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特表2024-509080キックバック検出を備えた手持ち式電動工具及び手持ち式電動工具のキックバック状態の検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】キックバック検出を備えた手持ち式電動工具及び手持ち式電動工具のキックバック状態の検出方法
(51)【国際特許分類】
   B23D 47/00 20060101AFI20240221BHJP
   B23D 45/04 20060101ALI20240221BHJP
   B27G 19/02 20060101ALI20240221BHJP
   B27B 5/20 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B23D47/00 C
B23D45/04 A
B27G19/02 Z
B27B5/20 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550253
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 EP2022054147
(87)【国際公開番号】W WO2022175488
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】63/151,205
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518407205
【氏名又は名称】フェストール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒルパート、ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ルーランド、ハラルト
(72)【発明者】
【氏名】シュテーブ、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ショック、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルダームート、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】キューベラー、マティアス
【テーマコード(参考)】
3C040
【Fターム(参考)】
3C040AA01
3C040BB11
3C040EE02
3C040GG41
(57)【要約】
キックバック検出を備えた手持ち式電動工具及び手持ち式電動工具のキックバック状態の検出方法が本明細書に開示される。この方法は、手持ち式動力工具の器具を器具運動平面内で移動させることと、手持ち式電動工具の動きを検出することを含む。さらに、この方法は、手持ち式動力工具の動きに少なくとも部分的に基づいて、キックバック状態が存在すると決定することを含む。いくつかの実施形態において、手持ち式動力工具はユーザ作動アセンブリを含む丸鋸である。ユーザ作動アセンブリは、動きセンサと、コントローラと、モータを含む。また、丸鋸は被加工物支持体とピボットを含む。動きセンサは、ピボットのピボット軸から最大4cmの閾値ピボット軸-加速度軸距離で延びる加速度検出軸に沿って加速度を検出するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸鋸刃を含む丸鋸のキックバック状態の検出方法であって、
前記丸鋸刃を刃回転面内で回転させることと、
前記丸鋸の動きを検出することであって、
(a-i)前記刃回転面に少なくとも平行であることと、前記刃回転面と同一面上にあることのうち少なくとも1つである加速度検出面内において、前記丸鋸の加速度の大きさを検出すること、
(a-ii)前記加速度検出面内で前記丸鋸の前記加速度の方向を検出すること、及び
(a-iii)前記加速度検出面内に延びる少なくとも1つの回転検出軸の周りで前記丸鋸の角速度を検出すること、
のうち少なくとも1つを含む、前記丸鋸の前記動きの検出と、
前記丸鋸の前記動きを含む検証パラメータに少なくとも部分的に基づいてキックバック状態が存在すると決定することであって、
(b-i)(a-i)において前記丸鋸の加速度の前記大きさを検出し、前記丸鋸の前記加速度の前記大きさが閾値加速度値より大きい、
(b-ii)(a-ii)において前記丸鋸の前記加速度の前記方向を検出し、前記丸鋸の前記加速度の前記方向が閾値方向範囲内にある、及び/又は
(b-iii)(a-iii)において前記丸鋸の前記角速度を検出し、前記丸鋸の前記角速度が閾値角速度値より大きい、
場合に前記キックバック状態が存在すると決定する、前記キックバック状態の存在の決定と、
を含む方法。
【請求項2】
丸鋸刃を含む丸鋸のキックバック状態の検出方法であって、
前記丸鋸刃を刃回転面内で回転させることと、
前記刃回転面に少なくとも平行であることと、前記刃回転面と同一面上にあることのうち少なくとも1つである加速度検出面内において、前記丸鋸の加速度の大きさを検出することと、
前記加速度検出面内で前記丸鋸の前記加速度の方向を検出することと、
前記加速度検出面内に延びる少なくとも1つの回転検出軸の周りで前記丸鋸の角速度を検出することと、
(i)前記丸鋸の前記加速度の前記大きさが閾値加速度値より大きい、
(ii)前記丸鋸の前記加速度の前記方向が閾値方向範囲内にある、及び
(iii)前記丸鋸の前記角速度が閾値角速度値より大きい、
場合に前記キックバック状態が存在すると決定することと、
を含む方法。
【請求項3】
前記検出が被加工物接触パラメータを検出することをさらに含み、前記丸鋸刃が被加工物と接触している場合、前記被加工物接触パラメータは接触値範囲内にあり、前記丸鋸刃が前記被加工物から離間している場合、前記被加工物接触パラメータは非接触値範囲内にあり、さらに、前記検証パラメータは前記被加工物接触パラメータをさらに含み、及び/又は、前記被加工物接触パラメータが前記接触値範囲内にある場合に前記キックバック状態が存在すると決定することを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記被加工物接触パラメータは回転時の前記丸鋸刃の角速度を含み、前記丸鋸刃が前記被加工物から離間している場合、前記丸鋸刃は平均自由角速度を定め、さらに、前記接触値範囲は、前記平均自由角速度を下回る閾値角速度減少量である角速度を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記被加工物接触パラメータは回転時の前記丸鋸の電力消費量を含み、前記丸鋸のモータは最大定格電力消費量を定めており、さらに、前記接触値範囲は、前記最大定格電力消費量の閾値パーセンテージよりも大きい電力消費量を含む、請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記丸鋸は前記丸鋸刃と前記被加工物との間の接触を検出するように構成された接触検出器を含み、さらに、前記接触検出器は前記被加工物接触パラメータを生成するように構成されている、請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記加速度の大きさの検出は、前記加速度検出面内にある第1の方向の第1の加速度成分を検出することと、前記第1の方向に対して垂直であり、前記加速度検出面内にある第2の方向の第2の加速度成分を検出することとを含み、前記加速度の前記大きさは前記第1の加速度成分及び前記第2の加速度成分から決定される、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記加速度の方向の検出は、前記第1の加速度成分を検出することと、前記第2の加速度成分を検出することとを含み、前記加速度の前記方向は前記第1の加速度成分と前記第2の加速度成分とのベクトル和の方向である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記丸鋸の角速度の検出は、前記第1の方向の周りで第1の角速度成分を検出することと、前記第2の方向の周りで第2の角速度成分を検出することとを含み、前記丸鋸の前記角速度は前記第1の角速度成分と前記第2の角速度成分とのベクトル和である、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値加速度が少なくとも1メートル毎秒毎秒(m/s)である、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記閾値方向範囲が、
(i)前記丸鋸の切断方向に対して後方に向けられている、及び
(ii)前記丸鋸を用いて切断する被加工物から離れる方向に向けられている、
うちの少なくとも1つである、請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記閾値方向範囲は前記丸鋸の切断方向の閾値角度範囲内にあり、前記閾値角度範囲は、前記丸鋸の被加工物支持体のユーザ作動アセンブリ対向面から離れる方向に向けられ、少なくとも80度、最大180度である、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記丸鋸は、被加工物対向面、被加工物反対面、前縁部及び後縁部を画定する被加工物支持体を含み、さらに、
(i)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に対して少なくとも部分的に垂直であること、
(ii)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記後縁部に少なくとも部分的に向かっていること、
(iii)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記後縁部に向かい、かつ前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に沿って方向づけられた第1のベクトルと、前記第1のベクトルと交差し、前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に対して垂直に方向づけられた第2のベクトルとの間に延びる象限内に定められること、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記閾値角速度値は少なくとも1度/秒(°/s)である、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記閾値角速度値は、前記丸鋸の被加工物支持体の刃に近接する側を被加工物から離れるように促す角速度を含む、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
回転の開始後、及び検出と同時に、前記丸鋸刃を用いて被加工物を切断することをさらに含む、請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
キックバック状態が存在するという前記決定に応答することをさらに含む、請求項1~請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記応答は回転を停止させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
キックバック状態が存在するという前記決定の複数の例に応答して前記応答を開始することを含む、請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
改ざんパラメータを適用することをさらに含み、さらに、前記決定は前記改ざんパラメータに少なくとも部分的に基づいている、請求項1~請求項19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記改ざんパラメータは、
(a)前記丸鋸の前記加速度の直線加速度成分であって、
(i)前記丸鋸刃の刃回転面に平行であること、
(ii)前記丸鋸の被加工物支持体のアセンブリ対向面に平行であること、及び
(iii)前記丸鋸刃によって被加工物内に画定された切溝の長手方向軸に平行であること、
のうち少なくとも1つである直線加速度方向にある、前記直線加速度成分と、
(b)角速度軸の周りにある、前記丸鋸の前記角速度の角速度成分と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記決定は、
(i)前記直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲外にある場合、キックバック状態が存在すると決定すること、及び
(ii)前記直線加速度成分が前記閾値直線加速度成分範囲内にある場合、キックバック状態が存在しないと決定すること、
のうちの1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記決定は、
(i)前記角速度成分が閾値角速度成分範囲外にある場合、前記キックバック状態が存在すると決定すること、及び
(ii)前記角速度成分が前記閾値角速度成分範囲内にある場合、前記キックバック状態が存在しないと決定すること、
のうちの1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記直線加速度方向が前記角速度軸と一致する、請求項21~請求項23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記直線加速度方向に延びる直線加速度軸を中心とする回転が前記丸鋸の被加工物支持体に向かう前記丸鋸のアーバーの回転を含む場合、前記角速度成分は前記閾値角速度成分範囲内にある、請求項23または請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記改ざんパラメータは検出時間窓内で決定される、請求項21~請求項25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記検出時間窓は、
(i)前記丸鋸の前記加速度が前記閾値加速度値より大きい、
(ii)前記丸鋸の前記加速度の前記方向が前記閾値方向範囲内にある、及び
(iii)前記丸鋸の前記角速度が前記閾値角速度値より大きい、
うちの少なくとも1つであるキックバック時間の前に閾値検出時間を延長する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
(i)前記直線加速度成分は、少なくとも前記検出時間窓のサブセットの間は閾値直線加速度成分範囲内にある、及び
(ii)前記角速度成分は、少なくとも前記検出時間窓のサブセットの間は閾値角速度成分範囲内にある、
うちの少なくとも1つである、請求項26または請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記丸鋸は、
(i)手持ち式丸鋸、及び
(ii)半定置式丸鋸、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~請求項28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
丸鋸であって、前記丸鋸は、
ユーザ作動アセンブリを備え、前記ユーザ作動アセンブリは、
(i)前記ユーザ作動アセンブリの動きを検出し、前記ユーザ作動アセンブリの前記動きを示す動き信号を生成するように構成された動きセンサと、
(ii)前記動き信号に少なくとも部分的に基づいて前記丸鋸の動作を制御するようにプログラムされたコントローラであって、請求項1~請求項29のいずれか一項に記載の前記方法を実行するようにプログラムされたコントローラと、
を含み、
被加工物が前記丸鋸によって切断される際に前記被加工物及び前記丸鋸を互いに対して位置決めするように構成された被加工物支持体を備え、
ピボットを備え、前記ユーザ作動アセンブリは前記ピボットを介して前記被加工物支持体にピボット可能に結合されており、さらに、前記ユーザ作動アセンブリ及び前記被加工物支持体は、前記ピボットのピボット軸を中心に互いに対して動作可能に回転するように構成されている、
丸鋸。
【請求項31】
丸鋸であって、前記丸鋸は、
ユーザ作動アセンブリを備え、前記ユーザ作動アセンブリは、
(i)前記ユーザ作動アセンブリの動きを検出し、前記ユーザ作動アセンブリの前記動きを示す動き信号を生成するように構成された動きセンサと、
(ii)前記動き信号に少なくとも部分的に基づいて前記丸鋸の動作を制御するようにプログラムされたコントローラであって、請求項1~請求項29のいずれか一項に記載の前記方法を実行するようにプログラムされたコントローラと、
(iii)シャフト回転軸を中心に回転するように構成されたモータシャフトを含むモータと、
を含み、
被加工物が前記丸鋸によって切断される際に前記被加工物及び前記丸鋸を互いに対して位置決めするように構成された被加工物支持体を備え、
ピボットを備え、前記ユーザ作動アセンブリは前記ピボットを介して前記被加工物支持体にピボット可能に結合されており、さらに、前記ユーザ作動アセンブリ及び前記被加工物支持体は、前記ピボットのピボット軸を中心に互いに対して動作可能に回転するように構成されており、
前記動きセンサは加速度検出軸に沿って加速度を検出するように構成されており、前記加速度検出軸は前記ピボット軸から閾値ピボット軸-加速度軸距離で延びており、さらに、前記閾値ピボット軸-加速度軸距離は最大4cmである、
丸鋸。
【請求項32】
前記加速度検出軸は前記ピボット軸を通って延びている、請求項31に記載の丸鋸。
【請求項33】
前記動きセンサは、
(i)前記シャフト回転軸に対して垂直であること、
(ii)前記ピボット軸に対して垂直であること、及び
(iii)前記丸鋸の動作時に丸鋸刃が回転する刃回転面に平行であること、
のうち少なくとも1つである加速度検出面内で加速度を検出するように構成されている、請求項31または請求項32に記載の丸鋸。
【請求項34】
前記動きセンサは、前記ピボット軸から閾値ピボット軸-センサ距離で配置されており、前記閾値ピボット軸-センサ距離は少なくとも1センチメートル(cm)であり、最大20cmである、請求項31~請求項33のいずれか一項に記載の丸鋸。
【請求項35】
前記加速度検出軸は、前記ピボット軸に対して垂直に延びている、請求項31~請求項34のいずれか一項に記載の丸鋸。
【請求項36】
前記加速度検出軸は、前記シャフト回転軸に対して半径方向に延びている、請求項31~請求項35のいずれか一項に記載の丸鋸。
【請求項37】
前記丸鋸は、
(i)手持ち式丸鋸、及び
(ii)半定置式丸鋸、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項31~請求項36のいずれか一項に記載の丸鋸。
【請求項38】
手持ち式動力工具のキックバック状態の検出方法であって、
前記手持ち式動力工具の器具を器具運動平面内で移動させることと、
前記手持ち式電動工具の動きを検出することと、
改ざんパラメータを適用することと、
前記手持ち式動力工具の前記動きを含む検証パラメータに基づいて、及び前記改ざんパラメータに基づいて、前記キックバック状態が存在すると決定することと、
を含む方法。
【請求項39】
手持ち式動力工具のキックバック状態の検出方法であって、
前記手持ち式動力工具の器具を器具運動平面内で移動させることと、
前記手持ち式電動工具の動き及び被加工物接触パラメータを検出することと、
改ざんパラメータを適用することと、
