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特表2024-509295スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための装置
(51)【国際特許分類】
   A01J 25/12 20060101AFI20240221BHJP
   A23C 19/00 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
A01J25/12
A23C19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555399
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 IB2022051915
(87)【国際公開番号】W WO2022189917
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021000005768
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522183755
【氏名又は名称】マロッタ エヴォリューション エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】マロッタ,カーマイン
【テーマコード(参考)】
4B001
【Fターム(参考)】
4B001BC06
4B001BC99
4B001CC01
4B001EC99
(57)【要約】
スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための装置(1)は:1つのベースフレーム(2);ベースフレーム(2)に関連付けられた、生「パスタフィラータ」タイプのチーズ(C)のための支持手段(3);チーズ(C)の1つの構成部分(P)を保持するよう適合された、チーズ(C)の把持手段(6);スタッフドチーズ(S)を得るために、構成部分(P)を通してチーズ(C)の内側に詰め物を注入するよう適合された、充填手段(7);支持手段(3)と把持手段(6)との間における、1つの共通の移動ユニット(20)、及び把持手段(6)と充填手段(7)との間における、1つの共通の移動アセンブリ(21);を備え、把持手段(6)は、スタッフドチーズ(S)から構成部分(P)を切断するよう適応された、少なくとも1つのブレード要素(34)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための装置(1)であって、
少なくとも1つのベースフレーム(2)、
前記ベースフレーム(2)に関連付けられた、生「パスタフィラータ」タイプのチーズ(C)のための支持手段(3)、
前記ベースフレーム(2)に関連付けられ、かつ前記チーズ(C)の少なくとも1つの構成部分(P)を保持するよう適合された、前記チーズ(C)の把持手段(6)、
前記ベースフレーム(2)に関連付けられ、かつスタッフドチーズ(S)を得るために前記構成部分(P)を介して前記チーズ(C)の内側に詰め物を注入するよう適合された、前記チーズ(C)の充填手段(7)、
前記支持手段(3)と前記把持手段(6)との間における、少なくとも1つの共通の移動ユニット(20)、及び
前記把持手段(6)と前記充填手段(7)との間における、少なくとも1つの共通の移動アセンブリ(21)、
を備えることと、
前記把持手段(6)は、前記スタッフドチーズ(S)から前記構成部分(P)を切断するよう適合された、少なくとも1つのブレード要素(34)を備えることと、
を特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記支持手段(3)は、前方移動方向(D)に沿って前記ベースフレーム(2)上で可動である、支持面(4)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記支持手段(3)は、支持面(4)に関連付けられ、かつ複数の円盤状のチーズ(C)を収容するよう適合された、複数の容器要素(5)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記把持手段(6)は、前記ベースフレーム(2)に関連付けられた少なくとも1つの把持フレーム(8)と、前記把持フレーム(8)に関連付けられ、前記構成部分(P)を保持するために前記チーズ(C)の周りに接近可能で、かつ前記スタッフドチーズ(S)を解放するために開口可能な、少なくとも1つのダイアフラムデバイス(9)と、を備えることを特徴とする、請求項1~3の内いずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記ダイアフラムデバイス(9)は、
前記把持フレーム(8)に関連付けられた、複数の把持要素(11)であって、前記把持要素(11)は、前記チーズ(C)を捕らえて前記構成部分(P)を保持するために、外周の中心に接近する、少なくとも1つの作業位置と、前記スタッフドチーズ(S)を解放するために、前記把持要素(11)が前記中心から離れるよう動かされたホーム位置と、の間で、前記外周に沿って、それぞれの回転軸(R)の周りに互いに回転可動に配置された、複数の前記把持要素(11)、ならびに
