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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】畑作物搬送機を運転する方法
(51)【国際特許分類】
   A01D 17/00 20060101AFI20240221BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240221BHJP
   G06M 11/00 20060101ALI20240221BHJP
   A01D 33/10 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
A01D17/00
G01B11/02 H
G06M11/00 D
A01D33/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555413
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2022056103
(87)【国際公開番号】W WO2022189537
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021106119.9
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520134865
【氏名又は名称】グリメ ラントマシーネンファブリーク ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Grimme Landmaschinenfabrik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hunteburger Strasse 32, 49401 Damme, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフラム シュトロートマン
(72)【発明者】
【氏名】ユリアン ロス
【テーマコード(参考)】
2B072
2F065
【Fターム(参考)】
2B072CA12
2B072GA09
2F065AA06
2F065AA21
2F065AA51
2F065AA59
2F065FF04
2F065GG04
2F065GG23
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065MM06
2F065MM11
2F065TT03
(57)【要約】
畑作物搬送機、特に畑作物搬送機(2)を運転する方法であって、センサデータ(3a,3b)を取得するステップと、センサデータに基づいて、評価装置(14)により、質量データを計算するステップと、少なくとも質量データに基づいて計算された収穫高データ(16)を提供するステップとを含み、評価装置(14)は、少なくともセンサデータ(3a,3b)、質量データおよび/または収穫高データ(16)に基づいて、分離装置(20)の少なくとも1つの分離要素を調節するための調節信号(18)を生成し、分離装置(20)は、収穫物(12)の第1の部分を収穫物(12)の別の部分から分離するように構成されている、方法ならびに方法を実施するための畑作物搬送機、特に畑作物収穫機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
畑作物搬送機、特に畑作物収穫機(2)を運転する方法であって、
少なくとも1つの搬送要素(8)によって搬送方向(10)に搬送される収穫物(12)の流れの測定領域(6)に向けられている少なくとも1つの光学センサ(4)を用いてセンサデータ(3a,3b)を取得するステップと、
前記センサデータに基づいて、評価装置(14)によって、前記収穫物(12)の少なくとも一部の質量に特有の質量データを少なくとも計算するステップと、
前記評価装置(14)により、少なくとも前記質量および/または該質量に基づいて計算された値を少なくとも再現する、前記質量データに基づいて計算された収穫高データ(16)を提供するステップと
を有する方法において、
前記評価装置(14)は、少なくとも前記センサデータ(3a,3b)、前記質量デーおよび/または前記収穫高データ(16)に基づいて、少なくとも1つの分離要素を調節するための調節信号(18)を生成し、前記分離要素、特に前記畑作物搬送機(2)に含まれる分離装置(20)の前記分離要素は、運転中に前記流れに沿って前記測定領域の上流側または下流側に配置され、かつ少なくとも前記収穫物の1つの部分に機械的に作用し、前記分離装置(20)は、前記収穫物(12)の第1の部分を、前記収穫物(12)の別の部分から分離するように構成されていることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記評価装置(14)は、前記質量データを計算し、かつ/または前記収穫高データ(16)を提供するために、少なくともとりわけ、前記評価装置(14)が前記調節信号(18)を生成するためにもそのセンサデータ(3a,3b)を使用しているセンサ(4)と同じセンサ(4)のセンサデータ(3a,3b)を使用する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記評価装置(14)は、前記質量データを計算し、かつ前記調節信号を生成