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特表2024-509008皮膚改善に有効な成分とダイヤモンドとがコーティングされたスピキュール製造方法及びこれを含むダイヤモンドスピキュール化粧料組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】皮膚改善に有効な成分とダイヤモンドとがコーティングされたスピキュール製造方法及びこれを含むダイヤモンドスピキュール化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/98 20060101AFI20240221BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240221BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/65 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20240221BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
A61K8/98
A61Q19/00
A61Q19/08
A61K8/84
A61K8/19
A61K8/65
A61K8/64
A61K8/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560152
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 KR2022012376
(87)【国際公開番号】W WO2023163298
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2022-0024357
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521115719
【氏名又は名称】ビーエヌカンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100176407
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 理啓
(72)【発明者】
【氏名】テ グアン クオン
(72)【発明者】
【氏名】ム ソン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホン ボ シム
(72)【発明者】
【氏名】ハク リョル チェ
(72)【発明者】
【氏名】ポン ウ キム
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA071
4C083AA072
4C083AB131
4C083AB132
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB332
4C083AC122
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC581
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD162
4C083AD411
4C083AD431
4C083AD432
4C083BB51
4C083CC02
4C083EE11
4C083FF01
(57)【要約】
本発明は、皮膚改善有効成分及び微細ダイヤモンドの経皮吸収を促進することができるスピキュールの製造方法と、これにより製造されるスピキュール及びこれを含む化粧料組成物に関するもので、本発明によって製造されたスピキュール化粧料組成物は優れた経皮浸透効能を有することができ、機能性に優れた化粧料組成物の製造に用いられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)スピキュールを洗浄するステップ;
(b)前記洗浄されたスピキュールの内孔に第1の有効成分を包接するステップ;
(c)前記内孔に第1の有効成分が包接されたスピキュールの外部をシリカでコーティングするステップ;
(d)前記シリカがコーティングされたスピキュールをアミノシラン及びリジン(lysine)と反応させてアミノ基をコーティングするステップ;及び
(e)前記アミノ基がコーティングされたシリカに第2の有効成分とダイヤモンドとをコーティングするステップ;
を含む皮膚改善に有効な成分とダイヤモンドとがコーティングされたスピキュールの製造方法。
【請求項2】
前記(d)ステップのアミノシランは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(3-aminopropyltrimethoxysilane)である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項3】
前記(d)ステップのリジンは、ポリ-L-リジン(poly-L-lysine)である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項4】
前記(d)ステップのアミノシラン及びリジンの混合比率は、1:1~500:1の比率である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項5】
前記(e)ステップの前記ダイヤモンドは、マイクロダイヤモンド、ナノダイヤモンド、及びコロイドダイヤモンドからなる群から選ばれる一つ以上である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項6】
前記第1の有効成分及び第2の有効成分は、それぞれコラーゲン、フィッシュコラーゲン、ナノコラーゲン、低分子コラーゲン、植物性コラーゲン、コラーゲンペプチッド、アミノ酸、トリペプチド、テトラペプチド、及び水溶性ビタミンからなる群から選ばれる一つ以上であり、
前記第1の有効成分と第2の有効成分とは同一であるか、又は異なる成分であるものである、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法で製造されたスピキュールを含む化粧料組成物。
【請求項8】
前記化粧料組成物は、皮膚角質剥離効果を有するものである、請求項7に記載の化粧料組成物。
【請求項9】
前記化粧料組成物は、しわの改善効果を有するものである、請求項7に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚改善に有効な成分の経皮吸収を促進させることができる経皮吸収促進用針状型構造体の製造方法と、これにより製造される針状型構造体、及びこれを含む化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
外見が健康に対する一つの尺度として認識され、これに伴い皮膚健康に対する関心が高まり、化粧品産業分野では人体には無害であり、肌には機能的な影響を及ぼす環境に優しい素材に対する関心が高まっている。特に、化粧品に含有される合成界面活性剤、色素、酸化防止剤、及び化学防腐剤などが肌をより乾燥させたり、発疹、炎症、皮膚病、さらに皮膚癌を誘発する可能性があると知られており、肌に有害な化学成分の代わりに天然物質を主原料として利用する化粧品に対する必要性が高い実情である。特に、化粧品の付随的な機能的効果に重点を置く機能性化粧品分野においても、天然由来の機能性物質に対する研究が脚光を浴びている。
【0003】
