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特表2024-509029動的に調整可能なカラー照明スペクトルを有するカプセル型内視鏡
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】動的に調整可能なカラー照明スペクトルを有するカプセル型内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/06 20060101AFI20240221BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
A61B1/06 611
A61B1/00 C
A61B1/06 613
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537216
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 US2021062796
(87)【国際公開番号】W WO2022132579
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】17/124,277
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521445937
【氏名又は名称】アンクス ロボティカ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ANX ROBOTICA CORP
【住所又は居所原語表記】7213 Regency Court, Plano, Texas 75024 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】ドゥァン シャォドン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161CC06
4C161DD07
4C161FF14
4C161FF15
4C161LL01
4C161MM05
4C161NN01
4C161QQ07
4C161QQ09
4C161RR03
4C161RR05
(57)【要約】
【課題】カラー照明スぺクトルを動的に調整するカプセル型内視鏡装置、システム及び方法において、複数の異なるカラーグループのLEDsは、イメージセンサによって記録された、複数の異なる波長域に対応する光を出射することができる。駆動回路は、LEDsの各異なるカラーグループを独立してアクティブにするために、全くまたは一部が重ならない時間パルスの期間に駆動電流を転送することができる。任意の時間に独立してLEDsの単一のカラーグループをアクティブにし、連続する時間パルス中でLEDsの複数の異なるカラーグループを順次アクティブにして、複数の時間パルス上で白色光または多色照明スペクトルをシミュレートする。柔軟でカスタマイズ可能な照明スペクトルを実現するために、LEDsのカラーグループのアクティブモードをリアルタイムで動的に調整することができる。当該照明スペクトルは、例えば、胃腸管(GI)内の様々な異なる環境をイメージングするために理想的に使用される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー照明スペクトルを動的に調整可能なカプセル型内視鏡であって、
少なくとも1つの透明な光学端を有し、且つ電子部品をその中に封入するカプセル状本体と、
前記少なくとも1つの透明な光学端の後ろの嚢状体の内部に収容されて、体内の画像を記録するために配置されたイメージセンサと、
イメージセンサによって記録される光を出射するように構成され、複数の異なる対応する波長サブ範囲に対応する複数の異なるカラーグループの発光ダイオード(LEDs)と、
完全または部分的に重ならない時間パルスの間に駆動電流を送信して、各異なる色のLEDグループを独立にアクティブ化させ、任意の時間に独立して単色のLEDグループをアクティブ化させ、連続する時間パルスの中で前記複数の異なるカラーグループのLEDsを順次にアクティブ化させて、複数の時間パルスにおいて白色光または多色照明スペクトルをシミュレートするように構成された駆動回路と、を備える、カラー照明スペクトルを動的に調整可能なカプセル型内視鏡。
【請求項2】
前記駆動回路は、前記複数の異なるカラーグループのLEDsのうちの1つまたは複数をアクティブ化するための、全てまたは一部が重ならない時間パルスの持続時間または駆動電流の強度を動的に調整する、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項3】
前記駆動回路は、前記カプセル型内視鏡がリアルタイムに収集した画像又は位置情報に基づいて、フィードバックループにより、前記全てまたは一部が重ならない時間パルスの継続時間又は前記駆動電流の強度を動的に調整する、請求項2に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項4】
前記駆動回路は、複数の専用の制御回路に接続され、前記複数の専用の制御回路は、それぞれ独立して、前記複数の異なるカラーグループのLEDsのうちの1つ異なるLEDグループを起動する、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項5】
前記イメージセンサは、単一のカラーグループのLEDsがアクティブ化され、且つ他のカラーグループのLEDsがアクティブ化されていない場合に、単一のカラーグループにおける各画像を記録するように構成される、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項6】
前記カプセル型内視鏡は、1つまたは複数のプロセッサを有し、前記1つまたは複数のプロセッサは、前記複数の異なる色の画像群からの2つ以上の画像を組み合わせて、白色光または非白色の多色画像を形成する、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項7】
前記イメージセンサは、白色光または非白色の多色画像を記録するように構成され、前記白色光または非白色の多色画像は、2つ以上の対応する時間パルスの間に、前記複数の異なるカラーグループのLEDsのうちの2つ以上から発せられる光の散乱を描いている、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項8】
前記カプセル型内視鏡は、1つまたは複数のプロセッサを含み、前記1つまたは複数のプロセッサは、前記複数のカラーグループのLEDsのうちの1つまたは複数をアクティブ化するように構成され、前記複数のカラーグループのLEDsは、前記イメージセンサの吸収スペクトルにマッチングする波長範囲中の光を発する、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項9】
前記複数のカラーグループのLEDsは、1つ以上のクラスターとして配置され、各クラスターは、前記複数の異なるカラーグループからの2つ以上のLEDsから構成される、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項10】
異なるカラーグループのLEDsは、生体組織に吸収された光をそれぞれ異なる透過深さで放出し、それにより、前記透過深さ間の差異が照明された生体組織の深さプロファイルを生成し、前記カプセル型内視鏡は、前記深さプロファイルに基づいて前記生体組織の三次元画像をシミュレートするための1つまたは複数のプロセッサを含む、請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
【請求項11】
動的に調整可能なカラー照明スペクトルを放出するために体内カプセル型内視鏡を操作する方法であって、
複数の異なるカラーグループの発光ダイオード(LEDs)を、完全にまたは部分的に重ならない時間パルスの期間に順次アクティブ化させ、前記複数の異なるカラーグループのLEDsに複数の異なる対応する波長サブ範囲の光を用いて生体組織を照射させるステップと、
イメージセンサによって、完全にまたは部分的に重ならない時間パルスの期間に対応する複数のカラーグループのLEDsから放出される光の散乱を描く複数の異なるカラーグループの画像を順次に記録するステップと、
前記複数の異なるカラーグループの画像群を記憶するステップと、
