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▶ アトラトル (シャンハイ) テクノロジー カンパニー、リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】実験室
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20240221BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20240221BHJP
   B01L 1/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
F24F7/06 B
F24F13/02 G
B01L1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553491
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2022072891
(87)【国際公開番号】W WO2022183863
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】202110240960.5
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523333696
【氏名又は名称】アトラトル (シャンハイ) テクノロジー カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュー、ペンチェン
【テーマコード(参考)】
3L058
3L080
4G057
【Fターム(参考)】
3L058BE08
3L080AD04
4G057AA07
(57)【要約】
実験室が開示される。実験室は複数の実験室ユニットを有する。各々の実験室ユニットは第1の領域及び第2の領域を有する。第1の領域は、第1の空気供給接続パイプラインであって、第1の空気供給接続パイプラインの一方の端部が空気供給メイン・パイプラインと連通し、第1の空気供給接続パイプラインの他方の端部が第1の空気供給ポートを形成し、第1の空気供給接続パイプラインには第1の空気供給弁が内部に設けられる、第1の空気供給接続パイプラインと、第1の空気排出接続パイプラインであって、第1の空気排出接続パイプラインの一方の端部が空気排出メイン・パイプラインと連通し、第1の空気排出接続パイプラインの他方の端部が第1の空気排出ポートを形成し、第1の空気排出接続パイプラインには第1の空気排出弁が内部に設けられる、第1の空気排出接続パイプラインとを有する。第2の領域は、第2の空気供給接続パイプラインであって、第2の空気供給接続パイプラインの一方の端部が空気供給メイン・パイプラインと連通し、第2の空気供給接続パイプラインの他方の端部が第2の空気供給ポートを形成し、第2の空気供給接続パイプラインには第2の空気供給弁が内部に設けられる、第2の空気供給接続パイプラインと、第2の空気排出接続パイプラインであって、第2の空気排出接続パイプラインの一方の端部が空気排出メイン・パイプラインに接続され、第2の空気排出接続パイプラインの他方の端部が第2の空気排出ポートを形成し、第2の空気排出接続パイプラインには第2の空気排出弁が内部に設けられる、第2の空気排出接続パイプラインとを有する。各々の領域内の空気排出弁及び空気供給弁は、必要とされる圧力条件などのガス環境必要条件を各々の実験室ユニットに満足させるように必要に応じて調節されることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の実験室ユニットを含み、前記実験室ユニットの各々が第1のエリア及び第2のエリアを含むことを特徴とする実験室であって、
前記第1のエリアが、
前記第1の空気供給接続パイプであって、前記メイン空気供給パイプに接続された一方の端部、及び前記前記第1のエリアの前記ガス環境と連通する第1の空気供給ポートを形成する他方の端部を有し、また前記第1の空気供給接続パイプは、第1の空気供給弁を備える、前記第1の空気供給接続パイプと、
前記第1の空気排出接続パイプであって、前記排出空気メイン・パイプに接続された一方の端部、及び前記第1のエリアの前記ガス環境と連通する第1の空気排出ポートを形成する他方の端部を有し、また前記第1の排出空気接続パイプは、第1の行ダンパを備える、前記第1の空気排出接続パイプと
を含み、
前記第2のエリアが、
前記第2の空気供給接続パイプであって、前記空気供給メイン・パイプと連通する一方の端部、及び前記第2のエリア内の前記ガス環境と連通する第2の空気供給ポートを形成する他方の端部を有し、前記第2の空気供給接続パイプは、第2の空気供給ポート空気弁を備える、前記第2の空気供給接続パイプと、
前記第2の空気排出接続パイプであって、前記排出空気メイン・パイプに接続された一方の端部、及び前記第2のエリアの前記ガス環境と連通する第2の空気排出ポートを形成する他方の端部を有し、前記第2の空気排出接続パイプは、第2の空気出口第2の排出弁を備える、前記第2の空気排出接続パイプと
を含む、実験室。
【請求項2】
複数の実験エリアをさらに有し、前記実験エリアの各々が前記実験室ユニットのうちの少なくとも1つをつなぎ合わせることによって形成される、請求項1に記載の実験室。
【請求項3】
前記実験室ユニットの各々が、空気供給ブランチ・パイプと、空気排出ブランチ・パイプとをさらに有し、
前記第1の空気供給接続パイプ及び前記第2の空気供給接続パイプの両方が、前記空気供給ブランチ・パイプと接続され、且つ前記空気供給ブランチ・パイプを通して前記空気供給メイン・パイプと接続され、前記空気供給ブランチ・パイプが、前記空気供給メイン・パイプと接続され、再冷却用コイル及び/又は再加熱用コイルが、前記空気供給ブランチ・パイプ内のガスの温度を調節するために前記上部部分に配置され、
前記第1の空気排出接続ダクト及び前記第2の空気排出接続ダクトがどちらも前記空気排出ブランチ・ダクトに接続され、且つ前記空気排出ブランチ・ダクトを通して前記空気排出メイン・ダクトに接続される、請求項1に記載の実験室。
【請求項4】
前記第1のエリアの体積に対する前記第1のエリア内の新鮮な空気の体積の比率が、12以上であり、前記第2のエリア内の新鮮な空気の体積が、12以上であり、第2の領域の体積比が12以上である、請求項1に記載の実験室。
【請求項5】
