IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特表2024-509296異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス
<>
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図1
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図2
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図3
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図4
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図5
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図6
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図7
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図8
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図9
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図10
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図11
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図12
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図13
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図14
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図15
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図16
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図17
  • 特表-異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイス
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20240221BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240221BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20240221BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J50/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555406
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2021080570
(87)【国際公開番号】W WO2022188170
(87)【国際公開日】2022-09-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シュヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シュアンクアン
(72)【発明者】
【氏名】マオ、ユンヘ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ヤンディン
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
(57)【要約】
本願の実施形態は、異物検出装置および異物検出方法を提供する。異物検出装置は、コントローラ、第1の共振ネットワーク、信号結合器および位相差検出器を含む。信号結合器は、第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を取得し、共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得し得る。本明細書において、予め設定されたキャリア信号の周波数は、励磁信号の周波数と同じである。位相差検出器は、結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、低周波信号成分に基づいて位相差信号を決定し得る。位相差信号の振幅は、励磁信号および共振電流信号の間の位相差を対応的に示す。コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号の振幅に基づいて判断し得る。本願の実施形態において提供される装置および方法を用いることで、異物検出のコストを低減でき、異物検出の精度を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ、第1の共振ネットワーク、信号結合器および位相差検出器を備える異物検出装置であって、
前記信号結合器は、前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合に前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を取得し、予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号に結合させて、結合された電流信号を取得し、前記結合された電流信号を前記位相差検出器へ送信するように構成されており、ここで、前記予め設定されたキャリア信号の周波数は、前記励磁信号の周波数と同じである;
前記位相差検出器は、前記結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、位相差信号を前記低周波信号成分に基づいて決定し、前記位相差信号を前記コントローラへ送信するように構成されており、ここで、前記低周波信号成分は、前記結合された電流信号における第1の予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、前記位相差信号の振幅は、前記励磁信号および前記共振電流信号の間の位相差を対応的に示す;および
前記コントローラは、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号の前記振幅に基づいて判断するように構成されている
異物検出装置。
【請求項2】
前記異物検出装置は、電流検出器をさらに備える;および
前記第1の共振ネットワークが前記励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記電流検出器は、前記第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して前記共振電流信号を取得し、前記共振電流信号を前記信号結合器へ送信するように構成されている、
請求項1に記載の異物検出装置。
【請求項3】
前記信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を有する;
前記第1の反転器は、前記共振電流信号に対して位相シフトを実行して逆共振電流信号を取得するように構成されており、ここで、前記逆共振電流信号および前記共振電流信号の間の位相差は、180度である;および
前記信号選択器は、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択するように構成されている
請求項1または2に記載の異物検出装置。
【請求項4】
前記信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含む;
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2の反転器を通じて前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記予め設定されたキャリア信号も、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記共振電流信号は、前記第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記逆共振電流信号は、前記第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、前記第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、前記信号選択器の出力端として機能する;および
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第1のスイッチングトランジスタを、オンにされるよう前記第2の反転器を通じて制御し、前記第2のスイッチングトランジスタを、オフにされるよう制御し、その結果、前記共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される;または
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2のスイッチングトランジスタを、オンにされるよう制御し、前記第1のスイッチングトランジスタを、オフにされるよう前記第2の反転器を通じて制御し、その結果、前記逆共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される
請求項3に記載の異物検出装置。
【請求項5】
前記励磁信号は正弦信号であり、前記予め設定されたキャリア信号は方形波信号であり、前記励磁信号および前記予め設定されたキャリア信号の間の位相差は90度である、請求項4に記載の異物検出装置。
【請求項6】
前記信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を有する;および
前記乗算器または前記アナログ乗算回路は、前記予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号で乗算して、前記結合された電流信号を取得するように構成されている
請求項1または2に記載の異物検出装置。
【請求項7】
前記励磁信号および前記予め設定されたキャリア信号は正弦信号である、請求項6に記載の異物検出装置。
【請求項8】
前記コントローラは、具体的には、
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;および
前記位相差信号の前記振幅が第1の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された振幅よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されており、ここで、前記第1の予め設定された振幅は、前記第2の予め設定された振幅よりも大きい;または
前記位相差信号の前記振幅が前記第1の予め設定された振幅よりも小さく、前記第2の予め設定された振幅よりも大きい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項9】
前記異物検出装置は、振幅検出器をさらに備える;
前記振幅検出器は、前記共振電流信号の目標信号振幅を検出するように構成されている;および
前記コントローラは、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記目標信号振幅、および前記位相差信号の振幅に基づいて判断するように構成されている
請求項1から7のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項10】
前記コントローラは、具体的には、
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されている;または
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている
請求項9に記載の異物検出装置。
【請求項11】
前記コントローラは、具体的には、
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;
前記目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しく、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されている;または
前記目標信号振幅が前記第3の予め設定された振幅よりも小さい、と判断された場合、または、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている
請求項9に記載の異物検出装置。
【請求項12】
前記異物検出装置は、信号生成器をさらに備え、前記信号生成器は、
前記コントローラにより送信される信号制御命令に従って、前記予め設定されたキャリア信号および前記励磁信号を生成するように構成されており、ここで、前記予め設定されたキャリア信号および前記励磁信号の周波数は、前記信号制御命令により示される、
請求項1から11のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項13】
前記異物検出装置は、第2の共振ネットワークおよびスイッチングモジュールをさらに備え、前記第2の共振ネットワークおよび前記第1の共振ネットワークは、前記スイッチングモジュールに別々に接続されている;および
前記スイッチングモジュールは、前記信号生成器により生成された前記励磁信号が前記第1の共振ネットワークまたは前記第2の共振ネットワークへ送信されるかどうかを前記コントローラから来る共振ネットワーク選択信号に基づいて判断するように構成されている
請求項12に記載の異物検出装置。
【請求項14】
第1の共振ネットワーク、信号結合器、位相差検出器およびコントローラを含む異物検出装置に適用される異物検出方法であって、
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する段階;
前記位相差検出器が、前記結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、位相差信号を前記低周波信号成分に基づいて決定する段階、ここで、前記低周波信号成分は、前記結合された電流信号における予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、前記位相差信号の信号振幅は、前記励磁信号および前記共振電流信号の間の位相差を示す;および
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する段階
を備える、方法。
【請求項15】
前記異物検出装置は、電流検出器をさらに含む;および
前記方法は、
前記第1の共振ネットワークが前記励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記電流検出器が、前記第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して、前記共振電流信号を取得する段階
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を含む;および
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する前記段階は、
前記第1の反転器が前記共振電流信号に対して位相シフトを実行して逆共振電流信号を取得する段階、ここで、前記逆共振電流信号および前記共振電流信号の間の位相差は、180度である;および
前記信号選択器が、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択する段階
を有する
請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含み、前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2の反転器を通じて前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記予め設定されたキャリア信号も、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記共振電流信号は、前記第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記逆共振電流信号は、前記第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、前記第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、前記信号選択器の出力端として機能する;および
前記信号選択器が、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択する前記段階は、
前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、前記第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、前記第1のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、前記第2のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御する段階であって、その結果、前記共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される、制御する段階;または
前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、前記第2のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、前記第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、前記第1のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御する段階であって、その結果、前記逆共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される、制御する段階
を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を含む;および
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する前記段階は、
前記乗算器または前記アナログ乗算回路が、前記予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号で乗算して、前記結合された電流信号を取得する段階
を有する、
請求項14または15に記載の方法。
【請求項19】
前記異物検出装置は、振幅検出器をさらに含む;および
前記方法は、
前記振幅検出器が前記共振電流信号の目標信号振幅を検出する段階
をさらに備える、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する前記段階は、
前記コントローラが前記位相差信号の振幅を決定する段階;および
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断する段階;または
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断する段階
を有する、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する前記段階は、
前記コントローラが前記位相差信号の振幅を決定する段階;および
前記目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しく、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または、第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断する段階;または
前記目標信号振幅が前記第3の予め設定された振幅よりも小さい、と前記コントローラが判断した場合、または、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号ピークの商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断する段階
を有する、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
電力送信装置、および請求項1から13のいずれか一項に記載の異物検出装置を備える無線充電送信端デバイスであって、
