(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/59 20060101AFI20240222BHJP
A61F 9/007 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G01N21/59 Z
A61F9/007 130F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549026
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 IB2022051388
(87)【国際公開番号】W WO2022180483
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー カール チョン
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059EE01
2G059FF04
2G059GG02
2G059GG08
2G059KK01
2G059MM05
(57)【要約】
医療機器の流体経路に対応する光路104の閉塞量及び/又は健全さ/崩壊等の特性を特定するように構成されたシステム100が開示される。特性を特定することは、第一の時点から始まる期間にわたり、発光素子LEE108への電流入力を増大させることと、光検出素子112によって、その期間中に光路を介してLEEの出力を受け取ることと、その期間中にLEEの出力を電圧出力に変換することと、その期間内に電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定することと、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定することとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法であって、
第一の時点から始まる期間にわたり、発光素子(LEE)への電流入力を増大させることと、
光検出素子により、前記期間中に前記光路を介して前記LEEの出力を受け取ることと、
前記期間中に前記LEEの出力を電圧出力に変換することと、
前記期間中に前記電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定することと、
前記LEEと前記光検出素子との間の前記光路の前記特性を前記第二の時点と前記第一の時点との差に基づいて特定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記光路の前記特性は、前記光路内の閉塞量又は崩壊量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記閾値は、前記光検出素子に連結された増幅器の飽和電圧を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記LEEと前記光検出素子との間の前記光路の前記特性を前記第二の時点と前記第一の時点との前記差に基づいて特定することは、前記差がある時間値より大きいか否かを特定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記差が前記時間値より大きい場合に、前記光路の閉塞又は崩壊の少なくとも1つの表示を提供することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記光路は空気圧ポート内に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記LEEへの前記電流入力は、前記期間に関連付けられる時定数を有する抵抗器コンデンサ(RC)回路を使って増大される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法であって、
第一の時点から始まる期間にわたり発光素子(LEE)から光出力を発出することと、
光検出素子により、前記期間中に前記LEEの出力を、前記光路を介して受け取ることと、
前記期間中に前記LEEの出力を電圧出力に変換することと、
前記期間中に前記電圧出力に連結された増幅器のゲインを変化させて、前記電圧出力を変化させることと、
前記期間中に前記電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定することと、
前記LEEと前記光検出素子との間の前記光路の前記特性を前記第二の時点と前記第一の時点との差に基づいて特定することと、
を含む方法。
【請求項9】
前記光路の前記特性は、前記光路内の閉塞量又は崩壊量のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記増幅器の前記ゲインを変化させることは、前記増幅器に連結された抵抗を変化させることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記閾値は前記増幅器の飽和電圧を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法であって、
発光素子(LEE)に第一の電流入力を印加することと、
光検出素子により、前記第一の電流入力が前記LEEに印加されている間に前記光路を介して前記LEEの出力を受け取ることと、
前記LEEの出力を電圧出力に変換することと、
前記電圧出力が第一の閾値より大きいか否かを特定することと、
前記電圧出力が前記第一の閾値より大きい場合に、
前記LEEに第二の電流入力を印加することと、
前記光検出素子により、前記第二の電流入力が前記LEEに印加されている間に前記光路を介して前記LEEの前記出力を受け取ることと、
前記LEEの出力を他の電圧出力に変換することと、
前記他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かを特定することであって、
前記第二の電流は第一の電流より低く、
前記第二の閾値は前記第一の閾値より低い、
特定することと、
前記光路の前記特性を、前記他の電圧出力が前記第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定することと、
を含む方法。
【請求項13】
前記光路の前記特性は、前記光路内の閉塞量又は崩壊量のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電圧出力は前記光検出素子に連結された増幅器の飽和電圧を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記他の出力電圧が前記第二の閾値より低い場合に、前記光路の閉塞又は崩壊の少なくとも1つの表示を提供することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は2021年2月23日に出願され、“SELF-CHECKING PHOTOELECTRIC SENSOR AND METHOD OF OPERATION”と題する、発明者Christopher Carl Jungによる米国仮特許出願第63/152,427号の優先権を主張するものであり、同仮出願の全体を、本明細書に全文が完全に記載されているかのように参照によって本願に援用する。
【0002】
本開示は一般に、光路(例えば、電気光経路)の特性(例えば、閉塞量、経年による健全さ/崩壊等)を特定するように構成されたセルフチェック式光電センサに関する。
【背景技術】
【0003】
光電センサは、光送信器(例えば、発光ダイオード(LED)のように、赤外光又は可視光を発出する)及び光電受信器を使って物体の存在(又は存在しないこと)を確認するために使用できる。光電センサは、障害物の有無を特定するために様々な状況で実装できる。例えば、光電センサは経路(例えば、流体経路)内に実装して、その経路が閉塞又は遮断されているか否かを特定できる。
【0004】
1つの例において、光電センサは硝子体網膜処置ユニットの流体の経路内に実装して、処置中の流体経路の品質のモニタを支援できる。すなわち、有利な点として、経路内に詰まった流体、吸引された組織、又は他の何れの形態の閉塞でも検出できる。さらに、このようなシステム内に実装された光電センサはまた、光送信器及び/又は受信器の全体的な健全性/清浄性を示して、何れかの劣化があった場合にセンサシステム自体に警告するために使用することもできる。
【0005】
