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特表2024-509305回転可能な撮像アレイを伴う使い捨て可能カテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】回転可能な撮像アレイを伴う使い捨て可能カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240221BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555450
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 IB2022000101
(87)【国際公開番号】W WO2022189853
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/158,604
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523343813
【氏名又は名称】ワンプロジェクツ デザイン アンド イノベーション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヘナーシュペルガー, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ラハート, フィオン
(72)【発明者】
【氏名】ヘネガン, ポール
(72)【発明者】
【氏名】レスティヴォ, コートニー
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601BB14
4C601BB16
4C601BB24
4C601DD14
4C601EE04
4C601FE04
4C601FF16
4C601GA14
4C601GB03
4C601GC02
4C601GC24
(57)【要約】
本発明は、その遠位部分に提供され、血管内組織の360度の可視化を提供するための全円周方向の3次元(3D)超音波撮像を可能にする、回転可能なトランスデューサアレイを含む、独自に構成された撮像アセンブリを有する、使い捨て可能カテーテルの形態にある、撮像デバイスに関する。撮像アセンブリは、外側スリーブ内に封入され、流体内に完全に包まれる、回転可能なトランスデューサユニットを含む。特に、外側スリーブは、間隙がトランスデューサユニットと外側スリーブの内部表面との間に画定されるような様式において、回転可能なトランスデューサユニットにわたって位置付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像カテーテルであって、
前記カテーテルの遠位部分に提供される撮像アセンブリであって、前記撮像アセンブリは、トランスデューサユニットを備える、撮像アセンブリと、
前記撮像アセンブリにわたって位置付けられる外側スリーブであって、前記外側スリーブは、ある体積の流体が間隙内に受容可能であるように、間隙が前記撮像アセンブリと外側スリーブの内部表面との間に画定される様式において、前記撮像アセンブリを封入する、外側スリーブと、
前記外側スリーブと動作可能に関連付けられる少なくとも1つの注入ポートおよび少なくとも1つの排出弁であって、前記注入ポートは、前記間隙の中への前記体積の流体の導入のために構成され、前記排出弁は、少なくともある体積の受容された流体が前記間隙から排出されることを可能にするように構成される、少なくとも1つの注入ポートおよび少なくとも1つの排出弁と
を備える、撮像カテーテル。
【請求項2】
前記注入ポートおよび排出弁のうちの一方が、前記撮像アセンブリに対して近位位置に提供され、他方が、前記撮像アセンブリに対して遠位位置に提供される、請求項1に記載の撮像カテーテル。
【請求項3】
前記注入ポートは、前記撮像アセンブリに対して近位位置に提供され、前記排出弁は、前記撮像アセンブリに対して遠位位置に提供される、請求項2に記載の撮像カテーテル。
【請求項4】
前記注入ポートは、前記撮像アセンブリに対して遠位位置に提供され、前記排出弁は、前記撮像アセンブリに対して近位位置に提供される、請求項2に記載の撮像カテーテル。
【請求項5】
前記注入ポートおよび排出弁のうちの少なくとも一方が、前記撮像カテーテルの他の部分上に提供される、請求項2に記載の撮像カテーテル。
【請求項6】
前記体積の流体は、前記間隙を完全に充填する、請求項1に記載の撮像カテーテル。
【請求項7】
前記流体は、トランスデューサユニットと囲繞組織との間で音響信号を搬送し、少なくとも部分的に音響信号に基づいて囲繞組織の全円周方向の360度ビューの後続の発生を可能にするための音響結合流体を含む、請求項1に記載の撮像カテーテル。
【請求項8】
前記トランスデューサユニットは、完全に回転可能である、請求項7に記載の撮像カテーテル。
【請求項9】
前記トランスデューサユニットは、シェル内に包まれる1つまたはそれを上回る音響トランスデューサを備える、請求項1に記載の撮像カテーテル。
【請求項10】
前記シェルは、高い機械的安定性を備える材料を含む、請求項9に記載の撮像カテーテル。
【請求項11】
前記1つまたはそれを上回る音響トランスデューサは、前記シェルの撮像窓と整合される、請求項9に記載の撮像カテーテル。
【請求項12】
前記シェルは、外部環境からシールされ、それによって、流体の前記シェルの内部への流入および前記1つまたはそれを上回る音響トランスデューサとの接触を防止する、請求項9に記載の撮像カテーテル。
【請求項13】
前記外側スリーブは、その長さに沿った1つまたはそれを上回る部分を備え、各部分は、異なる機械的性質を呈する材料を含む、請求項1に記載の撮像カテーテル。
【請求項14】
前記外側スリーブの主本体は、第1の材料を含み、前記外側スリーブの遠位先端を画定する遠位先端部材は、第2の材料を含み、前記第1の材料は、比較的に高いデュロメータのエラストマ材料を含み、前記第2の材料は、比較的に低いデュロメータのエラストマ材料を含む、請求項13に記載の撮像カテーテル。
【請求項15】
撮像カテーテルであって、
前記カテーテルの遠位部分に提供される撮像アセンブリであって、前記撮像アセンブリは、トランスデューサユニットを備える、撮像アセンブリと、
前記撮像アセンブリを包む外側スリーブと、
前記撮像アセンブリを包む前記外側スリーブの内部内に提供される流体と
を備える、撮像カテーテル。
【請求項16】
前記トランスデューサユニットは、シェル内に包まれる1つまたはそれを上回る音響トランスデューサを備える、請求項15に記載の撮像カテーテル。
【請求項17】
前記シェルは、高い機械的安定性を備える材料を含む、請求項16に記載の撮像カテーテル。
【請求項18】
前記金属材料は、ステンレス鋼材料を含む、請求項17に記載の撮像カテーテル。
【請求項19】
前記1つまたはそれを上回る音響トランスデューサは、前記シェルの撮像窓と整合される、請求項16に記載の撮像カテーテル。
【請求項20】
前記シェルは、外部環境からシールされ、それによって、流体の前記シェルの内部への流入および前記1つまたはそれを上回る音響トランスデューサとの接触を防止する、請求項16に記載の撮像カテーテル。
【請求項21】
前記外側スリーブの遠位部分に接合され、それによって、前記流体を前記外側スリーブの内部内にシールする遠位先端をさらに備える、請求項15に記載の撮像カテーテル。
【請求項22】
前記遠位先端は、排出弁および注入ポートのうちの少なくとも一方を備え、それらのうちの少なくとも一方の動作が、前記外側スリーブの内部からの少なくとも空気の除去を促進する、請求項21に記載の撮像カテーテル。
【請求項23】
前記外側スリーブは、第1の材料を含み、前記遠位先端は、第2の材料を含み、前記第1の材料は、比較的に高いデュロメータのエラストマ材料を含み、前記第2の材料は、比較的に低いデュロメータのエラストマ材料を含む、請求項21に記載の撮像カテーテル。
【請求項24】
前記流体は、トランスデューサユニットと囲繞組織との間で音響信号を搬送し、少なくとも部分的に音響信号に基づいて囲繞組織の全円周方向の360度ビューの後続の発生を可能にするための音響結合流体を含む、請求項15に記載の撮像カテーテル。
【請求項25】
前記トランスデューサユニットは、完全に回転可能である、請求項24に記載の撮像カテーテル。
【請求項26】
撮像カテーテルであって、前記撮像カテーテルは、接続アセンブリを用いて前記カテーテルの遠位部分に結合される撮像アセンブリを備え、前記接続アセンブリは、前記カテーテルの遠位部分と前記撮像アセンブリとの間にシール係合を提供し、さらに、前記撮像アセンブリの1つまたはそれを上回る構成要素の完全回転を可能にする、撮像カテーテル。
【請求項27】
前記撮像アセンブリは、外側スリーブ内に位置付けられ、前記外側スリーブの内部内に提供される流体によって囲繞される完全に回転可能なトランスデューサユニットを備える、請求項26に記載の撮像カテーテル。
