(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】癌の治療のためのシャペロニン含有TCP-1阻害剤
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240221BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240221BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240221BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20240221BHJP
A61K 38/10 20060101ALI20240221BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20240221BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240221BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20240221BHJP
C07K 16/18 20060101ALN20240221BHJP
C07K 7/06 20060101ALN20240221BHJP
C07K 7/08 20060101ALN20240221BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K38/08
A61K38/10
A61P35/04
A61K31/519
A61K31/506
C12N15/113 Z ZNA
C07K16/18
C07K7/06
C07K7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553595
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 US2022019165
(87)【国際公開番号】W WO2022187744
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510170730
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ セントラル フロリダ リサーチ ファウンデーション,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】キャレド,アネッテ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084BA01
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4H045AA10
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4H045AA30
4H045BA10
4H045BA13
4H045BA14
4H045BA15
4H045BA17
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
(57)【要約】
癌を治療するための組成物およびその使用が本明細書において開示される。
【選択図】
図37
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その必要のある被験体における癌を治療する方法であって、前記被験体にシャペロニン含有TCP1(CCT)阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記CCT阻害剤がCCT1阻害剤、CCT2阻害剤、CCT3阻害剤、CCT4阻害剤、CCT5阻害剤、CCT6阻害剤、CCT7阻害剤またはCCT8阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CCT阻害剤がCCT2阻害剤である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記CCT阻害剤が小分子、抗体、ペプチド、ポリペプチド、低分子干渉RNA(siRNA)またはいヘアピンRNAを含む、請求3に記載の方法。
【請求項5】
前記ペプチドがCT20pペプチドである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記CT20ペプチドが項配列番号:1~6に記載のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の方法
【請求項7】
さらに前記被験体に細胞周期阻害剤の治療上有効な量を投与することをさらに含む、、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞周期阻害剤がCCND1阻害剤、CDK2阻害剤またはCDK4阻害剤を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記CDK4阻害剤がパルボシクリブ、リボシクリブまたはアベマシクリブを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記癌が転移性癌である。請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記癌が肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫または乳癌である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記乳癌は、ルミナールA乳癌、ルミナールB乳癌、エストロゲン受容体(ER)-プロゲステロン受容体(PR)HER2+乳癌またはトリプルネガティブ乳癌である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記癌が小児癌である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記小児癌が神経芽腫、腎明細胞肉腫(CCSK)、ウィルムス腫瘍、腎ラブドイド腫瘍(RTK)、横紋筋肉腫または脈絡叢癌である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記被験体から得た癌細胞は、参照対照に相対的にMYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCNE1、CCND1、YAP1およびRB1からなる群より選択される一つまたは複数の腫瘍生物マーカー増加したレベルを有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法
【請求項16】
その必要のある被験体における薬物抵抗性癌を治療する方法であって、前記被験体にシャペロニン含有TCP1(CCT)阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む、方法。
【請求項17】
前記CCT阻害剤がCCT1阻害剤、CCT2阻害剤、CCT3阻害剤、CCT4阻害剤、CCT5阻害剤、CCT6阻害剤、CCT7阻害剤またはCCT8阻害剤である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記CCT阻害剤がCCT2阻害剤である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記CCT阻害剤が小分子、抗体、ペプチド、ポリペプチド、低分子干渉RNA(siRNA)またはヘアピンRNAを含む、請求18に記載の方法。
【請求項20】
前記ペプチドがCT20pペプチドである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記CT20ペプチドが項配列番号:1~6に記載のアミノ酸配列を含む、請求項20に記載の方法
【請求項22】
前記薬物抵抗性癌が細胞周期阻害剤に対する抵抗性である、請求項16~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
さらに前記被験体に細胞周期阻害剤の治療上有効な量を投与することをさらに含む、請求項16~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記細胞周期阻害剤がCCND1阻害剤、CDK2阻害剤またはCDK4阻害剤を含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記CDK4阻害剤がパルボシクリブ、リボシクリブまたはアベマシクリブを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記癌が転移性癌である。請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記癌が肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫または乳癌である。請求項16~265のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記乳癌は、ルミナールA乳癌、ルミナールB乳癌、エストロゲン受容体(ER)-プロゲステロン受容体(PR)HER2+乳癌またはトリプルネガティブ乳癌である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記癌が小児癌である、請求項16~28の方法。
【請求項30】
前記小児癌が神経芽腫、腎明細胞肉腫(CCSK)、ウィルムス腫瘍、腎ラブドイド腫瘍(RTK)、横紋筋肉腫または脈絡叢癌である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記被験体から得た癌細胞は、参照対照に相対的にMYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCNE1、CCND1、YAP1およびRB1からなる群より選択される一つまたは複数の腫瘍生物マーカーの増加したレベルを有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法
【請求項32】
被験体が癌を有すると診断する方法であって、
a)シャペロニン含有TCP1(CCT)のレベルを参照対照と比較して定量化すること;
b)前記CCTのレベルが前記参照対照より高いときに前記被験体が癌を有すると決定すること;および
c)前記CCTのレベルが前記参照対照より低いときに、前記被験体が癌を有さないと決定することを含む、方法。
【請求項33】
さらに被験体にCCT阻害剤の治療上有効な量を投与することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記CCT阻害剤がCCT1阻害剤、CCT2阻害剤、CCT3阻害剤、CCT4阻害剤、CCT5阻害剤、CCT6阻害剤、CCT7阻害剤またはCCT8阻害剤である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記CCT阻害剤がCCT2阻害剤である、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記CCT阻害剤が小分子、抗体、ペプチド、ポリペプチド、低分子干渉RNA(siRNA)またはいヘアピンRNAを含む、請求35に記載の方法。
【請求項37】
前記ペプチドがCT20pペプチドである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
さらに前記被験体に細胞周期阻害剤の治療上有効な量を投与することをさらに含む、請求項32~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記細胞周期阻害剤がCCND1阻害剤、CDK2阻害剤またはCDK4阻害剤を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記CDK4阻害剤がパルボシクリブ、リボシクリブまたはアベマシクリブを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記癌が転移性癌である。請求項32~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記癌が肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫または乳癌である。請求項32~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記乳癌は、ルミナールA乳癌、ルミナールB乳癌、エストロゲン受容体(ER)-プロゲステロン受容体(PR)-HER2+乳癌またはトリプルネガティブ乳癌である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記癌が小児癌である、請求項16~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記小児癌が神経芽腫、腎明細胞肉腫(CCSK)、ウィルムス腫瘍、腎ラブドイド腫瘍(RTK)、横紋筋肉腫または脈絡叢癌である、請求項292に記載の方法。
【請求項46】
前記被験体から得た癌細胞は、参照対照に相対的にMYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCNE1、CCND1、YAP1およびRB1からなる群より選択される一つまたは複数の腫瘍生物マーカー増加したレベルを有する、請求項16~30のいずれか1項に記載の方法ある
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月5日に出願された、米国仮出願第63/157,051号の優先権の利益を請求し、これは、参照によってその全体が援用される。
【背景技術】
【0002】
乳癌は、女性の中で最も一般的な癌であり、主な死因となっている。乳癌の年齢標準化した発症率および死亡率の世界的評価は、それぞれ100,000人あたり46.3および13.0である。乳癌は、典型的にはエストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)およびヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の発現に基づいて分類される。乳癌の主な分子サブタイプは、以下のとおりである:ルミナールA、これは、ホルモン-受容体陽(ER+PR+HER2-、Ki67低)、低グレードであり、ゆっくり成長し、および最もよい予後を有する;ルミナールB(またホルモン受容体陽性(ER+PR+ HER2+/-、Ki67高)、これは、ルミナールAより速く成長し、およびより悪い予後を有する;HER2陽性またはエンリッチド、これは、ホルモン受容体は陰性だがHER2陽性(ER-PR-HER2+)であり、ルミナール癌よりも速く成長し、予後が悪い。;およびトリプルネガティブ(TNBC)またはベーシック、これは、ホルモン受容体陰性(ER-PR-HER2-)であり、より侵襲的であり、BRCA1変異を持つ女性に一般的であり、かつその他のサブタイプと同様に内分泌療法またはHER2阻害剤で治療することができない。乳癌のこれらのサブタイプは、患者を層別化するのに役立ち、および予後の予測および治療上の意思決定に影響を与える。しかし、乳癌は、これらのサブタイプを越える複雑さを持つ異質な疾患である。腫瘍サプレッサーの喪失および癌遺伝子の増幅は、乳房腫瘍において共通する。遺伝子増幅は、乳癌において最も頻繁に見られる遺伝的変異であり、MYC、CCND1、上皮成長因子受容体(EGFR)、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)、CDK4およびMDM2は、原発性および再発性乳房腫瘍において最も頻繁に増幅される遺伝子である。これらの遺伝子における遺伝子変化は、患者の予後および臨床病理学的特徴と相関しており、およびこれらの治療上のターゲティングは、プレシジョンメディシンの目標のままである。必要なことは、癌を診断し、および治療するための組成物および方法である。
【発明の概要】
【0003】
被験体における癌および/または転移を治療し、予防し、減少させ、および/または阻害するための方法が、本明細書において開示される。また、癌を診断するための方法が、本明細書において開示される。
【0004】
本発明の一つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および下以下の記述に記載してある。本発明のその他の特徴、目的および利点は、記述および図面から、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0005】
いくつかの態様において、その必要のある被験体においておける癌および/または転移を治療し、阻害し、低下させ、減少させ、寛解させ、および/または予防する方法であって、被験体にシャペロニン含有TCP1(CCT)阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む方法が、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、本明細書において記述したCCT阻害剤は、CCT1阻害剤、CCT2阻害剤、CCT3阻害剤、CCT4阻害剤、CCT5阻害剤、CCT6阻害剤、CCT7阻害剤またはCCT8阻害剤である。いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、CCT2阻害剤である。
【0006】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、小分子、抗体、ペプチド、ポリペプチド、低分子干渉RNA(siRNA)または短ヘアピンRNAを含む。
【0007】
いくつかの実施例において、本明細書において開示した方法は、さらに被験体に細胞周期阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、CCND1阻害剤、CDK2阻害剤またはCDK4阻害剤(たとえば、パルボシクリブ、リボシクリブ、またはアベマシクリブ)を含む。
いくつかの実施形態において、癌は、転移性癌である。
【0008】
いくつかの実施形態において、癌は、肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫または乳癌である。いくつかの実施形態において、乳癌は、ルミナールA乳癌、ルミナールB乳癌、エストロゲン受容体(ER)-プロゲステロン受容体(PR)HER2+乳癌またはトリプルネガティブ乳癌を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、癌は、小児癌である。いくつかの実施形態において、小児癌は、神経芽腫、腎クリアセル肉腫(CCSK)、ウィルムス腫瘍、腎ラブドイド腫瘍(RTK)、横紋筋肉腫または脈絡叢癌である。
【0010】
いくつかの実施形態において、被験体から得られた癌細胞は、参照対照と比較してMYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCNE1、CCND1、YAP1およびRB1から選択される一つまたは複数の腫瘍生物マーカーの増加したレベルを有する。
【0011】
また、その必要のある被験体における薬物抵抗性癌および/または転移を治療し、阻害し、低下させ、減少させ、寛解させ、および/または予防する方法であって、被験体にシャペロニン含有TCP1(CCT)阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む方法が、本明細書において開示される。一つの実施例において、薬物抵抗性癌または転移は、細胞周期阻害剤に対して抵抗性である。一つの実施例において、薬物抵抗性癌または転移は、CDK4阻害剤に対して抵抗性である
【0012】
被験体が癌を有すると診断する方法であって、a)シャペロニン含有TCP1(CCT)のレベルを参照対照と比較して定量化すること;b)CCTのレベルが参照対照より高いときに被験体が癌を有すると決定すること;およびc)CCTのレベルが参照対照より低いときに、被験体が癌を有さないと決定することを含む方法が、本明細書において開示される。
【0013】
いくつかの実施形態において、本方法は、さらに被験体に本明細書において開示されたCCT阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】CCT2の遺伝的変異と細胞周期遺伝子の変異の同時存在は、機能的関係を示唆している。(
図1Aおよび
図1B)TCGA PanCancerデータベースでは、CCT2およびCCT3の遺伝的変異(
図1A)、並びにCCT2変容および無変容群の患者における全体的な生存率および無増悪生存率(
図1B)についてcBioPortalを使用して評価した。(
図1C)CCLEのデータをcBioPortalを使用してエクスポートしたMCF7およびT47DD株化細胞のコピー数変化および突然変異プロファイルを示す。(
図1D)T47DおよびMCF7細胞のCCT突然変異および発現は、COSMICデータベースから得た。
【
図2】CCT2-FLAGは、T47DおよびMCF7乳癌株化細胞において過剰発現される。(
図2A)レンチウイルスCCT2-FLAGおよび対照ベクターと共に導入された細胞によるGFPの発言を示してある。外来CCT2-FLAG(anti-FLAG抗体)、総CCT2(N末端特異的anti-CCT2抗体)、および内在CCT2(C末端特異的anti-CCT2抗体)タンパク質についてのウェスタンブロットである(
図2B)。データは、総タンパク質に対して規準化した。代表的なブロットを示してあり、およびデータの複製をグラフにおいて要約した。(
図2C)総CCT2および外来CCT2-FLAGについての相対mRNA発現をRT-qPCRよって決定した。GAPDHを参照遺伝子として使用した。計算は、式2-ΔΔCt式を使用して行った。
【
図3】CCT2は、乳癌細胞による球状体形成を増強する。(
図3Aおよび3B)3D培養の3日目、5日目および8日目の24ウェルULA平底プレート上で成長したT47DおよびMCF7球状体のマージした明視野およびGFP画像である。倍率は2.5倍である。(
図3B)T47DおよびMCF7細胞についてウェルあたりの総球状体細胞数を示してある。細胞を球状体から分離して、フローサイトメトリーを使用して係数した。(
図3C)球状体成長の3日目、5日目および8日目の96ウェルULA丸底プレートで成長したT47DおよびMCF7の球状体のマージされた明視野およびGFP画像。96ウェルULAプレートからの球状体を周囲長測定のために使用した。(
図3D)総CCT2および外来CCT2-FLAGについての相対mRNA発現をRT-qPCRよって決定した。GAPDHを参照遺伝子として使用した。**p-値<0.005、***p値<0.0005、****p値<0.00005。
【
図4】CCT2枯渇は、乳癌球状体形成を障害する。(
図4A)CCT2または対照shRNA発現を誘導するためにドキシサイクリンを使用するCCT2枯渇の24、48、72時間後におけるE0771細胞についての明視野画像。CCT2枯渇は、3日目にて球状体成長の球状体を誘導した。(
図4B)E0771細胞におけるCCT2枯渇を0日目(球状体培養の開始)にて誘導して、CCT2または対照shRNAの発現を誘導するためにドキシサイクリンを使用した48時間および72時間後にて撮像した。円は、小型の球状体コアを示し、一方で、矢印は、ゆるい細胞凝集体の形成を示す。
【
図5】CCT2過剰発現は、3D球状体培養後の乳癌細胞の付着を促進し、細胞内アクチンを促進する。(
図5A)標準的な組織培養プレート上に播種したT47DおよびMCF7、CCT2-FLAG過剰発現、並びにレンチウイルス対照、細胞からの8日目の球状体の明視野およびGFPオーバレイイメージを示してある。非接着細胞を洗い流して、接着細胞の画像を撮影した。次いで、接着細胞をフローサイトメトリーよって分離して、計数した。倍率は、2.5X。(
