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特表2024-509404波発生用チャンバ及び制御システム並びに波発生方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-01
(54)【発明の名称】波発生用チャンバ及び制御システム並びに波発生方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 4/00 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
E04H4/00 502B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552015
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 CA2022000005
(87)【国際公開番号】W WO2022178622
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/153,923
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523322519
【氏名又は名称】ホワイトウォーター・ウェスト・インダストリーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジネステ,クレマン
(72)【発明者】
【氏名】ウィン-エドワーズ,アレグザンダー
(72)【発明者】
【氏名】ドルトマンス,ニコラス
(57)【要約】
プール領域と、プール領域内に波を発生させるための複数のチャンバとを有するプール波発生器が開示される。本明細書に記載の例示的な実施形態は、プール領域内の流体の流れを制御するために使用されてもよい。例えば、例示的な実施形態は、チャンバからの水の出入りを制御するためにチャンバの1つ以上の弁の位置を選択するための制御システムを含むことができる。例示的な実施形態を使用して、チャンバから発生された波を制御し、望ましくない乱流を低減し、及び/又はそれぞれのチャンバの個別の制御に基づいて設計波を発生させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プール波発生器であって、
プール領域と、
プール領域内に波を発生させるために、プール領域内に水を放出するための、プール領域の一方側の1つ以上のチャンバと、
を備えるプール波発生器。
【請求項2】
プール領域が第1の直線壁と、1つ以上のチャンバと、を備え、チャンバは、第1の直線壁の全長に沿ってプール領域内に水を放出するように構成される、請求項1に記載のプール波発生器。
【請求項3】
1つ以上のチャンバは複数のチャンバを備える、請求項2に記載のプール波発生器。
【請求項4】
制御システムを更に備え、制御システムは、プール領域内への水の保持及び/又はチャンバからプール領域内への水の放出を制御するために1つ以上のチャンバに結合される、請求項3に記載のプール波発生器。
【請求項5】
複数のチャンバのそれぞれは、排気弁及び流入弁であって、排気弁及び流入弁と関連付けられるチャンバからの空気の流出及びチャンバへの流入を可能にするための排気弁及び流入弁を備え、複数のチャンバのそれぞれはセンサを備え、制御システムは、センサから入力を受信するためにセンサと通信可能に結合され、制御システムは、センサから受信される入力に基づいて排気弁及び/又は流入弁を位置決めするように構成される、請求項4に記載のプール波発生器。
【請求項6】
センサは、圧力センサを備える、請求項5に記載のプール波発生器。
【請求項7】
センサは、チャンバ内の水位を決定するための水位センサを備える、請求項5に記載のプール波発生器。
【請求項8】
制御システムは、ユーザから所望の水位プロファイル特性を受信するためのユーザインタフェースを備える、請求項5に記載のプール波発生器。
【請求項9】
制御システムは、ユーザから受信した所望の水位プロファイル特性を作り出すために、それぞれのチャンバ間の流入弁位置を順に制御する、請求項8に記載のプール波発生器。
【請求項10】
制御システムは、プール内で発生される中間波を最小にするように流入弁位置を制御する、請求項9に記載のプール波発生器。
【請求項11】
波のプール内に波を作り出すためにプール波発生器を動作させる方法であって、
プール領域と、プール領域との間で水を保持及び放出するように構成される1つ以上のチャンバと、を有する波のプールを用意することであって、1つ以上のチャンバは、少なくとも1つのセンサと、排気弁と、流入弁と、を有することと、
チャンバを加圧してチャンバ内の水位を低下させるために、排気弁を完全に閉じて流入弁を完全に開くことと、
チャンバから空気を排出してチャンバ内の水位を上昇させるために、排気弁を完全に開いて流入弁を完全に閉じることと、
チャンバを加圧してチャンバ内の水位を低下させるために、排気弁を閉じて流入弁を開くことと、
少なくとも1つのセンサから入力を受信することと、
センサからの入力に応答して、排気弁及び/又は流入弁の全開位置と全閉位置との間の中間位置を決定することと、
排気弁及び/又は流入弁を中間位置に位置決めすることと、
を含む方法。
【請求項12】
センサはチャンバ内の水位を確定するために使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
水がチャンバから排出される間及び/又はその後に、チャンバ内の水位の振動を低減するように流入弁が位置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
水位プロファイル特性を含むユーザからの入力を受信することを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
波特性を作り出すために、排気弁の一連の位置及び流入弁の一連の位置を協調して制御することを更に備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
センサは圧力センサ及び水位センサを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
噴射弁が開いているパーセンテージを設定するための1つ以上のコントローラを更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
噴射弁が開いているパーセンテージは、水位センサによって測定された高さと設定高さポイントとの間の差に関連する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年2月25日付出願の米国仮特許出願第63/153,923号の利益を主張する。この出願は、2022年2月22日付出願の国際特許出願PCT/CA2022/000005の国内段階である。
【背景技術】
【0002】
水上アトラクションは、多くの世代にわたって様々な地理的場所から様々な人々に楽しみをもたらしてきた。水上アトラクションは、異なる地理的領域が他の地理的領域からのシミュレートされた体験にアクセスできるようにする。例えば、波のプールは、ビーチでの体験に近づけることができる。
【0003】
ユーザがこれらの他の環境からのスポーツ及びアクティビティを体験できるようにするために、自然環境に近づけるべく異なる水上アトラクションが使用されてもよい。例えば、シート波乗りは、ライダーが、自分の身体又は薄いボードで、下に横たわる乗り面によって輪郭付けられるシート水流に乗ることができるようにする、サーフィン又はブギーボード体験をシミュレートする。シート流は、砕波又は実際のサーフボードの使用を許容しないため、シート波乗りは、真のサーフィン体験をもたらさない。
【0004】
自然環境でのサーフィン体験のより正確な近似を作り出そうとするディープウェーブサーフィンシステムが提供される。米国特許第8,434,966号明細書、米国特許第9,103,133号明細書、米国特許第9,279,263号明細書、米国特許第10,145,135号明細書、米国特許第10,280,640号明細書、米国特許第10,526,806号明細書はディープウェーブサーフィンシミュレータを開示しており、これらの特許のそれぞれは、参照によりその全体が本願に組み入れられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,434,966号明細書
【特許文献2】米国特許第9,103,133号明細書
【特許文献3】米国特許第9,279,263号明細書
【特許文献4】米国特許第10,145,135号明細書
【特許文献5】米国特許第10,280,640号明細書
【特許文献6】米国特許第10,526,806号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ディープウェーブ乗りは、乗る際に使用される膨大な量の水を管理するための固有の課題を提起する。例えば、波形成を損なう可能性がある潮流及び渦潮流が生じる場合がある。チャンバに出入りする空気及び水を管理することも問題である。チャンバ内の空気がばねのように作用する可能性があり、チャンバを出てチャンバに戻る水の運動量が、望ましくない力及び振動並びに他の動きを水に生じさせる場合がある。これらの力は、ひいては、生成された波の中に望ましくない波効果、乱流、及び他の有害な特徴をもたらす場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
プール領域と、プール領域内で波を発生させるための複数のチャンバと、を有するプール波発生器が開示される。複数のチャンバは、所望の波を作り出すためにプール内に水を保持又は放出するために使用されてもよい。
【0008】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、所望のパターンの波に影響を与え、望ましくない波効果を制御又は最小化するために、チャンバ内の水及び空気を含む流体の流れを管理するための固有のプール及びチャンバ構成を含んでもよい。本明細書に記載のシステム及び方法の例示的な実施形態は、プール内で波が発生された後に残留波を減衰させるために使用されてもよい波の様々な特徴、例えばチャンバ内の水位を制御するために使用されてもよい。そのような例示的な構成は、所望の波形を作り出して維持するのに有用であり、また、プールの長さに沿って連続して又は波同士の間の時間の長さなどの所望の時間界面で適時に、繰り返しの波形を可能にするのに有用となり得る。また、例示的な実施形態は、制御可能又はプログラム可能な個々の特徴を有することができる調整波を制御及び画定するためにも使用されてもよい。