【請求項28】
前記回転可能なトランスデューサユニットは、シェル内に包まれる1つまたはそれを上回る音響トランスデューサを備える、請求項27に記載の撮像カテーテル。
【請求項29】
前記シェルは、外部環境からシールされ、それによって、流体の前記シェルの内部への流入および前記1つまたはそれを上回る音響トランスデューサとの接触を防止する、請求項28に記載の撮像カテーテル。
【請求項30】
前記外側スリーブの遠位部分に接合され、それによって、前記外側スリーブの内部内に前記流体をシールする遠位先端をさらに備える、請求項27に記載の撮像カテーテル。
【請求項31】
前記接続アセンブリは、前記トランスデューサユニットと動作可能に関連付けられ、それによって、その動作に応じて前記トランスデューサユニットの回転を引き起こすトルクシャフトを備える、請求項27に記載の撮像カテーテル。
【請求項32】
前記接続アセンブリはさらに、少なくとも前記外側スリーブの近位端が接合され、それによって、前記外側スリーブの内部内に前記流体をシールする1つまたはそれを上回る接続部材を備える、請求項31に記載の撮像カテーテル。
【請求項33】
前記トルクシャフトは、前記トランスデューサユニット上にトルク力を伝達し、その回転を引き起こすための可撓性管を備える、請求項31に記載の撮像カテーテル。
【請求項34】
前記接続アセンブリは、少なくとも部分的に前記信号に基づいて囲繞組織の全円周方向の360度ビューの後続の発生のために、前記トランスデューサユニットに信号を搬送し、前記トランスデューサユニットから信号を搬送するための1つまたはそれを上回るワイヤを含むケーブルアセンブリを備える、請求項27に記載の撮像カテーテル。
【請求項35】
前記ケーブルアセンブリは、ワイヤのツイストペア、同軸ケーブル、およびフレキシブルプリント回路ケーブルのうちの少なくとも1つを備え、そのそれぞれが、ワイヤの近位相互接続部分と、ワイヤの遠位相互接続部分とを備える、請求項34に記載の撮像カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年3月9日に出願された米国仮出願第63/158,604号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本発明は、概して、血管内組織の可視化および特性評価に関する。より具体的には、本発明は、その遠位部分に提供され、血管内組織の360度の可視化を提供するための全円周方向の3次元(3D)超音波撮像を可能にする、回転可能なトランスデューサアレイを含む、独自に構成された撮像アセンブリを有する、使い捨て可能カテーテルの形態にある、撮像デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
新しい医療技術および機器の開発は、心血管疾患の診断および治療のために医師にとって利用可能なますます多くの選択肢を提供している。例えば、超音波撮像技術は、医師が血管系内に挿入された1つまたはそれを上回るセンサによって発生される様々な画像を生成し、閲覧することを可能にしている。
【0004】
採用されている1つの超音波撮像技術は、血管内超音波(IVUS)である。IVUS撮像システムでは、超音波トランスデューサアセンブリが、カテーテルの遠位端に取り付けられる。IVUSカテーテルは、患者の身体を通して、通常、ガイドワイヤにわたって、冠状動脈内等の着目エリアに慎重に誘導される。トランスデューサアセンブリは、超音波を伝送し、それらの波からエコーを受信する。受信されたエコーは、次いで、電気信号に転換され、例えば、着目エリアの画像が表示され得る、処理機器に伝送される。心臓内超音波検査(ICE)手技のためには、撮像カテーテルが、IVUSカテーテルと同様に構成されるが、より大きい脈管内で使用され、専用の偏向/操向機構を使用して自由にナビゲートされることに留意されたい。
【0005】
現在の撮像カテーテルは、様々な異なる超音波構成を利用する。いくつかのカテーテルは、カテーテルの遠位端における側面発射要素またはアレイを利用し、アレイは、カテーテルの縦軸を中心として回転される。他のカテーテルは、カテーテルの縦軸の周囲に円周方向に配列される、トランスデューサ要素のアレイを含む。さらに依然として、他のカテーテルは、カテーテル本体の縦軸に沿って配列される、トランスデューサ要素の線形アレイを含む。
【0006】
そのような設計は、ある形態の超音波撮像を提供するが、これらの設計は、欠点を被る。特に、体内領域を可視化するように構成される、典型的超音波システムでは、動的力が、多くの場合、採用され、経時的に身体領域の動的移動をもたらす。これらの動的力および移動が、構造の撮像がリアルタイムで可能にされ得ない(例えば、>20Hz)場合に、内部撮像デバイスを安定化させ、一貫した正確な画像を発生させることを困難にする。結果として、捕捉された画像は、多くの場合、適切な治療または療法を処方するために要求される必要な品質を欠いており、内部リアルタイム撮像が、それぞれ、狭い2次元エリアまたは3次元体積領域に限定される。さらに、従来の超音波カテーテルは、組織および解剖学的構造が間隔を変更する、またはさらに画像入手要素に接触し、画像を分析することを困難にする傾向にあるような方法において構成される。さらに依然として、いくつかの設計は、空隙特徴を組み込み、これは、空隙が、特に、音響結合目的のために不都合であるため、カテーテルの撮像能力全体に対して有害であり得る。ひいては、現在の撮像カテーテルは、血管系内に一貫した正確な画像を発生させるための能力を欠き得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、概して、撮像カテーテルの遠位先端を画定する、その遠位部分に提供される、独自に構成された撮像アセンブリを含む、使い捨て可能撮像カテーテルを提供する。撮像アセンブリは、外側スリーブ内に封入され、流体内に完全に包まれる、回転可能なトランスデューサユニットを含む。特に、外側スリーブは、間隙がトランスデューサユニットと外側スリーブの内部表面との間に画定されるような様式において、回転可能なトランスデューサユニットにわたって位置付けられる。ある体積の流体が、間隙内に受容され、それを完全に充填する。流体は、回転可能なトランスデューサユニットと血管内流体および/または組織等の囲繞流体および/または組織との間で音響信号を搬送するための、音響結合流体である。外側スリーブは、超音波透過性材料を含み、それによって、トランスデューサユニットと囲繞流体/組織との間の音響信号の通過を可能にしながら、撮像手技の間に血管系内のいかなる回転成分も回避する。超音波透過性材料は、最小限のエネルギー損失および収差および/または偏向を伴って音響信号の通過を可能にする。さらに、外側スリーブは、超音波透過性材料が囲繞流体および/または組織に伝送されるべき音響信号のインピーダンスに合致する、最外合致層として作用してもよい。故に、そのような設計は、囲繞組織の全円周方向の360度ビューの後続の発生を可能にしながら、伝送を最大限化し、音響結合流体を介した、撮像アセンブリから超音波透過性スリーブを通した信号伝送を最大限化することに起因する、品質の損失および増加されたアーチファクトを最小限化する。
【0008】
撮像アセンブリは、多層方式において構築される。特に、1つまたはそれを上回る音響トランスデューサを含む、回転可能なトランスデューサユニットはさらに、その中に1つまたはそれを上回る音響トランスデューサを包む、シェル部材を含む。シェル部材は、高い機械的安定性と、硬さとを有する材料から成り、内部トランスデューサおよび電子的接続のための十分な保護を提供し、さらに、その回転の間に同心性のための最適な負荷平衡化を提供する。1つまたはそれを上回る音響トランスデューサが、シェル部材上に提供される、撮像窓と整合される。撮像窓は、音響結合流体、超音波透過性外側スリーブ、および囲繞環境(すなわち、体液、血管内組織等)を考慮することによって音響信号の最適な伝送を可能にする、ある寸法(例えば、具体的な厚さまたは厚さの範囲等)および具体的な材料性質を含む。シェル部材および関連付けられる撮像窓は、外部環境からシールされ、それによって、流体の外側シェルの内部の中への流入を防止し、音響トランスデューサとの後続の流体接触を防止する。
【0009】
トランスデューサユニットは、間隙がトランスデューサユニットの外部(すなわち、シェル部材の外部表面)と外側スリーブの内部表面との間に画定されるように、外側スリーブの内部内に位置付けられる。音響結合流体が、トランスデューサユニットが流体内に完全に包まれ、トランスデューサユニットが外側スリーブ内にシールされ、流体の流入および/または流出を防止するように、間隙内に提供される。いくつかの実施形態では、撮像アセンブリは、撮像カテーテルが即時の使用の準備ができるように、音響結合流体で予め装填されてもよい。他の実施形態では、音響結合流体は、現場で手技の直前に撮像アセンブリの中に装填されてもよい。