このような天然物質のうち、スピキュール(海綿骨片)は所謂スポンジ(Sponge)とも呼ばれるが、海綿動物は、筋肉、神経又は臓器が存在しない原始的な海洋生物で、5,000種以上が存在し、海の深さに関係なく発見される生物である。骨片は、無脊椎動物の体内に存在する針状を有している骨格の機能を担う組織で、主にケイ酸、炭酸カルシウムがその主成分である。海綿動物の繊維性骨格は、毛細管現象による吸収能力を有しているため、医療用などの様々な方面に応用されている。一例として、海綿動物の骨片は骨髄炎治療用抗生剤を含有し、疾患に対する治療及び予防用途として使用されている。
【0004】
上記のような海綿動物由来のスピキュールは針状構造を有するため、皮膚経皮層までに有効成分を伝達するのに特に適しており、化粧料組成物に使用しようとする試みがなされてきた。
【0005】
本発明の先行特許文献としては、大韓民国登録特許第10-2074214号(特許文献1)などが存在する。
【0006】
このような背景の下で、本発明者は、上記のような海綿動物由来の針状型構造体を化粧料組成物として用いるにあたって、微細ダイヤモンドコーティングを含み、アミノ基改質ステップを有する最適の製造方法を発明として完成して提供することになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-2074214号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が達成しようとする技術的課題は、経皮吸収に優れたスピキュールの製造方法であって、より具体的には、皮膚改善有効成分を含み、ダイヤモンドでコーティングされた針状型構造体の製造方法及びこれにより製造された針状型構造体を提供することである。
【0009】
本発明の他の課題は、前記方法で製造されたスピキュールを含む化粧料組成物を提供することである。
【0010】
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は、上記で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から当該技術分野における通常の技術者に明確に理解することができるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、次のステップを含む皮膚改善に有効な成分とダイヤモンドとがコーティングされたスピキュールの製造方法を提供する:
(a)スピキュールを洗浄するステップ;
(b)前記洗浄されたスピキュールの内孔に第1の有効成分を包接するステップ;
(c)前記内孔に第1の有効成分が包接されたスピキュールの外部をシリカでコーティングするステップ;
(d)前記シリカがコーティングされたスピキュールをアミノシラン及びリジン(lysine)と反応させてアミノ基をコーティングするステップ;及び
(e)前記アミノ基がコーティングされたシリカに第2の有効成分とダイヤモンドとをコーティングするステップ。
【0012】
一側によると、前記(d)ステップのアミノシランは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(3-aminopropyltrimethoxysilane)であることができる。
【0013】
一側によると、前記(d)ステップのリジンは、ポリ-L-リジン(poly-L-lysine)であることができる。
【0014】
一側によると、前記(d)ステップのアミノシラン及びリジンの混合比率は、1:1~500:1の比率であることができる。
【0015】
一側によると、前記(e)ステップの前記ダイヤモンドは、マイクロダイヤモンド、ナノダイヤモンド、及びコロイドダイヤモンドからなる群から選ばれる一つ以上であることができる。
【0016】
一側によると、前記第1の有效成分及び第2の有效成分は、それぞれコラーゲン、フィッシュコラーゲン、ナノコラーゲン、低分子コラーゲン、植物性コラーゲン、コラーゲンペプチド、アミノ酸、トリペプチド、テトラペプチド及び水溶性ビタミンからなる群から選ばれる一つ以上であり、前記第1の有効成分と第2の有効成分とは同一であるか、又は異なる成分であることができる。
【0017】
本発明の他の実施例によると、前記方法によって製造されたスピキュールを含む化粧料組成物が提供される。
【0018】
一側によると、前記化粧料組成物は、皮膚角質剥離效果を有することができる。
【0019】
一側によると、前記化粧料組成物は、しわの改善效果を有することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の製造方法によると、優れたアミノ基改質程度を有するスピキュールを得ることができ、これによって経皮吸収が促進されることができる。また、本発明の製造方法によって製造されたスピキュールは、内孔にコラーゲンなどの親水性有効成分を多量に含むことができ、外部が微細ダイヤモンドでコーティングされ、前記優れた皮膚剥離及び皮膚再生効果を与え、また経皮吸収効果と相乗効果を起こし、皮膚内部までに深く浸透して機能性に優れた化粧料組成物の製造に用いられる。
【0021】
本発明の効果は、前記の効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の製造方法による針状型構造体の製造方法の模式図を示したものである。
図2】内孔包接の如何による蛍光コラーゲンの蛍光発色程度を示したものである。
図3】製造方法を異にして製造された製造例の蛍光発色程度を示したものである。
図4】前記製造例の針状型構造体を含んで製造された化粧料組成物の皮膚吸収程度を示したものである。
図5】本発明の製造方法による針状型構造体を含む化粧料組成物の皮膚剥離効果を評価したものである。
図6】本発明の製造方法による針状型構造体を含む化粧料組成物の目元のしわの改善効果を評価したものである。
図7】本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物の細胞生存効果を示したグラフである。
図8】NHDF細胞において本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物のコラーゲン合成効果を示したグラフである。
図9】NHDF細胞において本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物のコラーゲン繊維生成に及ぼす効果を示した写真である(緑色:コラーゲン繊維、スケールバー:20μm)。
図10】本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物3及び一般スピキュールを含む化粧料組成物1の皮膚吸収度を示したグラフである。
図11】本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物3及びダイヤモンドがコーティングされていないスピキュールを含む化粧料組成物1の皮膚吸収度を比較したグラフである。
図12】本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物3及びダイヤモンドがコーティングされていないスピキュールを含む化粧料組成物1の皮膚吸収深さを示したグラフである。
図13】本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物3及びダイヤモンドがコーティングされていないスピキュールを含む化粧料組成物1の皮膚吸収深さを比較したグラフである。
図14】本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物3及びダイヤモンドがコーティングされていないスピキュールを含む化粧料組成物1の皮膚吸収速度を示したグラフである。
