IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

特表2024-509044エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20240221BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20240221BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240221BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240221BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24F40/20
A24F40/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544765
(86)(22)【出願日】2023-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 KR2023001768
(87)【国際公開番号】W WO2023153774
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0016641
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、チェ-ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、トンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】アン、ピョンヨン
(72)【発明者】
【氏名】リ、チュン レ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AB01
4B045AB02
4B045AB16
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC13
4B162AC22
(57)【要約】
様々な実施形態に係るエアロゾル発生装置は、第1端部、前記第1端部の反対側の第2端部、及び前記第1端部から前記第2端部に向かう長さ、前記長手方向に沿って整列される媒質ロッド及びフィルタロッドを含み、前記媒質ロッドは、媒質を収容する媒質部と、前記長手方向を貫通して形成される1つ以上の気流パスを含む。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
第1端部、前記第1端部の反対側の第2端部及び前記第1端部から前記第2端部に向かう長さ、前記エアロゾル発生物品の長手方向に沿って整列される媒質ロッド及びフィルタロッドを含み、
前記媒質ロッドは、
媒質を収容する媒質部と、
前記長手方向を貫通して形成される1つ以上の気流パスと、
を含み、
前記気流パスは、前記媒質部の中心を貫通して形成されるメイン気流パスと、
前記メイン気流パスの周辺で前記メイン気流パスと平行に形成される1つ以上のサブ気流パスと、
を含む、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記サブ気流パスは、前記メイン気流パスの断面積よりも狭い断面積を有する、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記媒質ロッドは、
前記媒質ロッドの前記媒質部を包むラッパーと、
前記媒質部と前記ラッパーとの間に前記長手方向に形成されるサイド気流パスと、
をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記媒質部の長さと垂直な方向の断面は、円形、楕円形、凸多角形、及び凹多角形のいずれか1つである、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
エアロゾル形成基材を収容する煙霧ロッドをさらに含み、
前記煙霧ロッドは、前記媒質ロッドの上流側の端部に配置される、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記エアロゾル発生物品は、前記媒質ロッド、前記フィルタロッド、及び前記煙霧ロッドのうち少なくともいずれかの内部に収容される軟質カプセルをさらに含み、
前記軟質カプセルは熱分解可能な材料からなる、請求項5に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
エアロゾル発生システムであって、
媒質ロッド及びフィルタロッドを含み、前記媒質ロッドは、媒質を収容する媒質部、前記媒質部の中心を貫通して長手方向に形成されるメイン気流パス、及び前記メイン気流パスの周辺に前記メイン気流パスと平行に形成される1つ以上のサブ気流パスを含むエアロゾル発生物品と、
ハウジング、前記ハウジング内部に形成され、前記エアロゾル発生物品を収容する細長型の空洞、前記細長型の空洞に収容された前記エアロゾル発生物品を加熱する加熱部を含むエアロゾル発生装置と、
を含む、エアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記加熱部は、
内部加熱式である第1加熱要素と、
外部加熱式である第2加熱要素と、
を含む、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
それぞれの前記第1加熱要素及び前記第2加熱要素は、直接加熱式、誘導加熱式、熱風加熱式構造のいずれか1つである、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記第1加熱要素の最大加熱温度は、前記第2加熱要素の最大加熱温度よりも低い、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記加熱部の加熱によって形成されるエアロゾルは、前記メイン気流パス及び前記サブ気流パスを介して前記エアロゾル発生物品の下流側に移動される、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記媒質ロッドは、
前記媒質部の外側面を包む媒質シート、前記媒質ロッドの前記媒質シートを包むラッパー、及び前記媒質シートと前記ラッパーとの間に前記長手方向に形成されるサイド気流パスをさらに含み、
前記加熱部の加熱によって形成されるエアロゾルは、前記メイン気流パス、前記サブ気流パス、及び前記サイド気流パスを介して前記エアロゾル発生物品の下流側に移動される、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材を収容し、前記媒質ロッドの上流側の端部に配置される煙霧ロッドをさらに含み、
前記煙霧ロッドは、前記エアロゾル発生装置の前記加熱部により加熱されエアロゾルを形成する、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記加熱部は、前記細長型の空洞の一端部で突出するように構成される、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記加熱部は、