【0009】
本明細書では、プール形状、水を放出するチャンバ、及びプールへの水の戻りを制御するためのトラフを含む特定の特性を有する深い波のプールに関して説明されるが、そのような実施形態は例示にすぎない。波を発生させるためのチャンバ及び制御システム及び方法の例示的な実施形態は、異なる水環境で使用されることができる。例えば、本明細書に記載の実施形態は、サーフィンのための波を発生させるために又は単に波のプールのために使用されてもよい。例示的な実施形態は、水が制御された態様で保持及び放出される、他の水中乗物に使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の実施形態に係る例示的なプール波生成器の上面図である。
図1B】本発明の実施形態に係る例示的なプール波生成器の上面図である。
図2A】本明細書に記載デップ波のプールに波を発生させるための例示的な波発生チャンバ及びその関連する制御を示す。
図2B】本明細書に記載デップ波のプールに波を発生させるための例示的な波発生チャンバ及びその関連する制御を示す。
図2C】本明細書に記載デップ波のプールに波を発生させるための例示的な波発生チャンバ及びその関連する制御を示す。
図3】本発明の実施形態に係る異なる波特性を有する異なるゾーンを発生させるための例示的な波のプールを示す。
図4図3に記載された異なるゾーンに対応する例示的な底部ゾーンを示す。
図5A図4の例示的な底部ゾーンの異なる底部プロファイルを示す。
図5B図4の例示的な底部ゾーンの異なる底部プロファイルを示す。
図6】本発明の実施形態に係る例示的な波発生チャンバを示す。
図7A図6の波発生チャンバから発生される波の例示的な進行を示す。
図7B図7Aの波の例示的な進行に関連する異なる時間における波のプール内の水位の例示的なグラフを示す。
図7C図7Bの波振幅グラフに対応する波のプールに形成される例示的な波パターンを示す。
図8】波のプール内の所望の波パターンを制御するために本明細書に記載の実施形態に係るチャンバ及び制御システムを使用して波のプール内の水における時系列グラフ上の波振幅の例示的な比較を示す。
図9A】本明細書に記載のチャンバ並びに制御システム及び方法を使用して波のプール内で発生された波及び潮流の例示的な比較を示す。
図9B】本明細書に記載のチャンバ並びに制御システム及び方法を使用して波のプール内で発生された波及び潮流の例示的な比較を示す。
図9C】本明細書に記載のチャンバ並びに制御システム及び方法を使用して波のプール内で発生された波及び潮流の例示的な比較を示す。
図9D】本明細書に記載のチャンバ並びに制御システム及び方法を使用して波のプール内で発生された波及び潮流の例示的な比較を示す。
図10A】所望の波形を規定するためのチャンバのコントローラにおける弁と共に使用するための例示的な制御ループを示す。
図10B】所望の波形を規定するためのチャンバのコントローラにおける弁と共に使用するための例示的な制御ループを示す。
図11】本発明の実施形態に係る波のプールの例示的な断面プロファイルを示す。
図12】潮流及び水流を管理するための特徴を含む本明細書に記載の実施形態に係る例示的な波発生器を示す。
図13】潮流及び水流を管理するための特徴を含む本明細書に記載の実施形態に係る例示的な波発生器を示す。
図14】潮流及び水流を管理するための特徴を含む本明細書に記載の実施形態に係る例示的な波発生器を示す。
図15】潮流及び水流を管理するための特徴を含む本明細書に記載の実施形態に係る例示的な波発生器を示す。例示的な特徴は、本明細書に記載の任意の波発生器と任意に組み合わせて使用することができる。
図16】潮流及び水流を管理するための本明細書に記載の実施形態に係る波発生器の例示的な部分を示す。
図17】例示的な弁セットを示す。
図18】弁の例示的なスロットル特性を示す。
図19】目標水位を満たすために必要な弁の角度の計算を説明するブロック図である。
図20A図19に対応するシステム及び方法の弁及び水位の態様を示す。
図20B図19に対応するシステム及び方法の弁及び水位の態様を示す。
図20C図19に対応するシステム及び方法の弁及び水位の態様を示す。
図20D図19に対応するシステム及び方法の弁及び水位の態様を示す。
図21】異なるチャンバ内の水位の漸進的変化を表すチャートである。
図22】通常の最大波振幅を超える方法における水位を表すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本発明の原理を限定ではなく一例として示す。この説明は、当業者が明確に本発明を製造及び使用できるようにし、本発明を実施する最良の形態であると現在考えられているものを含めて、本発明の幾つかの実施形態、適合、変形、代替及び使用を説明する。図面は、本発明の例示的な実施形態の図式的及び概略的な図であり、本発明を限定するものではなく、必ずしも原寸に比例して描かれていないことを理解すべきである。
【0012】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、波を作り出すように構成されるプールを含む。プールは、波を発生させるために水を受けてプール内に放出するように構成される1つ以上の端部に1つ以上のチャンバを含んでもよい。乱流を低減し、波同士の間の時間をカスタマイズし、より良好な波を発生させるために、例示的なチャンバが設けられる。プールは、異なるプロファイルの波を画定又は発生させる異なるゾーンを形成するように、又は異なる経験レベルの個人による使用のために構成されてもよい。また、プールは、床形態を成して、又は波エネルギーを散逸させて水の潮流を制御するために水流を制御するためのラグーン及びチャネルなどの更なる水特徴部を包含して、構成されてもよい。
【0013】
本発明の実施形態は、固有の新規な特徴を有するプール波発生器に関して本明細書で説明して例示され得るが、本発明の実施形態が各特徴を含めることを要しない又は必要としないことを理解すべきである。本開示は、特定の構成要素、形態、又は特徴を必要とせず、特徴の任意の組み合わせが組み込まれ又は組み合わされてもよく、本発明の完全な説明内にとどまる場合がある。例えば、渦潮流を低減するためにチャンバとプールとの間に長尺なチャンバを含めることが、プール波発生器の任意の従来の特徴において使用されてもよい。同様に、異なる波ゾーンを発生させるために観客領域又は底部輪郭を含めることは、単独で又は本明細書に記載の他の特徴と組み合わせて同様に使用されてもよい。
【0014】
図1Aは、本発明の実施形態に係る例示的な波のプールを示す。例示的なプール波発生器10は、プール領域12と、プール領域内に波を発生させるための1つ以上のチャンバ14とを含んでもよい。波16は、チャンバ14から離れてプールの終端部18に向かって伝播することとしてもよい。
【0015】
例示的な実施形態において、プール領域12は、水を保持するように構成される凹状プールであってもよい。終端部18は、水を保持するための壁であってもよい。壁は、垂直であってもよく、傾斜していてもよい。例示的な実施形態において、終端部は、ビーチ領域に近似又は類似するようにプールの傾斜した底部によって形成される。チャンバ14からの水の放出によって水がプール領域12を横切って押されると、水は、終端部18に向かって移動し、水が停止して最終的に重力の影響下で傾斜した底部に沿ってプール領域に戻るまで、傾斜した底部を横切って上昇することとしてもよい。
【0016】
図1Aは、チャンバからプールの両端部に向かって波が伝播され得る2つの側面を備える例示的なプール波発生器を示す。図1Aの図は、プールを見下ろす上方から見るように描かれる。この実施形態のプール波発生器は、異なるライダーが使用するための同様又は異なる波プロファイルを有することができる異なる領域を作り出すために使用されてもよい。異なる領域は、経験レベルを有するライダー又は参加者のための波を作り出すために使用されてもよい。例示的な実施形態は、例えば図1Bに示すように、波が単一の方向に伝播するプール波発生器を含む。
【0017】
チャンバ14に隣接する矢印によって表されるように、チャンバ14は、プール領域12内に順次に水を放出することとしてもよい。チャンバは、プールの一方側に沿って直線的に位置合わせされてもよい。また、チャンバは、異なる方向、形態、及び向きを含んでもよい。チャンバからの水の放出は、波の高さ、方向、形状、波同士の間の時間間隔などの波の属性を制御するために使用されてもよい。図示のように、複数のチャンバの中間に向かうチャンバは一緒に放出され、次いで、チャンバは、複数のチャンバの対向する端部に向かって外側に順次に移動して放出してもよい。また、チャンバは、例えば一方の端部から他方の端部へと又は対向する端部から複数のチャンバの中間へと、異なる方向又は順序で放出するように構成されてもよい。
【0018】
図1Aは、プール領域12の一方の縁部に沿って直線的配列のチャンバが設けられる、例示的な実施形態を示す。チャンバは、プールの縁部の一部又は全長に沿って横断してもよい。図示のように、プールの縁部上の最後のチャンバの端部から直ぐに突出して、プール壁19の側面は、チャンバによって画定されたプールの縁部の直線延在部から測定された、ゼロでない角度で延在してもよい。換言すれば、側壁は、チャンバの端部から直ちに前方に延在してもよい。また、側壁は、チャンバ直線方向の連続延在部において外側に延びる構成要素を有してもよく、それにより、チャンバを備えるプール縁部の直線延在部とゼロでない非垂直角度を形成する。プール壁を傾斜させることにより、プールを満たすのに必要な水の量を減らしてもよく、あまり望ましくない波の作用を作り出す可能性があるプールの領域を減らしてもよい。
【0019】
図2A図2Cは、本明細書に記載の波のプール内に波を発生させるための例示的な波発生チャンバ及びその関連する制御を示す。チャンバ20は、プールに放出される際にプール水位26が上昇されてチャンバ20から離れるようにプールを横切って伝播する波26’を作り出すチャンバ水位28で水を保持するように構成されてもよい。チャンバは、チャンバ内の水の保持及び放出を制御するための1つ以上の弁22、23、24を含んでもよい。例示的な実施形態において、第1の弁22は、チャンバ20に出入りする水流を制御してもよい。例示的な実施形態において、第2の弁又は複数の弁は、チャンバ20に出入りする空気又は流体の流れを制御してもよい。図2A図2Cに示されるように、加圧ガスをチャンバに導入するために例示的な流入弁24が使用されてもよい。ガスを排気する又はチャンバに負圧を加えることによってチャンバからガスを除去するために例示的な排気弁23が使用されてもよい。