図15】本発明の改質されたスピキュールを含む化粧料組成物3及びダイヤモンドがコーティングされていないスピキュールを含む化粧料組成物1の皮膚吸収速度を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施例によると、スピキュールの製造方法であって、
(a)スピキュールを洗浄するステップ;
(b)前記洗浄されたスピキュールの内孔に第1の有効成分を包接するステップ;
(c)前記内孔に第1の有効成分が包接されたスピキュールの外部をシリカでコーティングするステップ;
(d)前記シリカがコーティングされたスピキュールをアミノシラン及びリジン(lysine)と反応させてアミノ基をコーティングするステップ;及び
(e)前記アミノ基がコーティングされたシリカに第2の有効成分とダイヤモンドとをコーティングするステップ;
を含む皮膚改善に有効な成分とダイヤモンドとが含まれたスピキュールの製造方法を提供する。
【0024】
本明細書において使用された用語「スピキュール」、「針状型体」、又は「針状型構造体」とは、針状形態の微細構造を有する構造体のことを意味し、本明細書において前記「スピキュール」、「針状型体」、及び「針状型構造体」は、交換的に使用することができる。好ましくは、海綿動物由来の針状構造を有するものであることができ、さらに好ましくは、前記海綿動物はスポンジララクストリス(Spongilla lacustris)であることができる。前記海綿動物の骨片又は骨針が本発明におけるスピキュールとして使用される。
【0025】
前記スピキュールは、カルシウム又はシラカで構成され、前記スピキュールは多孔性内部を有するものであることができる。前記スピキュールは、I型構造、Y型構造、又はX型構造を有する。具体的には、前記スピキュールは、Monoaxon模様、Triaxon模様、Tetraxon模様、又はPolyaxon模様であることができる。また、前記Triaxon模様は、Triactine又はHexactine模様であることができる。前記「Monoaxon」は、先端が尖った針状形態のスピキュールを意味する。好ましくは、前記スピキュールは、I型構造及びMonoaxon模様を有するものであることができる。
【0026】
前記スピキュールは、海綿動物から得られ、追加的に精製されたものであり得る。
【0027】
前記コーティングされたスピキュールは、内部に皮膚改善に有効な成分が含まれたものであることができる。本発明のスピキュールは、内部の天然不純物を全て除去し、純粋なスピキュールを含むことを特徴とする。したがって、前記スピキュールは、内部の多孔性構造へ皮膚改善に有効な成分が含まれ得る。
【0028】
前記皮膚改善に有効な成分とは、化粧学的に有効な成分であることができ、皮膚機能を改善ないし向上するための成分、皮膚状態悪化を抑制するための成分、又は皮膚の短所を補完したり、長所を浮き彫りにするための成分などが含まれ得る。前記有効成分の非制限的な例としては、コラーゲン、フィッシュコラーゲン、ナノコラーゲン、低分子コラーゲン、植物性コラーゲン、コラーゲンペプチド、アミノ酸、トリペプチド、テトラペプチド、及び水溶性ビタミンなどがある。
【0029】
本明細書において使用された用語、「コラーゲン(collagen)」は、コラーゲン分子の半結晶質凝集体を意味する。具体的には、コラーゲンはアミノ酸で構成された三重螺旋で形成された細胞外基質を形成する主要タンパク質であって、結合組織の主成分である。前記コラーゲンは、人体由来のコラーゲンであることができる。人体由来のコラーゲンは、原繊維性コラーゲン又は非原繊維性コラーゲンであることができる。
【0030】
前記スピキュールは表面がコーティングされて改質されたものであることができる。具体的には、表面にダイヤモンドがコーティングされたものであることができる。このようなダイヤモンドがコーティングされたスピキュールは、ダイヤモンドがコーティングされていないスピキュールに比べて、有効成分の皮膚吸収度を向上させることができるので、有効成分の皮膚吸収率が高くなることができる。
【0031】
前記コーティングに使用されるダイヤモンドは、ダイヤモンドパウダー形態又は液状形態を用いることができる。この際に使用されるダイヤモンドは、マイクロダイヤモンド、ナノダイヤモンド、及びコロイドダイヤモンドで構成された群から選ばれる一つ以上であることができる。具体的には、前記ダイヤモンドは、ナノダイヤモンドであることができる。
【0032】
また、前記スピキュールは、表面にシリカコーティングを含むものであり得る。
【0033】
前記シリカコーティングは、二酸化ケイ素を含む物質でコーティングされることを意味する。
【0034】
前記シリカの一具体例は、テトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate)、シロキサン(siloxane polymer)であることができる。前記シリカコーティングは、針状型体の表面を改質して有効成分との結合性能を改善することができる。
【0035】
前記スピキュールは、表面にアミノ基コーティングを含むものであることができる。前記アミノ基コーティングは、アミノ基を含む物質のコーティング層を意味する。前記アミノ基コーティングは、末端にアミノ基を含む物質又はアミノ酸をスピキュール表面にコーティングすることを意味する。
【0036】
前記アミノ基コーティングは、アミノシランコーティング及び/又はリジンコーティングであることができる。
【0037】
本明細書において使用された用語、「アミノシラン(amino silane)」は、水素がアミノ基に置き換えられたN-シリル化合物であって、化学式はSiH4と表記し、アミノシランとも命名する。前記アミノシランは、シランカップリング剤の一種であって、親水性コーティング層を形成するものであることができる。
【0038】
前記アミノシランは、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3ジメチル-ブチルリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N-(ビニールベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、この加水分解物、この誘導体、又はこの組み合わせであることができる。
【0039】
本明細書において使用された用語、「リジン(lysine)」は、アミノ酸の一種であって、リジンの同種アミノ酸重合体であるポリリジンを含むことができる。前記リジンは、ポリ-L-リジン、ポリ-D-リジン、又はこの組み合わせであることができる。
【0040】
一具体例において、前記アミノシランは、3-アミノプロピルトリメトキシシランであることができる。また、前記リジンは、ポリ-L-リジンであることができる。
【0041】
前記(a)ステップの前記洗浄は、針状型体の内孔に存在する有機不純物を除去するためのものであって、精製水及び塩基性、酸性溶液を用いて行われる。好ましくは、針状型体の洗浄は精製水で針状型体を1回以上洗浄した後、硫酸、塩酸、フッ酸、過酸化水素水のような酸性溶液及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような塩基性溶液で処理する過程を経ることができる。
【0042】
一側によると、前記(b)ステップの前記内孔包接は、50~300MPaの圧力が1~10分間加えられる超高圧処理で行われ、前記第1の有効成分は、好ましくは、親水性有効成分であることができ、その非制限的な例としては、アミノ酸、トリペプチド、テトラペプチド、及び水溶性ビタミンなどがある。前記条件で内孔に第1の有効成分が優秀に包接できる。
【0043】
