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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(54)【発明の名称】電動弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/53 20060101AFI20240221BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20240221BHJP
【FI】
F16K31/53
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555594
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 CN2022080309
(87)【国際公開番号】W WO2022188857
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202110270941.7
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】邊 奇 鎧
(72)【発明者】
【氏名】趙 楊 軍
(72)【発明者】
【氏名】陳 海 涛
【テーマコード(参考)】
3H062
3H063
【Fターム(参考)】
3H062AA07
3H062AA12
3H062BB26
3H062EE07
3H062HH03
3H062HH04
3H062HH07
3H062HH08
3H063AA06
3H063BB41
3H063DA14
3H063DB36
3H063GG02
3H063GG06
3H063GG14
(57)【要約】
本出願は、電動弁を開示している。電動弁(100)は、一部が接続座(24)と固定リングギヤ(222)との間に位置し、一部が接続座(24)に位置する通路を有し、通路は、スリーブ室(250)と弁ボデー室(310)とを連通することができる。この電動弁は通路により、スリーブ室内に堆積された粉末不純物が通路を通って弁ボデー室に入り込むことができ、粉末不純物の堆積の低減に有利である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動弁であって、弁部品、弁ボデーユニット及び弁体を含み、前記弁部品はスリーブ、伝動機構及び接続座を含み、前記スリーブはスリーブ室を有し、前記伝動機構の少なくとも一部は前記スリーブ室に位置し、前記スリーブは前記接続座に接続され、前記電動弁は弁ボデー室を有し、前記弁体は前記弁ボデー室に位置し、前記弁体は前記伝動機構に伝動接続され、前記弁ボデーユニットは前記接続座に接続される電動弁において、前記伝動機構は固定リングギヤと遊星歯車ユニットを含み、前記遊星歯車ユニットの少なくとも一部は前記固定リングギヤの内部に位置し、前記接続座は収容室を有し、前記固定リングギヤの少なくとも一部は前記収容室に位置し、かつ前記固定リングギヤの一部は前記接続座に当接し、前記電動弁は通路を有し、前記通路の一部が前記接続座と前記固定リングギヤとの間に位置し、前記通路の一部が前記接続座に位置し、前記通路は、前記スリーブ室と前記弁ボデー室とを連通することを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記接続座は、前記接続座における前記固定リングギヤに近い側に位置し、前記接続座の軸方向に設けられた導通部と、前記接続座の軸方向に設けられ前記接続座を貫通する導通孔とを有することを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記固定リングギヤの下端面と前記接続座との間に隙間があり、前記導通部の下端面は前記固定リングギヤの下端面よりも前記弁体に近く、前記導通部は、前記固定リングギヤの下端面と前記接続座との間の隙間を介して前記導通孔に連通し、前記通路は、前記導通部、前記固定リングギヤの下端面と前記接続座との間の隙間、及び前記導通孔を含むことを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記導通孔は前記導通部の下方に位置し、前記導通部は前記導通孔に連通していることを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項5】
