(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】広帯域同軸負荷
(51)【国際特許分類】
H01R 24/38 20110101AFI20240221BHJP
【FI】
H01R24/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554341
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2022083561
(87)【国際公開番号】W WO2023117321
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514298472
【氏名又は名称】シュピナー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SPINNER GmbH
【住所又は居所原語表記】Erzgiessereistr. 33, D-80335 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ツィスラー
(72)【発明者】
【氏名】ヤンノ ゾヴォ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス グラービヒラー
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ウルリヒ ニッケル
(72)【発明者】
【氏名】ルパート フーバー
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA13
5E223AB45
5E223AB60
5E223BA12
5E223BA15
5E223BB12
5E223CA13
5E223CC09
5E223GA08
5E223GA33
(57)【要約】
広帯域同軸負荷(100)は、同軸支持体(200)内に同軸に保持された導電性ロッド(300)を含む。同軸支持体は、円形孔を含む本体(270)を備え、当該円形孔は、指数関数状ファネル(214)と、径方向を向いた複数の接触ばね(221)と、導電性ロッド(300)の直径に適合する円筒形孔(234)とを含む、3つの軸線方向セクション(210,220,230)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸支持体(200)内に同軸に保持された導電性ロッド(300)を含む広帯域同軸負荷(100)であって、
前記同軸支持体(200)は、3つの軸線方向セクション(210,220,230)を有する円形孔を有する本体(270)を備え、
前記同軸支持体(200)の第1の側面(201)から始まる第1のセクション(210)は、第1の直径(211)から始まって前記同軸支持体(200)内へ向かう方向で直径が減少して前記導電性ロッド(300)の直径に適合する第2の直径(212)に達するファネル(214)を有し、
第2のセクション(220)は、前記導電性ロッド(300)の直径に適合する直径(221)を有する、径方向を向いた複数の接触ばね(221)を備え、
第3のセクション(230)は、前記導電性ロッド(300)の直径に適合する直径(231)を有する円筒形孔(234)を有する、
広帯域同軸負荷(100)。
【請求項2】
シェル(152)が、
前記同軸支持体(200)を前記導電性ロッド(300)と共に保持し、さらに
同軸の中心導体(144)を有する外側導体(154)を保持する
ために設けられており、
前記外側導体(154)は前記同軸支持体(200)に接触しており、前記中心導体(144)は前記導電性ロッド(300)に接続されている、
請求項1記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項3】
均等な角度間隔で配置可能な少なくとも3つの接触ばねが設けられている、
請求項1または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項4】
前記導電性ロッド(300)が、誘電体ロッド、例えば少なくとも部分的に導電性表面を有するガラスロッドを含むか、または
前記導電性ロッド(300)が金属ロッドを含む、
請求項1から3までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項5】
前記導電性ロッド(300)は、軸線方向において第1の端部(301)と反対側の第2の端部(302)との間に、
前記第1の端部(301)における高導電性ゾーン(310)と、
前記高導電性ゾーン(310)の後方にあり、前記高導電性ゾーン(310)に接続された第1の抵抗ゾーン(320)と、
