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特表2024-509357最適のインスリン注入量を算出する方法、装置及びコンピュータプログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】最適のインスリン注入量を算出する方法、装置及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/17 20180101AFI20240222BHJP
   A61B 5/1473 20060101ALI20240222BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20240222BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G16H20/17
A61B5/1473
A61M5/142 522
A61M5/172 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545377
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2022004773
(87)【国際公開番号】W WO2022270720
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0079758
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522328035
【氏名又は名称】イーオーフロウ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EOFLOW CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Rm. H2202, 172, Dolma-ro, Bundang-gu, Seongnam-si Gyeonggi-do 13605 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ホミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、サンジン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C066
5L099
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066FF01
4C066FF04
4C066HH02
4C066QQ41
4C066QQ51
4C066QQ61
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ84
5L099AA25
(57)【要約】
最適のインスリン注入量を算出する方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供することができる。
本発明では、第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信し、第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信し、血糖測定値及び飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリン注入量を算出する方法において、
第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信するステップと、
前記第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信するステップと、
前記血糖測定値及び前記飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記飲食物に関する情報は、
前記飲食物の種類に関する情報、前記飲食物を販売する飲食店に関する情報、前記飲食物を摂取する時点に関する情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記算出するステップは、
前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であるか否かを判断するステップと、
前記判断に基づいて前記インスリン注入量を算出するステップと、を含み、
前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であると判断される場合、
前記第1ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後に前記第1ユーザに注入されたインスリン注入量及び前記第1ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後の前記第1ユーザの血糖測定値変動情報に基づいて前記インスリン注入量を算出する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記算出するステップは、
前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であるか否かを判断するステップと、
前記判断に基づいて前記インスリン注入量を算出するステップと、を含み、
前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一でないと判断される場合、
第2ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後に前記第2ユーザに注入されたインスリン注入量、前記第2ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後の前記第2ユーザの血糖測定値変動情報及びユーザごとに設定された炭水化物対インスリン比に基づいて前記インスリン注入量を算出する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記算出するステップは、