前記第1の空気供給接続パイプ、前記第1の排出空気接続パイプ、前記第2の空気供給接続パイプ、前記第2の排出空気接続パイプ。前記空気供給ブランチ・パイプ及び前記空気排出ブランチ・パイプ内の風速が、3~5m/sである、請求項3に記載の実験室。
【請求項6】
前記第1の空気供給接続パイプラインが、前記第1の空気供給弁の前記入口端に接続された第1の空気供給入口直線パイプライン、及び前記第1の空気供給弁の前記出口端に接続された第1の空気供給出口直線パイプラインを有し、前記第1の空気入口直線パイプの直径が前記第1の空気供給弁の幅の1.5倍であり、前記第1の空気出口直線パイプの直径が前記第1の空気供給弁の前記幅の0.5倍であり、
前記第1の排出接続パイプが、前記第1の排出弁の前記入口端に接続された第1の排出入口直線パイプ、及び前記第1の排出弁の前記出口端に接続された第1の排出出口直線パイプを有し、前記第1の排出入口直線パイプの直径が前記第1の排出弁の幅の1.5倍であり、前記第1の排出出口直線パイプの直径が前記第1の排出弁の前記幅の0.5倍である、請求項1に記載の実験室。
【請求項7】
前記第2の空気供給接続パイプラインが、前記第2の空気供給弁の前記入口端に接続された第2の空気供給入口直線パイプライン、及び前記第2の空気供給弁の前記出口端に接続された第2の空気供給出口直線パイプラインを有し、
前記第2の空気入口直線パイプの直径が前記第2の空気供給弁の幅の1.5倍であり、前記第2の空気出口直線パイプの直径が前記第2の空気供給弁の前記幅の0.5倍であり、
前記第2の排出空気接続パイプが、前記第2の空気排出弁の前記入口端に接続された第2の排出空気入口直線パイプ、及び前記第2の空気排出弁の前記出口端に接続された第2の排出空気出口直線パイプを有し、
前記第2の排出入口直線パイプの直径が前記第2の排出弁の幅の1.5倍であり、前記第2の排出出口直線パイプの直径が前記第2の排出弁の前記幅の0.5倍である、請求項4に記載の実験室。
【請求項8】
各々の隣接するダンパ間の距離が少なくとも0.5メートルである、請求項1のいずれか一項に記載の実験室。
【請求項9】
前記第1の空気供給弁及び/又は前記第2の空気供給弁が定空気量弁であり、且つ/或いは、
前記第1の空気排出弁及び/又は前記第2の空気排出弁が可変空気量弁である、請求項1に記載の実験室。
【請求項10】
前記第1のエリアが10mから20mまでの面積に及び、前記第2のエリアが2mから9mまでの面積に及んでいる、請求項1に記載の実験室。
【請求項11】
前記第1のエリアの長さが3m以上であり、前記第1のエリアの幅が2.5m以上であり、前記第2のエリアの長さが1.5mから3mまでであり、前記第2の領域の幅が1.5mから3mまでである、請求項10に記載の実験室。
【請求項12】
前記第1のエリアが実験作業室であり、前記第2のエリアがバッファ室である、請求項10に記載の実験室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、実験の技術分野に関し、特に実験室に関する。
【背景技術】
【0002】
実験室は、実験のための場所だけでなく科学の発祥場所、科学研究の礎、並びに科学的及び技術的開発の源でもあり、これは科学及び技術の開発において非常に重要な役割を演じる。実験室が様々な反応実験を行う必要があるという理由で、これらの反応実験は、人体に有毒である物質を生成することがあり、一部の物質が、空気中へと容易に撒き散らされて実験室内の空気を汚染させ、そのため実験室は、通常、換気システムを装備する。いわゆる換気は、室内の空気状態を維持し、実験の必要条件を満足するように実験室を保つために、実験室内の汚れた空気を室外へ直接又は浄化した後で放出することである。
【0003】
実際の作業では、異なる実験の必要条件のために、異なる実験エリアが、(負の圧力又は正の圧力などの)異なる圧力条件を必要とされることがある。しかしながら、現在の実験室のスペースは変えられず、実験室内の圧力条件もまた(負圧実験室又は正圧実験室のいずれも)変えられず、このことは実験室の再生利用に寄与しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、先行技術においては変えられない実験室の圧力及び変えられないスペースの技術的な問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的な問題を解決するために、本発明の実施例は、複数の実験室ユニットを有し、各々の実験室ユニットが第1のエリア及び第2のエリアを含む、実験室を開示する。
【0006】
上記第1のエリアは、下記を含む:
第1の空気供給接続パイプが、メイン空気供給パイプに接続された一方の端部を有し、他方の端部が上記第1のエリアのガス環境と連通する第1の空気供給ポートを形成し、上記第1の空気供給接続パイプには第1の空気供給弁が設けられる。
【0007】
第1の排出接続パイプが、メイン排出パイプに接続された一方の端部を有し、他方の端部が上記第1のエリアの上記ガス環境と連通する第1の排出ポートを形成し、上記第1の排出接続パイプには第1の排出弁が設けられる。
【0008】
上記第2のエリアは、下記を含む:
第2の空気供給接続パイプが、上記メイン空気供給パイプに接続された一方の端部を有し、他方の端部が上記第2のエリアのガス環境と連通する第2の空気供給ポートを形成し、第2の空気供給弁が上記第2の空気供給接続パイプ内に配置される。
【0009】
第2の排出空気接続パイプの一方の端部が、排出空気メイン・パイプに接続され、他方の端部が、上記第2のエリアの上記ガス環境と連通する第2の空気排出ポートを形成する。上記第2の空気排出接続パイプには第2の空気排出弁が設けられる。
【0010】
任意選択で、本発明の実施例で提供される上記実験室は、複数の実験エリアをさらに含み、各々の実験エリアが、少なくとも1つの実験室ユニットをつなぎ合わせることによって形成される。
【0011】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、各々の実験室ユニットが、空気供給ブランチ・パイプ及び空気排出ブランチ・パイプをさらに含み、そこでは、
【0012】
上記第1の空気供給接続パイプ及び上記第2の空気供給接続パイプが、上記空気供給ブランチ・パイプに両者とも接続され、上記空気供給ブランチ・パイプを経由して上記空気供給メイン・パイプに接続され、上記空気供給ブランチ・パイプには、上記空気供給ブランチ・パイプ内のガスの温度を調節するために使用される再冷却用コイル及び/又は再加熱用コイル型パイプが設けられる。
【0013】