図5B)F-アクチン(緑色蛍光ファロイジンで染色した、)DAPIおよび2つのシグナルのオーバレイの共焦点顕微鏡画像をT47D、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞について示してある。倍率は、40Xであった。蛍光細胞をImageJを使用して定量化した。* p値<0.05、*** p値<0.0005、**** p値<0.00005。
【
図6】CCT2は、3Dから2D単層培養への乳癌細胞の移行をサポートする。(
図6A)T47D細胞CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照に由来した球状体の確立された2D単層培養の明視野顕微鏡画像を示してある。倍率は、20Xであった。(
図6B)移動後2日および5日における標準的な組織培養プレートへの球状体移動の結果を示す明視野およびGFP顕微鏡画像。倍率は、2.5Xであった。(
図6C)2Dポスト3D単層培養において培養したT47DおよびMCF7、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞からの総CCT2およびCCT2-FLAG mRNA発現を評価した。使用した式は、2
-ΔΔCtであり、GAPDHは、前述したように参照遺伝子であった。*p値<0.05、**p値<0.005。
【
図7】CCT2過剰発現は、3D培養における乳癌細胞の細胞分裂を増加させる。(
図7Aおよび7B)ViaFluor(登録商標)色素を使用して、球状体3D培養の3-5日間にわたってT47D細胞(
図7A)およびMCF7細胞(
図7B)、CCT2-FLAG過剰発現並びにレンチウイルス対照について細胞分裂を評価した。細胞分裂は、フローサイトメトリーよって評価し、世代時間(ヒストグラム)およびパーセント細胞分裂(グラフ)を決定した。(
図7Cおよび7D)PI排除アッセイを使用してT47D細胞(
図7C)およびMCF7細胞(
図7D)について3D成長の3、5および8日目における球状体培養からの細胞の生存度を評価した。データは、CytoFlex Sフロー・サイトメーターを使用して取得して、FCS Expressソフトウェアを使用して解析した。*p値<0.05、**p-値<0.005、***p値<0.0005、****p値<0.00005。
【
図8】CCT2過剰発現は、G1/S以降を介して乳癌細胞の進行を促進する。2D培養におけるT47DおよびMCF7、CCT2-FLAG過剰発現並びにレンチウイルス対照、細胞の増殖を血清枯渇後に同期させて、細胞周期分布を2D単層培養(
図8Aおよび8B)および2Dポスト3D培養(
図8Cおよび8D)からの細胞のPI染色よって解析した。データは、CytoFlex Sフローサイトメーターを使用して取得して、FCS Expressソフトウェアで解析した。
【
図9】CCT2は、乳癌細胞におけるMYCの発現および細胞周期遺伝子をアップレギュレートする。(
図9A)グラフは、3D成長の0(プレ球状体)3、5および8日目にてT47DおよびMCF7細胞におけるCCT2-FLAG過剰発現に応答してそれぞれの遺伝子について(-ΔΔCt)として測定した相対的遺伝子発現の結果を示す。MCF7レンチウイルス対照を参照試料として使用した。このデータはを使用して表4において示した多重リニア混合モデルを決定した。(
図9B)サイクリンD1発現をT47Dレンチウイルス対照に関して評価し、および統計解析を表4において示した。(
図9C)遺伝子発現比較を、2D(プレ球状体)および2Dポスト3D/球状体培養において成長したT47DおよびMCF7細胞においてCCT-FLAG過剰発現に応答するそれぞれの遺伝子について測定した。このデータを使用して、表5において示したその複数因子ANOVA解析を行った。
【
図10】能性癌遺伝子としてのCCT2。(
図10A)MCF7およびT47D細胞、CCT2過剰発現、並びにレンチウイルス対照におけるMYC、CCND1(サイクリンD1)および総CCT2間の遺伝子相互作用を証明するために、Spearman相関係数を決定した。組み合わせたデータセットからの結果を示してある。遺伝子発現は、参照としてMCF7レンチウイルス対照を使用して-ΔΔCtとして測定した。赤く着色した正方形は、相関がp値<0.05で有意だったことを示す。p値は、Holm多重試験調整に基づいて調整した。(
図10B)TCGA PanCancerデータセットをMYC、CCND1、CCNE1、CDK2およびCDK4 mRNAとCCT2 mRNAの同時発現について解析した。SpearmanおよびPearson相関p値を示してある。(
図10C)物理的および遺伝的インテグレーターでのCCT2相互作用ネットワークを示してある(BioGRIDからのデータ)。より大きなノードのサイズは、増加した結合性を表し、およびより厚い縁サイズは、増加した証拠を表し、会合をサポートする。CCT2インタラクターの一覧は、表6に含まれる。
【
図11】乳癌CCT2-FLAG過剰発現細胞におけるCCT3発現。(
図11A)T47DおよびMCF7、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞におけるCCT3タンパク質発現の代表的免疫ブロット。グラフは、総タンパク質に対して規準化したブロットからのデータを要約する。(
図11B)CCT3相対的mRNA発現は、RT-qPCRを使用して評価した。GAPDHを参照遺伝子として使用した。
【
図12】乳癌細胞の球状体培養におけるCCT2タンパク質レベル。グラフは、T47D(
図12A)およびMCF7(
図12B)、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞における総タンパク質に対して規準化した総CCT2タンパク質、CCT2-FLAGタンパク質(抗FLAG)および内因性CCT2タンパク質を示す。データは、
図13において示した免疫ブロットから決定した。
【
図13】CCT2タンパク質についての免疫ブロット。0日目(2D培養、プレ球状体)、3日、5日および8日の球状体培養、並びに2Dポスト3D培養でのT47D(
図13A)およびMCF7(
図13B)における総タンパク質発現、T47D(
図13C)およびMCF7(
図13D)におけるCCT2-FLAG(抗FLAG)並びに内因性CCT2についての代表的な免疫ブロット。総タンパク質染色をそれぞれのパネルを下に示してある。
【
図14】乳癌細胞の球状体逆培養(2Dポスト3D)におけるCCT2タンパク質レベル。グラフは、T47DおよびMCF7における総タンパク質、CCT2- FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞に対して規準化したCCT2-FLAG(抗FLAG)(
図14A)、(
図14B)総CCT2タンパク質および(
図14C)内因性CCT2タンパク質発現を示す。細胞は、3D球状体培養において成長させ、次いで2D成長(2Dポスト3D)のための標準的組織培養プレートへ移した。データは、
図13において示した免疫ブロットから決定した。
【
図15】球状体培養における乳癌細胞の生存度ゲーティング。T47DおよびMCF7、CCT2- FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照細胞をULAプレート上で培養し、およびPI排除染色のために回収した。球状体成長の3日、5日、8日でのPI陰性細胞上の生細胞ゲーティングをT47D(
図15A)およびMCF7(
図15B)細胞について示してある。
【
図16】血清枯渇は、乳癌細胞の細胞周期停止を生じさせる。T47DおよびMCF7、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞は、24時間血清を枯渇させ、および細胞を、PI染色を使用する細胞周期分布の解析のために収集した。(
図16A~16D)標準な2D培養(
図16A、16B)におけるT47DおよびMCF7細胞の、および3Dから2D培養(2Dポスト3D培養)(
図16C、16D)へ移行する細胞の細胞サイクル分布。
【
図17-1】乳癌細胞の成長同期培養の細胞サイクル分布は。成長を停止したT47DおよびMCF7、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞を24~48時間血清含有培地において培養して、細胞を、PI染色を使用する細胞周期分布の解析のために収集した。(
図17A~17D)標準的2D培養(
図17A、17B)におけるT47DおよびMCF7細胞の、および3Dから2D培養(2Dポスト3D培養)(
図17C、17D)へ移行する細胞の細胞サイクル分布。
【
図18】CCT2は、癌進行と関連するアンプリコンに位置する。CCT2は、癌における再発性増幅を受ける12q13-15染色体領域において見いだされる。(
図18A~18C)CCT2、MDM2、FRS2、YEATS4、CDK4遺伝子変化およびmRNA発現についてのヒートマップTCGA PanCancerAtrus研究組み合わせ、肉腫(
図18A)および侵襲性乳房癌腫TCGA PanCancer研究(
図18B)。侵襲性乳房癌腫(TCGA PanCancer研究)における無変化群と比較したCCT2における遺伝子の同時増幅(
図18C)。
【
図19-1】CCT2レベルは神経芽細胞腫様の小児癌において存在する。
図19A。CCT2遺伝子発現レベルを比較するUCSC XenaデータセットTCGA(青)、TARGET(赤)およびGTEx(紫)コホート(n=19,131)。
図19B。特異的小児癌におけるCCT2遺伝子発現を比較するUCSC XenaデータセットTARGET。ALL:急性リンパ芽球性白血病、AML:急性骨髄性白血病。
図19C。特異的小児癌におけるCCT2遺伝子発現を比較するKidsFirstデータセット。ATRT:非典型的テラトイドラブドイド腫瘍、DNET:胚細胞性神経上皮腫、MPNST:悪性末梢神経鞘腫、SEGA:室下巨細胞星状細胞腫。膠腫/星細胞腫:高度(WHO分類III/IV)対低度(WHO分類I/II)。
図19D。いくつかの遺伝子:CCT2、MYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCND1、CCNE1、YAP1およびRB1の発現レベルを比較する神経芽腫場合(n=167)に焦点をあてたUCSC XenaTARETデータセット。
【
図20】小児組織マイクロアレイにおけるCCT2に対する染色。
図20A。PC701小児TMAのCCT2染色からの例示画像。CCT2染色スコアをそれぞれの画像の下に列記してある。
図20B。NB642c神経芽腫TMAのCCT2染色から例示画像。CCT2染色スコア、並びにTMAデータと共に示したCD56およびCgAスコアをそれぞれの画像の下に列記してある。全ての画像は、20xにて摂取した。
【
図21-1】神経芽腫株化細胞におけるCCT2のレベル。
図21A。IMR32対SKNASにおけるCCTの8サブユニットについてのmRNA発現に注目するNemoursデータベース。色は、株化細胞間の遺伝子発現における変化を示す。赤は、遺伝子発現がIMR-32と比較してSK-N-AS細胞において減少したことを示し、緑は、遺伝子発現が増加したことを示す。CCTサブユニットの発現は、CCT6Bを除き、非常に強かった(約10,000-30,000読み取りから検証)。典型的な発現された産物は、約300-1000読み取りでばらつく。50未満の読み取りは、有意ではない。
図21B。CCT2およびCCT3遺伝子発現についてのIMR32およびSKNASのRT-PCR解析。MDA-MB-231乳癌株化細胞を参照として使用した。
図21C。CCT2およびCCT3についてのIMR32およびSKNASのウェスタン解析。MDA-MB-231乳癌株化細胞を参照として使用した。
【
図22-1】SKNASにおけるCCT2のノックダウンは、生存度を減少させ、IMR32 siRNA処理した細胞は、より少ないアクチンを有した。
図22A。渡岸処理での活性化前および後にshRNA-GFPまたはshRNA-CCT2をトランスフェクトしたSKNAS細胞のウェスタン解析。
図22B。shRNAプラスミドでSKNASにおけるCCT2の一過性ノックダウン後のMTT生存度アッセイ。
図22C。CCT2 siRNA処理前および後のIMR32細胞におけるアクチンおよびDAPI染色の代表的画像。
【
図23-1】SKNASおよびIMR32細胞におけるCCT2の過剰発現は、RNAおよびタンパク質における増大を引き起こす。A-B。MDA-MB-231およびMCF7乳癌株化細胞と比較したレンチウイルス形質導入後のSKNAS(
図23A)およびIMR32(
図23B)における総CCT2、CCT3およびFLAGについてのRT-PCR解析。
図23(C-D)。レンチウイルス形質導入後のSKNAS(
図23C)およびIMR32(
図23D)におけるCCT2、CCT3、エンドCCT2およびFLAGについての総タンパク質およびウエスタンブロット。
図23C)レーンは:1.MDA-MB-231,2.MCF7,3.And 4.SKNAS-GFP,5.および6.SKNAS-CCT2である。
図23D)レーンは、1.MDA-MB-231,2.MCF7,3.And 4.IMR32-GFP,5.および6.IMR32-CCT2IMR32-CCT2である。MDA-MB-231およびMCF7株化細胞を参照として使用してある。
図23(E-F)。SKNAS(
図23)およびIMR32(
図23F)におけるウエスタンブロットからのバンドの定量化。
【
図24-1】神経芽腫株化細胞の機能的アッセイは、CCT2過剰発現についての最小の変化を示す。
図24A。SKNAS-GFPおよびSKNAS-CCT2を比較する遊走アッセイ。
図24B。IMR32-GFP対IMR32-CCT2およびSKNAS-GFP対SKNAS-CCT2におけるアクチンおよびDAPI染色。
図24C。アクチン染色の定量化。
【
図25】CCT遺伝子発現は、正常組織と比較して癌組織において増加する。正常(GTEx)対癌性(TCGA)組織における全ての8CCTサブユニットを比較するUCSC Xenaデータベース。(
図25a)全ての癌(n=17,200):最も有意な相違は、CCT2およびCCT3遺伝子において観察され、最少の相違は、CCT6B遺伝子においてであった。(
図25b)能癌(n=1,277):最も有意な相違は、CCT2遺伝子において見られ、最少の相違は、CCT6B遺伝子においてであった。(
図25c)乳癌(n=1,660):最も有意な相違は、CCT3およびCCT8遺伝子において見られ、最少の相違は、CCT6B遺伝子においてであった。(
図25d)結腸癌(n=598):最も有意な相違は、CCT2遺伝子において見られ、最少の相違は、CCT6B遺伝子においてであった。(
図25e)灰癌(n=1,301):最も有意な相違は、CCT2およびCCT3遺伝子において見られ、最少の相違は、CCT6B遺伝子においてであった。全ての試料についてp<0.0001。
【
図26-1】
図26Aは、CCTサブユニットの変化した発現を伴う小児癌を示す。CCTサブユニットの発現について小児汎癌解析をTARETデータベースを使用して行った。分析は、全てのCCTサブユニットについて原発性疾患よって行った。精巣において発現されるだけであるCCT6Bは、負の対照として含めてある。
【
図26-2】
図26Bは、CCTサブユニットの変化した発現を伴う小児癌を示す。CCTサブユニットの発現について小児汎癌解析をTARETデータベースを使用して行った。分析は、CCT2サブユニットについて原発性疾患よって行った。RT、ラブドイド腫瘍;AML、急性顆粒球性白血病;ALL、急性リンパ芽球性白血病;AML-IF、誘導失敗AML;NBL、神経芽細胞腫;WT、ウィルムス腫瘍;CCSK、腎明細胞肉腫。矢印は、神経芽腫についての結果を示す。
【
図27】CCT2発現が小児腫瘍組織において増加することを示す。CCT2タンパク質レベルは、小児悪性腫瘍組織マイクロアレイ(TMA)(PC701、US Biomax)を使用して、21症例の腎芽細胞腫、12神経芽腫プラス、7内胚葉洞癌腫、4網膜芽細胞腫、3肝芽腫、2髄芽腫、4リンパ腫、1つのそれぞれ脈絡叢パピローマ、神経膠芽腫、副腎皮質の癌腫、胚性横紋筋肉腫、上衣細胞腫、神経芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍、歯槽横紋筋肉腫、未熟奇形腫、平滑筋肉腫、プラス7正常組織を含む、正常組織で、症例あたり単一コアで免疫組織化学よって調査した。それぞれの検体を独立した病理学者によって読み込み、CCT染色スコアを公開されたデータ(Bassiouni et al、CCR、2016)に基づいて割り当てた。代表的な画像を示してある。表は、小児癌および正常組織のTMAにおけるCCT2染色スコアの結果を要約する。
【
図28】CCT2発現が神経芽腫組織において増加することを示す。CCT2タンパク質レベルは、神経芽腫組織マイクロアレイ(TMA)(NB642c、US Biomax)を使用して、27症例の神経芽腫および5末梢神経組織、症例あたり2重コアを含む免疫組織化学よって調査した。それぞれの検体を独立した病理学者によって読み込み、CCT染色スコアを我々の公開されたデータ(Bassiouni et al、CCR、2016)に基づいて割り当てた。CCT2neg、CCT2loおよびCCT2hi染色についての代表的な画像を示してある。表は、神経芽腫および正常組織のTMAにおけるスコアを染色するCCT2の結果を要約する。
【
図29】CCT2(およびCCT3)が神経芽腫細胞において高度に発現されることを示す。(
図29A)総CCT2およびCCT3についての相対的mRNA発現は、IMR-32およびSK-N-As神経芽腫株化細胞におけるRT-qPCR(n=5)によって決定した。GAPDHを参照遺伝子として使用した。算出は、計算は、式2-ΔΔCt式を使用して行った。値は、平均±SDである。p値は、有意ではなかった。(
図29B)IMR-32およびSK-N-AS株化細胞における総CCT2(抗CCT2抗体)および総CCT2(抗CCT3抗体)タンパク質についてのウェスタンブロットからのデータを示してある。データは、総タンパク質に対して規準化した(戻り染色)。データは、グラフにおいて要約して再現する(n=2)。*p-値<0.05またはns(有意でない)。
【
図30】CCT2を過剰発現する細胞は、対照細胞より1μMパルボシクリブに対して抵抗性である。(
図30A)1μMパルボシクリブに対する長期薬物耐性を調査するための細胞培養スキームを示してある。(
図30B)培養プレートにおける細胞集密度に基づいて見積もった細胞成長曲線。
【
図31】CCT2発現は、T47D細胞におけるパルボシクリブでの処理の間の増加した細胞周期およびグルコース取り込み遺伝子と相関する。(
図31A、31B)細胞周期制御因子およびGLUT1の遺伝子発現は、RT-qPCRを使用して検討した。GAPDHを参照遺伝子として使用した。0日目は、T47D(
図31A)およびMCF7(
図31B)について、一晩細胞培養を、6日目は、パルボシクリブ処理の6日目を、2または3日目の回復は、薬物を使用しない培地における処理後を表す。実験は、三回行った。* p値<0.5、**p-値<0.005、***p-値<0.0005、****p-値<.00005。
【
図32】CCT2発現は、パルボシクリブ処理の間に増加する。
図32(A-B)総CCT2およびCCT2-FLAG mRNA発現は、GAPDHに相対的なRT-qPCRを使用して分析した。実験は、1μMパルボシクリブ処理の0日目および6日目、並びに回復後3日目に三回行った(
図29Aを参照されたい)**p-値<0.005、****p-値<0.00005。(
図32C)総CCT2 mRNAは、長期パルボシクリブ処理から上記のように図軸において示した位置にて評価した(
図30Aを参照されたい)。
【
図33】CCT2タンパク質レベルは、パルボシクリブ処理の間に減少する。(
図33A)内因性(エンド)CCT2(抗-CCT2-C-末端)、CCT2-FLAG(抗FLAG)、総CCT2(抗-CCT2-N末端基)および内因性CCT3の相対的タンパク質レベルは、CCT2-FLAGまたはレンチウイルス対照を安定して発現するT47D(示した)およびMCF-7細胞(示さず)における免疫ブロット分析よって決定した。細胞を6日間1μMパルボシクリブで処理し、次いで3日にわたって回復させた(
図29Aを参照されたい)。(
図33B)CCT2-FLAGとCCT2およびCCT3のレンチウイルス対照との間の相対的タンパク質レベルは、総タンパク質に対して規準化した。エラーバーは、技術反復のs.e.mでの平均を表す。
【
図34】CCT2タンパク質は、プロテオゾームを介した分解のためのターゲットとされる。(
図34A)内因性CCT2(抗-CCT2-C-末端)、CCT2-FLAG(抗FLAG)、総CCT2(抗-CCT2-N末端基)および内因性CCT3の相対的タンパク質レベルは、CCT2-FLAGまたはレンチウイルス対照を安定して発現するT47D(示さした)およびMCF-7(示さず)細胞における免疫ブロット分析よって決定した。細胞を6日間パルボシクリブ1μMで処理し(
図29Aを参照されたい)、10μMラクタシスチン(ラクタ)(プロテオゾーム阻害剤)または10μg/mlシクロヘキシミド(シクロ)(タンパク合成阻害薬)で5時間処理した。(
図34B)グラフは、CCT2-FLAGとレンチウイルス対照、細胞との間の相対的なCCT2およびCCT3タンパク質レベルを示す。結果は、総タンパク質に対して規準化した。エラーバーは、技術反復のs.e.mでの平均を表す。実施した2回の代表的な実験を示してある。
【
図35】単量体CCT2タンパク質は、パルボシクリブ処理後に増加する。
図35(A-B)CCT2-FLAGまたはレンチウイルス対照を安定して発現し、およびパルボシクリブ1μMで0-6日間処理したT47D(示さした)およびMCF-7(示さず)細胞からのタンパク質可溶化液(
図14Aを参照されたい)を天然の非変性ゲル上で流した。膜を、抗FLAG抗体(
図35A、35C)でCCT2-FLAGまたは抗N末端CCT2抗体(
図35B、35D)で総CCT2についてプローブした。オリゴマー複合体(>900kDa)における、および単量体(約60kDa)としてのCCT2を矢印よって示してある。)CCT2-FLAGおよびレンチウイルス対照細胞におけるCCT2含有オリゴマーおよびCCT2単量体の相対的タンパク質レベルは、総タンパク質に対して規準化した。エラーバーは、技術反復のs.e.mでの平均を表す。実施した2回の代表的な実験を示してある。
【
図36】CCT2の枯渇は、ルミナールA乳癌細胞において達成される。(
図36A)T47DおよびMCF7におけるCCT2枯渇は、ドキシサイクリン誘導性shRNAレンチウイルス系を使用して達成した。shRNAの誘導のために0.5mgドキシサイクリン添加の48および72時間後のT47D(示さした)およびMCF7(示さず)におけるCCT2 mRNA発現。RT-qPCRについて;GAPDHを参照遺伝子として使用した。(
図36B)CCT2タンパク質は、(A)からの細胞についてウエスタンブロットよって評価した。総タンパク質染色を規準化のために使用した。T47D細胞にすいてのデータを示してある。(
図36C)CCT2枯渇、および対照T47DおよびMCF-7細胞の生存率は、shRNA誘導の48および72時間の後にMTTアッセイよって評価した。ns(有意でない)。
【
図37】パルボシクリブとCCT2阻害の組み合わせ処理は、ルミナールA乳癌細胞において単独治療よりも有効である。ドキシサイクリン誘導性CCT2 shRNAを安定して発現するT47D細胞は、0.5μg/mlのドキシサイクリンで処理され、CCT2タンパク質の約50%の枯渇(
図24Aを参照されたい)もしくは200nMパルボシクリブまたは両方で4日間誘導した。生存度は、MTTアッセイによって評価した。**** p<0.00005。
【
図38】神経芽腫細胞におけるCCT2枯渇は、生存度を減少させる。ドキシサイクリン誘導性CCT2 shRNAまたは対照shRNA(ウイルス対照)を安定して発現するSK-N-AS細胞は0.5μg/mlのドキシサイクリンで処理されてCCT2タンパク質の枯渇を誘導した。(
図38A)レンチウイルス導入した細胞のイメージた。(
図38B)生存土は、MTTアッセイによって評価した。
【
図39】CT20p-ナノ粒子は、腫瘍成長を減少させて、マウスにおける生存を延長する。