熱を発生させるヒーティングユニットと、
前記ヒーティングユニットによって加熱された熱風を発散する熱風ユニットと、
を含む、請求項14に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施形態はエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、伝統的な巻タバコの短所を克服する代替物品に関する需要が増加している。例えば、巻タバコスティックを電気的に加熱することでエアロゾルを発生させる装置(e.g.巻タバコ型電子タバコ)に関する需要が増加している。そのため、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用される巻タバコスティック(又は、エアロゾル発生物品)に対する研究が盛んに行われている。例えば、公開特許公報第10-2017-0132823号は、非燃焼型香味吸引器、香味喫煙源ユニット及び煙霧ユニットが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態に係る目的は、複数の気流パスを含む媒質ロッドを含むことによって、加熱により発生した気流及びエアロゾルの流動が円滑に行われるエアロゾル発生物品を提供することにある。
【0004】
一実施形態に係る目的は、複数の加熱体を配置して熱源を分散させることで、加熱効率の増大したエアロゾル発生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品は、第1端部、前記第1端部の反対側の第2端部及び前記第1端部から前記第2端部に向かう長さ、前記長手方向に沿って整列される媒質ロッド及びフィルタロッドを含み、前記媒質ロッドは、媒質を収容する媒質部と、前記長手方向を貫通して形成される1つ以上の気流パスとを含むことができる。
【0006】
一実施形態において、前記気流パスは、前記媒質部の中心を貫通して形成されるメイン気流パスと、前記メイン気流パスの周辺で前記メイン気流パスと平行に形成される1つ以上のサブ気流パスとを含むことができる。
【0007】
一実施形態において、前記サブ気流パスは、前記メイン気流パスの断面積よりも狭い断面積を有することができる。
【0008】
一実施形態において、前記媒質ロッドは、前記媒質ロッドの前記媒質部を包むラッパーと、前記媒質部と前記ラッパーとの間に前記長手方向に形成されるサイド気流パスとをさらに含むことができる。
【0009】
一実施形態において、前記媒質部の長さと垂直な方向の断面は、円形、楕円形、凸多角形、及び凹多角形のいずれか1つであり得る。
【0010】
一実施形態において、エアロゾル形成基材を収容する煙霧ロッドをさらに含み、前記煙霧ロッドは、前記媒質ロッドの上流側の端部に配置されることができる。
【0011】
一実施形態において、前記エアロゾル発生物品は、前記媒質ロッド、前記フィルタロッド、及び前記煙霧ロッドのうち少なくともいずれかの内部に収容される軟質カプセルをさらに含み、前記軟質カプセルは熱分解可能な材料からなることができる。
【0012】
様々な実施形態に係るエアロゾル発生システムは、媒質ロッド及びフィルタロッドを含み、前記媒質ロッドは、媒質を収容する媒質部、前記媒質部の中心を貫通して長手方向に形成されるメイン気流パス、及び前記メイン気流パスの周辺に前記メイン気流パスと平行に形成される1つ以上のサブ気流パスを含むエアロゾル発生物品と、ハウジング、前記ハウジング内部に形成され、前記エアロゾル発生物品を収容する細長型の空洞、前記細長型の空洞に収容された前記エアロゾル発生物品を加熱する加熱部を含むエアロゾル発生装置とを含むことができる。
【0013】
一実施形態において、前記加熱部は、内部加熱式である第1加熱要素と、外部加熱式である第2加熱要素とを含むことができる。
【0014】
一実施形態において、それぞれの前記第1加熱要素及び前記第2加熱要素は、直接加熱式、誘導加熱式、熱風加熱式構造のいずれか1つであり得る。
【0015】
一実施形態において、前記第1加熱要素の最大加熱温度は、前記第2加熱要素の最大加熱温度よりも低くてもよい。
【0016】
一実施形態において、前記加熱部の加熱によって形成されるエアロゾルは、前記メイン気流パス及び前記サブ気流パスを介して前記エアロゾル発生物品の下流側に移動されることができる。
【0017】
一実施形態において、前記媒質ロッドは、前記媒質部の外側面を包む媒質シート、前記媒質ロッドの前記媒質シートを包むラッパー、及び前記媒質シートと前記ラッパーとの間に前記長手方向に形成されるサイド気流パスをさらに含み、前記加熱部の加熱によって形成されるエアロゾルは、前記メイン気流パス、前記サブ気流パス、及び前記サイド気流パスを介して前記エアロゾル発生物品の下流側に移動されることができる。
【0018】
一実施形態において、前記エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材を収容し、前記媒質ロッドの上流側の端部に配置される煙霧ロッドをさらに含み、前記煙霧ロッドは、前記エアロゾル発生装置の前記加熱部により加熱されエアロゾルを形成することができる。
【0019】
一実施形態において、前記加熱部は、前記細長型の空洞の一端部で突出するように構成されることができる。
【0020】
一実施形態において、前記加熱部は、熱を発生させるヒーティングユニットと、前記ヒーティングユニットによって加熱された熱風を発散する熱風ユニッとを含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
一実施形態に係るエアロゾル発生物品は、複数の気流パスを含む媒質ロッドを含むことで、加熱により発生した気流及びエアロゾルの流動が円滑に行われることができる。
【0022】
一実施形態に係るエアロゾル発生システムは、複数の加熱体を配置して熱源を分散させることで、加熱効率を増大させることができる。
【0023】
一実施形態に係るエアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システムの効果は、以上で言及されたものなどに限定されず、言及されない他の効果は下記の記載により当業者にとって明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係るエアロゾル発生装置のブロック図である。
図2A】様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品の概略的な斜視図である。
図2B】様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品の概略的な斜視図である。
図3A】様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品の概略的な断面図である。
図3B】様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品の概略的な断面図である。
図3C】様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品の概略的な断面図である。