前記手持ち式動力工具の前記動き及び前記被加工物接触パラメータを含む検証パラメータに基づいて、及び前記改ざんパラメータに基づいて、前記キックバック状態が存在すると決定することであって、前記器具が前記被加工物と接触している場合、前記被加工物接触パラメータは接触値範囲内にあり、前記器具が前記被加工物から離間している場合、前記被加工物接触パラメータは非接触値範囲内にある、前記キックバック状態が存在することの決定と、
を含む方法。
【請求項40】
前記動きの検出は、
(a-i)前記手持ち動力式工具の加速度の大きさを検出すること、
(a-ii)前記手持ち動力式工具の前記加速度の方向を検出すること、及び
(a-iii)前記手持ち式動力工具の角速度を検出すること、
のうち少なくとも1つを含む、請求項38または請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記決定は、
(b-i)(a-i)において前記手持ち式動力工具の加速度の大きさを検出し、前記手持ち式動力工具の前記加速度の前記大きさが閾値加速度値より大きい、
(b-ii)(a-ii)において前記手持ち式動力工具の前記加速度の方向を検出し、前記手持ち式動力工具の前記加速度の前記方向が閾値方向範囲内にある、及び/又は
(b-iii)(a-i)において前記手持ち式動力工具の角速度を検出し、前記手持ち式動力工具の前記角速度が閾値角速度値内にある、
場合に前記キックバック状態が存在すると決定する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記改ざんパラメータは、
(a)前記手持ち式動力工具の前記加速度の直線加速度成分と、
(b)前記手持ち式動力工具の前記角速度の角速度成分と、
(c)前記手持ち式電動工具の前記加速度の直線加速度方向成分と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項40または請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記決定は、
(i)前記直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲外にある場合、前記キックバック状態が存在すると決定すること、及び
(ii)前記直線加速度成分が前記閾値直線加速度成分範囲内にある場合、前記キックバック状態が存在しないと決定すること、
のうちの1つを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記決定は、
(i)前記角速度成分が閾値角速度成分範囲外にある場合、前記キックバック状態が存在すると決定すること、及び
(ii)前記角速度成分が前記閾値角速度成分範囲内にある場合、前記キックバック状態が存在しないと決定すること、
のうちの1つを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記直線加速度方向が前記角速度の角速度軸と一致する、請求項42~請求項44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記改ざんパラメータは検出時間窓内で決定される、請求項38~請求項45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記検出時間窓は、
(i)前記手持ち式動力工具の加速度が閾値加速度値より大きい、
(ii)前記手持ち式動力工具の前記加速度の方向が閾値方向範囲内にある、及び
(iii)前記手持ち式動力工具の角速度が閾値角速度値より大きい、
うちの少なくとも1つであるキックバック時間の前に閾値検出時間を延長する、請求項46に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、キックバック検出を備えた手持ち式電動工具及び/又は手持ち式電動工具のキックバック状態の検出方法に関する。
【0002】
(関連出願)
本願は2021年2月19日に出願された米国仮特許出願第63/151,205号の優先権を主張するものであり、その全体の開示内容が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
丸鋸などの電動工具は、期せずして及び/又は望ましくない形で急速に加速することなどにより、特定の動作条件下で予測不能に動くことがある。このような動きを、本明細書では電動工具の「キックバック(反動、はね返り)状態」と呼ぶことがある。例として、丸鋸を用いて被加工物を切断する際に、被加工物が丸鋸の丸鋸刃の両側面に延在することがある。被加工物が丸鋸刃の側面に引っかかる、及び/又は丸鋸刃の側面を挟み込むことがあると、丸鋸刃の側面と被加工物との間の摩擦力によって丸鋸のキックバックの原動力がもたらされる場合がある。別の例として、丸鋸刃が不意に被加工物に深く切り込み、及び/又は被加工物らしからぬ硬い又は軟らかい領域に入った場合、丸鋸に作用する力の変化がキックバック状態で現れることがある。
【0004】
キックバック状態を検出し、それに応答する機構が開発されている。しかしながら、これらの機構は特定のタイプ又はクラスの電動工具に限定されている場合がある。例として、一般にその動作時にユーザによって動かされない定置式動力工具におけるキックバック状態の検出は、その動作時に様々な異なる動きを経験しうる手持ち式動力工具における対応するキックバック状態の検出よりも単純な場合がある。したがって、キックバック検出を備える改良された手持ち式電動工具、及び/又は手持ち式電動工具のキックバック状態の検出方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
キックバック検出を備えた手持ち式電動工具、及び手持ち式電動工具のキックバック状態の検出方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、これらの方法は、手持ち式動力工具の器具(implement)を器具運動平面内で移動させることと、手持ち式動力工具の動きを検出することと、改ざん(falsification)パラメータを適用することとを含む。また、これらの方法は、検証パラメータとしての手持ち式動力工具の動きと、改ざんパラメータとに少なくとも部分的に基づいて、キックバック状態が存在すると決定することを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、これらの方法は、丸鋸の丸鋸刃を刃の回転面内で回転させることと、丸鋸の動きを検出することとを含む。動きの検出は、刃の回転面に平行である、及び/又は刃の回転面と同一面上にある加速度検出面内での検出を含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、動きの検出は、加速度検出面内での丸鋸の加速度の方向の検出を含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、動きの検出は、加速度検出面内に延びる少なくとも1つの回転検出軸の周りにおける丸鋸の角速度の検出を含むことができる。これらの方法は、丸鋸の動きに少なくとも部分的に基づいて、キックバック状態が存在すると決定することをさらに含む。キックバック状態が存在するという決定は、丸鋸の加速度の大きさが閾値加速度値よりも大きい場合、丸鋸の加速度の方向が閾値方向範囲内にある場合、及び/又は丸鋸の角速度が閾値角速度値よりも大きい場合の決定を含むことができる。
【0007】
手持ち式動力工具は、ユーザ作動アセンブリを備えた丸鋸を含む。ユーザ作動アセンブリは、動きセンサ、コントローラ及びモータを含む。動きセンサは、ユーザ作動アセンブリの動きを検出し、ユーザ作動アセンブリの動きを示す動き信号を生成するように構成されている。コントローラは、動き信号に少なくとも部分的に基づいて丸鋸の動作を制御するようにプログラムされている。モータは、シャフトの回転軸を中心に回転するように構成されたモータシャフトを含む。また、丸鋸は、被加工物が丸鋸によって切断される際に被加工物及び丸鋸を互いに対して位置決めするように構成された被加工物支持体を含む。丸鋸はピボットをさらに含む。ユーザ作動アセンブリは、ピボットを介して被加工物支持体にピボット可能に結合されており、ユーザ作動アセンブリ及び被加工物支持体はピボットのピボット軸を中心に互いに対して動作可能に回転するように構成されている。動きセンサは、ピボット軸から最大4cmの閾値ピボット軸-加速度軸距離で延びる加速度検出軸に沿って加速度を検出するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示による丸鋸の例の概略図である。
図2】本開示による丸鋸の例の別の概略図である。
図3】プランジされていない(押し込まれていない)向きにある、本開示による手持ち式丸鋸の例の概略図である。
図4】プランジされた(押し込まれた)向きにある、図3の手持ち式丸鋸の概略図である。
図5図3図4の丸鋸のピボットに相対的に近接する動きセンサによって測定された加速度を示すプロットである。
図6図3図4の丸鋸のピボットから相対的に遠位にある動きセンサによって測定された加速度を示すプロットである。
図7】本開示による丸鋸のキックバックの概略図である。
図8図7の丸鋸の後縁部に相対的に近接する動きセンサによってキックバック時に測定された加速度を示すプロットである。
図9図7の丸鋸の後縁部から相対的に遠位にある動きセンサによってキックバック時に測定された加速度を示すプロットである。
図10】本開示による、ピボット軸を通って延びる加速度検出軸を有する動きセンサを含む丸鋸の例の概略図である。
図11】本開示による、回路基板を含む丸鋸の例の概略図である。
図12】本開示による、丸鋸の前縁部に近接するピボットを含む丸鋸の例の概略図であり、プランジされていない向きにある丸鋸を示している。
図13】プランジされた向きにある図12の丸鋸の概略図である。
図14】本開示による丸鋸のキックバック状態の検出方法の例を示すフローチャートである。
図15】本開示による丸鋸及び/又は方法を用いて検出することのできる丸鋸の加速度の大きさの例を示す図である。
図16】本開示による丸鋸及び/又は方法を用いて検出することのできる丸鋸の加速度の方向の例を示す図である。
図17】本開示による丸鋸及び/又は方法を用いて検出することのできる丸鋸の角速度の例を示す図である。
図18】本開示による丸鋸及び/又は方法を用いて検出することのできる丸鋸刃の角速度の例を示す図である。
図19】本開示による丸鋸及び/又は方法を用いて検出することのできる丸鋸のモータの電力消費量の例を示す図である。
図20】本開示による丸鋸及び/又は方法を用いて検出する、及び/又は改ざんとして利用することのできる直線加速度成分の例を示す図である。
図21】本開示による丸鋸及び/又は方法を用いて検出する、及び/又は改ざんとして利用することのできる角速度成分の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図21は、本開示による、丸鋸10などの手持ち式動力工具8、丸鋸10の構成要素及び/もしくは特徴、丸鋸10の動作時に測定されたパラメータ、ならびに/又は方法300の例を提供するものである。同様の目的、又は少なくとも実質的に同様の目的を果たす要素は図1図21の各々において同様の番号でラベル付けされており、これらの要素は、本明細書において図1図21の各々を参照して詳しく説明されない場合がある。同様に、図1図21の各々において全ての要素がラベル付けされていない場合があるが、一貫性をもたせるために、それらに関連する参照番号を本明細書において利用することができる。図1図21のうちの1つ以上を参照して本明細書で説明される要素、構成要素及び/又は特徴を、本開示の範囲から逸脱することなく図1図21のうちのいずれにも含めることができ、及び/又はそれとともに利用することができる。一般に、特定の実施形態に含まれる可能性が高い要素を実線で示し、任意の要素を破線で示している。しかしながら、実線で示す要素は全ての実施形態に必須であるとは限らず、いくつかの実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく省略可能である。
【0010】
図1図4図7及び図10図13は、本開示による手持ち式電動工具8の例の概略図である。簡潔にするために、図1図4図7及び図10図13では手持ち式動力工具8を丸鋸10として示している。しかしながら、本明細書で詳しく説明するように、本明細書に開示される構成要素、特徴及び/又は方法を他のタイプの手持ち式動力工具8に含めることができ、及び/又はそれとともに利用できることは本開示の範囲内である。このような手持ち式動力工具8の例としては、被加工物に対して器具を回転させる回転式手持ち式動力工具が挙げられる。このような回転式手持ち動力工具の例としては、回転カッター、サンダー、グラインダー及び/又はドリルが挙げられる。このような回転式手持ち式動力工具の器具の例としては、切削ビット、ミル、サンディングパッド、研削ホイール及び/又はドリルビットが挙げられる。
【0011】
図1図4図7及び図10図13、そして特に図1図2を参照してまとめて示すように、丸鋸10は被加工物支持体40及びピボット50を含む。また、丸鋸10はユーザ作動アセンブリ100を含み、このユーザ作動アセンブリ100は、丸鋸の使用時に被加工物支持体40に対してピボット50を中心に回転し、及び/又は被加工物を切断するように構成されることが可能である。被加工物支持体40は、被加工物が丸鋸によって切断される際に被加工物90及び丸鋸を互いに対して位置決めし、被加工物に対して丸鋸の残りの部分を支持し、丸鋸に対して被加工物を支持し、及び/又はユーザ作動アセンブリ100に対して被加工物を位置決めするように構成可能である。被加工物支持体40は、ユーザ作動アセンブリ100に面するアセンブリ対向面42、及び/又はユーザ作動アセンブリを背にするアセンブリ反対面44を含む、及び/又は画定することができる。本明細書では、アセンブリ対向面42をユーザ作動アセンブリ対向面42と呼ぶこともできる。
【0012】
丸鋸10がマイターソー、ラジアルアームソー、チョップソー及び/又はベベルソーを含む場合など、丸鋸10のいくつかの例では、丸鋸を用いて被加工物90を切断する際に、被加工物をアセンブリ反対面42上に配置し、及び/又はそれによって支持することができる。丸鋸10がプランジソー及び/又はトラックソーを含む場合など、丸鋸10のいくつかの例では、丸鋸を用いて被加工物を切断する際に、被加工物90をアセンブリ反対面44上に配置し、及び/又は丸鋸を、被加工物支持体を介して被加工物によって支持することができる。
【0013】
ユーザ作動アセンブリ100を、ピボット50を介して被加工物支持体40にピボット可能に結合することができる。また、ユーザ作動アセンブリ100及び被加工物支持体40は、ピボット50のピボット軸52を中心に互いに対して動作可能に回転、旋回及び/又はピボットするように構成可能である。この回転は、図1図2の間の推移によって示される。
【0014】
いくつかの例では、回転する丸鋸刃で被加工物を切断するなど、この回転を用いてユーザ作動アセンブリ100の丸鋸刃170を被加工物90と選択的に係合させることができる。例として、図1図2の間の推移によって示されるように、この回転を利用して、被加工物支持体40のアセンブリ反対面44上に延びる丸鋸刃の領域、丸鋸刃が被加工物のアセンブリ反対面上に延びる範囲、及び/又は丸鋸刃の切断深さを選択的に変更することができる。
【0015】
丸鋸10が、被加工物の切断に利用される際にユーザによって保持されるように構成された手持ち式の丸鋸を含む場合など、いくつかの例において、丸鋸は先端領域22及び後端領域26を有する、及び/又は画定することができる。先端領域22は、例えば、丸鋸がユーザによって付勢されて被加工物が切断される際など、丸鋸が被加工物の切断に利用される際に、被加工物を先導し、被加工物の前方に位置し、及び/又は被加工物との接触を開始するように構成可能である。後端領域26は、丸鋸が被加工物の切断に利用される際に、先端領域の後に続く、及び/又は後方に位置するように構成可能である。
【0016】
図1図2、また図12図13に実線で示すように、ピボット50を先端領域22内、及び/又は先端領域22に近接して配置することができる。あるいは、図1図2、また図3図4図7及び図10図11に破線で示すように、ピボット50を後端領域26内、及び/又は後端領域26に近接して配置することができる。換言すると、ピボット50を、先端領域22又は後端領域26など、丸鋸10の端部内とすることができる。さらに換言すると、先端領域22は前縁部24を画定することができ、後端領域26は後縁部28を画定することができ、ピボット軸52を前縁部又は後縁部の閾値エッジ距離内とすることができる。閾値エッジ距離の例としては、少なくとも1ミリメートル(mm)、少なくとも5mm、少なくとも1センチメートル(cm)、少なくとも2cm、少なくとも4cm、最大10cm、最大8cm、最大6cm及び/又は最大4cmの距離が挙げられる。
【0017】
ユーザ作動アセンブリ100は動きセンサ110を含み、コントローラ120を含むことができる。動きセンサ110は、ユーザ作動アセンブリの動きを検出し、及び/又はユーザ作動アセンブリの動きを示しうる動き信号112を生成するように構成可能である。換言すると、本明細書で詳しく説明するように、動きセンサ110は、丸鋸のキックバック状態及び/又はキックバック状態の開始を示しうるユーザ作動アセンブリ100の動きを検出するように構成可能である。ピボット50と同様に、動きセンサ110を丸鋸の先端領域22内及び/又は後端領域26内に配置することができる。
【0018】
本明細書で用いられるように、「キックバック状態」という語句は、被加工物を切断するための丸鋸の使用時に、丸鋸、又は丸鋸の少なくとも1つの領域又はユーザ作動アセンブリが、期せずして及び/又は予期せぬ形で移動するか又は移動するように付勢される状態を指すことができる。このような動きは、丸鋸の予期せぬ直線運動及び/もしくは回転運動、ならびに/又は直線加速及び/もしくは回転加速を含むことがあり、丸鋸のユーザを驚かせ、及び/又は被加工物に損傷を与える可能性がある。本明細書に開示される丸鋸及び方法は、キックバック状態の開始、又はキックバック状態の初期段階を示しうる1つ以上のパラメータを検出し、丸鋸の動きの大きさを軽減する、すなわち減少させる形でこの検出に応答するように構成可能である。したがって、本明細書に開示される丸鋸及び方法は、キックバック状態の結果として丸鋸のユーザを驚かせ、及び/又は被加工物に損傷を与える可能性を低減することができる。
【0019】
コントローラ120は、動き信号112に少なくとも部分的に基づいて、丸鋸10の動作を制御するように適合、構成及び/又はプログラムが可能である。例として、また本明細書でより詳しく説明するように、いつキックバック状態が存在するか又は開始されたかを決定し、キックバック状態の衝撃を緩和するなどキックバック状態に応答するようにコントローラ120をプログラムし、キックバック状態の結果として被加工物に損傷を与える可能性を低減し、及び/又はキックバック状態の結果としてユーザに危害を加える可能性を低減することができる。
【0020】
図1図2に破線で示すように、丸鋸10のユーザ作動アセンブリ100は把持領域130を含むことができる。把持領域130がある場合、被加工物を切断するための丸鋸の動作時に丸鋸のユーザによって把持及び/又は保持されるように把持領域130を構成することができる。いくつかの例では、把持領域130は丸鋸10の先端領域22内及び/又は先端領域22に近接していてもよい。いくつかの例では、把持領域130は丸鋸10の後端領域26内及び/又は後端領域26に近接していてもよい。
【0021】