前記接続座は第1の階段部と第2の階段部を含み、前記第2の階段部は、前記第1の階段部よりも前記弁体に近く、前記固定リングギヤは、下面が前記第1の階段部に当接する第1のフランジ部を有し、前記導通部の下端面は前記第1の階段部の上端面の下方に位置し、前記接続座が前記導通部において前記第1のフランジ部の外周面とに設定隙間があるように、前記導通部は凹部となることを特徴とする請求項3又は4に記載の電動弁。
【請求項6】
前記導通孔は、軸方向に沿って前記第2の階段部を貫通し、前記固定リングギヤの下端面と前記第2の階段部の上端面との間には隙間があり、前記通路は、前記導通部、前記固定リングギヤの下端面と前記第2の階段部の上端面との間の隙間、及び前記導通孔を含むことを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
【請求項7】
前記接続座は、前記接続座の内周に位置し数が2つ以上である位置決め部と、前記接続座の上部に位置するかしめ圧着部とを含み、前記固定リングギヤは、前記第1のフランジ部の外周に位置し、前記位置決め部と同数である嵌合部を含み、前記嵌合部と前記位置決め部とは互いに嵌合し、前記接続座は、かしめ圧着によって前記固定リングギヤに固定接続されることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
【請求項8】
前記位置決め部は凹部であり、前記嵌合部は前記位置決め部に嵌合する突起であり、又は、前記位置決め部は突起であり、前記嵌合部は前記位置決め部に嵌合する凹部であることを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項9】
前記遊星歯車ユニットは出力キャリヤを含み、前記電動弁は弁棒をさらに含み、前記出力キャリヤと前記弁棒とは固定接続又は射出成型され、前記出力キャリヤの少なくとも一部は前記接続座の収容室に位置し、前記出力キャリヤは前記第2の階段部に当接し、前記接続座は、軸方向に設けられた貫通孔をさらに含み、前記弁棒は、前記貫通孔を介して前記弁体に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
【請求項10】
前記遊星歯車ユニットは出力キャリヤを含み、前記電動弁は弁棒をさらに含み、前記出力キャリヤと前記弁棒とは固定接続又は射出成型され、前記出力キャリヤの少なくとも一部は前記接続座の収容室に位置し、前記出力キャリヤは前記第2の階段部に当接し、前記接続座は、軸方向に設けられた貫通孔をさらに含み、前記弁棒は、前記貫通孔を介して前記弁体に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項11】
前記接続座は、本体部と、前記本体部の側壁の外周から径方向に沿って外方へ延びる第2のフランジ部とを含み、前記電動弁は、前記本体部側壁の径方向の外周に外嵌された圧着ナットをさらに含み、前記圧着ナットは前記第2のフランジ部の上面に当接し、前記圧着ナットは前記弁ボデーユニットにネジ接続され、前記導通部と導通孔は、前記本体部の側壁の内周に位置していることを特徴とする請求項2~4又は6~10のいずれかの1項に記載の電動弁。
【請求項12】
前記接続座は、本体部と、前記本体部の側壁の外周から径方向に沿って外方へ延びる第2のフランジ部とを含み、前記電動弁は、前記本体部側壁の径方向の外周に外嵌された圧着ナットをさらに含み、前記圧着ナットは前記第2のフランジ部の上面に当接し、前記圧着ナットは前記弁ボデーユニットにネジ接続され、前記導通部と導通孔は、前記本体部の側壁の内周に位置していることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
【請求項13】