【0020】
例示的な実施形態において、波発生システムは制御システムを含んでもよい。制御システムは、チャンバ内にセンサを含んでもよい。センサは、1つ以上のセンサから構成されてもよい。例示的な実施形態において、センサは、水位センサ、圧力センサ、又は温度センサを含んでもよい。例示的な実施形態では、チャンバ内の水位を決定又は概算するために水位センサが使用されてもよい。他の実施形態では、チャンバ内の水位を決定又は概算するために圧力センサが使用されてもよい。他の制御センサを、例えばプレナム内に、通気口に、流入弁又は流入弁アクチュエータに、圧力ファン又はファンモータに、或いはファンモータを制御する制御パネルに組み込んでもよい。センサの任意の組み合わせは、チャンバの動作又は制御を支援するための制御システムへの入力として構成されてもよい。例示的な実施形態において、制御システムは、1つ以上のセンサから入力を受信し、受信したセンサ入力に応じて1つ以上の弁を制御するように構成される。
【0021】
例示的な実施形態において、制御システムは、弁23、24の一方又は両方の位置を設定して、弁を全開から全閉又はそれらの間の任意の中間位置に移行させるためのアクチュエータを備えてもよい。例えば、全閉が0度とみなされ、全開が90度とみなされる場合、弁を0度~90度の任意の角度に配置してもよい。例示的な実施形態において、流入弁及び排気弁の一方又は両方は、1つ以上の弁が全開から全閉までの任意の位置、及びその間の任意の位置へと開放され得るように、位置コントローラが設けられる。
【0022】
例示的な実施形態において、チャンバ内の水位は、チャンバ内の1つ以上のセンサで測定され得る。例示的な実施形態では、センサがチャンバの上端に位置される。例示的な実施形態において、センサは、制御システムがチャンバ内の水の高さを決定できるように、制御システムに入力を供給するように構成される。制御システムは、チャンバ内の所望の水位を制御するために排出弁または流入弁を制御するように構成されてもよい。
【0023】
例示的な実施形態では、チャンバが圧力センサを含む。制御システムは、チャンバ内の所望の圧力を維持するように排出弁及び流入弁を制御するように構成されてもよい。例示的な実施形態では、チャンバ内の圧力センサはチャンバと流体連通してもよい。
【0024】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、1つ以上の弁の位置を全開及び全閉に設定することができる制御システムを含んでもよい。制御システムは、所望の圧力を達成するように可変周波数駆動装置(VFD)を制御することによって対応する波高を制御するように構成されてもよい。
【0025】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、全開から全閉までの任意の場所、及びそれらの間の任意の中間位置から1つ以上の弁の位置を設定することができる制御システムを含んでもよい。例示的な実施形態は、全開と全閉との間の中間位置に1つ以上の弁を位置決めさせることを備える。制御システムは、VFD周波数ではなく高さ設定点によって対応する波高を制御するように構成されてもよい。
【0026】
図2Aに見られるように、システムは、チャンバ20内に水がないように又はチャンバ内の水位28が(例えば、図2Cに示すように)低いレベルになるように解除されていてもよい。第2の弁23は、チャンバから空気をパージするように開かれてもよい。チャンバ20は、チャンバが負に加圧されるように、チャンバ20から空気を排出するべく構成されてもよい。チャンバ20が中立圧力にあってチャンバが水で満たされるときにチャンバ内の空気が通気することができるように、第2の弁23も開いていてもよい。第1の弁22が開放され、チャンバ内への水の突入によってチャンバ内の水位が上昇する。
【0027】
図2Bに見られるように、第1の弁22は、チャンバ水位28をプール水位26よりも高い高さに保持するように閉じられる。次いで、チャンバ内の水に更なる圧力を加えるためにチャンバが加圧ガスで満たされてもよい。次いで、第2の弁23が閉じられ、次いで第1の弁が開かれる。
【0028】
図2Cに見られるように、チャンバ内の加圧空気は、チャンバ内の水位28を押圧し、それにより、水をチャンバから押しのけてプールを横切って伝播する波26’を発生させる。第1の弁22は、チャンバ内の空気が第2の弁23などを通じて排気される間に閉じられてもよい。形成された波26’の破壊を最小限に抑えるために、チャンバに戻される水の量を制限するべく第1の弁22が閉じられてもよい。また、第1の弁22は、水がチャンバに戻ることができるようにするべく開放したままであってもよく、図2Bに関して説明したように閉じられてもよい。
【0029】
例示的な実施形態において、制御システムは、チャンバ内に空気を供給するための第2の弁24と、チャンバから空気を除去するための第3の弁23とを制御するように構成されてもよい。また、システムは、チャンバ内の水の高さ或いはチャンバ内又はチャンバと流体連通するシステムの一部における空気の圧力を決定するための制御システムへの入力として使用される1つ以上のセンサを含んでもよい。例示的な実施形態において、制御システムは、第2の弁23及び第3の弁24がチャンバ内の水位を制御する及び/又はチャンバ内の所望の圧力を維持するべく位置決めされるようにフィードバックループを備える。
【0030】
例示的な実施形態は、制御システムをプログラムすることが可能なユーザインタフェースを含んでもよい。ユーザインタフェースは、ユーザに情報を表示するように構成されてもよく、ユーザから入力を受信してもよい。ユーザインタフェースは、弁位置とセンサ入力との間の所望の関係を決定する際などに制御システムのための設定を行なうために使用されてもよい。例示的な実施形態において、ユーザインタフェースは、チャンバ内の水位プロファイルなどの所望の波特性を表す所望の水位プロファイル情報をユーザから受信するように構成され、その後、システムは、所望の波特性を達成するために制御パラメータを決定するように構成される。したがって、波発生中に波高を制御するべく制御システムの例示的な実施形態が使用されてもよい。制御システムの例示的な実施形態は、波形、波特性などを制御するために使用されてもよい。システムは、各チャンバを完全に作動させてほぼ全ての波を構成するように水と組み合わせた効果を作り出すことができるため、独自の完全に調整された波を作り出すべく使用されてもよい。
【0031】
例示的な実施形態において、システムは、チャンバから水を放出してチャンバ内への水の復活を可能にするプロセスを循環するように構成される。また、システムは、プール内の水が静止し、また波の発生に影響を及ぼし得る乱流を減少させるために、任意のサイクル数の後に遅延を含んでもよい。
【0032】
提供される例示的な実施形態では、水制御用の第1の弁22と、ガス制御用の第2の及び第3の弁23、24との3つの弁が示される。弁の任意の組み合わせが使用されてもよく、このような組み合わせも本開示の範囲内である。例えば、チャンバを排気し、加圧ガスを注入するなどのために複数のガス弁が使用されてもよく、また、チャンバ内の水を放出又は保持するために複数の流体弁が使用されてもよい。本明細書に記載の弁の順序及びサイクルは、例示的なものにすぎない。弁、ゲート、又は他の方法を使用して波を放出するために、任意の数の異なる方法が使用されてもよい。弁は、異なる方法で開閉されてもよい。例えば、システムは、水の復活前にチャンバからガスを除去してチャンバに戻る水位を上昇させるためにパージシステムを使用してもよい。例えば、システムは、水をプール内に放出するために加圧ガスシステムを使用しなくてもよい。例えば、弁が開閉のために個々の作動を必要としないように、一方向弁が使用されてもよい。各チャンバの弁は、個別に又はプールシステム全体のより大きな動作内のシーケンスとして制御されてもよい。
【0033】
本明細書に記載の制御システムの例示的な実施形態は、消費電力を制御するために又は同じサイズの波を発生させるのに必要な消費電力を低減するために使用され得る。電力消費は、チャンバ内の水振動によって作り出された残留波を減衰させることによって必ずしも追加のエネルギーが消費されないため、達成され得る。本明細書に記載の制御システムの例示的な実施形態は、プール内の潮流発生を制御(又は低減)するために使用され得る。本明細書に記載の例示的な実施形態は、波のプールのより効率的な動作をもたらしてもよく、また、機器のより良好な寿命をもたらし得る。
【0034】
図3は、本発明の実施形態に係る異なる波特性を有する異なるゾーンを形成するための、例示的な波のプール30を示す。例示的な実施形態において、プールプロファイル32及びプール床34は、所望の波プロファイルを規定して複数の波ゾーン36、37、38を作り出すように輪郭付けられてもよい。
【0035】
例示的な実施形態では、複数の波ゾーン36、37、38が作り出されてもよい。複数の波ゾーンの形成は、チャンバの単一の波発生サイクルから発生されてもよい。例えば、チャンバは、第1の波を形成するために順次開放してもよい。その第1の波は、プロファイル、高さ、方向などを変化させてもよい。また、波は、プール床の基礎となる地形に基づいて劣化又は再形成する場合もある。図示のように、プールの一方側では、単一の波発生サイクルに関して3つの波ゾーンが形成される。プールは、プール全体が6つの波ゾーンを有するように、鏡像形態を有してもよい。しかしながら、第2の3つの波ゾーンを作り出す波又は波の別の部分とは異なる波又は波の一部が第1の3つの波ゾーンを作り出すため、波ゾーンのうち3つは、他の3つの波ゾーンからは独立している。波ゾーンの任意の組み合わせが形成されてもよく、合計6つのゾーンにおける3つのうち2つの側の組み合わせは例示にすぎない。例示的な実施形態において、波のプールは、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の波ゾーンを有してもよい。プールは、図1Aのような鏡像形態を有してもよく、それによって、波ゾーンを2倍にすることができ、又はプールが図1Bのように片側であってもよい。また、プールの対向する側は、プールの全体にわたって異なる波ゾーンが作り出され得るように、異なって構成されてもよい。
【0036】
図示のように、第1の波ゾーン36は、波発生チャンバに隣接している。この部分の波はその最も高い高さにある。この領域は、最も経験豊富なライダーのためのものであり得る。それはまた、ショートボードライダー用であってもよい。