また、図1図2に破線で示すように、丸鋸10のユーザ作動アセンブリ100は少なくとも1つのスイッチ140を含むことができる。スイッチ140がある場合、丸鋸の動作を選択的に開始させるなど、スイッチ140をユーザによって選択的に作動させて丸鋸が選択的に動作できるようにし、及び/又はコントローラ120のような丸鋸の少なくとも1つの他の構成要素に電流を選択的に流すようにスイッチ140を構成することができる。図示のように、スイッチ140は、丸鋸のユーザが把持領域を把持している間、ユーザによるスイッチの選択的な作動を可能にし、及び/又は容易にするように、スイッチ140を把持領域130に近接することができる。スイッチ140の例としては、トリガスイッチ、常開型スイッチ及び/又は短投式スイッチが挙げられる。
【0022】
図1図2に破線で示すように、丸鋸10のユーザ作動アセンブリ100はモータ150を含むことができる。モータ150がある場合、モータ150はモータシャフト152を含むことができ、及び/又はシャフト回転軸154を中心にモータシャフトを回転させるように構成可能である。モータ150の例としては、電動モータ、交流電動モータ、直流電動モータ、ブラシレス直流電動モータ、可変速モータ、及び/又は単速モータが挙げられる。
【0023】
また、図1図2に破線で示すように、丸鋸10のユーザ作動アセンブリ100はアーバー160を含むことができる。アーバー160がある場合、アーバー160は、モータシャフト152に動作可能に取り付けられることが可能であり、ならびに/又は丸鋸刃を受け、及び/もしくは丸鋸刃をモータシャフト及び/もしくはユーザ作動アセンブリに動作可能に取り付けるように構成されることが可能である。これに加えて又はこれに代えて、アーバー160は、丸鋸刃170を丸鋸刃の刃回転面内で駆動する、すなわち回転させるように構成されることが可能である。刃回転面を、図1図2のX-Z面に平行又は少なくとも実質的に平行とすることができる。アーバー160の例としては、モータシャフト152に動作可能に取り付けられ、モータシャフト152によって画定され、及び/又はモータシャフト152と機械的に連通することのできる任意の適切なクランプ、圧縮機構、ワッシャ、ブッシング、スペーサ及び/又はねじ穴が挙げられる。
【0024】
図1図2に破線で示すように、丸鋸10のユーザ作動アセンブリ100は丸鋸刃170を含むことができ、及び/又は丸鋸刃170を動作可能に収容するように構成可能である。丸鋸刃170がある場合、丸鋸刃170は、アーバー160を介して丸鋸に動作可能に取り付けられることが可能であり、及び/又は刃回転面内で選択的に回転して被加工物を切断するように構成されることが可能である。丸鋸刃170は一般に、アーバー160を収容するように寸法決めされた中央開口部を画定する金属ディスクとすることのできるディスクと、ディスクの外周上に画定された刃先とを含む。刃先は、例として複数の切削歯及び/又は研磨材料を含むことができる。丸鋸刃170の例としては、金属製丸鋸刃、研磨用丸鋸刃、カーバイド歯付き丸鋸刃、ダイヤモンド丸鋸刃、リップカット丸鋸刃、クロスカット丸鋸刃、コンビネーション丸鋸刃、特殊丸鋸刃、金属切断用丸鋸刃、タイル切断用丸鋸刃及び/又は複合切断用丸鋸刃が挙げられる。
【0025】
図1図2は、動きセンサ110及びコントローラ120を含むユーザ作動アセンブリ100を示している。図1図2は、把持領域130、スイッチ140、モータ150、アーバー160及び/又は丸鋸刃170など、いくつかの追加の構成要素を任意選択で含むユーザ作動アセンブリ100をさらに示している。ユーザ作動アセンブリの動きを検出するために、動きセンサ110は一般にユーザ作動アセンブリに関連付けられ、及び/又はユーザ作動アセンブリに少なくとも間接的に取り付けられる。
【0026】
しかしながら、本明細書に開示されているような丸鋸10の任意の適切な構成要素を任意の適切な方法で丸鋸に組み込めることは本開示の範囲内である。例として、コントローラ120、把持領域130、スイッチ140、モータ150、アーバー160及び/又は丸鋸刃170といった丸鋸10の1つ以上の構成要素を被加工物支持体40及び/又はピボット50に関連付ける、及び/又は取り付けることができる。これに加えて又はこれに代えて、丸鋸10の1つ以上の構成要素を、被加工物支持体40及び/又はピボット50などを介してユーザ作動アセンブリ100に間接的に取り付けることができる。
【0027】
動きセンサ110は、ユーザ作動アセンブリの動きを検出し、及び/又は動き信号を生成するように適合、構成、設計、及び/又は構築が可能な任意の適切な構造を含むことができる。例として、動きセンサは微小電気機械システム(MEMS)の動きセンサを含むことができ、及び/又は微小電気機械システム(MEMS)の動きセンサとすることができる。
【0028】
説明したように、動きセンサ110はユーザ作動アセンブリ100の一部を形成することができる。換言すると、動きセンサ110は、ユーザ作動アセンブリ100と共に、ピボット軸52を中心に、及び/又は被加工物支持体40に対して回転するように構成されることが可能である。このような構成は、丸鋸のユーザに作用することができ、丸鋸のユーザによって経験することができ、及び/又は丸鋸のユーザに接触することのできる丸鋸10の動きの測定、すなわち直接的な測定を可能にし、及び/又は容易にすることができる。これに加えて又はこれに代えて、このような構成はまた、丸鋸刃170の動き、すなわち並進運動の測定、すなわち直接的な測定も可能にし、及び/又は容易にすることができる。
【0029】
しかしながら、このような構成はまたさらなる課題をもたらす場合があり、ならびに/又は、キックバック状態の検出、及び/もしくは丸鋸の通常の動作、すなわち非キックバック動作時に生じうる他の状態からのキックバック状態の区別がさらに難しくなる場合がある。例として、本開示によるプランジソー20の形態である丸鋸10のプランジ動作が、図3に示す構成から図4に示す構成への移行によって示されている。このようなプランジ動作又は動きの際、プランジソーが図3に示すようなプランジされていない向き30から図4に示すようなプランジされた向き32に移行するにつれて、ユーザ作動アセンブリ100はピボット50を介して被加工物支持体40に対して回転される。図5図6のプロットによって示すように、ユーザ作動アセンブリ100の動きセンサ110は、210で示すようなこのプランジ動作の開始時と、また212で示すようなプランジ動作の終了時に加速を経験することがある。コントローラ120にとって、このような予想加速度をキックバック状態として特徴づけることは望ましくない場合がある。したがって、本明細書でより詳しく説明するように、コントローラ120は、検出された加速度が特定の大きさを有することを要求することができ、検出された加速度が特定の向きを有することを要求することができ、ならびに/又は1つ以上の追加のパラメータを利用して、ユーザ作動アセンブリ100の検出された加速度が丸鋸のキックバック状態の結果であるかもしくはそれに対応することを決定及び/もしくは確立することができる。
【0030】
図1図2に戻ると、動きセンサ110は、ユーザ作動アセンブリ100の任意の適切な動きを検出するように構成されることが可能である。例として、動きセンサは、本明細書では加速度検出軸206とも呼ぶことのできる単一の検出軸206に沿って、ならびに/又は2つの垂直検出軸206及び/もしくは3つの直交検出軸206のような複数の検出軸206に沿って、ユーザ作動アセンブリの加速度を検出するように構成されることが可能である。別の例として、動きセンサは、本明細書では回転検出軸206とも呼ぶことのできる単一の検出軸206を中心とした、ならびに/又は2つの垂直検出軸206及び/又は3つの直交検出軸206のような複数の検出軸206を中心としたユーザ作動アセンブリの回転を検出するように構成されることが可能である。
【0031】
いくつかの例において、動きセンサ110は、加速度検出面内で又は加速度検出面内でのみユーザ作動アセンブリ100の加速度を検出するように構成されることが可能である。加速度検出面を、シャフト回転軸154に対して垂直又は少なくとも実質的に垂直とし、ピボット軸52に対して垂直又は少なくとも実質的に垂直とし、及び/又は、丸鋸刃の動作時に丸鋸刃が回転する刃回転面に平行又は少なくとも実質的に平行とすることができる。具体的な例として、加速度検出面を、図1図2のX-Z面に平行又は少なくとも実質的に平行とすることができる。
【0032】
いくつかの例において、動きセンサ110は、加速度検出面内に延びる検出軸206を中心とした、又は検出軸206のみを中心としたユーザ作動アセンブリ100の回転を検出するように構成されることが可能である。換言すると、動きセンサ110は、加速度検出面内のユーザ作動アセンブリ100の加速度を検出するために利用される動きセンサ110の同一の検出軸206を中心としたユーザ作動アセンブリ100の回転を検出するように構成されることが可能である。
【0033】
ユーザ作動アセンブリ100上の動きセンサ110の位置は、ユーザ作動アセンブリの様々な動きに対する動きセンサの感度に影響を与える可能性がある。例として、図3図4に示すように、動きセンサ110が(実線で示すように)相対的にピボット50のより近くに配置されている場合、プランジソー20のプランジ動作に対する動きセンサの感度は、動きセンサが(破線で示すように)ピボット50から相対的により遠くに配置されている場合に比べて相対的により小さくなることがある。これは、図5のプロットと比較した、図6のプロットの210及び212における加速度の大きさの増加によって示される。図6は、図3図4に破線で示され、相対的により大きな閾値ピボット軸-センサ距離56を定める動きセンサ110によって測定された加速度を示している。対照的に、図5は、実線で示され、相対的により小さい閾値ピボット軸-センサ距離56を定める動きセンサ110によって測定された加速度を示している。
【0034】
別の例として、図7に示すように、動きセンサ110が相対的に後縁部28のより近くに配置されている(すなわち、閾値後縁部-センサ距離57が相対的により小さい)場合、丸鋸のキックバック動作に対する動きセンサの感度は、動きセンサが後縁部28から相対的により遠くに配置されている(すなわち、距離57が相対的により大きい)場合と比べて相対的により大きくなることがある。図7において、34で示すこのキックバック動作により、丸鋸が破線で示す向きから実線で示す向きへ移動する。図示のように、後縁部28に相対的により近い動きセンサ110は、後縁部から相対的により遠い動きセンサ110によって移動される距離59と比べてより大きい距離58を移動する。
【0035】
図8は、34で示すキックバック動作時に後縁部28に相対的により近い(すなわち、相対的により小さい閾値後縁部-センサ距離57を定める)動きセンサ110によって測定された加速度を示しており、図9は、34で示すキックバック動作時に後縁部28から相対的により遠い(すなわち、相対的により大きい閾値後縁部-センサ距離57を定める)動きセンサ110によって測定された加速度を示している。図示のように、加速度信号の大きさは、図9と比べると図8において著しく大きくなっている。
【0036】
この点を考慮すると、動きセンサ110をピボット50に近接して、及び/又は後縁部28に近接して配置することが望ましい場合がある。このような構成は、丸鋸の通常の動きに対する動きセンサの感度を低下させることができるとともに、キックバック状態に対する動きセンサの感度を増加させることができる。したがって、いくつかの例では、図1図4に示すように、動きセンサ110をピボット軸52から距離56だけ隔てて配置することができる。距離56の例としては、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、最大20cm、最大18cm、最大16cm、最大14cm、最大12cm、最大10cm、最大9cm、最大8cm、最大7cm、最大6cm、最大5cm、最大4cm、最大3cm、最大2cm及び/又は最大1cmの距離が挙げられる。
【0037】
いくつかの例において、動きセンサ110は、加速度検出軸206に沿って、単一の加速度検出軸206に沿って、及び/又は単一の加速度検出軸206に沿ってのみ加速度を検出するように構成されることが可能である。加速度検出軸206とピボット軸52との間の距離が相対的に短いことにより、ピボット軸を中心とした回転に対する動きセンサ110の感度を低下させることができる一方、動きセンサは依然として丸鋸のキックバック動作を検出することができる。この点を考慮して、いくつかの例では、加速度検出軸206とピボット軸52との間の距離又は最短距離を閾値ピボット軸-加速度軸離間距離とすることができる。閾値ピボット軸-加速度軸離間距離の例としては、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、少なくとも1cm、最大4cm、最大3cm、最大2cm、最大1cm、最大8mm、最大6mm、最大4mm、最大2mm及び/又は最大1mmの距離が挙げられる。
【0038】
ピボット50が前縁部24に対して相対的により近く配置される場合、図12図13に示すように、動きセンサ110を、ピボット50から相対的により遠くに、及び/又は後縁部28に対して相対的により近い位置に配置することが望ましい場合がある。このような構成は、丸鋸の通常の動きに対する動きセンサの感度を低下させることができるとともに、キックバック状態に対する動きセンサの感度を増加させることができる。したがって、いくつかの例では、図1図2に示すように、動きセンサ110をピボット軸52から距離56だけ隔てて配置することができる。このような例において、距離56は、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、最大20cm、最大18cm、最大16cm、最大14cm、最大12cm、最大10cm、最大9cm、最大8cm、最大7cm及び/又は最大6cmの距離を含む。
【0039】
具体的な例において、また全ての丸鋸10に必要ではないが、図10及び図12図13に示すように、加速度検出軸206がピボット軸52と交差でき、ピボット50と交差でき、ピボット軸を通って延びることができ、及び/又はピボット軸に対して垂直に、もしくは少なくとも実質的に垂直に延びることができるように、動きセンサ110を配置する及び/又は配向することができる。このような構成において、動きセンサ110はピボット軸52を中心とした回転を検出しなくてもよく、又は最小限にしか検出しなくてもよく、これにより、丸鋸のプランジ動作又は切断深さ設定に対する感度をさらに低下させることができる一方、依然として丸鋸のキックバック動作を検出することができる。
【0040】
いくつかの例において、加速度検出軸206は、モータ150のシャフト回転軸154に対して半径方向に延びることができる。このような構成により、モータシャフト152及び/又は丸鋸刃170の加速度、すなわち並進加速度に対する動きセンサ110の感度を高めることができる。
【0041】
いくつかの例において、また図1図2及び図11に示すように、ユーザ作動アセンブリ100は、コントローラ120及び動きセンサ110の双方を備えることのできる回路基板180を含むことができる。このような構成によって丸鋸10の構築に関連するコストを低減し、丸鋸をより経済的に製造することができる。コントローラ120及び動きセンサ110が共に同一の回路基板180上にある場合、空間的制約により、動きセンサがピボット軸52から有限の距離で配置されること、及び/又は検出軸206がピボット軸52と交差しないことが要求される場合がある。
【0042】
コントローラ120は、動き信号112に少なくとも部分的に基づいて、丸鋸の動作を制御するように適合、構成、設計、構築及び/又はプログラムが可能な任意の適切な構造を含むことができる。いくつかの例では、説明したように、動き信号112が丸鋸のキックバック状態を示すことを決定するようにコントローラ120をプログラムすることができる。いくつかの例では、動きセンサ110によって検出される加速度の加速度軸がピボット軸52を通って延びる場合に動き信号112がキックバック状態を示すことを決定するように、コントローラ120をプログラムすることができる。いくつかの例では、本明細書に開示される方法300の任意の適切なステップを実行するようにコントローラ120をプログラムすることができる。
【0043】
いくつかの例では、キックバック状態が存在するという決定に応答して丸鋸刃の回転を停止させるようにコントローラ120をさらにプログラムすることが可能である。例として、図1図2に示すように、丸鋸10は、丸鋸刃の回転を停止させるために選択的に作動されるように構成可能なブレーキアセンブリ80を含むことができる。いくつかのこのような例において、コントローラ120は、キックバック状態に応答して、及び/又はキックバック状態が存在するという決定に応答してブレーキアセンブリ80を作動させるようにプログラムが可能である。別の例として、コントローラ120は、これに加えて又はこれに代えて、キックバック状態に応答して及び/又はキックバック状態が存在するという決定に応答して、モータ150への電流の供給を停止させるか又はモータ150のステータコイルを短絡させる、もしくは地絡させるようにプログラムが可能である。
【0044】
コントローラ120は、本明細書に説明する機能を実行するように適合、構成、設計、構築及び/又はプログラムが可能な任意の適切な構造及び/又は装置を含むことができ、及び/又は任意の適切な構造、装置とすることができる。例として、コントローラ120は、電子コントローラ、専用コントローラ、特殊用途コントローラ、ディスプレイ装置、論理装置、記憶装置、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体を有する記憶装置のうちの1つ以上を含むことができる。
【0045】
コンピュータ可読記憶媒体がある場合、本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体を非一時的コンピュータ可読記憶媒体と呼ぶこともある。この非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータが実行可能な命令、プログラム及び/又はコードを含む、定義する、収容する及び/又は記憶することができ、これらのコンピュータ実行可能命令は、丸鋸10及び/又はそのコントローラ120に、方法300の任意の適切な部分、すなわちサブセットを実行するよう命令することができる。このような非一時的コンピュータ可読記憶媒体の例としては、CD-ROM、ディスク、ハードドライブ、フラッシュメモリなどが挙げられる。本明細書で使用されるような、コンピュータ実行可能命令を有するストレージ、すなわちメモリ、装置及び/又は媒体、ならびに本開示によるコンピュータ実装方法及び他の方法は、米国特許法第101条(35U.S.C.101)に従って特許を受けることができるとみなされる主題の範囲内にあると考えられる。
【0046】
図1図2に破線で示すように、丸鋸10は付勢機構60を含むことができる。付勢機構60がある場合、付勢機構60は、被加工物支持体40から離れるようにユーザ作動アセンブリ100を付勢し、及び/又は、ユーザ作動アセンブリを付勢して被加工物支持体から離れる方向へピボット軸52を中心に回転するように適合、構成、設計及び/又は構築が可能である。付勢機構60の例としては、弾性部材、ばね、コイルばね及び/又はねじりばねが挙げられる。
【0047】
また、図1図2に破線で示すように、丸鋸10はプランジロック70を含むことができる。プランジロック70がある場合、プランジロック70は、丸鋸のユーザによって選択的に停止され、ユーザ作動アセンブリ100がピボット軸52を中心に及び/又は被加工物支持体40に向かってピボットすることを選択的に可能にするよう構成されることが可能である。プランジロック70の例としては、任意の適切なキャッチ及び/又はラッチが挙げられる。
