(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】リグニン粒子を含むハイブリッドマイクロカプセル
(51)【国際特許分類】
B01J 13/16 20060101AFI20240222BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20240222BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20240222BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/97 20170101ALI20240222BHJP
A61K 8/72 20060101ALI20240222BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20240222BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240222BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240222BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20240222BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240222BHJP
B01J 2/00 20060101ALI20240222BHJP
D06M 23/12 20060101ALI20240222BHJP
D06M 15/01 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B01J13/16
C11B9/00 Z
C11D3/50
A61K8/11
A61Q13/00 102
A61K8/97
A61K8/72
A61K8/06
A61Q5/12
A61Q5/02
A61Q15/00
A61Q19/10
B01J2/00 B
D06M23/12
D06M15/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532152
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2022051862
(87)【国際公開番号】W WO2022171450
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/076348
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨンタオ ウー
(72)【発明者】
【氏名】マルレーヌ ジャクモン
(72)【発明者】
【氏名】シャオフェン スイ
【テーマコード(参考)】
4C083
4G004
4G005
4H003
4H059
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4L033
【Fターム(参考)】
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4L033AB04
4L033AC15
4L033CA01
(57)【要約】
本発明は、疎水性材料ベースのコア、好ましくは香料、及びリグニン粒子を含むポリマーシェルを有する、ハイブリッドマイクロカプセルに関する。前記マイクロカプセルの製造方法も本発明の目的である。前記マイクロカプセルを含有する付香組成物及び消費者製品、特にホームケア製品又はパーソナルケア製品の形での着香消費者製品も、本発明の一部である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアシェルマイクロカプセルであって、
a) 疎水性材料、好ましくは香油を含む油性コア、及び
b) リグニン粒子を含むポリマーシェル
を含む、コアシェルマイクロカプセル。
【請求項2】
リグニン粒子が、化学的に改質されていない、請求項1に記載のマイクロカプセル。
【請求項3】
リグニン粒子が、
(i) リグニン粉末を溶媒に溶解して均質な溶液を得るステップ、及び
(ii) ステップi)の均質な溶液から沈殿を誘導して、リグニン粒子を得るステップ
を含むプロセスによって得られる、請求項1又は2に記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
ポリマーシェルが、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、ウレアホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミンウレア樹脂、メラミングリオキサール樹脂、ゼラチン/アラビアゴム、及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー材料から製造される、請求項1から3までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
【請求項5】
ポリマーシェルが、マイクロカプセルの全質量に対して20質量%未満のポリマー材料を含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
疎水性材料が香油を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載のマイクロカプセル。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項において定義したコアシェルマイクロカプセルを製造するための方法であって、
1) リグニン粒子を水中で懸濁して、水相を形成するステップ、
2) 疎水性材料、好ましくは香油を含む油相を調製するステップ、
3) 界面重合及び/又は界面反応によるコアシェルマイクロカプセルの形成が可能な条件下で、油相を水相に添加し、それらを混合して、水中油型ピッカリングエマルションを形成するステップ
を含み、多官能性モノマーを、ステップ1)において水相中に、及び/又はステップ2)において油相中に、及び/又はステップ3)においてエマルション中に添加する、前記方法。
【請求項8】
多官能性モノマーが、少なくとも1つのポリイソシアネート、ポリマレイン酸無水物、ポリ酸塩化物、ポリエポキシド、アクリレートモノマー、ポリアルコキシシラン、メラミンベースの樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
水中油型ピッカリングエマルションを、室温又は室温未満の温度で形成する、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
水中油型ピッカリングエマルションを、0~10℃の温度で形成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
反応物をステップ1)及び/又はステップ3)で添加する、請求項7から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
水相中に存在するリグニン粒子の全量が、水相の全質量に対して0.01~10質量%、好ましくは0.01~3質量%である、請求項7から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
油相が、ピッカリングエマルションの5~60質量%、好ましくは20~40質量%である、請求項7から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
消費者製品であって、
- パーソナルケア活性ベース、及び
- 請求項1から6までのいずれか1項において定義したマイクロカプセル
を含み、パーソナルケア組成物の形である、消費者製品。
【請求項15】
消費者製品であって、
- ホームケア又は布地ケア活性ベース、及び
- 請求項1から6までのいずれか1項において定義したマイクロカプセル
を含み、ホームケア又は布地ケア組成物の形である、消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性材料ベースのコア、好ましくは香料、及びリグニン粒子を含むポリマーシェルを有する、ハイブリッドマイクロカプセルに関する。前記マイクロカプセルの製造方法も本発明の目的である。前記マイクロカプセルを含有する付香組成物及び消費者製品、特にホームケア製品又はパーソナルケア製品の形での着香消費者製品も、本発明の一部である。
【0002】
背景技術
香料産業により直面する問題の1つに、芳香性化合物の揮発性、特に「トップノート」の揮発性による、芳香性化合物によって提供される嗅覚に関する利益の比較的早い損失がある。揮発分の放出速度を調整するために、デリバリーシステム、例えば香料を含有するマイクロカプセルは、トリガーとなった場合にコアペイロードを保護し、そして後に放出することを要求する。これらのシステムに関する香料産業からの重要な要求は、物理的に分離又は分解することなく、困難なベースにおいて懸濁液を維持することである。例えば、高レベルの強い界面活性洗剤を含有するフレグランス付けされたパーソナルクレンザー及び家庭用クレンザーは、マイクロカプセルの安定性について非常に困難である。
【0003】
メラミン-ホルムアルデヒド樹脂から形成されたアミノプラストマイクロカプセルは、疎水性活性物質をカプセル化して、前記活性物質を保護し、そしてそれらの制御された放出を提供するために広く使用されている。しかしながら、カプセル、例えばアミノプラストカプセルは、界面活性材を含む消費者製品、例えば香料消費者製品において、特に高温での長期貯蔵後に使用される場合に、安定性の問題に悩まされる。かかる製品において、カプセル壁が無傷のままであるにもかかわらず、カプセル化された活性物質は、製品ベース中でカプセル化された活性物質を可溶化できる界面活性剤の存在によってカプセル壁から拡散することによりカプセルから漏れる傾向がある。漏れの現象は、活性物質を保護しかつその制御された放出を提供するカプセルの効率を減少させる。
【0004】
多様な方策には、油状物のコアをベースとしたマイクロカプセルの安定性を改良することが記載されている。化学基、例えばポリ(アミン)及びポリ(イソシアネート)でのカプセル壁の架橋は、マイクロカプセルの安定性を解消する方法として記載されている。国際公開第2011/154893号は、例えば、特定の相対濃度で芳香族ポリイソシアネートと脂肪族ポリイソシアネートとの組み合わせを使用するポリウレアマイクロカプセルの製造方法を開示している。
【0005】
無機粒子での油/水界面の安定化は、いわゆるピッカリングエマルションで説明される。これに関連して、無機粒子を官能化して架橋を可能にすることが公知である。例えば、静電相互作用を提供する高分子電解質で外側の水相から架橋されたピッカリングエマルションは、先行開示の対象となっている(Li Jianら、Langmuir(2010)、26(19)、15554-15560)。しかしながら、かかるシステムは、静電相互作用が安定性を促進するには不十分であるため、経時的に界面活性剤塩基又はエタノール中で解離する可能性が非常に高い。共有結合による架橋も、コロイドソームの調製におけるピッカリングエマルションに関連して記載されている。特に、架橋剤としてのジイソシアネートの使用は、科学出版物に開示されている。国際公開2009/063257号は、内容物のUV光からの保護レベルを高めたマイクロカプセルを調製するために、表面改質した無機粒子の可能な架橋剤としてポリイソシアネートを使用することも記載している。これらの製品は、典型的に農薬用途を目的としている。このタイプのシステムは、香料のカプセル化に適していない。実際に、マイクロカプセルの良好な形態及び透過性を維持するためには、過剰な表面改質した無機粒子が必要である。他の問題は、これらのマイクロカプセルはサイズ調整の余地がほとんどないことである。さらに、油-水界面で吸着される粒子の量は制限され、これがカプセル膜の特性に影響する。
【0006】
さらに、安定性に関する性能及び嗅覚性能に加えて、環境に優しいデリバリーシステムについての消費者の需要はますます重要であり、新たなデリバリーシステムの開発を進めている。
【0007】
したがって、マイクロカプセルの性能を損なうことなく、特に興味深い媒体、例えば消費者製品ベースにおける安定性の観点から、並びに有効成分の送達に関して良好な性能、例えば付香成分の場合に嗅覚性能を提供するという観点から、より環境に優しい材料を使用する新たなマイクロカプセルを提供する必要が依然としてある。
【0008】
発明の要旨
本発明の第1の態様は、したがって、
a)疎水性材料、好ましくは香油を含む油性コア、及び
b)リグニン粒子を含むポリマーシェル
を含む、コアシェルマイクロカプセルである。
【0009】
本発明の第2の態様は、
a)疎水性材料、好ましくは香油を含む油性コア、及び
b)リグニン粒子を含むポリマーシェル
から製造される少なくとも1つのマイクロカプセルを含む、コアシェルマイクロカプセルスラリーである。
【0010】
本発明の第3の態様は、前記で定義したコアシェルマイクロカプセル又はコアシェルマイクロカプセルスラリーの製造方法であって、
1)リグニン粒子を水中で懸濁して、水相を形成するステップ、
2)疎水性材料、好ましくは香油を含む油相を調製するステップ、
3)界面重合及び/又は界面反応によるコアシェルマイクロカプセルの形成が可能な条件下で、油相を水相に添加し、それらを混合して、水中油型ピッカリングエマルションを形成するステップ
を含み、多官能性モノマーを、ステップ1)において水相中に、及び/又はステップ2)において油相中に、及び/又はステップ3)においてエマルション中に添加する、コアシェルマイクロカプセル又はコアシェルマイクロカプセルスラリーの製造方法である。
【0011】
第4の態様において、本発明は、かかる方法によって得られたマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー、並びにそれらを含む付香組成物及び消費者製品に関する。
【0012】
最後の態様において、本発明は、さらに界面重合及び/又は界面反応にさらされたピッカリングエマルションの安定化のための、リグニン粒子の使用に関する。
【0013】
発明の詳細な説明
特に明記されない限り、パーセント(%)は、組成物の質量百分率を示すことを意味する。
【0014】
「疎水性材料」は、水と混合した場合に二相分散液を形成する材料を意味する。本発明に従って、疎水性材料は、溶媒又は有効成分のような「不活性」材料であってよい。一実施形態に従って、疎水性材料は、疎水性活性成分である。
【0015】
「有効成分」に関しては、単一の化合物又は成分の組み合わせを意味する。
【0016】
「香油」に関しては、単一の付香化合物、又はいくつかの付香化合物の混合物を意味する。
【0017】
「消費者製品」又は「最終製品」に関しては、消費者により配布、販売及び使用するために準備された製造した製品を意味する。
【0018】
本発明における「マイクロカプセル」又は同様のものは、コアシェル型からマトリックス型まで変化しうる形態を有する。一実施形態に従って、それはコアシェル型である。この場合、マイクロカプセルは、疎水性材料、典型的に香料をベースとするコアと、リグニン粒子を含むポリマーシェルとを含む。
【0019】
典型的に、マイクロカプセルは、約1~3000ミクロン、好ましくは1~1000ミクロン、より好ましくは1~500ミクロン、及びさらにより好ましくは5~50ミクロンである、ミクロン範囲(例えば平均直径)での粒径分布を有する。
【0020】
本発明によるマイクロカプセルのポリマーシェルは、リグニン粒子の存在下で界面重合及び/又は界面反応により形成される。より詳述すれば、ポリマーシェルは、リグニン粒子の存在下で、多官能性モノマーと任意に反応物質との反応によって形成される。リグニン粒子は、ポリマーシェルの形成に関与してよく、及び/又はポリマーシェルと相互作用できる。
【0021】
「マイクロカプセルスラリー」に関しては、液体中に分散させたマイクロカプセルを意味する。一実施形態に従って、マイクロカプセルは、水中に分散されている。
【0022】
「粒径」に関しては、粒子が水相中に分散している場合に、Malvern Instruments Ltd.(UK)社製のZetasizer Nano ZS装置を使用する動的光散乱(DLS)によって測定したサイズ分布に基づく粒子の平均直径を意味する。
【0023】
「マイクロカプセルサイズ」に関しては、これは、Malvern Mastersizer 3000における希釈した試料のレーザー光散乱によって得られる、関連するマイクロカプセル、マイクロカプセル懸濁液の体積平均直径(D[4,3])を意味する。
【0024】
「多官能性モノマー」は、単位として、化学的に反応又は結合してポリマー又は超分子ポリマーを形成する分子を意味する。多官能性モノマーは、油溶性又は水溶性である。本発明の多官能性モノマーは、他の成分(例えばリグニン粒子)の官能基と反応又は結合できる、及び/又は重合してポリマーシェルを形成できる、少なくとも2つの官能基を有する。「シェル」及び「壁」という単語は、本発明において区別なく使用される。
【0025】
「ポリウレアベースの」壁又はシェルに関しては、ポリマーシェルが、アミノ官能性架橋剤、又は界面重合中にイソシアネート基とさらに反応できるアミノ基を生成するためのイソシアネート基の加水分解のいずれかによって生成される尿素結合を含むことを意味する。ポリウレアベースのカプセルは、追加のアミン反応物の非存在下で形成される。