【0037】
図示のように、第2の波ゾーン37は、波がプールの側壁又は縁部に沿って延びるチャンバを出た後のプールの領域内にあってもよい。波は、エネルギーを散逸させ、波がチャンバから離れて伝播した後に高さを減少させる。したがって、この領域は、中間ライダー及びロングボードライダー用に作り出される。
【0038】
図示のように、第3の波ゾーン38は、チャンバから離れたプールの側に隣接していてもよい。縁部は、プールの沿岸領域46’に対応することができる。この領域は、浅い深さを有してもよく、傾斜した床底部を有してもよい。第1の波ゾーン36は、初心者波ライダー用であってもよい。この領域は、ボード、フォームボード、カヤック、又はスキミングボードにも使用され得る。この領域は、ボディライディング又はウェーブジャンピングにも使用され得る。
【0039】
プールの底部は、波ゾーンに対応する又は波ゾーンに影響を及ぼす領域を有してもよい。例えば、プール底部の第1の領域42’は、第1の波ゾーン36に概ね対応してもよく、一方、プール底部の第2の領域44’は、第2の波ゾーン37に概ね対応してもよく、プール底部の第3の領域46’は、第3の波ゾーン38に概ね対応してもよい。第4の領域48’及び他の領域は、異なる波ゾーンを形成及び分離するために使用され、波がチャンバから伝播するときに波を再形成するために使用され得る。プール床の異なる領域は、図4に関してより完全に説明される。
【0040】
波プロファイルに影響を与えるべく異なる床底部領域が使用されてもよい。例えば、床の深さは波の大きさに影響を与える可能性があり、床の勾配は波形に影響を与える可能性がある。したがって、チャンバに隣接する第1の領域42’は、最も経験豊富なライダーのための波ゾーン36を発生させることができる。この領域は、約2~6メートルの深さであってよい。したがって、この領域は、プールの沿岸又は反対側に向かってより大きな傾斜又は傾きを伴う床底部を有してもよく、又は最大の深さを有してもよい。第3の領域46’は、チャンバから離れてプールの沿岸又は縁部に隣接していてもよく、最も経験の浅いライダーのための波ゾーン38を発生させてもよい。したがって、この領域は、最も小さい傾斜又は縁部に向かう傾きを伴う床底部を有してもよく、又は最も浅い深さを有してもよい。緩やかな勾配は、波ブレーキをより柔らかくすることができる。
【0041】
例示的な実施形態では、チャンバから離れたプールの縁部を、波特性に影響を及ぼすように輪郭付けられてもよい。例えば、第3の波ゾーンの領域、又は初心者向けの領域では、縁部は、一連のチャンバの中間のチャンバからプールの反対側でプールの中間に向かって隆起されてもよい。この隆起部は、プールの側面へと沿岸又は乾燥した窪みを形成することができる。波がチャンバから沿岸に向かってプールを横切って伝播するとき、波は、プール領域内に延びる隆起部の周りに巻き付くものとしてもよい。更なる波ゾーンを作り出すために、沿岸に沿って他の又は更なる隆起部が設けられてもよい。例示的な実施形態では、波を分離又は方向転換するために隆起部が使用されてもよい。
【0042】
図示のように、チャンバは、順番に水をプールに放出して波を発生させてもよい。チャンバが最初に一連のチャンバの中間で開いた後に各端部に向かって両方向に順次開く場合、左右の波の両方がチャンバから伝播してほぼ同時に砕ける。また、チャンバ順序付けは、左右の破断波が互い違いになるように遅延又はオフセットされてもよい。熟練者波ゾーンは、チャンバに隣接又は近接する領域として画定されてもよい。熟練者波ゾーン内の波は、波発生壁に沿って砕けるものとしてもよい。波形成を維持するためにチャンバからの水の連続的な放出を使用できるため、波はほぼ一定の高さを保持することができる。例示的な実施形態では、熟練者波ゾーンの波高は、約1.5~3.5メートルであってもよい。波がチャンバに近接する領域を出た後、波はエネルギーを散逸させ、波高が減少する。チャンバから離れてプールの側縁に沿って延びる波は、熟練者波ゾーンから低減される波高を有する中間波ゾーンを形成することができる。例示的な実施形態では、中間波ゾーンの波高は、約1~2メートルであってもよい。波高は、チャンバから離れるにつれて減少し続けることができる。その後、波は、浅い部分のプールの反対側に沿って破断して、より大きな波ゾーンを作り出することができる。例示的な実施形態では、初心者波ゾーンの波高は、約0~1.5メートルとしてもよい。
【0043】
図4は、プール波システム40の図3に記載された、異なる波ゾーンに対応する例示的な底部プロファイルを示す。図5Aは、基準線50を伴う図4の例示的な底部プロファイルの図である。図5Bは、プール床を示すために図5Aの基準線50に沿った断面斜視図を示す。図示のように、底部プロファイルは、少なくとも3つの領域を含んでもよい。
【0044】
例示的な実施形態において、第1の領域42は、チャンバ14に近接する領域に対応してもよい。図5Bに見られるように、この領域のプール床52は、チャンバに隣接するプールがチャンバから領域42の反対側のプールよりも深くなるように、上向きの緩やかな傾斜を含んでもよい。傾斜は、角度αでチャンバから離れた領域を横切って、より深くからより浅くまで横行し得る。第1の領域42は、ほぼ長方形であってもよく、図4に示すようにチャンバの前に直接延びてもよい。また、第1の領域42は、図3に示すように、領域がチャンバの前を横断するとともに、領域がチャンバから離れるように傾斜するにつれてチャンバの端部を越えて外側に延びるように、端部で広げられてもよい。この領域の他の形状も考えられる。
【0045】
例示的な実施形態において、第3の領域46は、プールのチャンバ14とは反対側の端部の領域に対応してもよい。第3の領域46は、波の原点とは反対側の波の進行の終わりに対応するプールの側にあってもよい。この領域のプール床56は、チャンバに隣接する領域の傾斜よりも緩やかな傾斜を有することができる。プール床56は、第1の領域42に向かうプールがその反対側の領域よりも深くなるように、上向きに緩やかな傾斜を含んでもよい。この領域の終端部は、水が水面側を洗い流すように0の深さを有してもよい。この領域は、ビーチ領域に近似し得る。傾斜は、角度βでチャンバから離れる方向に領域を横切ってより深くからより浅くまで横行し得る。この領域は、チャンバからプールの反対側の波の終端部における帯域又は幅に対応するものとしてもよい。チャンバは、チャンバに対して直接垂直ではなく斜めの角度でチャンバから離れるように伝播する波を発生させることができるため、プールの対向する端部は、オフセットされて、チャンバの側端を過ぎて終わるプールの一部を含んでもよい。したがって、対向は、チャンバから発生された波の伝播に基づいて、直接又は幾何学的に対向するだけでなく反対も含んでもよい。
【0046】
図示されているように、第3の領域46は、この領域の一部がこの領域の他の部分よりもチャンバから遠く離れているように曲線状に成形されてもよい。例えば、沿岸領域46’は、チャンバの端部に対応するプールの側面に隣接して(鏡像プールの場合)沿岸の中間に向かう部分又はプールの反対側の側面(片面プールの場合)がそれらの間の領域よりもチャンバの近くに位置されるように湾曲していてもよい。したがって、図示のように、沿岸領域又はチャンバの反対側のプールの側面は、3つの湾曲領域と、領域がチャンバに向かって内向きの凹面を有する凹状である、沿岸領域の対向する端部の2つの外側領域とを含むことができ、沿岸領域の中間の2つの外側領域間の内側湾曲領域は、チャンバに向かって外向きの凹面を有する凸状である。
【0047】
図示のように、第2の領域44は、第1の領域42から第3の領域46まで延びてもよい。この領域も同様に傾斜していてもよい。領域の傾斜は、直線状、曲線状、又は湾曲状であってもよい。この領域は、底部を第1の領域42から第3の領域46に移行させる緩やかな傾斜を含んでもよい。また、この領域は、底部プロファイルに含まれ得る任意の他の領域への移行をもたらすように輪郭付けられてもよい。したがって、第2の領域44には、2つ以上の他の床底部又は領域の間に移行面が設けられてもよい。
【0048】
プールは、1つ以上の他のゾーンを画定する1つ以上の他の床領域を含んでもよい。例えば、第1の波ゾーンは、第3の波ゾーンから分離されてもよい。分離は、所望の波形を再び作り出すために床プロファイルを作り出すことであってもよい。分離は、ライダーの安全性及び楽しみのために様々な波ゾーン間の空間を可能にすることであってもよい。図3図4、及び図5に見られるように、移行領域48、48’が使用されてもよい。移行領域48、48’は、ほぼ平坦な床底部58に対応してもよい。移行領域は、第1の領域42及び第3の領域46と沿岸領域との間に配置されてもよい。図3に示すように、第1の領域42’は、プールの中間部分の第3の領域46’に接触してもよく、移行セクション48’は、第1の領域42’を第3の領域46’から第2の領域44’に隣接するプールの外側側面に向かって分離する。図4に示すような例示的な実施形態では、移行領域48は、第1の領域42が第3の領域46に接触しないように、プールの長さに沿って第1の領域42を第3の領域46から分離してもよい。
【0049】
例示的な実施形態において、第1の領域42、42’に対応するプール底部52の勾配は、第3の領域46、46’に対応するプール底部56の勾配よりも大きい(α>β)。例示的な実施形態において、第2の領域46、46’のプール底部の勾配は、一般に、第1の領域の勾配と第2の領域の勾配とのいずれか又はこれらの間に等しい(α≧θ≧β)。プール底部52は、3度~10度の間の傾斜を有してもよい。プール底部56は、0度より大きく5度までの傾斜を有してもよい。第2の領域46、46’に対応するプール底部は、2度から10度の間の傾斜を有してもよい。
【0050】
本明細書に記載のプール床底部の構成、形状、高さ、傾斜、及び他の特徴は、例示例示的なものにすぎない。他の又は更なる特徴が追加されてもよく、本明細書の範囲内である。例えば、追加の波領域又は別個の波領域を作り出すために、追加の傾斜床又は1つ以上の他のレベル床領域が含まれてもよい。サーフィン体験を更に向上させるため、又は本明細書に記載のプール波発生器に追加の利点を与えるために、床構成、壁、仕切り、隆起部、沿岸の特徴などの他の要素も含まれ得る。これらは、発生された波を分割、方向転換、改質、又は他の方法で達成するための特徴を含んでもよい。
【0051】
図6は、本発明の実施形態に係る例示的な波発生チャンバを示す。
【0052】
