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  • 特表-異種熱可塑性材料間の接合部 図1
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  • 特表-異種熱可塑性材料間の接合部 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】異種熱可塑性材料間の接合部
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20240222BHJP
   B32B 7/12 20060101ALN20240222BHJP
【FI】
B29C65/02
B32B7/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547823
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 US2022015791
(87)【国際公開番号】W WO2022173808
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/172,523
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,ウェンピン
(72)【発明者】
【氏名】シィン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】グロルマン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ミジャレス,オーランド
(72)【発明者】
【氏名】ハーンドン,マリー ケー.
(72)【発明者】
【氏名】シッダーマル,シュリダール
【テーマコード(参考)】
4F100
4F211
【Fターム(参考)】
4F100AA37
4F100AA37C
4F100AK01
4F100AK01A
4F100AK01C
4F100AK45
4F100AK45A
4F100AK45C
4F100AK49
4F100AK49B
4F100AK54
4F100AK54A
4F100AK54B
4F100AK54C
4F100AK55
4F100AK55A
4F100AK55C
4F100AK56
4F100AK56A
4F100AK56C
4F100AK57
4F100AK57A
4F100AK57C
4F100AR00B
4F100BA03
4F100BA07
4F100DG01
4F100DG01C
4F100DH02
4F100DH02C
4F100EC03
4F100EH36
4F100EJ42
4F100JA04
4F100JA04A
4F100JA04B
4F100JA04C
4F100JB16
4F100JB16A
4F100JB16C
4F100JL11
4F100JL11B
4F211AA28
4F211AA32
4F211AA34
4F211AA40
4F211AR06
4F211TA01
4F211TC02
4F211TD11
4F211TH06
4F211TH27
4F211TN16
4F211TN22
4F211TN27
4F211TQ01
4F211TQ10
(57)【要約】
第1の熱可塑性材料層(12)と、第1の熱可塑性材料層(12)の融点温度(A)とは異なる融点温度(B)を有する第2の熱可塑性材料層(14)と、第1の熱可塑性材料層(12)と第2の熱可塑性材料層(14)との間に結合された界面層(16)を含む異種熱可塑性材料間の接合部(10)であって、界面層(16)は、第1の熱可塑性材料層(12)及び第2の熱可塑性材料層(14)をともに接合して接合部(10)を形成するように構成され、界面層(16)は、第1の熱可塑性材料層(12)の融点温度(A)と第2の熱可塑性材料層(14)の融点温度(B)との間か、または第1の熱可塑性材料層(12)の融点温度(A)及び第2の熱可塑性材料層(14)の融点温度(B)より低いかから成る群から選択された値を有する融点温度を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種熱可塑性材料間の接合部であって、
第1の熱可塑性材料層と、
前記第1の熱可塑性材料層の融点温度とは異なる融点温度を有する第2の熱可塑性材料層と、
前記第1の熱可塑性材料層と前記第2の熱可塑性材料層との間に結合された界面層であって、前記第1の熱可塑性材料層と前記第2の熱可塑性材料層を相互に接合して、当該接合部を形成するように構成された、界面層と、
を有し、
前記界面層は、前記第1の熱可塑性材料層の前記融点温度と前記第2の熱可塑性材料層の前記融点温度との間、または前記第1の熱可塑性材料層の前記融点温度及び前記第2の熱可塑性材料層の前記融点温度よりも低い温度からなる群から選択された値を有する融点温度を含む、異種熱可塑性材料間の接合部。
【請求項2】