硝子体網膜処置は、視力を回復し、維持し、且つ向上させるために行われる様々な外科処置を含み得る。硝子体網膜処置は、眼の後部の多くの深刻な症状の治療に適切であり得る。硝子体網膜処置は、加齢黄斑変性(AMD:age-related macular degeneration)、糖尿病網膜症及び糖尿病硝子体出血、黄斑円孔、網膜剥離、網膜上膜、サイトメガロウイルス(CMV:cytomegalovirus)網膜炎等の症状、並びに他の多くの眼科症状を治療し得る。硝子体網膜処置では、ハンドヘルドユニットが、例えば手術中に流体経路をモニタできるベースユニットのポートにプラグ接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は一般に、光路の特性を特定するように構成されたセルフチェック式光電センサに関する。
【0007】
特定の実施形態は、光路の特性を特定する方法を提供する。この方法は一般に、第一の時点から始まるある期間にわたり、発光素子(LEE)に入力される電流を増大させることを含む。この方法は一般に、光検出素子により、その期間中に光路を介したLEEの出力を受け取ることを含む。この方法は一般に、その期間中に、LEEの出力を電圧出力に変換することを含む。この方法は一般に、その期間内に電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定することを含む。この方法は一般に、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定することを含む。
【0008】
特定の実施形態は、光路の特性を特定する方法を提供する。この方法は一般に、第一の時点から始まる期間にわたりLEEから光出力を発出することを含む。この方法は一般に、光検出素子により、その期間中にLEEの出力を、光路を介して受け取ることを含む。この方法は一般に、その期間中に、LEEの出力を電圧出力に変換することを含む。この方法は一般に、その期間中に電圧出力に連結された増幅器のゲインを変化させて、電圧出力を変化させることを含む。この方法は一般に、その期間中に電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定することを含む。この方法は一般に、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定することを含む。
【0009】
特定の実施形態は、光路の特性を特定する方法を提供する。この方法は一般に、第一の電流入力をLEEに印加することを含む。この方法は一般に、光検出素子により、第一の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取ることを含む。この方法は一般に、LEEの出力を電圧出力に変換することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きいか否かを特定することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、第二の電流入力をLEEに印加することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、光検出素子により、第二の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取ることを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、LEEの出力を他の電圧出力に変換することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、その、他の電圧が第二の閾値より大きいか否かを特定することを含み、第二の電流は第一の電流より低く、第二の閾値は第一の閾値より低い。この方法は一般に、電圧入力が第一の閾値より大きい場合に、光路の特性をその、他の電圧出力が第二の出力より大きいか否かに基づいて特定することを含む。
【0010】
特定の実施形態は、光路の特性を特定する方法を提供する。この方法は一般に、電流入力をLEEに印加することを含む。この方法は一般に、光検出素子により、電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取ることを含む。この方法は一般に、LEEに連結された増幅器が第一のゲインで構成されている間に、LEE出力を電圧出力に変換することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きいか否かを特定することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、増幅器が第二のゲインで構成されている間に電流入力をLEEに印加することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、光検出素子により、電流入力がLEEに印加されている間且つ増幅器が第二のゲインで構成されている間に、光路を介してLEEの出力を受け取ることを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、LEE出力を他の電圧出力に変換することを含む。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、その、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かを特定することを含み、第二のゲインは第一のゲインより低く、第二の閾値は第一の閾値より低い。この方法は一般に、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、光路の特性をその、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定することを含む。
【0011】
本開示の態様は、本明細書に記載の手法及び方法を実行するための手段、装置、プロセッサ、及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【0012】
以下の説明及び関連する図面は、1つ又は複数の実施形態の特定の例示的な特徴を詳述する。
【0013】
添付図面は、本開示の特定の実施形態の例のみを描いており、したがって本開示の範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】特定の実施形態による光路の特性を特定するように構成された例示的システムのブロック図を示す。
【
図2】特定の実施形態による、5つの空気圧コネクタ又は空気圧モジュールの「ポート」の概略図を示す。
【
図3A-3C】特定の実施形態による、回路の入力又は発光ダイオード(LED)の出力の電圧レベル及び/又は各種のゲインに関連付けられる様々なタイミング図を示す。
【
図4】特定の実施形態による光路の特性を特定するための例示的な動作のフロー図を示す。
【
図5】特定の実施形態による光路の特性を特定するための例示的な動作の他のフロー図を示す。
【
図6】特定の実施形態による光路の特性を特定するための例示的な動作の他のフロー図を示す。
【
図7】特定の実施形態による光路の特性を特定するための例示的な動作のまた別のフロー図を示す。
【
図8A-8B】特定の実施形態による例示的な回路図を示す。
【
図9】特定の実施形態による空気圧式眼科手術機械のための手術用コンソールを示す。
【
図10A-10B】特定の実施形態による空気圧式硝子体切除機械のための空気圧システムの概略図を示す。
【
図11】特定の実施形態による、手術用プローブの切断デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
理解を促進するために、可能な限り同一の参照符号を使用して、各図面に共通する同一の要素を示している。一実施形態の要素及び特徴は、更なる説明を伴わずに他の実施形態に有益に組み込まれ得るように企図される。
【0016】
特定の態様は、光路の1つ又は複数の特性を特定するメカニズムと手法を提供する。例えば、このような手法は、光路内に閉塞があるか否かを特定し、及び/又は光路の全体的な健全さ(例えば、経年、周囲温度の影響等による崩壊量)を示すために使用され得る。場合により、光路は(例えば、硝子体網膜手順中の)空気圧式眼科手術機械内のポートの流体経路に対応し得る。特定の態様は空気圧式眼科手術機械の範囲内で説明されているが、本明細書に記載の手法は何れの適当な光路の1つ又は複数の特性の特定にも使用できると理解すべきである。
【0017】