チャンバとプールとが共通の壁を共有する又はチャンバとプールとが近接している従来のチャンバ構成は、チャンバとプールとの間の領域を通る渦流を作り出す。渦流は、発生した波の形状及び安定性を妨げる可能性がある。米国特許第10,526,806号明細書は、水の動きを制御及び誘導し、渦潮流の形成を低減するために、チャンバとプールとの界面の間又はその近くに配置されたベーンを開示する。このようなシステムは、ベーンが内部で支持されて維持されなければならないため、建設及び保守コストをもたらす。本明細書に記載の例示的な実施形態は、チャンバとプールとの間の水流路内又はそれに隣接するベーン又は内部構造を使用することなく、渦潮流の形成を管理又は低減することができる波のプールの形成を可能にする。
【0053】
チャンバ62及びプール64に対するチャンバ62の構成は、所望の特性の波を発生させるために使用され得る。例示的な実施形態は、チャンバ幅(CW)及びプールとチャンバとの間の幅(壁幅)WWを使用する。例示的な実施形態では、プールとチャンバとの間の幅WWは、2メートルより大きい。しかしながら、チャンバとプールとの間のこの移行領域の距離が大きくなると、発生した波状の高さに影響を及ぼしてこれを減少させる可能性がある。したがって、従来は、この領域をできるだけ短く保つことが望ましかった。しかしながら、この距離は、乱流を低減し、より良い波プロファイルを作り出すために使用され得る。例示的な実施形態において、プールの縁部とチャンバの縁部との間の距離は、2~7メートルである。CWは、結果として生じる発生波の高さに影響を及ぼす可能性がある。WWと同様に、この寸法は、追加の幅が波を制御及び放出するための更なる電力を必要とするため、従来は縮小されていた。例えば、水面に同じ圧力を作り出すために追加のガスが必要となる。CWは1.3~5メートルが好ましい。
【0054】
例示的な実施形態では、チャンバ62は、通路66によってプール64に結合されてもよい。通路は、水がチャンバから出てプールに入るか、プールの底部にあるか、プールの底部に隣接するように、プール64よりも低い深さに配置されてもよい。通路は、通路を出る水の方向が垂直成分を有し得るように成形されてもよい。通路は、内壁68B及び外壁68Aを含んでもよい。内壁68B及び外壁68Aは、水がチャンバからプールへの通路を通過するときに水が強いられる乱流を低減するように湾曲されてもよい。
【0055】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、チャンバならびに制御システム及び方法を含む。本明細書に記載のチャンバならびに制御システム及び方法の例示的な実施形態は、単独で、又は本明細書に記載の特徴のいずれかと組み合わせて使用されることができる。例えば、例示的なチャンバ及び制御システムは、チャンバがプールと共通の壁を共有する構成で使用されてもよい。チャンバに出入りする流体の流れを制御するために、水が1つ以上のチャンバから保持及び放出される例示的な実施形態が使用されてもよい。
【0056】
図6に見られるように、例示的な実施形態は、プール内に波又は他の水作用を発生させるために水を波のプール64内に保持及び放出するための本明細書に記載のチャンバ62を含んでもよい。例示的な実施形態において、チャンバ62は、チャンバへの水及び空気の出入りを可能にするために、1つ以上の弁を有してもよい。図示のように、排気弁602及び注入弁604が、チャンバから空気を排出し、チャンバ内に空気を供給するためにそれぞれ設けられる。一実施形態では、これらの弁が同じ弁であってもよい。したがって、弁は、一方向弁又は双方向弁であってもよい。また、チャンバ62は、要求に応じて追加の空気をチャンバに供給するために、プレナム606と流体連通してもよい。プレナム606は、加圧空気をチャンバ62に供給するためにポンプ608に結合されてもよい。また、例示的な実施形態において、チャンバは、チャンバ内に負圧を与えるために、又はチャンバ内から空気を迅速に排出するために、ポンプ又は他の吸引などを介して圧力下で通気するように構成されてもよい。
【0057】
例示的な実施形態において、弁の1つ以上は、弁が全開から全閉に移行するように、開放弁又は閉鎖弁であってもよい。
【0058】
例示的な実施形態では、弁が完全に開く、完全に閉じる、又は部分的に開くべく制御され得るように、弁の1つ以上が作動されてもよい。例示的な実施形態において、1つ以上の弁は、開放と閉鎖との間の全位置範囲を可能にするために、機械的に、空気圧で、又は他の方法で作動されてもよい。例示的な実施形態において、1つ以上の弁は、全開と全閉との間の範囲内で弁の段階的な位置決めを可能にするために、機械的に、空気圧で、電気的に、又は他の方法で作動されてもよい。本明細書に記載のチャンバ及び制御システムの例示的な実施形態は、チャンバ内の水の変位を制御するために、1つ以上の弁の中間位置決めを使用してもよい。例示的な実施形態では、主波の残留波との衝突を回避又は最小化するべく波の周波数を適合させるために制御システム及び方法が使用されてもよい。例示的な実施形態において、制御システムは、波特性をカスタマイズするために使用され得る1つ以上のパラメータを含んでもよい。波特性は、波高、波形、波形輪郭などを含んでもよい。例示的な実施形態では、より多くの波の組み合わせを発生させるために使用され得る波発生のための1つ以上のパラメータとして、弁の許容可能な中間位置決めを含む弁制御の組み合わせを使用してもよい。本明細書に記載の制御システムの例示的な実施形態は、電力消費を約10%削減する可能性がある。本明細書に記載の制御システムの例示的な実施形態は、設備の総設置電力を低下させる可能性がある。
【0059】
図7Aは、図6の波発生チャンバから発生される波の例示的な進行を示す。図7Aに示される第1のステップは、波チャンバ及び波のプールがいつでも発射して波を発生できる状態にあるときである。この初期状態では、排気弁702は完全に閉じており、流入弁704は完全に開いている。流入弁704は、プレナム内の加圧空気がチャンバに入ることができるようにし、チャンバの水に圧力を加えて、波のプール内の水位よりも低い低水位をもたらす。図7Aに示す第2のステップでは、チャンバ圧が開放される。排気弁702は全開であり、流入弁704は全閉である。したがって、チャンバ内の空気圧が解放され、チャンバ内の水が上昇する。チャンバ内の上昇する水は、水が波のプールからチャンバ内に移動するにつれて、波のプール内に水の空隙を作り出す。この移動は、チャンバの近くのプールに隣接するプール内の水位高さの局所的な減少をもたらす。図7Aに示す第3のステップでは、チャンバから水を放出するためにチャンバ圧力が再び上昇される。図示のように、排気弁702は完全に閉じられており、流入弁704は完全に開いている。これにより、加圧空気は、水を押圧して、チャンバから通路を通って波のプール内に水を排出することができる。図示のように、水がチャンバからプール内に押し込まれると、プール内に波が発生される。
【0060】
弁が全閉状態と全開状態との間で移行するべく構成されるように、弁がこの構成で使用される場合、チャンバ内の空気はばねとして作用することができる。チャンバ内の水が最大高さ又は最小高さに達すると、空気が圧縮されて放出されるときに水位が跳ね返り、振動波面を作り出す可能性がある。
【0061】
図7Bは、図7Aの波の例示的な進行に関連する異なる時間におけるチャンバ内の水位の例示的なグラフを示す。図7Aからの水の状態との比較において分かるように、チャンバ内の水位は、開始するべく下側地点/静止レベル706にある。空気が排出されると、水がチャンバに入り、水位が最大位置708まで上昇する。空気が注入されると、水はチャンバを出て最小になる。チャンバが通気状態と加圧状態との間で移行しており、水がチャンバ内に取り込まれ、次いでチャンバから放出される第2の状態と第3の状態との間で最もよく示されているように、最小値に達した後の水位は上昇して戻る。しかしながら、チャンバ内の残留空気は、水位が元の下側地点/静止レベル位置710に戻る前に、チャンバの水の高さに別の振動、すなわち残留波を作り出す。
【0062】
図7Cは、図7Bの波振幅グラフに対応する波のプールに形成された例示的な波パターンを示す。最大及び最小のチャンバ内の水位は、望ましい乗ることができる波又は主波712を作り出す。しかしながら、チャンバ内で発生し得る中間振動は、所望の波の間に干渉する水の作用を引き起こす可能性がある。干渉する水の作用は、望ましい波の作用の間のより小さい又はより小さい残留波714のようであってもよい。
【0063】
例示的な実施形態において、弁システムは、チャンバ内の空気及び水の移動によってチャンバ内に作り出される振動を減衰させるために、1つ以上の弁を開放と閉鎖との間の中間位置に位置決めするように制御されてもよい。例えば、例示的な実施形態では、ステップ2とステップ3との間で、排気弁が全開から全閉に移行する代わりに、同時に流入弁が全閉から全開に移行する一方で、排気弁は、完全に閉じてもよく、その後、部分的に開いたままであってもよく又はステップ2とステップ3との間の移行を通じて部分的に開いたままであってもよい。これに代えて、又は加えて、チャンバへの空気の流入を制御してチャンバ内の注入された空気に起因する任意のばね作用を減衰させるために、ステップ2とステップ3との間の移行中に様々な量で流入弁が開かれてもよい。
【0064】
図8は、波のプール内の所望の波パターンを制御するために、本明細書に記載の実施形態に係るチャンバ及び制御システムを使用した、チャンバ内の水の時系列グラフ上の水振幅の例示的な比較を示す。図示されているように、チャンバ内の元の水の振幅は、水がチャンバに再び入るときに振動によって最小波高と最大波高との間を進む。これは、1つ以上の排気弁又は流入弁が全開状態と全閉状態との間に配置されている場合に起こり得る。比較グラフは、チャンバ内の水位が同じ急激な最小値をもたらさないように、流入弁が部分的に開放されている例示的な実施形態を示すが、代わりに、規定された最大値及び切り捨てられた最小値を有する波プロファイルを含み、それによって振動が最小化される。図示のように、制御されていないプロファイルは残留波をもたらし、制御されたプロファイルはチャンバ内の残留波の発生を軽減する。調整パラメータは、異なる水位プロファイル及び異なる性能特性を達成するために変えることができる。
【0065】
図9A及び図9Bは、本明細書に記載のチャンバ並びに制御システム及び方法を使用して波のプール内で発生された波の例示的な比較を示す。図9Aは、残留波の緩和をもたらす、本明細書に記載のチャンバ並びに制御システム及び方法を使用して発生された波を示す。図9Bは、残留波が発生させる、本明細書に記載のシステム及び方法の利益なしに発生された波を示す。