複数の異なるカラーグループからの画像群のうちの2つ以上の画像を組み合わせて、白色光または非白色多色画像を形成するステップと、を備える、カプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項12】
前記異なるカラーグループの画像が合成される割合を調整し、さらに、前記白色光または非白色多色画像の照明スペクトルを調整するために、前記完全にまたは部分的に重ならない時間パルスの持続時間または前記複数の異なるカラーグループのLEDsのうちの1つまたは複数をアクティブ化するための駆動電流の強度を動的に調整することをさらに含む、請求項11に記載のカプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項13】
前記方法は、フィードバック回路に応答して、前記カプセル型内視鏡がリアルタイムで取得した画像又は位置情報に基づいて、前記全てまたは部分的に重ならない時間パルスの持続時間又は前記駆動電流の強度を動的に調整することを含む、請求項12に記載のカプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項14】
異なるカラーグループの専用制御回路を介して、前記複数の異なるカラーグループのLEDsの各々を独立してアクティブ化することを含む、請求項11に記載のカプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項15】
単一のカラーグループのLEDsがアクティブ化され、且つ他のカラーグループのLEDsがアクティブ化されていない場合には、単一のカラーグループの各画像を記録することを含む、請求項11に記載のカプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項16】
複数の異なるカラーグループのLEDsがアクティブ化される際に、複数の完全または部分的に重ならない時間パルスの期間に記録された前記複数の異なるカラーグループの画像群のうちの2つ以上の組み合わせから前記白色光または非白色多色画像を合成する、請求項11に記載のカプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項17】
前記白色光または非白色多色画像の照明スペクトルと前記イメージセンサの吸収スペクトルとをマッチングすることを含む、請求項11に記載のカプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項18】
LEDsの異なる対応する複数のカラーグループから放出された光によって異なる透過深さで生体組織を照射することと、
前記透過深さ間の前記差異に基づいて、前記生体組織の深さプロファイルを生成することと、
前記深さプロファイルに基づいて前記生体組織の三次元画像をシミュレートすることと、を含む、請求項11に記載のカプセル型内視鏡の動作方法。
【請求項19】
動的に調整可能なカラー照明スペクトルを放出するために体内カプセル内視鏡を操作する方法であって、
複数の異なるカラーグループの発光ダイオード(LEDs)を、完全にまたは部分的に重ならない時間パルスの期間に順次活性化させ、前記複数の異なるカラーグループのLEDsに複数の異なる対応する波長サブ範囲の光を用いて生体組織を照射させるステップと、
イメージセンサに、関連する完全にまたは部分的に重ならない時間パルス中の2つ以上の組み合わせの間にLEDsの複数のカラーグループのうちの2つ以上から累積に放出された光の散乱を描写する白色光または非白色多色画像を記録するステップと、
前記白色光または非白色多色画像を記憶するステップと、を備える、カプセル内視鏡の動作方法。
【請求項20】
前記完全にまたは部分的に重ならない時間パルスの持続時間、または前記複数の異なるカラーグループのLEDsのうちの1つまたは複数をアクティブ化するための駆動電流の強度を動的に調整することで、前記白色光または非白色多色画像の照明スペクトルを調整することを含む、請求項19に記載のカプセル内視鏡の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連文献の相互参照〕
本願は、2020年12月16日に出願された米国特許出願第17/124277号の権利を要求し、その全ての内容は参照によってここに統合される。
【0002】
本願発明の実施形態は、摂取可能または体内カプセル型内視鏡撮像装置及びシステムに関し、例えば、胃腸管(GI)のイメージングに用いられる。
【背景技術】
【0003】
従来のカプセル型内視鏡は、照明源として発光ダイオード(LEDs)を用いていた。従来のLEDは、固定や調整不可な波長または照明スペクトルを有する。白色LEDの典型的な照明スペクトルは、赤、緑、青のLEDsを等しい割合(1:1:1の割合)で組み合わせている。これらのLEDsは、GI軌跡を不変の一定スペクトルで照らす。
【0004】
しかし、GI管は器官、通路、キャビティからなる多様なネットワークである。異なる解剖学的領域は異なる最適吸収スペクトルを有するため、異なる対応する最適照明スペクトルを有している。例えば、415nm(青色光)及び540nm(緑色光)付近の波長を照射すると、緻密な浅表血管ネットワークの領域(例えば、気管支樹及び結腸直腸領域付近)には最大吸収ピークを有する。逆に、白色光照明スペクトルは、胃によく見られる上皮下病変(SELs)のイメージングに最適である。従来のLEDは、カプセル型内視鏡がGIチャンネルを通過する全ての領域と同じ固定照明プロファイルを使用している。固定された照明分布は一部の領域にとって最適である可能性があるが、同じ照明分布は一般的に他の領域にとってセカンダリである。
【0005】
従って、胃腸管の様々な異なる領域で最適な照明スペクトルを提供する照明源が、当技術分野では長い間求めてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の複数の実施形態は、一種の適応照明源を提供することによって、当技術分野における上述のような長期的に感じられる必要性を解決した。この適応照明源は、GIチャネルの異なる対応領域に対して最適であると独立に決定された異なる照明スペクトルを提供している。順序付けられた時間パルスにおいてLEDの異なるカラーグループを独立にアクティブすることにより、任意の時間に単一のカラーグループ(そして、同一時間または重畳時間に他のカラーグループが存在しない)のみを照明するように、適応照明を実現することができる。その後、複数のカラーグループを累積的に組み合わせ、複数の時間パルスに白色光及び/又は多色(非白色)スペクトルを形成することで、画像を照明する。適応照明源は、さまざまな環境イメージングに最適な選択となるように、照明プロファイルをカスタマイズする柔軟性を提供している。
【0007】
本発明の実施形態では、カラー照明スペクトルを動的に調整するためのカプセル型内視鏡装置、システム及び方法が提供される。カプセル状本体は、少なくとも透明な光学端を有していてもよく、且つ電子部品をその中に封入する。体内の画像を記録するためのイメージセンサは、前記少なくとも1つの透明な光学端の後ろの嚢状体の内部に収容される。複数の異なる色のLEDグループは、イメージセンサにて記録されるべき光を放出することができる。複数の異なる色のLEDグループは、複数の異なる対応する波長サブ範囲に対応する。駆動回路は、駆動電流を送信して、異なる(例えば、完全にまたは部分的に重ならない)時間パルスの期間に各異なる色のLEDグループを独立にアクティブするようにする。これにより、単一の色のLEDが任意の時間に独立してアクティブされることが可能になり、且つ複数の異なるカラーグループのLEDが連続する時間パルスで順次にアクティブされて、複数の時間パルスにおいて白色光または多色照明スペクトルをシミュレートする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態において、動的に調整可能なカラー照明スペクトルを出射するためのカプセル型内視鏡装置、システム、及び方法が提供される。複数の異なる色のLEDグループは、完全または部分的に重ならない時間パルスの期間に順次にアクティブすることができる。ここで、前記複数の異なるLEDグループは、複数の異なる対応する波長サブ範囲中の光で生体組織を照射する。イメージセンサには、複数の異なる色の画像群が順次記憶されて記録されてもよい。前記画像群は、完全または部分的に重ならない時間パルス中にLEDの対応する複数のカラーグループから放出される光の散乱を描いている。複数の異なる色の画像群からの2つまたは2つ以上の画像を組み合わせて、白色光又は非白色の多色画像を形成してもよい。
