(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】粒子のサイズを決定する方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20240221BHJP
G01N 21/47 20060101ALI20240221BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20240221BHJP
G01N 15/0205 20240101ALI20240221BHJP
【FI】
G01B11/02 H
G01N21/47 Z
G01N21/27 Z
G01N15/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542690
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 IB2021061656
(87)【国際公開番号】W WO2022153111
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323006862
【氏名又は名称】ユニサース・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター・ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥン・アリ・オズハン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー・ティーモ・シュテファン
【テーマコード(参考)】
2F065
2G059
【Fターム(参考)】
2F065AA22
2F065AA23
2F065AA24
2F065AA26
2F065BB07
2F065DD03
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2F065GG24
2F065HH16
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2F065JJ26
2F065QQ17
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ31
2F065RR05
2G059AA03
2G059AA05
2G059BB09
2G059DD01
2G059EE02
2G059EE13
2G059FF01
2G059HH02
2G059HH03
2G059KK04
2G059MM01
(57)【要約】
本発明によれば、粒子のサイズを決定する方法が提供され、当該方法は、以下のステップ、即ち、
(a)前記非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する基板を提供するステップ、
(b)前記粒子の各々は、金属のそれぞれの単一層が提供され、粒子がない前記非金属表面の領域は、金属層が提供されるように、基板の非金属表面上と基板の非金属表面上に存在する粒子に金属層が堆積する、ステップであって、各粒子について、その粒子上の金属層と前記非金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステップ、
(c)それぞれ散乱された電磁線を生成するために、前記電磁線が、前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の前記金属層を電磁線で照明するステップ、
又は前記電磁線の少なくとも一部では、前記粒子上の金属層で吸収され、かつ前記電磁線の別の部分では、反射された電磁線を生成するために基板上の非金属表面上に設けられた金属層で反射されるように、前記粒子及び非金属表面上の金属層を電磁線で照明するステップ、
(d)散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、又はフ反射された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、
(e)画素を含む画像を形成するステップであって、画像内の各画素が前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応する、暗視野画像を形成するステップ、
(f)粒子のサイズを決定するために前記画像を処理するステップ、
を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子のサイズを決定する方法において、当該方法は、以下のステップ、即ち、
(a)前記非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する基板を提供するステップ、
(b)前記粒子の各々は、金属のそれぞれの単一層が提供され、粒子がない前記非金属表面の領域は、金属層が提供されるように、基板の非金属表面上と基板の非金属表面上に存在する粒子に金属層が堆積する、ステップであって、各粒子について、その粒子上の金属層と前記非金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステップ、
(c)それぞれ散乱された電磁線を生成するために、前記電磁線が、前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の前記金属層を電磁線で照明するステップ、
又は前記電磁線の少なくとも一部では、前記粒子上の金属層で吸収され、かつ前記電磁線の別の部分では、反射された電磁線を生成するために基板上の非金属表面上に設けられた金属層で反射されるように、前記粒子及び非金属表面上の金属層を電磁線で照明するステップ、
(d)散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、又は反射された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、
(e)画素を含む画像を形成するステップであって、画像内の各画素が前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応する、画像を形成するステップ、
(f)粒子のサイズを決定するために前記画像を処理するステップ、
を含む方法。
【請求項2】
方法が、以下のステップ、即ち、
(a)前記非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する基板を提供するステップ、
(b)前記粒子の各々は、金属のそれぞれの単一層が提供され、粒子がない前記非金属表面の領域は、金属層が提供されるように、基板の非金属表面上と基板の非金属表面上に存在する粒子に金属層が堆積する、ステップであって、各粒子について、その粒子上の金属層と前記非金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステップ、
(c)それぞれ散乱された電磁線を生成するために、前記電磁線が、前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の前記金属層を電磁線で照明するステップ、
(d)散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、
(e)画素を含む暗視野画像を形成するステップであって、画像内の各画素が前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った散乱光の強度及び/又は周波数に対応する、暗視野画像を形成するステップ、
(f)粒子のサイズを決定するために前記暗視野画像を処理するステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)が、非金属表面を有する基板を提供することを含み、
非金属表面が、シリコン、SiO
2(ガラス)、石英、ガリウムヒ素、Si
3N
4、TiO
2、HfO
2、ZnSe、ZnS、ZrO
2、Nb
2O
5、LaTiO
3、To
2O
5、LiF、MgF
2、Na
3AlF
6、フォトレジスト、腐食防止剤層又は接着促進剤層のうちの少なくとも1つ以上を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
