(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】集電装置及び操作方法
(51)【国際特許分類】
B60L 5/38 20060101AFI20240221BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20240221BHJP
B61K 9/08 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
B60L5/38 B
B60M7/00 Z
B61K9/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554003
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2021056098
(87)【国際公開番号】W WO2022188972
(87)【国際公開日】2022-09-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521205102
【氏名又は名称】シュンク トランジット ジステムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェファー ダニエル
【テーマコード(参考)】
5H105
【Fターム(参考)】
5H105BA02
5H105BB01
5H105CC14
5H105DD03
5H105DD22
5H105EE14
5H105GG02
5H105GG14
(57)【要約】
本発明は、導体レール(12)から鉄道車両に電力を伝送する集電装置を操作する方法と、集電装置(10)とに関し、集電装置は、摺動接触面(16)を形成する摺動片(15)を有する接触押圧装置(14)を備え、ロッカーに配置された摺動片に作用する接触押圧力は、旋回可能なロッカー(19)を有するロッカーユニット(18)と、接触押圧装置のバネ装置(20)とによって発生され、摺動片は、ロッカーユニットによって導体レールに対して移動されて、摺動接触を形成するために、接触押圧力を用いて、摺動接触位置において導体レールに対して押し付けられており、集電装置は、測定装置を有する測定ユニットを備え、測定装置の検出装置の少なくとも1つのセンサ(24)は、接触押圧装置に配置され、及び/又は接触押圧装置に隣接して配置され、接触押圧装置の測定値は、検出装置によって呈示され、測定値は、測定装置の処理ユニットによって処理されて、集電装置及び/又は導体レールの動作状態を表すパラメータが決定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体レール(12,27)から鉄道車両に電力を伝送する集電装置(10,26)を操作する方法であって、
前記集電装置は、摺動接触面(16)を形成する摺動片(15,28)を有する接触押圧装置(14,31)を備え、
ロッカーに配置された前記摺動片に作用する接触押圧力は、旋回可能なロッカー(19,29)を有するロッカーユニット(18,46)と、前記接触押圧装置のバネ装置(20,30)とによって発生され、
前記摺動片は、前記ロッカーユニットによって導体レールに対して移動されて、摺動接触を形成するために、前記接触押圧力を用いて、摺動接触位置において前記導体レールに対して押し付けられており、
前記集電装置は、測定装置(35,49)を有する測定ユニット(34,43,48)を備え、
前記測定装置の検出装置(37)の少なくとも1つのセンサ(24,32,38)は、前記接触押圧装置に配置され、及び/又は前記接触押圧装置に隣接して配置され、
前記接触押圧装置の測定値は、前記検出装置によって呈示され、
前記測定値は、前記測定装置の処理ユニット(39)によって処理されて、前記集電装置及び/又は前記導体レールの動作状態を表すパラメータが決定される、方法。
【請求項2】
測定値として、前記ロッカーユニット(18,46)の角度位置、加速度、周波数、温度、照度、力、電流、電圧、電気抵抗、距離、質量、気圧、及び/又は位置が、連続的に又は断続的に、呈示されて処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
センサ(24,32,38)として、少なくとも1つの加速度センサ(25)が使用され、
前記加速度センサ(25)は、前記摺動片(15,28)及び/又は前記ロッカーユニット(18,46)に配置される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記処理ユニット(39)は、一定の時間間隔をおいて、変化が生じた時に、又は連続的に、センサ(24,32,38)の前記測定値及び/又は前記パラメータを、呈示して記憶する、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ロッカーユニット(18,46)を駆動させるアクチュエータ(21)は、前記測定装置(43,48)の制御装置(44)によって制御され、
前記ロッカーユニットの駆動は、前記制御装置の制御機構(45)によって、測定値及び/又はパラメータに従って制御される、請求項1-4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記接触押圧力は、前記測定値及び/又はパラメータに従い、前記制御機構(45)によって制御される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記測定装置(35,49)は、評価ユニット(36,54)に、前記測定値及び/又はパラメータを送信し、