前記第1の抵抗ゾーン(320)の後方にあり、前記第1の抵抗ゾーン(320)に接続された任意の第2の抵抗ゾーン(330)と、
前記第2の端部(302)において前方のゾーンに接続された高導電性ゾーン(340)とを有する、
請求項1から4までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項6】
前記第1の端部(301)における前記高導電性ゾーン(310)は、前記同軸支持体(200)の第1の側面(201)を向いている、
請求項5記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項7】
前記導電性ロッド(300)の第2の端部(302)が、前記同軸支持体(200)の第2の側面から突出している、
請求項1から6までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項8】
前記導電性ロッド(300)の第2の端部(302)が、前記同軸支持体(200)の第2の側面に接着されている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項9】
前記同軸支持体(200)内の孔は、前記第3のセクション(230)での孔の直径の少なくとも3倍の長さを有する、
請求項1から8までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項10】
前記同軸支持体(200)は、前記接触ばね(221)を含むモノリシック部分である、
請求項1から9までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項11】
前記同軸支持体(200)は、ポリマー材料を含み、付加製造法によって製造することができ、かつ/または
前記同軸支持体(200)は金属を含む、
請求項1から10までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項12】
前記同軸支持体(200)は、導電性表面を有し、
前記導電性表面は、前記ファネルを有する前記同軸支持体(200)の少なくとも前記第1のセクション(210)に位置し、
前記導電性表面は、前記接触ばねを備える前記第2のセクション(220)に位置し、
前記導電性表面は、金属層を含むことができ、前記金属層は、ガルバニックプロセスまたはスパッタリングによって製造することができ、かつ/または薄い金属シートを含むことができる、
請求項1から11までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項13】
前記ファネル(214)は、直線状ファネル、湾曲状ファネル、環状ファネル、双曲線状ファネルおよび指数関数状ファネルのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から12までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項14】
前記本体(270)は、少なくとも第1の部分(271)および第2の部分(272)を有し、前記第1の部分(271)と前記第2の部分(272)とは同一とすることができ、
前記第1の部分(271)および前記第2の部分(272)のうちの少なくとも一方は、前記第1の部分(271)を前記第2の部分(272)に接続するために、他方の部分の凹部(274)に適合する突起(273)を有することができる、
請求項1から13までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項15】
負荷ハウジング(150)が設けられており、前記負荷ハウジング(150)は、前記同軸支持体(200)の第2の側面で中空空間(159)を包囲することができる、
請求項1から14までのいずれか1項記載の広帯域同軸負荷(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF信号用の広帯域同軸負荷に関する。当該負荷は、ネットワークアナライザのようなRF測定機器のための較正デバイスとして使用することができる。
【0002】
従来技術の説明
ネットワークアナライザは、通常、較正標準によって較正される。較正の精度は、使用される較正標準の精度に大きく依存する。したがって、広い帯域幅にわたって特定の特性を提供する較正標準が必要とされている。ほとんどの較正方法は、スルー接続、オープン、ショート、および負荷を使用している。較正負荷は、特定の周波数範囲にわたって一定のインピーダンスを有していなければならず、そのため、リターンロスが大きくなる。
【0003】