【0066】
図9C及び図9Dは、本明細書に記載のチャンバ並びに制御システム及び方法を使用して波のプール内で発生された潮流の例示的な比較を示す。残留波を緩和すると、プール内の潮流が大幅に減少し、図9C(制御あり)に示すように、より良好な波品質が可能になり、図9Dに示すように、制御を使用しない場合よりも良好で安全なゲスト/サーフィン体験が得られる。
【0067】
図11は、本発明の実施形態に係る波のプールの例示的な断面プロファイルを示す。例示的な波のプール70は、本明細書に記載の特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、システムは、プール床を有するプール64を含んでもよい。プール床は、ほぼ平坦な移行領域54を通じて第3の傾斜領域56に移行する、チャンバ62に隣接する第1の傾斜領域52などの1つ以上の異なる領域を有してもよい。チャンバ62は、本明細書で説明するように、1つ以上の弁22、23、24を介したチャンバへの水の出入りを制御することとしてもよい。
【0068】
例示的な実施形態において、波発生システムは、チャンバとプールとの間の水の流れを制御するための1つ以上の弁22、23、24を作動させるための、それに関連する制御システムを有してもよい。例示的な実施形態において、システムは、空気がチャンバから流出できるようにするための排気弁23と、空気がチャンバに流入できるようにするための噴射弁24とを含む。
【0069】
例示的な実施形態において、排気弁又は噴射弁を含む弁のうちの1つ以上は、システムの1つ以上のセンサと1つ以上の弁の位置との間の制御ループを容易にするために、比例積分微分(PID)コントローラ、比例積分(PI)コントローラ、又は比例微分(PD)コントローラなどの独立したコントローラに結合されてもよい。例示的な実施形態では、PIDコントローラが以下の式に従うこととしてもよい。
【0070】
【数1】
【0071】
誤差は、センサによって記録された弁角度と設定点との間の差であり得る。例示的な実施形態において、排気弁の位置におけるフィードバック制御ループは、圧力センサと設定圧力点との間の差に基づいてもよく、噴射弁の位置におけるフィードバック制御ループは、チャンバセンサ内の水位高さと設定高さポイントとの間の差に基づくももとしてもよい。図10Aは、弁位置を決定するために弁が比較される例示的なフィードバック制御ループを示す。
【0072】
図10Bは、噴射弁と共に使用するために設定された例示的な制御を示す。例示的な実施形態では、水がチャンバ内に戻ると、水位は最終的な高さに達するまで振動する。チャンバ内の水位振動は、吸気弁の開放を減少させることによってプレナムによりチャンバに与えられる圧力を減少させることで減衰されてもよい。水位は、水位トランスミッタによって測定されてもよい。空気圧は、全閉から全開(0から100%開)の間の位置制御を伴う弁によってチャンバに与えられてもよい。例示的な実施形態では、設定高さポイントまで水位に影響を与え、或いは高調波を減衰させるために、吸気弁の開放率が、PID、PI、又はPDループコントローラを使用して制御されてもよい。設定される水位点は、発生される波形又はサイズに基づいて決定されてもよい。設定高さポイントの選択は、波特性に影響を及ぼし、発生された波をより完全に調整するように調整されてもよい。
【0073】
本発明は、プレナムからチャンバに伝達される空気の量を制御するためにチャンバに取り付けられる位置制御弁を含む。チャンバに接続されるセンサのセットは、チャンバ内の水位を測定するための水位センサW、チャンバ内の圧力を測定するための圧力センサPを含むが、これらに限定されない。チャンバ内の温度を測定するための温度センサ、チャンバ内の湿度を測定するための湿度センサ、又は弁を通る流れの速度を測定するために弁に設置された流量センサなどの他のセンサも同様に使用され得る。1つ以上のファンによって加圧されたプレナムには、プレナム内の温度を測定するための温度センサが装備される。電力センサが、ファンモータによって引き出される電力量を測定するためにモータに接続される。或いは、これらのセンサは、モータ導線に設置されたアンペア数センサに置き換えることができる。可変周波数ドライブ(VFD)によって制御されるモータでは、センサの代わりにVFDによって計算されたデータを使用することができる。更に、機械室内の空気密度を測定するために、1つ以上の温度及び湿度センサが機械室内に設置される。
【0074】
図11に示されるように、チャンバに向かうプール64の終端部は、幅WWだけチャンバによって分離されてもよい。例示的な実施形態において、チャンバとプールとの間の分離は、観客の観察を可能にし得る。図示のように、プール64とチャンバ62との間の空間は、観察者が立つことを可能にする床78を含む。床は、チャンバに隣接する領域又はプールの残りの部分においてライダーのより良好な視界を与えるために、プール64の水位付近に配置されてもよく、又はより高く配置されてもよい。この領域は、歩行者又は観察者がプール内を通過できる又はプール内の動作を観察できるようにするために、屋根なし観覧席76又は他の着座領域又は通路を含んでもよい。
【0075】
例示的な実施形態において、チャンバとプールとの間の分離は、観客観察に加えて、又はその代わりにシステム構成要素の保管を可能にすることができる。例えば、通路66上にわたって位置されたプール64とチャンバ62との間の領域は、空気プレナム、ポンプ機器、送風機、電子機器、コントローラ、機器室、又は他のシステム構成要素のための空間を含んでもよい。図示のように、屋根なし観覧席又は着座領域は、機器室86を組み込むことができる。床78の下の空間、又はチャンバとプールとの間に配置された空間は、空気プレナム、電子機器、コントローラ、又は他の機器のための空間などの他の構成部品を含んでもよい。図示のように、プールとチャンバとの間の領域は、空気プレナム84のための空間を含み、チャンバ86の背後に電気室が配置される。
【0076】
例示的な実施形態では、プール64と、プールとチャンバ62との間の領域72との間の空間は、開放されていて閉塞されていなくてもよい。この場合、プールの波発生側の床78から、ライダー、泳者、及び、ライフガードがプール領域に進入できるようにしてもよい。例示的な実施形態において、壁74は、プールとチャンバとの間の空間をプール自体から分離するために、水の高さを超えて延びることができる。壁74は、通路入口上にわたるプールの側の延在部であってもよい。壁74は、プールの外側の位置でプール内のアクティビティの観察を可能にするために、アクリル、プラスチック、又は他の半透明又は透明の材料から成っていてもよい。壁74は、観察者が濡れたり、プールに誤って落ちたりするのを防ぐものとしてもよい。
【0077】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、水流を管理して潮流に影響を及ぼすための固有のプール構成を含んでもよい。そのような例示的な構成は、所望の波形を作り出して維持するとともに、プールの長さに沿って直列に又は波形間の経過時間を最小にする時間内に繰り返しの波形を可能にするのに有用となり得る。したがって、例示的な実施形態は、波の終わりに水を導くために、プールの浅い端部にラグーン及びトラフを含んでもよい。ラグーン又はトラフを使用して、プール内の潮流を吸収及び消散させてもよい。
【0078】
図1Aに関して前述したように、例示的な波のプール発生器は、プール領域と、プール領域内に波を発生させるための1つ以上のチャンバとを含んでもよい。波16は、チャンバから離れてプールの終端部に向かって伝播してもよい。プールの終端部は、ビーチ領域を近似するためにプールの傾斜した底部によって形成されてもよい。チャンバからの水の放出によって水がプール領域を横切って押圧されると、水は、終端部に向かって移動し、水が停止するまで傾斜した底部を横切って上昇し、最終的に重力の影響下で傾斜した底部に沿ってプール領域に戻る。しかしながら、プール内への水の戻りは、繰り返し波の発生を妨げる潮流を作り出す可能性がある。したがって、例示的な実施形態は、水の動きに対処するための更なる水特徴部を含んでもよい。
【0079】
図12は、チャンバから沿岸領域185に移動する波182を発生させるための、プール領域181及び1つ以上のチャンバ14を有する波のプールの例示的な実施形態を示す。沿岸領域は、プール領域181の水位とプール床とが合流するように、上向きにテーパ状のプール床によって形成されてもよい。到来波182は、水が沿岸に到達する位置が波の進行と共に変化するように、ビーチ領域185上に水を押し上げることとしてもよい。したがって、沿岸領域185は、水が所与の波の進行の下でビーチ領域185上に到達することができる最高レベル(又はチャンバから更に離れている)であり得る高水位ライン184を含んでもよい。高水位ライン184は、チャンバ放出タイミング、チャンバ内の圧力などを含む、波発生器の要因に依存し得る。低水位ラインは、水が波なしでプール床に自然に当接するビーチ領域185に沿った位置、又は波が発生されているときに水が当接する(チャンバに最も近い)最低位置であり得る。
【0080】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、プール床がビーチ領域185内の最も高い位置に達するラグーン又はトラフを含んでもよい。その後、床は、水が第2のプール領域183に捕捉され得るように後退又は下降することができる。第2のプール領域183は、ウォージングプール又はラグーンをもたらすために浅くてもよく、又は水を導くためのトラフ又はトレンチをもたらすためにより深くてもよい。第2のプール領域183は、ビーチ領域185を横断して第2のプール領域183に入る波182からプール領域181から水を捕捉するために使用されてもよい。この水捕捉は、プール領域181に戻る水を減少させ、後退する水から発生される潮流からの悪影響を減少させるものとしてもよい。
【0081】
