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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】電力節減装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/10 20060101AFI20240222BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240222BHJP
   H01F 27/30 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01F30/10 R
H01F30/10 C
H01F30/10 A
H01F30/10 T
H01F30/10 K
H01F30/10 H
H01F27/28 195
H01F27/30 160
H01F30/10 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549038
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2022002203
(87)【国際公開番号】W WO2022177260
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0021532
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523307527
【氏名又は名称】グローバル ハイジズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】パーク,ヒー ジュン
【テーマコード(参考)】
5E043
【Fターム(参考)】
5E043BA04
5E043FA07
(57)【要約】
本発明は入力される電圧が変化しても出力電圧を一定に維持して消費電力を節減することができる電力節減装置であり、供給電圧をトロイダルコアの相互誘導作用によって安定的な電圧に調節して負荷側に供給することにより、負荷の性能および寿命が向上し、これにより、電力使用量も節減することができ、特に1次側コイルおよび2次側コイルが巻線されたトロイダルコアをコア固定部材によって装置の内部に安全で堅固に固定し、トロイダルコアで発生する熱を外部に容易に排出して装置の温度上昇を予防することができる電力節減装置を提供することに目的がある。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間が形成され、外部供給電力が印加される主遮断器(11)が一側に備えられた所定の体積のケース(10)と、
前記ケース(10)の内部に備えられ、前記主遮断器(11)に連結された1次側コイルが巻線され、1次側コイルで誘起される電圧を多数のタブによって昇圧するかまたは減圧することによって設定の基準電圧に対応する大きさに形成する2次側コイルが巻線され、前記1次側コイルと前記2次側コイルとが互いに逆方向に巻線されたトロイダルコア(20)と、
ケース(10)の底面に形成され、締結ネジ(31a)が上方に突出する固定体(31)、および前記トロイダルコア(20)の内径よりも大きい半径を有するように形成され、前記締結ネジ(31a)と締結される締結板(32)を含み、前記トロイダルコア(20)がケース(10)の底面に着座し、前記固定体(31)がトロイダルコア(20)の内径部に挿入され、前記締結板(32)が前記締結ネジ(31a)に締結されることによって前記トロイダルコア(20)の上部を押圧して前記トロイダルコア(20)をケース(10)の内部に固定するコア固定部材(30)と、
前記2次側コイルのタブに対応して連結される多数のチャネルを有し、制御信号に応じて多数のチャネルのうちから選択された一つのチャネルがバスバーと連結されることによって、調節された電圧を負荷側に出力し、バイパスモードまたは電圧調節モードのうちのいずれか一つのモードを選択的に採択するモード転換スイッチを有する多チャンネルスイッチ(40)と、
前記主遮断器(11)に入力される電圧値を平均入力電圧値と比較し、電圧値の比較による変圧値を演算し、入力電圧を演算値に対応する電圧に調節するための制御信号を前記多チャンネルスイッチ(40)に電圧し、入出力電圧についての電力情報を外部に出力する制御手段(50)と、を含むことを特徴とする、電力節減装置。
【請求項2】
前記コア固定部材(30)は、
ケース(10)の底面において前記固定体(31)の外側に所定の高さに突出し、前記トロイダルコア(20)がケース(10)の底面から離隔するようにする着座部(33)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電力節減装置。
【請求項3】
前記着座部(33)は、
前記固定体(31)の外側にリング形に形成される少なくとも一つの第1着座部(33a)と、