基板の非金属表面上に堆積された金属層及び前記粒子上に堆積された金属層が、W、Co、Ag、Au、Al、Cuのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
サイズが決定される粒子の最小サイズを規定するステップを含み、
基板の非金属表面上に堆積された金属層の厚さ及び前記粒子上に堆積された金属層の厚さが、前記規定された最小サイズよりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
基板の非金属表面が無機物であり、かつ
基板の非金属表面上に堆積された金属層の厚さと、前記粒子上に堆積された金属層の厚さとが、10nm~150nmの範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
基板の非金属表面が有機物であり、かつ
基板の非金属表面上に堆積された金属層の厚さと、前記粒子上に堆積された金属層の厚さとが、20nm~160nmの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(b)が、0.2オングストローム/秒~50オングストローム/秒の範囲の堆積速度で、基板の非金属表面上に金属層を堆積させ、かつ前記粒子上に金属層を堆積させることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
基板の非金属表面上に堆積された金属層と、前記粒子上に堆積された金属層とが、銀(Ag)を含み、
基板の非金属表面上に堆積された金属層の厚さと、前記粒子上に堆積された金属層の厚さとが、40nm~70nmの範囲であり、
ステップ(b)が、0.8オングストローム/秒~5オングストローム/秒の範囲の堆積速度で、基板の非金属表面上に金属層が堆積することと、前記粒子上に金属層とが堆積することとを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
電磁線が180nm~750nmの範囲の波長を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
粒子のサイズを決定するための、前記形成された画像を処理するステップは、
以下のステップ、即ち、
(i)画像を所定のモデルに入力するステップであって、所定のモデルは、所定の画像特徴の異なる組み合わせを規定し、かつ所定の画像特徴の異なる組み合わせのそれぞれに関連する所定の粒子サイズを規定する、ステップと、
(ii)前記画像から特徴を抽出するステップ、及び前記抽出された特徴に一致する所定の画像特徴の組み合わせを識別するステップと、
(iii)前記抽出された特徴に一致する所定の画像特徴の前記識別された組み合わせに関連する所定の粒子サイズを出力するステップであって、出力された所定の粒子サイズは画像に示される粒子のサイズに対応する、ステップと、を含む請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(e)で形成された前記画像は、基板の全表面領域の一部のみに対応する画像であり、かつステップ(i)~(iii)は、基板の全表面領域に対して画像が処理されるまで、若しくは基板の表面領域の選択された部分に対して画像が処理されるまで、複数の画像の各々について繰り返されるか、又は
ステップ(e)で形成された前記画像は、基板の全表面領域に対応する単一の画像であり、かつステップ(i)~(iii)は、前記単一の画像に対して一回で実行されるか、若しくはステップ(e)で形成された前記画像は、基板の表面領域の選択された部分に対応する単一の画像であり、かつステップ(i)~(iii)は、前記単一の画像に対して一回で実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記非金属表面上の粒子の位置を推定するように前記形成された画像を使用するステップを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ラマンレーザ源が粒子の位置の上方に移動するステップと、
粒子の位置で金属層を、ラマンレーザ源によって放射されるラマンレーザで照明するステップであって、
前記ラマンレーザは散乱光を生成するために前記金属層によって散乱され、かつ散乱光はラマン散乱光とレイリー散乱光の両方を含む、ステップと、
対物レンズで前記散乱光を受け取るステップと、
受け取られた散乱光からレイリー散乱光をフィルタ除去するステップ及び前記対物レンズを通ってラマン散乱光のみを通過するステップと、
ラマン散乱光を異なる周波数に分散するように光学分散格子を使用するステップと、
分散されたラマン散乱光が複数の画素を有する線形フォトダイオードに受光されるステップであって、各画素は、所定の異なる光周波数に関連付けられる、ステップと、
画素当たりの光子カウントを決定するステップであって、画素当たりの光子カウントが特定の周波数に対する光強度に対応する、ステップと、
ラマンスペクトルを形成するように周波数あたりの取得した光子数をプロットするステップと、を更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
粒子の材料を特徴付けるためにラマンスペクトルを使用するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記堆積された金属層が複数の異なるサイズの粒子を含み、金属層の全ての粒子の平均サイズが、10nm~100nmの範囲である請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記粒子の各々が、それぞれの金属層を備え、かつ粒子がない前記非金属表面の領域が金属層を備えるように、物理蒸着が基板の非金属表面上の前記金属層及び前記粒子上の前記金属層を堆積するように使用され、
粒子の各々に対して、その粒子上の金属層と前記金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の方法を実行するように動作可能なアセンブリであって、
このアセンブリは、
前記粒子の各々が、それぞれの金属層を備え、かつ粒子がない前記非金属表面の領域が金属層を備えるように、前記非金属表面上と基板の前記非金属表面上の前記粒子に金属層を堆積させるための手段を備えるステーションであって、このステーションは、粒子の各々に対して、その粒子上の金属層と前記非金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステーション、
それぞれ散乱された電磁線を生成するために前記電磁線が前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子及び金属表面上の金属層を電磁線で照明する手段を備えるステーション、又は
前記電磁線の少なくとも一部では、前記粒子上の金属層で吸収され、かつ前記電磁線の別の部分では、反射された電磁線を生成するために基板上の非金属表面上に設けられた金属層で反射されるように、前記粒子及び非金属表面上の金属層を電磁線で照明する手段を備えるステーション、
散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取ることができる、又は前記反射された電磁線を受け取ることができる、フォトダイオードのアレイを備えるステーション、
画素を備える画像を形成するための手段を備えるステーションであって、このステーションは、画像内の各画素が前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応する、ステーション、
粒子のサイズを決定するために前記形成された画像を処理するための手段を備えるステーション、
を備えるアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子のサイズを決定する方法、特に、(シリコンウェハなど)非金属表面上の粒子のサイズを決定する方法に関するものであって、
粒子及び非金属表面上に金属層を提供すること、
基板の金属表面及び粒子上の前記金属層を電磁線で照明すること、
散乱された電磁線又は反射された電磁線を使用して画像を形成すること、かつ
粒子のサイズを決定するために前記画像を処理すること、