前記弁体は、バイアホールを有し、前記弁ボデーユニットは、第1の流路と第2の流路を有しており、前記弁体を回転させることで、前記バイアホールを前記第1の流路と前記第2の流路に連通又は非連通させることが可能であることを特徴とする請求項11に記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年03月12日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110270941.7であり、発明の名称が「電動弁」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本出願は、電動弁に関わる。
【背景技術】
【0003】
電動弁は、制御装置、弁部品、弁体及び弁ボデーユニットを含んでおり、弁部品は伝動機構を含み、具体的な伝動部品は遊星歯車構造であればよく、制御装置は、伝動機構により電動弁の弁体を作動させ、流体の切り替え又はオン・オフという目的を達成する。伝動機構は、一定時間の運行後に粉末不純物が発生し、電動弁の内室に堆積する可能性があり、電動弁の定常運行に不利になり、如何に電動弁の内室における粉末不純物の堆積を低減させるかは1つの改善すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動弁の内室における粉末不純物の堆積を低減するのに有利な電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を採用し、即ち、
電動弁であって、弁部品、弁ボデーユニット及び弁体を含み、前記弁部品はスリーブ、伝動機構及び接続座を含み、前記スリーブはスリーブ室を有し、前記伝動機構の少なくとも一部は前記スリーブ室に位置し、前記スリーブは前記接続座に接続され、前記弁ボデーユニットは弁ボデー室を有し、前記弁体は前記弁ボデー室に位置し、前記弁体は前記伝動機構に伝動接続され、前記弁ボデーユニットは前記接続座に接続される電動弁において、前記伝動機構は固定リングギヤと遊星歯車ユニットを含み、前記遊星歯車ユニットの少なくとも一部は前記固定リングギヤの内部に位置し、前記接続座は収容室を有し、前記固定リングギヤの少なくとも一部は前記収容室に位置し、かつ前記固定リングギヤの一部は前記接続座に当接し、前記電動弁は通路を有し、前記通路の一部が前記接続座と前記固定リングギヤとの間に位置し、前記通路の一部が前記接続座に位置し、前記通路は、前記スリーブ室と前記弁ボデー室とを連通することができる。
【0006】
本出願は、スリーブ室と弁ボデー室を連通する通路を設けることにより、スリーブ室内に堆積された粉末不純物は通路を通って弁ボデー室に流入することが可能となり、電動弁とシステム管路/部品との連通を制御することにより、弁ボデー室内に入り込んだ粉末不純物はシステム管路/部品の中に入り込むことができるため、電動弁内における粉末不純物の堆積の低減に有利であり、電動弁の運行状態の改善に有利であり、寿命を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の電動弁の1つの断面の構成概略図である。
図2】第1の実施形態の電動弁の別の断面の構成概略図である。
図3図1に示される弁部品の1つの断面の構成概略図である。
図4図1に示される各段の遊星歯車ユニットの1つの分解構成概略図である。
図5図1に示される固定リングギヤの1つの角度の立体構成概略図である。
図6図1に示される固定リングギヤの別の角度の立体構成概略図である。
図7図1に示される接続座の1つの角度の立体構成概略図である。
図8図7に示される接続座の平面視角度の構成概略図である。
図9図8に示される接続座のA-A断面の構成概略図である。
図10】接続座と固定リングギヤとの嵌合の立体構成概略図である。
図11図1におけるD箇所の部分拡大図である。
図12】第2の実施形態の弁部品の1つの断面の構成概略図である。
図13】第2の実施形態の接続座の平面視角度の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下は、本発明について図面と具体的な実施例を結合してさらに説明し