上記第1の空気排出接続パイプ及び上記第2の空気排出接続パイプが、上記排出ブランチ・パイプと両者とも接続され、上記排出ブランチ・パイプを経由して上記排出メイン・パイプと接続される。
【0014】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、上記第1のエリアの体積に対する上記第1のエリア内の新鮮な空気の体積の比率は、12以上であり、上記第2のエリア内の新鮮な空気の体積及び上記第2のエリアの体積は、12以上であり、比率は12以上である。
【0015】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、上記第1の空気供給接続パイプライン、上記第1の排出空気接続パイプライン、上記第2の空気供給接続パイプライン、上記第2の排出空気接続パイプライン、上記空気供給ブランチ・パイプライン、及び上記排出空気接続パイプラインは、上記ブランチ・パイプ内の風速が3~5m/sである。
【0016】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、上記第1の空気供給接続パイプラインが、上記第1の空気供給弁の入口端に接続された第1の空気供給入口直線パイプライン及び上記第1の空気供給弁の出口端に接続された第1の空気供給入口直線パイプラインを含む。空気供給出口直線パイプ;そこでは、上記第1の空気供給入口直線パイプの直径が上記第1の空気供給弁の幅の1.5倍であり、上記第1の空気供給出口直線パイプの直径が上記第1の空気供給弁の上記幅の0.5倍である。
【0017】
上記第1の排出空気接続パイプラインが、上記第1の排出弁の入口端に接続された第1の排出空気入口直線パイプライン及び上記第1の排出弁の出口端に接続された第1の排出空気出口直線パイプラインを含み、上記第1の排出空気入口直線パイプライン、上記第1の排出弁の直径が、上記第1の排出弁の幅の1.5倍であり、上記第1の排出出口の上記直線パイプの直径が、上記第1の排出弁の上記幅の0.5倍である。
【0018】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、上記第2の空気供給接続パイプラインが、上記第2の空気供給弁の入口端に接続された第2の空気供給入口直線パイプライン及び上記第2の空気供給弁の出口端に接続された第2の空気供給入口端を含む。空気供給出口直線パイプ;そこでは、上記第2の空気入口直線パイプの直径が上記第2の空気供給弁の幅の1.5倍であり、上記第2の空気出口直線パイプの直径が上記第2の空気供給弁の上記幅の0.5倍である。
【0019】
上記第2の排出接続パイプラインが、上記第2の排出弁の入口端に接続された第2の排出入口直線パイプライン及び上記第2の排出弁の出口端に接続された第2の排出出口直線パイプラインを含み、上記第2の排出入口直線パイプライン、上記第2の排出弁の直径が上記第2の排出弁の幅の1.5倍であり、上記第2の排出出口直線パイプの直径が上記第2の空気排出弁の上記幅の0.5倍である。
【0020】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、各々の隣接する空気弁間の距離が少なくとも0.5メートルである。
【0021】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、上記第1の空気供給弁及び/若しくは上記第2の空気供給弁が定空気量弁(constant air volume valve)である、並びに/又は、上記第1の空気排出弁及び/若しくは上記第2の空気排出弁が可変空気量弁(variable air volumevalve)である。
【0022】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、上記第1のエリアの長さが5.05mであり、幅が3.3mであり、及び高さが2.84mであり、上記第2のエリアの長さが2.95mであり、幅が3.3mであり、及び高さが2.84mである。
【0023】
任意選択で、本発明の実施例により提供される上記実験室では、上記第1のエリアが実験作業室(laboratory operation room)であり、上記第2のエリアがバッファ室である。
【0024】
先行技術と比較して、本発明は、下記の技術的効果を有する。
【0025】
実験室を複数の実験室ユニットへと分割することによって、各々の実験室ユニットは、第1のエリア及び第2のエリアへと細分割されることが可能であり、各々の第1のエリア及び第2のエリアには空気供給弁及び空気排出弁が独立に設けられ、それゆえに、各々のエリア内の排出弁及び空気供給弁が、各々のエリアの空気取り込み量及び排出空気量を制御するために各々のエリアにより要求されるガス圧力環境にしたがって調節されることが可能であり、その結果、各々の実験室ユニットは、要求される圧力条件などの実験室ユニット自体のガス環境必要条件を達成することが可能である。加えて、各々の実験室ユニットがパイプを経由してメイン空気取り込みパイプ及びメイン排出空気パイプに接続されるので、各々の実験室ユニット内に空気調整用システムを据えることが必要なく、各々の実験室ユニットは、同じメイン・ユニットに接続されることを必要とするだけである。空気調整用システムが接続されると、各々の実験室ユニット内のガス置換が実現されることが可能であり、このことが実験室の建設コストを節約し、またエネルギーの浪費も削減する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の具体的な実施例により提供される実験室の模式的平面図である。
図2】本発明の具体的な実施例により提供される実験室の模式的斜視図である。
図3】本発明の具体的な実施例により提供される実験室ユニットのうちの1つの模式的平面図である。
図4】本発明の具体的な実施例により提供される実験室ユニットの第2の模式的平面図である。
図5】本発明の具体的な実施例により提供される実験室ユニットのうちの3つの模式的平面図である。
図6】本発明の具体的な実施例により提供される各々の実験室ユニットの組み立て品の模式図1である。
図7】本発明の具体的な実施例により提供される各々の実験室ユニットの組み立て品模式図2である。