図4A】様々な実施形態に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
図4B】様々な実施形態に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
図5】他の実施形態に係る加熱部を含むエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
図6A】一実施形態に係るエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
図6B】一実施形態に係るエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り現在に幅広く使用されている一般的な用語を選択したが、これは当分野の技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などによって異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合に該当する発明の説明部分において詳しくその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0026】
明細書の全体において、いずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。また、明細書に記載されている「~部」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェアで具現されるか、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより具現されることができる。
【0027】
本明細書で使用されたように、「少なくとも1つ」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではなく、全体の構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、又はaとb、aとc、bとc、又はaとbとcを含むものと解釈しなければならない。
【0028】
以下の実施形態において、「エアロゾル発生物品」は、媒質を収容する物品であって、エアロゾルが該当物品を通過して媒質が移行される物品を意味する。エアロゾル発生物品の代表的な例として巻タバコが挙げられるが、本開示の範囲がこれに限定されることはない。
【0029】
以下の実施形態において、「上流」(upstream)又は「上流方向」は、ユーザ(喫煙者)の口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」(downstream)又は「下流方向」はユーザの口部から近づく方向を意味する。上流及び下流という用語は、エアロゾル発生物品を構成している要素の相対的な位置を説明するために使用される。
【0030】
以下の実施形態において、「パフ(puff)」は、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を介してユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に吸引する状況を意味する。
【0031】
一実施形態において、エアロゾル発生装置は、内部空間に収容されるエアロゾル発生物品を電気的に加熱してエアロゾルを生成する装置である。
【0032】
エアロゾル発生装置はヒーターを含む。一実施形態において、ヒーターは、電気抵抗性ヒーターであってもよい。例えば、ヒーターは電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れれば、ヒーターが加熱される。
【0033】
ヒーターは、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素、又は棒型の加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形状に応じてエアロゾル発生物品の内部又は外部が加熱される。
【0034】
巻タバコは、タバコロッド及びフィルタロッドを含む。タバコロッドはシート(sheet)で製造されてもよく、ストランド(strand)で製造されてもよい。タバコシートが細かく切られた刻みタバコで製造されてもよい。また、タバコロッドは、熱伝導物質により包まれてもよい。例えば、熱伝導物質は、アルミホイルのような金属ホイールであってもよいが、これに限定されることはない。
【0035】
フィルタロッドは、アセチルセルロースフィルタであってもよい。フィルタロッドは、少なくとも1つ以上のセグメントから構成されることができる。例えば、フィルタロッドは、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれている所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。
【0036】
他の実施形態において、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材を保持するカートリッジを用いてエアロゾルを生成する装置であってもよい。
【0037】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材を保持するカートリッジ及びカートリッジを支持する本体を含むことができる。カートリッジは本体と着脱可能に結合されるが、これに限定されることはない。カートリッジは、本体と一体に形成されたり組み立てられ、ユーザにより着脱されないように固定されてもよい。カートリッジは、内部にエアロゾル形成基材を収容した状態で本体に装着されてもよい。但し、これに制限されることなく、カートリッジが本体に結合された状態でカートリッジの内部にエアロゾル形成基材が注入されてもよい。
【0038】
カートリッジは、液体状態、固体状態、気体状態、ゲル(gel)状態などの様々な状態のいずれか1つの状態を有するエアロゾル形成基材を保持し得る。エアロゾル形成基材は、液相組成物を含んでもよい。例えば、液相組成物は、揮発性タバコ香り成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。
【0039】
カートリッジは、本体から伝達される電気信号又は無線信号などによって作動することで、カートリッジ内部のエアロゾル形成基材の相(phase)を気体の相に変換してエアロゾルを発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル形成基材から発生した蒸気化された粒子及び空気が混合した状態の気体を意味する。
【0040】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、液相組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、巻タバコを通過してユーザに伝達されることができる。すなわち、液相組成物から生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置の気流通路に沿って移動し、気流通路は、エアロゾルが巻タバコを通過してユーザに伝達されるように構成され得る。