【0026】
驚くべきことに、リグニン粒子がシェル内に含まれる場合に、疎水性材料、例えば香油をカプセル化するコアシェルマイクロカプセルが得られることが見出された。したがって、本発明のマイクロカプセルは、シェル中のポリマー材料の濃度が低い場合であっても、困難な塩基中での貯蔵安定性を改善するため、前記問題の解決策を提供する。
【0027】
コアシェルマイクロカプセル
本発明の第1の目的は、
a)疎水性材料、好ましくは香油を含む油性コア、及び
b)リグニン粒子を含むポリマーシェル
を含む、コアシェルマイクロカプセルである。
【0028】
疎水性材料
本発明による疎水性材料は、「不活性」材料、例えば溶媒、又は活性成分であってよい。
【0029】
疎水性材料が活性成分である場合に、疎水性材料は、好ましくは、フレーバー、フレーバー成分、香料、香料成分、栄養補助食品、化粧品、有害生物防除剤、殺生物活性剤、悪臭中和成分及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
一実施形態に従って、疎水性材料は、有害生物防除剤及び/又は殺生物活性剤ではない。
【0031】
一実施形態に従って、疎水性材料は、相変化材料(PCM)ではない。
【0032】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、香料と、機能性食品、化粧品、有害生物防除剤及び殺生物活性剤からなる群から選択される他の成分との混合物である。
【0033】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、殺生物活性剤と、香料、機能性食品、化粧品、有害生物防除剤からなる群から選択される他の成分との混合物である。
【0034】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、有害生物防除剤と、香料、機能性食品、化粧品、殺生物活性剤からなる群から選択される他の成分との混合物である。
【0035】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、香料を含む。
【0036】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、香料からなる。
【0037】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、殺生物活性剤からなる。
【0038】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、有害生物防除剤からなる。
【0039】
「香料」(又は「香油」)に関して、ここでは、約20℃で液体である成分又は組成物を意味する。前記実施形態のいずれか1つに従って、前記香油は、付香組成物の形での付香成分のみ又は付香成分の混合物であってよい。「付香成分」としては、ここでは、においを付与又は調整する主な目的のために使用される化合物を意味する。言い換えれば、付香成分であると考えられるべきかかる成分は、ポジティブ又は好ましい方法で組成物のにおいを少なくとも付与又は改質することができ、単に1つのにおいを有するだけでないと当業者によって認識される必要がある。本発明の目的のために、香油は、共に付香成分の送達を改善する、高める又は改質する物質を有する付香成分、例えば香料前駆体、修飾物質、エマルション又は分散液の組み合わせ物、及びにおいを改質又は付与する以上の追加の利点、例えば長続きすること、ブルーミング、悪臭中和、抗菌効果、微生物の安定性、有害生物の制御を付与する組み合わせ物も含む。
【0040】
いずれにしても網羅的とはならないであろう油相中に存在する付香成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、当業者は、一般の知識に基づいて、及び任意の使用又は適用及び所望された感覚刺激性効果に従って、前記ベースを選択することができる。一般的な用語で、これらの付香成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素又は硫黄の複素環化合物及び精油(例えばタイム油)と多様な化学品種に属し、かつ該付香補助成分は、天然又は合成由来のものであってよい。これらの補助成分の多くは、いずれにしても、参考文献、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、又は同様の種類の他の著作において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。
【0041】
特に、香料配合物において慣用的に使用される付香成分を挙げることができ、例えば以下のものである:
- アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデカナール、オクタナール、ノナナール及び/又はノネナール;
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、樟脳、ユーカリプトール、5-メチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン-4-オン、1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、2,2,7/8,9/10-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-オン、メントール及び/又はアルファ-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリン及び/又はバニリン;
- シトラス成分、ジヒドロミリセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-P-メンテン-8-イルアセテート及び/又は1,4(8)-P-メンタジエン;
- フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、ベータイオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-[2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、ヘキシルサリチレート、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、バージルアセテート、ゲラニオール、P-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、アミルサリチレート、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、バージルプロピオネート、ゲラニルアセテート、テトラヒドロリナロール、シス-7-P-メタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、8-デセン-5-オリド、4-フェニル-2-ブタノン、イソノニルアセテート、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、バージルイソブチレート及び/又はメチルイオノン異性体の混合物;
- フルーティー成分:ガンマ-ウンデカラクトン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、4-デカノリド、エチル 2-メチル-ペンタノエート、ヘキシルアセテート、エチル 2-メチルブタノエート、ガンマ-ノナラクトン、アリルヘプタノエート、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル 2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、ジエチル 1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、3-メチル-2-ヘキセン-1-イルアセテート、1-[3,3-ジメチルシクロヘキシル]エチル[3-エチル-2-オキシラニル]アセテート及び/又はジエチル 1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
- グリーン成分:2-メチル-3-ヘキサノン(E)-オキシム、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オール及び/又は1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、3-メチルシクロペンタデカノン、1-オキサ-12-シクロヘキサデセン-2-オン、1-オキサ-13-シクロヘキサデセン-2-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン、2-{(1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキサエチルプロピオネート、3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]イソクロメン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、オキサシクロヘキサデカン-2-オン及び/又は(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- ウッディー成分:1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデセ[4]エン、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン、2,2,9,11-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-イルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチュリ油、パチュリ油のテルペン画分、clearwood(登録商標)、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オン及び/又はイソボルニルアセテート;
- 他の成分(例えばアンバー、パウダリースパイシー又はウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン及び任意のその立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、チョウジ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、1-フェニルビニルアセテート、6-メチル-7-オキサ-1-チア-4-アザスピロ[4.4]ノナン及び/又は3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
【0042】
前記成分は、プロ香料(properfume)又はプロフレグランス(profragrance)としても公知の制御された方法で種々のタイプの付香化合物を放出することが公知の化合物であってもよいとも解される。適したプロ香料の制限のない例は、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-ブタノン、2-(ドデシルチオ)オクタン-4-オン、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、(Z)-ヘキセ-3-エン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イルヘキサデカノエート、ビス(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)スクシネート、(2-((2-メチルウンデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(3-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、(3-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、1-(((Z)-ヘキセ-3-エン-1-イル)オキシ)-2-メチルウンデセ-1-エン、(2-((2-メチルウンデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン、2-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ウンデセ-1-エン、1-メトキシ-4-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ベンゼン、1-メチル-4-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ベンゼン、2-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-フェネトキシビニル)ベンゼン、2-(1-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)プロペ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、4-アリル-2-メトキシ-1-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンゼン、(2-((2-ヘプチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、1-イソプロピル-4-メチル-2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)ベンゼン、2-メトキシ-1-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)-4-プロピルベンゼン、3-メトキシ-4-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-((2-(ヘキシルオキシ)-2-フェニルビニル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又はそれらの混合物を含んでよい。
【0043】
付香成分は、香料産業において現在使用している溶媒中で溶解されてよい。前記溶媒は好ましくはアルコールではない。かかる溶媒の例は、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、Abalyn(登録商標)(ロジン樹脂、Eastman社から入手可能)、ベンジルベンゾエート、エチルシトレート、トリエチルシトレート、リモネン又は他のテルペン、もしくはイソパラフィンである。好ましくは、前記溶媒は、非常に疎水性であり、高次に立体障害されているもの、例えばAbalyn(登録商標)又はベンジルベンゾエートである。好ましくは、香料は、30%未満の溶媒を含む。より好ましくは、香料は、20%未満、及びさらにより好ましくは10%未満の溶媒を含み、全てのこれらのパーセンテージは、香料の全質量に対する質量で定義される。より好ましくは、香料は実質的に溶媒を有さない。
【0044】
好ましい付香成分は、高次立体障害を有するもの(すなわちバルク材料)、及び特に次の群の1つからのものである:
- 群1:少なくとも1つの直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキル又はアルケニル置換基で置換された、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサノン環又はシクロヘキセノン環を含む付香成分
- 群2:少なくとも1つの直鎖又は分岐鎖のC4~C8アルキル又はアルケニル置換基で置換された、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロペンタノン環又はシクロペンテノン環を含む付香成分
- 群3:フェニル環を含む付香成分、又は少なくとも1つの直鎖又は分岐鎖のC5~C8アルキル又はアルケニル置換基でもしくは少なくとも1つのフェニル置換基及び任意に1つ以上の直鎖又は分岐鎖のC1~C3アルキル又はアルケニル置換基で置換された、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサノン環又はシクロヘキセノン環を含む付香成分;
- 群4:少なくとも2つの縮合した又は連結したC5環及び/又はC6環を含む付香成分;
- 群5:樟脳のような環構造を含む付香成分;
- 群6:少なくとも1つのC7~C20環構造を含む付香成分;
- 群7:logP値が3.5を超え、少なくとも1つのtert-ブチル又は少なくとも1つのトリクロロメチル置換基を含む付香成分。
【0045】
それぞれの上記群からの成分の例は以下である:
- 群1: 2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、イソシクロシトラール、メントン、イソメントン、メチル 2,2-ジメチル-6-メチレン-1-シクロヘキサンカルボキシレート(供給源:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、ネロン、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルペニルアセテート、ジヒドロテルペニルアセテート、ジペンテン、ユーカリプトール、ヘキシレート、ローズオキシド、(S)-1,8-p-メンタジエン-7-オール(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、1-p-メンテン-4-オール、(1RS,3RS,4SR)-3-p-メンタニルアセテート、(1R,2S,4R)-4,6,6-トリメチル-ビシクロ[3,1,1]ヘプタン-2-オール、テトラヒドロ-4-メチル-2-フェニル-2H-ピラン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、シクロヘキシルアセテート、シクラノールアセテート、1,4-シクロヘキサンジエチルジカルボキシレート(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、(3RS,3aRS,6SR,7ASR)-ペルヒドロ-3,6-ジメチル-ベンゾ[B]フラン-2-オン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、(6R)-ペルヒドロ-3,6-ジメチル-ベンゾ[B]フラン-2-オン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド;
- 群2: (E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール(供給元:Givaudan SA、Vernier、Switzerland)、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、(1’R,E)-3,3-ジメチル-5-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-4-ペンテン-2-オール(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、2-ヘプチルシクロペンタノン、メチル-シス-3-オキソ-2-ペンチル-1-シクロペンタンアセテート(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、2,2,5-トリメチル-5-ペンチル-1-シクロペンタノン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ペンタノール(供給元:Givaudan SA、Vernier、Switzerland);
- 群3: ダマスコン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、(1’R)-2-[2-(4’-メチル-3’-シクロヘキセン-1’-イル)プロピル]シクロペンタノン、アルファ-イオノン、ベータ-イオノン、ダマスセノン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オンと1-(3,3-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オンとの混合物(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート(供給元:International Flavors and Fragrances、USA)、1-(2,2,3,6-テトラメチル-シクロヘキシル)-3-ヘキサノール(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、トランス-1-(2,2,6-トリメチル-1-シクロヘキシル)-3-ヘキサノール(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、テルペニルイソブチレート、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、8-メトキシ-1-p-メンテン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、パラtert-ブチルシクロヘキサノン、メンテンチオール、1-メチル-4-(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アリルシクロヘキシルプロピオネート、シクロヘキシルサリチレート、2-メトキシ-4-メチルフェニルメチルカーボネート、エチル2-メトキシ-4-メチルフェニルカーボネート、4-エチル-2-メトキシフェニルメチルカーボネート;
- 群4: メチルセドリルケトン(供給元:International Flavors and Fragrances、USA)、(1RS,2SR,6RS,7RS,8SR)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ-3-エン-8-イル 2-メチルプロパノエートと(1RS,2SR,6RS,7RS,8SR)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ-4-エン-8-イル 2-メチルプロパノエートとの混合物、ベチベロール、ベチベロン、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン(供給元:International Flavors and Fragrances、USA)、(5RS,9RS,10SR)-2,6,9,10-テトラメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3,6-ジエン及び(5RS,9SR,10RS)異性体、6-エチル-2,10,10-トリメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3,6-ジエン、1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4-インデノン(供給元:International Flavors and Fragrances、USA)、3-(3,3-ジメチル-5-インダニル)プロパナールと3-(1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナールとの混合物(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、3’,4-ジメチル-トリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデセ-4-エン-9-スピロ-2’-オキシラン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、9/10-エチルジエン-3-オキサトリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデカン、ペルヒドロ-5,5,8A-トリメチル-2-ナフタレニルアセテート(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、オクタリノール、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ-3-エン-8-イルアセテート及びトリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ-4-エン-8-イルアセテート並びにトリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ-3-エン-8-イルプロパノエート及びトリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ-4-エン-8-イルプロパノエート、(+)-(1S,2S,3S)-2,6,6-トリメチル-ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-スピロ-2’-シクロヘキセン-4’-オン;
- 群5: 樟脳、ボルネオール、イソボルニルアセテート、8-イソプロピル-6-メチル-ビシクロ[2.2.2]オクテ-5-エン-2-カルバルデヒド、ピネン、カンフェン、β-メトキシセドラン、(8-メトキシ-2,6,6,8-テトラメチル-トリシクロ[5.3.1.0(1,5)]ウンデカン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、セドレン、セドレノール、セドロール、9-エチリデン-3-オキサトリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデカン-4-オンと10-エチリデン-3-オキサトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン-4-オンとの混合物(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、3-メトキシ-7,7-ジメチル-10-メチレン-ビシクロ[4.3.1]デカン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland);
- 群6:(トリメチル-13-オキサビシクロ-[10.1.0]-トリデカ-4,8-ジエン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、9-ヘキサデセン-16-オリド(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、ペンタデセノリド(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、3-メチル-(4/5)-シクロペンタデセノン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、3-メチルシクロペンタデカノン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、ペンタデカノリド(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、シクロペンタデカノン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン(供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland)、1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン、4,8-シクロドデカジエン-1-オン;
- 群7:(+-)-2-メチル-3-[4-(2-メチル-2-プロパニル)フェニル]プロパナール(供給元:Givaudan SA、Vernier、Switzerland)、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート。
【0046】
好ましくは、香料は、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%の、上記で定義された群1~7から選択される成分を含む。より好ましくは、前記香料は、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%の、上記で定義された群3~7からの成分を含む。最も好ましくは、前記香料は、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%の、上記で定義された群3、4、6又は7からの成分を含む。
【0047】
他の好ましい実施形態に従って、前記香料は、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%の、3超、好ましくは3.5超、さらにより好ましくは3.75超のlogPを有する成分を含む。
【0048】
特定の実施形態に従って、本発明において使用される香料は、それ自体の質量の10%未満の第一級アルコールそれ自体の質量の15%未満の第二級アルコール、及びそれ自体の質量の20%未満の第三級アルコールを含有する。有利には、本発明において使用される香料は、あらゆる第一級アルコールを含有せず、かつ、15%未満の第二級及び第三級アルコールを含有する。
【0049】
一実施形態に従って、油相(又は油性コア)は、
- Log T<-4を有する少なくとも15質量%の耐衝撃性の香料原料を含む香油25~100質量%、及び
- 1.07g/cm3超の密度を有する密度平衡材料0~75質量%
を含む。
【0050】
「耐衝撃性の香料原料」は、Log T<-4を有する香料原料と理解されるべきである。化合物のにおい閾値濃度は、その形状、極性、部分電荷、及び分子量によって部分的に決定される。便宜上、におい閾値濃度は、閾値濃度の常用対数、すなわち、Log[閾値](「LogT」)として表される。
【0051】
「密度平衡材料」は、1.07g/cm3超の密度を有し、かつ好ましくは低いにおい有するか又は全くにおいを有さない材料と理解されるべきである。
【0052】
付香化合物のにおい閾値濃度を、ガスクロマトグラフ(「GC」)を使用することによって決定する。具体的に、ガスクロマトグラフを較正して、シリンジによって注入された香油成分の正確な量、正確な分割比、並びに公知の濃度及び鎖長分布の炭化水素標準を使用した炭化水素応答を決定する。空気流量を正確に測定し、人間の吸入が12秒間続くと仮定して、サンプリングした量を算出する。任意の時点での検出器での正確な濃度が分かっているため、吸入した体積あたりの質量が分かり、したがって付香化合物の濃度が分かる。閾値濃度を決定するために、溶液を、逆算した濃度でにおいを嗅ぐための受け口に送る。パネリストがGC流出液のにおいを嗅ぎ、においに気付いた場合に保持時間を特定する。全てのパネリストの平均は、付香化合物のにおい閾値濃度を決定する。におい閾値の決定は、C. Vuilleumierら、Multidimensional Visualization of Physical and Perceptual Data Leading to a Creative Approach in Fragrance Development,Perfume&Flavorist,Vol.33,September,2008,pages 54-61において詳細に記載されている。
【0053】
Log T<-4を有する耐衝撃性香料原料及び1.07g/cm3超の密度を有する密度平衡材料の性質は、国際公開第2018115250号(WO2018115250)に記載されており、その内容は参照をもって組み込まれる。
【0054】
一実施形態に従って、Log T<-4を有する耐衝撃性香料原料は、(+-)-1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、4-(4-ヒドロキシ-1-フェニル)-2-ブタノン、2-メトキシ-4-(1-プロペニル)-1-フェニルアセテート、ピラゾブチル、3-プロピルフェノール、1-(3-メチル-1-ベンゾフラン-2-イル)エタノン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、1-(3,3/5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、(3RS,3aRS,6SR,7ASR)-ペルヒドロ-3,6-ジメチル-ベンゾ[b]フラン-2-オンと(3SR,3aRS,6SR,7ASR)-ペルヒドロ-3,6-ジメチル-ベンゾ[b]フラン-2-オンとを含む混合物、(+-)-1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、(1’S,3’R)-1-メチル-2-[(1’,2’,2’-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキシ-3’-イル)メチル]シクロプロピル}メタノール、(+-)-3-メルカプトヘキシルアセテート、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、H-メチル-2h-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、(2E,6Z)-2,6-ノナジエン-1-オール、(4Z)-4-ドデセナール、(+-)-4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3(2H)-フラノン、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、3-メチルインドール、(+-)-ペルヒドロ-4アルファ,8aベータ-ジメチル-4a-ナフタレノール、パチュロール、2-メトキシ-4-(1-プロペニル)フェノール、(+-)-5,6-ジヒドロ-4-メチル-2-フェニル-2H-ピランとテトラヒドロ-4-メチレン-2-フェニル-2H-ピランとを含む混合物、4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピランと(+-)-4-メチル-2-フェニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピランとを含む混合物、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、ノニレンアルデヒド、2-メトキシ-4-プロピルフェノール、3-メチル-5-フェニル-2-ペンテンニトリル、1-(スピロ[4.5]デセ-6/7-エン-7-イル)-4-ペンテン-1-オン、2-メトキシナフタレン、(-)-(3aR,5AS,9AS,9BR)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