(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】変異体ポリペプチドを含む組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/09 20060101AFI20240221BHJP
C12N 9/16 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/10 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/67 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/861 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/867 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/869 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/70 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/87 20060101ALI20240221BHJP
C12N 15/88 20060101ALI20240221BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240221BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240221BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240221BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
C12N15/09 110
C12N9/16 Z ZNA
C12N15/11 Z
C12N15/10 200Z
C12N15/62 Z
C12N15/67 Z
C12N15/63 Z
C12N15/861 Z
C12N15/864 100Z
C12N15/867 Z
C12N15/869 Z
C12N15/70 Z
C12N15/87 Z
C12N15/88 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555272
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2022019525
(87)【国際公開番号】W WO2022192381
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518015608
【氏名又は名称】アーバー バイオテクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チョン, シャオロン
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ウェイ-チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヒルバート, ブレンダン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウェッセルズ, キントン ノーマン
(72)【発明者】
【氏名】アルフォンス, ローレン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ギャリティ, アンソニー ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
4B065
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065AB01
4B065BA01
4B065BA02
4B065BA05
4B065CA46
(57)【要約】
本発明は、変異体ポリペプチド、変異体ポリペプチドを調製する方法、変異体ポリペプチド、変異体ポリペプチドを含む組成物及び細胞を特性化するためのプロセス、並びに変異体ポリペプチドを使用する方法に関する。本発明は、変異体ポリペプチドを含む複合体、複合体を製造するための方法、複合体、複合体を含む細胞を特性化するためのプロセス、並びに複合体を使用する方法に更に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の配列に対して、少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、変異体ポリペプチド。
【請求項2】
前記変異体ポリペプチドが、配列番号3の親ポリペプチドの変異体である、請求項1に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項3】
前記変異体ポリペプチドが、表2の置換を含む、請求項1又は2に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項4】
前記変異体ポリペプチドが、次の置換:E38R、T60R、D89R、S223R、E319R、P353G、L354G、Q355G、D356G、N357G、N358G、Q359G、L360G、K368G、Q421R、T480K、D482K、N501K、L523R、L523K、Q556R、Q556K、V557R、E566K、E566R、E571R、E571K、N579K、E586G、E589K、N620R、Q683K、S722K、及びD730Rのうちの1つ以上を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項5】
配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有し、且つ配列番号3と比べてE38、T60、D89、S223、E319、P353、L354、Q355、D356、N357、N358、Q359、L360、K368、Q421、T480、D482、N501、L523、Q556、V557、E566、E571、N579、E586、E589、N620、Q683、S722、及びD730の位置のうちの1つ以上で置換を含むアミノ酸配列を含む、変異体ポリペプチド。
【請求項6】
配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有し、且つ次の置換:E38R、T60R、D89R、S223R、E319R、P353G、L354G、Q355G、D356G、N357G、N358G、Q359G、L360G、K368G、Q421R、T480K、D482K、N501K、L523R、L523K、Q556R、Q556K、V557R、E566K、E566R、E571R、E571K、N579K、E586G、E589K、N620R、Q683K、S722K、及びD730Rのうちの1つ以上を含むアミノ酸配列を含む、変異体ポリペプチド。
【請求項7】
配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の前記配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項8】
配列番号39に記載の前記配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項9】
配列番号51に記載の前記配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項10】
前記変異体ポリペプチドが、親ポリペプチドと比べてRNAガイドとの二成分複合体形成の増加を示す、請求項1~9のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項11】
前記変異体ポリペプチドを含む二成分複合体が、親二成分複合体と比べて安定性の増加を示す、請求項1~10のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項12】
前記変異体ポリペプチドが、親ポリペプチドと比べてヌクレアーゼ活性の増加を示す、請求項1~11のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチドを含む組成物であって、前記組成物が、RNAガイド又は前記RNAガイドをコードする核酸を更に含み、前記RNAガイドが、ダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含む、組成物。
【請求項14】
前記ダイレクトリピート配列が、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも90%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記ダイレクトリピート配列が、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも95%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記ダイレクトリピート配列が、配列番号4若しくは配列番号5であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7の配列を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記スペーサー配列が、約15ヌクレオチド~約35ヌクレオチドの長さを含む、請求項13~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記スペーサー配列が標的核酸の標的鎖配列に結合し、前記標的核酸配列の非標的鎖配列が、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接する、請求項13~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記PAM配列が、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3’であり、式中、Nが任意のヌクレオチドであり、RがA又はGである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記PAM配列が、5’-TTG-3’、5’-TTTG-3’、5’-TTA-3’、5’-TTTA-3’、又は5’-ATTG-3’である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記変異体ポリペプチドが、核局在化シグナル(NLS)を更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は組成物。
【請求項22】
前記変異体ポリペプチドが、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は組成物。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド及び/又はRNAガイドをコードする核酸を含む、組成物。
【請求項24】
前記核酸が、細胞中の発現のためにコドン最適化されている、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記核酸が、プロモーターに作動可能に連結されている、請求項23又は24に記載の組成物。
【請求項26】
前記核酸が、ベクター内にある、請求項23~25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記ベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージミドベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、又は単純ヘルペスウイルスベクターを含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記変異体ポリペプチドが、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達系中に存在する、請求項1~27のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は組成物。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は組成物を含む、細胞。
【請求項30】
前記細胞が、真核生物細胞である、請求項29に記載の細胞。
【請求項31】
前記細胞が、哺乳動物細胞又は植物細胞である、請求項29又は30に記載の細胞。
【請求項32】
前記細胞が、ヒト細胞である、請求項29~31のいずれか一項に記載の細胞。
【請求項33】
変異体ポリペプチド又は前記変異体ポリペプチドを含む複合体を含む組成物であって、前記変異体ポリペプチドが、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、前記変異体ポリペプチド又は前記複合体が、親ポリペプチド又は前記親ポリペプチドを含む複合体と比べて、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す、組成物。
【請求項34】
前記変異体ポリペプチドが、表2の置換を含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記変異体ポリペプチドが、次の置換:E38R、T60R、D89R、S223R、E319R、P353G、L354G、Q355G、D356G、N357G、N358G、Q359G、L360G、K368G、Q421R、T480K、D482K、N501K、L523R、L523K、Q556R、Q556K、V557R、E566K、E566R、E571R、E571K、N579K、E586G、E589K、N620R、Q683K、S722K、及びD730Rのうちの1つ以上を含む、請求項33又は34に記載の組成物。
【請求項36】
前記変異体ポリペプチドが、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の前記配列を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記変異体ポリペプチドが、配列番号39に記載の前記配列を含む、請求項33~36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
前記変異体ポリペプチドが、配列番号51に記載の前記配列を含む、請求項33~36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記酵素活性の増強が、ヌクレアーゼ活性の増強である、請求項33~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
前記変異体ポリペプチドが、前記親ポリペプチドと比べてRNAガイドへの結合活性の増強を示す、請求項33~39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記変異体ポリペプチドが、前記親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合特異性の増強を示す、請求項33~40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記変異体ポリペプチドを含む前記複合体が、RNAガイドを更に含む変異体二成分複合体であり、前記変異体二成分複合体が、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合活性の増強(例えば、オンターゲット結合活性)を示す、請求項33~41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記変異体ポリペプチドを含む前記複合体が、RNAガイドを更に含む変異体二成分複合体であり、前記変異体二成分複合体が、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合特異性の増強(例えば、オンターゲット結合特異性)を示す、請求項33~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記変異体ポリペプチドを含む前記複合体が、RNAガイドを更に含む変異体二成分複合体であり、前記変異体二成分複合体が、親二成分複合体と比べて安定性の増強を示す、請求項33~43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記変異体二成分複合体と標的核酸とが変異体三成分複合体を形成し、前記変異体三成分複合体が、親三成分複合体と比べて安定性の増加を示す、請求項33~44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記変異体ポリペプチドが、前記親ポリペプチドと比べて二成分複合体形成の増強、タンパク質-RNA相互作用の増強、及び/又はRNAガイドからの解離の減少を更に示す、請求項33~45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記変異体二成分複合体が、前記親二成分複合体と比べて標的核酸からの解離の減少、及び/又は非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を更に示す、請求項33~46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が、例えば、20℃~65℃の範囲の温度にわたって生じる、請求項33~47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が、ある範囲のインキュベーション時間にわたって生じる、請求項33~48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
前記酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で生じる、請求項33~49のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強が、前記変異体ポリペプチド、変異体二成分複合体、又は変異体三成分複合体のT
m値が前記親ポリペプチド、親二成分複合体、又は親三成分複合体の前記T
m値よりも少なくとも8℃高い場合に生じる、請求項33~50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
前記変異体ポリペプチドが、RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む、請求項33~51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記親ポリペプチドが、前記配列番号3の配列を含む、請求項33~52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記RNAガイドが、ダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含む、請求項33~53のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
前記ダイレクトリピート配列が、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも90%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記ダイレクトリピート配列が、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも95%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項57】
前記ダイレクトリピート配列が、配列番号4若しくは配列番号5であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7の配列を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項58】
前記スペーサー配列が、15~35ヌクレオチドの長さを含む、請求項54~57のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項59】
前記スペーサー配列が、標的核酸の標的鎖配列に対して相補性を含む、請求項54~58のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項60】
前記標的核酸が、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接する非標的鎖配列を含む、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
前記PAM配列が、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3’であり、式中、Nが任意のヌクレオチドであり、RがA又はGである、請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
前記PAM配列が、5’-TTG-3’、5’-TTTG-3’、5’-TTA-3’、5’-TTTA-3’、又は5’-ATTG-3’である、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記変異体ポリペプチドが、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む、請求項33~62のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
請求項1~12又は33~63のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチドをコードする核酸を含む組成物であって、任意選択で、前記核酸が、細胞中の発現のためにコドン最適化されている、組成物。
【請求項65】
前記細胞が、真核生物細胞である、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記細胞が、哺乳動物細胞又は植物細胞である、請求項64又は65に記載の組成物。
【請求項67】
前記細胞が、ヒト細胞である、請求項64~66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記変異体ポリペプチドをコードする前記核酸が、プロモーターに作動可能に連結されている、請求項64~67のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項69】
前記変異体ポリペプチドをコードする前記核酸が、ベクター内にある、請求項64~68のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
前記ベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、又は単純ヘルペスウイルスベクターを含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記組成物が、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達組成物中に存在する、請求項33~70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項72】
細胞中で遺伝子を編集するための方法であって、前記方法が、前記細胞を請求項1~28又は33~71のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチド又は組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項73】
請求項1~12、21又は22のいずれか一項に記載の変異体ポリペプチドをコードする、核酸分子。
【請求項74】
前記核酸分子の前記配列が、配列番号59~66からなる群から選択される配列に対して95%同一である、請求項73に記載の核酸分子。
【請求項75】
配列番号39の変異体ポリペプチドをコードする核酸分子であって、前記核酸分子の前記配列が、配列番号59~66からなる群から選択される配列に対して95%同一である、核酸分子。
【請求項76】
前記核酸分子の前記配列が、配列番号59~66からなる群から選択される配列を含む、請求項75に記載の核酸分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年3月9日に出願された米国仮特許出願第63/158,738号及び2021年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/176,021号に対する優先権を主張するものであり、これらの各々の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年3月7日に作成された前記ASCIIコピーは、A2186-7045WO_SL.txtと名前が付けられ、サイズは291,503バイトである。
【背景技術】
【0003】
クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)(CRISPR)及びCRISPR関連(Cas)遺伝子は、CRISPR-Cas又はCRISPR/Casシステムと総称され、特定の種を外来の遺伝因子から防御する古細菌及び細菌における適応免疫系である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の背景技術に対して、先行技術を超えるある特定の利点及び進歩を提供する。
【0005】
本明細書に開示される本発明は、特定の利点又は機能性に限定されるものではないが、本発明は、いくつかの態様では、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の配列に対して、少なくとも95%の同一性を有する配列を含む変異体ポリペプチドを提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3の親ペプチドの変異体である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表2の置換を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、次の置換:E38R、T60R、D89R、S223R、E319R、P353G、L354G、Q355G、D356G、N357G、N358G、Q359G、L360G、K368G、Q421R、T480K、D482K、N501K、L523R、L523K、Q556R、Q556K、V557R、E566K、E566R、E571R、E571K、N579K、E586G、E589K、N620R、Q683K、S722K、及びD730Rのうちの1つ以上を含む。
【0008】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3に対してE38、T60、D89、S223、E319、P353、L354、Q355、D356、N357、N358、Q359、L360、K368、Q421、T480、D482、N501、L523、Q556、V557、E566、E571、N579、E586、E589、N620、Q683、S722、及びD730の位置のうちの1つ以上で置換を含む変異体ポリペプチドを提供する。
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、次の置換:E38R、T60R、D89R、S223R、E319R、P353G、L354G、Q355G、D356G、N357G、N358G、Q359G、L360G、K368G、Q421R、T480K、D482K、N501K、L523R、L523K、Q556R、Q556K、V557R、E566K、E566R、E571R、E571K、N579K、E586G、E589K、N620R、Q683K、S722K、及びD730Rのうちの1つ以上を含む変異体ポリペプチドを提供する。
【0010】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号39に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号51に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて、RNAガイドとの二成分複合体形成の増加を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体は、親二成分複合体と比べて、安定性の増加を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて、ヌクレアーゼ活性の増加を示す。
【0011】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチドを含む組成物を提供し、組成物はRNAガイド又はRNAガイドをコードする核酸を更に含み、RNAガイドはダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも90%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも95%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4若しくは配列番号5であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7の配列を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、約15ヌクレオチド~約35ヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、標的核酸の標的鎖配列に結合し、標的核酸配列の非標的鎖配列は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接している。いくつかの実施形態では、PAM配列は、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3であり、式中、Nは任意のヌクレオチドであり、RはA又はGである。いくつかの実施形態では、PAM配列は、5’-TTG-3’、5’-TTTG-3’、5’-TTA-3’、5’-TTTA-3’、又は5’-ATTG-3’である。
【0014】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、核局在化シグナル(NLS)を更に含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む。
【0015】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチド及び/又はRNAガイドをコードする核酸を含む組成物を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態では、核酸は、細胞における発現のためにコドン最適化されている。いくつかの実施形態では、核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、核酸は、ベクター内にある。いくつかの実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージミドベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、又は単純ヘルペスウイルスベクターを含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達系中に存在する。
【0017】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチド又は組成物を含む細胞を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、細胞は、真核生物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞又は植物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。
【0019】
いくつかの態様では、本開示は、変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドを含む複合体を含む組成物を提供し、変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の配列に対して、少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、変異体ポリペプチド又は複合体は、親ポリペプチド又は親ポリペプチドを含む複合体と比べて、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す。