前記測定値及び/又はパラメータは、前記評価ユニットのデータベース(41,55)に記憶され、及び/又は前記評価ユニットの評価装置(42,56)によって処理される、請求項1-6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記測定装置の前記測定値及び/又はパラメータは、前記測定装置(35,49)の送信ユニット(50)によって、データリンク(52)を介して前記評価ユニット(36,54)及び/又は制御装置(44)に送信され、
前記評価ユニット及び/又は前記制御装置は、前記測定ユニットに対して間隔を空けて配置されるか、又は前記測定ユニットに一体化される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データリンク(52,53,59)は、外部データネットワーク(51)を介して形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記評価ユニット(36,54)及び/又は前記測定ユニット(34,48)へのデータリンク(59)は、ユーザユニット(58)によって形成され、
前記測定値及び/又はパラメータが、前記ユーザユニットに送信されて出力される、請求項7-9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記処理ユニット(39)又は前記評価ユニット(36,54)は、摩耗に関する時間に依存する成分及び/又は測定変数に依存する成分を考慮して、前記測定値及び/又はパラメータの時間曲線を評価し、前記集電装置(10,26)及び/又は前記導体レール(12,27)の摩耗状態を求める、請求項7-10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記摺動片(15,28)の振動は、前記検出装置(37)によって呈示され、
前記処理ユニット(39)は、前記摺動片及び/又は前記ロッカーユニット(18,46)の固有振動数及び/又は共振周波数を求め、
前記処理ユニット又は前記評価ユニット(36,54)は、前記摺動片の摩耗状態を求める、請求項7-11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記処理ユニット(39)又は前記評価ユニット(36,54)は、一定期間にわたって記憶された前記測定値及び/又はパラメータのパターン分析を実施し、前記パターン分析から主要な指標を導出する、請求項7-12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記処理ユニット(39)又は前記評価ユニット(36,54)は、それぞれ異なるセンサ(24,32,38)の前記測定値及び/又はパラメータを相関させ、前記測定値及び/又はパラメータの関数従属性を導出する、請求項7-13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記集電装置(10,26)の位置が、前記検出装置(37)の位置センサによって求められ、
前記位置は、前記パラメータに関連付けられ、
前記評価ユニット(36,54)は、前記導体レール(12,27)の摩耗状態を求める、請求項7-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
評価ユニット(36,54)は、複数の集電装置(10,26)の測定ユニット(34,43,48)のパラメータを処理する、請求項1-15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
導体レール(12,27)から鉄道車両に電力を伝送する集電装置(10,26)であって、
前記集電装置は、摺動接触面(16)を形成する摺動片(15,28)を有する接触押圧装置(14,31)を備え、
前記接触押圧装置は、旋回可能なロッカー(19,29)及びバネ装置(20,30)を用いて接触押圧力を発生するロッカーユニット(18,46)を備え、
前記摺動片は、前記ロッカーに配置され、
前接触押圧装置は、前記摺動片が、前記ロッカーユニットによって導体レールに対して移動可能であり、かつ摺動接触を形成するために、前記接触押圧力を用いて、摺動接触位置において前記導体レールに対して押し付けられるように構成されるように、形成されており、
前記集電装置は、測定装置(35,49)を有する測定ユニット(34,43,48)を備え、
前記測定装置の検出装置(37)の少なくとも1つのセンサ(24,32,38)は、前記接触押圧装置に配置され、及び/又は前記接触押圧装置に隣接して配置され、
前記接触押圧装置の測定値は、前記検出装置によって呈示可能であり、
前記測定値は、前記測定装置の処理ユニット(39)によって処理可能であり、
前記集電装置及び/又は前記導体レールの動作状態を表すパラメータが、決定可能である、集電装置。
【請求項18】
少なくとも1つの請求項17に記載の集電装置(10,26)を有する少なくとも1つの鉄道車両を有する監視システム(47)。
【請求項19】