前記(c)ステップの前記シリカのコーティングは、好ましくは、テトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate)を反応させて行われる。前記シリカコーティング過程は、針状型体の表面を改質して有効成分との結合性能を改善することができる。また、前記コーティング反応は、好ましくは、25~50℃で、30分~2時間反応が行われ、50~300MPaの圧力が1~10分間加えられる超高圧処理を含むことができる。前記条件でシリカコーティングが最も優れた程度で行われる。
【0044】
一側によると、前記(d)ステップのアミノシランは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(3-aminopropyltrimethoxysilane)であることができ、前記(d)ステップのリジンは、ポリ-L-リジン(poly-L-lysine)であることができる。
【0045】
一側によると、前記(d)ステップの前記アミノシランは、リジンよりも高い重量で含まれるものであることができる。具体的には、前記アミノシラン及びリジンは、1:1~1000:1の重量比を有するものであることができる。好ましくは、前記重量比は、500:1であることができる。アミノシランはリジンとの混合溶液形態でスピキュールに反応し、好ましくは、スピキュール1重量部に対して0.01重量部~5重量部で混合比率を異にすることができる。前記範囲を外れる場合、スピキュールにダイヤモンドと有効成分が包接される効率が低下する問題が生じることがある。
【0046】
下記実施例5及び6で検証するように、アミノシラン及びリジンの混合重量比が500:1である場合、最も優れた蛍光コラーゲン包接能力と皮膚吸収程度とを示しており、特により良い経皮吸収率を示すことができる。
【0047】
前記(d)ステップのアミノ基のコーティングは、針状型体の表面を改質するステップで、好ましくは、シリカコーティング後に行われる。前記アミノ基をコーティングする反応は、好ましくは25~50℃で30分~2時間行われ、50~300MPaの圧力が1~10分間加えられる超高圧処理が行われる。前記反応条件下でアミノ基への改質が優秀に行われる。
【0048】
一側によると、前記(e)ステップの前記ダイヤモンドは、マイクロダイヤモンド、ナノダイヤモンド、及びコロイドダイヤモンドからなる群から選ばれる一つ以上であることができる。
【0049】
一側によると、前記第1の有効成分及び第2の有効成分は、それぞれコラーゲン、フィッシュコラーゲン、ナノコラーゲン、低分子コラーゲン、植物性コラーゲン、コラーゲンペプチド、アミノ酸、トリペプチド、テトラペプチド、及び水溶性ビタミンからなる群から選ばれる一つ以上であり、前記第1の有効成分と第2の有効成分とは同一であるか、又は異なる成分であり得る。
【0050】
本発明の他の実施例によると、前記方法で製造されたスピキュールを含む化粧料組成物が提供される。前記スピキュールの含量は特に限定されないが、好ましくは、化粧料組成物100重量部を基準として0.1~5重量部であることができる。前記組成で最も優れた経皮吸収率及び皮膚剥離効果を示すことができる。
【0051】
前記化粧料組成物に含有される皮膚改善有効成分とは、皮膚機能を改善ないし向上するための成分、皮膚状態悪化を抑制するための成分、又は皮膚の短所を補完したり、長所を浮き彫りにするための成分などが含まれ得る。前記有効成分の含量は、特に限定されないが、好ましくは、化粧料組成物100重量部を基準として0.05~1重量部であることができる。併せて、本発明による化粧料組成物には、前記有効成分の他に、通常の化粧料組成物に含まれる様々な成分が含まれ得る。例えば、全ての分散剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、保湿剤、安定化剤、溶解化剤、顔料、及び香料などのマスクシートに通常的に使用される全ての物質を含むことができる。
【0052】
一側によると、前記化粧料組成物は、皮膚角質剥離効果を有することができる。
【0053】
一側によると、前記化粧料組成物は、しわの改善効果を有することができる。
【0054】
このような本発明の一実施例による化粧料組成物は、化粧料組成物の分野で通常的に使用される精製水、抗酸化剤、安定化剤、顔料、又は香料などをさらに含むことができる。
【0055】
また、本発明の一実施例による化粧料組成物は、通常的な剤形で製造できる。具体的には、化粧水(スキンローション)、スキンソープナー、スキントナー、アストリンジェント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、アイクリーム、ハンドクリーム、ファンデーション、エッセンス、栄養エッセンス、アイエッセンス、パック、石鹸、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディローション、ボディクリーム、ボディクレンザー、懸濁液、ゲル、粉末、ペースト、マスクパック又はシート又はエアロゾル組成物を含む剤形で製造することができる。また、ゲル又はクリーム状、ペースト状、固体相などの皮膚に水分感を提供するのに適した様々な性相として適用可能であり、具体的にはシャーベット又はスラッシュのような粒子感のゲルクリーム状であることができる。このような剤形の組成物は、当該分野において通常的な方法によって製造することができる。
【0056】
一具体例において、前記組成物は、オイル類、精製水、乳化剤、分散剤、色素、香料、紫外線遮断剤、甘味料、ビタミン、及び金属イオン封鎖剤からなる群から選ばれる一つ以上をさらに含むものであることができる。また、一具体例において、前記組成物は、防腐剤0.1重量%~3.0重量%をさらに含むものであることができる。
【0057】
前記オイル類などの追加成分の配合量は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲内で当業者が容易に選定できる。
【0058】
一具体例による化粧料組成物は、好ましくはクリーム剤形であることができる。例えば、前記化粧料組成物がクリーム剤形を有する場合、本発明のコーティングされたスピキュールをまんべんなく含有することができ、肌の保湿に効果的でありながらスピキュールを肌に浸透させるのに効果的である。
【0059】
一具体例による化粧料組成物は、また、化粧品に通常使用される追加成分、例えば分散剤、増粘剤、色素、香料、充填剤、保存剤、防腐剤、中性化剤、紫外線遮断剤、甘味料、ビタミン、フリーラジカルスケビンジャー、金属イオン封鎖剤、及びこれらの混合物から選ばれる任意の通常的な美容成分をさらに含むことができる。
【実施例
【0060】
以下で、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられることがあり、特許出願の権利範囲がこのような実施例によって制限されるか限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれるものと理解されるべきである。
【0061】
実施例で使用した用語は、単に説明を目的として使用されたもので、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味がない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の異なる特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0062】
別段の定義がない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明らかに定義しない限り、理想的かつ過度に形式的な意味として解釈されない。