図1~10を参照し、電動弁は、車両の熱管理システム又は空調システムに適用可能であり、電動弁100は、制御部品1と、弁部品2と、弁ボデー室30を有する弁ボデーユニット3と、弁ボデー室30に位置し、弁部品2に伝動接続される弁体4とを含み、制御部品1は、弁部品2の外周に位置し、弁ボデーユニット3に固定接続され又は位置制限されるように接続され、弁部品2は弁ボデーユニット3に固定接続され又は位置制限されっるように接続され、電動弁100は、制御部品1を介して外部と電気的に接続され及び/又は信号的に接続される。
【0009】
図1図2を参照し、本実施例では、制御部品1は、外ハウジング11、ステータユニット12、回路基板13、インターフェース部14、第1のピン15及び第2のピン16を含んでおり、外ハウジング11とインターフェース部14とは射出により成型され、又は組立により接続され、外ハウジング11はハウジング室110を形成し、ステータユニット12と回路基板13は共にハウジング室110内に位置し、第1のピン15の一端はステータユニット12に電気的に接続され及び/又は信号的に接続され、第1のピン15の他端は回路基板13に電気的に接続され及び/又は信号的に接続され、第2のピン16はインターフェース部14に固定接続され、具体的には、本実施例では、第2のピン16を射出インサートとして、射出により外ハウジング11とインターフェース部14を形成し、第2のピン16の一端はハウジング室110に位置し、回路基板13に電気的に接続され及び/又は信号的に接続され、第2のピン16の他端はインターフェース部14に形成されたコネクタ室140に位置し、外部と電気的に接続され及び/又は信号的に接続されるのために使用される。本実施例では、制御部品1と弁ボデーユニット3とはネジで接続固定されるが、もちろん、他の実施形態として、制御部品1と弁ボデーユニット3とは溶接、又は接着もしくはスナップなどの手段で接続固定されることも可能である。さらには、制御部品1と弁ボデーユニット3との間について封止配置も可能であり、一方では、外気における水蒸気又は他の不純物が制御部品1と弁ボデーユニット3との間の組立隙間を通ってハウジング室110内に入り込んでステータユニット12と接触して、ステータユニット12の腐食又は故障を引き起こすことを防止するのに有利であり、他方では、外気における水蒸気又は他の不純物が制御部品1と弁ボデーユニット3との間の組立隙間を通って弁ボデー室30に入り込むことを防止するのに有利である。
【0010】
図1~3を参照し、弁部品2は、ロータユニット21、伝動機構22、弁棒23、接続座24及びスリーブ25を含み、スリーブ25はスリーブ室250を有し、ロータユニット21はスリーブ室250に位置し、スリーブ25は接続座24に固定接続され、本実施例では、スリーブ25は接続座24に溶接により固定接続され、ロータユニット21はロータ室210を有し、接続座24は収容室240を有し、伝動機構22の一部はロータ室210に位置し、伝動機構22の一部は収容室240に位置し、伝動機構22は弁棒23に伝動接続され、弁棒23は弁体4に伝動接続される。本実施例では、弁体4は、球状表面又は球状に類似する表面を含むが、もちろん、他の実施形態として、弁体4は、円柱状、円台状、テーパ状、針状などの他の形状であってもよい。伝動機構22の一部はロータ室210に位置し、電動弁100の軸方向の高さを低減するのに有利である。本実施例では、伝動機構22は遊星歯車機構であり、もちろん、他の実施形態として、伝動機構22は遊星歯車機構に限らない。
【0011】
図3図4を参照し、ロータユニット21は、ロータ磁性リング211と接続板212を含んでおり、ロータ磁性リング211は、接続板212を射出インサートとして、射出によりロータユニット21を形成し、伝動機構22は、太陽歯車221を含み、接続板212は太陽歯車221に固定接続され、もちろん、他の実施形態として、接続板212と太陽歯車221とは射出成型することもできる。伝動機構22は、固定リングギヤ222と少なくとも1段の遊星歯車ユニットをさらに含み、固定リングギヤ222は、固定リングギヤ222の径方向に沿って内に突起して形成される内歯部2223を有し、伝動機構22は、ギヤ比の必要に応じて、多段遊星歯車ユニットを設けることができ、本実施例では、伝動機構22の軸方向に沿って、伝動機構22は、第1の遊星歯車ユニット223、第2の遊星歯車ユニット224、第3の遊星歯車ユニット225及び出力遊星歯車ユニット226を順に含み、固定リングギヤ222は遊星歯車ユニットの外周に位置し、固定リングギヤ222の一部はロータ室210に位置し、固定リングギヤ222の一部は収容室240に位置し、固定リングギヤ222は接続座24に当接している。