を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子のサイズを決定するための既存の技術は不十分であることが証明されている。既存の技術は、基板上に金属表面を提供し、次いで、前記金属表面上に粒子を提供することを含み、次に、金属層が、基板の金属表面上及び粒子上に提供され、粒子及び基板上の金属層が、電磁線で照明され、散乱された電磁線又は反射された電磁線を使用して画像が形成され、次いで、画像が、粒子のサイズを決定することである。
【0003】
粒子のサイズを決定するためのこれらの既存の技術において、基板は金属表面を提供しなければならず、次いで、粒子は基板の金属表面上に提供されなければならない(すなわち、これらの既存の技術は、粒子が金属表面上に提供される場合にのみ機能する)。
【0004】
既存の技術は、非金属表面にある粒子上に金属層を提供するように適合されていれば、作用せず、その結果、不連続な金属層が生じ、金属層の隙間が画像にノイズを生じ、粒子のサイズの正確な決定を不可能にする。
【0005】
さらに、金属層がより連続的である(ギャップの数が少ない)ことを確実にするために金属層の厚さを増加させると、より小さいサイズの粒子(すなわち、金属層の厚さよりも小さいサイズを有する粒子)の多くが金属層内に完全に埋め込まれるようになり、金属層内に完全に埋め込まれた粒子は、電磁線又は反射電磁線を散乱せず、したがって、画像内に現れない。言い換えれば、不利なことに、非常に大きなサイズの粒子のサイズしか決定できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記既存の技術に関連する欠点を軽減又は除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、これらの目的は、本出願の独立請求項1に記載されたステップを有する方法によって達成され、従属請求項は、好ましい実施形態の任意の特徴を記載する。
【0008】
有利には、本発明の方法において、非金属表面上にある粒子のサイズが決定されている。これは、シリコンウェハなどの基板の表面上の粒子のサイズを決定することに特に有用である。
【0009】
本発明の例示的な実施形態は、説明において開示され、図面によって描画される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明による方法を実施する場合に行われるステップの流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によれば、粒子のサイズを決定する方法が提供され、この方法は、以下のステップ、即ち、
(a)前記非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する基板を提供するステップ、
(b)前記粒子の各々は、金属のそれぞれの単一層が提供され、粒子がない前記非金属表面の領域は、金属層が提供されるように、基板の非金属表面上と基板の非金属表面上に存在する粒子に金属層が堆積する、ステップであって、各粒子について、その粒子上の金属層と前記非金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステップ、
(c)それぞれ散乱された電磁線を生成するために、前記電磁線が、前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の前記金属層を電磁線で照明するステップ、又は前記電磁線の少なくとも一部では、前記粒子上の金属層で吸収され、かつ前記電磁線の別の部分では、反射された電磁線を生成するために基板上の非金属表面上に設けられた金属層で反射されるように、前記粒子及び非金属表面上の金属層を電磁線で照明するステップ、
(d)散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、又は反射された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、
(e)画素を含む画像を形成するステップであって、画像内の各画素が前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応する、暗視野画像を形成するステップ、
(f)粒子のサイズを決定するために前記画像を処理するステップ、
を含む。
【0012】
例えば、一実施形態では、形成された画像は白黒画像である。この実施形態では、形成された画像内の画素の「色」は、その画素が対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の「強度」(画素の強度は、その画素に対応するフォトダイオードに入射した光子の数に直接比例することになる)によって規定されている。別の実施形態では形成された画像はカラー画像であり、この実施形態では、形成された画像における画素の「色」は、その画素が対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の「周波数」と「強度」によって規定される(例えば、「赤」色の画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の周波数が430-480THzであることを意味し、かつ「赤」色の画素の「強度」は、その画素に対応するその画素に対応するフォトダイオードが受け取った430-480THzの周波数範囲内の写真の数に比例し、「オレンジ」色の画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の周波数が480-510THzであることを意味し、かつ「オレンジ」色の画素の「強度」は、その画素に対応するその画素に対応するフォトダイオードが受け取った480-510THzの周波数範囲内の写真の数に比例し、「黄」色の画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の周波数が510-540THzであることを意味し、かつ「黄」色の画素の「強度」は、その画素に対応するその画素に対応するフォトダイオードが受け取った510-540THzの周波数範囲内の写真の数に比例し、「緑」色の画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の周波数が540-580THzであることを意味し、かつ「緑」色の画素の「強度」は、その画素に対応するその画素に対応するフォトダイオードが受け取った540-580THzの周波数範囲内の写真の数に比例する)。
【0013】
例えば、形成された画像内の画素の色は、1つの周波数帯のみが散乱された電磁線内にある場合に、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った光子の数として数値的に表してもよい(画像は2次元マトリクスとして表すことができる)。別の例では、形成された画像内の画素の色が、複数の周波数帯域が散乱された電磁線内にある場合に、それぞれの周波数帯域と一緒に、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った光子の数として数値的に表すことができる(画像は3-d行列によって表すことができる)。別の例では、形成された画像内の画素の色は、散乱された電磁線内に1つの単一周波数帯域のみが存在する場合、又は散乱された電磁線が1つの単一周波数帯域に結合されている異なる周波数帯域を備える場合、明るさに簡略化することができる(例えば、異なる周波数帯域の異なる強度を合計することによって)。
【0014】
好ましい実施形態では、本方法は、以下のステップ、即ち、
(a)前記非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する基板を提供するステップ、
(b)前記粒子の各々は、金属のそれぞれの単一層が提供され、粒子がない前記非金属表面の領域は、金属層が提供されるように、基板の非金属表面上と基板の非金属表面上に存在する粒子に金属層が堆積する、ステップであって、各粒子について、その粒子上の金属層と前記非金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステップ、