するために、前記収穫物(12)に含まれる畑作物(22)と、前記収穫物(12)に含まれる混入物(24)の少なくとも一部とを区別し、特に少なくとも前記収穫物(12)における前記畑作物(22)または前記混入物(24)の割合を計算する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記評価装置(14)は、少なくとも前記センサデータ(3a,3b)に基づいて、少なくとも、前記収穫物(12)に含まれる畑作物(22)の個数および/または少なくとも、前記畑作物(22)の少なくとも一部の寸法を計算する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記評価装置(14)は、前記収穫物、特に畑作物(22)の少なくとも1つの構成部分の特性、特にサイズを示す、前記畑作物(22)の、前記センサデータ(3a,3b)に基づいて計算された特性データに依存して、かつ/または前記センサデータ(3a,3b)に基づいて計算された特性分布に依存して、前記調節信号(18)を生成する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記評価装置(14)は、少なくとも、前記特性データ、または該特性データに基づくデータまたは前記特性分布または該特性分布に基づくデータを、GPSにより求められた位置データまたはバッチデータに割り当てることにより、前記収穫高データ(16)を計算する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記評価装置(14)は、少なくとも、前記質量データまたは前記質量データに基づくデータを、特にGPSセンサにより求められた位置データまたはバッチデータに割り当てることにより、前記収穫高データ(16)を計算する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記評価装置(14)は、前記畑作物搬送機(2)が使用される農圃面積を、前記位置データに基づいて仮想的に再現し、特に少なくとも部分的に同一の大きさの面積区分に分割し、各面積区分に、前記質量データまたは該質量データに基づくデータの少なくとも一部を割り当てる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
収穫物(12)の前記流れに、前記測定領域(6)において、少なくともレーザ装置により、少なくとも実質的にライン(26,28)に沿ってレーザ光を照射し、前記ライン(26,28)の主延在方向が前記搬送方向(10)に対して角度付けされて配置されており、前記光学センサ(4)は、前記レーザ装置の、前記流れにより散乱および/または反射された光を取得する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記流れに、前記レーザ装置により、少なくとも実質的に、特に平行な2つのライン(26,28)に沿ってレーザ光を照射し、前記ライン(26,28)の主延在方向は、前記搬送方向(10)に対してそれぞれ角度付けされて配置されている、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記流れに、前記ラインのうちの第1のライン(26)に沿って、第1の波長のレーザ光を照射し、前記ラインのうちの第2のライン(28)に沿って、前記第1の波長とは異なる第2の波長のレーザ光を照射する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記光学センサ(4)は、少なくとも単色カメラを有しており、前記センサデータ(3a,3b)は、特にグレースケール値および/または深度情報を含んでいる、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記評価装置(14)は、第1のカメラ画像に基づくセンサデータ(3a,3b)および第2のカメラ画像に基づくセンサデータ(3a,3b)に基づいて、複数のカメラ画像のうちの少なくとも1つのカメラ画像の、背景の少なくとも一部を示す少なくとも1つの画像区分を識別し、特に、前記センサデータ(3a,3b)の少なくとも一部を、前記画像区分が少なくとも部分的に前記カメラ画像から取り除かれるように修正する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記評価装置(14)は、前記少なくとも1つの画像区分を、前記搬送要素(8)が前記両方のカメラ画像の撮影間に前記搬送方向(10)で進む距離区間により再現される距離データに基づいて識別する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