図39(A-D)100μlのCT20p-ナノ粒子(1mg/kg/用量)またはPBSで(IV)4回(斜線)静脈内処理した雄ヌードマウス(n=4)において移植したLNCaP前立腺腫瘍のの成長曲線。(
図39B)実験の最後にPBS処理およびCT20p処理したマウスの平均重量。(
図39C)検死後の腫瘍サイズ比較。(
図39D)実験最後にPBS処理した、およびCT20p処理した腫瘍の平均重量。
図39(E-F)MDA-MB-231 トリプルネガティブ乳癌細胞を雌ヌードマウス(n=4)の乳房パッドに同所的に植設した。マウスは、100μlのCT20p-ナノ粒子(1mg/kg/用量)(オレンジ)またはPBS(ピンク)で3回IV処理した。腫瘍成長は減少され(
図39E)、および生存は、延長した(
図39F)。AUC、曲線下面積。
【
図40】神経芽腫細胞は、色素充填した重合体ナノ粒子を取り込む。SK-N-AS(
図40A)およびIMR-32(
図40B)細胞を3μlのDiI色素充填したナノ粒子で24時間処理して、Cytation5複数モデルプレートリーダーを使用して取り込みを評価した。挿入図は、合わせた明視野および蛍光オーバレイのデジタル拡大された図を示す。
【
図41】CT20p-ナノ粒子は、神経芽腫細胞を殺す。IMR-32細胞をPBS(媒体対照)、100μg/mlおよび200μg/ml用量にてCT20p-ナノ粒子で24時間処理して、Cytation5複数モデルプレートリーダーを使用して細胞者を撮像した。挿入図は、デジタル拡大した。
【
図42】CCT2過剰発現は、CDK4/6阻害剤、パルボシクリブに対するルミナールA乳癌細胞感受性を減少させる。パルボシクリブの濃度増大に6日間曝露した細胞のための標準的なMTTアッセイを使用して生存度を決定した。CCT2-FLAG発現細胞は、レンチウイルス対照と比較してT47D(
図42A)およびMCF7(
図42B)においてより高いIC50を有した。モデルフィッティング:[阻害剤]対応答(3つのパラメーター)を使用して、GraphPad 9を使用する用量-反応曲線をプロットした。実験は、四回行った。
【
図43】CCT2は、回復段階ポストパルボシクリブ処理における細胞周期進行および増殖を促進する。(
図43A)パルボシクリブ処理および回復段階についての時系列を示してある。(
図43B)細胞サイクル解析は、パルボシクリブ処理の6日およびの回復ポストパルボシクリブ処理の2-3日後に細胞内PI染色よって行った。CCT2-FLAG発現およびレンチウイルス対照T47DおよびMCF7細胞を使用した。(
図43C)回復段階ポストパルボシクリブ処理における細胞(上記のものから)における細胞分裂を追跡するためのViaFluor 405希釈色素を使用する増色アッセイ。(
図43D)回復段階ポストパルボシクリブ処理における細胞(上記のものから)についての細胞数。数は、フローサイトメトリー(Cytoflex S)よって取得した。(
図43E)コロニー-形成アッセイは、回復段階ポストパルボシクリブ処理の間に10日間行った。細胞は、クリスタルバイオレットで染色した。実験は、三回行った。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本化合物、組成物、物品、装置および/または方法を開示し、および記述する前に、これらは、特に明記しない限り具体的合成の方法もしくは特定の組換えバイオテクノロジー方法に、または特に明記しない限り特定の試薬に限定されず、従ってもちろん変更してもよいことを理解すべきである。本明細書に使用される用語法は、詳細な実施形態のみを記述するためであり、および限定することは意図されないことを理解される。
【0016】
定義
この出願の全体にわたって、種々の刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、これらの全体において、これが属する技術水準をより完全に記述するためにこの出願における参照により本明細書に援用される。また、開示される参照は、参照が依拠する文章において考察されるこれらに含まれる材料について、本明細書において個々におよび具体的に参照により援用される。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲に使用されるときに、単数形、「一つのa」「一つのan」および「該」は、文脈が別途明確に記述しない限り、複数の言及を含む。たとえば、「細胞」用語は、複数の細胞を含み、その混合物を含む。
【0018】
本明細書に使用される用語「約」は、量、割合および同様のものなどの測定可能な値をいうときに、測定可能な値から±20%、±10%、±5%または±1%の変異を包含することが意味される。
【0019】
「賦活化」、「活性化すること」および「活性化」は、活性、応答、状態またはその他の生物学的パラメーターを増加させることを意味する。また、これは、たとえば、天然または対照レベルと比較して活性、応答または状態の10%増大を含み得る。したがって、増大は、天然または対照レベルと比較するときに10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%または間の任意の減少量であることができる。
【0020】
被験体に対する「投与」または「投与する」ことは、被験体に薬剤を導入する、またはを送達する任意の経路を含む。投与は、腹腔内、静脈内および同様のものを含む任意の適切な経路によって実施することができる。投与は、任意の適切な経路によって実施することができ、経口、局所的、静脈内、皮下、皮内、経皮、筋肉内、関節内、非経口、細動脈内、内皮、脳室内、脳内、腹腔内、病巣内、鼻腔内、直腸、膣、吸入による、植設されたリザーバを経て、または経皮パッチを経て、および同様のものを含む。投与は、自己投与および他人による投与を含む。
【0021】
用語「抗体」は、広義において本明細書に使用され、およびポリクローナル5およびモノクローナル抗体を含む。本明細書に使用される、用語「抗体」は、(任意のクラスの全イムノグロブリン(すなわち、無処置の抗体)を包含するが、限定されない。無処置の免疫グロブリン分子に加えて、また用語「抗体」に含まれるものは、これらの免疫グロブリン分子の断片または重合体およびヒトまたはヒト化もしくた免疫グロブリン分子またはその断片のバージョンである。「抗体」は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、二重特異的抗体(二特異性抗体)または三重特異的抗体(三特異的抗体)であることができることが理解されるはずである。
【0022】
本明細書に使用される用語「モノクローナル抗体」は、抗体の実質的に均一な集団から得られる抗体をいい、すなわち、集団内の個体抗体は、抗体分子の小さなサブセットに存在しうる天然に存在しうる突然変異を除いて同一である。本明細書におけるモノクローナル抗体は、具体的にはその重鎖および/または軽鎖の部分が特定の種に由来する、または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同的であり、一方、鎖(類)の残りは、これらが所望のアンタゴニストの活性を示す限り、もう一つの種に由来する、またはもう一つの抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同的である、「キメラ」抗体、並びこのような抗体の断片を含む。
【0023】
開示されたモノクローナル抗体は、モノクローナル抗体を製造する任意の手順を使用して作製することができる。たとえば、開示されたモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein、Nature、256:495(1975)よって記述されたものなどのハイブリドーマ法を使用して調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウスまたはその他の適切な宿主動物を典型的には免疫薬で免疫して、免疫薬に特異的に結合するであろう抗体を産生する、または産生することができるリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロにおいて免疫してもよい。
【0024】
本明細書に使用される、用語「抗体またはその断片」は、二重もしくは複数抗原またはエピトープ特異性をもつキメラ抗体およびハイブリッド抗体、並びにハイブリッド断片を包含するF(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、scFvおよび同様のものなどの断含む。したがって、保持するこれらの特異的抗原に結合する能力を持つ抗体の断片が提供される。たとえば、アネキシンA2に結合する活性を維持する抗体の断片は、用語「抗体またはこれらの断片」を意味する範囲内に含まれる。このような抗体および断片は、当該技術分野において公知の技術よって作製することができ、実施例における、並びに特異性および活性について抗体を産生し、および抗体をスクリーニングするための一般的な方法における記載に従って特異性および活性についてスクリーニングすることができる。(Harlow and Lane.Antibodies,A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Publications,New York,(1988)を参照されたい)。
【0025】
また、断片は、その他の配列に付着され、またはされないなかどうかにかかわらず、特定の領域または特異的アミノ酸残基の挿入、欠失、置換またはその他の選択された修飾を含むことができるが、ただし、抗体または抗体断片の活性は、未変性抗体または抗体断片と比較して著しく変化されない、または障害されない。これらの修飾は、ジスルフィド結合ができるアミノ酸を除去し/添加するために、そのバイオ寿命を増大するために、その分泌性特徴などを変化させるためなどのいくつかのさらなる特性のために提供することができる。任意の場合において、抗体または抗体断片は、その同族抗原に特異的に結合するなどの生物活性特性を有さなければならない。抗体もしくは抗体断片の機能的または活性領域は、タンパク質の特異的領域の突然変異誘発、続く発現されたポリペプチドの発現および試験よって同定してもよい。このような方法は、当業者には容易に明らかであり、および抗体または抗体断片をコードする核酸の部位特異的突然変異を含むことができる。(Zoller,M.J.Curr.Opin.Biotechnol.3:348-354,1992)。
【0026】
本明細書で使用される、用語「有益薬剤」および「活性な薬剤」は、有益な生物学的効果を有する化学化合物または組成物をいうために交換可能に本明細書において使用される。有益な生物学的効果は、治療的効果、すなわち障害またはその他の望ましくない生理的状態の治療および予防的効果、すなわち障害またはその他の望ましくない生理的状態の予防を含む。また、本用語は、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、活性代謝物、異性体、断片、類似体および同様のものを含むが、限定されない本明細書において具体的に言及した薬効物質の薬学的に許容される、薬理学的に活性な誘導体を包含する。本用語「薬効物質」または「活性薬剤」が使用されるとき、次いで、または特定の薬剤が特異的に同定されるとき、本用語は、薬剤それ自体、並びに薬学的に許容される、薬理学的に活性な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、抱合体、活性代謝物、異性体、断片、類似体などと同様にを含むことを理解すべきである。
【0027】
用語「生体適合性である」は、一般にレシピエントに対して一般に無毒性であり、および被験体に対して有意な有害作用を生じさせない材料およびその任意の代謝産物または分解産物をいう。
【0028】
本明細書に使用される用語「生物学的試料」とは、生物学的組織または液の試料を意味する。このような試料は、動物から単離された組織を含むが、限定されない。また、生物学的試料は、生検および剖検試料、組織学的目的のために採取した凍結切片、血液、血漿、血清、痰、糞便、涙、粘液、毛髪および皮膚などの組織の切片を含むことができる。また、生物学的試料は、外植体、並びに患者組織に由来する初代および/または形質転換された細胞培養を含む。生物学的試料は、動物から細胞の試料を取り除くことよって提供することができるが、以前に単離された細胞(たとえば、別の人よって、別の時間に、および/または別の目的のために単離された)を使用することよって、またはインビボにおいて本明細書において開示した方法を行うことよっても達成することができる。また、治療または結果歴を有するものなどの保存組織を使用することができる。
【0029】
本明細書に使用される用語「を含む」は、組成物および方法が詳述された要素を含むが、その他を除外しないことを意味することが意図される。「本質的になる」は、組成物および方法を定義するために使用されるときは、組み合わせに対して有意な任意の必須のその他の要素を除外することを意味するはずである。したがって、本明細書で定義される要素から本質的になる組成物は、単離および精製方法、並びにリン酸緩衝食塩水、保存剤および同様のものなどの薬学的に許容される担体からの微量混入物を除外しないだろう。「からなる」は、その他の成分の微量要素および本発明の組成物を投与するための実質的方法工程以外を除外することを意味するはずである。これらの移行用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0030】
「組成物」は、有益な生物学的効果を有する任意の薬剤をいう。有益な生物学的効果は、治療的有効性、たとえば障害またはその他の望ましくない生理的状態の治療および予防的効果、たとえば障害またはその他の望ましくない生理的状態の予防を含む。また、本用語は、
ベクター、ポリヌクレオチド、細胞、塩、エステル、アミド、プロ薬剤、活性代謝物、異性体、断片、類似体および同様のものを含むが、限定されない具体的に本明細書において言及した有益薬剤の薬学的に許容される、薬理学的に活性な誘導体を包含する。用語「組成物」が使用されるとき、次いで、または特定の組成物が具体的に同定されるとき、本用語は、組成物それ自体、並びに薬学的に許容される、薬理学的に活性なベクター、ポリヌクレオチド、塩、エステル、アミド、プロ薬剤、抱合体、活性代謝物、異性体、断片、類似体などを含むことを理解すべきである
【0031】
「対照」は、比較目的のために実験において使用される代替の被験体または試料である。対照は、「陽性」または「陰性」であることができる。用語「参照対照」は、一般的に被験体または研究集団(たとえば、健康対照)において検出されてレベルをいう。
【0032】
用語治療薬の「有効量」は、無毒であるが、所望の効果(たとえば、腫瘍サイズの減少、腫瘍の除去、予防もしくは転移の緩和、薬物耐性の逆転または抗癌剤に対して被験体を感作する)を提供する有益薬剤の十分な量を意味する。「有効である」有益薬剤の量は、被験体の年齢および一般的な状態、特定の有益な薬剤または薬剤類および同様のものに応じて被験体毎に変化するだろう。したがって、必ずしも正確な「有効量」を特定することは、できない。しかし、任意の被験体症例における適切な「有効な」量は、ルーチン試験を使用して当業者によって決定され得る。また、本明細書に使用され、および具体的に別途述べられない限り、有益の「有効量」は、また、治療的有効量および予防的有効量の両者を包含する量をいうことができる。治療効果を達成するために必要な薬物の「有効量」は、被験体の年齢、性交および重量などの要員に従って変化し得る。薬用量処方計画は、最適な治療応答を提供するように調整することができる。たとえば、いくつかの分割用量を毎日投与してもよく、または用量は、治療状況の緊急性よって示されるとおりに比例的に減少させてもよい。
【0033】
「減少」は、症候、疾患、組成物、状態または活性のより小さな量を生じる任意の変化をいうことができる。物質は、物質を伴う遺伝子産物の遺伝的結果が物質を伴わない遺伝子産物の結果に関してより少ないときに、遺伝子の遺伝的結果を減少させることが理解される。また、たとえば、減少は、症候が以前に観察されるより少ないような障害の症候における変化であることができる。減少は、統計的に有意な量における状態、症候、活性、組成物における任意の単位、中央値または平均の減少であることができる。したがって、減少は、減少が統計的に有意な限り、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%の減少であることができる。
【0034】
「抑制」、「抑制」および「阻害」は、活性、応答、状態、疾患またはその他の生物学的パラメーターを減少させることを意味する。これは、活性、応答、状態または疾患の完全な消失を含むが、限定されない。また、これは、たとえば天然または対照レベルと比較したときに活性、応答、状態または疾患における10%の減少を含み得る。したがって、減少は、天然または対照レベルと比較したときに10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%または間の任意の量の減少であることができる。
【0035】
発現の、または活性の「阻害剤」は、それぞれ記述された標的タンパク質、たとえばリガンド、アンタゴニストおよびこれらの相同体および擬態の発現または活性についてインビトロおよびインビボアッセイを使用して同定される阻害分子をいうために使用される。阻害剤は、たとえば記述した標的タンパク質、たとえばアンタゴニストの発現または結合を阻害する、刺激もしくはプロテアーゼ活性を部分的にもしくは完全に遮断する、減少する、予防する、活性化を遅延させる、不活性化する、感度を下げる、または活性をダウンレギュレートする薬剤である。潜在性阻害剤で処理した記述した標的タンパク質を含む試料またはアッセイでは、効果の程度を調べるために阻害剤を伴わない対照試料と比較される。対照試料には、100%の相対的活性値が割り当てられる。記述された標的タンパク質の阻害は、対照に対する活性値相対的が約80%、任意に50%または25、10%、5%または1%についてあるときに達成される。本明細書において記述したCCP阻害剤は、CCP経路に関与する一つまたは複数のその他の因子(たとえば、一つまたは複数の遺伝子、タンパク質、mRNA)のための阻害剤であることができることを理解すべきである。
【0036】
本明細書に使用される用語「核酸」は、ヌクレオチドで構成される重合体、たとえばデオキシリボヌクレオチド(DNA)またはリボヌクレオチド(RNA)を意味する。本明細書に使用される用語「リボヌクレイン酸」および「RNA」は、リボヌクレオチドで構成される重合体を意味する。本明細書に使用される用語「デオキシリボ核酸」および「DNA」は、デオキシリボヌクレオチドで構成される重合体を意味する。(「ポリヌクレオチド」および「ポリペプチド」と共に使用される。)
「薬学的に許容される」成分は、生物学的に、またはその他の望ましくなくないものでない成分をいうことができ、すなわち成分は、有意な望ましくない生物学的効果を生じさせることなく、またはそれが含まれる製剤のその他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用せずに本発明の医薬品製剤に組み込まれてもよい、および本明細書において記述したように被験体に投与してもよいことをいうことができる。ヒトに対する投与への言及において使用されるときに、本用語は、一般に成分が中毒学的および製造試験の必要とされる標準を満たしたこと、または米国食品医薬品局よって準備された不活性成分ガイド Iにそれが含まれることを意味する。
【0037】
「薬学的に許容される担体」(時には「担体」といわれる)は、一般に安全かつ無毒性である医薬的または治療的組成物を調製する際に有用である担体または賦形剤を意味し、および獣医学的および/またはヒト薬学的もしくは治療的使用のために許容される担体を含む。用語「担体」または「薬学的に許容される担体」は、リン酸緩衝食塩水溶液、水、エマルジョン(油/水または水/油乳剤など)および/または種々のタイプの湿潤薬を含むことができるが、限定されない。
【0038】
本明細書に使用される、用語「担体」は、任意の賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤、脂質、安定剤または医薬品製剤における使用のための当該技術分野において周知のその他材料を包含する。組成物における使用のための担体の選択は、組成物について意図される投与経路に依存するだろう。これらの材料を含む薬学的に許容される担体および製剤の調製は、たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences,21st Edition,ed.University of the Sciences in Philadelphia,Lippincott,Williams & Wilkins,Philadelphia,PA,2005に記述される。生理学的に許容される担体の例は、生理食塩水、グリセロール、DMSO、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、その他の有機酸との緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む単糖類、二糖およびその他の炭水化物;EDTAなどのキレート化剤;マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩-形成対イオン;および/またはTWEEN(登録商標)(ICI、Inc.; Bridgewater、ニュージャージー)、ポリエチレングリコール(PEG)およびPLURONICS(登録商標)(BASF; ニュージャージー州フロームパーク)などの非イオン性界面活性剤を含む。所望の治療的処理を提供するためのこのような用量の投与のためには、本明細書において開示される組成物は、担体または希釈剤を含む総組成物の重量に基づいて、対照組成物の一つまたは複数の号液の量によって約0.1%~99%の間の化合物を都合よく含むことができる。
【0039】
用語「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチド単量体で構成される一本鎖または二本鎖重合体をいう。
【0040】
用語「ポリペプチド」は、DまたはLアミノ酸の一本鎖またはペプチド結合よって連結されたDおよびLアミノ酸の混合物で構成される化合物をいう。
【0041】
用語「ペプチド」、「タンパク質」および「ポリペプチド」は、交換可能に使用され、
アミノ酸のカルボキシル基がもう一つのアルファアミノ基によって連結された2つ以上のアミノ酸を含む天然または合成の分子をいう。
【0042】
本明細書に使用される用語「増加する」または「増大」は、一般に統計学的に有意な量までの増大を意味し;任意の疑いの回避のために、「増加した」は、基準レベルと比較して、少なくとも10%の増大、たとえば少なくとも約20%の、または少なくとも約30%の、または少なくとも約40%の、または少なくとも約50%の、または少なくとも約60%の、または少なくとも約70%の、または少なくとも約80%の、または少なくとも約90%の、または少なくとも100%増大までのおよび含む、または10-100%の間の任意の増大、あるいは基準レベルと比較して少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍の、または少なくとも約10倍の増大、または2倍~10倍以上の間の任意の増大を意味する。
【0043】
本明細書に使用される用語「減少した」、「減少する」または「減少」は、一般に統計的に有意な量までの事象または特徴(たとえば、腫瘍成長)の低下または減少を意味する。しかし、疑いの回避のために、「減少した」は、基準レベルと比較して、少なくとも10%までの減少、たとえばたとえば少なくとも約20%の、または少なくとも約30%の、または少なくとも約40%の、または少なくとも約50%の、または少なくとも約60%の、または少なくとも約70%の、または少なくとも約80%の、または少なくとも約90%の、または少なくとも100%減少(すなわち、標準試料と比較して不存在レベル)までおよび含む、あるいは10-100%間の任意の減少を意味する。
【0044】