【0020】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表2の置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、次の置換:E38R、T60R、D89R、S223R、E319R、P353G、L354G、Q355G、D356G、N357G、N358G、Q359G、L360G、K368G、Q421R、T480K、D482K、N501K、L523R、L523K、Q556R、Q556K、V557R、E566K、E566R、E571R、E571K、N579K、E586G、E589K、N620R、Q683K、S722K、及びD730Rのうちの1つ以上を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号39に記載の配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号51に記載の配列を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強は、ヌクレアーゼ活性の増強である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドを含む複合体は、RNAガイドを更に含む変異体二成分複合体であり、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合活性の増強(例えば、オンターゲット結合活性)を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドを含む複合体は、RNAガイドを更に含む変異体二成分複合体であり、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合特異性の増強(例えば、オンターゲット結合特異性)を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドを含む複合体は、RNAガイドを更に含む変異体二成分複合体であり、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体と標的核酸は、変異体三成分複合体を形成し、変異体三成分複合体は親三成分複合体と比べて安定性の増加を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて、二成分複合体形成の増強、タンパク質-RNA相互作用の増強、及び/又はRNAガイドからの解離の減少を更に示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて、標的核酸からの解離の減少、及び/又は非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を更に示す。
【0023】
いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定の範囲の温度にわたって、例えば、20℃~65℃で生じる。いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定の範囲のインキュベーション時間にわたって生じる。いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で生じる。いくつかの実施形態では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、変異体ポリペプチド、変異体二成分複合体、又は変異体三成分複合体のTm値が親ポリペプチド、親二成分複合体、又は親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合に生じる。
【0024】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む。いくつかの実施形態では、親ポリペプチドは、配列番号3の配列を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも90%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4若しくは配列番号5に対して少なくとも95%同一であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4若しくは配列番号5であるか、又は配列番号6若しくは配列番号7の配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、15~35ヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、標的核酸の標的鎖配列に対する相補性を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接する非標的鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、PAM配列は、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3’であり、式中、Nは任意のヌクレオチドであり、RはA又はGである。いくつかの実施形態では、PAM配列は、5’-TTG-3’、5’-TTTG-3’、5’-TTA-3’、5’-TTTA-3’、又は5’-ATTG-3’である。
【0027】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ガイド制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む。
【0028】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチドをコードする核酸を含む組成物を提供し、任意選択で、核酸は、細胞における発現のためにコドン最適化されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、細胞は、真核生物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞又は植物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。
【0030】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、ベクター内にある。いくつかの実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、又は単純ヘルペスウイルスベクターを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、組成物は、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達組成物中に存在する。
【0032】
いくつかの態様では、本開示は、細胞中で遺伝子を編集するための方法を提供し、本方法は、細胞を本明細書に記載されるような変異体ポリペプチド又は組成物と接触させることを含む。
【0033】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチドをコードする核酸分子を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号59~66からなる群から選択される配列に対して95%同一である。
【0035】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号39の変異体ポリペプチドをコードする核酸分子を提供し、核酸分子の配列は、配列番号59~66からなる群から選択される配列に対して95%同一である。
【0036】
いくつかの実施形態では、核酸分子の配列は、配列番号59~66からなる群から選択される配列を含む。
【0037】
本明細書に開示される本発明は、特定の利点又は機能性に限定されるものではないが、本発明は、変異体ポリペプチド、及び/又は変異体ポリペプチドを含む組成物を提供し、変異体ポリペプチドは、配列番号3の親ポリペプチドと比べて改変を含み、変異体ポリペプチド又は変異体ポリペプチドを含む複合体は、親ポリペプチド又は親ポリペプチドを含む複合体と比べて、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す。
【0038】
いくつかの態様では、酵素活性の増強は、ヌクレアーゼ活性の増強である。
【0039】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合活性の増強を示す。
【0040】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合特異性の増強を示す。
【0041】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合活性の増強(例えば、オンターゲット結合活性)を示す。
【0042】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合特異性の増強(例えば、オンターゲット結合特異性)を示す。
【0043】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて安定性の増強を示す。
【0044】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体と標的核酸とは、変異体三成分複合体を形成し、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比べて安定性の増加を示す。
【0045】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて、二成分複合体形成の増強、タンパク質-RNA相互作用の増強、及び/又はRNAガイドからの解離の減少を更に示す。
【0046】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて、標的核酸からの解離の減少、及び/又は非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を更に示す。
【0047】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定の温度範囲にわたって、例えば、20℃~65℃にわたって生じる。
【0048】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定のインキュベーション時間にわたって生じる。
【0049】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で生じる。
【0050】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、変異体ポリペプチド、変異体二成分複合体、又は変異体三成分複合体のTm値が親ポリペプチド、親二成分複合体、又は親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合に生じる。
【0051】
他の態様では、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比べてアミノ酸配列の改変を含み、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比較すると、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、又はそれ以上)の置換、挿入、欠失、及び/又は付加を含む。
【0052】
いくつかの態様では、改変は、配列番号3に記載の親ポリペプチド配列に比べてアミノ酸配列の改変を含み、改変は、表2に列挙されるアミノ酸置換のうちの1つ以上を含む。
【0053】
いくつかの態様では、改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、又はグリシンの置換を含む。
【0054】
いくつかの態様では、改変は、E38R、T60R、D89R、S223R、P353G、L354G、L360G、K368G、E566R、及び/又はD730Rの置換を含む。
【0055】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号14~41のいずれか1つに対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0056】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号14~41のいずれか1つに対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0057】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号14~41のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0058】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む。
【0059】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、1つ以上の触媒残基(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)を含む。いくつかの態様では、1つ以上の触媒残基は、D336又はE545を含む。いくつかの態様では、1つ以上の触媒残基は、D695、D661、又はD636を含む。
【0060】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドを含む組成物又は複合体は、RNAガイドを更に含み、RNAガイドはダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含む。
【0061】
いくつかの態様では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4又は配列番号5に対して少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0062】
いくつかの態様では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4又は配列番号5のヌクレオチド配列を含む。
【0063】
いくつかの態様では、スペーサー配列は、15~35ヌクレオチドの長さを含む。
【0064】
いくつかの態様では、標的核酸は、スペーサー配列中のヌクレオチド配列に対する配列相補性を含む。
【0065】
いくつかの態様では、標的核酸は、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接し、PAM配列は、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3’として記載のヌクレオチド配列を含み、式中、Nは任意のヌクレオチドであり、RはA又はGである。いくつかの態様では、PAM配列は、5’-TTTG-3’として記載されるヌクレオチド配列を含む。
【0066】
いくつかの態様では、標的核酸は、一本鎖DNA又は二本鎖DNAである。
【0067】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む。
【0068】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、細胞における発現のためにコドン最適化されている。
【0069】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。
【0070】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、ベクター内にある。
【0071】
いくつかの態様では、ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、又は単純ヘルペスウイルスベクターを含む。
【0072】
いくつかの態様では、組成物は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達組成物中に存在する。
【0073】
本発明はなお、配列番号3と比べてE38R置換を含む、変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE38R置換を更に含む。
【0074】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE38の位置で置換を含む(例えば、E38R置換)ポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE38の位置での置換(例えば、E38R置換)を含む。
【0075】
本発明はなお、配列番号3と比べてT60R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてT60R置換を更に含む。
【0076】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてT60の位置での置換(例えば、T60R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてT60の位置での置換(例えば、T60R置換)を含む。
【0077】
本発明はなお、配列番号3と比べてD89R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてD89R置換を更に含む。
【0078】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてD89の位置での置換(例えば、D89R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてD89の位置での置換(例えば、D89R置換)を含む。
【0079】
本発明はなお、配列番号3と比べてS223R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてS223R置換を更に含む。
【0080】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてS223の位置での置換(例えば、S223R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてS223の位置での置換(例えば、S223R置換)を含む。
【0081】
本発明はなお、配列番号3と比べてP353G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてP353G置換を更に含む。
【0082】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてP353の位置での置換(例えば、P353G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてP353の位置での置換(例えば、P353G置換)を含む。
【0083】
本発明はなお、配列番号3と比べてL354G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてL354G置換を更に含む。
【0084】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてL354の位置での置換(例えば、L354G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてL354の位置での置換(例えば、L354G置換)を含む。
【0085】
本発明はなお、配列番号3と比べてL360G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてL360G置換を更に含む。
【0086】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてL360の位置での置換(例えば、L360G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてL360の位置での置換(例えば、L360G置換)を含む。
【0087】
本発明はなお、配列番号3と比べてK368G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてK368G置換を更に含む。
【0088】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてK368の位置での置換(例えば、K368G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてK368の位置での置換(例えば、K368G置換)を含む。
【0089】
本発明はなお、配列番号3と比べてE566R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE566R置換を更に含む。
【0090】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE566の位置での置換(例えば、E566R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE566の位置での置換(例えば、E566R置換)を含む。
【0091】
本発明はなお、配列番号3と比べてE566K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE566K置換を更に含む。
【0092】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE566の位置での置換(例えば、E566K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE566の位置での置換(例えば、E566K置換)を含む。
【0093】
本発明はなお、配列番号3と比べてD730R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてD730R置換を更に含む。
【0094】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてD730の位置での置換(例えば、D730R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてD730の位置での置換(例えば、D730R置換)を含む。
【0095】
本発明はなお、配列番号3と比べてE319R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE319R置換を更に含む。
【0096】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE319の位置での置換(例えば、E319R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE319の位置での置換(例えば、E319R置換)を含む。
【0097】
本発明はなお、配列番号3と比べてQ355G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてQ355G置換を更に含む。
【0098】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてQ355の位置での置換(例えば、Q355G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてQ355の位置での置換(例えば、Q355G置換)を含む。
【0099】
本発明はなお、配列番号3と比べてD356G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてD356G置換を更に含む。
【0100】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてD356の位置での置換(例えば、D356G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてD356の位置での置換(例えば、D356G置換)を含む。
【0101】
本発明はなお、配列番号3と比べてN357G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてN357G置換を更に含む。
【0102】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてN357の位置での置換(例えば、N357G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてN357の位置での置換(例えば、N357G置換)を含む。
【0103】
本発明はなお、配列番号3と比べてN358G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてN358G置換を更に含む。
【0104】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてN358の位置での置換(例えば、N358G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてN358の位置での置換(例えば、N358G置換)を含む。
【0105】
本発明はなお、配列番号3と比べてQ359G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてQ359G置換を更に含む。
【0106】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてQ359の位置での置換(例えば、Q359G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてQ359の位置での置換(例えば、Q359G置換)を含む。
【0107】
本発明はなお、配列番号3と比べてQ421R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてQ421R置換を更に含む。
【0108】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてQ421の位置での置換(例えば、Q421R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてQ421の位置での置換(例えば、Q421R置換)を含む。
【0109】
本発明はなお、配列番号3と比べてT480K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてT480K置換を更に含む。
【0110】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてT480の位置での置換(例えば、T480K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてT480の位置での置換(例えば、T480K置換)を含む。
【0111】
本発明はなお、配列番号3と比べてD482K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてD482K置換を更に含む。
【0112】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてD482の位置での置換(例えば、D482K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてD482の位置での置換(例えば、D482K置換)を含む。
【0113】
本発明はなお、配列番号3と比べてN501K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてN501K置換を更に含む。
【0114】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてN501の位置での置換(例えば、N501K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてN501の位置での置換(例えば、N501K置換)を含む。
【0115】
本発明はなお、配列番号3と比べてL523R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてL523R置換を更に含む。
【0116】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてL523の位置での置換(例えば、L523R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてL523の位置での置換(例えば、L523R置換)を含む。
【0117】
本発明はなお、配列番号3と比べてL523K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてL523K置換を更に含む。
【0118】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてL523の位置での置換(例えば、L523K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてL523の位置での置換(例えば、L523K置換)を含む。
【0119】
本発明はなお、配列番号3と比べてQ556R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてQ556R置換を更に含む。
【0120】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてQ556の位置での置換(例えば、Q556R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてQ556の位置での置換(例えば、Q556R置換)を含む。
【0121】
本発明はなお、配列番号3と比べてQ556K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてQ556K置換を更に含む。
【0122】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてQ556の位置での置換(例えば、Q556K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてQ556の位置での置換(例えば、Q556K置換)を含む。
【0123】
本発明はなお、配列番号3と比べてV557R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてV557R置換を更に含む。
【0124】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてV557の位置での置換(例えば、V557R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてV557の位置での置換(例えば、V557R置換)を含む。
【0125】
本発明はなお、配列番号3と比べてE571R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE571R置換を更に含む。
【0126】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE571の位置での置換(例えば、E571R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE571の位置での置換(例えば、E571R置換)を含む。
【0127】
本発明はなお、配列番号3と比べてE571K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE571K置換を更に含む。
【0128】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE571の位置での置換(例えば、E571K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE571の位置での置換(例えば、E571K置換)を含む。
【0129】
本発明はなお、配列番号3と比べてN579K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてN579K置換を更に含む。
【0130】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてN579の位置での置換(例えば、N579K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてN579の位置での置換(例えば、N579K置換)を含む。