特定の態様において、光電センサシステムの送信器及び受信器回路構成は、光路内の閉塞の光電検出(例えばコンソールのポートにおける検出であり、ポート検出と呼ばれ得る)を実行して、光路の健全さの読み取り値を提供するように構成され得る。すなわち、送信器回路構成は、光路を通じて発出されることになる光出力を生成するように構成され得て、受信器回路構成は、発せられた光を受け取って、受け取った光に対応する電圧出力を生成するように構成され得る。この場合、受け取った光の強度は光路内の閉塞量に基づき、閉塞量が多いと、受け取る光のビームの強度は弱くなる。したがって、より閉塞量が多いと、受信器回路構成により生成される電圧出力は低下するということになる。本明細書では特定の態様はLEDが光出力を生成し、フォトダイオードが光出力を受け取るものとして説明されているが、その他の適当なコンポーネントも同様に使用され得る点に留意すべきである。
【0018】
幾つかの光電センサの実装において(遮光型か反射型かを問わず)、送信器と受信器との間の光路内に検知対象(例えば、閉塞)が存在するときとその光路内に検知対象がないときとの間の受信器回路構成でのアナログ信号(又は電圧)出力レベルの比は比較的高い。例えば、例えば一定のLED電流レベルで、閉塞のあるときとないときとの高い比(例えば、電圧20V(ボルト)と0.1Vに基づく200:1)は、経路が実際に閉塞しているか開通しているかを正確に区別できるようにするのに役立ち得る。換言すれば、経路に閉塞がないときの受信器での電圧出力レベルは、経路が閉塞しているときの受信器での電圧出力レベルの例えば200倍であり得る。この高い比は、光電センサの物理的局面(例えば、LEDの劣化、光学系のミスアライメント、及び/又は光学系の曇り)が、受信器と送信器との間の光路内の閉塞に関係なく、LED出力の変動の原因となり得るため、望ましい。しかしながら、高い信号比は有益であるものの、電圧出力レベルはそれでも、受信器における増幅器の飽和電圧(例えば、12V)を超え得る比較的広い電圧範囲にわたり大幅に変動する可能性がある。それゆえ、経路に閉塞のないことを示す受信器での一部の電圧出力は、この飽和電圧でクリップされ得る。この状況では、光路全体の健全を完全に正確に特定することはでき得ない。これは、送信器におけるLEDへの特定の電流レベル入力に対する受信器での出力電圧に基づけば光路に閉塞がないように見えても、それ以外に光電センサの出力電圧レベルによっては示されないある程度の閉塞が依然として存在し得るからである。
【0019】
したがって、特定の態様において、本明細書に記載の送信器及び受信機回路構成は、受信器回路構成でのゲイン又は送信器回路構成でのLEDへの電流入力の1つ又は複数を調整しながら受信器回路構成での電圧出力レベルを使って光電検出を実行することによって光路の特性を特定するように構成される。例えば、特定の態様は、有利な点として、光路の健全さをより正確に読み取るための手法を提供し得る。
【0020】
特定の態様において、第一の時点から始まる期間中に、光はLEDから光路を通じて、LEDへの電流入力の増大に基づいて増大しながら発せられ得る。光の出力が受け取られて電圧出力に変換され、その期間中に電圧出力が閾値を超える第二の時点が特定され得る。すると、その光路の特性(例えば、閉塞量並びに/又はLED及びLED光出力を受け取るフォトダイオードの健全さ)が第一の時点と第二の時点との差に基づいて特定され得る。
【0021】
特定の態様において、第一の時点から始まる期間中に光はLEDから光路を通じて(例えば、LEDへの一定の電力入力に基づいて)発せられ得る。光は受け取られて、増幅器のゲインの変化によって変動する電圧出力に変換され、その期間中に電圧出力が閾値を超える第二の時点が特定され得る。すると、その光路の特性(例えば、閉塞量並びに/又はLED及びLED光出力を受け取るフォトダイオードの健全さ)が第一の時点と第二の時点との差に基づいて特定され得る。
【0022】
特定の態様において、電流入力がLEDに印加され得て、LEDの出力が受け取られ、電圧出力に変換され得る。電圧出力が第一の閾値より高いか否かが特定され得て、電圧出力が第一の閾値より高い場合、異なる電流入力(例えば、第一の電流入力より低い)が発光及び受光/変換のためにLEDに印加され得る。すると、電圧出力が異なる閾値(例えば、第一の閾値より低い)より高いか否かが特定され、電圧出力が第二の閾値より高いか否かに基づいて光路の特性を特定できる。
【0023】
特定の態様において、電流入力がLEDに印加され得て、受信器の増幅器が第一のゲインで構成されている間にLEDの出力が受け取られ、電圧出力に変換され得る。電圧出力が第一の閾値より高いか否かが特定され得る。電圧出力が第一の閾値より高い場合、電流入力がLEDに印加され得て、増幅器が異なるゲイン(例えば、第一のゲインより低い)で構成されている間にLEDからの出力が受け取られ、電圧出力に変換され得る。すると、電圧出力が異なる閾値(例えば、第一の閾値より低い)より高いか否かが特定され得て、電圧出力が第二の閾値より高いか否かに基づいて光路の特性を特定できる。
【0024】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法はポート検出を実行するために空気圧式眼科手術機械で実装され得る。より一般的には、本明細書に記載の態様は、ある項目(例えば、閉塞)の実際の検出だけでなく全体のセンサ経路の品質及びセンサ経路(例えば、電子回路、光学素子等を有する)に生じる可能性のある劣化をモニタすることが望ましい何れの光電センサ応用においても使用され得る。
【0025】
本発明の特徴は、特定の実施形態及び以下の図面に対して述べる場合があるが、本発明の全ての実施形態は、本明細書で述べる有利な特徴の1つ以上を含むことができる。換言すれば、特定の有利な特徴を有するものとして1つ以上の実施形態を述べる場合があるが、本明細書で述べる様々な他の実施形態に従い、このような特徴の1つ以上を使用し得る。同様に、デバイス、器具又は方法の実施形態として例示的な実施形態を以下で述べる場合があるが、様々なデバイス、器具及び方法において、このような例示的な実施形態を実装できることを理解すべきである。
【0026】
例示的なLED検出回路及び動作方法
本開示の特定の態様は、光路が閉塞されているか否かを特定する手法を提供する。特定の態様において、本明細書に記載の回路は、ポート検出を実行するための空気圧式眼科手術機械において実装され得る。より一般的には、本明細書に記載の態様、方法、及び手法は、ある項目(例えば、閉塞)の実際の検出だけでなく全体のセンサ経路(例えば、電子回路、光学素子等を有する)の品質をモニタすることが望ましい何れの光電センサ応用においても使用されてよい。
【0027】
前述のように、閉塞がないことを示す受信器での電圧出力と光路の閉塞を示す電圧出力との高い信号比は有益であり得るが、比較的広い、考え得る電圧出力範囲によって増幅器の飽和電圧(例えば、12V)に到達し、さらにはそれを超えることになり得る。それゆえ、光路に閉塞がないことを示す受信器での一部の電圧出力は飽和電圧でクリップされ得る。換言すれば、第一の電圧出力(例えば、16V)を発生させる受信LED信号は、第二の、より低い(又はより高い)電圧出力(例えば、12V)を発生させる他の受信LED信号と、そのLED信号が異なる経路健全さを示していたとしても、同じであるとみなされ得る。この状況では、光路全体の健全さを完全に正確に特定することは不可能であり得、これは、その光路にはLEDに印加される特定の電流レベルで閉塞がないように見えたとしても、光電センサの出力電圧レベルによってそれ以外に示されないある程度の閉塞が依然として存在し得るからである。
【0028】
したがって、特定の態様は、光電センサ応用において光路の1つ又は複数の特性を特定するための改善された検出の手法を提供する。例えば、特定の態様は、本明細書により詳細に記載されるように、変化する電流及び/又はゲインを利用するための、本明細書に記載の送信器回路構成及び/又は受信器回路構成で実装される1つ又は複数の手法を提供する。
【0029】
図1は、特定の実施形態による、光路の特性を特定するように構成された例示的なシステム100のブロック図を示す。場合により、システム100は、
図2の空気圧モジュールの概略
図200のポートRF1、RF2、RF3、RF4、及び/又はRF5のうちの1つにおいて実装され得る。再び
図1を参照すると、システム100は送信器回路構成102、光路104、受信器回路構成106、光110を伝播させるように構成されたLED108、光検出素子112(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ等)、及びコントローラ114を含む。送信器回路構成102は、電流をLED108に提供して、光110のビームを図のように光路104を通じて伝播させ、受信器回路構成106がそれを受け取り、受け取った光110を電圧出力に変換するように構成され得る。コントローラ114は、送信器回路構成102及び/又は受信器回路構成106の各々のための電圧及び/又は電流入力/出力を制御するように構成され得る。さらに、コントローラ114は、受信器回路構成106により生成された電圧出力をサンプリングするように構成され得る。特定の態様において、光路104は