前記生体情報測定装置から受信した血糖測定値とBGM(Blood Glucose Monitoring、血糖自己測定)方式で測定した血糖測定値との差値に基づいて誤差範囲を算出するステップと、
前記誤差範囲に基づいてインスリン注入量を算出するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
インスリン注入量を算出する装置において、
少なくとも1つのプログラムが記憶されたメモリと、
前記少なくとも1つのプログラムを実行することによって演算を実行するプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信し、
前記第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信し、
前記血糖測定値及び前記飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出する、装置。
【請求項7】
第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信するステップと、
前記第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信するステップと、
前記血糖測定値及び前記飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出するステップと、を実行させるプログラムが記憶された1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、最適のインスリン注入量を算出する方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、インスリンの分泌量が不足したり、正常に機能しなかったりして、血糖が正常範囲から外れる兆候を引き起こす代謝障害である。糖尿病は、失明、腎不全、心不全、神経障害などの合併症により人体の各組織に影響を及ぼす可能性がある複合病であり、糖尿病患者数は毎年増加しているという。
【0003】
糖尿病の場合、血糖測定器を用いて血糖を測定し、食事療法、運動プログラム、インスリン注射、経口糖尿薬などの適切な手段で血糖を管理する必要がある。
【0004】
近年は、糖尿病患者に薬物注入装置を用いて自動的にインスリンを注入する技術が研究されており、インスリン過注入などを防止するために薬物注入装置から注入される最適のインスリン注入量またはインスリン注入時点を算出できる技術が求められる実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、最適のインスリン注入量を算出する方法、装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。本実施形態が達成しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施形態から他の技術的課題を推論することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1側面は、インスリン注入量を算出する方法において、第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信するステップと、前記第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信するステップと、前記血糖測定値及び飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出するステップと、を含むことができる。
【0007】
また、前記飲食物に関する情報は、前記飲食物の種類に関する情報、前記飲食物を販売する飲食店に関する情報、前記飲食物を摂取する時点に関する情報のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0008】
また、前記算出するステップは、前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であるか否かを判定するステップと、前記判定の結果に基づいて前記インスリン注入量を算出するステップと、を含み、前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であると判断される場合、前記第1ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後に前記第1ユーザに注入されたインスリン注入量及び前記第1ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後の前記第1ユーザの血糖測定値変動情報のうち少なくとも1つに基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0009】
また、前記算出するステップは、前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であるか否かを判定するステップと、前記判定の結果に基づいて前記インスリン注入量を算出するステップと、を含み、前記飲食物が、前記第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一でないと判断される場合、第2ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後に前記第2ユーザに注入されたインスリン注入量、前記第2ユーザが過去に前記飲食物を摂取した後の前記第2ユーザの血糖測定値変動情報及びユーザごとに設定された炭水化物対インスリン比に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0010】
また、前記算出するステップは、前記生体情報測定装置から受信した血糖測定値とBGM(Blood Glucose Monitoring、血糖自己測定)方式で測定した血糖測定値との差値に基づいて誤差範囲を算出するステップと、前記誤差範囲に基づいてインスリン注入量を算出するステップと、を含むことができる。