【0063】
また、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号に関係なく、同一の構成要素は同一の参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施例を説明するにあたって、関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に曇らせる可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0064】
[実施例1.スピキュールの修得]
実施例1-1.スピキュールの洗浄
針状型構造体でロシア産スポンジララクストリスエル(Spongilla lacustris L.)から抽出したスピキュールを使用し、内孔が形成されているスピキュールである。内孔が形成されているスピキュールは次の過程を経て洗浄した。スピキュール100gを精製水1,000mlに入れて塩分を除去し、400メッシュ(mesh)ポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたスピキュールを精製水で2回洗浄した。その後、70%エタノール1,000mlに入れて殺菌した後、400メッシュ(mesh)ポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたスピキュールを精製水で2回洗浄した。その後、洗浄したスピキュールを乾燥機(hanbaeksci社)に投入し、50℃で乾燥した。
【0065】
前記乾燥されたスピキュールに残存する不純物を除去するために乾燥されたスピキュールを35%過酸化水素水(H2O2)(SAMCHUN CHEMICALS社)1,000mlに入れ、60℃で超音波洗浄器(Sungdong Ultrasonic社)を用いて300W及び40kHz条件で1時間超音波で処理した。その後、400メッシュ(mesh)ポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたスピキュールを精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、洗浄されたスピキュールを乾燥機に投入し、50℃で乾燥させる過程を経てスピキュールの洗浄を完了した。
【0066】
実施例1-2.スピキュールの内孔に第1の有効成分包接
前記洗浄されたスピキュール100gに1N HCL(シグマ-アルドリッチ社)500mlを添加して1時間反応させた後、1N NaOH(シグマ-アルドリッチ社)500mlを添加して中和させた。その後、10%過炭酸ナトリウム1,000mlを添加し、1時間反応させて内孔の有機不純物を除去した。
【0067】
スピキュールと第1の有効成分であるコラーゲンが含有された混合液10gをビニールパックに入れて真空減圧した後、高圧処理機(日新オートクレーブ社、Suflux(登録商標))を用いて150MPaの圧力で5分間加圧処理した。次いで、400メッシュ(mesh)ポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたスピキュールを精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、洗浄されたスピキュールを乾燥機に投入し、50℃で乾燥させる過程を経て包接されたスピキュールの洗浄を完了した。
【0068】
実試例1-3.シリカコーティング
前記実試例1-2で得られたスピキュールを1%テトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate)溶液で1時間反応させてスピキュールにシリカをコーティングした。
【0069】
実試例1-4.アミノ基コーティング
実試例1-3で得られたシリカがコーティングされたスピキュール1重量部に対して3-アミノプロピルトリメトキシシラン0.01重量部及びポリ-L-リジン(poly-L-lysine)0.01重量部(混合比1:1)及び水98.98重量部を添加し、1時間反応させてスピキュールにアミノ基をコーティングした。その後、スピキュールを精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、蛍光物質であるFITC(Fluorescein-5-isothiocyanate、ThermoFisherscientific社)が結合されたコラーゲン(シグマ-アルドリッチ社)とナノダイヤモンドを0.01重量%添加して常温で1時間反応させた。
【0070】
次に、製造された混合液を400メッシュ(mesh)ポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたダイヤモンド結合構造体を精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、洗浄されたダイヤモンド結合構造体を乾燥機に投入し、50℃で乾燥させる過程を経て、内孔にコラーゲンが含有され、ダイヤモンド、蛍光コラーゲンがスピキュールのアミノ基に結合された針状型構造体を得た。
【0071】
[実施例2.アミノシラン対ポリリジン重量比10:1の製造例示]
前記実施例1のように製造するものの、アミノ基コーティングに使用される溶液組成のみを異にした。スピキュール1重量部に対して、3-アミノプロピルトリメトキシシラン0.1重量部及びポリ-L-リジン(poly-L-lysine)0.01重量部(混合比10:1)及び水98.89重量部を添加し、1時間反応させてアミノ基をコーティングした。アミノ基コーティングに使用される溶液組成を除いて、他の反応条件は全て実施例1と同一であった。
【0072】
[実施例3.アミノシラン対ポリリジン重量比100:1の製造例示]
前記実施例1のように製造するものの、アミノ基コーティングに使用される溶液組成のみを異にした。スピキュール1重量部に対して、3-アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及びポリ-L-リジン(poly-L-lysine)0.01重量部(混合比100:1)及び水97.99重量部を添加し、1時間反応させてアミノ基をコーティングした。アミノ基コーティングに使用される溶液組成を除いて、他の反応条件は全て実施例1と同一であった。
【0073】
[実施例4.アミノシラン対ポリリジン重量比500:1の製造例示]
前記実施例1のように製造するものの、アミノ基コーティングに使用される溶液組成のみを異にした。スピキュール1重量部に対して、3-アミノプロピルトリメトキシシラン5重量部及びポリ-L-リジン(poly-L-lysine)0.01重量部(混合比500:1)及び水93.99重量部を添加し、1時間反応させてアミノ基をコーティングした。アミノ基コーティングに使用される溶液組成を除いて、他の反応条件は全て実施例1と同一であった。
【0074】
比較例1
スピキュール内孔に第1の有効成分を包接することなく、シリカコーティング及びアミノ基コーティング過程も経ていないスピキュールを精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、蛍光物質であるFITC(Fluorescein-5-isothiocyanate、ThermoFisherscientific社)が結合されたコラーゲン(シグマ-アルドリッチ社)とナノダイヤモンドを0.01重量%添加して常温で1時間反応させた。次に、製造された混合液を400メッシュ(mesh)ポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたダイヤモンド結合構造体を精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、洗浄されたダイヤモンド結合構造体を乾燥機に投入し、50℃で乾燥させる過程を経て、スピキュール外面にのみダイヤモンドとコラーゲンとを有する針状構造体を得た。