【0131】
本発明はなお、配列番号3と比べてE586G置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE586G置換を更に含む。
【0132】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE586の位置での置換(例えば、E586G置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE586の位置での置換(例えば、E586G置換)を含む。
【0133】
本発明はなお、配列番号3と比べてE589K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてE589K置換を更に含む。
【0134】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてE589の位置での置換(例えば、E589K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてE589の位置での置換(例えば、E589K置換)を含む。
【0135】
本発明はなお、配列番号3と比べてN620R置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてN620R置換を更に含む。
【0136】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてN620の位置での置換(例えば、N620R置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてN620の位置での置換(例えば、N620R置換)を含む。
【0137】
本発明はなお、配列番号3と比べてQ683K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてQ683K置換を更に含む。
【0138】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてQ683の位置での置換(例えば、Q683K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてQ683の位置での置換(例えば、Q683K置換)を含む。
【0139】
本発明はなお、配列番号3と比べてS722K置換を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を含み、配列番号3と比べてS722K置換を更に含む。
【0140】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号3と比べてS722の位置での置換(例えば、S722K置換)を含むポリペプチドを提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号3の最大1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、又は35個のアミノ酸位置で1つ以上の配列改変(例えば、置換、挿入、又は欠失、若しくはそれらの任意の組み合わせ)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、配列改変のうちの1つは、配列番号3と比べてS722の位置での置換(例えば、S722K置換)を含む。
【0141】
本発明はなお、配列番号14のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号15のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号16のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号17のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号18のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号19のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号20のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号21のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号22のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号23のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号24のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号25のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号26のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号27のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号28のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号29のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号30のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号31のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号32のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号33のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号34のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号35のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号36のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号37のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号38のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号39のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号40のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。本発明はなお、配列番号41のアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドを更に提供する。
【0142】
本発明は、本明細書に開示される変異体ポリペプチド及び/又は組成物を含む細胞を更に提供する。いくつかの態様では、細胞は、真核生物細胞又は原核生物細胞である。いくつかの態様では、細胞は、哺乳動物細胞又は植物細胞である。いくつかの態様では、細胞は、ヒト細胞である。
【0143】
本発明は、本明細書に開示される変異体ポリペプチド及び/又は組成物を調製する方法を更に提供する。
【0144】
本発明は、本明明細書に開示される変異体ポリペプチドをRNAガイドと複合体化する方法を更に提供する。
【0145】
本発明は、本明細書に開示される変異体二成分複合体を標的核酸と複合体化する方法を更に提供する。
【0146】
本発明は、本明細書に開示される変異体ポリペプチド及び/又は組成物を送達する方法を更に提供する。
【0147】
本発明はなお、変異体ポリペプチドを含む組成物、又は変異体ポリペプチドとRNAガイドとを含む複合体を更に提供し、変異体ポリペプチドは、配列番号3の親ポリペプチドと比べて改変を含み、変異体ポリペプチド又は複合体は、親ポリペプチド又は親ポリペプチドとRNAガイドとを含む複合体と比べて酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す。
【0148】
いくつかの態様では、酵素活性の増強は、ヌクレアーゼ活性の増強である。
【0149】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合活性の増強を示す。
【0150】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べてRNAガイドに対する結合特異性の増強を示す。
【0151】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合活性の増強(例えば、オンターゲット結合活性)を示す。
【0152】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸に対する結合特異性の増強(例えば、オンターゲット結合特異性)を示す。
【0153】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、変異体二成分複合体を形成し、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて安定性の増強を示す。
【0154】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体と標的核酸とは、変異体三成分複合体を形成し、変異体三成分複合体は、親三成分複合体と比べて安定性の増加を示す。
【0155】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて二成分複合体形成の増強、タンパク質-RNA相互作用の増強、及び/又はRNAガイドからの解離の減少を更に示す。
【0156】
いくつかの態様では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体と比べて標的核酸からの解離の減少、及び/又は非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を更に示す。
【0157】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定の範囲の温度にわたって、例えば、20℃~65℃にわたって生じる。
【0158】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、所定のインキュベーション時間にわたって生じる。
【0159】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で生じる。
【0160】
いくつかの態様では、酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強は、変異体ポリペプチド、変異体二成分複合体、又は変異体三成分複合体のTm値が親ポリペプチド、親二成分複合体、又は親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃高い場合に生じる。
【0161】
他の態様では、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比べてアミノ酸配列改変を含み、改変は、配列番号3に記載の配列を有する親ポリペプチドと比較すると、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、又はそれ以上)の置換、挿入、欠失、及び/又は付加を含む。
【0162】
いくつかの態様では、改変は、配列番号3に記載の親ポリペプチド配列と比べてアミノ酸配列改変を含み、改変は、表2に列挙されるアミノ酸置換のうちの1つ以上を含む。
【0163】
いくつかの態様では、改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、又はグリシンの置換を含む。
【0164】
いくつかの態様では、改変は、E38R、T60R、D89R、S223R、P353G、L354G、L360G、K368G、E566R、及び/又はD730Rの置換を含む。
【0165】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、RuvCドメイン又はスプリットRuvCドメインを含む。
【0166】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、1つ以上の触媒残基(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸)を含む。いくつかの態様では、1つ以上の触媒残基は、D336及びE545を含む。いくつかの態様では、1つ以上の触媒残基は、D695、D661、又はD636を含む。
【0167】
いくつかの態様では、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列とスペーサー配列とを含む。
【0168】
いくつかの態様では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4又は配列番号5に対して少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0169】
いくつかの態様では、ダイレクトリピート配列は、配列番号4又は配列番号5のヌクレオチド配列を含む。
【0170】
いくつかの態様では、スペーサー配列は、15~35ヌクレオチドの長さを含む。
【0171】
いくつかの態様では、標的核酸は、スペーサー配列中のヌクレオチド配列に対する配列相補性を含む。
【0172】
いくつかの態様では、標的核酸はPAM配列に隣接しており、PAM配列は、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3’として記載されるヌクレオチド配列を含み、式中、Nは任意のヌクレオチドであり、RはA又はGである。いくつかの態様では、PAM配列は、5’-TTTG-3’として記載されるヌクレオチド配列を含む。
【0173】
いくつかの態様では、標的核酸は、一本鎖DNA又は二本鎖DNAである。
【0174】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、ペプチドタグ、蛍光タンパク質、塩基編集ドメイン、DNAメチル化ドメイン、ヒストン残基修飾ドメイン、局在化因子、転写修飾因子、光ゲート制御因子、化学誘導性因子、又はクロマチン可視化因子を更に含む。
【0175】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、細胞における発現のためにコドン最適化されている。
【0176】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。
【0177】
いくつかの態様では、変異体ポリペプチドをコードする核酸は、ベクター内にある。
【0178】
いくつかの態様では、ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ファージベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、又は単純ヘルペスウイルスベクターを含む。
【0179】
いくつかの態様では、組成物又は複合体は、ナノ粒子、リポソーム、エクソソーム、マイクロベシクル、又は遺伝子銃を含む送達組成物中に存在する。
【0180】
本発明は、本明細書に開示される変異体ポリペプチド及び/又は複合体を含む細胞を更に提供する。いくつかの態様では、細胞は、真核生物細胞又は原核生物細胞である。いくつかの態様では、細胞は、哺乳動物細胞又は植物細胞である。いくつかの態様では、細胞は、ヒト細胞である。
【0181】
本発明は、本明細書に開示される変異体ポリペプチド及び/又は複合体を調製する方法を更に提供する。
【0182】
本発明は、本明細書に開示される変異体ポリペプチドをRNAガイドと複合体化する方法を更に提供する。
【0183】
本発明は、本明細書に開示される変異体二成分複合体を標的核酸と複合体化する方法を更に提供する。
【0184】
本発明は、本明細書に開示される変異体ポリペプチド及び/又は複合体を送達する方法を更に提供する。
【0185】
定義
本発明は、特定の実施形態に関してまた、ある特定の図面を参照して説明するが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。以降に記載されるような用語は、別段の記載がない限り、一般に常識で理解されるべきである。
【0186】
別段の定めがない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解されている意味を有する。いずれかの潜在的曖昧性の場合には、本明細書で提供される定義が、あらゆる辞書又は外部の定義よりも先行する。文脈上他の意味に解する場合を除き、単数形用語には複数形が含まれるものとし、複数形用語には単数形が含まれるものとする。「又は」の使用は、特に明記されない限り、「及び/又は」を意味する。「含んでいる(including)」という用語、並びに他の形態、例えば、「含む(includes)」及び「含まれる(included)」の使用は限定的ではない。
【0187】
一般に、本明細書に記載される細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、並びにタンパク質及び核酸化学、並びにハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法は周知であり、当該技術分野において一般的に使用されている。本明細書に提供される方法及び技術は、特に明記されない限り、当該技術分野において周知の従来の方法に従って、また本明細書の全体を通して引用され、議論されている様々な一般的でより具体的な参考文献で記載されているように実施される。酵素反応及び精製技術は、当該技術分野において一般に達成されているか、又は本明細書に記載されているように、製造元の仕様に従って実施される。本明細書に記載の合成化学、合成有機化学、及び医薬品化学並びに創薬化学に関連して使用される命名法、及び実験室手順並びに技術は当該技術分において周知であり、一般的に使用されているものである。標準的な技術が化学合成、化学分析、医薬品の調製、製剤化、及び送達、並びに患者の治療のために使用される。
【0188】
以下に定義される用語を選択すると、本開示はより容易に理解され得る。
【0189】
「a」及び「an」という冠詞は、1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の項目の文法的対象物を指す。例として、「an element(要素)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
【0190】
例えば、量、持続時間などの測定可能な値を指す場合に本明細書で使用される「約」は、±20%又は±10%、より好ましくは±5%、更により好ましくは±1%、及びなお更に好ましくは±0.1%の指定値からの変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示された方法を実施するために適切である。
【0191】
本明細書で使用される場合、「活性」という用語は、生物学的活性を指す。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼ活性は、酵素活性、例えば、ヌクレアーゼの触媒能を含む。例えば、ヌクレアーゼ活性は、ヌクレアーゼ活性を含み得る。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼ活性は、結合活性、例えば、RNAガイド及び/又は標的核酸に対するヌクレアーゼの結合活性を含む。
【0192】
本明細書で使用される場合、「複合体」という用語は、2つ以上の分子のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、複合体は、互いに相互作用する(例えば、結合する、接触する、付着する)ポリペプチドと核酸分子とを含む。
【0193】
本明細書で使用される場合、「二成分複合体」という用語は、2つの分子(例えば、ポリペプチドと核酸分子)のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、二成分複合体は、ポリペプチドと標的化部分(例えば、RNAガイド)とのグループ化を指す。いくつかの実施形態では、二成分複合体は、リボ核タンパク質(RNP)を指す。本明細書で使用される場合、「変異体二成分複合体」という用語は、変異体ポリペプチドとRNAガイドとのグループ化を指す。本明細書で使用される場合、「親二成分複合体」という用語は、親ポリペプチドとRNAガイド又は参照ポリペプチドとRNAガイドとのグループ化を指す。
【0194】
本明細書で使用される場合、「三成分複合体」という用語は、3つの分子(例えば、ポリペプチドと2つの核酸分子)のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、「三成分複合体」は、ポリペプチド、RNA分子、及びDNA分子のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、三成分複合体は、ポリペプチド、標的化部分(例えば、RNAガイド)、及び標的核酸(例えば、標的DNA分子)のグループ化を指す。いくつかの実施形態では、「三成分複合体」は、二成分複合体(例えば、リボ核タンパク質)と第3の分子(例えば、標的核酸)とのグループ化を指す。
【0195】
本明細書で使用される場合、「ドメイン」という用語は、ポリペプチドの別個の機能及び/又は構造単位を指す。いくつかの実施形態では、ドメインは、保存されたアミノ酸配列を含み得る。
【0196】
本明細書で使用される場合、「親」、「親ポリペプチド」、及び「親配列」という用語は、本発明の変異体ポリペプチドを産生するために、改変が行われる元のポリペプチド(例えば、参照又は出発ポリペプチド)を指す。
【0197】
本明細書で使用される場合、「プロトスペーサー隣接モチーフ」又は「PAM」という用語は、エフェクター(例えば、ヌクレアーゼ)及びRNAガイドを含む複合体が結合する標的配列に隣接するDNA配列を指す。いくつかの実施形態では、PAMは酵素活性に必要とされる。「標的核酸」は二本鎖分子であり、一方の鎖はPAMに隣接する標的配列を含み、「PAM鎖」(例えば、非標的鎖又は非スペーサー相補鎖)と称され、他方の相補鎖は「非PAM鎖」(例えば、標的鎖又はスペーサー相補鎖)と称される。本明細書で使用される場合、「隣接する」という用語は、複合体のRNAガイドがPAMに直接隣接している標的配列と特異的に結合し、相互作用し、又は会合する場合が含まれる。そのような場合、標的配列とPAMとの間には、ヌクレオチドは存在しない。「隣接する」という用語はまた、標的化部分が結合する標的配列とPAMとの間に少数(例えば、1、2、3、4、又は5個)のヌクレオチドが存在する場合も含む。
【0198】
本明細書で使用される場合、「参照組成物」、「参照分子」、「参照配列」、及び「参照」は、陰性対照又は親(例えば、親配列、親タンパク質、又は野生型タンパク質)などの対照を指す。例えば、参照分子は、それに対して変異体ポリペプチドが比較されるポリペプチドを指す。同様に、参照RNAガイドは、それに対して修飾RNAガイドが比較される標的部分を指す。変異体又は改変分子は、配列に基づいて(例えば、変異体又は改変分子は、参照分子とX%の配列同一性又は相動性を有し得る)、熱安定性に基づいて、又は活性に基づいて(例えば、変異体又は改変分子は、参照分子のX%の活性であり得る)、参照分子に対して比較され得る。例えば、変異体又は改変分子は、参照ポリペプチドの10%以下の活性を有すると特徴付けられてもよく、又は参照ポリペプチドの少なくとも10%を超える活性を有すると特徴付けられてもよい。参照ポリペプチドの例としては、天然に存在する未修飾ポリペプチド、例えば、古細菌又は細菌種からの天然に存在するポリペプチドが含まれる。ある特定の実施形態では、参照ポリペプチドは、比較されている変異体ポリペプチドと最も近い配列同一性又は相動性を有する天然に存在するポリペプチドである。ある特定の実施形態では、参照ポリペプチドは、変異体ポリペプチドに行き着くために、突然変異が行われた天然に存在するか又は既知の配列を有する親分子である。
【0199】
本明細書で使用される場合、「RNA」ガイド又は「RNAガイド配列」という用語は、本明細書に記載のポリペプチドの標的核酸への標的化を容易にする任意のRNA分子を指す。例えば、RNAガイドは、標的核酸を認識する(例えば、それに結合する)分子であり得る。RNAガイドは、標的核酸配列の標的鎖(例えば、非PAM鎖)に対して相補的であるように設計され得る。RNAガイドは、DNA標的化配列とダイレクトリピート(DR)配列とを含む。CRISPR RNA(crRNA)、pre-crRNA、成熟crRNA、及びgRNAという用語もまた、RNAガイドを指すために本明細書で使用される。本明細書で使用される場合、「pre-crRNA」という用語は、DR-スペーサー-DR配列を含む未処理のRNA分子を指す。本明細書で使用される場合、「成熟crRNA」という用語は、pre-crRNAの処理された形態を指し、成熟crRNAはDR-スペーサー配列を含んでもよく、ここではDRはpre-crRNAのDRの切断型であり、及び/又はスペーサーはpre-crRNAのスペーサーの切断型である。
【0200】
本明細書で使用される場合、「実質的に同一」という用語は、参照配列に対してある程度の同一性を有する配列、ポリヌクレオチド、又はポリペプチドを指す。
【0201】
本明細書で使用される場合、「標的核酸」、「標的配列」、及び「標的基質」という用語は、RNAガイドが特異的に結合する核酸を指す。いくつかの実施形態では、RNAガイドのDNA標的化配列は、標的核酸に結合する。
【0202】
本明細書で使用される場合、「変異体ポリペプチド」及び「変異体ヌクレアーゼポリペプチド」という用語は、親ポリペプチドと比較すると、1つ以上の残基位置で改変、例えば、限定されないが、置換、挿入、欠失、付加、及び/又は融合を含むポリペプチドを指す。本明細書で使用される場合、「変異体ポリペプチド」及び「変異体ヌクレアーゼポリペプチド」は、配列番号3のポリペプチドと比較すると、改変を含むポリペプチドを指す。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【
図1】実施例7に記載されるような配列番号3と比べて置換を有する変異体ポリペプチドによって、AAVS1標的(配列番号13)、EMX1標的(配列番号9)、及びVEGFA標的(配列番号11)において誘導された%インデルを示す。
図1における変異体ポリペプチドは、配列番号14~17及び19~41に記載のアミノ酸配列を有する。AAVS1標的に対応するバーは、各変異体についての2つの最も左側のバーであり、EMX1標的に対応するバーは、各変異体についての中央の2つのバーであり、VEGFA標的に対応するバーは、各変異体についての2つの最も右側のバーである。
【
図2A】配列番号3と比べて点置換を有する変異体ポリペプチドによって、AAVS1標的(配列番号42)、EMX1標的(配列番号46)、及びVEGFA標的(配列番号44)において誘導された%インデルを示す。点線は、3つの標的の各々での配列番号3の親ポリペプチドによる平均インデル活性を表示する。示されたデータは、それぞれ2つの技術的複製物の2つの生物学的複製物の平均である。
【
図2B】配列番号3と比べて点置換を有する変異体ポリペプチドによって、AAVS1標的(配列番号42)、EMX1標的(配列番号46)、及びVEGFA標的(配列番号44)において誘導された%インデルを示す。点線は、3つの標的の各々での配列番号3の親ポリペプチドによる平均インデル活性を表示する。示されたデータは、それぞれ2つの技術的複製物の2つの生物学的複製物の平均である。
【
図3】配列番号3と比べてコンビナトリアル置換を有する変異体ポリペプチドによって、AAVS1標的(配列番号42)、EMX1標的(配列番号46)、及びVEGFA標的(配列番号44)において誘導された%インデルを示す。示されたデータは、それぞれ2つの技術的複製物の2つの生物学的複製物の平均である。
【発明を実施するための形態】
【0204】
いくつかの態様では、本発明は、配列番号3のポリペプチドの新規変異体、変異体を含む組成物、及びその調製並びに使用方法を提供する。他の態様では、本発明は、配列番号3のポリペプチドの変異体を含む複合体及び組成物、その調製並びに使用方法を更に提供する。いくつかの態様では、1つ以上の特性を有する複合体を含む組成物が本明細書に記載される。いくつかの態様では、複合体を含む組成物を送達する方法が記載される。
【0205】
組成物
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、親ペプチドと比べて酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、親複合体と比べて酵素活性の増強、結合活性の増強、結合特異性の増強、及び/又は安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを含む複合体を含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、変異体ポリペプチドとRNAガイドとを含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、変異体ポリペプチドとRNAガイドとを含む変異体二成分複合体を含む。
【0207】
組成物のいくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドとの複合体形成の増加(例えば、二成分複合体形成の増加)を有する。組成物のいくつかの態様では、変異体ポリペプチド及びRNAガイドは、親ポリペプチド及びRNAガイドと比較するとより大きな結合親和性を有する。組成物のいくつかの態様では、変異体ポリペプチド及びRNAガイドは、親ポリペプチド及びRNAガイドと比較するとより強いタンパク質-RNA相互作用(例えば、イオン相互作用)を有する。組成物のいくつかの態様では、変異体二成分複合体は、親二成分複合体よりも安定である。
【0208】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、変異体ポリペプチドと、RNAガイドと標的核酸とを含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、変異体ポリペプチドを含む変異体三成分複合体と、RNAガイドと標的核酸とを含む。
【0209】
組成物のいくつかの態様では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド及び標的核酸との複合体形成の増加(例えば、三成分複合体形成の増加)を有する。組成物のいくつかの態様では、変異体ポリペプチド及びRNAガイド(例えば、変異体二成分複合体)は、親ポリペプチド及びRNAガイド(例えば、親二成分複合体)と比較すると、標的核酸に対するより大きな結合親和性を有する。組成物のいくつかの態様では、変異体三成分複合体は、親三成分複合体よりも安定である。
【0210】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを含む。
【0211】
変異体ポリペプチド
一実施形態では、変異体ポリペプチドは、単離又は精製されたポリペプチドである。
【0212】
いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは親ポリペプチドの変異体であり、親は、配列番号1若しくは配列番号2などのヌクレオチド配列を含むか、又は配列番号3などのアミノ酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。表1を参照されたい。
【0213】
【0214】
【0215】
本明細書に記載の親ポリペプチドをコードする核酸は、参照核酸配列、例えば、配列番号1又は配列番号2に対して実質的に同一であり得る。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、参照核酸配列、例えば、親ポリペプチドをコードする配列、例えば、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有する配列を含む核酸によってコードされる。2つのそのような核酸の間のパーセント同一性は、2つの最適にアライメントされた核酸配列の精査によって手動で、又は標準的パラメータを使用したソフトウェア若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することによって決定することができる。2つの核酸配列が実質的に同一であることの1つの指標は、核酸分子が他のストリンジェントな条件下で(例えば、中程度から高度のストリンジェンシーの範囲内で)相補的配列に対してハイブリダイズすることである。
