(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】エピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240221BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240221BHJP
C30B 33/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 651B
H01L21/304 642A
H01L21/304 651L
H01L21/304 646
H01L21/304 647Z
H01L21/66 L
C30B33/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553520
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 CN2022076526
(87)【国際公開番号】W WO2023137815
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210061622.X
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523334095
【氏名又は名称】ウェハー・ワークス・エピタキシャル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シャオヤン
(72)【発明者】
【氏名】グ、グアンアン
【テーマコード(参考)】
4G077
4M106
5F157
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077AA03
4G077AB06
4G077FB05
4G077FB10
4G077FE02
4G077FE11
4G077GA07
4G077HA12
4M106AA01
4M106AA10
4M106CA10
5F157AA28
5F157AB02
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC04
5F157AC56
5F157BB03
5F157BB11
5F157BE12
5F157BE46
5F157BH14
5F157BH18
5F157CB13
5F157CB23
5F157CB32
5F157CE05
5F157CE10
5F157CE11
5F157CE55
5F157CE83
5F157DB02
5F157DB03
5F157DB32
(57)【要約】
本発明によるエピタキシャルの抵抗値を測定するための前処理方法は、洗浄ステップ(1)と、スパイドライステップ(2)と、加熱及び乾燥ステップ(3)と、静電気除去ステップ(4)とを含む。本発明によるエピタキシャルウェーハの測定値を測定する前の処理方法は、オーバーフロータンクをオーバーフロー+クイック排出プロセスに代わり、ウェーハの表面の酸残基または塩残基が全部洗浄することを確保でき、測定効果に影響を与えないし、静電気を除去する処理によって、ウェーハ表面の静電気やダングリングボンドを除去して抵抗値の測定に対する影響を減らすことができる。本発明によるエピタキシャルウェーハの抵抗値を測定するための前処理法によって処理されたエピタキシャルウェーハの抵抗値の均一性は、1.5%未満であり、これは、3%未満という業界要件に完全に満たす。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄ステップ(1)と、スパイドライステップ(2)と、加熱及び乾燥ステップ(3)と、静電気除去ステップ(4)とを含むことを特徴とするエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項2】
上記のステップ(2)とステップ(3)とは同時に行われ、スパイドライさせる同時に、加熱乾燥させて静電気を除去することを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項3】
上記の加熱及び乾燥は窒素を採用して加熱及び乾燥することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項4】
上記の加熱及び乾燥の温度は40~60℃であり、加熱及び乾燥の時間は100~300秒であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項5】
上記のステップ(4)の静電気除去処理は、N型エピタキシャルウェーハに対して処理時間は400~800秒であり、P型エピタキシャルウェーハに対して処理時間は800~1500秒であることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項6】
上記のエピタキシャルウェーハはN型エピタキシャルウェーハである場合に、上記の洗浄ステップ(1)は、25%~40%濃度のHFを使用して室温で80~100秒間洗浄し、オーバーフロータンクに純水を使用して室温で60~200秒間洗浄し、次に濃度31%の過酸化水素を使用して75℃で400~700秒間洗浄してから、オーバーフロータンクに室温で60~200秒間純水で洗浄することを含むことを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項7】
上記のN型エピタキシャルウェーハの抵抗率が1.5ohm-cm以下である場合に、上記のステップ(1)はさらに、現像液を使用して90~200秒間処理することを含むことを特徴とする請求項6に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項8】
上記のエピタキシャルウェーハはP型エピタキシャルウェーハの場合に、上記の洗浄ステップ(1)は、25%~40%濃度のHFを使用して室温で80~100秒間洗浄し、オーバーフロータンクに純水を使用して室温で60~200秒間洗浄することを含むことを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項9】
上記のオーバーフロータンクを、清水を使用して洗浄する際に、20~40秒間ごとにオーバーフロータンク内の清水を排出することを特徴とする請求項6または請求項8に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【請求項10】