【0075】
比較例2
前記実試例1-1~1-3までの過程のみを経て得られたシリカのみコーティングされたスピキュールを得た。次いで、スピキュールを精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、蛍光物質であるFITCが結合されたコラーゲン(シグマ-アルドリッチ社)とナノダイヤモンドを0.01重量%添加して常温で1時間反応した。次に、製造された混合液を400meshポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたダイヤモンド結合構造体を精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、洗浄されたダイヤモンド結合構造体を乾燥機に投入し、50℃で乾燥させる過程を経てダイヤモンド、蛍光コラーゲンがスピキュールのアミノ基に結合された構造体を得た。この針状構造体は、アミノ基コーティングが行われなかった。
【0076】
比較例3
前記実施例1-1~1-3までの過程のみを経て得られたシリカのみコーティングされたスピキュール1重量部に3-アミノプロピルトリメトキシシラン溶液0.01重量部と水99.9重量部を添加して1時間反応してアミノ基をコーティングした。次いで、スピキュールを精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、蛍光物質であるFITCが結合されたコラーゲン(シグマ-アルドリッチ社)とナノダイヤモンド0.01重量%を添加して常温で1時間反応した。次に、製造された混合液を400meshポリエチレン(PE)のろ過網でろ過した後、ろ過網に残されたダイヤモンド結合構造体を精製水500mlで洗浄する過程を3回繰り返した。その後、洗浄されたダイヤモンド結合構造体を乾燥機に投入し、50℃で乾燥させる過程を経てダイヤモンド、蛍光コラーゲンがスピキュールのアミノ基に結合された構造体を得た。この針状構造体のアミノ基コーティングではポリ-L-リジンが使用されなかった。
【0077】
前記比較例及び実施例のスピキュール製造条件と、その結果得られたスピキュール構造体の外部のダイヤモンドとコラーゲンとの融合率結果をまとめると、下記表1のとおりである。下記ダイヤモンドコラーゲン融合率(%)は、次のように計算された。
融合率(%)=(ダイヤモンドコラーゲン融合後、スピキュールに結合されたコラーゲンの蛍光値)/(全体使用されたコラーゲンの蛍光値)×100
【0078】
【表1】
【0079】
上記表1を見ると、本願発明の実施例のダイヤモンドとコラーゲンとの融合率に優れていることがわかる。
【0080】
実験例1.内孔包接評価
内孔包接評価のために内孔包接が行われていない比較例1のスピキュールと、内孔包接が行われた比較例2のスピキュールを選定して評価した。スピキュール5mg、FITC1mgを精製水0.2mlに入れて混合して混合液を製造した後、製造された混合液で0.1mgスピキュールを取ってスライドグラスに載せ、蛍光顕微鏡(Nikon社、Ts2-FL)GFPフィルターで観察し、その結果を図2に示した。図2に示されたように、内孔包接が行われていない比較例1のスピキュールに比べて内孔包接が行われた比較例2のスピキュールに優れた蛍光を示した。すなわち、スピキュールの内孔包接を通じて有効成分をスピキュール内部に含浸させることができることを確認した。
【0081】
実験例2.蛍光コラーゲン包接評価
スピキュールの蛍光コラーゲン包接能力評価のために、比較例3、4及び実施例1~4で得られたスピキュールを対象として下記のように評価した。スピキュール5mgを精製水0.2mlに入れて混合して混合液を製造した後、製造された混合液でスピキュール0.1mgを取ってスライドグラスに載せ、蛍光顕微鏡(Nikon社、Ts2-FL)GFPフィルターで観察し、その結果を図3に示した。図3に示されるように、実施例4で蛍光コラーゲンの包接が優秀に行われることが確認できた。
【0082】
実験例3.化粧料組成物の製造及び機能性評価
3-1.化粧料組成物の製造
上記表1の比較例2及び実施例1~4のスピキュールを用いて化粧料組成物を製造した。具体的には、グリセリン(保湿剤)10.0重量%、ブチレングリコール3.0重量%、ソジウムクロライド1.0重量%、ハイドロライズドコラーゲン4.0重量%を精製水59.675重量%に入れ、1,000rpmで10分間撹拌して水相溶解物を製造した。その後、油相溶解物を製造するために、カプリリック/カプリックトリグリセリド(オイル)8.0重量%、ダイアイソステアリルマレート(オイル)4.0重量%、セチルピイジ/ピピジ-10/1ジメチコン(乳化剤)4.0重量%、ブチレングリコールジカプリレート/ジカプレート3.0重量%を混合して60℃で加温溶解し、製造された水相溶解物を入れ、1,000rpmで撹拌して有相溶解物を製造した。その後、スピキュール(それぞれ、前記比較例3、4及び実施例1~4)化粧料組成物の全重量に対して2重量%をさらに投入し、2,000rpmで60℃で5分間撹拌した。最後に、ダイヤモンドパウダー0.025重量%保存剤1.0重量%、香料0.3重量%を投入し、3,000rpmで50℃で5分間撹拌する過程を経て化粧料組成物を製造した。以下、前記比較例3及び4のスピキュールを配合して得られた化粧料組成物をそれぞれ組成物1及び2と、前記実施例4のスピキュールを配合して得られた化粧料組成物をそれぞれ組成物3と称する。
【0083】
3-2.化粧料組成物の皮膚吸収程度評価
前記3-1で得られた組成物1~3を対象として皮膚吸収(浸透)程度を確認するための実験を行った。前記組成物1~3それぞれを豚皮膚(Franz Cell Membrane、FCM、APURES社)に塗布する過程を経て得られた豚皮膚の組織切片を蛍光顕微鏡(Nikon社、Ts2-FL)で観察し、その結果を図4及び表2に示した。この際、前記組織切片は、前記組成物0.25gを豚皮膚(2×2cm)に伸ばして塗る過程を10分間隔で4回繰り返し、24時間常温で放置した後、3.7%ホルムアルデヒド(シグマ-アルドリッチ社)2mlに20分間入れて固定し、1XPBSで3回洗浄した後、OCT(Optimal cutting temperature ompound、サクラファインテック社)に入れて-20℃で凍結し、cryostat microtome(ライカバイオシステムズ社)で15μm厚さで切り出して得られたものであった。
【0084】
【表2】
【0085】
図4と表2を参照すると、組成物1及び2は皮膚経皮及び真皮層で蛍光が観察されない反面、組成物3は、皮膚表皮及び真皮層で蛍光が観察されることが確認できた。これは、蛍光タンパク質が上記表皮及び真皮層までに浸透したためであり、本発明による化粧料組成物の皮膚吸収(浸透)程度が非常に優れていることを裏付ける。
【0086】
3-3.皮膚剥離評価
組成物1及び組成物3の化粧料組成物の皮膚角質剥離程度を確認するために、満20~40歳の成人男女15名を対象として角質剥離効果を測定し、その結果を図5に示した。具体的には、試験対象者は、試料塗布前10重量%のジヒドロキシアセトンをヒルトップチャンバーに入れて腕上膊部の内側に5時間付着した。24時間経過後、着色された部位の色をクロマメーター(Minolta社)で測定し、試料塗布前と後との色の違いを測定した。2週間、毎日午前午後、各々2回にわたって組成物1及び組成物3の化粧料組成物を適量取り、患部に塗った。その後、脱色程度をクロマメーターで測定し、元の肌色に戻るのにかかる時間を測定した。角質剥離率は、下記式のように計算された。