、5-ノナノリド、(3aR,5AS,9AS,9BR)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、7-イソプロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、クマリン、4-メチルフェニルイソブチレート、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、ベータ,2,2,3-テトラメチル-デルタ-メチレン-3-シクロペンテン-1-ブタノール、デルタダマスコン((2E)-1-[(1RS,2SR)-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン)、(+-)-3,6-ジヒドロ-4,6-ジメチル-2-フェニル-2h-ピラン、アニスアルデヒド、パラクレゾール、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、メチル2-アミノベンゾエート、エチルメチルフェニルグリシデート、オクタラクトンガンマ、エチル3-フェニル-2-プロパノエート、(-)-(2E)-2-エチル-4-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、パラクレジルアセテート、ドデカラクトン、トリシクロン、(+)-(3R,5Z)-3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、ウンデカラクトン、(1R,4R)-8-メルカプト-3-p-メンタノン、(3S,3AS,6R,7AR)-3,6-ジメチルヘキサヒドロ-1-ベンゾフラン-2(3H)-オン、ベータイオノン、(+-)-6-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン、(3E,5Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、10-ウンデセナール、(9E)-9-ウンデセナール(9Z)-9-ウンデセナール、(Z)-4-デセナール、(+-)-エチル2-メチルペンタノエート、1,2-ジアリルジスルファン、2-トリデセンニトリル、3-トリデセンニトリル、(+-)-2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、(+)-(3R,5Z)-3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、アリル(シクロヘキシルオキシ)アセテート、メチルナフチルケトン、(+-)-(4E)-3-メチル-4-シクロペンタデセン-1-オン、(+-)-5E3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、シクロプロピルメチル3-ヘキセノエート、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(+-)-1-(5-プロピル-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル)エタノン、4-メチル-2-ペンチルピリジン、(+-)-(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(3aRS,5aSR,9aSR,9bRS)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、(2S,5R)-5-メチル-2-(2-プロパニル)シクロヘキサノンオキシム、6-ヘキシルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン、(+-)-3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール、メチル2-(3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセ-2-エニル)ペンテ-1-エン-3-オン、インドール、7-プロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、エチルパラリン、(4-メチルフェノキシ)アセトアルデヒド、エチルトリシクロ[5.2.1.0.2,6]デカン-2-カルボキシレート、(+)-(1’S,2S,E)-3,3-ジメチル-5-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-4-ペンテン-2-オール、(4E)-3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、8-イソプロピル-6-メチル-ビシクロ[2.2.2]オクテ-5-エン-2-カルバルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、4-ホルミル-2-メトキシフェニル2-メチルプロパノエート、(E)-4-デセナール、(+-)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、(1R,5R)-4,7,7-トリメチル-6-チアビシクロ[3.2.1]オクテ-3-エン、(1R,4R,5R)-4,7,7-トリメチル-6-チアビシクロ[3.2.1]オクタン、(-)-(3R)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、(E)-3-フェニル-2-プロペンニトリル、4-メトキシベンジルアセテート、(E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、アリル(2/3-メチルブトキシ)アセテート、(+-)-(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
一実施形態に従って、Log T<-4を有する香料原料は、アルデヒド、ケトン、アルコール、フェノール、エステル、ラクトン、エーテル、エポキシド、ニトリル及びそれらの混合物からなる群で選択される少なくとも1つの香料原料を含む。
【0056】
一実施形態に従って、Log T<-4を有する香料原料は、アルコール、フェノール、エステルラクトン、エーテル、エポキシド、ニトリル及びそれらの混合物からなる群において選択される少なくとも1つの化合物を、好ましくはLog T<-4を有する香料原料の全量に対して20~70質量%の量で含む。
【0057】
一実施形態に従って、Log T<-4を有する香料原料は、アルデヒド、ケトン、及びそれらの混合物を、Log T<-4を有する香料原料の全量に対して20~70質量%含む。
【0058】
したがって、油状物ベースのコアにおいて含まれる残りの香料原料は、Log T>-4を有してよい。
【0059】
一実施形態に従って、Log T<-4を有する香料原料は、エチル2-メチルブチレート、(E)-3-フェニル-2-プロペニルアセテート、(+-)-6/8-sec-ブチルキノリン、(+-)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-yl)-2-メチルプロパナール、ベルジルプロピオネート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、(+-)-(E)-4-メチル-3-デセン-5-ol、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラヒドロ-4-メチル-2-(2-メチル-1-プロペニル)-2H-ピラン、ドデセナール、1-オキサ-12/13-シクロヘキサデセン-2-オン、(+-)-3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、アルデヒドC11、(+-)-2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、アリル3-シクロヘキシルプロパノエート、(Z)-3-ヘキセニルアセテート、5-メチル-2-(2-プロパニル)シクロヘキサノン、アリルヘプタノエート、2-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルブチレート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、(+-)-1-フェニルエチルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、3-メチル-2-ブテニルアセテート、エチル3-オキソブタノエート、(2Z)-エチル3-ヒドロキシ-2-ブテノエート、8-p-メタノール、8-p-メンタニルアセテート、1-p-メンタニルアセテート、(+-)-2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-2-プロパニルアセテート、(+-)-2-メチルブチルブタノエート、2-{(1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキソエチルプロピオネート、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-シクロヘキシルエチルアセテート、オクタナール、エチルブタノエート、(+-)-(3E)-4-(2,6,6-トリメチル-1/2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン、エチルヘキノエート、ウンデカナール、デカナール、2-フェニルエチルアセテート、(1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、(1S,2R,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール)、(+-)-3,7-ジメチル-3-オクタノール、1-メチル-4-(2-プロパニリデン)シクロヘキセン、(+)-(R)-4-(2-メトキシプロパン-2-イル)-1-メチルシクロヘキセ-1-エン、ベルジルアセテート、(3R)-1-[(1R,6S)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、(3S)-1-[(1R,6S)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、(3R)-1-[(1S,6S)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、(+)-(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0060】
一実施形態に従って、香料配合物は、以下を含む:
- 疎水性溶媒0~60質量%(香料配合物の全質量に対して)、
- 香油40~100質量%(香料配合物の全質量に対して)、ここで香油は、以下の特徴の少なくとも2つ、好ましくは全てを有する
・ 3超、好ましくは3.5超のlog Pを有する香料成分の少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、
・ 以前に定義した群1~6、好ましくは群3~6のバルク材料の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、
・ 以前に定義したLog T>-4を有する耐衝撃性香料原料の少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%
任意に、さらに疎水性活性成分。
【0061】
特定の実施形態に従って、香料は、疎水性溶媒0~60質量%を含む。
【0062】
特定の実施形態に従って、疎水性溶媒は、密度平衡材料、好ましくは、ベンジルサリチレート、ベンジルベンゾエート、シクロヘキシルサリチレート、ベンジルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、トリアセチン、エチルシトレート、メチルサリチレート、エチルサリチレート、ベンジルシンナメート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態に従って、疎水性溶媒は、密度平衡材料、好ましくは、ベンジルサリチレート、ベンジルベンゾエート、シクロヘキシルサリチレート、ベンジルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、トリアセチン、エチルシトレート、メチルサリチレート、エチルサリチレート、ベンジルシンナメート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0063】
特定の実施形態において、疎水性溶媒は、閉じ込められた香油と適合性のあるハンセン溶解度パラメータを有する。
【0064】
「ハンセン溶解度パラメータ」という用語は、Charles Hansenによって提案され、ポリマー溶解度を予測するために使用される溶解度パラメータのアプローチを指すと理解され、液体の蒸発の合計エネルギーがいくつかの個々の部分からなるという基礎に基づいて開発された。「加重ハンセン溶解度パラメータ」を計算するには、(原子)分散力、(分子)永久双極子-永久双極子力、及び(分子)水素結合(電子交換)の効果を組み合わせる必要がある。「加重ハンセン溶解度パラメータ」は、(δD2+δΡ2+δΗ2)0.5として算出でき、その際δDは、ハンセン分散値(以下、原子分散力ともいう)であり、δPは、ハンセン分極率値(以下、双極子モーメント)であり、かつδHは、ハンセン水素結合(「h-結合」)値(以下、水素結合ともいう)である。パラメータ及び値のより詳細な記載については、Charles Hansen(The Three Dimensional Solubility Parameter and Solvent Diffusion Coefficient,Danish Technical Press(Copenhagen、1967))を参照されたい。
【0065】
フレグランスと溶剤との溶解度パラメータにおけるユークリッド差は、(4*(δDsolvent-δDfragrance)2+(δPsolvent-δPfragrance)2+(δHsolvent-δHfragrance)2)0.5として算出され、式中、δDsolvent、δPsolvent、及びδHsolventは、それぞれ、溶媒のハンセン分散値、ハンセン分極率値、及びハンセンh-結合値であり、かつδDfragrance、δPfragrance、及びδHfragranceは、それぞれ、フレグランスのハンセン分散値、ハンセン分極率値、及びハンセンh-結合値である。
【0066】
特定の実施形態において、香油及び疎水性溶媒は、原子分散力(δD)12~20、双極子モーメント(δP)1~8、及び水素結合(δH)2.5~11からなる第1の群から選択される少なくとも2つのハンセン溶解度パラメータを有する。
【0067】
特定の実施形態において、香油及び疎水性溶媒は、原子分散力(δD)12~20、好ましくは14~20、双極子モーメント(δP)1~8、好ましくは1~7、及び水素結合(δH)2.5~11、好ましくは4~11からなる第2の群から選択される少なくとも2つのハンセン溶解度パラメータを有する。
【0068】
特定の実施形態において、香油の少なくとも90%、好ましくは香油の少なくとも95%、最も好ましくは香油の少なくとも98%は、原子分散力(δD)12~20、双極子モーメント(δP)1~8、及び水素結合(δH)2.5~11からなる第1の群から選択される少なくとも2つのハンセン溶解度パラメータを有する。
【0069】
特定の実施形態において、香油及び疎水性溶媒は、原子分散力(δD)12~20、好ましくは14~20、双極子モーメント(δP)1~8、好ましくは1~7、及び水素結合(δH)2.5~11、好ましくは4~11からなる第2の群から選択される少なくとも2つのハンセン溶解度パラメータを有する。
【0070】
一実施形態に従って、付香配合物は、フレグランス調節剤(疎水性溶媒が存在する場合には疎水性溶媒に加えて、又は疎水性溶媒がない場合には疎水性溶媒の代替として使用することができる)を含む。
【0071】
好ましくは、フレグランス調節剤は、以下を有するフレグランス材料として定義される:
i. 22℃で0.0008Torr未満の蒸気圧、
ii. 3.5以上、好ましくは4.0以上、及びより好ましくは4.5のclogP、
iii. 原子分散力12~20、双極子モーメント1~7、及び水素結合2.5~11からなる第1の群から選択される少なくとも2つのハンセン溶解度パラメータ、
iv. 22℃で0.0008~0.08Torrの範囲の蒸気圧を有する化合物を有する溶液での場合に、原子分散力14~20、双極子モーメント1~8、及び水素結合4~11からなる第2の群から選択される少なくとも2つのハンセン溶解度パラメータ。
【0072】