前記監視システム(47)は、複数の測定ユニット(34,43,48)と、複数の集電装置(10,26)の前記測定ユニットの測定値及び/又はパラメータを処理する評価ユニット(36,54)と、を備える、請求項18に記載の監視システム。
【請求項20】
前記監視システム(47)は、複数の鉄道車両を備え、
前記複数の鉄道車両のそれぞれは、少なくとも1つの集電装置(10,26)を有する、請求項18又は19に記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集電装置と、導体レールから鉄道車両に電力を伝送する集電装置を操作する方法とに関し、集電装置は、摺動接触面を形成する摺動片を有する接触押圧装置を備え、摺動片に作用する接触押圧力は、摺動片はロッカーに配置されているが、旋回可能なロッカーを有するロッカーユニットと、接触押圧装置のバネ装置とによって発生され、摺動片は、ロッカーユニットによって導体レールに対して移動されて、摺動接触を形成するために、接触押圧力を用いて、摺動接触位置において導体レールに対して押し付けられる。
【背景技術】
【0002】
この種の集電装置及び方法は、先行技術から良く知られており、電力を導体レールから鉄道車両へ伝送するために、一般に鉄道車両において用いられる。この導体レールは、通常、ガイドレールの領域において配置され、一般にいわゆる第三軌条と呼ばれる。既知の集電装置において、摺動片は、ロッカーアーム又は接合部によって形成されて、かつ導体レールに対して摺動片を取り付け、移動させるために機能するガイドに配置される。この摺動片の機械式サスペンションによって、摺動片は、所定の接触押圧力を用いて導体レールの摺動接触面に押し付けられ得る。導体レールと、導体レールの上側に対して、導体レールの下側に対して、又は導体レールの側面に対して、摺動片が押し付けられる集電装置との間において、区別がされる。導体レール上において摺動片を駆動させること又は移動させることによって、摺動片は、始動傾斜路を介して導体レールによって接触させられ、その後、ロッカーアーム、つまりロッカー又は接合ガイドは、摺動片を介することによって押し戻され、よって必要な接触押圧力がバネ装置によって発生される。このバネ要素は、機械式ねじりバネ、巻きバネ、又はゴムバネとして形成され得る。
【0003】
また、バネ要素は、鉄道車両の動きと導体レールの路線の変化とを相殺する。鉄道車両への取付位置に応じて、集電装置と導体レールとの間の相対距離が、鉄道車両の荷重状況に従って変更可能であり得る。例えば、分岐器又は接続部の領域において、摺動片のための始動傾斜路が設けられるか、又は数センチメートルの高低差を有する出っ張りがあり得る。鉄道車両は、比較的に高速度においてこのような路線区間を定期的に走行するので、摺動片のそれぞれが、特に導体レールの出っ張りにより強い衝撃を受ける。この場合、摺動片が、導体レールの振動により、導体レールから浮き上がり得て、導体レール上においてジャンプすることさえもあり得て、よって摺動片の材料には大きな応力がかけられる。摺動片自体又はロッカーも、バネ装置によって振動を生じさせられ得る。摺動片が導体レールから浮き上がったとき、アーク放電が生じ得て、結果として、鉄道車両はより多くの電力を必要とする。さらに、摺動片の機械式サスペンションは、より大きな応力がかけられる。この摺動片も、電気的摩耗から摩耗する。全体的に、これは、集電装置の保守点検の実施及び摺動片の交換の労力が増大されることをもたらす。この種の集電装置は、例えば、DE 10 2009 054 484 B4及びUS 2013/0081915 A1から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、集電装置の操作方法を提案することであり、改良された動作を可能にする集電装置及び集電装置を有する監視システムを提案することにある。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有する方法によって達成され、請求項17の特徴を有する集電装置によって達成され、請求項18の特徴を有する監視システムによって達成される。
【0006】
導体レールから鉄道車両に電力を伝送する集電装置を操作する本発明に係る方法は、摺動接触面を形成する摺動片を有する接触押圧装置によって実施され、ロッカーに配置された摺動片に作用する接触押圧力は、旋回可能なロッカーを有するロッカーユニットと、接触押圧装置のバネ装置とによって発生され、摺動片は、ロッカーユニットによって導体レールに対して移動されて、摺動接触を形成するために、接触押圧力を用いて、摺動接触位置において導体レールに対して押し付けられており、集電装置は、測定装置を有する測定ユニットを備え、測定装置の検出装置の少なくとも1つのセンサは、接触押圧装置に配置され、及び/又は接触押圧装置に隣接して配置され、接触押圧装置の測定値は、検出装置によって呈示され、測定値は、測定装置の処理ユニットによって処理されて、集電装置及び/又は導体レールの動作状態を表すパラメータが決定される。
【0007】
接触押圧装置のロッカーユニットは回転可能なように形成されるので、ロッカーに取り付けられた摺動片を有する無負荷のロッカーは、接触押圧力を発生させながら、端部位置から導体レール上の摺動接触位置へ移動され得る。この場合において、接触押圧力は、バネ装置によって及ぼされる。よって、ロッカーユニットは、摺動接触位置と端部位置との間での、摺動片、つまりロッカーの移動のみを可能にする。このロッカーは、回転可能なように単一のスイベルに取り付けられ得るか、又は1つの旋回軸にそれぞれが取り付けられた複数のスイベルによって形成され得る。バネ装置は、接触押圧力を加えることに適する、機械式、空圧式、又は油圧式のバネ要素を有し得る。