(c)それぞれ散乱された電磁線を生成するために、前記電磁線が、前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の前記金属層を電磁線で照明するステップ、
(d)散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、
(e)画素を含む暗視野画像を形成するステップであって、画像内の各画素が前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った散乱光の強度及び/又は周波数に対応する、暗視野画像を形成するステップ、
(f)粒子のサイズを決定するために前記暗視野画像を処理するステップ、
を含む。
【0015】
ステップ(a)
ステップ(a)は、前記非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する基板を提供することを含む。
【0016】
ステップ(a)は、好ましくは、非金属表面を備える基板を提供することを含み、非金属表面は、好ましくは、ケイ素、SiO2(ガラス)、石英、ガリウムヒ素、Si3N4、TiO2、HfO2、ZnSe、ZnS、ZrO2、Nb2O5、LaTiO3、To2O5、LiF、MgF2、Na3AlF6、フォトレジスト、腐食防止剤層、又は接着促進剤層のうちの少なくとも1つ以上を備える。フォトレジストの例としては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)、アクリルポリマー、及びフェノール樹脂が挙げられるがこれらに限定されず、腐食防止剤の例としては、ベンゾトリアゾールが挙げられるがこれらに限定されず、接着促進剤層の例としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられるがこれらに限定されない。本発明において、非金属表面は、シリコン、SiO2(ガラス)、石英、ヒ化ガリウム、Si3N4、TiO2、HfO2、ZnSe、ZnS、ZrO2、Nb2O5、LaTiO3、To2O5、LiF、MgF2、Na3AlF6、フォトレジスト、腐食防止剤層、又は接着促進剤層のうちの少なくとも1つ以上を必要とすることに限定されず、むしろ、非金属表面は、任意の他の適切な非金属材料/化合物を含むことができることを理解されたい。
【0017】
非金属表面は、好ましくは、100オングストローム未満の粗さを有する。最も好ましくは、非金属表面は、50オングストローム未満の粗さを有する。粗さを測定するための任意の適切な既知の手段は、非金属表面の粗さを決定することに使用することができ、例えば、粗さ測定は、一定の距離にわたって測定された原子間力顕微鏡によって測定された二乗平均平方根であってもよい。
【0018】
ステップ(b)
ステップ(b)は、前記粒子の各々は、金属のそれぞれの単一層が提供され、粒子がない前記非金属表面の領域は、金属層が提供されるように、基板の非金属表面上と基板の非金属表面上に存在する粒子に金属層が堆積する、ステップであって、各粒子について、その粒子上の金属層と前記非金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステップである。
【0019】
ステップ(b)は、基板の全非金属表面上に、及び/又は基板の前記全非金属表面上にある全ての前記粒子の上に、金属層を堆積させることを必要とすることに限定されず、むしろ、代替的な実施形態では、基板の非金属表面の選択された部分上にのみ、かつ基板の非金属表面の前記選択された部分上にある粒子上にのみ、層又は金属が堆積されることを理解されたい。例えば、選択された部分は、非金属表面を横切るストリップであってもよい。
【0020】
好ましい実施形態では、基板の非金属表面上に堆積した金属層及び基板の前記非金属表面上にある前記粒子上に堆積した金属層は、複数の異なるサイズの粒子を含む。言い換えれば、金属の堆積した層は多粒である。最も好ましくは、堆積した金属層中の全ての粒子の平均サイズは、10nm~100nmの範囲である。堆積した金属層中のいくつかの粒子は100nmよりも大きいサイズを有し、かつ堆積した金属層中のいくつかの粒子は、10nmよりも小さいサイズを有してもよいが、堆積した金属層中にあるすべての粒子の平均サイズは、おおよそ10nm~100nmの範囲が好ましい。一実施形態では、堆積された金属層中の粒子の少なくとも85%が、10nm~100nmの範囲のサイズを有する。
【0021】
一実施形態では、堆積した金属層中の全ての粒子の平均サイズは、10nm~70nmの範囲である。一実施形態では、堆積した金属層中の全ての粒子の平均サイズは、10nm~35nmの範囲である。
【0022】
平均粒径は、次の1つ以上の様態、即ち、金属層の堆積速度、金属層が堆積しているときの基板の温度、によって影響され得る。一実施形態では、金属層が堆積しているときの基板の温度は、-100℃~80℃であってよい。一実施形態では、金属層が堆積するときの基板の温度は、0℃~40℃であってよい。一実施形態では、金属層が堆積するときの基板の温度は、20℃であってよい。一実施形態では、基板の温度は、チャックの温度を制御することによって制御される(チャックは、金属層が堆積されているときに基板を保持する構成要素である)。チャックの温度は、固相(熱電)加熱/冷却、又は流体支援加熱/冷却など、当技術分野で周知の方法を使用して制御してもよい。好ましくは、閉ループ制御が、基板の温度を所定の温度範囲内に維持する(又はチャックの温度を維持し、それによって基板の温度を間接的に維持する)ために使用される。
【0023】
本出願において、粒子の「サイズ」は、任意の測定可能な寸法(例えば、直径、長さ、幅、高さなどを含むが、これらに限定されない)によって規定してもよいことを理解されたい。最も好ましい実施形態では、各粒子は球形を有すると仮定され、かつ「サイズ」は「直径」、すなわち球形粒子の直径によって規定される。サイズが測定される粒子のいくつかは球形でなくてもよいが、非球形粒子について本発明で得られるサイズ測定は、好ましくは、照明されたときに同等レベルの散乱された電磁線を提供するであろう、対応する球形粒子の直径である。
【0024】
好ましい実施形態では、前記粒子上に堆積された金属の各層のそれぞれは、連続的又は実質的に連続的であり、言い換えれば、それぞれの粒子上に提供される層は、間隙若しくは空隙がないか、又は実質的に間隙若しくは空隙がない。例えば、一実施形態では、それぞれの粒子上に提供される層は、所定のサイズより大きい空隙がない(例えば、10nmより大きい直径を有する空隙がない)。これにより、それぞれの粒子が金属層の単一の塊を有することを保証する。好ましくは、それぞれの粒子上の金属層の単一の塊と、基板の非金属表面上に設けられた金属層との間にギャップが存在し、これにより、それぞれの粒子上の金属層のほぼ孤立した単一の塊が、光源での励起時に振動電気双極子を形成することが可能になり、ギャップは、有利には、増幅された光散乱及び/又は増幅された光吸収を提供するように働く。
【0025】
基板の非金属表面上に堆積された金属層及び前記粒子上に堆積された金属層は、W、Co、Ag、Au、Al、Cuのうちの少なくとも1つを含む。一実施形態によると、基板の非金属表面上に堆積された金属層及び前記粒子上に堆積された金属層は、W、Co、Ag、Au、Al、Cuのうち少なくとも1つの、少なくとも75重量%含む合金を含む。別の実施形態では、基板の非金属表面上に堆積された金属層及び前記粒子上に堆積された金属層は、Ag、Au、Alのうちの少なくとも1つの、少なくとも90重量%の合金を含む。
【0026】
基板の非金属表面上に堆積された金属層及び粒子上に堆積された金属層は、代替的に、Au、Ag、Al、Cu、Co、W、Ir、Pt、Pd、Ti、Fe、Cr、Sb、Ce、Dy、Er、Eu、Gd、Ge、Hf、In、Lu、Mg、Mn、Mo、Ni、Nb、Re、Ru、Ta、Zn、Y、V、Sn、Tm、及び/又は他の任意の適切な金属の10%以下の合金のうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
一実施形態では、本方法は、サイズが決定される粒子の最小サイズを規定することをさらに含み、基板の非金属表面上に堆積された金属層の厚さ及び前記粒子上に堆積された金属層の厚さは、前記規定された最小サイズよりも大きい。