図2の空気圧モジュールの概略
図200のポートRF1、RF2、RF3、RF4、及び/又はRF5のうちの1つを通る経路に対応する。特に、ポートRF1、RF2、RF3、RF4、及び/又はRF5は手術用コンソール内の流体経路の断面に対応する。
【0030】
前述のように、各種の構成及び/又は手法は、ポート検出を改善するために送信器回路構成102及び/又は受信器回路構成106において実装され得る。例えば、送信器回路構成102は、LED108への増大する電流入力を(例えば、本明細書に記載の回路又は何れかの適当な電流増大回路を介して)生成するように構成され得て、それによってLED108から出力される光110が同様に増大する。LED108から出力される光110が変化すると(例えば、増大すると)、受信器回路内の電圧出力は、光路104を通じた光110の強度と調和するように変化(増大)し得る。
【0031】
特定の態様において、LED108への電流入力の増大は、第一の時点から始まる期間中に行われ得て、受信器回路構成106は光検出素子112を介して光110を受け取り、受け取った光110を電圧出力に変換し得る。それに加えて、コントローラ114は、その期間中に電圧出力が閾値を超えた時点を特定するように構成され得る。例えば、閾値電圧は、受信器回路構成106に含まれる増幅器の飽和電圧又は増幅器の飽和電圧よりわずかに低い電圧レベルであり得る。光検出素子112の電圧出力が閾値を超えた時点と電流増大の開始時点との時間差に基づいて、光路104の特性(例えば、遮蔽量又は全体的な健全さ/崩壊)を特定できる。例えば、ゲイン(又は勾配)は電流増大に関連付けられ得て、同様に、ゲイン(又は勾配)はそれに対応して電圧出力に関連付けられ得る。ゲイン又は勾配が大きいほど、光検出素子112の電圧出力が閾値を超えた時点と電流増大の開始時点との時間差は短くなる。さらに、本明細書でさらに述べるように、ゲイン又は勾配が大きいほど、受信器回路構成106におけるクリップされない電圧出力の予想レベル(増幅器の飽和電圧より高い)は高くなる。したがって、短い時間差は、クリップされない電圧出力の予想レベルがより高いこと及び、したがって、光路104の遮蔽及び/又は障害がより少ないことを示し得る。したがって、コントローラ114は、時間差を1つ又は複数の閾値と比較するように構成され得て、時間差が特定の閾値より大きい場合、これはその特定の閾値に関連付けられる光路104の閉塞及び/又は障害の特定のレベルを示し得る。それゆえ、LEDへの変化する電流入力を使い、LEDの光出力に基づく電圧出力を測定することにより、光路の健全さを確認でき、受信器回路構成106に含まれる増幅器の飽和電圧を超えることによる曖昧さは生じない。
【0032】
実例として、
図3A~3Cは特定の実施形態による、回路の入力又はLEDの出力の電圧レベル及び/又は各種のゲインに関連付けられる様々なタイミング図を示す。特に、
図3Aは送信器回路構成(例えば、
図1の送信器回路構成102)の各種のコンポーネントに関連付けられる例示的なタイミング
図301、302、303のグラフ群300Aである。例えば、ONパルス(例えば、タイミング
図301の立下り端から立上がり端までのパルス幅)は、ある期間にわたり周期的に(例えば、200μs(マイクロ秒)にわたり200ms(ミリ秒)ごとに)LED(例えば、
図1のLED108)に印加され得る。このONパルスは、タイミング
図301の立下り端(例えば、3Vから0V)により生成され得て、図のようにタイミング
図302及び303の立下り端をトリガする。例えば、タイミング
図301は送信器回路構成の入力に対応し得て、タイミング
図302及び303の各々は、タイムアウトを(例えば、1msで)提供することによってLEDにその電流が印加される持続時間に対する限界を示している。図のように、タイミング
図301の電圧レベルが3.3Vから0Vに低下すると、タイミング
図302の電圧レベルも同様に3.6Vから0.3Vに低下する。この場合、タイミング
図303により表される、比較器として動作する増幅器の出力状態は、タイミング
図302に示される電圧レベルと閾値電圧304(例えば、3.3V)の比較に基づき得る。図のように、タイミング
図302の電圧レベルが閾値電圧304より低い場合、増幅器の出力状態はロジカルローである(例えば、0.0Vであり、
図8Aに示されるQ41がOFFであることを意味する)。
【0033】
図3B、すなわち例示的な増大する電流入力(
図1の送信器回路構成102に関して説明した増大する電流入力)のグラフ300Bに示されるように、ONパルスを示すタイミング
図303の立下り端は所望の最大又はプラト電流(例えば、50μs間)をLED(例えば、
図1のLED108)に提供する電流(又は電圧)レベルへのランプアップインタバル(例えば、持続時間150μs)をトリガする。特定の態様において、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ114)は、LED ONパルスと同期したアナログ-デジタル変換器(ADC)を含み得て、それによって電流がランプアップを始めるとすぐに、コントローラのADCはONパルス持続時間内に周期的に受信器回路構成(例えば、受信器回路構成106)の電圧出力をサンプリングし得る(例えば、5μsごとであり、持続時間全体200μsで40のサンプルが得られる)。
【0034】
図3Cは、ONパルス持続時間にわたりサンプリングされた、光検出素子で受け取られる例示的な電圧出力を示す。図のように、グラフ300Cは線A、B、C、D、E、F、G、及びH(A~H)を含み、線A~Hの各々は、
図3Bのグラフ300Bの電流入力に基づく電圧出力の様々な増大に対応する。
図3Cには8本の線が示されているが、他の多くの線が存在して、様々な電流入力に対応し得ると理解すべきである。図のように、線A~Eの各々は様々な地点で飽和電圧線(例えば、12V)を超え、線F~Hは飽和電圧線に到達しない。それゆえ、線A~Hの各々の交差地点は光路(例えば、
図1の光路104)の特性を示し得る。例えば、線A~Hは閉塞の程度を示し得て、Aは最も閉塞が少なく、Hは最も閉塞している。例えば、線A~Eの交差地点は概して、閾値にしたがって光路に閉塞がないことを示し得て(閾値は実施形態ごとに異なり得る)、線Aは閉塞量が最も少ないことを示し、線F~Hの交差地点は概して、閾値にしたがって光路が閉塞していることを示し、線Hは閉塞量が最も多いことを示す。
【0035】
図3Cからわかるように、交差地点、すなわち「屈曲点」は検知経路内のゲインの変動(例えば、閉塞レベルに基づく)により、(例えば、線Cに関して左又は右に)シフトする。例えば、線Cにより表される公称ゲイン(例えば、ユニティゲイン)(例えば、その予想プラトレベルは24.0Vとなるであろう)では、ランプアップは75μsで12.0Vの飽和レベルに到達し、これはランプ-プラト屈曲点の公称地点と考えられ得る。公称プラト線Cに関して、全体的な検出経路ゲインが増大すると(この経路内の閉塞がより少ない)、予想される電圧出力は振幅が増大し(例えば、勾配/ゲインが増大され)、ランプ-プラト屈曲点は左に移動し得て、これは例えば線B(例えば、予想プラトとして1.50のゲイン及び/又は36.0V)及び/又は線A(例えば、2.00のゲイン及び/又は48.0Vの予想プラト)により表される。反対に、全体的な検知経路のゲインを減少すると(例えば、経路内の閉塞がより大きい)、予想及び実際の電圧出力は、光路内の閉塞の増大によりさらにゲインが減少するのに伴って線D~Hのようになる。
【0036】
しかしながら、すでに説明したように、飽和電圧の、又はそれを超える電圧出力は全体的な光路の健全さを特定するには十分でないかもしれず、これは、電圧出力の一部がクリップされ得るからである(例えば、線A~Dにより示される)。それゆえ、前述のコントローラ114により行われる手法は、増大する電流入力が開始したときと電圧が閾値(例えば、飽和)電圧レベルを超えたときとの時間差を特定するのに役立ち得る。このような時間差は、例えば線A~Hのうちの1つに対応するように、勾配を示し得る。さらに、光路の健全さは、電圧出力が飽和電圧レベルに到達するのが遅すぎるか否か(例えば、75μs以降)に基づいて特定できる。特に、時間差が線D~Hの何れかに対応する場合、光路の全体的な健全さはより悪化し、及び/又は閉塞していると考えることができる。反対に、線A~Cに対応する時間差は、光路に閉塞がないこと及び/又は健全さを改善できることを示し得る。さらに、時間差が大きくなり始めると、光路は、現在は閉塞して否が、劣化しつつあると判断できる。したがって、光路がより深刻なレベルまで閉塞する前に是正措置をとることができる。