【0216】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、参照核酸配列、例えば、親ポリペプチドをコードする核酸配列、例えば、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれ以上の配列同一性を有するが、100%の配列同一性は有さない核酸配列によってコードされる。
【0217】
いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するが、100%の同一性を有さないポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは、配列番号3に対して50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%超の同一性を有するが、100%の同一性を有さないポリペプチド配列を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の参照ポリペプチド、例えば、親ポリペプチドに対して指定された程度のアミノ酸配列同一性を有する、例えば、配列番号3のアミノ酸配列に対する少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%の配列同一性を有するが、100%の配列同一性は有さない変異体ポリペプチドを記載する。相同性又は同一性は、本明細書に記載されるように、例えば、BLAST、ALIGN、又はCLUSTALなどのプログラムを使用してアミノ酸配列アライメントによって決定することができる。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、ポリペプチドをその対応の親/参照配列と区別するアミノ酸変化(又はこれらの変化のうちの少なくとも1、2、3、4、5個など)を維持する。
【0219】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドの1つ以上(例えば、数個)のアミノ酸で改変を含み、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、162、164、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、193、194、195、196、197、198、199、200個、又はそれ以上が改変される。
【0220】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、表2に列挙されるアミノ酸置換のうちの1つ以上を含む。
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのRNAガイドに対する相互作用を増加させる改変を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドとの相互作用を増加させる改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、又はヒスチジンの置換である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドの標的核酸に対する相互作用を増加させる改変を含む。いくつかの実施形態では、標的核酸との相互作用を増加させる改変は、アルギニン、リジン、グルタミン、アスパラギン、又はヒスチジンの置換である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、アラニン置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、グリシン置換を含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、P353からL360までに1つ以上の置換を含む。例えば、いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、以下の置換:P353G、L354G、Q355G、D356G、N357G、N358G、Q359G、及びL360Gのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、変異体は、1つ以上のN末端アルギニン置換を含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E38での置換、T60での置換、D89での置換、S223での置換、P353での置換、L354での置換、L360での置換、K368での置換、E566での置換、及び/又はD730での置換を含む。いくつかの実施形態では、E38での置換はE38R置換であり、T60での置換はT60R置換であり、D89での置換はD89R置換であり、S223での置換はS223R置換であり、P353での置換はP353G置換であり、L354での置換はL354G置換であり、L360での置換はL360G置換であり、K368での置換はK368G置換であり、E566での置換はE566R置換であり、及び/又はD730での置換はD730R置換である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E38での置換、T60での置換、D89での置換、S223での置換、P353での置換、L354での置換、L360での置換、K368での置換、E566での置換、及び/又はD730での置換を含む、二重突然変異体、三重突然変異体、四重突然変異体、又は五重突然変異体である。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、E38R置換、T60R置換、D89R置換、S223R置換、P353G置換、L354G置換、L360G置換、K368G置換、E566R置換、及び/又はD730R置換を含む、二重突然変異体、三重突然変異体、四重突然変異体、又は五重突然変異体である。
【0236】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号14に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号14に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む。
【0237】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL354G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号15に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号15に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてK368G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号16に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号16に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてE566R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号17に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号17に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号18に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号18に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換及びL354G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号19に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号19に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号19に記載のアミノ酸配列を含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号20に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号20に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL354G置換及びK386G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号21に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号21に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号21に記載のアミノ酸配列を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL345G置換及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号22に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号22に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号22に記載のアミノ酸配列を含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてK368G置換及びE566R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号23に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号23に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてK368G置換及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号24に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号24に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてE566R置換及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号25に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号25に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G置換、及びK368G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号26に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号26に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G置換、及びE566R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号27に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号27に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号27に記載のアミノ酸配列を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号28に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号28に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、K368G置換、及びE566R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号29に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号29に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、K368G置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号30に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号30に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、E566R置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号31に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号31に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号31に記載のアミノ酸配列を含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL354G置換、K368G置換、及びE566R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号32に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号32に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL354G置換、K368G置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号33に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号33に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号33に記載のアミノ酸配列を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL354G置換、E566R置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号34に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号34に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号34に記載のアミノ酸配列を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL354G置換、E566R置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号35に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号35に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G置換、K368G置換、及びE566R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号36に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号36に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号36に記載のアミノ酸配列を含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G置換、K368G置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号37に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号37に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号37に記載のアミノ酸配列を含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G置換、E566R置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号38に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号38に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号38に記載のアミノ酸配列を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、K368G置換、E566R置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号39に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号39に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号39に記載のアミノ酸配列を含む。
【0262】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてL354G置換、K368G置換、E566R置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号40に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号40に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む。
【0263】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G置換、K368G置換、E566R置換、及びD730R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号41に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号41に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号41に記載のアミノ酸配列を含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、K368G置換、E566R置換、D730R置換、T60R置換、及びD356G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号49に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号49に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号49に記載のアミノ酸配列を含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、K368G置換、E566R置換、D730R置換、T60R置換、D356G置換、及びP353G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号50に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号50に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号50に記載のアミノ酸配列を含む。
【0266】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、K368G置換、E566R置換、D730R置換、T60R置換、D356G置換、及びE571R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号51に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号51に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号51に記載のアミノ酸配列を含む。
【0267】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、K368G置換、E566R置換、D730R置換、T60R置換、D356G置換、P353G置換、及びE571R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号52に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号52に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号52に記載のアミノ酸配列を含む。
【0268】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G及びE566R置換、D730R置換、並びにT60R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号53に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号53に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号53に記載のアミノ酸配列を含む。
【0269】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G及びE566R置換、D730R置換、並びにD356G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号54に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号54に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号54に記載のアミノ酸配列を含む。
【0270】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G及びE566R置換、D730R置換、T60R置換、並びにD356G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号55に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号55に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号55に記載のアミノ酸配列を含む。
【0271】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G及びE566R置換、D730R置換、T60R置換、並びにP353G置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号56に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号56に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号56に記載のアミノ酸配列を含む。
【0272】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G及びE566R置換、D730R置換、T60R置換、並びにE571R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号57に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号57に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号57に記載のアミノ酸配列を含む。
【0273】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べてD89R置換、L354G及びE566R置換、D730R置換、T60R置換、P353G置換、D356G置換、並びにE571R置換を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号58に対して少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号58に対して少なくとも95%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号58に記載のアミノ酸配列を含む。
【0274】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、配列番号3と比べて以下の突然変異:Q683K、E586G、Q556R、D356G、Q421R、Q556K、N579K、N501K、D482K、S722K、Q359G、V557R、N620R、E589K、T480K、L523K、E571R、E571K、E566K、L523R、及びE319Rのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、配列番号14~41又は49~48のいずれか1つの変異体ポリペプチドは、以下の突然変異:Q683K、E586G、Q556R、D356G、Q421R、Q556K、N579K、N501K、D482K、S722K、Q359G、V557R、N620R、E589K、T480K、L523K、E571R、E571K、E566K、L523R、及びE319Rのうちの1つ以上を更に含む。
【0275】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1つのRuvCモチーフ又はRuvCドメインを含む。
【0276】
本明細書に記載の変化は1つ以上のアミノ酸変化であり得るが、変異体ポリペプチドに対する変化はまた、アミノ末端伸長及び/又はカルボキシル末端伸長としてのポリペプチドの融合などの本質的な性質のものであってもよい。例えば、変異体ポリペプチドは、追加のペプチド、例えば、1つ以上のペプチドを含有してもよい。追加のペプチドの例としては、標識付けのためのエピトープペプチド、例えば、ポリヒスチジンタグ(His-tag)、Myc、及びFLAGが含まれ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の変異体ポリペプチドは、蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)又は黄色蛍光タンパク質(YFP))などの検出可能な部分に融合され得る。
【0277】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)の核局在化シグナル(NLS)を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)の核外搬出シグナル(NES)を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)のNLS及び少なくとも1個(例えば、2、3、4、5、6個、又はそれ以上)のNESを含む。
【0278】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の変異体ポリペプチドは、自己不活性化することができる。Epstein et al.,“Engineering a Self-Inactivating CRISPR System for AAV Vectors,”Mol.Ther.,24(2016):S50(その全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0279】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、特定の宿主細胞又は生物中で使用するためにコドン最適化され得る。例えば、核酸は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、家畜、又は非ヒト霊長類を含む任意の非ヒト真核生物のためにコドン最適化され得る。コドン使用頻度表は、例えば、www.kazusa.orjp/codon/で入手可能な「コドン使用頻度データベース」で容易に入手可能であり、これらの表は様々な方法で適応することができる。Nakamura et al.Nucl.Acids Res.28:292(2000)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。特定の宿主細胞中の発現のために、特定の配列をコドン最適化するためのコンピュータアルゴリズムも入手可能であり、例えば、Gene Forge(Aptagen;Jacobus,PA)がそうである。
【0280】
配列番号39の変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を表3に示す。いくつかの実施形態では、配列番号59~66のいずれか1つのヌクレオチド配列は、配列番号3と比べて、D89R置換、K368G置換、E566R置換、D730R置換、及び本明細書に記載の1つ以上の追加の置換を含む変異体ポリペプチドをコードするように修飾され得る。
【0281】
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
【0287】
【0288】
変異体ポリペプチドの機能性
本明細書で使用される場合、「生物学的活性部分」は、親ポリペプチドの少なくとも1つの機能を保持する(例えば、完全に、部分的に、最小限に)部分である(例えば、「最小」又は「コア」ドメイン)。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、酵素活性を親ポリペプチドと少なくとも同程度の活性で保持する。したがって、いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドよりを超える酵素活性を有する。
【0289】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、低減したヌクレアーゼ活性を有するか、又はヌクレアーゼ活性を伴わないポリペプチド(nuclease dead polypeptide)である。本明細書で使用される場合、本明細書に開示されるポリペプチドの触媒残基は、D336及びE545を含む。いくつかの実施形態では、D336及びE545での置換(例えば、D336A及びE545A)を含む変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて低減したヌクレアーゼ活性を示すか、又はヌクレアーゼ活性を示さない。いくつかの実施形態では、D695、D661、又はD636での置換(例えば、D695A、D661A、又はD636A)を含む変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比べて低減したヌクレアーゼ活性を示すか、又はヌクレアーゼ活性を示さない。
【0290】
態様では、本発明は、二成分複合体形成、RNAガイド結合活性、及び/又はRNAガイド結合特異性を増強させるために、親ポリペプチド配列に改変又は突然変異を導入するための方法を提供する。
【0291】