オーバーフロータンク内の清水は5~15秒で全部排出されることを特徴とする請求項9に記載のエピタキシャルウェーハの抵抗値の測定前の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエピタキシャルウェーハの抵抗値を測定するための前処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗値を測定する前に、エピタキシャルウェーハを洗浄する必要がある。一般的な洗浄プロセスは、洗浄、スパイドライ、測定の各ステップで構成される。洗浄ステップには、25%~40%濃度のHF洗浄と、純水によるオーバーフローフラッシングと、15%~30%濃度のH2O2/15%~30%濃度のNH4OHによる処理と、純水によるオーバーフローフラッシングと、現像液による処理とのステップを含む。処理後、測定器を用いて抵抗値を測定する。この方法では大きな問題がある。それは、主にこのような前処理では抵抗値の均一性が2%~10%の変動になるのである(公式:(max-min)/(max + min)-1)×100%)。業界では一般に抵抗値の均一性は3%未満と要求されるため、既存の抵抗値の測定前の処理方法は安定性が比較的に低い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的の一つは既存の技術中の欠陥を克服して、安定性が良いエピタキシャルウェーハの測定値を測定する前の処理方法を提供することである。
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は、洗浄ステップ(1)と、スパイドライステップ(2)と、加熱及び乾燥ステップ(3)と、静電気除去ステップ(4)とを含むエピタキシャルウェーハの抵抗値測定前の処理方法を提供する。
【0005】
本発明の一つの実施例により、上記のステップ(2)とステップ(3)とは同時に行われ、スパイドライさせる同時に、加熱乾燥させて静電気を除去する。
【0006】
本発明の一つの実施例により、上記の加熱及び乾燥は窒素を採用して加熱及び乾燥する。
【0007】
本発明の一つの実施例により、上記の加熱及び乾燥の温度は40~60℃であり、加熱及び乾燥の時間は100~300秒である。
【0008】
本発明の一つの実施例により、上記のステップ(4)において、静電気除去処理は、N型エピタキシャルウェーハに対して処理時間は400~800秒であり、P型エピタキシャルウェーハに対して処理時間は800~1500秒である。
【0009】
本発明の一つの実施例により、上記のエピタキシャルウェーハはN型エピタキシャルウェーハである場合に、上記の洗浄ステップ(1)は、25%~40%濃度のHFを使用して室温で80~100秒間洗浄し、オーバーフロータンクに純水を使用して室温で60~200秒間洗浄し、次に濃度31%の過酸化水素を使用して75℃で400~700秒間洗浄してから、オーバーフロータンクに室温で60~200秒間純水で洗浄することを含む。
【0010】
本発明の一つの実施例により、上記のN型エピタキシャルウェーハの抵抗率が1.5ohm-cm以下である場合に、上記のステップ(1)はさらに、現像液を使用して90~200秒間処理することを含む。
【0011】
本発明の一つの実施例により、上記のエピタキシャルウェーハはP型エピタキシャルウェーハの場合に、上記の洗浄ステップ(1)は、25%~40%濃度のHFを使用して室温で80~100秒間洗浄し、オーバーフロータンクに純水を使用して室温で60~200秒間洗浄することを含む。
【0012】
本発明の一つの実施例により、上記のオーバーフロータンクを、清水を使用して洗浄する際に、20~40秒間ごとにオーバーフロータンク内の清水を排出する。
【0013】
本発明の一つの実施例により、オーバーフロータンク内の清水は5~15秒で全部排出される。
【0014】
本発明によるエピタキシャルウェーハの測定値を測定する前の処理方法は、オーバーフロータンクをオーバーフロー+クイック排出プロセスに代わり、ウェーハの表面の酸残基または塩残基が全部洗浄することを確保でき、測定効果に影響を与えないし、静電気を除去する処理によって、ウェーハ表面の静電気やダングリングボンドを除去して抵抗値の測定に対する影響を減らすことができる。
【0015】
本発明によるエピタキシャルウェーハの抵抗値を測定するための前処理法によって処理されたエピタキシャルウェーハの抵抗値の均一性は、1.5%未満であり、これは、3%未満という業界要件に完全に満たす。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下は、実施例及び図面を結合して本発明を具体的に説明する、
エピタキシャルの抵抗値を測定するための前処理方法は、洗浄ステップ(1)と、スパイドライステップ(2)と、加熱及び乾燥ステップ(3)と、静電気除去ステップ(4)とを含む。
【0017】
本発明の一つの実施例により、上記のエピタキシャルウェーハはN型エピタキシャルウェーハである場合に、上記の洗浄ステップ(1)は、25%~40%濃度のHFを使用して室温で80~100秒間洗浄し、オーバーフロータンクに純水を使用して室温で60~200秒間洗浄し、次に濃度31%の過酸化水素を使用して70~80℃で400~700秒間洗浄してから、オーバーフロータンクに室温で60~200秒間純水で洗浄することを含む。
【0018】
上記のN型エピタキシャルウェーハの抵抗率が1.5ohm-cm以下である場合に、上記のステップ(1)はさらに、現像液を使用して90~200秒間処理することを含む。
【0019】
本発明の一つの実施例により、上記のステップ(2)とステップ(3)とは同時に行われ、スパイドライさせる同時に、加熱乾燥させて静電気を除去する。
【0020】
上記の加熱及び乾燥は窒素を採用して加熱及び乾燥する。上記の加熱及び乾燥の温度は40~60℃であり、加熱及び乾燥の時間は100~300秒である。
【0021】
上記のステップ(4)において、静電気除去処理は、N型エピタキシャルウェーハに対して処理時間は400~800秒であり、P型エピタキシャルウェーハに対して処理時間は800~1500秒である。
【0022】
本発明の一つの実施例により、上記のエピタキシャルウェーハはP型エピタキシャルウェーハの場合に、上記の洗浄ステップ(1)は、25%~40%濃度のHFを使用して室温で80~100秒間洗浄し、オーバーフロータンクに純水を使用して室温で60~200秒間洗浄することを含む。
【0023】
本発明の一つの実施例により、上記のオーバーフロータンクを、清水を使用して洗浄する際に、20~40秒間ごとにオーバーフロータンク内の清水を排出する。
【0024】
本発明の一つの実施例により、上記のオーバーフロータンク内の清水は5~15秒で全部排出される。
【0025】
【0026】
本発明方法を使用してエピタキシャルの抵抗率を測定し、その結果が以下である。
【0027】
【0028】
本発明によるエピタキシャルウェーハの測定値を測定する前の処理方法は、オーバーフロータンクをオーバーフロー+クイック排出プロセスに代わり、ウェーハの表面の酸残基または塩残基が全部洗浄することを確保でき、測定効果に影響を与えないし、静電気を除去する処理によって、ウェーハ表面の静電気やダングリングボンドを除去して抵抗値の測定に対する影響を減らすことができる。本発明によるエピタキシャルウェーハの抵抗値を測定するための前処理法によって処理されたエピタキシャルウェーハの抵抗値の均一性は、1.5%未満であり、これは、3%未満という業界要件に完全に満たす。
【0029】
本発明による実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、特許請求の範囲の制限を構成するものではない。当業者によって考案され得る他の実質的に均等の置換は、すべて本発明の保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】