【0011】
本開示の第2側面は、インスリン注入量を算出する装置において、少なくとも1つのプログラムが記憶されたメモリと、前記少なくとも1つのプログラムを実行することによって演算を実行するプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信し、前記第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信し、前記血糖測定値及び前記飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出する、装置を提供することができる。
【0012】
本開示の第3側面は、第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信するステップと、前記第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信するステップと、前記血糖測定値及び前記飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出するステップと、を実行させるプログラムが記憶された1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
前述した本開示の課題解決手段の一つによれば、ユーザが飲食物の種類に応じた炭水化物の量を概ね入力して算出されたインスリン注入量は正確でない可能性があるため、ユーザが摂取する飲食物に関する情報を入力してもらい、最適のインスリン注入量を算出する方法を提供することができる。
【0014】
また、本開示の課題解決手段の一つによれば、第1ユーザが摂取する飲食物が初めて摂取する飲食物に該当するとしても、第1ユーザではない他の第2ユーザに関する情報を活用して最適のインスリン注入量を算出する方法を提供することができる。
【0015】
また、本開示の課題解決手段の一つによれば、血糖測定装置から取得する血糖測定値は、血糖測定装置の自己誤差またはユーザの身体的特性に応じて誤差範囲を有することができるため、誤差範囲を考慮して最適のインスリン注入量を算出する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、ユーザ端末、コントローラ及び薬物注入装置を含むインスリン管理システムのブロック図である。
図2図2は、一実施形態に係る薬物注入装置の内部構成を示す図である。
図3A図3Aは、一実施形態に係る薬物注入量計算機の設定方法を説明するための例示的な図である。
図3B図3Bは、一実施形態に係る薬物注入量計算機の設定方法を説明するための例示的な図である。
図4図4は、一実施形態に係る飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出する例示的な図である。
図5図5は、一実施形態に係る飲食物に関する情報及び第2ユーザに関する情報に基づいてインスリン注入量を算出する例示的な図である。
図6図6は、一実施形態に係る誤差範囲に基づいてインスリン注入量を算出する例示的な図である。
図7図7は、一実施形態に係るインスリン注入量を算出する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
最適のインスリン注入量を算出する方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供することができる。
【0018】
本発明では、第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信し、第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信し、血糖測定値及び飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明は様々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。なお、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分には類似の符号を付した。
【0020】
本明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているとする場合、これは「直接的に接続」されている場合だけでなく、その間に他の素子を挟んで「電気的に接続」されている場合も含む。さらに、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0021】
以下、添付の図面を参照して本開示を詳細に説明する。
【0022】
図1は、ユーザ端末、コントローラ及び薬物注入装置を含むインスリン管理システムのブロック図である。
【0023】
一実施形態に係るインスリン管理システム10は、ユーザ端末1000、コントローラ2000及び薬物注入装置3000を含むことができる。一方、図1に示すインスリン管理システム10には、一実施形態に関連する構成要素のみが示されている。したがって、インスリン管理システム10は、図1に示す構成要素以外の他の汎用的な構成要素をさらに含むことができるのは、当該技術分野の通常の技術者には自明である。
【0024】
ユーザ端末1000は、有無線通信環境でウェブサービスが利用可能な通信端末を意味する。例えば、ユーザ端末1000は、スマートフォン、タブレットPC、PC、スマートTV、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ、メディアプレーヤー、マイクロサーバ、GPS(global positioning system)装置、電子書籍端末、デジタル放送用端末、ナビゲーション、キオスク、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、家電機器、カメラが搭載されたデバイス及びその他モバイルまたは非モバイルコンピューティング装置であることができる。
【0025】
また、ユーザ端末1000は、通信機能及びデータプロセッシング機能を設けた時計、メガネ、ヘアバンド及びリングなどのウェアラブルデバイスであることができる。しかしながら、上述したようにインターネット通信が可能なアプリケーションを搭載した端末は制限なく借用することができる。