前記固定体(31)を中心に放射状に形成され、前記第1着座部(33a)と交差する方向に所定の長さだけ延びる第2着座部(33b)と、
前記第1着座部(33a)の内外側または前記第2着座部(33b)の間のケース(10)の底面に形成される通孔(33c)と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の電力節減装置。
【請求項4】
前記締結板(32)は、
トロイダルコア(20)の内径よりも大きい半径の円板形に形成され、外周縁には多数の凹溝(32b)が一定の間隔で離隔して形成され、前記トロイダルコア(20)を押圧する支持部(32a)と、
前記支持部(32a)の下部に形成され、前記固定体(31)の締結ネジ(31a)が締結されるナット部(32c)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電力節減装置。
【請求項5】
前記トロイダルコア(20)と前記締結板(32)の支持部(32a)との間にはリング形の絶縁部材(34)が備えられることを特徴とする、請求項1または4に記載の電力節減装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力電圧が変化しても出力電圧を一定に維持させて電力を節減することができる電力節減装置であって、供給電圧をトロイダルコアの相互誘導作用によって安定的な電圧に調節して負荷側に供給することによって電力を節減することができる電力節減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電力節減装置は電気機器が同じ内容の作業を実施するのに使用される電気エネルギーの量を減らす装備であり、同一量の作業を実施するのに使用される電気量を減らす方法は大別して三種を思うことができ、これは電力を構成する要素のうちの一つを改善する方式で可能である。
【0003】
すなわち、P(電力)=V(電圧)*I(電流)*COSθ(力率)における3要素のうち電圧または電流を減少させるかまたは力率を増加させる方法を採択することが一般的である。
【0004】
そのうち、力率を増加させて配電線路全体の電力を節減する電力節減装置が最近開示されている。一般的に、力率(Power Factor)は交流回路において有効電力と皮相電力との比を示すものである。
【0005】
通常、直流回路では電圧と電流との積が電力となるが、交流回路では電流と電圧の実効値との積が必ずしも電力にはならない。交流回路では、電圧と電流との積を皮相電力と言い、これに力率を掛けると初めて電力になる。交流回路の電圧や電流は正弦波(サイン波)状に変動して両者の正弦波位相が必ずしも一致しない場合もあるからである。
【0006】
従来の交流電力制御および変換装置では、単巻式、複巻式トランスフォーマーやリアクターのようなリニア方式の電圧変換装置があり、スイッチング半導体素子を用いた位相(phase)制御またはPWM制御による電力制御装置があるが、一般トランス方式の電力制御装置は体積および重量があまりにも大きくて実用性が低く、電子回路によるスイッチング制御方式の電力制御装置は、耐久性、信頼性および経済性が良くなく、周辺の電気的環境を阻害するEMI発生が問題として台頭してきた。
【0007】
従来のリニア制御方式のうち、特に英国特許(GB2043971A)「定電圧制御装置」は1次側コイル極性転換スイッチング方式によるものであり、繊細な定電圧制御が不可であり、1次側コイル電源を切り、1次側を励磁させない場合、負荷側に直列に連結された2次側コイルは全部回路抵抗に変わることによって熱損失による過熱を発生させることがある。
【0008】
また、1次側コイル回路スイッチを閉じて閉回路化し、2次側コイルを介して負荷電流を流せると、1次側コイルに誘導された電流が自己損失によって発熱し、電力損失が大きくなる。さらに、このような制御方法では、スイッチングの瞬間、逆起電圧が発生し、過渡現象が発生することにより、負荷が電子製品(COMPUTER、AUDIO、TVなど)の場合、負荷側に相当な電磁気的ノイズを提供するので、モーターやヒーターのような電気回路負荷の他の負荷条件の電子製品などに対しては使用上の制約が伴い、バイパスの際、急激な電力変化によって停電になる場合があるから、負荷に大きな影響を及ぼしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、体積および重量があまりにも大きくて実用性が低い従来のトランス方式の電力制御装置の問題点と、耐久性、信頼性および経済性が良くなく、周辺の電気的環境を阻害するEMIが発生する従来の電子回路によるスイッチング制御方式の電力制御装置の問題点とを解決することに目的があり、供給電圧をトロイダルコアおよび多チャンネルスイッチ並びにこれを制御する制御手段によって安定的に調節して負荷側に供給することによって電力を節減することができる電力節減装置を提供することに目的がある。
【0010】