少なくとも前記作業位置と前記ホーム位置との間で、前記把持要素(11)が回転するための、回転手段(12)であって、前記把持要素(11)に関連付けられた少なくとも1つの接続要素(13)、及び前記接続要素(13)に画定されたそれぞれの歯状部分(13b)と噛み合うよう適合されたギアホイール(14a)によって、前記接続要素(13)に動作可能に接続された、少なくとも1つの作動本体(14)、を備え、前記ギアホイール(14a)の2方向の回転は、前記作業位置と前記ホーム位置との間における前記把持要素(11)の移動を生じさせる、前記回転手段(12)、
を備えることを特徴とする、請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記ブレード要素(34)は、実質的に水平に横たわる面(G)に展開する長手方向(L)に沿って延び、かつ切断端部(35)を備えることを特徴とする、請求項1~5の内いずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記ブレード要素(34)は摺動式に、前記切断端部(35)が前記構成部分(P)から離された非動作位置と、切断端部(35)が前記スタッフドチーズ(S)から前記構成部分(P)を切断する動作位置と、の間で長手方向(L)に沿って、ダイアフラムデバイス(9)に可動で関連付けられることを特徴とする、請求項1~6の内いずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
長手方向(L)は、ダイアフラムデバイス(9)に対して中心に向かうことを特徴とする、請求項1~7の内いずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記ブレード要素(34)は、前記把持要素(11)と回転手段(12)との間に位置付けられることを特徴とする、請求項1~8の内いずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記把持手段(6)は、前記ブレード要素(34)のアクチュエータ(36)を備え、前記アクチュエータ(36)は、前記ブレード要素(34)を、非動作位置と動作位置との間で動かすよう適合されることを特徴とする、請求項1~9の内いずれか一項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための1つの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラータチーズは、通常は袋状である生のパスタフィラータチーズであり、ストラッチャテッラとしても知られている生チーズの断片及びクリームで作られた、詰め物を包含している。
【0003】
ブラータチーズの製造プロセスは手作業であり、実質的に楕円形の、モッツァレラとして知られている生チーズを得るために、パスタフィラータチーズの、最初の高温加工を含む。
【0004】
次にモッツァレラチーズは、小さい構成部分を通して、モッツァレラ自体の内側に詰め物を送るために、注入器を挿入するオペレータによって保持される。
【0005】
送る間、モッツァレラチーズは変形し、詰め物のための空間を作って特徴的な袋状を実現する。
【0006】
この作業の完了後、オペレータは圧力を加えることによって、この構成部分を封止する。この作業を通して、この構成部分は、与えられた形状に依存してブラータチーズから最終的に取り除くことができる。
【0007】
最後に、このように得られたブラータチーズは冷却され、梱包される。
【0008】
このプロセスは特に人手がかかり、熟練職人を必要とすることは、容易に理解される。なぜなら作業は、「袋」を台無しにしてプロセスに影響を与えることを避けるために、正確かつ的確に実施しなければならないからである。
【0009】
これは必然的に高い製造コスト、及びそれによって最終消費者に対して高い価格をもたらす。
【0010】
加えて、このプロセスは、かなり長いプロセス時間を必要とし、それは生チーズの品質に影響を及ぼす場合がある。生チーズは、品質をほとんど変えずに維持するために、それらの製造から短時間で市場に配する必要がある。
【0011】
さらに、これら生チーズの手作業のプロセスに関連付けられた汚濁の危険を、過小評価するべきではない。それは次に、最終製品に影響を及ぼし得る。
【0012】
これら生チーズにおける品質の変化は、顧客の満足度に大きく影響を及ぼすことを指摘することは重要であり、顧客は、その製品を繰り返し購入する気にならないかもしれない。
【0013】
したがって、このスタッフドチーズの製造プロセスが、改善の余地があることは明白である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主な目的は、プロセス時間及びそれに関するコストを低減できる、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための、1つの装置を考案することである。
【0015】
本発明の別な目的は、熟練職人を必要としない、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための、1つの装置を考案することである。
【0016】
本発明の別な目的は、細菌汚染の危険を最小限に抑えるのを可能にする、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための、1つの装置を考案することである。
【0017】