前記異物検出装置は、前記電力送信装置の、無線充電電力受信装置に面した側に配置されており、前記電力受信装置は、前記無線充電送信端デバイスに対応する無線充電受信端デバイスに含まれている、
無線充電送信端デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線充電分野に関し、特に、異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線充電技術の継続的な発展に伴い、磁気結合無線エネルギー送信技術が無線充電技術の流行りの研究方向になっている。なぜなら、磁気結合無線エネルギー送信技術により、長距離高出力エネルギー送信の実装が容易になるからである。磁気結合無線充電システムは通常、無線充電送信端デバイスおよび無線充電受信端デバイスという2つの別個のデバイスを含む。無線充電送信端デバイスは電力送信装置を含み、無線充電受信端デバイスは電力受信装置を含む。電力送信装置は電源に接続され、電力受信装置は、充電対象デバイス(電気車両または携帯電話など)に接続される。電力送信装置および電力受信装置は、送信コイルおよび受信コイルの間の電磁誘導を通じてエネルギーを伝達して、無線充電を実装する。電力送信装置および電力受信装置の間には、特定の空間ギャップが存在する。したがって、充電対象デバイスの充電中、コインまたはスズ箔など、異物(特に、金属異物)が空間ギャップ内に存在している場合、異物により、高周波電磁場の作用下で渦効果が引き起こされる。結果的に、異物の温度が急激に上がり、火災などの危険が発生し得る。したがって、磁気結合無線充電システムが充電対象デバイスを充電する場合、無線充電システムおよび充電対象デバイスの安全を保証するために、異物検出が実行される必要がある。
【0003】
従来の技術では、異物が存在しているかどうかは通常、電力送信装置および電力受信装置の間に配置された1つまたは複数の異物検出コイルの物理的特徴の変化により引き起こされる電気的パラメータの変化に基づいて判断される。例えば、異物検出コイルの電流または電圧の値が、アナログ回路を用いることにより検出され、空間ギャップ内に異物が存在しているかどうかが、異物検出コイルの電流または電圧に基づいて直接判断される。別の例では、アナログ回路により検出される電流パラメータまたは電圧パラメータは、代替的に、コントローラへ送信されてよく、コントローラは、電流パラメータまたは電圧パラメータを処理して、対応する位相角または周波数パラメータを取得し、次に、空間ギャップ内に異物が存在しているかどうかを位相角または周波数パラメータに基づいて判断する。しかしながら、従来の異物検出解決手段には通常、低検出精度または高システム複雑性の問題がある。結果として、従来の異物検出解決手段の信頼性および適用性は低くなる。したがって、実装が容易であり、かつ、検出精度が高い異物検出解決手段が早急に提案される必要がある。
【発明の概要】
【0004】
前述の問題を解決するために、本願は、異物検出装置および方法、および無線充電送信端デバイスを提供する。本願において提供される異物検出装置および方法を用いることで、異物検出を容易かつ正確に実行でき、異物検出のコストを低減でき、異物検出の精度を向上させることができる。
【0005】
第1の態様によれば、本願の一実施形態は、異物検出装置を提供する。異物検出装置は、コントローラ、第1の共振ネットワーク、信号結合器および位相差検出器を含む。信号結合器は、第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合に第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を取得し、予め設定されたキャリア信号を共振電流信号に結合させて、結合された電流信号を取得し、結合された電流信号を位相差検出器へ送信するように構成され得る。本明細書において、予め設定されたキャリア信号の周波数は、励磁信号の周波数と同じである。位相差検出器は、結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、低周波信号成分に基づいて位相差信号を決定し、位相差信号をコントローラへ送信するように構成され得る。本明細書において、低周波信号成分は、結合された電流信号における第1の予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、位相差信号の振幅は、励磁信号および共振電流信号の間の位相差を対応的に示す。コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号の振幅に基づいて判断するように構成され得る。
【0006】
前述の実装において、異物検出装置は、信号結合器および位相差検出器を用いることにより、第1の共振ネットワークの励磁信号および第1の共振ネットワークの励磁信号に対応する共振電流信号の間の位相差を示し得る位相差信号を直接検出し、コントローラを用いることにより、位相差信号に対して単純な処理を実行して、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを判断し得る。本願において提供される異物検出装置は、信号結合器および位相差検出器を用いることにより、励磁信号および共振電流信号の間の位相差を示し得る位相差信号を直接検出し、次に、位相差信号に対して単純な処理を実行して、異物検出を実装する。これにより、コントローラがアナログ回路により検出される電流パラメータまたは電圧パラメータを処理して位相角または周波数パラメータを取得し、次に、位相角または周波数パラメータに基づいて異物検出を実行する従来の方式と比較して、全体的なシステム複雑性およびコストが低減する。加えて、本願において提供される異物検出装置は、位相差信号を用いることにより、異物が存在しているかどうかを判断する。これにより、電流パラメータまたは電圧パラメータが1次電力からの干渉を受けるので検出精度が低いという問題を、測定された電流パラメータまたは電圧パラメータに基づいて異物検出が直接実行される方式で回避できる。したがって、本願において提供される異物検出装置を用いることで、異物検出のコストを低減でき、異物検出の精度および信頼性を向上させることができる。
【0007】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、電流検出器をさらに含む。第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、電流検出器は、第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して共振電流信号を取得し、共振電流信号を信号結合器へ送信するように構成され得る。
【0008】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を含む。第1の反転器は、共振電流信号に対して位相シフトを実行して逆共振電流信号を取得するように構成されている。本明細書において、逆共振電流信号および共振電流信号の間の位相差は、180度である。信号選択器は、共振電流信号または逆共振電流信号を、予め設定されたキャリア信号に基づき、出力される結合された電流信号として選択するように構成され得る。
【0009】
前述の実装において、結合された電流信号は、単純な構造を有し、かつ、広く用いられている第1の反転器および信号選択器による結合を通じて取得される。これにより、異物検出装置のコストを低減でき、また、異物検出装置の構造を簡略化させ、異物検出装置の安定性およびロバスト性を向上させることができる。
【0010】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含む。予め設定されたキャリア信号は、第2の反転器を通じて第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される。予め設定されたキャリア信号も、第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される。共振電流信号は、第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力される。逆共振電流信号は、第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力される。第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、信号選択器の出力端として機能する。予め設定されたキャリア信号は、第1のスイッチングトランジスタをオンにされるよう第2の反転器を通じて制御し、第2のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御してよく、その結果、共振電流信号は、結合された電流信号として出力される。代替的に、予め設定されたキャリア信号は、第2のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、第1のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御してよく、その結果、逆共振電流信号は、結合された電流信号として出力される。
【0011】
前述の実装において、信号選択器は、安定した構造を有し、かつ、費用対効果が高いスイッチングトランジスタおよび反転器を用いることにより実装される。これにより、信号選択器の統合を容易にでき、またさらに、異物検出装置の実装コストを低減できる。
【0012】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、励磁信号は、正弦信号であり、予め設定されたキャリア信号は、方形波信号であり、励磁信号および予め設定されたキャリア信号の間の位相差は、90度である。
【0013】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を含む。乗算器またはアナログ乗算回路は、予め設定されたキャリア信号を共振電流信号で乗算して、結合された電流信号を取得するように構成されている。
【0014】
前述の実装において、乗算器またはアナログ乗算回路を用いることにより、予め設定されたキャリア信号および共振電流信号に対して信号結合が実行される。この方法は、実装が単純かつ容易であり、異物検出の効率を向上させることができる。
【0015】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、励磁信号および予め設定されたキャリア信号は、正弦信号である。
【0016】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、コントローラは、位相差信号の振幅を決定し得る。位相差信号の振幅が第1の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された振幅よりも小さいまたはそれに等しいと、コントローラが判断した場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在している、と判断し、第1の予め設定された振幅は、第2の予め設定された振幅よりも大きい。位相差信号の振幅が第1の予め設定された振幅よりも小さく、第2の予め設定された振幅よりも大きい、とコントローラが判断した場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断する。
【0017】
前述の実装において、異物検出は、位相差信号の振幅、および第1の予め設定された振幅および第2の予め設定された振幅の値の間の比較を通じ直接実行される。この方法は、実装が単純かつ容易であり、コントローラのデータ処理機能の要件を低減でき、異物検出のコストを低減できる。
【0018】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、振幅検出器をさらに含む。振幅検出器は、共振電流信号の目標信号振幅を検出するように構成され得る。コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを、目標信号振幅、および位相差信号の振幅に基づいて判断するように構成され得る。
【0019】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、コントローラは、位相差信号の振幅を決定するように構成され得る;位相差信号の振幅および目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成され得る;または、位相差信号の振幅および目標信号振幅の商が第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成され得る。
【0020】
前述の実装において、位相差信号の振幅および目標信号振幅の商は、励磁信号および共振電流信号の間の位相差のみに関連している。したがって、コントローラは、検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号の振幅および目標信号振幅の商に基づいて判断する。これにより、共振電流信号の振幅の変化に起因して、検出エリアに異物が存在しているかどうかを、位相差信号の振幅に基づいて正確に直接判断できないという事例を回避でき、異物検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0021】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、コントローラは、位相差信号の振幅を決定するように構成され得る;および、目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しく、位相差信号の振幅および目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成され得る;または、目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも小さい、と判断された場合、または、位相差信号の振幅および目標信号振幅の商が第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成され得る。
【0022】
前述の実装において、位相差信号の振幅の値はさらに、共振電流信号の目標信号振幅に関連しており、目標信号振幅の値はさらに、検出エリアにおける物体のサイズに関連している(物体は、異物であってよく、または、非異物、例えば、電気車両の車体またはシャーシなど、構造であってよい)。したがって、前述の実装において、判断は、目標信号振幅の値および商の値の両方に基づいて実行される。これにより、非異物構造(例えば、電気車両の車体またはシャーシなど、構造)が異物として認識される事例を回避でき、異物検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0023】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、信号生成器をさらに含み、信号生成器は、コントローラにより送信される信号制御命令に従って予め設定されたキャリア信号および励磁信号を生成するように構成され得る。本明細書において、予め設定されたキャリア信号および励磁信号の周波数は、信号制御命令により示される。
【0024】
第1の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、第2の共振ネットワークおよびスイッチングモジュールをさらに含み、第2の共振ネットワークおよび第1の共振ネットワークは、スイッチングモジュールに別々に接続されている。スイッチングモジュールは、信号生成器により生成される励磁信号が第1の共振ネットワークまたは第2の共振ネットワークのどちらへ送信されるかを、コントローラから来る共振ネットワーク選択信号に基づいて判断するように構成され得る。
【0025】
第2の態様によれば、本願の一実施形態は、異物検出方法を提供する。異物検出方法は、異物検出装置に適用され、異物検出装置は、第1の共振ネットワーク、信号結合器、位相差検出器およびコントローラを含む。この方法は、第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合に信号結合器が第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する段階を含む。位相差検出器は、結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、低周波信号成分に基づいて位相差信号を決定し、低周波信号成分は、変調された電流信号における予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、位相差信号の信号振幅は、励磁信号および共振電流信号の間の位相差を示す。コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号に基づいて判断する。
【0026】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、電流検出器をさらに含む。この方法は、第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、電流検出器が、第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して共振電流信号を取得する段階をさらに含む。
【0027】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を含む。第1の反転器は、共振電流信号に対して位相シフトを実行して、逆共振電流信号を取得し、逆共振電流信号および共振電流信号の間の位相差は、180度である。信号選択器は、共振電流信号または逆共振電流信号を、予め設定されたキャリア信号に基づき、出力される結合された電流信号として選択する。
【0028】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含む。予め設定されたキャリア信号は、第2の反転器を通じて第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される。予め設定されたキャリア信号も、第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される。共振電流信号は、第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力される。逆共振電流信号は、第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力される。第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、信号選択器の出力端として機能する。第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、第1のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、第2のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御し、その結果、共振電流信号は、結合された電流信号として出力される。代替的に、第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、第2のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、第1のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御し、その結果、逆共振電流信号は、結合された電流信号として出力される。
【0029】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、励磁信号は、正弦信号であり、予め設定されたキャリア信号は、方形波信号であり、励磁信号および予め設定されたキャリア信号の間の位相差は、90度である。
【0030】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を含む。乗算器またはアナログ乗算回路は、予め設定されたキャリア信号を共振電流信号で乗算して、結合された電流信号を取得する。
【0031】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、励磁信号および予め設定されたキャリア信号は、正弦信号である。
【0032】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、コントローラは、位相差信号の振幅を決定し得る。位相差信号の振幅が第1の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された振幅よりも小さいまたはそれに等しいと、コントローラが判断した場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在している、と判断し、第1の予め設定された振幅は、第2の予め設定された振幅よりも大きい。位相差信号の振幅が第1の予め設定された振幅よりも小さく、第2の予め設定された振幅よりも大きい、とコントローラが判断した場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断する。