【0041】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、超音波振動方式を用いてエアロゾル形成基材からエアロゾルを生成する装置であってもよい。ここで、超音波振動方式は、振動子により発生する超音波振動であって、エアロゾル形成基材を霧化させることでエアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0042】
エアロゾル発生装置は振動子を含んでもよく、振動子を介して短い周期の振動を発生させてエアロゾル形成基材を霧化させ得る。振動子で発生する振動は超音波振動であってもよく、超音波振動の周波数帯域は、約100Hz~約3.5MHz周波数帯域であってもよいが、これに限定されることはない。
【0043】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材を吸収する芯をさらに含んでもよい。例えば、芯は、振動子の少なくとも一領域を取り囲むように配置されたり、又は、振動子の少なくとも一領域と接触するように配置されてもよい。
【0044】
振動子に電圧(例えば、交流電圧)が印加されることにより、振動子から熱及び/又は超音波振動が発生し、振動子から発生した熱及び/又は超音波振動は、芯に吸収されたエアロゾル形成基材に伝達され得る。芯に吸収されたエアロゾル形成基材は、振動子から伝達される熱及び/又は超音波振動によって気体の相(phase)に変換され、その結果、エアロゾルが生成される。
【0045】
例えば、振動子から発生した熱によって芯に吸収されたエアロゾル形成基材の粘度が低くなり、振動子から発生された超音波振動によって粘度が低くなったエアロゾル形成基材が微細粒子化されることでエアロゾルが生成されてもよいが、これに限定されることはない。
【0046】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、誘導加熱(induction heating)方式でエアロゾル発生装置に収容されるエアロゾル生成物品を加熱することによって、エアロゾルを生成する装置であってもよい。
【0047】
エアロゾル発生装置は、サセプタ(susceptor)及びコイルを含んでもよい。一実施形態において、コイルはサセプタに磁場を印加してもよい。エアロゾル発生装置からコイルに電力が供給されることでコイルの内部には磁場が形成され得る。一実施形態において、サセプタは、外部磁場によって発熱する磁性体であってもよい。サセプタがコイルの内部に位置して磁場が印加されることで発熱しエアロゾル生成物品が加熱される。また、選択的に、サセプタはエアロゾル生成物品内に配置されてもよい。
【0048】
更なる実施形態において、エアロゾル発生装置は、クレードル(cradle)をさらに含んでもよい。
【0049】
エアロゾル発生装置は、別途のクレードルと共にシステムを構成することができる。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置のバッテリを充電し得る。又は、クレードルとエアロゾル発生装置とが結合した状態で加熱器が加熱されてもよい。
【0050】
以下では、添付した図面を参考して本開示の実施形態について当技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本開示は、先に説明された様々な実施形態のエアロゾル発生装置で実現可能な形態に実施されたり、又は様々な異なる形態に具現されて実施されるが、ここで説明する実施形態に制限されない。
【0051】
以下では、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0052】
図1は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置100のブロック図である。
【0053】
エアロゾル発生装置100は、制御部110、検出部120、出力部130、バッテリ140、ヒーター150、ユーザ入力部160、メモリ170及び通信部180を含む。但し、エアロゾル発生装置100の内部構造は図1に示されたものに制限されない。すなわち、エアロゾル発生装置100の設計に応じて、図1に示された構成うちの一部が省略されたり、新しい構成がさらに追加され得ることを、本実施形態に関する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解でできるのであろう。
【0054】
検出部120は、エアロゾル発生装置100の状態、又はエアロゾル発生装置100周辺の状態を検出し、検出された情報を制御部110に伝達する。制御部110は、前記検出された情報に基づいて、ヒーター150の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品(例えば、エアロゾル発生物品、カートリッジなど)の挿入の有無判断、通知表示などのような様々な機能が実行されるようにエアロゾル発生装置100を制御することができる。
【0055】
検出部120は、温度センサ122、挿入検出センサ124及びパフセンサ126のうち少なくとも1つを含むが、これに制限されることはない。
【0056】
温度センサ122は、ヒーター150(又は、エアロゾル形成基材)が加熱する温度を検出する。エアロゾル発生装置100は、ヒーター150の温度を検出する別途の温度センサを含んだり、ヒーター150そのものが温度センサの役割を行ってもよい。又は、温度センサ122は、バッテリ140の温度をモニタリングするように、バッテリ140の周辺に配置されたものであってもよい。
【0057】
挿入検出センサ124は、エアロゾル発生物品の挿入及び/又は除去を検出することができる。例えば、挿入検出センサ124は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含んでもよく、エアロゾル発生物品が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を検出することができる。
【0058】
パフセンサ126は、気流通路又は気流チャネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを検出することができる。例えば、パフセンサ126は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうちのいずれか1つに基づいてユーザのパフを検出してもよい。
【0059】
検出部120は、前述したセンサ122~126の他に、オン/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つをさらに含んでもよい。角度センサの機能は、その名称から当業者が直観的に推論できるため、具体的な説明は省略されてもよい。
【0060】