好ましくは、例として次の成分が調節剤として挙げられるが、リストは次の物質に制限されない:アルコールC12、オキサシクロヘキサデセ-12/13-エン-2-オン、3-[(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)メトキシ]-2-ブタノール、シクロヘキサデカノン、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、(8Z)-オキサシクロヘプタデセ-8-エン-2-オン、 2-[5-(テトラヒドロ-5-メチルl-5-ビニル-2-フリル)-テトラヒドロ-5-メチル-2-フリル]-2-プロパノール、ミュゲアルデヒド、1,5,8-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、(+-)-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]イソクロメン、(+)-(1S,2S,3S,5R)-2,6,6-トリメチルスピロ[ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3,1’-シクロヘキサン]-2’-エン-4’-オン、オキサシクロヘキサデカン-2-オン、2-{(1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキソエチルプロピオネート、(+)-(4R,4aS,6R)-4,4a-ジメチル-6-(1-プロペン-2-イル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-2(3H)-ナフタレノン、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、ヘキシルサリチレート、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-1,6-ヘプタジエン-3-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン。
【0073】
特定の実施形態に従って、疎水性材料は、あらゆる活性成分(例えば香料)を有さない。この特定の実施形態において、疎水性材料は、好ましくは、疎水性溶媒、好ましくはイソプロピルミリステート、トリグリセリド(例えばNeobee(登録商標)MCT油、植物油)、D-リモネン、シリコーン油、鉱油、及びそれらの混合物からなる群において選択される疎水性溶媒、任意に、1,4-ブタンジオール、ベンジルアルコール、トリエチルシトレート、トリアセチン、ベンジルアセテート、エチルアセテート、プリピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、グリセロール、グリコールエーテル及びそれらの混合物からなる群において選択される疎水性溶媒を含む。
【0074】
「殺生物剤」という用語は、生物(例えば、微生物)を殺すか、又はそれらの成長及び/又は蓄積を低減又は防止することができる化学物質をいう。殺生物剤は、医学、農業、林業において、並びに例えば水、種子を含む農産物、及び石油パイプラインの汚れを防ぐ産業において慣用的に使用される。殺生物剤は、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、殺藻剤、軟体動物駆除剤、殺ダニ剤及び殺鼠剤を含む殺虫剤;並びに/又は抗菌剤、例えば殺菌剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗原虫剤及び/又は抗寄生虫剤であってよい。
【0075】
本明細書において使用されるように、「有害生物駆除剤」は、有害生物を忌避又は誘引して、それらの成長、発達又はそれらの活性を減少、阻害又は促進するのに役立つ物質を示す。有害生物は、動物、植物又は真菌に関わらず、植物又は動物に侵襲性又は厄介であるあらゆる生物を示し、有害生物は、昆虫、特に節足動物、ダニ、クモ、真菌、雑草、細菌、及び他の微生物を含む。
【0076】
本発明の実施形態のいずれか1つに従って、疎水性材料は、油相の全質量に対して、約10質量%~60質量%(w/w)、又はさらに15質量%~45質量%(w/w)を示してよい。
【0077】
特定の実施形態に従って、油相は、実質的に多官能性モノマー及び香油又はフレーバー油からなる。
【0078】
一実施形態に従って、溶媒、例えば安息香酸ベンジル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クエン酸ブチル、ネオビーを、油相に添加してよい。
【0079】
一実施形態に従って、触媒、例えば有機スズ触媒(例えばジブチルスズジラウレート、オクタン酸第一スズ、酢酸第一スズ、ビス(ドデシルチオ)ジブチルスズ)、ビスマス触媒(例えばビスマスネオデカノエート、ビスマスラウレート、ビスマスオクタノエート、ビスマスナフテネート)及び第三級アミンを油相に添加してよい。
【0080】
ポリマーシェル
一実施形態に従って、ポリマーシェルは、ポリマー材料を含む。
【0081】
一実施形態に従って、ポリマーシェルは、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、尿素とホルムアルデヒドとの、メラミンとホルムアルデヒドとの、メラミンと尿素との、又はメラミンとグリオキサールとのポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー材料を含む(又はそれらからなる)。
【0082】
特定の実施形態に従って、ポリマー材料は、ポリウレア及び/又はポリウレタンである。
【0083】
特定の実施形態に従って、ポリマー材料は、ポリアミドである。
【0084】
一実施形態に従って、ポリマー材料は、マイクロカプセルの全質量に対して、30質量%未満の量で存在する。
【0085】
他の実施形態に従って、ポリマー材料は、マイクロカプセルの全質量に対して、20質量%未満の量で存在する。
【0086】
他の実施形態に従って、ポリマー材料は、マイクロカプセルの全質量に対して、10質量%未満の量で存在する。
【0087】
一実施形態に従って、ポリマー材料は、マイクロカプセルスラリーの全質量に対して、12質量%未満の量で存在する。
【0088】
他の実施形態に従って、ポリマー材料は、マイクロカプセルスラリーの全質量に対して、8質量%未満の量で存在する。
【0089】
他の実施形態に従って、ポリマー材料は、マイクロカプセルスラリーの全質量に対して、5質量%未満の量で存在する。
【0090】
実際に、シェルを形成するポリマー材料の量が減少しても、マイクロカプセルは依然として消費者製品中で良好な安定性を示すことが強調されている。
【0091】
リグニン粒子
一実施形態に従って、リグニン粒子は、シェル内に埋め込まれる。
【0092】
一実施形態に従って、リグニン粒子は、シェル内で均質に分散している。
【0093】
一実施形態に従って、リグニン粒子は、天然の植物又は藻類から抽出された天然リグニン粉末から調製される。
【0094】
「天然リグニン」に関しては、リグニンが改質されていないと理解される。典型的に、リグニンはアミノ化されていない。
【0095】
一実施形態に従って、リグニン粒子は、化学的に改質されていない。「非化学的リグニン粒子」に関しては、粒子の表面が反応性官能基を有するように化学的に改質されていないことを意味する。
【0096】
一実施形態に従って、リグニン粒子は、リグニンのみからなる。言い換えれば、この実施形態に従って、リグニン粒子は、他の材料(例えばドデシル硫酸ナトリウム)を含まない。
【0097】
一実施形態に従って、リグニン粒子以外の粒子はポリマーシェルに含まれない。
【0098】
好ましいリグニン粒子は、最大10μm、より好ましくは最大5μmの平均直径を有するものである。
【0099】
一実施形態に従って、リグニン粒子は、100nm~5ミクロンのサイズを有する。
【0100】
疎水性材料に対するリグニン粒子の相対比は、1:1から1:300の間で構成されてよい。
【0101】
リグニン粒子は、ポリマーシェル内に含まれており、それらが、好ましくはポリマーシェルの形成に関与し、かつポリマーシェルと共有結合相互作用を有するか、又はポリマーシェルに組み込まれるか、及び/又は非共有結合相互作用下でポリマーシェルに接着することを意味する。
【0102】
リグニン粒子は、当業者に周知の種々の方法を使用することにより調製されうる。
【0103】
一実施形態に従って、リグニン粒子は、
(i) リグニン粉末(すなわち粗原料)を、典型的には溶媒に溶解して均質な溶液を得るステップ、及び
(ii) ステップi)の均質な溶液から沈殿を誘導して、リグニン粒子を得るステップ
によって得られる。
【0104】
リグニン粉末は、さらなる化学処理を行わずに、天然植物又は藻類から、例えば木材、藁、茎、樹皮から直接抽出できる。
【0105】
当業者は、適した溶媒を選択できるであろう。溶媒の制限のない例は、例えば、アルカリ溶液、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、アセトン、アセトン/水混合物、ジオキサン/水混合物、エタノール/水混合物、及びそれらの混合物を挙げてよい。
【0106】
ステップii)において、リグニンを、ステップi)で得られた溶液に逆溶媒を添加することによって、又は/及び均質な溶液から溶媒を除去することによって、ステップi)の均質な溶液から沈殿してよい。
【0107】
当業者は、適した逆溶媒を選択できるであろう。逆溶媒の制限のない例としては、例えば、水、酸溶液(例えばリン酸)、塩溶液又はそれらの混合物を挙げてよい。
【0108】
プロセスの最後で、リグニン粒子は、典型的に水中で均質な分散液を形成する。
【0109】
特定の実施形態において、シェル材料は、生分解性材料である。
【0110】
特定の実施形態において、シェルは、OECD301Fに従って60日以内に、少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は98%の生分解性を有する。
【0111】
特定の実施形態において、コアシェルマイクロカプセルは、OECD301Fに従って60日以内に、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は98%の生分解性を有する。
【0112】
それにより、全ての成分、例えばコア、シェル及び任意のコーティングを含むコアシェルマイクロカプセルは、OECD301Fに従って60日以内に、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は98%の生分解性を有してよいことが理解される。
【0113】
OECD301Fは、経済協力開発機構(Organization of Economic Co-operation and Development)による生分解性に関する標準試験方法である。
【0114】
生分解性を測定するためにシェルを抽出する典型的な方法は、Gasparini and all in Molecules 2020, 25,718に開示されている。
【0115】
任意の構成成分
マイクロカプセルがスラリーの形である場合に、マイクロカプセルスラリーは、増粘剤/レオロジー調整剤、抗菌剤、不透明形成剤、雲母粒子、塩、pH安定剤/緩衝成分からなる群から選択される補助成分を、好ましくは、スラリーの全質量に対して0~15質量%の量で含んでよい。
【0116】
他の実施形態に従って、本発明のマイクロカプセルスラリーは、追加の遊離(すなわち非カプセル化)香料を、好ましくはスラリーの全質量に対して5~50質量%の量で含む。
【0117】
任意の外側コーティング
本発明の特定の実施形態に従って、本発明によるマイクロカプセルは、マイクロカプセルに外側コーティングを形成するための、多糖類、カチオン性ポリマー、ポリスクシンイミド誘導体(例えば国際公開第2021185724号に記載される)及びそれらの混合物からなる群から選択される外側コーティング材料を含む。
【0118】
多糖ポリマーは、当業者に周知である。好ましい非イオン性多糖は、ローカストビーンガム、キシログルカン、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアー、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0119】
特定の実施形態に従って、コーティングはカチオン性コーティングからなる。
カチオン性ポリマーは、当業者に周知でもある。好ましいカチオン性ポリマーは、少なくとも0.5meq/g、より有利には少なくとも約1.5meq/gの、しかし有利には約7meq/g未満、有利には約6.2meq/g未満のカチオン電荷密度を有する。カチオン性ポリマーのカチオン電荷密度を、窒素測定のための化学試験下でUS薬局方において記載されているKjeldahl法によって測定してよい。好ましいカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖の一部を形成し、又は直接それらに連結された副置換基によって運ばれてよい、第一級、第二級、第三級及び/又は第四級アミン基を含む単位を含むものから選択される。カチオン性ポリマーの質量平均(Mw)分子量は、好ましくは、10000~3.5Mダルトン、より好ましくは50000~2Mダルトンである。
【0120】
特定の実施形態に従って、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-ビニルピロリドン、四級化N,N-ジメチルアミノメタクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、四級化ビニルイミダゾール(3-メチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド)、ビニルピロリドン、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド又はポリガラクトマンナン2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びセルロースヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを基礎とするカチオン性ポリマーを使用する。好ましくは、コポリマーは、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-43、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-46、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド又はポリガラクトマンナン2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びセルロースヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドからなる群から選択されるべきである。
【0121】
市販の製品の特定の例として、Salcare(登録商標)SC60(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドとアクリルアミドとのカチオンコポリマー、供給元:BASF)又はLuviquat(登録商標)、例えばPQ 11N、FC 550又はStyle(ポリクオタニウム-11~68又はビニルピロリドンの四級化コポリマー、供給元:BASF)、又はJaguar(登録商標)(C13S又はC17、供給元:Rhodia)を挙げてよい。
【0122】
本発明の前記実施形態のいずれかに従って、約0%~5%(w/w)、又はさらに約0.1%~2%(w/w)の前記ポリマー量を添加し、その際パーセンテージは、マイクロカプセル又はスラリーの全質量に対するw/wで示される。前記添加したポリマーの一部のみが、マイクロカプセルのシェル中に導入される/該シェル上に堆積することは、当業者に明確に理解される。
【0123】
コアシェルマイクロカプセルの製造方法
本発明のコアシェルマイクロカプセルは、特にポリマー壁の性質に応じて異なるプロセスに従って調製されうる。
【0124】
本発明の他の目的は、前記で定義したコアシェルマイクロカプセルの製造方法であって、
1)リグニン粒子を水中で懸濁して、水相を形成するステップ、
2)疎水性材料、好ましくは香油を含む油相を調製するステップ、
3)界面重合及び/又は界面反応によるコアシェルマイクロカプセルの形成が可能な条件下で、油相を水相に添加し、それらを混合して、水中油型ピッカリングエマルションを形成するステップ
を含み、多官能性モノマーを、ステップ1)において水相中に、及び/又はステップ2)において油相中に、及び/又はステップ3)においてエマルション中に添加する、コアシェルマイクロカプセル又はコアシェルマイクロカプセルスラリーの製造方法である。
【0125】
一実施形態に従って、多官能性モノマーは、ステップ1)で水相に、及び/又はステップ2)で油相に添加される。
【0126】
一実施形態に従って、ステップ3)は、
- 水相に油相を添加して水中油型ピッカリングエマルションを形成するステップ3a)、続いて
- リグニン粒子の存在下で、多官能性モノマーの反応(界面重合及び/又は界面反応による)を可能にする条件を適用して、油水界面でポリマーシェルを形成するステップ3b)
を含む。
【0127】
特定の実施形態に従って、界面重合及び/又は界面反応は、多官能性モノマーとリグニン粒子との間で起こる。この実施形態に従って、シェルは、油中の多官能性モノマーと、水中油界面での水相中の水及びリグニン粒子との反応を介して形成される。
【0128】
一実施形態に従って、多官能性モノマーは、少なくとも1つのポリイソシアネート、ポリマレイン酸無水物、ポリ酸塩化物(塩化アシル)、ポリエポキシド、アクリレートモノマー、ポリアルコキシシラン、メラミンベースの樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0129】
「ポリ酸塩化物」及び「塩化アシル」は、本発明において区別なく使用される。
【0130】
一実施形態に従って、多官能性モノマーは、ステップ2)において油相に添加される。
【0131】