【0026】
ユーザ端末1000は、予め登録されたコントローラ2000と一対一に接続されることができる。また、ユーザ端末1000は、外部装置からの制御を防ぐために、コントローラ2000からデータを受信することができる。ユーザ端末1000は、予め設定された範囲内で設定情報、例えば、システム時間情報をコントローラ2000に送信することができる。
【0027】
コントローラ2000は、薬物注入装置3000とデータを送受信する機能を果たし、薬物注入装置3000にインスリンなどの薬物の注入に関連する制御信号を送信し、薬物注入装置3000から血糖値などの生体情報の測定に関連する制御信号を受信することができる。
【0028】
コントローラ2000は、薬物注入装置3000にユーザの現在の状態を測定するように指示要求を送信し、指示要求に応じて薬物注入装置3000から測定データを受信することができる。
【0029】
薬物注入装置3000は、ユーザの血糖測定値、血圧、心拍数などの生体情報を測定する機能を果たすこともあるが、ユーザに注入されるべきインスリン、グルカゴン、麻酔薬、鎮痛剤、ドーパミン、成長ホルモン、禁煙補助剤などの薬物を注入する機能を果たすこともある。
【0030】
薬物注入装置3000は、ユーザに定期的に注入されるべき物質を保管する貯蔵部をさらに含むことができ、コントローラによって発生された注入信号に従って注入されるべき注入量が貯蔵部から注入されるように制御されることができる。
【0031】
このとき、薬物注入装置3000は、測定値及び注入量などの情報をコントローラ2000に送信することができる。選択的に、薬物注入装置3000は、装置状態メッセージ、生体情報測定メッセージ、薬物注入メッセージなどをコントローラ2000に送信することができる。例えば、薬物注入装置3000は、装置の残りのバッテリー容量情報、装置の起動が成功したか否か、注入が成功したか否かなどを含む装置状態メッセージをコントローラ2000に送信することができる。コントローラに送信されたメッセージは、コントローラ2000を介してユーザ端末1000に送信されることができる。または、コントローラ2000は、受信したメッセージを加工した改良データをユーザ端末1000に送信することができる。
【0032】
薬物注入装置3000も、予め登録されたコントローラとのみ通信できるように具現されることができる。また、薬物注入装置3000は、ハードウェア的に、ユーザの血糖測定値、血圧、心拍数などの生体情報を測定する機能を果たす生体情報測定装置と、インスリン、グルカゴン、麻酔薬などの薬物を注入する機能を果たす注入装置に分けることができる。すなわち、生体情報測定装置と注入装置とが独立して存在することもできる。コントローラ2000は、注入装置及び生体情報測定装置とそれぞれ接続され、生体情報測定装置を通じて測定された測定値に基づいて注入装置に対する制御信号を生成して提供することができる。
【0033】
一方、ユーザ端末1000、コントローラ2000及び薬物注入装置3000は、ネットワークを用いて通信を行うことができる。例えば、ネットワークは、近距離通信網(Local Area Network;LAN)、広域通信網(Wide Area Network;WAN)、付加価値通信網(Value Added Network;VAN)、移動通信網(mobile radio communication network)、衛星通信網及びそれらの相互の組み合わせを含み、各ネットワーク構成の主体が互いに円滑に通信できるようにする包括的な意味のデータ通信網であり、有線インターネット、無線インターネット及びモバイル無線通信網を含むことができる。また、無線通信は、例えば、無線LAN(Wi-Fi)、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー(Bluetooth low energy)、ZigBee(登録商標)、WFD(Wi-Fi Direct)、UWB(ultra wideband)、赤外線通信(IrDA、infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)などがあり得るが、これに限定されるものではない。
【0034】
図2は、一実施形態に係る薬物注入装置の内部構成を示す図である。
【0035】
図2を参照すると、薬物注入装置1は、外側を覆うハウジング5と、ユーザの皮膚に付着される付着部6とを設けることができる。薬物注入装置1は、ハウジング5と付着部6との間の内部空間に複数の部品が配置される。
【0036】
薬物注入装置1は、ベースボディ50、ニードル組立体100、貯蔵部201、駆動部300、駆動ユニット400、クラッチユニット500、トリガ部材600及びバッテリー700を含むことができる。
【0037】
ベースボディ50は、ハウジング5の基本的なフレームを形成し、ハウジング5の内部空間に取り付けられる。ベースボディ50は複数設けられてもよい。一実施形態として、内部部品の上側を覆う第1ボディ50aと、内部部品の下側を覆う第2ボディ50bとを設けることができる。第1ボディ50aと第2ボディ50bとは組み立てられ、薬物注入装置1の内部部品を予め設定された位置に固定させることができる。他の実施形態として、ベースボディは一体型の1つのフレームで形成することができる。
【0038】
貯蔵部201は、ベースボディ50に取り付けられ、ニードル組立体100と流体接続される。貯蔵部201の内部では、プランジャー(図示せず)が直線移動し、薬物をニードルNに排出することができる。
【0039】
駆動部300は、駆動力を生成して駆動ユニット400に駆動力を伝達することができる。駆動ユニット400によって伝達された駆動力は、プランジャー230を貯蔵部201の内部に直線移動させて薬物を排出することができる。
【0040】