【0028】
一実施形態では、基板の非金属表面は無機物であり、かつ基板の非金属表面上に堆積された金属層の厚さと、粒子上に堆積された金属層の厚さとが、10nm~150nmの範囲である。好ましくは、基板の非金属無機表面上に堆積された金属層の厚さと、前記粒子上に堆積された金属層の厚さとが、20nm~80nmの範囲である。より好ましくは、基板の非金属無機表面上に堆積された金属層の厚さと、前記粒子上に堆積される金属層の厚さとが、40nm~70nmの範囲である。最も好ましくは、基板の非金属無機表面上に堆積された金属層の厚さと、前記粒子上に堆積された金属層の厚さとが、50nmである。
【0029】
別の実施形態では、基板の非金属表面は有機物であり、基板の非金属有機表面上に堆積された金属層の厚さと、粒子上に堆積された金属層の厚さとが、20nm~160nmの範囲である。好ましくは、基板の非金属有機表面上に堆積された金属層の厚さと、粒子上に堆積された金属層の厚さとが、40nm~100nmの範囲である。より好ましくは、基板の非金属有機表面上に堆積された金属層の厚さと、粒子上に堆積された金属層の厚さとが、40nm~70nmの範囲である。最も好ましくは、基板の非金属有機表面上に堆積された金属層の厚さと、粒子上に堆積された金属層の厚さとが、50nmである。
【0030】
一実施形態では、ステップ(b)は、0.2オングストローム/秒~50オングストローム/秒の範囲の堆積速度で、基板の非金属表面上に金属層が堆積するステップと、前記粒子上に金属層が堆積するステップとを含む。好ましくは、堆積速度は、0.8オングストローム/秒~5オングストローム/秒の範囲である。最も好ましくは、堆積速度は1.2オングストローム/秒である。
【0031】
例えば、最も好ましい実施形態では、非金属表面はシリコンを含み、基板の非金属表面上に堆積された金属層と、前記粒子上に堆積された金属層とが、銀(Ag)を含み、基板の非金属表面上に堆積された金属層の厚さと、前記粒子上に堆積された金属層の厚さとが、40nm~70nmの範囲であり、(最も好ましくは、厚さは50nmである)、ステップ(b)が、0.8オングストローム/秒~5オングストローム/秒の範囲の堆積速度で、基板の非金属表面上に金属層が堆積するステップと、前記粒子上に金属層とが堆積するステップとを含む(最も好ましくは、堆積速度は1.2オングストローム/秒である)。
【0032】
物理蒸着(PVD)は、好ましくは、前記粒子の各々が、それぞれの金属層を備え、かつ粒子がない前記非金属表面の領域が金属層を備えるように、物理蒸着が基板の非金属表面上に前記金属層及び前記粒子を堆積するように使用される。代替的には、パルスレーザ蒸着、電子ビーム蒸着又は熱蒸着を使用することができる。好ましい実施形態では、前記粒子の各々が、それぞれの金属層を備え、粒子のない前記非金属表面の領域には金属層を備えるように、スパッタリングは、基板の非金属表面及び粒子上に前記金属層を堆積するために使用される。
【0033】
一実施形態では、(マグネトロンスパッタリングなどの)スパッタリング(スパッタリングは、一種の物理蒸着である)は、基板の非金属表面上に前記金属層を堆積させ、かつ前記粒子上に前記金属層を堆積させることに使用され、その結果、金属層が提供される粒子の無い前記非金属表面の領域、かつそれぞれの金属層に前記粒子の各々が提供される。スパッタリングが使用されるこの実施形態では、好ましくは、基板がチャンバ内に設けられている。スパッタリングの形でPVDを開始する前に、チャンバ内の圧力は、7E-5mbarより低いレベル(好ましくは5E-5mbarより低いレベル、最も好ましくは3E-5mbarより低いレベル)にされる。次いで、チャンバは、不活性ガス/希ガスで満たされて、所定の動作圧力に達する。不活性ガス/希ガスは、好ましくはアルゴン(Ar)である。次に、チャンバ内の圧力を、1E-3mbar~1E-1mbarの範囲の圧力レベルにされる(好ましくは、チャンバ内の圧力を、1E-2mbar~8E-2mbarの範囲の圧力レベルにされる。最も好ましくは、チャンバ内の圧力を、2E-2mbar~7E-2mbarの範囲の圧力レベルにされる)。この時点でスパッタリングを開始でき、金属が、前記それぞれの粒子の各々の上に金属層、かつ基板の非金属表面上の金属層を形成するために基板の非金属表面上に形成される。この実施形態では、前記金属は、ターゲットからチャンバ内に、かつ基板の非金属表面上に放出される。
【0034】
基板の非金属表面上に堆積される金属層と、それぞれの粒子上に堆積される前記金属層とがより均一になるように、当技術分野で知られている任意の適切な方法を使用することができる。例えば、基板の非金属表面上に堆積される金属層、及びそれぞれの粒子上に堆積される金属層をより均一にするために、本方法は、金属層が堆積されるときに基板を回転させることをさらに含んでもよい。基板は、その幾何学的形状の中心の周りに回転してもよいし、又はその幾何学的形状の中心からオフセットされた点の周りを回転してもよい。回転軸線は、ターゲットの幾何学的中心に一致することもあるし、一致しないこともある。代替的に又は追加的に、複数の金属源を、PVDプロセス中に堆積されるべき金属を供給する各源に設けてもよい。代替的に、又は追加的に、スパッタリングのために磁場変調を使用することができる。代替的に、又は追加的に、基板は、PVDプロセスの間、平行配向からオフセットされるように配向され得る。
【0035】
ステップ(c)-(e)
ステップ(c)は、それぞれ散乱された電磁線を生成するために、前記電磁線が、前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の前記金属層を電磁線で照明するステップ、又は
前記電磁線の少なくとも一部では、前記粒子上の金属層で吸収され、かつ前記電磁線の別の部分では、反射された電磁線を生成するために基板上の非金属表面上に設けられた金属層で反射されるように、前記粒子及び非金属表面上の金属層を電磁線で照明するステップ、
を含む。最も好ましい実施形態では、ステップ(c)は、それぞれ散乱された電磁線を生成するために、前記電磁線が、前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の前記金属層を、電磁線で照明するステップ、を含む。
【0036】
好ましい実施形態では、金属層は、金属層(前記粒子の全ての上の金属層を含む)の全体が照明されるまで部分的に証明される。しかしながら、ステップ(c)は、基板の非金属表面の全体の上の金属層及び/又は基板の非金属表面の全体の上にある前記粒子のすべての上の金属層の全体を照明することを必要とすることに限定されず、むしろ、代替的な実施形態では、非金属表面の上の金属層全体の一部のみが照明され、粒子の上の金属層の一部のみが照明される。そのような実施形態では、金属層は部分的に証明されるが、金属層全体の選択された部分(又は複数の選択された部分)のみが照明されることを理解されたい。
【0037】
ステップ(d)は、散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、又は前記反射された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップを含む。最も好ましい実施形態では、ステップ(d)は、散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取ることを含む。
【0038】
ステップ(e)は、画素を含む画像を形成するステップを含み、画像内の各画素は、前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応する。最も好ましい実施形態において、ステップ(e)は、画素を含む暗視野画像を形成し、画像中の各画素は、前記アレイ中のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像中の各画素の色は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った散乱光の強度及び/又は周波数に対応する。
【0039】