少なくとも前記センサデータ(3a,3b)に基づいて、個別の畑作物(22)および/または混入物(24)の輪郭を、前記センサ(4)の少なくとも1つのカメラ画像において識別し、特に格納されたベースデータに基づいて前記畑作物(22)および/または前記混入物(24)の体積を求める、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記評価装置(14)は、少なくとも前記センサデータ(3a,3b)に基づいて、少なくとも畑作物(22)を混入物(24)から、少なくとも、それぞれ結像された表面による前記レーザ光の反射および/または後方散乱の程度に基づいて区別する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記分離装置(20)は、前記測定領域(6)に対して相対的に、かつ収穫物(12)の前記流れに関して下流側に配置されていて、特に畑作物(22)と混入物(24)との分離のために構成されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記評価装置は、横方向(32)に関する、前記収穫物(12)の、識別されかつ分離すべき構成部分、特に混入物(24)の位置に依存して、前記調節信号を生成する、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記調節信号(18)により、前記分離装置(20)の、搬送方向(10)で見て相並んで配置された複数のエジェクタ要素(30)が作動可能である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
特に鉛直方向に関して前記エジェクタ要素(30)の下側に配置されている、畑作物(22)と混入物(24)とを分離するための、前記分離装置(20)に含まれる分離エッジ(34)の位置は、前記調節信号(18)により調節される、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記評価装置(14)は、少なくとも前記畑作物搬送機(2)の運転特性データに基づいて、特に前記畑作物搬送機(2)の畑作物引抜き鋤の走行速度および/または位置に基づいて、前記収穫高データ(16)を計算する、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記搬送要素(8)は、少なくとも部分的に低く位置する複数の畑作物収容領域を形成し、該畑作物収容領域は、前記搬送方向(10)でも前記横方向(32)でも前記搬送要素(8)の前記分離要素により互いに画定されている、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの搬送要素(8)と、光学センサ(4)と、評価装置(14)とを有する畑作物搬送機、特に畑作物収穫機(2)であって、
請求項1から22までのいずれか1項記載の方法を実施するための構成が設けられていることを特徴とする、畑作物搬送機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畑作物搬送機、特に畑作物収穫機を運転する方法および畑作物搬送機、特に畑作物収穫機に関する。本方法によれば、センサデータが、少なくとも1つの光学センサを用いて取得される。光学センサは、少なくとも1つの搬送要素によって搬送方向に搬送される収穫物の流れの測定領域に向けられている。センサデータに基づいて、評価装置によって、少なくとも、収穫物の少なくとも一部の質量に特有の質量データが計算される。評価装置により、少なくとも、質量データに基づいて収穫高データが計算され、提供される。収穫高データは、少なくとも質量および/または質量に基づいて計算された値を再現する。
【0002】
このような方法は特に、収穫中に収穫物の収穫高を把握するために役立ち、国際公開第2018035082号から詳細に知られている。この従来技術によれば、光学センサは畑作物搬送機に配置されており、収穫した面積あたりの畑作物質量としての収穫高データを含む。
【0003】
本発明の課題は、できるだけ僅かな構造的コストで収穫物の品質を向上させることにある。
【0004】
本発明によればこの課題は、評価装置が、少なくともセンサデータ、質量データおよび/または収穫高データに基づいて、少なくとも1つの分離要素を調節するための調節信号を生成することにより解決される。分離要素は、特に畑作物搬送機に含まれている分離装置に含まれている。分離装置、特に分離要素は、収穫物の第1の部分を、収穫物の少なくとも1つの別の部分から分離するために形成されている。分離要素は、運転中に流れに沿って測定領域の上流側または下流側に配置されている。さらに分離要素は、収穫物の少なくとも一部に機械的に作用する。好ましくは、分離要素は、調節信号によって直接に調節される。
【0005】
したがって、収穫高を把握するために求められたデータの少なくとも一部を分離装置の調節のために使用することができる。調節信号は、例えば分離装置の感度を介して、もしくは清浄度および/または清浄度が増大するにつれて実地において規則的に増大する、意図せずに分離された無傷の作物の割合を介して、特に分離装置の分離特性を調節するために適しており、かつ規定されている。調節信号は、運転時に、特に持続的に評価装置によって生成もしくは提供され、分離装置に印加され、かつ/またはセンサデータに依存して変化させられる。したがって方法の本発明による構成により、分離装置を、最小限の構造的コストで、分離すべき収穫物の特性に適合させることができ、したがって分離装置の機能を、生産者が望む結果に応じて最適に調節することができる。
【0006】
特に、光学センサ、評価装置および/または分離装置は、畑作物搬送機に含まれているか、または畑作物搬送機に配置されている。したがって好ましくは、本発明に係る方法は、可動の畑作物搬送機と、場合によってはこの可動の畑作物搬送機に連結された牽引機とによって完全に実施することができる。
【0007】