前記駆動部300は、電気によって薬物吸引力と薬物吐出力を有するあらゆる種類のポンプを用いることができる。例えば、機械変位型マイクロポンプや電磁気運動型マイクロポンプなどのあらゆる種類のポンプを用いることができる。機械変位型マイクロポンプは、流体の流れを誘導するために圧力差を生じさせるようにギアやダイアフラムなどの固体または流体の運動を利用するポンプであり、ダイアフラム変位ポンプ(Diaphragm displacement pump)、流体変位ポンプ(Fluid displacement pump)、回転ポンプ(Rotary pump)などがある。電磁気運動型マイクロポンプは、電気的または磁気的形態のエネルギーを直に流体の移動に利用するポンプであり、電気流体力学ポンプ(Electro hydrodynamic pump、EHD)、電気浸透流ポンプ(Electro osmotic pump)、磁気流体力学ポンプ( Magneto hydrodynamic pump)、エレクトロウェッティングポンプ (Electro wetting pump)などがある。
【0041】
駆動部300は、クラッチユニット500によって駆動ユニット400が接続されると(engaged)、駆動ユニット400の駆動ホイールを回転させ、駆動ホイールの回転によりロッドが直線移動してプランジャー(図示せず)が貯蔵部201の内部で移動することができる。
【0042】
駆動部300は、カバー310の内部に配置されるメンブレン320を設けることができる。メンブレン320は、駆動部300の内部空間を第1空間S1と第2空間S2とに区画することができる。駆動部300は、第1空間S1と第2空間S2の体積変化によって駆動軸330を直線移動させることができる。
【0043】
図3A図3Bは、一実施形態に係る薬物注入量計算機の設定方法を説明するための例示的な図である。
【0044】
図1のユーザ端末1000、コントローラ2000または薬物注入装置3000には、薬物注入量計算機を搭載することができる。薬物注入量計算機は、基礎注入とは別にユーザに注入されるべきインスリンの量を計算する計算機であることができる。例えば、薬物注入量計算機は、飲食物や間食の摂取によって上昇する血糖を下げるために必要なインスリンの量を計算することができる。また、薬物注入量計算機は、高血糖を正常血糖範囲内に下げるのに必要なインスリンの量を計算することができる。
【0045】
上述したように、インスリンの基礎注入とは別に、飲食物摂取または高血糖を下げる必要があるときに注入するインスリンをボーラス(bolus)と呼ぶことができる。薬物注入量計算機はボーラス計算機と呼ぶことができ、ボーラス計算機はボーラス注入量を計算することができる。
【0046】
ボーラス注入量は様々な値によって決定することができる。例えば、ボーラス注入量は、現在の血糖値、炭水化物対インスリン比、修正係数、目標血糖値、以前のボーラス注入量中に体内活性化時間が残っているインスリンの量(Insulin On Board(IOB)、Bolus on Board(BOB)または Active Insulin)、修正しきい値、活動量、摂取した飲食物の種類と量などによって決定することができる。
【0047】
修正係数は、ボーラスインスリン1Unitが下げられる血糖値を示す値である。修正係数の範囲は、1~400mg/dl/Uであり、1mg/dl/Uずつ調節することができる。修正しきい値は、血糖調節のためにインスリンの注入が必要であると判断される最高血糖値を意味することができる。
【0048】
ボーラス計算機は、ユーザ個人のボーラスプロファイル設定値、現在の血糖測定値、摂取した炭水化物量及び体内インスリン残量(IOB)などに基づいてボーラス注入量を計算することができる。
【0049】
具体的には、ボーラスプロファイル設定値は、目標血糖、炭水化物対インスリン比、修正係数及びインスリン持続時間によって決定することができる。現在の血糖値は、10分以内に測定した血糖値を意味する。
【0050】
図3Aを参照すると、ユーザは薬物注入量計算機に現在の血糖測定値310を入力することができる。ユーザは、摂取した炭水化物量に関する入力を省略することができる。ユーザは、mg/dl単位で現在の血糖測定値310を入力することができる。例えば、ユーザは現在の血糖測定値310として220mg/dlを入力することができる。薬物注入量計算機は、現在の血糖測定値310に基づいてボーラス注入量331として2.00Uを計算することができる。現在の血糖測定値310として入力できる単位はmmol/lであることができるが、上述した単位例に限定されない。
【0051】
図3Bを参照すると、ユーザは薬物注入量計算機に現在の血糖測定値310及び摂取した炭水化物量320を入力することができる。ユーザはmg/dl単位で現在の血糖測定値310を入力することができ、g単位で摂取した炭水化物量320を入力することができる。例えば、ユーザは現在の血糖測定値310として220mg/dlを入力し、摂取した炭水化物量320として20gを入力することができる。薬物注入量計算機は、現在の血糖測定値310及び摂取した炭水化物量320に基づいてボーラス注入量232として1.30Uを計算することができる。
【0052】
一方、ユーザは摂取する飲食物によって上がる血糖を下げるために必要な最適のインスリン注入量を算出し、食後に急激に増加する血糖を調節する必要がある。最適のインスリン注入量を算出するために、ユーザは摂取する飲食物に含まれる炭水化物の量を正確に計算する必要がある。また、食後に増加する血糖を適切に調節するために、最適のインスリン注入時点を算出する必要がある。
【0053】
しかし、同じ種類の飲食物であっても、当該飲食物を販売する飲食店の特徴など、様々な理由により正確な炭水化物の量を計算することが難しい場合がある。また、飲食物の摂取に伴う急激な血圧の上昇には、飲食物に含まれる炭水化物の影響が大きいと見ることができるが、飲食物に含まれるタンパク質または脂肪の影響も無視できない。さらに、最適のインスリン注入量を算出するためには、炭水化物、タンパク質及び脂肪それぞれがユーザの血糖を上昇させる時点が異なるということも考慮しなければならない。
【0054】
したがって、上述した側面を考慮すると、ユーザが飲食物の種類に応じた炭水化物の量を概ね入力して算出されたインスリン注入量またはインスリン注入時点は正確でない可能性がある。例えば、必要なインスリンの量よりも多くのインスリンが注入される場合、低血糖ショックが起こる可能性もある。または、タンパク質または脂肪により、飲食物を摂取した後に時間間隔を置いて増加する血糖を調節することは難しい可能性もある。