【0037】
再び
図1を参照すると、特定の態様において、受信器回路構成106に含まれる増幅器のゲインは、光検出素子112の電圧出力を変化させるために第一の時点から始まる期間中に変化され得る。すなわち、ある電流入力について、増幅器のゲインは2つ以上の異なる値に変化され得て、電圧出力を使って、光検出素子112の電圧出力が閾値を超える第二の時点を特定し得る。したがって、LED108への電流入力を変化させて電圧出力を変化させる代わりに(又はそれに加えて)、増幅器のケインを(例えば、バリスタ、1つ又は複数の抵抗器を選択的に連結するスイッチ等を使って増幅器に連結された抵抗を変化させることによって)変化させて、電圧出力が閾値(例えば、
図3Cにおいて説明した飽和電圧)を超えた時点を特定できる。
【0038】
再び
図3Cを参照すると、線A~Hの各々は2つの点により画定され得る。
図3Cに関して、2つの点とはx軸上の時間値とy軸上の電圧出力である。時間値は、前述のように、LED108への特定の電流入力レベル及び/又は光検出素子112に連結された増幅器に適用される特定のゲインを示し得る。したがって、線A~Hの各々は2つの点、すなわち1)(第一の電流入力及び/又は増幅器のゲイン、第一の電圧出力)と2)(第二の電流入力及び/又は増幅器のゲイン、第二の電圧出力)により画定され得る。さらに、ある時間値、したがって電流入力及び/又は増幅器のゲインにおいて、電圧出力は、電圧出力が測定可能な飽和電圧より低いかぎり、線A~Hのうちの特定の1つに対応する。
【0039】
したがって、特定の態様では、複数の閾値(例えば、電圧閾値)を実装して、光路104の特性を特定してもよい。例えば、1つの電圧閾値は飽和電圧に対応し得て、十分に高い電流入力及び/又は増幅器のゲインが適用され得る。十分に高い電流入力及び/又は増幅器のゲインが適用される間に出力電圧が閾値を超えた場合、これはクリッピングを示し得て(例えば、線A~Eの何れかに対応する)、それは他の電流入力及び/又は増幅器のゲインを使用すべきであり、電圧出力を他の閾値と比較して、光路104の特性(例えば、出力が線A~Eのどれと相関するか)を特定すべきであることを意味する。例えば、電流入力及び/又は増幅器ゲインは、
図3Cに示されるように50μsと相関する値に設定され得て、閾値は、
図3Cに示されるように50μsでの線Cの出力電圧に設定され得る。したがって、このような状況で新たな出力電圧が新たな閾値を超えた場合、光路104は十分に健全であると判断され得るが、これは出力電圧が線A~Cのうちの1つに対応し、線D~Eのうちの1つ(これは新たな閾値より低い出力電圧に対応する)には対応しないからである。
【0040】
したがって、特定のケースでは、LED108に印加される第一の電流入力について、LEDの出力が受け取られて、電圧出力に変換され得る。電圧出力が第一の閾値(例えば、
図3Cに示されるように12Vの飽和閾値)より高い(又はそれと等しい)か否かが特定され得て、電圧出力が第一の閾値より高い場合、異なる電流入力(例えば、第一の電流入力より低い)がLED108に印加されて、電圧出力に変換され得る。すると、電圧出力が第二の閾値(例えば、第一の閾値より低い)より高いか否かが特定され得る。光路104の特性は、前述のように、電圧出力が第二の電流入力について、第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定され得る。
【0041】
特定の態様において、電流入力がLED108に印加され、LEDの出力が受け取られて、第一のゲインを有する増幅器に基づいて変換され得る。電圧出力が第一の閾値(例えば、
図3Cに示されるように12Vの飽和閾値)より高い(又はそれと等しい)か否かが特定され得て、電圧出力が第一の閾値より高い場合、第一のゲインより大きい異なるゲインが増幅器に印加されて、第二の電圧出力が特定され得る。すると、第二の電圧出力が第二の閾値(例えば、第一の閾値より低い)より大きいか否かが特定され得る。光路104の特性は、前述のように、電圧出力が第二のゲインについて、第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定され得る。
【0042】
図4は、本開示の特定の態様による、装置の流体経路に対応する光路(例えば、
図1の光路104)の特性を特定するための例示的な動作400を示すフロー図である。動作400は、例えばシステム(例えば、
図1に示されるシステム100等)により実行され得る。
【0043】
動作は405で、第一の時点から始まる期間にわたり、発光素子(LEE)(例えば、
図1のLED108)への電流入力を増大させることから始まる。
【0044】
410で、システムはフォトダイオード(又は
図1の光検出素子112等の他の光検出素子)により、その期間中に光路を介してLEEの出力を受け取る。
【0045】
415で、システムは、その期間中にLEEの出力を電圧出力に変換する。
【0046】
420で、システムはその期間中に電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定する。
【0047】
425で、システムは、LEDとフォトダイオードとの間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定する。
【0048】
動作400の特定の態様において、光路の特性は光路内の閉塞量を含む。
【0049】
動作400の特定の態様において、閾値は光検出素子に連結された増幅器の飽和電圧である。
【0050】
動作400の特定の態様において、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定することは、差がある時間値より大きいか否かを特定することを含む。この場合、動作400は、差がその時間値より大きいときに、光路の閉塞の表示を提供することをさらに含み得る。
【0051】
動作400の特定の態様において、光路は空気圧ポート(例えば、
図2のポートRF1、RF2、RF3、RF4、又はRF5のうちの1つ)内に配置される。
【0052】
動作400の特定の態様において、LEEへの電圧入力は、期間に関連付けられる時定数を有する抵抗器コンデンサ(RC)回路を使って増大される。
【0053】
図5は、本開示の特定の態様による、医療機器の流体経路に対応する光路(例えば、
図1の光路104)の特性を特定するための例示的な動作500を示すフロー図である。動作500は、例えばシステム(例えば、
図1に示されるシステム100等)により実行され得る。
【0054】
動作は、505で、第一の時点に開始する期間にわたりLEE(例えば、
図1のLED108)から光出力を発出することから始まる。
【0055】
510で、システムは、フォトダイオード(又は
図1の光検出素子112等の他の光検出素子)により、その期間中に光路を介してLEEの出力を受け取る。
【0056】
515で、システムは、その期間中、LEEの出力を電圧出力に変換する。
【0057】
520で、システムは、その期間中に電圧出力に連結された増幅器のゲインを変化させて、電圧出力を変化させる。
【0058】
525で、システムは、その期間中に電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定する。
【0059】
530で、システムは、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定する。
【0060】
動作500の特定の態様において、光路の特性は光路内の閉塞量を含む。
【0061】
動作500の特定の態様において、増幅器のゲインを変化させることは増幅器に連結された抵抗を変化させることを含む。
【0062】
動作500の特定の態様において、閾値は増幅器の飽和電圧である。
【0063】
図6は、本開示の特定の態様による、医療機器の流体経路に対応する光路(例えば、
図1の光路104)の特性を特定するための例示的な動作600を示すフロー図である。動作600は、例えばシステム(例えば、
図1に示されるシステム100等)により実行され得る。
【0064】
動作は、605で、第一の電流入力をLEE(例えば、
図1のLED108)に印加することから始まる。
【0065】
610で、システムは、フォトダイオード(又は、
図1の光検出素子112等の他の光検出素子)により、第一の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取る。
【0066】
615で、システムはLEEの出力を電圧出力に変換する。
【0067】
620で、システムは電圧出力が第一の閾値より大きいか否かを特定する。