また、1次側コイルおよび2次側コイルが巻線されたトロイダルコアをコア固定部材によって電力節減装置の内部に安全で堅固に固定することができ、トロイダルコアで発生する熱を外部に容易に排出して機器の温度上昇を予防することができる電力節減装置を提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明による電力節減装置は、内部に空間が形成され、外部供給電力が印加される主遮断器が一側に備えられた所定の体積のケースと、
前記ケースの内部に備えられ、前記主遮断器に連結された1次側コイルが巻線され、1次側コイルで誘起される電圧を多数のタブによって昇圧するかまたは減圧することによって設定の基準電圧に対応する大きさに形成する2次側コイルが前記1次側コイルと逆方向に巻線されたトロイダルコアと、
ケースの底面に形成され、締結ネジが上方に突出する固定体、および前記トロイダルコアの内径よりも大きい半径を有するように形成され、前記締結ネジと締結される締結板を含み、前記トロイダルコアがケースの底面に着座し、前記固定体がトロイダルコアの内径部に挿入され、前記締結板が前記締結ネジに締結されることによって前記トロイダルコアの上部を押圧して前記トロイダルコアをケースの内部に固定するコア固定部材と、
前記2次側コイルのタブに対応するように連結される多数のチャネルを有し、制御信号に応じて多数のチャネルのうちから選択された一つのチャネルがバスバーと連結されることによって、調節された電圧を負荷側に出力し、バイパスモードまたは電圧調節モードのうちのいずれか一つのモードを選択的に採択するモード転換スイッチを備えた多チャンネルスイッチと、
前記主遮断器に入力される電圧値を平均入力電圧値と比較し、電圧値の比較による変圧値を演算し、入力される電圧を演算値に対応する電圧に調節するために制御信号を前記多チャンネルスイッチに伝達し、入出力電圧についての電力情報を外部に出力する制御手段と、を含む。
【0012】
また、前記コア固定部材は、ケースの底面において前記固定体の外側に所定の高さに突出し、前記トロイダルコアがケースの底面から離隔するようにする着座部を含む。
【0013】
また、前記着座部は、前記固定体の外側にリング形に形成される少なくとも一つの第1着座部と、
前記固定体を中心に放射状に形成され、前記第1着座部と交差する方向に所定の長さだけ延びる第2着座部と、
前記第1着座部の内外側または前記第2着座部の間のケース底面に形成される通孔と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明は供給電圧をトロイダルコアおよび多チャンネルスイッチ並びにこれを制御する制御手段によって安定的に調節して負荷側に供給することにより、負荷の性能および寿命を向上させることができる効果があり、これにより電力使用量も節減することができる著しい効果がある。
【0015】
また、1次側コイルおよび2次側コイルが巻線されたトロイダルコアをコア固定部材によってケースの内部に安全で堅固に固定することができ、トロイダルコアで発生する熱を外部に容易に排出して機器の温度上昇を予防することができる電力節減装置を提供することに他の目的がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による電力節減装置の内部を示す平面図である。
図2】本発明による電力節減装置の内部を示す斜視図である。
図3】本発明による電力節減装置を概略的に示す構成図である。
図4】本発明による電力節減装置の内部でトロイダルコアをコア固定部材で固定する締結図である。
図5】本発明による電力節減装置の内部でトロイダルコアをコア固定部材で固定する締結図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下説明する実施例は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が発明を容易に実施することができる程度に詳細に説明するためのものであるが、これによって本発明の技術的な思想および範疇が限定されることを意味しない。
【0018】
また、図面に示す構成要素の大きさや形状などは説明の明瞭性および便宜上誇張して示されることがあり、本発明の構成および作用を考慮して特別に定義された用語は、使用者や運用者の意図または慣例によって変わることがあり、このような用語に対する定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて決定されなければならないことを明かしておく。
【0019】
以下、添付図面に基づいて本発明による電力節減装置の好適な実施例を説明する。
【0020】