【0008】
本発明に係る方法は、集電装置が測定装置を有する測定ユニットを備え、前記測定装置は、少なくとも1つのセンサを有する検出装置を有することを意図する。このセンサは、接触押圧装置、ロッカー、又は摺動片に配置される、及び/又は接触押圧装置に隣接して配置される、つまりロッカー又は摺動片に可能な限り近づけて配置される。接触押圧装置、ロッカー、又は摺動片の測定値は、検出装置、つまりセンサによって呈示される。この測定値は、接触押圧装置へ直接的に操作可能に関連付けられ、集電装置の動作中に変動し得る、物理的な測定変数である。そして、センサによって測定された測定値、つまり測定変数は、処理ユニットによって処理されて、集電装置及び/又は導体レールの動作状態を表すことに適するパラメータが決定される。このパラメータは、媒介変数、特性変数、主要な指標又はデータセットであり得る。このパラメータは、データセット内にも含まれ得る。特に、さらにデジタル処理に適するパラメータを得るために、処理ユニットによって測定値をデジタル処理することが意図される。よって、処理ユニットは、センサのアナログ信号及び/又はデジタル信号を処理し得る、少なくとも1つのデジタル電気回路によって形成される。この処理ユニットは、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、集積回路(IC)、又はコンピュータでもあり得る。
【0009】
処理ユニットが、集電装置の動作状態を表すことに適するパラメータを決定する結果として、集電装置の動作状態を求めること、集電装置の監視すること、及び/又は充電装置の動作状態に影響を及ぼすことが可能になる。集電装置の動作状態は、導体レールの状態、つまり導体レールの動作状態にも大きく依存しているので、このパラメータは、導体レールの動作状態も表し得る。例えば、動作状態は摩耗状態であり得るので、パラメータに基づいて摩耗状態について表すことが可能になる。全体的に、集電装置及び導体レールの保守点検が、定期的な保守点検の間隔に固執することなく、より対象が絞られるように実施され得る。さらに、例えば、接触押圧力の調整によって、動作状態の変更を実施することも可能になる。よって、全体的に、集電装置又は導体レール、よって鉄道車両を、全体においてより費用効果を高く運転することが可能になる。
【0010】
よって、測定値として、ロッカーユニットの角度位置、加速度、周波数、温度、照度、力、電流、電圧、電気抵抗、距離、質量、気圧、及び/又は位置が、連続的に又は断続的に、呈示されて処理され得る。ロッカーユニットの角度位置に基づいて、鉄道車両に対するロッカーの歪みが、ロッカーの旋回点において測定され得る。例えば、旋回点のロータリーポテンショメータや、別の適したセンサが、これに使用され得る。温度は、温度センサを用いて、接触押圧装置においてか、又は直接的にロッカー又は摺動片において測定され得るので、例えば導体レールが凍結する危険があるかどうかが判定され得る。照度の測定は、光学センサや、センサを形成するカメラを用いてさえ実施され得る。よって、導体レールの表面の凹凸や、アーク放電が判定され得る。力は、ひずみゲージ、力センサ、圧力センサなどによって求められ得る。よって、例えば、接触押圧力が測定され得る。電流又は電圧は、センサとして電流計又は電圧計を用いて測定され得る。抵抗値は、電流及び電圧から求められ得て、接触の品質の基準になり得て、摺動片の摩耗状態についても表し得る。例えば、摺動片と導体レールとの間における電力の伝送の品質が、その後に決定され得る。質量も、力センサによって測定され得る。大気圧は、接触押圧力を発生させる送風機又は加圧シリンダにおいて測定され得る。集電装置の位置は、GPSのような衛星測位システムを用いて容易に求められ得る。この測定値又はこの測定値群は、継続的につまり連続的に、求められ得るか、又は処理され得る。この測定値又はこの測定値群を、断続的に、例えば設定した時点やある特定の機会において、呈示又は処理することも可能である。
【0011】
もし摺動片又はロッカーユニットに配置され得る少なくとも1つの加速度センサが、センサとして使用されるなら、特に有利である。この加速度センサ、つまり振動センサが、ロッカーユニット又は集電装置全体の固有振動数及び/又は共振周波数を測定するために使用され得る。例えば、この加速度センサによって、導体レール上の摺動片の移動が検出され得て、この場合において、導体レールの設計に関する結論がこの移動から導出され得る。よって、導体レールの路線における出っ張りが、出っ張りは導体レールから摺動片が浮き上がることの原因となり得るが、容易に判定され得る。よって、このような欠陥を判定するための特別な測定運転や現地調査が、必要なくなる。さらに、導体レールの摩耗又は摩損の結果としての摺動片の変化が、摺動片の固有振動数及び/又は共振周波数の変化を引き起こす。新しい摺動片と摩耗した摺動片との間の違いが、このことから生じ得る。摺動片は、鉄道車両の走行中に導体レールと定期的に接するので、処理ユニットは、摺動片の固有振動数及び/又は共振周波数の変化から摺動片の変化を導出し得る。例えば、新しい摺動片及び摩耗した摺動片の固有振動数及び/又は共振周波数が、処理ユニットに記憶され得て、この場合において、処理ユニットは、さらに計算することなく比較し得て、摺動片の摩耗状態、つまり摺動片の使用量を求め得る。そして、この摩耗は、パラメータの形式として出力され得る。さらに、摺動片が破損したか、又は変形したかどうかが、容易に判定される。