【0033】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、振幅検出器をさらに含む。振幅検出器は、共振電流信号の目標信号振幅を検出し得る。
【0034】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、コントローラは、位相差信号の振幅を決定し得る。位相差信号の振幅および目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、とコントローラが判断した場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在している、と判断する。位相差信号の振幅および目標信号振幅の商が第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、とコントローラが判断した場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断する。
【0035】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、コントローラは、位相差信号の振幅を決定し得る。コントローラが、目標信号振幅は第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、かつ、位相差信号の振幅および目標信号振幅の商は第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断した場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在している、と判断する。コントローラが、目標信号振幅は第3の予め設定された振幅よりも小さい、と判断し、または、位相差信号の振幅および目標信号振幅の商は第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、コントローラは、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断する。
【0036】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、信号生成器をさらに含む。コントローラは、信号制御命令を生成し、信号制御命令を信号生成器へ送信し得る。信号生成器は、信号制御命令に従って、予め設定されたキャリア信号および励磁信号を生成し得る。本明細書において、予め設定されたキャリア信号および励磁信号の周波数は、信号制御命令により示される。
【0037】
第2の態様に関連して、実現可能な実装において、異物検出装置は、第2の共振ネットワークおよびスイッチングモジュールをさらに含む。第2の共振ネットワークおよび第1の共振ネットワークは、スイッチングモジュールに別々に接続されている。コントローラは、共振ネットワーク選択信号を生成し、共振ネットワーク選択信号をスイッチングモジュールへ送信し得る。スイッチングモジュールは、信号生成器により生成される励磁信号が第1の共振ネットワークまたは第2の共振ネットワークのどちらへ送信されるかを、共振ネットワーク選択信号に基づいて判断し得る。
【0038】
第3の態様によれば、本願の一実施形態は、無線充電送信端デバイスを提供する。無線充電送信端デバイスは、電力送信装置、および第1の態様において提供される異物検出装置を含む。本明細書において、異物検出装置は、電力送信装置の、無線充電電力受信装置に面した側に配置され得る。電力受信装置は、無線充電送信端デバイスに対応する無線充電受信端デバイスに含まれる。具体的な実装中、電力送信装置は電力送信コイルを含んでよく、電力受信装置は電力受信コイルを含んでよく、異物検出装置は電力送信コイルの、電力受信コイルに面した側に配置されてよいことに留意されたい。
【0039】
第4の態様によれば、本願の一実施形態は、無線充電受信端デバイスを提供する。無線充電受信端デバイスは、電力受信装置、および第1の態様において提供される異物検出装置を含む。本明細書において、異物検出装置は、電力受信装置の、無線充電電力送信装置に面した側に配置され得る。電力送信装置は、無線充電受信端デバイスに対応する無線充電送信端デバイスに含まれ得る。具体的な実装中、電力送信装置は電力送信コイルを含んでよく、電力受信装置は電力受信コイルを含んでよく、異物検出装置は電力受信コイルの、電力送信コイルに面した側に配置されてよいことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本願の一実施形態による無線充電システムの構造の概略図である。
【0041】
図2】本願の一実施形態による無線充電システムの別の構造の概略図である。
【0042】
図3】本願の一実施形態による異物検出装置の構造の概略図である。
【0043】
図4】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0044】
図5】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0045】
図6】本願の一実施形態による波形変化の概略図である。
【0046】
図7】本願の一実施形態による信号結合の概略図である。
【0047】
図8】本願の一実施形態による信号結合の別の概略図である。
【0048】
図9】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0049】
図10】本願の一実施形態による信号結合器の構造の概略図である。
【0050】
図11】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0051】
図12】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0052】
図13】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0053】
図14】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0054】
図15】本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。
【0055】
図16】本願の一実施形態による異物検出方法の概略フローチャートである。
【0056】
図17】本願の一実施形態による別の無線充電システムの構造の概略図である。
【0057】
図18】本願の一実施形態による別の無線充電システムの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下では、本願の実施形態において提供される複数の添付図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決手段を明確に説明する。
【0059】
本願において提供される異物検出装置および異物検出方法は、電磁結合無線充電システムに適用可能である。電磁結合無線充電システムは、電気車両において用いられる無線充電システムであってよく、または、タブレットコンピュータまたは携帯電話など、モバイルデバイスにおいて用いられる無線充電システムであってよく、または、スマートロボットまたは電気パレットトラック等において用いられる無線充電システムであってよい。これは、実際の適用シナリオに基づいて決定されてよく、本明細書において限定されない。説明しやすくするために、本願では、電気車両において用いられる無線充電システムが、本願において提供される異物検出装置および異物検出装置に基づく異物検出方法を説明するための一例として用いられる。
【0060】
近代社会におけるエネルギー不足および環境汚染の悪化に伴い、新エネルギー車両としての電気車両が、その発売からすぐに広く注目を集めている。電気車両は、車載電源により電力供給され、道路交通および安全規制の様々な要件を満たし、かつ、車両用車輪を駆動して移動するためにモータが用いられる車両である。電気車両のバッテリ充電方法は通常、接触充電および無線充電を含む。接触充電は、導電するためにプラグの金属がソケットの金属と接触していることを意味し、無線充電は、結合された電磁場が、電気エネルギーを伝達するための媒体として機能することを意味する。接触充電と比較すると、無線充電は、使いやすい、スパークまたは電気ショックの危険がない、機械的摩耗がない、様々な厳しい環境および気象条件に適応できる、および自動充電およびモバイル充電の実装が容易であるなどの利点を有しており、将来の電気車両のための主流の充電モードになり得る。以下では、電気車両において用いられる無線充電システムを一例として用いて、本願において提供される異物検出装置が適用可能である無線充電システムのアーキテクチャの例を説明する。
【0061】
図1は、本願の一実施形態による無線充電システムの構造の概略図である。図1に示されるように、無線充電システムは少なくとも、電気車両100および無線充電ステーション101を含み得る。電気車両100には、無線充電受信装置1000が設けられてよく、無線充電ステーション101には、無線充電送信装置1010が設けられてよい。現在、無線充電システムにより電気車両を充電するプロセスは、無線充電受信装置1000および無線充電送信装置1010により共同で完了されている。本明細書において、無線充電受信装置1000は、無線充電システム内の電力受信装置であり、無線充電送信装置1010は、無線充電システム内の電力送信装置である。
【0062】
いくつかの実現可能な実装において、無線充電ステーション101は、据え置き型無線充電ステーション、据え置き型無線充電駐車スペースまたは無線充電道路等であってよい。これは、本願において限定されない。無線充電受信装置1000は、電気車両100の底部において統合され得る。電気車両100が無線充電送信装置1010の無線充電範囲に入った場合、電気車両100は、無線充電を通じて充電され得る。無線充電受信装置1000は、電力受信コイルおよび整流器回路など、コンポーネントを含み得る。電力受信コイルおよび整流器回路は、統合または分離され得る。電力受信コイルおよび整流器回路が分離される場合、整流器回路は通常、車両内に配置される。図1は、電力受信コイルおよび整流器回路が統合されている事例を示す。無線充電送信装置1010は、電力送信コイルおよびインバータ回路を含み得る。電力送信コイルおよびインバータ回路も、統合または分離され得る。図1は、電力送信コイルおよびインバータ回路が統合されている事例を示す。
【0063】
いくつかの実現可能な実装において、非接触充電は、無線充電受信装置1000および無線充電送信装置1010が磁場結合を通じてエネルギーを無線送信することであってよく、これは、電磁誘導または磁気共鳴等であってよい。これは、本願において限定されない。実際の適用では、電気車両100および無線充電ステーション101は、代替的に、双方向充電を実行し得る。具体的には、無線充電ステーション101は、電気車両100を充電してよく、電気車両100も逆に、無線充電ステーションを充電してよい。
【0064】
図2を参照して、以下では、図1に示される無線充電システム内の無線充電送信装置1010および無線充電受信装置1000の例示的な構造を説明する。図2は、本願の一実施形態による無線充電システムの別の構造の概略図である。図2に示されるように、無線充電システムは、図1に示される無線充電受信装置1000および無線充電送信装置1010を含む。
【0065】
具体的な実装中、無線充電送信装置1010は、送信変換モジュール1011、電力送信モジュール1012、送信変換モジュール1011および電力送信モジュール1012に接続された送信制御モジュール1013、送信制御モジュール1013に接続された送信通信モジュール1014、送信通信モジュール1014に接続された認証管理モジュール1015および認証管理モジュール1015に接続されたストレージモジュール1016等を含み得る。本明細書において、電力送信モジュール1012は、電力送信コイル(または送信コイルと称される)であってよいことが理解され得る。
【0066】
任意選択的に、送信変換モジュール1011は、無線充電送信装置1010の電源に接続されてよく、電源により出力される交流または直流を高周波交流へ変換するように構成されている。本明細書において、電源により出力される電流が交流である場合、送信変換モジュール1011は、力率補正ユニット、インバータユニット(またはインバータ回路と称される)および送信端補償ネットワークを含む;または、電源により出力される電流が直流である場合、送信変換モジュール1011は、インバータユニットおよび送信端補償ネットワークを含み得る。実際の使用では、力率補正ユニットは、無線充電システムにより送電網に対して引き起こされる汚染を低減して信頼性を向上させるべく、システムの高調波成分を低減して力率値を上げるために、無線充電システムの入力電流位相が送電網の電圧位相と一致することを保証できる。力率補正ユニットはさらに、実際の適用シナリオにおける次段回路の要件に従って力率補正ユニットの出力電圧を上げるまたは下げるように構成され得る。任意選択的に、力率補正ユニットの出力電圧の可変範囲が実際の適用シナリオの要件を満たさない場合、直流変換ユニットがさらに送信変換モジュール1011へ追加されてよく、直流変換ユニットは、次段回路へ出力される電圧を調整するように構成されてよく、その結果、次段回路へ出力される電圧の可変範囲が実際の適用シナリオの要件を満たす。インバータユニットは、力率補正ユニットの出力電圧を高周波交流電圧へ変換し、送信端補償ネットワークを通じて、高周波交流電圧を電力送信モジュールに印加し得る。高周波交流電圧により、電力送信モジュールの送信効率および送信距離が大幅に向上し得る。本明細書において、無線充電送信装置1010の電源は、無線充電送信装置1010内に配置された電源であってよく、または無線充電送信装置1010に接続された外部電源であってよいことに留意されたい。これは、本願において限定されない。
【0067】
電力送信モジュール1012は、磁場を通じて、送信変換モジュール1011により提供される高周波交流を送信するように構成され得る。
【0068】
送信制御モジュール1013は、実際の適用シナリオにおける無線充電の送信電力要件に従って、送信変換モジュール1011の電圧、電流および周波数変換パラメータを制御し、電力送信モジュール1012における高周波交流の電圧および電流等を制御するように構成され得る。
【0069】
送信通信モジュール1014は、電力制御情報、障害保護情報、オン/オフ情報およびインタラクティブ認証情報などの情報の通信送信を含む、無線充電送信装置1010および無線充電受信装置1000の間の無線通信を実行するように構成され得る。無線充電送信装置1010は、無線充電受信装置1000により送信される、電気車両の属性情報、充電要求およびインタラクティブ認証情報を受信し得る。加えて、無線充電送信装置1010はさらに、無線充電送信制御情報、インタラクティブ認証情報および過去の無線充電データ情報等を無線充電受信装置1000へ送信し得る。無線通信のモードは、限定されるわけではないが、Bluetooth(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi(登録商標))、ZigBee(登録商標)(ZigBee(登録商標))プロトコル、無線自動識別(RFID)技術、長距離(Lora)無線技術および近距離無線通信(NFC)技術の任意の1つまたは組み合わせを含み得る。任意選択的に、送信通信モジュール1014はさらに、電気車両を所有しているユーザのインテリジェント端末と通信してよく、ユーザは、通信機能を通じて、リモート認証およびユーザ情報送信を実装する。
【0070】
認証管理モジュール1015は、無線充電システム内の無線充電送信装置1010および電気車両の間のインタラクティブ認証および許可管理を実行するように構成され得る。
【0071】
ストレージモジュール1016は、無線充電送信装置1010の充電プロセスデータ、インタラクティブ認証データ(例えば、インタラクティブ認証情報)および許可管理データ(例えば、許可管理情報)を格納するように構成され得る。インタラクティブ認証データおよび許可管理データは、工場において設定されてよく、またはユーザにより設定されてよい。これは、実際の適用シナリオに基づいて決定されてよく、本明細書において限定されない。
【0072】
具体的な実装中、無線充電受信装置1000は、電力受信モジュール1001、受信変換モジュール1002、電力受信モジュール1001および受信変換モジュール1002に接続された受信制御モジュール1003、および受信制御モジュール1003に接続された受信通信モジュール1004を含み得る。本明細書における電力受信モジュール1001は、電力受信コイル(または受信コイルと称される)であってよいことが理解され得る。任意選択的に、受信変換モジュール1002は、無線充電受信装置1000のエネルギー貯蔵モジュール1005に接続されてよく、受信したエネルギーをエネルギー貯蔵モジュール1005へ送信する。エネルギー貯蔵モジュール1005は、エネルギー貯蔵管理モジュール1006に接続されてよく、エネルギー貯蔵管理モジュール1006は、電気車両の車両駆動装置に接続されてよく、電気車両を駆動するように構成されている。本明細書において、エネルギー貯蔵管理モジュール1006およびエネルギー貯蔵モジュール1005は、無線充電受信装置1000内に位置してよく、または無線充電受信装置1000外に位置してよいことに留意されたい。これは、本願において限定されない。
【0073】
電力受信モジュール1001は、無線充電送信装置1010により送信される有効電力および無効電力を受信するように構成され得る。本明細書において、電力受信モジュール1001は、電力受信コイルであってよい。無線充電送信装置1010内の電力受信コイルおよび電力送信コイル(すなわち、電力送信モジュール1012)は、電磁誘導を通じてエネルギーを伝達する。本願において提供される無線充電システム内の電力送信端における補償ネットワークおよび電力受信端における補償ネットワークは、任意の方式で選択的に組み合わされ得る。補償ネットワーク構造の共通の組み合わせは、S-S(series-series)タイプ、P-P(parallel-parallel)タイプ、S-P(series-parallel)タイプ、P-S(parallel-series)タイプ、LCL-LCL(inductor capacitor inductor-inductor capacitor inductor)タイプ、LCL-P(inductor capacitor inductor-parallel)タイプおよびLCC-LCC(inductor capacitor capacitor-inductor capacitor capacitor)タイプ等を含む。これは、実際の適用シナリオの要件に従って決定されてよく、本願において限定されない。
【0074】
受信変換モジュール1002は、電力受信モジュール1001により受信される高周波共振電流および高周波共振電圧を、エネルギー貯蔵モジュール1005を充電するために必要とされる直流電圧および直流へ変換するように構成され得る。受信変換モジュール1002は通常、受信端補償ネットワークおよび整流器ユニット(または整流器回路と称される)を含む。整流器ユニットは、電力受信モジュール1001により受信される高周波共振電流および高周波共振電圧を直流電圧および直流へ変換する。整流器ユニットにより出力される電圧がエネルギー貯蔵モジュールの要件を満たすことができない場合、電圧調整のために、受信変換モジュール1002に直流変換ユニットがさらに追加され得る。
【0075】
受信制御モジュール1003は、実際の適用シナリオにおける無線充電の受信電力要件に従って、受信変換モジュール1002の電圧、電流および周波数変換パラメータの調整を制御するように構成され得る。
【0076】
受信通信モジュール1004は、電力制御情報、障害保護情報、オン/オフ情報およびインタラクティブ認証情報などの情報の通信送信を含む、無線充電受信装置1000および無線充電送信装置1010の間の無線通信を実行するように構成され得る。受信通信モジュール1004の機能は、無線充電送信装置1010内の送信通信モジュール1014の機能に対応しており、詳細については、本明細書において再び説明しない。
【0077】
図1または図2に示される無線充電システムにおいて、無線充電送信装置1010および無線充電受信装置1000の間には特定の空間ギャップが存在する。したがって、無線充電システムにより電気車両を充電するプロセスにおいて、空間ギャップにコインまたはスズ箔など、異物が存在している場合、異物により、高周波電磁場の作用下で渦効果が引き起こされる。結果的に、異物の温度が急激に上がり、火災などの危険が発生し得る。したがって、無線充電システムおよび充電対象デバイスの安全を保証するために、異物検出が実行される必要がある。
【0078】