第1の遊星歯車ユニット223、第2の遊星歯車ユニット224及び第3の遊星歯車ユニット225の構造は同じであるため、第1の遊星歯車ユニット223を例として説明すると、第1の遊星歯車ユニット223は、第1の遊星歯車2231、第1のキャリヤ2232及び第1のコラム歯車2233を含み、第1のキャリヤ2232と第1のコラム歯車2233とは射出成型又は組立固定されることが可能であり、本実施例では、第1のキャリヤ2232と第1のコラム歯車2233とは射出により成型されたものである。第1の遊星歯車ユニット223は、第1の遊星歯車2231と同数である第1の位置決め軸2234をさらに含み、本実施例では、第1の位置決め軸2234と第1の遊星歯車2231の数は共に3つであり、第1の位置決め軸2234は、第1のキャリヤ2232の外縁などの円周に沿って分布し、第1の位置決め軸2234と第1のキャリヤ2232とは射出成型又は組立固定されることは可能であり、第1の遊星歯車2231は第1の位置決め軸2234の外周に位置し、第1の遊星歯車2231は第1の位置決め軸2234によって回動可能に第1のキャリヤ2232に設けられ、第1の遊星歯車2231は太陽歯車221に歯車噛合し、第1の遊星歯車2231はまた固定リングギヤ222の内歯部2223に歯車噛合している。第1の遊星歯車2231が回動する時に第1の位置決め軸2234の軸方向に沿って動くことを防止するために、本実施例では、弁部品2は、太陽歯車221の外周に位置し、太陽歯車221と中間嵌めする軸受26と、太陽歯車221の外周に位置し、太陽歯車221と隙間嵌め可能なガスケット27とをさらに含み、太陽歯車221は突起部2211を含み、太陽歯車221の軸方向に沿って、軸受26は、突起部2211とガスケット27との間に位置し、軸受26の一端が突起部2211に当接し、軸受26の他端がガスケット27に当接し、固定リングギヤ222は、第1の遊星歯車2231の上方に位置する第3の階段部2224を含み、ガスケット27は、第3の階段部2224の上方に位置して第3の階段部2224に当接し、このように、第1の遊星歯車2231は、ガスケット27と第1のキャリヤ2232によって軸方向に位置制限されることができる。また、軸受26を設けることにより、太陽歯車221と固定リングギヤ222との同軸度を保証することにも有利である。
【0012】
同様に、第2の遊星歯車ユニット224は、第2の遊星歯車、第2のキャリヤ、第2のコラム歯車及び第2の位置決め軸を含んでおり、第2の遊星歯車は、第2の位置決め軸の外周に位置し、第2の遊星歯車は第1のコラム歯車に歯車噛合し、第2の遊星歯車は固定リングギヤ222に歯車噛合し、第2の遊星歯車は第1のキャリヤと第2のキャリヤによって軸方向に位置制限され、第3の遊星歯車ユニット225は、第3の遊星歯車、第3のキャリヤ、第3のコラム歯車及び第3の位置決め軸を含んでおり、第3の遊星歯車は第3の位置決め軸の外周に位置し、第3の遊星歯車は第2のコラム歯車に歯車噛合し、第3の遊星歯車は固定リングギヤ222に歯車噛合し、第3の遊星歯車は第2のキャリヤと第3のキャリヤによって軸方向に位置制限される。出力遊星歯車ユニット226は、第4の遊星歯車、第4の位置決め軸及び出力キャリヤ2261を含んでおり、出力キャリヤ2261と弁棒23とは射出成型又は組立固定により伝動接続を実現し、本実施例では、弁棒23と出力キャリヤ2261とは射出により成型され、第4の遊星歯車は第4の位置決め軸の外周に位置し、第4の遊星歯車は第3のコラム歯車に歯車噛合し、第4の遊星歯車は固定リングギヤに歯車噛合し、第4の遊星歯車は第3のキャリヤと出力キャリヤによって軸方向に位置制限される。指摘すべきのは、伝動機構22はプラスチック部品又は金属部品であってもよく、本実施例では、伝動機構22は金属部品であり、伝動機構22の各部品は粉末冶金材料で射出成型することができるため、伝動機構22の各部品は良好な耐摩耗性能を持つ。
【0013】