【0010】
例えば、いくつかの実施形態では、撮像カテーテルは、外側スリーブと動作可能に関連付けられる、少なくとも1つの注入ポートと、少なくとも1つの排出弁とを含んでもよい。故に、製造の時点または手技室内の現場でのいずれかにおいて、注入ポートは、音響結合流体での撮像アセンブリの充填を可能にし、排出弁は、充填プロセスの間のアセンブリからの任意の余剰流体または空気泡の排出を可能にし、それによって、間隙が、空気を含まないことを確実にする(これは、そうでなければ、音響信号伝送への歪曲および干渉を引き起こし得る)。
【0011】
いくつかの実施形態では、注入ポートおよび排出弁は両方とも、それぞれ、外側スリーブの具体的部分に位置付けられてもよい。例えば、一実施形態では、注入ポートは、外側スリーブの近位部分に提供され得る一方、排出弁は、外側スリーブの遠位先端等の遠位部分に提供される。代替実施形態では、注入ポートは、遠位先端に提供されてもよく、排出弁は、近位部分に提供されてもよい。さらに依然として、他の実施形態では、注入ポートおよび排出弁のいずれかが、撮像カテーテルの他の部分に提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、注入ポートおよび排出弁のいずれかまたは両方が、撮像アセンブリが結合される、撮像カテーテルのカテーテル取っ手または伸長シャフトに隣接して提供されてもよい。故に、流体経路は、概して、注入ポート、排出弁、および撮像アセンブリを接続し得る。したがって、流体経路は、流体が撮像アセンブリの外側スリーブ内に画定される間隙に、およびそこから提供され得るように、カテーテル取っ手から伸長カテーテルシャフトを通して撮像アセンブリまで延在してもよい。
【0012】
トランスデューサユニットは、外側スリーブ内にシールされ、音響結合流体内に完全に包まれると、完全に回転可能であり、それによって、手技の間の囲繞組織の全円周方向の360度ビューを可能にしてもよい。特に、独自の接続アセンブリが、撮像アセンブリと撮像カテーテルの遠位部分との間のインターフェースに提供される。
【0013】
いくつかの実施形態では、接続アセンブリは、トランスデューサユニットの一部に結合される、トルクシャフトを含む。例えば、一実施形態では、トランスデューサユニットの近位端が、撮像カテーテルから延在する、トルクシャフトの遠位端に直接結合される。トルクシャフトは、その中に画定される、1つまたはそれを上回るスロットまたは溝を含む、遠位端を含んでもよく、トランスデューサユニット、具体的には、シェル部材は、トルクシャフトの遠位端の1つまたはそれを上回るスロットまたは溝内に受容されるように成形および/または定寸される、(例えば、突出部または同等物の形態にある)1つまたはそれを上回る対応する接続部材を含んでもよい。トルクシャフトの遠位端とトランスデューサユニットのシェル部材との間の接続に応じて、トルクシャフトの動作が、トランスデューサユニットに伝達させるべき回転力をもたらし、それによって、その対応する回転を引き起こす。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る整合リングが、撮像アセンブリ(すなわち、トランスデューサユニットおよび外側スリーブ)と撮像カテーテルの遠位部分(すなわち、トルクシャフトおよびカテーテル本体)との間のインターフェースに提供されてもよい。整合リングは、トルクシャフトを用いたトランスデューサユニットの平滑かつ同心の回転を確実にしながら、撮像アセンブリが撮像カテーテルの遠位部分にシールされ得る、接合領域を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態では、撮像アセンブリは、概して、撮像アセンブリのより近位端に提供される、第1の軸受と、概して、撮像アセンブリのより遠位端に提供される、第2の軸受とを含む、1つまたはそれを上回る軸受を含んでもよい。少なくともトランスデューサユニットの回転を補助することに加えて、第1および第2の軸受はまた、外側スリーブ内に間隙(すなわち、トランスデューサユニットと外側スリーブの内部表面との間に画定される、間隙)を生成し、(回転するかどうかにかかわらず)外側スリーブまでの均一な距離を維持する役割も果たし得る。そのような実施形態では、第1および第2の軸受は、軸受の回転が、シェル部材、したがって、その中の音響トランスデューサの回転をもたらすように、トランスデューサユニットのシェル部材に結合されてもよい。故に、いくつかの実施形態では、少なくとも第1の軸受は、トルクシャフトの遠位端に直接結合されてもよい。
【0015】
トルクシャフトは、単層構築物または多層構築物を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、トルク管は、その近位端から遠位端までのトルクの十分かつ安定した伝達を提供しながら、患者の血管系と関連付けられる蛇行性の解剖学的構造を通したナビゲーションのために十分な可撓性を維持するように構成される、螺旋状の撚線ケーブルアセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、トルクシャフトは、例えば、レーザ切断されたハイポチューブを含んでもよい。トルクシャフトは、金属材料またはポリマーから作製されてもよく、さらに、編組またはコイル状の構築物等の補強シャフトを含んでもよい。さらに依然として、トルクシャフトは、変動されたピッチおよび/または切断パターンが、異なる機械的性質を提供するように、異なる構築物設計に基づく異なる性質を有してもよい。トルクシャフトが、その長さに沿って、組成、性質、材料、および/または直径が変動し得ることにさらに留意されたい。
【0016】
トルクシャフトはさらに、シャフト内の、その外側の、またはその中に埋設された、1つまたはそれを上回るケーブルアセンブリを格納するように構成される。ケーブルアセンブリは、少なくとも部分的に、音響トランスデューサから受信された信号に基づいて囲繞組織の全円周方向の360度ビューの後続の発生のために、1つまたはそれを上回る音響トランスデューサと超音波撮像システム(すなわち、コンソール、コントローラ等)との間で通信し、データを伝送するように構成されてもよい。ケーブルアセンブリはさらに、センサ(例えば、位置特定および/または追跡センサ)および/またはエネルギー送達要素(例えば、アブレーション要素)等の、撮像アセンブリの中に統合される、付加的構成要素に結合されてもよい。ケーブルアセンブリは、回転可能な電気コネクタを用いて、音響トランスデューサおよび任意の付加的構成要素(例えば、センサまたはエネルギー送達要素)に結合されてもよい。
【0017】
撮像カテーテルの遠位部分はさらに、撮像アセンブリが取り付けられる、操向可能区画を含んでもよい。操向可能区画は、カテーテル本体内に提供され、その長さに沿って(制御機構に結合される)カテーテル本体の近位端から遠位端まで延在する、1つまたはそれを上回る引動ワイヤを含む。1つまたはそれを上回る引動ワイヤの遠位端が、撮像アセンブリの近位部分に直接結合される、引動リング部材に結合される。1つまたはそれを上回る引動ワイヤの近位端上への引動力の印加が、引動リングの対応する移動をもたらし、それによって、撮像アセンブリの面外移動をもたらす。操向可能区画は、撮像アセンブリの所望の移動を提供するように、任意の数の引動ワイヤを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、操向可能区画は、双方向(単一平面)操向を可能にする、少なくとも一対の引動ワイヤを含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、撮像アセンブリを含むことに加えて、カテーテルはさらに、関連付けられる能力を提供する、付加的構成要素を含んでもよい。例えば、カテーテルの一部が、センサ(例えば、位置特定および/または追跡センサ)および/またはエネルギー送達要素(例えば、アブレーション要素)を含んでもよい。一実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサが、静的である(すなわち、トランスデューサユニットに対応して回転しない)カテーテルまたは撮像アセンブリの部分に提供されてもよい。さらに依然として、他の実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサが、撮像アセンブリ上に提供される、具体的には、1つまたはそれを上回るセンサが、それらがトランスデューサユニットの回転に応じて回転し得るという点において動的であり得るように、トランスデューサユニットの一部またはそれと関連付けられる部分上に提供されてもよい。1つまたはそれを上回るセンサは、例えば、位置特定および追跡感知、温度感知、または類似の感知能力を含んでもよい。故に、撮像カテーテルはさらに、カテーテル本体内に提供され、その長さに沿って(制御システムに結合される)近位端から遠位に位置付けられるセンサまで延在する、ケーブル接続を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1Aおよび1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、撮像アセンブリを装備する撮像カテーテルを使用して血管内組織の可視化および特性評価を提供するための超音波システムの図式的な図である。