従来の技術では、異物が存在しているかどうかは通常、電力送信装置および電力受信装置の間に配置された1つまたは複数の異物検出コイルの物理的特徴の変化により引き起こされる電気的パラメータの変化に基づいて判断される。例えば、異物検出コイルの電流または電圧の値が、アナログ回路を用いることにより検出され、空間ギャップ内に異物が存在しているかどうかが、異物検出コイルの電流または電圧に基づいて直接判断される。別の例では、アナログ回路により検出される電流パラメータまたは電圧パラメータは、代替的に、コントローラへ送信されてよく、コントローラは、電流パラメータまたは電圧パラメータを処理して、対応する位相角または周波数パラメータを取得し、次に、空間ギャップ内に異物が存在しているかどうかを位相角または周波数パラメータに基づいて判断する。しかしながら、従来の異物検出解決手段には通常、低検出精度または高システム複雑性の問題がある。結果として、従来の異物検出解決手段の信頼性および適用性は低くなる。
【0079】
したがって、本願において対処されるべき技術的問題は、異物検出をどのように簡便かつ正確に実装するかということである。
[実施形態1]
【0080】
前述の問題を解決するために、本願の一実施形態は、異物検出装置を提供する。異物検出装置は、図1または図2に示される無線充電システムに適用可能である。異物検出装置は、図1または図2に示される無線充電システム内の無線充電受信装置1000および無線充電送信装置1010の間の空間ギャップに異物が存在しているかどうかを検出および判断するように構成され得る。
【0081】
図3は、本願の一実施形態による異物検出装置の構造の概略図である。図3に示されるように、異物検出装置は主に、コントローラ30、第1の共振ネットワーク31、信号結合器32および位相差検出器33を含み得る。コントローラ30は、位相差検出器33の一端に接続されており、位相差検出器33の他端は、信号結合器32の一端に接続されており、信号結合器32の他端は、第1の共振ネットワーク31の一端に接続されている。
【0082】
実際の動作中、第1の共振ネットワーク31は、励磁信号(本明細書においてS1と示される)を受信し、励磁信号S1の作用下で正常に動作し得る。第1の共振ネットワーク31が励磁信号S1の作用下で正常に動作している場合、信号結合器32は、第1の共振ネットワーク31に対応する電流信号(区別しやすくするために、以下の説明において、共振電流信号S2と称される)を取得し得る。本明細書において、共振電流信号S2は、第1の共振ネットワーク31が励磁信号S1の作用下で正常に動作している場合の、第1の共振ネットワーク31を流れる電流の値を示すことを理解されたい。信号結合器32はさらに、予め設定されたキャリア信号(本明細書においてS3と示される)を受信し、予め設定されたキャリア信号S3を共振電流信号S2に結合させて、結合された電流信号(本明細書においてS4と示される)を取得し得る。予め設定されたキャリア信号S3および励磁信号S2の周波数が同じであることが保証される必要があることに留意されたい。予め設定されたキャリア信号S3は、任意の波形および任意の適切な信号振幅を有する信号であってよく、励磁信号S1も、任意の波形および任意の適切な信号振幅を有する信号であってよい。これは、本願において限定されない。位相差検出器33は、信号結合器32により出力される結合された電流信号S4を受信し、結合された電流信号S4に含まれる低周波信号成分を抽出し、低周波信号成分に基づいて位相差信号(本明細書においてS5と示される)を決定し得る。本明細書において、低周波信号成分は、第1の予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい信号周波数を有し、かつ、結合された回路信号S4に含まれる信号成分である。次に、位相差検出器33は、位相差信号S5をコントローラ30へ送信し得る。本明細書において、位相差信号S5の振幅は、励磁信号S1および共振電流信号S2の間の位相差の値を対応的に示す。次に、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号S5の振幅に基づいて判断し得る。本明細書において、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアは、第1の共振ネットワーク31の形状およびサイズに基づいて決定され得ることに留意されたい。コントローラ30は、フレームワークベースモジュラシステムを用いることにより実装されてよく、または、単一の集積チップを含むシステムオンチップを用いることにより実装されてよい。これは、本願において限定されない。
【0083】
共振ネットワーク内のコンポーネントの物理的特徴が変化しないままである場合、共振ネットワークの出力信号(電流信号または電圧信号であり、電流信号は、本願における説明のための一例として用いられる)および共振ネットワークの励磁信号は、理論上完全に重なっており、同じ位相および振幅を有することが、共振ネットワークの動作原理から分かる。共振ネットワークの周りにいくつかの異物が存在する場合、異物により、共振ネットワーク内のコンポーネントの物理的特徴の変化が引き起こされ得る。結果として、共振ネットワークの出力信号の位相および振幅が、励磁信号に対してある程度変化する。この原理によれば、本願において提供される異物検出装置は、信号結合器32および位相差検出器33を用いることにより、第1の共振ネットワーク31の励磁信号S1および第1の共振ネットワーク31の励磁信号S1に対応する共振電流信号S2の間の位相差を示し得る位相差信号S5を直接検出し、コントローラ30を用いることにより、位相差信号S5に対して単純な処理を実行して、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを判断し得る。本願において提供される異物検出装置は、信号結合器32および位相差検出器33を用いることにより、励磁信号S1および共振電流信号S2の間の位相差を示し得る位相差信号S5を直接検出し、次に、位相差信号S5に対して単純な処理を実行して、異物検出を実装する。これにより、コントローラがアナログ回路により検出される電流パラメータまたは電圧パラメータを処理して位相角または周波数パラメータを取得し、次に、位相角または周波数パラメータに基づいて異物検出を実行する従来の方式と比較して、全体的なシステム複雑性およびコストが低減する。加えて、本願において提供される異物検出装置は、位相差信号を用いることにより、異物が存在しているかどうかを判断する。これにより、電流パラメータまたは電圧パラメータが1次電力からの干渉を受けるので検出精度が低いという問題を、測定された電流パラメータまたは電圧パラメータに基づいて異物検出が直接実行される方式で回避できる。したがって、本願において提供される異物検出装置を用いることで、異物検出のコストを低減でき、異物検出の精度および信頼性を向上させることができる。
【0084】
いくつかの実現可能な実装において、図4は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図4に示されるように、第1の共振ネットワーク31は、第1のポート310、第2のポート311、共振コンデンサC1およびインダクタコイルL1を含み得る。共振コンデンサC1の一端は、第2のポート311に接続されており、共振コンデンサC1の他端は、インダクタコイルL1の一端に接続されており、インダクタコイルL1の他端は、第1のポート310に接続されている。実際の動作中、第2のポート311は、励磁信号S1を受信し、励磁信号S1を共振コンデンサC1へ送信するように構成されている。共振コンデンサC1およびインダクタコイルL1の間に共振が発生し、インダクタコイルL1を流れる電流が最終的に、第1のポート310を通じて出力される。
【0085】
本明細書において、図4に示される共振コンデンサC1およびインダクタコイルL1は直列共振方式で接続されており、接続方式は一例に過ぎないことに留意されたい。実際の実装中、共振コンデンサC1およびインダクタコイルL1は、代替的に、並列共振方式で接続され得る。これは、本願において限定されない。インダクタコイルL1は、任意の形状であり、かつ、任意の巻き数を有するインダクタコイルであってよい。異物(特に、金属異物)がインダクタコイルに近づいた場合、インダクタコイルの物理的特徴(例えば、インピーダンス特性)が変化し、結果的に、インダクタコイルの電流および電圧が変化する。共振コンデンサC1の静電容量は、インダクタコイルL1のインピーダンス特性に基づいて決定され得ることに留意されたい。具体的には、共振コンデンサC1の静電容量を、インダクタコイルL1のインピーダンス特性に基づいて合致させ、選択する必要がある。
【0086】
本明細書において、本願において提供される第1の共振ネットワーク31に対する複数の試験を通じて得られる結論は、直列共振では異物により励磁信号S1および共振電流信号S2の間のより大幅な位相変化が引き起こされる、というものであることにさらに留意されたい。したがって、好ましくは、共振コンデンサC1およびインダクタコイルL1は、直列共振方式で接続される。これにより、異物検出の確度が向上し得る。
【0087】
本願の本実施形態はさらに、信号結合器32の複数の可能な具体的な実装を提供する。以下では、複数の可能な具体的な実装を別々に詳細に説明する。
【0088】
[信号結合器の具体的な実装1]
【0089】
図5は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図5に示されるように、信号結合器32は、第1の反転器321、信号選択器322、第3のポート323、第4のポート324および第5のポート325を含み得る。第1の反転器321の一端は、第3のポート323を通じて第1の共振ネットワーク31の第1のポート310に接続されており、第1の反転器321の他端は、信号選択器322の一端に接続されている。信号選択器322の他端は、第4のポート324に接続されている。信号選択器322のさらなる他端は、第5のポート325を通じて位相差検出器33の一端に接続されている。信号選択器322のさらなる他端は、第3のポート323を通じて第1の共振ネットワーク31の第1のポートに接続されている。
【0090】
実際の動作中、第1の反転器321は、第1の共振ネットワーク31が励磁信号S1の作用下で正常に動作している場合、第3のポート323を通じて、第1の共振ネットワーク31に対応する共振電流信号S2を受信し、共振電流信号S2に対して180度位相シフトを実行して、共振電流信号に対応する逆共振電流信号を取得し(具体的には、逆共振電流信号および共振電流信号の間の位相差は、180度であり、逆共振電流信号は、本明細書において、S6と示される)、逆共振電流信号S6を信号選択器322へ送信し得る。信号選択器322はさらに、第4のポート324を通じて予め設定されたキャリア信号S3を受信し、第1の反転器321から来る逆共振電流信号S6または第3のポート323から来る共振電流信号S2を、予め設定されたキャリア信号S3に基づき、結合された電流信号S4として選択し、第5のポート325を通じて結合された電流信号S4を位相差検出器33へ送信し得る。信号選択器322は、共振電流信号S2または逆共振電流信号S6を、予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅の値に基づき、出力される結合された電流信号S4として選択し得る。例えば、予め設定されたキャリア信号S3を受信した後、予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅が第4の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、と信号選択器322が判断した場合、信号選択器322は、共振電流信号S2を結合された電流信号S4として用い、第5のポート325を通じて、結合された電流信号S4を出力し得る。予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅が第4の予め設定された振幅よりも小さい、と信号選択器322が判断した場合、信号選択器322は、逆共振電流信号S6を結合された電流信号S4として用い、第5のポート325を通じて、結合された電流信号S4を出力し得る。
【0091】
好ましくは、励磁信号S1は、正弦信号であってよく、予め設定されたキャリア信号S3は、方形波信号であってよく、励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3の間の位相差は、90度である。
【0092】
以下では、前述の信号の具体的な例を参照して複数の例を用いることにより、第1の反転器321および信号選択器322の動作原理を説明する。
【0093】
励磁信号S1は、正弦信号
【数1】
、つまり、励磁信号S1=
【数2】
であると仮定する。ωは、励磁信号S1の角周波数であり、θは、励磁信号S1の初期位相であり、Aは、励磁信号S1の初期振幅である。予め設定されたキャリア信号S3は、
【数3】
であると仮定する。nは、整数であり、Aは、予め設定されたキャリア信号S3の最大振幅であり、Aは、予め設定されたキャリア信号S3の最小振幅である。予め設定されたキャリア信号S3について、
【数4】
の範囲内で、予め設定されたキャリア信号S3の振幅は、Aである;および
【数5】
の期間内で、予め設定されたキャリア信号S3の振幅は、Aであることが理解され得る。本明細書において、振幅Aは、第4の予め設定された振幅よりも大きく、振幅Aは、第4の予め設定された振幅よりも小さい。好ましくは、A=-Aである。具体的には、予め設定されたキャリア信号S3は、方形波である。説明しやすくするために、予め設定されたキャリア信号S3が方形波信号であり、予め設定されたキャリア信号S3が90度位相角だけ励磁信号S1よりも進んでいる特定のシナリオが、予め設定されたキャリア信号S3、つまり、予め設定されたキャリア信号S3=
【数6】
を説明するための一例として、以下で用いられる。加えて、共振電流信号S2は、
【数7】
であると仮定する。第1の共振ネットワーク31の動作機能に基づいて、異物検出装置全体の較正が完了しており、第1の共振ネットワーク31の検出エリアに異物が存在していない場合、共振電流信号S2は、励磁信号S1と完全に重なるはずである、つまり、
【数8】
、かつ、A=Aであることが分かる。第1の共振ネットワーク31の検出エリアに異物が存在している場合、第1の共振ネットワーク31のインピーダンス特性、およびラインの偽のパラメータが変化する。結果的に、共振電流信号S2および励磁信号S1の間に特定の位相差が発生する。この場合、
【数9】
は、0に等しくない。加えて、共振電流信号S2の振幅も、励磁信号S1の振幅とは異なるようになる、つまり、AからAへ変化する。例えば、図6は、本願の一実施形態による波形変化の概略図である。図6に示されるように、第1の共振ネットワーク31の検出エリアに異物が存在している場合、共振電流信号S2は、励磁信号S1に対して特定の位相オフセットを有し、共振電流信号S2の振幅も、ある程度変化する。本明細書において、図6に示される共振電流信号S2は、励磁信号S1に対して正の位相シフトを有し、共振電流信号S2の振幅も上がることを理解されたい。実際の実装中、共振電流信号S2は、代替的に、励磁信号S1に対して負の位相シフトを有してよく、共振電流信号S2の振幅も下がる。したがって、図6は、一例に過ぎず、限定を構成しない。
【0094】
実際の動作中、第1の反転器321はまず、受信した共振電流信号S2に対して180度位相シフトを実行して、逆共振電流信号S6を取得する、つまり、逆共振電流信号
【数10】
である。次に、信号選択器322は、共振電流信号S2または逆共振電流信号S6を、予め設定されたキャリア信号S3に基づき、出力される結合された電流信号S4として選択する。例えば、
【数11】
の範囲内で、予め設定されたキャリア信号S3の振幅は、Aである。信号選択器322は、予め設定されたキャリア信号S3の振幅が第4の予め設定された振幅よりも大きい、と判断してよく、信号選択器は、共振電流信号S2を結合された電流信号S4として出力してよい。
【数12】
の範囲内で、予め設定されたキャリア信号S3の振幅は、-Aである。信号選択器322は、予め設定されたキャリア信号S3の振幅が第4の予め設定された振幅よりも小さい、と判断し得る。この場合、信号選択器322は、逆共振電流信号S6を結合された電流信号S4として出力し得る。
【0095】
例えば、図7は、本願の一実施形態による信号結合の概略図である。図7に示されるように、検出エリアに異物が存在していない場合、共振電流信号S2は、励磁信号S1と完全に重なっており、共振電流信号S2、逆共振電流信号S6および予め設定されたキャリア信号S3の波形は、図7における部分(a)に示されている。信号選択器322による予め設定されたキャリア信号S3の結合を通じて取得される、結合された電流信号S4が、図7における部分(b)に示されている。したがって、予め設定されたキャリア信号S3、共振電流信号S2および逆共振電流信号S6の式、および信号選択器322の動作原理に基づいて、検出エリアに異物が存在していない場合、結合された電流信号S4は、以下の関係式(1)を満たすべきである、と判断され得る。
【数13】
【0096】
別の例について、図8は、本願の一実施形態による信号結合の別の概略図である。検出エリアに異物が存在している場合、共振電流信号S2および励磁信号S1の位相および振幅は異なる。共振電流信号S2、逆共振電流信号S7および予め設定されたキャリア信号S3の波形が、図8における部分(a)に示されている。信号選択器322による予め設定されたキャリア信号S3の結合を通じて取得される、結合された電流信号S4が、図8における部分(b)に示されている。したがって、予め設定されたキャリア信号S3、共振電流信号S2および逆共振電流信号S6の式、および信号選択器322の動作原理に基づいて、検出エリアに異物が存在している場合、結合された電流信号S4は、以下の関係式(2)を満たすべきである、と判断され得る。
【数14】
【0097】
前述の実装において、結合された電流信号S4は、単純な構造を有し、かつ、広く用いられている第1の反転器321および信号選択器322による結合を通じて取得される。これにより、異物検出装置のコストを低減でき、また、異物検出装置の構造を簡略化させ、異物検出装置の安定性およびロバスト性を向上させることができる。
【0098】
任意選択的に、図9は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図9に示されるように、信号結合器32は、フォロワ326をさらに含み得る。信号選択器322の一端は、フォロワ326を通じて第3のポート323に接続されている。実際の動作中、フォロワ326は、位相追跡を実装するように構成されており、その結果、共振電流信号S2の位相は、第3のポート323および信号選択器322の間の送信中に変化しない。フォロワ326を用いることで、送信中の干渉に起因する共振電流信号S2の位相変化を回避できる。これにより、より正確な位相差がその後検出され得ることが保証される。
【0099】
さらに、図10は、本願の一実施形態による信号結合器の構造の概略図である。図10に示されるように、信号結合器32内の信号選択器322は、第1のスイッチングトランジスタ3221、第2のスイッチングトランジスタ3222および第2の反転器3223を含み得る。第1のスイッチングトランジスタ3221の第1の端部は、第2の反転器3223の一端に接続されており、第2の反転器3223の他端は、第4のポート324に接続されている。第2のスイッチングトランジスタ3222の第1の端部は、第4のポート324に接続されている。第1のスイッチングトランジスタ3221の第2の端部は、フォロワ326を通じて第3のポート323に接続されており、第2のスイッチングトランジスタ3222の第2の端部は、第1の反転器321を通じて第3のポート323に接続されている。第1のスイッチングトランジスタ3221の第3の端部および第2のスイッチングトランジスタ3222の第3の端部の両方が、第5のポート325に接続されている。言い換えると、予め設定されたキャリア信号は、第2の反転器3223を通じて第1のスイッチングトランジスタ3221の第1の端部へ入力され、予め設定されたキャリア信号も、第2のスイッチングトランジスタ3222の第1の端部へ入力される。共振電流信号は、第1のスイッチングトランジスタ3221の第2の端部へ入力され、逆共振電流信号は、第2のスイッチングトランジスタ3222の第2の端部へ入力される。第1のスイッチングトランジスタ3221の第3の端部は、第2のスイッチングトランジスタ3222の第3の端部に接続されており、信号選択器322の出力端として機能する。この実装において、信号選択器322は、安定した構造を有し、かつ、費用対効果が高いスイッチングトランジスタおよび反転器を用いることにより実装される。これにより、信号選択器322の統合を容易にでき、またさらに、異物検出装置の実装コストを低減できる。
【0100】