角質剥離率(%)=(ブランクのTurnover time-試料塗布時のTurnover time)/(ブランクのTurnover time)*100
ブランクのTurnover time:試料無処理群の角質層が新しい角質層に置き換えられるのにかかる時間
試料塗布時のTurnover time:試料処理群の角質層が新しい角質層に置き換えられるのにかかる時間
【0087】
図5に示されるように、組成物3を処理した群で優れた角質剥離率を示した。
【0088】
3-4.目元のしわの改善評価
組成物3の皮膚老化の防止効果を確認するため、世明大学校化粧品臨床研究支援センターの標準運営指針(SOP)に基づき、目元のシワの改善可否を評価し、その結果を図6に示した。具体的には、満20~55歳の女性試験対象者20名(平均年齢満42.9歳)が4週間、毎日午前午後2回にわたって組成物3の化粧料組成物を適量取り、目元に塗った。その後、目元のシワの分析のために恒温恒湿(22±2℃、RH40~60%)の条件で、2週間及び4週間後に試験対象者の目元をアンテラ3D(Antera3D、Miravex、Ireland)で映像化した後、機器で提供する分析プログラム(Antera3D software、Miravex、Ireland)を使用して機器的分析値を測定した。図6の左側の写真は、0週目と4週目での同一部位を写真撮影したものであり、右側のグラフは、目元のしわの減少率を示したものである。組成物3の化粧料組成物を使用することにより、目元のしわが0週目に比べて4週目で13.8%改善されたことを確認することができた。
【0089】
実験例4.化粧料組成物のin vitroコラーゲン生成効果の確認
4-1.実験材料及び準備
前記組成物3のアイボリー色のクリーム色剤形を用いて、in vitroコラーゲン生成効果を確認した。
【0090】
細胞実験に使用されたFetal bovine seru(FBS)、r-Human Fibroblast Growth Factor-B(rhFGF-B)、INSULIN、Gentamicin sulfate、Amphotericin-(GA1000) Fibroblast Basal Medium(FBM)はLonz(USA)から購入して使用し、EZcytoxはDAEILLAB SERVICE(Korea)から購入して使用した。特に、細胞内コラーゲン生成測定試験は、化粧料組成物の最終濃度が0.001%、0.005%、及び0.010%(以下、「各実験群」)である培養培地を準備した。下記の実験は、P&K皮膚臨床研究センターで行った。
【0091】
4-2.細胞株選択及び細胞培養
ヒト線維芽細胞株であるNHDF(Normal Human Dermal Fibroblasts)細胞をLonzaから分譲され、0.1%INSULIN、0.1%rhFGF-B、0.1%GA-1000と2%fetal bovine serum(FBS)が含有されたFBM培地を使用して37℃、5%CO2恒温器で培養し、2~3日に1回ずつ継代培養を行った。
【0092】
4-3.細胞生存率評価
前記培養されたNHDF細胞を24-well plateに2.0×104cells/wellの濃度で接種して24時間培養した後、各実験群培地をserum-free FBMに交換した後、24時間培養した。培養後、EZ-Cytoxを1wellあたり50μlずつ加え、さらに1時間培養した。培養した培地を96well plateに移し、VERSA max microplate reader(Molecular devices、LCC、USA)を用いて450nmで吸光度を測定した。各試料群に対する平均吸光度値を求め、対照群である組成物1の吸光度値と比較して細胞生存率を調査した。
【0093】
その結果、図7に示したように、本発明の化粧料組成物は、対照群である組成物1に比べて細胞毒性がないことを確認した。
【0094】
4-4.コラーゲン生成量定量
前記NHDF細胞を24-well plateに2.0×104cells/wellの濃度で接種して24時間培養した後、各実験群培地をserum-free FBMに交換した後、24時間培養した。24時間培養後、上層液を取り、培地中に遊離したプロコラーゲンの量をProcollagen Type IC-peptide(PIP) EIA Kitを用いた。VERSA max microplate reader(Molecular devices、LCC、USA)を用いて450nmで吸光度を測定した。
【0095】
その結果、図8に示したように、本発明の化粧料組成物は細胞内コラーゲン(PIP)生成量を濃度依存的に有意に増加させた。具体的には、0.001%~0.010%濃度の化粧料組成物から濃度依存的に細胞内コラーゲン(PIP)生成量を138.52%~166.20%に有意に増加させた。
【0096】
4-5.コラーゲン繊維生成蛍光イメージの測定
前記NHDF細胞を24-well plateに2.0×104cells/wellの濃度で接種して24時間培養した後、各濃度毎に希釈した試料が含まれたserum-free FBMに交換した後、24時間培養した。24時間培養後、HEPES-BSS洗浄後、免疫蛍光染色方法により細胞内コラーゲン繊維を染色した。その後、蛍光顕微鏡で蛍光発現程度を測定した。前記結果はいずれも平均値±標準偏差と表示し、表示された実験結果は、3回以上の独立した実験結果であり、統計的な有意性はIndependent t-testでp<0.05の有意水準で検証した。
【0097】
その結果、図9に示したように、本発明の化粧料組成物を処理する場合、全ての濃度でコラーゲン繊維生成程度が増加することを確認した。
【0098】
実験例5.化粧料組成物の皮膚吸収度確認
5-1.試験対象者選定
下記表3のように、除外条件はなく、(i)目元のしわ、ほうれい線、額のしわ、首のしわ、眉間のしわがあり、(ii)試験責任者又は試験責任者の委任を受けた人から試験対象者に知らせるべき事項について十分説明を受けて自発的に同意書を作成して署名し、(iii)感染性皮膚疾患及び慢性身体疾患のない健康な者として、(iv)試験期間中に追跡観察が可能な(v)満20~59歳の成人女性を21名選定した。
【0099】
【表3】
【0100】
前記試験対象者21名の平均年齢は満48.762歳で、40代11名、50代10名で構成された。また、試験対象者21名の皮膚状態は、乾性皮膚14名、中乾性皮膚4名、中性皮膚3名であった。
【0101】
また、各試験対象者毎に皮膚疾患、かゆみ、痛み、紅斑、化粧品副作用、医薬品副作用、光敏感性、アトピー疾患の経験に対するアンケートに該当する試験対象者はおらず、その他の項目に対する経験のある試験対象者はいなかった。
【0102】
試験に関する説明後、試験参加に同意し同意書に署名した前記試験対象者を対象として、下記表4のように測定を進めた。製品使用後は皮膚症状評価を実施した。試験終了後は有効性及び嗜好度アンケート調査を実施した。
【0103】
【表4】
【0104】
5-2.測定方法
機器的評価のために、試験対象者は室内温度20℃~24℃、湿度40~60%の恒温恒湿条件の控室で30分間安定を取り、皮膚表面温度と湿度を測定空間の環境に適応させ、安定を取っている間には水分摂取を制限した。客観的測定のために研究者1人が測定し、毎測定時に同じ部位を測定した。
【0105】
5-3.皮膚吸収度、吸収深さ、吸収速度確認
皮膚吸収度は、3D Raman Microscopy System Nanofinder(登録商標)30(TOKYO INSTRUMENTS、Japan)を使用して測定した。