一実施形態では、形成された画像が白黒画像である。本実施形態では、形成された画像における画素の「色」は、その画素に対応するフォトダイオードが受信する電磁線の「強度」によって規定される(画素の強度は、その画素に対応するフォトダイオードに入射した光の数に直接比例することになる)。別の実施形態では形成された画像はカラー画像であり、本実施形態では、形成される画像における画素の「色」は、その画素に対応するフォトダイオードが受信した電磁線の「周波数」によって規定されている(例えば、「赤」色画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受信した電磁線の周波数が430~480THzの範囲にあることを意味し、「オレンジ」色画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受信した電磁線の周波数が480~510THzの範囲にあることを意味し、「黄」色画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受信した電磁線の周波数が510~540THzの範囲にあることを意味し、「緑」色画素は、その画素に対応するフォトダイオードが受信した電磁線の周波数が540~580THzの範囲にあることを意味する)。
【0040】
一実施形態では、フォトダイオードのアレイに入射する電磁線が、120nm~750nmの範囲の波長を有する。最も好ましい実施形態では、フォトダイオードのアレイに入射する電磁線が、280nm及び500nmの範囲の波長を有する。
【0041】
一実施形態では、散乱された電磁線は、レイリー散乱電磁線を含む。
【0042】
一実施形態では、前記それぞれの粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の金属層は、暗視野設定において電磁線で照明され、前記電磁線の少なくとも一部は、前記それぞれの粒子上の金属層によって散乱されて、散乱された電磁線を生成する(例えば、レイリー散乱)。散乱電磁線は、フォトダイオードのアレイで受け取られ、次いで、画素を含む暗視野イメージが形成され、暗視野イメージ内の各画素は、前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応する。前記暗視野画像内の各画素の色は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った散乱された電磁線の強度及び/又は周波数に対応する。散乱された電磁線をより高い割り合いで受け取ったフォトダイオードは、散乱された電磁線をより低い割合で受け取ったフォトダイオードに対応する画素よりも明るく見えるであろう。言い換えれば、暗視野画像内の各画素は、アレイ内で対応するフォトダイオードが受け取った散乱された電磁線の強度及び/又は周波数に対応する色を有する。前記それぞれの粒子上の前記金属層によって散乱された電磁線は、暗視野画像内に明るい色の画素を生成する。
【0043】
暗視野画像を使用する前述の実施形態では、好ましくは、電磁線は、基板の前記非金属表面上の金属層の表面の平面に対して90度にオフセットされた角度で、前記それぞれの粒子上の前記金属層及び基板の前記非金属表面上の金属層に入射する。好ましくは、電磁線は、広帯域の照明(例えば、白色光)で、前記粒子及び金属表面上の前記金属層を証明することによって提供される。
【0044】
上述の各実施形態において、好ましくは、前記各粒子上の前記金属層及び基板の非金属表面上の金属の層は、前記粒子及び非金属表面上の前記金属層を、広帯域の照明(例えば白色光)で照明することによって電磁線で照明される。
【0045】
一実施形態では、暗視野画像又は明視野画像を取り込むために、基板の前記非金属表面上の前記金属層及び前記それぞれの粒子上の金属層は、複数の異なる光源から放射される電磁線で照明される。言い換えると、基板の前記非金属表面上の前記金属層及び前記それぞれの粒子上の前記金属層を照明する電磁線は、複数の異なる光源によって提供される。一実施形態では、前記複数の異なる光源は、それぞれが異なる周波数帯域を有する複数の異なる光源を備える。
【0046】
一実施形態では、方法は、複数の画素を1つの画素に結合することを含む画素ビニングのステップをさらに含んでもよい。このステップは、ステップ(d)においていくつかの所定の種類のフォトダイオードを用いた場合に、ステップ(e)において形成される画像内にノイズを低減するように行うことができる。
【0047】
ステップ(f)
ステップ(f)は、粒子のサイズを決定するために前記画像を処理するステップを含む。好ましい実施形態では、ステップ(f)は、形成された画像が暗視野画像であるので、ステップ(f)は、粒子のサイズを決定するために、前記暗視野画像を処理するステップを含む。
【0048】
本出願において、粒子の「サイズ」は、任意の測定可能な寸法(例えば、直径、長さ、幅、高さなどを含むが、これらに限定されない)によって規定できることを理解されたい。最も好ましい実施形態では、各粒子は球形を有すると仮定され、「サイズ」は「直径」、すなわち球形粒子の直径によって規定される。サイズが測定される粒子のいくつかは、球形でなくてもよいが、非球形粒子について本発明で得られるサイズ測定は、好ましくは、照明されたときに同等レベルの散乱された電磁線を提供することになる対応する球形粒子の直径である。したがって、好ましい実施形態では、サイズが測定される粒子のいくつかが非球形であっても、これらの粒子の「サイズ」は、依然として「直径」によって規定される。したがって、本発明のステップ(f)において、粒子の「サイズ」を決定することは、好ましくは、各粒子の直径を決定することを意味する。
【0049】
好ましい実施形態では、前記形成された画像は、粒子のサイズを決定するために、前記形成された画像を処理するステップ(f)を実行する前に、まず、画像内のノイズを低減するために処理される。例えば、形成された画像を処理してノイズを低減するために、画像の平滑化又は適切なノイズフィルタリング技術を画像に対して実行してもよい。
【0050】
一実施形態では、粒子のサイズを決定するために形成された画像を処理するステップ(f)を実行する前に、形成された画像中のバックグラウンドを除去するステップが実行される。この実施形態では、先ず、形成された画像のバックグラウンドが、任意の適切な手段を使用して推定され、次いで、推定されたバックグラウンドが、形成された画像から減算される。例えば、形成された画像のバックグラウンドは、形成された画像の全ての画素の色の中央値を決定することにより推定してもよい、又は、形成された画像のバックグラウンドは、形成された画像内の画素の一つ以上のクラスタの色の中央値を決定することにより推定してもよい(各クラスタは任意の適切な数の画素を有してもよい-例えば、クラスタは1000画素でもよい)。別の例では、形成された画像のバックグラウンドは、
前記非金属表面上に粒子を含まない非金属表面を有する基板を提供するステップ、
基板の非金属表面上に金属層を堆積するステップ、
基板の前記非金属表面上の金属層を電磁線で照明するステップ、
任意の散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取るステップ、
画素を含む画像を形成するステップ、を含む較正ステップで事前に決定されてもよく、
画像中の各画素は前記アレイ中のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像中の各画素の色は、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応し、非金属表面は粒子を含まないので、形成された画像はバックグラウンドの推定値を規定する。別の例では、形成された画像のバックグラウンドは、多次元平面(単色(白黒)画像については2次元、多色(電磁線の複数の周波数帯域)画像については3次元)を形成された画像に適合させることによって推定してもよく、好ましくは、高次導関数に関する制約を伴う制約付き最小二乗法などの最適化アルゴリズムが使用される。導関数は画素の色の変化であり、したがって、その画素に対応するフォトダイオードに入射された散乱された光線からの光子数の変化を表すことに留意されたい。さらに、粒子は、通常、色により高い導関数をもたらすことに留意すべきである。したがって、十分に小さな導関数で計画をフィッティングし、この計画をバックグラウンドとして使用することで、粒子が保持される。好ましくは、小さな導関数は、検出されるべき最小粒子からの導関数の半分よりも小さい導関数を意味する。検出されるべき最小粒子からの導関数は、好ましくは、粒子のない非金属表面上にそのような粒子を堆積させ、