同軸負荷は、西独国特許出願公開第2042821号明細書に開示されている。ここでは、導電性材料から成るロッドがテーパ状の外側導体内に保持されている。米国特許第9423481号明細書に開示されている較正負荷も同じ基本コンセプトに基づいている。ここではさらに、較正負荷に嵌合する外部コネクタの機械的公差が補償されるよう、内側導体が柔軟に懸架されている。一般的に、中心導体が正確な中心位置から外れて曲がると非対称となり、インピーダンス整合に影響を与え、ひいては特に高周波数でのリターンロスに影響を与える。
【0004】
発明の概要
本発明が解決しようとする課題は、150GHz以上の周波数で使用可能な広帯域同軸負荷を提供することである。負荷は、製造が容易でコスト効率の良いものでなければならない。負荷は、優れた長期特性と共に広い帯域幅にわたる大きなリターンロスを有するべきである。
【0005】
この課題の解決手段は独立請求項に記載されている。各従属請求項は、本発明のさらなる改善形態に関する。
【0006】
広帯域同軸負荷は、本明細書では同軸支持体と称される外側導体移行要素内に同軸に保持される導電性ロッドに基づいている。同軸支持体は、少なくとも3つの異なるセクションを有する円形孔または環状孔を有する本体を有することができる。
【0007】
本体自体は、金属表面を有するポリマーまたはプラスチック材料を含むことができる。こうした金属表面は、スパッタリング、陽極酸化または任意の他の適切なプロセスによって作製することができる。金属表面は、孔の内側が導電性表面を有するように、少なくとも孔の領域にあるべきである。本体全体に完全な金属表面を設ける必要はない。
【0008】
導電性本体は、付加製造法によって製造することができる。こうした付加製造法として、ステレオリソグラフィまたは光重合、例えば2光子リソグラフィ、2光子重合、多光子重合が挙げられる。孔の正確な輪郭を機械加工することはきわめて困難であるため、当該製造法によって著しい小型化が可能となる。さらに、後に詳述するばねのような全ての構成要素を1つの部品から製造することができ、これにより安定性および耐久性が向上する。最後に、当該製造法は、本体が大規模な導電性ロッドおよび周波数範囲に適応化可能となる、きわめて高い柔軟性と拡張性とを可能にする。
【0009】
同軸支持体は、少なくとも孔の形状の異なる少なくとも3つのセクションを有する。
【0010】
同軸支持体の第1の側面から始まる第1のセクションは、指数関数状ファネルを含む。当該ファネルは、後述する、同軸支持体の第1の側面に接続されうる同軸システムに適合可能な大きな第1の直径を有する。ファネルは、本体内にあり、導電性ロッドの直径に適合可能な第2の直径まで減少する。基本的に、ファネルは、第1の直径と第2の直径との間に線形勾配または直線勾配を有しうるが、指数関数状の勾配を使用することで負荷のより大きなリターンロスを達成することができる。
【0011】
ファネルは、直線状ファネル、湾曲状ファネル、環状ファネル、双曲線状ファネル、および指数関数状ファネルのうちの少なくとも1つを含むことができる。基本的に、ファネルは、その中心軸線に対して回転対称でありうる。ファネルは、断面図において、直線状、湾曲状、環状、双曲線状、指数関数状であってよい。
【0012】
ファネルの後方に、接触部を有するセクションであって、導電性ロッドに接触するように構成可能な第2のセクションが続く。第2のセクションは、径方向を向いた複数の接触ばねを含むことができる。これらの接触ばねは、導電性ロッドに電気的に接触し、孔の内部への比較的短い電流経路を提供するために、導電性ロッドに対して径方向の力を発生させる。ばねを含むセクションは、導電性ロッドの直径に適合可能な直径を有することができる。電気的接触を提供することに加えて、ばねを含むセクションは、導電性ロッドに少なくとも幾らかの機械的摩擦を提供し、これにより導電性ロッドを本体内のその位置に保持することができる。
【0013】
第2のセクションに続く第3のセクションは、導電性ロッドの直径に適合する直径を有する円筒形孔を有する。当該第3のセクションは、導電性ロッドを正確に案内し、導電性ロッドを本体の軸線方向で安定させる。ロッドは、本体を通して軸線方向にのみ移動させることができる。ロッドは、後に詳述するように、比較的剛性の材料、例えばガラスまたは金属を含むことができるため、第3のセクションの案内により、第1のセクションのファネル内でも比較的固定された位置を維持する。これは、指数関数状ファネルに対するロッドの位置の径方向偏差により同軸負荷のインピーダンスが変化し、これにより同軸負荷のリターンロスが減少するので、重要である。
【0014】
全てのセクションを貫通する孔は、貫通孔とすることができる。
【0015】