本発明の別の目的は、使用が簡単、合理的、容易、効果的であり、かつ低価格の解決策内で先行技術の前述の欠点を克服できる、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための、1つの装置を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の目的は、請求項1の特徴を有する、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための、本装置によって実現される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図表において表示によって、やはり非限定の例として例示した、好ましいが排他的ではない、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための、1つの装置の実施形態における説明から、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による装置の、第1の実施形態における不等角投影図である。
図2図1の装置の詳細不等角投影図である。
図3】本発明による把持手段の分解組立図である。
図3a】本発明による把持手段の断面図である。
図4】様々な使用構成における、本発明による装置の不等角投影図である。
図5】様々な使用構成における、本発明による装置の不等角投影図である。
図6】様々な使用構成における、本発明による装置の不等角投影図である。
図7】様々な使用構成における、本発明による装置の不等角投影図である。
図8】本発明による装置の、第2の実施形態における不等角投影図である。
図9図8の装置の、異なる角度からの不等角投影図である。
図10図8の装置の詳細側面図である。
図11図8の装置の詳細不等角投影図である。
図12図8の装置の詳細不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
これらの図面を詳細に参照すると、参照番号1は全体的に、スタッフドチーズ、特にブラータチーズを製造するための1つの装置を示す。
【0022】
本発明による装置1は、少なくとも1つのベースフレーム2と、「パスタフィラータ」タイプのチーズCのための、ベースフレーム2に関連付けられた支持手段3と、を備える。
【0023】
詳細には、チーズCはモッツァレラタイプである。
【0024】
しかし、例えばスカモルツァなどの異なるタイプの「パスタフィラータ」チーズを使用する可能性を、排除できない。
【0025】
チーズCは高温加工を受け、詰め物の導入を可能にして、この場合はブラータチーズであるスタッフドチーズSを得る。
【0026】
詳細には、詰め物は、1つまたは複数の生乳製品、具体的にはモッツァレラの断片及びクリームを備える。
【0027】
しかし、異なるタイプの乳製品(例えばコテージチーズ、バター、ゴルゴンゾーラチーズなど)及び/または乳成分を含まない追加の原料(トリュフ、オリーブ、ハム、野菜など)を伴う使用は、異なるタイプのスタッフドチーズSを製造するために排除できない。
【0028】
支持手段3は、前方移動方向Dに沿ってベースフレーム2上で可動な支持面4を、好都合に備える。
【0029】
図面に示された実施形態において、支持面4はコンベヤベルトのタイプであり、前方移動方向Dは、実質的に直線である。
【0030】
しかし、支持面4が、実質的に円形の前方移動方向Dを伴う、回転カルーセルのタイプであることを排除できない。
【0031】
支持面4が固定式である他の実施形態を、排除できない。
【0032】
支持手段3は、支持面4に関連付けられ、かつチーズCを収納するよう適合された、チーズCの少なくとも1つの容器要素5を備える。
【0033】
この場合、容器要素5はカップタイプであり、チーズCのハウジング5aと、ハウジング自体を支持面4から離すのに役立つ茎部5bと、が設けられる。
【0034】
例えば容器要素5は、断熱材で作られる場合があり、それによって高温加工を必要とするチーズCの温度を維持することができる。
【0035】
代替として、容器要素5は、最小の熱抵抗を有し、かつ急速にチーズCの温度に達することが可能な、金属材料で作られる場合がある。
【0036】
支持面4の移動は分離型であり、容器要素5を、チーズCの積載ステーションと、チーズCの充填ステーションと、スタッフドチーズSの積卸ステーションと、の間に位置付けることを可能にする。
【0037】
詳細には、積載ステーションにおいて、チーズCは、容器要素5のハウジング5aの内側に配置される。
【0038】
充填ステーションにおいて、装置1には、ベースフレーム2に関連付けられ、かつチーズCの少なくとも1つの構成部分Pを保持するよう適合された、チーズCを把持するための把持手段6と、ベースフレーム2に関連付けられ、かつスタッフドチーズSを得るために、構成部分Pを通して詰め物をチーズCの中に注入するよう適合された、チーズCの充填手段7と、が設けられる。
【0039】
好ましくは、支持手段3は、支持面4に関連付けられ、かつ複数のチーズCを収容するよう適合された、複数の容器要素5を備える。
【0040】
容器要素5は、前方移動方向Dに沿って順次配置される。
【0041】
より詳細には、容器要素5が積卸ステーションにある場合に、後続のものが充填ステーションに配置されるように、容器要素5は、所定の距離で支持面4上に配置される。
【0042】