【0020】
図2図2は、本開示に一貫する、撮像カテーテルの斜視図である。
【0021】
図3図3は、撮像カテーテルの遠位部分に提供される、撮像アセンブリの拡大斜視図である。
【0022】
図4図4は、本開示に一貫する、撮像アセンブリの(部分的に想像線における、かつ部分的に断面における)拡大斜視図である。
【0023】
図5図5は、撮像アセンブリの他の構成要素から取り外された、トランスデューサユニットの斜視図である。
【0024】
図6図6は、シェル部材から分離された撮像窓を図示する、トランスデューサユニットの分解斜視図である。
【0025】
図7図7は、本開示に一貫する、撮像アセンブリの側面断面図である。
【0026】
図8図8は、撮像アセンブリを撮像カテーテル本体の遠位部分に結合させるための接続アセンブリの一部を図示する、撮像カテーテルの遠位部分の斜視図である。
【0027】
図9図9は、トルクシャフトコレットを用いたトランスデューサユニットとトルクシャフトの結合を図示する、斜視図である。
【0028】
図10図10は、トランスデューサユニットにわたって完全に位置付けられ、接続アセンブリを用いて撮像カテーテルの遠位部分に結合される、外側スリーブを図示する、斜視図である。
【0029】
図11図11は、外側スリーブ内に完全に位置付けられる、トランスデューサユニットを図示する、部分的に想像線における、斜視図である。
【0030】
図12図12は、接続アセンブリを介してトルクシャフトおよび撮像カテーテルの遠位部分に動作可能に結合される、撮像アセンブリを図示する、部分的に想像線における、側面図である。
【0031】
図13図13は、接続アセンブリを介してトルクシャフトおよび撮像カテーテルの遠位部分に動作可能に結合される、撮像アセンブリを図示する、部分的に断面における、側面図である。
【0032】
図14図14は、接続アセンブリを介してトルクシャフトおよび撮像カテーテルの遠位部分に動作可能に結合される、撮像アセンブリを図示する、部分的に断面における、拡大斜視図である。
【0033】
図15図15は、その一部内への引動ワイヤの位置付けを図示する、撮像カテーテルの外側シャフトの斜視断面図である。
【0034】
図16図16は、多管腔押出プロセスを介して構築される、撮像カテーテルの外側シャフトの一実施形態の側面断面図である。
【0035】
図17図17は、複合編組構築物を有する、撮像カテーテルの外側シャフトの別の実施形態の側面断面図である。
【0036】
図18図18は、近位軸受アセンブリと、遠位軸受アセンブリとの含有を図示する、本開示に一貫し、撮像カテーテルのトルクシャフトに結合される、撮像アセンブリの別の実施形態の(部分的に想像線における)斜視図である。
【0037】
図19図19は、トランスデューサユニットをより詳細に図示する、図18の撮像アセンブリの(部分的に断面における)拡大斜視図である。
【0038】
図20図20は、トルクシャフトをより詳細に図示する、撮像カテーテルシャフトの遠位部分の(部分的に断面における)拡大斜視図である。
【0039】
図21図21、22、23、および24は、撮像窓材料のタイプに基づく、撮像窓周波数伝送計算を図示する、グラフである。
図22図21、22、23、および24は、撮像窓材料のタイプに基づく、撮像窓周波数伝送計算を図示する、グラフである。
図23図21、22、23、および24は、撮像窓材料のタイプに基づく、撮像窓周波数伝送計算を図示する、グラフである。
図24図21、22、23、および24は、撮像窓材料のタイプに基づく、撮像窓周波数伝送計算を図示する、グラフである。
【0040】
図25図25は、検査される材料および種々の伝送計算の概要を提供する、チャートである。
【0041】
図26図26は、具体的な周波数における種々の材料に関する光学窓厚を図示する、グラフである。
【0042】
図27図27および28は、それぞれ、種々の材料に関する、一方向伝送のための計算された臨界角と、最小周波数とを図示する、グラフである。
図28図27および28は、それぞれ、種々の材料に関する、一方向伝送のための計算された臨界角と、最小周波数とを図示する、グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
詳細な説明
大要として、本明細書に説明される本発明は、血管系内での低侵襲性手技における使用のための撮像システムを対象とする。撮像システムは、血管内組織の360度の可視化を提供するために、その遠位部分に提供され、全円周方向の3D超音波撮像を可能にする、回転可能なトランスデューサアレイを含む、独自に構成された撮像アセンブリを有する、使い捨て可能カテーテルの形態における、撮像デバイスを含む。撮像カテーテルは、撮像アセンブリを用いて、血管内組織の非常に正確であり、かつ信頼性がある、リアルタイムの可視化および特性評価を提供する。
【0044】
撮像デバイスは、特に、血管系と関連付けられる問題の治療を補助するために、血管内組織のリアルタイムの監視のために有用であり得る。特に、撮像デバイスは、心房細動(AF)および他の心臓障害の治療および血管内手技において有用である。故に、本発明の撮像デバイスは、心臓内超音波検査(ICE)手技のために有用であり得る。AFは、心拍動の規則的律動を阻害する、心臓の心房腔内で生じる電気信号によって引き起こされる、不規則的心拍である。AFは、これらの電気信号の起点を隔離し、起点の場所を囲繞し、電気インパルスを伝導する、細胞のアブレーションによって、それらの伝送を限定することによって治療される。現在のカテーテルベースの可視化および監視システムは、組織の厚さを通した完全なアブレーション(経壁アブレーション)を識別し、伝導性通路の再確立を防止することにおいて部分的に効果的であるにすぎない。結果として、それらは、部分的または一時的電気ブロックと恒久的電気ブロックを区別するための十分な解決策を提供しない。AFは、世界人口の1%を超えた人々に影響を及ぼす。人口が、年齢を重ねるにつれて、AFの確率は、増加する。今日では、AFの発症率は、世界的に、3千3百万人を超え、ますます増加している。治療された患者の全てのうち、約53%のみが、最初のアブレーション手技の後に軽快し、本数は、複数回の手技の後に約80%まで増加し得る。治療のための高度なシステムおよび本監視方法を用いても、手技の監視および制御の本欠如が、多くのものを治療の有効性を確立するために所望されたままにしている。
【0045】
本発明の撮像デバイスは、外科医に、経時的に血管系を走査し、表面の画像、組織深度の特性評価、および組織の状態または剛性等の具体的な組織特性の抽出を可能にする、データを発生させ、捕捉することが可能である、血管系の高分解能撮像を提供する。故に、撮像デバイスは、血管系の問題の治療を監視し、制御するために有用である。例えば、AF治療手技の間に、撮像デバイスは、標的部位の高度な超音波撮像を提供し、そのような高度な撮像は、外科医に標的部位のリアルタイムの監視を提供し、外科医が、所望の通路に沿ったアブレーションの深度を含む、意図される組織のアブレーション等の所与の手技の完全性を決定することを可能にする。このように、外科医は、適切な治療が提供されていることを確実にするように、手技をリアルタイムで補正することができる。
【0046】
以下の説明は、AF治療手技の間の血管系の監視のための本発明の撮像システムの使用に焦点を当てているが、システムが、心臓手技以外の分野においても使用および適用され得るため、本発明の撮像システムが、心室頻脈および腎動脈の除神経におけるような、一般的な病変監視のためにも直接採用され得ることに留意されたい。
【0047】