前記粒子上及び基板の非金属表面上の金属層を堆積することと、
前記粒子上の金属層及び基板の前記非金属条の前記金属層を電磁線で照明することと、
任意の散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取ることと、
画素を含む画像を形成することと、
によって推定され、画像中の各画素は前記アレイ中のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像中の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応し、前記画像中の粒子の平均微分を計算する、
ことに留意すべきである。
【0051】
粒子のサイズを決定するための、前記形成された画像を処理するステップは、
好ましくは、以下のステップ、即ち、
(i)画像を所定のモデルに入力するステップであって、所定のモデルは、所定の画像特徴の異なる組み合わせを規定し、かつ所定の画像特徴の異なる組み合わせのそれぞれに関連付けられる所定の粒子サイズを規定する、ステップと、
(ii)前記画像から特徴を抽出するステップ、及び前記抽出された特徴に合致する所定の画像特徴の組み合わせを識別するステップと、
(iii)前記抽出された特徴に合致する所定の画像特徴の前記識別された組み合わせに関連する所定の粒子サイズを出力するステップであって、出力された所定の粒子サイズは画像に示される粒子のサイズに対応する、ステップと、を含む。
【0052】
例えば、一実施形態では、色閾値が規定され、ステップ(e)で形成された画像内の画素のクラスタが規定される。ここで、クラスタ内の各画素は色閾値を上回る色を有し、各クラスタについて、そのクラスタを構成する画素の数がカウントされる。画素の数と粒子のサイズを関係付ける所定の較正曲線が提供される(換言すれば、曲線は粒子のサイズに対する画素の数のグラフである)、(この所定の較正曲線は、既知のサイズの粒子の画像が取り込まれて、クラスタの画素を有する画像を生じさせるようにする較正ステップにおいて決定されるのが好ましいことに留意すべきである。ここで、クラスタ内の各画素は色閾値を上回る色を有する。画素数を粒子のサイズに関連する較正曲線を形成することができるように、各粒子に対するクラスタ内の画素数が記録される)。前記カウントされた画素数に関連する検較正曲線上の粒子サイズは、その画素のクラスタが表す粒子のサイズに対応する。このようにして、各粒子のサイズを決定することができる。色閾値は、そのサイズが決定されるべき最小サイズの粒子に基づいて選択してもよい。この実施形態は、好ましくは、大きなサイズの粒子(典型的には、大きなサイズの粒子は、50nmよりも大きなサイズ(例えば、直径)を有する粒子である。しかしながら、大きなサイズの粒子が、照明強度、光学系の効率、フォトダイオードの効率、フォトダイオードのサイズなどの可変要因に依存することは理解されるべきである)に使用される。なぜなら、大きな粒子は、クラスタにおいて閾値を超える複数の画素の原因となる(そして、潜在的にはフォトダイオードでさえ飽和され、したがって、情報が失われる可能性がある)ためである。クラスタにおける閾値を超える画素の数は粒子のサイズに関連する。
【0053】
大きなサイズの粒子(例えば、50nmよりも大きなサイズの粒子)は、より多くの電磁線を散乱する。したがって、大きな粒子は、形成された画像中のより明るい(より高い光子数で表される色)画素をもたらす。小さいサイズの粒子(例えば、典型的には、小さいサイズの粒子は、50nmより小さいサイズ(例えば、直径)を有する粒子である。しかしながら、何をもって小サイズの粒子とするかは、照明強度、光学系の効率、フォトダイオードの効率、フォトダイオードのサイズなどの変動要因に依存することを理解すべきである)は、散乱量が少なく、その結果、散乱された電磁線の量が少なくなり、形成された画像内に、色閾値を上回る色を有するわずかな画素数をもたらすことになる。したがって、本発明の一実施形態では、形成された画像内の画素の色が、粒子のサイズを推定するために使用される。例えば、一実施形態では、画素色に関連する粒子サイズのエントリーとして有するルックアップテーブルが提供される。このルックアップは較正ステップ内で決定することができ、このステップでは、既知のサイズを有する粒子の画像が形成され、それらの画像のピクセルの強度が、記録され、その結果、ルックアップテーブル内の異なるそれぞれの粒子サイズに関連する異なるピクセルカラー値が存在する。本発明の実施形態は、そのサイズが決定されるべき最小サイズの粒子を規定するステップと、規定された最小サイズの粒子に対応する粒子サイズに関連する画素色値を、所定のルックアップテーブルから検索するステップとをさらに含むことができる。ここで、再試行された画素色値は、粒子サイズに対応する。
【0054】
形成された画像上に現れる高いバックグラウンド信号は、画像中の粒子に類似して見えることがあり、この結果として、この方法の結果を損なう可能性のあるノイズの源である。従って、それが画像中に高いバックグラウンド信号を有することが期待される場合は、粒子検出を適応させることが好ましい。例として、これは、検出する最小サイズの粒子の閾値が増加することによって行うことができる。
【0055】
一実施形態では前記形成された画像は、バックグラウンド信号を推定するために処理される。好ましくは、この処理が、(i)画像を所定のモデルに入力することを含み、所定のモデルは所定の画像特徴の異なる組み合わせを規定し、かつ所定の画像特徴の異なる組み合わせのそれぞれに関連する所定のバックグラウンド信号を規定することと、(ii)前記画像から特徴を抽出すること、かつ前記抽出された特徴に一致する所定の画像特徴の組み合わせを識別することと、(iii)前記抽出された特徴に一致する所定の画像特徴の前記識別された組み合わせに関連するバックグラウンド信号を出力することと、を含み、出力されたバックグラウンド信号は画像内に示されるバックグラウンド信号特性に対応する。好ましくは、バックグラウンド信号に起因すると推定される特性は、粒子の検出及びサイズ推定において無視される。
【0056】
例えば、画像のメジアン色が計算され、バックグラウンド信号を推定するために使用され、かつ計算される。本発明の一実施形態は、推定されたバックグラウンド信号に関連するサイズを確実に検出できる最小サイズの粒子を所定のルックアップテーブルから取り出すステップをさらに含んでもよい。
【0057】
より大きなサイズの粒子はより大量の電磁線を散乱し、この大量の散乱は、形成された画像内の近くの画素にノイズ(潜在的に「干渉パターン」とも呼ばれる)をもたらし、このノイズは別の粒子と間違える可能性がある。従って、一実施態様において、閾値の粒子サイズを規定することを更に含み、閾値の粒子サイズは、大きなサイズの粒子を構成するために粒子が有するべき最小の粒子サイズを規定すること、大きなサイズの粒子を表わす、形成されたイメージ内の画素のクラスタを同定すること、前記同定されたクラスタから所定の閾値の距離内にある、形成されたイメージ内の画素を除去することを含む。
【0058】
他の実施態様では、隣接する画素の間の色の導関数は、画素が粒子のイメージを表わすか、又はノイズであるかを決定するために使用される。例えば、ある画素が色閾値を大きく上回る色を有すると識別されたが、その識別された画素に隣接するすべての画素が色閾値を大きく下回る色を有する場合、前記識別された画素の色はノイズによるものであり、粒子の存在によるものではない(すなわち、粒子によって散乱された電磁線によるものではない)と仮定することができる。好ましくは、識別された画素の色と、識別された画素に隣接する画素の色との間の差が所定の閾値を超える場合、前記識別された画素の色はノイズに起因するものであり、粒子の存在に起因するものではないと仮定される。一方、識別された画素の色と、識別された画素に隣接する画素の色との間の差が所定の閾値未満である場合、前記識別された画素及びその周囲の隣接画素は、粒子を表す(すなわち、粒子によって散乱された電磁線に起因する)と仮定され、その場合、識別された画素に隣接する画素は、粒子のサイズを決定する場合に考慮される。例えば、画素の色を粒子のサイズに関連付ける所定の較正曲線が提供される。したがって、前記識別された画素及びその周囲の隣接する画素の強度が合計され、次いで、画素の色を粒子のサイズに関連する前記所定の較正曲線から粒子の対応するサイズが決定される。この所定の較正曲線は、好ましくは、既知のサイズの粒子の画像が取り込まれ、各粒子について、画像内のそれぞれの粒子を表す画素の強度が合計され、画素の強度の合計を粒子のサイズに関連する較正曲線を提供するような較正曲線ステップで決定されることに留意すべきである。