態様では、本発明はまた、三成分複合体形成、オンターゲット結合親和性、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合、及び/又はオンターゲット結合特異性を増強させるために、親ポリペプチド配列に改変又は突然変異を導入するための方法も提供する。態様では、本発明はまた、オンターゲット結合親和性(例えば、標的と相互作用するために要する親和性又は時間)、オンターゲット結合活性、オンターゲット結合(例えば、標的との相互作用の強さ)、及び/又は二成分複合体(例えば、リボ核タンパク質)のオンターゲット結合特異性(例えば、特異的標的に対する優先性)を増強させるために、親ポリペプチド配列に改変又は突然変異を導入するための方法も提供する。いくつかの実施形態では、改変又は突然変異が親ポリペプチド配列に導入されて、オンターゲット結合の増加及び/又は活性を有する変異体ポリペプチドを産生する。また、そのような実施形態では、オフターゲット結合及び/又は活性は、親ポリペプチドと比較すると、変異体ポリペプチドにおいて減少され得る。更に、オンターゲット結合対オフターゲット結合に関して特異性の増加又は減少があり得る。いくつかの実施形態では、改変又は突然変異が親ポリペプチド配列に導入されて、RNAガイドと複合体化される場合、オンターゲット結合の増加を有する変異体ポリペプチドを産生する。また、そのような実施形態では、オフターゲット結合は、変異体ポリペプチドとRNAガイドとを含む複合体において減少され得る。更に、オンターゲット結合/活性対オフターゲット結合/活性に関して、特異性の増加又は減少があり得る。ある特定の実施形態では、改変又は突然変異が親ポリペプチド配列に導入されて、安定性及び/又はタンパク質-RNA相互作用を増強させる変異体ポリペプチドを産生する。ある特定の実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、変異体ポリペプチドの安定性及び/又はRNA相互作用、並びに酵素活性を促進する少なくとも1つの改変を含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと同等の、又はそれを超える酵素活性を有する。いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは、約20℃~約90℃の温度範囲で酵素活性を有する。いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは、約20℃~約25℃の温度で、又は約37℃の温度で酵素活性を有する。
【0293】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAに対する親和性(例えば、RNA親和性)を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNA親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、RNA親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNA親和性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、RNA親和性の増強を示す。
【0294】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドとの複合体形成(例えば、二成分複合体形成)を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較すると二成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、二成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、二成分複合体形成の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、二成分複合体形成の増強を示す。
【0295】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドに対する結合活性を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNAガイド結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合活性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、RNAガイド結合活性の増強を示す。
【0296】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドに対する結合特異性を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNAガイド結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイド結合特異性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、RNAガイド結合特異性の増強を示す。
【0297】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質-RNA相互作用を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとタンパク質-RNA相互作用の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、タンパク質-RNA相互作用の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質-RNA相互作用の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、タンパク質-RNA相互作用の増強を示す。
【0298】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質安定性を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとタンパク質安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、タンパク質安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、タンパク質安定性の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、タンパク質安定性の増強を示す。
【0299】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドからの解離(例えば、二成分複合体解離)を減少させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較するとRNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドからの解離の減少を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、RNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上の時間のうちの少なくともいずれか1つのインキュベーション期間にわたって親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドからの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体リボ核タンパク質(RNP)複合体は、RNAガイドを異なるRNAで交換しない。
【0300】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親ポリペプチドと比較すると、RNAガイドと標的核酸との三成分複合体の形成を増強させる少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親ポリペプチドと比較すると、三成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親ポリペプチドと比較すると、三成分複合体形成の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親ポリペプチドと比較すると、三成分複合体形成の増強を示す。一実施形態では、変異体ポリペプチドは、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、三成分複合体形成の増強を示す。
【0301】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)が標的核酸に対する結合親和性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、標的核酸に対する結合親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、標的核酸に対する結合親和性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、標的核酸に対する結合親和性の増強を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、親核酸に対する結合親和性の増強を示す。
【0302】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)がオンターゲット結合活性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合活性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合活性の増強を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、オンターゲット結合活性の増強を示す。
【0303】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)がオンターゲット結合特異性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合特異性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、オンターゲット結合特異性の増強を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親二成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、オンターゲット結合特異性の増強を示す。
【0304】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)が非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す。
【0305】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親二成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む二成分複合体(例えば、変異体二成分複合体)が標的核酸からの解離の減少を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親二成分複合体と比較すると、標的核酸からの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親二成分複合体と比較すると、標的核酸からの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチドのTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親二成分複合体と比較すると、標的核酸からの解離の減少を示す。一実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体二成分複合体のTm値が親ポリペプチドのTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、標的核酸からの解離の減少を示す。
【0306】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、親三成分複合体と比較すると、変異体ポリペプチドを含む三成分複合体(例えば、変異体三成分複合体)が安定性の増強を示すように少なくとも1つの改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃又は65℃のいずれか1つよりも低い温度で、親三成分複合体と比較すると、安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、約7.3~約8.6の範囲のpHを有する緩衝液中で親三成分複合体と比較すると、安定性の増強を示す。いくつかの実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が親三成分複合体のTm値よりも少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃大きい場合に、親三成分複合体と比較すると、安定性の増強を示す。一実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体のTm値が親三成分複合体のTm値よりも少なくとも8℃大きい場合に、安定性の増強を示す。
【0307】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)RNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)RNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の保持、及び(b)RNA親和性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0308】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)二成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)二成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)二成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)RNAガイド結合活性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)RNAガイド結合活性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)RNAガイド結合活性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0310】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)RNAガイド結合特異性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)RNAガイド結合特異性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)RNAガイド結合特異性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0311】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)タンパク質-RNA相互作用の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)タンパク質-RNA相互作用の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)タンパク質-RNA相互作用の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0312】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)タンパク質安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)タンパク質安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)タンパク質安定性の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)RNAガイドからの解離の減少を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)RNAガイドからの解離の減少を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)RNAガイドからの解離の減少を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0314】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)三成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)三成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3の親ポリペプチドと比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)三成分複合体形成の増強を示す変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0315】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)標的核酸に対する結合親和性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)標的核酸に対する結合親和性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)標的核酸に対する結合親和性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0316】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)オンターゲット結合活性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)オンターゲット結合活性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)オンターゲット結合活性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)オンターゲット結合特異性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)オンターゲット結合特異性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)オンターゲット結合特異性の増強を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0318】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0319】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の減少、及び(b)標的核酸からの解離の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)酵素活性の増加、及び(b)標的核酸からの解離の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの改変が配列番号3の親ポリペプチドに導入されて、配列番号3のポリペプチドを含む親二成分複合体と比べて、(a)保持された酵素活性、及び(b)標的核酸からの解離の減少を示す変異体二成分複合体を形成する変異体ポリペプチドを産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される特徴を有する変異体ポリペプチドは、配列番号14~41又は49~58のいずれか1つに対して、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0320】
RNAガイド
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物又は複合体は標的核酸に結合し、変異体ポリペプチドと相互作用する標的化部分(例えば、RNAガイド、アンチセンス、オリゴヌクレオチド、ペプチドオリゴヌクレオチドコンジュゲート)を含む。標的化部分は、標的核酸に結合することができる(例えば、標的核酸に対する特異的結合親和性で)。
【0321】
いくつかの実施形態では、標的部分はRNAガイドを含むか、又はRNAガイドである。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを特定の核酸配列に向ける。当業者は、以下の特定の種類のRNAガイドの例を読み取れば、いくつかの実施形態でRNAガイドが部位特異的であることを理解するであろう。すなわち、いくつかの実施形態では、RNAガイドは、1つ以上の標的核酸配列(例えば、特異的DNA又はゲノムDNA配列)と特異的に会合するが、非標的化核酸配列(例えば、非特異的DNA又はランダム配列)とは会合しない。
【0322】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドと会合し、変異体ポリペプチドを標的核酸配列(例えば、DNA)に向けるRNAガイドを含む。
【0323】
RNAガイドは、標的配列、例えば、部位特異的配列又は部位特異的標的の1つ以上のヌクレオチドを標的とすることができる(例えば、それと会合する、それに向けられる、それと接触し、又は結合することができる)。いくつかの実施形態では、変異体核タンパク質(例えば、変異体ポリペプチドに加えてRNAガイド)は、RNAガイド中のDNA標的化配列に相補的である標的核酸(例えば、配列特異的基質又は標的核酸)への結合の際に活性化される。
【0324】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、約11ヌクレオチド~約100ヌクレオチドの長さを有するスペーサーを含む。例えば、DNA標的化セグメントは、約11ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約11ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、又は約11ヌクレオチド~約19ヌクレオチドの長さを有し得る。例えば、スペーサーは、約19ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約35ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約45ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約19ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約35ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約45ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、又は約20ヌクレオチド~約100ヌクレオチドの長さを有し得る。
【0325】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、一般に、11~50ヌクレオチド(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35ヌクレオチド)の長さを有し、特異的標的核酸配列に相補的であるように設計され得る。いくつかの特定の実施形態では、RNAガイドは、例えば、ゲノム遺伝子座の特異的DNA鎖に対して相補的であるように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、DNA標的化配列は、例えば、ゲノム遺伝子座の特異的DNA鎖に対して相補的であるように設計される。
【0326】
RNAガイドは、参照核酸配列の相補鎖に対して実質的に同一であってもよい。いくつかの実施形態では、RNAガイドは参照核酸配列、例えば、標的核酸の相補鎖に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有する配列を含む。そのような2つの核酸の間のパーセント同一性は、2つの最適にアライメントされた核酸配列の精査によって手動で、又は標準的パラメータを使用したソフトウェア若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することによって決定することができる。
【0327】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的核酸の相補鎖に対して、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有する。
【0328】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、11~50ヌクレオチド(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35ヌクレオチド)の長さであり、標的核酸に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的であるスペーサーを含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的DNA配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的ゲノム配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、例えば、最大50の長さであり、標的核酸に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的であるRNA配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的DNA配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、標的ゲノム配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む。
【0329】
ある特定の実施形態では、RNAガイドは、DNA標的化配列に結合したダイレクトリピート配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれを構成する。いくつかの実施形態では、RNAガイドは、ダイレクトリピート配列及びDNA標的化配列、又はダイレクトリピート-DNA標的配列-ダイレクトリピート配列を含む。いくつかの実施形態では、RNAガイドは切断型ダイレクトリピート配列と、処理された又は成熟crRNAに典型的なDNA標的化配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドは、RNAガイドと複合体を形成し、RNAガイドは、複合体をRNAガイドの少なくとも一部に相補的である部位特異的標的核酸と会合するように向ける。
【0330】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、表4に記載の配列又は表4に記載の配列の一部に対して少なくとも90%同一である。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、表4に記載の配列又は表4に記載の配列の一部に対して少なくとも95%同一である。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピート配列は、表4に記載の配列又は表4に記載の配列の一部に対して同一である。
【0331】
【0332】
いくつかの実施形態では、ダイレクトリピートは、CCUGUUGUGAAUACUC(配列番号6)として記載される配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトリピートは、UUAUAGGUAUCAAACAAC(配列番号7)として記載される配列を含む。
【0333】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物又は複合体は、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8個、又はそれ以上)のRNAガイド、例えば、複数のRNAガイドを含む。
【0334】
いくつかの実施形態では、RNAガイドは、国際公開第2014/093622号パンフレット及び同第2015/070083号パンフレット(それらの各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に類似した構造を有する。
【0335】
特に明記しない限り、本明細書に提供される全ての組成物及び複合体、並びにポリペプチドは、その組成物又は複合体若しくはポリペプチドの活性レベルを参照して作製され、市販の供給源において存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は含まない。酵素成分の重量は、全活性タンパク質に基づく。全てのパーセンテージ及び比率は、特に明記されない限り、重量で計算される。全てのパーセンテージ及び比率は、特に明記されない限り、全組成に基づいて計算される。例示された組成では、酵素レベルは、全組成の重量で純粋な酵素によって表され、特に指定のない限り、成分は全組成の重量で表される。
【0336】
修飾
RNAガイド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸配列のいずれかは、参照配列、特に親ポリリボヌクレオチドに関して1つ以上の共有結合修飾を含んでもよく、これは本発明の範囲内に含まれる。
【0337】
例示的な修飾としては、例えば、糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合への(例えば、リン酸結合への/ホスホジエステル結合への/ホスホジエステルバックボーンへの)、及びそれらの任意の組み合わせへのいずれかの修飾を含むことができる。本明細書に提供される例示的な修飾のいくつかは、以下に詳細に記載される。
【0338】
RNAガイド又は変異体ポリペプチドの成分をコードする核酸配列のいずれかは、例えば、糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合への(例えば、リン酸結合への/ホスホジエステル結合への/ホスホジエステルバックボーンへの)、及びそれらの任意の組み合わせへのいずれかの有用な修飾を含むことができる。ピリミジン核酸塩基の1つ以上の原子は、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたチオール、任意選択で置換されたアルキル(例えば、メチル若しくはエチル)、又はハロ(例えば、クロロ若しくはフルオロ)で置き換えられるか、又は置換されてもよい。ある特定の実施形態では、修飾(例えば、1つ以上の修飾)は、糖及びヌクレオシド間結合の各々に存在する。修飾は、リボ核酸(RNA)のデオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、又はそれらのハイブリッドに対する修飾であり得る。追加の修飾は、本明細書に記載されている。
【0339】
いくつかの実施形態では、修飾は、化学的修飾又は細胞誘発修飾を含み得る。例えば、細胞内RNA修飾のいくつかの非限定的な例は、Nat Reviews Mol Cell Biol,2017,18:202-210から“RNA modifications and structures cooperate to guide RNA-protein interactions”においてLewis and Panによって記載されている。
【0340】
異なる糖修飾、ヌクレオチド修飾、及び/又はヌクレオシド間結合(例えば、バックボーン構造)は、配列の様々な位置で存在してもよい。当業者であれば、ヌクレオチド類似体又は他の修飾が配列の任意の位置に配置されてもよく、それによって配列の機能は実質的に減少されないことを理解するであろう。配列は、約1%~約100%の修飾ヌクレオチド(ヌクレオチド含量の全体に関して、又はヌクレオチドの1つ以上のタイプ、すなわちA、G、U、又はCのいずれか1つ以上に関してのいずれかで)又は任意のそれらの間のパーセンテージ(例えば、1%~20%>、1%~25%、1%~50%、1%~60%、1%~70%、1%~80%、1%~90%、1%~95%、10%~20%、10%~25%、10%~50%、10%~60%、10%~70%、10%~80%、10%~90%、10%~95%、10%~100%、20%~25%、20%~50%、20%~60%、20%~70%、20%~80%、20%~90%、20%~95%、20%~100%、50%~60%、50%~70%、50%~80%、50%~90%、50%~95%、50%~100%、70%~80%、70%~90%、70%~95%、70%~100%、80%~90%、80%~95%、80%~100%、90%~95%、90%~100%、及び95%~100%)の修飾ヌクレオチドを含んでもよい。
【0341】