出力部130は、エアロゾル発生装置100の状態に関する情報を出力してユーザに提供する。出力部130は、ディスプレイ部132、ハプティック部134及び音響出力部136のうち少なくとも1つを含むが、これに限定されることはない。ディスプレイ部132とタッチパッドがレイヤ構造をなしてタッチスクリーンから構成される場合、ディスプレイ部132は出力装置以外に入力装置として使用されてもよい。
【0061】
ディスプレイ部132は、エアロゾル発生装置100に関する情報をユーザに視覚的に提供することができる。例えば、エアロゾル発生装置100に関する情報は、エアロゾル発生装置100のバッテリ140の充填/放電状態、ヒーター150の予熱状態、エアロゾル発生物品の挿入/除去状態又はエアロゾル発生装置100の使用が制限される状態(例えば、異常物品の検出)などの様々な情報を意味し、ディスプレイ部132は前記情報を外部に出力してもよい。ディスプレイ部132は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部132はLED発光素子の状態であってもよい。
【0062】
ハプティック部134は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換し、エアロゾル発生装置100に関する情報をユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部134は、モータ、圧電素子、又は、電気刺激装置を含んでもよい。
【0063】
音響出力部136は、エアロゾル発生装置100に関する情報をユーザに聴覚的に提供することができる。例えば、音響出力部136は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0064】
バッテリ140は、エアロゾル発生装置100が動作するために使用される電力を供給する。バッテリ140は、ヒーター150が加熱できるように電力を供給し得る。また、バッテリ140は、エアロゾル発生装置100内に備えられた異なる構成(例えば、検出部120、出力部130、ユーザ入力部160、メモリ170及び通信部180)の動作に必要な電力を供給する。バッテリ140は、充電可能なバッテリや使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ140は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、これに制限されることはない。
【0065】
ヒーター150は、バッテリ140から電力が供給されてエアロゾル形成基材を加熱する。図1には図示されていないが、エアロゾル発生装置100は、バッテリ140の電力を変換してヒーター150に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに含んでもよい。また、エアロゾル発生装置100が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル発生装置100は、バッテリ140の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含んでもよい。
【0066】
制御部110、検出部120、出力部130、ユーザ入力部160、メモリ170、及び通信部180は、バッテリ140から電力を供給されて機能を行うことができる。図1には図示されていないが、バッテリ140の電力を変換し、それぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路又は電圧レギュレータ回路をさらに含んでもよい。
【0067】
一実施形態において、ヒーター150は、任意の適切な電気抵抗性物質で形成されてもよい。例えば、適切な電気抵抗性物質は、タイタニウム、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロミウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属又は金属合金であってもよいが、これに制限されることはない。また、ヒーター150は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などに実現されるが、これに制限されることはない。
【0068】
他の実施形態において、ヒーター150は、誘導加熱方式のヒーターであってもよい。例えば、ヒーター150はコイルによって印加された磁場を介して発熱し、エアロゾル形成基材を加熱するサセプタを含んでもよい。
【0069】
一実施形態において、ヒーター150は複数のヒーターを含んでもよい。例えば、ヒーター150は、エアロゾル発生物品を加熱するための第1ヒーター及び液相を加熱するための第2ヒーターを含んでもよい。
【0070】
ユーザ入力部160は、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力する。例えば、ユーザ入力部160は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線検出方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあるが、これに限定されることはない。また、図1に図示されていないが、エアロゾル発生装置100は、USB(universal serial bus)インターフェースなどのような接続インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどのような接続インターフェースを介して他の外部装置に接続されて情報を送受信したり、バッテリ140を充電し得る。
【0071】
メモリ170は、エアロゾル発生装置100内で処理される各種のデータを格納するハードウェアとして、制御部110で処理されたデータ及び処理されるデータを格納してもよい。メモリ170は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM(random access memory)SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの格納媒体を含んでもよい。メモリ170は、エアロゾル発生装置100の動作時間、最大のパフ回数、現在のパフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに対するデータなどを格納してもよい。
【0072】
通信部180は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含む。例えば、通信部180は、近距離通信部182及び無線通信部184を含む。
【0073】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)182は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイファイ)通信部、ジグビー(Zigbee)(登録商標)通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むが、これに制限されることはない。
【0074】