この実施形態は、連続したサイクルで、かつ新たなサイクルの前に容器要素5がスタッフドチーズSを積卸す必要なく、スタッフドチーズSを製造することを可能にする。
【0043】
充填手段7は、後ほど本記載で詳細に説明する。
【0044】
把持手段6は、ベースフレーム2に関連付けられた、少なくとも1つの把持フレーム8と、把持フレーム8に関連付けられ、構成部分Pを保持するためにチーズCの周りに接近可能で、かつスタッフドチーズSを解放するために開口可能な、少なくとも1つのダイアフラムデバイス9と、を備える。
【0045】
詳細には、ダイアフラムデバイス9は通過穴10を画定し、それを通してチーズCは通過できる。
【0046】
ダイアフラムデバイス9の閉鎖は、チーズCを捕らえるまで通路穴10を徐々に閉鎖させる。
【0047】
有利には、ダイアフラムデバイス9は、把持フレーム8に関連付けられ、かつ外周に沿って配置された、複数の把持要素11を備える。
【0048】
具体的には、把持要素11は、通路穴10を囲んで配置される。把持要素11は、チーズCを捕らえて構成部分Pを保持するために、外周の中心に接近する、少なくとも1つの作業位置と、チーズCを解放するために中心から離れる、少なくとも1つのホーム位置と、の間で、それぞれの回転軸R周りに互いに回転可動である。
【0049】
換言すると、把持要素11は、構成部分Pを捕らえ、かつチーズCを固定したままにするために、同時に同心で動く。
【0050】
加えて、ダイアフラムデバイス9には、少なくとも作業位置とホーム位置との間において把持要素11の回転手段12が設けられ、それは把持要素11と関連付けられた少なくとも1つの接続要素13を備える。
【0051】
接続要素13は、実質的に円形状を有し、把持要素11の頂部に配置され、複数のスロット13aを備える。複数のスロット13aは、外周に沿って配置され、スロット13aの各々は、それぞれの把持要素11に画定された、対応したピン11aに関連付けられる。
【0052】
より詳細には、ピン11aは、スロット13aの内側に摺動式に収納され、スロット13aの形状は、ピン11aの移動軌道を定め、それによって、それぞれの回転軸R周りにおける把持要素11の回転の大きさを定める。
【0053】
回転手段12は、ギアホイール14aによって接続要素13に動作可能に接続された、少なくとも1つの作動本体14を備える。ギアホイール14aは、接続要素自体に画定されたそれぞれの歯状部分13bに噛み合うよう、適合される。
【0054】
2方向回転のギアホイール14aの回転は、作業位置とホーム位置との間で把持要素11の移動を定める。
【0055】
具体的には、接続要素13の回転は、スロット13aの変位量を定め、それは次にそれぞれのピン11aを駆動して、その移動を把持要素11に伝える。
【0056】
加えて、把持要素11は、封止位置に向けて好都合に移動することができ、そこで通路穴10はさらに閉じられ、把持要素11は、スタッフドチーズSをしっかりと閉鎖するために、圧力を構成部分Pに加える。
【0057】
この動作の終わりにおいて、スタッフドチーズSは封止領域を有し、それは下方の詰め物部分から構成部分Pを分割する。
【0058】
把持手段6は、スタッフドチーズSから構成部分Pを切断するよう適合された、少なくとも1つのブレード要素34を備える。
【0059】
装置1は、実際に、特徴的な「袋」状で提供されたスタッフドチーズSの製造、及び/または楕円形状を有するスタッフドチーズSの製造を可能にし、構成部分PはスタッフドチーズSから取り除かれる。
【0060】
ブレード要素34は、ダイアフラムデバイス9に関連付けられ、かつ把持要素11が封止位置に位置付けられた後に、構成要素Pを切断するよう適合される。
【0061】
容易に理解できるように、構成要素Pを取り除くことは、実質的に封止後に行う。
【0062】
分離後、構成部分Pは、把持要素11がホーム位置に向かう次の移動まで、ダイアフラムデバイス9に残り、ここで重力によって支持面4に置かれる。
【0063】
ブレード要素34は、構成要素Pの、非常に正確かつ精密な切断作業を可能にし、欠陥のないスタッフドチーズSを得ることを可能にする。
【0064】
実際、構成部分Pの切断作業は、切断位置に向けた把持要素11の動きによっても仕上げることもでき、それらは通過穴10を完全に閉鎖して、スタッフドチーズSからの構成部分Pの分離を確定する。
【0065】
しかしこのように、構成部分Pの分離は、時には封止領域においても、スタッフドチーズSの混合物を引き離すことによって行われる。
【0066】
構成部分Pを切断するために、把持要素11の代わりにブレード要素34を使用することで、スタッフドチーズSが完全な形に保たれること、詰め物が漏れ出ないこと、及びより美的に満足のいく切断が実現されること、を保証する。
【0067】
このように、ブレード要素34の存在は、前述の欠点を避けるのを可能にする。
【0068】
実際、ブレード要素34は、構成部分Pを正確かつきれいに切断可能であり、スタッフドチーズSの混合物が裂ける可能性を防止する。
【0069】
ブレード要素34は、実質的に水平の横たわる面Gに展開する長手方向Lに沿って延び、切断端部35を備える。
【0070】
より詳細には、ブレード要素34は、実質的にスラブ状の構成であり、横たわる面Gに展開する。
【0071】
有用には、切断端部35は鋭い縁部である。
【0072】
切断端部35は、長手方向Lに対して横断方向である。
【0073】