【0012】
処理ユニットは、一定の時間間隔をおいて、変化が生じた時に、又は連続的に、センサの測定値及び/又はパラメータを、呈示して記憶し得る。それに応じて、データ量を最小化するために値が変化した時にのみ、測定値及び/又はパラメータが呈示され記憶されることが想定され得る。代替として、継続的な、言い換えれば連続的な呈示及び記憶が意図され得る。測定値及び/又はパラメータを記憶することによって、処理が、呈示の後でさえ実施され得る。例えば、測定値が鉄道車両の走行中に呈示され得て、よってこの場合において、そのパラメータ又はパラメータ群の判定が、鉄道車両が駅において点検されると実施され得る。このように、鉄道車両の路線に沿った導体レールの状態が、例えば、走行後に判定され得る。
【0013】
ロッカーユニットを駆動させるアクチュエータは、測定装置の制御装置によって制御され、ロッカーユニットの駆動は、制御装置の制御機構によって、測定値及び/又はパラメータに従って制御される。接触押圧装置は、アクチュエータの直線移動によってロッカーが摺動接触位置と収納位置との間において旋回されるように、ロッカーユニット又はロッカーに接続され得るアクチュエータを備える。このアクチュエータは、直線駆動装置によって、つまり空圧シリンダ又は油圧シリンダによって形成され得る。接触押圧力がアクチュエータによって変化されること、つまりアクチュエータが接触押圧力を発生させることも想定され得る。この場合において、アクチュエータはバネ装置を形成する。そして、測定装置は、信号、つまり測定値及び/又はパラメータを制御装置に送り得て、前記制御装置は、制御機構によってロッカーユニットを制御するために、それらを使用し得る。例えば、もし摺動片が破損したことを制御ユニットが検出したなら、ロッカーは、鉄道車両の収納位置に旋回され得る。さらに、アクチュエータを介して接触押圧力を制御することが可能である。原理的に、この種の制御装置は、測定装置に関わらず、鉄道車両のモジュールとしても設けられ得る。
【0014】
接触押圧力は、測定値及び/又はパラメータに従って、制御機構によって制御され得る。例えば、接触押圧力は、ロッカーの角度位置及びロッカーの移動に関わらず、実質的に一定となるように発生され得る。よって、摺動片は、導体レールの凸凹の結果として、導体レールから浮き上がること、又は導体レール上においてジャンプすることが、ほぼ防止され得る。例えば、処理ユニットは、摺動片が導体レールから離れる方向に加速された後に制御装置にパラメータを出力し得て、その後、制御装置は、制御機構つまりアクチュエータによってロッカーに反対方向の力を及ぼすことが可能であり、前記反対方向の力が、浮き上がることを防止する。この接触押圧力は、接触押圧力が増大した結果として摺動片が過度に摩耗しないようにも制御され得る。よって、もし改善された導体レールとの電気的接続が形成され得るなら、接触押圧力は比較的に抑制され得る。
【0015】
測定装置は、評価ユニットに測定値及び/又はパラメータを送信し得て、この測定値及び/又はパラメータは、評価ユニットのデータベースに記録可能、及び/又は評価ユニットの評価装置によって処理可能である。よって、評価ユニットは、データベース及び評価装置を備え得る。よって、評価ユニットは、測定値及び/又はパラメータを集めて処理するために機能し得て、コンピュータであり得る。例えば、評価装置は、オペレータに評価の結果を表示又は出力し得る。評価ユニットは、処理ユニットよりも幅広い機能を有し得る。しかし、原理的には、評価ユニット内に処理ユニットを組み込むことも可能であり、その逆もまた可能である。原理的には、この種の評価ユニットは、集電装置に関わらず、鉄道車両のモジュールとしても備えられ得る。
【0016】
測定装置の測定値及び/又はパラメータは、測定装置の送信ユニットによって、データリンクを介して評価ユニット及び/又は制御装置に送信可能であり、評価ユニット及び/又は制御装置は、測定ユニットに対して間隔を空けて配置されるか、又は測定ユニットに一体化されるように構成される。もし制御装置又は評価ユニットが測定ユニットに一体化されているなら、データリンクはライン接続によって容易に形成され得る。また、処理ユニット、制御装置及び評価ユニットのような測定装置の一部を、鉄道車両の別の場所、例えば運転台などに取り付けることも可能である。測定値及び/又はパラメータが送信されるとき、データは、例えば送信プロトコルに基づいてやりとりされ得る。このデータリンクは、継続的に、周期的に、又は事故によってトリガされるように確立され得る。全体的に、これは、測定装置によって収集されたデータを収集して評価することを可能にする。また、特定の状況及び事故の分析が評価の多数の機会を提供し、この評価によって集電装置及び導体レール、つまり鉄道車両の動作が最適化され得る。
【0017】