【0009】
本発明の一実施形態では、動的に調整可能なカラー照明スペクトルを出射するためのカプセル型内視鏡装置、システム、及び方法が提供される。複数の異なるカラーグループの発光ダイオード(LED)は、完全にまたは部分的に重ならない時間パルスの間に順次アクティブされることができる。ここで、複数の異なるカラーグループのLEDは、複数の異なる対応する波長サブ領域中の光で生体組織を照射する。イメージセンサに白色光または非白色の多色画像を記録することができる。記憶された各白色光または非白色の多色画像は、関連する完全にまたは部分的に重ならない時間パルス中の2つ以上の組み合わせの間に、複数のカラーグループのLEDにおける2種類またはより多くの累積から放出された光の散乱によって描かれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
明細書の結論部分において特に指摘され且つ明確に保護を求められるものが本発明の主題とされている。ただし、本発明の構成及び運用方法、ならびにその目的、特徴や利点は、添付図面を合わせて、以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解することができる。ここで、
【0011】
図1A】本発明の幾つかの実施形態による動的に調整可能なカラー照明スペクトル及びそのコンポーネントを有する体内カプセル型内視鏡の分解概略図である。
【0012】
図1B】本発明の幾つかの実施形態によるGIチャンネル内で図1Aの体内カプセル型内視鏡を移動させるための外部磁気制御システムの概略図である。
【0013】
図2A】本発明の幾つかの実施形態による、白色光照明を生成するための複数のカラーグループのLED及びそれぞれの照明スペクトルの模式図である。
【0014】
図2B】本発明の幾つかの実施形態による、フィルタにより複数のカラーグループに分割された単一カラーグループ中のLEDの概略図である。
【0015】
図3A】本発明の幾つかの実施形態による、LEDsの複数の異なる対応するカラーグループに対応する複数の波長サブ範囲の強度のグラフである。
【0016】
図3B】本発明の幾つかの実施形態による、図3AのLEDsの3つの異なる対応するカラーグループに対応する3つの例示的な波長子範囲の強度の照明スペクトルの図である。
【0017】
図3C】本発明の幾つかの実施形態による太陽光(例えば、AM1.5)、例示的なLED白色光、及び例示的な蛍光の波長範囲の強度の照明スペクトルの図である。
【0018】
図4A】本発明の幾つかの実施形態による図1AのLEDアレイのクローズアップビューである。
【0019】
図4B】本発明の幾つかの実施形態による複数の時間パルスモードのグラフであり、その間、複数の異なるカラーグループのLEDsが独立してアクティブされる。
図4C】本発明の幾つかの実施形態による複数の時間パルスモードのグラフであり、その間、複数の異なるカラーグループのLEDsが独立してアクティブされる。
図4D】本発明の幾つかの実施形態による複数の時間パルスモードのグラフであり、その間、複数の異なるカラーグループのLEDsが独立してアクティブされる。
【0020】
図5A】本発明の幾つかの実施形態によるイメージセンサの概略図であり、当該イメージセンサはカラーフィルタアレイ(例えばベイヤフィルタ)によって作成される例示的なカラーパターンを有する。
【0021】
図5B】本発明の幾つかの実施形態によるイメージセンサの照明波長範囲における量子効率(QE)のグラフである。
【0022】
図6A】本発明の幾つかの実施形態による生体組織を照射して白色光画像または多色(非白色光)画像を生成するためのシステムの概略図である。
【0023】
図6B】本発明の幾つかの実施形態による、LEDsの3つの異なる対応するカラーグループに対応する3つの例示的な波長サブ範囲の強度のグラフであり、LEDは図6Aの白色光画像を生成するために組み合わされる。
【0024】
図6C】本発明の幾つかの実施形態によって、図6Aの多色(非白色光)画像を生成するために組み合わされたLEDsに対応する2つの異なるカラーグループの2つの例示的な波長範囲の強度の照明スペクトルのグラフである。
【0025】
図6D】本発明の幾つかの実施形態による(ii)複数の異なるカラーグループのLEDsに対応する複数の異なる波長範囲の入射光によって異なる深さで透過される生体組織の模式図、(i)対応する多色(非白色)光吸収スペクトル、及び複数の異なる対応するカラーグループのLEDsに対応する波長範囲の模式図である。
【0026】
図7A】本発明の幾つかの実施形態による(i)LEDsを取り付けるための例示的な回路基板の平面図、(ii)例示的な回路基板に取り付けられるLEDsの例示的な回路図、及び(iii)例示的な回路基板の側面図、(iv)例示的な回路基板の側面図である。
【0027】
図7B】本発明の実施形態によるLED基板を収容可能な構造及びパッケージの概略図である。
【0028】
図7C】本発明の幾つかの実施形態による複数の専用制御回路を含む駆動回路の概略図であり、各専用制御回路は独立してLEDsの異なる対応するカラーグループをアクティブにする。
【0029】
図8】本発明の幾つかの実施形態に従って、LEDsの複数の異なるカラーグループ及びその対応するピーク波長、半値幅、及びビーム角をリストする表である。
【0030】
図9】本発明の幾つかの実施形態による体内カプセル型内視鏡を操作して、動的に調整可能なカラー照明スペクトルを放出する方法のフローチャートである。
【0031】
説明の簡単さと明確さのために、図面に示されている要素は必ずしも比例して描かれていないことが理解されるであろう。例えば、はっきり見えるために、幾つかの要素のサイズは、他の要素に対して拡大されて示す可能性がある。さらに、適切であると考えられる場合、参照符号は、対応または類似の要素を示すために図面で繰り返されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0032】
色は、電磁波の特性であり、可視光または不可視光(例えば、IR)の範囲内の波長を表す。この波長範囲は、「カラーグループ」と呼ばれるサブ範囲やグループ、例えば、赤色、青色や緑カラーグループ(可視光範囲内)やIRカラーグループ(非可視光範囲)に分けられてもよい。
【0033】
本発明の実施形態によるカプセル型内視鏡(例えば、図1Aに示す)は、照明スペクトルが動的に調整可能な照明光源を有する。複数の連続する時間パルス(例えば、赤色時間パルス、緑色時間パルス、及び/又は青色時間パルス、図4Bー4Dの時間パルスパターンに示されるように)において、同じカラーグループ内の各LED(例えば、赤色、緑色又は青色LEDs、及び/又はIR LEDs)を独立且つ順次にアクティブすることにより、照明スペクトルを調整する。いずれの時間においても、単一のカラーグループのLED(例えば、赤、緑、青、またはIR LEDs)のみがアクティブ化され、且つ同じまたは重なっている時間に他のカラーグループがアクティブになっていない。しかしながら、複数のアクティブ期間において、これらのカラーグループは、カラーグループの組み合わせを累積的に形成するために組み合わされる。前述の組み合わせは、白色光または多色(非白色)光と呼ばれてもよい。LEDsの各カラーグループのアクティブ化期間または「パルス幅」は、それらのLEDsがアクティブされ且つ発光する時間の量である。イメージセンサ(例えば、図5Aに示すように)は、複数の独立した色の画像(例えば、赤色画像、青色画像や緑色画像)及び/又は混合カラー画像(例えば、白色光画像)のアーカイブコレクションを生成するために、各個別のカラーグループのアクティブ化中に光を単独で記録することができる。駆動回路(例えば、図7Cに示すように)は、複数の画像の異なる色組み合わせを実現するために、LEDsのアクティブ化カラーグループの組み合わせまたは順序、LEDsのアクティブ化カラーグループ毎の時間パルス幅(例えば、アクティブ化期間を調整するために)及び/又はLEDsのアクティブ化カラーグループ毎の駆動電流(例えば、照明強度及び/又は相対放出電力を調整するために)を動的に調整することができる。これらのLEDカラーグループの組み合わせは、GIチャネルで画像化される周囲環境の照明スペクトルを最適化するために、調整可能な割合で混合することができる。この照明スペクトルの動的かつ柔軟な性質のため、本発明の実施形態は、様々な異なる解剖学的領域に最適な照明プロファイルを作成して、GIチャンネルでの画像の精度を向上させることができる。