本発明による電力節減装置は、内部に空間が形成され、外部供給電力が印加される主遮断器11が一側に備えられた所定の体積のケース10と、前記ケース10の内部に備えられ、前記主遮断器11に連結された1次側コイルが巻線され、1次側コイルで誘起される電圧と設定の基準電圧との差だけ昇圧するかまたは減圧することができる多数のタブを有する2次側コイルが前記1次側コイルと逆方向に巻線されたトロイダルコア20と、締結ネジ31aが上方に突出する固定体31がケース10の底面に形成され、前記トロイダルコア20の内径よりも大きい半径を有するように形成され、前記締結ネジ31aと締結される締結板32を含み、前記トロイダルコア20がケース10の底面に着座し、前記固定体31がトロイダルコア20の中央部に挿入され、前記締結板32が前記締結ネジ31aに締結されることによって前記トロイダルコア20の上部を押圧して前記トロイダルコア20をケース10の内部に固定するコア固定部材30と、前記2次側コイルのタブに対応して連結される多数のチャネルを有し、制御信号に応じて多数のチャネルのうちから選択された一つのチャネルがバスバーと連結されることによって、調節された電圧を負荷側に出力し、バイパスモードまたは電圧調節モードのうちのいずれか一つのモードを選択的に採択するモード転換スイッチを有する多チャンネルスイッチ40と、前記主遮断器11に入力される電圧値を平均入力電圧値と比較し、電圧値の比較による変圧値を演算し、演算値に対応する電圧に調節するための制御信号を前記多チャンネルスイッチ40に提供し、入力電圧および出力電圧についての電力情報を外部に出力する制御手段50と、を含む。
【0021】
また、前記コア固定部材30は、ケース10の底面において前記固定体31の外側に形成され、所定の高さに突出し、前記トロイダルコア20がケース10の底面から離隔した状態で着座する着座部33を含む。
【0022】
また、前記着座部33は、前記固定体31の外側にリング形に形成される少なくとも一つの第1着座部33aと、前記固定体31を中心に放射状に形成され、前記固定体31から第1着座部33aと交差する方向に所定の長さだけ延びる第2着座部33bと、前記第1着座部33aの内外側または前記第2着座部33b間のケース10の底面に形成される通孔33cと、を含む。
【0023】
図1図3に示すように、本発明による電力節減装置は、韓国電力公社から供給される交流電圧を安定的に調節することで、負荷側に定格電力が出力されるようにするものであり、所定の体積のケース10から形成され、前記ケース10の内部には、韓国電力公社から供給される電力が印加される主遮断器11と、前記主遮断器11に連結されるトロイダルコア20と、前記トロイダルコア20に連結される多チャンネルスイッチ40と、これを制御するための制御手段50と、を含む。
【0024】
前記トロイダルコア20は1次側コイルが主遮断器11に連結され、多数のタブを有する2次側コア20が前記1次側コイルの逆方向に巻線され、1次側コイルは前記主遮断器から印加される外部電力を受け、前記2次側コイルは多数のタブを用いて、前記1次側コイルで誘起される電圧を昇圧または減圧することにより、供給電力を基準電圧に対応する電圧に補正する。
【0025】
前記トロイダルコア20は、主遮断器11を介して外部から入力される単相または3相の電圧変動にかかわらず、可変的な入力電圧による減圧値または昇圧値を任意に調節して入力するかまたは自動で調節することができ、電圧を約220[V]±2%(216[V]~224[V])または380±3%(370[V]~390[V])に調節することができるように巻線される。
【0026】
また、前記トロイダルコア20は、1個の基準タブと、-3[V]、-6[V]、-9[V]および-12[V]からなる4個の減圧タブと、+3[V]および+6[V]からなる2個の昇圧タブとを含めて総7個のタブからなることができる。
【0027】
前記タブの個数は、その設置環境および条件によって多様に変形して設計することができるというのは言うまでもない。
【0028】
また、前記トロイダルコア20は、単相では一つずつの1次側コイル、2次側コイル部および切替スイッチを介して構成され、3相ではそれぞれ3個ずつの1次側コイル、2次側コイルおよび切替スイッチを介して構成される。
【0029】
一方、図4および図5に示すように、リング形のトロイダルコア20はコア固定部材30によってケース10の内部に固定される。
【0030】
前記コア固定部材30は、ケース10の底面から上側に突出し、上方に締結ネジ31aが所定の長さだけ突出する固定体31と、前記トロイダルコア20の内径よりも大きい半径を有するように形成され、前記締結ネジ31aと締結される締結板32と、を含み、前記トロイダルコア20がケース10の底面に着座するとき、前記固定体31がトロイダルコア20の中央部に挿入され、前記締結板32が前記締結ネジ31aに締結されて固定体31の方向に移動して前記トロイダルコア20の上部を押圧することにより、前記トロイダルコア20をケース10の内部に固定するものである。
【0031】
前記固定体31は、前記トロイダルコア20の内径よりも小さい半径の円筒形に形成され、締結ネジ31aが挿入されて上方に突出するネジ固定部が形成され、ネジ固定部と固定体31の側面との間には空気が通過することができる空間が形成され、上面には排気窓が多数形成される。