無線通信部184は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むが、これに制限されることはない。無線通信部184は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI))を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置100を確認及び認証してもよい。
【0075】
制御部110は、エアロゾル発生装置100の全般的な動作を制御する。一実施形態において、制御部110は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。プロセッサは複数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとそのマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されることができる。また、他の形態のハードウェアで実現され得ることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解できるのであろう。
【0076】
制御部110は、バッテリ140の電力をヒーター150に供給することを制御することでヒーター150の温度を制御できる。例えば、制御部110は、バッテリ140とヒーター150との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することで電力供給を制御し得る。異なる例として、制御部110の制御命令に応じて、加熱直接回路がヒーター150に対する電力供給を制御してもよい。
【0077】
制御部110は、検出部120によって検出された結果を分析し、その後実行される処理を制御する。例えば、制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて、ヒーター150の動作が開示又は終了するようにヒーター150に供給される電力を制御することができる。異なる例えば、制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて、ヒーター150が所定の温度まで加熱されたり、適切な温度を保持できるようにヒーター150に供給される電力量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0078】
制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて、出力部130を制御することができる。例えば、パフセンサ126を介してカウントされたパフ回数が予め設定された回数に達すると、制御部110は、ディスプレイ部132、ハプティック部134、及び音響出力部136のうち少なくとも1つを介してユーザにエアロゾル発生装置100がすぐに終了することを予告できる。
【0079】
一実施形態において、制御部110は、検出部120によって検出されたエアロゾル発生物品の状態に応じてヒーター150に対する電力供給時間及び/又は電力供給量を制御することができる。例えば、エアロゾル発生物品が過湿状態である場合に、制御部110は、誘導コイルに対する電力供給時間を制御し、エアロゾル発生物品が一般的な状態である場合よりも予熱時間を増加させることができる。
【0080】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも実現されてもよい。コンピュータで読み出し可能な記録媒体は、コンピュータによってアクセスされる任意の使用可能媒体であってもよく、揮発性及び非揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体を全て含む。また、コンピュータで読み出し可能な記録媒体は、コンピュータ格納媒体及び通信媒体を全て含むことができる。コンピュータ格納媒体は、コンピュータ読み出し可能命令語、データ構造、プログラムモジュール、又は、その他のデータのような情報の格納のための任意の方法又は技術で具現された揮発性及び非揮発性、分離型及び非分離型媒体を全て含んでもよい。通信媒体は、典型的にコンピュータ読み出し可能命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調したデータ信号のその他のデータ、又は、その他の送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0081】
図2A及び図2Bは、様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品2の概略的な斜視図である。
【0082】
図2A及び図2Bを参照すると、一実施形態に係るエアロゾル発生物品2は、第1端部2a、第2端部2b、及び第1端部2aから第2端部2bを向かっている長さを含む。例えば、図2A及び図2Bを参照すると、第1端部2aはエアロゾル発生物品2の上流側の端部であり、第2端部2bはエアロゾル発生物品2の下流側の端部である。
【0083】
図2Aを参照すると、一実施形態に係るエアロゾル発生物品2は、媒質ロッド21及びフィルタロッド22をさらに含む。一実施形態において、媒質ロッド21及びフィルタロッド22は長手方向に沿って整列されてもよい。
【0084】
一実施形態において、媒質ロッド21は、フィルタロッド22の上流方向に配置されてもよい。
【0085】
一実施形態において、媒質ロッド21は媒質を含んでもよい。一実施形態に係る媒質は、シートタバコ、刻みタバコ、再構成タバコなどのタバコ原料を基礎にする固体物質及びニコチン、タバコ抽出物及び又は様々な香味剤を基礎にする液相組成物を含むが、必ずこれに限定されず、ビタミン、タウリン、カフェイン、GABAなどの物質を含んでもよい。また、媒質ロッド21は、風味剤、湿潤剤、及び/又は有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有してもよい。また、媒質ロッド21には、メントール又は保湿剤などの加香液が、媒質ロッド21に噴射されることによって添加してもよい。
【0086】
一実施形態において、フィルタロッド22はアセチルセルロースフィルタ又は紙フィルタであってもよいが、これに限定されない。フィルタロッド22の形状には制限がない。例えば、フィルタロッド22は円柱タイプのロッドであってもよく、内部に中空を含むチューブタイプのロッドであってもよい。また、フィルタロッド22は、リセースタイプのロッドであってもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントから構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが他の形状に製造されてもよい。
【0087】
図2Bを参照すると、一実施形態に係るエアロゾル発生物品2は、煙霧ロッド23をさらに含んでいる。一実施形態において、煙霧ロッド23は、媒質ロッド21の上流側の端部に配置されてもよい。一実施形態において、煙霧ロッド23はエアロゾル形成基材を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基材は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含むが、これに限定されない。また、媒質ロッド21は、風味剤、湿潤剤、及び/又は有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有してもよい。また、媒質ロッド21には、メントール又は保湿剤などの加香液が、媒質ロッド21に噴射されることによって添加してもよい。