実際の動作中、いくつかの期間において、予め設定されたキャリア信号S3により、第2の反転器3223を通じて、第1のスイッチングトランジスタ3221がオンにされることが可能になってよく、また、予め設定されたキャリア信号S3により、第2のスイッチングトランジスタ3222がオフにされることが可能になってよく、その結果、共振電流信号S2は、第5のポート325を通じて、結合された電流信号S4として出力され得る。いくつかの他の期間において、予め設定されたキャリア信号S3により、第2の反転器3223を通じて、第1のスイッチングトランジスタ3221がオフにされることが可能になってよく、また、予め設定されたキャリア信号S3により、第2のスイッチングトランジスタ3222がオンにされることが可能になってよく、その結果、逆共振電流信号S7は、第5のポート325を通じて、結合された電流信号S4として出力される。本明細書において、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222を予め設定されたキャリア信号S3の制御下で2つのスイッチ状態、つまり、オン状態およびオフ状態の間で切り替えるのを可能にするために、予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅A_2は、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222のスイッチオン電圧よりも大きいまたはそれに等しくあるべきであることに留意されたい。本明細書において、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222のスイッチオン電圧は、同じであってよく、または異なっていてよいことを理解されたい。説明しやすくするために、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222のスイッチオン電圧が第4の予め設定された振幅に等しいシナリオが、説明のための一例として、以下で用いられる。
【0101】
図10に示される構造、および予め設定されたキャリア信号S3についての前述の説明を参照して、以下では、一例を用いることにより、信号選択器322の動作原理を説明する。本明細書において、第3の予め設定された振幅は、Aであり、Aは、Aよりも大きいと仮定する。上述のように、予め設定されたキャリア信号
【数15】
であり、
【数16】
に対応する期間において、予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅は、Aである。この場合、第2のスイッチングトランジスタ3222のゲートにおける入力電圧は、Aである。この電圧は、第2のスイッチングトランジスタ3222のスイッチオン電圧よりも大きい。したがって、第2のスイッチングトランジスタ3222は、オン状態にある。この場合、予め設定されたキャリア信号S3は、第2の反転器3223を通じた180度位相シフトを経て、予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅は、-Aへ変化する、つまり、第1のスイッチングトランジスタ3221のゲートにおける入力電圧は、-Aである。この電圧は、第1のスイッチングトランジスタ3221のスイッチオン電圧よりも小さい。したがって、第1のスイッチングトランジスタ3221は、オフ状態にある。このように、
【数17】
に対応する期間において、逆共振電流信号S6は、第5のポート325を通じて、結合された電流信号S4として出力される。
【0102】
同様に、
【数18】
に対応する期間において、予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅は、-Aである。この場合、第2のスイッチングトランジスタ3222のゲートにおける入力電圧は、-Aである。この電圧は、第2のスイッチングトランジスタ3222のスイッチオン電圧よりも小さい。したがって、第2のスイッチングトランジスタ3222は、オフ状態にある。この場合、予め設定されたキャリア信号S3は、第2の反転器3223を通じた180度位相シフトを経て、予め設定されたキャリア信号S3の信号振幅は、Aへ変化する、つまり、第1のスイッチングトランジスタ3221のゲートにおける入力電圧は、Aである。この電圧は、第1のスイッチングトランジスタ3221のスイッチオン電圧よりも大きい。したがって、第1のスイッチングトランジスタ3221は、オン状態にある。このように、
【数19】
に対応する期間において、共振電流信号S2は、第5のポート325を通じて、結合された電流信号S4として出力される。
【0103】
本明細書において、図10に示される第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET、略して、MOSトランジスタ)であることに留意されたい。図10は、一例に過ぎない。実際の適用では、本願の本実施形態におけるスイッチングトランジスタ(例えば、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222))は、代替的に、別のタイプのものであってよい。例えば、本願におけるスイッチングトランジスタは、代替的に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)または炭化シリコン金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(SiC MOSFET)であってよい。これは、本願において限定されない。第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222がIGBTトランジスタである場合、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222の第1の端部は、ベースであり、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222の第2の端部は、コレクタであり、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222の第3の端部は、エミッタである。第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222がMOSトランジスタである場合、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222の第1の端部は、ゲートであり、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222の第2の端部は、ドレインであり、第1のスイッチングトランジスタ3221および第2のスイッチングトランジスタ3222の第3の端部は、ソースである。
【0104】
本明細書において、具体的な実装1における反転器(例えば、第1の反転器321および第2の反転器3223))は、入力信号に対して180度位相シフトを実行できる、任意の実装形態のデバイスまたは回路、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)反転器またはトランジスタ-トランジスタロジック(TTL)NANDゲート回路であってよいことにさらに留意されたい。これは、本願において限定されない。
【0105】
[信号結合器の具体的な実装2]
【0106】
図11は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図11に示されるように、信号結合器32は、乗算器/アナログ乗算回路326、第3のポート323、第4のポート324および第5のポート325を含み得る。乗算器/アナログ乗算回路326の第1の端部は、第3のポート323を通じて第1の共振ネットワーク31の第1のポート310に接続されている。乗算器/アナログ乗算回路326の第2の端部は、第4のポート324に接続されている。乗算器/アナログ乗算回路326の第3の端部は、第5のポート325を通じて位相差検出器33の一端に接続されている。
【0107】
実際の動作中、乗算器/アナログ乗算回路326は、乗算器/アナログ乗算回路326により第3のポート323を通じて受信される共振電流信号S2を、乗算器/アナログ乗算回路326により第4のポート324を通じて受信される予め設定されたキャリア信号S3で乗算して、結合された電流信号S4を取得するように構成され得る(本明細書において、具体的な実装1におけるこれらの信号の説明はさらに、具体的な実装2において用いられるにおいてことに留意されたい)。本明細書において、予め設定されたキャリア信号S3および励磁信号S1は、この実装において同じ周波数を有する正弦信号であってよいことに留意されたい。
【0108】
例えば、予め設定されたキャリア信号S3は、正弦信号
【数20】
であり(本明細書において、予め設定されたキャリア信号S3および励磁信号S1の間には90度位相差が存在すると仮定する)、励磁信号S1は、正弦信号
【数21】
であり、共振電流信号S2は、
【数22】
であると仮定する。異物検出装置全体の較正が完了しており、第1の共振ネットワーク31の検出エリアに異物が存在していない場合、共振電流信号S2は、励磁信号S1と完全に重なるはずである、つまり、
【数23】
、かつ、A=Aであることが、前述の内容から分かる。第1の共振ネットワーク31の検出エリアに異物が存在している場合、
【数24】
は、0に等しくなく、共振電流信号S2の振幅も、AからAへ変化する。乗算器/アナログ乗算回路326は、予め設定されたキャリア信号S3および共振電流信号S2を受信した後、予め設定されたキャリア信号S1を共振電流信号S2で乗算して、結合された電流信号S4を取得し得る。本明細書において、結合された電流信号S4は、以下の関係式(3)を満たす。
【数25】
【0109】
本明細書において、乗算器/アナログ乗算回路326は、入力信号に対して乗算を実行できる、任意の実装形態のデバイスまたは回路であってよいことに留意されたい。乗算器/アナログ乗算回路326の具体的な実装形態は、本願において限定されない。
【0110】
前述の実装において、乗算器またはアナログ乗算回路を用いることにより、予め設定されたキャリア信号S1および共振電流信号S2に対して信号結合が実行される。この方法は、実装が単純かつ容易であり、異物検出の効率を向上させることができる。
【0111】
さらに、図5を参照されたい。信号結合器32は、結合を通じて結合された電流信号S4を取得した後、結合された電流信号S4を位相差検出器33へ送信し得る。位相差検出器33は、結合された電流信号S4を受信した後、結合された電流信号S4をフィルタリングして、第1の予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する低周波信号成分を、結合された電流信号S4から抽出し得る。次に、位相差検出器33は、位相差信号S5を低周波信号成分に基づいて決定し、位相差信号S5をコントローラ30へ送信し得る。
【0112】
信号結合器の具体的な実装1および具体的な実装2における内容を参照して、以下では、位相差検出器33により位相差信号S5を検出する原理を詳細に説明する。上述のように、信号結合器の具体的な実装1において、検出エリアに異物が存在していない場合、結合された電流信号S4は、式(1)を満たす;または、検出エリアに異物が存在している場合、結合された電流信号S4は、式(2)を満たす。結合された電流信号S4は、共振電流信号S2、および、振幅(1,-1)を有し、かつ、共振電流信号S2のものと同じ周波数を有する矩形波信号の積と同等であることが、式(1)または式(2)から分かる。矩形波信号の基本波が正弦波であることが、信号処理原理から分かる。したがって、予め設定されたキャリア信号S3を共振電流信号S2に結合させて結合された電流信号S4を取得する、信号結合器32の具体的な実装1において説明されたプロセスは、共振電流信号S2を、共振電流信号S2のものと同じ周波数を有する正弦信号で乗算するプロセスと本質的に同等である。矩形波信号の基本波(本明細書においてS7と示される)は、
【数26】
であり、共振電流信号S2は、
【数27】
であると仮定する。この場合、結合された電流信号S4は、以下の信号、つまり、
【数28】
と同等であり得る。同様に、信号結合器の具体的な実装2において説明された信号結合プロセスでは、以下の結合された電流信号、つまり、
【数29】
が、最終的に取得される。結合された電流信号S4が
【数30】
である場合、この信号は、低周波信号成分
【数31】
および高周波信号成分
【数32】
を含む。位相差検出器33は、結合された電流信号S4に含まれる高周波信号成分
【数33】
をフィルタ除去して、結合された電流信号S4に含まれる低周波信号成分
【数34】
を取得し得る。次に、位相差検出器33は、低周波信号成分
【数35】
を位相差信号S5と決定し、位相差信号S5をコントローラ30へ送信し得る。
【0113】
任意選択的に、
【数36】
が0よりも小さい(具体的には、共振電流信号S2の位相が励磁信号S1の初期位相よりも遅れている)場合、低周波信号成分の振幅は負電圧であることが、低周波信号成分
【数37】
から分かる。コントローラ30が負電圧を収集できない場合、位相差検出器33はさらに、正の直流信号(本明細書において、直流信号の振幅はCであると仮定する)を取得し、直流信号を低周波信号成分
【数38】
に結合させて、レベル変換から生じる低周波信号成分
【数39】
を取得するように構成される。レベル変換から生じる低周波信号成分
【数40】
の振幅は、正の電圧である。次に、位相差検出器33は、レベル変換から生じる低周波信号成分
【数41】
を位相差信号S5と決定し得る。
【0114】
実際の適用では、位相差検出器33は、結合された電流信号S4における高周波信号成分をフィルタリングできる、任意の実装形態のデバイスまたは回路、例えば、共通インダクタフィルタ、コンデンサフィルタまたはLタイプフィルタであってよいことに留意されたい。位相差検出器33の具体的な実装形態は、本願において限定されない。
【0115】
さらに、本願の本実施形態は、検出エリアに異物が存在しているかどうかをコントローラ30が位相差信号S5に基づいて判断する複数の実装をさらに提供する。以下では、複数の可能な具体的な実装を別々に詳細に説明する。本明細書において、位相差信号S5が
【数42】
または
【数43】
である場合、検出エリアに異物が存在しているかどうかをコントローラ30が判断するプロセスは同じである。したがって、位相差信号S5が
【数44】
であるシナリオが、検出エリアに異物が存在しているかどうかをコントローラ30が判断するプロセスを説明するための一例として、以下で用いられる。
【0116】
[判断方式1]
【0117】
コントローラ30は、位相差信号S5を取得した後にまず、位相差信号S5の振幅を決定し得る。本明細書において、前述の例を参照すると、位相差信号S5の振幅は、
【数45】
である。次に、コントローラ30は、位相差信号S5の振幅が第1の予め設定された振幅よりも小さく、第2の予め設定された振幅よりも大きいかどうかを判断し得る。
【数46】
が第1の予め設定された振幅よりも小さく、第2の予め設定された振幅よりも大きい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断し得る。
【数47】
が第1の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された振幅よりも小さいまたはそれに等しい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在している、と判断し得る。
【0118】
前述の実装において、異物検出は、位相差信号S5の振幅、および第1の予め設定された振幅および第2の予め設定された振幅の値の間の比較を通じ直接実行される。この方法は、実装が単純かつ容易であり、コントローラ30のデータ処理機能の要件を低減でき、異物検出のコストを低減できる。
【0119】
[判断方式2]
【0120】
図12は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図12に示されるように、異物検出装置は、振幅検出器34をさらに含み得る。振幅検出器34の一端は、信号結合器32の一端に接続されており、振幅検出器34の他端は、コントローラ30に接続されている。実際の動作中、振幅検出器34は、結合された電流信号S4を信号結合器32から受信し、結合された電流信号S4の信号振幅(理解しやすくするために、以下の説明において、目標信号振幅と称される)を検出し、目標信号振幅をコントローラ30へ送信し得る。本明細書において、振幅検出器34は、電流信号の振幅を検出できる、任意の実装形態のデバイスまたは回路であってよいことに留意されたい。振幅検出器34の具体的な実装形態は、本願において限定されない。
【0121】
さらに、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを、目標信号振幅、および位相差信号S5の振幅に基づいて判断し得る。上述の内容を参照すると、位相差信号S5の振幅は、励磁信号S1および共振電流信号S2の間位相差(すなわち、前述の説明における
【数48】
)、および共振電流信号S2の振幅(すなわち、前述の説明におけるA)に関連していることが分かる。したがって、本明細書において、検出エリアに異物が存在しているかどうかは、共振電流信号S2の振幅および位相差信号S5の振幅の両方に基づいて判断され、その結果、結果の判断の信頼性、および異物検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0122】
第1の任意選択的な具体的な実装において、コントローラ30は、位相差信号S5の振幅を決定した後、位相差信号S5の振幅および目標信号振幅の商(説明しやすくするために、本明細書においてR1と示される)を計算し得る。次に、商R1が第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断し得る。商R1が第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、または第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在している、と判断し得る。例えば、前述の例を参照すると、位相差信号S5は、
【数49】
であり、共振電流信号S2は、
【数50】
である、つまり、目標信号振幅は、Aである。この場合、コントローラ30により計算される商R1は、
【数51】
であってよい。次に、
【数52】
が第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断し得る。
【数53】
が第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、または第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在している、と判断し得る。
【0123】
本明細書において、位相差信号S5の振幅および目標信号振幅の商R1は、励磁信号S1および共振電流信号S2の間の位相差のみに関連している。したがって、コントローラ30は、検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号S5の振幅および目標信号振幅の商R1に基づいて判断する。これにより、共振電流信号S2の振幅の変化に起因して、検出エリアに異物が存在しているかどうかを、位相差信号S5の振幅に基づいて正確に直接判断できないという事例を回避でき、異物検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0124】
第2の任意選択的な具体的な実装において、コントローラ30は、目標信号振幅および位相差信号S5の振幅を決定した後、位相差信号S5の振幅および目標信号振幅の商(本明細書においてR1とも示される)を決定し得る。次に、コントローラ30が、目標信号振幅は第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、と判断し、かつ、商R1は第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在している、と判断する。コントローラ30が、目標信号振幅は第3の予め設定された振幅よりも小さい、と判断し、または、商R1は第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断する。
【0125】
本明細書において、位相差信号S5の振幅の値はさらに、共振電流信号S2の目標信号振幅に関連しており、目標信号振幅の値はさらに、検出エリアにおける物体のサイズに関連している(物体は、異物であってよく、または、非異物、例えば、電気車両の車体またはシャーシなど、構造であってよい)。したがって、前述の実装において、判断は、目標信号振幅の値および商R1の値の両方に基づいて実行される。これにより、非異物構造(例えば、電気車両の車体またはシャーシなど、構造)が異物として認識される事例を回避でき、異物検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0126】
いくつかの任意選択的な実装において、図13は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図13に示されるように、異物検出装置は、信号生成器35をさらに含み得る。コントローラ30は、信号生成器35を通じて第1の共振ネットワーク31および信号結合器32に接続されている。具体的には、信号生成器35の一端は、コントローラ30に接続されており、信号生成器35の他端は、第1の共振ネットワーク31に接続されており、信号生成器35のさらなる他端は、信号結合器32の一端に接続されている。
【0127】