【0034】
幾つかの実施形態では、LEDsの動的照明スペクトルは、リアルタイムフィードバックループに基づいて調整されてもよい。フィードバックループは、キャプチャされた画像からの視覚情報(例えば、画像単位)に基づいてもよく、またはカプセルが存在する正確なまたは近似的な位置または解剖領域のリアルタイム位置情報に基づいてもよい。フィードバックループは、キャプチャされた環境情報(例えば、視覚または位置情報)を入力し、その環境情報に関連付けられた新しい最適照明スペクトルパラメータを計算または検索し、LEDアクティブ化時間パルスまたは駆動電流をリセットするための新しいパラメータを出力する。例えば、赤すぎる画像は、赤色LEDの時間パルスを短縮するために駆動回路をトリガすることができる。別の例では、位置フィードバック情報は、カプセルが胃の中に入ったか、または管腔または壁から特定の距離内にあることを示して、対応する照明調整を引き起こすことができる。これらの実施形態は、照明パターンをリアルタイムで動的に調整して、GIチャネルの異なる解剖学的領域のイメージングを即時(またはほぼ即時)に改善する。
【0035】
適応は、LEDs(例えば、LEDsの活性化モード、持続時間、及び/又は駆動電流を調整する)を調整することによるリアルタイム記録の間、及び/又はアーカイブ画像(例えば、異なる比率のカラー画像を組み合わせる)を調整することによる後処理の間に発生することが可能である。例えば、LEDsを調節することは、青色LEDのパルス長のN倍のパルス長を持つ赤色LEDのアクティブ化(例えば、LED照明時間を調整)に関与可能である。青色画像よりN倍多い赤色画像を組み合わせる(例えば、さまざまなカラー画像の組み合わせの重みを調整する)ことで、アーカイブ画像を使用して等価効果を実行することができる。
【0036】
異なるLEDカラーグループの組み合わせにより、白色光スペクトルをシミュレートすることにより、高色品質の体内イメージングを実現することができる。1.5気圧の下の太陽光をシミュレートした白色光照明スペクトルを「AM1.5」と呼ぶ(図3Cに示す通り)。本発明の実施形態は、複数のカラーグループからの複数の色の組み合わせを用いて、AM1.5の照明スペクトル(或いは図3Cにおける「白色LED」または「蛍光ランプ」などの他の太陽エネルギーまたは合成スペクトル)をシミュレートすることができる。
【0037】
各LEDは、単一のカラーグループ内の1つまたは複数の照明スペクトルを生成することができる。例えば、図3Aに示すように、赤色スペクトルは、カラーグループR1、R2、及び/又はR3を含んでもよい。これらのカラーグループはそれぞれ632nm、611nm及び591nmに最大値を有するガウス強度分布で表される。青色スペクトルは、カラーグループB1、B2、及び/又はB3を含んでもよい。これらのカラーグループは、それぞれ400nm、425nm及び460nmに最大値を有するガウス強度分布で表される。緑色スペクトルは、カラーグループG1及び/又はG2を含んでもよい。これらのカラーグループはそれぞれ515nmと577nmに最大値を持つガウス強度分布で表される。例えば、AM1.5白色光をシミュレートするために、本発明の幾つかの実施形態は、カラーグループ(例えば、R1、G1、B1;R1、R2、G1、B1;又はR1、R2、R3、G1、G2、B1、B2、B3)をアクティブにすることができる。
【0038】
本発明の幾つかの実施形態は、多色(非白色)光照明をシミュレートするために、カラーグループのアクティブ(例えば、カラーグループのサブセットのみをアクティブするかまたはそれに偏る)を省略または減少することができる。照明効率を最適化するために、幾つかの解剖学的領域に対して吸収が悪いカラーグループの強度を省略及び/又は低減することができる。カラーグループを省略するのに有用な可能性がある例は、狭帯域イメージング(NBI)であることが証明される。NBIは、一種の内視鏡診断プログラムであり、赤色光を省略または減少させ、且つ緑色と青色のLEDsを比例せずに使用して浅い血管の密集領域を照らす。NBIは、ヘモグロビンの赤色光に対する吸収が劣っている事実を利用し、且つ緑色光と青色光に有利な吸収ピークを持っている(例えば、図6Dに示す)。本発明の様々な実施形態において、これらの多色光照明スペクトルは、複数のカラーグループの任意の組み合わせをアクティブ化することによって生成されてもよい(例えば、G1とB1に対してより高いR1照射;R1、R2、R3、G1、B1;G1、G2、B1;R1、G1、B1、B2、B3;R1、R2、R1、G2、B1、B2;G1、G2、B1、B2;B1、B2、B3;G1、G2;R1、R2、R3)。
【0039】
本発明の実施形態は、非可視波長範囲で照明可能であり、例えば、赤外(IR)、紫外(UV)、無線、及び/又は他の非可視波長範囲や可視波長と非可視波長の組み合わせなど挙げられる。IRスペクトル、またはIRと他のカラーグループの組み合わせを含むスペクトルの場合、長い波長は通常、比較的短い波長よりも生体組織を深く透過する。様々な波長の光に関連する透過深さ間のこの違いは、撮像組織の深さプロファイルを提供する。この深さプロファイルは、生体組織の三次元画像をシミュレートするために使用される。本発明の各実施形態では、IR照明スペクトルは、複数のIRカラーグループ(例えば、近IR1、中IR1、遠IR1、近IR、近IR2、近IR3)の任意の組み合わせ、複数のIRカラーグループの任意の組み合わせ及び/又は同一及び/又は異なる相応カラーグループからの任意の他のカラーグループ(例えば、近IR1、近IR2、Radio、R1、R2;近IR1、G1、中IR1、B3、遠IR1、遠IR2)によって生成されて、最適化されてもよい。
【0040】
本発明の実施形態は、最大または閾値より高い量子効率(QE)を達成するために、1つまたは複数のカラーグループのLEDによって放出される出力照明スペクトルをイメージセンサの1つまたは複数の対応するカラーフィルタの最適入力イメージングスペクトルとマッチングすることができる。イメージセンサ(例えば、図1A及び/又は図5Aに示す110)は、(例えば、数百万)画素からなるフォトグリッドを含む相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサなどの光電センサであってもよい。カラー画像を生成するために、ベイヤフィルタなどのカラーフィルタアレイをイメージセンサの前に実装することができる。このカラーフィルタアレイは、複数のカラーフィルタ(例えば、各画素に1つのカラーフィルタ)を含む。複数のカラーフィルタのそれぞれは、許可されたスペクトル(例えば、赤色、緑色、または青色)内の特定の波長範囲の光が各個別画素(例えば、閾値QEより高い)に伝達することを可能にし、前記スペクトル以外の残りの波長の光が前記個別画素に到達するのを遮断または減少させる(例えば、図5BのQE図に示すように、閾値QEよりも低い値で光を通過させる)。イメージセンサはまた、マイクロ電荷増幅器(例えば、画素ごとに1つのマイクロ電荷増幅器)とペアリングすることができる。光子が画素に衝突すると、電荷増幅器は対応する光電電流を出力電圧に変換する。LEDの照明スペクトルをセンサ入力イメージングスペクトルとマッチングすることにより、センサが許容するイメージングスペクトル以外の無駄な光子が減少し、そうでなければ、これらの光子は検出されない(または閾値未満の対応するQEで検出される)。これらの最適波長範囲外で使用される同じ強度の光照明に比べて、これらの最適波長照明では、センサ画素に曝されたLED光の光電電流への寄与割合が増加し、「量子効率」(QE)と呼ばれる。本発明の実施形態は、センサ入力イメージングスペクトルと整合するか、またはセンサ入力イメージングスペクトル内に落ちるLEDの照明スペクトルを実現するために、カラーグループの任意の組み合わせのLEDをアクティブ化することができ、それによって、センサ露光を増加させ、システムの量子効率を向上させることができる。
【0041】