図1Aおよび1Bは、患者12内の血管系の可視化および特性評価を提供するための超音波システム100の図式的な図である。システム100は、概して、撮像アセンブリ104を装備する、撮像カテーテル102と、撮像カテーテル102が接続されるべきである、超音波コンソール106とを含む。図2は、撮像カテーテル102の斜視図である。カテーテル102は、近位部分と、遠位部分とを含む、カテーテル本体108を含む。撮像アセンブリ104は、概して、撮像カテーテルの遠位先端を画定する、遠位部分に提供される。取っ手110が、カテーテル本体108と動作可能に関連付けられ、オペレータ(すなわち、外科医または他の医療従事者)が撮像アセンブリ104およびカテーテル本体108を操作し、患者の血管系内の所望の標的部位まで前進させることを可能にする。取っ手110は、本明細書により詳細に説明されるであろうように、撮像アセンブリ104の種々の特徴および機能を制御するための、ユーザによって動作可能な入力部を含んでもよい。インターフェース部材112が、カテーテル本体108の遠位部分に提供される。インターフェース部材112は、概して、撮像アセンブリ104と、取っ手110とを含む、撮像カテーテル102と、それらの間の信号の伝送のための、コンソール106との間に接続を提供する。接続は、例えば、有線接続および無線接続のうちの少なくとも一方を含み得る。
【0048】
本明細書により詳細に説明されるであろうように、撮像アセンブリ104は、概して、手技の間に、囲繞血管内組織に超音波パルスを伝送し、そこから超音波パルスのエコーを受信するように構成される、超音波トランスデューサアレイから成る、完全に回転可能なトランスデューサユニットを含んでもよい。そのような超音波伝送は、コンソール106によって受信され、続いて、囲繞血管内組織の可視化および特性評価を提供する、1つまたはそれを上回る画像に再構築される、画像データの集合物をもたらす。特に、コンソール106は、撮像アセンブリ104から受信される画像データを利用し、血管内組織の全円周方向の360度の可視化を提供する、1つまたはそれを上回る画像を再構築してもよい。コンソール106は、画像を再構築し、続いて、ディスプレイを介して、オペレータに、血管内組織の可視化を描写する、再構築された画像(2、3、または4次元画像)を、出力するために、ある撮像プロトコルおよびアルゴリズムを利用して、受信された画像データを処理してもよい。撮像アセンブリ104から受信された画像データに基づく画像の再構築を提供することに加えて、コンソール106はさらに、撮像アセンブリ104からの超音波パルスの放出(強度、周波数、持続時間等)の制御、および超音波トランスデューサユニットの移動の制御(すなわち、回転の速度および持続時間を含む、回転を制御するステップ)を含め、撮像アセンブリ104の制御を提供してもよい。例えば、コンソール106は、Hennersperger et al.の国際PCT出願第PCT/IB2019/000963号(第WO 2020/044117号として公開済)(その内容は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるような、画像再構成および撮像アセンブリ制御を提供するための、あるハードウェアおよびソフトウェアを装備してもよい。
【0049】
図3は、撮像カテーテル本体108の遠位部分に提供される、撮像アセンブリ104の拡大斜視図である。図4は、内部構成要素をより詳細に図示する、撮像アセンブリ104の(部分的に想像線における、かつ部分的に断面における)拡大斜視図である。撮像アセンブリ104は、概して、撮像部分(すなわち、超音波パルスの囲繞組織への伝送およびそれからの受信のために構成される部分)と、撮像部分の移動(例えば、面外移動)を可能にする、操向可能部分(すなわち、操向可能区画118)とを含んでもよい。撮像部分は、外側スリーブ114内に封入される、完全に回転可能なトランスデューサユニット120を含む。特に、外側スリーブ114は、間隙が、トランスデューサユニット120と外側スリーブ114の内部表面との間に画定されるような様式において、回転可能なトランスデューサユニット120にわたって位置付けられる。ある体積の流体が、間隙内に受容され、それを完全に充填する。遠位先端116が、外側スリーブ114の遠位部分に接合され、それによって、外側スリーブ114の内部内に流体の内部体積をシールし、トランスデューサユニット120を囲繞する流体を維持する。流体は、回転可能なトランスデューサユニット120と囲繞組織との間で音響信号を搬送するための音響結合流体である。例えば、流体は、水を含んでもよい。
【0050】
本明細書により詳細に説明されるであろうように、撮像カテーテル102は、撮像アセンブリ104と動作可能に関連付けられる、少なくとも1つの注入ポートと、少なくとも1つの排出弁とを含んでもよい。故に、製造の時点または手技室内の現場でのいずれかにおいて、注入ポートは、音響結合流体での撮像アセンブリ104の充填を可能にし、排出弁は、充填プロセスの間のアセンブリ104からの任意の余剰流体または空気泡の排出を可能にし、それによって、外側スリーブ114の内部とトランスデューサユニット120との間に画定される間隙が、空気を含まないことを確実にする(これは、そうでなければ、音響信号伝送への歪曲および干渉を引き起こし得る)。
【0051】
外側スリーブ114は、超音波透過性性質を呈する材料(すなわち、波の一部の反射に起因する、エコーの生産を伴うことなく、超音波の通過を可能にする材料)を含んでもよい。そのような材料は、限定ではないが、TPX、ペバックス、または同等物を含み得る。そのような超音波透過性性質を呈する材料の完全なリストが、図26-28に含まれる。故に、外側スリーブ114は、トランスデューサユニット120と囲繞組織との間の超音波信号の通過を可能にしながら、撮像手技の間の血管系内のいかなる回転成分も回避する。そのような設計は、囲繞組織の全円周方向の360度ビューの後続の発生を可能にしながら、伝送を最大限化し、音響結合流体を介した、トランスデューサユニット120から超音波透過性外側スリーブ114を通した信号伝送を最大限化することに起因する、品質の損失および増加されたアーチファクトを最小限化する。
【0052】
外側スリーブ114に関する具体的寸法(すなわち、厚さ)および具体的材料が、撮像アセンブリ104の所望の性能特性に基づいて選択される。特に、外側スリーブ114は、超音波の最適な伝送を達成しながら、機械的制約および音響的制約の平衡を維持するように具体的な厚さを有する、ある超音波透過性材料を含んでもよい。例えば、トランスデューサユニット120からのビーム操向性能は、部分的に、具体的な超音波透過性材料およびそのような材料の厚さに依存する。故に、外側スリーブ114の最適な厚さは、使用されるべき具体的な超音波透過性材料およびそれを通して伝搬する関連付けられる周波数に基づいて選択されてもよい。
【0053】
外側スリーブ114および遠位先端116が、可撓性および同等物に関する具体的性質を呈する、ある材料を含み得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、外側スリーブ114は、第1の材料を含んでもよく、遠位先端116は、第2の材料を含んでもよく、第1および第2の材料はそれぞれ、(デュロメータの観点から測定されるような)異なる硬度を呈する。例えば、(それから外側スリーブが構築される)第1の材料は、比較的に高いデュロメータのエラストマ材料を含んでもよく、(それから遠位先端が構築される)第2の材料は、比較的に低いデュロメータのエラストマ材料を含んでもよい。例えば、外側スリーブ114は、より剛性の材料から構築され得る一方、遠位先端116は、より可撓性材料から構築され得る。比較的に低い硬度を有する材料における遠位先端116を提供することによって、血管系内への撮像アセンブリ104の前進の間の組織損傷のリスクが、低減および/または完全に防止される(すなわち、カテーテルの前進の間の血管系の穿刺の防止)ことができる。
【0054】
撮像カテーテル102が、単に、撮像能力およびマッピング能力を提供することに限定され得ないことに留意されたい。むしろ、いくつかの実施形態では、撮像アセンブリ104を含むことに加えて、本明細書に説明されるように、カテーテル102はさらに、関連付けられる能力を提供する、付加的構成要素を含んでもよい。例えば、カテーテルの一部が、センサ(例えば、位置特定および/または追跡センサ)および/またはエネルギー送達要素(例えば、アブレーション要素)を含んでもよい。そのような構成要素は、撮像アセンブリ104自体の中に統合されるか、または撮像アセンブリに隣接する、またはその近傍にある、カテーテルの関連付けられる区分/アセンブリ内に提供されるかのいずれかであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、撮像アセンブリ104は、アブレーション目的、電気マッピング目的、または同等物のために使用される、カテーテルの別のアクティブ区分から近位または遠位に位置する、アクティブ撮像区分とともに含まれてもよい。
【0055】