データリンクは、外部データネットワークを介して形成され得る。この場合、このデータリンクは、モバイルネットワーク、ワイヤレスネットワーク、衛星接続、インターネット又は他の無線規格を介して、それ単独又は組み合わせにより形成され得る。もし評価ユニット及び/又は制御装置が、測定ユニットに対して間隔を空けて配置されるなら、評価ユニット及び/又は制御装置は、鉄道車両の外側、例えば建物内に、鉄道車両から離れて据え置かれるようにも配置され得る。特に、よって、鉄道車両の集電装置の機能の監視及び/又は制御が、人が鉄道車両自体においてこの作業を行うことなく可能になる。
【0018】
評価ユニット及び/又は測定ユニットへのデータリンクは、ユーザユニットによって形成され得て、測定値及び/又はパラメータは、送信可能であり、ユーザユニットに出力されるように構成される。ユーザユニットは、評価ユニット及び/又は測定ユニットから独立したコンピュータであり得る。このコンピュータは、モバイル機器などの据え置き型コンピュータであり得て、これによって評価ユニット及び/又は測定ユニットとデータをやりとりする別のデータリンクが確立され得る。例えば、データは、インターネットのような外部データネットワークを介してやりとりされ得る。このように、評価ユニットによって処理されたデータ、又は評価装置を用いて処理された測定値及び/又はパラメータが、より広範なユーザに提供され得る。例えば、評価ユニットは、評価ユニットのデータベースに記憶された情報をユーザユニットに送信するソフトウェアを有するサーバであり得る。この送信は、現在の摺動片の摩耗状態などの、選択された情報が掲載されたウェブサイトが提供されることで実行される。
【0019】
処理ユニット又は評価ユニットは、摩耗に関する時間に依存する成分及び/又は測定変数に依存する成分を考慮して、測定値及び/又はパラメータの時間曲線を評価し得て、集電装置及び/又は導体レールの摩耗状態を求め得る。よって、情報が現在の摩耗状態に関して提供され得るだけでなく、例えば、摺動片が、どの時点においておおよそ摩耗したのかさえも求められ得る。よって、集電装置の保守点検の間隔が正確に計画され得て、そのタイミングが最適化され得る。さらに、特定の事象が発生した時点が、時間曲線によって求められ得る。これに基づき、もし事象が繰り返し発生するなら、対応策が導出され得る。例えば、より悪い電気的接触又は摩耗の増大が、路線の特定の区間を運転するときに観測され得る。
【0020】
摺動片の振動は、検出装置によって呈示され得て、処理ユニットは摺動片及び/又はロッカーユニットの固有振動数及び/又は共振周波数を求めるように構成され、処理ユニット又は評価ユニットは、摺動片の摩耗状態を求めるように構成される。摺動片の形状、特に摺動片の高さが、摺動片が摩耗したときに変化し得て、この場合に、この形状の変化が、摺動片の固有振動数及び/又は共振周波数を変化させ得る。摺動片及び/又はロッカーユニットの摩耗状態が、処理ユニットによって、固有振動数及び/又は共振周波数から求められ得る。もし固有振動数及び/又は共振周波数が、材料が摺動片又はロッカーユニットの構成要素からだんだんすり減らされるにつれて変化するなら、摺動片及び/又はロッカーユニットの摩耗状態に関する結論が、この変化から導かれ得る。よって、摺動片が新品か完全に摩耗されたかどうかを求めることが可能なだけでなく、摺動片がどの程度使用されたかを求めることも可能である。
【0021】
処理ユニット又は評価ユニットは、一定期間にわたって記憶された測定値及び/又はパラメータのパターン分析を実施し得て、パターン分析から主要な指標を導出する。パターン分析が人工知能を用いて実施されることも、意図され得る。この処理ユニット又は評価ユニットは、それぞれ異なるセンサの測定値及び/又はパラメータを相関させ得て、測定値及び/又はパラメータの関数従属性を導出し得る。よって、センサ間の関数従属性が調べられ得る。例えば、伝送された電流が温度と比較され得て、よって導体レールが凍結したと判定することが可能である。このように、他の運用状況及び事故の多く、例えば導体レールに沿った傾斜及び傾斜の相対位置、傾斜の勾配及び傾斜量、導体レールからの摺動片の浮き上がり、場合によっては、スパークの生成又はアーク放電、導体レール上の機械的な摩擦の結果としての摺動片の摩耗、又は接触圧力つまり接触押圧力の結果としての電気的な剥離、特に路線にわたる摩耗の平均、特に摩耗の大きい又は特に摩耗の小さい路線区間、加速又は停止時の電流負荷のような走行挙動による摩耗率、導体レールの損傷及び/又は位置の偏り、一時的な過電流、短絡電流、保護ヒューズのトリガリング又は異常時における短絡のような電流負荷、軸受、接続部及び構造要素などの集電装置の部品の摩耗状態、例えば障害物との接触の結果としての摺動片の喪失、鉄道車両の位置、速度、加速度及び移動方向が、関数従属性の結果として検出され読取られ得る。これらの例示的な状況及び事故は、保守点検対策によって、鉄道車両の走行挙動の調整によって、又は他の適切な対策を実行することによって、適宜に対処され得る。
【0022】
処理ユニット又は評価ユニットは、集電装置と関連付けられていない信号、つまりセンサの測定値及び/又はパラメータと、集電装置と関連付けられた信号、つまりセンサの測定値及び/又はパラメータとを相関させることも意図され得る。例えば、接地、パンタグラフ、車輪フランジの注油、シャフトの接地などのセンサの信号、つまり測定値及び/又はパラメータを追加的に考慮することによってである。
【0023】