導電性ロッドは、広帯域同軸負荷の同軸システムの特性インピーダンスに適合しなければならない。導電性ロッドは、第1の端部と対向する第2の端部との間で、軸線方向において、それぞれ異なる特性を有する複数のセクションを有することができる。第1の端部に、第1の高導電性ゾーンが存在しうる。当該高導電性ゾーンは、中心導体のような同軸導体システムへの接触のために使用することができる。当該高導電性ゾーンに隣接して少なくとも第1の抵抗ゾーンがあり、当該第1の抵抗ゾーンは、その長さにわたって一定の抵抗または変化する抵抗を有することができる。当該第1の抵抗ゾーンの後方に、異なる抵抗を有しうる第2の抵抗ゾーンが存在してもよい。最後に、さらに低インピーダンスの導電性ゾーンが存在してよく、これは、同軸支持体の接触ばねへの接触のために使用することができる。導電性ゾーンおよび/または抵抗ゾーンは隣接するゾーンに接続される。
【0016】
導電性ロッドは、誘電体ロッド、例えば導電性表面を有することのできるガラスロッドまたはガラス繊維を含むことができる。特に電気通信用途では、ガラス繊維はきわめて高い精度で製造することができる。このことは、導電性ロッドの厚さまたは直径の変化がインピーダンスを変化させ、リターンロス特性に影響を及ぼすため、重要である。本明細書ではガラスロッドとも称されるこうしたガラス繊維は、スパッタリングまたは陽極酸化のような任意の他の適切な方法によって導電性表面を有することができる。陽極酸化およびスパッタリングのようなそれぞれ異なる技術を組み合わせることも可能である。さらに、薄い金属リングを使用して、低インピーダンスのセクションを提供することもできる。
【0017】
組み立てられると、導電性ロッドは、同軸支持体の第2の側面から突出しうる。これにより、導電性ロッドの端部を把持して孔の軸線方向で移動させ、正確な調整を行うことができる。さらなる実施形態では、導電性ロッドの端部は、同軸支持体の第2の側面に接着されていてよい。これにより長く持続する正確な特性を提供する良好な固定が可能となりうる。第2のセクションによって加えられる力があるので、これは必須ではないが、品質を改善するために使用されてもよい。
【0018】
一実施形態では、同軸支持体は、導電性ロッドと共にシェルによって保持することができる。同軸の中心導体を保持する同軸の外側導体がさらに存在してよく、これら両方ともが金属または少なくとも導電性表面を有する材料で作製されていてよい。同軸の中心導体は導電性ロッドに接続されていてよく、同軸の外側導体は同軸支持体の第1の側面に電気的および機械的に接触していてよい。さらに、指数関数状ファネルの第1の直径は、外側導体の内径と同じ直径を有してもよい。
【0019】
高周波数の場合、同軸支持体は比較的小さく、かろうじて素手で取り扱うことができる程度であるため、安定性を高めて取り扱い特性を改善するために、さらなるハウジングを設けることができる。ハウジングは、同軸支持体の第2の側面で中空空間を包囲することができる。当該中空空間は、何らかの物体が同軸支持体の第2の側面で導電性ロッドに接触してこれにより調整が変化してしまうことを防止する。
【0020】
接触ばねは同軸支持体に対してモノリシックであるため、これらが比較的高い安定性および共通の表面を有する場合、導電性表面のコーティングを中断なしに行うことができる。接触ばねは、接触突起と共に径方向に配置されるが、導電性ロッドの始端から接触点のそれぞれまでの同じ電気的長さを提供するために、同じ軸線方向距離にあってもよい。少なくとも3つの接触ばねがあり、これらは均等な角度間隔で配置可能である。一実施形態では6つの接触ばねが設けられるが、小型化の可能な程度に応じてより多数の接触ばねを使用することができる。
【0021】
一実施形態では、導電性ロッドは、その長さにわたって低インピーダンス表面を有するかまたは金属材料を含む。こうした一実施形態は、較正にも使用可能な短絡回路である。
【0022】
一実施形態では、導電性ロッドは、吸収性材料、例えばカルボニル鉄で印刷されてもよい。
【0023】
以下では、図面を参照して実施形態の各例につき、例として、全体的な発明のコンセプトを限定することなく本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図5】ばねを含むセクションの詳細を示す図である。
【
図6】導電性ロッドと共に同軸支持体を示す断面図である。
【
図9】第2の実施形態の同軸支持体を示す断面図である。
【
図10】第2の実施形態の第2の側面を示す図である。
【
図11】第3の実施形態の同軸支持体を示す断面図である。
【0025】
図1には、一実施形態の断面図が示されている。同軸支持体200は、導電性ロッド300を同軸に保持し、導電性ロッド300の中心軸線105に対してセンタリングされている。同軸支持体200は、シェル152と外側導体154との間に保持されうる。外側導体154は、スペーサ145によって中心導体144をさらに保持することができる。中心導体144は、導電性ロッド300と電気的に接触している。内部構成要素を保護し、デバイスのサイズを増大させて素手による取り扱いを改善するために、負荷ハウジング150を設けることができる。さらに、負荷ハウジング150は、同軸支持体200の背後の中空空間159を包囲することができる。