【0068】
図のように、動作625~645は電圧出力が第一の閾値より大きいときに行われる。
【0069】
625で、システムは第二の電流入力をLEEに印加する。
【0070】
630で、システムは、光検出素子により、第二の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取る。
【0071】
635で、システムはLEEの出力を他の電圧出力に変換する。
【0072】
640で、システムは、その、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かを特定し、第二の電流は第一の電流より小さく、第二の閾値は第一の閾値より低い。
【0073】
645で、システムは、光路の特性をその、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定する。
【0074】
動作600の特定の態様において、光路の特性は光路内の閉塞量である。
【0075】
動作600の特定の態様において、第一の電圧出力は光検出素子に連結された増幅器の飽和電圧である。
【0076】
特定の態様において、動作600は、その、他の出力電圧が第二の閾値より低い場合に、光路の閉塞の表示を提供することをさらに含む。
【0077】
動作600の特定の態様において、光路は空気圧ポート内に配置される。
【0078】
図7は、本開示の特定の態様による、医療機器の流体経路に対応する光路(例えば、
図1の光路104)の特性を特定するための例示的な動作700を示すフロー図である。動作700は、例えばシステム(例えば、
図1のシステム100)により実行され得る。
【0079】
動作は、705で、電流入力をLEE(例えば、
図1のLED108)に印加することから始まる。
【0080】
710で、システムは、フォトダイオード(又は
図1の光検出素子112等の他の光検出素子)により、電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取る。
【0081】
715で、システムは、LEEに連結された増幅器が第一のゲインで構成されている間にLEE出力を電圧出力に変換する。
【0082】
720で、システムは、電圧出力が第一の閾値より大きいか否かを特定する。
【0083】
図のように、動作725~745は、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に行われる。
【0084】
725で、システムは、LEEに連結された増幅器が第二のゲインで構成されている間にLEEに電流入力を印加する。
【0085】
730で、システムは、光検出素子により、電流入力がLEEに印加されている間且つ増幅器が第二のゲインで構成されている間に光路を介してLEEの出力を受け取る。
【0086】
735で、システムはLEE出力を他の電圧出力に変換する。
【0087】
740で、システムはその、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かを特定し、第二のゲインは第一のゲインより低く、第二の閾値は第一の閾値より低い。
【0088】
745で、システムは光路の特性をその、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定する。
【0089】
動作700の特定の態様において、光路の特性は光路内の閉塞量である。
【0090】
動作700の特定の態様において、増幅器のゲインを変化させることは増幅器に連結された抵抗を変化させることを含む。
【0091】
動作700の特定の態様において、第一の閾値は増幅器の飽和電圧である。
【0092】
特定の態様において、動作700は、その、他の出力電圧が第二の閾値より低い場合に、光路の閉塞の表示を提供することをさらに含む。
【0093】
動作700の特定の態様において、光路は空気圧ポート内に配置される。
【0094】
例示的な回路システム及び実装
図8A~8Bはまとめて、特定の実施形態による、光路(例えば、
図8Bの光路802)内の閉塞があればそれを検出する回路800の例示的な概略図を示す。本明細書に記載の方法と手法が実行され得る例示的な回路として回路800だけが示されているが、本明細書に記載の手法は回路800でのみ完遂されるとは限定されないと理解すべきである。換言すれば、回路800は一般に、LEDへの電流入力を増大させるように構成され得て、増大する(ランプする)電圧出力を生成する他の回路構成(例えば、マルチプレクサ構成)もまた適当であり得る。
【0095】
回路800は、それぞれ
図8A及び8Bに示されているように、エミッタ(又は送信器)側回路構成804(例えば、
図1の送信器回路構成102に対応する)と検出器(又は受信器)側回路構成806(例えば、
図1の受信器回路構成106に対応する)を含む。消耗部品は、LEDエミッタDS46と検出器DS47との間の「ポート1コネクタ」により表される。
【0096】
図8Aの回路800を参照すると、P1_TX_N(例えば、
図3Aのタイミング
図301に対応する)に関する立下り端の到達の前に、抵抗器R116内の電流はコンデンサC110を12.0Vの供給電圧V12Xまで充電している。しかしながら、ショットキダイオードCR32は、電流をR116から供給電圧V3P3(例えば、3.3V)へと誘導することによってこのような充電を防止する。供給電圧V3P3は、その電流を吸収できると仮定され、吸収しない場合は、擬似負荷を加えることができる。それゆえ、増幅器U21A(例えば、演算増幅器)の非反転入力3は約3.6V(例えば、供給電圧3.3VプラスダイオードCR32の順方向電圧(V
f)=0.3V)であり、増幅器U21Aの出力1は12.0VでHIである。留意すべき点として、増幅器U21Aはこの実装では比較器として使用されている。
【0097】
増幅器U21Aの出力がHIのとき、トランジスタQ41はON状態に保持され、本来はコンデンサC112を充電する抵抗器R117を通る全ての電流はGNDにシャントされる。トランジスタQ41の比較的低いオン状態抵抗(例えば、RDS,ON)により、増幅器U22Bの非反転入力5を事実上ゼロにすることができ、それによってエミッタLED DS46はOFF状態に保持される。抵抗器R118は何れの波形生成のためにも存在しないが、抵抗器R118は確かに、コンデンサC112が放電する時間になったときにトランジスタQ41が電流を過剰に引き込むのを防止する。
【0098】
P1_TX_Nパルスの開始時(例えば、
図3Aに示されるグラフ301の立下り端)に、P1_TX_Nの3.3Vから0.0Vへの遷移によって増幅器U21Aの非反転入力3での3.6Vから0.3Vへの遷移が生じる(例えば、前述のように、ダイオードCR32の0.3Vによる)。増幅器U21Aの非反転入力3が増幅器U21Aの反転入力2の3.3Vの電圧レベルより低くなると、増幅器U21Aの比較器としての挙動によって出力1はGND(例えば、LOW)にスイングする。これによって今度はトランジスタQ41がOFF状態になり、抵抗器R117はコンデンサC112を充電できる。
【0099】
コンデンサC110は抵抗器R116によって指数関数的に充電されるが、コンデンサC110が、出力1が増幅器21Aをタイムアウトにするのに必要な3.3Vのレベルに到達するまでにかかる時間は、以下の比較的一定の(又はほぼ線形の)充電電流を仮定することによって概算できる
【数1】
(R116は49.9kΩから50kΩに丸められている)。
【0100】
さらに、
CΔV=IΔTであるため、以下となる。
【数2】
【0101】
それゆえ、増幅器U21Aの出力1がHIにスイングし、トランジスタQ41をONにするのに必要な時間は約1.4msであり、するとそれによってLEDエミッタDS46はOFFとなる。場合により、抵抗器R116の抵抗を減少させることによって、この時間を1.0msに、又はそれ以下に短縮でき得る。
【0102】
トランジスタQ41がOFF状態に切り替わると、抵抗器R117を介したコンデンサC112の充電が開始し得る。上述の場合と同様に、コンデンサC112は指数関数的充電であり(例えば、時定数43.2kΩ*0.01μF=432μs)、(μF=マイクロファラド、kΩ=キロオーム)、コンデンサC112はすると、ショットキダイオードCR33が順方向にバイアスされるまで充電される。特定の態様において、ショットキダイオードCR33の順方向バイアスは名目上、増幅器U22Bの非反転入力5が電圧3.6Vに到達した時に発生する。例えば、増幅器U22Bの非反転入力5は、上述の時定数、3.6Vレベル、及び供給電圧V12Xが12Vの場合に、約154μs後に3.6Vに到達し得る。それゆえ、これはLEDエミッタ電流のランプアップがプラトレベルとなるまでの時間であり得、場合により、C112及びR117に関する数値の比較的高い精度は、ほぼ正確に154μsの充電時間を実現するのに有益である可能性がある。場合により、コンデンサC112がセラミックであるとき、これはクラス1(例えば、C0G)の誘電体を含み、比較的高い電圧定格(例えば、100V以上)を有し得る。