一実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサが、静的である(すなわち、トランスデューサユニットに対応して回転しない)カテーテルまたは撮像アセンブリの部分に提供されてもよい。さらに依然として、他の実施形態では、1つまたはそれを上回るセンサが、撮像アセンブリ上に提供される、具体的には、1つまたはそれを上回るセンサが、それらがトランスデューサユニットの回転に応じて回転し得るという点において動的であり得るように、トランスデューサユニットの一部またはそれと関連付けられる部分上に提供されてもよい。1つまたはそれを上回るセンサは、例えば、位置特定および追跡感知、温度感知、または類似の感知能力を含んでもよい。故に、撮像カテーテルはさらに、カテーテル本体内に提供され、その長さに沿って(制御システムに結合される)近位端から遠位に位置付けられるセンサまで延在する、ケーブル接続を含んでもよい。1つまたはそれを上回るセンサは、例えば、位置特定および追跡感知、温度感知、または類似の感知能力を含んでもよい。故に、撮像カテーテルはさらに、カテーテル本体内に提供され、その長さに沿って(制御システムに結合される)近位端から遠位に位置付けられるセンサまで延在する、ケーブル接続を含んでもよい。
【0056】
図5は、撮像アセンブリ104の他の構成要素から取り外された、トランスデューサユニット120の斜視図である。図6は、トランスデューサユニット120の分解斜視図である。図5および6に図示されるように、回転可能なトランスデューサユニット120は、その中に1つまたはそれを上回る音響トランスデューサを包む、シェル部材121を含む。シェル部材121は、高い機械的安定性と、硬さとを有する材料から成り、内部トランスデューサおよび任意の電子的接続のための十分な保護を提供し、さらに、その回転の間に同心性のための最適な負荷平衡化を提供する。いくつかの実施形態では、シェル部材121が、超音波伝送の間にX線データ内の望ましくないアーチファクトの生成を回避するように、非金属材料から構築されることが、好ましくあり得る。故に、材料は、高い機械的安定性および硬さを呈する、ポリマー材料を含み得る。さらに、シェル部材材料は、音響トランスデューサおよび任意の付加的なセンサまたは構成要素がケーブルアセンブリに結合される、相互接続エリアの遮蔽を含む、内部構成要素の遮蔽を提供するような、高い電子絶縁性質を呈し得る。さらに依然として、いくつかの実施形態では、シェル部材121は、ステンレス鋼または他の医療グレード金属材料等の金属材料から構築されてもよい。金属材料は、平滑で均一な回転を提供するように、トランスデューサユニット120の平衡化において有用であり得る。さらに、金属材料は、シェル部材121が、本質的には、血管系内のトランスデューサユニット120の位置に関する可視化およびその回転の可視化を可能にする、可視マーカを提供するように、手技の間にX線撮像下での所望の可視性を提供し得る。いくつかの実施形態では、シェル部材121は、X線撮像下で可視であることが意図される、具体的部分(例えば、マーカバンドまたは同等物)を含んでもよい。
【0057】
負荷平衡化もまた、機械設計に基づく他の手段を介して達成され得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、これは、カテーテル軸に対して質量を機械的にセンタリングするように、トランスデューサユニットの円周の周囲から(例えば、除去製造プロセスを介して)除去すること、または単に材料を省略すること、またはそこに(例えば、付加製造プロセスを介して)材料を追加することが、(負荷平衡化の観点から)有利であることを証明し得る。
【0058】
1つまたはそれを上回る音響トランスデューサが、シェル部材121の撮像窓122と整合される。撮像窓122は、シェル部材121の長さに沿って延在する、シェル部材121の少なくとも1つの側面に提供され、接着剤または同等物を介してそれに固定され、それによって、流体のシェル部材121の内部への流入を防止するために十分なシールを提供する。撮像窓122は、音響結合流体、超音波透過性外側スリーブ114、および囲繞環境(すなわち、体液、血管内組織等)を考慮することによって音響信号の最適な伝送を可能にする、ある寸法(例えば、具体的な厚さまたは厚さの範囲等)および具体的な材料性質を含む。先端部材124が、流体のシェル部材121の内部への流入を防止するために十分なシールを提供するように、類似の方式においてシェル部材121の遠位端に固定される(すなわち、接着剤を介してそれに固定される)。
【0059】
図7は、多層アセンブリを図示する、撮像アセンブリ104の側面断面図である。特に、回転可能なトランスデューサユニット120が、外側スリーブ114内に位置付けられる。より具体的には、シェル部材121、それにシールされる撮像窓122、および先端部材124アセンブリが、外側スリーブ114内に完全に封入される。ペバックスオーバーモールド部125内に提供される、アレイ123として図示される、1つまたはそれを上回る音響トランスデューサが、シェル部材121内に格納される。アレイ123は、撮像窓122と整合される。機械筐体を提供することに加えて、シェル部材121がさらに、撮像窓122に対するトランスデューサの配向についての指針を提供することに留意されたい。特に、トランスデューサが、シェル部材121内で、および撮像窓122に対して同心円状かつ軸方向に適切に整合されることを確実にするように、そのような整合は、手動の整合であることができるか、またはシェル部材121が、楔形の特徴を含み得るかのいずれかである。
【0060】
示されるように、トランスデューサユニットは、間隙がトランスデューサユニットの外部(すなわち、シェル部材の外部表面)と外側スリーブの内部表面との間に画定されるように、外側スリーブ114の内部内に位置付けられる。音響結合流体が、トランスデューサユニットが流体内に完全に包まれ、トランスデューサユニットが外側スリーブ内にシールされ、流体の流入および/または流出を防止するように、間隙内に提供される。
【0061】
前述で説明されたように、トランスデューサユニット120は、完全に回転可能であり、それによって、手技の間に囲繞組織の全円周方向の360度ビューを可能にしてもよい。特に、独自の接続アセンブリが、撮像アセンブリ104、具体的には、トランスデューサユニット120の近位端と、撮像カテーテル本体108を通して延在する、トルクシャフトの遠位部分との間のインターフェースに提供される。例えば、図6に図示されるように、シェル部材121の近位端は、トルクシャフトと関連付けられる、対応する接続部材(例えば、メス型接続部材)に結合されるように構成される(例えば、突出部または同等物の形態にある)1つまたはそれを上回るオス型接続部材126を含む。そのような配列は、本明細書において、特に、図8および12-14に関してより詳細に説明される。故に、トルクシャフトへのシェル部材121の近位端の接続に応じて、トランスデューサユニット120は、全体として、外部環境から十分にシールされ、それによって、流体のシェル121の内部の中への流入を防止し、音響トランスデューサとの後続の流体接触を防止する。
【0062】
1つまたはそれを上回るトランスデューサは、超音波トランスデューサアレイの形態にあってもよい。アレイは、パルスを発射するための伝送機と、受信されたエコーを感知するためのセンサまたは受信機としての、複数の圧電トランスデューサ、典型的には、1~64個またはそれを上回る(例えば、128個、256個、512個等の)圧電トランスデューサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサアレイは、その全てが、超音波伝送機および超音波受信機の両方として稼働する、圧電トランスデューサ(例えば、単結晶、複合セラミック等)または代替トランスデューサ設計(例えば、容量性または圧電性の微小機械加工超音波トランスデューサ、CMUT/PMUT、または他の設計)を含む。いくつかの実施形態では、音響/超音波アレイは、別個に動作するように構成される、トランスデューサを備え、いくつかは、超音波伝送機として動作し、他のものは、受信機として動作する。
【0063】
超音波トランスデューサアレイは、平面波または発散波撮像用途等の超高速撮像技法を介して機能するように構成されてもよい。超高速撮像技法は、優れた画質および高い撮像率の両方を伴う画像データの再構築を可能にする。故に、本開示に一貫する超音波トランスデューサアレイは、Hennersperger et al.の国際PCT出願第PCT/IB2019/000963号(第WO 2020/044117号として公開済)(その内容は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるような、超高速撮像技法を可能にするような様式において構成されてもよい。
【0064】
トランスデューサユニット120は、外側スリーブ内にシールされ、音響結合流体内に完全に包まれると、完全に回転可能であり、それによって、手技の間に囲繞組織の全円周方向の360度ビューを可能にする。特に、独自の接続アセンブリが、撮像アセンブリ104と撮像カテーテル本体108の遠位部分との間のインターフェースに提供される。
【0065】