図8】本発明の具体的な実施例により提供される各々の実験室ユニットの第3の組み立て品模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施例が、具体的な実施例により下記に説明され、当業者ならこの明細書に開示された内容から本発明の他の利点及び効果を容易に理解できる。発明の説明が好ましい実施例に関連して提示されるだろうけれども、このことは、発明の特徴がこの実施例に限定されることを意味しない。むしろ、実施例に関連して発明を紹介することの目的は、発明の特許請求の範囲に基づいて拡張され得る他の選択肢又は修正形態をカバーすることである。下記の説明は、本発明の完全な理解を提供するために数多くの具体的な詳細を含有するだろう。発明はまた、これらの詳細なしに実行されてもよい。さらにその上、いくつかの具体的な詳細が、本発明を不明瞭にすること又は要点を不明瞭にすることを避けるために説明から省略されるだろう。本発明の実施例及び実施例の特徴が矛盾のない条件下で互いに組み合わせられてもよいことに留意されたい。
【0028】
この明細書では、類似の数字及び文字は、下記の図では類似の品目を指し、そのため、一旦ある品目が1つの図で定義されると、その後に続く図では必ずしも使用される必要がないことに留意されたい。任意選択の定義及び説明を作成する。
【0029】
この実施例の説明では、「内側」、「外側」、等という用語により指示される向き又は位置的な関係は、添付の図面に示された又は発明の製品が使用されるときに通常置かれる向き若しくは位置的な関係に基づくことに留意されたい。向き又は位置的な関係は、指示されたデバイス又は要素が、特定の向きを持たなければならない、特定の向きに構築され動作されなければならないことを指示する又は示唆するよりはむしろ、本発明を説明する際の及び説明を単純化する際の利便性のためだけであり、それゆえに本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0030】
「第1の」、「第2の」、等という用語は、記載を区別するために使用されるだけであり、相対的な重要性を指示する又は示唆するように解釈されるべきではない。
【0031】
この実施例の記載では、別段に明確に指定されない限り又は限定されない限り、「配置」及び「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定された接続であっても取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的に接続されてもよく、直接的に接続されること又は中間の媒体を介して間接的に接続されることが可能であり、機械的な接続である又は電気的な接続であることが可能であることにも留意されたい。当業者にとって、この実施例では上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況において理解されることがあり得る。
【0032】
本発明の目的、技術的解決策及び利点を明確にさせるために、本発明の実施例は、任意選択で添付の図面を参照して下記に詳細に説明されるだろう。
【0033】
図1を参照して、本出願は、複数の実験室ユニット10を有する実験室を提供する。図1及び図2に示したように、本発明の具体的な実施例による実験室によれば、各々の実験室ユニット10は、第1のエリア1及び第2のエリア2を含む。すなわち、実験室は、複数の実験室ユニット10により構築されることが可能であり、実験室ユニット10は、第1のエリア1及び第2のエリア2へと細分割されることが可能である。具体的な実装例では、第1のエリア1及び第2のエリア2は、相互の影響を避けるように2つの領域のガス環境を分離させる目的を達成するために仕切り壁により隔てられることができる。
【0034】
具体的に、第1のエリア1は、第1の空気供給弁11、第1の空気排出弁14、第1の空気供給接続ダクト15及び第1の空気排出接続ダクト16を含むことができる。ここでは、第1の空気供給接続パイプ15の一方の端部が、メイン空気供給パイプ(図には示されない)と接続され、他方の端部が第1のエリア1のガス環境と連通する第1の空気供給ポート12を形成し;第1の排出空気接続パイプ16の一方の端部が排出メイン・パイプ(図には示されない)と連通し、他方の端部が第1のエリア1のガス環境と連通する第1の排出ポート13を形成し;第1の空気供給弁11がパイプライン15の第1の空気供給接続部内に配置され、第1の排出弁14が第1の排出接続パイプライン16内に配置される。具体的に、第1の空気供給弁11の両端は、第1の空気供給接続用パイプ15とそれぞれ連通し、第1の空気排出弁14の両端は、第1の空気排出接続用パイプ16とそれぞれ連通する。第2のエリア2は、第2の空気供給弁21、第2の空気排出弁23、第2の空気供給接続ダクト25及び第2の空気排出接続ダクト26を含むことができる。第2の空気供給接続ダクト25の一方の端部が、空気供給メイン・ダクトに接続され、他方の端部が第2のエリア2のガス環境と連通する第2の空気供給ポート22を形成し;第2の排出空気接続ダクト26の一方の端部が空気排出メイン・ダクトに接続され、他方の端部が第2のエリア2のガス環境と連通する第2の空気出口24を形成し;第2の空気供給弁21が第2の空気供給接続パイプ25内に配置され、第2の空気出口弁23が第2のものに配置され、排出空気がダクト26に接続される。具体的に、第2の空気供給弁21の2つの端部は、第2の空気供給接続用パイプ25とそれぞれ連通し;第2の空気排出弁23の2つの端部は、第2の空気排出接続用パイプ26とそれぞれ連通する。
【0035】
具体的な実装例では、メイン空気取り込みダクトは、空気調整用システムと連通でき、メイン排出空気ダクトは、室外大気環境と連通できる。また、各々のエリア(すなわち、第1のエリア1及び第2のエリア2)並びにそれどころか各々の実験室ユニット内の(圧力、空気体積、等などの)ガス環境は、各々のエリア(又は実験室ユニット)をその望まれるガス環境にするように、エリア又は実験室ユニット内に設置された排出弁及び空気供給弁を調節することによって調節されることが可能である。例えば、第1のエリア1が負の圧力を必要とし、第2のエリア2が正の圧力を必要とする場合に、第1のエリア1内のそれぞれ第1の空気供給弁11の空気供給量及び第1の空気排出弁14の空気供給量を調節できる。排出空気量は、第1のエリア1内の圧力条件が設定した負の圧力値に達するようなものであり、その結果、第1のエリア1は負の圧力環境である。第2のエリア内の第2の空気供給弁21の空気供給量及び第2の空気排出弁23の排出空気量を調節することによって、第2のエリア2内の圧力条件が設定した正の圧力値に達することができ、その結果、第2のエリア2は正の圧力環境である。具体的に、あるエリア内の空気供給量が排出空気量よりも多いときには、そのエリアは正の圧力であり、空気供給量が排出空気量よりも少ないときには、負の圧力である。