【0026】
図2には、同軸支持体200がより詳細に示されている。同軸支持体200は、本体270を含む。本体はポリマー材料を含むことができ、当該ポリマー材料は、付加製造プロセスによって製造することができる。こうした付加製造プロセスは、特定の要件に適合するサイズおよび構造を修正するための大きな柔軟性をもたらす。本体270は、少なくとも3つのセクションを有する環状孔または円形孔を含む。孔は、導電性内面を有することができ、当該導電性内面は、スパッタリングまたは陽極酸化または任意の他の適切な方法によって取得することができる。孔の第1のセクション210は、指数関数状ファネル214を含む。当該ファネルは、本体270の第1の側面201に第1の直径211を有する。ファネルの直径は、本体の内側へ向かって第2の直径212まで減少する。第2の直径212は導電性ロッドの直径に適合させることができ、第1の直径211は入力同軸システムに適合させることができる。
【0027】
第2のセクション220は、後により詳細に説明するばねを含むことができる。この第2のセクションは、さらに導電性ロッドの直径に適合可能な接触ばね221を有する内部空間222を有しうる。
【0028】
第2のセクションには、導電性ロッドの直径に適合する直径231を有する直線状のボアを有する第3のセクション230が続き、導電性ロッドは、中心軸線280に沿ってこのセクションを通って摺動することができる。
【0029】
図3には、ばねを含むセクション220の断面図が示されている。中央には、個々の接触ばね221がある。
【0030】
【0031】
図5には、ばねを含むセクションの詳細が示されている。ばね221は、例えば導電性ロッドから径方向の力を受けたときに撓むことのできる細長い材料片を含むことができる。ばね221はまた、接触を改善し、導電性ロッドの表面により高い点圧力を生じさせる接触突起223を含むことができる。
【0032】
図6は導電性ロッドと共に同軸支持体を示す断面図であり、ここでは、導電性ロッドと同軸支持体との間の可能な位置合わせが示されている。第2の端部における第2の高導電性ゾーン340は、第2のセクション220の接触ばね221と位置合わせすることができる。第1の抵抗ゾーン320および第2の抵抗ゾーン330は、指数関数状ファネル内にあってよく、第1の負荷インピーダンス導電性ゾーン310は、指数関数状ファネルの外側と、外部デバイスもしくは中心導体144に接触する同軸支持体の外側とにあってよい。
【0033】
図7は、導電性ロッドの詳細を示す図である。導電性ロッドは、各端部の少なくとも2つの導電性セクションとその間の抵抗性セクションとを含むことができ、隣接するセクションは相互に接続されている。第1の端部301には、低いインピーダンスを有する第1の導電性セクション310が存在しうる。その後方に、長さにわたって一定の抵抗または長さにわたって可変の抵抗を有しうる第1の抵抗ゾーン320が続きうる。当該抵抗は、レーザー切断によってまたは例えばスパッタリングプロセスによって形成可能な層厚さを調整することにより、調整することができる。当該ゾーンに続いて、異なる抵抗を有しうる第2の抵抗ゾーン330が存在しうる。その後方に、導電性ロッドの第2の端部302に近い第2の高導電性ゾーン340が続く。当該第2の導電性ゾーンは、同軸支持体200の第2のセクションの接触ばね221に接触可能である。
【0034】
図8には、接触ばねの断面図が示されている。接触ばね221は、導電性ロッドを押圧する接触突起223を有する。ロッドが挿入されると、接触突起は、破線で示されているように、矢印224の方向で外側へと変位させられる。
【0035】
図9は、第2の実施形態の同軸支持体400を示す断面図である。本体470は、接触突起の領域および/または第2の側面202に少なくとも1つのスロット430を含むことができる。少なくとも1つのスロット430は、基本的に、同軸支持体の外面から径方向に延在することができる。この実施形態は、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのスロットがある場合に最良に機能することができ、これらのスロットは均等な角度間隔で配置することができる。図に示されている実施形態は、4つのスロット430を有する。この実施形態は、コレットのように機能することができる。径方向の力440を加えて本体を径方向に圧縮させることによって、第2のセクション220の直径が低減され、これにより、導電性ロッドへの力を行使し、またはこの力を増大させることができる。ここでの径方向の力は、本体を外側導体154またはシェル152の円錐形セクションの中に押し込むことによって印加することができる。代わりに、円錐状のねじ山を自身もしくは本体上のいずれかに有するナットが設けられてもよい。