【0032】
また、前記締結板32は、トロイダルコア20の内径よりも大きい半径の円板形に形成され、多数の凹溝32bが外周縁に一定の間隔で離隔して形成され、前記トロイダルコア20を押圧する支持部32aと、前記支持部32aの下部に形成され、前記固定体31の締結ネジ31aと締結されるナット部32cと、を含む。
【0033】
すなわち、前記トロイダルコア20がケース10の底面に着座するとき、トロイダルコア20の内径中心部に固定体31が挿入され、前記締結板32が前記トロイダルコア20の上部で前記固定体31に結合し、特に、前記締結板32のナット部32cが前記固定体31の締結ネジ31aに締結されることによって前記支持部32aがトロイダルコア20の上部を押圧することにより、前記トロイダルコア20がケース10の内部に安定的に固定され、これにより、1次側コイル、2次側コイルおよびトロイダルコア20が容易に動かない効果がある。
【0034】
また、前記締結板32の支持部32aは、上面中央部に貫通ホールが形成され、前記貫通ホールを中心に多数の支持棒が放射状に支持部32aの縁部まで延び、前記支持棒の間には多数の溝が形成される。そして、支持部32aの側面または外周縁には緩やかな曲線形に形成される凹溝32bが形成され、前記凹溝32bの間には緩やかな曲線形の突部が形成され、前記凹溝32bに使用者の指が密着して突部に指がかかることにより、使用者が締結板32を安全に把持して容易に回転させることができる効果がある。
【0035】
また、締結板32は、前記支持棒に一側方向に力を加えて前記支持棒を回転させることによって容易に回転することもできる。
【0036】
そして、前記支持部32aの下部には、締結ネジ31aと締結されるナット部32cが形成される。
【0037】
また、前記トロイダルコア20と前記締結板32の支持部32aとの間には、紙、合成樹脂または木材などの材質から形成され、前記ナット部32cが中央部に挿入される内径を有するリング形の絶縁部材34が備えられる。
【0038】
また、前記コア固定部材30は、ケース10の底面において前記固定体31の外側に形成され、前記トロイダルコア20がケース10の底面から離隔した状態で着座する着座部33をさらに含む。
【0039】
また、前記着座部33は、前記固定体31の外側にリング形に形成される少なくとも一つの第1着座部33aと、前記固定体31を中心に放射状に形成され、前記固定体31から第1着座部33と交差する方向に所定の長さだけ延びる第2着座部33bと、前記第1着座部33aの内外側または前記第2着座部33b間のケース10の底面に形成される通孔33cと、を含む。
【0040】
前記第1着座部33aは固定体31の外側に相異なる半径を持って一定の間隔だけ離隔するように多数が形成されることができ、所定の幅を有し、前記通孔33cが前記固定体31と第1着座部33aとの間または第1着座部33aの間に形成される。
【0041】
そして、第2着座部33bは固定体31の外側に所定の長さだけ延び、好ましくはトロイダルコア20の半径よりも長く延び、第1着座部33aの外側に突出する一端部には、着座部33に着座した前記トロイダルコア20の側面を支持する係止部が所定の高さに形成されることができる。
【0042】
したがって、本発明は、前記トロイダルコア20の1次側コイルと2次側コイルとの相互誘導作用によって発生する熱による温度上昇を前記着座部33によって低めるかまたは機器全体の温度上昇を予防することができ、それだけでなく、前記トロイダルコア20をケース10の内部に安全に固定および支持することができる効果がある。
【0043】
すなわち、前記トロイダルコア20は、ケース10の底面に接触せずに前記着座部33に着座してケース10の底面から所定の高さだけ離隔し、前記トロイダルコア20の下面全体の一部が第1着座部33aおよび第2着座部33bに着座することによって着座部33との接触面積を最小化してトロイダルコア20の熱を容易に低めることができ、着座部33に形成された通孔33cを通して外部空気がケース10の内部に流入するかまたはトロイダルコア20の熱が通孔33cを通してケース10の外部に排出されることができる効果がある。
【0044】
発明の実施のための形態
一方、図1および図3に示すように、前記トロイダルコア20の2次側コイルは、多数のタブが多チャンネルスイッチ40に備えられた多数のチャネルにそれぞれ対応して連結され、前記多チャンネルスイッチ40は、後述する制御手段50の制御信号に応じて一つのチャネルが選択的にバスバーと連結されることにより、自動で調節された電圧を負荷側に出力する。
【0045】
前記多チャンネルスイッチ40は、バイパスモードまたは電圧調節モードのうちのいずれか一つのモードを選択的に採択するモード転換スイッチを備える。
【0046】