【0036】
異なる空気弁が異なる調節方法を有することを当業者は理解するはずである。あるものは、圧力にしたがってエアバッグの膨張及び収縮を調節でき、あるものは、圧力にしたがって弁本体と弁壁との間のギャップを調節でき、あるものはまた、圧力にしたがってばねの膨張及び収縮を調節でき、そのため空気弁の調節は、空気弁の具体的な動作指示に関連して行われることが可能である。
【0037】
本発明では、実験室を複数の実験室ユニット10へと分割することによって、各々の実験室ユニット10は、第1のエリア1及び第2のエリア2へと細分割されることが可能であり、第1のエリア1及び第2のエリア2の各々は、独立して空気供給弁及び空気排出弁が設定され、そのため、エリア内の空気排出弁及び空気供給弁が、各々のエリアの空気取り込み量及び排出空気量を制御するために、各々のエリア毎に要求されるガス圧力環境にしたがって調節されることが可能であり、それによって、このことがそれぞれに要求される圧力条件などのガス環境必要条件を各々の実験室ユニット10が満足することを可能にする。加えて、各々の実験室ユニット10がパイプを経由してメイン空気取り込みダクト及びメイン排出空気ダクトに接続されるので、各々の実験室ユニット10内に空気調整用システムを据え付ける必要がなく、各々の実験室ユニットは、メイン・ユニットの空気調整用システムが接続される同じ空気調整用システムに接続されることだけが必要であり、各々の実験室ユニット内のガス置換が実現されることが可能であり、このことが実験室の建設コストを節約し、エネルギーの浪費を削減する。
【0038】
一般に、実験室は、実験作業室及びバッファ室を含むことができ、ここではバッファ室が実験作業室と外部環境との間に設置され、上記バッファ室の機能は、外部が実験作業室の環境を妨害することを防止するために、外部世界と実験作業室とを分離することである。
【0039】
本発明では、第1のエリア1は、実験作業室であってもよく、第2のエリア2はバッファ室であってもよい。図2に示したように、実験者は、バッファ・チャンバのドア200を通ってバッファ室へ最初に入ることができ、次いで実験を行うために実験作業室のドア100を通って実験作業室に入ることができる。当然のことながら、他の実施例では、第1の領域1がまた、バッファ・チャンバとして設定されることも可能であり、第2の領域が、実験作業室として設定されることが可能である。実験作業室として第1のエリア1を及びバッファ・チャンバの実例として第2のエリア2を取ると、実験室のマルチ実験室ユニット10では、マルチ実験室ユニットの第1のエリアが実験作業チャンバとして連通することを認められてもよく、マルチ実験室ユニットの第2のエリアが、実験エリアのスペースを変える目的を実現するように、バッファ・チャンバとして接続される。
【0040】
図1に示した第1のエリア及び第2のエリアは、互いに隣接する正六面体エリアであるけれども、それらの幅及び高さが等しいことに留意すべきである。しかしながら、本発明により提供される実験室ユニットの第1のエリア(又は第2のエリア)のサイズ及び形状は、これらに限定されない。第1のエリア及び第2のエリアの長さ、幅、高さ又は形状は、実際のニーズにしたがって設定されることが可能である。第1の領域(又は第2の領域)のサイズ及び形状は、例えば、図3図5に示したように、実験室ユニット毎に変わることがある。図3及び図5に示した実験室ユニットでは、第1のエリア1は、ギャップを有する立方体構造であり、第2のエリア2(図では影を付けた部分で示される)もまた正六面体である。2は、第1のエリア1の切り欠き部に配置される。違いは、図3の第2のエリア2内の切り欠き部のサイズが、第1のエリア1内の切り欠き部よりも小さいことであり、一方で図5の第2のエリア2内の切り欠き部のサイズは、第1のエリア1の切り欠き部に正確に等しい。(図では、影を付けた部分により示される)第2のエリア2が、図1と同じであるけれども、第2のエリア2は、互いに隣接する正六面体であるが、図1に示したものとは異なり、図4では第1のエリア1及び第2のエリア2の長さが異なり、幅は等しくない。
【0041】
任意選択で、本発明の具体的な実施例では、実験室は、多数の実験エリアをさらに含むことがあり、各々の実験エリアが少なくとも1つの実験室ユニット10をつなぎ合わせることによって形成されてもよい。
【0042】
すなわち、ユーザにより要求される実験エリアを形成するように、1つ又は複数の実験室ユニット10が、ユーザの個々のニーズにしたがってつなぎ合わせられ組み立てられるために使用されることが可能である。実験エリアのサイズは、ユーザのニーズにしたがってつなぎ合わせられ、実験エリアの圧力条件がユーザのニーズにしたがって調節される。
【0043】
上記の方法を使用して、ユーザが実験室としてより大きな面積の実験エリアを必要とするときには、多数の実験室ユニットをつなぎ合わせることによってユーザのニーズを満足する実験エリアへと組み立てられることが可能であり、ユーザが、テスト・エリアのスペースを使用するときに実験室としてより小さな実験エリアを必要とするときには、組み立てられた大面積の実験エリアを仕切り壁により隔てることも可能であるが、実験エリアのスペースを分割するために仕切り壁を使用するときには、各々の隔てられたエリアが少なくとも1つの排出弁及び空気供給弁を有することを確実にすることが必要であり、その結果、ユーザは、空気排出弁及び空気供給弁を調節することによって実験必要条件を満足する実験室ガス環境を作ることが可能である。それによって、実験室を再生利用することが実現され、実験室に対してユーザにより要求される面積の変更のために実験室を再建しなければならないという問題が、効果的に回避される、すなわち、実験室の建設コストが効果的に削減される。
【0044】
具体的に、実験エリアをつなぎ合わせ組み立てるときに、実験室ユニットの設置位置が異なることがある、すなわち、実験室ユニット10の第1のエリア1が他の実験室ユニット10の第2のエリア2に隣接してもよく、1つの実験室ユニット10の第1のエリア1が他の実験室ユニット10の第1のエリア1に隣接することもまた可能である。第1のエリア1の長辺と第2のエリア2の長辺とのいずれかが隣接する。第1の領域1の隣接するブロード辺が、第2の領域2の長辺に隣接してもよい。ここでは必ずしも要求されない。
【0045】