図8は、操向可能区画118部分から延在する、撮像カテーテル本体108の遠位部分の斜視図であり、撮像アセンブリ104をカテーテル本体108に結合するための接続アセンブリの一部を図示する。示されるように、独自の接続アセンブリは、トルクシャフトの遠位端に直接結合される、トランスデューサユニットの近位端を含む。例えば、トルクシャフトは、その遠位端に接続される、コレット128または同等物を含んでもよい。コレット128は、シェル部材121の近位端に提供される、対応するオス型接続部材126(例えば、突出部)を受容するように成形および/または定寸される、(例えば、スロットまたは溝または他の構成の形態にある)1つまたはそれを上回るメス型接続部材129を含む。図9は、矢印136において図示される、シェル部材121の近位端に接続される、コレット128を用いた、トルクシャフト(図示せず)へのトランスデューサユニット120の結合を図示する、斜視図である。シェル部材121およびコレット128のオス型接続部材およびメス型接続部材126、129は、それぞれ、トルクシャフトからシェル部材121への回転力の伝達のために十分な係合を提供し、それによって、トルクシャフトの回転に応じた、トランスデューサユニット120の対応する回転をもたらすように、相互と相互係止する。
【0066】
(コレット128を介した)トルクシャフトの遠位端とトランスデューサユニット120のシェル部材121との間の接続に応じて、トルクシャフトの動作は、トランスデューサユニットに伝達されるべき回転力をもたらし、それによって、その対応する回転を引き起こす。
【0067】
図10、11、12、13、および14は、接続アセンブリを用いた、撮像カテーテル本体108の遠位部分へのトランスデューサユニット120および外側スリーブ114の結合を図示する、付加的な図を提供する。特に、図10は、トランスデューサユニットにわたって完全に位置付けられ、接続アセンブリを用いて撮像カテーテル本体108の遠位部分に結合される、外側スリーブ114を図示する、斜視図である。図11は、外側スリーブ114内に完全に位置付けられ、シールされる、トランスデューサユニット120を図示する、部分的に想像線における、斜視図である。図12は、トルクシャフト138に動作可能に結合される、トランスデューサユニット120と、接続アセンブリを介して、撮像カテーテル本体108の遠位部分に結合される、外側スリーブ114とを図示する、部分的に想像線における、側面図であり、図13は、部分的に断面における、側面図であり、図14は、部分的に断面における、拡大斜視図である。
【0068】
図示されるように、外側スリーブ114は、その中にトランスデューサユニット120を完全に封入し、外側スリーブ114の近位端と、トルクシャフトコレット128にわたって位置付けられる、遠位コレット130部材との間のシール係合を介して、カテーテル本体108の遠位部分に結合される。アセンブリはさらに、撮像アセンブリ104と撮像カテーテル本体108の遠位部分との間のインターフェースに提供される、1つまたはそれを上回る整合リング140を含む。整合リング140は、トルクシャフト138を用いたトランスデューサユニット120の平滑かつ同心の回転を確実にしながら、撮像アセンブリ104が撮像カテーテル本体108の遠位部分にシールされ得る、接合領域を提供する。橋架スリーブ132が、整合リング140にわたって提供されてもよい。付加的な整合リングが、撮像アセンブリ104の遠位端に提供され得ることに留意されたい。
【0069】
示されるように、トランスデューサユニット120は、間隙がトランスデューサユニット120の外部(すなわち、シェル部材121の外部表面)と外側スリーブ114の内部表面との間に画定されるように、外側スリーブ114の内部内に位置付けられる。音響結合流体が、トランスデューサユニット120が流体内に完全に包まれ、トランスデューサユニット120が外側スリーブ114内にシールされ、流体の流入および/または流出を防止するように、間隙内に提供される。いくつかの実施形態では、撮像アセンブリ104は、撮像カテーテル102が即時の使用の準備ができるように、音響結合流体で予め装填されてもよい。他の実施形態では、音響結合流体は、現場で手技の直前に撮像アセンブリ104の中に装填されてもよい。より具体的には、撮像アセンブリ104はさらに、外側スリーブ114と動作可能に関連付けられる、注入ポート(図示せず)と、排出弁(図示せず)とを含んでもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、注入ポートおよび排出弁は両方とも、それぞれ、外側スリーブの具体的部分に位置付けられてもよい。例えば、一実施形態では、注入ポートは、外側スリーブの近位部分に提供され得る一方、排出弁は、外側スリーブの遠位先端等の遠位部分に提供される。代替実施形態では、注入ポートは、遠位先端に提供されてもよく、排出弁は、近位部分に提供されてもよい。さらに依然として、他の実施形態では、注入ポートおよび排出弁のいずれかが、撮像カテーテルの他の部分に提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、注入ポートおよび排出弁のいずれかまたは両方が、撮像アセンブリが結合される、撮像カテーテルのカテーテル取っ手または伸長シャフトに隣接して提供されてもよい。故に、流体経路は、概して、注入ポート、排出弁、および撮像アセンブリを接続し得る。したがって、流体経路は、流体が撮像アセンブリの外側スリーブ内に画定される間隙に、およびそこから提供され得るように、カテーテル取っ手から伸長カテーテルシャフトを通して撮像アセンブリまで延在してもよい。
【0071】
故に、製造の時点または手技室内の現場でのいずれかにおいて、注入ポートは、音響結合流体での撮像アセンブリ104の充填を可能にし、排出弁は、充填プロセスの間のアセンブリからの任意の余剰流体または空気泡の排出を可能にし、それによって、間隙が、空気を含まないことを確実にする(これは、そうでなければ、音響信号伝送への歪曲および干渉を引き起こし得る)。
【0072】
いくつかの実施形態では、注入ポートおよび/または排出弁が、単に、そのそれぞれが自己シール機能性を提供するように構成される、シリコーンまたは他の軟質材料から成り得る種類の自己シール開口であり得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、注入ポートおよび排出弁のうちのいずれかが、単に、使用の後に手動で塞がれる(すなわち、締まり嵌め、螺合、または他の機械的閉鎖手段を介して塞がれる)開口を含んでもよい。
【0073】
故に、製造の時点または手技室内の現場でのいずれかにおいて、注入ポートは、音響結合流体での撮像アセンブリの充填を可能にし、排出弁は、充填プロセスの間のアセンブリからの任意の余剰流体または空気泡の排出を可能にし、それによって、間隙が、空気を含まないことを確実にする(これは、そうでなければ、音響信号伝送への歪曲および干渉を引き起こし得る)。
【0074】
前述で説明されたように、音響結合流体は、回転可能なトランスデューサユニットと血管内流体および/または組織等の囲繞流体および/または組織との間で音響信号を搬送するための、流体である。したがって、流体は、例えば、水を含んでもよい。しかしながら、流体が、所望の様式において音響信号を搬送し、かつ他の恩恵を提供することが可能である、他の材料も含み得ることに留意されたい。例えば、油または同等物等の流体が、潤滑を提供するために使用されてもよい。流体はまた、EMI目的のために好都合である、絶縁/誘電性質も提供し得る。流体はまた、流体が、他の材料との組み合わせにおいて、音響信号を囲繞環境(血管内組織および/または流体)のインピーダンスに対して調整するための合致層のセットを形成することを可能にする、音響性質も提供し得る。
【0075】
トルクシャフト138は、単層または多層構築物を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、トルクシャフト管138は、その近位端から遠位端までのトルクの十分かつ安定した伝達を提供しながら、患者の血管系と関連付けられる蛇行性の解剖学的構造を通したナビゲーションのために十分な可撓性を維持するように構成される、螺旋状の撚線アセンブリを含んでもよい。例えば、レーザ切断されたハイポチューブおよび同等物等の他の形態のトルクシャフト管も、含まれ得ることに留意されたい。トルクシャフトが、所望の効果を達成するために、組成(螺旋状の撚線ケーブル/レーザ切断されたハイポチューブ等)、性質(ピッチ/切断パターン等)、材料、および/または寸法(すなわち、その長さに沿った直径)が変動し得ることに留意されたい。
【0076】