【0036】
シートメタルまたは金属膜を含みうる金属インサート420が存在しうる。金属インサートは金属管であってもよい。金属インサートは、指数関数状ファネル214を含む本体470の第1のセクション210、ならびに任意選択手段としての第2のセクション220および/または第3のセクション230の表面を少なくとも覆うことができる。こうした金属インサートは、導電性ロッドを向いた平滑な内面を形成することができ、さらに最適化された広帯域リターンロスを提供する。金属インサートが設けられているので、本体の形状の偏差、例えばバリが影響を及ぼさなくなる。
【0037】
図10は、同軸支持体の第2の実施形態の第2の側面202を示す図である。
【0038】
図11は、第3の実施形態の同軸支持体を示す断面図である。本体570は、先の実施形態と同様の複数のスロット530を有する。ここで、本体570は金属を含むことができる。
【0039】
図12には、
図3に基づく変形実施形態が示されている。ここで、同軸支持体205は、少なくとも2つの本体部分、すなわち第1の本体部分271および第2の本体部分272に分割されている。これらの部分は、中心軸線280を通る平面で分割されていてよい。このことは特に、3D印刷プロセスによって製造される場合に、簡略化された製造プロセスを可能にする。第1の本体部分271と第2の本体部分272とを接続するために相互に適合する突起273および凹部274を設けることもできる。本体部分は、各本体部分が突起273および凹部274を含むよう、同一であってよい。
【0040】
図13は、本体部分の正面図である。第2の本体部分272は、第1の本体部分271と同じであるが、中心軸線を中心として約180°回転されていることが示されている。
【0041】
図14は、変形実施形態の正面図である。ここで、第1の本体部分271と第2の本体部分272とは、相互に接続されて一体に形成されている。スナップ接続部、圧入部、接着接続部または溶接接続部のうちの少なくとも1つまたはこれらの組み合わせが設けられてもよい。
【符号の説明】
【0042】
100 広帯域同軸負荷
105 中心軸線
113 第1の端部
114 第2の端部
144 中心導体
145 スペーサ
150 負荷ハウジング
152 シェル
154 外側導体
155 外側導体の内径
159 中空空間
200 同軸支持体
201 第1の側面
202 第2の側面
205 第1の部分
210 第1のセクション
211 指数関数状ファネルの外側端部の第1の直径
212 指数関数状ファネルの内側端部の第2の直径
214 指数関数状ファネル
220 第2のセクション
221 接触ばね
222 内部空間
223 接触突起
224 接触突起の変位
230 第3のセクション
231 第3のセクションの直径
234 円筒形孔
270 本体
271 第1の本体部分
272 第2の本体部分
273 突起
274 凹部
280 中心軸線
300 導電性ロッド
301 第1の端部
302 第2の端部
310 第1の端部における高導電性ゾーン
320 第1の抵抗ゾーン
330 第2の抵抗ゾーン
340 第2の端部における高導電性ゾーン
400 第2の実施形態の同軸支持体
420 金属インサート
430 スロット
440 径方向の力
470 本体
500 第3の実施形態の同軸支持体
530 スロット
570 本体
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸支持体(200)内に同軸に保持された導電性ロッド(300)を含む広帯域同軸負荷(100)であって、
前記同軸支持体(200)は、3つの軸線方向セクション(210,220,230)を有する円形孔を有する本体(270)を備え、
前記同軸支持体(200)の第1の側面(201)から始まる第1のセクション(210)は、第1の直径(211)から始まって前記同軸支持体(200)内へ向かう方向で直径が減少して前記導電性ロッド(300)の直径に適合する第2の直径(212)に達するファネル(214)を有し、
第2のセクション(220)は、前記導電性ロッド(300)の直径に適合する直径(
212)を有する、径方向を向いた複数の接触ばね(221)を備え、
第3のセクション(230)は、前記導電性ロッド(300)の直径に適合する直径(231)を有する円筒形孔(234)を有する、
広帯域同軸負荷(100)。
【請求項2】
シェル(152)が、
前記同軸支持体(200)を前記導電性ロッド(300)と共に保持し、さらに
同軸の中心導体(144)を有する外側導体(154)を保持する