顧客により要求される実験エリアが大きいときに、2つ、3つ又はそれ以上の実験室ユニット10がつなぎ合わせることによって組み立てられることが可能であり、実験エリアをつなぎ合わせるために使用される実験室ユニット10の具体的な数は、顧客の必要条件に基づくことが可能である。実験エリアが決定される。つなぎ合わせるときに、各々の実験室ユニットは、顧客のニーズにしたがったある種のルールにしたがってつなぎ合わせられることが可能である。例えば、各々の実験室ユニットがつなぎ合わせられことが可能であり、仕切り壁が各々の実験室ユニットの第1のエリアと第2のエリアとの間に設置され、仕切り壁はまた、異なる実験室ユニットの各々のエリアの間にも設置される、すなわち、各々の実験室ユニットが独立した実験作業室としてすべて存在する。当然のことながら、いくつかの実験室ユニットの第1のエリア又は第2のエリアもまた、より大きな実験作業室を形成するために組み合わせられることも可能である。例示的に、次の3つの実施例が、多数の実験室ユニットを1つの実験エリアへとつなぎ合わせる異なるタイプを具体的に説明するための実例として使用される。次の3つの実施例では、図3から図5に示した形状が使用される。実験室ユニットがつなぎ合わせられるが、実験エリアのタイプは、これに限定されない。
【実施例
【0046】
「実例1」
図6に示したように、実験エリアが2つの実験室ユニットをつなぎ合わせることによって形成され、これらの実験室ユニットはそれぞれユニットA及びユニットBとして表示され、図中の矢印が実験エリアへ入る実験者の方向である。具体的に、説明の利便性のために、Aユニットは、第1のエリアA101及び第2のエリアA102を含み、Bユニットは、第1のエリアB201及び第2のエリアB202を含み、Aユニットの第1のエリアA101及びBユニットの第1のエリアB201は、形状並びに長さ及び幅が異なるものである。つなぎ合わせの間中、Aユニットの第2のエリアA102のワイド辺a22がBユニット第2のエリアB202のワイド辺b22に隣接し、Aユニット第1のエリアA101のワイド辺a12が、Bユニット第1のエリアB101の長辺b11に隣接する。第1のエリアA101及び第1のエリアB201は、2つの異なる実験作業室である。実験中に、実験者は、Aユニットの第2のエリアA102を通り第1のエリアA101に入ることができ、Bユニットの第2のエリアB202を通り第1のエリアB201に入ることができる。加えて、各々の実験室ユニットの第1及び第2のエリア並びに異なる実験室ユニットの各々のエリアは、仕切り壁により分離され、そのため、各々のエリア内の圧力条件が互いに独立であることを確実にする。すなわち、各々のエリア内の空気圧は、各々のエリアの空気供給弁及び空気排出弁を調節することによって設定され、その結果、実験者は、予め設定した条件をそれぞれ満足する第1のエリアA101及び第1のエリアB201において異なる実験を実行できる。
【0047】
「実施例2」
図7は、もう1つの実施例において提供される実験エリアの組み立て品の模式図であり、実験室は、3つの実験室ユニットにより組み立てられ、上記3つの実験室ユニットが、Aユニット、Bユニット、及びCユニットとしてそれぞれ記録され、図中の矢印は、実験エリアに入る実験者に関する方向である。具体的に、ユニットAは、第1のエリアA101及び第2のエリアA102を含み、ユニットBは、第1のエリアB201及び第2のエリアB202を含み、ユニットCは、第1のエリアC301及び第2のエリアC302を含む。つなぎ合わせの間中、Aユニットの第2のエリアA102のブロードサイドa22が、Bユニットの第2のエリアB202のブロードサイドb22に隣接するようにされ、Aユニットの第1のエリアA101のブロードサイドa12及びBユニットの第1のエリアB201のブロードサイド、長辺b11が互いに隣接し、Bユニットの第1のエリアB201のブロード辺b12が、Cユニットの第1のエリアC301のブロード辺c12に隣接し、Cユニット第2のエリアC302の長辺c21及びCユニットの第2のエリアC302が隣接する。ブロード辺c22が、Cユニットの第1の領域C301の長辺c11に隣接する。第1のエリアA101、第1のエリアB201及び第1のエリアC301は、3つの異なる実験作業室として使用される。実験中に、実験者は、ユニットAの第2のエリアA102を通りユニットAの第1のエリアA101に入ることができ、ユニットBを通過できる。第2のエリアB202は、Bユニットの第1のエリアB201に入り、Cユニットの第2のエリアC302を通りCユニットの第1のエリアC301に入る。また、各々の実験室ユニットの第1及び第2のエリア並びに異なる実験室ユニットの各々のエリアは、仕切り壁により分離され、各々のエリアの空気供給弁及び空気排出弁が、各々のエリア内の空気の流れ、圧力を設定するためにそれぞれ調節され、そのため、実験者は、必要条件を満足する第1のエリアA101、第1のエリアB201、又は第3のエリアC301内でそれぞれ異なる実験作業を実行できる。
【0048】
「実施例3」
図8は、もう1つの実施例において提供される実験エリアの組み立て品の模式図であり、実験エリアは図7に示した実施例において提供される実験エリアと同じであり、実験室はまた、3つの実験室ユニット(ユニットA、ユニットB及びユニットC)から構成され、一緒につなぎ合わせられ、図中の矢印は、実験エリアに入る実験者の方向である。具体的に、ユニットAは、第1のエリアA101及び第2のエリアA102を含み、ユニットBは、第1のエリアB201及び第2のエリアB202を含み、ユニットCは、第1のエリアC301及び第2のエリアC302を含む。つなぎ合わせの間中、Aユニットの第2のエリアA102のブロード辺が、Bユニットの第2のエリアB202のブロード辺に隣接し、Aユニットの第1のエリアA101のブロード辺がBユニットの第1のエリアB201の長辺に隣接し、Bユニットの第1のエリアB201のブロード辺が、Cユニットの第1のエリアC301のブロード辺及びCユニット第2のエリアC302の長辺に隣接し、Cユニットの第2のエリアC302のブロード辺が、Cユニットの第1のエリアに隣接する。エリアC301の長辺は、互いに隣接する。しかしながら、図7に示した実験エリアとは違って、図8に示した実施例では、すべてのエリアが仕切り壁によって隔てられることは必ずしも必要ない。2つのエリアC302同士の間、Cユニットの第1のエリアC301とBユニットの第1のエリアB201との間、及びCユニットの第2のエリアC302とBユニットの第1のエリアB201との間には、仕切り壁があり、その結果、Cユニットの第2のエリアC302は、独立したガス環境を形成し、実験作業室としての機能を果たす。