【0106】
特に、試験に使用された3Dラマンシステムは、x、y、z方向の微細な間隔調節ができるように製作された装備であって、z軸焦点距離を皮膚表面から皮膚の奥までにマイクロメーター単位で移動させることができる。したがって、試験対象者の皮膚損傷なしに深さによる3次元ラマンスペクトルイメージを得ることができ、これを用いると化粧品の皮膚吸収度を決定することができる。
【0107】
3次元ラマンスキャニングは、試験対象者の左側前膊部に3×4cm2試験/対照部位の二つの領域を区画した後、前膊部を装備に固定した状態で行われており、それぞれ製品使用前と使用30分後に測定した。測定に使用されたレーザーは785nmであり、スキャニングステップは5μmで固定した。xとy軸方向には5ポイントを、z軸方向には11ポイントをつけるように設定したので、化粧品の皮膚吸収度を皮膚表面から50μm深さまで知ることができる。また、これを吸収深さ(μm)と吸収速度(μm/h)に換算することができる。
【0108】
皮膚吸収度は2Dイメージ上でz軸を5μm間隔で10等分して合計10段階で評価した。したがって、皮膚吸収深さは製品使用前と使用30分後の皮膚吸収度変化量に5μmを乗じて換算可能であり、皮膚吸収速度は吸収深さを使用時間である0.5時間を分けて換算可能であった。
【0109】
表5、図10及び図11に示したように、使用前と比較して、本発明の組成物3を使用し、30分後に皮膚吸収度が統計的に有意に改善された。
【0110】
また、組成物3はダイヤモンドコーティングをしていないスピキュールを含む対照群である組成物1と比較して、1.871倍及び187%効果が顕著であり、使用30分後にも統計的に有意な差が現れることを確認した。このような結果は、ダイヤモンドコーティングをした本発明の化粧料組成物が、そうでない対照群よりも顕著な皮膚吸収効果があることを意味する。
【0111】
【表5】
【0112】
皮膚吸収深さの測定結果、表6、図12及び図13に示したように、使用前と比較して、本発明の組成物3を使用した場合、対照群と比較して、1.791倍及び179%皮膚吸収深さが深いことを確認した。このような結果は、ダイヤモンドコーティングをした本発明の化粧料組成物がそうでない対照群よりも深く肌に吸収されて効果が顕著であることを意味する。
【0113】
【表6】
【0114】
皮膚吸収速度の測定結果、表7、図14及び図15に示したように、使用前と比較して、本発明の組成物3を使用した場合は対照群と比較して、1.971倍及び179%吸収速度がより速いことを確認した。このような結果は、ダイヤモンドコーティングをした本発明の化粧料組成物がそうでない対照群よりも速く肌に吸収され、効果が顕著であることを意味する。
【0115】
【表7】
【0116】
5-4.有効性アンケート調査
試験対象者が試験製品使用後、測定項目について非常に良い(4)、良い(3)、普通(2)、悪い(1)、非常に悪い(0)の5段階で直接アンケート資料に答えるようにした。研究者は各回答に対する試験対象者数の百分率を求め、試験製品の効能有無を判断した。
【0117】
下記表8のように、本発明の化粧料組成物に体感改善効果が高いことを確認した。
【0118】
【表8】
【0119】
5-5.製品嗜好度アンケート調査評価
試験製品使用後、製品使用感について試験対象者が直接アンケート資料に答えるようにした。評価項目は、肌のしっとり感、肌の滑らかさ、塗り心地、香り、全般的な使用感について非常に良い(4)、良い(3)、普通(2)、悪い(1)、非常に悪い(0)の5段階で評価するようにした。
【0120】
下記表9のように、本発明の化粧料組成物に対して試験対象者が感じる嗜好度が高いことを確認した。
【0121】
【表9】
【0122】
5-6.安全性評価及び異常反応評価
試験製品の安全性は、試験製品を使用した全ての試験対象者を対象として確認された異常反応と試験期間中に報告された全ての異常反応とを総合して異常反応発生率を求め、製品の安全性評価資料として使用した。また、試験製品使用中に発生した異常皮膚症状については、試験期間中にアンケート調査を通じて発生有無及び症状程度を確認した。結果的に、試験製品使用部位に対する研究者の目視評価結果と試験対象者のアンケート結果とを総合して評価した。安定性評価及び異常反応評価を行った。
【0123】
試験期間中、試験部位に対する研究者の目視評価結果、特別な皮膚異常反応は確認されなかった。また、試験対象者を対象としたアンケート調査の結果、皮膚異常反応に関する特別な報告はなく、試験期間中に異常反応が発生した試験対象者もいなかった。
【0124】
以上のように、実施例がたとえ限られた実施例と図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われるか、及び/又は、説明された構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられるか、他の構成要素又は均等物によって取り換え又は置き換えられても、適切な結果が達成できる。
【0125】
したがって、他の具現、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)スピキュールを洗浄するステップ;
(b)前記洗浄されたスピキュールの内孔に第1の有効成分を包接するステップ;
(c)前記内孔に第1の有効成分が包接されたスピキュールの外部をシリカでコーティングするステップ;
(d)前記シリカがコーティングされたスピキュールをアミノシラン及びリジン(lysine)と反応させてアミノ基をコーティングするステップ;及び
(e)前記アミノ基がコーティングされたシリカに第2の有効成分とダイヤモンドとをコーティングするステップ;
を含み、
前記第1の有効成分及び第2の有効成分は、それぞれコラーゲン、フィッシュコラーゲン、ナノコラーゲン、低分子コラーゲン、植物性コラーゲン、コラーゲンペプチッド、アミノ酸、トリペプチド、テトラペプチド、及び水溶性ビタミンからなる群から選ばれる一つ以上であり、
前記第1の有効成分と第2の有効成分とは同一であるか、又は異なる成分であるものである
皮膚改善に有効な成分とダイヤモンドとがコーティングされたスピキュールの製造方法。
【請求項2】
前記(d)ステップのアミノシランは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(3-aminopropyltrimethoxysilane)である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項3】
前記(d)ステップのリジンは、ポリ-L-リジン(poly-L-lysine)である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項4】
前記(d)ステップのアミノシラン及びリジンの混合比率は、1:1~500:1の比率である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項5】
前記(e)ステップの前記ダイヤモンドは、マイクロダイヤモンド、ナノダイヤモンド、及びコロイドダイヤモンドからなる群から選ばれる一つ以上である、請求項1に記載のスピキュールの製造方法。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法で製造されたスピキュールを含む化粧料組成物。
【請求項7】
前記化粧料組成物は、皮膚角質剥離効果を有するものである、請求項に記載の化粧料組成物。
【請求項8】
前記化粧料組成物は、しわの改善効果を有するものである、請求項に記載の化粧料組成物。
【国際調査報告】