前記第1の熱可塑性材料層及び前記第2の熱可塑性材料層の少なくとも1つは、熱可塑性複合材料を含む、請求項1に記載の異種熱可塑性材料間の接合部。
【請求項3】
さらに、前記第1の熱可塑性材料層及び前記第2の熱可塑性材料層の少なくとも1つの上に、表面処理を含む、請求項1に記載の異種熱可塑性材料間の接合部。
【請求項4】
前記第1の熱可塑性材料層及び前記第2の熱可塑性材料層は、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、及びポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つを含み得る、請求項1に記載の異種熱可塑性材料間の接合部。
【請求項5】
前記界面層は、より低い処理温度を有する材料を含み、該材料は、前記溶接中に溶融が存在しない場合、前記第1の熱可塑性材料及び前記第2の熱可塑性材料と化学的に相互作用し、両者と結合する、請求項1に記載の異種熱可塑性材料間の接合部。
【請求項6】
界面層を介してコンポーネントに溶接されたアタッチメントであって、
第1の熱可塑性材料を含む前記アタッチメントと、
前記第1の熱可塑性材料の融点温度とは異なる融点温度を有する第2の熱可塑性材料を含む前記コンポーネントと、
前記アタッチメントと前記コンポーネントの間に結合された界面層であって、前記第1の熱可塑性材料と前記第2の熱可塑性材料を相互に接合して溶接接合部を形成するように構成された、界面層と、
を有し、
前記界面層は、前記第1の熱可塑性材料層の前記融点温度と前記第2の熱可塑性材料層の前記融点温度との間、または前記第1の熱可塑性材料層の前記融点温度及び前記第2の熱可塑性材料層の前記融点温度よりも低い温度からなる群から選択された値を有する融点温度を含む、前記界面層を介してコンポーネントに溶接されたアタッチメント。
【請求項7】
前記第1の熱可塑性材料及び前記第2の熱可塑性材料の少なくとも1つは、熱可塑性複合材料を含む、請求項6に記載の界面層を介してコンポーネントに溶接されたアタッチメント。
【請求項8】
前記第1の熱可塑性材料及び前記第2の熱可塑性材料の少なくとも1つは、熱可塑性複合材料を含む、請求項6に記載の界面層を介してコンポーネントに溶接されたアタッチメント。
【請求項9】
さらに、前記アタッチメント及び前記コンポーネントの少なくとも1つの上に、表面処理を含む、請求項6に記載の界面層を介してコンポーネントに溶接されたアタッチメント。
【請求項10】
さらに、前記界面層上に繊維補強材を含む、請求項8に記載の界面層を介してコンポーネントに溶接されたアタッチメント。
【請求項11】
界面層を用いてコンポーネントにアタッチメントを溶接するプロセスであって、
第1の熱可塑性材料を含む前記アタッチメントを提供するステップと、
前記第1の熱可塑性材料の融点温度とは異なる融点温度を有する第2の熱可塑性材料を含む前記コンポーネントを提供するステップと、
前記アタッチメントと前記コンポーネントとの間に界面層を溶接するステップであって、前記界面層は、前記第1の熱可塑性材料と前記第2の熱可塑性材料を相互に接合して溶接部を形成するように構成される、ステップと、
を有し、
前記界面層は、前記第1の熱可塑性材料層の前記融点温度と前記第2の熱可塑性材料層の前記融点温度との間、または前記第1の熱可塑性材料層の前記融点温度及び前記第2の熱可塑性材料層の前記融点温度よりも低い温度からなる群から選択された値を有する融点温度を含む、プロセス。
【請求項12】
さらに、前記アタッチメント及び前記コンポーネントの少なくとも1つに表面処理を実施するステップを有する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
さらに、前記界面層に繊維補強材を設置するステップを有する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項14】
さらに、前記界面層を前記アタッチメント及び前記コンポーネントの少なくとも1つに組み込むステップを有する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項15】
さらに、前記アタッチメント及び前記コンポーネントの少なくとも1つに前記界面層を成形するステップを有する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
さらに、前記アタッチメント及び前記コンポーネントの少なくとも1つに前記界面層をコーティングするステップを有する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項17】
前記界面層は、より低い処理温度を有する材料を含み、該材料は、前記溶接中に溶融が存在しない場合、前記第1の熱可塑性材料及び前記第2の熱可塑性材料と化学的に相互作用し、両者と結合する、請求項11に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、溶接中に2つの異なる熱可塑性材料を接合するように構成された界面を対象とする。