図1Aを参照すると、図1Aは本発明の一実施形態による動的に調整可能なカラー照明スペクトルを用いて胃腸管を照明するための体内カプセル型内視鏡100及びその部品の分解概略図である。体内カプセル型内視鏡100は、カプセル状本体104の内部に収納されていてもよい。カプセル状本体104は、その長手方向軸線の対向端部に2つの凹状シェルまたは半球体を有していてもよい。カプセル型内視鏡100は、カプセル状本体104がその長手方向軸線の一端及び/又は両端にそれぞれ少なくとも1つの透明光学端または筐体108を有することができるように、片側または両側の撮像システムを有してもよい。カプセル状本体104は、その中に電子部品を封入することができる。各透明シェル108は、1つまたは複数のレンズ112及びLEDアレイ102を収容することができる。体内画像を記録するように構成された(複数の)イメージセンサ110は、少なくとも1つの透明光学シェル108の後ろにあるカプセル状本体104の内部に収容されることができる。LEDアレイ102は、回路基板に実装された複数のLEDS130を含んでもよい。LEDの回路基板及びLEDS130の例示的な回路図は、それぞれ図7A(i)及び図7A(ii)により示されている。レンズ112は、LEDS130によって放出された光をイメージセンサ110に集光するための1つ以上のレンズを含んでもよい。イメージセンサ110は、(例えば、図5Aに示すように)1つまたは複数のカラーフィルタアレイを含んでもよい。本発明の実施形態によれば、イメージセンサ110及び/又は画像処理ボード128は、動作(例えば、画像データの処理、記憶、及び/又は送信)を実行するための1つまたは複数の処理回路ボードを含んでもよい。本発明の実施形態によれば、イメージセンサ110及び/又は画像処理ボード128は、データ(例えば、特定の色、多色または白色光画像)を記憶するための1つまたは複数のメモリを含んでもよい。
【0042】
LEDアレイ102は、LEDS130の複数の異なるカラーグループを含んでもよい。当該複数の異なるカラーグループは、イメージセンサ110、画像処理ボード128、及び/又は外部メモリ内で動作する外部デバイスプロセッサによって記録及び/又は格納されるべき光を放出するように構成される。LEDS130の複数の異なるカラーグループは、各カラーグループにおけるLEDS130がそのカラーグループの対応する波長サブ範囲内の照明スペクトルに落ちる光を放出するように、複数の対応する波長サブ範囲に対応することができる。LEDアレイ102は、駆動回路を含むかまたは駆動回路に動作可能に接続されてもよい。当該駆動回路は、時間パルスの組み合わせ、順序、及び/又は継続時間、及び/又はLEDS130のパワーや駆動電流を調節するように構成される。さらに、駆動回路は、照明プロセッサ(例えば、イメージセンサ110及び/又は画像処理ボード128)にカップリングされて、前述の照明プロセッサの動作を制御することができる。駆動回路は、LEDの各異なるカラーグループ130を独立してアクティブ化するために、異なる(例えば、完全にまたは部分的に重ならない)時間パルスの間に駆動電流を伝送して、LEDの単一のカラーグループが任意の時間に独立してアクティブ化されるように配置される。LEDS130の複数の異なるカラーグループは、連続する時間パルス中で順次アクティブ化されて、複数の時間パルスにおいて白色光または多色照明スペクトルを累積的にシミュレートすることができる。イメージセンサ110は、複数の異なる色の画像群を順次記録するように構成される。これらの画像群は、完全にまたは部分的に重ならない時間パルスの間にLEDS130の対応する複数の異なるカラーグループから放出される光の散乱を描いている。幾つかの実施形態では、照明プロセッサは、カプセルの量子効率を増加または最大化するために、イメージセンサ110のカラーフィルタの入力最適イメージングスペクトルにほぼ一致するLEDのカラーグループをアクティブ化することができる。
【0043】
様々な実施形態では、カプセル型内視鏡100は、磁気的に(例えば、図1Bに示されるような外部磁気制御システムによって)、または蠕動推進(非磁性)によってGIチャネルを通過することができる。磁気推進を使用する実施例では、カプセル状本体104は、永久磁性双極子(例えば、南北)を有する1つ以上の永久磁石124を収容することもできる。永久磁石124は、図1Bに示すように、カプセル型内視鏡100が外部磁気制御システムによって生成された磁場に曝されたときに磁気的に誘導されることを可能にする。また、カプセル状本体104には、無線通信システム122を収納してもよい。当該無線通信システム122は、無線(例えば、無線周波数(RF))処理ボードと、リモートデバイスまたはコントローラに情報を無線送信したり、リモートデバイスまたはコントローラから情報を無線受信したりするためのアンテナを含む。カプセル状本体104は、内視鏡100の部品に電力を供給するために、1つまたは複数の電池または電源132を収容することもできる。
【0044】
無線通信システム122は、体内情報を伝送することができる。例えば、検出装置110によって取り込まれた体内画像データ、位置情報(例えば、解剖学的位置、地理的位置)、外部磁石制御システムと相互作用し且つ外部磁石制御システムによって制御されるための磁場情報、及び/又は体内条件(例えば温度、圧力、pHなど)のような他の感覚フィードバックが挙げられる。無線通信システム122は、リモートデバイスまたは外部コントローラから、照明アクティブ化モードまたは指令、及び/又はパラメータなどのコマンドまたは制御情報を受信することができる。無線通信システム122は、リモートデバイスまたは外部コントローラに画像及び/又は画像品質、または位置情報を送信したり、及び/又はリモートデバイスまたは外部コントローラから画像及び/又は画像品質または位置情報を受信したりすることができる。これにより、フィードバック回路を介してLEDアレイ102の駆動回路の最適化パラメータを決定して、実現することができる。このフィードバックループは、環境条件に基づいてLEDアクティブ化のリアルタイム調整をトリガすることができる。フィードバックループは、カプセル100内でローカルに(例えば、画像処理ボード128において)実行し、及び/又はリモートデバイスまたはコントローラで外部に実行することができる。画像処理ボード128でフィードバックループがローカルに実行される場合、画像及び/又は画質情報は、画像処理ボード128によって直接受信されてもよい。ここで、LEDアレイ102の駆動回路の最適なパラメータはローカルで決定される。
【0045】
図1Bを参照すると、図1Bは本発明の実施形態による体内カプセル型内視鏡100をGIチャネル内で移動するための外部磁気制御システム126を概略的に示している。外部磁気制御システム126は、カプセル型内視鏡100に含まれる1つまたは複数の永久磁石124を介してカプセル型内視鏡100を導くための磁場を発生することができる。外部磁気制御システム126は、垂直及び水平調整可能機構及び調整可能ベースを用いて1つ以上の外部永久磁石134を水平及び垂直に位置決めするように適合された固定手段を含む。外部磁気制御システム126は、カプセル型内視鏡100が三次元的に移動させるように、2つの軸線に沿って移動する自由度を有する。外部磁気制御システム126の機械的及び動作の詳細は、例えば、米国特許出願公開第2015/0380140号に記載されており、その全ての内容がここに引用によって組み込まれている。
【0046】
図2Aを参照すると、図2Aは本発明の幾つかの実施形態による、白色光照明を生成するためのLEDs(130R、130B、130G)の複数のカラーグループ及びそれぞれの照明スペクトルを概略的に示している。幾つかの実施例では、LEDsのカラーグループ及びそれに対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせを、前述の白色光照明スペクトルを生成するように構成されてもよい。幾つかの実施例では、LEDsのカラーグループ及びその対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせは、前述の白色光照明スペクトルの修正及び/又は最適化バージョンを生成するように構成される。
【0047】
図2Bを参照すると、図2Bは本発明の幾つかの実施形態による、フィルタ(例えば、蛍光体フィルタ)によって複数のカラーグループ(例えば、青色及び黄色)に分割された単一のカラーグループ(例えば、青色)におけるLEDを概略的に示している。複数の分離されたカラーグループからの光の組み合わせは、白色光照明を形成する。幾つかの実施例では、フィルタをLEDアレイ102に適用して、単一の色入力スペクトルを変換することで白色光照明を生成するために用いてもよい。
【0048】