畑作物搬送機は、本発明の意図においては、野菜を搬送するために構成された、または野菜を搬送するために適している搬送機をも含む。同様に畑作物収穫機は、野菜を収穫するために構成された、または野菜を収穫するために適している収穫機も含む。その限りでは、畑作物は、野菜、すなわち植物部分、特に塊根、茎および根も含む。
【0008】
分離装置は、特に収穫物に含まれる混入物を、収穫物に含まれる畑作物から分離するように形成されている。分離装置は、分離要素の他に、好適には分離要素と協働する別の要素を含んでいる。この別の要素は、特に搬送要素、または特に分離要素と同じ構造の別の分離要素である。好ましくは、第1の部分は、専ら利用可能な畑作物を含み、別の部分は専ら混入物および/または例えば特定の大きさの利用不能な畑作物を含む。混入物には、特に石、土塊、雑草、葉ならびに損傷した畑作物が含まれ、分離装置は、特に、これらの混入物の1つ以上を分離するように構成されている。代替的または付加的に、混入物は、望ましくないサイズの畑作物である。
【0009】
少なくとも1つの分離要素は、特に篩ベルトとして、閉じられたベルトとして、摘採ローラとして、針付きベルトとして、ノッキング装置として、特にエジェクタ列の旋回可能なエジェクタとして、ロボットアームとして、かつ/または運転中に上方から収穫物中に延びるコーム要素として形成されている。分離要素は、好ましくは、搬送要素とは完全に異なる構成部材である。機械的な作用は、運動または運動の抑制を引き起こす物体による影響である。分離要素は、特に、収穫物の少なくとも1つの部分に、この部分が分離要素に少なくとも段階的に直接的に接触するように、つまり分離要素に触れるように、機械的に作用する。分離装置は、特に、好適には同一の複数の分離要素を有している。特に分離装置は、少なくとも1つの間隙を有しており、この間隙は、混入物の少なくとも一部にとって通過可能であり、かつ平均的な畑作物にとって通過不能である。分離要素は、好ましくは間隙の方向への搬送パルスを生じさせる。
【0010】
光学センサは、特にカメラとして、好ましくは光学カメラとして、特に好ましくは3Dカメラとして構成されている。光学センサは、運転中に搬送要素がその上に載置された収穫物と一緒に通過する測定領域に向けられている。測定領域は、特に畑作物搬送機の機械フレームに対して定置に配置されている。測定領域は特に、センサによって検出もしくはカバーされる領域、および/または質量データを計算するために使用されるセンサデータが取得される領域である(センサによって検出される領域は、測定領域を超えていてもよい)。光学センサは、センサデータを生成し、このセンサデータを有線または無線で評価装置に伝送する。好ましくは、畑作物搬送機はまさに1つのセンサを含んでいる。
【0011】
評価装置は特に、計算ユニットもしくはプロセッサおよび/または記憶ユニットを含んでおり、特に少なくとも部分的に畑作物搬送機または牽引機に含まれている。格納されているアルゴリズムに基づいて、評価装置は、センサデータを使用しながら質量データを計算する。質量データは好ましくは、収穫物もしくは収穫物の一部の重量、特に畑作物の重量を表す。質量データは、特に評価装置により規定された体積と密度とを乗算することによって計算される。好ましくは、データは、異なる時間間隔中に取得されたセンサデータに基づく複数の重量または質量を含む。
【0012】
収穫高データは、少なくとも質量データに基づいている。収穫高データは、好適には少なくとも、規定された収穫された面積あたりの規定された質量を表す。特に、収穫高データは、複数のこの比率を含んでいる。
【0013】
収穫高データは、評価装置により提供される。この提供は、好ましくは少なくとも視覚的に実施される。この提供により、収穫高データは好ましくは記憶媒体に格納される。
【0014】
調節信号を生成するために、収穫高を把握するために必要でない手段は不要である。これにより、収穫物の上述の最適化もしくは畑作物の洗浄のために必要となる手間は最小限である。
【0015】
本発明による方法は、好ましくはジャガイモまたはビート収穫機を運転するために適している。収穫機は、運転中に地中に侵入する少なくとも1つの畑作物引抜き鋤(Rodeschare)の存在により優れている。好ましくはこの方法は、特に畑作物の積込みのために少なくとも1つのコンベヤベルトを有する畑作物搬送機を運転するためにも適している。代替的または付加的には、この方法は、定置または可動の畑作物洗浄機を運転するためにも適している。
【0016】
分離装置の運転パラメータもしくは運転は、特に調節信号に依存する。好適には、分離装置の調節はさらに、ユーザにより加えられるべき、例えば畑作物種のような入力量または分離装置の通過後の収穫物の最小単位に依存している。収穫物の洗浄に対して代替的にまたは付加的に、分離装置は、畑作物のサイズ選別のために構成されていてもよい。
【0017】
評価装置は特に、搬送要素上に収穫物が欠如している場合に、較正を行うように構成されている。その際に、搬送要素の搬送レベルが識別される。搬送レベルは、特に運転中に、搬送要素に付着する混入物によって変化することがあり、収穫高の把握時に考慮しなければならない。
【0018】