【0103】
3.6Vは、V3P3供給電圧3.3VをショットキダイオードCR33のV
f、0.3Vに加算することによって、ショットキダイオードCR33の順方向バイアス電圧であると特定され得る。この場合、V3P3供給は、
【数3】
の充電電流(mA=ミリアンペア)を吸収し、擬似負荷を加えて、より多くの電流を吸収するのに役立てることができる。
【0104】
増幅器U22Bの動作によって、非反転入力5での電圧はプラト抵抗器R119で反射される(例えば、電流を設定するため)。トランジスタQ42はそのゲートで増幅器U22Bの出力7により制御されて、R119での電圧調整及びそれゆえ、LEDエミッタDS46を通る電流調整を行う。このように、増幅器U22Bは基本的に電圧フォロワ構成で接続され、この場合、電圧ゲインはほとんど又は全くないかもしれず、したがって、比較的安定である(例えば、ユニティゲインで安定)。
【0105】
図のように、抵抗器R119は5Ω(オーム)の値を有し、それゆえ1.0A(アンペア)のLEDエミッタのピークパルス電流に耐える/降伏するように構成され得る。場合により、抵抗器R119は10Ωに(例えば、500mAのLEDエミッタピークパルス電流の場合)、又はさらには50Ωの高さ(例えば、100mAのエミッタピークパルス電流の場合)に増大させることができる。例えば、抵抗器R119は、センサ信号経路の残りの部分に適切なゲインがあれば、増大させることができる。特定の態様において、デューティサイクルが非常に小さいため、デューティサイクルのオン期間中のパワー出力が5~10W(ワット)であっても、その結果としてのトランジスタQ42及び/又は抵抗器R119からの出力はわずか50mW(ミリワット)(平均パワー)であり得、これはそれらのそれぞれの定格の各々よりかなり低いであろう。
【0106】
図8Bの検出器(又は受信器)側回路構成806に関して、フォトダイオードDS47は、LEDエミッタDS46の出力を受け取って、LEDエミッタDS46から発せられた光を電圧に変換するように構成され得る。この電圧は、増幅器U22B(例えば、相互インピーダンス増幅器)によって受け取られ得て、抵抗器R120及びコンデンサC114のオフセットリファレンスはローカルでフィルタ処理される。抵抗器コンデンサ(RC)のセットアップは、全般的により速い応答と先端での改善された忠実度のために、増幅器U22Bをグラウンドレールから離れた状態に保ち得る。検出器側回路構成806は、バンド幅を保持するために(例えば、入力信号を安定化させ、及び/又は補償するため)コンデンサC116をさらに含む。場合により、コンデンサC116のキャパシタンスを増大させることができる。特定の態様において、抵抗器R121の抵抗を変化させて、増幅器U22Bのゲインを調整することによってフォトダイオードDS47からの電圧出力を変化させることができる。図のように、スケーリング回路構成808は12V-3Vのスケールを提供してもよく、これはP1_RXノードに結合され得る。
【0107】
図9は、本明細書に記載の1つ又は複数の手法が実装されてよい空気圧式眼科手術機械のための手術用コンソール901のある実施形態を示す。例えば、
図8A及び8Bの回路800をこの手術用コンソール901内で実装して、ポート検出を実行し得る。手術用コンソール901は、1つ又は複数のツール903(例えば、空気圧ツール)を駆動するように構成され得る。ツール903は、例えば、剪刀、硝子体切除装置、鉗子、及び、注入又は抽出モジュールを含んでもよい。他のツール903もまた使用してよい。手術中、
図9の空気圧駆動式眼科用手術機は、外科医が硝子体切除等の様々な眼の外科的処置を行うことを支援するように動作してもよい。窒素等の圧縮ガスは、手術用コンソール901を通じてツール903の動力となるパワーを提供してよい。手術用コンソール901は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ909を含み得る(ディスプレイには、ユーザ入力を受け取るためのタッチスクリーンも組み込まれ得る)。手術用コンソール901はまた、流体モジュール905(例えば、かん流/吸引機能をサポートするため)とツール903を連結する(例えば、ツール903に取り付けられた空気圧用の線又はチューブを通じて連結する)ためのポート907も含んでいてよい。手術用コンソール901は、本明細書に記載の態様にしたがって、(例えば流体モジュール905の)ポート907の光路の特性を特定するように構成されてよい。すなわち、回路構成(例えば、
図1のシステム100並びに/又は
図8A及び8Bの回路800)は、手術中にポート907内の光路の健全さを検出し、その経路に閉塞がないことを確認するために、手術用コンソール901の中に含められてよい。
【0108】
図10A及び10Bは、空気圧式硝子体切除機械のための空気圧システムの概略図を示す。
図10A及び10Bにおいてわかるように、空気圧システムは、圧力源1009(例えば、ガスボンベ又は壁付きコンセント型ガス供給源等の調整された圧力源)を出力ポートA 1013(「ポートA」)と出力ポートB 1015(「ポートB」)に連結するための空気圧弁1017を含んでいてよい。ポートA及びポートBは、ポート907を通じてツール903に連結されてよい。さらに、システム(例えば、
図1のシステム100)は、ポート907に関するポート検出(前述)を実行するためにポートA及び/又はBの中に設置されてよい。幾つかの実施形態において、空気圧弁1017はコントローラ1005(例えば、
図1のコントローラ114に対応する)により制御され得る。幾つかの実施形態では、圧力源1009の圧力もまた、コントローラ1005か、又は別個のコントローラ(例えば、手術用コンソール901の内部にある)によって調整されてもよい。コントローラ1005は、(例えば、ガス消費量を低減するための低圧と、切断速度を速くするための高圧との間のバランスを取るように、及び/又は、利用可能な切断速度のダイナミックレンジを増大させるように)圧力を調整してもよい。特定の態様において、コントローラ1005は、本明細書に記載されているように光路の特性を特定するための回路構成を含み、及び/又はそのように構成されてよい。
【0109】
幾つかの実施形態では、空気圧システムの構成要素は、1つ以上のマニホルド(例えば、アルミニウム等の金属から機械加工される)、又はマニホルドプレート内に組み込まれてもよい。マニホルドは、気密であってもよいし、様々な取り付け具及び継手を含んでもよいし、比較的高いガス圧に耐え得ることができてもよい。マニホルドは、個々の部品として製造されてもよいし、又は、単一の部品として製造されてもよい。様々な実施形態では、(例えば、マニホルド内の)空気圧システムの構成要素は、手術用コンソール901の内部に組み込まれてもよい。
【0110】
空気圧弁1017は、コントローラ1005からの制御信号により指示されるように2つの位置(例えば、
図10A及び10B参照)の一方へと空気圧弁1017を動かすように動作するソレノイドを含み得る。第一の位置では、空気圧弁1017は加圧ガスが空気圧弁1017を通って出力ポートB 1015へと到達して、プローブカッター1025に空気圧動力を提供できようにし、その一方で加圧ガスを排気ポート1027から通気させてよい。第二の位置では、空気圧弁1017は加圧ガスをポートAに提供し、加圧ガスを出力ポートB 1015から排気ポート1027を通って通気させてよい。この位置において、加圧ガスは、ポートAを通過して、空気圧動力をツール703(例えば、プローブカッター1025)に供給してもよい。したがって、空気圧弁1017が第一の位置にあるとき、デュアルチャンバ1023のうちの第一のチャンバ1029は充填されてよく、一方、第二のチャンバ1031は排出されてもよい。空気圧弁1017が第二の位置にある場合、第二のチャンバ1031は充填されてもよい一方で、第一のチャンバ1029は排出されてもよい。特定の実施形態では、プローブカッター1025は、ダイヤフラム1021によって移動させてもよく、それは順に、加圧ガスがポートA及びBに、並びにデュアルチャンバ1023のそれぞれのチャンバに交互に向けられるのに従って振動する。
図10A及び
図10Bに示されるように、プローブカッター1025は、チューブ1019を介してポートA及びBに取り付けられてもよい。しかしながら、他の実施形態では、各ポートに対して別個のチューブを使用することもできる。