用語「被験体」は、霊長類(たとえば、ヒト)(ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスおよび同様のものを含むが限定されない、哺乳類などの動物を含むことが本明細書において定義される。いくつかの実施形態において、被験体は、ヒトである。用語「患者」は、臨床医(たとえば、医師)の治療下における被験体をいう。
【0045】
本明細書に使用される、用語被験体の「治療」または「治療」は、疾患もしくは障害または疾患もしくは障害の症候を治癒する、癒やす、緩和する、軽減する、変化させる、直す、寛解させる、改善する、安定させる、または影響を及ぼす目的で被験体に対する薬物の投与を含む。また、用語「治療」および「治療」は、症候の重症度および/または頻度の減少、症候および/または根底にある原因の除去、並びに損傷の改善または治療をいい得る。本発明に従った治療は、予防的に、予防法に、緩和に、または治療上的に適用されてもよい。予防療法は、発症の前に(たとえば、癌の明らかな徴候の前に)、早期発症の間(たとえば、癌の初期徴候および症候まで)または癌の確立された発症の後に被験体に投与される。
【0046】
「防止」または「予防すること」もしくは「予防」などの本語のその他の形態は、特定の事象または特徴を止める、安定させる、または特定の事象または特徴の発症もしくは進行を遅延させる、または特定の事象または特徴が生じるであろう可能性を最小限にすることを意味する。防止は、典型的には、たとえばそれが減少するよりも絶対的であるので、対照に対する比較を必要としない。本明細書に使用される、何かを減少させ、しかし予防することができないが、減少される何かも、予防することができ得る。同様に、何かを予防するが、減少することができないがし、予防される何かも、減少すれることができ得る。減少または防止が使用される場合、具体的に別途示されない限り、その他の語の使用も、白に開示したものと理解される。
【0047】
組成物(たとえば、薬剤を含む組成物)の「治療上有効な量」または「治療的に有効な用量」は、所望の治療上の結果を達成するのに有効である量をいう。いくつかの実施形態において、所望の治療上の結果は、癌の制御である。いくつかの実施形態において、所望の治療上の結果は、転移または癌の症候の制御である。所与の治療薬の治療上有効な量は、典型的には治療される障害または疾患のタイプおよび重症度、並びにび被験体の年齢、性別および重量などの要員に関して変化するであろう。また、本用語は、癌の除去または再発の予防などの所望の治療効果を容易にするのに有効な治療薬の量または治療薬の送達の割合(たとえば、時間にわたる量)をいい得る。正確な所望の治療効果は、治療される状態、被験体の寛容性、投与される薬剤および/または薬剤製剤(たとえば、治療薬の作用強度、製剤における薬剤の濃度および同様のもの)および当業者よって認識される種々のその他の要素の多様性に従って変化するであろう。いくつかの例において、所望の生物学的または医学的応答は、日、週または年にわたる被験体に対する組成物の複数の用量の投与の後に達成される。本
明細書に使用される用語「癌」は、異常な細胞の迅速および抑制されない成長よって特徴づけられる疾患として定義される。癌細胞は、局所的に、または血流およびリンパ系を介して体のその他の部分まで広がり得る。癌は、たとえば原発性腫瘍または転移性成長など、癌の異なる組織学タイプ、細胞型および異なるステージを含み得る。癌は、たとえば乳癌、胆管細胞癌、結腸直腸癌、子宮内膜症、食道癌、胃癌、拡散型胃癌、膵癌、腎臓癌腫、軟部組織腫瘍、精巣癌、強心剤:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平細胞、未分化細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌腫、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、非小細胞性肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌(SCLC);胃腸管系:食道(扁平細胞癌腫、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポシ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平細胞癌腫、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、テラトカルシノーマ、絨毛癌、肉腫、間細胞癌腫、線維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、複数の骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨性外骨腫(骨軟骨外骨腫症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽腫、膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、神経膠芽腫、神経膠芽腫多形、乏突起膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、髄膜腫、膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌腫)、頚部(子宮頚癌、前腫瘍子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌、卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類されていない癌腫]、果粒層腱鞘細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌腫、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胚性横紋筋肉腫]、卵管(癌腫); 血液学的:血液(顆粒球性白血病[急性および慢性的]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄形成異常性症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]、CML 皮膚:黒色腫、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポシ肉腫、ほくろ、形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬;および副腎:神経芽腫を含み得る。いくつかの実施形態において、癌は、非小細胞性肺癌(NSCLC)を含む。いくつかの実施形態において、癌は、療法に対して抵抗性である。いくつかの実施形態において、癌は、療法に対して抵抗性ではない。
【0048】
用語「癌細胞」および「腫瘍細胞」は、交換可能に使用され、癌または腫瘍から、または腫瘍株化細胞または腫瘍細胞培養に由来する細胞をいう。
【0049】
用語「原発性腫瘍」は、癌起源の部位にて成長する腫瘍をいう。
【0050】
用語「転移性腫瘍」は、癌起源の部位と異なる部位にて成長する続発性腫瘍をいう。
【0051】
癌を治療する組成物および方法
細胞周期の阻害剤は、癌の治療において有効であるが、多くの患者におけるこれらの使用は、耐性の発症よって妨げられる。単一の薬剤阻害剤の制限を克服するための方法には、我々の研究を基礎をなす対処されていない医学的需要がある。シャペロニン含有TCP1(CCT)、多サブユニットタンパク質折り畳み複合体は、多くの癌において高度に発現し、腫瘍タンパク質および変異した腫瘍サプレッサーと相互作用する。現在まで、CCTの複雑な多サブユニット性質は、ターゲットされた阻害剤の開発の挑戦であった。単一CCTサブユニット、CCT2を過剰発現させることは、乳癌細胞(たとえば、ルミナールA乳癌)における細胞サイクリングを増強するために十分であること、およびこれらの細胞が培養においてより大きな球状体を産生し、および侵襲性および転移性様の特徴を取得することを本明細書において示した。これらの細胞において、CCT2の発現がMYCおよびCCND1と相関されることは、シャペロニンがこれらの増殖シグナルのためのノードの交差点であることを示す。その上、CCT2は、癌性細胞において頻繁にゲノム増幅し、およびその他の癌遺伝子と関連するアンプリコンにおいて見いだされる。これらの所見は、まとめるとCCT2サブユニットが潜在的癌遺伝子であり得ることを支持し、その治療上ターゲティングは、CCND1およびMYCのような調節解除された細胞サイクリング因子を阻害し、および最前線の治療に対する耐性を獲得する患者に対する適用を有するだろう。一つの態様において、その必要のある被験体における癌および/または転移(たとえば、肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫または乳癌)を治療し、阻害し、低下させ、減少させ、寛解させ、および/または予防する方法であって、被験体にシャペロニン含有TCP1(CCT)阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む方法が、本明細書において開示される。
【0052】
本明細書において記述したCCT阻害剤は、CCT1阻害剤、CCT2阻害剤、CCT3阻害剤、CCT4阻害剤、CCT5阻害剤、CCT6阻害剤、CCT7阻害剤またはCCT8阻害剤であることができる。いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、CCT2阻害剤である。
【0053】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、小分子、抗体、ペプチド、ポリペプチド、低分子干渉RNA(siRNA)または短ヘアピンRNAを含む。いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、たとえばCRISPR-Cas9を含む、遺伝子編集システムである。
【0054】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、たとえばCT20pペプチドを含む、ペプチドである。CT20pペプチドは、当該技術分野において公知である。たとえば、米国特許出願公開第20170165318A1を参照し、その全体において本明細書において参照よって援用される。CT20ペプチドは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5または配列番号:6に対して少なくとも60%(たとえば、少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%)の配列にて同一性を有する配列番号:1-6の任意のバリアントあるいは上記のものの2つ以上の組み合わせ:を含んでいてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、治療処方計画のCT20ペプチドは、癌細胞内へのCT20ペプチドの送達のために適切なナノ粒子を経て送達してもよい。また、ナノ粒子は、ターゲティング部分の少なくとも一つのタイプ、たとえば癌細胞よって発現される受容体のためのリガンドを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、癌細胞よって発現される受容体は、EGF、HER2または葉酸塩受容体である。いくつかの実施形態において、CT20ペプチドは、癌細胞内へのCT20ペプチドの送達のために適切な内部移行ドメインに連結される。
【0056】
本明細書に使用される、「ナノ粒子」は、医薬品化合物、核酸、ペプチドまたはタンパク質を送達することができる任意のナノ構造をいい得る。ナノ粒子は、天然または合成的に由来してもよい。いくつかの態様において、「ナノ粒子」は、血漿ベシクル粒子、リポソーム、エキソーム、タンパク質に基づいた粒子、アルブミン粒子、核酸に基づいた粒子、天然重合体、合成重合体、ヒドロゲル、デンドリマー、ケイ素に基づいた材料、金属に基づいた材料、炭素に基づいた材料、カルシウムに基づいた材料または上記のもののいずれかの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるナノ粒子は、米国特許第11,129,868号において開示され、その全体が本明細書において参照よって組み込まれる。
【0057】
ある態様において、ナノ粒子は、超分枝ポリエステル重合体のナノ粒子である。ある態様において、ナノ粒子は、重合体ナノ粒子である。ある態様において、ナノ粒子は、ターゲティング部分を含むことができる。ある態様において、ターゲティング部分は、ターゲティングリガンドを含むことができる。ある態様において、ターゲティングリガンドは、癌細胞よって発現される受容体のためのものであることができる。ある態様において、癌細胞よって発現される受容体は、EGF、HER2または葉酸塩受容体であることができる。ある態様において、癌細胞よって発現される受容体は、癌細胞よって発現されることが当業者に公知の任意の受容体であることができる。いくつかの実施形態において、受容体は。大腸癌細胞、前立腺癌細胞、肺癌細胞、肝癌細胞および/または乳癌細胞よって発現されることが公知であってもよい。
【0058】
ある態様において、ターゲティングリガンドは、葉酸化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、グルタマート化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、ポリグルタミン酸化された葉酸化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、グルタマートアジド尿素である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、葉酸アジド尿素である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、グルタマートアジド尿素である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、二機能性グルタマート-葉酸ハイブリダイズされた化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、高比重である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、低比重である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、高原子価である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、低原子価である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、固体腫瘍特異的細胞タンパク質のための基質である。
【0059】
いくつかの実施例において、本明細書において開示される方法は、さらに被験体に細胞周期阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、CCND1阻害剤、CDK2阻害剤またはCDK4阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、CDK4阻害剤である。CDK4阻害剤は、たとえば、パルボシクリブ、リボシクリブまたはアベマシクリブ含む。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、ラボピリドール、インジスラム、AZD5438、SNS-032、ブリオスタチン-1、セリシクリブ、PD 0332991およびSCH 727965からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に使用される細胞周期阻害剤は、フラボピリドール、SNS-032、AT7519、ジナシクリブ、パルボシクリブおよびP276-00からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、ビンクリスチン、パクリタキセルまたはCYT997である。
【0060】
いくつかの実施形態において、本明細書において記述した方法は、たとえばルミナールA乳癌、ルミナールB乳癌、エストロゲン受容体(ER)-プロゲステロン受容体(PR)HER2+乳癌またはトリプルネガティブ乳癌 を含む乳癌を治療することに対して有効である。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書において記述した方法は、小児癌を治療するのに有効である。いくつかの実施形態において、小児癌は、神経芽腫、腎明細胞肉腫(CCSK)、ウィルムス腫瘍、腎ラブドイド腫瘍(RTK)、横紋筋肉腫または脈絡叢癌である。
【0062】
いくつかの実施形態において、被験体から得られる癌細胞は、参照対照と相対的にMYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCNE1、CCND1、YAP1およびRB1相対的からなる群から選択される腫瘍生物マーカーの一つまたは複数の増加したレベルを有する。いくつかの実施形態において、被験体から得られた癌細胞は、参照対照と相対的にMYC(UniProtKB/Swiss-Prot:P01106)、MYCN(UniProtKB/Swiss-Prot:P04198)、CDK2(UniProtKB/Swiss-Prot:P24941)、CDK4(UniProtKB/Swiss-Prot:P11802)、CCNE1(UniProtKB/Swiss-Prot:P24864)、CCND1(UniProtKB/Swiss-Prot:P24385)、YAP1(UniProtKB/Swiss-Prot:P46937)、およびRB1、(UniProtKB/Swiss-Prot:P06400)からなる群より選択される一つまたは複数の腫瘍生物マーカーの増加したレベルを有する。いくつかの実施形態において、参照対照は、非癌細胞または健康な対照から得られる細胞である。
【0063】
また、その必要のある被験体において薬物抵抗性癌および/または転移(たとえば、本明細書において開示される肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫、乳癌または小児癌)を治療し、阻害し、低下させ、減少させ、寛解させ、および/または予防する方法であって、被験体にシャペロニン含有TCP1(CCT)阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む方法が、本明細書において開示される。
【0064】
一つの例において、薬物抵抗性癌は、細胞周期阻害剤に対して抵抗性である一つの例において、薬物抵抗性癌は、CDK4阻害剤に対して抵抗性である。一つの例において、薬剤耐性癌または転移は、化学療法に対して耐性である。
【0065】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤の投与は、細胞周期阻害剤および/または化学療法に対する癌の感度を高める。薬物に対する「無感覚」または「耐性」は、薬物が増殖阻害および/または細胞(たとえば、癌細胞)の死を生じさせないことを意味するが、限定されない。
【0066】
したがって、いくつかの態様において、サイクル阻害剤および/または化学療法に対して被験体を感作する方法であって、被験体にCCT阻害剤の治療上有効な量を投与することを含み、被験体がサイクル阻害剤および/または化学療法に非反応性である前記方法が、本明細書において開示される。たとえば、細胞周期阻害剤または化学療法薬剤の伝統的に推奨される用量は、X量における腫瘍サイズまたは腫瘍細胞数を減少させることができる場合、CCT阻害剤および細胞周期阻害剤または化学療法薬剤の組み合わせは、腫瘍サイズまたは腫瘍細胞数を約10%、20%、50%、80%、100%、2倍、4倍、10倍、50倍、100倍または1000倍またはそれ以上の量において減少させることができる。
【0067】
本明細書において記述したCCT阻害剤は、CCT1阻害剤、CCT2阻害剤、CCT3阻害剤、CCT4阻害剤、CCT5阻害剤、CCT6阻害剤、CCT7阻害剤またはCCT8阻害剤であることができる。いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、CCT2阻害剤である。
【0068】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、小分子、抗体、ペプチド、ポリペプチド、低分子干渉RNA(siRNA)または短ヘアピンRNAを含む。いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、たとえばCRISPR-Cas9を含む遺伝子編集システムを含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、たとえばCT20pペプチドを含むペプチドを含むCT20pペプチドは、当該技術分野において公知である。たとえば、米国特許出願公開第20170165318A1を参照され、その全体が本明細書において参照よって組み込まれる。
【0070】
いくつかの実施例において、本明細書において開示される方法は、さらに被験体に細胞周期阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む。
いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、CCND1阻害剤、CDK2阻害剤またはCDK4害剤を含む。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、CDK4阻害剤である。CDK4阻害剤は、たとえばパルボシクリブ、リボシクリブまたはアベマシクリブ含む。
【0071】
癌の発症のタイミングは、たいてい予測することができないので、癌を治療して、予防して、減少させ、および/または阻害する開示された方法は、癌の発症の前に、または癌の発症後の任意のときに実施することができることを理解すべきである。一つの態様において、開示された方法は、癌の発症より前30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2年、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2月、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3日、60、48、36、30、24、18、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2時間、60、45、30、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1分;または癌の発症後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75、90、105、120分、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、18、24、30、36、48、60時間、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、45、60、90またはそれ以上の日、4、5、6、7、8、9、10、11、12月、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30またはそれ以上の年に使用することができる