前記実施形態は、多官能性モノマーが油に溶ける場合(例えば、ポリイソシアネートを多官能性モノマーとして使用する場合)に特に適している。
【0132】
一実施形態に従って、多官能性モノマーは、ステップ1)において水相に添加される。
【0133】
前記実施形態は、多官能性モノマーが水に溶ける場合(例えば、メラミン樹脂を多官能性モノマーとして使用する場合)に特に適している。
【0134】
一実施形態に従って、多官能性モノマーは、ステップ3)においてエマルションに添加される。
【0135】
一実施形態に従って、第1の多官能性モノマー(例えば、メラニン樹脂)がステップ1)で水相に添加され、第2の多官能性モノマー(例えば、ポリイソシアネート)がステップ2)で油相に添加される。
【0136】
一実施形態に従って、第1の多官能性モノマーがステップ1)で油相に添加され、第2の多官能性モノマーがステップ3)でエマルションに添加される。
【0137】
特定の実施形態に従って、本発明の方法は、ステップ1)において水相にポリマー乳化剤を添加するステップを含む。
【0138】
「ポリマー乳化剤」に関しては、水に親和性のある(親水性の)極性基と油に親和性のある(親油性の)非極性基の双方を有する乳化剤を意味する。親水性部分は水相に溶解し、疎水性部分は油相に溶解して、液滴の周りに膜を形成する。本発明において使用されるリグニン粒子はポリマー乳化剤ではない。リグニン粒子は粒子安定剤に属する。
【0139】
この任意のポリマー乳化剤は、リグニン粒子の存在下で油滴を安定化するのを助けることができる。この実施形態は、リグニン粒子の濃度が低い場合に特に適していてよい。ポリマー乳化剤は、イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤であってよい。制限のない例として、非イオン性ポリマーは、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドとポリエチレン又はポリプロピレンオキシドとのコポリマー、アルキルアクリレートとN-ビニルピロリドンとのコポリマー、及び非イオン性多糖類を含む。イオン性ポリマーは、アクリルアミドとアクリル酸とのコポリマー、酸アニオン性界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、スルホン酸基を保有するアクリルコポリマー、ビニルエーテルとマレイン酸無水物とのコポリマー、及びイオン性多糖類を含む。
【0140】
一実施形態に従って、プロセス中、プロセスのいずれかの段階でもポリマー乳化剤は添加されない。
【0141】
特定の実施形態に従って、本発明の方法は、ステップ1)において、コロイド安定剤又はコロイド粒子安定剤を(リグニン粒子に加えて)水相に添加するステップを含む。
【0142】
特定の実施形態に従って、本発明の方法は、ステップ1)及び/又はステップ3)において反応物を添加するステップを含む。この任意の反応物は、マイクロカプセルのシェル形成に関与しうる。反応物は水溶性又は水懸濁性であってよい。適切な反応物の例は、アルコール、アミン、フェノール、チオール、(メタ)アクリレート、エポキシド、2つ以上の官能基を有する無水物、ポリアルコキシシラン、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン-グリオキサール樹脂、並びにそれらの混合物である。
【0143】
反応物は、通常、水相の全質量に対して、0.01%~10%、好ましくは0.01%~5%の量で添加される。
【0144】
反応物を添加する場合に、反応物は、ポリマーシェル形成のための多官能性モノマーと反応することもできる。この実施形態に従って、反応物に加えてリグニン粒子もポリマーシェルの形成に関与しうる。
【0145】
一実施形態に従って、プロセス中、プロセスのいずれかの段階でも反応物は添加されない。
【0146】
プロセスの最初のステップにおいて、リグニン粒子を水相に分散させる。典型的に、これは高度な機械的撹拌を使用して行われる。
【0147】
一実施形態に従って、水相中に存在するリグニン粒子の全量は、水相の全質量に対して0.01~5質量%、好ましくは0.01~3質量%である。
【0148】
一実施形態に従って、第2のステップにおいて、少なくとも1つの油溶性多官能性モノマーを、疎水性材料(例えば、香油又はフレーバー油)に溶解させて油相を形成し、次いで、これを水相に添加してピッカリングエマルションを形成し、その平均液滴サイズは1~3000ミクロン、好ましくは1~500ミクロン、より好ましくは5~50ミクロンである。水中油型ピッカリングエマルションは、例えば室温で高速機械分散機又は超音波分散機を使用して製造される。
【0149】
一実施形態に従って、ピッカリングエマルションの形成を室温で実施する。「室温」に関しては、典型的に、20~25℃の温度であることを意味する。他の実施形態に従って、ピッカリングエマルションの形成を室温未満の温度で実施する。
【0150】
一実施形態に従って、ピッカリングエマルションの形成は、25℃未満、好ましくは10℃未満、より好ましくは0℃~10℃の温度で実施し、油相中の多官能性モノマーの反応性を低下させて、乳化プロセス中の多官能性モノマーとリグニン粒子及び/又は水との反応を避ける。
【0151】
ピッカリングエマルションが形成されると、pH値を、好ましくは5~6に維持するか、又は6.5超の値に調整するか、又は7.5超、好ましくは10以下の値に調整する。しかしながら、このステップは省略できる。
【0152】
一実施形態に従って、油相は、ピッカリングエマルションの5~60%、好ましくは20~40%を占める。
【0153】
そして、界面重合及び/又は界面反応を、典型的には25℃~90℃、好ましくは50℃~80℃の温度で、2~40時間撹拌しながら実施して、反応を完了させ、スラリーの形でハイブリッドマイクロカプセルを形成してよい。しかしながら、加熱ステップは省略できる。
【0154】
特定の実施形態に従って、ステップ2)において添加されるモノマーは、少なくとも2つのイソシアネート官能基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートである。
【0155】
本発明によって使用される適したポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、及びそれらの混合物を含む。前記ポリイソシアネートは、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、しかし6つまで、又はさらに4つのみのイソシアネート官能基を含む。特定の実施形態に従って、ジイソシアネート(2つのイソシアネート官能基)又はトリイソシアネート(3つのイソシアネート官能基)及びそれらの混合物を使用する。
【0156】
一実施形態に従って、前記ポリイソシアネートは芳香族ポリイソシアネートである。
【0157】
「芳香族ポリイソシアネート」という用語は、ここでは、芳香族部分を含むあらゆるポリイソシアネートを包含することを意味する。好ましくは、芳香族部分は、フェニル、トルイル、キシリル、ナフチル又はジフェニル部分であり、より好ましくは、トルイル又はキシリル部分である。好ましい芳香族ポリイソシアネートは、ビウレット、ポリイソシアヌレート、及びジイソシアヌレートのトリメチロールプロパン付加物であり、より好ましくは、前記特定の芳香族部分の1つを含有する。より好ましくは、芳香族ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート(商標名Desmodur(登録商標)RCでBayer社から市販されている)、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(商標名Desmodur(登録商標)L75でBayer社から市販されている)、キシレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(商標名Takenate(登録商標)D-110NでMitsui Chemicals社から市販されている)である。
【0158】
他の実施形態に従って、前記ポリイソシアネートは脂肪族ポリイソシアネートである。「脂肪族ポリイソシアネート」という用語は、あらゆる芳香族部分を含まないポリイソシアネートとして定義される。好ましい脂肪族ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(Mitsui Chemicals社から市販されている)、又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット(商標名Desmodur(登録商標)N 100でBayer社から市販されている)である。
【0159】
他の実施形態に従って、ポリイソシアネートは、双方とも少なくとも2つ又は3つのイソシアネート官能基を含む、少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアネートと少なくとも1つの芳香族ポリイソシアネートとの混合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとキシレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物との混合物、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとトルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレートとの混合物、及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとトルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物との混合物の形である。最も好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとキシレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物との混合物である。好ましくは、混合物として使用される場合に、脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネートとのモル比は、90:10~10:90の範囲である。
【0160】
一実施形態に従って、多官能性モノマーは、塩化アシルである。特定の実施形態に従って、塩化アシルは、次の式(I)
【化1】
[式中、
nは、1~8、好ましくは1~6、より好ましくは1~4の範囲の整数であり、
Xは、以下の(i)~(vi)
【化2】
から選択される少なくとも1つの群を任意に含む(n+1)価のC2~C45炭化水素基であり、ここで、Rは、水素原子、メチル基、又はエチル基、好ましくは水素原子である]
を有する。
【0161】
「…炭化水素基…」に関しては、該基が、水素原子及び炭素原子からなり、かつ脂肪族炭化水素、すなわち直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素(例えばアルキル基)、直鎖又は分枝鎖の不飽和炭化水素(例えばアルケニル基又はアルキニル基)、飽和環状炭化水素(例えば、シクロアルキル)もしくは不飽和環状炭化水素(例えばシクロアルケニル又はシクロアルキニル)の形であってよく、又は芳香族炭化水素、すなわちアリール基の形であってよく、又は前記タイプの基の混合物の形であってもよく、例えば特定の基は、1つのタイプのみに特定の制限が言及されていない限り、直鎖アルキル、分枝鎖アルケニル(例えば、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する分枝鎖アルケニル)、(ポリ)シクロアルキル及びアリール部分を含んでいてよいことを意味すると解される。同様に、本発明の全ての実施形態において、基が1超のタイプのトポロジー(例えば直鎖、環状又は分枝鎖)の形であってよく及び/又は飽和又は不飽和(例えばアルキル、芳香族又はアルケニル)であってよいと言及される場合に、前記トポロジーのいずれか1つを有するか又は前記で説明したような飽和もしくは不飽和である部分を含みうる基も意味する。同様に、本発明の全ての実施形態において、基が飽和又は不飽和(例えばアルキル)の1つのタイプの形である場合に、前記基が、トポロジー(例えば直鎖、環状又は分枝鎖)のいずれかのタイプであるか又は種々のトポロジーを有するいくつかの部分を有しうることを意味する。
【0162】
「・・・任意に・・・を含む炭化水素基」という用語は、前記炭化水素基が任意にヘテロ原子を含み、エーテル、チオエーテル、アミン、ニトリル又はカルボン酸基を形成することを意味すると理解される。これらの基は、炭化水素基の水素原子を置換して前記炭化水素に側方に結合するか、又は炭化水素基の炭素原子(化学的に可能である場合に)を置換して炭化水素鎖又は環に挿入することができる。
【0163】
特定の実施形態に従って、塩化アシルは、ベンゼン-1,3,5-トリカルボニルトリクロリド(トリメソイルトリクロリド)、ベンゼン-1,2,4-トリカルボニルトリクロリド、ベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボニルトリクロリド、シクロヘキサン-1,3,5-トリカルボニルトリクロリド、イソフタロールジクロリド、ジグリコリルジクロリド、テレフタロイルクロリド、フマリルジクロリド、アジポイルジクロリド、スクシニルクロリド、プロパン-1,2,3-トリカルボニルトリクロリド、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボニル四塩化物、2,2’-ジスルファンジイルジスクシニルジクロリド、2-(2-クロロ-2-オキソ-エチル)スルファニルブタンジオイルジクロリド、(4-クロロ-4-オキソブタノイル)-L-グルタモイルジクロリド、(S)-4-((1,5-ジクロロ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)アミノ)-4-オキソブタン酸、2,2-ビス[(4-クロロ-4-オキソ-ブタノイル)オキシメチル]ブチル、4-クロロ-4-オキソ-ブタノエート、[2-[2,2-ビス[(4-クロロ-4-オキソ-ブタノイル)オキシメチル]ブトキシメチル]-2-[(4-クロロ-4-オキソ-ブタノイル)オキシメチル]ブチル]、4-クロロ-4-オキソブタン酸、2,2-ビス[(2-クロロカルボニルベンゾイル)オキシメチル]2-クロロカルボニル安息香酸ブチル、[2-[2,2-ビス[(2-クロロカルボニルベンゾイル)オキシメチル]ブトキシメチル]-2-[(2-クロロカルボニルベンゾイル)オキシメチル]、[ブチル]2-クロロカルボニルベンゾエート、4-(2,4,5-トリクロロカルボニルベンゾイル)オキシブチル、2,4,5-トリクロロカルボニル-ベンゾエート、プロパン-1,2,3-トリイルトリス(4-クロロ-4-オキソブタノエート)、プロパン-1,2-ジイルビス(4-クロロ-4-オキソブタン酸)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0164】
特定の実施形態に従って、塩化アシルは、ベンゼン-1,2,4-トリカルボニルトリクロリド、ベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボニルトリクロリド、シクロヘキサン-1,3,5-トリカルボニルトリクロリド、イソフタロールジクロリド、ジグリコリルジクロリド、テレフタロイルクロリド、フマリルジクロリド、アジポイルジクロリド、スクシニルクロリド、プロパン-1,2,3-トリカルボニルトリクロリド、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボニル四塩化物、2,2’-ジスルファンジイルジスクシニルジクロリド、2-(2-クロロ-2-オキソ-エチル)スルファニルブタンジオイルジクロリド、(4-クロロ-4-オキソブタノイル)-L-グルタモイルジクロリド、(S)-4-((1,5-ジクロロ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)アミノ)-4-オキソブタン酸、2,2-ビス[(4-クロロ-4-オキソ-ブタノイル)オキシメチル]ブチル、4-クロロ-4-オキソ-ブタノエート、[2-[2,2-ビス[(4-クロロ-4-オキソ-ブタノイル)オキシメチル]ブトキシメチル]-2-[(4-クロロ-4-オキソ-ブタノイル)オキシメチル]ブチル]、4-クロロ-4-オキソブタン酸、2,2-ビス[(2-クロロカルボニルベンゾイル)オキシメチル]2-クロロカルボニル安息香酸ブチル、[2-[2,2-ビス[(2-クロロカルボニルベンゾイル)オキシメチル]ブトキシメチル]-2-[(2-クロロカルボニルベンゾイル)オキシメチル]、[ブチル]2-クロロカルボニルベンゾエート、4-(2,4,5-トリクロロカルボニルベンゾイル)オキシブチル、2,4,5-トリクロロカルボニル-ベンゾエート、プロパン-1,2,3-トリイルトリス(4-クロロ-4-オキソブタノエート)、プロパン-1,2-ジイルビス(4-クロロ-4-オキソブタン酸)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0165】
特定の実施形態に従って、塩化アシルは、フマリルジクロリド、アジポイルジクロリド、スクシンジクロリド、プロパン-1,2,3-トリイルトリス(4-クロロ-4-オキソブタノエート)、プロパン-1,2-ジイルビス(4-クロロ-4-オキソブタノエート)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0166】