実際の動作中、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する信号制御命令を生成してよく、信号制御命令は、励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号の信号周波数を示し得る(本明細書において、励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3の信号周波数はf1であると仮定する)。次に、コントローラ30は、信号制御命令を信号生成器35へ送信し得る。信号生成器35は、信号制御命令を受信した後、周波数f1を有する励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3を生成し得る。
【0128】
励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3の信号波形および/または信号振幅は、信号生成器35により予め構成されてよく、または、コントローラ30が信号制御命令を用いることによりリアルタイムで示されてよいことに留意されたい。これは、本願において限定されない。
【0129】
実際の適用では、信号生成器35は、異なる周波数、異なる波形または異なる振幅を有する信号を生成できる、任意の実装形態のデバイスまたは回路であってよい。信号生成器35の具体的な実装形態は、本願において限定されない。
【0130】
いくつかの任意選択的な実装において、図14は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図14に示されるように、異物検出装置は、スイッチングモジュール36および第2の共振ネットワーク37をさらに含み得る。スイッチングモジュール36は、コントローラ30、信号生成器35、第1の共振ネットワーク31および第2の共振ネットワーク37に接続されている。スイッチングモジュール36は、信号生成器35により生成される励磁信号S1が第1の共振ネットワーク31または第2の共振ネットワーク37のどちらへ送信されるかを、コントローラ30から来る共振ネットワーク選択信号に基づいて判断するように構成され得る。言い換えると、スイッチングモジュール36は、異なる検出エリアを検出すべく、異物検出のための第1の共振ネットワーク31または第2の共振ネットワーク37を、コントローラ30から来る共振ネットワーク選択信号に基づいて選択するように構成され得る。
【0131】
本明細書において、図14は、第1の共振ネットワーク31および第2の共振ネットワーク37のみを示していることを理解されたい。しかしながら、実際の実装中、異物検出装置は、第1の共振ネットワーク31および第2の共振ネットワーク37以外の共振ネットワークをさらに含んでよく、スイッチングモジュール36は、異物検出のための異なる共振ネットワークをコントローラ30のインジケーションに基づいて選択するように構成されてよい。第1の共振ネットワーク31および第2の共振ネットワーク37以外の共振ネットワークの接続方式および動作原理は第2の共振ネットワーク37のものと同様である。したがって、繰り返しを回避するために、図14に示される構造は、説明のための一例として、以下で用いられる。
【0132】
本明細書において、第2の共振ネットワーク37および第1の共振ネットワーク31は、同一の構造を有してよい(つまり、同じ共振コンデンサおよびコイルを含んでよい)が、異物検出装置内の異なる位置に搭載される(つまり、異なる検出エリアに対応する)ことにさらに留意されたい。代替的に、第2の共振ネットワーク37および第1の共振ネットワーク31は、異なる構造を有してよく(つまり、異なる共振コンデンサおよびコイルを含んでよく、異物検出装置内の異なる位置に搭載される(つまり、異なる検出エリアに対応する)。ある共振ネットワークの励磁信号の周波数がその共振ネットワークの共振周波数と同じである場合にのみ共振が発生し得ることが、共振ネットワークの動作特性から分かる。したがって、異なる構造を有する共振ネットワークにより必要とされる励磁信号の周波数も異なる。具体的には、第2の共振ネットワーク37および第1の共振ネットワーク31が異なる構造を有する場合、信号生成器35により第2の共振ネットワーク37のために生成される励磁信号の周波数も、信号生成器35により第1の共振ネットワーク31のために生成される励磁信号の周波数とは異なる。理解しやすくするために、第2の共振ネットワーク37および第1の共振ネットワーク31が異なる構造および異なる搭載位置を有する特定のシナリオが、スイッチングモジュール36の特定の機能を説明するための一例として、以下で用いられる。
【0133】
実際の動作中、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31または第2の共振ネットワーク37のどちらを通じて異物検出を実行するかを決定し得る。任意選択的に、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31または第2の共振ネットワーク37のどちらを通じて異物検出を実行するかを、コントローラ30により受信されるユーザ命令に従って決定し得る。代替的に、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31または第2の共振ネットワーク32のどちらを通じて異物検出を実行するかを、コントローラ30の予め設定されたトリガメカニズムに基づいて決定し得る。例えば、トリガメカニズムは、時点t1において第1の共振ネットワーク31を通じて異物検出を実行し、時点t2において第2の共振ネットワーク37を通じて異物検出を実行することであってよい。コントローラ30が第1の共振ネットワーク31を通じて異物検出を実行することを決定した場合、コントローラ30は、信号制御命令(区別しやすくするために、以下の説明において、第1の信号制御命令と称される)を生成し、第1の信号制御命令を信号生成器35へ送信し得る。信号生成器35は、第1の信号制御命令に従って、周波数f1を有する励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3を生成し、周波数f1を有する励磁信号S1をスイッチングモジュール36へ送信し、周波数f1を有する予め設定されたキャリア信号S3を信号結合器32へ送信し得る。加えて、コントローラ30はさらに、共振ネットワーク選択信号(区別しやすくするために、以下の説明において、第1の共振ネットワーク選択信号と称される)を生成し、第1の共振ネットワーク選択信号をスイッチングモジュール36へ送信し得る。スイッチングモジュール36は、第1の共振ネットワーク選択信号を受信した後、スイッチングモジュール36により受信される、周波数f1を有する励磁信号を第1の共振ネットワーク31へ送信し得る。コントローラ30が第2の共振ネットワーク37を通じて異物検出を実行することを判断した場合、コントローラ30は、信号制御命令(区別しやすくするために、以下の説明において、第2の信号制御命令と称される。本明細書において、第2の信号制御命令により示される信号周波数はf2であると仮定する)を生成し、第2の信号制御命令を信号生成器35へ送信し得る。信号生成器35は、第2の信号制御命令に従って、周波数f2を有する励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3を生成し、周波数f2を有する励磁信号S1をスイッチングモジュール36へ送信し、周波数f2を有する予め設定されたキャリア信号S3を信号結合器32へ送信し得る。加えて、コントローラ30はさらに、共振ネットワーク選択信号(区別しやすくするために、以下の説明において、第2の共振ネットワーク選択信号と称される)を生成し、第2の共振ネットワーク選択信号をスイッチングモジュール36へ送信し得る。スイッチングモジュール36は、第2の共振ネットワーク選択信号を受信した後、スイッチングモジュール36により受信される、周波数f2を有する励磁信号を第2の共振ネットワーク37へ送信し得る。
【0134】
本明細書において、実際の実装中、スイッチングモジュール36は、任意の実装形態のマルチプレクサスイッチデバイスまたは回路であってよいことに留意されたい。スイッチングモジュール36、ディスクリートスイッチデバイスまたは統合アナログスイッチチップ等であってよい。スイッチングモジュール36の具体的な実装形態は、本願において限定されない。
【0135】
いくつかの任意選択的な実装において、図15は、本願の一実施形態による異物検出装置の別の構造の概略図である。図15に示されるように、異物検出装置は、電流検出器38をさらに含み得る。第1の共振ネットワーク31は、電流検出器38を通じて信号結合器32に接続されている。本明細書において、図15に示される構造は、図14に示される構造にも適用可能であり、第2の共振ネットワーク37およびスイッチングモジュール36は、説明を簡略化するために本明細書には示されていないことに留意されたい。
【0136】
実際の動作中、第1の共振ネットワーク31が励磁信号S1の作用下で正常に動作している場合、電流検出器38は、第1の共振ネットワーク31を流れる電流を検出し、電流に対して増幅などの処理を実行して、電流を共振電流信号S2へ変換するように構成され得る。
【0137】
実際の実装中、電流検出器38は、電流検出を実装できる、任意の実装形態のデバイスまたは回路であってよいことに留意されたい。電流検出器38の具体的な実装形態は、本願において限定されない。
【0138】
第1の予め設定された振幅、第2の予め設定された振幅、第3の予め設定された振幅、第1の予め設定された閾値および第2の予め設定された閾値など、予め設定されたパラメータは、本願において提供される異物検出装置での複数の異物検出試験を通じて取得される経験的な値であってよいことにさらに留意されたい。
【0139】
コントローラ30は、動作処理を実行でき、制御命令を送信できる、任意の実装形態の装置、例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジックデバイス、またはディスクリートハードウェアコンポーネントであってよいことにさらに留意されたい。コントローラ30の実装形態は、本願において限定されない。
【0140】
本願において提供される異物検出装置は、信号結合器32および位相差検出器33を用いることにより、第1の共振ネットワーク31へ入力される励磁信号S1および第1の共振ネットワーク31により出力される共振電流信号S2の間の位相差を示し得る位相差信号S6を直接検出し、コントローラ30を用いることにより、位相差信号S6に対して単純な処理を実行して、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを判断し得る。本願において提供される異物検出装置は、信号結合器32および位相差検出器33を用いることにより、励磁信号S1および共振電流信号S2の間の位相差を示し得る位相差信号S5を直接検出し、異物検出を実装すべく、さらなる単純な処理のための位相差信号S5をコントローラ30に提供する。これにより、コントローラがアナログ回路により検出される電流パラメータまたは電圧パラメータを処理して位相角または周波数パラメータを取得する従来の方式と比較して、全体的なシステム複雑性およびコストが低減する。加えて、本願において提供される異物検出装置は、位相差信号を用いることにより、異物が存在しているかどうかを判断する。これにより、電流パラメータまたは電圧パラメータが1次電力からの干渉を受けるので検出精度が低いという問題を、測定された電流パラメータまたは電圧パラメータに基づいて異物検出が直接実行される方式で回避できる。したがって、本願において提供される異物検出装置を用いることで、異物検出のコストを低減でき、異物検出の精度および信頼性を向上させることができる。
[実施形態2]
【0141】
図16は、本願の一実施形態による異物検出方法の概略フローチャートである。異物検出方法は、実施形態1において説明された異物検出装置に適用可能である。本明細書において、異物検出装置の特定の構造および各構造の機能が、実施形態1において説明されており、異物検出方法の実行中に用いられる信号も、実施形態1において説明されている。図16に示されるように、この方法は、以下の段階を含む。
【0142】
S101:第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合に信号結合器が第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する。
【0143】
いくつかの実現可能な実装において、異物検出装置内のモジュールが正確に接続および較正された後、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31へ入力されるよう励磁信号S1を制御してよく、その結果、第1の共振ネットワーク31は、励磁信号S1の作用下で正常に動作する。本明細書において、第1の共振ネットワーク31が励磁信号S1の作用下で正常に動作するプロセスについては、第1の共振ネットワーク31が励磁信号S1の作用下で正常に動作する、実施形態1において説明されたプロセスを参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。次に、信号結合器32は、第1の共振ネットワーク31に対応する共振電流信号S2および予め設定されたキャリア信号S3を受信した後、共振電流信号S2を予め設定されたキャリア信号S3に結合させて、結合された電流信号S4を取得し得る。次に、信号結合器32は、結合された電流信号S4を位相差検出器33へ送信し得る。
【0144】
任意選択的な実装において、信号結合器32は、第1の反転器321および信号選択器322を含む。第1の反転器321は、受信した共振電流信号S2に対して180度位相シフトを実行して、逆共振電流信号S6を取得し得る。具体的なプロセスについては、第1の反転器321が、受信した共振電流信号S2に対して180度位相シフトを実行して逆共振電流信号S6を取得する、実施形態1において説明されたプロセスを参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。次に、信号選択器322は、共振電流信号S2または逆共振電流信号S6を、予め設定されたキャリア信号に基づき、結合された電流信号として選択し得る。
【0145】
さらに、信号選択器322は、第1のスイッチングトランジスタ3221、第2のスイッチングトランジスタ3222および第2の反転器3223を含み得る。実際の動作中、いくつかの期間において、信号選択器322は、第2の反転器3223を流れる予め設定されたキャリア信号S3を用いることにより、第1のスイッチングトランジスタ3221をオンにされるよう制御し、予め設定されたキャリア信号を用いることにより、第2のスイッチングトランジスタ3222をオフにされるよう制御してよく、その結果、共振電流信号S2は、結合された電流信号S4として出力される。代替的に、信号選択器は、予め設定されたキャリア信号S3を用いることにより、第2のスイッチングトランジスタ3222をオンにされるよう制御し、第2の反転器3223を流れる予め設定されたキャリア信号S3を用いることにより、第1のスイッチングトランジスタ3221をオフにされるよう制御してよく、その結果、逆共振電流信号S6は、結合された電流信号として出力される。本明細書において、第1のスイッチングトランジスタ3221、第2のスイッチングトランジスタ3222および第2の反転器3223の具体的な動作プロセスについては、実施形態1において説明された対応する内容を参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。
【0146】
任意選択的に、前述の実装において、励磁信号S1は、正弦信号であってよく、予め設定されたキャリア信号S3は、方形波信号であってよく、励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3の間の位相差は、90度である。
【0147】
別の任意選択的な実装において、信号結合器32は、乗算器/アナログ乗算回路326を含み得る。乗算器/アナログ乗算回路326は、受信した共振電流信号S2を予め設定されたキャリア信号S3に結合させて、結合された電流信号S4を取得し得る。具体的なプロセスについては、乗算器/アナログ乗算回路326が結合を実装する、実施形態1において説明されたプロセスを参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。
【0148】
任意選択的に、前述の実装において、励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3の両方が正弦信号であってよい。
【0149】
S102:位相差検出器が結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、低周波信号成分に基づいて位相差信号を決定する。
【0150】
いくつかの実現可能な実装において、位相差検出器33は、信号結合器32により出力される結合された電流信号S4から低周波信号成分を抽出し、次に、低周波信号成分に基づいて位相差信号を決定し得る。本明細書において、低周波信号成分は、結合された電流信号S4における第1の予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分である。本明細書において、位相差検出器33が、信号結合器32により出力される結合された電流信号S4から低周波信号成分を抽出し、低周波信号成分に基づいて位相差信号を決定する具体的なプロセスについては、位相差検出器33が低周波信号成分を抽出し、低周波信号成分に基づいて位相差信号を決定する、実施形態1において説明されたプロセスを参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。
【0151】
S103:コントローラが、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号に基づいて判断する。
【0152】
いくつかの実現可能な実装において、位相差信号S5を取得した後、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを位相差信号S5に基づいて判断し得る。
【0153】
第1の任意選択的な実装において、位相差信号S5を取得した後、コントローラ30はまず、位相差信号S5の振幅を決定し得る。本明細書において、前述の例を参照すると、位相差信号S5の振幅は、
【数54】
である。次に、コントローラ30は、位相差信号S5の振幅が第1の予め設定された振幅よりも小さく、第2の予め設定された振幅よりも大きいかどうかを判断し得る。
【数55】
が第1の予め設定された振幅よりも小さく、第2の予め設定された振幅よりも大きい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断し得る。
【数56】
が第1の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された振幅よりも小さいまたはそれに等しい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在している、と判断し得る。
【0154】
第2の任意選択的な実装において、異物検出装置は、振幅検出器34をさらに含み得る。コントローラ30は、共振電流信号S2の目標信号振幅を検出するよう振幅検出器34を制御し得る。具体的な検出プロセスについては、実施形態1における対応する説明を参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。次に、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを、目標信号振幅、および位相差信号S5の振幅に基づいて判断し得る。
【0155】
任意選択的に、コントローラ30は、位相差信号S5の振幅を決定した後、位相差信号S5の振幅および目標信号振幅の商(説明しやすくするために、本明細書においてR1と示される)を計算し得る。次に、商R1が第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断し得る。商R1が第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、または第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、とコントローラ30が判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在している、と判断し得る。
【0156】
任意選択的に、コントローラ30は、目標信号振幅および位相差信号S5の振幅を決定した後、位相差信号S5の振幅および目標信号振幅の商(本明細書においてR1とも示される)を決定し得る。次に、コントローラ30が、目標信号振幅は第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、と判断し、かつ、商R1は第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在している、と判断する。コントローラ30が、目標信号振幅は第3の予め設定された振幅よりも小さい、と判断し、または、商R1は第2の予め設定された閾値よりも大きく、第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断した場合、コントローラ30は、第1の共振ネットワーク31に対応する検出エリアに異物が存在していない、と判断する。