【0055】
これにより、ユーザが摂取する飲食物に関する情報を入力してもらい、最適のインスリン注入量またはインスリン注入時点を算出できる方法が求められる。
【0056】
図4は、一実施形態に係る飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出する例示的な図である。
【0057】
一実施形態によれば、ユーザ端末1000、コントローラ2000または薬物注入装置3000に含まれる薬物注入量計算機は、第1ユーザの現在の血糖測定値を生体情報測定装置から受信することができる。また、薬物注入量計算機は、第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信することができる。薬物注入量計算機は、第1ユーザの血糖測定値及び飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0058】
図4を参照すると、薬物注入量計算機は、生体情報測定装置から第1ユーザの現在の血糖測定値を受信することができる。例えば、薬物注入量計算機は、現在の血糖測定値410として220mg/dlを受信ことができる。一方、薬物注入量計算機は、血糖測定値を生体情報測定装置から受信せず、第1ユーザがユーザ端末1000のインタフェースを介して血糖測定値を直接入力することもでき、入力された血糖測定値に関する情報が薬物注入量計算機に送信されることができる。
【0059】
また、薬物注入量計算機は、第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信することができる。例えば、第1ユーザは、ユーザ端末1000のインタフェースを介して摂取する飲食物に関する情報を入力することができ、入力された飲食物に関する情報が薬物注入量計算機に送信されることができる。
【0060】
一実施形態によれば、飲食物に関する情報は、第1ユーザが摂取する飲食物の種類、飲食物を販売する飲食店に関する情報、飲食物を摂取する時点に関する情報のうち少なくとも1つを含むことができる。または、飲食物に関する情報は、第1ユーザが摂取する飲食物の写真を含むこともできる。図4を参照すると、薬物注入量計算機は、第1ユーザが摂取する飲食物の種類420、飲食物を販売する飲食店に関する情報430、飲食物を摂取する時点に関する情報440、飲食物の写真450などを受信し、ユーザが摂取する飲食物を具体的に特定することができる。
【0061】
一実施形態によれば、薬物注入量計算機は、受信した飲食物に関する情報から、特定の飲食物が第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であるか否かを判断することができる。例えば、薬物注入量計算機は、第1ユーザが摂取する飲食物が過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一であると判断される場合、過去に第1ユーザが前記飲食物を摂取した後に第1ユーザに注入されたインスリン注入量及び過去に第1ユーザが前記飲食物を摂取した後の第1ユーザの血糖測定値変動情報のうち少なくとも1つに基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0062】
すなわち、薬物注入量計算機は、第1ユーザが摂取する飲食物の種類、飲食物を販売する飲食店に関する情報、飲食物の写真などから、ユーザが摂取する飲食物を具体的に特定することができる。薬物注入量計算機は、特定された飲食物が過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一であると判断される場合、飲食物を摂取する時点に関する情報、第1ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後に第1ユーザに注入されたインスリン注入量及び第1ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後の第1ユーザの血糖測定値変動情報のうち少なくとも1つを参照して最適のインスリン注入量を算出することができる。
【0063】
一方、薬物注入量計算機は、第1ユーザの血糖測定値及び飲食物に関する情報に基づいて適切のインスリン注入時点を算出することもできる。例えば、薬物注入量計算機は、飲食物に関する情報から特定された飲食物が過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一であると判断される場合、飲食物を摂取する時点に関する情報、第1ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後に第1ユーザに注入されたインスリン注入量及び第1ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後の第1ユーザの血糖測定値変動情報のうち少なくとも1つを参照して適切なインスリン注入時点を算出することができる。または、薬物注入量計算機は、算出されたインスリン注入量を飲食物を摂取する前に一気に注入するのではなく、複数のインスリン注入時点のそれぞれに分けて注入できるように、適切な複数のインスリン注入時点を算出することもできる。一方、第1ユーザが摂取する飲食物が過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一ではなく、初めて摂取する飲食物に該当するとしても、第1ユーザではない他の第2ユーザに関する情報を活用して最適のインスリン注入量を算出することもできる。
【0064】
図5は、一実施形態に係る飲食物に関する情報及び第2ユーザに関する情報に基づいてインスリン注入量を算出する例示的な図である。
【0065】