【0048】
丸鋸10は任意の好適な丸鋸を含むことができ、及び/又は任意の好適な丸鋸とすることができる。例として、丸鋸10は、被加工物の切断に丸鋸が利用されている間にユーザによって持ち上げられ、及び/又は保持されるように構成できるような手持ち式丸鋸10を含むことができ、及び/又は手持ち式丸鋸10とすることができる。これに加えて又はこれに代えて、手持ち式丸鋸10を携帯式丸鋸10及び/又は非定置式丸鋸10と呼ぶことができる。別の例として、丸鋸10は半定置式丸鋸10を含むことができ、及び/又は半定置式丸鋸10とすることができる。本明細書で用いられるように、「半定置式丸鋸」という語句は、丸鋸を用いて被加工物を切断する間、支持面上で静止したままになるように構成された、大きい、重い及び/又は静止した被加工物支持体40を含む丸鋸を指している。しかしながら、ユーザ作動アセンブリ100はピボット50を介して被加工物支持体40にピボット可能に結合されるため、ユーザ作動アセンブリは依然としてキックバック状態を経験する可能性があり、これによってユーザ作動アセンブリの予期せぬ回転及び/又は望ましくない回転が生じる可能性がある。
【0049】
より具体的な例として、丸鋸10は、プランジソー、マイターソー、トラックソー、ラジアルアームソー、チョップソー、スライディングマイターソー、ベベルソー及び/又はパネルソーを含むことができる。丸鋸10がトラックソーを含む場合、トラックソーは、被加工物90に対してトラックソーをガイドするように構成可能なトラック82をさらに含むことができる。丸鋸10がラジアルアームソーを含む場合、ラジアルアームソーは、被加工物に対してラジアルアームソーをガイドするように構成可能な支持アーム84をさらに含むことができる。丸鋸10がパネルソーを含む場合、パネルソーは、被加工物に対してパネルソーをガイド及び/又は方向づけるように構成可能なフレーム86をさらに含むことができる。いくつかの丸鋸は、これらの要素の組み合わせを含むことができる。例として、スライディングマイターソーはピボット50及びフレーム86の双方を含むことができ、ユーザ作動アセンブリ100は、被加工物支持体40に対してピボット50のピボット軸52を中心に回転するとともに、フレーム86に沿って被加工物支持体40に対して並進するように構成されている。
【0050】
図14は、本開示による、丸鋸のような手持ち式動力工具のキックバック状態の検出方法300の例を示すフローチャートである。手持ち式動力工具及び/又は丸鋸の例は、図1図4図7及び図10図13の手持ち式動力工具8及び/又は丸鋸10を参照して本明細書に開示される。
【0051】
方法300は、310において丸鋸刃を回転させることを含み、320において被加工物を切断することを含むことができる。また、方法300は、330において丸鋸の動きを検出することを含み、340において被加工物接触パラメータを検出することを含むことができる。方法300は、350においてキックバック状態が存在すると決定することをさらに含み、360においてキックバック状態が存在するという決定に応答することを含むことができる。方法300は、350において、手持ち式動力工具の動きを含み、必要に応じて被加工物接触パラメータをさらに含む検証パラメータに少なくとも部分的に基づいて、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。
【0052】
310における丸鋸刃の回転は、丸鋸刃を刃の回転面内で回転させることを含むことができる。刃の回転面の例が本明細書に開示される。これは、320における切断を可能にし、及び/又は容易にするように丸鋸刃を回転させることを含むことができる。310における回転を任意の適切な方法で達成することができる。例として、説明したように、丸鋸は、シャフトの回転軸を中心に回転するように構成されたモータシャフトを含むモータを備えることができる。また、説明したように、丸鋸は、丸鋸刃をモータシャフトに取り付けるアーバーを含むこともできる。いくつかのこのような例において、310における回転は、モータに電流を流して、すなわち供給してモータシャフトのシャフト回転軸を中心とした回転の原動力をもたらし、アーバーを介して丸鋸刃を回転させることを含むことができる。モータ、モータシャフト及びシャフト回転軸の例は、それぞれ、モータ150、モータシャフト152及びシャフト回転軸154を参照して本明細書に開示される。アーバーの例は、アーバー160を参照して本明細書に開示される。丸鋸刃の例は、丸鋸刃170を参照して本明細書に開示される。
【0053】
310における回転は、方法300の間の任意の適切なタイミング及び/又は順序で実行可能である。例として、310における回転は、320における切断、330における検出、340における検出、350における決定及び/又は360における応答の前、最中及び/又はそれと同時に実行可能である。
【0054】
320における被加工物の切断は、丸鋸刃を用いて被加工物を切断することを含むことができる。320における切断を任意の適切な方法で達成することができる。例として、320における切断は、丸鋸刃、すなわち丸鋸刃の複数の歯を被加工物と動作可能に係合させて、切れ目(cut)、スリット及び/又は切溝を被加工物内に形成及び/又は画定することを含むことができる。320における切断は、これに加えて又はこれに代えて、丸鋸を被加工物に対して並進及び/又は回転させて切れ目、スリット及び/又は切溝を延ばすことを含むことができる。
【0055】
いくつかの例において、320における切断はキックバック状態を確立することをさらに含むことができる。換言すると、320における切断時にキックバック状態が生じうる。例として、丸鋸刃が被加工物に引っかかり、及び/又は被加工物によって挟まれ、キックバック状態時に丸鋸のキックバック動作が生じることがある。別の例として、丸鋸刃が被加工物らしからぬ硬い又は軟らかい領域に切り込み、及び/又は被加工物のある領域に引っかかり、キックバック状態時に丸鋸のキックバック動作が生じることがある。
【0056】
320における切断は、方法300の間の任意の適切なタイミング及び/又は順序で実行可能である。例として、320における切断は、310における回転の開始に続いて、及び/又は310における回転と同時に実行可能である。さらなる例として、320における切断は、330における検出、340における検出、350における決定及び/又は360における応答の前、最中及び/又はそれと同時に実行可能である。
【0057】
330における丸鋸の動きの検出は、キックバック状態を示すことができ、及び/又はキックバック状態の予測に利用することができる丸鋸の任意の適切な動きを検出することを含むことができる。330における検出は、方法300の間の任意の適切なタイミング及び/又は順序を用いて実行可能である。例として、330における検出は、310における回転及び/又は320における切断の後、その開始後、最中及び/又はそれと同時に実行可能である。別の例として、330における検出は340における検出と同時に実行可能である。さらなる例として、330における検出は、350における決定の前に、及び/又は360における応答の前に実行可能である。これに加えて又はこれに代えて、350における決定及び/又は360における応答は、330における検出に基づいたものとすることができる、及び/又は少なくとも部分的に応答することができる。
【0058】
いくつかの例において、330における検出は、332において示すような加速度の大きさを検出することを含むことができる。332における検出は、本明細書でより詳しく説明するユーザ作動アセンブリ100などの、丸鋸及び/又は丸鋸の少なくとも1つの構成要素の加速度の大きさの検出を含むことができる。いくつかの例では、332における検出は加速度検出面内での検出を含むことができる。加速度検出面は、刃の回転面に平行又は少なくとも実質的に平行とすることができ、及び/又は刃の回転面と同一面上とすることができる。加速度検出面の例を本明細書において説明する。
【0059】
332における検出は、任意の適切な方法で加速度の大きさを検出することを含むことができる。例として、説明するように、丸鋸は、本明細書に開示される動きセンサ110などの動きセンサを含むことができる。このような構成において、332における検出は、動きセンサによる、動きセンサを介した及び/又は動きセンサを利用した検出を含むことができる。
【0060】
いくつかの例において、332における検出は、加速度検出面内にある第1の方向の第1の加速度成分を検出することと、同様に加速度検出面内にあり、第1の方向とは異なるように、又はさらには第1の方向に対して垂直に方向づけることのできる第2の方向の第2の加速度成分を検出することとを含むことができる。いくつかのこのような例において、加速度の大きさは第1の加速度成分と第2の加速度成分とのベクトル和の大きさである。
【0061】
丸鋸の加速度の大きさの例を、時間プロット及び概略図の双方で図15に示す。図15の時間プロットに示すように、丸鋸の加速度の大きさは、220で示すキックバック状態の結果として、及び/又はキックバック状態の間に著しく増加しうる。したがって、丸鋸の加速度の大きさはキックバック状態を示すことができ、及び/又は丸鋸の加速度の大きさを利用してキックバック状態が存在することを少なくとも部分的に確立することができる。
【0062】
図15の概略的な丸鋸10に示すように、332における検出は、加速度成分aのような第1の加速度成分を検出することと、加速度成分aのような第2の加速度成分を検出することとを含むことができる。このような構成では、加速度の大きさmを、第1の加速度成分と第2の加速度成分とのベクトル和によって決定することができる。
【0063】
いくつかの例において、330における検出は、334において示すような、加速度の方向を検出することを含むことができる。334における検出は、丸鋸10及び/又はユーザ作動アセンブリ100の加速度の方向の検出を含むことができる。いくつかの例では、334における検出は加速度検出面内での検出を含むことができる。
【0064】
334における検出は、任意の適切な方法で加速度の方向を検出することを含むことができる。例として、説明するように、丸鋸は、本明細書に開示される動きセンサ110などの動きセンサを含むことができる。このような構成において、334における検出は、動きセンサによる、動きセンサを介した及び/又は動きセンサを利用した検出を含むことができる。
【0065】
いくつかの例において、334における検出は、加速度検出面内にある第1の方向の第1の加速度成分を検出することと、同様に加速度検出面内にあり、第1の方向とは異なるように、又はさらには第1の方向に対して垂直に方向づけることのできる第2の方向の第2の加速度成分を検出することとを含むことができる。いくつかのこのような例において、加速度の方向を、第1の加速度成分と第2の加速度成分とのベクトル和の向き及び/又は方向とすることができる。
【0066】
丸鋸の方向、角度又はベクトルの向きの大きさの例を、時間プロット及び概略図の双方で図16に示す。図16のプロットに示すように、丸鋸の加速度の方向は、220で示すキックバック状態の結果として、及び/又はキックバック状態の間に著しく変化しうる。したがって、丸鋸の加速度の方向はキックバック状態を示すことができ、及び/又は丸鋸の加速の方向を利用してキックバック状態が存在することを少なくとも部分的に確立することができる。
【0067】
図16の概略的な丸鋸10に示すように、334における検出は、加速度成分aのような第1の加速度成分を検出することと、加速度成分aのような第2の加速度成分を検出することとを含むことができる。このような構成では、角度222によって確立することのできるような加速度の方向を、図16に「m」で示すように、第1の加速度成分及び第2の加速度成分を介して、ならびに/又は第1の加速度成分及び第2の加速度成分から決定することができる。
【0068】
336における角速度の検出は、丸鋸10及び/又はユーザ作動アセンブリ100の角速度を検出することを含むことができる。いくつかの例において、336における検出は、加速度検出面内に延びる1つ以上の検出軸の周り、及び/又はその周りで角速度を検出することを含むことができる。
【0069】
336における検出は、任意の適切な方法で角速度を検出することを含むことができる。例として、説明するように、丸鋸は、本明細書に開示される動きセンサ110などの動きセンサを含むことができる。このような構成において、336における検出は、動きセンサによる、動きセンサを介した及び/又は動きセンサを利用した検出を含むことができる。
【0070】
いくつかの例において、336における検出は、加速度検出面内にある第1の方向の第1の角速度成分を検出することと、同様に加速度検出面内にあり、第1の方向とは異なるように、又はさらには第1の方向に対して垂直に方向づけることのできる第2の方向の第2の角速度成分を検出することとを含むことができる。いくつかのこのような例において、角速度を、第1の角速度成分と第2の角速度成分とのベクトル和とすることができる。
【0071】
丸鋸の角速度の例を、時間プロット及び概略図の双方で図17に示す。図17のプロットに示すように、丸鋸の角速度は、220で示すキックバック状態の結果として、及び/又はキックバック状態の間に著しく変化しうる。したがって、丸鋸の角速度はキックバック状態を示すことができ、及び/又は丸鋸の角速度を利用してキックバック状態が存在することを少なくとも部分的に確立することができる。
【0072】
図17の最も左の概略的な丸鋸10に示すように、336における検出は、角速度成分wのような第1の角速度成分を検出することと、角速度成分wのような第2の角速度成分を検出することとを含むことができる。このような構成において、図17の最も右の概略的な丸鋸10において224で示すように、角速度を、第1の角速度成分と第2の角速度成分とのベクトル和を介して決定することができる。
【0073】
説明したように、また手持ち式動力工具が丸鋸、手持ち式丸鋸及び/又は半定置式丸鋸を含む場合など、丸鋸の通常の動作時に生じうる、ならびに/又はユーザが丸鋸を移動させ、丸鋸の位置を変え、及び/もしくは丸鋸を再配置する際に生じうる丸鋸の加速度及び/又は回転は、特定の状況において、キックバック状態の際に経験されるものと同様となりうる。よって、いくつかの丸鋸にとっては、丸鋸が実際に被加工物の切断に使用されていること、及び/又はキックバック状態が実際に存在することを確立するために利用可能な1つ以上の追加のパラメータを検出することも有益となりうる。
【0074】
この点を考慮して、方法300は、340において被加工物接触パラメータを検出することをさらに含むことができる。このような例において、350における決定はさらに、340における検出に少なくとも部分的に基づいたものとすることが可能である。換言すると、丸鋸刃が被加工物と接触している場合、及び/又は丸鋸刃が被加工物と接触していると被加工物接触パラメータが示す場合にのみ、キックバック状態は存在することが可能となりうる。このように、丸鋸刃と被加工物との間の接触を、キックバック状態が存在するための必要条件として方法300内で利用することができる。
【0075】
340における被加工物接触パラメータの検出は、丸鋸刃と被加工物との間の接触を示しうる任意の適切な被加工物接触パラメータを検出することを含むことができる。換言すると、丸鋸刃が被加工物と接触している場合、被加工物接触パラメータを接触値範囲内とすることができる。対照的に、丸鋸刃が被加工物から離間している、すなわち被加工物と接触していない場合、被加工物接触パラメータを、接触値範囲と異なりうる非接触値範囲内とすることができる。このような構成において、350における決定は、被加工物接触パラメータが接触値範囲内にある場合、又はその場合のみ、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。換言すると、方法300が340における検出を含む場合、接触値範囲内の値を有する被加工物接触パラメータを、350における決定時など、キックバック状態が存在すると決定する前に又は決定するために満たさなければならない前提条件とすることができる。
【0076】
いくつかの例において、被加工物接触パラメータは、310における回転時の丸鋸刃の角速度、丸鋸刃の毎分回転数、モータシャフトの角速度及び/又はモータシャフトの毎分回転数を含むことができる、及び/又はこれらとすることができる。このような構成において、丸鋸刃が被加工物から離間している場合、丸鋸刃は平均自由角速度を定めることができ、接触値範囲は平均自由角速度を下回る閾値角速度減少量である角速度を含むことができる。閾値角速度減少量の例としては、少なくとも20回転/分(RPM)、少なくとも25RPM、少なくとも30RPM、少なくとも35RPM、少なくとも40RPM、少なくとも50RPM、少なくとも60RPM、少なくとも70RPM、少なくとも80RPM、少なくとも90RPM、少なくとも100RPM、少なくとも150RPM、少なくとも200RPM、少なくとも300RPM、少なくとも400RPM、少なくとも500RPM、少なくとも600RPM、少なくとも700RPM又は少なくとも800RPMの減少量が挙げられる。
【0077】
換言すると、丸鋸刃と被加工物との間の接触は丸鋸刃の回転に対する抵抗を生じ、丸鋸刃の角速度を丸鋸刃の平均自由角速度よりも小さい値まで下げる場合がある。また、説明したように、キックバック状態は被加工物による丸鋸刃の引っかかり及び/又は挟み込みの結果として生じうる。この引っかかり及び/又は挟み込みは、平均自由角速度と比較すると丸鋸刃の角速度をさらに減少させることがあり、丸鋸刃が実際に被加工物と接触していることを示すために丸鋸刃の角速度のこの減少量を利用することができる。
【0078】
時間の関数としての丸鋸刃の角速度の例を図18に示す。図示のように、丸鋸刃の角速度は、220で示すキックバック状態の結果として及び/又はキックバック状態の間に著しく減少しうる。したがって、丸鋸刃が被加工物と接触していること、及び/又はキックバック状態が存在することを少なくとも部分的に確立するために丸鋸刃の角速度を利用することができる。
【0079】
丸鋸刃の角速度の検出を任意の適切な方法で達成することができる。例として、丸鋸刃の角速度の検出は、丸鋸の回転カウンターを利用することなどにより丸鋸刃の角速度を測定することを含むことができる。別の例として、丸鋸刃の角速度の検出は丸鋸刃の角速度を計算することを含むことができ、例えば、丸鋸のモータのモータモデルに少なくとも部分的に基づくことができる。いくつかのこのような例において、丸鋸刃の角速度の計算は、モータに供給される電流の大きさ及び/又は電流の電圧の大きさに少なくとも部分的に基づいて計算することを含むことができる。
【0080】
いくつかの例において、被加工物接触パラメータは310における回転時の丸鋸刃の電力消費量を含むことができ、及び/又は電力消費量とすることができる。このような構成において、モータは最大定格電力消費量を定めることができ、接触値範囲は、最大定格電力消費量の閾値パーセンテージよりも大きい電力消費量を含むことができる。最大定格電力消費量の閾値パーセンテージの例としては、50%、60%、70%、80%又は90%のパーセンテージが挙げられる。
【0081】
換言すると、丸鋸刃と被加工物との間の接触は丸鋸刃の回転に対する抵抗を生じ、モータの電力消費量を増加させる場合がある。また、説明したように、キックバック状態は被加工物による丸鋸刃の引っかかり及び/又は挟み込みの結果として生じうる。この引っかかり及び/又は挟み込みはモータの電力消費量をさらに増加させることがあり、丸鋸刃が実際に被加工物と接触していることを示すためにこの電力消費量の増加を利用することができる。