集電装置の位置が、検出装置の位置センサによって求められ得て、位置がパラメータに関連付けられ、評価ユニットは、導体レールの摩耗状態を求めるように構成される。位置センサは、例えば、衛星ナビゲーションを介して、集電装置の位置、よって車両の位置を求め得る。よって、とりわけ、路線のどの地点において、検出装置の他のセンサの特定の測定値が記録されたのかが求められ得る。よって、対応する場所が、事故又は測定値と関連付けられ得る。さらに、例えば導体レールに沿った集電装置又はロッカーユニットの振動の評価を介して、評価ユニットによって、導体レールの摩耗状態を求めることが可能になる。よって、ロッカーユニットの振動パターンは、導体レールが激しく摩耗したときに変化し得る。さらに、導体レールに沿った凹部、妨害物及び傾斜が求められ得て、路線の位置と関連付けられる。このことが、この方法により場所が求められた路線の区間における鉄道車両の速度に影響を与え得る。
【0024】
評価ユニットは、複数の集電装置の測定ユニットのパラメータを処理し得る。よって、評価ユニットは、それぞれの鉄道車両に配置された複数の集電装置のパラメータを処理し得る。測定又は監視の精度は、集電装置のパラメータを比較することによってさらに向上され得る。さらに、それぞれの鉄道車両に配置された集電装置のパラメータは、評価ユニットによって処理され得る。このことは、鉄道車両又はそれぞれの導体レールを測定すること又は監視することの精度も大幅に向上させ得る。とりわけ、このことは、路線ネットワーク及びその中において運転中の車両の、最新の状態の報告及び常に変化する状態の報告を提供する。このことによる運転状態の最適化が、運転コストを大幅に減少させ得る。また、定期的かつ頻繁なインフラストラクチャー及び鉄道車両の監視も、この全範囲までには必要がなくなり、運転の安全性が大幅に向上させられる。さらに、特別な測定ドライブも必要がなくなる。
【0025】
導体レールから鉄道車両に電力を伝送する本発明に係る集電装置は、摺動接触面を形成する摺動片を有する接触押圧装置を備え、接触押圧装置は、旋回可能なロッカー及びバネ装置を用いて接触押圧力を発生するロッカーユニットを備え、摺動片はロッカーに配置され、接触押圧装置は、摺動片が、ロッカーユニットによって導体レールに対して移動可能であり、かつ摺動接触を形成するために、接触押圧力を用いて、摺動接触位置において導体レールに対して押し付けられるように構成されるように、形成されており、集電装置は、測定装置を有する測定ユニットを備え、測定装置の検出装置の少なくとも1つのセンサは、接触押圧装置に配置され、及び/又は接触押圧装置に隣接して配置され、接触押圧装置の測定値は、検出装置によって呈示可能であり、測定値は、測定装置の処理ユニットによって処理可能であり、集電装置及び/又は導体レールの動作状態を表すパラメータが、決定可能である。本発明に係る集電装置の有利な点のさらなる詳細については、本発明に係る方法の有利な点の記述を参照されたい。集電装置のさらに有利な実施形態は、方法の請求項1を参照する従属請求項の特徴の記述から明らかである。
【0026】
本発明に係る監視システムは、少なくとも1つの本発明に係る集電装置を有する少なくとも1つの鉄道車両を備える。
【0027】
監視システムは、複数の測定ユニットと、複数の集電装置の測定ユニットの測定値及び/又はパラメータを処理する評価ユニットとを有し得る。よって、上述のように、1つの評価ユニットを使用するだけで、鉄道車両の複数の集電装置又は集電装置を有する複数の鉄道車両を監視すること、又はそれぞれの集電装置を制御することが可能になる。
【0028】
よって、監視システムは、複数の鉄道車両を備え得て、複数の鉄道車両のそれぞれは、少なくとも1つの集電装置を有する。鉄道車両のそれぞれが、複数の集電装置を有することも意図され得る。
【0029】
監視システムのさらに有利な実施形態は、方法の請求項1を参照する従属請求項の特徴の記述から明らかである。
【0030】
以下に、本発明が、添付の図面を参照してより詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、鉄道車両の集電装置の第1実施形態の側面図である。
【
図2】
図2は、鉄道車両の集電装置の第2実施形態の側面図である。
【
図3】
図3は、測定ユニットの第1実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は、測定ユニットの第2実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、導体レール12上の鉄道車両(不図示)の車輪11間での集電装置10を示す。集電装置10は、保持装置13と、摺動片15を有する接触押圧装置14とを備える。保持装置13は、車両(不図示)に集電装置10を取り付けるために機能する。摺動片15は、接触押圧装置14に接続され、図示されたような摺動接触位置において導体レール12と接触する。その後、摺動片15の摺動接触面16は、集電装置10と導体レール12との間における電気的接触が確立されるように、導体レール12の上側17に接触している。
【0033】