一実施形態に従って、本発明の方法において使用される多官能性モノマーは、油相の全量に対して、0.1~30質量%、好ましくは0.2~20質量%である量で存在する。
【0167】
任意のステップ:任意の外側コーティング
本発明の特定の実施形態に従って、ステップ3)の終わりで又はステップ3)の最中に、前記で定義した、非イオン性多糖、カチオン性ポリマー、ポリスクシンイミド誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを本発明のスラリーに添加して、マイクロカプセルに外側のコーティングを形成してもよい。
【0168】
マイクロカプセル粉末の製造方法
本発明の他の目的は、前記で定義されたステップ、及びステップ3)で得られたスラリーを噴霧乾燥のような乾燥プロセスに供してマイクロカプセル自体を、すなわち粉末状で提供することからなる追加のステップを含むマイクロカプセル粉末を製造するための方法である。かかる乾燥を実施するための当業者に公知のあらゆる標準の方法も適用できることが理解される。特に、好ましくは、ポリマー性キャリヤー材料、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、天然又は加工デンプン、植物ゴム、ペクチン、キサンタン、アルギネート、カラゲナン、又はセルロース誘導体の存在下でスラリーを噴霧乾燥させて、粉末形でのマイクロカプセルを提供してよい。
【0169】
しかしながら、他の乾燥方法、例えば押出し、表面被覆(plating)、噴霧造粒、流動床、又は国際公開第2017/134179号に開示される特定の基準を満たす材料(キャリヤー、乾燥剤)を使用する室温での乾燥も挙げてよい。
【0170】
特定の実施形態に従って、キャリヤー材料は、マイクロカプセルのコアからの香料と同一又は異なっていてもよい遊離香油を含む。
【0171】
コアシェルマイクロカプセル
本発明の他の目的は、前記した方法により得られるマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリーである。
【0172】
複数のカプセルシステム
一実施形態に従って、本発明のマイクロカプセル(第1のタイプのマイクロカプセル)は、第2のタイプのマイクロカプセルと組み合わせて使用されうる。
【0173】
本発明の他の目的は、以下:
- 第1のタイプのマイクロカプセルとして本発明のマイクロカプセル、及び
- 第2のタイプのマイクロカプセルであって、第1のタイプのマイクロカプセルと第2のタイプのマイクロカプセルとが、疎水性材料及び/又は壁材料及び/又はコーティング材料において異なる、第2のタイプのマイクロカプセル
を含むマイクロカプセルデリバリーシステムである。
【0174】
付香組成物及び消費者製品
本発明のマイクロカプセルは、活性成分との組合せで使用されうる。したがって、本発明の目的は、以下、
(i)前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー;
(ii)有効成分、好ましくは化粧品成分、スキンケア成分、香料成分、フレーバー成分、悪臭中和成分、殺菌剤成分、殺真菌剤成分、医薬品成分もしくは農薬成分、消毒成分、防虫剤又は誘引剤、及びそれらの混合物からなる群で選択される有効成分
を含む組成物である。
【0175】
本発明のマイクロカプセルは、興味深い媒体における安定性に関して良好な性能を示す。
【0176】
本発明の他の目的は、
(i)油状物が香料を含む、前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
(ii)香料キャリヤー、香料補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分
(iii)任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物である。
【0177】
液体香料キャリヤーとしては、制限のない例として、乳化系、すなわち溶剤及び界面活性剤系、又は香料において通常使用される溶剤を挙げてよい。香料において通常使用される溶剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅できない。しかしながら、最も通常使用される溶剤、例えばジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノール又はクエン酸エチルを挙げられるが、これらに制限されない。香料キャリヤー及び香料補助成分の双方を含む組成物に関して、前記したものよりも適した他の香料キャリヤーは、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン、又は他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標名Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)又はグリコールエーテル及びグリコールエーテルエステル、例えば商標名Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)で公知のものであってもよい。さらに、「香料補助成分」に関しては、ここでは、心地よい効果を付与するための付香調製物又は組成物において使用され、前記で定義したマイクロカプセルではない化合物を意味する。言い換えれば、付香補助成分であると考えられるべきかかる補助成分は、ポジティブな又は好ましい方法で組成物のにおいを少なくとも付与又は改質することができ、かつ単に1つのにおいを有するだけでないと当業者によって認識される必要がある。
【0178】
いずれにしても網羅的とはならないであろう前記付香組成物中に存在する付香補助成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般の知識に基づいて、及び任意の使用又は適用及び所望された感覚刺激性効果に従って、前記ベースを選択することができる。一般的な用語で、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素又は硫黄の複素環化合物及び精油と多様な化学品種に属し、かつ該付香補助成分は、天然又は合成由来のものであってよい。これらの補助成分の多くは、いずれにしても、参考文献、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、又は同様の種類の他の著作において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。前記補助成分は、プロ香料(properfume)又はプロフレグランス(profragrance)としても公知の制御された方法で種々のタイプの付香化合物を放出することが公知の化合物であってもよいとも解される。適したプロ香料の制限のない例は、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、トランス-3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-ブタノン、2-(ドデシルチオ)オクタン-4-オン、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、(Z)-ヘキセ-3-エン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イルヘキサデカノエート、ビス(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)スクシネート、(2-((2-メチルウンデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(3-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、(3-メチル-4-フェネトキシブテ-3-エン-1-イル)ベンゼン、1-(((Z)-ヘキセ-3-エン-1-イル)オキシ)-2-メチルウンデセ-1-エン、(2-((2-メチルウンデセ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン、2-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ウンデセ-1-エン、1-メトキシ-4-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ベンゼン、1-メチル-4-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ベンゼン、2-(1-フェネトキシプロペ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-フェネトキシビニル)ベンゼン、2-(1-((3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)オキシ)プロペ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、4-アリル-2-メトキシ-1-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンゼン、(2-((2-ヘプチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、1-イソプロピル-4-メチル-2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)ベンゼン、2-メトキシ-1-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)-4-プロピルベンゼン、3-メトキシ-4-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-((2-(ヘキシルオキシ)-2-フェニルビニル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又はそれらの混合物を含んでよい。
【0179】
「香料補助剤」に関しては、ここで、追加の付加効果、例えば色、特定の耐光性、化学安定性等を付与することができる成分を意味する。付香ベースにおいて慣用的に使用される補助剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅的なものにはなりえないが、しかし該成分が当業者に周知であることを挙げるべきである。
【0180】
好ましくは、本発明による付香組成物は、0.01~30質量%の前記で定義したマイクロカプセルを含む。
【0181】
本発明のマイクロカプセルは、多くの適用分野において有利に使用することができ、かつ消費者製品中で使用することができる。マイクロカプセルは、液体消費者製品に適用可能な液体の形で、及び粉末消費者製品に適用可能な粉末の形で使用することができる。
【0182】
特定の実施形態に従って、前記で定義される消費者製品は、液体であり、かつ
a) 前記消費者製品の全質量に対して、2~65質量%の少なくとも1つの界面活性剤、
b) 水又は水混和性親水性有機溶剤、及び
c) 前記で定義したマイクロカプセル
d) 任意に、カプセル化していない香料
を含有する。
【0183】
特定の実施形態に従って、前記で定義される消費者製品は、粉末の形であり、かつ
a)前記消費者製品の全質量に対して、2~65質量%の少なくとも1つの界面活性剤、
b)前記で定義したマイクロカプセル粉末、
c)任意に、前記で定義したマイクロカプセルとは異なる香料粉末
を含有する。
【0184】
香油ベースのコアを含むマイクロカプセルの場合に、本発明の製品は、特に、着香消費者製品、例えば精製したフレグランス又は「機能性」香料に属する製品に使用することができる。機能性香料は、特にヘアケア、ボディクレンジング、スキンケア、衛生ケアを含むパーソナルケア製品、並びにランドリーケア、表面ケア及びエアケアを含むホームケア製品を含む。たがって、本発明の他の目的は、付香成分として、前記で定義したマイクロカプセル又は前記で定義した付香組成物を含む着香消費者製品からなる。前記消費者製品の香料要素は、前記で定義した香料マイクロカプセル、及び遊離又はカプセル化していない香料、並びに本明細書で開示したもの以外の他のタイプの香料マイクロカプセルの組み合わせであってよい。
【0185】
特に、以下、
a) 前記消費者製品の全質量に対して、2~65質量%の少なくとも1つの界面活性剤、
b) 水又は水混和性親水性有機溶剤、及び
c) 前記で定義した付香組成物
を含有する液体消費者製品が、本発明の他の目的である。
【0186】
以下、
a) 前記消費者製品の全質量に対して、2~65質量%の少なくとも1つの界面活性剤、及び
b) 前記で定義した付香組成物
を含有する粉末消費者製品も、本発明の一部である。
【0187】
本発明のマイクロカプセルは、したがって、そのままで、又は着香消費者製品中で本発明の付香組成物の一部として添加されうる。
【0188】
明確性の理由から、「着香消費者製品」に関しては、種々の利点の中で付香効果を、付香効果が適用される表面(例えば皮膚、髪、織物、紙、又は家の表面)に又は空気中(エアフレッシュナー、デオドライザー等)に提供することが期待された消費者製品を意味することに注意すべきである。言い換えれば、本発明による着香消費者製品は、本発明によるマイクロカプセルの有効量内で、有効物質と一緒に、「ベース」とも言われる機能的な調合物を含む製品である。
【0189】
いずれにしても網羅的とはならないであろう着香消費者製品の他の構成成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般的な知識に基づいて、及び該製品の性質及び所望の効果に従って、着香消費者製品の成分の性質及びタイプを選択することができる。本発明のマイクロカプセルに導入されうる消費者製品のベース調製物は、かかる製品に関する豊富な文献において見出される。それらの調製物は、本明細書の詳細な記載を保証せず、あらゆる場合に網羅されていない。かかる消費者製品を調製する当業者は、当業者の一般の知識及び入手可能な文献に基づいて適した成分を完全に選択することができる。
【0190】
適した着香消費者製品の制限のない例は、香料、例えばファイン香料、コロン、アフターシェービングローション、ボディスプラッシュ;布地用ケア製品、例えば液体又は固形洗剤、錠剤及び単位用量(単一又は複数のチャンバー)、布地用柔軟剤、ドライヤーシート、布地用リフレッシャー、アイロン水、又は漂白剤;パーソナルケア製品、例えばヘアケア製品(例えばシャンプー、ヘアコンディショナー、染毛料又はヘアスプレー)、化粧品配合物(例えばバニシングクリーム、ボディローション、又はデオドラント又は発汗抑制剤)、又はスキンケア製品(例えば着香石鹸、シャワー又はバスムース、ボディウォッシュ、オイル又はゲル、バスソルト、又は衛生製品);エアケア製品、例えばエアフレッシュナー又は「すぐに使用できる」粉末エアフレッシュナー;又はホームケア製品、例えば全ての目的のクレンザー、液体又は粉末又は錠剤の皿洗い用製品、トイレクレンザー又は種々の表面を洗浄する製品、例えば織物又は硬質表面(床、タイル、石床等)の処理/リフレッシュを目的としたスプレー及びワイプ;衛生製品、例えばサニタリーナプキン、おむつ、トイレットペーパーであってよい。
【0191】
本発明の他の目的は、以下
- パーソナルケア活性ベース、及び
- 前記で定義したマイクロカプセルもしくはマイクロカプセルスラリー又は前記で定義した付香組成物
を含む消費者製品であり、ここで、消費者製品はパーソナルケア組成物の形である。
【0192】
本発明のマイクロカプセルに導入されうるパーソナルケア活性ベースは、かかる製品に関する豊富な文献において見出される。それらの調製物は、本明細書の詳細な記載を保証せず、あらゆる場合に網羅されていない。かかる消費者製品を調製する当業者は、当業者の一般の知識及び入手可能な文献に基づいて適した成分を完全に選択することができる。
【0193】
パーソナルケア組成物は、好ましくは、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤又はヘアスプレー)、化粧品配合物(例えば、バニシングクリーム、ボディローション又はデオドラントもしくは制汗剤)、又はスキンケア製品(例えば、着香石鹸、シャワーもしくはバスムース、ボディウォッシュ、オイルもしくはゲル、バスソルト、又は衛生製品)からなる群において選択される。
【0194】
本発明の他の目的は、以下
- ホームケア又は布地ケア活性ベース、及び
- 前記で定義したマイクロカプセルもしくはマイクロカプセルスラリー又は前記で定義した付香組成物
を含む消費者製品であり、ここで、消費者製品はホームケア又は布地ケア組成物の形である。
【0195】
本発明のマイクロカプセルに導入されうるホームケア又は布地ケア活性ベースは、かかる製品に関する豊富な文献において見出される。それらの調製物は、本明細書の詳細な記載を保証せず、あらゆる場合に網羅されていない。かかる消費者製品を調製する当業者は、当業者の一般の知識及び入手可能な文献に基づいて適した成分を完全に選択することができる。
【0196】
好ましくは、消費者製品は、0.1~15質量%、より好ましくは0.2~5質量%の本発明のマイクロカプセルを含み、その際、これらの全てのパーセンテージは、消費者製品の全質量に対する質量として定義される。もちろん、前記濃度は、それぞれの製品において所望される利益のある効果に従って適合されてよい。