好ましくは、切断端部35は、長手方向Lに対して実質的に垂直である。
【0074】
ブレード要素34は、把持要素11と回転手段12との間に位置付けられる。
【0075】
より詳細には、把持要素11及び回転手段12は、それらの間の空隙を画定し、そこでブレード要素34は適応されて、横たわる面Gを画定する。
【0076】
実際、ブレード要素34は、把持要素11の上方に配置される。
【0077】
このように、構成部分Pの切断作業は、スタッフドチーズSの封止領域の上方で実施される。
【0078】
ブレード要素34は摺動することによって、切断端部35が構成部分Pから離された非動作位置と、切断端部35がスタッフドチーズSから構成部分Pを切断する動作位置と、の間で長手方向Lに沿って、ダイアフラムデバイス9に可動で関連付けられる。
【0079】
より詳細には、長手方向Lは、ダイアフラムデバイス9に対して中心に向かう。
【0080】
換言すると、長手方向Lは、ダイアフラムデバイス9の中心を通過する。
【0081】
前述のように、実際に把持要素11は、ダイアフラムデバイス9の中心に近付くよう可動であり、チーズCを捕らえて構成部分Pを保持する。
【0082】
したがって封止の結果、構成部分Pは、ダイアフラムデバイス9の中心に配置される。
【0083】
中心に向かうブレード要素34の動きは、切断端部35と構成部分Pとの間の相互作用、及び構成部分Pの切断作業をもたらす。
【0084】
有用には、把持手段6は、ブレード要素34の少なくとも1つのアクチュエータ36を備え、それは非動作位置と動作位置との間で、ブレード要素34を動かすよう適応される。
【0085】
図面に示される実施形態において、アクチュエータ36は空気圧シリンダである。
【0086】
しかし、アクチュエータ36が異なるタイプのものであることも排除できない。
【0087】
アクチュエータ36は、ダイアフラムデバイス9に関連付けられた固定部分36aと、固定部分36aに対して可動で、かつブレード要素34に関連付けられた可動部分36bと、を備える。
【0088】
より詳細には、ブレード要素34は、切断端部35の反対側端部を介して、アクチュエータ36に接続される。
【0089】
好都合には、装置1は、同心で配置され、かつ得られるスタッフドチーズSのタイプに依存して独立して動作可能な、複数のダイアフラムデバイス9を備え得る。
【0090】
例えば、得られるスタッフドチーズSのサイズに基づいて、互いの頂部に配置された2つのダイアフラムデバイス9が使用され得る。小さいスタッフドチーズSを製造する場合において、1つのみのダイアフラムデバイス9が、縮小した構成部分Pを保持するために作動される。その一方で、より大きいスタッフドチーズSを製造するために、より大きい構成部分Pを保持することが必要となり、両方のダイアフラムデバイス9は、同時に作動されることになる。
【0091】
代替、またはダイアフラムデバイス9との組み合わせで、把持手段6は把持デバイスを備え得る。この把持デバイスは、把持フレーム8に関連付けられ、チーズCを保持及び/もしくは封止するために可動である。
【0092】
上述のように、装置1は、詰め物をチーズCの中に注入するよう適合された、充填手段7を備える。
【0093】
充填手段7は、ベースフレーム2に関連付けられた少なくとも1つの充填フレーム15と、充填フレーム15に関連付けられ、かつ詰め物をチーズCの中に注入するよう適合された、少なくとも1つの注入デバイス16と、を備える。
【0094】
好都合には、装置1はさらに、詰め物を入れるよう適合され、かつ流体作動式に注入デバイス16に接続された、少なくとも1つのタンク17と、詰め物をタンク17から注入デバイス16へ移すよう適合された、少なくとも1つのポンプデバイス18と、を備える。
【0095】
より詳細には、注入デバイス16は、把持手段6によって好適に保持された構成部分Pを通して、チーズCの中に部分的に挿入され、タンク17に入れられた詰め物を、チーズCの中に送る。
【0096】
充填すると、スタッフドチーズSを得るために注入デバイス16は構成部分Pから引抜かれて、把持手段6は構成部分Pを封止して、場合によっては構成部分Pを取り除く。
【0097】
このように得られたスタッフドチーズSは、把持手段6から解放され、積卸位置に向けて移される。詳細には、把持要素11はホーム位置に向けて動かされ、通路穴10を自由にする。
【0098】
この動作中、取り除かれた全ての構成部分Pは、支持面4上に解放され、中詰めステーションから積卸ステーションに向けて、スタッフドチーズSと共に移動させるのを可能にする。
【0099】
装置1は、積卸ステーションに位置された少なくとも1つの冷却タブ19a、19bを備え、その内側で、スタッフドチーズSは移される。
【0100】
詳細には、図面に示されるように、積卸ステーションにおいて、支持面4は容器要素5をひっくり返し、それによってスタッフドチーズSを冷却タブ19a、19bの中に落とす。
【0101】
適切には、冷却タブ19a、19bは、構成部分Pが入るよう適合された第1のタブ19aと、スタッフドチーズSが入るよう適合された第2のタブ19bと、から成る。
【0102】
図1図7に示される実施形態において、第1のタブ19a及び第2のタブ19bは、第1のタブ19aが支持面4の直近に設置されるよう、前方移動方向Dに沿って整合される。
【0103】