【0088】
一実施形態に係るエアロゾル発生物品2は、少なくとも1つのラッパー24によって包装されてもよい。ラッパー24には外気が流入されたり内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。一例として、エアロゾル発生物品2は、1つのラッパー24によって包装されてもよい。異なる例として、エアロゾル発生物品2は、2以上のラッパー24によって重複的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパー241により媒質ロッド21が包装され、ラッパー242,243,244によってフィルタロッド22が包装されてもよい。そして、単一ラッパー245によりエアロゾル発生物品2の全体が再包装されてもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントから構成されれば、それぞれのセグメントがラッパー242,243,244によって包装されてもよい。
【0089】
一実施形態に係るエアロゾル発生物品2は、少なくとも1つのカプセルC又はC2を含んでいる。一実施形態に係るカプセルC又はC2は、香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセルC又はC2は香料を含む液体を被膜で包んだ構造である。このような軟質カプセルC又はC2は、媒質ロッド21、フィルタロッド22及び煙霧ロッド23のうち少なくともいずれか1つの内部に収容されることができる。一実施形態に係る軟質カプセルC又はC2は、熱分解可能な材料で製造されてもよい。軟質カプセルC又はC2が熱分解可能な材料で製造される場合、エアロゾル発生装置により加熱して生成されたエアロゾルがエアロゾル発生物品2の上流側から下流側に移動することにより、熱感が軟質カプセルC又はC2に伝達されることで軟質カプセルC又はC2が分解され、カプセル内部に含まれている物質がエアロゾルと共に移行され得る。一実施形態において、軟質カプセルC又はC2は、球状又は円筒状の形状を有してもよいが、これに制限されることはない。
【0090】
図3A図3Cは、様々な実施形態に係るエアロゾル発生物品2の概略的な断面図である。
【0091】
図3A図3Cを参照すると、一実施形態に係るエアロゾル発生物品2の媒質ロッド21は、媒質部211及び気流パス212を含む。一実施形態に係る気流パス212は、圧縮された媒質部211の媒質間の空間に長手方向の経路を形成することで、媒質がエアロゾルによって円滑にエアロゾル発生物品2の上流側から下流側に移行させるためのものである。
【0092】
一実施形態に係る媒質部211は媒質を含んでもよく、媒質は、シートタバコ、刻みタバコ、再構成タバコなどタバコ原料を基礎にする固体物質、及びニコチン、タバコ抽出物及び又は様々な香味剤を基礎にする液相組成物を含むが、必ずこれに限定されず、ビタミン、タウリン、カフェイン、GABAなどの物質を含んでもよい。
【0093】
図3Aを参照すると、一実施形態に係る気流パス212は、媒質部211の長手方向を貫通するように形成されてもよい。一実施形態において、媒質ロッド21は、1つ以上の気流パス212を含んでいる。
【0094】
図3Bを参照すると、一実施形態に係る気流パス212は、媒質部211の断面の中心を貫通するように形成されるメイン気流パス212a及びメイン気流パス212aの周辺にメイン気流パスと平行な方向に形成されるサブ気流パス212bを含む。媒質ロッド21は、1つ以上のサブ気流パス212bを含んでもよい。引き続き図3Bを参照すると、一実施形態に係るサブ気流パス212bは、メイン気流パス212aの断面積よりも狭い断面積を有してもよい。他の実施形態に係るサブ気流パス212bは、メイン気流パス212aの断面積と同一であるか、広い断面積を有してもよい。
【0095】
図3Cを参照すると、一実施形態に係る気流パス212は、サイド気流パス212cをさらに含む。一実施形態において、媒質ロッド21は、媒質部211を包むラッパー24を含んでもよい。ここで、媒質部211とラッパー24との間に長手方向に離隔している空間が形成されてもよい。このように離隔された空間は、一実施形態に係るサイド気流パス212cとして機能することができる。
【0096】
一実施形態において、媒質部211の長手方向に垂直な方向の断面(図3C参照)は、円形、楕円形、凸多角形、及び凹多角形のいずれか1つであってもよい。例えば、図3Cを参照すると、媒質部211の長手方向と垂直な方向の断面は、凹多角形の1つである星の形状であってもよい。
【0097】
引き続き図3Cを参照するとき、媒質部211の長手方向と垂直な方向の断面が円形でない場合、媒質ロッド21は、媒質部211の形状を保持するために役立つ媒質シート213をさらに含んでもよい。媒質部211の長手方向と垂直な方向の断面が円形でない場合、媒質部211とラッパー24との間に複数のサイド気流パス212cが形成される。気流パス212は、圧縮された媒質部211の媒質がエアロゾルによって円滑に移行できるようにするため、媒質部211の側面を包む媒質シート213は、透過性材料により形成されることが好ましい。
【0098】
一実施形態において、媒質部211が図3Cのような多角形である場合、中央加熱式の加熱部によって媒質部211が加熱される場合に媒質部外郭の媒質量を減少させることで、十分に加熱されないまま捨てられる媒質量を減らすことができる。
【0099】
図4A及び図4Bは、様々な実施形態に係るエアロゾル発生装置3を概略的に示す図である。
【0100】
図4A及び図4Bを参照するとき、エアロゾル発生装置3は、ハウジング31、細長型の空洞32、加熱部33、バッテリ34及び制御部35を含む。
【0101】
一実施形態に係るハウジング31は、エアロゾル発生物品2を少なくとも部分的に収容し、多様な電子/機械コンポーネントを収容するように構成されている。
【0102】
一実施形態に係る細長型の空洞32は、エアロゾル発生物品2を少なくとも部分的に収容することができる。細長型の空洞32に収容されたエアロゾル発生物品2は、加熱部33によって加熱されることによりエアロゾルを発生させ、発生したエアロゾルはユーザの口部を介して吸入される。
【0103】
一実施形態に係る加熱部33は、細長型の空洞32に収容されたエアロゾル発生物品2を加熱する。一実施形態において、加熱部33は1つ以上の加熱要素(例えば、図4Bの331、332)を含んでもよい。例えば、加熱部33は、エアロゾル発生物品2が細長型の空洞32に収容されたとき媒質の内部、すなわち、中心部を加熱する内部加熱式である第1加熱要素331、及び媒質の外部、すなわち、外郭部を加熱する外部加熱式である第2加熱要素332を含む。例えば、第1加熱要素331及び第2加熱要素332は、直接加熱式、誘導加熱式、及び熱風加熱式加熱要素のいずれか1つであってもよい。好ましくは、第1加熱要素331は、ブレード型、ピン型、ニードル型の加熱要素、又は熱風型(hot air blow type)加熱要素であってもよく、第2加熱要素332は、接触(直接)加熱式、誘導加熱式加熱要素であってもよいが、必ずこれに限定されることはない。