トルクシャフト138はさらに、その中の、その外側の、またはその中に埋設された、1つまたはそれを上回るケーブルアセンブリを格納するように構成される。ケーブルアセンブリは、少なくとも部分的に、音響トランスデューサから受信された信号に基づいて囲繞組織の全円周方向の360度ビューの後続の発生のために、1つまたはそれを上回る音響トランスデューサと超音波撮像システム(すなわち、コンソール、コントローラ等)との間で通信し、データを伝送するように構成されてもよい。ケーブルアセンブリはさらに、センサ(例えば、位置特定および/または追跡センサ)および/またはエネルギー送達要素(例えば、アブレーション要素)等の、撮像アセンブリの中に統合される、付加的構成要素に結合されてもよい。ケーブルアセンブリは、回転可能な電気コネクタを用いて、音響トランスデューサおよび任意の付加的構成要素(例えば、センサまたはエネルギー送達要素)に結合されてもよい。
【0077】
トルクシャフト138は、さらに流体のその内部の中への流入を防止し、その中に格納されるケーブルアセンブリとの液体接触を防止するように、さらに外部または内部ライナを含んでもよい。外部ライナはさらに、カテーテル本体108がトルクシャフト138の回転に対して定常状態のままであるように、トルクシャフト138と囲繞カテーテル本体108との間の摩擦を低減させ得る。
【0078】
前述で説明されたように、撮像カテーテル108の遠位部分はさらに、撮像アセンブリ104が取り付けられる、操向可能区画118を含んでもよい。図14に示されるように、操向可能区画118は、カテーテル本体108内に提供され、その長さに沿って(制御機構に結合される)カテーテル本体108の近位端から遠位端まで延在する、1つまたはそれを上回る引動ワイヤ142を含む。図15は、その一部内への引動ワイヤの位置付けを図示する、撮像カテーテル108の斜視断面図である。
【0079】
1つまたはそれを上回る引動ワイヤ142の遠位端が、撮像アセンブリ104の近位部分に直接結合される、引動リング部材134に結合される。1つまたはそれを上回る引動ワイヤ142の近位端上への引動力の印加が、引動リング134の対応する移動をもたらし、それによって、撮像アセンブリ104の面外移動をもたらす。例えば、取っ手部材110は、オペレータによって作動されると、所与の引動ワイヤ142および関連付けられる引動リング134の後退をもたらし、撮像アセンブリ104の対応する移動(すなわち、操向)を引き起こす、ある入力機構(すなわち、トリガ、ノブ、レバー、または同等物)を含んでもよい。撮像カテーテル102は、撮像アセンブリの所望の移動を提供するように、任意の数の引動ワイヤを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、双方向(単一平面)操向を可能にする、少なくとも一対の引動ワイヤが、提供されてもよい。他の実施形態では、2つを上回る引動ワイヤが、所望の面外移動が発生することを可能にするように、提供されてもよい。
【0080】
図16は、多管腔押出プロセスを介して構築される、撮像カテーテルのカテーテル本体(すなわち、外側シャフト)の一実施形態の側面断面図である。図17は、複合編組構築物を有する、撮像カテーテルの外側シャフトの別の実施形態の側面断面図である。いずれの構築物においても、外側シャフトの外径は、約0.131インチであり、その内径は、約0.090インチである。しかしながら、撮像カテーテル102が使用されるであろう、具体的用途および意図される血管系に応じて、外側シャフトの外径および内径が、概して、理解されるように、変動し得ることに留意されたい。
【0081】
前述で説明されたように、トランスデューサユニット120の撮像窓122は、音響結合流体、超音波透過性外側スリーブ、および囲繞環境(すなわち、体液、血管内組織等)を考慮することによって音響信号の最適な伝送を可能にする、ある寸法(例えば、具体的な厚さまたは厚さの範囲等)および具体的な材料性質を含む。所与の手技(すなわち、超音波伝送の要求される周波数に関するようなもの)のための最適な窓厚および最適な窓材料を決定するために、計算が、撮像窓材料としての役割を果たすような潜在力を有する種々の材料に対して実施された。
【0082】
図18および19は、本開示に一貫し、撮像カテーテルのトルクシャフトに結合される、撮像アセンブリの別の実施形態の、部分的に想像線における、かつ部分的に断面における、斜視図である。示されるように、撮像アセンブリは、概して、撮像アセンブリのより近位端に提供される、第1の軸受と、概して、撮像アセンブリのより遠位端に提供される、第2の軸受とを含む、複数の軸受を含む。少なくともトランスデューサユニットの移動を補助し、その平滑な回転を可能にすることに加えて、第1および第2の軸受はまた、外側スリーブ内に間隙(すなわち、トランスデューサユニットと外側スリーブの内部表面との間に画定される、間隙)を生成し、(回転するかどうかにかかわらず)外側スリーブまでの均一な距離を維持する役割も果たし得る。そのような実施形態では、第1および第2の軸受は、軸受の回転が、シェル部材、したがって、その中の音響トランスデューサの回転をもたらすように、トランスデューサユニットのシェル部材に結合されてもよい。故に、いくつかの実施形態では、少なくとも第1の軸受は、トルクシャフトの遠位端に直接結合されてもよい。第1および第2の軸受はさらに、トランスデューサユニット、具体的には、音響トランスデューサアレイを外側スリーブ内で同心の状態に維持する。図20は、トルクシャフトをより詳細に図示する、撮像カテーテルシャフトの遠位部分の(部分的に断面における)拡大斜視図である。
【0083】
図21、22、23、および24は、撮像窓材料のタイプに基づく、撮像窓周波数伝送計算を図示する、グラフである。図25は、検査される材料および種々の伝送計算の概要を提供する、チャートである。図26は、具体的な周波数における種々の材料に関する光学窓厚を図示する、グラフである。図27および28は、それぞれ、種々の材料に関する、一方向伝送のための計算された臨界角と、最小周波数とを図示する、グラフである。
【0084】
より具体的には、材料を通した波エネルギーの伝達は、組織結合に関しては、波長の半分の倍数に、および窓厚に関しては、流体結合が極小値に到達するための、1/4波長の倍数に比例する、材料の厚さによって影響を及ぼされる。さらに、平面波/発散波の傾斜またはビーム操向に関する最大使用可能角度としての臨界角は、それぞれ、音響窓および囲繞組織の両方における音響伝搬速度によって、影響を及ぼされる。窓厚および臨界角の組み合わせが、音響的に最良の材料/厚さの組み合わせを見出すために使用されることができ、これは、次いで、好都合である機械的性質(機械的安定性、機械加工性等)の選択と組み合わせられる。
(参照による組み込み)
【0085】
特許、特許出願、特許刊行物、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツ等の他の文書の参照および引用が、本開示全体を通して行われている。そのような文書は全て、あらゆる目的のために、参照することによって、それらの全体として本明細書に組み込まれる。
均等物
【0086】
本明細書に示され、説明されるものに加えて、本発明およびその多くのさらなる実施形態の種々の修正が、本明細書に引用される科学および特許文献の参考文献を含む、本書の全内容から、当業者に明白となるであろう。本明細書における主題は、その種々の実施形態およびその均等物における本発明の実践に適合され得る、重要な情報、例示、および指針を含有する。
【0087】
本明細書全体を通して、「one embodiment(一実施形態)」または「an embodiment(ある実施形態)」の言及は、実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも、一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の場所における語句「in one embodiment(一実施形態では)」または「in one embodiment(ある実施形態では)」の表出は、必ずしも全てが同一の実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたはそれを上回る実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。
【0088】
本明細書で採用されている用語および表現は、限定ではなく、説明の観点において使用され、そのような用語および表現の使用において、示され、説明される特徴(またはその一部)のいかなる均等物も除外することを意図するものではなく、種々の修正が、請求項の範囲内で可能性として考えられることを認識されたい。故に、請求項は、全てのそのような均等物を網羅することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
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【国際調査報告】