【0082】
時間の関数としてのモータの電力消費量の例を図19に示す。図示のように、モータの電力消費量は、220で示すキックバック状態の結果として及び/又はキックバック状態の間に著しく増加しうる。したがって、丸鋸刃が被加工物と接触していること、及び/又はキックバック状態が存在することを少なくとも部分的に確立するためにモータの電力消費量を利用することができる。
【0083】
モータの電力消費量の検出を任意の適切な方法で達成することができる。例として、モータの電力消費量の検出は、モータに供給される電流の大きさと、電流の電圧の大きさとに少なくとも部分的に基づいてモータの電力消費量を計算することを含むことができる。
【0084】
いくつかの例において、丸鋸は、丸鋸刃と被加工物との間の接触を検出するように構成可能な接触検出器を含むことができる。いくつかのこのような例において、接触検出器は、被加工物接触パラメータを生じる、及び/又は生成するように構成されることが可能である。接触検出器の例としては、電気的接触検出器、容量性接触検出器、電磁接触検出器及び/又は機械的接触検出器が挙げられる。
【0085】
350における、キックバック状態が存在するという決定は、任意の適切な方法で、ならびに/又は任意の適切な情報、データ及び/もしくはパラメータに基づいて、キックバック状態が存在すると決定すること、確立すること、判断すること及び/もしくは結論づけることを含むことができる。いくつかの例において、丸鋸は図1図2及び図11のコントローラ120のようなコントローラを含むことができる。いくつかのこのような例において、コントローラは、350における決定を実行するようにプログラムされることが可能である。これは、330における検出時に検出されたような丸鋸の動きに少なくとも部分的に基づいて、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。
【0086】
いくつかの例において、350における決定は、332における検出時に決定されうるような丸鋸の加速度の大きさが閾値加速度値よりも大きい場合、又はその場合のみ、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。閾値加速度値の例としては、少なくとも1メートル毎秒毎秒(m/s)、少なくとも2m/s、少なくとも3m/s、少なくとも4m/s、少なくとも6m/s、少なくとも8m/s、少なくとも10m/s、少なくとも12m/s、少なくとも14m/s、少なくとも16m/s、少なくとも18m/s、又は少なくとも20m/sが挙げられる。閾値加速度値よりも大きく、キックバック状態を示す加速度の例は、図15のプロットのクロスハッチ領域によって示される。
【0087】
いくつかの例において、350における決定は、丸鋸の加速度の方向が閾値方向範囲内にある場合、又はその場合のみ、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。閾値方向範囲の例としては、図16に示し、本明細書で説明するように、丸鋸の切断方向に対して後方に向けられ、丸鋸の後縁部28に向けられ、及び/又は丸鋸を用いて切断する被加工物から離れるように向けられる方向が挙げられる。
【0088】
より具体的な例として、被加工物支持体は、被加工物対向面、被加工物反対面、前縁部及び後縁部を画定することができる。いくつかのこのような例において、閾値方向範囲を被加工物支持体の被加工物反対面に対して少なくとも部分的に垂直とし、及び/又は被加工物支持体の後縁部に少なくとも部分的に向けることができる。いくつかのこのような例において、閾値方向範囲は、被加工物支持体の後縁部に向かい、かつ被加工物支持体の被加工物反対面に沿って方向づけられた第1のベクトルと、第1のベクトルと交差し、被加工物支持体の被加工物反対面に対して垂直に方向づけられた第2のベクトルとの間に延びる象限内に定められることが可能である。このような象限の例は図16に示され、226で示される。
【0089】
別のより具体的な例として、閾値方向範囲を丸鋸の切断方向の閾値角度範囲内とすることができる。このような閾値角度範囲は、被加工物のユーザ作動アセンブリ対向面から離れるように向けられることが可能であり、図16において222で示されることが可能である。閾値角度範囲の例としては、少なくとも80度、少なくとも90度、少なくとも100度、少なくとも110度、少なくとも120度、少なくとも130度、少なくとも140度、少なくとも150度、少なくとも160度、最大200度、最大180度、最大170度、最大160度、最大150度、最大140度、最大130度、最大120度、最大110度及び/又は最大100度の角度が挙げられる。図16のプロットにおけるクロスハッチ領域は、閾値角度範囲内にある閾値方向範囲の例を示している。
【0090】
いくつかの例において、350における決定は、丸鋸の角速度が閾値角速度値よりも大きい場合、又はその場合のみ、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。閾値角速度値の例としては、少なくとも1度/秒(°/s)、少なくとも2°/s、少なくとも3°/s、少なくとも4°/s、少なくとも6°/s、少なくとも8°/s、又は少なくとも10°/sが挙げられる。閾値角速度値よりも大きい角速度の例は、図17のプロットにおけるクロスハッチ領域によって示される。いくつかの例において、閾値角速度値は、図17に示すように、丸鋸の被加工物支持体の刃に近接する側を被加工物から離れるように促す角速度を含むことができる。
【0091】
いくつかの例において、350における決定は、改ざんパラメータ、分析及び/もしくは制約、又はさらには複数の改ざんパラメータ、分析及び/もしくは制約を、330における検出及び/又は340における検出に適用することを含むことができる。このような例において、350における決定は、改ざんパラメータ、分析及び/又は制約に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0092】
改ざんパラメータ、分析及び/もしくは制約は、手持ち式動力工具又は丸鋸の構成、構造及び/もしくは使用に基づいて選択されることが可能であり、及び/又はこれらに基づくことができる。例として、特定の手持ち式動力工具及び/又は丸鋸は、本開示による別の手持ち式動力工具又は丸鋸と比較して異なった全体的な構成、構造及び/又はレイアウトを有することができ、及び/又は異なるように使用されることが可能である。このように、手持ち式動力工具及び/又は丸鋸は、他の手持ち式動力工具又は丸鋸と比較して異なる加速度及び/もしくは回転を経験してもよく、及び/又は、異なる加速度及び/もしくは回転がキックバック状態を示してもよく、又は異なる加速度及び/もしくは回転がキックバック状態に必要とされてもよい。したがって、特定の手持ち式動力工具又は丸鋸は、改ざんパラメータ、分析及び/もしくは制約、又は異なる改ざんパラメータ、分析及び/もしくは制約を利用することができる。検証パラメータによって決定されたキックバックが実際のキックバックでない場合を判定するために、改ざんパラメータを適用することができる。改ざんパラメータを適用することにより、決定時の検証パラメータの感度を増加させることができる。よって、キックバックの検出は、実際のキックバックに反応する感度をより高めることができる一方、偽のキックバックに対して誤った反応を生じにくくなる。
【0093】
改ざんパラメータの例としては、330における検出時に決定されうるような丸鋸の加速度の直線加速度成分が挙げられる。直線加速度成分は、特定の、定められた及び/又は所定の直線加速度方向に向けられることが可能である。換言すると、直線加速度成分を丸鋸の全体的な加速度の特定のサブセットとすることができ、この特定のサブセットは直線加速度方向に向けられる。直線加速度成分の例を図20に示し、本明細書でより詳しく説明する。
【0094】
直線加速度方向は、任意の適切な特定の、定められた及び/又は所定の直線加速度方向を含むことができ、又はこれと同等にすることができる。例として、直線加速度方向は、丸鋸刃の刃回転面に平行、又は少なくとも実質的に平行とすることが可能であり、及び/又は丸鋸の被加工物支持体のアセンブリ対向面に平行、又は少なくとも実質的に平行とすることが可能である。別の例として、直線加速度方向は、320における切断時などに丸鋸刃によって被加工物内に画定される切溝の長手方向軸に平行、又は少なくとも実質的に平行とすることが可能である。
【0095】
さらなる例として、直線加速度方向は、刃回転面に平行であること、被加工物支持体のアセンブリ対向面に平行であること、及び/又は切溝に平行であることからなる閾値角度差内とすることができる。閾値角度差の例としては、最大1度、最大2度、最大4度、最大6度、最大8度、最大10度、最大12度、最大14度、最大16度及び/又は最大18度の角度差が挙げられる。
【0096】
350における決定が直線加速度成分の形の改ざんパラメータを適用することを含む場合、350における決定は、直線加速度成分が閾値直線加速度成分の範囲外にある場合、又はその場合のみ、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。換言すると、直線加速度成分は、被加工物を切断するための丸鋸の通常動作時に閾値直線加速度成分範囲内とすることが可能である。しかしながら、直線加速度成分は、キックバック状態の間又はキックバック状態の前は閾値直線加速度成分範囲と異なっていてもよい。さらに換言すると、直線加速度成分は、被加工物を切断するための丸鋸の通常動作時に偽のキックバックが検出される場合に閾値直線加速度成分範囲内とすることが可能である。方法300は、このような偽のキックバック状態の間、360における応答を開始しないように構成される。このように、直線加速度成分が閾値直線加速度範囲外であることを、キックバック状態が存在するという決定に必要な条件とすることができる。換言すると、直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲内にあることは、偽のキックバック状態が存在する、及び/又はキックバック状態が存在しないという決定に必要な条件である。
【0097】
直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲外にある場合、直線加速度成分の方向を丸鋸の後縁部に向けることができる。あるいは、直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲内にある場合、直線加速度成分の方向を丸鋸の前縁部に向けることができる。
【0098】
閾値直線加速度成分範囲は、任意の適切な直線加速度成分値を含むことができ、及び/又は任意の適切な直線加速度成分値とすることができる。正の加速度値が概して後縁部28に向けられ、負の加速度値が概して前縁部24に向けられる、図16に示す座標系において、直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲内にある直線加速度成分値は負の符号を有することができる(すなわち、前縁部24に向けられることができる)。このような座標系において、閾値直線加速度成分値範囲内にある直線加速度成分値の(図20に示すような)上限237は、最大-1.5メートル/秒(m/s)、最大-2m/s、最大-2.5m/s、最大-3m/s、最大-3.5m/s、最大-4m/s、最大-4.5m/s、最大-5m/s、最大-5.5m/s、最大-6m/s、少なくとも-10m/s、少なくとも-9.5m/s、少なくとも-9m/s、少なくとも-8.5m/s、少なくとも-8m/s、少なくとも-7.5m/s、少なくとも-7m/s、少なくとも-6.5m/s、少なくとも-6m/s、少なくとも-5.5m/s、少なくとも-5m/s、少なくとも-4.5m/s及び/又は少なくとも-4m/sの直線加速度値を含む。
【0099】
改ざんパラメータの別の例としては、330における検出時に決定されうるような丸鋸の加速度の直線加速度方向成分が挙げられる。直線加速度方向成分は、特定の、定められた及び/又は所定の直線加速度方向に向けられることが可能である。換言すると、直線加速度方向成分を丸鋸の全体的な加速度方向の特定のサブセットとすることができ、この特定のサブセットは直線加速度方向に向けられる。
【0100】
直線加速度方向は、任意の適切な特定の、定められた及び/又は所定の直線加速度方向を含むことができ、又はこれと同等にすることができる。例として、直線加速度方向成分を丸鋸の前縁部に向けるようにするか、又は鋸のユーザから離れるようにすることができる。換言すると、このような直線加速度方向成分は、図16において222で示すように、被加工物支持体のユーザ作動アセンブリ対向面から離れるように方向づけられることが可能である。このような座標系において、閾値直線加速度方向成分範囲内にある直線加速度方向成分値は、最大80度(°)、最大60°、最大45°、少なくとも-80°、少なくとも-60°、少なくとも-45°、少なくとも-30°及び/又は少なくとも0°の直線加速度方向値を含む。
【0101】
改ざんパラメータの他の例としては、角速度軸の周りで測定されるような丸鋸の角速度の角速度成分が挙げられる。角速度軸は、直線加速度方向が延びる軸を含む、及び/又は直線加速度方向が延びる軸とすることができ、本明細書では直線加速度軸と呼ぶこともできる。換言すると、角速度軸は直線加速度方向と一致することができる。さらに換言すると、角速度成分は角速度軸の周りで測定される丸鋸の全角速度の特定のサブセットを含む、及び/又はそのサブセットとすることができる。角速度成分の例を図21に示し、本明細書でより詳しく説明する。
【0102】
350における決定が角速度成分の形の改ざんパラメータを適用することを含む場合、350における決定は、角速度が閾値角速度成分の範囲外にある場合、又はその場合のみ、キックバック状態が存在すると決定することを含むことができる。換言すると、角速度成分は、被加工物を切断するための丸鋸の通常動作時に閾値角速度成分範囲内とすることが可能である。しかしながら、角速度成分は、キックバック状態の間又はキックバック状態の前は閾値角速度成分範囲と異なっていてもよい。これに加えて又はこれに代えて、角速度成分は、キックバック状態が存在しない場合、及び/又は被加工物を切断するための丸鋸の通常動作時に偽のキックバックが検出される場合に閾値角速度成分範囲内とすることができる。このように、角速度成分が閾値角速度範囲外であることを、キックバック状態が存在するという決定に必要な条件とすることができる。換言すると、角速度成分が閾値角速度成分範囲内にあることは、偽のキックバック状態が存在するという決定に必要な条件である。
【0103】
角速度成分が閾値角速度成分範囲内にある場合、角速度軸を中心とする回転及び/又は切断方向を中心とする回転は、丸鋸のアーバー及び/又は丸鋸の丸鋸刃を被加工物に向けて回転させることを含む。あるいは、直線加速度成分が閾値角速度成分範囲外にある場合、角速度軸を中心とする回転及び/又は切断方向を中心とする回転は、丸鋸のアーバー及び/又は丸鋸を丸鋸刃の被加工物から離れるように回転させることを含む。
【0104】
閾値角速度成分範囲は、任意の適切な角速度成分値を含むことができる。正の加速度値が概して後縁部28に向けられ、負の加速度値が概して前縁部24に向けられる、図16に示す座標系において、角速度成分が閾値角速度成分範囲内にある角速度成分値は、右手の法則に従う回転に対して負の符号を有することができる。このような座標系において、閾値角速度成分値の範囲内にある角速度成分値の(図21に示すような)上限239は、最大-1.5度/秒(°/s)、最大-2°/s、最大-2.5°/s、最大-3°/s、最大-3.5°/s、最大-4°/s、最大-4.5°/s、最大-5°/s、最大-5.5°/s、最大-6°/s、最大-6.5°/s、最大-7°/s、最大-7.5°/s、最大-8°/s、少なくとも-12°/s、少なくとも-11.5°/s、少なくとも-11°/s、少なくとも-10.5°/s、少なくとも-10°/s、少なくとも-9.5°/s、少なくとも-9°/s、少なくとも-8.5°/s、少なくとも-8°/s、少なくとも-7.5°/s、少なくとも-7°/s、少なくとも-6.5°/s、少なくとも-6°/s、少なくとも-5.5°/s、少なくとも-5°/s、少なくとも-4.5°/s及び/又は少なくとも-4°/sの角速度を含む。
【0105】
いくつかの例において、直線加速度成分及び/又は角速度成分などの改ざんパラメータは、検出時間窓内で決定及び/又は検出されることが可能である。検出時間窓が用いられる場合、検出時間窓は、手持ち式動力工具のキックバック時間の前に閾値検出時間を延ばすことができる。キックバック時間は、手持ち式電動工具の加速度の大きさが閾値加速度値よりも大きい、手持ち式電動工具の加速度の方向が閾値方向範囲内にある、及び/又は手持ち式電動工具の角速度が閾値角速度値よりも大きい時間を含むことができ、及び/又はその時間とすることができる。検出時間窓は、キックバック時間の前の閾値検出時間によって定めることのできる持続時間を有することができる。持続時間の例としては、少なくとも20ミリ秒(ms)、少なくとも30ms、少なくとも40ms、少なくとも50ms、少なくとも60ms、少なくとも70ms、少なくとも80ms、少なくとも90ms、少なくとも100ms、少なくとも110ms、少なくとも120ms、少なくとも130ms、少なくとも140ms、最大220ms、最大210ms、最大200ms、最大190ms、最大180ms、最大170ms、最大160ms、最大150ms、最大140ms、最大130ms、最大120ms、最大110ms、及び/又は最大100msの持続時間が挙げられる。
【0106】
説明したように、手持ち式動力工具又は丸鋸の構成に基づいて改ざんパラメータを使用、すなわち適用することができる。手持ち式丸鋸から決定される改ざんパラメータの例を図20図21に示す。図20は手持ち式丸鋸の直線加速度成分の形で改ざんパラメータを示したものであり、図21は手持ち式丸鋸の角速度成分の形で改ざんパラメータを示したものである。
【0107】
図20図21は、本明細書で説明するような、キックバック時間220における実際のキックバック表示と偽のキックバック表示とを区別するために用いることのできる改ざんパラメータ(すなわち、図20の直線加速度成分及び図21の角速度成分)の例を示している。図20図21では、キックバック時間(すなわち、丸鋸の加速度の大きさが閾値加速度値よりも大きいこと、丸鋸の加速度の方向が閾値方向範囲内にあること、及び丸鋸の角速度が閾値角速度値よりも大きいことによって示されるような、キックバック状態の開始)を220で示している。しかしながら、本明細書でより詳しく説明するように、手持ち式丸鋸は必ずしもキックバック時間220においてキックバックを経験するとは限らない。図20図21では、チョップカット時の手持ち式丸鋸の通常動作(すなわち、キックバックなし)の例を230の線によって示す一方で、手持ち式丸鋸の実際のキックバックの2つの例を232の線によって示している。また、図20図21において検出時間窓を234で示している。
【0108】
図20では、負の直線加速度成分値が手持ち式丸鋸のユーザから離れるように及び/又は切断の方向に(例えば、丸鋸の前縁部に向かって)方向づけられる一方で、正の直線加速度成分値は、手持ち式丸鋸のユーザに向かって、及び/又は切断の方向と反対に(例えば、手持ち式丸鋸の後縁部に向かって)方向づけられている。図20に示すように、(230で示すような)手持ち式丸鋸の通常動作時に、直線加速度成分は、少なくとも検出時間窓234のサブセットの間は閾値直線加速度成分範囲236内にある。しかしながら、図20にも示すように、(232で示すような)手持ち式丸鋸のキックバックが生じると、直線加速度成分は、検出時間窓の全体にわたって閾値直線加速度成分範囲236の外である。したがって、直線加速度成分は、手持ち式丸鋸の実際のキックバック及び/又は偽のキックバックを示すことができ、又はそれを検出するように利用されることが可能である。