いくつかの実施形態では、糖修飾(例えば、2’位若しくは4’位での)又は配列の1つ以上のリボヌクレオチドでの糖の置き換え、並びにバックボーン修飾は、ホスホジエステル結合の修飾又は置き換えを含んでもよい。配列の具体的な例としては、限定されないが、ホスホジエステル結合の修飾又は置き換えを含む、修飾バックボーン又はヌクレオシド間修飾などの非天然ヌクレオシド間結合を含む配列が挙げられる。修飾バックボーンを有する配列としては、とりわけバックボーンにリン原子を有さないものが挙げられる。本出願の目的のために、また当該技術分野において言及されることがあるように、それらのヌクレオシド間バックボーンにリン原子を有さない修飾RNAはまた、オリゴヌクレオシドであると見なされ得る。特定の実施形態では、配列は、そのヌクレオシド間バックボーンにリン原子を有するリボヌクレオチドを含むであろう。
【0342】
修飾配列のバックボーンとしては、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル及び他のアルキルホスホネート、例えば、3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート、例えば、3’-アミノホスホロアミデート及びアミノアルキルホスホロアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、及び通常の3’-5’結合を有するボラノホスフェート、これらの2’-5’結合類似体、並びにヌクレオシド単位の隣接する対が3’-5’から5’-3’に又は2’-5’から5’-2’に結合している反転した極性を有するものを挙げることができる。様々な塩、混合塩及び遊離酸形態も含まれる。いくつかの実施形態では、配列は負に帯電していても正に帯電していてもよい。
【0343】
配列に組み込むことができる修飾ヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合(例えば、リン酸バックボーン)上で修飾され得る。したがって、ポリヌクレオチドバックボーンに関して、「リン酸」及び「ホスホジエステル」という語句は、互換的に使用される。バックボーンリン酸基は、酸素原子のうちの1つ以上を異なる置換基で置き換えることによって修飾され得る。更に、修飾ヌクレオシド及びヌクレオチドは、未修飾リン酸部分の本明細書に記載されるような別のヌクレオシド間結合による大規模な置き換えを含み得る。修飾リン酸基の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェートエステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、アルキル又はアリールホスホネート、及びホスホトリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。ホスホロジチオエートは、硫黄によって置き換えられている両方の非連結酸素を有する。リン酸リンカーはまた、窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)、及び炭素(架橋メチレン-ホスホネート)による連結酸素の置き換えによっても修飾され得る。
【0344】
α-チオ置換リン酸部分は、非天然ホスホロチオエートバックボーン結合を通して、RNA及びDNAポリマーに安定性を付与するために提供される。ホスホロチオエートDNA及びRNAはヌクレアーゼ提供性の増加を有し、その後細胞内環境においてより長い半減期を有するようになる。
【0345】
具体的な実施形態では、修飾ヌクレオシドとしては、アルファ-チオ-ヌクレオシド(例えば、5’-O-(1-チオホスフェート)-アデノシン、5’-O-(1-チオホスフェート)-シチジン(a-チオ-シチジン)、5’-O-(1-チオホスフェート)-グアノシン、5’-O-(1-チオホスフェート)-ウリジン、又は5’-O-(1-チオホスフェート)-シュードウリジン)が挙げられる。
【0346】
リン原子を含有しないヌクレオシド間結合が含まれる、本明細書に従って利用され得る他のヌクレオシド間結合が、本明細書に記載されている。
【0347】
いくつかの実施形態では、配列は、1つ以上の細胞傷害性ヌクレオシドを含んでもよい。例えば、細胞傷害性ヌクレオシドは、二機能性修飾として配列に組み込まれてもよい。細胞傷害性ヌクレオシドとしては、アデノシンアラビノシド、5-アザシチジン、4’-チオ-アラシチジン、シクロペンテニルシトシン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、シトシンアラビノシド、1-(2-C-シアノ-2-デオキシ-ベータ-D-アラビノ-ペントフラノシル)-シトシン、デシタビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、フロクスウリジン、ゲムシタビン、テガフールとウラシルの組み合わせ、テガフール((RS)-5-フルオロ-1-(テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)、トロキサシタビン、テザシタビン、2’-デオキシ-2’-メチリデンシジチン(DMDC)、及び6-メルカプトプリンを挙げることができるが、これらに限定されない。追加の例としては、リン酸フルダラビン、N4-ベヘノイル-1-ベータ-D-アラビノフラノシルシトシン、N4-オクタデシル-1-ベータ-D-アラビノフラノシルシトシン、N4-パルミトイル-1-(2-C-シアノ-2-デオキシ-ベータ-D-アラビノ-ペントフラノシル)シトシン、及びP-4055(シタラビン5’-エライジン酸エステル)が挙げられる。
【0348】
いくつかの実施形態では、配列は、1つ以上の翻訳後修飾(例えば、キャッピング、切断、ポリアデニル化、スプライシング、ポリ-A配列、メチル化、アシル化、リン酸化、リジン及びアルギニン残基のメチル化、アセチル化、並びにチオール基及びチオシン残基のニトロシル化など)を含む。1つ以上の翻訳後修飾は、RNA中で特定された100個を超える異なるヌクレオシド修飾のいずれかなどの任意の転写後修飾であり得る(Rozenski,J,Crain,P,and McCloskey,J.(1999).The RNA Modification Database:1999 update.Nucl Acids Res 27:196-197)。いくつかの実施形態では、最初に単離された核酸は、メッセンジャーRNA(mRNA)を含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、4-チオ-シュードウリジン、2-チオ-シュードウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-シュードウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-シュードウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-シュードウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-シュードウリジン、4-チオ-1-メチル-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-シュードウリジン、1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロシュードウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロシュードウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-シュードウリジン、及び4-メトキシ-2-チオ-シュードウリジンからなる群から選択される少なくとも1つのヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、5-アザ-シチジン、シュードイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-シュードイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-シュードイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-シュードイソシチジン、4-チオ-1-メチル-シュードイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-シュードイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-シュードイソシチジン、及び4-メトキシ-1-メチル-シュードイソシチジンからなる群から選択される1つ以上のヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン、N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデノシン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニンからなる群から選択される少なくとも1つのヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、mRNAは、イノシン、1-メチル-イノシン、ウィオシン、ウィブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシンからなる群から選択される少なくとも1つのヌクレオシドを含む。
【0349】
配列は、分子の全長に沿って均一に修飾されても又は修飾されなくてもよい。例えば、ヌクレオチドの1つ以上又は全てのタイプ(例えば、天然に存在するヌクレオチド、プリン、若しくはピリミジン、又はA、G、U、C、I、pUのうちのいずれか1つ以上若しくは全て)は、配列において、若しくはその所定の配列領域において、均一に修飾されても又は修飾されなくてもよい。いくつかの実施形態では、配列は、シュードウリジンを含む。いくつかの実施形態では、配列はイノシンを含み、これは免疫系において配列をウイルスRNAに対して内因性RNAとして特徴付けることで役立つ。イノシンの組込みはまた、改善されたRNA安定性/低減した分解を媒介し得る。例えば、その全体が参照により組み込まれる、Yu,Z.et al.(2015)RNA editing by ADAR1 marks dsRNA as“self”.Cell Res.25,1283-1284を参照されたい。
【0350】
標的核酸
本明細書に開示される方法は、様々な標的核酸に適用可能である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、DNA遺伝子座などのDNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、RNA遺伝子座又はmRNAなどのRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、一本鎖(例えば、一本鎖DNA)である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、二本鎖(例えば、二本鎖DNA)である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、一本鎖及び二本鎖領域の両方を含む。いくつかの実施形態では、標的核酸は、直線状である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、環状である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、メチル化ヌクレオチド、損傷したヌクレオチド、又はヌクレオチド類似体などの1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、標的核酸は、修飾されていない。
【0351】
標的核酸は任意の長さのものであってもよく、例えば、約100bp、200bp、500bp、1000bp、2000bp、5000bp、10kb、20kb、50kb、100kb、200kb、500kb、1Mb、又はそれ以上の長さのうちの少なくともいずれか1つである。標的核酸はまた、任意の配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、標的核酸は、GCリッチであり、例えば、約40%、45%、50%、55%、60%、65%、又はそれより高いGC含量のうちの少なくともいずれか1つを有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、少なくとも約70%、80%、又はそれ以上のGC含量を有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、非GCリッチ標的核酸中のGCリッチ断片である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、GCリッチではない。いくつかの実施形態では、標的核酸は、1つ以上の二次構造又はより高次の構造を有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸を変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体によってアクセス不能にするために、クロマチンなどの凝縮状態にはない。
【0352】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞の核中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞に対して内因性である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、ゲノムDNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、染色体DNAである。一実施形態では、標的核酸は、染色体外核酸である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、タンパク質コード遺伝子若しくはその機能的領域、例えば、コード領域、又は調節要素、例えば、プロモーター、エンハンサー、5’若しくは3’非翻訳領域などである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、非コード遺伝子、例えば、トランスポゾン、miRNA、tRNA、リボソームRNA、リボザイム、又はlincRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、プラスミドである。
【0353】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞に対して外因性である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、ウイルス核酸、例えば、ウイルスDNA又はウイルスRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、水平伝播プラスミドである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞のゲノム中に組み込まれる。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞のゲノム中には組み込まれない。いくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞中のプラスミドである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、染色体外配列(extrachromosomal array)中に存在する。
【0354】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、単離された核酸、例えば、単離されたDNA又は単離されたRNAである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、無細胞環境中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、単離されたベクター、例えば、プラスミドである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、超高純度プラスミドである。
【0355】
標的核酸は、RNAガイドにハイブリダイズする標的核酸のセグメントである。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸の1つのコピーのみを有する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸の2つ以上のコピー、例えば、約2、3、4、5、10、100、又はそれ以上のコピーの少なくともいずれか1つを有する。例えば、ウイルス核酸又は細菌のゲノム中の反復配列を含む標的核酸は、変異体核タンパク質によって標的化され得る。
【0356】
標的核酸は、本明細書に記載されるような本開示のプロトスペーサー隣接モチーフ又はPAMに隣接している。PAMは、標的配列のすぐ隣にあってもよく、又は例えば、標的配列の少数(例えば、1、2、3、4、又は5個)のヌクレオチド内にあってもよい。二本鎖標的の場合には、標的化部分(例えば、RNAガイド)は、標的の第1の鎖に結合し、本明細書に記載されるPAM配列は、第2の相補鎖中に存在する。そのような場合、PAM配列は、結合部分が結合する第1の鎖中の配列に対して相補的である第2の鎖中の配列のすぐ隣にある(又はその少数、例えば、1、2、3、4、又は5個のヌクレオチド内にある)。
【0357】
いくつかの実施形態では、配列特異性は、RNAガイド中のスペーサー配列の標的核酸の非PAM鎖に対する完全な一致を必要とする。他の実施形態では、配列特異性は、RNAガイド中のスペーサー配列の標的核酸の非PAM鎖への部分的(連続又は非連続)一致を必要とする。
【0358】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAガイド又はRNAガイドと変異体ポリペプチドを含む複合体は、RNAガイドと標的核酸との間の相補性の領域によって画定される配列で標的核酸に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPAM配列は、標的核酸の標的配列の上流に直接位置する(例えば、標的配列の5’に直接)。いくつかの実施形態では、PAM配列は、標的核酸の非スペーサー相補鎖(例えば、非標的鎖)上の標的配列の5’に直接位置する。
【0359】
いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドに対応するPAMは、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3’を含む。本明細書で使用される場合、Nは、それぞれ、いずれかのヌクレオチド(例えば、A、G、T、又はC)若しくはそのサブセット(例えば、R(A又はG)、Y(C又はT)、K(G又はT)、B(G、T、又はC)、H(A、C、又はT)であり得る。いくつかの実施形態では、PAMは、5’-TTTG-3’、5’-TTCG-3’、5’-TTAG-3’、5’-TACG-3’、5’-ATTG-3’、5’-ATCG-3’、5’-TCTG-3’、5’-TTGG-3’、5’-CGTG-3’、5’-GTTA-3’、5’-TTAA-3’、5’-TTCA-3’、又は5’-TGCG-3’を含む。いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドを含む二成分複合体は、5’-NNR-3’、5’-TNR-3’、5’-NTTN-3’、5’-NTTR-3’、又は5’-TTTN-3’配列に隣接する標的核酸に結合する。いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドを含む二成分複合体は、5’-TTTG-3’、5’-TTCG-3’、5’-TTAG-3’、5’-TACG-3’、5’-ATTG-3’、5’-ATCG-3’、5’-TCTG-3’、5’-TTGG-3’、5’-CGTG-3’、5’-GTTA-3’、5’-TTAA-3’、5’-TTCA-3’、又は5’-TGCG-3’配列に隣接する標的核酸に結合する。
【0360】
いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的核酸の容易にアクセス可能な領域中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的遺伝子のエクソン中に存在する。いくつかの実施形態では、標的核酸は、標的遺伝子のエクソン-イントロン接合部にわたってある。いくつかの実施形態では、標的核酸は、非コード領域、例えば、遺伝子の調節領域中に存在する。標的核酸が細胞に対して外因性であるいくつかの実施形態では、標的核酸は、細胞のゲノム中では見出されない配列を含む。
【0361】
好適なDNA/RNA結合条件には、細胞において通常存在する生理学的条件が含まれる。他の好適なDNA/RNA結合条件(例えば、無細胞系における条件)は、当該技術分野において既知であり、例えば、上記のSambrookを参照されたい。RNAガイドに相補的であり、RNAガイドにハイブリダイズする標的核酸の鎖は「相補鎖」と称され、「相補鎖」に相補的である(したがって、RNAガイドに相補的ではない)標的核酸の鎖は、「非相補鎖(noncomplementary strand)」又は「非相補鎖(non-complementary strand)」と称される。
【0362】
調製
いくつかの実施形態では、本発明の変異体ポリペプチドは、(a)本発明の変異体ポリペプチドを産生する細菌を培養し、変異体ポリペプチドを単離し、任意選択で変異体ポリペプチドを精製し、及び変異体ポリペプチドをRNAガイドと複合体化することによって調製することができる。変異体ポリペプチドはまた、(b)既知の遺伝子工学技術によって、具体的には本発明の変異体ポリペプチドをコードする遺伝子を細菌から単離し、組換え発現ベクターを構築し、次いで、ベクターを宿主細胞中でRNAガイドと複合体化する組換えタンパク質の発現のためのRNAガイドを発現する適切な宿主細胞中にベクターを移動させることによって調製することもできる。或いは、変異体ポリペプチドは、(c)インビトロ結合転写-翻訳システムによって、次いで、RNAガイドと複合体化することによって調製することができる。本発明の変異体ポリペプチドの調製に使用され得る細菌は、それらが本発明の変異体ポリペプチドを産生することができる限り、特に限定されない。細菌のいくつかの非限定的な例としては、本明細書に記載される大腸菌(E.coli)細胞が挙げられる。
【0363】
ベクター
本発明は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを発現するためのベクターを提供するか、又は本明細書に記載の変異体をコードする核酸はベクター中に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、本発明のベクターは、変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のベクターは、変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0364】
本発明はまた、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチド、又は変異体ポリペプチドを含む組成物の調製に使用され得るベクターを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の組成物又はベクターを細胞中に含む。いくつかの実施形態では、本発明は、変異体ポリペプチドを含む組成物、又は変異体ポリペプチドをコードするベクター若しくは核酸を細胞中で発現する方法を含む。方法は、組成物、例えば、ベクター又は核酸を提供する工程と、組成物を細胞に送達する工程とを含み得る。
【0365】
天然又は合成ポリヌクレオチドの発現は、典型的には、目的の遺伝子をコードするポリヌクレオチド、例えば、変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をプロモーターに作動可能に連結し、構築物を発現ベクター中に組み込むことによって達成される。発現ベクターは、それが本発明の変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、真核生物細胞中での複製及び組込みに好適であり得る限り、特に限定されない。
【0366】
典型的な発現ベクターは、所望のポリヌクレオチドの発現に有用な転写及び翻訳ターミネーター、開始配列、並びにプロモーターを含む。例えば、RNAポリメラーゼのための認識配列を担持するプラスミドベクター(pSP64、pBluescriptなど)が使用されてもよい。レンチウイルスなどのレトロウイルスに由来するものを含むベクターは、それらが導入遺伝子の長期的且つ安定した組込み及び娘細胞へのその増殖を可能にするため、長期的な遺伝子導入を達成するために好適なツールである。ベクターの例としては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、シーケンシングベクターが挙げられる。発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供されてもよい。
【0367】
ウイルスベクター技術は当該技術分野において周知であり、様々なウイルス学及び分子生物学マニュアルに記載されている。ベクターとして有用であるウイルスとしては、ファージウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、及びレンチウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能する複製起点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択可能なマーカーを含有する。
【0368】
ベクターの種類は特に限定されず、宿主細胞中で発現され得るベクターを適宜選択することができる。更に具体的に言うと、宿主細胞の種類に応じて、変異体ポリペプチドのポリヌクレオチドからの発現を確実にするためにプロモーター配列が適宜選択され、このプロモーター配列及びポリヌクレオチドが発現ベクターの調製のために様々なプラスミドなどのいずれかに挿入される。
【0369】
更なるプロモーター要素、例えば、増強化配列は転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、プロモーターの数は細菌、開始部位の下流の機能的要素も同様に含有することが示されている。プロモーターに応じて、個々の要素が協調的又は独立して機能して、転写を活性化することができると思われる。
【0370】
更に、本開示は、構成的プロモーターの仕様に限定されるべきではない。誘導性プロモーターも本開示の一部として企図される。誘導性プロモーターの使用は分子スイッチを提供し、分子スイッチはポリヌクレオチド配列の発現が望ましい場合に作動可能に連結しているポリヌクレオチド配列の発現をオンにすることができるか、又はその発現が望ましくない場合に発現をオフにすることができる。誘導性プロモーターの例としては、メタロチオニンプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、及びテトラサイクリンプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0371】
導入される発現ベクターはまた、選択性マーカー遺伝子又はレポーター遺伝子のいずれか、又は両方を含有することができ、ウイルスベクターを通してトランスフェクト又は感染されようとする細胞の集団からの発現細胞の同定及び選択を容易にする。他の態様では、選択性マーカーは、DNAの別個の部分で運ばれ、コトランスフェクション手法で使用され得る。選択可能なマーカー及びレポーター遺伝子の両方は、適切な転写制御配列によって隣接され、宿主細胞中の発現を可能にすることができる。そのようなマーカーの例としては、真核生物細胞培養については、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子及びネオマイシン耐性遺伝子、並びに大腸菌(E.coli)及び他の細菌の培養については、テトラサイクリン耐性遺伝子及びアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。そのような選択マーカーを使用することによって、本発明の変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが宿主細胞中に移動され、次いで、間違いなく発現されたかどうかを確認することができる。
【0372】
組換え発現ベクターのための調製方法は特に限定されず、その例としては、プラスミド、ファージ、又はコスミドを使用する方法が挙げられる。
【0373】
発現の方法
本発明は、本明細書に記載の変異体ポリペプチドを翻訳することを含む、タンパク質発現のための方法を含む。
【0374】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の宿主細胞は、変異体ポリペプチドを発現するために使用される。宿主細胞は特に限定されず、様々な既知の細胞が好ましく使用され得る。宿主細胞の具体的な例としては、大腸菌(E.coli)などの細菌、酵母(出芽酵母、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、及び分裂酵母、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))、線虫(カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans))、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞、及び動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、及びHEK293細胞)が挙げられる。上記の発現ベクターを宿主細胞中に転移させるための方法、すなわち形質転換法は特に限定されず、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム法、リポソーム法、及びDEAEデキストラン法などの既知の方法を使用することができる。
【0375】
宿主が発現ベクターで形質転換された後に、変異体ポリペプチドの産生のために宿主細胞を培養し、栽培し、又は育種することができる。変異体ポリペプチドの発現後に、宿主細胞を回収し、従来の方法(例えば、濾過、遠心分離、細胞破壊、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなど)に従って、変異体ポリペプチドを培養物などから生成することができる。
【0376】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド発現のための方法は、変異体ポリペプチドの少なくとも5個のアミノ酸、少なくとも10個のアミノ酸、少なくとも15個のアミノ酸、少なくとも20個のアミノ酸、少なくとも50個のアミノ酸、少なくとも100個のアミノ酸、少なくとも150個のアミノ酸、少なくとも200個のアミノ酸、少なくとも250個のアミノ酸、少なくとも300個のアミノ酸、少なくとも400個のアミノ酸、少なくとも500個のアミノ酸、少なくとも600個のアミノ酸、少なくとも700個のアミノ酸、少なくとも800個のアミノ酸、少なくとも900個のアミノ酸、又は少なくとも1000個のアミノ酸の翻訳を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質発現のための方法は、変異体ポリペプチドの約5個のアミノ酸、約10個のアミノ酸、約15個のアミノ酸、約20個のアミノ酸、約50個のアミノ酸、約100個のアミノ酸、約150個のアミノ酸、約200個のアミノ酸、約250個のアミノ酸、約300個のアミノ酸、約400個のアミノ酸、約500個のアミノ酸、約600個のアミノ酸、約700個のアミノ酸、約800個のアミノ酸、約900個のアミノ酸、約1000個のアミノ酸、又はそれ以上の翻訳を含む。
【0377】
様々な方法を宿主細胞中の成熟変異体ポリペプチドの産生のレベルを決定するために使用することができる。そのような方法としては、例えば、本明細書の他の箇所で記載されるような変異体ポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体のいずれか、又は標識付けタグを利用する方法が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な方法としては、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(MA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、及び蛍光活性化セルソーティング(FACS)が挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他のアッセイは、当該技術分野において周知である(例えば、Maddox et al.,J.Exp.Med.158:1211[1983]を参照されたい)。