第2のプール領域183に移行する前のビーチ領域の最高点は、プール領域181の低水位ラインと高水位ラインとの間で、低水位ラインに隣接して、低水位ラインにおいて、又はビーチ領域に沿ったこれらの組み合わせにおいて生じ得る。例えば、図示されるように、ビーチ領域185の側方外縁上のビーチ領域の最高点は、低水位線に隣接していても、低水位ライン内にあってもよく、それにより、プール領域181及び第2のプール領域183は、波の発生にかかわらず流体連通し得る。プールの中央領域に向かうビーチ領域の最高点は、プール領域181及び第2のプール領域183が、プールが間隙を介して流体連通しないように(しかし、ビーチ領域に沿った他の領域を介してもよい)、高められた床の間隙186によって分離されるように、高水位ライン184の外側又は高水位ラインにあってもよい。また、ビーチ領域の最高点は、低水位ラインと高水位レイターとの間にあってもよく、それにより、プール領域181及び第2のプール領域183は、波が発生されてビーチ領域を伝搬するときにのみ、ビーチ領域の一部に沿って流体連通している。この場合、水は、沿岸に押し上げられるときに捕捉され、出口位置から直接プール領域181に戻らない。
【0082】
図12に示されるように、第2のプール領域183からの第1のプール領域181の相対位置及び分離の組み合わせが用いられてもよい。図示されるように、第1のプール領域及び第2のプール領域は、外側横方向縁部からビーチ領域の中間に向かってビーチ領域の長さに沿った波の発生中に流体連通することとしてもよい。第1のプール領域181と第2のプール領域183との間のプール床の最も高い高さ位置は、低水位ライン又は低水位ラインと高水位ラインとの間にほぼ等しくてもよい。プール領域の中心に向かって、第1のプール領域181と第2のプール領域183との間のプール床の最も高い高さ位置が高水位ライン以上であるように、第1のプール領域181は、第2のプール領域183から間隙186を有して分離されてもよい。
【0083】
図12に示すように、追加のプール特徴も含まれ得る。例えば、ラグーン187が、第2のプール領域183及び第1のプール領域181と流体連通してもよい。ラグーン187は、水が第2のプール領域183から第1のプール領域181に逆流できるようにするための浅い領域であってもよい。矢印によって示されるように、水は、波が発生されるときに第1のプール領域から水が捕捉されるように、第2のプール領域183を通して制御されてもよい。次いで、水は、第2のプール領域183に沿って移動し、所望の位置で第1のプール領域に再循環される。図12に示されるように、所望の位置は、ビーチ領域の中央領域内にあってもよい。図14に示すように、水は、第2のプール領域から除去され、システム内のどこにでも再導入され得る。図15に示すように、水は、第2のプール領域に沿って移動し、第1のプール領域の側方などのプールの他の領域に再導入されてもよい。
【0084】
波発生器の例示的な実施形態は、第2のプール領域又はラグーン又は他の水特徴部に隣接するビーチ領域188を含んでもよく、このビーチ領域では、水が届かず、観客が集まるものとしてもよい。プール領域181の側面など、波発生器の他の側面に沿って他の観察領域189が設けられてもよい。
【0085】
したがって、例示的な実施形態は、波エネルギーが所望の水位(低水位ラインなど)に対応する床高さを越えて第2のプール領域に流れ込むプール構成を含んでもよい。第2のプール領域は、より深いラグーン又はトラフであってもよい。第2のプール領域は、波を作り出すために使用されるメインプール又はプールから潮流を吸収して散逸させるように構成されてもよい。例示的な実施形態では、メインプール及び2次プールは、深水チャネルを介して流体接続されてもよく、それにより、サージタンク又はポンプを必要とせずにメインプール及び2次プールの水位を同等の高さに維持する。
【0086】
図13は、波192から作り出されたエネルギーを散逸させるための第1のプール領域191及び第2のプール領域193を有する代替的なプール構成を示す。メイン又は第1のプール領域191は、波が発生されてビーチ領域195に沿って消散するときに低水位ライン及び高水位ラインを含んでもよい。第1のプール領域191と第2のプール領域193とが流体連通することができる所望の水位ライン194が選択されてもよい。この所望の水位ライン194は、ビーチ領域の長さに沿って、低水位ラインにあっても、低水位ラインの下方にあっても、もしくは低水位ラインと高水位ラインとの間にあっても、又はこれらの組み合わせにあってもよい。この所望の水位ライン194は、第1のプール領域と第2のプール領域との間の地点におけるプール床の最も高い高さに対応し得る。図12の図示と同様に、第1のプール領域191の一部と第2のプール領域193との間に、ビーチ領域の長さに沿って間隙196が形成されてもよい。
【0087】
図13の実施形態は、ビーチ領域195の対向する端部において、メインプール191の側面に隣接するビーチ領域に、より大きなラグーン領域を形成してもよい。したがって、第2のプール領域は、メインプール領域191内に延びる傾斜を備えてもよい。次いで、第2のプール領域193は、ビーチ領域の中間の位置でメインプール領域に再進入するために、波発生器の中心に向かうチャネルを作り出してもよい。
【0088】
例示的な実施形態では、波発生器は、深水戻りチャネル197を含んでもよい。深水戻りチャネル197は、第2のプール193のうちの1つ以上をメインプール191のビーチ領域195から離れたメインプールと流体的に結合してもよい。図示されているように、深水戻りチャネル197は、第1のプール191のビーチ領域195の下に入り、チャンバに隣接する、又はビーチ領域よりもチャンバに近い第1のプール191の床に流体結合する。
【0089】
したがって、例示的な実施形態は、第1のプール及び1つ以上の第2のプールを有する波発生器を含んでもよい。第1のプール及び1つ以上の第2のプールは、第1のプールからの波エネルギーが所望の水位ライン又は水位を超えて1つ以上の第2のプールに流れ込むように構成され得る。図示されるように、2つの第2のプールは、第1のプールのビーチ領域の対向する端部に使用されてもよい。その後、第2のプール領域は、水位及びメインプールからの水流を吸収して消散させ得る戻りチャネルを深くして提供することとしてもよい。例示的な実施形態では、水が第1のプールに戻されてもよい。
【0090】
図14は、波112から作り出されたエネルギーを散逸させるための、第1のプール領域111及び第2のプール領域113を有する代替的なプール構成を示す。メインプール領域又は第1のプール領域111は、波が発生されてビーチ領域115に沿って消散するように、低水位ライン(L)及び高水位ライン(H)を含んでもよい。第1のプール領域111と第2のプール領域113とが流体連通することができる所望の水位ライン114が選択されてもよい。この所望の水位ライン114は、ビーチ領域の長さに沿って、低水位ラインにあり、低水位ラインの下方にあり、又は低水位ラインと高水位ラインとの間にあり、又はこれらの組み合わせにあってもよい。この所望の水位ライン114は、第1のプール領域と第2のプール領域との間の地点におけるプール床の最も高い高さに対応し得る。図9の図示と同様に、第1のプール領域111の一部と第2のプール領域113との間に、ビーチ領域の長さに沿って間隙116が形成されてもよい。
【0091】
図14の例示的な実施形態では、1つ以上の第2のプールからの水は、波発生器又はメインプール111から除去され得る。この場合、水は、汚水槽又は他の水特徴部、例えば、停滞した河川又は歩行プールに向けられてもよい。例示的な実施形態において、この他の水体は、水が1つ以上の第2のプール又はそれによって作り出されたチャネルからこの他の水体に流出できるようにするために、より低い静的水位を有することができる。例示的な実施形態では、この他の水体からの水は、メインプール111又はチャンバ14にポンプで戻されてもよい。流量及びポンプ入口位置は、プール構成又は他の水本体特徴に応じて変化し得る。
【0092】
例示的な実施形態では、第2のプール領域113がカバーされてもよい。第2のプール領域は、波の間にメインプール111から溢れ出るときに水を捕捉することができる、より深いチャネルを備える。第2のプール領域(複数可)は、水が通過することができるが、客が第2のプール領域(複数可)の上を歩いてもよいように、穿孔床によって覆われてもよい。したがって、第2のプール領域(複数可)の全部又は一部は、水上アトラクションのアクティビティ領域の一部として使用されなくてもよい。代わりに、第2のプール領域は、ビーチ領域の下に配置されてもよい。
【0093】
本明細書で提供される例示的な実施形態は、波エネルギーが静水位仕切を越えて1つ以上の第2のプール領域にフラッシングされ得る波発生器を含む。したがって、潮流は、メインプールよりも低い静水位で水溜め又は他の水特徴部に流出され得る。その後、水は、運転水位を維持するために、水溜め又は特徴部からプール内に戻されてもよい。
【0094】
図15は、波1112から作り出されたエネルギーを散逸させるための第1のプール領域1111及び第2のプール領域1113を有する、代替的なプール構成を示す。メインプール領域又は第1のプール領域1111は、波が発生されてビーチ領域1115に沿って消散するように、低水位ライン(L)及び高水位ライン(H)を含んでもよい。第1のプール領域1111と第2のプール領域1113とが流体連通することができる、所望の水位ライン1114が選択されてもよい。この所望の水位ライン1114は、ビーチ領域の長さに沿って、低水位ラインにあっても、低水位ラインの下方にあっても、又は低水位ラインと高水位ラインとの間にあっても、もしくはこれらの組み合わせにあってもよい。この所望の水位ライン1114は、第1のプール領域と第2のプール領域との間の地点における、プール床の最も高い高さに対応し得る。この例示的な実施形態では、所望の水位ライン1114は、ビーチ領域の長さの一部に関して低水位ライン以下にあり、ビーチ領域の長さの別の部分に沿った高水位ラインにほぼ等しい。例示的な実施形態では、所望の水位ラインは、第1のプールと第2のプールとの間に間隙が形成されないように、又は水発生中に第1のプールと第2のプールとの間に間隙が一時的にのみ形成されるように、ビーチ領域の全長に沿って低水位ライン又は低水位ラインと高水位ラインとの間にあってもよい。
【0095】
図15の矢印によって示されるように、1つ以上の第2のプールにおける水流は、メインプール1111の側方側へのビーチ領域の対向する側方端部に向かっていてもよい。第2のプール1113は、プール1111の側面に沿って延びてもよく、第1のプール1111と流体連通してもよい。例示的な実施形態では、メインプール1111の底部は、側壁の下縁に沿って、又はプール1111の床を通って、第2のプール1113に流体結合するためのグリル又は開口部を含んでもよい。水は、第1のプール1111の下部又は底部を通って第1のプール1111に戻されてもよい。