一実施形態によれば、薬物注入量計算機は、第1ユーザが摂取する飲食物が過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一でないと判断される場合、第2ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後に第2ユーザに注入されたインスリン注入量、第2ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後の第2ユーザの血糖測定値変動情報及びユーザごとに設定された炭水化物対インスリン比のうち少なくとも1つに基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0066】
すなわち、薬物注入量計算機は、第1ユーザが摂取する飲食物の種類、飲食物を販売する飲食店に関する情報、飲食物の写真などからユーザが摂取する飲食物を具体的に特定し、特定された飲食物が過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一でないと判断される場合、飲食物を摂取する時点に関する情報、第2ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後に第2ユーザに注入されたインスリン注入量、第2ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後の第2ユーザの血糖測定値変動情報及びユーザごとに設定された炭水化物対インスリン比を参照して最適のインスリン注入量を算出することができる。ユーザごとに設定された炭水化物対インスリン比は、第1ユーザの炭水化物対インスリン比及び第2ユーザの炭水化物対インスリン比を含むことができる。
【0067】
例えば、図5を参照すると、第2ユーザ情報510は、第2ユーザが過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一の飲食物を摂取した後、1.5Uのインスリンが注入され、第2ユーザの血糖測定値は215mg/dLから135mg/dLに変動し、第2ユーザの炭水化物対インスリン比は12.5に該当するという情報を含むことができる。薬物注入量計算機は、第2ユーザ情報510及び第1ユーザの炭水化物対インスリン比を考慮し、最適のインスリン注入量を算出することができる。
【0068】
一方、薬物注入量計算機は、第1ユーザの血糖測定値、飲食物に関する情報及び第2ユーザ情報に基づいて適切のインスリン注入時点を算出することもできる。例えば、薬物注入量計算機は、飲食物に関する情報から特定された飲食物が過去に第1ユーザが摂取した飲食物と同一でないと判断される場合、飲食物を摂取する時点に関する情報、第2ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後に第2ユーザに注入されたインスリン注入量、第2ユーザが過去に当該飲食物を摂取した後の第2ユーザの血糖測定値変動情報及びユーザごとに設定された炭水化物対インスリン比のうち少なくとも1つを参照して適切なインスリン注入時点を算出することができる。または、薬物注入量計算機は、算出されたインスリン注入量を飲食物を摂取する前に一気に注入するのではなく、複数のインスリン注入時点のそれぞれに分けて注入できるように、適切な複数のインスリン注入時点を算出することもできる。
【0069】
一方、血糖測定装置から取得する血糖測定値は、血糖測定装置の自己誤差またはユーザの身体的特性に応じて誤差範囲を有することができる。したがって、誤差範囲を考慮してより正確なインスリン注入量を算出する必要がある。
【0070】
図6は、一実施形態に係る誤差範囲に基づいてインスリン注入量を算出する例示的な図である。
【0071】
一実施形態によれば、薬物注入量計算機は、生体情報測定装置から受信した血糖測定値とBGM(Blood Glucose Monitoring、血糖自己測定)方式で測定した血糖測定値との差値に基づいて誤差範囲を算出することができる。また、薬物注入量計算機は、誤差範囲に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0072】
例えば、図6を参照すると、薬物注入量計算機は、生体情報測定装置から第1ユーザの現在の血糖測定値を受信することができる。例えば、薬物注入量計算機は、現在の血糖測定値として220mg/dlを受信ことができる。このとき、生体情報測定装置は、CGM(Continuous Glucose Monitoring、持続血糖測定)方式でユーザの血糖を測定する装置に該当することができる。持続血糖測定方式は、腹部の皮下脂肪にセンサを付着し、センサを介して細胞間質液の糖を測定する方式である。
【0073】
さらに、薬物注入量計算機は、第1ユーザからBGM方式で測定した血糖測定値を受信することができる。例えば、第1ユーザがユーザ端末1000のインタフェースを介してBGM方式で測定した血糖測定値を直接入力することができ、BGM方式で測定した血糖測定値に関する情報が薬物注入量計算機に送信されることができる。
【0074】
薬物注入量計算機は、持続血糖測定方式で血糖を測定する生体情報測定装置から受信した血糖測定値とBGM(Blood Glucose Monitoring、血糖自己測定)方式で測定した血糖測定値との差に基づいて、生体情報測定装置から受信した血糖測定値の誤差範囲を算出することができる。薬物注入量計算機は、誤差範囲に基づいてインスリン注入量を算出することができる。すなわち、図3A図5で上述したように算出されたインスリン注入量は、前記誤差範囲を考慮して補正されることができる。
【0075】
同様に、薬物注入量計算機は、誤差範囲に基づいてインスリン注入時点を算出することができ、図3A図5で上述したように算出されたインスリン注入時点は、前記誤差範囲を考慮して補正されることができる。
【0076】
図6を参照すると、薬物注入量計算機は、持続血糖測定方式で血糖を測定する生体情報測定装置から第1ユーザの現在の血糖測定値が220mg/dLに該当するという情報を受信することができる。また、薬物注入量計算機は、第1ユーザからBGM方式で測定した血糖測定値610が210mg/dLに該当するという情報を受信することができる。薬物注入量計算機は、持続血糖測定方式で血糖を測定する生体情報測定装置から受信した血糖測定値とBGM方式で測定した血糖測定値610との差が10mg/dLという情報及び第1ユーザから受信した飲食物に関する情報に基づいて最適のインスリン注入量を算出することができる。