茎部5bが設けられた容器要素5を提供する、特別な解決策は、積卸ステーションにおける支持面4の移動の結果、構成部分Pが第1のタブ19aの中に落ちて入ること、及びスタッフドチーズSが第2のタブ19bの中に落ちて入ること、を可能にする。
【0104】
しかし、装置1が個々の冷却タブを備えること、及びスタッフドチーズSと構成部分Pとの分離が後日実施されること、を排除できない。
【0105】
有利には、装置1は、支持手段3、把持手段6、または充填手段7、のいずれかの内少なくとも1つを移動させるよう適合された、移動手段20、21を備える。
【0106】
詳細には、移動手段20、21は、支持手段3と把持手段6との間の、少なくとも1つの共通の移動ユニット20と、把持手段6及び充填手段7の間の、少なくとも1つの共通の移動アセンブリ21と、から成る。
【0107】
共通の移動ユニット20は、支持手段3または把持手段6のいずれか少なくとも一方を他方に対して、支持面4に対して実質的に垂直である移動軸A1に沿って動かすよう、適合される。
【0108】
基本的に、共通の移動ユニット20は、チーズCをダイアフラムデバイス9によって保持できるよう、支持手段3を、把持手段6へ接近させるか、または把持手段6から離す機能を有する。
【0109】
図面に示される実施形態において、共通の移動ユニットは、把持手段6を支持手段3に対して移動させるよう適合される。
【0110】
共通の移動ユニット20は、充填手段7による充填中に、ダイアフラムデバイス9を容器要素5から離すよう移動させる機能も有する。
【0111】
この段階中、実際にチーズCは、変形して詰め物のための空間を作る傾向があり、したがって体積は増加する。
【0112】
共通の移動ユニット20は、把持フレーム8に動作可能に接続された駆動ユニット22と、ベースフレーム2に関連付けられ、かつ移動軸A1に沿って延びた誘導ユニット23と、を備える。
【0113】
把持フレーム8は、摺動式に誘導ユニット23に関連付けられる。
【0114】
駆動ユニット22は、把持フレーム8に関連付けられ、かつ誘導ユニット23に対して実質的に平行な、ラックピニオン要素22aと、電気モータタイプで、ラックピニオン自体に接続され、かつ誘導ユニット23上で把持フレーム8を移動させるよう適合された、作動デバイス22bと、を備える。
【0115】
共通の移動アセンブリ21は、把持手段6または充填手段7のいずれか少なくとも一方を他方に対して、支持面4に対して実質的に垂直である摺動軸A2に沿って動かすよう、適合される。
【0116】
換言すると、共通の移動アセンブリ21は、充填手段7及び把持手段6を、互いに近付けるように、または互いから離すように至らせる機能を有し、注入デバイス16を構成部分Pの中に挿入すること、及び取り外すことを可能にする。
【0117】
図面に示される実施形態において、共通の移動アセンブリ21は、充填手段7を把持手段6に対して移動させるよう適合される。
【0118】
共通の移動アセンブリ21は、チーズCの変形を促進させるために、充填中に把持手段6と実質的に同時に、注入デバイス16を容器要素5から移動させる機能も有する。
【0119】
共通の移動アセンブリ21は、充填フレーム15に動作可能に接続されたモータアセンブリ24と、ベースフレーム2に関連付けられ、かつ摺動軸A2に沿って延びた誘導アセンブリ25と、を備える。
【0120】
充填フレーム15は、摺動式に誘導アセンブリ25に関連付けられる。
【0121】
モータアセンブリ24は、充填フレーム15に関連付けられ、かつ誘導アセンブリ25に対して実質的に平行な、ラックピニオン本体24aと、電気モータタイプで、ラックピニオン本体自体に接続され、かつ誘導アセンブリ25において充填フレーム15を移動させるよう適合された、作動要素24bと、を備える。
【0122】
好都合には、誘導アセンブリ25は、誘導ユニット23と合致し、摺動軸A2は、移動軸A1と合致する。
【0123】
換言すると、充填フレーム15及び把持フレーム8は、他方の頂部に配置され、同じレールに取り付けられ、支持手段3と同じ軸に沿って可動である。
【0124】
装置1は、電子制御システム26も備える。電子制御システム26には、支持手段3、把持手段6、充填手段7、共通の移動ユニット20、または共通の移動アセンブリ21、のいずれかの内少なくとも1つを作動させるよう構成された、少なくとも1つの電子ユニット26aが設けられる。
【0125】
電子制御システム26は、少なくとも1つの位置センサ26bも備える。位置センサ26bは、電子ユニット26aに動作可能に接続され、かつ接続要素13、把持フレーム8、または充填フレーム15のいずれかの内、少なくとも1つの位置を定めるよう構成される。
【0126】
本発明による装置1の動作は以下のとおりである。
【0127】
最初に、容器要素5は、積載ステーションに位置付けられ、そこでチーズCはハウジング5aに積載される。
【0128】
次に容器要素5は、支持面4によって、前方移動方向Dに沿って、充填ステーションに向けて移される。
【0129】
このポイントにおいて、共通の移動ユニット20は、把持手段6を支持手段3に向けて動かす。
【0130】
詳細には、駆動ユニット22は、チーズCが通過穴10を通して通過できるよう、ダイアフラムデバイス9をチーズCに近付ける。
【0131】
回転手段12の作動本体14は、作業位置に向けて把持要素11の回転を定めることによって作動され、通過穴10を部分的に閉鎖し、かつ構成部分Pを保持する。
【0132】