ために設けられており、
前記外側導体(154)は前記同軸支持体(200)に接触しており、前記中心導体(144)は前記導電性ロッド(300)に接続されている、
請求項1記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項3】
均等な角度間隔で配置可能な少なくとも3つの接触ばねが設けられている、
請求項1または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項4】
前記導電性ロッド(300)が、誘電体ロッド、例えば少なくとも部分的に導電性表面を有するガラスロッドを含むか、または
前記導電性ロッド(300)が金属ロッドを含む、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項5】
前記導電性ロッド(300)は、軸線方向において第1の端部(301)と反対側の第2の端部(302)との間に、
前記第1の端部(301)における高導電性ゾーン(310)と、
前記高導電性ゾーン(310)の後方にあり、前記高導電性ゾーン(310)に接続された第1の抵抗ゾーン(320)と、
前記第1の抵抗ゾーン(320)の後方にあり、前記第1の抵抗ゾーン(320)に接続された任意の第2の抵抗ゾーン(330)と、
前記第2の端部(302)において前方のゾーンに接続された高導電性ゾーン(340)とを有する、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項6】
前記第1の端部(301)における前記高導電性ゾーン(310)は、前記同軸支持体(200)の第1の側面(201)を向いている、
請求項5記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項7】
前記導電性ロッド(300)の第2の端部(302)が、前記同軸支持体(200)の第2の側面から突出している、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項8】
前記導電性ロッド(300)の第2の端部(302)が、前記同軸支持体(200)の第2の側面に接着されている、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項9】
前記同軸支持体(200)内の孔は、前記第3のセクション(230)での孔の直径の少なくとも3倍の長さを有する、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項10】
前記同軸支持体(200)は、前記接触ばね(221)を含むモノリシック部分である、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項11】
前記同軸支持体(200)は、ポリマー材料を含み、付加製造法によって製造することができ、かつ/または
前記同軸支持体(200)は金属を含む、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項12】
前記同軸支持体(200)は、導電性表面を有し、
前記導電性表面は、前記ファネルを有する前記同軸支持体(200)の少なくとも前記第1のセクション(210)に位置し、
前記導電性表面は、前記接触ばねを備える前記第2のセクション(220)に位置し、
前記導電性表面は、金属層を含むことができ、前記金属層は、ガルバニックプロセスまたはスパッタリングによって製造することができ、かつ/または薄い金属シートを含むことができる、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項13】
前記ファネル(214)は、直線状ファネル、湾曲状ファネル、環状ファネル、双曲線状ファネルおよび指数関数状ファネルのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項14】
前記本体(270)は、少なくとも第1の部分(271)および第2の部分(272)を有し、前記第1の部分(271)と前記第2の部分(272)とは同一とすることができ、
前記第1の部分(271)および前記第2の部分(272)のうちの少なくとも一方は、前記第1の部分(271)を前記第2の部分(272)に接続するために、他方の部分の凹部(274)に適合する突起(273)を有することができる、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【請求項15】
負荷ハウジング(150)が設けられており、前記負荷ハウジング(150)は、前記同軸支持体(200)の第2の側面で中空空間(159)を包囲することができる、
請求項1
または2記載の広帯域同軸負荷(100)。
【国際調査報告】