【0002】
熱可塑性複合材料は、迅速な処理、溶接可能性、高い耐衝撃性、及び低コストに対するその可能性のために様々な用途で熱硬化性複合材料の代替物として登場しつつある。異種熱可塑性物質及び/またはその複合材料を接合することは、特に関与する熱可塑性材料が非常に異なる処理温度を有するときには依然として困難である。
【0003】
従前の1つの解決策は接着剤による結合である。ポリカーボネート(PC)などの熱可塑性物質をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に結合するためには、表面処理剤、接着剤の塗布、オートクレーブまたは炉の熱硬化などの多くのプロセスステップが必要とされる(それらはすべて必要とされる)。プロセス全体は、非常に時間がかかり、コストがかる。異種熱可塑性材料を接合するための別の潜在的なオプションは、機械的な固締である。ただし、機械的な固締は重量上のデメリットを含み、必要とされる接合部の多くの密封要件を満たさない。
【0004】
必要とされているのは、2つの異なる熱可塑性材料/複合材料を溶接することを可能にする物質界面である。
【発明の概要】
【0005】
本開示によれば、第1の熱可塑性材料層と、第1の熱可塑性材料層の融点温度とは異なる融点温度を有する第2の熱可塑性材料層と、第1の熱可塑性材料層と第2の熱可塑性材料層との間に結合された界面層とを含む異種熱可塑性材料間の接合部が提供され、界面層は、第1の熱可塑性材料層及び第2の熱可塑性材料層をともに接合して接合部を形成するように構成され、界面層は、第1の熱可塑性材料層の融点温度と第2の熱可塑性材料層の融点温度との間か、または第1の熱可塑性材料層の融点温度及び第2の熱可塑性材料層の融点温度より低いかから成る群から選択された値を有する融点温度を含む。
【0006】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、熱可塑性複合材料を含む第1の熱可塑性材料層及び第2の熱可塑性材料層の少なくとも1つを含み得る。
【0007】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、第1の熱可塑性材料等及び第2の熱可塑性材料層の少なくとも1つに対する表面処理剤をさらに含む、異種熱可塑性材料間の接合部を含む。
【0008】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、及びポリエーテルエーテルケトンの少なくとも1つを含む可能性がある第1の熱可塑性材料層及び第2の熱可塑性材料層を含み得る。
【0009】
本開示によれば、界面層を介してコンポーネントに溶接されるアタッチメントであって、第1の熱可塑性材料を含むアタッチメントと、第1の熱可塑性材料の融点温度とは異なる融点温度を有する第2の熱可塑性材料を含むコンポーネントと、アタッチメントとコンポーネントとの間に結合された界面層とを含むアタッチメントが提供され、界面層は、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料をともに接合して溶接接合部を形成するように構成され、界面層は、第1の熱可塑性材料層の融点温度と第2の熱可塑性材料層の融点温度との間か、または第1の熱可塑性材料層の融点温度及び第2の熱可塑性材料層の融点温度より低いかから成る群から選択された値を有する融点温度を含む。
【0010】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、熱可塑性複合材料を含む第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料の少なくとも1つを含み得る。
【0011】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、アタッチメント及びコンポーネントの少なくとも1つに対する表面処理剤を含み得る。
【0012】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、界面層上に繊維補強材を含み得る。
【0013】
本開示によれば、第1の熱可塑性材料を含むアタッチメントを提供することと、第1の熱可塑性材料の融点温度とは異なる融点温度を有する第2の熱可塑性材料を含むコンポーネントを提供することと、アタッチメントとコンポーネントとの間に界面層を溶接することとを含む、界面層でコンポーネントにアタッチメントを溶接するためのプロセスが提供され、界面層は、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料をともに接合して溶接部を形成するように構成され、界面層は、第1の熱可塑性材料層の融点温度と第2の熱可塑性材料層の融点温度との間か、または第1の熱可塑性材料層の融点温度及び第2の熱可塑性材料層の融点温度よりも低いかから成る群から選択された値を有する融点温度を含む。