【0109】
図21では、負の角速度値が手持ち式丸鋸のアーバーを被加工物に向かって回転させ(すなわち、丸鋸又は丸鋸のユーザ作動アセンブリは切断の方向から見て時計回りに回転される)、正の角速度値は手持ち式丸鋸のアーバーを被加工物から離れるように回転させる(すなわち、丸鋸又は丸鋸のユーザ作動アセンブリは切断の方向から見て反時計回りに回転される)。図21に示すように、(230で示すような)チョップカットを行う手持ち式丸鋸の通常動作時に、角速度成分は、少なくとも検出時間窓234のサブセットの間は閾値角速度成分範囲238内にある。しかしながら、図21にも示すように、(232で示すような)丸鋸のキックバック時に、角速度成分は、検出時間窓の全体にわたって閾値角速度成分範囲238の外である。したがって、角速度成分は、手持ち式丸鋸の実際のキックバック及び/又は偽のキックバックを示すことができ、又はそれを検出するように利用されることが可能である。
【0110】
360における、キックバック状態が存在するという決定への応答は、任意の適切な方法で応答することを含むことができる。例として、360における応答は310における回転の停止を含むことができる。いくつかのこのような例において、回転の停止は、丸鋸のモータへの電流の供給を停止させることを含むことができる。いくつかのこのような例において、丸鋸は図1図2のブレーキアセンブリ80などのブレーキアセンブリを含むことができ、ブレーキアセンブリは、丸鋸刃の回転を停止させるために選択的に作動されるように構成可能である。回転の停止は、これに加えて又はこれに代えて、ブレーキアセンブリを作動させて丸鋸刃の回転を停止させることを含むことができる。
【0111】
いくつかの例において、方法300は、350における決定の複数の例(インスタンス)に応答して、又はそれのみに応答して、360における応答を開始することを含むことができる。換言すると、あるキックバック事象は、350における決定が複数の離散的な回数実行される時間間隔の間に生じる場合があり、360における応答は、350における決定が、複数の離散的回数のうち2回以上の離散的回数の間にキックバック状態が存在することを示す場合、又はその場合にのみ応答することを含むことができる。
【0112】
説明のように、本開示による手持ち式動力工具8の態様は、丸鋸10に関連してより具体的に説明されている。同様に、本開示による方法300の態様も丸鋸に関連してより具体的に説明されている。この説明はあくまで例示のためのものであり、方法300を、本明細書で説明したような、他のタイプの手持ち式動力工具とともに利用できることは本開示の範囲内である。この点を考慮して、方法300に関して本明細書に開示されるような丸鋸を、本明細書では手持ち式動力工具と呼ぶこともでき、及び/又は手持ち式動力工具とすることができる。同様に、方法300に関連して本明細書に開示されるような刃を、本明細書では器具(implement)と呼ぶこともでき、及び/又は器具とすることができる。また、方法300に関連して本明細書に開示されるようなアーバーを、本明細書では器具ホルダと呼ぶこともでき、及び/又は器具ホルダとすることができる。さらに、方法300に関連して本明細書に開示されるような刃回転面を、本明細書では器具作動面及び/もしくは器具作動軸と呼ぶこともでき、ならびに/又は器具作動面及び/もしくは器具作動軸とすることができる。
【0113】
本開示では、方法を一連のブロック又はステップとして示し、説明したフロー図、すなわちフローチャートに関連して、例示的で非排他的な例のうちのいくつかを説明し、及び/又は提示した。付随する説明に具体的に記載されない限り、2つ以上のブロック(又はステップ)が異なる順序で及び/又は同時に生じることを含め、ブロックの順序がフロー図に示した順序とは異なっていてもよいことは本開示の範囲内である。ブロック又はステップを論理として実施できることも本開示の範囲内であり、ブロック又はステップを論理として実施するものと説明することもできる。ある用途において、ブロック又はステップは、機能的に等しい回路又は他の論理装置によって実行されるべき表現及び/又は動作を表すことができる。図示のブロックは、応答、動作の実行、状態の変更、出力又は表示の生成、及び/又は決定をコンピュータ、プロセッサ及び/又は他の論理装置に行わせる実行可能な命令を表すことができるが、これらは必須ではない。
【0114】
本明細書で使用される、第1のエンティティ(実体)と第2のエンティティとの間に配置される「及び/又は」という用語は、(1)第1のエンティティ、(2)第2のエンティティ、ならびに(3)第1のエンティティ及び第2のエンティティのうちの1つを意味する。「及び/又は」を用いて列挙された複数のエンティティは同様に解釈されるべきである、すなわち、そのように結合されたエンティティのうちの「1つ以上」と解釈されるべきである。「及び/又は」節によって具体的に特定されるエンティティ以外の他のエンティティは、具体的に特定されるこれらのエンティティに関連するかしないかにかかわらず、任意選択で存在することができる。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「~を含む(comprising)」などの非限定的な(オープンエンド)言語と併せて使用される場合、ある実施形態ではAのみ(B以外のエンティティを任意選択で含む)を指し、別の実施形態ではBのみ(A以外のエンティティを任意選択で含む)を指し、さらに別の実施形態ではAとBの双方(他のエンティティを任意選択で含む)を指すことができる。これらのエンティティは、要素、動作、構造、ステップ、演算、値などを指すことができる。
【0115】
本明細書で使用される、1つ以上のエンティティのリストに関連する「少なくとも1つ」という語句は、エンティティのリスト内のエンティティのうち任意の1つ以上から選択される少なくとも1つのエンティティを意味すると理解されるべきであるが、エンティティのリスト内に具体的に列挙された1つ1つのエンティティのうちの少なくとも1つを必ずしも含むとは限らず、エンティティのリスト内のエンティティのいずれの組み合わせも除外するものではない。また、この定義は、「少なくとも1つ」という語句が指し示すエンティティのリスト内の具体的に特定されたエンティティ以外のエンティティが、具体的に特定されたこれらのエンティティに関連するかしないかにかかわらず、任意選択で存在できることを許容する。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は同様に「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は同様に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、ある実施形態では少なくとも1つ、任意選択で1つより多くのAを含み、Bは存在しない(及び任意選択でB以外のエンティティを含む)ことを指し、別の実施形態では少なくとも1つ、任意選択で1つより多くのBを含み、Aは存在しない(及び任意選択でA以外のエンティティを含む)ことを指し、さらに別の実施形態では少なくとも1つ、任意選択で1つより多くのAを含み、かつ少なくとも1つ、任意選択で1つより多くのBを含む(及び任意選択で他のエンティティ)ことを指すことができる。換言すると、「少なくとも1つ」、「1つ以上」及び「及び/又は」といった語句は、作用として接続詞及び離接詞の双方である非限定的な表現である。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B及びCのうちの1つ以上」、「A、B又はCのうちの1つ以上」及び「A、B及び/又はC」という表現の各々は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの双方、A及びCの双方、B及びCの双方、A、B及びCの全て、ならびに任意選択で少なくとも1つの他のエンティティと組み合わせた前述のもののいずれかを意味することができる。
【0116】
特許、特許出願又は他の参考文献が参照により本明細書に援用され、(1)本開示の組み込まれていない部分又は他の組み込まれた参考文献のいずれかと矛盾する態様で用語を定義し、及び/又は(2)他の点で矛盾する場合、本開示の組み込まれていない部分が支配するものとし、その中の用語又は組み込まれた開示内容は、その用語が定義され、及び/又は組み込まれた開示内容が元々存在していた参考文献に関してのみ支配するものとする。
【0117】
本明細書で使用される、「適合される」及び「構成される」という用語は、要素、構成要素又は他の主題が所与の機能を実行するように設計及び/又は意図されていることを意味する。したがって、「適合される」及び「構成される」という用語の使用は、所与の要素、構成要素又は他の主題が所与の機能を単に実行する「ことができる」ことを意味するのではなく、要素、構成要素及び/又は他の主題がその機能を実行するために具体的に選択され、作成され、実装され、利用され、プログラムされ及び/又は設計されることを意味すると解釈されるべきである。特定の機能を実行するように適合されているものとして記載されている要素、構成要素及び/又は他の記載された主題を、その機能を実行するように構成されるものとして追加的又は代替的に説明することができ、その逆もまた同様であることも、本開示の範囲内である。
【0118】
本明細書で使用される、「例えば」という語句、「例として」という語句、及び/又は単に「例」という用語は、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/又は方法に関連して使用される場合、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/又は方法が本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/又は方法の例示的で非排他的な例であることを伝えるように意図される。したがって、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/又は方法は、限定的、必須、又は排他的/網羅的であることを意図したものではなく、構造的及び/又は機能的に類似する及び/又は同等の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/又は方法を含む他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態及び/又は方法も本開示の範囲内である。
【0119】
本明細書で使用される、程度又は関係を修正する際の「少なくとも実質的に」は、記載された「実質的な」程度又は関係のみならず、記載された程度又は関係の全範囲も含むことができる。記載された程度又は関係の実質的な量は、記載された程度又は関係の少なくとも75%を含むことができる。例えば、ある材料から少なくとも実質的に形成される物体は、物体の少なくとも75%がその材料から形成される物体を含み、また、その材料から完全に形成される物体を含む。別の例として、第2の長さと少なくとも実質的に同じ長さである第1の長さは、第2の長さの75%以内である第1の長さを含み、第2の長さと同じ長さである第1の長さも含む。
【0120】
本開示による丸鋸及び方法の例示的で非排他的な例を、以下に列挙する段落に提示する。以下に列挙する段落を含む、本明細書に記載の方法の個々のステップを、記載の動作を実行する「ためのステップ」と追加的に又は代替的に呼ぶことができることは本開示の範囲内である。
【0121】
A1.丸鋸であって、前記丸鋸は、
ユーザ作動アセンブリを備え、前記ユーザ作動アセンブリは、
(i)前記ユーザ作動アセンブリの動きを検出し、前記ユーザ作動アセンブリの前記動きを示す動き信号を生成するように構成された動きセンサ、
(ii)前記動き信号に少なくとも部分的に基づいて前記丸鋸の動作を制御するようにプログラムされたコントローラ、
(iii)必要に応じて、被加工物を切断するための前記丸鋸の動作時に前記丸鋸のユーザによって把持されるように構成された把持領域、
(iv)必要に応じて、前記丸鋸の少なくとも1つの他の構成要素に電流を選択的に流すために前記ユーザによって選択的に作動されるように構成されたスイッチ、
(v)必要に応じて、シャフト回転軸を中心に回転するように構成されたモータシャフトを含むモータ、
(vi)必要に応じて、前記モータシャフトに動作可能に取り付けられ、丸鋸刃を受けるように構成されたアーバー、
(vii)必要に応じて、前記アーバーを介して前記丸鋸に動作可能に取り付けられた前記丸鋸刃、
のうち少なくとも1つを含み、
前記被加工物が前記丸鋸によって切断される際に前記被加工物及び前記丸鋸を互いに対して位置決めするように構成された被加工物支持体を備え、必要に応じて、前記被加工物支持体は、前記ユーザ作動アセンブリに面するアセンブリ対向面と、前記ユーザ作動アセンブリを背にするアセンブリ反対面を画定し、
ピボットを備え、前記ユーザ作動アセンブリは前記ピボットを介して前記被加工物支持体にピボット可能に結合されており、さらに、前記ユーザ作動アセンブリ及び前記被加工物支持体は、前記ピボットのピボット軸を中心に互いに対して動作可能に回転し、必要に応じて、前記被加工物支持体の前記アセンブリ反対面上に延びる前記丸鋸刃の領域を選択的に変更するように構成されている、
丸鋸。
【0122】
A2.前記動きセンサは、微小電気機械システム(MEMS)動きセンサを含むか又は微小電気機械システム(MEMS)動きセンサである、A1項に記載の丸鋸。
【0123】
A3.前記動きセンサは、
(i)単一の検出軸に沿って加速度を検出すること、
(ii)2つの垂直検出軸に沿って加速度を検出すること、
(iii)3つの直交検出軸に沿って加速度を検出すること、
(iv)前記単一の検出軸を中心とした回転を検出すること、
(v)前記2つの垂直検出軸を中心とした回転を検出すること、及び
(vi)前記3つの直交検出軸を中心とした回転を検出すること、
のうちの少なくとも1つを行うように構成されている、A1項~A2項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0124】
A4.前記動きセンサは、
(i)前記シャフト回転軸に対して垂直であること、
(ii)前記ピボット軸に対して垂直であること、及び
(iii)前記丸鋸の動作時に前記丸鋸刃が回転する刃回転面に平行であること、
のうち少なくとも1つである加速度検出面内で加速度を検出するように構成されている、A1項~A3項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0125】
A5.前記動きセンサは、
(i)前記シャフト回転軸に対して垂直、
(ii)前記ピボット軸に対して垂直、
(iii)前記丸鋸の動作時に前記丸鋸刃が回転する刃回転面に平行、及び
(iv)前記加速度検出面に平行、
のうち少なくとも1つの態様で延びる検出軸を中心とした回転を検出するように構成されている、A1項~A4項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0126】
A6.前記動きセンサは、前記ピボット軸から閾値ピボット軸-センサ距離で配置されており、必要に応じて、前記閾値ピボット軸-センサ距離は、
(i)少なくとも1センチメートル(cm)、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、又は少なくとも8cmであること、及び
(ii)最大20cm、最大18cm、最大16cm、最大14cm、最大12cm、最大10cm、最大9cm、最大8cm、最大7cm、最大6cm、最大5cm、最大4cm、最大3cm、最大2cm、又は最大1cmであること、
のうち少なくとも1つである、A1項~A5項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0127】
A7.前記動きセンサは加速度検出軸に沿って加速度を検出するように構成されている、段落A1項~A6項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0128】
A8.前記加速度検出軸は、前記ピボット軸に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に延びている、A7項に記載の丸鋸。
【0129】
A9.前記加速度検出軸は前記ピボット軸から閾値ピボット軸-加速度軸距離で延びており、必要に応じて、前記閾値ピボット軸-加速度軸距離は、
(i)少なくとも1ミリメートル(mm)、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、又は少なくとも1cmであること、及び
(ii)最大4cm、最大3cm、最大2cm、最大1cm、最大8mm、最大6mm、最大4mm、最大2mm、又は最大1mmであること、
のうちの少なくとも1つである、A7項~A8項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0130】
A10.前記加速度検出軸は前記ピボット軸を通って延びている、A7項~A9項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0131】
A11.前記加速度検出軸は、前記シャフト回転軸に対して半径方向に延びている、A7項~A10項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0132】
A12.前記ユーザ作動アセンブリは、前記コントローラ及び前記動きセンサの双方を備えた回路基板を含む、A1項~A11項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0133】
A13.前記被加工物支持体から離れる方向へ前記ユーザ作動アセンブリを付勢するように構成された付勢機構をさらに含む、A1項~A12項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0134】
A14.前記ユーザによって選択的に作動停止され、前記ユーザ作動アセンブリが前記ピボット軸を中心に前記被加工物支持体に向かってピボットすることを選択的に可能にするよう構成されたプランジロックをさらに含む、A1項~A13項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0135】
A15.前記丸鋸は、前記被加工物が前記丸鋸によって切断される際に前記被加工物との接触を開始するように構成された先端領域と、前記被加工物が前記丸鋸によって切断される際に前記前方領域の後に続くように構成された後端領域とを画定する、A1項~A14項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0136】
A16.前記ピボット軸は、
(i)前記先端領域内に延びている、及び
(ii)前記後端領域内に延びている、
のうち少なくとも1つである、A15項に記載の丸鋸。
【0137】
A17.前記動きセンサは、
(i)前記先端領域内に配置されている、及び
(ii)前記後端領域内に配置されている、
のうち少なくとも1つである、A15項~A16項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0138】