図10Aに示されている空気圧システムでは、単一の圧力センサ1011のみが使用されているが、
図10Bに示されている空気圧システムでは、2つの圧力センサ1012a及び1012bが使用されていることに留意されたい。同様に、遮断バルブは
図10A及び
図10Bには示されていないが、ある特定の態様では、遮断バルブを空気圧弁1017に結合して、空気圧弁1017に加圧ガスを供給するか、又は空気圧弁1017への加圧ガスの流れを止めてもよい。
【0111】
図11に見られるように、プローブカッター1025は、切断デバイスとして作用してもよい。プローブカッター1025は、カッターポート1101を備えた外側チューブ1103の内部で往復運動することができる。プローブカッター1025が前後に移動するときに、プローブカッター1025は、プローブカッター1025の尖った先端によりカッターポート1101を交互に開閉してもよい。外側チューブ1103を通るプローブカッター1025の各サイクルは、プローブカッター1025が閉じているときに、カッターポート1101内で硝子体等の素材を切断してもよい。
【0112】
態様1:医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法において、第一の時点から始まる期間にわたり、発光素子(LEE)への電流入力を増大させることと、光検出素子により、その期間中に光路を介してLEEの出力を受け取ることと、その期間中に、LEEの出力を電圧出力に変換することと、その期間中に電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定することと、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定することと、を含む。
【0113】
態様2:態様1の方法において、光路の特性は光路内の閉塞量又は崩壊量のうちの少なくとも1つを含む。
【0114】
態様3:態様1又は2の方法において、閾値は光検出素子に連結される増幅器の飽和電圧を含む。
【0115】
態様4:態様1~3の何れか1つの方法において、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定することは、その差がある時間値より大きいか否かを特定することを含む。
【0116】
態様5:態様4の方法において、その差がその時間値より大きい場合に、光路の閉塞又は崩壊の少なくとも1つの表示を提供することをさらに含む。
【0117】
態様6:態様1~5の何れか1つの方法において、光路は空気圧ポート内に配置される。
【0118】
態様7:態様1~6の何れか1つの方法において、LEEへの電流入力は、期間に関連付けられる時定数を有する抵抗器コンデンサ(RC)回路を使用することにより増大される。
【0119】
態様8:医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法において、第一の時点から始まる期間にわたりLEEから光出力を発することと、光検出素子により、その期間中にLEEの出力を、光路を介して受け取ることと、その期間中、LEEの出力を電圧出力に変換することと、その期間中に電圧出力に連結された増幅器のゲインを変化させて、電圧出力を変化させることと、その期間中に電圧出力が閾値を超えた第二の時点を特定することと、LEEと光検出素子との間の光路の特性を第二の時点と第一の時点との差に基づいて特定することと、を含む。
【0120】
態様9:態様8の方法において、光路の特性は、その光路内の閉塞量又は崩壊量のうちの少なくとも1つを含む。
【0121】
態様10:態様8又は9の方法において、増幅器のゲインを変化させることは、増幅器に連結された抵抗を変化させることを含む。
【0122】
態様11:態様8~10の何れか1つの方法において、閾値は増幅器の飽和電圧を含む。
【0123】
態様12:医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法において、LEEに第一の電流入力を印加することと、光検出素子により、第一の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取ることと、LEE出力を電圧出力に変換することと、電圧出力が第一の閾値より大きいか否かを特定することと、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、第二の電流入力をLEEに印加することと、光検出素子により、第二の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取ることと、LEE出力を他の電圧出力に変換することと、その、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かを特定することであって、第二の電流は第一の電流より低く、第二の閾値は第一の閾値より低い、特定することと、光路の特性をその、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定することと、を含む。
【0124】
態様13:態様12の方法において、光路の特性は、その光路の閉塞量又は崩壊量のうちの少なくとも1つを含む。
【0125】
態様14:態様12又は13の方法において、第一の電圧出力は、光検出素子に連結された増幅器の飽和電圧を含む。
【0126】
態様15:態様12~14の何れか1つの方法において、その、他の出力電圧が第二の閾値より低い場合に、光路の閉塞又は崩壊の少なくとも1つの表示を提供することをさらに含む。
【0127】
態様16:態様12~15の何れか1つの方法において、光路は空気圧ポート内に配置される。
【0128】
態様17:医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する方法において、LEEに電流入力を印加することと、光検出素子により、第一の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取ることと、LEEの出力を電圧出力に変換することと、電圧出力が第一の閾値より大きいか否かを特定することと、電圧出力が第一の閾値より大きい場合に、第二の電流入力をLEEに印加することと、光検出素子により、第二の電流入力がLEEに印加されている間に光路を介してLEEの出力を受け取ることと、LEEの出力を他の電圧出力に変換することと、その、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かを特定することであって、第二の電流は第一の電流より低く、第二の閾値は第一の閾値より低い、特定することと、光路の特性を、その、他の電圧出力が第二の閾値より大きいか否かに基づいて特定することと、を含む。
【0129】
態様18:態様17の方法において、光路の特性は、その光路の閉塞量又は崩壊量のうちの少なくとも1つを含む。
【0130】
態様19:態様17又は18の方法において、増幅器のゲインを変化させることは、増幅器に連結された抵抗を変化させることを含む。
【0131】
態様20:態様17~19の何れか1つの方法において、第一の閾値は増幅器の飽和電圧である。
【0132】
態様21:態様17~20の何れか1つの方法において、その、他の出力電圧が第二の閾値より低い場合に、光路の閉塞又は崩壊の少なくとも1つの表示を提供することをさらに含む。
【0133】
態様22:態様17~21の何れか1つの方法において、光路は空気圧ポート内に配置される。
【0134】
態様23:医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する装置において、態様1~22の方法のうちの1つ又は複数を実行する手段を含む。
【0135】
態様24:医療機器の流体経路に対応する光路の特性を特定する装置において、態様1~22の方法の1つ又は複数を実行するように構成された、光検出素子に連結された送信器回路構成及び光検出素子に連結された受信器回路構成を含む。
【0136】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な実施形態を実践できるようにするために提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正形態は、当業者に容易に明らかであり、本明細書で定義する一般的な原理は、他の実施形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実施形態に限定されることを意図されるものではなく、特許請求の範囲の文言に一致する全範囲が認められるべきである。
【国際調査報告】