しかしながら、Aユニットの第1のエリアA101とBユニットの第1のエリアB201との間、及びAユニットの第2のエリアA102とBユニットの第2のエリアB202との間には、隔離壁が設けられない。ユニットの第1のエリアA101及びBユニットの第1のエリアB201は、1つのエリアへと結合され、Aユニットの第1のエリアA101及びBユニットの第1のエリアB201のダンパをそれぞれ調節することによって、第1のエリアA101及びBユニットの第1のエリアB201が調節される。第1のエリアB201は、同じガス環境(例えば、等しい圧力条件)を有し、その結果、より大きな実験作業室が形成されることが可能である、すなわち、第1のエリアA101及び第1のエリアB201は、実験作業室として一体的に使用される。同様に、Aユニットの第2のエリアA102及びBユニットの第2のエリアB202もまた、1つのエリアへと連通される。第2のエリアA102及び第2のエリアB202のダンパを調節することによって、第2のエリアA102及び第2のエリアB202は同じガス環境を有し、これらは一緒にバッファ・チャンバを形成する。仕切り壁が、バッファ室を実験作業室から分離するために、第2のエリアA102及び第2のエリアB202により形成されたバッファ・チャンバと第1のエリアA101及び第1のエリアB201により形成された実験作業室との間に設けられる。このようにして、実験者が必要条件を満足する2つの異なる実験作業室内で異なる実験を実行できることが実現される。
【0049】
任意選択で、各々の実験室ユニット10は、空気供給ブランチ・ダクト4及び空気排出ブランチ・ダクト5をさらに含むことができる。具体的に、第1の空気供給接続ダクト15及び第2の空気供給接続ダクト25は、両者とも空気供給ブランチ・ダクト4に接続され、空気供給ブランチ・ダクト4を経由して空気供給メイン・ダクトに接続される。2つの排出空気接続パイプ26の両者とも、排出ブランチ・パイプ5に接続され、排出ブランチ・パイプ5を経由して排出メイン・パイプに接続される。すなわち、空気供給ブランチ・パイプ4は、第1の空気供給接続パイプ15、第2の空気供給接続パイプ25及びメイン空気供給パイプとそれぞれ接続され、空気排出ブランチ・パイプ5は、第1の空気排出接続パイプ16、第2の空気排出接続パイプとそれぞれ接続される。接続用ダクト26は、排出メイン・ダクトに接続される。任意選択で、再冷却用コイル及び/又は再加熱用コイル3が、空気供給ブランチ・パイプ内のガスの温度を調節するために空気供給ブランチ・パイプ4上に設けられてもよい。
【0050】
具体的な実装例では、第1の空気供給接続ダクト15、第1の排出空気接続ダクト16、第2の空気供給接続ダクト25、第2の排出空気接続ダクト26、空気供給ブランチ・ダクト4及び排出ブランチ・ダクト5が、実験室ユニット10の天井の上部部分の層間に設けられることが可能であり、実験スペースを占有することを回避できる。任意選択で、各々の実験室ユニット10には、1つだけの空気供給ブランチ・ダクト4及び1つの空気排出ブランチ・ダクト5が設けられる、すなわち、実験室ユニット10内の第1のエリア1及び第2のエリア2は、1つの空気ブランチ・ダクト4及び1つの空気ブランチ・ダクト4排出ブランチ・パイプ5を共有する。
【0051】
任意選択で、第1のエリア1の体積に対する第1のエリア1内の新鮮な空気の体積の比率は、12以上であり、第2のエリア2の体積に対する第2のエリア2内の新鮮な空気の体積の比率は、12以上である。
【0052】
具体的に、あるエリアの体積Vに対するあるエリア内の新しい空気取り込み量Qの比率が、上記エリア内の換気頻度ACである。エリアの形状がほぼ長方形の平行六面体であるときに、体積Vは、エリアの面積S及びエリアの体積にさらに等しい。エリアの高さHとエリアの面積Sとの積は、上記エリアの長さLと幅Wとの積として表されてもよい。これゆえに、上記エリアがほぼ立方体であるときに、置換の回数は満足する。
【0053】
オペレータの呼吸又は実験を行うことが実験室内のガスを混濁させる又はそれどころか人体に有害である微粒子状物質を浮遊させるだろうという理由で、実験室内のガス環境についてある種の必要条件がある。実験室温度、湿度及びガス圧力の設定必要条件を考慮して、本発明では、各々のエリア内の温度、湿度及び圧力が実験者を不快にさせずに実験環境必要条件に一致することを確実にするために、第1のエリア及び第2のエリア内の空気交換の回数が少なくとも12回に設定される。
【0054】
これゆえに、空気供給弁及び空気排出弁は、要求される範囲を達成するための新鮮な空気の量を制御するために、第1のエリア及び/又は第2のエリアの長さ、幅及び高さ並びにエリアにより必要とされる空気交換の回数にしたがって調節されることが可能である。
【0055】
具体的な実装例では、パイプライン内の風速が高すぎる場合には、多量の雑音を生じさせ、実験室内の人員を不快に感じさせるだろう。パイプライン内のカスタムズ(customs)が小さすぎる場合には、空気ダクトのコストを増加させ、過大な据え付けスペースを要するだろう。上記の要因を考慮に入れて、任意選択で、この出願では、各々のパイプライン、すなわち、第1の空気供給接続パイプライン15、第1の排出空気接続パイプライン16、及び第2の空気供給接続パイプライン25内の風速は、3から5m/sに設定される。第2の空気排出接続ダクト26、空気供給ブランチ・ダクト4及び空気排出ブランチ・ダクト5内の風速は、すべて3~5m/sに設定される。
【0056】
任意選択で、空気弁に接続された空気ダクトは、空気ダクトを曲げることによって生じた曲げ部でのパイプ内のガスの乱流を回避するために、ある一定の直線の空気ダクトを有することを必要とし、これにより、弁の制御精度に影響を与える。それゆえに、本出願では、第1の空気供給接続パイプ15は、第1の空気供給弁11の入口端に接続された第1の空気供給入口直線パイプ及び第1の空気供給弁11の出口端に接続された第1の空気供給出口直線パイプを含むことができる。パイプ;第1の排出空気接続パイプ16は、第1の排出弁14の入口端に接続された第1の排出空気入口直線パイプ及び第1の排出弁14の出口端に接続された第1の排出空気出口直線パイプを含むことができる。第2の空気供給接続パイプ25は、第2の空気供給弁21の入口端に接続された第2の空気供給入口直線パイプ及び第2の空気供給弁21の出口端に接続された第2の空気供給出口直線パイプを含むことができ、第2の空気排出接続ダクト26は、第2の空気排出弁23の入口端に接続された第2の排出空気入口直線ダクト及び第2の空気排出弁23の出口端に接続された第2の排出空気出口直線ダクトを含むことができる。