好ましくは、評価装置が、質量データを計算し、かつ/または収穫高データを提供するために、少なくともとりわけ、評価装置が調節信号を生成するためにもそのセンサデータを使用しているセンサと同じセンサのセンサデータを使用する。これは、唯1つの光学センサの使用時に、調節信号および収穫高データが、同一のセンサによって取得されたセンサデータに基づいていることを意味する。複数の光学センサの使用時には、このことは、少なくとも、複数のセンサのうちの1つのセンサのセンサデータが、調節信号の生成および上述したデータの計算の基礎を成していることを意味する。これにより、調節信号および収穫高データの両方が可能な限りで最良のデータベースに基づいていて、上述の利点を達成するための、構造的に特に簡単な解決手段が達成されることが確実にされる。このことは、評価装置が調節信号の生成のためにも収穫高データの計算のためにも同一のセンサデータを呼び出す場合に可能な限り最良に達成される。
【0019】
好適には、評価装置は、質量データおよび/または収穫高データを計算し、かつ調節信号を生成するために、収穫物に含まれる畑作物と、収穫物に含まれる混入物の少なくとも一部とを区別する。評価装置は、センサデータに基づき畑作物の少なくとも一部および/または混入物の少なくとも一部、特に畑作物と、混入物の少なくとも一部とを識別する。
【0020】
好適には、センサデータに基づき、センサの少なくとも1つのカメラ画像における個別の畑作物および/または混入物の輪郭が識別される。カメラ画像とは、センサから出力されたデータ、特に生画像であると理解することができ、このデータは、少なくともほぼ同一の時点に収集された情報を含んでいて、かつセンサの視点からの視覚的な状況を表している。特に、各カメラ画像は、センサデータのまさに1つのデータに基づいているか、もしくは各カメラ画像は、まさに1つのデータにより表される。特に、データもしくはカメラ画像は、解像度、輝度等に関する情報を含む。輪郭は、特に、格納されている基準輪郭形状と比較される。次いで好ましくは、特に畑作物の典型的なサイズおよび/または形状に関して格納されたデータに基づいて、畑作物の体積が求められ、かつこの体積に基づき特に好ましくは畑作物の質量が計算される。
【0021】
代替的または付加的には、畑作物もしくは混入物の、センサにより見ることができる表面区分の形状および/または位置が識別される。特に評価装置は、少なくとも収穫物における畑作物の割合および/または少なくとも収穫物における混入物の割合を計算する。これにより、収穫物の品質もしくは純度を突き止めることができ、これに依存して分離装置を調節することができる。
【0022】
本発明の有利な或る構成によれば、評価装置は、少なくともセンサデータに基づいて、少なくとも、収穫物に含まれる畑作物の個数を計算する。このためには、好ましくは個別の畑作物の輪郭も突き止められる。特に質量データを考慮しながら、この個数により畑作物のサイズ分布を推定することができ、分離装置を対応して調節することができる。代替的または付加的には、評価装置は少なくとも、畑作物の少なくとも一部の寸法を計算する。この寸法は、特に長さ、幅、高さ、配向または容積であり、特に分離装置の調節のために直接に使用可能である。
【0023】
好適には、評価装置が、畑作物の特性データ、特にサイズデータ、および/または特性分布、特にサイズ分布に依存して、調節信号を生成する。特性分布は、センサデータに基づいて計算される。特性データは、畑作物のような収穫物の少なくとも1つの構成部分の特性を表し、センサデータに基づき計算される。サイズデータは、少なくとも1つの畑作物のサイズを表し、センサデータに基づいて計算される。
【0024】
好ましくは、評価装置は、少なくとも、特性データもしくはサイズデータの少なくとも一部または特性データもしくはサイズデータに基づくデータ、または特性分布もしくはサイズ分布または特性分布またはサイズ分布に基づくデータを、位置データまたはバッチデータに割り当てることによって、収穫高データを計算する。位置データは、特にGPSセンサにより求められており、このGPSセンサは、好ましくは畑作物搬送機に配置されている。この割当てより、積み込んだ畑作物を降ろすことをより良好に計画することができる。なぜならば、種々異なる品質カテゴリもしくはサイズカテゴリは、目的に合わせて局所化して降ろさなければならないからである。
【0025】
好ましくは、評価装置が、少なくとも、質量データの少なくとも一部または質量データに基づくデータを、位置データまたはバッチデータに割り当てることにより、収穫高データを計算する。この割当てに基づいて、評価装置は好適には、農圃面積の少なくとも特定の部分での収穫高がどのくらいの大きさであるかを出力する。バッチデータは、特に、空間的に集められて加工され、一致する搬送車両によって搬送される、かつ/または同一の容器内に積み込まれる収穫物の部分を表す。バッチデータに質量データを割り当てることにより、質量データに含まれる情報を具体的に、各バッチに割り当てることができ、畑作物の品質に関連する収穫高データまたはバッチデータに基づき、バッチを降ろす順序を決定することができる。
【0026】
特に好ましくは、評価装置は、畑作物搬送機が使用される農圃面積を、位置データに基づいて仮想的に再現する。
【0027】
さらに、評価装置は、仮想的に再現された農圃面積を、特に少なくともほぼ等しい大きさである複数の面積区分に分割する。特に、仮想的に再現された農圃面積の外側輪郭に隣接していない全ての面積区分は同一の大きさである。評価装置は、好ましくは、各面積区分に、少なくとも、質量データまたは質量データに基づくデータの一部を割り当てる。したがって、農圃面積の収穫高を突き止め、GPSベースの農圃識別により自動的に割り当てることができるだけではなく、代替的もしくは付加的に質量データを局所的に高解像度化することができる。