【0157】
いくつかの任意選択的な実装において、異物検出装置は、信号生成器35をさらに含んでよく、コントローラ30は、信号制御命令を用ることにより、対応する周波数を有する励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3を生成するよう信号生成器35を制御してよいことにさらに留意されたい。励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3は、信号制御命令により示され得る。コントローラ30が、信号制御命令を用いることにより、対応する周波数を有する励磁信号S1および予め設定されたキャリア信号S3を生成するよう信号生成器35を制御する具体的なプロセスについては、実施形態1において説明されたプロセスを参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。
【0158】
いくつかの任意選択的な実装において、異物検出装置は、電流検出器38をさらに含み得る。第1の共振ネットワーク31が励磁信号S1の作用下で正常に動作している場合、電流検出器38は、第1の共振ネットワーク31を流れる電流を検出し、電流に対して増幅などの処理を実行して、電流を共振電流信号S2へ変換し得る。本明細書において、電流検出器38が共振電流信号S2を検出する具体的なプロセスについては、実施形態1において説明された対応する内容を参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。
【0159】
いくつかの任意選択的な実装において、異物検出装置は、スイッチングモジュール36および第2の共振ネットワーク37をさらに含み得る。コントローラ30は、異なる検出エリアを検出すべく、共振ネットワーク選択信号を用いることにより、異物検出のための第1の共振ネットワーク31または第2の共振ネットワーク37を選択するようスイッチングモジュール36を制御し得る。本明細書において、コントローラ30が、共振ネットワーク選択信号を用いることにより、異物検出のための第1の共振ネットワーク31または第2の共振ネットワーク37を選択するようスイッチングモジュール36を制御する具体的なプロセスについては、実施形態1において説明されたプロセスを参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。
【0160】
本実施形態において、信号結合器32および位相差検出器33は、第1の共振ネットワーク31へ入力される励磁信号S1および第1の共振ネットワーク31により出力される共振電流信号S2の間の位相差を示し得る位相差信号S6を直接検出してよく、コントローラ30は、位相差信号S6に対して単純な処理を実行して、第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを判断し得る。この方法では、検出システム全体の複雑性おyぼいコストを低減でき、電流パラメータまたは電圧パラメータが1次電力からの干渉を受けるので検出精度が低いという問題も、測定された電流パラメータまたは電圧パラメータに基づいて異物検出が直接実行される方式で回避できる。
【0161】
図17は、本願の一実施形態による別の無線充電システムの構造の概略図である。図17に示されるように、本願はさらに、無線充電送信端デバイス170を提供する。無線充電送信端デバイス170は、電力送信装置1701、および実施形態1または実施形態2において説明された異物検出装置(ここでは、1702と示される)を含み得る。無線充電送信端デバイス170は、無線充電受信端デバイス171に対応しており、無線充電受信端デバイス171は、電力受信装置1711を含み得る。異物検出装置1702は、電力送信装置1701の、電力受信装置1711に面した側に配置され得る。無線充電送信端デバイス170が無線充電受信端デバイス171を充電するプロセスにおいて、異物検出装置1702は、電力受信装置1711および電力送信装置1701の間に異物が存在しているかどうかを検出するように構成され得る。実際の実装中、電力送信装置1701は、図1および図2に示される無線充電送信装置1010に対応することに留意されたい。電力受信装置1711は、図1および図2に示される無線充電受信装置1000に対応する。電力送信装置1701は、電力送信コイルを含み得る。電力受信装置1711は、電力受信コイルを含み得る。異物検出装置1702は、電力送信コイルの、電力受信コイルに面した側に配置され得る。
【0162】
図18は、本願の一実施形態による別の無線充電システムの構造の概略図である。図18に示されるように、本願はさらに、無線充電受信端デバイス180を提供する。無線充電受信端デバイス180は、電力受信装置1801、および実施形態1または実施形態2において説明された異物検出装置(ここでは、1802と示される)を含み得る。無線充電受信端デバイス180は、無線充電送信端デバイス181に対応しており、無線充電送信端デバイス181は、電力送信装置1811を含み得る。異物検出装置1802は、電力受信装置1801の、電力送信装置1811に面した側に配置され得る。無線充電送信端デバイス181が無線充電受信端デバイス180を充電するプロセスにおいて、異物検出装置1802は、電力受信装置1801および電力送信装置1811の間に異物が存在しているかどうかを検出するように構成され得る。実際の実装中、電力送信装置1811は、図1および図2に示される無線充電送信装置1010に対応することに留意されたい。電力受信装置1801は、図1および図2に示される無線充電受信装置1000に対応する。電力送信装置1811は、電力送信コイルを含み得る。電力受信装置1801は、電力受信コイルを含み得る。異物検出装置1802は、電力送信コイルの、電力受信コイルに面した側に配置され得る。
【0163】
本願の説明において、別段の記載がない限り、「/」は「または」を示すことを理解されたい。例えば、A/Bは、AまたはBを示し得る。本明細書における「および/または」という用語は、関連する対象の間の対応関係のみを説明し、3つの関係が存在し得ることを示す。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する、AおよびBの両方が存在する、および、Bのみが存在する、という3つの場合を表し得る。加えて、「少なくとも1つ」は、1つまたは複数を意味し、「複数」は、2つまたはそれよりも多くを意味する。「第1の」および「第2の」などの用語は、数または実行順序を限定せず、「第1の」および「第2の」などの用語は、明確な差異を示さない。
【0164】
本願の説明において、「例」または「例えば」などの用語は、例、例示または説明を与えるために用いられている。本願において「例」または「例えば」と説明されるいかなる実施形態または設計スキームも、別の実施形態または設計スキームよりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。厳密には、「例」または「例えば」などの用語は、関連する概念を特定の方式で提示するよう意図されている。
【0165】
本明細書で開示された実施形態において説明されている例との組み合わせで、ユニットおよびアルゴリズムの段階が、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの組み合わせにより実装され得ることを、当業者であれば認識し得る。ハードウェアおよびソフトウェアの間の互換性を明確に説明するために、上記は概して、機能に基づく例の構成および段階を説明している。機能がハードウェアにより実行されるか、またはソフトウェアにより実行されるかは、技術的解決手段の特定の用途および設計上の制約によって決まる。当業者であれば、説明された機能を特定の応用ごとに実装するのに異なる方法を用い得るが、当該実装が本願の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0166】
本願において提供される実施形態において、開示されたシステム、装置および方法は、他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、前述の装置は、例に過ぎない。例えば、複数のユニットへの分割は、論理的な機能分割に過ぎず、実際に実装する際には、他の分割であってよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが、別のシステムへ組み合わされ、または統合されてよく、または、一部の機能が、無視されてよく、または実行されなくてよい。加えて、図示または説明された相互結合、直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェース、装置またはユニットを通じた間接結合または通信接続であってよく、または、電気接続、機械接続または他の形態の接続であってよい。
【0167】
加えて、本願の実施形態における各機能ユニットが1つの処理ユニットへ統合されてよく、これらのユニットの各々が物理的に単独で存在してよく、または、2つまたはそれよりも多くのユニットが1つのユニットへ統合されてよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実装されてよく、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてよい。
【0168】
結論として、前述の説明は、本願の技術的解決手段の例示的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願の趣旨および原理から逸脱することなく行われるあらゆる修正、同等の置換、または改良は、本願の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ、第1の共振ネットワーク、信号結合器および位相差検出器を備える異物検出装置であって、
前記信号結合器は、前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合に前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を取得し、予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号に結合させて、結合された電流信号を取得し、前記結合された電流信号を前記位相差検出器へ送信するように構成されており、ここで、前記予め設定されたキャリア信号の周波数は、前記励磁信号の周波数と同じである;
前記位相差検出器は、前記結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、位相差信号を前記低周波信号成分に基づいて決定し、前記位相差信号を前記コントローラへ送信するように構成されており、ここで、前記低周波信号成分は、前記結合された電流信号における第1の予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、前記位相差信号の振幅は、前記励磁信号および前記共振電流信号の間の位相差を対応的に示す;および
前記コントローラは、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号の前記振幅に基づいて判断するように構成されている
異物検出装置。
【請求項2】
前記異物検出装置は、電流検出器を備える;および
前記第1の共振ネットワークが前記励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記電流検出器は、前記第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して前記共振電流信号を取得し、前記共振電流信号を前記信号結合器へ送信するように構成されている、
請求項1に記載の異物検出装置。
【請求項3】
前記信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を有する;
前記第1の反転器は、前記共振電流信号に対して位相シフトを実行して逆共振電流信号を取得するように構成されており、ここで、前記逆共振電流信号および前記共振電流信号の間の位相差は、180度である;および
前記信号選択器は、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択するように構成されている
請求項1または2に記載の異物検出装置。
【請求項4】
前記信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含む;
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2の反転器を通じて前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記予め設定されたキャリア信号も、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記共振電流信号は、前記第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記逆共振電流信号は、前記第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、前記第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、前記信号選択器の出力端として機能する;および
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第1のスイッチングトランジスタを、オンにされるよう前記第2の反転器を通じて制御し、前記第2のスイッチングトランジスタを、オフにされるよう制御し、その結果、前記共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される;または
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2のスイッチングトランジスタを、オンにされるよう制御し、前記第1のスイッチングトランジスタを、オフにされるよう前記第2の反転器を通じて制御し、その結果、前記逆共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される
請求項3に記載の異物検出装置。
【請求項5】
前記励磁信号は正弦信号であり、前記予め設定されたキャリア信号は方形波信号であり、前記励磁信号および前記予め設定されたキャリア信号の間の位相差は90度である、請求項4に記載の異物検出装置。
【請求項6】
前記信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を有する;および
前記乗算器または前記アナログ乗算回路は、前記予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号で乗算して、前記結合された電流信号を取得するように構成されている
請求項1または2に記載の異物検出装置。
【請求項7】
前記励磁信号および前記予め設定されたキャリア信号は正弦信号である、請求項6に記載の異物検出装置。
【請求項8】
前記コントローラは
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;および
前記位相差信号の前記振幅が第1の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された振幅よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されており、ここで、前記第1の予め設定された振幅は、前記第2の予め設定された振幅よりも大きい;または
前記位相差信号の前記振幅が前記第1の予め設定された振幅よりも小さく、前記第2の予め設定された振幅よりも大きい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項9】
前記異物検出装置は、振幅検出器を備える;
前記振幅検出器は、前記共振電流信号の目標信号振幅を検出するように構成されている;および
前記コントローラは、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記目標信号振幅、および前記位相差信号の振幅に基づいて判断するように構成されている
請求項1から7のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項10】
前記コントローラは
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されている;または
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている
請求項9に記載の異物検出装置。
【請求項11】
前記コントローラは
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;
前記目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しく、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されている;または
前記目標信号振幅が前記第3の予め設定された振幅よりも小さい、と判断された場合、または、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている
請求項9に記載の異物検出装置。
【請求項12】
前記異物検出装置は、信号生成器を備え、前記信号生成器は、
前記コントローラにより送信される信号制御命令に従って、前記予め設定されたキャリア信号および前記励磁信号を生成するように構成されており、ここで、前記予め設定されたキャリア信号および前記励磁信号の周波数は、前記信号制御命令により示される、
請求項1から11のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項13】
前記異物検出装置は、第2の共振ネットワークおよびスイッチングモジュールを備え、前記第2の共振ネットワークおよび前記第1の共振ネットワークは、前記スイッチングモジュールに別々に接続されている;および
前記スイッチングモジュールは、前記信号生成器により生成された前記励磁信号が前記第1の共振ネットワークまたは前記第2の共振ネットワークへ送信されるかどうかを前記コントローラから来る共振ネットワーク選択信号に基づいて判断するように構成されている
請求項12に記載の異物検出装置。
【請求項14】
第1の共振ネットワーク、信号結合器、位相差検出器およびコントローラを含む異物検出装置に適用される異物検出方法であって、
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する段階;
前記位相差検出器が、前記結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、位相差信号を前記低周波信号成分に基づいて決定する段階、ここで、前記低周波信号成分は、前記結合された電流信号における予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、前記位相差信号の信号振幅は、前記励磁信号および前記共振電流信号の間の位相差を示す;および
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する段階
を備える、方法。
【請求項15】
前記異物検出装置は、電流検出器を含む;および
前記方法は、
前記第1の共振ネットワークが前記励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記電流検出器が、前記第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して、前記共振電流信号を取得する段階
を備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を含む;および
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する前記段階は、
前記第1の反転器が前記共振電流信号に対して位相シフトを実行して逆共振電流信号を取得する段階、ここで、前記逆共振電流信号および前記共振電流信号の間の位相差は、180度である;および
前記信号選択器が、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択する段階
を有する