【0077】
図7は、一実施形態に係るインスリン注入量を算出する方法のフローチャートである。
【0078】
コントローラは、薬物注入装置との通信を行うことができる。コントローラは、スマートフォン、PCなどのユーザ端末に含まれる構成であるか、ユーザ端末とは独立した構成であることができる。または、コントローラは、薬物注入装置に含まれた構成でることもできる。以下では、薬物注入装置とコントローラがネットワークを用いて通信を行うことを前提とする。
【0079】
ステップ710において、コントローラは、第1ユーザの血糖測定値を生体情報測定装置から受信することができる。例えば、生体情報測定装置は、CGM(Continuous Glucose Monitoring、持続血糖測定)方式でユーザの血糖を測定する装置に該当することができる。持続血糖測定方式は、腹部の皮下脂肪にセンサを付着し、センサを介して細胞間質液の糖を測定する方式である。
【0080】
ステップ720において、コントローラは、第1ユーザから摂取する飲食物に関する情報を受信することができる。一実施形態によれば、飲食物に関する情報は、飲食物の種類に関する情報、飲食物を販売する飲食店に関する情報、飲食物を摂取する時点に関する情報のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0081】
ステップ730において、コントローラは、血糖測定値及び飲食物に関する情報に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0082】
一実施形態によれば、コントローラは、飲食物が第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であるか否かを判断することができ、前記判断に基づいてインスリン注入量を算出することができる。飲食物が第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であると判断される場合、コントローラは、第1ユーザが過去に飲食物を摂取した後に第1ユーザに注入されたインスリン注入量及び第1ユーザが過去に飲食物を摂取した後の第1ユーザの血糖測定値変動情報のうち少なくとも1つに基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0083】
一実施形態によれば、コントローラは、飲食物が第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一であるか否かを判断することができ、判断に基づいてインスリン注入量を算出することができる。飲食物が第1ユーザが過去に摂取した飲食物と同一でないと判断される場合、コントローラは、第2ユーザが過去に飲食物を摂取した後に第2ユーザに注入されたインスリン注入量、第2ユーザが過去に飲食物を摂取した後の第2ユーザの血糖測定値変動情報及びユーザごとに設定された炭水化物対インスリン比に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0084】
一実施形態によれば、コントローラは、血糖測定装置から受信した血糖測定値とBGM(Blood Glucose Monitoring、血糖自己測定)方式で測定した血糖測定値との差値に基づいて誤差範囲を算出することができ、誤差範囲に基づいてインスリン注入量を算出することができる。
【0085】
本開示の様々な実施形態は、機器(machine)によって読み取り可能な記憶媒体(storage medium)に記憶された1つ以上の命令語を含むソフトウェア(例えば、プログラム)として具現されることができる。例えば、機器のプロセッサは、記憶媒体から記憶された1つ以上の命令語のうち少なくとも1つの命令語を呼び出し、それを実行することができる。これにより、機器が前記呼び出された少なくとも1つの命令語に従って少なくとも1つの機能を実行するように動作することを可能にする。前記1つ以上の命令語は、コンパイラによって生成されたコードまたはインタプリタによって実行されることができるコードを含むことができる。機器で読み取り可能な記憶媒体は、非一時的な(non-transitory)記憶媒体の形態で提供されることができる。ここで、「非一時的」とは、記憶媒体が実在(tangible)する装置であり、信号(signal)(例えば、電磁波)を含まないことを意味するだけであり、この用語は、データが記憶媒体に半永久的に記憶される場合と一時的に記憶される場合を区別しない。
【0086】
一実施形態によれば、本開示の様々な実施形態に係る方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されることができる。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者及び購入者の間で取引されることができる。コンピュータプログラム製品は、デバイスで読み取り可能な記憶媒体(例えば、compact disc read only memory (CD-ROM))の形態で配布されるか、またはアプリケーションストア(例えば、プレイストア(商標))を介して、または2つのユーザ装置間で直接、オンラインで配布(例えば、ダウンロードまたはアップロード)されることができる。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造元のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリなどの機器で読み取ることができる記憶媒体に少なくとも一時的に記憶されるか、一時的に生成されることができる。
【0087】
さらに、本明細書において、「部」は、プロセッサまたは回路などのハードウェア構成(hardware component)及び/またはプロセッサなどのハードウェア構成によって実行されるソフトウェア構成(software component)であることができる。
【0088】
本実施形態の範囲は、前記詳細の説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】