【0028】
好適には、収穫物の流れに、測定領域において、少なくとも1つのレーザ装置により、少なくとも実質的にラインに沿ってレーザ光を照射する。ラインの主延在方向は、特に、搬送方向に対して角度付けされて、好ましくは直角に配置されている。レーザ光が当たる、複数の収穫物構成部分から成る実際には平坦ではない表面に基づいて、高さが変化するラインプロフィールが生じる。ラインプロフィール、特にその時間的な経過は、特に輪郭識別の基礎である。センサは、レーザ装置の、流れにより散乱および/または反射させられた光を取得する、もしくはその光の強度を、好ましくは高い解像度で測定する。レーザ装置は、特にレーザ光源を含み、好ましくは線レーザとして構成されている。散乱および/または反射させられた光の測定によって、収穫物の表面構造を特に確実に求めることができる。このようにして、特に欠陥、損傷、土壌被着ならびに畑作物の構造を確認することができる。
【0029】
本発明の有利な或る構成では、流れに、レーザ装置により、少なくとも実質的に、少なくとも2つのラインに沿ってレーザ光を照射する。これらのラインは、搬送要素により提供される載置面のサイズに相応する仮想の搬送平面の1つの区分に、好ましくは互いに交差しないように延びている。特に好ましくは、これらのラインは平行に延びている。この場合、レーザ装置は、好ましくは少なくとも2つのレーザ光源を含んでいる。ラインの主延在方向はそれぞれ、搬送方向に対して角度付けされていて、好ましくは直角に配置されている。これにより、上述の特性を2つのラインに沿って突き止めることができる。好適には、流れに、少なくとも実質的に、レーザ装置により、上述したように互いに配向されているレーザ光を少なくとも3つのラインに沿って照射する。
【0030】
好ましくは、評価装置は、第1のカメラ画像に基づくセンサデータと、少なくとも1つの第2のカメラ画像に基づくセンサデータとに基づいて、カメラ画像のうちの少なくとも1つのカメラ画像の、背景の少なくとも一部を示す少なくとも1つの画像区分を識別する。カメラ画像は、好ましくは同一のセンサによって相前後して撮影される。したがって、カメラ画像は、ほぼ同一の要素を示す。次いで、少なくとも2つのカメラ画像もしくはこれらのカメラ画像に基づくセンサデータが、好ましくは相互に差引計算され、画像が相互に光学的に減算される。特に、評価装置は、センサデータの少なくとも一部を、画像区分が少なくとも部分的にカメラ画像から取り除かれるように修正する。好適には、評価装置は、少なくとも1つの画像区分を、少なくともとりわけ距離区間を再現する距離データに基づいて識別する。距離区間は、搬送要素が両方のカメラ画像の撮影間に搬送方向で進む区間である。距離区間は、好ましくは搬送要素に設けられた回転センサを介して求められる。カメラ画像のうちの1つのカメラ画像は、差引計算時にこの距離区間だけ特に光学的に戻される。平行なラインは光学センサに対して位置固定的であるので、結果として生じる画像の差において、レーザ装置により認識可能にされた画像構造だけが維持される。これに基づいて、種々異なるグレースケール値もしくは反射特性を特に確実に突き止めることができる。これらの好ましい特徴によって、上述したセンサデータを、目的に合わせて差引計算することができる。したがって全体として、データ基礎を関連する部分に集中させることができる。
【0031】
特に好ましくは、流れに、ラインのうちの第1のラインに沿って第1の波長のレーザ光を照射し、ラインのうちの第2のラインに沿って、第1の波長とは異なる第2の波長のレーザ光を照射する。両方の波長は、特に≧400nmおよび/または≦1,000nmである。互いに異なる波長によって、収穫物の種々異なる特性をより簡単に突き止めることができ、したがって調節信号を生成するためのよりしっかりとしたデータベースを達成することができる。互いに異なる波長の個数は、特にラインの個数と一致する。
【0032】
好適には、光学センサは、少なくとも1つの単色カメラを有している。センサデータは、特にグレースケール値および/または深度情報を含んでいる。好ましくは1ピクセルごとに単に1つの輝度情報もしくはグレースケール値を取得する単色カメラを使用することにより、不要なデータ量を回避することができ、特に上述したレーザ光の使用に基づく全ての関連する情報を取得することができる。深度情報を使用することによって、搬送要素上の収穫物の形状および位置に関する付加的な情報を得ることができる。
【0033】
評価装置により行われる少なくとも1つの畑作物と混入物との区別は、好ましくは少なくとも、それぞれ結像された表面によるレーザ光の反射および/または後方散乱の程度に基づいて行われる。この場合、後方散乱は、光がそれぞれの構成部分にどの程度深く進入し、構成部分内でどのように散乱するかについて決定的な影響を与える。特に、このために種々異なるピクセルのグレースケール値が比較され、好適には輝度勾配が、ラインに対して角度付けされた方向に沿って比較される。
【0034】
分離装置は、測定領域に対して相対的に、かつ収穫物の流れに関して、好ましくは下流側に配置されている。特に、分離装置は、畑作物と混入物との分離のために構成されている。分離装置のこのような配置により、この分離装置は、調節信号により、収穫物の組成の短期的な変化に合わせて調節される。好ましくは、畑作物搬送機は、少なくとも1つの別の光学センサを分離装置の下流側に含んでおり、この別の光学センサは、分離結果を制御するために別のセンサデータを受け取る。これにより、分離装置を特に効果的に調節することができる。