一つの態様において、被験体における癌の良好な治療が重要であり、およびそうすることには、さらなる治療の投与を含んでいてもよいことが理解され、および本明細書において想定される。したがって、本明細書において開示されるCCT阻害剤を使用する開示された治療は、アベマシクリブ、アビラテロン酢酸塩、アビトレキセート(メトトレキセート)、アブラキサン(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、アドセトリス(ブレンツキシマブ ヴェドチン)、ADE、アドトラスツズマブ エムタンシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩)、アファチニブジマレイン酸塩、アフィニトール(エベロリムス)、アキンゼオ(ネツピタントとパロノセトロン塩酸塩)、アキンゼオ(イミキモド)、アルデスルーキン、アレセンサ(アレクチニブ)、アレクチニブ、アレムツヅマブ、アリムタ(ペメトレキセド二ナトリウム)、アリコパ(コパンリシブ塩酸塩)、アルケラン注射用(メルファラン塩酸塩)、アルケラン錠(メルファラン)、アロキシ(パロノセトロン塩酸塩)、アルンブリグ(ブリガチニブ)、アンボクロリン(クロランビュシル)、アンボクロリン(クロランビュシル)、アミホスチン、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタント、アレディア(パミドロネート二ナトリウム)、アリミデックス(アナストロゾール)、アロマシン(エキセメスタン)、アラノン(ネララビン)、三酸化ヒ素、アルゼラ(オファツムマブ)、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ、アテゾリズマブ、アバスチン(ベバシズマブ)、アベルマブ、アキシチニブ、アザシチジン、バベンシオ(アベルマブ)、BEACOPP、ベセヌム(カルムスチン)、ベレオダク(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、BEP、ベスポンサ(イノツズマブオゾガミシン)、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビクサー(トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ)、ビカルタミド、BiCNU(カルムスチン)、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ブリンツト(ブリナツモマブ)、ボルテゾミブ、ボスリフ(ボスチニブ)、ボスチニブ、ブレントキシマブベドチン、ブリガチニブ、BuMel、ブスルファン、ブスルフェックス(ブスルファン)、カバジタキセル、カボメティックス(カボザンチニブ-S-マレイン酸塩)、カボザンチニブ-S-マレイン酸塩、CAF、カンパス(アレムツズマブ)、カンプトサール(イリノテカン塩酸塩)、カペシタビン、CAPOX、カラク(フルオロウラシル局所)、カルボプラチン、カルボプラチン-タキソール、カーフィルゾミブ、カルムブミス(カルムスチン)、カルムスチン、カルムスチン移植錠、カソデックス[(ビカルタミド)、カルマスチン、カスポジン(カスポジュム)、カスポファンギン、カスポファンギンアセチル)、カスポファンギンアセチル)、カチンガ、カチンガマ(カチンガマ)、カトプリル、キャンプトサール(イリノテカン塩酸塩)、キムリア(タチンゲルルクセル)、キムリア(タチンゲルルクセル)、クレマシン(ビンクリスチン硫酸塩)、クレマフォーゼンシノトキシンAb、クレビキン(クレマフォーゼンシノトキシンAb)、クレビン(ビンブラスチン硫酸塩)、クレビン)、クリストデックス(デキサメタゾン)、クリストデックス(デキサメタゾン)、クリスビン(ビンブラスチン硫酸塩)、クリスビン(ビンブラスチン硫酸塩)、クリソタイル(アスベスト)、クリソタイル(アスベスト)、クリトリムシン(クリンダマイシン)、クリトリムシン(クリンダマイシン)、クリトリムシン)、クリノビン(ビンデシン硫酸塩)、クリノビン(ビンデシン硫酸塩)、クリビオン(リボビリン)、クリビオン(リボビリン)、クリビン(ビンデシン硫酸塩)、クリビン(ビンデシン硫酸塩)、クロスビン(ビンデシン硫酸塩)、クロスビン(ビンデシン硫酸塩)、クロルビシン(クロラムブシル)、CEM、セリチニブ、セルビジン(ダウノルビシン塩酸塩)、サーバリックス(組換えHPV 二価ワクチン)、セツキシマブ、CEV、クロランビュシル、クロランビュシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン、クラドリビン、クラフェン(シクロホスファミド)、クロファラビン、クロファレクス(クロファラビン)、クロラール(クロファラビン)、CMF、コビメチニブ、コメトリク(カボザンチブ-s-マラート)、コパンリシブ塩酸塩、COPDAC、COPP、COPP-ABV、コスメゲン(ダクチノマイシン)、コレリック(コビメチニブ)、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、サイフォス(イホスファミド)、シラムザ(ラムシルマブ)、シタラビン、シタラビンリポソーム、サイトサール-U(シタラビン)、サイトキサン(シクロホスファミド)、ダブラファニブ、ダカルバジン、ダコゲン(デシタビン)、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルザレックス(ダラツムマブ)、ダサチニブ、ダサチニブ塩酸塩、ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム、デシタビン、デフィブロチドナトリウム、デフィテリオ(デフィブロチドナトリウム)、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デポサイト(シタラビンリポソーム)、デキサメタゾン、デクスラゾキサン塩酸塩、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソームe)、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、Dox-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-ドーム(ダカルバジン)、デュルバルマブ、エフデクス(フルオロウラシル局所)、エリテック(ラスブリケース)、エレンス(エピルビシン塩酸塩)、エロツズマブ、エロキサチン(オキサリプラチン)、エルトロンボパグオラミン、エメド(アプレピタント)、エンプリシチ(エロツズマブ)、エナシデニブメシル酸塩、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、エルビタクス(セツキシマブ)、エリブリン メシル酸塩、エリベッジ(ビスモデジブ)、エルロチニブ塩酸塩、エルウィナゼ(アスパラギナーゼエルウィニアクリサンセミ)、エチオール(アミホスチン)、エポトフォス(エトポシドリン酸塩)、エトポシド、エトポシリン酸塩、エヴバセト(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、エベロリムス、エビスタ(ラロキシフェン塩酸塩)エボメラ(メルファラン塩酸塩)、エキセメスタン、5-FU(フルオロウラシル注射剤)、5-FU(フルオロウラシル 局所)、ファレストン(トレミフェン)、ファリダック(パノビノスタット)、ファスノデクス(フルベストラント)、FEC、フェメラ(レトロゾール)、フィルグラスチム、フルダラ(フルダラビンリン酸塩)、フルダラビンリンリン酸塩、フルロプレクス(フルオロウラシル 局所)、フルオロウラシル注射剤(フルオロウラシル)-局所、フルタミド、フォレクス(メトトレキサート)、フォレクスPFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、フォロチン(プララトレキサート)、FU-LV、フルベストラント、ガーダシル(組換えHPV四価ワクチン)、ガーダシル9(組換えHPV九価ワクチン)、ガジバ(オビヌツズマブ)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゲムツズマブオゾガミシン、ガムザール(ゲムシタビン塩酸塩)、ジロトリフ(アファチニブ二マレイン酸塩)、グリベック(イマチニブメシル酸塩)、グリアデル(カルムスチン植込錠)、グリアデルウエハ(カルムスチン植込錠)、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、ハラヴェン(エリブリンメシル酸塩)、ヘマンジオール(プロプラノロール塩酸塩)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、HPV二価ワクチン、組換え、HPV九価ワクチン、組換え、HPV 四価ワクチン、組換え、ハイカムチン(トポテカン塩酸塩)、ハイドレア(ヒドロキシ尿素)、ヒドロキシ尿素、ハイパー-CVAD、イブランス(パルボシクリブ)、イブリツモマブツリキセタン、イブリツニブ、ICE、イクルシグ(ポナチニブ塩酸塩)、ダマイシン(イダルビシン塩酸塩)、イダルビシン塩酸塩、イデラリシブ、イジファ(エナシデニブメシル酸塩)、イフェックス(イホスファミド)、イホスファミド、イホスファミジウム(イホスファミド)、IL-2(アルデスロイキン)、イマチニブメシル酸塩、イムブルビカ(イブリチニブ)、イムフィンジ(ジュバルマブ)、イミキモド、イムリジク(タリモジンラヘルパレプベク)、インライタ(アキシチニブ)、イノツズマブオゾガマイシン、インターフェロンアルファ-2b、組換え、インターロイキン-2(アルデスロイキン)、イントロンA(組換え、インターフェロンアルファ-2b)、ヨウ素I131トシツモマブおよびトシツモマブ(イピリムマブ)イレッサ(ゲフィチニブ)、イリノテカン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩リポソーム、イストダックス(ロミデプシン)、イキサベピロン、イクサゾミブクエン酸塩、イグゼンプラ(イクサベピロン)、ジャカフィ(ルキソリチニブリン酸塩)、JEB、ジェブタナ(キャベジタキセル)、カドシラ(アド・トラスツズマブ・エムタンシン)、ケオキシフェン(ラロキシフェン塩酸塩)、ケピバンス(パリフェルミン)、キートルーダ(パムブロリツマブ)、キスカリ(リボシクリブ)、キムリア(チサゲンレクロイセル)、キプロリス(カーフィルゾミブ)、ランレオチド酢酸塩、ラパチニブジトシレート、ラルトルボ(オララツマブ)、レナリドミド、レンバチニブメシル酸塩、レンビマ(レンバチニブメシル酸塩)、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、ルーカラン(クロランブシル)、ルプロリド酢酸塩、 ロイスタチン(クラドリビン)、レブラン(アミノレブリン酸)、リンフォリジン(クロランブシル)、リポドックス(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ロムスチン、ロンサーフ(トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩)、リュープロン(ロイプロリド酢酸塩)、リュープロンデポー(ロイプロリド酢酸塩)、リュープロンデポー-ペド(ロイプロリド酢酸塩)、リンパーザ(オラパリブ)、マルキボ(ビンクリスチン硫酸塩リポソームe)、マチュラン(プロカルバジン塩酸塩)、メクロレタミン塩酸塩、メゲストロール酢酸塩、メキニスト(トラメチニブ)、メルファラン、メルファラン塩酸塩、メルカプトプリン、メスナ、メスネクス(メスナ)、メタゾラストン(テモゾロマイド)、メトトレキセート、メトトレキセートLPF(メトトレキサート)、メチルナルトレキソンブロミド、メキサート(メトトレキサート)、メキサート-AQ(メトトレキサート)、ミドスタウリン、マイトマイシンC、マイトマイシン塩酸塩、マイトジトレックス(マイトマイシンC)、MOPP、モゾビル(プレリキサホル)、マスタージェン(メクロレタミン塩酸塩)、ミュータマイシン(マイトマイシンC)、マイルラン(ブスルファン)、マイロサール(アザシチジン)、マイロターグ(ゲムトゥズマブオゾガミシン)、ナノ粒子パクリタキセル(アルブミン安定化パクリタキセルナノ粒子製剤)、ナベルビン(ビノレルビン酒石酸塩)、ネシツムマブ、ネララビン、ネオサール(シクロホスファミド)、ネラチニブマレイン酸塩、ネルリンクス(ネラチニブマレイン酸塩)、ネツピタントおよびパロノセトロン塩酸塩、ニューレスタ(ペグフィルグラスチム)、ニューポジェン(フィルグラスチム)、ネクサバール(ソラフェニブトシラート)、ニランドロン(ニルタミド)、 ニロチニブ、ニルタミド、ニンラロ(イクサゾミブクエン酸塩)、ニラパミブトシレラート一水和物、ニボルマブ、ノルバデックス(タモキシフェンクエン酸塩)、エヌプレート(ロミプロスチム)、オビヌツズマブ、オデモ(ソニジェジブ)、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシンメペスシナート、オンカスパール(ペグアスパルガーゼ)、オンダンセトロン塩酸塩、オニバイド(イリノテカン塩酸塩リポソーム)、オンタック(デニロイキンジフチトクス)、オプディボ(ニボルマブ)、OPPA、
オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩およびネツピタント、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、パラプラット(カルボプラチン)、パラプラチン(カルボプラチン)、パゾパニブ塩酸塩、PCV、PEB、 ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ-2b、PEG-イントロン(ペグインターフェロンアルファ-2b)、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、ペルジェタ(ペルツズマブ)、ペルツズマブ、プラチノール(シスプラチン)、プラチノール-AQ(シスプラチン)、プレリキサホル、ポマリドミド、ポマリスト(ポマリドミド)、ポナチニブ塩酸塩、ポートラッザ(ネシツムマブ)、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、プロルーキン(アルデスロイキン)、プロリア(デノスマブ)、プロマクタ(エルトロンボパグオラミン)、プロプラノロール塩酸塩、プロベンジ(シプロイセルT[)、プリナソール(メルカプトプリン)、プリキサン(メルカプトプリン)、ラジウム223ジクロライド、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、R-CHOP、R-CVP、組換えヒト乳頭腫ウイルス(HPV)二価ワクチン、組換えヒト乳頭腫ウイルス(HPV)九価ワクチン、組換えヒト乳頭腫ウイルス(HPV)四価ワクチン、組換えインターフェロンアルファ-2b、レゴラフェニブ、レリストール(メチルナルトレキソンブロマイド)、R-EPOCH、レブリミド(レナリドマイド)、リウマトレックス(メトトレキサート)、リボシクリブ、R-ICE、リツキサン(リツキシマブ)、リツキサンハイセラ(リツキシマブおよびヒアルロニダーゼヒト)、リツキシマブ、リツキシマブおよびヒアルロニダーゼヒト、ロラピタンント塩酸塩、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、ルブラカ(ルカパリブスルホン酸塩)、ルカパリブスルホン酸塩、ルキソルチニブ リン酸塩、ライダプト(ミドスタウリン)、スクレロソル胸膜内エアロゾル(タルク)、シルツキシマブ、シプロイセルT、ソマツリンデポー(ランレオチド酢酸塩)、ソニデジブ、ソラフェニブトシラート、スプリセル(ダサチニブ)、STANFORD V、無菌タルク粉末(タルク)、ステリタルク(タルク)、ストリバルガ(レゴラフェニブ)、スニチニブリンゴ酸塩、スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)、サイラトロン(ペグインターフェロンアルファ-2b)、シルバント(シルツキシマブ)、シンリボ(オマセタキシンメペスクシン酸塩)、タブロイド(チオグアニン)、TAC、タフィンラー(デラフェニブ)、タグリッソ(オシメルチニブ)、タルク、タリモジェンラフェルパレベク、タモキシフェンクエン酸塩、タラビンPFS(シタラビン)、タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)、ターグレチン(ベキサロテン)、タシグナ(ニロチニブ)、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、テセントリク(アテゾリズマブ)、テモダール(テモゾロマイド)、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、サロミッド(サリドマイド)、チオグアニン、チオテパ、チサゲンレクロイセル、トラク(フルオロウラシル局所)、トポテカン塩酸塩、 トレミフェン、トリセル(テムシロリムス)、トシツモマブおよびヨウ素I131 トシツモマブ、トテクト(デクスラゾキサン塩酸塩)、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トレンダ(ベンダムスチン塩酸塩)、トリフルリジンおよびティピラシル塩酸塩、トリセノックス(ヒ素トリセノックス)、タイケルブ(ラパチニブジトシラート)、ユニツキシン(ジヌツキシマブ)、ウリジ三酢酸塩、VAC、バンデタニブ、VAMP、バルビ(ロラピタンント塩酸塩)、ベクチビックス(パニツムマブ)、VeIP、ベルバン(ビンブラスチン硫酸塩)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ベルサー(ビンブラスチン硫酸塩)、ベムラフェニブ、ベンクレクスタ(ベネトクラックス)、ベネトクラックス、バーゼニオ(アベマシクリブ)、びじゅーるい(ロイプロリド酢酸塩)、ビダザ(アザシチジン)、ビンブラスチン硫酸塩、ンカサール PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、VIP、ビスモデジブ、ビストガード(ウリジン三酢酸塩)、ボラキサゼ(グルカルピダーゼ)、ボリノスタット、ボトリエント(パゾパニブ塩酸塩)、バイゼオス(ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム)、ウェルコボリン(ロイコボリンカルシウム)、キサコリ(クリゾチニブ)、ゼローダ(カペシタビン)、XELIRI、XELOX、ジェバ(デノスマブ)、ゾフィゴ(ラジウム223ジクロライド)、エクスタンジ(エンザスタウリン)、エルヴォイ(イピリムマブ)、ヨンデリス(トラベクテジン)、ザルトラップ(ジフ-アフリベルセプト)、ザルキソ(フィルグラスチム)、ゼジュラ(ニラパリブトシラート一水和物)、ゼルボラフ(ゼムラフェニブ)、ゼバリン(イブリツモマブチウキセタン)、ジネカード(デクスラゾキサン塩酸塩)、ジフ-アフリベルセプト、ゾフラン(オンダンセトロン塩酸塩)、ゾラデックス(ゴセレリン酢酸塩)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)、ゾメタ(ゾレドロン酸)、ザイデリグ(イデラリシブ)、ザイカディア(セリチニブ)および/またはザイチガ(アビラテロン酢酸塩)を含むが、限定されない当該技術分野において公知の任意の抗癌療法をさらに含むことができる。EGFRスプライスバリアントイソ型が検出されない場合、治療方法は、PD-1(ニボルマブ(BMS-936558またはMDX1106)、CT-011、MK-3475)、PD-L1(MDX-1105(BMS-936559)、MPDL3280AまたはMSB0010718C)、PD-L2(rHIgM12B7)、CTLA-4(イピリムマブ(MDX-010)、トレメミムマブ(CP-675,206))、IDO、B7-H3(MGA271)、B7-H4、TIM3、LAG-3(BMS-986016)遮断する抗体を含むが限定されないチェックポイント阻害剤を含むこと、またはさらに含むことができる。
【0072】
この出願の全体にわたって記述したとおり、本明細書に記述した方法およびCCT阻害剤は、単独で、または養子免疫治療(たとえば、CAR T細胞、CAR NK細胞、TILおよびMIL免疫療法)、セルサイクル阻害剤(たとえば、CCND1阻害剤、CDK2阻害剤および/またはCDK4阻害剤)または本明細書において開示された任意のその他の抗癌療法と組み合わせて癌(たとえば、肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫または乳癌を含むが、限定されない)などの抑制されていない細胞の増殖が生じる任意の疾患を治療して、阻害し、減少させ、寛解させ、および/または予防するために使用することができる。開示された組成物を治療に使用することができる癌の代表的であるが、非限定的な一覧は、以下である:リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、ホジキン病、顆粒球性白血病、膀胱癌、脳癌、神経系癌、頭頸部癌、頸部扁平上皮癌腫、小細胞肺癌および非小細胞性肺癌などの肺癌、神経芽腫/神経膠芽腫、卵巣癌、皮膚癌、肝癌、黒色腫、口の扁平細胞癌腫、咽喉、喉頭および肺、子宮頸癌、頚部の癌腫、乳癌および上皮癌、腎癌、精巣癌(、肺癌、食道癌、頭頸部癌腫、大腸癌、血液癌;、精巣癌;大腸癌、直腸ガン、前立腺癌または膵癌。いくつかの実施形態において、本明細書において記述した方法は、たとえばルミナールA乳癌、ルミナールB乳癌、エストロゲン受容体(ER)-プロゲステロン受容体(PR)HER2+乳癌またはトリプルネガティブ乳癌を含む乳癌を治療することに対して有効である。
【0073】
癌の診断
CCT(たとえば、CCT2)の発現は、これらの癌に侵襲性および転移性様の挙動を得させし、およびMYCのように癌進行と関連するその他の癌遺伝子を発現し始める。結果は、治療のために患者の結果をモニターし、および薬物耐性の発症を予測するための癌のための生物マーカーとしてCCT2を使用する。
【0074】
したがって、被験体が癌を有すると診断する方法でであって、a)参照対照と相対的にシャペロニン含有TCP1(CCT)のレベルを定量化すること;b)CCTのレベルが参照対照より高い(たとえば、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%より高い)ときに、被験体が癌を有すると決定すること;および、c)CCTのレベルが参照対照より低い(1%、5%、10%、15%、20%(25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%より低い)ときに、被験体が癌を有さないと決定することを含む方法が、本明細書においてまた開示される。
【0075】
いくつかの実施形態において、本方法は、被験体にCCT阻害剤の治療上有効な量を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、CCT阻害剤の投与は、細胞周期阻害剤および/または化学療法に癌の感度を高める。
【0076】
したがって、いくつかの態様において、サイクル阻害剤および/または化学療法に対する被験体の応答性を感作する方法であって、CCT阻害剤の治療上有効な量を被験体に投与することを含み、被験体は、サイクル阻害剤または化学療法に対して非反応性である、前記方法が本明細書において開示される。
【0077】
本明細書において記述したCCT阻害剤は、CCT1阻害剤、CCT2阻害剤、CCT3阻害剤、CCT4阻害剤、CCT5阻害剤、CCT6阻害剤、CCT7阻害剤またはCCT8阻害剤であることができる。いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、CCT2阻害剤である。
【0078】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、小分子、抗体、ペプチド、ポリペプチド、低分子干渉RNA(siRNA)または短ヘアピンRNAを含む。 いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、たとえばCRISPR-Cas9を含む、遺伝子編集システムである。
【0079】
いくつかの実施形態において、CCT阻害剤は、たとえばCT20pペプチドを含む、ペプチドである。CT20pペプチドは、当該技術分野において公知である。たとえば、米国特許出願公開第20170165318A1を参照し、その全体において本明細書において参照よって援用される。CT20ペプチドは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5または配列番号:6に対して少なくとも60%(たとえば、少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%)の配列にて同一性を有する配列番号:1-6の任意のバリアントあるいは上記のものの2つ以上の組み合わせ:を含んでいてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、治療処方計画のCT20ペプチドは、癌細胞内へのCT20ペプチドの送達のために適切なナノ粒子を経て送達してもよい。また、ナノ粒子は、ターゲティング部分の少なくとも一つのタイプ、たとえば癌細胞よって発現される受容体のためのリガンドを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、癌細胞よって発現される受容体は、EGF、HER2または葉酸塩受容体である。いくつかの実施形態において、CT20ペプチドは、癌細胞内へのCT20ペプチドの送達のために適切な内部移行ドメインに連結される。