図3Aを参照すると、図3Aは本発明の幾つかの実施形態によって、LEDsの複数の異なるカラーグループに対応する複数の波長範囲の強度をグラフィカルに表示している。幾つかの実施例では、LEDsのこれらのカラーグループ及びその対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせは、白色光照明又は多色(非白色)光照明を生成して、最適化するように構成されてもよい。
【0049】
図3Bを参照すると、図3Bは本発明の幾つかの実施形態によって、図3AのLEDsからの3つの異なる対応するカラーグループの3つの例示的な波長範囲の強度に対応する照明スペクトルを図形的に表示する。幾つかの実施形態では、LEDsのこれらのカラーグループ及びその対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせは、白色光照明又は多色(非白色)光照明を生成し、最適化するように構成されてもよい。
【0050】
図3Cを参照すると、本発明の幾つかの実施形態によると、図3Cは、太陽光302(例えば、AM1.5)の波長域強度の照明スペクトル、例示的なLED白色光304及び例示的な蛍光ランプ306をグラフ表示したものである。幾つかの態様において、LEDsのカラーグループ及びその対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせは、その照明スペクトルが太陽光302(AM1.5を含む)又は蛍光の照明スペクトルをシミュレートするように、白色光照明の生成と最適化に用いられるように構成されてもよい。
【0051】
図4Aは、本発明の幾つかの実施形態に係るLEDアレイ102のクローズアップビューを概略的に示している。幾つかの態様において、LEDアレイ102の正面には、複数のLEDs130のグループが実装される。各グループのLEDs130は、1つまたは複数の異なる色のLEDグループ(例えば、130R、130G、及び/又は130B)を含んでもよい。幾つかの態様において、LEDs130の複数の異なるカラーグループは、1つまたは複数のクラスタに配置されてもよい。ここで、各クラスタは、複数の異なるカラーグループ(例えば、130R、130B及び130G)からのLEDsを含む。幾つかの実施形態では、LEDアレイ102の裏面に複数の専用の駆動回路を実装することが可能である。本発明の幾つかの実施形態によれば、各駆動回路は、複数の専用制御回路(例えば、図7Cに示す)を含むことができる。前述の複数の専用制御回路は、様々な時間パルス幅及び/又は各種の電流の電流パルスを生成することにより、異なる対応する色のLEDグループを独立してアクティブ化するために、駆動電流を送信するように構成される。
【0052】
図4B~4Dは、複数のモードの時間パルスを図形的に示している。この期間、本発明の幾つかの実施形態によれば、LEDsの複数の異なるカラーグループが独立してアクティブ化され、Te(またはその倍数)は撮像センサによる撮像画像の露光時間を表し、TB、TG、TR及びTIRはLEDsの青色、緑色、赤色及び赤外カラーグループがそれぞれアクティブ化されている間の照明時間パルスを表す。幾つかの実施形態では、LEDsのカラーグループ及びその対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせは、白色光照明又は多色(非白色)光照明を生成して、最適化するように構成されてもよい。図4B図4Dでは、各種のカラーグループの強度(照明ブロックの高さ)は一定であるが、LEDの各カラーグループにおける時間パルス(幅)と強度(高さ)はいずれも独立して異なってアクティブされてもよい。
【0053】
図5Aは、本発明の幾つかの実施形態に従って、ベイヤフィルタなどのカラーフィルタアレイによって作成された例示的なカラーパターンを有するイメージセンサ110を概略的に示している。カラーフィルタアレイは、各画素が単一のカラーグループに関連付けられた単一の波長範囲の光を吸収できるようにする複数のカラーフィルタ(例えば、各画素に1つ)を含む。例えば、ベイヤフィルタは、図3Bに示す3つの異なる対応するカラーグループ(例えば、赤色、緑色、青色)に関連する波長サブ範囲を許容する。横方向に隣接する画素(例えば、水平及び/又は垂直であるが、対角ではない)は、異なる対応するカラーグループに関連する異なる波長サブ範囲の光を吸収する。本発明の幾つかの実施形態によれば、イメージセンサ110は、入射光がフィルタによって複数のカラーパネル110R(1)、110G(1)及び110B(1)に分割されるように構成されてもよい。各カラーパネルは、異なる単一のカラーグループを含む。各カラーグループパネル110R(1)、110G(1)或いは110B(1)を通過する光は、それぞれ単一のカラーグループ画像110R(2)、110G(2)及び110B(2)を形成する。本発明の幾つかの実施形態では、LEDの各カラーグループによって放出される出力照明スペクトルは、イメージセンサ110のカラーフィルタアレイの対応するカラーグループの最適な入力スペクトル(例えば、高量子効率を有する)とマッチングするかまたは実質的に重複することができる。
【0054】
図5Bは、本発明の幾つかの実施形態による、照明波長範囲におけるイメージセンサ(例えば、図5Aの110)の量子効率(QE)を図形的に示している。曲線502、504、506は、赤色、緑色及び青色という3つのカラーグループのカラーフィルタアレイに暴露されたイメージセンサの量子効率をそれぞれ示している。曲線508は、カラーフィルタアレイを重畳することなく光に曝されるイメージセンサの量子効率を示している。カラーフィルタアレイが存在しないため、イメージセンサはモノクロまたは白黒の画像をキャプチャするようになる。本発明の実施形態は、各カラーグループのLEDsによって放出される出力照明スペクトルを、最大QEまたは閾値以上の量子効率(QE)に関連するイメージセンサの対応するカラーフィルタアレイの最適な入力イメージングスペクトルにマッチングさせることができる。本発明の幾つかの実施形態では、LEDsの時間パルス及び電流強度を変数に調整または同調して、QEを最適化することができる(例えば、最大QEまたは閾値よりも高いQEを実現する)。
【0055】
図6Aは、本発明の幾つかの実施形態による生体組織を照射して白色光画像及び/又は多色(非白色光)画像を生成するためのシステムを概略的に示している。生体組織は、異なる対応するカラーグループのLEDs(例えば、130R、130G、130B)によって順次に照明され、且つLED照明の対応するカラーグループを散乱することができる。その後、LED照明のカラーグループは、対応するカラーグループに固有の画像606~618を形成するために、イメージセンサ(例えば、図1Aの110)によって吸収され得る。カラーグループ固有の画像606ー618を組み合わせて、白色光画像602及び/又は多色(非白色)画像604を生成することができる。本発明の実施形態によれば、フレキシブルスペクトルイメージング色強調(FICE)よりも効果的な方法で多色(非白色)画像604を生成することができる。FICEは、白色光を用いて生体組織を照射する内視鏡イメージング技術である。当該白色光は生体組織によって散乱され、且つイメージセンサ(例えば、カラーCCD)により記録されて白色光画像を形成する。適応フィルタリングエンジン(即ち、FICEエンジン)は、特定の波長に合致する白色光画像を多色(非白色)画像に分解し、これは複雑で時間がかかるプロセスである。本発明の実施形態は、白色光照明ではなく色彩特定照明を使用することにより、FICE画像に類似または等価な多色(非白色)画像604を生成することができる。これにより、適応フィルタリングエンジンを使用して色彩特定画像を分解する必要性を回避し、FICEエンジンで使用される時間のかかる適応フィルタリング色分解の必要性を排除して、本発明の実施形態はFICEエンジンよりも速く且つより効果的に多色(非白色)画像604を生成することを許容する。
【0056】
図6Bを参照する。図6Bは、本発明の実施形態によって、図6Aの白色光画像を生成するために組み合わされた3つの異なるLEDsそれぞれのカラーグループに対応する3つの例示的な波長子範囲を図形的に表示する。幾つかの実施形態では、LEDsのカラーグループ及びそれに対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせは、白色光照明スペクトルを生成、最適化及び/又は修正するように構成されてもよい。