【0035】
好ましくは、評価装置が、横方向に関する、収穫物の、識別された分離すべき構成部分、特に混入物の位置に依存して、調節信号を生成する。横方向は、水平方向に、かつ搬送方向に対して直角に延びている。したがって、この構成部分は、横方向に沿ってずらされた領域において不必要な廃棄物を生ぜしめることなしに、残りの収穫物から意図的に分離され得る。特に、調節信号に基づき、少なくとも1つの分離要素が、単に局所的に運動させられるか、または局所的に、他の場所に比べて増幅して運動させられる。
【0036】
好適には、調節信号または調節信号の変化は、搬送要素の搬送速度に依存している。特に、識別すべき個別の収穫物構成部分に調節信号が依存している場合、評価装置は、好ましくは、識別された収穫物構成部分が分離要素に到達する時点を計算し、これにより、それまでに分離要素の設定を適合させる。好ましくは、評価装置が、調節信号の形態で、種々異なる収穫物量、畑作物-混入物比等に反応する慣性が調節可能である。
【0037】
特に好ましくは、調節信号によって、分離装置の、搬送方向に見て相並んで配置され、かつエジェクタ要素として形成された複数の分離要素が作動可能である。この場合、エジェクタ部材のうちの1つのエジェクタ部材の作動は、特に、横方向に関する、収穫物の、識別された分離すべき構成部分、特に混入物の位置に依存する。分離装置は特に、搬送要素の幅にわたって分散されて配置された少なくとも5つのエジェクタ要素を有しており、これらのエジェクタ要素は、収穫物の少なくとも1つの部分に作用するように、特に落下段の領域に形成されている。このような分離装置の使用により、分離を特に効果的に実行することができる。
【0038】
好ましくは、特に分離要素により形成されている、分離装置に含まれる分離エッジの位置が、畑作物と混入物とを分離するために、調節信号により調節される。分離エッジは特に、鉛直方向に関してエジェクタ要素の下側に配置されている。分離エッジは、任意に、運転中に循環するように形成されている。分離エッジは特に、収穫物の部分を、落下段内におけるそれらの部分の飛行特性もしくは落下段内でのエジェクタ要素の作用に依存して、種々異なる部分流を提供するために用いられる。分離装置のこのような構成は、畑作物の領域において特に効果的であることが判明している。
【0039】
評価装置は、好ましくは少なくとも畑作物搬送機の運転特性データに基づいて、特に畑作物搬送機の畑作物引抜き鋤の走行速度および/または位置に基づいて、収穫高データを計算する。特にGPSセンサが存在しない場合、走行速度を介して、収穫された面積区分に依存する、信頼性のある収穫高データを求めることができる。この場合、畑作物引抜き鋤の位置は、好適には畑作物搬送機の非作動状態と作動状態とを区別するために用いられる。
【0040】
搬送要素は好ましくは、少なくとも部分的に低い位置にある複数の畑作物収容領域を形成しており、これらの畑作物収容領域は、搬送方向でも、搬送方向に対して垂直な横方向でも、搬送要素の長手方向分離要素および横方向分離要素によって互いに画定されている。特に搬送要素は、横方向にも、搬送方向にも延びるバリア要素を有しており、これらのバリア要素は、1つの畑作物収容領域から別の畑作物収容領域への畑作物が越え出ることを阻止する。これにより、種々異なる収穫物構成部分をより簡単に互いに区別することができ、特にエジェクタ要素の使用時に意図的に分離することができる。
【0041】
課題はさらに、畑作物搬送機、特に畑作物収穫機であって、少なくとも1つの搬送要素と、少なくとも1つの光学センサと、評価装置とを有する、畑作物搬送機により解決される。本発明によれば、畑作物搬送機は、上記および/または下記の方法を実施するように構成されている。このことは特に、畑作物搬送機が、分離要素を備える分離装置を含むことを意味している。
【0042】
畑作物搬送機は、好ましくはジャガイモ収穫機として、またはビート収穫機として構成されている。畑作物搬送機は、好ましくは動作中に地中に突入する少なくとも1つの畑作物引抜き鋤を有している。畑作物引抜き鋤は特に、運転中に塊根を地面から持ち上げ、次いで循環している搬送要素、特に篩ベルトにより、畑作物引抜き鋤から搬出されるように構成されている。特に、畑作物引抜き鋤の下流側に、互いに続く複数の搬送要素が配置されており、好ましくは、塊根を貯蔵するための貯蔵庫が配置されていて、この貯蔵庫内に、この貯蔵庫が空にされるまで、収穫物の流れが運転中に流入する。
【0043】
好適には、畑作物搬送機は、複数の光学センサを含んでいる。これらの光学センサは、特にオーバラップしない互いに異なる測定領域、特に搬送要素に向けられている。好ましくは、畑作物搬送装置は、特に互いに異なる複数の分離装置も有している。これらの分離装置のために互いに異なる調節信号が生成される。好ましくは、各分離装置の調節信号は、まさに1つのセンサのセンサデータまたは複数のセンサのセンサデータに基づいている。
【0044】
畑作物搬送機は、特に定置で作業する機械または移動式に運転させるべき機械として構成されている。好適には、畑作物搬送機は、積込み機または洗浄機である。特に、畑作物搬送機は、走行機構を含んでいる。
【0045】
本発明のさらなる詳細および利点は、以下で説明する概略的に図示された実施例から読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明に係る畑作物収穫機を示す側面図である。