【0197】
以下で言及される液体消費者製品について、「活性基剤」に関しては、活性基剤が活性物質(典型的には界面活性剤を含む)及び水を含むと理解されるべきである。
【0198】
以下で言及する固体消費者製品について、「活性基剤」に関しては、活性基剤が、活性物質(典型的には界面活性剤を含む)及び補助剤(例えば、漂白剤、緩衝剤、ビルダー、汚れ放出又は汚れ浮遊ポリマー、顆粒状酵素粒子、腐食防止剤、消泡剤、泡抑制剤、染料、充填剤、及びそれらの混合物)を含むと理解すべきである。
【0199】
布地用柔軟剤
本発明の目的は、以下、
- 布地用柔軟剤活性ベース;好ましくは、ジアルキル第四級アンモニウム塩、ジアルキルエステル第四級アンモニウム塩(エステルクアット)、ハンブルグエステルクアット(HEQ)、TEAQ(トリエタノールアミンクアット)、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの活性材料を含む布地用柔軟剤活性ベースであって、活性ベースを組成物の全質量に対して好ましくは85~99.95質量%である量で使用する、布地用柔軟剤活性ベース
- 組成物の全質量に対して、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量で、前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
- 好ましくは遊離香油、
を含む、布地用柔軟剤組成物の形での消費者製品である。
【0200】
液体洗剤
本発明の目的は、以下、
- 液体洗剤活性ベース;好ましくは、アニオン性界面活性、例えばアルキルベンゼンスルホネート(ABS)、第二級アルキルスルホネート(SAS)、第一級アルコールスルフェート(PAS)、ラウリルエーテルスルフェート(LES)、メチルエステルスルホネート(MES)、並びに非イオン性界面活性剤、例えばアルキルアミン、アルカノールアミド、脂肪アルコールポリ(エチレングリコール)エーテル、脂肪アルコールエトキシレート(FAE)、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)コポリマー、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、アルキルポリグルコサミドからなる群から選択される少なくとも1つの活性材料を含む液体洗剤活性ベースであって、活性ベースを組成物の全質量に対して好ましくは85~99.95質量%である量で使用する液体洗剤活性ベース
- 組成物の全質量に対して、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量で、前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
- 任意に遊離香油
を含む、液体洗剤組成物の形での消費者製品である。
【0201】
固体洗剤
本発明の目的は、以下、
- 固体洗剤活性ベース;好ましくは、アニオン性界面活性、例えばアルキルベンゼンスルホネート(ABS)、第二級アルキルスルホネート(SAS)、第一級アルコールスルフェート(PAS)、ラウリルエーテルスルフェート(LES)、メチルエステルスルホネート(MES)、並びに非イオン性界面活性剤、例えばアルキルアミン、アルカノールアミド、脂肪アルコールポリ(エチレングリコール)エーテル、脂肪アルコールエトキシレート(FAE)、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)コポリマー、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、アルキルポリグルコサミドからなる群から選択される少なくとも1つの活性材料を含む固体洗剤活性ベースであって、活性ベースを組成物の全質量に対して好ましくは85~99.95質量%である量で使用する固体洗剤活性ベース
- 組成物の全質量に対して、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量で、前記で定義したマイクロカプセル粉末又はマイクロカプセルスラリー
- 任意に遊離香油
を含む、液体洗剤組成物の形での消費者製品である。
【0202】
シャンプー/シャワーゲル
本発明の目的は、以下、
- シャンプー又はシャワーゲル活性ベース;好ましくは、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルアンホアセテート、コカミドプロピルベタイン、コカミドMEA、アルキルグルコシド及びアミノ酸ベースの界面活性剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの活性材料を含むシャンプー又はシャワーゲル活性ベースであって、活性ベースを組成物の全質量に対して好ましくは85~99.95質量%である量で使用する、シャンプー又はシャワーゲル活性ベース
- 組成物の全質量に対して、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量で、前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
- 任意に、遊離香油
を含む、シャンプー又はシャワーゲル組成物の形での消費者製品である。
【0203】
リンスオフコンディショナー
本発明の目的は、以下、
- リンスオフコンディショナー活性ベース;好ましくは、セチルトリモニウムクロリド、ステアリルトリモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの活性材料を含むリンスオフコンディショナー活性ベースであって、活性ベースを組成物の全質量に対して好ましくは85~99.95質量%である量で使用する、リンスオフコンディショナー活性ベース
- 組成物の全質量に対して、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量で、前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
- 任意に遊離香油
を含む、リンスオフコンディショナー組成物の形での消費者製品である。
【0204】
固体加香剤(Solid scent booster)
本発明の目的は、以下、
- 固体キャリヤー、好ましくは尿素、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ゼオライト、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、粘土、タルク、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、石膏、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、糖類、例えばスクロース、単糖、二糖、及び多糖類、及び誘導体、例えばデンプン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ポリオール/糖アルコール、例えばソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール及びイソマルト、PEG、PVP、クエン酸又は任意の水溶性固体酸、脂肪アルコール又は脂肪酸、並びにそれらの混合物からなる群で選択される固体キャリヤー、
- 粉末形での、好ましくは組成物の全質量に対して0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量での、前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
- 任意に、遊離香油
を含む固体加香剤組成物の形での消費者製品である。
【0205】
液体加香剤(Liquid scent booster)
本発明の目的は、以下
- 水相、
- 本質的に1つ以上の非イオン性界面活性剤からなる界面活性剤系、ここで界面活性剤系は、平均HLB10~14を有し、好ましくは、エトキシル化脂肪族アルコール、POE/PPG(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレン)エーテル、モノグリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、スクロースエステル化合物、ポリオキシエチレンヒドロキシルエステル、アルキルポリグルコシド、アミンオキシドお及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、
- アルコール、カルボン酸の塩及びエステル、ヒドロキシルカルボン酸の塩及びエステル、脂肪酸、脂肪酸塩、グリセロール脂肪酸、10未満のHLBを有する界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群で選択されるリンカー、並びに
- 組成物の全質量に対して、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量の、スラリーの形での前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
- 任意に、遊離香油
を含む液体加香剤組成物の形での消費者製品である。
【0206】
染毛剤
本発明の目的は、以下、
- 組成物の全質量に対して、好ましくは85~99.95質量%である量で、酸化剤を含む酸化相、及びアルカキン剤、染料前駆体、及びカップリング化合物を含むアルカリ相、ここで、前記染料前駆体及び前記カップリング化合物は、酸化剤の存在下で酸化性毛髪染料を形成する、
- 組成物の全質量に対して、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~5質量%である量で、前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー
- 任意に、遊離香油
を含む、染毛剤組成物の形での消費者製品である。
【0207】
付香組成物
特定の実施形態に従って、消費者製品は、付香組成物の全質量に基づいて、
- 前記で定義したマイクロカプセル又はマイクロカプセルスラリー0.1~30質量%、好ましくは0.1~20質量%、
- 香料0~40質量%、好ましくは3~40質量%、及び
- エタノール20~90質量%、好ましくは40~90質量%
を含む付香組成物の形である。
【0208】
本発明を、実施例によりさらに説明する。請求される本発明は、これらの実施例により何ら制限されるものではないことを理解する。
【0209】
実施例
実施例1
リグニン粒子懸濁液の調製
リグニン粒子調製物1
i) 乾燥リグニン粉末(1.0g)を7:3(v/v)アセトン/水100mLに添加し、その混合物を周囲温度で3時間撹拌してリグニンを完全に溶解させた。
ii) 不純物を遠心分離により除去し、そして脱イオン水70mLを添加した。撹拌を周囲温度で24時間継続し、その間にアセトンが徐々に蒸発してリグニン粒子の形成をもたらした。
iii) リグニン粒子懸濁液を粒子含量1.0%で収集した。
【0210】
リグニン粒子調製物2
i) 乾燥リグニン粉末を35℃で3時間撹拌しながらエチレングリコールに添加して、リグニン溶液4.0質量%を得た。
ii) リグニンの不純物を濾過により除去した。続いて、濾過した溶液に大量の脱イオン水を素早く添加した。H3PO4を、pH値が2.0になるまで継続的に撹拌しながらリグニン溶液に滴加した。
iii) 遠心分離及び水での洗浄後に、リグニンナノ粒子懸濁液(pH=6~7)を得た。リグニン懸濁液の固形分は1.2質量%であった。
【0211】
実施例2
コロイド安定剤としてリグニン粒子を使用したマイクロカプセルの調製
i) 得られたリグニン粒子懸濁液(調製物1)を、水相として適切な固形分まで脱イオン水で希釈した。任意に油相として溶媒を含むフレグランス油配合物を調製する。任意に多官能性モノマーを油相又は水相に添加した。油/水の質量比を3/7に制御した。
ii) 低温(<10℃)でホモジナイザーで油相と水相とを混合することにより、安定なピッカリングエマルションを形成した。
iii) ピッカリングエマルションを反応器に移した。任意に、官能性モノマーをピッカリングエマルションに添加し、そして追加の水溶性反応物の有無にかかわらず、界面反応を80℃で3時間実施した。
【0212】
マイクロカプセル試料の配合を表1に示す。
【0213】
【表1】
*表2を参照されたい。
a) キシレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物;供給元:Mitsui Chemicals、75%ポリイソシアネート/25%酢酸エチル
b) 1,3,5-ベンゼントリカルボニルトリクロリド 供給元:Sigma-Aldrich
c) メラミンとグリオキサールと2,2-ジメトキシアセトアルデヒドとの反応
d) メラミンとホルムアルデヒドとの反応
e) エチレングリコールジメタクリレート 供給元:Shanghai Aladdin Biochemical Technology Co.,Ltd.。
【0214】
【0215】
実施例3
マイクロカプセルの特徴付け
サイズ測定:マイクロカプセルスラリーの平均サイズ(D[4,3])を、Mastersizer 3000装置(Malvern Instruments Ltd.、英国)を使用して測定した。
【0216】
ゼータ電位測定:Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments Ltd.,英国)を使用して、マイクロカプセルのゼータ電位を調べた。
【0217】
油透過性:マイクロカプセルに封入したフレグランス油の透過性を、1μgの精度を有する微量天秤を備えた熱質量分析装置(TGA/DSC1、Mettler-Toledo)によって監視した。カプセル化されたフレグランス油の質量損失を50℃で4時間監視した。
【0218】
【0219】
実施例4
布地用柔軟剤組成物
本発明のマイクロカプセルA~Fを、表4に記載した液体洗剤ベース中に分散させて、0.22%でカプセル化した香油の濃度を得る。
【0220】
【0221】
実施例5
液体洗剤組成物
本発明のマイクロカプセルA~Fを、表5に記載した液体洗剤ベース中に分散させて、0.22%でカプセル化した香油の濃度を得る。
【0222】
【表5】
1) Hostapur SAS 60;供給元:Clariant
2) Edenor K 12-18;供給元:Cognis
3) Genapol LA 070;供給元:Clariant
4) Aculyn 88;供給元:Dow Chemical。
【0223】
実施例6
リンスオフコンディショナー
本発明のマイクロカプセルA~Fを、表6に記載したリンスオフコンディショナーベース中に分散させて、0.5%でカプセル化した香油の濃度を得る。
【0224】
【表6】
1) Genamin KDM P、Clariant
2) Tylose H10 Y G4、Shin Etsu
3) Lanette O、BASF
4) Arlacel 165-FP-MBAL-PA-(RB)、Croda
5) Incroquat Behenyl TMS-50-MBAL-PA-(MH)HA4112、Croda
6) SP Brij S20 MBAL-PA(RB)、Croda
7) Xiameter DC MEM-0949エマルション、Dow Corning
8) Alfa Aesar。
【0225】
実施例7
シャンプー組成物
本発明のマイクロカプセルA~Fを秤量し、シャンプー組成物中で混合して、香料0.2%当量を添加する。
【0226】
【表7】
1) Ucare Polymer JR-400、Noveon
2) Schweizerhall
3) Glydant、Lonza
4) Texapon NSO IS、Cognis
5) Tego Betain F 50、Evonik
6) Amphotensid GB 2009、Zschimmer&Schwarz
7) Monomuls 90 L-12、Gruenau
8) Nipagin Monosodium、NIPA
実施例8
制汗ロールオンエマルション組成物
本発明のマイクロカプセルA~Fを秤量し、制汗ロールオンエマルション組成物中で混合して、香料0.2%当量を添加する。
【0227】
【表8】
1) BRIJ 72;供給元:ICI
2) BRIJ 721;供給元:ICI
3) ARLAMOL E;供給元:UNIQEMA-CRODA
4) LOCRON L;供給元:CLARIAN。
【0228】
パートA及びパートBを別々に75℃に加熱する;パートAを撹拌しながらパートBに添加し、そしてその混合物を10分間均質化する。次に、その混合物を撹拌しながら冷却する;そして混合物が45℃に達した時にパートCをゆっくりと添加し、混合物が35℃に達した時にパートDを撹拌しながら添加した。次に、その混合物を室温まで冷却する。
【0229】
実施例9
シャワーゲル組成物
本発明のマイクロカプセルA~Fを秤量し、次の組成物中で混合して、香料0.2%当量を添加する。
【0230】
【表9】
1) EDETA B POWDER;商標及び供給元:BASF
2) CARBOPOL AQUA SF-1 POLYMER;商標及び供給元:NOVEON
3) ZETESOL AO 328 U;商標及び供給元:ZSCHIMMER&SCHWARZ
4) TEGO-BETAIN F 50;商標及び供給元:GOLDSCHMIDT
5) KATHON CG;商標及び供給元:ROHM&HASS。
【国際調査報告】