【0081】
本明細書に使用される、「ナノ粒子」は、医薬品化合物、核酸、ペプチドまたはタンパク質を送達することができる任意のナノ構造をいい得る。ナノ粒子は、天然または合成的に由来してもよい。いくつかの態様において、「ナノ粒子」は、血漿ベシクル粒子、リポソーム、エキソーム、タンパク質に基づいた粒子、アルブミン粒子、核酸に基づいた粒子、天然重合体、合成重合体、ヒドロゲル、デンドリマー、ケイ素に基づいた材料、金属に基づいた材料、炭素に基づいた材料、カルシウムに基づいた材料または上記のもののいずれかの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるナノ粒子は、米国特許第11,129,868号において開示され、その全体が本明細書において参照よって組み込まれる。
【0082】
ある態様において、ナノ粒子は、超分枝ポリエステル重合体のナノ粒子である。ある態様において、ナノ粒子は、重合体ナノ粒子である。ある態様において、ナノ粒子は、ターゲティング部分を含むことができる。ある態様において、ターゲティング部分は、ターゲティングリガンドを含むことができる。ある態様において、ターゲティングリガンドは、癌細胞よって発現される受容体のためのものであることができる。ある態様において、癌細胞よって発現される受容体は、EGF、HER2または葉酸塩受容体であることができる。ある態様において、癌細胞よって発現される受容体は、癌細胞よって発現されることが当業者に公知の任意の受容体であることができる。いくつかの実施形態において、受容体は。大腸癌細胞、前立腺癌細胞、肺癌細胞、肝癌細胞および/または乳癌細胞よって発現されることが公知であってもよい。
【0083】
ある態様において、ターゲティングリガンドは、葉酸化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、グルタマート化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、ポリグルタミン酸化された葉酸化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、グルタマートアジド尿素である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、葉酸アジド尿素である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、グルタマートアジド尿素である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、二機能性グルタマート-葉酸ハイブリダイズされた化合物である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、高比重である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、低比重である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、高原子価である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、低原子価である。ある態様において、ターゲティングリガンドは、固体腫瘍特異的細胞タンパク質のための基質である。
【0084】
いくつかの実施例において、本明細書において開示される方法は、さらに被験体に細胞周期阻害剤の治療上有効な量を投与することを含む。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、CCND1阻害剤、CDK2阻害剤またはCDK4阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、細胞周期阻害剤は、CDK4阻害剤である。CDK4阻害剤は、たとえば、パルボシクリブ、リボシクリブまたはアベマシクリブ含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、被験体は、成人である。いくつかの実施形態において、被験体は、小児である。
【0086】
いくつかの実施形態において、癌は、転移性癌である。いくつかの実施形態において、癌は、肉腫、膠腫、黒色腫、リンパ腫または乳癌である。いくつかの実施形態において、癌は、小児癌である。いくつかの実施形態において、小児癌は、神経芽腫、腎明細胞肉腫(CCSK)、ウィルムス腫瘍、腎ラブドイド腫瘍(RTK)、横紋筋肉腫または脈絡叢癌である。いくつかの実施形態において、被験体から得られる癌細胞は、参照対照と相対的にMYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCNE1、CCND1、YAP1およびRB1相対的からなる群から選択される腫瘍生物マーカーの一つまたは複数の増加したレベルを有する。
【0087】
いくつかの実施形態において、本明細書において記述した方法は、たとえばルミナールA乳癌、ルミナールB乳癌、エストロゲン受容体(ER)-プロゲステロン受容体(PR)HER2+乳癌またはトリプルネガティブ乳癌を含む乳癌を治療することに対して有効である。
【実施例】
【0088】
別途定義されない限り、本明細書に使用される全ての専門的および科学的用語は、開示した発明が属する技術における当業者によって一般に理解するのと同じ意味を有する。本明細書において引用される刊行物およびこれらが引用するものは、具体的に参照により援用される。
【0089】
当業者は、さらなるルーチン試験を使用することなく、本明細書において記述した発明の具体的実施形態に対して多くの均等物を認識し、または確認することができるだろう。本発明は、詳細な実施形態および実施実施形態に関して記述されている一方、種々の変更およびさらなる変化を行ってもよいこと、および均等物は、本発明またはその発明の概念の要旨を逸脱しない範囲でその要素を置換してもよいことが理解されるであろう。加えて、その必須範囲を逸脱しない範囲で本発明の教示に対して特定の状況または装置を適応するために、多くの改変をなしてもよい。このような等価物は、以下特許請求の範囲によって包含されることが意図される。本発明は、本明細書において開示される特定の実施実施形態にない限定されないが、本発明は、添付の特許請求の範囲内入る全ての実施実施形態を含むであろうことが意図される。
【0090】
実施例1:導入
遺伝子変化は、抑制されていない増殖、特に細胞周期相-特にギャップ1(G1)相から合成(S)相移行を調節解除するものから生じる悪性形質転換をサポートする。したがって、癌増殖経路を治療的にターゲットすることは、有意な関心対象のものである。細胞周期は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、サイクリンおよびp21またはp27などの阻害剤、並びにタンパク質分解経路によって厳密に調節されて細胞進行をG1期からS期を介し、ギャップ2(G2)相、次いで有糸分裂および細胞質分裂に駆動する。G1からSへの移行は、網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)およびヒストン脱アセチル化酵素の活性の制御を介して重要なチェックポイントとしての機能し、これがE2因子(E2F)を介して転写を制御する。乳癌においては、その他の癌と同様に、G1/S移行の調節解除により、チェックイントを迂回することによって抑制されていないSへの移行を生じる。通常、有糸分裂のシグナルがサイクリンDの発現を駆動し、これがG1キナーゼ、CDK4/6に会合し、Rbのリン酸化、E2Fの転写活性の活性化およびその後のS期キナーゼCDK2/サイクリンEを引き起こす。乳癌において、特にER+複数シグナリング経路が標的サイクリンDに収斂する。また、MYCは、細胞増殖および分化に関与し、転写的に細胞周期制御因子を活性化し、および細胞周期阻害剤を抑制し、および制癌剤耐性の発症に関与する。そういう訳で、乳癌患者のための治療選択肢は、これらの腫瘍の分子分類およびターゲットされた治療の有効性に依存する。CDK4をターゲットするものなどのCDK阻害剤での最近の成功は、これらの阻害剤が癌細胞の増殖を遮断するため、励みになる。しかし、CCND1/サイクリンD1またはMYCをターゲットする臨床における薬物はない。内分泌療法は、ER+患者(ルミナール癌)のための最善の選択肢のままであるが、薬物耐性の発症が問題である。患者は、またCDK4阻害剤に対する耐性を発症し得るし、そのうちの3つが臨床用のために承認されている。新たなターゲット可能な癌遺伝子を同定することは、癌の進化および進行に対する知見を前進させることができ、癌患者、特に最前線の療法に耐性を発症するものの予後および長期生存を改善する新規治療アプローチを明らかにすることができる。
【0091】
癌療法のためにターゲット可能な因子の発見を前進させるために、CCTに焦点が集まった。CCTは、タンパク質を折り畳んでいるチャンバーを形成する8つの異なるサブユニット(CCT1-8)からなる2つの積み重ねられた環で構成されるII型真核生物シャペロニンである。環においてシス(同じ)およびトランス(対向する)位置でその他のサブユニットに関して特定の位置にてそれぞれのCCTサブユニットを構築する。CCTサブユニットは、3つのドメイン:チャンバーの基部を形成する赤道ドメイン、ATP結合ポケットを有する中間ドメイン、頂端ドメインに付着するヒンジおよび頂端ドメインそれ自体を含む。頂端ドメインは、異なる基質を結合する複数の疎水領域を有する;それゆえに、基質結合は、タンパク質のアミノ酸配列でなくむしろその構造的特徴に基づく。CCTサブユニットは、
ATPに対して異なる結合親和性を有す、これが調節性の役割を有し、並びに基質に対して異なる結合親和性を有する。CCT相互作用部の範囲および幅は、完全には理解されていないものの、報告は、CCTがプロテオーム約1-15%と相互作用することができ、増殖、細胞周期進行および浸潤に関与するものなどの細胞プロセスをサポートすることを示唆する。骨格タンパク質、アクチンおよびチューブリンは、CCTのための絶対的基質である。加えて、PLK1、cdc20、CDH1、Cyclin E、p53、STAT3およびその他の類のCCTおよび細胞周期タンパク質、転写因子および腫瘍サプレッサーとの直接相互作用が報告されている。それ故、癌細胞は、CCTに高度に依存的となり、生存および成長のために必要とされる機能的な多くの腫瘍タンパク質および必須因子の折り畳まれた形態を提供し得る。
【0092】
CCTサブユニットは、正常組織と比較して乳癌において高度に発現し、これらの発現は、患者の腫瘍段階および転移と共に増加した。CCTサブユニットのうち、CCT2発現は、乳癌患者の生存全体に対して逆相関することが判明した。したがって、CCT2は、新規癌遺伝子であり得るし、予後の生物マーカーとして役立ち、これは、発癌プロセスにおいて、シャペロニン複合体および特にCCT2の役割におけるより深い研究をサポートする。癌におけるCCT2の役割の大部分の知識は、全CCT折り畳み複合体および同定されたタンパク質-タンパク質相互作用の活性から推定される。このデータを増大するために、細胞周期進行におけるCCT2の役割を2Dおよび3D培養を使用して具体的に調査して、乳癌で最も共通のサブタイプ、ルミナールA細胞においてCCT2サブユニットを過剰発現することに直接関連する細胞および分子変化を調査した。CCT2発現は、球状体培養において、並びに2D単層において癌細胞の増殖を駆動し、足場にかかわりなく成長適応を癌細胞に賦与することが判明した。また、CCT2発現は、特に球状体培養においてMYCなどの重要な増殖性因子の増加した発現に相関したる。これらの所見は、CCT2が乳房およびその他の癌における予後徴候および治療価値をもつ細胞周期制御因子およびプロトオンコジーンであることを示す。
【0093】
実施例2:材料および方法
株化細胞およびCCT2過剰発現または枯渇細胞の生成:使用した株化細胞は、MCF7(ATCC HTB-22)ヒトER+乳癌細胞、T47D(ATCC HTB-133)ヒトER+乳癌細胞およびE0771(CH3 Biosystems)マウスTNBC細胞であった。T47D細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)(双子座)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S)(Corning)および0.2ユニット/mLヒト組換えインスリン(Santa Cruz)を補ったRPMI-1640(Corning)において培養した。MCF7細胞は、10%FBS(Gemini)、1%P/S(Corning)および0.01mg/mLヒト組換えインスリン(Santa Cruz)を補ったイーグル最小必須培地(EMEM)(ATCC)において培養した。MCF7およびT47D細胞は、前述したとおりにレンチウイルス対照またはCCT2-FLAGのためにプラスミドを導入した。選択のために、細胞を0.5μg/mLピューロマイシンジヒドロクロリド(ThermoFisher)で維持して、GFP発現について顕微鏡観察した。E0771細胞は、10%FBS(Gemini)および1%P/S(Corning)を補ったRPMI-1640(Corning)において培養した。E0771は、以前に報告した様に、CCT2をターゲットするレンチウイルスに基づいた誘導性小ヘアピンRNA(shRNA)を導入した。shRNA発現を誘導するために、0.μg/mLドキシサイクリンを24-72時間培地に添加した。
【0094】
細胞は、超低付着プレート(ULA)(Corning)において培養し、それぞれの株化細胞に対して適切な様に完全成長培地を補った。複数の球状体の形成を観察するために、24ウェル平底面ULAプレートには、30,000細胞/ウェルで播種した。個体球状体の形成を観察するために、96ウェル丸底面ULAプレートには、10,00の細胞/ウェルで播種した。培養0日目は、球状体をプレートにまく開始をいう。球状体は、ULAプレート上8日間成長させ、異なる時点:3、5および8日目にてアッセイした。明視野画像およびオーバレイGFP画像は、Cytation 5Cell Imaging Multi-Mode Reader(BioTek)を使用して取り込んだ。
【0095】
2Dポスト3D培養(球状体成長逆転):球状体成長逆転を評価するために、24ウェルULAプレートにおいて成長した8日目球状体を収集して、ピペットで繰り返しによって物理的に、またはAccumax(Innovative Cell Technology)を使用して化学的に崩壊させ、PBSにおいて一度洗浄して、完全培地に再懸濁し、次いでそれぞれの株化細胞に適切な培地と共に標準的な組織培養T-25フラスコにまいた。96ウェルULAプレートからの無処置の8日目球状体を、それぞれの株化細胞に適切な培地と共に48ウェル組織培養プレートへ移した。蛍光画像は、Cytation 5(BioTek)を使用して取り込んだ。明視野顕微鏡画像は、20X対物(Carl Zeiss AG)をもつAXIO Observerを使用して取り込んだ。
【0096】
増殖および生存度アッセイ:ViaFluo(登録商標)405 SE細胞増殖キット(Biotium)を使用して細胞分裂の数を追跡することよって増殖を評価した。3日目の球状体培養からの細胞を製造業者のプロトコルにしたがって染色し、48時間インキュベートし、および解析のために5日目に収集した。参照集団として、3日目球状体からの細胞のサブセットを染色して、解析のために即時に収集した。試料は、Cytoflex Sフローサイトメーター(Beckman Coulter)を使用するフローサイトメトリーよって解析した。細胞の生存度は、ヨウ化プロピジウム(PI)排除アッセイ(Invitrogen)における染色を使用して評価した。5μl(1mg/ml)のPIを106細胞/mlの濃度の200μlの細胞懸濁液に添加した。試料は、フローサイトメトリー(Cytoflex S)よって解析した。データ解析は、FCS Express6ソフトウェア(DeNovo)を使用して行った。
【0097】
細胞周期解析:細胞周期進行を評価するために、200,000細胞/ウェルを6ウェル組織培養プレートに添加して、完全成長培地を補った。細胞を一晩培養した。成長停止を誘導するために、細胞を洗浄し、次いで無血清培地を補充して24時間培養した。10%FBSを伴う完全成長培地の添加よって成長の開始を同期し、24および48時間後に細胞を評価した。試料を以下の通りにPI細胞内染色のために収集した。簡潔には、同容積の洗浄剤緩衝液およびPI(Invitrogen)溶液を106細胞/mlにて細胞に添加し、続いて1mlの総容積当たり15μlのRNAase溶液(Thermo Scientific)を添加した。細胞を室温にて3時間インキュベートした。試料は、フローサイトメトリー(Cytoflex S)よって解析した。データ解析は、FCS Express6ソフトウェア(DeNovo)を使用して行った。
【0098】
洗浄剤緩衝液レシピ:8gm塩化ナトリウム、0.4gm塩化カリウム、0.06gm KH2PO4、0.09gm Na2HPO4、0.14gm CaCl2、0.10gm MgCl2、0.10gm MgSO4、5.6gm HEPES、2gmウシ血清アルブミン(BSA)、1000ml蒸留水における4gmノニデット(登録商標)P-40。
【0099】
PI染色溶液レシピ:500ml洗浄剤緩衝液中に25gm PI。
【0100】
RNAase溶液レシピ:1ml蒸留水中に0.006g RNAse
接着アッセイ。
【0101】
球状体を8日管上記の通りに96ウェルULAプレートで成長させた。8日目に、球状体を96ウェル標準組織培養プレート(Eppendorf)へ移して、3時間ス着させた。3時間後に、球状体を洗浄して残りの浮遊細胞を除去し、Cytation5マルチモデルプレートリーダー(BioTek)を使用してを撮像した。翌日、球状体をCytation 5で再び撮像し、次いでプレートから持ち上げた。次いで、球状体を氷冷Accumax(Innovative Cell Technologies)を使用して15分間振盪しながた分離した。一旦分離したら、Cytation 5リーダーおよび緑色蛍光タンパク質(GFP)レベルに基づいてGen5ソフトウェアを使用して撮像することによって細胞を計数した。
【0102】
共焦点顕微鏡法のための免疫蛍光染色:24ウェルULAプレートで成長させた球状体を収集して、Accumax(Innovative Cell Technologies)を使用して化学的に分離した。分離された球状体細胞をポリ-L-リジンコートの25mmのカバーガラス(Fisher Scientific)上にプレートにまき、細胞を1時間静置して固定前に付着した。細胞を10分間4% PFAで固定して、PBSで10分間洗浄し、PBS中の0.5% TritonX-100において5分間透過処理して、PBS中の1%BSAおよび0.05% Tweenで1時間ブロックし、ActinRed(商標)555 ReadyProbes(商標)Reagent(ローダミンファロイジン)(Thermofisher)で1時間染色し、および抗フェードDAPI(Invitrogen)と共にマウントした。画像は、20X対物でZeiss LSM 710共焦点顕微鏡(Carl Zeiss AG)で取得した。
【0103】
ウェスタンブロット:細胞溶解、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)、総タンパク質染色、ゲル視覚化およびゲルバンド定量化は、前述したとおりに行った。2D培養フラスコまたは24ウェルULAプレートにおいて成長させた細胞から可溶化液を収集した。総タンパク質濃度は、製造業者のプロトコルにしがって Pierce BCA タンパク質アッセイキット(Thermo Scientific)を使用して決定した。
抗CCT2(ab109184)および抗FLAG(ab1162)抗体は、Abcamから得て、抗CCT3(MA5-27872)抗体は、Invitrogenからであり、および抗-CCT-ベータ(MAB10050)抗体は、Milliporeからであった。抗CCT2(Abcam)および抗-CCT-ベータ(Millipore)抗体は、それぞれヒトCCT-ベータのN-末端アミノ酸1-100およびC末端アミノ酸をターゲットすることに留意されたい。使用した二次抗体は、IRDye 800CWおよびIRDye 680CW(LI-COR)であった。
【0104】
定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR):総RNAは、製造業者の説明書にしたがって、Trizol(Ambion)を使用して細胞から抽出した。RNA濃度は、NanoDrop機器(Nanodrop 8000、ThermoFisher)を使用して決定した。およそ1gのRNAを製造業者の説明書にしたがってRT-qPCR(Bio-Rad)のためのiScript逆転写Supermixを使用してcDNAに逆転写した。cDNAを10ng/lに希釈した。RT-qPCRについては、20μlPCR反応を5μlFast Syber Green Mastermix(Applied Biosystem)、0.2のフォワードプライマー、0.2リバースプライマーおよび2μl cDNA(10g/ml)およびRNaseフリー水を使用して行われた、PCR反応は、2回行った。GAPDHを参照遺伝子として使用した。PCR反応は、Applied Biosystems QuantStudio 7 Flex Real-Time PCRシステムを使用して95℃3秒間および6℃30秒間の40サイクル行った。融解曲線をそれぞれの反応について評価して、単一の増幅産物を確認した。相対的mRNA発現は、2-ΔCt を使用して、および変化倍数は、2-ΔΔCt 式を使用して算出した。使用したプライマーを表1において示した。
【0105】
バイオインフォーマティックス解析:Cancer Genome Atlas(TCGA)データベースの照合は、Cancer Genomics[cbioportal.org]のためにwebsource cBioPortalを使用して達成し、異なる研究におけるコピー数変化、相互排他性および遺伝子の同時発現を視覚化した。TCGAデータを解析し、およびグラフィックスは、webtoolを使用してダウンロードした。CCTサブユニット変化は、Catalog of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC)を使用して解析した。Cancer Cell Line Encyclopedia (CCLE)データベースからのmRNA発現およびコピー数データは、Xenaブラウザを使用してダウンロードした。
【0106】
統計解析:タンパク質レベル、画像形成データ、球状体成長、接着、生存度および増殖データの統計分析については、Prism 8(GraphPad)を使用して統計的有意性を決定した。スチューデントt検定またはANOVAを使用して関連として異なる群を試験した。0.05より少ないp値は、統計的に有意であるとみなした。遺伝子発現データの解析のために、我々は、最初にバッチ効果について生Ctデータ照合した。それが存在する場合、下流の遺伝子発現解析の前にRパッケージする(Limma)を使用してバッチ効果を取り除いた。バッチ効果が修正された後、2-ΔΔCt法を使用して、それぞれの標的遺伝子についての遺伝子発現を算出し、および規準化し、式中:ΔCt=Ct標的遺伝子-Ctハウスキーピング遺伝子である。全てのその後の解析において、倍数変化は、log2形質転換された(2-ΔΔCt)、すなわち-ΔΔCCtを使用して、それぞれの標的遺伝子の遺伝子発現に対するの異なる治療の効果を評価した。多重混合効果リニア回帰モデルを使用して、株化細胞、治療および時間の効果に応答するそれぞれの遺伝子の発現を評価した。時間は、0日目について0、3日目について1、5日目について2および8日目について3の値で計量値として設定した。多重因子ANOVA解析を行って、それぞれの標的遺伝子の発現に応じたなどの株化細胞、CCT2の過剰発現および培養タイプ個々の因子の効果を評価した。MYC、CCND1および総CCT2間の遺伝子相互作用を試験するために、Spearman相関係数を適用した。これらの統計解析は、Stata MP 15(StataCorp LLC、2019)およびRパッケージを使用して行った。全ての試験は、α(I型エラー)<0.05の有意水準で両側とした。p値は、複数の試験を行ったときに、Holm調整に基づいた調整した。