図1図2を参照し、弁ボデーユニット3は、弁ボデー31、第1の流路311及び第2の流路312を含み、弁ボデー31は弁ボデー室30を有し、弁体4は弁ボデー室30に位置し、弁部品2は弁棒23によって弁体4に伝動接続され、弁部品2は弁ボデー31に固定接続され、具体的には、本実施例では、弁部品2と弁ボデー31とは圧着ナット5によって固定接続を実現し、もちろん、他の実施形態として、さらに、弁部品2と弁ボデー31とは溶接、又は接着もしくはネジ接続などの手段で固定を実現できる。さらには、弁部品2と弁ボデーユニット3との間について封止配置も可能であり、弁部品2と弁ボデーユニット3との間の組立隙間から流体が外部へ漏れるのを防止することに有利である。弁体4は、弁体4を貫通するバイアホール41を有しており、弁体4を回転させることで、バイアホール41を第1の流路311と第2の流路312とに連通又は非連通させることが可能であり、即ち、電動弁100は、弁体4を回転させることにより流体のオン・オフを制御することができる。本実施例では、電動弁100は二方弁であり、もちろん、他の実施形態として、電動弁は三方弁、四方弁又は他の多方弁であってもよい。
【0014】
電動弁100の動作原理は、制御部品1が通電された後、ステータユニット12には励磁磁界が発生し、ロータユニット21は磁力の励磁において太陽歯車221を回動させ、太陽歯車221は第1の遊星歯車2231に歯車噛合し、第1の遊星歯車2231はまた固定リングギヤ222に歯車噛合し、固定リングギヤ222は固定配置され、このように、第1の遊星歯車2231は自転しながら第1の位置決め軸2234によって第1のキャリヤ2232を回動させ、第1のキャリヤ2232の回動はまた第1のコラム歯車2233を回動させ、第1のコラム歯車2233はまた第2の遊星歯車に歯車噛合し、第2の遊星歯車は固定リングギヤ222に歯車噛合し、即ち、第1のコラム歯車2233の作用で、第2の遊星歯車は第2の位置決め軸によって第2のキャリヤを回動させ、第2のキャリヤは第2のコラム歯車を回動させ、第2のコラム歯車はまた第3の遊星歯車に歯車噛合し、第3の遊星歯車はまた固定リングギヤ222に歯車噛合し、順次に類推すると、最終的に、第4の遊星歯車は第4の位置決め軸によって出力キャリヤ2261を回動させ、出力キャリヤ2261と弁棒23とは射出成型され、出力キャリヤ2261はまた弁棒23を回動させ、弁棒23は弁体4に伝動接続され、弁棒23の回動は弁体4を回動させ、弁体4の回動に伴って、弁体4のバイアホール41は第1の流路311と第2の流路312とに連通又は非連通させることができるため、電動弁100による流体のオン・オフを実現できる。
【0015】
図7~9に示すように、接続座24は、本体部241と、本体部241の側壁の外周から径方向に沿って外方へ延びる第2のフランジ部242とを含み、圧着ナット5は、接続座の本体部241の側壁の径方向の外周に外嵌され、圧着ナット5は第2のフランジ部242の上面に当接し、圧着ナット5は弁ボデー31にネジ接続されることにより、接続座24は弁ボデー31に固定接続される。本体部241は収容室240を形成し、本体部241は、収容室240の1つの開口として1つの貫通孔2413を有し、貫通孔2413は軸方向において本体部241の中央部に位置し、本体部241は第1の階段部2411と第2の階段部2412を含み、接続座24の軸方向に沿って第2の階段部2412は、第1の階段部2411よりも弁体4に設けられている。本体部241は、第2の階段部2412の上方に位置し、数が1つ又は2つ以上である位置決め部2414をさらに有し、本実施例では位置決め部の数は2つであり、2つの位置決め部2414は接続座24の軸心に対して対称に設けられている。接続座24は、本体部241の上端に位置し、固定リングギヤ222との固定接続のためのかしめ圧着部2415をさらに含む。接続座24は、例えばステンレスを採用して切削加工により所望の構造及び形状にするような金属部品であってもよい。
【0016】