【0378】
本開示は、変異体ポリペプチドの細胞中のインビボ発現の方法であって、変異体ポリペプチドをコードするポリリボヌクレオチドを宿主細胞に提供することであって、ポリリボヌクレオチドが変異体ポリペプチドをコードする、提供することと、変異体ポリペプチドを細胞中で発現することと、変異体ポリペプチドを細胞から得ることと、を含む方法を提供する。
【0379】
改変又は突然変異の導入
変異体ポリペプチドをコードする核酸配列又は変異体ポリペプチドは、当該技術分野において既知の合成方法によって生成することができる。親ポリペプチドそれ自体をコードする核酸配列をフレームワークとして使用して、改変又は突然変異を1回以上挿入し、親ポリペプチドをコードする核酸配列を改変することができる。同じように考えて、変化をポリペプチド配列にそれが実効的に合成されるときに導入することによって親ポリペプチドを改変するか、又は突然変異させてもよい。これは、当該技術分野において周知の方法によって達成することができる。
【0380】
親ポリペプチド配列への改変又は突然変異の産生及び導入は、当業者に既知の任意の方法を使用して達成され得る。特に、いくつかの実施形態では、PCRのためのオリゴヌクレオチドプライマーを、変異体ポリペプチドをコードする核酸配列中に1つ以上の改変又は突然変異を含むDNAテンプレートの迅速な合成のために使用することができる。部位特異的突然変異導入もまた、基礎となるDNAの特定の突然変異誘発を通して、個々のペプチド又は生物学的に機能的に同等のタンパク質若しくはペプチドの調製に有用な技術として使用することもできる。1つ以上のヌクレオチド配列変化をDNAに導入することによって、前述した考慮事項のうちの1つ以上を組み込む技術は、変異体を調製し、試験するための容易な能力を更に提供する。部位特異的突然変異導入は、所望の突然変異のDNA配列をコードする特定のオリゴヌクレオチド配列、並びに十分な数の隣接するヌクレオチドの使用を通して変異体の産生を可能にし、十分なサイズ及び配列複雑性のプライマー配列を提供して、通過される欠失接合部の両側に安定した二本鎖を形成する。典型的には、約17~25ヌクレオチド長のプライマーが好ましく、改変される配列の接合部の両側に約5~10個の残基を有する。
【0381】
アミノ末端伸長部及び/又はカルボキシル末端伸長部のようなポリペプチドの融合部などの構造変化の導入は、改変又は突然変異の親ポリペプチドの導入と同様な様式で達成することができる。追加のペプチドは、追加のペプチドをコードする適切な核酸配列を親ポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする核酸配列に含めることによって、親ポリペプチド又は変異体ポリペプチドに添加され得る。任意選択で、追加のペプチドは、合成ポリペプチド産生を通して変異体ポリペプチドに直接付加されてもよい。
【0382】
態様では、本発明はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して親ポリペプチド配列と比較すると、標的核酸の2つ以上の遺伝子座(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9個、又はそれ以上)とのオンターゲット結合の増加を有する変異体ポリペプチドを産生するための方法も提供する。
【0383】
態様では、本発明はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、複数の別個のRNAガイドと個々に複合体化されると、複数の親ポリペプチド及びRNAガイドと比較すると、標的配列の2つ以上の遺伝子座とのオンターゲット結合の増加を有する複数の変異体ポリペプチド(例えば、同じアミノ酸配列を有する別個の変異体ポリペプチド)を産生するための方法も提供する。
【0384】
態様では、本発明はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して親ポリペプチドと比較すると、標的核酸の2つ以上の標的遺伝子座とのオンターゲット三成分複合体形成の増加を有する変異体ポリペプチドを産生するための方法も提供する。
【0385】
態様では、本発明はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、複数の別個のRNAガイドと個々に複合体化されると、複数の親ポリペプチド及びRNAガイドと比較すると、標的核酸の2つ以上の遺伝子座との三成分複合体形成の増加を有する複数の変異体ポリペプチド(例えば、同じアミノ酸配列を有する別個の変異体ポリペプチド)を産生するための方法も提供する。
【0386】
態様では、本発明はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して親ポリペプチドと比較すると、標的核酸又は標的遺伝子座の標的化の数の増加を示す変異体ポリペプチドを産生するための方法も提供する。
【0387】
態様では、本発明はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、複数の別個のRNAガイドと個々に複合体化されると、複数の親ポリペプチド及びRNAガイドと比較すると、標的核酸又は標的遺伝子座の標的化の数の増加を示す複数の変異体ポリペプチド(例えば、同じアミノ酸配列を有する別個の変異体ポリペプチド)を産生するための方法も提供する。
【0388】
態様では、本発明はまた、改変又は突然変異を親ポリペプチド配列に導入して、変異体ポリペプチドの安定性を増強させるための方法も提供する。変異体ポリペプチドの安定性は、限定されないが、熱変性アッセイ、サーマルシフトアッセイ、示差走査熱量測定(DSC)、示差走査蛍光定量法(DSF)、等温滴定型熱量測定(ITC)、パルスチェイス法、ブリーチチェイス法、シクロヘキシミドチェイス法、円二色性(CD)分光法、結晶化、及び蛍光ベース活性アッセイによって決定され得るか、又はこれらの技術を含み得る。
【0389】
変異体二成分複合体形成
一般に、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、約1:1のモル比で互いに結合して変異体二成分複合体を形成する。変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、単独で又は一緒のいずれかで天然には存在しない。
【0390】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは宿主細胞中で過剰発現され、本明細書に記載されるように精製され、次いで、RNAガイドと複合して(例えば、試験管中で)変異体リボ核タンパク質(RNP)(例えば、変異体二成分複合体)を形成する。
【0391】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、標的核酸に対する結合親和性の増加、オンターゲット結合活性の増加、オンターゲット結合特異性の増加、標的核酸との三成分複合体形成の増加、及び/又はインキュベーション時間の範囲にわたる安定性の増加を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、非標的核酸に対するオフターゲット結合の減少、及び/又はインキュベーション時間の範囲にわたる標的核酸からの解離の減少を示す。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、標的核酸複合体形成の増加、標的核酸活性、及び/又はインキュベーション時間の範囲にわたる標的核酸特異性を示す。
【0392】
いくつかの実施形態では、二成分複合体の複合体化は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、又は55℃のいずれか1つよりも低い温度で起こる。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、約37℃で約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上の時間のうちの少なくともいずれか1つのインキュベーション時間にわたってRNAガイドから解離しないか、又は遊離RNAに結合しない。いくつかの実施形態では、二成分複合体形成後に、変異体リボ核タンパク質複合体は、RNAガイドを異なるRNAと交換しない。
【0393】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、二成分複合体化緩衝液中で複合体化される。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、二成分複合体化緩衝液で置き換えられる緩衝液中で保存され、RNAガイドとの複合体を形成する。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、二成分複合体化緩衝液中で保存される。
【0394】
いくつかの実施形態では、二成分複合体化緩衝液は、約7.3~8.6の範囲のpHを有する。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.3である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.4である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.5である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.6である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.7である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.8である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約7.9である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.0である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.1である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.2である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.3である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.4である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.5である。一実施形態では、二成分複合体化緩衝液のpHは、約8.6である。
【0395】
変異体ポリペプチドの熱安定性は、RNAガイドの添加、例えば、RNAガイドへの結合などの好ましい条件下で増加することができる。
【0396】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、本明細書に記載されるような精製の前に宿主細胞中で過剰発現され、RNAガイドと複合体化することができる。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドをコードするmRNA若しくはDNAは細胞に導入され、それによって変異体ポリペプチドが細胞中で発現される。変異体ポリペプチドを所望の標的核酸に誘導するRNAガイドもまた、単一のmRNA若しくはDNA構築物と同時に、別々に、又は逐次的のいずれかで細胞に導入され、それによって必要なリボ核タンパク質複合体が細胞中で結合される。
【0397】
変異体二成分複合体の安定性及び機能性の評価
ある特定の実施形態では、最適な変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(本明細書では、変異体二成分複合体と称される)を特定するための方法が本明細書に提供され、方法は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドとを組み合わせて変異体二成分複合体を形成することと、(b)変異体二成分複合体の値を測定することと、(c)変異体二成分複合体の値が、参照分子の値よりも大きい場合に変異体二成分複合体が参照分子よりも最適であると決定することと、を含む。いくつかの実施形態では、値としては、安定性測定値(例えば、Tm値、熱安定性)、二成分複合体形成の割合、RNAガイド結合特異性、及び/又は複合体活性を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0398】
いくつかの実施形態では、最適な変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドとを組み合わせて変異体二成分複合体を形成する工程と、(b)変異体二成分複合体のTm値を検出する工程と、(c)変異体二成分複合体のTm値が参照分子のTm値より大きいか、又はTm参照値より少なくとも8℃大きい場合に、変異体二成分複合体が安定であると決定する工程とによって特定される。
【0399】
変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)の熱安定性を測定するための工程を伴う方法としては、変異体二成分複合体の安定性を決定するための方法、安定な変異体二成分複合体を促進する条件を決定する方法、安定な変異体二成分複合体をスクリーニングする方法、及び最適なgRNAを特定して安定な変異体二成分複合体を形成するための方法を挙げることができるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体の熱安定性値が測定されてもよい。
【0400】
更に、ある特定の実施形態では、参照分子の熱安定性値も測定されてもよい。ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体の測定された熱安定性値が、参照分子の測定された熱安定性値又は本明細書に記載されるような同じ実験条件下で測定された熱安定性参照値よりも大きい場合に、変異体二成分複合体は安定であると決定され得る。ある特定の実施形態では、参照分子は、RNAガイドが存在しない変異体ポリペプチドであり得る。
【0401】
ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、変性温度値であってもよい。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、変性温度参照値である。ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、Tm値であり得る。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、Tm参照値であり得る。ある特定の実施形態では、熱安定性値は、サーマルシフトアッセイを使用して測定され得る。ある特定の実施形態では、熱安定性を測定するために使用されるアッセイは、限定されないが、熱変性アッセイ、サーマルシフトアッセイ、示差走査熱量測定(DSC)、示差走査蛍光定量法(DSF)、等温滴定型熱量測定(ITC)、パルスチェイス法、ブリーチチェイス法、シクロヘキシミドチェイス法、円二色性(CD)分光法、結晶化、及び蛍光ベース活性アッセイが挙げられる、本明細書に記載の技術を伴い得る。
【0402】
ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体形成の割合、RNAガイド結合特異性、及び/又は変異体二成分複合体の複合体活性が参照分子の値又は参照値(例えば、本明細書で親二成分複合体と称される親ポリペプチド/RNAガイド複合体の値)よりも大きい場合に特定され得る。例えば、ある特定の実施形態では、変異体二成分複合体は、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体形成の割合、RNAガイド結合特異性、及び/又は変異体二成分複合体の複合体活性の値が、参照分子の値又は参照値(例えば、親二成分複合体の値)よりも少なくともX%大きい場合に特定され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載されるような変異体二成分複合体の活性を測定することを含む工程を更に含んでもよい。
【0403】
変異体三成分複合体形成
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、変異体三成分複合体を形成する(例えば、試験管又は細胞中で)。一般に、変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、約1:1:1のモル比で互いに会合して変異体三成分複合体を形成する。変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、単独で又は一緒のいずれかで天然には存在しない。
【0404】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような変異体二成分複合体(例えば、変異体ポリペプチドとRNAガイドとの複合体)は、標的核酸と更に複合体化され(例えば、試験管又は細胞中で)、変異体三成分複合体を形成する。
【0405】
いくつかの実施形態では、三成分複合体化は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、50℃、又は55℃のいずれか1つよりも低い温度で起こる。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、約37℃で約10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、1時間、2時間、3時間、4時間、又はそれ以上の時間のうちの少なくともいずれか1つのインキュベーション時間にわたって標的核酸から解離しないか、又は遊離核酸(例えば、遊離DNA)に結合しない。いくつかの実施形態では、三成分複合体の形成後に、変異体二成分複合体は、標的核酸を異なる核酸と交換しない。
【0406】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とは、三成分複合体化緩衝液中で複合体化される。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、三成分複合体化緩衝液と置き換えられる緩衝液中で保存され、RNAガイドと標的核酸との複合体を形成する。いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、三成分複合体化緩衝液中で保存される。
【0407】
いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体と標的核酸とが、三成分複合体化緩衝液中で複合体化される。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、三成分複合体化緩衝液で置き換えられる緩衝液中で保存され、標的核酸との複合体を形成する。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体は、三成分複合体化緩衝液中で保存される。
【0408】
いくつかの実施形態では、三成分複合体化緩衝液は、約7.3~8.6の範囲のpHを有する。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.3である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.4である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.5である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.6である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.7である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.8である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約7.9である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.0である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.1である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.2である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.3である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.4である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.5である。一実施形態では、三成分複合体化緩衝液のpHは、約8.6である。
【0409】
変異体ポリペプチドの熱安定性は、RNAガイド及び標的核酸の添加などの好ましい条件下で増加することができる。
【0410】
変異体三成分複合体の安定性及び機能性の評価
ある特定の実施形態では、最適な変異体三成分複合体を特定するための方法が本明細書に提供され、方法は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とを組み合わせて変異体三成分複合体を形成することと、(b)変異体三成分複合体の値を測定することと、(c)変異体三成分複合体の値が、参照分子の値よりも大きい場合に変異体三成分複合体が参照分子よりも最適であると決定することと、を含む。いくつかの実施形態では、値としては、安定性測定値(例えば、Tm値、熱安定性)、三成分複合体形成の割合、DNA結合親和性測定値、DNA結合特異性測定値、及び/又は複合体活性測定値(例えば、ヌクレアーゼ活性測定値)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0411】
いくつかの実施形態では、最適な変異体三成分複合体は、(a)試料中で変異体ポリペプチドとRNAガイドと標的核酸とを組み合わせて変異体三成分複合体を形成する工程と、(b)変異体三成分複合体のTm値を検出する工程と、(c)変異体三成分複合体のTm値が参照分子のTm値より大きいか、又はTm参照値より少なくとも8℃大きい場合に、変異体三成分複合体が安定であると決定する工程とによって特定される。
【0412】
変異体三成分複合体の熱安定性を測定する工程を伴う方法としては、変異体三成分複合体の安定性を決定する方法、安定な変異体三成分複合体を促進する条件を決定する方法、安定な変異体三成分複合体をスクリーニングする方法、及び最適な二成分複合体を特定して安定な変異体三成分複合体を形成するための方法を挙げることができるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体の熱安定性値が測定されてもよい。
【0413】
更に、ある特定の実施形態では、参照分子の熱安定性値も測定されてもよい。ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体の測定された熱安定性値が、参照分子の測定された熱安定性値又は本明細書に記載されるような同じ実験条件下で測定された熱安定性参照値よりも大きい場合に、変異体三成分複合体は安定であると決定され得る。ある特定の実施形態では、参照分子は、RNAガイド及び/又は標的核酸が存在しない変異体ポリペプチドであり得る。
【0414】
ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、変性温度値であってもよい。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、変性温度参照値である。ある特定の実施形態では、測定される熱安定性値は、Tm値であり得る。これらの実施形態では、熱安定性参照値は、Tm参照値であり得る。ある特定の実施形態では、熱安定性値は、サーマルシフトアッセイを使用して測定され得る。ある特定の実施形態では、熱安定性を測定するために使用されるアッセイは、限定されないが、示差走査蛍光定量法(DSF)、示差走査熱量測定(DSC)、又は等温滴定型熱量測定(ITC)が挙げられる、本明細書に記載の技術を伴い得る。
【0415】
ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体の三成分複合体形成の割合、DNA結合親和性、DNA結合特異性、及び/又は複合体活性(例えば、ヌクレアーゼ活性)が参照分子の値又は参照値(例えば、親三成分複合体の値)よりも大きい場合に特定され得る。例えば、ある特定の実施形態では、変異体三成分複合体は、変異体三成分複合体の三成分複合体形成の割合、DNA結合親和性、DNA結合特異性、及び/又は複合体活性の値が、参照分子の値又は参照値(例えば、親三成分複合体の値)よりも少なくともX%大きい場合に特定され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載されるような変異体三成分複合体の活性を測定することを含む工程を更に含んでもよい。
【0416】
送達
本明細書に記載の組成物又は複合体は、例えば、担体及び/又はポリマー担体、例えば、リポソームなどの担体を含んで配合され、細胞(例えば、原核生物、真核生物、植物、哺乳動物など)に既知の方法によって送達することができる。そのような方法としては、トランスフェクション(例えば、脂質媒介、カチオン性ポリマー、リン酸カルシウム、デンドリマー)、エレクトロポレーション若しくは膜破壊の他の方法(例えば、ヌクレオフェクション)、ウイルス送達(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、AAV)、マイクロインジェクション、微粒子銃(「遺伝子銃」)、フュージーン(fugene)、直接音響負荷、細胞圧縮、光学的トランスフェクション、原形質体融合、インペイルフェクション、マグネトフェクション、エクソソーム媒介転移、脂質ナノ粒子媒介転移、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0417】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の核酸(例えば、変異体ポリペプチドをコードする核酸、RNAガイド、ドナーDNAなど)、それらの1つ以上の転写物、及び/又は予め形成された変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)を細胞に送達することを含む。例示的な細胞内送達方法としては、ウイルス若しくはウイルス様物質;化学ベースのトランスフェクション法、例えば、リン酸カルシウム、デンドリマー、リポソーム、又はカチオン性ポリマー(例えば、DEAE-デキストラン又はポリエチレンイミン)を使用するもの;非科学的方法、例えば、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、細胞圧縮、ソノポレーション、光学的トランスフェクション、インペイルフェクション、原形質体融合、細菌接合、プラスミド若しくはトランスポゾンの送達;粒子ベースの方法、例えば、遺伝子銃、マグネクトフェクション(magnectofection)若しくはマグネット支援トランスフェクション、粒子銃;並びにハイブリッド法、例えば、ヌクレオフェクションが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本出願は、そのような方法によって産生される細胞、及びそのような細胞を含むか、又はそれらから産生される生物(動物、植物、又は真菌など)を更に提供する。
【0418】
細胞
本明細書に記載のポリペプチド、組成物、又は複合体は、様々な細胞に送達され得る。いくつかの実施形態では、細胞は、単離された細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、細胞培養物中にある。いくつかの実施形態では、細胞は、エクスビボにある。いくつかの実施形態では、細胞は、生きている生物から得られ、細胞培養物中で維持される。いくつかの実施形態では、細胞は、単細胞生物である。
【0419】
いくつかの実施形態では、細胞は、原核生物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は細菌細胞であるか、又は細菌細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、親ポリペプチドが由来する細菌種には関係しない。いくつかの実施形態では、細胞は、古細菌細胞であるか、又は古細菌細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細菌は、真核生物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は植物細胞であるか、又は植物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は真菌細胞であるか、又は真菌細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は動物細胞であるか、又は動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は無脊椎動物細胞であるか、又は無脊椎動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は脊椎動物細胞であるか、又は脊椎動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞であるか、又は哺乳動物細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ゼブラフィッシュ細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、齧歯類細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は合成的に作製され、人工細胞と呼ばれることもある。
【0420】
いくつかの実施形態では、細胞は、細胞株に由来する。組織培養のための多種多様な細胞株が、当該技術分野において知られている。細胞株の例としては、293T、MF7、K562、HeLa、及びそれらのトランスジェニック品種が挙げられるが、これらに限定されない。細胞株は、当業者に既知の様々な供給源から入手可能である(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)(Manassas,Va.)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の核酸(Agoコードベクター及びgDNAなど)又はAgo-gDNA複合体でトランスフェクトされた細胞を用いて標的核酸に対して改変を含む新しい細胞株を確立するために、1つ以上のベクター由来細胞を含む新しい細胞株を確立する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の核酸(変異体ポリペプチドをコードするベクター及びRNAガイドなど)又は変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)で一過性に又は非一過性にトランスフェクトされた細胞、又はそのような細胞から誘導された細胞株が1つ以上の試験化合物の評価で使用される。
【0421】
いくつかの実施形態では、方法は、DNA標的化RNA(例えば、RNAガイド)及び/又は変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1つ以上の核酸を宿主細胞に導入することを含む。一実施形態では、標的DNAを含む細胞は、インビトロ、インビボ、又はエクスビボにある。他の実施形態では、DNA標的化RNA(例えば、RNAガイド)及び/又は変異体ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、例えば、アデノ随伴ウイルス構築物、組換えアデノウイルス構築物、組換えレンチウイルス構築物、組換えレトロウイルス構築物などが挙げられるが、これらに限定されない組換え発現ベクターに含まれる。
【0422】