請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含み、前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2の反転器を通じて前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記予め設定されたキャリア信号も、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記共振電流信号は、前記第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記逆共振電流信号は、前記第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、前記第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、前記信号選択器の出力端として機能する;および
前記信号選択器が、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択する前記段階は、
前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、前記第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、前記第1のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、前記第2のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御する段階であって、その結果、前記共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される、制御する段階;または
前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、前記第2のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、前記第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、前記第1のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御する段階であって、その結果、前記逆共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される、制御する段階
を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を含む;および
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する前記段階は、
前記乗算器または前記アナログ乗算回路が、前記予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号で乗算して、前記結合された電流信号を取得する段階
を有する、
請求項14または15に記載の方法。
【請求項19】
前記異物検出装置は、振幅検出器を含む;および
前記方法は、
前記振幅検出器が前記共振電流信号の目標信号振幅を検出する段階
を備える、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する前記段階は、
前記コントローラが前記位相差信号の振幅を決定する段階;および
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断する段階;または
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断する段階
を有する、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する前記段階は、
前記コントローラが前記位相差信号の振幅を決定する段階;および
前記目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しく、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または、第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断する段階;または
前記目標信号振幅が前記第3の予め設定された振幅よりも小さい、と前記コントローラが判断した場合、または、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断する段階
を有する、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
電力送信装置、および請求項1から13のいずれか一項に記載の異物検出装置を備える無線充電送信端デバイスであって、
前記異物検出装置は、前記電力送信装置の、無線充電電力受信装置に面した側に配置されており、前記無線充電電力受信装置は、前記無線充電送信端デバイスに対応する無線充電受信端デバイスに含まれている、
無線充電送信端デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0168
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0168】
結論として、前述の説明は、本願の技術的解決手段の例示的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願の趣旨および原理から逸脱することなく行われるあらゆる修正、同等の置換、または改良は、本願の保護範囲に含まれるものとする。
(他の考えられる項目)
(項目1)
コントローラ、第1の共振ネットワーク、信号結合器および位相差検出器を備える異物検出装置であって、
前記信号結合器は、前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合に前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を取得し、予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号に結合させて、結合された電流信号を取得し、前記結合された電流信号を前記位相差検出器へ送信するように構成されており、ここで、前記予め設定されたキャリア信号の周波数は、前記励磁信号の周波数と同じである;
前記位相差検出器は、前記結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、位相差信号を前記低周波信号成分に基づいて決定し、前記位相差信号を前記コントローラへ送信するように構成されており、ここで、前記低周波信号成分は、前記結合された電流信号における第1の予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、前記位相差信号の振幅は、前記励磁信号および前記共振電流信号の間の位相差を対応的に示す;および
前記コントローラは、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号の前記振幅に基づいて判断するように構成されている
異物検出装置。
(項目2)
前記異物検出装置は、電流検出器をさらに備える;および
前記第1の共振ネットワークが前記励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記電流検出器は、前記第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して前記共振電流信号を取得し、前記共振電流信号を前記信号結合器へ送信するように構成されている、
項目1に記載の異物検出装置。
(項目3)
前記信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を有する;
前記第1の反転器は、前記共振電流信号に対して位相シフトを実行して逆共振電流信号を取得するように構成されており、ここで、前記逆共振電流信号および前記共振電流信号の間の位相差は、180度である;および
前記信号選択器は、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択するように構成されている
項目1または2に記載の異物検出装置。
(項目4)
前記信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含む;
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2の反転器を通じて前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記予め設定されたキャリア信号も、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記共振電流信号は、前記第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記逆共振電流信号は、前記第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、前記第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、前記信号選択器の出力端として機能する;および
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第1のスイッチングトランジスタを、オンにされるよう前記第2の反転器を通じて制御し、前記第2のスイッチングトランジスタを、オフにされるよう制御し、その結果、前記共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される;または
前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2のスイッチングトランジスタを、オンにされるよう制御し、前記第1のスイッチングトランジスタを、オフにされるよう前記第2の反転器を通じて制御し、その結果、前記逆共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される
項目3に記載の異物検出装置。
(項目5)
前記励磁信号は正弦信号であり、前記予め設定されたキャリア信号は方形波信号であり、前記励磁信号および前記予め設定されたキャリア信号の間の位相差は90度である、項目4に記載の異物検出装置。
(項目6)
前記信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を有する;および
前記乗算器または前記アナログ乗算回路は、前記予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号で乗算して、前記結合された電流信号を取得するように構成されている
項目1または2に記載の異物検出装置。
(項目7)
前記励磁信号および前記予め設定されたキャリア信号は正弦信号である、項目6に記載の異物検出装置。
(項目8)
前記コントローラは、具体的には、
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;および
前記位相差信号の前記振幅が第1の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された振幅よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されており、ここで、前記第1の予め設定された振幅は、前記第2の予め設定された振幅よりも大きい;または
前記位相差信号の前記振幅が前記第1の予め設定された振幅よりも小さく、前記第2の予め設定された振幅よりも大きい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている、
項目1から7のいずれか一項に記載の異物検出装置。
(項目9)
前記異物検出装置は、振幅検出器をさらに備える;
前記振幅検出器は、前記共振電流信号の目標信号振幅を検出するように構成されている;および
前記コントローラは、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記目標信号振幅、および前記位相差信号の振幅に基づいて判断するように構成されている
項目1から7のいずれか一項に記載の異物検出装置。
(項目10)
前記コントローラは、具体的には、
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されている;または
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている
項目9に記載の異物検出装置。
(項目11)
前記コントローラは、具体的には、
前記位相差信号の振幅を決定するように構成されている;
前記目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しく、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断するように構成されている;または
前記目標信号振幅が前記第3の予め設定された振幅よりも小さい、と判断された場合、または、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断するように構成されている
項目9に記載の異物検出装置。
(項目12)
前記異物検出装置は、信号生成器をさらに備え、前記信号生成器は、
前記コントローラにより送信される信号制御命令に従って、前記予め設定されたキャリア信号および前記励磁信号を生成するように構成されており、ここで、前記予め設定されたキャリア信号および前記励磁信号の周波数は、前記信号制御命令により示される、
項目1から11のいずれか一項に記載の異物検出装置。
(項目13)
前記異物検出装置は、第2の共振ネットワークおよびスイッチングモジュールをさらに備え、前記第2の共振ネットワークおよび前記第1の共振ネットワークは、前記スイッチングモジュールに別々に接続されている;および
前記スイッチングモジュールは、前記信号生成器により生成された前記励磁信号が前記第1の共振ネットワークまたは前記第2の共振ネットワークへ送信されるかどうかを前記コントローラから来る共振ネットワーク選択信号に基づいて判断するように構成されている
項目12に記載の異物検出装置。
(項目14)
第1の共振ネットワーク、信号結合器、位相差検出器およびコントローラを含む異物検出装置に適用される異物検出方法であって、
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する段階;
前記位相差検出器が、前記結合された電流信号から低周波信号成分を抽出し、位相差信号を前記低周波信号成分に基づいて決定する段階、ここで、前記低周波信号成分は、前記結合された電流信号における予め設定された周波数よりも小さいまたはそれに等しい周波数を有する信号成分であり、前記位相差信号の信号振幅は、前記励磁信号および前記共振電流信号の間の位相差を示す;および
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する段階
を備える、方法。
(項目15)
前記異物検出装置は、電流検出器をさらに含む;および
前記方法は、
前記第1の共振ネットワークが前記励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記電流検出器が、前記第1の共振ネットワークにより出力される電流を検出して、前記共振電流信号を取得する段階
をさらに備える、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記信号結合器は、第1の反転器および信号選択器を含む;および
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する前記段階は、
前記第1の反転器が前記共振電流信号に対して位相シフトを実行して逆共振電流信号を取得する段階、ここで、前記逆共振電流信号および前記共振電流信号の間の位相差は、180度である;および
前記信号選択器が、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択する段階
を有する
項目14または15に記載の方法。
(項目17)
前記信号選択器は、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタおよび第2の反転器を含み、前記予め設定されたキャリア信号は、前記第2の反転器を通じて前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記予め設定されたキャリア信号も、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、前記共振電流信号は、前記第1のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記逆共振電流信号は、前記第2のスイッチングトランジスタの第2の端部へ入力され、前記第1のスイッチングトランジスタの第3の端部は、前記第2のスイッチングトランジスタの第3の端部に接続されており、前記信号選択器の出力端として機能する;および
前記信号選択器が、前記予め設定されたキャリア信号に基づいて、前記共振電流信号または前記逆共振電流信号を、出力される前記結合された電流信号として選択する前記段階は、
前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、前記第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、前記第1のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、前記第2のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御する段階であって、その結果、前記共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される、制御する段階;または
前記第2のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力される予め設定されたキャリア信号により、前記第2のスイッチングトランジスタをオンにされるよう制御し、前記第1のスイッチングトランジスタの第1の端部へ入力され、かつ、前記第2の反転器を流れる予め設定されたキャリア信号により、前記第1のスイッチングトランジスタをオフにされるよう制御する段階であって、その結果、前記逆共振電流信号は、前記結合された電流信号として出力される、制御する段階
を含む、
項目16に記載の方法。
(項目18)
前記信号結合器は、乗算器またはアナログ乗算回路を含む;および
前記第1の共振ネットワークが励磁信号の作用下で正常に動作している場合、前記信号結合器が、前記第1の共振ネットワークに対応する共振電流信号を予め設定されたキャリア信号に結合させて、結合された電流信号を取得する前記段階は、
前記乗算器または前記アナログ乗算回路が、前記予め設定されたキャリア信号を前記共振電流信号で乗算して、前記結合された電流信号を取得する段階
を有する、
項目14または15に記載の方法。
(項目19)
前記異物検出装置は、振幅検出器をさらに含む;および
前記方法は、
前記振幅検出器が前記共振電流信号の目標信号振幅を検出する段階
をさらに備える、項目14から18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する前記段階は、
前記コントローラが前記位相差信号の振幅を決定する段階;および
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断する段階;または
前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断する段階
を有する、
項目19に記載の方法。
(項目21)
前記コントローラが、前記第1の共振ネットワークに対応する検出エリアに異物が存在しているかどうかを前記位相差信号に基づいて判断する前記段階は、
前記コントローラが前記位相差信号の振幅を決定する段階;および
前記目標信号振幅が第3の予め設定された振幅よりも大きいまたはそれに等しく、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号振幅の商が第1の予め設定された閾値よりも大きいまたはそれに等しい、または、第2の予め設定された閾値よりも小さいまたはそれに等しい、と前記コントローラが判断した場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在している、と判断する段階;または
前記目標信号振幅が前記第3の予め設定された振幅よりも小さい、と前記コントローラが判断した場合、または、前記位相差信号の前記振幅および前記目標信号ピークの商が前記第2の予め設定された閾値よりも大きく、前記第1の予め設定された閾値よりも小さい、と判断された場合、前記第1の共振ネットワークに対応する前記検出エリアに異物が存在していない、と判断する段階
を有する、
項目19に記載の方法。
(項目22)
電力送信装置、および項目1から13のいずれか一項に記載の異物検出装置を備える無線充電送信端デバイスであって、
前記異物検出装置は、前記電力送信装置の、無線充電電力受信装置に面した側に配置されており、前記電力受信装置は、前記無線充電送信端デバイスに対応する無線充電受信端デバイスに含まれている、
無線充電送信端デバイス。
【国際調査報告】