図5、6に示すように、固定リングギヤ222は、固定リングギヤ222における弁ボデー31に近い一端に位置し、固定リングギヤ222の外周壁から径方向に沿って外方へ延びる第1のフランジ部2221を有する。固定リングギヤ222は、位置決め部2414と嵌合する嵌合部2222を有し、嵌合部2222は、第1のフランジ部2221の外周から突起して形成されている。接続座24の位置決め部2414は、本実施例では半円柱状の凹部であり、これに応じて嵌合部2222は凹部に合わせた半円柱状の突起である。位置決め部2414、嵌合部2222の形状は、図示の半円柱状に限らず、三角形、矩形などの他の形状であってもよく、位置決め部2414は突起であってもよく、対応する嵌合部2222は凹部であってもよい。
【0017】
図10を参照し、図10は、固定リングギヤ222と接続座24との嵌合の構成概略図である。固定リングギヤ222と接続座24との間は固定接続であり、組立てる場合、まず、固定リングギヤ222を接続座24内に上から下へ圧入することにより、固定リングギヤ222の第1のフランジ部2221の下面は第1の階段部2411に当接し、第1のフランジ部2412の外周面は接続座の本体部241の側壁の内周に当接し、固定リングギヤ222の嵌合部2222は接続座24の位置決め部2414に嵌合し、そして、接続座24のかしめ圧着部2415をかしめ圧着という方式で固定リングギヤ222に固定され、もちろん、他の実施形態として、固定リングギヤ222と接続座24とは溶接又は接着などの手段で固定接続されることも可能である。弁棒23が射出成型された出力キャリヤ2261の一部は貫通孔2413を介して弁体4に接続され、出力キャリヤ2261の一部は第2の階段部2412に当接し、第2の階段部2412によって出力キャリヤ2261に対して軸方向に位置制限され及び支持され、固定リングギヤ222の下端面と第2の階段部2412の上端面には一定の隙間がある。
【0018】
伝動機構22は、電動弁の運行中に、太陽歯車221と遊星歯車ユニットとの間、遊星歯車ユニットと遊星歯車ユニットとの間、及び遊星歯車ユニットと固定リングギヤ222との間などの摩擦損失により、若干の粉末不純物が発生し、粉末不純物は、固定リングギヤ222の外周、ロータ磁性リング211の下端、接続座24の上端に位置するスリーブ室250内に堆積される恐れがあり、ひいては、ロータ磁性リング211の表面に吸着し、ロータユニット21とスリーブ25との摩擦抵抗を増大させ、電動弁の定常運行に不利になる恐れがある。このため、本実施例における電動弁は、スリーブ室250と弁ボデー室310を連通する通路を含み、具体的には、接続座24は、本体部241の内周壁に沿って軸方向に設けられた導通部2416をさらに有し、本体部における導通部2416が位置する箇所の肉厚は、本体部における導通部が設けられていない箇所の肉厚よりも小さいため、導通部2416が設けられている箇所において固定リングギヤ222の第1のフランジ部2221の外周面と接続座の本体部241の内周壁との間には隙間がある。導通部2416の下端面は固定リングギヤ222の下端面の下方に位置し、固定リングギヤ222の下端面は第1の階段部2411の上面の下方に位置し又は固定リングギヤ222の下端面は第1の階段部2411の上面に当接するため、導通部2416の下端面は第1の階段部2411の上面の下方に位置し、導通部2416の存在により第1の階段部2411は密閉された円環状の階段ではなくなる。導通部2416の数は、1つ又は2つ以上であってもよい。接続座24は、軸方向に設けられ第2の階段部2412を貫通する導通孔2417をさらに有し、導通孔2412は、少なくとも一部が出力キャリヤ2261の外側に位置し、このように、出力キャリヤ2261が導通孔2412を完全にはカバーして導通孔2412が導通機能を果たせなくなることはない。導通孔2412の数は、1つ又は複数であってもよい。
【0019】
