記載の背面パネル。
[態様15]
前記第1の格子インサート、前記第2の格子インサート、前記第1の支持細片、および前記第2の支持細片の少なくとも1つが、リサイクル材料からなる、態様14に記載の背面パネル。
[態様16]
前記第1および第2の支持細片の各々がアルミニウム合金からなる、態様14に記載の背面パネル。
[態様17]
携行用品であって、
多層材料からなる第1の背面パネルであって、第1のスペーサエリア、第2のスペーサエリア、および前記第1のスペーサエリアと前記第2のスペーサエリアとの間に配置された第1のポケットエリアを備える、第1の背面パネルと、
多層材料からなる第2の背面パネルであって、第3のスペーサエリア、第4のスペーサエリア、および前記第3のスペーサエリアと前記第4のスペーサエリアとの間に配置された第2のポケットエリアを備える、第2の背面パネルと、
湾曲した梁部と、
前記第1のポケットエリアの中に配置された第1の支持細片と、
前記第2のポケットエリアの中に配置された第2の支持細片と、を備え、
前記第2のスペーサエリアが前記湾曲した梁部に固定され、
前記第3のスペーサエリアが前記湾曲した梁部に固定されている、携行用品。
[態様18]
前記湾曲した梁部が、金属合金およびプラスチックからなる群から選択される剛体材料からなる、態様17に記載の携行用品。
[態様19]
前記第1の支持細片および前記第2の支持細片の少なくとも1つが格子構造を備えている、態様17に記載の携行用品。
[態様20]
前記第1の支持細片および前記第2の支持細片の少なくとも1つが発泡体材料からなる、態様17に記載の携行用品。
[態様21]
前記発泡体材料が、EVA、PU、藻類、油、PU、TPU、3Dプリンティングされた材料、羊毛、綿および絹などの織物繊維からなるパッド、ならびにネオプレンからなる群から選択される、態様20に記載の携行用品。
【国際調査報告】