共通の移動アセンブリ21は、充填手段7を把持手段6に向けて動かす。
【0133】
詳細には、モータアセンブリ24は、注入デバイス自体を、構成部分Pを通してチーズCの中に挿入できるよう、注入デバイス16をダイアフラムデバイス9に近付ける。
【0134】
ポンプデバイス18は、詰め物を送るよう作動される。
【0135】
この段階中、チーズCの変形を促進させるために、共通の移動ユニット20及び共通の移動アセンブリ21は、把持手段6及び充填手段7を、支持手段3からそれぞれ同時に離すよう動かす。
【0136】
送り終えたとき、共通の移動アセンブリ21は、充填手段7を把持手段6から離すよう動かし、注入デバイス16が構成部分Pから引抜けるようにする。
【0137】
このポイントにおいて、把持要素11は封止位置に向けて移動され、構成部分Pに圧力を加えてスタッフドチーズSを閉鎖する。
【0138】
必要に応じて、ブレード要素34は動作位置に向けて運ばれ、スタッフドチーズSから構成部分Pを切断する。
【0139】
次に、把持要素11をホーム位置に至らせ、スタッフドチーズSを解放し、必要に応じて、取り除かれた構成部分Pを支持手段3上に至らせる。
【0140】
支持面4はスタッフドチーズSを移動させ、必要に応じて、取り除かれた構成部分Pを積卸ステーションに向けて移動させる。そこでそれらは、それぞれのタブ19a、19bに移される。
【0141】
図8図12に示される第2の実施形態によると、把持手段6は複数のダイアフラムデバイス9を備える。複数のダイアフラムデバイス9は、把持フレーム8に関連付けられ、かつ前方移動方向Dに対して横断方向である、少なくとも1つの作業方向Wに沿って横並びに配置される。
【0142】
好ましくは、作業方向Wは、前方移動方向Dに対して実質的に直交する。
【0143】
しかし、作業方向が前方移動方向に対して実質的に傾いた代替の実施形態、及び/またはダイアフラムデバイス9がいくつかの作業方向Wに沿ってジグザグに配置された代替の実施形態を、排除することはできない。
【0144】
ダイアフラムデバイス9の各々は、それぞれのチーズCを保持するよう適合される。
【0145】
この実施形態は、支持手段3が、作業方向Wに対して平行である、少なくとも1つの位置付け方向Bに沿って、少なくとも部分的に横並びに配置された、複数の容器要素5を備えるよう、適切に提供する。
【0146】
具体的には、容器要素5は、前方移動方向Dに沿って延びた支持面4上にいくつかの列で配置され、それらのそれぞれの位置付け方向Bに沿って横並びに位置付けられる。
【0147】
好都合には、各ダイアフラムデバイス9は、それぞれの作動本体14を備える。
【0148】
それによってダイアフラムデバイス9は、チーズCを保持/解放するために、互いに対して独立して作動させることができる。
【0149】
このように、実際に必要なダイアフラムデバイス9のみを、作動させることができる。
【0150】
この第2の実施形態を再び参照すると、充填手段7は、タンク17に流体作動的に接続された複数の注入デバイス16を備える。これらの充填手段7は、充填フレーム15に関連付けられ、かつ前方移動方向Dに対して横断方向の、少なくとも1つの動作方向Fに沿って横並びに配置される。
【0151】
好ましくは、動作方向Fは、前方移動方向Dに対して実質的に直交する。
【0152】
有利には、動作方向Fは、作業方向Wに対して実質的に平行である。
【0153】
さらにより好ましくは、動作方向F及び作業方向Wは、実質的に水平方向に延び、実質的に垂直の同じ面において、他方の頂部に載る。
【0154】
適切には、各ダイアフラムデバイス9は、1つの注入デバイス16に対応する。
【0155】
注入デバイス16の各々は、それぞれのチーズCの中に詰め物を注入するよう適合される。
【0156】
各注入デバイス16は、それぞれのポンプデバイス18に好都合に接続される。
【0157】
それによって注入デバイス16は、詰め物を送るために、互いに対して独立して作動させることができる。
【0158】
このように、各注入デバイス16は、実際に必要な場合のみ、すなわち対応したダイアフラムデバイス9がチーズCを保持するために閉鎖した場合のみ、詰め物を送る。
【0159】
加えて、異なるタイプのスタッフドチーズSを得るため、異なる量の詰め物を送るように注入デバイス16を提供することが可能である。
【0160】
したがって第2の実施形態による装置1は、いくつかのチーズCの同時プロセス、及び異なるタイプのスタッフドチーズSの製造、を可能にする。
【0161】
詳細には、個々の把持フレーム8に関連付けられたダイアフラムデバイス9、及び個々の充填フレーム15に関連付けられた注入デバイス16を提供する解決策は、それらを、駆動ユニット22及びモータアセンブリ24それぞれによって同時に動かすことを可能にする。
【0162】
この解決策は、構成要素及び可動部品の数を減少させ、装置1は大幅に小型化され、俊敏な動作が提供されるのを可能にする。
【0163】
図8図12に示されるように、装置1は、容器要素5の内側におけるチーズCの存在を検出するよう構成された、少なくとも1つの存在センサ27も備える。
【0164】
より詳細には、存在センサ27は、積載ステーションと充填ステーションとの間における、検出ステーションに位置付けられた容器要素5を伴うチーズCの存在を、検出するよう構成される。
【0165】
存在センサ27は、例えば拡散反射式光電セルのタイプである。
【0166】