導通部2416での固定リングギヤ222の第1のフランジ部2221の外周面と接続座の本体部241の内周壁との間には隙間があり、かつ、導通部2416の下端面は固定リングギヤ222の下端面の下方に位置し、固定リングギヤ22の下端面から第2の階段部2412の上端面までまた一定の隙間があるため、導通部2416は、固定リングギヤ222の下端面から第2の階段部2412までの隙間を介して導通孔2417に連通すること可能であり、通路は、導通部2416、固定リングギヤ222の下端面から第2の階段部2412までの隙間、及び導通孔2417を含み、図11を参照し、この通路は、固定リングギヤ222の外周、ロータ磁性リング211の下端、接続座24の上端に位置するスリーブ室250と弁体4が位置する弁ボデー室310を連通し、スリーブ室250がロータ室210に連通しているため、スリーブ室250に堆積された粉末不純物は、通路を通ってロータ室210と弁ボデー室310内に入り込むことができる。特に、電動弁の起動又は閉鎖の場合、圧力差の作用で、粉末不純物は通路を通って上へ移動してロータ室210に入り込むか、又は下へ移動して弁ボデー室310に入り込むことができる。弁体4と弁体座331との間の嵌合隙間により、弁ボデー室310内における粉末不純物は、弁体4のバイアホール41及びバイアホール41に連通している第1の流路311、第2の流路312に入り込むことができ、第1の流路311と第2の流路312を通って電動弁に接続されたシステム管路又は部品に入り込むことが可能となり、粉末不純物の堆積を低減させ、電動弁の寿命を向上させることに有利である。
【0020】
本実施例では、加工と取り付けを容易にするために、導通部2416と位置決め部2414の構造は同じであるであり、いずれも略半円柱状の凹部であり、かつ、それらの数はいずれも2つであり、即ち、円周に沿って分布し軸心に対して2つずつ対称となっている、合計4つの凹部が設けられている。導通部2416と位置決め部2414の構造は同じであるため、そのうち、2つの軸心に対して対称な凹部は、固定リングギヤ222の嵌合部2222と嵌合して位置決め部として位置決めの役割を果たすとき、残りの2つの軸心に対して対称な凹部は、導通部として連通機能を実現することができる。導通部と位置決め部の構成は異なってもよく、例えば、導通部は矩形であってもよく、位置決め部は半円柱状凹部であり、嵌合部は半円柱状の突起であり、位置決め部と嵌合部とは互いに嵌合して位置決めされることは言うまでもない。
【0021】
図12~13を参照し、図12は、電動弁の弁部品の第2の実施形態の1つの断面の構成概略図であり、第1の実施形態とは異なり、本実施形態において、導通孔2417′は導通部2416′の下方に位置し、通路は導通部2416′と導通孔2417′を含み、通路はスリーブ室と弁ボデー室とを連通し、スリーブ室に堆積された粉末不純物は通路を通ってスリーブ室に連通するロータ室と弁ボデー室内に入り込むことができる。接続座24′の構成が許せば、本実施例のように設置することができ、動作媒体が外部に漏れるのを防ぐために接続座の底部にはシールリングを設ける必要があるため、図1に示すように接続座において導通部の下方に導通孔が設けられると、シールリングの取り付けるための位置が不足になるので、接続座の底部の構成又はシールリングの位置について、例えば接続座の底部の径を大きくするなどのような相当な調整を行う必要があり、これに対応して弁ボデーユニットの構成についても調整する必要がある。調整後の弁ボデーユニットの構成とシールリングの位置について、本実施例では紹介しないが、当業者は自分で設計して調整することができる。
【0022】
図13を参照し、図13は、接続座の第2の実施形態の平面視角度の構成概略図であり、第1の実施形態とは異なり、本実施形態では、導通部2416′と位置決め部2414′の構成は異なり、導通部2416′は略矩形の凹部であり、位置決め部2414′は依然として先の実施例と同じ半円柱状の凹部であり、対応する固定リングギヤの嵌合部は半円柱状の突起であり、位置決め部2414′と嵌合部とは嵌合して位置決めされ、このような設計することで、ポカヨケという役割を果たし、組立ミスを回避することができる。
【0023】
ここで、説明すべきのは、以上の実施例は本発明を説明するだけであって、本発明に記載された技術案を限定するものではなく、本明細書は、前記実施例を参照して、本発明を既に詳しく説明したが、当業者であれば、理解できるように、所属する技術分野における技術者は、依然として本発明に対して補正又は等価置換を行うことも可能であり、本発明の精神及び範囲から逸脱しない全ての改良は、いずれも本発明の請求項範囲内に該当している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】