【0059】
一実施形態では、ステップ(e)で形成された前記画像は、基板の全表面領域の一部のみに対応する画像であるので、この実施形態では、ステップ(i)~(iii)が、基板の全表面領域の画像が処理されるまで、複数の画像の各々に対して繰り返されることを理解されたい。
例えば、一実施形態では、前記粒子上の金属層及び前記非金属表面上の前記金属層が照明されるにつれて、フォトダイオードのアレイが基板上の異なる位置に移動され、その結果、フォトダイオードのアレイは、基板の異なる領域で散乱された電磁線を受け取ることができ、その結果、基板領域の異なる領域の画像が取り込まれる。これらのステップは、基板の全表面領域をカバーする画像が取り込まれるまで繰り返される。別の実施形態では、ステップ(e)で形成された前記画像は、基板の全表面領域に対応する単一の画像であるが、ステップ(i)~(iii)は、前記単一の画像に対して一回だけ実行される必要がある。
【0060】
別の実施形態では、方法は、粒子のサイズの分布を決定するために、粒子の決定されたサイズを使用するステップをさらに含む。これは、複数の粒子のサイズが決定された後に行うことができる。次いで、分布は、所定のサイズ範囲内にある粒子の数として表してもよい(例えば、所定のサイズ範囲8nm及び12nm内に「X」個の粒子が存在し、所定のサイズ範囲13nm~20nm内に「Y」個の粒子が存在すると決定する)。
【0061】
別の実施形態では、方法は、基板の前記非金属表面上の粒子の位置を推定するために、ステップ(e)で形成された画像を使用するステップをさらに含む。この実施形態では、フォトダイオードのアレイが散乱された電磁線を受け取っている間、基板に対するフォトダイオードのアレイの相対的位置が、(例えば、ステップ「d」が実行されている場合に、所定の物理的位置で維持されたフォトダイオードのアレイを備えることで)既知である。基板に対するフォトダイオードのアレイの相対的位置を知り、焦点距離のようなフォトダイオードのアレイのパラメータを知ることで、前記粒子を描写する、形成された画像中の画素の位置から、形成された画像中に描写された粒子の基板上の物理的位置を決定することができる。他の実施態様において、方法は、基板上の既知の物理的位置を有する参照マーカーを示す形成されたイメージ内の画素を同定することを含む。参照マーカーを示すこれらの画素を参照として使用することにより、形成された画像に描写された粒子の基板上の物理的な位置を、参照マーカーを示す画素に対する形成された画像内の画素の位置から決定することができる。
【0062】
基板の前記非金属表面上の粒子の位置を推定するために、ステップ(e)で形成された画像が使用される場合、基板の表面上のサイズ分布を決定してもよい。
【0063】
一実施形態では、ステップ(e)で形成された画像は、前記非金属表面上の粒子の位置を推定するために使用され、方法は以下のステップ、即ち
ラマンレーザ源が粒子の位置の上方に移動するステップと、
粒子の位置で金属層を、ラマンレーザ源によって放射されるラマンレーザで照明するステップであって、
前記ラマンレーザは散乱光を生成するために前記金属層によって散乱され、かつ散乱光はラマン散乱光とレイリー散乱光の両方を含む、ステップと、
対物レンズで前記散乱光を受け取るステップと、
受光された散乱光からレイリー散乱光をフィルタ除去するステップ及び前記対物レンズを通ってラマン散乱光のみを通過するステップと、
ラマン散乱光を異なる周波数に分散するように光学分散格子を使用するステップと、
分散されたラマン散乱光が複数の画素を有する線形フォトダイオードに受け取られるステップであって、各画素は、所定の異なる光周波数に関連付けられる、ステップと、
画素当たりの光子カウントを決定するステップであって、画素当たりの光子カウントが特定の周波数に対する光強度に対応する、ステップと、
ラマンスペクトルを形成するように周波数あたりの取得した光子数をプロットするステップとを、更に含む。方法は、粒子の材料を特徴付けるために、ラマンスペクトルを使用するステップをさらに含んでもよい。この特徴付けは、基準スペクトルライブラリを使用して行ってもよい。基準スペクトルライブラリは、表面上にコーティングされた既知の粒子に基づく基準スペクトルが確立される以前の実験によって確立してもよい。
【0064】
本発明のさらなる態様によれば、上述の方法の実施形態のいずれか1つを実行するように動作可能なアセンブリが提供される。このアセンブリは、少なくとも、前記粒子の各々が、それぞれの金属層を備え、かつ粒子がない前記非金属表面の領域が金属層を備えるように、前記非金属表面上に金属層を堆積させるための手段と、基板の前記非金属表面に前記粒子とを堆積させるための手段とを備えるステーションであって、このステーションは、粒子の各々に対して、その粒子上の金属層と前記金属表面上の金属層との間に間隙が存在する、ステーション、
それぞれ散乱された電磁線を生成するために前記電磁線が前記粒子上の金属層で散乱されるように、前記粒子及び金属表面上の金属層を電磁線で照明する手段を備えるステーション、又は前記電磁線の少なくとも一部では、前記粒子上の金属層で吸収され、かつ前記電磁線の別の部分では、反射された電磁線を生成するために基板上の非金属表面上に設けられた金属層で反射されるように、前記粒子及び非金属表面上の金属層を電磁線で照明する手段を備えるステーション、
散乱された電磁線をフォトダイオードのアレイで受け取ることができる、又は前記反射された電磁線を受け取ることができる、フォトダイオードのアレイを備えるステーション、
画素を備える画像を形成するための手段を備えるステーションであって、このステーションは、画像内の各画素が前記アレイ内のそれぞれのフォトダイオードに対応し、前記画像内の各画素の色が、その画素に対応するフォトダイオードが受け取った電磁線の強度及び/又は周波数に対応する、ステーション、
粒子のサイズを決定するために前記形成された画像を処理するための手段を備えるステーション、
を備える。
【0065】
本発明の記載された実施形態に対する様々な修正及び変形は、添付の特許請求の範囲に規定された本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には明らかである。例えば、一実施形態では、方法は、非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する基板を提供することを含み、言い換えれば、粒子はすでに非金属表面上にある。これは、例えば、シリコンウェハが提供され、ウエハの表面上に粒子(又は破片)が存在する場合であり得る。別の実施形態では、清浄な非金属表面を有する基板が提供され、粒子が清浄な非金属表面に適用される。このような実施形態は、粒子を含む流体試料を基板の前記非金属表面と接触させるステップと、前記流体試料中にあった粒子のみが基板の非金属表面上に残るように、前記非金属表面から、前記非金属表面と接触させられた流体を除去するステップとを含むことができ、非金属表面上に粒子を有する非金属表面を有する前記基板を提供するようにする。この実施形態は、前記試料流体が基板の非金属表面と接触させられるときに基板を回転させるステップをさらに含んでもよい。この実施形態は、非金属表面から試料流体を蒸発するステップをさらに含んでもよい。
【0066】
本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されているが、特許請求される本発明は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。
【国際調査報告】