注入デバイス16は存在センサ27と連動され、容器要素5の中にチーズCが存在する場合のみ、詰め物を送る。
【0167】
詳細には、装置1は、各注入デバイス16ごとに存在センサ27を備える。
【0168】
存在センサ27は、電子ユニット26aに動作可能に接続される。
【0169】
存在センサ27が、それぞれのハウジング5aでチーズCの存在を検出した場合、電子ユニット26aは、対応した注入デバイス16のポンプデバイス18を作動させるようプログラムされる。
【0170】
他方で、存在センサ27がチーズCの存在を検出しない場合に詰め物を送らないよう、対応した注入デバイス16のポンプデバイス18は作動されない。
【0171】
存在センサ27が、図1図7に示される第1の実施形態による装置1にも適用できることを、除外できない。
【0172】
図8図12を参照すると、装置1は、ベースフレーム2に関連付けられ、かつ少なくとも1種類の洗浄液を少なくとも把持手段6へ送るよう適合された、洗浄手段28を備える。
【0173】
洗浄液は、例えば温水及び/または殺菌製品などのタイプである。
【0174】
より具体的には、洗浄手段28は、洗浄液の噴出物をダイアフラムデバイス9に向けて導くよう構成された、少なくとも1つの送達要素29を備える。
【0175】
送達要素29は、全ての残留チーズC、及び/またはスタッフドチーズSの調製によってダイアフラムデバイス9に残った詰め物、を除去する機能を有する。
【0176】
洗浄手段28は、ダイアフラムデバイス9ごとに少なくとも1つの送達要素29を備える。
【0177】
洗浄手段28は、洗浄液の噴出物を容器要素5に向けて導くよう構成された、分配要素30を備える。
【0178】
より詳細には、分配要素30は、洗浄液をハウジング5aに向けて送る。
【0179】
分配要素30は、スタッフドチーズSを積卸した後、及び新たなチーズCをハウジング5a上に位置付ける前に、ハウジング5aを洗浄する機能を有する。
【0180】
詳細には、支持面4の移動は、容器要素5の洗浄ステーションにおける位置付けを可能にし、そこで容器要素5は、新たなプロセスサイクルを開始する前に洗浄される。
【0181】
分配要素30は、支持面4の下方でベースフレーム2に関連付けられる。
【0182】
具体的には、洗浄ステーションにおいて、容器要素5には、ハウジング5aが下向きに提供され、分配要素30は、洗浄液を上方へ送る。
【0183】
このように、ハウジング5aが洗浄された後、洗浄液は重力によって下方へ流れる。
【0184】
したがって、この動作は、新たなプロセスサイクルを開始するために、洗浄液を容器要素5から除くための、追加の段階を必要としない。
【0185】
洗浄手段28は、位置付け方向Bに沿って配置された容器要素5ごとの、分配要素30を備える。
【0186】
したがって洗浄手段28は、ダイアフラムデバイス9及び容器要素5の、各プロセスサイクルにおける洗浄を可能にする。
【0187】
洗浄手段28が、図1図7に示される第1の実施形態による装置1にも適用され得ることを、除外できない。
【0188】
洗浄手段28によって送られた洗浄液の集積及び回収のため、装置1は、好都合に洗浄ステーションの下方における支持面4の下に位置された、集積タンク32を備える。
【0189】
注入デバイス16によって正確にチーズCの中に注入されなかった全ての詰め物も、明確に集積タンク32に集積される。
【0190】
集積タンク32に集積された全ての生成物は、(例えばユニオン(union)33を介した吸入によって)そこから流し出すことができ、場合によっては回収及び/または最終的に破棄される。
【0191】
さらに第2の実施形態において、スタッフドチーズS及び構成部分Pの分離は、上述に対する代替の方法を使用して実施される。
【0192】
より詳細には、図面に示されるように、スタッフドチーズSを入れるよう意図された第2のタブ19bは、支持面4において前方移動方向Dに沿って配置され、支持面自体が前方へ移動するときにスタッフドチーズSを受け入れる。
【0193】
他方で、構成部分Pを入れるよう意図された第1のタブ19aは、装置1のベースにおいて、支持面4に対して側方に設置される。支持面4の下方に設置された摺動部31によって、支持面4が前方へ移動する際に、構成部分Pは、重力(及び場合によっては水の噴射によって押し出すこと)によって、支持面4から第1のタブ19aに移される。摺動部31に沿った構成部分Pの落下を容易にするために、摺動部31に沿って水の噴出を送るよう適合されたノズルを、好都合に設けることができる。
【0194】
説明した発明は、意図した目的を実際に達成した。詳細には、スタッフドチーズ、特にブラータチーズの製造のための装置は、プロセス時間及びそれに関するコストを低減できることが、明確に示される。
【0195】
複数のダイアフラムデバイス及び注入デバイスの存在は、さらにプロセス時間を短縮すること、及び同時に異なるタイプのスタッフドチーズを製造すること、を可能にする。
【0196】
さらに、本発明による装置は、熟練職人の利用を避けるために、完全自動でスタッフドチーズ、特にブラータチーズの製造を可能にする。
【0197】
さらに、本発明による装置は、迅速かつ細菌汚染の危険を最小限に抑えて、スタッフドチーズの製造を可能にする、という結果になる。
図1
図2
図3
図3a
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】