【0014】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、アタッチメント及びコンポーネントの少なくとも1つに対して表面処理を実行することをさらに含むプロセスを含み得る。
【0015】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、界面層に繊維補強材を塗布することさらに含むプロセスを含み得る。
【0016】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、アタッチメント及びコンポーネントの少なくとも1つに界面層を組み込むことをさらに含むプロセスを含み得る。
【0017】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、アタッチメント及びコンポーネントの少なくとも1つの上に界面層を成形することをさらに含むプロセスを含み得る。
【0018】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、アタッチメント及びコンポーネントの少なくとも1つに界面層をコーティングすることをさらに含むプロセスを含み得る。
【0019】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、さらに及び/または代わりに、溶接中に溶融が存在しない場合に、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料に化学的に相互作用し、結合する、より低い処理温度を有する材料を含む界面層を含み得る。
【0020】
界面材料の他の詳細は、以下の発明を実施するための形態、及び同様の参照数字が同様のコンポーネントを示す添付図面に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】2つの異種熱可塑性材料と、例示的な界面層との間の例示的な接合部の概略図である。
図2】2つの異種熱可塑性材料と、例示的な界面層との間の例示的な接合部の拡大概略図である。
図3】熱可塑性コンポーネントと、熱可塑性アタッチメントと、界面層との間の例示的な接合部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1及び図2を参照すると、第1の熱可塑性材料層12と第2の熱可塑性材料層14と界面層16との間の例示的な接合部10が示されている。第1の熱可塑性材料層12は、図2に示されるように、単一熱可塑性物質、及び複合熱可塑性材料の1つを含む場合がある。第2の熱可塑性材料層14は、単一熱可塑性物質及び複合熱可塑性材料の1つを含む場合がある。界面層16は、第1の熱可塑性材料層12と第2の熱可塑性材料層14との間に位置する。界面層16は、第1の熱可塑性材料層12及び第2の熱可塑性材料層14をともに接合して接合部10を形成するように構成される。例示的な実施形態では、熱可塑性材料は、ポリカーボート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの少なくとも1つである場合がある。
【0023】
第1の熱可塑性材料層12は、第1の融点温度Aを有する場合がある。第2の熱可塑性材料層14は、第2の融点温度Bを有する場合がある。例示的な実施形態では、第1の融点温度Aは、第2の融点温度Bとは異なる。界面層16は、第1の融点温度Aと第2の融点温度Bとの間にある融点温度Cを有する場合がある。例示的な実施形態では、界面層16は、第1の熱可塑性材料層12と第2の熱可塑性材料層14の融点温度の両方よりも低い融点温度Dを含む場合がある。
【0024】
また、図3を参照すると、示されるように、熱可塑性材料Xを含むコンポーネント18は、間に界面層22が結合された熱可塑性材料Yを含むアタッチメント20に付着される。コンポーネント18はまた、熱可塑性複合材料24を含む場合がある。図1及び図2に示される例示的な実施形態においてのように、界面層22は、アタッチメント20の融点温度Aとコンポーネント18の融点温度Bとの間の値を有する融点温度Cを含む場合がある。
【0025】
図1及び図2を参照すると、例示的な実施形態では、界面層16は、第1の熱可塑性材料層12上に成形される場合がある、及び/または第2の熱可塑性材料層14上に成形される場合がある。例示的な実施形態では、界面層16は、第1の熱可塑性材料層12上にコーティングされる場合がある、及び/または第2の熱可塑性材料層14上にコーティングされる場合がある。
【0026】
図3を参照すると、例示的な実施形態では、接着を改善するために、界面層22に近接するコンポーネント18及び/またはアタッチメント20に表面処理剤26を塗布することができる。表面処理剤26は、表面研磨剤、プラズマ処理剤、レーザーアブレーション処理、火炎処理、サンディング、グリットブラスト、化学処理、表面研磨+溶剤拭き取りなどを含む場合がある。
【0027】
実施例1.