【0104】
図4Bを引き続き参照するとき、一実施形態に係る第1加熱要素331の最大加熱温度は、第2加熱要素332の最大加熱温度よりも低くてもよい。第1加熱要素331は内部加熱式加熱要素として、温度が過度に高い場合に直接接触する媒質が燃焼してユーザが焦げた味を感じることができる。したがって、外部加熱式加熱要素である第2加熱要素332の最大加熱温度を第1加熱要素331の最大加熱温度よりも低く設定することで、エアロゾル発生物品2内の媒質に対するより均等な加熱を可能にすることができる。
【0105】
一実施形態に係るバッテリ34(例えば、図1のバッテリ140)は、エアロゾル発生装置3が動作するために使用される電力を供給する。例えば、バッテリ34は、エアロゾル発生物品2内の媒質部211又はエアロゾル形成基材が加熱されるように加熱部33に電力を供給し、制御部35(例えば、図1の制御部110)が動作するために必要な電力を供給することができる。また、バッテリ34は、エアロゾル発生装置3に設置されたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するために必要な電力を供給し得る。
【0106】
一実施形態に係る制御部35(例えば、図1の制御部110)は、エアロゾル発生装置3の動作を全般的に制御する。例えば、制御部35は、バッテリ34から加熱部33に供給される電力を制御してもよい。また、制御部35は、加熱部33及びバッテリ34だけでなく、エアロゾル発生装置3に含まれている他の構成の動作を制御する。また、制御部35は、エアロゾル発生装置3の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル発生装置3が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0107】
制御部35は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイとして実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されてもよい。また、別の形態のハードウェアで実現されることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0108】
図5は、他の実施形態に係る加熱部33を含むエアロゾル発生装置3を概略的に示す図である。
【0109】
図5を参照すると、一実施形態に係るエアロゾル発生装置3に含まれた加熱部33は、細長型の空洞(例えば、図4Aに示す細長型の空洞32)の一端部で突出するように形成されてもよい。ここで、加熱部33は、実質的に熱を発生させるヒーティングユニット33a及びヒーティングユニット33aによって加熱された空気を加熱部の外部に発散させる熱風ユニット33bを含む。このような加熱部33の構造によれば、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置3の細長型の空洞32に収容される場合、媒質及び/又はエアロゾル形成基材をより効率よく加熱することができる。
【0110】
図6A及び図6Bは、一実施形態に係るエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【0111】
図6A及び図6Bを参照するとき、一実施形態に係るエアロゾル発生システムは、媒質ロッド21及びフィルタロッド22を含み、媒質ロッド21は、媒質を収容する媒質部211、前記媒質部211の中心を貫通して前記長手方向に形成されるメイン気流パス212a、及び前記メイン気流パス212aの周辺に前記メイン気流パス212aと平行に形成される1つ以上のサブ気流パス212bを含むエアロゾル発生物品2及びハウジング(例えば、図4Aに示すハウジング31)、細長型の空洞(例えば、図4Aに示す細長型の空洞32)、細長型の空洞に収容されているエアロゾル発生物品2を加熱する加熱部33を含むエアロゾル発生装置3を含んでいる。
【0112】
図6Aを参照するとき、エアロゾル発生物品2の媒質部211に収容された媒質は、加熱部33によって加熱されることでエアロゾル化され、フィルタロッド22に向かって移動する。ここで、エアロゾル化された媒質は、媒質部211の合間に長手方向に形成されているメイン気流パス212a及びサブ気流パス212bに沿って下流側に移動し得る。ここで、図6Aには、加熱部33が単一ユニットとして示されているが、これに限定されない。例えば、エアロゾル発生装置3の加熱部33は、1つ以上の加熱要素(例えば、図4Bの331、332)を含んでもよく、例えば、加熱部33は、エアロゾル発生物品2が細長型の空洞32に収容された時に媒質の内部、すなわち、中心部を加熱する内部加熱式である第1加熱要素331及び媒質の外部、すなわち、外郭部を加熱する外部加熱式である第2加熱要素332を含む。一実施形態において、第1加熱要素331及び第2加熱要素332は、直接加熱式、誘導加熱式、及び熱風加熱式加熱要素のいずれか1つであってもよい。
【0113】
引き続き図6Aを参照するとき、媒質ロッド21は、媒質部211の外側面を包む媒質シート(例えば、図3Cの媒質シート213)、媒質ロッド21の媒質シートを包むラッパー(例えば、図3Cのラッパー24)及び媒質シート213とラッパー24との間に長手方向に形成されているサイド気流パス212cをさらに含んでもよく、エアロゾル化された媒質は、メイン気流パス212a及びサブ気流パス212bと共にサイド気流パス212cに沿って下流側に移動することができる。
【0114】
図6Bを参照すると、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生物品2は、煙霧ロッド23をさらに含んでもよい。一実施形態に係る煙霧ロッド23は、エアロゾル形成基材を収容し、媒質ロッド21の上流側の端部に配置されてもよい。このようなエアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置3の細長型の空洞32に収容される場合、加熱部33は煙霧ロッド23だけを加熱したり、媒質ロッド21と煙霧ロッド23を共に加熱することでより豊富なエアロゾルが形成され、ユーザの口部に移行され得る。
【0115】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明の方法と異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明の方法と異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0116】
従って、他の実現、他の実施形態、及び特許請求の範囲と均等なものなども後述する請求の範囲の範囲に属する。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
【国際調査報告】