A18.前記先端領域は前縁部を画定し、前記後端領域は後縁部を画定し、さらに、前記ピボット軸は前記前縁部及び前記後縁部のうちの1つの閾値エッジ距離内にあり、必要に応じて、前記閾値エッジ距離は、
(i)少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、又は少なくとも4cmであること、及び
(ii)最大10cm、最大8cm、最大6cm、又は最大4cmであること、
のうち少なくとも1つである、A15項~A17項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0139】
A19.前記コントローラは、前記動き信号が前記丸鋸のキックバック状態を示すと決定するようにプログラムされており、さらに、前記コントローラは、前記キックバック状態が存在するという前記決定に応答して前記丸鋸刃の回転を停止させるようにプログラムされている、A1項~A18項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0140】
A20.前記丸鋸刃の回転を停止させるために選択的に作動されるように構成されたブレーキアセンブリをさらに含み、前記コントローラは、前記キックバック状態に応答して前記ブレーキアセンブリを作動させるようにプログラムされている、A19項に記載の丸鋸。
【0141】
A21.前記コントローラは、前記動きセンサによって検出される加速度の加速度軸が前記ピボット軸を通って延びる場合に前記動き信号が前記キックバック状態を示すことを決定するようにプログラムされている、A19項~A20項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0142】
A22.前記コントローラは、前記キックバック状態が存在するという前記決定に応答して、前記モータへの前記電流の供給を停止させるようにプログラムされている、A19項~A21項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0143】
A23.前記コントローラは、B1項~B40項のいずれかの方法の、いずれかの任意の適切なステップを実行するようにプログラムされている、A1項~A22項のいずれか一項に記載の丸鋸。
【0144】
A24.前記丸鋸は、
(i)手持ち式丸鋸、及び
(ii)半定置式丸鋸、
のうちの少なくとも1つを含む、A1項~A23項のいずれか一項の丸鋸。
【0145】
A25.前記丸鋸は、
(i)プランジソー、
(ii)マイターソー、
(iii)トラックソー、
(iv)ラジアルアームソー、
(v)チョップソー、
(vi)パネルソー、及び
(vii)ベベルソー、
のうちの少なくとも1つを含む、A1項~A24項のいずれか一項の丸鋸。
【0146】
B1.丸鋸刃を含む丸鋸のキックバック状態の検出方法であって、
前記丸鋸刃を刃回転面内で回転させることと、
前記丸鋸の動きを検出することであって、必要に応じて、前記動きの検出は、
(i)必要に応じて、前記刃回転面に少なくとも平行であることと、前記刃回転面と同一面上にあることのうち少なくとも1つである加速度検出面内において、前記丸鋸の加速度の大きさを検出すること、
(ii)必要に応じて、前記加速度検出面内で前記丸鋸の前記加速度の方向を検出すること、及び
(iii)必要に応じて、前記加速度検出面内に延びる少なくとも1つの回転検出軸の周りで、前記丸鋸の角速度を検出すること、
のうち少なくとも1つを含む、前記丸鋸の前記動きの検出と、
前記丸鋸の前記動きを含む検証パラメータに少なくとも部分的に基づいてキックバック状態が存在すると決定することであって、必要に応じて、
(i)前記丸鋸の前記加速度の前記大きさが閾値加速度値より大きいこと、
(ii)前記丸鋸の前記加速度の前記方向が閾値方向範囲内にあること、及び
(iii)前記丸鋸の前記角速度が閾値角速度値より大きいこと、
のうち少なくとも1つの場合、又はその場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定する、前記キックバック状態の存在の決定と、
を含む前記方法。
【0147】
B2.前記検出が被加工物接触パラメータを検出することをさらに含み、前記丸鋸刃が前記被加工物と接触している場合、前記被加工物接触パラメータは接触値範囲内にあり、前記丸鋸刃が前記被加工物から離間している場合、前記被加工物接触パラメータは非接触値範囲内にあり、さらに、前記検証パラメータは前記被加工物接触パラメータをさらに含み、及び/又は、前記被加工物接触パラメータが前記接触値範囲内にある場合、又は前記被加工物接触パラメータが前記接触値範囲内にある場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定することを含む、B1項に記載の方法。
【0148】
B3.前記被加工物接触パラメータは前記回転時の前記丸鋸刃の角速度を含み、 前記丸鋸刃が前記被加工物から離間している場合、前記丸鋸刃は平均自由角速度を定め、さらに、前記接触値範囲は、前記平均自由角速度を下回る閾値角速度減少量である角速度を含み、必要に応じて、前記閾値角速度減少量は、少なくとも20回転/分(RPM)、少なくとも25RPM、少なくとも30RPM、少なくとも35RPM、少なくとも40RPM、少なくとも50RPM、少なくとも60RPM、少なくとも70RPM、少なくとも80RPM、少なくとも90RPM、少なくとも100RPM、少なくとも150RPM、少なくとも200RPM、少なくとも300RPM、少なくとも400RPM、少なくとも500RPM、少なくとも600RPM、少なくとも700RPM又は少なくとも800RPMである、B2項の方法。
【0149】
B4.前記丸鋸刃の前記角速度の前記検出は、前記丸鋸刃の前記角速度を測定することを含む、B3項に記載の方法。
【0150】
B5.前記丸鋸刃の前記角速度の前記検出は、前記丸鋸のモータのモータモデルに少なくとも部分的に基づいて前記丸鋸刃の前記角速度を計算することを含む、B3項~B4項のいずれかに記載の方法。
【0151】
B6.前記丸鋸刃の前記角速度の前記計算は、前記モータに供給される電流の大きさ及び前記電流の電圧の大きさに少なくとも部分的に基づいて前記丸鋸刃の前記角速度を計算することをさらに含む、B5項に記載の方法。
【0152】
B7.前記被加工物接触パラメータは前記回転時の前記丸鋸の電力消費量を含み、前記丸鋸のモータ/前記モータは最大定格電力消費量を定めており、さらに、前記接触値範囲は、前記最大定格電力消費量の閾値パーセンテージよりも大きい電力消費量を含み、必要に応じて、前記最大定格電力消費量の前記閾値パーセンテージは、50%、60%、70%、80%、又は90%である、B2項~B6項のいずれか一項に記載の方法。
【0153】
B8.前記丸鋸は前記丸鋸刃と前記被加工物との間の接触を検出するように構成された接触検出器を含み、さらに、前記接触検出器は前記被加工物接触パラメータを生成するように構成されている、B2項~B7項のいずれか一項に記載の方法。
【0154】
B9.前記接触検出器は、
(i)電気的接触検出器、
(ii)容量性接触検出器、
(iii)電磁接触検出器、及び
(iv)機械的接触検出器、
のうち少なくとも1つを含む、B8項の方法。
【0155】
B10.前記加速度の前記大きさの前記検出は、前記加速度検出面内にある第1の方向の第1の加速度成分を検出することと、前記第1の方向に対して垂直であり、前記加速度検出面内にある第2の方向の第2の加速度成分を検出することとを含み、前記加速度の前記大きさは前記第1の加速度成分及び前記第2の加速度成分から決定される、B1項~B9項のいずれか一項に記載の方法。
【0156】
B11.前記加速度の前記方向の前記検出は、前記加速度検出面内にある第1の方向/前記第1の方向における第1の加速度成分/前記第1の加速度成分を検出することと、前記第1の方向に垂直であり前記加速度検出面内にある第2の方向/前記第2の方向における第2の加速度成分/前記第2の加速度成分を検出することとを含み、前記加速度の前記方向は前記第1の加速度成分と前記第2の加速度成分とのベクトル和/前記ベクトル和の方向である、B1項~B10項のいずれか一項に記載の方法。
【0157】
B12.前記丸鋸の前記角速度の前記検出は、前記加速度検出面内にある第1の方向/前記第1の方向の周りで第1の角速度成分を検出することと、前記第1の方向に垂直であり前記加速度検出面内にある第2の方向/前記第2の方向の周りで第2の角速度成分を検出することとを含み、前記丸鋸の前記角速度は前記第1の角速度成分と前記第2の角速度成分とのベクトル和である、B1項~B11項のいずれか一項に記載の方法。
【0158】
B13.前記閾値加速度値が、少なくとも1メートル毎秒毎秒(m/s)、少なくとも2m/s、少なくとも3m/s、少なくとも4m/s、少なくとも6m/s、少なくとも8m/s、少なくとも10m/s、少なくとも12m/s、少なくとも14m/s、少なくとも16m/s、少なくとも18m/s、又は少なくとも20m/sである、B1項~B12項のいずれか一項に記載の方法。
【0159】
B14.前記閾値方向範囲が、
(i)前記丸鋸の切断方向に対して後方に向けられている、及び
(ii)前記丸鋸を用いて切断する被加工物/前記被加工物から離れる方向に向けられている、
うちの少なくとも1つである、B1項~B13項のいずれか一項に記載の方法。
【0160】
B15.前記閾値方向範囲は前記丸鋸の切断方向/前記切断方向の閾値角度範囲内にあり、必要に応じて、前記閾値角度範囲は、前記被加工物のユーザ作動アセンブリ対向面から離れる方向に向けられ、かつ、
(i)少なくとも80度、少なくとも90度、少なくとも100度、少なくとも110度、少なくとも120度、少なくとも130度、少なくとも140度、少なくとも150度、又は少なくとも160度、及び
(ii)最大180度、最大170度、最大160度、最大150度、最大140度、最大130度、最大120度、最大110度、又は最大100度、
のうちの少なくとも1つである、B1項~B14項のいずれか一項に記載の方法。
【0161】
B16.前記丸鋸は、被加工物対向面、被加工物反対面、前縁部及び後縁部を画定する被加工物支持体を含み、さらに、
(i)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に対して少なくとも部分的に垂直であること、
(ii)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記後縁部に少なくとも部分的に向かっていること、
(iii)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記後縁に向かい、かつ前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に沿って方向づけられた第1のベクトルと、前記第1のベクトルと交差し、前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に対して垂直に方向づけられた第2のベクトルとの間に延びる象限内に定められること、
のうちの少なくとも1つを含む、B1項~B15項のいずれか一項に記載の方法。
【0162】
B17.前記閾値角速度値は少なくとも1度/秒(°/s)、少なくとも2°/s、少なくとも3°/s、少なくとも4°/s、少なくとも6°/s、少なくとも8°/s、又は少なくとも10°/sである、B1項~B16項のいずれか一項に記載の方法。
【0163】
B18.前記閾値角速度値は、前記丸鋸の被加工物支持体/前記被加工物支持体の刃に近接する側を被加工物/前記被加工物から離れるように促す角速度を含む、B1項~B17項のいずれか一項に記載の方法。
【0164】
B19.前記回転の開始後、及び前記検出と同時に、前記丸鋸刃を用いて被加工物/前記被加工物を切断することをさらに含む、B1項~B18項のいずれか一項に記載の方法。
【0165】
B20.前記キックバック状態が存在するという前記決定に応答することをさらに含む、B1項~B19項のいずれか一項に記載の方法。
【0166】
B21.前記応答は前記回転を停止させることを含む、B20項に記載の方法。
【0167】
B22.前記丸鋸は、前記丸鋸刃の回転を停止させるために選択的に作動されるように構成されたブレーキアセンブリを含み、さらに、前記応答は、前記ブレーキアセンブリを作動させて前記丸鋸刃の回転を停止させることを含む、B20項~B21項のいずれか一項に記載の方法。
【0168】
B23.前記応答は、前記丸鋸のモータへの電流の供給を停止させることを含む、B20項~B22項のいずれか一項に記載の方法。
【0169】
B24.前記キックバック状態が存在するという前記決定の複数の例に応答して前記応答を開始することを含む、B20項~B23項のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
B25.改ざんパラメータを適用することをさらに含み、さらに、前記決定は前記改ざんパラメータに少なくとも部分的に基づいており、必要に応じて、前記丸鋸は手持ち式丸鋸、マイターソー及びチョップソーのうちの少なくとも1つを含む、B1項~B24項のいずれかに記載の方法。
【0171】
B26.前記改ざんパラメータは前記丸鋸の前記加速度の直線加速度成分を含み、前記直線加速度成分は、
(i)前記丸鋸刃の前記刃回転面に平行、又は実質的に平行であることと、前記丸鋸の被加工物支持体/前記被加工物支持体のアセンブリ対向面/前記アセンブリ対向面に平行、又は実質的に平行であること、及び
(iii)前記丸鋸刃によって被加工物/前記被加工物内に画定された切溝の長手方向軸に平行、又は実質的に平行であること、
のうち少なくとも1つである直線加速度方向にある、B25項に記載の方法。
【0172】
B27.前記決定は、前記直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲外にある場合、もしくはその場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定すること、又は、前記直線加速度成分が前記閾値直線加速度成分範囲内にある場合、前記キックバック状態が存在しないと決定することを含み、必要に応じて、前記閾値直線加速度成分範囲は、
(i)最大-1.5メートル/秒(m/s)、最大-2m/s、最大-2.5m/s、最大-3m/s、最大-3.5m/s、最大-4m/s、最大-4.5m/s、最大-5m/s、最大-5.5m/s、又は最大-6m/s、及び
(ii)少なくとも-10m/s、少なくとも-9.5m/s、少なくとも-9m/s、少なくとも-8.5m/s、少なくとも-8m/s、少なくとも-7.5m/s、少なくとも-7m/s、少なくとも-6.5m/s、少なくとも-6m/s、少なくとも-5.5m/s、少なくとも-5m/s、少なくとも-4.5m/s、又は少なくとも-4m/s
のうち少なくとも1つの直線加速度成分値によって境界を定められる、B26項に記載の方法。
【0173】
B28.前記直線加速度成分が前記閾値直線加速度成分範囲内にある場合、前記直線加速度成分の方向は前記丸鋸の前縁部/前記前縁部に向けられる、B27項に記載の方法。
【0174】
B29.前記直線加速度方向は直線加速度軸に沿って延び、改ざんパラメータ/前記改ざんパラメータは前記丸鋸の前記角速度の角速度成分を含み、さらに、前記角速度成分は前記直線加速度軸の周りにある、B26項~B28項のいずれか一項に記載の方法。
【0175】
B30.前記決定は、前記角速度成分が閾値角速度成分範囲外にある場合、もしくはその場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定すること、又は、前記角速度成分が前記閾値角速度成分範囲内にある場合、前記キックバック状態が存在しないと決定することを含み、必要に応じて、前記閾値角速度成分範囲は、
(i)最大-1.5度/秒(°/s)、最大-2°/s、最大-2.5°/s、最大-3°/s、最大-3.5°/s、最大-4°/s、最大-4.5°/s、最大-5°/s、最大-5.5°/s、最大-6°/s、最大-6.5°/s、最大-7°/s、最大-7.5°/s、又は最大-8°/s、及び
(ii)少なくとも-12°/s、少なくとも-11.5°/s、少なくとも-11°/s、少なくとも-10.5°/s、少なくとも-10°/s、少なくとも-9.5°/s、少なくとも-9°/s、少なくとも-8.5°/s、少なくとも-8°/s、少なくとも-7.5°/s、少なくとも-7°/s、少なくとも-6.5°/s、少なくとも-6°/s、少なくとも-5.5°/s、少なくとも-5°/s、少なくとも-4.5°/s、又は少なくとも-4°/s、
のうち少なくとも1つの角速度値によって境界を定められる、B29項に記載の方法。
【0176】
B31.前記直線加速度軸を中心とする回転が前記丸鋸の被加工物支持体/前記被加工物支持体に向かう前記丸鋸のアーバーの回転を含む場合、又はその場合のみ、前記角速度成分は前記閾値角速度成分範囲内にある、B30項に記載の方法。
【0177】
B32.前記改ざんパラメータは検出時間窓内で決定される、B25項~B31項のいずれか一項に記載の方法。
【0178】
B33.前記検出時間窓は、
(i)前記丸鋸の前記加速度の前記大きさが前記閾値加速度値より大きい、
(ii)前記丸鋸の前記加速度の前記方向が前記閾値方向範囲内にある、及び
(iii)前記丸鋸の前記角速度が前記閾値角速度値より大きい、
うちの少なくとも1つであるキックバック時間の前に閾値検出時間を延長する、B32項に記載の方法。
【0179】
B34.前記検出時間窓は、
(i)少なくとも20ミリ秒(ms)、少なくとも30ms、少なくとも40ms、少なくとも50ms、少なくとも60ms、少なくとも70ms、少なくとも80ms、少なくとも90ms、少なくとも100ms、少なくとも110ms、少なくとも120ms、少なくとも130ms、又は少なくとも140ms、及び
(ii)最大220ms、最大210ms、最大200ms、最大190ms、最大180ms、最大170ms、最大160ms、最大150ms、最大140ms、最大130ms、最大120ms、最大110ms、又は最大100ms、
のうち少なくとも1つの持続時間を有する、B32項~B33項のいずれか一項に記載の方法。
【0180】
B35.前記改ざんパラメータは前記丸鋸の前記加速度の直線加速度成分を含む、B25項~B34項のいずれか一項に記載の方法。
【0181】
B36.前記直線加速度方向成分は、
(i)前記丸鋸の前縁部/前記前縁部に向けられる、
(ii)前記丸鋸のユーザから離れる方向に向けられる、及び
(iii)前記丸鋸の被加工物支持体/前記被加工物支持体のユーザ作動アセンブリ対向面/前記ユーザ作動アセンブリ対向面から離れる方向に向けられる、
うちの少なくとも1つである、B35項に記載の方法。
【0182】
B37.前記直線加速度方向成分は前記丸鋸の切断方向/前記切断方向の閾値角度範囲内にあり、必要に応じて、前記閾値角度範囲は、
(i)少なくとも0°、少なくとも-30°、少なくとも-45°、少なくとも-60°、又は少なくとも-80°、及び
(ii)最大80°、最大60°、又は最大45°、
のうちの少なくとも1つによって境界を定められる、B35項~B36項のいずれか一項に記載の方法。
【0183】
B38.前記丸鋸は、
(i)手持ち式丸鋸、及び
(ii)半定置式丸鋸、
のうちの少なくとも1つを含む、B1項~B37項のいずれか一項に記載の方法。
【0184】
B39.前記丸鋸は、
(i)プランジソー、
(ii)マイターソー/前記マイターソー、
(iii)トラックソー、
(iv)ラジアルアームソー、
(v)チョップソー/前記チョップソー、
(vi)パネルソー、及び
(vii)ベベルソー、