【0107】
実施例3。細胞周期遺伝子変化を伴うCCT2遺伝子変化の同時存在は、機能的関係を示唆する
機能的に関連がある遺伝子組み替えの同時存在は、発癌のプロセスに寄与する。このようなパターンを同定することにより、新規の癌惹起経路および治療ターゲットを明らかにすることができる。細胞周期制御因子における遺伝子変化は、乳癌において共通であり、および癌細胞の抑制されていない増殖をサポートする。しかし、腫瘍タイプおよびサブタイプの異種性は、増殖のように生物学的機能を及ぼす単一の機構がなく、むしろ癌成長の複雑な動態を担う異なるシグナリング経路が収斂することを示唆する。将来の治療ターゲティングのために収斂の可能な位置を同定することは、本研究の基礎をなす。この目的のために、TCGAのような汎癌データベースは、全ての癌におけるCCTサブユニットの発現について探索し、CCT2サブユニット遺伝子のコピー数変化で最も多くのタイプが増幅であり、およびこの遺伝子がまれに欠失したことが示された(
図1A)。比較として、CCT3についてのデータを含めてある(
図1A)。癌進行におけるCCT2の重要性は、CCT2における遺伝子変化を伴う癌患者が全体の、および進行しない生存を減少させた(
図1B)という事実よってさらに強調される。サポートとそて、CCT2遺伝子変化を伴う乳癌患者は、変化を伴わない患者よりも70月まで早期に死亡したことが以前に報告されている。これらの所見は、CCT2と細胞周期遺伝子発現との関係を調査して治療介入のために新たな経路を明らかにすることを支持する。CCT2サブユニットは、乳癌成長および腫瘍形成のために必須であることを以前の調査で示したので、CCT2遺伝子の変化が細胞周期遺伝子変化と関連したかどうかを最初に調べた。表2に示したように、CCT2における遺伝子変化は、CDK4、CDK2、CCND1およびMYCで同時存在した。
【0108】
細胞周期制御におけるCCT2についての役割を調査するプラットフォームとして、T47DおよびMCF-7株化細胞を選択して使用した。両株化細胞は、ルミナールA上皮性乳癌細胞(ER+)であり、および胸水の転移性部位に由来する。T47DおよびMCF7細胞は、MDA-MB-231のような基本の株化細胞と比較して低レベルの細胞内可溶質CCT2タンパク質を有したことが以前に報告されていた。ルミナールAサブタイプは、最も共通の乳癌サブタイプの一つであるが、分子異種性も示す。臨床的には、これは、CCND1およびCDK4の過剰発現/増幅のためなど差動的治療結果および獲得した内分泌療法耐性の発症によって反映される。全体的および選択された遺伝子変化についてのCancer Cell Line Encyclopedia(CCLE)データベースは、MCF7およびT47D株化細胞が変わりやすいコピー数変化プロフィールおよび突然変異率を有することを示す(
図1C)。細胞周期遺伝子のコピー数および発現レベル焦点を集めると、MCF7細胞は、T47D細胞(
図1D)に相対的により高いCCT2およびMYCのコピー数を、しかし相対的により低い遺伝子発現を有する。したがって、CCT2遺伝子発現は、T47D細胞においてより高い。また、MCF7細胞は、T47D細胞(
図1D)と比較して同じコピー数を、しかしCCND1およびCDKN1Aについて相対的により高いmRNA発現以を有した。さらに、これらの株化細胞がCCTサブユニットにおいて任意の遺伝子変化を有していたかどうかを調べた。COSMICウェブ-ツールを使用して、MCF7およびT47D細胞は、それぞれCCT6BおよびCCT8サブユニットにおいて突然変異を有することが判明した。加えて、CCT3は、MCF7細胞において過剰発現し、しかしT47D細胞においてはしない。(表3)これらのデータは、T47DおよびMCF7株化細胞が乳癌の最も共通の形態を示す一方、これらは、癌性細胞において観察される遺伝的異質性を示し、したがってCCT2が特に局所から散在性の疾患への癌拡散として、癌細胞成長の制御において果たす役割を明らかにするのをサポートすることができる
実施例4。乳癌細胞におけるCCT2過剰発現は、球状体の成長を促進する
T47DおよびMCF7細胞におけるCCT2の外因性発現を達成するために、レンチウイルスシステムを使用してFLAGタグを付けたCCT2構築物を細胞に導入した。
図2Aに示したように、両株化細胞の形質導入は、レンチウイルスプラスミドからのGFP発現に相当するレベルよって示したときに同等であった。CCT2-FLAG過剰発現は、外来性CCT2-FLAGタンパク質(抗FLAG)、総CCT2タンパク質(抗CCT2 N末端特異的)および内因性CCT2タンパク質(抗CCT2 C末端特異的)に対して特異的な抗体を使用するウエスタンブロットよって調べた。両株化細胞、CCT2-FLAGタンパク質を発現する一方、T47D細胞は、MCF7細胞と比較して総CCT2タンパク質を増加させた(
図2B)。これは、一部には、細胞を発現するCCT2-FLAGにおける内因性CCT2のダウンレギュレーションのためである(
図2B)。
T47D細胞において、CCT2-FLAG発現は、総CCT2 mRNA(
図2C)を増加させ、これは、CCT2タンパク質発現と相関した。MCF7細胞において、CCT2-FLAG mRNAは、同様に増加した;しかし、これは、転写後機構における相違のため、レンチウイルス対照と比較して、増加した総CCT2タンパク質と相関しなかった。細胞成長、増殖および細胞周期制御因子との相関によるCCT2-FLAG過剰発現の効果が考慮されていたので、株化細胞間における総CCT2発現におけるこの相違は、重要である。
【0109】
CCT2-FLAGを過剰発現させることにより、内因性CCT2における減少を生じさせたことが観察されたので、その他の内因性CCTサブユニットも減少したかどうかを決定した。CCT2-FLAGを発現するMCF7細胞では、内因性CCT3タンパク質およびmRNA発現がわずかに増加し、減少はせず、CCT2-FLAG(
図11)を発現するT47D細胞において統計的に有意な変化は確認されなかった。その他のCCTサブユニット(たとえば、CCT4、CCT5)の内因性レベルは、同じであったか、またはCCT2-FLAGを発現する細胞において増加したことが報告されていた。それ故、CCT2-FLAGの発現による内因性CCT2における減少は、その他のCCTサブユニットの減少を伴わなかった。その上、CCT2-FLAGタンパク質の主要部分が、その他のCCTサブユニットと物理的に会合して複合体を形成することが判明した。これは、T47DおよびMCF7細胞におけるCCT2-FLAGの生物学的活性がCCTタンパク質-畳み込み複合体の一部として媒介される一方、これは単量体CCT2 mRNAまたはタンパク質についての生物学的機能を制御しないことを示す。
【0110】
3D培養モデルは、より優れた腫瘍成長動態を模倣し、および腫瘍成長メカニズムを調査するための有益なツールである。3D培養における細胞成長は、凝集し、および球状体を形成する傾向がある。これらの球状体のコアは、通常低酸素および壊死であり、成長因子に対してより少ないアクセスを有し、中間層は、静止細胞を含み、および外層は、典型的には周囲の培地と接触して活発に増殖する細胞で構成されるULAプレートの使用を介して可能となる。3D培養状態を利用することにより、CCT2-FLAG過剰発現が乳癌細胞による球状体形成に対して有することができる影響を調査した。24ウェルULA平底プレートにおいて、CCT2-FLAGを発現するT47DおよびMCF7細胞は、レンチウイルス対照プラスミドを発現する細胞と比較して複数の大きな球状体を形成した(
図3A)。形態学的には、CCT2-FLAGを発現するT47D細胞によって形成される球状体は、むしろ複数で成長するシート様のパターンに、しかしCCT2-FLAGを発現するMCF7細胞またはT47DおよびMCF7レンチウイルス対照で見たときは個々の球状体に達した(
図3A)。ウェルあたりの球状体数を球状体形成の異なる日(3、5および8日目)にて、次に評価した。形成される球状体の数における統計的に有意な増大が、CCT2-FLAGを過剰発現させたT47D細胞で見られ、および類似のこのと、しかし統計的に有意でない傾向ではないが、MCF7 CCT2-FLAG発現細胞で観察された(
図3B)。個々bの球状体のサイズを測定するために、(単一の球状体をイメージングすることによる)、T47DおよびMCF7 CCT2-FLAG過剰発現細胞およびレンチウイルス対照を96ウェル丸底ULAプレートにおいて成長させた。T47DおよびMCF7 CCT2過剰発現細胞については、大きな球状体が形成され、これはそれぞれの時点3、5および8日で増加した(
図3C)。CCT2-FLAGタンパク質レベルは、球状体成長の5日目を通じてそれぞれの株化細胞において維持され、一方で、レンチウイルス対照細胞において、内因性CCT2タンパク質がダウンレギュレートされたことを確認した(
図12-13)。T47D CCT2-FLAG過剰発現細胞は、より高い総CCT2 mRNAを維持し、これは3D培養の3日目にてピークに達した(
図3D)。これらの結果は、CCT2の増加した発現は、正常細胞のプロセスが減少するときにさえ、球状体成長を駆動することができ、およびT47D細胞は、MCF7細胞よりも高い総CCT2の発現レベルを維持し、3D培養状態下における複数の、およびより大きな球状体の対応する増加した成長を示すことを証明する。
【0111】
CCT2が球状体形成および成長のために必須であることを検証するために、CCT2枯渇実験を、ドキシサイクリン(ドキシ)誘導性shRNAを使用して行った。乳癌細胞におけるCCT2の枯渇は、致命的であったし、およびTNBCの同系マウスモデルにおける腫瘍成長を阻害することができる。ルミナールA乳癌細胞とは異なり、これらの細胞は、内因性CCT2の増加した量を発現する傾向があり、および枯渇を受け入れられるので、TNBC細胞を使用した。E0771を使用する以前の研究において、TNBC細胞は、ドキシでの処理の72時間後にCCT2の約50%の枯渇を達成した。CCT2を枯渇させるためにこの同じシステムを使用して、E0771対照またはCCT2 shRNA細胞を96ウェルULA丸底プレートに播き、および以下の通りに個体球状体の成長を評価した。
図4Aに示したように、E0771細胞(対照およびCCT2 shRNA)を0日目にプレートに播き、およびCCT2の枯渇は、球状体成長の3日目後にドキシで誘導した。細胞をドキシ処理後の24、48および72時間にて撮像した。CCT2枯渇では、これらの細胞がこれらの強固な相互作用を失い、およびウェルの底面にてゆるく凝集したため、球状体の形成を妨げた(
図4A)。
図4Bに示したように、代わりにCCT2を球状体培養の開始にて枯渇させらて、実験を繰り返した、CCT2枯渇が0日目に誘導されたとき、これは細胞が強固な球状体構造を形成することを妨げ、ゆるく凝集された(
図4B)。両実験において、CCT2枯渇後に形成される生じる凝集体は、ピペッティングによって容易に分散され、球状体を形成するために必要な強固な細胞間相互作用が失われたことを示している。これらの発見は、CCT2が球状体形成および成長を促進することを確認するのをサポートする。
【0112】
実施例5。CCT2過剰発現は、3D球状体から2D単層培養への細胞の移行をサポートする
3D培養において成長するCCT2-FLAG過剰発現細胞は、インビボにおいて腫瘍を模倣する。これらの細胞が3D成長の逆転を受けることができるかどうか、2D単層において再び付着し、および拡張を次に決定することが望まれた。このモデルは、これらの2D培養への移行ときに、球状体細胞の悪性の特徴(たとえば、侵襲性、幹細胞性)を保持することよって、転移を模倣することができる。
T47DおよびMCF7細胞、レンチウイルス対照およびCCT2-FLAG発現の8日目培養からの球状体を収集して、処理した組織培養プレートへ移して、3時間再び付着させた。細胞を洗浄してみ接着細胞を除去し、次いで撮像して定量化した。より多くのCCT2-FLAGを発現する細胞ほど、レンチウイルス対照と比較して再び付着することができ、これは、これらの細胞が接着培養における成長の再建を可能にした特徴を保ったことを示した(
図5A)。T47D CCT2-FLAG発現細胞では、これらが細胞間付着を保持する一方、表面にもアンカリングするため、最も明らかであった。アクチンは、CCT複合体の絶対基質であり、およびその他のサイトスケルトン成分と共に細胞間および細胞基質間の相互作用をサポートすることによって球状体形成において役割を有するので、F-アクチンの細胞内分布を顕微鏡で調べた。T47D細胞は、この株化細胞からのCCT2-FLAG過剰発現細胞は、球状体成長の逆転および単層培養における再付着を示したため、F-アクチン視覚化のために選択した(
図5A)。F-アクチンレベルは、F-アクチンを結合する蛍光ファロイジンを使用して共焦点顕微鏡法によって評価した。T47D球状体細胞におけるCCT2-FLAG過剰発現は、レンチウイルス対照細胞と比較してF-アクチンレベルを有意にアップレギュレートした(
図5B)。また、これらの細胞は、糸状仮足様の細胞伸長を有した(
図5B)。また、MCF7 CCT2-FLAG過剰発現細胞は、球状体成長逆転を受ける一方(
図5A)、T47D細胞とは逆に、これらの細胞は、強く被覆カバーガラスに付着しなかったし、および少数の細胞だけが顕微鏡法よってF-アクチンを撮像することができる。ひとまとめにすると、これらの結果は、CCT2過剰発現が球状体成長逆転および増加したF-アクチンレベルをサポートすることを示す。
【0113】
球状体成長逆転に対するCCT2-FLAG発現の効果をさらに調査するために、2D単層における再成長のための2つの実験条件下で、T47D細胞、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照からの球状体を調べたであった。最初に、8日目球状体を分離して、標準的な組織培養プレートに置いた。これらの状態下で、CCT2-FLAG過剰発現細胞は、足場に独立した成長を得た。
図6Aに示したように、CCT2-FLAG過剰発現細胞は、2D培養状態において、重畳された成長を示し、球状体様の構造を形成し、これがフラスコに付着した。提唱的に、球状体培養から回復したレンチウイルス対照細胞は、2D単層においてのみにおいて成長した(
図6A)。第2のアプローチにおいて、無処置の8日目球状体(分離されない)をT47DおよびMCF7、CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照細胞から標準的な組織培養プレートに移して、異なる時点にて撮像した。CCT2-FLAG過剰発現は、3Dから2D培養への球状体の移行を移行後の2日目まで増強し、CCT2-FLAG過剰発現細胞からの球状体は、付着して、レンチウイルス対照、特にT47D細胞よりも速く成長した(
図6B)。これらの細胞は、CCT2-FLAGタンパク質レベル(
図S3およびS4)およびより高い総CCT2 mRNA(特にT47D細胞)を維持した(
図6C)。これらの観察に基づくと、CCT2過剰発現は、懸濁液と接着の培養状態間のこれらの細胞移行時でさえ、腫瘍細胞に増強された成長能および適応性を与える、侵襲性および転移性様の挙動についての潜在性を示すと結論される。
【0114】
実施例6。CCT2過剰発現は、3Dおよびポスト3D培養における細胞サイクリングを増加させる
CCT2-FLAGの過剰発現は、より大きな球状体を生じ、および球状体成長逆転を促進したことが示されたので、2Dおよび3D培養状態における細胞の増殖を、希釈色素(ViaFluor(登録商標)405)を使用して調べた。球状体培養おける細胞(ULAプレートで成長する)を3日目に色素で処理して、球状体培養の5日目に解析のために収集した。この期間中に分裂した細胞のパーセントは、レンチウイルス対照と比較して、CCT2-FLAGを過剰発現するT47DおよびMCF7細胞について、有意に高かった。T47D細胞については、レンチウイルス対照細胞の40%と比較して、CCT2-FLAG過剰発現細胞の60%が時間とともに分裂した(
図7A)。MCF7細胞については、CCT2-FLAG過剰発現細胞の約80%が、レンチウイルス対照細胞の約40%と比較して、分裂した(
図7B)。これらの細胞の生存度を、PI排除を使用して3、5および8日目に評価した。CCT2-FLAG過剰発現細胞で形成された球状体は、両株化細胞においてレンチウイルス対照と比較して、後期の培養日においてより低い生存度を有し、これは、球状体成長の5および8日目にてMCF7 CCT2-FLAG過剰発現細胞について最も明らかであった(
図7Cおよび7D;
図15において示したゲーティング)。8日目におけるT47D CCT2-FLAG過剰発現細胞における生存度の喪失は、これらのより大きな球状体におけるより大きい壊死性コアによって説明することができる(
図3C)。MCF7 CCT2-FLAG過剰発現細胞における生存度喪失は、球状体培養において成育することができなかった細胞の増殖の増のためであり得る。まとめると、これらの所見は、癌細胞の増殖および球状体の成長を促進する際のCCT2についてさらなるサポートを提供する。
【0115】
細胞周期遺伝子とCCT2の同時存在に明らかにするデータマイニング(表2)およびCCT2-FLAGの過剰発現が2D単層培養における細胞分裂を促進したという以前の知見に基づいて、CCT2-FLAG過剰発現が細胞周期侵入および進行を増強することができるかどうかを試験した。T47DおよびMCF7、CCT2過剰発現およびレンチウイルス対照、細胞の培養を成長について同期した。血清枯渇の24時間後、DNAを染色するためにPIを使用する細胞周期解析により、細胞の大多数(約70%)は、G1期停止にあったことを確認した(
図16A~16D)。血清添加培地を培養に導入して成長を同期して、細胞サイクリングを血清添加後24および48時間にて評価した。結果は、T47D細胞におけるCCT2-FLAGの過剰発現が細胞周期のG1からSおよびG2期への細胞の移行を促進することを示した。CCT2-FLAGを過剰発現さするT47D細胞は、レンチウイルス対照細胞と比較して、血清添加後24および48時間にてSおよびG2期により多くの細胞を有した(
図8A、
図17A)。たMCF7 CCT2-FLAG過剰発現およびレンチウイルス対照細胞は、おおよそ血清添加後に同じ細胞周期分布を有した(
図8B、
図17B)。
【0116】
また、2D単層培養を球状体成長逆転を受けた3D培養から確立した-2Dポスト3Dという。これらの細胞を使用して、CCT2-FLAG過剰発現が細胞周期進行に影響を与えたかどうかを試験した。T47DおよびMCF7球状体に由来する2Dポスト3D細胞を血清枯渇によって同期して、細胞周期に対するCCT2-FLAG過剰発現の効果について解析した。我々は、DNA解析のためにPI染色を使用して、細胞の約70%が血清枯渇の24時間後にG1にあることを確認した(
図16A~16D。
T47D CCT2過剰発現細胞は、レンチウイルス対照細胞と比較して、血清添加の24および48時間後にSおよびG2期により多くの細胞を有した(
図8C、
図17C)。MCF7 CCT2過剰発現およびレンチウイルス対照細胞は、血清添加後に相当する細胞周期分布を有したが、しかしこれらの細胞は、本質的により増殖性であった(
図8D、
図17D)。ひとまとめにすると、CCT2は、2D、球状体および2Dポスト3D培養において、G1/Sを介して乳癌細胞サイクル進行を促進し;しかし、この効果は、細胞タイプ依存的であり得るし、細胞の遺伝子構造に応じて異なる機構を含み得ることが見出された。
【0117】
実施例7。CCT2は、異なる培養状態下でMYCおよび細胞周期遺伝子の発現をアップレギュレートする
CCT2過剰発現が細胞サイクリングに関与する遺伝子の発現を増加させたかどうかを調査するために、MYCおよび重要な細胞周期制御因子の遺伝子発現をRT-qPCRよって測定した。GAPDHを参照遺伝子として使用した。遺伝子発現は、MCF7レンチウイルス対照参照 試料が最も低いCCT2発現を有したので、これらに相対的に-ΔΔCtとして表した。MCF7およびT47D株化細胞は、遺伝子発現において固有の相違を有した(表4;
図9A)。ひとまとめにすると、T47D球状体は、MCF7球状体と比較して、MYC、CDK2、CDK4およびCCNE1の統計的に有意な高レベルを示した(表4)。球状体培養が成長したとき、選択した遺伝子についての発現は、ダウンレギュレートされ、これは球状体成長で観察される細胞のプロセスにおける一般的な減少と一致する。遺伝子発現のピークは、球状体培養の3日目に最も一般的には生じ、これはCCT2のピークレベルと相関した(
図9A)。重要なことに、CCT2-FLAG過剰発現は、レンチウイルス対照細胞に相対的にT47D細胞において、細胞周期制御因子、MYC(
図9A)およびCCND1/サイクリンD1(参照試料としてT47Dレンチウイルス細胞を使用)の発現を有意にアップレギュレートした(
図9B、表4)。
【0118】
2D単層培養において成長した細胞の2つの異なる集団を評価したが、2D接着成長状態に適応される細胞および2Dポスト3D細胞は、より不均一で、これが球状体成長の選択プロセスを生存して、単層成長へ移行して戻った(球状体成長逆転を受けた)。CCT2-FLAG過剰発現は、2D培養からの細胞における、MYC、CCND1、CDK2およびCDKN1A遺伝子発現をアップレギュレートした(表5)。特に、有意なのは、レンチウイルス対照と比較して、T47D CCT2-FLAG過剰発現細胞におけるMYCおよびCCND1の増加した発現であった(
図9C、表5)。まとめると、CCT2過剰発現細胞(特にT47D細胞)において、MYCおよびCCND1などの細胞増殖の重要な制御因子の遺伝子発現が増加されて、2D、3Dおよび2Dポスト3D培養状態にわたって検出される増殖性拡張に寄与したことが見出した。
【0119】
実施例8。癌遺伝子としてのCCT2
T47D株化CCT2-FLAG過剰発現細胞におけるMYCについての最も高い遺伝子発現は、球状体培養の3日目で観察され(
図9A)、総CCT2 mRNA発現と一致している(
図9A)。CCT2、MYCおよびCCND1間に統計的に有意な相関があったかどうかを乳癌株化細胞において決定した。CCT2、MYCおよびCCND1の遺伝子発現は、T47DおよびMCF7細胞、CCT2-FLAGおよびレンチウイルス対照の2Dおよび3日目球状体培養の同じバッチから評価した。統計的力を増大するためにデータセットを組み合わせて、我々は、遺伝子相関解析を行い、および総CCT2発現がMYCおよびCCND1の増加した発現と有意に、それぞれ0.864および0.824のSpearman相関およびp<0.05で相関されることを見出した(
図10A)。CCT2、MYCおよびCCND1の間の相関が臨床的に関連したかどうか決定するために、我々は、これらの遺伝子とのCCT2 mRNA同時発現についてTCGAデータを解析した。組み合わせたPanCancer研究を使用して、CCT2 mRNAの適度にポジティブな相関をMYC、CDK2、CDK4、CCNE1で見出し、CCND1(わずかにネガティブな相関)では見出されなかった(
図10B)。しかし、UCSC Xenaデータベースを使用する異なる相関試験では(研究:TCGA BRCA)CCT2およびCCND1の間に弱いが、有意な相関を見出した(ピアソン相関0.095、p値<0.001)。これらの所見は、CCT2が癌細胞の抑制されていない成長において重要な細胞周期制御因子の相互作用のための可能性のあるノードであり得ることを示唆する。潜在的CCT2インタラクターのデータを編集することにより生じるネットワークの解析(物理的および遺伝的な相互作用(BioGRID)からの証拠)は、CCT2相互作用部の一部としてMYC、CDK2およびサイクリンD1を含み、CCT2が癌増殖経路の制御のための中心的位置またはノードであり得るというアイデアをサポートした(