【0057】
図6Cを参照する。図6Cは、本発明の実施形態によって、LEDsに対応する2つの異なる対応するカラーグループの2つの例示的な波長範囲の強度の照明スペクトルを図形的に表示する。この2つの異なる対応するカラーグループが結合されて、図6Aにおける多色(非白色)光画像を生成する。幾つかの実施形態では、LEDsのカラーグループ及びその対応する時間パルス幅及び/又は駆動電流の任意の組み合わせは、多色(非白色)照明スペクトルを生成、最適化及び/又は修正するように構成されてもよい。
【0058】
図6Dを参照する。図6Dは、(ii)LEDsに対応する複数の異なるカラーグループの複数の波長の異なるサブ範囲における入射光が異なる深さで透過する生体組織を概略的に示し、(i)本発明の幾つかの実施形態による、対応する多色(非白色)光吸収スペクトルとLEDsに対応する複数の異なるカラーグループの対応波長サブ範囲を概略的に示す。図6Dの例では、青色及び緑色のカラーグループの多色(非白色)照明スペクトルは、イメージセンサを介して青色及び緑色カラーグループの対応する多色(非白色)光吸収スペクトルを引き起こす。図6D(i)中の曲線602は、ヘモグロビンが主に約415nm(青色LED光に対応する)及び540nm(緑色LED光に対応する)に吸収帯を有することを示す。本発明の実施形態は、LEDsの好ましいカラーグループを独立してアクティブ化し、青色及び緑色のLED光を含む多色(非白色)照明スペクトルを発光することにより、ヘモグロビンの色選好を利用することができる。照明スペクトルをヘモグロビン曲線(例えば、602)の強度と波長にカスタマイズして、例えば、気管支樹と結腸直腸領域の近くの浅層血管の密集ネットワークなど、血液に富む解剖学領域をよりよく画像化することができる。
【0059】
図6D(ii)は、青色LED光よりも緑色LED光の方が生体組織に浸透する深さが大きいことを示している。通常、比較的長い波長(より短い周波数)を有するLED光は比較的深い深さで組織を透過し、比較的短い波長(より高い周波数)を有するLED光は比較的浅い深さで組織を透過する。例えば、相対的に長波長のIR LED光は、可視光よりも大きな深さで生体組織を透過することに用いられてもよい。異なる透過深さ間の差は、画像化される生体組織のトポロジー図または深さプロファイルを生成するために使用することができる。画像化される生体組織のこのようなトポロジー図または深さプロファイルは、生体組織の三次元モデルをシミュレートし、且つ解剖構造の三次元画像を構築するために使用することができる。
【0060】
図7Aを参照する。図7Aは、本発明の幾つかの実施形態によって、(i)LEDを接続するための例示的な回路基板の平面図、(ii)例示的な回路基板に接続されたLEDs130の例示的な回路図、及び(iii)、(iv)例示的な回路基板の側面図を概略的に示している。図7A(ii)に示すように、LEDs130R、130G、130Bのカソードピンは、電池及び/又は電源132が負の信号を提供する共通ピン(図7A(ii)における接続「4」)に接続することができる。さらに、本発明の幾つかの実施形態によれば、LEDs130R、130G、130Bのアノードピン(それぞれ図7A(ii)における接続3、2、1)は、電池及び/又は電源132によって正の信号を提供することができる。幾つかの実施形態では、図7A(ii)に示すように、LEDクラスター130は、図7A(i)に示す回路基板の正面に実装されてもよい。
【0061】
図7Bを参照する。図7Bは、本発明の実施形態によるLED回路基板を収納可能な構造とパッケージを概略的に示している。
【0062】
図7Cを参照する。図7Cは、本発明の幾つかの実施形態による複数の専用制御回路(例えば、700R、700G、700B)を含む駆動回路700を概略的に示している。各専用制御回路は、様々な時間パルス幅及び/又は各種電流の電流パルスを生成することにより、LEDsの異なるカラーグループ(例えば、それぞれ130R、130G、130B)を独立してアクティブ化する。駆動回路700は、各カラーグループのLEDs(例えば、130R、130G、130B)のパルス及び/又は駆動電流の組み合わせ、順序、及び/又は持続時間を調整するように構成されてもよい。駆動回路700は、LEDアレイ(例えば、図1の102)を保持する基板の裏面に取り付けられてもよく、及び/又は、その動作を制御される照明プロセッサ(例えば、図1の画像処理ボード128に取り付けられる)に結合されていてもよい。
【0063】
図8を参照する。図8は、本発明の幾つかの実施形態によってリストされるLEDsの複数の異なるカラーグループ及びその対応するピーク波長、半値幅、及びビーム角の表である。これらの値は例としてのみ使用され、且つ任意のその他の値、またはこれらやその他のカラーグループ、及びそれらに対応するピーク波長、半値幅、及びビーム角の組み合わせを使用することができる。
【0064】
図9を参照する。図9は、本発明の幾つかの実施形態によって、体内カプセル型内視鏡を操作して、動的に調整可能なカラー照明スペクトルを放出する方法のフローチャートである。図9の動作は、図1~8に開示された1つまたは複数のカプセル型内視鏡の装置または構成要素を用いて実行されてもよい。例えば、図9の1つまたは複数の動作は、イメージセンサ(例えば、図1及び/又は図5Aの110)、画像処理ボード(例えば、図1Aの128)、及び/又は外部メモリを動作させる外部プロセッサの1つまたは複数のプロセッサが1つまたは複数のメモリを使用することによって実行される。
【0065】
動作900において、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、図1A及び5Aのイメージセンサ110、図1Aの画像処理ボード128及び/又は外部プロセッサ)は、第1の時間パルスT1の期間に、第1のカラーグループのLEDs(例えば、図2A、2B、4A及び6Aの130R、130Bまたは130G)をアクティブ化することができる。1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数の制御回路(例えば、図7Cの700R、700G、700B)を制御することができる。例えば、それぞれの異なる制御回路は、独立して(例えば、駆動電流によって)1~Nの異なる色のLEDグループのうちの異なる1つをアクティブ化することに専用されている。第1のカラーグループのLEDsは、他のカラーグループの波長範囲とは異なる(例えば、部分的にまたは完全に重ならない)唯一の波長範囲における光を用いて生体組織に照射することができる。
【0066】
動作902において、1つまたは複数のプロセッサは、他の時間パルス(例えば、T1、T3、・・・)とは異なる第2の時間パルスT2の期間に第2のカラーグループのLEDs(例えば、図2A、2B、4A及び6Aの130R、130B、または130G)をアクティブ化することができる。第2のカラーグループのLEDsは、他のカラーグループに対する唯一の波長サブ範囲内の光にて生体組織を照射することができる。第2のカラーグループがアクティブ化された後、プロセスまたはプロセッサは、i=3、Nー1の第iの時間パルスTiの期間に、LEDsの各第iのカラーグループを順次にアクティブ化し、i=Nのときに、動作904を継続することができる。
【0067】
動作904において、1つまたは複数のプロセッサは、第N番目の時間パルスTNの期間に第N番目のLEDsカラーグループ(例えば、図2A、2B、4A及び6Aの130R、130B、または130G)をアクティブ化することができる。1つまたは複数のプロセッサは、完全にまたは部分的に重ならない時間パルスT1~TNの間に、1~Nの異なるカラーグループのLEDsを順次にアクティブ化することができる。1~N個の異なるカラーグループのLEDsは、各カラーグループにおけるLEDsが当該カラーグループの唯一の照射光スペクトルサブ範囲内で光を放出するように、複数の異なる波長サブ範囲内の光で生体組織を照射することができる。この唯一の照明スペクトルサブ範囲は、他の全てのカラーグループのスペクトルサブ範囲に対して異なっている。T1-TN時間パルスにおいて1‐N個のLEDカラーグループの全体をアクティブ化する1つの完全なサイクルの後、プロセスまたはプロセッサは動作900に戻り、照明パターンを繰り返すかまたは例えば以下のように照明パターンを調整する。
【0068】