接触押圧装置14は、接触押圧力を用いて導体レール12に対して摺動片15を押し付け、接触押圧装置14は、旋回可能なロッカー19を有するロッカーユニット18と、バネ装置20とを備える。バネ装置20は、保持装置13に接続される。バネ装置20は、接触押圧力を発生するバネ(不図示)によって形成される。さらに、バネ装置20は、ロッカー19が駆動させられ得るか、又は旋回させられ得るアクチュエータ21を備える。ロッカー19は、旋回可能なようにスイベル22に取り付けられる。摺動片15は、ロッカー19の遠位端23に取り付けられる。アクチュエータ21によって駆動させることによって、そのとき、摺動片15が、導体レール12から移動されて、実質的に垂直位置、つまり収納位置に移されるように、ロッカー19を旋回させることが可能である。さらに、センサ24は、この場合において概略的に図示されるが、ロッカー19に配置される。センサ24は、加速度センサ25によって形成される。センサ24は、測定ユニットの検出装置(不図示)の一部である。ロッカー19及び摺動片15の振動、つまり対応する測定値が、加速度センサ25によって呈示され得る。
【0034】
図2は、導体レール27を有する集電装置26を示してはいるが、
図1の集電装置及び導体レールとは対照的に、摺動片28は、導体レール27が下方から摺動片28によって接触されるように、ロッカー29に配置される。よって、接触押圧装置31のバネ装置30は、反対方向に作用する。さらに、センサ32は、ここでは、ロッカー29の角度αの角度位置が、集電装置26の垂直な取付面33に対してセンサ32によって測定されるように意図される。よって、鉄道車両に対する導体レール27の相対位置に関する情報が、測定値、つまり測定角度によって求められ得る。センサ32は、測定ユニットの検出装置(不図示)の一部である。
【0035】
図3は、測定ユニット34の第1実施形態の概略図である。測定ユニット34は、測定装置35によって形成され、さらに評価ユニット36を備える。測定装置35は、複数のセンサ38を有する検出装置37と、処理ユニット39とを備える。さらに、電源ユニット40は、電源ユニット40によって測定装置35が電力を供給されることが意図される。電源ユニット40は、電力貯蔵装置、発電機、又は例えば鉄道車両又は導体レールを介する外部電力供給であり得る。評価ユニット36は、データベース41及び評価装置42を有しており、処理ユニット39から、データ、つまり測定値及び/又はパラメータを受け取る。処理ユニット39は、検出装置37のセンサ38から測定値を受け取り、測定値を処理する。この測定値は、
図1及び
図2において例示的に図示される集電装置のような集電装置(不図示)の接触押圧装置の動作パラメータ、つまり物理的測定値に関する。処理ユニット39は、それぞれの集電装置及び/又は導体レールの動作状態を表すパラメータが決定されるように、測定値を処理する。それぞれの決定されたパラメータが、処理ユニット39から評価ユニット36に、連続的、つまり継続的に送られ、そこでデータベース41において記憶されるか、又は評価装置42を用いて処理される。
【0036】
図4は、さらなる測定ユニット43を示し、
図3の測定ユニットとは対照的に、処理ユニット39が制御装置44にデータを送る。制御装置44は、制御機構45及びロッカーユニット46によって形成され、制御機構45は、送られたデータに従ってロッカーユニット46のアクチュエータ(不図示)を制御する。よって、集電装置の摺動片の接触押圧力は、集電装置はロッカーユニット46を備えるが、摺動片が導体レールから浮き上がることがほぼ防止され得るように制御機構45によって制御される。
【0037】
図5は、測定ユニット48を有する監視システム47を示す。監視システム47は、複数の測定ユニット48を有し得る。
図4の測定ユニットとは対照的に、測定ユニット48は、送信ユニット50を備える測定装置49を有する。送信ユニット50は、処理ユニット39から、データ、つまり測定値及び/又はパラメータを受け取り、それらを制御装置44に送る。さらに、測定値及び/又はパラメータが無線信号を用いて送信されるデータリンク52が、送信ユニット50と外部データネットワーク51との間に存在する。データベース55及び評価装置56を有する評価ユニット54は、別のデータリンク53を介して外部データネットワーク51へ接続され、外部データネットワーク51を介して送信ユニット50と、データ、つまり測定値及び/又はパラメータをやりとりする。原則的に、このデータは、外部データネットワーク51はバイパスして、直接的なデータリンク52を介して直接的にやりとりされ得る。さらに、ユーザユニット58が、ユーザユニット58は別のデータリンク59を介して外部データネットワーク51に接続されているが、設けられる。よって、ユーザユニット58は、評価ユニット54とデータをやりとりし得て、評価ユニット54によって処理された測定ユニット48のデータが、ユーザユニット58を介して出力され得て、又は図示され得て、さらに使用するために提供され得ることを意味する。ユーザユニット58は、直接的なデータリンク60を介して、評価ユニット54へ直接的に接続され得る。全体的に、よって、集電装置(不図示)に取り付けられたセンサ38を介して測定値を得ることと、制御装置44によってそれぞれの集電装置の直接的な制御又は調整のために測定値を用いることとが可能になる。さらに、このデータは、外部データネットワーク51、例えばインターネットを介する記憶及び評価のために評価ユニット54に送られ得る。よって、このデータの関数従属性が、用いられ、評価され、解釈され得る。これらの評価の結果が、ユーザユニット58を介してエンドユーザに提供され得る。
【国際調査報告】