前記モード転換スイッチは、一側はバスバーと連結され、他側はトロイダルコア20の2次側コイルに連結され、バイパスモードを選択するとき、バスバーと連結されることによってトロイダルコア20の連結を切り、電圧調節モードの際には、バスバーとの連結を切ってトロイダルコア20と連結されることにより、トロイダルコア20で調節された安定的な電圧を負荷側に供給する。
【0047】
前記バイパスモードは、トロイダルコイル、多チャンネルスイッチ40などの誤作動の発生の際、連動スイッチがトロイダルコア20との連結を断絶し、前記バスバーに連結されることにより、前記バスバーに電源を直接供給することができるように構成される。
【0048】
前記多チャンネルスイッチ40は、2次側コイルに備えられた多数のタブにそれぞれ対応して連結される多数のチャネルが互いに向き合って配列され、前記多数のチャネルが一定の間隔で離隔する位置にはバスバーが設けられ、前記切替スイッチまたは任意のチャネルを介して供給される電力を負荷側に伝達するように構成される。
【0049】
また、前記チャネルおよびバスバーの間の空間部の間には四角形のネジピッチを有するシャフトが設けられ、前記シャフトの一側には、制御手段50からの制御信号に応じて前記シャフトを回転させることができるようにエンコーダが装着された駆動モーターを有するドライバーが形成される。
【0050】
また、前記シャフトにはスイッチヘッドが移動可能に設けられ、前記ドライバーの駆動によってシャフトが回転して前記スイッチヘッドが移動し、前記トロイダルコア20の各タブが連結された任意のチャネルとバスバーとを互いに連結することで、選択された当該チャネルを介して、減圧または昇圧によって補正された電力がバスバー側に供給されることができる。
【0051】
また、前記多チャンネルスイッチ40は電圧のタブ数に応じて加減して構成することができるように組立式に設計され、前記トロイダルコア20の各タブが対応するように連結されたチャネルの状態および/または切替スイッチのバイパスモードの動作可否などの多様な入出力電圧についての電力情報が制御手段50によってケース10のカバーの一側に形成されたLED表示部に出力される。
【0052】
前記制御手段50は、前記主遮断器11に入力される電圧値を平均入力電圧値と比較し、電圧値の比較による変圧値を演算し、演算値に対応する電圧に調節するための制御信号を前記多チャンネルスイッチ40に提供し、入出力電圧についての電力情報を、LED表示部を介して外部に出力する。
【0053】
また、前記制御手段50は、電圧調節に関連して機器の運転条件を入力する入力部と、前記入力部から入力された条件によって調節された電圧および電流を測定し、測定された電圧/電流の低電流、過電流、過電圧などの異常電流を検出する検出部と、前記検出部で測定された値によってバイパスまたは電圧調節を実行することができるように制御値を演算する演算部と、前記入力部、検出部および演算部で入力されるか測定される値を保存する保存部と、電子式電力量計から入力される電力情報および前記入力部の運転条件、保存部に保存される各種の値を使用者が確認することができるようにLEDモニターに伝送するとともに使用者から所定の入力信号を受信することができるように、有無線方式で両方向通信を実行する送信部およびと受信部と、前記入力部に入力された運転条件によって演算部で演算された値によって前記多チャンネルスイッチ40を制御して負荷側に一定の電圧が供給できるように機器全般に対する制御を実行する制御部と、を含む。
【0054】
すなわち、制御手段50は、韓国電力公社から供給される電圧を測定し、測定された値を取り合わせて平均電圧値を演算し、変圧値を設定する。
【0055】
そして、設定された変圧値によってトロイダルコア20の減圧または昇圧に対応するタブを選択するように、制御信号によって多チャンネルスイッチ40を制御する。
【0056】
前記多チャンネルスイッチ40は制御信号に応じてドライバーを駆動し、シャフトが回転し、前記シャフトの回転によって前記スイッチヘッドは多数のチャネルのうち前記制御手段50の制御信号に応じて指定された一つのチャネルに移動し、トロイダルコア20によって電圧が設定の基準電圧に対応する大きさに減圧または昇圧することにより、安定的な定格電力が負荷側に供給される。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は入力電圧が変化しても出力電圧を一定に維持して消費電力を節減することができる電力節減装置であり、供給電圧をトロイダルコアの相互誘導作用によって安定的な電圧に調節して負荷側に供給することにより、負荷の性能および寿命が向上し、これにより電力使用量も節減することができ、特に1次側コイルおよび2次側コイルが巻線されたトロイダルコアを、コア固定部材を用いて装置の内部に安全で堅固に固定し、トロイダルコアで発生する熱を外部に容易に排出して装置の温度上昇を予防することができる電力節減装置を提供することに目的がある。
図1
図2
図3
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図5
【国際調査報告】