【0057】
さらに、期待される制御圧力及び空気量必要条件を達成するように、第1のエリア内の圧力(正の圧力又は負の圧力)の調節をより良く実現するため弁制御の精度を保証するために、第1の空気供給入口の直線パイプの直径は、第1の空気供給弁11の幅の1.5倍に設定されることが可能であり、第1の空気出口直線パイプの直径は、第1の空気供給弁11の幅の0.5倍に設定されることが可能であり、第1の排出空気入口直線パイプの直径は、空気弁14の幅が1.5倍である第1の行(row)であることが可能であり、第1の排出空気出口の直線パイプの直径は、第1の空気排出弁14の幅の0.5倍であってもよい。
【0058】
同様に、第2のエリア内の圧力(正の圧力又は負の圧力)をより良く調節するために、第2の空気入口直線パイプの直径は、第2の空気弁21の幅の1.5倍であり、第2の空気出口直線パイプの直径は、第2の空気供給弁21の幅の0.5倍である。第2の排出空気入口直線パイプの直径は、第2の排出弁23の幅の1.5倍であり、第2の排出空気出口直線パイプの直径は、第2の排出弁23の幅の0.5倍である。
【0059】
各々のダンパの入口端及び出口端が弁の中のガスの流れの方向にしたがって定められ得ることを当業者なら理解できる。空気供給弁に関して、その入口端は、ガスが流れ込む端部(この出願では、空気供給ブランチ・パイプ4に近い端部)であり、空気供給弁の出口端は、ガスが流れ出る端部(この出願では、空気出口に近い端部の代わりに、空気供給ブランチ・パイプ4に近い端部)である。同様に、排出弁の入口端は、ガスが流れ込む端部(この出願では、排出ポートに近い端部)であり、排出弁の出口端は、ガスが流れ出る端部(この出願では、一方の端部のところで排出ブランチ・パイプ5に近い端部)である。
【0060】
任意選択で、実験室内の各々のダンパが安全に据え付けられ機能することを確実にするために、各々のダンパ同士の間の距離は、少なくとも0.5メートルに設定される。
【0061】
任意選択で、第1の空気供給弁11及び/又は第2の空気供給弁21は、定空気量弁(定空気量、CAV:Constant Air Volume)であってもよく、第1の空気排出弁14及び/又は第2の空気排出弁23は、可変空気量弁、空気量弁(可変空気量、VAV:Variable Air Volume)であってもよい。
【0062】
具体的に、定空気量弁による空気量の制御は、外部電力を必要とせず、制御弁の位置は、高い正確度の制御可能な特徴を有する全圧力条件範囲内で予め設定した流量で空気の流れを維持するように、空気ダクト内の空気の力を頼りにすることによって設置されることが可能である。可変空気量弁は、部屋へと送られる空気量を調節することによって負荷の変化に適応する。同時に、システムの全空気量を決定するときに、ある種の同時使用条件が考えられ、そのためファンのエネルギー消費量を節約でき、ファンの組み込まれる能力を削減できる。それゆえに、本出願では、空気入口弁は、定空気量弁を採用し、空気排出弁は、可変空気量弁設計を採用する、このことが制御精度とエネルギー節約との二面の利点を考慮できる。
【0063】
任意選択で、第1のエリア1の面積は、10m2から20m2であり、第2のエリア2の面積は、2m2から9m2である。この設定は、実験室の利用率を効果的に向上できる。顧客が異なる面積の実験エリアを必要とするときに、多数の実験室ユニットをつなぎ合わせることがより便利でありスペース節約になり、また、(排出弁及び空気供給弁の円滑な運用などの)実験室ユニット内の各々の機構が実験エリア内のガス環境をより良く調整することも確実にできる。さらに、第1のエリア1の長さは、3m以上であり、第1のエリア1の幅は2.5m以上であり、第2のエリア2の長さは、1.5m~3mであり、第1のエリア2の幅は、1.5m~3mである。
【0064】
具体的に、第1のエリア1の長さは5.05mであってもよく、幅は3.3mであり、高さは2.84mであり、第2のエリア2の長さは2.95mであってもよく、幅は3.3mであり、高さは2.84mである。この設計は、多数の実験室ユニットのつなぎ合わせ及び組み立てを容易にする。
【0065】
任意選択で、第1のエリア1は、実験作業室であり、第2のエリア2はバッファ室である。具体的な実装例では、第2のエリア2は、第1のエリア1と実験室ユニットの外部環境との間に設置されることが可能であり、それによって実験作業室としての機能を果たす第2のエリアと外部環境とを分離し、実験作業室への外部環境の影響を防止する。
【0066】
本発明により提供される実験室は、複数の実験室ユニットを含み、実験室ユニット10のうちの1つ又は複数が、顧客の個々のニーズを満足させる新たな実験エリアを形成するために組み立てられることが可能である。各々の実験室ユニット10が第1のエリア1及び第2のエリア2へと細分割されることが可能であり、各々の第1のエリア1及び第2のエリア2には空気供給弁及び空気排出弁が独立して設けられるので、エリア毎に要求される各々のガス環境にしたがって、各々のエリアの空気取り込み量及び排出空気量を制御するためにエリア内の排出弁及び空気供給弁を調節し、その結果、各々の実験室ユニットは、要求された圧力条件及び他のガス環境必要条件を達成することが可能である。加えて、各々の実験室ユニット10は、パイプを経由してそれぞれメイン空気取り込みパイプ及びメイン排出空気パイプに接続される、すなわち、各々の実験室ユニット10に空気調整用システムを据え付ける必要がなく、各々の実験室ユニット10は、同じものに接続されることが必要なだけである。汎用空気調整用システムが接続されるときに、各々の実験室ユニット10内のガス置換が実現されることが可能であり、実験室の建設コストが節約されることが可能であり、エネルギーの浪費が削減されることが可能である。
【0067】
本発明が、本発明のいくつかの好ましい実施例を参照することによって図説され、説明されてきているとはいえ、上記の内容が、具体的な実施例との組み合わせで本発明の任意選択の詳細な説明であり、本発明の実施例がこれらの記載によってのみ限定されることを意図したものではあり得ないことを、当業者なら理解するはずである。当業者は、本発明の思想及び範囲から逸脱せずに、いくつかの単純な推論又は置き換えを行うことを含め、形態及び詳細の様々な変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】