のうちの少なくとも1つを含む、B1項~B38項のいずれか一項に記載の方法。
【0185】
B40.A1項~A25項のいずれかに記載の前記丸鋸の好適な構造を含む、B1項~B39項のいずれか一項に記載の方法。
【0186】
C1.手持ち式動力工具のキックバック状態の検出方法であって、
前記手持ち式動力工具の器具を器具作動面内で移動させることと、
前記手持ち式動力工具の動きを検出することであって、必要に応じて、前記動きの検出は、
(i)必要に応じて、前記器具作動面に少なくとも平行であることと、前記器具作動面と同一面上にあることのうち少なくとも1つである加速度検出面内において、前記手持ち式動力工具の加速度の大きさを検出すること、
(ii)必要に応じて、前記加速度検出面内で前記手持ち式動力工具の前記加速度の方向を検出すること、及び
(iii)必要に応じて、前記加速度検出面内に延びる少なくとも1つの回転検出軸の周りで、前記手持ち式動力工具の角速度を検出すること、
のうち少なくとも1つを含む、前記丸鋸の前記動きの検出と、
前記手持ち式動力工具の前記動きを含む検証パラメータに少なくとも部分的に基づいてキックバック状態が存在すると決定することであって、必要に応じて、
(i)前記手持ち式動力工具の前記加速度の前記大きさが閾値加速度値より大きいこと、
(ii)前記手持ち式動力工具の前記加速度の前記方向が閾値方向範囲内にあること、及び
(iii)前記手持ち式動力工具の前記角速度が閾値角速度値より大きいこと、
のうち少なくとも1つの場合、又はその場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定する、前記キックバック状態の存在の決定と、
を含む前記方法。
【0187】
C2.前記検出が被加工物接触パラメータを検出することをさらに含み、前記器具が前記被加工物と接触している場合、前記被加工物接触パラメータは接触値範囲内にあり、前記器具が前記被加工物から離間している場合、前記被加工物接触パラメータは非接触値範囲内にあり、さらに、前記検証パラメータは前記被加工物接触パラメータをさらに含み、及び/又は、前記被加工物接触パラメータが前記接触値範囲内にある場合、又は前記被加工物接触パラメータが前記接触値範囲内にある場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定することを含む、C1項の方法。
【0188】
C3.前記被加工物接触パラメータは前記移動時の前記器具の角速度を含み、 前記器具が前記被加工物から離間している場合、前記器具は平均自由角速度を定め、さらに、前記接触値範囲は、前記平均自由角速度を下回る閾値角速度減少量である角速度を含み、必要に応じて、前記閾値角速度減少量は、少なくとも20回転/分(RPM)、少なくとも25RPM、少なくとも30RPM、少なくとも35RPM、少なくとも40RPM、少なくとも50RPM、少なくとも60RPM、少なくとも70RPM、少なくとも80RPM、少なくとも90RPM、少なくとも100RPM、少なくとも150RPM、少なくとも200RPM、少なくとも300RPM、少なくとも400RPM、少なくとも500RPM、少なくとも600RPM、少なくとも700RPM又は少なくとも800RPMである、C2項の方法。
【0189】
C4.前記被加工物接触パラメータの前記検出は、前記器具の前記角速度を測定することを含む、段落C3の方法。
【0190】
C5.前記被加工物接触パラメータの前記検出は、前記手持ち式動力工具のモータのモータモデルに少なくとも部分的に基づいて前記器具の前記角速度を計算することを含む、段落C3~C4のいずれか一項に記載の方法。
【0191】
C6.前記器具の前記角速度の前記計算は、前記モータに供給される電流の大きさ及び前記電流の電圧の大きさに少なくとも部分的に基づいて前記器具の前記角速度を計算することをさらに含む、段落C5に記載の方法。
【0192】
C7.前記被加工物接触パラメータは前記移動時の前記手持ち式動力工具の電力消費量を含み、前記手持ち式動力工具のモータ/前記モータは最大定格電力消費量を定めており、さらに、前記接触値範囲は、前記最大定格電力消費量の閾値パーセンテージよりも大きい電力消費量を含み、必要に応じて、前記最大定格電力消費量の閾値パーセンテージは、50%、60%、70%、80%、又は90%である、段落C2~C6のいずれか一項の方法。
【0193】
C8.前記手持ち式動力工具は前記器具と前記被加工物との間の接触を検出するように構成された接触検出器を含み、さらに、前記接触検出器は前記被加工物接触パラメータを生成するように構成されている、C2項~C7項のいずれか一項に記載の方法。
【0194】
C9.前記接触検出器は、
(i)電気的接触検出器、
(ii)容量性接触検出器、
(iii)電磁接触検出器、及び
(iv)機械的接触検出器、
のうち少なくとも1つを含む、C8項の方法。
【0195】
C10.前記加速度の前記大きさの前記検出は、前記加速度検出面内にある第1の方向の第1の加速度成分を検出することと、前記第1の方向に対して垂直であり、前記加速度検出面内にある第2の方向の第2の加速度成分を検出することとを含み、前記加速度の前記大きさは前記第1の加速度成分及び前記第2の加速度成分から決定される、C1項~C9項のいずれか一項に記載の方法。
【0196】
C11.前記加速度の前記方向の前記検出は、前記加速度検出面内にある第1の方向/前記第1の方向における第1の加速度成分/前記第1の加速度成分を検出することと、前記第1の方向に垂直であり前記加速度検出面内にある第2の方向/前記第2の方向における第2の加速度成分/前記第2の加速度成分を検出することとを含み、前記加速度の前記方向は前記第1の加速度成分と前記第2の加速度成分とのベクトル和/前記ベクトル和の方向である、C1項~C10項のいずれか一項に記載の方法。
【0197】
C12.前記手持ち式動力工具の前記角速度の前記検出は、前記加速度検出面内にある第1の方向/前記第1の方向の周りで第1の角速度成分を検出することと、前記第1の方向に垂直であり前記加速度検出面内にある第2の方向/前記第2の方向の周りで第2の角速度成分を検出することとを含み、前記手持ち式動力工具の前記角速度は前記第1の角速度成分と前記第2の角速度成分とのベクトル和である、C1項~C11項のいずれか一項に記載の方法。
【0198】
C13.前記閾値加速度値が、少なくとも1メートル毎秒毎秒(m/s)、少なくとも2m/s、少なくとも3m/s、少なくとも4m/s、少なくとも6m/s、少なくとも8m/s、少なくとも10m/s、少なくとも12m/s、少なくとも14m/s、少なくとも16m/s、少なくとも18m/s、又は少なくとも20m/sである、C1項~C12項のいずれか一項に記載の方法。
【0199】
C14.前記閾値方向範囲が、
(i)前記手持ち式動力工具の切断方向に対して後方に向けられている、及び
(ii)前記手持ち式動力工具を用いて切断する被加工物/前記被加工物から離れる方向に向けられている、
うちの少なくとも1つである、C1項~C13項のいずれか一項の方法。
【0200】
C15.前記閾値方向範囲は前記手持ち式動力工具の切断方向/前記切断方向の閾値角度範囲内にあり、必要に応じて、前記閾値角度範囲は、前記被加工物から離れる方向に向けられ、かつ、
(i)少なくとも80度、少なくとも90度、少なくとも100度、少なくとも110度、少なくとも120度、少なくとも130度、少なくとも140度、少なくとも150度、又は少なくとも160度、及び
(ii)最大180度、最大170度、最大160度、最大150度、最大140度、最大130度、最大120度、最大110度、又は最大100度、
のうちの少なくとも1つである、C1項~C14項のいずれか一項に記載の方法。
【0201】
C16.前記手持ち式電動工具は、被加工物対向面、被加工物反対面、前縁部及び後縁部を画定する被加工物支持体を含み、さらに、
(i)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に対して少なくとも部分的に垂直であること、
(ii)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記後縁部に少なくとも部分的に向かっていること、
(iii)前記閾値方向範囲は、前記被加工物支持体の前記後縁に向かい、かつ前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に沿って方向づけられた第1のベクトルと、前記第1のベクトルと交差し、前記被加工物支持体の前記被加工物反対面に対して垂直に方向づけられた第2のベクトルとの間に延びる象限内に定められること、
のうちの少なくとも1つを含む、C1項~C15項のいずれか一項に記載の方法。
【0202】
C17.前記閾値角速度値は少なくとも1度/秒(°/s)、少なくとも2°/s、少なくとも3°/s、少なくとも4°/s、少なくとも6°/s、少なくとも8°/s、又は少なくとも10°/sである、C1項~C16項のいずれか一項に記載の方法。
【0203】
C18.前記閾値角速度値は、前記手持ち式動力工具の被加工物支持体/前記被加工物支持体の刃に近接する側を被加工物/前記被加工物から離れるように促す角速度を含む、C1項~C17項のいずれか一項に記載の方法。
【0204】
C19.前記移動の開始後、及び前記検出と同時に、前記器具を用いて被加工物/前記被加工物を切断することをさらに含む、C1項~C18項のいずれか一項に記載の方法。
【0205】
C20.前記キックバック状態が存在するという前記決定に応答することをさらに含む、C1項~C19項のいずれか一項に記載の方法。
【0206】
C21.前記応答は前記移動を停止させることを含む、C20項に記載の方法。
【0207】
C22.前記手持ち式動力工具は、前記器具の作動を停止させるために選択的に作動されるように構成されたブレーキアセンブリを含み、さらに、前記応答は、前記ブレーキアセンブリを作動させて前記器具の作動を停止させることを含む、C20項~C21項のいずれか一項に記載の方法。
【0208】
C23.前記応答は、前記手持ち式動力工具のモータへの電流の供給を停止させることを含む、C20項~C22項のいずれか一項に記載の方法。
【0209】
C24. 前記キックバック状態が存在するという前記決定の複数の例に応答して前記応答を開始することを含む、C20項~C23項のいずれか一項に記載の方法。
【0210】
C25.改ざんパラメータを適用することをさらに含み、さらに、前記決定は前記改ざんパラメータに少なくとも部分的に基づいており、必要に応じて、前記手持ち式動力工具は、丸鋸、手持ち式丸鋸、マイターソー、チョップソー、回転式動力工具、回転式手持ち動力工具、回転カッター、サンダー、グラインダー、及びドリルのうちの少なくとも1つを含む、C1項~C24項のいずれかに記載の方法。
【0211】
C26.前記改ざんパラメータは前記手持ち式動力工具の前記加速度の直線加速度成分を含み、前記直線加速度成分は、
(i)前記器具の前記器具作動面に平行、又は実質的に平行であることと、前記手持ち式動力工具の被加工物支持体/前記被加工物支持体のアセンブリ対向面/前記アセンブリ対向面に平行、又は実質的に平行であること、及び
(iii)前記器具によって被加工物/前記被加工物内に画定された切溝の長手方向軸に平行、又は実質的に平行であること、
のうち少なくとも1つである直線加速度方向にある、C25項に記載の方法。
【0212】
C27.前記決定は、前記直線加速度成分が閾値直線加速度成分範囲外にある場合、もしくはその場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定すること、又は、前記直線加速度成分が前記閾値直線加速度成分範囲内にある場合、前記キックバック状態が存在しないと決定することを含み、必要に応じて、前記閾値直線加速度成分範囲は、
(i)最大-1.5メートル/秒(m/s)、最大-2m/s、最大-2.5m/s、最大-3m/s、最大-3.5m/s、最大-4m/s、最大-4.5m/s、最大-5m/s、最大-5.5m/s、又は最大-6m/s、及び
(ii)少なくとも-10m/s、少なくとも-9.5m/s、少なくとも-9m/s、少なくとも-8.5m/s、少なくとも-8m/s、少なくとも-7.5m/s、少なくとも-7m/s、少なくとも-6.5m/s、少なくとも-6m/s、少なくとも-5.5m/s、少なくとも-5m/s、少なくとも-4.5m/s、又は少なくとも-4m/s
のうち少なくとも1つの直線加速度成分値によって境界を定められる、C26項に記載の方法。
【0213】
C28.前記直線加速度成分が前記閾値直線加速度成分範囲内にある場合、前記直線加速度成分の方向は前記手持ち式動力工具の前縁部/前記前縁部に向けられる、C27項に記載の方法。
【0214】
C29.前記直線加速度方向は直線加速度軸に沿って延び、改ざんパラメータ/前記改ざんパラメータは前記手持ち式動力工具の前記角速度の角速度成分を含み、さらに、前記角速度成分は前記直線加速度軸の周りにある、C25項~C28項のいずれか一項に記載の方法。
【0215】
C30.前記決定は、前記角速度成分が閾値角速度成分範囲外にある場合、もしくはその場合のみ、前記キックバック状態が存在すると決定すること、又は、前記角速度成分が前記閾値角速度成分範囲内にある場合、前記キックバック状態が存在しないと決定することを含み、必要に応じて、前記閾値角速度成分範囲は、
(i)最大-1.5度/秒(°/s)、最大-2°/s、最大-2.5°/s、最大-3°/s、最大-3.5°/s、最大-4°/s、最大-4.5°/s、最大-5°/s、最大-5.5°/s、最大-6°/s、最大-6.5°/s、最大-7°/s、最大-7.5°/s、又は最大-8°/s、及び
(ii)少なくとも-12°/s、少なくとも-11.5°/s、少なくとも-11°/s、少なくとも-10.5°/s、少なくとも-10°/s、少なくとも-9.5°/s、少なくとも-9°/s、少なくとも-8.5°/s、少なくとも-8°/s、少なくとも-7.5°/s、少なくとも-7°/s、少なくとも-6.5°/s、少なくとも-6°/s、少なくとも-5.5°/s、少なくとも-5°/s、少なくとも-4.5°/s、又は少なくとも-4°/s、
のうち少なくとも1つの角速度値によって境界を定められる、C29項に記載の方法。
【0216】
C31.前記直線加速度軸を中心とする回転が前記手持ち式動力工具の被加工物支持体/前記被加工物支持体に向かう前記手持ち式動力工具の器具ホルダの回転を含む場合、又はその場合のみ、前記角速度成分は前記閾値角速度成分範囲内にある、C30項に記載の方法。
【0217】
C32.前記改ざんパラメータは検出時間窓内で決定される、C25項~C31項のいずれか一項に記載の方法。
【0218】
C33.前記検出時間窓は、
(i)前記手持ち式電動工具の前記加速度の前記大きさが前記閾値加速度値より大きい、
(ii)前記手持ち式電動工具の前記加速度の前記方向が前記閾値方向範囲内にある、及び
(iii)前記手持ち式電動工具の前記角速度が前記閾値角速度値より大きい、
うちの少なくとも1つであるキックバック時間の前に閾値検出時間を延長する、C32項に記載の方法。
【0219】
C34.前記検出時間窓は、
(i)少なくとも20ミリ秒(ms)、少なくとも30ms、少なくとも40ms、少なくとも50ms、少なくとも60ms、少なくとも70ms、少なくとも80ms、少なくとも90ms、少なくとも100ms、少なくとも110ms、少なくとも120ms、少なくとも130ms、又は少なくとも140ms、及び
(ii)最大220ms、最大210ms、最大200ms、最大190ms、最大180ms、最大170ms、最大160ms、最大150ms、最大140ms、最大130ms、最大120ms、最大110ms、又は最大100ms、
のうち少なくとも1つの持続時間を有する、C32項~C33項のいずれか一項に記載の方法。
【0220】
C35.前記改ざんパラメータは前記手持ち式動力工具の前記加速度の直線加速度成分を含む、C25項~C34項のいずれか一項に記載の方法。
【0221】
C36.前記直線加速度方向成分は、
(i)前記手持ち式動力工具の前縁部/前記前縁部に向けられる、
(ii)前記手持ち式動力工具のユーザから離れる方向に向けられる、及び
(iii)前記手持ち式動力工具の被加工物支持体/前記被加工物支持体のユーザ作動アセンブリ対向面/前記ユーザ作動アセンブリ対向面から離れる方向に向けられる、
うちの少なくとも1つである、C35項に記載の方法。
【0222】
C37.前記直線加速度方向成分は前記手持ち式電動工具の切断方向/前記切断方向の閾値角度範囲内にあり、必要に応じて、前記閾値角度範囲は、
(i)少なくとも0°、少なくとも-30°、少なくとも-45°、少なくとも-60°、又は少なくとも-80°、及び
(ii)最大80°、最大60°、又は最大45°、
のうちの少なくとも1つによって境界を定められる、C35項~C36項のいずれか一項に記載の方法。
【0223】
C38.前記丸鋸は、
(i)丸鋸、
(ii)手持ち式丸鋸、
(iii)マイターソー、
(iv)チョップソー、
(v)回転式動力工具、
(vi)手持ち式回転動力工具、
(vii)手持ち式回転カッター、
(viii)手持ち式サンダー、
(ix)手持ち式グラインダー、及び
(x)手持ち式ドリル、
のうちの少なくとも1つを含む、C1項~C37項のいずれか一項に記載の方法。
【0224】
C39.A1項~A25項のいずれかに記載の前記丸鋸の好適な構造を含む、C1項~C38項のいずれか一項に記載の方法。
【0225】
D1.プランジソーのキックバックを検出するための、プランジソーのユーザ作動アセンブリ内に組み込まれた動きセンサの使用。
【0226】
D2.B1項~C39項のいずれかに記載の前記方法による、A1項~A25項のいずれかに記載の前記丸鋸の使用。
【0227】
D3.A1項~A25項のいずれかに記載の前記丸鋸を用いた、B1項~C39項のいずれかに記載の前記方法の使用。
【産業上の利用可能性】
【0228】
本明細書に開示された手持ち式動力工具、丸鋸及び方法は動力工具産業に適用可能である。
【0229】
前述の開示内容は、独立した有用性を有する複数の別個の発明を包含すると考えられる。これらの発明の各々はその好ましい形態で開示されたが、本明細書に開示され、例示されたその特定の実施形態は、多数の変形が可能であるため限定的な意味で考えられるべきではない。本発明の主題は、本明細書に開示された種々の要素、特徴、機能及び/又は特性の全ての新規かつ非自明な組み合わせ及び部分的組み合わせ(サブコンビネーション)を含む。同様に、「1つの(a)」又は「第1の(a first)」要素、又はその等価物が請求項に記載されている場合、このような請求項は1つ以上のこのような要素の組み込みを含むものと理解されるべきであり、2つ以上のこのような要素を必要とするものでも除外するものでもない。
【0230】
以下の特許請求の範囲は、開示された発明のうちの1つに関連し、新規かつ非自明である特定の組み合わせ及び部分的組み合わせを具体的に指摘するものであると考えられる。特徴、機能、要素及び/又は特性の他の組み合わせ及び部分的組み合わせで具現化される発明は、本願もしくは関連出願において、本請求項の補正又は新しい請求項の提示により請求することができる。このような補正された請求項又は新しい請求項は、これらが異なる発明に関連するか、同じ発明に関連するかにかかわらず、又は出願当初の請求項に対して範囲が異なるか、より広いか、より狭いかもしくは等しいかにかかわらず、本開示の発明の主題内に含まれるものとみなされる。
図1
図2
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図10
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【国際調査報告】