いくつかの実施形態では、細胞は初代細胞である。例えば、初代細胞の培養は、0回、1回、2回、4回、5回、10回、15回、又はそれ以上継代され得る。いくつかの実施形態では、初代細胞は、任意の既知の方法によって固体から採取される。例えば、白血球は、アフェレーシス、白血球吸着除去療法、密度勾配分離法によって採取されてもよい。組織、例えば、皮膚、筋肉、骨髄、脾臓、肝臓、膵臓、肺、腸、胃などからの細胞は、生検によって採取され得る。適切な溶液を採取された細胞の分散又は懸濁のために使用してもよい。そのような溶液は、一般には、平衡塩類溶液(例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ハンクス平衡塩類溶液など)であってもよく、これらは低濃度での許容可能な緩衝液と共にウシ胎児血清又は他の天然に存在する因子で好都合に補充されている。緩衝液としては、HEPES、リン酸緩衝液、乳酸緩衝液などを挙げることができる。細胞はすぐに使用されてもよく、又はそれらは保存されてもよい(例えば、凍結することによって)。凍結細胞は融解され、再使用可能であり得る。細胞は、DMSO、血清、培地緩衝液(例えば、10%DMSO、50%血清、40%緩衝化培地)中で凍結することができ、及び/又はいくつかの他のそのような一般的な溶液を凍結温度で用いて細胞を保存することができる。
【0423】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチドは、標的核酸(例えば、ゲノムDNA)において二本鎖切断又は一本鎖切断を誘発させるヌクレアーゼ活性を有する。二本鎖切断は、相同組換え(HDR)、非相同末端結合(NHEJ)、又は非相同末端再結合(A-NHEJ)を含む細胞内因性DNA修復経路を刺激することができる。NHEJは、相同テンプレートを必要とすることなく切断された標的核酸を修復することができる。これは、1つ以上のヌクレオチドの標的核酸への欠失又は挿入をもたらし得る。HDRは、ドナーDNAなどの相同テンプレートと共に起こり得る。相同テンプレートは、標的核酸切断部位に隣接する配列に相同である配列を含み得る。いくつかの場合では、HDRは、外因性ポリヌクレオチド配列を切断された標的核酸に挿入することができる。NHEJ及び/又はHDRに起因する標的DNAの改質は、例えば、突然変異、欠失、変更、組換え、遺伝子修正、遺伝子置換、遺伝子タギング、導入遺伝子ノックイン、遺伝子破壊、及び/又は遺伝子ノックアウトに繋がり得る。
【0424】
いくつかの実施形態では、細胞培養は、本方法の効率を高めるために同調される。いくつかの実施形態では、S期及びG2期にある細胞は、HDR媒介遺伝子編集に使用される。いくつかの実施形態では、細胞は、任意の細胞周期で本方法にかけられてもよい。いくつかの実施形態では、オーバープレーティングにある細胞は、本方法の効率を著しく低下させる。いくつかの実施形態では、本方法は、約40%、45%、50%、55%、60%、65%、又は70%のいずれか1つ以下の集密度で細胞培養に適用される。
【0425】
いくつかの実施形態では、変異体ポリペプチド/RNAガイド複合体(すなわち、変異体二成分複合体)の細胞中での標的核酸への結合は、1つ以上の内因性細胞分子又はDNA修復経路以外の経路を動員して標的核酸を修飾する。いくつかの実施形態では、変異体二成分複合体の結合は、1つ以上の内因性細胞分子又は経路の標的核酸へのアクセスをブロックし、それにより標的核酸を修飾する。例えば、変異体二成分複合体の結合は、内因性転写又は翻訳機械をブロックして、標的核酸の発現を減少させることができる。
【0426】
いくつかの実施形態では、細胞中で標的DNA分子を修飾するための方法が提供される。方法は、細胞内部で標的DNA分子を本明細書に記載の変異体ポリペプチドと、5’から3’への順序で、標的DNA分子の標的配列とハイブリダイズする第1のヌクレオチドセグメント、ヌクレオチドリンカー、及び第1のヌクレオチドセグメントとハイブリダイズして、二本鎖RNAデュプレックスを形成する第2のヌクレオチドセグメントを含む単一分子DNA標的化RNAとに接触させることを含む。変異体ポリペプチドは、細胞内部で単一分子DNA標的化RNAと複合体を形成し、標的DNA分子が修飾される。
【0427】
キット
本発明はまた、例えば、本明細書に記載の方法を実行するために使用され得るキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、本発明の変異体ポリペプチド、例えば、表2の変異体を含む。いくつかの実施形態では、キットは、そのような変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、任意選択でポリヌクレオチドは、例えば、本明細書に記載されるようなベクター内に含まれる。キットはまた、任意選択で、例えば、本明細書に記載されるようなRNAガイドを含む。本発明のキットのRNAガイドは、当該技術分野において既知であるように、目的の配列を標的とするように設計され得る。変異体ポリペプチドとRNAガイドとは、キット内の同じバイアル又は他の容器内にパッケージ化され得るか、又は別のバイアル若しくは他の容器にパッケージ化され得、それらの内容物は使用前に混合され得る。キットは更に、任意選択で、緩衝液及び/又は変異体ポリペプチド及び/又はRNAガイドの使用のための説明書を含み得る。
【0428】
本明細書に引用される全ての参考文献及び刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0429】
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施例を更に例証するために提供されているが、本発明の範囲の限定することを意図するものではなく、当業者に既知の他の手法、方法論、又は技術が代替え的に使用されてもよいことがそれらの例示的な性質によって理解されるであろう。
【0430】
実施例1-変異体構築物の操作
この実施例では、変異体構築物を生成した。
【0431】
単一の突然変異を含むDNAテンプレートを、IDT(商標)(Integrated DNA Technologies,Inc.)から注文した変異原性フォワードプライマー及び変異原性リバースプライマーを使用する2つのPCRステップを介して構築した。第1のステップでは、PCR反応の2つのセットを384のプレートで行い、2つの断片を生成した。2つのPCR断片の重複領域は所望の単一突然変異を含有し、第2のPCRを介してのDNAテンプレート全体のアセンブリを可能にした。第2のステップでは、第1のステップからの精製断片をオーバーラッピングPCR(OL PCR)のためのテンプレートとして使用し、Fw及びRvオリゴをOL PCRプライマーとしてベクターバックボーンにアニーリングした。得られた直線状DNAテンプレートは、T7プロモーター、T7ターミネーター、及びポリペプチド用のオープンリーディングフレームを含有した。
【0432】
これらの直線状DNAテンプレートを、無細胞転写及び翻訳システムで直接使用して、単一突然変異を含有するポリペプチド変異体を発現させた。変異体構築物を更に個々に一過性トランスフェクションベクター中に転移させた。更に、組み合わせ突然変異を含むDNAテンプレートをPCRによって調製し、その後一過性トランスフェクションベクターに転移させた。
【0433】
実施例2-変異体二成分複合体の検出のための蛍光偏光アッセイ
この実施例では、野生型若しくは変異体ヌクレアーゼポリペプチド及びRNAガイドの二成分複合体を形成する能力を、蛍光偏光アッセイを通して評価する。
【0434】
ダイレクトリピート配列の上流のT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列の逆相補配列を含む直線状ssDNA断片、及び所望の20bp RNAガイド標的をIDT(商標)によって合成する。次いで、ユニバーサルT7フォワードオリゴを逆相補配列ssDNAにアニーリングし(5℃/分で95~4℃)、Klenow断片(New England Biolabs(登録商標))を用いて25℃で15分間埋めることによって、直線状dsDNAインビトロ転写(IVT)テンプレートを生成する。次いで、得られたIVTテンプレートを、HiScribe T7 High Yield RNA Synthesis Kit(New England Biolabs(登録商標))を用いて、37℃で4時間RNAガイドに転写する。転写後に、各RNAガイドをRNA Clean and Concentrator Kit(Zymo)を用いて精製し、使用するまで-20℃で保存した。
【0435】
次いで、RNAガイドを6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)(IDT(商標))で標識する。1×アッセイ緩衝液(20mMのTris-HCl(pH7.5)、150mMのKCl、5mMのMgCl2、1mMのDTT)中の25nMのヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)を、増加する濃度の標識されたRNAガイド(7.5~250nM)で滴定する。複合体を37℃で30分間インキュベートし、その後マイクロプレートリーダー(Infinite(登録商標)200 Pro、Tecan)を使用して蛍光偏光測定値を取る。
【0436】
異なる温度での二成分複合体形成も調べる。更に、上述したような結合実験を、25、50、60、及び70℃で等温的に実施する。
【0437】
増加する濃度のRNAガイドによるヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)の滴定の際の二成分複合体の形成(又は、増加する濃度のヌクレアーゼポリペプチドによるRNAガイドの滴定の際の二成分複合体の形成)は、ミリ偏光(mP)単位での蛍光偏光シグナルにおける変化をもたらす。蛍光偏光シグナルにおける変化を、RNAガイド濃度の範囲にわたってプロットすることによって結合曲線を生成する。
【0438】
この実施例は、ヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)のRNAガイドに対する結合親和性がどのように決定され、比較され得るかを示している。
【0439】
実施例3-変異体二成分複合体の検出のためのRNA電気泳動移動度シフトアッセイ
この実施例は、ヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体)のRNAガイドに対する結合の能力を決定するためのRNA EMSAの使用を記載する。
【0440】
IDT(商標)からの合成RNAガイドを、Yan et al.,2018に以前に詳述されたように、5’IRDye(登録商標)800CW(IR800染料又はIR800とも称される)で、5’EndTag Labeling Kit(Vector(登録商標)Laboratories)及びIRDye(登録商標)800CW Maleimide(LI-COR(登録商標)Biosciences)を使用して標識付けする。標識付けの後、RNAガイドを、フェノールクロロホルム抽出を介して浄化及び濃縮する。濃度を、Nanodrop(商標)によって定量化する。
【0441】
RNA結合アッセイについては、ヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)を1×結合緩衝液(50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl2、1mMのDTT、pH7.9)中2.5μMに希釈する。次いで、ポリペプチドを1×結合緩衝液中で2.5μMから37.5μMまで段階希釈する。ポリペプチドを、1×結合緩衝液に50nMのIR800標識RNAガイドを加えたもので、1:10に再度希釈し、十分に混合する。これらの反応物は、0.5~5μgのtRNAを更に含めることができ、これはポリペプチドのRNAへの非特異的結合を減少させるための競合的阻害剤として機能し、したがって正確な特異的結合の決定を容易にする。反応物を37℃で1時間インキュベートする。染色全面可視化のために、1μLの100×ブロモフェノールブルーを反応物に添加し、全反応物を6%のDNA遅滞(Retardation)ゲル(ThermoFisher Scientific(商標))上に充填し、80Vで90分間移動させた。ゲルを、Licor(登録商標)Odyssey(登録商標)CLxで画像化する。
【0442】
このアッセイは、RNAがゲルを通って移動する速度がそのサイズによって決定されるという原理に基づいている。RNAのみの試料は、特定の距離を移動することができる。しかしながら、RNAがポリペプチドに結合する場合、より大きくあまり移動しないRNA複合体を表すバンドが出現し、これはゲル上で「アップシフトされる」。
【0443】
したがって、2つのバンド:1)RNAのみのバンド、及び2)ポリペプチドに結合した「アップシフトされた」RNAバンドが測定される。全てのRNAがポリペプチドに結合している場合、アップシフトされたバンドのみが観察される。ポリペプチドの濃度が減少するにつれて、アップシフトされたバンドの強度が減少し、一方、RNAのみのバンドの強度が増加する。ヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)に対するRNA結合親和性の比較において、より高いポリペプチド/RNA親和性は、より低い濃度のポリペプチドでのより特異的な結合によって特徴付けられる。
【0444】
この実施例は、野生型ヌクレアーゼポリペプチドのRNAガイドに対する結合親和性及び変異体ポリペプチドのRNAガイドに対する結合親和性がどのように決定され、比較され得るかを示している。
【0445】
実施例4-変異体二成分複合体についてのインビトロ切断アッセイ
この実施例は、RNPを調製するための方法及びRNPのインビトロ生化学的活性を決定するための方法を記載する。
【0446】
野生型又は変異体ポリペプチドをコードするベクターを、大腸菌(E.coli)BL21(DE3)(New England Biolabs(登録商標))に形質転換し、T7プロモーター下で発現させる。形質転換細胞を、最初に5mLのLuria Broth (TEKNOVA(商標))+50μg/mLのカナマイシン中で一晩増殖させ、続いて、1LのTerrific Broth培地(TEKNOVA(商標))+50μg/mLのカナマイシンに接種した。細胞を、0.6~0.8のOD600になるまで37℃で増殖させ、次いで、0.5mMのIPTGを用いてタンパク質発現を誘導する。次いで、培養物を18℃で更に14~18時間培養する。培養物を採取し、遠心分離によりペレット化し、次いで、5gの細胞ペレット当たり1mLの抽出緩衝液(50mMのHEPES、pH7.5、500mMのNaCl、5%のグリセロール、0.5mMのTCEP)中に再懸濁させる。細胞破砕器(Constant System Limited)を介して細胞を溶解し、次いで、溶解物を清澄化させるために、4℃にて20,000×gで20分間遠心分離する。0.2%のポリエチレンイミン(PEI)を清澄化溶解物に添加し、一定の転倒型回転を用いて4℃で20分間インキュベートする。次いで、溶解物を20,000×gで10分間再度遠心分離する。溶解物を、イオン交換クロマトグラフィーを介して精製する。精製後、画分をSDS-PAGEゲル上を移動させ、適切なサイズのタンパク質を含有する画分をプールし、30kDのAmicon Ultra15 Centrifugal Unitsを使用して濃縮する。タンパク質を、12.5mMのHEPES pH7.0、120mMのNaCl、0.5mMのTCEP、及び50%のグリセロールに緩衝液交換する。次いで、Nanodrop(ThermoFisher Scientific(商標))を用いて濃度を測定し、タンパク質を-20℃で保存する。
【0447】
合成crRNA(Integrated DNA Technologies)対タンパク質の2:1の比を使用して、RNPを調製する。RNPを1×NEBuffer(商標)2(NEB2;New England Biolabs(登録商標);50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl2、1mMのDTT、pH7.9)中で37℃にて30分間複合体化する。複合体化後に、RNPを1×NEB2を希釈緩衝液として使用して希釈する。アポ反応物(RNAガイドを含まないタンパク質)を同じ方法で調製し、H2OでcrRNAの体積に作り上げた。
【0448】
標的dsDNA基質(Integrated DNA Technologies)を20nMでRNP及びアポ試料に添加する。反応物を十分に混合した後、37℃で1時間インキュベートし、次いで、1μLの20mg/mLプロテイナーゼK(ThermoFisher Scientific(商標))でクエンチする。反応物を50℃で更に15分間インキュベートし、次いで、反応物全体を2%アガロースE-ゲル(ThermoFisher Scientific(商標))上を移動させた。Gel Doc(商標)EZ Gel Imager(BioRad(登録商標))で臭化エチジウムによってゲルを可視化した。
【0449】
2つのタイプのバンド:1)完全長(非切断)DNAバンド、及び2)1つ以上のダウンシフトされた切断DNAバンドの強度を測定する。不活性RNPは、完全長DNAバンドによって特徴付けられる。活性RNPは、1つ以上のダウンシフトされた切断DNAバンドをもたらす。活性RNPの濃度が減少するにつれて、完全長バンドの強度は増加し、切断バンドの強度は減少する。複数のRNPの活性の比較において、別のものよりも高い活性を有するRNPは、より低いRNP濃度でのより強い切断バンドによって特徴付けられる。
【0450】
この実施例の方法は、標的DNAに対する野生型又は変異体RNP(二成分複合体)のインビトロ切断活性の比較を可能にする。
【0451】
実施例5-変異体ポリペプチド及び変異体二成分複合体のインビトロ安定性アッセイ
この実施例では、変異体RNPの安定性を評価する。
【0452】
加速安定性試験については、RNP(5μM)を実施例4に記載されたものと同じ方法で生成し、試料をその後25℃で48時間保存する。
【0453】
インビトロ切断アッセイ(実施例4に記載されるような)をRNP試料に対して実施する。これらの結果を実施例4のものと比較して、25℃で48時間保存されたRNPが生化学的活性を保持する範囲を決定する。
【0454】
アポポリペプチド(RNAガイドを含まない)も25℃で48時間インキュベートする。RNA EMSAアッセイを、実施例3に記載された方法を使用してアポ試料で実施する。これらの結果を実施例3のものと比較して、変異体ポリペプチドがRNAガイドと二成分複合体を形成することができる範囲を決定する。
【0455】
25℃で48時間インキュベートしたアポ試料も、実施例4に記載された方法を使用して、RNAガイドと複合体化してRNPを形成させる。次いで、実施例4の方法に従って、インビトロ切断アッセイを実施する。アッセイの結果を実施例4のものと比較して、25℃でインキュベートしたタンパク質で形成された変異体RNPの活性レベルを評価する。
【0456】
この実施例の方法は、野生型及び変異体ポリペプチド、並びに野生型及び変異体RNP(二成分複合体)の安定性の比較を可能にする。別のヌクレアーゼポリペプチドのRNAガイドに対する特異的結合よりも大きなRNAガイドに対する特異的結合を実証するヌクレアーゼポリペプチドは、より安定なポリペプチドの指標である。別のRNPによる切断よりもロバストな標的DNAのインビトロ切断を実証するRNPは、より安定な二成分複合体の指標である。
【0457】
実施例6-変異体三成分複合体の検出のためのDNA電気泳動移動度シフトアッセイ
この実施例は、三成分複合体を形成するためのRNAガイド、ヌクレアーゼポリペプチド(野生型又は変異体ポリペプチド)、及び標的DNA基質の能力を決定するためのDNA EMSAの使用について記載する。
【0458】
野生型又は変異体ポリペプチドをコードするベクターを、大腸菌(E.coli)BL21(DE3)(New England BioLabs(登録商標))及びBL21(DE3)pLySS(Novagen(登録商標))に形質転換する。形質転換された細胞を、最初に5mLのLuria Broth(TEKNOVA(商標))+50μg/mLのカナマイシン中で一晩増殖させ、続いて1LのTerrific Broth培地(TEKNOVA(商標))+50μg/mLのカナマイシンに接種する。細胞を0.6~0.8のOD600になるまで37℃で増殖させ、次いで0.5mMIPTGを用いてタンパク質発現を誘発させる。次いで、培養物を18℃で更に14~18時間増殖させる。培養物を採取し、遠心分離によってペレット化し、次いで5gの細胞ペレット当たり1mLの抽出緩衝液(50mMのHEPES、pH7.5、500mMのNaCl、5%のglycerol、0.5mMのTCEP)中に再懸濁させる。細胞破砕器(Constant System Limited)を介して細胞を溶解し、次いで、溶解物を清澄化させるために、4℃にて20,000×gで20分間遠心分離する。0.2%のポリエチレンイミン(PEI)を清澄化溶解物に添加し、一定の転倒型回転を用いて4℃で20分間インキュベートする。次いで、溶解物を20,000×gで10分間再度遠心分離する。溶解物を、イオン交換クロマトグラフィーを介して精製する。精製後、画分をSDS-PAGEゲル上を移動させ、適切なサイズのタンパク質を含有する画分をプールし、30kDのAmicon Ultra15 Centrifugal Unitsを使用して濃縮する。タンパク質を、12.5mMのHEPES pH7.0、120mMのNaCl、0.5mMのTCEP、及び50%のグリセロールに緩衝液交換した。次いで、Nanodrop(ThermoFisher Scientific(商標))を用いて濃度を測定し、タンパク質を-20℃で保存した。
【0459】
合成RNAガイド(Integrated DNA Technologies、IDT(商標))対ポリペプチドの2:1の比を使用して、RNPを調製する。本明細書に開示されるPAM配列に隣接する標的を選択し、RNAガイドを本明細書に記載されるようなダイレクトリピート配列を使用して設計する。RNPを1×NEBuffer(商標)(NEB2;New England Biolabs(登録商標);50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl2、1mMのDTT、pH7.9)中で37℃にて30分間複合体化する。複合体化後に、1×NEB2を希釈緩衝液として使用して、5μMから37.5μMまでの5ポイント1:2段階希釈を実施する。アポ反応物(RNAガイドを含まないタンパク質)を同じ方法で調製し、H2OでRNAガイドの体積に作り上げる。
【0460】
dsDNA標的基質を、オリゴ(Integrated DNA Technologies)からのPCRによって生成する。PCRの前に、Yan et al.,2018に記載されるように、フォワードプライマーの5’末端をIR800染料で標識付けする。Amplitaq Gold(登録商標)(ThermoFisher Scientific(商標))を使用して、次いで、dsDNAをIR800標識フォワードプライマー及び非標識リバースプライマーを用いて増幅する。得られたdsDNAをDNA Clean and Concentrator Kit(Zymo)を用いて精製し、Nanodrop(商標)(ThermoFisher Scientific(商標))によって定量化する。
【0461】
RNP試料及びアポ(対照)試料を、1×結合緩衝液(50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、1mMのTCEP、10%のグリセロール、2mMのEDTA、pH8.0)に20nMのIR800標識標的DNA基質を加えたものに1:10で希釈し、十分に混合する。反応物を37℃で1時間インキュベートする。染色全面可視化のために、ブロモフェノールブルーを反応物に添加し、反応物全体を6%のDNA遅滞ゲル(ThermoFisher Scientific(商標))上に充填し、80Vで90分間移動させる。ゲルを、Licor(登録商標)Odyssey(登録商標)CLxで画像化する。
【0462】
このアッセイでは、DNAがゲルを通って移動する速度がそのサイズによって決定される。DNAのみの試料は、特定の距離を移動することができる。しかしながら、RNPがDNAに結合する場合、より大きくあまり移動しないDNA複合体を表すバンドが出現し、これはゲル上で「アップシフトされる」。
【0463】
この実施例は、変異体RNP(変異体二成分複合体)のDNA標的に対する親和性(三成分複合体を生成するための)が、野生型RNP(野生型二成分複合体)のDNA標的に対する親和性とどのように比較され得るかを示している。
【0464】
実施例7-変異体ポリペプチドによる哺乳動物遺伝子の標的化
この実施例は、一過性トランスフェクションによって哺乳動物細胞中に導入された変異体を使用する複数の標的に対するインデル評価を記載する。
【0465】
配列番号3の変異体を、pcda3.1バックボーン(Invitrogen(登録商標))中にクローニングした。RNAガイドをpUC19バックボーン(New England Biolabs(登録商標))中にクローニングした。次いで、プラスミドをマキシ-プレップ(maxi-prepped)し、希釈した。RNAガイド及び標的配列を表5に示す。使用したPAM配列は、5’-TTTG-3’であった。
【0466】
【0467】
トランスフェクションのおよそ16時間前に、DMEM/10%FBS+Pen/Strep(D10培地)中の25,000個のHEK293T細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに播種した。トランスフェクションの当日に、細胞は70~90%の集密度であった。トランスフェクションされる各ウェルについては、Lipofectamine(商標)2000とOpti-MEM(商標)との混合物を調製し、室温で5分間インキュベートした(溶液1)。インキュベーション後、Lipofectamine 2000(商標):Opti-MEM(商標)混合物を、ヌクレアーゼプラスミド、RNAガイドプラスミド、及びOpti-MEM(商標)を含有する別々の混合物に添加した(溶液2)。陰性対照の場合、RNAガイドプラスミドは、溶液2には含まれなかった。溶液1及び溶液2を上下にピペッティングすることによって混合し、次いで、室温で25分間インキュベートした。インキュベーション後、溶液1と溶液2の混合物を、細胞を含む96ウェルプレートの各ウェルに滴加した。トランスフェクションのおよそ72時間後に、各ウェルの中心にTrypLE(商標)を添加することによって細胞をトリプシン処理し、37℃でおよそ5分間インキュベートした。次いで、D10培地を各ウェルに添加し、混合して細胞を再懸濁させた。再懸濁した細胞を500gで10分間遠心分離してペレットを得て、上清を廃棄した。次いで、細胞ペレットをQuickExtract(商標)緩衝液(Lucigen(登録商標))中に再懸濁させ、細胞を65℃で15分間、68℃で15分間、及び98℃で10分間インキュベートした。
【0468】
次世代シーケンシング用の試料を、2ラウンドのPCRによって調製した。第1のラウンド(PCR1)は、標的に依存する特異的ゲノム領域を増幅するために使用した。ラウンド2のPCR(PCR2)は、イルミナアダプター及びインデックスを添加するために実施した。次いで、反応物をプールし、カラム精製によって精製した。150 Cycle NextSeq 500/550 Mid又はHigh Output v2.5キットを用いて、シーケンシングランを実施した。
【0469】
配列番号3と比べて、単一のE38R、T60R、D89R、S223R、P353G、L354G、L360G、K368G、E566R、又はD730R置換を含む変異体ポリペプチドは、配列番号3の親ポリペプチドと比べてインデル活性の増加を示した。変異体ポリペプチドの各々についてのインデル活性における増加は、親ポリペプチドによるインデル活性と比べておよそ2~4倍高かった。D89R、L354G、K368G、又はE566R置換を有する変異体ポリペプチドについてのインデル活性を表1に示す。
【0470】
表6の組み合わせ突然変異を、HEK293T細胞で更にスクリーニングした。
図1に示すように、組み合わせ突然変異体の各々は、配列番号3の野生型ポリペプチドのものよりも高いインデル活性を示した。
【0471】
【0472】
【0473】
【0474】
【0475】
【0476】
【0477】
【0478】
この実施例は、配列番号3のポリペプチドがインデル(例えば、ヌクレアーゼ)活性を増加させるように操作されたことを示す。
【0479】
実施例8-点突然変異を含む変異体ポリペプチドによる哺乳動物遺伝子の標的化
この実施例は、一過性トランスフェクションにより哺乳動物細胞中に導入された変異体を使用する複数の標的に対するインデル評価を記載する。
【0480】
それぞれが配列番号3と比べて単一のアミノ酸置換を含む45個の変異体ポリペプチドを操作し、表7に列挙される3つの標的で活性を試験した。変異体ポリペプチドをpcDNA3.1バックボーン(Invitrogen(登録商標))中にクローニングした。表7のRNAガイド(crRNA)を、pUC19バックボーン(New England Biolabs(登録商標))中にクローニングした。プラスミドをプレップし(prepped)、カラム精製して希釈した。
【0481】
【0482】
トランスフェクションのおよそ16時間前に、DMEM/10%FBS+Pen/Strep(D10培地)中の25,000個のHEK293T細胞を、96ウェルプレートの各ウェルに播種した。トランスフェクションの当日に、細胞は70~90%の集密度であった。トランスフェクションされる各ウェルについては、Lipofectamine 2000(商標)とOpti-MEM(商標)との混合物を調製し、室温で5分間インキュベートした(溶液1)。インキュベーション後、Lipofectamine 2000(商標):Opti-MEM(商標)混合物を、ヌクレアーゼプラスミド、RNAガイドプラスミド、及びOpti-MEM(商標)を含有する別々の混合物に添加した(溶液2)。陰性対照の場合、RNAガイドプラスミドは、溶液2には含まれなかった。溶液1及び溶液2を上下にピペッティングすることによって混合し、次いで、室温で25分間インキュベートした。インキュベーション後、溶液1と溶液2の混合物を、細胞を含む96ウェルプレートの各ウェルに滴加した。トランスフェクションのおよそ72時間後に、各ウェルの中心にTrypLE(商標)を添加することによって細胞をトリプシン処理し、37℃でおよそ5分間インキュベートした。次いで、D10培地を各ウェルに添加し、混合して細胞を再懸濁させた。再懸濁した細胞を500gで10分間遠心分離してペレットを得て、上清を廃棄した。次いで、細胞ペレットをQuickExtract(商標)緩衝液(Lucigen(登録商標))中に再懸濁させ、細胞を65℃で15分間、68℃で15分間、及び98℃で10分間インキュベートした。
【0483】
次世代シーケンシング用の試料を、2ラウンドのPCRによって調製した。第1のラウンド(PCR1)は、標的に依存する特異的ゲノム領域を増幅するために使用した。ラウンド2のPCR(PCR2)は、イルミナアダプター及びインデックスを添加するために実施した。次いで、反応物をプールし、カラム精製によって精製した。150 Cycle NextSeq 500/550 Mid又はHigh Output v2.5キットを用いて、シーケンシングランを実施した。
【0484】
インデルを示すNGS読み取り値のパーセンテージとして計算された変異体ポリペプチドについてのインデル活性を
図2A及び2Bに示す。次の21個の変異体は、配列番号3の親ポリペプチドと比較して、インデル活性の増加を示した:Q683K、E586G、Q556R、D356G、Q421R、Q556K、N579K、N501K、D482K、S722K、Q359G、V557R、N620R、E589K、T480K、L523K、E571R、E571K、E566K、L523R、及びE319R。21個の変異体は、Q556R及びQ556Kを除いて、標的の各々において親ポリペプチドと比較してインデル活性の増加をもたらし、Q556R及びQ556Kは、AAVS1標的において親ポリペプチドに対して同様なインデルレベルをもたらした。3つの標的に対してインデル活性を平均化すると、21個の変異体の各々についてのインデル活性は、親ポリペプチドのものと比べておよそ1.2倍~3.4倍高かった。E319Rは、試験した全ての変異体のインデル活性において最も高い増加をもたらした。
【0485】
実施例9-組み合わせ変異体ポリペプチドによる哺乳動物遺伝子の標的化
この実施例では、組み合わせ変異体を一過性トランスフェクションにより哺乳動物細胞中に導入し、複数の標的に対するインデル活性を評価した。
【0486】
配列番号3と比べて4~8個の置換を含む11の組み合わせ変異体をpcDNA3.1バックボーン(Invitrogen(登録商標))中にクローニングした。導入された置換は、実施例7及び8におけるインデル活性の増加と関連していた。アミノ酸配列を表8に示す。標的及びRNAガイド配列を表7に示す。細胞トランスフェクションプロトコルを実施例8に記載するように実施した。
【0487】
【0488】
【0489】
【0490】
【0491】
図3に示すように、全ての変異体は、配列番号3の親ポリペプチドと比べてより高いインデル活性を示した。試験した3つの標的にわたって平均化された組み合わせ突然変異体についてのインデル活性は、親ポリペプチドのインデル活性と比較しておよそ7.3倍~9.9倍高かった。この実施例で試験した最も性能の高い変異体である配列番号51は、次の7個の置換を含んでいた:D89R、K368G、E566R、D730R、T60R、D356G、P353G、及びE571R。
【配列表】
【国際調査報告】