【0096】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、波エネルギーが所望の水位の高さを有する仕切を越えて2次プール内に流され得る波発生器を含んでもよい。2次プールは、カバーを有するチャネルを備えてもよい。カバーは、水がカバーを横断することを可能にし得るが、人又は身体部分がカバーを横断することを可能にし得ない。例示的な実施形態では、カバーは、第1のプールのビーチ領域内にチャネルを隠すことができる。例示的な実施形態では、チャネル内の潮流を減少させることができる。チャネルと第1のプールとは、プール底部の開口部を介して流体接続されてもよく、これにより、2つの水体がポンピングすることなく等しい水位を維持することが可能になる。ユーザ及び客はまた、チャネルのカバーを横切ってもよい。
【0097】
メインプール内の波エネルギーを散逸させ、潮流を制御するためのシステム及び方法の例示的な構成が、本明細書に提供される。図示的な組み合わせは、単なる例として提供されている。任意の例示的な特徴は、他の例示的な特徴の任意の組み合わせと共に使用されてもよい。例えば、任意の代表的な例は、第2のプールとしての歩行プール又はラグーンとして機能し得る浅い開放プールを含んでもよい。任意の代表的な例は、第2のプールがアクティビティセクションを作成しないようにカバーを有するチャネルを含んでもよい。任意の代表的な例は、第2のプールを第1のプールの床に結合するための深水戻りチャネルを含むことができる。任意の代表的な例は、流体の流れを支援し、水を所望の方向に移動させるための1つ以上のポンプを含んでもよい。任意の代表的な例は、波の発生全体の間に流体連通する第1及び第2のプールを有してもよい。任意の代表的な例は、第1のプールからの水が所望の水位ラインを越えて第2のプール内に溢れ出ることができるようにするために、第1のプールの上部を第2のプールの上部から分離する所望の水位ラインの任意の構成を有してもよい。例えば、任意の代表的な例は、第1のプールと1つ以上の第2のプールとの間の長さのある長さに沿って、低水位ラインの下に、低水位ラインにほぼ等しい、低水位ラインと高水位ラインとの間に、又は高水位ラインの上、もしくはそれらの任意の組み合わせに所望の水位ラインを配置してもよい。
【0098】
例示的な実施形態は、プール領域と、プール領域内に水を放出してプール領域内に波を発生させるための、プール領域の片側の複数のチャンバと、を有するプール波発生器を含んでもよい。プール領域は、第1の直線壁を含んでもよく、複数のチャンバは、第1の直線壁の全長に沿ってプール領域に水を放出するように構成される。また、プール領域は、第1の直線壁の終端部から斜めの角度で延在する2つの側方側壁をも含んでよい。
【0099】
また、例示的な実施形態は、プール領域を有するプール波発生器と、プール領域を横切って伝播する波を発生させる任意の方法と、を含んでもよい。また、プール波発生器は、1つ以上の第2のプール領域をも含んでよい。第1のプール領域及び第2のプール領域は、所望の水位の高さを有する仕切によって分離されてもよい。仕切の高さは、第1のプール領域と第2のプール領域との間の仕切の長さに沿って変更してもよい。仕切の高さは、波の発生中にプール領域の低い水位、波が発生されていないときにプール領域の静止水位、波の発生中にプール領域の低い水位以上、波の発生中にプール領域の高い水位未満、及びそれらの組み合わせであってもよい。
【0100】
第2のプールは、チャンバからプール領域にわたって配置されてもよい。第2のプールは、水がプール領域の長さにわたって横断して移動するためのチャネルを作り出し、波の後にプール領域を出る水の出口位置でプールに戻される水の量を最小にするように構成され得る。第2のプールは、波の間にプール領域から出る水を受けて、プール領域に水が直接戻るのを最小限に抑えるように配置されてもよい。
【0101】
第2のプールは、第1のプール領域の床の下に配置された深いチャネルを通して第1のプール領域と流体連通してもよい。
【0102】
第2のプールに受け入れられた水は、別の水構造に迂回されてもよい。例えば、他の水構造は、歩行プール、プール、緩慢な川、又はそれらの組み合わせなどの別個の水アクティビティ領域であってもよい。
【0103】
第2のプールはチャネルを備えてもよい。チャネルは、プール領域の側面の周りに延びるように構成されてもよい。チャネルは、プール領域の底部でチャネルからプール領域に水を再導入するように構成されてもよい。
【0104】
第2のプールはカバーされてもよく、カバーは、流体がそこを通って流れることを可能にするが、身体部分がカバーを横切ることを防止するための穿孔を含む。
【0105】
図16は、図4と同様の例示的な床底部の一部を示す。図示のように、プール床は、プールの中央に戻りチャネル1201を含んでもよい。戻りチャネルは、本明細書で説明するように、第1又は第2のプールからの現在の移動を容易にするための床輪郭であってもよい。例えば、例示的な床は、戻り水がプールに戻る滑らかな移行を可能にする連続テーパ領域を含んでもよい。戻りチャネル1201は、渦潮流と同様の現象を促進するものとしてもよい。戻りチャネル1201の全部又は一部は、1つ以上の位置又は長さにおいて、戻りチャネルの対向する側方のプール床に対して低い高さにあってもよい。
【0106】
図17は弁セットを示し、弁セットは、1つ以上の弁1702を含み、1つ以上の弁1702には、弁が0度(全開)又は90度(全閉)に、及び弁の位置が主コントローラ信号によってアクチュエータコントローラに与えられるその間のどこかに開くことを可能にする位置制御アクチュエータ1701設けられている。信号に応じたアクチュエータの反応は、アクチュエータコントローラを介して調整することができる。図17に示すように、弁1702は全開である。
【0107】
図18は、例示的なスロットル特性を示しており、開度の増加に伴う弁を通した圧力降下又はスロットルの増加を示している。弁の開度を制御することにより、弁を通る圧力降下、及び弁を通って送られる空気の量を制御することができる。
【0108】
図19は、目標水位を満たすために必要な弁の角度の計算を説明するブロック図である。既知の流体力学の法則を使用して、水位目標に基づいて弁開放を計算し、チャンバ内の現在の水位、チャンバ内の圧力、プレナム内の温度、ファンモータによって消費される電力、ならびに機械室の温度及び湿度を測定するコントローラ方法が示される。Zsetは、ユーザインタフェースから受信される目標高さである。Zは、センサによって測定される実際の水位である。誤差はeinで示され、これはZsetとZとの差である。誤差は、目標に到達するのに必要な角度を計算し、次いで弁を適切な程度まで開くべくアクチュエータに信号を送信する。このプロセスは、システムが絶えず測定し、再計算し、必要に応じて調整を行なうにつれて繰り返す。
【0109】
図20A図20Dは、図19に示す点1、2、及び3のそれぞれにおける弁の位置及びシステム及び方法の水位を示す。ステップ3の終わりに、システムは前述のように繰り返す。これらの図面には特定のセンサが示されかつ説明されているが、前述のように、追加の又は代替のセンサが使用されてもよい。
【0110】
図21は、異なるチャンバ内の水位の漸進的変化を示す。前述したように、プール波発生器及びプールは、同じプール内で2つの波を発生させるように構成されてもよい。例えば、1つの波はプールのほぼ左側に向かって移動し、第2の波はプールのほぼ右側に向かって移動する。本発明は、チャンバ内に異なる水位目標を有する能力を可能にし、チャンバが同時に異なるサイズの波を作り出すことを可能にする。例えば、より熟練したライダーはより大きな波を望むかもしれないが、同じプール内の初心者のライダーはより小さな波を望むであろう。図21はこのシナリオを示しており、第1の波はより大きな振幅を発生し、第2の波は比較的小さい。これにより、プールは、異なるスキルレベルグループを同時にホストすることができ、ピーク電力消費を低減することができる。
【0111】
図22は、所与の機器設定で通常可能なよりも大きい最大振幅を有する波を作り出す方法を示す。この方法では、チャンバ内の水位の上昇が制御され、システムが第1の小さな振幅の波(励起)を作り出して水を動かし、その後により大きな波を作り出すことを可能にする。図22に示すように、破線は、所与のシステムの最大波振幅を示す。最大波高は、制御されていない方法と比較して25%増加させることができ、その結果、通常の最大振幅を超える波が生じる。また前述したように、弁が全閉状態と全開状態との間で移行するべく構成されるように、弁がこの構成で使用される場合、チャンバ内の空気はばねとして作用することができる。チャンバ内の水が最大高さ又は最小高さに達すると、空気が圧縮されて放出されるときに水位が跳ね返り、振動波面を作り出す可能性がある。
【0112】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して十分に説明したが、様々な変更及び修正が当業者には明らかになることに留意すべきである。そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の実施形態の範囲内に含まれると理解されるべきである。具体的には、例示的な構成要素が本明細書に記載される。これらの成分の組み合わせは任意である。例えば、任意の構成要素、特徴、ステップ又は部品は、統合され、分離され、細分され、除去され、複製され、追加され、又は任意の組み合わせで使用され、本開示の範囲内にとどまることができる。実施形態は単なる例示であり、特徴の例示的な組み合わせを提供するが、それに限定されない。
【0113】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「備える」及び「備えている」という用語及びそれらの変形は、指定された特徴、ステップ又は整数が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ又は構成要素の存在を排除すると解釈されるべきではない。同様に、「及び」及び「又は」という単語は、特に明記しない限り、他の特徴、ステップ又は構成要素の存在を除外すると解釈されるべきではない。
【0114】
前述の説明、又は以下の特許請求の範囲、又は添付の図面に開示された特徴は、それらの特定の形態で、又は開示された機能を実行するための手段、又は開示された結果を達成するための方法もしくはプロセスに関して、必要に応じて、別個に、又はそのような特徴の任意の組み合わせで、本発明をその多様な形態で実現するために利用することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図21
図22
【国際調査報告】