図2】光学センサを備えた第1の搬送要素を示す概略図である。
図3】a~bは、光学センサを備えた第2の搬送要素を示す概略図である。
図4】a~bは、光学センサを備えた第2の搬送要素を示す概略図である。
図5】光学センサによって撮影された画像を示す概略図である。
図6】分離装置を示す概略図である。
図7】本発明に係る方法の1つの実施形態の概略的なフローチャートである。
【0047】
本発明による実施例の以下に説明する特徴は、個別でも、図示または説明されたものと別の組み合わせにおいても本発明の対象であってもよいが、常に少なくとも請求項1に記載された特徴と組み合わせられる。有意である限り、機能的に同様に作用する部材には同一の参照符号が備えられている。
【0048】
本発明による方法は、特に図1に示した畑作物収穫機2において使用される。畑作物収穫機2は、複数の搬送要素8と、図1には単に概略的に図示されている1つの光学センサ4とを含んでいる。図2は、畑作物収穫機2の搬送要素8を示しており、この搬送要素8上には光学センサ4が配置されている。畑作物収穫機2の運転中に、搬送要素8の、光学センサ4のより近傍にあるベルトが搬送方向10に前進させられる。光学センサ4は、位置固定の測定領域6に向けられている。
【0049】
本発明に係る方法によれば、光学センサ4を用いてセンサデータ3a,3bが取得される。光学センサ4は測定領域6に向けられており、この測定領域6を通って、搬送要素8により収穫物12の流れが搬送方向10に運動させられる(図3a~図4bも参照)。収穫物12は畑作物22と混入物24とを含んでおり、混入物のうち、図3aには茎部分が例示的に図示されている。
【0050】
光学センサ4は特に、搬送要素8のために搬送方向10で開放された覆い内に配置されている(図3bおよび図4b参照)。特にこの覆いは、搬送要素8を横方向32でも取り囲んでいる。
【0051】
センサデータ3a,3bに基づき、評価装置14は、少なくとも、収穫物12の少なくとも一部の質量を表す質量データを計算する。次いで、評価装置14が、少なくとも質量データに基づいて計算された収穫高データ16を提供する。収穫高データ16は、少なくとも質量および/または質量に基づいて計算された値を再現する。図7に概略的に示した本発明による方法によれば、評価装置14は収穫高データ16を計算するために格納されたベースデータ15を特に評価装置14のメモリから呼び出す。ベースデータ15は、例えば畑作物22の密度を含んでいる。
【0052】
さらに評価装置14は、特に畑作物収穫機2に含まれる分離装置20の少なくとも1つの分離要素を調節するための調節信号18を生成する(例えば図6参照)。調節信号18は、少なくともセンサデータ(3a,3b)、質量データおよび/または収穫高データ16に基づいて生成される。分離装置20は、収穫物12の第1の部分を収穫物12の別の部分に対して分離するように構成されており、本実施例では第1の部分が畑作物22であり、別の部分が混入物24である。収穫高データ16を計算し、調節信号18を生成するために、評価装置14は、同じ光学センサ4のセンサデータ3a,3bまたは第1の光学センサ4のセンサデータ3aと、別の光学センサ4の別のセンサデータ3bとを使用する(図7を参照)。質量データを計算するために、評価装置14は収穫物12に含まれる畑作物22を、収穫物12に含まれる混入物24と区別する。さらに評価装置14は、センサデータ3a,3bに基づき、測定領域6を通って運動する畑作物22の個数および寸法を計算する。評価装置14は、図示されていないGPSセンサを用いて求められた位置データに、質量データを割り当てることにより、収穫高データ16を計算する。
【0053】
収穫物12の流れに、測定領域6内でレーザ装置により2つのライン26,28に沿ってレーザ光が照射される(図5を参照)。ライン26,28は、搬送要素8の高さにおいて平行であり、水平方向10に、かつ搬送方向10に対して直角の横方向32で真っ直ぐに延びている。光学センサ4は、レーザ装置の、流れによって散乱かつ反射された光を取得する。図5では、符号26,28のラインは、それぞれ左側に配置された畑作物22と、右側に配置された混入物24とに当たり、畑作物22と混入物24とは光を互いに異なるように散乱かつ反射させる。
【0054】
調節信号18によって調節される分離装置20は、複数の分離要素を含んでいる。これらの分離要素は、搬送方向10に見て相並んで配置されたエジェクタ要素30として形成されている。これらの分離要素は、流れに沿って測定領域の下流側に配置されている。図6に示した位置から左側に向かったエジェクタ要素30の旋回を意味する、複数のエジェクタ要素30のうちの1つのエジェクタ要素の作動は、横方向32に関する収穫物12の識別された分離すべき構成部分の位置に依存する。
【0055】
さらに調節信号に依存して、分離装置20に含まれる分離エッジ34を形成する別の分離要素の位置が調節される。この分離エッジ34は、調節信号18に応じて、無傷の畑作物22が、エジェクタ要素30の非作動時には分離エッジ34の右側に着地し、混入物24がエジェクタ要素30によって変向されて、これらの混入物24が分離エッジ34の左側に着地するように、水平方向で移動させられる。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
【国際調査報告】