図10C、表6)。
【0120】
CCT2は、その他の同定された癌遺伝子MDM2、FRS2、YEATS4およびその他とともに染色体12q15上に位置する。CDK4(12q13)は、また染色体領域12q13-15にも及ぶ。それゆえに、CCT2は、癌発症と関連するアンプリコンの部分である。CCT2遺伝子増幅または増加した遺伝子発現を伴う試料/患者で最も高いパーセントは、肉腫のような軟部組織癌において観察される(肉腫試料/患者の19%は、CCT2(TCGA)において遺伝子変化を有する)(
図18A)。また、CCT2は、その他の12q15癌遺伝子と共に侵襲性乳癌において遺伝子改変されており、そのパーセントは、研究および試料の利用能に応じて変化する(
図18B、18C)。CCTタンパク質折り畳み複合体におけるその役割とともに、我々は、CCT2が足場独立する癌細胞の増殖を促進し、MYC様のその他の癌遺伝子の発現と相関し、およびしたがって、それが腫瘍化を駆動する変異性プロセスの間にゲノム増幅を受けるにつれて癌遺伝子のための基本的要求を果たし得ることを示した。
【0121】
CCT複合体は、癌細胞のために必須の多くのタンパク質の畳み込み、安定性、成熟またはアセンブリーを支援する。しかし、8つのサブユニットで構成される大きな複合体であり、CCTの治療上のターゲティングは、挑戦である。これに対処するために、一つのサブユニット、CCT2を過剰発現させることは、癌細胞の増殖を促進し、および転移に対する潜在性を増強するために十分であることが示される。我々は、異なる遺伝的背景を有する2つのルミナールA乳癌株化細胞を選択してCCT2の機能を研究した。また、T47D細胞は、PR高であり、CCT2過剰発現により最も大きな変化を現し、増加した球状体サイズおよび数および増強された増殖があった。また、T47D細胞は、CCT2-FLAG発現、示された球状体成長逆転および足場独立した成長の高レベルを維持した。重要なことに、MYCおよびCCND1の遺伝子発現における増大は、T47D細胞においてCCT2と相関した。それ故、T47D細胞は、CCT2を過剰発現させることが抑制されていない増殖および攻撃的な、侵襲性の癌細胞の転移性様の挙動を生じ得るし、細胞周期制御因子の増加した発現に関連づけられることを示す。対照的に、MCF7細胞は、T47D細胞と比較してより高いCCT2コピー数を有し、本質的により多くのCCT2を発現せず、むしろMYCおよびCCND1の高い内因性レベルを有する。CCT2-FLAG過剰発現がこれらの細胞において達成される一方、総CCT2の高レベルは、持続されなかった。結果として、我々は、MCF7対照細胞のものを越える、球状体成長または球状体成長逆転における有意な増大を観察しなかった。まとめると、これらの株化細胞からのデータは、CCT2が細胞増殖の新規の制御因子であり、これが独立した足場である得るし、およびMYCおよびCCND1を含む成長経路の相互作用のためのノードであり得ることをサポートする。
【0122】
MYCは、転写因子として機能し、および癌の細胞周期制御、形質転換、血管形成および成長に関与する。結果として、MYCは、乳癌において、特に不十分な予後を有するHER2およびBRCA-1関連する癌に対する、主要なプロトオンコジーンである。同様に、CCND1(サイクリンD1)は、癌において増幅され、または過剰発現し、およびMYCと協調して、形質転換を促進し得る。本明細書において、我々は、CCT2発現がMYCおよびCCND1遺伝子発現をアップレギュレートすることができ、典型的にはMYC増幅と関連する基礎様/TNBCサブタイプよりも通常攻撃的でないルミナールA乳癌細胞における転移性様の挙動を促進することができることを示した。CCT2は、MYC相互作用タンパク質として同定された一方、MYCとCCT2(またはCCTサブユニットのいずれか)の関係は十分に理解されていない。その他では、基礎様のTNBC細胞におけるCCT3の過剰発現または抑制が細胞増殖を変化させ、MYCの発現を変えることを報告した。関心対象の一つの経路は、細胞成長を調節するWNT/□-カテニンシグナリングであり、これは、MYCおよびCCND1を介して乳癌細胞における増殖を駆動し得る。CCT3の過剰発現は、MDA-MB-231およびT47D乳癌細胞において□-カテニンを増加させ、これは、マイクロRNA(miRNA)223よって調節することができる。このmiRNAは、CCT3および□-カテニンの3′UTRに結合することが示された。この研究から描かれる結論は、CCT3がmiRNA 223に結合し、および競争的に阻害することによって乳癌成長を媒介するということであった。しかし、CCT2におけるmiRNA標的のための予測解析では、同様の所見は見出されなかった(www.targetscan.org/cgi-bin/targetscan/vert_72/view_gene.cgi?rs=ENST00000299300.6&taxid=9606&members=&showcnc=0&shownc=0&showncf1=&showncf2=&subset=1)。その上、現在の研究においてCCT3 mRNAおよびタンパク質は、レンチウイルス対照とCCT2-FLAG過剰発現細胞乳癌との間で実質的に変化しなかった。MYC、サイクリンD1およびその後の増殖および球状体成長によるCCT2過剰発現の効果におけるmiRNAおよびその他のCCTサブユニットの寄与は、決定的に除外される一方、この相互作用を駆動する機構は、解明されていない。CCT2、MYCとp53の関係が検討されている。頭頸部癌における突然変異体TP53の研究において、CCT2は、MYCおよび突然変異体TP53標的遺伝子として同定された。突然変異体p53の枯渇は、CCT2プロモーターとMYCの相互作用を減少させた。T47D細胞は、ミスセンスTP53突然変異を有し、機能の潜在的獲得がある(MCF7は、野生型p53を有する)ので、突然変異体TP53-MYC軸は、CCT2過剰発現に対するこの株化細胞の応答性に関与し得ると推測することは興味深い。
【0123】
モデル乳房腫瘍成長に対して3D培養を使用して、複数およびより大きな球状体によって証明されたとおり、CCT2過剰発現による増加した球状体形成が観察され、およびCCT2が枯渇されたときに球状体構造を支持する細胞間接触の喪失が観察される。サポートにおいて、またアクチンは、CCT2過剰発現細胞において、特に細胞が3Dから単層培養へ移行するときに、アップレギュレートされたことが見出された。一つのグループは、3Dから2D培養への移行を受けている細胞が癌幹細胞マーカーの発現および化学療法抵抗性の発症などの転移性細胞に典型であるシグニチャを保持することを示した。これらのデータは、
CCT2が、球状体が成長するだけでなく、または2D培養へ移行する可能性を増強し得ることを示し、これは、より攻撃的な表現型よび薬物耐性を促進する原因でありうるような表現型を示す。例として、MDA-MB-231細胞から球状体は、高いCCT2の内因性レベルを有することが報告されており、カルボプラチンまたはドキソルビシンでの処理に対して増大した抵抗を発症した。それ故、CCT2の阻害は、癌薬剤耐性を逆転させるための治療アプローチとして使用することができる。CCT2(またはCCT)阻害の適用は、CDK4阻害剤と組み合わせたアプローチであることができる。これらの阻害剤に対する耐性の発症は、一部にはRbおよびCDK2活性の調整に起因していた。我々は、CCT2過剰発現がCCND1およびCDK2を増加させることを見出したので、CCT2阻害は、CDK4阻害剤に対する感受性を改善し得る。
【0124】
CCT(および特にCCT2)をターゲティングすることは、乳癌、並びにCCTが高度に発現されるその他の癌のための有効な治療上のアプローチであり得る。CCT2遺伝子の最も高い増幅割合は、軟部組織癌において見出された。CCT2のための遺伝子は、12q15アンプリコンにおいて位置し、これはまた、とりわけ癌遺伝子MDM2、YEATS4、FRS2を含む。このアンプリコンの高レベル増幅は、肉腫、並びに膠腫および黒色腫様のその他の癌を生じる前駆細胞における初期のイベントであり得る。この領域におけるゲノムアンバランスは、濾胞性リンパ腫などのその他の癌においても見いだされる。これを考慮すると、治療的にCCTをターゲティングすることは、これがマルチサブユニット複合体であるという事実によって複雑化され、これが小分子阻害剤の開発の意欲をかき立てる。シャペロニン複合体の活性のために必須であるCCT2などのサブユニットを同定することは、臨床のためのCCT阻害剤を開発することに向けた最初の工程である。他者は、CCT2-β-チューブリン相互作用を妨げる小分子を同定し、これはチューブリン-結合薬に対する耐性の治療における適用を有し得る。しかし、癌の遺伝的な異種性を考慮すると、基質同定において独立して機能するCCT阻害剤が必要である。この目的で、CT20pと呼ばれる小さな両親媒性ペプチドを、CCTを高度に発現する癌細胞において細胞毒性であるとして同定した。全身にCT20pを送達するために重合体ナノ粒子を使用して、乳および前立腺腫瘍の後退がマウスにおいて達成され、CT20pがCCT2サブユニットに直接結合することが証明された。したがって、CT20pは、CCT2およびシャペロニン複合体を治療的ターゲットすることができることを証明する。本明細書において、本研究は、MYCおよびCCND1のような重要な増殖性因子と相互作用する細胞周期制御因子としてその役割を証明することにより、新薬の開発につながる標的としてのCCT2の価値を示す。癌遺伝子としてのCCT2の機能は、確立され得るし、MYCとのその関係を解明することにより、根底にある癌成長および散在の新規の機構を暴くこと、並びに薬剤耐性癌および転移の治療における、および癌再発の予防におけるCCT阻害剤の使用を明らかにすることができる。
【0125】
実施例8。CCT神経芽細胞腫
方法:バイオインフォーマティックス:データは、「Cancer Genome Atlas(TCGA)、Therapeutically Applicable Research to Generate Effective Treatments(TARET)に対するTherapeuticallyにApplicableなResearchおよびGenotype Tissue Expression(GTEx)試料」データセットの組合せコホートを使用して、xena.ucsc.eduにてカルフォルニアサンタクルツ大学(UCSC)Xena at xena.ucsc.edu から収集した(Goldman et al.,2019)。CCT2遺伝子についての発現をGTEx、TCGAおよびTARET試料において比較した。次いで、TARET試料からの神経芽腫症例は、9つの異なる遺伝子発現:CCT2、MYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCND1、CCNE1、YAP1およびRB1について単離して、解析した。ミュリエルのデータ。
【0126】
組織学:ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)を伴うスライドは、US Biomax 1)PC701およびNB642cから受けた。スライドは、CCT2およびSTAT3染色についての標準的な免疫組織化学(IHC)法よって処理した[ref]。抗CCTβ抗体[ヒトTCP1ベータのアミノ酸277および473]を使用した(LifeSpan Biosciences)。スライドを染色して、以前に記述したように[ref]、独立してかつ、同定盲目の病理学者よってCCT2染色について記録した。画像は、BZ-X800キーエンスを使用して取得した。
【0127】
株化細胞:IMR-32細胞(ATCC(登録商標);CCL-12&(商標))は、10%ウシ胎児血清(FBS)(Corning)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S)(Corning)およびL-グルタミンを補ったイーグル最小必須培地(EMEM)(Corning)において培養した。SK-N-AS細胞(ATCC(登録商標);CRL-2137(商標))は、10%FBS(Corning)、1X非必須アミノ酸、1%(P/S)(Corning)およびL-グルタミンを補ったダルベッコ修正イーグルの培地(DMEM)(Corning)において培養した。IMR-32およびSK-N-AS細胞にはレンチウイルスプラスミドを導入して、FLAGタグ(DYKDDDDK(配列番号:7))をもつCCT2を発現し、以下IMR32-CCT2またはSKNAS-CCT2という。スクランブルしたレンチウイルスプラスミドを対照として使用し、およびこれらの細胞は、以下IMR32-GFPまたはSKNAS-GFPという。
0.5μg/mLピューロマイシンジヒドロクロリド(ThermoFisher)をSKNAS細胞におけるプラスミドを維持するために添加して、1.0μg/mLをIMR32細胞において使用した。
【0128】
ウェスタン。細胞溶解、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)、総タンパク質染色、ゲル視覚化およびゲルバンド定量化は、前述したとおりに行った(ref)。可溶化液を6ウェルプレートまたは2D培養フラスコから収集した。総タンパク質は、製造業者のプロトコルにしたがってPierce BCA Proteinアッセイキット(Thermo Scientific)を使用して決定した。一次抗体は:N末端アミノ酸1-100をターゲットする総CCT2(ab109184)abcam;CCT3(MA5-27872)Invitrogen;C末端アミノ酸をターゲットする内因性CCT2(MAB10050)milipore;およびFLAG(ab1162)abcamを含んだ。二次抗体は、IRDye 800CWおよびIRDye 680CW(LI-COR)を含んだ。画像は、LiCOREイメージャーで収集し、およびImageStudioを使用して処理した。
【0129】
RT-PCR。RNAは、RNA抽出のための製造業者の標準的プロトコルにしたがって、TRIzolTM(Invitrogen)を使用して細胞から単離した。RNAは、Nanodropを使用して定量化した。Cdnaは、製造業者のプロトコルにしたがってiScriptTM Cdna Synthesisキット(Bio-Rad)を使用して合成した。Cdnaを1:5希釈し、および製造業者の推奨に従ってFast SYBRTM GreenMasterMix(Applied Biosystems)と混合し、および次いで95℃3秒および62℃30秒間にて40サイクルの間Quantstudio PCRにおいて実行する、
遊走アッセイ。細胞は、96ウェルプレートにおいて50,000細胞(SKNAS)および60,000細胞(IMR32)の播種密度として培養、一晩座静置した。Sartorius Scratch Wound Assayキットを使用してスクラッチを作製し、細胞をプロトコルに従って洗浄した。画像は、Incucyte S3を使用して48時間の間2時間毎に収集して、Incucyte 2021Aソフトウェアを使用して解析した。
【0130】
アクチンおよびDAPI染色。細胞を96ウェルプレートにおいてウェルあたり10,000-30,000細胞にて播種した。次の日、細胞を10分間10%中性緩衝ホルマリンにおいて固定した。次いで、細胞を穏やかに攪拌しながら5分間、PBS中の0.5%Trition X100において透過処理した。次いで、細胞を穏やかな浸透化で室温で30分間、1%ブロッキング溶液(PB中の1-2%BSA、0.05のTween20)に置いた。次いで、細胞を30分間暗闇において99μLの1%ブロッキング溶液中の1μL悪因で染色した。細胞を洗浄溶液(PBS中の0.05%Tween20)で3回洗浄して、10分間乾燥させた。次いで、細胞を10分間95μLのPBS中の5μLDAPIを使用してDAPIを染色した。次いで、細胞をPico下で河視化して、画像を取得し、Picoソフトウェアを使用して解析した。
【0131】
コロニーアッセイ。細胞を6ウェルプレートにおいた10,000細胞にて播種して、6サイクルの間培養した。これは、IMR32について2週およびSKNASについて3週であった。
【0132】
緩衝液実験。プロトコルは、以前に記述したように(ref)、Lowes et al[ref]から適応した。試料を抗体染色後に希釈緩衝液で2回洗浄し、希釈緩衝液(350μL)に再懸濁して、CSS磁石カートリッジに移して、CSS Analyzer IIにおいて実行して、解析した。
【0133】
統計。統計分析は、GraphPad Prismソフトウェアを使用して実施した。RT-PCR解析については、相対的遺伝子発現が対照試料におけるこの遺伝子の平均発現よってその試料における遺伝子の発現を割って、すなわち2-ΔΔCt/平均(2-ΔΔCt対照試料)で算出し、MDA-MB-231を対照試料として割り当てた。
【0134】
生物情報科学データベースは、小児癌がCCT2の高レベルを有することを示す。小児癌におけるCCT2の関連を決定するために、この研究は、UCSC Xenaデータベースを使用して、GTEx(正常組織)、TCGA(成体癌組織)およびTARET(小児癌組織)を比較した。結果は、TCGA症例は、GTExより有意に高いCCT2のレベル(<0.0001)を有し、および小児症例は、TCGA症例より有意に高いCCT2のレベル(<0.0001)を有することを示す、
図19A。小児症例を癌タイプによって分析したとき、腎明細胞肉腫、神経芽細胞腫およびウィルムス腫瘍が腎ラブドイド腫瘍より高いレベルを有したことを見出した、
図1B。これらの所見を確認するために、KidsFirstと呼ばれる異なるデータベースを使用し、CCT2レベルをいくつかの小児癌にわたって評価した、
図19C。最も高いCCT2レベルのいくつかが神経芽細胞腫、脈絡叢癌および神経芽腫において見られた。CCT2レベルをその他の腫瘍マーカーと比較した場合を決定するために、本研究は、UCSC Xenaデータベースおよびいくつかの共通の生物マーカーにおける神経芽腫症例に注目した。CCT2レベルは、MYC、MYCN、CDK2、CDK4、CCNE1、CCND1、YAP1およびRB1より高かった。CCT2レベルは、CCND1より低かった、
図19D。
【0135】
CCT2染色は、複数の小児癌組織に存在し、および神経芽腫において高い。小児癌組織におけるCCT2染色を決定するために、小児癌についての組織マイクロアレイ(TMA)を染色した。全ての癌がCCT2について高い(スコア3-4)染色を有することが判明した、
図20A。一方、大部分の正常組織は、CCT2のいくつかを有し、したがって我々は、神経芽腫TMAを染色して、より優れた腫瘍段階および攻撃性の範囲を得た。本研究は、染色が全ての腫瘍組織において存在し、正常組織において最小限であったことを見出した、
図20B。少ない試料のために統計的に有意ではないが、ここでは、増加した染色および増加腫瘍悪性度、CD56染色および/またはCgAである傾向があった。
【0136】
CCT2は、神経芽腫株化細胞SKNASおよびIMR32における存在する。CCT2が神経芽腫株化細胞において検出可能だったかどうかを決定するために、この研究は、IMR32およびSKNAS株化細胞に対してヌムールデータベースからのRNAを最初に解析した。IMR32は、MYCN増幅された高リスク神経芽腫、処理前である。SKNASは、MYCNダウンレギュレートされた高リスク神経芽腫、転移性再発からの後処理である。CCT1、CCT2およびCCT4は、SKNASと比較して、IMR32において統計的に有意な増大を示す、
図21A。次いで、本研究は、IMR32およびSKNAS株化細胞を培養して、CCT2およびCCT3レベルについてRNAおよびタンパク質を測定した。RT-PCRは、トリプル陰性乳癌株化細胞であり、および歴史的にCCT2(REF)の高レベルを有するMDA-MB-231ものと比較してIMR32およびSKNASにおいてCCT2の高レベルを示した。MDA-MB-231を越えるCCT2におけるこの増大は、IMR32について統計的に有意なだけであった(p=0.0031)、
図21B。CCT3レベルは、IMR32、SKNASおよびMDA-MB-231株化細胞にわたって比較的高かった。ウェスタン解析では、同様の結果が分かった。CCT2およびCCT3レベルは、SKNASを越えてIMR32において統計学的に有意に高かった(それぞれp=0.0108およびp=0.0919)、
図21C。
【0137】
SKNAS細胞におけるCCT2のノックダウンは、生存度を減少させ、アクチンIMR32を減少させる。これらの神経芽腫株化細胞におけるCCT2の役割が生命維持だったかどうかを決定するために、株化細胞をCCT2-shRNAでトランスフェクトした。GFP-shRNAを対照トランスフェクションのために使用した。
図22は、トランスフェクションがSKNAS株化細胞において良好だったことを示す。この誘導性システムは、ドキシサイクリンよって活性化される。ウェスタン解析は、ドキシサイクリンで処理後、総CCT2(p=0.0092)、CCT3(p=0.0307)およびエンドーCCT2(p=0.0284)において統計的に有意な減少を示した、
図22A。細胞生存度に対するノックダウンの効果を決定するために、MTTアッセイを一過性にトランスフェクトされた細胞で完了した。MTTアッセイは、GFP-shRNA処理した細胞よりもCCT2-shRNA処理した細胞において48時間後に生存可能な細胞における50%の減少を示した(p<0.0001)、
図22B。IMR32細胞は、同様にトランスフェクションを受け入れず、したがって、我々は、CCT2をターゲットするsiRNAのプールでこれらの細胞を処理した。アクチンおよびDAPI染色は、対照と比較してsiRNAで処理した細胞に存在するアクチンにおける80-60%の減少を示す、
図22C。
【0138】
CCT2プラスミドのレンチウイルス形質導入は、CCT2 RNAおよびタンパク質を増加させる。CCT2がSKNASおよびIMR32株化細胞において過剰発現することができるかどうかを決定するために、これらには、レンチウイルスプラスミドをトランスフェクトして、CCT2を過剰発現させた。レンチウイルスGFPを対照のために使用した。RT-PCR解析は、SKNAS(P=0.0214)においてCCT2の統計的に有意な増加を示したが、IMR32(0.2540)においては示さなかった、
図23A。CCT3における増大は、統計的に有意でなかった(
図23A)。ウェスタン解析は、SKNASにおけるCCT2過剰発現が内因性CCT2(p=0.0108)において統計的に有意な減少を、およびFLAG(p=0.0040)において統計的に有意な増大を生じることを示した。全体として、総CCT2およびCCT3における増大は、統計的に有意でなかった。IMR32細胞において、CCT2過剰発現は、総CCT2(p=0.0337)およびFLAG(p=0.0214)において統計的に有意な増大を、および内因性CCT2(p=0.0121)において統計的に有意な減少を生じた。CCT3は、不変のままであった。
【0139】
機能的アッセイは、神経芽腫株化細胞におけるCCT2の過剰発現から変化を示さなかった。CCT2の過剰発現がSKNAS株化細胞に対して有する効果を決定するために、遊走アッセイを完了した。遊走アッセイは、SKNAS-GFP株化細胞とSKNAS-CCT2株化細胞の間に有意な相違を示さなかった、
図24A。シャペロニン活性における増大があるかどうかを決定するために、我々は、SKNASおよびIMR32株化細胞においてアクチンレベルを測定し、対照対CCT2過剰発現を比較した。アクチン染色は、過剰発現株化細胞と対照の間で不変のままであった、
図5)。
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【表4】
*T47Dレンチウイルス対照を使用したT47D細胞におけるサイクリンD1以外の全ての解析のための参照試料としてMCF-7レンチウイルス対照を参照試料とし使用した。
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
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【配列表】
【国際調査報告】