幾つかの実施形態では、前述の1つまたは複数のプロセッサは、例えば、完全にまたは部分的に重ならない時間パルスによって、そのT1‐TNのアクティブ化持続時間T1及び/又は前述の1‐N個の異なるカラーグループのLEDsのうちの1つまたは複数をアクティブ化するために使用される駆動回路電流の強度を動的に調整することによって、1‐N個の異なるカラーグループの画像がアクティブ化及び結合される割合を調整するなど、LEDカラーグループのアクティブ化を動的に調整することができる。様々なカラーグループの組み合わせによって照明の割合を調整することによって、(例えば、動作910で組み合せられた白色光または非白色多色画像の)トータル累積色照明スペクトルを動的に調整する。幾つかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは、フィードバックループに応答して、LEDカラーグループのアクティブ化を動的に調整することができる(例えば、T1‐TNの持続時間Tiは、完全に又は部分的に重ならない時間パルス及び/又は駆動電流の強度により調整される)。フィードバックループは、カプセル型内視鏡によってリアルタイムに収集された画像または位置情報などに基づいてもよい。例えば、カプセルが胃の中に位置しているか、または特定の吸収スペクトルを有する画像を捕捉していることを示すフィードバックループは、胃照明または特定の吸収スペクトルのための最適な光に最適化されるように、1つまたは複数のプロセッサがLEDカラーグループのアクティブ化を調整することを引き起こすことができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは、異なる対応する1~N個のカラーグループのLEDs(例えば、図6Dに示す)から放出される光によって、異なる透過深さで生体組織を照らすことができる。次いで、当該1つまたは複数のプロセッサは、これらの透過深さの差に基づいて当該生体組織の深さプロファイルを生成することができる。その後、前述の1つまたは複数のプロセッサは、前述の深さ分布に基づいて前述の生体組織の三次元画像をシミュレートすることができる。
【0070】
動作906において、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、図1A及び図5Aのイメージセンサ110において、図1Aの画像処理ボード128及び/又は外部プロセッサの中で)は、1‐N個の異なる色の画像群を順次に記録することができる。これらの画像群は、完全にまたは部分的に重ならないT1‐TN時間パルスの期間に、対応する1‐N個色のLEDsグループから放出される光の散乱を描いている。幾つかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは、アクティブ化されたカラーグループの組み合わせ(例えば、組み合わせて白色光または非白色多色画像を形成する)の照明スペクトルがイメージセンサの吸収スペクトルにマッチングするように、LEDカラーグループのアクティブ化モードを選択することができる。幾つかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数のカラーグループのLEDsによって放出された照明スペクトルをイメージセンサの最適な吸収スペクトルと整合させることができ、例えば、最大または閾値より高い量子効率(QE)に関連付けることができる。
【0071】
幾つかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは、各画像が個別のカラーグループを描画し、且つ他のカラーグループのLEDsを記録するのではなく、LEDsの単一のカラーグループのアクティブ化中に記録されるように、カラーグループに特定された画像を記録することができる。追加的にまたは代替的に、1つまたは複数のプロセッサは、各画像が複数のカラーグループを描画し、且つ複数の色のLEDグループがアクティブ化されたときに複数の時間パルスにおいて記録されるように、混合したカラーグループ画像を記録することができる。幾つかの実施形態では、イメージセンサが混合カラーグループの画像を記録する場合、プロセスまたはプロセッサは、色特定画像を合成するための動作910のインスタンスをスキップまたは削減することができる。
【0072】
動作908において、(例えば、図1A及び図5Aのイメージセンサ110、図1Aの画像処理ボード128及び/又は外部プロセッサにおいて)1つまたは複数のプロセッサは、動作906に記録された、画像の1~N個の異なるカラーグループを記憶することができる。
【0073】
動作910において、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、図1A及び5Aのイメージセンサ110、図1Aの画像処理ボード128及び/又は外部プロセッサ)は、2つまたは複数の異なるカラーグループからのカラーグループ特定画像を組み合わせて、白色光または非白色多色画像を形成することができる。幾つかの実施形態では、前述の1つまたは複数のプロセッサは、1~N個の異なるカラー画像群の全体及び/又はサブセットを組み合わせて、白色光及び/又は多色(非白色)光画像を形成することができる。
【0074】
他の操作または追加の操作は、同じ順序または異なる順序で実行されてもよい。
【0075】
幾つかの実施形態では、色は可視スペクトル中の電磁(EM)波だけでなく、赤外(IR)または紫外(UV)カラーグループにおけるEM波などの非可視スペクトル中のEM波を指すことも可能である。
【0076】
本発明の実施形態は、不揮発性コンピュータまたはプロセッサ可読媒体、またはコンピュータやプロセッサ不揮発性記憶媒体(メモリ、ディスクドライブまたはUSBフラッシュメモリ)のような物品、エンコードを含み、コンピュータ実行可能命令などの命令を含むか格納する。これらの命令は、プロセッサまたはコントローラ(例えば、図1A及び図5Aのイメージセンサ110、図1Aのイメージ処理ボード128、及び/又は外部プロセッサ)によって実行されるときに行なわれる。
【0077】
以上の説明において、実施形態は本発明の実例または実施態様である。「1つの実施形態」、「実施形態」、または「幾つかの実施形態」の様々な出現は必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。本発明の様々な特徴は単一の実施形態のコンテキストで説明することができるが、実施形態の特徴は単独で、または任意の適切な組み合わせで提供することもできる。対照的に、明確化のために、本明細書では単独の実施形態のコンテキストで本発明を説明することができるが、本発明は単一の実施形態でも実施することができる。本明細書で言及される「幾つかの実施形態」、「実施形態」、「1つの実施形態」または「他の実施形態」への参照は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも幾つかの実施形態に含まれることを意味するが、必ずしも全ての実施形態に含まれるわけではない。さらに、上述した本発明の態様は、本発明の実施形態に組み合わせて、または他の方式で共存することができることを認識すべきである。
【0078】
特許請求の範囲及び明細書に示される説明、インスタンス、方法、及び材料は、限定的なものと解釈されるべきではなく、あくまでも説明的なものである。本明細書では本発明の幾つかの特徴を説明して描写したが、当業者にとっては、多くの修正、置換、変更、及び等価物を想到できる。従って、添付される特許請求の範囲は、本発明の真の精神の中に含まれる全ての修正及び変更をカバーすることを意図していることを理解されたい。
【0079】
限られた数の実施形態を参照して本発明を説明したが、これらの実施形態は本発明の範囲の制限として解釈されるべきではなく、幾つかの好ましい実施形態の例として解釈されるべきである。他の可能な変更、修正、及び適用も本発明の範囲内にある。ここでは、異なる実施形態が開示される。幾つかの実施形態の特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせられてもよい。従って、幾つかの実施形態は、複数の実施形態の特徴の組み合わせであってもよい。従って、本発明の範囲は、これまでに説明された内容によって制限されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びその法的同等物によって制限されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8
図9
【国際調査報告】