射出成形されたポリカーボネート(PC)アタッチメントは、炭素繊維強化ポリエーテルエーテルケトン(CF/PEEK)複合チューブコンポーネントに溶接される。無定形のPCは、約摂氏155度(℃)のガラス繊維温度、及び約280℃の成形温度を有し、一方、半結晶性PEEKは約343℃で溶融し、約390℃成形できる。結果として、接合される材料間で温度差(>100℃)が生じる。2つの材料をそのまま溶接すると、2つの問題が生じる。第1に、低温ではPEEKの溶融は起こらない。したがって、接合部界面での分子鎖の拡散を達成することはできない。第2に、代わりに、溶接温度がPEEKコンポーネントを溶融するほど十分に高くなるが、同時にPCの付着によって、その形状が失われるか、または熱劣化さえ発生する。
【0028】
問題に対する例示的な解決策は、溶接中に2つの異なる熱可塑性物質をともに接合する界面層/表面材料を使用することを含む。広い処理温度範囲を有する材料を界面層に利用できる、及び/または界面層は、溶接中に溶融しない2つの熱可塑性物質に化学的に相互作用し、よく結合するより低い処理温度を有する材料を有する場合がある。例示的な界面層材料は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)である場合がある。TPUは約180℃で溶融する。TPU材料は、PCとPEEKを溶接するための界面層として機能できる。
【0029】
界面層は、最初に高温の熱可塑性物質と一体化され、次に、例えばPCなどのより低い処理温度の熱可塑性物質と溶接することができる。別の例示的な界面層は、ポリエーテルイミド(PEI)である。PEIは、335℃~420℃の処理温度範囲、及び217℃の軟化点温度を有する。PEIはPC及びPEEKの両方と融和性があり、PCをPEEKに溶接するための界面層材料として機能できる。
【0030】
より具体的には、界面層は、アタッチメントをコンポーネントに溶接する前に利用できる。アタッチメントをコンポーネントに溶接する前に界面層を利用する一実施形態は、PCアタッチメント及び/またはCF/PEEKコンポーネントの表面のどちらかに、熱可塑性ウレタン層(TPU)などの低温界面層材料をコーティングまたは成形することを含む場合がある。アタッチメントをコンポーネントに溶接する前に界面層を利用する別の実施形態は、CF/PEEKコンポーネントの表面に、ポリエーテルイミド(PEI)などのより高温の界面層材料を成形することを含む場合がある。PEIは、PEEKとより良く統合されると期待される。溶接では、PEIはまた、PC材料と溶接する(分子鎖拡散を有する)。また、より低い溶接温度(PEEK処理温度よりはるかに低い)により、CF/PEEKコンポーネント及びPCアタッチメントの形状及び性能を維持する上で提示される課題は少ない。
【0031】
例示的な実施形態では、間に界面層を有するコンポーネントにアタッチメントを溶接することは、代替の急速溶接方法を含む可能性がある。このような溶接方法は、抵抗溶接、誘導溶接、超音波溶接、またはレーザー溶接を含む場合がある。例示的な実施形態では、繊維補強材28などの補強材28を界面層材料22に利用することができ、抵抗溶接が使用されるときに好まれる。界面層22に対する繊維補強材28は、誘導溶接が使用されるときに利用される炭素繊維、ガラス繊維、Spectra(登録商標)、Kevlar(登録商標)などの1つである場合がある。1つの熱可塑性物質層12、14が透明であるときにはレーザー溶接がオプションとなり得る。
【0032】
開示された界面材料接合部の技術的な優位点は、異種熱可塑性物質及びまたはその複合材料の溶接を容易にするための界面/表面層を含む。
【0033】
開示された界面材料接合部の技術的な優位点は、溶接されるコンポーネント基板の完全性、形状、及び性能を維持することを含む。
【0034】
開示された界面材料接合部の技術的な優位点は、接合されている複合材料の間にシールを提供することを含む。
【0035】
開示された界面材料接合部の技術的な優位点は、接合される複合材料に表面保護を提供することを含む。
【0036】
開示された界面材料接合部の技術的な優位点は、処理組立時間及びコストの削減を含む。
【0037】
界面材料が提供されている。界面材料は、その特定の実施形態の文脈において説明されているが、他の予期しない代替物、変更、及び変形が、上述の説明を読んだ当業者には明らかになり得る。したがって、添付の特許請求の範囲の広い範囲に含まれる代替物、変更、及び変形を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】